JP2024003558A - 眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被検眼の眼底の形態を客観的に把握するための新たな技術を提供する。【解決手段】眼科情報処理装置は、フィッティング処理部と、表示制御部とを含む。フィッティング処理部は、被検眼の眼底における所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施す。表示制御部は、OCT画像における所定の領域と、フィッティング処理部により特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又はフィッティング処理部により特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段に表示させる。【選択図】図11

Description

本発明は、眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラムに関する。
近年、レーザー光源等からの光ビームを用いて被測定物体の表面形態や内部形態を表す画像を形成するOCTが注目を集めている。OCTは、X線CT(Computed Tomography)のような人体に対する侵襲性を持たないことから、特に医療分野や生物学分野における応用の展開が期待されている。例えば眼科分野においては、眼底や角膜等の画像を形成する装置が実用化されている。このようなOCTの手法を用いた装置(OCT装置)は被検眼の様々な部位の観察に適用可能であり、また高精細な画像を取得できることから、様々な眼科疾患の診断に応用されている。
眼底の広範囲の観察や眼疾患のスクリーニングなどには、広い視野で被検眼の眼底などの撮影又は計測が可能な装置が求められている。例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3には、眼底の広角のOCT画像を取得するための眼科装置の構成が開示されている。
特開2020-137672号公報 特開2021-016689号公報 特開2021-115038号公報
被検眼の広角の眼底画像を取得することが可能になると、眼底の形態を広範囲にわたって詳細に観察することができるようになる。しかしながら、従来では、眼底の形態を主観的に判断するしかなく、判断する医師等によって形態の判断のばらつきが生じていた。
眼底の形態を客観的に把握することができれば、近視進行や視力障害をもたらす疾患を高精度に予測したり、高精度な診断のサポート情報を提供したりすることができるようになると期待される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、被検眼の眼底の形態を客観的に把握するための新たな技術を提供することにある。
実施形態の1つの態様は、被検眼の眼底における所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施すフィッティング処理部と、前記OCT画像における所定の領域と、前記フィッティング処理部により特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は前記フィッティング処理部により特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段に表示させる表示制御部と、を含む、眼科情報処理装置である。
実施形態の別の態様は、光源からの光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記眼底に投射し、前記眼底からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出するOCT光学系と、前記干渉光の検出結果に基づいて前記OCT画像を形成する画像形成部と、上記の眼科情報処理装置と、を含む、眼科装置である。
実施形態の更に別の態様は、被検眼の眼底における所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施すフィッティング処理ステップと、前記OCT画像における所定の領域と、前記フィッティング処理ステップにおいて特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は前記フィッティング処理ステップにおいて特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段に表示させる表示制御ステップと、を含む、眼科情報処理方法である。
実施形態の更に別の態様は、コンピュータに、上記の眼科情報処理方法の各ステップを実行させる、プログラムである。
本発明によれば、被検眼の眼底の形態を客観的に把握するための新たな技術を提供することができる。
実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の光学系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の比較例の説明図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の処理系の構成の一例を示す概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作を説明するための概略図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例のフロー図である。 実施形態に係る眼科装置の動作例のフロー図である。
この発明に係る眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラムの実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態において、この明細書において引用されている文献に記載された技術を任意に援用することが可能である。
実施形態に係る眼科情報処理装置は、被検眼の眼底における所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT(Optical Coherence Tomography)画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施す。眼科情報処理装置は、OCT画像における所定の領域と、2次元の楕円近似処理(フィッティング処理)により特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの上記の所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は3次元の楕円体近似処理(フィッティング処理)により特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの上記の所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段に表示させことが可能である。
これにより、眼底における注目領域のサイズや位置を、OCTスキャン範囲等の眼科装置固有のパラメータではなく、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。以下、楕円中心角度と楕円体中心角度とをまとめて「楕円中心角度」と表記する場合がある。
いくつかの実施形態では、所定の層領域は、網膜外層又は強膜を含む。しかしながら、所定の層領域は、網膜を構成する層領域であってよい。網膜を構成する層領域の例として、内境界膜、神経繊維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層、ブルッフ膜、脈絡膜、強膜がある。
いくつかの実施形態では、OCTスキャンを行うための測定光の進行方向に沿うAスキャン画像がスキャン中心から放射状にのびるように形状補正が行われたOCT画像に対して上記の楕円近似処理又は楕円体近似処理が施される。これにより、眼底における注目領域のサイズや位置を、眼球内の角度範囲を正確に表す楕円中心角度又は楕円体中心角度により高精度に把握することができるようになる。
OCT画像は、例えば、OCT光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼に測定光を投射し、被検眼からの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光との干渉光の検出結果に基づいて形成される。いくつかの実施形態では、眼底に対して互いに隣接して異なる2以上のスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより得られた2以上のOCT画像が合成された合成画像(パノラマ画像)である。いくつかの実施形態では、眼科情報処理装置は、外部に設けられたOCT装置により得られたOCT画像を取得するように構成される。いくつかの実施形態では、眼科情報処理装置の機能は、OCT画像を取得可能な眼科装置により実現される。
実施形態に係る眼科情報処理方法は、上記の眼科情報処理装置により実行される1以上のステップを含む。実施形態に係るプログラムは、実施形態に係る眼科情報処理方法の各ステップをコンピュータ(プロセッサ)に実行させる。実施形態に係る記録媒体は、実施形態に係るプログラムが記録(記憶)されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体(記憶媒体)である。
本明細書において、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を含む。プロセッサは、例えば、記憶回路又は記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。記憶回路又は記憶装置がプロセッサに含まれていてよい。また、記憶回路又は記憶装置がプロセッサの外部に設けられていてよい。
以下の実施形態では、実施形態に係る眼科情報処理装置の機能を含む眼科装置を例に説明する。実施形態に係る眼科装置は、少なくとも光干渉断層計の機能を有する眼科撮影装置を含む。いくつかの実施形態の眼科装置に含まれる眼科撮影装置は、更に、例えば、眼底カメラ、走査型光検眼鏡、スリットランプ検眼鏡、手術用顕微鏡等のうちのいずれか1つ以上の機能を実現するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態に係る眼科装置は、眼科撮影装置に加えて、眼科測定装置及び眼科治療装置のうちのいずれか1つ以上を含む。いくつかの実施形態の眼科装置に含まれる眼科測定装置は、例えば、眼屈折検査装置、眼圧計、スペキュラーマイクロスコープ、ウェーブフロントアナライザ、視野計、マイクロペリメータ等のうちのいずれか1つ以上である。いくつかの実施形態の眼科装置に含まれる眼科治療装置は、例えば、レーザー治療装置、手術装置、手術用顕微鏡等のうちのいずれか1つ以上である。
以下の実施形態では、眼科装置は、光干渉断層計と眼底カメラとを含む。この光干渉断層計にはスウェプトソースOCTが適用されているが、OCTのタイプはこれに限定されず、他のタイプのOCT(スペクトラルドメインOCT、タイムドメインOCT、アンファスOCT等)が適用されてもよい。
以下、x方向は、対物レンズの光軸方向に直交する方向(左右方向)であり、y方向は、対物レンズの光軸方向に直交する方向(上下方向)であるものとする。z方向は、対物レンズの光軸方向であるものとする。なお、以下の実施形態において、説明の便宜上、z方向は、図1のz方向と反対の方向を表す場合がある。
<構成>
〔光学系〕
図1に示すように、眼科装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含む。眼底カメラユニット2には、被検眼Eの正面画像を取得するための光学系や機構が設けられている。OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系や機構の一部が設けられている。OCTを実行するための光学系や機構の他の一部は、眼底カメラユニット2に設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算や制御を実行する1以上のプロセッサを含む。これらに加え、被検者の顔を支持するための部材(顎受け、額当て等)や、OCTの対象部位を切り替えるためのレンズユニット(例えば、前眼部OCT用アタッチメント)等の任意の要素やユニットが眼科装置1に設けられてもよい。更に、眼科装置1は、一対の前眼部カメラ5A及び5Bを備える。
いくつかの実施形態では、眼科装置1は、表示装置3を含む。表示装置3は、演算制御ユニット200による処理結果(例えば、OCT画像等)や、眼底カメラユニット2により得られた画像や、眼科装置1を操作するための操作ガイダンス情報などを表示する。
[眼底カメラユニット2]
眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efを撮影するための光学系が設けられている。取得される眼底Efの画像(眼底画像、眼底写真等と呼ばれる)は、観察画像、撮影画像等の正面画像である。観察画像は、近赤外光を用いた動画撮影により得られる。撮影画像は、フラッシュ光を用いた静止画像、又は分光画像(分光眼底画像、分光前眼部画像)である。更に、眼底カメラユニット2は、被検眼Eの前眼部Eaを撮影して正面画像(前眼部画像)を取得することができる。
眼底カメラユニット2は、照明光学系10と撮影光学系30とを含む。照明光学系10は被検眼Eに照明光を照射する。撮影光学系30は、被検眼Eからの照明光の戻り光を検出する。OCTユニット100からの測定光は、眼底カメラユニット2内の光路を通じて被検眼Eに導かれ、その戻り光は、同じ光路を通じてOCTユニット100に導かれる。
照明光学系10の観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて被検眼E(眼底Ef又は前眼部Ea)を照明する。被検眼Eからの観察照明光の戻り光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、撮影合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この戻り光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりイメージセンサ35の受光面に結像される。イメージセンサ35は、所定のフレームレートで戻り光を検出する。なお、撮影光学系30のフォーカスは、眼底Ef又は前眼部Eaに合致するように調整される。
撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。被検眼Eからの撮影照明光の戻り光は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりイメージセンサ38の受光面に結像される。
表示装置3には、イメージセンサ35により検出された眼底反射光に基づく画像(観察画像)が表示される。なお、撮影光学系30のピントが前眼部に合わせられている場合、被検眼Eの前眼部の観察画像が表示される。また、表示装置3には、イメージセンサ38により検出された眼底反射光に基づく画像(撮影画像、分光眼底画像)が表示される。なお、観察画像を表示する表示装置3と撮影画像を表示する表示装置3は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。被検眼Eを赤外光で照明して同様の撮影を行う場合には、赤外の撮影画像が表示される。
LCD(Liquid Crystal Display)39は固視標や視力測定用視標を表示する。LCD39から出力された光束は、その一部がハーフミラー33Aにて反射され、ミラー32に反射され、撮影合焦レンズ31を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光束は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。
LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。固視位置の例として、黄斑を中心とする画像を取得するための固視位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための固視位置や、黄斑と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための固視位置や、黄斑から大きく離れた部位(眼底周辺部)の画像を取得するための固視位置などがある。いくつかの実施形態に係る眼科装置1は、このような固視位置の少なくとも1つを指定するためのGUI(Graphical User Interface)等を含む。いくつかの実施形態に係る眼科装置1は、固視位置(固視標の表示位置)をマニュアルで移動するためのGUI等を含む。
移動可能な固視標を被検眼Eに提示するための構成はLCD等の表示装置には限定されない。例えば、光源アレイ(発光ダイオード(LED)アレイ等)における複数の光源を選択的に点灯させることにより、移動可能な固視標を生成することができる。また、移動可能な1以上の光源により、移動可能な固視標を生成することができる。
フォーカス光学系60は、被検眼Eに対するフォーカス調整に用いられるスプリット指標を生成する。フォーカス光学系60は、撮影光学系30の光路(撮影光路)に沿った撮影合焦レンズ31の移動に連動して、照明光学系10の光路(照明光路)に沿って移動される。反射棒67は、照明光路に対して挿脱可能である。フォーカス調整を行う際には、反射棒67の反射面が照明光路に傾斜配置される。LED61から出力されたフォーカス光は、リレーレンズ62を通過し、スプリット指標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65により反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。フォーカス光の眼底反射光は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってイメージセンサ35に導かれる。その受光像(スプリット指標像)に基づいてマニュアルフォーカスやオートフォーカスを実行できる。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用光路とOCT用光路とを合成する。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。OCT用光路(測定光の光路)には、OCTユニット100側からダイクロイックミラー46側に向かって順に、コリメータレンズユニット40、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44、及びリレーレンズ45が設けられている。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT用光路の長さを変更する。この光路長の変更は、眼軸長に応じた光路長補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、コーナーキューブと、これを移動する機構とを含む。
光スキャナ42は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。光スキャナ42は、OCT用光路を通過する測定光LSを偏向する。光スキャナ42は、例えば、2次元走査が可能なガルバノスキャナである。
OCT合焦レンズ43は、OCT用の光学系のフォーカス調整を行うために、測定光LSの光路に沿って移動される。撮影合焦レンズ31の移動、フォーカス光学系60の移動、及びOCT合焦レンズ43の移動を連係的に制御することができる。
[前眼部カメラ5A及び5B]
前眼部カメラ5A及び5Bは、例えば特開2013-248376号公報に記載された手法と同様に、眼科装置1の光学系と被検眼Eとの間の相対位置を求めるために用いられる。前眼部カメラ5A及び5Bは、光学系が格納された筐体(眼底カメラユニット2等)の被検眼E側の面に設けられている。眼科装置1は、前眼部カメラ5A及び5Bにより異なる方向から実質的に同時に取得された2つの前眼部画像を解析することにより、光学系と被検眼Eとの間の3次元的な相対位置を求める。2つの前眼部画像の解析は、特開2013-248376号公報に開示された解析と同様であってよい。また、前眼部カメラの個数は2以上の任意の個数であってよい。
本例では、2以上の前眼部カメラを利用して被検眼Eの位置(つまり被検眼Eと光学系との相対位置)を求めているが、被検眼Eの位置を求めるための手法はこれに限定されない。例えば、被検眼Eの正面画像(例えば前眼部Eaの観察画像)を解析することにより、被検眼Eの位置を求めることができる。或いは、被検眼Eの角膜に指標を投影する手段を設け、この指標の投影位置(つまり、この指標の角膜反射光束の検出状態)に基づいて被検眼Eの位置を求めることができる。
[OCTユニット100]
図2に例示するように、OCTユニット100には、スウェプトソースOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系は、干渉光学系を含む。この干渉光学系は、波長可変光源(波長掃引型光源)からの光を測定光と参照光とに分割する機能と、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを重ね合わせて干渉光を生成する機能と、この干渉光を検出する機能とを備える。干渉光学系により得られた干渉光の検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、例えば、出射光の波長を高速で変化させる近赤外波長可変レーザーを含む。光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏光状態が調整される。偏光状態が調整された光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。コーナーキューブ114は、参照光LRの入射方向に移動可能であり、それにより参照光LRの光路長が変更される。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバ117に入射する。光ファイバ117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏光状態が調整され、光ファイバ119によりアッテネータ120に導かれて光量が調整され、光ファイバ121によりファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127により導かれてコリメータレンズユニット40により平行光束に変換され、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44及びリレーレンズ45を経由する。リレーレンズ45を経由した測定光LSは、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて被検眼Eに入射する。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。なお、測定光LSが入射する光ファイバ127の入射端は、被検眼Eの眼底Efと略共役な位置に配置される。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを合成して(干渉させて)干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、所定の分岐比(例えば1:1)で干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオードである。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを含み、これらフォトディテクタにより得られた一対の検出結果の差分を出力する。検出器125は、この出力(検出信号)をDAQ(Data Acquisition System)130に送る。
DAQ130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、波長可変光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。DAQ130は、検出器125から入力される検出信号をクロックKCに基づきサンプリングする。DAQ130は、検出器125からの検出信号のサンプリング結果を演算制御ユニット200に送る。
本例では、測定光LSの光路(測定光路、測定アーム)の長さを変更するための光路長変更部41と、参照光LRの光路(参照光路、参照アーム)の長さを変更するためのコーナーキューブ114の双方が設けられている。しかしながら、光路長変更部41とコーナーキューブ114のいずれか一方のみが設けられもよい。また、これら以外の光学部材を用いて、測定光路長と参照光路長との差を変更することも可能である。
〔処理系〕
図3、図4、図6、及び図10に、眼科装置1の処理系の構成例を示す。図3、図4、図6、及び図10において、眼科装置1に含まれる構成要素の一部が省略されている。図3は、眼科装置1の処理系の機能ブロック図の一例を表す。図3において、図1及び図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図4は、図3のデータ処理部230の機能ブロック図の一例を表す。図6は、図4の形状補正部232の機能ブロック図の一例を表す。図10は、図4の楕円中心角度処理部235の機能ブロック図の一例を表す。
図5に、実施形態の比較例に係る眼科装置の動作説明図を示す。図7~図9に、実施形態に係る形状補正部232の動作説明図を表す。
制御部210、画像形成部220及びデータ処理部230は、例えば、演算制御ユニット200に設けられる。
(制御部210)
制御部210は、各種の制御を実行する。制御部210は、主制御部211と記憶部212とを含む。
(主制御部211)
主制御部211は、プロセッサ(例えば、制御プロセッサ)を含み、眼科装置1の各部(図1~図4、図6、及び図10に示された各要素を含む)を制御する。例えば、主制御部211は、図1~図2に示す眼底カメラユニット2の光学系の各部、OCTユニット100の光学系の各部、前眼部カメラ5A、5B、上記の光学系を移動する移動機構150、画像形成部220、データ処理部230、及びユーザーインターフェイス(User Interface:UI)240を制御する。
眼底カメラユニット2に対する制御には、合焦駆動部31A、43Aに対する制御、イメージセンサ35、38に対する制御、LCD39に対する制御、光路長変更部41に対する制御、及び光スキャナ42に対する制御が含まれる。
合焦駆動部31Aに対する制御には、撮影合焦レンズ31を光軸方向に移動する制御が含まれる。合焦駆動部43Aに対する制御には、OCT合焦レンズ43を光軸方向に移動する制御が含まれる。
イメージセンサ35、38に対する制御には、撮像素子に対する受光感度の制御、フレームレート(受光タイミング、露光時間)の制御、受光領域(位置、大きさ、サイズ)の制御、撮像素子に対する受光結果の読み出し制御などがある。
LCD39に対する制御には、固視位置の制御が含まれる。例えば、主制御部211は、手動又は自動で設定された固視位置に対応するLCD39の画面上の位置に固視標を表示する。また、主制御部211は、LCD39に表示されている固視標の表示位置を(連続的に又は段階的に)変更することができる。それにより、固視標を移動することができる(つまり、固視位置を変更することができる)。固視標の表示位置や移動態様は、マニュアルで又は自動的に設定される。マニュアルでの設定は、例えばGUIを用いて行われる。自動的な設定は、例えば、データ処理部230により行われる。
光路長変更部41に対する制御には、測定光LSの光路長を変更する制御が含まれる。主制御部211は、光路長変更部41のコーナーキューブを駆動する駆動部を制御することで測定光LSの光路に沿って光路長変更部41を移動し、測定光LSの光路長を変更する。
光スキャナ42に対する制御には、スキャンモード、スキャン範囲(スキャン開始位置、スキャン終了位置)、スキャン速度などの制御がある。主制御部211は、光スキャナ42に対する制御を行うことで、計測部位(撮影部位)における所望の領域に対して測定光LSでOCTスキャンを実行することができる。
また、主制御部211は、観察光源11、撮影光源15、フォーカス光学系60などを制御することが可能である。
OCTユニット100に対する制御には、光源ユニット101に対する制御、参照駆動部114Aに対する制御、検出器125に対する制御、DAQ130に対する制御が含まれる。
光源ユニット101に対する制御には、光源のオン及びオフの制御、光源から出射される光の光量の制御、波長掃引範囲の制御、波長掃引速度、各波長成分の光の出射タイミングの制御などがある。
参照駆動部114Aに対する制御には、参照光LRの光路長を変更する制御が含まれる。主制御部211は、参照駆動部114Aを制御することで参照光LRの光路に沿ってコーナーキューブ114を移動し、参照光LRの光路長を変更する。
検出器125に対する制御には、検出素子に対する受光感度の制御、フレームレート(受光タイミング)の制御、受光領域(位置、大きさ、サイズ)の制御、検出素子に対する受光結果の読み出し制御などがある。
DAQ130に対する制御には、検出器125により得られた干渉光の検出結果の取り込み制御(取り込みタイミング、サンプリングタイミング)、取り込まれた干渉光の検出結果に対応した干渉信号の読み出し制御などがある。
前眼部カメラ5A、5Bに対する制御には、各カメラの受光感度の制御、フレームレート(受光タイミング)の制御、前眼部カメラ5A、5Bの同期制御などがある。
移動機構150は、例えば、少なくとも眼底カメラユニット2(光学系)を3次元的に移動する。典型的な例において、移動機構150は、少なくとも眼底カメラユニット2をx方向(左右方向)に移動するための機構と、y方向(上下方向)に移動するための機構と、z方向(奥行き方向、前後方向)に移動するための機構とを含む。x方向に移動するための機構は、例えば、x方向に移動可能なxステージと、xステージを移動するx移動機構とを含む。y方向に移動するための機構は、例えば、例えば、y方向に移動可能なyステージと、yステージを移動するy移動機構とを含む。z方向に移動するための機構は、例えば、z方向に移動可能なzステージと、zステージを移動するz移動機構とを含む。各移動機構は、アクチュエータとしてのパルスモータを含み、主制御部211からの制御を受けて動作する。
移動機構150に対する制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの眼球運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングを行う場合には、事前にアライメントとフォーカス調整が実行される。トラッキングは、装置光学系の位置を眼球運動に追従させることにより、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持する機能である。いくつかの実施形態では、参照光の光路長(よって、測定光の光路と参照光の光路との間の光路長差)を変更するために移動機構150の制御を行うように構成される。
マニュアルアライメントの場合、光学系に対する被検眼Eの変位がキャンセルされるようにユーザーがユーザーインターフェイス240に対して操作することにより光学系と被検眼Eとを相対移動させる。例えば、主制御部211は、ユーザーインターフェイス240に対する操作内容に対応した制御信号を移動機構150に出力することにより移動機構150を制御して被検眼Eに対して光学系を相対移動させる。
オートアライメントの場合、光学系に対する被検眼Eの変位がキャンセルされるように主制御部211が移動機構150を制御することにより被検眼Eに対して光学系を相対移動させる。具体的には、特開2013-248376号公報に記載のように、一対の前眼部カメラ5A及び5Bと被検眼Eとの位置関係に基づく三角法を利用した演算処理を行い、主制御部211は、光学系に対する被検眼Eの位置関係が所定の位置関係になるように移動機構150を制御する。いくつかの実施形態では、主制御部211は、光学系の光軸が被検眼Eの軸に略一致し、かつ、被検眼Eに対する光学系の距離が所定の作動距離になるように制御信号を移動機構150に出力することにより移動機構150を制御して被検眼Eに対して光学系を相対移動させる。ここで、作動距離とは、対物レンズ22のワーキングディスタンスとも呼ばれる既定値であり、光学系を用いた測定時(撮影時)における被検眼Eと光学系との間の距離に相当する。
また、主制御部211は、表示制御部211Aを含む。表示制御部211Aは、各種情報を表示部240Aに表示させることが可能である。例えば、表示制御部211Aは、眼底カメラユニット2を用いて取得された眼底画像又は前眼部画像、OCTユニット100を用いて取得された断層画像や正面画像(OCT画像)、又は後述のデータ処理部230により得られたデータ処理結果(解析処理結果)を表示部240Aに表示させる。いくつかの実施形態では、表示制御部211Aは、眼底画像(又は前眼部画像)及びOCT画像の少なくとも一方に、データ処理結果を対応付けて表示部240Aに表示させる。
この実施形態では、表示制御部211Aは、OCT画像における所定の領域と、上記の所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は楕円体中心角度とを表示部240Aに表示させる。楕円中心角度は、後述のようにOCT画像における所定の層領域に対するフィッティング処理により特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの上記の所定の領域の範囲に対応する角度である。楕円体中心角度は、後述のようにOCT画像における所定の層領域に対するフィッティング処理により特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの上記の所定の領域の範囲に対応する角度である。いくつかの実施形態では、表示制御部211Aは、OCT画像における上記の所定の領域に対応する範囲(楕円中心角度範囲)を眼底の正面画像に識別可能に表示させる。
(記憶部212)
記憶部212は各種のデータを記憶する。記憶部212の機能は、メモリ又は記憶装置等の記憶デバイスにより実現される。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば、眼底画像の画像データ、前眼部画像の画像データ、OCTデータ(OCT画像を含む)、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報、電子カルテ情報などの被検眼に関する情報を含む。記憶部212には、各種のプロセッサ(制御プロセッサ、画像形成プロセッサ、データ処理プロセッサ)を実行させるためのプログラムが記憶される。
(画像形成部220)
画像形成部220は、プロセッサ(例えば、画像形成プロセッサ)を含み、DAQ130からの出力(検出信号のサンプリング結果)に基づいて、被検眼EのOCT画像(画像データ)を形成する。例えば、画像形成部220は、従来のスウェプトソースOCTと同様に、Aラインごとのサンプリング結果に基づくスペクトル分布に信号処理を施してAラインごとの反射強度プロファイルを形成し、これらAラインプロファイルを画像化してスキャンラインに沿って配列する。上記信号処理には、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などが含まれる。他のタイプのOCTを実行する場合、画像形成部220は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
(データ処理部230)
データ処理部230は、プロセッサ(例えば、データ処理プロセッサ)を含み、画像形成部220により形成された画像に対して画像処理や解析処理を施す。主制御部211に含まれるプロセッサ、データ処理部230に含まれるプロセッサ、及び画像形成部220に含まれるプロセッサの少なくとも2つは、単一のプロセッサにより構成されていてもよい。
データ処理部230は、断層画像の間の画素を補間する補間処理などの公知の画像処理を実行して、眼底Ef又は前眼部Eaの3次元画像の画像データを形成する。なお、3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部230は、このボリュームデータに対してレンダリング処理(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。表示部240A等の表示デバイスには、この擬似的な3次元画像が表示される。
また、3次元画像の画像データとして、複数の断層画像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数のスキャンラインに沿って得られた複数の断層画像を、スキャンラインの位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断層画像を、1つの3次元座標系により表現する(つまり1つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。
いくつかの実施形態では、データ処理部230は、Aスキャン画像をBスキャン方向に配列することによりBスキャン画像を生成する。いくつかの実施形態では、データ処理部230は、取得された3次元データセット(ボリュームデータ、スタックデータ等)に各種のレンダリングを施すことで、任意断面におけるBモード画像(Bスキャン画像)(縦断面像、軸方向断面像)、任意断面におけるCモード画像(Cスキャン画像)(横断面像、水平断面像)、プロジェクション画像、シャドウグラムなどを形成することができる。Bスキャン画像やCスキャン画像のような任意断面の画像は、指定された断面上の画素(ピクセル、ボクセル)を3次元データセットから選択することにより形成される。プロジェクション画像は、3次元データセットを所定方向(z方向、深さ方向、軸方向)に投影することによって形成される。シャドウグラムは、3次元データセットの一部(たとえば特定層に相当する部分データ)を所定方向に投影することによって形成される。積分する層方向の深さ範囲を変更することで、互いに異なる2以上のシャドウグラムを形成することが可能である。Cスキャン画像、プロジェクション画像、シャドウグラムのような、被検眼の正面側を視点とする画像を正面画像(en-face画像)と呼ぶ。
データ処理部230は、OCTにより時系列に収集されたデータ(例えば、Bスキャン画像データ)に基づいて、網膜血管や脈絡膜血管が強調されたBスキャン画像や正面画像(血管強調画像、アンギオグラム)を構築することができる。例えば、被検眼Eの略同一部位を反復的にスキャンすることにより、時系列のOCTデータを収集することができる。
いくつかの実施形態では、データ処理部230は、略同一部位に対するBスキャンにより得られた時系列のBスキャン画像を比較し、信号強度の変化部分の画素値を変化分に対応した画素値に変換することにより当該変化部分が強調された強調画像を構築する。更に、データ処理部230は、構築された複数の強調画像から所望の部位における所定の厚さ分の情報を抽出してen-face画像として構築することでOCTA(アンギオグラフィ)像を形成する。
図4に示すように、データ処理部230は、アライメント処理部231と、形状補正部232と、画像合成部233と、層領域特定部234と、楕円中心角度処理部235と、解析部236とを含む。
アライメント処理部231は、被検眼Eに対する眼科装置1の光学系の位置合わせを行うための処理を実行する。形状補正部232は、OCT画像における眼底Efの形状を補正するようにOCT画像を補正する。OCT画像は、2次元又は3次元のOCT画像である。画像合成部233は、画像形成部220により形成された2以上のOCT画像、又は形状補正部232により補正された2以上のOCT画像を合成し、単一のOCT画像より広範囲に眼底Efの形態が描出された合成画像を生成する。2以上のOCT画像は、互いに異なるスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより取得されたOCT画像である。層領域特定部234は、OCT画像に対して所定の層領域を特定する。楕円中心角度処理部235は、層領域特定部234により特定された層領域に対して、2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施し、特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度を求める。
(アライメント処理部231)
アライメント処理部231は、前眼部カメラ5A、5Bの位置と特徴部位の位置とに基づいて被検眼Eの3次元位置を求める。主制御部211は、求められた3次元位置に基づいて移動機構150を制御することにより被検眼Eに対して光学系を相対移動させ、被検眼Eに対する光学系の位置合わせを行う。
具体的には、アライメント処理部231は、特徴部位特定部として、前眼部カメラ5A及び5Bにより得られた各撮影画像を解析することで、前眼部Eaの特徴部位に相当する当該撮影画像中の位置(特徴位置と呼ぶ)を特定する。特徴部位としては、例えば被検眼Eの瞳孔領域、被検眼Eの瞳孔中心位置、瞳孔重心位置、角膜中心位置、角膜頂点位置、被検眼中心位置、又は虹彩が用いられる。以下、被検眼Eの瞳孔中心位置を特定する処理の具体例を説明する。
この場合、アライメント処理部231は、撮影画像の画素値(輝度値など)の分布に基づいて、被検眼Eの瞳孔に相当する画像領域(瞳孔領域)を特定する。一般に瞳孔は他の部位よりも低い輝度で描画されるので、低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定することができる。このとき、瞳孔の形状を考慮して瞳孔領域を特定するようにしてもよい。つまり、略円形かつ低輝度の画像領域を探索することによって瞳孔領域を特定するように構成することができる。
次に、アライメント処理部231は、特定された瞳孔領域の中心位置を特定する。上記のように瞳孔は略円形であるので、瞳孔領域の輪郭を特定し、この輪郭(の近似円または近似楕円)の中心位置を特定し、これを瞳孔中心位置とすることができる。また、瞳孔領域の重心を求め、この重心位置を瞳孔重心位置として特定してもよい。
なお、他の特徴部位に対応する特徴位置を特定する場合であっても、上記と同様に撮影画像の画素値の分布に基づいて当該特徴位置を特定することが可能である。
アライメント処理部231は、前眼部カメラ5A及び5Bにより逐次に得られた撮影画像に対し特徴部位に相当する特徴位置を逐次に特定することが可能である。また、アライメント処理部231は、前眼部カメラ5A及び5Bにより逐次に得られた撮影画像に対し1以上の任意の数のフレームおきに特徴位置を特定してもよい。
アライメント処理部231は、3次元位置算出部として、前眼部カメラ5A及び5Bの位置と、特定された特徴部位に相当する特徴位置とに基づいて特徴部位の3次元位置を被検眼Eの3次元位置として特定する。アライメント処理部231は、特開2013-248376号公報に開示されているように、2つの前眼部カメラ5A及び5Bの位置(既知である)と、2つの撮影画像において特徴部位に相当する位置とに対して、公知の三角法を適用することにより被検眼Eの3次元位置を算出する。求められた3次元位置は、主制御部211に送られる。主制御部211は、当該3次元位置に基づいて、光学系の光軸のx方向及びy方向の位置が3次元位置のx方向及びy方向の位置と一致し、かつ、z方向の距離が所定の作動距離になるように移動機構150を制御する。
(形状補正部232)
形状補正部232は、2次元若しくは3次元のOCT画像における画素位置、又は、2次元若しくは3次元のスキャンデータにおけるスキャン位置に対応し、Aスキャン方向(スキャン中心位置を通る測定光の進行方向)に沿った変換位置を特定する。形状補正部232は、画素位置又はスキャン位置を、当該画素位置等に基づいて特定された変換位置に変換する。変換位置は、所定の座標系における位置である。所定の座標系は、少なくとも1つのAスキャンのスキャン方向と同一の軸方向の座標軸を含む2以上の座標軸によって規定される。
いくつかの実施形態では、形状補正部232は、被検眼Eの光学特性を表すパラメータ(眼軸長等)に基づいて変換位置を特定する。いくつかの実施形態では、形状補正部232は、Aスキャン方向のスキャン半径、スキャン角度、OCT計測が可能な深さ範囲、及び、画素位置又はスキャン位置に基づいて、所定の座標系における変換位置の第1軸方向の成分及び第1軸方向と交差する第2軸方向の成分の少なくとも1つを特定する。
図5に、実施形態の比較例の説明図を示す。図5は、被検眼Eに入射する測定光の経路を模式的に表したものである。
例えば光スキャナ42により偏向された測定光は、図5に示すようにスキャン中心位置としての被検眼Eの瞳孔に対して様々な入射角度で入射する。被検眼Eに入射した測定光は、例えば瞳孔中心に設定されたスキャン中心位置Csを中心に眼内の各部に向けて投射される。
図5の測定光LS1を用いて得られた干渉データからAスキャン画像が形成され、測定光LS2を用いて得られた干渉データからAスキャン画像が形成され、測定光LS3を用いて得られた干渉データからAスキャン画像が形成される。眼底Efの断層画像は、このように形成された複数のAスキャン画像を配列することにより形成される。
このように、スキャン中心位置Csを中心としたスキャン角度範囲内でAスキャン方向が変化し、得られた複数のAスキャン画像を横方向に配列された断層画像において、部位の形状が変形する。これは、画角が広くなるほど、実際の形状との差異が大きくなる。
被検眼Eの形態を表す形態情報は、断層画像中の任意の画素の位置により求めることができる。このような形態情報には、層領域の厚さ、部位間の距離、領域の面積、領域の体積、領域の周囲長、基準位置に対する部位の方向、基準方向に対する部位の角度、部位の曲率半径などが挙げられる。
例えば、形態情報としての層領域の厚さ(又は部位間の距離)は、断層画像中の任意の2点間の距離を計測することで求めることが可能である。この場合、2点間の距離は、断層画像中のピクセル数により特定され、特定されたピクセル数に装置固有のピクセルサイズを乗算することで計測される。このとき、断層画像中の全ピクセルについて、同一のピクセルサイズが採用される。しかしながら、上記のように、スキャン中心位置Csを中心としてスキャン方向が異なるため、スキャン方向の深さ位置に応じて断層画像の水平方向のピクセルサイズが異なる。例えば、深さ範囲が2.5[mm]の場合、断層画像中の全ピクセルについて同一のピクセルサイズを採用したとき、断層画像の上部と下部との間でBスキャンのスキャン長に約13%の差があり、深さ範囲が10[mm]の場合、約50%の差が生じる。
そこで、形状補正部232は、取得されたOCT画像における画素位置又はスキャンデータにおけるスキャン位置の座標変換を行う。
以下、主に、形状補正部232は、OCT画像に対して形状補正を行う場合について説明する。形状補正部232がOCTデータ(スキャンデータ)に対して形状補正を行う場合、OCT画像における「画素位置」をOCTデータにおける「スキャン位置」に読み替えればよい。
形状補正部232は、図6に示すように、変換位置特定部232Aと、位置変換部232Bと、補間部232Cとを含む。
まず、形状補正部232が2次元のOCT画像(ここでは、断層画像(Bスキャン画像))の形状補正を行う場合について説明する。
(変換位置特定部232A)
変換位置特定部232Aは、断層画像(OCT画像)における画素位置に対応し、眼内をOCTスキャンするためのスキャン中心位置を通る測定光の進行方向に沿った変換位置を特定する。いくつかの実施形態では、変換位置特定部232Aは、変換位置の特定処理に被検眼Eの眼球パラメータ(眼軸長等)又は模型眼の眼球パラメータを用いる。
図7に、実施形態に係る変換位置特定部232Aの動作説明図を示す。図7において、図5と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
ここで、スキャン角度をφ(phi)とし、スキャン半径をrとし、OCT計測が可能な深さ範囲をdとし、断層画像の深さ方向の長さをhとし、断層画像の横方向の長さをwとする。スキャン角度φは、スキャン中心位置Csを中心とする測定光LSの偏向角度に相当する。スキャン半径rは、スキャン中心位置Csから測定光路長と参照光路長とが略等しい光路長ゼロ位置までの距離に相当する。深さ範囲dは、装置の光学設計等により一意に決定される装置固有の値(既知)である。
変換位置特定部232Aは、第1座標系における画素位置(x,z)から第2座標系における変換位置(X,Z)を特定する。第1座標系は、断層画像における左上の座標位置を原点とし、Bスキャン方向をx方向とするx座標軸と、x座標軸に直交しAスキャン方向をz方向とするz座標軸とにより定義される。断層画像における画素位置(x,z)は、第1座標系において定義される。第2座標系は、眼底Efにおける所定部位(例えば中心窩)を通過する測定光軸に対するスキャン角度が0度である測定光LSの進行方向をZ方向とするZ座標軸(例えば、第2軸)と、当該所定部位においてZ座標軸に直交するBスキャン方向をX方向とするX座標軸(例えば、第1軸)とにより定義される。第2座標系では、所定部位(例えば中心窩)を通過する測定光軸においてスキャン半径rの位置が最深部となるように所定のZ位置をZ座標軸の原点とする。また、下記のように所定の深さ方向の長さdとなるように、所定部位(例えば中心窩)を通過する測定光軸における所定のX位置をX座標軸の原点とする。変換位置(X,Z)は、第2座標系において定義される。変換位置(X,Z)は、画素位置(x,z)に対応し、スキャン中心位置Csを通る測定光LSの進行方向(Aスキャン方向)に沿った位置である。
変換位置特定部232Aは、断層画像に対し、Aスキャン方向のスキャン半径r、スキャン角度φ、OCT計測が可能な深さ範囲d、及び画素位置(x,z)に基づいて、変換位置(X,Z)を特定する。変換位置特定部232Aは、変換位置のX成分(第1軸方向の成分)及びZ成分(第2軸方向の成分)の少なくとも1つを特定することが可能である。
Aスキャンライン数をN(Nは自然数)とする断層画像について、n(nは自然数)番目のAスキャンラインにおける画素位置(x,z)に対応する変換位置(X,Z)は、式(1)及び式(2)に示すように特定される。
Figure 2024003558000002
Figure 2024003558000003
ここで、断層画像の深さ方向の長さh、横方向の長さw、及び画素位置のx成分は、式(3)~式(5)のように表される。
Figure 2024003558000004
Figure 2024003558000005
Figure 2024003558000006
式(1)、(2)において、画素位置のx座標は式(5)のように表される。従って、変換位置特定部232Aは、画素位置(x,z)から、スキャン半径r、スキャン角度φ、及び深さ範囲dに基づいて、変換位置(X,Z)を特定することが可能である。
いくつかの実施形態では、変換位置特定部232Aは、スキャンデータに対して、上記と同様に、Aスキャン方向のスキャン半径r、スキャン角度φ、OCT計測が可能な深さ範囲d、及び、スキャン位置に基づいて、変換位置(X,Z)を特定することが可能である。
いくつかの実施形態では、スキャン半径rは、OCTユニット100を用いて得られた干渉光LCの検出結果を解析することにより特定される。これにより、被検眼Eの眼球光学特性をより正確に反映した変換位置(X,Z)を特定することが可能である。
いくつかの実施形態では、変換位置特定部232Aは、被検眼Eの角膜形状情報に基づいて測定光LSに対して光線追跡処理を施すことによりスキャン角度φを特定する。角膜形状情報には、角膜曲率半径(角膜前面の曲率半径、角膜後面の曲率半径)、角膜厚などがある。これにより、被検眼Eの眼球光学特性をより正確に反映した変換位置(X,Z)を特定することが可能である。
(位置変換部232B)
位置変換部232Bは、断層画像の画素位置(x,z)を変換位置特定部232Aにより特定された変換位置(X,Z)に変換する。いくつかの実施形態では、断層画像の全画素位置のそれぞれについて、変換位置特定部232Aが変換位置を特定し、位置変換部232Bが画素位置を変換位置に変換する。
それにより、図8に示すように、Aスキャンにより取得されたAスキャン画像をAスキャン方向に配置することが可能になる。従って、画角が広い場合でも、所定部位の形状が実際の形状と同様の断層画像を取得することができる。
(補間部232C)
補間部232Cは、変換位置の間の画素を補間する。例えば、上記のようにスキャン中心位置Csからの距離に応じて、画素位置が変換位置に変換され互いに隣接するAスキャン画像の間隔が変化する。補間部232Cは、Aスキャン画像の深さ位置に応じて、互いに隣接するAスキャン画像の画素を用いてAスキャン画像の間の画素を補間する。補間部232Cによる画素の補間処理として、ニアレストネイバー法、バイリニア補間法、バイキュービック補間法などの公知の方法を採用することが可能である。いくつかの実施形態では、補間部232Cは、スキャン中心位置Csからの距離に応じて、互いに隣接するAスキャン画像の間の画素を補間する。例えば、補間部232Cは、スキャン中心位置Csからの距離に応じて補間処理方法を変更して、互いに隣接するAスキャン画像の間の画素を補間する。
いくつかの実施形態では、スキャンデータにおけるスキャン位置に対して、上記と同様に、スキャンデータを補間する。
図7及び図8では、形状補正部232が2次元のOCT画像(断層画像)の形状補正を行う場合について説明したが、同様に、形状補正部232は、3次元のOCT画像の形状補正を行うことができる。
図9に、3次元のOCT画像に対して形状補正を行う実施形態に係る変換位置特定部232Aの動作説明図を示す。図9において、図7と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図9では、図7におけるX平面及びZ平面の他に、Y平面が定義される。図9に示すパラメータに加えて、Cスキャン方向の中心角をθとし、Cスキャン方向の長さをlcとする。
変換位置特定部232Aは、第3座標系における画素位置(x,y,z)から第4座標系における変換位置(X,Y,Z)を特定する。第3座標系は、3次元のOCT画像における左上隅の座標位置を原点とし、Bスキャン方向をx方向とするx座標軸と、x座標軸と直交しCスキャン方向をy方向とするy座標軸と、x座標軸及びy座標軸の双方に直交しAスキャン方向をz方向とするz座標軸とにより定義される。OCT画像における画素位置(x,y,z)は、第3座標系において定義される。第4座標系は、眼底Efにおける所定部位(例えば中心窩)を通過する測定光軸に対するスキャン角度が0度である測定光LSの進行方向をZ方向とするZ座標軸と、当該所定部位においてZ座標軸に直交するBスキャン方向をX方向とするX座標軸と、当該所定部位においてZ座標軸に直交するCスキャン方向をY方向とするY座標軸とにより定義される。第4座標系では、所定部位(例えば中心窩)を通過する測定光軸においてスキャン半径rの位置が最深部となるように所定のZ位置をZ座標軸の原点とする。また、下記のように所定の深さ方向の長さdとなるように、所定部位(例えば中心窩)を通過する測定光軸における所定のX位置及びY位置をX座標軸及びY座標軸の原点とする。変換位置(X,Y,Z)は、第4座標系において定義される。変換位置(X,Y,Z)は、画素位置(x,y,z)に対応し、スキャン中心位置Csを通る測定光LSの進行方向(Aスキャン方向)に沿った位置である。
変換位置特定部232Aは、変換位置のX成分、Y成分及びZ成分の少なくとも1つを特定することが可能である。
Aスキャンライン数をN(Nは自然数)とし、Bスキャンライン数をM(Mは自然数)とするOCT画像(断層像)について、m(mは自然数)番目のBスキャンのn(nは自然数)番目のAスキャンラインにおける画素位置(x,y,z)に対応する変換位置(X,Y,Z)は、式(6)~式(8)に示すように特定される。
Figure 2024003558000007
Figure 2024003558000008
Figure 2024003558000009
ここで、3次元のOCT画像の深さ方向の長さhとBスキャン方向の長さwとCスキャン方向の長さlcとから、画素位置のx成分及びy成分は、式(9)~式(13)のように表される。
Figure 2024003558000010
Figure 2024003558000011
Figure 2024003558000012
Figure 2024003558000013
Figure 2024003558000014
式(6)~(8)において、画素位置のx座標及びy座標は式(12)及び式(13)のように表される。従って、変換位置特定部232Aは、画素位置(x,y,z)から、スキャン半径r、スキャン角度φ、及び深さ範囲dに基づいて、変換位置(X,Y,Z)を特定することが可能である。
いくつかの実施形態では、変換位置特定部232Aは、スキャンデータに対して、上記と同様に、変換位置(X,Y,Z)を特定することが可能である。
位置変換部232Bは、図9に示す3次元のOCT画像の画素位置(x,y,z)を変換位置特定部232Aにより特定された変換位置(X,Y,Z)に変換することが可能である。いくつかの実施形態では、OCT画像の全画素位置のそれぞれについて、変換位置特定部232Aが変換位置を特定し、位置変換部232Bが画素位置を変換位置に変換する。
(画像合成部233)
画像合成部233は、OCTユニット100を用いて、眼底Efに対して互いに異なる2以上のスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行ことにより得られた2以上のOCT画像を合成して合成画像を生成する。OCT画像は、2次元のOCT画像又は3次元のOCT画像である。画像合成部233は、少なくとも一部が重複する2つのスキャン範囲に対応した2つのOCT画像を合成することを繰り返すことで、2以上のOCT画像から合成画像を生成する。いくつかの実施形態では、画像合成部233による合成処理に用いられる2以上のOCT画像の少なくとも1つは、形状補正部232による形状補正後の画像である。なお、画像合成部233による画像合成は、形状補正部232による形状補正の前のOCT画像を用いてもよいし、形状補正部232による形状補正後のOCT画像を用いてもよい。
いくつかの実施形態では、画像合成部233は、2つのOCT画像における特徴領域が略一致するように2つのOCT画像を合成する。例えば、データ処理部230は、2つのOCT画像のそれぞれを解析して特徴領域を特定し、画像合成部233は、2つのOCT画像の少なくとも一方に対してアフィン変換を施すことで、特定された2つの特徴領域が略一致するように2つのOCT画像が配置された合成画像を生成する。
いくつかの実施形態では、画像合成部233は、隣接するOCT画像との重ね合わせ領域が設けられるように配置されたスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより取得された2つのOCT画像に対し、重ね合わせ領域が略一致するように2つのOCT画像を合成する。例えば、画像合成部233は、2つのOCT画像の少なくとも一方に対してアフィン変換を施すことで、重ね合わせ領域が略一致するように2つのOCT画像が配置された合成画像を生成する。
いくつかの実施形態では、画像合成部233は、2つのOCT画像の相関値が最大になるように2つのOCT画像を合成する。例えば、画像合成部233は、2つのOCT画像の少なくとも一方に対してアフィン変換を施して2つのOCT画像の相関値を求め、求められた相関値が最大になるように2つのOCT画像が配置された合成画像を生成する。
いくつかの実施形態では、画像合成部233は、2つのOCT画像のスキャン範囲の位置に基づいて、2つのOCT画像が配置された合成画像を生成する。
以下、2以上のOCT画像を合成することにより得られた合成画像もまた、「OCT画像」と表記する場合がある。
(層領域特定部234)
層領域特定部234は、OCT画像又は画像合成部233により生成された合成画像における所定の層領域を特定する。OCT画像は、形状補正後のOCT画像であってもよいし、形状補正が行われていないOCT画像であってもよい。所定の層領域の例として、内境界膜、神経繊維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層、ブルッフ膜、脈絡膜、強膜がある。
いくつかの実施形態では、層領域特定部234は、干渉光を検出することにより得られた干渉信号の強度に基づいて所定の層領域を特定する。例えば、層領域特定部234は、干渉信号の強度の極値(極大値)を示す位置を層領域の境界位置に相当する位置として特定し、干渉信号の強度の最大値を示す位置を基準に上記の層領域を特定する。
いくつかの実施形態では、層領域特定部234は、OCT画像又は合成画像における各画素の輝度値に基づきセグメンテーション処理を行う。すなわち、眼底Efのそれぞれの層領域は特徴的な反射率を有し、これら層領域に相当する画像領域もそれぞれ特徴的な輝度値を有する。層領域特定部234は、これら特徴的な輝度値に基づきセグメンテーション処理を実行することにより、目的の画像領域(層領域)を特定することができる。
この実施形態では、層領域特定部234は、網膜層又は強膜を特定する。網膜層の例として、ブルッフ膜がある。
(楕円中心角度処理部235)
楕円中心角度処理部235は、2次元又は3次元のOCT画像における所定の層領域の形状にフィッティングされる2次元の楕円の傾き(長軸又は短軸の傾き)と楕円中心、又は3次元の楕円体の傾きと楕円体中心とを特定し、特定された楕円中心の周りの眼底Efにおける所定の領域の範囲に対する楕円中心角度又は楕円体中心の周りの眼底Efにおける所定の領域の範囲に対する楕円体中心角度を特定する。
楕円中心角度処理部235は、図10に示すように、フィッティング処理部235Aと、特徴位置特定部235Bと、回転処理部235Cとを含む。
(フィッティング処理部235A)
フィッティング処理部235Aは、眼底Efにおける所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理(フィッティング処理)又は3次元の楕円体近似処理(フィッティング処理)を施す。具体的には、フィッティング処理部235Aは、層領域特定部234により特定された層領域(例えば、ブルッフ膜)の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施す。すなわち、フィッティング処理部235Aは、合成画像に対して上記の楕円近似処理又は上記の楕円体近似処理を施すことが可能である。
フィッティング処理部235Aにより実行された楕円近似処理又は楕円体近似処理により、眼底Efにおける所定の層領域の形状にフィッティングされた楕円(真円を含む)(近似楕円)又は楕円体(真球を含む)(近似楕円体)が特定される。楕円中心は、楕円の長軸と短軸との交点、又は楕円体の3軸の交点として特定可能である。
以下、実施形態では、3次元の楕円体でフィッティング処理を行う場合について説明する。しかしながら、説明の便宜上、フィッティング処理については、2次元の楕円面でフィッティング処理を行う場合について説明する。
図11に、フィッティング処理部235Aの動作説明図を示す。上記の通り、図11は、2次元のOCT画像(断層画像)に対してフィッティング処理を行う場合の動作例を表す。
例えば、フィッティング処理部235Aは、3次形式の標準化の手法を用いて3次元のOCT画像におけるブルッフ膜BMの形状にフィッティングする楕円体(近似楕円体)ACを求める。なお、図11に示す2次元の楕円面の場合、フィッティング処理部235Aは、2次形式の標準化の手法を用いて2次元のOCT画像におけるブルッフ膜BMの形状にフィッティングする楕円(近似楕円)を求める。
図11では、OCT画像TG1~TG3を用いて生成された合成画像に対して、形状補正部232により形状補正が行われているものとする。この場合、形状補正が行われたOCT画像におけるブルッフ膜BMの各位置の点群を(x,y,z)、(x,y,z)、・・・、(x,y,z)とすると、係数a~iを用いて、楕円体は式(14)のように表すことができる。
Figure 2024003558000015
フィッティング処理部235Aは、ブルッフ膜BMの形状を表す複数の位置について、例えば二乗和が最小になるように係数a~iを求める。これにより、ブルッフ膜BMの形状にフィッティングされた楕円体ACが特定される。
フィッティング処理により特定された楕円体の3軸の方向を表す直交行列Pと、係数A、B、C、G、H、Iとを用いて、式(14)は、式(15)に示すように変形することができる。
Figure 2024003558000016
このとき、OCT画像の座標原点から楕円体中心Oに向かうベクトルTは、式(16)から求められる。
Figure 2024003558000017
また、楕円体中心Oの位置は、式(17)から求められる
Figure 2024003558000018
ブルッフ膜BMの画素位置(x,y,z)に対して、次式のような変換を施すことで、楕円体上の位置(x,y,z)に変換することができる。
Figure 2024003558000019
楕円体中心(2次元の場合は楕円中心。以下、同様)の位置Oと楕円体中心角度(2次元の場合は楕円中心角度。以下、同様)が0度の方向とは、フィッティング処理により特定された楕円体により決定される。楕円体中心角度が0度の方向を基準とする楕円体中心角度αは、楕円体上の位置(x,y,z)を用いて、次のように求めることができる。
Figure 2024003558000020
例えば、楕円中心角度処理部235は、式(18)に従って、眼底Efにおける所望の領域ARの両端の画素位置(x,y,z)に対応した楕円体上の位置(x,y,z)を求める。所望の領域ARは、データ処理部230により特定された特徴領域、又は操作部240Bを用いてユーザーにより指定された領域であってよい。表示制御部211Aは、楕円体中心Oの位置と、眼底Efにおける所望の領域ARと、式(19)を満たす楕円体中心Oと眼底Efにおける所望の領域ARの両端の画素位置に対応した楕円体上の位置(x,y,z)とを結ぶ直線L1、L2と、楕円体中心角度が0度の直線L0と、楕円体中心角度αとの少なくとも1つを表示部240Aに表示させる。いくつかの実施形態では、表示制御部211Aは、眼底Efにおける他の領域に対して、所望の領域ARを識別可能に表示部240Aに表示させる。
例えば、楕円中心角度処理部235は、所定の楕円体中心角度αに対して式(19)を満たす楕円体上の位置(x,y,z)(領域ARの両端に対応する楕円体上の位置)を求める。楕円体中心角度αは、あらかじめ決められた角度、又は操作部240Bを用いてユーザーにより指定された角度であってよい。表示制御部211Aは、楕円体中心Oの位置と、式(19)を満たす楕円体中心Oと眼底Efにおける所望の領域ARの両端の画素位置に対応した楕円体上の位置(x,y,z)とを結ぶ直線L1、L2と、楕円体中心角度が0度の直線L0と、楕円体中心角度αとの少なくとも1つを表示部240Aに表示させる。
いくつかの実施形態では、楕円体角度が0度の方向が所望の位置(例えば、注目部位)に向くようにシフトされた新たな座標系を用いて、楕円体中心角度等が表示部240Aに表示される。注目部位の例として、視神経乳頭、中心窩、黄斑、疾患部位などのOCT画像中の特徴位置、被検眼の視軸と眼底Efとの交差位置がある。所望の位置は、操作部240Bを用いてユーザーにより指定された位置であってもよい。
(特徴位置特定部235B)
特徴位置特定部235Bは、OCT画像(フィッティング処理が行われたOCT画像)を解析して、視神経乳頭、中心窩、黄斑、疾患部位などのOCT画像中の特徴位置、光学系の光軸と眼底Efとの交差位置などの特徴位置を特定する。例えば、特徴位置特定部235Bは、眼底Efの断面構造、画素の輝度値、部位の形状から特徴位置を特定する。特徴位置特定部235Bは、操作部240Bを用いてユーザーにより指定された位置を特徴位置として特定してもよい。
(回転処理部235C)
回転処理部235Cは、楕円体中心と、特徴位置特定部235Bにより特定された特徴位置又は操作部240Bを用いてユーザーにより指定された位置とを結ぶ直線の方向が楕円体中心角度が0度の方向に略一致するように、フィッティング処理部235Aにより特定された楕円又は楕円体上の位置に対してロドリゲスの回転公式を用いて座標変換を行う。例えば、回転処理部235Cは、特徴位置特定部235Bにより特定された特徴位置又は操作部240Bを用いてユーザーにより指定された位置を含む楕円又は楕円体上の所望の領域内の位置に対してロドリゲスの回転公式を用いて座標変換を行う。
ここで、特徴位置特定部235Bにより特定された特徴位置又は操作部240Bを用いてユーザーにより指定された位置の座標変換前の座標系における座標位置を(xet,yet,zet)とし、座標変換後の座標位置を(x′,y′,z′)とする。このとき、回転処理部235Cは、フィッティング処理部235Aにより特定された楕円体の座標位置(x,y,z)に対して、下記の式(20)及び式(21)に従って座標位置(x′,y′,z′)に座標変換する。
Figure 2024003558000021
Figure 2024003558000022
図12に、回転処理部235Cによる回転処理が行われたときの動作説明図を示す。図12において、図11と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
例えば、特徴位置特定部235Bは、OCT画像を解析して眼底Efにおける黄斑に相当する位置を特定する。回転処理部235Cは、フィッティング処理部235Aにより特定された楕円又は楕円体における黄斑を含む所定の領域ARに相当する画素位置に対して式(20)、式(21)に従って座標変換を行う。表示制御部211Aは、楕円体ACとOCT画像と共に、楕円体中心Oから黄斑の位置の方向を楕円中心角度「0度」として、所定の領域ARに対応した楕円中心角度を表示部240Aに表示させる。
いくつかの実施形態では、表示制御部211Aは、フィッティング処理を行うことにより特定された楕円体(又は楕円)における所定の領域ARに対応した楕円中心角度範囲CRを被検眼Eの正面画像に重畳して表示部240Aに表示させる。
図13に、表示制御部211Aによる表示部240Aに対する表示制御例を示す。図13において、図11又は図12と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
表示制御部211Aは、表示部240Aの画面におけるOCT画像表示領域DR1に眼底EfのOCT画像、フィッティング処理により特定された楕円体AC、及び楕円体中心角度(楕円中心角度)を表示させる。また、表示制御部211Aは、OCT画像表示領域DR1が配置された表示部240Aの同一画面上の正面画像表示領域DR2に、OCT画像に対応した眼底Efの正面画像及び楕円中心角度範囲CRを表示させることが可能である。正面画像の例として、撮影画像、観察画像、プロジェクション画像、en-face画像、Cスキャン画像などがある。
この場合、例えば、データ処理部230(楕円中心角度処理部235)は、OCT画像において特定された楕円体ACの楕円中心Oに対応する正面画像における楕円中心Oを特定すると共に、楕円体中心Oの周りの楕円体中心角度αの範囲に対応する正面画像における楕円中心Oの周りの楕円中心角度範囲CRを特定する。表示制御部211Aは、正面画像と共にデータ処理部230により特定された楕円中心Oと楕円中心角度範囲CRを正面画像表示領域DR2に表示させる。楕円中心角度範囲CRは、楕円体中心角度αの範囲を表す円形の範囲であってよい。
これにより、OCT画像において定量的に把握可能な楕円中心角度の範囲を、対応する正面画像において把握することが可能になる。
(解析部236)
解析部236は、干渉光LCの検出結果、OCT画像(形状補正後のOCT画像を含む)、又はフィッティング処理により特定された楕円又は楕円体を用いて所定の解析処理を行う。
例えば、解析部236は、干渉光LCの検出結果又はOCT画像を解析することによりOCT画像の画質(信号対雑音比)に対応した評価値(評価値の統計値を含む)を解析結果として出力する。主制御部211は、解析部236により得られた解析結果に基づいて合焦駆動部43A、光路長変更部41、偏波コントローラ103、118の少なくとも1つを制御することが可能である。
例えば、解析部236は、OCT計測により得られた干渉光の検出結果を解析して、フォーカス微調整制御における測定光LSのフォーカス状態を判定する。例えば、主制御部211は、合焦駆動部43Aを所定のアルゴリズムにしたがって制御しつつ、反復的なOCT計測を行う。解析部236は、OCT計測により繰り返し取得される干渉光LCの検出結果を解析することで、OCT画像の画質に関する所定の評価値を算出する。解析部236は、算出された評価値が閾値以下であるか否か判定する。いくつかの実施形態では、フォーカス微調整は、算出される評価値が閾値以下になるまで継続される。すなわち、評価値が閾値以下であるとき測定光LSのフォーカス状態が適正であると判断され、フォーカス微調整は、測定光LSのフォーカス状態が適正であると判断されるまで継続される。
いくつかの実施形態では、主制御部211は、上記のような反復的なOCT計測を行って干渉信号を取得しつつ、逐次に取得される干渉信号の強度(干渉強度、干渉感度)をモニタする。更に、このモニタ処理を行いながら、OCT合焦レンズ43を移動させることにより、干渉強度が最大となるようなOCT合焦レンズ43の位置を探索する。このようなフォーカス微調整によれば、干渉強度が最適化されるような位置にOCT合焦レンズ43を導くことができる。
また、解析部236は、OCT計測により得られた干渉光の検出結果を解析して、測定光LS及び参照光LRの少なくとも一方の偏波状態を判定する。例えば、主制御部211は、偏波コントローラ103、118の少なくとも一方を所定のアルゴリズムにしたがって制御しつつ、反復的なOCT計測を行う。いくつかの実施形態では、主制御部211は、アッテネータ120を制御して、参照光LRの減衰量を変更する。解析部236は、OCT計測により繰り返し取得される干渉光LCの検出結果を解析することで、OCT画像の画質に関する所定の評価値を算出する。解析部236は、算出された評価値が閾値以下であるか否か判定する。この閾値はあらかじめ設定される。偏波調整は、算出される評価値が閾値以下になるまで継続される。すなわち、評価値が閾値以下であるとき測定光LSの偏波状態が適正であると判断され、偏波調整は、測定光LSの偏波状態が適正であると判断されるまで継続される。
いくつかの実施形態では、主制御部211は、偏波調整においても干渉強度をモニタすることが可能である。
上記のように、解析部236は、OCT画像に対して所定の解析処理を行うことが可能である。所定の解析処理には、被検眼Eにおける所定の部位(組織、病変部)の特定;指定された部位間の距離(層間距離)、面積、角度、比率、密度の算出;指定された計算式による演算;所定の部位の形状の特定;これらの統計値の算出;計測値、統計値の分布の算出;これら解析処理結果に基づく画像処理などがある。所定の組織には、血管、視神経乳頭、中心窩、黄斑などがある。所定の病変部には、白斑、出血などがある。
更に、解析部236は、図14に示すように、分布情報生成部236Aと、分類処理部236Bとを含むことができる。
(分布情報生成部236A)
分布情報生成部236Aは、OCT画像における所定の層領域の形状と、特定された楕円又は楕円体との差分に対応した統計値の2次元又は3次元の分布を表す分布情報を生成する。統計値の例として、差分値、差分の標準偏差、差分の分散、差分の最小値、差分の最大値、差分の平均値、差分の中央値などがある。表示制御部211Aは、分布情報生成部236Aにより生成された分布情報を表示部240Aに表示させる。
図15に、分布情報生成部236Aにより生成された分布情報の一例を示す。図15は、OCT画像におけるブルッフ膜と、ブルッフ膜に対するフィッティング処理により特定された楕円体との差分値の2次元の分布を表す残差マップ(分布情報)を表す。なお、図15において、視神経乳頭部を含む領域は楕円体との差分の変動が大きくなるため、残差マップから除外されている。
図15に示すような残差マップによれば、xy平面におけるブルッフ膜の形状の変化を容易に把握することが可能になる。
表示制御部211Aは、図15に示すような分布情報に、図13に示すような楕円中心O、及び楕円中心角度範囲CRの少なくとも1つを重畳して表示させてもよい。また、表示制御部211Aは、図15に示すような分布情報をOCT画像又は眼底Efの正面画像に重畳して表示部240Aに表示させてもよい。
図16に、分布情報生成部236Aにより生成された分布情報の他の例を示す。図16は、OCT画像におけるブルッフ膜と、ブルッフ膜に対するフィッティング処理により特定された楕円体との差分値の3次元の分布を表す残差マップ(分布情報)を表す。なお、図16においても、図15と同様に、視神経乳頭部を含む領域は残差マップから除外されている。
図16に示すような残差マップによれば、ブルッフ膜の形状の変化を3次元的に容易に把握することが可能になる。
表示制御部211Aは、図16に示すような分布情報に、図13に示すような楕円中心O、及び楕円中心角度の少なくとも1つを重畳して表示させてもよい。また、表示制御部211Aは、図16に示すような分布情報をOCT画像又は眼底Efの正面画像に重畳して表示部240Aに表示させてもよい。
(分類処理部236B)
分類処理部236Bは、OCT画像における所定の層領域の形状と、特定された楕円又は楕円体との差分に基づいて、所定の病態の分類を行う。所定の病態の例として、Curtin分類に従った後部ぶどう腫の病態などがある。
後部ぶどう腫は、眼球後極の強膜等の一部が眼球襞の外側方向へ異常突出することで、病的近視をもたらす病態である(“Posterior Staphyloma in Pathologic Myopia”, KYOKO OHNO-MATSUI, Retinal Physician, Volume: 14, Issue: January 2017, page(s): 38-40, 42, https://www.retinalphysician.com/issues/2017/january-2017/posterior-staphyloma-in-pathologic-myopia)。後部ぶどう腫は、近視性網膜症を発症しうるため、視力障害をきたす可能性が高い。Curtin分類は、後部ぶどう腫の態様を、眼底の形状からタイプ1~タイプ5の5つの基本形とタイプ6~タイプ10の5つの複合型との10種類に分類する手法である(“The posterior staphyloma of pathologic myopia”, Curtin B.J., Trans Am Ophthalmol Soc., 1977;75:67-86)。Curtin分類により分類された病態に則した治療法に従って後部ぶどう腫の治療を施すことで、より有効な治療につながる可能性がある。
例えば、分類処理部236Bは、OCT画像における所定の層領域(ブルッフ膜)の形状と、フィッティング処理により特定された楕円又は楕円体との差分に基づいて、眼球襞の外側方向へ異常突出する異常突出領域を特定する。
図17に、実施形態に係る分類処理部236Bの操作説明図を示す。図17において、眼底の正面画像IMGにおける視神経乳頭ODと黄斑MRと異常突出領域DRとの位置関係を模式的に表す。
分類処理部236Bは、特定された異常突出領域DRと、視神経乳頭ODと、黄斑MRとの位置関係に基づいて、後部ぶどう腫の病態をCurtin分類に従って分類する。例えば、異常突出領域DRが、視神経乳頭ODを含む所定領域と黄斑MRを含む所定領域とを含む場合、分類処理部236Bは、後部ぶどう腫の病態が「タイプ1」であると分類する。例えば、異常突出領域DRが、視神経乳頭ODを含む所定領域だけを含む場合、分類処理部236Bは、後部ぶどう腫の病態が「タイプ3」であると分類する。例えば、異常突出領域DRが、視神経乳頭ODを含む所定領域の下方(inferior)である場合、分類処理部236Bは、後部ぶどう腫の病態が「タイプ5」であると分類する。表示制御部211Aは、分類処理部236Bにより得られた分類結果を表示部240Aに表示させる。
或いは、例えば、分類処理部236Bは、教師あり機械学習(supervised machine learning)を事前に実行することにより得られた学習済みモデルを用いて、OCT画像、又は分布情報生成部236Aにより生成された2次元又は3次元の分布情報から2以上の確信度情報を生成する。ここで、確信度情報は、Curtin分類の10種類の病態のそれぞれについて、被検眼Eの後部ぶどう腫の病態の分類の推定結果の確信度(例えば、当該病態であると推定される確率)を表す情報である。分類処理部236Bは、生成された2以上の確信度情報からCurtin分類の分類結果を推定情報として出力する。
学習済みモデルは、CPU及びメモリを備えるコンピュータ(プロセッサ)において用いられる。例えば、学習済みモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:以下、CNN)に対する機械学習により生成される。例えば、複数の教師データをCNNに順次に与えて教師あり機械学習を実行することで、CNNを構成する入力層、1以上の中間層、及び出力層の間のパラメータ(重み係数、バイアス)が調整された学習済みモデルが生成される。
表示制御部211Aは、分類処理部236Bにより得られた確信度情報又は推定情報を表示部240Aに表示させる。
また、表示制御部211Aは、眼底Efの正面画像上にスケールバー(単位:mm)を表示させたり、所定の特徴部位(例えば、視神経乳頭)のサイズを基準に所望の領域のサイズを表示させたりしてもよい。
いくつかの実施形態では、OCT画像における所定の層領域に対するフィッティング処理により特定された楕円又は楕円体のサイズ、及び位置の少なくとも1つは、操作部240Bを用いたユーザーにより変更可能である。この場合、表示制御部211Aは、ユーザーにより変更された楕円又は楕円体のサイズ、位置に応じて、正面画像における楕円中心角度範囲をリアルタイムに変更して表示部240Aに表示させることが可能である。
更に、表示制御部211Aは、OCT画像における所定の層領域に対するフィッティング処理により特定された楕円又は楕円体のパラメータを表示部240Aに表示させることが可能である。楕円又は楕円体のパラメータの一例として、長軸、短軸、長軸と短軸との比などがある。
(ユーザーインターフェイス240)
図3に示すように、ユーザーインターフェイス240は表示部240Aと操作部240Bとを含む。表示部240Aは表示装置3を含む。操作部240Bは各種の操作デバイスや入力デバイスを含む。
ユーザーインターフェイス240は、例えばタッチパネルのような表示機能と操作機能とが一体となったデバイスを含んでいてもよい。他の実施形態において、ユーザーインターフェイスの少なくとも一部が眼科装置に含まれていなくてよい。例えば、表示デバイスは、眼科装置に接続された外部装置であってよい。
(通信部280)
通信部280は、図示しない外部装置と通信するための機能を有する。通信部280は、外部装置との接続形態に応じた通信インターフェイスを備える。外部装置の例として、サーバ装置、OCT装置、走査型光検眼鏡、スリットランプ検眼鏡、眼科測定装置、眼科治療装置などがある。眼科測定装置の例として、眼屈折検査装置、眼圧計、スペキュラーマイクロスコープ、ウェーブフロントアナライザ、視野計、マイクロペリメータなどがある。眼科治療装置の例として、レーザー治療装置、手術装置、手術用顕微鏡などがある。また、外部装置は、記録媒体から情報を読み取る装置(リーダ)や、記録媒体に情報を書き込む装置(ライタ)などでもよい。更に、外部装置は、病院情報システム(HIS)サーバ、DICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)サーバ、医師端末、モバイル端末、個人端末、クラウドサーバなどでもよい。
演算制御ユニット200(制御部210、画像形成部220、及びデータ処理部230)は、実施形態に係る「眼科情報処理装置」の一例である。表示部240A(表示装置3)は、実施形態に係る「表示手段」の一例である。OCTユニット100から対物レンズ22までの光学系は、実施形態に係る「OCT光学系」の一例である。
(動作)
実施形態に係る眼科装置1の動作例について説明する。
図18~図21に、実施形態に係る眼科装置1の動作例を示す。図18は、眼科装置1の動作例のフロー図を表す。図19は、図18のステップS2の処理を行う眼科装置1の動作例のフロー図を表す。図20は、図18のステップS3の処理を行う眼科装置1の動作例のフロー図を表す。図21は、図20のステップS22の処理を行う眼科装置1の別の動作例のフロー図を表す。記憶部212には、図18~図21に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。主制御部211は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図18~図21に示す処理を実行する。
なお、ステップS1に先立って、前眼部カメラ5A、5Bを用いて、被検眼Eに対する眼科装置1の光学系のアライメントが完了し、撮影合焦レンズ31により合焦状態に設定されているものとする。
(S1:眼底画像を取得)
まず、主制御部211は、LCD39を制御して被検眼Eの眼底Efに固視標を提示しつつ、照明光学系10、及び撮影光学系30を制御して眼底Efの画像を取得させる。
(S2:OCT画像を取得)
続いて、主制御部211は、OCTユニット100等を制御して、被検眼Eの眼底EfのOCT画像を取得させる。ステップS2の詳細については、後述する。
(S3:楕円中心角度処理)
続いて、主制御部211は、楕円中心角度処理部235を制御して、ステップS2において取得されたOCT画像における所定の層領域に対してフィッティング処理を施し、2次元の近似楕円又は3次元の近似楕円体を特定させる。
楕円中心角度処理部235は、特定された2次元の近似楕円又は3次元の近似楕円体の楕円中心を特定する。主制御部211(表示制御部211A)は、ステップS2において取得されたOCT画像における所定の領域と、特定された2次元の近似楕円の楕円中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は特定された3次元の近似楕円体の楕円体中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示部240Aに表示させる。
(S4:解析)
次に、主制御部211は、解析部236を制御して、上記のように図15又は図16に示す残差マップを生成させて表示部240Aに表示させたり、図17に示すようにCurtin分類に従って後部ぶどう腫の病態を分類させたりする。
以上で、眼科装置1の動作は終了である(エンド)。
図1のステップS2は、図19に示すように実行される。
(S11:アライメント)
まず、主制御部211は、アライメントを実行する。
例えば、主制御部211は、LCD39を制御して、被検眼Eにアライメント用の固視標を提示させる。主制御部211は、前眼部カメラ5A及び5Bを制御して、実質的に同時に被検眼Eの前眼部Eaを撮影する。アライメント処理部231は、主制御部211からの制御を受け、前眼部カメラ5A及び5Bにより実質的に同時に取得された一対の前眼部画像を解析して特徴部位として被検眼Eの瞳孔中心位置を特定する。アライメント処理部231は、被検眼Eの3次元位置を求める。この処理は、例えば、特開2013-248376号公報に記載のように、一対の前眼部カメラ5A及び5Bと被検眼Eとの位置関係に基づく三角法を利用した演算処理を含む。
主制御部211は、光学系(例えば眼底カメラユニット2)と被検眼Eとが所定の位置関係となるように、アライメント処理部231により求められた被検眼Eの3次元位置に基づき移動機構150を制御する。ここで、所定の位置関係は、光学系を用いて被検眼Eの撮影や検査を実行可能な位置関係である。典型例として、アライメント処理部231により被検眼Eの3次元位置(x座標、y座標、z座標)が得られた場合、対物レンズ22の光軸のx座標及びy座標が被検眼Eのx座標及びy座標にそれぞれ一致し、且つ、対物レンズ22(前側レンズ面)のz座標と被検眼E(角膜表面)のz座標との差が所定距離(ワーキングディスタンス)に等しくなる位置が、光学系の移動先として設定される。
(S12:調整用断層像を取得)
主制御部211は、LCD39の所定位置にOCT計測用の固視標を表示させる。主制御部211は、眼底Efにおける光学系の光軸の位置に対応するLCD39の表示位置に固視標を表示させることが可能である。
続いて、主制御部211は、OCTユニット100を制御してOCT仮計測を実行させ、深さ方向の計測範囲の基準位置を調整するための調整用断層像を取得させる。具体的には、主制御部211は、光スキャナ42を制御することにより、光源ユニット101から出射された光L0に基づいて生成された測定光LSを偏向し、偏向された測定光LSで被検眼Eの眼底Efをスキャンさせる。測定光LSのスキャンにより得られた干渉光の検出結果は、クロックKCに同期してサンプリングされた後、画像形成部220に送られる。画像形成部220は、得られた干渉信号から被検眼Eの断層像(OCT画像)を形成する。
(S13:深さ方向の基準位置を調整)
続いて、主制御部211は、深さ方向(z方向)の計測範囲の基準位置を調整する。
例えば、主制御部211は、ステップS12において得られた断層像における所定の部位(例えば、強膜)をデータ処理部230に特定させ、特定された所定の部位の位置に対して深さ方向に所定の距離だけ離れた位置を計測範囲の基準位置として設定する。主制御部211は、基準位置に対応して、光路長変更部41、114の少なくとも一方を制御する。また、測定光LSと参照光LRの光路長が略一致するようにあらかじめ決められた所定の位置が計測範囲の基準位置として設定されてもよい。
(S14:フォーカス調整、偏波調整)
次に、主制御部211は、フォーカス調整制御及び偏波調整制御を実行する。
例えば、主制御部211は、合焦駆動部43Aを制御してOCT合焦レンズ43を所定の距離だけ移動させた後、OCTユニット100を制御してOCT計測を実行させる。主制御部211は、上記のように、OCT計測により得られた干渉光の検出結果に基づいて測定光LSのフォーカス状態をデータ処理部230に判定させる。データ処理部230による判定結果に基づいて測定光LSのフォーカス状態が適正ではないと判断されたとき、主制御部211は、再び合焦駆動部43Aの制御を行い、フォーカス状態が適正であると判断されるまで繰り返す。
また、例えば、主制御部211は、偏波コントローラ103、118の少なくとも一方を制御して光L0及び測定光LSの少なくとも一方の偏波状態を所定の量だけ変更した後、OCTユニット100を制御してOCT計測を実行させ、取得された干渉光の検出結果に基づくOCT画像を画像形成部220に形成させる。主制御部211は、上記のように、OCT計測により得られたOCT画像の画質をデータ処理部230に判定させる。データ処理部230による判定結果に基づいて測定光LSの偏波状態が適正ではないと判断されたとき、主制御部211は、再び偏波コントローラ103、118の制御を行い、偏波状態が適正であると判断されるまで繰り返す。
(S15:干渉信号を取得)
続いて、主制御部211は、OCTユニット100を制御してOCT計測を実行させる。当該OCT計測により取得された干渉光の検出結果は、DAQ130においてサンプリングされ、干渉信号として記憶部212等に保存される。
(S16:断層画像を形成)
次に、主制御部211は、ステップS15において取得された干渉信号に基づいて被検眼EのAスキャン画像データのデータセット群を画像形成部220に形成させる。画像形成部220は、形成されたAスキャン画像をBスキャン方向に配列することにより断層画像を形成する。
以上で、図1のステップS2の処理は終了である(エンド)。
図1のステップS3は、図20に示すように実行される。
(S21:OCT画像を合成)
主制御部211は、画像合成部233を制御して、例えば、スキャン範囲を変更しつつステップS2の一部又は全部の処理を繰り返し実行することにより形成された2以上のOCT画像を合成して、合成画像を生成させる。
(S22:形状補正)
主制御部211は、形状補正部232を制御することにより、ステップS21において生成された合成画像を補正することにより、眼底Efの形状を補正させる。ステップS22の詳細は、後述する。
なお、図20では、2以上のOCT画像の合成画像に対して形状補正を行うが、形状補正が行われた2以上のOCT画像から合成画像を生成するようにしてもよい。
(S23:セグメンテーション処理)
続いて、主制御部211は、層領域特定部234を制御して、ステップS22において形状補正が行われた合成画像(広義には、OCT画像)に対してセグメンテーション処理を実行して、所定の層領域(例えば、ブルッフ膜)を特定させる。
いくつかの実施形態では、主制御部211は、層領域特定部234を制御して、ステップS21において生成された合成画像に対してセグメンテーション処理を実行させる。
(S24:フィッティング処理)
続いて、主制御部211は、フィッティング処理部235Aを制御して、ステップS23において所定の層領域が特定された合成画像に対してフィッティング処理を実行して、所定の層領域の形状の2次元の近似楕円又は3次元の近似楕円体を特定させる。
(S25:楕円中心を特定)
続いて、主制御部211は、楕円中心角度処理部235を制御して、ステップS24において特定された2次元の近似楕円又は3次元の近似楕円体の楕円中心を特定させる。
(S26:特徴位置を特定)
次に、主制御部211は、特徴位置特定部235Bを制御して、ステップS24においてフィッティング処理が施されたOCT画像を解析して眼底Efにおける特徴位置を特定させる。
(S27:回転処理)
次に、主制御部211は、ステップS26において特定された楕円体中心と特徴位置特定部235Bにより特定された特徴位置とを結ぶ直線の方向が楕円体中心角度が0度の方向に略一致するように、フィッティング処理部235Aにより特定された楕円又は楕円体上の位置に対してロドリゲスの回転公式を用いて座標変換を実行させる。
以上で、図1のステップS3の処理は終了である(エンド)。
図20のステップS22では、図21に示すフローに従って処理が実行される。
(S31:変換位置を算出)
ステップS22において、主制御部211は、ステップS21において生成された合成画像の画素位置に対応した変換位置を変換位置特定部232Aに特定させる。変換位置特定部232Aは、上記のように、合成画像の画素位置に対応する変換位置を特定する。
(S32:画素位置を変換)
続いて、主制御部211は、位置変換部232Bを制御することにより、合成画像の画素位置をステップS31において算出された変換位置に変換させる。
(S33:終了?)
主制御部211は、次に変換すべき画素位置があるか否かを判定する。
次に変換すべき画素位置があると判定されたとき(S33:N)、眼科装置1の動作はステップS31に移行する。次に変換すべき画素位置がないと判定されたとき(S33:Y)、眼科装置1の動作はステップS34に移行する。
ステップS31~S33により、合成画像の画素位置毎に、変換位置の特定と、特定された変換位置への変換が行われる。
(S34:補間)
ステップS33において、次に変換すべき画素位置がないと判定されたとき(S33:N)、主制御部211は、ステップS32において変換位置に変換された互いに隣接する合成画像の間の画素を補間部232Cに補間させる。
以上で、図20のステップS22の処理は終了である(エンド)。
[作用]
実施形態に係る眼科情報処理装置、眼科装置、眼科情報処理方法、及びプログラムについて説明する。
いくつかの実施形態の第1態様に係る眼科情報処理装置(演算制御ユニット200(制御部210、画像形成部220、及びデータ処理部230))は、フィッティング処理部(235A)と、表示制御部(211A)とを含む。フィッティング処理部は、被検眼(E)の眼底(Ef)における所定の層領域(例えば、ブルッフ膜)の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施す。表示制五部は、OCT画像における所定の領域と、フィッティング処理部により特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又はフィッティング処理部により特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段(表示部240A、表示装置3)に表示させる。
このような態様によれば、眼底における注目領域のサイズや位置を、OCTスキャン範囲等の眼科装置固有のパラメータではなく、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第2態様では、第1態様において、表示制御部は、所定の領域に対応する範囲を眼底の正面画像に識別可能に表示させる。
このような態様によれば、OCT画像において定量的に把握可能な楕円中心角度の範囲を、対応する正面画像において把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第3態様は、第1態様又は第2態様において、眼底に対して互いに異なる2以上のスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより得られた2以上のOCT画像に基づいて合成画像を形成する画像合成部(233)を含み、フィッティング処理部は、合成画像に対して楕円近似処理又は楕円体近似処理を施す。
このような態様によれば、より広角のOCT画像において、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第4態様は、第1態様又は第2態様において、OCTスキャンを行うための測定光の進行方向に沿うようにOCT画像の形状補正を行う形状補正部(232)を含み、フィッティング処理部は、形状補正部により形状補正が行われたOCT画像に対して楕円近似処理又は楕円体近似処理を施す。
このような態様によれば、眼底の実形状において、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して所望の領域を把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第5態様は、第1態様又は第2態様において、楕円中心又は楕円体中心の周りに楕円又は楕円体上の位置を回転するように座標変換を行う回転処理部(235C)を含む。
このような態様によれば、楕円中心角度の基準を所望の注目部位の位置とし、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して所望の領域を把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第6態様は、第5態様において、OCT画像における特徴領域を特定する特徴領域特定部(235B)を含み、回転処理部は、特徴領域特定部により特定された特徴領域に基づいて楕円又は楕円体上の位置の座標変換を行う。
このような態様によれば、楕円中心角度の基準を特徴領域の位置とし、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して所望の領域を把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第7態様は、第1態様又は第2態様において、OCT画像に基づいて所定の層領域を特定する層領域特定部(234)を含み、フィッティング処理部は、層領域特定部により特定された所定の層領域に対して楕円近似処理又は楕円体近似処理を施す。
このような態様によれば、眼底における所定の層領域の形状に基づいて楕円又は楕円体を特定し、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第8態様では、第7態様において、所定の層領域は、網膜外層又は強膜を含む。
このような態様によれば、網膜外層又は強膜の形状に基づいて楕円又は楕円体を特定し、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第9態様は、第1態様又は第2態様において、OCT画像における所定の層領域の形状と、楕円又は楕円体との差分に対応した統計値の2次元又は3次元の分布を表す分布情報(例えば、残差マップ)を生成する分布情報生成部(236A)を含み、表示制御部は、分布情報生成部により生成された分布情報を表示手段に表示させる。
このような態様によれば、楕円又は楕円体を基準に所定の層領域の形状を容易に把握することができるようになる。
いくつかの実施形態の第10態様では、第1態様又は第2態様において、表示制御部は、楕円又は楕円体の形状を表すパラメータを表示手段に表示させる。
このような態様によれば、楕円又は楕円体の形状を表すパラメータにより、所定の層領域の大まかな形状を容易に把握することができるようになる。
いくつかの実施形態の第11態様は、第1態様又は第2態様において、OCT画像における所定の層領域の形状と、楕円又は楕円体との差分に基づいて、所定の病態の分類を行う分類処理部(236B)を含み、表示制御部は、分類処理部により得られた分類結果を表示手段に表示させる。
このような態様によれば、楕円又は楕円体を基準とした所定の層領域の形状との差分を用いて、形状の変化に起因した病態を簡素な処理で把握することができるようになる。
いくつかの実施形態の第12態様に係る眼科装置(1)は、光源(光源ユニット101)からの光(L0)を測定光(LS)と参照光(LR)とに分割し、測定光を眼底に投射し、眼底からの測定光の戻り光と参照光との干渉光(LC)を検出するOCT光学系(OCTユニット100から対物レンズ22までの光学系)と、干渉光の検出結果に基づいてOCT画像を形成する画像形成部(220)と、第1態様又は第2態様に記載の眼科情報処理装置と、を含む。
このような態様によれば、眼底における注目領域のサイズや位置を、OCTスキャン範囲等の眼科装置固有のパラメータではなく、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第13態様に係る眼科情報処理方法は、フィッティング処理ステップと、表示制御ステップとを含む。フィッティング処理ステップは、被検眼(E)の眼底(Ef)における所定の層領域(例えば、ブルッフ膜)の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施す。表示制御ステップは、OCT画像における所定の領域と、フィッティング処理ステップにおいて特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又はフィッティング処理ステップにおいて特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段(表示部240A、表示装置3)に表示させる。
このような態様によれば、眼底における注目領域のサイズや位置を、OCTスキャン範囲等の眼科装置固有のパラメータではなく、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第14態様では、第13態様において、表示制御ステップは、所定の領域に対応する範囲を眼底の正面画像に識別可能に表示させる。
このような態様によれば、OCT画像において定量的に把握可能な楕円中心角度の範囲を、対応する正面画像において把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第15態様は、第13態様又は第14態様において、眼底に対して互いに異なる2以上のスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより得られた2以上のOCT画像に基づいて合成画像を形成する画像合成ステップを含み、フィッティング処理ステップは、合成画像に対して楕円近似処理又は楕円体近似処理を施す。
このような態様によれば、より広角のOCT画像において、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第16態様は、第13態様又は第13態様において、OCTスキャンを行うための測定光の進行方向に沿うようにOCT画像の形状補正を行う形状補正ステップを含み、フィッティング処理ステップは、形状補正ステップにおいて形状補正が行われたOCT画像に対して楕円近似処理又は楕円体近似処理を施す。
このような態様によれば、眼底の実形状において、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して所望の領域を把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第17態様は、第13態様又は第14態様において、楕円中心又は楕円体中心の周りに楕円又は楕円体上の位置を回転するように座標変換を行う回転処理ステップを含む。
このような態様によれば、楕円中心角度の基準を所望の注目部位の位置とし、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して所望の領域を把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第18態様は、第13態様又は第14態様において、OCT画像における特徴領域を特定する特徴領域特定ステップを含み、回転処理ステップは、特徴領域特定ステップにおいて特定された特徴領域に基づいて楕円又は楕円体上の位置の座標変換を行う。
このような態様によれば、楕円中心角度の基準を特徴領域の位置とし、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して所望の領域を把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第19態様は、第13態様又は第14態様において、OCT画像に基づいて所定の層領域を特定する層領域特定ステップを含み、フィッティング処理ステップは、層領域特定ステップにおいて特定された所定の層領域に対して楕円近似処理又は楕円体近似処理を施す。
このような態様によれば、眼底における所定の層領域の形状に基づいて楕円又は楕円体を特定し、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第20態様では、第19態様において、所定の層領域は、網膜外層又は強膜を含む。
このような態様によれば、網膜外層又は強膜の形状に基づいて楕円又は楕円体を特定し、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
いくつかの実施形態の第21態様は、第13態様又は第14態様において、OCT画像における所定の層領域の形状と、楕円又は楕円体との差分に対応した統計値の2次元又は3次元の分布を表す分布情報を生成する分布情報生成ステップを含み、表示制御ステップは、分布情報生成ステップにおいて生成された分布情報を表示手段に表示させる。
このような態様によれば、楕円又は楕円体を基準に所定の層領域の形状を容易に把握することができるようになる。
いくつかの実施形態の第22態様では、第13態様又は第14態様において、表示制御ステップは、楕円又は楕円体の形状を表すパラメータを表示手段に表示させる。
このような態様によれば、楕円又は楕円体の形状を表すパラメータにより、所定の層領域の大まかな形状を容易に把握することができるようになる。
いくつかの実施形態の第23態様は、第13態様又は第14態様において、OCT画像における所定の層領域の形状と、楕円又は楕円体との差分に基づいて、所定の病態の分類を行う分類処理ステップを含み、表示制御ステップは、分類処理ステップにおいて得られた分類結果を表示手段に表示させる。
このような態様によれば、楕円又は楕円体を基準とした所定の層領域の形状との差分を用いて、形状の変化に起因した病態を簡素な処理で把握することができるようになる。
いくつかの実施形態の第24態様に係るプログラムは、コンピュータに、第13態様又は第14態様に記載の眼科情報処理方法の各ステップを実行させる。
このような態様によれば、眼底における注目領域のサイズや位置を、OCTスキャン範囲等の眼科装置固有のパラメータではなく、眼球内の角度範囲を表す楕円中心角度又は楕円体中心角度として定量化して把握することが可能になる。
以上に説明した実施形態はこの発明の一例に過ぎない。この発明を実施しようとする者は、この発明の要旨の範囲内における変形(省略、置換、付加等)を任意に施すことが可能である。
いくつかの実施形態では、眼科情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムが記憶部212に保存される。このようなプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の非一時的な記録媒体に記憶させてもよい。記録媒体は、磁気、光、光磁気、半導体などを利用した電子媒体であってよい。典型的には、記録媒体は、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブなどである。
1 眼科装置
2 眼底カメラユニット
100 OCTユニット
210 制御部
211 主制御部
211A 表示制御部
212 記憶部
220 画像形成部
230 データ処理部
231 アライメント処理部
232 形状補正部
232A 変換位置特定部
232B 位置変換部
232C 補間部
233 画像合成部
234 層領域特定部
235 楕円中心角度処理部
235A フィッティング処理部
235B 特徴位置特定部
235C 回転処理部
236 解析部
236A 分布情報生成部
236B 分類処理部
E 被検眼
Ef 眼底
LS 測定光

Claims (24)

  1. 被検眼の眼底における所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施すフィッティング処理部と、
    前記OCT画像における所定の領域と、前記フィッティング処理部により特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は前記フィッティング処理部により特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段に表示させる表示制御部と、
    を含む、眼科情報処理装置。
  2. 前記表示制御部は、前記所定の領域に対応する範囲を前記眼底の正面画像に識別可能に表示させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の眼科情報処理装置。
  3. 前記眼底に対して互いに異なる2以上のスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより得られた2以上のOCT画像に基づいて合成画像を形成する画像合成部を含み、
    前記フィッティング処理部は、前記合成画像に対して前記楕円近似処理又は前記楕円体近似処理を施す
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  4. OCTスキャンを行うための測定光の進行方向に沿うように前記OCT画像の形状補正を行う形状補正部を含み、
    前記フィッティング処理部は、前記形状補正部により形状補正が行われたOCT画像に対して前記楕円近似処理又は前記楕円体近似処理を施す
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  5. 前記楕円中心又は前記楕円体中心の周りに前記楕円又は前記楕円体上の位置を回転するように座標変換を行う回転処理部を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  6. 前記OCT画像における特徴領域を特定する特徴領域特定部を含み、
    前記回転処理部は、前記特徴領域特定部により特定された前記特徴領域に基づいて前記楕円又は前記楕円体上の位置の座標変換を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の眼科情報処理装置。
  7. 前記OCT画像に基づいて前記所定の層領域を特定する層領域特定部を含み、
    前記フィッティング処理部は、前記層領域特定部により特定された前記所定の層領域に対して前記楕円近似処理又は前記楕円体近似処理を施す
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  8. 前記所定の層領域は、網膜外層又は強膜を含む
    ことを特徴とする請求項7に記載の眼科情報処理装置。
  9. 前記OCT画像における前記所定の層領域の形状と、前記楕円又は前記楕円体との差分に対応した統計値の2次元又は3次元の分布を表す分布情報を生成する分布情報生成部を含み、
    前記表示制御部は、前記分布情報生成部により生成された前記分布情報を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  10. 前記表示制御部は、前記楕円又は前記楕円体の形状を表すパラメータを前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  11. 前記OCT画像における前記所定の層領域の形状と、前記楕円又は前記楕円体との差分に基づいて、所定の病態の分類を行う分類処理部を含み、
    前記表示制御部は、前記分類処理部により得られた分類結果を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置。
  12. 光源からの光を測定光と参照光とに分割し、前記測定光を前記眼底に投射し、前記眼底からの前記測定光の戻り光と前記参照光との干渉光を検出するOCT光学系と、
    前記干渉光の検出結果に基づいて前記OCT画像を形成する画像形成部と、
    請求項1又は請求項2に記載の眼科情報処理装置と、
    を含む、眼科装置。
  13. 被検眼の眼底における所定の層領域の形状を表す2次元又は3次元のOCT画像に対して2次元の楕円近似処理又は3次元の楕円体近似処理を施すフィッティング処理ステップと、
    前記OCT画像における所定の領域と、前記フィッティング処理ステップにおいて特定された2次元の楕円の楕円中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円中心角度又は前記フィッティング処理ステップにおいて特定された3次元の楕円体の楕円体中心の周りの前記所定の領域の範囲に対応する楕円体中心角度とを表示手段に表示させる表示制御ステップと、
    を含む、眼科情報処理方法。
  14. 前記表示制御ステップは、前記所定の領域に対応する範囲を前記眼底の正面画像に識別可能に表示させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の眼科情報処理方法。
  15. 前記眼底に対して互いに異なる2以上のスキャン範囲に対してOCTスキャンを実行することにより得られた2以上のOCT画像に基づいて合成画像を形成する画像合成ステップを含み、
    前記フィッティング処理ステップは、前記合成画像に対して前記楕円近似処理又は前記楕円体近似処理を施す
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  16. OCTスキャンを行うための測定光の進行方向に沿うように前記OCT画像の形状補正を行う形状補正ステップを含み、
    前記フィッティング処理ステップは、前記形状補正ステップにおいて形状補正が行われたOCT画像に対して前記楕円近似処理又は前記楕円体近似処理を施す
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  17. 前記楕円中心又は前記楕円体中心の周りに前記楕円又は前記楕円体上の位置を回転するように座標変換を行う回転処理ステップを含む
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  18. 前記OCT画像における特徴領域を特定する特徴領域特定ステップを含み、
    前記回転処理ステップは、前記特徴領域特定ステップにおいて特定された前記特徴領域に基づいて前記楕円又は前記楕円体上の位置の座標変換を行う
    ことを特徴とする請求項17に記載の眼科情報処理方法。
  19. 前記OCT画像に基づいて前記所定の層領域を特定する層領域特定ステップを含み、
    前記フィッティング処理ステップは、前記層領域特定ステップにおいて特定された前記所定の層領域に対して前記楕円近似処理又は前記楕円体近似処理を施す
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  20. 前記所定の層領域は、網膜外層又は強膜を含む
    ことを特徴とする請求項19に記載の眼科情報処理方法。
  21. 前記OCT画像における前記所定の層領域の形状と、前記楕円又は前記楕円体との差分に対応した統計値の2次元又は3次元の分布を表す分布情報を生成する分布情報生成ステップを含み、
    前記表示制御ステップは、前記分布情報生成ステップにおいて生成された前記分布情報を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  22. 前記表示制御ステップは、前記楕円又は前記楕円体の形状を表すパラメータを前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  23. 前記OCT画像における前記所定の層領域の形状と、前記楕円又は前記楕円体との差分に基づいて、所定の病態の分類を行う分類処理ステップを含み、
    前記表示制御ステップは、前記分類処理ステップにおいて得られた分類結果を前記表示手段に表示させる
    ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法。
  24. コンピュータに、請求項13又は請求項14に記載の眼科情報処理方法の各ステップを実行させることを特徴とするプログラム。
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