JP2024003282A - プリプレグおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリプレグを作製するに当たり、熱硬化性樹脂は成型に時間がかかる、保存の温度や期間に制限があるなど、一方熱可塑性樹脂は成形温度が高い、耐薬品性が低い、機械加工性に劣るなど、それぞれ問題点を有している。【解決手段】熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を150℃以上で相溶化し、60~100℃で硬化剤および/または硬化促進剤を混合し、さらにフィルム化し、40~100℃で強化繊維を含侵させるプリプレグの製造方法により、保存や加工が容易であり、100以上で短時間に硬化が進行するプリプレグを得ることが出来た。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性プリプレグの特徴を保持しながら、熱可塑性プリプレグの欠点である柔軟性、タック性の問題点を解決した画期的なプリプレグを提供する。特に室温時で固体状態のポリプロピレン、ナイロン、ポリカーボネートなどの汎用プラスチィックに使用できるため、広範囲に適用可能となるハイブリッド樹脂組成物から成るプリプレグである。
従来、強化繊維のマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂が主流である。事実、スポーツレジャーから航空宇宙まで使用されているマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂が多い。
一方、熱硬化性樹脂は硬化時間が熱可塑性樹脂に比較し長時間かかるのが通常である。
しかしながら、その硬化時間を短縮せしめた熱硬化性樹脂マトリックス樹脂も種々開発されている。
最近では熱可塑性樹脂に近づけた短時間硬化型の熱硬化性樹脂のマトリックスがあるが、その成形物は物性的な問題もあり一般的に普及しているとは言いがたい。
特にエポキシ樹脂のみのマトリックス樹脂は、衝撃性、耐疲労性に影響を与える靭性に問題がある。
そのため、熱硬化性樹脂に熱可塑性樹脂を混ぜ、これらの課題を解決しようとする試みがされている。
特開平5-9296号公報 特開特開平6-9758号公報 特開特開平6-9802号公報 特開平10-164691号公報 特開2010-144118号公報
これらの特許は、ある程度の解決すなわち物性面、取り扱い性などにおいては一定の改善は見られるが、熱可塑性樹脂プリプレグが持っている特性である短時間成形、再生可能などのいくつかの点に課題が残っている。
すなわち、硬化剤系に100℃以下で硬化する低温硬化型のアミンアダクト、あるいはマイクロカプセル化の硬化剤を使用しているため、室温での保存安定性には効果があるが、ホットメルトプリプレグを製造する際に使用する樹脂フィルム化する工程の作業性、あるいはカプセル化する工程、また成形する硬化時間は硬化剤系の特性に左右される。
また、プリプレグの熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂は側鎖上のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂も使用しているものもあり、構造上3次元的に硬化しそのため非常にブリットな構造となり熱をかけても柔軟性が無く熱可塑性樹脂特性の再生ができないプリプレグになる。
さらに、マトリックス樹脂組成物に60~100℃で活性化するアミンアダクト型の潜在性硬化剤は、100℃以下の低温で硬化するためプリプレグ化する時の樹脂フィルム作成時、硬化する可能性がありプリプレグ化が行いにくい等の課題もある。
本発明は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を混合させることにより室温時においてプリプレグが適度な柔軟性とタック性を持たせたハイブリッド樹脂組成物を用いたプリプレグであることを特徴としており、且つ成形時間については熱可塑性樹脂の成形温度と成形時間に合わせることにより、その結果熱硬化性プリプレグに比較し短時間で成形できるハイブリッド樹脂組成物から成るプリプレグが提供できる。
該プリプレグのマトリックス樹脂は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を基本としている。該熱硬化性樹脂に対して熱可塑性樹脂を混合させるが、その際の熱硬化性樹脂の硬化剤あるいは硬化促進剤は、プリプレグ化するために60~100℃で硬化が進まないことが重要である。
何故ならば、ホットメルト方式でプリプレグ化するため通常は事前に樹脂フィルムを作成するが、一般的にプリプレグに適度な柔軟性とタック性を保持するための樹脂組成物は室温では半固形のためそのままでは樹脂フィルム化はできないので60~100℃で保温し粘度を下げて樹脂フィルムを作成する。
その結果、該樹脂組成物はプリプレグにした際に室温で適度な柔軟性とタック性を保持することが可能となる。一般的に樹脂フィルム作成時は樹脂組成物を60~100℃の温度に加温し、ある程度液状にしなければ樹脂フィルム化できないため樹脂組成物の粘度が重要となる。
すなわち、プリプレグの樹脂組成物は樹脂単体では室温で固形または半固形であるが、60~100℃で半液状になるように樹脂組成物を組み合わせている。
そのため、本発明品の樹脂組成物の一部と成る熱硬化性樹脂に硬化剤あるいは硬化促進剤を混合させる際に室温では樹脂組成物は半固形のため、粒形状である硬化剤あるいは硬化促進剤を十分に混合させることができないので該樹脂組成物を60~100℃に保持し硬化剤あるいは硬化促進剤を混合させなければならない。
それを行わないと均一な樹脂組成物が得られない。そのためには100℃以下で樹脂組成物が硬化しないことが重要である。ただ、130℃以上で短時間に硬化させ熱可塑性プリプレグの特徴である短時間硬化をさせる必要があり、その点に着目し本発明者は種々検討を行った。
熱硬化性樹脂としてはビスフェノールA型、F型という、いわゆる直鎖上のエポキシ樹脂を使用することが好ましく、さらにジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用することにより、耐衝撃性を向上させることも可能となるようなエポキシ樹脂を使用することを特徴としている。
このような熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂100部に対し、硬化剤としてジシアンジアミド5~20部、硬化促進剤として100℃以上で活性化するアミンアダクトタイプを5~30部添加する。
このことにより、該プリプレグが柔軟性、タック性の両者が保持され、さらに成形後は熱硬化性樹脂として主に直鎖状のエポキシ樹脂を選定することにより熱をかけると柔らかくなり、且つその成形物に熱可塑性樹脂が含まれているため熱可塑性成形物同様、再生可能な成形物となる。
以上より本発明のプリプレグは、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合系のハイブリッド樹脂組成物から成るプリプレグであるため、熱可塑性プリプレグの欠点である柔軟性とタック性に対し、熱硬化性樹脂を配合することにより、熱硬化性樹脂プリプレグの柔軟性とタック性を保持させることができ、プリプレグが積層し易く、且つ柔軟性があるためプリプレグの積層後の形状状態も保持される。
さらに熱硬化性樹脂は、直鎖上のエポキシ樹脂を使用し、該エポキシ硬化系もジシアンジアミドと100℃以上で活性化するアミンアダクトの混合系を使用することにより樹脂フィルム化が容易にでき、且つ短時間で成形物ができ、さらに再生可能となるため非常に優れたプリプレグが得られ熱可塑性と熱硬化性の両者を備えたハイブリッド樹脂組成物から成るプリプレグを提供できる。
本発明のプリプレグは、それらの課題である樹脂フィルム化の工程でエポキシ樹脂の硬化剤にジシアンジアミド、硬化促進剤にアミンアダクトを使用し、カプセル化の必要も無く硬化剤あるいは硬化促進剤をそのまま60~100℃に保温し粘度の低い樹脂組成物に添加することができ、硬化した成形物も側鎖上のエポキシ樹脂を用いることにより側鎖上の構造のため熱をかけることにより柔軟性ができ容易に曲げることができるため、熱可塑性樹脂の特徴である成形物の再生も可能となる。
その結果、本発明に使用される熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂を混合させた系は、これらの課題を解決することができる画期的な発明と言える。
具体的には、熱硬化性樹脂エポキシ樹脂100部に対し、熱可塑性樹脂を10~50部混合させるが、このときは硬化剤あるいは硬化促進剤を含んでいないので、熱可塑性樹脂の融点以上でエポキシ樹脂を混合させることができる。
この際に使用される熱可塑性樹脂は、請求項2で記載したが特定の熱可塑性樹脂こだわる必要性は無い。一般的にホットメルトタイプの樹脂組成物は熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂と混合させても室温では液状にならず固形の状態となる。
その場合は、作業性を良くするために溶剤などでカットし粘度調整し使用しても特に問題は無いが、硬化前に溶剤を揮発させる工程が増えるため好ましくない。
熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂の混合系においては、反応希釈剤などで粘度調整させる方法もある。この方法であれば揮発させる必要はなくなるが、物性面では耐熱性など課題は残るがプリプレグ化は可能となる。
一般的に熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂との混合は難しくニーダー、ミキサー、あるいは二本ロール等で十分に攪拌する必要がある。具体的には、液状エポキシ樹脂を熱可塑性樹脂の融点付近まで温度を上げる。その溶液状のエポキシ樹脂を十分に攪拌させながら、粉末状の熱可塑性樹脂を徐々に滴下する。
所定の熱可塑性樹脂を滴下するために最低30分以上かかるが、急激に滴下すると熱可塑性樹脂が凝集し所謂ダマ状態になるため、該溶液が一液状態になることを確認しながら滴下することが重要で、約2時間十分攪拌を続けることが重要である。
一液状態になった状態でも攪拌時間が短いと室温に戻したときに白濁状態になることもあり、逆に攪拌時間を掛けすぎると樹脂の劣化影響があるため、ハイブリッド溶液の作成時間は3時間以内に終了することが望ましい。
該溶液を室温に戻して一晩以上放置しても均一な溶液となっていることを確認して樹脂フィルムを作成する必要がある。
特に攪拌は容器全体をニーダー、ミキサーなどの攪拌装置が必要でそれが十分でないと均一の状態にならない。さらに2本ローラーなどで微粒子をつぶしてより均一な樹脂組成物が完成する。
その際の反応希釈剤としては、エポキシ樹脂に使用され以下のものがある。
一般的にエポキシ樹脂の反応希釈剤であれば特に限定されることは無く、アルキルモノグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテル、アルキルフェノールグリシジルエーテルがあり、単官能タイプとしてブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、高級アルコール系グリシジルエーテル、二官能タイプとして1,6-へキサンジオールジグリシジルエーテルがあげられる。
通常の潜在性硬化剤としてのジシアンジアミのタイプでは硬化条件として130℃×90分ぐらいかかるため、熱可塑性樹脂の短時間成形とはならない。
そのため、硬化剤としてジシアンジアミド、硬化促進剤として100℃以下では活性化しないアミンアダクトタイプの両者を混合することにより本課題を達成することができる。
このタイプの硬化剤系を使用することで、熱可塑性プリプレグの特徴である短時間成形を可能とした。これらの添加量は、エポキシ樹脂の添加量によって決まるが、通常は硬化剤と硬化促進剤の合計は10~30部である。
このタイプの硬化剤系は、一般的に溶剤に溶けにくいがN-メチルピロリドンには溶解する。
ただ、ホットメルトタイプの混合系であれば硬化剤は溶解する必要もないため、全く問題なく使用できる。
先述したように粘度が高い場合は溶剤あるいは反応希釈剤でカットするが、好ましくは反応希釈剤の方が良い。ハイブリッド樹脂組成としては室温時では半固形であるため、溶剤が入っていても全く硬化剤の分散性に対して影響しないことが言える。硬化剤を混合させる時の温度は、60~100℃が好ましい。
通常、ホットメルト法にてプリプレグ化するために、予め樹脂組成を樹脂フィルム化する。その当該フィルムを繊維に熱圧着し含侵させプリプレグとする。
一般的に繊維基材への樹脂組成物の付着量について制限はないが、通常20~50重量%である。強化繊維の繊維目付は50~500g/mで、加温されるプレート板は数段階に分かれているタイプもあるが、その際の温度は徐々に上げることがフィルム上の樹脂が均一な軟化に繋がり繊維への含侵性も良好となり、通常40~120℃の温度で実施される。
また、ロール圧力は0.3~0.8MPaで行われライン速度は0.5m~2.5m/分で行われる。強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、SiC繊維、チラノ繊維、アラミド繊維、ポリケトン繊維、チタン繊維、タングステン繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維など、無機繊維、有機繊維、金属繊維の単独または複合して用いることができる。
完成したプリプレグは、一般に室温で適度なタックと柔軟性が必要でその際樹脂組成の粘度が重要となる。樹脂フィルム化する工程では、樹脂粘度を下げ硬化剤あるいは硬化促進剤と混合させるため温度を60~100℃にて樹脂フィルム化する必要があるが、60~100℃の低温硬化型の硬化剤系では硬化が始まり非常に作業が難しい。
特に熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合体は相溶性に課題があるため、硬化剤系においても粉体を十分に混合しなければ均一な樹脂組成ができない。
そのために60~100℃で樹脂の粘度を下げて硬化剤系を混合する必要があり、時間的に2~3時間十分に混合させる必要がある。
そのため、100℃以上で硬化するタイプの硬化剤系が必要であるが、通常のエポキシ硬化剤は140℃×90分ぐらい必要なので今回の特徴とする短時間硬化は困難である。
そこで、下表に示した100℃以上で短時間硬化するアミンアダクトタイプを硬化促進剤として使用する。
Figure 2024003282000001
表1のアミンアダクト(味の素ファインテクノ社製)を使用したが、PN-23は100℃以下での活性化が強く硬化が早く樹脂フィルムが作成できない。また、MY-24、PN-40は温度を上げてもある程度樹脂との混合は可能であるが、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合体は相溶性に課題があるため、硬化剤系においても粉体を十分に混合する必要があり、その点において十分満足するタイプでは無かった。
PN-50は、これらの問題を解決し、さらにジシアンジアミドと併用することで十分満足するマトリックス樹脂組成が得られた。
以上よりこのように処理したマトリックス樹脂を使用したプリプレグすなわちハイブリッド樹脂組成物から成るプレプレグは、熱硬化性プリプレグと熱硬化性プリプレグの両者の欠点をカバーすることができる。
さらに物性面においても強化繊維への接着性が劣ると言われている熱可塑性樹脂プリプレグの欠点をエポキシ樹脂が補い、また耐衝撃性、靭性の向上に熱可塑性樹脂が寄与している。
エポキシ樹脂としては、直鎖上のエポキシ樹脂が良く、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型のような両端のみに反応基があるエポキシ樹脂が好ましい。
分子量は、低粘度品でエピコート828、エピコート834、またビスフェノールF型のような少なくとも室温時に液状あるいは半液状であるタイプを使用する。
エポキシ樹脂の粘度としては、15~150P/25℃、エポキシ当量としては150~300が好ましい。また、耐衝撃性のある液状ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を添加しても良い。それらのエポキシ樹脂は単独で使用しても良く、混合系を使用しても良い。
熱可塑性樹脂としては特に限定されず、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂などから選ばれた熱可塑性樹脂で、単体または2種以上の混合物である
これらのいずれかの樹脂を選定することで得られたハイブリッド樹脂組成物から成るプリプレグは、柔軟性がありタックも保持している。
これらを所定の温度で処理した硬化成形物は、熱硬化性樹脂の成形物とは違い、再生可能な成形物となる。すなわち、この成形物に熱を掛けることにより柔軟性を持つことが出来、繊維を切断せずに所定の角度にまで曲げることが出来、再生可能となる。
このように再生可能となることにより、新規に成形しなくとも修正可能な成形物が得られる。
例えば、障害者用の冶具も時間の経過と共に人体にフィットしなくなるため、従来熱硬化性であればフィットしなくなると新規に成形しなければならない。
そのため、コストもかかるし、時間も要するため成形物が出来るまで待機する必要あるのでその間をどうするかでも非常に問題となっている。その際にこのハイブリッドプリプレグで成形した成形物であれば、所定の温度をかけて曲げることにより新規の形状にすれば良い。
その結果、熱硬化性プリプレグの成形物に比較し、非常に短時間でまたコストもかからないため有意義なものができる。
さらに環境的に新規な成形物を成形しなくとも良いため、廃棄物の量が減少し環境にもやさしい成形物となる。
以下、実施例と比較例で説明する。
表2に示すように熱可塑性樹脂として旭化成株式会社製、ポリカーボネート樹脂30部に対しADEKA株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)を100部、エポキシ樹脂の硬化剤として味の素ファインテクノ株式会社製、PN-50を使用した。
まず、該エポキシ樹脂100部を160℃で加熱溶融した後、ポリカーボネート樹脂30部を添加して溶融させ、この混合物を80℃まで冷却し、次にジシアンジアミドを8部とPN-50を5部この混合系に添加して、ハイブリッド樹脂組成物を調整した。
該樹脂組成物は、ホットメルト法で塗工し樹脂フィルムを作成して、その後炭素繊維に含浸させプリプレグを作成した。
その結果、該プリプレグは、適度な柔軟性とタック性を保持しており、非常に作業性が良く積層してもタック性があるため、その結果プリプレグ間の密着性が良く、また柔軟性もあるため、熱可塑性樹脂プリプレグに比較し、非常に成形が容易となる。
成形条件としては、180℃×5分での熱処理でエポキシ樹脂は硬化するため、通常の熱硬化性プリプレグと比較し非常に短時間の熱処理で成形物となる。
その結果を表2に記載する。さらにハイブリッド樹脂組成物のプリプレグの成形物の特徴でもある再生可能な成形物となる。
表2に示す熱可塑性樹脂として東レ株式会社製、ナイロン66樹脂30部に対しADEKA株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)を20部、エポキシ樹脂の硬化剤として味の素ファインテクノ株式会社製、PN-50を使用した。
まず、該エポキシ樹脂100部を210℃に加熱溶融した後、ナイロン66樹脂30部を添加して溶融させ、この混合物を室温まで冷却した。
室温時は、固形となるため100℃に加温し、硬化剤系を混合できる適度な粘度調整を行った後にジシアンジアミドを8部、PN-50を5部この混合系に添加してハイブリッド樹脂組成物を調整した。
該樹脂組成物は、ホットメルト法で塗工し樹脂フィルムを作成して、その後炭素繊維に含浸させプリプレグを作成した。
その結果、該プリプレグは、適度な柔軟性とタック性を保持しており、非常に作業性が良く積層してもタック性があるため、その結果プリプレグ間の密着性が良く、また柔軟性もあるため、熱可塑性樹脂プリプレグに比較し、非常に成形が容易となる。
成形条件としては、200℃×5分での熱処理でエポキシ樹脂は硬化するため、通常の熱硬化性プリプレグと比較し非常に短時間の熱処理で成形物となる。
その結果を表2に記載する。さらにハイブリッドプリプレグの成形物の特徴でもある再生可能な成形物となる。
表2に示す熱可塑性樹脂として三井化学株式会社製、ポリプロピレン樹脂30部に対しADEKA株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)を100部、エポキシ樹脂の硬化剤としてADEKA株式会社製のジシアンジアミドと味の素ファインテクノ株式会社製のPN-50を使用した。
まず、該エポキシ樹脂100部を160℃で加熱溶融した後、ポリプロピレン樹脂30部を添加して溶融させ、この混合物を90℃まで冷却した。
この混合物にジシアンジアミドを8部とPN-50を5部加え2時間撹拌し、均一な樹脂組成物を得る。
該樹脂組成物は、ホットメルト法で塗工し樹脂フィルムを作成して、その後炭素繊維に含浸させプリプレグを作成した。
その結果、該プリプレグは、適度な柔軟性とタック性を保持しており、非常に作業性が良く積層してもタック性があるため、その結果プリプレグ間の密着性が良く、また柔軟性もあるため、熱可塑性樹脂プリプレグに比較し、非常に成形が容易となる。
成形条件としては、160℃×5分での熱処理でエポキシ樹脂は硬化するため、通常の熱硬化性プリプレグと比較し非常に短時間の熱処理で成形物となる。
その結果を表2に記載する。さらにハイブリッド樹脂組成物から成るプリプレグの成形物の特徴でもある再生可能な成形物となる。
(比較例1)
表2に示すように実施例1に対して同様の処理を実施するが、硬化剤のみを日本カーバイト株式会社製のジシアンジアミド10部をこの混合系に添加して、ハイブリッド樹脂組成物を調整し、ハイブリッドプリプレグを作成した。該プリプレグは、適度な柔軟性とタック性を保持しており、作業性には問題なかった。
この積層したプリプレグの成形条件としては、180℃×5分で熱処理した。
しかし、ジシアンジアミドは短時間では硬化が進まず、所定の成形物が得られなかった。
(比較例2)
表2に示す熱可塑性樹脂として旭化成株式会社製、ポリカーボネート樹脂30部に対しADEKA株式会社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)を5部、エポキシ樹脂の硬化剤として味の素ファインテクノ株式会社製、PN-23を使用した。
まず、該エポキシ樹脂100部を160℃で加熱溶融した後、ポリカーボネート樹脂30部を添加してこの混合物を90℃まで冷却し、次にPN-23の硬化剤を20部、この混合系に添加して混合させたところ、十分均一になるまで混合させる必要があるが、30分程度で硬化しハイブリッド樹脂組成物を得ることができなかった。
(比較例3)
表2に示す熱可塑性樹脂として旭化成株式会社製、ポリカーボネート樹脂5部に対しADEKA株式会社ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量170)を100部、エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミドを8部、味の素ファインテクノ株式会社製PN-50を5部使用した。
この樹脂組成は、室温で半液状であるため硬化剤系を混合することは可能であった。
しかし、該プリプレグは、柔軟性とタック性とも非常に強く作業性に優れたプリプレグとは言いがたく、使用に耐えうるプリプレグではなかった。
以上の実施例1~3および比較例1~3の各組成と特性を表2に示す。
Figure 2024003282000002
実施例1の詳細な条件は、基材仕様として3K綾織クロス(198g/m)、使用した炭素繊維は東レ・カーボンマジック株式会社製トレカT-300、マトリックス樹脂は本発明のハイブリッド樹脂、HBPP仕様はRC=45%、成形条件は温度と時間が160℃×5分+180℃×10分、圧力が7kg/cm)、積層は9プライで成形板厚み2mm、Vf=51%である。
実施例1のプリプレグについて、曲げ試験を行い、その結果を表3に示す。測定方法はJIS K 7074に基づいて行った。
Figure 2024003282000003
同様にシャルピー衝撃についても測定し、その結果を男表4に示す。測定方法はJIS K 7077に基づいて行った。
Figure 2024003282000004
同様にアイゾット衝撃についても測定し、その結果を男表4に示す。測定方法はJIS K 7062に基づいて行った。
Figure 2024003282000005
最後に本発明にかかる実施例1のプリプレグと汎用エポキシ樹脂プリプレグとの比較を表6に示す。ガラス転移点の測定はTMA測定(圧縮モード)室温~300℃で行った。
その結果、ハイブリッド樹脂から成るプリプレグは、汎用エポキシ樹脂プリプレグに比較しシャルピー衝撃値が1.3~1.4倍、ガラス転移点が10℃高く、非常に優れた樹脂であることが分かった。
Figure 2024003282000006

Claims (9)

  1. フィルム化した樹脂組成物に強化繊維を含侵させるプリプレグの製造方法であって、
    前記樹脂組成物の製造方法が、
    150℃以上の高温で熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を相溶化し、
    相溶化した混合物を100℃以下まで冷却し、
    熱硬化性樹脂の硬化剤および/または硬化促進剤を該混合物に均一に混合する工程を含むプリプレグの製造方法。
  2. 前記熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を相溶化する工程が、150℃以上の高温下で液状化した熱硬化性樹脂に粉末状の熱可塑性樹脂を投入し、ニーダー、ミキサー、2本ロールから選択される方法で機械的に撹拌することで混合物を均一化する工程であり、
    前記熱硬化性樹脂の硬化剤および/または硬化促進剤を該混合物に均一に混合する工程が、相溶化した混合物を100℃以下に冷却した後に粉末状の硬化剤および/または硬化促進剤を投入し撹拌する工程であり、
    前記フィルム化が、得られた60~100℃の樹脂混合物をフィルムコーターで厚さ0.02~0.5mmでフィルム化する工程であり、
    前記フィルム化した樹脂組成物に強化繊維を含侵させる工程が、樹脂フィルムに目付が50~500g/mとなるような一方向あるいは織物状の強化繊維を並べてプレート板40~100℃、ロール圧0.3~0.8MPaで樹脂フィルムに含浸させる工程である請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
  3. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であり、前記硬化剤がジシアンジアミドであり、前記硬化促進剤が100℃以上で活性化するアミンアダクトである請求項1または2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、SiC繊維、チラノ繊維、アラミド繊維、ポリケトン繊維、チタン繊維、タングステン繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維など、無機繊維、有機繊維、金属繊維から選択される請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
  5. 前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性樹脂の混合割合が90:10~50:50である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のプリプレグの製造方法。
  6. 熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂が相溶化されており、さらに硬化剤および/または硬化促進剤を含む混合物がフィルム化された樹脂組成物と、強化繊維からなるプリプレグであって、
    前記熱硬化性樹脂が100℃以上において短時間で硬化するプリプレグ。
  7. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、前記熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂であり、前記樹脂組成物に添加される硬化剤がジシアンジアミドであり、前記樹脂組成物に添加される硬化促進剤が100℃以上で活性化するアミンアダクトである請求項6に記載のプリプレグ。
  8. 前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、SiC繊維、チラノ繊維、アラミド繊維、ポリケトン繊維、チタン繊維、タングステン繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維など、無機繊維、有機繊維、金属繊維から選択される請求項6または請求項7に記載のプリプレグ。
  9. 前記熱硬化性樹脂と前記熱可塑性樹脂の混合割合が90:10~50:50である請求項6~請求項8のうちいずれか1項に記載のプリプレグ。
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