JP2023554064A - 薬物コンジュゲート、その調製方法、及びその使用 - Google Patents

薬物コンジュゲート、その調製方法、及びその使用 Download PDF

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Abstract

薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。ガバペンチン又はその誘導体を、プロポフォール又はその誘導体とカップリングさせる。親薬物と比較して、薬物コンジュゲートの水溶性及びバイオアベイラビリティは効果的に改善され、薬物の毒性及び副作用が低減される。かかる薬物コンジュゲートは、薬学的効果を有し、中枢神経疾患、例えば、けいれん/てんかん、片頭痛、疼痛及びうつ病を治療及び/又は予防するのに使用できる。

Description

本発明は、薬物-薬物コンジュゲート(Drug-Drug Conjugate)のクラスに関し、より詳細には、プロポフォール(又はその誘導体)及びガバペンチン(又はその誘導体)によって形成される薬物コンジュゲートの調製、その塩、及び結晶法に関する。本発明はまた、中枢神経系疾患、例えば、けいれん/てんかん、片頭痛及びうつ病の治療又は予防における上記の薬物コンジュゲート及びその塩の使用にも関する。
薬物コンジュゲートは、新たな薬物の技術革新への実績のあるアプローチである。薬物コンジュゲートは、2又は3以上の生物学的に活性な単一の薬物を共有結合で連結することにより形成した新規の分子実体である。この設計の主な目的は、臨床用途におけるほとんどの単一の薬物の制限を回避することである。伝統的な薬物と比較して、薬物コンジュゲートは、溶解性の改善、バイオアベイラビリティの改善、半減期の延長及び治療期間の延長、毒性の低減、並びに薬物耐性の低減を含む、いくつかの特別な利点を有する。
プロポフォール及びガバペンチンは、両方とも中枢神経系障害の治療又は予防に非常に有用なFDA承認活性化合物である。プロポフォールは、麻酔の導入及び維持に広く使用されている静脈内短時間作用性麻酔剤である。他の麻酔剤と比較して、プロポフォールは、迅速な作用開始、高いクリアランス速度、迅速な覚醒、及び神経生理学的機能の完全な回復の利点を有する。さらに、プロポフォールの様々な薬理効果は、片頭痛、悪心、疼痛、及び不安を含む様々な臨床状態の治療に有用であることが示されている。しかし、プロポフォールは、限定された水溶性、不十分な薬物動態学的特性及び肝初回通過効果により、経口バイオアベイラビリティがとても低く、薬物の最低有効用量を達成するのが困難であるため、特に中枢神経系における幅広い臨床適用が妨げられている。ガバペンチンは、神経伝達物質のガンマ-アミノ酪酸(GABA, gamma-aminobutyric acid)に構造的に類似した化合物である。これは、主として神経障害性疼痛を治療するのに使用されており、てんかんを有する成人の部分てんかん発作のための補助的治療剤として使用されている。ガバペンチンは、臨床試験により、下肢静止不能症候群、不安、及び他の神経障害の治療における潜在的な役割が示されている。しかし、ガバペンチンは、極性が高く、脂質溶解性が不十分なため血液脳関門を透過するのが難しく、臨床用途中に用量飽和となりやすく、その結果、用量依存の動態となり、他の中枢神経系疾患におけるガバペンチンの適用が大幅に制限される。
現在まで、中枢神経系疾患におけるプロポフォール及びガバペンチンの新規の適用の探求の過程で、これらの2つの化合物の薬物動態の改善に関する多くの研究があるが、それらの多くは、これらの2つの化合物の薬物動態の改善、プロドラッグ(例えば、シクロデキストリン及びミセルを用いたプロポホルムの非エマルジョン製剤、プロポフォールのアミノ酸エステル及びリン酸エステル誘導体、ガバペンチンのシッフ塩基)の設計又は製剤化の技術革新によって達成されているが、しかし、それらはごく限定的にしか成功していない。プロポフォール及びガバペンチンはそれぞれ、薬理学的作用機構が複雑であり、薬物動態プロファイルが非常に異なるため、2つの活性物質を単一の医薬製剤で投与するのは困難である。2つの異なる製剤でプロポフォールとガバペンチンとを併用しようとした場合、有効性を改善する2つの薬物の理想的な相乗効果は観察されなかった。
薬物-薬物コンジュゲートの適用は、2つの活性物質の薬物動態におけるプロポフォール及びガバペンチンの各々の限界を克服するために、そして、中枢神経系疾患の予防及び治療におけるそれらの新規の適用を見出し改善するために、別の全く新しい方法を提供する。新規の分子実体は、プロポフォールとガバペンチンとを安定した共有結合形態でカップリングすることにより作製し、元の2つのシントン活性基の親水性及び親油性の性質を効果的に改善して、両方の薬物動態学的性質を改善し、さらになお、医薬品を製剤化し易くし、毒性及び副作用を低減することができる。新規に得られたコンジュゲートは、新規の分子実体として、インビボで薬理効果を発揮し、プロポフォール及びガバペンチンとは薬理学的作用機構が完全に異なり得、したがって、中枢神経系疾患におけるその新規の適用を展開させ得る。
本発明の目的は、プロポフォール-ガバペンチン薬物コンジュゲートのクラス並びにその調製方法及び使用を提供することである。本発明の第1の態様は、薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を提供し、
薬物コンジュゲートの構造は式(I)に示され:
-L-D (I)
(式中、Dは、ガバペンチン又はその誘導体であり;Lは、カルボニル基から選択されるか、又は存在しなくてもよく;Dは、プロポフォール及びその誘導体から選択される);
好ましくは、薬物コンジュゲートの薬学的に許容される塩の構造は式(II)に示される:
-L-D・A (II)
(式中、Aは、薬学的に許容される酸性陰イオンであり、好ましくは、以下の1又は2以上から選択される:硫酸イオン、リン酸イオン、塩酸イオン、臭化水素酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、グルコン酸イオン、酒石酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、及びメシル酸イオン)。
が、ガバペンチン又は式(III)に示されるその誘導体である、本発明の第1の態様による薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
(式中、Rはメチル基又は水素原子である)。
が、ガバペンチン又は式(IV)に示されるその誘導体である、本発明の第1の態様による薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
(式中、R及びRはメチル基及び水素原子から独立して選択される)。
が、式(V)で表されるガバペンチンの誘導体である、本発明の第1の態様による薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
(式中、R、R及びRは、メチル基及び水素原子から独立して選択される)。
が、プロポフォール、又は式(VI)に示されるその誘導体である、本発明の第1の態様による薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
(式中、Xはハロゲン原子又は水素原子である)。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩の調製方法を提供し、
方法は、薬物コンジュゲートを、Dp及びDgを有機溶媒に懸濁することにより調製するステップを含み;
有機溶媒が、好ましくは、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン/水、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、及びトルエンの1又は2以上から選択され;好ましくは、ジクロロメタン及び/又はテトラヒドロフラン/水である。
式(VII)に記載のガバペンチンの誘導体Dを調製するステップを含み:
好ましくは、ステップが、ガバペンチンをアルデヒド溶液に溶解するステップ、及び還元剤を添加してガバペンチン誘導体を調製するステップを含み;
より好ましくは、アルデヒド溶液がホルムアルデヒド水溶液であり、アルデヒドの量が1~5モル当量、好ましくは3モル当量であり;及び/又は還元剤がギ酸であり、還元剤の量が、1~5モル当量、好ましくは4モル当量であり;
さらに好ましくは、反応温度が60~90℃であり;及び/又は反応時間が3~12時間である、本発明の第2の態様による方法。
式(VIII)で表されるプロポフォールの誘導体Dを調製するステップを含み:
好ましくは、ステップが、プロポフォールを有機溶媒に溶解するステップ、求核試薬、塩基及び酸化剤を添加して、プロポフォール誘導体を調製するステップを含み;
より好ましくは、有機溶媒がメタノールであり、求核試薬がヨウ化ナトリウムであり、塩基が水酸化ナトリウムであり、及び/又は酸化薬が次亜塩素酸ナトリウムであり;
さらに好ましくは、反応温度が0℃であり、及び/又は反応時間が1~3時間であり;
さらにより好ましくは、反応をチオ硫酸ナトリウムで終了後にクエンチする、本発明の第2の態様による方法。
をガバペンチンのN末端でカップリングする場合、Boc-ガバペンチンを最初に調製して、次にDと反応させ;
好ましくは、Boc-ガバペンチンの調製方法が、ガバペンチンを有機溶媒中に撹拌及び懸濁するステップ、NaHCO及びBocOを順に添加して反応させて、Boc-ガバペンチンを得るステップを含み;
より好ましくは、有機溶媒が、好ましくは1:1のテトラヒドロフラン/水であり;NaHCOを1~5モル当量、好ましくは3モル当量の量で使用し;及び/又はBocOを1~2モル当量、好ましくは1.1モル当量の量で使用する、本発明の第2の態様による方法。
有機溶媒で粗生成物を抽出するステップをさらに含み;
好ましくは、有機溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、及びトルエンの1又は2以上から選択され;好ましくはジクロロメタンである、本発明の第2の態様による方法。
本発明の第3の態様は、医薬組成物を提供し、
医薬組成物は、第1の態様に記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は第2の態様に記載の調製方法によって調製される薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩を含み;
好ましくは、医薬組成物の剤形は、錠剤、カプセル剤、注射、リポソーム、及びポリマーミクロスフェアの1又は2以上から選択される。
本発明の第4の態様は、中枢神経系疾患の治療及び/又は予防のための医薬の調製における、第1の態様に記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は第2の態様に記載の調製方法によって調製される薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩の使用を提供し;
好ましくは、中枢神経系疾患は、けいれん、てんかん、片頭痛、疼痛、及びうつ病の1又は2以上から選択される。
本発明の第5の態様は、中枢神経系疾患を治療するための方法を提供し、方法は、必要とする対象に、第1の態様に記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される化合物又は第3の態様に記載の医薬組成物を投与するステップを含み;
好ましくは、中枢神経系疾患は、けいれん、てんかん、片頭痛、疼痛、及びうつ病の1又は2以上から選択される。
本発明の第6の態様は、中枢神経系疾患の治療及び/又は予防のための医薬を提供し、医薬は、第1の態様に記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は第3の態様に記載の調製方法によって調製される薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩を含む。
プロポフォールに基づいて新たな効果的な新規薬物実体を見出そうと、本発明者らは、ガバペンチン又はその誘導体と、プロポフォールとのコンジュゲートによって薬物-薬物コンジュゲートを形成した。これまで、薬物-薬物コンジュゲートの使用は、ほとんどが抗がん薬に限られており、中枢神経系の薬物研究に関連する報告は存在していない。本発明では、本発明者らは、ガバペンチン又はその誘導体と、プロポフォール又はその誘導体とを、リンカー(又は場合によってはリンカーなし)によってカップリングして、薬物-薬物コンジュゲート及びその結晶形態を形成する。
本発明者らは、合成薬物コンジュゲートの水溶性実験において、例示化合物1、2及び5の水溶性がいずれも、10mg/ml超であり、良好な水溶性を示すことを見出した。
本発明者らは、合成薬物コンジュゲートの脂溶性実験において、例示化合物1~6はいずれも、良好な脂溶性特性を有し、脂水分配係数logPが、1.10、1.66、2.38、3.52、1.37、1.54であることを見出した。一般的に、中枢神経系の薬物開発が成功であるかないかに関わらず、化合物は、中枢神経系で十分な曝露を達成するために、生物活性及び代謝の性質が良好で毒性が低い必要があることに加え、血液脳関門(BBB, blood-brain barrier)を克服するために脂溶性が良好である必要もある。本発明の薬物コンジュゲートはいずれも、良好な脂溶性特性を有し、かかる良好な脂溶性特性は、かかる薬物の血液脳関門を通過する透過率を効果的に改善して、薬物のバイオアベイラビリティを改善することができる。
インビトロ血漿分解実験では、本発明者らは、本発明のコンジュゲートが、中性及び酸性血漿の条件下で良好な安定性を有することを見出したが、これは、このコンジュゲートが、インビボで薬力学的効果を発揮する新規の分子実体として振る舞う可能性が高く、このタイプのコンジュゲートが、新規の分子実体として本発明者らが予想していたよりも有益な薬理学的性質を有し得ることを示す。例えば、化合物は、血漿安定性が改善されることで、インビボでの薬物作用時間が延長し、インビボでの曝露が増加し、クリアランス速度が低減し、バイオアベイラビリティが改善し、そして、薬物動態学的及び薬力学的性質が改善する可能性がある。
本発明では、かかる薬物コンジュゲートは、薬効を有し、中枢神経系疾患、例えば、けいれん/てんかん、片頭痛、疼痛及びうつ病などを治療及び/又は予防するのに使用できることが見出されている。
本発明は、薬物-薬物コンジュゲート生成物の形態の薬物コンジュゲートに関し、これは、特に、けいれん/てんかん、片頭痛、うつ病の治療及び/又は予防において活性を示すものである。
本発明はまた、かかる分子の合成方法にも関し、これは、合成ステップが少なく、そのため、産業規模での実施が容易である。
本発明はまた、かかる分子の治療用途、特に、けいれん/てんかん、片頭痛、うつ病の治療及び/又は予防での用途にも関する。
本発明の薬物コンジュゲートは、式(I)及び(II)に記載のカップリング生成物からなることを特徴とする:
-L-D (I)
-L-D・A (II)
(式中、
は、ガバペンチン又はその誘導体であり;
は、プロポフォール及び/又はその誘導体であり;
Lは、カルボニル基から選択されるか、又は存在しなくてもよく;
Aは、薬学的に許容される酸性陰イオン、例えば:硫酸イオン、リン酸イオン、塩酸イオン、臭化水素酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、グルコン酸イオン、酒石酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオンなどを表す)。
本発明の好ましい化合物では、Dは、ガバペンチン又はそのN末端部分誘導体化生成物を表し、以下の式IIIに示されるように連結される
(式中、Rはメチル基又は水素原子である)。
本発明の好ましい化合物では、Dは、ガバペンチン又は以下の式IVで表されるその誘導体を表す。
(式中、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、メチル基又は水素原子である)
本発明では、好ましくは、Dは、ガバペンチン又は以下の式Vで表されるその誘導体である
(式中、R、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、メチル基又は水素原子であり、Aは、上記で規定されている通りである)。
本発明では、好ましくは、Dは、プロポフォール又は以下の式VIのその誘導体である。
(式中、Xは、ハロゲン原子又は水素原子である)
本発明はまた、関連するガバペンチン及びプロポフォール誘導体の調製方法にも関する。
a:式VIIで表されるガバペンチン誘導体の調製
(式中、A、R及びRは上記の通りである)
本発明の実施形態によれば、ガバペンチン誘導体は、アルデヒド溶液(好ましくはホルムアルデヒド水溶液)中にガバペンチンを溶解し、次いで、還元剤(好ましくはギ酸)を添加することによって調製される。この反応液は、好ましくは、60℃~90℃の温度で3~12時間撹拌する。アルデヒドの量は、好ましくは3モル当量であり、還元剤の量は、好ましくは4モル当量である。冷却後、混合液は、減圧下で濃縮し、次いで、酸(好ましくは塩酸)と混合する。溶液は、1~12時間撹拌した。生成物は、再結晶によって得た。
b:式VIIIで表されるプロポフォール誘導体の調製
(式中、Xは上記の通りである)
本発明の実施形態によれば、プロポフォール誘導体は、有機溶媒(好ましくはメタノール)中にプロポフォールを溶解することによって調製される。求核試薬(好ましくはヨウ化ナトリウム)、及び塩基(好ましくは水酸化ナトリウム)を添加する。求核試薬の量は、好ましくは1モル当量であり、反応は、好ましくは0℃で撹拌下にて行う。酸化剤(好ましくは次亜塩素酸ナトリウム)は、0℃で徐々に添加する。反応は、1~3時間行い、次に、チオ硫酸ナトリウムでクエンチした。溶液のpHは、塩酸で中性に調整した。有機溶媒、例えば、ジエチルエーテルによる抽出によって粗生成物が得られ;シリカゲルクロマトグラフィーによるさらなる精製によって生成物が得られる。
c:式VIIのガバペンチン誘導体と、プロポフォール又は式VIIIの誘導体とのカップリング生成物は、以下の式IXのコンジュゲートである
(式中、X、A、R、Rは上記の通りである)。
本発明の実施形態によれば、カップリング反応は、式VIIで表されるガバペンチン誘導体、及びプロポフォール又は式VIIIで表されるプロポフォール誘導体を有機溶媒(好ましくはジクロロメタン)に溶解することによって行う。アシル化剤の量は、好ましくは2モル当量である。この混合液は、低温、好ましくは冷却浴中で0℃にて10~30分間撹拌して反応させる。アシル化剤(好ましくは塩化オキサリル)は、アミド触媒(好ましくはジメチルホルムアルデヒド)と共に添加する。溶液は、0~20℃にて5~16時間撹拌して、酸塩化物のガバペンチン誘導体を得る。
得られた粗生成物は氷浴中で有機溶媒(好ましくはジクロロメタン)中に再溶解し、次いで、有機塩基(好ましくはピリジン)を添加し、次いで、プロポフォール又はプロポフォール誘導体を徐々に添加する。有機塩基の量は、好ましくは2~3当量である。この混合液は、0~20℃にて5~12時間撹拌し、次いで、塩酸水溶液、好ましくはpH1の塩酸水溶液で洗浄する。粗生成物は、ジクロロメタンで抽出することで得られ、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、最後に、最終生成物へと再結晶した。
d:ガバペンチンを、プロポフォール又は式VIIIで表されるその誘導体とカップリングして、式Xで表されるコンジュゲートを調製する
(式中、X及びA1は上記の通りである)。
本発明の実施形態によれば、このコンジュゲートは、ガバペンチン及びプロポフォール又は式VIIIで表されるプロポフォール誘導体を有機溶媒に懸濁することによって調製され、有機溶媒は、好ましくは1:1のテトラヒドロフラン/水である。ガバペンチン懸濁液は、氷浴中で撹拌して、塩基(好ましくは重炭酸ナトリウム)、次いでアミン保護剤(好ましくはジ-tert-ブチルジカーボネート)を添加する。アミン保護剤の量は、好ましくは1モル当量である。反応溶液は、20℃に加熱し、一晩撹拌した。有機溶媒(好ましくはジエチルエーテル)で抽出し、次いで、水層を、重硫酸カリウムを0℃にて注意深く添加することによってpH7に酸性化する。得られた水性混合液は、ジクロロメタンで抽出した。2つの有機相は、1つにまとめ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。白色固体は、さらに精製することなく次のカップリング反応に使用できる。
上記で得られた白色固体及びプロポフォール又はその誘導体は、有機溶媒(好ましくはジクロロメタン)に溶解し、アミン触媒(好ましくは4-ジメチルアミノピリジン)を添加し、0℃にて混合液に、同じ溶媒に溶解したカップリング剤(好ましくはN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド)を徐々に添加し、20℃にて5~18時間撹拌する。反応溶液はろ過し、溶媒を減圧下で除去した。得られた粗カップリング生成物は、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。
上記で得られた生成物は、酸性溶液、好ましくは塩化水素中のジエチルエーテルに溶解する。この溶液は1~5日間撹拌し、次に、溶媒を除去し、最終生成物は再結晶によって得られた。
e:ガバペンチンを、プロポフォール又は式VIIIで表される誘導体とカップリングして、XIを調製する
(式中、X及びR1は上記の通りである)。
(1)本発明の実施形態によれば、ガバペンチンとプロポフォール又は式(VIII)で表されるプロポフォール誘導体とのコンジュゲートは、ガバペンチンを有機溶媒(好ましくはジクロロメタン)に懸濁することによって調製される。ガバペンチン懸濁液は、0~15℃に冷却し、アミン(好ましくはジイソプロピルエチルアミン)を添加し、次いで、アミン保護剤(好ましくはクロロトリメチルシラン)を添加する。次いで、溶液は、1~2時間撹拌した後、ステップ(3)へと進んだ。
(2)別の反応容器において、プロポフォール又はその誘導体は、先のステップと同じ溶媒中に0℃にて溶解する。トリクロロメチルカーボネート(トリホスゲン)は、好ましくは0.4モル当量の量で添加し;次いでアミン、好ましくはジイソプロピルエチルアミンを添加する。反応液は、20℃にて12~16時間撹拌した後、ステップ(3)へと進んだ。
(3)ステップ(2)の反応溶液は、10~25℃にて減圧下でほぼ蒸発乾固した後、上記と同じ有機溶媒中に再溶解し、ステップ(1)の反応溶液をゆっくりと滴加した後、25℃にて12時間撹拌した。反応溶液は、ジクロロメタンで抽出して粗生成物を得、これをさらにカラムクロマトグラフィーで精製した。
f:ステップeからの式XIIのコンジュゲートの第4級アンモニウム塩の調製
(式中、X、A、R2、R3及びR4は上記の通りである)
本発明の実施形態によれば、遊離アミンは、ステップCから得られるコンジュゲートを水に溶解し、溶液のpHが8になるまで炭酸ナトリウムを添加し、有機溶媒(好ましくはジクロロメタン)で抽出することによって水層から抽出する。溶媒を減圧下で除去した後、ヨウ化メチルを溶媒及び試薬として添加し、12時間撹拌し、再結晶して最終生成物を得た。
本発明に記載の片頭痛は、以下の状態:各発作が数時間~数日間続く、頭の片側又は両側の拍動性頭痛を指す。上記の状態は、通常、悪心、嘔吐、及び羞明を引き起こす。
本発明の実施例では、ニトログリセリンの皮下注射によって確立したニトログリセリン誘発片頭痛マウスモデルが選択されるが、このマウスモデルは、現在最も古典的な片頭痛モデルであり、片頭痛を治療するための薬物の実験及び評価において国内外の両方で広く使用されている。
行動の面では、頭部を5回引っ掻いたり、又は前肢を用いて顔面を5回超引っ掻くことは、ニトログリセリンによって誘発される片頭痛関連挙動と考えられ;熱板試験では、後肢を上げたり、後足を舐めることを、鎮痛効果を観察する指標として使用できる。
本発明は、マウスにおいてニトログリセリンによって誘発される片頭痛に対する薬物コンジュゲートの効果を評価し、熱板試験の疼痛閾値及び頭部引っ掻き行動を観察指標とする。その結果、ガバペンチン又はその誘導体及びプロポフォール又はその誘導体によって形成する薬物コンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩は、ニトログリセリン誘発片頭痛によって引き起こされる疼痛を効果的に緩和できることが示された。
縦断的研究によって、うつ病は、通常、再発、又は長期にわたるエピソード(慢性うつ病)を示す進行性の一生続く障害であることが示されている。本発明の実施例で選択したうつ病マウスモデルは、リポ多糖の皮下注射により確立するが、このモデルは、うつ病を治療するための薬物の実験及び評価に広く使用されている。
オープンフィールド試験装置及び関連するコンピューターソフトウェアを、オープンフィールド(50×50×50cm)における各マウスの5分間の総移動距離を集計するのに使用して、マウスの自発的活動に対する被検薬物の効果を評価し;温水(約25℃)で満たした透明な円筒にマウスを6分間入れる強制水泳試験(FST, forced swimming test)を用いた。マウスは、行動、例えば、もがき、強制水泳、及び浮遊を経験し、マウスがもがくのを止めて水面に浮遊する時を、うつ病によって引き起こされる絶望状態と見なした。
本発明の実施例の試験の結果、ガバペンチン又はその誘導体及びプロポフォール又はその誘導体によって形成する薬物コンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩は、リポ多糖によって引き起こされるマウスモデルでのうつ病を効果的に緩和できることが示された。
本発明は、電気刺激によって誘発されるけいれん/てんかんマウスに対するこの薬物コンジュゲートの効果を評価するものである。その結果、この薬物コンジュゲートは、有効用量にてマウスの鎮電気けいれん能を有意に改善し、けいれん/てんかんに有効であることが示された。
本発明の試験例8~10の結果から、ガバペンチン又はその誘導体及びプロポフォール又はその誘導体によって形成する薬物コンジュゲート、又はその薬学的に許容される塩は、プロポフォール単独使用又はガバペンチン+プロポフォール併用と比較してより良好な鎮静及び抗うつ効果を有することが示された。
本発明で調製される薬物コンジュゲート及びその薬学的に許容される塩は、任意の剤形とすることができる。好ましくは、これは、錠剤、カプセル剤、注射剤、凍結乾燥粉末剤、乳剤、リポソーム又はポリマーミクロスフェアの形態で調製できる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
試験例1における群間での個体の体重増加の比較結果を示す図である。 試験例1において熱板法で測定した群間での後ろ足を舐める時間の比較結果を示す図である。 試験例1における群間での総頭部引っ掻き回数の比較を示す図である。 試験例2における群間での個体の体重増加の一元ANOVA比較結果を示す図である。 試験例2における各群間でのオープンフィールド移動の総距離の一元ANOVA比較結果を示す図である。 試験例2における各群間でのFST無動時間の一元ANOVA比較結果を示す図である。 試験例3における各群でのマウスの体重増加値の一元ANOVA比較結果を示す図である。 試験例3におけるマウスの各群での投与の前後で測定した閾電圧増加値の一元ANOVA比較結果を示す図である。 試験例9におけるマウス各群での投与の前後における砂糖水の嗜好の変化の一元ANOVA比較結果を示す図である。 試験例10におけるマウス各群での投与の前後における強制水泳の無動時間の変化の一元ANOVA比較結果を示す図である。
本発明を具体的な実施例を用いて以下でさらに説明するが、しかしながら、これらの実施例はより詳細な説明のために用いられるに過ぎず、いかなる形でも本発明を限定すると解釈すべきではないことを理解されたい。
この欄では、本発明の試験に使用する材料及び試験法の一般的な説明が提供される。本発明の目的のために使用する材料及び操作法の多くが当技術分野で知られているが、本発明は可能な限り詳細に説明する。当業者には、文脈上、具体的に述べていなくても、本発明で使用する材料及び操作法が当技術分野でよく知られていることは明らかである。
以下の実施例で使用する試薬及び装置は、以下の通りである。
試薬:ガバペンチンは、AK Scientific社(CA, USA)から購入し;THF、NaHCO、BocO、ジエチルエーテル、KHSO、ジクロロメタン、NaSO、プロポフォール、4-ジメチルアミノピリジン、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、酢酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテル、メタノール、ヨウ化ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、塩酸、ジイソプロピルエチルアミン、クロロトリメチルシラン、トリクロロメタンカーボネート塩基エステル、ギ酸、ホルムアルデヒド、アセトン、塩化オキサリル、ジメチルホルムアルデヒド、ピリジン、CMC-Na水溶液、フルナリジン塩酸塩、ニトログリセリンは、Sigma-Aldrich社から購入した。
装置及びモデル:核磁気共鳴装置、Bruker-400 mhz UltraShield NMR;高圧液体クロマトグラフィー、Agilent-1100シリーズHPLC;質量分析装置、Waters ZMD 2000 MC365質量分析装置
この実施例は、化合物1:2,6-ジイソプロピルフェニル2-(1-(アミノメチル)シクロヘキシル)アセテート塩酸塩の調製を例示するために用いられる。
ガバペンチン(5.14g、30mmol、1equiv)は、THF/水(1:1、180ml)中に撹拌しながら懸濁し、0℃に冷却した。NaHCO(7.56g、90mmol、3equiv)及びBocO(7.6mL、33mmol、1.1equiv)を、順次添加し、混合液は、室温にて一晩撹拌した。反応溶液は、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し;水層を、KHSO(10%)を注意深く添加することによって0℃にてpH7に酸性化し;水相を、1つにまとめ、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出し;2つの有機相を、1つにまとめ、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。Boc-ガバペンチン(7.4g、88%)を、白色固体として得た。
上記で得られたBoc-ガバペンチン(5.7g、21mmol、1equiv)及びプロポフォール(3.9mL、21mmol、1equiv)は、ジクロロメタン(100mL)に溶解し、4-ジメチルアミノピリジン(164mg、7%mol)を添加した。上記の混合液に、ジクロロメタン(20mL)に溶解したN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(4.3g、21mmol、1equiv)の混合溶液を、0℃にて徐々に添加して、20℃にて一晩撹拌した。翌日、反応溶液は、ろ過して沈殿物を除去し、ろ液を減圧して溶媒を除去し、カップリングした生成物を、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン中の8%酢酸エチルで溶出した(6.0g、66%)。
上記で得られる精製したカップリング化合物(6.0g、13.9mmol、1equiv)は、ジエチルエーテル中の2N塩化水素(70ml、10equiv)に溶解し、溶液を2日間撹拌し、次いで、溶媒を除去して白色固体(5.1g、100%)を得た。次に、最終生成物を、ジエチルエーテルから再結晶した。
H NMR(クロロホルム-d)δ:8.54(br.s.,3H)、7.13-7.25(m,3H)、3.15(br.s.,2H)、2.95(s,2H)、2.80-2.90(m,2H)、1.47-1.70(m,10H)、1.19(d,J=7.0Hz,12H);MS(m/z):C2134ClNOの計算値、367.96;実測値、[M-Cl]、331.87。
化合物1の水における溶解性は18mg/mlである;LogP:1.10。
この実施例は、化合物2:4-ヨード-2,6-ジイソプロピルフェニル2-(1-(アミノメチル)シクロヘキシル)アセテート塩酸塩の調製を例示するために用いられる。
プロポフォール(3.43mL、18.5mmol、1equiv)は、メタノール(50mL)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(2.77g、18.5mmol、1equiv)及び水酸化ナトリウム(0.74g、18.5mmol、1equiv)を添加した。反応は、好ましくは0℃にて撹拌しながら行う。次亜塩素酸ナトリウム(35mL、4%)を0℃にて徐々に添加し、反応液は、1時間撹拌し、次に、チオ硫酸ナトリウム溶液(20mL、10%)でクエンチした。反応溶液は、pHを5%塩酸で中性に調整し、粗生成物をジエチルエーテルでの抽出によって得た。3%酢酸エチルのヘキサン溶液を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製及び溶出を行った。4-ヨードプロポフォールを、褐色油(2.4g、43%)として得た。
ガバペンチン(5.14g、30mmol、1equiv)は、THF/水(1:1、180ml)中に撹拌しながら懸濁し、0℃に冷却した。NaHCO(7.56g、90mmol、3equiv)及びBocO(7.6mL、33mmol、1.1equiv)を、順次添加し、混合液は、室温にて一晩撹拌した。反応溶液は、ジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し;水相を、KHSO(10%)を注意深く添加することによって0℃にてpH7に調整し;水相を、1つにまとめ、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出し;2つの有機相を、1つにまとめ、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。Boc-ガバペンチン(7.4g、88%)を、白色固体として得た。
Boc-ガバペンチン(2.0g、7.5mmol、1equiv)及び4-ヨードプロポフォール(2.3mL、7.5mmol、1equiv)は、ジクロロメタン(20mL)に溶解し、4-ジメチルアミノピリジン(60mg、7%mol)を添加した。この混合液に、ジクロロメタン(10mL)に溶解したN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.54g、7.5mmol、1equiv)の混合溶液を、0℃にて徐々に添加し、20℃にて一晩撹拌した。翌日、反応溶液は、ろ過して沈殿物を除去し、ろ液を減圧して溶媒を除去した。カップリングした生成物は、ヘキサン中の8%酢酸エチルを用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製及び溶出を行った(2.74g、66%)。
上記で得られる精製したカップリング化合物(2.74g、5mmol、1equiv.)は、ジエチルエーテル中の2N塩化水素(25ml、10equiv.)に溶解し、2日間撹拌し、次に、溶媒を除去し、最終的に白色固体(2.4g、100%)を得た。
H NMR(クロロホルム-d)δ:8.46(br.s.,3H)、7.44(s,2H)、3.13(br.s.,2H)、2.94(s,2H)、2.76-2.88(m,2H)、1.45-1.68(m,10H)、1.16(d,J=7.0Hz,12H);MS(m/z):C2133ClINOの計算値、493.85;実測値、[M-Cl]、457.71。
化合物2の水における溶解性は13mg/mlである;LogP:1.66。
この実施例は、化合物3:2-(1-(((2,6-ジイソプロピルフェノキシ)カルボニル)メチル)シクロヘキシル)酢酸の調製方法を例示するために用いられる。
ガバペンチン(0.42g、2.45mmol、1equiv)は、ジクロロメタン(20mL)に懸濁し、15℃に冷却し、ジイソプロピルエチルアミンを添加し、次に、クロロトリメチルシラン(0.62mL、4.9mmol、2equiv)を添加し、溶液(溶液A)を2時間撹拌した。別の反応容器において、プロポフォール(0.48mL、2.56mmol、1.04equiv)は、ジクロロメタン(10mL)に0℃にて溶解し、トリクロロメチルカーボネート(トリホスゲン)(0.37g、1.28mmol、0.5equiv)を添加し、ジイソプロピルエチルアミン(1.34mL、3.8mmol、3equiv)を添加し、20℃にて12時間撹拌し、25℃にて減圧下でほぼ蒸発乾固し、ジクロロメタン(20mL)に再溶解した(溶液B)。溶液Bは、溶液Aを徐々に滴加し、25℃にて12時間撹拌した。反応液は、ジクロロメタンで抽出して粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーでさらに精製し、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出した。2-(1-(((2,6-ジイソプロピルフェノキシ)カルボニル)メチル)シクロヘキシル)酢酸(0.64g、59%)を、白色固体として得た。
H NMR(クロロホルム-d)δ:7.13-7.18(m,3H)、5.61(t,J=6.7Hz,1H)、3.37(d,J=6.8Hz,2H)、2.97-3.1(m,2H)、2.39(s,2H)、1.50-1.63(m,4H)、1.40-1.49(m,6H)、1.22(d,J=6.8Hz,12H);MS(m/z):C2233NOの計算値、375.5;実測値、[M+1],375.94。
化合物3の水における溶解性は0.08mg/mlである;LogP:2.38。
この実施例は、化合物4:2-(1-(((4-ヨード-2,6-ジイソプロピルフェノキシ)カルボニル)メチル)シクロヘキシル)酢酸の調製を例示するために用いられる。
ガバペンチン(0.42g、2.45mmol、1equiv)は、ジクロロメタン(20mL)に懸濁し、15℃未満に冷却し、ジイソプロピルエチルアミンを添加し、次に、クロロトリメチルシラン(0.62mL、4.9mmol、2equiv)を添加し、2時間撹拌した(溶液A)。別の反応容器において、4-ヨードプロポフォール(0.48mL、2.56mmol、1.04equiv)は、ジクロロメタン(10mL)に0℃にて溶解し、トリクロロメチルカーボネート(トリホスゲン)(0.37g、1.28mmol、0.5equiv)を添加し、ジイソプロピルエチルアミン(1.34mL、3.8mmol、3equiv)を添加し、20℃にて12時間撹拌し、反応溶液を25℃にて減圧下で蒸発乾固し、次に、ジクロロメタン(20mL)に再溶解した(溶液B)。混合液Bは、溶液Aを徐々に滴加し、25℃にて12時間撹拌した。反応液は、ジクロロメタンで抽出して粗生成物を得、カラムクロマトグラフィーでさらに精製し、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出した。2-(1-(((4-ヨード-2,6-ジイソプロピルフェノキシ)カルボニル)メチル)シクロヘキシル)酢酸(0.88g、72%)を、白色固体として得た。
H NMR(クロロホルム-d)δ:7.43(s,2H)、5.64(t,J=6.7Hz,1H)、3.36(d,J=7.2Hz,2H)、2.89-3.02(m,2H)、2.38(s,2H)、1.49-1.70(m,10H)、1.19(d,J=6.8Hz,12H);MS(m/z):C2232INOの計算値、501.4;実測値、[M+1]、501.73。
化合物4の水における溶解性は0.04mg/mlである;LogP:3.52。
この実施例は、化合物5:2,6-ジイソプロピルフェニル2-(1-((ジメチルアミノ)メチル)シクロヘキシル)アセテート塩酸塩の調製を例示するために用いられる。
ガバペンチン(10g、58.34mmol、1equiv)は、37%ホルムアルデヒド水溶液(13mL、175.02mmol、3equiv)に溶解し、95%ギ酸(9.44mL、233.36mmol、4equiv)を添加し、反応混合液を、90℃にて5時間、撹拌及び還流した。室温まで冷却後、反応溶液は、減圧下で濃縮し、濃塩酸(37%)(6mL)と混合し、1時間撹拌した。アセトン及びエーテル(4.1g、30%)中で再結晶して、N,N’-ジメチルガバペンチンを得た。
N,N’-ジメチルガバペンチン(1.9g、8mmol、1equiv)は、ジクロロメタン(15mL)及び塩化オキサリル(1.7mL、19.5mmol、2.4equiv)の混合溶媒に溶解し、ジメチルホルムアルデヒドを1滴添加した。混合液は、氷浴中で30分間撹拌し、次に、0~20℃にて5時間撹拌して、N,N’-ジメチルガバペンチンの酸塩化物生成物を得た。
得られた淡黄色固体は、ジクロロメタン(15mL)に氷浴中で再溶解し、ピリジン(1.9mL、24.2mmol、equiv)を徐々に添加し、次いで、プロポフォール(1.1mL、6.45mmol、0.8equiv)を徐々に添加し、20℃にて12時間撹拌した。次いで、反応溶液は、1N HCl水溶液で洗浄し、ジクロロメタンで抽出して、粗生成物を得た。粗生成物は、シリカゲルクロマトグラフィーに供し、ジクロロメタン中の5%メタノールで溶出した。アセトン及びヘキサン(1.0g、39%)の混合溶媒中で再結晶して、最終生成物を得た。
H NMR(クロロホルム-d)δ:11.50(s,1H)、7.08-7.13(m,3H)、3.46-3.58(m,2H)、3.30-3.41(m,4H)、2.79-2.91(m,6H)、1.16-1.22(m,10H)、1.12(d,J=6.9Hz,12H);MS(m/z):C2338ClNOの計算値、396.01;実測値、[M-Cl]、359.84。
化合物5の水における溶解性は150mg/mlである;LogP:1.37。
この実施例は、化合物6:(1-(2-(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)-2-オキソエチル)シクロヘキシル)-N,N,N-トリ-メチルメタンアミニウムヨージドの調製を例示するために用いられる。
実施例5で調製した化合物5:2,6-ジイソプロピルフェニル2-(1-((ジメチルアミノ)メチル)シクロヘキシル)アセテート塩酸塩(0.8g、2mmol、1equiv.)は、水に溶解し、炭酸ナトリウム水溶液(10%、40mL)でpH8に調整し、遊離アミンをジクロロメタンで水層から抽出した。溶媒を減圧下で除去した後、ヨードメタン(5mL)を添加し、12時間撹拌した。ジエチルエーテル(0.9g、89%)で再結晶して、最終生成物を得た。
H NMR(クロロホルム-d)δ:7.16-7.14(m,3H)、3.87(s,2H)、3.59(br.s.,2H)、3.53(s,9H)、3.58(s,4H)、3.10(s,2H)、2.69-2.80(m,2H)、1.17-1.20(m,10H)、1.10-1.15(m,12H);MS(m/z):C2440INOの計算値、501.48;実測値、[M-I]、373.97。
化合物6の水における溶解性は0.9mg/mlである;LogP:1.54。
試験例1
この試験例は、ニトログリセリン誘発片頭痛マウスモデルに対する実施例5で調製した化合物5の効果を例示するために用いられる。
実験動物及び群、供給源
48匹のICRマウス 体重18~22g、オスとメス半々;Qinglongshan Animal Breeding Farm社, Jiangning District, Nanjing Cityから購入、証明書:SCXK (Su) 2017-0001;飼育条件:室温18~20℃、同性別ケージ飼育、12時間点灯、定期的換気、従来の正規料金の固形飼料給餌、敷料を2日おきに交換;48匹のマウスを6群(ブランク対照群、モデル群、陽性薬物群、被検薬物の低用量群、被検薬物の中用量群、被検薬物の高用量群)に無作為に分けるが、各群8匹(4♀4)とし、それぞれ1~8番とピクリン酸を用いてマークする。
実験的薬物及び製剤
溶媒:0.5%CMC-Na水溶液;陽性薬物:フルナリジン塩酸塩(シベリウム)カプセル(規格5mg)は、内容物を乳鉢に取り、粉砕しながら100mlの0.5%CMC-Na溶液を添加し、EPチューブに入れて後で使用できるようにしておく;被検薬物(化合物5):蒸留水でそれぞれ5、10、20mg/ml溶液に溶解し、EPチューブに入れて後で使用できるようにしておく;モデル化薬物(ニトログリセリン):2錠のニトログリセリン錠(規格5mg)を取り、粉末へと砕き、EPチューブに入れ、500μlのプロピレングリコールをピペットで添加し、よく振り、5分間静置し、9.5mlの通常の生理食塩水を添加し、よく振り、一晩静置し、上清(1mg/mlニトログリセリンを含む)を取得して使用する。
モデル化方法
第1の群(ブランク対照群)以外の他の群の個体は、各投与の1時間後に10mg/kg(0.2ml/20g)のニトログリセリンバックアップ溶液を皮下注射した(1、3、及び5日目の1日おきに1回モデル化)。
投与方法、投薬量
第1の群は、ブランク対照群であり、0.2ml/20gの0.5%CMC-Naを強制経口投与し;第2の群は、モデル群であり、0.5%CMC-Naを強制経口投与し;第3の群は、陽性薬物群であり、1mg/kgのフルナリジン塩酸塩(シベリウム)を強制経口投与し;第4の群は、被検薬物の低用量群であり、100mg/kgの化合物5を強制経口投与し;第5の群は、被検薬物の中用量群であり、200mg/kgの化合物5を強制経口投与し;第6の群は、被検薬物の高用量群であり、400mg/kgの化合物5を強制経口投与した。1、3、及び5日目の1日おきで投与を行う。
検出方法
5日目に、マウスの行動指標をモデル化直後に集計し、すなわち、各マウスの引っ掻き回数をモデル化後の1~30分、30~60分、及び60~90分の3つの期間で集計し、マウスが最初に頭部引っ掻き行動を呈したら記録し;モデル化45分後に熱板装置を使用して各マウスの後足を舐める時間を測定し、記録した。
観察指標
行動研究では、マウスは、頭部を5回超引っ掻いたり、又は前肢を用いて顔面を5回超引っ掻くことを、モデル化によって引き起こされる片頭痛関連挙動とし、頭部引っ掻き1回と記録し;熱板法では、マウスは、後肢を持ち上げたり、後足を舐めることを観察指標とし、時間を直ちに記録した。
結果
図1~3に示される通りである。
結論
マウスは、データにより本薬物が体重に有意に影響しないことが示された。統計的には、ブランク群を基準とすると、全ての他の群において体重増加に有意な差はなかった(p>0.05)。
熱板試験による疼痛閾値及び頭部引っ掻き行動の結果は、マウスのニトログリセリン誘発片頭痛モデルが成功しており、被検薬物化合物5がマウスにおいてニトログリセリン誘発片頭痛を効果的に緩和できることを示した。統計的結果により、モデル群を基準とすると、ブランク群マウスは、後足を舐めるのに費やす時間に有意な差があり(p<0.05)、頭部を引っ掻く回数の合計が顕著に有意であり(p<0.01);陽性薬物と、被検薬物の中用量群及び高用量群との間に舐める時間に有意な差があり(p<0.05)、陽性薬物と、被検薬物の低用量群及び中用量群との間で頭部引っ掻き回数の合計数が顕著に有意であるが(p<0.01)、一方、被検薬物の高用量群が有意な差を有する(p<0.05)ことが示された。
試験例2
この試験例は、リポ多糖誘発うつ病マウスモデルに対する実施例5で調製した化合物5の効果を例示するために用いられる。
実験動物及び群、供給源
試験例1と同じである。
臨床試験用薬物及び製剤
陽性薬物:塩酸フルオキセチンカプセル(規格20mg)は、内容物を乳鉢に取り、粉砕しながら40mlの0.5%CMC-Na溶液を添加し、懸濁状態とし、EPチューブを使用のためセットする;被検薬物(化合物5):蒸留水にそれぞれ溶解して、5、10、及び20mg/ml溶液とし、後の使用のためEPチューブに入れる;モデル化薬物(LPS):凍結リポ多糖PBS溶液(1.2mg:1.2ml)を取り、解凍後、ピペットを使用して、1mlをEPチューブに取り、新規のピペットチップに交換し、ピペットで9mlの通常の生理食塩水をEPチューブに移し、よく振ってから使用する。
モデル化方法
第1の群(ブランク対照群)以外の他の群の個体、モデル群、陽性薬物群、並びに被検薬物の低、中及び高用量群のマウスに、7日目の最後の投与の2時間前にLPSを腹腔内注射した。
投与方法、投薬量
第1の群は、ブランク対照群であり、0.2ml/20gの0.5%CMC-Naを強制経口投与し;第2の群は、モデル群であり、0.5%CMC-Naを強制経口投与し;第3の群は、陽性薬物群であり、1mg/kgのフルナリジン塩酸塩(シベリウム)を強制経口投与し;第4の群は、被検薬物の低用量群であり、100mg/kgの化合物5を強制経口投与し;第5の群は、被検薬物の中用量群であり、200mg/kgの化合物5を強制経口投与し;第6の群は、被検薬物高用量群であり、400mg/kgの化合物5を強制経口投与した。薬物は、1週間投与し、第2~第6の群に、1mg/kg(0.2ml/20g)のLPSを7日目に腹腔内注射してモデルを確立した。
自発的活動の検出
7日目の最後の投与及びモデル化の前に、マウスの自発的活動に対する薬物の効果を調査する必要があり、薬物がマウスの自発的活動を増加させ、強制水泳実験における無動時間を妨げることがないようにする。オープンフィールド(50×50×50cm)における5分以内の各マウスの総移動距離は、オープンフィールド実験装置及び関連するコンピューターソフトウェアを使用して算出した。データ収集の前に、各マウスは、オープンフィールド環境に慣れるための5分を与え、各マウスは試験後、排せつ物を除去し、臭いをアルコールスプレー瓶で除去した。
強制水泳試験(FST)
LPSの腹腔内注射の4時間後、マウスの行動指標は、強制水泳試験装置及び関連するコンピューターソフトウェアで収集し、円筒内の各マウスの水泳状態を6分間観察し、マウスは、4分間(すなわち2~6分間)以内の無動時間を記録した。気温が低いため、水温は、円筒に熱水を加えることにより制御するのが適切である。
観察指標
自発的活動では、行動インデックスは、5分以内のオープンフィールドにおけるマウスの総移動距離を選択し、マウスは、移動軌跡をモニターデバイスを用いて追跡し、コンピューターソフトウェアを使用することによって、移動の総距離を直接得ることができ;FST実験では、マウスは、温水(約25℃)で満たした透明な円筒に6分間入れ、マウスは、もがき、水泳及び浮遊行動を経験し、マウスがもがくのを止めて水面に浮遊する時を、うつ病によって引き起こされる絶望状態と見なし、モニター機器及びマウスの状態を4分後に統計的に分析するためのコンピューターソフトウェアを使用して、総「無動時間」を直接得ることができる。
結果
図4~6に示される通りである。
結論
マウス体重調査の結果、陽性薬物及び被検薬物は、マウスの体重に有意に影響しないことが示された。しかし、ブランク群を基準とする統計では、陽性薬物群と、低用量被検薬物群との間に体重増加に有意な差があることが見出された(p<0.01)。
自発的活動に関しては、陽性薬物及び被検薬物は、マウスの自発的活動に有意に影響しなかった。統計では、ブランク群を基準として用いたが、他の群の5分以内のマウスの総移動距離に有意な差はなかった(p>0.05)。
うつ病インデックス-FST無動時間に関しては、急性うつ病モデルがLPS法による再現に成功し、陽性薬物及び被検薬物は、LPSによって引き起こされる抑うつ行動に対してある特定の緩和効果を有した(統計的な差は見出されなかった);統計的にモデル群を基準とすると、ブランク群の無動時間は、有意な差があり(p<0.05)、陽性薬物及び被検薬物群の無動時間は、有意な差がなかった(p>0.05)。
試験例3
この試験例は、電気刺激によって誘発されるマウスに対する実施例5で調製した化合物5の抗けいれん効果を例示するために用いられる。
実験動物の供給源
供給源は、試験例1と同じである。
動物のスクリーニング及び分類
(1)40匹のマウス(20♀20)は、各群8匹(4♀4)で無作為に5群に分け、ピクリン酸でそれぞれ1番~8番と標識する;(2)全てのマウスは、群順及び標識順で電気刺激の試験を行い、初期電圧を40Vとし、電圧を毎回2.5V増加させ、同じマウスに対する2つの電気刺激間の時間間隔を20分とし、けいれんの閾電圧値及びけいれんから完全な回復までの時間を記録し、死亡したマウスを除き、適格マウスをスクリーニングする;(3)スクリーニング後、40匹のマウス中の7匹のマウス(2♀5)がけいれん後に回復できず死亡し、33匹の適格マウス(18♀15)が残った;(4)後で使用できるようにしておいたマウスから、7匹を補充としてスクリーニングし、ステップ(2)で死亡したマウスの番号をピクリン酸でマークし、対応する群に加えて、5群の合計40匹の適格マウス(20♀20)を最終的に得た。全てのマウスは、体重を量り、記録した。
実験的薬物及び製剤
陽性薬物:バルプロ酸ナトリウム(規格0.2g)は、1錠剤を乳鉢に取り、粉砕しながら20mlの0.5%CMC-Na溶液を添加し、懸濁状態とし、EPチューブを使用のためセットする;被検薬物(化合物5):蒸留水にそれぞれ溶解して、5、10、及び20mg/ml溶液とし、EPチューブを後の使用のためセットする。
モデル化方法
電気刺激は、最後の投与の1.5時間後に実施し、各マウスに、事前に測定した閾電圧を印加して実験的事象を観察し、けいれんがあるかどうか、また、死亡が発生するかどうかを記録した。
投与方法、投薬量
第1の群は、ブランク対照群であり、0.4ml/20gの0.5%CMC-Naを強制経口投与し;第2の群は、陽性薬物対照群であり、200mg/kgのバルプロ酸ナトリウムを強制経口投与し;第3の群は、被検薬物の低用量群であり、100mg/kgの化合物5を強制経口投与し;第4の群は、被検薬物中用量群であり、200mg/kgの化合物5を強制経口投与し;第5の群は、被検薬物高用量群であり、400mg/kgの化合物5を強制経口投与した。
観察指標
最後の投与の1.5時間後、電気刺激を、各マウスに、事前に測定した閾電圧に従って実行し、実験的事象を観察し、けいれん及び死亡の発生を記録した。けいれんが発生した場合、完全回復時間を記録し;けいれんが発生しない場合、2.5Vの勾配で電圧を継続的に上げて、その時点の閾電圧値及び回復時間を測定する。
マウスにおけるけいれんの5つの期間、すなわち、潜伏期、屈曲硬直期、後肢伸展期、間代性期及び回復期に厳密に従い、電気刺激後にマウスがけいれんを起こしたかどうか、また、けいれん後に回復できず死亡する事象を起こしたかどうか判断する。
結果
図7~8に示される通りである。
結論
ブランク群と比較して、マウスの体重増加に対する陽性薬物及び被検薬物の3つの用量群の効果に差がなかった(p>0.05)。ブランク群と比較して、陽性薬物群は、マウスの抗電気けいれん能を有意に改善することができ(p<0.05);被検薬物100及び200mg/kg用量群は、マウスの抗電気けいれん能に有意に影響せず(p>0.05);400mg/kg用量群は、マウスの抗電気けいれん能を有意に改善できた(p<0.01)。
試験例4
この試験例では、熱板法を用いて、静脈内投与後のマウスに対する実施例1で調製した化合物1の鎮痛効果を調査した。
実験動物及び群、供給源
20匹のICRマウス、18~22g、オスとメス半々、Xi'an Jiaotong University School of Medicineの動物室から購入;飼育条件:室温18~20℃、同性別ケージ飼育、12時間点灯、定期的換気、従来の正規料金の固形飼料給餌、敷料を2日おきに交換;20匹のマウスを2群(低用量被検薬物群、被検薬物高用量群)に無作為に分けるが、各群10匹(5♀5)とした。
実験に加えたマウスは全て、実験の前に熱板疼痛閾値の試験を行い、適格であることを証明した。
装置
PL-200 Hot Sting Pain Meter(Chengdu Taimeng Technology社)
実験的薬物及び製剤
化合物1は、適量を正確に量り、0.9%生理的食塩水に溶解して、5mg/mlの濃度に調製し(溶解状態は良好であり、基本的に透明)、これを母溶液として使用した。試験の間、試験必要条件に従って、通常の生理食塩水で希釈して、適切な濃度とした。
投与方法、投薬量
第1の群は、低用量被検薬物群であり、被検薬物は10mg/kgで尾静脈注射により投与し;第2の群は、被検薬物高用量群であり、被検薬物は15mg/kgで尾静脈注射により投与した。
実験方法
マウスは、温度55±0.5℃の熱板機器に入れ、マウスの疼痛閾値を、投与の前、投与の30分後、投与の60分後、及び投与の120分後に測定及び記録した。
試験の結果は、以下の表1に示される。
結論
化合物1は、熱板試験でのマウスに対する良好な鎮痛効果を有し、10mg/kgの用量で最も優れた鎮痛効果を有し、作用持続時間に関しては、注射後30~60分以内で良好な鎮痛効果が存在する。
試験例5
この試験例では、熱板法を用いて、胃内投与後のマウスに対する実施例1で調製した化合物1の鎮痛効果を調査した。
実験動物及び群、供給源
試験例1と同じである。
実験に加えた全てのマウスは、実験の前に熱板疼痛閾値の検出を行い、10~40秒の疼痛閾値を有する適格マウスをスクリーニングした。
装置
Chengdu Taimeng Intelligent Hot Plate Instrument(Chengdu Taimeng Software社)
実験的薬物及び製剤
化合物1は、適量を正確に量り、蒸留水に溶解し、100mg/mlの母液を調製し、次に、1.25mg/ml(25mg/kg)、2.5mg/ml(50mg/kg)に再蒸留水でそれぞれ希釈し;陽性対照薬物のガバペンチンは、適量を正確に量り、蒸留水に溶解し、100mg/mlの母溶液を調製し、次に10mg/ml(200mg/kg)に再蒸留水で希釈した。全ての医薬品は、必要に応じて調製し用いる。
投与方法、投薬量
40匹のみの適格マウスを、4群に分け、各群においてオスとメス半々とした。第1の群は、投与を行わないブランク群であり;第2の群は、陽性対照(ガバペンチン)25mg/kg群であり;第3の群は、被検薬物25mg/kg群であり;第4の群は、被検薬物50mg/kg群である。全て強制経口投与した。
実験方法
マウスは、温度55±0.5℃の熱板機器に入れ、マウスの疼痛閾値を、投与の前及び投与の60分後に測定及び記録した。
試験の結果は、以下の表2に示される。
結論
化合物1は、熱板疼痛の反応時間を延長でき、鎮痛効果が陽性薬物のガバペンチンと同等である。
試験例6
この試験例は、新鮮及び酸性ラット血漿における実施例5で調製した化合物5の安定性を例示するために用いられる。
実験サンプル:例5で調製した化合物5;5%グルコース(Xi'an Jingxi Shuanghe Pharmaceutical社);ラット血漿(供給源:Animal Center, Department of Medicine, Xi'an Jiaotong University)
新鮮血漿サンプルの調製:
a:実施例5で調製した化合物5は、精製水に溶解して、10mg/mlの濃度で溶液Aを調製し;150μlの溶液Aを660μlの予熱した血漿(37℃)に添加して、溶液Bを得た;
b:溶液B(5μmol/ml)は、ある特定の期間(1分、2分、4分、8分、16分、30分、1時間、2時間、4時間)37℃の水浴中で撹拌し、各時点で50μlをサンプリングした;
c:50μlのサンプリングされた溶液)を、950μlのメタノール(0.1%AcH)に添加して、血漿タンパク質を沈殿して、混合液Cを得た;
d:混合液Cを1秒ボルテックスし、12000rで3分遠心分離し、上清を試験のために採取した。
酸性化血漿サンプルの調製:
a:実施例5で調製した化合物5は、精製水に溶解して、10mg/mlの濃度で溶液Aを調製し;150μlの溶液Aを660μlの予め温めた血漿(37℃)に添加し、pHを0.1%酢酸で調整して試料を完全に溶解して溶液Bを得た;
b:溶液B(5μmol/ml)は、ある特定の期間(1分、2分、4分、8分、16分、30分、1時間、2時間、4時間)37℃の水浴中で撹拌し、各時点で50μlをサンプリングした;
c:50μlのサンプリングされた溶液を、950μlのメタノール(0.1%AcH)に添加して、血漿タンパク質を沈殿して、混合液Cを得た。
d:混合液Cを1秒ボルテックスし、12000rで3分遠心分離し、上清を試験のために採取した。
液相検出:上記遠心分離後の上清10μlを採取して測定用サンプルとする。
結論:
血漿サンプルの検出結果により見出すことができたのは、被検試料が新鮮血漿及び酸性化血漿中で有意に分解されていないということで、このことは、該試料が新鮮血漿及び酸性化血漿中で比較的安定であることを示す。
試験例7
この試験例では、熱板法を用いて、静脈内投与後のマウスに対する実施例2で調製した化合物2の鎮痛効果を調査した。
実験動物及び群、供給源
20匹のICRマウス、18~22g、オスとメス半々、Xi'an Jiaotong University School of Medicineの動物室から購入;飼育条件:室温18~20℃、同性ケージ、12時間点灯、定期的換気、従来の正規料金の固形飼料給餌、敷料を2日おきに交換;20匹のマウスを2群(低用量被検薬物群、被検薬物高用量群)に無作為に分けるが、各群10匹(5♀5)とした。
実験に加えたマウスは全て、実験の前に熱板疼痛閾値の試験を行い、適格であることを証明した。
装置
PL-200 Hot Sting Pain Meter(Chengdu Taimeng Technology社)
実験的薬物及び製剤
化合物2は、適量を正確に量り、5%のグルコース水に溶解して、2mg/mlの濃度に調製し(溶解状態は良好であり、基本的に透明)、これを母溶液として用いた。試験の間、試験必要条件に従って、これを5%グルコース水溶液で希釈して、適切な濃度とした。
投与方法、投薬量
第1の群は、高用量被検薬物群であり、被検薬物は10mg/kgで尾静脈注射により投与し;第2の群は、低用量被検薬物群であり、被検薬物は3mg/kgで尾静脈注射により投与した。
実験方法
マウスは、温度55±0.5℃の熱板機器に入れ、マウスの疼痛閾値を、投与の前、投与の30分後、投与の60分後、及び投与の120分後に測定及び記録した。
試験の結果は、以下の表5に示される。
結論:
化合物2は、熱板試験でのマウスで良好な鎮痛効果を示し、10mg/kgで、注射30分後に良好に作用した。
試験例8
本実験は、マウス立ち直り反射試験を用いて、化合物5の鎮静及び催眠効果及び関連する適合性を調査した。
実験動物。SPF昆明マウス、オス、20~30g、Laboratory Animal Center of Lanzhou University(証明書番号:SCXK (Gan) 2018-0002)、別ケージ飼育、温度、22±1℃、湿度、50%、自動光制御12時間/12時間明暗周期(点灯時間8:00h、消灯時間20:00h、光強度≒100lux)環境、食物及び活動は自由、実験環境に5日間適応させた。
実験的薬物。化合物5;ガバペンチン(A);プロポフォール(Pro又はPと略記、10mg/ml、10%DMSOに溶解);ジアゼパム(Diaと略記)注射、規格:2ml:10mg、Tianjin Jinyao Pharmaceutical Industrial社、バッチ番号1903111;Pro及びガバペンチン(A)は、投薬量1:1(モル比)で混合する(10%DMSOに溶解)。分類及び投与、42匹の昆明マウスを選択し、以下の表6に示されるように各群7匹で6群に分け、全て腹腔内注射により投与した。
立ち直り反射実験法。マウスは、体重を量り、対応する用量に従う薬物の腹腔内注射後、以下の項目を記録した(個体の立ち直り反射は、薬物注射の20分後に消失していない場合、立ち直り反射の消失なしと見なした):(1)投与の開始からマウスの立ち直り反射の消失(立ち直り反射の消失が30秒超続く)までの時間を、立ち直り反射の消失の潜伏とする;(2)立ち直り反射の消失から立ち直り反射の回復(3回の立ち直り反射を1分以内で完了したら、立ち直り反射の回復と見なす)までの時間を記録する;(3)個体の活動を観察及び記録する。
統計分析。実験データは、SPSS 19.0統計ソフトウェアによって分析し、全てのデータは、平均±SEMとして表した。
実験結果は、以下の表7に示される。マウスは、陰性対照群(生理食塩水及びDMSO)及びA1P1群においては、立ち直り反射が消失せず、活動には有意な変化がなく;ジアゼパム群(Dia)及び化合物5群マウスにおいては、立ち直り反射が消失しなかったが、しかし、活動状態が有意に低下し、歩行が非常に不安定であり、薬物の効果が有意であり;プロポフォール群(Pro群)中の2匹のマウスの立ち直り反射は消失し、その他の活動は有意に低減した。その結果、化合物5がより良好な鎮静効果を有することが示された。
試験例9
本実験は、マウス砂糖嗜好試験を用いて、化合物5の抗うつ効果及び関連する適合性を調査した。
実験的薬物。クロミプラミン(CLI)、sigma社、バッチ番号:C7291、10mg/ml(10%DMSO);レセルピン(Res)、sigma社、バッチ番号:83580、1mg/ml(10%DMSO);
化合物5;ガバペンチン(A);プロポフォール(Pro又はPと略記、10%DMSO中10mg/ml);Pro及びガバペンチンは、投薬量1:1で混合した(DMSO中10%)。
実験室動物、分類及び投与
SPF成体オス昆明マウス、20~30g、Laboratory Animal Center of Lanzhou University、動物証明書番号:SCXK (Gan) 2018-0002、別ケージ飼育、温度22±1℃、湿度50%、動的照明によって制御された12時間/12時間明暗周期(点灯時間8:00h、消灯時間20:00h、光強度≒100lux)、個体は自由に摂食し動いたりできた。オス昆明マウスを選択し、以下の表8に示されるように各群6~10匹とし、全て腹腔内注射により投与した。
砂糖水嗜好実験法:実験前に、昆明マウスを選択し、複数の群に分け、個体を、2%ショ糖水を飲むように訓練し、実験の第1日目にDMSO又はResを8:00に注射し、DMSO、化合物5、Pro又はCLIを9:00に注射した。(詳細は表8参照)、次に、2%ショ糖水1瓶及び通常の飲用水1瓶を置き、砂糖水及び通常の飲用水の位置を12時間毎に交換し;DMSO、化合物5、Pro、A1P1又はCLIの第2の腹腔内注射後(詳細は表8参照)、第2日目の9:00に個体を24時間絶食させ;第3日目の9:00に2%ショ糖水1瓶及び通常の飲用水1瓶を置き、個体は、体重を2時間後に量って飲水量を計算し、ショ糖水の量及び通常の水の量を、砂糖水嗜好=砂糖水飲量/総飲量という式によって算出し、個体の抑うつ行動を評価するのに使用した。
統計分析。実験データは、SPSS 19.0統計ソフトウェアによって分析し、全てのデータは、平均±SEMとして表した。
実験結果。具体的な結果は以下の表9に示され(図9に示され)、DMSO群と比較して、Res+DMSO群のマウスは、砂糖水への嗜好が有意に低く、Res群の投与に基づくと、CLIの腹腔内注射後、マウスの砂糖水への嗜好が有意に増加し、実験過程が試験の必要条件を満たすことが示された。Res+DMSO群に対して、他の群のマウスはResの注射後に様々な薬物を投与されるが、それらの中でも、Pro及び化合物5の投与の後、マウスの砂糖及び水への嗜好が有意に上昇し、有意な差が存在し、化合物5は有意な抗うつ効果を有した。A1P1の投与の後、砂糖水への嗜好には有意な変化はなかった。
試験例10
本実験は、マウスにおいて強制水泳試験を用いて、化合物5の抗うつ効果及び関連する適合性を調査した。
実験的薬物、動物、分類及び投与は、砂糖水嗜好実験法と同じである。
強制水泳試験法
うつ病動物モデルの調製。6mg/kgのResの急性腹腔内注射は、脳におけるモノアミン神経伝達物質の1週間の継続的低下、及び72時間継続するうつ病様行動を引き起こすことができ、うつ病モデルの調製にしばしば用いられる(Huang et al., 2004)。実験手順は、以下の通りである:実験の第1日目に、Res(6mg/kg)又は10%DMSOを8:00に腹腔内注射し、DMSO、化合物5、A1P1、Pro又はCLIを9:00に注射し、第2日目の午前9:00に、DMSO、化合物5、Pro、又はCLIの第2の注射を行い、第3日目の9:00~12:00の間に、強制水泳の試験を完了した。
強制水泳実験過程。強制水泳実験は、動物を逃れられないストレス環境に置いて、動物の行動の絶望状態を検出する実験である(Porsolt et al., 1978)。オス昆明マウスを選択し、無作為に複数の群に分けた。室内照明に赤色灯(25lux)を用い、静かで閉じられた行動観察室で行う。実験は2つの段階に分けた。第1段階:適応実験、試験の1日前の9:00~12:00hに、個体を、強制水泳試験機器(プレキシガラスドラム:直径20cm、高さ25cm、水深12cm、水温21~25℃、上側CCDカメラをコンピューターに接続して記録する)に入れ、15分間の適応後、取り出して、毛をタオルで乾燥させ、ケージに戻した。第2段階:試験実験は、各群の個体を、同じ時間帯に強制水泳バケツに5分間入れ、試験期間中の行動の活性を追跡し、デジタルカメラで記録し、次いで分析した。無動時間:個体は、頭部を水面上に保つために四肢を動かさないか、又は後肢をわずかに動かし、水面で浮遊する。個体は、無動時間に基づいて絶望状態を検出することでうつ病様行動を評価する。
統計分析。実験データは、SPSS 19.0統計ソフトウェアによって分析し、全てのデータは、平均±SEMとして表した。データは一元ANOVAで分析し、フィッシャーの最小有意差(LSD)検定を使用して2つの群の間の比較を行い、p<0.05を統計的に有意と見なした。
実験結果。具体的な結果は以下の表10に示される(添付した図面10に示される):
DMSO群と比較して、Res+DMSO群のマウスの強制水泳の無動時間は、延長され、有意な差があり、Res群の投与に基づくと、CLIの腹腔内注射後、うつ病モデルマウスの強制水泳の無動時間は、有意に短縮され、これらの結果より、実験過程が試験必要条件を満たすことが示された。
Res群の投与に基づいて、様々な薬物を腹腔内注射した。Res+DMSO群と比較して、Pro又はA1P1の腹腔内注射後のモデルマウスの強制無動時間は、わずかに短縮され、化合物5の注射後のモデルマウスの強制無動時間は、わずかに短縮され;Res+Pro群と比較して、モデルマウスの強制無動時間は、短縮され、Res+化合物5の腹腔内注射後に有意な差が存在し;Res+A1P1群と比較して、Res+化合物5の腹腔内注射後のモデルマウスでは、マウスの強制無動時間は、ある程度短縮されたが、しかし、有意な差はなかった。その結果、化合物5が有意な抗うつ効果を有することが示された。
本発明をある特定の程度まで説明したが、種々の条件において適切な変更を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行い得ることは明らかであろう。本発明は、記載した実施形態に限定されないが、記載した要素それぞれの等価物を含む特許請求の範囲に含まれるものであることを理解されたい。

Claims (14)

  1. 薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩であって、
    前記薬物コンジュゲートの構造が式(I)に示され:
    -L-D (I)
    (式中、Dは、ガバペンチン又はその誘導体であり;Lは、カルボニル基から選択されるか、又は存在しなくてもよく;Dは、プロポフォール及びその誘導体から選択される);
    好ましくは、前記薬物コンジュゲートの薬学的に許容される塩の構造が式(II)に示される:
    -L-D・A (II)
    (式中、Aは、薬学的に許容される酸性陰イオンであり、好ましくは、以下の1又は2以上から選択される:硫酸イオン、リン酸イオン、塩酸イオン、臭化水素酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、グルコン酸イオン、酒石酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、及びメシル酸イオン)ことを特徴とする、前記薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩。
  2. が、ガバペンチン又は式(III)に示されるその誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
    (式中、Rは、メチル基又は水素原子である)。
  3. が、ガバペンチン又は式(IV)に示されるその誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
    (式中、R及びRは、メチル基及び水素原子から独立して選択される)。
  4. が、式(V)で表されるガバペンチンの誘導体であることを特徴とする、請求項1に記載の薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
    (式中、R、R及びRは、メチル基及び水素原子から独立して選択される)。
  5. が、プロポフォール又は式(VI)に示されるその誘導体であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩:
    (式中、Xはハロゲン原子又は水素原子である)。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の薬物コンジュゲート又はその薬学的に許容される塩の調製方法であって、
    前記薬物コンジュゲートを、Dp及びDgを有機溶媒に懸濁することにより調製するステップを含み;
    前記有機溶媒が、好ましくは、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン/水、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、及びトルエンの1又は2以上から選択され;好ましくは、ジクロロメタン及び/又はテトラヒドロフラン/水であることを特徴とする、前記調製方法。
  7. 式(VII)に記載のガバペンチンの誘導体Dを調製するステップを含み:
    好ましくは、前記ステップが、ガバペンチンをアルデヒド溶液に溶解するステップ、及び還元剤を添加してガバペンチン誘導体を調製するステップを含み;
    より好ましくは、前記アルデヒド溶液がホルムアルデヒド水溶液であり、前記アルデヒドの量が1~5モル当量、好ましくは3モル当量であり;及び/又は前記還元剤がギ酸であり、前記還元剤の量が、1~5モル当量、好ましくは4モル当量であり;
    さらに好ましくは、反応温度が60~90℃であり;及び/又は反応時間が3~12時間であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 式(VIII)で表されるプロポフォールの誘導体Dを調製するステップを含み:
    好ましくは、前記ステップが、プロポフォールを有機溶媒に溶解するステップ、求核試薬、塩基及び酸化剤を添加して、プロポフォール誘導体を調製するステップを含み;
    より好ましくは、前記有機溶媒がメタノールであり、前記求核試薬がヨウ化ナトリウムであり、前記塩基が水酸化ナトリウムであり、及び/又は前記酸化薬が次亜塩素酸ナトリウムであり;
    さらに好ましくは、反応温度が0℃であり、及び/又は反応時間が1~3時間であり;
    さらにより好ましくは、前記反応を、終了後にチオ硫酸ナトリウムでクエンチすることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
  9. をガバペンチンのN末端でカップリングする場合、Boc-ガバペンチンを最初に調製して、次にDと反応させ;
    好ましくは、前記Boc-ガバペンチンの調製方法が、前記ガバペンチンを有機溶媒中に撹拌及び懸濁するステップ、NaHCO及びBocOを順に添加して反応させて、Boc-ガバペンチンを得るステップを含み;
    より好ましくは、前記有機溶媒が、好ましくは1:1のテトラヒドロフラン/水であり;前記NaHCOを1~5モル当量、好ましくは3モル当量の量で使用し;及び/又は前記BocOを1~2モル当量、好ましくは1.1モル当量の量で使用することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  10. 有機溶媒で粗生成物を抽出するステップをさらに含み;
    好ましくは、前記有機溶媒が、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、及びトルエンの1又は2以上から選択され;好ましくはジクロロメタンであることを特徴とする、請求項6~9のいずれかに記載の方法。
  11. 医薬組成物であって、請求項1~5のいずれかに記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項6~10のいずれかに記載の調製方法によって調製される薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩を含み;
    好ましくは、前記医薬組成物の剤形が、錠剤、カプセル剤、注射、リポソーム、及びポリマーミクロスフェアの1又は2以上から選択されることを特徴とする、前記医薬組成物。
  12. 中枢神経系疾患の治療及び/又は予防のための医薬の調製における、請求項1~5のいずれかに記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項6~10のいずれかに記載の調製方法によって調製される薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩の使用であって;
    好ましくは、前記中枢神経系疾患が、けいれん、てんかん、片頭痛、疼痛、及びうつ病の1又は2以上から選択される、前記使用。
  13. 中枢神経系疾患を治療するための方法であって、必要とする対象に、請求項1~5のいずれかに記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される化合物又は請求項11に記載の医薬組成物を投与するステップを含み;
    好ましくは、前記中枢神経系疾患が、けいれん、てんかん、片頭痛、疼痛、及びうつ病の1又は2以上から選択されることを特徴とする、前記方法。
  14. 中枢神経系疾患の治療及び/又は予防のための医薬であって、請求項1~5のいずれかに記載の薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩、又は請求項6~10のいずれかに記載の調製方法によって調製される薬物コンジュゲート若しくはその薬学的に許容される塩を含み;
    好ましくは、前記中枢神経系疾患が、けいれん、てんかん、片頭痛、疼痛、及びうつ病の1又は2以上から選択されることを特徴とする、前記医薬。
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