JP2023553739A - 活性炭生地の電極を含む塩分勾配発電デバイス - Google Patents

活性炭生地の電極を含む塩分勾配発電デバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、電力を生成するためのデバイスであって、溶質の濃度CAの電解質溶液の流動を可能にする多孔度を有する第1の電極と;溶質の濃度CBの電解質溶液の流動を可能にする多孔度を有する第2の電極であって、CBはCAより高い、第2の電極と;アニオン又はカチオンに対する選択的透過性を有する膜であって、2つの電極間に配置され、チャネルを通した濃度CBの電解質溶液から濃度CAの電解質溶液への電解質の拡散を可能にするように配設された少なくとも1つのチャネルを含む、膜と;2つの電極間の電位差により生成された電力を回収することを可能にするデバイスとを含み、2つの電極は活性炭生地で形成される、電力を生成するためのデバイス、及びそのようなデバイスを使用して電力を生成するための方法に関する。

Description

技術的現状
塩分勾配発電は、世界的に最も潜在能力の高い再生可能エネルギー源の1つである。
逆電気透析(RED)法は、現在考慮されている様々な技術の中でも、混合エネルギーから電気エネルギーへの変換に基づいている。この技術は、アニオン(アニオン性膜)又はカチオン(カチオン性膜)を選択的に透過可能な膜を使用し、その基本特性は、イオンの電荷の符号に応じたその選択的輸送である。
一般的な種類のREDデバイスは、電極の対の間に積層された膜からなる。膜積層体は、交互のアニオン性膜及びカチオン性膜からなり、その間には塩水及び真水が交互に循環している。膜間空間、すなわち流体が循環する空間は、膜間にスペーサーを設置することにより維持される。これらの膜間の交互の塩水及び真水の循環、すなわちこれらの膜のそれぞれのいずれかの側における塩分勾配の確立は、それぞれの膜を介した選択的イオン流動をもたらす。例えば、ナトリウムイオンはカチオン性膜を介してカソードに向かって流動し、また塩化物イオンはアニオン性膜を介してアノードに向かって流動し、それぞれの膜の2つの側の間に電気化学的電位差を形成するが、これは一般に膜電位差と呼ばれる。最後に、電極システムはイオン流を電流に変換し、外部電気回路がアノードからカソードへの電子の移動を確実にする。したがって、生じた膜電位の差は、電極を接続する回路上に設置されたデバイスによって使用され得る電流を生成する。
既存のREDデバイス等の塩分勾配発電デバイスに関する問題の1つは、その発電容量が低いことである。
この低いエネルギー生成容量は、現在の膜がわずか数W/m膜の膜単位面積当たりの電力(すなわち膜電力)を発生させるということに特に起因する。
この問題を解決するために提案された1つのアプローチは、新たな膜を開発することであった。
このアプローチの1つは、2014年4月24日にWO2014/060690として公開された国際出願において概説されている。この文献では、内部細孔表面が窒化ホウ素で、又はより一般的にはホウ素、炭素及び窒素元素の混合物で被覆されたナノ多孔質膜を使用することが提案されている。これらのナノ多孔質膜は、細孔内での拡散-浸透現象を利用し、kW/mのオーダーの膜電力を発生させる。
より最近では、出願人は、2017年3月9日にWO2017/037213として公開された国際出願において、5kW/mのオーダーの膜電力に到達させる、細孔の内部表面が酸化チタンで被覆されたナノ多孔質膜を提案している。
しかしながら、このアプローチは、必要な材料に起因してその調製が複雑で高価となり得る膜の使用を暗に示している。
これらの種類のREDデバイスの低いエネルギー生成容量はまた、システムの異なる要素のイオン流動に対する抵抗に起因する。
この抵抗は、主に膜抵抗、水のイオン伝導率、及び膜間距離に依存する。特に、膜間の数百マイクロメートルの間隔を維持することが膜積層体内の流体流動を可能にするために必要であるが、これはシステムの全体的な抵抗に著しく寄与する。
上記を鑑みて、濃度勾配から電気エネルギーを生成するためのデバイスによって生成される電力を改善することが、依然として必要とされている。
WO2014/060690 WO2017/037213
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服すること、及び著しい発電を可能にする発電デバイスを提供することである。
本発明の別の目的は、本発明のデバイスを使用して電力を生成する方法を提供することである。
これらの目的は、以下で説明される本発明によって達成される。
デバイス
本発明の第1の目的は、電力を生成するためのデバイスであって、
a)溶質の濃度Cの電解質溶液(20A)の流動を可能にする多孔度を有する第1の電極(40A)と;
b)溶質の濃度Cの電解質溶液(20B)の流動を可能にする多孔度を有する第2の電極(40B)であって、CはCより高い第2の電極(40B)と;
c)アニオン又はカチオンを選択的に透過可能な膜(50)であって、2つの電極間に配置され、チャネルを通した濃度Cの電解質溶液から濃度Cの電解質溶液への電解質の拡散を可能にするように配設された少なくとも1つのチャネルを含む膜(50)と;
d)2つの電極間に存在する電位差によって生成された電気エネルギーを収集するためのデバイス(80)と
を含み、2つの電極(40A、40B)は、活性炭生地により形成される、デバイスである。
同じ溶質の濃度C及びCの差は、膜多孔度を介したより高濃度の溶液からより低濃度の溶液への電解質の移動度をもたらす。
本発明のデバイスにおいて、電極の活性炭生地の多孔度は、流体の流動を可能にする。したがって、先行技術のREDデバイスとは異なり、本発明のデバイスは、流体の流動を可能にするために膜間空間を必要としない。
この構成の1つの効果は、濃度Cの電解質溶液から濃度Cの電解質溶液に、及び電極に向かって膜を通過するイオンが、伝導性が低く、したがってこのイオン移動に対する高い抵抗を有する低溶質濃度Cの電解質溶液の厚さ数百マイクロメートルの膜間空間を通過する必要がないことである。
有利には、膜は、膜と各電極との間の空間が10μm未満、好ましくは5μm未満、より好ましくは1μm未満であるように、第1の電極と第2の電極との間に配設される。
有利には、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方が膜と接触しており、好ましくは両方の電極が膜に接触している。したがって、有利には、デバイスはスペーサーを含まない。
電極
2つの電極は、活性炭生地で作製される。
有利には、両方の電極が同じ活性炭生地から形成される。
本発明の目的において、「活性炭生地」は、活性炭繊維の織生地又は不織生地のシートを意味する。
織生地は、互いに平行な繊維(縦繊維と呼ばれる)の実質的に平坦な集合体であり、横繊維がそれを通過しており、前記繊維は好ましくは織り合わせられている。
不織生地は、織り込みを除く物理的及び/又は化学的方法によって付与された公称レベルの構造的完全性を有する繊維の実質的に平坦な集合体である。この意味では、本発明の不織生地は、不織生地の2019年4月のISO9092標準に従う定義に適合する。
本発明の不織活性炭生地は、例えば、活性炭フェルトであってもよい。
特定の実施形態において、活性炭フェルトは、活性炭繊維を縫うことにより得られる。
有利には、活性炭生地は、5000μm未満の厚さ、好ましくは100~5000μm、より好ましくは100~2000μm、更により好ましくは400~700μm、最も好ましくは400~600μmの厚さを有する。
本発明において、生地の比表面積は、2010年9月のISO9277標準に従いB.E.T.法により測定される。
有利には、活性炭生地は、少なくとも500m/g、好ましくは少なくとも1000m/g、より好ましくは少なくとも1500m/gの比SBET表面積を有する。一実施形態によれば、本発明の生地の比SBET表面積は、500~3000m/g、好ましくは1000~3000m/g、より好ましくは1500~2500m/gである。
本発明の活性炭生地は、多孔質材料である。これは、少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%の多孔度を有し得る。
本発明において、多孔度は、試料の細孔容積Vporesと試料が占める総体積Vとの比率:P=Vpores/Vとして定義される。細孔容積は、アルコール等の既知の密度の湿潤液による含浸試料及び非含浸生地の重量差により間接的に決定される。具体的には、Vは、以下の方法により測定され得る。
a)試料の質量mを与える。
b)工程a)の試料に密度ρLの液体を含浸させる。
c)工程b)の含浸試料の質量mEiを決定する。
d)式V=(mEi-m)/ρLに従いVを計算する。
本発明の一実施形態において、活性炭生地は、0.05~0.20g/cmの範囲の密度を有する。本発明において、活性炭生地の密度は、試料の質量mとその体積Vとの比:d=m/Vとして定義される。体積Vは、試料の表面積とその厚さとの積として決定され得る。
本発明において、「活性炭生地」という用語は、炭素質前駆体の炭化及び/又は黒鉛化、次いで炭化及び/又は黒鉛化繊維の活性化によって得られる繊維を指す。
有利には、炭素質前駆体はポリマーであり、好ましくはフェノール-アルデヒド、ポリアクリロニトリル(PAN)、レーヨン、ピッチ、リグニン、又はそれらの混合物から選択される炭素質前駆体である。
フェノール-アルデヒド、ポリアクリロニトリル(PAN)、及びレーヨン並びにそれらの混合物が好ましい。
炭化及び/又は黒鉛化技術は、当業者に周知である。
本発明の目的において、「炭化」という用語は、好ましくは窒素、アルゴン又はヘリウム等の不活性ガスの存在下、例えば約450℃~1500℃の温度で炭素質前駆体の繊維を焼成することを目的とした処理を指す。このようにして処理された繊維は、本明細書において炭化繊維と呼ばれる。この炭化処理により、前駆体の非炭素原子のほとんど(特に水素及び窒素原子)が除去される。
本発明の文脈では、「黒鉛化」という用語は、例えば約1500℃~3000℃の温度で炭素質前駆体を焼成することを目的とした処理を指し、前記前駆体は、炭化処理に供されていてもよい。このようにして処理された繊維は黒鉛の結晶構造を有するとは限らないが、本明細書において黒鉛化繊維と呼ばれる。
したがって、本発明の特定の実施形態において、活性炭繊維は、炭化に続く黒鉛化によって調製される。
有利には、炭素質前駆体繊維は、炭化及び/又は黒鉛化の前に酸化処理に供されていてもよい。
本発明の文脈では、「酸化」という用語は、例えば約100℃~400℃の温度で炭素質前駆体を酸化させることを目的とした処理を指す。
活性炭生地の活性化工程もまた、当業者に知られている。
本発明に関連して、「活性化」という用語は、炭化及び/又は黒鉛化繊維の特性、特にその多孔度及び/又は吸着特性を調整するためのその処理を指す。活性化処理は、物理的及び/又は化学的であってもよい。
物理的活性化は、例えば、炭化及び/又は黒鉛化繊維の炭素と反応性のガス、例えば二酸化炭素、水又は酸素の存在下での、約400~1500℃の温度での焼成からなる。物理的活性化は、例えば、空気及び水蒸気のストリーム中で行われてもよい。
化学的活性化は、好ましくは300℃~800℃の温度で、繊維を活性化剤と、例えばリン酸等の酸又は水酸化カリウム等の塩基と接触させることを含み得る。炭素が化学的に活性化される場合、活性化剤は洗い流されて再利用され得る。
典型的には、活性化炭素繊維の調製は、以下を含む。
)典型的には繊維を空気中1~2時間200~300℃の温度に供することにより、炭素質前駆体の繊維を酸化する任意選択の工程;
i)典型的には繊維を場合により窒素等の不活性ガスの雰囲気下で例えば2~10分の間、700~1500℃の温度に供することにより、工程i)の最後に得られた繊維を炭化する工程;
)典型的には繊維を例えば1分の間2000~3000℃の温度に供することにより、工程i)の後に得られた繊維を黒鉛化する任意選択の工程;
ii)工程i)又は工程i)の最後に得られた炭素繊維の物理的又は化学的活性化の工程。
有利には、活性炭繊維は、炭素から本質的になり、すなわち、それらは好ましくは少なくとも80mol%の炭素、好ましくは少なくとも90mol%の炭素、より好ましくは少なくとも95mol%の炭素からなり、残りは酸素、窒素及び水素等の元素である。
有利には、活性炭繊維は、80~100重量%の炭素、0~10重量%の窒素、0~10%の酸素、及び0~5重量%の水素を含む。
活性炭布地の繊維は、有利には、1~20μm、好ましくは1~15μm、より好ましくは5~12μmの直径を有する。
本発明のデバイスでは、活性炭生地シートは、イオンを吸着して電気を伝導するその能力に起因して、膜d.o.p.としても知られる膜により生成される電位の差を電流に変換する電極として機能する。
活性炭電極がこの役割を果たすのみである場合、それらは容量電極と呼ばれる。
本発明の特定の実施形態において、活性炭生地は、アニオン又はカチオン、例えば塩素又はナトリウムに対する選択的反応性を有する。
この実施形態において、活性炭生地で形成された電極は、容量電極として機能するだけでなく、膜d.o.p.とは独立した異なる電極d.o.p.を生成することもできる。
実際に、本発明者らは、予想外にも、ある特定の活性炭生地が、本発明のデバイスの2つの電極を形成するために使用された場合、膜d.o.p.とは独立した異なる電極d.o.p.を生成し得ることを発見した。
より具体的には、本発明者らは、アニオン又はカチオン、例えば塩素又はナトリウムに対する選択的反応性を有する活性炭生地から電極が形成された場合、それらは電極d.o.p.を生成し得ることを示した。
「アニオン又はカチオンに対する選択的反応性」という用語又は等価的に「アニオン又はカチオン選択的反応性」という用語の使用は、活性炭生地が、電荷の符号に応じてイオンと特異的に相互作用することを意味する。
この活性炭生地のアニオン又はカチオンに対する選択的反応性は、好ましくは、電荷の符号に応じたイオンの選択的吸着に対応する。この吸着は、活性炭生地とイオンとの間の表面現象から生じ、弱い結合が関与するが活性炭生地若しくは吸着イオンのいかなる化学修飾も関与しない物理的吸着(物理吸着)、及び/又は化学的吸着(化学吸着)、すなわち、例えば活性炭生地との間の化学結合、例えばイオン結合の形成が関与する、イオンと活性炭生地との間の可逆的酸化還元型化学反応の結果であってもよい。
特定の実施形態において、活性炭生地は、アニオン又はカチオンに対する選択的吸着を示す。
いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、本発明者らは、電極を形成するために使用される活性炭生地の選択的反応性によって、電荷の符号に応じて、特にこれらの生地の表面電荷又はその表面基の酸化還元反応性に応じて電極がイオンを選択的に捕捉し、したがって膜d.o.p.とは異なる独立した電極との間の電位差を生成することができると考える。イオン選択的反応性を有する活性炭生地をベースとしてこのようにして形成された電極は、純粋な容量電極ではなく、それらは疑似容量電極と呼ぶことができる。
本発明者らによれば、活性炭生地のこの選択的反応性は、その調製方法から、特に前駆体の種類及び使用される活性化方法から生じるその表面化学に起因する。
したがって、アニオンに対する選択的反応性を有する活性炭は、塩基性として特徴付けられる活性炭である。
活性炭の塩基性の特徴は、基底面に局在化した電子ηの非局在化に関連し得る。塩基性はまた、活性炭の表面上の塩基性基、例えばピロン、クロメン、ケトン、ピロール、ピリジン、ピリジニウム、ピリドン、ピリジン-N-オキシド、ニトロ、ニトロソ及びシアノ基の存在に関連し得る。
この実施形態によれば、実施例1に例示されるように、アニオンに対する選択的反応性を有する活性炭で形成された電極はまた、前記アニオンとの酸化還元反応の部位でもある。
カチオンに対する選択的反応性を有する活性炭は、酸性として特徴付けられる、すなわちその表面上に酸性基を有する活性炭である。
酸性活性炭の表面上に存在する酸性基は、次の基であってもよい:カルボン酸、フェノール、カルボニル、無水物、エーテル、キノン、ラクトール又はラクトン。
この実施形態によれば、実施例1に例示されるように、カチオンに対する選択的反応性を有する活性炭で形成された電極はまた、前記カチオンとの酸化還元反応の部位でもある。
活性炭は、当然ながら、酸性基及び塩基性基の両方を有し得る。酸性基及び塩基性基の相対的濃度に応じて、活性炭は、酸性として特徴付けることができる(酸性の特徴が塩基性の特徴を上回る場合)、又は逆に塩基性として特徴付けることができる(塩基性の特徴が酸性の特徴を上回る場合)。
本発明の目的において、「電極d.o.p.」は、電極がアニオン又はカチオンに対する選択的反応性を示す活性炭生地から形成される場合の、電極により生成されるd.o.p.を意味する。
本発明者らはまた、電極d.o.p.の方向が活性炭生地の反応性選択性に依存すること、また膜の透過性選択性に依存して、膜d.o.p.及び電極d.o.p.が互いに積算され得る、又は差し引かれ得ることを示した。
特に、活性炭生地の反応性及び膜の透過性が反対の選択性を有するものである場合、すなわち活性炭生地はアニオン選択的反応性を有するが膜はカチオン選択的透過性を有する場合、又は逆に、活性炭生地はカチオン選択的反応性を有するが膜はアニオン選択的透過性を有する場合、電極d.o.p.及び膜d.o.p.は同じ方向を有し、積算される。
したがって、本発明の特定の実施形態において、
- 膜がアニオン選択的透過性を有する場合、電極はカチオン選択的反応性を有する活性炭生地で形成され、
- 膜がカチオン選択的透過性を有する場合、電極はアニオン選択的反応性を有する活性炭生地で形成される。
本発明のこの後者の実施形態は、Kimら、2010.Microfluid.Nanofluid.9、1215~1224頁に詳述されているように、本発明のデバイス等の逆電解デバイスにより生成された最大電力が、式Pmax=V/4R(式中、Vは電極間に存在する電位差であり、Rはデバイス抵抗である)に従って推定され得るという点で、特に有利である。
したがって、電極d.o.p.及び膜d.o.p.が加算される場合、生成される最大電力はPmax=(d.o.p.of membrane+ d.o.p.of electrode/4Rであり、これは、電極のd.o.p.の二乗の程度まで電極d.o.p.が本発明のデバイスの最大電力に関与すること、したがってイオン選択的反応性を有する活性炭生地の使用が本発明のデバイスのPmaxを著しく増加させることを意味する。
本発明において、活性炭生地のアニオン又はカチオン選択的反応性は、活性炭生地の酸性又は塩基性の特徴を評価することにより決定され得る。したがって、活性炭生地の表面上の酸性及び/又は塩基性基を決定するための任意の方法が使用され得る。これらの技術の例は、酸-塩基分析、Boehmの方法、ゼロ電荷点のpHの決定、フーリエ変換赤外(FTIR)、X線光子分光法(XPS)及びpKa分布の決定である。
好ましくは、活性炭生地のアニオン又はカチオン選択的反応性はまた、
i)
ia)溶質の濃度Cの電解質溶液の流動を可能にする多孔度を有する活性炭生地の形態の第1の電極と、
ib)溶質の濃度Cの電解質溶液の流動を可能にする多孔度を有する活性炭生地の形態の第2の電極であって、CはCより高い第2の電極と、
ic)電荷の符号に関わらずイオンを透過可能な膜であって、2つの電極間に配置され、チャネルを通した濃度Cの電解質溶液から濃度Cの電解質溶液へのイオンの拡散を可能にするように配設された少なくとも1つのチャネルを含む膜と、
id)負端子が第2の電極に接続され、正端子が第1の電極に接続された電圧計と
を備えるデバイスを用意し、
ii)第1の電極における溶質の濃度Cの電解質溶液、及び第2の電極における溶質の濃度Cの電解質溶液であって、CはCより高い電解質溶液を循環させ、
iii)電圧計により電極間の電位差を測定し、
- 正の電位差が測定された場合、活性炭生地はアニオンに対して選択的に反応性であり、
- 負の電位差が測定された場合、活性炭生地はカチオンに対して選択的に反応性である、というように活性炭生地の選択性を決定することで決定され得る。

本発明の文脈では、「膜」は、電解質溶液中のイオンの少なくとも一部を透過可能なシートの形態の材料を意味する。「アニオン又はカチオンに対する選択的透過性」という表現は、膜がアニオン又はカチオンの大部分を通過させ、反対の電荷のイオンの通過を阻害又は大きく遅延させることを意味する。
有利には、膜はまた、電解質溶液の溶媒、好ましくは水を透過可能である。
逆電解デバイスでは、イオンに対する選択的透過性を有する膜のいずれかの側におけるイオン濃度勾配の存在が、膜の2つの側の間に電気化学的電位差を生じさせることが知られている。
本発明において、この電位差は、「膜電位差」、略して「膜d.o.p.」と呼ばれる。
アニオン又はカチオンを選択的に透過可能ないずれの種類の膜も、本発明に適合する。
アニオン又はカチオン選択的透過性膜は、1つの材料の均質層の形態であってもよく、又は、異なる材料で形成されたいくつかの層の積層体であってもよい。
有利には、本発明のアニオン又はカチオン選択的透過性膜は、イオン交換膜、すなわち、膜にそのイオン選択的透過特性を付与するイオン交換基とも呼ばれるイオン形成基を有する少なくとも1種の無機又は有機材料で形成された膜である。本発明の意味において、イオン形成基は、液体に入れられた場合に対イオンと呼ばれるイオンを放出し、この液体中に含まれる同じ電荷のイオンを結合する能力を有する化学基である。
一実施形態において、膜は、一般にイオン交換樹脂と呼ばれるイオン形成基を保持する有機ポリマーを含む。したがって、本発明の膜は、イオン交換樹脂が含まれる不溶性ポリマーのマトリックス、又はイオン形成基がグラフトされた不溶性ポリマーのマトリックスから形成され得る。
一実施形態において、不溶性ポリマーは、典型的には、ポリオシドマトリックス、例えばセルロース若しくはデキストランマトリックス、ポリスチレンマトリックス、ポリテトラフルオロエチレンマトリックス、又はスチレン及びジビニルベンゼンコポリマー等のコポリマーのマトリックスから有利に選択される炭化水素マトリックスである。
一実施形態において、カチオン選択的透過性膜は、エポキシド基、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホネート基-SO 、カルボキシアルキレート基R-CO (RはC1~C4アルキル、好ましくはC1アルキルである)、アミノジアセテート基-N(CHCO 、ホスホネート基PO 2-;アミドキシム基-C(=NH)(NOH)、アミノホスホネート基-CH-NH-CH-PO 2-、チオール基-SH、及びそれらの混合物から有利に選択されるカチオン交換基を含む。
一実施形態において、アニオン選択的透過性膜は、第四級アンモニウム基-N(R) (RはC1~C4アルキルである)、第三級アンモニウム基-N(H)R) (RはC1~C4アルキル、好ましくはC1アルキルである)、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基-N(COH)CH 、及びそれらの混合物から有利に選択されるカチオン交換基を含む。
有利には、膜の厚さは、2μm~100μm、好ましくは2μm~75μmである。
膜の厚さは、有利には少なくとも2.5μmであり、好ましくは2.5μm~100μm、より好ましくは2.5μm~100μmである。
有利には、第1の電極(40A)、膜(50)及び第2の電極(40B)の全厚は、150μm超、好ましくは200μm超である。この全厚は、例えば200~10,000μmであり、好ましくは1000~10,000μm、より好ましくは2000~10,000μmである。
有利には、膜は、膜の2つの側を接続するチャネルを備える。チャネルは、膜の2つの側の間のイオン及び/又は溶媒の流動を確実にするために、膜を通って延在してもよい、又はチャネルネットワークを形成してもよい。
本発明の膜のチャネルは、有利には、1~500nm、好ましくは1~100nm、より好ましくは2~100nm、より好ましくは10~100nmの平均直径を有する。
本発明の特定の実施形態において、膜は、膜1cm当たり10チャネル超、好ましくは膜1cm当たり10チャネル超の膜の単位面積当たりのチャネルの密度を有する。
本発明の膜チャネルは、任意の種類の形態、例えば管状、非対称円錐様、又はネック形態を有し得る。
特定の実施形態において、膜チャネルの内部表面の少なくとも一部は、窒化ホウ素、炭素、ホウ素及び窒素をベースとした化合物、又は酸化チタン、特に二酸化チタンでコーティングされている。
これらのコーティングは、国際出願WO2014/060690及びWO2017/037213に詳述されているように、チャネルの内部表面の表面電荷を増加させ、そのような高表面電荷密度ナノ流体膜を備えるデバイスにより生成される電力を著しく改善する効果を有する。この実施形態において、膜は、有利には、2~100nmの平均直径を有するチャネルを有する。一実施形態において、本発明の膜は、自立型である。本発明の目的において、「自立型膜」は、その機械的完全性を確実にするために1つ又は複数の剛性(例えば多孔質固体材料のシート)又は変形可能な(例えばポリマー材料のシート)支持体により支持されることを必要としない膜として定義される。
特定の実施形態において、本発明は、以下の実施形態を除外する。
- 要素(a)及び(b)が活性炭で作製されている;
- 要素(c)が、層状ナノ粒子、好ましくは金属酸化物、遷移金属のジカルコゲニド、例えば二硫化モリブデン、炭素又はそれらの混合物の層状ナノ粒子、更に好ましくは酸化グラフェンの層状ナノ粒子を含む材料で形成される;
- 要素(a)及び(b)が、(a)と(c)との間及び(b)と(c)との間にいかなる空間も有さずに要素(c)のいずれかの側にある。
好ましくは、要素(a)、(b)及び(c)の全てが4μm~100μmの厚さを有するその特定の実施形態が、特に本発明から除外される。
好ましくは、要素(c)が1~100nmの直径の細孔を有する材料で形成されるその特定の実施形態が、特に本発明から除外される。
デバイスの他の構成要素
溶質の濃度Cの電解質溶液が第1の電極(40A)の細孔内を循環し、濃度Cの電解質溶液が第2の電極(40B)の細孔内を循環し、CがCより高い場合、膜(50)の2つの面の間に濃度勾配が現れる。
この濃度勾配は、2つの電極間の浸透圧によるイオン流動をもたらす。
特定の実施形態において、濃度勾配は、2つの電解質溶液の間の温度勾配を介して達成及び/又は調整され得、温度勾配は温度に応じて塩の溶解度に影響を与える。
本発明に関連して、濃度比Rcは、より高濃度の溶液の濃度のより低濃度の溶液の濃度に対する比、すなわち比C/Cを指す。
好ましくは、濃度比C/Cは、1超10以下、有利には10超10以下である。
濃度比C/Cは、例えば1~1000、好ましくは1~100、より好ましくは2~100である。
電解質溶液は、電解質を含有する水溶液である。電解質は、イオンの形態で溶液中に溶解する限り、任意の化学的性質のものであり得る。好ましくは、これらのイオンは、LiCl、NaCl、KCl、CaCl及びMgCl等の溶解した塩から生じる。電解質溶液は、
- 合成溶液;
- 天然溶液、例えば湖又は河川からの真水、地下水、汽水、海水;
- 工業生産水、石油生産水又は生物学的溶液
であってもよい。
溶液は、有利にはタンク10A及び10Bから導入され、各タンクは、液体を収容し得る開放又は閉鎖した任意のデバイス又は天然環境である。
炭素生地で形成された電極は一緒にデバイス(80)に接続されて、それらの間に存在する電位差によって自発的に生成された電気エネルギーを収集、すなわち循環させ捕捉することを可能にする。このデバイス(80)は、有利には電気ケーブル、バッテリー、電球又は任意の他の形態の電気消費部を備える、外部電気回路を形成する。
第1及び第2の電極の活性炭生地は、有利にはそれぞれ、デバイス(80)に接続された電流コレクタ(60A、60B)と接触している。電流コレクタは、非常に良好な電気伝導性を有する材料、例えば炭素又は金属ベースの材料で作製される。
有利には、デバイスは、濃度C及びCの電解質溶液の流動を切り替えるための手段を備え、この手段は、溶質の濃度Cの電解質溶液が第1の電極内に流動し、溶質の濃度C(CはCより高い)の電解質溶液が第2の電極内に流動するモードと、溶質の濃度Cの電解質溶液が第2の電極内に流動し、溶質の濃度C(CはCより高い)の電解質溶液が第1の電極内に流動するモードとの間でデバイスが切り替えられ得るように設計される。
本発明の特定の実施形態において、デバイスは、N個(Nは整数である)、特に3~1000個、好ましくは3~250個、例えば3~100個の電極(40)の間に配設されたN-1個の膜(50)を備えてもよい。
デバイスのこの実施形態において、電極及び膜は上で定義された通りであり、デバイスはまた、N個の電流コレクタ(60)、及び有利には電気エネルギーを循環させ収集するためのN-1個のデバイス(80)を有してもよく、前記デバイス(80)は、好ましくは直列で互いに接続されている。したがって、この実施形態において、デバイスは、膜により隔てられた高濃度の電解質溶液及びより低濃度の電解質溶液が交互に循環する交互の電極からなる。
電気エネルギーを生成する方法
本発明の第2の目的は、本発明の第1の目的に従うデバイスを使用して電力を生成する方法であって、
i)第1の電極(40A)に、溶質濃度Cの電解質溶液(20A)を供給して、前記溶液が第1の電極内で循環するようにする工程と;
ii)第2の電極(40B)に、同溶質の濃度Cの電解質溶液(20B)であって、CはCより高い電解質溶液(20B)を供給して、前記溶液が第2の電極内で循環するようにする工程と;
iii)電解質が膜(50)を通して第1の電極から第2の電極に拡散するのを可能にする工程と;
iv)デバイス(80)を使用して、2つの電極間に存在する電位差により生成された電気エネルギーを捕捉する工程と
を含む方法に関する。
工程i)及びii)は、好ましくは、濃度Cの電解質溶液及び濃度Cの電解質溶液を連続流として供給することにより実行される。
有利には、方法は、溶質の濃度Cの電解質溶液が第2の電極内に流動し、溶質の濃度C(CはCより高い)の電解質溶液が第1の電極内に流動するように、濃度C及びCの電解質溶液の供給を切り替える工程v)と、再び反対方向に供給を切り替える工程v)とを更に含む。この切り替えの目的は、電極の反応性表面の充電、次いで放電を交互に行い、連続的な交流を形成することである。
これらの様々な工程は、当業者によってその一般的知識を使用して容易に行われる。
好ましくは、前記電解質溶液は、アルカリハライド又はアルカリ土類ハライドから選択される、好ましくはLiCl、NaCl、KCl、CaCl及びMgClから選択される溶質を含む水溶液である。
好ましくは、電解質溶液の溶質はNaClである。
本発明による膜の両側に生成される浸透圧による流れを改善するために、膜を構成する材料の等電点に従って溶液のpHを調節することができる。
本発明の文脈では、pHisoは、膜を構成する材料の等電点のpHを意味する。pHisoは、当業者に知られている方法によって、特に電位差酸/塩基滴定法によって測定される。
更により有利には、デバイスの非対称性を増加させてデバイスにより生成される電気エネルギーの量を増幅させるために、2つのタンク間にpH勾配を確立することもでき、2つの溶液間のpH差は1超、好ましくは2超である。
有利には、濃度比C/Cは、1超10以下、好ましくは1超10以下である。
図1は、2つのタンク10A及び10Bに接続された、本発明による電力生成デバイスの一例を概略的に示している。 図2は、膜d.o.p.とは独立した異なる電極d.o.p.の生成を実証する実験構成を概略的に示している。 図3は、膜d.o.p.とは独立した異なる電極d.o.p.の生成を実証する実験構成を概略的に示している。
図の説明
図1は、2つのタンク10A及び10Bに接続された、本発明による電力生成デバイスの一例を概略的に示している。タンクAは、溶質20Aの濃度Cの電解質溶液を収容し、タンク10Bは、同溶質20Bの濃度Cの電解質溶液を収容する。
濃度C及びCの溶液は、デバイス30A及び30Bの入口に導入される。電解質溶液20A及び20Bは、それぞれ活性炭生地40Aの多孔質の第1の電極及び活性炭生地40Bの第2の電極を通って流動し、その間に選択的アニオン又はカチオン透過性膜(50)が配設される。本発明に関連して、膜(50)は、図示されていないチャネルを含み、膜(50)のいずれかの側で作用する濃度勾配に従う電解質溶液20A及び20B中に含まれるアニオン又はカチオンの選択的拡散を可能にする。
図示された例では、電極20Aの多孔質領域に入る電解質溶液10Aは、電極20Bの多孔質領域に入る電解質溶液10Bの濃度Cより低い濃度Cを有する。膜の選択性に応じて、電解質溶液20Bからのアニオン又はカチオンは、膜を通過して電解質溶液20Aに入る。
2つの電極40A及び40Bは、外部電気回路に接続されて電流コレクタ60A及び60Bを介して電極40Aと40Bとの間に電流を流し、外部電気回路は、電球、バッテリー、又は本発明のデバイスにより生成された電気エネルギーを捕捉する任意の他の電気消費部等のデバイス80を含む。
図2は、膜d.o.p.とは独立した異なる電極d.o.p.の生成を実証する実験構成を概略的に示している。電荷の符号とは無関係にイオンを透過可能な膜が、A型活性炭、すなわちアニオンに対する選択的反応性を有する活性炭の単一生地で作製された電極間に配置される。電極は、電圧計を含む外部電気回路によって接続され、濃度Cの溶液が通って流動する電極に電圧計の正端子が接続され、濃度Cの溶液が通って流動する電極にその負端子が接続されている。
濃度C及びC(CはCより高い)の電解質溶液は、塩化ナトリウム溶液である。観察される電流及び電位の方向は、アニオン、この例では塩素に対する活性炭生地の選択的反応によってのみ説明され得る。
図3は、膜d.o.p.とは独立した異なる電極d.o.p.の生成を実証する実験構成を概略的に示している。電荷の符号とは無関係にイオンを透過可能な膜が、B型活性炭、すなわちカチオンに対する選択的反応性を有する活性炭の同じ生地で作製された電極間に配置される。電極は、電圧計を含む外部電気回路によって接続され、濃度Cの溶液が通って流動する電極に電圧計の正端子が接続され、濃度Cの溶液が通って流動する電極にその負端子が接続されている。濃度C及びC(CはCより高い)の電解質溶液は、塩化ナトリウム溶液である。観察される電流及び電位の方向は、カチオン、この例ではナトリウムに対する活性炭生地の選択的反応によってのみ説明され得る。
本発明は、本発明を限定することなく例示する以下の実施例を読めばより良く理解される。
機器及び原材料
実施例に使用された原材料を以下に列挙する。
膜:
- FumasepによりFKSの参照記号で市販されているカチオン交換膜、以降では「MEC」と呼ばれる;
- FumasepによりFASの参照記号で市販されているアニオン交換膜、以降では「MEA」と呼ばれる;
- Millipore社により市販されている、膜1cm当たり約6.10チャネルを有する「トラックエッチング膜」型の電荷の符号とは無関係にイオンを透過可能な膜(非選択的膜)、以降では「MNS」と呼ばれる。
電極:
- CETEC社によりGF020の参照記号で市販されている黒鉛フェルト、以降では「GF」と呼ばれる;
- Kynol社によりACC 5092 20の参照記号で市販されている活性炭生地、以降では「A」と呼ばれる;
- SIGRACELLによりGFA5の参照記号で市販されている活性炭フェルト、以降では「B」と呼ばれる。
溶液
=0.01M及びC=1Mの濃度の塩化ナトリウムNaCl溶液を調製した。
(実施例1:本発明によるデバイスD1、D2、D3及びD4の調製、並びに本発明によらないデバイスD1’、D2’、D3’、D4’、D5’との比較。)
膜のいずれかの側に設置された黒鉛又は活性炭生地の2つの電極を備えるデバイスを用い、塩化ナトリウム(NaCl)の濃度C及びCの溶液をそれぞれ電極に通過させて試験を行った。
実験に応じて、電極は、MEC、MEA又はMNS膜により隔てられたGF、A又はB電極である。
電極は、電圧計を含む外部電気回路によって接続され、濃度Cの溶液が流動する電極に電圧計の正端子が接続され、濃度Cの溶液が流動する電極にその負端子が接続されている。
測定は、5cmの面積を有する膜を備えるデバイスを用いて行った。
結果をTable 1(表1)に示す。
ここで、
- C及びCは、mol/Lで表されるNaClの濃度であり;
- ΔVは、外部回路が開いている場合に電圧計により測定される電位であり;
- Iは、外部回路が閉じている場合に電流計により測定される電流であり;
- Rsは、オームの法則:R=U/I.Sにより計算されるデバイスの表面抵抗であり;
- Pmax=V/4Rである。
デバイスD1’及びD2’の結果の解釈
Table 1(表1)は、電極調製に黒鉛を使用すると、膜がアニオン性又はカチオン性であるかに関わらず、デバイスD1’及びD2’により生成される電力が同様であることを示している。デバイスD3’の結果と組み合わせて解釈すると、デバイスD1’及びD2’の結果は、推測されるように、黒鉛ベース電極が純粋に容量電極であり、測定されたd.o.p.は、MEC(D1’)又はMEA(D2’)膜のd.o.p.に対応することを示している。
デバイスD1、D2、D3及びD4の結果の解釈
一方、デバイスD1、D2、D3及びD4で得られた結果の比較は、電極の調製に活性炭が使用された場合、生成された電力は活性炭生地の種類(A又はB)及びアニオン(MEA)又はカチオン(MEC)に対する膜の選択的透過性に従って異なることを示している。
特に、結果は、デバイスD1及びD4により、すなわち、A型活性炭電極(アニオンに対する選択的反応性を有する)をMEC膜と、又はB型活性炭電極(カチオンに対する選択的反応性を有する)をMEA膜と組み合わせることによって、最高の電力が得られることを示している。
デバイスD3’、D4’及びD5’の結果の解釈
非選択的膜及び黒鉛電極を含むデバイスD3’により得られた結果は、純粋な容量システムにおいて推測されるように、黒鉛ベース電極がいかなる電位差も生成しないことを示している。
逆に、非選択的膜、及びそれぞれA型又はB型の活性炭電極を備えるデバイスD4’及びD5’により得られた結果は、驚くべきことに、活性炭電極が、使用された活性炭の種類に応じて正又は負の電位差を生成し得ることを示している。
更に、デバイスD4’で観察された電流及び電位の方向は、A型活性炭生地電極の塩素との選択的反応によって説明することができ、カソード及びアノードにおける反応は、以下のように形式化することができる。
同様に、デバイスD5’で観察された電流及び電位の方向は、活性炭生地電極B型のナトリウムとの選択的反応によって説明することができ、アノード及びカソードにおける反応は、以下のように形式化することができる。
(実施例2:全デバイス抵抗に対する流体流動構成の効果。)
この実施例では、実施例1のデバイスの場合のように、膜と接触して配設された多孔質電極を通る循環流体が、先行技術のREDデバイスの抵抗より低い抵抗を有するデバイスをもたらすことが示され、電解質溶液は、厚さ数百マイクロメートルの膜間空間内を循環する。
図1に示されるように、本発明のデバイスは、濃度Cの電解質溶液から濃度C(CはCより高い)の電解質溶液にイオン選択的膜を通過するイオンが、濃度Cの電解質溶液が流動する第1の電極にすぐに遭遇するように構成される。
対照的に、また上で言及したように、先行技術のREDデバイスでは、電解質溶液は膜間空間を流動し、これらの溶液の厚さは、バルク抵抗として知られるイオン流動に対する抵抗を構成する。特に、低溶質濃度の電解質溶液は、低いイオン伝導率を有し、したがって高いバルク抵抗を有する。
先行技術のREDデバイスの抵抗は、以下の式に従って加算される直列の5つの抵抗器で構成されるものとしてモデル化され得る。
Rtotale = Rmelc + RbulkC+ RM + RbulkC+ Rmelc
ここで、
- Rmelcは、電極を構成する材料の抵抗であり、
- RbulkCは、濃度Cの電解質溶液の抵抗であり、
- RMは、膜抵抗であり、
- RbulkCは、濃度C(CはCより高い)の電解質溶液の抵抗である。
コレクタは非常に良好な導電体であるため、先行技術のREDデバイスの表面抵抗へのその寄与は、ここでは無視される。
実施例1の濃度Cの電解質溶液に対応する、0.01MのNaClを含む電解質溶液を考える。
そのような溶液のイオン伝導率σは、0.126S/mである。
先行技術のREDデバイスでは、0.01MのNaClを含む電解質溶液は、厚さ2mmの膜間空間を通って流動すると考えられる。そのような厚さは、典型的には、実施例1のデバイスD1’及びD2’で使用されたGF黒鉛生地の厚さに対応する。
表面S及び厚さLの溶液の部分のコンダクタンスGは、式G=σ.S/Lにより与えられる。ここで、抵抗RはコンダクタンスGの逆数、すなわちR=1/Gであり、そこからR.S=L/σが導かれる。
したがって、0.01MのNaClを含む電解質溶液が厚さ2mmの膜間空間を流動すると考えた場合、1cmの表面積及び2mmの厚さの溶液の部分に対して、抵抗は158オームであると計算され得る。換言すれば、先行技術のデバイスの膜間空間を流動する0.01MのNaClを含む電解質溶液の2mmの層の表面抵抗は、158Ω.cmである。
したがって、先行技術のREDデバイスの膜間空間を通って流動する0.01MのNaClを含む電解質溶液の厚さに関連するバルク抵抗だけで、実施例1のデバイス、特にデバイスD1’及びD2’において観察される全表面抵抗よりも20倍超大きい抵抗を構成する。したがって、電極の細孔を通して流体を循環させることにより、システムの抵抗が著しく低減される。
10A タンク、電解質溶液
10B タンク、電解質溶液
20A 溶質、電解質溶液、電極
20B 溶質、電解質溶液、電極
30A デバイス
30B デバイス
40A 活性炭生地、電極
40B 活性炭生地、電極
50 膜
60A 電流コレクタ
60B 電流コレクタ

Claims (10)

  1. 電気エネルギーを生成するためのデバイスであって、
    a)溶質の濃度Cの電解質溶液(20A)の流動を可能にする多孔度を有する第1の電極(40A)と;
    b)溶質の濃度Cの電解質溶液(20B)の流動を可能にする多孔度を有する第2の電極(40B)であって、CはCより高い、第2の電極(40B)と;
    c)アニオン又はカチオンを選択的に透過可能な膜(50)であって、2つの電極間に配置され、チャネルを通した濃度Cの電解質溶液から濃度Cの電解質溶液への電解質の拡散を可能にするように配設された少なくとも1つのチャネルを含む、膜(50)と;
    d)2つの電極間に存在する電位差によって生成された電気エネルギーを収集するためのデバイス(80)と
    を含み、2つの電極(40A、40B)は、活性炭生地により形成される、デバイス。
  2. 活性炭生地が、5000μm未満の厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
  3. 活性炭生地が、少なくとも500m/gの比SBET表面積を有する、請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 膜(50)の厚さが、2μm~100μm、好ましくは2μm~75μmである、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 活性炭生地が、アニオン又はカチオンに対する選択的反応性を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. - 膜がアニオン選択的透過性を有する場合、電極はカチオン選択的反応性を有する活性炭生地で形成され、
    - 膜がカチオン選択的透過性を有する場合、電極はアニオン選択的反応性を有する活性炭生地で形成される、請求項5に記載のデバイス。
  7. 活性炭生地のアニオン又はカチオン選択的反応性が、
    i)
    ia)溶質の濃度Cの電解質溶液の流動を可能にする多孔度を有する活性炭生地の形態の第1の電極と、
    ib)溶質の濃度Cの電解質溶液の流動を可能にする多孔度を有する活性炭生地の形態の第2の電極であって、CはCより高い、第2の電極と、
    ic)電荷の符号に関わらずイオンを透過可能な膜であって、2つの電極間に配置され、チャネルを通した濃度Cの電解質溶液から濃度Cの電解質溶液へのイオンの拡散を可能にするように配設された少なくとも1つのチャネルを含む、膜と、
    id)負端子が第2の電極に接続され、正端子が第1の電極に接続された電圧計と
    を備えるデバイスを用意し、
    ii)第1の電極における溶質の濃度Cの電解質溶液、及び第2の電極における溶質の濃度Cの電解質溶液であって、CはCより高い、電解質溶液を循環させ、
    iii)電圧計により電極間の電位差を測定し、
    - 正の電位差が測定された場合、活性炭生地はアニオンに対して選択的に反応性であり、
    - 負の電位差が測定された場合、活性炭生地はカチオンに対して選択的に反応性である、というように活性炭生地の選択性を決定する
    ことで決定される、請求項5又は6に記載のデバイス。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイスを使用して電力を生成する方法であって、
    i)第1の電極(40A)に、溶質濃度Cの電解質溶液(20A)を供給して、前記溶液が第1の電極内で循環するようにする、工程と;
    ii)第2の電極(40B)に、同溶質の濃度Cの電解質溶液(20B)であって、CはCより高い、電解質溶液(20B)を供給して、前記溶液が第2の電極内で循環するようにする、工程と;
    iii)電解質が膜(50)を通して第1の電極から第2の電極に拡散するのを可能にする工程と;
    iv)デバイス(80)を使用して、2つの電極間に存在する電位差により生成された電気エネルギーを捕捉する工程と
    を含む方法。
  9. 前記電解質溶液が、アルカリハライド又はアルカリ土類ハライドから選択される、好ましくはLiCl、NaCl、KCl、CaCl及びMgClから選択される、より好ましくはNaClである溶質を含む水溶液であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 濃度比C/Cが、1超10以下、好ましくは1超10以下であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
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