JP2023553243A - ヌクレオシド誘導体及びその使用方法 - Google Patents

ヌクレオシド誘導体及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

特定の抗ウイルス化合物、医薬組成物、及びそれらに関連する方法を開示する。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2021年12月16日に出願された米国仮出願番号63/265,577、2022年2月2日に出願された米国仮出願番号63/267,434及び2022年5月20日に出願された米国仮出願番号17/664,304の優先権を主張している。当該出願の全内容は引用により本明細書に組み込まれている。
本願は、一般的には、ヌクレオシド誘導体、並びに、それらに関連する組成物及び使用方法に関する。
ヌクレオシド類似体は内因性ヌクレオシドを模倣し、細胞代謝を利用して、DNA及びRNAの両方に組み込まれる。この性質により、ヌクレオシド類似体はウイルス複製の阻害やがん細胞の増殖の阻止に有効である。RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)はRNAテンプレートからのRNA複製を触媒する酵素である。
具体的には、与えられたRNAテンプレートに相補的なRNA鎖の合成を触媒する。ウイルスRdRPはウイルスゲノムの複製と転写において重要な役割を果たす。HBV、HCV及びSARS-CoV2感染を含むウイルス感染を治療するために多くのヌクレオシド類似体が開発されているが、ウイルス感染をより効果的に治療するためのヌクレオシド類似体が依然として必要である。
本願の一態様は、式Iで表される構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
Figure 2023553243000001
(式中、R又はRは、独立して、H、ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール、又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基、OH、-O-C-Cアルキル、NR、C-Cアルキル、C-C10アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
又はRは、独立して、H、D、ハロ基又はC-Cアルキルであり、前記アルキルは1つ以上のハロ基で任意に置換され、
又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、C-C10アリール又はC-C10ヘテロアリールであり、
結合は、独立して、
Figure 2023553243000002
から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、H及びC-Cアルキルから選択され、前記R及びRは互いに融合して環を形成することができる。)
本願の別の態様は、式IIで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000003
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式IIIで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000004
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式IVで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000005
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式Vで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000006
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式VIで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000007
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式VIIで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000008
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式VIIIで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000009
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式IXで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000010
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式Xで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000011
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
本願の別の態様は、式XIで表される構造を有する化合物に関する。
Figure 2023553243000012
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はハロ基からなる群から選択される。)
いくつかの実施形態では、R又はRは、独立して、H、D、F、Cl、Br、CH、又はCFである。
いくつかの実施形態では、R又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル、又は-(CO)OC-Cアルキルである。
本願の別の態様は、薬学的に許容される賦形剤と、本願の化合物と、を含む医薬組成物に関する。
本願の別の態様は、患者のウイルス感染を治療又は予防するための方法に関する。前記方法は、有効量の本願の化合物を患者に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記ウイルス感染はコロナウイルスの感染である。いくつかの実施形態では、前記ウイルス感染はSARS-CoV2ウイルスの感染である。
本願のいくつかの態様及び例示的な実施形態を詳細に参照して、添付の構造及び図面において例示的な例を示す。本願の態様は、方法、材料、及び実施例を含む例示的な実施形態を参照して説明されるが、この説明は非限定的であり、本願の範囲は、公知であるか又は本願に組み込まれている全ての同等物、代替物、及び修正を含むことを意図している。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。当業者は、本明細書に記載された技術及び材料と類似又は同等の多くの技術及び材料が、本願の態様及び実施形態の実施のために使用され得ることを理解できる。本明細書に記載された態様及び実施形態は、ここで記載された方法及び材料に限定されない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「一」、「1つ」及び「前記」は、内容が明示的に別段に示されていない限り、複数形を含む。
ここでは、範囲は、「約」ある特定の値から及び/又は「約」別の特定の値までと表されることがある。このような範囲が記載される場合、別の実施形態は、1つの特定の値から及び/又は別の特定の値までの範囲を含む。同様に、値が先行詞「約」を使用することにより近似値として表される場合、当該特定の値が他の実施形態を形成することが理解される。
更に、各範囲の端点は他の端点に対しても、他の端点から独立しても重要であることが理解される。また、本明細書では多くの値が開示されており、各値もまた、当該値自体に加えて、本明細書では「約」特定の値も開示されていることが理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。また、当業者が適切に理解しているように、「それ以下」の値が開示されている場合、「それ以上」及びそれらの間の可能な範囲も開示されていることが理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「10以下」及び「10以上」も開示される。
特定の実施形態では、塩又はプロドラッグの形態であってもよい医薬品は、重量によって特定される本明細書に開示された方法で投与される。これは、当該化合物の重量を意味する。塩又はプロドラッグの形態の場合、前記重量は対応する塩又はプロドラッグのモル当量である。
本明細書を通じて、前記化合物のいくつかの特徴は、グループ又は範囲で開示されている。特に、このような開示は、このようなグループ及び範囲のメンバの個々のサブグループの各々を含むことを意図している。
本明細書に記載された化合物は、非対称であってもよい(例えば、1つ以上の立体中心を有する)。特に明記されていない限り、鏡像異性体やジアステレオマーなどの立体異性体は全て意図的なものである。不斉に置換された炭素原子を含む本願の化合物は、光学的に活性な又はラセミの形態で分離することができる。光学的に不活性な出発材料から光学的に活性な形態を調製する方法は、ラセミ混合物の分割又は立体選択的合成などの方法など、当該分野に知られていることである。
オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も本明細書に記載された化合物中に存在してもよく、これらの安定な異性体が全て本明細書で考慮される。本願の化合物のシス及びトランスの幾何異性体が記載されており、異性体の混合物として又は分離異性体の形態として分離することができる。
化合物のラセミ混合物の分割は当該分野に知られている多くの方法のいずれかによって行うことができる。1つの方法には、光学的に活性な塩形成有機酸であるキラル分割酸を用いた分別再結晶が含まれる。分別再結晶法に好適な分割剤は、例えば、D及びL型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸などの光学活性酸、又はb-カンファースルホン酸などの種々の光学活性カンファースルホン酸である。
分別晶析法に好適な他の分割剤としては、立体異性体的に純粋な形態のα-メチルベンジルアミン(例えば、S及びRの形態、又はジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、TV-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどが含まれる。
ラセミ混合物の分割は、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシノール)を充填したカラム上で溶出することによって行うこともできる。適切な溶出溶媒組成物は当業者が決定することができる。
2つ以上のキラル中心を有する化合物において、別段の記載がない限り、化合物中の各キラル中心は、独立して(R)又は(S)であってもよい。
本願の化合物はまた互変異性形態を含む。互変異性形態はプロトン移動とともに、単結合が隣接する二重結合と交換することの結果である。互変異性形態は、同じ経験式と総電荷を有する異性プロトン化状態のプロトトロピック互変異性体を含む。プロトトロピック互変異性体の例としては、ケトン-エノール対、アミド-イミン酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、及び1つのプロトンが複素環系の2つ以上の位置を占有することができる環状形態、例えば1H-及び3/f-イミダゾール、1H-、2H-及び4H-1,2,4-トリアゾール、\H-及び211-イソインドール、並びに1H-及び2//-ピラゾールが含まれる。互変異性形態は、適切な置換によって平衡状態にあるか、又は1つの形態内に空間的にロックされ得る。
本願の化合物はまた、中間体又は最終化合物に出現する全ての原子同位体を含むことができる。同位体には、原子番号が同じであるが質量数が異なる原子が含まれる。例えば、水素の同位体には三重水素や重水素が含まれる。本願の化合物の1つ以上の構成原子は、天然又は非天然の存在量の原子同位体で取り換えられるか又は置換されてもよい。いくつかの実施形態では、前記化合物は少なくとも1つの重水素原子を含む。例えば、本開示の化合物中の1つ以上の水素原子は、重水素で取り換えられるか又は置換されてもよい。いくつかの実施形態では、前記化合物は、2つ以上の重水素原子を含む。
I.定義
本明細書で使用される用語「化合物」は、前記構造の全ての立体異性体、幾何異性体、互変異性体及び同位体を含むことを意味する。この用語はまた、合成方法、生物学的プロセス(例えば、代謝又は酵素変換)、又はそれらの組み合わせなど、それらがどのように調製されるかにかかわらず、本願の化合物を意味する。
全ての化合物及びその薬学的に許容される塩は、水及び溶媒(例えば、水和物及び溶媒和物)のような他の物質と共に存在してもよく、分離していてもよい。本明細書に記載された化合物及びその塩は、固体の場合、様々な形態で存在することができ、例えば、水和物を含む溶媒和物の形態をとることができる。前記化合物は、多形体又は溶媒和物などの如何なる固体形態であってもよいので、明細書における化合物及びその塩への引用は、別段の明示的な指示がない限り、化合物の如何なる固体形態も含むものと解されるべきである。
いくつかの実施形態では、本願の化合物又はその塩は実質的に分離される。「実質的に分離される」とは、前記化合物が形成又は検出された環境から少なくとも部分的に又は実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本願の化合物に富む組成物を含むことができる。
実質的な分離は、本願の化合物又はその塩を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、又は少なくとも約99重量%で含む組成物を含むことができる。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という句とは、合理的な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題又は合併症なしに、合理的な利益/リスク比に見合って、ヒト及び動物の組織との接触に使用するのに適した化合物、材料、組成物及び/又は剤形を意味する。
本明細書で使用される「周囲温度」と「室温」は当該分野では理解可能なものであり、通常は反応が行われている部屋の温度程度の温度、例えば反応温度、例えば20℃程度から30℃程度の温度を指す。
本願はまた、本明細書に記載された化合物の薬学的に許容される塩を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、開示されている化合物の誘導体を意味し、ここで、親化合物は、既存の酸又は塩基部分をその塩の形態に変換することによって修飾される。薬学的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の鉱物又は有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリや有機塩が含まれるが、これらに限定されない。
本願の薬学的に許容される塩は、例えば無毒な無機酸又は有機酸から形成された親化合物の無毒な塩を含む。本願の薬学的に許容される塩は、塩基性部分又は酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法により合成することができる。通常、このような塩は、これらの化合物の遊離の酸又は塩基形態を、水又は有機溶媒又は両者の混合物中で、化学量論的に適切な塩基又は酸と反応させることによって調製することができる。
一般的には、エチルエーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)やアセトニトリル(MeCN)などの非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、レミントンの薬物科学 第17版に掲載されている(Mack Publishing Company,Easton,1985)p.1418,Bergeら,J.Pharm.Sci,1977,66(1),1-19とStahlらの『薬用塩ハントドック:性質、選択及び使用』(Wiley,2002)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された化合物はN-オキシド形態を含む。
「被験者」、「個体」及び「患者」という用語は、交換的に使用され、哺乳類、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ又は霊長類、最も好ましくはヒトを含む任意の動物を指す。
「治療有効量」という句は、組織、系統、動物、個体又はヒトにおいて研究者、獣医、医師又はその他の臨床医が求めている生物学的又は薬物的反応を引き起こす活性化合物又は医薬品の量をいう。
本明細書で使用されるように、「治療する」又は「治療」という用語は以下の(1)及び(2)のうちの1つ以上を意味する。(1)疾患を抑制し、例えば、疾患、状態又は障害を病理学的又は症候学的に経験しているか又は示している個体において、疾患、状態又は障害を抑制する(すなわち、病理学的又は症候学的な更なる進行を阻止する)こと、(2)疾患を改善し、例えば、疾患、状態又は障害を病理学的又は症候学的に経験しているか又は示している個人において、疾患、状態又は障害を改善する(すなわち、病理学的及び/又は症候学的に逆転する)、例えば、疾患の重症度を低下させること。
「溶媒和物」という用語は、溶媒と有効な医薬成分、代謝物又はそれらの塩との相互作用により形成される化合物を意味する。好適な溶媒和物は、水和物を含む薬学的に許容される溶媒和物である。
本発明で使用される「置換された」又は「任意に置換された」という用語は、「置換された」又は「任意に置換された」という用語が意味する基の1つ以上の水素原子が1つ以上の置換基で取り換えられたことを意味する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の置換基は、それぞれ独立して、低級アルキル、低級アリール、低級アラルキル、低級環状アルキル、低級ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アリールオキシ、パーハロアルコキシ、アラルコキシ、低級ヘテロアリール、低級ヘテロアリールオキシ、低級ヘテロアリールアルキル、低級ヘテロアラルコキシ、アジド、アミノ、ハロ基、低級アルキルチオ、オキソ、低級アシルアルキル、低級カルボキシエステル、カルボキシ、-カルボキサミド、ニトロ、低級アシルオキシ、低級アミノアルキル、低級アルキルアミノアリール、低級アルキルアリール、低級アルキルアミノアルキル、低級アルコキシアリール、低級アリールアミノ、低級アラルキルアミノ、スルホニル、低級カルボキサミドアルキルアリール、低級カルボキサミドアリール、低級ヒドロキシアルキル、低級ハロアルキル、低級アルキルアミノアルキルカルボキシ-、低級アミノカルボキサミドアルキル-、シアノ、低級アルコキシアルキル、低級パーハロアルキル及び低級アリールアルキルオキシアルキルから選択され、但し、置換が考慮される原子の通常の価数を超えず、置換が安定な化合物を生成し、すなわち、十分に強固な化合物を反応混合物から分離することができればよい。
「アルキル」という用語は、炭素-炭素結合が1つしかない直鎖又は分岐鎖又は環状鎖の炭化水素基を意味する。代表的な例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシルが含まれるが、これらはいずれも任意に置換されていてもよい。
「アリール」という用語は、5~14個の環原子と、共役π電子系を有する少なくとも1つの環とを有する芳香族基を意味し、炭素環式アリール、複素環式アリール及びビスアリールを含み、これらはいずれも任意に置換されていてもよい。
炭素環式アリールは、芳香環上の環原子が炭素原子である6~14個の環原子を有する基である。炭素環式アリールは、単環式炭素環式アリールと、任意に置換されているナフチルのような多環式又は縮合化合物とを含む。
複素環式アリール又はヘテロアリールは、1~4個のヘテロ原子が芳香環上の環原子であり、残りの環原子が炭素原子である5~14個の環原子を有する基である。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄、窒素及びセレンが含まれる。好適なヘテロアリールは、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-低級アルキルピロリル、ピリジル-N-オキシド、ピリミジル、ピラジニル、イミダゾリルなどが含まれ、これらはいずれも任意に置換されていてもよい。
「ビスアリール」という用語は、縮合環系と他のアリールで置換されたアリールとの両方を含む1つ以上の芳香環を含む、5~14個の原子を有するアリールを表す。これらの基は、任意に置換されていてもよい。好適なビスアリールは、ナフチル及びビフェニルを含む。
「置換アリール」及び「置換ヘテロアリール」という用語は、1~3個の置換基で任意に置換されたアリール及びヘテロアリールを意味する。いくつかの実施形態では、1~3個の置換基は、それぞれ独立して、低級アルキル、低級アルコキシ、低級パーハロアルキル、ハロ基、ヒドロキシ及びアミノからなる群から選択される。
「-アラルキル」という用語は、アリールで置換されたアルキレンを意味する。好適なアラルキルはベンジル、ピリジルなどを含み、任意に置換されていてもよい。
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキレンを意味する。
「アルキルアリール-」という用語は、アルキルで置換されたアリールを意味する。「低級アルキルアリール-」とは、アルキルが低級アルキルである基を意味する。
本明細書で使用されるように、前記炭素原子表示は、示された整数及び任意の中間の整数を有することができる。例えば、(C-C)-アルキル中の炭素原子の数は1、2、3又は4である。これらの表示は、炭素原子及びヘテロ原子を含む、対応するヘテロ基中の原子の総数を意味することが理解されるべきである。例えば、(C-C10)-ヘテロシクリルにおいて、炭素原子及びヘテロ原子の総数は、3(例えば、アジリジン)、4、5、6(例えば、モルホリン)、7、8、9又は10である。
有機ラジカル又は化合物に関する本明細書中の用語「低級」は、それぞれ6個以下の炭素原子を意味する。これらの基は、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。
有機ラジカル又は化合物に関する本明細書中の用語「高級」は、それぞれ7個以上の炭素原子を意味する。これらの基は、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。
「環状アルキル」又は「シクロアルキル」という用語は、炭素数3~10の環状アルキルを意味し、1つの態様では、炭素数3~6の環状アルキルを意味する。好適な環状基としては、縮合環状基、スピロ環状基、ノルボルニル及びシクロプロピルが含まれる。これらの基は置換されていてもよい。
「複素環(式)」、「複素環式アルキル」又は「ヘテロシクロアルキル」という用語は3~10原子の環状基を意味し、1つの態様では、少なくとも1つのヘテロ原子を含む3~6原子の環状基を意味し、別の態様では、ヘテロ原子を含む1~3原子の環状基を意味する。好適なヘテロ原子としては、酸素、硫黄及び窒素が含まれる。複素環基は、環内の窒素原子又は炭素原子を介して連結されていてもよい。前記複素環式アルキルは、不飽和環基、縮合環基、スピロ環基を含む。好適な複素環基は、ピロリジニル、モルホリノ、モルホリノエチル及びピリジルを含む。
「アリールアミノ」(a)及び「アラルキルアミノ」(b)という用語は、それぞれ-NRR’基を意味し、ここで、(a)Rはアリールであり、R’は水素、アルキル、アラルキル、ヘテロシクロアルキル又はアリールであり、(b)Rはアラルキルであり、R’は水素、アラルキル、アリール、アルキル又はヘテロシクロアルキルである。
「アシル」という用語は、-C(O)-Rを意味し、ここで、Rはアルキル、ヘテロシクロアルキル又はアリールである。
「カルボキシエステル」という用語は、-C(O)-ORを意味し、ここで、Rはアルキル、アリール、アラルキル、環状アルキル又はヘテロシクロアルキルであり、これらはいずれも任意に置換されていてもよい。
「カルボキシ」という用語は、-C(O)-OHを意味する。
「オキソ」という用語は、アルキル又はヘテロシクロアルキル中の=Oを意味する。
「アミノ」という用語は、-NRR’を意味し、ここで、R及びR’は、独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、Hを除く全てが任意に置換され、R及びR’は1つの環状系を形成することができる。
「-カルボキシアミド」という用語は、-C(O)NRを意味し、ここで、Rはそれぞれ独立して水素又はアルキルである。
「-スルフォニルアミノ」又は「-スルホニルアミノ」という用語は、-S(=O)NRを意味し、ここで、Rはそれぞれ独立して水素又はアルキルである。
「ハロ基ゲン」又は「ハロ基」という用語は、-F、-Cl、-Br及び-Iを意味する。
「アルキルアミノアルキルカルボキシ」という用語は、アルキル-NR-アルキ-C(O)-O基を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレン、RはH又は低級アルキルである。
「スルフォニル」又は「スルホニル」という用語は、-SORを意味し、ここで、RはH、アルキル、アリール、アラルキル又はヘテロシクロアルキルである。
「スルフォネート」又は「スルホネート」という用語は、-SO-ORを意味し、ここで、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル又はヘテロシクロアルキルである。
「アルケニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む不飽和基を意味し、直鎖、分岐鎖及び環状基を含む。アルケニルは任意に置換されていてもよい。好適なアルケニルはアリルを含む。「1-アルケニル」とは、第1炭素原子と第2炭素原子との間に二重結合を有するアルケニルを意味する。1-アルケニルが他の基に連結されている場合、例えば環状ホスホン酸塩に連結されているW置換基であれば、第1炭素に連結されている。
「アルキニル」という用語は、2~12個の原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む不飽和基を意味し、直鎖、分岐鎖及び環状基を含む。アルキニルは任意に置換されていてもよい。好適なアルキニルはエチニルを含む。「1-アルキニル」とは、第1炭素原子と第2炭素原子との間に三重結合を有するアルキニルを意味する。前記1-アルキニルが他の基に連結されている場合、例えば環状ホスホン酸塩に連結されているW置換基であれば、第1炭素に連結されている。
「アルキレン」という用語は、2価の直鎖状、分岐状又は環状の飽和脂肪族基を意味する。一態様では、前記アルキレンは10個までの原子を含む。別の態様では、アルキレンは6個までの原子を含む。更なる態様では、前記アルキレンは4個までの原子を含む。前記アルキレンは、直鎖状、分岐状又は環状であってもよい。
「アシルオキシ」という用語は、エステル-O-C(O)R基を意味し、ここで、Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル又はヘテロシクロアルキルである。
「アミノアルキル-」という用語は、NR-「アルキ」-基を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンであり、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル及びヘテロシクロアルキルから選択される。
「アルキルアミノアルキル-」という用語は、アルキル-NR-アルキ-を意味し、ここで、「アルキ」はそれぞれ独立して選択されたアルキレンであり、RはH又は低級アルキルである。「低級アルキルアミノアルキル-」とは、アルキルが低級アルキルであり、アルキレンが低級アルキレンである基をいう。
「アリールアミノアルキル-」という用語は、アリール-NR-アルキ-を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンであり、Rは-H、アルキル、アリール、アラルキル又はヘテロシクロアルキルである。「低級アリールアミノアルキル-」において、前記アルキレンは低級アルキレンである。
「アルキルアミノアリール-」という用語は、アルキル-NR-アリール-を意味し、ここで、「アリール」は2価の基であり、Rは-H、アルキル、アラルキル又はヘテロシクロアルキルである。「低級アルキルアミノアリール-」において、前記アルキルは低級アルキルである。
「アルコキシアリール-」という用語は、アルキルオキシで置換されたアリールを意味する。「低級アルキルオキシアリール-」において、前記アルキルは低級アルキルである。
「アリールオキシアルキル-」という用語は、アリールオキシで置換されたアルキルを意味する。
「アラルキルオキシアルキル-」という用語は、アリール-アルキ-O-アルキ-を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンである。「低級アラルキルオキシアルキル-」とは、アルキレンが低級アルキレンである基をいう。
「アルコキシ-」又は「アルキルオキシ-」という用語は、アルキル-O-基を意味する。
「アルコキシアルキル-」又は「アルキルオキシアルキル-」という用語はアルキル-O-アルキ-を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンである。「低級アルコキシアルキル-」において、アルキルは低級アルキルであり、アルキレンは低級アルキレンである
「アルキルチオ-」という用語はアルキル-S-基を意味する。
「アルキルチオアルキル-」という用語はアルキル-S-アルキ-を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンである。「低級アルキルチオアルキル-」において、アルキルは低級アルキルであり、アルキレンは低級アルキレンである。
「アルコキシカルボニルオキシ-」という用語は、アルキル-O-C(O)-O-を意味する。
「アリールオキシカルボニルオキシ-」という用語は、アリール-O-C(O)-O-を意味する。
「アルキルチオカルボニルオキシ-」という用語は、アルキル-S-C(O)-O-を意味する。
「アミド」という用語は、アシル又はスルホニルに隣接するNR基、例えば、NR-C(O)-、RC(O)-NR-、NR-S(=O)-及びRS(=O)-NR-であり、ここで、R及びRは-H、アルキル、アリール、アラルキル及びヘテロシクロアルキルを含む。
「カルボキサミド」という用語は、NR-C(O)-及びRC(O)-NR-を意味し、ここで、R及びRは-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。この用語には、ウレア、-NR-C(O)-NR-は含まれていない。
「フルフォンアミド」又は「スルホンアミド」という用語は、NR-S(=O)-及びRS(=O)-NR-を意味し、ここで、R及びRは-H、アルキル、アリール、アラルキル、及びヘテロシクロアルキルを含む。この用語には、スルホニルウレア、-NR-S(=O)-NR-は含まれていない。
「カルボキサミドアルキルアリール」又は「カルボキサミドアリール」という用語は、アリール-アルキ-NR-C(O)及びアリール-NR-C(O)-アルキ-を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンであり、R及びRは、H、アルキル、アリール、アラルキル及びヘテロシクロアルキルを含む。
「スルホンアミドアルキルアリール」又は「スルホンアミドアリール」という用語は、アリール-アルキ-NR-S(=O)-及びアリール-NR-S(=O)-を意味し、ここで、「アルキ」はアルキレンであり、R及びRは、-H、アルキル、アリール、アラルキル及びヘテロシクロアルキルを含む。
「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つの-OHで置換されたアルキルを意味する。
「ハロアルキル」という用語は、ハロ基で置換されたアルキルを意味する。
「シアノ」という用語は、-CNを意味する。
「ニトロ」という用語は、-NOを意味する。
「アシルアルキル」という用語はアルキル-C(O)-アルキ-を意味し、ここで「アルキ」はアルキレンである。
「アミノカルボキサミドアルキル」という用語は、NR-C(O)-N(R)-アルキ-を意味し、ここで、Rはアルキル又はHであり、「アルキ」はアルキレンである。「低級アミノカルボキサミドアルキル-」とは、「アルキ」が低級アルキレンである基を意味する。
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキレンを意味する。
本明細書で使用されるように、「予防」及び「予防する」という用語は、再発、拡散又は発症の予防を含む。本開示は完全な予防に限定されるものではないことが意図されていない。いくつかの実施形態では、発症が遅延されるか、又は疾患の重症度が低減される。
本明細書で使用されるように、追加の治療手段とともに投与することを記載する場合、「組み合わせる」という用語は、追加の治療の前、一緒に、又はそれらの組み合わせの後に、薬剤を投与することができることを意味する。
II.本願に係る化合物及び組成物
本願の一態様は、式Iで表される構造を有する化合物又はその薬学的に許容される塩に関する。
Figure 2023553243000013
(式中、R又はRは、独立して、H、ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール、又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基、OH、-O-C-Cアルキル、NR、C-Cアルキル、C-C10アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
又はRは、独立して、H、D、ハロ基又はC-Cアルキルであり、前記アルキルは1つ以上のハロ基で任意に置換され、
又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、C-C10アリール又はC-C10ヘテロアリールであり、
結合は、独立して、
Figure 2023553243000014
から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、H及びC-Cアルキルから選択され、前記R及びRは互いに融合して環を形成することができる。)
式IIの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000015
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
式IIIの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000016
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
式IVの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000017
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
式Vの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000018
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
式VIの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000019
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
式VIIの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000020
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
式VIIIの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000021
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
式IXの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000022
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
式Xの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000023
(式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基及びOHからなる群から選択される。)
式XIの構造を有する別の好ましい化合物又はその薬学的に許容される塩である。
Figure 2023553243000024
(式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル、-(CO)C-C10アリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基からなる群から選択される。)
いくつかの実施形態では、R又はRは、独立して、H、D、F、Cl、Br、CH、CFである。
いくつかの実施形態では、R又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキルである。
いくつかの実施形態では、本願の化合物は、下記の化合物からなる群から選択される。
Figure 2023553243000025
Figure 2023553243000026
Figure 2023553243000027
Figure 2023553243000028
Figure 2023553243000029
Figure 2023553243000030
Figure 2023553243000031
Figure 2023553243000032
Figure 2023553243000033
Figure 2023553243000034
III.使用方法
本願の別の態様は、本願の化合物を用いて、被験者におけるウイルス感染の症状を予防、治療又は改善する方法に関する。
いくつかの実施形態では、前記方法は、必要とされる被験者に有効量の本願における化合物を投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、前記ウイルス感染はコロナウイルス感染である。いくつかの実施形態では、前記ウイルス感染はSARS-CoV-2感染である。
特定の実施形態では、前記ウイルス感染は、アルファウイルス、フラビウイルス、コロナウイルス、RSV、インフルエンザウイルス、ポワサンウイルス、エボラウイルス又はフィロウイルス科、オルトミクソウイルス科若しくはパラミクソウイルス科のウイルスによって引き起こされる。
特定の実施形態では、前記ウイルス感染は、MERSコロナウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ロスリバーウイルス、バーマ森林ウイルス、ポワサンウイルス、ジカウイルス、及びチクングニアウイルスから選択されるウイルスによって引き起こされる。
いくつかの実施形態では、前記被験者は、H1N1、H3N2、H7N9、又はH5N1亜型を含むA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ロタウイルスA、ロタウイルスB、ロタウイルスC、ロタウイルスD、ロタウイルスE、ヒトコロナウイルス、SARSコロナウイルス、MERSコロナウイルス、ヒトアデノウイルス型(HAdV-1~55)、ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、及び59、パルボウイルスB19、伝染性軟属腫ウイルス、JCウイルス(JCV)、BKウイルス、メルケル細胞ポリオーマウイルス、コクサッキーAウイルス、ノロウイルス、風疹ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、デング熱ウイルス、ジカウイルス、チクングニアウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)、西部ウマ脳炎ウイルス(WEEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、ロスリバーウイルス、バーマ森林ウイルス、黄熱病ウイルス、麻疹ウイルス、おたふく風邪ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、牛コレラウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、ハンタウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス-2(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスリンパ球向性ウイルス、ロゼオロウイルスやカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎やヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)、フレンド脾臓フォーカス形成ウイルス(SFFV)や異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス(XMRV)の感染の症状を示すか、これらの感染と診断される可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記被験者はジカウイルス感染の症状を示すか、ジカウイルス感染と診断される可能性がある。
特定の実施形態では、前記被験者は、H1N1、H3N2、H7N9、H5N1(ローパス)、H5N1(ハイパス)亜型を含むA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、ロタウイルスA、ロタウイルスB、ロタウイルスC、ロタウイルスD、ロタウイルスE、SARSコロナウイルス、MERS-CoV、ヒトアデノウイルス型(HAdV-1~55)、ヒトパピローマウイルス(HPV)タイプ16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、パルボウイルスB19、伝染性軟属腫ウイルス、JCウイルス(JCV)、BKウイルス、メルケル細胞ポリオーマウイルス、コクサッキーAウイルス、ノロウイルス、風疹ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)、黄熱病ウイルス、麻疹ウイルス、おたふく風邪ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザウイルス1及び3、牛コレラウイルス、チクングニアウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(EEEV)、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)、西部ウマ脳炎ウイルス(WEEV)、カリフォルニア脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、リフトバレー熱ウイルス(RVFV)、ハンタウイルス、デングウイルス血清型1、2、3、及び4、ジカウイルス、ウエストナイルウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス-1(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス-2(HSV-2)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)、ヘルペスリンパ球向性ウイルス、ロゼオロウイルスやカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)と診断される。
特定の実施形態では、前記被験者はジカウイルス感染と診断される。
いくつかの実施形態では、前記被験者は、亜群1a又は1b αコロナウイルス、亜群2a、亜群2b、2c又は2d βコロナウイルス、又は亜群3 γコロナウイルス感染の症状を示すか、又はこれらの感染と診断される可能性がある。
亜群1a αコロナウイルスの非限定例とそのGenBank登録番号は、FCov.FIPV.79.1146.VR.2202(NV_007025)、感染性胃腸炎ウイルス(TGEV)(NC_002306;Q811789.2;DQ811786.2;DQ811788.1;DQ811785.1;X52157.1;AJ011482.1;KC962433.1;AJ271965.2;JQ693060.1;KC609371.1;JQ693060.1;JQ693059.1;JQ693058.1;JQ693057.1;JQ693052.1;JQ693051.1;JQ693050.1);豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)(NC_001961.1;DQ811787)、並びに現在知られている(例えば、GenBank(R)データベースで見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベースで同定される他のいずれかの亜群1aコロナウイルスを含む、それらのいずれかの亜型、クレード又はサブクレードを含む。
亜群1b αコロナウイルスの非限定例とそのGenBank登録番号は、HCoV.NL63.Amsterdam.I(NC_005831)、BtCoV.HKU2.HK.298.2006(EF203066)、BtCoV.HKU2.HK.33.2006(EF203067)、BtCoV.HKU2.HK.46.2006(EF203065)、BtCoV.HKU2.GD.430.2006(EF203064)、BtCoV.1A.AFCD62(NC_010437)、BtCoV.1B.AFCD307(NC_010436)、BtCov.HKU8.AFCD77(NC_010438)、BtCoV.512.2005(DQ648858);豚流行性下痢ウイルス(NC_003436、DQ355224.1、DQ355223.1、DQ355221.1、JN601062.1、JN601061.1、JN601060.1、JN601059.1、JN601058.1、JN601057.1、JN601056.1、JN601055.1、JN601054.1、JN601053.1、JN601052.1、JN400902.1、JN547395.1、FJ687473.1、FJ687472.1、FJ687471.1、FJ687470.1、FJ687469.1、FJ687468.1、FJ687467.1、FJ687466.1、FJ687465.1、FJ687464.1、FJ687463.1、FJ687462.1、FJ687461.1、FJ687460.1、FJ687459.1、FJ687458.1、FJ687457.1、FJ687456.1、FJ687455.1、FJ687454.1、FJ687453 FJ687452.1、FJ687451.1、FJ687450.1、FJ687449.1、AF500215.1、KF476061.1、KF476060.1、KF476059.1、KF476058.1、KF476057.1、KF476056.1、KF476055.1、KF476054.1、KF476053.1、KF476052.1、KF476051.1、KF476050.1、KF476049.1、KF476048.1、KF177258.1、KF177257.1、KF177256.1、KF177255.1)、HCoV.229E(NC_002645)、並びに現在知られている(例えば、GenBank(R)データベースで見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベースで同定される他のいずれかの亜群1bコロナウイルス亜群を含む、それらのいずれかの亜型、クレード又はサブクレードを含む。
亜群2a βコロナウイルスの非限定例とそのGenBank登録番号は、HCoV.HKU1.CN5(DQ339101)、MHV.A59(NC_001846)、PHEV.VW572(NC_007732)、HCoV.0C43.ATCC.VR.759(NC_005147)、ウシ腸管コロナウイルス(BCoV.ENT)(NC_003045)、並びに現在知られている(例えば、GenBank(R)データベースで見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベースで同定される他のいずれかの亜群2aコロナウイルスを含む、それらのいずれかの亜型、クレード又はサブクレードを含む。
亜群2b βコロナウイルスの非限定例とそのGenBank登録番号は、ヒトSARS CoV-2分離株、例えばWuhan-Hu-1(NC_045512.2);GenBank登録番号に列挙されたゲノム配列を含む任意のCoV-2分離株、例えばMT079851.1、MT470137.1、MT121215.1、MT438728.1、MT470115.1、MT358641.1、MT449678.1、MT438742.1、LC529905.1、MT438756.1、MT438751.1、MT460090.1、MT449643.1、MT385425.1、MT019529.1、MT449638.1、MT374105.1、MT449644.1、MT385421.1、MT365031.1、MT385424.1、MT334529.1、MT466071.1、MT461669.1、MT449639.1、MT415321.1、MT385430.1、MT135041.1、MT470179.1、MT470167.1、MT470143.1、MT365029.1、MT114413.1、MT192772.1、MT135043.1、MT049951.1;ヒト SARSCoV-1分離株、例えば、SARS CoV.A022(AY686863)、SARSCoV.CUHK-W1(AY278554)、SARSCoV.GD01(AY278489)、SARSCoV.HC.SZ.61.03(AY515512)、SARSCoV.SZ16(AY304488)、SARSCoV.Urbani(AY278741)、SARSCoV.civet010(AY572035)、SARSCoV.MA.15(DQ497008);コウモリSARS CoVs分離株、例えばBtSARS.HKU3.1(DQ022305)、BtSARS.HKU3.2(DQ084199)、BtSARS.HKU3.3(DQ084200)、BtSARS.Rm1(DQ412043)、BtCoV.279.2005(DQ648857)、BtSARS.Rf1(DQ412042)、BtCoV.273.2005(DQ648856)、BtSARS.Rp3(DQ071615)、)、SARS-CoV-2 デルタ変異株(B.1.617.2及びAY系統)、SARS-CoV-2 オミクロン変異株(B.1.1.529)、SARS-CoV-2 Alpha変異株(B.1.1.7及びQ系統)SARS-CoV-2 ベータ変異株(B.1.351及び子孫系統)、SARS-CoV-2 ガンマ変異株(P.1及び子孫系統)、SARS-CoV-2 Epsilon変異株(B.1.427及びB.1.429)、SARS-CoV-2 イータ変異株(B.1.525)、SARS-CoV-2 Iota変異株(B.1.526)、SARS-CoV-2 Kappa変異株(B.1.617.1)、SARS-CoV-2変異株 1.617.3、SARS-CoV-2 Mu変異株(B.1.621、B.1.621.1)及びSARS-CoV-2 Zeta変異株(P.2)、並びに現在知られている(例えば、GenBank(R)データベース内で見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベース内で同定される他のいずれかの亜群2bコロナウイルスを含む、それらのいずれかの亜型、クレード又はサブクレードを含む。
亜群2c βコロナウイルスの非限定例とそのGenBank登録番号は、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS)分離株、例えば、Riyadh 22012(KF600652.1)、Al-Hasa_18_2013(KF600651.1)、Al-Hasa_17_2013(KF600647.1)、Al-Hasa_152013(KF600645.1)、Al-Hasa_16_2013(KF600644.1)、Al-Hasa_21_2013(KF600634)、Al-Hasa 19_2013(KF600632)、Buraidah_1_2013(KF600630.1)、Hafr-Al-Batin_1_2013(KF600628.1)、Al-Hasa_122013(KF600627.1)、Bisha.ltoreq.1_2012(KF600620.1)、Riyadh_3_2013(KF600613.1)、Riyadh_1_2012(KF600612.1)、Al-Hasa_3_2013(KF186565.1)、Al-Hasa_1_2013(KF186567.1)、Al-Hasa_2_2013(KF186566.1)、Al-Hasa_4_2013(KF186564.1);イングランドコロナウイルス1-N1(NC_019843)、SA-N1(KC667074);ヒトβコロナウイルス 2c Jordan-N3/2012(KC776174.1);ヒトβコロナウイルス 2c EMC/2012、(JX869059.2);任意のコウモリ亜群 2cコロナウイルス分離株、例えば、コウモリコロナウイルスTaper/CII_KSA_287/Bisha/Saudi Arabia(KF493885.1)、コウモリコロナウイルス Rhhar/CII_KSA 003/Bisha/Saudi Arabia/2013(KF493888.1)、コウモリコロナウイルス Pikuh/CII_KSA_001/Riyadh/Saudi Arabia/2013(KF493887.1)、コウモリコロナウイルス Rhhar/CII_KSA 002/Bisha/Saudi Arabia/2013(KF493886.1)、コウモリコロナウイルス Rhhar/CII_KSA_004/Bisha/Saudi Arabia/2013(KF493884.1)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU4.2(EF065506)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU4.1(NC_009019)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU4.3(EF065507)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU4.4(EF065508)、コウモリコロナウイルス BtCoV133.2005(NC_008315)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU5.5(EF065512)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU5.1(NC_009020)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU5.2(EF065510)、コウモリコロナウイルス BtCoV.HKU5.3(EF065511)及びコウモリコロナウイルス HKU5 分離株(KC522089.1);任意の追加の亜群 2c、例えばKF192507.1、KF600656.1、KF600655.1、KF600654.1、KF600649.1、KF600648.1、KF600646.1、KF600643.1、KF600642.1、KF600640.1、KF600639.1、KF600638.1、KF600637.1、KF600636.1、KF600635.1、KF600631.1、KF600626.1、KF600625.1、KF600624.1、KF600623.1、KF600622.1、KF600621.1、KF600619.1、KF600618.1、KF600616.1、KF600615.1、KF600614.1、KF600641.1、KF600633.1、KF600629.1、KF600617.1、KC869678.2;KC522088.1、KC522087.1、KC522086.1、KC522085.1、KC522084.1、KC522083.1、KC522082.1、KC522081.1、KC522080.1、KC522079.1、KC522078.1、KC522077.1、KC522076.1、KC522075.1、KC522104.1、KC522104.1、KC522103.1、KC522102.1、KC522101.1、KC522100.1、KC522099.1、KC522098.1、KC522097.1、KC522096.1、KC522095.1、KC522094.1、KC522093.1、KC522092.1、KC522091.1、KC522090.1、KC522119.1、KC522118.1、KC522117.1、KC522116.1、KC522115.1、KC522114.1、KC522113.1、KC522112.1、KC522111.1、KC522110.1、KC522109.1、KC522108.1、KC522107.1、KC522106.1、KC522105.1);アブラコウモリコロナウイルス HKU4 分離株(KC522048.1、KC522047.1、KC522046.1、KC522045.1、KC522044.1、KC522043.1、KC522042.1、KC522041.1、KC522040.1、KC522039.1、KC522038.1、KC522037.1、KC522036.1、KC522048.1、KC522047.1、KC522046.1、KC522045.1、KC522044.1、KC522043.1、KC522042.1、KC522041.1、KC522040、1、KC522039.1、KC522038.1、KC522037.1、KC522036.1、KC522061.1、KC522060.1、KC522059.1、KC522058.1、KC522057.1、KC522056.1、KC522055.1、KC522054.1、KC522053.1、KC522052.1、KC522051.1、KC522050.1、KC522049.1、KC522074.1、KC522073.1、KC522072.1、KC522071.1、KC522070.1、KC522069.1、KC522068.1、KC522067.1、KC522066.1、KC522065.1、KC522064.1、KC522063.1、KC522062.1)、並びに現在知られている(例えば、GenBank(R)データベース内で見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベース内で同定される他のいずれかの亜群2cコロナウイルスを含む、それらのいずれかの亜型、クレード又はサブクレードを含む。
亜群2d βコロナウイルスの非制限例とそのGenBank登録番号は、BtCoV.HKU9.2(EF065514)、BtCoV.HKU9.1(NC_009021)、BtCoV.HkU9.3(EF065515)、BtCoV.HKU9.4(EF065516)、並びに現在知られている(例えば、GenBank(R)データベースで見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベースで同定される他のいずれかの亜群2dコロナウイルスを含む、それらのいずれかの亜型、クレード又はサブクレードを含む。
亜群3 γコロナウイルスの非限定例は、IBV.Beaudette.IBV.p65(DQ001339)、又は現在知られている(例えば、GenBank(R)データベースで見つけることができる)又は後にGenBank(R)データベースで同定される他のいずれかの亜群3コロナウイルスを含む。
本願の方法及び組成物によれば、上記亜群1a、1b、2a、2b、2c、2d及び3のいずれかの分離株又はゲノム配列によって定義されるコロナウイルスを、ディーコンタミネイションのために標的化することができる。
特定の実施形態では、前記被験者は、胃腸炎、急性呼吸器疾患、重症急性呼吸器症候群、ウイルス後疲労症候群、ウイルス性出血熱、後天性免疫不全症候群、又は肝炎と診断される。
いくつかの実施形態では、本願の化合物は経口投与又は吸入投与される。特定の実施形態では、前記化合物は肺吸入によって投与される。
いくつかの実施形態では、本願の化合物は、10~8000mg、20~400mg、20~200mg、20~100mg、20~80mg、20~40mg、40~8000mg、40~4000mg、40~2000mg、40~1000mg、40~800mg、40~400mg、40~200mg、40~100mg、40~80mg、80~8000mg、80~4000mg、80~2000mg、80~1000mg、80~80mg、80~400mg、80~200mg、80~100mg、100~8000mg、100~4000mg、100~2000mg、100~1000mg、100~800mg、100~400mg、100~200mg、200~8000mg、200~4000mg、200~2000mg、200~1000mg、200~800mg、200~400mg、400~8000mg、400~4000mg、400~2000mg、400~1000mg、400~800mg、800~8000mg、800~4000mg、800~2000mg、800~1000mg、1000~8000mg、1000~4000mg、1000~2000mg、2000~8000mg、2000~4000mg、又は4000~8000mgの範囲の1日用量で投与される。
いくつかの実施形態では、本願の化合物は、50mg~1000mg、100mg~800mg、200mg~600mg、又は300mg~500mgの範囲の1日用量で投与される。
IV.医薬組成物
本願の別の態様は、本願の化合物を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、本願の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む。
いくつかの実施形態では、前記医薬組成物は、以下に説明するように、本願の化合物の薬学的に許容される塩を含むか又はその形態である。本願の化合物と塩を形成することができる適切な薬学的に許容される有機酸及び/又は無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、酢酸及びクエン酸、並びにそれ自体が公知である他の薬学的に許容される酸が含まれるが、これらに限定されない(以下の参考文献を参照)。
本願の化合物が塩基性基だけでなく酸性基を含む場合、前記化合物は分子内塩を形成することができ、このような塩も本明細書に記載された組成物及び方法において使用することができる。本願の化合物が水素供与性ヘテロ原子(例えば、NH)を含む場合、塩には、前記水素原子を分子内の塩基性基又は原子に移動させることにより形成される異性体が含まれることが考えられる。
本願の化合物の薬学的に許容される塩は、その酸付加塩及び塩基性塩を含む。適切な酸付加塩は、無毒な塩を形成する酸から形成される。その例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、サイクラミン酸塩、エジシル酸塩、スルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルカン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチレン酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、キシナホ酸塩が含まれる。
好適な塩基性塩は、無毒な塩を形成する塩基から形成される。その例としては、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、エタノールアミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミン、亜鉛塩などが含まれる。酸と塩基の半塩、例えば半硫酸塩、半カルシウム塩を形成することもできる。適切な塩の概要については、StahlとWermuthの『薬用塩ハンドブック:性質、選択及び使用』(Wiley-VCH,2002)を参照し、これは引用により本明細書に組み込まれている。
本願の化合物の生理学的に許容される塩は、疾患の治療又は予防のために化合物を投与される被験者の体内で形成される塩である。好適な塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、胆汁塩が含まれる。
本願の化合物はプロドラッグの形態で投与することができる。プロドラッグは、哺乳動物被験者に投与されたときに活性親薬物を放出する共有結合型担体を含むことができる。プロドラッグは、化合物中に存在する官能基を修飾することにより調製することができ、その修飾は、通常の操作又はインビボにおいて、親化合物から開裂される。
プロドラッグは、例えば、ヒドロキシが任意の基に結合されており被験者に投与されると開裂して遊離ヒドロキシを形成する化合物を含む。プロドラッグの例としては、化合物中のアルコール官能基の酢酸塩、ギ酸塩及び安息香酸塩の誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
プロドラッグとして化合物を構築する方法は、TestaとMayerのブックである『薬物とプロドラッグ代謝における加水分解』、Wiley(2006)に記載されている。代表的なプロドラッグは、加水分解酵素によるプロドラッグの変換、アミド、ラクタム、ペプチド、カルボン酸エステル、エポキシドの加水分解、又は無機酸エステルの開裂によって活性代謝物を形成する。
いくつかの実施形態では、本願の医薬組成物は、有効量の本願の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む。一般的には、本願の化合物は、医薬用途のために、少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤及び/又はアジュバントと、場合によっては1つ以上の更に薬学的に活性な化合物とを含む、薬学的製剤として配合することができる。前記製剤は、本願の開示に従って少なくとも1つの化合物を1つ以上の薬学的に許容される担体と混合すること、及び必要に応じて無菌条件下で他の薬学的に活性な化合物と組み合わせることを一般的には含む、公知方法で調製することができる。
また、米国特許第6,372,778号、第6,369,086号、第6,369,087号及び第6,372,733号、上記の更なる参考文献、並びにレミントン薬学科学の最新版のような標準マニュアルを参照することができる。開示された前記医薬組成物は、単位剤形であってもよく、箱、ブリスター、バイアル、ボトル、小袋、アンプル、又は任意の他の適切な単用量又は多用量のホルダー又は容器(適切にラベルを付けてもよい)に適切に包装されてもよく、任意に製品情報や使用方法を記載した1つ以上のリーフレットを配置してもよい。
一般的には、このような単位用量は、1~1000mg、一般的には5~500mg、例えば、単位用量あたり約50、100、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800mgの本開示の少なくとも1つの化合物を含む。
本願の化合物又は医薬組成物は、主に特定の製剤の用途に依存して、経口、眼用、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内又は鼻内の経路を含む様々な経路で投与することができる。前記化合物又は医薬組成物は、通常、「有効量」で投与され、有効量とは、適切な投与時に投与対象となる被験者において所望の治療又は予防の効果を達成するのに十分な任意の化合物の量をいう。
通常、この有効量は、予防又は治療すべき状態及び投与経路に応じて、患者の体重1kgあたり1日0.01~1000mg、より多くの場合、体重1kgあたり1日0.1~500mg、例えば1~250mg、例えば約5、10、20、50、100、150、200、又は250mgであり、これらは1日投与量として投与することができ、又は1回又は複数回の1日投与量に分けて投与することができる。
治療臨床医は、患者の年齢、性別及び一般的な状態、並びに治療すべき疾患/症状の性質や重症度などの要因に基づいて、投与すべき量、投与経路、及び更なる治療計画を決定することができる。また、米国特許第6,372,778号、第6,369,086号、第6,369,087号、及び第6,372,733号、上記の更なる参考文献、並びにレミントン薬学科学の最新版のような標準マニュアルを参照することができる。
本明細書に記載された医薬組成物は、導入された形態に応じて、様々な方式で配合され得る。1つ以上の化合物を含有する配合物は、顆粒、錠剤、カプセル、座薬、粉末、放出制御製剤、懸濁液、乳剤、クリーム、ゲル、軟膏、膏剤、ローション、エアゾールなどの種々の医薬形態に調製することができる。特定の実施形態では、前記配合物は、正確な用量の単純かつ好ましくは経口投与に適した固形剤形で使用される。経口投与のための固形剤形は、錠剤、軟質若しくは硬質ゼラチン又は非ゼラチンカプセル及びカプセル錠を含むが、これらに限定されない。
しかしながら、溶液、シロップ、懸濁液、シェイクなどの液体剤形も利用可能である。別の実施形態では、前記配合物は局所的に投与される。適切な局所配合物としては、ローション、軟膏、クリーム及びゲルが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、前記局所配合物はゲルである。別の実施形態では、前記配合物は鼻内投与される。
本明細書に記載された1つ以上の化合物を含む配合物は、安全かつ有効であると考えられ、望ましくない生物学的副作用又は望ましくない相互作用を引き起こすことなく個体に投与することができる材料からなる薬学的に許容される担体を用いて調製することができる。前記担体は、医薬配合物中の有効成分を除く全ての成分である。本明細書で一般的には使用される「担体」は、希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、フィラー、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、溶解性向上剤、及びコーティング組成物を含むが、これらに限定されない。
担体はまた、可塑剤、顔料、着色剤、安定剤及び滑り剤を含むことができるコーティング組成物の全ての成分を含む。遅延放出性、徐放性及び/又はパルス放出性の配合物は、「医薬品投与量形態錠剤」eds,Libermanら(ニューヨーク,Marcel Dekker社,1989)、「レミントン-薬学の科学と実践」,第20版,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Md.,2000、及び「医薬品投与量形態及び薬物送達システム」,第6版,Anselら(Media,Pa.:WilliamsとWilkins,1995)のような標準的な参考文献に記載のように調製することができる。これらの参照文献は、錠剤及びカプセル、並びに錠剤、カプセル及び顆粒の遅延放出性剤形を調製するための担体、材料、装置及びプロセスに関する情報を提供する。
好適なコーティング材料の例としては、フタル酸酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(酢酸/コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロースポリマー;ポリビニルアセテートフタレート、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、並びに商品名EUDRA.GITTM(Rohm Pharma,Westerstadt,Germany)で市販されているメタクリル酸樹脂、ゼイン、セラック及び多糖類が含まれるが、これらに限定されない。
更に、前記コーティング材料は、可塑剤、顔料、着色剤、滑り剤、安定剤、造孔剤、界面活性剤などの従来の担体を含むことができる。
薬物含有錠剤、ビーズ、顆粒又は粒子中に存在する任意選択の薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、着色剤、安定剤及び界面活性剤を含むが、これらに限定されない。
「フィラー」とも呼ばれる希釈剤は、錠剤の圧縮又はビーズや顆粒の形成に実用的なサイズを提供するために、通常、固形剤形の体積を増加させるために必要である。
好適な希釈剤としては、リン酸二カルシウム二水和物、硫酸カルシウム、ラクトース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、乾燥澱粉、加水分解澱粉、α化澱粉、シリカ、酸化チタン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、及び粉糖が含まれるが、これらに限定されない。
結合剤は、固形剤形配合物に粘着性を付与するために使用され、それにより、錠剤、ビーズ又は顆粒が剤形を形成した後に完全に維持されることを確保する。
好適な結合剤材料としては、澱粉、α化澱粉、ゼラチン、糖(スクロース、グルコース、D形グルコース、ラクトース、ソルビトールを含む)、ポリエチレングリコール、ワックス、天然ゴム、及び合成ゴム例えばアカシアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、ビーガムを含むセルロース、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートのコポリマー、メタクリル酸アミノアルキルのコポリマー、ポリアクリル酸/ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドンなどの合成ポリマーが含まれる、これらに限定されない。
潤滑剤は、錠剤の調製を容易にするために使用される。
好適な潤滑剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリド、ポリエチレングリコール、タルク及び鉱物油が含まれるが、これらに限定されない。
崩壊剤は、一般的には、投与後の剤形の崩壊又は「粉砕」を促進するために使用され、澱粉、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、α化澱粉、クレー、セルロース、アルギニン、ガム、又は架橋されたPVP(GAFケミカル社製のPolyplasdone XL)などの架橋ポリマーを含むがこれらに限定されない。
安定剤は、例えば酸化反応を含む薬物分解反応を抑制又は遅延させるために使用される。
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であってもよい。好適なアニオン性界面活性剤としては、カルボン酸塩イオン、スルホン酸塩イオン及び硫酸塩イオンを含むアニオン性界面活性剤が含まれるが、これらに限定されない。
アニオン性界面活性剤の例としては、長鎖アルキルスルホン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ビス-(2-エチルチオキシ)-スルホコハク酸ナトリウムのようなジアルキルスルホコハク酸ナトリウム;ドデシル硫酸ナトリウムのようなアルキル硫酸塩が含まれる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、臭化セトラルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ポリオキシエチレン、ココナッツアミンなどの第4級アンモニウム化合物が含まれるが、これらに限定されない。
ノニオン性界面活性剤の例としては、エチレングリコールモノステアリン酸エステル、プロピレングリコールミリスチン酸エステル、モノステアリン酸グリセリド、ステアリン酸グリセリド、ポリグリセリル-4-オレイン酸エステル、ソルビタンアシレート、スクロースアシレート、PEG-150ラウレート、PEG-400モノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリソルベート、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、PEG-1000セチルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリプロピレングリコールブチルエーテル、POLOXAMERTM401、ステアロイルモノイソプロパノールアミド、ポリオキシエチレン水素化牛脂アミドが含まれる。
両性界面活性剤の例としては、N-ドデシル-β-アラニンナトリウム、N-ラウリル-β-イミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリストアンホアセテート、ラウリルベタイン、及びラウリルスルホベタインが含まれる。
必要に応じて、前記錠剤、ビーズ、顆粒又は粒子は、湿潤剤又は乳化剤、染料、pH緩衝剤又は防腐剤などの少量の非毒性補助物質を含有することもできる。
本願の化合物の濃度は、最終的な医薬組成物(重量%)に対して約0.5重量%から約100重量%まで変化させることができる。経口投与のために、前記医薬組成物は、通常、約5~約100重量%の活性材料を含むことができる。他の用途では、前記医薬組成物は、通常、約0.5~約50重量%の活性材料を有してもよい。
本明細書に記載された組成物は、放出を修飾又は制御するために配合することができる。制御放出性剤形の例としては、徐放性剤形、遅延放出性剤形、パルス放出性剤形、及びそれらの組み合わせが含まれる。
徐放性配合物は、例えば「レミントン-薬学の科学と実践」(第20版,Lippincott Williams & Wilkins,Baltimore,Md.,2000)のような拡散系又は浸透系として調製される場合が多い。拡散系は、一般的には、リザーバとマトリックスとの2種類のデバイスから構成されており、当該分野でよく知られており、記載されている。前記マトリックスデバイスは、薬物をゆっくりと溶解したポリマー担体とともに錠剤の形に圧縮することによって調製されることが一般的である。
マトリックスデバイスを作製するための3つの主要材料は、不溶性プラスチック、親水性ポリマー、脂肪化合物である。プラスチックマトリックスは、メチルアクリレート-メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンを含むが、これらに限定されない。親水性ポリマーは、メチル及びエチルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びCARBOPOLTM 934、ポリエチレンオキシド及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
脂肪化合物は、カルナバワックスやトリステアリン酸グリセリドなどの各種ワックス、水添ヒマシ油又は水添植物油を含むワックス状物質、又はそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、プラスチック材料は薬学的に許容されるアクリル系ポリマーであり、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマーポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(酸無水物)、ポリ(メタクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)及びグリシジルメタクリレートコポリマーを含むが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、前記アクリル系ポリマーは、1つ以上のメタクリル酸アンモニオコポリマーからなる。メタクリル酸アンモニオコポリマーは、当該分野に公知であり、NF XVIIには、第4級アンモニウム基の含有量が少ないアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの完全重合コポリマーとして記載されている。
いくつかの実施形態では、前記アクリル系ポリマーはアクリル系樹脂塗料であり、例えばRohm Pharma社から商品名EUDRAGITで市販されているアクリル系樹脂塗料である。
更に好ましい実施形態では、前記アクリル系ポリマーは、Rohm Pharma社から商品名EUDRAGIT RL30D及びEUDRAGIT RS30Dでそれぞれ市販されている2種類のアクリル系樹脂塗料の混合物を含む。EUDRAGIT RL30D及びEUDRAGIT RS30Dは、第4級アンモニウム基の含有量が少ないアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのコポリマーであり、アンモニウム基と残余の中性(メタ)アクリル酸エステルとのモル比はEUDRAGIT RL30Dでは1:20、EUDRAGIT RS30Dでは1:40である。
平均分子量は約150,000である。EUDRAGIT S-100やEUDRAGIT L-100も好ましいものである。コード表示RL(高浸透度)及びRS(低浸透度)は、これらの薬剤の浸透度特性を指している。EUDRAGIT RL/RS混合物は、水及び消化液に不溶性である。しかしながら、それを含む多粒子系を形成することは、水溶液及び消化液中で膨潤性及び透過性である。
EUDRAGIT RL/RSなどの上記ポリマーを任意の割合で混合することにより、最終的に所望の溶解曲線を有する持続性放出性配合物を得ることができる。例えば、100%EUDRAGIT RL、50%EUDRAGIT RL及び50%EUDRAGIT RS、10%EUDRAGIT RL及び90%EUDRAGIT RSから所望の持続性放出性多粒子系を得ることができる。当業者であれば、EUDRAGIT Lのような他のアクリル系ポリマーも使用することができることを認識する。
あるいは、浸透系を用いて、又は剤形に半透過性コーティングを適用して、徐放性配合物を調製することができる。後者の場合、低透過性と高透過性のコーティング材料を適切な比率で組み合わせることにより、所望の薬物放出曲線を得ることができる。
親水性ポリマーを含有する徐放性錠剤は、直接圧縮法、湿式造粒法、乾式造粒法などの当該分野に公知の技術により調製される。これらの配合物は、通常、ポリマー、希釈剤、結合剤及び潤滑剤、並びに活性薬剤成分を含む。前記一般的な希釈剤は、澱粉、粉末セルロース、特に結晶性及び微結晶セルロース、糖類例えばフルクトース、マンニトール及びスクロース、穀粉及び同様の可食性粉末などの不活性粉末状物質を含む。
代表的な希釈剤としては、例えば、各種の澱粉、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩、及び粉糖が含まれる。粉末セルロース誘導体も有用である。代表的な錠剤結合剤としては、澱粉、ゼラチン、糖例えばラクトース、フルクトース、グルコースなどの物質が含まれる。アカシアゴム、アルギン酸塩、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンを含む天然及び合成ゴムも使用可能である。
結合剤としては、ポリエチレングリコール、親水性ポリマー、エチルセルロース、ワックスを用いることもできる。錠剤配合物において、錠剤とパンチがダイ内に粘着するのを防止するために潤滑剤が必要である。前記潤滑剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水添植物油などの滑らかな固形物から選択される。
ワックス材料を含有する徐放性錠剤は、一般的には、直接混合法、凝固法、水分散法など、当該分野に知られている方法を用いて調製される。前記凝固法では、前記薬物とワックス材料とを混合した後、噴霧して凝固又は凝固させ、選別して加工する。
遅延放出性製剤は胃の酸性環境に不溶で、小腸の中性環境に可溶なポリマーフィルムで固形剤形を被覆してなる。
遅延放出投与単位は、例えば、選択されたコーティング材料で薬物又は薬物含有組成物をコーティングすることによって調製することができる。前記薬物含有組成物は、例えば、カプセルに組み込むための錠剤、「被覆されたコア」剤形の内部コアとして使用される錠剤、又は錠剤やカプセルに組み込むための複数の薬物含有ビーズ、粒子又は顆粒であってもよい。
好ましいコーティング材料は、生体分解可能で、段階的に加水分解可能で、段階的に水溶性であり、及び/又は酵素分解可能なポリマーを含み、従来の「腸溶性」ポリマーであってもよい。当業者が理解するように、腸溶性ポリマーは下部消化管の高pH環境で可溶化するか、又は剤形が消化管を通過するにつれてゆっくりと浸食し、酵素分解性ポリマーは下部消化管、特に結腸に存在する細菌酵素によって分解される。
遅延放出を達成するための適切なコーティング材料としては、セルロース系ポリマー、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(酢酸/コハク酸)ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテート、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム;アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート及び/又はエチルメタクリレート、並びにEUDRAGITTM(Rohm Pharma,Westerstadt,Germany)という商品名で市販されている他のメタクリル樹脂から形成されることが好ましいアクリル酸ポリマー及びコポリマー、例えばEUDRAGITTML30D-55とL100-55(pH5.5以上可溶)、EUDRAGITTML-100(pH6.0以上可溶)、EUDRAGITTMS(エステル化度が高いため、pH7.0以上可溶)とEUDRAGITTMNE、RL及びRS(異なる程度の浸透性及び膨張性を有する水不溶性ポリマー);ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、酢酸フタル酸ビニル、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマーなどのビニル系ポリマー及びコポリマー;アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロース及びグアーガムなどの酵素分解性ポリマー;ゼインとシェラックが含まれるが、これらに限定されない。
異なるコーティング材料の組み合わせを使用することもできる。異なるポリマーを用いた多層コーティングを適用することもできる。
当業者は、異なる量の種々のコーティング材料を用いて調製された錠剤、ビーズ及び顆粒の個々の放出曲線を評価することにより、特定のコーティング材料の好ましいコーティング重量を容易に決定することができる。必要な放出特性は材料、方法、及び応用形態の組み合わせによって生み出され、このような組み合わせは臨床研究からのみ特定できる。
前記コーティング組成物は、可塑剤、顔料、着色剤、安定剤、滑り剤などの従来の添加剤を含むことができる。可塑剤は、通常、コーティングの脆さを低減するために存在し、通常、前記ポリマーの乾燥重量に対して約10重量%~50重量%である。
代表的な可塑剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリアセチン、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、ヒマシ油、アセチル化モノグリセリドなどが含まれる。
安定剤は、分散液中の粒子を安定化するために用いられることが好ましい。代表的な安定剤は、ソルビタンエステル、ポリソルベート、ポリビニルピロリドンなどの非イオン性乳化剤である。滑り剤の使用は、成膜及び乾燥中の粘着効果を低減するために推奨されており、一般的には、コーティング溶液中のポリマー重量に対して約25重量%~100重量%である。タルクは有効な滑り剤の1つである。
ステアリン酸マグネシウムやモノステアリン酸グリセリドのような他の滑り剤も使用することができる。二酸化チタンなどの顔料を使用してもよい。前記コーティング組成物には、シリコーン(例えば、ジメチルシリコーンオイル)などの消泡剤を少量添加することもできる。
前記配合物は、1つ以上の化合物のパルス送達を提供することができる。「パルス」とは、複数の薬物の投与量を、間隔を空けて放出することである。通常、剤形の摂取時に、初期用量の放出は実質的に即時であり、すなわち、初期薬物放出「パルス」は摂取後約1時間以内に発生する。この初期パルスの後には、第1時間間隔(遅延時間)があり、その間に剤形から薬物がほとんど放出されないか、又は放出されず、その後に、第2用量が放出される。
同様に、第2及び第3薬物放出パルス間の第2のほぼ無薬物放出時間間隔を設計することができる。ほぼ無薬物放出時間間隔の持続時間は、例えば1日2回の投与曲線、1日3回の投与曲線など、剤形の設計に応じて変化する。1日に2回の用量曲線を提供する剤形の場合、第1及び第2の投薬の間に、ほぼ無薬物放出時間間隔が約3時間から約14時間の持続時間を有する。1日3回の曲線を提供する剤形の場合、3回の投与の各々の間のほぼ無薬物放出時間間隔は、約2時間から約8時間の持続時間を有する。
一実施形態では、前記パルス放出曲線は密閉好ましくは封入カプセルの剤形で実現され、このようなカプセルは少なくとも2つの薬物含有「投与単位」を収容し、カプセル内の各投与単位は、異なる薬物放出曲線を提供する。遅延放出性投与単位の制御は、投与単位上の放出制御ポリマーコーティングによって、又は放出制御ポリマーマトリックス中に活性剤を組み込むことによって達成される。
各投与単位は圧縮又は成形錠剤を含むことができ、カプセル内の各錠剤が異なる薬物放出曲線を提供する。1日2回の投与曲線を模擬した剤形については、第1錠剤は前記剤形の摂取直後に薬物を放出し、第2錠剤は前記剤形の摂取後約3時間から14時間未満で薬物を放出する。1日3回の投与曲線を模擬した剤形については、第1錠剤は前記剤形の摂取直後に薬物を放出し、第2錠剤は前記剤形の摂取後約3時間から10時間未満で薬物を放出し、第3錠剤は前記剤形の摂取後少なくとも5時間から約18時間で薬物を放出する。
剤形は3錠以上の錠剤を含むことも可能である。剤形は通常、第3剤より多くは含まないが、3剤より多くの剤形を含む剤形の使用が可能である。
あるいは、カプセル内の各投与単位は、複数の薬物含有ビーズ、顆粒又は粒子を含むことができる。当該分野に公知のように、薬物含有「ビーズ」とは、薬物と1つ以上の賦形剤又はポリマーとから調製されたビーズをいう。薬物含有ビーズは、薬物がコーティングされた不活性な糖ビーズのような薬物を不活性担体に適用することによって、又は薬物と1つ以上の賦形剤とを含む「コア」を生成することによって調製することができる。
同様に、薬物含有「顆粒」及び「粒子」は、1つ以上の追加の賦形剤又はポリマーを含むことができるか又はできない薬物粒子を含むことが知られている。薬物含有ビーズとは対照的に、顆粒及び粒子は不活性担体を含有しない。顆粒は通常、薬物粒子を含み、更なる加工が必要である。粒子は通常、顆粒よりも小さく、これ以上の加工は行わない。ビーズ、顆粒及び粒子は、即時放出を提供するために配合され得るが、遅延放出性を提供するために一般的には使用される。
異なる薬物放出機構を有する前記デバイスは、シングル又はマルチ単位を含む最終剤形に組み合わされ得る。マルチ単位の例としては、錠剤、ビーズ又は顆粒を含む多層錠剤及びカプセルが含まれるが、これらに限定されない。即時放出部分は、コーティング又は圧縮プロセスを使用して前記徐放性コアの上に即時放出層を施すことによって、又は、徐放性ビーズと即時放出ビーズを含むカプセルのようなマルチ単位システムにおいて、徐放システムに追加されてもよい。
一実施形態では、本願の化合物は、局所投与のために配合される。適切な局所剤形はローション、クリーム、軟膏及びゲルを含む。「ゲル」とは、液体担体中の活性剤(すなわち化合物)の分散体からなる半固体系であり、すなわち、液体担体中に溶解又は懸濁された増粘剤又は高分子材料の作用により半固体化される。前記液体は、親油性成分、水性成分、又はその両方を含むことができる。エマルジョンはゲルであってもよく、ゲル成分を含んでいてもよい。しかしながら、ゲルの中には不混和成分の均質な混合物を含まないものがあるので、エマルジョンではないものもある。ローション、クリーム、軟膏及びゲルの調製方法は当該分野に公知のことである
V.併用療法
本明細書に記載された化合物は、他の活性化合物と補助的に投与されてもよい。これらの化合物には、鎮痛剤、抗炎症薬、解熱剤、抗うつ薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗不安薬、鎮静薬、睡眠薬、抗精神病薬、気管支拡張薬、抗喘息薬、心血管薬、コルチコステロイド、ドーパミン作用薬、電解質、胃腸薬、筋弛緩薬、栄養剤、ビタミン、副交感神経作用薬、覚せい剤、拒食薬、抗ナルコレプシー薬、抗ウイルス薬が含まれるが、これらに限定されない。
抗ウイルス剤の例としては、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)阻害剤、プロテアーゼ薬、抗ウイルス中和抗体、及び他の抗ウイルス薬が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、前記抗ウイルス剤は、非CNS標的抗ウイルス化合物である。本明細書で使用される「補助的投与」とは、前記化合物が1つ以上の他の活性剤と同じ剤形で、又は異なる剤形で投与され得ることを意味する。追加の活性剤は、即時放出性、制御放出性、又はそれらの組み合わせに配合することができる。
前記化合物と補助的に投与することができる化合物の具体例としては、アセクロフェナック、アセトアミノフェン、アドミキセチン、アルモトリプタン、アプラゾラム、アマンタジン、アムシノニド、アミノシクロプロパン、アミトリプチリン、アムロジピン、アモサピン、アンフェタミン、アリピプラゾール、アスピリン、アトモキセチン、アザセトロン、アザタジン、ベクロメタゾン、ベナクチジン、ベノキサプロフェン、ベルモプロフェン、ベタメタゾン、ビシファジン、ブロモクリプチン、ブデソニド、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブスピロン、ブトルファノール、ブトリプチリン、カフェイン、カルバマゼピン、カルビドパ、カリソプロドール、セレコキシブ、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、サリチル酸コリン、シタロプラム、クロミプラミン、クロナゼパム、クロニジン、クロニタゼン、クロラゼプ酸、クロチアゼパム、クロキサゾラム、クロザピン、コデイン、コルチコステロン、コルチゾン、シクロベンザリン、シプロヘプタジン、デメキシプチリン、デシプラミン、デソモルヒネ、デキサメタゾン、デキサナビノール、硫酸デキストロアンフェタミン、デキストロモルアミド、デキストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアゼパム、ジベンザゼピン、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロモルフィン、ジメタクリン、ジバルプロエクス、リザトリプタン、ドラセトロン、ドネペジル、ドチエピン、ドキセピン、デュロキセチン、エルゴタミン、エスシタロプラム、エスタゾラム、エトスクシミド、エトドラク、フェモキセチン、フェナム酸、フェノプロフェン、フェンタニル、フルジアゼパム、フルオキセチン、フルフェナジン、フルラゼパム、フルルビプロフェン、フルタゾラム、フルボキサミン、フロバトリプタン、ガバペンチン、ガランタミン、ゲピロン、ギンコビルボア、グラニセトロン、ハロペリドール、フペルジンA、ヒドロコドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシジン、イブプロフェン、イミプラミン、インディプロン、インドメタシン、インドプロフェン、イプリンドール、イプサピロン、ケタンセリン、ケトプロフェン、ケトロラック、レソピトロ、レボドパ、リパーゼ、ロフェプラミン、ロラゼパム、ロキサピン、マプロチリン、マジンドール、メフェナム酸、メラトニン、メリトラセン、メマンチン、ペチジン、メプロバメート、メサラジン、メタプラミン、メタキサロン、メサドン、メサドン、メタンフェタミン、メトカルバモール、メチルドパ、メチルフェニデート、サリチル酸メチル、メチセルジド、メトクロプラミド、ミアンセリン、ミフェプリストン、ミルナシプラン、ミナプリン、ミルタザピン、モクロベミド、モダフィニル(抗ナルコレプシー薬)、モリンドン、モルヒネ、モルヒネ塩酸塩、ナブメトン、ナドロール、ナプロキセン、ナラトリプタン、ネファゾドン、ガバペンチン、ノミフェンシン、ノルトリプチリン、オランザピン、オルサラジン、オンダンセトロン、オピプラモール、オルフェナドリン、オキサフロザン、オキサプロジン、オキサゼパム、オキシトリプタン、オキシコドン、オキシモルホン、パンクレリパーゼ、パレコキシブ、パロキセチン、ペモリン、ペンタゾシン、ペプシン、ペルフェナジン、フェナセチン、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェニルブタゾン、フェニトイン、ホスファチジルセリン、ピモジド、ピルリンドール、ピロキシカム、ピゾチフェン、ピゾチリン、プラミペキソール、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレガバリン、プロプラノロール、プロピゼピン、プロポキシフェン、プロトリプチリン、クアゼパム、キヌプラミン、レボキセチン、レセルピン、リスペリドン、リタンセリン、リバスチグミン、リザトリプタン、ロフェコキシブ、ロピニロール、ロチゴチン、サルサラート、セルトラリン、シブトラミン、シルデナフィル、サラゾスルファピリジン、スリンダク、スマトリプタン、タクリン、テマゼパム、テトラベナジン、チアジド、チオリダジン、チオチキセン、チアプリド、チアシピロン、チザニジン、トフェナシン、トルメチン、トロキサトン、トピラメート、トラマドール、トラゾドン、トリアゾラム、トリフルオロペラジン、トリメトベンズアミド、トリミブラミン、トロピセトロン、バルデコシブ(valdecoXIb)、バルプロ酸、ベンラファキシン、ビロキサジン、ビタミンE、ジメルジン、ジプラシドン、ゾルミトリプタン、ゾルピデム、及びゾピクロン、並びにそれらの異性体、塩、及び組み合わせが含まれる。
特定の実施形態では、例示的な化合物及び医薬組成物は、他の抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができ、前記抗ウイルス剤は、例えば、アバカビル、アシクロビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、アンプリゲン、アルビドール、アタザナビル、アトリプラ、バラピラビル、BCX4430、ボセプレビル、シドフォビル、コンビビル、ダクラタスビル、ダルナビル、ダサブビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、ファビピラビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、ガンシクロビル、GS-5734、イバシタビン、イムノビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、III型インターフェロン、II型インターフェロン、I型インターフェロン、ラミブジン、レジパスビル、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネクサビル、NITD008、オムビタスビル、オセルタミビル、パリタプレビル、ペグインターフェロン アルファ-2a、ペンシクロビル、ペラミビル、ペラミビル、ポドフィロトキシン、ラルテグラビル、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピリミジン、サキナビル、シメプレビル、ソフォスブビル、サニルブジン、テラプレビル、テルビブジン、テノホビル、テノホビル ジソプロキシル、テノフォビルエキサリデックス、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ビクリビロク、ビダラビン、ビラミジンザルシタビン、ザナミビル、又はジドブジン、及びこれらの組み合わせである。
本発明の特定の実施形態について説明の目的で詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な修正及び改良を行うことができる。従って、添付の特許請求の範囲によって限定されない限り本発明は限定されない。
実施例
実施例1 合成
本開示の化合物は、本明細書に開示された方法及びその一般的な修正を使用して調製することができ、これらの修正は、本明細書に開示された方法及び当該分野に公知の方法に鑑みて自明である。本明細書の教示に加えて、従来の公知の合成方法を使用することができる。
式(I)の代表的な化合物又はその薬学的に許容される塩、例えば、式(I)又は他の式の1つ以上で表される構造を有する化合物、又は本明細書に記載される化合物の合成は、以下の実施例で説明されるように達成され得る。
一般的な合成
本開示による化合物の代表的な実施形態は、以下に説明する一般的な反応スキーム及び/又は実施例を使用して合成することができる。本明細書の説明によれば、出発材料を類似した構造を有する他の材料で置換することによって、一般的なスキームを変更して、対応する異なる生成物を生成することができることは明らかである。次の合成の説明では、原料が適切な生成物を提供するためにどのように変化するかを示す多くの例を示している。出発材料は、一般的には、商業的なソースから得られるか、又は本開示の実施形態である化合物を合成するための開示された方法を用いて合成され、合成される化合物の構造を調べることによって、各置換基の同一性が提供される。
本明細書の実施例によれば、最終生成物の同一性は、通常、簡単な検出方法によって、必要な出発材料の同一性を明らかにする。本明細書の反応スキームで使用される基ラベル(例えば、R、R)は、説明のためにのみ使用され、別段の記載がない限り、式(I)の化合物又はその態様又はフラグメントを説明するために他で使用されるラベルと名称又は機能が必ずしも一致しない。
合成反応のパラメータ
本開示の化合物は、例えば、以下の一般的な方法及び手法を使用して、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。代表的又は好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が記載されているが、別段の記載がない限り、他のプロセス条件も使用できることが理解されるべきである。最適な反応条件は、使用する特定の反応物や溶媒に応じて変化することがあるが、従来の最適化手法により当業者がその条件を決定することができる。
更に、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐために、従来の保護基が必要であることは当業者にとって明らかである。
様々な官能基の保護基、及び特定の官能基の保護と脱保護のための適切な条件は当該分野で知られていることである。例えば、T.W.GreeneとG.M.Wuts(1999)らによる有機合成における保護基、第3版,Wiley,New York及びそれらに引用された参考文献に多くの保護基が記載されている。
更に、本開示の化合物は、1つ以上のキラル中心を含むことができる。
従って、必要に応じて、これらの化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち、個々のエナンチオマー又はジアステレオマーとして、又は立体異性に富む混合物として調製又は分離することができる。別段の記載がない限り、これらの立体異性体(及び濃縮された混合物)は全て本開示の範囲内に含まれる。純粋な立体異性体(又は濃縮された混合物)は、例えば、当業者に公知の光学活性出発材料又は立体選択性試薬を用いて調製することができる。あるいは、これらの化合物のラセミ混合物は、例えば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分割剤などを用いて分離することができる。
以下の反応のための出発材料は、一般的には公知の化合物であるか、又は公知の手法又はその明らかな変形によって調製することができる。例えば、前記出発材料の多くは、オルドリッチ・ケミカル社(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)などの商用サプライヤーから入手することができる。他のものは、例えば、Fieser及びFieserの有機合成試薬、第1-15巻(John Wiley及びSons,1991)、Roddの炭素化合物化学、第1-5巻及び補足(Elsevier Science Publishers,1989)有機反応、第1-40巻(John Wiley及びSons,1991)、Marchの高度有機化学(John Wiley及びSons,第5版,2001)、Larockの総合的有機変換(VCH Publishers Inc.,1989)など、標準的な参考文献に記載されている手法又はその顕著な変形によって調製することができる。
「溶媒」、「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」という用語は、関連して記載された反応条件下で不活性な溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF」)、N,N-ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム、メチレンクロライド(又はジクロロメタン)、ジエチルエーテル、メタノール、ピリジンなどを含む)を意味する。別段の記載がない限り、本願の反応に用いる溶媒は不活性有機溶媒であり、前記反応は不活性ガス、好ましくは窒素下で行われる。
「適量」という用語は、例えば溶液を所望の体積(すなわち100%)にするなど、所定の機能を達成するのに十分な量を加えることを意味する。
本明細書に記載された化合物は、以下に記載の一般的なスキームに従って合成することができる。以下のスキームにおいて、ここで表される各化合物は、いずれのステップにおいても所望の保護基を有していてもよいことが理解されるべきである。標準保護基は完全に当業者の能力の範囲内である。
別の態様では、式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩、エステル又は立体異性体の調製方法であって、5つの一般的な経路(経路A、経路B、経路C、経路D及び経路E)を含む方法が提供される。
経路A:
Figure 2023553243000035
経路B:
Figure 2023553243000036
経路C:
Figure 2023553243000037
経路D:
Figure 2023553243000038
経路E:
Figure 2023553243000039
手法
手法1((3aR,4R,6R,6aR)-6-((Z)-4-(ヒドロキシイミノ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メチルイソ酪酸エステル(1)の調製
Figure 2023553243000040
モルヌピラビル(4g、1.0当量)のジクロロメタン(DCM)(15mL)溶液に1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(2.16g、1.1当量)を室温で加え、一晩撹拌した。HO(15mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、酢酸エチルで結晶化し、化合物1(13.04g、収率:70.5%)を得た。
手法2((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-((ベンゾイルオキシ)アミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メチルイソ酪酸エステル(2)の調製
Figure 2023553243000041
化合物1(10g、1.0当量)とトリメチルアミン(4.27g、1.5当量)のジクロロメタン(100ml)溶液にベンゾイルクロライド(4.35g、1.1当量)を室温で滴下し、1時間撹拌した。HO(100mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、酢酸エチルで結晶化し、化合物2(6.5g、収率:50.3%)を得た。
手法3((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)安息香酸メチル(3)の調製
Figure 2023553243000042
化合物NHC(50g、1.0当量)とトリメチルアミン(48.7g、2.5当量)のジクロロメタン(300ml)溶液に、ベンゾイルクロライド(59.4g、2.2当量)を室温で滴下し、1時間撹拌した。HO(300mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、酢酸エチルで結晶化し、化合物3-1(30.0g、収率:33.3%)を得た。LCMS:[M+H]:468.13.H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.14(s,1H),8.16-8.18(m,2H),7.93-7.97(m,4H),7.61-7.68(m,2H),7.47-7.52(m,3H),7.198-7.22(d,1H,J=8.4Hz),5.74-5.76(m,2H),5.65-5.67(m,2H),5.46-5.50(m,1H),5.31-5.32(d,1H,J=5.2Hz),4.54-4.50(m,1H),4.39-4.44(m,1H).
化合物3-1(15g、1.0当量)のジクロロメタン(100ml)の溶液に1,1’-カルボニルジイミダゾール(6.76g、1.3当量)を室温で加え、一晩撹拌した。HO(40mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、酢酸エチル/PE(v/v:20%)で結晶化し、化合物3-2(15g、収率:94.5%)を得た。LCMS:[M+H]:494.11.H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ11.14(s,1H),8.16-8.18(m,2H),7.93-7.97(m,4H),7.61-7.68(m,2H),7.47-7.52(m,3H),7.198-7.22(d,1H,J=8.4Hz),5.74-5.76(m,1H),5.61-5.56(m,1H),5.55-5.50(m,1H),5.40-5.35(m,1H),4.57-4.50(m,1H),4.49-4.43(m,1H).
化合物3-2(30.0g、1.0当量)のメタノール(90ml)とN,N-ジメチルアセトアミド(90ml)溶液に、37%塩酸水溶液(37.5ml)を加えた。前記混合物を55℃で8時間撹拌した。冷却後、HO(400mL)を加え、NaHCO溶液でpHを8に調整し、抽出して有機層を得た。前記有機層を濃縮し、酢酸エチルで結晶化し、化合物3(4.8g、40.5%)を得た。
手法4((3aR,4R,6R,6aR)-6-((Z)-4-(ヒドロキシイミノ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル-5,6-d2)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メチルイソ酪酸エステル(4)の調製
Figure 2023553243000043
手法1に従って、モルヌピラビルを1,5,6-D-モルヌピラビルで置換して、表題化合物4を得た。LCMS:[M+H]:358.10.H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ10.08(s,1H),9.84(d,J=2.1Hz,1H),5.58-5.50(m,2H),5.29-5.19(m,1H),4.42-4.32(m,1H),4.32-4.23(m,1H),4.22-4.13(m,1H),2.56-2.48(m,1H),1.06(d,J=1.3Hz,3H),1.04(d,J=1.3Hz,3H).
手法5((7R,9R,9aS,Z)-9-((E)-4-(ヒドロキシイミノ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-2,5-ジオキソ-2,5,6a,7,9,9a-ヘキサヒドロフロ[3,4-b][1,4]ダイオキシン-7-イル)メチルイソ酪酸エステル(5)の調製
Figure 2023553243000044
モルヌピラビル(4.0g、1.0当量)とEtN(3.07g、2.5当量)のジクロロメタン(20ml)溶液に、マレオイルジクロライド(21.23g、1.20当量)を0℃で加え、4時間撹拌した。HO(20mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物5(450mg、収率:9%)を得た。
手法6((7R,9R,9aS,Z)-9-((E)-4-(ヒドロキシイミノ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-2,5-ジオキソ-2,5,6a,7,9,9a-ヘキサヒドロフロ[3,4-b][1,4]ダイオキシン-7-イル)メチルイソ酪酸エステル(6)の調製
Figure 2023553243000045
3-1(5.0g、1.0当量)とEtN(2.71g、2.5当量)のジクロロメタン(20ml)溶液に、フタロイルジクロライド(21.23g、1.20当量)を0℃で加え、4時間撹拌した。HO(20mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物6(900mg、収率:14%)を得た。
手法7((3aR,4R,6R,6aR)-6-((Z)-4-(ヒドロキシイミノ)-2-オキソ-3,4-ジヒドロピリミジン-1(2H)-イル)-2,2-ジメチルテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メチルイソ酪酸エステル(7)の調製
Figure 2023553243000046
モルヌピラビル(10g、1.0当量)と2,2-ジメトキシプロパン(3.48g、1.1当量)のMeOH(100ml)溶液に、HSO(98%、0.5ml)を室温で加え、一晩撹拌した。HO(100ml)を加え、固形物を沈殿させた。ろ過後、固体である化合物7を8.50g、収率:75.8%)を得た。
手法8 1-((3aR,4R,6R,6aR)-6-(ヒドロキシメチル)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)-4-((イソブチリルオキシ)アミノ)ピリミジン-2(1H)-オン(8)の調製
Figure 2023553243000047
NHC(1.0g、1.0当量)とEtN(0.43g、1.1当量)のジクロロメタン(10ml)溶液に、イソブチリルクロリド(0.37、0.9当量)を-25~-20℃で加え、4時間撹拌した。HO(20mL)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物8-1(0.45g、収率:35.42%)を得た。LCMS:[M+H]:330.1.
化合物8-1(0.45g、1.0当量)のジクロロメタン(10ml)溶液に1,1’-カルボニルジイミダゾール(0.29g、1.3当量)を室温で加え、一晩撹拌した。HO(10ml)を加えて抽出し、有機層を得た。前記有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物8(0.32g、収率:65.9%)を得た。
手法9((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メチルL-アラニナート(9)の調製
Figure 2023553243000048
シチジン(5.0g、20.5mmol)とピリジン(10ml)のDCM(50ml)溶液に、DMF-DMA(9.8mg、82mmol)を0℃で加えた。室温、N雰囲気で、撹拌して一晩反応させた。HO(50mL)を加えて抽出し、有機層を得て、減圧下で蒸発させて、粗製物9-1を得て、これを精製することなく次のステップに用いた。
化合物9-1のDCM(50ml)溶液に(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニン(7.78g、2当量)、HATU(23.45g、3当量)、DIPEA(13.3g、5当量)及びDMAP(100mg)を加え、室温で3時間撹拌した。次に、EtOH(100mL)を加え、加熱還流して1時間保持した。冷却後、前記混合物を減圧下で蒸発させて粗製物9-2を得た。前記粗製物を、ジクロロメタンとメタノールを用いてシリカゲル上でカラムクロマトグラフィーを行い、生成物9-2を4.3g得た。LCMS:[M+H]:470.2.
化合物9-2(1.0g、1当量)の水溶液(5ml)に硫酸ヒドロキシアミン(1.4g、4当量)を加え、78℃で18h撹拌した。冷却後、固形物を沈殿ろ過した後、EA中のHCl(1mol/L、10ml)に加え、室温で2時間撹拌し、化合物9-3を0.5g沈殿ろ過し、収率71.07%とした。
前記手法1に従って、1,1’-カルボニルジイミダゾールを用いて環化して表題化合物9を得た。
手法10((3aR,4R,6R,6aR)-6-(4-(ヒドロキシアミノ)-2-オキソピリミジン-1(2H)-イル)-2-オキソテトラヒドロフロ[3,4-d][1,3]ジオキソール-4-イル)メチルL-セリナート(10)の調製
Figure 2023553243000049
手法9に従って、O-ベンジル-N-(tert-ブトキシカルボニル)-L-セリンを(tert-ブトキシカルボニル)-L-アラニンで置換して化合物10-3を得た。
の下で、化合物10-3(120mg、1当量)のメタノール(5mL)溶液に、Pd/C(12mg、10重量%)を加え、一晩撹拌した。ろ過後、ろ液を濃縮し、分取型HPLC(0.1%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル)により精製し、化合物10(35mg、収率:36.23%)を得た。
以下の化合物は、本明細書に記載されている手法(表1の手法に示す)に従って、適切な出発材料と必要に応じて適切な保護基化学物質を使用して調製される。重要な反応は環化反応である。CDI又は2,2-ジメトキシプロパンは五元環形成を利用する。オキサリルクロリドは六元環形成を利用する。マレオイルジクロライド又はフタロイルジクロライドは八元環形成を利用する。
Figure 2023553243000050
Figure 2023553243000051
Figure 2023553243000052
Figure 2023553243000053
Figure 2023553243000054
Figure 2023553243000055
Figure 2023553243000056
Figure 2023553243000057
Figure 2023553243000058
Figure 2023553243000059
Figure 2023553243000060
Figure 2023553243000061
Figure 2023553243000062
Figure 2023553243000063
Figure 2023553243000064
Figure 2023553243000065
Figure 2023553243000066
Figure 2023553243000067
Figure 2023553243000068
Figure 2023553243000069
Figure 2023553243000070
Figure 2023553243000071
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Figure 2023553243000073
Figure 2023553243000074
Figure 2023553243000075
Figure 2023553243000076
Figure 2023553243000077
Figure 2023553243000078
Figure 2023553243000079
Figure 2023553243000080
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Figure 2023553243000082
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Figure 2023553243000113
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Figure 2023553243000118
Figure 2023553243000119
実施例2 Caco-2アッセイにおける化合物の透過性
Caco-2培養
ATCCから購入したCaco-2細胞を96ウェルコーニング挿入板に1×10細胞/cmでポリエチレンフィルム(PET)に接種し、培地を4~5日ごとに交換し、21~28日目まで融合細胞単層を形成した。
輸送方法
研究中の輸送緩衝液はpH7.40±0.05のHBSSと10.0mM HEPEsであった。
試験化合物を2.00μMで双方向に2回試験した。ジゴキシンを10.0μMで双方向に2回試験し、ナドロールとメトロールを2.00μMでAからB方向に2回試験した。最終的なDMSO濃度を1%未満に調整した。
前記板を37±1℃、5%CO、飽和湿度のCOインキュベータにて2時間インキュベートし、振とうさせなかった。全てのサンプルをアセトニトリル含有内部標準物質と混合した後、3200×gで10分間遠心分離した。ナドロールとメトロールにつぃては、200μLの上清を600μLの超純水で希釈し、LC-MS/MS分析に用いた。
ジゴキシン及び試験化合物については、200μLの上清を200μLの超純水で希釈し、LC-MS/MS分析に用いた。出発溶液、ドナー溶液及びレシーバ溶液中の試験化合物及び対照化合物の濃度は、分析物/内部標準物質のピーク面積比を用いてLC-MS/MS法により定量化された。
輸送アッセイの後、ルシファーイェロー拒絶アッセイを用いてCaco-2細胞の単層完全性を決定した。
データ分析
見かけ浸透係数Papp(cm/s)は、次の式を用いて計算される。
Figure 2023553243000120
ここで、dCr/dtは、時間関数としてのレシーバチャンバー内の化合物の累積濃度(μM/s)であり、Vrはレシーバチャンバー内の溶液の体積(頂端側0.075mL、基底外側0.25mL)であり、Aは輸送用の表面積であり、すなわち単層の面積は0.0804cmであり、C0はドナーチャンバーでの初期濃度(μM)である。
排出比は、次の式を使用して計算される。
Figure 2023553243000121
回収率は、次の式を使用して計算される。
Figure 2023553243000122
ここで、Vdはドナーチャンバー内の体積(頂端側0.075mL、基底外側0.25mL)であり、Cd及びCrは、それぞれドナーチャンバー及びレシーバチャンバーでの輸送化合物の最終濃度である。
結果:
Figure 2023553243000123
Binning標準*:
低浸透度:Papp≦2×10-6cm/s、中浸透度:2<Papp<20(×10-6cm/s)、高浸透率:Papp≧20(×10-6cm/s)
実施例3 薬物動態学検討
Figure 2023553243000124
サルの化合物とモルヌピラビル(100mg/kg)の単独経口投与後の化合物NHCの個体血漿濃度は、表3にまとめた平均薬物動態的パラメータの計算に用いられた。
Figure 2023553243000125
以上の説明は、当業者が本願をどのように実施するかを教示するためのものであり、当業者が説明を読んだ後に明らかになる全ての明らかな修正及び変更を詳細に説明することを意図するものではない。しかしながら、これらの全ての明らかな修正及び変更は、以下の請求項によって定義される本願の範囲内に含まれることを意図している。文脈が特にその逆の場合を示していない限り、請求項はその意図した目的を効果的に満たす任意の順序で請求項に係る構成要素及びステップを包含することを意図している。

Claims (16)

  1. 式IVの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000126
    (式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基及びOHからなる群から選択される。)
  2. 式Vの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000127
    (式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基からなる群から選択される。)
  3. 式VIの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000128
    (式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基及びOHからなる群から選択される。)
  4. 式VIIの構造を有する、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000129
    (式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基からなる群から選択される。)
  5. 式VIIIの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000130
    (式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基及びOHからなる群から選択される。)
  6. 式IXの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000131
    (式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基からなる群から選択される。)
  7. 式Xの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000132
    (式中、R又はRは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基及びOHからなる群から選択される。)
  8. 式XIの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000133
    (式中、Rは、独立して、H、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールであり、前記-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)C-C10アリールは1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基はそれぞれ独立してハロ基からなる群から選択される。)
  9. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000134
    (式中、R又はRは、独立して、H、ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、それぞれ独立して、ハロ基、OH、-O-C-Cアルキル、NR、C-Cアルキル、C-C10アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    又はRは、独立して、H、D、F、Cl、Br、CH又はCFであり、
    又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、C-C10アリール又はC-C10ヘテロアリールであり、
    及びRは、それぞれ独立して、H及びC-Cアルキルから選択され、前記R及びRは互いに融合して環を形成することができ、
    結合は独立して、
    Figure 2023553243000135
    からなる群から選択される。)
  10. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000136
    (式中、R又はRは、独立して、H、ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール、又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール、又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、ハロ基、OH、-O-C-Cアルキル、NR、C-Cアルキル、C-C10アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    又はRは、独立して、H、D、ハロ基又はC-Cアルキルであり、前記アルキルは1つ以上のハロ基で任意に置換され、
    又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル又は-(CO)OC-Cアルキルであり、
    及びRは、それぞれ独立して、H及びC-Cアルキルから選択され、前記R及びRは互いに融合して環を形成することができ、
    結合は独立して、
    Figure 2023553243000137
    からなる群から選択される。)
  11. 式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023553243000138
    (式中、R又はRは、独立して、H、ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール、又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールであり、前記ヘテロアリール、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、-(CO)OC-C10アリール、-(CO)OC-C10ヘテロアリール、-(CO)NHC-Cアルキル、(CO)NHC-C10アリール、又は(CO)NHC-C10ヘテロアリールは、1つ以上の置換基で任意に置換され、前記置換基は、ハロ基、OH、-O-C-Cアルキル、NR、C-Cアルキル、C-C10アリール及びヘテロアリールからなる群から選択され、
    又はRは、独立して、H、D、ハロ基又はC-Cアルキルであり、前記アルキルは1つ以上のハロ基で任意に置換され、
    又はRは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、-(CO)C-Cアルキル、-(CO)OC-Cアルキル、-(CO)C-C10アリール、-(CO)C-C10ヘテロアリール、C-C10アリール又はC-C10ヘテロアリールであり、
    及びRは、それぞれ独立して、H及びC-Cアルキルから選択され、前記R及びRは互いに融合して環を形成することができ、
    結合は独立して、
    Figure 2023553243000139
    からなる群から選択される。)
  12. 薬学的に許容される賦形剤と、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物と、を含む、医薬組成物。
  13. 患者のウイルス感染を治療又は予防するための方法であって、
    有効量の請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物を患者に投与することを含む、方法。
  14. 前記ウイルス感染がコロナウイルス感染である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ウイルス感染がCOVID-19である、請求項14に記載の方法。
  16. 薬学的に許容される賦形剤と、下記のものからなる群から選択される化合物と、を含む、医薬組成物。
    Figure 2023553243000140
    Figure 2023553243000141
    Figure 2023553243000142
    Figure 2023553243000143
    Figure 2023553243000144
    Figure 2023553243000145
    Figure 2023553243000146
    Figure 2023553243000147
    Figure 2023553243000148
    Figure 2023553243000149
    Figure 2023553243000150
    Figure 2023553243000151
    Figure 2023553243000152
    Figure 2023553243000153
    Figure 2023553243000154
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