JP2023551947A - 巣状分節性糸球体硬化症(fsgs)の治療における使用のためのクロピドグレル - Google Patents

巣状分節性糸球体硬化症(fsgs)の治療における使用のためのクロピドグレル Download PDF

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Abstract

本発明は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療における使用のための、クロピドグレルまたはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤に関する。

Description

本発明は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療における使用のための、クロピドグレルまたはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤に関する。
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)は、しばしば末期腎臓病を引き起こす重度の糸球体症である。FSGSは、一部の糸球体(巣状)の一部の部分(分節性)における硬化の存在によって定義される組織病理学的病変を指すのに用いられる。この病変は、原発性のポドサイト傷害を特徴とする疾患、または高血圧、肥満もしくはウイルスを含む他の影響に続発する疾患の両方を指す。FSGSは、特定し得る原因なしに見出される可能性がある(特発性)。
FSGSの最もよくある徴候は、ネフローゼ以下のレベルからネフローゼレベル(重度タンパク尿、低アルブミン血症および高脂血症)に及ぶタンパク尿である。重度タンパク尿は、腎臓機能の進行性喪失および腎不全に関連する。それは、末期腎疾患(ESRD)の約15%を占める。大量のタンパク尿(>10~15g/日)は、2~3年以内に腎機能の急速な悪化およびESRDへの進行を引き起こす。
FSGSに対する承認された薬物はない。FSGSを有する患者のための現在の標準治療は、ステロイド、ACE阻害剤またはARB、免疫抑制薬、例えばグルココルチコイド、またはグルココルチコイドに対する不耐性もしくは不十分な応答について、必要とされる場合、カルシニューリン阻害剤によるもの;利尿薬、血漿交換法、食事の変更およびスタチンを含む。
WO2006029349A1は、糖尿病性の疾患もしくは障害、高脂血症性の疾患もしくは障害、代謝性の疾患もしくは障害、ならびに/または心血管性の疾患もしくは障害、または嗜癖性疾患の進行の遅延または治療のための、PPARアゴニスト単独のまたは血小板凝集の阻害剤と組み合わせた使用を記載する。
Tu X.ら、2008は、腎炎症の阻害のための腎臓体積の5/6の外科的腎臓切除によって引き起こされる初期腎傷害におけるクロピドグレルの使用を報告する。
Peters H.ら(2004)は、急性糸球体外傷の修復のラットモデルにおける実験的急性抗thy1糸球体腎炎の初期傷害およびその後の修復段階に対するクロピドグレルの効果の分析に言及する。
Su X.ら(2019)は、慢性腎臓病を有する患者における心血管性および腎臓アウトカムに対する抗血小板療法の効果を概説し、抗血小板剤の適用が、全体的な正味の利益を提供し得ることを記載する。
KR20180121722Aは、プラバスタチンおよび抗血小板剤、例えばクロピドグレルを含む、腎疾患を予防または治療するための組成物を開示する。
しかし、不十分な奏功率しかない。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン(RAAS)遮断薬はまた、FSGSの重要な特徴であるタンパク尿を制御するために使用される。しかし、既存の治療は、限定的成功を達成したにすぎなかった。
米国では毎年約5400人の患者がFSGSと診断されるが、症例数はネフローゼ症候群のどの他の原因よりも多く増加している。毎年約1,000人のFSGS患者が、腎臓移植を受ける。しかし、腎臓移植後、数時間から数週間以内に、FSGSは、患者の約30~40%において再発する。しかし、患者のわずか20%が、治療の5年後に完全な寛解を達成し、患者の40%が、寛解を示さない(Troyanov S.ら、2005)。
最善のケアにもかかわらず、治療の失敗はよく起こり、FSGSは、末期腎疾患の著しい割合において原因となっている。したがって、FSGSに対する新規疾患修飾治療のための満たされていない必要性が存在する。
該目的は、本特許請求の範囲の対象、および本明細書にさらに記載される対象によって解決される。驚くべきことに、本発明の化合物が、動物研究において尿タンパク質/クレアチニン比(UPCR)および尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)を著しく低下させ、したがって、このことが、著しい機能的改善および低下したタンパク尿を実証したことが見出された。
本発明は、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療における使用のための、クロピドグレルまたはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤を提供する。
具体的には、本明細書に記載される医薬製剤は、原発性FSGSの治療のために使用される。具体的には、FSGSは、糖尿病に関連するものでも、糖尿病によって引き起こされるものでもない。
本発明のある実施形態によれば、医薬製剤は、クロピドグレル、および薬学的に許容される担体を含む、医薬品または薬物製品である。
具体的には、本明細書に記載される医薬製剤は、全身的に投与される。
ある実施形態によれば、本明細書に記載される製剤に使用されるクロピドグレルは、構造
を含む。
具体的には、本明細書に記載される製剤は、約10~400mgのクロピドグレルを含む。
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載される医薬製剤は、全身投与用、好ましくは静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮、または経口投与用に製剤化されている。
さらなる実施形態によれば、本明細書に記載される医薬製剤は、スプレー剤、散剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、または溶液剤、ローション剤、うがい液、エアロゾル化された粉末、エアロゾル化された液体製剤、顆粒剤、カプセル剤、ドロップ剤、錠剤、シロップ剤、ロゼンジ剤、または注入もしくは注射用の製剤として対象に投与される。
本発明によれば、医薬製剤は、FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある治療される対象において使用するためのものである。
さらなる実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤は、FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある対象に有効量で適用される。
具体的には、製剤は、単独の物質として投与されるか、または治療もしくは製剤は、1つもしくは複数の活性物質を有するさらなる治療もしくは製剤と組み合わされる。
より具体的には、製剤は、抗ウイルス薬、抗凝固薬、免疫調節剤、ヒト供給源に由来する抗体製剤、モノクローナル抗体、集中治療薬、抗高血圧剤、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞毒性薬、利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コレステロールまたはトリグリセリド低下剤からなる群から選択される活性薬剤と組み合わせて投与される。
FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;「ctrl」と表示される箱=FSGSを有する対照マウス;「クロピドグレル」と表示される箱=クロピドグレルで処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。 独立した実験において、FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;「ctrl」と表示される箱=FSGSを有する対照マウス;「クロピドグレル」と表示される箱=クロピドグレルで処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。 クロピドグレル処置によるUPCR(パネルA)およびUACR(パネルB)の平均低下が、経時的に示される。上の数字は、それぞれ1回目および2回目の実験において使用された時点を示す。 実験1。尾静脈注射後の対照およびクロピドグレル処置動物のすべての個々の尿のUPCR(左パネル)およびUACR(右パネル)値を。p値は、スチューデントのt検定によって計算された。 実験2。尾静脈注射後の対照およびクロピドグレル処置動物のすべての個々の尿のUPCR(左パネル)およびUACR(右パネル)値。p値は、スチューデントのt検定によって計算された。 マウスの重量変化が毎週測定され、開始重量の倍率変化として表される。(A)実験1。(B)実験2。 高倍率(63×、40×)を用いた組織学的評価。アドリアマイシン腎症対照動物(上パネル)およびクロピドグレル処置動物(下パネル)の代表的なPAS染色が示される。黒色の矢印は、選択された硬化領域を示す。黒色の星印は、尿細管拡張を表すタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織病理学的効果。(A)すべての個々の値を表す箱ひげ図として与えられた、2つの独立した実験における硬化性糸球体のパーセンテージの平均値。(B&C)硬化性糸球体の相対量(B)または尿細管拡張の重症度(C)に応じた、示される群の存在量を表す100%積み上げ縦棒グラフ。積み上げ棒グラフ中の数字は、観察数(n)を表す。分節性硬化スコア:0:n.d.、1:1~4%、2:5~9%、3:10~19%、4:≧20%。尿細管拡張スコア:0:なし、1:軽度、2:中程度、3:強度、4:非常に強度。 クロピドグレル療法の組織学的評価。野生型のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織学的評価。アドリアマイシン腎症対照動物のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織学的評価。アドリアマイシン腎症対照動物のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織学的評価。アドリアマイシン腎症対照動物のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織学的評価。クロピドグレルで処置されたアドリアマイシン腎症のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織学的評価。クロピドグレルで処置されたアドリアマイシン腎症のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。 クロピドグレル療法の組織学的評価。クロピドグレルで処置されたアドリアマイシン腎症のPAS染色全体像が示される。黒色の矢印は、選択された硬化性糸球体を示す。黒色の星印は、尿細管拡張、およびろ過プロセスにおける不全に起因する選択されたタンパク質円柱を示す。
用語「含む(comprise)」、「含有する」、「有する」および「含む(include)」は、本明細書で使用される場合、同義的に使用可能であり、さらなるメンバーまたは部分または要素を許容する、オープンな定義と理解されるものとする。「からなる」は、構成される定義の特徴のさらなる要素を伴わない、最もクローズな定義と考えられる。したがって、「含む」は、より広く、「からなる」の定義を含有する。
用語「約」は、本明細書で使用される場合、同じ値、または所与の値の+/-10%または+/-5%異なる値を指す。
クロピドグレルは、本明細書に記載される場合、「生理学的に許容される塩」として使用され得る。塩の選択は、化学物質がどれほど酸性または塩基性であるか(pH)、イオン化形態の安全性、薬物の意図される用途、どのように薬物が与えられるか(例えば、口、注射によって、または皮膚上で)、および剤形のタイプ(例えば錠剤、カプセル剤、または液剤)によって主に決定される。
生理学的に許容される例示的な塩は、ナトリウム塩である。しかし、ナトリウム塩の代わりに、他の生理学的に許容される塩、例えば、他のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩および置換アンモニウム塩を用いることも可能である。具体的な例は、カリウム、リチウム、カルシウム、アルミニウムおよび鉄塩である。好ましい置換アンモニウム塩は、例えば、低級モノ、ジ、またはトリアルキルアミン、またはモノ、ジおよびトリアルカノールアミンに由来するものである。遊離アミノ酸自体も使用され得る。具体的な例は、エチルアミン、エチレンジアミン、ジエチルアミン、またはトリエチルアミン塩である。
用語「対象」または「患者」は、本明細書で使用される場合、FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある、ヒト、または非ヒト哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ラクダ、ウシまたはブタを指す。具体的には、それは、ヒトである。
FSGSを発症する「危険性がある」対象は、検出可能な疾患または疾患の症状を有していてもまたは有していなくてもよく、本明細書に記載される治療方法の前に、検出可能な疾患または疾患の症状を示していてもまたは示していなくてもよい。「危険性がある」とは、対象が1つまたは複数の危険因子を有することを意味し、危険因子は、本明細書に記載され、かつ当技術分野で公知のように、FSGSの発症と相関する測定可能なパラメータである。これらの危険因子の1つまたは複数を有する対象は、これらの危険因子の1つまたは複数のない対象よりも高い、FSGSを発症する確率を有する。
「対象」は、「患者」であり得る。「患者」は、治療する医師のケアの下にある「対象」を指す。別の実施形態では、患者は、FSGSと診断されていない対象である。さらに他の実施形態では、患者は、FSGSと診断されているが、FSGSに対処するための治療を受けていない対象である。
用語「非糖尿病性対象」は、真性糖尿病に罹患していない対象を指す。
「薬理学的に許容される」とも称される用語「薬学的に許容される」とは、動物、特に、ヒトの治療と適合性のあることを意味する。薬理学的に許容される塩という用語はまた、薬理学的に許容される酸付加塩および薬理学的に許容される塩基付加塩の両方を含む。
用語「薬理学的に許容される酸付加塩」は、本明細書で使用される場合、本開示の任意の塩基化合物の任意の非毒性有機もしくは無機塩、または任意のその中間体を意味する。酸付加塩を形成し得る本開示の塩基性化合物としては、例えば、塩基性窒素原子を含有する化合物が挙げられる。適切な塩を形成する例示的な無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸、ならびに金属塩、例えばオルトリン酸一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムが挙げられる。適切な塩を形成する例示的な有機酸としては、モノ、ジ、およびトリカルボン酸、例えばグリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸およびサリチル酸、ならびにスルホン酸、例えばp-トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸が挙げられる。一、二、または三酸塩のいずれも形成可能であり、このような塩は、水和形態、溶媒和形態または実質的に無水の形態のいずれで存在してもよい。一般的に、本開示の化合物の酸付加塩は、水および様々な親水性有機溶媒中でより可溶性であり、一般的に、それらの遊離塩基形態と比較して、より高い融点を示す。適切な塩の選択は、当業者に公知である。例えば、本開示の化合物の単離において、実験室使用のため、またはその後の薬理学的に許容される酸付加塩への変換のため、他の薬理学的に許容されない酸付加塩、例えばオキサレートが使用され得る。具体的には、クロピドグレルは、クロピドグレル硫酸水素塩(クロピドグレル重硫酸塩)、スルホン酸塩、またはベシル酸塩として存在してもよい。クロピドグレルはまた、シクロデキストリン、例えばβ-シクロデキストリン、またはその誘導体との包接錯体として存在してもよい。
クロピドグレル、((S)-メチル-(2-クロルフェニル)-2-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピリジン-5-イル)アセテート、(+)-メチル-(2-クロルフェニル)-2-(6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピリジン-5-イル)アセテート)は、本明細書で使用される場合、構造
を有し、心筋梗塞および卒中の危険性を低下させるために使用される血小板阻害剤のプロドラッグである。クロピドグレルは、カルボキシルエステラーゼ-1によってその活性型に代謝される。活性型は、血小板上のP2Y12 ADP受容体に不可逆的に結合する血小板阻害剤である。この結合は、P2Y12受容体へのADPの結合、糖タンパク質GPIIb/IIIa複合体の活性化、および血小板凝集を妨げる。
その血小板凝集阻害剤機能に加えて、クロピドグレルはまた、本明細書に記載されるようにUPCRおよびUACRの低下という驚くべき効果に加えて、FSGS疾患の発症および/または進行に対する有益な影響を有し得る抗炎症効果を発揮し得る。クロピドグレルは、AMPK/Nrf2軸を活性化することによってTNFに干渉し得る(Yang H.ら、2016)。FSGSおよびポドサイト傷害に対するTNF-aの影響も記載され(Chen A.ら、2020、Chung CF.ら、2019、Pedigo C.E.ら、2016)、ポドサイト機能のためのNrf2およびAMPKの重要性も記載される(Yang SM.ら、2013、Tsai PY.ら、2011、Rogacka D.ら、2020)。クロピドグレルは、TNF(Solheim S.ら、2006)およびさらにSERPINE1(Sakata T.ら、2011)のレベルを低下させることが示され、2つのタンパク質は、FSGSの進行に関連している。クロピドグレルはまた、FSGS疾患進行の緩和に寄与し得る腎臓保護性潜在力を有する因子であるNFE2L2(NRF2)を誘導することが報告された(Yang H.ら、2016)。他方で、高いIL10レベルは、低いクロピドグレル応答性に関連することが示された(Osmancik P.ら、2012)。VASPリン酸化アッセイは、クロピドグレル応答を測定するために使用される(Siller-Matula J.M.ら、2010;Cayla G.ら、2008)。血管拡張因子刺激リン酸化タンパク質(VASP)は、10人の連続して試験された患者に由来する再発血漿に応答してリン酸化され、対にされた寛解血漿または非FSGS対照に応答してリン酸化されないことが示された。リン酸化シグナルは、病理学的ポドシン変異を保有するヒトポドサイトでは存在しない(Harris J.J.ら、2013)。
クロピドグレルは、商品名クロピレット、プラビックスおよびジルト(Zyllt)で販売される。
クロピドグレルは、用量あたり約10~400mgのクロピドグレルを含む。具体的には、それは、10、20、30、40、50、60、70、75、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400mgのクロピドグレルを含み得る。それは、同じ用量で連続的に、または高用量で、例えば約300mg、およびさらに約70mgの維持低用量として、ボーラス投与(bolar administration)として、投与されてもよい。
特に、本発明の医薬製剤において、クロピドグレルまたはその薬学的に許容される塩の1日の投薬量は、成人に基づき、10~400mg、具体的には50~300mgである。しかし、本発明の範囲は、該投薬量に限定されない。
FSGSは、腎臓糸球体における巣状かつ分節性の硬化、およびポドサイト足突起消失を特徴とする特異な臨床病理学的な医学的状態である(D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。FSGSの病態生理学は、糸球体内で生じ得るか(「原発性FSGS」)または他の理由に続発し得る(例えば高血圧;D’Agati V.、2003、Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。FSGSは、しばしば、タンパク尿、低アルブミン尿、高脂血症および浮腫を特徴とするネフローゼ症候群を引き起こす(D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。多数の症例について、FSGSの正確な原因は、まだ理解し難い(特発性;D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。FSGSの公知の病因は、雑多であり、遺伝子変異、薬物、ウイルス、高血圧、および循環因子を含む-しかし、糖尿病を含まない(D’Agati V.、2003;Rosenberg A.Z.およびKopp J.B.、2017、Bose B.およびCattran D.、2014)。糖尿病性腎症-糖尿病性糸球体硬化症を含む-は、真性糖尿病の病態生理学の結果としての、腎臓機能の慢性喪失を表す(Qiら、2017)。
ポドサイトは、糸球体の毛細血管を包む、腎臓中のボーマン嚢における非定型性上皮細胞である。
本明細書で使用される場合、FSGSは、具体的にはポドサイトをその標的として認識する内因性因子によって誘発されるか(ポドサイトパチー、特発性FSGS)、またはポドサイトを直接的または間接的に傷つける特定し得る原因、例えば遺伝的障害、高血圧、炎症、増殖の脱調節、または機械的負荷によって引き起こされる(原発性または続発性FSGS)、糸球体の瘢痕化(硬化)およびポドサイトへの損傷である。
原発性FSGSの特有の形態学的像は、びまん性ポドサイトパチー(+少なくとも1つのFSGS病変)であり、臨床的にはネフローゼ症候群がより多数を占める。びまん性ポドサイト毒性は、ほとんどすべてのポドサイトを巻き込み、電子顕微鏡検査で50%を超える足突起消失を有する。尿中のアルブミンの大量の喪失だけでなく、低アルブミン血症も、よく観察されるが、たとえネフローゼ域のタンパク尿が存在したとしても、続発性形態においては珍しい。微絨毛変化、細胞質脱落、消失した足突起におけるアクチン細胞骨格の密度の増加、リソソームおよびオートファゴサイト体(auto-phagocytic body)の数の増加は、よくある特徴である。構造の再編成に起因して、糸球体基底膜(GBM)からのポドサイトの脱離の危険性が増加し、むき出しのGBMの幅広い領域を残す。これらの「粘着性」領域は、付着を生じさせる可能性があり、その後、影響を受けた区域が塞がれ、硬化するまで、硝子様物質の沈着およびメサンギウム基質の拡大が、毛細血管腔を徐々に狭める。近位尿細管への可逆的な糸球体脱出は、時々観察され、係蹄の急な拡大の表れであり、「尖端病変」の前兆となる(Angioi A.、およびPani,A.、2016)。
FSGSの最も悪性の形態は、虚脱性糸球体症であり、これは、組織学的に、足突起消失、過形成性ポドサイトの冠によって包囲された、毛細血管叢の分節性から全体的な崩壊によって示される(Angioi A.、およびPani,A.、2016)。
FSGSの症状はまた、糸球体硬化症、糸球体腎炎(例えば膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)、IgA糸球体腎炎)、ネフローゼ症候群(低アルブミン尿、高脂血症、浮腫)、進行性腎不全、組織病理学における、具体的にはHaas M.ら、2013に従って分類される糸球体病変、ならびにポドサイト融合および傷害を伴うFSGSの任意選択の生検確認を伴う、重度タンパク尿である。
FSGSは、当技術分野で周知の方法、例えば以下に限定されないが、尿タンパク質/クレアチニン比(UPCR)、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)の決定、腎臓生検の光学顕微鏡検査、例えば糸球体サイズ、FSGSの組織学的バリアント、小嚢胞性尿細管変化、および尿細管肥大;例えば他の原発性糸球体症を除外するための、免疫蛍光;および電子顕微鏡検査、例えばポドサイト足突起消失の程度、ポドサイト微絨毛変化、および管状細網封入体によって診断され得る。
具体的には、FSGSは、本明細書で使用される場合、非糖尿病性腎疾患を指す。具体的には、真性糖尿病によって引き起こされる糖尿病性腎症は、FSGSの治療のためのクロピドグレルの使用から除外される。非糖尿病性腎疾患および糖尿病性腎疾患は、生検などの当技術分野で公知の方法によって確認され、識別され得る。
糖尿病患者において、結節性病変およびびまん性病変が、しばしば観察される。糖尿病性腎症についての分類法は、当業者に周知であり、Qi C.ら、2017、Tervaert T.W.C.ら、2010、およびFioretto P.ら、1996によって記載される。Fiorettoの分類は、尿細管、間質および血管の病変を含み、光学顕微鏡下での病理学的変化に従って糖尿病性腎症を3つのカテゴリーに分けた:C1、正常/ほぼ正常;C2、大部分は糸球体変化を伴う、典型的な糖尿病性腎症;およびC3、不釣り合いに、損傷、例えば尿細管間質性または細動脈硝子化に関連し、かつ糖尿病性糸球体変化がない、または軽度の糖尿病性糸球体変化のみを伴う、傷害の非定型パターン。Tervaertの病理学的分類は、尿細管、間質および血管の病変についての別個のスコア化システムとともに、糸球体病変に従って、糖尿病性腎症を4つの分類に分ける。
具体的には、糖尿病に罹患している患者、具体的には2年を超えて糖尿病に罹患している患者は、本明細書に記載されるようにクロピドグレルによって治療されることから除外される。
糖尿病関連の腎症は、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、および糖尿病関連の糸球体硬化症を含む。用語「FSGS」の使用は、自然FSGS、原発性FSGSだけでなく再発性FSGSにも及ぶが、具体的には糖尿病性FSGSを除外する。
糸球体腎炎は、血液から老廃物および余分な液体を分離する、フィルターとして機能する腎臓における膜組織の炎症の表れである。
MPGNは、異常な免疫応答によって引き起こされる糸球体腎炎の一形態である。抗体の沈着物が、糸球体基底膜と呼ばれる腎臓の一部に積み重なる。
糸球体硬化症は、腎臓内の小さな血管の瘢痕化および硬化の表れである。糸球体腎炎および糸球体硬化症は、異なる原因を有するが、それらは両方とも腎不全を引き起こし得る。
ネフローゼ症候群は、体に、尿中に過度のタンパク質を通過させる腎臓障害である。ネフローゼ症候群は、通常、腎臓における小さな血管のクラスターに対する損傷によって引き起こされる。
本明細書で使用される場合、再発性FSGS(rFSGS)、またはFSGSの再発は、急性拒絶、糸球体炎または同種移植糸球体症の証拠のない、糸球体硬化ならびにポドサイト融合および傷害を伴うFSGSの任意選択の生検確認を伴う、重度タンパク尿によって定義される。本明細書で使用される場合、再発性FSGS(rFSGS)の対象または患者は、腎臓移植前にFSGSを有しており、かつその後、腎臓移植後にFSGSの再発(rFSGS)を発症したものと定義される。
本明細書で使用される場合、非再発性FSGS(nrFSGS)の対象または患者は、腎臓移植前にFSGSを有しているが、腎臓移植後にFSGSを発症しないものと定義される。
本明細書で使用される場合、自然FSGS(nFSGS)の対象または患者は、移植前に自身の腎臓においてFSGS(糸球体硬化ならびにポドサイト融合および傷害を伴うFSGSの任意選択の生検確認を伴う、重度タンパク尿)を有するものと定義される。
医薬製剤は、クロピドグレル、および薬学的に許容される担体を含む、医薬品または薬物製品であり得る。本明細書に記載される製剤はまた、栄養補助食品として使用され得る。
医薬製剤が有効量でクロピドグレルを含む、FSGSの治療方法も本明細書に提供される。
具体的には、クロピドグレルまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、FSGSにおけるポドサイト傷害およびポドサイトパチーを著しく低下させる。
用語「有効量」または「薬学的有効量」は、化合物が投与される目的の所望の効果(例えば、FSGSの症状の改善、FSGSまたはFSGSの症状の重症度の低下、および/またはFSGSまたはFSGSの症状の進行の低減)を生じる化合物の量を指す。有効な用量の正確な量は、治療の目的に依存し、公知技術を使用して当業者によって確認可能である(例えば、Lloyd V.A.、2016を参照)。
本明細書で使用される場合、用語「治療」およびその同根語は、疾患進行を遅らせるかまたは停止させることを指す。「治療」およびその同根語は、本明細書で使用される場合、限定されないが以下を含む:完全なまたは部分的な寛解、腎不全(例えばESRD)、および疾患関連の合併症(例えば浮腫、感染症へのかかりやすさ、または血栓塞栓性事象)のより低い危険性。これらの症状のいずれかの改善またはその重症度の低下は、当技術分野で公知のまたは後に開発される方法および技術に従って容易に評価され得る。治療の所望の効果は、FSGS、具体的には非糖尿病性FSGS、またはその状態もしくは症状の発生または再発を予防すること、FSGSの状態または症状を緩和すること、FSGSの任意の直接的または間接的病理学的結果を小さくすること、FSGS進行の速度または重症度を減らすこと、および/またはFSGSを改善するかまたは和らげることを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、FSGSを発症する危険性があると特定された患者亜集団に対して使用される。いくつかの場合には、本発明の方法および組成物は、FSGSの発症を遅延させようとする試みにおいて有用である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬製剤の化合物(すなわちクロピドグレル)、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、任意の他の治療化合物とともに投与されない。いくつかの実施形態では、化合物は、同時にまたは逐次的に、任意の他の治療化合物とともに投与されない。いくつかの実施形態では、化合物は、単独で投与される。
いくつかの実施形態では、方法は、1つまたは複数の追加の治療化合物を患者に投与するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の追加の治療化合物は、抗ウイルス薬、抗凝固薬、免疫調節剤、ヒト供給源に由来する抗体製剤、モノクローナル抗体、集中治療薬、抗高血圧剤、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞毒性薬、利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コレステロールもしくはトリグリセリド低下剤、PPARアゴニストまたは植物薬理学的物質、例えばミリスチン酸のうちの1つまたは複数から選択される。
少なくとも1つの薬学的に許容される担体は、本明細書で使用される場合、所望の特定の剤形に適した、あらゆる溶媒、希釈剤、他の液体ビヒクル、分散助剤、懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤、乳化剤、保存剤、固体結合剤、および滑沢剤を含む。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22nd edition, 2013, Pharmaceutical Press、およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, 2004, Taylor & Francisは、医薬組成物を製剤化するのに使用される様々な担体およびその調製のための公知技術を開示する。任意の従来の担体が、例えば何らかの望ましくない生物学的効果を生じること、またはそうでなければ医薬製剤の他のいずれかの成分と有害な様式で相互作用することによって、本開示の化合物と適合しない場合を除き、その使用は、本開示の範囲内にあることが企図される。好適な薬学的に許容される担体の非限定的な例としては、以下に限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えばヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、およびソルビン酸カリウム)、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、および電解質(例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、および亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、羊毛脂、糖(例えばラクトース、グルコースおよびスクロース)、デンプン(例えばコーンスターチおよびバレイショデンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ラクトース、デキストリン、マンニトール、白糖、トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、沈降炭酸カルシウムおよびリン酸水素カルシウム、トラガント末、モルト、ゼラチン、タルク、賦形剤(例えばカカオバターおよび坐剤ワックス)、油(例えばピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、グリコール(例えばプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、エステル(例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル)、寒天、緩衝剤(例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム)、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張生理食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、リン酸塩緩衝溶液、非毒性適合性滑沢剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、保存剤、および抗酸化剤またはそれらの任意の混合物および組み合わせが挙げられる。
クロピドグレルまたはその塩の溶解性は、当技術分野で公知の方法、例えば以下に限定されないが、ポリオールまたはグリセロールなどの非水性剤、またはプロピレングリコールなどの極性溶媒と組み合わせることによって、増加され得る。
前述の記載は、以下の実施例を参照してより完全に理解される。しかし、該実施例は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実施する方法を代表するものにすぎず、発明の範囲を限定するものとして読まれるべきではない。
実施例1
インビボ試験
クロピドグレルの生物学的試験のために、FSGSの受け入れられているマウスモデル、すなわちアドリアマイシン誘導性腎症を選択した。アドリアマイシン腎症は、ヒト原発性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)のげっ歯類の最新式モデルであり、ポドサイト傷害とそれに続く糸球体硬化症、尿細管間質性炎症および線維症を特徴とし(Da Sacco S.ら、2014、Lee V.W.およびHarris D.C.、2011))、したがって、FSGSにおけるクロピドグレルの治療効果を実証するために使用した。
すべての動物実験および取り扱いは、動物の保護に関するオーストリアの法律に従い、オーストリア科学研究省の動物倫理委員会によって承認された。
アドリアマイシン依存性腎症(活性化合物:ドキソルビシン)は、10週齢のBALB/cマウスにおいてマウス1kgあたり約9mgの用量を受ける、尾静脈注射によって誘導した。対照マウスには、0.9%生理食塩水を注射した。1群あたり少なくとも6匹のマウスを分析した。マウスを、痛み、変わった動き、または低下した食物摂取の徴候について毎日モニターし、頸椎脱臼によって犠牲にした。文献調査に基づく薬物用量で事前に混合された飼料を介して、試験される薬物を、経口投与により投与した。
さらなるモデルとして、またはウィルムス腫瘍1(WT1)遺伝子の抑制に起因してFSGSに罹患するmiR-193a過剰発現マウスが使用され得る(Gebeshuberら、2013)。
結果
尿アルブミンレベルを、ELISAによって評価し、尿総タンパク質および尿クレアチニンレベルを、日常的な実験室キットを使用して、Roche Cobasシステムで測定した。尿タンパク質/クレアチニン(UPCR)比および尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)を、様々な時点で評価した。重量および身体フィットネススコアを、毎日モニターした。実験の終了時に、組織切片、血漿および尿サンプルを収集し、さらなる分析まで保管した。成功した薬物候補について、著しく低下したUPCRおよびUACR値が見出され、このことは、機能的改善および低下したタンパク尿を実証した。
時点にわたる反復測定ANOVAを、R統計ソフトウェアフレームワークを使用して計算した。薬物投与(クロピドグレル)および時点(日数における)についての効果は、それぞれ0.009(薬物)および0.023(時点)のp値を伴って、有意であった。相互作用(薬物:時点)についてのp値は0.788であった(図2を参照)。
図1では、FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価されたことが示される。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比;UACR=尿アルブミンクレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対する両マーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;「クロピドグレル」と表示される箱=クロピドグレルで処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。開始から37日後におけるCtrlおよびクロピドグレル処置マウスの両方におけるUPCRは、マウスがこの実験においてアドリアマイシン誘導性FSGSから回復することができたため、同様のレベルに低下する。
図2では、以下が示される:独立した実験において、FSGSが、アドリアマイシン(ADR)で誘導され、誘導後の示される時(日数における)にタンパク尿に関して評価された。UPCR=尿タンパク質クレアチニン比-タンパク尿および腎臓損傷に対するマーカー;灰色の箱(ctrl)=FSGSを有する対照マウス;「クロピドグレル」と表示される箱=クロピドグレルで処置された、FSGSを有するマウス;箱ひげ図は、個々のデータ点(点在)に加えて、中央値(中線)、四分位範囲(箱)および95%信頼区間(ひげ)を示す。t検定のP値は、各時点についてデータの上に示される。時点にわたるクロピドグレルを試験するための反復測定ANOVAについての結果は、上に示される。
実施例2
インビボ試験
クロピドグレルの生物学的試験のために、FSGSの受け入れられているマウスモデル、すなわちアドリアマイシン誘導性腎症を選択した。アドリアマイシン腎症は、ヒト原発性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)のげっ歯類の最新式モデルであり、ポドサイト傷害とそれに続く糸球体硬化症、尿細管間質性炎症および線維症を特徴とし(Da Sacco S.ら、2014、Lee V.W.およびHarris D.C.、2011)、したがって、FSGSにおけるクロピドグレルの治療効果を実証するために使用した。
すべての動物実験および取り扱いは、動物の保護に関するオーストリアの法律に従い、オーストリア科学研究省の動物倫理委員会によって承認された。
材料および方法
アドリアマイシン(ドキソルビシン、Sigma、D1515-10mg)をddHOに希釈した。FSGSを誘導するために、マウス1kgあたり10.5mgの用量、すなわち、マウス25gあたり200μl体積の総体積を、27G注射針を使用して尾静脈に静脈内注射した。
尾静脈注射のために、ケタネスト(Pfizer、25mg/mlバイアル)およびロンプン(Bayer、20mg/ml注射溶液)を使用してマウスに麻酔をした。0.9%NaCl溶液中の12.5mg/mlケタネストおよび0.25%ロンプンの最終混合物を調製し、マウス25gあたり200μlを注射した。クロピドグレル重硫酸塩(Sigma、PHR1431-1G)を療法実験のために使用した。
動物/動物管理
マウスおよびFSGSモデル
雌性Balb/cマウスを、医科大学(Abteilung fur Labortierkunde、Himberg、Austria)の動物飼育施設から入手した。重量>20gを有する12~16週齢の動物を、実験のために使用し、重量および週齢について調整した。動物を、少なくとも7日間、順化させた。動物を、特定を可能にするために、耳またはつま先のクリップコードによって印付けした。Balb/cマウスにおけるアドリアマイシン腎症は、前臨床FSGS研究のために最もよく使用される動物モデルであり、ヒトFSGSと中心的特徴を共有する。
食餌
ssniff(ssniff Spezialdiaten GmbH、Soest、Germany)からの標準的な市販の飼料は、粗タンパク質(19%)、粗脂肪(3.3%)、粗繊維(4.9%)、粗灰分(6.4%)、デンプン(36.5%)、糖(4.7%)を含有した。対照群の動物に、標準的飼料を与え、試験群の動物に、ssniffによって生産された標準的飼料+クロピドグレル(200mg/kg)を与えた。すべての動物に、自由に食べることを許容し、約4グラム/マウスの1日平均摂取(Johns Hopkins University、Baltimore、MD、USAの動物ケアガイドラインによる;http://web.jhu.edu/animalcare/procedures/mouse.html)、すなわち1日あたりマウス1kgあたり約25~30mgのクロピドグレル(Halimら、2019)を想定した。
住居
動物を、マクロロンケージ375mm×215mm×150mm中で標準的条件(23±1℃、55±10%湿度、12時間の昼夜サイクル)にて維持し、毎日確認した。飼料および水は、自由に提供された。
尿の収集および測定
スポット尿を毎週収集し、クレアチニンおよびタンパク質レベルを測定した。
尿アルブミンを、ELISAによって測定した。96ウェルプレートを、コーティング緩衝液(3.7g NaHCO、0.64g NaCO、1L蒸留水)中の100μlの抗体溶液抗マウス血清アルブミン抗体(Abcam ab34807、ロットGR3242102-4、1:2,000希釈)を用いて、4℃で一晩コーティングした。残りの手順は、室温で行った。ウェルを、HBSS(Sigma H8264-500ML)+0.05%Tween-20(Bio-Rad、#1706531)を用いて3回洗浄し、ELISA/ELISPOT希釈剤(eBioscience、00-4202-56)中でブロッキングし、再度3回洗浄した。サンプルおよび標準曲線を、両方とも、ELISA/ELISPOT希釈剤中で希釈し、2時間インキュベートし、その後、HBSS+0.05%Tween-20を用いた3回の洗浄ステップが続き、HRP抗体である抗マウス血清アルブミン抗体(Abcam ab19195、ロットGR3242102-4、1:100,000希釈)とともに1時間インキュベートし、その後、5回の洗浄ステップが続いた。反応を、TMB One Solution(Promega、G7431)を用いて顕色し、2N HSOを用いて停止した。標準曲線を、マウスアルブミン(Merck/Sigma、126674-25MG)を用いて生成した。450nm吸光度を、Gen5 1.10ソフトウェアを使用して、Epochマイクロプレートリーダー(BioTek)で測定した。
組織学
実験の終了時に、腎臓を取り出し、パラフィン中に包埋し、PAS(過ヨウ素酸-シッフ)染色を行った。組織学を徹底的に評価し、硬化性糸球体およびタンパク質円柱の量を定量化した。
統計学
Rバージョン4.0.2を、統計分析のために使用した。それぞれ個々の時点についての処置および対照マウスからのサンプル間のUPCRおよびUACR値を比較するために、かつ組織学的パラメータにおける差を評価するために、スチューデントのt検定を使用した。rstatixパッケージ(V0.6.0)におけるそれぞれの機能を使用して、経時的なUPCRおよびUACRに対する薬物の影響を分析するために、反復測定ANOVAを行った。グラフによる可視化を生じるために、ggplot2(V3.3.2)およびggpubr(V0.4.0)パッケージを使用した。
実験セットアップ
2つの独立した実験(実験1および2)において、34匹の雌性Balb/cマウスに、10.5mg/kgのアドリアマイシンを尾静脈に注射した(表2を参照)。注射から48時間後、活性群は、標準的飼料+200mg/kgのクロピドグレルを受け、一方、対照マウスは、標準的飼料のままであった。スポット尿を毎週収集し、腎臓を犠牲時に回収した。10.5mg/kgのアドリアマイシンを、尾静脈に注射した。2日後、クロピドグレル飼料療法を開始した。毎週、尿を収集し、重量を測定した。実験は約5週続いた。
以下の表1では、実験に使用されたマウスの概要が示される(腎臓を、各群から7匹のマウスにおいて回収した;**各群において1匹の動物は、死んでいることが分かった)。
結果
クロピドグレルは、アルブミン尿およびタンパク尿を有意に低下させる
尿のクレアチニンに対するアルブミンの比(UACR)および尿のクレアチニンに対するタンパク質の比(UPCR)の決定は、クロピドグレル療法による目立った改善を明らかにした。図3は、2つの独立した実験のUACRおよびUPCRのパーセント低下を表す。図4は、実験1のすべての個々の収集された尿の箱ひげ図およびp値を表す。
反復測定ANOVAは、UPCRおよびUACRレベルに基づいて決定されたアウトカムに対する経時的なクロピドグレル処置の有意な有益な影響を明らかにした(UPCRについてp=0.000475およびUACRについてp=0.004)。
ANOVA表(タイプIII試験) - UPCR
ANOVA表(タイプIII試験) - UACR
反復測定ANOVAはまた、2回目の独立した実験においてUPCRおよびUACRレベルに基づいて決定されたアウトカムに対する経時的なクロピドグレル処置の有益な影響を示した(図5)(UPCRについてp=0.029およびUACRについてp=0.009)。
ANOVA表(タイプIII試験) - UPCR
ANOVA表(タイプIII試験) - UACR
したがって、クロピドグレルの有益な影響は、2つの独立した実験において確認された。
両方の実験をまとめると、クロピドグレルは、すべての時点にわたって平均で49%UPCRを低下させ(反復測定ANOVA p=7.84e-05)、すべての時点にわたって平均で61%UACRを低下させた(反復測定ANOVA p=0.000162)。
ANOVA表(タイプIII試験) - UPCR
ANOVA表(タイプIII試験) - UACR
したがって、UPCRおよびUACRの決定は、クロピドグレル療法による、目立った、かつ有意な腎機能の保護を明らかにした。
全体的健康状態-重量変化:
重量減少は、腎臓病のよくある症状であり、アドリアマイシンの毒性の結果でもある。重量変化を、実験の過程で毎週評価した。本発明者らは、クロピドグレル処置マウスが、対照マウスと比較して、少ない重量減少を受けたことを観察した。
ANOVA表(タイプIII試験) - 重量
全体的に見て、クロピドグレルは、ADR関連の重量減少を48%低下させた(反復測定ANOVA p=0.007)。
組織病理学的評価
組織病理学的評価は、アドリアマイシン誘導性腎症を有する動物が、特有の糸球体病変および際立った尿細管変化も示すことを確認した(図7および図9を参照)。糸球体は、しばしば、糸球体毛細血管の、大部分は分節性(糸球体係蹄の部分のみに影響を及ぼす)であるが、時にはまた全体的な硬化性荒廃の影響を受ける。これらの病変は、動物モデルおよびヒトの両方において、ポドサイト傷害に起因する可能性があり、進行性疾患の診断に役立つ特徴である。尿細管傷害は、非処置動物に存在する。近位尿細管は、高度に拡張され、扁平化した上皮細胞によって裏打ちされ、均質なタンパク質円柱を含有する。これらの尿細管変化は、尿細管の機能障害を示し、非特異的であり、原発性尿細管間質性疾患(慢性間質性腎炎)において観察され得るが、さらに、重度の糸球体傷害とともに生じ得る。発症機構は、尿細管拡張の下流原因としての尿流の閉塞であり得るが、特に、本明細書で観察された変化を引き起こしている可能性がある高度タンパク尿に関連する場合に、糸球体傷害でもあり得る。
FSGSは、糸球体損傷によって開始されるが、ESRDの究極的原因は、尿細管の再吸収プロセスの不全である。図7および図9は、上記変化がないか、または少なくともはるかに目立たず、非常に少数の糸球体のみが分節性硬化の影響を受け(矢印によって印付けされる)、さらに、非常に小さく、際立って低下した尿細管傷害(密集して見えるタンパク質円柱上に星印によって印付けされる)を有することを実証する。
図8は、両方の群における組織病理学的損傷の定量化を表す。糸球体硬化の重症度スコアおよび尿細管拡張の重症度スコアの合計として定義される損傷スコアは、約67%の、クロピドグレル療法後の疾患の著しい改善を表す。留意すべきことに、アドリアマイシン腎症は、糸球体硬化における強い不均質性を特徴とし(Zhouら2019、Xiongら2020)、これはまた、ヒトの状態を反映する。重要なことに、クロピドグレルは、重度の疾患を完全に予防し-主要な治療ゴール-いずれのサンプルにおいても、すべての糸球体の4%を超える糸球体硬化指数に達しなかったが、一方、非処置対照群において、硬化指数は35%まで上がった(図8A、B)。PAS染色におけるタンパク質柱によって決定される尿細管拡張は、腎臓ろ過プロセスにおける不全を特定するための代替尺度であり、これもクロピドグレルによって強く改善された(図8C)。
分析された切片の形態学的詳細および視野画像のフルフィールドについて、各群からの3つの最も強く影響を受けた事例を表す図9を参照。
全体的に見て、クロピドグレルは、2.67~0.86の平均スコアから、67.9%(95%信頼区間-11.7%~-98.1%)組織病理学的損傷を低下させた(p=0.038)。
したがって、硬化性糸球体および拡張性尿細管の決定は、クロピドグレル療法による、目立った、かつ有意な組織病理学的損傷の改善を明らかにした。
まとめると、クロピドグレル処置は、FSGSについての中心的読み出しパラメータ、すなわちUACR、UPCR、および組織病理学的変化の重症度を強く改善した。
実施例3
電子顕微鏡検査は、アドリアマイシン誘導性腎症を有する動物においてFSGS病変を分類し、ポドサイトが、高パーセンテージの足突起消失、ポドサイト微絨毛変化および管状細網封入体を示すびまん性ポドサイト毒性の影響を受けることをこれらの動物が示し、一方で、上記のようにクロピドグレルで処置された動物が、著しく低下したポドサイト傷害(ポドサイトパチー)を有することを確認するために行われる。
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Claims (12)

  1. 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)に罹患している非糖尿病性対象の治療における使用のための、クロピドグレルまたはその塩もしくは溶媒和物を含む医薬製剤。
  2. クロピドグレルが、単一の活性薬剤として存在する、請求項1に記載の使用のための医薬製剤。
  3. FSGSが、原発性FSGSである、請求項1または2に記載の使用のための医薬製剤。
  4. クロピドグレル、および薬学的に許容される担体を含む、医薬品または薬物製品である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  5. 全身的に投与される、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  6. クロピドグレルが、以下に示す構造
    を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  7. 約10~400mgのクロピドグレルを含む、請求項6に記載の使用のための医薬製剤。
  8. 全身投与用、好ましくは静脈内、筋肉内、皮下、皮内、経皮、または経口投与用に製剤化されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  9. スプレー剤、散剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、または溶液剤、ローション剤、うがい液、エアロゾル化された粉末、エアロゾル化された液体製剤、顆粒剤、カプセル剤、ドロップ剤、錠剤、シロップ剤、ロゼンジ剤、または注入もしくは注射用の製剤として対象に投与される、請求項1から8のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  10. FSGSに罹患しているかまたはFSGSを発症する危険性がある対象に有効量で適用される、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  11. 単独の物質として投与されるか、または1つもしくは複数の活性物質を含むさらなる製剤と組み合わされる、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
  12. 抗ウイルス薬、抗凝固薬、免疫調節剤、ヒト供給源に由来する抗体製剤、モノクローナル抗体、集中治療薬、抗高血圧剤、スタチン、血管拡張薬、ステロイド、細胞毒性薬、利尿薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コレステロールもしくはトリグリセリド低下剤、ならびにPPARアゴニストからなる群から選択される活性薬剤と組み合わせて投与される、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用のための医薬製剤。
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