JP2023551754A - ハロゲン化ペロブスカイトを含むシンチレータ材料 - Google Patents

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Abstract

ハロゲン化ペロブスカイトを含む電離放射線の検出器用のシンチレーション材料であって、前記ペロブスカイトは以下の式の1つを有し、-(A’)2(A)n-1[MnX3n+1]、nは1から100の正の整数を含み、または-(A’)(A)p-1[MpX3p+1]、pは1から100の正の整数を含み、または-(A’)2(A)m[MmX3m+2]、mは1から100の正の整数を含み、または-(A’)2(A)q-1[MqX3q+3]、qは1から100の正の整数を含み、AおよびA’は、有機カチオンであり、Mは、Pb、Bi、Ge、またはSnから選択される金属であり、Xは、ハロゲン、またはCl、Br、およびIから選択されるハロゲンの混合物であり、前記ペロブスカイトはさらに少なくとも1つのシンチレーション活性化元素Nを含む、材料。

Description

本発明は、X線およびガンマ線等の電離放射線、および電離粒子の検出器に取り付けることができるシンチレータの分野に関する。
電離放射線(陽子、中性子、電子、ミュー粒子、アルファ粒子、イオン、X線、またはガンマ放射線等の電離粒子を含む)は、通常、入射放射線を光に変換する単結晶シンチレータを使用して検出され、それから、光電子増倍管等の光検出器を使用して電気信号に変換される。シンチレータ材料の選択における重要なパラメータは、吸収される電離放射線の単位エネルギあたりの光子数に対応するシンチレーション効率である。効率を測定するために使用される最も一般的な単位は、入射エネルギMeVあたりに放出される光子の数である。
アモルファス材料は、シンチレーションメカニズムでのエネルギ移動に関与する電子、正孔、および励起子等の散乱中に電荷キャリアをトラップする原因となる構造中の欠陥を有している。通常使用される無機シンチレータは、この理由から結晶であり、非常に多くの場合、単結晶である。電離放射線を効果的に検出するために、高エネルギ粒子とシンチレータ材料との間の衝突確率を高めるために、それらは比較的大きなサイズ、すなわち1cmを超える体積であることが好ましい。
使用されるシンチレータは、特に、タリウムでドープされたヨウ化ナトリウム、タリウムまたはナトリウムでドープされたヨウ化セシウム、セリウムまたはプラセオジムでドープされたハロゲン化ランタンの単結晶であってもよい。ハロゲン化ランタンに基づく結晶は、特に米国特許第7,067,815号明細書、米国特許第7,067,816号明細書、米国特許出願公開第2005/188914号明細書、米国特許出願公開第2006/104880号明細書、米国特許出願公開第2007/241284号明細書の下で公開された研究の主題であった。
最近では、科学出版物「(C(CH()()NH)()PbBrの結晶のシンチレーション特性」、IEEE、New York (2009)で、ハロゲン化鉛をベースとして、ペロブスカイト構造を有する有機―無機シンチレータが提案されている。662keVのガンマエネルギ下で測定されたシンチレーション、およびルミネセンス特性が、寸法5×6×1mmの単結晶で研究された。シンチレーション光の効率は、低温条件下(液体窒素)で10,000光子/MeVのオーダーの値で測定された。
検出器として、ハロゲン化鉛ペロブスカイトは、その高い阻止能、フォールトトレランス、高い移動度、および短寿命、およびその調整可能な帯域幅のために、電離放射線の検出に関心を示している。さらに、従来の安価な溶液法による単結晶の簡単な成長によってそれらを得ることが可能である。
出版物「電離放射線検出用のハロゲン化鉛ペロブスカイト」、Nature Communications、10、12(2019)では、これらのペロブスカイト単結晶の潜在的な光収率は、これらの材料の比較的小さなバンドギャップ幅(2eV未満であり得る)のため、120,000と270,000光子/Mevの間と推定され得る。
より一般的には、ハロゲン系ペロブスカイトにはさまざまな種類があり得、そのため、3次元(または3D)ペロブスカイト、2次元(または2D)ペロブスカイト、および中間次元(2D/3D)ペロブスカイトに区別される。
一般式ABXの古典的な三次元構造では、ハロゲンアニオンが頂点で連結された八面体を形成して三次元構造を形成し、鉛等の元素のカチオンBが八面体の中央に存在し、大きいカチオンA、典型的には有機カチオンが八面体の間に存在する。
3Dペロブスカイト構造を有するそのような材料は、例えば、一般式MAPbX、MAがメチルアンモニウムであり、Pbが鉛であり、XがI、BrまたはCl等のハロゲンである化合物である。
あるいは、材料は、今回は2Dまたは2次元として知られている相同な(関連する)結晶構造を有することができ、つまり、結晶構造は、頂点によって連結されたペロブスカイト型の八面体のn層の交互化によって特徴付けられ、および八面体を分離する平面を形成する有機カチオンAの層によって分離されている。より正確には、n=1の場合は2D構造と呼び、n>1の場合は相同または関連する2D構造と呼ぶ。本発明は、そのような2D構造または相同構造に関する。
これらの2つの可能な配置の概略図は、出版物「Ruddlesden-Popper ハイブリッド ヨウ化鉛ペロブスカイト 2D相同半導体」Chem Mater、2016、または出版物「ハロゲン化鉛ペロブスカイト結晶におけるX線シンチレーション」Scientific Reports、6、10(2016)に特に記載されている。この最新の出版物では、MAPbIおよびMAPbBr(MAはメチルアンモニウム)の3次元(3D)結晶、およびペロブスカイト(EDBE)PbCl(EDBEは2,2’-エチレンジオキシ)ビス(エチルアンモニウム)のX線シンチレータの特徴も説明している。この最新の出版物では、2D材料の励起子の結合エネルギが大きいため、3Dペロブスカイトと比較して熱効果が大幅に減少し、かつ室温でも9,000光子/MeVの限られた光収率しか得られないことが報告されている。
本発明の目的は、新規のシンチレータ材料を提供することであり、特にX線、ガンマ線、および中性子等の電離放射線の検出分野で有用で、合成が簡単で安価な、いわゆる2Dまたは相同構造の新規のシンチレータ材料を提供することである。
より具体的には、本発明は、ハロゲン化ペロブスカイトを含み、好ましくはハロゲン化ペロブスカイトからなる、電離放射線の検出器用のシンチレータ材料に関し、前記ペロブスカイトは、以下の式の1つに対応し、
-(A’)(A)n-1[M3n+1]、ここで、nは1から100までの範囲の正の整数であり、好ましくは1から10までの範囲の正の整数を含み、および特に好ましくは1から4までの範囲の正の整数を含み、または
-(A’)(A)p-1[M3p+1]、ここでpは1から100までの正の整数であり、好ましくは1から10までの範囲の正の整数を含み、および特に好ましくは1から4までの範囲の正の整数を含み、または
-(A’)(A)[M3m+2]、ここでmは1から100までの正の整数であり、好ましくは1から10までの範囲の正の整数を含み、および特に好ましくは1から4までの範囲の正の整数を含み、または
-(A’)(A)q-1[M3q+3]、ここでqは1から100までの正の整数であり、好ましくは1から10までの範囲の正の整数を含み、および特に好ましくは1から4までの範囲の正の整数を含み、
ここで、AおよびA’は、有機カチオンであり、Mは、好ましくはPb、Bi、Ge、およびSnから選択される金属であり、Xは、ハロゲン、またはCl、Br、およびIから選択されるハロゲンの混合物であり、前記ペロブスカイトはさらに少なくとも1つのシンチレーション活性化元素N(Mとは異なる)を含む。
本発明の好ましい実施形態によれば、明らかに必要に応じて互いに組み合わせることができ、
―前記ハロゲン化ペロブスカイトは、式(A’)(A)n-1[M3n+1]に対応し、nはさらに好ましくは1または2、または1に等しい。
-前記ハロゲン化ペロブスカイトは、式(A’)(A)P-1[M3p+1](いわゆるDion-Jacobsonペロブスカイト)に対応し、A’は、好ましくは3-(アミノメチル)ピペリジニウム(または3AMP)または4-(アミノメチル)ピペリジニウム(または4AMP)であり、およびAは好ましくはメチルアンモニウム(MA)であり、pはさらに好ましくは1または2に等しく、またはさらに1に等しい。
-前記ハロゲン化ペロブスカイトは、式(A’)(A)q-1[M3q+3]に対応し、qは、さらに好ましくは1または2に等しく、またはさらに1に等しい。
-前記ハロゲン化ペロブスカイトは、式(A’)(A)[M3m+2]に対応し、mは、さらに好ましくは1または2に等しく、またはさらに1に等しい。
-前記活性化元素Nは、Sb、Bi、Pb、In、および希土類元素から選択される。
-前記活性化元素Nは、Bi、Eu、Sm、Tb、およびYbから選択される。
-前記活性化元素Nは、シンチレータにおいて蛍光特性を示す有機分子、特に1,4-ビス-(5-フェニルオキサゾリル-2)ベンゼン(POPOP)から選択される。
-前記材料は、リチウム6またはホウ素10が濃縮された同位体から選択される中性子吸収体をさらに含む。
-前記ペロブスカイトは、式(A’)(A)n-1[M3n+1]を有し、nは1から100までの正の整数であり、好ましくは1から10までの範囲の正の整数を含み、および特に好ましくは1から4までの範囲の正の整数を含む。
-前記ペロブスカイトは、式A[MX]を有し、ここでMは、好ましくはPb、Ge、またはSnから選択される。
-活性化元素の割合は、原子ベースで、1.0×10-4<N/M<0.1、好ましくは1.0×10-3<N/M<0.05、およびより好ましくは1.0×10-2<N/M<1.0×10-1となるような割合である。
-有機カチオンAおよび/またはA’は、アルキルアンモニウムR-NH、特にメチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、ブチルアンモニウム、フェニルアンモニウム、フェニルエチルアンモニウム、5-アミノ吉草酸、ベンジルアンモニウム、3-(アミノメチル)ピペリジニウム、または4-(アミノメチル)ピペリジニウムから選択される。
-M元素はPbを含み、およびより好ましくはPbである。
-シンチレーション活性化元素はBiを含み、およびより好ましくはBiである。
-M元素はBiを含み、およびより好ましくはBiであり、およびシンチレーション活性化元素はPbを含み、およびより好ましくはPbである。
-X元素はClを含み、およびより好ましくはClである。
-X元素はCl、Br、およびIから選択される少なくとも2つのハロゲンの混合物である。
-材料は、2つの活性化元素を含む、そのうちの1つは価数+Iで、他の1つは価数+IIIであり、特にK、Na、Li、Cs、Rb、Ag、Au、またはCuから選択される元素と、Bi、In、Sb、および希土類から選択される元素、特にEu、Sm、Tb、およびYbから選択される元素と、を含む。
-前記材料は単結晶である。
本発明は、前述の材料を含む電離放射線のシンチレータ検出器にも関する。
シンチレータ検出器は、特に、300nmから800nmの範囲の波長に感応する光検出器を含む。
本発明によるシンチレータ材料は多結晶であってもよいが、好ましくは単結晶である。
本発明に係る単結晶は、例えば上で引用した刊行物、またはさらに刊行物「ハイブリッド金属ハロゲン化物ペロブスカイトの変調」、Adv Mater.2018;30(51)に記載されるように、STL(slow temperature lowering)の名称で当業者によく知られている単結晶成長プロセスによって、非常に簡単かつ安価に得ることができる。この方法は、水溶液中の材料の前駆体(典型的には元素Aのハロゲン化物)の溶液の溶解特性に基づいている。結晶の成長は冷却によって得られ、前駆体の溶解度は温度とともに低下する。
本発明によれば、他の結晶成長方法も当然可能であり、例えば、通常使用される英語の用語によれば「Anti-Solvent Vapor assisted method(逆溶媒蒸気支援法)」または「Inverse Temperature Crystallization(逆温度結晶化)」として知られている技術等が挙げられる。
本発明およびその利点は、本発明および比較による以下の実施例を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
実施例1(発明)
この実施例では、2次元(または2D)のハロゲン系ペロブスカイトが合成された。より具体的には、ビスマスをさらに含むBAPbCl(BA=ベンジルアンモニウム)型は、次の手順に従って合成された。
結晶は、恒温オイルバスに浸漬したフラスコ内で成長させた。最初の化学試薬は、Alfa Aesarの99.999%のPbCl、TCIの塩化ベンジルアンモニウム(BACI)(>98%)、およびAlfa Aesarの99.999%のBilである。
化合物は、10mlの0.1MPbClの前駆体溶液を調製するよう秤量された。BACI:PbClの比率は2:1であった。前駆体を10mlの37%塩酸(HCl)に溶解した。次に、3mol%のBilを添加した。溶液が100%オイルに浸漬され、かつ50℃で一晩攪拌されるように、熱プレートで加熱されたシリコンオイルバスに5mlの溶液を入れたフラスコを置いた(図1)。その後、温度を100℃まで上げる。30分間の安定時間の後、温度を非常にゆっくり下げる(5℃/30分)。5℃(10分)の低下ごとに、20分の安定化時間を設ける。このようにして、室温に達するまで温度を下げる。次いで、結晶をホットプレート上で50℃で紙で乾燥させる。得られた結晶は、長さ1.5mm、厚さ0.2から0.3mmの板の形態である。
実施例2(比較)
この実施例では、手順は本発明に係る実施例1と同様であるが、ビスマス元素は結晶の組成に導入されなかった。
実施例3(比較)
この実施例では、3次元(または3D)のハロゲン系ペロブスカイトが合成された。より具体的には、MAPbCl(MA=メチルアンモニウム)型は、次の手順に従って合成された。
使用される試薬は、Alfa Aesar社の99.999%のPbClと、これもAlfa Aesarの99.999%のMACl(塩化メチルアンモニウム)である。1M濃度のPbClの1mLの前駆体の溶液を調製する。使用される溶媒は、DMFとジメチルスルホキシド(DMSO)の比率が1:1である。マイクロピペットを使用して、各試薬の0.5mLを溶媒の入ったボトルに加える。ボトルをホットプレートで加熱したシリコンオイルバスに置き、溶液を100%オイルに浸し、かつ50℃で一晩攪拌する。溶液を0.45μmのフィルターでろ過し、液体/気体界面がオイル面に対応するように栓付きボトルをオイルバスに置く。温度を70℃に上げて結晶化させる。1時間後、溶液の底に多数の透明な結晶が現れた。溶液中に3つの結晶が残り、および残りは除去される。6時間後、3つの結晶は、長さ約2mm、厚さ1mmのサイズに達した。
分析および結果:
実施例1から3により得られた結晶を以下の技術により分析する。
A.UV分光法
結晶を14Kに冷却した真空チャンバに置き、かつ365nmの放射線を放出するLEDデバイスによるUV励起に供した。発光スペクトルは、14Kおよび室温で記録された。発光ピークの最大値の位置、および観察された発光色を以下の表1に示す。
B.X励起下での放射性発光
前述のように、シンチレーションとは、化合物が入射励起(X線等)によって励起され、かつ可視範囲の光子としてエネルギを放出する能力である。実際、中心電子は最初に高エネルギ光子(keVまたはGeVのオーダー)に反応して励起状態に入り、いくつかのステップの後、いくつかの電子が価電子帯で脱励起されて、いくつかの可視光子を放出することができる。上記の実施例1から3による結晶のシンチレーションを確認するために、X線発生器を使用してそれらを照射した。電圧と電流は、各実験で40keVで、25mAに設定された。サンプルは、真空下、14Kの温度および室温でクライオスタットに配置される。
放射性発光スペクトルは、クライオスタットに配置された光検出器を使用して記録され、かつシンチレーションピーク(光ピーク)の存在が観察される。
14Kおよび室温で得られた結果を以下の表1に示す。
C.パルス高スペクトル
ガンマ線下での結晶のシンチレーション性能を測定するために、パルス高分析器が使用された。このような機器は、粒子およびイベント検出器からの異なる高さの電子パルスを記録し、パルス高さをデジタル化し、かつ各高さのパルス数をレジスタまたはチャネルに記録することで、「インパルス 高さ スペクトル」を記録する。
シンチレーション強度は、662keVで137Csガンマ線源を使用して、グローブボックス内で室温で記録された。1600Vの電圧で、250Kに冷却された、ウィンドウなしのPhotonix APD アバランシェフォトダイオード(モデル 630-70-72-510)が光検出器として使用された。出力信号は、ORTEC 672分光増幅器で6μsのシェーピング時間条件で増幅された。集光を最大化するために、フォトダイオードと結合するための劈開面を除き、サンプルをテフロンパウダーで覆い、かつ圧縮された(J.T.M.de HaasおよびP.Dorenbos、IEEE Trans.Nucl.Sci.55,1086(2008)に記載されている手法による)。高エネルギ源にさらされ、結晶は、光子の波長に関係なく、光電子増倍管によって検出される光子を生成する。使用される検出器は、UVからIRまで感度が高く、かつ各光子をカウントできる。このようにして、シンチレーションのヒストグラムが得られ、横軸は、光学デバイスによって検出された放出光の量に比例する横軸の値を有し(137Csで、270Kの温度にあるAdvanced Photonix APD 630-70-72-510検出器で測定される)、縦軸はシンチレータとのガンマ光子相互作用イベントの数を有する。この実験によると、多数のチャネルでシンチレーションのピークが観測されるほど、1パルスあたりに放出される光子の数が多くなる。
さらに、このようなフォトピークの存在により、特に、観測されたシンチレーション効果が、異なる同位体のエネルギを識別することを可能にする十分なエネルギ分解能と関連づけられ得るかどうかを判断することが可能になる。
実施例1から3の結晶に対して実施された分析AからCについて得られた全ての結果は、以下の表1にまとめられている。
発明に係る実施例1による結晶の改善されたシンチレーション特性は、表1に示されているデータで見ることができる。これより、X励起下またはy励起下でのシンチレーションを表すデータは、比較材料に関して著しく改善されているように見える。

Claims (18)

  1. ハロゲン化ペロブスカイトを含む電離放射線の検出器用のシンチレーション材料であって、前記ペロブスカイトは以下の式の1つを有し、
    -(A’)(A)n-1[M3n+1]、nは1から100の正の整数を含み、または
    -(A’)(A)p-1[M3p+1]、pは1から100の正の整数を含み、または
    -(A’)(A)[M3m+2]、mは1から100の正の整数を含み、または
    -(A’)(A)q-1[M3q+3]、qは1から100の正の整数を含み、
    AおよびA’は、有機カチオンであり、Mは、Pb、Bi、Ge、またはSnから選択される金属であり、Xは、ハロゲン、またはCl、Br、およびIから選択されるハロゲンの混合物であり、前記ペロブスカイトはさらに少なくとも1つのシンチレーション活性化元素Nを含む、材料。
  2. 前記活性化元素Nは、Sb、Bi、Pb、In、および希土類元素から選択される、請求項1に記載の材料。
  3. 前記活性化元素Nは、Bi、Eu、Sm、Tb、およびYbから選択される、請求項2に記載の材料。
  4. 前記活性化元素Nは、シンチレータにおいて蛍光特性を示す有機分子、特に1,4-ビス-(5-フェニルオキサゾリル-2)ベンゼン(POPOP)から選択される、請求項1に記載の材料。
  5. 前記材料は、リチウム6またはホウ素10が濃縮された同位体から選択される中性子吸収体をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の材料。
  6. 前記ペロブスカイトは、式A[MX]を有し、Mは、好ましくはPb、Ge、またはSnから選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の材料。
  7. 前記活性化元素の割合は、原子ベースで、1.0×10-4<N/M<0.1のオーダーである、請求項1から6のいずれか一項に記載の材料。
  8. 前記有機カチオンAおよび/またはA’は、アルキルアンモニウムR-NH、特にメチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、ブチルアンモニウム、フェニルアンモニウム、フェニルエチルアンモニウム、5-アミノ吉草酸、ベンジルアンモニウム、3-(アミノメチル)ピペリジニウム、または4-(アミノメチル)ピペリジニウムから選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の材料。
  9. 前記元素MはPbを含み、好ましくはPbである、請求項1から8のいずれか一項に記載の材料。
  10. 前記シンチレーション活性化元素はBiを含み、好ましくはBiである、請求項1から9のいずれか一項に記載の材料。
  11. 前記元素MはBiを含み、好ましくはBiであり、前記シンチレーション活性化元素はPbを含み、好ましくはPbである、請求項1から10のいずれか一項に記載の材料。
  12. 前記元素XはClを含み、好ましくはClである、請求項1から11のいずれか一項に記載の材料。
  13. 前記元素XはCl、Br、およびIから選択される少なくとも2つのハロゲンの混合物である、請求項1から12のいずれか一項に記載の材料。
  14. 2つの活性化元素を含み、そのうちの1つは価数+Iで、他の1つは価数+IIIを有し、特にK、Na、Li、Cs、Rb、Ag、Au、またはCuから選択される元素と、Bi、In、Sb、および希土類から選択される元素、特にEu、Sm、Tb、およびYbから選択される元素と、を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の材料。
  15. 単結晶であることを特徴とする。請求項1から14のいずれか一項に記載の材料。
  16. 電離放射線の検出器用に請求項1から15のいずれか一項に記載の材料の使用。
  17. 請求項1から15のいずれか一項に記載の材料を含む電離放射線のシンチレータ検出器。
  18. 300nmから800nmの範囲の波長に感応する光検出器を含むことを特徴とする、請求項17に記載のシンチレータ検出器。
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