JP2023551567A - ガドテリドールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I)のガドテリドールの製造方法に関する。特に、本製造方法は、式(II)の化合物のアルキル化ステップにおけるプロピレンオキシドの使用を含んでなり、ここでプロピレンオキシドは、単離することなく式(II)の化合物と直接反応させ、プロピレンオキシドは、触媒としてアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下でプロピレンカーボネートの分解によってオンデマンドで得られる。TIFF2023551567000016.tif54154

Description

本発明は、ガドテリドールの製造方法に関する。
本発明は、磁気共鳴画像法(MRI)造影剤の分野におけるものであり、特に、ガドテリドール(プロハンス(Prohance)の有効成分(API)であるマクロ環構造のガドリニウムキレート)(M. Bottrill, L. Kwok, N. J. Long, Chem. Soc. Rev. 2006, 35, 557-571)を製造するための新たな合成法に関する。
ガドテリドールは、臨床用に開発された最初の非イオン性のマクロ環構造のガドリニウムキレートであり、約30年間にわたり市販されている(V. M. Runge, T. Ai, D. Hao, X. Hu, Invest. Radiol. 2011, 46, 807-816)。
ガドテリドールの製造法は、EP0988294に開示されている。開示された製法は、以下のスキーム1に要約される。
Figure 2023551567000002
スキーム1に示すように、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンを酸の存在下、オルトギ酸トリエチルと反応させ、5H,9bH-2a,4a,7,9a-オクタヒドロ-テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレンを得(ステップa);
得られた5H,9bH-2a,4a,7,9a-オクタヒドロ-テトラアザシクロオクタ[cd]ペンタレンをブロモ酢酸およびNaOHと反応させ、10-ホルミル-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩を得(ステップb)、これを単離することなく、ステップc)で加水分解し、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(DO3A)を得;
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(DO3A)をステップd)にてプロピレンオキシドでアルキル化し、10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸をナトリウム塩(HPDO3A)として得、これをステップe)にて塩化ガドリニウムと錯体形成させ、単離することなくガドテリドールを得、次いでこれを精製および結晶化させて最終の原薬を得る。
アルキル化のステップd)は市販のプロピレンオキシド(PO)を用いて行われるが、これは沸点が低く(34℃)、可燃性の高い液体であり、現行のGHS規則(H350およびH340)によれば有毒試薬に分類されている。物質安全データシート(MSDS)に明記されている通り(例えばメルク社のMSDSを参照;D. Kahlich, U. Wiechern, J. Lindner, "Propylene oxide" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Viley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, 2005)、プロピレンオキシドは、癌、遺伝子異常、皮膚および眼に対する刺激、呼吸器に対する刺激を引き起こす可能性がある。
これらの理由から、プロピレンオキシドは細心の注意を払って取り扱い、保管しなければならない。これらの問題を克服するため、この化合物に代わる毒性の低い代替物の可能性を評価するために、詳細な調査が行われた。
プロピレンカーボネート(PC)をPOに変換することを含んでなる、ガドテリドールの製造法において、PCをPOの前駆体として使用することができ、そのPCを単離・回収することなく、直ちに次のアルキル化ステップで使用することで、既知の工業的製造法で得られるガドテリドールの高収率と不純物プロファイルを維持できることを見出した。
PCは毒物学的に安全な試薬であり、ガドテリドールの製造法において使用することにより、POのような有毒な反応物の輸送、貯蔵、取り扱いに関する問題を回避することができる。
環状構造のカーボネートを使用して様々な官能化アルコールやエポキシドを調製することが多くの文献に記載されている。特に、米国特許4371704号には、触媒として異なるアルカリ金属ハロゲン化物を用いて環状構造のカーボネートを加熱することによる、置換エチレンカーボネートから置換エポキシドへの変換が開示されている。特に、米国特許4371704には、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムから選択される触媒の存在下でPCを加熱することによるPCからPOへの変換が開示されている。この文献によれば、LiIを触媒として使用した場合、POは非常に低い選択性と収率で製造される。代わりにKIを使用すると、良好な選択率と収率が得られるが、4.8時間という比較的長い時間がかかる。従って、プロピレンカーボネートからプロピレンオキシドを製造するためのヨウ化物として、LiIは選択性が低いと結論している。
要旨
本発明は、アルカリ金属ハロゲン化物を触媒とするプロピレンカーボネートの熱分解により、必要に応じプロピレンオキシドを生成させる、ガドテリドールの合成に関する(スキーム2)。
Figure 2023551567000003
生成したプロピレンオキシドは保存することなく、すぐにガドテリドールの合成に使用される。この手法は「オンサイト」または「オンデマンド」と呼ばれる。
こうすることで、プロピレンオキシドの輸送、貯蔵、取り扱いに関連するすべての問題や課題が回避される。
一方、プロピレンカーボネートは、高い沸点(240℃)、低い蒸気圧、生分解性及び低毒性である(J. Bayardon, J. Holz, B. Schaffner, V. Andrushko, S. Verevkin, A. Preetz, A. Borner, Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 5971-5974; J. Am. College Toxicol. 1987, 6, 23-51)ことから、安全で環境に優しい化合物とされており、大きな利点がある。さらに、プロピレンカーボネートは、工業的規模で比較的安価に入手でき、大量に安全に貯蔵できるため、溶剤として主に使用されている(B. Schaffner, F. Schaffner, S. P. Verevkin, A. Borner, Chem. Rev. 2010, 110, 4554-4581)。
図1は、POを生成させて、それをアルキル化ステップi)で直接使用するための、本発明の製造方法で使用可能な装置の概略図である。 図2は、POが生成されるフラスコにPCを連続的または部分的に補充する代替装置の概略図である。
本発明の記載
本発明の目的は、式(I):
Figure 2023551567000004
で示されるガドテリドールを製造方法であって、以下のステップ:
i)次式:
Figure 2023551567000005
で示されるプロピレンオキシドを、式(II):
Figure 2023551567000006
[ここで、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、好ましくはアルカリ金属、最も好ましくはNaであり、nは1または2である]
で示される化合物と反応させて、式(III):
Figure 2023551567000007
[式中、Mおよびnは上記で定義した通りである]
で示される化合物を得;
ii)得られた式(III)の化合物をGd3+金属イオンと錯体化して、式(I)のガドテリドールを得ること
を含んでなり、
プロピレンオキシドが、触媒として金属ハロゲン化物の存在下、次式:
Figure 2023551567000008
で示されるプロピレンカーボネートの分解によって調製され、単離することなく式(II)の化合物と直接反応させることを特徴とする方法
である。
より具体的には、プロピレンカーボネートの分解は、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物である触媒の存在下でプロピレンカーボネートを加熱することによって行われる。
POは、PCの分解によって得られるとすぐに、単離・回収することなく、式(II)の化合物と即座に反応させる。
POは、上記のスキーム2に示す熱分解反応に従ってPCを加熱することにより得られる。PCは反応温度で液体である。分解生成物、すなわちPOは低沸点の生成物で反応温度では気体であり、単離および/または回収することなく、分解反応によって生成するとすぐに式(II)の化合物の溶液に直接送達しバブリングすることができる。
気体のプロピレンオキシドに加え、PCの分解によって発生した二酸化炭素はPOとともに式(II)の化合物の溶液に移る。
好ましくは、プロピレンオキシドの調製において触媒として使用されるアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物は、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムまたはカルシウムの、ヨウ化物、臭化物、塩化物またはフッ化物から選択される。より好ましくは、該金属ハロゲン化物は、ナトリウム、カリウムまたはリチウムの、臭化物またはヨウ化物から選択され、ヨウ化物が最も好ましい。
特に好ましい触媒はヨウ化ナトリウムおよびヨウ化リチウムであり、最も好ましいのはヨウ化ナトリウムである。
プロピレンカーボネートの分解に使用される触媒の量は、プロピレンカーボネートの量に対して0.1%w/w~100%w/w、より好ましくは0.1%w/w~5.0%w/w、最も好ましくは0.1%w/w~2.0%w/w、例えば0.5%w/wの範囲であり得る。
PCの分解は、好ましくは160℃~250℃、最も好ましくは180℃~220℃、例えば200℃の範囲の温度で加熱することによって行われる。
アルキル化ステップi)では、式(II)の化合物は好ましくは水に溶解する。
アルキル化は、EP0988294および引用文献に開示されている条件に従って行われる。特に、アルキル化反応は、好都合には20℃~50℃の範囲の温度で行われる。アルキル化の間、pHは、KOHまたはNaOH、より好ましくはNaOHのような塩基の添加により、塩基性の値、好ましくは11.0以上に維持される。
錯体形成ステップii)は、例えば、ステップi)で得られた溶液に、適切なGd(III)誘導体、特にGdのような酸化物、または好ましくはGdClのようなガドリニウム塩を化学量論的に添加することにより、公知の手順に従って実施される。一実施形態では、ステップii)の錯体形成反応は、ステップi)で得られたリガンドの溶液に、水中のガドリニウム塩、例えばGdClを添加し、pHを6.5~7.5の範囲に調整することによって行われる。この溶液を25℃~60℃の範囲の温度に、錯体形成が完了するまで0.5時間~1.5時間の範囲の時間維持する。
錯体形成ステップii)の前に、ステップi)で得られた溶液に酸、好ましくはHClを加えてNaCOを中和し、COとして除去することができる。
一実施形態では、ステップi)で得られたHPDO3Aの溶液を約25℃の温度で冷却し、HClを最終pH約4.5まで添加し、COの生成とバブリングを生じさせる。次いで、ガドリニウム塩を加え、既知の手順(例えばEP0988294を参照)に従って錯体形成を行う。
代替的な一実施形態では、ステップi)で得られたHPDO3Aの溶液にガドリニウム塩を加え、次にHClを加えてNaCOを中和することによってpHを4.0~5.0に調整し、既知の手順(例えば、上記引用文献を参照)に従って錯体形成を行う。
ガドリニウム塩とHClの添加順序の変更からなるこの代替的な実施態様によって、NaCOの中和を可能にする所望のpH条件を達成するのに必要なHClの量は有利に減少する。
式(II)の化合物は、上記のスキーム1に要約されているように、または1,4,7,10-テトラアザシクロドデカンから出発するガドテリドールの調製を記載したEP0988294に報告されているように中間生成物を単離することなく得ることができる。
好ましい実施形態では、ステップi)のアルキル化反応は、前の調製ステップで得た式(II)の化合物を単離することなく用いて行われる。
プロピレンオキシドは、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下でプロピレンカーボネートを加熱することにより、第1の反応器(分解反応器(小規模の場合は通常フラスコ)で調製され、形成したプロピレンオキシドは、化合物(II)を含む別の反応器(アルキル化反応器、通常はジャケット付き反応器)に直接供給される。
分解反応器に必要量のプロピレンカーボネートを加え、アルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下で加熱する。
プロピレンカーボネートからプロピレンオキシドへの変換は、バッチモードで(例えば、分解反応器中でプロピレンカーボネートを一度に添加することにより)、またはセミバッチまたは連続モードで、すなわちプロピレンカーボネートを、分解反応器中で連続的にまたは何回かに分けて供給することができる。
図1または図2は、プロピレンオキシドの調製および本発明のアルキル化ステップ(i)に使用できる2つの異なる例示的な装置を示している。
図1および図2において、(1)は窒素ボンベ、(2)はフラスコ、(3)は加熱装置、(4)および(5)はバルブ、(6)はNaOH用の容器、(7)はポンプ装置(例えばDosimatなど)、(8)はpHメーター、(9)はメカニカルスターラー、(10)は温度計、(11)はNaOH用ドリッパー、(12)はpHメータープローブ、(13)は多孔質ガラスチップ、(14)はジャケット付きリアクター、(15)は50%硫酸を満たしたトラップ、(16)は30%水酸化ナトリウムを満たしたトラップ、(17)は加熱/冷却流体の入口、(18)は加熱/冷却流体の出口、(19)は通気口、(20)は滴下漏斗である。
図1および図2に示した装置は一般に実験室規模で示したものであるが、当業者であれば容易に工業規模にスケールアップできる。
図1の装置を用いて、必要量のプロピレンカーボネートと触媒をすべてフラスコ(2)に装入する。160℃~250℃の温度まで昇温し、温度、触媒量、触媒の種類に応じて0.5時間~2時間保持する。例えば、200℃で作業する場合、プロピレンカーボネートの完全な分解を得るには1時間で十分であり、触媒としてNaIまたはLiIを使用する場合はさらに短く、例えば約0.5時間で十分である。この間、生成したプロピレンオキシドおよびCOは、窒素流によって輸送され、末端に多孔質ガラスチップ(13)を接続したパイプを通して、ジャケット付き反応器(14)に直接バブリングされる(これにより、容易に溶解する小さなガスバブルを得ることができ、反応混合物中のプロピレンオキシドおよびCOの完全な可溶化が保証される)。このようにして、反応器(14)において、アルキル化反応のpHを塩基性の値に維持するために、例えばDosimat装置などの供給装置を用いて30%NaOHを連続的に添加しながら、プロピレンオキシドを式(II)の化合物と反応させて式(III)の化合物を得ることができる。
あるいは、図2の装置を使用することもできる。フラスコ(2)に、ある量のプロピレンカーボネート(例えば全体の約1/3の量)と、PCの初発量(重量)に対して決定された適量の触媒を装入する。160℃~250℃、例えば200℃に昇温し、使用する装置、温度、触媒量に応じて、0.5~9時間、好ましくは0.5~3時間保持し、プロピレンカーボネートを分解する。生成したプロピレンオキシドとCOは、窒素流によって搬送され、末端に多孔質ガラスチップ(13)を接続したパイプを通じて、ジャケット付き反応器(14)に直接バブリングされる。反応中、追加のプロピレンカーボネートが滴下漏斗を通してフラスコ2に連続的に添加され、変換された量のPCを補充してフラスコ(2)内のレベルを一定に保つ。興味深いことに、触媒はそれ以上添加されない。
このようにして、上記のように、例えばDosimat装置を用いて30%のNaOHを連続的に添加して反応のpHを塩基性値で一定に保ちながら、反応器(14)に到達したプロピレンオキシドの流れを式(II)の化合物と即座に反応させて式(III)の中間体を生成することができる。
提案された方法、例えば図2に概略的に示された装置を使用するセミバッチまたは連続モードを使用する利点は、使用する触媒の量を減らせることであり、触媒量は実際には反応器に最初に装填されたPCの量によってのみ計算され、プロピレンカーボネートの再充填中にさらに添加する必要がない。実際、PCを連続的にシステムに供給することで、加熱しやすい小型の分解反応器を使用でき、変換反応に必要な高温を達成するのに必要なエネルギー消費量を削減できる。
本製法では、POのような有毒で可燃性の物質の貯蔵を回避できるだけでなく、分解によって生成したPOがアルキル化反応で直ちに反応するため、製造プラントへの蓄積も回避することができる。
実験パート
手順
初発溶液における1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-三酢酸ナトリウム塩(化合物(II)、DO3A)の濃度を錯滴定により測定し、10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸)ナトリウム塩(化合物(III)、HPDO3A)へのアルキル化をHPLC分析によりモニターした。
10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸)ナトリウム塩(化合物(III))及びガドテリドール溶液の不純物プロファイルはHPLC分析により評価した。
触媒のスクリーニング
PC分解触媒のスクリーニングは、分解温度を200℃、PC量を2.0当量(DO3A量に対する計算値)に固定し、触媒の種類と量(出発PCに対する%(w/w)として決定)を変化させて行った。その後、アルキル化反応を同じ操作条件で(例えば同じpHと温度で)5時間行った。PCの分解で発生したCOを中和するためにNaOHを使用した。
詳細について、NaIを転化触媒として使用した以下の代表的な実施例に記載する。
実施例1
NaIの存在下でプロピレンカーボネートをプロピレンオキシドに変換し、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(DO3Aナトリウム塩、化合物(II))を直接アルキル化することによる、10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(化合物(III))の調製
反応は図1の装置を用いて行った。
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(400g;0.24mmol/g)の溶液を1L容の反応器(リアクター14)に装入し、37%塩酸(24.4g)を用いて25℃にてpHを11.5~12.5の間に調整した。温度を40~45℃に上げ、プロピレンオキシドおよびCO添加の間維持した。
プロピレンカーボネート(19.1g)とNaI(0.096g)を50mL容のフラスコ(2)に装入した。温度を200℃まで上昇させてPCの分解を促進し、POとCOを発生させ、末端に多孔質ガラスチップを接続しパイプを通してリアクター14に直接バブリングした。
フラスコの温度は、PCの完全な分解を達成するのに十分な200℃で1時間維持した。
POおよびCOバブリングの間、リアクター14内のpHは、30%NaOH(49.9g)を自動的に投与して上記の値に維持した。
アルキル化反応は40~45℃にて計5時間維持し、HPLC分析で反応終了を確認した。その後、アルキル化媒体の温度を25℃まで下げた。
アルカリ金属ヨウ化物(PC分解触媒として使用)およびその量を変更し、分解温度およびPC:化合物(II)比は先の試験で用いたものを維持したまま、試験を繰り返した。得られた結果を表1にまとめた。
Figure 2023551567000009

上の表のPCの変換率(初発のPCに対するw/w)は、反応器の重量を測定することにより求めた。
得られた結果から、意外にも、選択したヨウ化物触媒、特にNaIとLiIを使用することで、PCからPOへの完全な変換を達成するのに必要な触媒の量と時間を大幅に削減できることがわかった。
実施例2
PCのPOへの変換、および1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(DO3Aナトリウム塩、化合物(II))のアルキル化による、10-(2-ヒドロキシプロピル)-(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(HPDO3A、化合物(III))の調製
反応は、図2の装置を用いて行った。
1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩の溶液(7.519kg;0.266mol/kg、2.00molに相当)を8L容の反応器(リアクター14)に装入し、37%塩酸(497g)を用いて25℃にてpHを11.5~12.5の間に調整した。温度を40~45℃に上げ、POおよびCO添加の間維持した。
最初にPC(100g)とNaI(1.0g)を100mLフラスコに装入した(2)。温度を200℃に上昇させ、PCの分解によりPOとCOを生成させ、末端に多孔質ガラスチップを接続したPVCパイプを通じてリアクター14に直接バブリングした(これにより、反応混合物中のPOとCOの完全な可溶化を保証する小さなガスバブルを得ることができる)。
フラスコの温度を200℃に9時間維持し、この間、滴下漏斗(20)を通じて反応の完了を達成するのに十分な量のPC(252g)を供給して変換された量を補充し、フラスコ(2)内のPCのレベルを一定に保った。PCを補充している間、さらなる量のNaIは添加しない。
POおよびCOバブリングの間、リアクター14内のpHは、30%NaOH(919.2g)を自動的に注入して11.5~12.5の範囲に維持した。
アルキル化は、HPLC分析によって1時間ごとにモニターし、1.72当量のPCが分解された後に完了した。
実施例3
10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(化合物(III)、HPDO3Aナトリウム塩)とGdCl の錯体形成による、ガドテリドール(式(I)の化合物)の調製
GdCl の調製
水(500g)とGd(362.5g)を2L容のフラスコに入れ、37%塩酸(656.3g)を25~30℃で1時間かけて滴下した。懸濁液を90℃から95℃に加熱し、完全に溶解するまで攪拌した後、25℃に冷却した。

10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(化合物(III)、HPDO3A)の錯体形成
HPDO3A(理論値2.00molのHPDO3Aを含む式(III)の化合物)の溶液を10L容の反応器に移し、温度を30℃以下に保ちながら、37%のHCl(400g)を5時間かけてゆっくりと投入してNaCOを完全に中和し、COの生成とバブリングを生じさせた(最終pH=4.5)。
GdCl溶液を1時間かけてゆっくりと投入し、2回目の37%塩酸(291g)を投入し、溶液を2時間撹拌した(pHは約1.7)。
温度を50℃に上げ、30%NaOH(1.17kg;8.78mol)を用いてpHを7.0~7.5にして、錯体形成は2時間で完了した。
上記の本発明の方法に従って実施したアルキル化の結果を表2に示し、市販のPOを用いた標準的なアルキル化(EP0988294に開示)と比較した。本発明の方法によって得られた10-(2-ヒドロキシプロピル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7-トリ酢酸ナトリウム塩(化合物(III))の不純物プロファイルは、市販のPOを使用して得られたものと同等であり、新たな不純物は観察されなかった。
Figure 2023551567000010

Claims (9)

  1. 式(I):
    Figure 2023551567000011
    で示されるガドテリドールを製造方法であって、以下のステップ:
    i)次式:
    Figure 2023551567000012
    で示されるプロピレンオキシドを、式(II):
    Figure 2023551567000013
    [式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属、好ましくはアルカリ金属、最も好ましくはNaであり、nは1または2である]
    で示される化合物と反応させて、式(III):
    Figure 2023551567000014
    [式中、Mおよびnは上記で定義した通りである]
    で示される化合物を得;
    ii)得られた式(III)の化合物をGd3+金属イオンと錯体化して、式(I)のガドテリドールを得ること
    を含んでなり、
    プロピレンオキシドが、触媒としてアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下、次式:
    Figure 2023551567000015
    で示されるプロピレンカーボネートの分解によって調製され、単離することなく式(II)の化合物と直接反応させることを特徴とする製造方法。
  2. 金属ハロゲン化物が、ナトリウム、カリウムまたはリチウムの、ヨウ化物または臭化物から選択される、請求項1に記載の製造方法。
  3. 金属ハロゲン化物が、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの、ヨウ化物から選択される、請求項2に記載の製造方法。
  4. アルカリ金属ハロゲン化物が、ヨウ化ナトリウムまたはヨウ化リチウムである、請求項3に記載の製造方法。
  5. 触媒の量が、プロピレンカーボネートの量の0.1~100%w/wの範囲である、請求項1~4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 触媒の量が、プロピレンカーボネートの量の0.1~5%w/wの範囲である、請求項5に記載の製造方法。
  7. プロピレンカーボネートが160℃~250℃の範囲の温度で加熱される、請求項1~6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 式(II)の化合物が水に溶解される、請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
  9. プロピレンカーボネートが、触媒としてアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物の存在下で加熱される第1の反応器中に、一度に、またはセミバッチもしくは連続モードで添加され、形成したプロピレンオキシドが、化合物(II)を含む反応器に直接供給される、請求項1に記載の製造方法。
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