JP2023551549A - 炎症性皮膚状態を治療する方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5シグナル伝達を阻害する化合物を使用して炎症性皮膚状態を治療する方法に関する。本開示はまた、炎症性皮膚状態の治療又は予防に使用される化合物、並びに炎症性皮膚状態の治療又は予防のための医薬品の製造におけるそのような化合物の使用に関する。【選択図】なし

Description

関連出願データ
本出願は、2020年12月4日に出願された「Methods for treating inflammatory skin conditions」と題されたオーストラリア特許出願第2020/904494号、及び2021年6月17日に出願された「Methods for treating inflammatory skin conditions」と題されたオーストラリア特許出願第2021/901818号の優先権を主張する。両方の出願の全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、電子形態の配列表とともに出願される。配列表の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、対象の炎症性皮膚状態を治療する方法に関する。
アトピー性皮膚炎(AD)及びアレルギー性接触性皮膚炎(ACD)などの炎症性皮膚状態は、一般集団の大部分に影響を及ぼす。例えば、ADは小児の10~15%に影響を及ぼし、ACDは世界中の一般集団の15~20%に影響を及ぼす。多くの患者は炎症性皮膚状態を成人期まで持ち込むため、一部の患者にとっては疾患は生涯にわたるものである。したがって、このような状態に対する効果的な治療法の開発は、公衆衛生上の重要な進歩となるであろう。
炎症性皮膚状態の根本的な原因には、遺伝的要因と環境的要因との組み合わせが含まれ、いくつかの重複する免疫学的経路が疾患の発症に寄与すると考えられている。炎症性皮膚状態の多因子性のために、現在入手可能な薬物の有効性は限られている。治療の主力は、軽度の疾患における皮膚軟化剤、コルチコステロイド、及びカルシニューリン阻害剤を含む局所療法であった。しかしながら、これらの治療法は、中等度から重度の疾患を有する患者における治療抵抗性(recalcitrant)炎症には不十分であり、実質的な有害な副作用をもたらすことが知られている。証拠が不十分であるにもかかわらず、抗ヒスタミン薬と組み合わせた全身性コルチコステロイド又は時間のかかる光線療法の使用が使用されることがある。従来の治療に難治性の重症疾患を有する患者は、シクロスポリンA、メトトレキサート、アザチオプリン、及びミコフェノール酸モフェチルを含む様々なレベルの証拠を有する全身性非ステロイド治療選択肢で治療され得る。そのような薬物は非特異的免疫抑制剤であり、各々が独自の望ましくない副作用を有する。
したがって、炎症性皮膚状態を治療するための新しい介入の必要性がある。
本発明を作成するにあたり、本発明者らは、ACDのトランスジェニックマウスモデルを開発した。トランスジェニックマウスはヒトCD131(βc)を発現し、ヒトCD131を標的とすることの効果を調査するのに有用である。本発明者らは、CD131に結合する抗体を使用して、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)及びインターロイキン(IL)5シグナル伝達の阻害が、炎症性細胞の蓄積を減少させ、疾患を改善することを見出した。これらの知見は、ACDなどの炎症性皮膚状態を治療する方法の基礎を提供する。
したがって、一例では、本開示は、対象における炎症性皮膚状態を治療するための方法を提供し、本方法は、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する1つ以上の化合物を対象に投与することを含む。同様に、本開示は、対象の炎症性皮膚状態の治療に使用するために、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する1つ以上の化合物を提供する。本開示はまた、炎症性皮膚状態を治療するための医薬品の製造における、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する1つ以上の化合物の使用を提供する。
別の例では、本開示は、対象における炎症性皮膚状態を治療するための方法を提供し、本方法は、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物を対象に投与することを含む。
本開示はまた、対象における炎症性皮膚状態の治療に使用するために、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物を提供する。本開示はまた、炎症性皮膚状態を治療するための医薬品の製造において、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物の使用を提供する。
本開示の方法は、任意のタイプの炎症性皮膚状態、特にGM-CSF及び/又はIL-5シグナル伝達に関連するものの治療に好適である。いくつかの例では、炎症性皮膚状態は、過敏症、自己免疫状態、アレルギー状態、好中球性皮膚症、アトピー性状態、自己炎症性状態及び/又はT細胞媒介性状態である。
一例では、炎症性皮膚状態は、ACD、AD、慢性自発性蕁麻疹、結節性痒疹、乾癬、乾癬性胃腸炎、逆乾癬、膿疱性乾癬、プラーク乾癬、乾癬性赤血球皮症、襞の細菌性膿疱疹(APF)、CARD14媒介性膿疱性乾癬(CAMPS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、インターロイキン-1受容体欠損症(DIRA)、インターロイキン-36受容体アンタゴニスト欠損症(DIRTA)、化膿性汗腺炎(HS)、掌蹠膿疱症(PPP)、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群(PAPA)、壊疽性膿皮症(PG)、スティル病、スウィート症候群、角層下膿疱症(Sneddon-Wilkinson)、急性汎発性発疹性膿疱症、乳児肢先端の膿疱症、滑膜炎・ざ瘡・膿疱症・骨化過剰・骨髄炎(SAPHO)症候群、腸関連性皮膚症-関節炎症候群(BADAS)、背側の手の好中球性皮膚症、持久性隆起性紅斑、壊疽性膿皮性熱性好中球性皮膚症、乾燥性湿疹、異汗性湿疹、水疱性手掌湿疹、尋常性ざ瘡、接触性皮膚炎、メリスマ、皮膚筋炎、剥脱性皮膚炎、手湿疹、汗疱、水疱性類天疱瘡、天疱瘡酒さ、酒さ様皮膚炎、サルコイドーシスによる酒さ、強皮症による酒さ、スウィート症候群による酒さ、全身性エリテマトーデスによる酒さ、蕁麻疹による酒さ、ヘルペス後痛による酒さ、スウィート病、好中球性汗腺炎、無菌性膿疱、薬疹、蕁麻疹、脂漏性皮膚炎、ばら色粃糠疹、菊池皮膚病、妊娠性そう痒性蕁麻疹様丘疹、スティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症、タトゥー反応、ウェルズ症候群(好酸球性蜂窩織炎)、反応性関節炎(ライター症候群)、腸関連性皮膚症-関節炎症候群、リウマチ様好中球性皮膚症、好中球性エクリン汗腺炎、背側の手の好中球性皮膚疾患、形質細胞性限局性亀頭包皮炎、亀頭包皮炎、ベーチェット病、遠心性環状紅斑、色素異常性固定紅斑、多形紅斑、環状肉芽腫、手の皮膚炎、光沢苔癬、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、慢性単純性苔癬、棘状苔癬、貨幣状湿疹、サルコイドーシス、角層下膿疱症、蕁麻疹、一過性棘融解性皮膚症、並びに漆瘡れである。
一例では、炎症性皮膚状態は過敏症である。
いくつかの例では、過敏症はI型過敏症である。いくつかの例では、I型過敏症は、血管性浮腫、蕁麻疹、蜂刺反応、又はラテックスアレルギーに関連する。
いくつかの例では、過敏症はII型過敏症である。いくつかの例では、II型過敏症は、水疱性類天疱瘡又は尋常性天疱瘡である。
いくつかの例では、過敏症はIII型過敏症である。いくつかの例では、III型過敏症は、へノッホ・シェーンライン紫斑病、小血管の血管炎、又は全身性エリテマトーデスである。
いくつかの例では、過敏症はIV型過敏症である。
いくつかの例では、IV型過敏症は、アレルギー性接触性皮膚炎、麻疹様薬物反応、薬物過敏症候群(以前は薬物による過敏症及び好酸球増多症[DRESS]を伴う薬物反応として知られていた)、多形性紅斑、苔癬様薬疹、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)又は中毒性上皮壊死症(TEN)である。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態は接触性皮膚炎である。
いくつかの例では、接触性皮膚炎は刺激性接触性皮膚炎(ICD)である。
いくつかの例では、接触性皮膚炎はアレルギー性接触性皮膚炎(ACD)である。実施例に記載のように、本発明者らは、ACDのマウスモデルにおいて、抗CD131抗体によるGM-CSF及びIL-5シグナル伝達の阻害が、炎症性細胞の蓄積を減少させ、疾患を改善することを見出した。したがって、本開示の方法は、ACD及び他の細胞媒介性炎症状態の治療に特に適している。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態は、細胞媒介性状態である。一例では、炎症性皮膚状態は、T細胞媒介性状態である。いくつかの例では、炎症性皮膚状態は、炎症部位における肥満細胞及び/又は好中球浸潤に関連付けられる。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態は、抗体媒介性状態である。いくつかの例では、炎症性皮膚状態は、IgE媒介性状態及び/又は血清IgEレベルの上昇に関連する状態(例えば、アトピー性皮膚炎)である。他の例では、炎症性皮膚状態は、IgE媒介性状態ではなく、かつ/又は血清IgEレベルの上昇に関連する状態ではない。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態はアトピー性皮膚炎である。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態は自己免疫状態である。いくつかの例では、自己免疫状態は、乾癬、全身性硬化症、皮膚筋炎、白斑、円形脱毛症、硬化性苔癬である。一例では、自己免疫状態は、自己免疫水疱性疾患である。いくつかの例では、自己免疫水疱性疾患は、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、腫瘍随伴性天疱瘡、水疱性天疱瘡、粘膜天疱瘡、妊娠性類天疱瘡、ヘルペス状皮膚炎、線状IgA水疱性皮膚症、後天性表皮水疱症、又は水疱性全身性エリテマトーデスである。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態は、自己炎症性皮膚疾患である。いくつかの例では、自己炎症性皮膚疾患は、家族性地中海熱(FMF)、腫瘍壊死因子受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)、高IgD症候群(HIDS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)、マックルウェルズ症候群(MWS)、新生児期発症多臓器系炎症性疾患/慢性乳児神経性皮膚関節症候群(NOMID/CINCA)、化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群(PAPA症候群、PAPAS、PAPGA症候群)、若年性全身肉芽腫症(Blau症候群、若年発症サルコイドーシス)、インターロイキン-1受容体案タグにスト欠損症(DIRA)、メバロン酸尿症、マジィード症候群、シュニッツラー症候群、ベーチェット病、化膿性汗腺炎、又は周期性発熱症候群、アフタ性口内炎、咽頭炎、及び腺炎(PAPAS、PFAPA症候群)である。
いくつかの例では、炎症性皮膚状態は好中球性皮膚症である。一例では、好中球性皮膚症は、襞の細菌性膿疱疹(APF)、プラーク乾癬、CARD14媒介性膿疱性乾癬(CAMPS)、クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)、インターロイキン-1受容体欠損症(DIRA)、インターロイキン-36受容体アンタゴニスト欠損症(DIRTA)、化膿性汗腺炎(HS)、掌蹠膿疱症、化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群(PAPA)、壊疽性膿皮症・アクネ・化膿性汗腺炎(PASH)、壊疽性膿皮症(PG)、ベーチェット病の皮膚病変、スティル病、スウィート症候群、角層下膿疱症(Sneddon-Wilkinson)、膿疱性乾癬、掌蹠膿疱症、急性汎発性発疹性膿疱症、乳児肢先端の膿疱症、滑膜炎・ざ瘡・膿疱症・骨化過剰・骨髄炎(SAPHO)症候群、腸関連性皮膚症-関節炎症候群(BADAS)、背側の手の好中球性皮膚症、好中球性エクリン汗腺炎、持久性隆起性紅斑、又は壊疽性膿皮症である。一例では、好中球性皮膚症は、化膿性汗腺炎(HS)又は掌蹠膿疱症(PPP)である。
本発明者らは、ACDのマウスモデルにおいて、アイソタイプ対照抗体を投与したマウスと比較して、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する抗体の投与が、腫脹、肥満細胞浸潤、好酸球浸潤、CD8+T細胞浸潤、及び好中球浸潤を低減させることを見出した。したがって、いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物の投与は:
a)炎症部位の腫脹を低減させ、かつ/又は
b)炎症部位における肥満細胞浸潤を減少させ、かつ/又は
c)炎症部位における好中球浸潤を低減させる。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物の投与は:
a)炎症部位の腫脹を低減させ、かつ/又は
b)炎症部位における肥満細胞浸潤を減少させ、かつ/又は
c)炎症部位における好中球浸潤を低減させ、かつ/又は
d)炎症部位におけるCD8+T細胞浸潤を減少させ、かつ/又は
e)炎症部位における好中球浸潤を低減させる。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物の投与は:
a)炎症部位におけるCD8+T細胞浸潤を減少させ、かつ/又は
b)炎症部位における好中球浸潤を低減させる。
上記を評価するための好適な方法は、本明細書に記載されており、当業者によって既知であろう。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物もまた、IL-3によるシグナル伝達を中和する。
一例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、少なくとも600nM又は500nMのIC50でTF-1細胞のGM-CSF誘導増殖を阻害する。例えば、IC50は、少なくとも約400nMである。例えば、IC50は、少なくとも約300nM又は200nM又は100nMである。例えば、IC50は、少なくとも約50nMである。例えば、IC50は、少なくとも約10nM又は5nM又は1nMである。一例では、IC50は、少なくとも約1nMである。例えば、IC50は、少なくとも約0.9nM又は0.8nM又は0.6nMである。一例では、IC50は、少なくとも約0.5nMである。一例では、IC50は、少なくとも約0.4nMである。一例では、IC50は、少なくとも約0.3nMである。
一例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、少なくとも600nM又は500nMのIC50でTF-1細胞のIL-5誘導増殖を阻害する。例えば、IC50は、少なくとも約400nMである。例えば、IC50は、少なくとも約300nM又は200nM又は100nMである。例えば、IC50は、少なくとも約50nMである。例えば、IC50は、少なくとも約10nM又は5nM又は1nMである。一例では、IC50は、少なくとも約5nMである。例えば、IC50は、少なくとも約4nMである。一例では、IC50は、少なくとも約4.5nM又は少なくとも約4.6nM又は少なくとも約4.7nMである。一例では、IC50は、少なくとも約4.6nMである。
一例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、少なくとも600nM又は500nMのIC50でTF-1細胞のIL-3誘導増殖を阻害する。例えば、IC50は、少なくとも約400nMである。例えば、IC50は、少なくとも約300nM又は200nM又は100nMである。例えば、IC50は、少なくとも約50nMである。例えば、IC50は、少なくとも約10nM又は5nM又は1nMである。一例では、IC50は、少なくとも約1nMである。例えば、IC50は、少なくとも約0.9nM又は0.8nM又は0.6nMである。一例では、IC50は、少なくとも約0.5nMである。一例では、IC50は、少なくとも約0.2nM又は少なくとも約0.1nMである。一例では、IC50は、少なくとも約0.15nMである。
IC50を決定するための方法は、本明細書に記載され、関連する増殖因子(GM-CSF、IL-3及び/又はIL-5)を添加する前に、CD131に結合する化合物の存在下で(例えば、少なくとも約3分間又は1時間、例えば、約30分間)TF-1細胞(例えば、約1×10個のTF-1細胞)を培養し、細胞を更に(例えば、少なくとも約48時間又は少なくとも約72時間又は少なくとも約96時間、例えば、約72時間)培養し、次いで細胞増殖を決定することを含む。細胞増殖は、[H]-チミジンの存在下で約6時間細胞を増殖させ、[H]-チミジンの組み込みを決定することによって、例えば、液体シンチレーションカウントによって決定することができる。CD131に結合する化合物の様々な濃度における増殖を決定することによって、IC50を決定することができる。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、
a)TF-1細胞のGM-CSF誘導増殖を少なくとも100nMのIC50で、かつ/又は
b)TF-1細胞のIL-5誘導増殖を少なくとも100nMのIC50で、かつ/又は
c)TF-1細胞のIL-3誘導増殖を少なくとも100nMのIC50で、阻害する。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、
a)TF-1細胞のGM-CSF誘導増殖を少なくとも50nMのIC50で、かつ/又は
b)TF-1細胞のIL-5誘導増殖を少なくとも50nMのIC50で、かつ/又は
c)TF-1細胞のIL-3誘導増殖を少なくとも50nMのIC50で、阻害する。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、
a)TF-1細胞のGM-CSF誘導増殖を少なくとも10nMのIC50で、かつ/又は
b)TF-1細胞のIL-5誘導増殖を少なくとも10nMのIC50で、かつ/又は
c)TF-1細胞のIL-3誘導増殖を少なくとも10nMのIC50で、阻害する。
一例では、CD131に結合する化合物は、IL-3及び/又はGM-CSF誘導のSTAT-5シグナル伝達を低減又は防止する。
一例では、CD131に結合する化合物は、約20nM以下のIC50で、IL-3誘導STAT-5シグナル伝達を低減又は防止する。一例では、pStat-5 IC50 IL-3は、約10nM以下、又は約9nM以下、又は約8nM以下である。一例では、pStat-5 IC50 IL-3は、約7.5nM以下、例えば7.3nMである。
一例では、CD131に結合する化合物は、約60nM以下のIC50で、GM-CSF誘導STAT-5シグナル伝達を低減又は防止する。一例では、pStat-5 IC50 GM-CSFは、約50nM以下、又は約45nM以下、又は約40nM以下である。一例では、CD131に結合する化合物は、約40nM以下のIC50で、GM-CSF誘導STAT-5シグナル伝達を低減又は防止する。
例えば、化合物は、IL-3及び/又はGM-CSFの存在下で、インターフェロン調節因子1(irf1)応答エレメントの制御下でβ-ラクタマーゼレポーター遺伝子を含む細胞(例えば、TF-1細胞)に接触させることができる。細胞をまた、好適な基質(例えば、CCF2又はCCF4などの負に帯電した蛍光β-ラクタマーゼ基質)と接触させ、決定されたシグナルの変化(例えば、蛍光)を決定する。陽性対照(すなわち、タンパク質又は抗体の非存在下でIL-3及び/又はGM-CSFと接触した細胞)におけるシグナルの変化の減少は、化合物がIL-3及び/又はGM-CSF誘導STAT-5シグナル伝達を低減又は防止することを示す。
一例では、CD131に結合する化合物は、以下の活性のうちの1つ以上を有する:
(i)好中球細胞サイズのGM-CSF誘導増加を低減若しくは阻害することによって決定される、GM-CSFによる単離されたヒト好中球の活性化を低減若しくは阻害すること、
(ii)ヒト好塩基球によるIL-3誘導IL-8分泌を低減若しくは阻害すること、
(iii)IL-3媒介性生存若しくは形質細胞様樹状細胞(pDC)を低減若しくは予防すること、
(iv)フローサイトメトリーによって評価された前方散乱の変化を評価することによって決定されるように、IL-5によるヒト末梢血好酸球の活性化を低減若しくは防止すること、
(v)IL-5及び/若しくはGM-CSF及び/若しくはIL-3の存在下でのヒト末梢血好酸球の生存を低下させるか若しくは防止することと、
(vi)ヒト肥満細胞からのIL-3誘導性腫瘍壊死因子(TNF)αの放出を低減若しくは防止すること、
(vii)ヒト肥満細胞からのIL-3誘導IL-13放出を低減若しくは防止すること、
(viii)IL-3及び/若しくはIL-5及び/若しくはGM-CSFによるヒト肥満細胞からのIgE媒介性IL-8放出の増強を低減若しくは防止すること、
(ix)幹細胞因子(SCF)、GM-CSF、IL-3及びIL-5の存在下で培養したCD34+ヒト骨髄細胞によるコロニー形成単位-顆粒球-マクロファージ(CFU-GM)の形成を低減若しくは防止すること、
(x)ヒト鼻ポリープ症のマウス異種移植片モデルにおけるポリープのサイズ若しくは重量を減少させること、並びに/又は
(xi)ヒト鼻ポリープ症のマウス異種移植片モデルにおけるポリープ中のB細胞の数を減少させること。
一例では、CD131に結合する化合物は、エリスロポエチン、IL-6、IL-4又は幹細胞因子のうちの1つ以上に応答して、TF-1細胞の増殖を実質的又は有意に阻害しない。CD131に結合して、サイトカイン又は増殖因子に関してTF-1細胞の増殖を阻害する化合物の能力を決定するための方法が本明細書に記載され、本開示の本実施例に容易に適応可能である。
いくつかの例では、CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する化合物は、CD131に結合する抗原結合部位を含むタンパク質である。いくつかの例では、抗原結合部位は、抗体又は単一ドメイン抗体の抗原結合部位である。いくつかの例では、抗原結合部位は、1つ以上のCDRを含む。
本明細書における、CD131に「結合する」化合物若しくはタンパク質又は抗体への言及は、CD131に「特異的に結合する(binds specifically)」又は「特異的に結合する(specifically binds to)」化合物若しくはタンパク質又は抗体の文字どおりの支持体を提供する。
一例では、配列番号5に記載の配列を含むポリペプチドに対するタンパク質のKは、ポリペプチドが固体表面上に固定化され、Kが表面プラズモン共鳴によって決定される場合、約10nM以下である。
一例では、Kは、10nM以下、例えば、5nM以下若しくは4nM以下、又は3nM以下若しくは2nM以下である。一例では、Kは、1nM以下である。一例では、Kは、0.9nM以下又は0.7nM以下又は0.8nM以下又は0.7nM以下又は0.6nM以下である。一例では、Kは、0.5nM以下である。一例では、Kは、0.4nM以下である。一例では、Kは、0.3nM以下である。一例では、Kは、0.2nM以下である。
一例では、抗原結合部位を含むタンパク質は、例えば、標識及び非標識タンパク質又は抗体を用いた競合アッセイを使用して、約10nM以下のKでCD131を発現する細胞(例えば、好中球、好酸球、又はTF-1細胞)に結合する。一例では、Kは、5nM以下若しくは4nM以下、又は3nM以下若しくは2nM以下である。一例では、Kは、1nM以下である。一例では、Kは、0.9nM以下又は0.7nM以下又は0.8nM以下又は0.7nM以下又は0.6nM以下である。
一例では、Kは、好中球に関して約300nM以下である。
一例では、Kは、好酸球に関して約700nM以下である。
一例では、Kは、TF-1細胞に関して約400nM以下である。
一例では、抗原結合部位を含むタンパク質は、1つ以上の抗体可変領域を含むタンパク質である。一例では、タンパク質は、重鎖可変領域(V)を含む。一例では、タンパク質は、軽鎖可変領域(V)を含む。一例では、タンパク質は、V及びVを含む。いくつかの例では、V及びVは、同じポリペプチド鎖内にある。他の例では、V及びVは、別々のポリペプチド鎖内にある。
いくつかの例では、タンパク質は単一ドメイン抗体(sdAb)である。
いくつかの例では、タンパク質はFvを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、
(i)一本鎖Fv断片(scFv)、
(ii)二量体scFv(di-scFv)、又は
(iii)ダイアボディ、
(iv)トリアボディ、
(v)テトラボディ、
(vi)Fab、
(vii)F(ab’)
(viii)Fv、
(ix)抗体、Fc、又は重鎖定常ドメイン(C)2及び/若しくはC3の定常領域に連結された(i)~(viii)のうちの1つ、
(x)アルブミン若しくはその機能的断片若しくは変異体、又はアルブミンに結合するタンパク質に連結されている(i)~(viii)のうちの1つ、あるいは
(xi)抗体、からなる群から選択される。
いくつかの例では、タンパク質は、
(i)一本鎖Fv断片(scFv)、
(ii)二量体scFv(di-scFv)、又は
(iii)ダイアボディ、
(iv)トリアボディ、
(v)テトラボディ、
(vi)Fab、
(vii)F(ab’)
(viii)Fv、
(ix)抗体、Fc、又は重鎖定常ドメイン(C)2及び/若しくはC3の定常領域に連結された(i)~(viii)のうちの1つ、
(x)アルブミン、その機能的断片若しくは変異体、又はアルブミンに結合するタンパク質(例えば、抗体又はその抗原結合断片)に連結されている(i)~(viii)のうちの1つ、あるいは
(xi)抗体、からなる群から選択される。
一例で、タンパク質は、Fc領域を含む。
一例では、タンパク質は、タンパク質の半減期を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。一例では、抗体は、胎児性Fc受容体FcRn)に対するFc領域の親和性を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含むFc領域を含む。
一例では、タンパク質は、抗体、例えば、モノクローナル抗体である。一例では、抗体は、裸抗体である。
一例では、タンパク質(又は抗体)は、キメラ、非免疫化、ヒト化、ヒト又は霊長類化である。
一例では、タンパク質又は抗体は、ヒトである。
例示的な抗体としては、WO2017/088028に記載される9A2-VR24.29(また、「CSL311」とも称される)、及びSun et al.(1999)Blood 94:1943-1951に記載されるBION-1が挙げられる。
一例では、タンパク質は、ヒト定常領域、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4定常領域、又はそれらの混合物などのIgG定常領域を含む。V及びVを含むタンパク質の場合、Vは重鎖定常領域に連結され得、Vは軽鎖定常領域に連結され得る。
全抗体の重鎖定常領域(又は定常領域若しくはC3を含むタンパク質)のC末端リジンは、例えば、タンパク質若しくは抗体の産生若しくは精製中に、又は重鎖をコードする核酸を組換えて操作することによって除去され得る。したがって、全抗体(又はCD131結合化合物)は、全てのC末端リジン残基が除去された集団、C末端リジン残基が除去されていない集団、及び/又はC末端リジン残基を含むか又は含まないタンパク質の混合物を有する集団を含み得る。いくつかの例では、集団は、重鎖定常領域のうちの1つにおいてC末端リジン残基が除去されるタンパク質を更に含んでもよい。同様に、全抗体の組成物は、C末端リジン残基を含むか又は含まない抗体集団の同一又は類似の混合物を含んでもよい。
一例では、タンパク質は組成物中にある。例えば、組成物は、本明細書に記載の抗原結合部位又は抗体を含むタンパク質を含む。一例では、組成物は、タンパク質又は抗体の1つ以上の変異体を更に含む。例えば、コードされたC末端リジン残基を欠く変異体、脱アミド変異体及び/又はグリコシル化変異体及び/又はピログルタミン酸塩を含む変異体、例えば、タンパク質のN末端にある変異体及び/又はN末端残基を欠く変異体、例えば、抗体又はV領域におけるN末端グルタミン及び/又は分泌シグナルの全部若しくは一部を含む変異体を含む。コードされたアスパラギン残基の脱アミド変異体は、イソアスパラギン酸、及びアスパラギン酸アイソフォームが生成されるか、又は隣接するアミノ酸残基を伴うスクシンアミドをもたらし得る。コードされたグルタミン残基の脱アミド変異体は、グルタミン酸をもたらし得る。そのような配列と変異体との不均一な混合物を含む組成物は、特定のアミノ酸配列が参照されるときに含まれることが意図される。
一例では、本明細書に記載のタンパク質又は抗体は、IgG4抗体の定常領域又はIgG4抗体の安定化定常領域を含む。一例では、タンパク質又は抗体は、241位にプロリンを有するIgG4定常領域を含む(Kabatの番号付けシステムによる(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987 and/or 1991))。
一例では、重鎖定常領域は、配列番号16に記載の配列を含む。一例では、タンパク質、又はタンパク質を含む組成物は、C末端リジン残基を含むか又は含まない、完全に又は部分的に配列の混合物を含む、安定化重鎖定常領域を含む重鎖定常領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、CD131に結合し、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号7に記載の配列を含むV とを含む抗体9A2-VR24.29のCD131への結合を競合的に阻害する抗体可変領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、CD131に結合し、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号7に記載の配列を含む軽鎖と、を含む抗体9A2-VR24.29のCD131への結合を競合的に阻害する抗体可変領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、CD131に結合し、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号18に記載の配列を含むV とを含む抗体9A2-VR24.29のCD131への結合を競合的に阻害する抗体可変領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号7に記載の配列を含むV とを含むCD131に対する抗体9A2-VR24.29と、CD131内の同じ又は重複するエピトープに結合する。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号7に記載の配列を含む軽鎖と、を含むCD131に対する抗体9A2-VR24.29と、CD131内の同じ又は重複するエピトープに結合する。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号18に記載の配列を含むVとを含むCD131に対する抗体9A2-VR24.29と、CD131内の同じ又は重複するエピトープに結合する。
いくつかの例では、抗原結合部位は、CD131の部位2内のエピトープに結合する。この点に関して、当業者は、CD131の部位2が、二量体を形成する2つのCD131ポリペプチドからの残基で構成され、例えば、部位2は、1つのCD131ポリペプチドのドメイン1のループA-B及びE-F内の残基、並びに別のCD131ポリペプチドのループB-C及びF-G内の残基を含むことを認識するであろう。
いくつかの例では、抗原結合部位は、2つのCD131ポリペプチドの二量体化の際に形成されたエピトープに結合する。
いくつかの例では、抗原結合部位は、CD131ポリペプチドのドメイン1内の残基及び別のCD131ポリペプチドのドメイン4内の残基に結合する。一例では、CD131のドメイン1内の残基は、配列番号1の101~107の領域内の残基を含み、かつ/又はCD131のドメイン4内の残基は、配列番号1の364~367の領域内の残基を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、
a)配列番号1の39、101、102、104、105、106、及び107位の1つ以上又は全てに対応する1つのCD131ポリペプチド鎖内のアミノ酸と、
b)配列番号1の364、365、366、367、420、及び421位の1つ以上又は全てに対応する別のCD131ポリペプチド鎖内のアミノ酸と、を含むエピトープに結合する。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVと、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVとを含む、抗体可変領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVと、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖の3つのCDRを含むVとを含む、抗体可変領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVと、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVとを含む、抗体可変領域を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、
a)配列番号8に記載のアミノ酸配列又は配列番号8に対して1、2、若しくは3個以下のアミノ酸置換を有する配列を含むか又はそれからなるHCDR1、配列番号9に記載のアミノ酸配列又は配列番号9に対して1、2、若しくは3個以下のアミノ酸置換を有する配列を含むか又はそれからなるHCDR2、及び配列番号10に記載のアミノ酸配列又は配列番号10に対して1、2、若しくは3個以下のアミノ酸置換を有する配列を含むか又はそれからなるHCDR3を含むVと、
b)配列番号11に記載のアミノ酸配列又は配列番号11に対して1、2、若しくは3個以下のアミノ酸置換を有する配列を含むか又はそれからなるLCDR1、配列番号12に記載のアミノ酸配列又は配列番号12に対して1、2、若しくは3個以下のアミノ酸置換を有する配列を含むか又はそれからなるLCDR2、及び配列番号13に記載のアミノ酸配列又は配列番号13に対して1、2、若しくは3個以下のアミノ酸置換を有する配列を含むか又はそれからなるLCDR3を含むVと、を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、
a)配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むか又はそれからなるHCDR1、配列番号9に記載のアミノ酸配列含むか又はそれからなるHCDR2、及び配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むか又はそれからなるHCDR3を含むVと、
b)配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むか又はそれからなるLCDR1、配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むか又はそれからなるLCDR2、及び配列番号13に記載のアミノ酸配列を含むか又はそれからなるLCDR3を含むVと、を含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVと、配列番号7に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVとを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVと、配列番号7に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVと、配列番号18に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVとを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVと、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むVとを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVと、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖V領域とを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVと、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むVとを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号14に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号15に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
いくつかの例では、タンパク質は、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。
配列表の鍵
配列番号1:ホモサピエンスCD131のアミノ酸配列
配列番号2:ホモサピエンスIL-3受容体αのアミノ酸配列
配列番号3:ホモサピエンスGM-CSF受容体のアミノ酸配列
配列番号4:ホモサピエンスIL-5受容体のアミノ酸配列
配列番号5:C末端6×Hisタグを含む可溶性ホモサピエンスCD131のアミノ酸配列
配列番号6:9A2-VR24.29のVのアミノ酸配列
配列番号7:9A2-VR24.29のVのアミノ酸配列
配列番号8:9A2-VR24.29のHCDR1のアミノ酸配列
配列番号9:9A2-VR24.29のHCDR2のアミノ酸配列
配列番号10:9A2-VR24.29のHCDR3のアミノ酸配列
配列番号11:9A2-VR24.29のLCDR1のアミノ酸配列
配列番号12:9A2-VR24.29のLCDR2のアミノ酸配列
配列番号13:9A2-VR24.29のLCDR3のアミノ酸配列
配列番号14:9A2-VR24.29の重鎖のアミノ酸配列
配列番号15:9A2-VR24.29の軽鎖のアミノ酸配列
配列番号16:安定化IgG4重鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号17:カッパ軽鎖定常領域のアミノ酸配列
配列番号18:9A2-VR24.29のVのアミノ酸配列
実施例2に記載のACDマウスモデルにおける耳の厚さの変化を示すグラフである。ビヒクル及びDNFBで処置された耳の厚さを、DNFB再チャレンジ後12日間毎日測定した。耳の腫脹は、各誘発の前後の耳の厚さの差として決定された。データ:平均値+S.E.M;n=5~11匹のマウスで、3つの独立した実験の結果を組み合わせた**p<0.01、示された比較のためのボンフェローニの事後検定を伴う二元配置分散分析。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける表皮の厚さの変化を示すグラフである。左パネル:耳の表皮の厚さの測定。右パネル:DNFB処置耳/ビヒクル処置耳における表皮の厚さの差。データ:平均値;n=5~11匹のマウスで、3つの独立した実験の結果を組み合わせた***p<0.001、示された比較のためのボンフェローニの事後検定を伴う二元配置分散分析。##p<0.01、対応のないt検定。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける12日目の肥満細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の完了時の耳組織における皮膚肥満細胞数を、トルイジンブルー染色で検出した。右パネル:個々のマウスにおけるDNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳における肥満細胞数の増加倍率。データ:平均値+S.E.M;n=5~11匹のマウスで、3つの独立した実験の結果を組み合わせた***p<0.001、示された比較のためのボンフェローニの事後検定を伴う二元配置分散分析。##p<0.01、対応のないt検定。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける12日目の好中球細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の完了時に、異なる処置群のビヒクル及びDNFB処置した耳における好中球の比率をフローサイトメトリーによって評価した。右パネル:個々のマウスにおける、DNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳における好中球の比率の増加倍率。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける12日目の好酸球細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の完了時に、異なる処置群のビヒクル及びDNFB処置した耳における好酸球の比率をフローサイトメトリーによって評価した。右パネル:個々のマウスにおける、DNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳における好酸球の比率の増加倍率。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける6日目のCD8+T細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の6日目での、異なる処置群のビヒクル及びDNFB処置した耳におけるCD8+T細胞の比率をフローサイトメトリーによって評価した。右パネル:個々のマウスにおける、DNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳におけるCD8+T細胞の比率の増加倍率。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける6日目の好中球細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の6日目での、異なる処置群のビヒクル及びDNFB処置した耳における好中球の比率をフローサイトメトリーによって評価した。右パネル:個々のマウスにおける、DNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳における好中球の比率の増加倍率。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける6日目の好酸球細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の6日目での、異なる処置群のビヒクル及びDNFB処置した耳における好酸球の比率をフローサイトメトリーによって評価した。右パネル:個々のマウスにおける、DNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳における好酸球の比率の増加倍率。 実施例2に記載のACDマウスモデルにおける6日目の肥満細胞数の変化を示すグラフである。左パネル:ACD実験の6日目での、異なる処置群のビヒクル及びDNFB処置した耳における肥満細胞の比率をフローサイトメトリーによって評価した。右パネル:個々のマウスにおける、DNFB処置された耳/ビヒクル処置された耳における肥満細胞の比率の増加倍率。 実施例3に記載されるような、ADマウスモデルにおける耳の厚さの変化を示すグラフである。耳ピンナの厚さを、24時間間隔で10日間にわたって測定した。CSL311又はアイソタイプmAb(10mg/kg)を、矢印によって示されるように、1、3、5日目にhβcTgマウスの尾静脈に静脈内注射した。
全般
本明細書全体を通して、特に別段の定めがない限り、又は文脈が別段の定めがない限り、単一のステップ、物質の組成物、ステップの群、又は物質の組成物の群への言及は、それらのステップ、物質の組成物、ステップの群、又は物質の組成物の群のうちの1つ及び複数(すなわち、1つ以上)を包含するように取られなければならない。
当業者は、本開示が、具体的に記載されるもの以外の変形及び修正の影響を受けやすいことを理解するであろう。本開示は、そのような全ての変形及び修正を含むことが理解されるべきである。本開示はまた、本明細書で個別に又は集合的に言及又は示される全てのステップ、特徴、組成物及び化合物、並びに当該ステップ又は特徴のいずれか及び全ての組み合わせ又は任意の2つ以上を含む。
本開示は、例示のみを目的とする本明細書に記載の特定の実施例によって範囲が限定されるべきではない。機能的に等価な生成物、組成物、及び方法は、本開示の範囲内であることは明らかである。
本明細書における本開示の任意の例は、特に明記しない限り、本開示の任意の他の例に準用するものとする。
特に明確に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有すると解釈されるものとする(例えば、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学、及び生化学)。
別段の指示がない限り、本開示で利用される組換えタンパク質、細胞培養、及び免疫学的技術は、当業者に周知の標準的な手順である。かかる技法は、J.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning,John Wiley and Sons(1984),J.Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory Press(1989),T.A.Brown(editor),Essential Molecular Biology:A Practical Approach,Volumes 1 and 2,IRL Press(1991),D.M.Glover and B.D.Hames(editors),DNA Cloning:A Practical Approach,Volumes 1-4,IRL Press(1995 and 1996)、及びF.M.Ausubel et al.(editors),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience(1988、現在までの全ての更新を含む),Ed Harlow and David Lane(editors)Antibodies: A Laboratory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,(1988)、及びJ.E.Coligan et al.(editors)Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons(現在までの全ての更新を含む)などのソースにおいて文献全体を通して記載され説明されている。
本明細書の可変領域及びその一部、免疫グロブリン、抗体、並びにその断片の説明及び定義は、Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987 and 1991、Bork et al.,J Mol.Biol.242,309-320,1994、Chothia and Lesk J.Mol Biol.196:901-917,1987、Chothia et al.Nature 342,877-883,1989及び/又はAl-Lazikani et al.,J Mol Biol 273,927-948,1997における考察によって更に明確になり得る。
「及び/又は」という用語、例えば、「X及び/又はY」は、「X及びY」又は「X又はY」のいずれかを意味すると理解されなければならず、両方の意味又はいずれかの意味を明示的に支持すると解釈されるべきである。
本明細書全体を通して、「含む(comprise)」、又は「含む(comprises)」若しくは「含むこと(comprising)」などの変化形は、定められた要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群の包含を意味するが、任意の他の要素、整数若しくはステップ、又は要素、整数若しくはステップの群の除外を意味するものではないことが理解されるであろう。
選択した定義
命名のみを目的として、限定を目的とせず、ヒトCD131(pre-CD131)の例示的な配列は、NCBI参照配列:NP_000386.1及びNCBI Genbank登録番号P32927に記載される(また配列番号1に記載される)。成熟ヒトCD131の配列は、配列番号1のアミノ酸1~16を欠く。アミノ酸の位置は、多くの場合、pre-CD131を参照して本明細書で言及される。成熟CD131中の位置は、シグナル配列(配列番号1の場合、アミノ酸1~16)を考慮することによって容易に決定される。他の種由来のCD131の配列は、本明細書及び/又は公的に入手可能なデータベース内で提供される配列を使用して決定することができ、かつ/又は標準的な技術を使用して決定することができる(例えば、Ausubel et al.,(editors),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience(1988、現在までの全ての更新を含む)又はSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載されるように)。ヒトCD131への言及は、hCD131と略され得る。可溶性CD131への言及は、CD131の細胞外領域、例えば、配列番号1のアミノ酸17~438を含むポリペプチドを指す。
本明細書におけるCD131への言及は、CD131(例えば、hCD131)に結合し、シグナル伝達を誘導する能力を保持する、CD131の天然形態及びその変異型を含む。CD131は、「CSF2RB」及び「サイトカイン受容体共通サブユニットβ」及び「β(ベータ)共通受容体」(「βCR」又は「βc」と略される)としても知られている。
本開示によって企図される「化合物」は、天然化合物、化学的小分子化合物、又は生体化合物又は巨大分子を含む様々な形態のいずれかをとることができる。例示的な化合物には、抗体又は抗体の抗原結合断片、核酸、ポリペプチド、ペプチド、及び小分子を含むタンパク質が含まれる。
本明細書で使用される場合、「疾患」又は「状態」という用語は、正常な機能の破壊又は干渉を指し、任意の特定の状態、疾患又は障害に限定されるものではない。
本明細書で使用される場合、「治療すること」、「治療する」又は「治療」という用語は、指定された疾患又は状態の少なくとも1つの症状を軽減、予防、又は除去するために、本明細書に記載される化合物を投与することを含む。
本明細書で使用される場合、「予防すること(preventing)」、「予防する(prevent)」、又は「予防(prevention)」という用語は、本明細書に記載の化合物を投与して、それによって、例えば、その症状が対象において完全に発症する前に、状態の少なくとも1つの症状の発症を停止又は阻害することを含む。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト、例えば哺乳類を含む任意の動物を意味すると解釈される。例示的な対象として、ヒト及び非ヒト霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。一例では、対象は、ヒトである。
「タンパク質」という用語は、単一のポリペプチド鎖、すなわち、ペプチド結合によって連結された一連の連続したアミノ酸、又は互いに共有結合又は非共有結合で連結された一連のポリペプチド鎖(すなわち、ポリペプチド複合体)を含むと解釈されなければならない。例えば、一連のポリペプチド鎖は、好適な化学的結合又はジスルフィド結合を使用して共有結合することができる。非共有結合の例としては、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力、及び疎水性相互作用が挙げられる。いくつかの例では、タンパク質は融合タンパク質である。本明細書で使用される場合、「融合タンパク質」は、それらが単一のタンパク質を産生する単一の単位として翻訳されるように結合された少なくとも2つのドメインを含むタンパク質である。
「ポリペプチド」又は「ポリペプチド鎖」という用語は、前項から、ペプチド結合によって連結された一連の連続アミノ酸を意味すると理解される。
「単離されたタンパク質」又は「単離されたポリペプチド」という用語は、その起源又は誘導の供給源に基づいて、その天然状態でそれに付随する天然に関連する成分に関連付けられておらず、同じ供給源からの他のタンパク質を実質的に含まないタンパク質又はポリペプチドである。タンパク質は、当該技術分野で知られているタンパク質精製技法を使用して、天然に関連する成分を実質的に含まないか、又は単離によって実質的に精製され得る。「実質的に精製された」とは、タンパク質が、汚染物質を実質的に含まないこと、例えば、汚染物質を少なくとも約70%又は75%又は80%又は85%又は90%又は95%又は96%又は97%又は98%又は99%含まないことを意味する。
「組換え」という用語は、人工遺伝子組換えの産物を意味すると理解されなければならない。したがって、抗体抗原結合ドメインを含む組換えタンパク質の関連では、この用語は、B細胞成熟中に発生する天然組換え産物である、対象の体内に天然に存在する抗体を包含しない。しかしながら、かかる抗体が単離される場合、それは、抗体抗原結合ドメインを含む単離されたタンパク質とみなされるべきである。同様に、タンパク質をコードする核酸を単離し、組換え手段を使用して発現する場合、得られるタンパク質は、抗体抗原結合ドメインを含む組換えタンパク質である。組換えタンパク質はまた、例えば、それが発現する細胞、組織又は対象内にあるときに、人工組換え手段によって発現されるタンパク質を包含する。
本明細書で使用される場合、「抗原結合部位」という用語は、抗原に結合又は特異的に結合することができるタンパク質によって形成される構造を意味すると解釈される。抗原結合部位は、一連の連続したアミノ酸、又は単一のポリペプチド鎖内のアミノ酸である必要はない。例えば、2つの異なるポリペプチド鎖から産生されるFvでは、抗原結合部位は、抗原と相互作用するV及びVの一連のアミノ酸で構成され、これらは、一般的にはあるが、必ずしも各可変領域の1つ以上のCDRに存在するとは限らない。いくつかの例では、抗原結合部位は、V若しくはV又はFvであるか、あるいはV若しくはV又はFvを含む。いくつかの例では、抗原結合部位は、抗体の1つ以上のCDRを含む。
当業者は、「抗体」が、複数のポリペプチド鎖からなる可変領域、例えば、Vを含むポリペプチド及びVを含むポリペプチドを含むタンパク質であると一般的に考えられることを認識するであろう。抗体はまた、一般に、定常ドメインを含み、そのうちのいくつかは、重鎖の場合、定常断片又は断片結晶性(Fc)を含む定常領域に配置することができる。V及びVは相互作用して、1つ又はいくつかの密接に関連する抗原に特異的に結合することができる抗原結合領域を含むFvを形成する。一般に、哺乳類由来の軽鎖は、κ軽鎖又はλ軽鎖のいずれかであり、哺乳類由来の重鎖は、α、δ、ε、γ、又はμである。抗体は、任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、及びIgY)、クラス(例えば、IgG、IgG、IgG、IgG、IgA、及びIgA)、又はサブクラスであり得る。「抗体」という用語はまた、ヒト化抗体、霊長類化抗体、ヒト抗体及びキメラ抗体を包含する。
「完全長抗体」、「インタクト抗体」又は「全抗体」という用語は、抗体の抗原結合断片とは対照的に、実質的にインタクトな形態の抗体を指すために互換的に使用される。具体的には、全抗体には、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有するものが含まれる。定常ドメインは、野生型配列定常ドメイン(例えば、ヒト野生型配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列変異体であり得る。
本明細書で使用される場合、「可変領域」は、抗原に特異的に結合することが可能であり、相補性決定領域(CDR)のアミノ酸配列、すなわち、CDRl、CDR2、及びCDR3、並びにフレームワーク領域(FR)を含む、本明細書で定義される抗体の軽鎖及び/又は重鎖の部分を指す。例示的な可変領域は、3つ又は4つのFR(例えば、FR1、FR2、FR3、及び任意選択でFR4)を、3つのCDRとともに含む。IgNARに由来するタンパク質の場合、タンパク質はCDR2を欠くことがある。Vは、重鎖の可変領域を指す。Vは、軽鎖の可変領域を指す。
本明細書で使用される場合、「相補性決定領域」という用語(同義語CDR;すなわち、CDRl、CDR2、及びCDR3)は、抗原結合に必要な抗体可変領域のアミノ酸残基を指す。各可変領域は、典型的には、CDRl、CDR2、及びCDR3として特定された3つのCDR領域を有する。CDR及びFRに割り当てられたアミノ酸位置は、KabatのSequences of Proteins of Immunological Interest,National Institutes of Health,Bethesda,Md.,1987及び1991又は本開示の実施における他の番号付けシステム、例えば、Chothia and Lesk J.Mol Biol.196:901-917,1987の古典的な番号付けシステム、Chothia et al.Nature 342,877-883,1989、及び/若しくはAl-Lazikani et al.,J Mol Biol 273:927-948,1997、Lefranc et al.,Devel.And Compar.Immunol.,27:55-77,2003のIMGT番号付けシステム;又はHonnegher and Plukthun J.Mol.Biol.,309:657-670,2001のAHO番号付けシステムに従って定義され得る。例えば、Kabatの番号付けシステムによれば、Vフレームワーク領域(FR)及びCDRは、残基1~30(FRl)、31~35(CDR1)、36~49(FR2)、50~65(CDR2)、66~94(FR3)、95~102(CDR3)、及び103~113(FR4)のように配置される。Kabatの番号付けシステムによれば、VFR及びCDRは、残基1~23(FRl)、24~34(CDR1)、35~49(FR2)、50~56(CDR2)、57~88(FR3)、89~97(CDR3)、及び98~107(FR4)のように配置される。本開示は、Kabat番号付けシステムによって定義されるFR及びCDRに限定されないが、上記で考察されたものを含む全ての番号付けシステムを含む。一例では、本明細書におけるCDR(又はFR)への言及は、Kabat付番システムによるこれらの領域に関するものである。
「フレームワーク領域」(FR)は、CDR残基以外の可変領域残基である。
本明細書で使用される場合、「Fv」という用語は、複数のポリペプチド又は単一のポリペプチドからなるかどうかにかかわらず、V及びVが会合し、抗原結合部位を有する複合体を形成し、すなわち、抗原に特異的に結合することができる任意のタンパク質を意味すると解釈される。抗原結合部位を形成するV及びVは、単一ポリペプチド鎖内又は異なるポリペプチド鎖内にあり得る。更に、本開示のFv(並びに本開示の任意のタンパク質)は、同じ抗原に結合しても結合しなくてもよい複数の抗原結合部位を有してもよい。この用語は、抗体に直接由来する断片、並びに組換え手段を使用して産生されるそのような断片に対応するタンパク質を包含するものと理解されるべきである。いくつかの例では、Vは、重鎖定常ドメイン(C)1に連結されておらず、かつ/又はVは、軽鎖定常ドメイン(C)には連結されていない。ポリペプチド又はタンパク質を含有する例示的なFvは、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ若しくは高次複合体、又は定常領域若しくはそのドメイン、例えば、C2若しくはC3ドメイン、例えば、ミニボディに連結された前述のいずれかを含む。「Fab断片」は、免疫グロブリンの一価の抗原結合断片からなり、抗体全体を酵素パパインで消化することによって産生し、インタクトな軽鎖及び重鎖の一部からなる断片を産生し、又は組換え手段を用いて産生し得る。抗体の「Fab’断片」は、抗体全体をペプシンで処理し、続いて還元して、インタクトな軽鎖と、V及び単一の定常ドメインを含む重鎖の一部とからなる分子を得ることによって得ることができる。2つのFab’断片が、この様式で処置された抗体ごとに得られる。Fab’断片は、組換え手段によっても産生することができる。抗体の「F(ab’)2断片」は、2つのジスルフィド結合によって一緒に保持される2つのFab’断片の二量体からなり、後続の還元なしに、抗体分子全体を酵素ペプシンで処理することによって得られる。「Fab」断片は、例えば、ロイシンジッパー又はC3ドメインを使用して連結された2つのFab断片を含む組換え断片である。「一本鎖Fv」又は「scFv」は、抗体の可変領域断片(Fv)を含有する組換え分子であり、軽鎖の可変領域及び重鎖の可変領域は、好適な可撓性ポリペプチドリンカーによって共有結合されている。
本明細書で使用される場合、化合物又はその抗原結合部位と抗原との相互作用に関して「結合する」という用語は、相互作用が、抗原上の特定の構造(例えば、抗原決定基又はエピトープ)の存在に依存することを意味する。例えば、抗体は、一般的にタンパク質ではなく、特定のタンパク質構造を認識して結合する。抗体がエピトープ「A」に結合する場合、「A」と標識されたタンパク質を含有する反応において、エピトープ「A」(又は遊離の、非標識の「A」)を含有する分子の存在は、抗体に結合した標識された「A」の量を減少させる。
本明細書で使用される場合、「特異的に結合する(specifically binds)」又は「特異的に結合する(binds specifically)」という用語は、本開示の化合物が、代替の抗原又は細胞と同じものを発現する特定の抗原又は細胞とより頻繁に、より迅速に、より長期間及び/又はより高い親和性で反応又は会合することを意味すると解釈されるべきである。例えば、化合物は、他のサイトカイン受容体又は多反応性天然抗体(すなわち、ヒトに天然に見出される様々な抗原に結合することが知られている天然に存在する抗体)によって一般的に認識される抗原に対して結合するよりも、実質的に高い親和性(例えば、20倍又は40倍又は60倍又は80倍から100倍又は150倍又は200倍)でCD131に結合する。一般に、必ずしもそうではないが、結合への言及は、特異的結合を意味し、各用語は、他の用語に対して明示的な支持を提供するものと理解されなければならない。
タンパク質又は抗体は、別のポリペプチドについてタンパク質又は抗体のKよりも小さい解離定数(K)でそのポリペプチドに結合する場合、ポリペプチドに「優先的に結合する」と考えられ得る。一例では、タンパク質又は抗体は、別のポリペプチドについて、タンパク質又は抗体のKよりも少なくとも約20倍又は40倍又は60倍又は80倍又は100倍又は120倍又は140倍又は160倍多い親和性(すなわち、K)でポリペプチドに結合する場合、ポリペプチドに優先的に結合するとみなされる。
明確化の目的のために、及び本明細書の例示的な主題に基づいて当業者に明白であろうように、本明細書における「親和性」への言及は、タンパク質又は抗体のKへの言及である。
明確化の目的のために、かつ本明細書の説明に基づいて当業者に明らかになるように、「XnM以下のK」への言及は、Kの数値がXnMに等しいか、又は数値が低いことを意味すると理解されるであろう。当業者が理解するように、Kのより低い数値は、より高い(すなわち、より強い)親和性に対応し、すなわち、2nMの親和性は、3nMの親和性よりも強い。
「少なくとも約~のIC50」は、IC50が、列挙された値以上(すなわち、IC50が低いときに列挙された数値)であること、すなわち、2nMのIC50が、3nMのIC50よりも大きいことを意味すると理解されるであろう。別の言い方をすると、この用語は、「X以下のIC50」であり得、ここで、Xは、本明細書に列挙される値である。
本明細書で使用される場合、「エピトープ」という用語(同義語「抗原決定基」)は、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質が結合するCD131の領域を意味すると理解されなければならない。この用語は、必ずしもタンパク質が接触する特定の残基又は構造に限定されない。例えば、この用語は、タンパク質及び/又は5~10個又は2~5個又は1~3個のアミノ酸が接触する領域を含む。いくつかの例では、エピトープは、CD131が折り畳まれたときに互いに近くに配置される一連の不連続なアミノ酸、すなわち、「立体構造エピトープ(conformational epitope)」を含む。当業者はまた、「エピトープ」という用語がペプチド又はポリペプチドに限定されないことを認識するであろう。例えば、「エピトープ」という用語は、糖側鎖、ホスホリル側鎖、又はスルホニル側鎖などの分子の化学的に活性な表面分類を含み、特定の例では、特定の三次元構造特性、及び/又は特異的電荷特性を有し得る。
「競合的に阻害する」という用語は、本開示のタンパク質(又はその抗原結合部位)が、列挙された抗体又はタンパク質のCD131への結合を低減又は防止することを意味すると理解されなければならない。これは、タンパク質(又は抗原結合部位)及び同じ又は重複するエピトープへの抗体結合によるものであり得る。上記から、タンパク質が抗体の結合を完全に阻害する必要はなく、むしろ、統計的に有意な量、例えば、少なくとも約10%又は20%又は30%又は40%又は50%又は60%又は70%又は80%又は90%又は95%だけ結合を減少させる必要があることが明らかになる。好ましくは、タンパク質は、抗体の結合を少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約70%、なおより好ましくは少なくとも約75%、更により好ましくは少なくとも約80%又は85%、更により好ましくは少なくとも約90%低下させる。結合の競合的阻害を判定するための方法は、当該技術分野で既知であり、かつ/又は本明細書に記載される。例えば、抗体は、タンパク質の存在下又は非存在下のいずれかで、CD131に曝露される。タンパク質の不在下よりもタンパク質の存在下で結合する抗体が少ない場合、タンパク質は、抗体の結合を競合的に阻害すると考えられる。一例では、競合的阻害は、立体障害によるものではない。
2つのエピトープの文脈における「重複」とは、1つのエピトープに結合するタンパク質(又はその抗原結合部位)が他のエピトープに結合するタンパク質(又は抗原結合部位)の結合を競合的に阻害することを可能にするのに十分な数のアミノ酸残基を2つのエピトープが共有することを意味するものとする。例えば、「重複」エピトープは、少なくとも1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は20個のアミノ酸を共有する。
炎症性皮膚状態
本明細書に記載される方法は、本明細書及び他の場所で「炎症性皮膚疾患」又は「炎症性皮膚障害」とも称される炎症性皮膚状態を治療するために使用することができる。いくつかの例では、炎症は非感染性炎症であり、例えば、炎症は感染性因子に関連付けられないか、又は感染性因子によって引き起こされない。炎症性皮膚疾患又は皮膚病変の症状は、対象の単一の部位(位置)で発生し得るか、又は複数の部位で発生し得る。いくつかの例では、1つ以上の炎症性皮膚状態及び1つ以上の皮膚病変の両方が、皮膚又は膜の連続したセクションのいずれかで、又は個体上の別個の部位で、対象に発生し得る。
炎症性皮膚状態は、典型的には、例えば、発赤、かゆみ、乾燥、荒れた、薄片状、炎症性、及び炎症を起こした皮膚を特徴とし、皮膚はまた、水疱、鱗状プラークなどを示し得る。いくつかの例では、炎症性皮膚状態は急性であり、一般に、未処置であっても数日又は数週間以内に解消し、本開示の組成物及び方法は、疾患が解消する間の症状(例えば、かゆみ、発赤など)を改善し、かつ/又は症状の消失を早める。代替的に、いくつかの例では、皮膚炎症性疾患/障害は、慢性であり、例えば、処置なしで、又は従来の処置であっても、症状は数週間、数ヶ月、又は数年、又は無期限に持続する。本開示の方法の使用は、疾患が持続する間の慢性皮膚炎症の症状(例えば、かゆみ、発赤、皮膚のひび割れ及び剥離の緩和、皮膚病変の治癒の促進など)を改善(緩和)し、かつ/又は本来存在するであろう症状を部分的又は完全に治癒する(完全又はほぼ完全に消失する)。
「炎症性皮膚状態」は、特定の、既知の又は識別可能な病因物質への曝露によって引き起こされる疾患及び状態、並びに原因が明確に定義されていない疾患/状態、例えば、免疫障害又は機能不全(例えば、自己免疫反応)、ストレス、未確認のアレルギー、遺伝的素因など、及び/又は複数の要因に起因する疾患/状態を包含することが意図される。「炎症性皮膚状態」は、皮膚の炎症だけでなく、それに関連する1つ以上の他の症状を有し得る疾患及び状態を包含することを意図する。
炎症性皮膚状態(特に慢性炎症性皮膚疾患)には、例えば、過敏症、自己免疫疾患(自己免疫性水疱性疾患を含む)、アレルギー性疾患及び反応、好中球性皮膚病、アトピー性疾患、自己炎症性疾患、抗体媒介性疾患及び/又は細胞(例えば、T細胞)媒介性疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎(AD、同義語:神経皮膚炎、アトピー性湿疹、ベニエー痒疹、内因性湿疹)は、表皮炎症、かゆみ、乾燥肌(細かい鱗屑を伴う)及び滲出(急性病変)を特徴とする炎症性、慢性再発性、非伝染性及び重度の掻痒性皮膚症である。成人集団では2~3%、小児集団では最大20%の罹患率を有し、30年以上にわたって西側諸国で罹患率が増加している最も一般的な皮膚疾患の1つである。ADは通常、再発経過に従い、血清免疫グロブリン(IgE)レベルの上昇に関連する。この点で、ADの1つの主要な特徴は、総血清IgEのレベルの上昇であり、オマリズマブなどのIgEを標的とするいくつかの治療薬が開発されている。現在の理解によれば、ADの病態は、様々な感受性遺伝子、宿主環境、感染性因子、皮膚バリア機能の欠陥、及び免疫学的応答の間の複雑な相互作用の産物である。ほとんどの場合、喘息気管支、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、及び/又はアトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患の陽性家族歴がある。これらの疾患はまた、しばしば、対象においてADの発生と関連している。
ADの診断は臨床的に行われ、歴史的特徴、形態及び皮膚病変の分布、並びに関連する臨床徴候に基づいている。分類を助けるために、様々なグループによって正式な基準が策定されてきた。最もよく知られている診断基準の1つは、1980年のHanifin及びRajkaの基準であり、診断を下すためには4つの大基準のうち3つと23の小基準のうち3つを満たす必要がある。ADの湿疹性発疹の好発部位は、顔、首、及び四肢の屈曲褶曲部である。好発部位は存在するが、皮膚病変は明確な境界なしに現れ、身体の事実上全ての部位が関与する-表皮全体まで関与する(紅皮症)可能性がある。ADの臨床パターンも年齢によって異なる。この疾患は頭皮から始まり、その後、幼児の顔並びに腕及び脚伸側面に広がり、時には広範囲の滲出及び痂皮形成を示すことがある。その後、典型的な優先パターンは、屈曲部、首及び手の湿疹性併発を伴って発現する。これは、非病変性皮膚を含む経皮的水分損失の増加及び刺激性皮膚応答の増加によって反映される乾燥皮膚及び皮膚バリア機能障害を伴う。苔癬化は、引っ掻き及びこすることの結果である。成人で最も頻繁に起こるこれは、主に悪化した結節病変を伴うADの痒疹型をもたらし得る。悪化はしばしば目に見える皮膚病変なしでかゆみの増加として開始する。次いで、これは、紅斑、丘疹、及び急性皮膚病変における浸潤が続く。慢性AD皮膚病変は、慢性炎症によって引き起こされる組織のリモデリングを受けている。
アトピー性皮膚炎に罹患している患者の正常な皮膚又は関与していない皮膚と比較して、アトピー性皮膚炎の急性皮膚病変は、IL-4、IL-5、及びIL-13 mRNA発現細胞の数が著しく多い。疾患に罹患している患者の病変及び非病変皮膚における樹状細胞は、IgE分子を有し、肥満細胞とともに、IL-4及びIL-13mRNAを発現するTh2細胞、T細胞のサブセットを含む混合リンパ球浸潤反応の発生に寄与する。主にIL-4産生Th2細胞を伴う初期相の後、IFN-γ産生Thl細胞を特徴とする後続期が開始すると考えられる。このスイッチは、好酸球及び/又は樹状細胞への浸潤からのIL-12の局所産生によって開始されると考えられる。Fasリガンドを発現する活性化T細胞はまた、急性ADに見出される海綿状態に寄与するケラチノサイトのアポトーシスを誘導することが示されている。
アトピー性皮膚炎の場合、現時点では利用可能な治療法はない。管理は、アジュバント基本療法(皮膚軟化剤使用)及び抗炎症測定を組み合わせた疾患適応治療を含む。非常に重篤な症例では、薬物(例えば、全身グルココルチコイド、シクロスポリン)又は紫外線による全身治療が限られた期間にわたって適応され得るが、局所グルココルチコイドが治療またADの主力であり、その使用は十分に確立されている。しかしながら、それらの使用に関連するかなりの安全性の懸念があり、特にそれらが連続的に適用される場合及び/又はグルココルチコイドの副作用に更に感受性のある若年の患者には、局所的な皮膚の副作用(例えば、皮膚萎縮、毛細血管拡張症、色素沈着減少)又は全身的な影響(視床下部-下垂体-副腎系(HPA)軸抑制、成長遅延、クッシング症候群)がある。
アレルギー性接触性皮膚炎
アレルギー性接触性皮膚炎(ACD)は、IV型過敏症反応の古典的な例と考えられている。ADとは異なり、ACDは接触性皮膚炎の一形態であり、すなわち、それは、異種化学物質が皮膚に浸透し、タンパク質と化学的に反応し、最終的にハプテン特異的なT細胞媒介性免疫応答をもたらす結果として発症する。したがって、ADとは異なり、ACDはIgEの上昇とは関連しておらず、「アレルギー」という指定の使用における例外となっている。ACDの特徴であるアレルギー徴候及び症状が起こるのは、その明確に定義された局所的な免疫応答:皮膚の発赤、浮腫、暖かさ及び掻痒のためである。診断は、ACDの誘発段階を繰り返す臨床的に有用な検査である診断パッチテストによって確認される。この疾患の求心性段階は、有害な化学物質への患者の繰り返しの低悪性度の曝露の結果として、時間の経過とともに徐々に発症する。
ACDは明確な疾患実体であり、開始、増幅、プラトー相及び疾患分解の明確に定義されたメカニズムを有するが、ほとんどの環境因子は角質層を通って皮膚に浸透するには大きすぎるが、いくつかはこの障壁を通過するのに十分に低い分子量である。これらの分子は、ポイズンアイビーの樹脂中に見出されるウルシオール、合成化合物及び重金属イオンなどの天然に存在する物質に由来し得る。これらの化合物はしばしばハプテンとみなされ、したがってそれ自体でアレルギー反応を引き起こすことはできない。感作反応が起こるためには、ハプテンが皮膚内の内因性化合物(すなわち、タンパク質)と相互作用することが必要である。このような感作反応は、「変化した自己」の免疫認識と称されてきた。すなわち、異種生物学的ハプテンによる自己分子の化学的変化は、この新しく生成された抗原(ハプテン修飾自己分子)が特異的免疫応答を誘発することができるという点で、そのような自己分子を抗原性にする。
ACDのメカニズムには、環境化学物質への曝露に応答して2つの異なる段階で構成される複雑な免疫媒介プロセスのカスケード、1)誘導段階(求心性又は一次段階としても知られてる)、2)誘発段階(遠心性又は二次段階としても知られる)が含まれる。
ACDの誘導相の間、皮膚に適用されるハプテンは、細胞タンパク質と相互作用して、免疫系によって認識される抗原性部分であるハプテン-タンパク質複合体を形成する。これらの複合体は、樹状細胞などの抗原提示細胞によって飲み込まれ、MHCクラスIIの関連において提示される。これは、メモリT細胞に増殖する抗原特異的T細胞を活性化する。更に、NKT細胞が活性化され、IL-2、TNF-α及びIL-4を含むサイトカインの放出につながる。IL-4及び抗原の存在下で、B細胞も活性化され、循環IgMを放出する。
誘発段階中、IgMはハプテン-タンパク質複合体と相互作用して補体活性化を誘導し、肥満細胞及び内皮細胞からの様々な炎症性及び化学的方向性因子の放出につながる。したがって、抗原特異的CD8+T細胞は、ハプテン適用部位に移行し、局所抗原提示細胞と相互作用し、ACDの臨床的発現をもたらす。結果的に観察され得る混合リンパ球浸潤は、炎症性サイトカイン、並びに細胞媒介性細胞傷害の結果である。抗原の強制的な回避とは別に、局所グルココルチコイドは、アレルギー性接触性皮膚炎の治療の中心であり、その使用は十分に確立されている。しかしながら、それらの使用に関連するかなりの安全性の懸念があり、特にグルココルチコイドの副作用に感受性のある(若年のために)患者にそれらが適用される場合は、局所的な皮膚の副作用(例えば、皮膚萎縮、毛細血管拡張症、色素沈着減少)又は全身的な影響(HPA軸抑制、成長遅延、クッシング症候群)がある。

乾癬
いくつかの例では、処置される疾患/状態は、プラーク屈曲性乾癬、液滴乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、感光性乾癬、及び赤皮性乾癬を含む乾癬である。乾癬は一般的に免疫疾患として認識されており、感染症(例えば、連鎖球菌性咽頭炎又は鵞口瘡)、ストレス、皮膚への損傷(切り傷、擦り傷、虫刺され、重度の日焼け)、特定の薬(リチウム、抗マラリア薬、キニジン、インドメタシンを含む)などの要因によって引き起こされるか、又は2型糖尿病、心血管疾患、高血圧、クローン病、高コレステロール、うつ病、潰瘍性大腸炎などの他の免疫状態を併発する可能性がある。これらの原因のいずれかに起因する乾癬、又は任意の他の原因又は未知の原因は、本明細書に記載の製剤及び方法によって治療され得る。
場合によっては、以下のうちの1つを示す場合、対象は乾癬を有すると定義される:1)銀白色の鱗屑で覆われた炎症を起こした皮膚病変(プラーク乾癬又は尋常性乾癬);2)胴体、腕又は脚に現れる小さな赤い点(腹部乾癬);3)皮膚の屈曲面に鱗屑状の剥がれなく滑らかな炎症を起こした病変(逆乾癬);4)かゆみ及び腫脹を伴うか又は伴わない、細かい鱗屑の広範な発赤及び剥離(赤血球性乾癬);5)水疱様病変(膿疱性乾癬);6)銀白色の鱗屑で覆われた炎症を起こした頭皮病変(頭皮乾癬);7)黄化変色、潰れた爪、又は爪の炎症及び爪床からの剥離を伴うか又は伴わない、爪の点状陥凹。
抗体
一例では、任意の例による本明細書に記載の化合物は、抗体の抗原結合部位を含むタンパク質である。いくつかの例では、CD131と結合する化合物は、抗体である。
抗体を生成するための方法は、当該技術分野で既知であり、かつ/又はHarlow and Lane(editors)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1988)に記載されている。一般に、そのような方法では、任意選択で任意の好適又は所望の担体、アジュバント、又は薬学的に許容される賦形剤で製剤化されたCD131又はその領域(例えば、細胞外ドメイン)若しくはその免疫原性断片若しくはエピトープ、又はそれを発現及び表示する細胞(すなわち、免疫原)が、非ヒト動物、例えば、マウス、ニワトリ、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ウマ、ヤギ、又はブタに投与される。免疫原は、鼻腔内、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、腹腔内、又は他の既知の経路によって投与し得る。
モノクローナル抗体は、本開示によって企図される抗体の1つの例示的形態である。「モノクローナル抗体」又は「mAb」という用語は、同じ抗原に、例えば、抗原内の同じエピトープに結合することができる均一抗体集団を指す。この用語は、抗体の供給源又はそれが作製される方法に関して限定されることを意図するものではない。
mAbの産生には、例えば、US4196265又はHarlow及びLane(1988)(上記)に例示される手順など、いくつかの既知の技法のうちのいずれか1つを使用してよい。
代替的に、ABL-MYC技術(NeoClone、Madison WI 53713,USA)を使用して、MAbを分泌する細胞株を産生する(例えば、Largaespada et al,J.Immunol.Methods.197:85-95,1996に記載されるように)。
抗体はまた、例えば、US6300064及び/又はUS5885793に記載されるように、ディスプレイライブラリ、例えば、ファージディスプレイライブラリをスクリーニングすることによって、産生又は単離され得る。例えば、本発明者らは、ファージディスプレイライブラリから完全ヒト抗体を単離した。
本開示の抗体は、合成抗体であってもよい。例えば、抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、又は脱免疫化抗体である。
一例では、本明細書に記載の抗体は、キメラ抗体である。「キメラ抗体」という用語は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が、特定の種(例えば、マウスなどのネズミ)に由来するか、又は特定の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか又は相同である一方で、鎖の残りの部分は、別の種(例えば、ヒトなどの霊長類)に由来するか、又は別の抗体クラス若しくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列と同一であるか又は相同である抗体を指す。キメラ抗体の作製方法は、例えば、US4816567及びUS5807715に記載されている。
本開示の抗体は、ヒト化抗体であっても、ヒト抗体であってもよい。
「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト種由来の抗体に由来する抗原結合部位又は可変領域を有し、ヒト抗体の構造及び/又は配列に基づいて残りの抗体構造を有するキメラ抗体のサブクラスを指すと理解されなければならない。ヒト化抗体において、抗原結合部位は、一般に、ヒト抗体の可変領域内の適切なFRに接合された非ヒト抗体からの相補性決定領域(CDR)、及びヒト抗体からの残りの領域を含む。抗原結合部位は、野生型(すなわち、非ヒト抗体のものと同一である)であってもよく、1つ以上のアミノ酸置換によって改変されてもよい。場合によっては、ヒト抗体のFR残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えられる。
非ヒト抗体又はその部分(例えば、可変領域)をヒト化するための方法は、当該技術分野において既知である。ヒト化は、US5225539、又はUS5585089の方法に従って行うことができる。抗体をヒト化するための他の方法は、除外されないものとする。
本明細書で使用される「ヒト抗体」という用語は、可変領域(例えば、V、V)、及びヒト、例えば、ヒト生殖細胞又は体細胞に見出される配列に由来するか、又はそれに対応する任意選択で一定の領域を有する抗体を指す。
例示的なヒト抗体は本明細書に記載されており、WO2017/088028に記載される9A2-VR24.29(また、「CSL311」とも称される)、及びSun et al.(1999)Blood 94:1943-1951に記載されるBION-1、並びに/又はその可変領域を含むタンパク質若しくはその誘導体が挙げられる。これらのヒト抗体は、非ヒト抗体と比較して、ヒトにおける免疫原性の低下という利点を提供する。
一例では、抗体は、多重特異性抗体である。例えば、CD131に結合する化合物は、CD131に結合する抗原結合部位と、異なる抗原に結合する更なる抗原結合部位とを含むタンパク質であり得る。したがって、いくつかの例では、抗体は二重特異性抗体である。
抗体結合ドメイン含有タンパク質
単一ドメイン抗体
いくつかの例では、本開示の化合物は、単一ドメイン抗体(「ドメイン抗体」又は「dAb」又は「ナノボディ」という用語と互換的に使用される)であるか、又はそれを含むタンパク質である。単一ドメイン抗体は、単一のモノマー可変抗体ドメインからなる抗体断片である。抗体全体と同様に、これは特定の抗原に選択的に結合することができる。わずか12~15kDaの分子量で、単一ドメイン抗体は、2本の重タンパク質鎖及び2本の軽鎖からなる一般的な抗体(150~160kDa)よりもはるかに小さく、Fab断片(約50kDa、1本の軽鎖と半分の重鎖)及び単鎖可変断片(約25kDa、2つの可変ドメイン、1つは軽鎖から、もう1つは重鎖から)よりも更に小さい。ある特定の例では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.、Waltham,MA;例えば、US6248516を参照されたい)。
いくつかの例では、単一ドメイン抗体は、VH断片である。VH断片は、以下に記載のラクダ科重鎖抗体の可変ドメイン(V)からなる。
いくつかの例では、単一ドメイン抗体は、VNAR断片である。VNAR断片は、以下に記載の、軟骨魚類由来の重鎖抗体の可変ドメイン(V)からなる。
ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ
いくつかの例では、本開示のタンパク質は、WO98/044001及び/又はWO94/007921に記載されるものなどの、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ若しくはより高次元のタンパク質複合体であるか、又はそれらを含む。
一本鎖Fv(scFv)
当業者は、scFvが、単一のポリペプチド鎖内のV及びV領域、並びにV及びVの間のポリペプチドリンカーを含み、これにより、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にすること(すなわち、単一のポリペプチド鎖のV及びVが互いに会合してFvを形成すること)を認識するであろう。例えば、リンカーは、12個を超えるアミノ酸残基を含み、(GlySer)は、scFvにとってより好ましいリンカーの1つである。
重鎖抗体
重鎖抗体は、重鎖を含むが、軽鎖を含まない限り、他の多くの形態の抗体と構造的に異なる。したがって、これらの抗体は、「重鎖のみ抗体」とも称される。重鎖抗体は、例えば、ラクダ科及び軟骨魚類(IgNARとも呼ばれる)に見出される。
ラクダ科及びその可変領域由来の重鎖抗体及びそれらの産生及び/又は単離及び/又は使用方法の一般的な説明は、とりわけ、以下の参考文献WO94/04678、WO97/49805及びWO97/49805に見出される。
軟骨魚類及びその可変領域由来の重鎖抗体並びにそれらの産生方法及び/又は単離方法及び/又は使用方法の一般的な説明は、とりわけ、WO2005/118629に見出される。
他の抗体及び抗体断片
本開示はまた、他の抗体及び抗体断片、例えば、
(i)US5,731,168に記載の「鍵及び穴」二重特異性タンパク質、
(ii)例えば、US4,676,980に記載のヘテロ共役タンパク質、
(iii)例えば、US4,676,980に記載の化学架橋剤を使用して産生されるヘテロ共役タンパク質、及び
(iv)Fab(例えば、EP1993/0302894に記載の)を企図する。
V様タンパク質
本開示の化合物の例は、T細胞受容体である。T細胞受容体は、抗体のFvモジュールと同様の構造に結合する2つのVドメインを有する。Novotny et al.,Proc Natl Acad Sci USA 88:8646-8650,1991は、T細胞受容体の2つのVドメイン(α及びβと称される)が、どのように融合され、一本鎖ポリペプチドとして発現され得るか、更に、抗体scFvに直接類似する疎水性を低減するために表面残基をどのように変化させるかを記載している。2つのV-α及びV-βドメインを含む一本鎖T細胞受容体又は多量体T細胞受容体の産生を記載する他の刊行物としては、WO1999/045110又はWO2011/107595が挙げられる。
抗原結合ドメインを含む他の非抗体タンパク質としては、一般に単量体であるV様ドメインを有するタンパク質が挙げられる。かかるV様ドメインを含むタンパク質の例としては、CTLA-4、CD28、及びICOSが挙げられる。かかるV様ドメインを含むタンパク質の更なる開示は、WO1999/045110に含まれる。
アドネクチン
一例では、本開示の化合物は、アドネクチンである。アドネクチンは、ループ領域が抗原結合を付与するように変更されるヒトフィブロネクチンの第10のフィブロネクチンIII型(10Fn3)ドメインに基づく。例えば、10Fn3ドメインのβサンドイッチの一端にある3つのループを操作して、アドネクチンが抗原を特異的に認識できるようにすることができる。更なる詳細については、US2008/0139791又はWO2005/056764を参照されたい。
アンチカリン
更なる例では、本開示の化合物は、アンチカリンである。アンチカリンは、ステロイド、ビリン、レチノイド及び脂質などの小さな疎水性分子を輸送する細胞外タンパク質のファミリーであるリポカリンに由来する。リポカリンは、抗原に結合するように操作することができる円錐構造の開放端に複数のループを有する剛性βシート二次構造を有する。そのような操作されたリポカリンは、アンチカリンとして知られている。アンチカリンの更なる説明については、US7250297B1又はUS2007/0224633を参照されたい。
アフィボディ
更なる例では、本開示の化合物は、アフィボディである。アフィボディは、抗原に結合するように操作され得る黄色ブドウ球菌のプロテインAのZドメイン(抗原結合ドメイン)に由来する足場である。Zドメインは、約58個のアミノ酸の3ヘリカルバンドルからなる。ライブラリは、表面残基のランダム化によって生成されてきた。詳細については、EP1641818を参照されたい。
アビマー
更なる例では、本開示の化合物は、アビマーである。アビマーは、Aドメイン足場ファミリーに由来するマルチドメインタンパク質である。約35個のアミノ酸の天然ドメインは、定義されたジスルフィド結合構造を採用する。多様性は、Aドメインファミリーによって示される自然変動のシャッフルによって生成される。詳細については、WO2002/088171を参照されたい。
DARPin
更なる例では、本開示の化合物は、設計されたアンキリンリピートタンパク質(DARPin)である。DARPinは、細胞骨格への一体膜タンパク質の結合を媒介するタンパク質のファミリーであるアンキリンに由来する。単一のアンキリン反復は、2つのαヘリックスとβターンからなる33残基モチーフである。それらは、第1のαヘリックス及び各反復のβターン内の残基をランダム化することによって、異なる標的抗原に結合するように操作することができる。それらの結合界面は、モジュールの数を増やすことによって増加させることができる(親和性成熟の方法)。詳細については、US20040132028を参照されたい。
脱免疫化タンパク質
本開示はまた、脱免疫化抗体又はタンパク質を企図する。脱免疫化抗体及びタンパク質は、1つ以上のエピトープ、例えば、B細胞エピトープ又は除去された(すなわち、変異した)T細胞エピトープを有し、それによって、哺乳動物が抗体又はタンパク質に対する免疫応答を上昇させる可能性を低下させる。脱免疫化抗体及びタンパク質を産生するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、WO2000/34317、WO2004/108158及びWO2004/064724に記載されている。
好適な変異を導入し、得られたタンパク質を発現及びアッセイするための方法は、本明細書の説明に基づいて当業者には明白であろう。
タンパク質への突然変異
本開示はまた、本開示のタンパク質の変異型を企図する。例えば、かかる変異タンパク質は、本明細書に記載される配列と比較して、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含む。いくつかの例では、タンパク質は、30個以下又は20個以下又は10個以下、例えば、9個又は8個又は7個又は6個又は5個又は4個又は3個又は2個の保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖及び/又は親水性及び/又は親水性を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。
一例では、突然変異タンパク質は、天然に存在するタンパク質と比較して、1個又は2個又は3個又は4個又は5個又は6個の保存的アミノ酸変化のみを有するか、又はそれ以下である。保存的アミノ酸変化の詳細を以下に提供する。当業者は、例えば、本明細書の開示から認識するであろうように、そのようなわずかな変化は、タンパク質の活性を改変しないように合理的に予測され得る。
類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含み、当該技術分野において定義されている。
本開示はまた、本開示のタンパク質、例えば、CDR3などのCDRにおける非保存的アミノ酸変化(例えば、置換)を企図する。一例では、タンパク質は、例えば、CDR3中、例えばCDR3中に、6個未満又は5個未満又は4個未満又は3個未満又は2個未満又は1個未満の非保存的アミノ酸置換を含む。
本開示はまた、本明細書に記載の配列と比較した1つ以上の挿入又は欠失を企図する。いくつかの例では、タンパク質は、10個以下、例えば、9個又は8個又は7個又は6個又は5個又は4個又は3個又は2個の挿入及び/又は欠失を含む。
定常領域
本開示は、抗体の定常領域を含む、本明細書に記載のタンパク質及び/又は抗体を包含する。これには、Fcに融合された抗体の抗原結合断片が含まれる。
本開示のタンパク質の産生に有用な定常領域の配列は、いくつかの異なる供給源から入手することができる。いくつかの例では、タンパク質の定常領域又はその一部は、ヒト抗体に由来する。定常領域又はその一部は、IgM、IgG、IgD、IgA、及びIgEを含む任意の抗体クラス、並びにIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む任意の抗体アイソタイプに由来し得る。一例では、定常領域は、ヒトアイソタイプIgG4又は安定化IgG4定常領域である。
一例では、定常領域のFc領域は、例えば、天然又は野生型ヒトIgG1又はIgG3 Fc領域と比較して、エフェクター機能を誘導する能力が低下している。一例では、エフェクター機能は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)及び/又は抗体依存性細胞媒介性食作用(ADCP)及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)である。タンパク質を含有するFc領域のエフェクター機能のレベルを評価するための方法は、当該技術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載される。
一例では、Fc領域は、IgG4 Fc領域(すなわち、IgG4定常領域からの)、例えば、ヒトIgG4 Fc領域である。好適なIgG4 Fc領域の配列は、当業者には明白であり、かつ/又は公的に入手可能なデータベースにおいて入手可能であろう(例えば、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)から入手可能であろう)。
一例では、定常領域は、安定化IgG4定常領域である。「安定化IgG4定常領域」という用語は、Fabアーム交換、又はFabアーム交換若しくは半抗体の形成を受ける傾向、又は半抗体を形成する傾向を低減するように改変されたIgG4定常領域を意味すると理解されるであろう。「Fabアーム交換」とは、ヒトIgG4のタンパク質修飾の種類を指し、ここで、IgG4重鎖及び結合軽鎖(半分分子)は、別のIgG4分子からの重軽鎖対に交換される。したがって、IgG4分子は、(二重特異性分子をもたらす) 2つの異なる抗原を認識する2つの異なるFabアームを獲得し得る。Fabアーム交換は、インビボで天然に生じ、精製された血液細胞又は還元されたグルタチオンなどの還元剤によってインビトロで誘導され得る。「半抗体」は、IgG4抗体が解離して、各々が単一の重鎖及び単一の軽鎖を含む2つの分子を形成するときに形成される。
一例では、安定化IgG4定常領域は、Kabatのシステム(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,1987 and/or 1991)に従うヒンジ領域の241位にプロリンを含む。この位置は、EU番号付けシステム(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest Washington DC United States Department of Health and Human Services,2001及びEdelman et al.,Proc.Natl.Acad.USA,63,78-85,1969)に従うヒンジ領域の228位に対応する。ヒトIgG4において、この残基は、一般に、セリンである。プロリンに対するセリンの置換の後、IgG4ヒンジ領域は、配列CPPCを含む。この点において、当業者は、「ヒンジ領域」が、抗体の2つのFabアームに可動性を付与するFc及びFab領域を連結する抗体重鎖定常領域のプロリンが豊富な部分であることを認識するであろう。ヒンジ領域は、重鎖間ジスルフィド結合に関与するシステイン残基を含む。これは、一般に、Kabatの番号付けシステムに従って、ヒトIgG1のGlu226からPro243まで伸張させることとして定義される。他のIgGアイソタイプのヒンジ領域は、重鎖間ジスルフィド(S-S)結合を形成する第1及び最後のシステイン残基を同じ位置に配置することによって、IgG1配列と整列され得る(例えば、WO2010/080538を参照されたい)。
安定化IgG4抗体の更なる例は、ヒトIgG4の重鎖定常領域における409位のアルギニン(EU番号付けシステムによる)が、リジン、スレオニン、メチオニン、又はロイシン(例えば、WO2006/033386に記載される)で置換される抗体である。定常領域のFc領域は、追加的又は代替的に、アラニン、バリン、グリシン、イソロイシン、及びロイシンからなる群から選択される残基を、405に対応する位置(EU番号付けシステムによる)に含むことができる。任意選択で、ヒンジ領域は、位置241にプロリン(すなわち、CPPC配列)を含む(上記のように)。
別の例では、Fc領域は、低減されたエフェクター機能を有するように改変された領域、すなわち、「非免疫刺激性Fc領域」である。例えば、Fc領域は、268、309、330、及び331からなる群から選択される1つ以上の位置での置換を含むIgG1 Fc領域である。別の例では、Fc領域は、以下の変更E233P、L234V、L235A、及びG236の欠失のうちの1つ以上、並びに/又は以下の変更A327G、A330S、及びP331Sのうちの1つ以上を含むIgG1 Fc領域であるArmour et al.,Eur J Immunol.29:2613-2624,1999;Shields et al.,J Biol Chem.276(9):6591-604,2001)。非免疫刺激性Fc領域の更なる例は、例えば、Dall’Acqua et al.,J Immunol.177:1129-1138 2006、及び/又はHezareh J Virol;75:12161-12168,2001)に記載されている。
別の例では、Fc領域は、例えば、IgG4抗体由来の少なくとも1つのC2ドメイン及びIgG1抗体由来の少なくとも1つのC3ドメインを含むキメラFc領域であり、Fc領域は、240、262、264、266、297、299、307、309、323、399、409及び427(EU番号付け)からなる群から選択される1つ以上のアミノ酸位置での置換を含む(例えば、WO2010/085682に記載される)。例示的な置換としては、240F、262L、264T、266F、297Q、299A、299K、307P、309K、309M、309P、323F、399S、及び427Fが挙げられる。
追加の改変
本開示はまた、本開示の抗体又はタンパク質への追加の改変を企図する。
例えば、抗体は、タンパク質の半減期を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含む。例えば、抗体は、胎児性Fc受容体FcRn)に対するFc領域の親和性を増加させる1つ以上のアミノ酸置換を含むFc領域を含む。例えば、Fc領域は、エンドソームにおけるFc/FcRn結合を容易にするために、より低いpH、例えば、約pH6.0でのFcRnに対する親和性を増加させた。一例では、Fc領域は、約pH7.4でのその親和性と比較して、約pH6でのFcRnに対する親和性を増加させており、これは細胞リサイクル後の血液中へのFcの再放出を促進する。これらのアミノ酸置換は、血液からのクリアランスを減少させることによって、タンパク質の半減期を延長するのに有用である。
例示的なアミノ酸置換としては、EU番号付けシステムによるT250Q及び/又はM428L若しくはT252A、T254S及びT266F又はM252Y、S254T及びT256E又はH433K及びN434Fが挙げられる。追加の又は代替のアミノ酸置換は、例えば、US2007/0135620又はUS7083784に記載されている。
タンパク質は、融合タンパク質であり得る。したがって、一例では、タンパク質は、アルブミン、その機能的断片又は変異型を更に含む。一例では、アルブミン、その機能的断片又は変異型は、ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミンである。一例では、アルブミン、その機能的断片又は変異型は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、又は挿入、例えば、5個以下、4個以下、3個以下、2個以下、又は1個以下の置換を含む。本開示での使用に好適なアミノ酸置換は、当業者には明らかであり、天然に存在する置換及び例えば、WO2011/051489、WO2014/072481、WO2011/103076、WO2012/112188、WO2013/075066、WO2015/063611及びWO2014/179657に記載されるものなどの操作された置換を含む。
一例では、本開示のタンパク質は、可溶性補体受容体又はその機能的断片若しくは変異型を更に含む。一例では、タンパク質は更に補体阻害剤を含む。
タンパク質産生
一例では、任意の例に従う本明細書に記載のタンパク質は、タンパク質を産生するのに十分な条件下で、例えば、本明細書に記載されるように、かつ/又は当該技術分野において既知であるように、ハイブリドーマを培養することによって産生される。
組換え発現
別の例では、任意の例による本明細書に記載されるタンパク質は、組換えである。
組換えタンパク質の場合、それをコードする核酸を発現構築物又はベクターにクローニングすることができ、その後、大腸菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、又は哺乳動物細胞、例えばサルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胚性腎臓(HEK)細胞、又はそれ以外の場合にはタンパク質を産生しない骨髄腫細胞などの宿主細胞にトランスフェクトする。タンパク質を発現するために使用される例示的な細胞は、CHO細胞、骨髄腫細胞又はHEK細胞である。これらの目的を達成するための分子クローニング技術が当該技術分野において既知であり、例えば、Ausubel et al.,(editors),Current Protocols in Molecular Biology,Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience(1988、現在までに更新されたものを含む)又はSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に記載されている。多種多様なクローニング及びインビトロ増幅方法は、組換え核酸の構築に好適である。組換え抗体の産生方法もまた当該技術分野で既知であり、例えば、US4816567又はUS5530101を参照されたい。
単離後、核酸は、更なるクローニング(DNAの増幅)のために、又は無細胞系若しくは細胞内での発現のために、発現構築物若しくは発現ベクター中のプロモーターに作動可能に連結された挿入される。
本明細書で使用する場合、「プロモーター」という用語は、その最も広い文脈でとられるべきであり、核酸の発現を、例えば、発達及び/又は外部刺激に応答して、又は組織特異的な様式で変化させる追加の調節エレメント(例えば、上流活性化配列、転写因子結合部位、エンハンサー及びサイレンサー)を伴うか伴わない、正確な転写開始に必要なTATAボックス又は開始剤エレメントを含む、ゲノム遺伝子の転写調節配列を含む。本文脈において、「プロモーター」という用語は、それが作動可能に連結した核酸の発現を付与、活性化又は増強する組換え、合成若しくは融合核酸、又は誘導体を説明するためにも使用される。例示的なプロモーターは、1つ以上の特定の調節エレメントの追加のコピーを含有して、発現を更に増強し、かつ/又は当該核酸の空間的発現及び/若しくは時間的発現を変化させることができる。
本明細書で使用される場合、「に作動可能に連結される」という用語は、核酸の発現がプロモーターによって制御されるように、核酸に対してプロモーターを配置することを意味する。
細胞内で発現するための多くのベクターが利用可能である。ベクター成分には、一般に、シグナル配列、タンパク質をコードする配列(例えば、本明細書に提供される情報に由来する)、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列のうちの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、タンパク質を発現させるための好適な配列を認識するであろう。例示的なシグナル配列としては、原核分泌シグナル(例えば、pelB、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、又は熱安定性エンテロトキシンII)、酵母分泌シグナル(例えば、インバーターゼリーダー、α因子リーダー、又は酸ホスファターゼリーダー)、又は哺乳動物分泌シグナル(例えば、単純ヘルペスgDシグナル)が挙げられる。
哺乳類細胞において活性な例示的なプロモーターとしては、サイトメガロウイルス最初期プロモーター(CMV-IE)、ヒト伸長因子1-αプロモーター(EF1)、小核RNAプロモーター(U1a及びU1b)、α-ミオシン重鎖プロモーター、シミアンウイルス40プロモーター(SV40)、ラウス肉腫ウイルスプロモーター(RSV)、アデノウイルス主要後期プロモーター、β-アクチンプロモーター、CMVエンハンサー/β-アクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター若しくはその活性断片を含むハイブリッド調節エレメントが挙げられる。有用な哺乳類宿主細胞株の例は、SV40(COS-7、ATCC CRL1651)によって形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胚性腎臓株(浮遊培養中での成長のためにサブクローニングされた293又は293細胞、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL10)、又はチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)である。
例えば、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)、及びシゾサッカロミセス・ポンベ(S.pombe)を含む群から選択される酵母細胞などの酵母細胞における発現に好適な典型的なプロモーターとしては、ADH1プロモーター、GAL1プロモーター、GAL4プロモーター、CUP1プロモーター、PHO5プロモーター、nmtプロモーター、RPR1プロモーター、又はTEF1プロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。
発現のために単離された核酸又はそれを含む発現構築物を細胞に導入するための手段は、当業者に既知である。所与の細胞に使用される技術は、既知の成功した技術に依存する。組換えDNAを細胞内に導入するための手段としては、とりわけ、マイクロインジェクション、DEAE-デキストランによって媒介されるトランスフェクション、リポソームによって媒介されるトランスフェクション(例えば、リポフェクタミン(Gibco、MD,USA)及び/又はセルフェクチン(Gibco、MD,USA)を使用することによって)、PEG媒介性DNA取り込み、エレクトロポレーション、並びにDNAコーティングされたタングステン又は金粒子(Agracetus Inc.、WI,USA)を使用することによってなどの微粒子衝突が挙げられる。
タンパク質を産生するために使用される宿主細胞は、使用される細胞型に応じて、様々な培地中で培養され得る。Ham’s Fl0(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMlー1640(Sigma)、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)Sigma)、などの市販の培地は、哺乳類細胞の培養に好適である。本明細書で考察される他の細胞型を培養するための培地は、当該技術分野において既知である。
タンパク質の単離
タンパク質を単離するための方法は、当該技術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載される。
タンパク質が培地中に分泌される場合、かかる発現系からの上清は、まず、市販のタンパク質濃度フィルター、例えば、アミコン又はミリポアペリコン限外濾過ユニットを使用して濃縮され得る。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤は、タンパク質分解を阻害するための前述のステップのいずれかに含まれてもよく、外来性汚染物質の増殖を防止するために抗生物質が含まれてもよい。代替的に、又は追加的に、上清を、例えば連続遠心分離を使用して、タンパク質を発現する細胞から濾過及び/又は分離することができる。
細胞から調製したタンパク質は、例えば、イオン交換、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、親和性クロマトグラフィー(例えば、プロテインA親和性クロマトグラフィー又はプロテインGクロマトグラフィー)、又は前述のものの任意の組み合わせを使用して精製することができる。これらの方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、WO1999/57134又はEd Harlow and David Lane(editors)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,(1988)に記載されている。
当業者はまた、タンパク質が、精製又は検出を容易にするためのタグ、例えば、ポリヒスチジンタグ、例えば、ヘキサヒスチジンタグ、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)タグ、サルウイルス5(V5)タグ、フラッグタグ、又はグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)タグを含むように修飾することができることを認識するであろう。得られたタンパク質を、親和性精製などの当該技術分野で既知の方法を使用して精製する。例えば、ヘキサ-hisタグを含むタンパク質は、タンパク質を含む試料を、固体又は半固体支持体上に固定化されたヘキサ-hisタグに特異的に結合するニッケル-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)と接触させ、試料を洗浄して非結合タンパク質を除去し、その後、結合タンパク質を溶出することによって精製される。代替的に、又は加えて、タグに結合するリガンド又は抗体が、親和性精製方法で使用される。
CD131に結合する核酸化合物
一例では、CD131に結合する化合物は、核酸アプタマー(適応性オリゴマー)である。アプタマーは、特定の標的分子、例えば、タンパク質又は小分子、例えば、CD131に結合する能力を提供する二次及び/又は三次構造を形成することができる一本鎖オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド類似体である。したがって、アプタマーは、抗体に対するオリゴヌクレオチド類似体である。一般に、アプタマーは、約15~約100ヌクレオチド、例えば、約15~約40ヌクレオチド、例えば、約20~約40ヌクレオチドを含み、なぜなら、これらの範囲内にある長さのオリゴヌクレオチドは、従来の技術によって調製することができるからである。
アプタマーは、アプタマーのライブラリから単離され得るか、又はアプタマーのライブラリから同定され得る。アプタマーライブラリは、例えば、ランダムオリゴヌクレオチドをベクター(又はRNAアプタマーの場合には発現ベクター)にクローニングすることによって産生され、ランダム配列は、PCRプライマーの結合部位を提供する既知の配列に隣接する。所望の生物活性を提供する(例えば、CD131に特異的に結合する)アプタマーが選択される。活性が増加したアプタマーは、例えば、SELEX(指数関数的増加によるリガンドの系統的展開)を使用して選択される。アプタマーライブラリの作製及び/又はスクリーニングのための好適な方法は、例えば、Elloington and Szostak,Nature 346:818-22,1990、US5270163、及び/又はUS5475096に記載されている。
化合物のアッセイ活性
CD131への結合
タンパク質(例えば、CD131)への候補化合物の結合を評価するための方法は、例えば、Scopesに(Protein purification:principles and practice,Third Edition,Springer Verlag,1994に)記載されているように、当該技術分野において既知である。そのような方法は、一般に、タンパク質を標識し、固定化された化合物と接触させることを伴う。非特異的結合タンパク質を除去するために洗浄した後、標識の量、及び結果として、結合タンパク質が検出される。当然ながら、タンパク質は固定化され、化合物は標識されることができる。パンニング型アッセイも使用することができる。代替的に、又は追加的に、表面プラズモン共鳴アッセイを使用することができる。結合のレベルは、バイオセンサーを使用して好都合に決定することもできる。
任意選択で、CD131の化合物又はそのエピトープの解離定数(Kd)を決定する。CD131に結合する化合物の「Kd」又は「Kd値」は、一例では、放射性標識又は蛍光標識CD131結合アッセイによって測定される。このアッセイは、非標識CD131の滴定シリーズの存在下で、化合物を最小濃度の標識CD131で平衡化させる。非結合CD131を除去するために洗浄した後、標識の量が決定され、これは、タンパク質のKdを示す。
別の例によれば、Kd又はKd値は、例えば、固定化CD131又はその領域を有するBIAcore表面プラズモン共鳴(BIAcore,Inc.、Piscataway,NJ)を使用して、表面プラズモン共鳴アッセイを使用することによって測定される。
エピトープマッピング
別の例では、本明細書に記載されるタンパク質によって結合されるエピトープがマッピングされる。エピトープマッピング方法は、当業者には明白であろう。例えば、目的のエピトープを含むCD131配列又はその領域にまたがる一連の重複ペプチド、例えば、10~15個のアミノ酸を含むペプチドが作製される。次に、タンパク質を各ペプチド及びそれが結合するペプチドに接触させる。これにより、タンパク質が結合するエピトープを含むペプチドの決定が可能になる。複数の非連続ペプチドがタンパク質に結合している場合、タンパク質は立体構造エピトープに結合し得る。
代替的に、又は加えて、CD131内のアミノ酸残基は、例えば、アラニンスキャン突然変異誘発によって突然変異され、タンパク質結合を低減又は防止する突然変異が決定される。タンパク質の結合を低減又は防止する任意の変異は、タンパク質によって結合されたエピトープ内にある可能性が高い。
更なる方法は本明細書に例示され、本開示の固定化タンパク質にCD131又はその領域を結合させ、得られる複合体をプロテアーゼで消化することを含む。固定化されたタンパク質に結合したままのペプチドを単離し、例えば質量分析を用いて分析して、それらの配列を決定する。
更なる方法は、CD131又はその領域の水素を重水素に変換し、得られたタンパク質を本開示の固定化タンパク質に結合することを含む。次いで、重水素を水素に変換し、CD131又はその領域を単離し、酵素で消化し、例えば、質量分析を用いて、本明細書に記載のタンパク質の結合によって水素への変換から保護されていたであろう重水素を含むそれらの領域を特定するために分析する。
代替的に、タンパク質が結合するエピトープは、X線結晶構造解析によって決定することができる。例えば、タンパク質とCD131との間に複合体が形成され、次いで結晶化される。次いで、得られた結晶をX線回折分析に供して、複合体中のアミノ酸の原子座標を決定する。エピトープは、X線回折から決定された原子座標に従って、タンパク質と接触するCD131中のアミノ酸を含む。
競合的結合の決定
抗体9A2-VR24.29の結合を競合的に阻害するタンパク質を決定するためのアッセイは、当業者には明白であろう。例えば、9A2-VR24.29は、検出可能な標識、例えば、蛍光標識又は放射性標識にコンジュゲートされる。次いで、標識された抗体及び試験タンパク質を混合し、CD131又はその領域(例えば、配列番号1又は5を含むポリペプチド)又はそれを発現する細胞と接触させる。次いで、標識された9A2-VR24.29のレベルを決定し、標識された抗体がタンパク質の非存在下でCD131、領域又は細胞と接触させられたときに決定されたレベルと比較する。標識された9A2-VR24.29のレベルが、タンパク質の不在下と比較して試験タンパク質の存在下で低下する場合、タンパク質は、9A2-VR24.29のCD131への結合を競合的に阻害すると考えられる。
任意選択で、試験タンパク質は、9A2-VR24.29に異なる標識にコンジュゲートされる。この代替標識は、CD131又はその領域若しくは細胞への試験タンパク質の結合のレベルの検出を可能にする。
別の例では、タンパク質は、CD131又はその領域(例えば、配列番号1又は5を含むポリペプチド)、又はCD131、領域若しくは細胞を9A2-VR24.29と接触させる前に、それを発現する細胞に結合することが許される。タンパク質の非存在下と比較して、タンパク質の存在下での結合した9A2-VR24.29の量の減少は、タンパク質が、CD131への9A2-VR24.29の結合を競合的に阻害することを示す。相互アッセイは、標識されたタンパク質を使用して行うこともでき、最初に9A2-VR24.29がCD131に結合することを可能にする。この場合、9A2-VR24.29の不在下と比較して、9A2-VR24.29の存在下でCD131に結合した標識タンパク質の減少した量は、タンパク質が、9A2-VR24.29のCD131への結合を競合的に阻害することを示す。
前述のアッセイのうちのいずれも、例えば、本明細書に記載されるように、CD131及び/又は配列番号1又は5の変異型及び/又は9A2-VR24.29が結合するCD131のリガンド結合領域を用いて実行することができる。
中和の決定
一例では、CD131に結合する化合物は、IL-3、IL-5、及び/又はGM-CSFのCD131を含む受容体(例えば、それぞれ、IL-3R、IL-5R、及び/又はGM-CSF-R)への結合を低減又は防止する。これらのアッセイは、標識されたIL-3/IL-5/GM-CSF及び/又は標識された化合物を使用して、競合的結合アッセイとして行うことができる。例えば、関連する受容体を発現する細胞を、CD131結合化合物の存在下又は非存在下でIL-3/IL-5/GM-CSFと接触させ、結合標識の量を検出する。化合物の非存在下と比較して、CD131結合化合物の存在下での結合標識の量の減少は、化合物が、CD131を含む受容体へのIL-3/IL-5/GM-CSFの結合を低減又は防止することを示す。化合物の複数の濃度を試験することによって、IC50を決定することができる。すなわち、CD131又はEC50を含む受容体に結合するIL-3/IL-5/GM-CSFの量を減少させる化合物の濃度、すなわち、化合物によって達成されるIL-3/IL-5/GM-CSFのCD131への結合の最大阻害の50%を達成するタンパク質の濃度を決定することができる。
更なる例では、CD131結合化合物は、白血病細胞株TF-1のIL-3/IL-5/GM-CSF媒介性増殖を低減又は防止する。例えば、TF-1細胞は、増殖を停止するのに十分な時間(例えば、24~48時間)、IL-3/IL-5/GM-CSFなしで培養される。次いで、細胞を、IL-3/IL-5/GM-CSF及び様々な濃度のCD131結合化合物の存在下で培養する。対照細胞は、化合物(陽性対照)又はIL-3/IL-5/GM-CSF(陰性対照)と接触しない。細胞増殖は、次いで、標準的な技法、例えば、H-チミジンの組み込みを使用して評価される。IL-3の存在下で細胞増殖を陽性対照未満のレベルに減少又は防止するCD131結合化合物は、IL-3シグナル伝達を中和すると考えられる。複数の濃度のCD131結合化合物を試験することによって、IC50を決定する。
別の例では、CD131結合化合物は、STAT-5活性化を阻害又は防止する。例えば、IL-3及び/又はGM-CSFの存在下でインターフェロン調節因子1(irf1)応答エレメントの制御下にあるβ-ラクタマーゼレポーター遺伝子を含む細胞(例えば、TF-1細胞)。好適な細胞は、Life Technologies Corporationから入手可能である。細胞をまた、好適な基質(例えば、CCF2又はCCF4などの負に帯電した蛍光β-ラクタマーゼ基質)と接触させ、決定されたシグナルの変化(例えば、蛍光)を決定する。陽性対照(すなわち、化合物の非存在下でIL-3及び/又はGM-CSFと接触した細胞)におけるシグナルの変化の減少は、化合物がIL-3及び/又はGM-CSF誘導STAT-5シグナル伝達を低減又は防止することを示す。
更なる例では、本開示のCD131結合化合物は、免疫細胞である。例えば、CD131結合化合物は、好中球細胞サイズのGM-CSF誘導増加を低減又は阻害することによって決定される、GM-CSFによる単離されたヒト好中球の活性化を低減又は阻害する。例えば、好中球(例えば、約1×10細胞)を、CD-131結合タンパク質及びGM-CSFの存在下で好適な時間(例えば、約24時間)培養する。次いで、細胞を固定し(例えば、ホルムアルデヒドで)、フローサイトメトリーを使用して前方散乱について分析する。
一例では、CD131結合化合物は、ヒト好塩基球によるIL-3誘導IL-8分泌を低減又は阻害する。例えば、好塩基球(例えば、約1×10細胞)を、CD131結合化合物及びIL-3の存在下で、好適な時間(例えば、24時間)培養する。IL-8分泌は、次いで、例えば、例えば、R&D Systemsから入手可能であるように、ELISAを使用して評価される。
更なる例では、CD131結合化合物は、IL-3媒介性生存又はpDCを低減又は予防する。例えば、pDCを、CD131結合化合物及びIL-3の存在下で、好適な時間(例えば、24時間)培養する。次いで、細胞生存を、例えば、LonzaからのViaLight Plus Kitなどの標準的な方法を使用して評価する。
更なる例では、CD131結合化合物は、フローサイトメトリーによって評価された前方散乱の変化を評価することによって決定されるように、IL-5によるヒト末梢血好酸球の活性化を低減又は防止する。例えば、好酸球(例えば、約1×10細胞)を、CD131結合化合物及びIL-5の存在下で、好適な時間(例えば、約24時間)培養する。次いで、細胞を固定し(例えば、ホルムアルデヒドで)、フローサイトメトリーを使用して前方散乱における変化について評価する。
更なる例では、本開示のCD131結合化合物は、IL-5及び/又はGM-CSF及び/又はIL-3の存在下でのヒト末梢血好酸球の生存を低下させるか又は防止する。例えば、好酸球(例えば、約1×10細胞)を、CD131結合化合物及びIL-5及び/又はGM-CSF及び/又はIL-3の存在下で、好適な時間(例えば、約5日間)、並びに標準方法(例えば、LonzaからのViaLight Plus Kit)を使用して評価された細胞数の存在下で培養する。
なおも更なる例では、本開示のCD131結合化合物は、ヒト肥満細胞からのIL-3誘導性TNFα放出を低減又は防止する。例えば、ヒト培養肥満細胞(例えば、10週齢の末梢血由来細胞)は、CD131結合化合物及びIL-3の存在下で培養される。次いで、TNFα分泌のレベルを、例えば、ELISAによって評価する。
更なる例では、本開示のCD131結合化合物は、ヒト肥満細胞からのIL-3誘導性IL-13放出を低減又は防止する。例えば、ヒト培養肥満細胞(例えば、10週齢の末梢血由来細胞)は、CD131結合化合物及びIL-3の存在下で培養される。次いで、IL-13分泌のレベルを、例えば、ELISAによって評価する。
更なる例では、本開示のCD131結合化合物は、IL-3及び/又はIL-5及び/又はGM-CSFによるヒト肥満細胞からのIgE媒介性IL-8放出の増強を低減又は防止する。例えば、ヒト培養肥満細胞(例えば、10週齢の末梢血由来細胞)は、CD131結合化合物及びIL-3/IL-5/GM-CSFの存在下で培養される(例えば、約48時間)。次いで、細胞を、IgE(例えば、ヒト骨髄腫IgE)とともに、好適な時間(例えば、約24時間)培養し、IL-8分泌を、例えばELISAによって評価する。
更なる例では、CD131結合化合物は、SCF、GM-CSF、IL-3、及びIL-5の存在下で培養されたCD34+ヒト骨髄細胞(又は臍帯血細胞)によるCFU-GMの形成を低減又は防止する。例えば、CD34+細胞(例えば、約1×10細胞)を、CD131結合化合物の存在下で(例えば、ウシのウシ血清アルブミン、SCF、GM-CSF、IL-3、及びIL-5を補充したメチルセルロース(例えば、1%メチルセルロース)上で)培養する。細胞を好適な時間(例えば、約16日間)培養し、その後に形成されたコロニーの数を列挙する。
更なる例では、CD131結合化合物は、炎症性気道疾患又は鼻ポリープ症に罹患している対象からの痰又は鼻ポリープ組織からの免疫細胞(例えば、好酸球)の生存を低下させるか、又は死を誘導する。例えば、免疫細胞は、IL-3及び/又はIL-5及び/又はGM-CSF及びタンパク質又は抗体の存在下で培養される。次いで、標準的な方法を用いて、例えば、アネキシン-V発現を検出することによって、例えば、蛍光活性化細胞選別を用いて、細胞死を評価する。
別の例では、CD131結合化合物は、好塩基球からのIL-3媒介性ヒスタミン放出を低減又は防止する。例えば、好塩基球を含む低密度白血球を、IgE、IL-3、及び様々な濃度の抗体又は抗原結合断片とインキュベートする。対照細胞は、免疫グロブリン(陽性対照)又はIL-3(陰性対照)を含まない。次いで、放出されたヒスタミンのレベルを、標準的な技法、例えば、RIAを使用して評価する。IL-3シグナル伝達を中和するために、陽性対照よりも低いレベルにヒスタミン放出のレベルを低下させるCD131結合化合物が考えられる。一例では、減少のレベルは、タンパク質濃度と相関する。IL-3媒介性ヒスタミン放出を評価するための例示的な方法は、例えば、Lopez et al.,J.Cell.Physiol.,145:69,1990に記載されている。
IL-3シグナル伝達中和を評価するための別のアッセイは、CD131結合化合物が内皮細胞に対するIL-3媒介作用を低減又は防止するか否かを決定することを含む。例えば、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)は、IL-3(任意選択で、IFN-γを用いて)及び様々な濃度のCD131結合化合物の存在下で培養される。次いで、分泌されたIL-6の量を、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して評価する。対照培養物は、CD131結合化合物(陽性対照)又はIL-3(陰性対照)を含まない。IL-3の存在下でIL-6産生を陽性対照未満のレベルに減少又は防止するCD131結合化合物は、IL-3シグナル伝達を中和すると考えられる。
本開示では、GM-CSF、IL-5又はIL-3シグナル伝達の中和を評価するための他の方法が企図される。
エフェクター機能の決定
本明細書で考察されるように、いくつかのCD131結合化合物は、エフェクター機能が低減されているか、又はエフェクター機能(又はエフェクター機能が強化されている)を有する。ADCC活性を評価する方法は当該技術分野において既知である。
一例では、ADCC活性のレベルは、51Cr放出アッセイ、ユーロピウム放出アッセイ、又は35S放出アッセイを使用して評価される。これらのアッセイの各々において、CD131を発現する細胞を、列挙された化合物のうちの1つ以上とともに、かつ化合物が細胞に取り込まれるのに十分な条件下で培養する。35S放出アッセイの場合、CD131を発現する細胞を、35S標識メチオニン及び/又はシステインで、標識アミノ酸が新たに合成されたタンパク質に組み込まれるのに十分な時間培養することができる。次いで、細胞を、CD131結合化合物の存在下又は非存在下、並びに免疫エフェクター細胞、例えば、末梢血単核細胞(PBMC)及び/又はNK細胞の存在下で培養する。細胞培養培地中の51Cr、ユーロピウム放出アッセイ、及び/又は35S放出の量が、次いで検出され、CD131結合化合物の非存在下と比較して、CD131結合化合物の存在におけるほとんど又は全くの変化は、タンパク質が、エフェクター機能又は増強されたエフェクター機能を示すCD131結合化合物の非存在下と比較して(又はIgG1 Fc領域を含むCD131結合化合物の存在下と比較して増加して)、低減されたエフェクター機能及び増加した量を有することを示す。タンパク質によって誘導されるADCCのレベルを評価するためのアッセイを開示する例示的な刊行物には、Hellstrom,et al.Proc.Natl Acad.Sci.USA 83:7059-7063,1986及びBruggemann,et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361,1987が挙げられる。
タンパク質によって誘導されるADCCのレベルを評価するための他のアッセイとしては、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.CA,USA)又はCytoTox 96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega、WI,USA)が挙げられる。
C1q結合アッセイを実施して、CD131結合化合物がC1qに結合することができ、CDCを誘導し得ることを確認してもよい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施してもよい(例えば、Gazzano-Santoro et al,J.Immunol.Methods 202:163,1996を参照されたい)。
半減期の決定
本開示によって包含されるいくつかのタンパク質は、改善された半減期を有し、例えば、非改変タンパク質と比較して、その半減期を延長するように修飾される。改善された半減期を有するタンパク質を決定するための方法は、当業者には明白であろう。
本開示のタンパク質の半減期は、例えば、インビボ薬物動態研究によって、Kim et al,Eur J of Immunol 24:542,1994に記載される方法に従って測定することができる。この方法によれば、放射性標識タンパク質をマウスに静脈内注射し、その血漿濃度を、時間の関数として、例えば注射後3分~72時間で定期的に測定する。代替的に、又は追加的に、他の種、例えば、カニクイザル及びヒトを使用することができ、並びに/又は放射標識されていないタンパク質を注入し、その後、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して検出することができる。このようにして得られるクリアランス曲線は、二相性、すなわち、α相及びβ相であるべきである。タンパク質のインビボ半減期の決定のために、β相におけるクリアランス率を計算し、野生型又は非改変タンパク質のクリアランス率と比較する。
タンパク質の胎児性Fc受容体(FcRn)への結合の相対的親和性はまた、その相対的なインビボ半減期を示すことができる(例えば、Kim et al,Eur J Immunol 24:2429,1994を参照されたい)。
治療有効性
CD131に結合する化合物の治療有効性は、化合物を投与されていない対象と比較して、化合物を投与された対象における疾患又は症状の重症度を比較することによって評価することができる。代替的に、又は追加的に、候補化合物の治療有効性は、動物モデルで評価することができる。治療有効性を評価するための好適なアッセイは、CD131結合化合物による中和を決定することに関連して、上記に記載されている。
一例では、状態を治療するためのタンパク質の有効性は、インビボアッセイを使用して評価される。
一例では、CD131結合化合物は、非ヒト動物(例えば、非ヒト霊長類)に投与され、循環中又は組織若しくは他の試料(例えば、炎症部位の皮膚組織)中の免疫細胞(例えば、好酸球)の数/レベルが評価される。投与前及び/又はタンパク質が投与されていない対照哺乳類と比較して、免疫細胞の数/レベルを低下させるCD131結合化合物は、疾患又は状態の治療に好適であると考えられる。
一例では、CD131結合化合物は、アレルギー性接触性皮膚炎のモデルにおいて試験される。そのようなモデルでは、非ヒト哺乳動物(例えば、マウスなどのげっ歯類)は、1-フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(DNFB)を腹部に上皮塗布することによって感作される。その後、哺乳類は、耳の各側面にDNFBを上皮塗布することによって(例えば、5日後に)刺激される。哺乳動物にCD131結合化合物を投与し、炎症部位における、ベースラインからの(すなわち、投与前の)耳の厚さの変化、及び/又は免疫細胞、例えば、好中球、肥満細胞若しくはT細胞のレベルを、標準的な技法を使用して評価又は推定する。化合物が投与されていない対照哺乳動物と比較して、耳の厚さの変化を低下させ、かつ/又は免疫細胞のレベルを低下させるCD131結合化合物は、疾患又は状態の治療に好適であると考えられる。
別の例では、CD131結合化合物は、受動的皮膚アナフィラキシーのモデルで試験され、例えば、抗ジニトロフェニル(DNP)-IgEに感作され、その後DNP-ヒト血清アルブミン(HSA)によって刺激された非ヒト哺乳類(例えば、マウスなどのげっ歯類)に、CD131結合化合物を投与し、ベースライン(すなわち、投与前)からの耳の厚さの変化及び/又はサイトカイン(TNF又はIL-13)のレベルの変化を、標準的な技術を使用して評価又は推定する。化合物が投与されていない対照哺乳動物と比較して、耳の厚さの変化を低下させ、かつ/又はサイトカインのレベルを低下させるCD131結合化合物は、疾患又は状態の治療に好適であると考えられる。
別の例では、IFNα又はTNFαなどの炎症性サイトカインのレベルは、例えば、ELISAを使用して、哺乳動物の循環中に検出される。化合物が投与されていない対照哺乳類と比較して、サイトカインのレベルを低下させるCD131結合化合物は、疾患又は状態の治療に好適であると考えられる。
組成物
いくつかの例では、本明細書に記載のCD131結合化合物は、経口、非経口、吸入スプレーによる、吸着、吸収、局所、直腸、経鼻、経口、膣、脳室内、従来の無毒の薬学的に許容される担体を含有する投与製剤中に埋め込まれたリザーバを介して、又は任意の他の好都合な投与形態によって投与され得る。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、くも膜下腔内、心室内、胸骨内、ポリップ内、並びに頭蓋内注射又は輸注技術を含む。
CD131結合化合物を、対象に投与するための好適な形態(例えば、医薬組成物)に調製するための方法は、当該技術分野において既知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(18th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1990)及びU.S.Pharmacopeia:National Formulary(Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1984)に記載される方法などが挙げられる。
本開示の医薬組成物は、非経口投与、例えば、静脈内投与、又は臓器若しくは関節の体腔若しくは管腔への投与に特に有用である。投与用組成物は、一般に、薬学的に許容される担体、例えば水性担体中に溶解したCD131結合化合物の溶液を含む。様々な水性担体、例えば、緩衝生理食塩水などを使用することができる。組成物は、pH調整剤及び緩衝剤、毒性調整剤などの生理学的条件、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを近似するために必要に応じて、薬学的に許容される補助物質を含有し得る。これらの製剤中の本開示のCD131結合化合物の濃度は、広範囲に変化し得、主に、選択される特定の投与様式及び患者のニーズに応じて、流体体積、粘度、体重などに基づいて選択される。例示的な担体として、水、食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。混合油及びエチルオレイン酸などの非水ビヒクルも使用し得る。リポソームはまた、担体として使用してもよい。ビヒクルは、等張性及び化学的安定性を向上させる少量の添加剤、例えば、緩衝剤及び防腐剤を含有し得る。
製剤化に際して、本開示のCD131結合化合物は、投薬製剤に適合する方法で、治療/予防的に有効な量で投与される。製剤は、上述の注射用溶液の種類などの様々な剤形で容易に投与されるが、他の薬学的に許容される形態、例えば、経口投与のための錠剤、丸剤、カプセル剤又は他の固体、坐剤、ペッサリー、鼻液又はスプレー、エアロゾル、吸入剤、リポソーム形態なども企図される。医薬「徐放」カプセル又は組成物も使用してもよい。徐放製剤は、一般に、長期間にわたって一定の薬物レベルを与えるように設計されており、本開示のCD131結合化合物を送達するために使用され得る。
併用療法
一例では、本開示のCD131結合化合物は、本明細書に記載の状態を治療するのに有用な別の化合物と組み合わせて、併用又は追加の治療ステップとして、又は治療用製剤の追加の成分として投与される。
例えば、他の化合物は、抗炎症化合物である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は免疫抑制剤である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、プレドニゾン及び/又はプレドニゾロンなどのコルチコステロイドである。代替的に、又は追加的に、他の化合物はメトトレキサートである。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、シクロホスファミドである。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、ミコフェノール酸モフェチルである。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ又はオファツムマブ)である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、抗CD22抗体(例えば、エプラツズマブ)である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、抗TNF抗体(例えば、インフリキシマブ又はアダリムマブ又はゴリムマブ)若しくは可溶性TNF受容体(例えば、エタネルセプト)である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、アバタセプト、CTLA4-Ig)である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、抗IL-6抗体である。代替的に、又は追加的に、他の化合物は、BLysアンタゴニスト、例えば、抗BLys抗体(例えば、ベリムマブ)である。
本開示はまた、炎症性皮膚状態を有する対象を治療するために必要なコルチコステロイドの投与量を低減するための方法を提供し、この方法は、本明細書に記載のCD131結合化合物とコルチコステロイドとを同時投与することを含み、コルチコステロイドは、単独で又はCD131結合化合物の不在下で投与された場合よりも低用量で投与される。CD131結合化合物及びコルチコステロイドは、対象に重複する効果を有する(例えば、両方が同時に対象内で活性である)ような方法でのみ、同時に投与される必要はない。
一例では、CD131結合化合物は、他の療法と同時に投与される。一例では、CD131結合化合物は、他の療法の前に投与される。一例では、CD131結合化合物は、他の療法後に投与される。
いくつかの例では、CD131結合化合物は、細胞と組み合わせて投与される。いくつかの例では、細胞は、幹細胞、例えば間葉系幹細胞である。いくつかの例では、CD131結合化合物シグナル伝達は、遺伝子療法と組み合わせて投与される。
投与量及び投与時期
本開示のCD131結合化合物の好適な投与量は、特定のCD131結合化合物、治療されるべき状態、及び/又は治療される対象に応じて変化する。例えば、準最適投与量から開始し、最適又は有用な投与量を決定するために投与量を漸増的に修正することによって、好適な投与量を決定することは、熟練した医師の能力の範囲内である。代替的に、治療/予防のための適切な投与量を決定するために、細胞培養アッセイ又は動物研究からのデータを使用し、好適な用量は、毒性がほとんど又はまったくない活性化合物のED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、用いられる投与形態及び利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。治療的/予防的な有効量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。用量は、細胞培養において決定されるIC50(すなわち、症状の最大阻害の半分を達成する化合物の濃度又は量)を含む循環血漿濃度範囲を達成するために、動物モデルにおいて製剤化されてもよい。そのような情報を使用して、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば、高性能液体クロマトグラフィーによって測定され得る。
いくつかの例では、本開示の方法は、予防又は治療有効量の本明細書に記載のタンパク質を投与することを含む。
「治療有効量」という用語は、治療を必要とする対象に投与されると、対象の予後及び/又は状態を改善し、かつ/又は本明細書に記載の臨床状態の1つ以上の症状を、その状態の臨床診断又は臨床的特徴として観察され、受け入れられるレベルよりも低いレベルまで低減又は阻害する量である。対象に投与される量は、一般的な健康、他の疾患、年齢、性別、遺伝子型、及び体重などの、治療される状態の特定の特性、治療される状態の種類及び段階、投与方法、及び対象の特性に依存する。当業者であれば、これら及び他の因子に応じて適切な用量を決定することができるであろう。したがって、この用語は、本開示を特定の量、例えば、タンパク質の重量又は量に限定するものではなく、本開示は、対象において記載された結果を達成するのに十分な量のCD131結合化合物を包含する。
本明細書で使用される場合、「予防有効量」という用語は、臨床状態の1つ以上の検出可能な症状の発症を予防又は阻害又は遅延させるのに十分な量のタンパク質を意味すると解釈される。当業者は、そのような量が、例えば、投与される特定のC131結合タンパク質及び/又は特定の対象及び/又は状態の種類若しくは重症度若しくは状態のレベル及び/又は状態に対する素因(遺伝的又はその他の場合)に応じて変化することを認識するであろう。したがって、この用語は、本開示を特定の量、例えば、CD131結合化合物の重量又は量に限定するものではなく、本開示は、対象において記載された結果を達成するのに十分な量のC131結合タンパク質を包含する。
本明細書に記載のCD131結合化合物のインビボ投与について、通常の投薬量は、1日当たり固体の体重の約10ng/kg~約100mg/kg又はそれ以上であってもよい。治療する疾患又は障害の重症度に応じて、数日間以上にわたって繰り返し投与する場合、症状の所望の抑制が達成されるまで治療を維持することができる。
いくつかの例では、CD131結合化合物は、約1mg/kg~約30mg/kg、例えば約1mg/kg~約10mg/kg、又は約1mg/kg若しくは約2mg/kg若しくは5mg/kgの初期(又は負荷)用量で投与される。次いで、CD131結合化合物は、約0.01mg/kg~約2mg/kg、例えば、約0.05mg/kg~約1mg/kg、例えば、約0.1mg/kg~約1mg/kg、例えば、約0.1mg/kg又は0.5mg/kg又は1mg/kgの低い維持用量で投与され得る。維持用量は、7~30日ごと、例えば、10~15日ごと、例えば、10日又は11日又は12日又は13日又は14日又は15日ごとに投与されてもよい。
いくつかの例では、CD131結合化合物は、約0.01mg/kg~約50mg/kg、例えば、約0.05mg/kg~約30mg/kg、例えば、約0.1mg/kg~約20mg/kg、例えば、約0.1mg/kg~約10mg/kg、例えば、約0.1mg/kg~約2mg/kgの用量で投与され得る。例えば、CD131結合化合物は、約0.01mg/kg~約5mg/kg、例えば、約0.1mg/kg~約2mg/kg、例えば、約0.2mg/kg又は0.3mg/kg又は0.5mg/kg又は1mg/kg又は1.5mg/kgの用量で(例えば、より高い負荷用量又はより低い維持用量なしで)投与される。いくつかの例では、多数の用量が、例えば、7~30日ごと、例えば、10~22日ごと、例えば、10~15日ごと、例えば、10日又は11日又は12日又は13日又は14日又は15日又は16日又は17日又は18日又は19日又は20日又は21日又は22日ごとに投与される。例えば、CD131結合化合物は、7日ごと、又は14日ごと、又は21日ごとに投与される。
いくつかの例では、治療を開始する時点で、哺乳動物に、連続7日以内、又は連続6日以内、又は連続5日以内、又は連続4日以内でCD131結合化合物を投与する。
治療に適切に応答しない哺乳動物の場合、1週間に複数回投与してもよい。代替的に、又は加えて、増加する用量が投与され得る。
別の例では、有害反応を経験している哺乳類の場合、初期(又は負荷)用量は、1週間に数日にわたって、又は多数の連続した日にわたって分割され得る。
本開示の方法によるCD131結合化合物の投与は、例えば、レシピエントの生理学的状態、投与の目的が治療的又は予防的であるかどうか、及び当業者に既知の他の要因に応じて、連続的又は断続的であり得る。CD131結合化合物の投与は、事前に選択された期間にわたって本質的に連続的であってもよく、又は一連の間隔をあけた用量であってもよく、例えば、状態の発症中又は発症後のいずれかであってもよい。
キット
本開示の別の例は、上記のような炎症性皮膚状態の治療又は予防に有用な化合物を含有するキットを提供する。
一例では、キットは、(a)本明細書に記載の化合物を任意選択で薬学的に許容される担体又は希釈剤中に含む容器と、(b)対象における炎症性皮膚状態の効果の治療、予防、又は低減のための説明書を含む添付文書と、を含む。
本開示のこの例によれば、添付文書は容器上に表示されているか、又は容器に添付されている。好適な容器として、例えば、ボトル、バイアル、注射器などが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、炎症性皮膚状態の治療又は予防に有効であり、かつ滅菌アクセスポートを有し得る組成物を保持又は含有する(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、CD131に結合する化合物である。標識又は添付文書は、組成物が、治療の対象、例えば、炎症性皮膚状態を発症しているか又は発症の危険性がある対象に投与され、化合物及び任意の他の医薬品の投与量及び間隔に関する特定のガイダンスが提供されることを示す。キットは、薬学的に許容される希釈剤緩衝液、例えば、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液、及び/又はデキストロース溶液を含む追加の容器を更に含んでもよい。キットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、及び注射器を含む、商業的及び使用者の観点から望ましい他の材料を更に含み得る。
本開示は、以下の非限定的な実施例を含む。
実施例1:材料及び方法
抗体
CSL311(ahu9A2-G4pK-VR24-29)は、ヒトβc(CD131)ホモ二量体の共通サイトカイン結合部位(部位2)を標的とするヒト化抗体である。重鎖アミノ酸配列は配列番号14に提供され、軽鎖アミノ酸配列は配列番号15に提供される。ヒトIgG4アイソタイプ対照抗体(例えば、chBM4-G4pK)を比較のために使用した。
ACD(接触過敏症)モデル
野生型(WT)マウス、βcノックアウト(βc-/-/βIL-3 -/-)マウス、並びに(i)ヒトβc受容体導入遺伝子、及び(ii)両方の内因性βサブユニットのノックアウト(βc-/-/βIL-3 -/-)に対してホモ接合性のトランスジェニックマウス(「hβcTg」と称される)を用いた。マウスコロニーは、Animal Care Facility,UniSA CRI,Building HB(Adelaide,Australia)に収容された。16~28週齢のマウスを、オーストラリア国立衛生医学研究評議会の倫理ガイドラインに準拠し、南オーストラリア大学動物倫理委員会の承認(動物倫理承認番号U21/17/)を得て実施した実験に使用した。
最初にマウスを麻酔し、電気シェーバーで後腹側に剃った約3cmの面積。ピペットを使用して、30μlの0.5%の1-フルオロ-2,4-ジニトロベンゼン(DNFB)溶液をマウスの腹部に上皮に塗布した。溶液を乾燥させるために、マウスを5~10秒間拘束した。アレルゲン感作の5日後、両耳のベースラインの耳介厚さを、ダイヤル厚さゲージ(モデルG-1A;Ozaki MFG.Co.,Ltd)を使用して測定した。測定直後に、0.2%のDNFB溶液10μlを右耳介の両側に上皮塗布した(合計20μl)。代替的に、100%アセトン(ビヒクル)の10μlを左耳介の両側に上皮塗布した(合計20μl)。誘発から24時間後、耳介の厚さを12日間にわたって24時間間隔で測定した。耳介の厚さの変化(Δ耳腫脹、mm)を以下の式によって計算した:(誘発後の毎日の耳の厚さ)-(ベースラインの耳の厚さ)。CSL311又はアイソタイプmAb(10mg/kg)を、誘発後1、3、5日目にhβcTgマウスの尾静脈に静脈内注射した(合計で3回の注射)。実験終了時にマウスを殺処分し、更なる解析のために耳及びリンパ節の両方を収集した。
組織学-組織処理
DNFB処置及びビヒクル処置した耳の皮膚試料を組織学的に検査した。組織試料を10%緩衝ホルマリン中に固定し、処理し、パラフィン中に包埋し、4μm切片に切断した。組織脱蝋及び水和のために、組織切片をキシレン(5分×2)、100%エタノール(4分×2)、70%エタノール(4分)及び50%エタノール(4分)中に順次配置し、次いで脱イオン水中で洗浄した。
トルイジンブルー染色
脱蝋した組織切片を、室温で0.2%のトルイジンブルー(pH1.0、Sigma-Aldrich)で90秒間染色し、次いで水道水ですすいだ。切片をキシレンで脱水し、DPX取り付け媒体で取り付けた。Hamamatsu nanozoomer(40倍、Adelaide顕微鏡検査施設)を使用して耳切片の画像を撮影し、NDP Viewソフトウェア(v2)でエクスポートした。ポリープ全体の面積(mm)当たりの肥満細胞(細胞質顆粒が紫色に見える)を、Fuji Image Jソフトウェア(1.50e、国立衛生研究所)を使用して評価した。
ヘマトキシリン及びエオシン染色
脱蝋した組織切片を、ヘマトキシリンで3分間染色し、次いで流れる水道水で5分間洗浄した。切片を1%酸エタノール(70%エタノール中の1%HCl)中で5分間区別化させた後、流れる水道水で洗浄し、続いて1%エオシンY溶液中で10分間染色した。切片を水道水で5分間洗浄した後、キシレンで脱水し、DPX取り付け媒体で取り付けた。Hamamatsu Nanozoomer(40倍、Adelaide顕微鏡検査施設)を使用して耳切片の画像を撮影し、NDP Viewソフトウェア(v2)でエクスポートした。
耳組織のフローサイトメトリー分析
耳組織を背側切片及び腹側切片に分割し、RPMI1640培地中のディスパーゼII溶液(最終濃度2U/ml)で37℃で60分間消化した。真皮を次いで、鉗子を使用して表皮から分離し、組織をはさみで小片に切断した後、コラゲナーゼIV(最終濃度0.2mg/mL)及びDNaseI(最終濃度0.05mg/mL)とともに、RPMI1640培地中で37℃で60分間インキュベートした。消化した組織を70μmのナイロン細胞ストレーナー(Falcon)に通して、単一細胞懸濁液を得た。細胞をFACS緩衝液(2%のFBSを有するPBS)中で洗浄した後、15分間、Live/Dead Aqua染色(1/1000希釈、Molecular Probe)及び抗マウスCD16/CD32抗体(eBioscience)でインキュベートした。マウスT細胞サブセットの検出のために、細胞を、ラット抗マウスLy6C及びLy6G(Gr-1)PE(BD Biosciences、RB6-8C5、1:200希釈)及びラット抗マウスF4/80APC(eBiosciences、BM8、1:200希釈)で30分間、氷上で30分間インキュベートした。データは上記のように取得した。
統計分析
正規分布データについては、対応のないt検定を使用して異なる群を比較し、ボンフェローニ事後検定を使用した二元配置分散分析を使用して複数の比較を行った。GraphPad Prism Version 5.0dを使用した。群の上のアスタリスクは、対照に対するその群の有意性のレベルを示し、*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001である。
MC-903誘発性アトピー性皮膚炎モデル
8~9週齢の雄雌混合のマウスを本研究に使用した。両耳のベースライン耳介厚さを、ダイヤル厚さ計を用いて0日目に測定し、続いて、100%エタノール20μl又は100%エタノール中に溶解した2nMのMC-903の20μlを9日間皮下に処置した。耳介の厚さを、24時間間隔で10日間にわたって測定した。耳介の厚さの変化(Δ耳腫脹、mm)を以下の式によって計算した:(誘発後の毎日の耳の厚さ)-(ベースラインの耳の厚さ)。CSL311又はアイソタイプmAb(10mg/kg)を、1、3、5日目にhβcTgマウスの尾静脈に静脈内注射した(合計で3回の注射)。実験終了時にマウスは安楽死処分された。
実施例2:CSL311は、接触性皮膚炎のhβcTgマウスモデルにおける細胞炎症及び組織病理を低減する
ACDの治療のためのCSL311の治療可能性を確立するために、上皮に塗布されたハプテン、2,4-ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)に対する接触過敏性反応を調べた。WT、βc-/-/βIL-3 -/-、及びhβcTgマウスを、まず、剃った腹部にDNFBを塗布することによって感作させ、5日後に、DNFBを右耳に塗布し、各マウスの左耳にビヒクル対照を塗布した。耳の厚さ(腫脹)の変化を12日間毎日測定し、12日目に細胞の炎症、組織の視覚化、及び上皮の厚さを測定した。WTマウスは、7~8日目にピークに達し、その後落ち着いた耳の厚さの実質的な増加を発現した。しかしながら、βcサイトカインのいずれにも応答できないβc-/-/βIL-3 -/-マウスのDNFB処置耳においては、耳の腫脹応答の大きさが著しく低下した(図1)。ビヒクル対照の塗布は、DNFB感作マウスにおいて炎症性応答を誘導しなかった。
CSL311又はアイソタイプ対照抗体(10mg/kg)を、第2のDNFBチャレンジの24時間後にhβcTgマウスに静脈内注射し、次いで5日目まで隔日注射した(合計3回の注射)。アイソタイプ対照抗体で処置したマウスは、WTマウスと同様の耳腫脹応答を発現した(図1)。対照的に、CSL311を用いたhβcTgマウスの処置は、耳の腫脹をβc-/-/βIL-3 -/-マウスと同様のレベルまで有意に低下させた(図1)。アイソタイプ対照とCSL311処置のhβcTgマウスとの間で、感作部位のビヒクル処置された耳又は皮膚に差は認められなかった。WTマウス及びアイソタイプ対照抗体処置hβcTgマウスの両方のDNFB処置耳は、実質的な皮膚浮腫、細胞浸潤、角化症及び上皮肥大によって特徴付けられた。これらの特徴は、CSL311で処置したβc-/-/βIL-3 -/-マウス及びhβcTgマウスの両方のDNFB処置した耳にほとんど存在しなかった(図2)。これらのデータは、βcサイトカインシグナル伝達の遮断がこのモデルにおけるACDの有効な治療法であることが示している。
応答のピーク時(6日目)(図6~9)及び応答の回復期中(12日目)(図3~5)の両方で、非DNFB処置のWTマウスと比較して、DNFB処置のWTマウスの耳組織で、CD8T細胞、肥満細胞、好中球、好酸球及びマクロファージの著しい増加が検出された。βc-/-/βIL-3 -/-マウスにおけるβcサイトカインシグナル伝達の欠如は、DNFB処置耳におけるマクロファージを除くこれら全ての細胞型の浸潤を減少させた。アイソタイプ対照抗体で処置したhβcTgマウスからの耳組織の分析は、WTマウスと同様に、6日目(図6~9)及び12日目(図3~5)の両方の時点で、DNFB処置耳におけるCD8+T細胞、肥満細胞、好中球及び好酸球の著しい増加を明らかにした。CSL311によるhβcTgマウスの処置は、DNFB処置後6日目のCD8+T細胞(図6)、好中球(図7)、好酸球(図8)、及び肥満細胞(図9)の耳組織蓄積、並びに12日目の還元された肥満細胞(図3)、好中球(図4)、及び好酸球(図5)を廃止した。したがって、これらのデータは、CSL311によるGM-CSF及びIL-5シグナル伝達の遮断が、アレルゲン曝露部位における免疫細胞蓄積を制限し、このhβcTgモデルのACDにおける病理を効果的に減少させることを示している。
CSL311の効果は、hβcTgマウスがIL-3に応答しないため、GM-CSF又はIL-5のいずれかの遮断によって媒介される可能性が高い。更に、これらのデータは、CSL311がβc-/-/βIL-3 -/-マウスに匹敵するレベルに耳腫脹を軽減することができるため、このACDモデルではβcサイトカイン駆動の耳腫脹がGM-CSF及び/又はIL-5に完全に依存することを示している(図1)。このモデルでIL-3が接触過敏反応に寄与するかどうかを決定的に決定するために、IL-3-/-マウスにおける耳の厚さの変化を、上述の同じモデルを使用して測定した。WTとIL-3-/-マウスとの間の耳の腫脹応答及び肥満細胞浸潤の差は観察されず、GM-CSF及びIL-5がこのモデルにおけるACDの主要な調節因子であることを示す。
実施例3:CSL311は、アトピー性皮膚炎のhβcTgマウスモデルにおける炎症を軽減する
よく特徴付けられたアトピー性皮膚炎(AD)モデルにおいてCSL311治療の効果を調査した。このモデル(実施例1に記載)では、ビタミンD3アナログMC903(カルシポトリオールとしても知られる)の毎日の塗布を使用して、皮膚の炎症を誘発させる。得られる表現型には、表皮肥厚、皮膚過形成、及び皮膚における炎症性細胞、特に肥満細胞、好酸球、好塩基球及びTヘルパータイプ2細胞の増加が含まれる。
このMC903誘導アトピー性皮膚炎モデルにおけるhβcTgマウスにおけるCSL311の投与は、耳の皮膚肥厚を著しく軽減した(図10)。

Claims (21)

  1. 対象における炎症性皮膚状態を治療するための方法であって、CD131に結合し、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)及びインターロイキン(IL)5によるシグナル伝達を中和する化合物を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 前記炎症性皮膚状態が、過敏症である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記過敏症が、IV型過敏症である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記炎症性皮膚状態が、接触性皮膚炎である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記接触性皮膚炎が、アレルギー性接触性皮膚炎である、請求項4に記載の方法。
  6. CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する前記化合物の投与が、
    a)炎症部位の腫脹を低減させ、かつ/又は
    b)前記炎症部位における肥満細胞浸潤を減少させ、かつ/又は
    c)前記炎症部位における好中球浸潤を低減させ、かつ/又は
    d)前記炎症部位におけるCD8+T細胞浸潤を減少させ、かつ/又は
    e)前記炎症部位における好中球浸潤を低減させる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する前記化合物が、IL-3によるシグナル伝達も中和する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する前記化合物が、
    a)TF-1細胞のGM-CSF誘導増殖を少なくとも100nMのIC50で、かつ/又は
    b)TF-1細胞のIL-5誘導増殖を少なくとも100nMのIC50で、かつ/又は
    c)TF-1細胞のIL-3誘導増殖を少なくとも100nMのIC50で、阻害する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する前記化合物が、CD131に結合する抗原結合部位を含むタンパク質である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 配列番号5に記載の配列を含むポリペプチドに対する前記タンパク質のKが、前記ポリペプチドが固体表面上に固定化され、前記Kが表面プラズモン共鳴によって決定される場合、約10nM以下である、請求項9に記載の方法。
  11. CD131に結合し、GM-CSF及びIL-5によるシグナル伝達を中和する前記化合物が、Fvを含むタンパク質である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記タンパク質が、
    (i)一本鎖Fv断片(scFv)、
    (ii)二量体scFv(di-scFv)、又は
    (iii)ダイアボディ、
    (iv)トリアボディ、
    (v)テトラボディ、
    (vi)Fab、
    (vii)F(ab’)
    (viii)Fv、
    (ix)抗体、Fc、又は重鎖定常ドメイン(C)2及び/若しくはC3の定常領域に連結された(i)~(viii)のうちの1つ、
    (x)アルブミン若しくはその機能的断片若しくは変異体、又はアルブミンに結合するタンパク質に連結されている(i)~(viii)のうちの1つ、あるいは
    (xi)抗体、を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記タンパク質が、単一ドメイン抗体(sdAb)である、請求項9又は10に記載の方法。
  14. 前記タンパク質が、CD131に結合し、配列番号6に記載の配列を含むVと配列番号18に記載の配列を含むVとを含む抗体9A2-VR24.29のCD131への結合を競合的に阻害する抗体可変領域を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抗原結合部位が、CD131の部位2内のエピトープに結合する、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記抗原結合部位が、2つのCD131ポリペプチドの二量体化の際にエピトープに結合する、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記抗原結合部位が、CD131ポリペプチドのドメイン1内の残基及び別のCD131ポリペプチドのドメイン4内の残基に結合する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記CD131のドメイン1内の残基が、配列番号1の101~107の領域内の残基を含み、かつ/又は前記CD131のドメイン4内の残基が、配列番号1の364~367の領域内の残基を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記タンパク質が、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVと、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むVの3つのCDRを含むVとを含む、抗体可変領域を含む、請求項9~12又は14~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記タンパク質が、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むVと、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むVとを含む、請求項9~12又は14~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記タンパク質が、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項9~12又は14~20のいずれか一項に記載の方法。
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