JP2023551503A - 抗血栓剤としてのシクロスポリン類似体の使用 - Google Patents

抗血栓剤としてのシクロスポリン類似体の使用 Download PDF

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Abstract

本明細書において開示されているのには、血栓塞栓性障害を防止/処置すること、血栓の形成を防止/低減すること、及び凝血原血小板形成を低減/阻害することにおける使用に適当な方法、組成物及びキットを含む。該方法は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。該組成物及びキットは、シクロスポリン類似体を含む。

Description

相互参照文献
この出願は、2020年11月29日に出願された米国仮出願第63/118,947号に対する優先権の利益を主張し、この内容は、参照によりそれ全体で本明細書に組み込まれる。
本開示は、一般に、分子生物学及び医療の分野に関する。一態様は、シクロフィリン阻害剤を用いて血餅(血栓)の形成を低減することに関する。
血栓症は、損傷、又は損傷部位への血小板の動員に至る他のシグナルに応答して発生する。血小板は、損傷部位に付着することでプラグを形成し、凝血の主要な構成要素である。加えて、血小板をさらに活性化するとともに凝血の別の主要な構成成分であるタンパク質フィブリンを発生させる凝固因子が放出される。凝固経路において、外因性経路は、外部損傷によって活性化され、一方、内因生の経路は、血管系内の外傷によって活性化される。これらの両方が共通の経路上で収束することで、凝血を促進する。
3つのクラスの薬物が現在、血栓症処置のために使用されている。2つの主要なものは、抗凝固薬及び抗血小板剤である。第3のクラス、血栓溶解薬は、フィブリンを標的化し、凝血を溶解するために使用される。血栓溶解薬は、典型的に、緊急状況(例えば、脳卒中)において使用され、更に次いで、それらは重度の出血及び更に脳出血を誘発することがあるのでまれに使用される。抗凝固治療は、フィブリン産生を誘発するとともに血小板活性化を促進するタンパク分解性シグナル伝達経路を阻害する。これらの抗凝固治療は、凝固応答の内因生の経路を標的化するワルファリンなどの薬物を含む。抗血小板治療は、血小板活性化及び凝集をブロックし得る。抗血小板治療は、血小板活性化に重要な酵素を阻害するアスピリンを含む。これらの薬物の多くは、危険な出血と関連することがある。
凝血及び血栓を防止するのに有効であるが現在の治療ほどには出血を引き起こさない可能性がある抗血栓剤を見出す必要がある。
本明細書において開示されているのには、血餅(血栓)の形成を低減又は防止する方法、血栓塞栓性障害を処置する方法、血栓塞栓性障害の一次予防又は二次予防の方法、及び凝血原血小板形成を低減又は阻害する方法を含む。一部の実施形態において、方法は、式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含み、それによって、対象における血餅の形成を低減する:
Figure 2023551503000001
(式中:
a.R’は、H又はアセチルであり;
b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
c.R2は、以下からなる群から選択され:
i.H;
ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
iv.N置換又は非置換アミン;
v.カルボン酸;
vi.ニトリル;
vii.エステル;
viii.ケトン;
ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
x.置換又は非置換アリール;
xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を任意選択により含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、任意選択により置換されている脂肪族炭素鎖である)
一部の実施形態において、式Lのシクロスポリン類似体は、CRV431である。
Figure 2023551503000002
(CRV431)
一部の実施形態において、組成物は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療又は予防有効量を含む。血栓塞栓性障害は、例えば、動脈性心血管血栓塞栓性障害、静脈性心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害であり得る。血栓塞栓性障害は、一部の実施形態において、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症である。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は心房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害である。
該方法は、一部の実施形態において、対象における血栓形成を少なくとも5%、10%、20%、50%、70%、90%又はそれ以上低減することを含む。該方法は、一部の実施形態において、対象における血栓形成の可能性を遅延又は低減することを含む。例えば、該方法は、対象における血栓形成の可能性を、1分、2分、3分、5分、10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間若しくはそれ以上、又は少なくとも1分、2分、3分、5分、10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間若しくはそれ以上、或いはこれらの値のいずれかの間の範囲で遅延させることができる。一部の実施形態において、方法は、対象における血栓形成の可能性を、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%若しくはそれ以上、又は少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%若しくはそれ以上、或いはこれらの値のいずれかの2つの間の範囲で低減する。該方法は、一部の実施形態において、対象における血栓形成の開始を防止又は遅延させることを含む。例えば、該方法は、対象における血栓形成の開始を、1分、2分、3分、5分、10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間若しくはそれ以上、又は少なくとも1分、2分、3分、5分、10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間若しくはそれ以上、或いはこれらの値のいずれかの間の範囲で遅延させることができる。該方法は、一部の実施形態において、対象における出血リスクを、少なくとも5%、10%、20%、50%、70%、90%又はそれ以上低減することを含む。一部の実施形態において、対象における血小板凝集は、阻害されない。一部の実施形態において、対象における血小板凝集は、未処置の対象と比較した場合に、対象において80%以下、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%又は5%低減される。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、凝血原血小板の形成を選択的に阻害する。該方法は、一部の実施形態において、凝血原血小板の形成を選択的に阻害することを含む。該方法は、一部の実施形態において、血小板凝集を阻害することなく血栓形成を低減する。該方法は、一部の実施形態において、血小板凝集を阻害しない。
一部の実施形態において、それを必要とする対象は、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う又はそれを発症するリスクがある対象である。血栓形成促進性及び血栓性状態の非限定的な例としては、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症が挙げられる。
一部の実施形態において、組成物は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療又は予防有効量を含む。一部の実施形態において、対象は、哺乳動物、例えば、ヒトである。ヒトは、例えば、高齢者(例えば、少なくとも60才のヒト)又は未成年者(例えば、18才以下のヒト)であってよい。一部の実施形態において、組成物は、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態において、組成物は、1種又は複数の追加の治療剤を含む。一部の実施形態において、方法は、1種又は複数の追加の治療剤を、それを必要とする対象に投与することをさらに含む。1種又は複数の追加の治療剤は、例えば、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せを含むことができる。追加の治療剤の非限定的な例としては、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せが挙げられる。一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種は、対象に組成物と同時投与される。一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種は、組成物の投与前、組成物の投与後、又は両方で対象に投与される。一部の実施形態において、組成物は、静脈内投与、経口投与又は非経口投与によって、例えば、経口又は静脈内投与によって対象に投与される。一部の実施形態において、組成物は、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、液体、エアロゾル又はナノ粒子の形態である。一部の実施形態において、組成物は、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量で対象に投与される。
本明細書においてその上開示されているのには、式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体若しくは組成物、及びキットの使用を示す標識を含むキットを含む。一部の実施形態において、標識は、キットが血栓塞栓性障害を防止又は処置するためであることを示す。一部の実施形態において、標識は、キットが血栓形成を防止又は低減するためであることを示す。一部の実施形態において、標識は、キットが凝血原血小板形成を低減又は阻害するためであることを示す。一部の実施形態において、キットは、キットが血栓塞栓性障害を防止又は処置するためであることを示す標識を含む。一部の実施形態において、キットは、キットが凝血原血小板形成を低減又は阻害するためであることを示す標識を含む。
一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害である。血栓塞栓性障害は、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症であり得る。血栓塞栓性障害は、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は心房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害であり得る。
一部の実施形態において、対象は、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う、又はそれを発症するリスクがある。血栓形成促進性又は血栓性状態は、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症からなる群から選択することができる。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、CRV431である。一部の実施形態において、標識は、シクロスポリン類似体の治療又は予防有効量を投与する指示を含む。一部の実施形態において、対象は、ヒトなどの哺乳動物である。一部の実施形態において、シクロスポリンの組成物は、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。
一部の実施形態において、標識は、1種又は複数の追加の治療剤とともにシクロスポリン類似体を投与する指示を含む。キットは、1種又は複数の追加の治療剤の1つ又は複数をさらに含むことができる。1種又は複数の追加の治療剤は、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せを含むことができる。1種又は複数の追加の治療剤は、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せを含むことができる。一部の実施形態において、指示は、対象にシクロスポリン類似体とともに1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を同時投与する指示を含む。一部の実施形態において、指示は、対象へのシクロスポリン類似体の投与前、対象へのシクロスポリン類似体の投与後、又は両方で、対象に1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を投与する指示を含む。
一部の実施形態において、指示は、静脈内投与、経口投与又は非経口投与によって対象にシクロスポリン類似体を投与する指示を含む。指示は、経口又は静脈内投与によって対象にシクロスポリン類似体を投与する指示を含むことができる。一部の実施形態において、指示は、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量で対象にシクロスポリン類似体を投与する指示を含む。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、液体、安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(SMEDD)、エアロゾル又はナノ粒子の形態である。
本明細書において開示されているのには、血栓塞栓性障害を処置することにおける使用のための、式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む医薬組成物;血栓の形成を防止又は低減することにおける使用のための、式Lのシクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む医薬組成物;及び凝血原血小板形成を低減又は阻害することにおける使用のための、式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む医薬組成物を含む。医薬組成物は、対象、例えば、ヒトなどの哺乳動物への投与のためであり得る。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、CRV431である。
Figure 2023551503000003
(式中:
a.R’は、H又はアセチルであり;
b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
c.R2は、以下からなる群から選択され:
i.H;
ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
iv.N置換又は非置換アミン;
v.カルボン酸;
vi.ニトリル;
vii.エステル;
viii.ケトン;
ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
x.置換又は非置換アリール;
xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を任意選択により含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、任意選択により置換されている脂肪族炭素鎖である)
一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害である。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症である。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は心房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害である。
一部の実施形態において、対象は、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う、又はそれを発症するリスクがある。血栓形成促進性又は血栓性状態は、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症からなる群から選択することができる。
一部の実施形態において、医薬組成物は、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態において、医薬組成物は、1種又は複数の追加の治療剤との投与のためである。医薬組成物は、1種又は複数の追加の治療剤の1つ又は複数をさらに含むことができる。1種又は複数の追加の治療剤は、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せを含むことができる。1種又は複数の追加の治療剤は、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せを含むことができる。
一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種は、対象へのシクロスポリン類似体との同時投与のためである。一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種は、対象への医薬組成物の投与前、対象への医薬組成物の投与後、又は両方での対象への投与のためである。一部の実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与、経口投与又は非経口投与のために製剤化される。医薬組成物は、経口又は静脈内投与のために製剤化することができる。一部の実施形態において、医薬組成物は、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量での対象への投与のためである。一部の実施形態において、医薬組成物は、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、液体、安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(SMEDD)、エアロゾル又はナノ粒子の形態である。
本明細書において開示されているのには、血栓塞栓性障害を処置するための、又は血栓形成を防止若しくは低減するための、又は対象における凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するための医薬の製造のための、式Lのシクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む医薬組成物の使用の実施形態を含む。
Figure 2023551503000004
(式中:
a.R’は、H又はアセチルであり;
b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
c.R2は、以下からなる群から選択され:
i.H;
ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
iv.N置換又は非置換アミン;
v.カルボン酸;
vi.ニトリル;
vii.エステル;
viii.ケトン;
ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
x.置換又は非置換アリール;
xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を任意選択により含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、任意選択により置換されている脂肪族炭素鎖である)
CRV431の増加する濃度に対する代表的な血小板凝集トレース及び応答を示す図である。凝集は、コラーゲン(1μg/ml)によって誘発された。 N=10独立した実験からの要約血小板凝集測定データを示す図である。P>0.05。 CRV431の増加する濃度に対する代表的な血小板凝集トレース及び応答を示す図である。凝集は、トロンビン(0.1U/ml)によって誘発された。 N=9独立した実験からの要約血小板凝集測定データを示す図である。P>0.05。 単一の血液ドナーに関する血小板凝集トレースを示す図であり、試験された最高濃度でのCRV431は、血小板凝集を阻害しないが(図3A)、血小板凝集は、アセチルサリチル酸(ASA)によって阻害される(図3B)ことを実証している。 代表的なフローサイトメトリーヒストグラムを示す図であり、CRV431の増加する濃度が、コラーゲン(10μg/ml)及びトロンビン(0.1U/ml)によって誘発されたホスファチジルセリン(PS)陽性血小板の百分率を低減することを実証している。 N=8独立した実験からの要約フローサイトメトリーデータを示す図である。**、P<0.01 vs.ビヒクル対照;***、P<0.001 vs.ビヒクル対照。 コラーゲン1μg/ml及びトロンビン0.1U/ml(図5A)並びにコラーゲン10μg/ml及びトロンビン0.1U/ml(図5B)の存在下での、血小板PS曝露に関するデータを示す図である。
図面の全体にわたって、参照番号は、参照される要素間の対応を示すために再使用することができる。図面は、本明細書に記載されている実例実施形態を例示するために提供されており、本開示の範疇を限定すると意図されない。
以下の詳細な記載において、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照される。図面において、同様の記号は、文脈が別段に指示していない限り、同様の構成成分を典型的に同定する。詳細な記載、図面及び請求項に記載されている例示的な実施形態は、限定していると意味されない。他の実施形態が利用されることがあり、本明細書において表されている主題の趣旨又は範疇から逸脱することなく他の変化がなされ得る。本開示の態様は、本明細書に一般に記載されているとともに図に例示されている通り、多種多様な異なる構成で配置し、置換し、組み合わせ、分離し、設計することができると容易に理解され、これらの全てが本明細書において明白に企図され、本明細書における本開示の一部とされる。
全ての特許、公開特許出願、他の公報、及びGenBankからの配列、及び本明細書において言及されている他のデータベースは、関連の科学技術に関して参照によりそれら全体で組み込まれる。
定義
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されている技術及び化学用語は、本開示が属する当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Singleton et al., Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed., J. Wiley & Sons (New York, NY 1994);Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press (Cold Spring Harbor, NY 1989)を参照されたい。本開示の目的のため、以下の用語が下記に定義されている。
本明細書で使用される場合、「対象」は、処置、観察又は実験の目的である動物を指す。「動物」は、冷血及び温血脊椎動物並びに無脊椎動物、例えば、魚類、貝類、爬虫類、特に、哺乳動物を含む。「哺乳動物」は、限定せずに、マウス;ラット;ウサギ;モルモット;イヌ;ネコ;ヒツジ;ヤギ;ウシ;ウマ;霊長類、例えば、モンキー、チンパンジー、及び類人猿、特に、ヒトを含む。
本明細書で使用される場合、「患者」は、特別な疾患又は障害の効果を治癒させる若しくは少なくとも寛解させる、又は疾患又は障害が第1の場所において発生するのを防止するのを試みるため、医療専門家、例えば、医師(即ち、アロパシー医学の医師又はオステオパシー医学の医師)又は獣医学の医師によって処置される対象を指す。
本明細書で使用される場合、「投与」又は「投与すること」は、薬剤的に活性な成分の投与量を脊椎動物に与える方法を指す。
本明細書で使用される場合、「投与量」は、活性成分(例えば、CRV431を含めてシクロスポリン類似体)の組み合わせ量を指す。
本明細書で使用される場合、「単位投与量」は、単一用量で患者に投与される治療剤の量を指す。
本明細書で使用される場合、「1日投与量」は、1日の中で患者に投与される治療剤の総量を指す。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」又は「薬学的有効量」は、治療効果を有する、治療剤の量を意味する。単独で又は1種若しくは複数の追加の治療剤との組合せで投与される場合に処置において有用である薬剤的に活性な成分の投与量が、治療有効量である。したがって、本明細書で使用される場合、治療有効量は、臨床試験結果及び/又はモデル動物研究によって判断される場合の所望の治療効果を生成する、治療剤の量を意味する。
本明細書で使用される場合、「処置する」、「処置」又は「処置すること」という用語は、予防及び/又は治療の目的で対象に治療剤又は医薬組成物を投与することを指す。「予防処置」という用語は、疾患又は状態の症状をまだ呈していないが、特別な疾患又は状態に感受性である又はそうでなければそのリスクがある対象を処置することを指し、それによって、処置は、患者が疾患又は状態を発症する可能性を低減する。「治療的処置」という用語は、疾患又は状態をすでに患う対象に処置を投与することを指す。本明細書で使用される場合、「治療効果」は、疾患又は障害の症状の1つ又は複数を、ある程度緩和する。例えば、治療効果は、対象によって伝えられる主観的不快感の低減(例えば、自己投与患者アンケートにおいて記述される不快感の低減)によって観察することができる。
本明細書で使用される場合、「予防」又は「防止」という用語は、臨床的疾患状態の発生の確率を低減するための、対象、例えば、哺乳動物(ヒトを含める)における無症状の疾患状態の防止的処置を指す。対象は、一般集団と比較して臨床的疾患状態を患うリスクを増加させることが知られている因子に基づく防止治療のために選択される。「予防」治療は、(a)一次防止及び(b)二次防止に分けることができる。一次防止は、臨床的疾患状態をまだ示さない対象における処置として定義されるが、二次防止は、同じ又は同様の臨床的疾患状態の第2の発生を防止することとして定義される。
本明細書で使用される場合、「血栓症」という用語は、血栓(単数)又は血栓(複数)の形成又は存在;血管によって供給された組織の虚血又は梗塞を引き起こすことがある血管内における凝血を指す。「塞栓症」という用語は、血流によってそれの拠点部位に運ばれた凝血又は外来材料による動脈の突然のブロックを指す。「血栓塞栓症」という用語は、別の血管を塞ぐ起源部位から血液流によって運ばれる血栓性材料での血管の閉塞症を指す。「血栓塞栓性障害」という用語は、「血栓性」及び「塞栓性」障害の両方を包含する。
本明細書で使用される場合、「血栓塞栓性障害」及び「血栓性障害」という用語は、相互交換可能に使用され、以下に限定されないが、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管性又は脳血管性血栓塞栓性障害、及び心室における又は末梢循環における血栓塞栓性障害が挙げられる。「血栓塞栓性障害」及び「血栓性障害」という用語は、以下に限定されないが、不安定アンギナ又は他の急性冠動脈症候群、心房細動、最初又は再発性の心筋梗塞、虚血性突然死、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、及び血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置又は手技に起因する血栓症から選択される特定の障害も含む。医療移植片又は装置としては、以下に限定されないが:人工弁(prostheticvalves)、人工弁(artificialvalves)、留置用カテーテル、ステント、血液酸素化装置、シャント、血管アクセスポート、循環補助装置及び人工の心臓又は心室、並びに血管グラフトが挙げられる。手技としては、以下に限定されないが:心肺バイパス、経皮冠動脈介入及び血液透析が挙げられる。一部の実施形態において、「血栓塞栓性障害」という用語は、急性冠動脈症候群、脳卒中、深部静脈血栓症及び肺塞栓症を含む。
本明細書で使用される場合、「脳卒中」という用語は、総頸動脈、頸動脈内膜、又は脳内動脈における閉塞性血栓症から起こる塞栓性脳卒中若しくはアテローム血栓性脳卒中を指す。
血栓症
止血は、対照血液損失への血管損傷に対する生理的応答である。血管損傷は、一次止血のプロセスにおける血小板の急速な活性化及び凝集を惹起し、不安定な血小板プラグをもたらす。二次止血は、血漿由来の凝固因子の活性化に関与し、血小板プラグを安定化するためのフィブリン網目状構造を形成するのに必要とされる。このプロセスが過剰に又は誤った部位で発生する場合に、血栓症が発生する。血栓症は、動脈系又は静脈系で発生することがあり、心筋梗塞、脳卒中、深部静脈血栓症を含めた臨床転帰に至る。血栓症において、血餅又は血栓が形成することがあり、局所的に循環を妨げ、虚血及び臓器損傷を引き起こす。代替として、塞栓症として知られているプロセスにおいて、凝血は移動し、引き続いて、遠位血管において捕捉され、ここで、それは虚血及び臓器損傷を再び引き起こす。病的血栓形成から起こる疾患は、血栓塞栓性障害(又は血栓性障害)と集団的に称され、以下に限定されないが、急性冠動脈症候群、不安定アンギナ、心筋梗塞、心臓の空洞における血栓症、虚血性脳卒中、深部静脈血栓症、末梢性閉塞性動脈疾患、一過性虚血性発作及び肺塞栓症が挙げられる。血栓症は、カテーテル、ステント、人工心臓弁及び血液透析膜を含めて、血液との接触における人工表面上で発生することもある。血栓症を発症するリスクに寄与する例証的条件としては、血管壁の変更、血液の流れにおける変化、及び血管区画の組成における変更が挙げられる。
活性化血小板は、止血及び血栓症において二重の役割を有する。それらは凝集することで血小板プラグを形成し、その上、凝固因子の集合体のための表面を提供する。「凝血原血小板」と呼ばれる活性化血小板のサブセットは、トロンビン産生を支持する能力を含めて、異なる特性を有する。大動脈脳卒中に続く凝血原血小板のより高いレベルを有する患者は、脳卒中再発のより高いリスクを有することが見出された。敗血症を有する患者において、血小板の凝血原サブセットの形成のための予備要件である血小板ミトコンドリア膜脱分極は、疾患重症度及び疾患転帰と相関した。本明細書において開示されている抗血栓剤は、一部の実施形態において、凝血原血小板の形成を防止することができるが、血小板凝集を阻害しない。一部の実施形態において、抗血栓剤は、冠動脈疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫性血管炎、及び敗血症と関連するものを含めて、動脈又は静脈血栓を処置することを必要とする対象に投与される。
以下に限定されないが、インビトロ酵素アッセイ、インビトロ凝血及び凝固アッセイ、並びに血栓のインビボモデルを含めて、様々なアッセイが、抗血栓剤の効力を決定することに現在使用されている。抗凝固治療の有効性を決定するためのアッセイとしては、凝固シグナル伝達経路の構成成分(例えば、因子XIIa及びトロンビン)のための活性アッセイ、及び凝血アッセイが挙げられる。抗血小板治療の有効性を決定するためのアッセイとしては、いくつかの血小板活性化及び接着アッセイが挙げられる。フローサイトメトリーも、血小板活性化を判定するためにしばしば使用される。インビボアッセイは、全ての薬物クラスを試験するのに共通であり得、というのは、共通の目標が、血栓形成を防止及び/又は処置することでからである。下記にも含まれるこれらについて、いくつかのモデルがある。これらのリスク因子は、Virchow三主徴として集団的に知られている。
本明細書において開示されている抗血栓剤の抗血栓薬効果は、抗血栓薬活性を決定及び/又は測定するための任意の公知の方法(インビトロ、エクスビボ及びインビボ方法/アッセイを含める)を使用して、決定及び測定することができる。例えば、凝固因子XIa、VIIa、IXa、Xa、XIIa、血漿カリクレイン又はトロンビンの阻害剤としての抗血栓剤の効果は、当技術分野において知られている方法、例えば、それぞれ関連の精製セリンプロテアーゼ及び適切な合成基質を使用するインビトロ方法を使用して決定することができる。関連のセリンプロテアーゼによる発色性又は蛍光発生基質の加水分解の速度は、抗血栓剤の非存在下及び存在下で測定することができる。一部の実施形態において、基質の加水分解は、405nmで吸光度の増加を測定することによって分光光度的にモニタリングされるpNA(パラニトロアニリン)の放出、又は380nmで励起とともに460nmで発光の増加を測定することによって分光蛍光的にモニタリングされるAMC(アミノメチルクマリン)の放出をもたらした。阻害剤の存在下での吸光度又は蛍光変化の速度の減少は、酵素阻害を示している。このアッセイの結果は、阻害定数、Kiとして表される。本明細書において開示されている抗血栓剤は、1つ又は複数の凝固因子XIa、VIIa、IXa、Xa、XIIa、血漿カリクレイン及びトロンビンのための阻害剤であり得る。一部の実施形態において、抗血栓剤は、凝固因子XIa、VIIa、IXa、Xa、XIIa、血漿カリクレイン及びトロンビンの全てのための阻害剤である。一部の実施形態において、抗血栓剤は、凝固因子XIa、VIIa、IXa、Xa、XIIa、血漿カリクレイン及びトロンビンの少なくとも1つのための阻害剤でない。一部の実施形態において、抗血栓剤は、凝固因子XIa、VIIa、IXa、Xa、XIIa、血漿カリクレイン、及びトロンビンの少なくとも2つ以上のための阻害剤でない。
一部の実施形態において、凝固の阻害剤としての本明細書において開示されている抗血栓剤の効果は、標準的な又は修飾された凝血アッセイを使用して決定される。例えば、阻害剤の存在下での血漿凝血時間の増加は、抗凝固を示している。相対的な凝血時間は、阻害剤の非存在下での凝血時間によって割られる、阻害剤の存在下での凝血時間である。このアッセイの結果は、阻害剤の非存在下での凝血時間に相対して、凝血時間をそれぞれ1.5時間又は2時間増加させるのに必要とされる阻害剤濃度、IC1.5×又はIC2×として表すことができる。IC1.5×又はIC2×は、IC1.5×又はIC2×に及ぶ阻害剤濃度を使用して、相対的な凝血時間対阻害剤濃度プロットからの直線補間によって見出される。凝血時間は、クエン酸化された正常ヒト血漿、並びにラット又はウサギなどの動物から得られる血漿を使用して決定される。血漿凝血アッセイは、自動化凝固分析器(Sysmex、Dade-Behring、Ill.)において行うことができる。同様に、凝血時間は、抗血栓剤が投薬された動物又はヒトから決定することができる。
本明細書において開示されている抗血栓剤は、ガンマ-トロンビンによって誘発される血小板凝集を含めた血小板凝集を阻害するそれらの能力について、インビトロ、エクスビボ及びインビボで試験することができる。例えば、血小板凝集は、96ウェルマイクロプレート凝集アッセイフォーマットにおいて、又は標準的な血小板凝集計を使用して、モニタリングすることができる。一部の実施形態において、抗血栓剤は、アルファ-トロンビン誘発血小板凝集アッセイ又は組織因子誘発血小板凝集アッセイを使用して試験される。一部の実施形態において、抗血栓剤は、血小板凝集を阻害する。一部の実施形態において、抗血栓剤は、血小板凝集を阻害しない。一部の実施形態において、抗血栓剤は、血小板凝集を低減する。
本明細書において開示されている抗血栓剤の抗血栓薬効果は、以下に限定されないが、インビボ電気誘発頸動脈血栓症モデル、FeCl3誘発頸動脈血栓症、動静脈シャント血栓症モデルを含めて、関連のインビボ血栓症モデルを使用して決定することができる。例えば、Wong et al. (J. Pharmacol. Exp. Ther., 295:212-218 (2000))によって記載されているウサギECATモデル、及びWong et al. (Wong, P. C. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 292:351-357 (2000))によって記載されているウサギAVシャントモデルが使用され得る。
防止及び処置の方法
本明細書において開示されているのには、血栓塞栓性障害を処置する方法、及び血栓塞栓性障害を防止する(一次予防及び二次予防を含める)方法を含む。本開示の方法は、一部の実施形態において血栓形成を低減又は防止するために使用することができる。該方法は、凝血原血小板形成を低減又は阻害するために使用することができる。
一部の実施形態において、方法は、以下を含む:シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む組成物(例えば、SMEDD)を、それを必要とする対象に投与すること、ここで、それを必要とする対象は、血栓塞栓性障害を患うリスクがある対象、又は血栓塞栓性障害を患っている対象である。一部の実施形態において、血栓形成は、発生するのが防止される。一部の実施形態において、血栓形成は、低減される。例えば、血栓形成は、少なくとも5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ以上、又は少なくとも約5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ以上低減される。一部の実施形態において、血栓形成の可能性が遅延又は低減される。例えば、血栓形成の可能性は、少なくとも5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ以上、又は少なくとも約5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ以上低減又は遅延される。一部の実施形態において、血栓形成の開始が遅延される。遅延は、例えば、数秒、数分、数時間、数日、数週又は数カ月であり得る。一部の実施形態において、血栓形成の開始は、少なくとも1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分若しくはそれ以上、又は少なくとも約1分、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分、10分若しくはそれ以上遅延される。一部の実施形態において、血栓形成の開始は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間若しくはそれ以上、又は少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間若しくはそれ以上遅延される。
本明細書において開示されている抗血栓剤は、血栓塞栓性障害の一次及び二次防止(即ち、予防又はリスク低減)、並びにすでに存在する血栓プロセスの処置のために使用することができる。例えば、該抗血栓剤は、閉塞性血栓の形成を防止する(一次防止)ためVirchow三主徴からの1つ又は複数の素因危険因子の存在のために血栓塞栓性疾患を発症するリスクがある患者に投与することができる。例えば、整形外科手術設定(例えば、ヒップ及び膝置き換え)において、抗血栓剤は、外科手技の前に投与することができる。該抗血栓剤は、血管流変更(滞留)、潜在的な外科手術的血管壁損傷、並びに外科手術に関連する急性期応答による血液の組成における変化によって及ぼされる血栓形成促進性刺激を均衡化させることができる。該抗血栓剤は、血栓性心血管疾患を発症するためのリスクがある患者に使用することもできる。
本明細書において開示されている抗血栓剤は、初期の血栓性エピソードに続いて、二次防止において使用することもできる。例えば、因子V(因子V Leidenとしても知られている)及び付加的な危険因子(例えば、妊娠)における突然変異を有する患者は、静脈血栓の再発生を防止するために抗血栓剤が投与され得る。一部の実施形態において、抗血栓剤は、急性心筋梗塞又は急性冠動脈症候群の病歴を有する患者における心血管事象の二次防止において使用される。
本明細書において開示されている抗血栓剤は、一部の実施形態において、すでに始まった後に疾患状態を(即ち、それの発症を停止することによって)処置するために、必要とする対象に投与される。例えば、深部静脈血栓症を示す患者は静脈閉塞のさらなる成長を防止するために抗血栓剤で処置される。一部の実施形態において、時間をかけて、抗血栓剤は、疾患状態の退行を引き起こすことができ、なぜならば、血栓形成促進性因子と抗凝血/線維素溶解促進性経路との間のバランスが、後者に有利に変化されるからである。動脈血管床に関する例としては、血管閉塞のさらなる成長を防止するためにアスピリン及びクロピドグレルを用いる、急性心筋梗塞又は急性冠動脈症候群を有する患者の処置が挙げられ、最終的に、血栓性閉塞の退行に至る。
本明細書において開示されている抗血栓剤は、一部の実施形態において、細胞表面、細胞受容体、細胞デブリ、DNA、RNA及び細胞外マトリクス上で、人工表面に血液が曝露される(例えば、血液透析中、「オンポンプ」心血管外科手術、血管グラフト、細菌性敗血症)場合に起こる凝固の「接触活性化」を防止又は低減するために、必要とする対象に投与される。
血栓症は、以下に限定されないが、血管閉塞(例えば、バイパス後)及び再閉塞(例えば、経皮的冠動脈形成術中又はその後)を含むことができる。血栓塞栓性障害は、状態、例えば、アテローム動脈硬化症、外科手術又は外科手術合併症、固定化の延長、動脈フィブリル化、先天性血栓性素因、がん、糖尿病、薬物療法又はホルモンの効果、及び妊娠の合併症に起因し得る。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、アテローム動脈硬化症を有する患者と関連する。一部の実施形態において、動脈フィブリル化及び後続の血栓塞栓性障害は、心血管疾患、リウマチ性心疾患、非リウマチ性僧帽弁疾患、高血圧性心血管疾患、慢性肺疾患、心臓異常、及び甲状腺中毒を含む。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、真性糖尿病と関連する。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、凝固因子における機能獲得型突然変異又は抗凝血若しくは線維素溶解性経路における機能突然変異の損失によって引き起こされ得る又はそれと関連し得る先天性の血栓性素因と関連する。
血栓症は、1種又は複数の腫瘍型、例えば、膵臓がん、乳がん、脳腫瘍、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、胃腸悪性腫瘍、及びホジキン又は非ホジキンリンパ腫と関連し得る。一部の実施形態において、血栓症は、前立腺がん、結腸直腸がん、脳がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、又はその組合せと関連する。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害は、がん患者における静脈血栓塞栓症(VTE)である。がん患者が血栓症に関するリスクは、以下の1つ又は複数のために変動し得る:(i)がんの段階(即ち、転移の存在)、(ii)中枢静脈カテーテルの存在、(iii)外科手術、及び化学療法を含めた抗がん治療、並びに(iv)ホルモン及び抗血管新生薬物。一部の実施形態において、開示されている抗血栓剤の1つ又は複数は、血栓塞栓性障害を防止するために、進行型腫瘍を有する患者に投与される。一部の実施形態において、抗血栓剤は、長期間寝たきりのがん患者、化学療法若しくは放射線を受けている外来患者、留置型中枢静脈カテーテルを有するがん患者、又は外科手術を受けるがん患者に投与される。
本明細書に記載されている通り、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、血栓塞栓性障害を処置するために、又は血栓塞栓性障害を防止する(例えば、一次予防又は二次予防として)ために使用することができる。シクロスポリン類似体は、一部の実施形態において、それを必要とする対象において出血リスクを引き起こすこと又は出血リスクを増加させることなく、血栓塞栓性障害を防止する(或いは血栓形成を低減若しくは防止する、又は凝血原血小板形成を低減若しくは阻害する)ことができる。シクロスポリン類似体は、血栓形成を低減又は防止するために使用することもできる。シクロスポリン類似体は、凝血原血小板形成を低減又は阻害するために使用することもできる。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、血小板凝集を阻害することなく、血栓塞栓性障害を防止又は処置することができる。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、血小板凝集を完全に阻害することなく、血栓塞栓性障害を防止又は処置することができる(例えば、血小板凝集は、未処置の対象と比較した場合に、対象において、約85%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%若しくはそれ以下、又は多くとも約85%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%若しくはそれ以下低減される)。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、出血リスクを(例えば、未処置の対象と比較した場合に、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ以上、又は少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%若しくはそれ以上)低減することができる。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、血栓形成を低減する、血栓形成の可能性を遅延若しくは低減する、血栓形成の開始を防止若しくは遅延させる、並びに/又は凝血原血小板形成を阻害することなく(又は凝血原血小板形成の選択的阻害で)及び/若しくは血小板凝集を阻害することなく(又は血小板凝集の阻害の低減で若しくは血小板凝集の部分的阻害で、例えば、血小板凝集を、未処置の対象と比較した場合に、対象において、85%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%若しくはそれ以下、又は多くとも85%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%若しくはそれ以下低減すること)出血リスクを低減することができる。
障害
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、対象における血栓塞栓性障害を処置又は防止するために使用される。例えば、血栓塞栓性障害は、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害であり得る。血栓塞栓性障害は、例えば、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症であり得る。別の例として、血栓塞栓性障害は、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は心房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害である。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、対象における凝血原血小板形成を低減又は阻害するために使用される。対象は、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う、又はそれを発症するリスクがある。血栓形成促進性又は血栓性状態は、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症からなる群から選択することができる。
治療剤
シクロスポリンは、シクロスポリンA(CsA)としても知られている。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、式Lの化合物である:
Figure 2023551503000005
(式中:
a.R’は、H又はアセチルであり;
b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
c.R2は、以下からなる群から選択され:
i.H;
ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
iv.N置換又は非置換アミン;
v.カルボン酸;
vi.ニトリル;
vii.エステル;
viii.ケトン;
ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
x.置換又は非置換アリール;
xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を任意選択により含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、任意選択により置換されている脂肪族炭素鎖である)
一部の実施形態において、R1-R2は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000006
一部の実施形態において、R1-R2は、水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、ハロゲン、オキソ、カルボン酸、エステル、及び1,3-ジオキソランからなる群から選択される置換基で任意選択により置換されている2個~5個の間の炭素の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖を含む。
一部の実施形態において、R2は、
Figure 2023551503000007
からなる群から選択され;R5は、長さが1個~10個の間の炭素の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;R6は、モノヒドロキシル化、ジヒドロキシル化、トリヒドロキシル化又はポリヒドロキシル化された、長さが1個~10個の間の炭素飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R23は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000008
一部の実施形態において、R23は、任意選択により置換されているC1-C3アルキルを含めて、任意選択により置換されているアルキルを含む。アルキルは、アミノで置換されていてよく、C1-C3-Alaを含むことができ、ここで、化合物は、R23が付着されているアミノ酸であるアミノ酸3のDエピマーを含む。一部の実施形態において、R23は、MeAlaであり得る。一部の実施形態において、R23は、長さが1個~6個、1個~5個、1個~4個、1個~3個又は2個の炭素の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、式Lにおける
Figure 2023551503000009
は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000010
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、式Lの化合物である:
Figure 2023551503000011
(式中:
a.R’は、H又はアセチルであり;
b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
c.R2は、以下からなる群から選択され:
i.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
ii.カルボン酸;
iii.ニトリル;
iv.エステル;
v.ケトン;
vi.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;
vii.置換又は非置換アリール;
viii.ケトン、ヒドロキシ、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン及びオキソからなる群から選択される置換基で置換されている飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖;
ix.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基で置換されている芳香族基;並びに
x.viii)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖及びix)の芳香族基の組合せ;
d.R23は、非置換C1-C3アルキルである)
一部の実施形態において、R’は、Hである。
一部の実施形態において、R1は、長さが5個~8個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R2は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000012
R5は、長さが1個~10個の間の炭素の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;R6は、モノヒドロキシル化、ジヒドロキシル化、トリヒドロキシル化又はポリヒドロキシル化された、長さが1個~10個の間の炭素の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R1-R2は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000013
一部の実施形態において、R1-R2は、ケトン、ヒドロキシ、ニトリル、オキソ、カルボン酸、エステル及び1,3-ジオキソランからなる群から選択される置換基で置換されている。一部の実施形態において、R1-R2は、長さが少なくとも6個の炭素原子である。
一部の実施形態において、式Lにおける
Figure 2023551503000014
は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000015
一部の実施形態において、R23は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000016
一部の実施形態において、R23は、メチルである。一部の実施形態において、化合物は、R23が付着されているアミノ酸であるアミノ酸3のDエピマーを含む。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、以下からなる群から選択される化合物であり:
Figure 2023551503000017

Figure 2023551503000018
ここで:
Rは、
Figure 2023551503000019
であり;
R’は、H又はアセチルであり;
異性体は、R23が付着されているアミノ酸であるアミノ酸3の異性体形態である。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、式Lの化合物である:
Figure 2023551503000020
(式中:
a.R’は、H又はアセチルであり;
b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
c.R2は、以下からなる群から選択され:
i.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
ii.カルボン酸;
iii.ニトリル;
iv.エステル;
v.ケトン;
vi.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;
vii.置換又は非置換アリール;
viii.ケトン、ヒドロキシ、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン及びオキソからなる群から選択される置換基で置換されている飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖;
ix.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基で置換されている芳香族基;並びに
x.(viii)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖及び(ix)の芳香族基の組合せ;
d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、任意選択により置換されている脂肪族炭素鎖であり、
ここで、R1-R2は、長さが少なくとも6個の炭素原子である)
一部の実施形態において、R’は、Hである。
一部の実施形態において、R1は、長さが5個~8個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R1-R2は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000021
一部の実施形態において、R1-R2は、ケトン、ヒドロキシ、ニトリル、オキソ、カルボン酸、エステル及び1,3-ジオキソランからなる群から選択される置換基で置換されている。
一部の実施形態において、R23は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000022
一部の実施形態において、R23は、任意選択により置換されているC1-C3アルキルを含む。一部の実施形態において、R23は、アミノで置換されている。一部の実施形態において、R23は、C1-C3アルキルであり、化合物は、R23が付着されているアミノ酸であるアミノ酸3のDエピマーを含む。一部の実施形態において、R23は、メチルである。一部の実施形態において、R23は、長さが1個~6個の炭素の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、式Lにおける
Figure 2023551503000023
は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000024
一部の実施形態において、R1-R2は、
Figure 2023551503000025
であり、R23は、メチルであり、化合物は、R23が付着されているアミノ酸であるアミノ酸3のDエピマーである。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、式Lの化合物である:
Figure 2023551503000026
(式中:
R’は、H又はアセチルであり;
R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
R2は、N置換又は非置換アシル保護アミンであり;
R23は、メチル又はエチルである)
一部の実施形態において、R’は、Hである。
一部の実施形態において、R1は、長さが5個~8個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R2は、
Figure 2023551503000027
であり;式中、R5は、長さが1個~10個の間の炭素の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R1-R2は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000028
一部の実施形態において、R23は、メチルである。
一部の実施形態において、式Lにおける
Figure 2023551503000029
は、
Figure 2023551503000030
である。
一部の実施形態において、R’、R1-R2及びR23並びに前記化合物の異性体は、以下から選択され:
Figure 2023551503000031
ここで、異性体は、R23が付着されているアミノ酸であるアミノ酸3の異性体形態である。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、式Lの化合物である:
Figure 2023551503000032
(式中:
R’は、H又はアセチルであり;
R1-R2は、以下からなる群から選択され:
Figure 2023551503000033
R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、任意選択により置換されている脂肪族炭素鎖である)
一部の実施形態において、R’は、Hである。
一部の実施形態において、R1-R2は、
Figure 2023551503000034
である。
一部の実施形態において、式Lにおける
Figure 2023551503000035
は、
Figure 2023551503000036
である。
一部の実施形態において、R23は、以下からなる群から選択される:
Figure 2023551503000037
一部の実施形態において、R23は、
Figure 2023551503000038
である。一部の実施形態において、R23は、
Figure 2023551503000039
である。一部の実施形態において、R23は、(a)任意選択により置換されているC1-C3アルキルを含む;(b)アミノで置換されている;(c)C1-C3-Alaであり、前記化合物は、Dエピマーを含む;(d)MeAlaである;及び/又は(e)長さが1個~6個、1個~5個、1個~4個、1個~3個又は2個の炭素の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖である。
一部の実施形態において、R’、R1-R2及びR23、並びに前記化合物の異性体は、以下から選択される:
Figure 2023551503000040
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、11個のアミノ酸からなる中性環状ペプチド、シクロスポリンの誘導体又は類似体である小分子シクロフィリン阻害剤CRV431(下記に示されている)であり、ここで、アミノ酸1及び3は、化学的に修飾されている。
Figure 2023551503000041
(CRV431)
追加の治療剤
一部の実施形態において、方法は、1種又は複数の追加の治療剤を、それを必要とする対象に投与することを含むことができる。例えば、該組成物は、1種又は複数の追加の治療剤を含むことができる。1種又は複数の追加の治療剤の非限定的な例としては、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せが挙げられる。一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤は、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せを含む。
一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤(又は追加の治療用試薬の全て)の各々は、シクロスポリン類似体を含む組成物とともに対象に同時投与される。一部の実施形態において、1種又は複数の追加の治療剤(又は追加の治療用試薬の全て)の各々は、シクロスポリン類似体を含む組成物の投与の後、シクロスポリン類似体を含む組成物の投与の前、又は両方で対象に投与される。追加の治療剤の投与量及び/又は投薬スケジュールは、本明細書に記載されているシクロスポリン類似体組成物の投与量及び/又は投薬スケジュールと同じ又は異なっていてよい。追加の治療剤の投与経路は、本明細書に記載されているシクロスポリン類似体組成物の投与経路と同じ又は異なっていてよい。追加の治療剤は、例えば、静脈内投与、経口投与又は非経口投与によって投与することができる。
投与される1種又は複数の追加の治療用試薬(又は追加の治療用試薬の全て)の各々の量は、0.1~1mg(例えば、0.1mg、0.5mg又は1mg)、1~5mg(例えば、1mg、2mg、3mg、4mg又は5mg)、5~10mg(例えば、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg又は10mg)、10~20mg(例えば、10mg、15mg又は20mg)、20~30mg(例えば、20mg、25mg又は30mg)、30~40mg(例えば、30mg、35mg又は40mg)、40~50mg(例えば、40mg、45mg又は50mg)、50~100mg(例えば、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg又は100mg)、100~150mg(例えば、100mg、125mg又は150mg)、若しくは150~200mg(例えば、150mg、175mg又は200mg)であっても、又はおよそこれらの値であってもよい。投与される1種又は複数の追加の治療用試薬(又は追加の治療用試薬の全て)の各々の量は、1mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.7mg/kg、2.8mg/kg、2.9mg/kg、3mg/kg、3.1mg/kg、3.2mg/kg、3.3mg/kg、3.4mg/kg、3.5mg/kg、3.6mg/kg、3.7mg/kg、3.8mg/kg、3.9mg/kg、4mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、13mg/kgであっても、若しくはおよそこれらの値であっても、又はこれらの値の任意の2つとの間の数若しくは範囲であってもよい。
組成物、キット及び投与
一部の実施形態に提供されているのには、以下を含むキットを含む:シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、例えば、シクロスポリン類似体のSMEDD、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体若しくは組成物、及びキットの使用を示す標識。一部の実施形態において、標識は、キットが血栓塞栓性障害を防止するためであることを示す。一部の実施形態において、標識は、キットが血栓塞栓性障害を処置するためであることを示す。一部の実施形態において、標識は、凝血原血小板形成を低減又は阻害するためであることを示す。
一部の実施形態において、標識は、本明細書に記載されている投与量で、投薬スケジュールで、及び/又は投与経路を使用して、シクロスポリン類似体(又はその組成物)を投与するための指示を含むことができる。例えば、該標識は、静脈内投与、経口投与又は非経口投与によって対象にシクロスポリン類似体(又はその組成物)を投与するための指示を含む。該標識は、経口又は静脈内投与によって対象にシクロスポリン類似体(又はその組成物)を投与するための指示を含むことができる。例えば、該標識は、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量で、対象にシクロスポリン類似体(又はその組成物)を投与するための指示を含むことができる。
一部の実施形態において、標識は、本明細書に記載されている1種又は複数の追加の治療剤(例えば、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せ)とともにシクロスポリン類似体を投与するための指示を含む。一部の実施形態において、キットは、1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を含む。該標識は、対象にシクロスポリン類似体とともに1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を同時投与するための指示を含むことができる。該標識は、対象へのシクロスポリン類似体の投与の前、対象へのシクロスポリン類似体の投与の後、又は両方で、対象に1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を投与するための指示を含むことができる。該標識は、本明細書に記載されている投与量で、投薬スケジュールで、及び/又は投与経路を使用して、1種又は複数の追加の治療剤を投与するための指示を含むことができる。
本明細書においてその上提供されているのは、一部の実施形態において、以下を含む組成物である:血栓塞栓性障害を処置又は防止することにおける使用のための、血栓形成を低減若しくは防止する及び/又は凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するための、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、例えば、シクロスポリン類似体のSMEDD、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。該組成物は、以下を含むことができる:血栓の形成を防止又は低減することにおける使用のための、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。該組成物は、以下を含むことができる:凝血原血小板形成を低減又は阻害することにおける使用のための、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体。該組成物は、本明細書において開示されている1種又は複数の追加の治療剤との組合せで使用することができる。該組成物は、本明細書に記載されている投与量で、投薬スケジュールで、及び/又は投与経路を使用して、投与することができる。該組成物は、本明細書において開示されている投与量で、投薬スケジュールで、又は投与経路を使用して、本明細書において開示されている1種又は複数の追加の治療剤とともに投与することができる。該組成物は、1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を含むことができる。その上本明細書において開示されているのには、対象において、血栓塞栓性障害を処置するための、血栓形成を防止又は低減するための、及び/又は凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するための医薬の製造のための、シクロスポリン類似体を含む医薬組成物の使用を含む。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体は、CRV431などのシクロスポリンの誘導体又は類似体を含む安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(「SMEDDS」)製剤中にある、又は組成物はそれである。該組成物は、例えば、シクロスポリン(例えば、CRV431)の誘導体又は類似体の良好な可溶性を可能にし、ヒトにおいて著しい血液曝露を可能にする。一部の実施形態において、組成物は、ポリオキシルヒマシ油(ポリオキシル40水添ヒマシ油、マクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート、及びPEG-40水添ヒマシ油、例えば、Cremophor(登録商標)RH40及びKolliphor(登録商標)RH40としても知られている)をさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、エタノールをさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、例えば、Transcutol(登録商標)としても知られている)をさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、プロピレングリコール(PG)をさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、モノリノール酸グリセリル、例えば、Maisine(登録商標)CCをさらに含む。一部の実施形態において、組成物は、ビタミンEをさらに含む。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の様々なSMEDDS製剤は、WO2020/112562として公表されているPCT出願に記載されており、この内容は、参照によりそれ全体で本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態において、該系は、ビタミンE、Maisine(登録商標)CC、プロピレングリコール、Transcutol(登録商標)、エタノール、及びCremophor(登録商標)RH40を含む。該系における非シクロスポリン類似体構成成分の質量比は、異なる実施形態において異なっていてよい。一部の実施形態において、該系における別の非シクロスポリン類似体構成成分(例えば、ビタミンE、Maisine(登録商標)CC、プロピレングリコール、Transcutol(登録商標)、エタノール、又はCremophor(登録商標)RH40)に相対する非シクロスポリン類似体構成成分(例えば、ビタミンE、Maisine(登録商標)CC、プロピレングリコール、Transcutol(登録商標)、エタノール、又はCremophor(登録商標)RH40)の質量比は、約0.1~約10の間であり得る。一部の実施形態において、該系における別の非シクロスポリン類似体構成成分に相対する(又は全ての他の非シクロスポリン類似体構成成分に相対する)非シクロスポリン類似体構成成分の質量比は、約0.1~約10の間であり得る。一部の実施形態において、該系における別の非シクロスポリン類似体構成成分に相対する(又は全ての他の非シクロスポリン構成成分に相対する)非シクロスポリン類似体構成成分の質量比は、0.01:1、0.015:1、0.02:1、0.025:1、0.03:1、0.035:1、0.04:1、0.045:1、0.05:1、0.055:1、0.06:1、0.065:1、0.07:1、0.075:1、0.08:1、0.085:1、0.09:1、0.095:1、0.1:1、0.15:1、0.2:1、0.25:1、0.3:1、0.35:1、0.4:1、0.45:1、0.5:1、0.55:1、0.6:1、0.65:1、0.7:1、0.75:1、0.8:1、0.85:1、0.9:1、0.95:1、1:1、1.05:1、1.1:1、1.15:1、1.2:1、1.25:1、1.3:1、1.35:1、1.4:1、1.45:1、1.5:1、1.55:1、1.6:1、1.65:1、1.7:1、1.75:1、1.8:1、1.85:1、1.9:1、1.95:1、2:1、2.05:1、2.1:1、2.15:1、2.2:1、2.25:1、2.3:1、2.35:1、2.4:1、2.45:1、2.5:1、2.55:1、2.6:1、2.65:1、2.7:1、2.75:1、2.8:1、2.85:1、2.9:1、2.95:1、3:1、3.05:1、3.1:1、3.15:1、3.2:1、3.25:1、3.3:1、3.35:1、3.4:1、3.45:1、3.5:1、3.55:1、3.6:1、3.65:1、3.7:1、3.75:1、3.8:1、3.85:1、3.9:1、3.95:1、4:1、4.05:1、4.1:1、4.15:1、4.2:1、4.25:1、4.3:1、4.35:1、4.4:1、4.45:1、4.5:1、4.55:1、4.6:1、4.65:1、4.7:1、4.75:1、4.8:1、4.85:1、4.9:1、4.95:1、5:1、5.05:1、5.1:1、5.15:1、5.2:1、5.25:1、5.3:1、5.35:1、5.4:1、5.45:1、5.5:1、5.55:1、5.6:1、5.65:1、5.7:1、5.75:1、5.8:1、5.85:1、5.9:1、5.95:1、6:1、6.05:1、6.1:1、6.15:1、6.2:1、6.25:1、6.3:1、6.35:1、6.4:1、6.45:1、6.5:1、6.55:1、6.6:1、6.65:1、6.7:1、6.75:1、6.8:1、6.85:1、6.9:1、6.95:1、7:1、7.05:1、7.1:1、7.15:1、7.2:1、7.25:1、7.3:1、7.35:1、7.4:1、7.45:1、7.5:1、7.55:1、7.6:1、7.65:1、7.7:1、7.75:1、7.8:1、7.85:1、7.9:1、7.95:1、8:1、8.05:1、8.1:1、8.15:1、8.2:1、8.25:1、8.3:1、8.35:1、8.4:1、8.45:1、8.5:1、8.55:1、8.6:1、8.65:1、8.7:1、8.75:1、8.8:1、8.85:1、8.9:1、8.95:1、9:1、9.05:1、9.1:1、9.15:1、9.2:1、9.25:1、9.3:1、9.35:1、9.4:1、9.45:1、9.5:1、9.55:1、9.6:1、9.65:1、9.7:1、9.75:1、9.8:1、9.85:1、9.9:1、9.95:1、10:1、10.5:1、11:1、11.5:1、12:1、12.5:1、13:1、13.5:1、14:1、14.5:1、15:1、15.5:1、16:1、16.5:1、17:117.5:1、18:1、18.5:1、19:1、19.5:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1であっても、およそこれらの値であっても、少なくともこれらの値であっても、少なくともおよそこれらの値であっても、多くともこれらの値であっても、若しくは多くともおよそこれらの値であっても、又はこれらの値の任意の2つの間の数若しくは範囲であってもよい。一部の実施形態において、系は、ビタミンE、Maisine(登録商標)CC、プロピレングリコール、Transcutol(登録商標)、エタノール、及びCremophor(登録商標)RH40を、1/1/5/5/2.4/4~1/1.5/2.5/5/2.4/5の質量比で含む。一部の実施形態において、系は、ビタミンE、Maisine(登録商標)CC、プロピレングリコール、Transcutol(登録商標)、エタノール、及びCremophor(登録商標)RH40を、(0.75~1.5)/(0.5~2)/(2~5)/(2~5)/(2~2.4)/(4~8)の質量比で含む。
一部の実施形態において、SMEDDは、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を、約10mg/mL~約90mg/mL、例えば、10mg/mL、20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、これらの値の任意の2つの間の範囲、又は10mg/mL~90mg/mL内の任意の値の濃度で含む。一部の実施形態において、系は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を約90mg/mLの濃度で含む。一部の実施形態において、系は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を、70mg/mL、又は約70mg/mLの濃度で含む。
該組成物は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体、及び1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物である。一部の実施形態において、組成物は、静脈内投与、経鼻投与、肺投与、経口投与又は非経口投与によって対象に投与される。一部の実施形態において、組成物は、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(「SMEDD」)、液体、エアロゾル、懸濁液又はナノ粒子の形態である。一部の実施形態において、組成物は、1日1回、2回又は3回対象に投与される。一部の実施形態において、組成物は、緊急状況において(例えば、進行中の外科手術において)1回又は2回対象に投与される。一部の実施形態において、組成物は、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも1週、又はそれ以上のクールにわたって対象に投与される。一部の実施形態において、組成物は、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量で対象に投与される。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療有効量及び投与頻度並びにそれを用いる処置の長さは、血栓塞栓性障害の性質及び重症度、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の効力、投与モード、対象の年齢、体重、全般的な健康、性別及び食療法、並びに処置に対する対象の応答を含めて、様々な因子に依存することができ、処置する医師によって決定することができる。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害を処置又は防止するための、血栓形成を低減又は防止するための、及び/又は本明細書に記載されている通りの凝血原血小板形成を低減又は阻害するためのシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療有効量は、0.1~200mg、0.1~150mg、0.1~100mg、0.1~50mg、0.1~30mg、0.5~20mg、0.5~10mg若しくは1~10mg(例えば、1日当たり又は用量当たり)である、又はおよそこれらの値である、或いは処置する医師によって適切と見なされた場合に、それらは単一用量で又は分割用量で投与することができる。ある特定の実施形態において、血栓塞栓性障害を処置若しくは防止するための、血栓形成を低減若しくは防止するための、及び/又は本明細書に記載されている通りの凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するためのシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療又は予防有効用量(例えば、1日当たり又は用量当たり)は、0.1~1mg(例えば、0.1mg、0.5mg又は1mg)、1~5mg(例えば、1mg、2mg、3mg、4mg又は5mg)、5~10mg(例えば、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg又は10mg)、10~20mg(例えば、10mg、15mg又は20mg)、20~30mg(例えば、20mg、25mg又は30mg)、30~40mg(例えば、30mg、35mg又は40mg)、40~50mg(例えば、40mg、45mg又は50mg)、50~100mg(例えば、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg又は100mg)、100~150mg(例えば、100mg、125mg又は150mg)、若しくは150~200mg(例えば、150mg、175mg又は200mg)である、又はおよそこれらの値である。一部の実施形態において、血栓塞栓性障害を処置若しくは防止するための、血栓形成を低減若しくは防止するための、及び/又は本明細書に記載されている通りの凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するための、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療又は予防有効用量(例えば、1日当たり又は用量当たり)は、1mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg、2.6mg/kg、2.7mg/kg、2.8mg/kg、2.9mg/kg、3mg/kg、3.1mg/kg、3.2mg/kg、3.3mg/kg、3.4mg/kg、3.5mg/kg、3.6mg/kg、3.7mg/kg、3.8mg/kg、3.9mg/kg、4mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、13mg/kgである、若しくはおよそこれらの値である、又はこれらの値の任意の2つの間の数若しくは範囲である。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療又は予防有効用量は、1日1回若しくは複数回(例えば、2回、3回以上)、又は2日若しくは3日毎に1回、又は週1回、2回若しくは3回、或いは処置する医師によって適切と見なされた通りに投与される。一部の実施形態において、組成物は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の治療又は予防有効量を含む。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、不規則な方式で投薬することもできる。例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、不規則な方式にて、30分、1時間、2時間又はそれ以上の期間で1回、2回又は3回投与することができる。さらに、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、必要であれば(必要とされる場合に)服用することができる。例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、血栓塞栓性障害/状態が改善するまで、規則的な又は不規則な方式であっても、1回、2回、3回、4回、5回以上投与することができる。血栓塞栓性障害/状態からの軽減が一旦達成されると、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を投薬することは、任意選択により中断することができる。血栓塞栓性障害/状態が戻ったら、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の投与は、規則的な又は不規則な方式であっても、再開することができる。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の適切な投与量、それの投薬の頻度、それを用いる処置の長さは、処置する医師によって決定することができる。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、血栓塞栓性障害を処置若しくは防止するため、又は血栓の形成を防止若しくは低減するため、又は凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するため、予防的に使用することもできる。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の予防有効量は、本明細書に記載されているシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の任意の治療有効量であってよい。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、任意の適当な経路を介して投与することができる。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の潜在的な投与経路としては、限定せずに、経口、非経口(筋肉内、皮下、皮内、血管内、静脈内、動脈内、髄内及びくも膜下腔内を含める)、腔内、腹腔内、及び局所(皮膚/皮膚上、経皮、粘膜、経粘膜、鼻腔内[例えば、経鼻スプレー又は点滴剤による]、眼球内[例えば、点眼薬による]、肺[例えば、経口又は経鼻吸入による]、頬側、舌下、直腸及び腟内を含める)が挙げられる。ある特定の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、経口的に(例えば、カプセル又は錠剤として、任意選択により腸溶コーティングを用いて)投与される。他の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、非経口的に(例えば、静脈内に、皮下に又は皮内に)投与される。さらなる実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、局所に(例えば、経皮的に/皮膚上に、経皮的に、粘膜的に、経粘膜的に、頬側に又は舌下に)投与される。
追加の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、食品を用いずに投与される。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、食事の少なくとも約1時間又は2時間前又は後に投与される。ある特定の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、夕食の少なくとも約2時間後に投与される。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、食品と実質的に同時に(例えば、食事の前若しくは後、約0.5時間、1時間若しくは2時間内に、又は食事とともに)服用することもできる。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療的レベルのより速やかな確立が所望される一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、負荷用量が投与され、その後、(i)1つ若しくは複数の追加の負荷用量及び次いで1つ若しくは複数の治療的に有効な維持量、又は(ii)処置する医師によって適切と見なされた場合に、追加の負荷用量なく、1つ若しくは複数の治療的に有効な維持量が続く投薬スケジュール下で投与される。薬物の負荷用量は、典型的に、後続の維持用量よりも大きく(例えば、約1.5倍、2倍、3倍、4倍又は5倍大きく)、より迅速に薬物の治療的レベルを確立するように設計されている。1つ又は複数の治療的に有効な維持量は、本明細書に記載されている任意の治療有効用量であってよい。ある特定の実施形態において、負荷用量は、維持用量よりも約3倍大きい。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の負荷用量が投与され、その後、適切な時間の後に(例えば、約12時間又は24時間後)及びその後、治療の持続期間の間、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の維持用量の投与が続き、例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の負荷用量は、1日目に投与され、維持用量は、2日目に及びその後、治療の持続期間の間投与される。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、約1.5mg、3mg、15mg又は30mg(例えば、3×約0.5mg、1mg、5mg又は10mg)の負荷用量で、経口的に(例えば、錠剤として)1日目に、続いて、約0.5mg、1mg、5mg又は10mgの維持用量で経口的に(例えば、錠剤として)1日1回、任意選択により就寝時刻に、少なくとも約2週、1カ月(4週)、6週、2カ月、10週、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、1年、1.5年、2年、3年、又はそれより長い間(例えば、少なくとも約6週、2カ月、3カ月又は6カ月)投与される。ある特定の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、約15mg(例えば、3×約5mg)の負荷用量で経口的に(例えば、錠剤として)1日目に、続いて、約5mgの維持用量で経口的に(例えば、錠剤として)1日1回、任意選択により就寝時刻に、少なくとも約2週、1カ月、6週、2カ月、3カ月、6カ月、1年、1.5年、2年、3年、又はそれより長い間(例えば、少なくとも約6週、2カ月、3カ月又は6カ月)投与される。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の第1の負荷用量は1日目に投与され、第2の負荷用量は2日目に投与され、維持用量は、3日目に及びその後治療の持続期間の間投与される。ある特定の実施形態において、第1の負荷用量は、維持用量よりも約3倍大きく、第2の負荷用量は、維持用量よりも約2倍大きい。
本明細書において開示されている通り、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))は、生理学的に許容される表面活性剤、担体、希釈剤、賦形剤、平滑剤、懸濁剤、膜形成物質、コーティング助剤、又はその組合せを含む医薬組成物における投与のために製剤化することができる。一部の実施形態において、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))は、薬学的に許容される担体又は希釈剤との投与のために製剤化される。治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))は、医薬技術分野において通例であるように、標準的な薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を有する医薬として製剤化することができる。製剤の正確な性質は、所望の投与経路を含めて、いくつかの因子に依存する。一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、経口、静脈内、胃内、血管内又は腹腔内投与のために製剤化される。参照によりそれ全体で本明細書に組み込まれるRemington’s The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott Williams & Wilkins (2005)に開示されているものなど、標準的な医薬製剤技法が使用され得る。
「薬学的に許容される担体」又は「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、任意及び全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などを含む。薬学的に活性な物質のためのこうした媒体及び薬剤の使用は、当技術分野においてよく知られている。任意の従来の媒体又は薬剤が活性成分と不適合性である限りを除いて、治療組成物におけるそれの使用が企図される。加えて、当技術分野において共通して使用されるような様々なアジュバントが含まれ得る。医薬組成物における様々な構成成分の包含についての考慮は、例えば、参照によりそれ全体で本明細書に組み込まれるGilman et al. (Eds.) (1990); Goodman and Gilman’ s: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed., Pergamon Pressに記載されている。
薬学的に許容される担体又はその構成成分として役立ち得る物質の一部の例は、糖、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース:デンプン、例えば、コーンスターチ及びバレイショデンプン;セルロース及びそれの誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;固体潤滑剤、例えば、ステアリン酸及びステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;植物油、例えば、落花生油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びテオブロマ油;ポリオール、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;アルギン酸;乳化剤、例えば、TWEENS;湿潤剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム;着色剤;香味剤;錠剤化剤、安定剤;抗酸化剤;保存料;パイロジェンフリー水;等張生理食塩水;並びにリン酸緩衝溶液である。
主題治療剤と併せて使用されるべき薬学的に許容される担体の選択は、基本的に、組成物が投与されるべき方法によって決定される。
本明細書に記載されている組成物は、好ましくは、単位剤形で提供される。本明細書で使用される場合、「単位剤形」は、良好な医療実践に従って、単一用量で、動物、好ましくは哺乳動物対象への投与に適当である治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の量を含有する組成物である。単一又は単位剤形の調製は、しかしながら、剤形が1日当たり1回又は1治療クール当たり1回投与されることを含意しない。こうした剤形は、1日当たり1回、2回、3回又はそれ以上投与されるように企図され、ある時間期間(例えば、約30分から約2~6時間)にわたる注入として投与する、又は持続注入として投与してよく、治療クール中1回を超えて与えることができるが、単回投与が具体的に排除されるわけでない。当業者は、製剤が治療クール全体で具体的に企図されず、こうした決定が製剤化よりはむしろ処置の当業者に残されていることを認識されよう。
上に記載されている通りに有用な組成物は、投与のためのさまざまな経路のための、例えば、経口、経鼻、直腸、局所的(経皮を含める)、眼球、脳内、頭蓋内、くも膜下腔内、動脈内、静脈内、筋肉内、又は他の非経口投与経路のための様々な適当な形態のいずれかであってよい。当業者は、経口及び経鼻組成物が、吸入によって投与される組成物を含み、利用可能な方法論を使用して作製されることを理解されよう。所望される投与の特別な経路に依存して、当技術分野においてよく知られているさまざまな薬学的に許容される担体が使用され得る。薬学的に許容される担体としては、例えば、固体又は液体充填剤、希釈剤、ヒドロトロピー、表面活性薬剤、及びカプセル化用物質が挙げられる。治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の阻害活性に実質的に干渉しない任意選択の薬学的に活性な材料が含まれ得る。治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))と併せて用いられる担体の量は、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の単位用量当たりの投与のための材料の実際的な分量を提供するのに十分である。本明細書に記載されている方法において有用な剤形を作製するための技法及び組成物は、以下の参照に記載されており、全て参照により本明細書に組み込まれる:Modern Pharmaceutics, 4th Ed., Chapters 9 and 10 (Banker & Rhodes, editors, 2002); Lieberman et al,, Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (1989)、及びAnsel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 8th Edition (2004)。
錠剤、カプセル及び顆粒などの固体形態を含めて、様々な経口剤形が使用され得る。錠剤は、適当なバインダー、滑沢剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、香味剤、流動誘発剤及び溶融剤を含有して、圧縮、錠剤粉薬、腸溶化、糖衣化、フィルムコート又は多重圧縮することができる。液体経口剤形としては、適当な溶媒、保存料、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、溶融剤、着色剤及び香味剤を含有する、水溶液、エマルジョン、懸濁液、非発泡性顆粒から復元された溶液及び/又は懸濁液、並びに発泡性顆粒から復元された発泡性調製物が挙げられる。
経口的投与のための単位剤形の調製に適当な薬学的に許容される担体は、当技術分野においてよく知られている。錠剤は、典型的に、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、ラクトース及びセルロース;バインダー、例えば、デンプン、ゼラチン及びスクロース;崩壊剤、例えば、デンプン、アルギン酸及びクロスカルメロース;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸及びタルクとして、従来の薬学的に適合性のあるアジュバントを含む。二酸化ケイ素などの流動促進剤は、粉末混合物の流動特徴を改善するために使用することができる。FD&C染料などの着色剤は、外観のために添加することができる。甘味料及び香味剤、例えば、アスパルテーム、サッカリン、メンソール、ペパーミント、及び果実香味は、チュアブル錠剤のための有用なアジュバントである。カプセルは、典型的に、上記で開示されている1種又は複数の固体希釈剤を含む。担体構成成分の選択は、重要ではない味、コスト及び保存安定性のような二次的考慮に依存し、当業者によって容易になし得る。
経口的組成物は、その上、溶液、エマルジョン、懸濁液などを含む。こうした組成物の調製に適当な薬学的に許容される担体は、当技術分野においてよく知られている。シロップ、エリキシル、エマルジョン及び懸濁液のための担体の典型的な構成成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体スクロース、ソルビトール及び水が挙げられる。懸濁液について、典型的な懸濁化剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アビセルRC-591、トラガカント及びアルギン酸ナトリウムが挙げられ;典型的な湿潤剤としては、レシチン及びポリソルベート80が挙げられ;典型的な保存料としては、メチルパラベン及び安息香酸ナトリウムが挙げられる。経口的液体組成物は、上記で開示されている甘味料、香味剤及び着色料など1種又は複数の構成成分を含有することもできる。
主題治療剤の全身送達を達成するのに有用な他の組成物としては、舌下、バッカル及び経鼻剤形が挙げられる。こうした組成物は、典型的に、可溶性充填剤物質、例えば、スクロース、ソルビトール及びマンニトール;並びにバインダー、例えば、アカシア、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースの1つ又は複数を含む。上記で開示されている流動促進剤、滑沢剤、甘味料、着色料、抗酸化剤及び香味剤も含むことができる。
局所的使用について、本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))を含有するクリーム、軟膏、ゲル、溶液又は懸濁液などが用いられる。局所的製剤は、一般に、薬学的担体、共溶媒、乳化剤、浸透増強剤、保存剤系及び軟化薬から構成することができる。
静脈内投与について、本明細書に記載されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))及び組成物は、生理食塩水又はデキストロース溶液などの薬学的に許容される希釈液中に溶解又は分散させることができる。適当な賦形剤は、以下に限定されないが、NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HC1、及びクエン酸を含めて、所望のpHを達成するために含むことができる。各種実施形態において、最終組成物のpHは、2~8、又は好ましくは4~7を範囲とする。抗酸化賦形剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、アセトン亜硫酸水素ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルホキシレート、チオ尿素、及びEDTAを挙げることができる。最終静脈内組成物に見出される適当な賦形剤の他の非限定的な例としては、ナトリウム又はリン酸カリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、及び炭水化物、例えば、デキストロース、マンニトール、及びデキストランを挙げることができる。さらに許容される賦形剤は、Powell, et al., Compendium of Excipients for Parenteral Formulations, PDA J Pharm Sci and Tech 1998, 52 238-31 1及びNema et al., Excipients and Their Role in Approved Injectable Products: Current Usage and Future Directions, PDA J Pharm Sci and Tech 2011, 65 287-332に記載されており、これらの両方は、それら全体で参照により本明細書に組み込まれる。抗微生物剤も、以下に限定されないが、フェニル硝酸第二水銀、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール及びクロロブタノールを含めて、静細菌性又は静真菌性溶液を達成するために含むことができる。
静脈内投与のための組成物は、投与の直前に水中において滅菌水、生理食塩水又はデキストロースなどの適当な希釈液で復元される1つ又は複数の固体の形態で介護者に提供することができる。他の実施形態において、組成物は、非経口的に投与する準備が整っている溶液で提供される。また他の実施形態において、組成物は、投与の前にさらに希釈される溶液で提供される。本明細書に記載されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))及び別の薬剤の組合せを投与することを含む実施形態において、組合せは、混合物として介護者に提供することができる、又は介護者は、投与の前に2つの薬剤を混合することができる、又は2つの薬剤は、別々に投与することができる。
非ヒト動物研究において、潜在的生成物の適用は、より高い投与量レベルで開始され、投与量は、所望の効果がもはや達成されない又は有害副作用が消失するまで減少される。投与量は、所望の効果及び治療適応症に依存して広く範囲とすることができる。典型的に、投与量は、約0.1mg/kg~4000mg/kg体重の間、好ましくは約80mg/kg~1600mg/kg体重の間であり得る。代替として、投与量は、当業者によって理解される通り、患者の表面積をベースにするとともに算出することができる。
処置されるべき状態の重症度及び応答性に依存して、投薬は、緩徐放出組成物の単回投与であってもよく、処置のクールは、数日から数週、又は治癒がもたらされる若しくは疾患状態の減少が達成されるまで続く。投与されるべき組成物の量は、当然、処置されている対象、苦痛の重症度、投与方式、処方する医師の判断を含めて、多くの因子に依存する。本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))又は治療剤の組合せは、1日当たり患者の体重の0、1mg/kg~4000mg/kgの用量で、経口的に又は注射を介して投与することができる。成人のヒトのための用量範囲は、一般に、1g~100g/日である。個別の単位に提供されている錠剤又は提示の他の形態は、好都合には、こうした投与量で又は複数の投与量、例えば、1g~60g(例えば、約5g~20g、約10g~50g、約20g~40g、又は約25g~35g)を含有する単位として有効である、本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))又は治療剤の組合せの量を含有することができる。患者に投与される治療剤の正確な量は、付き添い医師の責任である。しかしながら、用いられる用量は、患者の年齢及び性別、処置されている正確な障害、並びにそれの重症度を含めて、多数の因子に依存する。追加として、投与経路は、状態及びそれの重症度に依存して変動することができる。治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の典型的な用量は、こうしたパラメータに依存して、体重1kg当たり0.02g~1.25g、例えば体重1kg当たり0.1g~0.5gであり得る。一部の実施形態において、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の投与量は、1g~100g、例えば、10g~80g、15g~60g、20g~40g、又は25g~35gであり得る。医師は、任意の特別な対象のための、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の必要とされる投与量を決定することができる。
本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))又は治療剤の組合せの医薬組成物のための正確な製剤、投与経路及び投与量は、患者の状態を考慮して個々の医師によって選択することができる。典型的に、患者に投与される組成物の用量範囲は、患者の体重の約0.1mg~約4000mg/kgであり得る。投与量は、患者によって必要とされる通り、1日又は複数日のクールで与えられる単一のもの又は一連の2つ以上であり得る。治療剤についてのヒト投与量が少なくとも一部の状態について確立された例において、本開示は、それらの同じ投与量、又は確立されたヒトの投与量の約0.1%~約5000%の間、より好ましくは約25%~約1000%の間である投与量を使用する。ヒトの投与量が確立していない場合、新たに発見された医薬化合物についての場合のように、適当なヒトの投与量は、ED50値若しくはID50値、又は動物における毒性研究及び効力研究によって適格とされるようなインビトロ若しくはインビボ研究から誘導される他の適切な値から推測することができる。
主治医は、毒性又は臓器機能不全により、どのように及びいつ投与を停止、中断又は調整するかを知っていることに留意されるべきである。逆に、主治医は、臨床応答が適切でなかったならば(毒性を除外する)、より高いレベルへ処置を調整するための知識を有する。興味対象の障害の管理における投与用量の規模は、処置されるべき状態の重症度及び投与経路により変動する。状態の重症度は、例えば、部分的に、標準的な予後の評価方法によって評価することができる。さらに、用量及びおそらく用量頻度は、その上、個々の患者の年齢、体重及び応答に従って変動する。上記で考察されているものに匹敵するプログラムは、獣医学において使用することができる。
正確な投与量は、薬物ごとのベースで決定されるが、大抵の場合、投与量に関する一部の一般化がなされ得る。薬学的に許容される塩の投与の場合において、投与量は、遊離塩基として算出することができる。一部の実施形態において、組成物は、1日当たり1回~4回投与される。代替として、本明細書において開示されている組成物は、例えば、1日当たり最大100gまでの各活性成分の用量で、連続的な静脈内注入によって投与することができる。当業者によって理解される通り、ある特定の状況において、特に侵襲性疾患又は感染を有効に及び侵襲的に処置するため、上記の明記された好ましい投与量範囲を超える又ははるかに超える量で、本明細書において開示されている組成物を投与することが必要であり得る。一部の実施形態において、本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))又は治療剤の組合せは、連続的な治療期間の間、例えば、1週若しくはそれ以上の間、又は数カ月若しくは数年の間投与される。
一部の実施形態において、本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))又は治療剤の組合せの投薬レジメンは、時間期間の間投与され、時間期間は、例えば、少なくとも約1週~少なくとも約4週、少なくとも約4週~少なくとも約8週、少なくとも約4週~少なくとも約12週、少なくとも約4週~少なくとも約16週、又はそれより長くあり得る。本明細書において開示されている治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))又は治療剤の組合せの投薬レジメンは、1日3回、1日2回、毎日、隔日毎、週3回、隔週に、1カ月当たり3回、毎月約1回、実質的に連続的に又は連続的に投与することができる。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、単独で又は組成物(例えば、医薬組成物)の形態で投与することができる。一部の実施形態において、医薬組成物は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、包接体、多形体、プロドラッグ若しくは代謝物、及び1種又は複数の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含む。該組成物は、任意選択により、本明細書に記載されている通りの1種又は複数の追加の治療剤を含有することができる。医薬組成物は、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))の治療有効量、及び1種又は複数の薬学的に許容される担体又は賦形剤を含有し、治療的使用のための対象への投与のために製剤化される。医薬組成物の含有量の目的で、「治療剤」、「活性成分」、「活性薬剤」及び「薬物」という用語は、プロドラッグを包含する。
医薬組成物は、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))を実質的に純粋な形態で含有する。一部の実施形態において、治療剤の純度は、少なくとも約95%、96%、97%、98%又は99%である。ある特定の実施形態において、治療剤の純度は、少なくとも約98%又は99%である。加えて、医薬組成物は、実質的に異物又は不純物を含まない。一部の実施形態において、医薬組成物における残留の溶媒以外の異物又は不純物のレベルは、意図される活性及び非活性成分の合わせた質量に対して、約5%、4%、3%、2%又は1%以下である。ある特定の実施形態において、医薬組成物における残留の溶媒以外の異物又は不純物のレベルは、意図される活性及び非活性成分の合わせた質量に対して、約2%又は1%以下である。医薬組成物は、一般に、例えば、連邦食品医薬品化粧品法§501(a)(2)(B)及びハーモナイゼーション国際会議Q7ガイドラインによって推奨される又は必要とされる通り、医薬品適正製造基準(GMP)に従って調製される。
薬学的に許容される担体及び賦形剤としては、薬学的に許容される材料、ビヒクル及び物質が挙げられる。賦形剤の非限定的な例としては、液体及び固体充填剤、希釈剤、バインダー、滑沢剤、流動促進剤、可溶化剤、界面活性剤、分散剤、崩解剤、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤、増粘剤、溶媒、等張剤、緩衝液、pH調整剤、安定剤、保存料、抗酸化剤、抗微生物剤、抗細菌剤、抗真菌剤、吸収遅延剤、甘味剤、香味剤、着色剤、アジュバント、カプセル化材料及びコーティング材料が挙げられる。医薬製剤におけるこうした賦形剤の使用は、当技術分野において知られている。例えば、従来のビヒクル及び担体としては、限定せずに、油(例えば、ゴマ油などの植物油)、水性溶媒(例えば、生理食塩水、ホスフェート-緩衝生理食塩水[PBS]及び等張溶液[例えば、リンゲル溶液])、及び溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド[DMSO]及びアルコール[例えば、エタノール、グリセロール及びプロピレングリコール])が挙げられる。任意の従来の担体又は賦形剤が活性成分と不適合性である限りを除いて、該開示は、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431))を含有する製剤における従来の担体及び賦形剤の使用を包含する。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott Williams & Wilkins (Philadelphia, Pennsylvania [2005]);Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Ed., Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association (2005);Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Ed., Ash and Ash, Eds., Gower Publishing Co. (2007);及びPharmaceutical Preformulation and Formulation, Gibson, Ed., CRC Press (Boca Raton, Florida, 2004)を参照されたい。
適切な製剤は、選択される投与モードなど様々な因子に依存する。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含む医薬組成物の潜在的な投与モードとしては、限定せずに、経口、非経口(筋肉内、皮下、皮内、血管内、静脈内、動脈内、腹腔内、髄内、くも膜下腔内及び局所を含める)、腔内、及び局所(皮膚/皮膚上、経皮、粘膜、経粘膜、鼻腔内[例えば、経鼻スプレー又は点滴剤による]、肺[例えば、経口又は経鼻吸入による]、頬側、舌下、直腸[例えば、坐剤による]、及び腟内[例えば、坐剤による]を含める)が挙げられる。
例として、経口投与に適当なシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の製剤は、例えば、ボーラスとして;錠剤、カプセル、丸薬、カシェ若しくはロゼンジ;粉末若しくは顆粒として;半固体、舐剤、ペースト若しくはゲルとして;水性液体若しくは/及び非水性液体中の溶液又は懸濁液として;又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型液体エマルジョンとして存在することができる。
錠剤は、例えば、充填剤又は不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール又は微結晶性セルロース)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、アカシア、アルギン酸若しくはその塩、又は微結晶性セルロース)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク又は二酸化ケイ素)、及び崩壊剤(例えば、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム又はコロイド状シリカ)、並びに任意選択により界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)との添加混合物中にシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含有することができる。錠剤は、非コーティングであり得る、或いは例えば、胃の酸性環境から活性成分を保護する腸溶コーティングを用いて、又は胃腸管における活性成分の崩解及び吸収を遅延させ、それによって、より長い時間期間にわたる持続作用を提供する材料を用いて、コーティングすることができる。ある特定の実施形態において、錠剤は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、マンニトール、微結晶性セルロース、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム及びラウリル硫酸ナトリウム、並びに任意選択によりラクトース一水和物を含み、錠剤は、任意選択によりフィルムコートされている(例えば、Opadry(登録商標)を用いる)。
押し込み型カプセル又は2片硬ゼラチンカプセルは、例えば、充填剤又は不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリン又はラクトース)、バインダー(例えば、デンプン)、流動促進剤又は滑沢剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウム)、及び崩壊剤(例えば、クロスポビドン)、並びに任意選択により安定剤又は/及び保存料との添加混合物中にシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含有することができる。軟カプセル又は単一の一片ゼラチンカプセルのため、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、適当な液体(例えば、液体ポリエチレングリコール又は油媒体、例えば、脂肪油、落花生油、オリーブ油又は流動パラフィン)中に溶解又は懸濁させることができ、液体充填カプセルは、1種又は複数の他の液体賦形剤又は/及び半固体賦形剤、例えば、安定剤又は/及び両親媒性薬剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール又はソルビトールの脂肪酸エステル)を含有することができる。
経口投与のための組成物は、水性液体若しくは/及び非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型液体エマルジョンとして製剤化することもできる。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の分散性粉末又は顆粒は、溶液、懸濁液又はエマルジョンを形成するため、水性液体、有機溶媒又は/及び油並びに任意の適当な賦形剤の任意の適当な組合せ(例えば、分散剤、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤又は/及び保存料の任意の組合せ)と混合することができる。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、胃腸吸収及び初回通過代謝を回避するために注射又は注入による非経口投与のために製剤化することもできる。代表的な非経口経路は、静脈内である。
静脈内投与の追加利点としては、急速な全身効果を達成するための体循環への治療剤の直接投与、並びに薬剤を連続的に又は/及び所望であれば大きい体積で投与する能力が挙げられる。注射又は注入のための製剤は、例えば、油性又は水性ビヒクル中の溶液、懸濁液又はエマルジョンの形態であってよく、懸濁化剤、分散剤又は/及び安定化剤などの賦形剤を含有することができる。例えば、水性又は非水性の(例えば、油性の)滅菌注射溶液は、対象の血液と等張性の製剤にする抗酸化剤、緩衝液、静菌剤及び溶質などの賦形剤と一緒にシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含有することができる。水性又は非水性滅菌懸濁液は、懸濁化剤及び増粘化剤などの賦形剤、並びに任意選択により安定剤、及びより濃縮された溶液又は懸濁液の調製を可能にするためにシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の可溶性を増加させる薬剤と一緒にシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含有することができる。別の例として、注射又は注入(例えば、皮下又は静脈内)のための滅菌水溶液は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、NaCl、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム)、保存料(例えば、メタ-クレゾール)、並びに任意選択により、pHを調整するための塩基(例えば、NaOH)又は/及び酸(例えば、HC1)を含有することができる。
局所的投与のため、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、例えば、バッカル又は舌下錠又は丸剤として製剤化することができる。バッカル又は舌下錠又は丸剤の利点としては、初回通過代謝の回避及び胃腸吸収の回避が挙げられる。バッカル又は舌下錠又は丸剤は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)のより速い放出を、体循環へのそれのより急速な取り込みのために提供するように設計することもできる。シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の治療有効量に加えて、バッカル又は舌下錠又は丸剤は、限定せずに、充填剤及び希釈剤(例えば、マンニトール及びソルビトール)の任意の組合せ、結合剤(例えば、炭酸ナトリウム)、湿潤剤(例えば、炭酸ナトリウム)、崩壊剤(例えば、クロスポビドン及びクロスカルメロースナトリウム)、滑沢剤(例えば、二酸化ケイ素[コロイド状二酸化ケイ素を含める]及びフマル酸ステアリルナトリウム)、安定剤(例えば、重炭酸ナトリウム)、香味剤(例えば、スペアミント香味)、甘味剤(例えば、スクラロース)、及び着色剤(例えば、黄酸化鉄)を含めて、適当な賦形剤を含有することができる。
局所的投与のため、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、鼻腔内投与のために製剤化することもできる。鼻粘膜は、大きい表面積、多孔質内皮、高度血管性上皮下層及び高い吸収速度を提供し、それゆえに、高い生物学的利用能を可能にする。さらに、鼻腔内投与は、初回通過代謝を回避し、著しい濃度のシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を中枢神経系に導入して、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)が延髄中の咳中枢における孤束核を介して中枢咳反射をブロックするのを可能にすることができ、ここで、求心性迷走神経は停止する。鼻腔内溶液又は懸濁液製剤は、溶解増強剤(例えば、プロピレングリコール)、保水剤(例えば、マンニトール又はソルビトール)、緩衝液及び水、並びに任意選択により保存料(例えば、塩化ベンザルコニウム)、粘膜付着剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)又は/及び浸透増強剤などの賦形剤と一緒にシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含むことができる。ある特定の実施形態において、経鼻スプレー製剤は、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース及び水、並びに任意選択により、pHを調整するための酸(例えば、HC1)を含む。鼻腔内溶液又は懸濁液製剤は、以下に限定されないが、ドロッパー、ピペット、又は例えば計測噴霧スプレーポンプを使用するスプレーを含めて、任意の適当な手段によって鼻腔に投与することができる。
局所的投与の追加モードは、下記に詳細に記載されている経口吸入及び経鼻吸入を含めて、肺である。
他の適当な局所的製剤及び剤形としては、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Ed., Lippincott Williams & Wilkins (Philadelphia, Pennsylvania, 2005)に記載されている通り、限定せずに、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、ペーストなどが挙げられる。
軟膏は、典型的にワセリン又は石油誘導体に基づく半固体調製物である。クリームは、粘稠液体又は半固体エマルジョンであり、水中油型又は油中水型のいずれかである。クリーム基剤は、水洗可能であり、油相、乳化剤及び水性相を含有する。「内部」相とも呼ばれる油相は、一般に、ワセリン及び脂肪アルコール(例えば、セチル又はステアリルアルコール)を含む。水性相は、典型的に、必ずではないが、体積で油相を超え、通常、保水剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、一般に、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の界面活性剤である。ゲルは、半固体、懸濁液型系である。単一相ゲルは、典型的に水性であるがアルコール(例えば、エタノール又はイソプロパノール)及び任意選択により油を含有することもできる担体液体の全体にわたって実質的に均一に分布される有機巨大分子(ポリマー)を含有する。ローションは、摩擦なく皮膚表面に適用されるべき調製物であり、典型的に、活性薬剤を含めた固体粒子が水又はアルコール塩基に存在する液体又は半液体調製物である。ローションは、通常、微粉化固体の懸濁液であり、典型的に、より良好な分散体並びに皮膚との接触で活性薬剤を局在化及び維持するのに有用な化合物を生成するために懸濁化剤を含有する。ペーストは、活性薬剤が適当な塩基中に懸濁される半固体剤形である。塩基の性質に依存して、ペーストは、脂肪性ペースト又は単一相水性ゲルからできているものとの間に分けられる。
様々な賦形剤は、局所製剤に含まれ得る。例えば、溶媒は、適当な量のアルコールを含めて、活性薬剤を可溶化するために使用することができる。他の任意選択の賦形剤としては、限定せずに、ゲル化剤、増粘化剤、乳化剤、界面活性剤、安定剤、緩衝液、抗酸化剤、保存料、冷却剤(例えば、メンソール)、乳白剤、芳香及び着色料が挙げられる。皮膚又は粘膜組織を介して低い速度の透過を有する活性薬剤のため、局所製剤は、皮膚又は粘膜組織を介して活性薬剤の透過を増加させるために透過増強剤を含有することができる。局所製剤は、製剤の活性薬剤、透過増強剤又は任意の他の構成成分によって引き起こされる皮膚又は粘膜への任意の刺激を低減する刺激軽減性賦形剤を含有することもできる。
一部の実施形態において、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、徐放性組成物から送達される。本明細書で使用される場合、「徐放性組成物」という用語は、徐放、持続放出、延長放出、緩徐放出及び制御放出の組成物、系及び装置を包含する。徐放性組成物の使用は、長い時間期間にわたった薬物又はその活性代謝物の治療有効量の送達を含めて、時間期間にわたって標的部位に送達される薬物又はその活性代謝物の量のプロファイルの改善などの利益を有することができる。ある特定の実施形態において、徐放性組成物は、少なくとも約1日、2日、3日、1週、2週、3週、1カ月、2カ月、3カ月又はそれより長い期間にわたってシクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を送達する。一部の実施形態において、徐放性組成物は、例えば、生分解性ポリマー又は/及びヒドロゲルからできているナノ粒子、微小粒子又はカプセルなどの薬物カプセル化系である。ある特定の実施形態において、徐放性組成物は、ヒドロゲルを含む。ヒドロゲルが構成され得るポリマーの非限定的な例としては、ポリビニルアルコール、アクリレートポリマー(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム)、並びに相対的に多数の親水性基(例えば、ヒドロキシル基又は/及びカルボキシレート基)を有する他のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。他の実施形態において、徐放性薬物カプセル化系は、膜封入リザーバーを含み、ここで、リザーバーは、薬物を含有し、膜は、薬物に透過性である。こうした薬物送達系は、例えば、経皮パッチの形態であってよい。
一部の実施形態において、徐放性組成物は、錠剤又はカプセルなどの経口剤形である。例えば、薬物は、不溶性多孔質マトリックスに包埋され得ることで、溶解する薬物は、それが胃腸管を介して吸収され得る前に、マトリックスを通り抜けて外に出なければならない。代替として、薬物は、薬物が出るゲルを形成するために膨張するマトリックス中に包埋することができる。徐放は、その上、単一層又は多層浸透圧制御放出経口送達系(OROS)を経由して達成され得る。OROSは、半透性外膜及びその中に1つ又は複数の小さいレーザードリル穴を有する錠剤である。錠剤は体を通過するので、水は浸透を介して半透膜を介して吸収され、結果として得られた浸透圧は、錠剤中の穴から薬物を胃腸管に押し出し、ここで、それが吸収され得る。
さらなる実施形態において、徐放性組成物は、ポリマー性ナノ粒子又は微小粒子として製剤化され、ここで、ポリマー性粒子は、例えば、吸入若しくは注射によって、又は移植片から送達することができる。一部の実施形態において、ポリマー性移植片又はポリマー性ナノ粒子若しくは微小粒子は、生分解性ポリマーで構成されている。ある特定の実施形態において、生分解性ポリマーは、乳酸又は/及びグリコール酸[例えば、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)又はポリ(L-乳酸-co-D,L-2-ヒドロキシオクタン酸)などのL-乳酸ベースのコポリマー]を含む。例えば、ポリ乳酸又は/及びポリグリコール酸で構成された生分解性ポリマー性微小球は、徐放性肺薬物送達系として役立つことができる。ポリマー性移植片又はポリマー性ナノ粒子若しくは微小粒子の生分解性ポリマーは、ポリマーが実質的に完全に、処置の期間が終わると予想される頃に分解するように、及びポリマーの分解の副生物が、ポリマーのように、生体適合性であるように選択することができる。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の遅延放出又は徐放のため、組成物は、例えば、筋肉内に又は皮下に、対象に移植する又は注射することができるデポーとして製剤化することもできる。デポー製剤は、より長い時間期間にわたって、例えば、少なくとも約1週、2週、3週、1カ月、6週、2カ月、3カ月又はそれより長い期間にわたって、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を送達するように設計することができる。例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、高分子材料(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)若しくはポリグリコール酸(PGA)、又はそのコポリマー(例えば、PLGA))、疎水性材料(例えば、油中のエマルジョンとして)及び/若しくはイオン交換樹脂とともに、又はやや溶けにくい誘導体(例えば、やや溶けにくい塩)として製剤化することができる。例示的な例として、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、PLGAで構成されるとともに1カ月デポーとして製剤化される徐放性微小粒子中に組み込む又は包埋することができる。
シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)は、マトリックス材料中に含有又は分散することもできる。マトリックス材料は、ポリマー(例えば、エチレン-酢酸ビニル)を含み、例えば、リザーバーから化合物の溶解又は/及び拡散を制御することによって化合物の放出を制御することができ、リザーバーに含有されながら化合物の安定性を増強することができる。こうした放出系は、徐放系として設計することができ、例えば、経皮又は経粘膜パッチとして構成することができ、リザーバーから化合物を排出するのに役立つ水膨張可能な材料(例えば、ヒドロゲル)など、化合物の放出を加速することができる賦形剤を含有することができる。
該放出系は、血漿レベルにおける時間変動が所望される場合、時間的にモジュレートされた放出プロファイル(例えば、拍動性放出)を、又は一定の血漿レベルが望ましい場合、より連続的又は一定の放出プロファイルを提供することができる。拍動性放出は、個々のリザーバーから又は複数のリザーバーから達成することができる。例えば、各リザーバーが単一パルスを提供する場合、複数のパルス(「拍動性」放出)は、複数のリザーバーの各々から単一パルス放出を時間的にずらすことによって達成される。
代替として、複数のパルスは、いくつかの層の放出系及び他の材料を単一のリザーバーに組み込むことによって、単一のリザーバーから達成することができる。連続的放出は、長時間にわたってそれを介して化合物を分解する、溶解する、又はそれの拡散を可能にする放出系を組み込むことによって達成することができる。加えて、連続的放出は、急速に連続(「デジタル」放出)して化合物のいくつかのパルスを放出するのに近似することができる。活性放出系は、米国特許第5,797,898号に記載されている通り、単独で又は受動的放出系と併せて使用することができる。
加えて、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)を含む医薬組成物は、徐放のために設計されていてもいなくても、例えば、リポソーム、ミセル(例えば、ラクトソームなど生分解性天然又は/及び合成ポリマーで構成されたもの)、微小球、微小粒子又はナノ粒子として製剤化することができる。
医薬組成物は、当技術分野において知られている任意の適当な方式で、例えば、従来の混合、溶解、懸濁、顆粒化、糖衣錠作製、研和、乳化、カプセル化、取り込み又は圧縮プロセスの手段によって製造することができる。
医薬組成物は、全ての活性及び非活性成分が適当な系において合わせられる単一用量として単位剤形において存在することができ、構成成分は、投与されるべき組成物を形成するために混合される必要がない。単位剤形は、治療剤(例えば、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)の有効用量、又はその適切な画分を含有することができる。単位剤形の代表例としては、経口投与のための錠剤、カプセル又は丸剤、及び経口又は経鼻吸入のためのバイアル又はアンプル中の粉末が挙げられる。
代替として、医薬組成物は、キットとして存在することができ、ここで、活性成分、賦形剤及び担体(例えば、溶媒)は、2つ以上の別々の容器(例えば、アンプル、バイアル、チューブ、瓶又はシリンジ)中で提供され、投与されるべき組成物を形成するために合わせられる必要がない。キットは、組成物(例えば、静脈内に注射されるべき溶液)を貯蔵、調製及び投与するための指示を含有することができる。
キットは、単位剤形で全ての活性及び非活性成分を、又は2つ以上の別々の容器中で活性成分及び非活性成分を含有することができ、医薬組成物を使用するための指示を含有することができる。
一部の実施形態において、キットは、シクロスポリン類似体(例えば、CRV431)又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、包接体、多形体、プロドラッグ若しくは代謝物、及び化合物を投与するための指示を含有する。
上記で考察されている実施形態の一部の態様は、いかなる方法でも本開示の範疇を限定すると意図されない以下の実施例においてさらなる詳細に開示されている。
(実施例1)
血小板凝集及び凝血原血小板形成に対するCRV431の効果
本実施例において、広域スペクトルシクロフィリン阻害剤、CRV431は、それがヒトの血小板凝集及び/又は凝血原血小板形成を阻害することができるかを決定するために評価される。
方法
血小板単離。血液(40ml)を、研究の2週間前に、血小板機能に影響することが知られている任意の薬物を服用したことがない健康なボランティアから得た。プロスタサイクリンで洗浄された血小板懸濁液(2.5×108/ml)をタイロード緩衝液中で調製した。
血小板凝集測定。洗浄された血小板(500μl/試験)を、ビヒクル(0.1%DMSO)又はCRV431(0.01~3μM)のいずれかを用いるルミ凝集計(Chronolog、Havertown、PA、USA)において予備インキュベートした(2分37℃で)。血小板凝集を次いでコラーゲン(1μg/mL)又はトロンビン(0.1U/mL)(Chronolog)で惹起し、さらに6分間Aggro-Linkソフトウェアによってモニタリングした。血小板凝集の程度を2分目~6分目の間の光透過率%として測定し、Aggro-Linkソフトウェアによって決定した。
凝血原血小板形成研究。洗浄された血小板(100μl/試験)をCRV431(0.01~3μM)で予備インキュベートし(2分37℃で)、次いで、合わせられたコラーゲン(10μg/mL)及びトロンビン(0.1U/ml)で活性化し、さらに10分間インキュベートした。凝血原血小板形成を、予め記載されている通り、フローサイトメトリーによって、曝露されたホスファチジルセリン(PS)に結合するアネキシン-V-FITCを測定することによって判定した。FITCを検出するために青色(488nm)レーザー及び530/30バンドパスフィルターが備えられているBD Fortessa X20フローサイトメーターを利用して、フローサイトメトリーを行った。FlowJoソフトウェアを使用して獲得後に、PS陽性血小板パーセントを決定した。
統計。グラフパッドプリズム7.0ソフトウェアを使用して、統計的分析を行った。全ての手段は、SEMで報告されている。ダネット多重比較試験を用いる一元配置ANOVAを凝集研究のために行い、ダネット多重比較試験を用いる反復測定一元配置ANOVAを凝血原血小板形成研究のために行った。各Nは、非依存性血液ドナーからの実験を表す。P値0.05未満は著しいと考えられた。
結果
CRV431は、試験された濃度(CRV431 0.01~3μM)のいずれかで、コラーゲン又はトロンビンによって誘発された血小板凝集を阻害しなかった(図1A-B及び図2A-B)。陽性対照として、ゴールドスタンダード抗血小板薬物、アセチルサリチル酸は、凝集を有効に阻害した(図3A-B)。しかしながら、1μM及び3μMでのCRV431は、コラーゲン及びトロンビンによって活性化された場合に、血小板PS曝露、凝血原血小板形成のマーカーを有意に阻害した(図4A-B)。Coll 1μg/ml-Thr 0.1U/ml及びColl 10μg/ml-Thr 0.1U/mlの存在下での血小板PS曝露についてのデータは、それぞれ図5A及び図5Bに示されている。
考察
凝血原血小板は、血栓性の疾患において上昇していることが実証された。この実施例において示される結果は、CRV431が、シクロフィリン阻害を介して血小板媒介凝固をブロックするが血小板凝集を阻害しない新規な抗血栓薬であることを示す。
前に記載されている実施形態の少なくとも一部において、ある実施形態において使用される1つ又は複数の要素は、こうした置き換えが技術的に実現可能である限り、別の実施形態において相互交換可能に使用され得る。様々な他の省略、付加及び修飾が、特許請求される主題の範疇から逸脱することなく、上に記載されている方法及び構造になされ得ることは、当業者によって理解されよう。全てのこうした修飾及び変化は、添付の請求項によって定義されている通りの主題の範疇内に入ると意図される。
本明細書における実質的に任意の複数及び/又は単数の用語の使用に関して、当技術分野における技能を有するものは、文脈及び/又は用途に適切であるように、複数形から単数形及び/又は単数形から複数形に変換することができる。様々な単数/複数の置き換えが、明確にするために本明細書においてはっきりと説明され得る。この明細書及び添付の請求項において使用されている場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、別段に文脈が明らかに指示していない限り複数形の参照を含む。本明細書における「又は」への任意の言及は、別段に明記されていない限り「及び/又は」を包含すると意図される。
一般に、本明細書において、及び殊に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本体)において使用されている用語は、一般に、「オープン」用語と意図されることが当業者によって理解されよう(例えば、「含めて」という用語は、「限定されないが含めて」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「限定されないが含む」などと解釈されるべきである)。導入された請求項列挙の特定の数が意図されるならば、こうした意図は請求項において明白に列挙され、こうした列挙の非存在下で、こうした意図は存在しないことが、当業者によってさらに理解されよう。例えば、理解の助けとして、以下の添付の請求項は、請求項列挙を導入するために「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」という前置きの成句の使用法を含有することができる。しかしながら、こうした成句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞による請求項列挙の導入が、同じ請求項が「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」という前置きの成句及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、こうした導入された請求項列挙を含有する任意の特別な請求項を、ただ1つのこうした列挙を含有する実施形態に限定することを含意すると解釈されるべきでなく(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味すると解釈されるべきである);請求項列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが言える。加えて、導入された請求項列挙の特定の数が明白に列挙されていても、当業者は、こうした列挙が、少なくとも列挙された数を意味すると解釈されるべきであると認識されよう(例えば、他の修飾物がない「2つの列挙」のそのままの列挙は、少なくとも2つの列挙又は2つ以上の列挙を意味する)。さらに、「A、B及びCなどの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用されるような例において、一般に、こうした構文は、当技術分野における技能を有するものが慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有する系」は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B及びCを一緒に有する系を含むが、それらに限定されない、など)。「A、B又はCなどの少なくとも1つ」に類似した慣例が使用されるような例において、一般に、こうした構文は、当技術分野における技能を有するものが慣例を理解する意味で意図される(例えば、「A、B又はCの少なくとも1つを有する系」は、Aを単独で、Bを単独で、Cを単独で、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又はA、B及びCを一緒に有する系を含むが、それらに限定されない、など)。2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の離接的な語及び/又は成句は、明細書、請求項又は図面においてでも、用語の1つ、用語のいずれか、又は用語の両方を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されよう。
加えて、本開示の特色又は態様がマーカッシュグループの観点から記載されている場合、当業者は、開示が、その上それによって、マーカッシュグループの任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループの観点から記載されていることを認識されよう。
当業者によって理解される通り、任意及び全ての目的で、例えば、書面記載を提供する観点から、本明細書において開示されている全ての範囲は、任意及び全ての可能な下位範囲及びその下位範囲の組合せも包含する。任意のリストされている範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを十分に記載するとともに可能にすると容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書において考察されている各範囲は、下部3分の1、中部3分の1及び上部3分の1などに容易に分割することができる。その上当業者によって理解される通り、「最大」、「少なくとも」、「超」、「未満」などの全ての言語は、列挙された数を含み、上記で考察されている通りに下位範囲に引き続いて分割することができる範囲を指す。最終的に、当業者によって理解される通り、範囲は、各個々のメンバーを含む。したがって、例えば、1~3項目を有するグループは、1つ、2つ又は3つの項目を有するグループを指す。同様に、1~5項目を有するグループは、1つ、2つ、3つ、4つ又は5つの項目を有するグループを指すなどである。
様々な態様及び実施形態が本明細書において開示されてきた一方で、他の態様及び実施形態は、当業者に明らかである。本明細書において開示されている様々な態様及び実施形態は、例示の目的であり、限定していると意図されず、真の範疇及び趣旨は、以下の請求項によって示されている。

Claims (71)

  1. 式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、血栓塞栓性障害を処置するための、又は血栓塞栓性障害の一次予防若しくは二次予防のための方法。
    Figure 2023551503000042
    (式中:
    a.R’は、H又はアセチルであり;
    b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
    c.R2は、以下からなる群から選択され:
    i.H;
    ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
    iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
    iv.N置換又は非置換アミン;
    v.カルボン酸;
    vi.ニトリル;
    vii.エステル;
    viii.ケトン;
    ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
    x.置換又は非置換アリール;
    xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を含有してもよい飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
    xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
    xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
    d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、置換されていてもよい脂肪族炭素鎖である)
  2. 血栓塞栓性障害が、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害である、請求項1に記載の方法。
  3. 血栓塞栓性障害が、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症である、請求項1に記載の方法。
  4. 血栓塞栓性障害が、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は心房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害である、請求項1に記載の方法。
  5. 対象における血栓形成を、少なくとも5%、10%、20%、50%、70%、90%又はそれ以上低減することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 対象における血栓形成の可能性を遅延又は低減することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  7. 対象における血栓形成の開始を防止又は遅延させることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 対象における出血リスクを、少なくとも5%、10%、20%、50%、70%、90%又はそれ以上低減することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  9. 血小板凝集が対象において阻害されない、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 対象における血小板凝集が、未処置の対象と比較した場合に50%、40%、30%、20%、10%又は5%以下低減される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  11. シクロスポリン類似体が凝血原血小板の形成を選択的に阻害する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、血栓形成を低減又は防止する方法。
    Figure 2023551503000043
    (式中:
    a.R’は、H又はアセチルであり;
    b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
    c.R2は、以下からなる群から選択され:
    i.H;
    ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
    iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
    iv.N置換又は非置換アミン;
    v.カルボン酸;
    vi.ニトリル;
    vii.エステル;
    viii.ケトン;
    ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
    x.置換又は非置換アリール;
    xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を含有してもよい飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
    xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
    xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
    d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、置換されていてもよい脂肪族炭素鎖である)
  13. 式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、凝血原血小板形成を低減又は阻害する方法。
    Figure 2023551503000044
    (式中:
    a.R’は、H又はアセチルであり;
    b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
    c.R2は、以下からなる群から選択され:
    i.H;
    ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
    iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
    iv.N置換又は非置換アミン;
    v.カルボン酸;
    vi.ニトリル;
    vii.エステル;
    viii.ケトン;
    ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
    x.置換又は非置換アリール;
    xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を含有してもよい飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
    xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
    xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
    d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、置換されていてもよい脂肪族炭素鎖である)
  14. 凝血原血小板の形成を選択的に阻害することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 血小板凝集が低減されない、請求項13に記載の方法。
  16. それを必要とする対象が、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う又はそれを発症するリスクがある対象である、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 血栓形成促進性又は血栓性状態が、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. シクロスポリン類似体が、CRV431である、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 組成物が、シクロスポリン類似体の治療又は予防有効量を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 対象が、哺乳動物である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  21. 対象が、ヒトである、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  22. 組成物が、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 組成物が、1種又は複数の追加の治療剤を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 1種又は複数の追加の治療剤を、それを必要とする対象に投与することをさらに含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  25. 1種又は複数の追加の治療剤が、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せを含む、請求項23又は24に記載の方法。
  26. 1種又は複数の追加の治療剤が、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せを含む、請求項23又は24に記載の方法。
  27. 1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種が、組成物とともに対象に同時投与される、請求項23~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種が、組成物の投与前、組成物の投与後、又は両方で対象に投与される、請求項23~26のいずれか1項に記載の方法。
  29. 組成物が、静脈内投与、経口投与又は非経口投与によって対象に投与される、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 組成物が、経口又は静脈内投与によって対象に投与される、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
  31. 組成物が、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、液体、安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(SMEDD)、エアロゾル又はナノ粒子の形態である、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
  32. 組成物が、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量で対象に投与される、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法。
  33. 式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物、立体異性体若しくは組成物、
    Figure 2023551503000045
    (式中:
    a.R’は、H又はアセチルであり;
    b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
    c.R2は、以下からなる群から選択され:
    i.H;
    ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
    iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
    iv.N置換又は非置換アミン;
    v.カルボン酸;
    vi.ニトリル;
    vii.エステル;
    viii.ケトン;
    ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
    x.置換又は非置換アリール;
    xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を含有してもよい飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
    xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
    xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
    d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、置換されていてもよい脂肪族炭素鎖である)
    並びに
    キットが、(i)血栓塞栓性障害を防止又は処置すること、(ii)血栓形成を低減又は防止すること、及び(iii)それを必要とする対象における凝血原血小板形成を低減又は阻害することの1つ又は複数のためであることを示す標識
    を含むキット。
  34. 血栓塞栓性障害が、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害である、請求項33に記載のキット。
  35. 血栓塞栓性障害が、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症である、請求項33に記載のキット。
  36. 血栓塞栓性障害が、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害である、請求項33に記載のキット。
  37. 対象が、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う又はそれを発症するリスクがある、請求項33に記載のキット。
  38. 血栓形成促進性又は血栓性状態が、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症からなる群から選択される、請求項37に記載のキット。
  39. シクロスポリン類似体が、CRV431である、請求項33~38のいずれか1項に記載のキット。
  40. 標識が、シクロスポリン類似体の治療又は予防有効量を投与するための指示を含む、請求項33~39のいずれか1項に記載のキット。
  41. 対象が、哺乳動物である、請求項33~40のいずれか1項に記載のキット。
  42. 対象が、ヒトである、請求項33~40のいずれか1項に記載のキット。
  43. シクロスポリンの組成物が、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項33~42のいずれか1項に記載のキット。
  44. 標識が、1種又は複数の追加の治療剤とともにシクロスポリン類似体を投与するための指示を含み、任意に、1種又は複数の追加の治療剤の1つ又は複数をさらに含む、請求項33~43のいずれか1項に記載のキット。
  45. 1種又は複数の追加の治療剤が、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せを含む、請求項44に記載のキット。
  46. 1種又は複数の追加の治療剤が、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せを含む、請求項44に記載のキット。
  47. 指示が、対象にシクロスポリン類似体とともに1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を同時投与するための指示を含む、請求項44~46のいずれか1項に記載のキット。
  48. 指示が、対象へのシクロスポリン類似体の投与前、対象へのシクロスポリン類似体の投与後、又は両方で、対象に1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種を投与するための指示を含む、請求項44~46のいずれか1項に記載のキット。
  49. 指示が、静脈内投与、経口投与又は非経口投与によって対象にシクロスポリン類似体を投与するための指示を含む、請求項33~48のいずれか1項に記載のキット。
  50. 指示が、経口又は静脈内投与によって対象にシクロスポリン類似体を投与するための指示を含む、請求項33~48のいずれか1項に記載のキット。
  51. シクロスポリン類似体が、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、液体、安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(SMEDD)、エアロゾル又はナノ粒子の形態である、請求項33~50のいずれか1項に記載のキット。
  52. 指示が、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量で対象にシクロスポリン類似体を投与するための指示を含む、請求項44~51のいずれか1項に記載のキット。
  53. 血栓塞栓性障害を処置することにおける使用のための、又は血栓形成を防止若しくは低減することにおける使用のための、又は対象における凝血原血小板形成を低減若しくは阻害することにおける使用のための、式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む医薬組成物。
    Figure 2023551503000046
    (式中:
    a.R’は、H又はアセチルであり;
    b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
    c.R2は、以下からなる群から選択され:
    i.H;
    ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
    iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
    iv.N置換又は非置換アミン;
    v.カルボン酸;
    vi.ニトリル;
    vii.エステル;
    viii.ケトン;
    ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
    x.置換又は非置換アリール;
    xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を含有してもよい飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
    xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
    xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
    d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、置換されていてもよい脂肪族炭素鎖である)
  54. 血栓塞栓性障害が、動脈心血管血栓塞栓性障害、静脈心血管血栓塞栓性障害、又は心室における若しくは末梢循環における血栓塞栓性障害である、請求項53に記載の医薬組成物。
  55. 血栓塞栓性障害が、不安定アンギナ、急性冠動脈症候群、心筋梗塞、一過性虚血性発作、脳卒中、アテローム動脈硬化症、末梢性閉塞性動脈疾患、静脈血栓、深部静脈血栓症、血栓静脈炎、動脈塞栓症、冠動脈血栓症、大脳動脈血栓症、大脳塞栓症、腎臓塞栓症、肺塞栓症、又は血栓症を促進する人工表面に血液が曝露される医療移植片、装置若しくは手技に起因する血栓症である、請求項53に記載の医薬組成物。
  56. 血栓塞栓性障害が、脳卒中、心筋梗塞、不安定アンギナ、血管形成術若しくはステント留置に続く急激な閉鎖、末梢血管外科手術若しくは末梢血管疾患によって誘発される血栓症、又は心房細動若しくは炎症に起因する血栓性障害である、請求項53に記載の医薬組成物。
  57. 対象が、血栓形成促進性又は血栓性状態を患う又はそれを発症するリスクがある、請求項53~56のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  58. 血栓形成促進性又は血栓性状態が、感染症、敗血症、全身性炎症応答症候群、多臓器不全、血栓性血小板減少性紫斑病、溶血性尿毒症症候群、血管新生、腎不全、虚血性反動損傷、実質臓器移植拒絶反応、心血管疾患、脳卒中、静脈血栓塞栓症、自己免疫障害、鎌状赤血球症、炎症性腸疾患、急性肺損傷、悪性腫瘍、心筋梗塞(一次及び二次)、塞栓性脳卒中、虚血性脳卒中、血栓性脳卒中、深部静脈血栓症(DVT)、血栓塞栓症、門脈血栓症、腎静脈血栓症、頸静脈血栓症、バッド・キアリ症候群、パジェット・シュレッター症候群、大脳静脈洞血栓症、動脈血栓症、及び動脈塞栓症からなる群から選択される、請求項57に記載の医薬組成物。
  59. シクロスポリン類似体が、CRV431である、請求項53~56のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  60. 対象が、哺乳動物、任意にヒトであり、請求項53~59のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  61. 組成物が、1種又は複数の薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項53~60のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  62. 医薬組成物が、1種又は複数の追加の治療剤との投与のためであり、任意に、医薬組成物が、1種又は複数の追加の治療剤の1つ又は複数をさらに含む、請求項53~61のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  63. 1種又は複数の追加の治療剤が、抗凝固薬剤、抗血小板剤、線維素溶解剤、又はその組合せを含む、請求項62に記載の医薬組成物。
  64. 1種又は複数の追加の治療剤が、ヘパリン、低分子量ヘパリン、ビバリルジン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、アセノクマロール、フェンプロクーモン、フェニンジオン、アボキナーゼ(ウロキナーゼ)、ストレプトキナーゼ、アルテプラーゼ、レタプラーゼ(retaplase)、テネクテプラーゼ、プラスグレル、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、又はその組合せを含む、請求項62に記載の医薬組成物。
  65. 1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種が、対象へのシクロスポリン類似体との同時投与のためである、請求項62~64のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  66. 1種又は複数の追加の治療剤の少なくとも1種が、対象への医薬組成物の投与前、対象への医薬組成物の投与後、又は両方での、対象への同時投与のためである、請求項62~64のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  67. 医薬組成物が、静脈内投与、経口投与又は非経口投与のために製剤化される、請求項53~66のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  68. 医薬組成物が、経口又は静脈内投与のために製剤化される、請求項33~66のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  69. 医薬組成物が、粉末、丸剤、錠剤、マイクロ錠剤、ペレット、マイクロペレット、カプセル、マイクロ錠剤を含有するカプセル、液体、安定な自己マイクロ乳化性薬物送達系(SMEDD)、エアロゾル又はナノ粒子の形態である、請求項33~68のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  70. 医薬組成物が、10mg~250mgにて、シクロスポリン類似体又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体の有効な日用量での対象への投与のためである、請求項33~69のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  71. 血栓塞栓性障害を処置するための、又は血栓形成を防止若しくは低減するための、又は対象における凝血原血小板形成を低減若しくは阻害するための医薬の製造のための、式Lのシクロスポリン類似体、又はその薬学的に許容される塩、溶媒和物若しくは立体異性体を含む医薬組成物の使用。
    Figure 2023551503000047
    (式中:
    a.R’は、H又はアセチルであり;
    b.R1は、長さが2個~15個の炭素原子の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族炭素鎖であり;
    c.R2は、以下からなる群から選択され:
    i.H;
    ii.非置換、N置換又はN,N二置換アミド;
    iii.N置換又は非置換アシル保護アミン;
    iv.N置換又は非置換アミン;
    v.カルボン酸;
    vi.ニトリル;
    vii.エステル;
    viii.ケトン;
    ix.ヒドロキシ、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ又はポリヒドロキシアルキル;及び
    x.置換又は非置換アリール;
    xi.水素、ケトン、ヒドロキシル、ニトリル、カルボン酸、エステル、1,3-ジオキソラン、ハロゲン及びオキソからなる群から選択される置換基を含有してもよい飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖;
    xii.ハロゲン、エステル及びニトロからなる群から選択される置換基を含有する芳香族基;並びに
    xiii.(xi)の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪族鎖及び(xii)の芳香族基の組合せ;
    d.R23は、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の、置換されていてもよい脂肪族炭素鎖である)
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