JP2023550962A - アトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法 - Google Patents

アトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023550962A
JP2023550962A JP2023531041A JP2023531041A JP2023550962A JP 2023550962 A JP2023550962 A JP 2023550962A JP 2023531041 A JP2023531041 A JP 2023531041A JP 2023531041 A JP2023531041 A JP 2023531041A JP 2023550962 A JP2023550962 A JP 2023550962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bifidobacterium
infant
breastfed
infantis
weeks
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023531041A
Other languages
English (en)
Inventor
ファラヒ・カムヤール
インセル・リチャード
ニードルマン・ドロレス
Original Assignee
ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド filed Critical ジョンソン アンド ジョンソン コンシューマー インコーポレイテッド
Publication of JP2023550962A publication Critical patent/JP2023550962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/744Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
    • A61K35/745Bifidobacteria
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K2035/11Medicinal preparations comprising living procariotic cells
    • A61K2035/115Probiotics

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

アトピー性疾患を発症するリスクが高い、母乳で育てられている乳児においてアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する組成物、方法であって、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与することを含む組成物を投与することを含む、方法が提供される。

Description

本発明は、概して、アトピー性皮膚炎などのアトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法に関し、特に、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を母乳で育てられている乳児に投与することを含む方法に関する。
アトピー性疾患は、免疫系が、一般に無害であると考えられている一般的な環境アレルゲンに対する免疫グロブリンを発生させる疾患のクラスである。アトピー性疾患の一例は、アトピー性皮膚炎(「atopic dermatitis、AD」)である。アトピー性湿疹としても知られるADは、小児期に頻繁に発症する慢性炎症性アレルギー性皮膚障害である。ADは、強い掻痒を伴う、慢性の場合には亀裂及び苔癬化を伴って鱗屑となる湿疹性病変、すなわち、発疹、水疱形成、及び痂皮形成を伴う紅斑性斑点によって特徴付けられる。
最も多く見られる小児アレルギー性疾患として、ADは、小児の最大30%に影響を及ぼす。ADの発生率は乳児期にピークに達するが、疾患は、一般に持続し、かつ/又は成人期に再発する。多数の局所治療(ローション、軟膏など)があるが、いずれも湿疹を完全に治癒することはできない。
したがって、乳児におけるアトピー性皮膚炎(並びに他のアトピー性疾患)の発症を予防、遅延、及び/又は改善するのに有効である治療が継続的に必要とされている。
したがって、本発明の一態様は、母乳で育てられている乳児におけるアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する方法に関する。1つ以上の実施形態において、本方法は、B.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を母乳で育てられている乳児に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、B.infantisである。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される。いくつかの実施形態において、母乳で育てられている乳児は、50%を超えて母乳で育てられている。1つ以上の実施形態において、母乳で育てられている乳児は、母乳のみで育てられている。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、ラクトースと混合された粉末形態である。1つ以上の実施形態において、約50~約150億CFUのBifidobacteriumが、母乳で育てられている乳児に投与される。いくつかの実施形態において、B.infantisは、1日1回投与される。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、生後最初の2週間以内に最初に投与される。いくつかの実施形態において、B.infantisは、生後最初の12週前に投与される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される。いくつかの実施形態において、母乳で育てられている乳児は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、EVC001株を含む。
別の態様は、アトピー性疾患の病歴を有する少なくとも1人の一親等の親戚を有する母乳で育てられている乳児においてアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する方法であって、当該方法が、有効量の、母乳と混合されたB.infantisを母乳で育てられている乳児に1日1回投与することを含み、母乳で育てられている乳児が、少なくとも90%母乳で育てられており、B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、方法に関する。
いくつかの実施形態において、B.infantisは、EVC001株を含む。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、B.infantisを母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳又は乳児用調製粉乳と混合される。いくつかの実施形態において、母乳で育てられている乳児は、母乳のみで育てられている。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、ラクトースと混合された粉末形態である。いくつかの実施形態において、80億CFUのB.infantisが、母乳で育てられている乳児に投与される。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、生後12週目まで1日1回投与される。
別の態様は、母乳で育てられている乳児における食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法であって、当該方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を投与することを含む、方法に関する。
いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、母乳で育てられている乳児へのB.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、B.infantisである。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される。1つ以上の実施形態において、母乳で育てられている乳児は、50%を超えて母乳で育てられている。いくつかの実施形態において、母乳で育てられている乳児は、母乳のみで育てられている。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、ラクトースと混合された粉末形態である。いくつかの実施形態において、約50~約150億CFUのBifidobacteriumが、母乳で育てられている乳児に投与される。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、1日1回投与される。いくつかの実施形態において、B.infantisは、生後最初の2週間以内に最初に投与される。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、生後最初の12週前に投与される。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される。1つ以上の実施形態において、母乳で育てられている乳児は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、EVC001株を含む。
別の態様は、母乳で育てられている乳児における乳児疝痛、乳児睡眠、又は乳児身体測定を改良する方法であって、当該方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を投与することを含む、方法に関する。
1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、母乳で育てられている乳児へのB.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、B.infantisである。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される。いくつかの実施形態において、母乳で育てられている乳児は、50%を超えて母乳で育てられている。1つ以上の実施形態において、母乳で育てられている乳児は、母乳のみで育てられている。いくつかの実施形態において、Bifidobacteriumは、ラクトースと混合された粉末形態である。1つ以上の実施形態において、約50~約150億CFUのBifidobacteriumが、母乳で育てられている乳児に投与される。いくつかの実施形態において、B.infantisは、1日1回投与される。1つ以上の実施形態において、B.infantisは、生後最初の2週間以内に最初に投与される。いくつかの実施形態において、B.infantisは、生後最初の12週前に投与される。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される。いくつかの実施形態において、母乳で育てられている乳児は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い。1つ以上の実施形態において、Bifidobacteriumは、EVC001株を含む。
本発明のこれら及び他の特徴及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」から容易に明らかになるであろう。
本明細書で使用される場合、「有効量」という用語は、所望の効果を誘導するのに十分な量を意味する。「安全な量」という用語は、重篤な副作用を回避するのに十分低い量を意味する。化合物、抽出物、又は組成物の安全及び/又は有効な量は、例えば、エンドユーザの年齢、健康状態、及び環境への曝露、治療の期間及び性質、使用される特定の抽出物、成分、又は組成物、利用される具体的な薬学的に許容される担体、並びに同様の要因に応じて異なるであろう。
本明細書で使用するとき、成分を「本質的に含まない」又は「実質的に含まない」とは、成分を0.1重量パーセント未満若しくは0.01重量パーセント未満しか含有しないか、又は全く含有しないことを意味する。
本発明の一態様は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、母乳で育てられている乳児においてアトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法であって、当該方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を母乳で育てられている乳児に投与することを含む、方法に関する。本発明の別の態様は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、母乳で育てられている乳児におけるアトピー性疾患の予防、遅延、又は改善の際のBifidobacteriumの使用に関する。アトピー性疾患は、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。アトピー性疾患は、アトピー性皮膚炎であり得る。
ADは、表皮皮膚バリア機能の欠陥、T細胞性活性化、及び皮膚共生微生物の腸内毒素症の組み合わせから生じ、いわゆる「アレルギーマーチ」において、他のアトピー性疾患、例えば、食物アレルギー、ぜんそく、及びアレルギー性鼻炎の発症に先行し得る。湿疹性皮膚を介した経皮アレルギー感作のために、ADを有する小児のおよそ3分の1が食物アレルギーを発症する。実際、食物アレルギーに関連する独特のADエンドタイプが同定されており、コラーゲン発現、Tヘルパー2(T-helper 2、Th2)免疫転写物、不十分な皮膚バリア機能、並びに皮膚Staphylococcus aureus定着及び感染に対する素因の変化を伴う変化した終末表皮分化によって特徴付けられる。
本発明の別の態様は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、母乳で育てられている乳児における乳児疝痛、乳児睡眠、又は身体測定を改良する方法であって、当該方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を投与することを含む、方法に関する。本発明の別の態様は、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、母乳で育てられている乳児における乳児疝痛、乳児睡眠、又は身体測定を改良する際のBifidobacteriumの使用に関する。
上記状態のいずれかに関する改良又は改善は、当技術分野で既知の方法によって測定することができる。例えば、アトピー性皮膚炎の重症度の改良は、以下で更に定義される湿疹面積・重症度指数(Eczema Area and Severity Index、EASI)を使用して測定され得る。乳児疝痛の改良は、より少ないRome IV基準(以下に定義される)を満たすことによって、又は泣く事象若しくはぐずる事象の減少によって示され得る。乳児睡眠の改良は、BISQ-Rスコア(以下で更に議論される)を使用して、又は1つ以上の睡眠パターン事象、例えば、入眠潜時、夜間覚醒の数及び持続時間、睡眠の最長期間、総夜間睡眠など)の減少によって測定され得る。改良又は改善は、Bifidobacteriumで処置されていない乳児における状態に関するものであり得る。
本明細書で使用される場合、「アトピー性疾患を発症するリスクが高い」という用語は、アトピー性疾患の病歴を有する1人の一親等の親戚(すなわち、母親から報告された、医師が診断したAD、アレルギー性鼻炎、又はぜんそくを有する生物学的親又は全兄弟)を有する乳児を指す。乳児は、膣から、又は帝王切開を介して生まれてもよい。
驚くべきことに、AD、他のアトピー性疾患、乳児疝痛、乳児睡眠、又は乳児身体測定の発生率が、母乳で育てられている乳児においてさえも影響を受け得ることが発見されている。ADの最大のリスク要因は、アトピー性疾患の家族病歴であり、1人の親がアトピー性疾患を有する場合、病気のリスクが50%増加し、1人の親がADを有する場合、リスクが300%増加する。ADに対する遺伝的感受性は、皮膚バリア機能を損なう皮膚中間径フィラメントフィラグリン(filaggrin、FLG)遺伝子の半優性機能喪失型変異、及び染色体5q31.1上のTh2サイトカインクラスター遺伝子座を含む、複数の遺伝子座から生じる。若年期決定因子は、ADを含むアトピー性疾患の発症において役割を果たす。腸内微生物叢は、アレルギー性疾患に関連する調節不全応答に対する健康な免疫系の発達及び調節におけるその中心的役割のために、小児期発症AD及びアレルギーの発症に大きく影響を及ぼす。新生児及び乳児の腸内微生物叢とADとの関連研究は、新生児期における糞便Bacteroidaceae及びEnterobacteriaceaeの多様性の減少及び濃度の増加による変化した腸内微生物叢を示している。逆に、Bifidobacteriaceae及びLactobacillaceaeのより低い相対量は、ADの発症に関連する。
これまで当該技術分野において行われた研究の結果は、全てではないが一部の研究において、プロバイオティックスがADの発生率及び重症度を低減することと矛盾している。ADの病態生理は複雑かつ多因子性であり、皮膚バリア機能障害の要素(場合によっては、FLG遺伝子における媒介性機能喪失型変異)、細胞媒介性免疫応答の変化、IgE媒介性過敏症、及び環境因子が関与する。腸内微生物叢は、腸-皮膚軸における主要な調節因子の1つとして皮膚とやりとりをし、例えば、腸微生物叢は、循環に入ることができ、したがって全身作用を誘発する分泌因子又は代謝産物の産生を介して、自然免疫及び適応免疫の両方に影響を及ぼすことができる。この関連性は、上皮分化及び免疫調節を支持することによって、皮膚ホメオスタシスの維持において重要な役割を果たす。逆に、腸微生物叢は、乾癬及びADを含む皮膚の炎症性障害の病態生理学に関与する。
所見のばらつきの一因となるのは、試設計、研究集団、及び診断基準の不均一性、並びに全ての場合において、乳児の腸に定着するか、又は乳児の免疫訓練に影響を及ぼすことが一度も実証されなかった異なるプロバイオティックスの使用である。
いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、幼児期におけるB.infantis又は同様のBifidobacteriumによる腸の優性的な定着は、免疫調節を促進し、リスクのある乳児の生後最初の1年におけるAD発症のリスクを減少させるであろうと考えられている。
乳児の腸は、出生前は無菌であり、その後に発生する微生物叢は、乳児がどのように生まれるか、及び乳児が母乳で育てられているか否かによって大きく影響を受ける。一般に、帝王切開(Cセクション)を介して生まれた乳児は、産道を通過しないので、経膣出産乳児とは異なる腸内微生物叢プロファイルを発生させると考えられている。代わりに、帝王切開の乳児は、彼らの環境の細菌に曝露される可能性がより高い。更に、母乳自体がプロバイオティック特性を有し、Bifidobacteriaceae及びLactobacillaceaeの成長を刺激するのを助けるオリゴ糖を含有する。したがって、乳児に母乳を授乳することは、乳児がどのように生まれたかにかかわらず、乳児の微生物叢プロファイルを理想的なプロファイルに回復させるのに役立つことが予想されるであろう。
Bifidobacterium
Bifidobacteriumは、グラム陽性嫌気性細菌の属であり、これは、ヒトを含む哺乳動物の胃腸管、膣管、及び口腔管に存在する。好適なBifidobacteriumは、少なくとも1つのヒト乳オリゴ糖(human milk oligosaccharide、HMO)遺伝子クラスターを有するものであり得る。Bifidobacteriumは、B.infantisと同様であるものであり得る。Bifidobacteriumは、B.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。Bifidobacteriumは、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。Bifidobacteriumは、B.longumであってもよい。Bifidobacterium、longum,suis、及びinfantisからなる群から選択されるB.longumの亜種であってもよい。
本明細書で使用される場合、「Bifidobacterium infantis」又は「B.infantis」という用語は、Bifidobacterium longum亜種infantisの亜種を指すことを意味する。B.infantisは、EVC001株を含み得る。B.infantisは、当技術分野で既知の方法を使用して単離及び培養することができる。
B.infantisは、1つ以上の他のプロバイオティックス(すなわち、健康上の利益を有することが意図される他の細菌)と併用投与されてもよい。他のプロバイオティックスは、Lactobacillus、Lacticaseibacillus、及びBifidobacterium属から選択される株であってもよい。Bifidobacterium種の例としては、B.infantis、B.Longum(B.infantis以外の亜種)、B.Breve、B.catenulatum、B.adolescentis、B.animalis、B.gallicum、B.lactis、B.pseudocatenulatum、及びB.Bifidumの他の株が挙げられる。Lactobacillus株の例としては、L.paracasei、L.acidophilus、L.johnsonii、L.delbrueckii、L.crispatus、L.gasser、L.zeae、及びそれらの組み合わせが挙げられる。Lacticaseibacillusの例としては、L.casei、L.rhamnosus、及びそれらの組合せが挙げられる。他のプロバイオティックスとしては、Lactiplantibacillus plantarum、Limosilactobacillus fermentum、及びLigilactobacillus salivariusが挙げられる。代替として、Bifidobacteriumは、任意の他のプロバイオティックスなしで投与されてもよい。すなわち、Bifidobacteriumは、任意の他のプロバイオティックスを本質的に含まないように製剤化され得る。
乳児の腸内微生物叢プロファイルは、当技術分野で既知の方法を使用して、Bifidobacteriumによる定着を決定するために試験及び監視され得る。糞便試料は、そのような方法において使用され得る。
組成物
Bifidobacteriumは、使用が容易であり、一貫した投薬を可能にする組成物に製剤化され得る。Bifidobacterium産生からの発酵産物は、濃縮され、凍結乾燥されて、濃縮粉末を提供し得る。組成物は、乾燥重量1グラム当たり約100万、5億、10億、20億、30億、40億、50億、60億、70億、80億、90億、100億、又は120億~約80億、90億、100億、200億、300億、400億、500億、600億、700億、800億、900億、1000億、2000億、2500億、又は5000億コロニー形成単位(colony forming unit、CFU)のBifidobacteriumを含有し得る。
Bifidobacteriumはまた、オリゴ糖とともに製剤化されてもよい。本明細書で使用される場合、「オリゴ糖」という用語は、2~20、2~10、3~20、又は3~10単糖単位を含有する糖ポリマーを指す。オリゴ糖は、哺乳動物の乳(例えば、ヒト、又はウシ)に見られるものであり得る。オリゴ糖は、合成されていてもよい。
Bifidobacteriumを含有する組成物はまた、補助成分を含有してもよい。そのような補助成分は、当技術分野で一般的に使用されるものであり、代謝産物、流動剤、又はそれらの組合せから選択され得る。流動剤の例としては、デンプン、二酸化ケイ素、セルロース、重炭酸ナトリウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げられる。補助成分は、乳タンパク質又は構成成分であってもよい。補助成分は、ラクトースを含んでもよい。すなわち、そのような例では、Bifidobacteriumは、ラクトースと混合された粉末形態である。
組成物の最終形態は、当技術分野で既知の任意のものであり得る。上記のように、Bifidobacteriumは、粉末として乾燥形態(例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥)であってもよい。当該粉末は、パケット、サシェ、錠剤、食品、カプセル、ロゼンジ、錠剤、懸濁液、乾燥形態などとして投与され得る。
本発明の1つ以上の実施形態に従って好適であるBifidobacterium製品は、Evolve BioSystems(Davis,CA)から入手可能なEvivo(登録商標)プロバイオティックスであり、これは、ラクトースと共製剤化された、80億CFUのB.infantis(EVC001)を含有するサシェにパッケージ化されている。
Bifidobacteriumの投与
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、所定の用量のBifidobacteriumを乳児に、彼らの摂食の一部として提供することを指す(すなわち、それは、栄養補助食品として使用される)。Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを乳児に投与する前に、母乳、乳児用調製粉乳、水、又は食物を含む、乳児によって消費され得る任意の媒体と混合され得る。Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合されてもよい。代替として、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合されてもよい。Bifidobacteriumは、乳児がBifidobacteriumを完全に組み込むことができるように、かつ乳児がBifidobacteriumの全用量を依然として摂取する可能性があり、摂取することができるように、十分な乳児用調製粉乳又は母乳と混合される。したがって、Bifidobacteriumは、Bifidobacteriumを母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳又は乳児用調製粉乳と混合されてもよい。Bifidobacterium組成物は、ボウル中で組成物を媒体(例えば、乳児用調製粉乳、母乳、水)と単に撹拌すること(又は混合物を得るための任意の他の好適な手段)を含む、任意の好適な手段によって混合され得る。乳児用調製粉乳又は母乳と混合された組成物は、次いで、任意の適切な手段によって乳児に供給され得る。乳児に対する摂食の好適な手段としては、摂食用シリンジ、スプーン、又はボトルの使用が挙げられる。Bifidobacteriumは、乳児が空腹である可能性がより高いときに、乳児に摂食させる前に投与されてもよく、これは、乳児が用量の全体を消費する可能性を増加させると考えられている。
用量及び投与頻度は、要望通りに選択され得る。例えば、Bifidobacteriumは、1日1回投与され得る。そのような例において、1日1回の用量は、約50~150億又は約80億CFUを含有し得る。所望の総用量をより少ない用量に分割することも企図される。例としては、1日を通して数回のより少ない用量(例えば、1日当たり2、3、4、又は5回)が挙げられ得る。
1日当たりに与えられる総用量は、約100万、5億、10億、20億、30億、40億、50億、60億、70億、80億、90億、100億、又は120億から約80億、90億、100億、200億、300億、400億、500億、600億、700億、800億、900億、1000億、2000億、2500億、又は5000億コロニー形成単位(CFU)のBifidobacteriumの範囲であり得る。1日当たりに与えられる総用量は、約50~約150億CFUの範囲であってもよいか、又は約80億CFUであってもよい。そのような総用量値は、1回の用量で与えられ得る。
Bifidobacteriumは、生後1、2、3、4、5、6日目、若しくは生後1週目に開始して、又は生後最初の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12週以内に開始して、又は生後最初の3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12ヶ月に開始して投与され得る。本明細書で使用するとき、「生後」という用語は、出生後を意味する。一旦開始されると、Bifidobacteriumは、生後4、5、6、7、8、9、10、11、12週目まで、又は生後3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12ヶ月目まで投与され続け得る。Bifidobacteriumは、生後最初の2週間以内に最初に投与され得る。Bifidobacteriumは、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与され得る。
乳児は、母乳で育てられている乳児であってもよい。本明細書で使用される場合、「母乳で育てられている」という用語は、乳児がヒト母乳からのその栄養の少なくとも一部を得ることを意味する。乳児は、授乳してもよいか、又は母乳は、圧搾され(例えば、ポンプされるか、又は手で搾乳される)、乳児に与えられてもよいかのいずれかである。母乳で育てられている乳児は、少なくとも約50、60、75、80、90%、又は95%母乳で育てられてもよい。乳児の栄養の残りは、乳児用調製粉乳又は他の食品に由来してもよい。代替として、母乳で育てられている乳児は、母乳のみで育てられてもよい。本明細書で使用される場合、「母乳のみで育てられる」という用語は、Bifidobacteriumと混合して乳児に投与するという唯一の目的のために少量の乳児用調製粉乳が使用され得ることを除いて、乳児が乳児用調製粉乳を受けないことを意味する。薬剤、Bifidobacterium組成物、又はBifidobacteriumを送達するために使用される任意の媒体などを含む、生後最初の3ヶ月間の他の供給源からの任意のカロリー寄与は、無視できると考えられる。
前述の説明は、本発明の例示的な実施形態を表すが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な追加、改変、及び置換が本明細書において行われ得ることが理解されるであろう。特に、本発明が、他の特定の形態、構造、配置、割合で、また他の要素、材料、及び構成要素を用いて、その趣旨又は本質的な特性から逸脱することなく具現化され得ることが、当業者には明らかとなるであろう。当業者は、本発明が、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境及び動作要件に特に適合される、本発明の実践において使用される、構造、配置、割合、材料、及び構成要素の多くの修正を伴って、並びに別の方法で、使用され得ることを認識するであろう。したがって、ここに開示される実施形態は、あらゆる点において、限定的なものではなく、例示的なものであるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、前述の説明に限定されることはない。特許請求の範囲において、用語「含む/含んでいる」は、他の要素又は工程の存在を除外するものではないことは理解されよう。更に、単数形の参照は、複数性を排除するものではない。「a」、「an」、「第1の」、「第2の」などの用語は、複数性を排除するものではない。
より正確な説明を提供するために、本明細書に示される量的表現の一部は、用語「約」で修飾されていない。用語「約」が明示的に用いられている/いないに関わらず、本明細書において与えられる全ての量は実際の所与の値を指すことを意味し、またこのような所与の値の実験及び/又は測定条件による近似値を含む、当該技術分野における通常の技量に基づいて合理的に推測されるこのような所与の値の近似値を指すことも意味することが理解される。
より正確な記載を提供するため、本明細書において、定量的表現の一部は約X量から約Y量の範囲として引用される。範囲が挙げられている場合、その範囲は、挙げられている上限及び下限に限定されず、約X量から約Y量の全範囲、又はその範囲内の任意の量若しくは範囲を含むと理解される。
百分率、部及び比率は全て、特に指定しない限り、本発明の組成物の総重量に基づいている。列挙された成分に関連するこのような重量は全て、記載する特定の成分のレベルに基づいているので、特に指定しない限り、市販の物質に含まれることがある担体又は副産物を含まない。
予測的実施例
この臨床試験は、生後14日以内に開始し、12週間継続する、B.infantis(EVC001株、Evolve BioSystems,Inc.、Davis,CA)補給の臨床的及び免疫学的効果を調査するであろう。無作為化されたプラセボ対照実験研究は、研究介入以外の因子からの既知の交絡効果を減少させるか、又は排除することを目的とする。
したがって、このタイプの研究設計は、研究介入(この場合、研究用サプリメント)と研究エンドポイントとの間の因果関係を試験することができるため、厳密であると考えられる。
目的
この研究の第1の目的は、ADを発症するリスクのある健康な、母乳で育てられている乳児における、生後最初の1年間に医師が診断したADの累積発生率に関する、プラセボ補給と比較したB.infantis(EVC001)の効果を評価することである。この研究の第2の目的は、ADを発症するリスクのある健康な、母乳で育てられている乳児における、以下に関する、プラセボ補給と比較したB.infantis(EVC001)の効果を評価することである。
・安全性及び忍容性を評価するための有害事象(adverse event、AE)を有する乳児の割合
・追加の時点におけるADの累積発生率
・AD発症までの時間
・乳児の腸のB.infantisの定着
・ADを有する対象のAD重症度
この研究の更なる目的は、以下のとおりである。
1)ADを発症するリスクのある健康な、母乳で育てられている乳児における、以下に関する、プラセボ補給と比較したB.infantis(EVC001)の効果を評価する。
・AD以外のアトピー性疾患(食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、ぜんそく)の発生率
・アレルギー感作
・腸内及び皮膚微生物叢
・皮膚免疫学的バイオマーカープロファイル
・乳児疝痛の発生率
・乳児睡眠
・乳児身体測定
・ベースラインの母親の腸内微生物叢と乳児腸内微生物叢の発生との間の関係
2)B.infantis(EVC001)補給群及びプラセボ補給群における、1年を通してADを発症しない乳児と発症する乳児との間の微生物叢及び免疫学的プロファイルを特徴付け、比較する。
3)B.infantis(EVC001)補給群及びプラセボ補給群における、免疫応答体の表現型を決定する。
4)サプリメント介入から利益を得ることに関連する対象遺伝子プロファイルを識別する。
概説
この試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、2アーム、並行群(群1及び2)試験である。研究は、アトピー性疾患の病歴を有する少なくとも1人の一親等の親戚(すなわち、母親から報告された、医師が診断したAD、アレルギー性鼻炎、又はぜんそくを有する生物学的親又は全兄弟)を有し、現在母乳で育てられており、少なくとも12週間(およそ3ヶ月)の母乳のみの授乳を維持する母親の意図を有する、およそ286人の乳児を登録することになる。各乳児は、彼/彼女の生物学的母親(「保護者」)の監督下で研究に参加することになる。
乳児の適格性評価は、生後最初の14日以内に行われることになる。適格な乳児は、登録され、2つの群、プラセボ(群1)又はB.infantis(EVC001)(群2)のうちの1つに均等に(1:1)無作為化されることになる。無作為化は、関連するアトピー性疾患(上記で定義されるような)の病歴を有する、乳児の一親等の親戚の数(1人対2人以上)によって層別化されることになる。全てのベースライン評価は、割り当てられた研究用サプリメントの最初の投与の前に行われることになる。
割り当てられた研究用サプリメントの投与は、0日目に開始し、12週間継続することになる。保護者は、少なくともこの12週間の間、母乳のみの授乳を維持するために最善の努力をするように指示され、生後最初の1年の間、できるだけ長く母乳の授乳を続けるように勧められることになる。12週間の補給期間に続いて、乳児は、予定された来院及び予定されていない来院を介して104週目(およそ2年)まで追跡されることになる。
サブ研究は、主要研究集団(およそ80~100人の対象)のサブセットを用いて、末梢循環における特定の免疫細胞の腸内微生物叢、頻度、及び機能、循環サイトカインプロファイル、並びにADの発症の間の可能な関係を評価するために計画される。
対象の選択及び登録
適格性基準は、プロトコル手順が適切であると考えられる対象を選択するように設計される。乳児の適格性は、新生児の生後最初の14日以内に評価されることになる。適格性の初期検証は、医師の資格を持たない個人によって行われてもよい。
乳児の包含基準は、以下を含む。
1)研究登録時(0日目)に14日齢以下の男性又は女性新生児。
2)健康な満期産児。
3)アトピー性疾患(すなわち、母親から報告された、医師が診断したAD、アレルギー性鼻炎、又はぜんそく)を有する少なくとも1人の一親等の親戚(すなわち、生物学的親又は全兄弟)を有する。
4)12週間以上の母乳のみの授乳を維持する母親の意図を伴う、研究登録時(0日目)に確立された母乳の授乳。
乳児の除外基準は、以下の通りである。
1)早産(36週[252日]未満の在胎期間)。
2)正常な摂食の確立以外の問題のための新生児ユニットへの入院。
3)PI又は被指名人の意見において、乳児が研究に登録される場合、重大な安全性の懸念をもたらす、又はそうでなければ研究参加を排除するであろう、ベースライン疾患/状態(例えば、異常な出生時体重)又は疾患/状態を発症する重大なリスク(母親/妊娠情報の評価に基づく)の証拠。
4)PI又は被指名人の意見において、安全上の懸念を引き起こすか、又はそうでなければ研究を混乱させる、重大な出生異常/合併症(例えば、腹壁異常、先天性心疾患)。
5)重度の広範囲の皮膚状態(例えば、コロジオン)。
6)PI又は被指名人の意見において、腸内又は皮膚微生物叢を著しく変化させ得る、医学的状態(乳児)又は母親の投薬/サプリメント使用(例えば、毎日若しくは日常的な抗生物質又は全身性抗真菌薬)。
7)登録(0日目)前にプレバイオティックス又は(a)Bifidobacterium longum含有プロバイオティックスサプリメント/ミルク/調製粉乳を消費している。
8)登録(0日目)前48時間以内に1日当たり100mL超の調製粉乳を消費している。
9)母乳の授乳を妨げるであろう医学的状態(乳児)又は母親の手術/損傷/状態。
10)大豆又は乳タンパク質消費に対する既知の乳児の感受性又は不耐性。
11)ヒト免疫不全ウイルス、結核、C型肝炎、又はB型肝炎による母親の感染。
12)PI又は被指名人の意見において、保護者及び/又は乳児が研究プロトコル要件に従うことを可能にしないであろう保護者の状態。
13)双生児又は多産。
研究の間、乳児の保護者は、乳児が少なくとも12週目まで母乳のみを授乳することを確実にするために最善の努力をするように指示され、生後最初の1年の間、できるだけ長く母乳の授乳を続けるように促されることになる。保護者はまた、提供された指示及び訓練に従って、割り当てられた研究用サプリメントを乳児に1日1回12週間投与することになる。保護者は、例えば、抗生物質関連の下痢を予防若しくは治療するため、又は胃腸炎を治療するために、HCPによって具体的に処方されない限り、研究の最初の12週間(又は、より長い場合、母乳の授乳期間中)、プロバイオティックスの日常的な乳児の摂取を回避するように指示されることになる。保護者はまた、乳児が試験の最初の24週間の間、プレバイオティックス又はいかなるBifidobacterium含有プロバイオティックスサプリメント/ミルク/調製粉乳も摂取しないことを確実にするように指示されることになる。
試料サイズ、無作為化/研究用サプリメント割り当て、及び盲検
およそ200~400人の対象が、1:1の比率で無作為に割り当てられて、B.infantis(EVC001)又はプラセボを受けることになる。登録された乳児は、無作為化スケジュールに従って、活性群又はプラセボ補給群に、均等に(1:1)無作為化されることになる。乳児は、アトピーの病歴を有する一親等の親戚の数(1人対2人以上)によって層別化されることになる。研究は、二重盲検であり、その結果、保護者及びPI/被指名者は、研究用サプリメントの割り当てを知ることはない。
研究用サプリメントの識別及び使用
以下の表1に示すように、以下の研究用サプリメントが提供されるであろう。
Figure 2023550962000001
活性サプリメントは、サシェ内にある、Evolve BioSystems,Inc.から入手可能なB.infantisサプリメントEvivo(登録商標)プロバイオティックス粉末であり、1回の用量当たり、精製ラクトース、B.longum亜種Infantis EVC001の成分を有する。各サシェは、625mgのプロバイオティックス粉末を含有し、80億CFUのB.infantis(EVC001)を含有する。プラセボのサシェは、625mgのラクトースを含有する。
乳児は、B.infantis(EVC001)又はマッチングプラセボ研究用サプリメントの1回分のサシェの内容物を1日1回12週間摂取することになる。補給時に、1回分のサシェの内容物は、提供されたリザーバ内でおよそ3~5mLの圧搾又はポンプされた母乳(又は必要に応じて乳児用調製粉乳)と混合されることになる。提供されたシリンジを使用して、混合物は、乳児が全用量を摂取することを確実にするために、乳児の口の側面に分配されることになる。
試験期間、手順、及び評価スケジュール
乳児の適格性評価は、乳児の生後最初の14日以内に行われることになる。登録及び無作為化(0日目)の後、研究用サプリメントは、0日目から12週目まで毎日投与されることになる。保護者は、12週間以上、母乳のみの授乳を維持するために最善の努力をするように指示されることになる。12週間の補給期間に続いて、試験対象は、この104週間(2年)の試験を完了するために、更に92週間追跡されることになる。
評価ツール及び追加の研究手順の詳細
医療、家族、投薬、及びサプリメント歴の質問表:
スクリーニング時に、研究担当者は、妊娠、出産、及び母乳の授乳中/それらからの曝露を含む、乳児の病歴及び投薬/サプリメント歴を文書化するための医療、家族、投薬、及びサプリメント歴の質問表を完成させるために、各乳児の保護者に問診することになる。質問表はまた、アトピー性疾患の病歴、例えば、ADの現在又は以前の病歴(発症年齢及び診断検査の詳細を含む)、アレルギー性鼻炎/枯草熱(アレルゲンの識別を含む)、ぜんそく、食物反応/アレルギー(食物及び反応のタイプなど、任意の他の正式なアレルギー検査の詳細)、他の皮膚状態、又は免疫媒介性疾患を有する乳児の一親等の親戚に関する母親から報告された情報を記録することになる。
ADの診断:
研究担当者によって識別されたADの可能性のある症例を有する乳児は、評価及び診断のために訓練された医師によって評価されることになる。簡潔に述べると、ADは、以下の4つの基準のうちの3つが満たされる場合に診断されるであろう:1)掻痒、2)典型的な形態及び分布(顔面及び伸筋の関与)、3)慢性又は慢性的に再発性の皮膚炎、4)アトピー性疾患の個人又は家族病歴(Rajka G,Langeland T.Grading of the severity of atopic dermatitis.Acta Derm Venereol Suppl(Stockh)1989;144:13-4.;Ganemo A,Svensson Å,Svedman C,Gronberg BM,Johansson AC,Wahlgren CF.Usefulness of Rajka & Langeland Eczema Severity Score in clinical practice.Acta Derm Venereol2016;96:521-4.)。
乳児がADと診断された場合、以下に記載されるEASI及びPOEMを用いて、診断時、並びに12週目、52週目、及び104週目にその重症度を評価することになる。
8歳未満の湿疹面積・重症度指数(EASI):
EASIは、アトピー性湿疹/ADの程度(面積)及び重篤度を測定するために使用されるツールである(Hanifin JM,Thurston M,Omoto M,Cherill R,Tofte SJ,Graeber M.The eczema area and severity index(EASI):assessment of reliability in atopic dermatitis.EASI Evaluator Group.Exp Dermatol2001;10:11-8.)。この機器は、4つの身体領域、頭及び首(顔、首、及び頭皮を含む)、胴体(生殖器領域を含む)、上肢(手を含む)、並びに下肢(臀部及び足を含む)を評価し、これらは、それぞれ、20%、30%、20%、及び30%の比例身体表面積に割り当てられる。面積スコアは、これらの4つの身体領域の各々について、その身体領域内の(以下に列挙される4つの重要な徴候によって定義される)ADに罹患した皮膚のパーセンテージに基づいて決定される(0=なし、1=1~9%、2=10~29%、3=30~49%、4=50~69%、5=70~89%、6=90~100%)。4つの身体領域の各々はまた、ADの4つの重要な徴候、紅斑、硬結/丘疹形成/浮腫、表皮剥離、及び苔癬化の重篤度について、0~3の尺度、0=なし、1=軽度、2=中等度、及び3=重度(注:ハーフポイントは許容される)を使用して評価される。各身体領域の総スコアは、4つの重要な徴候の重症度スコアの合計に面積スコアを乗じ、次いでその結果にその身体領域に割り当てられた一定の身体表面積を乗じることによって決定される。総EASIスコアは、身体領域スコアの合計であり、0~72の範囲である。指定された、訓練を受けた医師が、AD診断時、並びに(ADを有する対象についてのみ)12週目、52週目、及び104週目にEASIを使用してADの重症度を評価することになる。
患者指向の湿疹尺度(Patient-Oriented Eczema Measure、POEM):
POEMは、ADを評価し、患者にとって重要である疾患の態様をモニタリングするための、単純で、有効で、解釈が容易で、再現可能なツールである(Charman CR,Venn AJ,Williams HC.The Patient-Oriented Eczema Measure:Development and initial validation of a new tool for measuring atopic eczema severity from the patients’ perspective.Arch Dermatol2004;140:1513-9.、Charman CR,Venn AJ,Ravenscroft JC,Williams HC.Translating Patient-Oriented Eczema Measure(POEM)scores into clinical practice by suggesting severity strata derived using anchor-based methods.Br J Dermatol2013;169:1326-32.)。研究担当者は、AD診断時、並びに(ADを有する対象についてのみ)12週目、52週目、及び104週目に、保護者に問診して、7つの症状(皮膚の痒み、睡眠障害、皮膚の出血、皮膚の滲出/毛細血管性出血、皮膚剥離、皮膚のひび割れ、皮膚の乾燥/粗さ)を、前週(0日、1~2日、3~4日、5~6日)の間の発生頻度の5ポイントスケールを使用して評価することになる。最大総POEMスコアは、28である。
乳児疝痛
研究担当者は、Rome IV基準に基づいて、ベースライン(0日目)、並びに6週目、12週目、及び24週目に乳児疝痛の徴候及び症状を文書化するために、保護者に問診することになる(Benninga M,Nurko S,Faure C,Hyman P,St.James-Roberts I,Schechter N.Childhood functional gastrointestinal disorders:neonate/toddler.Gastroenterology2016;150:1443-55)。Rome IV基準によって定義されるように、乳児疝痛の発生は、日誌における毎日の保護者の記入と組み合わせて、これらの保護者の問診を利用して決定されることになる。保護者は、日記を利用して、ベースライン、並びに5~7週目、11~13週目、及び23~24週目の間に毎日、泣き、ぐずり、及び排便などの他の関連症状の発生及び持続時間を文書化することになる。「ぐずり」は、断続的な苦痛を伴う発声を指し、「泣いているわけではないが、覚醒も、満足もしていない[行動]」として定義されている(Benninga,2016;Zeevenhooven J,Koppen IJ,Benninga MA.The new Rome IV criteria for functional gastrointestinal disorders in infants and toddlers.Pediatr Gastroenterol Hepatol Nutr2017;20:1-13)。Rome IV基準によって定義されるように、乳児疝痛の発生は、来院時に行われる保護者の問診と組み合わせて、保護者の日誌の記入を利用して決定されることになる。
乳児身体測定
乳児は、全ての研究用来院中に彼らの長さ/身長(乳児長板を使用して)、体重、及び頭囲を測定することになる。肥満度指数(Body Mass Index、BMI)は、以下の式に従って、体重及び体長/身長の測定値に基づいて計算されることになる。BMI(kg/m)=体重(kg)/([長さ又は身長cm/100])。
簡単な乳児睡眠の質問票-改訂(Brief Infant Sleep Questionnaire-Revised、BISQ-R)
12、24、52、及び76週目に、保護者は、BISQ-Rを使用して、過去2週間の間の乳児の睡眠習慣及びパターンを文書化することになる。BISQ-Rは、年齢ベースの基準参照スコアリングシステムであり、乳児及び幼児の睡眠パターン(入眠潜時、夜間覚醒の数及び持続時間、睡眠の最長期間、及び総夜間睡眠に関連する5項目)、並びに睡眠転帰に影響を与え得る親の知覚(就寝時の困難性、一晩の睡眠、全体的な小児睡眠問題に関連する3項目)、及び親の行動(就寝儀式の一貫性、就寝時間、入眠時の親の行動及び続く夜間覚醒、並びに入眠時の睡眠位置及び続く夜間覚醒に関連する11項目)の包括的評価を提供する(Mindell JA,Gould RA,Tikotzy L,Leichman ES,Walters RM.Norm-referenced scoring system for the Brief Infant Sleep Questionnaire-Revised(BISQ-R).Sleep Med2019;63:106-14.)。0~100の範囲のスコアは、各サブスケールに対して導出され、より高いスコアは、より良好な睡眠の質、睡眠の質のより肯定的な知覚、並びに健康的な睡眠行動及び独立した乳児睡眠をそれぞれ促進する親の習慣を示す。総スコアは、乳児の睡眠、親の知覚、及び親の行動のサブスケールスコアの平均として計算される。
固形食品導入チェックリスト
保護者は、乳児が新しい固形食品を初めて摂取したときを文書化して、該当する場合には固形食品のタイプ及び量を含めることになる。
乳児の摂食及び研究用サプリメントの使用記録
保護者は、母親の母乳の授乳、乳児用調製粉乳の使用(該当する場合)、及び研究用サプリメントの投与の詳細を、12週目まで、及び任意選択でその後も毎日、日誌に記録することになる。保護者はまた、研究用サプリメントのいかなる忘れた、不完全な、又は余分な投与も日誌に記録することになり、忘れた補給は、その後の日には補完されることはない。
血液試料
2.0mLの静脈全血試料を、24週目、52週目、及び104週目に乳児から収集することになる。血液は、将来の分析のために、Laboratory Reference Manualに提供される指示に従って処理され、保管されることになる。アレルギー感作の発生を評価するために、静脈全血試料を使用して、アレルゲン特異的血清IgE試験が行われることになる。加えて、血液試料はまた、B.infantis(EVC001)補給群及びプラセボ補給群における対象の連続RNA発現プロファイルを比較することによって、乳児の免疫応答体の表現型を調査するために使用され得る。血液資料はまた、FLG遺伝子を含む、アトピー性疾患(例えば、AD、ぜんそく、及びアレルギー感作)及び尋常性魚鱗癬に関連し得る異なる遺伝子における変異の存在を決定するために、エクソーム配列決定に使用され得る。
糞便試料
母親が収集に同意した場合(任意選択)、将来の微生物叢分析のための母親の糞便試料が、分娩後2~6週目に収集されることになる。保護者は、ベースライン(0日目)前の5日以内(好ましくは3日以内)、並びに6週目、12週目、24週目、52週目、及び104週目の来院時に乳児の糞便を収集することになる。ベースラインの試料は、胎便以外の試料であるべきであり、これが補給の開始前に可能でない場合、偏差が記録されるべきであり、胎便以外の試料が、補給が開始された後、可能な限り早く(好ましくは24時間以内に)収集されるべきである。
全ての糞便試料は、提供された供給品を使用して収集され、提供された収集チューブ及び医療用ごみ袋内に、実際の来院中に研究担当者によって収集されるまで凍結保存されることになる。凍結糞便試料を研究施設に輸送するために、アイスパックを取り付けたソフトサイドクーラーを利用し、試験施設では、それらは、将来の分析のために-80℃で保存されることになる。
ベースライン(0日目)、並びに6、12、24、52、及び104週目に収集された糞便をB.infantisの存在を含む腸の全体的な細菌プロファイルに関して分析して、定着の程度(各乳児内のB.infantisの定着のパーセンテージ)及び発生率(腸内B.infantisの定着を有する乳児のパーセンテージ)を決定することになる。乳児の腸は、ショットガン配列決定によって決定されたB.infantisの糞便濃度が全細菌の50%以上である場合、定着しているとみなされるであろう。
皮膚スワブ試料
保護者は、皮膚試料の収集を妨げないように、研究用来院前3時間以内に任意の局所処置を適用することを回避するように指示されることになる。以下に詳述するように収集された全ての皮膚試料は、Laboratory Reference Manualに詳述されているように、将来の分析のために研究施設において-80℃で凍結保存されることになる。
皮膚のバイオマーカー:皮膚における免疫調節に対するB.infantis(EVC001)補給の効果を評価するため、かつADの発症に関連するバイオマーカーについて学習するために、研究担当者は、ベースライン(0日目)、12週目、及び52週目にFibroTX皮膚試料収集スワブを使用して2つの皮膚試料を収集することになる。ADと診断された場合、2つの更なる試料が、これらの時点で病変位置及び隣接する明確な非病変位置から収集されることになる。FibroTX皮膚試料収集スワブは、皮膚から直接的な非侵襲的バイオマーカー測定のための高感度多検体研究ツールである。
皮膚微生物叢:皮膚の微生物叢に対する研究用サプリメントの全身効果を評価するために、研究担当者は、予め湿らせたスワブを利用して、ベースライン(0日目)、6週目、12週目、及び52週目に2つの皮膚試料を収集し、一方は、肘前窩(肘のしわ)から収集し、他方は、研究担当者又はスポンサーによって決定された場所で収集することになる。ADが確認された場合、2つの更なる試料が、これらの時点で病変皮膚及び隣接するきれいな非病変皮膚から得られることになる。
研究用来院及び評価:
研究手順及び評価スケジュールの概要を以下の表2に示す。
Figure 2023550962000002
Figure 2023550962000003
研究エンドポイント及びデータ分析
主要エンドポイント:52週目までのADの累積発生率。52週目までのADの累積発生率を、補給群間で比較することになる。
副次的エンドポイント:
・104週目までのADの発症までの時間の分布を、補給群間で比較することになる。
・24週目及び104週目までのADの累積発生率。
・12週目におけるB.infantisの腸内定着を有する乳児の割合:12週目の糞便試料を、B.infantisの定着について、及び全体的な細菌負荷について分析して、B.infantisの腸内定着を有する乳児の割合を決定することになる。乳児の腸は、上記で定義されるように定着しているとみなされるであろう。
・AD発症時、並びに12週目、52週目、及び104週目におけるEASIスコアに基づくAD重症度
・AD発症時、並びに12週目、52週目、及び104週目のPOEMスコアに基づくAD重症度
追加のエンドポイント:
・24週目、52週目、及び104週目までのAD以外のアトピー性疾患の累積発生率:研究担当者は、研究全体を通して、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、及び食物アレルギー(専門家/小児アレルギー専門医によって確認される)の発症を文書化し、これらの障害の累積発生率を24週目、52週目、及び104週目に決定することになる。
・24週目、52週目、及び104週目までのアレルギー感作の累積発生率:研究担当者は、食事アレルゲン又は吸入アレルゲンなどに対するアレルギー感作(特異的血清IgE試験によって確認される)の発生を文書化し、累積発生率を24週目、52週目、及び104週目に決定することになる。
・104週目までの腸内及び皮膚微生物叢におけるベースラインからの変化:糞便(6、12、24、52、及び104週目)及び皮膚(6、12、及び52週目)微生物叢におけるベースラインからの変化を決定することになる。
・24週目におけるB.infantisの腸内定着を有する乳児の割合:24週目の来院に関連して収集された糞便試料を上記で詳述したようにB.infantisの腸内定着について分析することになる。
・12週目及び52週目における皮膚免疫学的バイオマーカープロファイルのベースラインからの変化:12週目及び52週目における、皮膚バイオマーカーのベースラインからの変化を決定することになる。
・6週目、12週目、及び24週目までの乳児疝痛の累積発生率:乳児疝痛の診断は、来院での問診及び保護者の日誌によって生成されたデータを含む、Rome IV基準に基づくことになる。
・12週目、24週目、52週目、及び76週目におけるBISQ-Rスコア:12週目、24週目、52週目、及び76週目における、BISQ-R乳児睡眠、親の知覚、及び親の行動のサブスケールスコア、並びに総BISQ-Rスコアを決定することになる。
・6週目、12週目、24週目、52週目、76週目、及び104週目における乳児身体測定のベースラインからの変化:6週目、12週目、24週目、52週目、76週目、及び104週目における乳児の長さ/身長、体重、頭囲、及びBMIのベースラインからの変化が決定されることになる。
・ベースラインから2歳までの乳児の腸内微生物叢の発生に対する母親の腸内微生物叢の影響:産後2~6週に収集された母親の糞便試料の微生物叢を、ベースライン(0日目)、並びに6週目、12週目、24週目、52週目、及び104週目における、乳児のB.infantisの腸内定着を含む、乳児腸内微生物叢の発生との相関について評価することになる。
・ADを有する乳児又は有しない乳児における微生物叢及び免疫学的プロファイル:微生物叢及び免疫学的プロファイルに関連するアウトカム尺度を、B.infantis(EVC001)補給群及びプラセボ補給群における、1年を通してADを発症しない乳児と、発症する乳児との間で特徴付け、比較することになる。
・第24週、第52週、及び第104週における連続RNA発現分析:連続RNA発現プロファイルに関連するアウトカム尺度を、24週目、52週目、及び104週目におけるB.infantis(EVC001)補給群及びプラセボ補給群における対象間で特徴付け、比較して、乳児の免疫応答体の表現型を調査することになる。
・対象の遺伝的分析:対象の遺伝的プロファイルに関連するアウトカム尺度を、B.infantis(EVC001)補給群における、1年を通してADを発症しない乳児と、発症する乳児との間で特徴付け、比較して、介入から利益を得る可能性がある対象を識別することになる。
成功基準
研究の成功は、52週目までのADの累積発生率に関する、プラセボに対する補給の統計的に有意な効果によって主に決定されることになる。
発明の概要
上記の例は、Bifidobacterium(B.infantis)を含む組成物を、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、母乳で育てられている乳児に投与することを含む方法を構成する。アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、及び、ぜんそくは、母乳で育てられている乳児における予防、遅延、及び/又は改善の徴候についてモニター及び評価されることになる。乳児疝痛、乳児睡眠、及び乳児身体測定もモニターし、評価されることになる。
〔実施の態様〕
(1) 母乳で育てられている乳児におけるアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する方法であって、前記方法が、
a.B.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を前記母乳で育てられている乳児に投与すること、を含む、方法。
(2) 前記Bifidobacteriumが、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記Bifidobacteriumが、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、B.longum亜種である、実施態様1又は2に記載の方法。
(4) 前記Bifidobacteriumが、B.infantisである、実施態様1~3のいずれかに記載の方法。
(5) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される、実施態様1~4のいずれかに記載の方法。
(6) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される、実施態様1~5のいずれかに記載の方法。
(7) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される、実施態様1~6のいずれかに記載の方法。
(8) 前記母乳で育てられている乳児が、50%を超えて母乳で育てられている、実施態様1~7のいずれかに記載の方法。
(9) 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、実施態様1~8のいずれかに記載の方法。
(10) 前記Bifidobacteriumが、ラクトースと混合された粉末形態である、実施態様1~9のいずれかに記載の方法。
(11) 約50~約150億CFUの前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、実施態様1~10のいずれかに記載の方法。
(12) 前記B.infantisが、1日1回投与される、実施態様1~11のいずれかに記載の方法。
(13) 前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、実施態様1~12のいずれかに記載の方法。
(14) 前記B.infantisが、生後最初の12週前に投与される、実施態様1~13のいずれかに記載の方法。
(15) 前記Bifidobacteriumが、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される、実施態様1~14のいずれかに記載の方法。
(16) 前記母乳で育てられている乳児が、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、実施態様1~15のいずれかに記載の方法。
(17) 前記Bifidobacteriumが、EVC001株を含む、実施態様1~16のいずれかに記載の方法。
(18) アトピー性疾患の病歴を有する少なくとも1人の一親等の親戚を有する母乳で育てられている乳児においてアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する方法であって、前記方法が、
a.有効量の、母乳と混合されたB.infantisを前記母乳で育てられている乳児に1日1回投与すること、を含み、
前記母乳で育てられている乳児が、少なくとも90%母乳で育てられており、前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、方法。
(19) 前記B.infantisが、EVC001株を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記B.infantisが、前記B.infantisを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳又は乳児用調製粉乳と混合される、実施態様18又は19に記載の方法。
(21) 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、実施態様18~20のいずれかに記載の方法。
(22) 前記B.infantisが、ラクトースと混合された粉末形態である、実施態様18~21のいずれかに記載の方法。
(23) 80億CFUのB.infantisが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、実施態様18~22のいずれかに記載の方法。
(24) 前記B.infantisが、生後12週目まで1日1回投与される、実施態様18~23のいずれかに記載の方法。
(25) 母乳で育てられている乳児における食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法であって、前記方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を前記乳児に投与することを含む、方法。
(26) 前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児へのB.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記Bifidobacteriumが、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様25又は26に記載の方法。
(28) 前記Bifidobacteriumが、longum、suis、infantis及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である、実施態様25~27のいずれかに記載の方法。
(29) 前記Bifidobacteriumが、B.infantisである、実施態様25~28のいずれかに記載の方法。
(30) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される、実施態様25~29のいずれかに記載の方法。
(31) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される、実施態様25~30のいずれかに記載の方法。
(32) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される、実施態様25~31のいずれかに記載の方法。
(33) 前記母乳で育てられている乳児が、50%を超えて母乳で育てられている、実施態様25~32のいずれかに記載の方法。
(34) 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、実施態様25~33のいずれかに記載の方法。
(35) 前記Bifidobacteriumが、ラクトースと混合された粉末形態である、実施態様25~34のいずれかに記載の方法。
(36) 約50~約150億CFUの前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、実施態様25~35のいずれかに記載の方法。
(37) 前記B.infantisが、1日1回投与される、実施態様25~36のいずれかに記載の方法。
(38) 前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、実施態様25~37のいずれかに記載の方法。
(39) 前記B.infantisが、生後最初の12週前に投与される、実施態様25~38のいずれかに記載の方法。
(40) 前記Bifidobacteriumが、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される、実施態様25~39のいずれかに記載の方法。
(41) 前記母乳で育てられている乳児が、前記アトピー性疾患を発症するリスクが高い、実施態様25~40のいずれかに記載の方法。
(42) 前記Bifidobacteriumが、EVC001株を含む、実施態様25~41のいずれかに記載の方法。
(43) 母乳で育てられている乳児における乳児疝痛、乳児睡眠、又は乳児身体測定を改良する方法であって、前記方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を前記乳児に投与することを含む、方法。
(44) 前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児へのB.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様43に記載の方法。
(45) 前記Bifidobacteriumが、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様43又は44に記載の方法。
(46) 前記Bifidobacteriumが、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である、実施態様45に記載の方法。
(47) 前記Bifidobacteriumが、B.infantisである、実施態様43~46のいずれかに記載の方法。
(48) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される、実施態様43~47のいずれかに記載の方法。
(49) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される、実施態様43~48のいずれかに記載の方法。
(50) 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される、実施態様43~49のいずれかに記載の方法。
(51) 前記母乳で育てられている乳児が、50%を超えて母乳で育てられている、実施態様43~50のいずれかに記載の方法。
(52) 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、実施態様43~51のいずれかに記載の方法。
(53) 前記Bifidobacteriumが、ラクトースと混合された粉末形態である、実施態様43~52のいずれかに記載の方法。
(54) 約50~約150億CFUの前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、実施態様43~53のいずれかに記載の方法。
(55) 前記B.infantisが、1日1回投与される、実施態様43~54のいずれかに記載の方法。
(56) 前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、実施態様43~55のいずれかに記載の方法。
(57) 前記B.infantisが、生後最初の12週前に投与される、実施態様43~56のいずれかに記載の方法。
(58) 前記Bifidobacteriumが、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される、実施態様43~57のいずれかに記載の方法。
(59) 前記母乳で育てられている乳児が、前記アトピー性疾患を発症するリスクが高い、実施態様43~58のいずれかに記載の方法。
(60) 前記Bifidobacteriumが、EVC001株を含む、実施態様43~59のいずれかに記載の方法。

Claims (60)

  1. 母乳で育てられている乳児におけるアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する方法であって、前記方法が、
    a.B.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を前記母乳で育てられている乳児に投与すること、を含む、方法。
  2. 前記Bifidobacteriumが、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記Bifidobacteriumが、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、B.longum亜種である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記Bifidobacteriumが、B.infantisである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記母乳で育てられている乳児が、50%を超えて母乳で育てられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記Bifidobacteriumが、ラクトースと混合された粉末形態である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 約50~約150億CFUの前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記B.infantisが、1日1回投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記B.infantisが、生後最初の12週前に投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記Bifidobacteriumが、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記母乳で育てられている乳児が、アトピー性疾患を発症するリスクが高い、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記Bifidobacteriumが、EVC001株を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. アトピー性疾患の病歴を有する少なくとも1人の一親等の親戚を有する母乳で育てられている乳児においてアトピー性皮膚炎を予防、遅延、又は改善する方法であって、前記方法が、
    a.有効量の、母乳と混合されたB.infantisを前記母乳で育てられている乳児に1日1回投与すること、を含み、
    前記母乳で育てられている乳児が、少なくとも90%母乳で育てられており、前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、方法。
  19. 前記B.infantisが、EVC001株を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記B.infantisが、前記B.infantisを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳又は乳児用調製粉乳と混合される、請求項18又は19に記載の方法。
  21. 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、請求項18~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記B.infantisが、ラクトースと混合された粉末形態である、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 80億CFUのB.infantisが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、請求項18~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記B.infantisが、生後12週目まで1日1回投与される、請求項18~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 母乳で育てられている乳児における食物アレルギー、アレルギー性鼻炎、ぜんそく、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるアトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法であって、前記方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を前記乳児に投与することを含む、方法。
  26. 前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児へのB.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記Bifidobacteriumが、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25又は26に記載の方法。
  28. 前記Bifidobacteriumが、longum、suis、infantis及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記Bifidobacteriumが、B.infantisである、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される、請求項25~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記母乳で育てられている乳児が、50%を超えて母乳で育てられている、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記Bifidobacteriumが、ラクトースと混合された粉末形態である、請求項25~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 約50~約150億CFUの前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、請求項25~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記B.infantisが、1日1回投与される、請求項25~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、請求項25~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記B.infantisが、生後最初の12週前に投与される、請求項25~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記Bifidobacteriumが、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される、請求項25~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記母乳で育てられている乳児が、前記アトピー性疾患を発症するリスクが高い、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記Bifidobacteriumが、EVC001株を含む、請求項25~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 母乳で育てられている乳児における乳児疝痛、乳児睡眠、又は乳児身体測定を改良する方法であって、前記方法が、有効量のBifidobacteriumを含む組成物を前記乳児に投与することを含む、方法。
  44. 前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児へのB.longum、B.breve、B.bifidum、B.pseudocatenulatum、B.globosum、B.adolescentis、B.moukalabense、B.reuteri、B.pseudolongum、B.dentium、B.catenulatum、B.sp002742445、B.callitrichos、B.scardovii、B.tissieri、B.subtile、B.gallinarum、B.choerinum、B.angulatum、B.primatium、B.myosotis、B.mongoliense、B.merycicum、B.lemurum、B.stellenboschense、B.scaligerum、B.saguini、B.pullorum、B.felsineum、B.eulemuris、B.cuniculi、B.callitrichos_A、B.biavatii、B.anseris、B.vansinderenii、B.sp900551485、B.sp003952945、B.sp003952025、B.sp003952005、B.simiarum、B.pseudolongum_C、B.parmae、B.margollesii、B.kashiwanohense_A、B.italicum、B.imperatoris、B.cricetid、B.catulorum、B.callitrichidarum、B.animalis、B.aesculapii、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記Bifidobacteriumが、B.longum、B.breve、B.kashiwanohense、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項43又は44に記載の方法。
  46. 前記Bifidobacteriumが、longum、suis、infantis、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるB.longum亜種である、請求項45に記載の方法。
  47. 前記Bifidobacteriumが、B.infantisである、請求項43~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に母乳に混合される、請求項43~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に乳児用調製粉乳に混合される、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記Bifidobacteriumが、前記Bifidobacteriumを前記母乳で育てられている乳児に投与する前に約3~約5mLの母乳、乳児用調製粉乳、又は水と混合される、請求項43~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記母乳で育てられている乳児が、50%を超えて母乳で育てられている、請求項43~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記母乳で育てられている乳児が、母乳のみで育てられている、請求項43~51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記Bifidobacteriumが、ラクトースと混合された粉末形態である、請求項43~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 約50~約150億CFUの前記Bifidobacteriumが、前記母乳で育てられている乳児に投与される、請求項43~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記B.infantisが、1日1回投与される、請求項43~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記B.infantisが、生後最初の2週間以内に最初に投与される、請求項43~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記B.infantisが、生後最初の12週前に投与される、請求項43~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記Bifidobacteriumが、生後最初の2週間以内及び生後12週目までに最初に投与される、請求項43~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記母乳で育てられている乳児が、前記アトピー性疾患を発症するリスクが高い、請求項43~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記Bifidobacteriumが、EVC001株を含む、請求項43~59のいずれか一項に記載の方法。
JP2023531041A 2020-11-24 2021-11-22 アトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法 Pending JP2023550962A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063117562P 2020-11-24 2020-11-24
US63/117,562 2020-11-24
PCT/IB2021/060830 WO2022112927A1 (en) 2020-11-24 2021-11-22 Methods of preventing, delaying or ameliorating atopic diseases

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023550962A true JP2023550962A (ja) 2023-12-06

Family

ID=79018944

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023531041A Pending JP2023550962A (ja) 2020-11-24 2021-11-22 アトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法

Country Status (8)

Country Link
EP (1) EP4251183A1 (ja)
JP (1) JP2023550962A (ja)
KR (1) KR20230113344A (ja)
CN (1) CN116744950A (ja)
AU (1) AU2021388018A1 (ja)
CA (1) CA3202748A1 (ja)
MX (1) MX2023006086A (ja)
WO (1) WO2022112927A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024091672A1 (en) * 2022-10-28 2024-05-02 Johnson & Johnson Consumer Inc. Methods of preventing, delaying or ameliorating pediatric atopic disease

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI110668B (fi) * 2000-06-20 2003-03-14 Aboatech Ab Oy Probioottien käyttö atooppisten sairauksien primaariseen ehkäisyyn
US20060194241A1 (en) * 2005-02-28 2006-08-31 Jan Knol Lactobacillus specific probes
MX2019013143A (es) * 2017-05-05 2020-07-14 Nestle Sa Tratamiento de colicos infantiles.

Also Published As

Publication number Publication date
KR20230113344A (ko) 2023-07-28
EP4251183A1 (en) 2023-10-04
AU2021388018A1 (en) 2023-07-20
MX2023006086A (es) 2023-08-07
CA3202748A1 (en) 2022-06-02
CN116744950A (zh) 2023-09-12
WO2022112927A1 (en) 2022-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Dissanayake et al. Skin care and synbiotics for prevention of atopic dermatitis or food allergy in newborn infants: a 2× 2 factorial, randomized, non-treatment controlled trial
Kukkonen et al. Probiotics and prebiotic galacto-oligosaccharides in the prevention of allergic diseases: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial
Kalliomäki et al. Guidance for substantiating the evidence for beneficial effects of probiotics: prevention and management of allergic diseases by probiotics
RU2332224C1 (ru) ПРИМЕНЕНИЕ ТЕРАПЕВТИЧЕСКИ ЭФФЕКТИВНОГО КОЛИЧЕСТВА Bb-12 И LGG ДЛЯ ИЗГОТОВЛЕНИЯ ЛЕКАРСТВЕННОГО СРЕДСТВА ДЛЯ ПРЕДОТВРАЩЕНИЯ ИЛИ ЛЕЧЕНИЯ РЕСПИРАТОРНЫХ ИНФЕКЦИЙ И ОСТРОГО СРЕДНЕГО ОТИТА У МЛАДЕНЦЕВ
US20230048705A1 (en) Use of probiotics in the treatment and/or prevention of atopic dermatitis
Fiocchi et al. Current use of probiotics and prebiotics in allergy
BRPI0609077A2 (pt) uso de lgg na fabricação de um medicamento para a prevenção ou tratamento de alergias respiratórias
US20170216375A1 (en) Neonatal Microbiome Supplementation
CN107206034A (zh) 包含双歧杆菌的免疫调节组合物
Manzano et al. Safety and tolerance of three probiotic strains in healthy infants: A multi-centre randomized, double-blind, placebo-controlled trial
US20130302298A1 (en) Treatment and prevention of eczema
CN116987608A (zh) 一种益生菌组合物及其在制备抑郁症并发腹泻型肠易激综合症药物中的应用
JP2023550962A (ja) アトピー性疾患を予防、遅延、又は改善する方法
KR20200096263A (ko) 밀 민감증을 치료하기 위한 hmo 혼합물
Yamashita et al. Intake safety of Lactobacillus helveticus SBT2171 and its effects on nasal and ocular symptoms associated with mites and house dust: An open-label study and a randomized, double-blind, placebo-controlled, parallel group study
Depoorter et al. Probiotics in pediatrics
CN115068591B (zh) 一种包含骨桥蛋白的益生菌组合物
Ren et al. Safety and tolerance of Lacticaseibacillus paracasei N1115 in caesarean-born young children: a randomised, placebo-controlled trial
CN102917716B (zh) 免疫印记的营养组合物
Vilà-Nadal et al. The use of probiotics in respiratory allergy
Riedel Clinical significance of Bifidobacteria
WO2023233331A1 (en) Combination method for treating or preventing childhood atopic disease
McGuire et al. Probiotics are the new black
WO2024127097A1 (en) Methods for increasing mental well-being and/or happiness
Wang The human microbiome and role of probiotics in the prevention of atopic dermatitis