JP2023550744A - ラジアルベースニューラルネットワークに基づくオートパイロット及びそのデカップリング制御方法 - Google Patents
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Abstract
本発明はラジアルベース(RBF)ニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及び制御方法を提供し、該オートパイロットは、誘導システムからリアルタイムで送信された必要荷重情報を受信するための必要荷重受信モジュールと、飛翔体の飛行パラメータをリアルタイムで取得するための飛翔体パラメータ測定モジュールと、利用可能な舵指令を取得するためのデカップリング制御モジュールと、を含み、その中、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令を取得し、また飛翔体の飛行パラメータと組み合わせて遷移的な舵指令を取得し、さらに飛翔体の飛行パラメータと組み合わせて利用可能な舵指令を取得し、これによって操舵装置による操舵動作を制御する。その中、デカップリング制御モジュールによってデカップリング演算するとき、関わる状態フィードバック行列及びフィードフォワード補償行列はともにラジアルベースニューラルネットワークモデルと現在の飛翔体の状況によってリアルタイムで取得されることにより、制御性能をさらに向上させる。
Description
本発明は回転飛翔体の制御システム及び方法に関し、具体的にはラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及び制御方法に関する。
回転飛翔体はスピン方式を採用することにより、飛翔体構造の設計の偏差が飛翔体の弾道に与える影響を効果的に低減すること、制御システムの設計を簡素化すること、及びロール制御機構を省略することなどの多くの利点をもたらすことができる。しかしながら、このような飛翔体は多くの利点をもたらす一方で、幾つかの欠点もある。飛翔体がスピンした後、比較的大きなロール角速度が生じており、これは飛翔体に空気圧カップリング、慣性カップリング及び制御カップリングなどの特性を生じさせ、ピッチチャネルとヨーチャネルとの間に相互カップリング・架橋させ、飛翔体のピッチチャネル及びヨーチャネルの両方を精確に制御することに不利である。そのほか、操舵装置のヒステリシス特性は回転飛翔体の制御に大きな影響を与えるので、オートパイロットの設計時に操舵装置環節が飛翔体の制御システムに与える影響を考慮する必要があるが、従来の設計方法では、操舵装置が一次慣性環節であるとデフォルトされる場合が多く、このような方法では回転飛翔体の制御カップリング特性が無視され、かつ操舵装置モデルの確立が十分に精確ではなく、設計されたオートパイロットの危険性を増加し、一方で操舵装置が二次慣性環節であると認定される場合、回転飛翔体の動力学モデルは八次システムに分けられ、モデルが比較的複雑であり、かつ推定演算中に逆演算が必要となり、八次システムの逆演算が難しすぎ、飛翔体の処理設備はタイムリーに推定演算を完了することが困難である。これらの問題は、回転飛翔体制御システムの精確で安定的な制御に深刻な挑戦をもたらす。
従来技術では、回転飛行体の実際の制御過程において、上記カップリングによる影響と二次慣性環節がいずれも無視されているため、飛行体の実際の制御過程において一定の偏差があるが、最終的な誘導制御効果の向上は未だ望まれている。
また、従来のデカップリングオートパイロットの制御パラメータは回転飛翔体の動力係数の変化に伴って変化し、したがって一組又は複数組のオートパイロットの制御パラメータは実際の応用要求を満たすには不十分である。
上記課題を解決するために、本発明者らは従来のオートパイロットについて鋭意に研究し、上記課題を解決できるラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及びそのデカップリング制御方法の設計を望んでいる。
上記の問題を解決するために、本発明者は鋭意に研究し、ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及び制御方法を設計し、該オートパイロットは、誘導システムからリアルタイムで送信された必要荷重情報を受信するための必要荷重受信モジュールと、飛翔体の飛行パラメータをリアルタイムで取得するための飛翔体パラメータ測定モジュールと、利用可能な舵指令を取得するためのデカップリング制御モジュールと、を含み、その中、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令を取得し、また飛翔体の飛行パラメータと組み合わせて遷移的な舵指令を取得し、さらに飛翔体の飛行パラメータと組み合わせて利用可能な舵指令を取得し、これによって操舵装置による操舵動作を制御する。その中、デカップリング制御モジュールによってデカップリング演算するとき、関わる状態フィードバック行列及びフィードフォワード補償行列はともにラジアルベースニューラルネットワークモデルと現在の飛翔体の状況によってリアルタイムで取得されることにより、制御性能をさらに向上させ、本発明を成し遂げた。
具体的に、本発明の目的は、ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットを提供することにあり、該オートパイロットは回転飛翔体に取り付けられ、該オートパイロットは、
回転飛翔体上の誘導システムに接続され、誘導システムからリアルタイムで送信された必要荷重情報を受信するための必要荷重受信モジュール1と、
飛翔体の飛行パラメータをリアルタイムで取得するための飛翔体パラメータ測定モジュール2と、
必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためのデカップリング制御モジュール3と、
推定演算に利用可能な舵指令を取得するために必要な状態フィードバック行列とフィードフォワード補償行列をリアルタイムで推定演算するためのラジアルベースニューラルネットワークモデル4と、を含む。
回転飛翔体上の誘導システムに接続され、誘導システムからリアルタイムで送信された必要荷重情報を受信するための必要荷重受信モジュール1と、
飛翔体の飛行パラメータをリアルタイムで取得するための飛翔体パラメータ測定モジュール2と、
必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためのデカップリング制御モジュール3と、
推定演算に利用可能な舵指令を取得するために必要な状態フィードバック行列とフィードフォワード補償行列をリアルタイムで推定演算するためのラジアルベースニューラルネットワークモデル4と、を含む。
その中、前記飛翔体パラメータ測定モジュール2は、操舵装置姿勢センサ21、操舵装置角速度センサ22、加速度計23、慣性ジャイロ24及び推定器25を含む。
その中、前記操舵装置姿勢センサ21は、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記操舵装置角速度センサ22は、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記加速度計23は、飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記慣性ジャイロ24は、飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記推定器25は、前記加速度情報に基づいて飛翔体の迎角情報及び横滑り角情報をリアルタイムで推定して取得するためである。
前記操舵装置角速度センサ22は、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記加速度計23は、飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記慣性ジャイロ24は、飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記推定器25は、前記加速度情報に基づいて飛翔体の迎角情報及び横滑り角情報をリアルタイムで推定して取得するためである。
その中、デカップリング制御モジュール3は、デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール31、遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32、及び利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33を含む。
その中、デカップリングを制御する前記舵指令推定演算サブモジュール31は、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32は、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33は、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためである。
前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32は、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33は、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためである。
その中、デカップリングを制御する前記舵指令推定演算サブモジュール31は、下記の式(一)でデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得する
式中、u2はデカップリングを制御する舵指令を表し、K2は状態フィードバック行列を表し、L2はフィードフォワード補償行列を表し、x2は操舵装置状態空間表現式の状態変数を表し、v2は必要荷重を表す。
その中、前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32は、下記の式(二)で遷移的な舵指令をリアルタイムで取得する
式中、y2は遷移的な舵指令を表し、
A2、B2、C2はいずれも操舵装置システムパラメータを表す。
A2、B2、C2はいずれも操舵装置システムパラメータを表す。
その中、前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33は、下記の式(三)で利用可能な舵指令をリアルタイムで取得する
式中、u1は利用可能な舵指令を表し、K1は状態フィードバック行列を表し、L1はフィードフォワード補償行列を表し、x1は飛翔体状態空間表現式の状態変数を表し、v1は遷移的な舵指令を表す。
その中、前記デカップリング制御モジュール3は飛翔体の操舵装置5に接続され、前記操舵装置5は利用可能な舵指令に基づいて操舵動作する。
回転飛翔体の発射前に、シミュレーションされた飛翔体の軌跡から一定数の異なる高さ、異なる速度の特徴点をサンプリング点として選択し、サンプルフラッシングトレーニングを通じて前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル4を取得し、
好ましくは、前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル4がトレーニングされた後、所望のピッチ荷重、所望のヨー荷重、回転飛翔体の飛行速度、及び回転飛翔体の飛行高度情報に基づいて、状態フィードバック行列K1、状態フィードバック行列K2、フィードフォワード補償行列L1、及びフィードフォワード補償行列L2をリアルタイムで出力することができる。
好ましくは、前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル4がトレーニングされた後、所望のピッチ荷重、所望のヨー荷重、回転飛翔体の飛行速度、及び回転飛翔体の飛行高度情報に基づいて、状態フィードバック行列K1、状態フィードバック行列K2、フィードフォワード補償行列L1、及びフィードフォワード補償行列L2をリアルタイムで出力することができる。
本発明は、さらに、ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットのデカップリング制御方法を提供し、該方法は、
必要荷重受信モジュール1によって、誘導システムから送信された必要荷重情報を受信するステップ1と、
飛翔体パラメータ測定モジュール2によって、飛翔体の飛行パラメータを取得するステップ2と、
デカップリング制御モジュール3によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令を取得するステップ3と、
ステップ1~3をリアルタイムで繰り返して、利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するステップ4と、を含む。
必要荷重受信モジュール1によって、誘導システムから送信された必要荷重情報を受信するステップ1と、
飛翔体パラメータ測定モジュール2によって、飛翔体の飛行パラメータを取得するステップ2と、
デカップリング制御モジュール3によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令を取得するステップ3と、
ステップ1~3をリアルタイムで繰り返して、利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するステップ4と、を含む。
その中、前記ステップ2は、
操舵装置姿勢センサ21によって、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-1と、
操舵装置角速度センサ22によって、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-2と、
加速度計23によって飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得し、慣性ジャイロスコープ24によって飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-3と、
推定器25によって、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角及び横滑り角をリアルタイムで推定して取得するサブステップ2-4と、を含む。
操舵装置姿勢センサ21によって、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-1と、
操舵装置角速度センサ22によって、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-2と、
加速度計23によって飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得し、慣性ジャイロスコープ24によって飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-3と、
推定器25によって、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角及び横滑り角をリアルタイムで推定して取得するサブステップ2-4と、を含む。
その中、前記ステップ3は、
デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール31によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-1と、
遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32によって、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-2と、
利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33によって、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-3と、を含む。
デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール31によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-1と、
遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32によって、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-2と、
利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33によって、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-3と、を含む。
本発明は下記の有益な効果を含む。
(1)ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及びそのデカップリング制御方法は、受信された必要荷重に基づき、回転飛翔体の現在の飛行状況と組み合わせて、二次操舵装置動力学及びカップリング状況を考慮して、操舵装置により合理的な操舵装置制御指令を提供し、これによって回転飛翔体の制御効果を強化し、回転飛翔体の制御精度を向上させることができる。
(2)ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及びそのデカップリング制御方法において、二次操舵装置動力を考慮し、かつ演算プロセスを簡素化し、モデル変換の方式で八次システムを2つの四次システムに変換して推定演算制御を行い、演算時間を節約し、飛翔体が情報をリアルタイムで取得する要件を満たすことを可能にする。
(3)ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット及びそのデカップリング制御方法において、ニューラルネットワーク制御によってオートパイロットの制御パラメータ、すなわちフィードフォワード補償行列及び状態フィードバック行列をリアルタイムで取得し、デカップリング制御精度をさらに向上させる。
以下、図面及び実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。これらの説明により、本発明の特徴及び利点がより明瞭かつ明確になる。
ここで専用する「例示的」という用語の意味は、「例、実施例又は説明的に用いる」ことである。ここで「例示的」に説明するあらゆる実施例は、その他の実施例より好ましいと解釈される必要はない。図面において実施例の各種の態様を示しているが、特に指摘がない限り、図面を縮尺して描く必要はない。
本発明が提供するラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットは、図1に示すように、該ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットは回転飛翔体に取り付けられ、前記回転飛翔体は好ましくは高動的な回転飛翔体であり、すなわち回転数が10r/s以上の回転飛翔体である。本願に記載のカップリングは、飛翔体のピッチ方向及びヨー方向をそれぞれ制御する時、そのうちの一方の方向の制御指令が他方の方向に影響と干渉を与え、特に飛翔体のピッチ方向を制御する時、回転の原因で、その操舵装置が操舵して発生する作用力は水平方向に一定の分力を有する可能性が高く、該分力によって飛翔体はヨー方向に偏向することとなる。
該ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットは、必要荷重受信モジュール1と、飛翔体パラメータ測定モジュール2と、デカップリング制御モジュール3と、を含む。
その中、前記必要荷重受信モジュール1は回転飛翔体上の誘導システムに接続され、誘導システムからリアルタイムで送信された必要荷重情報を受信するためであり、
前記誘導システムも飛翔体上に取り付けられ、飛翔体上のセンサデバイスが取得した飛翔体自身の情報と目標情報とに基づいて必要荷重をリアルタイムで提供することができ、一般的に、さらにこの必要荷重に基づいて操舵装置による操舵動作を制御するが、本願で提供された技術案では、該必要荷重は操舵装置に直接送信されるのではなく、前記必要荷重受信モジュール1に送信され、処理されてから得られた利用可能な舵指令を操舵装置に送信する。これにより、操舵装置による操舵動作はより指向性を有し、ロール飛翔体に対する制御効果がより優れている。
前記誘導システムも飛翔体上に取り付けられ、飛翔体上のセンサデバイスが取得した飛翔体自身の情報と目標情報とに基づいて必要荷重をリアルタイムで提供することができ、一般的に、さらにこの必要荷重に基づいて操舵装置による操舵動作を制御するが、本願で提供された技術案では、該必要荷重は操舵装置に直接送信されるのではなく、前記必要荷重受信モジュール1に送信され、処理されてから得られた利用可能な舵指令を操舵装置に送信する。これにより、操舵装置による操舵動作はより指向性を有し、ロール飛翔体に対する制御効果がより優れている。
その中、前記誘導システムは本分野における既存の誘導システムであり、比例誘導制御則、重力補償制御則等の既存のものを採用することができる。
前記飛翔体パラメータ測定モジュール2は、飛翔体の飛行パラメータをリアルタイムで取得するためであり、前記飛翔パラメータは、ピッチラ舵角、ヨー舵角、ピッチ操舵装置の角速度、ヨー操舵装置の角速度、加速度、速度、ヨー角速度、ピッチ角速度、迎角、及び横滑り角を含む。前記飛翔体パラメータ測定モジュール2はその自身が携帯するメモリチップから飛行パラメータに関連する動力係数をリアルタイムで呼び出すことができる。
前記デカップリング制御モジュール3は、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためであり、かつ、該舵指令を操舵装置に送信し、操舵装置によって該舵指令に基づいて操舵動作する。
一つの好適な実施形態において、前記必要荷重情報は、所望のピッチ荷重及び所望のヨー荷重を含む。前記所望のピッチ荷重は誘導システムが推定演算した、ピッチ方向に提供する必要のある荷重であり、前記所望のヨー荷重は誘導システムが推定演算した、ヨー方向に提供する必要のある荷重である。
デカップリングを制御する前記舵指令、遷移的な舵指令及び利用可能な舵指令はいずれも舵指令であり、精度や正確性が異なる点で主に相違し、前記舵指令はいずれもピッチ方向の舵指令とヨー方向の舵指令とを含む。前記ピッチ方向の舵指令は最終的に操舵装置に送信されようとする、操舵装置によってピッチ方向に実行される指令を表す。前記ヨー方向の舵指令は最終的に操舵装置に送信されようとする、操舵装置によってヨー方向に実行される指令を表す。
飛翔体の誘導システムが必要荷重を取得した場合、該必要荷重が直接的に操舵装置に送信されると、操舵装置は必然的にその中の所望のピッチ荷重に基づいて対応するピッチ方向の舵指令を推定演算し、その中の所望のヨー荷重に基づいて対応するヨー方向の舵指令を推定演算し、操舵装置の実行過程において、操舵装置のヒステリシス特性は回転飛翔体の制御に比較的大きな影響を与え、かつ従来の設計方法では、操舵装置が一次慣性環節であるとデフォルトされる場合が多く、このような方法では回転飛翔体の制御カップリング特性が無視され、これにより最終的な操舵結果と期待値との間の偏差が大きすぎることとなる。必要荷重をデカップリング制御モジュールによって推定演算した後、操舵装置のヒステリシスやデカップリング等の干渉要因による影響を予め考慮・演算して、最終的に得られた利用可能な舵指令に基づいて操舵動作を行い、操舵結果と期待値をより接近させることができ、制御効果がより高い。
一つの好適な実施形態において、前記飛翔体パラメータ測定モジュール2は、操舵装置姿勢センサ21、操舵装置角速度センサ22、加速度計23、慣性ジャイロ24及び推定器25を含む。
その中、前記操舵装置姿勢センサ21は、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記操舵装置角速度センサ22は、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記加速度計23は、飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記慣性ジャイロ24は、飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記推定器25は、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角情報及び横滑り角情報をリアルタイムで推定して取得するためである。
前記操舵装置角速度センサ22は、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記加速度計23は、飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記慣性ジャイロ24は、飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記推定器25は、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角情報及び横滑り角情報をリアルタイムで推定して取得するためである。
その中、前記加速度計23は複数設置され、好ましくは、少なくとも3つ設置され、少なくとも一つの加速度計は飛翔体の重心に位置し、その取り付け向きが飛翔体の軸線に沿って飛翔体の進行方向に向ける方向であり、飛翔体の軸線方向に沿った加速度、すなわち飛翔体自体の加速度を測定するためであり、該加速度は積分された後に飛翔体の速度情報を取得することができる。
また、2つの加速度計はともに飛翔体の軸線に取り付けられ、重心との間に一定の距離から離れ、かつこの2つの加速度計の取り付け方向は互いに垂直であり、この2つの加速度計はともに前記推定器25に接続され、加速度計はその自身の位置における加速度値をリアルタイムで測定することができ、積分することで該点の速度を取得することができ、さらに該点と重心との距離を乗算することで該点の角速度を取得することができ、さらに積分することで角度を取得することができる。好ましくは、該推定器は、飛翔体のロール角をリアルタイムで知ることが可能な飛翔体上の地磁気センサにも接続され、これによってこの2つの加速度計及びロール角情報から飛翔体の横滑り角及び迎角をそれぞれ取得することが可能である。前記推定器に加速度計と重心との間の距離が記憶され、前記推定器にさらに積分演算を行うことができ、これによって該推定器は飛翔体の横滑り角情報及び迎角情報をリアルタイムで与えることができる。
好ましくは、前記飛翔体パラメータ測定モジュール2は、衛星信号をリアルタイムで受信するとともに、回転飛翔体の飛行速度と回転飛翔体の飛行高度を推定演算するための衛星信号受信モジュール26をさらに含む。
一つの好適な実施形態において、デカップリング制御モジュール3は、デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール31、遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32、及び利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33を含む。
その中、デカップリングを制御する前記舵指令推定演算サブモジュール31は、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32は、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33は、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためである。
前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32は、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33は、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためである。
好ましくは、デカップリングを制御する前記舵指令推定演算サブモジュール31は、下記の式(一)でデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得する
式中、u2はデカップリングを制御する舵指令を表し、K2は状態フィードバック行列を表し、L2はフィードフォワード補償行列を表し、x2は操舵装置状態空間表現式の状態変数を表し、v2は必要荷重を表し、
好ましくは、
好ましくは、
δyはピッチ舵角を表し、δzはヨー舵角を表し、
はピッチ操舵装置の角速度を表し、
はヨー操舵装置の角速度を表し、vyは所望のピッチ荷重を表し、vzは所望のヨー荷重を表す。
好ましくは、前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32は、下記の式(二)で遷移的な舵指令をリアルタイムで取得する
式中、y2は遷移的な舵指令を表し、A2、B2、C2はいずれも操舵装置システムパラメータを表し、
d3、d11、d12、d21はいずれも、飛翔体自体のパラメータと飛翔体自体の回転速度とに基づいてリアルタイムで取得することが可能な操舵装置モデルの動力係数を表す。
好ましくは、前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33は、下記の式(三)で利用可能な舵指令をリアルタイムで取得する
式中、u1は利用可能な舵指令を表し、K1は状態フィードバック行列を表し、L1はフィードフォワード補償行列を表し、x1は飛翔体状態空間表現式の状態変数を表し、v1とy2はともに遷移的な舵指令を表し、
αは迎角を表し、βは横滑り角を表し、
はピッチ角速度を表し、
はヨー角速度を表す。
一つの好適な実施形態において、前記操舵装置モデルの動力係数は下記の式で得られる
は回転速度を表し、該パラメータはリアルタイムで検出して取得されたものであり、μsは操舵装置の減衰比を表し、Tsは操舵装置指令遅れを表し、ksは操舵装置ゲインを表し、μs、Ts及びksはいずれも出荷時に飛翔体に予め取り付けられているパラメータである。
一つの好適な実施形態において、前記デカップリング制御モジュール3は飛翔体の操舵装置5に接続され、前記操舵装置5は利用可能な舵指令に基づいて操舵動作する。
前記操舵装置5が利用可能な舵指令に基づいて操舵操作して得られた実際の荷重は、下記の式(四)で得られる
式中、
は実際の応答荷重を表し、ayはピッチ方向の応答荷重を表し、azはヨー方向の応答荷重を表し、A1、B1、C1はいずれも飛翔体のシステムパラメータを表し、
a25、a24、a27、a22、a28、及びa34はいずれも回転飛翔体の動力係数を表し、前記回転飛翔体の動力係数は飛翔体に予め取り付けられている既知のデータであり、一般的に飛翔体の出荷前に風洞実験等で演算して得られたデータを、飛翔体の飛行中に随時に呼び出すことができる。
一つの好適な実施形態において、前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル4は飛翔体に予め取り付けられ、回転飛翔体の発射前に、シミュレーションされた飛翔体の軌跡から一定数の異なる高さ、異なる速度の特徴点をサンプリング点として選択し、サンプルフラッシングトレーニングを通じて前記ラジアルベースラジアルベースニューラルネットワークモデル4を取得する。
その中、前記サンプリング点のうちの特徴点の高さがそれぞれ異なり、かつ各特徴点上の飛翔体の飛翔速度もそれぞれ異なる。
好ましくは、12組の特徴点を選択し、12組の特徴点を並べて組み合わせることで144組の特徴点を取得することができ、各組の特徴点をデカップリング制御モジュール3の推定演算式(一)、(二)、(三)に代入して状態フィードバック行列K1、K2及びフィードフォワード補償行列L1、L2の演算を行い、一組の演算結果及び対応する特徴点を一つのサンプルとし、該144組のサンプルによりフラッシングトレーニングを行って前記ラジアルベースラジアルベースニューラルネットワークモデルを取得する。
好ましくは、前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル4がトレーニングされた後、所望のピッチ荷重、所望のヨー荷重、回転飛翔体の飛行速度、及び回転飛翔体の飛行高度情報に基づいて、状態フィードバック行列K1、状態フィードバック行列K2、フィードフォワード補償行列L1、及びフィードフォワード補償行列L2をリアルタイムで出力することができる。
前記12組の異なる高さにおける異なる速度の特徴点の具体的な情報は、例えば、以下の通りである。
高さが200m、500m、1000m、2000m、3000m、4000m、5000m、6000m、7000m、8000m、9000m、10000mであり、対応する速度が685m/s、880m/s、1080m/s、950m/s、700m/s、585m/s、294m/s、395m/s、486m/s、535m/s、640m/s、720m/sである。
回転飛翔体の軸対称性により、設計された制御パラメータも対称性を有し、かつフィードフォワード補償行列L2の制御パラメータは所望の固有振動数にのみ関連するため、必要なトレーニングの制御パラメータを、状態フィードバック行列の第1行制御パラメータK11、K12、K13、K14、状態フィードバック行列の第1行制御パラメータK21、K21、K23、K24及びフィードフォワード補償行列の第1行制御パラメータL11、L12に単純化することができ、そのため、ラジアルベースニューラルネットワークモデルをトレーニングする前に、144組の上記制御パラメータを演算する必要がある。
下記の表1、表2及び表3は、それぞれ、状態フィードバック行列K1、K2及びフィードフォワード補償行列L1の高さHが8000mである場合に異なる速度に対応する制御パラメータを示し、下記の表4、表5及び表6は、それぞれ、状態フィードバック行列K1、K2及びフィードフォワード補償行列L1の速度Vが535m/sである場合に異なる高さに対応する制御パラメータを示す。
本発明は、さらに、ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットのデカップリング制御方法を提供し、該方法は上記で説明したラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットによって実施される。
該方法は、
必要荷重受信モジュール1によって、誘導システムから送信された必要荷重情報を受信するステップ1と、
飛翔体パラメータ測定モジュール2によって、飛翔体の飛行パラメータを取得するステップ2と、
デカップリング制御モジュール3によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令を取得するステップ3と、
ステップ1~3をリアルタイムで繰り返して、利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するステップ4と、を含む。
必要荷重受信モジュール1によって、誘導システムから送信された必要荷重情報を受信するステップ1と、
飛翔体パラメータ測定モジュール2によって、飛翔体の飛行パラメータを取得するステップ2と、
デカップリング制御モジュール3によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令を取得するステップ3と、
ステップ1~3をリアルタイムで繰り返して、利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するステップ4と、を含む。
好ましくは、前記ステップ2は、
操舵装置姿勢センサ21によって、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-1と、
操舵装置角速度センサ22によって、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-2と、
加速度計23によって飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得し、慣性ジャイロスコープ24によって飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-3と、
推定器25によって、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角及び横滑り角をリアルタイムで推定して取得するサブステップ2-4と、を含む。
操舵装置姿勢センサ21によって、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-1と、
操舵装置角速度センサ22によって、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-2と、
加速度計23によって飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得し、慣性ジャイロスコープ24によって飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-3と、
推定器25によって、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角及び横滑り角をリアルタイムで推定して取得するサブステップ2-4と、を含む。
好ましくは、前記ステップ3は、
デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール31によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令ををリアルタイムで取得するステップ3-1と、
遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32によって、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-2と、
利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33によって、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令を取得するサブステップ3-3と、を含む。
デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール31によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令ををリアルタイムで取得するステップ3-1と、
遷移的な舵指令推定演算サブモジュール32によって、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-2と、
利用可能な舵指令推定演算サブモジュール33によって、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令を取得するサブステップ3-3と、を含む。
ステップ1を実行する前に、飛翔体に前記ラジアルベースニューラルネットワークモデルを充填し、該ラジアルベースニューラルネットワークモデルにより飛翔体の速度と高さ情報とに基づいて状態フィードバック行列K1、K2及びフィードフォワード補償行列L1、L2をリアルタイムで推定演算する。
実験例
コンピュータにより回転飛翔体の誘導システム及び操舵装置システムを直接シミュレーションし、前記誘導システムは誘導指令、すなわち必要荷重をリアルタイムで与えることができ、具体的に所望のピッチ荷重と所望のヨー荷重を含み、所望のピッチ荷重は正弦交番状態を呈し、振幅は10m/s2であり、周波数は1rad/sであり、ヨー荷重指令はゼロであり、該必要荷重の時間変化の軌跡は図2、図3の実線に示す通りである。操舵装置システムは誘導指令又は必要荷重に基づいて操舵装置による操舵動作を制御し、かつ該必要荷重に基づいて操舵装置の動作を制御した後に実際に回転飛翔体に提供できる荷重状況を直接的に与える。
実験例
コンピュータにより回転飛翔体の誘導システム及び操舵装置システムを直接シミュレーションし、前記誘導システムは誘導指令、すなわち必要荷重をリアルタイムで与えることができ、具体的に所望のピッチ荷重と所望のヨー荷重を含み、所望のピッチ荷重は正弦交番状態を呈し、振幅は10m/s2であり、周波数は1rad/sであり、ヨー荷重指令はゼロであり、該必要荷重の時間変化の軌跡は図2、図3の実線に示す通りである。操舵装置システムは誘導指令又は必要荷重に基づいて操舵装置による操舵動作を制御し、かつ該必要荷重に基づいて操舵装置の動作を制御した後に実際に回転飛翔体に提供できる荷重状況を直接的に与える。
実験例では、コンピュータにおける誘導システムから与えられた必要荷重を遮断し、かつ該必要荷重を操舵装置システムに直接送信するのではなく、本願の提供するラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット(RBF)及びゲインスケジューリング方法(Gain-Schedule)を用いたデカップリングオートパイロットに送信する。
必要荷重をRBFに送信した後、本願の提供するラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットのデカップリング制御方法によって利用可能な舵指令を取得し、さらに該利用可能な舵指令を操舵装置システムに送信し、これにより操舵装置の動作を制御し、操舵装置の動作後の実際に回転飛翔体に提供できる荷重状況を取得する。
その中、必要荷重受信モジュールによって必要荷重情報を受信し、コンピューターにより、ピッチ舵角、ヨー舵角、ピッチ操舵装置の角速度、ヨー操舵装置の角速度、迎角、横滑り角、速度、ピッチ角及びヨー角を含むシミュレーションされた飛翔体の飛翔パラメータを与え、かつ、与えられた回転飛翔体の動力係数は次の通りである。
操舵装置のパラメータテーブルは次の通りである。
下記の式(一)、(二)、(三)でピッチ方向の操舵装置応答指令及びヨー方向操舵装置応答指令を推定演算して取得する
、vyは所望のピッチ荷重を表し、vzは所望のヨー荷重を表し、
αは迎角を表し、βは横滑り角を表し、
はピッチ角速度を表し、
はヨー角速度を表し、δyはピッチ舵角を表し、δzはヨー舵角を表し、
はピッチ操舵装置の角速度を表し、
はヨー操舵装置の角速度を表し、u1は、ピッチ方向の操舵装置応答指令及びヨー方向操舵装置応答指令を含む利用可用な操舵指令を表す。
L1、L2、K1、K2はラジアルベースニューラルネットワークモデルによってリアルタイムで推定演算して取得される。
操舵装置応答指令をコンピューターの操舵装置システムに送信した後、シミュレーションにより操舵装置の動作後の実際に回転飛翔体に提供できる荷重状況を取得し、図2、図3、図4及び図5における破線「RBF」で示す。
比較例において、必要荷重をGain-Scheduleに送信した後、該Gain-Scheduleシステムは該必要荷重に応答し、操舵装置制御指令を取得し、かつこれに基づいて操舵装置を制御し、最終的に操舵装置が提供する荷重状況を取得し、図2、図3、図4及び図5における点鎖線「Gain-Schedule」で示す。
その中、図2はピッチ荷重応答変化曲線を示し、図3はヨー荷重応答変化曲線を示し、図4はピッチ角速度変化曲線を示し、図5はヨー角速度変化曲線を示す。図2及び図3から、従来のゲインスケジューリング方法は、ピッチ荷重応答が明らかな定常誤差を有し、かつヨーチャネルが正弦波状に変動する荷重応答を同様に有し、該Gain-Scheduleシステムのデカップリングが不完全であり、依然としてカップリング効果があることが分かる。一方、ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットは、ピッチ荷重応答が基本的に荷重指令と一致し、ヨーチャネルがほとんどカップリング応答を有せず、必要荷重を正確に追跡することができ、回転飛翔体の慣性カップリング、空気圧カップリング、及び制御カップリングに対する完全なデカップリングを実現する。図4及び図5から分かるように、ゲインスケジューリング方法のデカップリングオートパイロッを採用することで取り得されるピッチ角速度が比較的小さく、ヨー角速度が大きく変動して、ピッチ荷重が定常誤差を有し、ヨーチャネルにカップリング効果が存在することとなる。これに比べて、前記ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットは正弦波信号入力の場合、ゲインスケジューリング方法よりも制御性能、デカップリング性能がいずれも優れている。
以上、好適な実施形態を参照しながら本発明を説明したが、これらの実施形態は例示的なものに過ぎず、説明的作用だけである。これに基づき、本発明に対して種々の置き換え及び改進を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲内に入っている。
1-必要荷重受信モジュール
2-飛翔体パラメータ測定モジュール
3-デカップリング制御モジュール
21-操舵装置姿勢センサ
22-操舵装置角速度センサ
23-加速度計
24-慣性ジャイロ
25-推定器
26-衛星信号受信モジュール
31-デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール
32-遷移的な舵指令推定演算サブモジュール
33-利用可能な舵指令推定演算サブモジュール
4-ラジアルベースニューラルネットワークモデル
5-操舵装置
2-飛翔体パラメータ測定モジュール
3-デカップリング制御モジュール
21-操舵装置姿勢センサ
22-操舵装置角速度センサ
23-加速度計
24-慣性ジャイロ
25-推定器
26-衛星信号受信モジュール
31-デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール
32-遷移的な舵指令推定演算サブモジュール
33-利用可能な舵指令推定演算サブモジュール
4-ラジアルベースニューラルネットワークモデル
5-操舵装置
Claims (10)
- ラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットであって、該オートパイロットは回転飛翔体に取り付けられ、該オートパイロットは、
回転飛翔体上の誘導システムに接続され、誘導システムからリアルタイムで送信された必要荷重情報を受信するための必要荷重受信モジュール(1)と、
飛翔体の飛行パラメータをリアルタイムで取得するための飛翔体パラメータ測定モジュール(2)と、
必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためのデカップリング制御モジュール(3)と、
推定演算に利用可能な舵指令を取得するために必要な状態フィードバック行列とフィードフォワード補償行列をリアルタイムで推定演算するためのラジアルベースニューラルネットワークモデル(4)と、
を含むことを特徴とするラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - 前記飛翔体パラメータ測定モジュール(2)は、操舵装置姿勢センサ(21)、操舵装置角速度センサ(22)、加速度計(23)、慣性ジャイロ(24)及び推定器(25)を含み、
前記操舵装置姿勢センサ(21)は、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記操舵装置角速度センサ(22)は、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記加速度計(23)は、飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記慣性ジャイロ(24)は、飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するためであり、
前記推定器(25)は、前記加速度情報に基づいて飛翔体の迎角情報及び横滑り角情報をリアルタイムで推定して取得するためである
ことを特徴とする請求項1に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - デカップリング制御モジュール(3)は、デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール(31)、遷移的な舵指令推定演算サブモジュール(32)、及び利用可能な舵指令推定演算サブモジュール(33)を含み、
デカップリングを制御する前記舵指令推定演算サブモジュール(31)は、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール(32)は、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するためであり、
前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール(33)は、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するためである
ことを特徴とする請求項1に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - デカップリングを制御する前記舵指令推定演算サブモジュール(31)は、下記の式(一)でデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得する
式中、u2はデカップリングを制御する舵指令を表し、K2は状態フィードバック行列を表し、L2はフィードフォワード補償行列を表し、x2は操舵装置状態空間表現式の状態変数を表し、v2は必要荷重を表す
ことを特徴とする請求項3に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - 前記遷移的な舵指令推定演算サブモジュール(32)は、下記の式(二)で遷移的な舵指令をリアルタイムで取得する
式中、y2は遷移的な舵指令を表し、
A2、B2、C2はいずれも操舵装置システムパラメータを表す
ことを特徴とする請求項3に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - 前記利用可能な舵指令推定演算サブモジュール(33)は、下記の式(三)で利用可能な舵指令をリアルタイムで取得する
式中、好ましくは、u1は利用可能な舵指令を表し、K1は状態フィードバック行列を表し、L1はフィードフォワード補償行列を表し、x1は飛翔体状態空間表現式の状態変数を表し、v1は遷移的な舵指令を表し、
好ましくは、前記デカップリング制御モジュール(3)は飛翔体の操舵装置(5)に接続され、前記操舵装置(5)は利用可能な舵指令に基づいて操舵動作する
ことを特徴とする請求項3に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - 回転飛翔体の発射前に、シミュレーションされた飛翔体の軌跡から一定数の異なる高さ、異なる速度の特徴点をサンプリング点として選択し、サンプルフラッシングトレーニングを通じて前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル(4)を取得し、
好ましくは、前記ラジアルベースニューラルネットワークモデル(4)がトレーニングされた後、所望のピッチ荷重、所望のヨー荷重、回転飛翔体の飛行速度、及び回転飛翔体の飛行高度情報に基づいて、状態フィードバック行列K1、状態フィードバック行列K2、フィードフォワード補償行列L1、及びフィードフォワード補償行列L2をリアルタイムで出力することができる
ことを特徴とする請求項1に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロット。 - 該方法は、
必要荷重受信モジュール(1)によって、誘導システムから送信された必要荷重情報を受信するステップ1と、
飛翔体パラメータ測定モジュール(2)によって、飛翔体の飛行パラメータを取得するステップ2と、
デカップリング制御モジュール(3)によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいて利用可能な舵指令を取得するステップ3と、
ステップ1~3をリアルタイムで繰り返して、利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するステップ4と、を含む
ことを特徴とするラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットのデカップリング制御方法。 - 前記ステップ2は、
操舵装置姿勢センサ(21)によって、飛翔体のピッチ舵角情報及びヨー舵角情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-1と、
操舵装置角速度センサ(22)によって、飛翔体のピッチ操舵装置の角速度情報及びヨー操舵装置の角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-2と、
加速度計(23)によって飛翔体の加速度情報をリアルタイムで測定して取得し、慣性ジャイロスコープ(24)によって飛翔体のヨー角速度情報及びピッチ角速度情報をリアルタイムで測定して取得するサブステップ2-3と、
推定器(25)によって、前記3軸加速度情報に基づいて飛翔体の迎角及び横滑り角をリアルタイムで推定して取得するサブステップ2-4と、を含む
ことを特徴とする請求項8に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットのデカップリング制御方法。 - 前記ステップ3は、
デカップリングを制御する舵指令推定演算サブモジュール(31)によって、必要荷重情報と飛翔体の飛行パラメータとに基づいてデカップリングを制御する舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-1と、
遷移的な舵指令推定演算サブモジュール(32)によって、飛翔体の飛行パラメータとデカップリングを制御する舵指令とに基づいて遷移的な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-2と、
利用可能な舵指令推定演算サブモジュール(33)によって、飛翔体の飛行パラメータと遷移的な舵指令とに基づいて利用可能な舵指令をリアルタイムで取得するサブステップ3-3と、を含む
ことを特徴とする請求項8に記載のラジアルベースニューラルネットワーク制御に基づく適応型完全デカップリングオートパイロットのデカップリング制御方法。
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