JP2023550545A - インターロイキン-18バリアントおよび使用の方法 - Google Patents

インターロイキン-18バリアントおよび使用の方法 Download PDF

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ブーン,トム
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シムハ・アイエル-18・インコーポレイテッド
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Abstract

本開示は、治療および非治療適用での使用のための安定化されたIL-18ポリペプチドを含む組成物および方法を提供する。一部の場合では、安定化されたIL-18タンパク質は、阻害分子、例えばIL-18BPの存在下でさえもIL-18シグナル伝達活性を提供する。また、投与の方法および活性なポリペプチドを作製する方法も提供される。【選択図】図9B

Description

相互参照
[0001]本出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2020年11月2日に出願された米国仮出願第63/108794号の利益を主張する。
[0002]インターロイキン18(IL-18)は、T細胞、NK細胞、および骨髄性細胞を刺激することができる、炎症促進性サイトカインである。IL-18は、抗腫瘍免疫細胞を刺激するその能力により、がんの処置のための免疫治療剤として提案された。しかしながら、IL-18の臨床有効性は限定されている。
[0003]したがって、がんならびに他の疾患および障害を処置および防止するのに有効なIL-18シグナル伝達活性を提供する組成物および方法の必要性がある。本開示は、これらの必要性に対処する。
参照による組込み
[0004]本明細書中で言及した全ての刊行物、特許、または特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が特異的および個々に参照により組み込まれることが意図されるように、同程度まで参照によって本明細書に組み込まれる。
配列リストの参照による組込み
[0005]配列リストは、2020年11月2日に作成された、サイズが277KBのテキストファイル、「SMCH-003PRV_SeqList_ST25.txt」として本明細書において提供される。テキストファイルの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0006]バリアント(例えば、安定化された)IL-18ポリペプチドを含む組成物が提供される。安定化されたIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)と比較して2つのシステイン残基(C38およびC68)の突然変異である、「安定化突然変異」を含むIL-18ポリペプチドである。驚くべきことに、これら2つのアミノ酸の突然変異は、例えば以下の実施例を参照して、全ての他の可能なシステイン突然変異の組合せよりもIL-18を安定化することが見出された。一部の場合では、突然変異は、CからSヘの置換であり、したがって、安定化されたIL-18ポリペプチドは、一部の場合では、ヒト野生型IL-18(配列番号30)と比較して、突然変異C38SおよびC68S(本明細書中、「突然変異対C38S/C68S」とも呼ばれる)を含み得る。しかしながら、C68の突然変異は、一部の場合では、免疫原性エピトープを生じ得る。したがって、一部の実施形態では、C68の突然変異は、非免疫原性置換である。一部のそのような場合では、突然変異は、C68からG、A、V、D、E、またはNへの突然変異(一部の場合では、C68からG、A、D、またはN)である。したがって、一部のそのような場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。
[0007]一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68Dを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68Gを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68Aを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68Nを含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68Sを含む。
[0008]一部の場合では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、安定化されたIL-18バリアントポリペプチド、すなわち、安定化する突然変異(すなわち、ヒト野生型IL-18と比較してC38位およびC68位の突然変異)を含むIL-18バリアントポリペプチドである。一部のそのような場合では、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、安定化された「デコイ耐性」(DR)IL-18バリアントであり、他のそのような場合では、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、安定化された「デコイ・トゥー・デコイ(decoy-to-the-decoy)」(D2D)IL-18バリアントである。一部の実施形態では、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、0.6nMより低い、IL-18BPへの結合親和性を有する。
[0009]一部の実施形態では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、異なる配列を有するIL-18ポリペプチドと比較して優れた安定性を示し、前記優れた安定性は、安定性アッセイへの曝露後に、少ない二量体、多量体、凝集体、および/または分解産物形成を生じる。一部の実施形態では、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、野生型IL-18ポリペプチドよりも優れた安定性を有する。一部の実施形態では、優れた安定性は、保存期間安定性によって測定される。一部の実施形態では、優れた安定性は、改変されたIL-18ポリペプチドまたは改変されたIL-18ポリペプチドを含有する本明細書に開示される製剤を、凍結融解サイクルに供することによって決定される。一部の実施形態では、優れた安定性は、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドを撹拌に供することによって測定される。
[0010]DR IL-18バリアントは、IL-18受容体(IL-18R)に結合し、それによりIL-18シグナル伝達活性を誘導/増強/刺激するが、阻害IL-18結合タンパク質(IL-18BP)への結合の減少[WT IL-18のIL-18BPへの結合と比較して](一部の場合ではわずかな結合から結合なし)を示す、IL-18のバリアント/変異体である。DR IL-18バリアントは、したがって、IL-18BPによる阻害に耐性であるIL-18Rアゴニストである。ヒトDR IL-18バリアントの例は、限定はされないが、配列番号34~59、73~91、および191~193に記載のものを含む。マウスDR IL-18バリアントの例は、限定はされないが、配列番号60~72に記載のものを含む。
[0011]D2D IL-18バリアントは、IL-18BPに結合するが、IL-18Rヘの結合の減少[WT IL-18のIL-18Rへの結合と比較して](一部の場合ではわずかな結合から結合なし)を示す、IL-18のバリアント/変異体である。したがって、D2D IL-18バリアントはIL-18BPに結合し、それによりIL-18へのIL-18BPの効果をアンタゴナイズする。したがって、D2D IL-18バリアントを使用して、それらが阻害剤を阻害することによって作用するため、IL-18Rによるシグナル伝達を増加させることができる。ヒトD2D IL-18バリアントの例は、限定はされないが、配列番号92~125に記載のものを含む。マウスD2D IL-18バリアントの例は、限定はされないが、配列番号126~190に記載のものを含む。
[0012]一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、[ヒト野生型IL-18-配列番号30に対して]C38位(例えば、C38S)およびC68位(例えば、C68S、C68G、C68A、C68V、C68D、C68E、またはC68N)[例えば、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N]の安定化する突然変異に加えて、アミノ酸位置M51の突然変異(例えば、M51E、M51R、M51K、M51T、M51D、またはM51N)、K53の突然変異(例えば、K53G、K53S、K53T、またはK53R)、Q56の突然変異(例えば、Q56G、Q56R、Q56L、Q56E、Q56A、Q56V、またはQ56K)、D110の突然変異(例えば、D110S、D110N、D110G、D110K、D110H、D110Q、またはD110E)およびN111の突然変異(例えば、N111G、N111R、N111S、N111D、N111H、またはN111Y)を含む。一部のそのような場合では、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、アミノ酸位置S105の突然変異(例えば、S105D、S105A、S105N、S105R、S105D、またはS105K)をさらに含み;一部の場合では、アミノ酸位置P57の突然変異(例えば、P57A、P57L、P57G、またはP57K)およびM60の突然変異(例えば、M60L、M60R、M60K、またはM60Q)をさらに含む。
[0013]一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、[ヒト野生型IL-18-配列番号30に対して]C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、およびC38S/C68Nから選択される安定化する突然変異対に加えて、アミノ酸位置M51の突然変異(例えば、M51E、M51R、M51K、M51T、M51D、またはM51N)、K53の突然変異(例えば、K53G、K53S、K53T、またはK53R)、Q56の突然変異(例えば、Q56G、Q56R、Q56L、Q56E、Q56A、Q56V、またはQ56K)、D110の突然変異(例えば、D110S、D110N、D110G、D110K、D110H、D110Q、またはD110E)およびN111の突然変異(例えば、N111G、N111R、N111S、N111D、N111H、またはN111Y)を含む。一部のそのような場合では、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、アミノ酸位置S105の突然変異(例えば、S105D、S105A、S105N、S105R、S105D、またはS105K)をさらに含み;一部の場合では、アミノ酸位置P57の突然変異(例えば、P57A、P57L、P57G、またはP57K)およびM60の突然変異(例えば、M60L、M60R、M60K、またはM60Q)をさらに含む。
[0014]一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、[ヒト野生型IL-18-配列番号30に対して]C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、およびC38S/C68Nから選択される安定化する突然変異対に加えて、アミノ酸位置M51の突然変異(例えば、M51E、M51R、M51K、M51T、M51D、またはM51N)、K53の突然変異(例えば、K53G、K53S、K53T、またはK53R)、Q56の突然変異(例えば、Q56G、Q56R、Q56L、Q56E、Q56A、Q56V、またはQ56K)、D110の突然変異(例えば、D110S、D110N、D110G、D110K、D110H、D110Q、またはD110E)およびN111の突然変異(例えば、N111G、N111R、N111S、N111D、N111H、またはN111Y)を含む。一部のそのような場合では、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、アミノ酸位置S105の突然変異(例えば、S105D、S105A、S105N、S105R、S105D、またはS105K)をさらに含み;一部の場合では、アミノ酸位置P57の突然変異(例えば、P57A、P57L、P57G、またはP57K)およびM60の突然変異(例えば、M60L、M60R、M60K、またはM60Q)をさらに含む。
[0015]一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号6および16~21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と85%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号6および16~21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む。
[0016]一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号6、16、17、19、および21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と85%以上の同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の場合では、安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号6、16、17、19、および21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む。
[0017]一部の実施形態では、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアント)は、疾患または障害の処置のために使用される。様々な実施形態では、疾患または障害は、がん、またはIL-18BPオルソログをコードするポックスウイルスなどの感染症、代謝疾患または障害(肥満および糖尿病を含む)、または黄斑変性(例えば、滲出型黄斑変性、例えば、滲出型加齢関連黄斑変性、例えば、IL-18タンパク質は抗血管新生剤として使用することができ、例示的な例としては、一部の場合では、安定化されたIL-18タンパク質は脈絡膜新生血管を弱めることができる)である。したがって、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアント)を投与して、疾患または障害、例えば、限定はされないが、がん、または感染症、代謝疾患もしくは障害、または黄斑変性(例えば、滲出型黄斑変性、例えば滲出型加齢関連黄斑変性)を処置するステップを含む方法が提供される。
[0018]一部の実施形態では、方法は、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアント)を含む組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。一部の実施形態では、方法は、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアント)を含む組成物、およびさらなる薬剤を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。一部のそのような実施形態では、さらなる薬剤は、免疫治療剤、例えば変更された免疫細胞(例えば、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)、武装化したCAR-T細胞などのT細胞;CAR-NKなどのNK細胞;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、TCR-T細胞等)、ウイルス、抗原、ワクチン、抗体、免疫チェックポイント阻害剤、小分子、化学療法剤、幹細胞等を含む。一部の実施形態では、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアント)は、細菌、ウイルス、または他の病原体による感染前、感染中、または感染後に免疫系の活性を増加させる方法において使用される。一部の実施形態では、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアント)は、in vitro、in vivoまたはex vivoでの免疫細胞の数および/または活性、例えばT細胞、NK細胞、および/または骨髄性細胞の数および/または活性を増加させる方法において使用される。
[0019]対象のポリペプチドは、免疫チェックポイント阻害剤および/または腫瘍オプソニン化抗体と組み合わせて、またはそれとの融合物として投与され得る。対象のポリペプチドは、細胞療法、例えば、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、TCR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK細胞)、および腫瘍浸潤リンパ球(TIL)療法と組み合わせて投与され得る。対象のポリペプチドは、細胞療法の一部としても投与され得、例えば、細胞、例えば、CAR-T細胞、CAR-NK細胞、TIL細胞等のバージョンである、TRUCK細胞(「T cells redirected for antigen-unrestricted cytokine-initiated killing」)によって分泌されるタンパク質であり得る。
[0020]IL-18ポリペプチドを個体に投与する方法も提供され、方法は、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18またはバリアント、例えば、安定化されたDR、D2D、安定化されたDR、または安定化されたD2D IL-18バリアント)を個体に投与するステップを含み、投与の頻度は週に1回以下である。
[0021]IL-18ポリペプチドを産生するための方法および組成物も提供される。そのような方法は、細菌細胞内で、外因的に提供した融合タンパク質を外因的に提供したSUMO(低分子ユビキチン様修飾因子)プロテアーゼと接触させるステップを含み、融合タンパク質は、SUMOタグにN末端で融合した目的のポリペプチドを含み、細菌細胞内で、SUMOプロテアーゼが融合タンパク質を切断し、したがって、目的のポリペプチドからSUMOタグを除去する。一部の場合では、目的のポリペプチドは、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型ヒトIL-18タンパク質またはIL-18バリアント、例えば安定化された、DR、D2D、安定化されたDR、または安定化されたD2Dバリアント-例えば、安定化された、上記で論じられたDR IL-18バリアントポリペプチドを参照)である。
[0022]IL-18ポリペプチド(例えば、野生型ヒトIL-18タンパク質またはIL-18バリアント、例えば安定化された、DR、D2D、安定化されたDR、または安定化されたD2Dバリアント-例えば、安定化された、上記で論じられたDR IL-18バリアントポリペプチドを参照)を含む製剤も提供する。一部の場合では、IL-18タンパク質に加えて、製剤は、pHを維持する緩衝化剤(例えば、6.2と6.8の間、例えばHis/His-HCl)、糖(例えば、スクロース、例えば6~10%)、キレート剤(例えば、EDTA、例えば0.05~1.5mM)、酸化を防止する薬剤(例えば、L-メチオニン、例えば4~6mM)、およびタンパク質吸収を防ぐ薬剤(例えば、PS80、例えば0.01~0.03% w/v)を含む。
[0023]本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読んだ場合により良く理解されるであろう。本発明は、図面に示される実施形態の正確な配置および手段に限定されないことが理解されるべきである。
[0024]図1Aおよび図1Bは、IL-18経路が腫瘍免疫療法のための標的であることを示す、例示的な実験の結果を描写する。図1Aは、IL-18経路(IL-18およびその受容体サブユニットを含む)が、CD8+TIL中のサイトカインおよび受容体に関するRNAseq発現分析において見られるように、活性化された、および機能不全の腫瘍T細胞プログラムの両方において上方調節されることを示す図を提供する。遺伝子は、図中に見られるように、ナイーブなT細胞と比較した「活性化」および「機能不全」スコアを割り当てられる。菱形および黒字で印を付けられたデータポイントは、IL-18サイトカイン、IL-18R1(Rα)、およびIL-18RAP(Rβ)を示す。データは、Singerら(Singer,M.ら、2016、Cell、166:1500~1511、e1509)から適合される。図1Bは、LCMV(左;CD4)またはVSV-OVA(右;CD8)による感染の結果を提供する。IL-18受容体サブユニットIL-18RαおよびIL-18Rβは、LCMV(左;CD4)またはVSV-OVA(右;CD8)による感染後に見られるように、慢性的抗原曝露と関連する遺伝子発現プログラムの一部である。データは、ImmGenデータベースに由来する。 図1Aおよび図1Bは、IL-18経路が腫瘍免疫療法のための標的であることを示す、例示的な実験の結果を描写する。図1Aは、IL-18経路(IL-18およびその受容体サブユニットを含む)が、CD8+TIL中のサイトカインおよび受容体に関するRNAseq発現分析において見られるように、活性化された、および機能不全の腫瘍T細胞プログラムの両方において上方調節されることを示す図を提供する。遺伝子は、図中に見られるように、ナイーブなT細胞と比較した「活性化」および「機能不全」スコアを割り当てられる。菱形および黒字で印を付けられたデータポイントは、IL-18サイトカイン、IL-18R1(Rα)、およびIL-18RAP(Rβ)を示す。データは、Singerら(Singer,M.ら、2016、Cell、166:1500~1511、e1509)から適合される。図1Bは、LCMV(左;CD4)またはVSV-OVA(右;CD8)による感染の結果を提供する。IL-18受容体サブユニットIL-18RαおよびIL-18Rβは、LCMV(左;CD4)またはVSV-OVA(右;CD8)による感染後に見られるように、慢性的抗原曝露と関連する遺伝子発現プログラムの一部である。データは、ImmGenデータベースに由来する。 [0025]図2A~図2Cは、IL-18BPが「可溶性免疫チェックポイント」の特徴を有することを示す、例示的な実験の結果を描写する。図2Aは、IL-18BPが、免疫チェックポイントPD-L1と類似する、IL-18のインターフェロン-γ(IFN-γ)誘導性の負のフィードバックをどのように媒介するかを示す。IL-18/IFN-γ/IL-18BPフィードバックループの概略図が描写される。黒色の矢印は刺激を示し、灰色の回路は阻害を示す。図2Bは、TCGAおよびOncomineのデータベースからのデータを使用して、IL-18BP が胃がんおよび乳がんにおいて上方調節されることを示す。図2Cは、PD-1およびIL-18BP発現が、大量の乳がんおよび胃がん試料(TCGAデータベースに由来する)において強く相関することを示す。それぞれ、R=0.78および0.65である。 [0026]図3A~図3Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPに対する独立性に関するヒトIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図3Aは、IL-18:IL-18BP境界面上の残基を無作為化するために設計され、酵母ディスプレイシステム中に導入された、構造誘導性ライブラリーを提供する。IL-18Rαへの結合について磁気および蛍光細胞選別を使用して、酵母クローンを選択し、IL-18BPに対して対抗選択した。図3Bは、IL-18BP耐性IL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。陽性選択条件は、hIL18Rα SA-ビーズおよびhIL18Rαである。対抗選択条件は、SAのみ、hIL-18BP、およびnIL-18BP四量体である。図3Cは、酵母ディスプレイされたWT IL-18(左)または指向性進化後のバリアント(右)のフローサイトメトリー分析を提供する。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。5ラウンドの指向性進化後、残存するクローンは、IL-18BPよりもIL-18Rαを大きく選択した。 図3A~図3Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPに対する独立性に関するヒトIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図3Aは、IL-18:IL-18BP境界面上の残基を無作為化するために設計され、酵母ディスプレイシステム中に導入された、構造誘導性ライブラリーを提供する。IL-18Rαへの結合について磁気および蛍光細胞選別を使用して、酵母クローンを選択し、IL-18BPに対して対抗選択した。図3Bは、IL-18BP耐性IL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。陽性選択条件は、hIL18Rα SA-ビーズおよびhIL18Rαである。対抗選択条件は、SAのみ、hIL-18BP、およびnIL-18BP四量体である。図3Cは、酵母ディスプレイされたWT IL-18(左)または指向性進化後のバリアント(右)のフローサイトメトリー分析を提供する。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。5ラウンドの指向性進化後、残存するクローンは、IL-18BPよりもIL-18Rαを大きく選択した。 図3A~図3Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPに対する独立性に関するヒトIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図3Aは、IL-18:IL-18BP境界面上の残基を無作為化するために設計され、酵母ディスプレイシステム中に導入された、構造誘導性ライブラリーを提供する。IL-18Rαへの結合について磁気および蛍光細胞選別を使用して、酵母クローンを選択し、IL-18BPに対して対抗選択した。図3Bは、IL-18BP耐性IL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。陽性選択条件は、hIL18Rα SA-ビーズおよびhIL18Rαである。対抗選択条件は、SAのみ、hIL-18BP、およびnIL-18BP四量体である。図3Cは、酵母ディスプレイされたWT IL-18(左)または指向性進化後のバリアント(右)のフローサイトメトリー分析を提供する。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。5ラウンドの指向性進化後、残存するクローンは、IL-18BPよりもIL-18Rαを大きく選択した。 [0027]図4は、デコイ耐性ヒトIL-18(「DR-IL-18」、「DR-18」とも呼ばれる)バリアントの配列の概要を示す、例示的な実験の結果を描写する。成熟形態の野生型ヒトIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。配列番号38~配列番号58は、指向性進化を用いた選択後に得られた配列を表す。配列番号34~配列番号37は、選択された配列に由来するコンセンサス配列である。影付きの残基は、観察された5つの最も保存された突然変異を表す。上の行の配列(「WT hIL-18」)は、配列番号30として記載される。 [0028]図5Aおよび図5Bは、ヒトDR-IL-18バリアントの生物物理学的特性評価を示す、例示的な実験の結果を描写する。図5Aは、酵母ディスプレイされたDR-hIL-18バリアントに関する結合等温線を提供する。示されるように、酵母ディスプレイされたDR-IL-18バリアントである配列番号34~37および配列番号39は、WTヒトIL-18(左)と同等の結合等温線でhIL-18Rαに結合することができる。対照的に、同じバリアントおよびhIL-18BPに関しては非常にわずかな結合が観察される(右)。図5Bは、固定化されたビオチン化hIL-18BPとDR-IL-18バリアントとの間の代表的な表面プラズモン共鳴センサーグラムを示す。組換えhIL-18(左)は、非常に高い親和性、KD=2.0pMでIL-18BPに結合するが、配列番号34(右)は大きく減弱した結合を示し、はるかに速い解離速度およびKD=15.2nMを示す。このデータは、表6および表7にまとめられる。 [0029]図6Aおよび図6Bは、ヒトDR-IL-18バリアントがIL-18BPによって阻害されないことを示す、例示的な実験の結果を描写する。図6Aは、組換えIL-18BPが、ビオチン化IL-18Rαが酵母ディスプレイされたWT IL-18に結合するのを阻害するが、DR-IL-18バリアントである配列番号34~37および配列番号39に影響しないことを示す図を提供する(左図に示される)。対照的に、IL-18BPは、以前に記載されたIL-18 E42A、K89AおよびE42A/K89Aを有効に中和する(Kimら、2001、Proc.Natl.Acad.Sci.、98(6):3304~3309)(右図に示される)[KimらのE42およびK89は、それぞれ、配列番号30のE6およびK53である]。ビオチン化IL-18Rαは、全ての試料について100nMの固定濃度で保持された。図6Bは、WT IL-18ならびに配列番号34、配列番号36、および配列番号37が、同等の効力および有効性でIL-18 HEK-Blueリポーター細胞を刺激することを示す、HEK Blue IL-18シグナル伝達アッセイの結果を提供する(左)。野生型IL-18は、このアッセイにおいて組換えIL-18BPの適用に対して非常に感受性であるが(IC50=3nM)、配列番号34および配列番号36は、1μMのIL-18BP濃度でも、組換えIL-18BPによって阻害されない(右)。hIL-18は、5nMの固定濃度で保持され、配列番号34および配列番号36は2.5μMで保持された。 [0030]図7A~図7Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BP(バージョン2のバリアント)に対する独立性に関するさらなるヒトIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図7Aは、バージョン2.0のライブラリーにおいて無作為化されたヒトIL-18中の位置の概要を提供する。縮重コドンおよびコードされたアミノ酸のセットが、それぞれの位置について与えられる。図7Bは、バージョン2.0のIL-18BP耐性IL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。陽性選択条件は、hIL18Rα SA-ビーズおよびhIL18Rαであり、対抗選択条件は、SAのみ、hIL-18BP、およびhIL-18BP四量体である。図7Cは、バージョン2.0のDR-IL-18バリアントの作出における進展のフローサイトメトリー分析を提供する。ラウンド1、4、および6の後に得られた酵母を、250nMのIL-18BPストレプトアビジン-PE四量体またはAlexaFluor647で直接標識された100nMのIL-18Rαで同時に染色した。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。6ラウンドの指向性進化後、残存するクローンは、IL-18BPよりもIL-18Rαを大きく選択した。 [0031]図8は、バージョン2.0のデコイ耐性ヒトIL-18(DR-IL-18)バリアントの配列の概要を示す、例示的な実験の結果を描写する。成熟形態の野生型ヒトIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。影付きの行は、ラウンド5およびラウンド6の両方において得られる反復配列バリアントを示す。上の行の配列(「WT hIL-18」)は、配列番号30として記載される。 [0032]図9は、バージョン2.0のヒトDR-IL-18バリアントの生物物理学的特性評価を示す、例示的な実験の結果を描写する。図9Aは、酵母ディスプレイされたバージョン2.0のDR-IL-18バリアントが、WTヒトIL-18と同等の結合等温線でhIL-18Rαに結合することができることを示す。図9Bは、対照的に、同じバリアントおよびhIL-18BPに関して極めて少ない結合が観察されることを示す。図9Cは、ある範囲の温度にわたって15分間、酵母ディスプレイされたバリアントを加熱した後、hIL-18Rαで染色することによって評価された、バージョン2.0のDR-IL-18バリアントの熱安定性を提供する。バージョン2.0のDR-IL-18バリアントは、WT IL-18(Tm=47.6℃)および第1世代のコンセンサス配列(それぞれ、配列番号24および配列番号35について、Tm=50.9および40.2)よりも熱安定性であった。図9Dは、第2世代のDR-IL-18バリアントの受容体結合特性および熱安定性の概要を提供する。NBD=結合は検出されず。N.D.=値は決定されず。 [0033]図10A~図10Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPに対する独立性に関するマウスIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図10Aは、IL-18BP耐性マウスIL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。 陽性選択条件は、mIL18Rα SA-ビーズおよびmIL18Rαである。対抗選択条件は、mIL-18BPおよびmIL-18BP四量体である。図10Bは、5ラウンドの指向性進化後の酵母ディスプレイされたマウスIL-18バリアントのフローサイトメトリー分析の結果を示す。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。図10Cは、デコイ耐性マウスIL-18(DR-IL-18)バリアントの配列の概要を提供する。上の行の配列(「mIL-18」)は、配列番号31として記載される。成熟形態の野生型マウスIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。配列番号62~配列番号72は、指向性進化を用いた選択後に得られる配列を表す。配列番号60~配列番号61は、選択された配列に由来するコンセンサス配列である。影付きの残基は、観察された5つの最も保存された突然変異を表す。 図10A~図10Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPに対する独立性に関するマウスIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図10Aは、IL-18BP耐性マウスIL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。 陽性選択条件は、mIL18Rα SA-ビーズおよびmIL18Rαである。対抗選択条件は、mIL-18BPおよびmIL-18BP四量体である。図10Bは、5ラウンドの指向性進化後の酵母ディスプレイされたマウスIL-18バリアントのフローサイトメトリー分析の結果を示す。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。図10Cは、デコイ耐性マウスIL-18(DR-IL-18)バリアントの配列の概要を提供する。上の行の配列(「mIL-18」)は、配列番号31として記載される。成熟形態の野生型マウスIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。配列番号62~配列番号72は、指向性進化を用いた選択後に得られる配列を表す。配列番号60~配列番号61は、選択された配列に由来するコンセンサス配列である。影付きの残基は、観察された5つの最も保存された突然変異を表す。 図10A~図10Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPに対する独立性に関するマウスIL-18バリアントの操作を示す、例示的な実験の結果を描写する。図10Aは、IL-18BP耐性マウスIL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。 陽性選択条件は、mIL18Rα SA-ビーズおよびmIL18Rαである。対抗選択条件は、mIL-18BPおよびmIL-18BP四量体である。図10Bは、5ラウンドの指向性進化後の酵母ディスプレイされたマウスIL-18バリアントのフローサイトメトリー分析の結果を示す。Y軸はIL-18BP結合を示し、x軸はIL-18Rα結合を示す。図10Cは、デコイ耐性マウスIL-18(DR-IL-18)バリアントの配列の概要を提供する。上の行の配列(「mIL-18」)は、配列番号31として記載される。成熟形態の野生型マウスIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。配列番号62~配列番号72は、指向性進化を用いた選択後に得られる配列を表す。配列番号60~配列番号61は、選択された配列に由来するコンセンサス配列である。影付きの残基は、観察された5つの最も保存された突然変異を表す。 [0034]図11Aおよび図11Bは、マウスDR-IL-18バリアントの生物物理学的特性評価を示す、例示的な実験の結果を描写する。図11Aは、酵母ディスプレイされたDR-IL-18バリアントである配列番号70、配列番号67、配列番号62、配列番号64、配列番号60、および配列番号61が、WTマウスIL-18と同等の結合等温線でmIL-18Rαに結合することができることを示す(左)。対照的に、同じバリアントおよびmIL-18BPに関しては極めて少ない結合が観察される(右)。図11Bは、固定化されたビオチン化mIL-18BPとマウスDR-IL-18バリアントとの間の代表的な表面プラズモン共鳴センサーグラムを使用したIL-18BP結合の測定を提供する。組換えmIL-18(左)は、高い親和性、KD=0.8pMでmIL-18BPに結合するが、配列番号61(右)は、10μMよりも高いKDで大きく低下した結合を示す。このデータは、表8および表9にまとめられる。 [0035]図12A~図12Dは、マウスに投与されたDR-IL-18の薬力学を示す、例示的な実験の結果を描写する。図12Aは、研究設計の概略図である。マウスに、7つの総用量について(注射筒として描写される)1日1回、ビヒクル(PBS)、mIL-18(1mg/kg)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(1mg/kg)を投与した。血液試料を、実験の2日前、ならびに0、3、および6日目に、注射の5時間後に採取した。図12Bは、0日目、3日目、および6日目でのCD4、CD8、NK細胞、および単球の末梢血細胞計数を示す。IL-18および配列番号61は両方とも、3日目までに類似する程度でNK細胞および単球を拡大させた。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Cは、末梢CD4、CD8、およびNK細胞上でのCD69発現を示す。IL-18ではなく、配列番号61は、CD4およびCD8細胞上でCD69発現を刺激した。IL-18および配列番号61は両方とも、NK細胞上でCD69を増加させたが、配列番号61処置は、IL-18と比較して、6日目で明らかな持続的なCD69発現を引き起こし、ベースラインCD69レベルに戻った。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Dは、インターフェロン-g(IFN-g)、MIP-1b、およびG-CSFに関する血清サイトカインレベルを提供する。 配列番号61処置は、mIL-18処理よりも高いレベルのIFN-g、MIP-1b、およびG-CSFをもたらした。 図12A~図12Dは、マウスに投与されたDR-IL-18の薬力学を示す、例示的な実験の結果を描写する。図12Aは、研究設計の概略図である。マウスに、7つの総用量について(注射筒として描写される)1日1回、ビヒクル(PBS)、mIL-18(1mg/kg)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(1mg/kg)を投与した。血液試料を、実験の2日前、ならびに0、3、および6日目に、注射の5時間後に採取した。図12Bは、0日目、3日目、および6日目でのCD4、CD8、NK細胞、および単球の末梢血細胞計数を示す。IL-18および配列番号61は両方とも、3日目までに類似する程度でNK細胞および単球を拡大させた。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Cは、末梢CD4、CD8、およびNK細胞上でのCD69発現を示す。IL-18ではなく、配列番号61は、CD4およびCD8細胞上でCD69発現を刺激した。IL-18および配列番号61は両方とも、NK細胞上でCD69を増加させたが、配列番号61処置は、IL-18と比較して、6日目で明らかな持続的なCD69発現を引き起こし、ベースラインCD69レベルに戻った。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Dは、インターフェロン-g(IFN-g)、MIP-1b、およびG-CSFに関する血清サイトカインレベルを提供する。 配列番号61処置は、mIL-18処理よりも高いレベルのIFN-g、MIP-1b、およびG-CSFをもたらした。 図12A~図12Dは、マウスに投与されたDR-IL-18の薬力学を示す、例示的な実験の結果を描写する。図12Aは、研究設計の概略図である。マウスに、7つの総用量について(注射筒として描写される)1日1回、ビヒクル(PBS)、mIL-18(1mg/kg)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(1mg/kg)を投与した。血液試料を、実験の2日前、ならびに0、3、および6日目に、注射の5時間後に採取した。図12Bは、0日目、3日目、および6日目でのCD4、CD8、NK細胞、および単球の末梢血細胞計数を示す。IL-18および配列番号61は両方とも、3日目までに類似する程度でNK細胞および単球を拡大させた。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Cは、末梢CD4、CD8、およびNK細胞上でのCD69発現を示す。IL-18ではなく、配列番号61は、CD4およびCD8細胞上でCD69発現を刺激した。IL-18および配列番号61は両方とも、NK細胞上でCD69を増加させたが、配列番号61処置は、IL-18と比較して、6日目で明らかな持続的なCD69発現を引き起こし、ベースラインCD69レベルに戻った。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Dは、インターフェロン-g(IFN-g)、MIP-1b、およびG-CSFに関する血清サイトカインレベルを提供する。 配列番号61処置は、mIL-18処理よりも高いレベルのIFN-g、MIP-1b、およびG-CSFをもたらした。 図12A~図12Dは、マウスに投与されたDR-IL-18の薬力学を示す、例示的な実験の結果を描写する。図12Aは、研究設計の概略図である。マウスに、7つの総用量について(注射筒として描写される)1日1回、ビヒクル(PBS)、mIL-18(1mg/kg)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(1mg/kg)を投与した。血液試料を、実験の2日前、ならびに0、3、および6日目に、注射の5時間後に採取した。図12Bは、0日目、3日目、および6日目でのCD4、CD8、NK細胞、および単球の末梢血細胞計数を示す。IL-18および配列番号61は両方とも、3日目までに類似する程度でNK細胞および単球を拡大させた。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Cは、末梢CD4、CD8、およびNK細胞上でのCD69発現を示す。IL-18ではなく、配列番号61は、CD4およびCD8細胞上でCD69発現を刺激した。IL-18および配列番号61は両方とも、NK細胞上でCD69を増加させたが、配列番号61処置は、IL-18と比較して、6日目で明らかな持続的なCD69発現を引き起こし、ベースラインCD69レベルに戻った。それぞれの時点(日)について、左側のバーはPBSであり、中央のバーはIL-18であり、右側のバーは配列番号61である。図12Dは、インターフェロン-g(IFN-g)、MIP-1b、およびG-CSFに関する血清サイトカインレベルを提供する。 配列番号61処置は、mIL-18処理よりも高いレベルのIFN-g、MIP-1b、およびG-CSFをもたらした。 [0036]図13は、DR-IL-18処置がマウスにおいて体脂肪組成を減少させることを示す、例示的な実験の結果を描写する。体脂肪量および除脂肪量の組成を、3日毎に、0.01、0.1、もしくは1mg/kgのDR-IL-18バリアントである配列番号61または1mg/kgのWT mIL-18で処置したマウスにおいて測定した。配列番号61処置は、体重の総パーセンテージとしての体脂肪の有意な減少をもたらした(上パネル)。これは、脂肪量の減少または安定化によって明らかであり(左パネル)、除脂肪量の増加と一致していた(右パネル)。ビヒクル処置およびmIL-18処置マウスは、同じ処置期間にわたって、体脂肪量の増加および安定な除脂肪量を示した。 [0037]図14A~図14Bは、DR-IL-18が黒色腫モデルにおいて有効な免疫治療剤であることを示す、例示的な実験の結果を描写する。図14Aは、食塩水(対照)、WT IL-18(0.32mg/kg)、DR-IL-18バリアントである配列番号61(0.32mg/kg)、抗PD1(8mg/kg)、IL-18+抗PD1、または配列番号61+抗PD-1で、週2回処置した、Yummer1.7黒色腫腫瘍を担持するマウスに関する腫瘍成長スパイダープロットを提供する。図14Bは、図14A中と同じ群からの生存曲線を提供する。図14Bに示されるように、配列番号61は、単剤療法として有効であり、このモデルでは抗PD1と共に相乗作用した。 図14A~図14Bは、DR-IL-18が黒色腫モデルにおいて有効な免疫治療剤であることを示す、例示的な実験の結果を描写する。図14Aは、食塩水(対照)、WT IL-18(0.32mg/kg)、DR-IL-18バリアントである配列番号61(0.32mg/kg)、抗PD1(8mg/kg)、IL-18+抗PD1、または配列番号61+抗PD-1で、週2回処置した、Yummer1.7黒色腫腫瘍を担持するマウスに関する腫瘍成長スパイダープロットを提供する。図14Bは、図14A中と同じ群からの生存曲線を提供する。図14Bに示されるように、配列番号61は、単剤療法として有効であり、このモデルでは抗PD1と共に相乗作用した。 [0038]図15Aおよび図15Bは、図14の黒色腫モデルにおけるDR-IL-18の有効性が、CD4およびCD8リンパ球ならびにインターフェロンガンマに依存することを示す例示的な実験の結果を描写する。図15Aは、食塩水(対照)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(0.32mg/kg)のみ、またはCD8、CD4、インターフェロンガンマ、またはNK1.1に対する抗体の枯渇と組み合わせたDR-IL-18バリアントである配列番号61(0.32mg/kg)で処置したYummer1.7黒色腫腫瘍を担持するマウスに関する腫瘍成長スパイダープロットを提供する。図15Bは、図15A中と同じ群からの生存曲線を提供する。 [0039]図16は、MC38腫瘍モデルにおけるDR-IL-18の用量依存的有効性を示す、例示的な実験の結果を描写する。PBS(対照)、1.0mg/kgのWT IL-18、1.0mg/kgの配列番号61、0.1mg/kgの配列番号61、または0.01mg/kgの配列番号61で3日毎に処置したMC38結腸がん腫瘍を担持するマウスに由来する腫瘍成長スパイダープロットである。WT IL-18は1mg/kgでは有効ではなかったが、配列番号61は0.1mg/kgで部分的有効性を示し、1.0mg/kgで最大の有効性を示した。 [0040]図17は、MC38腫瘍モデルにおいて、単独で、または免疫チェックポイント阻害剤である抗PD1と組み合わせた、DR-IL-18の有効性を示す例示的な実験の結果を描写する。PBS(対照)、0.32mg/kgのWT IL-18、0.32mg/kgのDR-IL-18バリアントである配列番号61、5mg/kgの抗PD1、抗PDとWT IL-18との組合せ、または抗PD1と配列番号61との組合せで処置したMC38結腸がん腫瘍を担持するマウスに由来する腫瘍成長スパイダープロットが示される。全ての薬剤は、最大で6の総用量について週2回、腹腔内投与された。 [0041]図18Aおよび図18Bは、MC38腫瘍を担持するマウスにおけるDR-IL-18の抗腫瘍メカニズムを調査する例示的な実験の結果を描写する。図18Aは、食塩水、WT IL-18、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61で4用量にわたって週2回処置したマウスからの腫瘍免疫表現型決定実験の結果を提供する。DR-IL-18処置は、腫瘍1mgあたりのCD8およびNK細胞の数の増加(左上の2つのパネル)ならびにCD8およびNK細胞上での活性化マーカーであるグランザイムBおよびKLRG1の発現の増加(右上の2つのパネル)をもたらした。DR-IL-18処置は、食塩水処置と比較してCD8:Treg比を改善しなかったが、WT IL-18はその比をあまり好ましくないものにした。しかしながら、DR-IL-18処置は、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、ならびに単球および顆粒球骨髄由来抑制細胞(mMDSCおよびgMDSC)を含む阻害的骨髄集団に対するCD8細胞の比を増大させた。図18Bは、第4の処置用量の24時間後に取った、図18Aと同じマウスに由来するSerum Luminexサイトカイン測定を提供する。DR-IL-18は、WT IL-18による処置からの劇的に変化した二次サイトカイン放出プロファイルを示し、インターフェロン-ガンマ、IL-7、およびIL-15レベルを100倍を超えて顕著に増加させる。 図18Aおよび図18Bは、MC38腫瘍を担持するマウスにおけるDR-IL-18の抗腫瘍メカニズムを調査する例示的な実験の結果を描写する。図18Aは、食塩水、WT IL-18、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61で4用量にわたって週2回処置したマウスからの腫瘍免疫表現型決定実験の結果を提供する。DR-IL-18処置は、腫瘍1mgあたりのCD8およびNK細胞の数の増加(左上の2つのパネル)ならびにCD8およびNK細胞上での活性化マーカーであるグランザイムBおよびKLRG1の発現の増加(右上の2つのパネル)をもたらした。DR-IL-18処置は、食塩水処置と比較してCD8:Treg比を改善しなかったが、WT IL-18はその比をあまり好ましくないものにした。しかしながら、DR-IL-18処置は、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、ならびに単球および顆粒球骨髄由来抑制細胞(mMDSCおよびgMDSC)を含む阻害的骨髄集団に対するCD8細胞の比を増大させた。図18Bは、第4の処置用量の24時間後に取った、図18Aと同じマウスに由来するSerum Luminexサイトカイン測定を提供する。DR-IL-18は、WT IL-18による処置からの劇的に変化した二次サイトカイン放出プロファイルを示し、インターフェロン-ガンマ、IL-7、およびIL-15レベルを100倍を超えて顕著に増加させる。 [0042]図19A~図19Cは、表面MHCクラスI発現の喪失によって免疫チェックポイント阻害剤に不応性である腫瘍を有効に処置するDR-IL-18の能力を示す例示的な実験の結果を描写する。図19Aは、食塩水、抗PD1+抗CTLA4、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61で処置したB2m欠損性Yummer1.7腫瘍を担持するマウスからの腫瘍成長スパイダープロットを示す。図19Bは、生存率対生着後の日数を示す図を含有する。DR-IL-18は、抗CTLA4+抗PD1による併用処置にさえ完全に耐性であるこのモデルにおいて処置したマウスの60%を治癒させる、腫瘍成長および生存に関する強力な有効性を示した。抗NK1.1(NK細胞を枯渇させる)と一緒のDR-IL-18の投与は、配列番号61の処置効果を無効化するため、この有効性はNK細胞依存的である。図19Cは、腫瘍中のインターフェロン-ガンマ産生およびKi67レベルを比較するプロットを提供する。B2m欠損性Yummer1.7から単離されたNK細胞は機能不全であり、増殖(Ki67染色)および機能(インターフェロン-ガンマ分泌)の減少を示す。しかしながら、DR-IL-18による処置は、この表現型を、ロバストな増殖およびサイトカイン分泌を可能にするように逆転させる。 [0043]図20A~図20Cは、酵母ディスプレイを使用したIL-18BPアンタゴニストとしてのヒトIL-18バリアント(または「デコイ・トゥー・デコイ」、D2D)の操作を示す例示的な実験を描写する。これらのバリアントは、IL-18BPには結合するが、シグナルには結合せず、それにより、内因性IL-18に対するIL-18BPの効果を無効化する。図20Aは、D2Dライブラリー中で無作為化されたヒトIL-18中の位置の概要である。縮重コドンおよびコードされたアミノ酸のセットが、それぞれの位置について与えられる。図20Bは、IL-18BPに結合し、これを中和するが、IL-18Rを介してシグナル伝達しないD2D IL-18バリアントを生成するための指向性進化の概要を提供する。陽性選択条件は、mIL18BPである。対抗選択条件は、nIL18Rα、hIL18Rb、およびmIL18Rαである。(図20C)D2D hIL-18バリアントの作出における進展のフローサイトメトリー分析。ラウンド1~4の後に得られた酵母を、1nMのマウスIL-18BP(左パネル)、1nMのヒトIL-18BP(中央パネル)、または1μMのIL-18Rα+1μMのIL18Rβで染色した。選択されたバリアントは、IL18RαまたはIL18Rβ結合を増加させることなく、選択ラウンドにわたってIL-18BP結合の増強を示す。 [0044]図21は、D2DヒトIL-18バリアントの配列の概要を示す例示的な実験の結果を描写する。成熟形態の野生型ヒトIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。上の行の配列(「WT hIL-18」)は、配列番号30として記載される。 [0045]図22A~図22Cは、ヒトデコイ・トゥー・デコイ(D2D)IL-28バリアントの生物物理学的特性評価を示す例示的な実験の結果を描写する。図22Aは、酵母ディスプレイされたD2D IL-8バリアントである配列番号120、配列番号101、配列番号94、配列番号98、配列番号99、配列番号123、配列番号124、および配列番号125が、WTヒトIL-18と同等の結合等温線でhIL-18RBPに結合することができることを示す。図22Bは、対照的に、同じバリアントおよびhIL-18Rαに関して極めて少ない結合が観察されることを示す。図22Cは、D2D IL-18バリアントの受容体結合特性の概要を提供する。NBD=結合は検出されず。 [0046]図23は、D2DマウスIL-18バリアントの配列の概要を示す例示的な実験の結果を描写する。成熟形態の野生型マウスIL-18中のそれぞれの突然変異位置および対応する残基の位置を表の上部に示す。上の行の配列(「WT mIL-18」)は、配列番号31として記載される。 [0047]図24は、表面プラズモン共鳴(SPR)を使用したIL-18RαおよびIL-18BPへの結合に関する第2世代のDR-IL-18バリアントの生物物理学的親和性測定(センサーグラム)の結果を描写する。上の行:hIL-18Rα(固定化リガンド)に関する示されたIL-18バリアント(可溶性分析物)の代表的なセンサーグラム。下の行:ヒトの示されたIL-18バリアント(hIL-18BP)の代表的なセンサーグラム。x軸は時間(秒)であり、y軸は応答単位(RU)である。曲線は、1:1のラングミュア結合モデルを仮定する最良適合の曲線と重ね合わせた、異なる濃度(1nMで出発して2倍希釈)に関する時間にわたる観察データである。 [0048]図25Aおよび図25Bは、CT26結腸直腸腫瘍モデルに対するDR-IL-18の有効性を示すデータを描写する。250,000個のCT26細胞を皮下的に埋め込み、腫瘍が平均で約60mmに達したら、7日目に処置を開始した。WT IL-18および配列番号61を、合計5用量にわたって週2回、0.32mg/kgで投与した。抗PD1を、同じスケジュールで10mg/kgで与えた。図25Aは、食塩水(PBS)で処置した動物を黒色の線で(丸)、WT IL-18を濃い灰色で(四角)、DR-IL-18(配列番号61)を灰色で(三角)示した腫瘍成長を示すスパイダープロットのオーバーレイである。WT IL-18ではなく、DR-IL-18による処置のみが、動物のサブセットにおいて腫瘍成長阻害および腫瘍消失をもたらした。図25Bは、抗PD-1、WT IL-18、およびDR-IL-18(配列番号61)で処置したマウスに関する生存曲線を含む。完全奏功の数を、括弧内に示す。WT IL-18ではなく、DR-IL-18は、40%のマウスにおいて生存の延長および腫瘍消失をもたらし、チェックポイント阻害剤抗PD-1を超える改善をもたらした。 [0049]図26Aおよび図26Bは、4T1乳がんモデルおよびB16-F10黒色腫モデルにおけるDR-IL-18の有効性を示すデータを描写する。図26Aは、食塩水(PBS;黒色)、WT IL-18(濃い灰色)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(灰色)による処置後のBALB/Cマウスに移植した4T1腫瘍の腫瘍成長曲線を示す。図26Bは、食塩水(PBS;黒色)、WT IL-18/TA99(濃い灰色)、またはDR-IL-18バリアントである配列番号61(灰色)による処置後のC57BL/6マウスに移植したB16-F10腫瘍の腫瘍成長曲線を示す。両方のモデルにおいて、WT IL-18ではなく、DR-IL-18のみが、腫瘍成長阻害をもたらした。「t」で印を付けた囲みで示される様に、腫瘍が50mmの平均体積を超えた後に、処置を施した。 [0050]図27Aおよび図27Bは、図19A~図19Cのデータを拡張するデータを描写する。免疫チェックポイント阻害剤に対して耐性であるさらなるMHCクラスI欠損腫瘍モデルの処置におけるDR-IL-18の有効性を示すデータが描写される。図27Aは、B2m欠損YUMMER細胞について記載されたようにCRISPR/Cas9媒介性欠失を使用して調製された、B2m欠損MC38細胞を埋め込んだマウスに関する腫瘍体積対埋め込み後の日数の図を提供する。B2m-/-MC38細胞を皮下的に埋め込み、腫瘍が平均で約65mmに達したら、7日目に処置を開始した。配列番号61を、5用量にわたって週2回、0.32mg/kgで投与した。抗PD1および抗CTLA4を、同じスケジュールにて8mg/kgで与えた。図27Bは、RMA/S細胞を埋め込んだマウスに関する腫瘍体積対埋め込み後の日数の図を示す。RMA/Sは、タパシン中に自然突然変異を含有するRMAリンパ腫系のバリアントである。結果は、抗原量の欠陥、したがって、MHCクラスI表面発現の減少である。それはC57BL/6とコンジェニックであり、免疫チェックポイント阻害剤に対して不応性である。マウスに、1,000,000個のRMA/S細胞を皮下的に埋め込み、処置を7日目に開始した。配列番号61を、週2回、0.32mg/kgで投与した。抗PD1を、同じスケジュールにて8mg/kgで与えた。両方の研究において、DR-18バリアントである配列番号61による処置のみが、腫瘍成長阻害(B2m-/-MC38)または腫瘍消失(RMA/S)の形態で抗腫瘍有効性を示した。 [0051]図28は、抗腫瘍抗体依存的細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)を増強するDR-IL-18の有効性を示すデータを描写する。ex vivoでの細胞傷害性研究は、CFSE標識化Raji(B細胞リンパ腫)細胞および単離されたヒト末梢血単核細胞(PBMC)を使用した。PBMCおよび標識化Raji細胞を、1:10のエフェクター:標的(E:T)比1:10で25時間、一緒にインキュベートした。ヒトDR-IL-18バリアントであるhCS-1(1μM)、リツキシマブ(10μg/mL)、または両方の薬剤の組合せを、示されたように試料に適用した。細胞傷害性をフローサイトメトリーによって測定し、DAPI陽性になったCFSE細胞の画分として算出した。DR-18は単剤として有意な腫瘍細胞死滅を刺激し、治療抗体リツキシマブによる死滅を有意に増強させた。多重比較のためのTukeyの補正を用いる二元配置分散分析によるp<0.05。 [0052]図29Aおよび図29Bは、ウイルス感染の処置のための(例えば、この場合、全身性ワクシニアウイルス感染の処置における)DR-18バリアントである配列番号61の抗ウイルス有効性を示すデータを描写する。図29Aは、実験設計スキームを示す。C57BL/6マウスに、10PFUのワクシニアウイルス(VACV)を腹腔内(IP)的に感染させ、1mg/kgのWT mIL-18または配列番号61をIP投与した。マウスを犠牲にし、ウイルス力価を、感染後3日目にRT-PCRによって血液および卵巣中で測定した。図29Bは、感染後3日目の処置マウスの卵巣および血液中のVACVウイルスコピーの定量化を示す。配列番号61による処置はウイルス力価の有意な低下を示したが、WT IL-18は有効ではなかった。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 図29Aおよび図29Bは、ウイルス感染の処置のための(例えば、この場合、全身性ワクシニアウイルス感染の処置における)DR-18バリアントである配列番号61の抗ウイルス有効性を示すデータを描写する。図29Aは、実験設計スキームを示す。C57BL/6マウスに、10PFUのワクシニアウイルス(VACV)を腹腔内(IP)的に感染させ、1mg/kgのWT mIL-18または配列番号61をIP投与した。マウスを犠牲にし、ウイルス力価を、感染後3日目にRT-PCRによって血液および卵巣中で測定した。図29Bは、感染後3日目の処置マウスの卵巣および血液中のVACVウイルスコピーの定量化を示す。配列番号61による処置はウイルス力価の有意な低下を示したが、WT IL-18は有効ではなかった。p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 [0053]図30は、第2世代のヒトDR-IL-18バリアントが活性であることを示すデータを描写する。(図30)WT IL-18ならびにヒト配列番号89、配列番号90、配列番号91、および配列番号87 は、IL-18 HEK-Blueリポーター細胞を刺激する。ヒトの配列番号89、配列番号90、および配列番号91はWT hIL-18と比較して増強された効力を示すが、配列番号87はWT hIL-18と同等の効力を有する。したがって、データは、全ての試験した第2世代のヒトDR-IL-18バリアントがIL-18Rを介して能動的にシグナル伝達することを示す。 [0054]図31は、調製され、次いで、SDS/PAGEゲル上で泳動された種々のシステイン位置に突然変異を有するIL-18バリアントを描写する(Spyro-Ruby染色を使用して可視化される)。R=還元試料;N=非還元試料;MW=分子量。下部の数字は配列番号を指す(表13を参照されたい)。 [0055]図32は、C68S上の潜在的なT細胞エピトープを除去する様々なC38S/C68突然変異体のSDS/PAGEゲル分析を描写する。R=還元試料。NR=非還元試料。 [0056]図33は、C68S上の潜在的なT細胞エピトープを除去する様々なC38S/C68突然変異体に関する保存安定性研究からのサイズ排除クロマトグラフィーデータを描写する。 [0057]図34は、HEK-Blueリポーター細胞系を使用した用量応答データを描写する。全てのバリアントが、WT IL-18と比較した効力の増大および親バリアントである配列番号89と同様の効力を示した。 [0058]図35は、凍結解凍研究からの配列番号19と配列番号89とを比較するサイズ排除クロマトグラフィーデータを描写する。 [0059]図36は、撹拌研究から配列番号19と配列番号89とを比較するサイズ排除クロマトグラフィーデータを描写する。 [0060]図37Aおよび図37Bは、ヒトおよびカニクイザルIL-18Rα(図37A)およびIL-18BP(図37B)に対する配列番号19および野生型ヒトIL-18の親和性を試験するための表面プラズモン共鳴実験の結果を描写する。 [0061]図38は、IL-18BP耐性アッセイの結果を描写する。WT hIL-18はIL-18BPの添加によって強力に阻害されたが、配列番号19はIL-18BPの全ての濃度で強力なシグナル伝達能力を保持していた。 [0062]図39は、投薬実験(マウスDR IL-18バリアントである配列番号61を使用する)に由来するマウスにおける腫瘍成長データを描写する。 [0063]図40は、追加の投薬実験(マウスDR IL-18バリアントである配列番号61を使用する)に由来するマウスにおける腫瘍成長データを描写する。 [0064]図41Aおよび図41Bは、DR IL-18バリアント(この場合、配列番号89)を使用する霊長類(カニクイザル(Cynomolgus macques))における耐量実験を描写する。 [0065]図42Aおよび図42Bは、IL-18タンパク質のN末端SUMOタグを切断除去する無細胞SUMOプロテアーゼを使用したIL-18ポリペプチド(この場合、DR IL-18である配列番号89)の産生および精製を描写する。 [0066]図43Aおよび図43Bは、RP-HPLCによるSUMOプロテアーゼ切断のモニタリングに由来する結果を描写する。 図43Aおよび図43Bは、RP-HPLCによるSUMOプロテアーゼ切断のモニタリングに由来する結果を描写する。 [0067]図44は、細菌細胞(この場合、大腸菌)の内部でIL-18タンパク質のN末端SUMOタグを切断除去する外因的に提供されたSUMOプロテアーゼを使用したIL-18ポリペプチド(この場合、DR IL-18である配列番号19)の産生および精製を描写する。 [0068]図45は、細菌細胞の内部のSUMOプロテアーゼ切断反応のモニタリングに由来するRP-HPLCデータを描写する。 [0069]図46は、IL-18バリアントを産生する酵母(例えば、ピチア・パストリス(Pichia pastoris))分泌系の概略図を描写する。 [0070]図47は、DR-18(IL-18バリアント-この場合、配列番号89および配列番号87)の発現を示す代表的な還元的SDS-PAGEゲルを描写する。 [0071]図48は、酵母分泌発現系(この場合、ピチア・パストリス)からのIL-18のタグを用いない精製を容易にした2クロマトグラフィーステップのプロセス(および関連データ)を描写する。
[0072]バリアント(例えば、安定化された)IL-18ポリペプチドおよびその使用方法(例えば、疾患または障害を処置するための)が提供される。対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)と比較して2個のシステイン残基(C38およびC68)の突然変異を含む。一部の場合、突然変異は、CからSへの置換であり、したがって、安定化されたIL-18ポリペプチドは、一部の場合、突然変異C38SおよびC68Sを含んでもよい。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異対C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N(例えば、一部の場合、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N;一部の場合、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N;および一部の場合、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N)を含む。
[0073]一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、安定化されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化された「デコイ耐性」(DR)IL-18バリアントまたは安定化された「デコイ・トゥー・デコイ」(D2D)IL-18バリアント)、すなわち、ヒト野生型IL-18と比較してC38およびC68位に突然変異をさらに含むIL-18バリアントである。
[0074]IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18または安定化された、DR、D2D、安定化されたDR、もしくは安定化されたD2D IL-18バリアントなどのバリアント)を、個体に投与する(例えば、皮下的に)方法であって、投与頻度が週1回を超えない、方法が提供される。また、ポリペプチドを生産する/作製する方法も提供される。一部のそのような方法は、細胞(例えば、細菌細胞)の内部の外因的に提供される融合タンパク質を、SUMOプロテアーゼと接触させるステップを含み、融合タンパク質は、SUMOタグにN末端で融合した目的のタンパク質を含み、それによって、SUMOプロテアーゼは融合タンパク質を切断して、目的のタンパク質からSUMOタグを除去する。
[0075]本発明をより詳細に説明する前に、本発明が記載される特定の実施形態に限定されず、そのため、勿論、変化してもよいことが理解されるべきである。また、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろうため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
[0076]値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限の間の、本文が別途明確に示さない限り、下限の単位の少数第2位で四捨五入したものまでの、それぞれの介在する値、およびその記述された範囲中の任意の他の記述された値または介在する値が、本発明に包含されることが理解される。小さい方の範囲に独立に含まれていてもよいこれらの小さい方の範囲の上限および下限も、本発明に包含され、記述される範囲中の任意の具体的に排除される限界の影響下にある。記述される範囲が一方または両方の限界を含む場合、これらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除く範囲も、本発明に含まれる。
[0077]本明細書では、ある特定の範囲は、用語「約」が先行する数値と共に提示される。用語「約」は、本明細書では、それが先行する正確な数、ならびにこの用語が先行する数に近いか、またはおよその数である数に関する逐語的な支持を提供するために使用される。数が具体的に記載される数に近いか、またはおよその数であるかどうかを決定する際に、近いか、またはおよその記載されていない数は、それが提示される文脈において、具体的に記載される数の実質的な等価物を提供する数であってもよい。
[0078]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似するか、または等価である任意の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することもできるが、代表的な例示的方法および材料をここで説明する。
[0079]本明細書において引用される全ての刊行物および特許は、あたかもそれぞれ個々の刊行物または特許が具体的かつ個別的に参照により組み込まれると示されたかのように参照により本明細書に組み込まれ、引用される刊行物と関連して方法および/または材料を開示および説明するために参照により本明細書に組み込まれる。刊行物の引用は、出願日以前のその開示に関するものではなく、本発明が以前の発明という理由でそのような刊行物に先行する資格がないことの承諾と解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、独立に確認する必要があり得る、実際の刊行日とは異なっていてもよい。
[0080]本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、本文が別途明確に記述しない限り、複数の指示対象を含むことが知られている。さらに、特許請求の範囲はいかなる任意選択の要素も排除するように起草することができることが知られている。そのため、この記述は、特許請求の要素の記載、または「負の」限定の使用と関連する、「単に」、「のみ」などのような排他的な用語の使用のための優先的な基礎として役立つことが意図される。
[0081]本開示を読む当業者には明らかであるように、本明細書に記載および例示されるそれぞれ個々の実施形態は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離するか、またはそれと組み合わせることができる個別の構成要素および特徴を有する。記載される方法はいずれも、記載される事象の順に、または論理的に可能である任意の他の順序で実行することができる。
[0082]装置および方法は、機能的説明と共に文法的流動性の目的で説明されたか、または説明されるであろうが、特許請求の範囲は、35U.S.C.§112の下で明示的に公式化されない限り、「手段」または「ステップ」の制限の構築によっていかなる意味でも必ずしも限定と解釈されるべきではないが、等価物の法制定の基礎となる原則の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味および等価物の完全な範囲と一致し、また、特許請求の範囲が35U.S.C.§112の下で明示的に公式化される場合、35U.S.C.§112の下で完全な法定の等価物と一致するべきであることが明示的に理解されるべきである。
定義
[0083]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。本発明を説明し、特許請求する際に、以下の用語が使用されるであろう。
[0084]また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
[0085]冠詞「a」および「an」は、本明細書において、冠詞の文法上の対象の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも一つ)を指すために使用される。例えば、「要素(an element)」は、1つの要素または1つより多い要素を意味する。
[0086]量、時間的持続期間などの測定可能な値を言う場合に本明細書で使用される「約」は、そのような変化が適切であるような、特定される値からの±40%または±20%または±10%、±5%、±1%、または±0.1%の非限定的な変動を包含することを意味する。
[0087]生物、組織、細胞またはその成分の文脈で使用される場合の用語「異常」とは、これらの生物、組織、細胞またはその成分が、「正常」な(予想される)それぞれの特徴を示す生物、組織、細胞またはその成分と、少なくとも1つの観察可能な、または検出可能な特徴(例えば、年齢、処置、時刻など)において異なることを指す。ある細胞または組織型について正常であるか、または予想される特徴は、異なる細胞または組織型について異常である場合がある。
[0088]本明細書で使用される場合の用語「抗体」とは、抗原上の特定のエピトープに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。抗体は、天然の供給源または組換え供給源に由来するインタクトな免疫グロブリンであってよく、インタクトな免疫グロブリンの免疫反応性部分であってもよい。本発明における抗体は、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、細胞内抗体(「イントラボディ」)、Fv、FabおよびF(ab)2、ならびに単鎖抗体(scFv)、重鎖抗体、例えば、ラクダ抗体、合成抗体、キメラ抗体、およびヒト化抗体などを含む、様々な形態で存在してもよい(Harlowら、1999、Using Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY;Harlowら、1989、Antibodies:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、New York;Houstonら、1988、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879~5883;Birdら、1988、Science 242:423~426)。
[0089]本明細書で使用される場合、「抗体重鎖」とは、その天然に存在するコンフォメーションで全ての抗体分子に存在する2つの型のポリペプチド鎖の大きい方を指す。
[0090]本明細書で使用される場合、「抗体軽鎖」とは、その天然に存在するコンフォメーションで全ての抗体分子に存在する2つの型のポリペプチド鎖の小さい方を指す。κおよびλ軽鎖は、2つの主要な抗体軽鎖アイソタイプを指す。
[0091]本明細書で使用される場合、用語「合成抗体」とは、例えば、本明細書に記載されるようなバクテリオファージによって発現される抗体などの、組換えDNA技術を使用して生成される抗体を意味する。この用語はまた、抗体をコードするDNA分子の合成によって生成され、DNA分子が抗体タンパク質、または抗体を特定するアミノ酸配列を発現し、DNAまたはアミノ酸配列が、当業界で利用可能であり、周知である合成DNAまたはアミノ酸配列技術を使用して得られた、抗体を意味すると解釈されるべきである。
[0092]本明細書で使用される場合、「イムノアッセイ」とは、標的分子を検出および定量するために標的分子に特異的に結合することができる抗体を使用する任意の結合アッセイを指す。
[0093]例えば、IL-18バリアントポリペプチドに関して、本明細書で使用される場合、用語「特異的に結合する」は、IL-18RまたはIL-18BPなどの特定の分子を認識し、これに結合するIL-18バリアントポリペプチドを意味する。例として、野生型IL-18は、IL-18RとIL-18BPとの両方に特異的に結合すると言うことができる。一部の例では、IL-18バリアントポリペプチドは、IL-18BPへの結合を実質的に減少させた。例えば、ある種に由来する受容体に特異的に結合するIL-18バリアントポリペプチドは、1つまたは複数の種に由来するその受容体にも結合し得る。しかし、そのような交差種反応性はそれ自体、IL-18バリアントポリペプチドを特異的なものとして分類を変更するものではない。別の例では、受容体に特異的に結合するIL-18バリアントポリペプチドは、異なる対立遺伝子形態の受容体にも結合することができる。しかしながら、そのような交差反応性はそれ自体、IL-18バリアントポリペプチドを特異的なものとして分類を変更するものではない。一部の例では、用語「特異的結合」または「特異的に結合する」は、抗体、タンパク質、またはペプチドの、化学種との相互作用を参照して使用することができ、その相互作用が、化学種上の特定の構造(例えば、抗原性決定基またはエピトープ)の存在に依存すること;例えば、IL-18バリアントポリペプチドが、タンパク質全体よりもむしろ、特定のタンパク質構造を認識し、これに結合することを意味する。同様に、例えば、特定の抗原を「標的とする」抗体の文脈における、用語「標的」は、所与の分子の特異的結合パートナーを指すために使用される。例えば、特定のタンパク質/抗原を「標的とする」薬剤(例えば、抗体)は、それが他のタンパク質/抗原よりもその特定のタンパク質/抗原に優先的に結合するという意味で、そのタンパク質/抗原に特異的に結合する。
[0094]本明細書で使用される場合、用語「アプリケーター」とは、本発明の組成物を対象に投与するための、限定されるものではないが、皮下注射器、ピペット、イオントフォレシスデバイス、パッチなどを含む任意のデバイスを意味する。
[0095]本明細書で使用される場合、用語「コード配列」とは、転写および/または翻訳されて、mRNAおよび/またはポリペプチドもしくはその断片を産生し得る、核酸もしくはその相補体の配列、またはその一部を意味する。コード配列は、細胞の生化学的機構によって一緒に連結されて、成熟mRNAを提供する、ゲノムDNA中のエクソンまたは未熟な一次RNA転写物を含む。アンチセンス鎖は、そのような核酸の相補体であり、コード配列はそれから推定することができる。対照的に、本明細書で使用される場合、用語「非コード配列」とは、in vivoでアミノ酸に翻訳されないか、またはtRNAが、アミノ酸を置く、もしくは置くことを試みるように相互作用しない、核酸もしくはその相補体の配列、またはその一部を意味する。非コード配列は、ゲノムDNAまたは未熟な一次RNA転写物中のイントロン配列と、プロモーター、エンハンサー、サイレンサーなどの遺伝子関連配列との両方を含む。
[0096]本明細書で使用される場合、用語「相補的」または「相補性」は、塩基対形成規則によって関連付けられるポリヌクレオチド(すなわち、ヌクレオチドの配列)を参照して使用される。例えば、配列「A-G-T」は、配列「T-C-A」と相補的である。核酸の塩基の一部のみが塩基対形成規則に従って一致する場合、相補性は「部分的」であり得る。または、核酸間に「完全な」または「全体的な」相補性が存在してもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に対する有意な効果を有する。これは、核酸間の結合に依存する、増幅反応、ならびに検出方法において特に重要である。
[0097]「疾患」は、動物が恒常性を維持できず、疾患が改善されない場合、動物の健康が悪化し続ける、動物の健康状態である。対照的に、動物における「障害」は、動物が恒常性を維持することができるが、動物の健康状態が、それが障害の非存在下であったであろうものよりも好ましくない、健康状態である。未処置のままであっても、障害は、動物の健康状態のさらなる低下を必ずしも引き起こすわけではない。
[0098]本明細書で使用される場合、「有効量」とは、治療的、予防的、または他の望ましい利益を提供する量を意味する。
[0099]「コードすること」は、ヌクレオチドの規定の配列(すなわち、ガイドRNA、rRNA、tRNAおよびmRNA)またはアミノ酸の規定の配列およびそれから生じる生物学的特性のいずれかを有する生物学的プロセスにおける他のポリマーおよび高分子の合成のための鋳型として役立つ、遺伝子、cDNA、またはmRNAのようなポリヌクレオチド中のヌクレオチドの特定の配列の固有の特性を指す。したがって、ある遺伝子は、その遺伝子に対応するmRNAの転写および翻訳が細胞または他の生物システムにおいてタンパク質をもたらす場合、タンパク質をコードする。mRNA配列と同一であり、通常は、配列表に提供されるヌクレオチド配列であるコード鎖と、遺伝子またはcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖との両方を、タンパク質またはその遺伝子もしくはcDNAの他の生成物をコードすると称することができる。
[0100]本明細書で使用される場合、核酸に適用される用語「断片」とは、より大きい核酸のサブ配列を指す。核酸の「断片」は、少なくとも約15ヌクレオチド長;例えば、少なくとも約50ヌクレオチド~約100ヌクレオチド;少なくとも約100~約500ヌクレオチド、少なくとも約500~約1000ヌクレオチド;少なくとも約1000ヌクレオチド~約1500ヌクレオチド;約1500ヌクレオチド~約2500ヌクレオチド;または約2500ヌクレオチド(およびその間の任意の整数値)であってもよい。本明細書で使用される場合、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに適用される用語「断片」は、より大きいタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドのサブ配列を指す。タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの「断片」は、少なくとも約5アミノ酸長;例えば、少なくとも約10アミノ酸長;少なくとも約20アミノ酸長;少なくとも約50アミノ酸長;少なくとも約100アミノ酸長;少なくとも約200アミノ酸長;または少なくとも約300アミノ酸長(およびその間の任意の整数値)であってもよい。
[0101]用語「遺伝子」とは、ポリペプチド、前駆体、またはRNA(例えば、mRNA)の産生にとって必要なコード配列を含む核酸(例えば、DNA)配列を指す。ポリペプチドは、完全長コード配列によって、または完全長もしくは断片の所望の活性もしくは機能的特性(例えば、酵素活性、受容体結合、シグナル伝達、免疫原性など)が保持される限り、コード配列の任意の部分によってコードされていてもよい。この用語はまた、構造遺伝子のコード領域および遺伝子が遺伝子の転写特性に影響する完全長mRNAおよび5’調節配列の長さに一致するような、いずれかの末端上の約2kb以上の距離について5’と3’末端の両方でコード領域の近くに位置する配列も包含する。コード領域の5’側に位置し、mRNA上に存在する配列は、5’非翻訳配列と称される。5’非翻訳配列は通常、調節配列を含有する。コード領域の3’側または下流に位置し、mRNA上に存在する配列は、3’非翻訳配列と称される。用語「遺伝子」は、cDNAと、遺伝子のゲノム形態との両方を包含する。遺伝子のゲノム形態またはクローンは、「イントロン」または「介在領域」または「介在配列」と呼ばれる非コード配列で中断されたコード領域を含有する。イントロンは、核RNA(hnRNA)に転写される遺伝子のセグメントである;イントロンは、エンハンサーなどの調節エレメントを含有してもよい。イントロンは、核または一次転写物から除去されるか、または「スプライシングによって除去」される;したがって、イントロンは、メッセンジャーRNA(mRNA)転写物中には存在しない。mRNAは、翻訳中に、新生ポリペプチド中のアミノ酸の配列または順序を特定するように機能する。
[0102]2つ以上の核酸またはポリペプチド配列の文脈において本明細書で使用される場合、「相同な」、「同一の」、または「同一性」とは、配列が特定の領域にわたって同じである特定のパーセンテージの残基を有することを意味する。2つの配列を最適に整列させること、特定の領域にわたって2つの配列を比較すること、同一の残基が両方の配列中に存在する位置の数を決定して、一致した位置の数を得ること、一致した位置の数を、特定の領域中の位置の総数で除すること、およびその結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを得ることによって、パーセンテージを算出することができる。2つの配列が異なる長さであるか、またはアラインメントが1つもしくは複数の互い違いの末端をもたらし、比較の特定の領域が単一の配列のみを含む場合、単一の配列の残基は、計算の分子ではなく、分母に含まれる。DNAおよびRNAを比較する場合、チミン(T)およびウラシル(U)を同等に考えることができる。同一性は、手動で、またはBLASTもしくはBLAST2.0などのコンピューター配列アルゴリズムを使用することによって実施することができる。
[0103]本明細書で使用される場合、用語「使用説明書材料」は、本明細書に記載される種々の疾患または障害を同定する、または軽減する、または処置するための、キット中の本発明の核酸、ペプチド、ポリペプチド、および/または化合物の有用性を伝えるために使用することができる、刊行物、記録、ダイアグラム、または他の任意の表現媒体を含む。必要に応じて、またはあるいは、使用説明書材料は、対象の細胞または組織における疾患または障害を同定する、または軽減する1つまたは複数の方法を記載してもよい。キットの使用説明書材料は、例えば、本発明の核酸、ポリペプチド、および/もしくは化合物を含有する容器に添付するか、または核酸、ポリペプチド、および/もしくは化合物を含有する容器と一緒に発送することができる。 あるいは、使用説明書材料を、レシピエントが使用説明書材料および化合物を共同で使用する意図で容器とは別々に発送してもよい。
[0104]「単離された」とは、天然の状態から変更されたか、または取り出されたことを意味する。例えば、生きている動物中に天然に存在する核酸またはポリペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の同時に存在する材料から部分的または完全に分離された同じ核酸またはポリペプチドは「単離」されている。単離された核酸またはタンパク質は、実質的に精製された形態で存在してもよいか、または例えば、宿主細胞などの非天然環境中に存在してもよい。
[0105]本明細書で使用される場合、タンパク質の文脈における用語「精製する」および「精製された」とは、例えば、in vitro、ex vivo、またはin vivoでのタンパク質の有効な使用を可能にする純度のレベルを指す。所与の適用にとって有用であるタンパク質について、それは、そのような適用におけるそのタンパク質の使用を妨げ得る、または目的のタンパク質と一緒の含有にとって少なくとも望ましくないであろう、夾雑物、他のタンパク質、および/または化学物質を実質的に含むべきではない。そのような適用は、治療組成物の調製、治療組成物中のタンパク質の投与、および本明細書に開示される他の方法を含む。好ましくは、本明細書で参照される場合、「精製された」タンパク質は、任意の方法によって(すなわち、天然の供給源からの直接精製により、組換え的に、または合成的に)生産することができ、タンパク質が、所与の組成物中の総タンパク質の少なくとも約75重量%、所与の組成物中の総タンパク質の80重量%、より好ましくは、所与の組成物中の総タンパク質の少なくとも約85重量%、より好ましくは少なくとも約90重量%、より好ましくは少なくとも約91重量%、より好ましくは少なくとも約92重量%、より好ましくは少なくとも約93重量%、より好ましくは少なくとも約94重量%、より好ましくは少なくとも約95重量%、より好ましくは少なくとも約96重量%、より好ましくは少なくとも約97重量%、より好ましくは少なくとも約98重量%、より好ましくは少なくとも約99重量%を占めるように、他のタンパク質成分から精製されているタンパク質である。例として、精製されたポリペプチドは、それが通常はその天然に存在する状態(例えば、タンパク質が天然に存在するタンパク質である場合)で会合し得る他の成分から、およびそれが細胞の内部にある間または細胞外環境にある間に会合し得る成分から分離されているポリペプチドである。例えば、一部の場合、タンパク質を、細胞溶解物から(例えば、タンパク質が外因的に発現された細菌細胞の溶解物から)精製することができる。別の例として、タンパク質を、細胞外培地から、例えば、細胞(例えば、酵母細胞)がタンパク質を分泌した培養培地から精製することができる。
[0106]「単離された核酸」とは、天然に存在する状態でそれに隣接する配列から分離されている核酸セグメントまたは断片、例えば、通常は断片に隣接する配列、例えば、それが天然に存在するゲノム中の断片に隣接する配列から取り出されたDNA断片を指す。この用語はまた、核酸、例えば、RNAもしくはDNAに天然に付随する他の成分、または細胞中でそれに天然に付随するタンパク質から実質的に精製されている核酸にも適用される。したがって、この用語は、例えば、ベクター中に、自律的に複製するプラスミドもしくはウイルス中に、または原核もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み込まれる、または他の配列とは無関係に別の分子として(例えば、cDNAもしくはゲノムもしくはPCRもしくは制限酵素消化によって産生されたcDNA断片として)存在する、組換えDNAを含む。それはまた、さらなるポリペプチド配列をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも含む。
[0107]本明細書で使用される場合、用語「標識」とは、「標識された」プローブを生成するために、プローブに直接または間接にコンジュゲートされる検出可能な化合物または組成物を指す。標識は、それ自体、検出可能であってよいか(例えば、放射性同位体標識もしくは蛍光標識)、または酵素標識の場合、検出可能である基質化合物もしくは組成物の化学的変更(例えば、アビジン-ビオチン)を触媒してもよい。一部の例では、プライマーを標識して、PCR産物を検出することができる。
[0108]本明細書で使用される場合、用語「モジュレートすること」とは、処置もしくは化合物の非存在下での対象におけるmRNA、ポリペプチドもしくは応答の活性および/もしくはレベルと比較した、ならびに/またはそうでなければ同一であるが、未処置の対象におけるmRNA、ポリペプチド、もしくは応答の活性および/もしくはレベルと比較した、対象におけるmRNA、ポリペプチド、または応答の活性および/またはレベルの検出可能な増加または減少を媒介することを意味する。この用語は、天然のシグナルまたは応答を活性化する、阻害する、および/またはそうでなければ影響することによって、対象、例えば、ヒトにおける有益な治療応答、予防応答、または他の望ましい応答を媒介することを包含する。 本明細書で使用される場合、「突然変異」、「突然変異体」または「バリアント」とは、参照配列(天然に存在する通常の/「野生型」の配列であってもよい)に対する核酸またはアミノ酸配列中の変化を指し、転座、欠失、挿入、および置換/点突然変異を含む。本明細書で使用される場合、「突然変異体」または「バリアント」とは、突然変異を含む核酸またはタンパク質のいずれかを指す。
[0109]「核酸」とは、ポリヌクレオチドを指し、ポリリボヌクレオチドおよびポリデオキシリボヌクレオチドを含む。本発明による核酸は、ピリミジンおよびプリン塩基、好ましくは、それぞれ、シトシン、チミン、およびウラシル、ならびにアデニンおよびグアニンの任意のポリマーまたはオリゴマーを含んでもよい(その全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる、Albert L.Lehninger、Principles of Biochemistry、793~800(Worth Pub.1982)を参照されたい)。実際、本発明は、任意のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはペプチド核酸成分、およびその任意の化学的バリアント、例えば、メチル化、ヒドロキシメチル化またはグルコシル化形態のこれらの塩基などを企図する。ポリマーまたはオリゴマーは、組成において異種または同種であってもよく、天然に存在する供給源から単離するか、または人工的に、もしくは合成的に生産することができる。さらに、核酸は、DNAもしくはRNA、またはその混合物であってもよく、ホモ二本鎖、ヘテロ二本鎖、およびハイブリッド状態を含む、一本鎖または二本鎖形態で永続的に、または一過的に存在してもよい。
[0110]「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチド」は、少なくとも2、好ましくは少なくとも8、15または25ヌクレオチド長の範囲の核酸であるが、最大で50、100、1000、もしくは5000ヌクレオチドの長さであるか、またはポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズする化合物であってもよい。ポリヌクレオチドは、天然の供給源から単離する、組換え的に生産する、または人工的に合成することができる、デオキシリボ核酸(DNA)もしくはリボ核酸(RNA)またはその模倣物質の配列を含む。本発明のポリヌクレオチドのさらなる例は、ペプチド核酸(PNA)であってもよい(その全体が参照により組み込まれる、米国特許第6,156,501号を参照されたい)。本発明はまた、ある特定のtRNA分子において同定され、三重らせんで存在することを前提とされたフーグスティーン型塩基対合などの非伝統的な塩基対合が存在する状況も包含する。「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、本開示においては互換的に使用される。本明細書において、ヌクレオチド配列がDNA配列(例えば、A、T、G、およびC)によって表される場合、これは「U」が「T」を置き換える対応するRNA配列(例えば、A、U、G、C)も含むことが理解されるであろう。
[0111]用語「個体」、「対象」、「宿主」および「患者」は、本明細書では互換的に使用され、診断、処置、または療法が望まれる任意の哺乳動物対象、特に、ヒトを指す。
[0112]本明細書で使用される場合、用語「ペプチド」、「ポリペプチド」および「タンパク質」は、互換的に使用され、ペプチド結合によって共有的に連結されたアミノ酸残基を含む化合物を指す。タンパク質またはペプチドは、少なくとも2個のアミノ酸を含有しなければならず、タンパク質またはペプチドの配列を含んでもよいアミノ酸の最大数に制限はない。ポリペプチドは、ペプチド結合によって互いに連結された2個以上のアミノ酸を含む任意のペプチドまたはタンパク質を含む。本明細書で使用される場合、この用語は、当業界で一般的に、例えば、ペプチド、オリゴペプチドおよびオリゴマーとも称される短い鎖と、当業界で一般的に、多くの型が存在するタンパク質と称されるより長い鎖との両方を指す。「ポリペプチド」は、例えば、特に、生物活性断片、実質的に相同なポリペプチド、オリゴペプチド、ホモ二量体、ヘテロ二量体、ポリペプチドのバリアント、改変ポリペプチド、誘導体、アナログ、融合タンパク質を含む。ポリペプチドは、天然ペプチド、組換えペプチド、合成ペプチド、突然変異体ポリペプチド、バリアントポリペプチド、またはその組合せを含む。
[0113]本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」は、cDNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、アンチセンスRNA、リボザイム、ゲノムDNA、合成形態、および混合型ポリマー、センス鎖とアンチセンス鎖との両方を含み、非天然の、もしくは誘導体化された、合成の、または半合成のヌクレオチド塩基を示すように化学的または生化学的に改変されていてもよい。また、限定されるものではないが、1つもしくは複数のヌクレオチドの欠失、挿入、置換、または他のポリヌクレオチド配列との融合などの、野生型または合成遺伝子の変更も企図される。
[0114]本明細書で使用される場合、「試料」または「生体試料」は、対象から単離された生体材料を意味する。生体試料は、対象における生理学的または病理学的プロセスのmRNA、ポリペプチドまたは他のマーカーを検出するのに好適な任意の生体材料を含有してもよく、個体から得られた流体、組織、細胞性および/または非細胞性材料を含んでもよい。
[0115]本明細書で使用される場合、用語「療法」または「治療レジメン」とは、疾患または障害を防止する、処置する、または変更するために行われる活動、例えば、薬理学的、外科的、食事的および/または他の技術を使用して疾患または障害の少なくとも1つの兆候または症状を低減させる、または除去することを意図された処置の経過を指す。治療レジメンは、1つもしくは複数の化合物の処方された投与量または外科手術を含んでもよい。療法は、ほとんどの場合、有益であり、障害または疾患状態の少なくとも1つの兆候または症状を低減させる、または除去するであろうが、一部の例では、療法の効果は望ましくないか、または副作用を有するであろう。療法の効果は、対象の生理学的状態、例えば、年齢、性別、遺伝学、体重、他の疾患状態などによっても影響されるであろう。
[0116]用語「治療有効量」とは、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって求められる、細胞、組織、臓器、システム、または対象の意図された生物学的、生理学的、臨床的または医学的応答を惹起する対象となる化合物または組成物の量を指す。用語「治療有効量」は、投与された場合、処置される障害または疾患の1つまたは複数の兆候または症状を処置するのに十分な化合物または組成物の量を含む。治療有効量は、化合物または組成物、疾患およびその重症度ならびに処置しようとする対象の年齢、体重などに応じて変化するであろう。
[0117]本明細書で使用される場合、疾患または障害を「処置する」という用語は、対象によって経験される疾患または障害の少なくとも1つの兆候または症状の頻度または重症度を低減させることを意味する。本明細書で使用される用語「処置」、「処置すること」、「処置する」などは、一般的には、所望の薬理学的および/または生理学的効果を得ることを指す。効果は、疾患もしくはその症状を完全に、もしくは部分的に防止する観点から予防的であってよく、ならびに/または疾患および/もしくは疾患に起因する有害効果に関する部分的もしくは完全な安定化もしくは治癒の観点から治療的であってもよい。用語「処置」は、哺乳動物、特に、ヒトにおける疾患の任意の処置を包含し、(a)疾患もしくは症状の素因を有し得るが、それを有するとまだ診断されていない対象において疾患および/もしくは症状が生じるのを防止すること;(b)疾患および/もしくは症状を阻害すること、例えば、その発達を減速させること、もしくは停止させること(例えば、腫瘍の成長を停止させること、腫瘍成長の速度を減速させること、がん細胞増殖の速度を停止させることなど);または(c)疾患症状を緩和すること、すなわち、疾患および/もしくは症状の退縮を引き起こすこと(例えば、腫瘍サイズの減少を引き起こすこと、存在するがん細胞の数を減少させることなど)を含む。処置を必要とする者としては、既に苦しんでいる者(例えば、がんを有する者、感染を有する者、代謝障害を有する者、黄斑変性を有する者など)ならびに防止が望ましい者(例えば、がんに対する感受性が高い者、感染の可能性が高い者、がんを有すると疑われる者、感染を担持すると疑われる者、代謝疾患に対する感受性が高い者、黄斑変性に対する感受性が高い者など)が挙げられる。
[0118]本明細書で使用される場合、用語「野生型」とは、天然に存在する供給源から単離された、または天然に存在する配列を有する遺伝子または遺伝子産物(例えば、天然に存在するアミノ酸配列を有する野生型タンパク質は、天然源から、または合成源から単離することができるが、依然として野生型タンパク質であると考えられるであろう)を指す。対照的に、用語「改変された」、「バリアント」または「突然変異体」とは、野生型遺伝子または遺伝子産物と比較した場合、配列および/または機能特性において改変(すなわち、変更された特徴)を有する遺伝子または遺伝子産物を指す。
[0119]範囲:本開示を通して、種々の態様を範囲形式で提示することができる。範囲形式での記載は、単に便宜および簡潔性のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定と解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、具体的に開示される全ての可能なサブ範囲ならびにその範囲内の個々の数値を有すると考えるべきである。例えば、1~6などの範囲の記載は、1~2、1~3、1~4、1~5、2~3、2~4、2~5、2~6などの具体的に開示されるサブ範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、および6を有すると考えるべきである。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
組成物および方法
[0120]上でまとめられたように、一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、野生型IL-18(配列番号30)と比較してアミノ酸C38およびC68位に突然変異を有するIL-18ポリペプチドを含む。そのようなバリアントは、本明細書では「安定化された」IL-18バリアントと称される。
[0121]一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、野生型IL-18と比較して突然変異したIL-18バリアントポリペプチドを含み、それはIL-18の天然の結合パートナーの一方には結合するが、他方には結合することができない(または他方への結合が減少している)。例えば、野生型IL-18は、IL-18R(受容体を介してシグナル伝達する)と、IL-18BP(IL-18がIL-18Rに結合するのを防止することによってそれを阻害する)との両方に結合する。一部の場合、本明細書で論じられるIL-18バリアントポリペプチドは、「デコイ耐性IL-18」(「DR IL-18」)バリアントである;そのようなバリアントは、IL-18Rには結合するが、IL-18BPへの結合は減少している(一部の場合、それに結合しない)。他の場合、本明細書で論じられるIL-18バリアントポリペプチドは、「デコイ・トゥー・デコイIL-18」(「D2D IL-18」)バリアントである;そのようなバリアントは、IL-18BPには結合するが、IL-18Rへの結合は減少している(一部の場合、それに結合しない)。本開示に示されるように、IL-18バリアントポリペプチドは、野生型IL-18と同等のIL-18Rαに対する結合親和性を示し得るが、野生型IL-18と比較して低いIL-18BPに対する結合親和性も示す。
[0122]一部の場合、種々のバリアントを説明するための用語の間には重複がある。例えば、DR IL-18バリアントまたはD2D IL-18バリアントは、C38およびC68に突然変異を含んでもよく、そのような場合、IL-18バリアントは「安定化された」バリアントであろう。そのため、用語「安定化された」は、安定化された野生型IL-18(C38およびC68突然変異を有するWT IL-18)ならびにC38およびC68突然変異を有するDR IL-18およびD2D IL-18バリアントなどの安定化されたバリアントタンパク質を包含する。同様に、用語「DR IL-18」バリアントは、C38/C68突然変異を有する、および有しないそのようなバリアントを包含し、用語「D2D IL-18」バリアントは、C38/C68突然変異を有する、および有しないそのようなバリアントを包含する。そのため、用語「安定化されたDR IL-18」バリアントは、C38/C68突然変異を有するDR IL-18バリアントを論じる場合に使用することができ、用語「安定化されたD2D IL-18」バリアントは、C38/C68突然変異を有するD2D IL-18バリアントを論じる場合に使用することができる。
[0123]そのため、以下は、「安定化された」IL-18タンパク質(種々のC38/C68突然変異体)の種々の実施形態を論じる。この記載は、任意の型のIL-18タンパク質(例えば、野生型、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアントなど)に同等に適用される。C38/C68中の突然変異を最初に論じ、その後DR IL-18バリアントおよびD2D IL-18バリアントを論じる。論じられるバリアントは全て、本明細書に記載される方法のいずれかにおいて使用することができる。
[0124]安定化されたIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)と比較して2個のシステイン残基(C38およびC68)の突然変異である「安定化突然変異」を含むIL-18ポリペプチドである。驚くべきことに、これらの2個のアミノ酸の突然変異は、システイン突然変異の他の全てのあり得る組合せよりも良好にIL-18を安定化することがわかった。例えば、以下の実施例を参照されたい。一部の場合、突然変異は、CからSへの置換であり、したがって、安定化されたIL-18ポリペプチドは、一部の場合、ヒト野生型IL-18(配列番号30)と比較した突然変異C38SおよびC68S(本明細書では、「突然変異対C38S/C68S」とも称される)を含んでもよい。一部の場合、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対してアミノ酸位置C38およびC68に突然変異を含む。一部の場合、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対してアミノ酸位置C38およびC68に突然変異を含む。そのようなバリアントタンパク質の例としては、配列番号6および配列番号16~21として記載されるものが挙げられるが、これらの配列は、それらをDR IL-18バリアント(以下を参照されたい)にする追加の突然変異も含み、そのような配列番号6および配列番号16~21は、安定化されたDR IL-18バリアントの例である。
[0125]一部の場合、突然変異は、CからSへの置換であり、したがって、安定化されたIL-18ポリペプチドは、一部の場合、ヒト野生型IL-18(配列番号30)と比較した突然変異C38SおよびC68S(本明細書では「C38S/C68S」とも称される)を含んでもよい。C68の突然変異は、一部の場合、免疫原性エピトープをもたらすことができる。したがって、一部の実施形態では、C68での突然変異は、非免疫原性置換である。一部のそのような場合、突然変異は、C68のG、A、V、D、E、またはNへの突然変異(一部の場合、C68のG、A、D、またはNへの突然変異)である。したがって、一部のそのような場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68Dを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68Gを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68Aを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68Aを含む。一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、突然変異C38S/C68Nを含む。
[0126]したがって、一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Dを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Gを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Aを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Nを含む。
[0127]一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Dを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Gを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Aを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Nを含む。
安定化されたDR IL-18またはD2D IL-18バリアント
[0128]一部の場合、対象の安定化されたIL-18ポリペプチドは、安定化されたIL-18バリアントポリペプチド、すなわち、安定化突然変異(すなわち、ヒト野生型IL-18と比較してC38およびC68位の突然変異)を含むIL-18バリアントポリペプチドである。一部のそのような場合、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、安定化された「デコイ耐性」(DR)IL-18バリアントであり、他のそのような場合、安定化されたIL-18バリアントポリペプチドは、安定化された「デコイ・トゥー・デコイ」(D2D)IL-18バリアントである。ヒトDR IL-18バリアントの例としては、限定されるものではないが、配列番号34~59、73~91、および191~193に記載されるものが挙げられるが、ヒトD2D IL-18バリアントの例としては、限定されるものではないが、配列番号92~125に記載されるものが挙げられる;以下の実施例も参照されたい。DR-IL18バリアントは、以下に詳細に記載され、そのようなバリアントはいずれも、安定化されたDR-IL18であるために、本明細書に記載されるようなC38/C68突然変異を含んでもよい。
[0129]一部の場合、対象の安定化されたDR IL-18バリアントは、C38およびC68が突然変異されることを除いて(例えば、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合、C38S/C68D-一部の場合、C38S/C68G-一部の場合、C38S/C68A-一部の場合、C38S/C68N)、配列番号89に記載されるアミノ酸配列を含む。安定化されたDR IL-18バリアントの例としては、配列番号6および配列番号16~21として記載されるものが挙げられる(これらのものは、配列番号89として記載されるDR-18バリアントのC38/C68突然変異バージョンである)。当業者であれば、等価な安定化されたバリアントを、任意の望ましいIL-18バリアントのために容易に生産することができる(例えば、以下の実施例を参照されたい)(例えば、配列番号34~59、73~91、および191~193として記載されるヒトDR-ILバリアントのいずれか、例えば、配列番号87~91、または配列番号92~125として記載されるヒトD2D IL-18バリアントのいずれか)。
[0130]したがって、一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Dを含む。
[0131]一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Gを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Aを含む。
[0132]一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含む。
[0133]一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Dを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Gを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Aを含む。一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチドは、ヒト野生型IL-18(配列番号30)[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つもしくは配列番号87~91のいずれか1つもしくは配列番号89]との90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、95%以上、97%以上、98%以上、または98.5%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含み、配列番号30に対して突然変異C38S/C68Nを含む。
[0134]一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチドは、DR IL-18バリアントである(すなわち、それはIL-18Rに結合し、IL-18BPへの低い結合を示す)。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BPに対する結合親和性の95%以下(例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、0.05%以下、または0.001%以下)である結合親和性でIL-18BPに結合する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BPに対する結合親和性の10%以下(例えば、5%以下、2%以下、1%以下、0.05%以下、または0.001%以下)である結合親和性でIL-18BPに結合する。
[0135]一部の実施形態では、対象のDR IL-18バリアントは、10nM以上であるIL-18BPに対するKを有する(より高いKはより低い結合親和性を意味する)。一部の実施形態では、対象のDR-IL-18バリアントポリペプチドは、20nM以上(例えば、50nM以上、100nM以上、500nM以上、または1μM以上)であるIL-18BPに対するKを有する。
[0136]IL-18ポリペプチド(例えば、ヒト野生型IL-18と比較してC38およびC68位に突然変異を含むDR IL-18ポリペプチド)は、異なる配列を有するIL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18配列、またはC38およびC68突然変異を欠くが、そうでなければ対象のIL-18ポリペプチドと同じ配列を含有するIL-18配列)と比較して増強された安定性を示し得る。
[0137]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)の安定性を、ポリペプチドまたはポリペプチドを含有する本明細書に開示される製剤を凍結解凍サイクル、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、または少なくとも20回の凍結解凍サイクルにかけることによって、評価することができる。凍結解凍サイクルは、ポリペプチドまたはポリペプチドを含む製剤を凍結すること(例えば、約-20℃または-80℃に)およびポリペプチドまたは製剤を解凍すること(例えば、約20℃、23℃、25℃、または37℃に)を含んでもよい。
[0138]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)の安定性を、ポリペプチドまたはポリペプチドを含有する本明細書に開示される製剤を撹拌にかけることによって評価することができる。撹拌は、例えば、約100rpm、約150rpm、約200rpm、または約250rpmで撹拌しながら、ポリペプチドまたは製剤をインキュベートすること(例えば、約20℃、約23℃、約25℃、約30℃、約37℃、または約40℃で)を含んでもよい。試料を、その温度および撹拌速度でのインキュベーションの、例えば、約1日後、約2日後、約3日後、約4日後、約5日後、約1週間後、または約2週間後に試験することができる。
[0139]本明細書に開示される安定性アッセイの前後(例えば、凍結解凍サイクルおよび/または撹拌の前後)にサイズ排除クロマトグラフィーによって測定されるIL-18の主ピークのサイズを比較することによって、IL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)の安定性を評価することができる。一部の実施形態では、安定性アッセイ条件への曝露後、主ピークは、アッセイ条件への曝露前の主ピークのサイズの少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約95.5%、少なくとも約96%、少なくとも約96.5%、少なくとも約97%、少なくとも約97.5%、少なくとも約98%、少なくとも約98.5%、少なくとも約99%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.1%、少なくとも約99.3%、少なくとも約99.4%、少なくとも約99.5%、少なくとも約99.6%、少なくとも約99.7%、少なくとも約99.8%、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.95%、少なくとも約99.99%、または約100%のままである。
[0140]一部の実施形態では、安定性アッセイ条件への曝露後、主ピークの保持は、異なる配列を有するIL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18配列、またはC38およびC68突然変異を欠くが、そうでなければ対象のIL-18ポリペプチドと同じ配列を含有するIL-18配列)よりも少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、または少なくとも約50%高い。
[0141]IL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)の安定性を、本明細書に開示される安定性アッセイの前後(例えば、凍結解凍サイクルおよび/または撹拌の前後)に、二量体、多量体、凝集体、または分解産物の形成を示すサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される1つまたは複数のピークの存在およびサイズを決定することによって評価することができる。一部の実施形態では、安定性アッセイ条件へのIL-18ポリペプチド(例えば、本明細書に開示される製剤中のDR IL-18)の曝露後、二量体の形成を示すピークは検出されないか、または実質的に検出されない。一部の実施形態では、安定性アッセイ条件へのIL-18ポリペプチド(例えば、本明細書に開示される製剤中のDR IL-18)の曝露後、多量体の形成を示すピークは検出されないか、または実質的に検出されない。一部の実施形態では、安定性アッセイ条件へのIL-18ポリペプチド(例えば、本明細書に開示される製剤中のDR IL-18)の曝露後、凝集体の形成を示すピークは検出されないか、または実質的に検出されない。一部の実施形態では、安定性アッセイ条件へのIL-18ポリペプチド(例えば、本明細書に開示される製剤中のDR IL-18)の曝露後、分解産物の形成を示すピークは検出されないか、または実質的に検出されない。
[0142]一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、本明細書に開示される製剤中のDR IL-18)の安定性アッセイ条件への曝露後、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーによって決定された場合、異なる配列を有するIL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18配列、またはC38およびC68にある突然変異を欠損するが、それ以外は対象のIL-18ポリペプチドと同じ配列を含有するIL-18配列)と比較して、IL-18ポリペプチドは、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%少ない二量体、多量体、凝集体、および/または分解産物形成を示す。
[0143]一部の実施形態では、開示したDR IL-18バリアントは、少なくとも約100μM、少なくとも約10μM、少なくとも約1μM、少なくとも約900nM、少なくとも約800nM、少なくとも約700nM、少なくとも約600nM、少なくとも約500nM、少なくとも約400nM、少なくとも約300nM、少なくとも約200nM、少なくとも約150nM、少なくとも約100nM、少なくとも約90nM、少なくとも約80nM、少なくとも約70nM、少なくとも約60nM、少なくとも約50nM、少なくとも約40nM、少なくとも約30nM、少なくとも約20nM、または少なくとも約10nMである、IL-18BPへのKを有する。一部の実施形態では、開示されるDR IL-18バリアントは、IL-18BPに結合しないか、実質的にIL- 18BPに結合しないか、または本明細書に開示されるアッセイでは検出限界未満でIL-18BPに結合する。
[0144]本明細書に開示されるDR IL-18バリアントは、ヒトIL-18Rへの結合を示すことができ、例えば、野生型ヒトIL-18への匹敵する親和性でヒトIL-18Rに結合することができるか、または野生型ヒトIL-18よりも高い親和性でヒトIL-18Rに結合することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示されるDR IL-18バリアントは、ヒトIL-18Rに対して示す野生型ヒトIL-18と少なくとも匹敵する親和性でヒトIL-18Rに結合する。
[0145]一部の実施形態では、本明細書に開示されるDR IL-18バリアントは、例えば、約100μMより低い、約10μMより低い、約1μMより低い、約900nMより低い、約800nMより低い、約700nMより低い、約600nMより低い、約500nMより低い、約400nMより低い、約300nMより低い、約200nMより低い、約150nMより低い、約100nMより低い、約90nMより低い、約80nMより低い、約70nMより低い、約60nMより低い、約50nMより低い、約40nMより低い、約30nMより低い、約20nMより低い、約10nMより低い、約5nMより低い、約4nMより低い、約3nMより低い、約2nMより低い、または約1nMより低いKで、ヒトIL-18RαまたはヒトIL-18Rに結合する。
[0146]一部の実施形態では、本明細書に開示されるDR IL-18バリアントは、例えば、約1pM~約1μM、約1pM~約500nM、約1pM~約400nM、約1pM~約300nM、約1pM~約200nM、約1pM~約100nM、約1pM~約50nM、約100pM~約1μM、約100pM~約500nM、約100pM~約400nM、約100pM~約300nM、約100pM~約200nM、約100pM~約100nM、約100pM~約50nM、約1nM~約1μM、約1nM~約500nM、約1nM~約400nM、約1nM~約300nM、約1nM~約200nM、約1nM~約100nM、約1nM~約75nM、約1nM~約50nM、約1nM~約40nM、約1nM~約30nM、または約1nM~約10nMのKでヒトIL-18RαまたはヒトIL-18Rに結合する。
[0147]一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約2倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する(解離定数比の増加は、IL-18R結合と比較してIL-18BP結合の相対的な減少を意味することに注意されたい)。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約20倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約200倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約2000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約20000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約200000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約2000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約20000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。
[0148]一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約3倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約30倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約300倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約3000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約30000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約300000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約3000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約30000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。
[0149]一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約10倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約100倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約1000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約10000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約100000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約1000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約10000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントは、野生型IL-18のIL-18BP/IL-18R解離定数比よりも少なくとも約100000000倍高いIL-18BP/IL-18R解離定数比を有する。
[0150]一部の実施形態では、対象のDR IL-18バリアントは、3nMより高い(例えば、5nM以上、10nM以上、50nM以上、100nM以上、500nM以上、750nM以上、または1μM以上)IL-18BPへの阻害定数(Ki)を有する。一部の実施形態では、対象のDR-IL-18バリアントポリペプチドは、500nM以上であるIL-18BPへのKiを有する。一部の実施形態では、対象のDR-IL-18バリアントポリペプチドは、1μM以上である、IL-18BPへのKiを有する。
[0151]一部の実施形態では、IL-15 18Rに結合し、IL-18BPへの結合の減少を示す対象のIL-18バリアントポリペプチド(DR-IL-18)は、200nMより高い(例えば、500nM以上、750nM以上、または1μM以上)IL-18BPへのKiを有する。一部の実施形態では、対象のDR-IL-18バリアントポリペプチドは、1μM以上であるIL-18BPへのKiを有する。
[0152]一部の実施形態では、IL-18Rに結合し、IL-18BPへの実質的な結合の減少を示す対象のIL-18バリアントポリペプチド(DR-IL-18)は、野生型IL-18のIL-18BPへのKiよりも少なくとも2倍高い、IL-18BPへの阻害定数(Ki)を有する(すなわち、対象のIL-18バリアントポリペプチドのIL-18BPへのKiは、WT IL-18のIL-18BPへのKiと比較して少なくとも2倍である)。例えば、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントポリペプチドは、野生型IL-18のIL-18BPへのKiよりも少なくとも5倍高い(例えば、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍高い)、IL-18BPへのKiを有する。
[0153]一部の実施形態では、IL-18Rに結合し、IL-18BPへの実質的な結合の減少を示す対象のIL-18バリアントポリペプチド(DR-IL-18)は、野生型IL-18のIL-18BPへのEC50よりも少なくとも2倍高い、IL-18BPへのEC50を有する(すなわち、対象のIL-18バリアントポリペプチドのIL-18BPへのEC50は、WT IL-18のIL-18BPへのEC50と比較して少なくとも2倍である)。例えば、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントポリペプチドは、野生型IL-18のIL-18BPへのEC50よりも少なくとも5倍高い(例えば、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも500倍、または少なくとも1000倍高い)、IL-18BPへのEC50を有する。
[0154]任意の上記の場合では、DR IL-18バリアントは、上記に提示した任意の組合せのC38/C68突然変異を含み得る(例えば、一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N;一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N;一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N;C38S/C68D;一部の場合では、C38S/C68G;一部の場合では、C38S/C68A;一部の場合では、C38S/C68N;一部の場合ではC38S/C68S)。
[0155]同様に、以下のいずれかについて、DR IL-18バリアントは、上記に提示した任意の組合せのC38/C68突然変異を含み得る(例えば、一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N;一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N;一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N;一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N;C38S/C68D;一部の場合では、C38S/C68G;一部の場合では、C38S/C68A;一部の場合ではC38S/C68N;一部の場合では、C38S/C68S)。
[0156]一部の実施形態では、DR-IL-18バリアントは、Y1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)を含む。様々な実施形態では、ヒトIL-18バリアントポリペプチドは、Y1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも4つの突然変異を含む。様々な実施形態では、ヒトIL-18バリアントポリペプチドは、Y1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも6つの突然変異を含む。様々な実施形態では、ヒトIL-18バリアントポリペプチドは、Y1、L5、K8、S55、Q56、P57、G59、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)を含む。一部の実施形態では、ヒトIL-18バリアントポリペプチドは、Y1H、Y1R、L5H、L5I、L5Y、K8Q、K8R、M51T、M51K、M51D、M51N、M51E、M51R、K53R、K53G、K53S、K53T、S55K、S55R、Q56E、Q56A、Q56R、Q56V、Q56G、Q56K、Q56L、P57L、P57G、P57A、P57K、G59T、G59A、M60K、M60Q、M60R、M60L、E77D、Q103E、Q103K、Q103P、Q103A、Q103R、S105R、S105D、S105K、S105N、S105A、D110H、D110K、D110N、D110Q、D110E、D110S、D110G、N111H、N111Y、N111D、N111R、N111S、N111G、M113V、M113R、M113T、M113K、V153I、V153T、V153A、N155K、およびN155Hからなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)を含む。
[0157]一部の実施形態では、DR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性(例えば、85%以上、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上、または100%)を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、95%以上、98%以上、99%以上、または100%)を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、DR IL-18バリアントポリペプチドは、配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、95%以上、98%以上、99%以上、または100%)を有するアミノ酸配列を含む。
[0158]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも3つの突然変異を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はT、K、D、E、R、またはNであり;M60はK、Q、L、またはRであり;S105はR、D、K、A、またはNであり;D110はH、K、N、Q、E、N、S、またはGであり;N111はH、D、Y、R、S、またはGである。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも3つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はT、K、D、E、R、またはNであり;M60はK、Q、L、またはRであり;S105はR、D、K、A、またはNであり;D110はH、K、N、Q、E、N、S、またはGであり;N111はH、D、Y、R、S、またはGである。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はTまたはKであり;M60はKまたはLであり;S105はD、N、またはAであり;D110はK、N、S、またはGであり;N111はH、Y、G、またはRである。
[0159]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、アミノ酸位置M51、M60、S105、D110、およびN111に突然変異を含む。例えば、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、アミノ酸位置M51、M60、S105、D110、およびN111に突然変異を含み、M51はT、K、D、E、R、またはNであり;M60はK、Q、L、またはRであり;S105はR、D、K、A、またはNであり;D110はH、K、N、Q、E、N、S、またはGであり;N111はH、D、Y、R、S、またはGである。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、アミノ酸位置M51、M60、S105、D110、およびN111に突然変異を含み、M51はTまたはKであり;M60はKまたはLであり;S105はD、N、またはAであり;D110はK、N、S、またはGであり;N111はH、Y、G、またはRである。言い換えると、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、突然変異{M51TまたはM51K};{M60KまたはM60L};{S105D、S105N、S105A};{D110K、D110N、D110S、またはD110G};および{N111H、N111Y、N111R、またはN111G}を含む。
[0160]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、K53、Q56、S105、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、K53、Q56、S105、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも3つの突然変異を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、K53、Q56、S105、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はE、R、またはKであり;K53はG、S、またはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;S105はN、S、K、またはGであり;N111はR、S、G、またはDである。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、K53、Q56、S105、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも3つの突然変異を含み、M51はE、R、またはKであり;K53はG、S、またはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;S105はN、S、K、またはGであり;N111はR、S、G、またはDである。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、M51、K53、Q56、S105、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;S105はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。
[0161]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、アミノ酸位置M51、K53、Q56、D110、およびN111に突然変異を含む。例えば、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、アミノ酸位置M51、K53、Q56、D110、およびN111に突然変異を含み、M51はE、R、またはKであり;K53はG、S、またはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;D110はS、N、G、またはKであり;N111はR、S、G、またはDである。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、アミノ酸位置M51、K53、Q56、D110、およびN111に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。言い換えると、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に対して、突然変異{M51K};{K53GまたはK53S};{Q56G、Q56R、またはQ56L};{D110S、D110N、またはD110G};および{N111R、またはN111G}を含む。
[0162]一部の場合では、先の段落の突然変異に加えて、DR-IL-18バリアントは、P57位およびM60位にも、および一部の場合ではS105にも同様に突然変異を含む。例えば、一部の場合では、P57はA、K、GまたはLであり;M60はLまたはRであり-一部のそのような場合では、S105はA、N、またはDである。一部の場合では、P57はAであり(すなわち、P57A)、M60はLであり(ずなわち、M60L)、一部のそのような場合では、S105はA、N、またはDである(一部の場合では、S105D)。
[0163]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。したがって、一部の場合では、対象のDR-IL-18は、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)野生型IL-18(例えば、ヒトIL-18)と比較して少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)(例えば、上記の全ての突然変異の組合せを参照)を含む、アミノ酸配列を含む。
[0164]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む。したがって、一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つに記載のアミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)野生型IL-18(例えば、ヒトIL-18)と比較して少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)を含む、アミノ酸配列を含む。
[0165]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してY1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してY1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも4つの突然変異を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してY1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも6つの突然変異を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してY1、L5、K8、S55、Q56、P57、G59、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つの突然変異)を含む、アミノ酸配列を含む。
[0166]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも3つの突然変異を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はT、K、D、E、R、またはNであり;M60はK、Q、L、またはRであり;S105はR、D、K、A、またはNであり;D110はH、K、N、Q、E、N、S、またはGであり;N111はH、D、Y、R、S、またはGであるアミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも3つの突然変異を含み、M51はT、K、D、E、R、またはNであり;M60はK、Q、L、またはRであり;S105はR、D、K、A、またはNであり;D110はH、K、N、Q、E、N、S、またはGであり;N111はH、D、Y、R、S、またはGであるアミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%もしくはそれ以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、M60、S105、D110、およびN111からなる群から選択されるアミノ酸位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はTまたはKであり;M60はKまたはLであり;S105はD、N、またはAであり;D110はK、N、S、またはGであり;N111はH、Y、G、またはRであるアミノ酸配列を含む。
[0167]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51位、M60位、S105位、D110位、およびN111位に突然変異を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51位、M60位、S105位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はT、K、D、E、R、またはNであり;M60はK、Q、L、またはRであり;S105はR、D、K、A、またはNであり;D110はH、K、N、Q、E、N、S、またはGであり;N111はH、D、Y、R、S、またはGであるアミノ酸配列を含む。
[0168]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51位、M60位、S105位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はTまたはKであり;M60はKまたはLであり;S105はD、N、またはAであり;D110はK、N、S、またはGであり;N111はH、Y、G、またはRであるアミノ酸配列を含む。
[0169]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、K53、Q56、D110、およびN111からなる群から選択される位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、K53、Q56、D110、およびN111からなる群から選択される位置に少なくとも3つの突然変異を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、K53、Q56、D110、およびN111からなる群から選択される位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はE、R、またはKであり;K53はG、S、またはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;D110はN、S、K、またはGであり;N111はR、S、G、またはDである、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、K53、Q56、D110、およびN111からなる群から選択される位置に少なくとも3つの突然変異を含み、M51はE、R、またはKであり;K53はG、SまたはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;D110はN、S、K、またはGであり;N111はR、S、GまたはDである、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51、K53、Q56、D110、およびN111からなる群から選択される位置に少なくとも1つの突然変異(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの突然変異)を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである、アミノ酸配列を含む。
[0170]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はE、R、またはKであり;K53はG、S、またはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;D110はN、S、K、またはGであり;N111はR、S、G、またはDである、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;および(ii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである、アミノ酸配列を含む。
[0171]一部の場合では、先の段落の突然変異に加えて、DR-IL-18バリアントは、P57位およびM60位にも、および一部の場合ではS105も同様に突然変異を含む。例えば、一部の場合では、P57はA、K、GまたはLであり;M60はLまたはRであり-一部のそのような場合では、S105はA、N、またはDである。一部の場合では、P57はAであり(すなわち、P57A)、M60はLであり(ずなわち、M60L)、一部のそのような場合では、S105はA、N、またはDである(一部の場合では、S105D)。
[0172]マウスIL-18バリアントポリペプチドの例(この場合、DR IL-18バリアント)は、限定はされないが、mCS1(配列番号60)、mCS2(配列番号61)、mC1(配列番号62)、mA12(配列番号63)、mE8(配列番号64)、mC10(配列番号65)、mB7(配列番号66)、mB1(配列番号67)、mD1(配列番号68)、mH7(配列番号69)、mA7(配列番号70)、mE1(配列番号71)およびmH3(配列番号72)を含む。
[0173]上記のように、本明細書の任意のIL-18バリアントは、配列番号30に対して、C38およびC68をさらに突然変異することによって「安定化」され得る。例示的な実施例のように、一部の場合では、対象の安定化されたDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;(ii)配列番号30[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つ、または配列番号87~91もしくは配列番号89のいずれか1つ]と比較してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む;および(iii)C38位およびC68位に突然変異を含む(例えば、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68D-一部の場合では、C38S/C68G-一部の場合では、C38S/C68A-一部の場合ではC38S/C68N)、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つ、または配列番号87~91もしくは配列番号89のいずれか1つ]に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;(ii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はE、R、またはKであり、;K53はG、S、またはTであり;Q56はE、A、R、V、G、K、またはLであり;D110はN、S、K、またはGであり;N111はR、S、G、またはDである;および(iii)C38位およびC68位に突然変異を含む(例えば、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68D-一部の場合ではC38S/C68G-一部の場合では、C38S/C68A-一部の場合ではC38S/C68N)、アミノ酸配列を含む。一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)配列番号30[または配列番号6および16~21のいずれか1つもしくは配列番号34~59、73~91、および191~193のいずれか1つ、または配列番号87~91もしくは配列番号89のいずれか1つ]に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と85%以上の配列同一性(例えば、90%以上、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有する;(ii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり、;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである;および(iii)C38位およびC68位に突然変異を含む(例えば、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、8S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68N-一部の場合では、C38S/C68D-一部の場合ではC38S/C68G-一部の場合では、C38S/C68A-一部の場合ではC38S/C68N)、アミノ酸配列を含む。
[0174]一部の場合では、先の段落の突然変異に加えて、DR-IL-18バリアントは、P57位およびM60位にも、および一部の場合ではS105位にも同様に突然変異を含む。例えば、一部の場合では、P57はA、K、GまたはLであり;M60はLまたはRであり-一部のそのような場合では、S105はA、N、またはDである。一部の場合では、P57はAであり(すなわち、P57A)、M60はLであり(ずなわち、M60L)、一部のそのような場合では、S105はA、N、またはDである(一部の場合では、S105D)。
[0175]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位、M60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0176]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり、;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0177]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68G、20C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0178]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68V、C38S/C68D、C38S/C68E、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり、;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0179]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0180]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68S、C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0181]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0182]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68G、C38S/C68A、C38S/C68D、またはC38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0183]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Dを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0184]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Dを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0185]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Gを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0186]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Gを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0187]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Aを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0188]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Aを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0189]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含む。一部のそのような場合では、バリアントは、P57位およびM60位に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105位に突然変異をさらに含む。
[0190]一部の場合では、対象のDR-IL-18バリアントは、(i)(配列番号30に対して)突然変異C38S/C68Nを含み;(ii)配列番号30に記載の野生型ヒトIL-18アミノ酸配列と90%以上の配列同一性(例えば、92%以上、93%以上、94%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の配列同一性)を有し;(iii)配列番号30に対してM51位、K53位、Q56位、D110位、およびN111位に突然変異を含み、M51はKであり;K53はGまたはSであり;Q56はG、R、またはLであり;D110はS、N、またはGであり;N111はGまたはRである。一部のそのような場合では、バリアントは、P57がA、K、GまたはLであり;M60がLまたはRである位置に突然変異をさらに含む。一部のそのような場合では、バリアントは、S105がA、N、またはDである、S105位に突然変異をさらに含む。
[0191]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基78にシステインを含有しない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基N78に突然変異を含有しない。
[0192]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基121にシステインを含有しない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基E121に突然変異を含有しない。
[0193]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基144にシステインを含有しない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基L144に突然変異を含有しない。
[0194]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基157にシステインを含有しない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基D157に突然変異を含有しない。
[0195]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基78、残基121、残基144、または残基157にシステインを含有しない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(例えば、配列番号30、89、および/または19と比較して)残基N78、残基E121、残基L144、または残基D157に突然変異を含有しない。
[0196]本開示のIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、本明細書に開示されるようにC38およびC68への突然変異を含むことができ、ポリペプチド配列へと非天然のシステイン残基を導入するいずれの突然変異も欠如することができる。例えば、一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(配列番号30、89、または19と比較して)76位および/または127位においてのみシステインを含有する。一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、(配列番号30、89、または19と比較して)76位および/または127位を除きいずれのシステインも含有しない。非天然のシステイン残基の欠如は、例えば、システイン残基が、例えば、分子内または分子間ジスルフィド結合、二量体、凝集等の形成を可能にすることにより、IL-18の安定性および/または生物活性に負に影響することができるため、本開示のIL-18ポリペプチドの有利な特性に寄与することができる。
[0197]本開示のIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、表面曝露されるかまたは溶媒曝露されるシステイン残基を欠如するかまたは実質的に欠如し得る。表面曝露されるかまたは溶媒曝露されるシステイン残基の欠如は、例えば、表面曝露されるかまたは溶媒曝露されるシステイン残基が、例えば、分子内または分子間ジスルフィド結合、二量体、凝集等の形成を可能にすることにより、IL-18の安定性および/または生物活性に負に影響することができるため、本開示のIL-18ポリペプチドの有利な特性に寄与することができる。本開示のIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、例えば、構造モデリングまたは遊離のチオールを検出するアッセイ(例えばEllman滴定)によって決定される場合、表面曝露されるかまたは溶媒曝露されるシステイン残基を欠如するかまたは実質的に欠如し得る。本開示のIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、遊離のまたは表面曝露されるチオールを欠如するかまたは実質的に欠如し得る。
[0198]本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、その分子量によって特徴付けされ得る。例えば、IL-18ポリペプチドは、約18kDaの分子量を有し得る。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、約13kDa、約14kDa、約15kDa、約16kDa、約17kDa、約18kDa、約19kDa、約20kDa、約21kDa、約22kDa、または約23kDaの分子量を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、少なくとも約10kDa、少なくとも約11kDa、少なくとも約12kDa、少なくとも約13kDa、少なくとも約14kDa、少なくとも約15kDa、少なくとも約16kDa、少なくとも約17kDa、少なくとも約18kDa、少なくとも約19kDa、または少なくとも約20kDaの分子量を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、最大約17kDa、最大約18kDa、最大約19kDa、最大約20kDa、最大約21kDa、最大約22kDa、最大約23kDa、最大約24kDa、最大約25kDa、最大約30kDa、最大約40kDa、最大約50kDa、または最大約100kDaの分子量を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、約18.15153kDa、約18.1515kDa、約18.152kDa、約18.15kDa、約18.2kDa、または約18kDaの分子量を有する。
[0199]本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、例えば、約130個、約135個、約140個、約145個、約150個、約151個、約152個、約153個、約154個、約155個、約156個、約157個、約158個、約159個、約160個、約161個、約162個、約163個、約1645個、約165個、約170個、約175個、約180個、約185個、または約190個のアミノ酸を含み得る。
[0200]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、少なくとも約130個、少なくとも約135個、少なくとも約140個、少なくとも約145個、少なくとも約150個、少なくとも約151個、少なくとも約152個、少なくとも約153個、少なくとも約154個、少なくとも約155個、少なくとも約156個、少なくとも約157個、少なくとも約158個、少なくとも約159個、少なくとも約160個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、最大約155個、最大約156個、最大約157個、最大約158個、最大約159個、最大約160個、最大約161個、最大約162個、最大約163個、最大約1645個、最大約165個、最大約170個、最大約175個、最大約180個、最大約185個、または最大約190個のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18)は、約150~170個、約152~約162個、約155~約159個、約156~約158個、または157個のアミノ酸を含む。
[0201]本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18、例えば本開示の製剤中のDR IL-18など)は、生物活性のためのアッセイによって測定され得る生物活性または効力のレベルを有し得る。本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドの効力または生物活性のレベルを測定するために使用され得るアッセイの非限定的な例は、IL-18 HEK-Blue効力アッセイである。HEK-Blue IL-18細胞は、NFκβおよびAP-1経路の活性化をモニタリングすることにより生理活性のIL-18を検出するように設計される。これらのレポーター細胞は、IL-18RαおよびIL-18Rβをコードする遺伝子によるHEK293由来細胞の安定なトランスフェクションにより生成された。ヒトTNF-αおよびIL-1βへの応答もブロックされ、細胞はIL-18に特異的に応答する。これらの細胞は、5つのNFκβおよび5つのAP-1結合部位に融合したIFN-βミニマルプロモーターの調節下の分泌型胎盤アルカリホスファターゼ(SEAP)レポーター遺伝子を発現する。HEK-Blue IL-18細胞の表面上のヘテロ二量体IL-18受容体への生理活性IL-18の結合は、比色分析アッセイによって定量され得る、SEAPの産生をもたらすシグナル伝達カスケードを駆動する。
[0202]本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18、例えば本開示の製剤中のDR IL-18など)の生物活性または効力は、参照、例えば野生型IL-18、または先に産生および特徴付けられた同じIL-18ポリペプチドの参照標準と比較され得る。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18、例えば本開示の製剤中のDR IL-18など)は、参照値の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%である、生物活性または効力(例えば、EC50)を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18、例えば本開示の製剤中のDR IL-18など)は、参照値の最大105%、最大110%、最大115%、最大120%、最大125%、最大130%、最大135%、最大140%、最大145%、最大150%、最大155%、最大160%、最大165%、最大170%、最大175%、最大180%、最大185%、最大190%、最大195%、最大200%、最大250%、または最大300%である、生物活性または効力(例えばEC50)を有する。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18、例えば本開示の製剤中のDR IL-18など)は、参照値の約30%~約500%、約30%~約250%、約30%~約200%、約30%~約175%、約30%~約150%、約30%~約140%、約30%~約130%、約30%~約120%、約30%~約110%、約30%~約105%、約50%~約500%、約50%~約250%、約50%~約200%、約50%~約175%、約50%~約150%、約50%~約140%、約50%~約130%、約50%~約120%、約50%~約110%、約50%~約105%、約60%~約500%、約60%~約260%、約60%~約200%、約60%~約175%、約60%~約160%、約60%~約140%、約60%~約130%、約60%~約120%、約60%~約110%、約60%~約105%、約70%~約500%、約70%~約250%、約70%~約200%、約70%~約175%、約70%~約150%、約70%~約140%、約70%~約130%、約70%~約120%、約70%~約110%、約70%~約105%、約90%~約500%、約90%~約250%、約90%~約200%、約90%~約175%、約90%~約150%、約90%~約140%、約90%~約130%、約90%~約120%、約90%~約110%、または約90%~約105%である、生物活性または効力(例えばEC50)を有する。一部の実施形態では、生物活性または効力(例えば、EC50)は、参照値の少なくとも60%および最大140%である。
[0203]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチド(例えば、DR IL-18、例えば本開示の製剤中のDR IL-18など)は、例えば、IL-18 HEK-Blue効力アッセイによって決定された場合、ヒト野生型IL-18の生物活性よりも、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%、少なくとも97.5%、少なくとも100%、少なくとも102.5%、少なくとも105%、少なくとも110%、少なくとも115%、少なくとも120%、少なくとも125%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、または少なくとも200%、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍効力がある、生物活性または効力(例えば、EC50)を有する。
[0204]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、例えば、IL-18 HEK-Blue効力アッセイによって決定された場合、約100μMより低い、約10μMより低い、約1μMより低い、約900nMより低い、約800nMより低い、約700nMより低い、約600nMより低い、約500nMより低い、約400nMより低い、約300nMより低い、約200nMより低い、約100nMより低い、約50nMより低い、約30nMより低い、約10nMより低い、約5nMより低い、約4nMより低い、約3nMより低い、約2nMより低い、約1nMより低い、約900pMより低い、約800pMより低い、約700pMより低い、約600pMより低い、約500pMより低い、約400pMより低い、約300pMより低い、約200pMより低い、約100pMより低い、約50pMより低い、約10pMより低い、または約1pMより低い、EC50を示す。
[0205]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、例えば、IL-18 HEK-Blue効力アッセイによって決定された場合、約1pM~約1μM、約1pM~約500nM、約1pM~約400nM、約1pM~約300nM、約1pM~約200nM、約1pM~約100nM、約1pM~約50nM、約1pM~約10pM、約10pM~約1μM、約10pM~約500nM、約10pM~約400nM、約10pM~約300nM、約10pM~約200nM、約10pM~約100nM、約10pM~約50nM、約50pM~約1μM、約50pM~約500nM、約50pM~約400nM、約50pM~約300nM、約50pM~約200nM、約50pM~約100nM、約100pM~約1μM、約100pM~約500nM、約100pM~約400nM、約100pM~約300nM、または約100pM~約200nMのEC50を示す。
核酸
[0206]本明細書では、本明細書に記載の任意のタンパク質(たとえば、C38およびC68にある突然変異を有するIL-18タンパク質)をコードする核酸も提供される。そのような核酸は、任意の便利な形態(例えば、PCR産物、ウイルスベクター、プラスミド、コスミド、ミニサークル等のベクター)をとり得る。一部の場合では、対象のIL-18タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、プロモーター(の調節下)に作動可能に連結される(例えば、原核細胞において機能性であるか、または一部の場合では、真核細胞、例えば酵母もしくは免疫細胞、例えば、T細胞、NK細胞、TIL等において機能性である)。
[0207]本明細書では、そのような核酸を含む、および/または対象のIL-18タンパク質(例えば、安定化されたタンパク質)を含む細胞も提供される。一部の場合では、細胞は、原核細胞、例えば細菌細胞(例えば、核酸を増殖するためかまたは対象のタンパク質を産生するため)であり、一部の場合では、細胞は真核細胞、例えば酵母細胞(例えば、対象のタンパク質を産生するため)であり、一部の場合では、細胞は、免疫細胞、例えばT細胞(例えば、CAR-T細胞、例えばTRUCK細胞)、TIL、TCR-T細胞(操作されたTCRを有する、例えば、天然のTCRと比較して増加した親和性で標的抗原に結合するように操作されたT細胞)、またはNK細胞(例えば、CAR-NK細胞)であり、例えばそのような細胞は対象のIL-18タンパク質(例えば配列番号19など、安定化されたタンパク質)を発現(例えば分泌)するように操作され得る。
サイトカイン阻害剤
[0208]一部の実施形態では、本開示の組成物は、1つまたは複数のサイトカインの阻害剤を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインの阻害剤は、1つまたは複数のサイトカインの発現、活性、または両方を阻害する化学化合物、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、抗体、リボザイム、小分子化学化合物、またはアンチセンス核酸分子(例えば、siRNA、miRNA等)を含む。一部の実施形態では、阻害剤は、IL-17、IL-5、またはIL-3の発現、活性、または両方を阻害する。一部の実施形態では、サイトカイン阻害剤は毒性を減少させる。一部の実施形態では、サイトカイン阻害剤は、投与されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、および安定化されたD2D IL-18バリアント)の有効性を増加させる。
処置
[0209]様々な実施形態では、本開示は、例えば、少なくとも1つのIL-18Rを通るシグナル伝達活性を、それを必要とする細胞、組織、器官、システム、または対象において刺激する方法での使用のためのIL-18活性の活性化因子を含む組成物(例えば、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、および安定化されたD2D IL-18バリアント)を含む。様々な実施形態では、IL-18活性組成物の活性化因子、および本発明の処置の方法は、IL-18Rシグナル伝達の量、免疫細胞活性の量、または両方を増加させる。様々な実施形態では、IL-18Rシグナル伝達の増加が治療転帰を改善し得る疾患または障害は、限定はされないが、がん、感染症、黄斑変性、および代謝性疾患または障害を含む。
[0210]様々なIL-18ポリペプチド(例えば、C38/C68突然変異を有するIL-18ポリペプチド)が上記で論じられ、上記で論じられたタンパク質のいずれも本明細書で論じられた方法で使用され得るため、ここでは繰り返さない。例えば、一部の場合では、安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば安定化されたIL-18バリアントポリペプチド、例えば安定化されたDR IL-18バリアントおよび安定化されたD2D IL-18バリアント)が、例えば、がんまたは感染などの疾患または障害(例えば、免疫チェックポイント阻害剤に耐性であるがん、MHCクラスIの発現が減少したかまたは発現しない腫瘍と関連するがん、高レベルのIL-18BP(例えば、循環するかまたは腫瘍によって発現される)と関連するがん、IL-18Rが浸潤T細胞またはNK細胞上に発現される腫瘍と関連するがん、代謝疾患または障害、感染症、HIVなどのウイルス感染等)を処置するために使用される。
[0211]一部の場合では、投与されたポリペプチドは、野生型IL-18ポリペプチド(例えば、野生型ヒトIL-18タンパク質)である。一部の場合では、投与されたポリペプチドは、対象の安定化されたIL-18ポリペプチド(例えば、配列番号30に対してC38位およびC68位にあるアミノ酸突然変異を含むもの)である。一部の場合では、投与されたポリペプチドは、IL-18バリアントポリペプチド、例えば、DR IL-18バリアントまたはD2D IL-18バリアントである。一部の場合では、投与されたポリペプチドは、安定化されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント-例えば、上記で論じられた安定化されたDR IL-18バリアントポリペプチドを参照)である。
融合/コンジュゲーション
[0212]一部の実施形態では、本開示のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、別の分子にコンジュゲートされ(例えば別のタンパク質に融合される)、すなわちIL-18バリアントポリペプチドは、第2のポリペプチド(融合パートナー)とインフレームで融合され得る。一部の実施形態では、第2のポリペプチド(融合パートナー)は、融合タンパク質の全体的なサイズを増加させることができ、例えば、融合タンパク質は循環から急速に排除されないであろう。一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、第2のポリペプチドに融合されない。
[0213]一部の実施形態では、第2のポリペプチド(IL-18バリアントポリペプチドまたはその断片の融合パートナー)は、免疫グロブリンFc領域(すなわち、抗体Fc配列)の一部または全体である。他の実施形態では、第2のポリペプチドは、例えば、サイズの増加、多量体化ドメイン、および/またはIg分子とのさらなる結合または相互作用を提供する、Fcに実質的に類似している任意の好適なポリペプチドである。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、ヒト血清アルブミン(HSA)の一部または全部である。一部の実施形態では、第2のポリペプチドは、抗体、抗体断片、ラクダ抗体または「ナノボディ」またはHSAと結合もしくは相互作用する他の親和性試薬の一部または全部である。これらの融合タンパク質は、精製、多量体化を促進することができ、in vivoでの半減期の増加を示す。ジスルフィド結合した多量体構造を有する融合タンパク質は、一部の場合では、他の分子の結合および中和にもより有効であり得る。
[0214]異種ポリペプチドに融合する場合、IL-18ポリペプチドに相当する部分(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、対象のIL-18バリアントポリペプチドの「IL-18バリアントポリペプチド部分」と呼ばれ得る。
[0215]一部の場合では、第2のポリペプチドは、マーカー配列(例えば、親和性タグ)、例えば融合したポリペプチドの精製を促進するペプチドである。例えば、マーカーアミノ酸配列は、ヘキサ-ヒスチジンペプチド、例えば、その多くが市販されている、中でもpQEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,Chatsworth,Calif.,91311)中で提供されるタグであり得る。Gentz et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821~824頁、1989年に記載されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の便利な精製を提供する。精製に有用な別のペプチドタグ、「HA」タグは、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来のエピトープに相当する。Wilson et al.,Cell 37:767頁,1984年。ポリペプチドの操作を容易にするペプチド部分の付加は、当技術分野でよく知られている、通常の技術である。対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、改変され得、例えば様々な目的のための広範な他のオリゴペプチド、タンパク質、および/または非タンパク質部分に接合/コンジュゲートされ得る。例えば、プレニル化、アセチル化、アミド化、カルボキシル化、グリコシル化、PEG化(ポリエチレングリコール(PEG)ポリマー鎖の共有結合)等により翻訳後に改変される。そのような改変は、グリコシル化の改変、例えば、哺乳動物のグリコシル化または脱グリコシル化酵素など、グリコシル化に影響する酵素へのポリペプチドの曝露により、例えば、その合成およびプロセシング中に、またはさらなるプロセシングステップでポリペプチドのグリコシル化パターンを改変することによって作成されるものも含み得る。一部の実施形態では、対象のIL-18バリアントポリペプチドは、1つまたは複数のリン酸化アミノ酸残基、例えばホスホチロシン、ホスホセリン、またはホスホスレオニンを有する。
[0216]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、グリコシル化される。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドはグリコシル化されない。
[0217]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、水溶性ポリマーにコンジュゲートされる。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、ペグ化される。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリエチレングリコールコポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレングリコール-コ-プロピレングリコール)、ポリ(N-2-(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ(シアル酸)、ポリ(N-アクリロイル モルホリノ)、またはデキストランにコンジュゲートされる。
[0218]一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、水溶性ポリマーにコンジュゲートされない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、ペグ化されない。一部の実施形態では、本明細書に開示されるIL-18ポリペプチドは、ポリエチレングリコールホモポリマー、ポリエチレングリコールコポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、ポリ(N-ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレングリコール-コ-プロピレングリコール)、ポリ(N-2-(ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ(シアル酸)、ポリ(N-アクリロイル モルホリノ)、またはデキストランにコンジュゲートされない。
[0219]一部の他の実施形態では、本開示のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、タンパク質分解に対するそれらの耐性を改善するか、または溶解性質を最適化するか、またはそれらを治療剤としてより好適にするようにさらに改変された試薬を含む。例えば、本開示のバリアントは、自然発生のL-アミノ酸、例えば、D-アミノ酸または非自然発生の合成アミノ酸以外の残基を含有するアナログをさらに含む。D-アミノ酸は、一部または全てのアミノ酸残基と置換され得る。
共投与および多特異的IL-18バリアントポリペプチド
[0220]一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、さらなる薬剤と投与される。用語「共投与(co-administration)」、「共投与する(co-administer)」、および「と組み合わせて(in combination with)」は、同時に(simultaneously)、同時に(concurrently)または特定の時間制限なく順に(sequentially)のいずれかでの、2つ以上の治療剤(例えば、対象の安定化されたIL-18)の投与を含む。一部の実施形態では、薬剤は、同時に細胞内または対象の体内に存在するか、または同時に生物学的または治療効果を発揮する。一部の実施形態では、治療剤は、同じ組成物または単位剤形内である。他の実施形態では、治療剤は、別々の組成物または単位剤形中である。ある特定の実施形態では、第1の薬剤は、第2の治療剤の投与前(例えば、分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)に、第2の治療剤の投与と同時に、または第2の治療剤の投与に続いて(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12時間後)投与され得る。
[0221]一部の場合では、(例えば、医薬組成物として製剤化された)対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、がん治療薬、感染を処置するための治療薬、またはがんに対する抗体と共投与される。そのような投与は、本開示の1つまたは複数の薬剤の投与に関して、薬物/抗体の同時(すなわち同じ時間での)、前、または続く投与を含み得る。当業者は、本開示の特定の薬物および組成物の投与の適切なタイミング、配列および投与量を決定することは困難ではないだろう。
[0222]一部の実施形態では、処置は、別の薬剤(例えば、免疫刺激因子、慢性感染症を処置する薬剤、細胞傷害剤、抗がん剤等)と対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の組合せを投与するステップ(共投与)により達成される。使用され得る細胞傷害剤の一例のクラスは、化学療法剤である。例示的な化学療法剤としては、限定はされないが、アルデスロイキン、アルトレタミン、アミホスチン、アスパラギナーゼ、ブレオマイシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クラドリビン、シサプリド、シスプラチン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ドセタキセル、ドクソルビシン、ドロナビノール、デュオカルマイシン、エトポシド、フィルグラスチム、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、グラニセトロン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、インターフェロンアルファ、イリノテカン、ランソプラゾール、レバミソール、ロイコボリン、メゲストロール、メスナ、メトトレキサート、メトクロプラミド、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、オメプラゾール、オンダンセトロン、パクリタキセル(Taxol(商標))、ピロカルピン、プロクロロペラジン(prochloroperazine)、リツキシマブ、サプロイン(saproin)、タモキシフェン、タキソール、塩酸トポテカン、トラスツズマブ、ビンブラスチン、ビンクリスチンおよび酒石酸ビノレルビンを含む。
[0223]対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、活性を増強するか、またはそうでなければ治療効果を増加させる1つまたは複数の薬剤と製剤化される必要がないが、場合によりそれらと製剤化される。一部の実施形態では、処置は、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)と、標的細胞をオプソニン化する薬剤の組合せを投与すること(共投与)により、達成される。したがって、本明細書では、(a)対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19);および(b)標的細胞をオプソニン化する薬剤を含む組成物(および組成物を使用する方法)も想起される。一部の場合では、標的細胞をオプソニン化する薬剤は、リツキシマブである。一部の場合では、標的細胞をオプソニン化する薬剤は、セツキシマブである。
[0224]「標的細胞をオプソニン化する薬剤」(「オプソニン化剤」)は、標的細胞(例えば、がん細胞、細胞内病原体を持つ細胞等)に結合し得る、および標的細胞をオプソニン化し得る(例えば、ファゴサイトーシスおよび/または抗体依存細胞媒介性細胞傷害(ADCC)の標的細胞をマークする)任意の薬剤である。例えば、抗体がFC領域を有する、標的細胞(例えば、腫瘍細胞などのがん細胞)に結合することができる任意の抗体は、標的細胞をオプソニン化する薬剤であると考えられる。一部の場合では、標的細胞をオプソニン化する薬剤は、標的細胞に結合する抗体である(例えば、抗腫瘍抗体、抗がん抗体、抗感染抗体等)。
[0225]例えば、腫瘍細胞マーカーに選択的な抗体、放射線、外科手術、および/またはホルモン枯渇は、Kwonら,Proc.Natl.Acad.Sci U.S.A.,96:15074~9頁,1999年を参照されたい。
[0226]血管新生阻害剤も、本発明の方法と組み合わされ得る。多くの抗体が現在、がんの処置のために臨床で使用され、その他は臨床開発の様々なステージにある。例えば、B細胞悪性腫瘍の処置のための多くの抗原および対応するモノクローナル抗体がある。1つの標的抗原は、CD20である。リツキシマブは、CD20抗原に対するキメラ非コンジュゲートモノクローナル抗体である。CD20は、B細胞活性化、増殖、および分化に重要な機能的役割を有する。CD52抗原は、慢性リンパ性白血病の処置に適応される、モノクローナル抗体アレムツズマブによって標的化される。CD22は、多くの抗体によって標的化され、化学療法耐性の有毛細胞白血病において、毒素と組み合わせた効果が近年実証された。CD20を標的化する2つの新しいモノクローナル抗体、トシツモマブおよびイブリツモマブが、食品医薬品局(FDA)に提出された。これらの抗体は、放射性同位体とコンジュゲートされる。アレムツズマブ(Campath)は、慢性リンパ球性白血病の処置に使用され;ゲムツズマブ(Mylotarg)は、急性骨髄性白血病の処置での使用が見出され;イブリツモマブ(Zavalin)は非ホジキンリンパ腫の処置での使用が見出され;パニツモマブ(Vectibix)は結腸がんの処置での使用が見出される。
[0227]固形腫瘍で使用される、本開示の方法で有用なモノクローナル抗体は、限定はされないが、エドレコロマブおよびトラスツズマブ(ハーセプチン)を含む。エドレコロマブは、結腸および直腸がんで見られる17-1A抗原を標的化し、これらの適応のために欧州で使用が認可されている。トラスズマブは、HER-2/neu抗原を標的化する。セツキシマブ(Erbitux)はまた、本開示の方法での使用のために着目される。抗体はEGF受容体(EGFR)に結合し、結腸がんおよび頭頸部の扁平細胞癌(SCCHN)を含む、固形腫瘍の処置で使用される。
[0228]対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)は、任意の上記の薬剤(例えば、標的細胞をオプソニン化する抗体などの薬剤)と組み合わされ得る。したがって、一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)は、がん細胞、例えば腫瘍細胞に選択的な1つまたは複数のオプソニン化剤との併用療法で使用される(共投与される)。一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)は、セツキシマブ(EGFRに結合する)、パニツムマブ(EGFRに結合する)、リツキシマブ(CD20に結合する)、トラスツズマブ(HER2に結合する)、ペルツズマブ(HER2に結合する)、アレムツズマブ(CD52に結合する)、ブレンツキシマブ(CD30に結合する)、トシツモマブ、イブリツモマブ、ゲムツズマブ、イブリツモマブ、およびエドレコロマブ(17-1Aに結合する)、またはこれらの組合せの1つまたは複数との併用療法で使用される(共投与される)。
[0229]一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、がん細胞オプソニン化剤(例えば、CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD44、CD45、CD47、CD51、CD52、CD56、CD62L、CD70、CD74、CD79、CD80、CD96、CD97、CD99、CD123、CD134、CD138、CD152(CTLA-4)、CD200、CD213A2、CD221、CD248、CD276(B7H3)、B7H4、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、CD319、SIRPa、EGFR、EPCAM、17-1A、HER1、HER2、HER3、CD117、C-Met、HGFR、PDGFRA、AXL、TWEAKR、PTHR2、HAVCR2(TIM3)、GD2ガングリオシド、MUC1、ムチンCanAg、メソテリン、エンドグリン、ルイス-Y抗原、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CA-125、PSMA、BAFF、FGFR2、TAG-72、ゼラチナーゼB、グリピカン3、ネクチン-4、BCMA、CSF1R、SLAMF7、インテグリンαvβ3、TYRP1、GPNMB、CLDN18.2、FOLR1、CCR4、CXCR4、MICA、C242抗原、DLL3、DLL4、EGFL7、ビメンチン、フィブロネクチンエクストラドメイン-B、TROP-2、LRRC15、FAP、SLITRK6、NOTCH2、NOTCH3、テネイシン-3、STEAP1、またはNRP1、またはこれらの任意の組合せを標的化する抗原結合領域を含むもの)と共投与される。
[0230]一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD38、CD44、CD47、SIRPA、CD52、CD56、CD70、CD96、CD97、CD99、CD123、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、EGFR、17-1A、HER2、CD117、C-Met、PTHR2、およびHAVCR2(TIM3)から選択される1つまたは複数の抗原を標的化する薬剤と共投与される。
[0231]一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、従来の免疫調節剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤または免疫アゴニスト)と併用療法で使用される(共投与される)。上記したように、免疫チェックポイント阻害剤の標的の例としては、限定はされないが:PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、およびLILRB2を含む。したがって、免疫チェックポイント阻害剤の例は、タンパク質、例えば:PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、およびLILRB2を阻害する薬剤(例えば、抗体)を含む。一部の場合では、対象の安定化されたバリアントIL-18ポリペプチド(例えば、DR-IL-18バリアント、D2D-IL-18バリアント)(例えば、配列番号19)は、PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、LILRB2、またはこれらの任意の組合せを阻害する免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗体)と共投与される。
[0232]一部の場合では、対象の安定化されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、DR-IL-18バリアント、D2D-IL-18バリアント)(例えば、配列番号19)は、免疫アゴニストと共投与される。免疫アゴニストの例は、タンパク質、例えば腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)タンパク質(例えば、GITR、41BB、OX40、CD27、CD40、HVEM);免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)タンパク質(例えば、CD28、ICOS、CD226、NKG2D);TLR(例えば、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9);核酸センサー(例えば、STING、cGAS、RIG-I(DDX58))をアゴナイズする薬剤(例えば、アゴナイズする抗体)を含む。免疫アゴニストの例はまた、限定はされないが、インフラマソーム活性化因子(アゴニスト);T細胞エンゲージャー(例えば、CD3および/またはCD28を腫瘍抗原と架橋する多特異性薬剤、例えばBiTE);およびサイトカインまたはサイトカインバリアント(例えば、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、IL-27、IL-33、TNF、TL1A、IFNA、IFNB、IFNG)を含む。
[0233]したがって、一部の場合では、対象の安定化されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、DR-IL-18バリアント、D2D-IL-18バリアント)(例えば、配列番号19)は、免疫アゴニスト、例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)タンパク質(例えば、GITR、41BB、OX40、CD27、CD40、HVEM)をアゴナイズする薬剤(例えば、抗体);免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)タンパク質(例えば、CD28、ICOS、CD226、NKG2D)をアゴナイズする薬剤(例えば、抗体);TLR(例えば、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9)をアゴナイズする薬剤;核酸センサー(例えば、STING、cGAS、RIG-I(DDX58))をアゴナイズする薬剤;インフラマソーム活性化因子;T細胞エンゲージャー(例えば、CD3および/またはCD28を腫瘍抗原と架橋する多特異性薬剤、例えばBiTE);サイトカインまたはサイトカインバリアント(例えば、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、IL-27、IL-33、TNF、TL1A、IFNA、IFNB、IFNG);またはこれらの任意の組合せと共投与される。
[0234]一部の場合では、対象の安定化されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、DR-IL-18バリアント、D2D-IL-18バリアント)(例えば、配列番号19)は、TGFベータアンタゴニスト、例えば抗TGFベータ抗体;インターフェロン、例えばインターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、またはインターフェロンガンマ;TNF;TRAIL;リンフォトキシン;LIGHT/TNSF14等と共投与される。
[0235]一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、BTLAおよび/またはCD160の阻害剤と併用療法で使用される(共投与される)。一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、抗CD47/SIRPA剤(例えば、抗CD47、抗SIRPA、高親和性CD47結合剤、高親和性SIRPA結合剤等)と併用療法で使用される(共投与される)。一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、TIM3および/またはCEACAM1の阻害剤と併用療法で使用される(共投与される)。
[0236]一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、別のタンパク質(すなわち、「融合パートナー」、「第2のポリペプチド」)と融合される。一部の実施形態では、第2のポリペプチド(対象のIL-18バリアントポリペプチドの融合パートナー)は、融合タンパク質のIL-18バリアントポリペプチド部分によって結合される標的分子以外(例えば、IL-18Rに結合するバリアントのIL-18R以外;またはIL-18BPに結合するバリアントのIL-18BP以外)の標的分子に特異的に結合する。
[0237]したがって、一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、多特異性(例えば、二重特異性)である。用語「多特異性」または「二重特異性」は、第1の標的に特異的である少なくとも1つの領域(例えば、リガンドまたは第1の抗体のFab)、および第2の標的に特異的である少なくとも第2の領域(例えば、リガンドまたは第2の抗体のFab)を持つことにより、2つ以上の異なる抗原を認識する薬剤(例えば、リガンドまたは抗体)を指す場合に、一般に使用される。二重特異性剤は、2つの標的に特異的に結合し、したがって多特異性剤の1つの型である。
[0238]一部の実施形態では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、多特異性(例えば、二重特異性)であり、ポリペプチドの第1の領域は対象のIL-18バリアントポリペプチド配列を含み(すなわち、第1の領域はIL-18バリアントポリペプチドを含む)、第2の領域は別の標的分子(例えば、抗原)に特異的に結合する。例えば、一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、IL-18バリアントポリペプチドによって結合される標的分子以外の標的分子に特異的に結合する第2のポリペプチドに融合される。
[0239]共投与の文脈で上記で論じられた薬剤のいずれか1つは、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)にコンジュゲートされ得る。用語「共投与」は、本明細書で使用される場合、そのようなコンジュゲートされた化合物を包含することを意味する。例えば、薬剤1が薬剤2と共投与される場合、用語は、薬剤1と薬剤2が互いにコンジュゲートされない実施形態を包含することを意味し、薬剤1と薬剤2が互いにコンジュゲートされる実施形態を包含することも意味する(例えば、薬剤1と薬剤2が両方ともタンパク質であり、薬剤1が薬剤2に融合される)。
[0240]一部の場合では、多特異性IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の第2の領域は、チェックポイント阻害剤を含む。一部の場合では、多特異性IL-18バリアントポリペプチドの第2の領域は、PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、およびLILRB2から選択される1つまたは複数のタンパク質を阻害する。
[0241]一部の場合では、多特異性IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の第2の領域は、免疫アゴニストを含む。一部の場合では、多特異性IL-18バリアントポリペプチドの第2の領域は、ICOS、GITR、41BB、OX40、およびCD40から選択される1つまたは複数のタンパク質をアゴナイズする。多特異性IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の第2の領域として使用され得る(またはその一部として使用され得る)免疫アゴニストのさらなる例としては、限定はされないが、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)タンパク質(例えば、GITR、41BB、OX40、CD27、CD40、HVEM)をアゴナイズする薬剤(例えば、抗体またはその抗原結合領域);免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)タンパク質(例えば、CD28、ICOS、CD226、NKG2D)をアゴナイズする薬剤(例えば、抗体またはその抗原結合領域);TLR(例えば、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9)をアゴナイズする薬剤;核酸センサー(例えば、STING、cGAS、RIG-I(DDX58))をアゴナイズする薬剤;インフラマソーム活性化因子;T細胞エンゲージャー(例えば、CD3および/またはCD28を腫瘍抗原と架橋する多特異性薬剤、例えばBiTE);サイトカインまたはサイトカインバリアント(例えば、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、IL-27、IL-33、TNF、TL1A、IFNA、IFNB、IFNG);等を含む。
[0242]一部の場合では、多特異性IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の第2の領域は、がん細胞オプソニン化剤である。一部の場合では、多特異性IL-18バリアントポリペプチドの第2の領域は、CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD38、CD44、CD47、SIRPA、CD52、CD56、CD70、CD96、CD97、CD99、CD123、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、EGFR、17-1A、HER2、CD117、C-Met、PTHR2、およびHAVCR2(TIM3)から選択される1つまたは複数のタンパク質を標的化する。一部の場合では、多特異性IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の第2の領域は、CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD38、CD44、CD47、SIRPA、CD52、CD56、CD70、CD96、CD97、CD99、CD123、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、EGFR、17-1A、HER2、CD117、C-Met、PTHR2、およびHAVCR2(TIM3)から選択される1つまたは複数のタンパク質を標的化するオプソニン化剤である。
[0243]例えば、一部の場合では、多特異性IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の第2の領域は、エクトドメイン、例えばPD-1、PD-L1、CD47(例えば、高親和性CD47バリアント/ポリペプチド)、またはSIRPA(例えば、高親和性SIRPAバリアント/ポリペプチド)からのエクトドメインを含む。一部の場合では、多特異性IL-18バリアントポリペプチドの第2の領域は、CTLA-4、Lag-3、BTLA、Tim-3、CD244、CD40、CD40L、CD47、SIRPA、PD-1、およびPD-L1から選択される抗原に特異的に結合する。
[0244]一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチドは、野生型IL-18と比較して増加した生物活性を有する。一部の実施形態では、IL-18バリアントは、野生型IL-18に天然に生じるものと比較してシステイン残基を含まない。一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチドは、ペグ化されたアミノ酸を持たないアミノ酸配列を含む。
[0245]一部の実施形態では、対象のIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)は、リンカー(例えば、リンカーポリペプチド)を含む。例えば、一部の実施形態では、対象のIL-18バリアントポリペプチドおよび融合パートナーは、リンカー(例えば、リンカーポリペプチド)によって分けられる。リンカーポリペプチドは、任意の様々なアミノ酸配列を有し得る。タンパク質は、リンカーポリペプチドによって接合され、可動性であり得る(例えば、可動性リンカーポリペプチド)が、他の化学結合は除外されない。好適なリンカーは、約6アミノ酸長と約40アミノ酸長の間、または約6アミノ酸長と約25アミノ酸長の間のポリペプチドを含む。これらのリンカーは、タンパク質を結合する、合成の、リンカーをコードするオリゴヌクレオチドを使用することによって産生され得る。ある程度の可動性を有するペプチドリンカーが使用され得る。連結するペプチドは、一部の場合では、リンカーが通常可動性のペプチドを生じる配列を有するであろうことを念頭に置き、事実上任意のアミノ酸配列を有し得る。小さいアミノ酸、例えばグリシンおよびアラニンの使用は、可動性ペプチドの作成における使用である。そのような配列の作成は、当業者には日常的である。様々な異なるリンカーが市販されており、使用のために好適であると考えられる。
[0246]一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)は、免疫細胞、例えば腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、CAR-T、TCR-T細胞(操作されたTCR、例えば天然のTCRと比較して親和性が増加して標的抗原に結合するように操作されたTCRを有するT細胞)、CAR-NK細胞、または操作されたT細胞受容体によって形質導入されたTもしくはNK細胞と共投与される。他の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチドは、腫瘍溶解性ウイルスと共投与される。
[0247]一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)をコードする核酸は、操作された(「変更された」)免疫細胞、例えばCAR-T、TCR-T細胞、またはCAR-NK細胞、または操作されたT細胞受容体によって形質導入されたTもしくはNK細胞または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)に含まれる。この例では、操作された細胞(例えば、変更されたT細胞、変更されたNK細胞、変更されたTIL)が、IL-18バリアントポリペプチドを分泌するであろう。IL-18バリアントペプチドを分泌する能力は、文脈上の方法で(例えば腫瘍微小環境内で活性化する)、例えば合成NOTCH受容体により、制御され得る。
[0248]一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)をコードする核酸は、腫瘍溶解性ウイルス内に含まれる。この例では、腫瘍溶解性ウイルスによって感染された細胞は、IL-18バリアントポリペプチドを分泌するであろう。
[0249]一部の実施形態では、IL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)は、細胞、組織、器官、システム、または対象に投与され、疾患もしくは障害を処置する。一部の実施形態では、ヒトIL-18バリアントポリペプチドは、細胞、組織、器官、システム、または対象に投与される。一部の実施形態では、少なくとも1つのヒトIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)をコードする核酸(例えば、DNA、cDNA、mRNA等)は、細胞、組織、器官、システム、または対象に投与される。
[0250]一部の実施形態では、本発明の組成物は、マウス細胞、組織、器官、システムまたは対象に投与され、疾患もしくは障害を処置または防止する。一部の実施形態では、マウスIL-18バリアントポリペプチド、またはその断片は、細胞、組織、器官、システム、または対象(例えば、ヒト細胞、組織、器官、システム、または対象)に投与される。一部の実施形態では、少なくとも1つのマウスIL-18バリアントポリペプチドをコードする核酸(例えば、DNA、cDNA、mRNA等)は、細胞、組織、器官、システム、または対象に投与される。本明細書に他に記載したように、マウスIL-18バリアントポリペプチド(この場合では、DR IL-18バリアント)の例としては、限定はされないが、配列番号60~72を含む。また、本明細書に他に記載したように、マウスIL-18バリアント(この場合では、IL-18BPに結合するが、IL-18Rヘの結合が減少したD2D IL-18バリアント)の例としては、限定はされないが、配列番号126~190を含む。
[0251]一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1つまたは複数のIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)をコードする単離された核酸分子を、対象、細胞、または組織に投与するステップを含む。IL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)を使用することによるものを含む、IL-18シグナル伝達のレベルの増加は、本明細書に開示されるものを含む広範な方法、ならびに当技術分野で公知の方法、または将来開発される方法を使用して評価され得る。すなわち、当業者は、本明細書で提供する開示に基づき、IL-18シグナル伝達のレベルまたは活性の増加が、対象から得られた生体試料における、IL-18またはIL-18バリアントポリペプチドもしくはその断片をコードする核酸(例えば、mRNA)のレベル、IL-18またはIL-18バリアントポリペプチドもしくはポリペプチド断片のレベル、および/またはIL-18またはIL-18バリアントポリペプチドもしくは断片活性のレベルを評価する方法を使用して容易に評価され得ることを認識するであろう。
[0252]当業者は、本明細書で提供する開示に基づき、本開示の組成物(IL-18バリアントポリペプチド、例えば安定化されたIL-18)は、全体(例えば、全身)または一部(例えば、局所、細胞、組織、器官)で、IL-18シグナル伝達活性の増加が有益であろう疾患もしくは障害を処置されるか、処置されるであろう対象において有用であることを理解するであろう。当業者は、本明細書で提供する教示に基づき、本明細書に記載の組成物および方法によって処置可能な疾患および障害は、IL-18シグナル伝達の増加が、生物学的、生理学的、臨床または治療の前向きな転帰を促進するであろう任意の疾患または障害を包含することを認識するであろう。
[0253]一部の実施形態では、方法は、少なくとも1つのIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)を含む組成物を、それを必要とする対象に投与するステップ、およびさらなる薬剤を含む組成物を対象に投与するステップを含む。そのような一実施形態では、さらなる薬剤は、限定はされないが、変更されたT細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)、武装化したCAR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK)、TCR-T細胞、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)、ウイルス、抗原、ワクチン、抗体、免疫チェックポイント阻害剤、小分子、化学療法剤、および幹細胞を含む群から選択される少なくとも1つを含む免疫治療剤を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つのIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)を含む組成物は、細菌、ウイルス、または他の病原体による感染前、感染中、または感染後に免疫系の活性を増加させる方法において使用される。一部の実施形態では、少なくとも1つのIL-18バリアントポリペプチドを含む組成物は、in vitro、in vivoまたはex vivoでの免疫細胞の数および/または活性、例えばT細胞、NK細胞、および/または骨髄性細胞の数および/または活性を増加させる方法において使用される。
[0254]一部の実施形態では、さらなる治療剤は、1つまたは複数のサイトカインの阻害剤を含む。一部の実施形態では、1つまたは複数のサイトカインの阻害剤は、1つまたは複数のサイトカインの発現、活性、または両方を阻害する化学化合物、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、抗体、リボザイム、小分子化学化合物、またはアンチセンス核酸分子(例えば、siRNA、miRNA等)を含む。一部の実施形態では、阻害剤は、IL-17、IL-5、またはIL-3の発現、活性、または両方を阻害する。一部の実施形態では、サイトカイン阻害剤の投与は毒性を減少させる。一部の実施形態では、サイトカイン阻害剤の投与は、投与されたIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたはD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の有効性を増加させる。
[0255]本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、適切なIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)と組み合わされ、組合せ後、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)を対象に投与するために使用され得る化学組成物を意味する。
IL-18バリアントの産生
SUMOプロテアーゼ
[0256]目的のポリペプチドのSUMOタグを切断するSUMO(低分子ユビキチン様修飾因子)プロテアーゼを使用することによる、目的のポリペプチド(例えば、不活性タンパク質)を作成するための組成物および方法が提供される。SUMOタグは、目的のタンパク質のN末端に置かれてもよく、SUMOプロテアーゼ(例えば、ULP1)は、切断反応を介してSUMOタグの傷跡を残さない除去を提供し得る。一部の場合では、切断は、細胞内で生じ(例えば、細菌細胞内、酵母細胞内)、他の場合では、切断はin vitroで、無細胞で生じるであろう。
[0257]例えば、一部の場合では、(SUMOタグに、そのN末端で融合される目的のタンパク質を含む)融合タンパク質が、細菌細胞に導入され(例えば、融合タンパク質をコードする核酸を介して)、SUMOプロテアーゼも同じ細胞に導入され(そのような場合には、両方のタンパク質が外因的に導入されたと言われる)、したがって切断反応は、細胞の中で生じるであろう。一部の場合では、プロテアーゼは、細胞のゲノムにインテグレートされる核酸によってコードされ、一部の場合では、核酸はインテグレートされないであろう(例えば、プラスミドであり得る)。SUMOプロテアーゼは、構成的プロモーターから発現されてもよく、または誘導プロモーター、例えばラムノース誘導プロモーター(の調節下)に作動可能に連結されてもよい。任意の便利な誘導プロモーターが使用され得る。そのように、一部のそのような場合では、細胞(例えば、細菌細胞)内で融合タンパク質をSUMOプロテアーゼと接触させるステップは、SUMOプロテアーゼの発現を誘導するステップを含み得る。
[0258]一部の場合では、融合タンパク質およびSUMOプロテアーゼは同じ核酸(例えば、プラスミド)によってコードされる。一部のそのような場合では、両方のタンパク質が同じプロモーターに作動可能に連結され(例えば、それらはバイシストロニックなmRNAから翻訳され得る)、他の場合では、2つのタンパク質は別々のプロモーターに作動可能に連結される。
[0259]一部の場合では、融合タンパク質は、in vitro環境で、無細胞で、SUMOプロテアーゼと接触される。例えば、融合タンパク質は精製/単離され、次いで精製されたSUMOプロテアーゼ(容易に入手可能)と接触され得る。
[0260]目的のポリペプチドが、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)である場合、そのようなタンパク質は、N末端のアミノ酸がメチオニンである場合に完全に活性ではない(例えば、ヒト野生型IL-18タンパク質は通常、カスパーゼ1によって切断されてN末端のチロシンを露呈させ、活性な成熟形態を得る)。したがって、本開示の方法は、活性なIL-18ポリペプチドを産生するために使用され得る。そのような場合では、SUMO(低分子ユビキチン様修飾因子)タグは、大量の融合タンパク質(IL-18+SUMOタグ)の産生を促進し、その後SUMOタグを除去して、N末端で活性化されたIL-18タンパク質(例えば、メチオニンではない、例えばチロシンを有するもの)を露呈することができる。SUMOタグは、融合タンパク質を、タグを切断して天然のN末端アミノ酸(ヒトIL-18の場合、Tyr)を露呈させるSUMOプロテアーゼ(例えば、酵母ULP1)と接触させることによって除去され得る。一部の場合では、接触させるステップは、細胞、例えば細菌細胞の中で実施される。一部のそのような場合では、次いで産生された活性タンパク質が、例えば細胞ライセートから精製され得る(さらなる詳細は以下を参照)。
[0261]任意の便利なSUMOタグが使用され得、その1つの例は配列番号26として記載される。一部の場合では、例えば、続く精製のため(以下を参照)、SUMOタグ上にさらなるタグ(例えば、6XHisタグ)を含むことが望ましい。配列番号27は、そのようなタグ付けされたSUMOタグの1つの非限定的な例を提供する。
精製ステップ
[0262]一部の実施形態では、対象の「作成する方法」/「産生する」は、SUMOタグが除去された後に、目的のポリペプチドを精製するステップをさらに含む(例えば、IL-18ポリペプチド、例えば安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)。一部のそのような場合では、切断(SUMOタグ除去)は、in vitroで、無細胞で生じ、精製は、SUMOタグおよびSUMOプロテアーゼの除去を含み得る。例えば、一部の場合では、SUMOプロテアーゼおよび/またはSUMOタグはタグ付け(例えばHisタグ付け)されてもよく、それは、一部の場合では、切断後に、例えば目的のポリペプチドの精製のため、例えばニッケルカラムなど固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)を使用して、これらの成分の除去を促進することができる。
[0263]一部の場合では、切断(SUMOタグ除去)は細胞(例えば、上記で論じられた細菌細胞)で生じ、目的のポリペプチドは細胞ライセートから精製される。一部の場合では、目的のポリペプチドは、培地へと分泌され(例えば、一部の場合では、酵母細胞を使用する場合)、次いで培地から精製される。任意の便利なステップまたは一連のステップを使用して、例えば細菌ライセートまたはタンパク質が分泌された培地からタンパク質を精製することができる。一部の場合(例えば、目的のポリペプチドがIL-18ポリペプチド、例えば、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等(例えば、配列番号19)である一部の場合)では、精製は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、Capto Q)、IMAC(例えば、残りのhisタグ付けされたSUMO、未切断のタンパク質、および/またはプロテアーゼを除去する)、マルチモーダルクロマトグラフィー(例えば、Capto MMCクロマトグラフィー-Capto MMCは、充填層クロマトグラフィーにより大量の供給からタンパク質の捕捉および精製の仲介のためのマルチモーダル耐塩性樹脂である)、および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)(例えば、一部の場合ではフェニルセファロースHIC)を含む。一部の場合では、高速Qクロマトグラフィーも実施される。一部のそのような場合では、限外濾過(UF)および透析濾過(DF)ステップが、各クロマトグラフィーステップの前に実施される。1つの可能な精製プロセスの例としては、図48を参照。
[0264]本明細書に詳述した方法を含み、本開示により武装化された場合、本発明が一度確立された疾患または障害の処置に限定されないことは、当業者によって理解されるであろう。特に、疾患または障害の症状は、対象への損害の点で明らかにされている必要はなく、実際、疾患または障害は、処置が投与される前に対象において検出される必要はない。すなわち、疾患または障害からの顕著な病理は、本発明が利益を提供し得る前に、生じている必要はない。したがって、本発明は、本明細書においてより完全に記載される場合、対象において疾患および障害を防止する方法を含み、本明細書の他で論じられるように、IL-18活性の活性化因子は、疾患または障害の発症前に対象に投与されてもよく、それにより疾患または障害の発症を防止することができる。
本開示の医薬組成物
[0265]本明細書の他に記載した、ポリペプチド、ポリペプチド断片、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)を含む組成物は、ここで記載するように、製剤化され、対象に投与され得る。非限定的な例により、疾患または障害の処置および/または防止のためのIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、例えばここで記載するように、任意の便利な方法で、製剤化され、対象に投与され得る。
[0266]本開示は、活性成分(IL-18ポリペプチド、例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)として、本明細書に開示される、疾患または障害の処置または防止に有用な組成物を含む医薬組成物の調製および使用を包含する。そのような医薬組成物は、対象への投与に好適な形態の、活性成分のみからなってもよく、または医薬組成物は、活性成分および1つまたは複数の薬学的に許容される担体、1つまたは複数のさらなる成分、またはこれらのいくつかの組合せを含んでもよい。活性成分は、生理学的に許容されるエステルまたは塩の形態で、例えば、当技術分野で周知のように、生理学的に許容されるカチオンまたはアニオンと組み合わせて医薬組成物に存在してもよい。
[0267]本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、適切なIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)と組み合わされてもよく、組合せ後に対象への投与に使用され得る化学組成物を意味する。
[0268]一部の実施形態では、医薬組成物は、大きく、ゆっくり代謝される巨大分子、例えばタンパク質、キトサンなどの多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびコポリマー(例えば、ラテックス官能化セファロース(商標)、アガロース、セルロース等)、高分子アミノ酸、アミノ酸コポリマー、ならびに脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム)を含み得る。
[0269]対象の方法(例えば、IL-18ポリペプチド、例えば野生型IL-18、安定化されたIL-18、DR IL-18、D2D IL-18、安定化されたDR IL-18、安定化されたD2D IL-18等)(例えば、配列番号19)を実施するために有用な医薬組成物は、kg当たり約0.1ngと100mgの間(例えば、kg当たり1ng~100mg、100ng~100mg、1μg~100mg、100μg~100mg、1mg~100mg、25mg~100mg、50mg~100mg、1ng~80mg、100ng~80mg、1μg~80、100μg~80mg、1mg~80mg、25mg~80mg、50mg~80mg、1ng~50mg、100ng~50mg、1μg~50mg、100μg~50mg、1mg~50mg、25mg~50mg、50mg~50mg、1ng~50mg、100ng~50mg、1μg~50mg、100μg~50mg、1mg~50mg、または25mg~50mg)の用量を送達するために投与され得る。
[0270]様々な実施形態では、本発明の方法で有用な医薬組成物は、例として、例えば、固体またはエアロゾルを含む経口製剤、吸入製剤で、全身的、非経口的、皮下、腹腔内、または局所的に、および局所または他の類似の製剤により、または眼内に投与され得る。適切な治療組成物に加えて、そのような医薬組成物は、薬学的に許容される担体および薬物投与を増強および促進することが公知の他の成分を含有し得る。他の可能な製剤、例えばナノ粒子、リポソーム、活性成分を含有する他の調製物、および免疫学に基づくシステムもまた、本発明の方法に従ってそれらの適切なモジュレーターの投与に使用され得る。
[0271]担体は、直接またはリンカー基を介する共有結合、および非共有結合的な会合を含む、様々な方法で対象の薬剤(例えばIL-18バリアントポリペプチド)を持ち得る。好適な共有結合担体は、タンパク質、例えば、アルブミン、ペプチド、およびアミノデキストランなどの多糖類を含み、その各々が部分の接着の複数の部位を有する。担体はまた、非共有結合的な会合、例えば非共有結合によるかまたはカプセル化により、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)も持ち得る。担体の性質は、本発明の目的のために可溶性または不溶性のいずれかであり得る。
[0272]許容される担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投与量および濃度でレシピエントに非毒性であり、緩衝剤、例えば、リン酸、クエン酸、および他の有機酸;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルパラベンまたはプロピルパラベン;カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基より小さい)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシン;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;キレート化剤、例えばEDTA;糖、例えばスクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトール;塩形成性対イオン、例えば、ナトリウム;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/または非イオン界面活性剤、例えばTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)を含む。in vivo投与に使用される製剤は、滅菌されなければならない。これは、滅菌濾過膜を通す濾過により容易に達成される。
[0273]活性成分は、例えば、コアセルベーション技術によって、もしくは界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロースもしくはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)中に、またはマイクロエマルジョン中に封入してもよい。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 第16版,Osol,A.編(1980年)に開示されている。
[0274]組成物は、注射剤として、水溶液または水性懸濁液のいずれかとして調製されてもよく;注射前の液体ビヒクルへの溶解または懸濁に好適な固体形態も調製され得る。調製物は、上記で論じられたように、アジュバント効果増強のために乳化されるかまたはリポソームもしくは微粒子、例えばポリラクチド、ポリグリコリドもしくはコポリマーにカプセル化されてもよい。Langer,Science 249:1527,1990年およびHanes,Advanced Drug Delivery Reviews 28:97~119頁、1997年。本発明の薬剤は、活性成分の持続または拍動放出を可能にするような方法で製剤化され得るデポー注射またはインプラント調製物の形態で投与され得る。医薬組成物は、通常、滅菌、実質的に等張であり、米国食品医薬品局の全ての優良医薬品製造基準(GMP)を完全に満たして製剤化される。
[0275]本明細書で使用される場合、用語「生理学的に許容される」エステルまたは塩は、組成物が投与される対象に有害ではない医薬組成物の任意の他の成分と互換性がある活性成分のエステルまたは塩形態を意味する。
[0276]本明細書に記載の医薬組成物の製剤は、薬理学の分野で公知のまたは今後開発される任意の方法によって調製され得る。一般に、そのような調製方法は、担体または1つもしくは複数の他のアクセサリー成分との会合に活性成分を運び、次いで、必要または望ましい場合、産物を所望の単回もしくは複数回投与単位へと成形またはパッケージングするステップを含む。
[0277]本明細書で提供される医薬組成物の説明は、主にヒトへの処方投与に好適である医薬組成物に向けられるが、そのような組成物が通常あらゆる種類の動物への投与に好適であることは当業者によって理解されるであろう。組成物を様々な動物への投与に好適にするためのヒトへの投与に好適な医薬組成物の改変は良く理解されており、当獣医学の薬理学者は、そのような改変を、もしあれば単に通常の実験によって設計および実施することができる。
[0278]本発明の方法に有用である医薬組成物は、経口、直腸内、膣内、非経口、局所、肺内、鼻腔内、口腔内、静脈内、経皮、病巣内、皮下、筋肉内、点眼、脊髄内および投与の他の公知の経路に好適な製剤中で調製、パッケージ、または販売され得る。他の検討された製剤は、ナノ粒子、リポソーム調製物、活性成分を含有する他の調製物、および免疫学に基づく製剤を含む。
[0279]本発明の医薬組成物は、単回単位用量として、または複数の単回単位用量としてバルクで調製、パッケージ、または販売され得る。本明細書で使用される場合、「単位用量」は、既定量の活性成分を含む医薬組成物の個々の量である。活性成分の量は、通常、対象に投与される活性成分の投与量またはそのような投与量の便利な画分、例えばそのような投与量の2分の1または3分の1と等しい。
[0280]本発明の医薬組成物中の活性成分、薬学的に許容される担体、および任意のさらなる成分の相対量は多様であり、処置される対象の同一性、サイズ、および状態により、さらに組成物が投与される経路による。例として、組成物は、0.1%と100%(w/w)の間の活性成分を含み得る。
[0281]活性成分に加えて、本発明の医薬組成物は、1つまたは複数のさらなる薬学的に活性な薬剤をさらに含み得る。
[0282]本発明の医薬組成物の制御放出または持続放出製剤は、従来の技術を使用して作成され得る。
[0283]経口投与に好適な本発明の医薬組成物の製剤としては、限定はされないが、錠剤、硬または軟カプセル剤、カシェ剤、トローチ錠、または腔内錠を含み、それぞれ既定量の活性成分を含有する、別々の固体用量単位の形態で調製、パッケージ、または販売され得る。経口投与に好適な他の製剤としては、限定はされないが、粉末もしくは顆粒製剤、水性もしくは油性懸濁液、水性もしくは油性溶液、またはエマルジョンを含む。
[0284]医薬組成物の製造で使用される薬学的に許容される賦形剤としては、限定はされないが、不活性希釈剤、造粒剤および崩壊剤、結合剤、および平滑剤を含む。公知の分散剤としては、限定はされないが、ジャガイモデンプンおよびデンプングリコール酸ナトリウムを含む。公知の界面活性剤としては、限定はされないが、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。公知の希釈剤としては、限定はされないが、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、微結晶セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、およびリン酸ナトリウムを含む。公知の造粒剤および崩壊剤としては、限定はされないが、トウモロコシデンプンおよびアルギン酸を含む。公知の結合剤としては、限定はされないが、ゼラチン、アカシア、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。公知の平滑剤としては、限定はされないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、およびタルクを含む。
[0285]本発明の医薬組成物の液体製剤は、液体形態または使用前に水または別の好適なビヒクルによる再構成を意図した乾燥産物の形態のいずれかで、調製、パッケージ、および販売され得る。
[0286]液体懸濁液は、従来の方法を使用して調製され、水性または油性ビヒクル中で活性成分の懸濁を達成し得る。水性ビヒクルとしては、例えば、水および等張生理食塩水を含む。油性ビヒクルとしては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば落花生、オリーブ、ゴマ、またはココナツ油、分画された植物油、および鉱物油、例えば液体パラフィンを含む。液体懸濁液は、限定はされないが、懸濁剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、粘滑剤、保存剤、緩衝剤、塩、香味剤、着色剤、および甘味剤を含む1つまたは複数のさらなる成分をさらに含み得る。油性懸濁液は、増粘剤をさらに含み得る。
[0287]公知の懸濁剤としては、限定はされないが、ソルビトールシロップ、硬化食用油脂、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、アカシアガム、およびセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、および15ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。公知の分散剤または湿潤剤としては、限定はされないが、天然に存在するホスファチド、例えばレシチン、アルキレンオキシドと脂肪酸との、長鎖脂肪族アルコールとの、脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの、または脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、それぞれステアリン酸ポリオキシエチレン、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)を含む。公知の乳化剤としては、限定はされないが、レシチンおよびアカシアを含む。公知の保存剤としては、限定はされないが、メチル、エチル、またはn-プロピル-パラ-ヒドロキシベンゾエート、アスコルビン酸、およびソルビン酸を含む。公知の甘味剤としては、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロース、およびサッカリンを含む。油性懸濁液の公知の増粘剤としては、例えば、蜜蝋、固形パラフィン、およびセチルアルコールを含む。
[0288]水性または油性溶媒中の活性成分の液体溶液は、液体懸濁液と実質的に同じ方法で調製されてもよく、主な違いは、活性成分が溶媒中に懸濁されるよりも溶解されることである。本発明の医薬組成物の液体溶液は、液体懸濁液に関して記載された各成分を含んでも良く、懸濁剤は溶媒中の活性成分の溶解を必ずしも助けない。水性溶媒としては、例えば、水および等張生理食塩水を含む。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油、例えば落花生、オリーブ、ゴマ、またはココナツ油、分画された植物油、および鉱物油、例えば液体パラフィンを含む。
[0289]本発明の医薬調製物の粉末および顆粒製剤は、公知の方法を使用して調製され得る。そのような製剤は、対象に直接投与されてもよく、例えば、それへの水性または油性ビヒクルの添加により、錠剤を形成するため、カプセルを充填するため、または水性もしくは油性懸濁液もしくは溶液を調製するために使用され得る。これらの製剤のそれぞれは、1つまたは複数の分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および保存剤をさらに含み得る。さらなる賦形剤、例えば充填剤および甘味剤、香味剤または着色剤もまたこれらの製剤中に含まれ得る。
[0290]本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンの形態で調製、パッケージ、または販売され得る。油相は、植物油、例えばオリーブまたは落花生油、鉱物油、例えば液体パラフィン、またはこれらの組合せであり得る。そのような組成物は、1つまたは複数の乳化剤、例えば天然に存在するガム、例えばアカシアガムまたはトラガカントガム、天然に存在するホスファチド、例えばダイズまたはレシチンホスファチド、脂肪酸と無水ヘキシトール、例えばソルビタンモノオレエートの組合せに由来するエステルまたは部分エステル、ならびにそのような部分エステルのエチレンオキシドとの縮合産物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレートをさらに含み得る。これらのエマルジョンは、例えば、甘味剤または香味剤を含むさらなる成分も含有し得る。
[0291]化学組成物により物質を浸透またはコートさせる方法は、当技術分野で公知であり、限定はされないが、化学組成物を表面に堆積させるかまたは結合させる方法、物質の合成の間に物質の構造へと化学組成物を組み込む方法(すなわち、例えば生理的に分解性の物質により)、および続く乾燥ステップありまたはなしで、吸収性の物質へと水溶液または油性溶液または懸濁液を吸収させる方法を含む。
[0292]本明細書で使用される場合、医薬組成物の「非経口投与」は、対象の組織の身体的な傷によって特徴付けられる投与、および組織の傷を通す医薬組成物の投与の任意の経路を含む。したがって、非経口投与は、限定はされないが、組成物の注射による、外科的切開を通す組成物の適用による、組織に浸透する非外科的な傷を通す組成物の適用による等の、医薬組成物の投与を含む。特に、非経口投与は、限定はされないが、皮膚、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、槽内注射、および腎臓透析注入技術を含むと考えられる。一部の場合では、対象のIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)が皮下に投与される。
[0293]非経口投与に好適な医薬組成物の製剤は、薬学的に許容される担体、例えば滅菌水または滅菌等張生理食塩水と組み合わせた活性成分を含む。そのような製剤は、ボーラス投与または継続投与に好適な形態で調製、パッケージ、または販売され得る。注射用製剤は、単位投与剤形、例えばアンプル中または保存剤を含有する複数用量の容器中で、調製、パッケージ、または販売され得る。非経口投与のための製剤としては、限定はされないが、懸濁液、溶液、油性または水性ビヒクル中のエマルジョン、ペースト、および植え込み型の持続放出または生分解性の製剤を含む。そのような製剤は、限定はされないが、懸濁剤、安定剤、または分散剤を含む1つまたは複数のさらなる成分をさらに含み得る。非経口投与のための製剤の一部の実施形態では、活性成分は、再構成された組成物の非経口投与の前に、好適なビヒクル(例えば、滅菌パイロゲンフリー水)による再構成のための乾燥(すなわち、粉末または顆粒)形態で提供される。
[0294]医薬組成物は、滅菌の注射用水性または油性懸濁液もしくは溶液の形態で調製、パッケージ、または販売され得る。この懸濁液または溶液は、公知の技術に従って製剤化されてもよく、活性成分に加えて、さらなる成分、例えば、本明細書に記載の分散剤、湿潤剤、または懸濁剤を含み得る。そのような滅菌の注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒、例えば、水または1,3-ブタンジオールを使用して調製され得る。他の許容される希釈剤および溶媒としては、限定はされないが、Ringer’s溶液、等張な塩化ナトリウム溶液、および不揮発性油、例えば合成モノ-またはジ-グリセリドを含む。他の有用な非経口的に投与可能な製剤は、微結晶形態中に、リポソーム調製物中に、または生分解性ポリマー系の成分として、活性成分を含むものを含む。持続放出または組込みのための組成物は、薬学的に許容されるポリマーまたは疎水性物質、例えばエマルジョン、イオン交換樹脂、わずかに可溶性なポリマー、またはわずかに可溶性な塩を含み得る。
[0295]局所投与に好適な製剤としては、限定はされないが、液体または半液体調製物、例えば塗布薬、ローション、水中油型または油中水型エマルジョン、例えば、クリーム、軟膏またはペースト、および溶液または懸濁液を含む。局所投与可能な製剤は、例えば、約1%~約10%(w/w)活性成分を含み得るが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の可溶性限界ほど高くてもよい。局所投与のための製剤は、本明細書に記載の1つまたは複数のさらなる成分をさらに含み得る。
[0296]本発明の医薬組成物は、頬側口腔を介する肺内投与に好適な製剤中で調製、パッケージ、または販売され得る。そのような製剤は、活性成分を含み、約0.5~約7ナノメートル、好ましくは約1~約6ナノメートルの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。そのような組成物は、便利には、推進剤のストリームが向けられ、粉末を分散することができる乾燥粉末リザーバーを含むデバイスを使用する、または自己噴射する溶媒/粉末分配容器、例えば密閉容器中の低沸点の推進剤に溶解または懸濁された活性成分を含むデバイスを使用する投与のための乾燥粉末の形態である。好ましくは、そのような粉末は、重量では粒子の少なくとも98%が0.5ナノメートルより大きい直径を有し、数では粒子の少なくとも95%が7ナノメートルよりも小さい直径を有する粒子を含む。より好ましくは、重量では粒子の少なくとも95%が1ナノメートルより大きい直径を有し、数では粒子の少なくとも90%が6ナノメートルよりも小さい直径を有する。乾燥粉末組成物は、好ましくは、糖などの固形微細粉末希釈剤を含み、便利に単位容量形態で提供される。
[0297]低沸点の推進剤は通常、大気圧で、18.3℃より低い沸点を有する液体推進剤を含む。通常、推進剤は、組成物の50~99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1~20%(w/w)を構成してもよい。推進剤は、さらなる成分、例えば液体非イオン性もしくは固体アニオン性界面活性剤または固体希釈剤(好ましくは、活性成分を含む粒子と同じオーダーの粒子サイズを有する)を含む。
[0298]肺内送達のために製剤化された本発明の医薬組成物はまた、溶液または懸濁液の液滴の形態でも活性成分を提供し得る。そのような製剤は、場合により滅菌であり、活性成分を含み、任意の吸入または噴霧デバイスを使用して便利に投与され得る、水性または希釈アルコール溶液または懸濁液として、調製、パッケージ、または販売され得る。そのような製剤は、限定はされないが、香味剤、例えばサッカリンナトリウム、揮発油、緩衝化剤、界面活性剤、または保存剤、例えばオキシ安息香酸メチルを含む1つまたは複数のさらなる成分をさらに含み得る。投与のこの経路によって提供される液滴は、好ましくは、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均直径を有する。肺内送達に有用である本明細書に記載の製剤は、本発明の医薬組成物の鼻腔内投与にも有用である。鼻腔内投与に好適な別の製剤は、活性成分を含み、約0.2~500マイクロメートルの平均粒子を有する粗い粉末である。
[0299]そのような製剤は、すなわち、鼻孔近くに保持された粉末の容器から鼻腔を通る急速吸入により、嗅ぎ薬が取り込まれる方法で投与される。鼻腔投与に好適な製剤は、例えば、活性成分の最少約0.1%(w/w)から最大100%(w/w)を含み、本明細書に記載のさらなる成分の1つまたは複数をさらに含み得る。
[0300]本発明の医薬組成物は、口腔内投与に好適な製剤中で調製、パッケージ、または販売され得る。そのような製剤は、例えば、従来の方法を使用して作成された錠剤または腔内錠の形態であってもよく、例えば、0.1~20%(w/w)活性成分、経口溶解性または分解性組成物、ならびに、場合により本明細書に記載のさらなる成分の1つまたは複数を含むバランスを含有してもよい。あるいは、口腔内投与に好適な製剤は、活性成分を含む粉末化もしくはエアロゾル化もしくは微粒化溶液または懸濁液を含み得る。そのような粉末化、エアロゾル化、またはエアロゾル化製剤は、分散される場合、好ましくは、約0.1~約200ナノメートルの範囲の平均粒子サイズまたは液滴サイズを有し、本明細書に記載のさらなる成分の1つまたは複数をさらに含み得る。
[0301]本発明の医薬組成物は、点眼に好適な製剤中で調製、パッケージ、または販売され得る。そのような製剤は、例えば、水性または油性液体担体中に活性成分の0.1~1.0%(w/w)溶液または懸濁液を含む、例えば、点眼薬の形態であってもよい。そのような液滴は、緩衝化剤、塩、または本明細書に記載のその他のさらなる成分の1つもしくは複数をさらに含み得る。有用である他の点眼製剤は、微結晶形態中またはリポソーム調製物中に活性成分を含むものを含む。
[0302]本明細書で使用される場合、「さらなる成分」は、限定はされないが、以下:賦形剤;界面活性剤;分散剤;不活性希釈剤;造粒剤および崩壊剤;結合剤;平滑剤;甘味剤;香味剤;着色剤;保存剤;生理的に分解性の組成物、例えば、ゼラチン;水性ビヒクルおよび溶媒;油性ビヒクルおよび溶媒;懸濁剤;分散剤または湿潤剤;乳化剤、鎮痛剤;緩衝剤;塩;増粘剤;充填剤;乳化剤;抗酸化剤;抗体;抗菌剤;安定剤;および薬学的に許容されるポリマーまたは疎水性物質の1つまたは複数を含む。本発明の医薬組成物に含まれ得る他の「さらなる成分」は、当技術分野で公知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれるGenaro,ed.,1985,Remington‘s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing co.,Easton,Paに記載される。
例示的な製剤
[0303]一部の実施形態では、製剤は、IL-18ポリペプチドを含む活性成分、pHを調節する1つまたは複数の緩衝化剤、1つまたは複数の安定剤、1つまたは複数の溶媒、界面活性剤、酸化を防止する試薬、および安定剤を含む。一部の実施形態では、IL-18ポリペプチドの製剤は、L-ヒスチジン(His)、L-ヒスチジン塩化水素(His-HCl)、スクロース、ポリソルベート80、L-メチオニンおよびEDTAの2ナトリウム塩の1つまたは複数を含む。
[0304]実験により到達したIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の適切な製剤の一例は、(1)IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18、DR IL-18、D2D IL-18、安定化されたDR IL-18、安定化されたD2D IL-18等)(例えば、配列番号19);(2)pHを6.2と6.8の間(例えば、一部の場合では6.5)に維持する緩衝化剤(例えば、8~12mM、例えば10mMのHis/His-HCl);(3)糖(例えば、6~10%;一部の場合では8%のスクロース);(4)キレート化剤(例えば、0.05~1.5mM、例えば一部の場合では0.1mMのEDTA);(5)酸化を防止する薬剤(例えば、4~6mM、例えば一部の場合では5mMのL-メチオニン);および(6)タンパク質吸着を防ぐ薬剤(例えば、0.01~0.03% w/v、例えば0.02%のPS80)を含む。
[0305]したがって、一部の場合では、製剤は:(1)IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18、DR IL-18、D2D IL-18、安定化されたDR IL-18、安定化されたD2D IL-18等)(例えば、配列番号19);(2)10mMのHis/His-HCl;(3)約8%のスクロース;(4)約0.1mMのEDTA;(5)約5mMのLメチオニン;および(6)約0.02%(w/v)PS80を含む。
[0306]上記の一部の実施形態(例えば、製剤が皮下に投与される場合)では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18、DR IL-18、D2D IL-18、安定化されたDR IL-18、安定化されたD2D IL-18等)(例えば、配列番号19)は、10~100mg/ml(例えば、10~90、10~75、10~60、10~50、10~40、10~30、25~100、25~90、25~75、25~60、25~50、25~40、25~30、30~100、30~90、30~75、30~60、30~50、30~40、40~100、40~90、40~75、40~60、40~50、50~100、50~90、50~75、または50~60mg/ml)の範囲の濃度で存在するであろう。上記の一部の実施形態(例えば、製剤が皮下に投与される場合)では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18、DR IL-18、D2D IL-18、安定化されたDR IL-18、安定化されたD2D IL-18等)(例えば、配列番号19)は、50~60mg/mlの範囲の濃度で存在するであろう。上記の一部の実施形態(例えば、製剤が皮下に投与される場合)では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18、DR IL-18、D2D IL-18、安定化されたDR IL-18、安定化されたD2D IL-18等)(例えば、配列番号19)は、20~30mg/mlの範囲の濃度で存在するであろう。
[0307]一部の実施形態では、医薬品はバッチで製剤化される。一部の実施形態では、バッチは、1.5Lである。他の実施形態では、バッチは、10.5Lである。バッチは、例えば、配列番号19のIL-18ポリペプチド、L-ヒスチジン、L-ヒスチジン塩化水素、スクロース、ポリソルベート80、L-メチオニン、EDTAの2ナトリウム塩、および注射用水を含み得る。一部の実施形態では、バッチは、40gと50gの間の配列番号19、1.00gと2.00gの間のL-ヒスチジン;0.25gと1.00gの間のL-ヒスチジン塩化水素、100.00gと150.00gの間のスクロース;0.01gと0.60gの間のポリソルベート80;1gと1.5gの間のL-メチオニン;0.005gと0.1gの間のEDTAの2ナトリウム塩;および約1.5Lに十分な量の水を含む。一部の実施形態では、バッチは、約45gの配列番号19、約1.91gのL-ヒスチジン;約0.57gのL-ヒスチジン塩化水素、約120.0gのスクロース;約0.30gのポリソルベート80;約1.31gのL-メチオニン;約0.06gのEDTAの2ナトリウム塩;および約1.5Lに十分な量の水を含む。一部の実施形態では、10.5Lのバッチは、300gと350gの間の配列番号19、10.00gと15.00gの間のL-ヒスチジン;3.50gと4.50gの間のL-ヒスチジン塩化水素、800.00gと900.00gの間のスクロース;1.5gと2.5gの間のポリソルベート80;7.00gと8.00gの間のL-メチオニン;0.1gと0.6gの間のEDTAの2ナトリウム塩;および約10.5Lに十分な量の水を含む。一部の実施形態では、10.5Lのバッチは、約315gの配列番号19、約13.34gのL-ヒスチジン;約3.99gのL-ヒスチジン塩化水素、約840.0gのスクロース;約2.1gのポリソルベート80;約7.88gのL-メチオニン;約0.42gのEDTAの2ナトリウム塩;および約1.5Lに十分な量の水を含む。
[0308]本開示の製剤は、例えば、本明細書に開示される化合物またはポリペプチドの活性を安定化または維持するのを助けるpHに維持され得る。本開示の製剤のpHは、例えば、約3~約12の範囲であり得る。組成物のpHは、例えば、約3~約4、約4~約5、約5~約6、約6~約7、約7~約8、約8~約9、約9~約10、約10~約11、または約11~約12のpH単位の範囲であり得る。組成物のpHは、例えば、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12のpH単位であり得る。組成物のpHは、例えば、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、または少なくとも9のpH単位であり得る。組成物のpHは、例えば、最大5、最大6、最大7、最大8、最大9、最大10、最大11、または最大12pH単位であり得る。
[0309]本明細書に開示される製剤は、約5.5~約8のpHを有し得る。例えば、本開示の製剤は、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、または約8.0のpHを有し得る。一部の実施形態では、pHは、6.5±0.6、6.5±0.5、6.5±0.4、6.5±0.3、6.5±0.2、6.5±0.1、約6.5、または6.5である。一部の実施形態では、pHは、6.2±0.6、6.2±0.5、6.2±0.4、6.2±0.3、6.2±0.2、6.2±0.1、約6.2、または6.2である。一部の実施形態では、pHは、6.8±0.6、6.8±0.5、6.8±0.4、6.8±0.3、6.8±0.2、6.8±0.1、約6.8、または6.8である。一部の実施形態では、pHは、7.4±0.6、7.4±0.5、7.4±0.4、7.4±0.3、7.4±0.2、7.4±0.1、約7.4、または7.4である。一部の実施形態では、pHは約6.2~約6.8である。pHが調合によって所望の範囲外である場合、pHは、十分な薬学的に許容される酸および塩基を使用することによって調整され得る。
[0310]一部の実施形態では、本明細書に開示される製剤は、緩衝化剤を含み得る。一部の実施形態では、緩衝化剤は安定なpHの維持および本明細書に開示される化合物またはポリペプチドの安定化を助けるのに寄与する。一部の実施形態では、緩衝系は、pH5.5~7.4の範囲の全てまたは一部をオーバーラップする緩衝範囲を有する少なくとも1つの緩衝化剤を含む。一部の実施形態では、緩衝剤は、約6.5±0.5、または6.2±0.5のpKaを有する。
投与
[0311]動物、好ましくはヒトに投与され得る、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の典型的な投与量は、動物のキログラム体重当たり0.001mg~約10mg(mpk)の範囲の量である。一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、0.01~4mpk(例えば、0.01~3.5、0.01~3.3、0.01~3、0.01~1.5、0.01~2、0.01~1.5、0.01~1、0.01~0.5、0.01~0.35、0.025~4、0.025~3.5、0.025~3.3、0.025~3、0.025~1.5、0.025~2、0.025~1.5、0.025~1、0.025~0.5、0.025~0.35、0.05~4、0.05~3.5、0.05~3.3、0.05~3、0.05~1.5、0.05~2、0.05~1.5、0.05~1、0.05~0.5、0.05~0.35、0.1~4、0.1~3.5、0.1~3.3、0.1~3、0.1~1.5、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1、0.1~0.5、0.1~0.35、0.25~4、0.25~3.5、0.25~3.3、0.25~3、0.25~1.5、0.25~2、0.25~1.5、0.25~1、0.25~0.5、0.25~0.35、0.5~4、0.5~3.5、0.5~3.3、0.5~3、0.5~1.5、0.5~2、0.5~1.5、または0.5~1mpk)の範囲の用量で個体に投与される。一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、0.05~3.5mpk(例えば、0.05~3.3、0.05~3、0.05~1.5、0.05~2、0.05~1.5、0.05~1、0.05~0.5、0.05~0.35、0.1~3.5、0.1~3.3、0.1~3、0.1~1.5、0.1~2、0.1~1.5、0.1~1、0.1~0.5、0.1~0.35、0.25~3.5、0.25~3.3、0.25~3、0.25~1.5、0.25~2、0.25~1.5、0.25~1、0.25~0.5、0.25~0.35、0.5~3.5、0.5~3.3、0.5~3、0.5~1.5、0.5~2、0.5~1.5、または0.5~1mpk)の範囲の用量で個体に投与される。一部の場合では、化合物は1日数回の頻度で動物に投与され得るか、または低頻度、例えば1日1回、週に1回、2週間ごとに1回、月に1回、またはより少ない頻度、例えば数ヶ月ごとに1回または年に1回以下で投与され得る。
[0312]しかしながら、上記したように、一部の場合ではそれは週に1回送達されるかまたはそれ以下である。
投与の方法
投与の頻度
[0313]当業者は、本明細書で論じられるIL-18タンパク質が、急性的に(例えば、短期間にわたり)または慢性的に(例えば、数ヶ月または1年以上など、長期間にわたり)投与され得ることを理解するであろう。当業者は、それらが単独で、または他の薬剤との任意の組合せで投与され得ることを理解するであろう。さらに、本明細書に記載のIL-18タンパク質は、時間的な意味で単独でまたは任意の組合せで投与されてもよく、それらは互いに同時に、および/または前に、および/または後に投与されてもよい。当業者は、本明細書で提供する開示に基づき、IL-18タンパク質組成物を使用して、それを必要とする対象において疾患または障害を処置することができ、そのようなタンパク質は単独でかまたは治療結果に影響する別の薬剤との任意の組合せで使用され得ることを理解するであろう。
[0314]驚くべきことに、以下の実施例で実証されたように、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)の投与は、一部の場合では、頻繁に投与され過ぎる、例えば週当たり1回より多い場合、有害でありうる(例えば、毒性~貧血を起こし得る)。例えば、以下の実施例は、霊長類(サル)での週あたり2回のDR-18の投与は、生理食塩水で処置したサルと比較して、用量依存的にヘモグロビンが減少した。反対に、週に1回の投与は、生理食塩水処置と比較してヘモグロビンレベルの減少をもたらさなかった。
[0315]したがって、一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、週当たり1回(週当たり1用量)以下(例えば2週間当たり1回以下、月当たり1回以下)の頻度で個体に投与される。一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)は、週当たり1回から6ヶ月当たり1回(例えば、週当たり1回から4ヶ月当たり1回、週当たり1回から2ヶ月当たり1回、または週当たり1回から月当たり1回)の範囲の頻度で個体に投与される。一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、週当たり1回から月当たり1回の範囲の頻度で個体に投与される。
[0316]一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、約1週間当たり約1回個体に投与される。一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、約2週間ごとに約1回個体に投与される。一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、約月当たり約1回個体に投与される。一部の場合では、IL-18ポリペプチド(例えば、野生型IL-18、安定化されたIL-18バリアント、DR IL-18バリアント、D2D IL-18バリアント、安定化されたDR IL-18バリアント、安定化されたD2D IL-18バリアント等)は、週当たり1回よりも多い頻度で個体に投与されない。
疾患
[0317]一部の実施形態では、本開示の方法は、MHCクラスIの表面発現を欠損する腫瘍またはがん腫瘍;例えば、MHC遺伝子座のB2mを欠損するか、または抗原提示の他のメンバーおよび/または抗原担持複合体、例えばタパシンに突然変異を有する腫瘍の処置または防止に有用である。
[0318]代謝疾患および障害は、様々な代謝および内分泌関連疾患および障害を含む。以下は、本発明の方法および組成物によって処置または防止され得る代謝および内分泌関連疾患および障害の非限定的な例である:肥満、糖尿病、糖尿病の予備軍、II型糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、高血糖、メタボリックシンドローム、脂質異常症、高トリグリセリド血症、および高コレステロール血症。
[0319]本発明の組成物および方法を使用して処置または防止され得る他の疾患および障害の非限定的な例は、ウイルス感染、細菌感染、寄生虫感染、および低免疫活性を含む。一部の実施形態では、ウイルス感染は、ポックスウイルス、天然痘ウイルス、伝染性軟属腫、HPV感染、およびウイルスによって引き起こされるイボの少なくとも1つである。一部の実施形態では、感染は全身感染である。一部の実施形態では、ウイルス感染は、ワクシニアウイルス感染である。一部の実施形態では、ウイルス感染は、全身ワクシニアウイルス感染である。一部の実施形態では、細菌感染は敗血症である。一部の実施形態では、低免疫活性は、例えば、化学療法によって引き起こされ得る好中球減少症である。
[0320]本発明の組成物および方法を使用して処置または防止され得る他の疾患および障害の非限定的な例は、黄斑変性を含む。例えば、一部の場合では、疾患または障害は、滲出型黄斑変性であり、一部の場合では、疾患または障害は、滲出型加齢関連黄斑変性である。一部のそのような場合では、IL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)は、抗血管新生剤として使用され得る。例えば、対象のIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)は、一部の場合では、脈絡膜新生血管を弱めることができる。
[0321]一部の実施形態では、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)は、疾患または障害の処置または防止に有用である。様々な実施形態では、疾患または障害は、がんまたは肥満および糖尿病を含む代謝疾患もしくは障害である(例えば、対象の方法は体脂肪の減少をもたらし得る)。したがって、一部の実施形態では、組成物は、少なくとも1つのIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)を含む。他の実施形態では、少なくとも1つのIL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18、例えば安定化されたDR IL-18バリアントまたは安定化されたD2D IL-18バリアント等)(例えば、配列番号19)を投与する方法が実施され、疾患または障害、例えば、限定はされないが、がんまたは代謝疾患もしくは障害を処置する。
[0322]以下は、本開示の方法および組成物によって処置または防止され得るがんの非限定的な例である:急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質がん、虫垂がん、基底細胞がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳および脊髄腫瘍、脳幹膠腫、脳腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、中枢神経系非定型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫/悪性グリオーマ、大脳星状細胞腫/悪性グリオーマ、子宮頸がん、小児視経路腫瘍、脊索腫、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、結腸がん、結腸直腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚がん、皮膚T細胞リンパ腫、子宮内膜がん、上衣芽腫、上衣腫、食道がん、ユーイング腫瘍、頭蓋外がん、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、肝外がん、眼がん、菌状息肉腫、胆嚢がん、胃(gastric)(胃(stomach))がん、消化管がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(gist)、胚細胞腫瘍、妊娠性がん、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠芽腫、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、肝細胞(肝臓)がん、組織球症、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、視床下部および視経路膠腫、視床下部腫瘍、眼内(眼)がん、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎臓(腎臓細胞)がん、ランゲルハンス細胞がん、ランゲルハンス細胞組織球症、咽頭がん、白血病、口唇および口腔がん、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、マクログロブリン血症、骨および骨肉腫の悪性線維性組織球腫(histiocvtoma)、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、潜在性原発巣の転移性扁平上皮頸部がん、口腔がん(mouth cancer)、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、真菌症、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄性白血病(myelogenous leukemia)、骨髄性白血病(myeloid leukemia)、骨髄腫、骨髄増殖性疾患、鼻腔および副鼻腔がん、上咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん(oral cancer)、口腔がん(oral cavity cancer)、中咽頭がん、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、骨の骨肉腫および悪性線維性組織球腫、卵巣、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓がん、乳頭腫症、傍神経節腫、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、中間型松果体実質腫瘍、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系がん、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎臓細胞(腎臓)がん、腎盂および尿管がん、第15染色体のnut遺伝子を含む気道がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、セザリー症候群、皮膚がん(黒色腫)、皮膚がん(非黒色腫)、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、軟組織がん、軟組織肉腫、扁平上皮細胞がん、扁平上皮頸部がん、胃(stomach)(胃(gastric))がん、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍および松果体芽腫、T細胞リンパ腫、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫および胸腺がん、胸腺がん、移行上皮がん、腎盂および尿管の移行上皮がん、絨毛性腫瘍、尿道がん、子宮がん、子宮肉腫、膣がん、視経路および視床下部膠腫、外陰がん、ワンデンストレーム高ガンマグロブリン血症、およびウィルムス腫瘍。
[0323]一部の非限定的な例では、がんは、起源の組織学的組織よってではなく、その分子特徴によって既定される。例えば、高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)を有する腫瘍、マイクロサテライト不安定性(MSI)を有する腫瘍、MHCクラスIの表面発現が欠損するかまたは減少した腫瘍(例えば、ベータ2マイクログロブリンまたはタパシンの欠失による)、または高レベルのIL-18BPを発現する腫瘍。一部の場合では、これらの分子特徴は、次世代シークエンシング(例えば、TMB/MSI)によって決定される。一部の場合では、これらの分子特徴は、免疫組織化学、免疫蛍光法、またはフローサイトメトリーによって決定される。したがって、本開示の方法および組成物によって処置または防止され得るがんの非限定的な例は、固形腫瘍がん、液体がん、血液がん、奇形腫、肉腫、およびがんを含む。
[0324]一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に耐性である腫瘍またはがんを処置するために有用である。免疫チェックポイント阻害剤の例としては、限定はされないが、抗PD1抗体(例えば、ニボルマブ)などの抗PD1剤、抗PD-L1抗体などの抗PD-L1剤、抗CTLA4(例えば、イピリムマブ)、抗TIM3、抗TIGIT、抗LAG3、抗B7H3、抗B7H4、抗VISTA、抗BTLA、抗CD47、抗SIRPアルファ、抗CD48、抗CD155、抗CD160、抗TREM2、抗IDO1、抗アデノシン2A受容体、抗アリール炭化水素受容体、抗KIR、抗LILRB2を含む。免疫チェックポイント阻害剤の標的の例としては、限定はされないが、PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、およびLILRB2を含む。
[0325]したがって、免疫チェックポイント阻害剤の例としては、タンパク質、例えば:PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、およびLILRB2を阻害する薬剤を含む。一部の場合では、対象の安定化されたIL-18バリアントポリペプチド(例えば、DR-IL-18バリアント、D2D-IL-18バリアント)(例えば、配列番号19)は、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、LILRB2、またはこれらの任意の組合せを阻害する薬剤)と共投与される。
[0326]一部の実施形態では、本開示の組成物および方法は、高レベルのIL-18BP(例えば、循環している、もしくは腫瘍によって発現される)と関連するがん、またはIL-18Rが浸潤性T細胞もしくはNK細胞上で発現される腫瘍と関連するがんを処置するのに有用である。
[0327]したがって、本発明は、疾患もしくは障害、またはその関連する兆候、症状もしくは病状の処置のための、それを必要とする細胞、組織、臓器、または対象への、治療有効量のIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)、組換えIL-18バリアントポリペプチド、活性IL-18バリアントポリペプチド断片(例えば、IL-18バリアントペプチドなど)の投与による、疾患または障害の防止および処置に関する。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載される疾患または障害を有する、有することが疑われる、または有するリスクがある対象に、治療有効量のIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)、組換えIL-18バリアントポリペプチド、活性IL-18バリアントポリペプチド断片(例えば、IL-18バリアントペプチドなど)を投与する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に記載される疾患または障害を有する、有することが疑われる、または有するリスクがある対象の細胞、組織または臓器に、治療有効量のIL-18バリアントポリペプチド(例えば、安定化されたIL-18)、組換えIL-18バリアントポリペプチド、活性IL-18バリアントポリペプチド断片(例えば、IL-18バリアントペプチドなど)を投与する方法を提供する。
キット
[0328]本発明はまた、本発明の方法において有用なキットにも関する。そのようなキットは、例えば、IL-18ポリペプチド(例えば、安定化されたDR IL-18バリアントもしくは安定化されたD2D IL-18バリアントなどの安定化されたIL-18)(例えば、配列番号19)および/またはIL-18バリアントポリペプチドもしくはIL-18バリアント核酸を定量的に分析するための材料、および/またはIL-18バリアントポリペプチドもしくはIL-18バリアント核酸の活性を評価するための材料、および/または使用説明書材料を含む、本明細書の他の箇所に記載される方法のいずれかにおいて有用な成分の種々の組合せを含む。例えば、一部の実施形態では、キットは、生体試料中のIL-18バリアント核酸の定量化にとって有用な成分を含む。別の実施形態では、キットは、生体試料中のIL-18バリアントポリペプチドの定量化にとって有用な成分を含む。さらなる実施形態では、キットは、生体試料中のIL-18バリアントポリペプチドの活性(例えば、酵素活性、リガンド結合活性など)の評価にとって有用な成分を含む。
[0329]さらなる実施形態では、キットは、使用説明書材料を含有する、処置を必要とする対象に投与される処置の有効性をモニタリングするためのアッセイの成分および対象から得られた生体試料におけるIL-18シグナル伝達のレベルが処置の投与の間または後にモジュレートされるかどうかを決定するための成分を含む。種々の実施形態では、IL-18シグナル伝達のレベルが対象から得られた生体試料においてモジュレートされるかどうかを決定するために、IL-18シグナル伝達のレベルを、陽性対照、陰性対照、歴史的対照、歴史的基準、または生体試料中の別の参照分子のレベルなどの、キットに含まれる少なくとも1つの比較対照のレベルと比較する。ある特定の実施形態では、IL-18シグナル伝達および参照分子の比を決定して、処置のモニタリングを助ける。
[0330]本発明は、以下の実験例を参照して詳細にさらに説明される。これらの実施例は、例示目的でのみ提供され、別途特定しない限り、限定を意図するものではない。したがって、本発明は、以下の実施例に限定されると解釈されるべきでは全くないが、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明らかになる任意かつ全ての変化を包含すると解釈されるべきである。
[0331]さらに説明はないが、当業者であれば、前記説明および以下の実証例を使用して、本発明を作製し、利用し、特許請求される方法を実施することができると考えられる。以下の実施例はしたがって、本開示の残りの部分を限定と解釈されるべきものでは全くない。
実施例1
IL-18バリアントポリペプチド
[0332]IL-18は、T、NK、および骨髄性細胞を刺激することができる炎症性サイトカインである。抗腫瘍免疫細胞を刺激するその能力を考慮して、それはがんのための免疫治療剤として提唱されている。本明細書に示されるように、組換えIL-18処置の治療有効性は、その天然の内因性可溶性阻害剤IL-18BPの上方調節によって大きく制限され得る。本開示は、IL-18BPへの最小限の結合を示すヒトとマウスの両方のIL-18のバリアントの開発に一部基づく。サイトカインバリアントは、数十万から100万倍を超えて受容体(IL-18RαおよびIL-18BP)に対する変更された相対的優先性を示す。これらのバリアントは、単剤療法として、および抗PD-1などの免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、の両方で前臨床腫瘍モデルにおける強力な抗腫瘍活性を有する。さらなる適用として、IL-18はまた、よく確立された抗肥満役割も有し、バリアントの投与はWT IL-18処置と比較して体脂肪組成を大きく低減させることが本明細書で示される。したがって、新しいバリアントは、腫瘍免疫療法に加えて、内分泌学/代謝/肥満における適応を有する。
[0333]また、IL-18BPのみに結合し、IL-18Rαへの結合が存在しないか、または大きく減少することによってIL-18BPアンタゴニストとして作用するIL-18バリアントのさらなるセットも本明細書に記載される。これらのタンパク質を使用して、IL-18BPを中和することによって内因性IL-18の活性を増強することができることが想定される。
[0334]これらの実験において用いられる材料および方法を、ここで記載する。
タンパク質の発現および精製
[0335]ヒトIL-18、マウスIL-18(アミノ酸1~157)およびそのバリアントを、gBlocks(Integrated DNA Technologies、IDT)としてアセンブルし、大腸菌BL21(DE3)Rosetta株中でのN末端SUMOタグ付およびC末端ヘキサヒスチジンタグ付タンパク質の発現のためにpET28a-smtベクター中にクローニングした。タンパク質発現を、16℃で20時間、0.5mM IPTGを用いて誘導した。Niキレート樹脂を使用して融合タンパク質を最初に精製した後、SUMOプロテアーゼを用いてSUMOタグを切断した。次いで、凝集体を20%硫酸アンモニウムで沈降させ、標的タンパク質を70%硫酸アンモニウムで沈降させる、連続硫酸アンモニウム切断によって、凝集体からタンパク質を分離した。タンパク質ペレットを再懸濁し、Niキレート樹脂に再度適用して、SUMOタグを除去し、0.1%Triton X-114を用いる内毒素除去洗浄にかけた。最後に、溶出したタンパク質を、PD-10カラム(GE Healthcare)によってPBSに緩衝液交換した。タンパク質試料を、FPLC(Bio-Rad)およびSEC650カラム(Bio-Rad)を使用するサイズ排除クロマトグラフィーによって単分散性について試験した。
[0336]ヒトIL-18Rα細胞外ドメイン(アミノ酸19~329)、IL-18Rβ細胞外ドメイン(アミノ酸15~356)、およびIL-18BP(アミノ酸31~194)を分泌させ、バキュロウイルス発現系によって精製した。簡単に述べると、全ての構築物配列を、N末端gp67シグナルペプチドならびにC末端AviTag(商標)およびヘキサヒスチジンタグと共にpAcBN-BH3ベクター(BD Biosciences)中にクローニングした。SF900II SFM培地(Invitrogen)中、27℃で培養したツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)昆虫細胞に、プラスミド構築物をトランスフェクトして、高力価組換えウイルスを確立した後、増幅した。Insect Xpress培地(Lonza)中、27℃で増殖させたイラクサギンウワバ(Trichopulsia ni)(High-Five)昆虫細胞(Invitrogen)にウイルスを感染させて、組換えタンパク質を発現させた。感染の3日後、Ni-NTA(QIAGEN)親和性クロマトグラフィーによってタンパク質を抽出し、濃縮し、10mM HEPES(pH7.5)および150mM NaCl中で平衡化させたSEC650サイジングカラム(Bio-Rad)を用いて98%を超える均一度まで精製した。
[0337]マウスIL-18Rα細胞外ドメイン(アミノ酸19~329)およびIL-18BP(アミノ酸31~194)を、Expi293発現系(Thermo Fisher)を使用して分泌タンパク質として産生させた。簡単に述べると、全ての構築物配列を、N末端H7シグナルペプチドならびにC末端AviTag(商標)およびヘキサヒスチジンタグと共にBacMam発現ベクターpEZT_D_Lux中にクローニングした。Expi293発現培地(Thermo Fisher)中、37℃で培養したExpi293細胞に、製造業者の使用説明書に従ってExpiFectamine 293 Transfection Kit(Thermo Fisher)を使用してプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクションの3~5日後、細胞を収獲した。タンパク質精製手順は、ヒトタンパク質と同じであった。
[0338]タンパク質のビオチン化のために、C末端ビオチンアクセプターペプチド(AviTag)-GLNDIFEAQKIEWHEを、全てのIL-18受容体構築物に融合させた。タンパク質のビオチン化を、0.1mMビシン(pH8.3)、10mM ATP、10mM酢酸マグネシウム、および0.5mMビオチン(Sigma)中の可溶性BirAリガーゼ酵素を用いて実行した。タンパク質を、上記のように、SEC650カラム上でのサイズ排除によって精製した。
IL-18の酵母ディスプレイ
[0339]ヒトおよびマウスIL-18遺伝子ブロック(IDT)を合成し、ベクターpYAL中にクローニングし、サッカロミセス・セレビジア(Saccharomyces cerevisiae)株EBY100上にディスプレイさせた。IL-18酵母の個々のコロニーを、SDCAA液体培地中、30℃で一晩増殖させ、20℃で1日間、SGCAA液体培地中で誘導した。酵母上でのIL-18ディスプレイレベルを、抗cMycタグ抗体(抗myc-PE;Cell Signaling Technologies)を使用するフローサイトメトリーによって検証した。ビオチン化IL-18Rα(IL-18Rβを含む、もしくは含まない)またはビオチン化IL-18BPを用いた受容体染色を、0.5%BSAおよび2mM EDTA(PBE)を添加したPBS中、氷上で実施した。全ての分析を、Sony SA3800フローサイトメーター上で実施した。
ヒトIL-18ライブラリーの構築および選択
[0340]第1のヒトデコイ耐性IL-18ライブラリーについて、hIL-18/hIL-18Rα/hIL-18Rβ複合体(タンパク質データバンク(PDB ID)コード3OW4)の構造を、IL-18/IL-18BP(PDB ID 3F62)の構造と整列させることによって、hIL-18中の14のhIL-18RαおよびhIL-18BP接触残基(表1)を、相同位置から同定した。これらの残基を無作為化するライブラリーを、表2に列挙される縮重プライマーを用いるアセンブリーPCRを使用して構築した。ライブラリーは、約1.96×1011のユニークなタンパク質配列の理論的多様性を有していた。pYALベクターに対する相同性を有するプライマーを用いてPCR産物をさらに増幅し、線状化されたpYALと一緒にEBY100酵母中に同時電気穿孔した。得られるライブラリーは、2.5×10個の形質転換体を含有していた。第2のV2.0ヒトデコイ耐性IL-18ライブラリーについて、hIL-18中の11のhIL-18RαおよびhIL-18BP接触残基を選択して無作為化したところ、3.44×10のバリアントの理論的多様性を示した(図7Aに記載される)。これらの残基を無作為化するライブラリーを、縮重プライマーを用いるアセンブリーPCRを使用して構築し、pYALと共にEBY100酵母中に同時電気穿孔した。得られるライブラリーは、6×10個の形質転換体の多様性を有していた。
[0341]
Figure 2023550545000002
[0342]
Figure 2023550545000003
[0343]両ライブラリーについて、形質転換された酵母を回収し、30℃で液体合成デキストロースカザミノ酸(SDCAA)培地中で拡大し、液体合成ガラクトースカザミノ酸(SGCAA)培地中で1:10に希釈することによって誘導し、20℃で24時間培養した。適切な数の誘導酵母を各ラウンドにおいて使用して、各ステップでライブラリーの予想される多様性の少なくとも10倍のカバー率、および少なくとも10個の細胞を確保した。全ての選択ステップを、PBE緩衝液(0.5%BSAおよび2mM EDTAを含むPBS)を使用して4℃で実行した。第1世代のライブラリーについては、各ラウンドの選択試薬は、表3に列挙される。ラウンド1について、酵母を抗Cy5/AlexaFluor 647マイクロビーズ(Miltenyi)およびLS MACSカラム(Miltenyi)を用いて対抗選択して、非特異的ビーズ結合剤を除去した。1μMビオチン化hIL-18Rαを用いて4℃で1時間、酵母を標識した後、SA/AlexaFluor 647マイクロビーズおよびLS MACSカラムを用いて磁気選択することによって、陽性選択を実施した。ラウンド2について、ラウンド1と同一の陽性選択を用いて、1μMのビオチン化IL-18BPを用いて対抗選択を実施した。ラウンド3~5について、100nM(ラウンド3~4)または10nM(ラウンド5)のビオチン化IL-18Rαおよび250nMの予め形成されたビオチンキャップ付hIL-18BP/SA-PE四量体と共に酵母をインキュベートすることによって、選択を実施した。結合の完了後、酵母を洗浄し、SA AlexaFluor 647で標識して、IL-18Rαを検出した。AlexaFluor 488コンジュゲート化抗cMyc(Cell Signaling Technologies)で染色することによってディスプレイレベルを決定し、上から1%のディスプレイ正規化されたIL-18Rα結合剤(IL-18BP非結合剤のうちの)を、Sony SA3800細胞選別装置を用いるFACSを使用して単離した。各ラウンドの選択後、回収された酵母を、30℃で一晩、SDCAA培地中で拡大した後、20℃で24時間、SGCAA培地中で1:10希釈によって誘導した。
[0344]V2.0ヒトDR-IL-18ライブラリーを同様の様式で選択したが、特異的選択ステップは図7Bに詳述されている。
マウスIL-18ライブラリーの構築および選択
[0345]構築および選択手順は、ヒトIL-18と同様であり、以下の変化を含む。ライブラリー構築は、in silicoでモデル化されたマウスIL-18/受容体複合体構造によって情報提供された(Phyer2.0によって予測された)。表4に記載されるプライマーを使用して、無作為化のための13個の位置が選択された(表3)。pYALとの同時電気穿孔により、4×10個の形質転換体のライブラリーが得られた。各ラウンドのために使用された選択試薬を、表5に列挙する。
[0346]
Figure 2023550545000004
[0347]
Figure 2023550545000005
Figure 2023550545000006
[0348]
Figure 2023550545000007
表面プラズモン共鳴
[0349]Biacore T100を使用して実験を行い、25℃で実行した。ビオチン化IL-18RαまたはIL-18BPをBiacoreビオチン捕捉チップ(Series S CAPセンサーチップ、GE Healthcare)上に固定化して、約50RU(IL-18Rα)または約10RU(IL-18BP)のRmaxを得た。HEPES緩衝食塩水-P+緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、0.005%サーファクタントP20)中でのIL-18バリアントの連続希釈液を用いて測定を行った。再生緩衝液(3/4(v/v)の8M塩酸グアニジンおよび1/4(v/v)の1M水酸化ナトリウム)の3回の60secの注入によって、表面を再生させた。観察の増加のために複数のチャネルにおいて同時に実験を実施した。全てのデータを、1:1 Langmuir結合モデルを用いるBiacore T100評価ソフトウェアバージョン2.0を用いて分析した。
細胞系
[0350]HEK-Blue IL-18センサー細胞(InvivoGen)を、100μg/mLのノルモシン、30μg/mLのブラスチシジン、180μg/mLのゼオシン、および200μg/mLのハイグロマイシンを添加した完全培地(10%熱不活化FBS、2mM L-グルタミン、50U/mLペニシリン、および50μg/mLストレプトマイシンを含有するDMEM)中で維持した。YUMMER1.7黒色腫細胞を、以前に記載されたように培養および調製した(Wangら、2017、Pigment Cell Melanoma Res.、30(4):428~435)。
HEK-Blueサイトカイン活性アッセイ
[0351]サイトカイン活性の測定のために、平底96ウェルプレートのウェルあたり50,000個のHEK-Blue IL-18センサー細胞を、200μLの総体積の完全培地中、連続して減少する濃度の組換えヒトIL-18と共にインキュベートした。37℃および5%COでのインキュベーションの20~24時間後、30μLの細胞培養上清を、170μLのQUANTI-Blue検出媒体(InvivoGen)と混合し、ピンク色から青色への色の変化が検出可能となるまで(0.5~4時間)、37℃および5%COでインキュベートした。アルカリホスファターゼのレベルを、655nmの波長で分光光度計を使用して定量した。アッセイにおける各サイトカインの相対吸光度値(655nmで測定した最大吸光度値のパーセンテージ)を算出することによって、サイトカイン活性を決定した。
[0352]IL-18BP遮断実験のために、固定濃度の組換えヒトIL-18を、4℃で1時間、連続して減少する濃度の組換えヒトIL-18BPと共に予備インキュベートした。続いて、タンパク質混合物をHEK-Blue IL-18センサー細胞に添加し、アッセイを記載のように実施した。
マウス
[0353]Jackson LaboratoryからのC57BL/6野生型マウス(6~9週齢)を、in vivoでのマウス実験のために使用した。実験群を、体重、性別、および年齢によって一致させた。全ての動物実験を、Yale Institutional Animal Care and Use Committeeからの認可に従って行った。
in vivoでの薬力学および薬物動態研究
[0354]マウス(1群あたりn=9)は、1mg/kgの組換えIL-18(WTもしくはバリアントである配列番号61)、またはビヒクル対照としてのPBSの腹腔内(i.p.)注射を毎日受けた。実験の1日目、4日目、および7日目に、1群あたり3匹のマウスを、心穿刺による採血のために注射の5時間後に犠牲にした後、血漿または白血球の分析(マウスIL-18BP ELISA、マウスサイトカイン分析のためのLuminexに基づく多重イムノアッセイ、ならびにフローサイトメトリーによる免疫表現型決定を参照されたい)を実施した。7日間の実験を通して、Rodent温度計BIO-TK8851(Bioseb)およびマウス用のRET3直腸プローブ(Braintree Scientific Inc.)を使用して体温を毎日モニタリングした。体重を毎日モニタリングした。
全血からの血漿調製
[0355]全血からの血漿調製を、製造業者の使用説明書に従ってEDTA被覆Microtainer Plasma Separator Tubes(BD)を使用して実施した。血漿試料を-20℃で1回凍結した後、分析アッセイのために使用した。
IFN-γおよびIL-18BPのELISA
[0356]細胞培養上清中のヒトIFN-γのレベルを測定するために、製造業者の使用説明書に従って、4pg/mLの感度および7.8~500pg/mLの検出範囲でヒトIFN-γ ELISA MAX Deluxe Set(BioLegend)を使用した。細胞培養上清中のヒトIL-18BPの定量化のために7.52pg/mLの感度および26.6~1,700pg/mLの検出範囲でQuantikine Human IL-18BPイムノアッセイ(R&D Systems)を使用した。血漿中のマウスIL-18BPレベルを、0.156ng/mLの感度および0.156~10ng/mLの検出範囲でマウスIL-18BP ELISAキット(R&D Systems)を使用して定量した。試料調製を含む全てのアッセイを、製造業者の使用説明書に従って実施した。
マウスサイトカイン分析のためのLuminexベースの多重イムノアッセイ
[0357]IFN-γおよびIL-12を含む血漿中の種々のマウスサイトカインレベルを定量するために、Bio-Plex 200 System(Bio-Rad)を使用して、LuminexベースのBio-Plex Pro多重イムノアッセイ(Bio-Rad)を実施した。製造業者の使用説明書に従って、DMEM中で再構成させたBio-Plex Pro Mouse Cytokine Standard 23-Plex(グループI)を使用して、目的のサイトカインを分析した。
フローサイトメトリーによる免疫表現型決定
[0358]白血球分析のために、100μLの全血を、50μLのヘパリン溶液をさらに含有するEDTA被覆Microtainer Plasma Separator Tube(BD)中に収集し、数回、反転させることによって混合した。ACK Lysing Buffer(VWR)を添加し、室温で3~5分間インキュベートすることによって、赤血球溶解を実施した。MACS緩衝液(PBS中の、2mM EDTA、2%FBS)を添加した後、上清の遠心分離(5分、400×g、4℃)および吸引によって白血球を収集した。冷MACS緩衝液で1回、白血球を洗浄し、記載のように再収集した。細胞ペレットを、10%(v/v)ラット血清(STEMCELL Technologies Inc.)および特異的蛍光標識抗体を含有する200μLのMACS緩衝液中に再懸濁して、その後のフローサイトメトリー分析のために染色した。以下の抗体を使用して4℃で30分間、染色を実施した:αCD4-AF700(BioLegend)、αCD8-APC(BioLegend)、B220-APC-Cy7(BioLegend)、CD11b-PB(BioLegend)、NK1.1-PE(BioLegend)、NKp46-PE(BioLegend)、およびCD69-FITC(BioLegend)。その後、上に記載されたようにMACS緩衝液で2回、白血球を洗浄した。最後に、細胞を100μLのMACS緩衝液中に再懸濁し、フローサイトメーター(Sony SA3800)を使用して試料を獲得した。10μLのアリコートを取って、Invitrogen Countess II Automated Cell Counter(Thermo Fisher Scientific)を使用して細胞計数を実施した。データ分析のためにFlowJo v10.3ソフトウェアを使用し、前方および側方散乱を使用して白血球および単一事象について細胞にゲートをかけた。
腫瘍処置実験
[0359]0.5×10個のYUMMER1.7細胞を、C57BL/6Jマウス中に皮下移植した。移植の7日後、腫瘍が約50mgになった時、処置を開始した。マウスを、1)ビヒクル(食塩水)、2)抗PD1(ラットクローンRMP1-14、Bio X Cell、West Lebanon、New Hampshire、US)、3)野生型IL-18、4)配列番号61、5)野生型IL-18+抗PD-1、および6)配列番号61 IL-18+抗PD1を含む処置コホートに分割した。抗PD-1、野生型IL-18、および配列番号61 IL-18を、それぞれ、8mg/kg、0.32mg/kg、および0.32mg/kgで週2回、腹腔内注射により投与した。マウスを臨床毒性の兆候についてモニタリングし、ノギス測定を使用して週2回、腫瘍成長を追跡した。腫瘍の直径が最も大きい寸法において1.5cmに達したか、またはそれを超えた時、マウスを安楽死させた;これを生存分析のためのエンドポイントと考えた。
[0360]B2m欠損YUMMER1.7研究を、少し変化させて、同様の様式で行った。腫瘍は親株よりも遅く成長したので、1.0×10個の細胞が生着した。処置は、食塩水、抗PD1+抗CTLA4、および配列番号61からなり、上記研究と同じスケジュールおよび用量で与えた。
[0361]実験の結果を、ここで記載する。
がん免疫療法のための標的としてのIL-18軸
[0362]免疫治療介入のための潜在的なシグナル伝達ノードを同定するために、腫瘍浸潤リンパ球からの単一細胞RNAseqデータを、サイトカイン経路成分の発現について分析した(Singerら、2016、Cell、166:1500~1511、e1509)。IL-18の受容体サブユニット-IL-18Rα(すなわち、IL-18R1)およびIL-18Rβ(すなわち、IL-18RAP)-ならびにIL-18自体は、活性化および機能不全リンパ球プログラムの両方において上方調節された(図1A)。免疫ゲノム(ImmGen)データベースのさらなる分析により、両方のIL-18受容体サブユニットの発現が、図1Bに示されるように慢性的抗原曝露後にPD-1、Tim3、Lag3、およびTIGITを含むCD4およびCD8細胞中のT細胞「疲弊」マーカーの発現と相関することが示された。これらの発現特性により、IL-18経路を使用して、免疫治療パラダイムとして腫瘍内の活性化および機能不全/疲弊T細胞を選択的に刺激することができることが示唆された。IL-18は、TおよびNK細胞によるインターフェロンガンマ(IFN-γ)の放出をロバストに刺激するその能力について「インターフェロン-ガンマ誘導因子」(IGIF)と最初に呼ばれたTh1サイトカインである。IL-18のフィードバック阻害は、IL-18がその受容体に結合し、これを活性化する能力を立体的に阻害するIL-18の高親和性分泌型デコイ受容体であるIL-18BPのIFN-γ駆動性誘導によって達成される(図2A)。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、このメカニズムは、IFN-γによるPD-L1の誘導によく似ており、これは、IL-18BPが「可溶性免疫チェックポイント」として作用し得ることを示唆している。この仮説と一致して、IL-18BPは、TCGAおよびOncomineデータベース中でいくつかの型のがん、最も顕著には、乳がん、胃がん、および脳腫瘍において上方調節されることが見出された(図2B)。さらに、IL-18BP発現は、腫瘍における重要な免疫チェックポイントPD-1の発現と強く相関する(それぞれ、胃がんおよび乳がんにおいてr=0.65および0.78、図2C)が、これは、IL-18BPが腫瘍免疫回避およびリンパ球疲弊にも寄与し得ることを示唆している。
[0363]組換えIL-18を、複数の臨床試験においてがん患者に投与した。それは2mg/kgの高用量でも良好に許容されることが見出され、活性化CD69+ナチュラルキラー(NK)細胞の拡大および血清IFN-γレベルの劇的な増加を含むロバストな薬力学的アウトプットを示した。しかしながら、黒色腫患者の第II相試験は、有効性の欠如のため中止された。これらの臨床試験からの報告された薬力学的結果の検査は、rIL-18の有効性が、反復投与と共に減弱し、末梢NK細胞活性化/拡大およびサイトカイン放出(IFN-γおよびGM-CSFを含む)に関して速成耐性が見られることを示す。rIL-18の減弱する有効性は、処置前のレベルより2桁高く、しばしば、100ng/mLを超える、IL-18BPの血清レベル中の大規模な増加と一致する。いかなる特定の理論によっても束縛されることを望むものではないが、IL-18BPがrIL-18療法の有効性を制限する、およびIL-18BP阻害に影響されないIL-18バリアントが有効な腫瘍免疫療法であり得ると仮定された。さらに、IL-18BPの阻害剤は、腫瘍免疫療法にとって有効である可能性が高い。
IL-18BP阻害に対して耐性であるIL-18バリアントの操作(ヒトDR-IL-18バリアント)
[0364]IL-18Rα/IL-18Rf3を介してシグナル伝達することができるが、IL-18BPによる阻害の影響は受けないIL-18のバリアントを得るために、酵母表面ディスプレイを用いる指向性進化を使用した。ヒトIL-18:IL-18Rα:IL-18Rf3(PDB=3OW4)の三元シグナル伝達複合体の構造を最初に分析し、シグナル伝達複合体およびIL-18BPとの共有の境界面を有するIL-18の残基を同定した(図3A)。hIL-18:hIL-18BPの構造は決定されていないため、IL-18と、IL-18BPのウイルス(エクトロメリアウイルス)オーソログとの関連複合体を使用した(PDB=3F62)。このセットの残基を、規定のセットの代替物に無作為化するコンビナトリアルライブラリー(表1を参照されたい)を、縮重オリゴヌクレオチドプライマーおよびアセンブリーPCRを使用して作出した。このライブラリーを、N末端酵母ディスプレイベクターpYALと一緒に酵母に電気穿孔して、2.5×10個の形質転換体を含むライブラリーを得た。このライブラリーを使用して、図3Bにまとめられるように、組換えhIL-18Rαを用いる磁気および蛍光細胞選別(FACS)を使用する連続選択ラウンドならびにhIL-18BPを用いる対抗選択によって、指向性進化を実施した。5ラウンドの選択後、ライブラリークローンの明らかな大部分が、WT hIL-18と比較してその相対的優先性をhIL-18BPおよびhIL-18Rαに完全に交換した(図3C)。これらのクローンは、「DR」が「デコイ耐性」を表す、「DR-hIL-18」バリアントと命名された。
[0365]ラウンド5後のプールに由来する96のクローンの配列決定により、21のユニークな配列が示され、これを分析して、4つの「コンセンサス配列」、配列番号34~37を作出した(図4)。hIL-18RαおよびhIL-18BPに対するこれらのバリアントの結合親和性を見積もるために、結合等温線を、酵母ディスプレイされたサイトカインバリアントおよびフローサイトメトリーを使用してhIL-18RαおよびIL-18BP結合について確立した。図5Aに見られるように、DR-hIL-18バリアントは、WT IL-18と同等の親和性でhIL-18Rαに結合したが、hIL-18BPに対しては大幅に減弱された結合を示し、見かけの結合EC50値は、1μMよりも有意に高かった。DR-IL-18バリアントの受容体結合活性をさらに特徴付けるために、サイトカインを組換え的に発現させ、IL-18RαおよびIL-18BPに関する表面プラズモン共鳴を実施した(代表的なトレースについては図5Bを参照されたい)。これらの結果は、表6および表7にまとめられ、DR-hIL-18バリアントは、IL-18Rαと比較して、桁違いの、IL-18BPに対する劇的に低下した優先性を有することを示す。
[0366]
Figure 2023550545000008
[0367]
Figure 2023550545000009
ヒトDR-IL-18バリアントの機能的特性評価
[0368]Kimら(Kimら、2001、Proc Natl Acad Sci USA 98(6):3304~9)の以前の報告は、活性が増強され、IL-18BPによる阻害が意図的に減少した3種のhIL-18バリアント:E42A、K89A、およびE42A/K89Aを記載した。これらのサイトカインバリアントを、酵母上にディスプレイし、IL-18Rα結合のIL-18BP阻害を、フローサイトメトリーによって評価した。図6Aに示されるように、DR-hIL-18バリアントはhIL-18BPによるhIL-18Rα結合の阻害に影響されなかったが、Kimらのバリアントは、WT hIL-18と比較して大まかに同等のhIL-18BP中和を示した。これらの結果は、DR-hIL-18バリアントがIL-18BPとは無関係であるが、KimらのバリアントはWT hIL-18と同様、IL-18BP阻害に対して非常に感受性であることを示す。
[0369]DR-hIL-18が細胞状況においてIL-18受容体を介する生産的なシグナル伝達をもたらし得ることを確認するために、HEK-blue IL-18受容体細胞系を使用して、濃度-応答実験を実施した。このシステムでは、IL-18Rシグナル伝達は、NFκb/AP1プロモーターの下流の分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現によって読み出される。IL-18BPの非存在下では、DR-hIL-18バリアントは、WT hIL-18と等しいシグナル伝達EC50値をもたらした。しかしながら、DR-hIL-18バリアントは、hIL-18BPによる阻害を実質的に示さず、1μMのIL-18BPで検出可能な阻害を示さなかった(図6B)。総合すると、これらの研究は、DR-hIL-18バリアントは、細胞シグナル伝達状況で生物学的に活性であり、IL-18BP中和に影響されないことを確立する。
IL-18BP阻害に対して耐性である第2世代のヒトIL-18バリアント(ヒトv2.0 DR-IL-18バリアント)の操作および特性評価
[0370]さらなる、潜在的に増強されたヒトDR-IL-18バリアントを得るために、11個の位置で無作為化されたヒトIL-18の第2のライブラリー(図7A)を設計し、上記のように酵母を形質転換した。6×10個の形質転換体の得られるライブラリーを、図7Bに概略されるように選択し、連続選択ステップを用いてIL-18BPと比較してIL-18Rαに対するロバストな優先性を得た(図7C)。5~6ラウンドの選択後、17個のユニークな配列が回収された(図8)。図9Aに示されるように、WT IL-18と比較した場合、配列番号89、配列番号90、配列番号91、および配列番号87のクローンは、ビオチン化IL-18Rαを用いる酵母結合等温線によって測定した場合、IL18Rαに対する同等の、またはいくらかより強い結合を有していた。しかしながら、図9Bに示されるように、これらのクローンは、IL-18BPに対するいかなる感知できるほどの結合も示さなかった。図9Cは、酵母ディスプレイされたクローンに一定の温度範囲を適用することによる熱安定性の測定が、WT IL-18よりも7~13℃の差で熱安定的であったことを示す図である。これらの結果を、図9Dにまとめる。
IL-18BP阻害に対して耐性であるIL-18バリアントの操作(マウスDR-IL-18バリアント)
[0371]IL-18Rαに対するIL-18のヒトおよびマウス種間交差反応性は弱いため、マウスにおける研究のために使用することができるDR-IL-18バリアントのマウス等価物を作出した。上記のhIL-18について採用した手法と同様、mIL-18Rα/mIL-18BP接触残基の同様のセットを無作為化するmIL-18バリアントのコンビナトリアルライブラリー(表3)を作出し、4×10個の形質転換体のライブラリーを得た。ヒトIL-18ライブラリーに関して実施した方法と同様の指向性進化をこのライブラリーに対して実施した;選択戦略は図10Aにまとめられている。6ラウンドの選択の完了後、残りのクローンは、mIL-18BPよりもmIL-18Rαに対するほぼ完全な優先性を有していた(図10B)。96個のクローンの分析により、2つのコンセンサス配列、配列番号60および配列番号61に由来する、11個のユニークな配列が示された(図10C)。酵母結合等温線および表面プラズモン共鳴実験により、これらのDR-IL-18クローンが、本明細書に記載されるヒトIL-18バリアントよりもIL-18BPに対するさらにより高い独立性を有し、mIL-18BP結合のKDは1μMを優に上回り、mIL-18Rα結合はWT-mIL-18とほぼ同等のままであることが確認された(図11A、図11B、表8および表9)。
[0372]
Figure 2023550545000010
[0373]
[0374]
Figure 2023550545000011
[0375] DR-IL-18バリアントのin vivoでの薬力学的研究
[0376]in vivoでのDR-IL-18バリアントの投与の生物学的効果を評価するために、WT mIL-18を配列番号61と比較する、薬力学的研究をマウスにおいて実施した。第1の研究では、マウスを、合計7回の注射にわたって、ビヒクル(PBS)、mIL-18(1mg/kg/日)、または配列番号61(1mg/kg/日)で処置した(図12A)。フローサイトメトリーによる末梢血表現型の分析により、WT mIL-18と配列番号61との両方が、ビヒクル処置と比較して、10倍を超えて末梢NK細胞数を増加させ、5倍を超えて末梢単球計数を増加させたことが分かった;総CD4およびCD8細胞計数は有意に影響されなかった(図12B)。CD69誘導による細胞活性化状態の検査により、配列番号61処置が、mIL-18またはビヒクル処置と比較して、CD4およびCD8細胞上のCD69レベルを劇的に増加させ、CD4およびCD8サブセットについて、それぞれ、30%および50%を超えて陽性に達することが示された(図12C)。mIL-18と配列番号61とは両方とも、3日目までに末梢NK細胞上でのCD69発現を、20%を超える陽性にまで刺激したが、CD69レベルは6日目までにmIL-18について有意ではないレベルまで低下したが、配列番号61処置に関しては有意に上昇したままであった(図12C)。多重化Luminexパネルを用いて、末梢サイトカインレベルも測定した。図12Dに見られるように、mIL-18と配列番号61とは両方とも、ビヒクル処置と比較して血清IFN-g、MIP1b、およびG-CSFを増加させたが、mIL-18は、その後の投与に関して誘導サイトカインレベルがプラトーに達するか、または低下する速成耐性を示したため、配列番号61は、これらのサイトカインのそれぞれについて、6日目までにmIL-18よりもはるかに高いレベルを達成した。
体脂肪組成に対する配列番号61の効果
[0377]体脂肪組成に対するDR-IL-18バリアントの効果を評価するために、本発明者らは、3日毎のC57BL/6マウスへの腹腔内注射によって1mg/kgのWT IL-18または0.01、0.1、もしくは1mg/kgの配列番号61を投与した。体脂肪および除脂肪組成を、エコーMRIによってモニタリングした。試験した全ての用量の配列番号61(1mg/kg、0.1mg/kg、および0.01mg/kg)が、12日目までに体脂肪の全パーセンテージの驚くべき低下をもたらしたが、ビヒクルおよびmIL-18処置マウスは総体脂肪組成の有意な変化を有しなかった(図13、上)。具体的には、配列番号61処置マウスは、実験中に減少した、または安定なレベルの総脂肪量を有していたが(図13、左下)、その総除脂肪量を実質的に増加させた(図13、右下)。これらの結果は、配列番号61、および本明細書に開示される他のバリアントを使用して、体脂肪組成を治療的に低下させることができることを示している(例えば、肥満、糖尿病、および/または代謝症候群の処置のため)。
DR-IL-18バリアントの抗腫瘍有効性
[0378]DR-IL-18(配列番号61)の抗腫瘍有効性を、移植可能な、同系YUMMER1.7悪性黒色腫腫瘍モデルを使用して評価した。抗PD1抗体(8mg/kg/q3d)を共投与して、または共投与せずに、WT mIL-18および配列番号61を、0.32mg/kgの用量で週2回、YUMMER1.7腫瘍を担持するマウスに腹腔内投与した。マウスおよびヒトにおけるその使用に関する以前の報告と一致して、WT IL-18は、ビヒクル(食塩水)と比較して腫瘍成長または生存に影響せず、抗PD1と併用投与した場合、有効性をごくわずかに改善させた。しかしながら、配列番号61は、単剤療法として処置マウスの27%を治癒させ、別の27%においては部分奏功をもたらしたが、その効果は抗PD1処置と同等である。配列番号61と抗PD1との組合せは、処置マウスの80%を治癒させた(図14Aおよび図14B)。
[0379]YUMMER1.7腫瘍に対するDR-IL-18の作用機構を確立するために、CD8、CD4、NK1.1、およびインターフェロン-ガンマに対する抗体を使用して細胞枯渇研究を実施した。図15Aおよび図15Bに見られるように、CD8細胞の枯渇およびインターフェロン-ガンマの中和は、DR-IL-18の有効性を完全に無効化した。 CD4細胞の枯渇は、腫瘍成長に関するDR-IL-18の初期活性には影響しなかったが、CD4処置マウスにおいては、治療応答は持続せず、抗腫瘍免疫の支援および持続におけるCD4細胞の役割を示唆している。NK細胞の枯渇は、YUMMER1.7細胞中での腫瘍成長または生存に影響しなかった。
[0380]DR-IL-18の活性を、免疫原性MC38結腸直腸腫瘍モデルにおいてさらに評価した。食塩水、WT IL-18(週2回、1mg/kg)、または週2回、0.01mg/kg、0.1mg/kg、もしくは1mg/kgからのDR-IL-18用量の範囲を投与する、用量設定研究を最初に実施した。図16に見られるように、WT IL-18は腫瘍成長に対する効果を有しなかったが、DR-IL-18(配列番号61)は、用量依存的有効性を示し、0.1mg/kgで腫瘍成長を減速させ、1mg/kgで腫瘍退縮をもたらした。次いで、コホートを拡大し、免疫チェックポイント阻害との潜在的な相乗作用を評価した。再度、WT IL-18は、単剤療法としての効果を有せず、抗PD1有効性の増強を示さなかった。対照的に、DR-IL-18は、抗PD1と同等の、またはそれより優れたロバストな単剤療法活性を示し、2つの療法は一緒になって、例外的な相乗作用を示し、図17に見られるように、全ての処置マウスにおいて完全な退縮をもたらした。
[0381]DR-IL-18のメカニズムをさらに特徴付けるために、食塩水、WT IL-18、またはDR-IL-18(配列番号61)で処置したマウスに由来するMC38腫瘍の免疫浸潤に関してフローサイトメトリー研究を実施した。食塩水またはWT IL-18と比較して、DR-IL-18処置は、腫瘍1mgあたりのCD8およびNK細胞浸潤を増加させ、さらに、グランザイムBおよびKLRG1などのエフェクター細胞の活性化マーカーの上方調節をもたらした(図18A、上の行)。IL-2またはIL-15などの他のサイトカイン療法と違って、DR-IL-18は、食塩水処置と比較して、腫瘍内のCD8:Treg比を増加させない。しかしながら、DR-IL-18処置は、CD8細胞の、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、ならびに単球性および顆粒球性骨髄由来抑制細胞(MDSC)に対する比を増加させることによって、より好ましい腫瘍免疫微小環境をもたらす。Luminexアッセイを使用して、同じマウスの血清から、第2のサイトカイン放出プロファイルも測定した。図18Bに見られるように、DR-IL-18処置は、インターフェロン-ガンマ、IL-7、およびIL-15の全身レベルを、WT IL-18処置と比較して100倍を超えて増加させた。全体として取ると、これらの結果は、DR-IL-18が、IL-2、IL-15、またはWT IL-18処置とは異なる独特の作用機構によって抗腫瘍有効性をもたらすことを示している。
[0382]DR-IL-18療法によって誘導される一部の第2のサイトカインは、毒性に潜在的に寄与する、および/または有効性を低下させると予測される。例えば、DR-IL-18によって100倍を超えて上方調節されるIL-17は、大腸炎および乾癬に寄与し、さらに、免疫抑制性骨髄由来抑制細胞になり得る顆粒細胞を刺激する。IL-5およびIL-13は、DR-IL-18によっても上方調節される2型サイトカインであり、アレルギー、喘息の増悪、またはアナフィラキシーに寄与し得る。Th2 T細胞は免疫治療応答に寄与せず、免疫抑制性Tregの発生を促進し得る。そのため、ある特定の例では、DR-IL-18の有効性および安全性は、例えば、中和抗体による、IL-17、IL-5、およびIL-13などの望ましくない第2のサイトカインの選択的阻害によって増強され得る。
[0383]多くの腫瘍は、初期の提示(一次耐性)時に、または処置に対する初期応答後(二次耐性)に、免疫チェックポイント阻害に対して耐性である。チェックポイント阻害剤の耐性の最も一般的な原因は、MHCクラスIによる抗原提示の喪失である。表面MHCクラスIの喪失は、NK細胞媒介性細胞溶解と古典的に関連するが、NK細胞はMHC I欠損腫瘍内では疲弊状態になり得る。NK細胞はIL-18Rを発現し、MC38における本発明者らの以前の結果は、NK細胞がDR-IL-18によって拡大および活性化されることを示したため、本発明者らはしたがって、DR-IL-18がMHC I欠損腫瘍に対するNK細胞の攻撃を刺激し得るかどうかを試験した。本発明者らは、Yummer1.7細胞系においてB2mをノックアウトするためにCRISPR/cas9を使用し、埋め込まれたB2m欠損YUMMER1.7腫瘍が、親Yummer1.7腫瘍のほぼ100%を常に治癒させる組合せである、抗CTLA4と抗PD1との両方を用いた併用処置(図19Aおよび図19B)にさえ不応性であることを見出した。しかしながら、DR-IL-18(配列番号61)を用いた単剤処置は、抗NK1.1による枯渇が効果を無効化したため、NK細胞依存的様式でB2m欠損Yummer1.7腫瘍の60%を治癒させた(図19Aおよび図19B)。DR-IL-18がMHCクラスI欠損腫瘍の設定において腫瘍内NK細胞に対して有する効果を理解するための実験を行った。食塩水またはDR-IL-18で処置したマウスに由来するB2m欠損Yummer.17腫瘍上でフローサイトメトリーを用いて免疫表現型決定研究を実施した。処置の3回目の用量の24時間後、マウスを犠牲にし、腫瘍を解離し、細胞懸濁液をPMA/イオノマイシンで4時間処理した。次いで、NK細胞の増殖指数および機能的能力を、Ki67およびインターフェロン-ガンマを用いる細胞内フローサイトメトリーによって分析した。図19Cに見られるように、食塩水で処置したB2m欠損Yummer1.7腫瘍に由来するNK細胞は、不十分なインターフェロン-ガンマ産生およびKi67レベルを有していたが、これは表現型の疲弊を示している。対照的に、DR-IL-18で処置した腫瘍に由来するNK細胞は、ロバストなインターフェロン-ガンマ産生およびKi67レベルを有し、NK細胞の大部分が両方のマーカーについて陽性であった。したがって、これらの結果は、DR-IL-18が、NK細胞依存的様式で免疫チェックポイント遮断に対して不応性であるMHCクラスI欠損腫瘍の処置において有効であることを確立する。
[0384]配列番号61のDR-IL-18バリアントの大きく改善された活性を考慮すると、これらの結果は、DR-IL-18を非常に有望な腫瘍免疫治療剤として確立し、IL-18BPがIL-18療法の有効性を大きく制限することの強力な証拠を提供する。これらの結果から、IL-18BPを抗体、小さいタンパク質、および/または低分子で遮断することなどの他の戦略がIL-18療法および他の免疫治療レジメンを増強させることが予測される。
[0385]IL-18BPに特異的に結合するが、IL-18Rαには結合せず、したがって、シグナル伝達しない、「デコイ・トゥー・デコイ」(D2D)、またはIL-18バリアントを作出することによって、IL-18BPアンタゴニストを操作するための努力がなされた。そのような薬剤の潜在的な利点は、それがIL-18BPを中和するのに役立ち、IL-18Rシグナル伝達を全身的に駆動するのとは反対に、内因性IL-18の活性を増強するということである。したがって、IL-18を、IL-18Rαのための接触位置で無作為化し(図20A)、酵母ディスプレイされたライブラリーを、ヒトおよびマウスDR-IL-18について以前に記載されたように調製した。3.9×10個の形質転換体の得られるライブラリーを、図20Bに示されるように3ラウンドにわたって選択し、IL-18Rαに対して対抗選択しながら、保持されたIL-18BP結合を選択した。図20Cに見られるように、各ラウンドの選択により、IL-18BP(ヒトおよびマウス)への結合に関する富化をもたらしたが、IL-18Rα結合の獲得はもたらさなかった。96個のクローンを配列決定したところ、31個のユニークな配列が得られ、その中から3個のコンセンサス配列、配列番号123、配列番号124、および配列番号125が誘導された(図21)。得られるクローンの生物物理学的特性評価により、それらがWT IL-18と同様のIL-18BPに対する結合等温線を示すが(図22A)、IL-18Rαへの結合が大きく減少した/存在しなかった(図22B)。これらのデータは、図22Cにまとめられる。マウスIL-18について同一の選択プロセスを実施し、2.0×10個の形質転換体のライブラリーを作出し、本発明者らは、図23にまとめられる51個のユニークな配列を得るために選択した。
実施例2
第2世代のバリアントの結合親和性測定
[0386]表面プラズモン共鳴(SPR)を使用して、第2世代のDR-IL-18バリアントの生物物理学的親和性測定を実施した(IL-18R対IL-18BPへの結合)。Biacore T100機器を使用して実験を行い、25℃で実行した。ビオチン化IL-18RαまたはIL-18BPをBiacoreビオチン捕捉チップ(Series S CAPセンサーチップ、GE Healthcare)上に固定化して、約50RU(IL-18Rα)または約10RU(IL-18BP)のRmaxを得た。HEPES緩衝食塩水-P+緩衝液(10mM HEPES pH7.4、150mM NaCl、0.005%サーファクタントP20)中でのIL-18バリアントの連続希釈液を用いて測定を行った。再生緩衝液(3/4(v/v)の8M塩酸グアニジンおよび1/4(v/v)の1M水酸化ナトリウム)の3回の60secの注入によって、表面を再生させた。観察の増加のために複数のチャネルにおいて同時に実験を実施した。全てのデータを、1:1 Langmuir結合モデルを用いるBiacore T100評価ソフトウェアバージョン2.0を用いて分析した。
[0387]その結果、本開示のDR-IL-18バリアントがIL-18BPに対する大きく低下した親和性を示し、WT IL-18と少なくとも同等の親和性でIL-18Rαに結合することが確認された(生成されたセンサーグラムについては図24を、測定された反応速度の概要については表10を、親和性測定の概要については表11を、第2世代のDR-IL-18バリアントの解離定数比の結果を含む、全般的な概要については表12を参照されたい)。
[0388]
Figure 2023550545000012
[0389]
Figure 2023550545000013
[0390]
Figure 2023550545000014
実施例3
がん処置の有効性
[0391]DR-IL-18バリアントの有効性を、免疫チェックポイント阻害剤に対して耐性である結腸直腸腫瘍、乳がん、黒色腫、およびMHCクラスI欠損腫瘍のモデルを含む、複数の異なるがんモデルを使用して試験した。結果は、IL-18Rに結合し、IL-18BPに結合しない偏りを示すDR-IL-18バリアントを使用して、広範囲のがん(試験したものだけに限らない)を処置することができることを示す。
[0392]結腸直腸がんのモデルにおけるDR-IL-18の有効性について、250,000個のCT26細胞を皮下的に埋め込み、腫瘍が平均で約60mmに達したら、7日目に処置を開始した。WT IL-18および配列番号61を、合計5用量にわたって週2回、0.32mg/kgで皮下投与した。抗PD1を、同じスケジュールで10mg/kgで与えた。WT IL-18ではなく、DR-IL-18で処置した場合にのみ、動物のサブセットにおいて腫瘍成長阻害および腫瘍消失が得られた(図25A、食塩水(PBS、丸)、WT IL-18(四角)、およびDR-IL-18(配列番号61、三角)で処置した動物の腫瘍成長を示すスパイダープロットのオーバーレイを提供する)。WT IL-18ではなく、DR-IL-18は、生存の延長をもたらした(図25B、抗PD-1、WT IL-18、またはDR-IL-18(配列番号61)で処置したマウスの生存曲線を示す;完全奏功の数が括弧内に示される)。DR-IL-18で処置したマウスの40%が、腫瘍消失を示し、これはチェックポイント阻害剤である抗PD-1を超える改善であった。抗PD-1、WT IL-18、およびDR-IL-18(配列番号61)で処置したマウスに関する生存曲線を提供する。完全奏功の数は括弧内に示され、40%のマウスにおいて腫瘍消失、チェックポイント阻害剤である抗PD-1を超える改善が見られた。
[0393]4T1乳がんモデルとB16-F10黒色腫モデルとの両方において、WT IL-18ではなく、DR-IL-18のみが、腫瘍成長阻害をもたらした。「t」で印を付けた囲みで示される様に、腫瘍が50mmの平均体積を超えた後に、処置を施した。
[0394]4T1乳がんモデルおよびB16-F10黒色腫モデルを使用して、さらなるがん型に対するDR-IL-18の有効性を評価した。500,000個の4T1細胞をBALB/Cマウスに皮下的に埋め込み、500,000個のB16-F10細胞を、C57BL/6マウスに皮下的に埋め込んだ。腫瘍が50mmの平均体積を超えた後に、処置を施した。図26A(4T1腫瘍)および図26B(B16-F10)に示されるように、両方のモデルにおいて、WT IL-18ではなく、DR-IL-18のみが、腫瘍成長阻害をもたらした。「t」で印を付けた囲みで示される様に、腫瘍が50mmの平均体積を超えた後に、処置を施した。DR-IL-18の有効性を、MHCクラスI欠損腫瘍モデルにおいても評価した。B2m欠損(したがって、MHCクラスI欠損)MC38細胞を、B2m欠損YUMMER細胞について記載されたようにCRISPR/Cas9媒介性欠失を使用して調製した。B2m-/-MC38細胞を皮下的に埋め込み、腫瘍が平均で約65mmに達したら、7日目に処置を開始した。配列番号61を、5用量にわたって週2回、0.32mg/kgで投与した。抗PD1および抗CTLA4を、同じスケジュールにて8mg/kgで与えた。MHCクラスI欠損腫瘍は、抗PD1および抗CTLA4を用いる免疫チェックポイント阻害に対して耐性であったが、DR-IL-18処置は腫瘍成長阻害をもたらした(図27A)。
[0395]RMA/Sは、タパシン中に自然突然変異を含有するRMAリンパ腫系のバリアントであり、抗原量の欠陥およびしたがって、MHCクラスI表面発現の減少をもたらす。コンジェニックC57BL/6マウスに、1,000,000個のRMA/S細胞を皮下的に埋め込み、処置を7日目に開始した。配列番号61を、週2回、0.32mg/kgで投与した。抗PD1を、同じスケジュールにて8mg/kgで与えた。RMA/S腫瘍は抗PD-1を用いる免疫チェックポイント阻害に対して耐性であったが、DR-IL-18を用いる処置は、腫瘍成長阻害をもたらした(図27B)。
実施例4
DR-IL-18のみ、または治療抗体と組み合わせたDR-IL-18によるがん細胞死滅の促進
[0396]ex vivoでの細胞傷害性研究を行って、がん細胞の死滅を促進するDR-IL-18の能力を評価した。CFSE標識されたRaji(B細胞リンパ腫)細胞を、標的細胞として使用した。ヒト末梢血単核細胞(PBMC)を単離し、CFSE標識されたRaji細胞と共に、1:10のエフェクター:標的(E:T)比で25時間インキュベートした。ヒトDR-IL-18バリアントhCS-1(1μM)、抗CD20抗体リツキシマブ(10μg/mL)、または両薬剤の組合せ。細胞傷害性をフローサイトメトリーによって測定し、DAPI陽性になったCFSE細胞の画分として算出した。DR-IL-18処置は、標的細胞の死滅をもたらし、DR-IL-18とリツキシマブとの組合せは、いずれかの薬剤のみよりも高いレベルのがん細胞死滅をもたらしたが、これは、DR-IL-18が抗腫瘍抗体依存的細胞媒介性細胞傷害性(ADCC;図28;多重比較のためのTukeyの補正を用いる二元配置分散分析によるp<0.05)を増強することができることを示唆している。これらのデータは、DR-IL-18を、腫瘍標的化抗体などのオプソニン化剤と組み合わせて、がん細胞の死滅を増強することができることを示唆する。
実施例5
ウイルス感染に対するDR-IL18の有効性
[0397]本実施例は、DR-IL-18を使用して、ウイルス感染などの感染症を処置することができることを示す。図29Aにまとめられるように、C57BL/6マウスに、10PFUのワクシニアウイルス(VACV)を腹腔内(IP)的に感染させ、1mg/kgのWT mIL-18またはDR-IL-18(配列番号61)をIP投与した。マウスを犠牲にし、ウイルス力価を、感染後3日目にRT-PCRによって血液および卵巣中で測定した。野生型mIL-18ではなく、DR-IL-18による処置は、血液および卵巣中のウイルス量の有意な減少をもたらした(図29B、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001)。全身性ウイルス感染のこのモデルにおいて示されたDR-IL-18の有効性は、DR-IL-18を使用して、感染症を制御することができることを示唆する。
実施例6
第2世代のヒトDR-IL-18バリアントはIL-18Rシグナル伝達を誘導する
[0398]第2世代のヒトDR-IL-18バリアントである配列番号89、配列番号90、配列番号91、および配列番号87がIL-18受容体によりシグナル伝達を誘導する能力を、IL-18 HEK-Blueリポーター細胞を使用して評価した。これらのDR-IL-18バリアントの生成は実施例1に記載され、IL-18RαおよびIL-18BPに対するその親和性は実施例2に記載される。
[0399]HEK-Blue IL-18センサー細胞(InvivoGen)を、100μg/mLのノルモシン、30μg/mLのブラスチシジン、180μg/mLのゼオシン、および200μg/mLのハイグロマイシンを添加した完全培地(10%熱不活化FBS、2mM L-グルタミン、50U/mLペニシリン、および50μg/mLストレプトマイシンを含有するDMEM)中で維持した。サイトカイン活性の測定のために、平底96ウェルプレートのウェルあたり50,000個のHEK-Blue IL-18センサー細胞を、200μLの総体積の完全培地中、連続して減少する濃度の組換えヒトIL-18またはDR-IL-18バリアントと共にインキュベートした。37℃および5%COでのインキュベーションの24時間後、30μLの細胞培養上清を、170μLのQUANTI-Blue検出媒体(InvivoGen)と混合し、ピンク色から青色への色の変化が検出可能となるまで(0.5~4時間)、37℃および5%COでインキュベートした。アルカリホスファターゼのレベルを、655nmの波長で分光光度計を使用して定量した。
[0400]ヒトの配列番号89、配列番号90、および配列番号91はWT hIL-18と比較して増強された効力を示したが、配列番号87はWT hIL-18とほぼ同等の効力を示した(図30)。したがって、データは、全ての試験した第2世代のヒトDR-IL-18バリアントがIL-18Rを介して能動的にシグナル伝達することを示す。
実施例7
IL-18バリアントの安定性を増強するシステイン突然変異
[0401]配列番号89は、WT IL-18よりも安定であるが、それはジスルフィド結合した二量体、ならびに分子内ジスルフィド結合を形成することができる。したがって、単一、二重、三重、および四重のシステインからセリンへの突然変異の全ての組合せを生成して、これらの位置における突然変異がIL-18分子を安定化することができるかどうかを試験し、どの組合せの突然変異が最良の安定性を提供するかを決定した。
[0402]配列番号89における4つ全部のシステイン残基のセリンへの体系的突然変異を、表13に示されるように実施した。
[0403]
Figure 2023550545000015
[0404]配列番号1~15(配列番号89のバリアントである)のクローンをTwistにより合成し、分泌的発現のためのn末端aga2リーダー配列を含有するピチア・パストリス(Pichia pastoris)発現ベクター中にクローニングした。プラスミドをピチア中に形質転換し、30℃で60時間、メタノール誘導によって発現させた。誘導後、上清をSDS/PAGEゲル上で泳動し、Spyro-Ruby染色を使用して可視化した。
[0405]配列番号5および配列番号6のクローンは最良の発現を与えたが、分子間または分子内ジスルフィド結合形成の証拠はない(図31;例えば、それぞれ、非還元試料中の約35kDaの二量体のバンドおよび18kDより低い下側の二重のバンド)。これらの2つのクローンは、C38SとC68S突然変異の組合せを含有していた。C127突然変異を有するクローンはいずれも、より低い発現収率を示した。図31において、R=還元試料;N=非還元試料;MW=分子量である。下部の番号は、配列番号を指す。
[0406]結論:C38およびC68位での突然変異(例えば、配列番号6を参照されたい)は、最も高い程度の安定化をもたらした(例えば、この場合、DR-IL-18バリアントである配列番号89)。配列番号6(C38S/C68S)は特に、わずかに低い(しかし、それにも拘わらず、許容し得る)効力にも拘わらず、増強された発現および大きく増大した安定性を示した。
実施例8
予測されるT細胞エピトープの除去
[0407]実施例7で生成されたC68S突然変異により、予測されたネオエピトープ(例えば、T細胞エピトープ)が得られた。したがって、C68位での6個の追加の非免疫原性置換(配列番号16~21)を構築した後、その安定性/効力を試験した。
[0408]C68に代替的な置換(G、A、V、D、E、またはN)を含有する配列番号16~21のクローンをTwistにより合成し、N末端6xHis-SUMOタグを有する大腸菌(E.coli)細胞質発現ベクター中にクローニングした。大腸菌を、振とうフラスコ中、100mLのTerrific Broth中で増殖させ、20℃で16時間、IPTGで誘導した。誘導後、固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)カラムによってタンパク質を精製した;SUMOタグ除去を、hisタグ付Ulp1プロテアーゼの添加によって達成した。次いで、遊離のhisタグ付SUMOおよびhisタグ付Ulp1を、第2のIMACカラムによって除去した。収率および純度を、SDS/PAGEによって評価した。
[0409]バリアントは高力価で発現し(表14)、非還元的SDS-PAGEゲル分析によってはジスルフィド結合形成の証拠を示さなかった(図32;R=還元試料;NR=非還元試料)。
[0410]
Figure 2023550545000016
[0411]図33に示されるように、加速「保存安定性」研究を実施して、DR-IL-18バリアントの安定性をさらに評価した。タンパク質調製物を1mg/mLでPBS中で製剤化し、51℃で48時間保持した。試料をいくつかの時点で採取し、0.45μmフィルターを通して濾過し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析した。DR-IL-18バリアントは、これらの条件下で一定範囲の安定性を示し、配列番号16、配列番号19、および配列番号17が、t=0と比較して主ピークの%における最大の保持を示した(図33)。DR-IL-18バリアントに対するWT IL-18の活性を、IL-18受容体シグナル伝達が分泌型アルカリホスファターゼの発現をもたらすIL-18リポーターアッセイ(InVivoGenからのHEK-Blue IL-18)を使用して測定した。実施例6に記載されたように、リポーター細胞を培養し、刺激し、分泌型アルカリホスファターゼレベルを測定した。全てのバリアントが、WT IL-18と比較してIL-18Rシグナル伝達誘導の増大した効力、および親バリアントである配列番号89と同様の効力を示した(表15および図34)。
[0412]
Figure 2023550545000017
[0413]
Figure 2023550545000018
実施例9
本開示のDR-IL-18の安定性、親和性、および効力の特性評価
[0414]配列番号19を、効力、安定性、および免疫原性のその好ましいプロファイルに基づいて、さらなる特性評価のために選択した(実施例7&8を参照されたい)。さらなるアッセイを実施して、配列番号19(C38S/C68D)の安定性、親和性、および効力を、配列番号89(親C38/C68分子)、および野生型ヒトIL-18と比較した。
[0415]配列番号19および配列番号89に対する凍結解凍サイクルの効果を試験した。タンパク質を、20mMアセテートpH5.0、8%スクロース、0.1mM EDTA、および0.02%ポリソルベート(PS)80中で製剤化した。次いで、製剤を、5回、-80℃で凍結し、25℃で解凍した。次いで、タンパク質をサイズ排除クロマトグラフィーによって分析した。配列番号89の主ピークの低下が観察され、二量体ピーク(矢印で示される)の出現も観察された(図35、上パネル)。対照的に、配列番号19については、変化は検出されなかったか、または最小限の変化が検出されたが(図35、下パネル)、これは、凍結解凍サイクルへの曝露後の、このDR-IL-18バリアントの優れた安定性を示している。
[0416]撹拌研究を使用した安定性の比較を、37℃での撹拌への曝露後に実施した。配列番号19および配列番号89のタンパク質を、20mMアセテート、pH5.0、8%スクロース、0.1mM EDTA、および0.02%PS80中で製剤化した。試料を、37℃で72時間、振とうしながら撹拌した。試料をt=0、24(d1)、および72(d3)時間で採取し、サイズ排除クロマトグラフィーによって分析した。配列番号89の主ピークの低下が観察され、矢印で示される二量体/HMW(高分子量)種の相対的増加も観察された(図36、上パネル)。対照的に、配列番号19については、変化は検出されなかったか、または最小限の変化が検出された。図36は、撹拌研究から配列番号19と配列番号89とを比較するサイズ排除クロマトグラフィーデータを描写する。
[0417]IL-18受容体の親和性。表面プラズモン共鳴を使用して、ヒトIL-18および配列番号19の親和性を、ヒトとカニクイザルとの両方のIL-18RαおよびIL-18BPについて決定した。ビオチン化受容体タンパク質をストレプトアビジン捕捉チップ上に固定化し、IL-18または配列番号19を遊離分析物として適用した。単一細胞反応速度を使用して結合を決定した。WT hIL-18および配列番号19は、このアッセイにおいてはIL-18Rαに対して類似する結合親和性を有していた(図37A)。しかしながら、WT IL-18は、極めて高い親和性(<1nM)でIL-18BPに結合したが、配列番号19はIL-18BPに対する検出可能な結合を示さなかった(図37B)。
[0418]IL-18BPの存在下でのWT IL-18および配列番号19の活性を、IL-18受容体シグナル伝達が分泌型アルカリホスファターゼの発現をもたらすIL-18リポーターアッセイ(InVivoGenからのHEK-Blue IL-18)を使用して評価した。WT IL-18または配列番号19を、10-6~10-9Mの範囲の濃度のIL-18BPの存在下で、それぞれ、1.0または0.1ng/mLの固定濃度でHEK-BLUE IL-18リポーター細胞に適用した以外は、実施例6に記載されたように、リポーター細胞を培養し、分泌型アルカリホスファターゼレベルを測定した。下流の分泌型胚性アルカリホスファターゼ(SEAP)活性を、製造業者の使用説明書に従って測定した。WT hIL-18はIL-18BPの添加によって強力に阻害されたが、配列番号19は、IL-18BPの全ての濃度でIL-18Rシグナル伝達の強力な誘導を保持していた(図38)。
実施例10
IL-18ポリペプチドの投薬
[0419]がんモデルにおいて、第1の投薬研究を実施して、1日1回、1日置き、週2回、および週1回のDR-IL-18の投薬の有効性および忍容性を比較した。この研究をマウスにおいて実行し、したがって、マウスDR IL-18バリアントポリペプチド(すなわち、マウスIL-18Rに結合し、これを活性化するが、マウスIL-18BPによって阻害されないマウスIL-18)である配列番号61を使用した。ヒトIL-18タンパク質はマウスIL-18Rと交差反応しない(すなわち、それはマウスIL-18Rに結合せず、これを活性化しない)ため、ヒトバリアントは使用しなかった。
[0420]250,000個のMC38細胞を、皮下的に埋め込み、腫瘍が80mmになったら、処置を開始した。投薬は、2週間にわたって皮下的に与えられる、qD(1日1回)、qoD(1日置きに1回)、BiW(週2回)、またはqW(週1回)であった。全ての用量およびスケジュールが有効性を示した(図39)。多くのレジメンが良好に忍容された。しかしながら、毎日の投薬は、0.1mpk(mg/kg)およびそれ以上で毒性を示した。腫瘍の増殖は一般的に、処置を中止した後に起こった。腫瘍成長曲線を、エンドポイントに達したら繰り越して最後のポイントと共に描写する。50%以上の動物がエンドポイントに達したら、曲線を終結させた。結果:0.1mpk(mg/kg)およびそれ以上での毎日の投薬は、毒性的であると考えられ、体重減少と関連していた。DR-IL-18は、他の全ての投薬スケジュールで有効であった。有効性は、抗PD-1療法よりも優れており、これは試験した全ての用量で、また、週1回の投薬でも明らかであった。
[0421]がんモデルにおいて、第2の投薬実験を実施して、週1回の投薬と週2回の投薬とを比較した。上記のように、これらの研究をマウスにおいて実行したため、配列番号61を使用した。250,000個のMC38細胞を皮下的に埋め込み、腫瘍が100mmに達したら(7日目)、処置を開始した。皮下注射により、週1回(qW)の頻度で4用量または2週毎に1回(q2W)の頻度で2用量を動物に投与した。100倍範囲の用量(0.01から1.0mg/kgまで)を試験した。全ての用量およびスケジュールが、0.01mg/kgでも有効性を示した。最大有効用量(MaxED)は、qWとq2Wとの両方の投薬において約0.32mg/kgであった(図40)。低頻度のパルス投薬を用いた場合でも、強力なDR IL-18有効性が観察された。2週毎に1回の投薬であっても、週2回の抗PD-1処置よりも有効であった。半減期延長または頻繁な投薬(例えば、IL-2のTID投薬)を必要とする他のインターロイキン(例えば、IL-2/IL-15、IL-10)の投薬要件を考慮すると、これは非常に驚くべきことであった。
[0422]サル忍容性アッセイを実施して、種々の用量で、および週1回(qW)または週2回(BiW)の投薬スケジュールを使用して、DR-IL-18がどれぐらい良好に忍容されるかを決定した。カニクイザルを、毎週(qW)または週2回(BiW)、0.001mg/kg~3.2mg/kgの範囲の用量のDR-IL-18(配列番号89または配列番号19)で皮下的に処置した。血液を定期的に採取し、血液中のヘモグロビンレベルを測定した。例示的な投薬および試料採取レジメンを、図41Aに提供する。その結果、週1回を超える投薬頻度が、研究においてヘモグロビン濃度の望ましくない低下を惹起することが示された。週2回、配列番号89で皮下的に処置されたカニクイザルは、食塩水で処置したサルと比較して、ヘモグロビンの用量依存的減少を示した(図41B、上パネル)。対照的に、DR-18(配列番号89または配列番号19)を用いた週1回の処置は、最大で3.2mg/kgであっても、対照食塩水処置と比較してヘモグロビンレベルの低下をもたらさなかった(図41B、上パネルおよび下パネル)。
実施例11
細菌(大腸菌)中でのDR-IL-18バリアントの産生
プロセス1:SUMO-プロテアーゼによる無細胞in vitro切断
[0423]本実施例では、DR-IL-18(この場合、配列番号89)を、Hisタグ付SUMOタグでタグ付けし、大腸菌中で発現させ、Hisタグ付SUMOプロテアーゼを使用して、SUMOタグを切断し、活性IL-18タンパク質を産生させた。
[0424]DR-IL-18を、N末端6xHis-SUMOタグを有する大腸菌細胞質発現ベクター中にクローニングした。大腸菌を、振とうフラスコ中、100mLのTerrific Broth中で増殖させ、20℃で16時間、IPTGで誘導した。細菌溶解物からの融合タンパク質(DR-IL-18に融合させたHisタグ付SUMOタグ)の初期捕捉を、固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)を使用して実施した。これは効率的であり、90%を超える純度で高いステップ収率を示した。SUMOタグを除去するためのHisタグ付Ulp1 SUMOプロテアーゼを用いた切断反応後、除去されたHisタグ付SUMOタグおよびHisタグ付SUMOプロテアーゼを、枯渇モードでIMACを使用して効率的に除去した。収率および純度を、SDS/PAGEによって評価した。得られるタンパク質は、このステップの後、90%を超えて純粋であった(95%を超えることが多い)(図42A)。切断は効率的であり、1:500以上の比で行うことができる。注記:より低い温度(21℃)での発現は、可溶性収率を大きく増加させる(この特定の研究は26℃で実施した)。図42Bは、プロセシングおよび精製ステップをまとめたものである。
[0425]図43Aおよび図43Bは、RP-HPLCアッセイによってモニタリングされた、切断反応の結果を提供する。RP-HPLCアッセイを使用して、ステップ収率および力価を同様に算出することができる。
プロセス2:同時発現されるSUMO-プロテアーゼを用いた細菌細胞の内部での切断
[0426]本実施例は、SUMOタグ付IL-18(この場合、安定化されたDR IL-18である配列番号19)およびSUMO-プロテアーゼを、細菌(この場合、大腸菌)中で同時発現させ、細菌細胞の内部での切断によってSUMOタグの除去を得ることができることを示す。SUMOプロテアーゼを、ラムノース誘導性プロモーターの制御下で発現させた。プロテアーゼのラムノース誘導により、IL-18(例えば、DR-IL-18)と比較して、プロテアーゼの別々のタイミングで調節可能な誘導が可能となった。SUMO-タグ付DR-IL-18を発現する大腸菌を、0.1~2mMのL-ラムノースで処理したところ、SUMOプロテアーゼ発現の誘導、および非タグ付の配列番号19を遊離させるSUMOタグの切断が得られた(図44)。注記:非還元的ゲル上で、SUMOタグはDR-18より上に泳動する;プロモーターの「漏れやすさ」のため、ラムノース処理なしでも一部の切断を観察することができる。
[0427]切断産物の総発現は、SUMO-融合物と同等であった(SUMO質量を構成した後)。in vivo(細菌細胞中)での切断を、RP-HPLCを使用してモニタリングした(図45、ラムノース処理した培養物についてSUMOタグの切断を示す)。0.2~0.5mMのL-ラムノースは、これらの特定の実験において良好な結果をもたらすと考えられた。
[0428]2シストロン形式でIL-18(例えば、DR-IL-18)の下流にSUMO-プロテアーゼを置くことによって、ならびに別々のプロモーターから(例えば、別々のプラスミドから)、例えば、本実施例におけるように、ラムノース誘導性プロモーターなどの誘導性プロモーターの下で、SUMOプロテアーゼを発現させることによって、好結果が得られた。
[0429]下流のプロセスを使用して、切断産物(すなわち、活性DR-IL-18タンパク質)を捕捉および精製することができる(例えば、実施例12を参照されたい)。
[0430]in vivo(細菌細胞中)での切断を、RP-HPLCを使用してモニタリングした。図45は、in vivo(細菌細胞中)での切断に関するクロマトグラフを提供する。注記:ラムノースプロモーターの「漏れやすさ」は、融合タンパク質の多くを切断する十分なSUMOプロテアーゼを作出した。0.2~0.5mMのL-ラムノースは、これらの特定の実験において最適な濃度範囲であると考えられた。
実施例12
酵母(ピチア・パストリス)を使用したIL-18バリアントの産生
[0431]DR-IL-18の発現および分泌のための系を、ピチア・パストリス(酵母)を使用して開発した。シグナルペプチドをDR-IL-18に付加し、発現ベクター中にクローニングした(図46、上)。この系は、シグナルペプチダーゼ/Kex2によるDR-IL-18の分泌およびシグナルペプチドの切断をもたらし、タグを除去するためのプロテアーゼの必要性を回避する。
[0432]この実例では、DR-IL-18バリアントである配列番号89および配列番号87を試験した。DR-IL-18バリアントをTwist Biosciencesによって合成し、分泌的発現のためのn末端aga2リーダー配列を含有するピチア・パストリス発現ベクター中にクローニングした。プラスミドをピチア中に形質転換し、30℃で60時間、メタノール誘導によって発現させたところ、一部の場合、1g/Lを超える高力価でDR-IL-18が産生された。活性な天然N末端(ヒトIL-18の場合、チロシン)を有するDR-IL-18が、培地中に直接分泌された(図47)。
[0433]97%を超える純度、96%の単分散性、2EU/mg未満へのIL-18(この場合、DR IL-18、配列番号89)のタグを用いない精製のために、2クロマトグラフィーステップのプロセスを使用した(図46および図48;UFDF=限外濾過(UF)および透析濾過(DF))。「Capto MMC」は、充填層クロマトグラフィーによる大きい供給体積からのタンパク質の捕捉および中間体精製のためのマルチモーダル耐塩性樹脂である。HIC=疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、フェニルセファロースHICがこの図面に描写される)。
[0434]DR-18精製を実施した。図48は、DR-18の精製(例えば、ピチア・パストリスまたは細菌からの)を示すSDS-PAGEゲルを示す。2クロマトグラフィーステップのプロセスは、97%を超える純度、96%の単分散性、2EU/mg未満へのIL-18(この場合、DR IL-18、配列番号89)のタグを用いない精製を容易にした。UFDF=限外濾過(UF)および透析濾過(DF)。「Capto MMC」は、充填層クロマトグラフィーによる大きい供給体積からのタンパク質の捕捉および中間体精製のためのマルチモーダル耐塩性樹脂である。HIC=疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、フェニルセファロースHICがこの図面に描写される)。
実施例13
DR IL-18バリアントの産生のための細胞バンクの生成
[0435]本実施例は、C38およびC68位に突然変異を有する本開示のDR IL-18バリアントである配列番号19の産生のためのプラスミド系および細胞バンクの生成を示す。
[0436]大腸菌における配列番号19の発現のために、デュアルプラスミド系を生成した。完全な活性のために、IL-18(例えば、配列番号19などのDR IL-18)は、N末端メチオニンよりもむしろ、その天然のN末端を必要とし得る。したがって、SUMOリーダーをSUMOプロテアーゼ、ULP1によって切断除去することができるように、N末端でサッカロミセス・セレビジアに由来するSUMOリーダー配列を用いる小さいユビキチン関連修飾因子(SUMO)発現系を使用して、プラスミドを設計した。
[0437]SUMOリーダーペプチドを用いたDR IL-18の発現は、発現を最大化するために高コピープラスミド中のT7プロモーターによって駆動された。pD451-SRプラスミド骨格を使用した。このプラスミドは、カナマイシン耐性遺伝子、pUC複製起点を含有し、イソプロピルβ-d-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導後に配列番号19のタンパク質を発現させるために存在するT7プロモーターを有する。
[0438]培養物に添加されるラムノースの量を変化させることによって発現を調節することができるように、比較的弱いラムノースプロモーターによって駆動されるSUMOプロテアーゼの発現のために第2の低コピー数プラスミドを使用した。SUMOプロテアーゼ遺伝子を、プラスミドpD883-SR中にクローニングした。このプラスミドは、クロラムフェニコール耐性遺伝子、p15a複製起点を含有し、ラムノース誘導後にSUMOプロテアーゼの制御された発現を可能にするためのrhaBAD調節配列の一部としてラムノースプロモーターを有する。
[0439]両プラスミドを、大腸菌株T7 Express中に同時に形質転換し、カナマイシンとクロラムフェニコールとの両方を含有する寒天プレートを使用して、プラスミドを有するクローンを選択した。T7 Expressは、IPTG誘導後にT7プロモーターを使用する遺伝子の非常に高い発現を可能にする株である。それは、ラクトースオペロン中にT7ポリメラーゼを含有し、ラムダプロファージを含有しない。異なる複製起点および異なる抗生物質耐性遺伝子を有する2つのプラスミドの系により、両方のプラスミドを安定な様式で維持し、独立に試験することができる。SUMOプロテアーゼおよびSUMOリーダーペプチドは両方とも、N末端Hisタグを有し、それによって、固定化金属親和性クロマトグラフィーによるその除去を可能にする。この発現系は、例えば、2~3g/Lで、SUMOプロテアーゼによって適切に切断された、正確にプロセシングされた配列番号19の非常に高い発現を可能にするように設計された。
[0440]大腸菌株T7 Expressコンピテント細胞を、各々1μLの2つのプラスミドで形質転換した。形質転換された細胞を、50μg/mLのカナマイシン(KAM)および50μg/mLのクロラムフェニコール(CAM)を添加したLB寒天プレート上、37℃で一晩増殖させた。単一の、よく増殖したコロニーを、10mLの培地中に接種し、30℃で一晩増殖させた。等量の一晩培養物と、30%(v/v)の滅菌グリセロール溶液とを混合した後、混合溶液を好適なバイアル中に(200μLで)アリコートし、-20℃で保存することによって、細胞バンクを調製した。
[0441]1つのバイアルを解凍し、50μg/mLのKAMおよび50μg/mLのCAMを含有するTBA(Terrific Broth Agar)プレート上で二次培養し、30℃で20~24時間インキュベートした。単一のコロニーを、50mLの培地中に接種し、30℃、220rpmで一晩、シェーカーインキュベーター中でインキュベートした。この培養物を、OD600nmで0.2~0.3OUにて接種し、30℃、220rpmでシェーカーインキュベーター中でインキュベートした。最終培養物のOD600nmは、1.9であった(グリセロール前)。56mLの細胞培養物と、8mLの80%滅菌グリセロール(10%最終濃度)とを混合すること、および50個の低温バイアル中にアリコートすること(それぞれ1mL)によって、新しい細胞バンクを調製した。バイアルを標識し、-80℃冷凍庫中で直接保存した。この細胞バンクを凍結の前後に試験したところ、プラスミドの安定性および高濃度の生細胞の保持が示された(表17)。
[0442]
Figure 2023550545000019
[0443]1個のバイアルを、30分以下をかけて2℃~8℃で穏やかに解凍した。解凍後、1mLの細胞懸濁液を、塩および抗生物質(カナマイシンおよびクロラムフェニコール)を添加した調製されたTB培地を含む0.5Lの振とうフラスコ中に移した。この培養物を、5.0OU以上の標的光密度に達するまで、300rpmの撹拌速度で、37℃で15~18hにわたってインキュベートした。その後、1回目の増殖に由来する必要量の細胞懸濁液を、1.50OU~3.50OUの必要な光密度に達するまで少なくとも3~4時間にわたるさらなる培養のために1Lの振とうフラスコに移した。160mLの2回目の増殖細胞培養物を合わせ、160mLの50%グリセロール溶液と混合し、1.0mLの細胞懸濁液を滅菌低温バイアル中にアリコートし、適切に標識した。この第2の細胞バンクからのバイアルを、-80±10℃で凍結した。細胞バンク調製物のプロセス内対照は、凍結後の培養物純度、凍結後の総生細胞計数、および凍結後のプラスミド安定性であった。試験により、バクテリオファージ夾雑物は存在せず、プラスミドのコピー数は288.15であることが示された。IL-18をコードするプラスミドは、元々設計された配列に対する100%の配列同一性を保持し、制限酵素消化により、プラスミド構造または挿入配列に変化がないことを示す予想されたプラスミド断片のサイズが得られた。
実施例14
遊離チオールのEllman滴定
[0444]本実施例は、C38およびC68位に突然変異を有する本開示のDR IL-18バリアントである天然の配列番号19が、非常に少ない遊離システインを含有することを示す。
[0445]Ellman試薬(5,5’-ジチオ-ビス-[2-ニトロ安息香酸]/DTNB)を使用して、スルフヒドリル含有化合物の標準曲線と比較することによって、試料中のスルフヒドリル基を見積もった。DTNBは、タンパク質の遊離チオールとの反応の際に、412nmで吸収する着色生成物、2-ニトロ-5-チオ安息香酸(TNB)を生成する。DTNBと反応するチオール1モルにつき、1モルのTNBが産生され、TNBの量を定量することによって、タンパク質1モルあたりに存在する遊離システインの数を見積もることができる。アッセイの結果は、実施例7および8における、C38およびC68の他の残基への突然変異、配列番号19中の2つの残存するシステインの溶媒露出の欠如、ならびにそのような突然変異を有するポリペプチドについて観察された分子内および分子間ジスルフィド結合の形成の減少と一致して、非常に少ないシステインが天然の配列番号19中に存在することを示す(表18)。
[0446]
Figure 2023550545000020
実施例15
製剤開発
[0447]製剤開発を実施して、毒性および臨床研究のための製剤原料および医薬品製剤を選択した。配列番号19の製剤原料の製剤開発プロセスは、最適pH、タンパク質濃度、および賦形剤スクリーニングの評価を含んでいた。製剤は、以下の製品特質を支持することが意図された:液体形態、無菌性、皮下注射の好適性、および2℃~8℃または-20℃の温度で少なくとも24ヶ月の保存可能期間。製剤を、安定性研究によって評価した。安定性研究の詳細は、以下に記載される。
[0448]1.選択されたpH値でのタンパク質完全性の可能な変更のため、ストレスを加えた試料を、初期試料と比較した。ストレス条件は、最大3週間にわたる40±2℃/25%RHであった。
[0449]2.凍結-解凍サイクルを実施して、凍結および解凍の反復に対するタンパク質の感度を評価した。最大5回の凍結-解凍サイクルを、以下の条件で実施した:-80℃で最大16時間、次いで、室温で8時間。
[0450]3.振とうしながらの撹拌を実施して、タンパク質の分解経路および速度を評価した(150rpmで最大2週間にわたって25℃/60%RH)。配列番号19の製剤原料の製剤開発研究を、表19にまとめる。
[0451]
Figure 2023550545000021
Figure 2023550545000022
[0452]
[0453]研究1の間に、異なる濃度およびpHを有する6つの製剤を、熱ストレス条件で比較した。より低いpHを有する製剤は、40±2℃/25%RHで3週間後にあまり安定ではなかった。したがって、pH6.5および7.0を、研究2のために選択した。また、研究1の間のタンパク質純度は、タンパク質濃度への依存性を示さなかった。したがって、20mg/mLおよび30mg/mLのタンパク質濃度を、研究2において使用した。研究2の間に、追加の賦形剤、エチレンジアミン四酢酸およびL-メチオニンを製剤に添加して、最適なタンパク質安定性を維持し、その酸化を防止した。製剤間の差異は、全ての試験した条件で観察されなかった。製剤開発の結果に従って、最終的な選択された組成物は、pH6.5の10mM L-ヒスチジン/L-ヒスチジン-HCl、8%スクロース、0.02%(w/v)ポリソルベート80中、30mg/mLの配列番号19のタンパク質であった。
実施例16
処置用量を決定するためのヒトへの投与
[0454]この研究の主目的は、再発性または不応性の固形腫瘍を有する患者における配列番号19のMTDおよびRP2Dを決定することである。副次的目的は、配列番号19の全体の安全性および忍容性を評価すること、ならびに単剤としての配列番号19の薬物動態(PK)プロファイルを特徴付けることである。治験責任医師は、DLTおよび有害事象(AE)の発生、臨床検査パラメーター、バイタルサイン、ECG検査およびパラメーター、身体検査値の変化、ならびに抗配列番号19抗体の発生を見ることによって、研究の安全性をモニタリングする。配列番号19は免疫アゴニストであるため、治験責任医師はさらに、患者がサイトカインストームを生じる可能性をモニタリングする。
[0455]再発性または不応性の固形腫瘍を有する患者を、用量漸増研究に登録して、配列番号19の最大耐量(MTD)および推奨第2相用量(RP2D)を決定する。適格患者は、18歳以上であり、標準治療によって疾患進行を有する固形腫瘍を有すると診断されるか、または生存期間を延長する標準治療が利用可能ではないか、または好適ではない者である。患者は、28日間(1サイクル)にわたって週1回、皮下(SC)用量の配列番号19を受ける。用量は、患者の1kgあたり30μgの配列番号19(μg/kg)から1200μg/kgの範囲にあってよい。さらなる用量漸増は、1200μg/kg~1.5mg/kgの範囲を含んでもよい。初期試験用量は、30μg/kgである。これらの2つの範囲内の任意の用量は、MTDおよびRP2Dを決定するための研究内で試験可能である。用量漸増は、最初に、第1の用量後、28日の一次用量制限毒性(DLT)モニタリング期間を用いた2人の患者のコホートを含むmTPIモデルに従う。新しい患者が新しい用量の量を受ける前に、新しい用量の第1の用量後、7日間にわたって患者をモニタリングする。
[0456]mTPIモデルは、決定規則が、過少投与、適切投与、および過剰投与に対応する3つの投薬間隔の単位確率質量(UPM)の算出に基づく、単純なベータ2項階層モデルを使用する。mTPI法は、3つの投薬間隔に関するUPMを算出し、最大のUPMを有するものは、対応する用量設定の決定を意味し、その決定は、将来の患者のために使用されるべき用量レベルを提供する。標的毒性確率は25%であり、許容し得るDLT間隔は20~30%である。第1サイクルにおける初期の2人の患者がDLTを経験しない場合、次のコホートの登録は、次のサイクルにおける次の用量レベルで開始する。2人の初期患者のうちの1人がDLTを経験する場合、用量を次の最低用量まで低下させる。コホートが6人の患者に拡大する時に、より低い用量レベルでさらなるDLTが観察されない場合、用量漸増を再開する。最初のDLTが観察されたら、33%以下の用量増分のみを、残りの全てのコホートに適用する。
[0457]研究の終わりのMTDの評価は、等張回帰に由来する。具体的には、MTDの評価は、DLT率の等張評価が25%未満または25%に等しい用量レベルであり、それは、DLT率の等張評価が標的DLT率に最も近い用量レベルである。42人の患者の最大サンプルサイズが達成されたか、6~12人の患者がMTDであると予測される用量レベルで登録されたか、または探索した全ての用量が過剰に毒性であると考えられ、MTDを決定することができない場合、用量漸増を停止する。
[0458]PK分析のための血液試料を全ての患者から収集し、治験責任医師はこれらの試料を使用して、PKパラメーターを算出する。血液試料を、サイクル1の1、2、3、8、15、および22日目、サイクル2の1および15日目、ならびにサイクル3から始まって研究完了までの交互サイクルの1日目に収集する。患者はまた、配列番号19の最後の用量の30日後、および患者が新しい療法を開始する前に、血液試料を提供する。PKパラメーターであるCmax、tmax、AUC0-1、AUCτ、AUC0-∞、およびt1/2を、可能な場合、ノンコンパートメント分析を使用して、血漿濃度-時間データから見積もる。適切な場合、さらなるPKパラメーターを考慮することができる。治験責任医師はまた、血液試料を使用した抗薬物抗体の開発のために患者をモニタリングする。
実施例17
固形腫瘍を有する患者における有効性の試験
[0459]この研究の主目的は、再発性固形腫瘍コホートにおいてRP2Dでの配列番号19の抗腫瘍活性を評価することである。この研究に関する主要有効性評価項目は、RECIST1.1によって完全奏功(CR)または部分奏功(PR)を有する患者を見る確認された客観的奏功である。副次的有効性評価項目は、最良の客観的奏功、疾患制御率(DCR)(CR、PR、または12週以上にわたる安定疾患(SD))、奏功期間(DOR)、奏功までの期間(ToR)、無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(OS)を含むであろう。
[0460]異なる固形腫瘍型を有する患者を研究に登録して、これらの腫瘍型における配列番号19処置の有効性を評価する。適格な患者は、18歳以上であり、以下の固形腫瘍型:黒色腫、腎細胞癌(RCC)、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、頭頸部の扁平上皮癌(SCCHN)、または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-Hi)腫瘍のうちの1つを有する。第1の用量の28日以内に、患者は必須の腫瘍生検を受ける。RCC、TNBC、NSCLC、およびMSI-Hiについて、最大で25人の患者をそれぞれの腫瘍型について登録することができる;転移性黒色腫およびSCCHNがん型は、がん型あたり最大28人の患者を登録することができる。治験責任医師ががん型コホートにおいていかなる客観的奏功も観察しない場合、追加の患者をそのコホートに登録しない。
[0461]患者は、28日間(1サイクル)にわたって、週1回、1回皮下用量の配列番号19を受ける。用量は、ヒト用量漸増研究からのRP2Dである。患者は、研究の間に8または12週毎に疾患評価を受け、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)スキャン、および/またはポジトロン放出断層撮影(PET)スキャンを含んでもよい。治験責任医師は、固形腫瘍における奏功評価基準(RECIST1.1)を使用してスキャンから全ての標的および非標的病変を評価する。サイクル2の開始前に、患者は、2回目の必須の腫瘍生検を受ける。研究の間に疾患進行が起こる場合、患者は疾患進行の時点で任意による生検を要求してもよい。
[0462]PK分析のための血液試料を全ての患者から収集し、治験責任医師はこれらの試料を使用して、PKパラメーターを算出する。血液試料を、サイクル1の1および15日目、サイクル2の1および15日目、ならびにサイクル3から始まって研究完了までの交互サイクルの1日目に収集する。患者はまた、配列番号19の最後の用量の30日後、および患者が新しい療法を開始する前に、血液試料を提供する。PKパラメーターであるCmax、tmax、AUC0-1、AUCτ、AUC0-∞、およびt1/2を、可能な場合、ノンコンパートメント分析を使用して、血漿濃度-時間データから見積もる。適切な場合、さらなるPKパラメーターを考慮することができる。治験責任医師はまた、血液試料を使用した抗薬物抗体の開発のために患者をモニタリングする。
アミノ酸配列
野生型IL-18アミノ酸配列
ヒトインターロイキン-18(成熟形態)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED(配列番号30)
マウスインターロイキン-18(成熟形態)
NFGRLHCTTAVIRNINDQVLFVDKRQPVFEDMTDIDQSASEPQTRLIIYMYKDSEVRGLAVTLSVKDSKMSTLSCKNKIISFEEMDPPENIDDIQSDLIFFQKRVPGHNKMEFESSLYEGHFLACQKEDDAFKLILKKKDENGDKSVMFTLTNLHQS(配列番号31)
Q14116 IL18_ヒトインターロイキン-18(非切断前駆体)
MAAEPVEDNCINFVAMKFIDNTLYFIAEDDENLESDYFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISMYKDSQPRGMAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRSVPGHDNKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED(配列番号32)
P70380 IL18_マウスインターロイキン-18(非切断前駆体)
MAAMSEDSCVNFKEMMFIDNTLYFIPEENGDLESDNFGRLHCTTAVIRNINDQVLFVDKRQPVFEDMTDIDQSASEPQTRLIIYMYKDSEVRGLAVTLSVKDSKMSTLSCKNKIISFEEMDPPENIDDIQSDLIFFQKRVPGHNKMEFESSLYEGHFLACQKEDDAFKLILKKKDENGDKSVMFTLTNLHQS(配列番号33)
第1世代のヒトインターロイキン-18デコイ耐性バリアントのアミノ酸配列
Figure 2023550545000023
Figure 2023550545000024
Figure 2023550545000025
Figure 2023550545000026
第2世代のヒトインターロイキン-18デコイ耐性バリアントのアミノ酸配列
Figure 2023550545000027
Figure 2023550545000028
Figure 2023550545000029
Figure 2023550545000030
マウスインターロイキン-18デコイ耐性バリアントのアミノ酸配列
Figure 2023550545000031
Figure 2023550545000032
ヒトデコイ・トゥー・デコイ(D2D)バリアントのアミノ酸配列
Figure 2023550545000033
Figure 2023550545000034
Figure 2023550545000035
Figure 2023550545000036
Figure 2023550545000037
マウスデコイ・トゥー・デコイ(D2D)バリアントのアミノ酸配列
Figure 2023550545000038
Figure 2023550545000039
Figure 2023550545000040
Figure 2023550545000041
Figure 2023550545000042
Figure 2023550545000043
Figure 2023550545000044
Figure 2023550545000045
Figure 2023550545000046
Figure 2023550545000047
配列番号89(本明細書では「6-12」とも称される)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDCRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKCEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号89)
配列番号6
配列番号89のバリアント(C38S/C68S)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号6)
配列番号16
配列番号89のバリアント(C38S/C68G)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号16)
配列番号17
配列番号89のバリアント(C38S/C68A)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号17)
配列番号18
配列番号89のバリアント(C38S/C68V)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号18)
配列番号19
配列番号89のバリアント(C38S/C68D)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号19)
配列番号20
配列番号89のバリアント(C38S/C68E)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号20)
配列番号21
配列番号89のバリアント(C38S/C68N)
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSCENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLACEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号21)
配列番号1
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号1)
配列番号2
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号2)
配列番号3
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号3)
配列番号4
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号4)
配列番号5
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号5)
配列番号7
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号7)
配列番号8
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号8)
配列番号9
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号9)
配列番号10
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号10)
配列番号11
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号11)
配列番号12
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号12)
配列番号13
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号13)
配列番号14
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号14)
配列番号15
YFGKLESKLSVIRNLNDQVLFIDQGNRPLFEDMTDSDRDNAPRTIFIISKYSDSLARGLAVTISVKEKISTLSENKIISFKEMNPPDNIKDTKSDIIFFQRDVPGHSRKMQFESSSYEGYFLAEKERDLFKLILKKEDELGDRSIMFTVQNED
(配列番号15)
SUMOタグの例
DSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQAPEDLDMEDNDIIEAHREQIGG
(配列番号26)
Hisタグ付SUMOタグの例
MGHHHHHHGSLQDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQAPEDLDMEDNDIIEAHREQIGG(配列番号27)
SUMOプロテアーゼの例
LVPELNEKDDDQVQKALASRENTQLMNRDNIEITVRDFKTLAPRRWLNDTIIEFFMKYIEKSTPNTVAFNSFFYTNLSERGYQGVRRWMKRKKTQIDKLDKIFTPINLNQSHWALGIIDLKKKTIGYVDSLSNGPNAMSFAILTDLQKYVMEESKHTIGEDFDLIHLDCPQQPNGYDCGIYVCMNTLYGSADAPLDFDYKDAIRMRRFIAHLILTDALK
(配列番号28)
Hisタグ付SUMOプロテアーゼの例
MGSSHHHHHHSSGSLVPELNEKDDDQVQKALASRENTQLMNRDNIEITVRDFKTLAPRRWLNDTIIEFFMKYIEKSTPNTVAFNSFFYTNLSERGYQGVRRWMKRKKTQIDKLDKIFTPINLNQSHWALGIIDLKKKTIGYVDSLSNGPNAMSFAILTDLQKYVMEESKHTIGEDFDLIHLDCPQQPNGYDCGIYVCMNTLYGSADAPLDFDYKDAIRMRRFIAHLILTDALK
(配列番号29)
本開示の例示的な非限定的態様
[0463]上記の本発明の主題の、実施形態を含む態様は、単独で、または1つもしくは複数の他の態様もしくは実施形態と組み合わせて有益であり得る。前記説明を限定するものではないが、本開示のある特定の非限定的な態様を、セットAおよびセットBにおいて以下に提供する。本開示を読めば当業者には明らかであるように、個別に番号付けられた態様をそれぞれ使用するか、または先行する、もしくは以下の個別に番号付けられる態様のいずれかと組み合わせることができる。これは、全てのそのような態様の組合せに対する支持を提供することを意図するものであり、以下に明示的に提供される態様の組合せに限定されない。本発明の精神または範囲から逸脱することなく、種々の変更および改変を加えることができることが当業者には明らかであろう。

Claims (96)

  1. IL-18結合タンパク質(IL-18BP)よりも優先的にIL-18受容体(IL-18R)に結合する改変されたインターロイキン-18(IL-18)ポリペプチドであって、(i)配列番号30に記載の野生型(WT)IL-18と、または配列番号6、87~91、および16~21のいずれか1つに記載のIL-18バリアントアミノ酸配列と85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列;ならびに(ii)配列番号30に対してアミノ酸位置C38およびC68にアミノ酸突然変異を含み、IL-18BPよりもIL-18Rに優先的に結合する、改変されたIL-18ポリペプチド。
  2. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68S、C68G、C68A、C68V、C68D、C68E、またはC68Nである、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  3. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68S、C68G、C68A、C68D、またはC68Nである、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  4. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68G、C68A、C68V、C68D、C68E、またはC68Nである、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  5. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68G、C68A、C68D、またはC68Nである、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  6. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68Sである、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  7. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68Gである、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  8. IL-18ポリペプチドが、デコイ耐性(DR)IL-18またはデコイ・トゥー・デコイ(D2D)IL-18バリアントである、請求項1~7のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  9. IL-18ポリペプチドが、DR IL-18であり、DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、以下の位置:Y1、L5、K8、M51、K53、S55、Q56、P57、G59、M60、E77、Q103、S105、D110、N111、M113、V153、およびN155の少なくとも2つに突然変異を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  10. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、以下の位置:M51、K53、Q56、P57、M60、Q103、S105、D110、N111、およびM113の少なくとも2つに突然変異を含む、請求項9に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  11. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、以下の位置:M51、K53、Q56、P57、M60、Q103、S105、D110、N111、およびM113の少なくとも5つに突然変異を含む、請求項9に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  12. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、M51、K53、Q56、D110、およびN111位に突然変異を含む、請求項9に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  13. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、P57およびM60位に突然変異をさらに含む、請求項12に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  14. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、S10位に突然変異をさらに含む、請求項13に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  15. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、以下の18個の突然変異:(1)Y1H、またはY1R、(2)L5H、L5I、またはL5Y、(3)K8Q、またはK8R、(4)M51T、M51K、M51D、M51N、M51E、またはM51R、(5)K53R、K53G、K53S、またはK53T、(6)S55K、またはS55R、(7)Q56E、Q56A、Q56R、Q56V、Q56G、Q56K、またはQ56L、(8)P57L、P57G、P57A、またはP57K、(9)G59T、またはG59A、(10)M60K、M60Q、M60R、またはM60L、(11)E77D、(12)Q103E、Q103K、Q103P、Q103A、またはQ103R、(13)S105R、S105D、S105K、S105N、またはS105A、(14)D110H、D110K、D110N、D110Q、D110E、D110S、またはD110G、(15)N111H、N111Y、N111D、N111R、N111S、またはN111G、(16)M113V、M113R、M113T、またはM113K、(17)V153I、V153T、またはV153A、および(18)N155K、またはN155Hの少なくとも5個を含む、請求項9に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  16. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、以下の10個の突然変異:(1)M51T、M51K、M51D、M51N、M51E、またはM51R、(2)K53R、K53G、K53S、またはK53T、(3)Q56E、Q56A、Q56R、Q56V、Q56G、Q56K、またはQ56L、(4)P57L、P57G、P57A、またはP57K、(5)M60K、M60Q、M60R、またはM60L、(6)Q103E、Q103K、Q103P、Q103A、またはQ103R、(7)S105R、S105D、S105K、S105N、またはS105A、(8)D110H、D110K、D110N、D110Q、D110E、D110S、またはD110G、(9)N111H、N111Y、N111D、N111R、N111S、またはN111G、および(10)M113V、M113R、M113T、またはM113Kの少なくとも5個を含む、請求項9に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  17. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、以下の7個の突然変異:
    (1)M51E、M51R、M51K、M51T、M51D、またはM51N;
    (2)K53G、K53S、K53T、またはK53R;
    (3)Q56G、Q56R、Q56L、Q56E、Q56A、Q56V、またはQ56K;
    (4)D110S、D110N、D110G、D110K、D110H、D110Q、またはD110E;
    (5)N111G、N111R、N111S、N111D、N111H、またはN111Y;
    (6)P57A、P57L、P57G、またはP57K;および
    (7)M60L、M60R、M60K、またはM60Q
    の少なくとも5個を含む、請求項9に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  18. DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、突然変異S105D、S105A、S105N、S105R、S105D、またはS105Kをさらに含む、請求項17に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  19. IL-18ポリペプチドが、IL-18受容体(IL-18R)に特異的に結合するDR IL-18バリアントであるが、前記WT IL-18と比較して、IL-18結合タンパク質(IL-18BP)への結合の減少を示し、DR IL-18バリアントが、配列番号30に対して、突然変異M51K、K53S、Q56L、D110S、およびN111Rを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  20. DR IL-18バリアントが、突然変異P57A、M60L、およびS105Dをさらに含む、請求項19に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  21. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異が、C68G、C68A、C68D、またはC68Nである、請求項20に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  22. C38位の突然変異がC38Sであり、C68位の突然変異がC68Gである、請求項21に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  23. DR IL-18バリアントが、配列番号1~21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  24. DR IL-18バリアントが、配列番号6および16~21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  25. DR IL-18バリアントが、配列番号6、16、17、19、および21のいずれか1つに記載のアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  26. DR IL-18バリアントが、配列番号19に記載のアミノ酸配列と85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  27. DR IL-18バリアントが、配列番号19に記載のアミノ酸配列を含む、請求項21に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  28. 改変されたIL-18ポリペプチドが、IL-18ポリペプチドに天然ではないシステイン残基を含まない、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  29. IL-18ポリペプチドが、0.6nMより低い、IL-18BPへの結合親和性を有する、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  30. 改変されたIL-18ポリペプチドが、異なる配列を有するIL-18ポリペプチドと比較して優れた安定性を示す、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  31. 改変されたIL-18ポリペプチドが、安定性アッセイ、凍結融解サイクル、または撹拌への暴露後に、少ない二量体、多量体、凝集体、および/または分解産物形成を示す、請求項30に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  32. WT IL-18と85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列が、ペグ化されたアミノ酸を含まない、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  33. WT IL-18と85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列が、非天然のシステイン残基を含まない、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  34. WT IL-18と85%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列が、ペグ化されたシステイン残基を含まない、請求項1に記載の改変されたIL-18ポリペプチド。
  35. 請求項1~34のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチド、および薬学的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  36. PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、LILRB2、またはこれらの任意の組合せを阻害する、免疫チェックポイント阻害剤をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
  37. 腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)タンパク質(例えば、GITR、41BB、OX40、CD27、CD40、HVEM)をアゴナイズする薬剤;免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)タンパク質(例えば、CD28、ICOS、CD226、NKG2D)をアゴナイズする薬剤;TLR(例えば、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9)をアゴナイズする薬剤;核酸センサー(例えば、STING、cGAS、RIG-I(DDX58))をアゴナイズする薬剤;インフラマソーム活性化因子;T細胞エンゲージャー;サイトカインまたはサイトカインバリアント(例えば、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、IL-27、IL-33、TNF、TL1A、IFNA、IFNB、IFNG);またはこれらの任意の組合せから選択される免疫アゴニストをさらに含む、請求項35に記載の組成物。
  38. CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD44、CD45、CD47、CD51、CD52、CD56、CD62L、CD70、CD74、CD79、CD80、CD96、CD97、CD99、CD123、CD134、CD138、CD152(CTLA-4)、CD200、CD213A2、CD221、CD248、CD276(B7-H3)、B7-H4、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、CD319、EGFR、EPCAM、17-1A、HER1、HER2、HER3、CD117、C-Met、HGFR、PDGFRA、AXL、TWEAKR、PTHR2、HAVCR2(TIM3)、GD2ガングリオシド、MUC1、ムチンCanAg、メソテリン、エンドグリン、Lewis-Y抗原、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CA-125、PSMA、BAFF、FGFR2、TAG-72、ゼラチナーゼB、グリピカン3、ネクチン-4、BCMA、CSF1R、SLAMF7、インテグリンαβ、TYRP1、GPNMB、CLDN18.2、FOLR1、CCR4、CXCR4、MICA、C242抗原、DLL3、DLL4、EGFL7、ビメンチン、フィブロネクチンエクストラドメイン-B、TROP-2、LRRC15、FAP、SLITRK6、NOTCH2、NOTCH3、テネイシン-3、STEAP1、およびNRP1から選択される1つまたは複数の抗原を標的化する、がん細胞オプソニン化剤をさらに含む、請求項35に記載の組成物。
  39. インターロイキン-18(IL-18)ポリペプチドが、免疫チェックポイント阻害剤、免疫アゴニスト、またはがん細胞オプソニン化剤にコンジュゲートされる、請求項35に記載の組成物。
  40. 操作されたTまたはNK細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、操作されたTCR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK細胞)、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)をさらに含む、請求項35~39のいずれか一項に記載の組成物。
  41. 請求項1~40のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチドを含む、医薬製剤。
  42. 15~100mg/mLの濃度のIL-18ポリペプチドをさらに含む、請求項41に記載の医薬製剤。
  43. 皮下注射用に製剤化される、請求項41または請求項42に記載の医薬製剤。
  44. pHを6.2と6.8の間に維持する緩衝化剤、
    糖、
    キレート化剤、
    酸化を防止する薬剤、および
    タンパク質吸収を防止する薬剤
    を含む、請求項41~43のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  45. 請求項1~34のいずれか一項に記載のIL-18ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
  46. 核酸が、プラスミドまたはウイルスベクターである、請求項45に記載の核酸。
  47. IL-18ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)プロテアーゼによって切断可能なSUMOタグをコードするヌクレオチド配列の3’側すぐに、それとインフレームで融合される、請求項45または請求項46に記載の核酸。
  48. SUMOプロテアーゼがULP1である、請求項47に記載の核酸。
  49. SUMOタグが、配列番号26または27に記載のアミノ酸配列を含む、請求項48に記載の核酸。
  50. 請求項45~49のいずれか一項に記載の核酸を含む細胞。
  51. SUMOプロテアーゼをコードするヌクレオチド配列を含む核酸を含む、請求項50に記載の細胞。
  52. 細菌細胞である、請求項50または請求項51に記載の細胞。
  53. 酵母細胞である、請求項50に記載の細胞。
  54. コードされたインターロイキン-18(IL-18)ポリペプチドを発現する、操作されたTまたはNK細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、操作されたTCR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK細胞)、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である、請求項50に記載の細胞。
  55. 請求項1~34のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチドを、それを必要とする個体に投与し、それにより個体における疾患または障害を処置するステップを含む、処置の方法。
  56. 疾患または障害が、がん、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に耐性であるがん、MHCクラスIの表面発現が減少したかまたはない腫瘍と関連するがん、高レベルのIL-18BPと関連するがん、高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)を有するがん、マイクロサテライト不安定性(MSI)を有する腫瘍を有するがん、IL-18Rが浸潤T細胞またはNK細胞上に発現される腫瘍と関連するがん、代謝疾患または障害、および感染症からなる群から選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 免疫チェックポイント阻害剤、および免疫アゴニスト、またはがん細胞オプソニン化剤を個体に投与するステップを含む、請求項55または請求項56に記載の方法。
  58. PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、LILRB2、またはこれらの任意の組合せを阻害する、免疫チェックポイント阻害剤を個体に投与するステップを含む、請求項55または請求項56に記載の方法。
  59. 腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)タンパク質(例えば、GITR、41BB、OX40、CD27、CD40、HVEM)をアゴナイズする薬剤;免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)タンパク質(例えば、CD28、ICOS、CD226、NKG2D)をアゴナイズする薬剤;TLR(例えば、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9)をアゴナイズする薬剤;核酸センサー(例えば、STING、cGAS、RIG-I(DDX58))をアゴナイズする薬剤;インフラマソーム活性化因子;T細胞エンゲージャー;サイトカインまたはサイトカインバリアント(例えば、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、IL-27、IL-33、TNF、TL1A、IFNA、IFNB、IFNG);またはこれらの任意の組合せから選択される免疫アゴニストを個体に投与するステップを含む、請求項55または請求項56に記載の方法。
  60. CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD44、CD45、CD47、CD51、CD52、CD56、CD62L、CD70、CD74、CD79、CD80、CD96、CD97、CD99、CD123、CD134、CD138、CD152(CTLA-4)、CD200、CD213A2、CD221、CD248、CD276(B7-H3)、B7-H4、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、CD319、EGFR、EPCAM、17-1A、HER1、HER2、HER3、CD117、C-Met、HGFR、PDGFRA、AXL、TWEAKR、PTHR2、HAVCR2(TIM3)、GD2ガングリオシド、MUC1、ムチンCanAg、メソテリン、エンドグリン、Lewis-Y抗原、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CA-125、PSMA、BAFF、FGFR2、TAG-72、ゼラチナーゼB、グリピカン3、ネクチン-4、BCMA、CSF1R、SLAMF7、インテグリンαβ、TYRP1、GPNMB、CLDN18.2、FOLR1、CCR4、CXCR4、MICA、C242抗原、DLL3、DLL4、EGFL7、ビメンチン、フィブロネクチンエクストラドメイン-B、TROP-2、LRRC15、FAP、SLITRK6、NOTCH2、NOTCH3、テネイシン-3、STEAP1、およびNRP1から選択される1つまたは複数の抗原を標的化する、がん細胞オプソニン化剤を個体に投与するステップを含む、請求項55~59に記載の方法。
  61. 操作されたTまたはNK細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、操作されたTCR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK細胞)、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を個体に投与するステップを含む、請求項55~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 腫瘍溶解性ウイルスを個体に投与するステップを含む、請求項55~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 活性なポリペプチドを作製する方法であって、
    細菌細胞内で、外因的に提供した融合タンパク質を、外因的に提供したSUMO(低分子ユビキチン様修飾因子)プロテアーゼと接触させるステップであって、融合タンパク質がSUMOタグにN末端で融合した目的のポリペプチドを含むステップを含み、
    細菌細胞内で、SUMOプロテアーゼが融合タンパク質を切断し、したがって、目的のポリペプチドからSUMOタグを除去し、目的のポリペプチドが、SUMOタグの除去によって活性化される請求項1~34のいずれか一項に記載のIL-18ポリペプチドである、方法。
  64. SUMOプロテアーゼによる切断後のIL-18ポリペプチドのN末端アミノ酸がチロシンである、請求項63に記載の方法。
  65. IL-18ポリペプチドが、デコイ耐性(DR)IL-18バリアントまたはデコイ・トゥー・デコイ(D2D)IL-18バリアントである、請求項64に記載の方法。
  66. SUMOプロテアーゼがULP1である、請求項63~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. SUMOタグが、配列番号26または27に記載のアミノ酸配列を含む、請求項63~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記接触させるステップが、融合タンパク質をコードする核酸を細菌細胞に導入するステップを含む、請求項63~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記接触させるステップが、SUMOプロテアーゼをコードする核酸を細菌細胞に導入するステップを含む、請求項63~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記接触させるステップが、細菌細胞において、誘導プロモーターからSUMOプロテアーゼの発現を誘導するステップを含む、請求項63~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 誘導プロモーターが、ラムノース誘導プロモーターである、請求項70に記載の方法。
  72. SUMOタグの除去後に目的のポリペプチドを精製するステップをさらに含む、請求項63~71のいずれか一項に記載の方法。
  73. SUMOタグの除去後にIL-18ポリペプチドを精製するステップをさらに含み、前記精製するステップが、イオン交換クロマトグラフィー、固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)、マルチモーダルクロマトグラフィー(MMC)および疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を含む、請求項64~65のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記接触するステップが、細胞内で起こる、請求項63~73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記接触するステップが、in vitroで、無細胞で起こる、請求項63~73のいずれか一項に記載の方法。
  76. 請求項1~34のいずれか一項に記載の改変されたIL-18ポリペプチドを、それを必要とする個体に投与し、それにより個体における疾患または障害を処置するステップを含み、前記投与するステップの頻度が週に1回以下である、処置の方法。
  77. 前記投与するステップの頻度が、2週間に1回以下である、請求項76に記載の方法。
  78. 前記投与するステップの頻度が、週に1回から月に1回の範囲である、請求項76に記載の方法。
  79. IL-18ポリペプチドが、請求項1~34のいずれか一項に記載のIL-18ポリペプチドである、請求項76~78のいずれか一項に記載の方法。
  80. IL-18ポリペプチドが、デコイ耐性(DR)IL-18バリアントまたはデコイ・トゥー・デコイ(D2D)IL-18バリアントである、請求項76~78のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記投与するステップが、皮下投与を含む、請求項76~80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記投与するステップが、0.025~3.5mg/kgの範囲の用量でのIL-18ポリペプチドの投与を含む、請求項76~80のいずれか一項に記載の方法。
  83. 疾患または障害が、がん、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)に耐性であるがん、MHCクラスIの表面発現が減少したかまたはない腫瘍と関連するがん、高レベルのIL-18BPと関連するがん、IL-18Rが浸潤T細胞またはNK細胞上に発現される腫瘍と関連するがん、代謝疾患または障害、および感染症からなる群から選択される、請求項76~82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 免疫チェックポイント阻害剤またはがん細胞オプソニン化剤を個体に投与するステップを含む、請求項74~81のいずれか一項に記載の方法。
  85. PD-L1、PD1、CTLA4、TIM3、TIGIT、LAG3、B7H3、B7H4、VISTA、BTLA、CD47、SIRPアルファ、CD48、CD155、CD160、TREM2、IDO1、アデノシン2A受容体、アリール炭化水素受容体、KIR、LILRB2、またはこれらの任意の組合せを阻害する、免疫チェックポイント阻害剤を個体に投与するステップを含む、請求項74~81のいずれか一項に記載の方法。
  86. 腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFRSF)タンパク質(例えば、GITR、41BB、OX40、CD27、CD40、HVEM)をアゴナイズする薬剤;免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)タンパク質(例えば、CD28、ICOS、CD226、NKG2D)をアゴナイズする薬剤;TLR(例えば、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR9)をアゴナイズする薬剤;核酸センサー(例えば、STING、cGAS、RIG-I(DDX58))をアゴナイズする薬剤;インフラマソーム活性化因子;T細胞エンゲージャー;サイトカインまたはサイトカインバリアント(例えば、IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-23、IL-27、IL-33、TNF、TL1A、IFNA、IFNB、IFNG);またはこれらの任意の組合せから選択される免疫アゴニストを個体に投与するステップを含む、請求項74~81のいずれか一項に記載の方法。
  87. CD19、CD20、CD22、CD24、CD25、CD30、CD33、CD37、CD38、CD44、CD45、CD47、CD51、CD52、CD56、CD62L、CD70、CD74、CD79、CD80、CD96、CD97、CD99、CD123、CD134、CD138、CD152(CTLA-4)、CD200、CD213A2、CD221、CD248、CD276(B7-H3)、B7-H4、CD279(PD-1)、CD274(PD-L1)、CD319、EGFR、EPCAM、17-1A、HER1、HER2、HER3、CD117、C-Met、HGFR、PDGFRA、AXL、TWEAKR、PTHR2、HAVCR2(TIM3)、GD2ガングリオシド、MUC1、ムチンCanAg、メソテリン、エンドグリン、Lewis-Y抗原、CEA、CEACAM1、CEACAM5、CA-125、PSMA、BAFF、FGFR2、TAG-72、ゼラチナーゼB、グリピカン3、ネクチン-4、BCMA、CSF1R、SLAMF7、インテグリンαβ、TYRP1、GPNMB、CLDN18.2、FOLR1、CCR4、CXCR4、MICA、C242抗原、DLL3、DLL4、EGFL7、ビメンチン、フィブロネクチンエクストラドメイン-B、TROP-2、LRRC15、FAP、SLITRK6、NOTCH2、NOTCH3、テネイシン-3、STEAP1、およびNRP1から選択される1つまたは複数の抗原を標的化する、がん細胞オプソニン化剤を個体に投与するステップを含む、請求項74~81のいずれか一項に記載の方法。
  88. 操作されたTまたはNK細胞、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)、操作されたTCR-T細胞、キメラ抗原受容体NK細胞(CAR-NK細胞)、または腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を個体に投与するステップを含む、請求項74~85のいずれか一項に記載の方法。
  89. 腫瘍溶解性ウイルスを個体に投与するステップを含む、請求項74~86のいずれか一項に記載の方法。
  90. 請求項1~34のいずれか一項に記載のIL-18ポリペプチド、
    緩衝化剤、
    糖、
    キレート化剤、
    酸化を防止する薬剤、および
    タンパク質吸収を防止する薬剤
    を含む、医薬製剤。
  91. 緩衝化剤が、His/His-HClを含む、請求項90に記載の医薬製剤。
  92. 緩衝化剤が、pHを6.2と6.8の間に維持する、請求項91に記載の医薬製剤。
  93. 糖がスクロースを含む、請求項90~92のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  94. キレート化剤が、EDTAまたはその塩を含む、請求項90~93のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  95. 酸化を防止する薬剤が、L-メチオニンである、請求項90~94のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  96. タンパク質吸収を防止する薬剤が、ポリソルベート80である、請求項90~95のいずれか一項に記載の医薬製剤。
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