JP2023550371A - 前立腺特異的膜抗原(psma)リガンドの合成 - Google Patents

前立腺特異的膜抗原(psma)リガンドの合成 Download PDF

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Abstract

本開示は、がんのような疾患の処置において有用な前立腺特異的膜抗原(PSMA)リガンドの合成に関する。特に、本開示は、グルタミン酸-尿素-リジン(GUL)部分と、放射性金属を含みうるキレート剤とを有する、PSMAリガンドを合成するための方法に関する。

Description

本開示は、がんのような疾患の処置において有用な前立腺特異的膜抗原(PSMA)リガンドの合成に関する。特に、本開示は、グルタミン酸-尿素-リジン(GUL)部分と、放射性金属を含みうるキレート剤とを有する、PSMAリガンドを合成するための方法に関する。
前立腺がんは、米国および欧州において最も広範に存在するがんのうちの1つである。特に、転移性前立腺がん(mCRPC)は予後不良および生活の質の低下を伴う。
最近では、PSMAが、原発がん病変および軟部組織/骨転移性疾患におけるその過剰発現が理由で、画像化および治療に好適な標的であると見なされることから、PSMAリガンドをベースとする放射性リガンド療法(RLT)が、前立腺がんを処置するための新たな開発の潮流となっている。また、PSMA発現は、大きなアンメットメディカルニーズが存在する患者集団を構成する、本疾患の最も悪性度の高い去勢抵抗性変種においていっそう高くなるようである(Marchal et al., Histol Histopathol, 2004, Jul; 19(3):715-8;Mease et al., Curr Top Med Chem, 2013, 13(8):951-62)。
PSMAを標的化する多くの小分子リガンドのなかでも、最も広範に研究されている薬剤は尿素ベースの低分子量薬剤である。これらの薬剤は前立腺がんの臨床評価、およびPRRT療法に好適であることが示された(Kiess et al., Q J Nucl Med Mol Imaging, 2015;59:241-68)。これらの薬剤のうちいくつかはグルタミン酸-尿素-リジン(GUL)を標的化足場として有する。キレート剤とGUL部分との間にリンカーを結合させるための戦略に従って分子のクラスが作り出された。このアプローチは、金属キレート化部分を結合部位の外側に保持しながら尿素を結合部位に到達させるものである。この戦略は、その実証された高い取り込み量および保持量、ならびに速やかな腎クリアランスが理由で、異種移植PSMA陽性腫瘍において成功した(Banerjee et al., J Med Chem, 2013; 56:6108-21)。
さらに、177Lu-PSMA-617のような特異的化合物が広く研究されている。様々な研究は、177Lu-PSMA-617が前立腺がんの処置において有望な放射性医薬品であることを示している(Delker et al., European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging (2016), 43(1), 42-51;Yadav et al., European Journal of Nuclear Medicine and Molecular Imaging (2017), 44(1), 81-91)。
尿素ベースのPSMAリガンド、特にPSMA-617に対する関心を理由として、費用対効果があり、かつ必須量の高純度生成物を送達することができる、合成方法を提供することが求められている。
本開示は、がん、特に前立腺がんのような疾患の処置において有用なPSMAリガンドを合成するための方法に関する。
本開示はまた、固相合成を使用する、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を合成するための方法に関する。
Figure 2023550371000001
式(I)の化合物はPSMA-617である。
第1の実施形態によれば、本方法は、以下のステップのうち少なくとも1つを含む:
a)式(II)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と
Figure 2023550371000002
式(III)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000003
式(IV)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000004
b)式(IV)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(V)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000005
c)式(V)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(VI)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000006
式(VII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000007
d)式(VII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(VIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000008
e)式(VIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(IX)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000009
式(X)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000010
f)式(X)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(XI)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000011
g)式(XI)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と化合物(XII)とを接触させて
Figure 2023550371000012
式(XIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000013
h)式(XIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と切断試薬および場合によっては脱保護剤とを接触させて式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を得るステップ;
式中、
-PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7はそれぞれ独立してカルボキシル保護基であり;
-Lはリンカーであり;
-PG2、PG3、およびPG4はそれぞれ独立してアミノ保護基であり;
-R1、R2、およびR3はそれぞれ独立してHまたは活性化エステル基であり;
-LGはイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基からなる群から選択される脱離基である。
第2の実施形態によれば、本方法は、以下のステップのうち少なくとも1つを含む:
a’)式(II’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と
Figure 2023550371000014
式(III’)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000015
式(IV’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000016
b’)式(IV’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(V’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000017
c’)式(V’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(VI’)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000018
式(VII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000019
d’)式(VII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(VIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000020
e’)式(VIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(IX’)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000021
式(X’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000022
f’)式(X’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(XI’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000023
g’)式(XI’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と化合物(XII’)とを接触させて
Figure 2023550371000024
式(XIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000025
h’)式(XIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と切断試薬および場合によっては脱保護剤とを接触させて式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を得るステップ;
式中、
-PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’はそれぞれ独立してカルボキシル保護基であり;
-L’はリンカーであり;
-PG2’、PG3’、およびPG4’はそれぞれ独立してアミノ保護基であり;
-R1’、R2’、およびR3’はそれぞれ独立してHまたは活性化エステル基であり;
-LG’はイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基からなる群から選択される脱離基である。
本合成が固相合成を使用して行われるという事実は、費用対効果のある効率的な合成を可能にする。特に、本合成の全収率は、担持出発原料である化合物(II)または(II’)に対して20%以上でありうる。
Watergate H2=信号抑制を施した、参照用にかつフィンガープリントとして使用される1D 1Hスペクトルを示す図である。
定義
本明細書において使用される「固相合成」という用語は、反応性分子を不溶性材料(固体支持体、通常は樹脂)に化学的に結合させ、試薬を溶液相で加える、化合物の合成を意味する。通常はリンカーを通じて反応性分子を固体支持体に化学的に結合させる。固相合成は、ペプチドを合成するために一般的に使用されており、したがって、当業者は、固相合成を行うために使用される技術および装置に習熟している。固相ペプチド合成では、アミノ酸またはペプチドを通常はC末端を通じて固体支持体に結合させる。カップリング反応を通じて、新たなアミノ酸を結合したアミノ酸またはペプチドに付加する。予期しない反応の可能性があることから、通常は保護基を使用する。固相合成の使用によって、単純な濾過およびリンスにより中間体を単離および精製して、中間体の長時間で高コストの単離および精製を回避することが可能になる。
本明細書において使用される「担持化合物」という用語は、不溶性材料に、通常は樹脂に化学的に結合した化合物を意味する。
本明細書において使用される「樹脂担持化合物」(resin-based compound)という用語は、固体支持体である樹脂に化学的に結合した化合物を意味する。樹脂担持化合物は固相合成において使用される。
本明細書において使用される「リンカー」という用語は、不溶性材料に反応性分子を接続する二価の部分を意味する。
本明細書において使用される「保護基」という用語は、分子内の再生された官能基または他の官能基を攻撃しない容易に入手可能な試薬によって選択的に除去することができる化学置換基を意味する。好適な保護基は当技術分野において公知であり、開発が続けられている。好適な保護基は例えばWutz et al. ("Greene's Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition," Wiley-Interscience, 2007)に見ることができる。
特定の実施形態では、Wutz et al. (pages 533-643)に記載のカルボキシル基の保護用の保護基が使用される。いくつかの実施形態では、保護基は酸での処理により除去可能である。カルボキシル保護基の代表例としてはベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、ターシャリーブチル(t-Bu)、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、ベンジルオキシメチル(BOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびトリフェニルメチル(トリチル、Tr)が挙げられるがそれに限定されない。当業者は、保護基が必要になる適切な状況を認識するであろう。
特定の実施形態では、Wutz et al. (pages 696-927)に記載のアミノ基の保護用の保護基が使用される。アミノ保護基の代表例としてはt-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(alloc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)(Dde)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)、モノメトキシトリチル(MMt)、および4-メチルトリチル(Mtt)が挙げられるがそれに限定されない。当業者は、保護基が必要になる適切な状況を認識するであろう。
本明細書において使用される「活性化エステル基」という用語は、エステル官能基を活性化して求核攻撃に対するその感受性を高めるために使用される、電子求引性基を意味する。活性エステルは有機化学において一般的に使用されている。活性化エステル基としてはスクシンイミジル、p-ニトロフェニル、テトラフルオロフェニル、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル、ペンタフルオロフェニル、および2,4,5-トリクロロフェニルを挙げることができる。
本開示の様々な実施形態を本明細書に記載する。各実施形態において規定される特徴を他の規定される特徴と組み合わせることでさらなる実施形態を実現することができることが認識されよう。
本開示は、式(I)~(XIII)の化合物および式(II’)~(XIII’)の化合物、それらの立体異性体、互変異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、またはその混合物、ならびにそれらの水和物、溶媒和物、または薬学的に許容される塩を包含する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示の化合物の生物学的な有効性および特性を保持し、通常は生物学的にまたは他の点で望ましくないということがない、塩を意味する。薬学的に許容される塩の例としてはトリフルオロ酢酸(TFA)塩、酢酸塩、または塩酸塩が挙げられる。
式(I)の化合物の合成
本開示はまた、好ましくは固相合成を使用する、式(I)の化合物を合成するための方法に関する。
1つの実施形態によれば、式(I)の化合物はトリフルオロ酢酸(TFA)塩または酢酸塩である。
本方法において使用される樹脂は、固相合成において従来使用されている任意の種類の樹脂でありうる。これらの樹脂は当業者に周知である。樹脂としてはミクロポーラスポリスチレン樹脂またはマクロポーラスポリスチレン樹脂のようなポリスチレン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、および共重合体樹脂を挙げることができる。リンカーLまたはL’は酸不安定性リンカーであることが好ましい。酸不安定性リンカーは、酸性条件を使用する場合に、ステップh)またはh’)の間に切断可能である。リンカーLまたはL’は、使用される樹脂に応じて異なり、それらは当業者に周知である。リンカー基LまたはL’を含む樹脂としては、p-アルコキシベンジルアルコール樹脂(Wang樹脂)、4-(1’,1’-ジメチル-1’-ヒドロキシプロピル)フェノキシアセチル-アラニル-アミノメチル樹脂(DHPP樹脂)、ジフェニルジアゾメタン樹脂(PDDM樹脂)、塩化トリチル樹脂、および2-クロロトリチルクロリド樹脂を挙げることができる。
保護基PG、PG1、PG5、PG6、PG7、PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’はそれぞれ独立してベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、ターシャリーブチル(t-Bu)、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、ベンジルオキシメチル(BOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびトリフェニルメチル(トリチル、Tr)からなる群から選択されうる。
1つの実施形態によれば、PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7はターシャリーブチル(t-Bu)である。1つの実施形態によれば、PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’はターシャリーブチル(t-Bu)である。
保護基PG2、PG3、PG4、PG2’、PG3’、およびPG4’はそれぞれ独立してt-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(alloc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)(Dde)、モノメトキシトリチル(MMt)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)、および4-メチルトリチル(Mtt)からなる群から、好ましくはDde、ivDde、およびFmocからなる群から選択されうる。
1つの実施形態によれば、PG2、PG3、およびPG4は9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である。1つの実施形態によれば、PG2’はN-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)またはDdeであり、PG3’およびPG4’は9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である。DdeおよびivDdeがPG2’として好ましい保護基である。特に、これらの基の脱保護は金属触媒の使用を必要とせず、これはPd(PPhを使用して除去されるAlloc保護基とは対照的である。さらに、これらの基はMMtおよびMttほど嵩高くはなく、したがって、樹脂に対する添加量を多くすることができ、また、それらはMttよりも酸性条件に対する感受性が低い。
R1、R2、R3、R1’、R2’、およびR3’基はそれぞれ独立してH、スクシンイミジル、p-ニトロフェニル、テトラフルオロフェニル、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル、ペンタフルオロフェニル、および2,4,5-トリクロロフェニルからなる群から、好ましくはHおよびスクシンイミジルからなる群から選択されうる。1つの実施形態によれば、R1、R2、およびR3はHである。1つの実施形態によれば、R1’、R2’、およびR3’はHである。
LGおよびLG’はイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基から独立して選択される脱離基である。ハロゲンとしては塩素を挙げることができる。化合物(III)および(III’)が-NH-(CO)-LGまたはLG’部分を有し、-N=C=O反応性部分を有さないという事実により、非常に有害な生成物であるホスゲンまたはトリホスゲンのような毒性化合物の使用なしに式(I)の化合物を合成することが可能になる。LGまたはLG’は、非常に有害な生成物であるホスゲンまたはトリホスゲンの使用なしに合成可能であることから、イミダゾールであることが好ましい。さらに、イミダゾールを脱離基として使用する場合、生成物は、取り扱いが容易でありうる安定した固体となる。
好ましい実施形態によれば、式(I)の化合物を合成するための方法は、すべてのステップa)~h)、またはすべてのステップa’)~h’)を含む。
各ステップa)~h)またはa’)~h’)を室温または加熱下で、例えば25℃~70℃の温度で行うことができる。各ステップa)~h)またはa’)~h’)を5分~3時間の期間をかけて行うことができる。各ステップa)~h)またはa’)~h’)を不活性雰囲気下で、例えばアルゴン下で行うことができる。
各ステップの合間に、得られた担持化合物をジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、またはイソプロパノール(IPA)のような溶媒で洗浄することができる。異なる溶媒を交互に用いて洗浄してもよく、例えばDMFおよびIPAを交互に用いて洗浄してもよい。
各ステップa)~h)またはa’)~h’)を極性非プロトン性溶媒を使用して行うことができる。1つの実施形態によれば、各ステップa)~h)またはa’)~h’)において使用可能な極性非プロトン性溶媒は、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド混合物、アセトニトリル(ACN)、アセトニトリル/ジメチルホルムアミド混合物、およびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選択される。有利には、ステップa)~h)またはa’)~h’)のいずれかにおいて使用可能な極性非プロトン性溶媒はジメチルホルムアミド(DMF)である。
各ステップa)、c)、e)、g)、a’)、c’)、e’)、またはg’)をカップリング剤および/または塩基を使用して行うことができる。各ステップa)、c)、e)、g)、a’)、c’)、e’)、またはg’)において使用可能な塩基は独立してN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(Pr2NEt)、トリエチルアミン(TEA)、4-メチルモルホリン(NMM)、イミダゾール、ピリジン、およびコリジンからなる群から選択されうる。好ましくは、塩基はDIPEAである。ステップa)、c)、e)、a’)、c’)、またはe’)のいずれかにおいて使用可能なカップリング剤は独立してベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(CDMT)、N-[(5-クロロ-3-オキシド-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-4-モルホリニルメチレン]-N-メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロホスフェート(HDMC)、1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウム ヘキサフルオロホスフェート(COMU)、ジメチルアミノ(トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メチリデン]-ジメチルアザニウム;テトラフルオロボレート(TATU)、N,N,N’,N’-テトラメチル-S-(1-オキシド-2-ピリジル)チオウロニウム テトラフルオロボレート(TOTT)、N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)、1-プロパンホスホン酸無水物(T3P)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチル-モルホリニウム クロリド(DMTMM)からなる群から、好ましくはPyBOPおよびTBTUからなる群から選択されうる。
1つの実施形態によれば、ステップa)は塩基、通常はDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップa’)は塩基、通常はDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップc)はカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップc’)はカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップe)はカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップe’)はカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップg)はカップリング剤および塩基、通常はPyBOPおよびDIPEAを使用して行われる。1つの実施形態によれば、ステップg’)はカップリング剤および塩基、通常はPyBOPおよびDIPEAを使用して行われる。
ステップb)、d)、f)、b’)、d’)、またはf’)のいずれかにおいて使用される脱保護剤は独立してヒドラジン、ピペリジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ジエチルアミン(DEA)、ジシクロヘキサミン、4-メチルピペリジン(4MP)、トリス(2-アミノエチル)アミン、ピリジン、およびコリジンからなる群から、好ましくはヒドラジンおよびピペリジンからなる群から選択されうる。1つの実施形態によれば、ステップb)において使用される脱保護剤はピペリジンである。1つの実施形態によれば、ステップb’)において使用される脱保護剤はヒドラジンである。1つの実施形態によれば、ステップd)において使用される脱保護剤はピペリジンである。1つの実施形態によれば、ステップd’)において使用される脱保護剤はピペリジンである。1つの実施形態によれば、ステップf)において使用される脱保護剤はピペリジンである。1つの実施形態によれば、ステップf’)において使用される脱保護剤はピペリジンである。
ステップh)またはh’)の切断試薬は酸、好ましくはトリフルオロ酢酸(TFA)またはトリフルオロ酢酸(TFA)/水/トリイソプロピルシラン混合物でありうる。
1つの実施形態によれば、本合成の全収率は、担持出発原料である化合物(II)または(II’)に対して10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上でありうる。全収率は15%~100%でありうる。
いくつかの場合では、本方法は、ステップa)の前に、化合物(II)を得るための脱保護ステップを含んでもよい。
いくつかの場合では、本方法は、ステップa’)の前に、化合物(II’)を得るための脱保護ステップを含んでもよい。
実施形態
以下の具体的な実施形態を開示する。
1.固相合成を使用する、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を合成するための方法。
Figure 2023550371000026
2.以下のステップのうち少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の方法:
a)式(II)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と
Figure 2023550371000027
式(III)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000028
式(IV)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000029
b)式(IV)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(V)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000030
c)式(V)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(VI)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000031
式(VII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000032
d)式(VII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(VIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000033
e)式(VIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(IX)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000034
式(X)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000035
f)式(X)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(XI)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000036
g)式(XI)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と化合物(XII)とを接触させて
Figure 2023550371000037
式(XIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000038
h)式(XIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と切断試薬および場合によっては脱保護剤とを接触させて式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を得るステップ;
式中、
-PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7はそれぞれ独立してカルボキシル保護基であり;
-Lはリンカーであり;
-PG2、PG3、およびPG4はそれぞれ独立してアミノ保護基であり;
-R1、R2、およびR3はそれぞれ独立してHまたは活性化エステル基であり;
-LGはイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基からなる群から選択される脱離基である。
3.すべてのステップa)~h)を含む、実施形態2に記載の方法。
4.PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7が独立してベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、ターシャリーブチル(t-Bu)、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、ベンジルオキシメチル(BOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびトリフェニルメチル(トリチル、Tr)からなる群から選択され、好ましくは、PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7がターシャリーブチル(t-Bu)である、実施形態2~3のいずれか1つに記載の方法。
5.PG2、PG3、およびPG4が独立してt-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(alloc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)(Dde)、モノメトキシトリチル(MMt)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)、および4-メチルトリチル(Mtt)からなる群から選択され、好ましくは、PG2、PG3、およびPG4が9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である、実施形態2~4のいずれか1つに記載の方法。
6.R1、R2、およびR3が独立してH、スクシンイミジル、p-ニトロフェニル、テトラフルオロフェニル、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル、ペンタフルオロフェニル、および2,4,5-トリクロロフェニルからなる群から選択され、好ましくは、R1、R2、およびR3がHまたはスクシンイミジルからなる群から選択される、実施形態2~5のいずれか1つに記載の方法。
7.ステップa)~h)のうち少なくとも1つが極性非プロトン性溶媒を使用して行われる、実施形態2~6のいずれか1つに記載の方法。
8.極性非プロトン性溶媒がジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド混合物、アセトニトリル(ACN)、アセトニトリル/ジメチルホルムアミド混合物、およびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選択され、好ましくは、溶媒がジメチルホルムアミド(DMF)である、実施形態7に記載の方法。
9.ステップa)、c)、e)、またはg)のうち少なくとも1つがカップリング剤および/または塩基を使用して行われる、実施形態2~8のいずれか1つに記載の方法。
10.塩基がN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(Pr2NEt)、トリエチルアミン(TEA)、4-メチルモルホリン(NMM)、イミダゾール、ピリジン、およびコリジンからなる群から選択される、実施形態9に記載の方法。
11.カップリング剤がベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(CDMT)、N-[(5-クロロ-3-オキシド-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-4-モルホリニルメチレン]-N-メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロホスフェート(HDMC)、1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウム ヘキサフルオロホスフェート(COMU)、ジメチルアミノ(トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メチリデン]-ジメチルアザニウム;テトラフルオロボレート(TATU)、N,N,N’,N’-テトラメチル-S-(1-オキシド-2-ピリジル)チオウロニウム テトラフルオロボレート(TOTT)、N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)、1-プロパンホスホン酸無水物(T3P)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチル-モルホリニウム クロリド(DMTMM)からなる群から選択される、実施形態9または10に記載の方法。
12.ステップa)が塩基、通常はDIPEAを使用して行われ、ステップc)がカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われ、ステップe)がカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われ、ステップg)がカップリング剤および塩基、通常はPyBOPおよびDIPEAを使用して行われる、実施形態9~11のいずれか1つに記載の方法。
13.ステップb)、d)、またはf)において使用される脱保護剤がヒドラジン、ピペリジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ジエチルアミン(DEA)、ジシクロヘキサミン、4-メチルピペリジン(4MP)、トリス(2-アミノエチル)アミン、ピリジン、およびコリジンからなる群から、好ましくはヒドラジンおよびピペリジンからなる群から選択される、実施形態2~12のいずれか1つに記載の方法。
14.ステップh)が酸、好ましくはトリフルオロ酢酸(TFA)またはトリフルオロ酢酸(TFA)/水/トリイソプロピルシラン混合物を使用して行われる、実施形態2~13のいずれか1つに記載の方法。
15.以下のステップのうち少なくとも1つを含む、実施形態1に記載の方法:
a’)式(II’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と
Figure 2023550371000039
式(III’)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000040
式(IV’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000041
b’)式(IV’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(V’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000042
c’)式(V’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(VI’)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000043
式(VII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000044
d’)式(VII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(VIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000045
e’)式(VIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と式(IX’)の化合物とを接触させて
Figure 2023550371000046
式(X’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000047
f’)式(X’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(XI’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000048
g’)式(XI’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と化合物(XII’)とを接触させて
Figure 2023550371000049
式(XIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
Figure 2023550371000050
h’)式(XIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と切断試薬および場合によっては脱保護剤とを接触させて式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を得るステップ;
式中、
-PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’はそれぞれ独立してカルボキシル保護基であり;
-L’はリンカーであり;
-PG2’、PG3’、およびPG4’はそれぞれ独立してアミノ保護基であり;
-R1’、R2’、およびR3’はそれぞれ独立してHまたは活性化エステル基であり;
-LG’はイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基からなる群から選択される脱離基である。
16.すべてのステップa’)~h’)を含む、実施形態15に記載の方法。
17.PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’が独立してベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、ターシャリーブチル(t-Bu)、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、ベンジルオキシメチル(BOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびトリフェニルメチル(トリチル、Tr)からなる群から選択され、好ましくは、PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’がターシャリーブチル(t-Bu)である、実施形態15~16のいずれか1つに記載の方法。
18.PG2’、PG3’、およびPG4’が独立してt-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(alloc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)(Dde)、モノメトキシトリチル(MMt)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)、および4-メチルトリチル(Mtt)からなる群から選択され、好ましくは、PG2’がN-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)またはDdeであり、PG3’およびPG4’が9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である、実施形態15~17のいずれか1つに記載の方法。
19.R1’、R2’、およびR3’が独立してH、スクシンイミジル、p-ニトロフェニル、テトラフルオロフェニル、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル、ペンタフルオロフェニル、および2,4,5-トリクロロフェニルからなる群から選択され、好ましくは、R1’、R2’、およびR3’がHまたはスクシンイミジルからなる群から選択される、実施形態15~18のいずれか1つに記載の方法。
20.ステップa’)~h’)のうち少なくとも1つが極性非プロトン性溶媒を使用して行われる、実施形態15~19のいずれか1つに記載の方法。
21.極性非プロトン性溶媒がジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジクロロメタン(DCM)、ジクロロメタン/ジメチルホルムアミド混合物、アセトニトリル(ACN)、アセトニトリル/ジメチルホルムアミド混合物、およびジメチルスルホキシド(DMSO)からなる群から選択され、好ましくは、溶媒がジメチルホルムアミド(DMF)である、実施形態20に記載の方法。
22.ステップa’)、c’)、e’)、またはg’)のうち少なくとも1つがカップリング剤および/または塩基を使用して行われる、実施形態15~21のいずれか1つに記載の方法。
23.塩基がN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(Pr2NEt)、トリエチルアミン(TEA)、4-メチルモルホリン(NMM)、イミダゾール、ピリジン、およびコリジンからなる群から選択される、実施形態22に記載の方法。
24.カップリング剤がベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシド ヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(CDMT)、N-[(5-クロロ-3-オキシド-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-4-モルホリニルメチレン]-N-メチルメタンアミニウム ヘキサフルオロホスフェート(HDMC)、1-シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ-モルホリノ-カルベニウム ヘキサフルオロホスフェート(COMU)、ジメチルアミノ(トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)メチリデン]-ジメチルアザニウム;テトラフルオロボレート(TATU)、N,N,N’,N’-テトラメチル-S-(1-オキシド-2-ピリジル)チオウロニウム テトラフルオロボレート(TOTT)、N-エトキシカルボニル-2-エトキシ-1,2-ジヒドロキノリン(EEDQ)、1-プロパンホスホン酸無水物(T3P)、および4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチル-モルホリニウム クロリド(DMTMM)からなる群から選択される、実施形態22または23に記載の方法。
25.ステップa’)が塩基、通常はDIPEAを使用して行われ、ステップc’)がカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われ、ステップe’)がカップリング剤および塩基、通常はTBTUおよびDIPEAを使用して行われ、ステップg’)がカップリング剤および塩基、通常はPyBOPおよびDIPEAを使用して行われる、実施形態22~24のいずれか1つに記載の方法。
26.ステップb’)、d’)、またはf’)において使用される脱保護剤がヒドラジン、ピペリジン、モルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)、ジエチルアミン(DEA)、ジシクロヘキサミン、4-メチルピペリジン(4MP)、トリス(2-アミノエチル)アミン、ピリジン、およびコリジンからなる群から、好ましくはヒドラジンおよびピペリジンからなる群から選択される、実施形態15~25のいずれか1つに記載の方法。
27.ステップh’)が酸、好ましくはトリフルオロ酢酸(TFA)またはトリフルオロ酢酸(TFA)/水/トリイソプロピルシラン混合物を使用して行われる、実施形態15~26のいずれか1つに記載の方法。
本開示はさらに、本明細書において式(II)~(XIII)もしくは(II’)~(XIII’)により規定される化合物のうちいずれか1つ、または、式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩を合成するための方法における中間体としてのそれらの使用に関する。例えば、1つの実施形態では、本開示は、本明細書において式(II)により規定される化合物、またはその薬学的に許容される塩に関する。別の実施形態では、本開示は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を合成するための方法における中間体としての、本明細書において式(II)により規定される化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
同様にして、本開示のさらなる実施形態が、式(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(II’)、(III’)、(IV’)、(V’)、(VI’)、(VII’)、(VIII’)、(IX’)、(X’)、(XI’)、(XII’)、または(XIII’)により定義される化合物に関して規定される。別の実施形態では、本開示は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を合成するための方法における中間体としての、本明細書において式(II)~(XIII)もしくは(II’)~(XIII’)のうちいずれか1つにより規定される化合物のうち2つ以上、またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
すべての化学物質および溶媒を商業的供給業者から得て、精製せずに使用した。Fmoc-L-Lys(ivDde)-Wang PS樹脂をドイツのRapp Polymereから購入した。1,1’-カルボニルジイミダゾールをドイツのSAFから購入した。Fmoc-3-(2-ナフチル)-L-アラニン(Fmoc-Nal-OH)をドイツのIris Biotechから購入した。Fmoc-trans-4-アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(FMOC-AMCHC)をドイツのIris Biotechから購入した。H-Glu(OtBu)-OtBu×HClをスイスのBachemから購入した。3-(3-(((2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)(2-((2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)(5-(3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロピル)-2-ヒドロキシベンジル)アミノ)エチル)アミノ)メチル)-4-ヒドロキシフェニル)プロパン酸(DOTA(tBu))を米国のMacrocyclicsまたはフランスのChematechから購入した。Fmoc-L-Glu(otbu)-Wang PS樹脂をドイツのRapp Polymereから購入した。H-Lys(Fmoc)-OtBu・HClを米国のCHI Scientific,Inc.から購入した。
NMR実験をBruker Avance Neo 500 MHZ上で行った。
PSMA-617(TFA塩)の合成を2つの異なる合成経路を通じた半自動バッチ合成機の使用による固相ペプチド合成技術(SPPS)により行った。
[実施例1]
PSMA-617(TFA塩);(((S)-1-カルボキシ-5-((S)-3-(ナフタレン-2-イル)-2-((1r,4S)-4-((2-(4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)アセトアミド)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド)プロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸・トリフルオロ酢酸塩、化合物[7]の合成
Figure 2023550371000051
ジ-tert-ブチル N-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)グルタメートビルディングブロック[3]の合成:
1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(430mg;1.1当量)を250ml丸底フラスコ中に移し、ジクロロメタン(50ml)に溶解させる。溶液を0℃に冷却し、DIPEA(3.26ml;5当量)を撹拌下で加える。H-Glu(OtBu)-OtBu×HCl(714mg;1当量)をDCM(20ml)に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌イミダゾール溶液にゆっくりと加える。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で2~3時間撹拌する。反応の進行をインプロセスコントロール(RP-HPLC;Nucleosil-100 RP-C18、150×4mm、5μm、勾配15分で10分~90分、溶離液H2O/ACN 0.1%TFA)によりモニタリングする。
変換完了が確認された後、溶液をロータリーエバポレーター上で減少させる。残渣をDCMに再度溶解させ、1M NaHCOおよび水で洗浄する。有機層を最初にロータリーエバポレーター上で減圧濃縮し、次に凍結乾燥機上で乾燥させる。ビルディングブロックの純度および同一性をRP-HPLC Nucleosil-100 RP-C18、150×4mm、5μm、勾配30分で10分~90分、溶離液H2O/ACN 0.1%TFA(14.4分、純度97%@215nm)およびMaldi TOF-MS([M+H]+354.2±1.0)Matrix DHBにより確認する。この得られた固体を次のステップで直接使用した。
SPPSアプローチによるPSMA-617の構築:
化合物[2]の合成
Fmoc-L-Lys(ivDde)-Wang PS樹脂([1]、0.69mmol/g;0.69mmol)1gを反応容器に入れ、樹脂をDMF 10mlで膨潤させた後、DMF中30%ピペリジン3×10mlを使用して樹脂からFMOC基を切断する。切断混合物を濾去した後、樹脂をDMFおよびi-プロパノールを交互に用いて3回洗浄してピペリジン溶液を除去する。FMOC除去をインプロセスコントロールとしてのニンヒドリンアッセイにより確認する(Lit. Weng C. Chan, Peter D. White; Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis. A Practical Approach. Oxford University Press, Oxford/New York 2000)。
注:別途言及されない限り、すべての伸長ステップおよびFMOC脱保護ステップをインプロセスコントロールとしてのニンヒドリンアッセイにより点検する。
化合物[4]Glu(otbu)-otBu-ウレイド-Lys(ivDde)-PS樹脂の合成
新たに調製したビルディングブロックであるジ-tert-ブチル N-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)-グルタメート(855mg、3.5当量)[3]をDMF 5mlに溶解させ、DIPEA(3.5当量)と混合し、樹脂に加える。スラリーを室温で1時間撹拌する。過剰のジ-tert-ブチル N-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)-グルタメートおよび試薬を濾去した後、複数回の洗浄ステップをDMFおよびイソプロパノール(各10ml、3回)で行う。ウレイド形成の完了をニンヒドリンアッセイにより再度確認する。
化合物[5]の合成
樹脂をDMF中2%ヒドラジン一水和物(3×8ml)で処理することでL-リジン側鎖のiv-Ddeを除去し、DMFおよびイソプロパノール(各10ml)による複数回の洗浄ステップを行う。
Fmoc-3-(2-ナフチル)-L-アラニン(Fmoc-Nal-OH)(905mg、3当量)を、DMF 5ml中のO-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム テトラフルオロ-ボレート(TBTU)3当量とDIPEA 3当量との混合物を使用するインサイチュー活性エステル形成により活性化し、樹脂に室温で1時間かけて加えて、リジンのε-アミノ基における伸長ステップを行う。インプロセスコントロールにより示されたように、変換が未完了であることから、二重カップリングを行い、続いてFMOC切断を行う。
化合物[6]の合成
Fmoc-4-AMCHC-OH(785mg、3当量)を、DMF 5ml中の(TBTU)3当量とDIPEA 3当量との混合物を使用するインサイチュー活性エステル形成により活性化し、樹脂に室温で1時間かけて加えた後、FMOC切断を行って、樹脂結合Glu(otbu)-otBu-ウレイド-Lys(NH2-AMCHC-2-Nal-)-PS樹脂を得る。
化合物[7]の合成
2-(4,7,10-トリス(2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)酢酸(DOTA(tBu))(987mg、2.5当量)を樹脂結合ペプチドにカップリングすることを、(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノ-ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(2.5当量)、DIPEA(5当量)のDMF 5ml溶液の使用により行う。DOTA結合を、少量の樹脂結合ペプチドに対して試験的切断を行うことで確認し、切断されたペプチド試料をHPLCおよびMaldi-TOF MSにより分析する。
最後に、樹脂を焼結ガラス漏斗に移し、樹脂結合ペプチドをDMF、エタノール、およびジエチルエーテルで大量に洗浄し、乾燥させる。
ペプチドを切断カクテルTFA:HO:TIS(94:3:3)10mlと共に室温で4時間インキュベートすることで固体支持体から切断する。樹脂を濾去した後、生成物を含む切断溶液を冷却し、ペプチド溶液を氷冷ジエチルエーテル中に加えることで生成物を析出させる。生成物を遠心分離により単離し、析出物をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、最後に10%アセトニトリルの水中混合物に溶解させ、凍結乾燥させて粗生成物670mgを凍結乾燥物として得る。粗生成物の純度(42%)をHPLCおよびMaldi-TOFにより確定した。
生成物の精製を、水/アセトニトリル(0.1%TFA)を溶離液とする分取RP-HPLC法(RP-18、10μm)を使用して行う。生成物を最初に25%アセトニトリルのアイソクラティック勾配を使用して予備精製した後、勾配系(20%アセトニトリル~70%アセトニトリル@225nm)を使用する最終精製を行った。RP-HPLC純度の規格(98.0%以上)に適合するすべての画分をプールし、凍結乾燥させた。全収量は凍結乾燥物176mgであり、樹脂添加量に対して理論値の25%であった。
合成分子の分析をNucleosil-100 RP-18、150×4mm、5μm;1mL/分@UV215nm;溶媒A:H2O(0.1%TFA)B:CH3CN(0.1%TFA)を直線勾配(30分で10%B~90%B)で使用して行った。
質量分析MALDI-MS(Kratos Axima)C49H71N9O16の計算値1041.5amu。実測値[M+H+]:1042.7m/z。
凍結乾燥物のペプチド含有量を、N値のみ(理論値:C、56.47;H、6.87;N、12.10;O、24.56)(実測値11.6%)を使用する元素分析により確定することで、正味含有量96%(w/w)を計算した。
また、提示された構造をBruker Avance Neo 500 MHZ上で2D-DQ-COSY、2D-TOCSY、2D-ROESY、および13C-HSQC NMR実験により確認した。
[実施例2]
Figure 2023550371000052
PSMA-617(TFA塩);(((S)-1-カルボキシ-5-((S)-3-(ナフタレン-2-イル)-2-((1r,4S)-4-((2-(4,7,10-トリス(カルボキシメチル)-1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1-イル)アセトアミド)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキサミド)プロパンアミド)ペンチル)カルバモイル)-L-グルタミン酸・トリフルオロ酢酸塩[7]の合成
tert-ブチル N6-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-N2-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)リジネート(ビルディングブロック[10]の合成:
1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)(481mg;4.29mmol;1.1当量)を250ml丸底フラスコ中に移し、ジクロロメタン(50ml)に溶解させる。溶液を0℃に冷却し、DIPEA(5当量)を撹拌下で加える。
H-Lys(FMOC)-OtBu×HCl(1.24g;1当量)をDCM(40ml)に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌イミダゾール溶液にゆっくりと加える。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で3時間撹拌する。反応の進行をインプロセスコントロール(RP-HPLC;Nucleosil-100 RP-C18、150×4mm、5μm、勾配15分で10分~90分、溶離液H2O/ACN 0.1%TFA)によりモニタリングする。変換が完了した後、溶液をロータリーエバポレーター上で減少させる。残渣をDCMに溶解させ、1M NaHCOおよび水で洗浄する。有機層を最初にロータリーエバポレーター上で減圧濃縮し、次に凍結乾燥機上で乾燥させる。次に、白色固体をウレイド化合物の構築に直接使用する。ビルディングブロックの純度および同一性をRP-HPLCおよびMSにより確認する。Nucleosil-100 RP-C18、150×4mm、5μm、勾配30分で10分~90分、溶離液:H2O/ACN 0.1%TFA;Maldi TOF-MS([M+H]+354.3±1.0)Matrix DHB。
FMOC-SPPS戦略によるPSMA-617の構築:
化合物[9]の合成:
Fmoc Glu(t-Bu)Wang樹脂(0.60mmol/g)[8]1.5gを反応容器中に移し、DMF 15mlで膨潤させ、FMOC基をDMF中30%ピペリジン(3×15ml)の使用により切断する。DMF/i-プロパノールを交互に用いる洗浄ステップを行ってピペリジン溶液を除去した後、FMOC基の除去を、インプロセスコントロールとして使用されるニンヒドリンアッセイにより確認する(Lit. Weng C. Chan, Peter D. White; Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis. A Practical Approach. Oxford University Press, Oxford/New York 2000)。
化合物[11]の合成:
新たに調製したN6-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-N2-(1H-イミダゾール-1-カルボニル)リジネート(1.4g、3当量)[10]をDMF 10mlに溶解させ、DIPEA(3.5当量)と混合し、樹脂に加える。スラリーを室温で1時間撹拌する。過剰の試薬を濾去した後、複数回の洗浄ステップをDMFおよびイソプロパノール(各回15ml)で行う。反応の完了をニンヒドリンアッセイにより確認する。
化合物[12]の合成:
Lys-otbu-ウレイド-Glu(otbu)-PS樹脂[11];L-Lys側鎖のFMOC基を、DMF中30%ピペリジンを使用して、かつDMF/i-プロパノール/DMF(各3×10ml)による連続的洗浄ステップの後に切断する。
Fmoc-2-Nal-OH(1.60g、4当量)を、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウム テトラフルオロ-ボレート(TBTU×BF4)3当量とDIPEA 3当量との混合物のDMF 10ml溶液を使用するインサイチュー活性エステル形成により活性化し、樹脂に室温で1.5時間かけて加えて、リジンのε-アミノ基における伸長ステップ、続いてFMOC切断ステップおよび連続的洗浄ステップを行う。
化合物[13]の合成:
Fmoc-4-trans-AMCHC-OH(1.025mg、3当量)を、DMF 10ml中のTBTU 3当量とDIPEA 3当量との混合物を使用するインサイチュー活性エステル形成により活性化し、樹脂に室温で1時間かけて加えて、次にリジンのε-アミノ基における伸長ステップ、続いてFMOC切断を行って、樹脂結合Lys(NH2-trans-4-AMCHC-2-Nal-)ウレイド-Glu(otbu)PS樹脂[13]を得る。
化合物[7]の合成:
(DOTA(tBu))(1.3g、2.5当量)を樹脂結合ペプチドに、PyBOP(2.5当量)、DIPEA(5当量)のDMF 10ml溶液の使用によりカップリングする。最後に、樹脂を焼結ガラス漏斗に移し、樹脂結合ペプチドをDMF、エタノール、およびジエチルエーテルで大量に洗浄し、乾燥させる。
ペプチドを切断カクテルTFA:HO:TIS(94:3:3)20mlと共に室温で3時間インキュベートすることで固体支持体から切断する。樹脂を焼結ガラス漏斗を通じて濾去し、少量ずつのTFAで徹底的に洗浄する。プールされた切断溶液を冷却し、ペプチド溶液を氷冷ジエチルエーテル中にゆっくりと滴下することで生成物を析出させる。生成物を遠心分離により単離し、析出物をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させ、水とアセトニトリルとの混合物に溶解させ、凍結乾燥させる。
生成物の精製および単離を実施例1に従って行う。
SPPSおよび精製を含む全収率は樹脂添加量に対して22%であった。
純度をHPLCおよびMaldi-TOF MSにより確認した。HPLCスパイク実験により、実施例1に由来する生成物との同一性が確認される。

Claims (13)

  1. 固相合成を使用する、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を合成するための方法。
    Figure 2023550371000053
  2. 以下のステップのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法:
    a)式(II)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と
    Figure 2023550371000054
    式(III)の化合物とを接触させて
    Figure 2023550371000055
    式(IV)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000056
    b)式(IV)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(V)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000057
    c)式(V)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と式(VI)の化合物とを接触させて
    Figure 2023550371000058
    式(VII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000059
    d)式(VII)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(VIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000060
    e)式(VIII)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と式(IX)の化合物とを接触させて
    Figure 2023550371000061
    式(X)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000062
    f)式(X)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(XI)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000063
    g)式(XI)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と化合物(XII)とを接触させて
    Figure 2023550371000064
    式(XIII)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000065
    h)式(XIII)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と切断試薬および場合によっては脱保護剤とを接触させて式(I)の前記化合物、またはその薬学的に許容される塩を得るステップ;
    式中、
    -PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7はそれぞれ独立してカルボキシル保護基であり;
    -Lはリンカーであり;
    -PG2、PG3、およびPG4はそれぞれ独立してアミノ保護基であり;
    -R1、R2、およびR3はそれぞれ独立してHまたは活性化エステル基であり;
    -LGはイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基からなる群から選択される脱離基である。
  3. すべての前記ステップa)~h)を含む、請求項2に記載の方法。
  4. PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7が独立してベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、ターシャリーブチル(t-Bu)、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、ベンジルオキシメチル(BOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびトリフェニルメチル(トリチル、Tr)からなる群から選択され、好ましくは、PG、PG1、PG5、PG6、およびPG7がターシャリーブチル(t-Bu)である、請求項2~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. PG2、PG3、およびPG4が独立してt-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(alloc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)(Dde)、モノメトキシトリチル(MMt)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)、および4-メチルトリチル(Mtt)からなる群から選択され、好ましくは、PG2、PG3、およびPG4が9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ステップa)~h)のうち少なくとも1つが極性非プロトン性溶媒を使用して行われる、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ステップa)、c)、e)、またはg)のうち少なくとも1つがカップリング剤および/または塩基を使用して行われる、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 以下のステップのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法:
    a’)式(II’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物と
    Figure 2023550371000066
    式(III’)の化合物とを接触させて
    Figure 2023550371000067
    式(IV’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000068
    b’)式(IV’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(V’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000069
    c’)式(V’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と式(VI’)の化合物とを接触させて
    Figure 2023550371000070
    式(VII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000071
    d’)式(VII’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(VIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000072
    e’)式(VIII’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と式(IX’)の化合物とを接触させて
    Figure 2023550371000073
    式(X’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000074
    f’)式(X’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と脱保護剤とを接触させて式(XI’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000075
    g’)式(XI’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と化合物(XII’)とを接触させて
    Figure 2023550371000076
    式(XIII’)の担持化合物、好ましくは樹脂担持化合物を得るステップ;
    Figure 2023550371000077
    h’)式(XIII’)の前記担持化合物、好ましくは前記樹脂担持化合物と切断試薬および場合によっては脱保護剤とを接触させて式(I)の前記化合物、またはその薬学的に許容される塩を得るステップ;
    式中、
    -PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’はそれぞれ独立してカルボキシル保護基であり;
    -L’はリンカーであり;
    -PG2’、PG3’、およびPG4’はそれぞれ独立してアミノ保護基であり;
    -R1’、R2’、およびR3’はそれぞれ独立してHまたは活性化エステル基であり;
    -LG’はイミダゾール、ハロゲン、および活性化エステル基からなる群から選択される脱離基である。
  9. すべての前記ステップa’)~h’)を含む、請求項8に記載の方法。
  10. PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’が独立してベンジル、p-メトキシベンジル(PMB)、ターシャリーブチル(t-Bu)、メトキシメチル(MOM)、メトキシエトキシメチル(MEM)、メチルチオメチル(MTM)、テトラヒドロピラニル(THP)、テトラヒドロフラニル(THF)、ベンジルオキシメチル(BOM)、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、t-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびトリフェニルメチル(トリチル、Tr)からなる群から選択され、好ましくは、PG’、PG1’、PG5’、PG6’、およびPG7’がターシャリーブチル(t-Bu)である、請求項8~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. PG2’、PG3’、およびPG4’が独立してt-ブチルオキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(alloc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)エチル)(Dde)、モノメトキシトリチル(MMt)、1-(1-アダマンチル)-1-メチルエトキシカルボニル(Adpoc)、N-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)、および4-メチルトリチル(Mtt)からなる群から選択され、好ましくは、PG2’がN-(1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)-3-メチルブチル)(ivDde)またはDdeであり、PG3’およびPG4’が9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)である、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ステップa’)~h’)のうち少なくとも1つが極性非プロトン性溶媒を使用して行われる、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ステップa’)、c’)、e’)、およびg’)のうち少なくとも1つがカップリング剤および/または塩基を使用して行われる、請求項8~12のいずれか一項に記載の方法。
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