JP2023549538A - インターアルファインヒビタータンパク質の精製方法 - Google Patents

インターアルファインヒビタータンパク質の精製方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、エンドトキシン結合剤を用いて生物学的材料からIαIpを精製する方法について記載する。本方法は、IαIpを含有する生物学的材料をエンドトキシン結合剤に適用し、フロースルーを破棄し、洗浄バッファーを適用し、エンドトキシン結合剤からIαIpを溶出させることを含む。【選択図】なし

Description

インターアルファインヒビタータンパク質(IαIp)は、すべての哺乳類の血液中に高濃度で循環する天然由来の免疫調節血漿タンパク質のファミリーである。IαIpは、感染、外傷、及び傷害により引き起こされる炎症に対して保護効果を促進する。IαIpの保護効果は、原因となる微生物又はトリガーから独立している。
このファミリーのメンバーは、グリコサミノグリカンと共有結合した重及び軽ポリペプチドのサブユニットで構成されている。IαIpは、インビボでは、2本の重鎖(H1及びH2)並びにビクニンと呼ばれる1本の軽鎖(L)からなる250kDaの分子であるインターアルファインヒビター(IαI)と、1本の重鎖(H3)及び1本の軽鎖(L)からなる125kDaの分子であるプレアルファインヒビター(PαI)として見出され得る。
傷害又は感染の間に誘発されるものなどの炎症シグナルが体内で生じると、IαIpは組織内に伝達され、炎症部位に直接到達する。IαIpの重鎖は、補体及び細胞外ヒストンなどの炎症カスケードの一部であるタンパク質(損傷シグナル)と結合することにより抗炎症応答を高め、それにより炎症プロセスを抑制し、一方、軽鎖のビクニンは、トリプシン、エラスターゼ、プラスミン、カテプシンG、及びフリンなどのセリンプロテアーゼの活性を阻害する。
IαIpは、インビトロ及びインビボの両方のモデルでは、傷害後の肺上皮の修復を促進することが示されており、またIαIpは、複数のインビボモデルでは、TNF-α及びIL-6などの炎症性サイトカインを下方制御することが示されている。
健康な個体では、血液中に循環しているIαIpの量は、比較的多い(
400~800mg/L)。新生児及び成人患者では、全身炎症/敗血症時には、IαIpレベルが急速に低下し(Baek YW,et al.J Pediatr.2003;143:11-15;Lim YP,et al.J Infect Dis.2003;188:919-926 and Opal SM,et al.Crit Care Med.2007;35:387-392)、低下したIαIpレベルは、疾患の進行と強い相関があることが示されている。IαIp療法は、敗血症並びに関連する臓器障害、肺炎、急性呼吸器疾患、壊死性腸炎(NEC)、創傷、熱傷、がん、脳卒中、及びアルツハイマー病の治療として記載されている。
これまで、IαIpは、段階的な抽出、その後のクロマトグラフィーによる分離を用いて調製されていた。これらの方法は、高純度(例えば、90%超の純度)を達成できる一方で、IαIpの収率が低い(例えば、20~30%(w/w))という問題がある。したがって、例えば治療用組成物の調製に使用するために、高収率及び高純度でIαIpを精製又は調製する方法が必要とされている。
本開示は、IαIp(例えば、IαI、PαI、及びビクニンのうちの1つ以上)を精製する方法を特徴とする。本方法は、精製プロセスの一工程として、対象(例えば、ヒト)から得られた生物学的材料などのIαIpを含む生物学的材料(例えば、血液又は乳)を、エンドトキシン結合剤(例えば、エンドトキシン結合剤を含むクロマトグラフィーカラムなどの固体支持体)に適用する。
本開示の第1の態様は、(a)IαIpを含む前記生物学的材料をエンドトキシン結合剤に適用し、エンドトキシン結合剤に結合しない生物学的材料を含むフロースルーを分離することと、(b)塩を含む溶出バッファーをエンドトキシン結合剤に適用し、IαIpを含む溶出液を回収することにより、生物学的材料からインターアルファインヒビタータンパク質(IαIp)を精製することを特徴とする。
複数の実施形態では、エンドトキシン結合剤は、支持体(例えば、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体)上に固定される。複数の実施形態では、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体は、樹脂であるか、又は樹脂を含む。支持体は、例えば、カラム、メンブレン、ディスク、又はチップであり得る。
他の実施形態では、エンドトキシン結合剤は、ETOXICLEAR(商標)、PIERCE(商標)高容量エンドトキシン除去樹脂、TOXINERASER(商標)エンドトキシン除去樹脂、PURKINE(商標)エンドトキシン除去樹脂、DETOXI-GEL(商標)エンドトキシン除去ゲル、及びPROMEGA(商標)エンドトキシン除去樹脂からなる群から選択される。特定の実施形態では、エンドトキシン結合剤は、DETOXI-GEL(商標)又はETOXICLEAR(商標)である。
生物学的材料は、アルファ-1アンチトリプシン、C1-インヒビター、アルブミン、グロブリン(例えば、免疫グロブリン(例えば、IgA、IgE、IgM、IgD、及びIgG(例えば、静脈内Ig(IVIg)、抗D IgG、B型肝炎IgG、麻疹IgG、狂犬病IgG、破傷風IgG、及び水痘帯状疱疹IgG))、フィブリノーゲン(第I因子)、プロトロンビン(第II因子)、トロンビン、抗トロンビンIII、第III因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、アルファ-2アンチプラスミン、ウロキナーゼ、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼインヒビター、プラスミノーゲン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、フォンビルブランド因子、H因子、プレカリクレイン、高分子キノーゲン、ヘパリンコファクターIIからなる群から選択される3つ以上のタンパク質を含有してもよい。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、3~10、3~15、3~20、3~25、3~30、10~20、10~25、10~30、15~25、15~30、20~30、又は30以上の異なるタンパク質を含む。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、約40~約65%のアルブミン(w/w)及び/又は約25~約45%のグロブリン(w/w)及び/又は約2~約12%のフィブリノーゲン(w/w)を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(a)の後、かつ工程(b)の前に、エンドトキシン結合剤に第1の洗浄バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約4.5~8.5のpH(例えば、約pH5.2)を有する。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約10~約200mMのグリシン及び/又は約20~300mMの酢酸(例えば、75mMのグリシン及び約100mMの酢酸)を含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約200mM以下のNaCl(例えば、約50~約150mMのNaCl(例えば、約50mMのNaCl又は約100mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約100~約300mMのNaCl(例えば、約200mMのNaCl)を含む。いくつかの実施形態では、第1の洗浄バッファーは、約75mMのグリシン、約100mMのAcOH、及び約200mMのNaClを含む。いくつかの実施形態では、方法は、第1の洗浄バッファーを適用した後、エンドトキシン結合剤に第2の洗浄バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH7.2)を有する。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約500mMのNaCl以下(例えば、約100~約500mMのNaCl(例えば、約300mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約200~約400mMのNaCl(例えば、約300mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、第2の洗浄バッファーは、約20mMのTris及び約300mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第2の洗浄バッファーを適用した後、エンドトキシン結合剤に第3の洗浄バッファーを適用することを更に含む。 いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH7.2)を有する。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約1,000mM以下のNaCl(例えば、約500~約1,000mMのNaCl(例えば、約500mMのNaCl又は約1,000mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、溶出バッファーは、約20mMのTris及び約500mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、溶出バッファーを適用した後に、第2の溶出バッファーをエンドトキシン結合剤に適用することを更に含み、第2の溶出バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH7.2)を有する。いくつかの実施形態では、第2の溶出バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶出バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶出バッファーは、約1,000mM以下のNaCl(例えば、約500~約1,000mMのNaCl(例えば、約500mMのNaCl又は約1,000mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、第2の溶出バッファーは、約20mMのTris及び約1,000mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(a)の前に、生物学的材料に希釈バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、脱イオン水を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、精製水を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH5.5、約pH7.2、又は約pH7.3)を有する。いくつかの実施形態では、生物学的材料は、希釈バッファーで1:1~1:10(v/v)に希釈される。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、約50mM以下のNaCl(例えば、塩なし、NaClなし、又は約50mMのNaCl)を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、約5~約100mMのリン酸塩(例えば、15mMのリン酸塩)を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(a)の前に生物学的材料のpHを調整することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、工程(a)の前に酢酸を添加することにより、生物学的材料のpHを約4.5~約8.5(例えば、約pH5.5、約pH7.2、又は約pH7.3)に調整することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、工程(a)の前に生物学的材料の導電性を調整することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、工程(a)の前に、生物学的材料の導電率を約10~約30mS/cm、約15~約25mS/cm(例えば、約20mS/cm)に調整することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、フロースルー中のIαIpの量を検出することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、フロースルーを破棄することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、溶出液中のIαIpの量を検出することを更に含む。
いくつかの実施形態では、方法は、約1~10mL/分の流速を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、クロマトグラフィー支持体(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー支持体、サイズ排除クロマトグラフィー支持体、イオン交換クロマトグラフィー支持体、アフィニティークロマトグラフィー支持体、又はそれらの組み合わせ)に生物学的材料を適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体は、前述の陰イオン交換クロマトグラフィー支持体である。
いくつかの実施形態では、方法は、(i)生物学的材料をクロマトグラフィー支持体に適用し、クロマトグラフィー支持体に結合しない生物学的材料を含む工程(i)のフロースルーを分離することと、(ii)クロマトグラフィー支持体に溶出バッファーを適用し、IαIpを含む溶出液を回収することと、を更に含む。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体は、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体である。いくつかの実施形態では、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体は、固定化陰イオン交換樹脂(例えば、ジエチルアミノエタン(DEAE)樹脂又は四級アミン(Q)樹脂)を含む。いくつかの実施形態では、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体は、四級アミン(Q)樹脂を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体は、カラム、メンブレン、ディスク、又はチップである。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(i)の後、かつ工程(ii)の前に、クロマトグラフィー支持体に第1の洗浄バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、工程(ii)の前に、方法は、第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用された第1の洗浄バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、7.2)を有する。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用された第1の洗浄バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用された第1の洗浄バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用された第1の洗浄バッファーは、約400mM以下のNaCl(例えば、約50~約250mMのNaCl(例えば、約250mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用された第1の洗浄バッファーは、約20mMのTris及び約250mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第1の洗浄バッファーを適用した後、クロマトグラフィー支持体に第2の洗浄バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第2の洗浄バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH5.2)を有する。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第2の洗浄バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、NaOH、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第2の洗浄バッファーは、約10~約200mMのグリシン及び/又は約20~約300mMの酢酸(例えば、約50mMのグリシン及び約100mMの酢酸)を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第2の洗浄バッファーは、約100~約500mMのNaCl(例えば、約175mMのNaCl)を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、第2の洗浄バッファーを適用した後、クロマトグラフィー支持体に第3の洗浄バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、第3の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第3の洗浄バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH7.2)を有する。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第3の洗浄バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、7.2)を有する。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第3のウォッシュバッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第3の洗浄バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第1の洗浄バッファーは、約400mM以下のNaCl(例えば、約50~約250mMのNaCl(例えば、約200mMのNaCl))を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第1の洗浄バッファーは、約20mMのTris及び約200mMのNaClを含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される溶出バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH7.2)を有する。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される溶出バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される溶出バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む。いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される溶出バッファーは、約1,000mM以下のNaCl(例えば、約750mMのNaCl)を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(i)の前に、生物学的材料に希釈バッファーを適用することを更に含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、脱イオン水を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、精製水を含む。ある実施形態では、希釈バッファーは、約4.5~約8.5のpH(例えば、約pH7.2)を有する。いくつかの実施形態では、生物学的材料は、希釈バッファーで1:1~1:10(v/v)に希釈される。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、約5~約100mMのTris-HCl(例えば、約20mMのTris-HCl)を含む)。いくつかの実施形態では、希釈バッファーは、約300mM以下のNaCl(例えば、塩なし、又は約200mMのNaCl)を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(i)のフロースルー中のIαIpの量を検出することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、工程(i)のフロースルーを破棄することを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、工程(ii)の溶出液中のIαIpの量を検出することを更に含む。
いくつかの実施形態では、方法は、約1~10mL/分の流速を含む。
いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に回収されたIαIpは、生物学的材料中のIαIpの純度に対して約5重量%~99重量%以上の純度を有する。
いくつかの実施形態では、工程(b)で回収された溶出液中のIαIpの収率は、生物学的材料中に存在するIαIpに対して約20%(w/w)よりも大きい(例えば、35%~約90%以上(例えば、約95%以上)。いくつかの実施形態では、生物学的材料からのIαIpの収率は、少なくとも約5μg/ml、約50μg/ml、約100μg/ml、約300μg/ml、約600μg/ml、又は約900μg/ml(例えば、約5μg/ml~約900μg/ml)である。
いくつかの実施形態では、IαIpの純度は、少なくとも約5%(w/w)(例えば、少なくとも約25%、約50%(w/w)、又は約75%(w/w)(例えば、約5%(w/w)~約75%(w/w)以上(例えば、約90%、95%、97%、99%、又は100%(w/w))である。
いくつかの実施形態では、IαIpは、インターアルファインヒビター(IαI)、プレアルファインヒビター(PαI)、及びビクニンの2つ以上を含む。
いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpは、60%~80%(w/w)のIαIp及び/若しくは20%~40%(w/w)のPαIを含み、かつ/又は工程(b)の溶出液中に存在するIαIpは、60%~80%(w/w)のIαIp及び/若しくは20%~40%(w/w)のPαIを含む。
いくつかの実施形態では、IαIpは、インターアルファインヒビター(IαI)、プレアルファインヒビター(PαI)、及びビクニンの2つ以上を含む。いくつかの実施形態では、IαIpは、インターアルファインヒビター(IαI)である。いくつかの実施形態では、IαIpは、プレアルファインヒビター(PαI)である。いくつかの実施形態では、IαIpは、インターアルファインヒビター(IαI)及びプレアルファインヒビター(PαI)である。
いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpは、60%~80%(w/w)のIαIp及び/若しくは20%~40%(w/w)のPαIを含み、かつ/又は工程(b)の溶出液中に存在するIαIpは、60%~80%(w/w)のIαIp及び/若しくは20%~40%(w/w)のPαIを含む。
いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの本質的にすべてが、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約90%~約99.5%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約80%~約90%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約70%~約80%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約60%~約70%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約50%~約60%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約40%~約50%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約30%~約40%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約20%~約30%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約10%~約20%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約1%~約10%(w/w)が、IαIである。
いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの本質的にすべてが、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約90%~約99.5%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約80%~約90%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約70%~約80%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約60%~約70%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約50%~約60%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約40%~約50%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約30%~約40%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約20%~約30%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約10%~約20%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約1%~約10%(w/w)が、PαIである。
いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの本質的にすべてが、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約90%~約99.5%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約80%~約90%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約95%~約99.5%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約94%~約98%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約93%~約97%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約91%~約96%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約90%~約95%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約89%~約94%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約88%~約93%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約87%~約92%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約86%~約91%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、生物学的材料中に存在するIαIpの約85%~約90%(w/w)が、IαI及びPαIである。
いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの本質的にすべてが、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約90%~約99.5%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約80%~約90%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約70%~約80%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約68%~約78%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約66%~約76%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約64%~約74%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約62%~約72%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約60%~約65%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約61%~約66%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約62%~約67%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約63%~約68%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約64%~約69%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約65%~約70%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約66%~約71%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約67%~約72%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約68%~約73%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約69%~約74%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約59%~約64%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約58%~約63%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約57%~約62%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約56%~約61%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約55%~約60%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約54%~約59%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約54%~約59%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約53%~約58%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約52%~約57%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約51%~約56%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約50%~約55%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約49%~約54%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約48%~約53%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約47%~約52%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約46%~約51%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約45%~約50%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約60%~約70%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約58%~約68%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約56%~約66%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約54%~約64%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約52%~約62%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約50%~約60%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約48%~約58%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約46%~約56%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約44%~約54%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約42%~約52%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約40%~約50%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約30%~約40%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約20%~約30%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約10%~約20%(w/w)が、IαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約1%~約10%(w/w)が、IαIである。
いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの本質的にすべてが、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約90%~約99.5%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約80%~約90%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約70%~約80%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約60%~約70%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約50%~約60%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約40%~約50%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約38%~約48%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約36%~約46%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約34%~約44%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約32%~約42%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約30%~約35%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約31%~約36%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約32%~約37%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約33%~約38%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約34%~約39%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約35%~約40%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約30%~約40%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約28%~約38%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約26%~約36%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約24%~約34%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約22%~約32%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約30%~約35%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約29%~約34%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約28%~約33%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約27%~約32%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約26%~約31%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約25%~約30%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約24%~約29%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約23%~約28%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約22%~約27%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約21%~約26%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約20%~約25%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約20%~約30%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約10%~約20%(w/w)が、PαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約1%~約10%(w/w)が、PαIである。
いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの本質的にすべてが、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約90%~約99.5%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約80%~約90%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約95%~約99.5%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約94%~約98%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約93%~約97%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約91%~約96%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約90%~約95%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約89%~約94%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約88%~約93%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約87%~約92%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約86%~約91%(w/w)が、IαI及びPαIである。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpの約85%~約90%(w/w)が、IαI及びPαIである。
いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpは、約60%~約70%(w/w)のIαI及び約20%~約30%(w/w)のPαIを含む。いくつかの実施形態では、工程(b)の溶出液中に存在するIαIpは、約62%~約72%(w/w)のIαI及び約28%~約30%(w/w)のPαIを含む。
いくつかの実施形態では、IαIpは、約60~約280kDaの見かけの分子量を有する。
いくつかの実施形態では、IαIpは、生物学的活性(例えば、サイトカインインヒビター活性、ケモカインインヒビター活性、又はセリンプロテアーゼインヒビター活性)を有する。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、血液製剤材料(例えば、全血漿、クリオ貧血漿、液体血漿、凍結血漿(FP)(例えば、新鮮凍結血漿(FFP)、FFP24、FP24、解凍FFP、解凍FFP24、解凍FP、解凍FP24、及びそれらの希釈又は濃縮製剤)、原料血漿、回収した血漿、溶媒/界面活性剤処理した血漿(SDP)、多血小板血漿(PRP)、血小板貧血漿(PPP)、血清、全血、及びそれらの希釈又は濃縮製剤)である。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、血液製剤材料から1つ以上のプロセス工程(例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィー、吸着、単離、凍結、解凍、希釈、濃縮、ウイルスクリアランスなど)を経て製造される血漿画分中間体である。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、血液製剤材料から1つ以上のプロセス工程(例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィー、吸着、単離、凍結、解凍、希釈、濃縮、ウイルスクリアランスなど)を経て製造される血液製剤である。 いくつかの実施形態では、生物学的材料は、乳又は初乳である。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、哺乳動物(例えば、ヒト、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ネコ、又はイヌ)由来のものである。
いくつかの実施形態では、生物学的材料は、エンドトキシン結合剤への適用前に実質的に未加工である。
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のクロマトグラフィー工程を行うことを更に含む(例えば、工程(b)で回収した溶出液を使用して、第1の態様及び/又はその実施形態の方法を1回以上繰り返す)。
いくつかの実施形態では、工程(b)でエンドトキシン結合剤に適用される溶出バッファーは、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約500mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、エンドトキシン結合剤に適用される第1の洗浄バッファーは、pH5.2を有し、かつ約75mMのグリシン、約100mMの酢酸、及び約150mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、エンドトキシン結合剤に適用される第2の洗浄バッファーは、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約300mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される溶出バッファーは、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約750mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用された第1の洗浄バッファーは、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris及び約250mMのNaClを含む。
いくつかの実施形態では、クロマトグラフィー支持体に適用される第2の洗浄バッファーは、pH5.2を有し、かつ約50mMのグリシン、約100mMの酢酸、及び約175mMのNaClを含む。
本開示の第2の態様は、第1の態様及びその実施形態の方法によって製造されたIαIpを含む組成物を特徴とする。一実施形態では、組成物は、ヒトへの投与に適している。
本開示の第3の態様は、第2の態様及びその実施形態の組成物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物を特徴とする。
本開示の第4の態様は、疾患又は状態の治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、対象に、第2の態様の組成物若しくはその実施形態の1つ、又は第3の態様の薬学的組成物を投与することによる方法を特徴とする。
本開示の第5の態様は、第2の態様の組成物若しくはその実施形態の1つ、又は第3の態様の薬学的組成物を含むキットを特徴とする。一実施形態では、キットは、治療的使用のための指示書を更に含む。
本開示の第6の態様は、(a)脱イオン水を含む希釈バッファーで血漿を希釈して、希釈した血漿を形成することと、(b)希釈した血漿をETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、ETOXICLEAR(商標)樹脂に結合しない希釈した血漿を含むフロースルーを分離することと、(c)約75mMのグリシン、約100mMのAcOH、及び約150mMのNaClを含み、pH約5.2の第1の洗浄バッファーをETOXICLEAR(商標)に適用して、第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、(d)約20mMのTris-HCl及び約300mMのNaClをpH約7.2で含む第2の洗浄バッファーをETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、(e)約20mMのTris-HCl及び約500mMのNaClを含むpH7.2の溶出バッファーをETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、IαIpを含む溶出液を回収することにより、血漿からIαIpを精製する方法を特徴とする。
本開示の第7の態様は、(a)15mMのリン酸塩をpH約5.5で含む希釈バッファーで血漿を希釈して、希釈した血漿を形成することと、(b)希釈した血漿をDETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、DETOXI-GEL(商標)樹脂に結合しない希釈した血漿を含むフロースルーを分離することと、(c)約15mMのリン酸塩及び約50mMのNaClを含み、pH約5.5の第1の洗浄バッファーをDETOXI-GEL(商標)に適用して、 第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、(d)約15mMのリン酸塩及び約100mMのNaClをpH約5.5で含む第2の洗浄バッファーをDETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、(e)約15mMのリン酸塩及び約1,000mMのNaClをpH約5.5で含む溶出バッファーをDETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、IαIpを含む溶出液を回収することにより、血漿からIαIpを精製する方法を特徴とする。
定義
本明細書で使用する場合、単数形の「a」、「an」、「the」は、特に指示しない限り、複数の参照を含む。
本明細書で使用する場合、用語「約」は、言及された値の+/-10%を意味する。
本明細書で使用する場合、「投与」とは、物質(例えば、IαIp)又は組成物の投与量を対象に与える方法を意味する。本明細書に記載の方法で利用されるIαIpは、例えば、経口、筋肉内、静脈内、皮内、経皮、動脈内、腹腔内、傷害内、脳内、関節内、前立腺内、胸膜内、気管内、鼻腔内、硝子体内、膣内、直腸内、局所、腫瘍内、腹腔内、皮下、結膜下、血管内(intravesicularlly)、粘膜内、心膜内、臍帯内、眼内、局所、局部、吸入により、注射により、注入により、持続注入により、標的細胞を直接的に浸漬する局所灌流により、カテーテルにより、洗浄により、クリーム又は液体組成物中で、投与されることができる。投与方法は、様々な要因(例えば、投与される物質又は組成物、及び治療される状態、疾患、又は障害の重症度)に応じて変化し得る。
本明細書で使用する「生物学的材料」という用語は、IαIpを含有する対象(例えば、ヒトなどの哺乳類)からの試料を意味する。生物学的材料の例は、血液製剤材料、例えば、全血漿、クリオ貧血漿、液体血漿、新鮮凍結血漿(FFP)、FFP24、凍結血漿(FP)、FP24、解凍FFP、解凍FFP24、解凍FP、解凍FP24、原料血漿、回収した血漿、溶媒/界面活性剤処理した血漿(SDP)、多血小板血漿(PRP)、血小板貧血漿(PPP)、血清、全血、及びそれらの希釈又は濃縮製剤、乳又は初乳、尿、痰、及び脳脊髄液を含む。生物学的材料の例は、1つ以上のプロセス工程(例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィー、吸着、単離、凍結、解凍、希釈、濃縮、ウイルスクリアランスなど)を経て製造される血漿画分中間体又は血液製剤を含む。生物学的材料は、ヒト、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ネコ、イヌ、又はそれらの組み合わせに由来し得る。また、生物学的材料は、IαIpを発現する細胞を用いて調製された抽出物であってもよいし、又はIαIpを分泌する細胞、例えば、IαIpを発現するように組換え修飾された細胞であってもよいし、それを含んでいてもよい。
生物学的材料は、例えば、本明細書に記載のエンドトキシン結合剤を使用する精製工程の前に、他の精製工程が材料に適用されていない程度に、又は材料を用いて行われる任意の前の精製工程が10%(w/w)未満(例えば、0.1%~10%(w/w)未満、例えば、0.1%未満、0.5%未満、1%未満、2%未満、3%未満、4%未満、5%未満、6%未満、7%未満、8%未満、若しくは9%未満(w/w))の1つ以上の物質を材料からから取り除く程度に、実質的に未加工であり得る。生物学的材料はまた、本明細書に記載のように、例えばエンドトキシン結合剤を用いた精製工程の前に、処理又は調製されたものであることができる。例えば、生物学的材料は、デカンテーション工程、清澄化工程、クロマトグラフィー工程(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー)、遠心分離及び/又は沈降工程、凍結工程、乾燥工程、蒸発工程、抽出工程、濾過工程、沈殿工程、又は当該技術分野において公知の他の精製若しくは調製方法を用いて処理することができる。プロセス工程は、生物学的材料(例えば、IαIp以外のタンパク質)から、最大で、例えば、10%(w/w)以上(例えば、10~30%(w/w)以上、例えば、15%、20%、25%、又は30%(w/w))の1つ以上の物質を除去し得る。
本明細書で使用する場合、用語「クロマトグラフィー」又は「クロマトグラフィー工程」は、混合物の分析物が異なる速度で移動する媒体に、溶液中又は懸濁液中の混合物を通すことによって、混合物中の1つ以上の分析物を分離することを指す。例えば、クロマトグラフィー工程は、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、又は色素リガンドクロマトグラフィーであり得る。より具体的には、本明細書に記載のように、例えばエンドトキシン結合剤(樹脂など)を用いてクロマトグラフィー工程を実施し、IαIpを含む生物学的材料からIαIpを分離することができる。
本開示において、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(containing)」、及び「有する(having)」などは、米国特許法においてそれらに付与された意味を有し、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」などを意味し得る。「本質的にからなる(consisting essentially of)」又は「本質的になる(consists essentially)」も同様に米国特許法において付与された意味を有し、この用語はオープンエンドであり、記載されているものの基本的又は新規な特性が記載されているもの以上のものの存在によって変化しない限り、記載されているもの以上のものの存在を許容するが、先行技術の実施形態は除外される。
本明細書で使用する場合、「溶出液」という用語は、精製工程(例えば、クロマトグラフィー工程)の間に媒体(例えば、支持体材料)から溶出する分析物材料(例えば、IαIp)を含有する画分を指す。溶出液は、媒体に溶出液を適用することにより、媒体から放出され、それにより分析物を放出することができる。より具体的には、溶出液は、溶出液(例えば、塩を含むバッファーなどの溶出バッファー)を媒体に適用した後に培体(例えば、エンドトキシン結合剤)から放出されたIαIpを含有する画分を指すことができる。
本明細書では、「エンドトキシン」という用語は、脂質及び多糖類を含む物質を指す。リポ多糖(LPS)などのエンドトキシンは、典型的には、グラム陰性菌の細胞壁の外膜で見出される。エンドトキシンの大きさは約10kDaであり得るが、最大で1,000kDaの大きな凝集体を容易に形成することができる。LPS(又はエンドトキシン)は、E. coliだけでなく、他のグラム陰性細菌でも見出すことができる(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBertani and Ruiz,EcoSal Plus doi:10.1128/ecosalplus.ESP-0001-2018,2018を参照のこと)。
本明細書で使用する「エンドトキシン結合剤」とは、リポ多糖などのエンドトキシンを結合できる、又は結合することが知られている分子を意味する。エンドトキシン結合剤は、エンドトキシンに特異的に結合するものであってもよい。エンドトキシン結合剤は、例えば、生物学的材料又はタンパク質の混合物からリポ多糖を除去するために使用されることが知られている樹脂であり得る。例示的なエンドトキシン結合剤としては、ETOXICLEAR(商標)(www.astreabioseparations.com/product/etoxiclear)、PIERCE(商標)高容量エンドトキシン除去樹脂(www.thermofisher.com/order/catalog/product/88270#/88270)、TOXINERASER(商標)エンドトキシン除去樹脂(www.genscript.com/kit/L00402-ToxinEraser_sup_TM_sup_Endotoxin_Removal_Resin.html)、PURKINE(商標)エンドトキシン除去樹脂(www.abbkine.com/product/purkine-endotoxin-removal-resin-bmr21400/)、DETOXI-GEL(商標)エンドトキシン除去ゲル(www.thermofisher.com/order/catalog/product/20339#/20339)、PROMEGA(商標)エンドトキシン除去樹脂(www.promega.com/products/nucleic-acid-extraction/plasmid-purification/endotoxin-removal-resin/?catNum=A2191)などが挙げられるが、これに限定されない。エンドトキシン結合剤は、分子、例えば、ポリミキシンB、ポリリジン又はその誘導体、又は合成模倣ペプチドであり得る。
本明細書で使用する場合、「フロースルー」という用語は、結合せずに媒体(例えば、エンドトキシン結合剤などのクロマトグラフィーに使用する媒体)を通過する物質の画分又は流体の体積を指す。媒体に適用される混合物の1つ以上の成分が媒体に完全に担持されるようにし、混合物中の他の成分からの分析物(例えば、IαIp)の初期又は追加の分離を達成するために、追加の移動相(例えば、低い(例えば、50mM未満の塩)又は無塩(例えば、塩化ナトリウム)のバッファーなどの流体)を添加することができる。
本明細書で使用する場合、用語「インターアルファインヒビタータンパク質」及び「IαIp」及びその複数形は、構造的に関連するセリンプロテアーゼインヒビターのファミリーの多成分糖タンパク質を指す。IαIpは、好中球エラスターゼ、プラスミン、トリプシン、キモトリプシン、グランザイムK、プレタンパク質コンバーターゼ、フリン、カテプシンG、及びアクロシンを含む数々のプロテアーゼの阻害に重要であることが示されている。ヒト血漿中では、IαIpは比較的高濃度(400~800mg/L)で検出される。他のインヒビター分子とは異なり、このインヒビターファミリーは、典型的には、コンドロイチン硫酸鎖によって共有結合されたポリペプチド鎖(軽鎖及び重鎖)の組み合わせを含む。IαIpの重鎖(H1、H2、及びH3)は、ヒアルロン酸(HA)結合タンパク質とも呼ばれている。ヒト血漿中で見出されるIαIpの主な形態は、2本の重鎖(H1及びH2)と1本の軽鎖(L)とを含有するインターアルファインヒビター(IαI)と、1本の重鎖(H3)と1本の軽鎖(L)とを含むプレアルファインヒビター(PαI)である。もう一つのIαIpは、血漿セリンプロテアーゼを広く阻害することが知られている軽鎖(Kunitzドメインを2つ持つビクニン(二重kunitzインヒビター)とも呼ばれる)である。もう一つのIαIpは、重鎖関連分子H4であり、これはビクニンと連動せずに血液中を循環している。更に別のIαIpとして、重鎖関連分子H5がある。血漿画分に存在するIαI及びPαIは、約60kDa~約280kDaの見かけの分子量を有する。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容される賦形剤」は、ヒトへの投与に適した1つ以上の適合する固体若しくは液体の充填剤、希釈剤、又はカプセル化物質を意味する。賦形剤には、等張性及び/又は化学的安定性を高める物質などの添加剤を含有させることができる。このような材料は、利用される量及び濃度においてレシピエントに対して無毒であり、バッファー、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、及び他の有機酸若しくはそれらの塩;トリス-ヒドロキシメチルアミンメタン(Tris)、重炭酸塩、炭酸塩、及び他の有機塩基及びその塩;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸;低分子量の(例えば、約10残基未満)ポリペプチド、例えば、ポリアルギニン、ポリリジン、ポリグルタミン酸、及びポリアスパラギン酸;タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリプロピレングリコール(PPG)、及びポリエチレングリコール(PEG);アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、リジン、若しくはアルギニン;単糖類、二糖類、及びセルロース若しくはその誘導体を含む他の炭水化物、グルコース、マンノース、スクロース、デキストリン、若しくはヘパリン、コンドロイチン硫酸、デキストラン硫酸などの硫酸化炭水化物誘導体;カルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びマンガンイオンを含む2価の金属イオンなどの多価金属イオン;エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのキレート剤;マンニトール若しくはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウム若しくはアンモニウムなどの対イオン;及び/又はポリソルベート若しくはポロクサマーなどの非イオン性界面活性剤を含むことができる。他の添加剤、例えば、安定剤、抗菌剤、不活性ガス、流体及び栄養補給剤(すなわち、リンゲルデキストロース)、電解質補給剤なども含むことができ、これらは、従来の量で存在することができる。
本明細書で使用する場合、用語「予防(prevent)」、「予防する(preventing)」、「予防的治療(prophylactic treatment)」などは、疾患、障害、又は状態を発症していないが、発症のリスクがある、又は発症しやすい対象において、障害又は状態を発症する確率を低減することを指す。
本明細書で使用する場合、用語「加工された」は、本明細書に記載の方法に従って材料をエンドトキシン結合剤に接触させる前に、1つ以上の試料調製工程(例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィーなど)を使用して修飾された生物学的材料を指す。プロセスの他の例としては、デカンテーション工程、清澄化工程、凍結工程、乾燥工程、蒸発工程、抽出工程、濾過工程、沈殿工程、又は当技術分野で知られている別の精製又は調製方法が挙げられる。プロセス工程は、生物学的材料(例えば、IαIp以外のタンパク質)から、最大で、例えば、10%(w/w)以上(例えば、10~30%(w/w)以上、例えば、15%、20%、25%、又は30%(w/w))の1つ以上の物質を除去し得る。
本明細書で使用する場合、「精製(purify)」、「精製する(purifying)」、「精製(purification)」などの用語は、タンパク質(例えば、IαIp以外のタンパク質)及び/又は非タンパク質物質(例えば、リン脂質及び核酸)を、IαIp及び他のタンパク質及び/又は物質を含有する異種混合物(例えば、生物学的材料(血液又は乳など)から除去して、元の混合物(例えば、生物学的材料)中に存在する他のタンパク質及び/又は物質を含まずIαIpを含有する組成物を製造するか、又はIαIp以外のタンパク質及び/又は物質が、例えば、出発混合物(例えば、生物学的材料)と比較して40重量%以上(例えば、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、又は99%以上)低減されている組成物を製造する、1つ以上の工程又はプロセスを指す。IαIpを含有する混合物から除去され得るタンパク質の例は、アルファ-1アンチトリプシン、C1-インヒビター、アルブミン、グロブリン(免疫グロブリンを含む、例えば、IgA、IgG(例えば、静脈内Ig(IVIg)、抗D IgG、B型肝炎IgG、麻疹IgG、狂犬病IgG、破傷風IgG、及び水痘帯状疱疹IgG)、IgM、IgD、及びIgE)、フィブリノーゲン(第I因子)、プロトロンビン(第II因子)、トロンビン、抗トロンビンIII、第III因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、アルファ-2アンチプラスミン、ウロキナーゼ、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼインヒビター、プラスミノーゲン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、フォンビルブランド因子、H因子、プレカリクレイン、高分子キノーゲン、ヘパリンコファクターIIを含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「純粋(pure)」又は「純度(purity)」という用語は、分析物が単離され、他の成分を含まない程度を意味する。タンパク質の文脈では、単離されたタンパク質の純度は、あらゆる汚染物質(例えば、1つ以上の無関係なタンパク質又は他の物質)を含まないタンパク質に関して表現することができる。例えば、IαIp組成物の純度は、単離された物質の総重量に対して、組成物のどれだけがIαIpであるかを示し、これは、例えば、純IαIpを基準として決定することができる。本開示で見出される純度のレベルは、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%以上、又は99%(w/w)以上であり得る。本開示の「純粋な」IαIp組成物は、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、又は最大70重量%より純粋であり得る。「実質的に純粋な」IαIp組成物は、汚染物質又は不純物を実質的に含まないことができ、例えば、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、又は99重量%の純度より大きい。いくつかの実施形態では、汚染物質又は不純物のレベルは、約20重量%、15重量%、12重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、又は1重量%以下である。純度は、イムノアッセイ又は他の技術(例えば、MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA、SDS/PAGE、及び/又はウェスタンブロット)を用いて特定の分析物(例えば、IαIp)のレベルを検出し、全タンパク質含有量に対する分析物の割合(w/w)を計算することによって決定することができる(例えば、総タンパク質アッセイ(例えば、ビシンコニン酸アッセイ(BCA)、ブラッドフォードアッセイ、ビウレットテスト、又は当該分野で公知の別のアッセイ)により決定する)。
本明細書で使用する場合、用語「対象」は、ヒト又は非ヒト哺乳類、例えば、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ネコ、又はイヌを含むが、これらに限定されない哺乳類を指す。対象は患者であり得る。
本明細書で使用する場合、「実質的に未加工」という用語は、元のソース材料(例えば、血液)に対して、あるとしても最小限に修正された生物学的材料を指す。例えば、実質的に未加工の生物学的材料は、元のソース材料の元の内容(例えば、同じタンパク質及び/若しくは物質、かつ/又は2つ以上のタンパク質又は物質の同じ比率)、並びに/又は元の特性(例えば、1つ以上の生物学的活性)を保持し得る。生物学的材料は、実質的に未加工であり得、その結果、その材料を用いて行われる任意の先行精製工程が、その材料から1つ以上のタンパク質又は物質の10%(w/w)未満(例えば、0.1~10%(w/w)未満、例えば0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、又は9%(w/w)未満)が除去される。実質的に未加工の生物学的材料は、特に、例えば、本明細書に記載の方法に従って生物学的材料をエンドトキシン結合剤に接触させる前に、試料調製工程(例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィーなど)を用いて修飾されていないものであってよい。
本明細書で使用する場合、「特異的に結合する」という文言は、分析物(例えば、IαIpなどのタンパク質)と結合剤(例えば、エンドトキシン結合剤)の間の結合反応を指す。特異的結合反応とは、タンパク質及び他の生体分子(例えば、生物学的材料中のIαIp以外のタンパク質)の不均一な集団の存在下でさえ、分析物と結合剤の間で起こる反応である。分析物(例えば、IαIp)と結合剤(例えば、エンドトキシン結合剤)との間の特異的結合は、約1000nM未満(例えば、1pM~1000nM)のKによって特徴付けることができる。結合剤(例えば、エンドトキシン結合剤)に特異的に結合しない分析物(例えば、IαIp)は、約1000nMより大きい(例えば、1μM、100μM、500μM、又は1mMより大きい)Kによって特徴付けることができる。
本明細書で使用する場合、用語「支持体」は、少なくとも1つの分析物(例えば、IαIp)を含有する材料(例えば、生物学的材料)と接触できる薬剤(例えば、エンドトキシン結合剤)を含有する任意の器具を意味する。支持体は、カラム、メンブレン、ディスク、チップ、又はクロマトグラフィー若しくはアフィニティー捕捉のための他の装置であってもよく、その例は、当技術分野で知られており、本明細書に記載されている。
本明細書で使用する場合、「治療する」という用語は、障害及び/又はそれに関連する1つ以上の症状を低減又は改善することを指す。排除されるわけではないが、障害又は状態を治療することは、障害又はそれに関連する症状を完全に除去することを必要としないことが理解されるであろう。
本明細書で使用する場合、用語「収率」は、出発材料(例えば、生物学的材料)中の分析物の量(w/w)と比較して、精製工程又はプロセスの後に得られる分析物(例えば、IαIp)の相対量を指す。収率は、パーセンテージとして表すことができる。本開示の文脈において、出発材料及び精製工程後に得られた分析物中の分析物(例えば、IαIp)の量は、免疫測定法又はアッセイ(例えば、抗IαIp抗体(例えば、MAb 69.26)-ヘパリンビオチンサンドイッチELISA、SDS/PAGE、及び/又はウェスタンブロット)を用いて測定することができる。本開示の方法は、元の生物学的材料中に存在する量に対して約20%(w/w)以上の精製IαIpの収率をもたらすために使用され得る。例えば、方法は、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%(w/w)以上の精製IαIpの収率をもたらすために使用できる。
クリオ貧血漿からIαIpをクロマトグラフィーで単離する際に得られた出発材料、フロースルー、洗浄画分、溶出画分を示す画像である。出発物質、フロースルー、洗浄画分、及び溶出液を、4~15%のMini-PROTEAN(登録商標)TGX ステインフリー(BioRad)SDS-PAGEゲルで分離し(図1A)、ウェスタンブロット解析のためにニトロセルロース膜に転写した(図1B)。IαIpは、IαIpに対するモノクローナル抗体(Mab 69.26)及びビオチン共役ヘパリンを用いて検出した。Q陰イオン交換樹脂を用いたクリオ貧血漿の溶出画分(図1A、レーン5の矢印)、及びエンドトキシン結合剤を用いる加工クリオ貧血漿の溶出画分(ETOXICLEAR(商標);図1A、レーン10の矢印)では、それぞれPαI及びIαIに対応するIαIpの125kDa及び250kDaのバンドがともに検出された。SDS-PAGEゲル及びウェスタンブロットのレーン1~6は、クライオ貧血漿を出発材料として用いたQ陰イオン交換クロマトグラフィーの結果に対応し、一方、レーン7~12は、Q陰イオン交換クロマトグラフィー溶出液を出発材料として用いたエンドトキシン結合剤で精製した結果に対応する。レーンは以下のとおりである:レーン1:出発材料-クリオ貧血漿;レーン2:Q陰イオン交換樹脂からのフロースルー;レーン3:洗浄画分1(pH7.2、250mMのNaCl);レーン4:洗浄画分2(pH5.2、175mMのNaCl);レーン5:Q陰イオン交換樹脂からの溶出液(pH7.2、750mMのNaCl);レーン6:Q陰イオン交換樹脂からの清澄液(1MのNaOH+2MのNaCl);レーン7:エンドトキシン結合剤からのフロースルー;レーン8:洗浄画分1(pH5.2、150mMのNaCl);レーン9:洗浄画分2(pH7.2、300mMのNaCl);レーン10:溶出画分1(pH7.2、500mMのNaCl);レーン11:溶出画分2(pH7.2、1,000mMのNaCl);レーン12:エンドトキシン結合剤からの清澄液(1MのNaOH+2MのNaCl)。 エンドトキシン結合剤(DETOXI-GEL(商標))及び15mMのリン酸バッファー(pH7.3)を用いたヒト血漿からのIαIpのクロマトグラフィー単離を示すクロマトグラムである。IαIpは、矢印で示したピークで検出された。y軸は吸光度(A280)、x軸は時間(分)を示している。 エンドトキシン結合剤(DETOXI-GEL(商標))及び15mMのリン酸バッファー(pH5.5)を用いたヒト血漿からのIαIpのクロマトグラフィー単離を示すクロマトグラムである。IαIpは、矢印で示したピークで検出された。y軸は吸光度(A280)、x軸は時間(分)を示している。 エンドトキシン結合剤(DETOXI-GEL(商標))及び20mMのTris-HClバッファー(pH7.2)を用いたヒト血漿からのIαIpのクロマトグラフィー単離を示すクロマトグラムである。IαIpは、矢印で示したピークで検出された。y軸は吸光度(A280)、x軸は時間(分)を示している。 クリオ貧血漿からIαIpをクロマトグラフィーで単離する際に得られた出発材料、フロースルー、洗浄画分、溶出画分を示す画像である。出発物質、フロースルー、洗浄画分、及び溶出液を、4~20%のTGX ステインフリー(BioRad)プレキャストSDS-PAGEゲルで分離し(図5A)、ウェスタンブロット解析のためにニトロセルロース膜に転写した(図5B)。IαIpは、IαIpに対するビオチン化モノクローナル抗体(Mab 69.26)及びHRP共役ストレプトアビジンを用いて検出した。Q陰イオン交換樹脂を用いたクリオ貧血漿の溶出画分(図5B、レーン5の矢印)、及びエンドトキシン結合剤を用いるクリオ貧血漿の溶出画分(ETOXICLEAR(商標);図5B、レーン6~7の矢印)では、それぞれPαI及びIαIに対応するIαIpの125kDa及び250kDaのバンドがともに検出された。SDS-PAGEゲル及びウェスタンブロットのレーン1~5は、クライオ貧血漿を出発材料として用いたQ陰イオン交換クロマトグラフィーの結果に対応し、一方、レーン6~7は、Q陰イオン交換クロマトグラフィー溶出液を出発材料として用いたエンドトキシン結合剤で精製した結果に対応する。レーンは以下のとおりである:レーン1:出発材料-クリオ貧血漿;レーン2:Q陰イオン交換樹脂からのフロースルー;レーン3:洗浄画分1(pH7.2、250mMのNaCl);レーン4:洗浄画分2(pH5.2、150mMのNaCl);レーン5:Q陰イオン交換樹脂からの溶出液(pH7.2、750mMのNaCl);レーン6:溶出画分1(pH7.2、400mMのNaCl);レーン7:溶出画分2(pH7.2、500mMのNaCl)。 クリオ貧血漿からIαIpをクロマトグラフィーで単離する際に得られた出発材料、フロースルー、洗浄画分、溶出画分を示す画像である。出発物質、フロースルー、洗浄画分、及び溶出液を、4~20%のTGX ステインフリー(BioRad)プレキャストSDS-PAGEゲルで分離し(図6A)、ウェスタンブロット解析のためにニトロセルロース膜に転写した(図6B)。IαIpは、IαIpに対するビオチン化モノクローナル抗体(Mab 69.26)及びHRP共役ストレプトアビジンを用いて検出した。Q陰イオン交換樹脂を用いたクリオ貧血漿の溶出画分(図6B、レーン5の矢印)、及びエンドトキシン結合剤を用いるクリオ貧血漿の溶出画分(ETOXICLEAR(商標);図6B、レーン9の矢印)では、それぞれPαI及びIαIに対応するIαIpの125kDa及び250kDaのバンドがともに検出された。SDS-PAGEゲル及びウェスタンブロットのレーン1~7は、クライオ貧血漿を出発材料として用いたQ陰イオン交換クロマトグラフィーの結果に対応し、一方、レーン8~12は、Q陰イオン交換クロマトグラフィー溶出液を出発材料として用いたエンドトキシン結合剤で精製した結果に対応する。レーンは以下のとおりである:レーン1:出発材料-クリオ貧血漿;レーン2:Q陰イオン交換樹脂からのフロースルー;レーン3:洗浄画分1(pH7.2、250mMのNaCl);レーン4:洗浄画分2(pH5.2、150mMのNaCl);レーン5:Q陰イオン交換樹脂からの溶出画分1(pH7.2、750mMのNaCl);レーン6:Q陰イオン交換樹脂からの溶出画分2(pH7.2、1,000mMのNaCl);レーン7:Q陰イオン交換樹脂からの清澄液(1MのNaOH+2MのNaCl);レーン8:エンドトキシン結合剤及び洗浄画分からのフロースルー((pH5.2、150mMのNaCl);レーン9:溶出画分1(pH7.2、500mMのNaCl);レーン10:溶出画分2(pH7.2、1,000mMのNaCl);レーン11:エンドトキシン結合剤からの清澄液(1MのNaOH+2MのNaCl);レーン12:バッファー交換及び限外濾過(Millipore Ultracell 30kDaカットオフ遠心分離膜)後の濃縮した溶出画分1。
本開示は、エンドトキシン結合剤を用いて、生物学的材料(例えば、血液)からIαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/若しくはH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はこれらの組み合わせ)を精製する方法を特徴とする。本方法は、IαIpを含有する生物学的材料(例えば、血液又はミルクなどの加工済み又は実質的に未加工の生物学的材料)を、エンドトキシン結合剤に適用することを含む。本発明者らは、エンドトキシン特異的クロマトグラフィー樹脂(ETOXICLEAR(商標)、及びDETOXI-GEL(商標))のようなエンドトキシン結合剤が、予想外にも、IαIpと結合することを見出した。驚くべきことに、エンドトキシン結合剤は、IαIpを精製するプロセスで使用すると、精製プロセス中のIαIpの損失を低減し、それによって他の方法と比較して、回収されるIαIpの収率を保持又は改善する。加えて、IαIpの精製プロセスの一部としてエンドトキシン結合剤を使用することで、回収されるIαIpの純度を維持又は向上させる。
そこで、本発明者らは、このようなエンドトキシン結合剤を用いて、例えば血液などの生物学的ソースからIαIpを精製した。更に、精製プロセスの一部としてエンドトキシン結合剤を使用する場合、最大50%以上(例えば、最大90%以上)のIαIpの収率及び純度を得ることができる。この知見は、本開示の方法を利用する際に、精製プロセスを簡略化し、同時にIαIpの収率及び純度を高めるために使用することができる。
また、本明細書に記載の方法によって得られた精製されたIαIpを用いて調製された薬学的組成物、並びに疾患若しくは状態の治療及び/又はその発症の可能性の低減を必要とする対象におけるそれを行うための方法であって、本明細書に記載の方法によって得られた精製されたIαIpを用いて調製された薬学的組成物を投与することによる方法も特徴とする。
精製方法
エンドトキシン結合剤を用いて、生物学的材料(例えば、血液)からIαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/若しくはH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はこれらの組み合わせ)を精製することができる。以下に記載される方法を用いて、生物学的材料中に存在する他の成分からIαIpを分離することができる。本方法は、約5%~約99%以上(例えば、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、95%より大きい、例えば、97%若しくは99%、又は99%より大きい)の範囲の純度を有するIαIpを調製するために使用することができる。加えて、本方法は、元の生物学的材料中に存在する量に対して約20%(w/w)以上の精製IαIpの収率をもたらすために使用され得る。例えば、方法は、約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%(w/w)以上の精製IαIpの収率をもたらすために使用できる。
生物学的材料
以下に記載される方法を用いて、生物学的材料からIαIpを精製することができる。IαIpを含有する生物学的材料は、ヒト、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ネコ、イヌ、又はそれらの組み合わせから得ることができる。生物学的材料としては、例えば、血液、乳(例えば、初乳)、尿、痰、及び脳脊髄液を挙げることができる。例えば、生物学的材料は、全血漿、クリオ貧血漿、液体血漿、新鮮凍結血漿(FFP)、FFP24、凍結血漿(FP)、FP24、解凍FFP、解凍FFP24、解凍FP、解凍FP24、原料血漿、回収した血漿、溶媒/界面活性剤処理した血漿(SDP)、多血小板血漿(PRP)、血小板貧血漿(PPP)、血清、血液(例えば、全血)、及びそれらの希釈又は濃縮製剤であり得るが、これらに限定されない。IαIpを含有する生物学的材料は、血漿画分中間体であってもよいが、これに限定されるものではない。血漿画分中間体は、全血漿、クリオ貧血漿、液体血漿、新鮮凍結血漿(FFP)、FFP24、凍結血漿(FP)、FP24、解凍FFP、解凍FFP24、解凍FP、解凍FP24、原料血漿、回収した血漿、溶媒/界面活性剤処理した血漿(SDP)、多血小板血漿(PRP)、血小板貧血漿(PPP)、血清、全血、及びそれらの希釈又は濃縮製剤から、1つ以上のプロセス工程を通して生成される(例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィー、吸着、単離、凍結、解凍、希釈、濃縮、S/D処理など)。
また、生物学的材料は、IαIpを発現する細胞を用いて調製された抽出物であってもよいし、又はIαIpを分泌する細胞、例えば、IαIpを発現するように組換え修飾された細胞であってもよいし、それを含んでいてもよい。
生物学的材料は、IαIpに加えて、血液中で見出される3種以上のタンパク質又は乳(初乳など)中で見出される3種以上のタンパク質のようなタンパク質の混合物を含有していてもよい。例えば、生物学的材料は、アルファ-1アンチトリプシン、C1-インヒビター、アルブミン、グロブリン(例えば、免疫グロブリン、例えば、IgA、IgG(例えば、静脈内Ig(IVIg)、抗D IgG、B型肝炎IgG、麻疹IgG、狂犬病IgG、破傷風IgG、及び水痘帯状疱疹IgG)、IgM、IgD、及びIgE)、フィブリノーゲン(第I因子)、プロトロンビン(第II因子)、トロンビン、抗トロンビンIII、第III因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、アルファ-2アンチプラスミン、ウロキナーゼ、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼインヒビター、プラスミノーゲン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、フォンビルブランド因子、H因子、プレカリクレイン、高分子キノーゲン、ヘパリンコファクターIIを含有してもよい。生物学的材料は、乳(例えば、初乳)であってもよく、これは、1種以上のホエイ(例えば、最大約50~80%(w/w);例えば、ベータ-ラクトグロブリン(例えば、約1~5%(w/w))、アルファ-ラクトアルブミン(例えば、約0.5~2%(w/w))、アルブミン、オバルブミン、及びグロブリン(例えば、免疫グロブリン、例えば、IgA、IgG(例えば、IVIg)、IgM、IgD、及びIgE、例えば、約0.01~1%(w/w))、カゼイン(例えば、アルファ-カゼイン及び/又はベータ-カゼイン;例えば、最大約3~35%(w/w))、ラクトフェリン(例えば、約0.01~0.2%(w/w))、ラクトース、アルファ-1アンチトリプシン、抗キモトリプシン、プラスミノーゲン、フィブリノーゲン、成長因子、及びサイトカイン)を含有してもよい。
以下に記載される方法に従って、エンドトキシン結合剤(又は陰イオン交換クロマトグラフィー支持体など、本明細書に記載の異なる支持体)に接触又は適用される生物学的材料は、実質的に未加工(例えば、元のソース材料)であるか、又は生物学的材料は、エンドトキシン結合剤に接触又は適用する前に、例えば、本明細書に記載の方法などの、1つ以上の試料調製方法又は他の既知の精製方法を用いて処理することができる。
実質的に未加工の生物学的材料は、生物学的材料がソース材料の元の特徴を維持するように、元のソース材料(例えば、血液又は本明細書に記載の別のソース)に対して、あるとしても最小限に修正された生物学的材料である。例えば、実質的に未加工の生物学的材料は、材料がエンドトキシン結合剤に接触又は適用される前に、材料から10%(w/w)未満(例えば、0.1%~10%(w/w)未満、例えば、0.1%未満、0.5%未満、1%未満、2%未満、3%未満、4%未満、5%未満、6%未満、7%未満、8%未満、若しくは9%未満(w/w))の1つ以上の物質を除去する試料調製又は精製工程に供することができる。あるいは、実質的に未加工の生物学的材料は、事前の精製工程からの溶出液又は画分であり得、この場合、事前の精製工程は、材料から10%未満の不純物を除去する。
生物学的材料はまた、エンドトキシン結合剤(又は陰イオン交換クロマトグラフィー支持体など、本明細書に記載の異なる支持体)への適用前に、本明細書に記載のものなど、1つ以上のプロセス工程に供されてもよい。例えば、生物学的材料(例えば、血液又は乳)中で見出される1つ以上のタンパク質、例えば、アルファ-1アンチトリプシン、C1-インヒビター、アルブミン、グロブリン(例えば、免疫グロブリン、例えば、IgA、IgG(例えば、静脈内Ig(IVIg)、抗D IgG、B型肝炎IgG、麻疹IgG、狂犬病IgG、破傷風IgG、及び水痘帯状疱疹IgG)、IgM、IgD、及びIgE)、フィブリノーゲン(第I因子)、プロトロンビン(第II因子)、トロンビン、抗トロンビンIII、第III因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、アルファ-2アンチプラスミン、ウロキナーゼ、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼインヒビター、プラスミノーゲン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、フォンビルブランド因子、H因子、プレカリクレイン、高分子キノーゲン、ヘパリンコファクターIIは、エンドトキシン結合剤を用いる精製工程の前に、生物学的材料から部分的に除去される(例えば、1%~70%(w/w)が除去される)、又は実質的に除去される(例えば、70%~100%(w/w)が除去される)ことができる。
本開示の方法を用いて、3~10種(又はそれ以上)の上記の血液タンパク質を含有する生物学的材料からIαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/若しくはH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はこれらの組み合わせ)を精製することができる。開示される方法を用いて、3~15、3~20、3~25、3~30、10~20、10~25、10~30、15~25、15~30、20~30、又は30以上の異なるタンパク質(例えば、血液又は乳タンパク質)を含有する生物学的材料からIαIpを分離することができる。エンドトキシン結合剤に適用される生物学的材料は、IαIpに加えて、生物学的材料中のタンパク質の総重量で約40~65%(例えば、約55%)のアルブミン、タンパク質の総重量で約25~45%(例えば、約38%)のグロブリン、タンパク質の総重量で約2~12%(例えば、約7%)のフィブリノーゲン、又はタンパク質の総重量でそれらの任意の組み合わせを含有してもよい。
エンドトキシン結合剤
本明細書に記載の方法は、エンドトキシン結合剤の使用を伴うが、これは、タンパク質の混合物中のIαIp(例えば、乳又は血液などの生物学的材料中に存在するIαIp)に結合するために使用することができる。エンドトキシン結合剤とは、リポ多糖などのエンドトキシンと結合することが知られている可能性のある分子である。エンドトキシン結合剤は、エンドトキシンに特異的に結合するものであってもよい。エンドトキシン結合剤は、例えば、支持体に組み込んだり、又は固定化したりすることができる。支持体は、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体であり得る。粒子は、例えば、樹脂であり得る。エンドトキシン結合剤は、任意の数の既知の支持体、例えば、カラム、メンブレン、ディスク、又はチップに充填又は固定化することができる。エンドトキシン結合剤は、分子、例えば、ポリミキシンB、ポリリジン又はその誘導体、又は合成模倣ペプチドであり得る。
本明細書に記載の方法で使用できるエンドトキシン結合剤の非限定的な例としては、例えば、ETOXICLEAR(商標)、PIERCE(商標)高容量エンドトキシン除去樹脂、TOXINERASER(商標)エンドトキシン除去樹脂、PURKINE(商標)エンドトキシン除去樹脂、DETOXI-GEL(商標)エンドトキシン除去ゲル、又はPromega(商標)エンドトキシン除去樹脂が挙げられる。本方法は、例えば、エンドトキシン結合剤を含有する予め充填されたカラム又はカートリッジ(例えば、約0.1mL~約100mLの容量を有するカラム、又はより大きな容量を有するカラム)を用いて実施することができる。
エンドトキシン結合剤を含有するカラムは、例えば、バッファー(例えば、脱イオン水)に懸濁したエンドトキシン結合剤のスラリーをフィルターフリットカラム(例えば、約2~約100mL、又はそれ以上のカラム)に適用し、エンドトキシン結合剤を約30分間沈降させることにより調製できる。次に、生物学的材料を適用する前に、沈降した樹脂を約3~約5カラム容量の適切なパイロジェンフリーバッファー又は水(例えば、脱イオン水)で平衡化することができる。
いくつかの例では、DETOXI-GEL(商標)エンドトキシン除去ゲルが、エンドトキシン結合剤のソースとして使用される。DETOXI-GEL(商標)は、固定化されたポリミキシンBを用いて、エンドトキシンの脂質Aドメインと結合する。別の例では、エンドトキシン結合剤としてETOXICLEAR(商標)が使用される。
精製方法で使用するための試薬
希釈バッファー
IαIp(例えば、IαI、PαI)を含有する生物学的材料は、精製工程の前、例えば、エンドトキシン結合剤などの媒体に生物学的材料を接触又は適用する前に、希釈バッファーと組み合わされてもよい。希釈バッファーは、例えば、エンドトキシン結合剤からIαIpが早期に溶出する可能性を回避又は低減するために、生物学的材料の塩(例えば、NaCl)濃度を下げるために添加することができる。生物学的材料は、希釈バッファーを用いて、例えば、1:1~1:10(v/v)(例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、又は1:10(v/v)、例えば1:3(v/v))に希釈し、次いで、媒体(例えばエンドトキシン結合剤)に接触又は適用してもよい。
希釈バッファーは、約4.5~8.5のpH範囲を有することができる(例えば、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、又は約8.5)。希釈バッファーは、脱イオン水、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、Tris-HClのうち1つ以上を含有することができる。生物学的材料をロードするために使用される希釈バッファーは、NaClなどの塩を低濃度(例えば、300mM以下の塩(例えば、NaCl、200mM、150mM、100mM、75mM、50mM、25mM、10mM、5mM、又は0mMなどの塩(例えば、NaCl)))で有することがある。例えば、IαIpを含有する生物学的材料を、20mMのTris-HClを含有するバッファーで1:3(v/v)に希釈し、次いで、希釈試料をエンドトキシン結合カラムに接触又は適用することができる。生物学的材料は、例えば、事前の精製工程(例えば、陰イオン交換支持体を用いる工程などのクロマトグラフィー工程)中に調製されたものであってもよい。希釈バッファーは水であり得る。
ローディングバッファー
IαIp(例えば、IαI、PαI)を含有する生物学的材料は、精製工程の前、例えば、エンドトキシン結合剤、陰イオン交換体などの媒体に生物学的材料を接触又は適用する前に、pH及び導電率を調整されてもよい。生物学的材料を含有するローディングバッファーは、約4.5~8.5のpH範囲を有してもよい(例えば、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、又は約8.5)。ローディングバッファーは、脱イオン水、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、Tris-HClのうち1つ以上を含有することができる。ローディングバッファーは、NaClなどの塩を低濃度(例えば、300mM以下の塩(例えば、200mM、150mM、100mM、75mM、50mM、25mM、10mM、5mM、又は0mMなどの塩(例えば、NaCl)))で有することがある。バッファーは、約20mMのTris-HCl及び200mMのNaClを含有してもよい。ローディングバッファーは、例えば、事前のプロセス工程(例えば、陰イオン交換支持体を用いる工程などのクロマトグラフィー工程、濾過工程)中に調製されたものであってもよい。ローディングバッファーは、約10mS/cm~約30mS/cm、約15mS/cm~約25mS/cm、又は約20mS/cmの導電率を有することができる。
フロースルーバッファー
フロースルーバッファーは、任意選択的に、精製工程中に生物学的材料のすべてが培体(例えば、エンドトキシン結合剤又は本明細書に記載の別の支持体)にロードされることを確実にするために使用することができる。フロースルーバッファーは、培体への適用後、生物学的材料中に存在する成分の初期分離又は追加分離を達成するために使用することもできる。フロースルーバッファーは、希釈バッファーを同じであり得る。代替的には、フロースルーバッファーは、希釈バッファーと異なっていてもよい。
例えば、フロースルーバッファーは、同じ又は異なるpH(例えば、約4.5~約8.5の範囲内のpH(例えば、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、又は約8.5))を有し、かつ生物学的材料を媒体にロードするために使用される希釈バッファーに対して、異なる構成の成分(例えば、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、NaCl、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上が約5mM~約300mM)を有し得る。フロースルーバッファーは、希釈バッファーの濃度よりも高い塩濃度(例えば、希釈バッファーの濃度よりも5~約300mM高い塩(例えば、NaCl)濃度)を有することができる(例えば、この方法は、NaClを含まない希釈バッファーなど、150mM未満のNaClの希釈バッファーの使用後に約150mMのNaClのフロースルーバッファーの使用を伴う場合がある)。フロースルーバッファーの特性は、精製工程中(例えば、カラムクロマトグラフィー工程中)に生物学的材料の成分間の初期分離を改善するように選択することができる。
洗浄バッファー
精製方法は、本明細書に記載されるように、例えば、生物学的材料をエンドトキシン結合剤に接触若しくは適用した後、又は1つ以上の他の精製工程中に生じる1つ以上の洗浄工程(例えば、1、2、3、4、又はそれ以上の洗浄工程)において使用される洗浄バッファーを含むこともできる。洗浄工程は、エンドトキシン結合剤又は他の媒体(例えば陰イオン交換体)中に存在し得るが、強く結合しない(例えば、約1mM以上のKを有するような弱い結合)成分(例えば、IαIpではない生物学的材料中に見い出されるタンパク質又は他の物質)を除去するために実施することができる。
培体(例えば、本明細書に記載のエンドトキシン結合剤又は他のタイプの支持体)に適用される洗浄バッファーは、培地のpHを変更するため、培地の塩濃度を変更するため、又は培地のpH及び塩濃度の両方を変更するために使用できる。培体に適用される第1の洗浄バッファーはpHを変化させてもよく、培体に適用される第2の洗浄バッファーは塩濃度を変化させてもよく、又はその逆もあり得る。洗浄バッファーを用いた洗浄工程は、IαIp以外のタンパク質の培体からの遊離を促進することにより、IαIpの精製を容易にすることができる。
洗浄バッファーは、成分又は他の特性(例えば、pH、導電率又は塩濃度)の点で、フロースルーバッファー、希釈バッファー、又はローディングバッファーと異なってもよい。例えば、洗浄バッファーは、フロースルー又は希釈バッファー中の塩の濃度よりも高い濃度の塩(例えば、NaCl)を含有することができる。洗浄バッファー中の塩濃度がフロースルー又は希釈バッファーと同じである場合、洗浄バッファーは、そのpH又はその成分の1つ以上が代わりに異なる場合がある。例えば、精製方法で使用するフロースルーバッファーは、20mMのTris-HCl+150mMのNaCl(pH7.2)を含有してもよく、一方、洗浄バッファーは、75mMのグリシン+100mMの酢酸+150mMのNaCl(pH 5.2)を含有してもよい。例えば、精製方法で使用するローディングバッファーは、約18mMのTris-HCl+約2mMのTris+約200mMのNaCl(約pH7.2)を含有してもよく、一方、第1の洗浄バッファーは、約18mMのTris-HCl+約2mMのTris+約250mMのNaCl(pH7,2)を含有してもよく、第2の洗浄バッファーは、約75mMのグリシン+約100mMのHAc+約150mMのNaCl+約92.5mMのNaOH(pH5.2)を含有してもよい。例えば、精製方法で使用するローディングバッファーは、約18mMのTris-HCl+約2mMのTris+約200mMのNaCl(約pH7.2)を含有してもよく、一方、第1の洗浄バッファーは、約75mMのグリシン+約100mMのHAc+約200mMのNaCl(pH5.2)を含有してもよく、第2の洗浄バッファーは、(約18mMのTris-HCl+約2mMのTris+約250mMのNaCl(pH7.2)を含有してもよい。
洗浄バッファーは、約4.5~8.5のpH範囲を有してもよい(例えば、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、又は約8.5)。洗浄バッファーは、約.5.2のpHを有し得る。洗浄バッファーは、約.7.2のpHを有し得る。洗浄バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を約5mM~約400mMで含有することができる。例えば、洗浄バッファーは、約50~約400mMの塩(例えば、NaCl)濃度を有することができる。例えば、洗浄バッファーは、約200~約300mMの塩(例えば、NaCl)濃度を有することができる。例えば、洗浄バッファーは、約250mM、約250mM、又は約300mMの塩(例えば、NaCl)濃度を有することができる。例えば、洗浄バッファーは、約200~約300mMのNaClを有してもよい。例えば、洗浄バッファーは、約200mMのNaCl、約250mMのNaCl、又は約300mMのNaClを有してもよい。洗浄バッファーはまた、精製プロセスにおいて以前に使用された他のバッファー(例えば、希釈バッファー、フロースルーバッファー、及び/又は前洗浄バッファー)とは異なるpHで調製してもよい。
精製方法で使用される洗浄バッファーは、異なる塩濃度を含有してもよく、エンドトキシン結合剤、陰イオン交換樹脂などの媒体に、低塩濃度の洗浄バッファーを用いて開始し、その後、各洗浄工程で塩濃度が増加する洗浄バッファーを用いた洗浄工程に適用することができる。
例えば、第1の洗浄工程は、低いpH(例えば、pH7.0未満、例えば、pH5.5以下(例えば、pH5.2))及び/又は塩濃度(例えば、150mM未満の塩(例えば、NaCl)濃度)を有する第1の洗浄バッファーを、エンドトキシン結合剤などの媒体に適用することを含むことがあり(例えば、第1の洗浄バッファーは、75mMのグリシン+100mMの酢酸+150mMのNaCl(pH5.2)を含有し得る)、第2の洗浄工程は、より高いpH(例えば、pH7.0を超えるpH、例えば、pH7.2)及び/又は塩濃度(例えば、150mMを超える(例えば、約300mM)塩(例えば、NaCl)濃度))を有する第2の洗浄バッファーを媒体に適用することを含むことがある(例えば、第2の洗浄バッファーは、20mMのTris-HCl+300mMのNaCl(pH7.2)を含み得る)。別の例では、第1の洗浄工程では、15mMのリン酸塩+50mMのNaCl(pH5.5)を含有する洗浄バッファーが使用され、その後の洗浄工程では、15mMのリン酸塩+100mMのNaCl(pH5.5)を含有する第2の洗浄バッファーが使用される場合がある。
溶出バッファー
また、精製方法は、媒体(例えば、エンドトキシン結合剤又は他の剤、例えば、陰イオン交換樹脂)からIαIpを含有する溶出液を回収することを含んでいてもよい。方法は、媒体(例えば、エンドトキシン結合剤、陰イオン交換樹脂)に溶出液又は溶出バッファーを接触又は適用し、溶出液を回収することを含む。
溶出バッファーは、結合したIαIpが媒体(例えば、エンドトキシン結合剤、陰イオン交換樹脂)から放出できるように、十分に高い塩(例えば、塩化ナトリウム(NaCl))濃度(例えば、約200mMより大きい塩(例えば、NaCl))(例えば、250mM、300mM、350mM、375mM、400mM、450mM、500mM、550mM、600mM、650mM、700mM、750mM、800mM、850mM、900mM、950mM、又は1000mMの塩(例えばNaCl))を用いて調製されてもよい。溶出バッファーは、先に記載したバッファー(例えば、希釈バッファー、ローディングバッファー、フロースルーバッファー、及び洗浄バッファー)と同じ成分を含有してもよいし、又は溶出バッファーは、1つ以上の異なる成分を含有してもよい(例えば、溶出バッファーは、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸、及びTris-HClの1つ以上を約5mM~約300mMで含有してもよい)。NaClの代わりに他の塩又は添加物、例えば、カルシウム、マグネシウム、EDTAを同等の濃度で使用することができる。溶出バッファーのpHはまた、以前に媒体(例えば、エンドトキシン結合剤)に接触又は適用されたバッファー(例えば、希釈及び/又は洗浄バッファー)と同じであってもよく、又は溶出バッファーのpHは、異なってもよい(例えば、溶出バッファーは、約4.5~約8.5の範囲のpHを有し得る(例えば、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、又は約8.5))。溶出バッファー中の塩(例えば、NaCl)濃度は、以前に媒体(例えば、エンドトキシン結合剤)に適用された洗浄バッファー中の塩(例えば、NaCl)濃度より高くてもよい。溶出バッファーのpHは、約7.2であり得る。
例えば、溶出バッファーは、約400mM~約1,000mMのNaClを含有してもよい。例えば、溶出バッファーは、約500mMのNaCl、約750mMのNaCl、又は約1,000mMのNaClを含有してもよい。好ましい一実施例では、IαIpは、20mMのTris-HCl+500mMのNaCl(pH7.2)を含有するバッファーをエンドトキシン結合剤に適用することによって、エンドトキシン結合剤から溶出する。エンドトキシン結合剤への溶出バッファーの適用は、1回又は複数回繰り返すことができる。エンドトキシン結合剤に適用される溶出バッファーは、同一であっても異なっていてもよい。例えば、エンドトキシン結合剤に適用される第2又は後続の溶出バッファーは、第1又は先行する溶出バッファー(例えば、500mMのNaCl)に対してより高い塩濃度(例えば、1,000mMのNaCl)を含有することができる。所望により、溶出バッファーの適用後に回収された画分は、例えば、ELISA又は当該技術分野で既知の他の技術を使用して、IαIpの存在及び濃度について別々に分析され、次いで、任意選択的にプールされ得る。あるいは、画分をプールし、IαIpの存在及び濃度について分析することもできる。
清澄化バッファー
また、精製方法は、別のラウンドの精製に使用するための媒体(例えば、エンドトキシン結合剤)を再生するために、清澄化バッファーを媒体に適用する、任意の清澄化工程を含むことができる。清澄化バッファーは、十分に高いpH(例えば、約12~約14)で調製することができる。清澄化バッファーは、約1Mのアルカリ性溶質、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)を含有することができる。任意選択的に、清澄化バッファーは、約1~約2Mの塩(例えば、NaCl)を追加的に含有することができる。好ましい一実施例では、清澄化バッファーは、1MのNaOH+2MのNaCl(pH 14)を含有する。
エンドトキシン結合剤を用いるIαIpの精製
IαIpは、IαIpを含有する生物学的材料をエンドトキシン結合剤(例えば、本明細書に記載のエンドトキシン結合剤の1つ以上)に接触又は適用することにより、生物学的材料から精製することができる。生物学的材料は、希釈せずにエンドトキシン結合剤に直接適用することができ、あるいは、生物学的材料を希釈バッファー(上記のとおり)で希釈した後にエンドトキシン結合剤に適用することができる。例えば、エンドトキシン結合剤に接触又は適用される生物学的材料(希釈あり又はなし)の容量は、例えば、約0.5~約20カラム体積(又は他の適切な体積)であってよい。
IαIpを含有する生物学的材料をエンドトキシン結合剤に適用した後、任意選択的に、フロースルーを分析し、IαIpを含有しない(又は10%(w/w)未満しか含有しない)ことを確認することができる。例えば、ELISAアッセイ(例えば、MAb 69.26などの抗IαIp抗体を使用する)又は他の既知の技術(例えば、SDS-PAGE、及び/又はウェスタンブロット、又は他の既知の技術)を実施することができる。フロースルーがIαIpを全く含有しないか、又は実質的ではない量(例えば、約30μg/mL以下、例えば、約20μg/mL、10μg/mL、5μg/mL、又は1μg/mL以下)しか含有しないことが確認された後、フロースルーは廃棄できる。生物学的材料のすべてがエンドトキシン結合剤にロードされることが確実となるように、追加のフロースルーバッファーをエンドトキシン結合剤に適用することができる(例えば、約1~約50のカラム体積の容量で)。このフロースルーは、その後、廃棄されてもよい(例えば、所望により、フロースルー中にIαIpが存在しない(又は実質的な量ではない)ことを確認した後)。
次に、エンドトキシン結合剤に弱く結合している生物学的材料中に存在する非IαIpを除去するために、1つ以上の洗浄工程(例えば、2、3、4、又はそれ以上の洗浄工程)を実行することができる。所定の洗浄工程において、約0.5~約10カラム体積の洗浄バッファー(又は他の適切な容量)を適用することができる。得られた洗浄画分は、所望により分析(例えば、ELISA又は他の既知の技術を使用)して、IαIpを含有しない(又は10%(w/w)未満しか含有しない)ことを確認することができる。実質的な量のIαIp(例えば、10%(w/w)以上)が洗浄バッファーフロースルー中に検出された場合、所望により、フロースルーを処理して、フロースルー中に存在するIαIpを回収及び精製する(例えば、エンドトキシン結合剤又は本明細書に記載の他の媒体(例えば、陰イオン交換支持体)を使用)ことができる。
洗浄工程を行った後、エンドトキシン結合剤に溶出バッファー(例えば、約0.4~約5カラム体積又は他の適切な容量)を適用することによって、IαIpを含有する溶出液を回収することができる。所望により、すべてのIαIpを溶出させるため、又は確実に溶出させるために、2つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)の溶出バッファーをエンドトキシン結合剤に適用することができる。溶出液は、例えば、ELISA又は当該技術分野で既知の他の技術を使用して、IαIpの存在について分析することができる。次いで、異なる溶出バッファーからの画分を、所望によりプールすることができる。
溶出液が回収された後、任意選択的に、清澄化バッファー(例えば、約0.5~約5カラム体積又は他の適切な容量)をエンドトキシン結合剤に適用することによってエンドトキシン結合剤を清澄化し、将来の使用のために、エンドトキシン結合剤を再生させることができる。得られた清澄化画分は、所望により、IαIpの存在について分析することができる(例えば、ELISA又は他の既知の技術を使用して)。
精製プロセスの各工程(例えば、生物学的材料の適用、洗浄工程、及び溶出工程)は、毎分約1~約10mLの流速(例えば、毎分約1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、又は10.0mLの流速)が発生するように、重力流動又は低圧(例えば、0~15psi)のいずれかを使用して実行され得る)を用いて実施することができる。いくつかの実施例では、流速は、約2mL/分である。
このプロセスは、所望により、1回以上繰り返すことができる。あるいは、IαIpは、当該技術分野で知られている技術(例えば、他の技術のうち、濃縮、透析、及び/又は凍結乾燥)を用いて、溶出液画分から更に処理することができる。あるいは、IαIpを含有する溶出画分は、後述するように、所望により、1つ以上の追加の精製工程に供されることがある。
エンドトキシン結合剤の使用後のIαIpの精製
エンドトキシン結合剤からの溶出後に回収したIαIpを含有する溶出画分は、他の公知の精製工程(例えば、後述の「追加の精製工程」に記載する工程の1つ以上)を用いて更に精製することができる。例えば、IαIpを含有する溶出液は、例えば、US2003/0190732、US2011/0190194、US2012/0053113、及びUS2014/0206844に記載されているものなど、1つ以上の精製工程に供されることができ、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。更に、IαIpを含有する溶出液は、上記のような陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて更に精製することができる。
エンドトキシン結合剤の使用前の精製工程
IαIpを含有する生物学的材料は、生物学的材料をエンドトキシン結合剤に接触又は適用する前に処理することができる。例えば、生物学的材料は、生物学的材料から、最大で、例えば、10%(w/w)以上(例えば、10~30%(w/w)以上、例えば、15%、20%、25%、又は30%(w/w))の1つ以上の物質(例えば、IαIp以外のタンパク質又は物質)を除去する試料調製又は精製工程を用いて処理されてもよい。
例えば、処理工程は、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィー、デカンテーション工程、清澄化、凍結、乾燥、蒸発、抽出、濾過、沈殿、又は当該技術分野において公知の他の精製若しくは調製方法を含んでもよい。好ましい一実施例では、方法は、IαIpを含有する生物学的材料を用いて陰イオン交換クロマトグラフィー(後述)を行い、その後、上記及び本明細書で論じたようにIαIpを更に精製するために、陰イオン交換クロマトグラフィーから調製した1つ以上のIαIpを含有する溶出液をエンドトキシン結合剤に接触又は適用することを含む。
事前の精製工程又は処理工程は、例えば、US2003/0190732、US2011/0190194、US2012/0053113、及びUS2014/0206844に記載の精製方法の1つ以上を含むことができ、これらの各々は、参照により本書に組み込まれる。
追加の精製工程
IαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/又はH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はそれらの組み合わせ)を含有する生物学的材料を、エンドトキシン結合剤を用いたIαIpの精製の前又は後(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー支持体を用いることによって)に、エンドトキシン結合剤を含有するもの以外の1つ以上のクロマトグラフィー支持体に適用することができる。クロマトグラフィー支持体は、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体であり得る。クロマトグラフィー支持体は、カラム、メンブレン、ディスク、又はチップであり得る。更に、クロマトグラフィー支持体は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー支持体、イオン交換クロマトグラフィー支持体、アフィニティークロマトグラフィー支持体、又はそれらの組み合わせであり得る。
例えば、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体は、固定化陰イオン交換樹脂を含有してもよい。固定化陰イオン交換樹脂は、例えば、ジエチルアミノエタン(DEAE)又は四級アミン(Q)(例えば、Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650M)であり得る。
IαIpを含有する生物学的材料は、クロマトグラフィー支持体(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー支持体)に直接適用することができる。あるいは、生物学的材料を上記のように希釈用バッファーで希釈した後、支持体に適用することもできる。例えば、クリオ貧血漿を、例えば、20mMのTris-HCl+200mMのNaCl(pH7.2)を含有する希釈バッファーで1:3(v/v)に希釈し、クロマトグラフィー支持体に適用することができる(例えば、約0.5~約25カラム体積又は他の適切な容量で)。
生物学的材料をクロマトグラフィー支持体に適用した後、フロースルーを分離し、任意選択的に、分析して、IαIpを含有しない(又は10%(w/w)未満しか含有しない)ことを確認することができる。例えば、ELISAアッセイ又は他の既知の技術(例えば、SDS-PAGE、及び/又はウェスタンブロット、又は他の既知の技術)を実施することができる。実質的な量のIαIp(例えば、10%(w/w)以上)がフロースルー中に検出された場合、所望により、フロースルーを処理して、フロースルー中に存在するIαIpを回収及び精製する(例えば、エンドトキシン結合剤又は本明細書に記載の他の媒体(例えば、陰イオン交換支持体)を使用)ことができる。フロースルーがIαIpを全く含有しないか、又は実質的ではない量(例えば、約30μg/mL以下、例えば、約20μg/mL、10μg/mL、5μg/mL、又は1μg/mL以下)しか含有しないことが確認された後、フロースルーは廃棄できる。
任意選択的には、生物学的材料のすべてが支持体にロードされることが確実となるように、フロースルーバッファーを調製し、クロマトグラフィー支持体に適用することができる(例えば、約1~約50のカラム体積の容量、又は他の適切な容量で)。このフロースルーは、その後、廃棄されてもよい(例えば、所望により、フロースルー中にIαIpが存在しない(又は実質的な量ではない)ことを確認した後)。
次に、クロマトグラフィー支持体に弱く結合している生物学的材料中の非IαIpを除去するために、1つ以上の洗浄工程(例えば、2、3、4、又はそれ以上)を実行することができる。洗浄バッファーは、上記のように調製されてもよい。所定の洗浄工程において、約0.4~約10カラム体積の洗浄バッファー(又は他の適切な容量)をクロマトグラフィー支持体に適用することができる。得られた洗浄画分は、所望により分析(例えば、ELISA又は他の既知の技術を使用)して、IαIpを含有しない(又は10%(w/w)未満しか含有しない)ことを確認することができる。実質的な量のIαIp(例えば、10%(w/w)以上)が洗浄バッファーフロースルー中に検出された場合、所望により、フロースルーを処理して、フロースルー中に存在するIαIpを回収及び精製する(例えば、エンドトキシン結合剤又は本明細書に記載の他の媒体(例えば、陰イオン交換支持体)を使用)ことができる。
一実施例では、第1の洗浄工程は、20mMのTris-HCl+250mMのNaCl(pH7.2)を含有するバッファーを、クロマトグラフィー支持体(例えば、Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650Mカラム)に、例えば、約5~10、例えば、約8若しくは9のカラム体積の容量で適用することにより実施され、次いで、第2の洗浄工程は、50mMのグリシン+100mMの酢酸+175mMのNaCl(pH5.2)を含有するバッファーを支持体に、例えば、約2~6、例えば、約4若しくは5のカラム量体積の容量で適用することにより実施される。
その後、クロマトグラフィー支持体に溶出液又は溶出バッファー(例えば、約0.4~約10カラム体積の容量、又は他の適切な容量)を適用し、IαIpを含有する溶出液を回収することにより、IαIpを含有する加工された材料を得ることができる。溶出バッファーは、エンドトキシン結合剤精製工程に関連して上述したのと同様の方法で調製され、クロマトグラフィー支持体に適用することができる。所望により、すべてのIαIpを溶出させるため、又は確実に溶出させるために、2つ以上(例えば、2、3、4、又はそれ以上)の溶出バッファーをクロマトグラフィー支持体に適用することができる。溶出液は、例えば、ELISA(又は当該技術分野で既知の他の技術)を使用して、IαIpの存在について分析することができる)。次いで、異なる溶出バッファーからの画分を、所望によりプールすることができる。
一実施例では、20mMのTris-HCl+750mMのNaCl(pH7.2)を含有する溶出バッファーは、例えば、約2~5カラム体積、例えば、3~4カラム体積の容量で、クロマトグラフィー支持体に適用される。次いで、IαIpを含有する溶出液は、上記のように、エンドトキシン結合剤への適用によって更に処理することができ、又は溶出液は、同じ若しくは異なるクロマトグラフィー支持体を用いてクロマトグラフィー工程を繰り返すことによって、又は1つ以上の異なる精製若しくは調製工程、例えば、濾過、遠心分離、沈降、クロマトグラフィー、デカンテーション工程、清澄化、凍結、乾燥、蒸発、抽出、濾過、沈殿、若しくは当該分野で知られている別の精製方法若しくは調製方法を用いることによって、更に加工することができる。
所望により、クロマトグラフィー支持体を清澄化バッファーで洗浄し、将来の使用のためにクロマトグラフィー支持体を再生することができる。得られた清澄化画分は、所望により、IαIpの存在について分析することができる(例えば、ELISA又は他の既知の技術を使用して)。
一実施例では、1MのNaOH+2MのNaCl(pH14)を含有する清澄化バッファーは、例えば、約1~5カラム体積、例えば、1.5~2カラム体積の容量で、クロマトグラフィー支持体に適用される。
IαIpの検出
本明細書に記載の精製方法を用いて単離されたIαIpは、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2009/154695、US2020/0057077、及びWO2020/086879に記載されるような、当技術分野で既知の1つ以上のアッセイを用いて定量化できる。
例えば、IαIp定量化アッセイは、IαIpを含有する試料をIαIp結合剤(例えば、IαIpに特異的に結合する抗体(例えば、MAb69.26(例えば、Sha et al,J Pediatr.180:135-140,2017)、MAb 69.31(例えば、Lim et al.,J Infect Dis.188(6):919-926,2003を参照されたい)、若しくはPAb R22C(例えば、WO2020/086879を参照されたい)、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、又はIαIpリガンド(例えば、ヘパリン、LPS、及び/又はヒアルロン酸(HA))に接触させることと、結合したIαIpの量を検出すること(例えば、検出薬剤を用いて)と、を含み得る。IαIp結合剤は、例えば、ビオチンで標識することができ、検出は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼで標識したストレプトアビジンを使用することができ、その後、公知の検出方法を使用して検出することができる。別の方法では、IαIp結合剤は、例えば、蛍光体で標識され、分光光度計で検出することができる。あるいは、IαIp検出剤は、標識を使用せずに直接検出することができる(例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)により)。IαIp検出剤の添加後、未結合のIαIp検出剤を除去するために、追加の洗浄工程(例えば、1回又は複数回)を行うことができる。
その後、IαIpは、当技術分野で知られている標準的な技術を使用して、結合した標識又は結合した検出剤(例えば、酵素活性若しくは蛍光)からのシグナルに基づいて測定することができる。酵素を標識として使用する場合、基質を加えてシグナル(例えば、色の変化)を生成し、分光光度計などのシグナルの検出に適した装置で読み取ることができる。シグナル(例えば、吸光度又は蛍光)は、標準曲線を確立するために、IαIpの既知の濃度を用いた標準に対してプロットすることができ、又は既知の基準濃度に対して比較することができる。確立された標準曲線又は基準濃度値に基づいて、試料中の未知濃度を算出し、決定することができる。
単離されたIαIp
本明細書に記載の精製方法(例えば、エンドトキシン結合剤を単独で、又は陰イオン交換クロマトグラフィーなどの1つ以上の追加の前又は後精製工程との組み合わせで用いた精製)は、生物学的材料からIαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/若しくはH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はその組み合わせ)を精製するのに使用できる。IαIpの純度は、(例えば、アッセイ又は免疫測定法、例えば、MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA、SDS/PAGE、及び/又はウェスタンブロットを用いて)精製後に得られたIαIpの総量を検出することと、全タンパク質アッセイ(例えば、ビシンコニン酸アッセイ(BCA)、ブラッドフォードアッセイ、ビウレット試験、又は当該分野で公知の別のアッセイ)により決定される総タンパク質含有量に対する割合(w/w)を計算することと、によって決定することができる。精製工程の後、IαIpは、少なくとも約5%(w/w)の純度、例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は99%(w/w)超を有してもよい。
単離されたIαIpは、約60kDa~約280kDaの間の見かけの分子量を有し、これは、当技術分野で知られている任意の適切な方法、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動によって決定することができる。単離されたIαIpは、生物学的活性についても試験することができ、例えば、サイトカイン阻害活性、ケモカイン阻害活性、プロテアーゼ阻害活性(例えば、セリンプロテアーゼ阻害活性)、コンドロイチン硫酸結合、グリコサミノグリカン結合活性、ヒアルロン酸結合活性、補体結合活性、ヒストン結合活性、Arg-Gly-Asp(RGD)ドメイン結合活性、凝固因子結合活性、細胞修復活性、及び細胞外マトリックスタンパク質結合活性からなる群から選択される活性について試験することもできる。IαIpはまた、トリプシン阻害特異的活性、例えば、約1000IU/mg~約2000IU/mg(例えば、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、又は2000IU/mg)のトリプシン阻害特異的活性についても試験することができる。
最終精製画分中に存在するIαIp(例えば、IαI及び/又はPαI)の割合又は濃度は、変化し得る。好ましくは、精製されたIαIp(例えば、IαI及び/又はPαI)は、最終精製画分中に生理的比率で存在する。生理的比率とは、例えば、健康なヒト若しくは動物で見い出される比率、及び/又はヒトの血漿中に自然に現れるIαIとPαIの比率であってもよい。生理的比率は、典型的には、約60%~約80%のIαIと、約20%~約40%のPαIである。
精製方法はまた、生物学的材料(例えば、血液又は乳)中に存在するIαIpに対して約20%(w/w)以上(例えば、約25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%(w/w)以上)の単離されたIαIpの収率を生じる。いくつかの実施例では、収率は、約90重量%以上又は95重量%以上であり得る。
開示された精製方法は、IαIpを含有する組成物を製造するために使用することができる。また、組成物は、元の生物学的材料(例えば、血液又は乳)中に存在したIαIpの濃度に対して、より高いIαIpの濃度を用いて調製することができる。したがって、本方法は、1mLあたり少なくとも約5μg/mL、例えば、約5μg、50μg、100μg、300μg、600μg、900μg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、又は50mg以上の量でIαIpを含有する組成物を調製するために使用可能である。組成物中に存在するIαIpは、組成物の約5~約99%(w/w)以上を占めることができる(例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、97、99%(w/w)以上より大きい)。
開示された方法を用いて調製される組成物中のIαIpの濃度を高めるために、追加の工程(例えば、凍結乾燥、真空濃縮)を実施することができる。これらの公知の方法は、例えば、本明細書に記載の方法に従って精製されたIαIpから、例えば約1~50mg/mL(例えば、1mLあたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10mg以上のIαIp)の量でIαIpを含有する組成物を製造するために使用できる。
薬学的組成物
本明細書に開示される精製方法を用いた精製(例えば、上述のようにエンドトキシン結合剤を用いる)によって得られるIαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/若しくはH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はそれらの組み合わせ)を用いて、薬学的組成物を調製することができる。IαIpは、例えば、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせることができる。IαIpを含有する薬学的組成物は、ヒトへの投与に適している。
IαIpを含有する薬学的組成物の例、は、例えば、US2007/0297982、US2015/0238578、US2019/0269765、及びWO2020/086879に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
治療の方法
本明細書に記載の方法によって調製されたIαIpは、様々な疾患、状態、又はその症状、例えば、炎症及び/若しくは低レベルのIαIpによって特徴付けられる疾患又は状態を治療又は予防するために使用することができる(例えば、薬学的組成物として調製する場合など)。治療の方法及び本開示の薬学的組成物による治療に適した対象を特定する方法は、例えば、US2007/0297982、US2015/0238578、US2019/0269765、US2020/0057077、及びWO2020/086879に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
キット
本明細書に記載の方法によって調製されたIαIpは、IαIp(例えば、IαI、PαI、重鎖(例えば、H1、H2、H3、H4、及び/若しくはH5)、軽鎖(例えば、ビクニン)、又はそれらの組み合わせ)を含有するキットの調製に使用できる。例えば、IαIpは、キットで分配するために、約0.5~約500mg/mL(例えば、約1~50mg/mL)の量でバイアルに入れることができる。例示的なキットは、例えば、US2007/0297982、US2015/0238578、US2019/0269765、及びWO2020/086879に記載されているように調製することができ、これらの文献は参照により本明細書に組み込まれる。
以下の実施例は、本発明を説明することを意図しており、限定しない。
実施例1:ETOXICLEAR(商標)を用いるクリオ貧血漿由来のIαIpの精製
クリオ貧血漿の試料を希釈し(20mMのTris-HCl+200mMのNaCl、pH7.2で1:3(v/v)希釈)、希釈したクリオ貧血漿(114.4mL)を市販の5mLのQ陰イオン交換樹脂(Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650M)に流速毎分3.5mLに適用した。フロースルーを分析のために回収した。IαIpを含有していない(又は実質的な量を含有していない)フロースルーは廃棄された。追加の血漿希釈バッファー(172.7mL:20mMのTris-HCl+200mMのNaCl、pH7.2)をカラムに適用し、出発物質がカラムを完全に通過するようにした。追加のフロースルーを分析のために回収し、IαIpを含有していない(又は実質的な量でない)ことを判断し、廃棄した。
カラムを約8CVの第1の洗浄バッファーで洗浄し(43.5mL:20mMのTris-HCl+250mMのNaCl、pH7.2)で洗浄し、得られた画分を回収した。合わせた画分を、総タンパク質(ビシンコニン酸アッセイ(BCA))、IαIp(MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)、トリプシン阻害活性について、表1に示すように分析した。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIp(純度0.1%、61.727μg、IαIpの収率0.8761%(w/w))を含有したため、廃棄した。
pH7.2での洗浄後、カラムを更により低いpHの第2の洗浄バッファー(23.7mL:50mMのGly+100mMのAcOH+175mMのNaCl、pH5.2)で洗浄(約5CV)し、得られた画分を回収し、合わせ、表1に示すように分析した。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIp(純度0.4%、72.806μg、IαIpの収率1.0339%(w/w))を含有したため、廃棄した。
pH5.2での洗浄後、結合したタンパク質を高塩溶出バッファー(16.1mL:20mMのTris-HCl+750mMのNaCl、pH7.2)で溶出した。画分を回収し、合わせ、表1に示すように分析した(例えば、総タンパク質、IαIp、トリプシン阻害活性)。回収された画分は、濃縮されたIαIp(純度56.43%、IαIpの収率98.537%(w/w))を含有した。
次に、高pH/高塩含量の洗浄バッファー(8.3mL:1MのNaOH+2MのNaCl)をカラムに適用し、得られた画分を合わせて、表1に記載されているようにIαIpについて分析した。合わせた画分は、IαIpを含有しない(又は実質的な量を含有しない)と判断され、廃棄された。
表1は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図1A~図1Bは、Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650Mカラムから回収された各工程からの合わせた画分を含有するSDS-PAGE及びウェスタンブロットをそれぞれ示す。精製の第1工程では、最初の血漿タンパク質の98.6%を除去した。
Figure 2023549538000001
次に、IαIpを含有するQ陰イオン交換カラムからの溶出液(16mL)を、dHOで希釈(1:3(v/v))して、64.0mLの容量とした。この画分を、エンドトキシン結合剤(ETOXICLEAR(商標),Astrea Bioseparations)を含有する市販の32mLのカラムに毎分3.5mLの流速で適用した。フロースルーを分析のために回収し、次いで、全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でない)ため、廃棄された。追加のバッファー容量(26.7mL:20mMのTris-HCl+150mMのNaCl、pH7.2)をカラムに適用した。フロースルー総容量(90.7mL)を分析のために回収し、次いで、IαIpを含まない(又は実質的な量でない)ことが検出されたため、廃棄した。
カラムを約1.5CVの第1の洗浄バッファーで洗浄し(47.0mL:75mMのGly+100mMのAcOH+150mMのNaCl、pH5.2)、得られた画分を回収した。画分を合わせ、総タンパク質(ビシンコニン酸アッセイ(BCA))、IαIp(69.26Mab-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)、トリプシン阻害活性について、表2に示すように分析した。次いで、合わせた洗浄画分は、全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でない)ため、廃棄された。
カラムを更に、より高いpHを有する第2の洗浄バッファーで洗浄した(47.5mL:20mMのTris-HCl+300mMのNaCl、pH7.2)で洗浄し、得られた画分を回収し、合わせた。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIp(純度0.53%、39.045μg、Q溶出液からのIαIpの収率0.5624%(w/w))を含有したため、廃棄した。
その後、結合したタンパク質は、高塩溶出バッファー(32.3mL:20mMのTris-HCl+500mMのNaCl、pH7.2)を適用することにより、カラムから溶出した。得られた画分を回収し、合わせ、表2に示すように分析した。合わせた溶出画分は、高純度のIαIp(純度99.9%以上、収率99.5%(現段階)、2工程での総収率98.0%)を含有すると判断した。
第2の溶出バッファー(28.9mL:20mMのTris-HCl+1000mMのNaCl、pH7.2)をカラムに適用し、エンドトキシン結合剤から任意の残音IαIpを除去した。この溶出液中、IαIpは追加で検出されなかった(又は実質的な量ではない)(表2参照)。
カラムは、清澄化バッファー(18.2mL:1MのNaOH+2MのNaCl)を適用することにより、カラムを清澄化した。フロースルー中、IαIpは追加で検出されなかった(又は実質的な量ではない)。
表2は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、第2の溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図1A~図1Bは、ETOXICLEAR(商標)カラムから回収された各工程からの合わせた画分のSDS-PAGE及びウェスタンブロットによる試験の結果を示す。
Figure 2023549538000002
本実施例は、エンドトキシン結合剤を用いて、IαIpを選択的に結合させることができることを実証している。この結合特性を利用して、血液などの生物学的材料(クリオ貧血漿など)からIαIpを精製することができる。
実施例2:DETOXI-GEL(商標)、pH7.3を用いるヒト血漿由来のIαIpの精製
ヒト血漿試料(新鮮凍結血漿、2.5mL)を希釈し(15mMのリン酸塩、pH 7.3で1:3(v/v)希釈)、希釈した血漿(10.0mL)をエンドトキシン結合剤(DETOXI-GEL(商標)、Pierce)を含有する市販の4mLカラムに2mL/分の流速で適用した。フロースルーを分析のために回収した。追加の希釈バッファー(50.2mL:15mMのリン酸塩、pH7.3)をカラムに適用し、出発物質がカラムを完全に通過するようにした。追加のフロースルーを分析のために回収し(表3参照)、IαIp(純度0.159%、108.281μg、IαIpの収率14.87%(w/w))を含有していると判断した。
カラムを第1の洗浄バッファー(24.6mL:15mMのリン酸塩+50mMのNaCl、pH7.3)で洗浄し、画分を回収し、合わせ、総タンパク質(BCAアッセイ)及びIαIp(MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)について分析した。合わせた洗浄画分は、IαIp(純度1.390%、179.186μg、IαIpの収率24.61%(w/w))を含有していると判断した。
50mMのNaClでの洗浄後、カラムを更に高濃度のNaClを有する第2の洗浄バッファー(16.7mL:15mMのリン酸塩+100mMのNaCl、pH7.3)で洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、分析した(表3、洗浄2を参照)。合わせた画分は、前の洗浄工程よりも多量のIαIpを含有すると判断した(純度4.969%、235.353μg、IαIpの収率32.33%(w/w))。
100mMのNaClでの第2の洗浄後、より高濃度のNaClを有する溶出バッファー(7.3mL:15mMのリン酸塩+1,000mMのNaCl、pH7.3)をエンドトキシン結合剤に適用した。得られた画分を回収し、合わせ、分析した(表3、洗浄3を参照)。合わせた画分は、前の第1又は第2の洗浄工程よりも少量のIαIpを含有すると判断した(純度2.763%、40.632μg、IαIpの収率5.58%(w/w))。
カラムを高pHのバッファー(6.7mL:1MのNaOH)で洗浄することにより更に清澄化し、得られた画分を回収し、合わせ、IαIpについて分析した(65.292μg、IαIpの収率8.97%(w/w))。
表3は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図2は、精製のクロマトグラムを提供する。
Figure 2023549538000003
第2の洗浄工程で溶出したIαIpは、収率32.33%、純度4.969%を有した(クロマトグラムについては、図2Aを参照)。更に、pH7.3では、フロースルー及びすべての洗浄画分にIαIpが検出された。DETOXI-GEL(商標)は、エンドトキシン結合剤としてポリミキシンB樹脂を採用したエンドトキシン結合剤である。この方法は最適化されていないが、次の実施例では、異なるpHで、DETOXI-GEL(商標)がIαIpに親和性を向上させて結合することを実証している。更に、本実施例及びそれに続く実施例は、DETOXI-GEL(商標)及び他の類似のエンドトキシン結合剤が、予想外にも、IαIpを選択的に結合できることを実証している。
実施例3:DETOXI-GEL(商標)、pH5.5を用いるヒト血漿由来のIαIpの精製
ヒト血漿試料(新鮮凍結血漿、2.5mL)を希釈し(15mMのリン酸塩、pH5.5で1:3(v/v)希釈)、希釈した血漿(10.0mL)を4mLのエンドトキシン結合剤カラム(DETOXI-GEL(商標)、Pierce)に2mL/分の流速で適用した。フロースルーを分析のために回収し、次いで、廃棄した。追加の希釈バッファー(63.6mL:15mMのリン酸塩、pH5.5)をカラムに適用し、出発物質がカラムを完全に通過するようにした。追加のフロースルーを分析のために回収し、全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でない)ため、廃棄された。
カラムを第1の洗浄バッファー(26.4mL:15mMのリン酸塩+50mMのNaCl、pH5.5)で洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、総タンパク質(BCAアッセイ)及びIαIp(MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)について分析した。合わせた画分は、全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でない)ため、廃棄された。
50mMのNaClでの第1の洗浄後、カラムを更に高濃度のNaClを有する第2の洗浄バッファー(25.6mL:15mMのリン酸塩+100mMのNaCl、pH5.5)で洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、分析した(表4を参照)。合わせた洗浄画分は、IαIp(純度3.691%、281.958μg、IαIpの収率38.73%(w/w))を含有していると判断した。
100mMのNaClでの第2の洗浄後、より高濃度のNaClを有する溶出バッファー(14.5mL:15mMのリン酸塩+1,000mMのNaCl、pH5.5)をエンドトキシン結合剤に適用し、得られた画分を回収し、合わせ、IαIpについて分析した。合わせた溶出画分は、表4で示されるように、大部分のIαIp(純度20.578%、566.979μg、IαIpの収率77.88%(w/w))を含有していると判断した。
カラムを高pHのバッファー(6.8mL:1MのNaOH)で洗浄することにより更に清澄化し、得られた画分を回収し、合わせ、IαIpについて分析した。合わせた画分は、表4で示されるように、IαIp(43.255μg、IαIpの収率5.94%(w/w))を含有していると判断した。
表4は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図3は、精製のクロマトグラムを提供する。
Figure 2023549538000004
IαIpの大部分は第3の洗浄工程(1,000mMのNaCl)で溶出し、IαIpの回収率は77.88%、純度は20.578%であった(クロマトグラムについては、図2Bを参照)。更に、pH5.5では、IαIpは、フロースルー中にも第1の洗浄画分にも検出されず、これは、DETOXI-GEL(商標)が、IαIpに選択的に結合することを実証している。本実施例により、エンドトキシン結合剤を用いて生物学的材料からIαIpを精製できることが確認された。
実施例4:DETOXI-GEL(商標)、pH7.2を用いるヒト血漿由来のIαIpの精製
濃縮IαIp(約40%w/w)を含有するQ陰イオン交換カラム(新鮮凍結ヒト血漿由来)からの溶出液を、4mLのエンドトキシン結合剤カラム(DETOXI-GEL(商標)、Pierce)に2mL/分の流速で適用した(30mL)。フロースルーは、IαIpについての分析(MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)のために回収され、IαIpが検出されなかったため、廃棄された。
カラムを第1の洗浄バッファー(14.6mL:20mMのTris-HCl+150mMのNaCl、pH7.2)で洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、IαIpについて分析した。合わせた画分は、出発物質からのIαIpの大部分を含有していると判断した(653.5982μg、IαIpの回収率75.3%(w/w))。
150mMのNaClでの洗浄後、カラムを更に高濃度のNaClを有する第2の洗浄バッファー(5.8mL:20mMのTris-HCl+250mMのNaCl、pH7.2)で洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、分析した(表5、洗浄1を参照)。合わせた洗浄画分は、前の洗浄工程からのIαIpをより少量含有すると判断した((44.1728μg、IαIpの回収率5.09%(w/w))。
250mMのNaClでの洗浄後、エンドトキシン結合剤を更に高濃度のNaClを含む溶出バッファー(6.8mL、20mMのTris-HCl+500mMのNaCl、pH7.2)で洗浄した。得られた画分を回収し、合わせ、IαIpについて分析した。これらの合わせた画分は、第2の洗浄工程画分よりも多くのIαIpを含有していた(143.7316μg、IαIpの回収率16.56%(w/w))。
カラムを更に、高濃度のNaClを含む別の溶出バッファー(3.7mL、20mMのTris-HCl+1,000mMのNaCl)で洗浄し、得られた画分を合わせてIαIpについて分析した。これらの合わせた画分は、第1の溶出画分よりも少ないIαIpを含有していた(42.14μg、IαIpの回収率4.86%(w/w))。
表5は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、第1の溶出、及び第2の溶出)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図4は、精製のクロマトグラムを提供する。
Figure 2023549538000005
IαIpの大部分は、Q溶出液から残りのタンパク質の大部分とともに、第1の洗浄工程で溶出した(IαIpの回収率は75.30%)。更に、もう一方の洗浄画分及び2つの溶出画分中にも、IαIpが検出された。
実施例5:ETOXICLEAR(商標)を用いるクリオ貧血漿由来のIαIpの精製
クリオ貧血漿の試料(11.5mL)を、20mMのTris-HCl、pH7.2+200mMのNaCl)で(1:4(v/v)に希釈し、希釈したクリオ貧血漿を、市販の5mLのQ陰イオン交換樹脂(Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650M)に流速毎分5mLで適用した(120cm/時間)。フロースルーを分析のために回収した。IαIpを含有していない(又は実質的な量を含有していない)フロースルーは廃棄された。追加の血漿希釈バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+200mMのNaCl)をカラムに適用し、出発物質がカラムを完全に通過するようにした。追加のフロースルーを分析のために回収し、IαIpを含有していない(又は実質的な量でない)ことを判断し、廃棄した。
カラムを第1の洗浄バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+250mMのNaCl)で洗浄し、得られた画分を回収した。合わせた画分を、総タンパク質(ビシンコニン酸アッセイ(BCA))、IαIp(MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)、トリプシン阻害活性について、表6に示すように分析した。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIpを含有しており、廃棄された。
pH7.2での洗浄後、更により低いpHの第2の洗浄バッファー(50mMのGly 100mMのAcOH 150mMのNaCl pH5.2)でカラムを洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、表6に示すように分析した。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIpを含有しており、廃棄された。
pH5.2での洗浄後、結合したタンパク質を高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+750mMのNaCl)で溶出した。画分を回収し、合わせ、表6に示すように分析した(例えば、総タンパク質、IαIp、トリプシン阻害活性)。回収された画分は、濃縮されたIαIpを含有した。
次に、高pH/高塩含量(1MのNaOH+2MのNaCl)を伴う清澄化バッファーをカラムに適用し、得られた画分を合わせて、表6に記載されているようにIαIpについて分析した。合わせた画分は、IαIpを含有しない(又は実質的な量を含有しない)と判断され、廃棄された。
表6は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図5A~図5Bは、Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650Mカラムから回収された各工程からの合わせた画分を含有するSDS-Pageゲル及びウェスタンブロットをそれぞれ示す。
Figure 2023549538000006
次に、IαIpを含有するQ陰イオン交換カラムからの溶出液を、dHOで希釈(1:5(v/v))した。この画分を、エンドトキシン結合剤(ETOXICLEAR(商標),Astrea Bioseparations)を含有する市販の8mLのカラムに毎分3.5mLの流速で適用した(120cm/時間)。フロースルーを分析のために回収し、次いで、全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でない)ため、廃棄された。フロースルーバッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+200mMのNaCl)をカラムに適用した。フロースルーを分析のために回収し、次いで、廃棄された(全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でなかった))。
カラムを第1の洗浄バッファー(50mMのGly 100mMのAcOH+200mMのNaCl pH 5.2)で洗浄し、得られた画分を回収した。画分を合わせ、総タンパク質(ビシンコニン酸アッセイ(BCA))、IαIp(69.26Mab-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)、トリプシン阻害活性について、表7に示すように分析した。次いで、合わせた洗浄画分は、廃棄された(全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でなかった))。
カラムを更に、より高いpH(20mMのTris-HCl pH7.2+300mMのNaCl)を有する第2の洗浄バッファーで洗浄し、得られた画分を回収し、合わせた。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIpを含有しており、廃棄された。
その後、結合したタンパク質は、第1の高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+400mMのNaCl)を適用することによりカラムから溶出された。その後、結合したタンパク質は、第2の高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+500mMのNaCl)を適用することによりカラムから溶出された。その後、結合したタンパク質は、第3の高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+1000mMのNaCl)を適用することにより溶出された。得られた画分を回収し、合わせ、表7に示すように分析した。
清澄化バッファー(1MのNaOH+2MのNaCl)を適用することにより、カラムを清澄化した。フロースルー中、IαIpは追加で検出されなかった(又は実質的な量ではなかった)。
表7は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、第2の溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図5A~5Bは、ETOXICLEAR(商標)カラムから回収された各工程からの合わせた画分のSDS-PAGE及びウェスタンブロットによる試験の結果を示す。
Figure 2023549538000007
実施例6:ETOXICLEAR(商標)を用いるクリオ貧血漿由来のIαIpの精製
クリオ貧血漿の試料(50mL)を、20mMのTris-HCl、pH7.2+200mMのNaCl)で(1:4(v/v)に希釈し、希釈したクリオ貧血漿を、市販の100mLのQ陰イオン交換樹脂(Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650M)に流速毎分12mLで適用した(120cm/時間)。フロースルーを分析のために回収した。IαIpを含有していない(又は実質的な量を含有していない)フロースルーは廃棄された。追加の血漿希釈バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+200mMのNaCl)をカラムに適用し、出発物質がカラムを完全に通過するようにした。追加のフロースルーを分析のために回収し、IαIpを含有していない(又は実質的な量でない)ことを判断し、廃棄した。
カラムを第1の洗浄バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+250mMのNaCl)で洗浄し、得られた画分を回収した。合わせた画分を、総タンパク質(ビシンコニン酸アッセイ(BCA))、IαIp(MAb 69.26-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)、トリプシン阻害活性について、表8に示すように分析した。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIpを含有しており、廃棄された。
pH7.2での洗浄後、更により低いpHの第2の洗浄バッファー(50mMのGly 100mMのAcOH 150mMのNaCl pH5.2)でカラムを洗浄し、得られた画分を回収し、合わせ、表8に示すように分析した。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIpを含有しており、廃棄された。
pH5.2での洗浄後、結合したタンパク質を高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+750mMのNaCl)で溶出した。画分を回収し、合わせ、表8に示すように分析した(例えば、総タンパク質、IαIp、トリプシン阻害活性)。回収された画分は、濃縮されたIαIpを含有した。
次に、高pH/高塩含量(1MのNaOH+2MのNaCl)を伴う清澄化バッファーをカラムに適用し、得られた画分を合わせて、表8に記載されているようにIαIpについて分析した。合わせた画分は、IαIpを含有しない(又は実質的な量を含有しない)と判断され、廃棄された。
表8は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図6A~図6Bは、Tosoh TOYOPEARL(登録商標)GigaCap Q650Mカラムから回収された各工程からの合わせた画分を含有するSDS-Pageゲル及びウェスタンブロットをそれぞれ示す。
Figure 2023549538000008
次に、IαIpを含有するQ陰イオン交換カラムからの溶出液を、dHOで希釈(1:5(v/v))し、125mLとした。この画分を、エンドトキシン結合剤(ETOXICLEAR(商標),Astrea Bioseparations)を含有する市販の74mLのカラムに毎分3.5mLの流速で適用した(120cm/時間)。フロースルーを分析のために回収し、次いで、全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でない)ため、廃棄された。フロースルーバッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+200mMのNaCl)をカラムに適用した。フロースルーを分析のために回収し、次いで、廃棄された(全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でなかった))。
カラムを第1の洗浄バッファー(50mMのGly 100mMのAcOH+200mMのNaCl pH 5.2)で洗浄し、得られた画分を回収した。画分を合わせ、総タンパク質(ビシンコニン酸アッセイ(BCA))、IαIp(69.26Mab-ヘパリン-ビオチンサンドイッチELISA)、トリプシン阻害活性について、表9に示すように分析した。次いで、合わせた洗浄画分は、廃棄された(全くIαIpが検出されなかった(又は実質的な量でなかった))。
カラムを更に、より高いpH(20mMのTris-HCl pH7.2+300mMのNaCl)を有する第2の洗浄バッファーで洗浄し、得られた画分を回収し、合わせた。合わせた洗浄画分は、少量の不純物IαIpを含有しており、廃棄された。
その後、結合したタンパク質は、第1の高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+500mMのNaCl)を適用することによりカラムから溶出された。その後、結合したタンパク質は、第2の高塩溶出バッファー(20mMのTris-HCl pH7.2+1000mMのNaCl)を適用することによりカラムから溶出された。得られた画分を回収し、合わせ、表9に示すように分析した。
清澄化バッファー(1MのNaOH+2MのNaCl)を適用することにより、カラムを清澄化した。フロースルー中、IαIpは追加で検出されなかった(又は実質的な量ではなかった)。
表9は、各工程(例えば、フロースルー、第1の洗浄、第2の洗浄、溶出、第2の溶出、及び清澄化)で観察されたタンパク質の合わせた画分及び量の要約を提供する。更に、図6A~図6Bは、ETOXICLEAR(商標)カラムから回収された各工程からの合わせた画分のSDS-PAGE及びウェスタンブロットによる試験の結果を示す。
Figure 2023549538000009
実施例7:同時に精製された不純物の分析:第II因子(プロトロンビン)
実施例5~6でIαIpと同時に精製された第II因子(プロトロンビン)をELISAで分析した(表10)。サンドイッチELISAは、96ウェルプレート(NUNC Immuno MAXISORP F96)中で、ペルオキシダーゼ標識検出抗体を用いるペアの市販ポリクローナル抗体を用いて実施し、450nmの相対吸光度シグナルで反応を検出した。ELISAプレートを、ポリクローナルヒツジ抗ヒトプロトロンビン(コートバッファー中、1:1000)で一晩コートし、洗浄バッファーで3回洗浄し、洗浄バッファー(ブロックバッファー)中で0.1%のMilch、2mmol/Lのベンザミジンでブロッキングし、洗浄バッファーで洗浄した。試験材料及び標準検量線試料(いずれもブロックバッファーを用いて選択した希釈範囲である)を、ELISAコートプレート上で1時間、室温でインキュベートした。標準検量線は、典型的には、市販の基準血漿調製物(CRYOcheck、PrecisionBioLogic)を用いて5点検量線を作成し、FII活性が認証された二次国際標準ISTH/SSCに対して定期的にチェックした。
インキュベートしたELISAプレートを3回洗浄し、ヒツジ抗ヒトプロトロンビンペルオキシダーゼ(HRP)標識の検出抗体とともに室温で1時間インキュベートした。洗浄バッファーで3回洗浄し、TMB試薬(3,3’,5,5’テトラメチルベンジジン二塩酸塩)によりHRP発色反応を起こし、450nmでの発色検出シグナルによりプロトロンビンレベルを測定した。
Figure 2023549538000010
他の実施形態
上記明細書に記載されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、個々の各刊行物、特許、又は特許出願が、その全体が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。記載された本発明の方法、薬学的組成物、及びキットの種々の修飾及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明は、具体的な実施形態と組み合わせて記載されてきたが、更なる変形が可能であること、及び特許請求の範囲の発明が、かかる具体的な実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、当業者にとって自明な本発明を実施するために記載された態様の種々の修飾は、本発明の範囲内であることが意図される。本出願は、一般的に、本発明の原理に従った本発明の任意の変形、使用、又は適応を包含し、本開示からのこのような逸脱は、本発明が属する技術分野における既知の慣行内にあり、本明細書で前に示した本質的特徴に適用できるものを含むことを意図している。

Claims (149)

  1. 生物学的材料からインターアルファインヒビタータンパク質(IαIp)を精製する方法であって、
    (a)前記IαIpを含む前記生物学的材料をエンドトキシン結合剤に適用し、前記エンドトキシン結合剤に結合しない前記生物学的材料を含むフロースルーを分離することと、
    (b)塩を含む溶出バッファーを前記エンドトキシン結合剤に適用し、前記IαIpを含む溶出液を回収することと、を含む、方法。
  2. 前記エンドトキシン結合剤が、支持体に固定されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記支持体が、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体が、樹脂であるか、又は樹脂を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記支持体が、カラム、メンブレン、ディスク、又はチップを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記エンドトキシン結合剤が、ETOXICLEAR(商標)、PIERCE(商標)高容量エンドトキシン除去樹脂、TOXINERASER(商標)エンドトキシン除去樹脂、PURKINE(商標)エンドトキシン除去樹脂、DETOXI-GEL(商標)エンドトキシン除去ゲル、及びPROMEGA(商標)エンドトキシン除去樹脂からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記エンドトキシン結合剤が、DETOXI-GEL(商標)又はETOXICLEAR(商標)である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記生物学的材料が、アルファ-1アンチトリプシン、C1インヒビター、アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲン(第I因子)、プロトロンビン(第II因子)、トロンビン、アンチトロンビンIII、第III因子、第V因子、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子、第XI因子、第XII因子、第XIII因子、フィブロネクチン、アルファ-2アンチプラスミン、ウロキナーゼ、プロテインC、プロテインS、プロテインZ、プロテインZ関連プロテアーゼインヒビター、プラスミノーゲン、組織プラスミノーゲンアクチベーター、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、フォンビルブランド因子、H因子、プレカリクレイン、高分子キノーゲン、及びヘパリンコファクターIIからなる群から選択される3つ以上のタンパク質を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記グロブリンが、免疫グロブリン(Ig)である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記免疫グロブリンが、IgA、IgE、IgM、IgD、及びIgGからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記IgGが、静脈内Ig(IVIg)、抗D IgG、B型肝炎IgG、麻疹IgG、狂犬病IgG、破傷風IgG、及び水痘帯状疱疹IgGからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記生物学的材料が、3~10、3~15、3~20、3~25、3~30、10~20、10~25、10~30、15~25、15~30、20~30、又は30以上の異なるタンパク質を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記生物学的材料が、約40~約65%(w/w)のアルブミンを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記生物学的材料が、約25~約45%(w/w)のグロブリンを含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記生物学的材料が、約2~約12%(w/w)のフィブリノーゲンを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 工程(a)の後、かつ工程(b)の前に、前記エンドトキシン結合剤に第1の洗浄バッファーを適用することを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第1の洗浄バッファーが、約4.5~8.5のpHを有する、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 前記第1の洗浄バッファーが、約5.2のpHを有する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記第1の洗浄バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第1の洗浄バッファーが、約10~約200mMのグリシン及び/又は約20~約300mMの酢酸を含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記第1の洗浄バッファーが、約75mMのグリシン及び約100mMの酢酸を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第1の洗浄バッファーが、約200mM以下のNaClを含む、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記第1の洗浄バッファーが、約50~約150mMのNaClを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記第1の洗浄バッファーが、約50mMのNaCl又は約100mMのNaClを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記第1の洗浄バッファーを適用した後、前記エンドトキシン結合剤に第2の洗浄バッファーを適用することを更に含む、請求項16~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記第2の洗浄バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項26又は27に記載の方法。
  29. 前記第2の洗浄バッファーが、約7.2のpHを有する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第2の洗浄バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記第2の洗浄バッファーが、約5~約100mMのTris-HClを含む、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記第2の洗浄バッファーが、約20mMのTris-HClを含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記第2の洗浄バッファーが、約500mM以下のNaClを含む、請求項26~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記第2の洗浄バッファーが、約100~約500mMのNaClを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第2の洗浄バッファーが、約300mMのNaClを含む、請求項34に記載の方法。
  36. 前記溶出バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記溶出バッファーが、約7.2のpHを有する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記溶出バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記溶出バッファーが、約5~100mMのTris-HClを含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記溶出バッファーが、約20mMのTris-HClを含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記溶出バッファーが、約1,000mM以下のNaClを含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記溶出バッファーが、約500~約1000mMのNaClを含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記溶出バッファーが、約500mMのNaCl又は約1,000mMのNaClを含む、請求項41又は42に記載の方法。
  44. 工程(a)の前に、前記生物学的材料に希釈バッファーを適用することを更に含む、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記希釈バッファーが、脱イオン水を含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記希釈バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項44又は45に記載の方法。
  47. 前記希釈バッファーが、約5.5、約7.2、又は7.3のpHを有する、請求項46に記載の方法。
  48. 前記生物学的材料が、前記希釈バッファーで1:1~1:10(v/v)に希釈される、請求項44~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記希釈バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項44~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記希釈バッファーが、約5~約100mMのTris-HClを含む、請求項44~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記希釈バッファーが、約20mMのTris-HClを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記希釈バッファーが、約50mM以下のNaClを含む、請求項44~51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記希釈バッファーが、塩を含まないか、又は約50mMのNaClを含む、請求項52に記載の方法。
  54. 前記希釈バッファーが、約5~約100mMのリン酸塩を含む、請求項44~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記希釈バッファーが、約15mMのリン酸塩を含む、請求項54に記載の方法。
  56. 前記フロースルー中の前記IαIpの量を検出することを更に含む、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記フロースルーを破棄することを含む、請求項56に記載の方法。
  58. 前記溶出液中のIαIpの量を検出することを更に含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 約1~10mL/分の流速を含む、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 工程(a)の前に、前記生物学的材料をクロマトグラフィー支持体に適用することを含む、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記クロマトグラフィー支持体が、陰イオン交換クロマトグラフィー支持体、サイズ排除クロマトグラフィー支持体、イオン交換クロマトグラフィー支持体、アフィニティークロマトグラフィー支持体、又はそれらの組み合わせを含む、請求項60に記載の方法。
  62. 前記クロマトグラフィー支持体が、前記陰イオン交換クロマトグラフィー支持体である、請求項61に記載の方法。
  63. (i)前記生物学的材料を前記クロマトグラフィー支持体に適用し、前記クロマトグラフィー支持体に結合しない前記生物学的材料を含む工程(i)のフロースルーを分離することと、
    (ii)塩を含む溶出バッファーを前記クロマトグラフィー支持体に適用し、前記IαIpを含む第1の溶出液を回収することと、を更に含む、請求項60~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記クロマトグラフィー支持体が、モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体である、請求項63に記載の方法。
  65. 前記モノリシック支持体又は粒子ベースの支持体が、固定された陰イオン交換樹脂を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記固定された陰イオン交換樹脂が、ジエチルアミノエタン(DEAE)樹脂又は四級アミン(Q)樹脂である、請求項65に記載の方法。
  67. 前記クロマトグラフィー支持体が、カラム、メンブレン、ディスク、又はチップを含む、請求項60~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 工程(i)の後、かつ工程(ii)の前に、前記クロマトグラフィー支持体に第1の洗浄バッファーを適用することを更に含む、請求項60~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 工程(ii)の前に、前記第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む、請求項68に記載の方法。
  70. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項68又は69に記載の方法。
  71. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約7.2のpHを有する、請求項70に記載の方法。
  72. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項68~71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約5~約100mMのTris-HClを含む、請求項68~72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約20mMのTris-HClを含む、請求項73に記載の方法。
  75. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約400mM以下のNaClを含む、請求項68~74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約50~約250mMのNaClを含む、請求項75に記載の方法。
  77. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第1の洗浄バッファーが、約250mMの NaClを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 前記第1の洗浄バッファーを適用した後、前記クロマトグラフィー支持体に第2の洗浄バッファーを適用することを更に含む、請求項68~77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することを更に含む、請求項78に記載の方法。
  80. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項78又は79に記載の方法。
  81. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、約5.2のpHを有する、請求項80に記載の方法。
  82. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項78~81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、約10~約200mMのグリシン及び/又は約20~約300mMの酢酸を含む、請求項78~82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、約50mMのグリシン及び約100mMの酢酸を含む、請求項83に記載の方法。
  85. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、約100~約500mMのNaClを含む、請求項78~84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記第2の洗浄バッファーが、約175mMのNaClを含む、請求項85に記載の方法。
  87. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項63~86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、約7.2のpHを有する、請求項87に記載の方法。
  89. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項63~88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、約5~約100mMのTris-HClを含む、請求項63~89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、約20mMのTris-HClを含む、請求項90に記載の方法。
  92. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、約1000mM以下のNaClを含む、請求項63~91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記クロマトグラフィー支持体に適用された前記溶出バッファーが、約750mMのNaClを含む、請求項92に記載の方法。
  94. 工程(i)の前に、前記生物学的材料に希釈バッファーを適用することを更に含む、請求項63~93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記希釈バッファーが、脱イオン水を含む、請求項94に記載の方法。
  96. 前記希釈バッファーが、約4.5~約8.5のpHを有する、請求項94又は95に記載の方法。
  97. 前記希釈バッファーが、約7.2のpHを有する、請求項96に記載の方法。
  98. 前記生物学的材料が、前記希釈バッファーで1:1~1:10(v/v)に希釈される、請求項94~97のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記希釈バッファーが、グリシン、酢酸、クエン酸、リン酸塩、塩化ナトリウム(NaCl)、カルシウム、マグネシウム、EDTA、及びTris-HClのうちの1つ以上を含む、請求項94~98のいずれか一項に記載の方法。
  100. 前記希釈バッファーが、約5~約100mMのTris-HClを含む、請求項94~99のいずれか一項に記載の方法。
  101. 前記希釈バッファーが、約20mMのTris-HClを含む、請求項100に記載の方法。
  102. 前記希釈バッファーが、約300mM以下のNaClを含む、請求項94~101のいずれか一項に記載の方法。
  103. 前記希釈バッファーが、塩を含まないか、又は約200mMのNaClを含む、請求項102に記載の方法。
  104. 工程(i)の前記フロースルー中のIαIpの量を検出することを更に含む、請求項63~103のいずれか一項に記載の方法。
  105. 工程(i)の前記フロースルーを破棄することを含む、請求項104に記載の方法。
  106. 工程(ii)の前記溶出液中のIαIpの量を検出することを更に含む、請求項63~105のいずれか一項に記載の方法。
  107. 約1~10mL/分の流速を含む、請求項63~106のいずれか一項に記載の方法。
  108. 工程(b)の前記溶出液中に回収された前記IαIpが、前記生物学的材料中の前記IαIpの純度に対して約5重量%~99重量%以上の純度を有する、請求項1~107のいずれか一項に記載の方法。
  109. 工程(b)で回収された前記溶出液中のIαIpの収率が、前記生物学的材料中に存在する前記IαIpに対して約20%(w/w)よりも大きい、請求項1~108のいずれか一項に記載の方法。
  110. 前記収率が、前記生物学的材料中に存在する前記IαIpに対して約35%~約90%(w/w)以上である、請求項109に記載の方法。
  111. 前記IαIpの収率が、前記生物学的材料中に存在する前記IαIpに対して約95%(w/w)以上である、請求項110に記載の方法。
  112. 前記生物学的材料からの前記IαIpの収率が、少なくとも約5μg/mlである、請求項109~111のいずれか一項に記載の方法。
  113. 前記生物学的材料からの前記IαIpの収率が、少なくとも約50μg/mlである、請求項112に記載の方法。
  114. 前記生物学的材料からの前記IαIpの収率が、少なくとも約100μg/mlである、請求項113に記載の方法。
  115. 前記生物学的材料からの前記IαIpの収率が、少なくとも約300μg/mlである、請求項114に記載の方法。
  116. 前記生物学的材料からの前記IαIpの収率が、少なくとも約600μg/mlである、請求項115に記載の方法。
  117. 前記生物学的材料からの前記IαIpの収率が、少なくとも約900μg/mlである、請求項116に記載の方法。
  118. 前記IαIpの前記純度が、少なくとも約5%(w/w)である、請求項108~117のいずれか一項に記載の方法。
  119. 前記IαIpの前記純度が、少なくとも約25%(w/w)である、請求項118に記載の方法。
  120. 前記IαIpの前記純度が、少なくとも約50%(w/w)である、請求項119に記載の方法。
  121. 前記IαIpの前記純度が、少なくとも約75%(w/w)である、請求項120に記載の方法。
  122. 前記IαIpが、インターアルファインヒビター(IαI)、プレアルファインヒビター(PαI)、及びビクニンのうちの2つ以上を含む、請求項1~121のいずれか一項に記載の方法。
  123. 前記生物学的材料中に存在する前記IαIpが、60%~80%(w/w)のIαIp及び/若しくは20%~40%(w/w)のPαIを含み、かつ/又は工程(b)の前記溶出液中に存在する前記IαIpが、60%~80%(w/w)のIαIp及び/若しくは20%~40%(w/w)のPαIを含む、請求項1~122のいずれか一項に記載の方法。
  124. 前記IαIpが、約60~約280kDaの見かけの分子量を有する、請求項1~123のいずれか一項に記載の方法。
  125. 前記IαIpが、生物学的活性を有する、請求項1~124のいずれか一項に記載の方法。
  126. 前記生物学的活性が、サイトカイン阻害活性、ケモカイン阻害活性、又はセリンプロテアーゼ阻害活性を含む、請求項125に記載の方法。
  127. 前記生物学的材料が、血液製剤材料である、請求項1~126のいずれか一項に記載の方法。
  128. 前記血液製剤材料が、全血漿、クリオ貧血漿、液体血漿、凍結血漿(FP)、原料血漿、回収した血漿、溶媒/界面活性剤処理した血漿(SDP)、多血小板血漿(PRP)、血小板貧血漿(PPP)、血清、全血、及びそれらの希釈又は濃縮製剤からなる群から選択される、請求項127に記載の方法。
  129. 前記FPが、新鮮凍結血漿(FFP)、FFP24、FP24、解凍FFP、解凍FFP24、解凍FP、解凍FP24、及びそれらの希釈又は濃縮製剤からなる群から選択される、請求項128に記載の方法。
  130. 前記生物学的材料が、乳又は初乳である、請求項1~126のいずれか一項に記載の方法。
  131. 前記生物学的材料が、哺乳類由来である、請求項1~130のいずれか一項に記載の方法。
  132. 前記哺乳類が、ヒト、霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ネコ、又はイヌである、請求項131に記載の方法。
  133. 前記生物学的材料が、前記エンドトキシン結合剤への適用前に実質的に未加工である、請求項1~59のいずれか一項に記載の方法。
  134. 工程(b)で回収された前記溶出液を使用して1つ以上のクロマトグラフィー工程を実施することを更に含む、請求項1~133のいずれか一項に記載の方法。
  135. 前記1つ以上の追加のクロマトグラフィー工程が、請求項1~134のいずれか一項に記載の方法を繰り返すことを含む、請求項134に記載の方法。
  136. 工程(b)で前記エンドトキシン結合剤に適用される前記溶出バッファーが、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約500mMのNaClを含む、請求項1~135のいずれか一項に記載の方法。
  137. 前記エンドトキシン結合剤に適用される前記第1の洗浄バッファーが、pH5.2を有し、かつ約75mMのグリシン、約100mMの酢酸、及び約150mMのNaClを含む、請求項16~35のいずれか一項に記載の方法。
  138. 前記エンドトキシン結合剤に適用される前記第2の洗浄バッファーが、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約300mMのNaClを含む、請求項26~35のいずれか一項に記載の方法。
  139. 前記クロマトグラフィー支持体に適用される前記溶出バッファーが、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約750mMのNaClを含む、請求項63~107のいずれか一項に記載の方法。
  140. 前記クロマトグラフィー支持体に適用される前記第1の洗浄バッファーが、pH7.2を有し、かつ約20mMのTris-HCl及び約250mMのNaClを含む、請求項68~86のいずれか一項に記載の方法。
  141. 前記クロマトグラフィー支持体に適用される前記第2の洗浄バッファーが、pH5.2を有し、かつ約50mMのグリシン、約100mMの酢酸、及び約175mMのNaClを含む、請求項78~86のいずれか一項に記載の方法。
  142. 請求項1~141のいずれか一項に記載の方法により製造されたIαIpを含む組成物。
  143. 前記組成物が、ヒトへの投与に適している、請求項142に記載の組成物。
  144. 請求項142又は143に記載の組成物と、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
  145. 疾患又は状態の治療を必要とする対象におけるそれを治療する方法であって、前記対象に、請求項142若しくは143に記載の組成物又は請求項144に記載の薬学的組成物を投与することを含む、方法。
  146. 請求項142若しくは143に記載の組成物又は請求項144に記載の薬学的組成物を含む、キット。
  147. 前記キットが、治療的使用のための指示書を更に含む、請求項146に記載のキット。
  148. 血漿からIαIpを精製する方法であって、
    (a)前記血漿を、脱イオン水を含む希釈バッファーで希釈して、希釈した血漿を形成することと、
    (b)前記希釈した血漿を、ETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、前記ETOXICLEAR(商標)樹脂に結合しない前記希釈した血漿を含むフロースルーを分離することと、
    (c)約75mMのグリシン、約100mMのAcOH、及び約150mMのNaClを含む約pH5.2の第1の洗浄バッファーを前記ETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、前記第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、
    (d)約20mMのTris-HCl及び約300mMのNaClを含む約pH7.2の第2の洗浄バッファーを前記ETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、前記第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、
    (e)約20mMのTris-HCl及び約500mMのNaClを含むpH7.2の溶出バッファーを前記ETOXICLEAR(商標)樹脂に適用し、前記IαIpを含む溶出液を回収することと、を含む方法。
  149. 血漿からIαIpを精製する方法であって、
    (a)前記血漿を、15mMのリン酸塩をpH約5.5で含む希釈バッファーで希釈して、希釈した血漿を形成することと、
    (b)前記希釈した血漿を、DETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、前記DETOXI-GEL(商標)樹脂に結合しない前記希釈した血漿を含むフロースルーを分離することと、
    (c)約15mMのリン酸塩及び約50mMのNaClをpH約5.5で含む第1の洗浄バッファーを前記DETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、前記第1の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、
    (d)約15mMのリン酸塩及び約100mMのNaClをpH約5.5で含む第2の洗浄バッファーを前記DETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、前記第2の洗浄バッファーを含むフロースルーを分離することと、
    (e)約15mMのリン酸塩及び約1,000mMのNaClをpH約5.5で含む溶出バッファーを前記DETOXI-GEL(商標)樹脂に適用し、前記IαIpを含む溶出液を回収することと、を含む方法。
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