JP2023548117A - 化膿性汗腺炎を処置する方法 - Google Patents

化膿性汗腺炎を処置する方法 Download PDF

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Abstract

皮膚の好中球性炎症性疾患に罹患している対象を処置する方法であって、治療有効量の式I(式中、各可変位置は本明細書において定義される)の化合物又はその薬学的に許容される塩の投与を、それを必要とする対象に行うステップを含む方法が、本明細書で提供される。一部の実施形態では、皮膚の好中球性炎症性疾患は、化膿性汗腺炎(HS)である。TIFF2023548117000018.tif47170

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2020年10月28日に出願された米国仮特許出願第63/106,557号明細書、及び米国仮特許出願第63/106,858号明細書に基づく優先権の利益を主張し、その各々の内容は、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に援用される。
連邦政府の助成による研究開発の下でなされた発明の権利に関する記載
該当しない。
コンパクトディスクで提出された「配列表」、表、又はコンピュータプログラムリストの付録の参照
該当しない。
化膿性汗腺炎(HS)は、反対型ざ瘡とも呼ばれ、炎症性小結節、膿瘍、ポケット形成及び瘻孔形成、並びに皮膚の瘢痕化を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患であり、アポクリン腺の多い部位、例えば、腋窩、乳房下部、鼠径部、会陰、及び肛門周辺部などに最も多い。HSは、その中等度及び重度の形態において、消耗性であり、顕著な不快感、疼痛、不安及び抑うつ、並びにクオリティ・オブ・ライフの低下をもたらす。
HSの正確な原因は明らかになっていないが、HSを有する対象において、ガンマセクレターゼをコードする遺伝子における遺伝子欠陥が説明されている。可能性のある標的タンパク質としては、Notch、E-カドヘリン、及びニカストリンが挙げられる。Notchは、毛包発生に重要な役割を果たし、Notchにおける欠陥は、表皮嚢腫の形成、正常T細胞が媒介する免疫反応の調節不全、及びToll様受容体4が誘導する炎症誘発性マクロファージが媒介するサイトカイン反応の抑制をもたらすことがある(Radtke et al,2010;Wang et al,2010)。喫煙及び肥満症は、HS(Prens and Deckers,2015)及び多汗、アンドロゲン機能不全、又は遺伝的原因の可能性と関連している。HSは、少なくとも一部には、好中球が媒介する疾患である、と示唆する報告もある。
HSを有する対象の現在の治療には、局所及び全身性の抗生物質、鎮痛薬剤、及びアダリムマブなどの抗TNF-α剤が含まれる。シクロスポリンA、ダプソン、及びイソトレチノインなどの他の薬物が使用されても、成功は限られていた(Napolitano et al,2017)。利用可能な処置の選択肢があるにもかかわらず、大多数の患者は、部分的にしか、及び/又は一時的にしか反応しない。
米国特許出願公開第2018/0280530号明細書及び米国特許出願公開第2018/028425号明細書における発展した最近の処置の選択肢は、HSに罹患している患者を処置するためのC5aを標的とする抗体の使用である。C5aは、強力な走化性のアナフィラトキシンであることが知られており、C5aのC5aRへの結合は、白血球の輸送、遊走、及び活性化を調節する。しかしながら、C5aを抗体で直接標的化すると、C5a/C5aR軸を破壊するだけでなく、C5aのC5L2受容体への結合も破壊する。C5a/C5L2経路には、C5aによって引き起こされる炎症誘発性反応を制限又は抑制することを含む有益な生物学的機能が含まれる(Gerard et al.J Biol Chem.2005.280(48):39677-80、Wang et al.J Immunol.2013.191(8):4001-9)。事実、C5a-C5L2経路を破壊すると、炎症を悪化させ、C5aに対してより激しい反応が起こることが示されている(Xiao et al.J Am Soc Nephrol.2014.25(2):225-31、Karsten et al.,Front Immunol.2018,15;9:488)。したがって、C5aを直接標的化することは、C5aの反応の軽減に関連するシグナリング経路の遮断を必要とする。
さらに、抗体処置は、他の不利点、例えば、静脈内送達の必要性、患者にヒト抗キメラ抗体(HACA)ができる可能性、患者が処置を受けるために医療施設に移動する必要性、及び患者コンプライアンスの低下などをもたらす。
米国特許出願公開第2018/0280530号明細書 米国特許出願公開第2018/028425号明細書
Gerard et al.J Biol Chem.2005.280(48):39677-80 Wang et al.J Immunol.2013.191(8):4001-9 Xiao et al.J Am Soc Nephrol.2014.25(2):225-31 Karsten et al.,Front Immunol.2018,15;9:488
このため、C5a/C5L2軸を遮断せず、それにより、C5L2経路の有益な機能を保存する、化膿性汗腺炎(HS)及び関連する皮膚の好中球性炎症性疾患の処置において有用な経口投与可能な化合物を特定し、開発する必要性が、当技術分野において依然として存在する。
一態様において、本開示は、皮膚の好中球性炎症性疾患の処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、治療有効量の式I
Figure 2023548117000002
[式中、R及びRは本明細書において定義されているとおりである]の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、皮膚の好中球性炎症性疾患は、化膿性汗腺炎(HS)である。
一部の実施形態では、治療有効量の式Iは、1日投与総量が約5~200mgである。一部の実施形態では、治療有効量の式Iは、1日投与総量が60mg又は20mgである。
本発明の他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から、当業者に明らかになるであろう。
第II相試験デザインの概略図を示す。
I.概要
本開示は、化膿性汗腺炎及びその特定の患者集団の処置のための化合物及び投与計画を提供する。本明細書に記載の方法における化合物は、C5aRを特異的に標的化し、C5a-C5L2相互作用を破壊しない。有利なことには、本願に開示されているC5aR阻害剤は、C5a-C5L2軸を遮断せずにC5a-C5aR相互作用を遮断することによって、好中球の遊走及び活性化を効率的に調節する。いかなる特定の論理にも縛られるものではないが、C5aRに結合する化合物は、C5a-C5L2シグナリング軸を中断するという有害な作用を回避すると考えられる。これにより、化膿性汗腺炎の処置を受ける対象及びその部分集団は、C5a-C5L2軸の炎症誘発抑制活性から利益が得られるようになる。
II.定義
本明細書で使用する場合、「処置すること」又は「処置」という用語は、疾患修飾処置及び対症処置の両方を包含し、そのいずれかが、予防的(即ち、症状の発現の前に、症状の重症度を予防する、遅延させる、又は低減するため)又は治療的(即ち、症状の発現の後に、症状の重症度及び/又は持続時間を低減するため)であり得る。本明細書で提供される処置方法には、概して、本明細書で提供される有効量の1つ又は複数の化合物の、患者への投与が含まれる。適切な患者には、本明細書で特定される障害若しくは疾患に罹患している患者又はそれらに易罹患性の患者(即ち、予防的処置)が含まれる。本明細書に記載されているような処置のための典型的な患者には、哺乳動物、詳細には霊長類、特にヒトが含まれる。他の適切な患者には、イヌ、ネコ、及びウマなどの飼育用コンパニオンアニマル、又はウシ、ブタ、及びヒツジなどの家畜が含まれる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に依存して、比較的非毒性の酸又は塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含むものとする。本開示の化合物が比較的酸性の官能性を含有する場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形態を、無溶媒で、又は適切な不活性溶媒中で、十分な量の所望の塩基と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩の例としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及び亜鉛塩などが挙げられる。薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩としては、置換アミン、環状アミン、及び天然アミンなどを含む、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンの塩が挙げられ、例えば、アルギニン塩、ベタイン塩、カフェイン塩、コリン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、ジエチルアミン塩、2-ジエチルアミノエタノール塩、2-ジメチルアミノエタノール塩、エタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、N-エチルモルホリン塩、N-エチルピペリジン塩、グルカミン塩、グルコサミン塩、ヒスチジン塩、ヒドラバミン塩、イソプロピルアミン塩、リシン塩、メチルグルカミン塩、モルホリン塩、ピペラジン(piperazine)塩、ピペラジン(piperadine)塩、ポリアミン樹脂塩、プロカイン塩、プリン塩、テオブロミン塩、トリエチルアミン塩、トリメチルアミン塩、トリプロピルアミン塩、及びトロメタミン塩が挙げられる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能性を含有する場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形態を、無溶媒で、又は適切な不活性溶媒中で、十分な量の所望の酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、無機酸から誘導されるもの、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸一水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、硫酸塩、硫酸一水素塩、ヨウ化水素塩、又は亜リン酸塩など、並びに比較的非毒性の有機酸から誘導される塩、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トリルスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、及びメタンスルホン酸塩などが挙げられる。アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸などのような有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge,S.M.,et al,“Pharmaceutical Salts”,Journal of Pharmaceutical Science,1977,66,1-19を参照)。本開示のある特定の化合物は、その化合物が塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換されることを可能にする塩基性官能基及び酸性官能基の両方を含有する。
化合物の中性形態は、従来の様式で、塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を単離することによって再生し得る。この化合物の親形態は、ある特定の物理的性質、例えば、極性溶媒中の溶解度などにおいて様々な塩形態と異なるが、それ以外は、この塩は、本開示の目的のための化合物の親形態と同等である。
本発明は、塩形態に加えて、プロドラッグ形態である化合物を提供する。本明細書に記載の化合物のプロドラッグは、生理的条件下で化学変化を容易に起こして本発明の化合物になる化合物である。加えて、プロドラッグは、生体外環境において、化学的方法又は生化学的方法によって本発明の化合物に変換することができる。例えば、プロドラッグは、経皮貼付剤リザ-バーの中に適切な酵素又は化学試薬とともに置かれた場合、本発明の化合物にゆっくりと変換することができる。
本開示のある特定の化合物は、非溶媒和形態、及び水和形態を含む溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本発明の範囲内に包含されるものとする。本開示のある特定の化合物は、複数の結晶形態又は非晶形態で存在し得る。一般に、全ての物理的形態は、本発明によって企図される使用について同等であり、本発明の範囲内にあるものとする。
本発明のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有し、ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体、及び個々の異性体(例えば、分離された鏡像異性体)は全て、本発明の範囲内に包含されるものとする。本発明の化合物はまた、そのような化合物を構成する原子のうちの1つ又は複数において、原子同位体を非天然の比率で含有し得る。例えば、この化合物は、例えば、トリチウム(H)、ヨウ素-125(125I)、又は炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射標識され得る。本発明の化合物の同位体変化物は全て、放射性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含されるものとする。
本明細書で使用する場合、本明細書に示されている任意の化学構造において、単結合、二重結合又は三重結合と交差する波線
Figure 2023548117000003
は、単結合、二重結合又は三重結合の、その分子の残部への付着点を表す。
III.実施形態の詳細な説明
A.処置の方法
一態様において、本開示は、皮膚の好中球性炎症性疾患の処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記対象に、治療有効量の式I
Figure 2023548117000004
[式中、
各Rは、CH、CF、CHCH、Cl、1-ピロリジン、-O-CH(CH、及びCHOHからなる群から独立して選択され、
各Rは、CH及びFからなる群から独立して選択される]
の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法を提供する。
皮膚の好中球性炎症性疾患は、少なくとも一部には、好中球の過活動又は不適切な活性化によって促進される疾患のクラスである。本明細書で提供される方法は、少なくとも一部は好中球活性によって媒介される疾患である化膿性汗腺炎(HS)の処置において、特に有用である。しかしながら、本開示において企図される処置方法は、HSに限定されず、関連する皮膚の好中球性炎症性疾患、例えば、スイート症候群(SS)、壊疽性膿皮症(PG)、PAPA(化膿性関節炎、PG及びざ瘡)、PASH(PG、ざ瘡及び化膿性汗腺炎)、角層下膿疱性皮膚症(SPD)、PAPASH(化膿性関節炎、ざ瘡、PG及び化膿性汗腺炎)、持久性隆起性紅斑(EED)、好中球性皮下脂肪組織炎、後天性表皮水疱症、症候群、リウマチ性好中球性皮膚症、家族性地中海熱、紅斑、シュニッツラー症候群、腸関連皮膚症-関節炎症候群(BADAS)、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症、及び骨炎)クリオピリン関連障害、及び痛風などをさらに含む。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、化膿性汗腺炎(HS)を処置するために使用される。
対象のある特定の部分集団は、式Iの化合物での処置に対して驚くほどよく反応することができる。例えば、一部の実施形態では、女性は、男性と比較して、処置に対する反応が大幅によかった。一部の実施形態では、より若年の対象(例えば50歳以下)は、より高齢の対象(例えば、51歳以上)と比較して、処置に対する反応が大幅によかった。一部の実施形態では、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎と診断された対象は、より低い重症度の形態を有する対象より反応が大幅によかった。一部の実施形態では、抗TNF-α薬物(例えば、アダリムマブ又はインフリキシマブ)を以前に受けた対象は、抗TNF-α薬物を以前に受けていない対象と比較して、反応が驚くほどよかった。一部の実施形態では、抗生物質治療(例えば、ドキシサイクリン又はミノサイクリン)で併用処置されている対象は、抗生物質治療を併用していない対象と比較して、反応が驚くほどよかった。上記の実施形態の各々において、さらに他の実施形態は、アバコパンが式Iの化合物として、10mgを1日2回又は30mgを1日2回のいずれかの用量で投与される実施形態である。
一部の実施形態では、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎と診断された対象は、より低い重症度の形態を有する対象より反応が大幅によかった。一部の実施形態では、抗TNF-α薬物(例えば、アダリムマブ又はインフリキシマブ)を以前に受けた対象は、抗TNF-α薬物を以前に受けていない対象と比較して、反応が驚くほどよかった。これらの実施形態の各々において、処置は、アバコパンが30mgを1日2回の量で投与される場合に有効である。
患者の部分集団群を比較する場合、様々な臨床的に定義された測定基準を使用することができる。例えば、大幅な改善は、以下の測定基準、即ち、膿瘍及び炎症性小結節(AN)のカウント、患者による皮膚疼痛の全般評価(NRS)、処置中に再燃が起こった対象の割合、経口抗生物質救援治療又はKenalog(登録商標)の病巣内救援注射を受けた対象の割合、改変Sartoriusスコアにおける変化、IHS4スコアにおける変化、化膿性汗腺炎の医師による全般評価(hidradenitis suppurativa Physician Global Assessment(HS-PGA))における変化、化膿性汗腺炎の疾病負荷(Hidradenitis Suppurativa Burden of Disease(HSBOD))スコアにおける変化、Cardiffの皮膚科学的生活の質インデックス(Cardiff Dermatology LifeQuality Index)又はDLQI質問票における変化、化膿性汗腺炎臨床反応(Hidradenitis Suppurativa Clinical Response(HiSCR))を達成する、仕事の生産性及び活動障害に関する質問票:特定の健康上の問題(Work Productivity and Activity Impairment Questionnaire:Specific Health Problem(WPAI:SHP))における変化(HiSCRは、膿瘍及び炎症性小結節(AN)のカウントが少なくとも50%減少し、且つ膿瘍カウントの増加がなく、排膿性瘻孔カウントの増加がないと定義される)などのうち1つ又は複数を測定することによって認めることができる。
膿瘍及び炎症性小結節(AN)のカウントによって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、ANのカウントにおける減少を達成する個体数の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
皮膚疼痛の全般評価(NRS)によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、患者による皮膚疼痛の全般評価(NRS)において少なくとも30%の減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。NRS30の分析については、対象によって24時間毎に日誌に記録される最悪の皮膚疼痛の週平均が、該当する試験来院で毎回計算されることになる。
処置中に再燃が起こった対象の割合によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、処置を受けながら再燃が起こらない個体数の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
経口抗生物質救援治療又はKenalog(登録商標)の病巣内救援注射を受けた対象の割合によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、処置を受けながら経口抗生物質救援治療を受けない個体数の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
改変Sartoriusスコアにおける変化によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、対象の改変Sartoriusスコアにおいて少なくとも4又は5ポイントの減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
IHS4スコアにおける変化によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、対象のIHS4スコアにおいて少なくとも4又は5ポイントの減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。一部の実施形態では、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象と比較して、処置に対する反応が大幅によい。一部の実施形態では、ベースラインと比較して12週間の処置後に、対象のIHS4スコアにおいて少なくとも4又は5ポイントの減少を達成するHurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象の割合は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象の割合より少なくとも10%大きい。一部の実施形態では、ベースラインと比較して12週間の処置後に、対象のIHS4スコアにおいて少なくとも4又は5ポイントの減少を達成するHurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象の割合は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象の割合より少なくとも15%大きい。一部の実施形態では、ベースラインと比較して12週間の処置後に、対象のIHS4スコアにおいて少なくとも4又は5ポイントの減少を達成するHurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象の割合は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象の割合より少なくとも20%大きい。
HS-PGAスコアにおける変化によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、対象のHS-PGAスコアにおいて少なくとも2又は3ポイントの減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
HSBODスコアにおける変化によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、対象のHSBODスコアにおいて少なくとも2又は3ポイントの減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
DLQI質問票スコアにおける変化によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、対象のDLQI質問票スコアにおいて少なくとも4又は5ポイントの減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
仕事の生産性及び活動障害に関する質問票:特定の健康上の問題(WPAI:SHP)によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、WPAI:SHPにおいて少なくとも15%の減少を達成する対象の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上である集団群が含まれる。
化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)によって測定する場合、処置に対する反応が大幅によい対象の集団群には、HiSCR評価を達成する個体数の割合が、定義された個体数の中に入らない対象の割合より少なくとも5、10、15、20、又は25%以上高い集団群が含まれる。一部の実施形態では、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象と比較して、処置に対する反応が大幅によい。一部の実施形態では、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象と比較して、処置に対する反応が大幅によい。一部の実施形態では、ベースラインと比較して12週間の処置後に、HiSCR評価を達成するHurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象の割合は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象の割合より少なくとも10%大きい。一部の実施形態では、ベースラインと比較して12週間の処置後に、HiSCR評価を達成するHurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象の割合は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象の割合より少なくとも15%大きい。一部の実施形態では、ベースラインと比較して12週間の処置後に、HiSCR評価を達成するHurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有する対象の割合は、Hurley病期IIIの化膿性汗腺炎を有していない対象の割合より少なくとも20%大きい。
集団又は部分集団において認められた臨床的変化は、比較の時間枠に応じて変化し得る。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~2週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~4週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~8週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~12週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~16週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~20週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~24週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~28週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~32週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~36週目の変化である。一部の実施形態では、上記の各段落における比較は、1日目~44週目の変化である。
治療有効量は、使用される特定の化合物の活性、処置される疾患、及び一部の実施形態では、処置を受ける個体の特定の態様を含む種々の要因に依存することになる。一部の実施形態では、治療有効量は、約5~200mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約10~150mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約15~100mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約20~60mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約60mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約50mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約40mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約30mgの1日総用量である。一部の実施形態では、治療有効量は、約20mgの1日総用量である。
治療有効量は、定常状態平均血漿濃度として表すこともできる。例えば、一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約50ng/mL~400ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約150ng/mL~250ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約175ng/mL~225ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約50ng/mL~90ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約60ng/mL~70ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約195ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約205ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約215ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約60ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約65ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。一部の実施形態では、治療有効量の式Iの化合物は、約70ng/mLの定常状態平均血漿濃度を達成し、維持する。
B.式Iの化合物
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、構造
Figure 2023548117000005
[式中、
各Rは、CH、CF、CHCH、Cl、1-ピロリジン、-O-CH(CH、及びCHOHからなる群から独立して選択され、
各Rは、CH及びFからなる群から独立して選択される]
を有する。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式
Figure 2023548117000006
Figure 2023548117000007
又はそれらの薬学的に許容される塩を有する。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式
Figure 2023548117000008
又はその薬学的に許容される塩を有する。
一部の実施形態では、式Iの化合物は、式
Figure 2023548117000009
を有するアバコパン又はその薬学的に許容される塩である。
本明細書に記載の式(I)の化合物は、国際公開第2010/075257号パンフレット、国際公開第2011/163640号パンフレット及び国際公開第2016/053890号パンフレットに記載されている方法に従って得ることができ、その各々の内容は、あらゆる目的で参照により本明細書に援用される。一部の実施形態では、式(I)の化合物は、これらの参考文献のうち1つに記載されている化合物である。
C.投与方法
概して、本明細書で提供される処置方法は、患者に有効量の化合物を特定の投与量及びタイミングで投与して、化膿性汗腺炎(HS)又は皮膚の好中球性炎症性障害を有効に処置するステップを含む。一部の実施形態では、化合物は、対象(例えば、ヒト)に経口で投与される。処置計画は、使用される化合物及び投与経路に応じて変化することがあるが、1日4回以下の投与頻度が好ましい。一部の実施形態では、1日2回の投与計画が使用される。一部の実施形態では、1日1回の投与計画が使用される。
個体が処置を受ける時間の長さは、処置される疾患、並びに年齢、体重、総体的な健康、性別、食事、化合物の投与時間及び投与経路を含む種々の要因に依存することになる。一部の実施形態では、対象は、処置を12週間受ける。一部の実施形態では、対象は、処置を26週間受ける。一部の実施形態では、対象は、処置を52週間受ける。一部の実施形態では、対象は、長期的処置を受ける。
一部の実施形態では、対象は、10mgのアバコパンを1日2回、20mgの1日総用量で経口投与される。
一部の実施形態では、対象は、15mgのアバコパンを1日2回、30mgの1日総用量で経口投与される。
一部の実施形態では、対象は、20mgのアバコパンを1日2回、40mgの1日総用量で経口投与される。
一部の実施形態では、対象は、25mgのアバコパンを1日2回、50mgの1日総用量で経口投与される。
一部の実施形態では、対象は、30mgのアバコパンを1日2回、60mgの1日総用量で経口投与される。
一部の態様において、治療有効量
D.式Iの固溶体カプセル製剤
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、中性形態での、又は薬学的に許容される塩の形態での、遊離塩基としてのアバコパン
Figure 2023548117000010
と、
少なくとも10の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、及び
37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤
を含むビヒクルと
を含む固溶体カプセル製剤を使用する。
典型的には、少なくとも10のHLB値を有する適切な非イオン性界面活性剤としては、(a)ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、及び(b)ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体が挙げられ、その場合、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体は、約8~約22個の炭素原子を含有する脂肪酸から誘導される。脂肪酸の炭素原子は、1つ若しくは複数の不飽和点又は1つ若しくは複数の置換点を含むことができる(例えばリシノール酸)。
一部の実施形態では、少なくとも10のHLB値を有する適切な非イオン性界面活性剤は、マクロゴール-グリセロールヒドロキシステアレートポリマー、例えば、ポリオキシエチレン40ヒマシ油、ポリオキシエチレン40水素添加ヒマシ油(別名マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート、その以前の商標名Cremophor(登録商標)RH40、及びその現在の商標名Kolliphor(登録商標)RH40)、マクロゴールグリセロールリシノレエート(別名ポリエトキシエチレン35ヒマシ油、その以前の商標名ではCremophor(登録商標)EL、及びその現在の商標名ではKolliphor(登録商標)EL)、マクロゴール-15-ヒドロキシステアレート(その以前の商標名Solutol(登録商標)HS 15及びその現在の商標名Kolliphor HS15でも知られている)、ポリオキシエチレン60ヒマシ油、ポリオキシエチレン60水素添加ヒマシ油、ポリオキシエチレン100水素添加ヒマシ油、ポリオキシエチレン200ヒマシ油、ポリオキシエチレン200水素添加ヒマシ油である。
37℃以上の融点を有する適切な水溶性可溶化剤は、最小平均分子量1000及び最大平均分子量20,000を有するポリエチレングリコール(PEG)とすることができる。本発明において可溶化剤として使用される典型的なポリエチレングリコールは、PEG-1000、PEG-1500、PEG-1540、PEG-2000、PEG-3000、PEG-3350、PEG-4000、PEG-6000、PEG-8000、PEG-10000、及びPEG-20000である。一部の実施形態では、少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、PEG-3000、PEG-3350、PEG-4000、PEG-6000である。一部の実施形態では、少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、PEG-4000である。
37℃以上の融点を有する水溶性可溶化剤として適切なものには、6000~18000の間の平均分子量を有するポロキサマーポリオールとしても、又はその商標名Pluronics(登録商標)によっても知られ、式HO(CO)(CO)(CO)Hを有する、固体のポロキサマーもある。適切なポロキサマーの例は、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338及びポロキサマー407である。
ある特定の実施形態では、少なくとも10の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、及び37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、単一の成分である。そのような成分には、親油性の脂肪酸又は脂肪族アルコール成分に結合した親水性のポリエチレングリコール(PEG)鎖(例えばマクロゴール-グリセロールヒドロキシステアレート)が含まれる。PEG鎖長が長いほど、即ち、HLB値が高いほど、PEG鎖と親油性成分との間の解離が起こりやすい。そのような単一成分のビヒクルは、少なくとも10のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、及び水溶性可溶化剤として作用する遊離PEGポリマー鎖を提供する。
いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、少なくとも10のHLB値を有する非イオン性界面活性剤、及び37℃以上の融点を有する水溶性可溶化剤を含むカプセル製剤は、いわゆる自己乳化型又は自己可溶化型のシステムになると考えられる。経口投与すると、カプセル殻は消化管中で溶解し、次に胃液中で可溶化剤が溶解し、同時に分子的に溶解したアバコパンを含むミセルを形成する。このようにして、3以上のpH値(このpH値でアバコパンは通常不溶性である)を有する胃液に囲まれているにもかかわらず、アバコパンが溶解したままでいることを可能にするマイクロエマルション又はナノエマルションが形成される。
一部の実施形態では、固溶体カプセル製剤は、中性形態での、又は薬学的に許容される塩の形態での、遊離塩基としてのアバコパンと、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート及びPEG-4000を含むビヒクルとを含む。
一部の実施形態では、ビヒクルは、前記固溶体カプセルの総充填重量の約97~99重量%を占める。一部の実施形態では、ビヒクルは、前記固溶体カプセルの総充填重量の約98重量%を占める。
一部の実施形態では、固溶体カプセルは、前記固溶体カプセルの総充填重量の約1~3重量%のアバコパンを含む。一部の実施形態では、固溶体カプセルは、前記固溶体カプセルの総充填重量の約1~2.8重量%のアバコパンを含む。一部の実施形態では、固溶体カプセルは、前記固溶体カプセルの総充填重量の約2重量%のアバコパンを含む。
一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、30:70~65:35の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、30:70~65:35である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、35:65~65:35の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、35:65~65:35である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、45:55~55:45の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、45:55~55:45である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、約50:50の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、50:50である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、約40:60の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、40:60である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、約30:70の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、30:70である。
一部の実施形態では、前記固溶体カプセルの総充填重量は、約100mg~約1,000mgである。一部の実施形態では、前記固溶体カプセルの総充填重量は、約130mg~約900mgである。一部の実施形態では、前記固溶体カプセルの総充填重量は、約250mg~約750mgである。一部の実施形態では、前記固溶体カプセルの総充填重量は、約500mgである。
一部の実施形態では、固溶体カプセルは、エタノールを含まない。
一部の実施形態では、固溶体カプセルは、サイズ#00、#0、#1、#2、#3、#4、又は#5のカプセル中にある。一部の実施形態では、固溶体カプセルは、サイズ#00のカプセル中にある。一部の実施形態では、固溶体カプセルは、サイズ#0のカプセル中にある。一部の実施形態では、固溶体カプセルは、サイズ#1のカプセル中にある。
一部の実施形態では、カプセルは、硬カプセルである。一部の実施形態では、カプセルは、軟カプセルである。
本開示のカプセルは、当技術分野において公知の技術を使用して密封することができる。例えば、ポリソルベート80などの可塑剤を含むゼラチン密封帯(sealing band)を使用して、本明細書に開示されているカプセルを密封することができる。
E.式Iの固溶体カプセルを作製する方法
本明細書に記載の固溶体カプセル製剤は、硬殻カプセルに、加温した薬物溶液を充填することによって製造される。加温した薬物溶液をカプセル中に充填した後、溶液は凝固し、非結晶のマトリックスを形成する。
一部の態様において、中性形態での、又は薬学的に許容される塩の形態での、遊離塩基としてのアバコパン
Figure 2023548117000011
と、
少なくとも10の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤、及び
37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤
を含むビヒクルと
を含む固溶体カプセルを調製する方法であって、
(a)ビヒクルを融解するステップ、
(b)ステップ(a)で得られた融解したビヒクルをアバコパンと組み合わせて、薬物溶液を形成するステップ、
(c)当該薬物溶液をカプセル殻中にカプセル化するステップ、及び
(d)カプセル化した薬物溶液を冷却して、アバコパンを含む固溶体カプセルを形成するステップ
を含む方法が、本明細書で提供される。
ビヒクルの融解は、当技術分野における標準的な技術を使用して実現される。融解の温度は、ビヒクルの固有性に依存することになる。典型的な融解技術には、直接加熱オーブン及びジャケット付き混合タンクが含まれる。一部の実施形態では、ステップ(a)におけるビヒクルは、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90℃以上に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(a)におけるビヒクルは、約50℃~85℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(a)におけるビヒクルは、約50℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(a)におけるビヒクルは、約60℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(a)におけるビヒクルは、約70℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(a)におけるビヒクルは、約80℃に加熱される。
一部の実施形態では、ステップ(a)は、
(i)少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を加熱して、融解した界面活性剤を形成するステップ、
(ii)少なくとも1種の水溶性可溶化剤を加熱して、融解した可溶化剤を形成するステップ、及び
(iii)融解した可溶化剤を融解した界面活性剤と組み合わせて、融解したビヒクルを形成するステップ
を含む。
上に述べたように、ステップ(a)の融解は、当技術分野における標準的な加熱技術を使用して実行することができる。これはステップ(i)及び(ii)にも適用される。一部の実施形態では、ステップ(i)及び(ii)の加熱温度は同じである。一部の実施形態では、ステップ(i)及び(ii)の加熱温度は異なる。
一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90℃以上に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約50℃~85℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約50℃~70℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約50℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約60℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約70℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約80℃に加熱される。
一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90℃以上に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約50℃~90℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約80℃~85℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約50℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約60℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約70℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約80℃に加熱される。
一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約50~70℃に加熱され、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約80~85℃に加熱される。一部の実施形態では、ステップ(i)における少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤は、約60℃に加熱され、ステップ(ii)における少なくとも1種の水溶性可溶化剤は、約80℃に加熱される。
ステップ(i)及び(ii)を実行した後、融解した可溶化剤は、カプセル殻の耐性の範囲内の温度に調整された温度を有し得る。例えば、ゼラチンカプセル殻の温度耐性は、約65℃である。異なるカプセル殻は、異なる温度に耐性があり得、当業者であれば、使用されているカプセル殻に基づいて適切な温度を容易に特定するであろう。
融解した可溶化剤と融解した界面活性剤とを接触させるとき、一般にかき混ぜが適用されて、融解した界面活性剤と融解した可溶化剤との混合を確実にさせる。典型的には、撹拌が使用される。かき混ぜ/撹拌の時間は、融解した界面活性剤及び融解した可溶化剤の成分、調製物のサイズ、及び使用される加熱温度に応じて変化することになる。一部の実施形態では、撹拌は、0.25、0.5、0.75、1、又は2時間以上実行される。かき混ぜは、このステップの間減圧下で実行されて、溶液を調製することができる。
ステップ(b)に戻り、ステップ(b)において、融解したビヒクルをアバコパンと接触させると、この薬物は、加熱したビヒクル中で溶解される。アバコパンの溶解は、適切な長さの時間待機すること、又は溶液をかき混ぜて溶解速度を増加させることを含む複数の技術によって実現することができる。一部の実施形態では、ステップ(b)における加熱したビヒクル及びアバコパンは、撹拌によってかき混ぜられる。撹拌時間は、1~6時間の間又はそれ以上とすることができる。一部の実施形態では、撹拌時間は、1、2、3、4、5、又は6時間以上である。一部の実施形態では、撹拌時間は、約3.5時間である。
薬物溶液のカプセル化は、当技術分野において公知の技術を使用して実行される。そのようなカプセル化に有用な1つの機械は、Shionogi F40充填機である。当業者は、さらなる均等な機械を承知している。
当技術分野において公知の、所望の物質を冷却するための複数の手段がある。記載されたステップ(d)における冷却には、カプセル化した薬物溶液を室温と平衡化させることなどの消極的活動、又はカプセル化した薬物溶液を冷却された場所に置いて、冷却速度を増加させることなどのより活動的なステップが含まれ得る。
アバコパンを含む固溶体カプセルを調製するために、上記のステップの各々は、記載された順序で実行される必要はないことを、当業者は理解されるであろう。例えば、加熱したビヒクル中にアバコパンを溶解して(ステップ(b))、薬物混合物を形成した後に、その薬物混合物を冷却して固溶体を形成することができる。上記のように、冷却には、カプセル化した薬物溶液を室温と平衡化させることなどの消極的活動、又はカプセル化した薬物溶液を冷却された場所に置いて、冷却速度を増加させることなどのより活動的なステップが含まれ得る。
一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、30:70~65:35の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、30:70~65:35である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、35:65~65:35の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、35:65~65:35である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、45:55~55:45の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、45:55~55:45である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、約50:50の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、50:50である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、約40:60の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、40:60である。一部の実施形態では、ビヒクルの総重量は、約30:70の比の、少なくとも10のHLB値を有する少なくとも1種の非イオン性界面活性剤と、37℃以上の融点を有する少なくとも1種の水溶性可溶化剤とを含む。好ましい実施形態では、マクロゴール-40-グリセロールヒドロキシステアレート対ポリエチレングリコール4000(PEG-4000)の比は、30:70である。
以下の実施例は、特許請求される本発明を説明するために提供されるが、限定するためのものではない。
実施例1-第2相臨床試験
試験は、中等度から重度の化膿性汗腺炎(Hurley病期II又はIII)を有するおよそ390名の対象における、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、3群の第2相試験である。対象は、12週間、10mgのアバコパンを1日2回、30mgのアバコパンを1日2回、又はプラセボの処置に1:1:1に無作為化される。抗TNF-α処置を含むHSの他の全身性処置は、禁止される。ドキシサイクリン又はミノサイクリンでの安定した抗生物質治療は、実施計画書に明記されているとおり許可される。盲検プラセボ対照の12週間の処置期間の間に10mg又は30mgの1日2回で処置された対象は、その後、さらに24週間の活性薬処置期間があり、その間、同じ用量計画で、10mg又は30mgのアバコパンを1日2回、継続して受ける。盲検プラセボ対照の12週間の期間を完了したプラセボの対象は、24週間の活性薬処置期間中に10mg又は30mgのアバコパンを1日2回受けるように1:1に再無作為化される。24週間の活性薬処置期間中、10mg又は30mgの1日2回への処置割り付けは、患者にも現場の試験員にも又は治験依頼者にも開示されない。その後、全対象は、試験薬を用いずに8週間追跡され、その後、試験を終了する。
試験介入/方法
適格性基準によって指定された中等度から重度の化膿性汗腺炎(Hurley病期II又はIII)を有する適格な成人対象(少なくとも18歳)が、試験に入ることを許可される。
対象は、10mgのアバコパンを1日2回、30mgのアバコパンを1日2回、又は釣り合う用量のプラセボを、12週間、二重盲検プラセボ対照様式で受けるように1:1:1に無作為化される。
処置群間でバランスをとるために、層別無作為化スキームが実行される。層別因子及び各因子内の層が、以下に列挙される。適格な対象は、非動的な、リストに基づくブロック別無作為化スキームに基づいて、各層内で3つの処置群のうち1つに、同じ確率で(即ち1:1:1)無作為化される。
1.Hurley病期(病期II vs III):
a.病期IIの疾患:1つ又は複数の、広く離れた、洞形成及び瘢痕を伴う再発性膿瘍、又は
b.病期IIIの疾患:全域にわたる複数の相互に連結する洞及び膿瘍、びまん性又はびまん性に近い病変。
2.併用の抗生物質治療(該当vs該当せず)
a.唯一許可されたHSの抗生物質処置として、ドキシサイクリン又はミノサイクリンで併用治療される、又は
b.併用抗生物質治療を受けない。
3.抗TNF-α処置(無処置vs以前の処置):
a.アダリムマブ又はインフリキシマブなどの抗TNF-α薬物を以前に受けていない(抗TNF-α薬物で無処置)、又は
b.抗TNF-α薬物を以前受けた(しかし現在は受けていない)、及び
・抗TNF-α処置を完了したが、再発した可能性がある、又は
・抗TNF-α処置に非忍容性であった、又は
・以前、抗TNF-α処置に対し、反応できなかったか、又は反応が不適切であった。
対象の20%以下が層2aに含まれる。
適格な対象は、非動的な、リストに基づくブロック別無作為化スキームに基づいて、各層内で3つの処置群のうち1つに、同じ確率で(即ち1:1:1)無作為化される。
1)プラセボを1日2回
2)アバコパン10mgを1日2回
3)アバコパン30mgを1日2回
対象は、疾患の病期及び健康状態に基づいて、適格性についてスクリーニングされる。スクリーニング期間は、28日までとする。一次有効性分析は、最後に登録した対象が12週目の来院を完了したときに行われる。盲検化された12週間の処置期間の後、全対象は、10mg又は30mgのいずれかのアバコパンを1日2回で、さらに24週間の処置を継続する。10mg又は30mgの1日2回への処置割り付けは、患者にも現場の試験員にも又は治験依頼者にも開示されない。その後、全対象は、8週間追跡される。
全対象は、28日のスクリーニング期間中、並びに適格であれば、試験の1日目並びに2、4、8、12、16、20、24、28、32、36、及び44週目に試験施設に来院する。試験薬は、試験現場で分配され、対象は、初回用量の試験薬、即ち、アバコパン又は釣り合う用量のプラセボを、試験施設に居る間に服用する。初回用量に続き、対象は、試験薬を1日2回服用し、これを12週間(84日)継続する。その後、全対象は、アバコパン試験薬を24週間(168日)服用し、その後、全対象は、試験薬剤を服用せずに8週間(56日)追跡される。
対象は、試験44週目の来院の手順が全て完了したとき、試験を停止することになる。
試験中にHSの再燃が起こった対象は、試験担当医師によって処置され、その処置は、最大1週間のドキシサイクリン若しくはミノサイクリンでの抗生物質救援処置、又はKenalog(登録商標)の病巣内救援注射(トリアムシノロンアセトニド、対象当たり最大総量10mgを1週間以下で)を含んでもよい。このような対象は、可能な場合、試験に残り、全試験手順を完了するように求められる。この期間中、対象は、試験担当医師によって臨床的に可能であると評価された場合、指示されたとおりに試験薬を継続して受けてもよい。
試験薬、用量、及び投与方式
試験の対象は、活性なアバコパンのカプセル又はプラセボのカプセルを試験薬として受ける。試験薬は、経口投与される10mgのアバコパン又はプラセボを含有する硬ゼラチンカプセルからなる。アバコパン及びプラセボの瓶及びカプセルは、外観が同じである。
対象は、指示されたとおり、3カプセルの試験薬を経口で水と一緒に、好ましくは食物と一緒に毎朝、及び3カプセルを水と一緒に、好ましくは食物と一緒に毎夕、朝の投与のおよそ12時間後に服用することが求められる。試験薬は、36週間(252日)継続して服用される。
試験のスキームは図1に示されている。
主要目的
この臨床試験の主要目的は、以下を含む。
1.Hurley病期II又はIIIの化膿性汗腺炎(HS)を有する対象における、12週間の処置後に化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)を達成した対象に基づく、プラセボと比較した際のアバコパンの有効性の査定。HiSCRは、12週目にベースラインと比較して、膿瘍及び炎症性小結節(AN)のカウントが少なくとも50%減少し、膿瘍カウントの増加がなく、排膿性瘻孔カウントの増加がないと定義される。
2.これらの対象における、有害事象発生率、検査パラメーター及びバイタルサインのベースラインからの変化に基づく、プラセボと比較した際のアバコパンの安全性の査定。
副次的目的
この試験の副次的目的は、以下を含む。
1.これらの対象における、プラセボと比較した際のアバコパンの有効性の査定は、以下を含む。
a.HiSCR:各時点でHiSCRを達成した対象の割合、
b.患者による皮膚疼痛の全般評価の数値評価スケール(NRS)、
c.改変Sartoriusスコア、及び
d.0、1、又は2のANのカウントの達成。
2.Short Form-36 version 2(SF-36 v2)、EuroQOL-5D-5L(EQ-5D-5L)、化膿性汗腺炎のQOL評価(Hidradenitis Suppurativa Quality of Life(HiSQOL)Index)、皮膚疾患のQOL評価(Dermatology Life Quality Index(DLQI))、及び仕事の生産性及び活動障害に関する質問票:特定の健康上の問題(WPAI:SHP)に基づく、プラセボと比較した際のアバコパンについての健康関連クオリティ・オブ・ライフの変化を含む、対象によって報告された結果の評価。
3.HSを有する対象における、アバコパンの薬物動態学的プロファイルの査定。
4.HSを有する対象における、1日目から44週目までの各時点でのアバコパン処置の安全性及び有効性の査定。
5.これらの対象における、プラセボと比較した際のアバコパンの有効性の査定は、以下を含む。
a.Sartoriusスコア、国際HS重症度スコア付けシステム(International HS Severity Scoring System(IHS4))のスコア、HSの医師による全般評価(HS Physician Global Assessment(HS-PGA))、
b.再燃を起こした対象、第2期の間に反応消失が認められた対象、経口抗生物質救援治療又は病変介入を受けた対象、及び許可されないオピオイド疼痛治療を受けた対象の割合、並びに
c.再燃の期間(日数)。
6.医療経済学的情報の査定。
試験処置
各群の処置は表1に示されている。
処置期間は、36週間(252日)と、それに続く、試験薬剤を服用しない8週間(56日)の追跡調査期間である。対象は、最初の12週間、盲検プラセボ対照処置のため、プラセボ、10mgのアバコパン又は30mgのアバコパンをb.i.dで受けるように、1:1:1に無作為化される。10mg及び30mgのアバコパンに無作為化された対象は、次の24週間の活性薬物処置期間中、同じ薬物投与計画で継続する。最初の12週間の期間中にプラセボに無作為化された対象は、24週間の活性薬物処置期間中、10mg又は30mgのアバコパンのいずれかをb.i.dで受けるように再無作為化される。試験処置群に特異的な薬物キットが、該当する試験来院時に分配される。
Figure 2023548117000012
試験の流れ
対象は、疾患の病期及び健康状態に基づいて、適格性についてスクリーニングされる。スクリーニング期間は、28日までとする。一次有効性分析は、最後に登録した対象が12週目の来院を完了したときに行うことができる。盲検プラセボ対照の12週間の処置期間の後、全対象は、10mgのアバコパンを1日2回、又は30mgのアバコパン1日2回の24週間の活性薬処置で継続する。36週目の後、全対象は、試験薬剤を受けずに8週間追跡される。
全対象は、28日のスクリーニング期間中、並びに適格であれば、試験の1日目並びに2、4、8、12、16、20、24、28、32、36、及び44週目に試験施設に来院する。試験薬は、試験現場で分配され、対象は、初回用量の試験薬、即ち、アバコパン又は釣り合う用量のプラセボを、試験施設に居る間に服用する。好ましくは、対象は、各来院日に、現場に居る間に自身の用量を服用すべきである。初回用量に続き、対象は、試験薬を1日2回服用し、これを12週間(84日)継続する。その後、全対象は、アバコパン試験薬を24週間(168日)服用し、その後、全対象は、試験薬を服用せずに8週間(56日)追跡される。
対象は、試験44週目の来院の手順が全て完了したとき、試験を終了することになる。
試験中にHSの再燃が起こった対象は、試験担当医師によって処置され、その処置は、最大1週間のドキシサイクリン若しくはミノサイクリンでの抗生物質救援処置、又はKenalog(登録商標)の病巣内救援注射(トリアムシノロンアセトニド、対象当たり最大総量10mgを1週間以下で)を含んでもよい。このような対象は、可能な場合、試験に残り、全試験手順を完了するように求められる。この期間中、対象は、試験担当医師によって臨床的に可能であるとみなされた場合、試験薬を継続して受けてもよい。
製品特性
試験薬は、経口投与される10mgのアバコパン又はプラセボを含有する硬ゼラチンカプセルからなる。アバコパン及びプラセボの瓶及びカプセルは、外観が同じである。カプセルは、現行の適正製造基準の下で製造される。
用量及び投与計画
対象は、指示されたとおり、3カプセルの試験薬を経口で水と一緒に、好ましくは食物と一緒に毎朝、及び3カプセルを水と一緒に、好ましくは食物と一緒に毎夕、朝の投与のおよそ12時間後に服用することが求められる。試験薬は、36週間(252日)継続して服用される。
試験薬管理のため、対象は、試験薬の瓶を全て、空であっても空でなくても、各試験来院時に試験施設に持ってくるように求められる。
対象は、服用し忘れた場合、服用し忘れた用量を可能な限り早く服用すべきである。次の投薬に時間が近い場合(3時間以内)には、服用し忘れた用量を服用してはならず、次回の用量を規定時間に服用するべきである。
各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい。
試験手順
試験1日目
対象は、試験に適格である場合、1日目に試験施設に来院する。初回用量の試験薬を服用する前に、以下の手順が実行される。
・IRTシステムにおける層別化及び無作為化、
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、及び血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)用に、血液試料が採取される、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数、並びにHSのHurley病期が記録される、
・皮膚疼痛を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、是正措置が取られる、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・対象は、SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームに記入するように求められる、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・1日目の1週間前に開始した、皮膚疼痛を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・処置前有害事象(スクリーニング来院の時点から)はいずれも記録される。
その後、以下の手順が実行される。
・試験薬が服用指示と一緒に対象に供給される、
・対象は、試験施設に居る間に、初回用量の試験薬を服用するように求められる、
・試験薬を投与した時間が記録される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・投与後の有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 2週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験2週目(15日目)
試験2週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、及びPK測定用に、中央検査所に送るために血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・皮膚疼痛及び薬物投与を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・対象が指示されたとおりに試験薬を服用していることを確認するために、試験薬の瓶がチェックされる、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 4週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験4週目(29日目)
試験4週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・皮膚疼痛及び試験薬の投与を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・対象は、SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームに記入するように求められる、
・試験薬の返却された瓶について、薬物管理が実行される、
・試験薬が分配される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 8週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験8週目(57日目)
試験8週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・疼痛及び試験薬の投与を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・薬物管理が実行され、対象が指示されたとおりに試験薬を服用していることを確認するために、試験薬の瓶がチェックされる、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬投与を日誌に記録する、
- 12週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験12週目(85日目)
試験12週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・疼痛を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・IHS4スコアが計算される、
・対象は、SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームに記入するように求められる、
・試験薬の返却された瓶について、薬物管理が実行される、
・試験薬が分配される。注:この来院で、プラセボ群に割り付けされていた対象は、10mg又は30mgのアバコパンを1日2回受けるように再無作為化される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 16週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験16週目(113日目)
試験16週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・疼痛及び試験薬の投与を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・対象は、SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームに記入するように求められる、
・薬物管理が実行され、対象が指示されたとおりに試験薬を服用していることを確認するために、試験薬の瓶がチェックされる、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 20週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験20週目(141日目)
試験20週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・疼痛を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・試験薬の返却された瓶について、薬物管理が実行される、
・試験薬が分配される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 24週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験24週目(169日目)
試験24週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・薬物管理が実行され、対象が指示されたとおりに試験薬を服用していることを確認するために、試験薬の瓶がチェックされる、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 28週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験28週目(197日目)
試験28週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・対象が、この日の朝の用量の試験薬をまだ服用していない場合、対象は、その用量を服用するように求められる、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・疼痛及び試験薬の投与を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・試験薬の返却された瓶について、薬物管理が実行される、
・試験薬が分配される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 32週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験32週目(225日目)
試験32週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・薬物管理が実行され、対象が指示されたとおりに試験薬を服用していることを確認するために、試験薬の瓶がチェックされる、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度及び試験薬の投与を日誌に記録する、
- 36週目の試験来院のため、試験施設に来る、
- 試験期間中、ラベルの指示に従って、試験薬を涼しい乾燥した場所に保管する、
- 指示されたとおりに試験薬を服用する。各試験来院日に、その来院に適切であれば、対象は、現場でPK試料の採取後に、朝の用量の試験薬を服用するのが好ましい、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験36週目(253日目)
試験36週目の来院は、指定期日の±2日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・PK試料の採取前の直近の試験薬投与の日時が記録される、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・疼痛及び試験薬の投与を日誌に毎日記録することの順守がチェックされ、必要な場合、再訓練が提供される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・対象は、SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームに記入するように求められる、
・試験薬の返却された瓶について、薬物管理が実行される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は、以下のことをするように念押しをされる、
- 皮膚疼痛の重症度を日誌に記録する、
- 44週目の試験来院のため、試験施設に来る、及び
- 通常どおり、自身の他の全ての併用薬剤の服用を継続する。
試験44週目(309日目)
試験44週目(追跡調査)の来院は、指定期日の±4日以内になされなければならない。この来院の間、以下の試験手順が実行される。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、及びPK測定用に、血液試料が採取され、PK試料の採取の日時が記録される、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・改変Sartoriusスコアの項目が収集される、
・IHS4スコアが計算される、
・試験担当医師は、HS-PGAを記入する、
・対象は、SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームに記入するように求められる、
・記入を終えた日誌が回収される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される、
・全試験手順が完了した後、対象は試験を終了する。
早期中止来院
対象が試験を早期に中止した場合、いつでも可能なときに、以下の中止手順が完了されなければならない。
・体重を含む身体検査、
・少なくとも3分間の安静後のバイタルサイン(体温、座位血圧、心拍数)、
・血清生化学検査、血液学的検査、及び血清妊娠検査(妊娠可能性のある女性の場合)、及びPK測定用の血液試料。PK試料の採取の日時が記録される、
・尿検査用に尿試料が採取される、
・HSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の解剖学的部位及び数が記録される、
・改変Sartoriusスコアの項目は、その評価が行われた過去の来院が2週間より前である場合、収集される、
・SF-36 v2、EQ-5D-5L、及びHiSQOL Indexのフォームの評価が行われた過去の来院が2週間より前である場合、対象は、これらのフォームに記入するように求められる、
・HS-PGAの評価が行われた過去の来院が2週間より前である場合、試験担当医師は、それを記入する、
・試験薬の返却された瓶について、薬物管理が実行される、
・記入を終えた日誌が回収される、
・アルコール摂取、レクリエーショナルドラッグの使用、非処方薬剤、生薬製剤又は特別食を含む、併用薬剤使用における変化はいずれも記録される、
・有害事象はいずれも記録される。
試験の評価
化膿性汗腺炎の部位及び範囲の評価
HSの部位及び範囲は、疾患の解剖学的部位、並びに各々の部位におけるHSの炎症性小結節、膿瘍、瘻孔、及び瘢痕の数をEDCに記録することによって評価される。試験担当医師は全員、HSの病変を評価する試験に特異的な訓練を受け、それを経験していることになる。一貫性を確実にするため、各来院時に同じ試験担当医師が病変を評価するべきである。これが不可能な場合、現場の熟練した支援試験担当医師が査定を行うべきである。
HSの病変の部位及び範囲に関する情報は、Hurley病期を決定するため、及びベースライン来院後にHiSCRを計算するためにも使用される。HiSCRは、EDCにおいてプログラムで計算される。
改変Sartoriusスコア
改変Sartoriusスコアを計算するために、12の身体領域が査定される。
・左右の腋窩、
・左右の乳房下部、
・乳房間部、
・左右の殿部、
・左右の鼠径大腿襞、
・肛門周辺部及び会陰部、並びに
・その他(特定すること)。
4というスコアは、重症度が最も低い疾患を指し、スコアが高くなるにつれて、段々と重症度の高い疾患を指す。このスコアに上限はない(Sartorius et al,2003)。
小結節、膿瘍、瘻孔、瘢痕の存在、及びその他の所見がEDCに記録される。2つの病変間の最長距離、及び複数の病変が正常な皮膚によって分離されているかどうかも記録される。
国際化膿性汗腺炎重症度スコアシステム
国際化膿性汗腺炎重症度スコア(IHS4)は、計算が簡単であり、現役の医師が導出した結果(HS-PGA、Hurley分類、MSS又は専門家の見解の分類など)及び患者が報告した結果尺度(DLQI)を使用して認定される。IHS4スコア(ポイント)=(小結節の数×1)+(膿瘍の数×2)+[排膿性貫通洞(瘻孔/ポケット)の数×4]。3以下のスコアは軽度のHSを表し、4~10のスコアは中等度のHSを表し、11以上のスコアは重度のHSを表す。
化膿性汗腺炎の医師による全般評価(HS-PGA)
HS-PGAは、患者を、クリア、最小、軽度、中等度、重度、又は極めて重度の疾患に分類する、HSに特化した順序尺度であり、第2相介入臨床試験に使用されて成功した。最近開発された6段階のPGAは、以下のように定義された(Kimball et al,2012)。
・クリア:炎症性小結節又は非炎症性小結節はない
・最小:非炎症性小結節の存在のみ
・軽度:5つ未満の炎症性小結節があるか、又は1つの膿瘍若しくは排膿性瘻孔があり且つ炎症性小結節はない
・中等度:5つ未満の炎症性小結節、又は1つの膿瘍若しくは排膿性瘻孔及び1つ若しくは複数の炎症性小結節、又は2~5つの膿瘍若しくは排膿性瘻孔及び10未満の炎症性小結節
・重度:2~5つの膿瘍又は排膿性瘻孔及び10以上の炎症性小結節
・極めて重度:5つより多い膿瘍又は排膿性瘻孔。
全般的皮膚疼痛
対象は、最大重症度の疼痛を、0(皮膚疼痛がない)から10(想像され得る最悪の皮膚疼痛)までの数値評価スケールで、日誌に、1日目の1週間前から44週目の来院まで記録する。
最大重症度の疼痛の週平均が、プログラムで計算される。
健康関連クオリティ・オブ・ライフの評価
SF-36 v2及びEQ-5D-5Lの各手法は、対象の健康関連クオリティ・オブ・ライフにおける変化を測定するための、広く受け入れられている全般的な疾患非特異的ツールである。これらの手法のフォームは、健康関連クオリティ・オブ・ライフにおけるベースラインからの変化を測定するために、試験対象によって記入される。非英語話者の対象には、いつでも可能なときに、検認された翻訳が使用される。
HiSQOL indexは、対象のクオリティ・オブ・ライフに対するHSの影響を測定するため、HSに特異的な手法として開発された。
試験員は、対象によるクオリティ・オブ・ライフ質問票の記入を手助けするが、対象の代わりにフォームに記入することはない。管理者は、対象と疎通性を確立し、フォームに記入することの重要性を強調し、且つ疑問に回答し、懸念に対処するよう助力する。質問票は、来院時に試験担当医師と面談する前に、対象によって記入されるべきである。
薬物動態学的評価及び分析
アバコパン(及び代謝物)の濃度が決定される。試料採取前の直近の試験薬投与の日時はEDCシステムに記録されなければならない。PK試料採取の日時も記録されなければならない。
アバコパン(及び代謝物)の全血漿濃度は、検証済みの分析方法を使用して決定される。
アバコパン及び重要な代謝物の個々の血漿濃度は、列挙され、プロットされ、記述及び図表で要約される。PK分析は、対象の部分集団のみで実行されてもよい。可能な場合、以下のパラメーターが決定される。
max 最大血漿濃度
max 最大血漿濃度の時間
AUC0-6h 1日目の0時間~6時間の血漿濃度-時間曲線下面積
min 1日目以降の来院時のトラフレベルの血漿濃度
HiSCRなどのPKパラメーター(例えば、Cmin)と有効性エンドポイントとの間の関係も査定されてもよい。
実施例2-第II相試験の最重要な結果のまとめ
第II相AURORA臨床試験では、患者398名を、3つの治療群のうち1つに無作為化した。試験集団には、中等度のHS(Hurley病期II)又は重度のHS(Hurley病期III)を有する患者を含め、処置群間で均等に層別化した。化膿性汗腺炎臨床反応(HiSCR)を達成した全患者(中等度のHurley病期IIプラス重度のHurley病期IIIの両方)の割合という主要エンドポイントは、アバコパンの10mg1日2回(BID)及び30mg BIDの投与計画を、プラセボに対して、12週間の処置後に混合試験集団内で評価した際、いずれの用量レベルにおいても統計的に有意に達成されなかったが、30mg BID用量において数値的改善が認められた。重要なことであるが、試験において、アバコパン30mg BIDは、事前に特定されたHurley病期III(重度)のHS患者の集団において、プラセボより統計的に有意に高い反応を示した。会社は、アバコパンを重度のHSの処置のために第III相の進展へと進める計画である。
Figure 2023548117000013
アバコパンの効果の一貫性は、現在までに評価された全ての副次的エンドポイントにおいて、Hurley病期IIIの患者に認められた。プラセボと比較して、アバコパンでは、国際HS重症度スコア(IHS4)における好適な減少、並びにAN(膿瘍及び炎症性小結節)、排膿性瘻孔、及び膿瘍のカウントにおける減少が、12週目に(ベースラインから12週目までの全%変化)認められた。
アバコパンは、好適な安全性プロファイルを示した。全種類の、処置下で発現した有害事象(TEAE)は、アバコパン群(48.5%)において、プラセボ群(55%)より少ないことが認められた。大多数のTEAEは、基礎をなすHSに関連し、軽度から中等度であった。重篤なTEAEは、プラセボ患者の2.3%、それに対し、アバコパンの1.5%に認められた。
化膿性汗腺炎及びAURORA試験について
化膿性汗腺炎(HS)は、反対型ざ瘡とも呼ばれ、再発性、有痛性の小結節、せつ及び膿瘍を特徴とする、慢性の身体障害性自己免疫皮膚疾患である。
第II相AURORA臨床試験では、中等度から重度のHSを有する患者398名を、3つの治療群のうち1つに無作為化した。主要エンドポイントは、アバコパンの10mg BID及び30mg BID投与計画を、プラセボに対して、12週間の処置で、HiSCRスケールを使用して評価した。HiSCR反応は、ベースラインと比較して、炎症性病変カウント(膿瘍+炎症性小結節)において≧50%減少し、且つ膿瘍又は排膿性瘻孔における増加はないと定義される。副次的エンドポイントには、群間の12週目までのパーセント改善、IHS4(国際化膿性汗腺炎重症度スコア付けシステム)のベースラインからの減少、及び他の検証された副次的測定値が含まれる。
12週間の二重盲検処置期間の後、試験は盲検のままとする。プラセボの患者を、さらに24週間、アバコパンの10mg BID又は30mg BID用量群のいずれかに再無作為化した。アバコパンで処置された患者は、さらに24週間、同じ用量(10mg BID又は30mg BIDのいずれか)を継続して受けた。患者は、さらに44週間、安全性及び有効性の評価のために追跡される。
アバコパンの、C5aRのみの選択的阻害は、C5L2受容体が正常に機能することによって、有益なC5a経路を残す。
実施例3-アバコパンは、病期IIIのHSの患者において驚くほど有効である。
上記の発明は、理解を明確にする目的で、図示及び例によって若干詳細に記載されてきたが、当業者は、一定の変更及び変形が添付の特許請求の範囲内でなされ得ることを理解されるであろう。加えて、本明細書に記載されている各参考文献は、各参考文献が個々に参照によって援用されているかのような場合と同程度に、その全体が参照によって援用される。本願と本明細書に記載されている参考文献との間に矛盾が存在する場合、本願が優先するものとする。

Claims (15)

  1. 皮膚の好中球性炎症性疾患の処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式I
    Figure 2023548117000014
    [式中、
    各Rは、CH、CF、CHCH、Cl、1-ピロリジン、-O-CH(CH、及びCHOHからなる群から独立して選択され、
    各Rは、CH及びFからなる群から独立して選択される]
    の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含み、前記治療有効量は、約10mg又は30mgの前記化合物の1日2回である、方法。
  2. 前記化合物は、
    Figure 2023548117000015
    又はそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物は、
    Figure 2023548117000016
    又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記化合物は、式
    Figure 2023548117000017
    を有するアバコパン又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記皮膚の好中球性炎症性疾患は、化膿性汗腺炎(HS)、スイート症候群(SS)、壊疽性膿皮症(PG)、PAPA(化膿性関節炎、PG及びざ瘡)、PASH(PG、ざ瘡及び化膿性汗腺炎)、角層下膿疱性皮膚症(SPD)、PAPASH(化膿性関節炎、ざ瘡、PG及び化膿性汗腺炎)、持久性隆起性紅斑(EED)、好中球性皮下脂肪組織炎、後天性表皮水疱症、症候群、リウマチ性好中球性皮膚症、家族性地中海熱、紅斑、シュニッツラー症候群、腸関連皮膚症-関節炎症候群(BADAS)、SAPHO(滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨増殖症、及び骨炎)クリオピリン関連障害、及び痛風からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記皮膚の好中球性炎症性疾患は、化膿性汗腺炎(HS)である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象は、30mgの前記化合物を1日2回受ける、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象は、HSと診断されており、HurleyスコアのII又はIIIを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象は、HSと診断されており、Hurleyスコアの病期IIIを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対象は、HSと診断されており、Hurleyスコアの病期IIIを有し、30mgの前記化合物を1日2回受ける、請求項6に記載の方法。
  11. 前記対象は、10mgの前記化合物を1日2回受ける、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記対象は、処置を12週間受ける、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対象は、処置を26週間受ける、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象は、処置を52週間受ける、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記対象は、長期的処置を受ける、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
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