JP2023548067A - アデノ随伴ウイルスを濃縮するためのプロセス - Google Patents

アデノ随伴ウイルスを濃縮するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離を使用して、アデノ随伴ウイルス粒子を濃縮するためのプロセスを提供する。【選択図】図13

Description

本発明は、アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離を使用してアデノ随伴ウイルス(AAV)粒子を濃縮するためのプロセスに関する。
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、複製のためにヘルパーアデノウイルスを必要とすると考えられている小さな非病原性サテライトウイルスである。AAVは、アデノウイルスと構造的に類似しているが、より小さい正二十面体ヌクレオカプシドを有する。AAVは、末端に少なくとも1つの逆方向末端反復(ITR)を有する一本鎖DNAゲノムを有する非エンベロープウイルスである。例えば、AAV2血清型は、末端に2つの145ヌクレオチド長のITRを有する、約4.7キロベース(kb)の一本鎖DNAゲノムを有することができる。このウイルスは、ポリメラーゼをコードしないため、ゲノム複製のために細胞ポリメラーゼに依存する。ITRは、2つのウイルス遺伝子-それぞれ、非構造タンパク質及び構造タンパク質をコードする、rep(複製)及びcap(カプシド)に隣接する。rep遺伝子は、2つのプロモーター及び選択的スプライシングの使用により、Rep78、Rep68、Rep52及びRep40と呼ばれる4つの調節タンパク質をコードする。これらのタンパク質は、AAVゲノム複製及びパッケージングに関与している。cap遺伝子は、選択的スプライシング及び翻訳の開始によって、3つのカプシドタンパク質、VP1(ビリオンタンパク質1)、VP2及びVP3を生じさせる。AAV2についてのVP1、VP2、及びVP3の分子量は、それぞれ、87、72、及び62kDaである。これらのカプシドタンパク質は、60個のサブユニットのほぼ球形のタンパク質シェルに集合する。AAV構造の単純さ及び非病原性の性質は、組換えAAV(rAAV)を有用な遺伝子治療ベクターにする。AAV遺伝子治療ベクターは、複製及び非複製細胞の両方に感染し、宿主細胞のゲノムに組み込まずに導入遺伝子を導入することができる。rAAVベクターは、その高い力価、広範な細胞に感染する能力、軽度の免疫応答、及び全体的な安全性のためにしばしば好ましい。rAAV遺伝子治療ベクターは、糖尿病及び他の膵臓障害を含む多くの疾患に非常に有用であることが見出されている。
遺伝子治療のためのrAAV粒子の産生はまた、様々な不純物を産生する。したがって、rAAV粒子を不純物から効果的に精製するプロセスが依然として必要である。
本発明は、少なくとも一実施形態において、遺伝子治療のためのrAAV粒子又は治療上有効なrAAV粒子を精製するための方法が開示され、それを提供することによって、先行技術の1つ以上の問題を解決する。精製前に、治療上有効なrAAV粒子は、AAV産生不純物も含む組成物中にある。AAV産生不純物は、治療上有効なrAAV粒子とは異なる正味電荷を有する第1の部分と、治療上有効なrAAV粒子とは異なる密度を有する第2の部分と、を含む。少なくとも一実施形態の方法は、アニオン交換クロマトグラフィー(AEX)によって組成物から第1の部分を除去し、ゾーン超遠心分離(ZUC)によって組成物から第2の部分を除去するステップを含む。AEX及びZUCステップ後、組成物は、AAV産生不純物を実質的に欠いている。改良において、AAV産生不純物の第1の部分又は第2の部分は、治療上無効なrAAV粒子である。
少なくとも一実施形態において、遺伝子治療のためのrAAV粒子又は治療上有効なrAAV粒子を精製するための方法が開示される。精製前に、治療上有効なrAAV粒子は、治療上無効なrAAV粒子も含む組成物中にある。少なくとも一実施形態の方法は、AEXによって、組成物から治療上無効なrAAV粒子の少なくとも一部を除去することを含む。除去ステップの後、少なくとも一実施形態の方法は、ZUCにより組成物を処理することを更に含む。AEX及びZUCステップの後、組成物は、治療上無効なrAAV粒子を実質的に欠いている。
分析的超遠心分離によって分離されたrAAV調製物からの粒子分布プロファイルを示す。 分析的超遠心分離によって分離されたrAAV調製物からの粒子分布プロファイルを示す。 rAAVに感染した細胞中の導入遺伝子発現に対する軽及び重カプシドを含有するrAAV調製物の影響を示す。 rAAVに感染した細胞中の導入遺伝子発現に対する軽及び重カプシドを含有するrAAV調製物の影響を示す。 rAAVに感染した細胞中の導入遺伝子発現に対する軽及び重カプシドを含有するrAAV調製物の影響を示す。 rAAVに感染した細胞中の導入遺伝子発現に対する軽及び重カプシドを含有するrAAV調製物の影響を示す。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 HepG2細胞に感染している標識した軽及び重カプシドを示す画像である。 様々な実施形態の精製方法のステップのフローチャートである。 様々な実施形態のAEX処理のステップを示すフローチャートである。 様々な実施形態のAEX処理後のタンジェンシャルフロー濾過処理のステップを示すフローチャートである。 様々な実施形態のZUC処理のステップを示すフローチャートである。 様々な実施形態のAEX処理後のタンジェンシャルフロー濾過処理のステップを示すフローチャートである。 重カプシド、ZUC軽カプシド、及びAEX軽カプシドの間のpHに対する正味電荷の差を示すゼータ電位分析である。 アニオン交換クロマトグラフィー後のrAAV調製物からの粒子分布プロファイルを示す。rAAV調製物を分析的超遠心分離によって分離した。 アニオン交換クロマトグラフィー後のrAAV調製物からの軽及び重カプシドの低温電子顕微鏡画像である。矢印は、高密度粒子(すなわち、重カプシド)及び「非高密度」粒子(すなわち、軽カプシド)を示す。 ゾーン超遠心分離を受けているrAAV調製物の異なる画分のベクターゲノム力価及び密度を示すグラフである。 ゾーン超遠心分離後のrAAV調製物からの粒子分布プロファイルを示す。rAAV調製物を分析的超遠心分離によって分離した。 ゾーン超遠心分離によって分離されたrAAV調製物の画分を含有するゲルである。図23Aは、VPカプシドタンパク質について染色されたゲルウェスタンブロットである。図23Bは、超遠心分離画分から単離されたDNAを含有するアルカリアガロースゲルである。 ゾーン超遠心分離後のrAAV調製物からの軽及び重カプシドの低温電子顕微鏡画像である。矢印は、高密度粒子(すなわち、重カプシド)及び「非高密度」粒子(すなわち、軽カプシド)を示す。 アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離を受けているrAAV調製物の分析を示す。図25Aは、アニオン交換クロマトグラフィーの間のrAAV調製物の吸収スペクトルを示す。図25Bは、ゾーン超遠心分離の間のrAAV調製物の異なる画分についてのカプシド及びベクターゲノム力価を示す。 アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離を受けているrAAV調製物の分析を示す。図25Aは、アニオン交換クロマトグラフィーの間のrAAV調製物の吸収スペクトルを示す。図25Bは、ゾーン超遠心分離の間のrAAV調製物の異なる画分についてのカプシド及びベクターゲノム力価を示す。 事前のアニオン交換クロマトグラフィー処理を伴う、及び伴わない、ゾーン超遠心分離を受けているrAAV調製物の異なる画分についてのカプシド力価を示す。 アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離に供した場合の軽カプシドの分析を示す。図27Aは、アニオン交換クロマトグラフィーの間のrAAV調製物の吸収スペクトルを示す。図27Aの丸で囲まれたピークは、その後、ゾーン超遠心分離によって処理された。図27Bは、ゾーン超遠心分離中の図27Aの丸で囲まれたピークの異なる画分についてのカプシド及びベクターゲノム力価を示す。図27Bの丸で囲まれたピークを、再びアニオン交換クロマトグラフィーによって処理した。図27Cは、アニオン交換クロマトグラフィー中の図27Bの丸で囲まれたピークの吸収スペクトルを示す。 AVB Sepharoseなどの親和性樹脂を使用した免疫クロマトグラフィー精製後、アニオン交換クロマトグラフィー処理後、及びゾーン超遠心分離処理後の、不純物であるRepタンパク質に関連するrAAVの濃度を示す。図28は、アニオン交換クロマトグラフィー処理が、治療上有効なrAAVを含む、AVB Sepharose精製組成物から、Repタンパク質に関連する十分な濃度のrAAVを除去したことを強調する。図28は更に、ゾーン超遠心分離処理が、アニオン交換クロマトグラフィー処理によって除去されなかったRepタンパク質に関連するrAAVを更に除去したことを強調している。 アニオン交換クロマトグラフィー処理中のRepタンパク質に関連するrAAVの除去を示す。組成物をアニオン交換クロマトグラフィーによって処理した後、Repタンパク質の濃度を評価した。溶出物も洗浄物も、十分な濃度のRepタンパク質を含有しなかった。アニオン交換クロマトグラフィーカラムを再生成して、充填、洗浄、及び溶出ステップ後に残った不純物を除去したときに、十分な濃度のRepタンパク質を同定した。 ゾーン超遠心分離処理中のRepタンパク質に関連するrAAVの除去を示す。単離された画分(すなわち、「プール」)は、単離されなかった画分(すなわち、「プール後」)と比較して、顕著に低い濃度のRepタンパク質を有する。封入されたベクターゲノムの濃度は、プール後画分と比較して、プール画分において大幅に増加することにも留意されたい。 AVB Sepharoseなどの親和性樹脂を使用した免疫クロマトグラフィー精製後、アニオン交換クロマトグラフィー処理後、及びゾーン超遠心分離処理後の、不純物である脱アミド化カプシドの除去を示す。図31は、アニオン交換クロマトグラフィー処理が、治療上有効なrAAVを含むAVB Sepharose精製組成物から十分な濃度の脱アミド化カプシドを除去したことを強調する。図31は、ゾーン超遠心分離処理が、アニオン交換クロマトグラフィー処理によって除去されなかった脱アミド化カプシドを更に除去したことを更に強調する。 アニオン交換クロマトグラフィー処理中の脱アミド化カプシドの除去を示す。組成物をアニオン交換クロマトグラフィーによって処理した後、脱アミド化カプシドの濃度を評価した。溶出液は、十分に減少した濃度の脱アミド化カプシドを含有した。十分な濃度の脱アミド化カプシドを、溶出した洗浄緩衝液中で同定し、アニオン交換クロマトグラフィーカラムを再生成して、充填、洗浄、及び溶出ステップ後に残った不純物を除去した場合。 ゾーン超遠心分離処理中の脱アミド化カプシドの除去を示す。単離された画分(すなわち、「プール」)は、単離されなかった画分(すなわち、「プール後」)と比較して、顕著に低い濃度の脱アミド化カプシドを有する。封入されたベクターゲノムの濃度は、プール後画分と比較して、プール画分において大幅に増加することにも留意されたい。
必要に応じて、本開示の詳細な実施形態が、本明細書に開示されるが、開示された実施形態は、単なる例示であり、様々な代替形態で実施され得ることが理解されるべきである。
実施例、又は別途明示的に示される場合を除き、材料の量又は反応及び/若しくは使用の条件を示す本明細書における全ての数値量は、「約」という単語によって修飾されるものとして理解されるべきである。例えば、「約X」を指す記載は、「X」の記載を含む。一例では、「約」という用語は、当該技術分野における通常の許容範囲内、例えば、平均の2標準偏差内であると理解される。異なる例において、「約」は、±0.0001%、±0.0005%、±0.001%、±0.005%、±0.01%、±0.05%、±0.1%、±0.5%、±1%、±5%、又は±10%の変動性を指す。更なる例において、「約」は、±9%、±8%、±7%、±6%、±5%、±4%、±3%、又は±2%以内であると理解することができる。
文脈から別段で明示されていない限り、本明細書で提供される全ての数値は、約という用語によって修飾される。全ての範囲は、範囲のエンドポイントを含む。頭字語又は他の略語の最初の定義は、同じ略語の本明細書における後続の全ての使用に適用され、最初に定義された略語の通常の文法的変形に準用して適用される。そして、明示的に反対に述べられていない限り、特性の測定は、同じ特性について以前又は後で参照されるものと同じ技術によって決定される。
別途示されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
特定の構成要素及び/又は条件は、もちろん、変化し得るため、本開示は、以下に記載される特定の実施形態及び方法に限定されないことも理解されたい。更に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、いかなる方法でも限定することを意図しない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含むことにも留意されたい。例えば、単数形の構成要素への言及は、複数の構成要素を含むことが意図される。
「又は」及び「及び」という用語は、互換的に使用することができ、「及び/又は」を意味すると理解することができる。
「含む(comprising)」という用語は、「とともに」、「含む(including)」、「有する」、「含有する」、又は「によって特徴付けられる」と同義である。これらの用語は、包括的かつオープンエンドであり、追加の、列挙されていない要素又は方法のステップを除外するものではない。
「からなる」という語句は、特許請求の範囲に指定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。この語句が、前文の直後ではなく、特許請求の範囲の本文の条項に表示された場合、その条項に記載されている要素のみを限定し、他の要素は全体として特許請求の範囲から除外されない。
「から本質的になる」という語句は、特許請求の範囲を、指定された材料又はステップに加えて、特許請求の範囲の主題の基本的及び新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。
「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」という用語は、代替的に使用することができる。これらの3つの用語のうちの1つが使用される場合、本開示及び特許請求の範囲の主題は、他の2つの用語のいずれかの使用を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「異種遺伝子」、「異種配列」、「異種」、「異種調節配列」、「異種導入遺伝子」、又は「導入遺伝子」という用語は、参照される遺伝子又は調節配列が、AAVベクター又は粒子中には天然に存在せず、その中に人工的に導入されることを意味する。例えば、これらの用語は、異種遺伝子、及び宿主細胞中でその遺伝子の発現を制御する異種遺伝子に作動可能に連結された異種調節配列の両方を含む核酸を指す。本明細書の導入遺伝子は、生体分子(例えば、治療用生体分子)、例えば、タンパク質(例えば、酵素)、ポリペプチド、ペプチド、RNA(例えば、tRNA、dsRNA、リボソームRNA、触媒RNA、siRNA、miRNA、pre-miRNA、lncRNA、snoRNA、小ヘアピンRNA、トランススプライシングRNA、及びアンチセンスRNA)、遺伝子若しくは塩基編集システムの1つ以上の成分、例えば、CRISPR遺伝子編集システム、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)媒介性エクソンスキッピング、ナンセンス媒介性崩壊(NMD)を引き起こす毒エクソン、又はドミナントネガティブ変異体をコードできることが企図されている。
「ベクター」という用語は、核酸分子、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、バクミド、ミニプラスミド(例えば、細菌エレメントを欠くプラスミド)、Doggybone DNA(例えば、最小限の閉鎖線形構築物)、染色体、ウイルス、ビリオンなどの任意の遺伝子エレメントを指すものと理解され、これは適切な制御エレメントと会合したときに複製することができ、細胞間で遺伝子配列を移行することができる。「発現ベクター」とは、発現されるヌクレオチド配列に作動可能に連結された発現制御配列を含む組換えポリヌクレオチドを含むベクターを指す。発現ベクターは、発現のための十分なシス作用エレメントを含み、発現のための他のエレメントは、宿主細胞又はインビトロ発現系によって供給され得る。発現ベクターには、コスミド、プラスミド(例えば、裸又はリポソームに含まれる)、人工染色体、及び組換えポリヌクレオチドを組み込むウイルスなどの、当該技術分野で既知の全てのものが含まれる。
「組換え」という用語は、組換えDNA技術を使用することによって形成される核酸分子又はタンパク質を指す。例えば、組換え核酸分子は、核酸配列及び配列エレメントを組み合わせることによって形成することができる。組換えタンパク質は、組換え核酸分子を受けた細胞によって産生されるタンパク質であり得る。
「コードする」、「コードされた」、及び「コードすること」という用語は、生物学的プロセスにおける他のポリマー及び巨大分子の合成のための鋳型として機能する、遺伝子、相補的DNA(cDNA)、又はメッセンジャーRNA(mRNA)などの核酸分子におけるヌクレオチドの特定の配列の固有の特性を指す。したがって、遺伝子は、その遺伝子によって産生されたmRNAの転写及び翻訳が、細胞又は他の生体系においてタンパク質を産生する場合、タンパク質をコードする。そのヌクレオチド配列がmRNA配列と同一であり、通常、配列表で提供されるコード鎖と、遺伝子又はcDNAの転写のための鋳型として使用される非コード鎖との両方が、その遺伝子又はcDNAのタンパク質又は他の産物をコードすることと称され得る。
本発明は、遺伝子治療のためのrAAV粒子又は治療上有効なrAAV粒子を精製する方法に関する。治療上有効なrAAV粒子には、例えば、US9,504,762、WO2019/222136、US2019/0376081、及びWO2019/217513に開示されているように、既知の方法に開示されているか、又はそれに従って作製され得るrAAV粒子が含まれ、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本発明によれば、rAAV粒子の産生は、治療上無効なrAAV粒子を含む様々な不純物を産生する非効率的なプロセスである。これらの不純物は、治療上有効なrAAV粒子を不純物から更に分離する精製技術の能力を制限する。この目的のために、本発明者らは、治療上有効なrAAV粒子を不純物から単離する方法を開発することによって、現在の最新技術の限界を解決した。
様々な実施形態において、治療上有効なrAAV粒子及び治療上無効なrAAV粒子を含むAAV産生不純物を含む組成物から治療上有効なrAAV粒子を精製する方法及びプロセス。様々な実施形態の組成物は、rAAV粒子の産生である。AAV産生不純物はまた、治療上有効なrAAV粒子とは異なる正味電荷を有する不純物、又はAAV粒子とは異なる密度を有する不純物を含み得る。
様々な実施形態の方法及びプロセスは、組成物をAEXに供することを含み、治療上有効なrAAV粒子とは異なる正味電荷を有する不純物が、組成物から除去される。これらの不純物は、治療上無効なrAAV粒子を含む。治療上有効なrAAV粒子の精製のためのZUCの使用は、治療上有効なrAAV粒子よりも可溶性が低く、凝集しやすい、治療上無効なrAAV粒子の存在のために実質的に制限されることが発見された。理論に拘束されることを望むものではないが、これらの特性は、治療上有効なrAAV粒子を単離するZUCの能力に過負荷をかけ得る。例えば、AEX処理のない治療上無効なrAAV粒子は、ZUC中に沈殿し、治療上有効なrAAV粒子からの分離を阻止し得る。この目的のために、AEXは、治療上有効なrAAV粒子の濃度を増加させた組成物が、ZUCによって効率的に充填及び処理され得るように、組成物から十分な量の治療上無効なrAAV粒子を除去する。例えば、増加した濃度の治療上有効なrAAV粒子は、ZUCによって毎回処理することができる経済的に実行可能な量である。例えば、AEX処理は、1充填当たり少なくとも0.1×10e16ベクターゲノム(vg)の力価を、1充填当たり10×10e17vgまで、ZUCによって処理することを可能にし得る。様々な実施形態において、治療上無効なrAAV粒子は、関連するRepタンパク質を有するカプシドを含む。他の実施形態において、治療上無効なrAAV粒子は、脱アミド化N末端アミノ酸を有する1つ以上のVP1タンパク質を有するカプシドを含む。
様々な改良において、AEXは、治療上有効なrAAV粒子とは異なる正味電荷を有する不純物の少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99+%、又は100%を除去又は除去する。他の改良において、AEXによって除去される不純物のパーセンテージは、上記で提供されたいずれか2つのパーセンテージの間の範囲である。様々な改良において、AEXは、組成物から治療上無効なrAAV粒子の少なくとも0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は99%+を除去又は除去する。他の改良において、AEXによって組成物から除去された治療上無効なrAAV粒子のパーセンテージは、上記で提供されたいずれか2つのパーセンテージの間の範囲である。
様々な改良において、AEXは、ZUCによる組成物の後続処理を可能にするか、又は元の組成物が、ZUCによって処理される、より多くの量の治療上有効なrAAV粒子を有することを可能にする。
様々な改良において、AEXは、少なくとも2、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、少なくとも3、少なくとも3.1、少なくとも3.2、少なくとも3.3、少なくとも3.4、少なくとも3.5、少なくとも3.6、少なくとも3.7、少なくとも3.8、少なくとも3.9、少なくとも4、少なくとも4.1、少なくとも4.2、少なくとも4.3、少なくとも4.4、少なくとも4.5、少なくとも4.6、少なくとも4.7、少なくとも4.8、少なくとも4.9、少なくとも5、少なくとも5.1、少なくとも5.2、少なくとも5.3、少なくとも5.4、少なくとも5.5、少なくとも5.6、少なくとも5.7、少なくとも5.8、少なくとも5.9、少なくとも6、少なくとも6.1、少なくとも6.2、少なくとも6.3、少なくとも6.4、少なくとも6.5、少なくとも6.6、少なくとも6.7、少なくとも6.8、少なくとも6.9、又は少なくとも7の少なくともLog10値まで組成物中の汚染ウイルス濃度を低下させる。
様々な改良において、AEXステップは、強い塩基性アニオン交換樹脂を含有する膜フィルター又はカラムを通して組成物を処理することを含む。強塩基性アニオン交換樹脂の例としては、四級化ポリエチレンイミンが挙げられ、I型樹脂は、トリメチルアンモニウムエチル(TMAE)などのトリメチルアンモニウム基を有し、II型樹脂は、ジエチルアミノエチル(DEAE)などのジメチルエタノールアミン基を有する。強塩基性アニオン交換樹脂を有するフィルター又はカラムの例としては、Mustang Q(Pall)、Sartobind Q(Sartorius)、POROS 50 HQ(Thermofisher)、POROS 50 XQ(Thermofisher)、Fractogel TMAE(EMD Millipore)、Fractogel DEAE(EMD Millipore)、Eshmuno Q(EMD Millipore)、CIMmultus-QA(BIA分離)、Nuvia Q(Bio-Rad)、Q Sepharose XL(Cytiva)、Q Sepharose HP(Cytiva)、Capto Q Impres(Cytiva)、Source 15Q(Cytiva)、Source 30Q(Cytiva)、Mono Q(Cytiva)、TSKgel Q-STAT(TOSOH bioscience)、TSKgel SuperQ-5PW(20)(Tosoh Biosciences)、Toyopearl SuperQ 650M(Tosoh Biosciences)、Toyopearl GigaCap Q 650M(Tosoh Biosciences)、及びCapto Adhere Impres(Multimodal、Cytiva)が挙げられる。弱塩基性アニオン交換樹脂の例としては、ジエチルアミノエチル(DEAE)、ジメチルアミノプロピル、又はジエチルアミノプロピル(ANX)が挙げられる。弱塩基性アニオン交換樹脂を有するフィルター及びカラムの例としては、Sartobind STIC PA(Sartorius)、DEAE Sepharose FF(Cytiva)、Poros 50 D(Thermofisher)、POROS50PI(ThermoFisher)、Fractogel EMD DEAE(M)(EMD Millipore)、MacroPrep DEAE Support(Bio-Rad)、DEAE Ceramic HyperD20(Sartorius)、Toyopearl NH2-750F(Tosoh Biosciences)、又はToyopearl DEAE650 M(Sigma Aldrich)が挙げられる。AEXで使用するための好適な緩衝液及び緩衝剤には、例えば、N-メチルピペラジン、ピペラジン、ビス-トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、ビス-トリスプロパン、MES、Hepes、BTP、リン酸緩衝液N-メチルジエタノールアミン、1,3-ジアミノプロパン、エタノールアミン、酢酸ナトリウム若しくは酢酸リチウムなどの酢酸、又はクエン酸塩などの様々な供給源から与えられたイオンが挙げられ得る。様々な改良において、カラムのベッドの高さは、少なくとも7センチメートル(cm)、7cm、7.1cm、7.2cm、7.3cm、7.4cm、7.5cm、7.6cm、7.7cm、7.8cm、7.9cm、8cm、8.1cm、8.2cm、8.3cm、8.4cm、8.5cm、8.6cm、8.7cm、8.8cm、8.9cm、9cm、9.1cm、9.2cm、9.3cm、9.4cm、9.5cm、9.6cm、9.7cm、9.8cm、9.9cm、10cm、10.1cm、10.2cm、10.3cm、10.4cm、10.5cm、10.6cm、10.7cm、10.8cm、10.9cm、11cm、11.1cm、11.2cm、11.3cm、11.4cm、11.5cm、11.6cm、11.7cm、11.8cm、11.9cm、12cm、12.1cm、12.2cm、12.3cm、12.4cm、12.5cm、12.6cm、12.7cm、12.8cm、12.9cm、13cm、13.1cm、13.2cm、13.3cm、13.4cm、13.5cm、13.6cm、13.7cm、13.8cm、13.9cm、14cm、14.1cm、14.2cm、14.3cm、14.4cm、14.5cm、14.6cm、14.7cm、14.8cm、14.9cm、又は15cmである。他の改良において、カラムのベッドの高さは、15cm超(15.1cm、15.2cm、15.3cm、15.4cm、15.5cm、15.6cm、15.7cm、15.8cm、15.9cm、16cm、16.1cm、16.2cm、16.3cm、16.4cm、16.5cm、16.6cm、16.7cm、16.8cm、16.9cm、17cm、17.1cm、17.2cm、17.3cm、17.4cm、17.5cm、17.6cm、17.7cm、17.8cm、17.9cm、18cm、18.1cm、18.2cm、18.3cm、18.4cm、18.5cm、18.6cm、18.7cm、18.8cm、18.9cm、19cm、19.1cm、19.2cm、19.3cm、19.4cm、19.5cm、19.6cm、19.7cm、19.8cm、19.9cm、20cm、20.1cm、20.2cm、20.3cm、20.4cm、20.5cm、20.6cm、20.7cm、20.8cm、20.9cm、21cm、21.1cm、21.2cm、21.3cm、21.4cm、21.5cm、21.6cm、21.7cm、21.8cm、21.9cm、22cm、22.1cm、22.2cm、22.3cm、22.4cm、22.5cm、22.6cm、22.7cm、22.8cm、22.9cm、23cm、23.1cm、23.2cm、23.3cm、23.4cm、23.5cm、23.6cm、23.7cm、23.8cm、23.9cm、24cm、24.1cm、24.2cm、24.3cm、24.4cm、24.5cm、24.6cm、24.7cm、24.8cm、24.9cm、25cm、25.1cm、25.2cm、25.3cm、25.4cm、25.5cm、25.6cm、25.7cm、25.8cm、25.9cm、26cm、26.1cm、26.2cm、26.3cm、26.4cm、26.5cm、26.6cm、26.7cm、26.8cm、26.9cm、27cm、27.1cm、27.2cm、27.3cm、27.4cm、27.5cm、27.6cm、27.7cm、27.8cm、27.9cm、28cm、28.1cm、28.2cm、28.3cm、28.4cm、28.5cm、28.6cm、28.7cm、28.8cm、28.9cm、29cm、29.1cm、29.2cm、29.3cm、29.4cm、29.5cm、29.6cm、29.7cm、29.8cm、29.9cm、30cm)である。他の改良において、カラムのベッドの高さは、上記で提供されたいずれか2つのベッドの高さの間の範囲である。
様々な改良において、AEX操作は、少なくとも6、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、又は11のpHで行われる。他の改良において、AEX操作が行われるpHは、上記で提供されたいずれか2つのpHの間の範囲である。
様々な改良において、AEX操作は、少なくともセ氏4度(℃)、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、11℃、12℃、13℃、14℃、15℃、16℃、17℃、18℃、19℃、20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、又は36℃の温度で行われる。他の改良において、AEX操作が行われる温度は、上記で提供されたいずれか2つの温度の間の範囲である。
様々な改良において、AEX処理のためにAEXカラムに充填された組成物は、少なくとも1リットル当たり0.1×10e16ベクターゲノム(vg/L)、015×10e16vg/L、0.5×10e16vg/L、1×10e16vg/L、1.5×10e16vg/L、2×10e16vg/L、2.5×10e16vg/L、3×10e16vg/L、3.5×10e16vg/L、4×10e16vg/L、4.5×10e16vg/L、5×10e16vg/L、5.5×10e16vg/L、6×10e16vg/L、6.5×10e16vg/L、7×10e16vg/L、7.5×10e16vg/L、8×10e16vg/L、8.5×10e16vg/L、9×10e16vg/L、9.5×10e16vg/L、又は10×10e16vg/Lの力価を有する。他の改良において、力価は、上記で提供されたいずれか2つの力価の間の範囲である。
様々な改良において、AEX処理のためにAEXカラムに充填された組成物は、少なくとも0.0ミリジーメンス/センチメートル(mS/cm)、0.0mS/cm、0.001mS/cm、0.002mS/cm、0.003mS/cm、0.004mS/cm、0.005mS/cm、0.006mS/cm、0.007mS/cm、0.008mS/cm、0.009mS/cm、0.01mS/cm、0.02mS/cm、0.03mS/cm、0.04mS/cm、0.05mS/cm、0.06mS/cm、0.07mS/cm、0.08mS/cm、0.09mS/cm、0.1mS/cm、0.1mS/cm、0.2mS/cm、0.3mS/cm、0.4mS/cm、0.5mS/cm、0.6mS/cm、0.7mS/cm、0.8mS/cm、0.9mS/cm、1mS/cm、1.1mS/cm、1.2mS/cm、1.3mS/cm、1.4mS/cm、1.5mS/cm、1.6mS/cm、1.7mS/cm、1.8mS/cm、1.9mS/cm、2mS/cm、2.1mS/cm、2.2mS/cm、2.3mS/cm、2.4mS/cm、2.5mS/cm、2.6mS/cm、2.7mS/cm、2.8mS/cm、2.9mS/cm、3mS/cm、3.1mS/cm、3.2mS/cm、3.3mS/cm、3.4mS/cm、3.5mS/cm、3.6mS/cm、3.7mS/cm、3.8mS/cm、3.9mS/cm、4mS/cm、4.1mS/cm、4.2mS/cm、4.3mS/cm、4.4mS/cm、4.5mS/cm、4.6mS/cm、4.7mS/cm、4.8mS/cm、4.9mS/cm、5mS/cm、5.1mS/cm、5.2mS/cm、5.3mS/cm、5.4mS/cm、5.5mS/cm、5.6mS/cm、5.7mS/cm、5.8mS/cm、5.9mS/cm、6mS/cm、6.1mS/cm、6.2mS/cm、6.3mS/cm、6.4mS/cm、6.5mS/cm、6.6mS/cm、6.7mS/cm、6.8mS/cm、6.9mS/cm、又は7mS/cmの導電率を有する。他の改良において、AEX処理のためにAEXカラムに充填された組成物は、1mS/cm未満の導電率を有する。他の改良において、AEXカラムに充填された組成物の導電率は、上記で提供されたいずれか2つの導電率の間の範囲である。
様々な改良において、AEX処理のためにAEXカラムに充填された組成物は、少なくとも7、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、又は11のpHを有する。他の改良において、AEXカラムに充填された組成物のpHは、上記で提供されたいずれか2つのpHの間の範囲である。
様々な改良において、カラムは、組成物を、AEXカラムを通して流した後、緩衝液で洗浄される。様々な改良において、洗浄緩衝液の導電率は、少なくとも1mS/cm、1mS/cm、1.1mS/cm、1.2mS/cm、1.3mS/cm、1.4mS/cm、1.5mS/cm、1.6mS/cm、1.7mS/cm、1.8mS/cm、1.9mS/cm、2mS/cm、2.1mS/cm、2.2mS/cm、2.3mS/cm、2.4mS/cm、2.5mS/cm、2.6mS/cm、2.7mS/cm、2.8mS/cm、2.9mS/cm、3mS/cm、3.1mS/cm、3.2mS/cm、3.3mS/cm、3.4mS/cm、3.5mS/cm、3.6mS/cm、3.7mS/cm、3.8mS/cm、3.9mS/cm、4mS/cm、4.1mS/cm、4.2mS/cm、4.3mS/cm、4.4mS/cm、4.5mS/cm、4.6mS/cm、4.7mS/cm、4.8mS/cm、4.9mS/cm、5mS/cm、5.1mS/cm、5.2mS/cm、5.3mS/cm、5.4mS/cm、5.5mS/cm、5.6mS/cm、5.7mS/cm、5.8mS/cm、5.9mS/cm、6mS/cm、6.1mS/cm、6.2mS/cm、6.3mS/cm、6.4mS/cm、6.5mS/cm、6.6mS/cm、6.7mS/cm、6.8mS/cm、6.9mS/cm、又は7mS/cmである。他の改良において、洗浄緩衝液の導電率は、7mS/cm超である。他の改良において、洗浄緩衝液の導電率は、上記で提供されたいずれか2つの導電率の間の範囲である。
カラムを様々な実施形態の洗浄緩衝液で洗浄する場合、カラムから出る洗浄緩衝液の260ナノメートル(nm)及び280nm波長での紫外線(UV)吸光度をモニタリングし、260nm波長対280nm波長の比(A260:A280)を計算することにより、ヒューマンエラー及び異なる精製間の変動を排除することができる。様々な改良において、カラムから出る洗浄緩衝液のA260:A280は、少なくとも0.5、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、又は1.5である。他の改良において、カラムから出る洗浄緩衝液のA260:A280比は、上記で提供されたいずれか2つの比の間の範囲である。
様々な改良において、組成物は、洗浄緩衝液でAEXカラムを洗浄した後、ある濃度の緩衝剤を含有する溶出緩衝液で溶出される。様々な改良において、緩衝剤の濃度は、少なくとも0.5mM、0.5mM、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、31mM、32mM、33mM、34mM、35mM、36mM、37mM、38mM、39mM、40mM、41mM、42mM、43mM、44mM、45mM、46mM、47mM、48mM、49mM、50mM、51mM、52mM、53mM、54mM、55mM、56mM、57mM、58mM、59mM、60mM、61mM、62mM、63mM、64mM、65mM、66mM、67mM、68mM、69mM、70mM、71mM、72mM、73mM、74mM、75mM、76mM、77mM、78mM、79mM、80mM、81mM、82mM、83mM、84mM、85mM、86mM、87mM、88mM、89mM、90mM、91mM、92mM、93mM、94mM、95mM、96mM、97mM、98mM、99mM、100mM、101mM、102mM、103mM、104mM、105mM、106mM、107mM、108mM、109mM、110mM、111mM、112mM、113mM、114mM、115mM、116mM、117mM、118mM、119mM、120mM、121mM、122mM、123mM、124mM、125mM、126mM、127mM、128mM、129mM、130mM、131mM、132mM、133mM、134mM、135mM、136mM、137mM、138mM、139mM、140mM、141mM、142mM、143mM、144mM、145mM、146mM、147mM、148mM、149mM、150mM、151mM、152mM、153mM、154mM、155mM、156mM、157mM、158mM、159mM、160mM、161mM、162mM、163mM、164mM、165mM、166mM、167mM、168mM、169mM、170mM、171mM、172mM、173mM、174mM、又は175mMである。他の改良において、緩衝剤の濃度は、上記で提供されたいずれか2つの濃度の間の範囲である。様々な改良の溶出緩衝液はまた、少なくとも1mS/cm、1mS/cm、1.1mS/cm、1.2mS/cm、1.3mS/cm、1.4mS/cm、1.5mS/cm、1.6mS/cm、1.7mS/cm、1.8mS/cm、1.9mS/cm、2mS/cm、2.1mS/cm、2.2mS/cm、2.3mS/cm、2.4mS/cm、2.5mS/cm、2.6mS/cm、2.7mS/cm、2.8mS/cm、2.9mS/cm、3mS/cm、3.1mS/cm、3.2mS/cm、3.3mS/cm、3.4mS/cm、3.5mS/cm、3.6mS/cm、3.7mS/cm、3.8mS/cm、3.9mS/cm、4mS/cm、4.1mS/cm、4.2mS/cm、4.3mS/cm、4.4mS/cm、4.5mS/cm、4.6mS/cm、4.7mS/cm、4.8mS/cm、4.9mS/cm、5mS/cm、5.1mS/cm、5.2mS/cm、5.3mS/cm、5.4mS/cm、5.5mS/cm、5.6mS/cm、5.7mS/cm、5.8mS/cm、5.9mS/cm、6mS/cm、6.1mS/cm、6.2mS/cm、6.3mS/cm、6.4mS/cm、6.5mS/cm、6.6mS/cm、6.7mS/cm、6.8mS/cm、6.9mS/cm、7mS/cm、7.1mS/cm、7.2mS/cm、7.3mS/cm、7.4mS/cm、7.5mS/cm、7.6mS/cm、7.7mS/cm、7.8mS/cm、7.9mS/cm、8mS/cm、8.1mS/cm、8.2mS/cm、8.3mS/cm、8.4mS/cm、8.5mS/cm、8.6mS/cm、8.7mS/cm、8.8mS/cm、8.9mS/cm、9mS/cm、9.1mS/cm、9.2mS/cm、9.3mS/cm、9.4mS/cm、9.5mS/cm、9.6mS/cm、9.7mS/cm、9.8mS/cm、9.9mS/cm、又は10mS/cmの導電率を有する。他の改良において、溶出緩衝液の導電率は、上記で提供されたいずれか2つの導電率の間の範囲である。
様々な改良において、AEX操作は、AEXカラムを通した組成物の処理を含み、洗浄ステップ、又は溶出ステップは、少なくとも50センチメートル/時(cm/hr)、50cm/hr、55cm/hr、60cm/hr、65cm/hr、70cm/hr、75cm/hr、80cm/hr、85cm/hr、90cm/hr、95cm/hr、100cm/hr、105cm/hr、110cm/hr、115cm/hr、120cm/hr、125cm/hr、130cm/hr、135cm/hr、140cm/hr、145cm/hr、150cm/hr、155cm/hr、160cm/hr、170cm/hr、180cm/hr、190cm/hr、200cm/hr、210cm/hr、220cm/hr、230cm/hr、240cm/hr、250cm/hr、260cm/hr、270cm/hr、280cm/hr、290cm/hr、又は300cm/hrの流量で行われる。他の改良において、AEX操作が行われる流量は、上記で提供されたいずれか2つの流量の間の範囲である。
溶出ステップの間、溶出される組成物が、光路長で260nmの波長(A260)でUV吸光度に達すると、組成物の収集が開始する。様々な改良において、溶出される組成物が、少なくとも0.1吸光度単位(AU)/cm、0.1AU/cm、0.15AU/cm、0.2AU/cm、0.25AU/cm、0.3AU/cm、0.35AU/cm、0.4AU/cm、0.45AU/cm、0.5AU/cm、0.55AU/cm、0.6AU/cm、0.65AU/cm、0.7AU/cm、0.75AU/cm、0.8AU/cm、0.85AU/cm、0.9AU/cm、0.95AU/cm、又は1AU/cmに達すると、組成物の収集が開始する。他の改良において、収集開始時の吸光度は、上記で提供されたいずれか2つの吸光度の間の範囲である。
溶出ステップの間、溶出される組成物が、組成物が到達する最大A260のパーセンテージであるA260に達したときに組成物の収集は終了する。種々の改良において、パーセンテージは、少なくとも0.1%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、又は25%である。他の改良において、最大A260のパーセンテージは、上記で提供されたいずれか2つのパーセンテージの間の範囲である。
様々な改良において、AEXカラムから溶出した組成物又は溶出液のpHは、少なくとも6、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、又は11であるか、又はそれらに調整される。他の改良において、AEXカラムから溶出した組成物のpHは、上記で提供されたいずれか2つのpHの間の範囲である。
様々な実施形態の方法及びプロセスは、組成物をZUCに供することを含み、治療上有効なrAAV粒子とは異なる密度を有する不純物が、組成物から除去される。
様々な改良において、ZUCは、治療上有効なrAAV粒子とは異なる密度を有する不純物の少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99+%、又は100%を除去又は除去する。他の改良において、ZUCによって除去される不純物のパーセンテージは、上記で提供されたいずれか2つのパーセンテージの間の範囲である。様々な改良において、ZUCは、組成物中の汚染ウイルス濃度を、少なくとも1.5、少なくとも1.6、少なくとも1.7、少なくとも1.8、少なくとも1.9、少なくとも2、少なくとも2.1、少なくとも2.2、少なくとも2.3、少なくとも2.4、少なくとも2.5、少なくとも2.6、少なくとも2.7、少なくとも2.8、少なくとも2.9、少なくとも3、少なくとも3.1、少なくとも3.2、少なくとも3.3、少なくとも3.4、少なくとも3.5、少なくとも3.6、少なくとも3.7、少なくとも3.8、少なくとも3.9、又は少なくとも4の少なくともLog10値低下させる。
ZUC処理の様々な改良において、勾配化合物が組成物に加えられ、組成物は、ゾーン超遠心分離のためにローター内のクッション層とオーバーレイ層との間に充填される。ZUCが完了した後、置換溶液がローターにポンプで送られて、クッション層、組成物、及びオーバーレイ層をZUCローターから強制的に取り出す。あるいは、クッション層、組成物、及びオーバーレイ層は、置換溶液を使用せずにZUCローターからポンプで送られる。層を有するZUCローターの充填及び非充填の両方において、ZUCローターは回転していてもよいか、又は静止していてもよい。ZUC処理では、オーバーレイ層が、最初に回転しているか、又は静止したZUCローターにポンプで送られ、続いて、勾配化合物及びクッション層を有する組成物がポンプで送られる。クッション層、オーバーレイ層、及び置換溶液はまた、勾配化合物を含有する。勾配形成組成物の例としては、塩化セシウム(CsCl)、イオジキサノール、又はスクロースが挙げられる。クッション層は、粒子(例えば、治療上有効なrAAV)が、ローターの壁に対してペレット化するのを防ぎ、オーバーレイ層は、粒子が、勾配化合物によって形成された勾配から移動するのを防ぐ。改良では、クッション層、組成物、及びオーバーレイ層中の勾配化合物の濃度は互いに異なる。他の改良では、クッション層中の勾配化合物の濃度は、組成物よりも大きい。更なる改良では、化合物中の勾配の濃度は、オーバーレイ層よりも大きい。
様々な改良において、クッション層、組成物、オーバーレイ層、又は置換溶液中の勾配化合物の濃度は、少なくとも15%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、又は75%である。他の改良において、クッション層、組成物、オーバーレイ層、又は置換溶液中の勾配化合物の濃度は、上記で提供されたいずれか2つの濃度の範囲である。
様々な改良において、ZUCローターにポンプで送られるオーバーレイ層の重量は、少なくとも117グラム、117g、118g、119g、120g、121g、122g、123g、124g、125g、126g、127g、128g、129g、130g、131g、132g、133g、134g、135g、136g、137g、138g、139g、140g、141g、142g、143g、144g、145g、146g、147g、148g、149g、150g、151g、152g、153g、154g、155g、156g、157g、158g、159g、160g、161g、162g、163g、164g、165g、166g、167g、168g、169g、170g、171g、172g、173g、174g、175g、176g、177g、178g、179g、180g、181g、182g、183g、184g、185g、186g、187g、188g、189g、190g、191g、192g、193g、194g、195g、196g、197g、198g、199g、200g、201g、202g、203g、204g、205g、206g、207g、208g、209g、210g、211g、212g、213g、214g、215g、216g、217g、218g、219g、220g、221g、222g、223g、224g、225g、226g、227g、228g、229g、230g、231g、232g、233g、234g、235g、236g、237g、238g、239g、240g、241g、242g、243g、244g、245g、246g、247g、248g、249g、250g、251g、252g、253g、254g、255g、256g、257g、258g、259g、260g、261g、262g、263g、264g、265g、266g、267g、268g、269g、270g、271g、272g、273g、274g、275g、276g、277g、278g、279g、280g、281g、282g、283g、284g、285g、286g、287g、288g、289g、290g、291g、292g、293g、294g、295g、296g、297g、298g、299g、300g、301g、302g、303g、304g、305g、306g、307g、308g、309g、310g、311g、312g、313g、314g、315g、316g、317g、318g、319g、320g、321g、322g、323g、324g、325g、326g、327g、328g、329g、330g、331g、332g、333g、334g、335g、336g、337g、338g、339g、340g、又は341gである。代替の改良において、ZUCローターにポンプで送られるオーバーレイ層の重量は、少なくとも1100g、1110g、1120g、1130g、1140g、1150g、1160g、1170g、1180g、1190g、1200g、1210g、1220g、1230g、1240g、1250g、1260g、1270g、1280g、1290g、又は1300gである。他の改良において、ZUCローターにポンプで送られるオーバーレイ層の重量は、上記で提供されたいずれか2つの重量の間の範囲である。
様々な改良において、ZUCローターにポンプで送られるクッション層の重量は、少なくとも534g、534g、535g、536g、537g、538g、539g、540g、541g、542g、543g、544g、545g、546g、547g、548g、549g、550g、551g、552g、553g、554g、555g、556g、557g、558g、559g、560g、561g、562g、563g、564g、565g、566g、567g、568g、569g、570g、571g、572g、573g、574g、575g、576g、577g、578g、579g、580g、581g、582g、583g、584g、585g、586g、587g、588g、589g、590g、591g、592g、593g、594g、595g、596g、597g、598g、599g、600g、601g、602g、603g、604g、605g、606g、607g、608g、609g、610g、611g、612g、613g、614g、615g、616g、617g、618g、619g、620g、621g、622g、623g、624g、625g、626g、627g、628g、629g、630g、631g、632g、633g、634g、635g、636g、637g、638g、639g、640g、641g、642g、643g、644g、645g、646g、647g、648g、649g、650g、651g、652g、653g、654g、655g、656g、657g、658g、659g、660g、661g、662g、663g、664g、665g、666g、667g、又は668gである。代替の改良において、ZUCローターにポンプで送られるクッション層の重量は、少なくとも3600g、3600g、3601g、3602g、3603g、3604g、3605g、3606g、3607g、3608g、3609g、3610g、3611g、3612g、3613g、3614g、3615g、3616g、3617g、3618g、3619g、3620g、3621g、3622g、3623g、3624g、3625g、3626g、3627g、3628g、3629g、3630g、3631g、3632g、3633g、3634g、3635g、3636g、3637g、3638g、3639g、3640g、3641g、3642g、3643g、3644g、3645g、3646g、3647g、3648g、3649g、3650g、3651g、3652g、3653g、3654g、3655g、3656g、3657g、3658g、3659g、3660g、3661g、3662g、3663g、3664g、3665g、3666g、3667g、3668g、3669g、3670g、3671g、3672g、3673g、3674g、3675g、3676g、3677g、3678g、3679g、3680g、3681g、3682g、3683g、3684g、3685g、3686g、3687g、3688g、3689g、3690g、3691g、3692g、3693g、3694g、3695g、3696g、3697g、3698g、3699g、又は3700gである。他の改良において、ZUCローターにポンプで送られるクッション層の重量は、上記で提供されたいずれか2つの重量の間の範囲である。
様々な改良において、ZUC処理のためにZUCローターに充填される組成物は、少なくとも0.1×10e16vg/充填、0.1×10e16vg/充填、0.5×10e16vg/充填、1×10e16vg/充填、1.5×10e16vg/充填、2×10e16vg/充填、2.5×10e16vg/充填、3×10e16vg/充填、3.5×10e16vg/充填、4×10e16vg/充填、4.5×10e16vg/充填、5×10e16vg/充填、5.5×10e16vg/充填、6×10e16vg/充填、6.5×10e16vg/充填、7×10e16vg/充填、7.5×10e16vg/充填、8×10e16vg/充填、8.5×10e16vg/充填、9×10e16vg/充填、9.5×10e16vg/充填、10×10e16vg/充填、0.1×10e17vg/充填、0.5×10e17vg/充填、1×10e17vg/充填、1.5×10e17vg/充填、2×10e17vg/充填、2.5×10e17vg/充填、3×10e17vg/充填、3.5×10e17vg/充填、4×10e17vg/充填、4.5×10e17vg/充填、5×10e17vg/充填、5.5×10e17vg/充填、6×10e17vg/充填、6.5×10e17vg/充填、7×10e17vg/充填、7.5×10e17vg/充填、8×10e17vg/充填、8.5×10e17vg/充填、9×10e17vg/充填、9.5×10e17vg/充填、又は10×10e17vg/充填の力価を有する。他の改良において、力価は、上記で提供されたいずれか2つの力価の間の範囲である。
様々な改良において、ZUC処理のためにZUCローターに充填される組成物の密度は、少なくとも1ミリリットル当たり1.347グラム(g/mL)、1.3471g/mL、1.3472g/mL、1.3473g/mL、1.3474g/mL、1.3475g/mL、1.3476g/mL、1.3477g/mL、1.3478g/mL、1.3479g/mL、1.348g/mL、1.3481g/mL、1.3482g/mL、1.3483g/mL、1.3484g/mL、1.3485g/mL、1.3486g/mL、1.3487g/mL、1.3488g/mL、1.3489g/mL、1.349g/mL、1.3491g/mL、1.3492g/mL、1.3493g/mL、1.3494g/mL、1.3495g/mL、1.3496g/mL、1.3497g/mL、1.3498g/mL、1.3499g/mL、1.35g/mL、1.3501g/mL、1.3502g/mL、1.3503g/mL、1.3504g/mL、1.3505g/mL、1.3506g/mL、1.3507g/mL、1.3508g/mL、1.3509g/mL、1.351g/mL、1.3511g/mL、1.3512g/mL、1.3513g/mL、1.3514g/mL、1.3515g/mL、1.3516g/mL、1.3517g/mL、1.3518g/mL、1.3519g/mL、1.352g/mL、1.3521g/mL、1.3522g/mL、1.3523g/mL、1.3524g/mL、1.3525g/mL、1.3526g/mL、1.3527g/mL、1.3528g/mL、1.3529g/mL、1.353g/mL、1.3531g/mL、1.3532g/mL、1.3533g/mL、1.3534g/mL、1.3535g/mL、1.3536g/mL、1.3537g/mL、1.3538g/mL、1.3539g/mL、1.354g/mL、1.3541g/mL、1.3542g/mL、1.3543g/mL、1.3544g/mL、1.3545g/mL、1.3546g/mL、1.3547g/mL、1.3548g/mL、1.3549g/mL、1.355g/mL、1.3551g/mL、1.3552g/mL、1.3553g/mL、1.3554g/mL、1.3555g/mL、1.3556g/mL、1.3557g/mL、1.3558g/mL、1.3559g/mL、1.356g/mL、1.3561g/mL、1.3562g/mL、1.3563g/mL、1.3564g/mL、1.3565g/mL、1.3566g/mL、1.3567g/mL、1.3568g/mL、1.3569g/mL、1.357g/mL、1.3571g/mL、1.3572g/mL、1.3573g/mL、1.3574g/mL、1.3575g/mL、1.3576g/mL、1.3577g/mL、1.3578g/mL、1.3579g/mL、1.358g/mL、1.3581g/mL、1.3582g/mL、1.3583g/mL、1.3584g/mL、1.3585g/mL、1.3586g/mL、1.3587g/mL、1.3588g/mL、1.3589g/mL、1.359g/mL、1.3591g/mL、1.3592g/mL、1.3593g/mL、1.3594g/mL、1.3595g/mL、1.3596g/mL、1.3597g/mL、1.3598g/mL、1.3599g/mL、1.36g/mL、1.3601g/mL、1.3602g/mL、1.3603g/mL、1.3604g/mL、1.3605g/mL、1.3606g/mL、1.3607g/mL、1.3608g/mL、1.3609g/mL、1.361g/mL、1.3611g/mL、1.3612g/mL、1.3613g/mL、1.3614g/mL、1、1.3675g/mL、1.3676g/mL、1.3677g/mL、1.3678g/mL、1.3679g/mL、1.368g/mL、1.3681g/mL、1.3682g/mL、1.3683g/mL、1.3684g/mL、1.3685g/mL、1.3686g/mL、1.3687g/mL、1.3688g/mL、1.3689g/mL、1.369g/mL、1.3691g/mL、1.3692g/mL、1.3693g/mL、1.3694g/mL、1.3695g/mL、1.3696g/mL、1.3697g/mL、1.3698g/mL、1.3699g/mL、1.37g/mL、1.3701g/mL、1.3702g/mL、1.3703g/mL、1.3704g/mL、1.3705g/mL、1.3706g/mL、1.3707g/mL、1.3708g/mL、1.3709g/mL、又は1.371g/mLである。他の改良において、ZUC処理のためにZUCローターに充填される組成物の密度は、上記で提供されたいずれか2つの密度の間の範囲である。
様々な改良において、クッション層、組成物、オーバーレイ層、又は置換溶液は、少なくとも毎分20ミリリットル(mL/分)、20mL/分、21mL/分、22mL/分、23mL/分、24mL/分、25mL/分、26mL/分、27mL/分、28mL/分、29mL/分、30mL/分、31mL/分、32mL/分、33mL/分、34mL/分、35mL/分、36mL/分、37mL/分、38mL/分、39mL/分、40mL/分、41mL/分、42mL/分、43mL/分、44mL/分、45mL/分、46mL/分、47mL/分、48mL/分、49mL/分、50mL/分、51mL/分、52mL/分、53mL/分、54mL/分、55mL/分、56mL/分、57mL/分、58mL/分、59mL/分、60mL/分、61mL/分、62mL/分、63mL/分、64mL/分、65mL/分、66mL/分、67mL/分、68mL/分、69mL/分、又は70mL/分の流量でZUCローターに充填される。代替の改良において、クッション層、組成物、オーバーレイ層、又は置換溶液は、200mL/分以上の流量でZUCローターに充填される。他の改良において、クッション層、組成物、オーバーレイ層、又は置換溶液が、ZUCローターに充填される流量は、上記で提供されたいずれか2つの流量の間の範囲である。
充填後、充填されたZUCローターは、ある速度で一定期間遠心分離されて、勾配を形成し、密度によって粒子を分離する。
様々な改良において、ZUCローターは、少なくとも毎分10000回転(rpm)、10000rpm、11000rpm、12000rpm、13000rpm、14000rpm、15000rpm、16000rpm、17000rpm、18000rpm、19000rpm、20000rpm、21000rpm、22000rpm、23000rpm、24000rpm、25000rpm、26000rpm、27000rpm、28000rpm、29000rpm、30000rpm、31000rpm、32000rpm、33000rpm、34000rpm、35000rpm、36000rpm、37000rpm、38000rpm、39000rpm、40000rpm、41000rpm、42000rpm、43000rpm、44000rpm、45000rpm、46000rpm、47000rpm、48000rpm、49000rpm、又は50000rpmで遠心分離される。他の改良において、ZUCローターが遠心分離される速度は、上記で提供されたいずれか2つの速度の間の範囲である。
代替の改良において、ZUCローターは、少なくとも50000gの力(G)、50000G、55000G、60000G、65000G、70000G、75000G、80000G、85000G、90000G、95000G、100000G、105000G、110000G、115000G、120000G、又は125000Gで遠心分離される。他の代替の改良において、ZUCローターが遠心分離される速度は、上記で提供されたいずれか2つの速度の間の範囲である。
様々な改良において、ZUCローターは、少なくとも13時間(hr)、13hr、13.5hr、14hr、14.5hr、15hr、15.5hr、16hr、16.5hr、17hr、17.5hr、18hr、18.5hr、19hr、19.5hr、20hr、20.5hr、21hr、21.5hr、22hr、22.5hr、23hr、23.5hr、24hr、24.5hr、又は25hr、遠心分離される。他の改良において、充填されたZUCローターが遠心分離される時間は、上記で提供されたいずれか2つの時間の間の範囲である。
様々な改良において、充填されたZUCローターは、少なくとも10℃、10℃、10.5℃、11℃、11.5℃、12℃、12.5℃、13℃、13.5℃、14℃、14.5℃、15℃、15.5℃、16℃、16.5℃、17℃、17.5℃、18℃、18.5℃、19℃、19.5℃、20℃、20.5℃、21℃、21.5℃、22℃、22.5℃、23℃、23.5℃、24℃、24.5℃、25℃、25.5℃、26℃、26.5℃、27℃、27.5℃、28℃、28.5℃、29℃、29.5℃、30℃、30.5℃、31℃、31.5℃、32℃、32.5℃、33℃、33.5℃、34℃、34.5℃、35℃、35.5℃、又は36℃の温度で遠心分離される。他の改良において、充填されたZUCローターが遠心分離される温度は、上記で証明されたいずれか2つの温度の間の範囲である。
粒子が超遠心分離によって分離された後、クッション層、組成物、及びオーバーレイ層をZUCローターから押し出すために置換溶液をローターにポンプで送ることによって、ZUCで処理された組成物を回収するために、充填されたローターを静止させるか、又はある速度(例えば、1000rpm、1500rpm、2000rpm、2500rpm、3000rpm、3500rpm、4000rpm、4500rpm、又は5000)で遠心分離することができる。様々な改良において、充填されたローターは、少なくとも0分(分)、少なくとも1分、10分、20分、30分、40分、50分、60分、70分、80分、90分、100分、110分、120分、130分、140分、150分、160分、170分、180分、190分、200分、210分、220分、230分、240分、250分、260分、270分、280分、290分、300分、310分、320分、330分、340分、350分、又は360分間遠心分離される。他の改良において、ローターが遠心分離される時間は、上記で提供されたいずれか2つの時間の間の範囲である。
様々な実施形態において、AEX及びZUCは、AAV産生不純物の少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99+%、又は100%を除去又は除去する。異なる実施形態において、AEX及びZUCによって除去されるAAV産生不純物のパーセンテージは、上記のいずれか2つのパーセンテージの間の範囲である。改良において、組成物は、AEX及びZUC処理後にAAV産生不純物を実質的に欠いている。上述のように、rAAVが産生されるとき、目的の完全な導入遺伝子を含有する重カプシド、目的の導入遺伝子の一部を含有する部分的カプシド、及び軽カプシドの混合物が存在する。以下に強調されるように、空及び軽カプシドは、治療上有効性を有さず、異種タンパク質、核酸などへの患者の曝露を増加させ、それによって患者における有害な免疫反応の可能性を増加させる。したがって、空及び軽カプシドは、可能な限りAAVから除去すべきであることが好ましい。AEX及びZUCの併用は、99+%の純度の重及び部分的カプシドを得ることができ、ZUC処理はAEX後に行われる。これに関して、AEXが最初のステップとして使用されない場合、空及び軽カプシドはZUCの容量を過負荷にし、その結果、ZUC処理中に沈殿をもたらす。他方で、ZUCなしでAEXを使用すると、空及び軽カプシドは完全に除去されない。したがって、本発明は、少なくとも85%の純度である(すなわち、軽及び空カプシドを含まない)、AAV重及びカプシドを精製する方法に関する。更なる改良において、重及び部分的カプシドは、少なくとも90%の純度であるか、重及び部分的カプシドは、99+%の純度であるか、又は組成物は、検出可能な軽若しくは空カプシドを有しない。
様々な実施形態の方法及びプロセスは、AEX処理とZUC処理との間にタンジェンシャルフロー濾過(TFF)を介して組成物を処理することを含む。このTFFステップは、限外濾過及びダイアフィルトレーションのステップを含み、AEX溶出緩衝液は、組成物から除去され、ZUC処理のための勾配形成化合物を含む充填緩衝液に置き換えられる。
様々な改良において、TFFのために充填されたAEXで処理された組成物は、少なくとも0.1×10e17vg/平方メートル(m)、0.1×10e17vg/m、0.5×10e17vg/m、1×10e17vg/m、1.5×10e17vg/m、2×10e17vg/m、2.5×10e17vg/m、3×10e17vg/m、3.5×10e17vg/m、4×10e17vg/m、4.5×10e17vg/m、5×10e17vg/m、5.5×10e17vg/m、6×10e17vg/m、6.5×10e17vg/m、7×10e17vg/m、7.5×10e17vg/m、8×10e17vg/m、8.5×10e17vg/m、9×10e17vg/m、9.5×10e17vg/m、又は10×10e17vg/mの力価を有する。他の改良において、力価は、上記で提供されたいずれか2つの力価の間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、少なくとも1平方インチ当たり2ポンド(psi)(0.137895bar)、2psi(0.137895bar)、3psi(0.206843bar)、4psi(0.27579bar)、5psi(0.344738bar)、6psi(0.413685bar)、7psi(0.482633bar)、8psi(0.551581bar)、9psi(0.620528bar)、10psi(0.689476bar)、11psi(0.758423bar)、12psi(0.827371bar)、13psi(0.896318bar)、14psi(0.965266bar)、15psi(1.03421bar)、16psi(1.10316bar)、17psi(1.17211bar)、18psi(1.24106bar)、19psi(1.31bar)、20psi(1.37895bar)、21psi(1.4479bar)、22psi(1.51685bar)、23psi(1.58579bar)、24psi(1.65474bar)、25psi(1.72369bar)、26psi(1.79264bar)、27psi(1.86158bar)、28psi(1.93053bar)、29psi(1.99948bar)、30psi(2.06843bar)、31psi(2.13737bar)、32psi(2.20632bar)、33psi(2.27527bar)、34psi(2.34422bar)、35psi(2.41317bar)、36psi(2.48211bar)、37psi(2.55106bar)、38psi(2.62001bar)、39psi(2.68896bar)、40psi(2.7579bar)、41psi(2.82685bar)、42psi(2.8958bar)、43psi(2.96475bar)、44psi(3.03369bar)、45psi(3.10264bar)、46psi(3.17159bar)、47psi(3.24054bar)、48psi(3.30948bar)、49psi(3.37843bar)、又は50psi(3.44738bar)の膜間圧力(TMP)にてAEXで処理された組成物を濾過する。他の改良において、AEXで処理された組成物のためのTFFのTMPは、上記で提供されたいずれか2つのTMPの間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、少なくとも1L/分/m、1L/分/m、2L/分/m、3L/分/m、4L/分/m、5L/分/m、6L/分/m、7L/分/m、8L/分/m、9L/分/m、10L/分/m、11L/分/m、12L/分/m、13L/分/m、14L/分/m、又は15L/分/mの交差流又は残余分流量で、AEXで処理された組成物を濾過する。他の改良において、AEXで処理された組成物のためのTFFの交差流は、上記で提供されたいずれか2つの交差流の間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、少なくとも1×10e13vg/mL、1×10e13vg/mL、1.1×10e13vg/mL、1.2×10e13vg/mL、1.3×10e13vg/mL、1.4×10e13vg/mL、1.5×10e13vg/mL、1.6×10e13vg/mL、1.7×10e13vg/mL、1.8×10e13vg/mL、1.9×10e13vg/mL、2×10e13vg/mL、2.1×10e13vg/mL、2.2×10e13vg/mL、2.3×10e13vg/mL、2.4×10e13vg/mL、2.5×10e13vg/mL、2.6×10e13vg/mL、2.7×10e13vg/mL、2.8×10e13vg/mL、2.9×10e13vg/mL、3×10e13vg/mL、3.1×10e13vg/mL、3.2×10e13vg/mL、3.3×10e13vg/mL、3.4×10e13vg/mL、3.5×10e13vg/mL、3.6×10e13vg/mL、3.7×10e13vg/mL、3.8×10e13vg/mL、3.9×10e13vg/mL、4×10e13vg/mL、4.1×10e13vg/mL、4.2×10e13vg/mL、4.3×10e13vg/mL、4.4×10e13vg/mL、4.5×10e13vg/mL、4.6×10e13vg/mL、4.7×10e13vg/mL、4.8×10e13vg/mL、4.9×10e13vg/mL、5×10e13vg/mL、5.1×10e13vg/mL、5.2×10e13vg/mL、5.3×10e13vg/mL、5.4×10e13vg/mL、5.5×10e13vg/mL、5.6×10e13vg/mL、5.7×10e13vg/mL、5.8×10e13vg/mL、5.9×10e13vg/mL、6×10e13vg/mL、6.1×10e13vg/mL、6.2×10e13vg/mL、6.3×10e13vg/mL、6.4×10e13vg/mL、6.5×10e13vg/mL、6.6×10e13vg/mL、6.7×10e13vg/mL、6.8×10e13vg/mL、6.9×10e13vg/mL、7×10e13vg/mL、7.1×10e13vg/mL、7.2×10e13vg/mL、7.3×10e13vg/mL、7.4×10e13vg/mL、7.5×10e13vg/mL、7.6×10e13vg/mL、7.7×10e13vg/mL、7.8×10e13vg/mL、7.9×10e13vg/mL、8×10e13vg/mL、8.1×10e13vg/mL、8.2×10e13vg/mL、8.3×10e13vg/mL、8.4×10e13vg/mL、8.5×10e13vg/mL、8.6×10e13vg/mL、8.7×10e13vg/mL、8.8×10e13vg/mL、8.9×10e13vg/mL、又は9×10e13vg/mLの残余分濃度までAEXで処理された組成物を濾過する。他の改良において、残余分濃度は、上記で提供されたいずれか2つの濃度の間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、TFF緩衝液に対して0以上、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、又は15のダイアボリューム(diavolume)のダイアフィルトレーションで、AEXで処理された組成物をダイアフィルトレーションする。
様々な実施形態の方法及びプロセスは、ZUC処理後にTFFを介して組成物を処理することを含む。TFFは、限外濾過及びダイアフィルトレーションのステップを含む。このTFFステップは、勾配形成化合物を含むZUC緩衝液を組成物から除去し、AEX溶出緩衝液に置き換えて、組成物から除去し、薬学的に許容される担体を含む製剤緩衝液に置き換えて、薬学的組成物を調製する、限外濾過及びダイアフィルトレーションのステップを含む。
様々な改良において、TFFのために充填されたZUCで処理された組成物は、少なくとも0.1×10e17vg/平方メートル(m)、0.1×10e17vg/m、0.5×10e17vg/m、1×10e17vg/m、1.5×10e17vg/m、2×10e17vg/m、2.5×10e17vg/m、3×10e17vg/m、3.5×10e17vg/m、4×10e17vg/m、4.5×10e17vg/m、5×10e17vg/m、5.5×10e17vg/m、6×10e17vg/m、6.5×10e17vg/m、7×10e17vg/m、7.5×10e17vg/m、8×10e17vg/m、8.5×10e17vg/m、9×10e17vg/m、9.5×10e17vg/m、又は10×10e17vg/mの力価を有する。他の改良において、力価は、上記で提供されたいずれか2つの力価の間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、少なくとも2psi(0.137895bar)、2psi(0.137895bar)、3psi(0.206843bar)、4psi(0.27579bar)、5psi(0.344738bar)、6psi(0.413685bar)、7psi(0.482633bar)、8psi(0.551581bar)、9psi(0.620528bar)、10psi(0.689476bar)、11psi(0.758423bar)、12psi(0.827371bar)、13psi(0.896318bar)、14psi(0.965266bar)、15psi(1.03421bar)、16psi(1.10316bar)、17psi(1.17211bar)、18psi(1.24106bar)、19psi(1.31bar)、20psi(1.37895bar)、21psi(1.4479bar)、22psi(1.51685bar)、23psi(1.58579bar)、24psi(1.65474bar)、25psi(1.72369bar)、26psi(1.79264bar)、27psi(1.86158bar)、28psi(1.93053bar)、29psi(1.99948bar)、30psi(2.06843bar)、31psi(2.13737bar)、32psi(2.20632bar)、33psi(2.27527bar)、34psi(2.34422bar)、35psi(2.41317bar)、36psi(2.48211bar)、37psi(2.55106bar)、38psi(2.62001bar)、39psi(2.68896bar)、40psi(2.7579bar)、41psi(2.82685bar)、42psi(2.8958bar)、43psi(2.96475bar)、44psi(3.03369bar)、45psi(3.10264bar)、46psi(3.17159bar)、47psi(3.24054bar)、48psi(3.30948bar)、49psi(3.37843bar)、又は50psi(3.44738bar)のTMPにてZUCで処理された組成物を濾過する。他の改良において、ZUCで処理された組成物のためのTFFのTMPは、上記で提供されたいずれか2つのTMPの間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、少なくとも1L/分/m、1L/分/m、2L/分/m、3L/分/m、4L/分/m、5L/分/m、6L/分/m、7L/分/m、8L/分/m、9L/分/m、10L/分/m、11L/分/m、12L/分/m、13L/分/m、14L/分/m、又は15L/分/mの交差流又は残余分流量で、ZUCで処理された組成物を濾過する。他の改良において、ZUCで処理された組成物のためのTFFの交差流は、上記で提供されたいずれか2つの交差流の間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、少なくとも1×10e13vg/mL、1×10e13vg/mL、1.1×10e13vg/mL、1.2×10e13vg/mL、1.3×10e13vg/mL、1.4×10e13vg/mL、1.5×10e13vg/mL、1.6×10e13vg/mL、1.7×10e13vg/mL、1.8×10e13vg/mL、1.9×10e13vg/mL、2×10e13vg/mL、2.1×10e13vg/mL、2.2×10e13vg/mL、2.3×10e13vg/mL、2.4×10e13vg/mL、2.5×10e13vg/mL、2.6×10e13vg/mL、2.7×10e13vg/mL、2.8×10e13vg/mL、2.9×10e13vg/mL、3×10e13vg/mL、3.1×10e13vg/mL、3.2×10e13vg/mL、3.3×10e13vg/mL、3.4×10e13vg/mL、3.5×10e13vg/mL、3.6×10e13vg/mL、3.7×10e13vg/mL、3.8×10e13vg/mL、3.9×10e13vg/mL、4×10e13vg/mL、4.1×10e13vg/mL、4.2×10e13vg/mL、4.3×10e13vg/mL、4.4×10e13vg/mL、4.5×10e13vg/mL、4.6×10e13vg/mL、4.7×10e13vg/mL、4.8×10e13vg/mL、4.9×10e13vg/mL、5×10e13vg/mL、5.1×10e13vg/mL、5.2×10e13vg/mL、5.3×10e13vg/mL、5.4×10e13vg/mL、5.5×10e13vg/mL、5.6×10e13vg/mL、5.7×10e13vg/mL、5.8×10e13vg/mL、5.9×10e13vg/mL、6×10e13vg/mL、6.1×10e13vg/mL、6.2×10e13vg/mL、6.3×10e13vg/mL、6.4×10e13vg/mL、6.5×10e13vg/mL、6.6×10e13vg/mL、6.7×10e13vg/mL、6.8×10e13vg/mL、6.9×10e13vg/mL、7×10e13vg/mL、7.1×10e13vg/mL、7.2×10e13vg/mL、7.3×10e13vg/mL、7.4×10e13vg/mL、7.5×10e13vg/mL、7.6×10e13vg/mL、7.7×10e13vg/mL、7.8×10e13vg/mL、7.9×10e13vg/mL、8×10e13vg/mL、8.1×10e13vg/mL、8.2×10e13vg/mL、8.3×10e13vg/mL、8.4×10e13vg/mL、8.5×10e13vg/mL、8.6×10e13vg/mL、8.7×10e13vg/mL、8.8×10e13vg/mL、8.9×10e13vg/mL、9×10e13vg/mL、1×10e14vg/mL、1.1×10e14vg/mL、1.2×10e14vg/mL、1.3×10e14vg/mL、1.4×10e14vg/mL、1.5×10e14vg/mL、1.6×10e14vg/mL、1.7×10e14vg/mL、1.8×10e14vg/mL、1.9×10e14vg/mL、又は2×10e14vg/mLの残余分濃度までZUCで処理された組成物を濾過する。他の改良において、残余分濃度は、上記で提供されたいずれか2つの濃度の間の範囲である。
様々な改良において、TFFは、TFF緩衝液に対して0以上、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、又は15のダイアボリューム(diavolume)のダイアフィルトレーションで、ZUCで処理された組成物をダイアフィルトレーションする。
定義
「アニオン交換クロマトグラフィー」又は「AEX」は、共有結合した正に荷電した置換基を担持する固定したマトリックスを示すアニオン交換材料を通して混合物を流すことによって分析物を混合物から分離するプロセスを指す。「アニオン交換材料」は、通常、アニオン交換クロマトグラフィーカラムとして提供される。「アニオン交換材料」は、周囲の溶液(例えば、混合物)の同様に荷電した結合パートナー又はイオンのために、その非共有結合対イオンを交換する能力を有する。荷電基/置換基の化学的性質に応じて、「アニオン交換材料」は、共有結合した荷電置換基の強度に応じて、更に、強イオン交換材料又は弱イオン交換材料として分類することができる。強アニオン交換材料は、四級アンモニウム基を有し、弱アニオン交換材料は、荷電置換基としてジエチルアミノエチル基を有する。アニオン交換クロマトグラフィーは、カラムを緩衝液で平衡化し、組成物をカラムを通して流し、カラムを洗浄し、カラムから組成物を溶出させるステップを含む。
「ゾーン超遠心分離」又は「ZUC」は、ゾーナルローターを使用して組成物を遠心分離するプロセスを指す。ゾーナルローター及びゾーン超遠心分離システムの例は、米国特許第6,051,189号、第7,862,494号、第7,837,609号、第9,862,936号、及び第9,956,564号に開示されており、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。ゾーン超遠心分離の一例は、成分の分離の基礎として、高密度溶液中に分散された構成粒子の浮力特性の差に依存する等密度の密度勾配沈降である。
「タンジェンシャルフロー濾過」又は「TFF」は、限外濾過プロセスを指し、濃縮されるカプシドを含有する溶液は、限外濾過の濾過膜の表面に沿って接線方向に流れる。濾過膜は、カプシドが透過液として濾過膜を通って流れるのを防ぐ特定のカットオフ値を有する細孔径を有する。したがって、カプシドは残余分の一部である。タンジェンシャルフロー濾過はまた、元の溶液が透過液として除去され、別の溶液と置き換えられる、ダイアフィルトレーションも含む。例えば、タンジェンシャルフロー濾過は、アニオン交換クロマトグラフィー処理後の組成物からの溶出緩衝液を、ゾーン超遠心分離処理のための充填緩衝液に置き換える。別の例では、タンジェンシャルフロー濾過は、ゾーン超遠心分離処理後の組成物からの溶出緩衝液を、薬学的に許容される担体を含む製剤緩衝液aで置き換えて、薬学的組成物を調製する。
「医薬品」は、ヒト及び哺乳動物を含む、対象動物における薬学的使用に好適な製品を指す。例えば、医薬品は、rAAVビリオンである。
「薬学的組成物」は、ヒト及び哺乳動物を含む、対象動物における薬学的使用に好適な組成物を指す。薬学的組成物は、AAVビリオンなどの薬学的に有効な量の医薬品を含み、また、薬学的に許容される担体も含む。薬学的組成物は、有効成分、担体を構成する不活性成分、並びに任意の2つ以上の成分、又は1つ以上の成分の解離、又は1つ以上の成分の他の種類の反応若しくは相互作用からの組み合わせ、錯体形成、又は凝集から直接的又は間接的に生じる任意の産生物を含む組成物を包含する。したがって、薬学的組成物は、本明細書で提供されるビリオンと薬学的に許容される担体とを混合することによって作製された任意の組成物を包含する。
「薬学的に許容される担体」は、例えば、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水溶液、5%デキストロース水溶液、及び油/水又は水/油エマルジョンなどのエマルジョン、並びに様々な種類の湿潤剤及び/又はアジュバントなどの、標準的な薬学的賦形剤、ビヒクル、希釈剤、安定剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント及び/又は担体のうちのいずれかを指す。好適な薬学的担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,19th Ed.(Mack Publishing Co.,Easton,1995)に記載されている。使用される薬学的担体は、活性薬剤の意図された投与様式に依存し得る。典型的な投与様式には、経腸(例えば、経口)又は非経口(例えば、皮下、髄腔内、筋肉内、静脈内又は腹腔内注射、又は局所、経皮、若しくは経粘膜投与)が含まれる。「薬学的に許容される塩」は、例えば、金属塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)及びアンモニア又は有機アミンの塩を含む、薬学的用途のシュウ酸塩分解酵素組成物に配合することができる塩である。
「薬学的に許容される」又は「薬理学的に許容される」とは、生物学的又は他の方法で望ましくない材料を意味し、すなわち、材料は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、又はそれが含まれている組成物の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、個体に投与され得る。
「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例には、哺乳動物クラスの任意のメンバー:ヒト、チンパンジーなどの非ヒト霊長類、及び他の類人猿及びサル種、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、及びネコなどの飼育動物、ラット、マウス、及びモルモットなどの齧歯動物を含む実験動物などが含まれるが、これらに限定されない。非哺乳動物の例には、鳥、魚などが含まれるが、これらに限定されない。この用語は、特定の年齢又は性別を示すものではない。
「汚染ウイルス」は、製造プロセス中に組成物を汚染するウイルスを指す。汚染ウイルスは、対象への投与のための医薬品の安全性を損なう。汚染ウイルスの例としては、Autographa californica核多角体病ウイルス(AcNPV)などのバキュロウイルス、脳心筋炎ウイルス(EMC)、ブタパルボウイルス(PPV)、レオウイルス(Reo-3)、サル空胞ウイルス40(SV-40)、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、又はマウス白血病ウイルス(X-MuLV)などのレトロウイルスが挙げられる。
アデノ随伴ウイルス
治療上有効なrAAV粒子には、US9,504,762、WO2019/222136、及びUS2019/0376081に開示されているrAAV粒子が含まれ、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
「AAV」は、アデノ随伴ウイルスの一般的な略語である。アデノ随伴ウイルスは、カプシドによって封入されたゲノムを有する一本鎖DNAパルボウイルスである。現在、13種類の特徴付けられたAAVの血清型が存在する。AAVの一般的な情報及びレビューは、例えば、Carter,1989,Handbook of Parvoviruses,Vol.1,pp.169-228、及びBerns,1990,Virology,pp.1743-1764,Raven Press,(New York)に見出され得る。しかしながら、様々な血清型が、遺伝子レベルにおいても、構造的及び機能的の両方で非常に密接に関連していることが周知であるため、これらの同じ原理が、追加のAAV血清型に適用可能であることが十分予想される。(例えば、Blacklowe,1988,Parvoviruses and Human Disease,J.R.Pattison,ed.のpp.165-174、及びRose,Comprehensive Virology3:1-61(1974)を参照されたい)。例えば、全てのAAV血清型が、相同rep遺伝子によって媒介される非常に類似した複製特性を明白に示し、全てが、3つの関連するカプシドタンパク質を有する。関連性の程度は、ゲノムの長さに沿った血清型間の広範な交差ハイブリダイゼーション、及びITRに対応する末端における類似の自己アニーリングセグメントの存在を明らかにするヘテロ二本鎖分析によって更に示唆される。類似の感染性パターンは、各血清型における複製機能が類似の調節制御下にあることも示唆する。
本明細書で使用される場合、「AAVウイルス粒子」は、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質及びカプシド化AAVゲノムから構成される感染性ウイルス粒子を指す。「組換えAAV」若しくは「rAAV」、「rAAVビリオン」、又は「rAAVウイルス粒子」、又は「rAAVベクター粒子」、又は「AAVウイルス」は、本明細書に記載される少なくとも1つのカプシド又はCapタンパク質及びカプシド化rAAVベクターゲノムから構成されるウイルス粒子を指す。粒子が異種ポリヌクレオチド(すなわち、哺乳動物細胞に送達される導入遺伝子などの野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む場合、それは、典型的には、「rAAVベクター粒子」又は単に「rAAVベクター」と称される。したがって、かかるベクターがrAAVベクター粒子内に含有されるため、AAVベクター粒子の産生には、必然的にrAAVベクターの産生が含まれる。異なる実施形態のrAAVウイルス粒子には、EP2,698,163、EP2,859,016、EP3,044,231、EP3,352,787、EP3,491,008、EP3,794,016、EP3,794,112、US9,393,323、US9,447,168、US9,504,762、US9,764,045、US10,124,041、US10,463,718、US10,512,675、US10,709,796、US10,792,336、US2017/0087219、US2019/0376081、US2020/0024579、US2020/0061161、US2020/0069819、US2020/0362368、WO2015/038625、WO2017/053677、WO2018/022608、WO2019/217513、WO2019/222132、WO2019/222136、WO2020/232044、WO2021/097157、WO2021/183895、及びWO2021/202943に開示されているAAV粒子及びrAAV粒子が含まれ、それらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
「カプシド」は、rAAVベクターゲノムがパッケージングされる構造を指す。カプシドは、VP1タンパク質又はVP3タンパク質を含むが、より典型的には、天然のAAVに見出されるように、VP1、VP2、及びVP3タンパク質の3つ全てを含む。カプシドタンパク質の配列は、rAAVビリオンの血清型を決定する。rAAVビリオンは、AAV1、AAV2、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、AAV13、is AAV-rh.10(AAVrh10)、AAV-DJ(AAVDJ)、AAV-DJ8(AAVDJ8)、AAV-1、AAV-2、AAV-2G9、AAV-3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV-5、AAV-6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV-7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVLK03、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74、AAVrh8R、AAVrh8R A586R変異体、AAVrh8R R533A変異体、AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV-PAEC、AAV-LK01、AAV-LK02、AAV-LK03、AAV-LK04、AAV-LK05、AAV-LK06、AAV-LK07、AAV-LK08、AAV-LK09、AAV-LK10、AAV-LK11、AAV-LK12、AAV-LK13、AAV-LK14、AAV-LK15、AAV-LK16、AAV-LK17、AAV-LK18、AAV-LK19、AAV-PAEC2、AAV-PAEC4、AAV-PAEC6、AAV-PAEC7、AAV-PAEC8、AAV-PAEC11、AAV-PAEC12、AAV-2-pre-miRNA-101、AAV-8h、AAV-8b、AAV-h、AAV-b、AAV SM10-2、AAVシャッフル100-1、AAVシャッフル100-3、AAVシャッフル100-7、AAVシャッフル10-2、AAVシャッフル10-6、AAVシャッフル10-8、AAVシャッフル100-2、AAV SM10-1、AAV SM10-8、AAV SM100-3、AAV SM100-10、BNP61 AAV、BNP62 AAV、BNP63 AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4-8/rh.64、AAVLG-9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、真型AAV(ttAAV)、UPENN AAV10、若しくはJapanese AAV10血清型、AAV_po.6、AAV_po.、AAV_po.5、AAV_LK03、AAV_ra.1、AAV_bat_YNM、AAV_bat_Brazil、AAV_mo.1、AAV_トリ_DA-1、若しくはAAV_マウス_NY1、Bba21、Bba26、Bba27、Bba29、Bba30、Bba31、Bba32、Bba33、Bba34、Bba35、Bba36、Bba37、Bba38、Bba41、Bba42、Bba43、Bba44、Bce14、Bce15、Bce16、Bce17、Bce18、Bce20、Bce35、Bce36、Bce39、Bce40、Bce41、Bce42、Bce43、Bce44、Bce45、Bce46、Bey20、Bey22、Bey23、Bma42、Bma43、Bpo1、Bpo2、Bpo3、Bpo4、Bpo6、Bpo8、Bpo13、Bpo18、Bpo20、Bpo23、Bpo24、Bpo27、Bpo28、Bpo29、Bpo33、Bpo35、Bpo36、Bpo37、Brh26、Brh27、Brh28、Brh29、Brh30、Brh31、Brh32、Brh33、Bfm17、Bfm18、Bfm20、Bfm21、Bfm24、Bfm25、Bfm27、Bfm32、Bfm33、Bfm34、Bfm35、AAV-rh10、AAV-rh39、AAV-rh43、AAVanc80L65、又はそれらのいずれかのバリアント(例えば、
非天然混合血清型の開示に関する米国特許第8,318,480号を参照されたい)を含む、いくつかのAAV血清型に由来するものを含む。例示的なカプシドはまた、その全体が本明細書に組み込まれる、国際出願公開第WO2018/022608号及びWO2019/222136号に提供される。カプシドタンパク質はまた、変異、キメラ、又はシャッフルされたタンパク質を含む、天然のVP1、VP2、及びVP3のバリアントであってもよい。カプシドタンパク質は、AAVの様々なクレード内のrh.10又は他のサブタイプのものであってもよく、様々なクレード及びサブタイプは、例えば、米国特許第7,906,111号に開示されている。様々な実施形態では、AAVウイルス粒子のカプシドは、AAV-1(Genbankアクセッション番号AAD27757.1)、AAV-2(NCBI参照配列番号YP_680426.1)、AAV-3(NCBI参照配列番号NP_043941.1)、AAV-3B(Genbankアクセッション番号AAB95452.1)、AAV-4(NCBI参照配列番号NP_044927.1)、AAV-5(NCBI参照配列番号YP_068409.1)、AAV-6(Genbankアクセッション番号AAB95450.1)、AAV-7(NCBI参照配列番号YP_077178.1)、AAV-8(NCBI参照配列番号YP_077179.1)、AAV-9(Genbankアクセッション番号AAS99264.1)、AAV-10(Genbankアクセッション番号AAT46337.1)、AAV-11(Genbankアクセッション番号AAT46339.1)、AAV-12(Genbankアクセッション番号ABI16639.1)、AAV-13(Genbankアクセッション番号ABZ10812.1)、又はWO2018/022608及びWO2019/222136に開示されているアミノ酸配列からのアミノ酸配列の一部と少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%同一であるアミノ酸配列を有するアセチル化又は非アセチル化VP1、VP2、又はVP3タンパク質を有する。異なる血清型のAAVタンパク質の構築及び使用は、Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623,2000、Davidson et al.,PNAS97:3428-3432,2000、Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232,1998、Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532,2000、Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624,2001、及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081,2001に説明されている。
「AAVベクター」、「rAAVベクター」、「ベクターゲノム」、及び「rAAVベクターゲノム」は、AAV5’逆方向末端反復(ITR)配列、並びにAAVウイルスゲノムに対して異種である転写調節エレメントに作動可能に連結されたタンパク質コード配列に隣接するAAV3’ITR(好ましくは、機能的治療タンパク質コード配列、例えば、FVIII、FIX、及びPAH)、すなわち、1つ以上のプロモーター及び/又はエンハンサー、並びに任意選択的に、ポリアデニル化配列、及び/又はタンパク質コード配列のエクソンの間に挿入された1つ以上のイントロンを有する、一本鎖又は二本鎖のいずれかの核酸を指す。「目的の遺伝子」(GOI)という用語は、rAAVベクターゲノムを指すこともできる。一本鎖rAAVベクターは、AAVウイルス粒子のゲノム中に存在する核酸を指し、本明細書に開示される核酸配列のセンス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかであり得る。そのような一本鎖核酸のサイズは、塩基で提供される。二本鎖rAAVベクターは、プラスミド、例えば、pUC19のDNA、又はrAAVベクター核酸を発現又は導入するために使用される二本鎖ウイルス、例えば、バキュロウイルスのゲノム中に存在する核酸を指す。そのような二本鎖核酸のサイズは、塩基対(bp)で提供される。「ITR」という用語は、本明細書で使用される場合、DNA複製の開始点として、及びウイルスゲノムのパッケージングシグナルとしてシスに機能する、rAAVゲノムの5’末端及び3’末端に見出される、当該技術分野において認知されている領域を指す。AAV ITRは、Repコード領域とともに、エンドソームからの効率的な除去及びレスキュー、並びに宿主細胞ゲノムへの2つの隣接するITR間に介在するヌクレオチド配列の統合を提供する。特定のAAV関連ITRの配列は、Yan et al.,J.Virol.79(1):364-379(2005)に開示されている。ITRはまた、(ヘアピンのアームを形成する)AA’逆方向反復間の配列が、逆相補体中に存在する「フリップ」又は「フロップ」構成においても見出される(Wilmott,Patrick,et al.Human gene therapy methods30.6(2019):206-213)。異なる血清型のAAVベクターゲノムの構築及び使用は、Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623,2000、Davidson et al.,PNAS97:3428-3432,2000、Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232,1998、Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532,2000、Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624,2001、及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081,2001に説明されている。幅広い構築物の利用可能性及び広範な特性決定のために、以下に開示される例示的なAAVベクターゲノムは、血清型2に由来する。
「治療上有効なAAV」、「治療上有効なAAV粒子」、「治療用AAV」、「治療上有効なrAAV」、「治療上有効なrAAV粒子」、「治療用rAAV」、及び「治療上有効なrAAV」という用語は、感染した細胞が、目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現するように、細胞を感染させることができる組換えAAVを指す。この程度まで、治療上有効なrAAV粒子は、異なる特性を有するカプシド又はベクターゲノム(vg)を有するAAV粒子を含むことができる。例えば、治療上有効なrAAV粒子は、異なる翻訳後修飾を有するカプシドを有することができる。他の例では、治療上有効なAAV粒子は、異なるサイズ/長さ、プラス又はマイナスの鎖配列、異なるフリップ/フロップITR構成のフリップ/フロップ、フロップ/フリップ、フリップ/フリップ、フロップ/フロップなど)、異なる数のITR(1、2、3など)、又は切断を有するvgを含有することができる。例えば、大きいタンパク質をコードする「完全」核酸が生成され、それによって機能的で完全長の遺伝子を再構築するように、5’末端切断及び3’末端切断を有する核酸間で、rAAV感染細胞において重複相同組換えが生じる。他の例では、5’末端切断及び3’末端切断を有する相補的核酸配列は、「完全」核酸が第2の鎖合成中に形成されるように、各々と相互作用する。「完全」核酸は、大きいタンパク質をコードし、それによって機能的で完全長の遺伝子を再構築する。治療上有効なrAAV粒子は、重カプシド、完全カプシド、又は部分的完全カプシドとも呼ばれる。
「治療有効量」という用語は、疾患、障害、又は状態に罹患しているか、又はそれらに罹りやすい対象に投与されたときに、疾患、障害、又は状態の症状の発症を治療、診断、予防、又は遅延させるのに十分な治療剤の量を意味する。治療有効量は、典型的には、少なくとも1つの単位用量を含む投与レジメンを介して投与されることが、当業者によって理解されるであろう。「治療上有効な」という用語は、疾患、障害、及び/又は状態に罹患しているか、又はそれらに罹りやすい対象に投与されたときに、疾患、障害、及び/又は状態の症状の発症を治療、診断、予防、及び/又は遅延させるために治療剤の治療有効量が十分であるように十分に作用する治療剤の任意の要素又は組成物を指す。例えば、前述のように、治療上有効なrAAVは、感染細胞が目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現するように細胞を感染させることができる。治療上有効なrAAVは、治療上有効なrAAVによって感染した細胞によって使用されるベクターゲノムを有して、複製、転写、又は翻訳などの様々な方法によって目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を生成するために感染細胞によって使用される治療上有効なヌクレオチド配列を生成する。「治療剤」は、治療上有効なrAAV又は治療用rAAVウイルスを含むことにも留意されたい。
例として、治療用タンパク質をコードする異種ポリヌクレオチドを含むrAAVビリオン、rAAVウイルス粒子、rAAVベクター粒子、又はrAAVウイルスを指す、「治療用rAAVウイルス」を使用して、インビボでタンパク質を置き換えるか、又は補充することができる。「治療用タンパク質」は、対応する内因性タンパク質の活性の喪失又は低減を置き換えるか、又は補う生物活性を有するポリペプチドである。例えば、機能的フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)は、フェニルケトン尿症(PKU)のための治療用タンパク質である。したがって、例えば、組換えrAAV PAHウイルスは、PKUに罹患した対象の治療のための薬剤に使用され得る。薬剤は、静脈内(IV)投与によって投与されてもよく、薬剤の投与は、対象における神経伝達物質代謝産物又は神経伝達物質レベルを変化させるのに十分な、対象の血流中のPAHタンパク質の発現をもたらす。任意選択的に、薬剤はまた、rAAV PAHウイルスの投与に関連する任意の肝毒性の予防及び/又は治療のための、予防的及び/又は治療的コルチコステロイドを含み得る。予防的又は治療的コルチコステロイド治療を含む薬剤は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、又はそれ以上のmg/日のコルチコステロイドを含み得る。予防的又は治療的コルチコステロイドを含む薬剤は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10週間、又はそれ以上の連続的な期間にわたって投与され得る。PKU療法は、任意選択的に、チロシン補充も含み得る。
「治療上無効なAAV粒子」、「治療上無効なAAV」、「治療上無効なrAAV粒子」、又は「治療上無効なrAAV」は、細胞に感染することができないAAV粒子、又は治療上無効なrAAV粒子に感染した細胞が、目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現することができないAAV粒子を指す。治療上無効なrAAV粒子は、カプシドの単位用量当たりの有効性の低下の一因となり得、有効量の重/完全/部分的完全カプシドのために患者に導入される外来タンパク質の必要な増加による免疫応答のリスクを増加させ得る。治療上無効なrAAV粒子は、異なる特性を有するカプシド又はvgを有するAAV粒子を含むことができ、空カプシド又は軽カプシドと称される。例えば、空カプシドは、vgを有しないか、又は定量化不可能若しくは検出不可能なvg濃度を有する。別の例では、軽カプシドは、目的の遺伝子を発現しない不完全な発現カセットを有するvgを有し得る。一例では、軽カプシドのベクターゲノムは、カプシドによって感染した細胞が治療上有効なヌクレオチド配列を生成するのに不十分な1つ以上のサイズを有する。別の例の軽カプシドでは、軽カプシドのベクターゲノムは、同じ条件下で感染するが、カプシドによる感染を欠く細胞によるエレメントの発現と比較して、カプシドに感染した細胞によるエレメントの発現を低下させる1つ以上のサイズと、エレメントをコードする治療上有効なrAAVと、を有する。異なる例では、軽カプシドのベクターゲノムのサイズは、治療上有効なrAAVのベクターゲノムのサイズよりも、50%以下、49%以下、48%以下、47%以下、46%以下、45%以下、44%以下、43%以下、42%以下、41%以下、40%以下、39%以下、38%以下、37%以下、36%以下、35%以下、34%以下、33%以下、32%以下、31%以下、30%以下、29%以下、28%以下、27%以下、26%以下、25%以下、24%以下、23%以下、22%以下、21%以下、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下である。空又は軽カプシドはまた、カプシドの感染性を損なう可能性がある異なるカプシド特性を有し得る。別の例では、治療上無効なrAAV粒子は、粒子に関連するRepタンパク質を有するrAAV粒子を含む。Repタンパク質に関連するrAAVは、例えば、大きなRepタンパク質(例えば、Rep78又はRep68タンパク質)、小さなRepタンパク質(例えば、Rep52又はRep40タンパク質)、又はそれらの組み合わせを含む。Repタンパク質に関連するrAAVはまた、AEX処理における洗浄若しくは再生ステップ、又はZUC処理中のプール後画分の単離などの異なるステップの間にカプシドで除去されるRepタンパク質を含むことができる。あるいは、Repタンパク質に関連するrAAVは、カプシドに結合する大きなRepタンパク質、小さなRepタンパク質、又はそれらの組み合わせも含み得る。そのような結合には、例えば、共有結合、イオン結合、水素/静電結合、又はファンデルワールス力などの異なる結合ストープ(stope)が含まれる。異なる例では、ベクターゲノムの一部がカプシド内に封入されていない場合、Repタンパク質は、カプシド又はベクターゲノムを含むrAAV粒子の異なる部分に結合することができる。これらのカプシドは、ベクターゲノムを欠くことができるか、又は部分的/完全ベクターゲノムを有することができるが、細胞を感染させることができない。別の例では、治療上無効なrAAV粒子は、脱アミド化カプシドを有するrAAV粒子を含む。例えば、脱アミド化カプシドは、脱アミド化VP1、VP2、又はVP3タンパク質を有するカプシドを含む。例えば、VP1のN末端領域における保存されたNG(Asp-Gly)残基は、脱アミド化に対して脆弱である。異なる脱アミド化カプシド及び感染性、導入遺伝子発現、又は効力に対するそれらの効果は、Giles,April R.,et al.“Deamidation of Amino Acids on The Surface of Adeno-Associated Virus Capsids Leads to Charge Heterogeneity and Altered Vector Function.”Molecular Therapy26.12(2018):2848-2862、及びFrederick,Amy,et al.“Engineered Capsids for Efficient Gene Delivery to The Retina and Cornea”Human Gene Therapy31.13-14(2020):756-774に記載されている。いかなる特定の理論にも拘束されないが、重/完全、又は部分的完全カプシドは、それらの電荷及び/又は密度において、軽又は空カプシドとは異なる。
「AAV産生不純物」は、治療上有効なrAAVの有効性を損なう可能性のある不純物を指す。AAV産生不純物は、rAAV調製の間に生じ、治療上無効なrAAV、rAAV粒子の凝集体、外因性高分子量DNA、小ヌクレオチド、タンパク質、緩衝成分などを含む。
AAVカプシドに組み込まれた導入遺伝子は、限定されず、治療的目的の任意の異種遺伝子であり得る。導入遺伝子は、目的のポリペプチド、タンパク質、又は他の産物をコードする導入遺伝子に隣接するベクター配列に対して異種の核酸配列である。核酸コード配列は、宿主細胞中で導入遺伝子の転写、翻訳、及び/又は発現を可能にする様式で調節成分に作動可能に連結される。
導入遺伝子配列の組成は、得られたベクターが用いられる使用に依存する。例えば、あるタイプの導入遺伝子配列は、発現時に検出可能なシグナルを生成するレポーター配列を含む。そのようなレポーター配列には、限定するものではないが、b-ラクタマーゼ、b-ガラクトシダーゼ(LacZ)、アルカリホスファターゼ、チミジンキナーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、例えば、CD2、CD4、CD8を含む膜結合タンパク質、インフルエンザヘマグルチニンタンパク質、及び当該技術分野で周知の他のものであって、それらに対する高親和性抗体が存在するか又は従来の手段によって生成することができるもの、並びに特にヘマグルチニン又はMyc由来の抗原タグドメインに適切に融合した膜結合タンパク質を含む融合タンパク質をコードするDNA配列が含まれる。
これらのコード配列は、それらの発現を駆動する調節エレメントに関連する場合、酵素、放射線、比色、蛍光又は他の分光学的アッセイ、蛍光活性化細胞選別アッセイ、並びに免疫学的アッセイ(酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及び免疫組織化学を含む)を含む従来の手段によって検出可能なシグナルを提供する。例えば、マーカー配列がLacZ遺伝子である場合、シグナルを有するベクターの存在は、ベータ-ガラクトシダーゼ活性についてのアッセイによって検出される。導入遺伝子が緑色蛍光タンパク質又はルシフェラーゼである場合、シグナルを有するベクターは、ルミノメーターで色又は光生成によって視覚的に測定することができる。
しかしながら、導入遺伝子は、典型的には、タンパク質、ペプチド、RNA、酵素、ドミナントネガティブ変異体、又は触媒RNAなどの、生物学及び医学において有用な産物をコードする非マーカー配列である。望ましいRNA分子は、tRNA、dsRNA、リボソームRNA、触媒RNA、siRNA、低分子ヘアピンRNA、トランススプライシングRNA、及びアンチセンスRNAを含む。有用なRNA配列の一例は、処置される動物において標的の核酸配列の発現を阻害又は失わせる配列である。典型的には、好適な標的配列には、腫瘍標的及びウイルス性疾患が含まれる。そのような標的の例については、免疫原に関連するセクションで後述する腫瘍標的及びウイルスを参照されたい。
導入遺伝子は、遺伝子欠損を修正又は改善するために使用され得る。遺伝子欠損は、正常な遺伝子が正常レベルよりも低く発現する欠損、又は機能的な遺伝子産物が発現しない欠損を含み得る。好ましいタイプの導入遺伝子配列は、宿主細胞で発現される治療用タンパク質又はポリペプチドをコードする。ベクターは更に、例えば、マルチサブユニットタンパク質によって引き起こされる遺伝子欠損を修正又は改善するために、複数の導入遺伝子を含むことができる。ある状況では、異なる導入遺伝子は、タンパク質の各サブユニットをコードするために、又は異なるペプチド若しくはタンパク質をコードするために使用することができる。これは、タンパク質サブユニットをコードするDNAのサイズが大きい場合(例えば、免疫グロブリン、血小板由来成長因子、又はジストロフィンタンパク質)に望ましい。細胞がマルチサブユニットタンパク質を生成するために、異なるサブユニットの各々を含む組換えウイルスを細胞に感染させる。あるいは、タンパク質の異なるサブユニットは、同じ導入遺伝子によってコードされていてもよい。この場合、単一の導入遺伝子は、各サブユニットのDNAが内部リボザイム進入部位(IRES)によって分離された、各サブユニットをコードするDNAを含む。これは、サブユニットの各々をコードするDNAのサイズが小さい場合、例えば、サブユニットをコードするDNAの総サイズ及びIRESが5キロベース(Kb)未満である場合に望ましい。また、標的細胞内の部分的ゲノムの組換えにより、より長いゲノム(すなわち、>5(Kb))が実現可能であり得ることにも留意されたい。IRESの代替として、翻訳後事象において自己切断する2Aペプチドをコードする配列によってDNAが分離されていてもよい。例えば、Donnelly et al,J.Gen.Virol.,78(Pt1):13-21(January 1997)、Furler,et al,Gene Ther.,8(11):864-873(June 2001)、Klump et al,Gene Ther.,8(lO):8 11-817(May 2001)を参照されたい。この2Aペプチドは、IRESよりも著しく小さく、スペースが制限因子である場合の使用に非常に好適である。より多くの場合、導入遺伝子が大きい場合、マルチサブユニットからなる場合、又は2つの導入遺伝子が同時送達される場合、所望の導入遺伝子又はサブユニットを有するrAAVを共投与して、それらをインビボでコンカテマー化し、単一のベクターゲノムを形成することを可能とする。そのような実施形態では、宿主細胞での同時発現のために、第1のAAVは、単一の導入遺伝子を発現する発現カセットを有し得、第2のAAVは、異なる導入遺伝子を発現する発現カセットを有し得る。しかし、選択される導入遺伝子は、任意の生物学的に活性な産物又は他の産物(例えば、研究に望ましい産物)をコードすることができる。
好適な導入遺伝子は、当業者によって容易に選択することができる。導入遺伝子の選択は、本発明を限定するとみなすものではない。導入遺伝子は異種タンパク質であってもよく、この異種タンパク質は治療用タンパク質であってもよい。例示的な治療用タンパク質には、限定されないが、血液因子、例えば、b-グロビン、ヘモグロビン、組織プラスミノーゲン活性化因子、及び凝固因子;コロニー刺激因子(CSF);インターロイキン、例えば、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9など;増殖因子、例えば、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、幹細胞因子(SCF)、線維芽細胞増殖因子(FGF、例えば塩基性FGF及び酸性FGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、骨形成タンパク質(BMP)、上皮増殖因子(EGF)、増殖分化因子9(GDF-9)、肝がん由来増殖因子(HDGF)、ミオスタチン(GDF-8)、神経成長因子(NGF)、神経栄養因子、血小板由来成長因子(PDGF)、トロンボポエチン(TPO)、トランスフォーミング増殖因子アルファ(TGF-a.)、トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGF-.b.)など;可溶性受容体、例えば、可溶性TNF-a受容体、可溶性VEGF受容体、可溶性インターロイキン受容体(例えば、可溶性IL-1受容体及び可溶性II型IL-1受容体)、可溶性g/d T細胞受容体、可溶性受容体のリガンド結合断片など;酵素、例えば、a-グルコシダーゼ、イミグルカラーゼ(imiglucarase)、b-グルコセレブロシダーゼ、及びアルグルセラーゼ;酵素活性化剤、例えば、組織プラスミノーゲン活性化因子;ケモカイン、例えば、1P-10、インターフェロン-ガンマによって誘導されるモノカイン(Mig)、Groa/IL-8、RANTES、MIP-1a、MIR-1b、MCP-1、PF-4など;血管新生剤、例えば、血管内皮増殖因子(VEGF、例えば、VEGF121、VEGF165、VEGF-C、VEGF-2)、神経膠腫由来増殖因子、アンギオゲニン、アンギオゲニン-2など;抗血管新生剤、例えば可溶性VEGF受容体;タンパク質ワクチン;神経活性ペプチド、例えば、神経成長因子(NGF)、ブラジキニン、コレシストキニン、ガストリン、セクレチン、オキシトシン、ゴナドトロピン放出ホルモン、ベータエンドルフィン、エンケファリン、サブスタンスP、ソマトスタチン、プロラクチン、ガラニン、成長ホルモン放出ホルモン、ボンベシン、ダイノルフィン、ワーファリン,ニューロテンシン、モチリン、甲状腺刺激ホルモン、ニューロペプチドY、黄体形成ホルモン、カルシトニン、インスリン、グルカゴン、バソプレシン、アンジオテンシンII、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、血管作動性腸管ペプチド、睡眠ペプチドなど;血栓溶解剤;心房性ナトリウム利尿ペプチド;リラキシン;グリア線維性酸性タンパク質;卵胞刺激ホルモン(FSH);ヒトアルファ-1アンチトリプシン;白血病抑制因子(LIF);組織因子、黄体形成ホルモン;マクロファージ活性化因子;腫瘍壊死因子(TNF);好中球走化性因子(NCF);メタロプロテイナーゼの組織阻害剤;血管作用性腸管ペプチド;アンギオゲニン;アンギオトロピン;フィブリン;ヒルディン;IF-1受容体アンタゴニストなどが含まれる。いくつかの他の非限定的な目的のタンパク質の例には、毛様体神経栄養因子(CNTF);脳由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン3及び4/5(NT-3及び4/5);グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF);芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC);血友病関連凝固タンパク質、例えば、第VIII因子、第IX因子、第X因子;遺伝性血管浮腫関連タンパク質、例えば、C1阻害剤;ジストロフィン、ミニジストロフィン、又はマイクロジストロフィン;リソソーム酸性リパーゼ;フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH);糖原病関連酵素、例えば、グルコース-6-ホスファターゼ、酸性マルターゼ、グリコーゲン脱分枝酵素、筋グリコーゲンホスホリラーゼ、肝グリコーゲンホスホリラーゼ、筋ホスホフルクトキナーゼ、ホスホリラーゼキナーゼ(例えば、PHKA2)、グルコーストランスポーター(例えば、GFUT2)、アルドラーゼA、b-エノラーゼ、及びグリコーゲンシンターゼ;リソソーム酵素(例えば、ベータ-N-アセチルヘキソサミニダーゼA);並びにそれらの任意のバリアントが含まれる。他の導入遺伝子には、心筋ミオシン結合タンパク質C、β-ミオシン重鎖、心筋トロポニンT、心筋トロポニンI、ミオシン心室必須軽鎖1、ミオシン心室調節軽鎖2、心筋αアクチン(ACTC)、α-トロポミオシン、タイチン、4つ半のLIMタンパク質1をコードする導入遺伝子、及び国際出願公開第2014/170470号の米国特許番号に開示されている他の導入遺伝子が含まれる。AAVベクターはまた、プラスミドベクターでトランスフェクトされた細胞中で又はウイルスに感染した細胞中でその転写、翻訳、及び/又は発現を可能にするような様式で導入遺伝子に作動可能に連結された従来の制御エレメント又は配列を含む。本明細書中で使用される場合、「作動可能に連結された」配列は、目的の遺伝子と連続する発現制御配列及び目的の遺伝子を制御するためにトランスで又は遠隔で作用する発現制御配列の両方を含む。好適な遺伝子には、Anguela et al.“Entering the Modern Era of Gene Therapy”,Annual Rev.of Med.Vol.70,pages272-288(2019)、及びDunbar et al.,“Gene Comes of Age”,Science,Vol.359,Issue6372,eaan4672(2018)に述べられている遺伝子が含まれる。
発現制御配列には、適切な転写開始、終結、プロモーター、及びエンハンサー配列;スプライシング及びポリアデニル化(polyA)シグナルなどの効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を高める配列(例えば、コザックコンセンサス配列);タンパク質の安定性を増大する配列;及び必要に応じて、コードされた産物の分泌を増大する配列が含まれる。天然の、構成的、誘導性、及び/又は組織特異的プロモーターを含む多くの発現制御配列が当該分野で既知であり、利用することができる。
構成的プロモーターの例には、限定するものではないが、レトロウイルスラウス肉腫ウイルス(RSV)LTRプロモーター(任意選択でRSVエンハンサーを有する)、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター(任意選択でCMVエンハンサーを有する)(例えば、Boshart el al,Cell,41:521-530(1985)を参照のこと)、SV40プロモーター、ジヒドロ葉酸レダクターゼプロモーター、b-アクチンプロモーター、ホスホグリセロールキナーゼ(PGK)プロモーター、及びEF1プロモーター[Invitrogen]が含まれる。誘導性プロモーターは、遺伝子発現の調節を可能にし、外来的に供給される化合物、温度などの環境因子、又は特定の生理学的状態(例えば、急性期、細胞の特定の分化状態、若しくは複製細胞中のみ)の存在によって調節することができる。誘導性プロモーター及び誘導系は、Invitrogen、Clontech、及びAriadを含むが限定するものではない、様々な商業的供給源から入手可能である。多くの他の系が記載されており、当業者によって容易に選択することができる。外来的に供給される化合物によって調節される誘導性プロモーターの例には、亜鉛誘導性ヒツジメタロチオニン(MT)プロモーター、デキサメタゾン(Dex)誘導性マウス乳がんウイルス(MMTV)プロモーター、T7ポリメラーゼプロモーター系[WO98/10088];エクジソン昆虫プロモーター[No et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93:3346-3351(1996)]、テトラサイクリン抑制系[Gossen et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:5547-5551(1992)]、テトラサイクリン誘導系[Gossen et al,Science,268:1766-1769(1995)、Harvey et al,Curr.Opin.Chem.Biol.,2:512-518(1998)も参照のこと]、RU486誘導系[Wang et al,Nat.Biotech.,15:239-243(1997)、及びWang et al,Gene Ther.,4:432-441(1997)]、及びラパマイシン誘導系[Magari et al,J.Clin.Invest.,100:2865-2872(1997)]が含まれる。この文脈において有用であり得る他のタイプの誘導性プロモーターは、特定の生理学的状態、例えば温度、急性期、細胞の特定の分化状態、又は複製細胞中のみにより調節されるものである。
任意選択的に、導入遺伝子の天然のプロモーターが使用され得る。導入遺伝子の発現が天然の発現を模倣することが望まれる場合、天然のプロモーターが好ましいものであり得る。導入遺伝子の発現を、時間的若しくは発生的に、若しくは組織特異的な様式で、又は特異的な転写刺激に応答して調節しなければならない場合、天然プロモーターを使用することができる。更なる実施形態において、エンハンサーエレメント、ポリアデニル化部位、又はコザックコンセンサス配列などの他の天然発現制御エレメントはまた、天然の発現を模倣するために使用することができる。
導入遺伝子はまた、組織特異的プロモーターに作動可能に連結された遺伝子を含み得る。例えば、骨格筋での発現が所望される場合、筋肉で活性なプロモーターが使用される必要がある。これらには、骨格b-アクチン、ミオシン軽鎖2A、ジストロフィン、筋クレアチンキナーゼをコードする遺伝子由来のプロモーター、並びに天然に存在するプロモーターよりも高い活性を有する合成筋肉プロモーターが含まれる(Li et al.,Nat.Biotech.,17:241-245(1999)を参照のこと)。組織特異的であるプロモーターの例は、特に、肝臓(アルブミン、Miyatake et al.,J.Virol.,71:5124-32(1997);B型肝炎ウイルスコアプロモーター、Sandig et al.,Gene Ther.,3:1002-9(1996);アルファ-フェトプロテイン(AFP)、Arbuthnot et al.,Hum.Gene Ther.,7:1503-14(1996))、骨オステオカルシン(Stein et al.,Mol.Biol.Rep.,24:185-96(1997));骨シアロタンパク質(Chen et al.,J.Bone Miner.Res.,11:654-64(1996))、リンパ球(CD2,Hansal et al.,J.Immunol.,161:1063-8(1998);免疫グロブリン重鎖;T細胞受容体鎖)、ニューロン、例えば、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーター(Andersen et al.,Cell.Mol.Neurobiol.,13:503-15(1993))、ニューロフィラメント軽鎖遺伝子(Piccioli et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:5611-5(1991))、及びニューロン特異的vgf遺伝子(Piccioli et al.,Neuron,15:373-84(1995))について知られている。
組換えAAVを用いて、例えば細胞培養において目的のタンパク質をインビトロで生成することができる。例えば、AAVは、インビトロで目的のタンパク質を生成するための方法で使用することができ、その方法は、異種タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組換えAAVを提供することと、組換えAAVを細胞培養物中の細胞と接触させ、それにより組換えAAVが細胞中で目的のタンパク質を発現することとを含む。目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列のサイズは変動し得る。例えば、ヌクレオチド配列は、少なくとも約0.1キロベース(kb)、少なくとも約0.2kb、少なくとも約0.3kb、少なくとも約0.4kb、少なくとも約0.5kb、少なくとも約0.6kb、少なくとも約0.7kb、少なくとも約0.8kb、少なくとも約0.9kb、少なくとも約1kb、少なくとも約1.1kb、少なくとも約1.2kb、少なくとも約1.3kb、少なくとも約1.4kb、少なくとも約1.5kb、少なくとも約1.6kb、少なくとも約1.7kb、少なくとも約1.8kb、少なくとも約2.0kb、少なくとも約2.2kb、少なくとも約2.4kb、少なくとも約2.6kb、少なくとも約2.8kb、少なくとも約3.0kb、少なくとも約3.2kb、少なくとも約3.4kb、少なくとも約3.5kbの長さ、少なくとも約4.0kbの長さ、少なくとも約5.0kbの長さ、少なくとも約6.0kbの長さ、少なくとも約7.0kbの長さ、少なくとも約8.0kbの長さ、少なくとも約9.0kbの長さ、又は少なくとも約10.0kbの長さであることができる。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは少なくとも約1.4kbの長さである。
組換えAAVを用いて、例えば哺乳動物などの動物において目的のタンパク質をインビボで生成することもできる。いくつかの実施形態は、目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組換えAAVを提供することと、組換えAAVを対象に投与し、それにより組換えAAVは対象において目的のタンパク質を発現することとを含む、目的のタンパク質をインビボで生成する方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象は、非ヒト哺乳動物、例えば、サル、イヌ、ネコ、マウス、又はウシであることができる。目的のタンパク質をコードするヌクレオチド配列のサイズは変動し得る。例えば、ヌクレオチド配列は、少なくとも約0.1kb、少なくとも約0.2kb、少なくとも約0.3kb、少なくとも約0.4kb、少なくとも約0.5kb、少なくとも約0.6kb、少なくとも約0.7kb、少なくとも約0.8kb、少なくとも約0.9kb、少なくとも約1kb、少なくとも約1.1kb、少なくとも約1.2kb、少なくとも約1.3kb、少なくとも約1.4kb、少なくとも約1.5kb、少なくとも約1.6kb、少なくとも約1.7kb、少なくとも約1.8kb、少なくとも約2.0kb、少なくとも約2.2kb、少なくとも約2.4kb、少なくとも約2.6kb、少なくとも約2.8kb、少なくとも約3.0kb、少なくとも約3.2kb、少なくとも約3.4kb、少なくとも約3.5kbの長さ、少なくとも約4.0kbの長さ、少なくとも約5.0kbの長さ、少なくとも約6.0kbの長さ、少なくとも約7.0kbの長さ、少なくとも約8.0kbの長さ、少なくとも約9.0kbの長さ、又は少なくとも約10.0kbの長さであることができる。いくつかの実施形態において、ヌクレオチドは少なくとも約1.4kbの長さである。
特に目的のものは、様々な疾患又は障害を治療するための1つ以上の治療用タンパク質を発現させるための組換えAAVの使用である。疾患の非限定的な例には、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫などの癌;並びに多発性硬化症などの自己免疫疾患が含まれる。癌腫の非限定的な例には、食道癌;肝細胞癌;基底細胞癌、扁平上皮癌(種々の組織);移行上皮癌を含む膀胱癌;気管支原性癌;結腸癌;大腸癌;胃癌;肺の小細胞癌及び非小細胞癌を含む肺癌;副腎皮質癌;甲状腺癌;膵臓癌;乳癌;卵巣癌;前立腺癌;腺癌;汗腺癌;脂腺癌;乳頭癌;乳頭腺癌;嚢胞腺癌;髄様癌;腎細胞癌;非浸潤性乳管癌又は胆管癌;絨毛癌;セミノーマ;胎児性癌;ウィルムス腫瘍;子宮頸癌;子宮癌;精巣癌;骨形成癌;上皮癌;並びに鼻咽頭癌が含まれる。肉腫の非限定的な例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、脊索腫、骨原性肉腫、骨肉腫、血管肉腫、内皮肉腫(endothelio sarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫(synovioma)、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、及び他の軟部組織肉腫が含まれる。固形腫瘍の非限定的な例には、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、メラノーマ、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫が含まれる。白血病の非限定的な例には、慢性骨髄増殖性症候群;急性骨髄性白血病;B細胞CLL、T細胞CLL前リンパ球性白血病及び有毛細胞白血病を含む、慢性リンパ球性白血病;並びに急性リンパ芽球性白血病が含まれる。リンパ腫の例には、B細胞リンパ腫、例えば、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫等が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中に開示されるrAAV、及び方法を用いて治療することができる疾患の他の非限定的な例には、鎌状赤血球貧血症、嚢胞性線維症、リソソーム酸性リパーゼ(LAL)欠損1、テイ=サックス病、フェニルケトン尿症、ムコ多糖症、糖原病(GSD、例えばGSDタイプI、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、及びXIV)、ガラクトース血症、筋ジストロフィー(例えば、デュシェンヌ筋ジストロフィー)、心筋症(例えば、肥大型心筋症、拡張型心筋症、不整脈原性右室心筋症など)及び血友病A(古典的血友病)、血友病B(クリスマス病)などの血友病、ウィルソン病、ファブリー病、ゴーシェ病遺伝性血管性浮腫(HAE)、並びにアルファ1アンチトリプシン欠損症を含む遺伝性疾患が含まれる。加えて、本明細書に開示されるrAAV及び方法を使用して、肝臓における導入遺伝子の局所発現、又は肝臓若しくは肝細胞からの分泌タンパク質の発現によって治療することができる他の障害を治療することができる。
対象(例えば、対象の血清)において発現される異種タンパク質の量は変動し得る。例えば、いくつかの実施形態において、タンパク質は、少なくとも約9ミリグラム(mg)/mL、少なくとも約10mg/mL、少なくとも約11mg/mL、少なくとも約12mg/mL、少なくとも約13mg/mL、少なくとも約14mg/mL、少なくとも約15mg/mL、少なくとも約16mg/mL、少なくとも約17mg/mL、少なくとも約18mg/mL、少なくとも約19mg/mL、少なくとも約20mg/mL、少なくとも約21mg/mL、少なくとも約22mg/mL、少なくとも約23mg/mL、少なくとも約24mg/mL、少なくとも約25mg/mL、少なくとも約26mg/mL、少なくとも約27mg/mL、少なくとも約28mg/mL、少なくとも約29mg/mL、少なくとも約30mg/mL、少なくとも約31mg/mL、少なくとも約32mg/mL、少なくとも約33mg/mL、少なくとも約34mg/mL、少なくとも約35mg/mL、少なくとも約36mg/mL、少なくとも約37mg/mL、少なくとも約38mg/mL、少なくとも約39mg/mL、少なくとも約40mg/mL、少なくとも約41mg/mL、少なくとも約42mg/mL、少なくとも約43mg/mL、少なくとも約44mg/mL、少なくとも約45mg/mL、少なくとも約46mg/mL、少なくとも約47mg/mL、少なくとも約48mg/mL、少なくとも約49mg/mL、又は少なくとも約50mg/mLの量で対象の血清中で発現され得る。目的のタンパク質は、約9pg/mL、約10pg/mL、約50pg/mL、約100pg/mL、約200pg/mL、約300pg/mL、約400pg/mL、約500pg/mL、約600pg/mL、約700pg/mL、約800pg/mL、約900pg/mL、約1000pg/mL、約1500pg/mL、約2000pg/mL、約2500pg/mL、又はそれらの値のいずれか2つの間の範囲の量で対象の血清中で発現され得る。当業者は、目的のタンパク質が治療上効果的であるために必要な発現レベルは、目的の特定のタンパク質及び治療を受けている対象などの非限定的な因子によって変動し得るものであり、有効量のタンパク質は、過度の実験をすることなく当該技術分野で既知の従来の方法を用いて当業者によって容易に決定され得ることを理解するであろう。
アデノ随伴ウイルスを生成する方法
当該技術分野で既知の任意の方法は、本開示の新規のrAAVウイルス粒子の調製のために使用され得る。いくつかの実施形態において、新規のrAAVウイルス粒子は、哺乳動物細胞(例えば、HEK293)において生成される。いくつかの実施形態において、新規のrAAVウイルス粒子は、昆虫細胞(例えば、Sf9)において生成される。いくつかの実施形態において、AAVウイルス粒子は、Rep遺伝子及びCap遺伝子とともに導入遺伝子を含むAAVゲノムベクターを宿主細胞に提供することによって調製される。いくつかの実施形態において、AAVゲノムベクターは、導入遺伝子、AAV Rep遺伝子、及びAAV Cap遺伝子を含む。いくつかの実施形態において、rAAVウイルス粒子は、2つ以上のベクターを宿主細胞に提供することによって調製される。例えば、いくつかの実施形態において、導入遺伝子を含むAAVゲノムベクターは、AAV Rep遺伝子及びAAV Cap遺伝子を含むベクター(例えば、プラスミド又はバキュロウイルス)を有する細胞に導入される(例えば、トランスフェクト又は形質導入される)。いくつかの実施形態において、導入遺伝子、AAV Rep遺伝子を含むベクター(例えば、プラスミド又はバキュロウイルス)、及びAAV Cap遺伝子を含むベクター(例えば、プラスミド又はバキュロウイルス)を含むAAVゲノムベクターをトランスフェクト又は形質導入した細胞。
AAVウイルス粒子を作製する方法は、例えば、米国特許第6204059号、US5756283、US6258595、US6261551、US6270996、US6281010、US6365394、US6475769、US6482634、US6485966、US6943019、US6953690、US7022519、US7238526、US7291498及びUS7491508、US5064764、US6194191、US6566118、US8137948、又は国際公開第1996/039530号、WO1998/010088、WO1999/014354、WO1999/015685、WO1999/047691、WO2000/055342、WO2000/075353、WO2001/023597、WO2015/191508、WO2019/217513、WO2018/022608、WO2019/222136、WO2020/232044、WO2019/222132、Methods In Molecular Biology,ed.Richard,Humana Press,NJ(1995)、O’Reilly et al.,Baculovirus Expression Vectors,A Laboratory Manual,Oxford Univ.Press(1994)、Samulski et al.,J.Vir.63:3822-8(1989)、Kajigaya et al.,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA88:4646-50(1991)、Ruffing et al.,J.Vir.66:6922-30(1992)、Kimbauer et al.,Vir.,219:37-44(1996)、Zhao et al.,Vir.272:382-93(2000)に記載されており、それらの各々の内容はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
例えば、昆虫細胞、酵母細胞、及び哺乳類細胞(例えば、ヒト細胞又は非ヒト哺乳類細胞)などの細胞は、rAAVを生成することができる。例えば、細胞は、AAVヘルパー機能、AAV非ヘルパー機能、及び細胞がAAVベクターゲノムを生成するために使用するヌクレオチド配列を提供する場合、rAAVを生成することができる。様々な実施形態において、細胞がrAAVを生成するために使用するAAVヘルパー機能、AAV非ヘルパー機能、及びヌクレオチド配列は、例えば、トランスフェクション試薬によるトランスフェクションを介して、他の組換えウイルスによる形質導入/感染を介して、ヌクレオチド配列を細胞のゲノムに組み込むことによって、又は他の方法によって、細胞に送達されるベクターによって提供される。このような細胞の例には、HEK293、HeLa、CHO、NS0、SP2/0、PER.C6、Vero、RD、BHK、HT1080、A549、Cos-7、ARPE-19、及びMRC-5細胞などの哺乳動物細胞株が含まれる。他の例では、使用される昆虫細胞株は、Sf9、SF21、SF900+などのSpodoptera frugiperda、drosophila細胞株、蚊細胞株、例えば、Aedes albopictus由来細胞株、家蚕細胞株、例えば、Bombyx mori細胞株、High Five細胞などのTrichopiusia ni細胞株、又はAscalapha odorata細胞株などのLepidoptera細胞株由来であり得る。好ましい昆虫細胞は、High Five、Sf9、Sf-RVN、Se301、SeIZD2109、SeUCR1、Sf900+、Sf2l、BTI-TN-5B1-4、MG-1、Tn368、HzAml、BM-N、Ha2302、Hz2E5、及びAo38を含む、バキュロウイルス感染に感受性の昆虫種由来の細胞である。
以前に記載されるように、「ベクター」という用語は、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、バクミド、ミニプラスミド(例えば、細菌エレメントを欠くプラスミド)、Doggybone DNA(例えば、最小限の閉鎖線形構築物)、染色体、ウイルス、ビリオン(例えば、バキュロウイルス)などの任意の遺伝子エレメントを指すものと理解され、これは適切な制御エレメントと会合したときに複製することができ、細胞間で遺伝子配列を移行することができる。本明細書で使用される場合、「昆虫細胞適合性ベクター」又は「ベクター」は、昆虫又は昆虫細胞の産生的形質転換又はトランスフェクションが可能な核酸分子を指す。例示的な生物学的ベクターとしては、プラスミド、直鎖核酸分子、及び組換えウイルスが挙げられる。任意のベクターが、昆虫細胞適合性である限り用いられ得る。ベクターは、昆虫細胞ゲノムに組み込まれ得るが、昆虫細胞中のベクターの存在は、永久的である必要はなく、一過性のエピソームベクターも含まれる。ベクターは、既知の任意の手段、例えば、細胞の化学処理、エレクトロポレーション、又は感染によって導入され得る。バキュロウイルスベクター及びその使用方法は、昆虫細胞の分子工学に関する上記引用文献に記載されている。
細胞がrAAVベクターゲノムを生成するベクターは、目的の1つ以上のタンパク質をコードするポリヌクレオチドの挿入を可能にするための、プロモーター及びプロモーターの下流の制限部位を更に含み、プロモーター及び制限部位は、5’AAV ITRの下流及び3’AAV ITRの上流に位置する。ベクターはまた、制限部位の下流及び3’AAV ITRの上流の転写後調節エレメントを更に含有し得る。ウイルス構築物は、制限部位に挿入され、プロモーターと作動可能に連結されたポリヌクレオチドを更に含み得、ポリヌクレオチドは、目的のタンパク質のコード領域を含む。
「AAVヘルパー」という用語は、増殖性AAV複製のために今度はトランスで機能するAAV遺伝子産物を提供するために発現され得るAAV由来コード配列を指す。したがって、AAVヘルパー機能は、主要なAAVオープンリーディングフレーム(ORF)、rep及びcapの両方を含む。Rep発現産物は、特に以下のものを含む、多くの機能を有することが示されている:DNA複製のAAV起点の認識、結合、及びニッキング;DNAヘリカーゼ活性;並びにAAV(又は他の異種)プロモーターからの転写の調節を含む。カプシド(Cap)発現産物は、必要なパッケージング機能を供給する。AAVヘルパー機能は、本明細書では、AAVベクターゲノムから失われたトランスのAAV機能を補完するために使用される。
様々な実施形態において、AAVヘルパー機能を提供するベクターは、カプシドタンパク質又はRepタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む。任意のAAV血清型(AAV1(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_002077.1)、AAV2(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_001401.2)、AAV3(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_001729.1)、AAV3B(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号AF028705.1)、AAV4(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_001829.1)、AAV5(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_006152.1)、AAV6(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号AF028704.1)、AAV7(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_006260.1)、AAV8(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号NC_006261.1)、AAV9(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号AX753250.1)、AAV10(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号AY631965.1)、AAV11(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号AY631966.1)、AAV12(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号DQ813647.1)、AAV13(NCBI参照配列番号/Genbankアクセッション番号EU285562.1)、is AAV-rh.10(AAVrh10)、AAV-DJ(AAVDJ)、AAV-DJ8(AAVDJ8)、AAV-1、AAV-2、AAV-2G9、AAV-3、AAV3a、AAV3b、AAV3-3、AAV4、AAV4-4、AAV-5、AAV-6、AAV6.1、AAV6.2、AAV6.1.2、AAV-7、AAV7.2、AAV8、AAV9、AAV9.11、AAV9.13、AAV9.16、AAV9.24、AAV9.45、AAV9.47、AAV9.61、AAV9.68、AAV9.84、AAV9.9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV16.3、AAV24.1、AAV27.3、AAV42.12、AAV42-1b、AAV42-2、AAV42-3a、AAV42-3b、AAV42-4、AAV42-5a、AAV42-5b、AAV42-6b、AAV42-8、AAV42-10、AAV42-11、AAV42-12、AAV42-13、AAV42-15、AAV42-aa、AAV43-1、AAV43-12、AAV43-20、AAV43-21、AAV43-23、AAV43-25、AAV43-5、AAV44.1、AAV44.2、AAV44.5、AAV223.1、AAV223.2、AAV223.4、AAV223.5、AAV223.6、AAV223.7、AAV1-7/rh.48、AAV1-8/rh.49、AAV2-15/rh.62、AAV2-3/rh.61、AAV2-4/rh.50、AAV2-5/rh.51、AAV3.1/hu.6、AAV3.1/hu.9、AAV3-9/rh.52、AAV3-11/rh.53、AAV4-8/r11.64、AAV4-9/rh.54、AAV4-19/rh.55、AAV5-3/rh.57、AAV5-22/rh.58、AAV7.3/hu.7、AAV16.8/hu.10、AAV16.12/hu.11、AAV29.3/bb.1、AAV29.5/bb.2、AAV106.1/hu.37、AAV114.3/hu.40、AAV127.2/hu.41、AAV127.5/hu.42、AAV128.3/hu.44、AAV130.4/hu.48、AAV145.1/hu.53、AAV145.5/hu.54、AAV145.6/hu.55、AAV161.10/hu.60、AAV161.6/hu.61、AAV33.12/hu.17、AAV33.4/hu.15、AAV33.8/hu.16、AAV52/hu.19、AAV52.1/hu.20、AAV58.2/hu.25、AAVA3.3、AAVA3.4、AAVA3.5、AAVA3.7、AAVC1、AAVC2、AAVC5、AAVF3、AAVF5、AAVH2、AAVrh.72、AAVhu.8、AAVrh.68、AAVrh.70、AAVpi.1、AAVpi.3、AAVpi.2、AAVrh.60、AAVrh.44、AAVrh.65、AAVrh.55、AAVrh.47、AAVrh.69、AAVrh.45、AAVrh.59、AAVhu.12、AAVH6、AAVLK03、AAVH-1/hu.1、AAVH-5/hu.3、AAVLG-10/rh.40、AAVLG-4/rh.38、AAVLG-9/hu.39、AAVN721-8/rh.43、AAVCh.5、AAVCh.5R1、AAVcy.2、AAVcy.3、AAVcy.4、AAVcy.5、AAVCy.5R1、AAVCy.5R2、AAVCy.5R3、AAVCy.5R4、AAVcy.6、AAVhu.1、AAVhu.2、AAVhu.3、AAVhu.4、AAVhu.5、AAVhu.6、AAVhu.7、AAVhu.9、AAVhu.10、AAVhu.11、AAVhu.13、AAVhu.15、AAVhu.16、AAVhu.17、AAVhu.18、AAVhu.20、AAVhu.21、AAVhu.22、AAVhu.23.2、AAVhu.24、AAVhu.25、AAVhu.27、AAVhu.28、AAVhu.29、AAVhu.29R、AAVhu.31、AAVhu.32、AAVhu.34、AAVhu.35、AAVhu.37、AAVhu.39、AAVhu.40、AAVhu.41、AAVhu.42、AAVhu.43、AAVhu.44、AAVhu.44R1、AAVhu.44R2、AAVhu.44R3、AAVhu.45、AAVhu.46、AAVhu.47、AAVhu.48、AAVhu.48R1、AAVhu.48R2、AAVhu.48R3、AAVhu.49、AAVhu.51、AAVhu.52、AAVhu.54、AAVhu.55、AAVhu.56、AAVhu.57、AAVhu.58、AAVhu.60、AAVhu.61、AAVhu.63、AAVhu.64、AAVhu.66、AAVhu.67、AAVhu.14/9、AAVhu.t19、AAVrh.2、AAVrh.2R、AAVrh.8、AAVrh.8R、AAVrh.12、AAVrh.13、AAVrh.13R、AAVrh.14、AAVrh.17、AAVrh.18、AAVrh.19、AAVrh.20、AAVrh.21、AAVrh.22、AAVrh.23、AAVrh.24、AAVrh.25、AAVrh.31、AAVrh.32、AAVrh.33、AAVrh.34、AAVrh.35、AAVrh.36、AAVrh.37、AAVrh.37R2、AAVrh.38、AAVrh.39、AAVrh.40、AAVrh.46、AAVrh.48、AAVrh.48.1、AAVrh.48.1.2、AAVrh.48.2、AAVrh.49、AAVrh.51、AAVrh.52、AAVrh.53、AAVrh.54、AAVrh.56、AAVrh.57、AAVrh.58、AAVrh.61、AAVrh.64、AAVrh.64R1、AAVrh.64R2、AAVrh.67、AAVrh.73、AAVrh.74、AAVrh8R、AAVrh8R A586R変異体、AAVrh8R R533A変異体、AAAV、BAAV、ヤギAAV、ウシAAV、AAVhE1.1、AAVhEr1.5、AAVhER1.14、AAVhEr1.8、AAVhEr1.16、AAVhEr1.18、AAVhEr1.35、AAVhEr1.7、AAVhEr1.36、AAVhEr2.29、AAVhEr2.4、AAVhEr2.16、AAVhEr2.30、AAVhEr2.31、AAVhEr2.36、AAVhER1.23、AAVhEr3.1、AAV2.5T、AAV-PAEC、AAV-LK01、AAV-LK02、AAV-LK03、AAV-LK04、AAV-LK05、AAV-LK06、AAV-LK07、AAV-LK08、AAV-LK09、AAV-LK10、AAV-LK11、AAV-LK12、AAV-LK13、AAV-LK14、AAV-LK15、AAV-LK16、AAV-LK17、AAV-LK18、AAV-LK19、AAV-PAEC2、AAV-PAEC4、AAV-PAEC6、AAV-PAEC7、AAV-PAEC8、AAV-PAEC11、AAV-PAEC12、AAV-2-pre-miRNA-101、AAV-8h、AAV-8b、AAV-h、AAV-b、AAV SM10-2、AAVシャッフル100-1、AAVシャッフル100-3、AAVシャッフル100-7、AAVシャッフル10-2、AAVシャッフル10-6、AAVシャッフル10-8、AAVシャッフル100-2、AAV SM10-1、AAV SM10-8、AAV SM100-3、AAV SM100-10、BNP61 AAV、BNP62 AAV、BNP63 AAV、AAVrh.50、AAVrh.43、AAVrh.62、AAVrh.48、AAVhu.19、AAVhu.11、AAVhu.53、AAV4-8/rh.64、AAVLG-9/hu.39、AAV54.5/hu.23、AAV54.2/hu.22、AAV54.7/hu.24、AAV54.1/hu.21、AAV54.4R/hu.27、AAV46.2/hu.28、AAV46.6/hu.29、AAV128.1/hu.43、真型AAV(ttAAV)、UPENN AAV10、若しくはJapanese AAV10血清型、AAV_po.6、AAV_po.、AAV_po.5、AAV_LK03、AAV_ra.1、AAV_bat_YNM、AAV_bat_Brazil、AAV_mo.1、AAV_トリ_DA-1、若しくはAAV_マウス_NY1、Bba21、Bba26、Bba27、Bba29、Bba30、Bba31、Bba32、Bba33、Bba34、Bba35、Bba36、Bba37、Bba38、Bba41、Bba42、Bba43、Bba44、Bce14、Bce15、Bce16、Bce17、Bce18、Bce20、Bce35、Bce36、Bce39、Bce40、Bce41、Bce42、Bce43、Bce44、Bce45、Bce46、Bey20、Bey22、Bey23、Bma42、Bma43、Bpo1、Bpo2、Bpo3、Bpo4、Bpo6、Bpo8、Bpo13、Bpo18、Bpo20、Bpo23、Bpo24、Bpo27、Bpo28、Bpo29、Bpo33、Bpo35、Bpo36、Bpo37、Brh26、Brh27、Brh28、Brh29、Brh30、Brh31、Brh32、Brh33、Bfm17、Bfm18、Bfm20、Bfm21、Bfm24、Bfm25、Bfm27、Bfm32、Bfm33、Bfm34、Bfm35、AAV-rh10、AAV-rh39、AAV-rh43、AAVanc80L65、又はそれらのいずれかのバリアントを含むが、これらに限定されない)に由来するcap遺伝子及び/又はrep遺伝子は、組換えAAVを生成するために本明細書で使用され得る 例示的なカプシドはまた、その全体が本明細書に組み込まれる、国際出願第2018/022608及びWO2019/222136にも提供される。上記で提供される各々のNCBI参照配列番号又はGenbank受託番号も、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、AAV cap遺伝子は、血清型1、血清型2、血清型3、血清型3B、血清型4、血清型5、血清型6、血清型7、血清型8、血清型9、血清型10、血清型11、血清型12、血清型13、又はそれらのバリアントからのカプシドをコードする。
生成のために、AAVヘルパー機能を有する細胞は、カプシドを形成するのに十分な組換えカプシドタンパク質を産生する。これは、少なくともVP1タンパク質及びVP3タンパク質を含むが、より典型的には、天然のAAVに見出されるように、VP1、VP2、及びVP3タンパク質の3つ全てを含む。カプシドタンパク質の配列は、宿主細胞によって産生されるAAVビリオンの血清型を決定する。本発明で有用なカプシドには、1、2、3、3B、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は混合血清型を含む、いくつかのAAV血清型に由来するものが含まれる(例えば、非天然の混合血清型の開示については、米国特許第8318480号を参照されたい)。カプシドタンパク質はまた、変異、キメラ、又はシャッフルされたタンパク質を含む、天然のVP1、VP2、及びVP3のバリアントであってもよい。カプシドタンパク質は、AAVの様々なクレード内のrh.10又は他のサブタイプのものであってもよく、様々なクレード及びサブタイプは、例えば、米国特許第7,906,111号に開示されている。幅広い構築物の利用可能性及び広範な特性決定のために、以下に開示される例示的なAAVベクターは、血清型2に由来する。異なる血清型のAAVベクター及びAAVタンパク質の構築及び使用は、Chao et al.,Mol.Ther.2:619-623,2000、Davidson et al.,PNAS97:3428-3432,2000、Xiao et al.,J.Virol.72:2224-2232,1998、Halbert et al.,J.Virol.74:1524-1532,2000、Halbert et al.,J.Virol.75:6615-6624,2001、及びAuricchio et al.,Hum.Molec.Genet.10:3075-3081,2001に説明されている。
様々な実施形態において、VPタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。様々な実施形態において、Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターなどの好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターに作動可能に連結され得る。別の例では、ヌクレオチド配列は、ポリヘドリン(Polh)プロモーター、ΔIE1プロモーター、p5プロモーター、p10プロモーター、p40プロモーター、メタロチオネインプロモーター、39Kプロモーター、p6.9プロモーター、及びorf46プロモーターなどのバキュロウイルスプロモーターに作動可能に連結され得る。
生成のために、AAVヘルパー機能を有する細胞は、rAAVの生成を促進するためにRepタンパク質を産生する。細胞内で少なくとも1つの大きなRepタンパク質(Rep78又はRep68)及び少なくとも1つの小さなRepタンパク質(Rep52及びRep40)が発現されると、感染性粒子が生成され得ることが分かっている。特定の実施形態において、Rep78、Rep68、Rep52、及びRep40の4つ全てが発現される。あるいは、Rep78及びRep52、Rep78及びRep40、Rep68及びRep52、又はRep68及びRep40が発現される。以下の例は、Rep78/Rep52の組み合わせの使用を示す。Repタンパク質は、AAV-2又は他の血清型に由来することができる。様々な実施形態において、Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。様々な実施形態において、Repタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターなどの好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターに作動可能に連結され得る。他の例では、ヌクレオチド配列は、ポリヘドリン(Polh)プロモーター、ΔIE1プロモーター、p5プロモーター、p10プロモーター、p40プロモーター、メタロチオネインプロモーター、39Kプロモーター、p6.9プロモーター、及びorf46プロモーターなどのバキュロウイルスプロモーターに作動可能に連結され得る。
AAVヘルパー機能を有する細胞はまた、カプシドの集合を助ける集合活性化タンパク質(AAP)を生成することができる。様々な実施形態において、AAPをコードするヌクレオチド配列は、好適な発現制御配列に作動可能に連結され得る。例えば、ヌクレオチド配列は、真核生物プロモーターに作動可能に連結され得る。他の例では、ヌクレオチド配列は、ポリヘドリン(Polh)プロモーター、ΔIE1プロモーター、p5プロモーター、p10プロモーター、p40プロモーター、メタロチオネインプロモーター、39Kプロモーター、p6.9プロモーター、及びorf46プロモーターなどのバキュロウイルスプロモーターに作動可能に連結され得る。
「非AAVヘルパー機能」という用語は、AAVがその複製に依存する非AAV由来のウイルス及び/又は細胞機能を指す。したがって、この用語は、AAV遺伝子転写の活性化、ステージ特異的AAV mRNAスプライシング、AAV DNA複製、Cap発現産物の合成、及びAAVカプシド集合に関与する部分を含む、AAV複製に必要なタンパク質及びRNAを捕捉する。ウイルスベースの付属機能は、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(単純ヘルペスウイルス1型を除く)及びワクシニアウイルスなどの既知のヘルパーウイルスのいずれかに由来することができる。
「非AAVヘルパー機能ベクター」という用語は、一般に、補助機能を提供するヌクレオチド配列を含む核酸分子を指す。補助機能ベクターを、好適な宿主細胞にトランスフェクトすることができ、ベクターは、次に、宿主細胞におけるAAVビリオン生成を支持することができる。この用語から明示的に除外されるのは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、又はワクシニアウイルス粒子など、自然界に存在する感染性ウイルス粒子である。したがって、補助機能ベクターは、プラスミド、ファージ、トランスポゾン、又はコスミドの形態であり得る。特に、アデノウイルス遺伝子の完全相補体は、補助ヘルパー機能に必要ではないことが実証されている。例えば、DNA複製及び後期遺伝子合成が不可能なアデノウイルス変異体は、AAV複製に対して許容的であることが示されている。Ito et al.,(1970)J.Gen.Virol.9:243、Ishibashi et al,(1971)Virology45:317。同様に、E2B及びE3領域内の変異体は、AAV複製を支持することが示されており、E2B及びE3領域が、おそらく補助機能の提供に関与していないことを示している。Carter et al.,(1983)Virology126:505。しかしながら、E1領域に欠損しているか、又はE4領域が欠損しているアデノウイルスは、AAV複製を支持することができない。したがって、E1A及びE4領域は、直接的又は間接的に、AAV複製のために必要とされる可能性が高い。Laughlin et al.,(1982).J.Virol.41:868、Janik et al.,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:1925、Carter et al.,(1983)Virology126:505。他の特徴付けられたAd変異体には次のものが含まれる。E1B(Laughlin et al.(1982)、上記、Janik et al.(1981)、上記、Ostrove et al.,(1980)Virology104:502);E2A(Handa et al.,(1975)J.Gen.Virol.29:239、Strauss et al.,(1976)J.Virol.17:140、Myers et al.,(1980)J.Virol.35:665、Jay et al.,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci.USA78:2927、Myers et al.,(1981)J.Biol.Chem.256:567)、E2B(Carter,Adeno-Associated Virus Helper Functions,in I CRC Handbook of Parvoviruses(P.Tijssen ed.,1990))、E3(Carter et al.(1983)、上記)、及びE4(Carter et al.(1983)、上記、Carter(1995))。E1Bコード領域に変異を有するアデノウイルスによって提供される補助機能の研究は、矛盾する結果をもたらしているが、Samulski et al.,(1988)J.Virol.62:206-210は、最近、E1B55kは、AAVビリオンの生成に必要であるが、E1B19kはそうではないことを報告している。加えて、国際公開第97/17458号及びMatshushita et al.,(1998)Gene Therapy5:938-945は、様々なAd遺伝子をコードする補助機能ベクターを記載している。特に好ましい補助機能ベクターは、アデノウイルスVA RNAコード領域、アデノウイルスE4 ORF6コード領域、アデノウイルスE2A 72kDコード領域、アデノウイルスE1Aコード領域、及び無傷のE1B55kコード領域を欠くアデノウイルスE1B領域を含む。そのようなベクターは、国際公開第01/83797号に記載されている。
rAAVウイルス粒子の生成に一般的に使用される宿主細胞には、HEK293細胞、COS細胞、HeLa細胞、KB細胞、及び米国特許第6156303、US5387484、US5741683、US5691176、及びUS5688676、米国特許出願公開第2002/0081721号、並びに国際特許公開第2000/047757、WO2000/024916、及びWO1996/017947に記載されている他の哺乳動物細胞株が含まれるが、これらに限定されず、これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、HEK293細胞は、HEK-293T細胞であり得る。AAVウイルス粒子の生成に使用され得る哺乳動物細胞の他の例としては、A549、WEH1、3T3、10T1/2、BHK、MDCK、COS 1、COS 7、BSC 1、BSC 40、BMT 10、VERO、W138、Saos、C2C12、L細胞、HT1080、HepG2、並びに哺乳動物由来の初代線維芽細胞、肝細胞、及び筋芽細胞が挙げられる。いくつかの実施形態において、AAVウイルス粒子の生成に使用される宿主細胞は、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、及びハムスターを含むが、これらに限定されない哺乳動物種に由来する細胞である。いくつかの実施形態において、AAVウイルス粒子の生成に使用される宿主細胞は、線維芽細胞、肝細胞、腫瘍細胞、細胞株形質転換細胞などを含むが、これらに限定されない、細胞種類に由来する細胞である。異種タンパク質の発現のための昆虫細胞の使用は、核酸、例えば、ベクター、例えば、昆虫細胞適合性ベクターを、そのような細胞に導入する方法、及びそのような細胞を培養物中で維持する方法のように、十分に証明されている。(例えば、METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,ed.Richard,Humana Press,N J(1995)、O’Reilly et al.,BACULOVIRUS EXPRESSION VECTORS,A LABORATORY MANUAL,Oxford Univ.Press(1994)、Samulski et al.,J.Vir.(1989)vol.63,pp.3822-3828、Kajigaya et al.,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA(1991)vol.88,pp.4646-4650、Ruffing et al.,J.Vir.(1992)vol.66,pp.6922-6930、Kirnbauer et al.,Vir.(1996)vol.219,pp.37-44、Zhao et al.,Vir.(2000)vol.272,pp.382-393、及び米国特許第6,204,059号を参照されたい)。使用され得る昆虫細胞株の例は、Spodoptera frugiperda、例えば、Sf9、Sf21、Sf900+、ショウジョウバエ細胞株、蚊細胞株、例えばAedes albopictus由来細胞株、家蚕細胞株、例えばBombyxmori細胞株、Trichoplusia ni細胞株、例えばHigh Five細胞株、又はLepidoptera細胞株、例えばAscalapha odorata細胞株に由来し得る。例示的な昆虫細胞は、High Five、Sf9、Sf-RVN、Se301、SeIZD2109、SeUCR1、Sf900+、Sf21、BTI-TN-5B1-4、MG-1、Tn368、HzAm1、BM-N、Ha2302、Hz2E5、及びAo38を含む、バキュロウイルス感染に感受性の昆虫種由来の細胞である。
いくつかの実施形態において、新規のrAAVウイルス粒子は、昆虫細胞内で生成される。培養における昆虫細胞の増殖条件、及び培養における昆虫細胞における異種生成物の生成は、当該技術分野において周知であり、米国特許第6,204,059号を参照されたく、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
様々な実施形態において、rAAV生成のためのベクターを有する昆虫細胞が提供される。rAAV生成のためのヌクレオチド配列を有する組換えバキュロウイルス(rBV)を使用して、これらのヌクレオチド配列を、rAAV生成のために昆虫細胞に送達することができる。rBVなどのバキュロウイルスは、節足動物のエンベロープDNAウイルスであり、そのうち2つのメンバーは、細胞培養において組換えタンパク質を生成するための周知の発現ベクターである。バキュロウイルスは、円形の二本鎖ゲノム(80~200kbp)を有し、これを操作して、特定の細胞への大きいゲノム含有量の送達を可能にすることができる。ベクターとして使用されるウイルスは、一般に、Autographa californicaマルチカプシド核多角体ウイルス(AcMNPV)又はBombyx mori核多角体ウイルス(Bm-NPV)である(Katou,Yasuhiro,et al.,Virology404.2(2010):204-214.)。バキュロウイルスは、一般に、組換えタンパク質の発現のための昆虫細胞の感染に使用される。特に、昆虫における異種遺伝子の発現は、例えば、米国特許第4,745,051号、Friesen,P.D.,and L.K.Miller.,Current topics in microbiology and immunology131(1986):31-49、EP127839、EP155476、Vlak,Just M.,et al.,Journal of General Virology69.4(1988):765-776、Miller,Lois K.,Annual Reviews in Microbiology42.1(1988):177-199、Carbonell,Luis F.,et al.,Gene73.2(1988):409-418、Maeda,Susumu,et al.,Nature315.6020(1985):592-594、Lebacq-Verheyden,ANNE-MARIE,et al.,Molecular and cellular biology8.8(1988):3129-3135、Smith,Gale E.,et al.,Proceedings of the National Academy of Sciences82.24(1985):8404-8408、Miyajima,Atsushi,et al.,Gene58.2-3(1987):273-281、及びMartin,Brian M.,et al.,DNA7.2(1988):99-106に記載されているように達成することができる。タンパク質生成に使用することができる多数のバキュロウイルス株及びバリアント、並びに対応する許容昆虫宿主細胞は、Luckow,Verne A.,and Max D.Summers.,Bio/technology6.1(1988):47-55、Miller et al.(1986)Genetic Engineering,Principles and Methods,Vol.8(eds.J.Setlow and A.Hollaender),Plenum Press,N.Y.,pp.277-298,1986)、Maeda,Susumu,et al.,Nature315.6020(1985):592-594、及びMcKenna,Kevin A.,Huazhu Hong,and Robert R.Granados.,Journal of Invertebrate Pathology71.1(1998):82-90に記載されている。
組換えバキュロウイルス(rBV)を生成するために、ドナーベクター及びバクミド又は転写ベクター及び線状バキュロウイルスDNAが使用される。バクミドは、Escherichia coliなどの細菌において、大きなプラスミドとして増殖する。昆虫細胞にトランスフェクトされると、バクミドはバキュロウイルスを生成する。従来のバキュロウイルスの生成、例えば、InvitrogenのBac-to-Bac系では、E.coliにおける部位特異的転位により組換えバキュロウイルスを生成する。次いで、高分子量バクミドDNAを単離し、Sf9又はSf21細胞にトランスフェクトし、そこから組換えバキュロウイルスを単離して増幅する。
昆虫細胞は、rAAVベクターゲノムのためのヌクレオチド配列を有するか、又はrBVを生成するためのAAVヘルパー機能を提供するヌクレオチド配列を有するバクミドで別々にトランスフェクトすることができる。これらの異なるrBVは、その後、ナイーブな昆虫細胞を共感染させて、rAAVを生成するために使用される。
様々な実施形態において、トランスフェクション後の細胞は、トランスフェクション後、約12時間、約24時間、約36時間、約48時間、約72時間、約96時間、約120時間、約144時間、約168時間、約192時間、約216時間、約240時間、又はそれらの2つの時点のうちのいずれかの間の時間、培養される。
前述のように、増加した濃度の治療上有効なrAAV粒子は、ZUCによって毎回処理することができる経済的に実行可能な量である。1つの例において、様々な実施形態のプロセスは、より大きな細胞培養体積を、rAAV生成に用いることができるように、より高い濃度のrAAVを生成することを可能にすることができる。例えば、rAAVを生成することができる宿主細胞は、少なくとも5ミリリットル(mL)、少なくとも10mL、少なくとも20mL、少なくとも50mL、少なくとも100mL、少なくとも500mL、少なくとも1リットル(L)、少なくとも10L、少なくとも50L、少なくとも100L、少なくとも250L、少なくとも500L、少なくとも1000L、少なくとも1500L、少なくとも2000L、又は少なくとも2500Lの体積で培養することができる。培養は、回転チューブ、振とうフラスコ、又はバイオリアクター中でも行われ得る。
清澄化:培養宿主細胞からrAAVビリオンを除去するために、多数の方法を用いることができる。一例において、細胞を溶解し、ウイルスを精製することができる。あるいは、ウイルスを上清中に発現させる。rAAVビリオンは、遠心分離、濾過、タンジェンシャルフロー濾過、クロマトグラフィー、又はそれらの組み合わせによって精製することができる。
そのような方法の一例では、昆虫細胞を、溶解緩衝液(20mMのトリス-Cl pH=8、150mMのNaCl、0.5%のデオキシクロエート(deoxychloate))中に再懸濁し、ガラスビーズを使用して溶解する。溶解物を、ベンゾナーゼ(Sigma、St.Louis,Mo.)で処理し、4000gで遠心分離し、上清を、Streamline HEカラム(Pharmacia)、Phenyl Sepharose、及びPOROS HE(Potter et al.,Methods Enzymol346:413-30,2002)でクロマトグラフにかけた。
カプシド形成/感染性:ベクターゲノムのカプシド形成を評価するために、精製したAAVビリオンをヌクレアーゼで処理して、任意の非カプシド形成DNAを分解することができる。カプシド形成したDNAは、ヌクレアーゼから保護され、したがって、ヌクレアーゼ処理後に検出可能である。以下の実施例は、サザンブロッティングによって決定されるように、ベンゾナーゼ処理で生存するベクターゲノムを示す。
ビリオンの性能を評価するために、精製したrAAVビリオンを使用して、培養物中のHEK293細胞に感染させるか、又はマウス骨格筋に注入して、GFPを発現する細胞のスコアリングによってそれらの感染性を評価する。ペイロード遺伝子が光学的にアクセスできない場合、ウェスタンブロッティング、イムノアッセイ、PCR、又は逆転写PCR、又は機能的アッセイなどの他の検出技術を用いて、感染性を評価することができる。米国特許公開第2015/0071883号の実施例3では、第VIII因子発現rAAVを有するRag2マウスの形質導入を評価するために、イムノアッセイ及び凝固アッセイを使用する。したがって、感染性の尺度は、ペイロード遺伝子及びモデルシステムに応じて変化し得る。
一般に、ビリオンは、10(10^7、1E07)個のウイルスゲノムを含有するビリオン溶液の存在下でHEK293細胞をインキュベートすると、外来遺伝子が細胞によって検出可能な量で発現されるように、感染性である。あるいは、ビリオンは、10^6個のウイルスゲノムを含有するビリオン溶液の存在下でHEK293細胞をインキュベートすると、外来遺伝子が細胞によって検出可能な量で発現されるように、感染性である。
製剤:rAAVの様々な製剤が、当該技術分野で知られている。精製されたrAAVは、任意選択の緩衝液、担体、及び/又は安定剤を含む生理食塩水中で希釈又は透析することができる。既知のAAV製剤には、ポラキサマー(polaxamer)、PEG、糖、多価アルコール、又は多価イオン塩を使用するものが含まれる。例えば、米国特許第8,852,607号及び第7,704,721号を参照されたい。例示的な製剤は、1.38mg/mlのリン酸ナトリウム、一塩基性一水和物、1.42mg/mlのリン酸ナトリウム、二塩基性(乾燥)、8.18mg/mlの塩化ナトリウム、20mg/mlのマンニトール、及び2.0mg/mlのポロキサマー188(Pluronic F-68)、pH7.4である。
他の例において、本発明のrAAV医薬製剤は、治療のための保存及び/又は対象への投与のための有利な特性を有する製剤を提供するために、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。ある特定の実施形態において、本発明の医薬製剤は、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも4週間、より好ましくは少なくとも6週間、及び更により好ましくは少なくとも約8週間、安定性の検出可能な変化なしに、65℃未満で保存されることが可能である。これに関して、「安定した」という用語は、製剤中に存在するrAAVが、保存中にその物理的安定性、化学的安定性、及び/又は生物活性を本質的に保持することを意味する。本発明のある特定の実施形態において、医薬製剤中に存在する組換えAAVウイルスは、-65℃で定められた期間にわたる保存中、ヒト患者におけるその生物活性の少なくとも約80%、より好ましくは、ヒト患者におけるその生物活性の少なくとも約85%、90%、95%、98%、又は99%を保持する。
様々な例では、rAAVを含む製剤は、1つ以上の緩衝剤を更に含む。他の緩衝剤は、Sek,D.“Breaking old habits:moving away from commonly used buffers in pharmaceuticals.”European Pharmaceutical Review 3(2012)に開示されている。例えば、本発明の製剤は、約0.1mg/ml~約3mg/ml、約0.5mg/ml~約2.5mg/ml、約1mg/ml~約2mg/ml、又は約1.4mg/ml~約1.6mg/mlの濃度で二塩基性リン酸ナトリウムを含む。特に好ましい実施形態において、本発明のrAAV製剤は、約1.42mg/mlの二塩基性(乾燥)リン酸ナトリウムを含む。本発明のrAAV製剤での使用を見出され得る別の緩衝剤は、一塩基性リン酸ナトリウム一水和物であり、これは、いくつかの実施形態において、約0.1mg/ml~約3mg/ml、約0.5mg/ml~約2.5mg/ml、約1mg/ml~約2mg/ml、又は約1.3mg/ml~約1.5mg/mlの濃度での使用を見出される。特に好ましい実施形態において、本発明のrAAV製剤は、約1.38mg/mlの一塩基性リン酸ナトリウム一水和物を含む。本発明のなお一層特に好ましい実施形態において、本発明のrAAV製剤は、約1.42mg/mlの二塩基性リン酸ナトリウム、及び約1.38mg/mlの一塩基性一水和物リン酸ナトリウムを含む。
別の態様において、本発明のrAAV製剤は、好ましくは、約1mg/ml~約20mg/ml、例えば、約1mg/ml~約10mg/ml、約5mg/ml~約15mg/ml、又は約8mg/ml~約20mg/mlの濃度で、塩化ナトリウムなどの1つ以上の等張剤を含んでもよい。特に好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約8.18mg/mlの塩化ナトリウムを含む。当技術分野で知られている他の緩衝剤及び等張性剤が適切であり、本開示の製剤で使用するために日常的に使用することができる。
別の態様において、本発明のrAAV製剤は、1つ以上の増量剤を含み得る。例示的な充填剤としては、マンニトール、スクロース、デキストラン、ラクトース、トレハロース、及びポビドン(PVP K24)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の好ましい実施形態において、本発明の製剤は、マンニトールを含み、これは、約5mg/ml~約40mg/ml、又は約10mg/ml~約30mg/ml、又は約15mg/ml~約25mg/mlの量で存在し得る。特に好ましい実施形態において、マンニトールは、約20mg/mlの濃度で存在する。
更に別の態様において、本発明のrAAV製剤は、非イオン性界面活性剤であり得る1つ以上の界面活性剤を含んでもよい。
本開示の他の態様及び利点は、以下の例示的な実施例を考慮して理解されるであろう。
本発明の例示的な実施形態
実施例1-感染性及び導入遺伝子発現に対する軽カプシドの影響
以前に記載されているように、治療上有効なrAAV粒子の産生は、完全に効率的なプロセスではない。AAV産生は、治療上有効なrAAV粒子、治療上無効なrAAV粒子、及び産生不純物(例えば、低分子量DNA及び小ヌクレオチド、外因性高分子量DNA、緩衝成分など)の混合物をもたらす。治療上有効なrAAV粒子は、感染細胞が、目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現するように、細胞を感染させることができる。この程度まで、治療上有効なrAAV粒子は、異なる特性を有するカプシド又はvgを有するAAV粒子を含むことができる。例えば、治療上有効なrAAV粒子は、異なる翻訳後修飾を有するカプシドを有することができる。他の例では、治療上有効なrAAV粒子は、異なるサイズ/長さ、プラス若しくはマイナスの鎖配列、異なるフリップ/フロップ逆方向末端反復(ITR)構成、異なる数のITR、又は切断を有するvgを有することができる。治療上有効なrAAV粒子は、「重」、「完全」、又は「部分的」カプシドとも呼ばれる。治療上無効なrAAV粒子は、細胞に感染することができないか、又は治療上無効なrAAV粒子に感染した細胞は、目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現することができない。治療上無効なrAAV粒子は、カプシドの単位用量当たりの有効性の低下の一因となり得、有効量の重/完全カプシドのために患者に導入される必要な増加した数の外来タンパク質による免疫応答のリスクを増加させ得る。治療上無効なrAAV粒子は、異なる特性を有するカプシド又はvgを有するAAV粒子を含むことができ、空カプシド又は軽カプシドと称される。例えば、空カプシドは、vgを有しないか、又は定量化不可能なvg濃度を有する。空又は軽カプシドはまた、異なるカプシド特性を有することができる。いかなる特定の理論にも拘束されないが、重/完全/部分的完全カプシドは、それらの電荷及び/又は密度において、軽又は空カプシドとは異なる。
図1A及び1Bは、分析的超遠心分離を使用したAAV調製物の例示的な粒子プロファイルを示す。図1Bに示されるように、いくつかの低分子量不純物が存在し得ることが分かり得るが、主な不純物は、約4%の空カプシド及び約6~7%の凝集体である。調製物からの治療上有効なカプシドは、約62%の完全/重カプシド及び約25%の部分的完全/部分的カプシドを含む。
図2A、2B、3A、及び3Bは、目的の遺伝子の導入遺伝子発現に対する軽粒子の存在の効果を示す。HepG2細胞を、目的の遺伝子#1(GOI1)についての導入遺伝子を有する治療上有効なrAAV粒子(すなわち、重カプシド)、及び既知の濃度の治療上無効なrAAV粒子(すなわち、軽カプシド)に感染させた。図2A、2B、3A、及び3Bに示されるように、軽カプシドの濃度の増加は、HepG2細胞における導入遺伝子の発現を低下させた。図3Bは、軽カプシドが、細胞に感染するカプシドの約50%を占める場合、相対的効力が約48%低下することを強調している。したがって、軽粒子の存在は、HepG2細胞内の重粒子の導入遺伝子の発現及び効力を低下させる。
図4、5A、5B、6A、6B、7、8A、8B、9A、9B、10、11A、11B、11C、11D、12A、及び12Bは、軽カプシドがHepG2細胞に結合することができ、HepG2細胞に入ることができ、HepG2細胞の核に入ることができることを示す。この研究では、重カプシドを、緑色蛍光を示すシアニン3(Cy3)染料又は赤色蛍光を示すシアニン5(Cy5)染料で標識した。軽カプシドもCy3又はCy5で標識した。具体的には、安定な結合を得るための重/軽カプシド上の一級アミンとの標識反応Cy3/Cy5 NHSエステル。
標識した粒子をHepG2細胞に加えた。具体的には、AAV形質導入の前に、HepG2細胞を、細胞イメージングプレート上に播種した。細胞を、標識したAAVと4℃で1時間インキュベートして、細胞表面受容体に結合させ、エンドサイトーシスを阻害することによって内在化を阻止した。細胞を、37℃で4~8時間インキュベートして、重及び軽カプシドが、HepG2細胞を形質導入することを可能にした。次いで、細胞を、CMEM及びPBSで洗浄し、4%PFAで10分間固定し、PBSで更に3回洗浄し、共焦点顕微鏡用の退色防止剤で封入した。
図4は、強いシグナルを示さないシアニン染料を含まない対照を示すが、図5A及び5Bは、それぞれ、HepG2細胞表面受容体に結合したCy3標識及びCy5標識軽粒子を示す。
図6A及び6Bは、Cy3標識(左パネル)及びCy5標識(右パネル)軽粒子が、37℃での8時間のインキュベーション後にHepG2細胞の核内で検出されることを示す。
図7は、HepG2細胞表面受容体に結合したCy5標識重粒子を示す。
図8A、8B、9A、及び9Bは、Cy3標識軽粒子及びCy5標識重粒子の両方が、HepG2細胞表面受容体に結合することを示す。
図10は、Cy3標識軽粒子及びCy5標識重粒子が、37℃でのインキュベーションの8時間後にHepG2細胞の核内で検出されることを示す。
図11A、11B、11C、及び11Dは、Cy3標識軽粒子及びCy5標識重粒子の両方が、4℃で1時間後にHepG2細胞表面受容体に結合することを示す。図11A、11B、及び11Cは、4℃で1時間であり、赤色はCy5標識重粒子であり、緑色はC3標識軽粒子である。図11Dは、37℃で8時間後のHepG2細胞の核における重及び軽粒子の結合を示す。
上記のように、図11Dは、37℃で8時間後のHepG2細胞の核における重及び軽粒子の結合を示す。図11Dはまた、Cy3標識軽粒子及びCy5標識重粒子が、37℃での8時間のインキュベーション後にHepG2細胞の核内で検出されることを示す。図12A及び12Bに示されるように、強調された部分(ボックス及び矢印を参照)は、重及び軽粒子が同じ細胞機構を使用していることを示し得る、Cy3及びCy5染料の共局在化を示す。この共局在化は、軽カプシドの存在によって引き起こされる有効性の低下を説明することができ、更に、軽カプシドを含まないか、又は実質的に含まない、すなわち、軽カプシドの99%超、好ましくは99.5%超を含まないAAV調製物を得ることの要求を実証することができる。
軽及び空カプシドの悪影響を考慮すると、それらの除去は、AAV遺伝子治療剤の有効性を高めるために重要である。
実施例2-目的の遺伝子#1、目的の遺伝子#2、及び目的の遺伝子#3をコードするAAVカプシドの精製
以下の実施例は、GOI1、目的の遺伝子#2(GOI2)、又は目的の遺伝子#3(GOI3)のいずれかを有するrAAVの産生を開示する。GOI1は、5.5Kb未満のポリヌクレオチドサイズを有する。GOI2は、6Kb未満のポリヌクレオチドサイズである。GOI3は、5.5Kb未満のポリヌクレオチドサイズを有し、GOI1とは異なる。GOI1及びGOI2を有するrAAVを、AAV5カプシドで偽型化した。GOI3を有するrAAVを、AAV9カプシドで偽型化した。
全ての下流カラム及びTFF操作は、周囲温度で実施される。中間プールは、延長された保持時間が必要な場合、冷却温度で保持される。
出発物質として、GOI1、GOI2、又はGO3を有するAAVカプシドを含有する無細胞培養液(「収集プール材料」)を使用した。
図13に示されるように、収集プール材料の処理10は、収集プール材料から100個のカプシドを精製し、AEX200、TFF300、ZUC400、TFF500を介してカプシドを処理し、カプシド600の最終製剤を調製することを含む。AAV5カプシドで偽型化したGOI1を有するrAAVを含有する収集プール材料の処理11は、収集プール材料から110個のカプシドを精製し、AEX210、TFF310、ZUC410、TFF510を介してカプシドを処理し、カプシド610の最終製剤を調製することを含む。AAV5カプシドで偽型化したGOI2を有するrAAVを含有する収集プール材料の処理12は、収集プール材料から120個のカプシドを精製し、AEX220、TFF320、ZUC420、TFF520を介してカプシドを処理し、カプシド620の最終製剤を調製することを含む。AAV9カプシドで偽型化したGOI3を有するrAAVを含有する収集プール材料の処理13は、収集プール材料から130個のカプシドを精製し、AEX230、TFF330、ZUC430、TFF530を介してカプシドを処理し、カプシド620の最終製剤を調製することを含む。
図13のステップ100、101、102、103において、rAAVは、後続のAEX及びZUC処理のために収集プール材料から精製される。例えば、精製ステップ110、120は、AAV5カプシドの親和性精製のためにAVB免疫クロマトグラフィーを使用して、GOI1及びGO2についての収集プール材料を処理することを含む。別の例では、精製ステップ130は、AAV9カプシドの親和性精製のためにカラム免疫クロマトグラフィーを使用して、GOI3についての収集プール材料を処理することを含む。AEX及びZUC処理には、親和性カラム精製AAVカプシドを使用する。
図14及び図13のステップ200に示されるように、重、部分的、軽、及び空のAAVカプシドの混合物を有する単離されたカプシドは、AEXカラム、高分子、強又は弱アニオン交換カラム(AEXカラム)を使用してアニオン交換クロマトグラフィー(AEX)に供される。AEXステップ200は、カラムを平衡化するステップ201、カラムに収集プール材料を充填するステップ202、カラムを洗浄して不純物を除去するステップ203、並びにAAVカプシドをAEXカラムから溶出及び単離するステップ204を含む。GOI1についての例では、AEXステップ210は、カラムを平衡化するステップ211、カラムに収集プール材料を充填するステップ212、カラムを洗浄して不純物を除去するステップ213、並びにAAVカプシドをAEXカラムから溶出及び単離するステップ214を含む。GOI2についての例では、AEXステップ220は、カラムを平衡化するステップ221、カラムに収集プール材料を充填するステップ222、カラムを洗浄して不純物を除去するステップ223、並びにAAVカプシドをAEXカラムから溶出及び単離するステップ224を含む。GOI3についての例では、AEXステップ230は、カラムを平衡化するステップ231、カラムに収集プール材料を充填するステップ232、カラムを洗浄して不純物を除去するステップ233、並びにAAVカプシドをAEXカラムから溶出及び単離するステップ234を含む。
異なるpHにおける以下のカプシドについてのゼータ電位を分析する:GOI1、GOI2、及びGOI3についての重カプシド、AEX溶出204、214、224、234後に抽出された軽カプシド、並びにステップ400、410、420、430からのZUCで処理されたカプシド。GOI2についての図18に示されるように、これらの軽カプシドの正味負電荷が重カプシドよりも低いため、AEXを使用して除去することができる軽カプシド集団が存在することを発見した。この軽カプシド集団もまた、一般的な260nm/280nmの吸光度測定によって検出することができず、検出のためにより正確な測定(すなわち、サイズ排除クロマトグラフィー)を必要とする。
AEX分離に使用される緩衝液及び溶液は、当該技術分野で知られている。このような緩衝液の例としては、1mS/cm以下又は1~7mS/cmの導電率及び7~10の範囲のpHを有するAEX平衡緩衝液、4~7mS/cmの範囲の導電率及び7~9の範囲のpHを有するAEX洗浄緩衝液、5~10mS/cmの範囲の導電率及び7~9の範囲のpHを有するAEX溶出緩衝液、53.2~70.1mS/cmの範囲の導電率を有するAEXストリップ緩衝液、並びに6~9の範囲のpHを有するAEX溶出プール調整緩衝液が挙げられる。
AEXカラムには、以下のパラメータが使用される:0.1×10e16~10×10e16vg/Lの範囲の負荷容量、強いアニオン交換樹脂及び7~15cmの範囲のベッドの高さを有するカラム、並びに50~160cm/hrの範囲の流量。
単離されたカプシドを、AEX処理の前後に0.22ミクロン(μm)のフィルターで濾過する。
AEX分離ステップの前に、単離されたカプシドのpHを、7~9の範囲のpH及び3mS/cm以下の導電率に調整緩衝液で調整する。
AEXカラムは、一定体積のAEX平衡緩衝液で調製される。カラム後のpH及び導電率は、7~10の範囲のpH及び1mS/cm以下又は1~7mS/cmの導電率について確認される。
充填プールを適用し、カラムを、AEX平衡緩衝液及びAEX洗浄緩衝液で洗浄する。溶出したAEX洗浄緩衝液の吸光度が、A260=A280に達したときを特定するためにカラムを手動で観察する。A260=A280クロスオーバーが観察されない場合、追加のAEX洗浄緩衝液をAEXカラムに追加する。
AEX溶出は、AEXカラムに一定体積のAEX溶出緩衝液を加えることによって達成される。
GOI1、GOI2、及びGOI3についてのAEX処理200、210、220、230のA260及びA280プロファイルを、可視化し、分析する。図25Aは、洗浄、溶出、及びストリップステップ中のGOI2についてのrAAV調製のためのAEX処理のA260及びA280プロファイルを示す。
溶出プールのpHを、一定体積のAEX溶出プール調整緩衝液を用いて6~9に調整した。
一般に、vg及びカプシド(cp)力価は、それぞれのvg及びカプシドを測定するのに好適な任意の方法で評価され得る。例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を使用して、vg力価を測定してもよく、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して、Cp力価を測定してもよい。あるいは、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)-HPLCを使用して、vg及びcp力価を測定してもよい。加えて、RP(逆相)-HPLCアッセイを使用して、VP比に対するプロセスパラメータの潜在的な影響を評価してもよい。
qPCRは、Applied Biosystems7500 Fast Real-Time PCRシステムなどの標準的なqPCRシステムを使用した定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によるvg定量化に使用され得る。あるいは、デジタルドロップレットPCR(ddPCR)を、Vg定量化に使用してもよい。プライマー及びプローブは、AAVのDNAを標的とするように設計されてもよく、PCR中に蓄積するにつれて、その定量化を可能にする。ddPCRの例は、Pasi,K.John,et al.“Multiyear Follow-Up of AAV5-hFVIII-SQ Gene Therapy for Hemophilia A.”New England Journal of Medicine382.1(2020):29-40、Regan,John F.,et al.“A Rapid Molecular Approach for Chromosomal Phasing.”PloS one10.3(2015):e0118270、及びFuruta-Hanawa,Birei,Teruhide Yamaguchi,and Eriko Uchida.“Two-Dimensional Droplet Digital PCR as a Tool for Titration and Integrity Evaluation of Recombinant Adeno-Associated Viral Vectors”Human gene therapy methods 30.4(2019):127-136に記載されている。vg定量化のための他のシステムには、SEC、SEC-HPLC、及びサイズ交換クロマトグラフィー多角度光散乱が含まれ、これらは全て、参照によりその全体が組み込まれるWO2021/062164に記載されている。
カプシドELISA(cp-ELISA)アッセイは、例えば、AAV5カプシドELISA法を使用して無傷のカプシドを測定し、市販のキット(例えば、Progen PRAAV5)を利用してもよい。このキットELISAは、集合したAAV5又は他のカプシド上の立体構造エピトープに特異的なモノクローナル抗体を利用する。カプシドは、プレート結合モノクローナル抗体上で捕捉され得、その後、検出抗体の結合が続き得る。アッセイシグナルは、コンジュゲートしたストレプトアビジンペルオキシダーゼの添加、続いて比色TMB基質溶液の添加、及び反応を終了するための硫酸の添加によって生成され得る。試験試料の力価は、標的カプシド標準物の4パラメータ較正曲線から補間される。カプシド力価を定量化するための別のシステムは、SEC-MALSであり、これは、WO2021/062164に記載されている。
重及び部分的AAVカプシドは、当該技術分野で既知の技術を使用して測定され得る。例えば、カプシドの総数は、カプシドタンパク質に特異的な抗体を使用してcp-ELISAを使用して測定され得る。重及び部分的カプシドは、存在するベクターゲノムを測定するためにqPCRを使用して測定され得る。
アニオン交換クロマトグラフィー200、210、220、230後のGOI1、GOI2、及びGOI3の調製物からの粒子分布プロファイルを分析する。図19は、AEXによるGOI2のrAAV調製物の処理が、軽及び空カプシド濃度を9.8%に減少させたことを示す。アニオン交換クロマトグラフィー200、210、220、230後のGOI1、GOI2、及びGOI3の調製物からの低温電子顕微鏡画像も分析される。図20に示されるように、AEX処理後のGOI2についてのrAAV調製物の低温電子顕微鏡画像からのカプシドカウントは、57.7%の高密度粒子(すなわち、重及び部分的カプシド)及び42.3%の「非高密度」粒子(すなわち、軽カプシド)であった。したがって、AEXは、rAAV調製物から軽カプシドの全てを除去していない。
AEX処理200、210、220、230による汚染ウイルスの除去はまた、既知の濃度の汚染ウイルスを、単離されたカプシドに添加し、組成物をAEXカラムを通して処理することによって評価される。表1に示すように、GOI1のrAAV調製物のAEX処理は、少なくとも2のLog10減少によって汚染ウイルスの濃度を減少させた。
Figure 2023548067000002
AEX後、収集した溶出プールを、図13のステップ300において、第1のタンジェンシャルフロー濾過(TFF)限外濾過/ダイアフィルトレーション(UF/DF)に供する。AEXカラム溶出プールを濃縮し、ゾーン超遠心分離のために調製物中のTFF緩衝液中でダイアフィルトレーションした。図15に示されるように、TFF UF/DF300は、試料301(例えば、溶出液204)を提供し、試料を透過液/濾液303又は試料301に戻すことができる残余分302にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ302を含む。GOI1の場合、TFF UF/DF310は、試料311(例えば、溶出液214)を提供し、試料を透過液/濾液313又は試料311に戻すことができる残余分312にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ312を含む。GOI2の場合、TFF UF/DF320は、試料321(例えば、溶出液224)を提供し、試料を透過液/濾液323又は試料321に戻すことができる残余分322にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ322を含む。GOI3の場合、TFF UF/DF330は、試料331(例えば、溶出液234)を提供し、試料を透過液/濾液333又は試料331に戻すことができる残余分332にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ332を含む。
0.1×10e17vg/m~10×10e17vg/mの範囲の充填物を限外濾過に充填し、100kDの分子量カットオフ(MWCO)膜でダイアフィルトレーションし、プロセスをTMP及び交差流によって制御した。
ダイアフィルトレーションしたプールを、0.22uMのPVDFフィルターを使用して0.2μmの濾過に供し、最終的なTFFプールを生成する。
TFFプールは、長い保持時間が望まれる場合、ZUC処理の前に任意選択的に60℃以下で凍結することができる。
TFF UF/DF300後、及び図16に示されるように、TFFプールを、組成物302及び勾配を形成するために使用される成分(例えば、塩化セシウムなど)でゾーナルローターを充填するステップ401、充填したローターを遠心分離するステップ402、並びに特定した画分を収集するステップ403を含むZUC400によって処理する。GOI1の場合、ZUC410は、ゾーナルローター411を、組成物312及び勾配を形成するために使用される成分(例えば、塩化セシウムなど)で充填するステップを含み、充填したローター412を遠心分離し、特定した画分413を収集した。GOI2の場合、ZUC420は、ゾーナルローターを、組成物322及び勾配を形成するために使用される成分(例えば、塩化セシウムなど)で充填するステップ421、充填したローターを遠心分離するステップ422、並びに特定した画分を収集するステップ423を含む。GOI3の場合、ZUC430は、ゾーナルローターを、組成物332及び勾配を形成するために使用される成分(例えば、塩化セシウムなど)で充填するステップ431、充填したローターを遠心分離するステップ432、並びに特定した画分を収集するステップ433を含む。
rAAV(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)調製物は、AEX200、210、220、230及びZUC400、410、420、430によって処理される。ZUC軽カプシドを含有する画分を収集し、AEXによって再処理し、A260及びA280プロファイルを可視化した。GOI2のrAAV調製物について図27A、27B、及び27Cに示されるように、AEX中に、軽カプシドの集団が、重カプシドで溶出することも発見された。qPCRにより、これらのカプシドの正味負電荷が重カプシドと同じであるにもかかわらず、これらのカプシドが、定量化可能な封入されたDNAを全く有しないことが示されるため、この軽カプシドの集団は、ゾーン超遠心分離(ZUC)を使用して完全カプシドから更に分離することができる。図13のステップ400において、TFF生成物を、TFF-A緩衝液でTFF生成物プールを希釈し、CsCl緩衝液を用いて、15%~75%の範囲のCsClの最終濃度まで調整することによってZUCに供した。CsClで調整した生成物プールの塩化セシウム未満であるCsCl濃度(15%~75%CsCl)を有するオーバーレイ溶液、続いてCsClで調整した生成物プール、次いでCsClで調整した生成物プールの塩化セシウム未満であるCsCl濃度(15%~75%CsCl)を有するクッション溶液を遠心分離機ローターにポンプで送った。回転中にCsCl勾配が形成され、異なる密度で生成物形態を分画した。勾配からの画分をローターから回収した。ZUCを周囲温度で行った。生成物プールを、インライン密度測定に基づいて、又は回収された画分の分析によって自動的に収集した。ZUCは、以下のパラメータを使用して実行した。
GOI1の場合、ZUCローターに、0.1×10e17vg/充填~10×10e17vg/充填の範囲の力価を有する組成物を充填する。ZUCパラメータは、10℃~36℃の範囲の温度で14~16時間、80000G~125000Gの範囲の速度で組成物を遠心分離することを含む。
GOI2の場合、ZUCローターに、0.1×10e16vg/充填~10×10e16vg/充填又は0.5×10e16vg/充填~50×10e16vg/充填の範囲の力価を有する組成物を充填する。ZUCパラメータは、10℃~36℃の範囲の温度で15~25時間、10000rpm~50000rpmの範囲の速度で組成物を遠心分離することを含む。あるいは、ZUCパラメータの1つは、50000G~100000Gの範囲の速度で組成物を遠心分離することを含む。
rAAV(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)の異なる収集した画分403、413、423、433の密度に対するVg濃度を、ZUC400、410、420、430により処理し、決定し、分析した。図21は、画分22までのvgの濃度の増加を示し、画分18~29は、GOI2のrAAV調製物について増加した濃度の重及び部分的カプシドを有することが特定された。画分18~29は、1.30g/mL超~1.45g/mL以下の範囲の密度を有したことに留意されたい。rAAVの異なる収集した画分403、413、423、433(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)からの粒子分布プロファイルを、ZUC400、410、420、430により処理し、また、分析した。図22は、ZUCによるrAAV調製物の処理により、軽カプシド濃度が1.1%に低下したことを示す。
ZUC400、410、420、430の後のrAAV(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)は、ウェスタンブロット、アルカリアガロースゲル、及び低温電子顕微鏡によって分析される。図23A及び23Bは、GOI2のrAAV調製物について、高密度画分18~24が、より低い密度画分10~16より大きなゲノムサイズ(すなわち、重及び部分的カプシド)で有意に高い濃度のカプシドを有することを示す。図24に示されるように、ZUC処理後のGOI2についてのrAAV調製物の低温電子顕微鏡画像からのカプシドカウントは、85.7%の高密度粒子(すなわち、重及び部分的カプシド)及び14.3%の「非高密度」粒子(すなわち、軽カプシド)であった。したがって、ZUC単独は、rAAV調製物から軽カプシドの全てを除去していない。
rAAV(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)の異なる収集した画分403、413、423、433のVg濃度を、ZUC400、410、420、430により処理し、qPCR、ddPCR、SEC、SEC-HPLC、又はSEC-MALSによって決定した。rAAV(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)の異なる収集した画分403、413、423、433のカプシド力価を、ZUC400、410、420、430により処理し、cp-ELISA又はSEC-MALSによって決定した。GOI2のrAAV調製物について、図25Bは、cp-ELISAによって決定される各画分のカプシド力価、及びqPCRによって決定される各画分のvg力価を示す。図25Bに示されるように、画分15~26は、他の画分と比較して、より大きなカプシド及びvg力価を有する。AEX200、210、220、230を用いて、又は用いずに処理したrAAV(すなわち、GOI1、GOI2、及びGOI3)のカプシド力価を、cp-ELISAによって決定した。図26はまた、ZUC処理が、軽及び空カプシドで過負荷にならないように、AEXが、本質的に軽及び空カプシドを低減することを示す。
表2は、異なる力価負荷でのZUC処理後のGOI2のrAAV調製物の特性を示す。
Figure 2023548067000003
表3は、異なる力価負荷でのZUC処理後のGOI2の別のrAAV調製物の特性を示す。
Figure 2023548067000004
ZUC処理による汚染ウイルスの低減の分析も、GOI1、GOI2、及びGOI3について評価される。バキュロウイルスの場合、ZUC処理は、2以上のLog10濃度(例えば、2.09及び2.46)を減少させた。
図13のステップ500において、ZUC溶出プールを濃縮し、安定化TFF-B緩衝液中でダイアフィルトレーションする。図17に示されるように、TFF UF/DF500は、試料501(例えば、収集した画分403)を提供し、試料を透過液/濾液503又は試料501に戻すことができる残余分502にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ502を含む。GOI1の場合、TFF UF/DF310は、試料511(例えば、収集した画分413)を提供し、試料を透過液/濾液513又は試料511に戻すことができる残余分512にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ512を含む。GOI2の場合、TFF UF/DF520は、試料521(例えば、収集した画分423)を提供し、試料を透過液/濾液523又は試料521に戻すことができる残余分522にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ522を含む。GOI3の場合、TFF UF/DF530は、試料531(例えば、収集した画分433)を提供し、試料を透過液/濾液533又は試料531に戻すことができる残余分532にダイアフィルトレーション/限外濾過するステップ532を含む。0.1×10e17vg/m~10×10e17vg/mの範囲の充填物を限外濾過に充填し、100kDの分子量カットオフ(MWCO)膜でダイアフィルトレーションし、プロセスをTMP及び交差流によって制御した。
図13のステップ600において、合わせたTFF生成物プール材料を、製剤緩衝液中に所定の濃度まで希釈し、0.2μmフィルターを通して濾過する。
GOI2のrAAV調製物の合わせたAEX(図25A)及びZUC(図25B)処理により、約1.0Cp/Vg比の重及び部分的カプシドの本質的に純粋な調製物を得る。
GOI1のrAAV調製物について、AEX及びZUCによって処理したrAAV生成物上で分析的超遠心分離分析を行う。処理したrAAV生成におけるカプシド組成物は、0%の軽カプシド、3.9%のカプシド凝集体、7.68%の中間又は部分的完全カプシド、及び88.4%の重カプシドであった。
実施例3-AAV産生不純物の除去:Repタンパク質及び脱アミド化カプシドに関連するrAAV
Repタンパク質、特にRep78及びRep68は、生成後にrAAVの濃度に関連したままであることが発見された。Rep78/Rep68に関連したこのrAAVは、細胞に感染することができない不純物であるか、又はRep78/Rep68に関連したrAAVに感染した細胞は、目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現することができない場合がある。Rep78/Rep68に関連したrAAVは、カプシドの単位用量当たりの有効性の低下の一因となり得、有効量の重/完全/部分的完全カプシドのために患者に導入される外来タンパク質の必要な増加による免疫応答のリスクを増加させ得る。したがって、AEX及びZUC処理は、Rep78/Rep68に関連するrAAVの濃度を低下させる。GOI1、GOI2、及びGOI3調製物のRep78/Rep68に関連したrAAVを、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)によって定量化する。このアッセイは、Rep78/Rep68濃度を正確に測定する。カプシドは、AVB処理、AEX処理、及びZUC処理後に単離される。カプシドを変性させてウイルスタンパク質を解離させ、LC-MS分析の前にペプチドに消化する。Rep78/Rep68タンパク質由来のペプチドをLC上で分離し、標的化ペプチドの複数の断片から得られたシグナルを、トリプル四重極質量分析計によって分析する。
図28に示されるように、AAV5カプシドについてのAVB免疫クロマトグラフィー中に、Repタンパク質に関連したrAAVの濃度は、治療上有効なrAAVで溶出する。GOI1について、AEX処理は、Repタンパク質に関連したrAAVの濃度を実質的に低下させたが、Repタンパク質に関連したrAAVの一部は、治療上有効なrAAVで溶出した。AEX後、ZUC処理は、Repタンパク質に関連したrAAVの濃度を更に低下させた。例えば、AEX及びZUC処理は、治療上有効なrAAVを含有する最終組成物が、Repタンパク質に関連したrAAVを実質的に欠くように、Repタンパク質に関連したrAAVの濃度を除去した。
GOI1について図29に示されるように、Repタンパク質に関連したrAAVは、洗浄及び溶出ステップの後、AEXカラム内に残る。Repタンパク質に関連したrAAVは、カラムが再生されたときにのみAEXカラムを出る。
GOI1について図30に示されるように、ZUC処理はまた、治療上有効なrAAVを、Repタンパク質に関連したrAAVから分離することにより、治療上有効なrAAVを、Repタンパク質に関連したrAAVから精製することができる。特に、単離される「プール」画分は、Repタンパク質に関連したrAAVをほとんど又は全く含有しないが、「プール後」画分は、Repタンパク質に関連したrAAVの十分に高い濃度を含有する。Repタンパク質に関連したrAAVは、空又は軽カプシドであることにも留意されたい。
カプシドの脱アミド化は、rAAVによって提供される導入遺伝子の発現のrAAV感染性を低下させることが示されている(Giles,April R.,et al.Molecular Therapy26.12(2018):2848-2862)及びFrederick,Amy,et al.Human Gene Therapy31.13-14(2020):756-774。したがって、脱アミド化カプシド(又は脱アミド化rAAV)を有するrAAVは、細胞に感染することができない不純物であるか、又は脱アミド化rAAVに感染した細胞は、目的のエレメント(例えば、ヌクレオチド配列、タンパク質など)を、(例えば、転写及び/又は翻訳によって)発現することができない場合がある。脱アミド化rAAVはまた、カプシドの単位用量当たりの有効性の低下の一因となり得、有効量の重/完全/部分的完全カプシドのために患者に導入される外来タンパク質の必要な増加による免疫応答のリスクを増加させ得る。したがって、AEX及びZUC処理は、脱アミド化カプシドを有するrAAVの濃度を低下させる。GOI1、GOI2、及びGOI3のN末端におけるVP1タンパク質の脱アミド化レベルを、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)によって定量化する。このアッセイは、VP1のN末端領域における脱アミド率を正確に測定する。カプシドは、AVB処理、AEX処理、及びZUC処理後に単離される。カプシドを変性させてウイルスタンパク質を解離させ、LC-MS分析の前にペプチドに消化する。標的脱アミド部位を有する標的VP1 N末端ペプチドの未修飾及び脱アミド化形態をLC上で分離し、標的化ペプチドの複数の断片から得られたシグナルを、トリプル四重極質量分析計によって分析する。
GOI1について図31に示されるように、脱アミド化rAAVの濃度は、AAV5カプシドについてのAVB免疫クロマトグラフィー中に、治療上有効なrAAVで溶出する。AEX処理は、脱アミド化rAAVの濃度を実質的に低下させたが、脱アミド化rAAVの一部は、治療上有効なrAAVで溶出した。AEX後、ZUC処理により、脱アミド化rAAVの濃度が更に低下した。例えば、AEX及びZUC処理は、治療上有効なrAAVを含有する最終組成物が、脱アミド化rAAVを実質的に欠くように、脱アミド化rAAVの濃度を除去した。
GOI1について図32に示されるように、脱アミド化rAAVは、洗浄ステップ中に除去され、カラムが再生されたときにのみAEXカラムを出る。また、AEX溶出液は、脱アミド化rAAVの濃度が実質的に低下していることにも留意されたい。
GOI1について図33に示されるように、ZUC処理はまた、治療上有効なrAAVを脱アミド化rAAVから分離することにより、治療上有効なrAAVは、精製された脱アミド化rAAVであり得る。特に、単離される「プール」画分は、減少した濃度の脱アミド化rAAVを含有するが、「プール後」画分は、十分に高い濃度の脱アミド化rAAVを含有する。脱アミド化rAAVは、空又は軽カプシドであることにも留意されたい。
例示的な実施形態が上記に説明されているが、これらの実施形態が、本発明の全ての可能な形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書で使用される単語は、限定ではなく説明の単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解される。更に、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明の更なる実施形態を形成してもよい。
例示的な実施形態が上記に説明されているが、これらの実施形態が、本発明の全ての可能な形態を説明することは意図されていない。むしろ、本明細書で使用される単語は、限定ではなく説明の単語であり、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが理解される。更に、様々な実施形態の特徴を組み合わせて、本発明の更なる実施形態を形成してもよい。
本開示は以下の実施形態を包含する。
[1] 治療上有効な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を精製する方法であって、前記方法が、
治療上有効なrAAV粒子及びAAV産生不純物を含む組成物を提供するステップであって、前記AAV産生不純物の第1の部分が、AAV粒子とは異なる正味電荷を有する不純物を含み、前記AAV産生不純物の第2の部分が、前記AAV粒子とは異なる密度を有する不純物を含む、ステップと、
アニオン交換クロマトグラフィーによって前記組成物から前記第1の部分を除去するステップと、
ゾーン超遠心分離によって前記組成物から前記第2の部分を除去するステップと、を含み、
アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後、前記組成物が、AAV産生不純物を実質的に欠いている、方法。
[2] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、AAV産生不純物から少なくとも95%純粋である、実施形態1に記載の方法。
[3] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、AAV産生不純物から少なくとも99%純粋である、実施形態1に記載の方法。
[4] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、AAV産生不純物から99+%純粋である、実施形態1に記載の方法。
[5] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から少なくとも95%純粋である、実施形態1に記載の方法。
[6] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から少なくとも99%純粋である、実施形態1に記載の方法。
[7] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から99+%純粋である、実施形態1に記載の方法。
[8] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、検出可能な治療上無効なrAAV粒子を全く含まない、実施形態1に記載の方法。
[9] 前記治療上無効なrAAV粒子が、Repタンパク質に関連するカプシドを含む、実施形態5~8のいずれかに記載の方法。
[10] Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、アニオン交換クロマトグラフィーによって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、実施形態9に記載の方法。
[11] Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、ゾーン超遠心分離によって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、実施形態9に記載の方法。
[12] Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、結合したRepタンパク質を有するカプシドを含む、実施形態9に記載の方法。
[13] 前記治療上無効なrAAV粒子が、脱アミド化アミノ酸を有する1つ以上のVP1、VP2、又はVP3カプシドタンパク質を有するカプシドを含む、実施形態5~8のいずれかに記載の方法。
[14] 前記治療上無効なrAAV粒子が、ベクターゲノムを欠いているか、又は検出不可能な濃度のヌクレオチドを封入しているカプシドを含む、実施形態5~8のいずれかに記載の方法。
[15] 前記治療上無効なrAAV粒子が、カプシドによって感染した細胞が治療上有効なヌクレオチド配列を生成するのに不十分な1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドを含む、実施形態5~8のいずれかに記載の方法。
[16] 前記治療上無効なrAAV粒子が、同じ条件下で感染するが、カプシドによる感染を欠く細胞によるエレメントの発現と比較して、前記カプシドに感染した細胞によるエレメントの発現を低下させる1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドと、前記エレメントをコードする治療上有効なrAAVと、を含む、実施形態5~8のいずれかに記載の方法。
[17] 前記アニオン交換クロマトグラフィーが、ポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂である、実施形態1に記載の方法。
[18] 前記樹脂が、四級アンモニウム基で修飾される、実施形態17に記載の方法。
[19] 前記ゾーン超遠心分離が、塩化セシウム勾配を使用する、実施形態1に記載の方法。
[20] 塩化セシウム勾配による前記ゾーン超遠心分離が、
溶出液にある濃度の塩化セシウムを添加することと、
回転遠心分離機ローター中で第1の塩化セシウム溶液をオーバーレイすることであって、前記第1の塩化セシウム溶液が、前記溶出液の前記塩化セシウム濃度よりも少ない塩化セシウム濃度を有する、オーバーレイすることと、
前記アニオン交換イオンクロマトグラフィーからの溶出液を添加することと、
第2の塩化セシウム溶液を添加することであって、前記第2の塩化セシウム溶液が、前記溶出液の前記塩化セシウム濃度よりも大きい塩化セシウム濃度を有する、添加することと、
前記回転遠心分離機ローターを遠心分離して、前記溶出液内に密度勾配を形成することと、
前記密度勾配から画分を収集することと、を含む、実施形態19に記載の方法。
[21] 治療上有効な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を精製する方法であって、前記方法が、
治療上有効なrAAV粒子及び治療上無効なrAAV粒子を含む組成物を提供するステップと、
アニオン交換クロマトグラフィーによって前記組成物から前記治療上無効なrAAV粒子の少なくとも一部を除去するステップと、
ゾーン超遠心分離によって前記組成物を処理するステップと、を含み、
アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後、前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子を実質的に欠いている、方法。
[22] 前記除去ステップが、ゾーン超遠心分離による前記組成物の後続処理を可能にする、実施形態21に記載の方法。
[23] 前記除去ステップが、前記提供するステップの前記組成物が、ゾーン超遠心分離によって処理される、より多くの量の治療上有効なrAAV粒子を有することを可能にする、実施形態21に記載の方法。
[24] 前記除去ステップが、前記組成物から前記治療上無効なrAAV粒子の少なくとも0.1%を除去する、実施形態21に記載の方法。
[25] 前記除去ステップが、前記組成物から前記治療上無効なrAAV粒子の少なくとも50%を除去する、実施形態21に記載の方法。
[26] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から少なくとも95%純粋である、実施形態21に記載の方法。
[27] アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、検出可能な治療上無効なrAAV粒子を全く含まない、実施形態21に記載の方法。
[28] 前記治療上無効なrAAV粒子が、Repタンパク質に関連するカプシドを含む、実施形態21~27のいずれかに記載の方法。
[29] Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、アニオン交換クロマトグラフィーによって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、実施形態28に記載の方法。
[30] Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、ゾーン超遠心分離によって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、実施形態28に記載の方法。
[31] Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、結合したRepタンパク質を有するカプシドを含む、実施形態28に記載の方法。
[32] 前記治療上無効なrAAV粒子が、脱アミド化アミノ酸を有するVP1、VP2、又はVP3カプシドタンパク質を有するカプシドを含む、実施形態21~27のいずれかに記載の方法。
[33] 前記治療上無効なrAAV粒子が、ベクターゲノムを欠いているか、又は検出不可能な濃度のヌクレオチドを封入しているカプシドを含む、実施形態21~27のいずれかに記載の方法。
[34] 前記治療上無効なrAAV粒子が、カプシドによって感染した細胞が治療上有効なヌクレオチド配列を生成するのに不十分な1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドを含む、実施形態21~27のいずれかに記載の方法。
[35] 前記治療上無効なrAAV粒子が、同じ条件下で感染するが、カプシドによる感染を欠く細胞によるエレメントの発現と比較して、前記カプシドに感染した細胞によるエレメントの発現を低下させる1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドと、前記エレメントをコードする治療上有効なrAAVと、を含む、実施形態21~27のいずれかに記載の方法。

Claims (35)

  1. 治療上有効な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を精製する方法であって、前記方法が、
    治療上有効なrAAV粒子及びAAV産生不純物を含む組成物を提供するステップであって、前記AAV産生不純物の第1の部分が、AAV粒子とは異なる正味電荷を有する不純物を含み、前記AAV産生不純物の第2の部分が、前記AAV粒子とは異なる密度を有する不純物を含む、ステップと、
    アニオン交換クロマトグラフィーによって前記組成物から前記第1の部分を除去するステップと、
    ゾーン超遠心分離によって前記組成物から前記第2の部分を除去するステップと、を含み、
    アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後、前記組成物が、AAV産生不純物を実質的に欠いている、方法。
  2. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、AAV産生不純物から少なくとも95%純粋である、請求項1に記載の方法。
  3. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、AAV産生不純物から少なくとも99%純粋である、請求項1に記載の方法。
  4. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、AAV産生不純物から99+%純粋である、請求項1に記載の方法。
  5. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から少なくとも95%純粋である、請求項1に記載の方法。
  6. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から少なくとも99%純粋である、請求項1に記載の方法。
  7. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から99+%純粋である、請求項1に記載の方法。
  8. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、検出可能な治療上無効なrAAV粒子を全く含まない、請求項1に記載の方法。
  9. 前記治療上無効なrAAV粒子が、Repタンパク質に関連するカプシドを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、アニオン交換クロマトグラフィーによって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、請求項9に記載の方法。
  11. Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、ゾーン超遠心分離によって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、請求項9に記載の方法。
  12. Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、結合したRepタンパク質を有するカプシドを含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記治療上無効なrAAV粒子が、脱アミド化アミノ酸を有する1つ以上のVP1、VP2、又はVP3カプシドタンパク質を有するカプシドを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記治療上無効なrAAV粒子が、ベクターゲノムを欠いているか、又は検出不可能な濃度のヌクレオチドを封入しているカプシドを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記治療上無効なrAAV粒子が、カプシドによって感染した細胞が治療上有効なヌクレオチド配列を生成するのに不十分な1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドを含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記治療上無効なrAAV粒子が、同じ条件下で感染するが、カプシドによる感染を欠く細胞によるエレメントの発現と比較して、前記カプシドに感染した細胞によるエレメントの発現を低下させる1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドと、前記エレメントをコードする治療上有効なrAAVと、を含む、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記アニオン交換クロマトグラフィーが、ポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記樹脂が、四級アンモニウム基で修飾される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ゾーン超遠心分離が、塩化セシウム勾配を使用する、請求項1に記載の方法。
  20. 塩化セシウム勾配による前記ゾーン超遠心分離が、
    溶出液にある濃度の塩化セシウムを添加することと、
    回転遠心分離機ローター中で第1の塩化セシウム溶液をオーバーレイすることであって、前記第1の塩化セシウム溶液が、前記溶出液の前記塩化セシウム濃度よりも少ない塩化セシウム濃度を有する、オーバーレイすることと、
    前記アニオン交換イオンクロマトグラフィーからの溶出液を添加することと、
    第2の塩化セシウム溶液を添加することであって、前記第2の塩化セシウム溶液が、前記溶出液の前記塩化セシウム濃度よりも大きい塩化セシウム濃度を有する、添加することと、
    前記回転遠心分離機ローターを遠心分離して、前記溶出液内に密度勾配を形成することと、
    前記密度勾配から画分を収集することと、を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 治療上有効な組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を精製する方法であって、前記方法が、
    治療上有効なrAAV粒子及び治療上無効なrAAV粒子を含む組成物を提供するステップと、
    アニオン交換クロマトグラフィーによって前記組成物から前記治療上無効なrAAV粒子の少なくとも一部を除去するステップと、
    ゾーン超遠心分離によって前記組成物を処理するステップと、を含み、
    アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後、前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子を実質的に欠いている、方法。
  22. 前記除去ステップが、ゾーン超遠心分離による前記組成物の後続処理を可能にする、請求項21に記載の方法。
  23. 前記除去ステップが、前記提供するステップの前記組成物が、ゾーン超遠心分離によって処理される、より多くの量の治療上有効なrAAV粒子を有することを可能にする、請求項21に記載の方法。
  24. 前記除去ステップが、前記組成物から前記治療上無効なrAAV粒子の少なくとも0.1%を除去する、請求項21に記載の方法。
  25. 前記除去ステップが、前記組成物から前記治療上無効なrAAV粒子の少なくとも50%を除去する、請求項21に記載の方法。
  26. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、治療上無効なrAAV粒子から少なくとも95%純粋である、請求項21に記載の方法。
  27. アニオン交換クロマトグラフィー及びゾーン超遠心分離後の前記組成物が、検出可能な治療上無効なrAAV粒子を全く含まない、請求項21に記載の方法。
  28. 前記治療上無効なrAAV粒子が、Repタンパク質に関連するカプシドを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、アニオン交換クロマトグラフィーによって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、請求項28に記載の方法。
  30. Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、ゾーン超遠心分離によって治療上有効なrAAV粒子から分離されるカプシド及びRepタンパク質を含む、請求項28に記載の方法。
  31. Repタンパク質カプシドに関連する前記カプシドが、結合したRepタンパク質を有するカプシドを含む、請求項28に記載の方法。
  32. 前記治療上無効なrAAV粒子が、脱アミド化アミノ酸を有するVP1、VP2、又はVP3カプシドタンパク質を有するカプシドを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記治療上無効なrAAV粒子が、ベクターゲノムを欠いているか、又は検出不可能な濃度のヌクレオチドを封入しているカプシドを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記治療上無効なrAAV粒子が、カプシドによって感染した細胞が治療上有効なヌクレオチド配列を生成するのに不十分な1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドを含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記治療上無効なrAAV粒子が、同じ条件下で感染するが、カプシドによる感染を欠く細胞によるエレメントの発現と比較して、前記カプシドに感染した細胞によるエレメントの発現を低下させる1つ以上のサイズを有するベクターゲノムを有する前記カプシドと、前記エレメントをコードする治療上有効なrAAVと、を含む、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
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