JP2023547469A - 薬物送達デバイスのための電子システムおよび薬物送達デバイス - Google Patents

薬物送達デバイスのための電子システムおよび薬物送達デバイス Download PDF

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Abstract

薬物送達デバイス(1)のための電子システム(1000)が提供され、電子システムは:用量動作、たとえば薬物送達デバイスによって送達予定の薬物の用量を設定するための用量設定動作、および/または設定された用量を送達するための用量送達動作を実行するために、使用者によって操作されるように構成された少なくとも1つのユーザインターフェース部材(1600)と、電子システムの動作を制御するように構成された電子制御ユニット(1100)であって、電子システムが第1の状態および第2の状態を有し、電子システムが、第1の状態に比べて第2の状態で大きい電力消費を有する、電子制御ユニットと、ユーザインターフェース部材が操作されていることを示す電気信号を提供するように構成された電気信号送信ユニット(1300)とを含み、ここで、電子制御ユニットは、電気信号に応答して、電子システムを第1の状態から第2の状態に切り換えるように構成され、ユーザインターフェース部材は、第1の部分(1603)および第2の部分(1604)を含み、第1の部分は、第2の部分に対して第1の部分の静止位置から第1の部分の信号送信位置へ可動であり、信号送信ユニットは、静止位置から信号送信位置への第2の部分に対する第1の部分の動きに応答して、電気信号を提供するように構成される。【選択図】図7A

Description

本開示は、薬物送達デバイスのための電子システムに関する。本開示はさらに、薬物送達デバイス、好ましくは電子システムを含む薬物送達デバイスに関する。
電子機器を使用する薬物送達デバイスは、製薬業界において、ならびに使用者または患者の間で、ますます普及してきている。しかし、特にデバイスが自立型になるように設計された場合、すなわちデバイスの動作のための電力を提供するために必要な外部電源に接続するためのコネクタがない場合、電源の資源の管理をデバイスに一体化することが特に重要である。
電子システムは、たとえば特許文献1に記載されている。
EP3448470B1
本開示の目的は、新規な、好適には改善された、電子システムを提供することである。
この目的は、独立請求項の主題によって実現される。有利な実施形態および改良形態は、従属請求項に準拠する。本開示は、本明細書に主張する内容に制限されるものではなく、特許請求の範囲に準拠しうる説明にのみ主題を含むことができることに留意されたい。
本開示の一態様は、薬物送達デバイスのための電子システムに関する。本開示の別の態様は、薬物送達デバイス、特に電子システムを含む薬物送達デバイスに関する。したがって、薬物送達デバイス、またはその、もしくはそのためのユニットに関連して開示する構成は、電子システムにも当てはまり、逆も同様である。
一実施形態では、電子システムは、少なくとも1つのユーザインターフェース部材を含む。ユーザインターフェース部材は、使用者、たとえば薬物送達デバイスの使用者によって、操作、たとえばタッチおよび/または移動されるように配置または構成することができる。ユーザインターフェース部材は、用量動作、たとえば薬物送達デバイスによって送達予定の薬物の用量を設定するための用量設定動作を実行するために、および/または設定された用量、好ましくは用量設定動作中に事前に設定された1用量を送達するための用量送達動作を実行するために提供することができる。用量動作は、送達動作または用量設定動作にかかわらず、薬物送達デバイスによって送達予定の用量に関係する動作とすることができる。用量動作は、用量設定動作に加えて、ユーザインターフェース部材を操作することによって事前に設定された用量を増大または減少させる用量調整動作を含むことができる。用量動作は、薬物送達デバイスの使用者、たとえば患者によって実行することができる。用量動作は、動作全体にわたって使用者がユーザインターフェース部材に連続して接触することを必要とすることができる。用量動作は、薬物送達デバイスのハウジング、たとえば電子システムが接続されるべき薬物送達デバイスユニットのハウジング、または薬物送達デバイスのハウジングに対するユーザインターフェース部材の動きを伴うことができる。用量動作に対する別法または追加として、ユーザインターフェース部材は、起動動作のために操作することができる。起動動作は、すべての用量動作に対する別法または追加として、すなわち用量設定動作および用量送達動作、ならびに該当する場合、用量調整または取消し動作に対する別法または追加として、提供することができる。
一実施形態では、ユーザインターフェース部材は、使用者によってタッチされるように配置および構成された外部動作面を有する。外部動作面は、用量動作などのシステムまたはデバイスの動作中に、たとえば動作を開始および/または実行するために、タッチされるように配置および構成することができる。したがって、外部動作面は、設定動作のための設定面および/もしくは送達動作のための送達面とすることができ、またはそのような設定面および/もしくは送達面を含むことができる。設定面および送達面は、異なる方向を向くことができる。設定面は、径方向または横方向を向くことができる。送達面は、軸方向、たとえば近位方向を向くことができる。設定面は、ユーザインターフェース部材の軸の周りを円周方向に延びることができる。送達面は、軸に対して斜めまたは垂直に配置することができる。
一実施形態では、電子システムは、電子制御ユニットを含む。電子制御ユニットは、電子システムの動作を制御するように構成することができる。電子制御ユニットは、たとえばマイクロコントローラもしくはASICなどの電子プロセッサとすることができ、またはそのような電子プロセッサを含むことができる。電子システムは、たとえばシステムが休止状態または遊休状態にある第1の状態と、たとえばシステムが動作状態にある第2の状態とを有することができる。電子システムは、第1の状態に比べて第2の状態で大きい電力消費を有することができる。第1の状態で、電子システムの1つまたはそれ以上の電気または電子ユニットは、ほとんど電力を消費しないように、または電力を消費しないように、スリープモードとすることができ、または電源を遮断することができる。たとえば、第2の状態では、運動感知ユニットを活動状態にすることができ、すなわち動作させることができ、第1の状態では、運動感知ユニットは非活動状態であり、すなわち動作させることができない。運動感知ユニットについては、以下でより詳細に説明する。別法または追加として、通信ユニットは、第1の状態で非活動状態とすることができ、第2の状態で活動状態とすることができる。通信ユニットについては、以下でより詳細に説明する。
一実施形態では、電子システムは、電気信号送信ユニットを含む。このユニットは、ユーザインターフェース部材が操作されたとき、少なくとも1つの電気信号を提供するように構成することができる。この信号は、ユーザインターフェース部材が操作されていることを示すことができる。たとえば、使用者がたとえばハウジングに対するユーザインターフェース部材の動きを開始したとき、またはユーザインターフェース部材を動かそうと試行したとき、少なくとも1つの電気信号を開始または生成することができる。電気信号は、用量動作、たとえば用量設定動作もしくは用量送達動作、または起動動作を示すことができる。この信号は、用量動作が開始されていること、または起動動作が完了されたことを示すことができる。ハウジングは、電子システムが接続されるべき薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスユニットのハウジングとすることができる。それぞれの信号を生成するために、ユーザインターフェース部材の少なくとも一部もしくは一部分の動き、またはユーザインターフェース部材の一部もしくは一部分のみの動きを必要とすることができる。これについては、以下でより詳細に説明する。信号送信ユニットは、用量動作および/または起動動作を示す信号を生成または提供するように構成することができる。
一実施形態では、電子制御ユニットは、たとえば対応するコマンドまたは信号をシステムの他のユニットまたは構成要素へ発行することによって、電子システムを第1の状態から第2の状態に切り換えるように構成される。電子制御ユニットは、少なくとも1つの電気信号に応答して、電子システムを第1の状態から第2の状態に切り換えるように構成することができる。この信号は、用量動作を示すことができ、または起動動作などの用量動作とは異なる専用の動作を必要とすることができる。起動動作を示す信号は、たとえば運動感知ユニットを起動することなく、たとえば通信ユニットを選択的に起動するために使用することができる。
一実施形態では、ユーザインターフェース部材は、第1の部分および第2の部分を含む。第1の部分は、外部動作面を示すことができ、または外部動作面を提供することができる。第2の部分は、薬物送達デバイスもしくは薬物送達デバイスユニットの用量設定および/もしくは駆動機構へのユーザインターフェース部材のインターフェースを示すことができ、またはそのようなインターフェースを提供することができる。インターフェースは、たとえばシステムがデバイスに一体化された場合は、用量設定および/もしくは駆動機構への恒久的もしくは解放不能な接続を確立することができ、またはたとえばシステムが機構のための付属モジュールである場合は、用量設定および/もしくは駆動機構への解放可能な接続を確立することができる。第2の部分は、ユーザインターフェース部材を薬物送達デバイスユニットに接続するための接続機能、たとえばスナップ機能を提供することができる。システムは、用量設定および/または駆動機構、たとえばその1つの部材に、接続によって軸方向および/または回転不能にロックすることができる。用量動作は、ハウジングに対する第2の部分の動きを必要とすることができる。起動動作は、第2の部分に対する第1の部分の動き、たとえば第2の部分に対する第1の部分の静止位置から第1の部分の信号送信位置への動きを必要とすることができる。第2の部分に対する信号送信位置への第1の部分の動きは、信号送信ユニットをトリガして電気信号を提供するために必要とされる。第2の部分は、静止位置から信号送信位置への第1の部分の相対運動の間に静止することができる。すなわち、第2の部分は、たとえばハウジングに対して動くことができない。第1の部分は、第2の部分に対する第1の部分の静止位置から第1の部分の信号送信位置へ、第2の部分に対して可動とすることができる。信号送信ユニットは、第2の部分に対する静止位置から信号送信位置への第1の部分の変位または動きに応答して、電気信号を提供するように構成することができる。したがって、電気信号を提供するために、相対運動を必要とすることができる。用量動作を完了することは、たとえば第1の部分が第2の部分に対して信号送信位置に到達した後、第1および第2の部分の同時の動きを伴うことができ、またはそのような同時の動きを必要とすることができる。静止位置は、力またはトルクが使用者によってユーザインターフェース部材に印加されていないときに、第1の部分が第2の部分に対して有する位置とすることができる。第1の部分が静止位置にあるとき、ユーザインターフェース部材は、初期位置、すなわち用量動作が開始される前または用量動作を開始することができるようになる前の位置に存在することができる。
システムを起動するために、たとえばシステムを休止状態から機能状態に切り換えることなどによってシステムをウェークアップするために、別の部材を伴うことなく、どちらもユーザインターフェース部材の一部である第1および第2の部分間の相対運動を使用することで、第2の状態への電子システムの切換えを引き起こす信号を生成するプロセスを、ユーザインターフェース部材の操作に一体化する。
一実施形態では、起動動作の場合、使用者は、ユーザインターフェース部材の設定面を操作し、好ましくは設定面のみを操作する。起動動作は、第2の部分に対する第1の部分の回転運動、たとえば用量設定方向とは反対の回転運動を伴うことができる。
一実施形態では、起動動作の場合、使用者は、ユーザインターフェース部材の送達面を操作し、好ましくは送達面のみを操作する。起動動作は、第2の部分に対する第1の部分の軸方向運動、たとえば用量送達方向の軸方向運動を伴うことができる。
一実施形態では、電子制御ユニットは、第2の部分に接続され、たとえば取り付けられる。電子制御ユニットは、ユーザインターフェース部材の第2の部分に固定して接続することができる。電子制御ユニットは、導体キャリア上に取り付けることができ、かつ/または導体キャリア上の導体に導電接続することができる。導体キャリアは、ユーザインターフェース部材の第2の部分に固定することができる。その結果、第2の部分に対する第1の部分の動きの間、第1の部分は、電子制御ユニットおよび/または導体キャリアに対して動くことができる。電子制御ユニットは、ユーザインターフェース部材のうち第1の部分が静止位置から信号送信位置へ動くときにそれに対して動く部分に取り付けられるため、電子制御ユニット付近で信号生成を行うことができる。これにより、電子制御ユニットへの短い伝導経路を有する機会が与えられる。さらに、第2の部分への接続により、第1の部分が第2の部分に対して動かされるときに使用者が電子制御ユニットを動かさなくてもよいことが確実になる。
一実施形態では、第2の部分に対する第1の部分の静止位置から信号送信位置への動きは、第2の部分に対する第1の部分の回転運動を伴い、好ましくは回転運動のみを伴い、すなわち第2の部分に対する第1の部分の軸方向運動は生じない。回転運動は、使用者がたとえば用量設定動作または起動動作のためにユーザインターフェース部材の設定面を操作するときに発生することができる。そのような操作は通常、送達動作が行われる前に発生し、送達動作は典型的に送達面が使用者によってタッチされることを伴い、したがって第2の状態に切り換えられた後、システムは、送達動作が開始される前にシステムの電子構成要素またはユニットをウェークアップすることができるように、または動作状態にすることができるように、十分な時間が与えられる。
一実施形態では、第2の部分に対する第1の部分の静止位置から信号送信位置への動きは、第2の部分に対する第1の部分の軸方向運動を伴い、好ましくは軸方向運動のみを伴い、すなわち第2の部分に対する第1の部分の回転運動は生じない。この場合、使用者は、ユーザインターフェース部材の送達面を操作することができる。システムは、送達動作が開始される直前に、または送達動作が開始されているときに、第2の状態に切り換えることができる。したがって、用量送達動作中などの必要とされるときのみ、システムの電子機能を提供することができる。
一実施形態では、第1の部分が静止位置から信号送信位置へ動くとき、第2の部分は、たとえばハウジングに対して静止している。第1の部分と同じ方向への第2の部分の動き、たとえばハウジングに対する動きを阻止することができる。この阻止は、たとえば停止機構によって実現することができる。
一実施形態では、用量動作を行うために、第1および第2の部分が動かなければならず、たとえばハウジングに対して動かなければならない。第1および第2の部分は、用量動作のために同時に、好適には回転可能および軸方向に、動かなければならない。第2の部分は、用量動作のために第1の部分に連動することができる。
一実施形態では、ハウジングに対する第2の部分の動きを作動するために、たとえば用量設定動作または用量送達動作のために克服されなければならない力は、薬物送達デバイス内のクラッチ連結を切り換えるために克服される必要のある摩擦力および/もしくは他の成分、たとえば付勢力、または機構を起動することに関与する力、すなわち送達動作を開始することができるようになる前に関与する力を含むことができる。
一実施形態では、第1の部分および第2の部分は、用量動作中に1つの一体部分として作用する。ユーザインターフェース部材は、用量動作中に剛性の単一部材として作用することができ、すなわち部分間の相対運動を生じない。
一実施形態では、静止位置から信号送信位置へのユーザインターフェース部材の第1の部分と第2の部分との間の相対運動、たとえば軸方向運動および/または回転運動は、たとえば単方向または双方向に制限される。
一実施形態では、用量設定動作で用量を設定するために、ユーザインターフェース部材、たとえばその第2の部分を、ハウジングに対してたとえば用量設定方向に回転させなければならない。この回転は、単位設定増分角度の整数倍の回転とすることができる。単位設定増分は、薬物送達デバイスによって送達されるように設定することができる最小の用量とすることができる。単位設定増分角度は、ユーザインターフェース部材、たとえばその第2の部分および/またはその第1の部分を、たとえばハウジングに対して回転させなければならない角度とすることができる。第1の部分が信号送信位置へ動くときに第1の部分が第2の部分に対して回転させられる角度は、1単位増分に対応する角度、すなわち単位設定増分角度より小さくすることができる。たとえば、静止位置および信号送信位置を角度方向に分離する角度は、単位設定増分角度の2分の1より小さいまたはそれに等しいものとすることができる。
一実施形態では、第1の部分が第2の部分に対して静止位置から信号送信位置へ回転する場合、静止位置と信号送信位置との間の角度距離は、10°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°、1°の値のうちの1つより小さくまたはそれに等しい。この距離は、0.5°より大きいものとすることができる。
一実施形態では、第1の部分が第2の部分に対して静止位置から信号送信位置へ軸方向に動く場合、この動きは、1mm、0.5mm、0.3mmの値のうちのいずれか1つを下回る距離に制限することができる。この動きは、0.2mm以上とすることができる。
一実施形態では、第1の部分と第2の部分との間の静止位置から信号送信位置への相対軸方向運動の距離は、用量設定および/または駆動機構内でクラッチ連結を切り換えるために、たとえば用量設定動作のための用量設定構成から用量送達動作のための用量送達構成へ機構を切り換えるために、ユーザインターフェース部材をハウジングに対して動かさなければならない距離より小さくすることができる。したがって、機構の構成が変更される前に、信号送信位置に到達することができる。
一実施形態では、第1の部分および第2の部分は、用量動作中に、たとえば用量動作中にのみ、機械的相互接続によって機械的に相互接続される。第1の部分および第2の部分は、用量動作中に機械的相互接続によって直接相互接続することができる。機械的相互接続は、用量動作中に第1の部分から第2の部分へ力またはトルクを伝送するように構成することができる。機械的相互接続は、恒久的な接続、たとえば接続を確立することに関与する機能を恒久的に破壊しなければ解放できない接続とすることができ、または解放可能な接続とすることができる。別法として、機械的相互接続を解放可能とすることができる。たとえば、電子システムを第1の状態から第2の状態に切り換えるために使用者がユーザインターフェース部材で起動動作を実行したとき、機械的相互接続を解放することができる。用量動作、たとえば用量設定動作および用量送達動作のために、機械的相互接続を確立することができる。
一実施形態では、機械的相互接続は、少なくとも1つの接続機能を含む。ユーザインターフェース部材は、複数の接続機能を含むことができる。接続機能は、機械的相互接続を提供するように構成することができる。接続機能は、第1の部分および/または第2の部分と一体形成することができる。機械的相互接続は、第1の部分および第2の部分と一体形成された1つの接続機能のみを含むことができ、または第1の部分および第2の部分と各々一体形成された複数の接続機能を含むことができる。第1の部分および第2の部分と一体形成された接続機能は、第1および第2の部分間に延びるウエブとすることができ、またはそのようなウエブを含むことができる。(それぞれの)接続機能は、径方向に向けることができる。接続機能は、第1および第2の部分を互いに径方向に相互接続することができる。
一実施形態では、接続機能と第1の部分との間の遷移領域および/または接続機能と第2の部分との間の遷移領域は剛性を有することができる。接続機能は可撓性を有することができる。特に、接続機能は、静止位置から信号送信位置への第2の部分に対する第1の部分の動きを可能にするために可撓性を提供することができる。接続機能は、弾性変形可能とすることができる。第1の部分が静止位置から信号送信位置へ動かされたとき、接続機能は弾性変形することができる。
一実施形態では、機械的相互接続は、第1の部分の少なくとも1つの接続機能および第2の部分の少なくとも1つの接続機能を含む。これらの接続機能は、好適には、機械的相互接続を確立するために、互いに相互作用するように、たとえば互いに係合するように構成される。それぞれの接続機能は剛性を有することができる。第1および第2の部分の接続機能が係合されたとき、機械的相互接続を形成することができる。これらの接続機能が係合解除されたとき、機械的相互接続を解放することができる。これらの接続機能は、たとえばスナップ機能とすることができる。
一実施形態では、第1の部分および第2の部分は、力感応連結部を介して連結される。この連結は、閾値力を超過する力が連結に作用するまで、これらの部分を相対運動から、たとえば相対回転運動からロックすることができる。次いで、連結を解放することができ、第1の部分は第2の部分に対して動くことができる。用量動作のための力、たとえば用量の設定または取消しのための力は、好ましくは、力感応連結部を介して確実に伝達される。機械的相互接続の接続機能は、力感応連結部を確立することができる。
一実施形態では、システムは、1単位増分角度未満の回転などによって、静止位置から離れる方向に、たとえば信号送信位置に入るまたは信号送信位置を越える相対運動が完了した後、トルクおよび/または力に耐えるように第1の部分が第2の部分に接続されるように構成される。これは、第1の部分上の相互作用機能が第2の部分上の相互作用機能に当接することによって実現することができる。したがって、信号送信位置に到達した後は、第1の部分から第2の部分へ負荷を伝達するために機械的相互接続にさらに応力を加えることはできない。
一実施形態では、用量動作は用量設定動作である。別法として、用量動作は用量送達動作とすることができる。
一実施形態では、用量設定動作は、ハウジング、たとえば薬物送達デバイスのハウジングに対する、用量設定方向における第1の部分の回転運動を伴う。
一実施形態では、静止位置から離れる第1の部分の動きは、用量設定方向または用量設定方向とは反対の方向における回転運動を伴う。
一実施形態では、第2の部分もまた、用量動作中に第1の部分とともに動かされる。用量動作中に、ユーザインターフェース部材全体を動かすことができる。用量動作のための動きの初期段階中、第1の部分を信号送信位置へ動かすことができ、その後、第1および第2の部分をともに動かすことができる。用量設定動作で、ユーザインターフェース部材全体をハウジングに対して初期位置から用量設定位置へ動かすことができる。初期位置で、第1の部分はその静止位置とすることができる。
一実施形態では、静止位置から離れる方向への信号送信位置からの第1の部分の動きが継続されるとき、第1の部分および第2の部分は、好ましくは同時に、ともに動き、たとえばともに回転する。信号送信位置および静止位置から離れる方向は、用量設定方向とすることができる。たとえば第1の部分が第2の部分に当接することによって、信号送信位置に到達した後、第2の部分は第1の部分に追従するように連動することができる。
一実施形態では、機械的相互接続は解放可能である。機械的相互接続は、起動動作を行うために解放可能とすることができる。起動動作は、第2の部分に対する第1の部分の動き、特に静止位置から信号送信位置への動きを伴うことができる。起動動作は、すでに上記で論じたように、用量動作とは異なることができる。この動きは、用量設定方向とは反対の方向の回転運動とすることができる。
一実施形態では、電子システム、好ましくは機械的相互接続は、用量動作を実行するために、たとえば第1の部分および第2の部分を動かすために、使用者がユーザインターフェース部材によって第1の部分にかけなければならない力またはトルクが、第1の部分を静止位置から信号送信位置へ動かすために、たとえば起動動作を実行するために、使用者が第1の部分にかけなければならない力またはトルクより小さくなるように構成される。用量動作に必要な力またはトルクは、たとえばハウジングならびに/または用量設定および/もしくは駆動機構の1つもしくはそれ以上の部材に対して、用量動作のために第2の部分を動かすために必要とされる力によって決定することができる。第1の部分を静止位置から信号送信位置へ動かすには、機械的相互接続を解放しなければならないため、信号送信位置への動きのために使用者がかけなければならない力またはトルクは、用量動作、特に用量設定動作のための力またはトルクより大きくしなければならない。
一実施形態では、電子システム、好ましくは機械的相互接続は、用量動作を実行するために、たとえば第1の部分とともに第2の部分を動かすために、使用者がユーザインターフェース部材によって第1の部分にかけなければならない力またはトルクが、第1の部分を静止位置から信号送信位置へ動かすために、使用者が第1の部分にかけなければならない力またはトルクより大きくなるように構成される。
一実施形態では、システムは、第1の部分が静止位置から信号送信位置の方へ動かされたとき、第2の部分が停止機構に当接するように構成されるように構成される。これにより、第2の部分に対する信号送信位置への第1の部分の動きが容易または有効になる。停止機構は、第1の部分が信号送信位置の方へ動くのと同じ方向への第2の部分の動きを阻止するように配置することができる。これにより、たとえば接続機能を曲げて、または機械的相互接続を解放して、第1の部分を第2の部分に対して信号送信位置へ動かすために、使用者が機械的接続にかける力またはトルクの増大が容易になる。停止機構は、薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスユニット内に設けることができ、たとえばハウジングに対してロックすることができる。
一実施形態では、用量設定動作の場合、第1の部分は、信号送信位置および静止位置から離れる方へ動かされる。この場合、起動動作は、好適には、用量設定動作とは異なる動作である。
一実施形態では、用量設定動作または用量送達動作の場合、第1の部分は、静止位置から離れて信号送信位置の方へ動かされる。この場合、別個の起動動作を必要とすることなく、信号生成を通常の用量設定動作に一体化することができる。
一実施形態では、信号送信ユニットは、現在設定されている用量のサイズがゼロであるときに、第1の部分が静止位置から信号送信位置へ動かされた場合にのみ、電気信号が提供されるように構成される。用量が設定されていないとき、ユーザインターフェース部材は、ハウジングに最も近い位置、たとえば用量設定および/または駆動機構の用量設定構成とすることができる。別法として、信号送信ユニットは、ゼロ以外の用量が現在設定されているか否かに依存することなく、信号を提供することができる。
一実施形態では、静止位置は、第1の部分および/またはユーザインターフェース部材のゼロ用量設定位置または用量非設定位置である。すなわち、静止位置で、現在設定されている用量のサイズはゼロとすることができる。静止位置は、たとえば機構が用量設定構成にあるとき、薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスユニットのハウジングに可能な限り近いユーザインターフェース部材および/または第1の部分の位置とすることができる。たとえば、第1の部分がハウジングに対して静止位置にあるとき、用量設定動作が開始されるまで、ユーザインターフェース部材は初期位置とすることができる。
一実施形態では、信号送信ユニットは、電気スイッチ機構を含む。スイッチ機構は、第1の部分が第2の部分に対して静止位置から信号送信位置へ動かされたときにトリガされ、好ましくは電気信号を提供するように構成することができる。スイッチ機構の電気スイッチは、導体キャリア上に配置することができ、かつ/または第2の部分に固定することができる。スイッチは、電子制御ユニットに導電接続することができる。スイッチ機構は、電子制御ユニットが第2の部分に対する第1の部分の回転方向を判定することができるように、たとえば2つの反対の方向を区別することができるように構成することができる。スイッチ機構は、たとえば各方向に1つずつ複数のスイッチを有することによって、単方向回転または双方向回転のためだけに、信号を生成するように構成することができる。
一実施形態では、電子システムは、第1の部分が信号送信位置にあるとき、たとえばユーザインターフェース部材の付勢機構によって、第1の部分が静止位置の方へ付勢されるように構成される。ユーザインターフェース部材を操作することができる使用者は、第1の部分の信号送信位置が使用者によって維持されるように、この付勢に反応することができる。しかし、使用者がユーザインターフェース部材を解放した後、付勢機構は、第1の部分が再び第2の部分に対して静止位置につくように、第1および第2の部分の相対的な配置を再確立するように構成することができる。付勢機構は、第1の部分が信号送信位置へ動かされると弾性的に変位または変形され、それによって付勢される弾性変位可能または変形可能機能を含むことができる。この機能によって提供される弾性回復力は、第1の部分を再び静止位置へ、特に信号送信位置から動かす。この機能は、たとえば可撓アームとすることができる。別法または追加として、弾性変位可能または変形可能機能は、機械的相互接続の接続機能である。
一実施形態では、第2の部分は、ユーザインターフェース部材の内部である。好ましくは、第2の部分は、たとえば電子システムが薬物送達デバイスに一体化されているとき、または薬物送達デバイスユニットに接続されているとき、電子システムの外部からアクセス不能である。電子システムにおいて、第2の部分は、ユーザインターフェース部材の側面または近位面からアクセス不能とすることができる。第2の部分は、たとえば用量設定および/または駆動機構の部材に接続するために、ユーザインターフェース部材の遠位端からアクセス可能とすることができる。
一実施形態では、信号送信位置は、角度方向において静止位置から用量設定方向とは反対の方向にずれている。たとえば、第2の部分に対して第1の部分を信号送信位置へ回転させるために必要とされる回転は、用量設定方向とは反対の方向とすることができる。
一実施形態では、第2の部分に対する第1の部分の回転、たとえば信号送信位置を越える回転を阻止するために、停止機構を設けることができる。しかし、好適には、第2の部分に対する第1の部分の制限された回転性が可能になる。
一実施形態では、第1の状態から第2の状態への電子システムの切換えを引き起こす電気信号を提供するために、第2の部分に対する信号送信位置への第1の部分の動きは単方向である。このようにして、複雑な多方向の動きを回避することができる。
一実施形態では、第1の部分および第2の部分は剛性を有する。これらの部分間の接続機能は可撓性を有することができる。
一実施形態では、ユーザインターフェース部材は、たとえばシステムまたは薬物送達デバイスのハウジングなどのハウジングに対して、第1の位置から第2の位置へ、たとえば軸方向に可動である。第1の位置は、たとえば用量送達動作が開始される前、および/または用量設定動作が完了した後に、ユーザインターフェース部材がハウジングに対して有する初期位置とすることができる。第2の位置は、たとえば用量送達動作のために、使用者の力、たとえば遠位に向けられた力がユーザインターフェース部材に印加され、ユーザインターフェース部材が第1の位置から離れる方へ動かされたときに、ユーザインターフェース部材が呈する位置とすることができる。第1の位置および第2の位置は、軸方向にずらすことができる。第1の位置から第2の位置への動きは、軸方向運動のみを伴うことができる。
一実施形態では、第1の部分および第2の部分は、案内インターフェースによって互いに動作可能に連結される。案内インターフェースは、接続機能および/または機械的相互接続に加えて設けることができる。案内インターフェースは、第2の部分に対する第1の部分の動きを、静止位置から信号送信位置へ、たとえば軸方向に案内することができる。案内インターフェースは、たとえば第1の動作のために第1の部分および/またはユーザインターフェース部材の回転軸に対して、第1の部分が第2の部分に対して傾斜して動くことを防止するように構成することができる。回転軸は、ユーザインターフェース部材の軸、および/またはユーザインターフェース部材が用量設定動作のために回転させられる回転軸とすることができる。
一実施形態では、電子システムまたは薬物送達デバイスは、用量設定および/または駆動機構を含む。用量設定および/または駆動機構は、第1の部材および第2の部材を含むことができる。第1の部材および/または第2の部材は、用量設定動作および/または用量送達動作中に、電子システムまたは薬物送達デバイスのハウジングに対して動くように構成することができる。第1の部材は、用量設定および/または駆動機構の用量部材またはダイヤル部材、たとえばダイヤルスリーブまたは数字スリーブとすることができ、用量を設定するように動かされる。第2の部材は、駆動部材、たとえば用量ノブおよび/または注射ボタンなど、用量設定および/もしくは駆動機構のピストンロッドまたはデバイスユーザインターフェース部材に係合された部材とすることができる。第1の部材および/または第2の部材は、ハウジング内に可動に連結または保持することができる。用量設定動作において、第1の部材および/または第2の部材は、ハウジングに対して、たとえばハウジングの近位端から離れる方へ、軸方向に変位させることができる。用量設定動作中に第1の部材および/または第2の部材がハウジングに対して、たとえば軸方向に変位させられる距離は、設定された用量のサイズによって決定することができる。言い換えれば、薬物送達デバイスはダイヤル延長型とすることができ、すなわちデバイスは、用量設定動作中、設定された用量のサイズに比例する量で、その長さを増大させる。
一実施形態では、用量設定動作および/または用量送達動作において、第1の部材は、第2の部材に対して動き、たとえば回転しおよび/または軸方向に動く。たとえば、第1の部材は、用量送達動作中、たとえば用量送達動作中にのみ、第2の部材に対して回転することができる。第1の部材および第2の部材はどちらも、用量送達動作中に軸方向に動くことができる。第1の部材は、用量設定動作および/または用量送達動作中に、第2の部材およびハウジングに対して回転することができる。第2の部材は、用量送達動作中に、たとえば送達クラッチによって、ハウジングに対して回転不能にロックすることができ、または回転可能に案内することができる。第1の部材および第2の部材は、用量設定動作中に、互いに対して回転不能にロックすることができる。それに応じて、第1の部材および第2の部材は、用量設定動作において、ハウジングに対して回転することができる。用量設定動作中、たとえば連結インターフェース、たとえば設定クラッチを介して、第1の部材および第2の部材を互いに連結することができる。連結インターフェースは、用量設定動作中に、第1の部材および第2の部材を互いに回転不能にロックすることができる。連結インターフェースが係合されたとき、連結インターフェース機能の直接係合などによって、第1の部材および第2の部材を互いに回転不能にロックすることができる。第1の部材および第2の部材は、嵌合する連結インターフェース機能を含むことができる。用量送達動作中、たとえば第1の部材に対して第2の部材を軸方向に変位させることによって、連結インターフェースを解放することができる。したがって、用量送達中は、第2の部材をハウジングに対して回転不能にロックすることができ、用量送達中は、第1の部材がハウジングに対して回転することができる。用量設定および/または駆動機構を用量設定構成から用量送達構成に切り換えるとき、連結インターフェースを解放することができる。これは、ユーザインターフェース部材が第1の位置から第2の位置へ動かされるときに実現することができる。第1の位置で、この機構は用量設定構成とすることができる。第2の位置で、この機構は用量送達構成とすることができる。
一実施形態では、第1の部材および第2の部材は、用量設定動作および用量送達動作のうちの一方の間のみ、互いに対して回転する。第1の部材および第2の部材のうちの一方、たとえば第1の部材は、両方の動作中にハウジングに対して回転することができる。第1の部材および第2の部材のうちの一方、たとえば第2の部材は、これらの動作のうちの一方の間のみ、たとえば用量設定中または用量送達中に、ハウジングに対して回転することができる。
一実施形態では、用量設定および/または駆動機構の第2の部材は、ユーザインターフェース部材の第2の部分に接続されるように構成され、またはユーザインターフェース部材の第2の部分に接続されている。
一実施形態では、電子システムは、以下のユニットまたは構成要素のうちの少なくとも1つ、任意に選択された複数、またはすべてを含む:
- 電気運動感知ユニット。運動感知ユニットについては、以下でより詳細に説明する。
- 通信ユニット。通信ユニットは、電子システムと、別のデバイス、たとえば携帯型デバイス、たとえば携帯型もしくは非携帯型のコンピュータ、移動電話、またはタブレットなどの電子デバイスとの間に、通信インターフェースを確立するために提供することができる。通信ユニットは、無線ユニット、たとえばBluetoothユニットなどのRF通信ユニットとすることができる。通信ユニットは、用量データ、たとえば送達動作においてデバイスによって送達された薬物の量に関する情報を、電子システムから他のデバイスへ伝送するために提供することができる。
- メモリユニット。メモリユニットは、電子システムによって計算された用量情報に関する実行可能なプログラムコードおよび/またはデータ、好ましくは送達された1つまたはそれ以上の用量に関する用量データを記憶するために提供することができる。用量データは、運動感知ユニットを介して判定することができる。このデータは、たとえば通信ユニットを介して別のデバイスへ伝送するために、メモリユニットから回収可能とすることができる。
一実施形態では、運動感知ユニットは、1つまたはそれ以上の電気運動信号を生成するように構成される。運動信号は、たとえば用量設定動作または用量送達動作中に、たとえば送達された用量のサイズなどの用量データを取得するために、第1の部材と第2の部材との間の相対運動を定量化するのに適している。第1の部材および/または第2の部材は、上記でさらに論じたように、電子システムおよび/または薬物送達デバイス、たとえば用量設定および/または駆動機構の部材とすることができる。相対運動は、相対回転運動とすることができる。たとえば、第1の部材は、用量送達中に、第2の部材に対して回転することができる。
一実施形態では、電子システムは、運動感知ユニットが、たとえば電子制御ユニットによって、かつ/または信号送信位置への第1の部分の動きに応答して信号送信ユニットによって提供される信号に応答して、第1の状態から第2の状態に切り換えられるように構成される。第1の状態で、運動感知ユニットは、第2の部材に対する第1の部材の動きを感知するように動作しないようにすることができる。第2の状態で、運動感知ユニットは、動作可能にすることができる。第2の状態で、運動感知ユニットは、第1の状態より大きい電力消費を有することができる。運動感知ユニットの電力消費の増大は、第2の状態における電子システムの電力消費の増大に寄与し、またはそれを画成する。
一実施形態では、運動感知ユニットは、用量送達動作中に、好ましくは用量送達動作中にのみ、動作するように構成される。運動感知ユニットは、用量送達動作、たとえば第2の部材に対する第1の部材の回転を監視するように構成することができる。したがって、運動信号から、第1の部材と第2の部材との間の相対位置に関する位置情報を集めることができる。別法または追加として、用量設定動作において2つの部材間の位置情報を集めることも可能である。しかし、用量送達動作中の用量送達に関する用量情報またはデータを計算するために、運動感知ユニットによって、用量送達動作中の動きを監視することが有利である。
一実施形態では、電子システムは、通信ユニットおよび/または運動感知ユニットが信号に応答して起動されるように構成される。用量動作および/または起動動作に応答して、たとえば起動動作のみに応答して、または起動動作および用量動作に応答して、通信ユニットを起動することができる。通信ユニットは、上記で論じたように、さらなるデバイス、たとえば電話またはラップトップへのデータ伝送を実行するために提供することができる。通信ユニットが起動されたとき、たとえば起動動作に応答して、電子システムは、電子システムとペアリングすることができるさらなるデバイスへデータ、たとえば用量データを伝送しようと試行することができ、または通信ユニットを介してさらなるデバイスとデータを同期させることができる。運動感知ユニットは、起動動作に応答して、それでもなお非動作状態とすることができ、すなわち運動感知ユニットは、通信ユニットとは対照的に、起動動作によって起動することができない。起動動作および/または用量動作を使用して、さらなるデバイスとのデータ伝送または同期手順をトリガすることができる。用量動作中、たとえば事前に設定された用量を送達するための用量送達動作が実行されるとき、好ましくは、運動感知ユニットも同じく動作状態である。用量送達動作が完了した後、通信ユニットは、そのデータをさらなるデバイスへ伝送することができ、または伝送しようと試行することができる。
一実施形態では、電子制御ユニットまたは電子システムは、運動感知ユニットによって生成された運動信号を利用して、用量情報またはデータを計算するように構成される。前述のように、用量情報は、好ましくは、用量送達動作において送達された用量のサイズに関する情報である。
一実施形態では、静止位置にあるとき、第1の部分は、第2の部分に対して2つの異なる方向に、たとえば両方の回転方向に可動である。これらの方向のうちの一方は、信号送信位置に向かう方向とすることができ、信号送信位置では、たとえば運動感知ユニットおよび好ましくは通信ユニットを起動するために、電子システムをより高い電力消費の状態に切り換えるための信号が生成される。他方の方向は、信号送信位置から離れる方向とすることができる。この方向でも、たとえばトリガされるとその方向の回転を示す対応するスイッチを介して、信号を同様に生成することができる。しかし、電子制御ユニットは、信号送信位置が検出されかつ対応する信号が生成されたときに、好ましくはそのときにのみ、運動感知ユニットが活動状態にある状態で、システムをより高い電力消費の状態に切り換える。他方の方向は、たとえば別のデバイスとのペアリングまたは同期動作を実行するために、通信ユニット(のみ)を手動で起動するために使用することができる。通信ユニットの起動に関連付けられたユーザインターフェース部材の動作は、起動動作とすることができる。運動感知ユニットが用量データ、たとえば用量送達動作において送達された用量に関係する用量データを獲得した後、ペアリングまたは同期動作を電子システムの動作シーケンスに一体化することができる。
一実施形態では、電子システムは、ユーザインターフェース部材の第1の部分が、所定の時間を超過する時間の間、静止位置から離して、たとえば信号送信位置で保持、維持、または確保されているときのみ、電子システムが第1の状態から第2の状態に切り換えられるように構成される。所定の時間は、2秒、3秒、4秒、または5秒とすることができる。したがって、システムが第2の状態に切り換えられるように、たとえば第1の部分を静止位置へ動かそうとする傾向のある付勢に逆らって、第1の部分を信号送信位置で確保しなければならない。これは、用量動作とは異なる起動動作にとって特に適している。なぜなら起動動作には、システムを切り換えるための使用者による意識的な決定が必要であり、所定の時間の間、第1の部分を静止位置から離して維持する偶発的な動きは、偶発的な変位ほど発生する可能性が高くないからである。システムがより高い電力消費の第2の状態に切り換えられるまで、所定の時間の間、第1の部分を静止位置から離れる方へ回転させまたは軸方向に変位させて、その位置から離して確保しなければならない。
一実施形態では、運動感知ユニットは、1つもしくはそれ以上のセンサおよび/または1つもしくはそれ以上のエミッタ、たとえば1つもしくはそれ以上の光電子放射センサもしくは検出器および/または1つもしくはそれ以上の光電子放射エミッタを含む。これらのセンサは、第2の部材に対する第1の部材の動きに応答して、運動信号を生成するように構成することができる。エミッタは、センサ信号を励起することができる。
一実施形態では、用量設定動作中、たとえば設定可能な最小用量と設定可能な最大用量との間で、用量を設定することができる。用量は、好ましくは1単位投与量増分の整数倍に対応する数量で設定することができる。
一実施形態では、たとえばハウジングに対するユーザインターフェース部材の第1の位置と第2の位置との間の離隔距離、たとえば軸方向の離隔距離は、切換え距離、たとえばクラッチ解放距離によって決定され、たとえばそのような切換え距離に等しい。切換え距離は、用量設定および駆動機構を機構の用量設定構成から機構の用量送達構成へ切り換えるために、用量設定および駆動機構の第2の部材を用量設定および駆動機構の第1の部材に対して動かさなければならない距離とすることができる。第1の位置で、用量設定および駆動機構は用量設定構成とすることができる。第2の位置で、用量設定および駆動機構は用量送達構成とすることができる。たとえば、用量設定構成または第1の位置では、上記でさらに論じたように、用量設定および駆動機構の部材を回転不能にロックすることができる。用量送達構成または第2の位置では、相対回転が可能になり、たとえば第1の部材は、用量送達中に、第2の部材およびハウジングに対して回転することができる。用量送達動作中、第2の部材は、ハウジングに対して回転不能にロックすることができる。
一実施形態では、第1の位置と第2の位置との間の離隔距離、たとえば軸方向の離隔距離は、回転ロックを解放するために、第2の部材を第1の部材に対してたとえば軸方向に動かさなければならない距離より大きくまたはそれに等しい。具体的には、第1の位置から第2の位置へのユーザインターフェース部材の動きの間、第2の部材を第1の部材に対して軸方向に、たとえば遠位に変位させることによって、回転ロックを解放することができる。回転ロックを解放するための距離は、切換え距離に対応することができる。部材が第1の位置から第2の位置へ動かされるとすぐに、信号を提供することができ、かつ/または電子システムを第2の状態に切り換えることができる。
一実施形態では、電子システムは、電源、たとえば再充電可能または再充電不能の電池を含む。
一実施形態では、第2の状態において、電子システムは、送達動作中に、たとえば運動感知ユニットを介して、現在投薬または送達されている用量のサイズに関係する情報またはデータを集めるように構成される。その結果、運動感知ユニットは、送達動作で送達された用量、たとえば用量送達動作中に現在送達されている用量に関する用量データを回収することに寄与するように構成することができる。
一実施形態では、第2の状態において、電子システムは、用量データを電子システムの用量メモリまたはメモリユニット内に記憶するように構成される。メモリは、一時的または非一時的とすることができる。用量データは、好適には、運動感知ユニットの測定値または信号を使用して導出される。
一実施形態では、第2の状態において、電子システムは、通信ユニットによって、コンピューティングデバイス、たとえば移動電話または携帯型もしくは非携帯型のコンピューティングユニットなどの別のデバイスまたはシステムへ、用量データ、たとえばメモリから回収された用量データを伝送するように構成される。
一実施形態では、電子システムは、用量設定動作および用量送達動作のために1つのユーザインターフェース部材、たとえば1つの一体部材を含み、または2つの異なるユーザインターフェース部材を含み、これらの部材のうちの一方が用量設定のためのユーザインターフェース部材であり、他方が用量送達のためのユーザインターフェース部材である。2つの異なる部材は、好適には、たとえば用量設定構成および用量送達構成を切り換えるために、互いに対して可動である。1つのインターフェース部材が用量設定および用量送達に使用される場合、このインターフェース部材は、設定面および送達面を有することができ、設定面および送達面は互いに対して可動でないことが好ましく、特に用量送達のためもしくは用量送達中および/または用量設定のためもしくは用量設定中に互いに対して可動でない。2つの異なるユーザインターフェース部材が使用される場合、設定面および送達面は、異なる部材上に位置することができ、用量送達のためもしくは用量送達中および/または用量設定のためもしくは用量設定中に互いに対して可動とすることができる。
一実施形態では、電子システムは、タイマユニットを含む。タイマユニットは、所定の期間が経過した後、好ましくはこの期間内に運動信号が生成されないとき、電子システムの運動感知ユニットおよび/または他の電動式ユニットを停止状態にするように構成することができる。タイマユニットは、電子システムが第2の状態から再び第1の状態に切り換えられることをトリガすることができ、または引き起こすことができる。言い換えれば、電子システムは、好ましくは所定の時間の間、運動信号が電子制御ユニットによって生成および/または受信されないとき、第2の状態から再び第1の状態に切り換わるように構成することができる。
一実施形態では、ユーザインターフェース部材は、薬物送達デバイスのまたは薬物送達デバイスのための用量設定および/または注射ボタンである。
一実施形態では、用量設定動作および/または用量送達動作は、たとえばハウジングに対する、ユーザインターフェース部材の第2の部分の動きを必要とする。
一実施形態では、電子システムは、フィードバックユニットを含む。フィードバックユニットは、使用者が知覚できるフィードバックを生成するように構成することができる。フィードバックは、システムが第1の状態にあるかそれとも第2の状態にあるかを使用者が判定することを有効にすることができる。好ましくは、第1の状態では、知覚可能なフィードバックが提供されず、フィードバックは第2の状態を示す。フィードバックは、たとえば光信号などのフィードバック信号とすることができる。フィードバック信号は、発光ダイオードなどの光源によって提供することができる。光源は、フィードバックを提供するために、パルスまたはフラッシュ状で動作することができる。
一実施形態では、デバイスは、手動駆動式のデバイスであり、たとえば使用者によって駆動される。
一実施形態では、薬物送達デバイスは、薬物を有するリザーバ、たとえばカートリッジを保持するためのリザーバ保持器を含み、かつ/またはデバイスは、薬物を有するリザーバを含む。リザーバは、薬物送達デバイスによって送達予定の複数の用量、好ましくは使用者が設定可能な用量に十分な薬物を含むことができる。
一実施形態では、薬物送達デバイスはペン型デバイスである。
一実施形態では、電子システムは、薬物送達デバイスユニットのための付属物、好ましくは再利用可能な付属物として構成される。システムは、薬物送達デバイスユニットに取り付けられるように構成することができる。すなわち、電子システムは、複数の薬物送達デバイスユニットとともに使用されるように構成することができる。それぞれの薬物送達デバイスユニットは、使い捨ての薬物送達デバイスユニットとすることができ、かつ/またはそれぞれの薬物送達デバイスユニットは、用量設定動作および用量送達動作を実行するために完全に動作状態とすることができる。薬物送達デバイスユニットは、リザーバを含むことができる。
一実施形態では、電源は交換不能である。
一実施形態では、薬物送達デバイスのためのキットが、薬物送達デバイスユニットおよび電子システムを含む。デバイスユニットにシステムを取り付けて、薬物送達デバイスを形成することができる。薬物送達デバイスに関して以上および以下に開示する構成、特に電子システムに直接関係しない構成は、薬物送達デバイスユニットにも当てはまるはずであり、逆も同様である。
本明細書において、「遠位」とは、薬物送達デバイスもしくはその構成要素の投薬端を向くまたは指すように配置されもしくは配置予定であり、かつ/または近位端から離れる方を指し、近位端から離れる方を向くように配置され、もしくは近位端から離れる方を向く、方向、端部、または表面を指定するために使用される。他方では、「近位」とは、薬物送達デバイスまたはその構成要素の投薬端および/または遠位端から離れる方を向くまたは指すように配置されまたは配置予定である、方向、端部、または表面を指定するために使用される。遠位端は、投薬端に最も近い端部、および/または近位端から最も離れた端部とすることができ、近位端は、投薬端から最も離れた端部とすることができる。近位面は、遠位端から離れる方および/または近位端に向かう方を向くことができる。遠位面は、遠位端に向かう方および/または近位端から離れる方を向くことができる。投薬端は、針の端部とすることができ、たとえばニードルユニットがデバイスに取り付けられており、または取付け予定である。
特に有利な実施形態では、薬物送達デバイスのための電子システムが:
- 用量動作、たとえば薬物送達デバイスによって送達予定の薬物の用量を設定するための用量設定動作、および/または設定された用量を送達するための用量送達動作を実行するために、使用者によって操作されるように構成された少なくとも1つのユーザインターフェース部材と、
- 電子システムの動作を制御するように構成された電子制御ユニットであって、電子システムが第1の状態および第2の状態を有し、電子システムが、第1の状態に比べて第2の状態で大きい電力消費を有する、電子制御ユニットと、
- ユーザインターフェース部材が操作されていることを示す電気信号を提供するように構成された電気信号送信ユニットとを含み、ここで、
- 電子制御ユニットは、電気信号に応答して、電子システムを第1の状態から第2の状態に切り換えるように構成され、
- ユーザインターフェース部材は、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分は、第2の部分に対して第1の部分の静止位置から第1の部分の信号送信位置へ可動であり、信号送信ユニットは、静止位置から信号送信位置への第2の部分に対する第1の部分の動きに応答して、電気信号を提供するように構成される。
異なる態様および実施形態に関連して開示する構成は、そのような組合せが以上または以下で明示的に論じられていない場合でも、互いに組み合わせることができる。さらなる態様、実施形態、および利点は、図面と併せて例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスユニットの一実施形態を示す図である。 薬物送達デバイス、たとえば図1の薬物送達デバイスのための電子システムを概略的に示す図である。 薬物送達デバイス、たとえば図1の薬物送達デバイスのための電子システムの一実施形態を概略的に示す図である。 図4A~図4Hは、薬物送達デバイス、たとえば図1の薬物送達デバイスのための電子システムの一実施形態を概略的に示す図である。 薬物送達デバイスのための電子システムの別の実施形態を示す図である。 図6Aおよび図6Bは、薬物送達デバイスのための電子システムの別の実施形態を示す図である。 図7A~図7Cは、薬物送達デバイスのための電子システムの別の実施形態を示す図である。
図面では、同一の構成、同じ種類の構成、または同一もしくは同様に作用する構成に、同じ参照番号を提供することができる。
以下、いくつかの概念について、インスリン注射デバイスを参照して説明する。本明細書に記載するシステムは、このデバイス内で実装することができ、またはこのデバイスへの付属モジュールとして使用することができる。しかし本開示は、そのような用途に限定されるものではなく、他の薬剤を排出するように構成された注射デバイス、または一般的な薬物送達デバイス、好ましくはペン型デバイスおよび/もしくは注射デバイスのために、またはそのような注射デバイスにおいても、等しく良好に使用することができる。
以下、送達された用量に関するデータを記録および/または追跡する注射デバイス、特に可変用量注射デバイスに関連する実施形態が提供される。これらのデータは、選択された用量のサイズおよび/または実際に送達された用量のサイズ、投与日時、投与の継続時間などを含むことができる。本明細書に記載する構成は、電力管理技法(たとえば、小型電池の促進および/または効率的な電力使用の有効化)を含むことができる。
本明細書では、たとえばSanofiのALLSTAR(登録商標)デバイスと同様に、注射ボタンおよびグリップ(用量設定部材または用量設定器)が組み合わされた注射デバイスに関する特定の実施形態を例示する。注射ボタンは、薬物送達デバイスの用量送達動作を開始および/または実行するためのユーザインターフェース部材を提供することができる。グリップまたはノブは、用量設定動作を開始および/または実行するためのユーザインターフェース部材を提供することができる。デバイスはダイヤル延長型とすることができ、すなわち用量設定中にデバイスの長さが増大する。用量設定および用量排出動作モード中にダイヤル延長およびボタンの同じ運動学的挙動を有する他の注射デバイスは、たとえば、Eli Lillyによって販売されているKwikpen(登録商標)またはSavvio(登録商標)デバイス、およびNovo Nordiskによって販売されているFlexPen(登録商標)またはNovopen(登録商標)デバイスとして知られている。したがって、これらのデバイスに一般原理を適用することは簡単であると考えられ、さらなる説明は省略する。しかし、本開示の一般原理は、その運動学的挙動に限定されるものではない。別個の注射ボタンおよびグリップ構成要素/用量設定部材が設けられた注射デバイス、たとえばSanofiのSoloSTAR(登録商標)への適用に関して、特定の他の実施形態が考えられる。したがって、本開示はまた、用量設定動作および用量送達動作に1つずつ、2つの別個のユーザインターフェース部材を有するシステムに関する。デバイスの用量設定構成および用量送達構成を切り換えるために、用量送達のためのユーザインターフェース部材を用量設定のためのユーザインターフェース部材に対して動かすことができる。1つのユーザインターフェース部材が提供される場合、このユーザインターフェース部材をハウジングに対して遠位に動かすことができる。それぞれの動きの過程では、デバイスの用量設定および駆動機構の2つの部材間のクラッチが、たとえば係合状態から解放状態へその状態を変化させ、または逆も同様である。たとえば2つの部材上の数組の噛合歯によって形成されたクラッチが係合されたときは、2つの部材を互いに回転不能にロックすることができ、クラッチが係合解除または解放されたときは、これらの部材のうちの一方が2つの部材のうちの他方に対して回転することを可能にすることができる。これらの部材のうちの一方は、用量設定および駆動機構のピストンロッドに係合する駆動部材または駆動スリーブとすることができる。駆動スリーブは、用量設定中にはハウジングに対して回転するように設計することができ、用量送達中にはハウジングに対して回転不能にロックすることができる。駆動スリーブとピストンロッドとの間の係合は、ねじ係合とすることができる。したがって、駆動スリーブは用量送達中に回転することができないため、ハウジングに対する駆動スリーブの軸方向運動により、ピストンロッドが回転する。この回転は、送達動作中に、ピストンロッドとハウジングとの間のねじ連結によって、ピストンロッドの軸方向変位に変換することができる。
図1の注射デバイス1は注射ペンであり、ハウジング10を含み、容器14、たとえばインスリン容器、またはそのような容器のためのレセプタクルを収容する。容器は、薬物、たとえばインスリンを収容することができる。容器は、カートリッジまたはカートリッジのためのレセプタクルとすることができ、レセプタクルは、カートリッジを収容することができ、またはカートリッジを受けるように構成することができる。容器またはレセプタクルに針15を取り付ける。容器をカートリッジとすることができ、レセプタクルをカートリッジホルダとすることができる。針は、内側ニードルキャップ16によって保護され、外側ニードルキャップ17または別のキャップ18のいずれかによってさらに保護される。注射デバイス1から排出予定のインスリン用量は、投与量ノブ12を回すことによって設定、プログラム、または「ダイヤル設定」することができ、次いで現在プログラムまたは設定されている用量が、投与量窓13を介して、たとえば単位の倍数で表示される。単位は、ハウジング10に対するノブ12の相対回転を可能にすることができる用量設定機構によって、1投与量増分を画成することができる1単位設定増分の整数倍のみで決定することができる。これは、たとえば適当なラチェットシステムによって実現することができる。窓に表示される印は、数字スリーブまたはダイヤルスリーブ70上に設けることができる。たとえば、注射デバイス1がヒトインスリンを投与するように構成される場合、投与量をいわゆる国際単位(IU)で表示することができ、1IUは純結晶インスリンの約45.5マイクログラム(1/22mg)に生物学的に同等である。アナログインスリンまたは他の薬剤を送達するための注射デバイスでは、他の単位を用いることもできる。図1の投与量窓13に示すものとは異なる方法でも、選択された用量を等しく良好に表示することができることに留意されたい。
投与量窓13は、ハウジング10内のアパーチャ、またはハウジングのアパーチャに挿入された透明な別個の構成要素の形態とすることができ、別個の構成要素は、拡大レンズを組み込むことができる。投与量窓13は、現在プログラムされている用量の視覚インジケーションを提供するために、投与量ノブ12が回されると動くように構成されたダイヤルスリーブ70の制限された部分を使用者が見ることを可能にする。投与量ノブ12は、プログラム中に回されると、ハウジング10に対して螺旋経路上を回転させられる。
この例では、投与量ノブ12は、データ収集デバイスまたは電子システムの取付けを容易にするための1つまたはそれ以上の形成物71a、71b、71cを含む。ユーザインターフェース部材(ノブ12および/またはボタン11)、または一般に薬物送達デバイス1の用量設定および駆動機構の要素もしくは部材に取付け可能とすることができる電子システムについては、以下でより詳細に説明する。電子システムは、たとえばユーザインターフェース部材内に設けることができる。以下でより詳細に説明する電子システムは、薬物送達デバイスのための付属物として構成することもできる。
注射デバイス1は、投与量ノブ12を回すことで、機械クリック音が生じて使用者に音響フィードバックを提供するように構成することができる。この実施形態では、投与量ノブまたは用量ボタン12もまた、注射ボタン11として作用する。針15が患者の皮膚部分に刺されて、次いで投与量ノブ12/注射ボタン11が軸方向に押されたとき、表示または投与量窓13に表示されたインスリン用量が注射デバイス1から排出される。投与量ノブ12が押し戻された後、注射デバイス1の針15が、ある時間の間、皮膚部分に留まったとき、用量は患者の体内に注射されている。インスリン用量の排出もまた、機械クリック音を引き起こすことができるが、この音は、用量のダイヤル設定中に投与量ノブ12を回転させたときに生じた音とは異なる。
この実施形態では、インスリン用量の送達中、投与量ノブ12は、回転ではなく軸方向運動によってその初期位置へ戻され、ダイヤルスリーブ70または数字スリーブ70は、回転してその初期位置へ戻り、たとえばゼロ単位の用量を表示する。前述のように、本開示は、インスリンに制限されるものではなく、薬物容器14内のすべての薬物、特に液体薬物または薬物調合物を包含するべきである。
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になるまで、または注射デバイス1内の薬剤の有効期日(たとえば、最初の使用から28日後)に到達するまで、いくつかの注射プロセスに使用することができる。
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、流体がインスリン容器14および針15から正確に流れていることを確実にするために、たとえばインスリンの2単位を選択し、針15を上に向けた状態で注射デバイス1を保持しながら投与量ノブ12を押下することによって、いわゆる「プライムショット」を実行することが必要になることがある。提示を簡単にするために、以下、排出された量が注射された用量に実質的に対応し、したがってたとえば注射デバイス1から排出される薬剤の量が、使用者によって受け取られる用量に等しいと仮定する。
上記で説明したように、投与量ノブ12はまた、注射ボタン11としても機能し、したがって用量のダイヤル設定/設定および用量の投薬/送達に同じ構成要素が使用される。この場合も、好ましくは制限された形でのみ互いに対して可動である2つの異なるユーザインターフェース部材を有する構成も可能であることに留意されたい。しかし、以下の議論では、用量設定および用量送達機能を提供する単一のユーザインターフェース部材に注目する。言い換えれば、用量設定動作のために使用者によってタッチされる部材の設定面と、用量送達動作のために使用者によってタッチされる用量送達面とが、不動に接続される。別法として、異なるユーザインターフェース部材が使用される場合、これらを互いに対して可動とすることができる。それぞれの動作中、ユーザインターフェース部材は、好ましくは、デバイスの本体またはハウジングに対して動かされる。用量設定中、ユーザインターフェース部材は、ハウジングに対して近位に動き、かつ/または回転する。用量送達中、ユーザインターフェース部材は、軸方向に、たとえば遠位に動き、好ましくはハウジングまたは本体に対して回転しない。
以下、薬物送達デバイスのための電子システムに対する概略的な設定を開示する。
図2は、薬物送達デバイス、たとえば上記でさらに論じたデバイスもしくはデバイスユニット内で、もしくはそのような薬物送達デバイスのために、または異なるデバイス内で、使用することができる電子システム1000の要素の概略的な構成を示す。
電子システム1000は、電子制御ユニット1100を含む。制御ユニットは、プロセッサ、たとえばマイクロコントローラまたはASICを含むことができる。また、制御ユニット1100は、プログラムメモリおよび/またはメインメモリなどの1つまたは複数のメモリユニットを含むことができる。プログラムメモリは、システムによって実施されるとシステムおよび/または電子制御ユニットの動作を制御するプログラムコードを記憶するように設計することができる。制御ユニット1100は、好適には、電子システム1000の動作を制御するように設計される。制御ユニット1100は、有線インターフェースまたは無線インターフェースを介して、電子システム1000のさらなるユニットと通信することができる。制御ユニット1100は、コマンドおよび/もしくはデータを含む信号をそれぞれのユニットへ伝送することができ、かつ/またはそれぞれのユニットから信号および/もしくはデータを受信することができる。これらのユニットと電子制御ユニット1100との間の接続を図2に線で示す。しかし、ユニット間にも接続が存在することができ、これは明示的に示されていない。制御ユニット1100は、導体キャリア、たとえば(プリント)回路基板(図3の符号3000を参照されたい)上に配置することができる。電子システムの他のユニットは、導体キャリア上に配置された1つまたはそれ以上の構成要素も同様に含むことができる。
電子システム1000は、電気運動感知ユニット1200をさらに含む。運動感知ユニット1200は、1つのセンサ、たとえば1つのセンサのみ、または複数のセンサを含むことができる。運動感知ユニットは、好適には、電子システムまたは薬物送達デバイスの1つの部材の別の部材に対する動き、たとえば上記でさらに論じたデバイスにおける駆動スリーブまたはボタン/ノブに対するダイヤルスリーブまたは数字スリーブの動きを示す電気信号などの運動信号を生成するように設計され、センサは、部材のうちの1つ、たとえばノブまたはボタンに固定して接続することができる。相対運動は、好適には、用量送達動作中に発生する。それぞれのセンサは、光電子センサとすることができる。光電子センサは、センサに対して動く部材から出てセンサに当たる放射を感知して、センサ、たとえば光学エンコーダ構成要素内でセンサ信号または運動信号を励起することができる。放射は、光電子放射源、たとえばLEDなどの放射源から出て部材によって反射されてこの部材に当たる放射とすることができる。放射源は、IR源(IR-LED、赤外発光ダイオード)とすることができる。放射源は、少なくとも1つのセンサを含むセンサ配置の一部とすることができる。センサの1つの可能な実施形態は、赤外光を検出するように構成されたIRセンサである。光源およびセンサは、同じ構成要素または部材上に配置することができる。本明細書に論じる電子システムに適した光電子センサ配置の一般機能は、WO2019/101962A1に開示されており、開示内容全体をあらゆる目的で、特に異なるセンサ配置および構成に関して、参照によって本明細書に明示的に組み入れる。しかし、他のセンサ配置、たとえば磁気センサを使用した配置も同様に用いることができることに留意されたい。電動センサならびに/またはセンサを刺激する電動源、たとえば放射エミッタおよび関連センサを有する運動感知ユニットでは、電力消費が特に大きいことがあり、したがってシステムに電力供給するために利用可能な電力の適当な電力管理が特に影響を及ぼす可能性がある。運動感知ユニット1200は、用量送達動作中、薬物送達デバイスの用量設定および駆動機構または薬物送達デバイスのための用量設定および駆動機構の1つの部材の、用量設定および駆動機構の別の部材またはハウジング10に対する相対運動を検出し、好ましくは測定または定量化するように設計することができる。たとえば、運動感知ユニットは、用量設定および駆動機構の2つの可動の部材の互いに対する相対回転運動を測定または検出することができる。ユニット1200の信号から受信または計算した運動データに基づいて、電子システム、たとえば制御ユニットは、用量データ、たとえば現在送達されている用量に関するデータを計算することができる。運動感知ユニット1200は、好適には、電子システムまたは薬物送達デバイスの第1の部材と第2の部材との間の相対運動を定量化するように構成される。相対運動は、送達された用量を示すことができる。相対運動は、相対回転運動とすることができる。たとえば、用量送達中などに、第1の部材は第2の部材に対して回転することができる。運動感知ユニットは、好適には、相対運動を1単位設定増分角度の整数倍で定量化するのに適している。単位設定増分は、5°、10°の値のうちの1つより大きいもしくはそれに等しい角度とすることができ、またはそのような角度によって画成することができる。単位設定増分は、25°、20°の値のうちの1つより小さいもしくはそれに等しい角度とすることができ、またはそのような角度によって画成することができる。単位設定増分は、たとえば5°~25°とすることができる。単位設定増分は、たとえば15°の相対回転に対応することができる。単位設定増分角度は、デバイスによって送達されるように設定可能な最小用量を設定するために必要とされる回転とすることができる。増分は、たとえばラチェットシステムによって画成することができる。上記で説明したように、運動感知ユニットによって判定される第1および第2の部材間の相対(回転)運動の量または距離は、用量設定動作における現在設定されている用量、または用量送達動作における現在投薬されている用量に特有である。送達された用量のサイズは、用量設定および駆動機構のピストンロッドが用量送達動作中にハウジングに対して遠位に変位させられる距離によって判定することができ、またはそのような距離に対応することができる。
電子システム1000は、信号送信ユニット1300をさらに含む。信号送信ユニットは、1つまたはそれ以上のユーザインターフェース部材(上記で論じたデバイス内のノブ12またはボタン11)に関連付けることができる。信号送信ユニット1300を介して、用量を設定および/または送達するための部材の操作を検出することができる。信号送信ユニットは、ユーザインターフェース部材の操作に応答して、好ましくは操作、たとえば単方向運動に直接応答して、電気信号を生成するように構成される。ユーザインターフェース部材は、用量設定動作を実行するために使用者によってタッチされるように配置された設定面、および/または用量送達動作を実行するために使用者によってタッチされるように配置された送達面を有することができる。設定面は、径方向を向くことができ、送達面は、軸方向、たとえば近位方向を向くことができる。信号生成には、ユーザインターフェース部材の少なくとも一部分の、たとえばユーザインターフェース部材および/またはハウジングの別の部分に対する動きを必要とする。これについては、以下でより詳細にさらに説明する。信号を生成する要素は、たとえばマイクロ力スイッチなどの電気センサまたはスイッチとすることができる。操作に応答して信号送信ユニットによって生成された信号は、ユーザインターフェース部材が動かされる異なる方向、および/または使用者によって操作されるユーザインターフェース部材の異なる表面を区別することを可能にすることができる。この場合、複数のスイッチを設けることができる。信号送信ユニットは、好適には、信号送信ユニットが操作に応答して生成するように構成されている電気信号が、どの操作が現在実行されているか、実行されることが意図されているか、または実行されたか、たとえば用量設定動作、用量送達動作、または異なる動作に関する情報を集めることを可能にするように構成される。信号送信ユニット1300によって生成される信号は、起動プロンプト信号または使用信号とすることができる。信号送信ユニット1300は、たとえば電子制御ユニット1100に動作可能に接続される。信号送信ユニットによって提供される信号は、電子制御ユニット1100によって受信および/または処理することができる。
電子システム1000は、通信ユニット1400、たとえばRF、WiFi、および/またはBluetoothユニットをさらに含む。通信ユニットは、システムまたは薬物送達デバイスと、他の電子デバイス、たとえば移動電話、パーソナルコンピュータ、ラップトップなどの外部デバイスとの間の通信インターフェースとして提供することができる。たとえば、通信ユニットによって、用量データを外部デバイスへ伝送することができ、かつ/またはデバイスと同期させることができる。用量データは、外部デバイス内に確立された用量ログまたは用量履歴のために使用することができる。通信ユニットは、無線通信のために提供することができる。
信号送信ユニット1300によって生成される信号の発生により、好ましくは、電子制御ユニット1100は即座にまたは直接的に、たとえば運動感知ユニット1200および/または通信ユニット1400を起動することによって、電子システムを第1の状態または静止状態(たとえば、必要とされていないときのシステムの状態、たとえば休止状態。静止状態は電力消費に関して最適化されている)を、より高い電力消費の第2の状態に切り換えることができる。信号送信ユニットによって生成される単一の信号は、第2の状態への切換えをトリガするのに十分である。システムを第2の状態に切り換えるために、制御ユニット1100は、起動信号をそれぞれのユニットへ送信することができる。第2の状態で、運動感知ユニットおよび/または通信ユニットは動作可能になることができる。第1の状態では、好ましくは、運動感知ユニットおよび/または通信ユニットを動作させることができない。このようにして、必要なときに、電動ユニットの機能を利用可能とすることができる。第1の状態で信号送信ユニットが動作状態になるために必要とされる電力消費は、通信ユニットおよび/または運動感知ユニットが動作可能であるときの電力消費より小さいことが有利である。起動プロンプトまたは使用信号は、ユーザインターフェース部材または少なくともその一部分の操作に応答して生成することができる。操作は、単方向運動のみを伴うことができる。操作は、ユーザインターフェース部材または一部分の回転運動のみまたは軸方向運動のみを伴うことができる。ユーザインターフェース部材の起動動作は、用量設定動作および用量送達動作とは異なることができる。たとえば、起動動作は、たとえばユーザインターフェース部材のゼロ用量位置において、用量設定方向とは反対の方向へのユーザインターフェース部材の一部分の試行回転を伴うことができる。したがって、システムを第2の状態に切り換えるために、専用の起動動作を必要とすることができる。したがって、使用者は、電子機能が必要とされるかどうかを決定することができ、またはたとえば緊急性もしくは他の理由を考慮して、薬物送達デバイスが電子機能なしで使用されることを選ぶことができ、これは可能であることが好ましい。別法として、たとえばユーザインターフェース部材の異なる部分間の相対運動を使用することによって、信号生成を用量設定動作または用量送達動作に一体化することができる。そのような相対運動は、好ましくは制限されており、好適には電子システムを起動するために必要とされるものとして使用者が検出することはできない。
電子システム1000は、再充電可能または再充電不能の電池などの電源1500をさらに含む。電源1500は、電子システムのそれぞれのユニットに電力を提供することができる。
一実施形態では、第1の状態、たとえば使用または起動プロンプト信号の生成前の電子システムの電力消費、特に最大電力消費は、300nA、250nA、200nAの値のうちの1つより小さいまたはそれに等しいものとすることができる(nA:ナノアンペア)。別法または追加として、電子システムの第2の状態において、電力消費、特に最小電力消費は、0.5mA、0.6mA、0.8mAの値のうちの1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができる(mA:ミリアンペア)。この差は、電子システム1000の第2の状態において活動状態または動作可能になり、第1の状態においてオフまたはスリープ状態に切り換えられる運動感知ユニット1200および/または通信ユニット1400の電力消費に起因しうる。
一実施形態では、第2の状態における電力消費P2、たとえば最小または最大電力消費は、2*P1、3*P1、4*P1、5*P1、10*P1、20*P1、30*P1、40*P1、50*P1、100*P1、500*P1、1000*P1、2000*P1、5000*P1、10000*P1の値のうちの少なくとも1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができ、ここでP1は、第1の状態における電力消費である。第2の状態において、運動感知ユニットを活動状態とすることができ、かつ/または通信ユニットをたとえば無線通信のために活動状態とすることができる。
システムが第1の状態にあるとき、たとえば運動感知ユニットも通信ユニットも活動状態にないとき、電流消費を200nAとすることができる。運動感知ユニット(のみ)が活動状態にあるとき、電力消費を0.85mAとすることができる。たとえば運動感知ユニットに加えて通信ユニットが活動状態にあるとき、または通信ユニットのみが活動状態にあるとき、電力消費を1.85mAとすることができる。
明示的に示されていないが、電子システムは、好ましくはたとえば恒久的および/または不揮発性の記憶またはメモリユニットを含み、記憶またはメモリユニットは、たとえば用量(履歴)データなどの薬物送達デバイスの動作に関係するデータを記憶することができる。
一実施形態では、電子制御ユニット1100は、それぞれのユニットの電力消費を低減させるように、すなわちユニットを再び第1の状態に切り換えるように構成される。これは、たとえば、ユニットが第1の状態から第2の状態に切り換えられた後、かつ/または使用信号が生成された後に、そのユニットに関連する事象、たとえば運動感知ユニットに対する運動感知事象(運動信号)が、所定の時間間隔内に発生しなかった場合に適している。時間間隔の監視は、電子制御ユニットに動作可能に接続されたタイマユニットによって実現することができる(明示的に図示せず)。使用または起動プロンプト信号後、所定の時間間隔内に運動感知ユニットによって信号が生成されなかった場合、システム全体を再び第1の状態に切り換えることができる。この時間間隔は、5秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒の値のうちの1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができる。別法または追加として、時間間隔は、180秒、150秒、120秒、90秒、80秒、70秒、60秒、50秒、45秒、40秒、35秒、30秒の値のうちの1つより小さいまたはそれに等しいものとすることができる。時間間隔は、5~180秒、たとえば30秒または180秒とすることができる。所定の時間間隔内に運動信号が生成されなかった場合、システム全体を再び第1の状態に切り換えることができる。所定の時間間隔は、好適には一定である。
一実施形態では、電子システムは、フィードバックユニットを含む(明示的には図示せず)。フィードバックユニットは、使用者が知覚できるフィードバックを生成するように構成される。フィードバックは、システムが第1の状態にあるかそれとも第2の状態にあるかを使用者が判定することを有効にすることができる。好ましくは、第1の状態では、知覚可能なフィードバックが提供されず、かつ/またはフィードバックは第2の状態を示す。フィードバックは、たとえば光信号などのフィードバック信号とすることができる。フィードバック信号は、発光ダイオードなどの光源によって提供することができる。光源は、フィードバックを提供するために、パルスまたはフラッシュ状で動作することができる。
上述したそれぞれのユニットは、様々な実施形態に関連して以下でさらに詳細に論じる電子システムのユーザインターフェース部材に一体化することができる。
言うまでもなく、電子システム1000は、運動感知ユニットが検出する相対運動とは異なる数量または事象を感知または検出する他の感知ユニットなどの示されているユニット以外のさらなる電子ユニットを含むことができる。
以下、電子システムのいくつかのより詳細な実施形態について説明する。上記で論じた構成は、これらの実施形態にも当てはまることに留意されたい。
図3は、電子システム1000の一実施形態を概略的に示す。システム1000は、ユーザインターフェース部材1600を含む。ユーザインターフェース部材は、用量設定動作および/または用量送達動作中に、使用者によって動作させられるように設計される。ユーザインターフェース部材1600は、異なる外部動作面を有する。これらの動作面は、好ましくはユーザインターフェース部材が薬物送達デバイスユニットに接続されたとき、またはユニットもしくは図1に関連して論じたデバイスなどのデバイスに一体化されたとき、ユーザインターフェース部材のハウジングまたは本体1605の外部からアクセス可能な外面によって画成することができる。ユーザインターフェース部材1600は、用量設定のために、使用者によって、たとえば人差し指および親指などの2本の指で把持されるように配置された設定面1610を有する。設定面は、径方向を向いている表面であり、外部に対するユーザインターフェース部材1600の範囲を、好ましくは円周方向に定める。ユーザインターフェース部材1600はまた、送達面1620を有する。送達面は、用量送達のために、使用者によって接触され、たとえば押下され、かつ/または遠位に動かされるように配置される。送達面1620は、軸方向に向けられた表面、たとえば近位を向いている表面である。上述したように、本開示の実施形態は、設定および送達のために異なるユーザインターフェース部材を用いることができる。
ユーザインターフェース部材1600内、たとえばユーザインターフェース部材本体1605によって画成される内部中空内に、電子システムのいくつかの追加の要素またはユニットが収容される。具体的には、電子システムは、電子制御ユニット1100を含む。システムはまた、導体キャリア3000、たとえばプリント回路基板などの回路基板を含む。導体キャリア上の導体は、電子制御ユニットをシステムのさらなる電気または電子ユニットまたは部材に導電接続することができる。電子制御ユニットは、導体キャリア上に配置され、たとえばキャリアに取り付けられる。
電子システム1000は、信号送信ユニット1300を含む。図示の実施形態では、信号送信ユニットは、少なくとも1つのセンサもしくはスイッチまたは複数のセンサもしくはスイッチ1310を有する。図示の実施形態では、少なくとも1つのスイッチ1310は設定面1610に付随する。別法または追加として、少なくとも1つのスイッチ1310は送達面1620に付随する。それぞれのスイッチは、好適には、ユーザインターフェース部材またはその一部分が、用量設定動作(センサまたはスイッチが好適には設定面に付随する)または用量送達動作(センサまたはスイッチが好適には送達面に付随する)を実行するために動かされたとき、電気信号またはスイッチ信号を生成するように構成される。たとえば、用量設定動作の場合、ユーザインターフェース部材1600をハウジング10に対して回転させることができる。たとえば制御ユニットが異なる方向の回転を区別することを有効にするために、複数のスイッチを設けることができる。用量送達動作の場合、たとえば用量設定のためにダイヤルスリーブおよび駆動部材が回転不能にロックされた状態から、用量送達のために相対回転が可能である状態などへ、クラッチを切り換えるために、ユーザインターフェース部材を軸方向にハウジングの方へ動かすことができる。ユーザインターフェース部材は、好ましくは、たとえばクラッチばね(図示せず)によって、用量設定のために有する位置へ付勢され、この位置は、用量送達のための位置に対してクラッチ切換え距離だけ近位にずらすことができる。クラッチ切換え距離(クラッチを切り換えるためにユーザインターフェース部材が動かされなければならない距離)は、たとえば1.5mm以上である。
信号送信ユニットによって生成される電気信号、すなわち使用または起動プロンプト信号は、電子制御ユニット1100を直接トリガして、システムを第1の状態から第2の状態に切り換えることができる。この信号の生成をトリガする操作のための動きは、好適には単方向であり、すなわち1つの方向の動きのみが必要とされる。このようにして、システムを第2の状態に切り換えるためのユーザインターフェース部材1600の複雑な操作を回避することができる。
システムは、概略的にのみ表されている運動感知ユニット1200をさらに含み、運動感知ユニット1200は、好ましくは、1つもしくはそれ以上の光電子センサおよび/または1つもしくはそれ以上の付随する放射エミッタ、たとえばIRセンサおよびIRエミッタを含む。運動感知ユニットは、2重矢印によって示唆するように、電子制御ユニット1100に双方向に導電接続することができる。一方の方向は、起動信号が電子制御ユニットから運動感知ユニットへ伝送される方向とすることができる。他方の方向では、運動信号を運動感知ユニットから制御ユニットへ送信することができ、制御ユニットは、たとえば用量情報またはデータを計算するために、信号をさらに処理することができる。運動感知ユニット1200は、導体キャリア3000のうち制御ユニット1100から離れる方を向いている側に配置することができる。
さらに、システム1000は、電源1500、たとえばコイン電池などの電池を含む。電源は、約1.4~3Vの電圧で約25~500mAhの全電荷を提供するように構成することができる。これは、たとえば複数のコイン電池を積み重ねることによって実現または支援することができる。電源1500は、動作のための電力を必要とする電子システムの他の構成要素に導電接続されており、または接続可能である。導電接続は、図3に明示的に示されていない。電源1500を導体キャリア3000に接続するために、金属プレスを提供することができ、導体キャリア3000は、キャリア上の導体を介して電力をさらなる要素に分散させることができる。しかし電源は、図示のように導体キャリア3000の1つの主表面に沿って延びるように配置することができる。電源は、図示の実施形態では、導体キャリア3000と送達面1620との間に配置される。これにより、ユーザインターフェース部材1600の小型の形成が容易になる。
部材の外部から見た、たとえば送達面の上面図におけるユーザインターフェース部材1600の径方向の幅または直径は、2cm、1.5cmの値のうちの1つより小さいまたはそれに等しいものとすることができる。別法または追加として、ユーザインターフェース部材の径方向の幅または直径は、0.5cm、0.7cmの値のうちの1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができる。径方向の延長は、用量設定中のユーザインターフェース部材の回転軸またはユーザインターフェース部材の主長手方向軸に対して判定することができ、これらの軸は一致することができる。ユーザインターフェース部材1600の長さまたは軸方向の延長は、2.5cm、2cm、1.5cmの値のうちの1つより小さいまたはそれに等しいものとすることができる。別法または追加として、ユーザインターフェース部材1600の長さまたは軸方向の延長は、0.5cm、0.7cmの値のうちの1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができる。
電子システム1000は、付属ユニットまたはモジュールである薬物送達デバイスユニットに接続されるように構成され、好ましくは解放可能に接続されるように構成される。薬物送達デバイスユニットは、電子機器を含まないものとすることができる。それに応じて、すべての電子機器を電子システム内に設けることができる。薬物送達デバイスユニットは、使い捨てとすることができる。すなわち、ユニットおよびシステム1000を含む薬物送達デバイスを使用してユニットのリザーバが空になった後、ユニットを廃棄することができる。電子システム1000は、別の薬物送達デバイスユニットに再利用することもできる。薬物送達デバイスユニットは、好ましくは、単独で完全に機能するものとして構成され、すなわち送達予定の用量の設定および設定された用量の送達のために動作させることができる。1つの例示的なユニットは、図1に示すユニットである。電子システムは、それ以外は完全に機能するユニットへの純粋な付属物とすることができ、好適には電子または電動部材を含まない。別法として、薬物送達デバイスは、電子システムを一体部材として、すなわちデバイスの残り部分とともに廃棄される部分、ならびに/または薬物の用量を設定および送達するためにデバイスを動作させることができるように必要な部分として含むことができる。なぜなら、たとえば電子システムがなければ、薬物送達デバイスユニットは、用量設定動作または用量送達動作を行うために使用者がアクセス可能な表面を欠くからである。薬物送達デバイスユニットへの接続のために、電子システムは、1つまたはそれ以上の接続機能1615、たとえばスナップ機能を含むことができる。それぞれの接続機能は、ユーザインターフェース部材1600の遠位部分内、たとえば部材の内部に配置される。
システム1000は、好適には、用量設定および駆動機構の部材、たとえば図1に関連して論じたユニットの駆動スリーブもしくは用量ノブおよび/または注射ボタンなどの薬物送達デバイスユニットの部材に、恒久的または取外し可能/解放可能に機械的に接続されるように構成される。システムは、たとえばユーザインターフェース部材本体1605を介して、薬物送達デバイスユニットの部材に回転不能かつ軸方向にロックすることができる。システムが接続される部材は、用量設定および/または用量送達中にハウジング10に対して可動とすることができ、たとえば設定中は回転可能かつ/または軸方向に可動とすることができ、送達中はたとえば軸方向にのみ可動とすることができる。部材は、ピストンロッドに係合することができ、たとえばねじ係合することができる。図1のユニットの用量ノブおよび駆動スリーブは、一体形成することができ、または用量設定および用量送達中に単一の部材として作用することができる。用量設定中、駆動スリーブは、用量設定中にたとえばクラッチによってダイヤルスリーブおよび駆動スリーブが同速度で回転し、用量送達中にダイヤルスリーブが駆動スリーブに対して回転するように、用量設定および駆動機構のダイヤルスリーブに選択的に回転不能にロックすることができる。ダイヤルスリーブは、数字スリーブとすることができる。用量送達中のダイヤルスリーブと駆動スリーブとの間の相対回転は、運動感知ユニットによって測定することができる。しかし、開示する概念は、異なる動作方法および/または異なる構成を有する用量設定および駆動機構としても機能することが、当業者には容易に明らかであろう。
以下の実施形態は、信号送信ユニット1300の実装例を示す。いずれの場合も、信号送信ユニットは、ユーザインターフェース部材1600の第1の部分のユーザインターフェース部材の第2の部分に対する動きに応答して、信号、たとえば使用信号または起動プロンプト信号を提供または生成するように構成される。第1の部分および第2の部分は、好適には、信号を生成するために必要とされる動き、および好ましくは2つの部分間の元の相対位置を再確立するための動きに加えて、1つの部材として動作するように、互いに接続または固定される。信号生成のために、ユーザインターフェース部材の部分間の制限された相対的な移動性が利用される。
図4は、図4A~図4Hに示す異なる図の様々な概略図に基づいて、電子システム1000の一実施形態を示す。概して、システムは前述のシステムに対応する。したがって、別途または逆の内容が記載されない限り、すでに論じた構成がこの実施形態にも当てはまる。
本実施形態による電子システム1000は、信号送信ユニット1300を含む。信号送信ユニット1300は、設定信号送信ユニットを含む。設定信号送信ユニットは、ユーザインターフェース部材1600を使用して使用者によって用量設定動作が開始または実行されたことを示す信号を提供するように構成される。設定信号送信ユニットは、設定スイッチ1660を含む。設定スイッチ1660は、ユーザインターフェース部材1600の設定面1610に付随する。設定信号送信ユニットに対する別法または追加として、信号送信ユニットは、送達信号送信ユニットを含む。送達信号送信ユニットは、送達スイッチ1650を含む。送達スイッチ1650は、ユーザインターフェース部材1600の送達面1620に付随する。送達信号送信ユニットは、送達面の操作に応答して信号を提供するために提供される。設定信号送信ユニットは、設定面の操作に応答して信号を提供するために提供される。設定信号送信ユニットを介して、用量設定動作を検出することができる。送達信号送信ユニットを介して、用量送達動作を検出することができる。送達または設定信号送信ユニットのうちの一方のみが提供される場合、設定または送達動作のうちの一方のみを検出することができ、ユニットの両方が提供される場合、設定動作および送達動作を検出することができる。電子システムは、設定動作(設定信号)を示す信号および送達動作(送達信号)を示す信号に応答して、異なる形で動作するように構成することができる。それぞれのスイッチ1650、1660は、電気スイッチ、たとえば力スイッチなどのマイクロスイッチとすることができる。システムが異なる回転方向を区別することを有効にする追加の設定スイッチ(図示せず)を提供することもできる。
図4Aは、拡大図に基づいて、ユーザインターフェース部材1600のいくつかの部材を示す。図4は、必ずしも以上および以下に論じる電子システムのすべての構成要素または部材を示すものではなく、論じる概念に関連して最も重要な部材のみを示すことに留意されたい。
ユーザインターフェース部材本体1605は、図示の実施形態では、第1の部材1601および第2の部材1602を含む。動作中、2つの部材は、好適には、用量設定動作および用量送達動作中に、少なくとも外部から見て単一の部材として作用するように堅く接続される。ユーザインターフェース部材の外面は、剛性を有することができる。すなわち、外面のうち第1の部材によって形成される部分および外面のうち第2の部材によって形成される部分は、たとえば溶接によって、これらの部分間の相対運動が不可能になるように、互いに回転不能かつ軸方向に固定することができる。第1の部材1601は、送達面1620を提供することができる。第2の部材1602は、設定面1610またはその少なくとも大部分を提供することができる。図示のように、第1の部材1601は、送達面1620、および/または設定面1610のうち径方向に向けられて円周方向に配置された領域を提供することができる。ユーザインターフェース部材1600の複数の部材は、製造上の理由で提供することができる。ユーザインターフェース部材本体1605の単体構造も可能である。
導体キャリア3000は、この場合も、ユーザインターフェース部材本体1605内に配置される。導体キャリア3000は、ユーザインターフェース部材に堅く接続することができる。電子制御ユニット1100は説明の目的で図4に示されていないが、それにもかかわらず、さらに上述した残りの構成要素またはユニットと同様に、ユーザインターフェース部材1600内に、特に導体キャリア3000上に配置することができる。
図4に示す配置は、部材3010をさらに含む。ユーザインターフェース部材本体1605は、部材3010に、たとえば恒久的または解放可能に固定することができる。部材3010は、スリーブとすることができる。部材3010は、たとえば、薬物送達デバイスユニットのうち電子システムを付属モジュールとして固定することができる部材、または薬物送達デバイスのうち電子システムがその一部である部材である。部材3010は、たとえば用量設定および駆動機構の駆動スリーブまたは用量ノブとすることができる。部材3010は、ユーザインターフェース部材、特にユーザインターフェース部材本体に、たとえば軸方向かつ/または回転可能に、堅く接続することができる。ユーザインターフェース部材1600は、部材3010とユーザインターフェース部材1600との間の相対的な回転運動および軸方向運動が防止されるように、接続インターフェース3020(図4D参照)、たとえばスナップ嵌めを介して、部材3010に堅く接続することができる。その結果、接続インターフェース3020を介して、軸方向の力および回転トルクをユーザインターフェース部材から部材3010へ伝達することができる。部材3010は、設定面1610から遠位に突出することができる。
図4Bは、斜視図に基づいて、組み立てられたときのユーザインターフェース部材1600を示す。図4Cは、ユーザインターフェース部材1600の送達面1620の上面図を示す。図4Dは、図4Cの線B-Bに沿って切り取った断面図を示す。
ユーザインターフェース部材1600は、第1の部分1603および第2の部分1604を含む。第1の部分1603は、部材の少なくとも1つの外面、たとえば設定面もしくは送達面または両方の面を提供する部分である。第2の部分1604は、部材3010によって概略的に表す薬物送達デバイス(ユニット)へのインターフェースを提供する。したがって、導体キャリア3000が固定されるその部分を介して、機構への機械的接続を実行することができる。それぞれの部分1603、1604は、剛性を有することができる。すなわち、それぞれの部分は、機械的負荷、たとえば力またはトルクに耐えるために提供することができ、負荷をたとえば用量設定および駆動機構に伝達するように構成することができる。この負荷は、用量設定および/または用量送達動作のための負荷とすることができる。この負荷は、送達面または設定面に作用する使用者によって生成された負荷とすることができる。第1の部分1603は、ユーザインターフェース部材1600の中心の主軸の周りを円周方向に延びる連続部分を有することができ、連続部分は設定面を形成することができ、第1の部分1603はまた、中心の主軸とは反対側に、連続部分に接続された径方向に延びる相互接続部分を有することができ、相互接続部分は送達面1620を形成することができる。第2の部分1604は、設定面1610に対して径方向および/または内方へずれている。第2の部分1604は、送達面1620に対して遠位にずらすことができる。送達面を向いている内壁と第2の部分との間に、空間を形成することができる。第1の部分1603は、ユーザインターフェース部材1600の内部空間を画成することができ、かつ/または外部に対する部材の範囲を定めることができる。第2の部分は、図示のように部分的にのみ、または完全に、内部空間に配置することができる。第2の部分の径方向外面は、第1の部分の径方向面を向くことができる。ユーザインターフェース部材1600が部材3010に接続されたとき、ユーザインターフェース部材の主軸1613は、ユーザインターフェース部材がデバイス(図示せず)のハウジング10に対して回転する軸とすることができる。第1の部分1603および第2の部分1604は、軸1613に沿って向けることができる。
第1の部分1603および第2の部分1604は、接続部分1606または接続機能を介して互いに接続される。接続部分1606は径方向に向けられており、たとえばウエブである。接続部分は、径方向の主延長方向を有することができる。第1の部分1603もしくはその少なくとも一部(上記をさらに参照)、接続部分1606、および/または第2の部分1604は、単体構造、たとえば塑性および/または成形構造に一体化することができる。接続部分は、第1の部分および第2の部分に堅く接続される。
接続部分1606は、第1の部分1603を第2の部分1604に対して、たとえば制限された形で動かすことができるように、変形可能、好ましくは弾性変形可能である。接続部分は、角度方向もしくは回転可能に変形可能とすることができ、かつ/または軸方向に変形可能とすることができる。軸方向の変形性は、送達信号送信ユニットに特に適しており、角度方向または回転方向の可撓性は、設定信号送信ユニットに特に適している。第1の部分1603が第2の部分1604に対して動かされて、静止位置から信号送信位置へのこの動きの間に付随するスイッチ1650または1660がトリガされたとき、それぞれの動作を示すための信号を生成することができる。この信号に応答して、電子制御ユニット1100は、好適には、すでに論じたように、電子システムをより高い電力消費の状態に切り換える。遠位方向における軸方向変形を可能にするために、図4Dから明らかなように、部材3010、特にその近位向きの表面と、接続部分1606との間に、軸方向の空間3030を設けることができる。別法または追加として、軸方向の変形性のために、第1の部分と第2の部分との間に、たとえば第1の部分の遠位向きの表面と第2の部分の近位向きの表面との間に、軸方向の空間が存在する。しかし、他の構成が適していることもある。角度方向の可撓性は、接続部分1606と第2の部分1604の領域との間の角度方向の空間1607によって容易にすることができる。角度方向の空間は、接続部分1606の両側に、または片側のみに配置することができる。これは、図4Gの指定の線に沿って切り取った断面図を示す図4Eおよび図4Fから明らかである。図4Hは、図4Dの線C-Cに沿って切り取った断面図を示す。接続部分1606により、第2の部分1604に対する第1の部分1603の制限された動きが有効になる。
第1の部分1603は、好ましくは、たとえば(制限された)相対軸方向運動中の傾斜を回避するために、第2の部分1604に対して軸方向に案内される。この目的で、第1の部分1603の案内機能1609、たとえばピン状機能および/または内面から軸方向(遠位)に突出する機能を、好ましくはユーザインターフェース部材1600の近位端に設けることができる。案内機能1609は、第2の部分1604の対応する案内機能1608と相互作用し、案内機能1608は、好ましくは案内開口部を画成する。案内機能と対応する案内機能との間に確立された軸方向の案内インターフェースにより、好適には、第1の部分1603と第2の部分1604との間の相対的な軸方向運動および/または回転運動が可能になる。案内機能1608および1609は、互いに径方向に摩擦接触して、案内機能を提供することができる。
ユーザインターフェース部材1600は、接続部分1606によって提供される可撓性のため、使用者がかける負荷がユーザインターフェース部材、特にその第2の部分1604を介して用量設定および駆動機構のさらなる構成要素または部材へ伝達される前に、使用者によって設定面および/または送達面に印加される力またはトルクにより、第1の部分1603が第2の部分1604に対して動くように設計される。設定面1610の操作の場合、第1の部分の動きは、たとえば用量設定方向または反対の方向への回転であり、用量設定方向は、設定された用量のサイズを増大させるために必要とされる方向である。したがって、第1および第2の部分間の遊びを使用して、設定スイッチ1660がトリガされるかそれとも送達スイッチ1650がトリガされるかに応じて、設定信号または送達信号などの使用信号または起動プロンプト信号を生成することができる。当然ながら、設定または送達スイッチのみが存在する場合、設定または送達信号のみを生成することができる。それぞれの信号を使用して電子制御ユニットをトリガし、電子システムをより高い電力消費の状態に切り換えることができる。静止位置からの第2の部分に対する第1の部分の相対運動が完了した後、第1および第2の部分は、第1の部分の静止位置から離れる方へ、たとえばゼロ以外の用量を設定するために用量設定方向に、または用量を送達するために遠位方向に、同時に動くことができる。別法として、上述した信号を生成するために、たとえば用量設定動作とは反対に、用量動作とは異なる起動動作を使用することもできる。
好適には用量設定および駆動機構に属する部材3010に力をかけるために使用者によって操作される外面からの力伝達経路に沿って見ると、第1の部分1603は第2の部分1604より使用者に近い。接続部分1606は、力伝達経路に沿って見ると、2つの部分間に配置される。図示の実施形態では、第1の部分は、使用者のインターフェースとなる表面を提供し、第2の部分は、薬物送達デバイスユニットまたは薬物送達デバイスの用量設定および駆動機構へのインターフェースを提供する。
導体キャリア3000は、第2の部分1604に軸方向かつ/または回転不能に固定される。その結果、スイッチ1660および1650は、第2の部分1604に固定される。それぞれのスイッチをトリガするように配置された機能を、第1の部分1603上に設けることができる。図示の実施形態では、インターフェース機能、たとえば遠位に向けられた突起1655が、送達スイッチ1650のトリガ機能1657に係合するように配置される。送達動作を開始するために送達面1620が押下されたとき、(軸方向または遠位に向けられた)力が、接続部分1606が提供する軸方向の可撓性のためにインターフェース機能1655を介してトリガ機能1657へ伝達され、トリガ機能を介してスイッチ1650の負荷感知構成要素へ伝達され、それによりスイッチが信号(この場合、送達信号)を生成する。送達信号は、好適には、クラッチインターフェースが切り換えられる前に、たとえば係合解除される前に生成される。たとえば、この信号は、送達予定の用量を設定するための先行する用量設定動作中に部材3010およびダイヤルスリーブまたは数字スリーブが回転不能にロックされた状態で、部材3010が用量送達動作のためにダイヤルスリーブまたは数字スリーブを係合解除する前に生成することができる。設定スイッチ1660は、径方向に向けられた凹部など、第1の部分1603の内面に設けられたインターフェース機能1665、たとえば凹部を含む。インターフェース機能1665は、スイッチ1660のトリガ機能1667に係合するように配置される。ユーザインターフェース部材1600が設定面1610を介して回転させられるとき、第1の部分1603と第2の部分1604との間の初期相対運動により、トリガ機能1667を介してスイッチ1660の負荷感知構成要素へ負荷が伝達され、それによりスイッチ1660が信号(この場合、設定信号)を生成する。
スイッチをトリガするために必要とされる第1の部分1603と第2の部分1604との間の相対運動は、1単位増分の用量を設定するために必要とされる回転運動、ならびに/または用量設定および駆動機構内でクラッチの状態を切り換えるために、たとえば2つのクラッチ構成要素を係合解除するために、もしくは2つのクラッチ構成要素を係合するために必要とされる、機構を用量設定構成から用量送達構成に切り換える軸方向運動より、小さくすることができる。使用者がかける負荷が第1の部分のそれぞれの表面から除去された後、接続部分の弾性により、初期状態、すなわち第1の部分と第2の部分との間の初期または第1の相対位置を再確立することができる。
図4D~図4Gは、初期状態における配置を示す。図4Fの状況から、ハウジングに対してユーザインターフェース部材を回転させることによって用量が設定されたとき、最初に第1の部分は第2の部分に対して、たとえば時計回りおよび/または用量設定方向に回転する。この段階中に、スイッチ1660によって信号を生成することができる。また、たとえば接続部分1606が第2の部分1604に当接するまで、空間1607を閉じることができ、または少なくとも低減させることができる。信号が生成された後、所望の用量が設定されるまで、両方の部分1603および1604は信号送信位置から離れる方へ同速度で回転することができる。送達動作のためには、第1の部分と第2の部分との間の相対軸方向運動により、スイッチ1650を介して信号生成をトリガすることができる。
図示の実施形態では、キャリア3000によって送達動作中の軸方向の力に反応する。その結果、投薬力全体がキャリアに作用することが必要とされることがある。スイッチ1650をトリガするために第1の部分が第2の部分に対して変位させられた後、第1の部分と第2の部分との間の軸方向の当接が確立された場合、これを回避することができ、またはキャリア3000に対するその影響を少なくとも低減させることができる。軸方向の当接は、たとえば、案内機能1609から案内開口部(明示的には図示せず)の外側に径方向に突出する1つまたはそれ以上の突起によって実現することができ、それぞれの突起の遠位向きの表面は、第2の部分1604の近位向きの表面に当接するように配置される。同様に、信号を生成するための2つの部分間の相対運動が完了した後、角度方向に互いに面した2つの表面によって、第1の部分と第2の部分との間に回転方向の当接を提供することができる。これにより、その可撓性のために特に損傷を受けやすい接続部分に過度の負荷が作用することが防止される。言い換えれば、第1の部分と第2の部分との間の相対運動(軸方向運動および/または回転運動)が完了した後、第2の部分に対する第1の部分の静止位置から離れるさらなる動きのために、第1の部分と第2の部分との間に従動インターフェースを形成することができ、従動インターフェースは、第2の部分に向かう第1の部分の動きによって画成される方向、たとえば用量設定方向または用量送達のための遠位方向において、第2の部分を第1の部分に連動させる。
信号(たとえば、設定信号)を生成するために必要とされる第1の部分と第2の部分との間の相対的な回転運動または角度方向運動は、1単位設定増分に対応する角度(たとえば、15°)より小さいまたはそれに等しいものとすることができる。たとえば、信号を生成するために必要とされる第1の部分と第2の部分との間の相対的な回転運動または角度方向運動は、15°、10°、9°、8°、7°、6°、5°の値のうちの1つより小さいまたはそれに等しい。別法または追加として、信号を生成するために必要とされる第1の部分と第2の部分との間の相対的な回転運動または角度方向運動は、1°、2°、3°、4°の値のうちの1つより大きいまたはそれに等しい。信号(たとえば、送達信号)を生成するために必要とされる第1の部分と第2の部分との間の相対軸方向運動は、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mmの値のうちの1つより小さいまたはそれに等しいものとすることができる。別法または追加として、この運動は、0.2mm、0.3mm、0.4mmの値のうちの1つより大きいまたはそれに等しいものとすることができる。その結果、第1の部分上の当接機能と第2の部分内の対応する当接機能との間の角度方向または軸方向の距離は、対応する値を示すことができ、特に相対運動前の第1の部分と第2の部分との間の初期状態または配置で開始される。信号をトリガするために必要とされる第1および第2の部分間の相対軸方向運動は、たとえば0.5mm(すなわち、第1および第2の位置の軸方向の離隔距離)とすることができる。信号をトリガするために必要とされる第1および第2の部分間の相対的な角度方向運動は、たとえば4°(すなわち、第1の位置または静止位置および第2の位置または信号送信位置の角度方向の離隔距離)とすることができる。信号を生成するために必要とされる第1の部分と第2の部分との間の相対的な回転運動または角度方向運動を、単位設定増分に対応する角度(増分角度は15°とすることができる)の2分の1より小さくすることは、信号生成を用量動作に容易に組み込むことができるという利点がある。信号を生成するために必要とされる第1の部分と第2の部分との間の相対的な回転運動または角度方向運動を、単位設定増分に対応する角度の2分の1より大きくすることは、使用者が何か大きなことを行っているという印象を与えることができるという利点がある。したがって、信号を生成するための回転は、たとえば10°とすることができる。これは、たとえば用量設定方向とは反対の方向における、たとえば用量設定動作とは異なる起動動作に特に適している。
信号を生成するための角度を単位設定増分の角度より小さくすると、使用者のために信号をトリガする回転運動をより小さくすることができるため、有利となりうる。しかし、信号を生成するために、1単位設定増分に対応する角度、たとえば20°より大きい回転も考えられることに留意されたい。使用者は、用量ディスプレイを介して、たとえば数字スリーブを介して設定された、現在の用量を検証することができる。したがって、この点において、第1の部分と第2の部分との間の相対回転が、信号を生成するための1単位設定増分に対応する角度より大きいことは問題にならない。
より高い電力消費の状態へのシステムの構成要素またはユニットの切換えなど、電子システムの状態の制御または切換えのために、ユーザインターフェース部材の部分間の相対運動が使用されるという使用者へのヒントがなくても、接続部分1606をユーザインターフェース部材に一体化することによって、使用者はユーザインターフェース部材を動作させることができる。
一実施形態では、第1の部分は、2つの反対の方向において、たとえば軸方向および/または回転方向において、第2の部分に対して可動である。信号送信ユニットは、これらの方向のうちの一方または両方向における動きの間にのみ、電気信号を提供するように構成することができる。信号が2つの反対の方向に提供される場合、これらの方向のうちの一方、たとえば用量設定方向を使用して、起動プロンプト信号または使用信号を提供し、システムをより高い電力消費の状態に切り換えることができる。他方の方向は、異なる目的で、たとえばコンピューティングデバイス、好ましくは移動電話またはサーバなどの別の電子デバイスに対する用量データの同期プロセスを開始するために、信号を提供するために使用することができる。同期は、通信ユニットを介して電子システムと電子デバイスとの間に確立された無線インターフェースによって実行することができる。これは、使用者が起動動作によって同期プロセスを手動でトリガするための選択肢となることができる。同期プロセス、またはそのようなプロセスを実行しようとする試行は、用量送達動作が実行され、運動感知ユニットがデータを生成した後、電子システムの動作ルーチンにデフォルトで一体化することができる。
信号生成のために、たとえば同期事象を手動でトリガするために、用量設定方向とは反対の回転が用いられる場合、第1の部分をゼロ用量止めまたはゼロ単位止めに対して回転させることができ、ゼロ用量止めは、第2の部分に係合して第1の部分と同じ方向の第2の部分の回転を防止し、それによって第2の部分から離れる方への第1の部分の回転を有効にすることができる。
回転運動を使用してユーザインターフェース部材の操作を示す1つまたはそれ以上の信号を生成し、それぞれの信号に応答して電子システムが動作を実行し、またはその状態を変化させることは、この目的で軸方向運動(のみ)を用いるより有利となりうる。これは、ユーザインターフェース部材が偶発的に軸方向に変位する場合より、偶発的に回転する可能性の方が低いからである。
設定信号送信ユニットおよび送達信号送信ユニットが提供される場合、設定信号送信ユニットを使用して、電子制御ユニットを起動することができ、たとえば休止状態からより高い電力消費の状態に切り換えることができ、その際、運動感知ユニットおよび/または通信ユニットはまだ活動状態ではないことに留意されたい。送達信号送信ユニットによって、さらなるユニットを起動することができる。当然ながら、設定信号送信ユニットまたは送達信号送信ユニットのみを提供することも可能である。システムが設定信号送信ユニットによってより高い電力消費の第2の状態に切り換えられた場合、送達動作の時間、すなわち運動感知ユニットが用量設定および駆動機構の要素間の相対運動に関するデータの記録またはデータの生成を行わなければならない時間は、送達信号送信ユニットがこの目的で用いられる時間より大きい。しかし、送達信号送信ユニットは通常、設定信号送信ユニットより送達動作の近くで作動する。したがって、一部の使用者は、送達動作の実行または送達面の操作を実際に行うのではなく、ユーザインターフェース部材を反対の方向に回転させて用量を設定および取り消してもてあそぶことがあるため、電子システムを第2の状態に切り換えるために送達信号送信ユニットが使用される場合、第2の状態への不必要な切換えが発生する可能性は低い。設定または送達中に相対運動を利用することで、信号生成が用量設定または用量送達動作に切れ目なく一体化される。
電子システム1000は、送達信号送信ユニットからの信号の前に、好ましくは所定の時間間隔内に、たとえば5分、3分、2分、1分、45秒、30秒、20秒、15秒の値のうちの1つより小さい間隔内に、設定事象が設定信号送信ユニットを介して判定された場合のみ、その信号がたとえば制御ユニットによって考慮されるように構成することができる。また、設定事象がスイッチ1660によって検出された後に、送達スイッチ1650をより高い電力消費の状態に切り換えることができる。さらに、使用者が両方の表面、すなわち設定面および送達面に、同時の負荷をかけた場合、それは設定および送達信号の生成を伴い、電子制御ユニットは、対応する信号を発行することができ、対応する事象を記録することができ、または両面に負荷が同時に提供されたときにシステムが不適切に取り扱われた可能性があることを示す警報を生成することができる。
第1および第2の部分を接続するユーザインターフェース部材の一体部分を有し、すべての部分が単体構造内で互いに一体形成される代わりに、たとえば第1の単位設定増分の設定が完了する前、用量を送達する前、かつ/またはクラッチインターフェースを切り換える前に、互いに対して可動のユーザインターフェース部材の2つの別個の部材を有することで、信号生成を実現することもできることに留意されたい。これらの部材は、信号生成のために必要とされる相対運動を可能にするように付勢されたばねとすることができる。しかし、使用者がユーザインターフェース部材を動作させるときに多部材構造に気付く可能性が低くなるため、単体構造が好ましい。
図5は、薬物送達デバイスのための電子システムの別の実施形態を示す。この実施形態では、前述の実施形態と同様に、設定信号送信ユニット(スイッチ1660によって表す)が設けられており、第1の部分と第2の部分との間の相対回転を伴う設定面の操作(回転)を行ったときに信号を生成する。信号は、電子制御ユニット1100を好ましくは直接トリガして、電子システムを第2の状態に切り換えることができる。この実施形態はすでに論じた実施形態に非常に類似しているため、以下の説明はその違いに注目する。
1つの回転方向における第2の部分およびスイッチ1660(この場合も、回転可能に動作する力またはトルクスイッチとすることができる)に対する第1の部分1603の回転が、信号生成をトリガする。第1の部分1603が第1の回転方向、ここでは時計回り方向に回転させられると、トリガ機能1667は、第1の部分1603とトリガ機能1667との間の角度方向の当接のために、スイッチ1660に負荷(力またはトルク)を好ましくは即座に伝達することに留意されたい。第1の部分に対する第1の回転方向とは反対の第2の回転方向における第1の部分の回転は、信号の生成をもたらさない。なぜなら、たとえばトリガ機能1667との角度方向の当接が確立される前に相対回転を可能にするインターフェース機能1665のために、負荷がトリガ機能1667へ伝達されないからである。したがって、第2の回転方向では、角度方向の隙間が生じる。好ましくは、信号が生成されるまで、第2の部分は第2の方向において第1の部分に回転可能に連動する。回転方向の隙間に加えて、第1の方向とは反対の方向における信号生成はまた、様々な他の方策によって防止することができることに留意されたい。信号を生成する第1の回転方向は、用量設定方向とすることができ、すなわち設定された用量が増大されるときにユーザインターフェース部材が回転させられる方向とすることができる。別法として、第1の回転方向は、反対の回転方向とすることもできる。この場合、用量設定動作および用量送達動作とは異なる信号生成に起動動作が用いられ、これも同様に有利となりうる。
したがって、この実施形態では、ユーザインターフェース部材1600は、信号を選択的に生成することができ、すなわちユーザインターフェース部材が第1の回転方向に回転させられたときにのみ生成することができる。そのような方向選択性は、すでに論じた実施形態にも適用することができる。
図6Aおよび図6Bは、電子システムの別の実施形態を示す。概してこの実施形態は、図4A~図4Hに関連して論じた実施形態に非常に類似している。したがって、以下の議論はその違いに注目する。この実施形態もまた、接続部分1606を介して互いに接続されたユーザインターフェース部材1600の2つの部分1603および1604を用いる。前述の実施形態とは異なり、接続部分1606は、複数の領域1670および1680を有する。各領域は、径方向に延びており、かつ/または第1の部分1603を第2の部分1604に接続する。これらの領域は、ウエブとすることができる。これらの領域は、互いから軸方向にずれている。領域1670および1680は、空間または空隙1675によって互いから軸方向に分離される。図6Bに示す詳細では、接続部分1606の(軸方向の)可撓性が示されており、これは両領域の変形を伴う。空間または空隙1675は、矩形または非矩形の平行四辺形に従った形状の断面を有することができ、この断面は、たとえばユーザインターフェース部材の主軸に沿って切り取ったものである。これは、軸および/または部材3010に対して径方向および軸方向におけるユーザインターフェース部材1600の望ましくない傾斜運動を回避することを支援することができる。それに応じて、この実施形態は、さらに上述したような案内機能を必要としない。したがって、示されている図では、案内機能1608および1609は提供されていない。
図7A~図7Cは、電子システムの別の実施形態を示す。概してこの実施形態は前述の実施形態に類似しており、したがってこの文脈で開示する構成は、特にこれらの構成が以下に論じる内容に矛盾しない場合、この実施形態にも当てはまることができる。前述の実施形態では、信号送信ユニットによる信号生成は、用量設定動作および/または用量送達動作、たとえばこれらの動作ために必要とされるユーザインターフェース部材の単方向運動に直接関連付けられたおよび/または一体化された操作または行動に関連付けられることがあった。この実施形態では、たとえば運動感知ユニットおよび/または通信ユニットが動作状態にあるとき、信号を生成するために、特に電子システムをより高い電力消費の状態に切り換えるために、別個の使用者行動、すなわち用量設定動作および用量送達動作とは異なる起動動作が必要とされる。
図7Aでは、ユーザインターフェース部材1600が概略断面図に基づいて示されている。ユーザインターフェース部材1600は、この場合も、第1の部分1603および第2の部分1604を有する。ユーザインターフェース部材1600の内部には、導体キャリア3000が設けられる。信号送信ユニット1300のための電気スイッチ1685、たとえばマイクロ力スイッチなどのマイクロスイッチが、キャリア3000上に配置される。スイッチ1685は、力にさらされると信号を生成するようにスイッチをトリガするトリガ機能1687を有する。キャリアは、この場合も、プリント回路基板または別の導体キャリアとすることができる。スイッチ1685は、送達面1620の下に配置される。信号送信ユニット1300は、第1の部分1603が第2の部分1604に対して回転するときに信号を生成するように構成される。スイッチ1685は、電子制御ユニット1100に動作可能に連結され、電子制御ユニット1100もまた、ユーザインターフェース部材本体1605内に収容される。図示の状況では、制御ユニット1100および信号送信ユニット、特にスイッチ1685は、異なる導体キャリアに電気的に接続されかつ/または取り付けられ、すなわちユニット1100は、スイッチ1685とは別の導体キャリア3005に接続される。導体キャリア3005もまた、ユーザインターフェース部材本体1605の内部に取り付けられる。導体キャリア3000および3005は、好適には、たとえば金属プレス構成要素などの導体によって、電気的に相互接続される。導体キャリアは、積み重ねてかつ/または平行に配置することができる。このようにして、スイッチ1685によってトリガされた信号を制御ユニット1100によって検出または処理することができる。電源1500、たとえばコイン電池が、導体キャリアのうち送達面1620から離れる方を向いている側に、かつ/または2つの導体キャリア3000および3005間に配置される。それぞれのキャリアは、好適には、ユーザインターフェース部材1600の第2の部分1604に固定される。第2の部分1604は、互いに固定して締め付けられた複数の部材(図示)または1つの部材のみを有することができる。同じことが、第1の部分(図示せず)にも当てはまる。第2の部分が異なる部材から形成される場合、これらの部材のうちの一方に1つのキャリアを固定することができ、これらの部材のうちの他方に他のキャリアを固定することができる。しかし、電子制御ユニット1100および信号送信ユニット1300またはスイッチ1685を同じキャリア上に配置することもできることに留意されたい。すでに上記でさらに論じたように、スイッチ1685がトリガされたとき、運動感知ユニット(明示的には図示しないが、たとえば制御ユニットと同じキャリア上、および/または図7Aの下端に位置するユーザインターフェース部材の遠位端により近いキャリア上)、または別の電動式ユニットをウェークアップし、かつ/またはより高い電力消費の状態に切り換えて、システムをより高い電力消費の第2の状態に切り換えることができる。
第1の部分1603および第2の部分1604は、図示の実施形態では、別個に製作されて互いに組み立てられた部材によって形成される。図示の実施形態では、第1の部分および第2の部分は、力感応連結部1690を介して互いに連結される。力感応連結部1690は、好ましくは、第1の部分および第2の部分をともにロックし、したがって所定の閾値力、たとえば連結部が安定する力より大きい力が連結部に作用しない限り、第1の部分および第2の部分がともに動き、たとえば回転する。この場合、閾値力は、用量設定および用量送達中に発生する通常の力より大きいものとすることができる。すなわち、たとえば用量設定および/または用量送達のためのハウジング10に対するユーザインターフェース部材の通常の動きの間、力感応連結部は安定しており、力またはトルクを伝達することができる。特に、閾値力またはトルクを下回る力またはトルクがかけられた場合、第1の部分および第2の部分は単一の部材として作用する。しかし、閾値力またはトルクより大きい力またはトルクが連結部にかけられた場合、連結部は解放され、第1の部分が第2の部分に対して動くことができる。力感応連結部は、好適には、連結部に作用する力またはトルクが閾値力またはトルクを超過しない限り、第1の部分1603および第2の部分1604が同速度で回転するように構成される。この閾値力またはトルクを超過したとき、連結部を解放することができ、第1の部分1603と第2の部分1604との間に相対回転が生じることができる。特にこの場合、設定面1610を示す第1の部分1603を第2の部分1604に対して回転させることができる。この相対回転を使用して信号送信ユニット1300をトリガし、電子システムをより高い電力消費の状態に切り換えるための信号を提供することができる。力感応連結部1690は、第1の部分の接続機能および第2の部分の接続機能が相互作用、たとえば係合して、力感応連結部を確立することによって形成することができる。力感応連結部1690は、図7Bでは、第1の部分1603上の突起が第2の部分1604上の窪みに係合することによって非常に概略的に示されている。しかし、さらなる構成も可能であり、この実装例は単なる一例であることを理解されたい。
力感応連結部は、好適には、通常の設定事象中に発生する力またはトルクが、ユーザインターフェース部材1600から用量設定および駆動機構へ、たとえばユーザインターフェース部材を接続することができる前述の部材3010(たとえば、図4A参照)へ、連結部を介して伝達されるように寸法設定される。力感応連結部を介して伝達される力またはトルクは、用量が設定されるまでユーザインターフェース部材1600を用量設定方向に回転させるために必要とされる力またはトルクとすることができ、用量設定方向は、図示の設定では、送達面1620の上面図に見られるように、時計回りになるはずである。また、用量設定方向とは反対の方向における回転を伴う事前に設定された用量を取り消しまたは低減させるための力またはトルクが、好適には、力感応連結部を介して伝達される。すなわち、第1の部分1603および第2の部分1604は、用量設定および事前に設定された用量の取消しまたは低減のために、力感応連結部によって回転不能にロックされる。起動動作の場合、力感応連結部は解放される。
力感応連結部は、0.05Nmより小さいもしくはそれに等しいまたは0.04Nmより小さいもしくはそれに等しい力または関連するトルクを伝達することができる。トルクは、0.005Nmより大きいものとすることができる。これらの力またはトルクは、用量設定動作、たとえば用量の設定、設定された用量の調整、または設定された用量の取消しに典型的である。典型的なダイヤル設定または設定力またはトルクは、たとえば図1に関連して論じたデバイス(ユニット)の場合、0.014Nm~0.03Nmの範囲である。したがって、指定された領域または範囲内の力またはトルクが設定面に印加された場合、第1および第2の部分の相対回転運動を伴うことなく、力感応連結部を介してこれらの力またはトルクを伝達することができる。より大きい力またはトルクが印加された場合、これにより第1の部分と第2の部分との間の相対運動が生じる。
第1の部分1603と第2の部分1604との間の相対回転を有効にするためには、力感応連結部1690を解放することができる。連結部は、0.05Nm、0.06Nm、0.07Nm、0.08Nm、0.09Nm、0.1Nmの値のうちの1つより大きいまたはそれに等しい力または関連するトルクが力感応連結部に作用するときにのみ解放することができる。
使用者によって用量が設定されていないユーザインターフェース部材の初期位置(ゼロ用量位置)では、ハウジング10および/または薬物送達デバイスの別の構成要素もしくは部材に対する用量設定方向とは反対の方向におけるユーザインターフェース部材1600の回転を、止め係合によって防止することができる。この係合は、ゼロ単位止めまたはゼロ用量止めと呼ばれることが多い。この実施形態では、ユーザインターフェース部材1600の第2の部分1604、またはその部分に接続された部材、たとえば用量設定および駆動機構の部材3010を介して、止め係合を実装することができ、または止め係合が実装される。止め係合は、図7Cに非常に概略的に示されている。ここで、部分1604または部材3010の停止機構が、用量設定中または少なくとも用量設定の始めに、用量設定方向とは反対の方向における回転に逆らって、ハウジング10またはハウジング10に回転不能にロックされるデバイスの別の構成要素上に設けることができる対応する停止機構に当接する。この配置では、用量設定方向は時計回り方向であり、部分1604/部材3010はハウジング上の対応する停止機構から離れる方へ回転させられるはずである。第1の部分の静止位置で止め係合を確立することができる。使用者が、図示の構成で用量設定方向とは反対の方向、すなわち反時計回りにユーザインターフェース部材を回転させようと試行したとき、第2の部分1604は、止め係合のためにその回転に追従することが防止される。したがって、使用者が設定面1610を介して力またはトルクをかけ、その使用者がかけた力またはトルクが、力感応連結部1690を介して伝達することができる閾値力またはトルクを超過した場合、第1の部分1603は第2の部分に対して回転する。この回転を使用して、スイッチ1685をトリガすることができる。たとえば静止位置もしくはゼロ用量位置からから離れる方向および/または用量設定方向とは反対の方向への第2の部分に対する第1の部分の回転は、たとえば回転止め係合によって制限することができ、回転止め係合は、第1の部分上の1つの機能が第2の部分上の1つの機能に回転不能に係合することによって形成することができる(明示的には図示せず)。用量設定方向とは反対の方向に第2の部分を回転させることができないため、回転止め係合が確立されたときは、第1の部分もまた、その方向に回転させることができなくなる。
ユーザインターフェース部材1600の第1の部分1603は、トリガ機能1689を含む。この機能は、図示の実施形態では突起として、たとえば自由遠位端を有する突起など、軸方向に向けられた突起として実装される。このトリガ機能は、第1の部分が第2の部分に対して動くとき、スイッチ1685に対して動くことができ、スイッチと直接相互作用して(図示せず)、またはさらなる機能を介して間接的に相互作用して、スイッチ1685をトリガする。第2の部分に対する第1の部分の相対回転運動が、スイッチをトリガするためのさらなる機能の軸方向運動に変換されるように、第1の部分を第2の部分に連結することができる。
図示の実施形態では、可撓アーム1688、たとえばスイッチ1685をトリガするためのトリガアームが設けられる。アームは、スイッチをトリガするために軸方向に変位させられるさらなる機能とすることができる。アームは、図示の実施形態では、第2の部分1604に固定して接続または一体化される。アームは、角度方向に向けることができる。アーム1688は、好適には、たとえばトリガ機能1687との接触を介してスイッチをトリガするために、たとえば軸方向に変位可能または変形可能である。アーム1688は、静止位置から信号送信位置への第2の部分1604に対する第1の部分1603の回転方向、たとえば用量設定方向とは反対の方向に、アームの範囲を定める自由端を有する。アーム1688は、好ましくは、スイッチ1685のトリガ機能1687と相互作用するように設計される。第1の部分1603がアームの自由端の方へ、図示の構成では反時計回りに回転するとき、アーム1688は軸方向に、たとえば遠位に偏向し、それによってスイッチ1685をトリガする。
アーム1688は、好ましくは弾性変位可能であり、したがって使用者がユーザインターフェース部材を解放したとき、弾性回復力を使用して、その元の位置を再確立することができ、かつ/または力感応連結部を再確立することができる。すなわち、付勢により第1の部分を第2の部分に対してその静止位置へ動かすことができ、したがってたとえば使用者が設定面1610を解放したとき、ユーザインターフェース部材の初期状態が再確立される。別法として、力感応連結部または初期状態を再確立するための別の付勢機構、たとえば別個のばね機構を提供することもできる。また、スイッチのトリガは、異なる機構によって、そのトリガ機能1687などの第1の部分のトリガ機能がスイッチと相互作用することを介して直接など、実現することができる。アーム1688が第1の部分1603に固定して接続または一体化された構造を実装することもできることが理解されよう。
スイッチ1685がトリガされた後、対応する信号を電子制御ユニット1100によって検出することができ、電子制御ユニット1100は、たとえば用量設定および/または投薬動作がすぐに予期されるため、運動感知ユニットをより高い電力消費の状態に切り換えるためのコマンドを発行することができる。すなわち、この場合、ユーザインターフェース部材が初期位置にあるときに、用量設定方向とは反対の方向にユーザインターフェース部材を回転させようと試行することを使用して、起動プロンプトまたは使用信号を生成することができる。運動感知ユニットがより高い電力消費の状態に切り換えられた後、所定の時間間隔内に、たとえば30秒以内に、運動感知ユニットによって動きが検出されなかった場合、不必要な電力消費を回避するために、電子システムが前に有した状態に電子システムを再び切り換えることができ、たとえば再びオフに切り換えることができる。
一実施形態では、電子システムは、所定の時間より大きい時間の間、たとえば3秒以上または5秒より大きい時間の間、第1の部分が静止位置から離れて、たとえば信号送信位置で維持されたときのみ、より高い電力消費の第2の状態に切り換えられる。したがって、電子制御ユニット、またはシステムの別のユニットは、信号送信ユニットによって生成される信号の時間特性、たとえば信号継続時間または2つの連続する信号間の時間を評価することができる。この時間特性が、所定の時間より大きい時間の間、第1の部分が静止位置から離れていたことを示す基準を満たした場合、システムを第2の状態に切り換えることができる。所定の時間を使用することは、起動動作を特徴付けるのに特に適している。電子制御ユニットは、時間特性の評価により、所定の時間を超過する時間の間、第1の部分が静止位置から離れていたおよび/または信号送信位置にあったことが示される場合にのみ、システムを第2の状態に切り換えるための、たとえば通信ユニットおよび/または運動感知ユニットを起動するための、信号またはコマンドを発行することができる。たとえば、所定の時間を使用して、起動動作と用量動作を区別することができる。所定の時間が使用される場合、起動動作に必要とされる力を、用量動作に必要とされる力、たとえば用量設定動作のための力と同様またはさらにはそれより小さいものとすることができることが容易になる。この実施形態では、用量設定方向とは反対の回転によって使用者が力感応連結部を解放するためにかけなければならない力は、第1の部分および第2の部分を用量設定方向に動かすことによって用量を設定するために必要とされる力と同じまたはそれより小さいものとすることができる(図7A~図7Cで、設定方向は、第1の部分および第2の部分を信号送信位置から離れる方へ動かすための方向である)。起動動作を使用して、通信ユニットによる同期動作を手動でトリガすることができる。
記載する時間ベースの手法は、この実施形態に制限されるものではなく、特により高い電力消費の状態へのシステムの切換えをトリガするために、用量動作とは異なる起動動作が使用される場合、他の実施形態でも同様に適用することができることに留意されたい。たとえば、起動動作は、たとえば図4A~図4Hに示す設定において、たとえばゼロ用量が設定されるとき、または用量送達動作を開始するために必要とされる力より小さい力によって、送達面1620が押下され、所定の時間の間、保持される動作とすることができる。同じことが、起動動作のための用量設定方向とは反対の回転にも当てはまり、第1の部分は、システムが第2の状態に切り換えられる前に、所定の時間の間、静止位置から離して保持する必要がある。別法または追加として、図4A~図4Hで、信号を生成するために、たとえば起動動作のために、かつ/またはゼロ用量設定位置において、用量設定方向とは反対の回転が使用される場合、そのための力は、用量設定のための力に類似したものとすることができる。信号生成に必要とされる回転角度は、1単位設定増分に対応する角度より大きいものとすることができ、かつ/または10°、15°、17°、20°より大きいもしくはそれに等しいものとすることができる。より大きい回転角度を有することで、信号が偶発的に生成される可能性が低くなる。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C(エフペグレナチド)、HM-15211、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9423、NN-9709、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、ZP-DI-70、TT-401(ペガパモドチド(Pegapamodtide))、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、チルゼパチド(LY3298176)、バマドゥチド(Bamadutide)(SAR425899)、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))、またはアルポート症候群の治療のためのRG012である。
DPP4阻害剤の例は、リナグリプチン、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、製法、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本発明はそのような修正例およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
例示的な薬物送達デバイスは、ISO11608-1:2014(E)の第5.2章の表1に記載されている針ベースの注射システムを含むことができる。ISO11608-1:2014(E)に記載されているように、針ベースの注射システムは、複数用量の容器システムおよび単一用量(一部または完全排出)の容器システムに広く区別することができる。容器は、交換可能な容器または一体化された交換不能の容器とすることができる。
ISO11608-1:2014(E)にさらに記載されているように、複数用量の容器システムは、交換可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムでは、各容器が複数の用量を保持し、用量のサイズは、固定または可変(使用者によって事前設定される)とすることができる。別の複数用量の容器システムは、一体化された交換不能の容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムでは、各容器が複数の用量を保持し、用量のサイズは、固定または可変(使用者によって事前設定される)とすることができる。
ISO11608-1:2014(E)にさらに記載されているように、単一用量の容器システムは、交換可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムに対する一例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積全体が排出される(完全排出)。さらなる例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積の一部分が排出される(一部排出)。やはりISO11608-1:2014(E)に記載されているように、単一用量の容器システムは、一体化された交換不能の容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことができる。そのようなシステムに対する一例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積全体が排出される(完全排出)。さらなる例では、各容器が単一の用量を保持し、それによって送達可能な体積の一部分が排出される(一部排出)。
保護範囲は、本明細書に上述した例に限定されるものではない。本明細書に開示する発明は、各々の新規な特性および各々の特性の組合せで実施され、そのような特性は特に、その構成または構成の組合せが特許請求の範囲または例に明示的に記載されていない場合でも、特許請求の範囲に記載する構成のすべての組合せを含む。
1 注射デバイス、薬物送達デバイス、またはデバイスユニット
10 ハウジング
12 投与量ノブ
11 注射ボタン
13 窓
14 容器
15 針
16 内側ニードルキャップ
17 外側ニードルキャップ
18 キャップ
70 ダイヤルまたは数字スリーブ
71a~71c 形成物
1000 電子システム
1100 電子制御ユニット
1200 運動感知ユニット
1300 信号送信ユニット
1310 スイッチ
1400 通信ユニット
1500 電源
1600 ユーザインターフェース部材
1601 部材
1602 部材
1603 部分
1604 部分
1605 ユーザインターフェース部材本体
1606 接続部分
1607 空間
1608 案内機能
1609 案内機能
1610 設定面
1613 軸
1615 接続機能
1620 送達面
1650 送達スイッチ
1655 インターフェース機能
1657 トリガ機能
1660 設定スイッチ
1665 インターフェース機能
1667 トリガ機能
1670 領域
1675 空間
1680 領域
1685 スイッチ
1687 トリガ機能
1688 アーム
1689 トリガ機能
1690 力感応連結部
3000 導体キャリア
3005 導体キャリア
3010 部材
3020 インターフェース
3030 空間

Claims (16)

  1. 薬物送達デバイス(1)のための電子システム(1000)であって:
    用量動作、たとえば薬物送達デバイスによって送達予定の薬物の用量を設定するための用量設定動作、および/または設定された用量を送達するための用量送達動作を実行するために、使用者によって操作されるように構成された少なくとも1つのユーザインターフェース部材(1600)と、
    該電子システムの動作を制御するように構成された電子制御ユニット(1100)であって、該電子システムが第1の状態および第2の状態を有し、該電子システムが、第1の状態に比べて第2の状態で大きい電力消費を有する、電子制御ユニットと、
    ユーザインターフェース部材が操作されていることを示す電気信号を提供するように構成された電気信号送信ユニット(1300)とを含み、ここで、
    電子制御ユニットは、電気信号に応答して、該電子システムを第1の状態から第2の状態に切り換えるように構成され、
    ユーザインターフェース部材は、第1の部分(1603)および第2の部分(1604)を含み、第1の部分は、第2の部分に対して該第1の部分の静止位置から該第1の部分の信号送信位置へ可動であり、信号送信ユニットは、静止位置から信号送信位置への第2の部分に対する第1の部分の動きに応答して、電気信号を提供するように構成されている前記電子システム。
  2. 静止位置から信号送信位置への第1の部分(1603)の動きは、第2の部分に対する第1の部分の回転運動を伴う、
    請求項1に記載の電子システム。
  3. 電子制御ユニット(1100)は、第2の部分に接続されている、
    請求項1または2に記載の電子システム。
  4. 第1の部分(1603)および第2の部分(1604)は、用量動作中、機械的相互接続(1606、1690)によって恒久的に直接、機械的に相互接続されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の電子システム。
  5. 機械的相互接続は、第1の部分および第2の部分と一体形成された少なくとも1つの接続機能(1606)を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の電子システム。
  6. 接続機能(1606)は、静止位置から信号送信位置への第2の部分(1604)に対する第1の部分(1603)の動きを可能にするために可撓性を有する、
    請求項5に記載の電子システム。
  7. 機械的相互接続は、機械的相互接続(1690)を確立するために、互いに相互作用する第1の部分(1603)の少なくとも1つの接続機能(1689)および第2の部分(1604)の少なくとも1つの接続機能(1688)を含む、
    請求項4に記載の電子システム。
  8. 機械的相互接続(1690)は、静止位置から信号送信位置への第1の部分(1603)の動きを伴う起動動作を行うために解放可能であり、起動動作は用量動作とは異なる、
    請求項7に記載の電子システム。
  9. 機械的相互接続(1690)は、用量動作を実行するために使用者がユーザインターフェース部材(1600)によって第1の部分(1603)にかけなければならない力またはトルクが、第1の部分を静止位置から信号送信位置へ動かすために使用者が第1の部分にかけなければならない力またはトルクより小さくなるように構成されている、
    請求項7または8に記載の電子システム。
  10. 第2の部分(1604)は、第1の部分が静止位置から信号送信位置の方へ動かされたとき、停止機構に当接するように構成されている、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の電子システム。
  11. 静止位置は用量非設定位置である、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の電子システム。
  12. 信号送信ユニット(1300)は電気スイッチ機構を含み、該電気スイッチ機構は、第1の部分(1603)が第2の部分(1604)に対して静止位置から信号送信位置へ動かされたときにトリガされ、電気信号を提供するように構成されている、
    請求項1~11のいずれか1項に記載の電子システム。
  13. 電子システム(1000)は、ユーザインターフェース部材の第1の部分が、所定の時間を超過する時間の間、静止位置から離して保持されているときのみ、該電子システムが第1の状態から第2の状態に切り換えられるように構成されている、
    請求項1~12のいずれか1項に記載の電子システム。
  14. 第1の部分(1603)が信号送信位置にあるとき、第1の部分は、ユーザインターフェース部材(1600)の付勢機構(1688)によって静止位置の方へ付勢されている、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の電子システム。
  15. 電子システム(1000)は、薬物送達デバイスユニット(1)のための付属モジュールとして構成されている、
    請求項1~14のいずれか1項に記載の電子システム。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載の電子システムと、薬物を有するリザーバとを含む薬物送達デバイス。
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