JP2023522397A - 電子モジュールおよび薬物送達デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、薬物送達デバイス(1)に解放可能に取り付けるための電子モジュール(11)、およびそのような薬物送達デバイスに関する。モジュール(11)は、専用の薬物送達デバイス(1)の対応するデバイスロックアウト成形部(21)と嵌合当接するように適用された少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部(323)を含むことがある。さらに、モジュール(11)は、薬物送達デバイス(1)へモジュール(11)を解放可能に取り付けるための少なくとも1つの取付け要素(324)を含むことがある。さらに、モジュール(11)は、光源(121)から薬物送達デバイス(1)の反射面(24)に、および前記反射面(24)から光検出器センサ(122)に光ビームを案内するための少なくとも1つのライトパイプ(325)を含むことがある。さらに、モジュール(11)は、光源(141)からの光ビームを、光を放出するように適用された前記構成要素のユーザフィードバック面(322)に案内するための少なくとも1つのライトガイド(321)を含むことがある。さらに、モジュール(11)は、少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアーム(326)を含むことがある。構成要素(320)は、ポリカーボネート材料から射出成形された一体構成部材でよい。【選択図】図3

Description

本発明は、一般に、薬物送達デバイス用の電子システム、たとえばモジュールを対象とし、より詳細には、複数の機能を有するそのようなモジュールの構成部材を対象とする。本発明はさらに、好ましくはそのような電子モジュールを含む薬物送達デバイスに関する。
ペン型薬物送達デバイスは、正式な医療訓練を受けていない人が定期的に注射を行う用途で用いられる。これは、糖尿病患者においてますます一般的になる可能性があり、自己治療により、そのような患者は自分の病気の効果的な管理を行うことができる。実際には、そのような薬物送達デバイスにより、使用者は、薬剤の多数の使用者可変用量を個別に選択して投薬することができる。
基本的に、薬物送達デバイスには2種類ある:再設定可能なデバイス(すなわち再使用可能)と再設定可能でないデバイス(すなわち使い捨て)とである。たとえば、使い捨てペン送達デバイスは、自己完結型デバイスとして供給される。そのような自己完結型デバイスは、着脱可能な充填済みカートリッジを有さない。充填済みカートリッジは、デバイス自体を破壊しない限り、これらのデバイスから取り外して交換することはできない。したがって、そのような使い捨てデバイスは、再設定可能な用量設定機構を有する必要がない。本発明は、使い捨ておよび再使用可能なデバイスに適用可能である。
そのようなデバイスに関して、ダイヤル設定された、および/またはペンから送達された用量を記録する機能は、記憶の補助として、または用量履歴の詳細なログ記録をサポートするために、多くのデバイス使用者に有益でありうる。したがって、電子機器を使用する薬物送達デバイスは、製薬業界においてだけでなく、使用者または患者にもますます人気が高まっている。
たとえば、特許文献1から、電子クリップオンモジュールを含む薬物送達デバイスが知られている。クリップオンモジュールは、プロセッサに電力供給するバッテリと、プロセッサによって制御されるさらなる構成要素とを含み、そのような構成要素は、たとえば光源、光度計、音響センサ、音響信号発生器、ワイヤレスユニット、たとえばワイヤレス方式で他のデバイスとの間で情報を送信および/または受信するように構成されたBluetooth(登録商標)トランシーバである。
しかし、特にデバイスが自己完結型に設計されている場合、すなわち、デバイスの動作用の電力を供給するのに必要な電源への接続用のコネクタがない場合、デバイスに統合された電源のリソースの管理が特に重要である。
公開されていない特許文献2および特許文献3は、電力管理が改良された薬物送達デバイス用の電子システムの有利な実施形態を開示する。これらの電子システムは、電子システムの電力消費機能を起動/起動停止するためのスイッチアセンブリを含む。薬物送達デバイスに関連する電子システムの動作原理の開示に関して、これら2つの特許文献を参照する。
薬物送達デバイスと共に使用するための電子モジュールのさらなる例は、特許文献4に記載されている。ダイヤル設定または投薬された用量を検出するために、このモジュールは、2つの光学センサを有するエンコーダシステムを含み、各光学センサは、送信部分、たとえばLEDと、対応する受信部分、たとえばフォトダイオードとからなる。センサの送信部分によって放出される光、たとえばIR光は、モジュールのシャーシ部分から、薬物送達デバイスの回転可能な数字スリーブの近位端に形成された歯のリングの近くまで延びるライトパイプを通して案内される。光は、センサとは反対側の端部でライトパイプから出て、ライトパイプに対する歯の回転位置に応じて、数字スリーブの歯によって反射されてライトパイプに戻り、ライトパイプは、反射された光ビームをセンサの受信部分に案内する。ライトパイプは、ガラスまたはポリカーボネートで作られる。薬物送達デバイスに関連するエンコーダシステムの動作原理の開示に関して、この特許文献を参照する。
公開されていない特許文献5および特許文献6は、ライトパイプを含むシャーシを有する光学センサを含むエンコーダシステムを有する薬物送達デバイス用の同様のモジュールを開示している。特許文献5および特許文献6では、電子モジュールは、薬物送達デバイスに取り外し可能に取り付けられるように構成され、それぞれの締結要素を含む。専用の電子モジュールを特定の薬物送達デバイスに提供することによって、電子モジュールと薬物送達デバイスとの誤ったペアリングのリスクが最小限に抑えられる。
そのような薬物送達デバイスは通常、大量生産され、したがって製造コストを適度に低く抑えるために、効率的であり簡単な組立てが重要な問題となる。
欧州特許出願公開第2814545号 欧州特許出願第20315066.9号 欧州特許出願第20315357.2号 国際公開第2019/101962号 国際特許出願PCT/EP2020/085728号 国際特許出願PCT/EP2020/085729号
本開示の目的は、適度な製造および組立て労力を実現する、薬物送達デバイスと共に使用される電子モジュールの改良を提供することである。
この目的は、たとえば独立請求項で定義される主題によって解決される。有利な実施形態および改良形態は、従属請求項の対象である。しかし、本開示は、添付の特許請求の範囲で定義される主題に限定されないことに留意されたい。本開示は、以下の説明から明らかになるような、独立請求項で定義された形態に対する追加または代替としての改良も含むことができる。
本開示の一態様は、薬物送達デバイスでの使用に適した電子モジュールに関する。そのような薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスによって送達予定の用量を設定するための用量設定動作と、設定された用量を送達するための用量送達動作とを行うように構成された用量設定および駆動機構を含むことがある。電子モジュールは、好ましくは、少なくとも1つのプロセッサ、たとえばマイクロコントローラと、センサ装置と、ワイヤレス通信インターフェースを有する通信ユニットと、少なくとも1つの電子ユーザフィードバック発生器と、測定データを記憶するためのメモリと、少なくとも1つのマイクロコントローラに接続された電源とを含む。
本開示の一態様によれば、電子モジュールは、薬物送達デバイスへの解放可能な取付けに適している。モジュールは、モジュールのシャーシでありうる構成要素を含む。電子モジュールは、キャップと、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)と、電源とをさらに含むことがある。たとえば、構成要素は、キャップにしっかりと取り付けられ、キャップ内でPCBAを支持するシャーシである。このシャーシ構成要素は、いくつかの異なる機能を有することができ、それにより、モジュールに必要な構成部材の数を減らす。これにより、製造および組立て時間が短縮され、コストが抑えられる。以下では、構成部材を主にシャーシ構成部材と呼ぶが、構成部材がたとえばPCBAを支持するためのシャーシであるという機能は必須ではない。本開示は、シャーシ機能を有することができるかどうかに関係なく、すべてのタイプの構成部材を含む。
以下に挙げるシャーシ構成要素のすべての構成および機能は、シャーシ構成要素に一体に実装することができるが、本開示はそのような実施形態に限定されない。本開示によれば、シャーシ構成要素は、以下の独立した構成および機能のうちの1つだけ、好ましくは少なくとも2つを含むことができる。
本開示の第1の独立した態様によれば、モジュールのシャーシ構成要素は、専用の薬物送達デバイスの対応するデバイスロックアウト成形部と嵌合当接するように適用された少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部を含むことがある。言い換えると、電子モジュールは、機械的コーディング機能としてのモジュールロックアウト成形部を含むことがあり、専用の薬物送達デバイスの近位端に提供される機械的対向コーディング機能としての対応するデバイスロックアウト成形部と係合する。専用の薬物送達デバイスという用語は、本開示では、薬物送達デバイスがそれぞれのモジュールと合致または嵌合することを示すために使用される。
一般に、多数の電子モジュールのキットが提供され、電子モジュールは、それぞれのモジュールロックアウト成形部(機械的コーディング)によって区別される。第1の電子モジュールの第1の機械的コーディングは、第2の電子モジュールの第2の機械的コーディングと異なる。たとえば、第1の機械的コーディングまたは第1のモジュールロックアウト成形部は、第1の突起および第1の凹部のうちの少なくとも1つを含む。第2の機械的コーディング機能または第2のモジュールロックアウト成形部は、第2の突起および第2の凹部のうちの少なくとも1つを含む。第1の突起の幾何学的形状は、第2の突起の幾何学的形状と異なることがある。追加または代替として、長手方向に対して横方向の平面での第1の突起の位置は、横方向平面での第2の突起の位置と異なる。同じことが、第1および第2の電子モジュールの第1および第2の凹部にも当てはまる。さらに、本開示はまた、対応するデバイスロックアウト成形部または機械的(対向)コーディングが異なる1組の薬物送達デバイスに関する。少なくとも、第1の対応するデバイスロックアウト成形部または第1の機械的対向コーディングを有する第1の薬物送達デバイス、および第2の対応するデバイスロックアウト成形部または第2の機械的対向コーディングを有する第2の薬物送達デバイスが提供される。第1のモジュールロックアウト成形部は、第1の対応するデバイスロックアウト成形部と合致、すなわち嵌合するが、第2の対応するデバイスロックアウト成形部とは合致しない。同様に、第2のモジュールロックアウト成形部は、第2の対応するデバイスロックアウト成形部とのみ合致、すなわち嵌合するが、第1の対応するデバイスロックアウト成形部とは合致しない。第1および第2の薬物送達デバイスの第1および第2の機械的対向コーディングは、それぞれの対向コーディング機能の幾何学的形状および横方向位置のうちの少なくとも1つ、したがってそれらの形状、および/またはそれらの突起もしくは凹部の横方向位置が異なる。
機械的コーディングと対向機械的コーディングとの相互係合は、それぞれのロックアウト成形部が嵌合するとき、すなわち機械的コーディングが機械的対向コーディングと合致するとき、および電子モジュールが所定の締結構成で薬物送達デバイスの近位端に取り付けられているときに実現される。
本開示の第1の態様の例では、少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部は、前記専用の薬物送達デバイスのデバイスロックアウト成形部の対応する輪郭シートまたは突起と嵌合当接するように適用されたプロファイル突起またはシートを含む。より具体的には、本開示の一例では、薬物送達デバイスは、用量を選択するために回転可能であり、用量を投薬するために軸方向に変位するボタンを含む。そのようなボタンには、近位向きの端面に円形溝が設けられる。この溝は、モジュール、たとえば具体的にはモジュールのシャーシ構成要素の少なくとも1つ、たとえば2つの突起を受けるように適用される。これらの突起は、モジュールロックアウト成形部を構成する。溝は回転対称ではなく、対応するデバイスロックアウト成形部として1つまたはそれ以上の内部ブロック機能を含む。モジュールロックアウト成形部および対応するデバイスロックアウト成形部の設計は、使用者がモジュールを不適切なデバイスに取り付けようとした場合に、圧力が解放されるとすぐに容易に外れてしまうようなものである。
言い換えると、少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部は、嵌合不可の薬物送達デバイスへのモジュールの取付けを防止する。たとえば、電子モジュールが、薬物送達デバイスの対応するデバイスロックアウト成形部と合致しないモジュールロックアウト成形部を含む場合、ロックアウト成形部(コーディング機能)が周方向にずれて位置することがある。モジュールが薬物送達デバイスに完全に取り付けられる所定の締結構成では、たとえば、モジュールの締結要素が、薬物送達デバイスの対応する形状の対向締結要素と係合する場合、それぞれのロックアウト成形部は、嵌まり合うのに適した対向形状部を有さないことがある。したがって、それらは、薬物送達デバイスへの電子モジュールの適切な配置および組立てを阻止して妨げることがある。
シャーシ構成要素でのそのようなロックアウト成形部の代替として、キーイング/ブロック機能が、別個の構成要素、たとえば電子モジュールのケーシングもしくはキャップ、および/または電子モジュールの任意選択のアダプタに設けられる。キーイングおよび/またはブロック機能をケーシングおよび/またはシャーシ構成要素に連結するために、圧入、形状嵌合(form fit)、密着嵌合(snug fit)、圧力嵌め、または他の連結手段が使用される。
本開示の第2の独立した態様によれば、モジュールのシャーシ構成要素は、薬物送達デバイスへモジュールを解放可能に取り付けるための少なくとも1つの取付け要素を含むことがある。たとえば、薬物送達デバイスへモジュールを解放可能に取り付けるための少なくとも1つの取付け要素は、薬物送達デバイスの対応するスナップ凹部または突起と解放可能に係合するためのスナップ突起または凹部を有する少なくとも1つの弾性変形可能なアームを含む。一般に、電子モジュールは、同様または同一のタイプのいくつかの薬物送達デバイスと共に使用される。したがって、薬物送達デバイスへの電子モジュールの組立てまたは締結は、一時的な組立てに過ぎない。電子モジュールと薬物送達デバイスとの相互締結は、組立て前の構成から最終的な組立て構成への電子モジュールの遠位向き運動を必要とすることがあり、最終的な組立て構成は所定の締結構成でありうる。
言い換えると、電子モジュールは締結または取付け要素を含むことがあり、締結または取付け要素は、所定の締結構成で、薬物送達デバイスの相補形状の対向締結または取付け要素と機械的に係合するように構成される。締結または取付け要素および対向締結または取付け要素は、電子モジュールを薬物送達デバイスに取付け可能、連結可能、または接続可能である所定の締結構成を画成することがある。電子モジュールの締結または取付け要素の位置および/または幾何学的形状は通常、薬物送達デバイスの対向締結または取付け要素の幾何学的形状および/または位置と合致する。相互の組立て、したがって所定の締結構成での薬物送達デバイスへの電子モジュールの配置は、締結または取付け要素が相補形状の対向締結または取付け要素と機械的に係合することを必要とする。締結または取付け要素と相補形状の対向締結または取付け要素とが機械的に係合するとき、電子モジュールは、薬物送達デバイスに対して所定の向きおよび所定の位置にある。
締結または取付け要素は、クリップ機能を含むことがあり、対応するまたは相補形状の対向締結または取付け要素とのクリップ連結を形成することがある。したがって、薬物送達デバイスの対向締結または取付け要素もクリップ機能を含むことがあり、電子モジュールと薬物送達デバイスとのクリック連結に寄与することがある。他の例では、締結または取付け要素は、薬物送達デバイスの相補形状の対向締結または取付け要素との摩擦嵌めまたは圧力嵌めを確立するように構成される。
より具体的には、シャーシ構成要素は、シャーシ構成要素の内部リムから遠位方向に突出する取付け要素として2つの可撓性クリップを含むことがあり、これらのクリップは、薬物送達デバイスに対してモジュールを軸方向で保持し、回転不能に向きを定める。薬物送達デバイスは、2つの可撓性クリップがパチンと嵌まる2つのアパーチャを有するボタンを含むことがある。たとえば、シャーシ構成要素は、薬物送達デバイスのボタンの対応するスナップ凹部との係合に適した少なくとも1つ、たとえば2つの弾性的に偏向可能なスナップフックを有することがある。
シャーシ構成要素でのそのような取付け要素の代替として、締結機能が、別個の構成要素、たとえば電子モジュールのケーシングもしくはキャップ、および/または電子モジュールの任意選択のアダプタに設けられる。
本開示の第3の独立した態様によれば、モジュールのシャーシ構成要素は、光源から薬物送達デバイスの反射面に、および前記反射面から光検出器センサに光ビームを案内するための少なくとも1つのライトパイプを含むことがある。たとえば、少なくとも1つのライトパイプは、円錐台形状での突起でよい。代替として、少なくとも1つのライトパイプは、角錐台形状の突起でよい。さらなる代替形態は、円筒形状または細長い直方体形状を含むことがある。
少なくとも1つのライトパイプは、2つの向かい合う端面および少なくとも1つの側壁を有することがあり、2つの向かい合う端面のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの側壁の表面粗さよりも高い表面粗さを有する。これにより、端面を通る光の出入りが容易になり、光は少なくとも1つの側壁によって反射される。言い換えると、少なくとも1つのライトパイプは、全反射によって電磁放射を案内することができる境界面を含むことがある。
例示的実施形態では、ライトパイプの1つの端面は、ライトパイプの側面と同じ表面仕上げを有し、たとえば研磨されていることがあり、したがって、端面の1つのみが側壁よりも高い粗さを有する。表面仕上げの他の組合せも好適に使用することができる。
本開示の一例では、モジュールは、シャーシ構成要素の内側部分から軸方向で同じ方向に突出する少なくとも2つのライトパイプを含むことがある。より具体的には、ライトパイプは、円形リムまたはその一部分に配置され、薬物送達デバイスのボタンの円形溝のアパーチャに挿入される。ライトパイプは互いに平行でよく、および/またはライトパイプのそれぞれの中心軸が互いに平行でよい。
ライトパイプは、モジュールロックアウト成形部を越えて、および/または取付け要素を越えて軸方向に延びることがある。言い換えると、遠位方向でのライトパイプの長さは、モジュールが薬物送達デバイスに完全に取り付けられたとき、すなわちロックアウト成形部が係合し、および/または取付け要素が完全に連結された状態で、ライトパイプが薬物送達デバイスのボタンに入ることができるようなものでありうる。
ライトパイプの提供の代替として、光学センサがモジュール内に位置し、たとえばモジュールと薬物送達デバイスとのインターフェースの近くに位置するエンコーダがセンサによって検出される。
本開示の第4の独立した態様によれば、モジュールのシャーシ構成要素は、光源から、光を放出するように適用された前記構成要素のユーザフィードバック面に光ビームを案内するための少なくとも1つのライトガイドを含むことがある。ユーザフィードバック面は、発光領域、すなわちモジュールの外側から見える表面でよく、光信号を使用して、たとえばモジュールのステータスを示すことができる。ユーザフィードバック面は、たとえばシャーシ構成要素の外向きのライトリングの形状での環状を有することがある。
たとえば、少なくとも1つのライトガイドは、少なくとも1つの入口面を有する環状スカートと、環状スカートから径方向外向きのユーザフィードバック面とを含むことがある。少なくとも1つの入口面およびユーザフィードバック面は、環状スカートの表面粗さよりも高い表面粗さを有することがある。これにより、端面およびユーザフィードバック面を通る光の出入りが容易になり、光は環状スカートによって反射される。言い換えると、少なくとも1つのライトガイドは、全反射によって電磁放射を案内することができる境界面として環状スカートを含むことがある。
ライトパイプおよび/またはライトガイドの表面粗さは、光の入射および/または光の出射のために意図された領域、たとえばライトパイプの2つの向かい合う端面、またはライトガイドの入口面およびユーザフィードバック面は、表面仕上げとしてテクスチャ仕上げ、特にプラスチック工業会SPIのD3、D2、またはD1規格によるテクスチャ仕上げを有する。テクスチャ仕上げは、SPI-D3またはさらに細かいわずかな粗さまたは拡散性を有する仕上げでよく、たとえば、約1μm、特に光学センサとして適用される赤外線(IR)-発光ダイオード(LED)センサパッケージの中心波長にほぼ等しいフィーチャサイズを有することを特徴とする。ライトパイプでは、エンコーダの側面が鏡面仕上げを有することがある;エンコーダの側面は、反射防止コーティングを含むことがある。鏡面仕上げおよび反射防止コーティングは、干渉光を反射することができ、したがって干渉光がライトパイプに入るのを防ぐことができ、信号対雑音比を低下させることができる。
さらに、ライトパイプおよび/またはライトガイドの表面粗さは、光を案内するように意図された領域、たとえばライトパイプの側壁またはライトガイドのスカートが鏡面仕上げを有するように選択される。この仕上げは、全反射(TIR)およびライトパイプの効果を促進することができる。鏡面仕上げ面は、光の入射および/または光の出射のために意図された領域のテクスチャ仕上げと組み合わせて使用することができ、光の入射および/または光の出射のために意図された領域の粗さは、鏡面仕上げに比べて、たとえばエンコーダ側面でTIRの量を減少させる。光学案内手段、たとえばライトパイプおよび/またはライトガイドのさらなる例では、光を案内するように意図された領域は、1つまたはそれ以上のコーティングを含むことがあり、最も外側のコーティングが、案内される放射に対して不透明でよく、またはすべてのコーティングが、案内される放射に対して透明でもよく、透明コーティングそれぞれの光学屈折率は、シャーシ構成要素自体の光屈折率よりも小さい。これにより、たとえば少なくとも1つのライトパイプによる導光性をさらに改良することができ、たとえばライトパイプの外側からの干渉光の影響を低減することもできる。したがって、信号対雑音比を改良することができる。
電子モジュールでは、環状スカートは、光源、たとえばそれぞれのLEDを受けるためのそれぞれの凹部内にそれぞれ形成される少なくとも2つ、たとえば4つの入口面を含むことがある。本開示の一例では、ライトガイドを使用して、モジュールの異なる動作状態を示すことができる。そのような状態は、たとえばライトリングでのすべてのLEDのフラッシュによって、モジュールのワイヤレス通信インターフェースを介してモジュールが他の外部デバイスとの同期を試行している状態と、モジュールのワイヤレス通信インターフェースを介してモジュールが他の外部デバイスとのペアリングを試行している状態とを含むことがある。
シャーシ構成要素でのライトガイドの提供の代替として、モジュールは、外部から直接見える、または窓を通して見える1つまたはそれ以上の光源によって状態を示すこともできる。さらなる別のフィードバック代替形態は、音響発生器および/または振動モータを含むことがある。そのような他のユーザ信号は、モジュールによって提供されることがあり、たとえば、センサの動作、用量ダイヤル設定および/または用量投薬の開始および/または終了、滞留時間の満了などを示す。しかし、モジュール自体がユーザフィードバックを生成する必要はない。代替または追加として、そのようなフィードバックは、薬物送達デバイスによってさらに生成される。
本開示の第5の独立した態様によれば、モジュールのシャーシ構成要素は、少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアームを含むことがある。たとえば、少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアームが周方向に延びることがある。代替または追加として、少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアームは、自由端を含むことがあり、電子スイッチを作動させるためにシャーシ構成要素に対して偏向可能でありうる。
本開示は、薬物送達デバイス、たとえば注射デバイス用の再使用可能なクリップオンモジュールとして構成された電子符号化モジュールをウェイクする方法をさらに対象とする。この方法は、用量送達の開始時またはその直前に電子モジュールをウェイクする工程を含む。これは、できる限り短時間だけキャプチャシステムをアクティブにすることによって、電力消費を制限する。これは、IR-LEDセンサの電力消費が電子モジュールの総電力消費のかなりの部分を占める光学エンコーダなどのシステムに特に有用である。この方法は、用量投薬を開始するときに、注射デバイスのボタンがデバイスの静止構成部材、たとえばハウジングに対して軸方向に動かされるときに偏向されるスイッチアームによるスイッチの作動によって、モジュールをウェイクする工程をさらに含むことがある。そのようなウェイクスイッチの多数の実施形態がある。
本開示のさらなる独立した態様によれば、スイッチ、たとえば低力マイクロスイッチが、たとえばPCBAの遠位向きの側で電子モジュールの下側に取り付けられる。このマイクロスイッチは、そのスイッチング点を超えるオーバートラベルを有することがある。たとえば、Panasonic ESE 16J001などのスイッチが適していることがある。スイッチは、モジュールのシャーシ構成要素に形成された可撓性スイッチアームによって作動する。この可撓性スイッチアームは、注射デバイスのボタン構成要素の後部にある環状溝に嵌まるように構成され、ボタンは、電子モジュールへのインターフェースを形成するように意図されている。可撓性スイッチアームの機能は、ボタンのアパーチャを通過し、用量投薬の開始時に機構のクラッチ係合解除中に軸方向運動しない構成要素に接触するように設計される。たとえば、可撓性スイッチアームの機能は、注射ペンデバイスの駆動スリーブ構成要素を支承するように設計される。
言い換えると、用量投薬を開始するために電子モジュールの上面が軸方向に押されると、注射ペンのボタンが遠位運動してクラッチ機能を係合解除することがある。その結果生じる、電子モジュールと駆動スリーブとの相対運動により、シャーシ構成要素の可撓性スイッチアームが偏向し、PCBAの下側に取り付けられたマイクロスイッチを支承することがある。たとえば、マイクロスイッチは、短い行程の後(クラッチが完全に係合解除される前)に電子モジュールを切り替えてウェイクするように構成されるが、電子スイッチが作成された後、投薬ボタンのフルストロークがクラッチを係合解除できるように十分なオーバートラベルも許容しなければならない。
水および汚れの進入を防ぐために、モジュールは、PCBAと可撓性スイッチアームとの間に取り付けられたエラストマーシール構成要素を備えて構成される。エラストマー構成要素は、PCBAとシャーシ構成要素との間に圧縮面シールを形成し、水および汚れの進入を防ぐ。このエラストマーシール構成要素は、可撓性スイッチアーム(シャーシ構成要素に形成される)とマイクロスイッチ(PCBAに取り付けられる)との間に位置する。封止構成要素の可撓性により、封止構成要素は偏向し、軸方向負荷をスイッチアームからマイクロスイッチに伝達することができ、上述したようにウェイクスイッチの通常動作を可能にする。
弾性変形可能なスイッチアームの提供に対する代替として、スイッチがPCBAの近位端に位置し、すなわち薬物送達デバイスとは反対に面し、このスイッチは、用量投薬の開始時に使用者がキャップを押すときにキャップ内の弾性変形可能な部分によって作動する。さらなる代替形態は、光学センサを使用する、または薬物送達デバイスおよび/またはモジュールの他の構成部材に取り付けられた別個のスイッチアームによる、モジュールのウェイクを含む。
本開示の第6の独立した態様によれば、モジュールのシャーシ構成要素は、光、たとえば可視光および/またはIR光に対して高い透明性を有し、弾性変形を受けることがある、熱可塑性ポリマー材料から射出成形された一体構成部材でよい。たとえば、シャーシ構成要素は、射出成形プロセスによって、Covestro Makrolon 2458などのポリカーボネート材料から作られる。
本開示の第7の独立した態様によれば、シャーシ構成要素は、ユーザフィードバック面を除いて、キャップによって囲まれることがあり、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)および電源は、キャップと構成要素との間に挿間される。
本開示の第8の独立した態様によれば、シャーシ構成要素は、遠位端を形成する径方向に面するユーザフィードバック面を有する実質的に円筒形の外形を有することがあり、構成要素は、少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部を有する内側リムを含むことがあり、少なくとも1つの取付け要素および少なくとも1つのライトパイプは、リムから遠位方向に延び、少なくとも1つのカラー部分は、リムから近位方向に延びる。
センサ装置は、少なくとも1つのプロセッサに接続され、用量設定動作および/または用量送達動作を示す測定データを生成するように動作可能である。センサ装置は、1つまたはそれ以上の電気スイッチを含むことがあり、および/または、薬物送達デバイスの用量設定および駆動機構の1つまたはそれ以上の構成部材の動きを検出するための光学および/または静電容量および/または音響センサを含むことがある。一例では、センサ装置は、少なくとも1つの光源、たとえばLEDと、少なくとも1つの光センサ、たとえば光検出器とを含む。センサ装置は、公開されていないEP20315066.9およびEP20315357.2に記載されているように設計されて機能する符号化または動き感知ユニットの一部であってよく、それらの特許文献の開示を参照によって本明細書に組み入れる。
ワイヤレス通信インターフェースを有する通信ユニットは、少なくとも1つのプロセッサに接続され、他のデバイスとの通信を確立し、データを他のデバイスに転送するように動作可能でありうる。ワイヤレス通信の確立は通常はデータの転送を含むが、本開示に関しては、たとえばアドバタイジングパケットのブロードキャスト、そのようなアドバタイジングパケットに関するスキャン、および2つのデバイスのペアリングのプロセスを含むことがある通信の確立は、データ転送自体とは区別されることがあり、データ転送は、ペアリングの成功後にのみ発生するものとして定義され、通常は手動同期および/またはペアリングなどのワイヤレス通信の確立と比較してかなり高いデータ転送量を含む。
他のデバイスと通信するための通信ユニットは、Wi-FiやBluetooth(登録商標)などのワイヤレスネットワークを介して他のデバイスと通信するためのワイヤレス通信インターフェースを含むことがある。さらに、通信ユニットは、ユニバーサルシリーズバス(USB)、ミニUSB、またはマイクロUSBコネクタを受け入れるためのソケットなど、有線通信リンクのためのインターフェースを含むことがある。好ましくは、電子システムは、通信ユニットとしてRF、WiFi、および/またはBluetooth(登録商標)ユニットを含む。通信ユニットは、モジュールまたは薬物送達デバイスと、他の電子デバイス、たとえば携帯電話、パーソナルコンピュータ、ラップトップなどの外部機器との通信インターフェースとして提供される。たとえば、測定データ、すなわち用量データは、通信ユニットによって外部デバイスに伝送される。用量データは、外部デバイスで確立された用量ログまたは用量履歴に使用される。以下、モジュールとスマートフォンとのBluetooth(登録商標)通信の例を参照して、ワイヤレス通信インターフェースについて述べる。しかし、これは、ワイヤレス通信の上述した代替形態を除外する限定事項として理解すべきではない。
測定データ、たとえば用量データを記憶するためのメモリは、別個のメモリでもよく、電子モジュールのメインメモリの一部でもよい。これらはプロセッサによって制御され、プロセッサは、たとえば、少なくとも1つのマイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などでよい。本開示の一態様によれば、プロセッサは、プログラムメモリに記憶されたプログラムコード(たとえばソフトウェアまたはファームウェア)を実行し、たとえば用量データなどの中間結果を記憶するためにメインメモリを使用する。メインメモリは、測定データに基づいて、実施された吐出/注射に関するログブックを記憶するために使用することもできる。プログラムメモリは、たとえばリードオンリメモリ(ROM)でよく、メインメモリは、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)でよい。
電源はプロセッサに接続され、電源によって、プロセッサ、および他の構成要素、たとえばセンサ装置、通信ユニット、および少なくとも1つの電子ユーザフィードバック発生器に電力供給する。電源は、再充電不可能であり、使用者による交換が不可能なコイン電池でよい。
ポッティングコンパウンドまたは充填層がシャーシおよび/またはPCBAに塗布され、PCBAの導電性領域へのダストおよび水の進入を防ぐ。
コイン電池は、シャーシ構成要素に取り付けられた電源クリップによってPCBAに固定および接続される。クリップは、付勢されていない(応力がかかっていない)状態では湾曲した形状を有することがあり、シャーシ構成要素に取り付けられるときに変形する。シャーシ構成要素は、クリップ、特にクリップの自由端を取り付けるための対応するスナップ機能を有することがある。クリップは、弾性変形可能であり導電性の材料、たとえば金属からなることがある。
追加または代替のスイッチがPCBAに提供されてもよい。このスイッチは、たとえば遠位スイッチ面と近位向きのボタン面との接触によって、モジュールがボタンに完全にかつ正確に取り付けられている場合に作動する。そのようなスイッチは、たとえばモジュールがデバイスに取り付けられていないときのモジュールの無電力またはスリープモードから、プロセッサまたはその構成要素を起動するために使用することができる。
本発明はさらに、上述した電子モジュールを含む薬物送達デバイスに関する。本開示のさらなる独立した態様によれば、薬物送達デバイスは、その近位端に位置するボタンを含むことがある。ボタンは、使用者が用量をダイヤル設定(選択)するために回転可能でよい。さらに、ボタンは、投薬ストロークを行うために軸方向に、たとえば遠位方向に変位可能でよい。一例では、ボタンは、電子モジュールを薬物送達デバイスに取り付けるように適用される。より具体的には、ボタンは、取付け機能、たとえば、モジュールの取付け機能を受け入れて係合するための1つまたはそれ以上のスナップ凹部を含むことがある。さらに、ボタンは、モジュールのロックアウト成形部と嵌合するように適用されたデバイスロックアウト成形部を含むことがある。これにより、デバイスへの不適切なモジュールの取付けを防止することができる。さらに、ボタンは、1つまたはそれ以上のライトパイプおよび/またはスイッチアームの一部分が薬物送達デバイスに入ることを可能にする1つまたはそれ以上のアパーチャを備えることがある。
薬剤を送達するための薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスによって送達予定の用量を設定するための用量設定動作と、設定された用量を送達するための用量送達動作とを行うように構成され、第1の部材を含む用量設定および駆動機構を含むことがある。この用量設定および駆動機構は、ボタンを含むことがある。薬物送達デバイスは、用量設定および駆動機構に解放可能に取り付けられた容器レセプタクルをさらに含むことがある。代替として、容器レセプタクルは、用量設定および駆動機構に恒久的に取り付けられる。容器レセプタクルは、薬剤を含む容器、たとえばカートリッジを受け入れるように適用される。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste 2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C(エフペグレナチド)、HM-15211、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9423、NN-9709、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、ZP-DI-70、TT-401(ペガパモドチド(Pegapamodtide))、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、チルゼパチド(LY3298176)、バマドゥチド(Bamadutide)(SAR425899)、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))、またはアルポート症候群の治療のためのRG012である。
DPP4阻害剤の例は、リナグリプチン、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本明細書で述べるAPI、製剤、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素の変更(追加および/または除去)を、本発明の全範囲および精神から逸脱することなく行うことができ、本発明が、そのような変更およびそのあらゆるすべての同等物を包含することを当業者は理解されよう。
薬物送達デバイスの一例は、ISO 11608-1:2014(E)のセクション5.2の表1に記載されている針ベースの注射システムを含むことがある。ISO 11608-1:2014(E)に記載されているように、針ベースの注射システムは、複数回用量容器システムと単回用量(部分的または完全な排出を伴う)容器システムに大きく区別される。容器は、交換可能な容器でも、一体化された交換不可能な容器でもよい。
ISO 11608-1:2014(E)にさらに記載されているように、複数回用量容器システムは、交換可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことがある。そのようなシステムでは、各容器は複数回分の用量を保持し、そのサイズは固定または可変(使用者によって事前設定される)でありうる。別の複数回用量容器システムは、一体化された交換不可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことがある。そのようなシステムでは、各容器は複数回分の用量を保持し、そのサイズは固定または可変(使用者によって事前設定される)でありうる。
ISO 11608-1:2014(E)にさらに記載されているように、単回用量容器システムは、交換可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことがある。そのようなシステムに関する一例では、各容器は単一の用量を保持し、送達可能な体積全体が排出される(完全排出)。さらなる例では、各容器は単一の用量を保持し、送達可能な体積の一部が排出される(部分排出)。さらにISO 11608-1:2014(E)に記載されているように、単回用量容器システムは、一体化された交換不可能な容器を有する針ベースの注射デバイスを含むことがある。そのようなシステムに関する一例では、各容器は単一の用量を保持し、送達可能な体積全体が排出される(完全排出)。さらなる例において、各容器は単一の用量を保持し、送達可能な体積の一部が排出される(部分的排出)。
本明細書で使用するとき、「軸方向」、「径方向」、または「周方向」という用語は、デバイス、カートリッジ、ハウジング、またはカートリッジホルダの主長手方向軸、たとえばカートリッジ、カートリッジホルダ、または薬物送達デバイスの近位および遠位端を通って延びる軸に関して使用される。
次に、本発明の非限定的な例示的実施形態を、添付図面を参照して述べる。
薬物送達デバイスの実施形態を示す図である。 薬物送達デバイス用の電子モジュールの実施形態を示す概略図である。 薬物送達デバイス用の電子モジュールの実施形態の概略断面図である。 薬物送達デバイスに取り付けられた図3の電子モジュールのさらなる概略断面図である。 図3の電子モジュールの概略斜視図である。 さらなる電子モジュールの概略斜視図である。 a~cは、図3の電子モジュールを取り付けるための薬物送達デバイスのボタンの実施形態の概略図である。 a、bは、図5bの電子モジュールのシャーシ構成要素の概略斜視図である。 様々なロックアウト成形部を示す表である。 電子モジュールの別の詳細の概略斜視図である。 応力がかかっていない状態、偏向された(取り付けられた)状態、シャーシへの取付け前、およびシャーシへの取付け後のクリップの概略図である。 応力がかかっていない状態、偏向された(取り付けられた)状態、シャーシへの取付け前、およびシャーシへの取付け後のクリップの概略図である。 応力がかかっていない状態、偏向された(取り付けられた)状態、シャーシへの取付け前、およびシャーシへの取付け後のクリップの概略図である。 応力がかかっていない状態、偏向された(取り付けられた)状態、シャーシへの取付け前、およびシャーシへの取付け後のクリップの概略図である。 薬物送達デバイスに取り付けられたさらなる電子モジュールの概略断面図である。
図面において、同一の要素、同一に作用する要素、または同種の要素には、同一の参照符号が付されていることがある。
以下、インスリン注射デバイスを参照していくつかの実施形態を述べる。しかし、本開示は、そのような用途に限定されず、他の薬剤を吐出するように構成された注射デバイス、または一般に薬物送達デバイス、好ましくはペン型デバイスおよび/または注射デバイスで同様に適切に展開することができる。
実施形態は、注射デバイス、特に、送達される用量に関する測定データを記録および/または追跡する可変用量注射デバイスに関して提供される。これらのデータは、選択された用量のサイズおよび/または実際に送達された用量のサイズ、投与日時、投与期間などを含むことがある。本明細書で述べる構成は、電力管理技法(たとえば、小型バッテリを容易に実現するため、および/または効率的な電力使用を可能にするため)を含む。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、注射ボタンおよびグリップ(用量設定部材または用量設定器)が組み合わされた欧州特許第2890435号に開示されている注射デバイスに関して示されている。注射ボタンは、薬物送達デバイスの用量送達動作を開始および/または実施するためのユーザインターフェース部材を提供することがある。グリップまたはノブは、用量設定動作を開始および/または実施するためのユーザインターフェース部材を提供することがある。どちらのデバイスもダイヤル伸長タイプであり、すなわち、それらの長さが用量設定中に増加する。用量設定および用量排出動作モード中のダイヤル伸長およびボタンの同じ運動学的挙動を有する他の注射デバイスは、たとえば、Eli Lillyによって販売されているKwikpen(登録商標)デバイスおよびNovo Nordiskによって販売されているNovopen(登録商標)4デバイスとして知られている。したがって、これらのデバイスへの全般的な原理の適用は容易にわかり、さらなる説明は省略する。しかし、本開示の全般的な原理は、上記の運動学的挙動に限定されない。いくつかの他の実施形態は、別個の注射ボタンおよびグリップ構成要素/用量設定部材があるSanofiのSoloSTAR(登録商標)注射デバイスへの適用が考えられる。したがって、2つの別個のユーザインターフェース部材が存在することがあり、一方は用量設定動作のためのものであり、他方は用量送達動作のためのものである。
「遠位」は、本明細書では、薬物送達デバイスもしくはその構成要素の投薬端に面するもしくは向くように配置されるもしくは配置されることになる、および/または近位端とは逆を向く、もしくは逆に面するもしくは逆に向くように配置されることになる方向、端部、または表面を指定するために使用される。他方、「近位」は、薬物送達デバイスまたはその構成要素の投薬端および/または遠位端とは逆に面するまたは逆に向くように配置されるまたは配置されることになる方向、端部、または表面を指定するために使用される。遠位端は、投薬端に最も近いおよび/または近位端から最も遠い端部でよく、近位端は、投薬端から最も遠い端部でよい。近位面は、遠位端とは逆向きである、および/または近位端に面していることがある。遠位面は、遠位端に面している、および/または近位端とは逆向きであることがある。投薬端は、たとえば、ニードルユニットがデバイスに取り付けられる、または取り付けられることになるニードルエンドでよい。
図1は、薬剤送達デバイスまたは薬物送達デバイスの分解図である。この例では、薬剤送達デバイスは、注射デバイス1、たとえば欧州特許第2890435号に開示されている注射ペンなどのペン型注射器である。
図1の注射デバイス1は、ハウジング10を含み、容器14、たとえばインスリン容器、またはそのような容器のためのレセプタクルを含む注射ペンである。容器は、薬物を含むことがある。針15は、容器またはレセプタクルに取り付けることができる。容器はカートリッジでよく、レセプタクルはカートリッジホルダでよい。針は、内側ニードルキャップ16と、外側ニードルキャップ17または別のキャップ18のいずれかとによって保護される。注射デバイス1から吐出予定のインスリン用量は、ボタンまたはダイヤルグリップ(投与量ノブ)12を回すことによって設定、プログラム、または「ダイヤルイン(dialled in)」することができ、現在プログラムまたは設定されている用量は、投与量窓13を通して、たとえば1単位の整数倍で表示される。窓に表示される印は、数字スリーブ23またはダイヤルスリーブ(図4に、歯24のリングによって部分的に示されている)に設けられる。たとえば、注射デバイス1がヒトインスリンを投与するように構成されている場合、いわゆる国際単位(IU)で投与量を表示することができ、1IUは、約45.5マイクログラムの純粋な結晶性インスリン(1/22mg)の生物学的等量である。インスリンアナログまたは他の薬剤を送達するための注射デバイスでは、他の単位を採用することもできる。選択された用量は、図1での投与量窓13に示されるものとは異なる形で同様に表示されてもよいことに留意されたい。
投与量窓13はハウジング10のアパーチャの形態でよく、ボタンまたはダイヤルグリップ12が回されるときに動くように構成されたダイヤルスリーブアセンブリの限定された部分を使用者が見ることができるようにし、現在設定されている用量の視覚的表示を提供する。ボタンまたはダイヤルグリップ12は、用量を設定するとき、ハウジング10に対して螺旋経路で回転される。
この例では、ボタンまたはダイヤルグリップ12は、データ収集デバイスの取付けを容易にするために1つまたはそれ以上の成形部を含む。特に、ボタンまたはダイヤルグリップ12は、電子(ボタン)モジュール11をボタンまたはダイヤルグリップ12に取り付ける、または一体化するように配置される。代替として、ダイヤルグリップは、電子システムのそのようなボタンモジュールを含むことがある。
注射デバイス1は、ボタンまたはダイヤルグリップ12を回すことにより機械的なクリック音が発生して、使用者に音響フィードバックを提供するように構成される。この実施形態では、ボタンまたはダイヤルグリップ12は、注射ボタンとしても機能する。針15が患者の皮膚部分に刺され、次いでボタンまたはダイヤルグリップ12および/または取り付けられたモジュール11が軸方向に押されると、表示窓13に表示されたインスリン用量が注射デバイス1から吐出される。ボタンまたはダイヤルグリップ12が押された後に注射デバイス1の針15が皮膚部分に一定時間留まると、用量が患者の体内に注射される。インスリン用量の吐出も機械的なクリック音を生じさせることがあり、このクリック音は、用量のダイヤル設定中にボタンまたはダイヤルグリップ12を回転させるときに生成される音とは異なることがある。
この実施形態では、インスリン用量の送達中、ボタンまたはダイヤルグリップ12は、回転することなく軸方向運動でその初期位置に戻され、一方、ダイヤルスリーブアセンブリは回転されてその初期位置に戻り、たとえばゼロ単位の用量を表示する。図1は、この0Uダイヤル設定状態での注射デバイス1を示す。すでに述べたように、本開示はインスリンに限定されず、薬物容器14内のすべての薬物、特に液体薬物または薬物製剤を包含すべきである。
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になる、または注射デバイス1内の薬剤の有効期限(たとえば最初の使用から28日後)に達するまで、複数回の注射プロセスに使用することができる。再使用可能なデバイスの場合、インスリン容器を交換することができる。
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、インスリン容器14および針15から空気を除去するために、たとえば2単位のインスリンを選択し、針15を上向きにした状態で注射デバイス1を保持しながらボタンまたはダイヤルグリップ12を押すことによって、いわゆる「プライムショット」を行う必要がありうる。提示を簡単にするために、以下では、吐出される量が注射される用量に実質的に対応し、たとえば注射デバイス1から吐出される薬剤の量が使用者によって受け取られる用量に等しいと仮定する。それにもかかわらず、吐出される量と注射される用量との差(たとえば損失)を考慮に入れる必要もありうる。
上で説明したように、ボタンまたはダイヤルグリップ12は注射ボタンとしても機能し、したがって、用量のダイヤル設定/設定と用量の投薬/送達とに同じ構成要素が使用される。代替として(図示せず)、ダイヤルグリップ12に対して少なくとも制限された距離だけ軸方向に変位可能である別個の注射ボタンを使用して、用量の投薬を実施またはトリガすることもできる。
以下では、本開示による電子モジュール11を、例示的実施形態に関して、図1~6を参照して述べる。図1では、電子モジュール11は、注射デバイス1の近位端に統合され、具体的にはダイヤルグリップ/用量ボタン12に統合されて示されている。代替として、電子モジュール11は、注射デバイス1に、たとえばグリップ/用量ボタン12に恒久的にまたは解放可能に取り付けられる別個の構成部材でもよい。
図2に示されるように、例示的な電子モジュールは、プロセッサ110と、センサ装置120と、通信ユニット130と、電子ユーザフィードバック発生器140と、メモリ150と、電源160とを含む。
図2に示される例では、センサ装置120は、プロセッサ110に接続され、用量設定動作および/または用量送達動作を示す測定データを生成するように動作可能である。このために、センサ装置は、一体となって光学センサを形成するLED121および光検出器122を含む。LED121および光検出器122に加えて、またはそれらの代替として、代替のセンサタイプを実装することができる。そのような代替のセンサタイプには、限定はしないが、光学センサ、音響センサ、静電容量センサ、電気スイッチが含まれることがある。
通信ユニット130は、プロセッサ110に接続され、他の(外部)デバイス、たとえばスマートフォン200との通信を確立するように動作可能なワイヤレスBluetooth(登録商標)通信インターフェースを含む。さらに、通信ユニット130は、データ、たとえば測定データを前記他のデバイス200に転送するように動作可能である。
電子ユーザフィードバック発生器140は、プロセッサ110に接続され、使用者へのフィードバック信号を生成するように動作可能である。図2の例示的な配置では、電子ユーザフィードバック発生器140は、光フィードバック信号を生成するためのLED141を含む。LED141に加えて、またはLED141の代替として、電子ユーザフィードバック発生器140は、サウンダおよび/または振動モータを含むことがある。
メモリ150は、測定データを記憶するように適用され、プロセッサ110に接続される、またはプロセッサ110に統合される。電源160は、プロセッサ110に接続される。たとえば、電源160は、再充電不可能であり、使用者による交換が不可能なコイン電池である。
ここで図3~7bを参照すると、電子モジュール11は、キャップ310と、内部構成部材320、たとえばシャーシ構成要素と、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)330と、コイン電池の形態での電源160とを含む。
キャップ310は、閉じた近位端(図3および4での上端)と、鋸歯状または同様の表面構造を有することがある閉止スカートと、薬物送達デバイス1に面する開いた遠位端とを有するカップ形状の構成要素でありうる。キャップは、モジュール11のための外殻を形成し、PCBA330と、コイン電池160と、構成要素320の少なくとも一部分とを収容する。
図7aおよび7bに異なる側から示されている構成要素320は、透明な材料から形成され、たとえばポリカーボネート材料から射出成形される。構成要素320は外側スカート321を有し、外側スカート321は、実質的に円筒形であり、キャップ310によって画成される空間に嵌まる。スカート321には、キャップ310の対応するビードおよび/または溝構造とのしっかりとした取付けのために、周方向外側ビードおよび/または周方向外側溝が設けられる。スカート321の環状遠位端面は、たとえばPCBA330に提供されたLED141などから構成要素320に入る光を放出するのに適したユーザフィードバック面322を形成する。したがって、スカート321はライトガイドとして機能する。上述したように、スカート321およびユーザフィードバック面322の表面粗さは、導光機能を向上または可能にするように適用される。ユーザフィードバック面322は、キャップ310の遠位端を越えて軸方向に延び、キャップ310の外径と同様の外径を有することがある。したがって、ユーザフィードバック面322は、モジュール11の外側から見ることができる。スカート321の内面には、モジュール11自体および/またはモジュール11と共に使用予定のデバイス1に関する情報が提供される。
図3および4は、構成要素320が、スカート321から内方向に面するリム328を備えることを示す。このリム328は、PCBA330およびコイン電池160を支持する。このために、少なくとも1つのカラー部分329が、リム328から近位方向に延びていることがある。さらに、このリム328は、PCBA330に取り付けられたLED141を受けるための1つまたはそれ以上の凹部を含むことがある。
図5a、5b、7a、および7bは、構成要素320のモジュールロックアウト成形部323を示し、モジュールロックアウト成形部323は、専用の薬物送達デバイス1、特に薬物送達デバイス1のボタン12のデバイスロックアウト成形部21の対応する輪郭シートと嵌合当接するように適用されたプロファイル突起を含む。モジュールロックアウト成形部323の機能は、ボタン12の3つの異なるタイプの対応するデバイスロックアウト成形部21と組み合わせた3つの異なるタイプのモジュールロックアウト成形部323を示す図8の表から明らかになる。それぞれのロックアウト成形部323および21は、1つの特定のモジュールロックアウト成形部323のみが特定の対応するデバイスロックアウト成形部21と嵌合し、それによりそれぞれの専用の薬物送達デバイス1のボタン12へのモジュール11の取付けを可能にするように設計される。しかし、使用者がモジュール11を不適切な薬物送達デバイス1に取り付けようとする場合、モジュールロックアウト成形部323と対応するデバイスロックアウト成形部21とが嵌合されないことにより、完全な取付けが妨げられる。図8は、3つのタイプのモジュール11および3つのタイプの薬物送達デバイス1を示しているが、モジュール11と専用の薬物送達デバイス1との異なる数の嵌合ペアを選択することができる。
モジュール11は、構成要素320に形成された取付け要素324によって、薬物送達デバイス1に解放可能に固定される。図5a、5b、7a、および7bは、ボタン/ダイヤルグリップ12の遠位向きの溝25に形成された対応する凹部22と係合することができる、弾性変形可能なスナップフックの形態での1対のこれらの取付け要素324を示す。取付け要素324は、構成要素320のリム328から遠位方向に延びる。モジュール11は、ボタン12にしっかりと取り付けられ、これは、モジュールが常にボタン12と共に回転可能かつ軸方向に動くことを意味する。したがって、ダイヤル設定中、ボタン12が駆動スリーブおよび数字スリーブ23と共に螺旋経路で外方向に動くとき、この段階中、モジュールは、ボタン12、駆動スリーブおよび数字スリーブ23と共に同じ経路で螺旋状に動く。
構成要素320は、リム328から遠位方向に延びる細長い直方体形状の突起である2つのライトパイプ325をさらに含む。ライトパイプ325は、光の入射および光の出射を可能にするように適用された2つの向かい合う端面を有する。ライトパイプ325の側壁は、全反射によって電磁放射を案内する境界面を形成する。モジュール11が薬物送達デバイス1のボタン12に取り付けられると、ライトパイプ325は、図4に示されるように、ボタン12の遠位端面の溝25のアパーチャ19(図6a、6b参照)を通って延びる。
LED121および光検出器122を有するセンサ装置120は、PCBA330上で各ライトパイプ325の近位端面またはその近くに位置する。したがって、LED121から放出された光ビームは、ライトパイプ325に入ることができ、遠位方向に案内され、その遠位端でライトパイプ325から出て、数字スリーブ23の歯24によって反射され(数字スリーブ23の回転位置に応じて)、ライトパイプ325に戻って入り、その近位端でライトパイプから出て、光検出器122によって検出される。他方、反射する歯24がそれぞれのライトパイプ325の遠位端の下に位置しないような回転位置に数字スリーブ23がある場合、ライトパイプ325から出る光ビームは反射されず、したがって光検出器122によって検出されない。LED121からの光信号の時間シフトされた放出は、薬物送達デバイス1から投薬された用量の量を示す数字スリーブ23の回転を検出するために使用される。したがって、数字スリーブ23の歯24は、歯の相対回転位置に応じて光を反射するまたは反射しないエンコーダとして機能する。
さらに、構成要素320は、細長い遠位方向に延びる自由端327を有する弾性変形可能なスイッチアーム326を含む。自由端327の2つの異なる設計が図5aおよび5bに示されている。スイッチアーム326は、ライトパイプ325が配置される直径上で実質的に周方向に延びる。図5aおよび5bに示されるように、スイッチアーム326は、その2つの端部でリム328にヒンジ連結された開いたリングの形状を有することがある。自由端327は、ライトパイプ325の実質的に反対側の位置で開いたリングの中央に位置する。
この構成により、モジュール11が薬物送達デバイス1のボタン12に取り付けられた状態でスイッチアーム326が偏向されるとき、スイッチアーム326を溝25に受け入れることができる。この状態で、自由端327は、ボタン12のさらなるアパーチャ20を通って薬物送達デバイス1内に延びる。したがって、薬物送達デバイス1内の構成要素がボタン12に対して動く場合、自由端327およびスイッチアーム326が偏向される。より具体的には、用量投薬の開始時に、使用者は、モジュール11の近位端を押し、それによって、ボタン12を有するモジュール11をたとえば数字スリーブ23に対して、または代替として駆動スリーブに対して変位させる。これにより、自由端327が、たとえば数字スリーブ23に接触し、スイッチアーム326を偏向させ、次に、PCBA330の遠位側にあるスイッチ331が作動され、モジュール11のウェイクアップをトリガすることができる。
PCBA330は、プロセッサ110と、センサ装置120と、通信ユニット130と、電子ユーザフィードバック発生器140と、メモリ150とを含む、または形成することがある。PCBA330は、モジュール11のシャーシとして機能する構成要素320で支持される。LED121および光検出器122に加えて、1つまたはそれ以上のLED141がPCBA330に設けられる。さらに、スイッチ331が、PCBA330に、たとえば薬物送達デバイス1に面する遠位側に設けられる。
図6a、6b、および6cは、薬物送達デバイス1のボタン12の設計の3つの同様の実施形態を示す。図6aでは、ボタン12は、それぞれライトパイプ325用およびスイッチアーム326の自由端327用のアパーチャ19、20を有する溝25を含む。さらに、モジュール11の取付け要素324とのスナップ係合のために凹部22が設けられる。図6bおよび6cでは、追加の内側溝が設けられ、この溝にモジュールロックアウト成形部323が配置される。アパーチャ19および20は、図6cでは、図6aのように別個の開口部ではなく、1つの共通のスロット状開口部として形成される。
図9に示されるように、ポッティングコンパウンド340または充填層が塗布され、PCBA330の導電性領域へのダストおよび水の進入を防ぐ。追加または代替として、PCBA330の片面のみまたは両面は、少なくとも部分的に、または電子部材で覆われていないすべての場所で、ポッティング材料によって、またはポッティングコンパウンドによって、またはコンフォーマルコーティング層によって覆われる。たとえば、シャーシ構成要素320は、ポッティングコンパウンドを電気センサから、および/または検出器ユニットの放射源から分離するように構成される。
図10a~10dは、コイン電池160をシャーシ構成要素320に保持し、コイン電池160をPCBA330に接続するためにシャーシ構成要素320に取り付けられる電源クリップ350の例示的な使用を示す。クリップ350は、図10aおよび10cに示されるように、付勢されていない状態では湾曲した形状を有する。それとは対照的に、クリップ350は、シャーシ構成要素320に取り付けられた構成では、より平坦な湾曲を有する(図10bおよび10dを参照)。シャーシ構成要素320は、クリップ350、特にクリップ350の自由端を取り付けるための対応するスナップ機能を有することがある。
クリップ350は、弾性変形可能な導電性材料、たとえば金属からなる。クリップ350がシャーシ構成要素320に取り付けられる場合(図10d)、クリップ350の中央部分は、コイン電池160の1つの端子、図10cおよび10dでは上側の端子に接触するように適用され、クリップ350の自由端の少なくとも1つは、PCBA330にあるそれぞれの端子に接触するように適用される。このために、クリップ350の少なくとも一部分、たとえば図10dに示されているようにその自由端は、シャーシ構成要素320のそれぞれのアパーチャを通って延びることができる。
さらに、図11は、PCBA330に設けられた追加のスイッチ332を有する代替実施形態を示す。このスイッチ332は、遠位スイッチ面と近位向きのボタン面との接触によって、モジュール11がボタン12に完全にかつ正確に取り付けられている場合に作動する。そのようなスイッチは、たとえばモジュールがデバイス1に取り付けられていないときのモジュール11の無電力またはスリープモードから、プロセッサ110またはその構成要素を起動するために使用することができる。
欧州特許第2890435号に開示されているデバイスと同様の動作原理を有する薬物送達デバイス1に関して主に述べてきたが、電子モジュール11は、所定の条件または状態で相対軸方向および/または回転運動を行う構成部材を有する任意の他のタイプの薬物送達デバイスに適用可能である。
1 デバイス
10 ハウジング
11 ボタンモジュール
12 ダイヤルグリップ/ボタン
13 投与量窓
14 容器/容器レセプタクル
15 針
16 内側ニードルキャップ
17 外側ニードルキャップ
18 キャップ
19 アパーチャ
20 アパーチャ
21 デバイスロックアウト成形部
22 凹部
23 数字スリーブ
24 歯
25 溝
110 プロセッサ
120 センサ装置
121 LED
122 光検出器
130 通信ユニット
140 電子ユーザフィードバック発生器
141 LED
150 メモリ
160 電源(コイン電池)
200 スマートフォン(他のデバイス)
310 キャップ
320 (シャーシ)構成要素
321 スカート
322 ユーザフィードバック面
323 モジュールロックアウト成形部
324 取付け要素
325 ライトパイプ
326 スイッチアーム
327 自由端
328 リム
329 カラー部分
330 PCBA
331 スイッチ
332 スイッチ
340 ポッティングコンパウンド
350 電源クリップ

Claims (15)

  1. 薬物送達デバイス(1)に解放可能に取り付けるための電子モジュール(11)であって、構成要素(320)を含み、該構成要素は、以下の構成、すなわち:
    専用の薬物送達デバイス(1)の対応するデバイスロックアウト成形部(21)と嵌合当接するように適用された少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部(323)、
    薬物送達デバイス(1)へモジュール(11)を解放可能に取り付けるための少なくとも1つの取付け要素(324)、
    光源(121)から薬物送達デバイス(1)の反射面(24)に、および前記反射面(24)から光検出器センサ(122)に光ビームを案内するための少なくとも1つのライトパイプ(325)、
    光源(141)からの光ビームを、光を放出するように適用された前記構成要素(320)のユーザフィードバック面(322)に案内するための少なくとも1つのライトガイド(321)、
    少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアーム(326、327)
    のうちの少なくとも2つを含み、
    構成要素(320)は、ポリカーボネート材料から射出成形された一体構成部材である、
    前記電子モジュール。
  2. キャップ(310)と、プリント回路基板アセンブリ(330)と、電源(160)とをさらに含み、ここで、構成要素(320)は、キャップ(310)にしっかりと取り付けられ、該キャップ(310)内でプリント回路基板アセンブリ(330)を支持するシャーシである、請求項1に記載の電子モジュール。
  3. 少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部(323)は、前記専用の薬物送達デバイス(1)のデバイスロックアウト成形部(21)の対応する輪郭シートまたは突起と嵌合当接するように適用されたプロファイル突起またはシートを含む、請求項1または2に記載の電子モジュール。
  4. 少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部(323)は、嵌合不可の薬物送達デバイス(1)へのモジュール(11)の取付けを防止する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  5. 薬物送達デバイス(1)へモジュール(11)を解放可能に取り付けるための少なくとも1つの取付け要素(324)は、薬物送達デバイス(1)の対応するスナップ凹部(22)またはスナップ突起と解放可能に係合するためのスナップ突起またはスナップ凹部を有する少なくとも1つの弾性変形可能なアームを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  6. 少なくとも1つのライトパイプ(325)は、細長い直方体形状の突起、または2つの向かい合う端面および少なくとも1つの側壁を有する円錐台形状の突起であり、2つの向かい合う端面のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの側壁の表面粗さよりも高い表面粗さを有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  7. 構成要素(320)の内側部分(328)から軸方向で同じ方向に突出する少なくとも2つのライトパイプ(325)を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  8. 少なくとも1つのライトガイドは、少なくとも1つの入口面(328)を有する環状スカート(321)と、環状スカート(321)から径方向外向きのユーザフィードバック面(322)とを含み、少なくとも1つの入口面(328)およびユーザフィードバック面(322)は、環状スカート(321)の表面粗さよりも高い表面粗さを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  9. 環状スカート(321)は、光源(141)を受けるためのそれぞれの凹部内にそれぞれ形成される少なくとも2つ、たとえば4つの入口面を含む、請求項8に記載の電子モジュール。
  10. 少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアーム(326)は周方向に延びる、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  11. 少なくとも1つの弾性変形可能なスイッチアーム(326)は、自由端(327)を含み、電子スイッチ(331)を作動させるために構成要素(320)に対して偏向可能である、請求項1~10のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  12. 構成要素(320)は、ユーザフィードバック面(322)を除いて、キャップ(310)によって囲まれ、プリント回路基板アセンブリ(330)および電源(160)は、キャップ(310)と構成要素(320)との間に挿間される、請求項2~11のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  13. 構成要素(320)は、遠位端を形成する径方向に面するユーザフィードバック面(322)を有する実質的に円筒形の外形を有し、構成要素(320)は、少なくとも1つのモジュールロックアウト成形部(323)を有する内側リム(328)を含み、少なくとも1つの取付け要素(324)および少なくとも1つのライトパイプ(325)は、リム(328)から遠位方向に延び、少なくとも1つのカラー部分(329)は、リムから近位方向に延びる、請求項1~12のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  14. 少なくとも1つのプロセッサ(110)と、
    該少なくとも1つのプロセッサ(110)に接続され、専用の薬物送達デバイス(1)の用量設定動作および/または用量送達動作を示す測定データを生成するように動作可能であるセンサ装置(120)と、
    少なくとも1つのプロセッサ(110)に接続され、他のデバイス(200)との通信を確立し、前記他のデバイス(200)にデータを転送するように動作可能なワイヤレス通信インターフェースを有する通信ユニット(130)と、
    少なくとも1つのプロセッサ(110)に接続され、フィードバック信号を生成するように動作可能な少なくとも1つの電子ユーザフィードバック発生器(140)と、
    測定データを記憶するためのメモリ(150)と、
    をさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の電子モジュール。
  15. 薬剤を送達するための薬物送達デバイス(1)であって、該薬物送達デバイス(1)によって送達予定の用量を設定するための用量設定動作と、設定された用量を送達するための用量送達動作とを行うように構成され、第1の部材(20)を含む用量設定および駆動機構(23)と、用量設定および駆動機構に恒久的にまたは解放可能に連結され、薬剤を含む容器を受けるように適用された容器レセプタクル(14)とを含み、
    請求項1~14のいずれか1項に記載の電子モジュール(11)を含む、
    前記薬物送達デバイス。
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