JP2023547177A - プロセス水の再循環を含む廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理のための方法 - Google Patents

プロセス水の再循環を含む廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、バイオリキッド及び固体画分をもたらすバイオリアクタ内で酵素分解及び/又は微生物分解を受ける都市固形廃棄物などの廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法に関し、この方法は、バイオリキッド及び/又は固体画分の下流処理から得られたプロセス水の再循環を含む。プロセス水の再循環に加えて、外部供給源からの水もリアクタに添加することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオリキッドをもたらすバイオリアクタ内の廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法に関し、この方法は、バイオリキッドの下流処理から得られたプロセス水の再循環を含む。廃棄物は、例えば、連続又はバッチ式のバイオリアクタ内で酵素分解及び/又は微生物分解を受けて、分別された又は分別されていない都市固形廃棄物(MSW)であり得る。プロセス水は、例えば、バイオリキッド、嫌気性消化(AD)プロセス、消化物の蒸発又は洗浄水から得られた排除水、及びそれらの任意の組み合わせであり得る。任意のプロセス水の再循環に加えて、外部供給源からの水もリアクタに添加することができる。
有機材料を含む廃棄物内に貯蔵されたエネルギーが最大限に利用される方法を使用することに大きな関心がある。農業材料/廃棄物、家庭廃棄物及び都市廃棄物は、高含有量の乾燥物及び特定の含有量の有機材料を含む供給源の例であり、廃棄物を単に処分する代わりに、有機材料内に貯蔵されたエネルギーを利用することに大きな関心が寄せられている。固形廃棄物を処理する効率的で環境に優しい方法の開発には、それらの固有のエネルギーポテンシャルの回収を最大にすること、及びリサイクル可能な材料の回収にもかなりの関心が寄せられている。「廃棄物からエネルギー」処理における1つの重要な課題は、MSWなどの廃棄物の異種性である。
家庭、農業又は都市廃棄物などの廃棄物の処理及びその後の処分のために一般的に使用される方法には、とりわけ焼却、埋め立て、焼成、投棄及び堆肥化が含まれ、選択される方法は、例えば、非有機材料の含有量と比較した有機材料の含有量に依存することが多い。しかしながら、これらの方法は、有機材料内に貯蔵されたエネルギーの最適な利用を直接提供しない。
事前分別は、消費者又は廃棄物ステーションによって提供されることがあり、これは、例えば焼却によって放出される汚染を低減し、有機廃棄物の貴重な最終製品への分解を単純化する。しかしながら、事前分別は、金属及びガラスなどのすべての非生分解性材料を有機廃棄物から分離するのに効率的ではない場合がある。
廃棄物の有機含有物が、それらの固相中の非有機含有物を維持しながら液化され、その後、固相と液相とを分離する、以下に記載されるような方法では、事前分別はプロセスを単純化することができるが、必要ではない。
環境に優しい廃棄物処理方法は、食品廃棄物、厚紙、紙、ラベルなどのすべての有機廃棄物を溶解して嫌気性消化プロセスを介して例えばバイオガスの製造に使用できるバイオリキッドにするために、通常の未分別又は分別/部分的に分別された家庭廃棄物などの有機物を含む廃棄物を、水、酵素及び任意に微生物と混合する、Renescienceによって現在適用されている方法などの生物学に基づく方法である。廃棄物が酵素処理及び/又は微生物処理に供される液化プロセスは、エネルギー源としてのさらなる処理に使用することができるバイオリキッドを提供するために水を必要とする。さらに、バイオリキッド及び/又は固体画分の後続の処理工程はまた、特定のプロセスの特徴に応じて水の添加を必要とし得る。
本発明による方法は、Renescienceによって現在適用されている方法に基づいており、有機物を含む廃棄物が酵素分解及び/又は微生物発酵を受けて、バイオリキッド及び様々な固体画分を生成するプロセスに適している。そのような廃棄物処理プロセスの例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9に開示されており、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
酵素処理は、分解性有機成分の液化のための「オートクレーブ」方法に勝る固有の利点を提供する。酵素液化を使用して、MSWなどの廃棄物の処理は、比較的安価な装置及び比較的低温で行われる非加圧反応を使用して、連続的に行うことができる。本発明の文脈において、液化は、「流体を作ること」及び「水に溶解すること」を含む。
酵素的液化は、部分的には分別されていないMSWなどの廃棄物の「滅菌」に影響を及ぼし、また分解性有機成分を軟化させることができ、紙製品を「パルプ化する」ために、120℃以上の比較的高い温度への熱前処理を必要とすることがある。しかしながら、高温前処理は、廃棄物中で増殖している周囲の微生物を殺すので、積極的に有害であり得る。したがって、好ましい実施形態では、廃棄物は高温、すなわち90℃超で前処理されない。好ましい一実施形態において、廃棄物は、60℃~75℃、好ましくは70℃又は好ましくは約70℃の範囲の温度まで予熱水と混合される。この水は、好ましくは、再循環されるプロセス水、例えば、消化物を脱水した水、すなわち排除水によって完全に供給される。代替的又は追加的に、再循環されるプロセス水は清浄な凝縮水である。
酵素処理からの「有機捕捉」の改善に加えて、乳酸菌、又は酢酸塩-、エタノール-、ギ酸塩-、酪酸塩-、乳酸塩-、ペンタン酸塩-若しくはヘキサン酸塩-産生微生物の任意の組み合わせを使用した同時微生物発酵が、バイオリキッドを、バイオメタン産生などのさらなる処理のための基質としてより効率的にするように「事前調整する」。微生物発酵は、酵素的液化のみによって生成されたバイオリキッドと比較して、懸濁固体と比べて溶解割合が概して増加したバイオリキッドを生成する。より高次の鎖の多糖類は、一般に、微生物の「事前調整」のためにより完全に分解される。同時の微生物発酵及び酵素処理は、バイオポリマを容易に使用可能な基質に分解し、さらに、グルコース、キシロース、アラビノース、乳酸塩、酢酸塩及び/又はエタノールなどの短鎖カルボン酸への一次基質の代謝変換を達成する。本発明のプロセスによる廃棄物中の有機物の変換は、通常、少なくとも乳酸産生細菌を含む。高割合の糖及び他の可溶性分解生成物を含む得られたバイオリキッドは、バイオガスの生成のための嫌気性消化に適した基質であるバイオメタン基質を提供する。より多量の酸を含むバイオリキッドは、より速い嫌気性分解プロセスに寄与する。
嫌気性消化は、微生物が酸素の非存在下で生分解性材料を分解する一連の生物学的プロセスである。最終生成物の1つはバイオガスであり、これは燃焼させて電気及び熱を生成することができ、又は再生可能な天然ガス及び輸送用燃料に加工することができる。都市固形廃棄物、都市廃水固形物、食品廃棄物、高強度産業廃水及び残留物、脂肪、油及びグリース(FOG)、並びに様々な他の有機廃棄物流などの廃棄物をバイオガスに変換するための一連の嫌気性消化技術が、最新技術に存在する。多くの異なる嫌気性消化システムが市販されており、当業者は、嫌気性消化プロセスを適用及び最適化する方法に精通している。嫌気性消化に関与する微生物集団の代謝動態は複雑である。メタンバイオガスを生成するための典型的な嫌気性消化(AD)では、微生物によって媒介される生物学的プロセスは、4つの主要な工程、すなわち、生物学的高分子の構成モノマ又は他の代謝産物への加水分解;短鎖炭化水素酸及びアルコールが生成される、酸発生;利用可能な栄養素が酢酸、水素及び二酸化炭素に異化される、酢酸生成;及び、酢酸及び水素が特殊な古細菌によってメタン及び二酸化炭素に異化される、メタン生成;を達成する。価値のある排出物の生成とは別に、ADは、「生の廃液」又は「AD廃液」と呼ばれることもある消化物も生成する。これらの用語は互換的に使用することができ、嫌気性消化からの廃棄物を指す。消化物は固体と液体の両方を含み、これらの画分は様々な目的に使用することができる。好ましい実施形態では、液体消化物は、例えば、病原性微生物がAD消化から通過するのを防ぐために、例えば60~75℃、好ましくは65℃~70℃又は70℃超に、60~80分間、好ましくは60~70分間、好ましくは約60分間、加熱することによって衛生化することができる。固液分離は、例えば、デカンテーション、遠心分離及び/又は沈降によって行うことができる。好ましい実施形態では、上述のように衛生化することができる液体消化物は、例えば、本発明によるプロセスに再循環される排除水を生成するデカンタ遠心分離機を介して脱水される。液体消化物の衛生化の場合、消化物の固液分離から生じる排除水は約70℃であり、上述のように廃棄物の前処理に使用することができる。通常、液体消化物はアルカリ性pHを有し、主に水を含むが、乾燥懸濁固体及び塩などの溶解物質も含む。「プロセス水」は、「排除水」とも定義される、ADプロセスからの消化物の脱水から生じる水などの廃棄物の酵素的及び/又は微生物的処理の下流のプロセスにおける1回又は複数回の固液分離後に得られる液体画分として定義される。したがって、プロセス水は、排除水を含む。プロセス水は、様々な塩、溶解物質及び生きている微生物を含み得る。好ましくは、プロセス水は、嫌気性消化(AD)プロセス、消化物からの蒸発又は洗浄水から得られた排除水である。
そのような廃棄物処理プロセスにおけるプロセス水の再循環は、様々な処理プロセスに適用されてきた。
特許文献10は、有機物の嫌気性消化を開示しており、消化槽からの消化廃液は繊維画分と液体画分とに分離され、各画分は消化槽に再循環され得る。
特許文献11は、消化槽内のpHを5.2~5.7に維持するために、pH及び導電率がアルゴリズムによって制御される、消化物流の再循環を開示している。
特許文献12は、生物学的廃棄物の嫌気性消化を開示している。第1の工程では、廃棄物を液体と混合し、ADに供する。第2の工程では、消化物をプレスによって脱水し、続いて別の分離工程を行い、最後に分離された液体廃液を第1のAD工程に再循環させる。
特許文献13は、廃液を再循環させることができる嫌気性消化プロセスを開示している。
上記文献は、ADプロセスからの水の再循環に関する。いずれの文献も、嫌気性消化から得られた排除水などの酵素廃棄物処理プロセスに由来する水であるプロセス水の再循環が、MSWなどの廃棄物をバイオリアクタ内で酵素処理及び/又は微生物処理に供することである前の工程に戻るプロセス水の再循環に関する方法を記載していない。
WO2006/056838 WO2007/036795 WO2011/032557 WO2013/185778 WO2014/198274 WO2016/030480 WO2016/030472 WO2016/050893 WO2017/174093 EP3415472B1 WO2020/03194A1 US10118851B2 WO2015/004146
本発明は、廃棄物の酵素的及び/又は微生物的液化処理、それに続くその後のバイオリキッドの下流処理からのプロセス水をバイオリアクタに再循環させる方法に関する。プロセス水は、任意に衛生化せずにバイオリアクタ内に再循環させることができる。本方法では、有機物を含む廃棄物の液化プロセスで必要とされる水道水及び天然源からの水などの外部供給源からの水の量を減らすことができ、すなわち、節約された水道水は自然界及び社会において他の目的に利用可能である。
本発明は、1つ又は複数の下流処理からのプロセス水がバイオリアクタに再循環される、バイオリアクタにおける廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法である。水を再循環させることの利点には、酵素のMSWへの分配、有機物のバイオリキッドへの機械的フラッシング、表面上に乾燥した有機物の溶解、塩希釈及び/又は有機物及び塩のバイオリアクタでの処理を受ける廃棄物からの移送が含まれるが、これらに限定されない。
プロセス水は、1回又は複数回の下流処理工程から得られる。例えば、プロセス水は、酵素的及び/又は微生物的液化プロセスから直接収集されたバイオリキッドであってもよく、又はプロセス水は、嫌気性消化(AD)プロセス、固形廃棄物の洗浄工程、又は様々な下流処理に由来する蒸発によって得られたプロセス水などの他の下流処理から得られてもよい。下流処理は、バイオガス生成又は他のエネルギー誘導可能生成物のために、バイオリアクタで生成されたバイオリキッドを利用することができる。一実施形態では、プロセス水は、嫌気性消化(AD)プロセス、消化物からの蒸発又は洗浄水から得られた排除水である。任意のプロセス水の再循環に加えて、外部供給源からの水もリアクタに添加することができる。
本発明の方法は、廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法であって、
a)バイオリアクタ内で廃棄物を酵素処理及び/又は微生物処理に供すること、
b)工程a)からの処理済み廃棄物を1回又は複数回の分離工程に供することであって、それにより、バイオリキッド及び固体画分が提供されること、
c)バイオリキッド及び/又は固体画分を下流処理に供してプロセス水をもたらすこと、
d)工程c)から得られたプロセス水及び任意に外部水源からの水を工程a)においてバイオリアクタに添加すること、
を含む方法である。
最適な酵素条件及び微生物条件を満たすpHで連続的に実行される液化プロセスの場合、pHは通常、バイオリアクタ内で約pH2~6.5である。ここで、工程c)から得られたプロセス水又はその一部の再循環は、一般にこれらの要件を満たすが、リアクタに再循環されるプロセス水のpHが同様のpH、好ましくはpH3.5~6である場合に最良の条件が満たされるようであることが見出された。プロセス水のpHは、それが由来するプロセスに依存する。したがって、いくつかの実施形態では、プロセス水をバイオリアクタに再循環させる前にpHを3.5~6に調整することが好ましい。例えば、プロセス水が嫌気性消化プロセスから得られた排除水である場合、それは通常約8~9のpHを有する。ADプロセスからの塩基性排除水がバイオリアクタに再循環される場合、排除水のpHは、再循環される前に3.5~6.0の間のpHに調整されて、バイオリアクタ内の液化プロセスのpHが6.5未満、好ましくは5.5未満の最適レベルのままであることを確実にすることが好ましい。あるいは、定常状態条件が確立された後のバイオリアクタ内の反復pH調整が好ましいか、又はプロセス水、例えば排除水のpHの調整が、バイオリアクタに添加する前に行われない場合、プロセス水はバッチで又は連続的にバイオリアクタに添加することができる。本発明の一実施形態では、プロセス水は、リアクタ内のpHがpH3.5~6になるように、バッチで工程a)に添加される。
いくつかの実施形態では、プロセス水を70℃で60分間衛生化しなければならない場合がある。本発明のプロセスに添加されるプロセス水は60~70℃であり、上述のように廃棄物の前処理に直接使用することができる。
廃棄物は、少なくともいくらかの有機物を含む任意の種類の廃棄物であり得、分別又は未分別であり得る。都市固形廃棄物などの廃棄物は、複合酵素分解及び微生物分解に寄与し得る有機物及び生きている微生物の両方を含むので、特に有用である。外部供給源からの水が、任意に、プロセス水に加えてバイオリアクタに添加されてもよい。外部供給源からの水は、河川、湖及び池などの天然源、貯水槽、水道水、及びそれらの任意の組み合わせから得られた水であり得る。廃棄物の酵素分解及び微生物分解をさらに刺激する手段を加えてもよい。そのような手段は、酵素組成物、炭水化物などの微生物用飼料、乳酸産生細菌等の微生物の添加、温度規制、混合装置又は回転装置を含む。
本発明による方法は、1つ又は複数のバイオリアクタ及び/又は同じ廃棄物処理ループの一部であるAD消化槽などの1つ又は複数の下流処理リアクタを含む単一の廃棄物処理プラント内で実行することができ、又は、プロセス水は、1つ又は複数の異なる、場合によっては独立した酵素及び/又は微生物廃棄物処理及び/又はバイオガス生産場所から得られてもよい。
本明細書では、酵素プロセス及び微生物プロセスの両方が活性であり、保持時間及びそれに応じてコストが最適化される定常状態にバイオリアクタ内のバイオリキッド生産プロセスを維持しながら、プロセス水を下流処理からバイオリアクタに再循環させることができることが示される。好ましくは、プロセス水は、バイオリアクタ内の酵素的及び/又は微生物的液化プロセスに対する遅延影響を回避するために、バイオリアクタ内に再循環されるときに3.5~6のpHを有する。本明細書に開示される実施例は、ADバイオガス生産への供給物として必要とされるバイオリキッド中の価値のある有機酸を生産する酵素活性及び微生物の活性の両方が、排除水などのプロセス水がバイオリアクタに添加されたときに、バイオリアクタ内で連続的な速度で維持されることを示す。廃棄物に添加される酵素組成物の最適pHは事前に知られているが、廃棄物の天然微生物叢に由来する酵素の最適pHは未知である。また、廃棄物に添加される微生物ブレンドの最適pHは事前に知られているが、廃棄物の微生物叢中の天然に存在する微生物の同一性、したがってこれらの生物の最適pHは未知であり、処理される廃棄物の天然微生物叢に応じて変化する。
図1aは、本発明による工程a)、b)、c)及びd)を含む廃棄物処理プロセス及びプロセス水の再循環における工程の概略図である。図1bは、下流処理の一例の概略図である。 発酵時間の関数としてのpHを示すグラフである。 発酵時間の関数としてのpHを示すグラフ(pH調整あり又はなしで排除水を添加)である。 発酵時間の関数としてのpHを示すグラフ(発酵槽からの材料の連続的な除去後、排除水の添加)である。 発酵時間の関数としてのpHを示すグラフ(排除水の添加)である。 排除水を添加した発酵中の細菌の総量に対する乳酸産生細菌の割合を示す棒グラフである。 図7aから7dは、排除水を添加した発酵中の細菌の総量に対する乳酸産生細菌の最も優勢な種の割合を示す円グラフである。 図8aから8dは、排除水を添加した発酵中の乳酸産生細菌の特定の種の割合を示す円グラフである。 排除水を添加した発酵中の細菌の総量に対する古細菌の割合を示す棒グラフである。 時間の関数としてのメタン収率を示す。 NHHCO及びアンモニアを添加した発酵槽におけるMSWモデル基質の発酵のpHプロファイルを示す。 排除水及びグルコースを添加した回転水平リアクタにおけるMSWモデル基質の発酵の過程にわたる乳酸菌及び他の細菌種の分布を示す。
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書で使用される「約」は、通常、定量的な数又は範囲に関して、言及される数又は範囲に対して+/-1、2、5、又はさらには10%を指し得る。本発明の文脈において、用語「約(about)」、「約(around)」、「およそ(approximately)」又は記号「~」は交換可能に使用することができ、例えば分析誤差などを含む、当分野で一般的に受け入れられている変形を含むことを意味する。
「含む(comprising)」という用語は、記載された部品、工程、特徴、構成要素などの存在を特定するものとして解釈されるべきであるが、1つ又は複数の追加の部品、工程、特徴、構成要素などの存在を排除するものではない。したがって、例えば、化学化合物を含む組成物は、追加の化学化合物を含み得る。
それは、他の原子、基、又は部分構造で置き換えられた1つ又は複数の原子、官能基、又は部分構造が異なり得る。構造類似体は、少なくとも理論的には、他の化合物から形成されると推測することができる。
「バッチ」は、特定の地理的領域から廃棄物プラントに送達される任意の定義された量の廃棄物を指す。「バッチ」内の廃棄物の量及び地理的領域のサイズは、プラントごとに異なり、特定の改修収集システム及び大規模プラントなどのプラントの特定のサイズに依存する。各バッチは、本方法の工程a)、b)及びc)の各々において別々に処理されてもよく、又はいくつかのバッチは、1つ又は複数の工程において連続的に又は少なくとも重複する保持時間を有して処理されてもよい。典型的には、バッチは、通常、1回の積載(ロード)当たり15-20m3の廃棄物処理を含む単一のトラックによって廃棄物プラントに積載された廃棄物の量である。トラックからのいくつかのバッチを収集し、貯蔵し、1つの大きなバッチとして処理プラントに入れることができる。このような状況では、バッチは通常、40-6000m3の廃棄物を含む。
「バッチプロセス」処理は、1つのバッチプロセス又は一連のバッチプロセスとして行うことができる。処理は、フェドバッチ若しくは連続プロセス、又は一連のフェドバッチ若しくは連続プロセスとして行うことができ、都市固形廃棄物は、例えば酵素組成物を含有する処理溶液に徐々に供給される。処理は、MSW材料及び酵素組成物が処理全体にわたって異なる間隔で添加され、加水分解物が処理全体にわたって異なる間隔で除去される「連続プロセス」であり得る。加水分解物の除去は、セルロース系材料及びセルロース分解性酵素組成物の添加前、添加と同時に、又は添加後に行うことができる。
「バイオリアクタ」は、生物学的に活性な環境をサポートする任意の製造又は操作装置又はシステムを指す。バイオリアクタは、生物又はそのような生物に由来する生化学的に活性な物質を含む化学プロセスが実行される容器であり得る。このプロセスは、好気性又は嫌気性のいずれかであり得る。これらのバイオリアクタは、円筒形であってもなくてもよく、リットルから立方メートルのサイズの範囲であり、多くの場合ステンレス鋼製である。本発明の目的のために、「バイオリアクタ」は、本発明を実施するための適切な条件を提供する任意の設備、容器又は環境を含む。
「バイオリキッド」は、有機物を含む廃棄物の酵素処理によって得られる液化及び/又は糖化分解性成分である。バイオリキッドはまた、非発酵性固体から分離された有機物を含む廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理によって得られた液体画分を指す。バイオリキッドは、廃棄物の組成に応じて、水及び有機基質、例えばタンパク質、脂肪、ガラクトース、マンノース、グルコース、キシロース、アラビノース、乳酸塩、酢酸塩、エタノール及び/又は他の成分を含む(タンパク質及び脂肪などの成分は可溶性及び/又は不溶性形態であり得る)。バイオリキッドはまた、繊維、灰及び不活性不純物を含む。高い割合の可溶分を含む得られたバイオリキッドは、ガス生成のための基質、例えばバイオガスの生成のための嫌気性消化に適した基質を提供する。
「セルロース分解性バックグラウンド組成物(CBC)又はセルロース分解性酵素ブレンド」は、2つ以上のセルロース分解性酵素の混合物を含む酵素組成物を意味する。CBCは、i)Aspergillus fumigatusのセロビオヒドロラーゼI、(ii)Aspergillus fumigatusのセロビオヒドロラーゼII、(iii)Aspergillus fumigatusのβ-グルコシダーゼ又はそのバリアント、及び(iv)セルロース分解促進作用を有するPenicillium種GH61ポリペプチド、又はそのホモログから選ばれる2以上のセルロース分解性酵素を含んでよい。CBCは、(a)Aspergillus fumigatusのキシラナーゼ又はそのホモログ、(b)Aspergillus fumigatusのβ-キシロシダーゼ又はそのホモログ、又は(c)(a)及び(b)の組み合わせから選択される1つ又は複数の酵素をさらに含んでよい(WO2013/028928にさらに詳細に記載されている)。CBCの主要な活性は、エンド-1,4-β-グルカナーゼ(E.C.3.2.1.4)、エンド-1,4-β-キシラナーゼ(E.C.3.2.1.8)、エンド-1,4-β-マンナナーゼ(E.C.3.2.1.78)、β-マンノシダーゼ(E.C 3.2.1.25)を含んでもよいが、一方で、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、セロビオヒドロラーゼIセロビオヒドロラーゼII、β-グルコシダーゼ、ベータキシロシダーゼ、β-L-アラビノフラノシダーゼ、アミログルコシダーゼ、α-アミラーゼ、アセチルキシランエステラーゼからの活性などの他の酵素活性もCBC中に存在し得る。CBCは、WO2013/028928(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている任意のCBCであり得る。CBCは、T.reeseiに由来し得る。CBCは、Myceliophtora thermophilaeに由来し得る。CBCは、Novozymes A/S(バウスベア、デンマーク)から入手可能なCellic(登録商標)CTec 3であり得る。セルロース分解性酵素の活性は、以下の条件下で、セルロース分解性酵素(複数可)によるセルロース系材料の加水分解中の糖の産生/放出の増加を測定することによって決定することができる:セルロース分解性酵素タンパク質を添加しない対照処理と比較して、3~7日間、適切な温度、例えば40℃~80℃、例えば40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、又は80℃、及び適切なpH、例えば4~9、例えば4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、又は9.0での、1~50mgのセルロース分解性酵素タンパク質/前処理したトウモロコシ茎葉(PCS)(又は他の前処理したセルロース系材料)中のセルロースのg。
「バイオマス変換に最適化された市販のセルラーゼ調製物」は、リグノセルロース系バイオマスなどのバイオマスの酵素処理を提供するのに十分であり、通常、エンドセルラーゼ(エンドグルカナーゼ)、エキソセルラーゼ(エキソグルカナーゼ)、エンドキシラナーゼ、アセチルキシランエステラーゼ、キシロシダーゼ及び/又はβ-グルコシダーゼ活性を含む酵素活性の市販の混合物を指す。「バイオマス変換用に最適化」という用語は、バイオマスの発酵性糖への処理における収率の改善及び/又は酵素消費の低減という特定の目的のために酵素混合物が選択及び/又は改変されている生成物開発プロセスを指す。バイオマス変換に最適化された市販のセルラーゼ調製物、例えばGENENCOR(商標)(現在はDuPont)、DSM又はNOVOZYMES(商標)によって提供されるものを使用することができる。通常、そのような組成物は、セルラーゼ(複数可)及び/又はヘミセルラーゼ(複数可)、例えばエキソグルカナーゼ、エンドグルカナーゼ、エンドキシラナーゼ、キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ及びβ-グルコシダーゼの1つ又は複数を含む(それらの任意の組み合わせを含む)。そのような酵素は、例えば、DuPont(及び/又はGENENCOR)からACCELLERASE TRIO(商標)の商標で販売されている市販のセルラーゼ調製物などの遺伝子改変Trichoderma reeseiの発酵から単離することができる。使用することができるバイオマス変換に最適化された市販のセルラーゼ調製物は、NOVOZYMES(商標)によって提供され、エキソグルカナーゼ、エンドグルカナーゼ、エンドキシラナーゼ、キシロシダーゼ、アセチルキシランエステラーゼ及びβ-グルコシダーゼ、例えばNOVOZYMES(商標)から商標Cellic(登録商標)CTec2又はCellic(登録商標)CTec3のいずれかで販売されている市販のセルラーゼ調製物を含む。
「セルラーゼ(複数可)」という用語は、セルロース及び/又は関連化合物を分解することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味する。セルラーゼは、セルロリシス、セルロース及び/又は関連多糖類の分解を触媒する真菌、細菌及び原虫によって一般的に産生されるいくつかの酵素のいずれかである。セルラーゼはまた、連続的又は相乗的に作用してセルロース系材料を分解する様々なそのような酵素の任意の混合物又は複合体に使用することができる。セルラーゼは、セルロース分子をβ-グルコースなどの単糖類(「単純糖」)、並びに/又はより短い多糖類及びオリゴ糖類に分解する。特定の反応は、セルロース、ヘミセルロース、リケニン、及びシリアルβ-D-グルカン中の1,4-β-D-グリコシド結合の加水分解を含み得る。構造的及び機構的に異なるいくつかの異なる種類のセルラーゼが知られている。「セルラーゼ」という名称に関連する同義語、誘導体、及び/又は特異的酵素は、エンド-1,4-β-D-グルカナーゼ(β-1,4-グルカナーゼ、β-1,4-エンドグルカン加水分解酵素、エンドグルカナーゼD、1,4-(1,3,1,4)-β-D-グルカン4-グルカノヒドロラーゼ)、カルボキシメチルセルラーゼ(CMCase)、アビセラーゼ、セルデキストリナーゼ、セルラーゼA、セルロシンAP、アルカリセルラーゼ、セルラーゼA3、9.5セルラーゼ、及びパンセラーゼSSを含む。
セルラーゼはまた、触媒される反応のタイプに基づいて分類することができ、エンドセルラーゼ(EC 3.2.1.4)は、新しい鎖末端を生成する非晶質部位で内部結合をランダムに切断し、エキソセルラーゼ又はセロビオヒドロラーゼ(EC 3.2.1.91)は、エンドセルラーゼによって生成された露出した鎖の末端から2~4単位を切断し、セロビオースなどの四糖、三糖又は二糖をもたらす。エキソセルラーゼはさらに、セルロース鎖の還元末端から進行的に作用するI型と、非還元末端から進行的に作用するII型と、に分類される。セロビアーゼ(EC 3.2.1.21)又はβ-グルコシダーゼは、エキソセルラーゼ生成物を個々の単糖に加水分解する。酸化セルラーゼは、例えばセロビオース脱水素酵素(アクセプター)などのラジカル反応によってセルロースを解重合する。セルロースホスホリラーゼは、水の代わりにリン酸塩を使用してセルロースを解重合する。
化学的酸素要求量(COD)は、測定溶液中の反応によって消費され得る酸素の量の指標である。これは、一般に、SI単位でミリグラム/リットル(mg/L)である溶液の体積に対して消費される酸素の質量で表される。COD試験を使用して、水中の有機物の量を容易に定量することができる。CODの最も一般的な用途は、表面水(例えば、湖及び川)又は廃水に見られる酸化可能な汚染物質の量を定量することである。CODは、生物化学的酸素要求量(BOD)と同様に、廃液が受容体に及ぼす影響を決定するためのメトリック(基準)を提供することによって、水質に関して有用である。
「ヘミセルラーゼ(複数可)」という用語は、植物細胞壁の主要成分の1つであるヘミセルロースを分解することができる及び/又はそれに寄与する1つ又は複数の酵素を含むことを意味する。ヘミセルロースを構成する主な多糖類のいくつかは、キシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルクロノキシラン及びグルコマンナンであると考えられている。本発明の文脈において、「ヘミセルラーゼ(複数可)」という用語は、キシラナーゼ(複数可)、キシロシダーゼ(複数可)、アラビノキシラナーゼ(複数可)、キシログルカナーゼ(複数可)、グルコロノキシラナーゼ(複数可)、グルコマンナナーゼ(複数可)、及び/又はエステラーゼ(複数可)を含むことを意味する(それらの任意の組み合わせを含む)。
「キシラナーゼ(複数可)」という用語は、キシラン及び/又は関連化合物を分解することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味する。キシラナーゼは、例えば、キシラン及び/又は関連する多糖類の分解を触媒する酵母などの微生物によって産生されるいくつかの酵素のいずれかである。キシラナーゼはまた、連続的又は相乗的に作用してキシラノシン系材料を分解する様々なそのような酵素の任意の混合物又は複合体に使用することができる。「キシラナーゼ」という名称に関連する同義語、誘導体及び特異的酵素は、EC 3.2.1.8、エンド-(1->4)-β-キシラン4-キシラノヒドロラーゼ、エンド-1,4-キシラナーゼ、エンド-1,4-β-キシラナーゼ、β-1,4-キシラナーゼ、エンド-1,4-β-D-キシラナーゼ、1,4-β-キシランキシラノヒドロラーゼ、β-キシラナーゼ、β-1,4-キシランキシラノヒドロラーゼ、β-D-キシラナーゼ及び/又はβ-1,4-キシランなどのキシランをキシロースに分解することができ、したがって植物細胞壁の主要成分の1つであるヘミセルロースの分解に寄与するキシロシダーゼを含み得る。
本明細書で使用される「キシロシダーゼ」は、キシロビアーゼ、β-キシロシダーゼ、エキソ-1,4-β-D-キシロシダーゼ又は4-β-D-キシランキシロヒドロラーゼとも呼ばれる酵素キシラン1,4-β-キシロシダーゼ(E.C.3.2.1.37)を含むことが意図されている。この酵素は、基質の非還元末端から連続するD-キシロース残基、例えばヘミセルロース及び二糖キシロビオースを除去する(1-4)-ベータ-D-キシランの加水分解を触媒する。β-キシロシダーゼの1単位は、0.01% TWEEN(登録商標)20を含有する100mMクエン酸ナトリウム中、1mMのp-ニトロフェニル-β-D-キシロシドから40℃、pH5で毎分1.0μmolのp-ニトロフェノレートアニオンが生成したものと定義される。
「アラビノキシラナーゼ(複数可)」という用語は、アラビノキシラン及び/又は関連化合物を分解することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味し、例えばグルクロノアラビノキシランエンド-1,4-β-キシラナーゼ(EC 3.2.1.136)、フェラキサンエンドキシラナーゼ、フェラキサナーゼ、エンドアラビノキシラナーゼ、グルクロノキシランキシロヒドロラーゼ、グルクロノキシラナーゼ、グルクロノキシランキシラノヒドロラーゼ、グルクロノアラビノキシラン1,4-β-D-キシラノヒドロラーゼ)、及びグルクロノアラビノキシラン4-β-D-キシラノヒドロラーゼを含む。グルクロノ-アラビノキシラン4-ベータ-D-キシラノヒドロラーゼは、いくつかのグルクロノアラビノキシランにおいて(1->4)-ベータ-D-キシロシル結合を内部加水分解すると考えられている。また、この酵素は、フェルロイル化アラビノキシランに対して高い活性を有すると考えられる(Nishitani,K.;Nevins,D.J.(1988)。´´Enzymic analysis of feruloylated arabinoxylans(Feraxan)derived from Zea mays cell walls.I.Purification of novel enzymes capable of dissociating Feraxan fragments from Zea mays coleoptile cell wall´´。Plant Physiol.87:883-890。)
「キシログルカナーゼ(複数可)」という用語は、キシログルカン及び/又は関連化合物を分解することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味し、例えば、キシログルカン特異的エンド-ベータ-1,4-グルカナーゼ(EC 3.2.1.151)を含み、これは化学反応:キシログルカン+H2O→キシログルカンオリゴ糖を触媒すると考えられている酵素である。この酵素は、加水分解酵素、特にO-及びS-グリコシル化合物を加水分解するグリコシダーゼのファミリーに属する。この酵素クラスの体系名は、[(1->6)-α-D-キシロ]-(1->4)-β-D-グルカングルカノヒドロラーゼである。一般的に使用される他の名称としては、XEG、キシログルカンエンド-β-1,4-グルカナーゼ、キシログルカナーゼ、キシログルカンエンドヒドロラーゼ、XH、及び1,4-β-D-グルカングルカノヒドロラーゼが挙げられ得る。
「グルクロノキシラナーゼ(複数可)」という用語は、グルクロノキシラン及び/又は関連化合物を分解することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味する。
「グルコマンナナーゼ(複数可)」という用語は、グルコマンナナーゼ及び/又は関連化合物を分解することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味する。
「エステラーゼ(複数可)」という用語は、酸及びアルコール中でエステルを分割することができる1つ又は複数の酵素を含むことを意味する。エステラーゼの例には、アセチルエステラーゼ及びフェロイルエステラーゼが含まれる。
「アセチルエステラーゼ(複数可)」という用語は、アセチル基を分割することができる酵素を含むことを意味する。アセチルエステラーゼ(EC 3.1.1.6)は、化学反応:酢酸エステル+H2O→アルコール+酢酸塩を触媒する酵素である。この酵素は、ヒドロラーゼ、具体的にはカルボン酸エステル結合に作用するもののファミリーに属する。この酵素クラスの体系名は酢酸エステルアセチルヒドロラーゼである。一般的に使用されている他の名称としては、C-エステラーゼ(動物組織中)、酢酸エステルヒドロラーゼ、クロロエステラーゼ、p-ニトロフェニルアセテートエステラーゼ、及びCitrusアセチルエステラーゼが挙げられる。
用語「フェロイルエステラーゼ(複数可)」及び「フェルロイルエステラーゼ(複数可)」は互換的に使用することができ、化学反応フェルロイル-(ポリ-、オリゴ-又はモノ-)多糖類+H2O→フェルラ酸+(ポリ-、オリゴ-又はモノ-)糖類を触媒する酵素を含むことを意味する。フェロイルエステラーゼは、ヒドロラーゼ、具体的にはカルボン酸エステル結合に作用するもののファミリーに属する。この酵素クラスの体系名は、フェルロイルエステラーゼ(EC 3.1.1.73)であり、他の名称としては、フェルラ酸エステラーゼ(FAE)、ヒドロキシシンナモイルエステラーゼ、ヘミセルラーゼ補酵素、及びシンナモイルエステルヒドロラーゼ(cinnAE)などが挙げられる。
セルラーゼ、キシラナーゼを含むヘミセルラーゼ(複数可)、及び又はエステラーゼなどの適切な酵素は、当技術分野で公知の方法を使用して適切な宿主で発現させることができる。このような酵素はまた、純粋な形態又は酵素カクテルのいずれかで市販されている。特定の酵素活性は、やはり当技術分野で公知の方法を使用して、市販の酵素カクテルから精製することができる-例えば、Sorensen et al.(2005)´´Efficiencies of designed enzyme combinations in releasing arabinose and xylose from wheat arabinoxylan in an industrial fermentation residue´´(Enzyme and Microbial Technology 36(2005)773-784)を参照のこと。そこでは、Trichoderma reeseiのβ-キシロシダーゼがCelluclast(Finizym)から精製され、さらなる市販の酵素調製物が開示されている。
ある乾燥物レベル「での」処理/プロセスの実施は、特に別の指示がない限り、処理の開始時の原料の乾燥物含有量を指す。同様に、あるpH「での」処理/プロセスは、特に別の指示がない限り、処理の開始時のバイオマスの水性含有量のpHを指す。
本発明の文脈において、「pH及び/又は温度調整された」という用語は、酵素処理及び/又は発酵が適切なpH及び/又は温度条件下で行われることを可能にするためのpH及び/又は温度調整を含むことを意味する。
「DM」としても表される「乾燥物」は、可溶性及び不溶性の両方の全固形分を指し、有効には「非水内容物」を意味する。乾燥物含有量は、一定の重量が達成されるまで、40~120℃、好ましくは50~105℃で乾燥させることによって測定される。
「前処理」は、一般に、酸又は他の化学物質を添加して、又は添加せずに、120℃以上の温度で、高温液体、蒸気、又は高温液体若しくは蒸気を含む加圧蒸気、又はその両方として、バイオマスを「調理(cook)」するための水の使用を指す。本発明の文脈において、「水熱前処理」は、酵素消化に適した前処理されたバイオマスを提供することを目的とした、温度及び水を使用し、通常は圧力も使用することによる、リグノセルロース系バイオマスの軟化に関する方法、ユニット操作及び/又はプロセスを含むことを意味する。本発明の文脈における前処理は、酵素及び/又は微生物による廃棄物の液化の前に(あるいはその後又は同時に)、廃棄物を約70℃の(好ましくは再循環された)水と混合する工程であり得る。
「固体/液体分離」は、能動的な機械的プロセス及び/又は単位操作(複数可)を指し、それにより、液体は、例えば、プレス、遠心分離、沈降、デカントなどを介して何らかの力を加えることによって固体から分離される。一般に、固体/液体(s/l)分離は、液体画分及び固体画分を提供する。
本発明の文脈において、特に別の指示がない限り、「%」は重量/重量%(w/w)を示す。
1つ又は複数の単離された酵素調製物の「有効量」は、集合的に、使用される酵素調製物が、例えばバイオガスの生成のための嫌気性消化に適した基質である、高割合の糖及び他の可溶性分解生成物を含む溶液を提供するのに十分な廃棄物の可溶化を達成する量である。有効量は、本明細書に記載の可溶化試験の使用によって決定することができる。
「可溶化試験」は、十分な酵素処理のために所与の酵素組成物を廃棄物にどの程度添加すべきかを見出すために適用される試験である。MSWモデル基質に対する選択された酵素組成物の可溶化試験を適用して、最適な酵素的可溶化プロセスを同定することができる。都市固形廃棄物などの廃棄物の可溶化は、以下の試験方法を適用することによって決定することができる。
可溶化実験室試験I
植物起源の混合食品廃棄物41%、動物起源の混合食品廃棄物13%、及び混合セルロース廃棄物46%からなるモデル基質を細断し、混合し、均質になるまで数回粉砕し、3mmスクリーンを通過させ、より小さな部分に分割し、≦-18℃で凍結保存する。
それぞれが50mM酢酸ナトリウム緩衝液pH4.50±0.05中に1.500±0.010gの上記モデル基質のTS(60℃での総固体)を含有する予め風袋引きした50mL遠心管のセットに、試験する様々な量の酵素(典型的には5~60mg EP/gモデル基質のTS)を各管において20.000±0.025gの最終総重量で添加する。
管を密閉する蓋で閉じ、反応混合物を、試験管を毎分10.0±0.5回転で(くるくると)反転させることによって撹拌しながら50±1℃で24時間±10分間インキュベートする。
インキュベーション終了直後に、管を2100±10Gで10分間遠心分離し、遠心分離直後(及び5分未満以内)に、上清を別の予め風袋引きした管セットにデカントする。溶解していないモデル基質が残っている第1の管セット(蓋を含む)及び可溶化されたモデル基質を含むデカントされた上清を含む第2の管セットを、4つの小数分析天秤で秤量し、次いで、十分に換気された乾燥キャビネット内で60±1℃で6日間乾燥させる。
乾燥させた後、管(蓋を含む)を再度秤量し、ペレット及び上清中のTS量を決定し、質量バランスを以下のように計算する:
質量バランス%=((TSペレット+TS上清-TS酵素)/TSモデル基質)*100%
材料の損失がなく、適切な乾燥を保証するためのTSモデル基質(1.500±0.010g)に基づく質量バランスは、典型的には95~105%の間隔である。
デカントした上清の総量及びTS量に基づいて、デカントした上清中のTS%を以下のように計算する。
TS%=(デカントした上清のTS/総デカント上清)*100%
最後に、可溶化は以下のように計算される:
可溶化%=(((TS%*残留水/(1-TS%))-TS酵素)/TSモデル基質)*100%
デカントした上清のTS%及び残留水分量(デカントした上清及び残留湿潤ペレットの重量から空の管の重量及びモデル基質のTSを差し引いたもの)に基づいて可溶化を計算することによって、遠心分離ペレットに捕捉された液相も考慮される。
可溶化対酵素用量のグラフは、酵素の有効性(高酵素用量での最大可溶化)及び酵素の効力(特定レベルの可溶化を得るために必要な用量)の特徴を示す。
-酵素の有効性は、典型的には、試験するモデル基質組成物及び酵素組成物に応じて、35~70%の可溶化であり得る。使用中の用量は、典型的には、有効性の85~95%を得るために規定され得る。
本発明は、大規模産業用途を含む産業用途によく適しているようである。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1時間当たり少なくとも約100、200、500kgの廃棄物を使用して実施される。いくつかの実施形態では、少なくとも1、5、10、15、20、25、50、又は100トン(t)の廃棄物を1時間当たりに処理することができる。
本発明の文脈において、「嫌気性消化」という用語は、微生物が酸素の非存在下で生分解性材料を分解する生物学的プロセスを含むことを意味する。最終生成物の1つはバイオガスであってもよく、バイオガスは、例えば、燃焼させて電気及び/又は熱を生成することができる。バイオガスは、再生可能な天然ガス及び/又は輸送用燃料として、直接又はアップグレード後に使用することもできる。バイオガスは、天然ガス及び/又はバイオガスグリッドに注入することができる。
本発明の文脈において、「嫌気性消化システム」という用語は、システムを含むリアクタのそれぞれでメタンガスが生成される制御された曝気条件下で操作される1つ又は複数の消化槽を含む発酵システムを指す。メタンガスは、「嫌気性消化システム」内の発酵混合物の水相中の代謝的に生成された溶解メタンの濃度が、使用される条件で飽和する程度まで産生され、システムからメタンガスが放出される。「嫌気性消化システム」は、固定フィルタシステムであってもよい。「固定フィルタ嫌気性消化システム」は、嫌気性消化コンソーシアムが、任意にバイオフィルム内で、物理的支持マトリックス上に固定化されているシステムを指す。
「発酵槽」及び「消化槽」という用語は、互換的に使用することができる。「消化槽」は、多くの場合、バイオガス製造の文脈において、嫌気性消化に一般的に使用される。
同様に、「発酵」及び「消化」という用語は、互換的に使用することができる。「消化」は、多くの場合、バイオガス製造の文脈において、嫌気性消化に一般的に使用される。
本発明の文脈において、「消化物」又は「AD廃液」という用語は、バイオガス製造に使用される嫌気性消化(AD)からの残留排出物として定義される。嫌気性消化槽は、バイオガスの製造のための嫌気性条件下で微生物を用いて都市、工業、及び/又は農業の操作からの有機廃棄物を持続的に処理する。通常、「消化物」はアルカリ性pHを有し、主に水を含むが、懸濁固体及び溶解物質、例えば無機塩と有機塩の両方を含み得る塩も含む。
「排除水」は、AD消化物の1回又は複数回の固体-液体分離後に得られた液体画分として定義され、したがって、ADプロセスから得られたプロセス水を示すために適用される用語である。1回又は複数回の固体液体分離は、1回又は複数回のデカンテーション、遠心分離、濾過、凝集、加圧及び沈降を含むことができる。AD消化物と同様に、排除水は、アルカリ性pHを有し、溶解物質、例えば無機塩と有機塩の両方を含み得る塩を含む。排除水はまた、ADプロセスからのいくらかの懸濁物及び生きている微生物を含み得る。そのような水は、ADプラントから放出される前に、国の要件、例えば動物副産物法(APB)に従って衛生化及び/又は他の精製工程を受けることができる。
「洗浄水」は、バイオリアクタ廃液の固体-液体分離後に得られた任意の固体画分の洗浄に使用される任意の水流として定義される。洗浄水の例は、2D画分(織物、プラスチックフィルム、未消化の厚紙などの平坦な材料)及び/又は3D画分(金属及び固体プラスチック)の洗浄に使用された水であり、2D及び3D画分の洗浄に使用された洗浄水は、図1aに示すように、消化物の脱水からの排除水であり得る。しかしながら、洗浄ユニットからの使用済み洗浄水は、バイオリアクタ内のプロセス水として使用されてもよい。この水は低pHであり、洗い流された有機物及び残った酵素を含有するので、pH調整酸消費量、バイオリアクタプロセス及び例えばバイオガス収率が、バイオリアクタ内の使用済み洗浄水の再使用から利益を得る。洗浄水の他の例は、不活性物質、金属及び/又はプラスチックの洗浄に使用された水である。洗浄水は、一実施形態では、希釈されたバイオリキッドであり得る。
「外部供給源からの水」は、任意の供給源から得られた水を含み、その水は、酵素的及び/又は微生物的廃棄物処理プロセスにおけるいかなる工程にも以前に供されていない。したがって、外部供給源からの水は、水道水、酵素的及び/又は微生物的廃棄物処理プロセスに供されていない廃水、並びに天然源からの水を含む。
「天然源からの水」は、河川、湖及び池などの天然源から得られた水である。
「衛生化」は、特定の微生物活性を低下させるプロセスを指す。廃棄物中の微生物含有量を低減又は排除するために国家当局又は地域当局によって適用される様々な衛生化プロセスは、例えば、Liu X.,Lendormi T.,Lanoiselle J.-L.,2018,A review of hygienization technology of biowastes for anaerobic digestion:effect on pathogen inactivation and methane production,Chemical Engineering Transactions,70,529-534に記載及び比較されている。
「pH調整プロセス水」という用語は、pH調整工程後、通常は酸を添加してよりアルカリ性の低いpHを提供した後のプロセス水を含むことを意味する。
「プロセス水」:プロセス水は、工業プロセスからリサイクルされた水を含んでもよく、例えば、廃棄物は、本発明によるプロセスなどの酵素処理及び/又は微生物処理を受け、プロセス水は、洗浄水、排除水及びバイオリキッドを含む。プロセス水は、例えば有機塩及び/又は無機塩(複数可)、微生物/プレート数、懸濁固体、DM、及び/又はpHのいずれか1つに関して(それらの任意の組み合わせを含む)、飲料水よりも低品質である。プロセス水は、鉱物/塩含有量、pHなどに関して調整することができる。プロセス水は、上記のように、バイオリキッド、排除水及び洗浄水を含む。一実施形態において、プロセス水は、外部水ではない水、例えば水道水である。
「水道水」は、都市水、雨水収集水槽からの水、村のポンプ又は町のポンプからの水、及び小川、川、又は湖から運ばれる水を含む任意の種類の淡水として定義される。
本発明の文脈において、「乳酸産生細菌」という用語は、乳酸菌目「LAB」の両方の細菌を含み、現在受け入れられている分類は、原核生物の命名法及び分類法に関する情報を維持するオンラインデータベースであるList of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature(LPSN)に基づいており、国際細菌命名規約の分類要件及び規則に従っている。LAB目の系統発生は、「The All-Species Living Tree」プロジェクトによる16S rRNAに基づくLTPリリース106に基づいている。LAB目に属する細菌に加えて、本明細書で使用される「乳酸産生細菌」という用語は、LAB目に属さないがそれにもかかわらず乳酸を産生することができる細菌も含む。
「可溶分」は、廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理から得られた分解産物を指し、微生物代謝産物と呼ばれることもある。したがって、可溶分は、バイオリキッド中に存在し、通常、廃棄物の組成に応じて、タンパク質、脂肪、ガラクトース、マンノース、グルコース、キシロース、アラビノース、乳酸塩、酢酸塩、エタノール及び/又は他の成分などの基質の混合物である(タンパク質及び脂肪などの成分は可溶性及び/又は不溶性の形態であり得る)。可溶分/微生物代謝産物は、ガス製造のための基質、例えばバイオガスの製造のための嫌気性消化に適した基質を提供する。
「廃棄物」は、分別された及び分別されていない都市固形廃棄物(MSW)、農業廃棄物、病院廃棄物、産業廃棄物、例えばレストラン産業、食品加工産業、一般産業などの産業に由来する廃棄物画分、製紙業界からの廃棄物画分、リサイクル施設からの廃棄物画分、食品又は飼料産業からの廃棄物画分、医薬品産業からの廃棄物画分、病院及び診療所からの廃棄物画分、農業又は農場関連部門からの廃棄物画分、糖又はデンプンに富む生成物の処理からの廃棄物画分、汚染された、又は他の方法で腐敗した、食品又は飼料目的に利用できない穀物、ジャガイモ及びビートなどの農業製品、又は園芸ごみを含む。
「都市固形廃棄物」(MSW)は、典型的には都市で発生するが、それ自体いかなる自治体にも由来する必要がない廃棄物画分を指し、すなわち、MSWは、必ずしも典型的な家庭廃棄物ではないが、あらゆる自治体からのあらゆる固形廃棄物を指し、とりわけ、空港、大学、キャンパス、庭園、一般食品廃棄物からの廃棄物であり得る。MSWは、セルロース系廃棄物、植物廃棄物、動物廃棄物、プラスチック廃棄物、金属廃棄物又はガラス廃棄物のうちの1つ又は複数の任意の組み合わせであり得、これらには、以下のうちの任意の1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない:通常の都市収集システムで収集されたゴミは、任意に、中央分別、破砕又はパルプ化装置、例えばDewaster(登録商標)又はreCulture(登録商標)で処理され、有機画分と紙が豊富な画分の両方を含む、家庭から分別された固形廃棄物、一般に、世界の西の地域の都市固形廃棄物は、通常、動物性食品廃棄物、植物性食品廃棄物、新聞用紙、雑誌、広告、書籍、事務用紙、他の清浄紙、紙及びカートン容器、他の厚紙、牛乳パックなど、ジュースパック及びアルミニウム箔付きの他のカートン、キッチンティッシュ、他の汚れた紙、他の汚れた厚紙、軟質プラスチック、プラスチックボトル、他の硬質プラスチック、リサイクル不可能なプラスチック、庭ごみ、花など、動物及び排泄物、おむつ及びタンポン、綿棒など、他の綿など、木材、織物、靴、皮革、ゴムなど、事務用品、空の化学薬品ボトル、プラスチック製品、吸殻、他の可燃性物品、掃除機バッグ、クリアガラス、グリーンガラス、ブラウンガラス、他のガラス、アルミニウム容器、アルミニウムトレイ、アルミニウム箔(ティーライト蝋燭箔を含む)、金属容器(Al)、金属箔(-Al)、他の種類の金属、土壌、岩石、石及び砂利、セラミック、ネコ敷き藁、電池(ボタン電池、アルカリ、温度計など)、他の不燃性物質及び微粉のうちの1つ又は複数を含む。
「Renescience」という単語は、デンマークに設立されたエネルギーソリューションのプロバイダであるOrstedの下の会社を指す。Renescienceは、有機物を含む廃棄物を処理し、液化有機物を廃棄物からエネルギーに変換するための酵素的及び/又は微生物的廃棄物処理技術を適用する。
発明の詳細な説明
本発明により、驚くべきことに、バイオリキッド、洗浄水、及びADプロセスから得られた排除水などのプロセス水が、廃棄物が酵素分解及び/又は微生物分解を受けるバイオリアクタ内の水の供給源として再使用できることが見出された。これは、そうでなければ廃棄物の酵素分解及び/又は微生物分解に必要とされる水の量を減少させる。本明細書では、プロセス水は、バイオリアクタに添加される前に必ずしも衛生化される必要はないことが示されている。プロセス水、例えば排除水が衛生化されている場合、約70℃であるこの水は、好ましくは再利用され、液化の前に廃棄物と混合され得る。バイオリアクタ内で液化プロセスを連続的に進行させるために、バイオリアクタ内のpHは、好ましくはpH2~6.5、例えば3.5~6、又は3~5であることが分かった。バイオリアクタ内のpHは、連続的又は不連続的に監視することができる。したがって、一実施形態では、排除水のpHは、酸の添加及び/又はアンモニウム含有量の低減によって3.5~6に調整される。プロセス水は、水道水/精製水などの外部供給源からの水と共に添加又は混合されてもよい。
本明細書では、水道水(pH7)の添加を伴い、且つ、バイオリアクタ内のpHの調節を伴わない、廃棄物の組み合わされた酵素処理及び微生物処理の間に、最初の24時間中に酸性化が観察されることが示されている。これらの実験における酸性化は、主に乳酸の形成に起因することが見出された。約24時間後、pHが約4.8に低下することがわかり、乳酸の生成速度が有意に低下した。48時間後、乳酸塩の産生が停止した。
本明細書では、ADプロセスからの排除水をバイオリアクタに添加すると、pHが約4.8で安定化していたバイオリアクタのpHが上昇することが分かった。このpHの上昇は、廃棄物の酵素的及び/又は微生物的液化に悪影響を及ぼし、より少ない有機酸を有するバイオリキッド、したがって価値のあるエネルギー源へのさらなる処理のための品質がより低いバイオリキッドをもたらした。また、本明細書に示されるように、排除水、廃棄物及び酵素のいくつかのより小さな添加は、約4.8のpHを達成するためのより速い方法であることが分かった。特定の理論に束縛されるものではないが、より速い酸性化は、より少量の排除水の添加によって達成され、主に以下の2つの要因の結果であると考えられる。1)排除水が添加されるとき、既に確立された乳酸コミュニティが存在する。2)低pHのバイオリキッドの存在は、排除水の添加によるpH上昇を制限し、これにより、添加されたMSWの変換において酵素がより効率的に機能することが可能になる。したがって、本発明の好ましい実施形態では、プロセス水をバイオリアクタに添加する前にプロセス水のpHの調整を行わない場合、可溶分の継続的な製造を提供するために、プロセス水をバッチで添加してpHをpH3.5~6に維持する。
脱水消化物からの排除水は、事前の衛生化なしにバイオリアクタに入ると、主に古細菌を含む。乳酸菌がバイオリアクタに入る古細菌集団を打ち負かすことができる場合、これは液化プロセスにとって問題ではない。ここでは、排除水がバイオリアクタに入ると、乳酸集団は減少するが、その後回復するのに対して、古細菌集団はバイオリアクタに入ると着実に減少することが示されている。したがって、例えば古細菌を含む排除水などの非衛生化プロセス水の使用は、液化プロセスを阻害しない。
結論として、開示された実施例は、炭水化物などの廃棄物中の有機物の、有機酸、例えば乳酸、酢酸及びコハク酸などの可溶分への酵素的及び/又は微生物的変換において、とりわけ有意な量の塩及び古細菌を含む嫌気性消化からの廃棄生成物である排除水などのプロセス水を外部水の代わりに首尾よく使用できることを実証している。その結果、現在、水のかなりの部分が再利用される商業規模で廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理を行うことが可能であり、したがってプロセスの全体的な水消費量を低減する。
本発明の方法は、廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法であって、
a)バイオリアクタ内で廃棄物を酵素処理及び/又は微生物処理に供すること、
b)工程a)からの処理済み廃棄物を1回又は複数回の分離工程に供することであって、それにより、バイオリキッド及び固体画分が提供される、分離工程に供すること、
c)バイオリキッド及び/又は固体画分を下流処理に供してプロセス水をもたらすこと、
d)工程c)から得られたプロセス水及び任意に外部水源からの水を工程a)においてバイオリアクタに添加すること、
を含む方法である。
本発明の第1の態様による方法は、1つ又は複数のバイオリアクタ及び/又は同じ廃棄物処理ループの一部であるAD消化槽などの1つ又は複数の下流処理工程を含む単一の廃棄物処理プラント内で実行することができ、あるいは、プロセス水は、1つ又は複数の異なる、場合によっては独立した廃棄物処理及び/又はバイオガス生産場所から得られてもよい。
工程a)
工程a)における廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理は、ここではバイオリアクタと示されるリアクタ内で行われる。処理は、1つ又は複数の酵素を添加することによって、及び廃棄物中に存在する細菌によって行われる。任意に、廃棄物中に存在する有機物を嫌気性消化プロセスにおけるその後のバイオガス生産に適した組成物に変換することができる標準的な、培養された、又は操作された酵母、細菌、又は任意の他の微生物をバイオリアクタに添加することができる。酵素は、天然形態又は酵素を発現する微生物の形態のいずれかで供給される。廃棄物の乾燥物含有量に応じて、通常、水をプロセスに添加しなければならない。本発明の文脈において、そのような添加水の少なくとも一部は、再利用水、例えばプロセス水である。
工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理は、天然形態及び/又はそのような酵素の発現を生じさせる微生物の形態のいずれかで供給される1つ又は複数の酵素を添加することによって、及び/又は、廃棄物中に存在する細菌によって、及び/又は任意に、標準的な、培養された、若しくは操作された酵母、細菌、又は廃棄物中に存在する有機物を、嫌気性消化プロセスにおけるその後のバイオガス生産に適した、有機酸若しくは他の組成物、例えば乳酸、3-ヒドロキシプロピオン酸(3-HPA)、1,4-ブタンジオール(BDO)、ブタン二酸(コハク酸)、エタン-1,2-ジオール(エチレングリコール)、ブタノール若しくは1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)に変換することができる任意の他の微生物を添加することによって、実施され得る。
一実施形態では、本発明の方法は、工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理が、天然形態又はそのような酵素の発現を生じさせる微生物の形態のいずれかで供給される酵素を添加することによって、及び/又は廃棄物中に存在する細菌によって、及び任意に、標準的な、培養された、若しくは操作された酵母、細菌、又は生化学物質、エタノール、若しくはバイオガスを産生することができる任意の他の微生物を添加することによって行われる方法である。
工程a)においてバイオリアクタに添加され得る微生物には、酵母、並びに/又は真菌及び/若しくは細菌が含まれる。
工程a)でバイオリアクタに添加され得る他の微生物には、ヘキソース並びにセロビオース、グルコース、キシロース及びアラビノースを含むがこれらに限定されないペントースを、クエン酸、乳酸、ギ酸、酢酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸及びプロピオン酸を含むがこれらに限定されない短鎖有機酸、並びにエタノールを含むがこれらに限定されないアルコールに効率的に発酵させることができる細菌が含まれる。
工程a)においてバイオリアクタに添加され得る他の微生物としては、以下が挙げられる:Bacillus種などの発酵生物、例えば、Bacillus coagulans、Candida種、例えばC.sonorensis、C.methanosorbosa、C.diddensiae、C.parapsilosis、C.naedodendra、C.blankii、C.entomophilia、C.brassicae、C.pseudotropicalis、C.boidinii、C.utilis、例えばC.scehatae、Clostridium種、例えばC.acetobutylicum、C.thermocellum、例えばC.phytofermentans、Escherichia種、例えばE.coli、特に、エタノール、バイオエタノール、又は乳酸の収率を改善させるために遺伝子か改変されたE.coli株、Geobacillus種、Hansenula種、例えばHansenula anomala、Klebsiella種、例えばK.oxytoca、Kluyveromyces種、例えばK.marxianus、K.lactis、K.thermotolerans、例えばK.fragilis、Schizosaccharomyces種、例えばS.pombe、Thermoanaerobacter種、例えばThermoanaerobacter saccharolyticum、例えばZymomonas種、例えばZymomonas mobilis.Lactobacillus種、例えばLactobacillus delbrueckii亜種Bulgaricus、Lactobacillus ultunensis、Lactobacillus senmaizukei、Lactobacillus equicursoris、Lactobacillus tucceti、Lactobacillus brantae、Lactobacillus parakefiri、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus intermedius、Lactobacillus mucosae、Lactobacillus agili,s Lactobacillus equi、Lactobacillus delbrueckii、Lactobacillus frumenti、Lactobacillus letivazi、Lactobacillus thailandensis、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus apis、Lactobacillus acidifarinae、Lactobacillus gallinarum、Lactobacillus kalixensis、Lactobacillus hayakitensis Lactobacillus gastricus、Lactobacillus homohiochii、Lactobacillus guizhouensis、Lactobacillus intestinalis、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus iners、Lactobacillus brevis、Lactobacillus fermentum、Lactobacillus oris、Lactobacillus coleohominis、Lactobacillus panis、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus ruminis、Lactobacillus suebicus、Lactobacillus pobuzihii、Lactobacillus similis、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus manihotivorans、Lactobacillus nodensis、Lactobacillus aviaries、Lactobacillus vaginalis、Lactobacillus namurensis、Lactobacillus rossiae、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus jensenii、Lactobacillus parabrevis、Lactobacillus equigenerosi、Lactobacillus oligofermentans、Lactobacillus farciminis、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus parabuchneri、Lactobacillus parabuchneri、Lactobacillus hamsteri、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus bobalius、Lactobacillus Alimentarius、Lactobacillus crustorum、Lactobacillus pontis、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus taiwanensis Lactobacillus antri、Lactobacillus siliginis、Lactobacillus kitasatonis、Lactobacillus camelliae、Lactobacillus secaliphilus、Lactobacillus ingluviei、Pediococcus種、Fructobacillus pseudoficulneus、Lactobacillus gigeriorum、Pediococcus種、例えばPediococcus argentinicus、Pediococcus stilesii、Pediococcus cellicola、Streptococcus種、Alkalibacterium種、Leuconostoc種、Enterococcus種、Tetragenococcus種、例えばTetragenococcus doogicus、Weissella種、Streptococcus fryi、Oenococcus種、Enterococcus cecorum、Vagococcus teuberi、Streptococcus bovis、Lactobacillus faeni、Pediococcus acidilactici、Leuconostoc carnosum、Lactobacillus japonicus、Trichococcus種、Weissella minor、Weissella salipiscis、Facklamia、Vagococcus、Enterococcus camelliae、Streptococcus infantarius、Aerococcus viridans、Lactococcus fujiensis、Alkalibacterium subtropicum、Weissella viridescens、Lactobacillus amylolyticus、Facklamia tabacinasalis、Streptococcus dentirousetti、Streptococcus vestibularis、Desemzia incerta、Pediococcus parvulus、Streptococcus dentapri、Granulicatella elegans、Enterococcus columbae、Aerococcus urinaeequi、Pediococcus siamensis、Weissella soli、Aerococcus種、Enterococcus rotate、Streptococcus milleri、Carnobacterium inhibens、Streptococcus ursoris、Desemzia種、Vagococcus penaei、Streptococcus castoreus、Enterococcus asini、Enterococcus lactis、Weissella paramesenteroides、Melissococcus種、Vagococcus fluvialis、Lactobacillus versmoldensis、Streptococcus gallinaceus、Enterococcus hawaiiensis、Leuconostoc palmae、Pediococcus inopinatus、Tetragenococcusspp.、Facklamia languida、Lactococcus種、Abiotrophia defective、Weissella thailandensis、Facklamia hominis、Lactobacillus paracasei、Streptococcus halichoeri、Streptococcus equinus、Enterococcus gilvus、Enterococcus inusitatus、Streptococcus alactolyticus、Enterococcus aquimarinus、Carnobacterium mobile、Streptococcus parasanguinis、Streptococcus tigurinus、Streptococcus luteciae、Granulicatella adiacens、Lactococcus種、例えばLactococcus raffinolactis、Carnobacterium maltaromaticum、Enterococcus avium、Streptococcus peroris、Streptococcus plurextorum、Lactobacillus vaccinostercus、Streptococcus troglodytae、Tetragenococcus solitaries、Weissella hanii、Carnobacterium種、Lactococcus garvieae、Lactococcus lactis、Streptococcus lactarius、Marinilactibacillus psychrotolerans、Carnobacterium funditum、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc pseudomesenteroides、Enterococcus haemoperoxidus、Enterococcus gallinarum、Enterococcus italicus、Aerococcus christensenii、Streptococcus didelphis、Streptococcus orisratti、Alkalibacterium iburiense、Lactobacillus collinoides、Trichococcus flocculiformis、Aerococcus sanguinicola Lactobacillus amylovorus、Leuconostoc gelidum、Leuconostoc gasicomitatum、Granulicatella種、Leuconostoc kimchi、Leuconostoc argentinum、Streptococcus sanguinis、Streptococcus pseudopneumoniae、Weissella koreensis、Fructobacillus種、
Leuconostoc garlicum、Weissella cibaria、Leuconostoc citreum、Lactobacillus zymae、Fructobacillus fructosus、Leuconostoc inhae、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus hammesii、Lactobacillus nantensis、Lactobacillus paralimentarius、Streptococcus thermophilus、Leuconostoc lactis、Weissella confuse、Lactobacillus acetotolerans、Lactobacillus otakiensis、Fructobacillus ficulneus、Lactobacillus kefiri、Lactobacillus zeae、Lactobacillus casei、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus pantheris、Marinilactibacillus piezotolerans、Lactobacillus acidipiscis、Lactobacillus malefermentans、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus parafarraginis、Carnobacterium gallinarum、Vagococcus carniphilus、Streptococcus parauberis、Lactobacillus sanfranciscensis、Carnobacterium divergens、Streptococcus oralis、Streptococcus infantis、Enterococcus casseliflavus、Streptococcus oligofermentans、Lactobacillus kefiranofaciens、Streptococcus australis、Pediococcus claussenii、Alkalibacterium psychrotolerans、Enterococcus durans、Vagococcus salmoninarum、Vagococcus lutrae、Enterococcus faecalis Carnobacterium viridans、Lactobacillus kisonensis、Pediococcus pentosaceus、Enterococcus mundtii、Enterococcus sulfureus、Enterococcus silesiacus、Lactobacillus kimchi、Fructobacillus tropaeol,i Abiotrophia種、Streptococcus anginosus、Pediococcus ethanolidurans。
発酵微生物は、キシロース利用微生物、アラビノース利用微生物、キシロース及びアラビノース共利用微生物などのペントース糖を発酵させる能力を提供するように遺伝子改変されていてもよい。
発酵生物は、本明細書に記載の1つ又は複数のセルロース分解性酵素、ヘミセルロース分解性酵素、及びアクセサリー酵素をコードする1つ又は複数のポリヌクレオチドを含み得る。
廃棄物中に存在するか又はバイオリアクタに添加された微生物は、発酵性糖及び有機酸又は他の組成物、例えば乳酸、3-ヒドロキシプロピオン酸(3-HPA)、1,4-ブタンジオール(BDO)、ブタン二酸(コハク酸)、エタン-1,2-ジオール(エチレングリコール)、ブタノール又は1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)を産生し得、これらはその後の嫌気性消化プロセスで供給材料として使用され得る。これらの有機酸又は他の組成物は、酢酸塩、プロピオン酸塩及び酪酸塩をさらに含む。処理に適した廃棄物は、通常、少なくとも乳酸産生細菌を含む。
工程a)における酵素分解及び/又は微生物分解の前に微生物を添加する及び/又は廃棄物に接種する(菌を植え付ける)場合、1つ又は複数種の乳酸産生細菌種を使用することができる。
接種に使用される細菌製剤が異なる生物のコミュニティを含み得ることは、当業者によって容易に理解されるであろう。任意の所与の地理的地域に存在し、その地域からのMSWなどの廃棄物中で増殖するように適合された1つ又は複数の天然に存在する細菌を使用することができる。当技術分野で周知のように、乳酸産生細菌は遍在性であり、典型的には、MSWなどの廃棄物内の任意の天然に存在する細菌コミュニティの主要成分を含む。
好ましい実施形態では、工程a)における微生物処理は、微生物組成物によって行われ、生存微生物の大部分は、例えばBacillus coagulansを含む乳酸産生細菌である。
工程a)における微生物処理は、生存微生物の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は99%が乳酸産生細菌である微生物組成物によって実施され得る。
処理工程a)は、およそ1×10CFU/ml、1×10CFU/ml、1×10CFU/ml、9×10CFU/ml、1.0×10又は1.0×10CFU/mlのBacillus coagulans濃度などの発酵生物を含む乳酸菌生菌及び/又は他の微生物と廃棄物を接触させることを含み得る。これらの微生物を廃棄物に添加する場合、これらを少なくとも1×10CFU/ml、1×10CFU/ml、1×10CFU/ml、9×10CFU/ml、1.0×10、1.0×10又は1.0×1010CFU/mlの濃度で添加すべきである。好ましい実施形態では、これらの微生物は、1×10CFU/ml~9×10CFU/mlの濃度で廃棄物に添加される及び/又は廃棄物中に存在する。好ましい実施形態では、これらの微生物は既に廃棄物中に存在し、追加の微生物は添加されない。
本発明の方法の一実施形態では、工程a)における処理は、廃棄物を少なくとも1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×10CFU/Lの乳酸菌生菌濃度と接触させることを含む。
本発明の方法の一実施形態では、工程a)における処理は、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×1010CFU/Lの濃度で微生物を廃棄物に添加することを含む。
処理工程a)は、細胞外セルラーゼ活性を示す1つ又は複数の微生物の接種によるセルラーゼ活性の添加を含み得る。
工程a)では、廃棄物を酵素組成物で処理することができる。適切な酵素組成物は当技術分野で周知であり、例えばセルロース分解性バックグラウンド組成物などの市販されている。
所与の酵素組成物のどの程度の酵素が添加され得るかを見出すために、モデル廃棄物に対する酵素組成物の可溶化試験を適用して、最適な酵素可溶化プロセスを提供することができる。
可溶化試験によって決定することができるのは、プロセスの開始時に添加される酵素の量だけではない。可溶化試験はまた、工程d)でバイオリアクタに任意に添加された酵素を含む全酵素性能をプロセス水中に含まれるものとして決定する場合に適用することができる。酵素が新鮮な酵素として廃棄物に添加されるか、又はプロセス水に含まれる「再使用可能な」酵素として添加されるか、又は新鮮な酵素と再使用された酵素との混合物として添加されるかにかかわらず、リアクタにおける酵素の有効性は、典型的には、試験されるモデル基質組成物及び酵素組成物に応じて、実験室アッセイにおけるモデル基質の35~70%可溶化であり得る。
このプロセスに添加される場合、セルロース分解性バックグラウンド組成物(CBC)は、市販のセルロース分解性酵素調製物を含み得る。本発明による方法での使用に適した市販のセルロース分解性酵素製剤の例としては、例えば、CELLIC(登録商標)CTec(Novozymes A/S)、CELLIC(登録商標)CTec2(Novozymes A/S)、CELLIC(登録商標)CTec3(Novozymes A/S)、CELLUCLAST(登録商標)(Novozymes A/S)、NOVOZYM(商標)188(Novozymes A/S)、SPEZYME(商標)CP(Genencor Int.)、ACCELLERASE(商標)TRIO(DuPont)、FILTRASE(登録商標)NL(DSM)、METHAPLUS(登録商標)S/L 100(DSM)、ROHAMENT(商標)7069 W(Rohm GmbH)、又はALTERNAFUEL(登録商標)CMAX3(商標)(Dyadic International,Inc.)が挙げられるが、これらに限定されない。
酵素組成物がCBC中に存在する活性とは別にさらなる酵素活性を含む場合、そのような酵素活性は、個々の供給源から、又は酵素ブレンドの一部として一緒に添加され得る。適切なブレンドには、Dyadic International(Jupiter,フロリダ,米国)からの市販の酵素組成物Cellulase PLUS、Xylanase PLUS、BrewZyme LP、FibreZyme G200及びNCE BG PLUS、又はGenencor(Rochester,ニューヨーク,米国)からのOptimash BGが含まれるが、これらに限定されない。
CBCは、以下の酵素活性を含み得る:
セロビオヒドロラーゼI:
エンド-1,4-β-グルカナーゼ
β-グルコシダーゼ
エンド-1,4-β-キシラナーゼ
β-キシロシダーゼ
β-L-アラビノフラノシダーゼ
アミログロコシダーゼ
α-アミラーゼ
アセチルキシランエステラーゼ
セルロース分解性酵素調製物は、廃棄物が、ヨーロッパ北部の家庭からのMSWの有機画分を模倣するMSWモデル基質(画分I41%(植物起源の食品廃棄物)、画分II13%(動物起源の食品廃棄物)及び画分III46%(カートン、紙、木材及び織物))に対応する組成を有する場合、固形分の約0.5~約10重量%、例えば、固形分の約1~約5重量%の有効量で添加され得る。他の地理的地域からのMSWでは、MSWの組成はモデル基質と一致しない場合があり、そのような場合、酵素性能は、十分な可溶化を得るために必要な酵素の量を同定するために、本明細書に開示される試験などの溶解度試験を適用することによって適切なモデル基質で試験されるべきである。
例えばCBCに加えて添加され得る他の酵素を以下に列挙する。
工程a)における酵素分解プロセスで使用することができる細菌エンドグルカナーゼの例には、Acidothermus cellulolyticusエンドグルカナーゼ(WO91/05039、WO93/15186、US特許5,275,944、WO96/02551、US特許5,536,655、WO00/70031、WO05/093050号)、Erwinia carotovaraエンドグルカナーゼ(Saarilahti et al.,1990,Gene 90:9-14)、Thermobifida fuscaエンドグルカナーゼIII(WO05/093050)、及びThermobifida fuscaエンドグルカナーゼV(WO05/093050)の1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。
工程a)における酵素分解プロセスで使用することができる真菌エンドグルカナーゼの例には、Trichoderma reeseiエンドグルカナーゼI(Penttila et al.,1986,Gene 45:253-263、Trichoderma reesei Cel7BエンドグルカナーゼI(GenBank:M 15665)、Trichoderma reeseiエンドグルカナーゼII(Saloheimo et al.,1988,Gene 63:11-22)、Trichoderma reesei Cel5AエンドグルカナーゼII(GenBank:M19373)、Trichoderma reeseiエンドグルカナーゼIII(Okada et al.,1988,Appl.Environ.Microbiol.64:555-563,GenBank:AB003694)、Trichoderma reeseiエンドグルカナーゼV(Saloheimo et al.,1994,Molecular Microbiology 13:219-228,GenBank:Z33381)、Aspergillus aculeatusエンドグルカナーゼ(Ooi et al.,1990,Nucleic Acids Research 18:5884)、Aspergillus kawachiiエンドグルカナーゼ(Sakamoto et al.,1995,Current Genetics 27:435-439)、Fusarium oxysporumエンドグルカナーゼ(GenBank:L29381)、Humicola grisea var.thermoideaエンドグルカナーゼ(GenBank:AB003107)、Melanocarpus albomycesエンドグルカナーゼ(GenBank:MAL515703)、Neurospora crassaエンドグルカナーゼ(GenBank:XM_324477)、Humicola insolensエンドグルカナーゼV、Myceliophthora thermophila CBS 117.65エンドグルカナーゼ、Thermoascus aurantiacusエンドグルカナーゼI(GenBank:AF487830)、Trichoderma reesei株No.VTT-D-80133エンドグルカナーゼ(GenBank:M15665)、及びPenicillium pinophilumエンドグルカナーゼ((WO2012/062220)並びにAspergillus nigerによって産生されるエンドグルカナーゼの1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。
工程a)における酵素分解プロセスで使用することができるセロビオヒドロラーゼの例には、Aspergillus aculeatusセロビオヒドロラーゼII(WO2011/059740)、Aspergillus fumigatusセロビオヒドロラーゼI(WO2013/028928)、Aspergillus fumigatusセロビオヒドロラーゼII(WO2013/028928)、Chaetomium thermophilumセロビオヒドロラーゼI、Chaetomium thermophilumセロビオヒドロラーゼII、Humicola insolensセロビオヒドロラーゼI、Myceliophthora thermophilaセロビオヒドロラーゼII(WO2009/042871)、Penicillium occitanisセロビオヒドロラーゼI(GenBank:AY690482)、Talaromyces emersoniiセロビオヒドロラーゼI(GenBank:AF439936)、Thielavia hyrcanieセロビオヒドロラーゼII(WO2010/141325)、Thielavia terrestrisセロビオヒドロラーゼII(CEL6A、WO2006/074435)、Trichoderma reeseiセロビオヒドロラーゼI、Trichoderma reeseiセロビオヒドロラーゼII、及びTrichophaea saccataセロビオヒドロラーゼII(WO2010/057086)の1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。
工程a)における酵素分解プロセスで使用することができるβ-グルコシダーゼの例には、Aspergillus aculeatus(Kawaguchi et al.,1996,Gene 173:287-288)、Aspergillus fumigatus(WO2005/047499)、Aspergillus niger(Dan et al.,2000,J.Biol.Chem.275:4973-4980)、Aspergillus oryzae(WO02/095014)、Penicillium brasilianum IBT 20888(WO2007/019442及びWO2010/088387)、Thielavia terrestris(WO2011/035029)、及びTrichophaea saccata(WO2007/019442)由来のβ-グルコシダーゼの1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。
他の有用なエンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びβ-グルコシダーゼは、Henrissat,1991,Biochem.J.280:309-316、及びHenrissat and Bairoch,1996,Biochem.J.316:695-696による分類を使用して、多数のグリコシルヒドロラーゼファミリーに開示されている。
任意の「Auxiliary Activity 9ポリペプチド」又は「AA9」ポリペプチドを酵素組成物の成分として使用することができる。
工程a)における酵素分解プロセスで使用することができるAA9ポリペプチドの例には、Thielavia terrestris(WO2005/074647、WO2008/148131、及びWO2011/035027)、Thermoascus aurantiacus(WO2005/074656及びWO2010/065830)、Trichoderma reesei(WO2007/089290及びWO2012/149344)、Myceliophthora thermophila(WO2009/085935、WO2009/085859、WO2009/085864、WO2009/085868、及びWO2009/033071)、Aspergillus fumigatus(WO2010/138754)、Penicillium pinophilum(WO2011/005867)、Thermoascus種(WO2011/039319)、Penicillium種emersoni(WO2011/041397及びWO2012/000892)、Thermoascus crustaceous(WO2011/041504)、Aspergillus aculeatus(WO2012/125925)、Thermomyces lanuginosus(WO2012/113340、WO2012/129699、WO2012/130964、及びWO2012/129699)、Aurantiporus alborubescens(WO2012/122477)、Trichophaea saccata(WO2012/122477)、Penicillium thomii(WO2012/122477)、Talaromyces stipitatus(WO2012/135659)、Humicola insolens(WO2012/146171)、Malbranchea cinnamomea(WO2012/101206)、Talaromyces leycettanus(WO2012/101206)、及びChaetomium thermophilum(WO2012/101206)、及びTalaromyces thermophilus(WO2012/129697及びWO2012/130950)由来のAA9ポリペプチドの1つ又は複数が含まれるが、これらに限定されない。
工程a)の酵素分解プロセスで使用することができるプロテアーゼの例は、Bacillus属、例えばBacillus amyloliquefaciens、例えばWO17076421に開示されている配列番号1によってコードされるプロテアーゼ、又はWO17076421に開示されている配列番号1と少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するプロテアーゼに由来し得る。
工程a)の酵素分解プロセスで使用することができるリパーゼの例は、Thermomyces属、例えばThermomyces lanuginosus、例えばWO17076421に開示されている配列番号2によってコードされるリパーゼ(又はWO17076421に開示される配列番号2と少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは100%の配列同一性を有するリパーゼ)又はHumicola属、例えば、Humicola insolensなどに由来するリパーゼに由来し得る。
工程a)の酵素分解プロセスで使用することができるβ-グルカナーゼの例は、Aspergillus属のメンバー、例えばAspergillus aculeatus、例えばWO17076421に開示されている配列番号4によってコードされる配列によってコードされるβ-グルカナーゼ又はそのホモログ(例えば、WO17076421に開示されている配列番号4と少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有するβ-グルカナーゼ)に由来し得る。
工程a)の酵素分解プロセスで使用することができるペクチン酸リアーゼの例は、ペクチン酸リアーゼ、キシラナーゼ及びセルラーゼ活性を含む多成分酵素組成物、例えばNovozym 81243(商標)の一部を形成し得る。
工程a)の酵素分解プロセスで使用することができるマンナナーゼの例は、Rhizomucor属、例えばRhizomucor pusillus、例えば、WO17076421に開示されているような配列番号5によってコードされるα-アミラーゼに由来するα-アミラーゼ又はそのホモログ(例えば、WO17076421に開示される配列番号5と少なくとも60%、例えば少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するα-アミラーゼ)であり得る。
廃棄物の生分解性部分の酵素処理は、任意に、工程a)による微生物発酵と同時に、20℃を超え75℃までの温度で行われてもよく、廃棄物の生分解性部分の液化及び/又は糖化並びに糖及び他の可溶性分解生成物の蓄積をもたらす。
処理工程a)による方法は、20~75℃、30℃~70℃、40℃~65℃、45℃~65℃の温度で実施することができる。
本発明の方法の好ましい実施形態では、処理工程a)は、20~75℃、30℃~70℃、40℃~60℃、45~55℃、又は約50℃の温度で行われる。
1つの好ましい温度範囲は、最も現在の適切な酵素組成物の最適温度であり、50℃~56℃、例えば53℃である。別の好ましい温度範囲は、他の適切な酵素組成物の至適温度であり、55℃~57℃である。
酵素処理の開始前にMSWなどの廃棄物の温度を調整することが有利であり得る。当技術分野で周知のように、セルラーゼ及び他の酵素は、典型的には最適な温度範囲を示す。極端な好熱性生物から単離された酵素の例は確かに知られており、60℃程度又はさらには70℃程度の最適温度を有するが、酵素の最適温度範囲は典型的には35℃~55℃の範囲内である。酵素処理は、30℃~35℃、又は35℃~40℃、又は40℃~45℃、又は45℃~50℃、又は50℃~55℃、又は55℃~60℃、又は60℃~65℃、又は65℃~70℃、又は70℃~75℃の温度範囲内で行われ得る。
本明細書で使用される場合、MSWなどの廃棄物が加熱される温度は、リアクタ内で達成されるMSWなどの廃棄物の最高平均温度である。最高平均温度は、必ずしも全期間にわたって維持されなくてもよい。加熱リアクタは、異なる温度で段階的に加熱が行われるように、異なるゾーンを含んでもよい。加熱は、酵素処理が行われるのと同じリアクタを使用して達成され得る。加熱の目的は、単に大部分のセルロース系廃棄物及びかなりの割合の植物廃棄物を酵素処理に最適な状態にすることである。酵素処理に最適な条件にするために、廃棄物は、理想的には、酵素処理に使用される酵素活性に適した温度及び含水量を有するべきである。
加熱中に撹拌して、均一に加熱された廃棄物を得ることが有利であり得る。撹拌は、廃棄物及び廃棄物混合物に剪断力を生成するための機械的エネルギーの導入をさらに達成する。撹拌は、実質的に水平な軸に沿って回転するチャンバを有するリアクタ内、又はMSWなどの廃棄物を持ち上げる回転軸を有するミキサー内、又はMSWなどの廃棄物を持ち上げる水平なシャフトもしくはパドルを有するミキサー内での混合などの自由落下混合を含むことができる。撹拌は、振盪、撹拌、又は搬送スクリューコンベヤによる搬送のうちの1つ又は複数を含むことができる。撹拌は、MSWなどの廃棄物が所望の温度に加熱された後に継続することができる。
工程a)のバイオリアクタは、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50tを超える廃棄物を1時間当たり処理するように適合されてもよい。
本発明の方法は、任意のプラント規模で適用することができる。これは、実験室試験で小規模、試験プラントで中規模、及び大規模廃棄物処理プラントで試験されている。一実施形態では、工程a)におけるバイオリアクタの充填容積は、操作中に10、50、100、150、200、250、300、350、400、450又は500m3よりも大きく、6000mなど、はるかに大きくてもよく、1時間当たり5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50トンを超える廃棄物を処理する適切なプラントである。
廃棄物、例えばMSWは、10%~90%、20%~85%、30%~80%、40%~75%、50%~70%、又は55%~65%(w/w)、及び/又は約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又は90%(w/w)の範囲の乾燥物(DM)含有量を有し得る。工程a)で添加される水の量は、廃棄物の乾燥物量に依存し、乾燥物含有量が低い場合、工程aのプロセスに水を添加する必要性も低い。乾燥物含有量がXX%を超える場合、工程a)への水の添加が必要である。工程a)のプロセスへの水の添加は常に有益であり得、通常、廃棄物中の乾燥物含有量のために、工程a)のプロセスへの水の添加が必要である。本発明の文脈において、工程a)に添加される水の少なくとも一部はプロセス水である。
本発明の一実施形態では、乾燥物含有量の量は、60%超、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、又はさらには例えば少なくとも99%の乾燥物である。
乾燥物は、以下のように測定することができる:1.5gの鉱物系(耐熱性)敷き藁、例えばネコ敷き藁を加えることによって坩堝を調製する。550℃で1時間、炉内で加熱した後、200℃に冷却し、その後、るつぼを、金属舌片を使用してシリカゲルで満たされたデシケータに移す。室温に冷却する。るつぼWるつぼを秤量し、25gの試料を添加し、再び秤量して重量W試料を書き留める。るつぼを適切なトレイに置き、予熱したオーブンに入れ、105℃で24時間加熱する。るつぼをオーブンから取り出し、デシケータに戻す。室温まで冷却したら、るつぼ+内容物を秤量し、重量W乾燥を書き留める。乾燥物(DM)は、DM=((W乾燥-Wるつぼ/W試料-Wるつぼ)*100)として計算される。
廃棄物のDM含有量は、異なる時点で決定されてもよい。廃棄物のDM含有量は、(i)廃棄物ピット又は移送ステーションなどにおいて、工程a)においてバイオリアクタに入る前に、(ii)工程a)においてバイオリアクタに入る廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の開始時、及び/又は(iii)工程a)において得られたバイオリキッドを1つ又は複数の固体/液体分離工程を通して提供する前に、測定又は評価することができる。
したがって、廃棄物のDM含有量は、以下の時点のうちの1つ又は複数で測定又は評価することができる:(i)工程a)においてバイオリアクタに入る前に、ii)工程a)においてバイオリアクタに入る廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の開始時、(iii)工程a)において得られたバイオリキッドを1つ又は複数の固体/液体分離工程を通して提供する前。
実際問題として、処理される廃棄物の組成にいくらかの変動があるにもかかわらず、工程a)において比較的一定の質量比の水(水溶液を含む)を添加することが好都合である。例えば、処理される廃棄物が都市固形廃棄物(MSW)である場合、MSWの1kg当たり0.8kg~1.8kgの水、又はMSWの1kg当たり0.5kg~2.5kgの水、又はMSWの1kg当たり1.0kg~3.0kgの水を添加することが好都合であろう。結果として、処理中の廃棄物(又はMSW)の実際の非含水量は、適切な範囲内で変化し得る。
短鎖カルボン酸及び糖、例えばグルコース、キシロース、アラビノース、乳酸/乳酸塩、酢酸/酢酸塩及び/又はエタノールの最適量を含むバイオリキッドを提供するために、工程a)におけるバイオリアクタ内の廃棄物の酵素的及び/又は微生物的液化のため、バイオリアクタ内のpHは、一般に、pH3~6.5のpH範囲内に留まるべきである。
工程b)
工程b)は、バイオリキッドを非分解性固形廃棄物画分から分離する分離工程である。MSWなどの廃棄物の分解性成分をリサイクルと組み合わせて清浄かつ効率的に使用するには、典型的には、分解性材料を非分解性材料から分離するために分別又は分離の何らかの方法が必要である。工程b)における分離は、バリスチックセパレータ、洗浄ドラム及び/又は油圧プレスなどの当技術分野で公知の任意の手段によって実施することができる。一実施形態では、分離は酵素処理の前に行われる。液体と固体の分離は、例えば、異なるプレス(スクリュー及び/又はピストンプレスなど)で、又は例えばより単純なふるい機能を使用して行うことができる。バリスチックセパレータは、典型的には、固体を2D画分及び3D画分に分離し、二次的にのみ液体分離するために使用される。
工程b)は、バイオリアクタにおける酵素処理及び/又は微生物処理の前、間又は後に1回又は複数回行うことができ、工程b)は、酵素処理及び/又は微生物処理中に行われるが、一実施形態では、バイオリアクタにおける酵素処理の後であるが微生物処理の前に行うことができる。
非発酵性固体からの廃棄物の液化及び/又は糖化された発酵性部分の分離は、様々な手段によって達成することができる。限定はしないが、スクリュープレス操作、バリスチックセパレータ操作、振動ふるい操作、又は当技術分野で公知の他の分離操作を含む、1つの分離操作又は少なくとも2つの異なる分離操作の組み合わせを使用することが適用可能であり得る。
分離は、典型的には、1つ又は複数の分離工程手段によって行われ、これは、1つ又は複数のバリスチックセパレータ、ふるい、洗浄ドラム、プレス及び/又は油圧プレスの手段によって例示的に行うことができる。1つ又は複数の分離は、酵素及び/又は微生物作用で処理されたMSWなどの廃棄物を、バイオリキッド、非生分解性の2D材料の画分(織物、プラスチックフィルム、未消化の厚紙などの平坦な材料)、及び3D材料の画分(金属及び固体プラスチックを含む)に分離することを意味する。砂及びガラスである不活性材料は、典型的には除去され、例えばバイオリキッドからふるい分けされる。金属は、典型的には、言及されたすべての画分から除去される。
工程a)から得られた固形廃棄物のこれらの下流処理の1つ又は複数から得られたプロセス水、すなわち洗浄ドラムから得られた洗浄水は、本発明による方法において工程a)に再循環させることができる。
工程c)
工程c)では、工程b)で得られたバイオリキッド及び/又は固体画分(複数可)をさらに処理する。バイオリキッドは、通常、可溶化された廃棄物の電気、熱、メタノール、水素、ジメチルエーテル、石油、バイオディーゼルへの熱化学的変換、及び/又は可溶化された廃棄物のバイオガス、水素、バイオエタノール、バイオディーゼルなどへの生物化学的変換を含む、エネルギー又はバイオ化学物質を提供する方法に適用可能であるためにさらに処理される。
バイオリアクタを出る1つ又は複数の固体画分は、通常、固形廃棄物の任意の後続の再利用プロセスの前に1回又は複数回の洗浄工程を受ける。
工程b)で得られた固体画分の2D画分は、SRF(固体回収燃料)、RDF(ごみ由来燃料)及び/又は不活性物質などの再利用可能物質及び/又は残留物にさらに分離することができる。3D画分は、金属、3Dプラスチック及び/又はRDFなどのリサイクル可能物及び/又は残留物にさらに分離することもできる。
3D画分(缶及びプラスチックボトルなど)は大量のバイオリキッドと結合しないため、3D画分を洗浄するには単一の洗浄工程で十分であることが多い。2D画分(例として織物及び箔)は、典型的には、相当量のバイオリキッドに結合する。したがって、2D画分は、典型的には、例えばスクリュープレスを使用してプレスされ、洗浄され、再度プレスされて、バイオリキッドの回収を最適化し、より清浄で乾燥した2D画分を得る。
洗浄水は、工程b)における固体-液体分離後に得られた任意の固体画分の洗浄に使用される任意の水流である。洗浄水の例は、2D画分及び/又は3D画分の洗浄に使用される水である。洗浄水の他の例は、不活性物質、金属及び/又はプラスチックの洗浄に使用された水である。洗浄水は、本発明による方法の工程a)から得られた希釈バイオリキッドであってもよい。一実施形態では、洗浄水は、2D画分及び/又は3D画分を洗浄するために使用される水である。
本発明の方法の好ましい実施形態では、工程c)の下流処理は、2D固形廃棄物画分又は3D固形廃棄物画分の洗浄などの固形廃棄物の洗浄プロセスである。固形廃棄物の異なる下流洗浄プロセスからの水は、図1aに示すようにプロセス水を供給するために合流されてもよい。
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、工程c)の下流処理は、消化物の脱水からの水(例えば、ADプロセスから生じる)又は別の下流処理からの水を蒸発させて収集する蒸発プロセスである。プロセス水、例えば、蒸発器システムで処理された排除水又は洗浄水は、清浄な水凝縮物及びブラインと呼ばれる栄養豊富な液体をもたらす。本発明のプロセス水の定義にも従う清浄水は、2D及び3Dの機械的廃棄物処理段階において回収された材料を洗浄するために再使用されてもよく、又はリアクタに再循環されて戻されてもよい。
本発明の別の好ましい実施形態では、工程c)の下流処理は、工程b)で得られたバイオリキッド又はバイオリキッドの一部の集合である。
好ましい一実施形態において、工程c)におけるバイオリキッドのさらなる処理は、嫌気性消化(AD)である。嫌気性消化(AD)は、微生物が酸素の非存在下で生分解性材料を分解する一連の生物学的プロセスである。最終生成物の1つはバイオガスであり、これは燃焼させて電気及び/又は熱を生成することができ、又は再生可能な天然、バイオメタンガス及び/又は輸送用燃料に加工することができる。都市固形廃棄物、都市廃水固形物、食品廃棄物、高強度産業廃水及び残留物、脂肪、油及びグリース(FOG)、並びに様々な他の有機廃棄物流などの廃棄物をバイオガスに変換するための一連の嫌気性消化技術が、最新技術に存在する。多くの異なる嫌気性消化システムが市販されており、当業者は、嫌気性消化プロセスを適用及び最適化する方法に精通している。嫌気性消化に関与する微生物集団の代謝動態は複雑である。
メタンバイオガスを生成するための典型的な嫌気性消化(AD)では、微生物によって媒介される生物学的プロセスは、4つの主要な工程、すなわち、生物学的高分子の構成モノマ又は他の代謝産物への加水分解;短鎖炭化水素酸及びアルコールが生成される、酸発生;利用可能な栄養素が酢酸、水素及び二酸化炭素に異化される、酢酸生成;及び、酢酸及び水素が特殊な古細菌によってメタン及び二酸化炭素に異化される、メタン生成;を達成する。加水分解工程は、典型的には律速であり、バイオマスの種類に依存する。バイオリキッドでは、処理速度を制限するのはメタン生成菌である。ADから、固体画分及び液体画分(排除水)を含む消化物がさらに得られる。
酵素処理及び/又は微生物処理の後の嫌気性消化プロセス中の、例えば廃棄物中の生分解性有機材料のCH及びCOへの変換が、3つの主要な微生物群によって促進されることは、当技術分野で周知である。発酵微生物は、例えば細胞外酵素による加水分解及びその後の加水分解生成物の発酵によって有機材料を短鎖脂肪酸(乳酸など)に変換する。発酵プロセスの他の生成物は、酢酸、アルコール、CO及びHである。発酵及び酸生成細菌からの最終生成物(乳酸、ギ酸、酢酸、H)は、メタン産生微生物によってCH及びCOに変換される。メタン産生微生物は、古細菌ドメインに属する微生物を含む。
工程c)におけるさらなる処理が嫌気性消化である場合、嫌気性消化は、制御された曝気条件下で操作されて利用可能な酸素を除去又は最小化する1つ又は複数の消化槽を含んでもよく、この場合、メタンガスは、システムを含む消化槽のそれぞれで生成される。ADリアクタ(複数可)は、工程a)のバイオリアクタと同じ廃棄物処理プラントの一部とすることができるが、そうする必要はなく、工程a)のバイオリアクタに接続することができるが、そうする必要はない。さらに、AD処理は、固定フィルタ方式の形態であってもよい。固定フィルタ嫌気性消化システムは、嫌気性消化コンソーシアムが、任意にバイオフィルム内で、物理的支持マトリックス上に固定化されているシステムである。
本発明の方法の好ましい実施形態では、工程c)の下流処理は、嫌気性消化廃液を提供する嫌気性消化であり、消化物の脱水からの排除水をもたらす。
プロセス水は微生物を含み得るので、工程a)においてプロセス水をバイオリアクタに再循環させる前にプロセス水を殺菌することが望ましい場合がある。これは、例えば、プロセス水が、消化物、すなわち微生物叢がバイオリアクタ内の微生物叢とは異なる排除水から得られる場合に当てはまり得る。
本発明の方法の一実施形態では、工程c)で得られたプロセス水は、工程d)に供される前に衛生化される。
さらに、pHを3.5~6の範囲内に保つために、プロセス水をバッチでリアクタに添加してもよい。
本発明の方法の一実施形態では、工程c)で得られたプロセス水は、リアクタ内のpHがpH3.5~6になるように、工程a)においてバッチで添加される。
衛生化は、参照生物の濃度を少なくとも60年減少させる任意のプロセスであり、他の手段の中でも、熱処理、濾過、紫外線処理、帯電、50℃で1時間を超える処理によっても達成することができる。動物副産物プロトコル(EU規制番号142/2011)は、70℃で60分間の衛生化を記載している。
一実施形態では、本発明の方法は、工程c)で得られたプロセス水を衛生化に供する衛生化工程を含む。好ましい実施形態では、衛生化は、60℃~75℃、好ましくは70℃、又は好ましくは約70℃の範囲の温度で、少なくとも1時間、好ましくは60~80分間、好ましくは60~70分間、又は好ましくは約60分間のプロセス水の処理を含む。
消化物中の塩の量に起因して、及び消化物中の微生物の存在に起因して、排除水の添加は、主にバイオリアクタにおける酵素処理及び/又は微生物処理に悪影響を及ぼすと予想された。しかしながら、驚くべきことに、排除水を含むプロセス水は、リアクタにおける液化プロセスを減少させないことが示されており、したがって、そのような水は、本発明のプロセス中に連続的に再利用することができる。
工程d)
工程d)において、工程c)から得られたプロセス水及び任意に外部水源からの水が、工程a)においてバイオリアクタに添加される。
外部水源からの水は、バイオリアクタに添加する前にプロセス水と混合されてもよく、又はプロセス水及び外部供給源からの水は、同時に又は異なる時点で別々に添加されてもよく、添加は連続的であってもよく、又はバイオリアクタ内の廃棄物の量及び廃棄物の組成に応じて異なる頻度及び容積であってもよい。
外部供給源からの水は、任意の供給源から得られた水を含み、その水は、酵素的及び/又は微生物的廃棄物処理プロセスにおけるいかなる工程にも以前に供されていない。したがって、外部供給源からの水は、水道水、酵素及び/又は微生物廃棄物処理プロセスに供されていない廃水、並びに河川及び湖などの天然源からの水を含む。
本発明の一実施形態では、工程d)における外部水は、河川、湖及び池などの天然源、貯水槽、水道水、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。
プロセス水及び任意に外部供給源からの水のpHは、プロセス水のpHが工程a)の液化プロセスの最適pH範囲内にない場合、酸又は塩基の添加などの任意の既知の手段によって任意に調整することができる。
一実施形態では、プロセス水のpHは、プロセス水のpHがpH3.5~6、例えばpH3.5、pH4、pH4.5、pH5、pH5.5~pH6、又はこれらのpH値の間の任意のpH値になるまで酸を添加することによって調整される。
pHを調整するために任意の酸を使用することができる。好ましくは、酸は有機酸であり、その理由は、そのような酸は再循環ループ内に水溶性塩を蓄積しにくいからである。
プロセス水及び任意に外部供給源からの水のpHがpH3未満である場合、プロセス水のpHを塩基の添加によってpH3.5~6に調整することができる。
プロセス水がADプロセスによって供給される場合、プロセス水、すなわち排除水のpHは、アンモニア濃度の低減によって調整することができる。アンモニア濃度の減少は、pH調整のみであり得るか、又はアンモニア濃度の減少は、酸の添加によるpHの調整に加え得る。
アンモニア濃度を低下させるための手段は、当技術分野で利用可能な任意の適切な手段であり得る。
本発明の方法の一実施形態では、工程c)の下流処理は嫌気性消化プロセスであり、排除水のpHは、工程a)でバイオリアクタに添加される前に、酸の添加及び/又はアンモニウム含有量の低減によって調整される。アンモニウム含有量は、例えば、蒸発によって、又は特殊なアンモニウム抽出装置を使用することによって減少させることができる。
本発明のいくつかの実施形態では、プロセス水及び任意に1つ又は複数の外部供給源からの水は、廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理を進行させながらバイオリアクタに連続的に入る。
本発明の他の実施形態では、プロセス水及び任意に1つ又は複数の外部供給源からの水は、廃棄物の進行中の酵素処理及び微生物処理を組み合わせてバイオリアクタに不連続的に入る。すなわち、プロセス水及び任意に外部供給源からの水は、必要に応じて、任意にバイオリアクタ内に存在するバイオリキッド内の監視されたpHにさらされて、バイオリアクタに入る。本発明の一実施形態では、プロセス水は、リアクタ内のpHがpH3.5~6になるように、バッチで工程a)に添加される。したがって、プロセス水を添加しても、pHはpH3.5~6の最適範囲内に維持される。
当業者によって容易に理解されるように、固体成分を液体スラリーにする能力は、含水量の増加と共に増加する。例えば、一部の国ではMSWのかなりの割合を構成する紙及び厚紙の効果的なパルプ化は、典型的には含水量が増加する場合に改善される。含水量は、微生物製剤が増殖し、代謝産物を溶解する媒体を提供する。さらに、低含水量条件下で処理すると、酵素活性が低下することがある。例えば、セルラーゼは、典型的には、約10重量%より高い非含水量を有する処理混合物において活性の低下を示す。紙及び厚紙を分解するセルラーゼの場合、基質濃度と基質グラム当たりの酵素反応からの収率との間に、事実上、線形逆関係が報告されている(Kristensenら、2009参照)。
例えばMSWなどの処理されるべき廃棄物は、好ましい実施形態では、10%超又は45%未満の非含水量を有することができる。別の好ましい実施形態では、処理される廃棄物は、40~85%の含水量を有し得る。MSWなどの廃棄物は、かなりの量の水を含むことが多い。しかしながら、適切な非含水量を達成するために含水量を調整してもよい。
本発明の方法の一実施形態では、工程d)におけるプロセス水及び任意に外部供給源からの水を工程a)においてバイオリアクタに添加する流量は、廃棄物の量に対して本質的に一定及び/又は本質的に比例し、水:廃棄物の比率が1:1~3:1である。
工程c)の下流処理が、消化物又はそのアルカリ画分を提供するADプロセスである状況では、消化物の脱水から生じる排除水は、ADプロセスに関与する微生物を含む。
ここで、驚くべきことに、工程a)でバイオリアクタに入る前に衛生化を受けていない、工程c)で得られた排除水を含むプロセス水を添加しても、連続的な液化プロセスは無効にならないことが分かった。
したがって、本発明による方法のいくつかの実施形態では、工程c)で得られた排除水は、嫌気性消化からの古細菌などのメタン生成微生物を含む。
同様に、本発明による方法のいくつかの実施形態では、工程c)で得られた排除水を含むプロセス水を工程d)でバイオリアクタに添加する前に、排除水は衛生化工程に供されていない。
本発明による方法のいくつかの実施形態では、工程c)で得られた排除水に含まれるメタン生成微生物は、工程c)で得られた排除水を含むプロセス水を工程d)において酵素処理及び/又は微生物処理に添加すると根絶される。
プロセス水及び任意に外部供給源からの水は、廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の前及び/又は間に連続的又は不連続的に、工程d)において異なる時点でバイオリアクタに添加することができる。好ましくは、工程a)における処理は、工程d)におけるプロセス水及び任意に外部供給源からの水がバイオリアクタに入るときに定常状態にある。
本発明による方法の一実施形態では、プロセス水及び任意に外部供給源からの水は、廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理が開始される前に、工程d)においてバイオリアクタに添加される。
本発明による方法の別の実施形態では、プロセス水及び任意に外部供給源からの水は、廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の間に、工程d)においてバイオリアクタに添加される。
本発明による方法のさらに別の実施形態では、プロセス水及び任意に外部供給源からの水は、廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の前及び間に、工程d)においてバイオリアクタに添加される。
当業者は、酵素分解及び/又は微生物分解が、本発明の工程a)などで行われているバイオリアクタ内の含水量を調整する際に廃棄物に添加するために、適切な量の含水量を容易に決定することができる。典型的には、実際問題として、処理される廃棄物の組成にいくらかの変動があるにもかかわらず、比較的一定の質量比の水(水溶液を含む)を添加することが好都合である。例えば、処理される廃棄物が都市固形廃棄物(MSW)である場合、MSWの1kg当たり0.8kg~1.8kgの水、又はMSWの1kg当たり0.5kg~2.5kgの水、又はMSWの1kg当たり1.0kg~3.0kgの水を添加することが好都合であろう。結果として、処理中の廃棄物(又はMSW)の実際の非含水量は、適切な範囲内、例えば10%超又は45%未満の間で変化し得る。
本発明による方法の一実施形態では、工程d)におけるバイオリアクタへのプロセス水及び任意に外部供給源から水の流量は、バイオリアクタに入る廃棄物の量に本質的に一定及び/又は本質的に比例する。
工程c)で得られたプロセス水と共に又はそれに加えてバイオリアクタに添加される洗浄水、バイオリキッド又は水道水/精製水の量は、乾燥物含有量などの廃棄物の組成及び有機物と無機又は非生分解性物質との比並びにプロセス水の塩及び微生物含有量の両方に依存する。したがって、本発明による方法の実施形態では、工程d)で廃棄物に添加される水の1.0、2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は98%(w/w)超がプロセス水であり、任意に外部供給源からの水を含む。
工程c)で得られたプロセス水と外部供給源からの水との比は、プロセス水の特定の廃棄物及び組成に対して最適化されなければならない。しかしながら、これは、廃棄物のDMを決定するため、プロセス水の塩濃度及びプロセス水中の微生物活性のレベルを決定するための日常的な試験を使用する当業者にとって可能であるはずである。したがって、本発明による方法の実施形態では、外部供給源からの水に対する工程c)で得られたプロセス水の比は、0.01~0.1、0.1~0.25、0.25~0.50、0.50~1.0、1.0~2.0、2.0~4.0、4.0~6.0、6.0~8.0、8.0~10、10~20、20~40、40~60、60~80、又は90~100の範囲内である。
工程d)でバイオリアクタに入る工程c)で得られたプロセス水の乾燥物(DM)含有量は、工程b)で行われた特定の分離工程及びバイオリアクタに入る前のプロセス水の不溶性物質の含有量に依存する。本発明による方法において、工程c)で得られたプロセス水は、1.0以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、6.0以上、6.5以上、7.0以上、7.5以上、又は8.0以上のDM含有量(w/w%)を有することが好ましい。
同様に、工程d)でバイオリアクタに入る工程c)で得られたプロセス水の塩含有量は、工程a)で処理された廃棄物の組成、適用された特定の洗浄及び分離工程、並びにバイオリアクタに入る前のプロセス水の不溶性物質の含有量に依存する。本発明による方法において、工程c)で得られたプロセス水は、1.5以下、3以下、4.5以下、6以下、7.5以下、9以下、10.5以下、12以下、13.5以下、15以下、16.5以下、18以下、19以下、19.5以下、又は20以下の有機塩含有量及び/又は無機塩含有量(w/w%)を有し得る。
本発明による方法では、工程c)で得られたプロセス水は、アンモニウム、硝酸、亜硝酸、リン酸、塩化物、ナトリウム、カリウム、硫酸、鉄、カルシウム、炭酸、重炭酸塩、マグネシウム又は他の塩の1つ又は複数などの塩を含み得る。
一実施形態では、本発明による方法において、工程c)で得られたプロセス水は、以下の元素のうちの1つ又は複数を含む:最大3800mg-N/kg-FWアンモニア/アンモニウム、最大4700mg-N/kg-FW窒素、最大280mg-P/kg-FWリン、最大3300mg/kg-FWの水溶性塩素、最大3300mg/kg-FW水溶性ナトリウム、最大2900mg/kg-FWカリウム、最大430mg/kg-FW硫黄、最大590mg/kg-FW鉄:最大6000mg/kg-FWカルシウム、最大3mg/kg-FWニッケル、最大3mg/kg-FW鉛、最大3mg/kg-FW亜鉛。
別の実施形態では、本発明による方法において、工程c)で得られたプロセス水は、以下の元素のうちの1つ又は複数を含む:最大8000mg-N/kg-FWアンモニア/アンモニウム、最大10000mg-N/kg-FW窒素、最大600mg-P/kg-FWリン、最大7000mg/kg-FW水溶性塩素、最大7000mg/kg-FW水溶性ナトリウム、最大6000mg/kg-FWカリウム、最大900mg/kg-FW硫黄、最大1200mg/kg-FW鉄:最大12000mg/kg-FWカルシウム、最大6mg/kg-FWニッケル、最大6mg/kg-FW鉛、最大6mg/kg-FW亜鉛。
本発明による方法は、工程a)のバイオリアクタが小さい小規模実験並びに大規模廃棄物処理リアクタの両方において有効であることが証明されている。したがって、本発明による方法の一実施形態では、工程a)におけるバイオリアクタの充填容積は、操作中、10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500mよりも大きい。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)のバイオリアクタは、1時間当たり5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50tよりも多くの廃棄物を処理するために適合される。
本発明による方法の一実施形態では、廃棄物、例えばMSWは、10~90、20~85、30~80、40~75、50~70、又は55~65%(w/w)、及び/又は約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90%(w/w)の範囲のDM含有量を有する。
廃棄物のDM含有量は、異なる時点で決定されてもよい。本発明による方法では、廃棄物のDM含有量は、(i)工程a)においてバイオリアクタに入る前に、(ii)工程a)においてバイオリアクタに入る廃棄物の、組み合わされた酵素処理及び微生物処理の開始時、及び/又は(iii)工程a)において得られたバイオリキッドを1つ又は複数の固体/液体分離工程を通して提供する前に、測定又は評価することができる。
一実施形態では、廃棄物のDM含有量は、(i)工程a)においてバイオリアクタに入る前に測定又は評価される。
一実施形態では、廃棄物のDM含有量は、(ii)工程a)においてバイオリアクタに入る廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の開始時に測定又は評価される。
一実施形態では、廃棄物のDM含有量は、(iii)工程a)で得られたバイオリキッドを1回又は複数回の固体/液体分離工程を通して提供する前に測定又は評価される。
一実施形態では、廃棄物のDM含有量は、以下の時点のうちの1つ又は複数で測定又は評価される:(i)工程a)においてバイオリアクタに入る前に、(ii)工程a)においてバイオリアクタに入る廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理の開始時、(iii)工程a)において得られたバイオリキッドを1つ又は複数の固体/液体分離工程を通して提供する前。
本発明による方法の一実施形態では、工程c)で得られた排除水又はそのアルカリ画分は、WO2016/050893又はWO2017/174093に開示されているような消化槽の使用によって提供される。
廃棄物
生分解性材料と非生分解性材料との混合物を含む任意の廃棄物を本発明の方法に使用することができる。
一実施形態では、本発明による方法において、廃棄物は生分解性材料と非生分解性材料の両方を含む。
本発明により方法の好ましい実施形態では、廃棄物は、分別されていない都市固形廃棄物、集中的に分別された都市固形廃棄物、家庭からの分別された都市固形廃棄物、細断又はパルプ化によって処理された都市固形廃棄物、有機画分及び紙が豊富な画分、ごみ由来燃料画分、及び都市固形廃棄物のうちの1つ又は複数から選択され、廃棄物中の生分解性材料が、食物残渣、紙、厚紙及び微粉から選択される1つ又は複数の物品の組み合わせを含む。
本発明による工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理によって処理されるのに適した関連する種類の単糖及び/又は多糖含有廃棄物には、以下が含まれ得る。
家庭由来の廃棄物画分、例えば:
・未分別都市固形廃棄物(MSW)
・例えば、何らかの中心分別、破砕又はパルプ化装置、例えばDewaster(登録商標)又はreCulture(登録商標)で処理されたMSW
・有機画分と紙が豊富な画分の両方を含む、家庭から分別された固形廃棄物
・RDF(ごみ由来燃料)画分
産業由来の廃棄物画分、例えば:
・現在家庭廃棄物として処理されている紙又は他の有機画分を含む一般産業廃棄物画分
・製紙産業からの廃棄物画分、例えばリサイクル施設からの廃棄物画分
・食品及び飼料産業からの廃棄物画分
・医薬品産業からの廃棄物画分
農業又は農場関連部門由来の廃棄物画分、例えば:
・ジャガイモ及びビートなどの糖又はデンプンに富む生成物を含むプロセスからの廃棄画分
・汚染された、又は他の方法で腐敗した穀物、ジャガイモ及びビートなどの農業製品であって、食品又は飼料目的に利用できないもの
・園芸ごみ
・肥料又は肥料由来製品
都市、郡、又は州の関連もしくは規制された活動由来の廃棄物画分、例えば:
・廃水処理プラントからのスラッジ
・バイオガス処理からの繊維又はスラッジ画分
・紙又は他の有機画分を含む公共部門からの一般廃棄物画分。
一実施形態では、工程a)における酵素処理及び発酵プロセスにおける単糖及び/又は多糖含有廃棄物画分の乾燥物含有量は、20%超、例えば20~100%、例えば20~50%、例えば20~45%、例えば20~40%及び例えば20~80%であり、また例えば80~100%、好ましくは90~100%、最も好ましくは約95%である。
MSWなどの廃棄物は、典型的には不均一である。廃棄物の組成に関する国間の比較のための確固たる基礎を提供する統計は、広く知られていない。正しいサンプリング及び特性評価のための基準及び操作手順は、標準化されていないままである。実際、少数の標準化されたサンプリング方法しか報告されていない。少なくとも家庭廃棄物の場合、組成物は、200~300kmの短距離にわたってさえ、季節的及び地理的変動を示す。一般に、西ヨーロッパからの現代の都市廃棄物の乾燥重量は、典型的には、10~25重量%程度の「野菜・食品廃棄物」を含む。対照的に、中国では、「食品廃棄物」の相対的割合は、典型的には、西ヨーロッパからのMSWに対して少なくとも2倍で増加する。
都市固形廃棄物は、特に、台所用腐敗物、園芸用腐敗物、紙、カード、プラスチック、種々雑多な可燃性及び不燃性物質、織物、ガラス、セラミック、金属、及び電子機器のうちの1つ又は複数を含むことができる。一般に、世界の西の地域の都市固形廃棄物は、通常、動物性食品廃棄物、植物性食品廃棄物、新聞用紙、雑誌、広告、書籍及び電話帳、事務用紙、他の清浄紙、紙及びカートン容器、他の厚紙、牛乳パックなど、ジュースパック及びアルミニウム箔付きの他のカートン、キッチンティッシュ、他の汚れた紙、他の汚れた厚紙、軟質プラスチック、プラスチックボトル、他の硬質プラスチック、リサイクル不可能なプラスチック、ごみ、花など、動物及び排泄物、おむつ及びタンポン、綿棒など、他の綿など、木材、織物、靴、皮革、ゴムなど、事務用品、空の化学ボトル、プラスチック製品、吸殻、他の可燃性物品、掃除機バッグ、クリアガラス、グリーンガラス、ブラウンガラス、他のガラス、アルミニウム容器、アルミニウムトレイ、アルミニウム箔(ティーライト蝋燭箔を含む)、金属容器(Al)、金属箔(-Al)、他の種類の金属、土壌、岩石、石及び砂利、セラミック、ネコ敷き藁、電池(ボタン電池、アルカリ、温度計など)、他の不燃性物質及び微粉のうちの1つ又は複数を含む。
本発明において処理可能な廃棄物は、分別されていてもよいし、分別されていなくてもよい。
一実施形態では、工程a)において組み合わされた酵素処理及び微生物処理を受ける廃棄物は、未分別MSWなどの未分別廃棄物である。
別の実施形態では、工程a)において組み合わされた酵素処理及び微生物処理を受ける廃棄物は、未分別MSWである。
本発明の好ましい実施形態では、工程a)において酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物はMSWである。
典型的には、分別されていないMSWは、食品廃棄物及び台所廃棄物、紙及び/又は厚紙含有材料、ガラス、ボトル、缶、金属、及び特定のプラスチックを含むリサイクル可能な材料、可燃性材料、セラミック、岩石、及びデブリを含む不活性材料のうちの1つ又は複数を含む有機廃棄物を含み得る。
工程a)において酵素処理及び/又は微生物処理に供されるMSWなどの廃棄物は、主に果実、野菜及び/又は動物の廃棄物を含む供給源分離有機廃棄物であり得る。様々な異なる分別システムがMSW、例えば、個々の家庭が異なる廃棄物を別々に処分する供給源分別に適用され得る。供給源分別システムは現在、オーストリア、ドイツ、ルクセンブルグ、スウェーデン、ベルギー、オランダ、スペイン及びデンマークのいくつかの都市に設置されている。あるいは、廃棄物を組み合わされた酵素処理及び微生物処理に供する前に、産業用分別システムを大規模プラントに適用することができる。機械的な分別及び分離の手段は、US2012/0305688、WO2004/101183、WO2004/101098、WO2001/052993、WO2000/0024531、WO1997/020643、WO1995/0003139、CA2563845、US5465847に記載されているシステムを含むがこれらに限定されない、当技術分野で公知の任意の方法を含むことができる。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)において酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、家庭、産業、農業、農場、郡、又は州の活動からの廃棄物のいずれか1つ又は複数に由来するか、又はそれらを含む。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、乾燥基準で10~100%の生分解性材料を含む。本発明による方法の別の実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、乾燥基準で10~20%の生分解性材料、乾燥基準で20~30%の生分解性材料、乾燥基準で30~40%の生分解性材料、乾燥基準で40~50%の生分解性材料、乾燥基準で50~60%の生分解性材料、乾燥基準で60~70%の生分解性材料、乾燥基準で70~80%の生分解性材料、乾燥基準で80~90%の生分解性材料、乾燥基準で90~100%の生分解性材料、又はこれらの間隔の任意の組み合わせを含む。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、乾燥基準で20~30%の生分解性材料を含む。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、湿潤基準で10~100%の生分解性材料を含む。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、湿潤基準で25~60%、例えば35~50%の生分解性材料を含む。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)において酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、分別されていない都市固形廃棄物、集中的に分別された都市固形廃棄物、家庭からの分別された都市固形廃棄物、細断又はパルプ化によって処理された都市固形廃棄物、有機画分及び紙が豊富な画分、ごみ由来燃料画分のうちの1つ又は複数から選択される。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物中の生分解性材料は、食物残渣、紙、厚紙、及び微粉から選択される1つ又は複数の品目の組み合わせを含む。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、家庭用電化製品、ガラス、セラミック、電池、新聞用紙、雑誌、広告、書籍、プラスチック、布地、織物、庭廃棄物、電気及び電子機器、化学薬品、医薬品、金属のうちの1つ又は複数から選択される品目を含まない分別された都市固形廃棄物である。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理の前に、以下の品目群:葉、草、木材、布地、石、プラスチック、金属の1つ又は複数が廃棄物から除去される。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)で酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、紙又は他の有機画分を含む一般産業廃棄物画分、製紙産業又はリサイクル施設からの廃棄物画分、食品及び飼料産業からの廃棄物画分、医薬品産業からの廃棄物画分の1つ又は複数から選択される。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)において酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、農業又は農場、糖又はデンプンが豊富な生成物のプロセスからの廃棄物画分、食品又は飼料目的に利用できない汚染又は腐敗した農産物、肥料、肥料由来の生成物の1つ又は複数から選択される。
本発明による方法の一実施形態では、工程a)において酵素処理及び/又は微生物処理を受ける廃棄物は、都市、郡又は州の関連もしくは規制された活動に由来する廃棄物画分、廃水処理プラントからのスラッジ、バイオガス処理からの繊維又はスラッジ画分、紙又は他の有機画分を含む公共部門からの一般廃棄物画分の1つ又は複数から選択される。
要約すると、本明細書では、酵素プロセス及び/又は微生物プロセスの両方が活性であり、保持時間及びしたがってコストが最適化されている定常状態での廃棄物からのバイオリキッド製造を維持するために、プロセス水及び任意に外部供給源からの水をバイオリアクタに添加することができることが示されている。大量の塩、他の可溶分、及び生きている微生物を含む消化物から得られた排除水などのプロセス水と、水道水(廃棄物の酵素と微生物との複合の液化で通常行われる)とを使用することとの間の違いが非常に大きいと予想されたので、これは驚くべきことである。しかしながら、本明細書に開示される実施例は、驚くべきことに、例えばADバイオガス生産への供給物として必要とされる価値のある有機酸を生産する酵素活性及び微生物の活性の両方が、プロセス水がバイオリアクタに添加されたときに、バイオリアクタ内で維持されることを示す。
番号付けされた実施形態
本発明の関連する実施形態は、「番号付けされた実施形態」と呼ばれる以下のセクションにも見出すことができる。
1.廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法であって、
a)バイオリアクタ内で廃棄物を酵素処理及び/又は微生物処理に供することと、
b)工程a)からの処理済み廃棄物を1回又は複数回の分離工程に供し、それにより、バイオリキッド及び固体画分が提供されることと、
c)バイオリキッド及び/又は画分を下流処理に供してプロセス水をもたらすことと、
d)工程c)から得られたプロセス水及び任意に外部水源からの水を工程a)においてバイオリアクタに添加することと、
を含む方法。
2.プロセス水をもたらす工程c)における下流処理が、嫌気性消化プロセス、固形廃棄物画分の洗浄、蒸発及びバイオリキッドの収集のうちの1つ又は複数から選択される、実施形態1に記載の方法。
3.プロセス水が嫌気性消化プロセス及び/又は固形廃棄物画分の洗浄からのものである、実施形態1に記載の方法。
4.工程c)で得られたプロセス水のpHが、工程c)の前に3.5~6に調整される、先の実施形態に記載の方法。
5.工程c)における下流処理が、排除水をもたらす嫌気性消化プロセスである、先の実施形態に記載の方法。
6.排除水のpHが、酸の添加及び/又はアンモニウム含有量の低減によって3.5~6に調整される、実施形態5に記載の方法。
7.嫌気性消化プロセスから得られたプロセス水が、工程に供される前に衛生化される、実施形態5又は6に記載の方法。
8.プロセス水が、リアクタ内のpHがpH3.5~6になるように、バッチで工程a)に添加される、先の実施形態に記載の方法。
9.工程d)における外部水が、河川、湖及び池などの天然源から得られた水;貯水槽;水道水;及びそれらの任意の組み合わせから選択される、先の実施形態に記載の方法。
10.工程a)におけるバイオリアクタの充填容積が、操作中に10、50、100、150、200、250、300、350、400、450又は500m3よりも大きく、1時間当たり5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50トンを超える廃棄物を処理するように適合されている、先の実施形態に記載の方法。
11.廃棄物が、分別されていない都市固形廃棄物、集中的に分別された都市固形廃棄物、家庭からの分別された都市固形廃棄物、細断又はパルプ化によって処理された都市固形廃棄物、有機画分及び紙が豊富な画分、ごみ由来燃料画分、及び都市固形廃棄物のうちの1つ又は複数から選択され、廃棄物中の生分解性材料が、食物残渣、紙、厚紙及び微粉から選択される1つ又は複数の物品の組み合わせを含む、先の実施形態に記載の方法。
12.工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理が、天然形態又はそのような酵素の発現を生じさせる微生物の形態のいずれかで供給される酵素を添加することによって、及び/又は廃棄物中に存在する細菌によって、及び任意に、標準的な、培養された、若しくは操作された酵母、細菌、又は生化学物質、エタノール、若しくはバイオガスを産生することができる任意の他の微生物を添加することによって行われる、先の実施形態に記載の方法。
13.工程a)における処理が、廃棄物を少なくとも1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×10CFU/Lの乳酸菌生菌濃度と接触させることを含む、先の実施形態に記載の方法。
14.工程a)における処理が、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×1010CFU/Lの濃度で微生物を廃棄物に添加することを含む、先の実施形態に記載の方法。
15.処理工程a)が、20~75℃、30℃~70℃、40℃~60℃、45~55℃、又は約50℃の温度で行われる、先の実施形態に記載の方法。
16.工程d)におけるプロセス水及び任意に外部供給源からの水を工程a)においてバイオリアクタに添加する流量が、廃棄物の量に対して本質的に一定及び/又は本質的に比例し、水:廃棄物の比率が1:1~3:1である、先の実施形態に記載の方法。
17.廃棄物が、分別されていない都市固形廃棄物、集中的に分別された都市固形廃棄物、家庭からの分別された都市固形廃棄物、細断又はパルプ化によって処理された都市固形廃棄物、有機画分及び紙が豊富な画分、ごみ由来燃料画分、及び都市固形廃棄物のうちの1つ又は複数から選択され、廃棄物中の生分解性材料が、食物残渣、紙、厚紙及び微粉から選択される1つ又は複数の物品の組み合わせを含む、先の実施形態に記載の方法。
18.工程a)における酵素処理及び/又は微生物処理が、天然形態又はそのような酵素の発現を生じさせる微生物生物の形態のいずれかで供給される酵素を添加することによって、及び廃棄物中に存在する細菌によって、及び任意に、標準的な、培養された、若しくは操作された酵母、細菌、又は生化学物質、エタノール、若しくはバイオガスを産生することができる任意の他の微生物を添加することによって行われる、先の実施形態に記載の方法。
19.工程a)における処理が、乳酸産生細菌、酢酸塩産生細菌、プロピオン酸塩産生細菌、又は酪酸塩産生細菌の1つ又は複数の種(それらの任意の組み合わせを含む)によって達成される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
20.処理工程a)が、廃棄物を少なくとも1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×10CFU/Lの乳酸菌生菌濃度と接触させることを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
21.処理工程a)が、細胞外セルラーゼ活性を示す1つ又は複数の微生物の接種によるセルラーゼ活性の添加を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
22.処理工程a)が、20~75℃、30℃~70℃、40℃~60℃、45~55℃、又は約50℃の温度で行われる、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
23.工程a)における微生物処理が微生物組成物によって行われ、生存微生物の大部分が乳酸産生細菌である、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
24.プロセス水が下流のADプロセスから得られ、嫌気性消化からのメタン生成微生物を含む、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
25.プロセス水が下流のADプロセスから得られ、工程d)の前に衛生化工程を受けていない、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
26.プロセス水及び任意に外部供給源からの水が、工程a)における廃棄物の組み合わされた酵素処理及び微生物処理の前及び/又は間に、工程d)においてバイオリアクタに添加される、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
27.プロセス水及び任意に外部供給源からの水を添加することに加えて、ポリ-、オリゴ-、ジ-又はモノサッカライドから選択される1つ又は複数の炭水化物(それらの任意の組み合わせを含む)などの1つ又は複数の炭水化物が、工程a)においてバイオリアクタに添加される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
28.工程d)におけるバイオリアクタへのプロセス水の流量及び任意に外部水源からの水の流量が、定期的又は不定期に添加される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
29.工程a)で廃棄物に添加される水の1.0、2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は98%(w/w)超が、工程c)で得られたプロセス水である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
30.工程d)における外部供給源からの水に対する工程c)で得られたプロセス水の比が、0.01~0.1、0.1~0.25、0.25~0.50、0.50~1.0、1.0~2.0、2.0~4.0、4.0~6.0、6.0~8.0、8.0~10、10~20、20~40、40~60、60~80、又は90~100の範囲内である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
31.工程c)で得られたプロセス水が、1.0以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、6.0以上、6.5以上、7.0以上、7.5以上、又は8.0以上のDM含有量(w/w%)を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
32.工程c)で得られたプロセス水が、1.0以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、3.5以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、又は6.0以上、6.5以上、7.0以上、7.5以上、又は8.0以上の塩含有量(w/w%)を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
33.工程c)で得られたプロセス水が、アンモニウム、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、塩化物、ナトリウム、カリウム、硫酸塩、鉄、カルシウム、ニッケル、鉛及び亜鉛のうちの1つ又は複数を含む塩を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
34.プロセス水が、以下の元素:最大3800mg-N/kg-FWアンモニア/アンモニウム、最大4700mg-N/kg-FW窒素、最大280mg-P/kg-FWリン、最大3300mg/kg-FWの水溶性塩素、最大3300mg/kg-FW水溶性ナトリウム、最大2900mg/kg-FWカリウム、最大430mg/kg-FW硫黄、最大590mg/kg-FW鉄:最大6000mg/kg-FWカルシウム、最大3mg/kg-FWニッケル、最大3mg/kg-FW鉛、最大3mg/kg-FW亜鉛のうちの1つ又は複数を含む消化物を提供するADプロセスから得られる、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
35.工程a)におけるバイオリアクタの充填容積が、操作中、10、50、100、150、200、250、300、350、400、450、又は500m3よりも大きい、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
36.工程a)のバイオリアクタが、1時間当たり、5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50トンよりも多くの廃棄物を処理するために適合される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
37.廃棄物、例えばMSWが、10~90、20~85、30~80、40~75、50~70、又は55~65%(w/w)、及び/又は約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、又は90%(w/w)の範囲のDM含有量を有する、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
38.廃棄物のDM含有量が、(i)工程a)においてバイオリアクタに入る前に、(ii)工程a)においてバイオリアクタに入る廃棄物の、組み合わされた酵素処理及び微生物処理の開始時、及び/又は(iii)工程a)において得られたバイオリキッドを1つ又は複数の固体/液体分離工程を通して提供する前に、測定又は評価される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
39.プロセス水が、微生物バイオフィルムのための付着手段を含む1つ又は複数の嫌気性消化槽、例えば、WO2016050893又はWO2017/174093に開示されている消化槽などの担体マトリックスを含む装置、を使用するADプロセスから得られる、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
40.廃棄物が生分解性材料と非生分解性材料の両方を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
41.廃棄物が、分別されていない又は分別された都市固形廃棄物(MSW)である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
42.廃棄物が、家庭、産業、農業、農場、郡、又は州の活動からの廃棄物のいずれか1つ又は複数に由来するか、又はそれらを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
43.廃棄物が、乾燥基準で10~100%の生分解性材料を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
44.廃棄物が、乾燥基準で20~30%の生分解性材料を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
45.廃棄物が、湿潤基準で10~100%の生分解性材料を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
46.廃棄物が、湿潤基準で25~60%、例えば35~50%の生分解性材料を含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
47.廃棄物が、分別されていない都市固形廃棄物、集中的に分別された都市固形廃棄物、家庭からの分別された都市固形廃棄物、細断又はパルプ化によって処理された都市固形廃棄物、有機画分及び紙が豊富な画分、ごみ由来燃料画分のうちの1つ又は複数から選択される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
48.廃棄物都市固形廃棄物中の生分解性材料が、食物残渣、紙、厚紙、及び微粉から選択される1つ又は複数の品目の組み合わせを含む、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
49.廃棄物が、家庭用電化製品、ガラス、セラミック、電池、新聞用紙、雑誌、広告、書籍、プラスチック、布地、織物、庭廃棄物、電気及び電子機器、化学薬品、医薬品、金属のうちの1つ又は複数から選択される品目を含まない分別された都市固形廃棄物である、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
50.工程a)における組み合わされた酵素処理及び微生物処理の前に、以下の品目群:葉、草、木材、布地、石、プラスチック、金属の1つ又は複数が廃棄物から除去される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
51.廃棄物が、紙又は他の有機画分を含む一般産業廃棄物画分、製紙産業又はリサイクル施設からの廃棄物画分、食品及び飼料産業からの廃棄物画分、医薬品産業からの廃棄物画分の1つ又は複数から選択される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
52.廃棄物が、農業又は農場、糖又はデンプンが豊富な生成物のプロセスからの廃棄物画分、食品又は飼料目的に利用できない汚染又は腐敗した農産物、肥料、肥料由来の生成物の1つ又は複数から選択される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
53.廃棄物が、都市、郡又は州の関連もしくは規制された活動に由来する廃棄物画分、廃水処理プラントからのスラッジ、バイオガス処理からの繊維又はスラッジ画分、紙又は他の有機画分を含む公共部門からの一般廃棄物画分の1つ又は複数から選択される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
54.廃棄物が、工程a)の前に前処理に供される、先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法。
55.前処理が、酸加水分解、水蒸気爆発、酸化、アルカリによる抽出、エタノールによる抽出、分別、破砕、パルプ化、加圧、サイズ分画、バッグ開放、自由落下混合、撹拌又は回転のうちの1つ又は複数である、実施形態54に記載の方法。
56.分別された又は分別されていないMSWが、複数の画分にサイズ分画され、例えば0~60cmのサイズ範囲を有する画分を提供し、及び/又は60cmを超えるサイズを有する廃棄物を含む画分などのオーバーサイズ画分(粗大ごみ屈折:bulk refuse refraction)を提供する、実施形態54から55のいずれかに記載の方法。
57.前処理が、60~110℃の範囲の温度及び最大2kg/乾燥物kgの蒸気投入量で最大120分間の非加圧前処理である、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
58.20%を超える乾燥物含有量を有する廃棄物が、前処理及び/又は工程a)に供されている間に、例えば自由落下混合によって機械的に処理される、先の実施形態のいずれか1つに記載の方法。
実施例で使用される一般的な方法及び材料
この部分は、本出願で提示される実施例に使用される一般的な方法及び材料を説明する。一般的な方法及び材料から逸脱している場合、これを実施例で特定する。廃棄物処理プロセス及びプロセス水の再循環の概略図を図1aに示す。下流処理の一例を図1bに示す。以下の実施例では、下流処理からバイオリアクタに再循環されるプロセス水は、図1bに示すようにADプロセスから得られた排除水であった。
都市固形廃棄物(「モデルMSW」)モデル基質の作製
MSWモデル基質を使用した以下の実施例では、実際の都市固形廃棄物の組成を模倣するために50kgの「モデルMSW」を調製した。モデル基質は本質的に、例えばWO2016/030480に開示されているように調製した。
モデル基質は3つの画分からなっていた:
-41%の野菜画分(表1参照)
-13%タンパク質/脂肪画分(動物起源)(表2参照)、及び、
-46%セルロース画分(表3参照)。
Figure 2023547177000002

Figure 2023547177000003
Figure 2023547177000004
酵素
Cellic(登録商標)CTec3(商標)はNovozymes A/Sから購入した。Cellic(登録商標)CTec3(商標)は、GH61化合物及びβ-グルコシダーゼを含む最先端のセルラーゼ及びヘミセルラーゼ複合体である。さらに、CTec3と同様の酵素活性を有する別の酵素組成物を試験した。
十分な酵素処理のために廃棄物に添加される酵素組成物の量は、上記の「可溶化試験」の定義と同様に、可溶化試験によって決定された。
Cellic(登録商標)CTec2(商標)(Novozymes A/S)及びACCELLERASE 1500(商標)(Genencor)などのバイオマス変換に最適化された他の市販のセルラーゼ調製物を使用しても同様の結果が得られると考えられる。Cellic(登録商標)CTec2及びCellic(登録商標)CTec3並びにACCELLERASE(登録商標)1500はそれぞれ、本発明者らの評価に従って、200U/gを超えるエンドキシラナーゼ活性、85U/gを超えるレベルのキシロシダーゼ活性、9U/gを超えるレベルのB-L-アラビノフラノシダーゼ活性、15U/gを超えるレベルのアミログルコシダーゼ活性、及び2U/gを超えるレベルのα-アミラーゼ活性を含有する。より単純な単離されたセルラーゼ調製物もまた、本発明の方法を実施するために効果的に使用され得る。
排除水
排除水を以下のように供給した。実現可能性調査の一環として、オランダの家庭廃棄物がコペンハーゲンに輸送され、デンマークのアマー島にあるRenescienceのデモ施設で処理された。廃棄物を長さ16m及び直径2.5mのバイオリアクタに入れ、50℃で13.5トンの総負荷(廃棄物+水)で、酵素処理と微生物処理の組み合わせのために78.5mの体積を得た。バイオリアクタ内での保持時間は20.6時間であり、水道水:MSW比は1.9であり、酵素用量は0.97%w/wであった(Novozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3)。生成したバイオリキッドは、デンマーク工科大学のCSTR(Continued Stirred Reactor)で処理した。パイロットスケールCSTRは、VEOLIA/Biothane(商標)によって提供されたモバイルSEAD嫌気性消化槽であった。SEAD嫌気性消化槽は、生物学的嫌気性消化が行われる500リットルタンク(φ0.6×2.1m)であった。リアクタの底部でのバイオガスの再注入(230L/h)及び再循環ポンプ(2~6m3/h)により、ADタンクの内容物を混合した。消化物の再循環画分をノズルを通して再注入し、せん断力を加え、粒子状物質の崩壊を促進した。Biothane SEAD消化槽には、消化槽の上部から底部まで内部垂直管を装備した。内側管を底部で貫通させ、消化槽全体に消化槽内容物を循環させた。
SEAD消化槽にpH及び温度のオンラインモニタリングを装備し、供給ポンプ及びサンプリング出口に接続した。消化物をオーバーフローによって沈殿槽(φ0.25×0.8m)に排出し、そこでスラッジと水を受動的に分離した。沈降槽内の消化物のより低い画分を主消化槽に再循環し、上清をオーバーフローによって排出した。供給原料を100リットルタンクに貯蔵し、絶えず撹拌した。5mmメッシュは、供給タンクへの大きすぎる粒子の導入を防止した。
SEADから得られた消化物を凍結保存し、次いで解凍し、遠心分離して、Thermo Scientific SL40R遠心分離機(4700rpm、15分、4C)で固体消化物を残りの排除水から分離して、細胞、残りの繊維及び無機物のような懸濁固体の大部分を沈殿させた。
このようにして得られた排除水のpHは8.35であり、得られた溶液のpHを4未満にするために5mLの1M HClを用いて排除水の50mL試料の手動滴定によって総アルカリ度を決定した。工業規模では、プロセスは、消化物及び/又はその一部(排除水など)がバイオリアクタに再循環される条件下で操作されるべきである。これにより、塩の濃度が高くなり、排除水のアルカリ度も増加させる可能性がある。より高い塩濃度を有する排除水を得るために、排除水の体積が初期体積の約半分に減少するまで、適切な量の排除水を加熱された開放容器に入れた。これは、実施例1~5で特に言及しない限り、以下の実施例で使用した排除水であった。
実施例1:MSWモデル基質の液化
廃棄物液化のためのモデルシステム
実施例1、2、3、4、及び5の実験室規模の実験のために、メカニカルスターラー、加熱マントル、排気ガス用の冷却塔及びpH計を備えたSartorius(商標)1L又は5L発酵槽で発酵を行った。MSWモデル基質、酵素及び水及び/又は排除水を含む発酵槽の充填度は、約80~90%(v/v)であった。電気加熱マントルを用いて温度を50℃に保ち、より激しく撹拌して可溶化を開始した最初の時間以外は600rpmで撹拌した(1200rpm)。添加した成分(固体及び液体)を発酵槽に添加する前に予熱しなかった。
試料取得
以下の表に示すように、約10mLの試料を発酵槽から取り出し、遠心分離に供して固体を除去した(3600rpm、10分間)。その後、上清を熱処理して酵素を不活性化した(100℃、10分)。続いて、試料を2回目の遠心分離(4000rpmで10分間)に供し、0.2μmのPTFEフィルタ(Phenex(商標))に通して濾過し、続いてHPLC分析に供した。
HPLC分析
糖、有機酸及びエタノールなどの関連化合物の濃度は、屈折率検出器(Shodex(R)RI-101)及び250nmのUV検出器を備えたUltiMate 3000 HPLC(Thermo Scientific Dionex(商標))を用いて測定した。分離は、Rezex RHM単糖カラム(Phenomenex(商標))で80℃、溶離液として5mMのHS0、流速0.6ml/分で行った。Chromeleonソフトウェアプログラム(Dionex(商標))を使用して結果を分析した。
脱イオン水を用いたMSWモデル基質の標準液化
MSWモデル基質の液化は、166gのMSWモデル基質、1Lの脱イオン水及び4gのCellic(登録商標)CTec3(Novozymes A/S)を用いて行った。撹拌(300rpm)しながら、第1の水及びMSWモデル基質を50℃に加熱した。所望の温度に達したら、Cellic(登録商標)Ctec3を添加し(4g)、撹拌を5分間1200rpmに、その後1時間900rpmに増加させた。1時間後、撹拌を実験終了まで600rpmに低下させた。グルコース、キシロース、乳酸塩、酢酸塩の含有量は、表4に示すように、16、24、40、48及び64の時点でHPLCを使用して測定した。
Figure 2023547177000005
図2は、発酵槽で測定されたpHを時間の関数として示す。最初の24時間の間に明確な酸性化があり、これは主に乳酸の形成によるものである。約24時間後、pHは約4.8に低下し、乳酸の産生速度は有意に低下した(8時間(16~24)で1.9g/L産生、対24時間(24~48)で2.3g/L産生。48時間後、乳酸塩の産生が停止し、pHは4.57であった。64時間後、pHは4.49に達し、グルコース及び乳酸の濃度はそれぞれ13.1g/L及び8.3g/Lであった。形成された乳酸を排除水を使用して連続的に中和することによって(下記(B)及び(C)参照)、すなわち、アルカリ性の排除水を添加することによってバイオリアクタ内のpHを上昇させることにより、乳酸の産生を増加させることが可能であるかどうかを調査することにした。
実施例2:事前のpH調整あり、及びなしで、排除水をバイオリアクタに添加する効果
実施例1と同じ実験設定及び条件を適用した。しかしながら、MSWモデル基質の発酵に対する約8.3のpHを有する排除水(実施例の導入部に記載のように調製)の効果を決定するために、中性pHを有する脱イオン水の代わりに排除水を使用する一連の実験を行った。1つの発酵槽を、排除水(1L)、MSWモデル基質(166g)及び4gのCellic(登録商標)Ctec3を使用して運転した。3つの他の発酵槽では、発酵槽に入る前に、溶液中で酢酸に加水分解されると想定される無水酢酸を使用して、それぞれpH7、pH6、又はpH5に排除水を滴定した。
Figure 2023547177000006
Figure 2023547177000007
Figure 2023547177000008
Figure 2023547177000009
図3は、発酵前にpH調整をした、又はしていない、排除水を使用したMSWモデル基質の発酵中のpHを示す。
pH調整なしで排除水を使用する場合、乳酸の産生は遅く、pH5.5に達するまでに約60時間かかる。これは、より高いpHでのより低い酵素活性によって引き起こされると考えられ、これは、微生物増殖のためのグルコースをより少なく生成する可能性があり、したがって乳酸の産生を遅延させる。排除水をpH調整することにより、プロセスは加速されるが、いずれの場合も水道水(中性pH)を用いる場合よりも遅い(実施例1参照)。
実施例3:排除水の添加時のpHの影響
排除水(上記の実施例への導入部に記載のように調製)をバイオリアクタに少しずつ添加した。
250gの排除水、1.0gのCellic(登録商標)Ctec3及び41gのMSWモデル基質を使用して発酵を開始した。1L Sartorius(商標)発酵槽の初期pHは>7であった。26時間後、pHは5.0未満に低下した(これを時間=0時間と呼ぶ)。HPLC分析は、グルコース(5.2g/L)及び乳酸塩(6.7g/L)の両方が時間=0時間で存在することを示した。以下の表9に記載されるように、種々の時点(時間=0時間の後の時間の数として示される)で、排除水、Cellic(登録商標)Ctec3及びMSWを添加した。時間=15時間で、濃度はそれぞれ乳酸塩が13.1g/L、グルコースが4.1g/Lであった。時間=39時間で、濃度はそれぞれ乳酸が14.3g/L、グルコースが4.2g/Lであった。
Figure 2023547177000010
この実験は、排除水の数回の少量の添加が、大量の排除水の単回の添加と比較して、酸性化を達成するためのより速い方法であり得ることを示している。より速い酸性化は、より少量の排除水の複数回の添加によって達成され、主に以下の2つの要因の結果であると考えられる。1)排除水が添加されるとき、既に確立された可溶性産生コミュニティが存在する。2)低pHのバイオリキッドの存在は、排除水の添加によるpH上昇を制限し、これにより、添加されたMSWの変換において酵素がより効率的に機能することが可能になる。したがって、適切な条件が確立された後の発酵槽の反復pH調整は、システムが低pHの状態及び所望の可溶分を産生することができる微生物コミュニティに戻る能力に有益である。
実施例4:pH8.3の排除水の添加
250gの排除水、1.0gのCellic(登録商標)Ctec3及び41gのMSWモデル基質を使用して発酵を開始した。1L Sartorius(商標)発酵槽の初期pHは>7であった。26時間後、pHは5.0未満であった。次いで、pH制御をpH=6.0に設定し、実施例への導入部に記載されているように得られたpH8.3の排除水を自動的にシステムに圧送して、pHを6.0に維持し続けた。24時間後、pHが6未満に低下しなかったので、おそらく微生物変換に利用可能な糖がこれ以上なかったので、排除水の添加は自動的に停止した。この実験の最初の24時間の間に、合計433mLの排除水が添加された。次いで、1.0gのCellic(登録商標)Ctec3及び41gのMSWモデル基質を添加した。30時間後、pHを一定に保つために、さらに464mLの排除水を自動的に添加した。
実験は、排除水の連続添加が、酵素分解及び可溶分の産生の両方について反応混合物のpHを最適範囲(pH4.0~6.0)に維持する利点を提供することを示す。
MSWモデル基質の量(41g)から、可溶性分が乳酸である場合に0.070モルに相当する約6gの可溶性分が産生されると予想される。排除水について、滴定は、700mLに相当する約0.1Mの濃度を示した。この実験では、合計897mLの排除水を使用した。これは、反応で処理されたMSWの量と添加された排除水の体積との間に直接相関関係があることを示している。明らかに、この相関は、MSW(すなわち、食品廃棄物及びセルロース系材料)中の利用可能な糖の含有量及び使用される排除水のアルカリ度の両方に依存する。
実施例5:バイオリキッド及び廃棄物の連続的な除去、並びに、排除水、MSW及び酵素のアリコートの添加による連続プロセスのモデル化
発酵を、3リットルの脱イオン水、500gのMSWモデル基質及び12gのCellic Ctec3(商標)を含む5リットルの発酵槽で開始した。翌日、pHは4.3に低下しており、濃度はそれぞれグルコース8.0g/L及び乳酸塩8.8g/Lであった。これは、時間=0時間として示される(図4を参照)。材料(液体及び固体の両方)を時間=0の後の様々な時点で発酵槽から除去し、MSWモデル基質、排除水及び下記の表10に列挙されるCellic(登録商標)Ctec3と交換した。
Figure 2023547177000011
排除水の新たな添加間で有意なpH低下なしに時間=14.5時間までpHが上昇し続けたという事実は、とりわけ乳酸へのグルコースの微生物変換が非常に遅かったことを示しており、これは可溶性産生微生物集団が確立されていないことを示唆している。
47.5時間でのpH値は、そのような低いpH(4.72)では、可溶性産生細菌の集団が再び減少し、したがってpHの予想される減少が非常に遅いことを示す。
52.5時間のデータポイント及びその後のpHの急速な低下は、可溶性産生微生物コミュニティがここで再びサイズが増加し、システムが排除水を急速に中和することができることを示す。
本発明者らは、MSWモデル基質をより直接的なグルコース源で置き換えることができると推測した。これは、排除水の量が多いが、リアクタに添加できる廃棄物の量が限られているか、廃棄物の有機物含有量が低い場合に重要であり得る。pH4.80で時間=52.5において、本発明者らは、500mLの排除水と共に20gのグルコースの添加を試験した。3時間後、pH値は4.74に低下していた。
実施例6:排除水の添加を伴う回転水平リアクタにおけるMSWモデル基質の発酵
Cellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物をNovozymes A/Sから購入し、-20℃で保存した。使用前に酵素を解凍した。Superfloc C498HMWをKemiraから購入した。MSWモデル基質を、実施例への導入部に記載されるように調製した。排除水は、2017年11月16日にNorthwich Renescienceプラントの2500mの取水タンク、4つの4500mのAD消化槽、1つの2500mの貯蔵後タンクを含む大規模廃棄物処理プラントから得た。食物廃棄物の嫌気性消化(天然に前加水分解、約25%の乾燥物、90%の乾燥物が変換可能であった)、続いてSuperfloc C498HMWポリマーの0.3%溶液(23m/hの供給によるポリマー流1220L/h)を使用した凝集、及び嫌気性消化システムでの追加の熱処理なしにデカンタ遠心機を使用したデカンテーション後に得られた排除水の上清。
ステンレス鋼回転水平リアクタ(総容積63L、長さ2m)に、MSWモデル基質(2kg)、水道水(5L)、及び水道水(1L)中のNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3(32g)と同様の酵素活性を有する酵素組成物を充填した。混合物を50℃で一定回転(4rpm)下で混合した。48時間後、水道水(3L)、MSWモデル基質(1kg)及びNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(16g)の水道水(400mL)中の溶液を添加し、混合を24時間続けた。MSWモデル基質(1kg)、排除水(3L)及びNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(16g)の水道水(400mL)中の溶液を引き続き添加し、混合を24時間続けた。次いで、10kgのリアクタ内容物をアウトフィーダ(リアクタの送込み端部の反対側に位置する)を通して除去した。その後、MSWモデル基質(1.5kg)、排除水(4L)及びNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(24g)の水道水(400mL)中の溶液をリアクタに添加し、混合を93時間続けた。
発酵の進行をインラインpH測定及びHPLC分析によって監視して、以下の表11に示す時点でアウトフィーダから採取した試料中のグルコース、キシロース、アラビノース、乳酸塩、酢酸塩及びエタノールの濃度を決定した。
図5は、50℃(pHプローブをリアクタの送込み端部から約1.75m離して取り付けた)での回転水平リアクタにおけるMSWモデル基質の発酵のpHプロファイルを示す。
Figure 2023547177000012
排除水(最大56体積%)の添加は、水道水を使用して開始された発酵プロセスに悪影響を及ぼさなかった。これは、排除水の添加後のpHの連続的な低下並びに乳酸塩及び糖の濃度増加によって実証される。
実施例7:微生物叢の決定
以下の表12に列挙される試料は、実施例6のミニリアクタから得られた試料であった。試料は、QIAGENから購入したDNeasy(登録商標)PowerSoil(登録商標)Kitを使用して分析した。製造業者QIAGENによって提供された2016年6月のクイックスタートプロトコルに従った。
Figure 2023547177000013
DNA精製:
0.25gの試料をPowerBeadチューブ(QIAGEN)に添加した。チューブを穏やかに渦動させ、混合した。体積60μlの溶液C1を添加し、数回反転させるか、短時間渦動させた。PowerBeadチューブは、ボルテックスアダプタチューブホルダを用いて水平に固定した。チューブを最大速度で10分間渦動させた。チューブを10,000×gで30秒間遠心分離した。上清を清浄な2mlの収集チューブに移した。250μlの溶液C2を添加し、5秒間ボルテックスした。インキュベーションを4℃で5分間行った。チューブを10,000×gで1分間遠心分離した。ペレットを避けて、最大600μlの上清を清浄な2mlの収集チューブに移した。続いて200μlの溶液C3を添加し、短時間渦動させた。インキュベーションを4℃で5分間行った。チューブを10,000×gで1分間遠心分離した。ペレットを避けて、最大750μlの上清を清浄な2mlの収集チューブに添加した。C4の溶液を振盪して混合し、1200μlを上清に添加した。溶液を5秒間渦動させた。675μlをMB Spin Columnにロードし、10,000gで1分間遠心分離した。フロースルーを廃棄した。最後の工程を2回繰り返した。500μlの溶液C5を添加した。遠心分離を10,000×gで30秒間行った。フロースルーを廃棄した。遠心分離を再び10,000×gで1分間行った。MBスピンカラムを清浄な2mlの収集チューブに間隔を置いて配置した。50μlの溶液C6を白色フィルタメンブレンの中心に添加した。遠心分離を10,000×gで30秒間室温で行った。MBスピンカラムを廃棄した。この時点で、DNAは下流適用の準備ができていた。
シーケンシングのためのDNAの調製:
DNA精製後、さらなる分取工程を行った後、Illumina MiSeqシステム(商標)でシーケンシングした。製造業者Illuminaによって提供された手順に従った:(https://support.illumina.com/downloads/16s_metagenomic_sequencing_library_preparation.html accessed 11-01-2018,16S Metagenomic Sequencing Library Preparation,Preparing 16S Ribosomal RNA Gene Amplicons for the Illumina MiSeq System,Part # 15044223 Rev.B.)
16Sライブラリ調製ワークフローは以下の通りであった:1)PCRの第1段階、2)PCRクリーンアップ、3)第2段階PCR、4)PCRクリーンアップ2、5)ライブラリの定量化及び正規化、及び6)MiSeq試料ローディングのライブラリ変性。
手順に記載の16S PCR工程を用いて、精製DNA試料を調製した。溶液にプライマーを添加し、PCRを行った。続いて、インデックスプライマーを使用してインデックスPCR手順に従って溶液をインデックス付けした。インデックスPCRの後、溶液をPCRクリーンアップ2手順に従って精製した。続いて、PCRクリーンアップ2工程で、任意の遊離プライマー及びプライマーダイマー種を除去することによって溶液を精製した。DNAライブラリを、dsDNA結合色素を使用する蛍光定量法を使用することによって定量した。DNA濃度は、Qibit 3.0(商標)で行った分析に基づいて計算した。ライブラリを正規化し、プールした。プールされたライブラリを変性させ、MiSeqシステムにロードした。試料のローディングの後、MiSeqシステムは、16Sメタゲノミクスデータベースを使用して機器上二次分析を提供した。当技術分野で知られているように、特定の種の決定は、適用される特定のデータベースに依存し得、実際には1つよりも多くの種を含み得るか、又は別のデータベースでは異なるように分類され得る種を指し得る。しかしながら、適用されるデータベース及び様々なデータベースによって適用されるあり得る特定の種の特定にかかわらず、本目的のために、乳酸産生細菌と非乳酸産生細菌との間の区別は同じであるべきである。
結論
図6は、乳酸産生細菌(乳酸菌目「LAB」の細菌を含む)の%を記載しており、現在受け入れられている分類は、原核生物の命名法及び分類法に関する情報を維持するオンラインデータベースであるList of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature(LPSN)に基づいており、国際細菌命名規約の分類要件及び規則に従っている。系統発生は、「The All-Species Living Tree」プロジェクトによる16S rRNAに基づくLTPリリース106に基づいている。ここで言及される乳酸産生細菌はまた、実験における7つの異なる時点(S3、S6、S12、S16、S18、S20及びS22と呼ばれ、表12で定義される)で試料中に存在する他のすべての細菌種と比較して、LAB目に属さないがそれにもかかわらず乳酸を産生することができる細菌を含む。
廃棄の1.75時間後、脱イオン水及び酵素をミニリアクタに添加したところ(S3)、リアクタ中の細菌集団の33%が乳酸産生細菌で構成されていた。他のすべての細菌種が残りの67%を構成していた。
20.25時間後(S6)、LABの量は集団の55%に増加していたが、他の細菌種は45%に減少していた。
49.75時間(S12)及び72.5時間(S16)では、乳酸産生細菌が集団を支配し、他の細菌種がそれぞれ21%及び24%であるのに対し、それぞれ79%及び76%であった。
72.5時間後(S16)、排除水を添加した。91時間(S18)で、乳酸産生細菌の総量は51%に減少していた一方で、他の細菌種は49%に増加していた。
興味深いことに、162.75時間後(S20)及び189.25時間後(S22)、乳酸産生細菌の存在は、それぞれ77%及び65%に再び増加していた。他の細菌種は、それぞれ23%及び35%に減少していた。
したがって、排除水を介した多くの他の細菌種及びより高いpHの導入及び91時間後の乳酸産生細菌の集団サイズの減少後でさえ、乳酸産生細菌は、驚くべきことに、他の細菌種と比較してバイオリアクタ内の集団サイズに関して依然としてリードすることができた。バイオリアクタ内の環境が著しく変化した後でさえ、乳酸産生細菌は驚くべきことに依然として主要な細菌寄与因子であった。
図7a~7dは、実験における7つの異なる時点(S3、S6、S12、S16、S18、S20及びS22と呼ばれ、表12で定義される)で試料中に存在する他のすべての細菌と比較して集団を支配する細菌種を記載している。図7a~gを以下に説明する。
7a)廃棄物、脱イオン水及び酵素をミニリアクタに添加してから1.75時間後(S3)、Calothrix parietinaは、他のすべての細菌種(71%)と比較して29%の細菌集団を占めた。
20.25時間後(S6)、細菌集団はBacillus coagulansが支配的であり、他の細菌種の45%と比較して55%であった。これは、この試料中の乳酸産生細菌の全量(図6)に等しいことに留意されたい。B.coagulansは、乳酸菌の周知のプロデューサである(T.Michelson et al.,2006,Enzyme and Microbial Technology)。
7b)49.75時間(S12)で、B.coagulansの集団は、他の細菌種の25%と比較して75%に増加していた。ここでも、B.coagulansは、乳酸産生細菌集団のほぼ全体を表していたことに留意されたい(図6)。
72.5時間(S16)で、B.coagulansの集団は、73%で安定しており、再び乳酸産生細菌集団全体の大部分を表した。この試料の後に排除水を添加した。
7c)91時間(S18)で、排除水を添加した。B.coagulansの集団は51%に減少し、乳酸産生細菌集団全体の大部分を占めた。これは、B.coagulansが排除水の添加に苦戦していたことを示す。
実際に、162.75時間後(S20)、細菌集団は、Lactobacillus ultunensisが53%で支配的であった。なお、L.ultunensisとは別に、LABは24%の他の乳酸産生細菌種をさらに含んでおり、これは、L.ultunensis以外の他のLAB種が、排除水の添加後にバイオリアクタ環境で増殖することができることを示唆している。
7d)189.25時間後(S22)、L.ultunensisは依然として44%であり優勢な種であった。
乳酸産生細菌が、排除水を含む環境に耐えることができることは非常に驚くべきことである。驚くべきことに、細菌集団は、排除水の添加によって引き起こされるバイオリアクタ環境の変化の結果として、1つの主要な乳酸産生細菌種から別のものに変化した。
図8a~8dは、実験における同じ7つの時点(表12で定義されるように、S3、S6、S12、S16、S18、S20及びS22と呼ばれる)で試料中に存在する他のすべての細菌種と比較して集団中の最も優勢な5つの種を記載している。「未分類」は、方法論が分類することができない細菌種、場合によってはいかなるデータベースにも存在しない新規種を示す。図8a~8dを以下に説明する。
8a)廃棄物、脱イオン水及び酵素をミニリアクタに添加してから1.75時間後(S3)、Calothrix parietinaは、29%の細菌集団を占め、その次に5%のLeuconostoc種及び5%の未分類細菌であった。Weissella viridescens及びLeuconostoc mesenteriodesは、それぞれ4%及び3%で存在した。他の細菌種は全細菌の54%を構成していた。Leuconostoc種、W.viridescens及びL.mesenteriodesはすべて乳酸産生細菌である。これらはいずれも、経時的に集団の優勢な種として残っていなかった(下記参照)。
20.25時間後(S6)、細菌集団は、55%のB.coagulans及び17%のBacillus thermoamylovoransが支配的であった。未分類細菌、Bacillus種及びSporolactobacillus putidusは、それぞれ8%、3%及び2%の量で存在した。他の細菌種は全細菌の15%を構成していた。図7aと比較して、明確な細菌集団のシフトがあった。全ての上位種が変化した、すなわちバイオリアクタ環境で生存することができる細菌は集団サイズが増加した。バイオリアクタ集団は、乳酸産生細菌が支配的であった。なお、S.putidusは、乳酸産生細菌である。
8b)49.75時間(S12)で、B.coagulansの集団は75%に増加した。これに、「未分類細菌」(6%)、Bacillus種(3%)、S.putidus及びEnterococcus lactis(2%)並びに12%の他の細菌種が続いた。図8aのトップ種のいくつかが依然として存在しており、集団が安定化していることを示していることに留意されたい。なお、E.lactisは、乳酸産生細菌である。
72.5時間(S16)で、B.coagulansの集団は、73%で安定しており、再び乳酸産生細菌集団全体の大部分を表した。これに、「未分類細菌」(11%)、Bacillus種(3%)、Lactobacillus ultunensis(2%)、S.putidus(1%)及び11%の他の細菌種が続いた。なお、L.ultenensisは、乳酸産生細菌である。これは、バイオリアクタ集団が安定していることを示した。この試料の後に排除水を添加した。
8c)91時間(S18)で、B.coagulansの集団は51%に減少した。安定条件は、排除水によって中断され、これは細菌集団に有意に影響を及ぼした。「未分類細菌」(13%)、Aminobacterium種(7%)、S.putidus(3%)、Anaerobaculum種(2%)及び24%の他の細菌種も存在した。B.coagulans及び「未分類細菌」を除いて、他の優勢な種は、バイオリアクタ内の環境の変化のために図8bと比較して変化した。他の細菌種は10%から24%に増加したことから、集団全体のシフトが示唆される。
実際、162.75時間後(S20)、細菌集団全体が別の乳酸産生細菌種である53%のLactobacillus ultunensisによって支配され、B.coagulansは8%に減少したが、これもまた、バイオリアクタ内の新たな環境がこの種に好ましくなかったことを示唆している。「未分類細菌」(8%)、Lactobacillus種(3%)、Aminobacterium種(3%)、及び25%の他の細菌種も存在した。集団全体が、新たな優勢な種によって再び安定になる方向に変化した。
8d)189.25時間後(S22)、L.ultunensisは依然として45%で優勢な種であり、次いで「未分類」細菌(15%)、B.coagulans(5%)、Aminobacterium種(4%)、Lactobacillus delbrueckii(3%)及び28%の他の細菌種であった。なお、L.delbrueckiiは、乳酸産生細菌である。
乳酸産生細菌が、排除水を含む環境に耐えることができることは非常に驚くべきことである。驚くべきことに、細菌集団は、排除水の添加によって引き起こされるバイオリアクタ環境の変化の結果として、1つの優勢なLAB種から別のものに変化した。
実施例8:開ループ及び閉ループのバイオリキッドの嫌気性消化の比較
実施例の導入部で述べたように、嫌気性消化から得られたAD廃液は、デンマークのAmager Resource CenterでのRenescience実証スケールで都市固形廃棄物から製造されたバイオリキッドを使用して得た。このRenescience実証プラントは、バイオリキッド利用手段及び水補給ユニットを含まず、したがって水の再循環が適用されないプラントである。この実施例の目的のために、これは「開ループ」プラントと呼ばれる。その結果、この実証プラントで得られ、さらに嫌気消化に使用された、バイオリキッド(この実施例の目的のために「Renescienceバイオリキッド」と呼ぶことがあり、この用語は本実施例の範囲に限定されない)中の塩及びアンモニアの濃度は、水道水以外の水をバイオリアクタに添加したプラントから得られたバイオリキッド中で予想される濃度よりも低かった。したがって、「閉ループ」プラントが、廃棄物の組み合わされた酵素処理及び微生物処理が水の再循環を含む廃棄物処理プラントである。
嫌気性消化の分野におけるモデリング及び実験結果の両方が、変換速度及びバイオメタン収率がナトリウム濃度によって負の影響を受けることを示している(Hierholtzer,A et al 2012;Modelling sodium inhibition on the anaerobic digestion process;Water Science and Technology;1565-1573)。事実、引用された研究は、0.083mol/L(1.91g/L)のナトリウムの添加後に既に嫌気性消化に対する阻害効果が認められ得ることを示す。同様に、アンモニア濃度の増加は、通常、メタン生成活性の損失、並びにバイオマス成長の減少をもたらす(Chen,Y et al.2008;Inhibition of anaerobic digestion process:a review.Bioresource Technology,99(10),4044-64)。
可溶性塩及びアンモニア濃度は、嫌気性消化内の基質の変換性に悪影響を及ぼす可能性が高いので、異なる濃度のナトリウム、アンモニア及びカルシウムによるバイオリキッドの嫌気性消化を比較する実験を行った。
実験の説明:
この研究では、開ループのバイオリキッドからのADを、水が再循環される予測された質量バランスと一致する閉ループのバイオリキッドのADと比較するため、バイオガス生産のための従来の連続撹拌槽リアクタ(CSTR)を、それぞれ、Renescienceバイオリキッドと、ナトリウム、カルシウム、塩素及びアンモニアを補充したRenescienceバイオリキッドとを用いて操作した。20日間の水理学的滞留時間(HRT)で少なくとも4回の完全滞留について連続試験を実施した。これは、本発明の工程a)によるプロセスの下流でバイオリキッドを処理するフルスケールの嫌気性消化槽の操作で予想される公称流量であり得る。
材料:
1.嫌気性消化のための最初のシード(接種材料)は、農業藁からの肥料及び繊維が豊富な残渣を嫌気性消化によってバイオガスに変換するためのデンマークのプラントであるFoulum Biogas由来のものであった。
2.デンマークのアマー島の実証施設で製造された2016年のオランダ都市固形廃棄物の組み合わされた酵素処理及び微生物処理から得られたRenescienceバイオリキッド。実験室規模のCSTRSの目詰まりを減少させるために、2mmのスクリーンメッシュを通してバイオリキッドをスクリーニングした。
3.2つの10リットルのバイオガスリアクタ:高い塩及びアンモニア濃度(閉ループ)を用いてRenescienceバイオリキッドを処理するためのCSTR、及び2つ目は陽性対照としてより低濃度の塩及びアンモニア(開ループ)を含むRenescienceバイオリキッドを用いた。
4.Tedlar(登録商標)ガスサンプリングバッグUS大気ガス法及びメタン産生のGC定量。
5.ガス流測定装置。Bioprocess Control、スウェーデン。
方法:
実験は、予め接種材料を播種し、活性微生物を維持するためにバイオリキッドで1週間スパイクした2つの10リットルCSTRリアクタの連続供給によって行った。活性体積含有量の撹拌は、蠕動ポンプによる能動的再循環によって達成された。各リアクタ内の加熱ジャケットを用いて達成された38℃の中温温度範囲で、リアクタのプロセスを保持した。試料をサンプリングポートを通してリアクタ内で定期的に採取した。
閉ループCSTR消化槽を使用して、塩化ナトリウム、重炭酸カルシウム及びアンモニアを補充したバイオリキッドを、マスバランス計算からの高塩AD供給物の予想濃度に類似するように変換した。基質を2mmの台所用メッシュふるいでもスクリーニングして、より大きな粒子を除去し、実験室規模のポンプの再循環の目詰まりのリスクを低減した。基質の特性評価は、NREL(National Renewable Energy Laboratory,US)ガイドラインに従った以下の予想される塩濃度及びアンモニア濃度に基づいた。
塩濃度及びアンモニア濃度を、閉ループ系からのバイオリキッド基質の予想される塩濃度及びアンモニア濃度を満たすように調整した:
Na:2.3g/l、Cl:2.3g/L、TAN(全アンモニア窒素):2.5g/L、Ca:5.1g/L。
すべてのリアクタの上昇は50日のHRTで開始し、供給速度は5日間で20日のHRTに達するまで増加させた。目標HRTが達成されたとき、リアクタを少なくとも6回の総保持時間にわたって操作した。異なる全保持のためのリアクタの操作は、バイオメタンリアクタの消化媒体が完全に交換されたことを確実にする。操作の25日目に対応する実験の2回目の保持を開始した後、収集した廃液をプロセスの代表的な廃液として保存して、リアクタの塩濃度及びアンモニア濃度を定量した。「閉ループ」バイオリキッドに似たバイオリキッドを供給したリアクタで得られた収率を、「開ループ」バイオリキッドに似たバイオリキッド、すなわち塩及びアンモニアを添加していないバイオリキッドを供給した対照リアクタで得られた収率と比較した。
嫌気性消化プロセス中に産生されたバイオガスを、Bioprocess Control AB(ルンド、スウェーデン)から入手したガス流装置によって定量的に監視した。ガス組成は、ガスクロマトグラフィ(モデルGC82 Mikrolab Aarhus A/S、デンマーク)によって決定した。消化物中の化学的酸素要求量(COD)及び揮発性脂肪酸(VFA)を、DR 3900分光光度計(ドイツ、デュッセルドルフのHach)を使用したHach LCK514 COD及びLCK365有機酸キュベット試験で定量した。
結果:
閉ループを含むフルスケールのRenescience ADプロセスをシミュレートするために、塩濃度及びアンモニア濃度を増加させたRenescienceバイオリキッドのバイオガス収率を推定するため、連続バイオガス試験を行った。対照として、RenescienceバイオリキッドをAmagerの開ループのデモスケールRenescienceパイロットプラントで製造し、塩添加なしも同じプロセス条件(「消化槽A」)で試行した。
20 HRTの4回の保持時間中のCSTRリアクタからのメタンの産生を図10に示す。データは、嫌気性消化のための基質として濃縮された閉ループのバイオリキッドを使用してメタンを産生することが可能であったことを示している。20日のHRT中のメタン産生の傾向は、リアクタの全操作中、プロセスが安定したままであることを示した。この実験は、閉ループプラントから得られたバイオリキッド中の予想される塩濃度及びアンモニア濃度に対応するNa、Cl、Ca及びアンモニアの濃度の増加が、驚くべきことに、研究した条件でのRenescienceバイオリキッドの嫌気性消化に有害な影響を及ぼさなかったことを示している。
実施例9:6を超えるpHでの発酵槽におけるMSWモデル基質の発酵
実験に使用した重炭酸アンモニウム及びアンモニア溶液は、Sigma Aldrichから入手した。
1LのSartorius発酵槽にMSWモデル基質(166g)及び水道水(900mL)を充填した。NHHCO(13g)及びアンモニア(水性、25%、2mL)を水道水(100mL)に溶解し、溶液を発酵槽に添加した。混合物を一定撹拌(500rpm)下で50℃にした。混合物が50℃に達した後、Novozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(4g)を発酵槽に添加し、50℃で一定撹拌(500rpm)下で発酵を行った。
Figure 2023547177000014
結論。図11及び表13から分かるように、実験中のpHは常に6を超えており、乳酸の消失及びいくつかの他の有機酸(ギ酸、プロピオン酸及び酪酸)の産生をもたらした。これらの新しく形成された酸は、ADプロセスに困難をもたらす可能性があるため、バイオリキッド中では望ましくない。したがって、この実験は、発酵のpHがpH6を超えるべきではないことを実証した。
実施例10:一定のpH3.5での発酵槽におけるMSWモデル基質の発酵
実験で使用したHCl(水性、4M)は、Sigma Aldrichから入手した。
1LのSartorius発酵槽にMSWモデル基質(166g)及び蒸留水(1L)を充填した。HClの4M水溶液を用いて混合物のpHを3.5に調整した。混合物を一定撹拌(600rpm)下で50℃にした。混合物が50℃に達した後、Novozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(4g)を発酵槽に添加し、一定のpH3.5(HClの4M水溶液を添加することによって発酵槽によって自動的に維持された)で、50℃において一定撹拌(600rpm)下で発酵を行った。
Figure 2023547177000015
結論。実験は、pH3.5では、乳酸塩、酢酸塩及び他のカルボン酸塩がほとんど産生されないことを示し、これは、好ましい細菌活性がpH3.5で依然として存在するが、pH3.5~6での細菌活性と比較して低下していることの指標である。
実施例11:排除水及びグルコースの添加を伴う回転水平リアクタにおけるMSWモデル基質の発酵
Figure 2023547177000016
成分をシュレッダ(Frandsen Industri findeler type 5500)に3回通し、得られた混合物を粉砕機(6ディスクロータを備えたRetsch sm300)に1回通した。こうして得られたMSWモデル基質の乾燥物は77%であった。
MSWモデル基質(1kg、表X)、水道水(3L)及びNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(23g)の水道水(1L)中の溶液を、ステンレス鋼回転式水平リアクタ(総容積63L、長さ2m)に添加した。混合物を50℃で一定回転(4rpm)下で混合した。実験開始の24時間後、排除水(4L)、MSWモデル基質(1,2kg)及びNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(24g)を添加した。実験開始の47時間後、Novozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(20g)を添加した。実験開始の49時間後、MSWモデル基質(1kg)、水道水(2kg)、排除水(1kg)及びNovozymes A/Sから購入したCellic(登録商標)CTec3と同様の酵素活性を有する酵素組成物(20g)を添加した。実験開始の117時間後、5kgのリアクタ内容物をアウトフィーダを通して除去した。実験開始の121時間後、グルコース(200g)をリアクタに添加した。
発酵の進行をpH測定及びHPLC分析によって監視して、表16に示す時点でアウトフィーダから採取した試料中の糖、有機酸及びエタノールの濃度を決定した。
Figure 2023547177000017
また、他の細菌種の存在に対するLABの集団を実施例7に記載のように測定した。図12に示すように、pHが上昇すると、他の細菌種に対するLABの割合が大幅に低下した。pHが約7.84に上昇した26時間では、LABの存在は減少し、pHが依然としてpH7に近い49時間後まで低いままであった。pHが約pH5に低下した139時間では、LABの割合は他の細菌種に対して約90%に増加した。
結論:
発酵は、他の実施例で使用されたMSWモデル基質とは異なるMSWモデル基質を用いて首尾よく進行した。プロセスが長時間にわたってpH>6で操作されると、ADプロセスにとって望ましくない酪酸が産生されることも示されている。さらに、pHが6を超えると、微生物叢の組成が変化し、エネルギー産生のために価値のある可溶分を産生する細菌集団の相対%が著しく低下する。

Claims (14)

  1. 廃棄物の連続処理又はバッチ処理のための方法であって、
    a)バイオリアクタ内で廃棄物を酵素処理及び/又は微生物処理に供すること、
    b)工程a)からの処理済み廃棄物を1回又は複数回の分離工程に供し、それにより、バイオリキッド及び固体画分が提供されること、
    c)前記バイオリキッド及び/又は固体画分を下流処理に供してプロセス水をもたらすこと、
    d)工程c)から得られた前記プロセス水及び任意に外部水源からの水を工程a)において前記バイオリアクタに添加することであって、前記プロセス水は、前記リアクタ内のpHがpH3.5~6になるように連続もしくはバッチで添加されるか、又は工程a)において前記プロセス水を前記バイオリアクタに添加する前にpHが3.5~6に調整されること、
    を含む方法。
  2. 前記プロセス水をもたらす工程c)における前記下流処理が、嫌気性消化プロセス、固形廃棄物画分の洗浄、蒸発及びバイオリキッドの収集のうちの1つ又は複数から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 工程c)における前記下流処理が、排除水をもたらす嫌気性消化プロセスである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記排除水のpHが、酸の添加によって及び/又はアンモニウム含有量の低減によって3.5~6に調整される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記嫌気性消化プロセスから得られた前記排除水が、工程d)に供される前に衛生化される、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 工程d)における前記外部水が、河川、湖及び池などの天然源から得られた水、貯水槽、水道水、及びそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 工程a)における前記バイオリアクタの充填容積が、操作中に10、50、100、150、200、250、300、350、400、450又は500mよりも大きく、1時間当たり5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50トンを超える廃棄物を処理するように適合されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記廃棄物が、分別されていない都市固形廃棄物、集中的に分別された都市固形廃棄物、家庭からの分別された都市固形廃棄物、細断又はパルプ化によって処理された都市固形廃棄物、有機画分及び紙が豊富な画分、ごみ由来燃料画分、又は都市固形廃棄物であり、前記廃棄物中の生分解性材料が、食物残渣、紙、厚紙又は微粉から選択される1つ又は複数の物品の組み合わせを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程a)における前記酵素処理が、天然形態もしくはそのような酵素の発現を生じさせる微生物の形態又は前記酵素を産生することができる操作された酵母、細菌、若しくは任意の他の微生物のいずれかで供給される酵素を添加することによって行われる、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記微生物処理が、例えばバイオ化学物質、エタノール若しくはバイオガスを産生することができる細菌などの微生物を添加することによって、及び/又は、前記廃棄物中に存在する細菌などの微生物によって、行なわれる、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 工程a)における前記処理が、前記廃棄物を、少なくとも1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×10CFU/Lの乳酸菌生菌濃度と接触させることを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程a)における前記処理が、1.0×10、1.0×10、1.0×10、1.0×10又は1.0×1010CFU/Lの濃度で微生物を前記廃棄物に添加することを含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 処理工程a)が、20~75℃、30℃~70℃、40℃~60℃、45~55℃、又は約50℃の温度で行われる、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 工程d)におけるプロセス水及び任意に外部供給源からの水を工程a)において前記バイオリアクタに添加する流量が、廃棄物の量に対して本質的に一定及び/又は本質的に比例し、水:廃棄物の比率が1:1~3:1である、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
JP2023525515A 2020-11-04 2021-11-01 プロセス水の再循環を含む廃棄物の酵素処理及び/又は微生物処理のための方法 Pending JP2023547177A (ja)

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