JP2023545674A - ポリアミン輸送阻害剤およびdfmoの配合原薬 - Google Patents

ポリアミン輸送阻害剤およびdfmoの配合原薬 Download PDF

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Abstract

本明細書では、ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)またはそのイオン形態および下記の構造式:(I)JPEG2023545674000027.jpg34103の化合物またはそのプロトン化形態を含む組合せ物が提供され、式中、変数(例えば、a、b、c、d、e、n、R1、R2、X)に関する値は本明細書に記述される。組合せ物は、単一医薬剤形で併用薬物療法を提供することができ、例えばがんの処置のために使用することができる。本明細書では、DFMOまたはそのイオン形態および構造式Iの化合物またはそのプロトン化形態を含む固体形態(例えば、結晶の固体形態)であって、変数(例えば、a、b、c、d、e、n、R1、R2、X)に関する値が本明細書に記述される通りの固体形態も提供する。

Description

関連出願
本出願は、2020年9月30日に出願された米国仮出願第63/085,510号の利益を主張する。本出願の教示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
背景
併用薬物療法には、抗生剤治療、抗ウイルス治療、および腫瘍療法を含むいくつかの重要な臨床適用例に関して確固たる歴史があるが、同じ生物学的経路を標的とする2種の薬物が関係する併用薬物療法は、よりまれである。AMXT 1501およびジフルオロメチルオルニチン(DFMO)は共に、がんの治療のためにポリアミン代謝経路を標的とする。
薬剤学は、用量形態を改善することを目的とする科学的および技術的分野である。1つの目的は、所望の治療期間にわたって生物学的標的の耐久性がありかつ強力な関与を提供する用量形態を、最適化することである。追加の目的は、より高い安定性、より便利な取扱い特性、より便利な患者投薬スケジュール、および特に薬物併用に関して、薬剤の正確な量および比のさらに一貫した投薬を有する、用量生成物を提供することである。AMXT 1501およびDFMOは、現在、別々に投与されている。
したがって、AMXT 1501およびDFMOの併用剤形が求められている。
概要
本明細書では、ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)またはそのイオン形態、および下記の構造式:
の化合物またはそのプロトン化形態を含む組合せ物(例えば、併用剤形)であって、変数(例えば、a、b、c、d、e、n、R、R、X)に関する値が本明細書で記述される通りの組合せ物を提供する。
本明細書では、DFMOまたはそのイオン形態および構造式Iの化合物またはそのプロトン化形態を含む固体形態(例えば、結晶の固体形態)であって、変数(例えば、a、b、c、d、e、n、R、R、X)に関する値が本明細書に記述される通りの固体形態も提供する。
本明細書では、本明細書に記述される併用または固体形態(例えば、固体形態)および薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物も提供する。
本明細書では、それを必要とする対象のがんを治療する方法であって、本明細書に記述される組合せ物、固体形態、または医薬組成物の治療有効量を対象に投与することを含む方法も提供する。本明細書では、がんの治療で使用される、本明細書に記述される組合せ物、固体形態、または医薬組成物も提供する。本明細書では、がんの治療のための医薬を製造するための、本明細書に記述される組合せ物、固体形態、または医薬組成物の使用も提供する。
本明細書に記述されるAMXT 1501-DFMO固体形態は、それらの個々の構成成分と比較して大きく増大した融点特性を有する。さらに、本明細書で提供される組合せ物および固体形態は、下記の利点:(i)AMXT 1501とDFMOとのイオン対の形成が、薬物のバイオアベイラビリティ、組織および/または腫瘍標的および/または腫瘍に対する薬物動態活性を高める可能性があり;(ii)2種の薬剤の組合せを1つの固体形態にすることが、患者のコンプライアンスを改善する可能性があり;(iii)2種の薬剤の組合せを1つの固体形態にすることが、薬物製剤の取扱いおよび生成の実現可能性を改善する可能性があり;および(iv)2種の薬剤の組合せを1つの固体形態にすることが、錠数負担を低減する可能性があること、の1つまたは複数を提供することが予測される。
前述の内容は、例示的な実施形態の下記のさらに特定の記述から明らかにされよう。
図1Aは、平均血漿濃度対時間プロファイルであり、単回用量(1日目)後のAMXT 1501の平均血漿濃度を示す。
図1Bは、平均血漿濃度対時間プロファイルであり、反復投薬(14日目)後のAMXT 1501の平均血漿濃度を示す。
図2は、平均血漿濃度対時間プロファイルであり、反復投薬(28日目)後のDFMOの平均血漿濃度を示す。
図3は、H NMRスペクトルであり、Lot 4-138においてAMXT 1501およびDFMOの両方の存在を示す。データは、Varian機器上で、DO中400MHzで得られた(4.79ppmに設定された残留HDOシフト)。
図4Aは、HPLCクロマトグラムであり、実施例1に記述されるHPLC条件下でAMXT 1501およびDFMOにより発生したピークを示す。
図4Bは、グラフであり、AMXT 1501の標準溶液のHPLC分析から生成された標準曲線を示す。
図4Cは、グラフであり、DFMOの標準溶液のHPLC分析から生成された標準曲線を示す。
図4Dは、HPLCクロマトグラムであり、Lot 4-138のHPLC分析から生成されたピークを示す。
図5は、x線パターンディフラクトグラムであり、Lot 4-138、DFMO、およびAMXT 1501のx線回折パターンの重なりを示す。
図6Aは、明視野画像であり、Lot 4-138の偏光顕微鏡法(PLM)分析の結果を示す。
図6Bは、偏光画像であり、Lot 4-138のPLM分析の結果を示す。
図7は、サーモグラムであり、Lot 4-138の示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)の結果を示す。
図8Aは、pH滴定曲線であり、1M NaOHによるDFMO・HCl・HO(0.1M 2mL)のpH滴定の結果を示す。
図8Bは、電荷状態図であり、pHの関数として、DFMO・HCl・HOの電荷状態を示す。
図8Cは、pH滴定曲線であり、1M NaOHによるAMXT 1501・4HCl(0.05M 2mL)のpH滴定の結果を示す。
図8Dは、電荷状態図であり、pHの関数として、AMXT 1501・4HClの電荷状態を示す。
図9は、サーモグラムであり、試験固体1(Lot 5-9)のDSCおよびTGAの結果を示す。
図10は、サーモグラムであり、試験固体2(Lot 5-11)のDSCおよびTGAの結果を示す。
図11は、x線パターンディフラクトグラムであり、試験固体1、試験固体2、およびDFMO・HCl・HOのx線回折パターンの重なりを示す。
詳細な説明
例示的な実施形態の記述が、以下に続く。
定義
本明細書および添付される特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、他に内容および文脈が明示しない限り、複数の指示対象を含む。
文脈が他に必要としない限り、以下に続く本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、「含む(comprise)」という単語ならびにその同義語および変形、例えば「有する」および「含む(include)」、ならびにこれらの変形例、例えば「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、開放的で包括的な意味に、例えば「含むがそれに限定されない」と解釈されるものとする。
「約」は、当業者により決定されるような、特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味する。典型的には、特定の値に関する許容可能な誤差範囲は、少なくとも部分的には、その値がどのように測定されまたは決定されるか、例えば測定システムの限度に依存する。例えば、「約」は、当技術分野での実用に従い、許容可能な標準偏差の範囲内を意味する。あるいは、「約」は、所与の値の±20%、±10%、±5%、または±1%の範囲を意味することができる。「約」という用語は、実施例で使用される特定の値を除き、本明細書で指定される任意の特定の値に先行できることが理解されよう。
「脂環式」は、指定された数の炭素原子を有する非芳香族、環式、炭化水素ラジカルを指す。したがって「(C~C10)脂環式」は、1~10個の炭素原子を有する脂環式ラジカルを指す。一部の実施形態では、脂環式は、(C~C25)脂環式、例えば(C~C20)脂環式、(C~C15)脂環式、(C~C10)脂環式、(C~C)脂環式、または(C~C)脂環式である。「脂環式」は、飽和することができ、または不飽和の1個もしくは複数の単位(例えば、炭素-炭素二重結合)を含有することができる。脂環式の例には、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニルが含まれる。一部の実施形態では、脂環式は、飽和脂環式である。脂環式の例には、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが含まれる。
「脂肪族」は、指定された数の炭素原子を有する、非芳香族、分岐状または直鎖、炭化水素ラジカルを指す。したがって、「(C~C15)脂肪族」は、1~15個の炭素原子を有する脂肪族ラジカルを指す。一部の実施形態では、脂肪族は、(C~C50)脂肪族、例えば(C~C25)脂肪族、(C~C15)脂肪族、(C~C10)脂肪族、(C~C)脂肪族、または(C~C)脂肪族である。「脂肪族」は、飽和することができ、または不飽和の1つもしくは複数の単位(例えば、炭素-炭素二重結合)を含有することができる。脂肪族の例には、アルキル、アルケニル、およびアルキニルが含まれる。一部の実施形態では、脂肪族は、飽和脂肪族、例えば(C~C25)飽和脂肪族、(C~C15)飽和脂肪族、(C~C10)飽和脂肪族、または(C~C)飽和脂肪族である。一部の実施形態では、脂肪族はアルキルまたはアルケニルである。一部の実施形態では、脂肪族がアルキルである。
「アルキル」は、飽和、分岐状または直鎖、脂肪族ラジカルを指す。「(C~C15)アルキル」は、分岐状または直鎖配置構成内に1~15個の炭素原子を有するラジカルを指す。一部の実施形態では、アルキルは、(C~C50)アルキル、例えば(C~C25)アルキル、(C~C15)アルキル、(C~C10)アルキル、(C~C)アルキル、または(C~C)アルキルである。アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2-メチルペンチル、ヘキシル(例えば、n-ヘキシル)、ヘプチル(例えば、n-ヘプチル)、オクチル(例えば、n-オクチル)、ノニル(例えば、n-ノニル)、デシル(例えば、n-デシル)、ウンデシル(例えば、n-ウンデシル)、ドデシル(例えば、n-ドデシル)、トリデシル(例えば、n-トリデシル)、テトラデシル(例えば、n-テトラデシル)、ペンタデシル(例えば、n-ペンタデシル)、および同様のものが含まれる。
「アルケニル」は、少なくとも1個(例えば、1、2、3、4、5個など)の炭素-炭素二重結合を有する分岐状または直鎖、脂肪族ラジカルを指す。「(C~C15)アルケニル」は、1~15個の炭素原子と少なくとも1つの炭素-炭素二重結合とを、分岐状または直鎖配置構成に有するラジカルを指す。一部の実施形態では、アルケニルは、(C~C50)アルケニル、例えば(C~C25)アルケニル、(C~C15)アルケニル、(C~C10)アルケニル、(C~C)アルケニル、または(C~C)アルケニルである。アルケニル基の例には、ビニル、アリル、および同様のものが含まれる。
「アルコキシ」は、酸素連結原子を通して取着されたアルキルラジカルであって、アルキルが本明細書に記述されるアルキルラジカルを指す。アルコキシの例には、限定するものではないがメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、または同様のものが含まれる。
「アルキニル」は、少なくとも1個(例えば、1、2、3、4、5個など)の炭素-炭素三重結合を有する分岐状または直鎖、脂肪族ラジカルを指す。「(C~C15)アルキニル」は、1~15個の炭素原子と少なくとも1つの炭素-炭素三重結合とを、分岐状または直鎖配置構成に有するラジカルを指す。一部の実施形態では、アルキニルは、(C~C50)アルキニル、例えば、(C~C25)アルキニル、(C~C15)アルキニル、(C~C10)アルキニル、(C~C)アルキニル、または(C~C)アルキニルである。アルキニル基の例には、プロパルギルおよび同様のものが含まれる。
「アリール」は、単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)、炭素環式、芳香族環系を指し、縮合環の1つが芳香族炭化水素である限り、非芳香環に縮合した芳香環(複数可)を含む。「(C~C15)アリール」は、6~15個の環原子を有する芳香環系を意味する。一部の実施形態では、アリールは(C~C25)アリールであり、例えば(C~C20)アリール、(C~C15)アリール、(C~C12)アリール、または(C~C10)アリールである。アリールの例には、フェニル、ナフチル、フルオレニル、および同様のものが含まれる。
「アリールスルホニル」は、-S(O)-連結基を通して取着されたアリールラジカルであって、アリールが本明細書に記述されるアリールラジカルを指す。
「カルバルコキシアルキル」は、1個または複数(例えば、1個)の-C(O)-アルコキシで置換されたアルキルであって、アルキルおよびアルコキシが本明細書に記述された通りのアルキルを指す。
「カルボキシアルキル」は、1個または複数の(例えば、1個)-COHで置換されたアルキルであって、アルキルが本明細書に記述された通りのアルキルを指す。
「シアノ」は、-CNを指す。
「複素環式」は、非芳香族、環式、炭化水素ラジカルであって、少なくとも1個の炭素原子がヘテロ原子(例えば、N、S、および/またはO;NまたはO)で置き換えられている非芳香族、環式、炭化水素ラジカルを指す。「(C~C10)複素環式」は、1から10個の原子を有する複素環式ラジカルを指す。一部の実施形態では、複素環式は(C~C25)複素環式、例えば(C~C15)複素環式、(C~C10)複素環式、(C~C)複素環式、(C~C)複素環式、または(C~C)複素環式である。「複素環式」は、飽和することができ、または不飽和の1個または複数の単位を含有することができる。一部の実施形態では、ヘテロ脂肪族がヘテロアルキルである。
「組合せ物」は、本明細書で使用される場合、2種またはそれよりも多くの活性剤(例えば、AMXT 1501およびDFMO)を含む組成物(例えば、医薬組成物)を指す。典型的には、2種またはそれよりも多くの活性剤は、活性剤の単一剤形が提供されるような組合せで組み合わされる。また典型的には、組合せ物中の2種またはそれよりも多くの活性剤は、単一の疾患、障害、または状態、例えばがんを標的とする。組合せ物の例には、AMXT 1501またはそのプロトン化もしくはその塩形態とDFMOまたはそのイオンもしくは塩形態、ならびに本明細書に記述される固体形態(例えば、結晶の形態、例えば共結晶および多形)および塩(例えば、薬学的に許容される塩)のいずれかを含む組合せ物が含まれる。AMXT 1501またはそのプロトン化もしくは塩形態およびDFMOまたはそのイオンもしくは塩形態を含む組合せ物(例えば、固体形態、例えば結晶の形態、例えば共結晶および多形;塩、例えば薬学的に許容される塩)は、本明細書ではAMXT 1501-DFMO配合とも呼ばれる(例えば、固体形態、例えば結晶の形態、例えば共結晶および多形;塩、例えば薬学的に許容される塩)。
「結晶の」は、本明細書で使用される場合、構成部分間に固定された距離を有する原子、イオン、または分子の反復三次元パターンによって形成された均質な固体を指す。単位胞は、このパターンにおける最も簡単な反復単位である。理想的な結晶の均質な性質にも関わらず、完全な結晶は、もしあったとしてもまれにしか存在しない。「結晶の」は、本明細書で使用される場合、結晶欠陥、例えば本明細書に記述される結晶の形態を操作する(例えば、調製する、精製する)ことによって一般に形成された結晶欠陥を含む結晶の形態を包含する。当業者は、そのような欠陥の存在にも関わらず、化合物の試料が結晶であるか否かを決定することが可能である。結晶の形態は、x線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、核磁気共鳴分光法(NMR)、単結晶x線回折、ラマン分光法、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)、および/または任意のその他の適切な分析技法などの分析方法によって特徴付けることができる。
XRPDパターンまたはDSCサーモグラムまたはTGA熱曲線を示す本明細書の1つまたは複数の図に「実質的に従う」XRPDパターン、DSCサーモグラム、またはTGA熱曲線はそれぞれ、本明細書で提供される1つまたは複数の図のパターンまたはサーモグラムまたは熱曲線を提供した試料と同じ単結晶の形態を表すと当業者により見なされ得るものである。したがって、実質的に従うXRPDパターンまたはDSCサーモグラムまたはTGA熱曲線は、図のうちの1つの場合と同一であってもよく、またはより可能性が高い場合、図の1つまたは複数といくらか異なっていてもよい。例えば、図の1つまたは複数といくらか異なるXRPDパターンは、本明細書で提示される回折パターンの線のそれぞれを必ずしも示さなくてもよく、および/または線もしくは線の位置でのシフトの出現もしくは強度の僅かな変化を示してもよい。これらの相違は、典型的には、データを得ることに関わる条件の相違またはデータを得るのに使用される試料の純度の差から得られる。当業者は、結晶の形態の試料が、本明細書に開示される形態と同じ形態のものであるかまたは異なる形態のものであるかを、試料のXRPDパターンおよび/またはDSCサーモグラムおよび/またはTGA熱曲線と、対応する本明細書に開示されるXRPDパターンおよび/またはDSCサーモグラムおよび/またはTGA熱曲線との比較によって決定することが可能である。
他に指示しない限り、本明細書で指定された任意のXRPDピークは、図または実施例におけるXRPDピークを例外として、指定された値±0.2またはそれ未満を意味することが理解されよう。例えば、他に指示しない限り、20.0で2シータに関して実施形態または請求項がピークを指定する場合、これは20.0°±0.2°またはそれ未満、即ち19.8°から20.2°の2シータ角を意味することが理解されよう。好ましい実施形態では、2シータ角は、指定値±0.1°またはそれ未満であり、より好ましい実施形態では±0.05°またはそれ未満である。
本明細書で提供される結晶の形態は、示差走査熱量測定(DSC)および/または熱重量分析(TGA)に基づいて特定することもできる。DSCは、試料の温度を上昇させるのに必要な熱の量の差を温度の関数として測定する、熱分析技法である。DSCは、試料の相転移などの物理的変換を検出するのに使用することができる。例えば、DSCは、試料が結晶化、融解、またはガラス転移を受ける温度(複数可)を検出するのに使用することができる。本明細書で指定されるDSCに関連する任意の温度は、図または実施例におけるDSC温度を例外として、指定された値±5℃またはそれ未満を意味することが理解されよう。例えば、実施形態または請求項が264℃で吸熱ピークを指定するとき、これは264℃±5℃またはそれ未満、即ち259℃から269℃の温度を意味することが理解されよう。好ましい実施形態では、DSCは、指定された値±3℃またはそれ未満であり、より好ましい実施形態では、±2℃またはそれ未満である。
熱重量分析(TGA)は、物質の質量変化が制御された雰囲気中の温度または時間の関数として測定される熱分析技法である。記録は、物質の質量対時間または温度のプロットである熱重量曲線であり、質量損失が座標上でベースラインに対して下向きにプロットされかつ質量増加が上向きにプロットされる。技法は、揮発性物質の収着/脱着、分解、酸化および/または還元に起因する重量損失または増加を特徴付けるのに使用することができる。本明細書で指定されるTGAに関連する任意の質量変化(例えば、損失、増加)は、図または実施例における質量変化を例外として、指定された質量変化±0.2%を意味することが理解されよう。例えば、実施形態または請求項が、指定された温度範囲上で3.2%の質量損失を示すとき、これは3.2%±0.20%、即ち3.0%から3.4%の質量損失を意味することが理解されよう。好ましい実施形態では、質量変化は、指定された値±0.1%であり、より好ましい実施形態では、指定された値±0.05%、さらにより好ましい実施形態では、指定された値±0.025%である。一部の実施形態では、質量変化は、指定された値±0.02%、例えば±0.01%または±0.005%である。
「共結晶」は、定められた化学量論比で2つまたはそれよりも多くの異なる化学種から構成されかつ非共役および非イオン性相互作用により結晶格子内で互いに関連付けられた、結晶を指す。共結晶は、溶媒和物および水和物を含む。一部の実施形態では、共結晶は、溶媒和物でも水和物でもない。
「コフォーマー」は、結晶格子における別の化学種、典型的には活性医薬成分と、非共役的におよび非イオン的に相互作用する化学種を指す。コフォーマーは、溶媒および水、ならびに薬学的に許容される塩を形成するのに有用であるとして本明細書で特定される薬学的に許容される酸および塩基、特に結晶格子中のその他の化学種とは2未満、好ましくは1未満異なるpKを有する酸および塩基を含む。一部の実施形態では、コンフォーマーは溶媒でも水でもない。
「塩」という用語は、当技術分野でのその標準的な意味を有し、イオン性相互作用を通して互いに複合体を形成した正に帯電した化学種(陽イオン)および負に帯電した化学種(陰イオン)を指す。一般に、これらの塩は、パートナー分子成分間に共有結合を含まない。塩は、当業者に公知の慣習的な方法によって、例えば化合物を無機または有機酸または塩基と溶媒または希釈液中で組み合わせることによって、あるいは陽イオン交換または陰イオン交換によりその他の塩から得ることができる。
「薬学的に許容される」という文言は、この文言が修飾する物質または組成物が、正しい医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などがない状態でヒトおよび下等動物の組織に接触させた使用に適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合うものであることを意味する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などがない状態で哺乳動物の組織に接触させた使用に適しており、かつ妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野では周知である。薬学的に許容される塩の例示的なリストは、Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection and Use, P. H. Stahl and C. G. Wermuth editors, Weinheim/Zurich:Wiley-VCHA/VHCA, 2002に見出すことができ、その関連ある教示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される酸付加塩および薬学的に許容される塩基付加塩を含む。
薬学的に許容される酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸などの無機酸と、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸などの有機酸と形成された、あるいはイオン交換などの当技術分野で使用されるその他の方法を使用することにより形成された、アミノ基の塩である。その他の薬学的に許容される酸付加塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタノスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、2-フェノキシ安息香酸塩、フェニル酢酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、および同様のものを含む。一、二、または三酸塩のいずれかを形成することができ、そのような塩は、水和、溶媒和、または実質的に無水の形態のいずれかで存在することができる。
その他の薬学的に許容される酸付加塩は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,632,145号に記載されたものなどの、疎水性カルボン酸と形成された塩を含む。疎水性カルボン酸は、温度25℃およびpH7で決定されたように、水中で10g/L未満、例えば1g/L未満、または0.1g/L未満、または0.01g/L未満の水溶解度を有するカルボン酸含有化合物を含む。カルボン酸含有化合物の水溶解度の概要は、例えばYalkowsky S H, Dannenfelser R M; The AQUASOL database of Aqueous Solubility. Fifth ed., Tucson, Ariz.: Univ. AZ, College of Pharmacy (1992); Yalkowsky S H et al; Arizona Data Base of Water Solubility (1989);ならびにThe Handbook of Aqueous Solubility Data, Second Edition, edited by Yalkowsky S H, He, Y, and Jain, P, CRC Press (2010)に見出すことができる。疎水性カルボン酸の特定の例には、脂肪酸、例えばC~C18直鎖炭化水素脂肪酸、例えばオクタン酸(カプリル酸としても公知である)、ノナン酸、デカン酸(カプリン酸としても公知である)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸としても公知である)、トリデカン酸、テトラデカン酸、およびヘキサデカン酸が含まれる。カプリン酸は、好ましい疎水性カルボン酸である。
薬学的に許容される塩基付加塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびアンモニウム塩基などの無機塩基と形成された塩、および脂肪族、脂環式、または芳香族有機アミン、例えばメチルアミン、トリメチルアミン、およびピコリンと形成された塩、またはN((C~C)アルキル)塩を含む。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、および同様のものが含まれる。さらに薬学的に許容される塩基付加塩は、適切な場合、無毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミン陽イオンであって、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシル、スルフェート、ホスフェート、ナイトレート、低級アルキルスルホネート、およびアリールスルホネートなどの対イオンを使用して形成された陽イオンを含む。
化合物は、「溶媒和物」または「水和物」として存在することもできる。「水和物」は、1個または複数の水分子と共に組成物中に存在する化合物である。水和物は、一水和物または二水和物など、化学量論量で水を含むことができ、あるいはランダムな量で水を含むことができる。「溶媒和物」は、メタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテルなどの水以外の溶媒を水の代わりにすること以外、水和物に類似している。そのような溶媒和物または水和物の混合物を調製することもできる。
本明細書で使用される「イオン性」は、正にまたは負に帯電した基を指す。正に帯電した基の例には、プロトン化アミノ基(例えば、NH )が含まれる。負に帯電した基の例には、カルボキシレート(CO )およびClなどの陰イオンが含まれる。イオン形態は、陰イオン形態(全体が負電荷を有する)、陽イオン形態(全体が正電荷を有する)、および双性イオン形態であって、分子が別々の負に帯電した基(複数可)と正に帯電した基(複数可)を有して全体で電荷がゼロになったイオン形態を含む。
化合物は、不斉中心、キラル軸、およびキラル平面を有していてもよく(例えば: E. L. Eliel and S. H. Wilen, Stereo-chemistry of Carbon Compounds, John Wiley & Sons, New York, 1994, pages 1119-1190に記載される)、ラセミ混合物、個々の異性体(例えば、ジアステレオマー、エナンチオマー、幾何異性体(cisおよびtrans二重結合異性体を含む)、立体配座異性体(回転異性体およびアトロプ異性体を含む)、互変異性体、および中間体混合物として生じ、他に指示しない限り全ての可能性ある異性体およびそれらの混合物が含まれる。
開示された化合物が、立体化学を示すことのない構造により示され、かつ化合物が1つまたは複数のキラル中心を有する場合、構造は、対応する光学異性体(複数可)、化合物のラセミ混合物、およびその対応する光学異性体(複数可)に対して1種のエナンチオマーまたはジアステレオマーが濃縮された混合物から分離されたまたは実質的に分離された化合物の1種のエナンチオマーまたはジアステレオマーを包含することが理解されよう。開示された化合物が、立体化学を示す構造によって示され、化合物が1つよりも多くのキラル中心を有する場合、立体化学は、1個または複数のキラル炭素原子の周りの置換基の絶対配置ではなく相対的立体化学を示す。「R」および「S」は、1個または複数のキラル炭素原子の周りの置換基の絶対配置を示すのに使用することができる。D-およびL-は、立体化学を指定するのに使用することもできる。
「エナンチオマー」は、最も一般的にはキラル中心として作用する非対称的に置換された炭素原子を含有するので、互いに重ね合わせできない鏡像である立体異性体の対である。
「ジアステレオマー」は、最も一般的には2個またはそれよりも多くの非対照的に置換された炭素原子を含有するので、鏡像としては関係のない立体異性体である。
「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は、本明細書で使用される場合、化合物の2つのエナンチオマーの等モル量を含有する混合物を指す。そのような混合物は、光学活性を示さない(即ち、偏光平面を回転させない)。
エナンチオマー過剰率(ee)パーセントは、各エナンチオマーのモル分率に100%を乗じた値の間の絶対的な差と定義され、下記の方程式:
により表すことができ、式中、RおよびSは、混合物中の各エナンチオマーのそれぞれの割合を表し、したがってR+S=1になる。エナンチオマーは、少なくともまたは約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%、または約99.9%のeeで存在してもよい。
ジアステレオマー過剰(de)パーセントは、各ジアステレオマーのモル分率に100%を乗じた値の間の絶対的な差と定義され、下記の方程式:
により表すことができ、式中、D1および(D2+D3+D4+...)は、混合物中の各ジアステレオマーのそれぞれの割合を表し、したがってD1+(D2+D3+D4+...)=1になる。ジアステレオマーは、少なくともまたは約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%、または約99.9%のdeで存在し得る。
化合物は、1個または複数の同位体が濃縮された原子の存在のみ開示された構造とは異なるアイソトポログとして存在することもできる。例えば、水素を重水素またはトリチウムで置き換えることによって、あるいは炭素を13C-または14C-濃縮炭素で置き換えることによって生成された化合物は、本開示の範囲内にある。全ての提供された構造において、任意の水素原子は独立して、重水素(H)、トリチウム(H)、および/またはフッ素(18F)から選択することもできる。そのような化合物は、例えば分析ツールとして、生物アッセイのプローブとして、または本開示による治療剤として有用である。
本明細書で使用される場合、「本開示の組合せ物」という用語は、DFMOおよびポリアミン輸送阻害剤(例えば、構造式Iの化合物またはその部分式)ならびにDFMOおよび/またはポリアミン輸送阻害剤の、異性体、例えば立体異性体(ジアステレオ異性体、エナンチオマー、およびラセミ体を含む)および互変異性体、アイソトポログ、本質的に形成された部分(例えば、多形および/または溶媒和物、例えば水和物)、イオン形態および塩(例えば、薬学的に許容される塩)を含む、本明細書に記述される任意の組合せ物を指す。
「薬学的に許容される担体」は、それと共に製剤化されかつ薬剤(複数可)の治療量を送達するのに十分な量で投与されたときに無毒性である、薬剤(複数可)の薬理学的活性を破壊しない無毒性の担体または添加剤を指す。本明細書に記述される組成物中に使用され得る薬学的に許容される担体は、限定するものではないがイオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばホスフェート、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸、水、塩、または電解質の部分グリセリド混合物、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、および羊毛脂を含む。
「処置」および「処置する」は、対象の疾患、障害、または状態の医学的管理を指す。処置は、疾患、障害、または状態の少なくとも1つの症状の重症度を改善または低下させてもよく;疾患、障害、または状態の悪化または進行を遅延させてもよく;追加の関連ある疾患、障害、または状態の発症を遅延または予防してもよく;または機能的(部分的にまたは完全に)組織への病変のリモデリングを改善してもよい。
治療の「治療有効量」または「有効量」は、統計的に有意な手法で処置されている疾患の1つまたは複数の症状の軽快をもたらすのに十分な量を指す。単独で投与される個々の活性成分を指すとき、治療有効量は、その成分のみを指す。組合せ物を指すとき、治療有効量は、連続的に投与されても同時に投与されても、治療効果をもたらす活性成分を組み合わせた量を指す。
「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳動物を指す。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの温血動物に加え、「対象」は、ヒトを含む。好ましい実施形態では、対象がヒトである。
「それを必要とする対象」は、本開示による処置に従う、疾患、障害、または状態のリスクのあるまたはそれらに罹患している対象を指す。ある特定の実施形態では、それを必要とする対象は、哺乳動物、例えばヒトである。
ポリアミン輸送阻害剤
AMXT 1501は、がん細胞へのポリアミン取込みの、強力な遮断薬として作用する。その他のポリアミンまたは多塩基性薬物の例には、MGBGなど、S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ(AdoMetDC)として公知のポリアミン前駆体形成酵素の阻害剤が含まれる。MGBGは、ポリカチオン性の荷電分子であり、S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼの強力な阻害剤であることが示されている。S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害剤CGP-48664は、ポリカチオン性の多塩基性アミンでもある。その他のポリアミン輸送阻害剤、例えばTrimer PTIは、腫瘍治療に同様に有用である。AMXT 1501は、D-lys(パルミトイル)-スペルミンであり、下記の構造:
を有する。MGBGは、下記の構造:
を有する。CGP-48664は、下記の構造:
を有する。Trimer PTIは、下記の構造:
を有する。
様々な末端がジアルキル化されたポリアミン、例えばジエチル-ノルスペルミン(DENSPM)も、がん処置用のポリアミン抗代謝産物として調査されてきた。この、およびその他のジエチルポリアミン類似体は、ポリアミン分解酵素スペルミジン/スペルミンN-アセチルトランスフェラーゼ(SSAT)をがん細胞内で誘発させることが示されている。DENSPMは、下記の構造:
を有する。
さらなるポリアミン輸送阻害剤は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,632,145号に開示されている。
一部の実施形態では、ポリアミン輸送阻害剤は、下記の構造式:
の化合物またはそのプロトン化形態であり、式中:
a、b、およびcのそれぞれは、独立して、1から10の整数であり;
dおよびeのそれぞれは、独立して、0から30の整数であり;
各Xは独立して、炭素または硫黄であり;
各nは、独立して、隣接するXが炭素であるときに0または1であり、あるいは隣接するXが硫黄であるときに2であり;および
およびRはそれぞれ独立して、水素、または直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和(C~C50)脂肪族;カルボキシアルキル;カルバルコキシアルキル;アルコキシ;(C~C10)脂環式;単環もしくは多環アリール脂肪族;脂肪族単環もしくは多環芳香族;単環もしくは多環複素環;単環もしくは多環複素環脂肪族;アリールスルホニル;またはシアノから選択され;あるいは
-X(O)-、R-X(O)-、またはR-X(O)-、およびR-X(O)-は、水素によって置き換えられている。
構造式Iの化合物の一部の実施形態では、R-X(O)-が、水素によって置き換えられている。代替の実施形態では、R-X(O)-は、水素によって置き換えられている。
構造式Iの化合物の一部の実施形態では、a、b、およびcのそれぞれが独立して、1から5の整数である。より特定の実施形態では、a、b、またはcのそれぞれが独立して、3または4である。さらにより特定の実施形態では、aが3であり、bが4であり、cが3である。
構造式Iの化合物の一部の実施形態では、dが1から5の整数である。より特定の実施形態では、dが4である。
構造式Iの化合物の一部の実施形態では、eが0である。
構造式Iの化合物の一部の実施形態では、各Xが炭素である。
構造式Iの化合物の一部の実施形態では、RおよびRがそれぞれ独立して、水素、または直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和(C~C50)脂肪族もしくは(C~C10)脂環式から選択される。より特定の実施形態では、RおよびRはそれぞれ独立して、直鎖または分岐状の飽和または不飽和(C~C50)脂肪族または(C~C10)脂環式から選択される。さらに、より特定の実施形態では、RおよびRはそれぞれ独立して、(C~C25)アルキルまたは(C~C10)シクロアルキルから選択される。
構造式(I)の化合物の特定の実施例は、表7に列挙される化合物を含む。特定の実施形態では、本明細書に記述されるポリアミン輸送阻害剤(例えば、構造式Iの化合物)は、AMXT 1501またはそのプロトン化形態である。
DFMOとの組合せ
AMXT 1501およびDFMOの組合せは、固形腫瘍に関して広く適用可能な抗がん治療として有望である。一緒に、2種の薬剤は、がん細胞のポリアミン代謝経路を標的とし、この手法は、ポリアミンおよびT-細胞依存的な手法の両方で腫瘍成長を抑制することが示されてきたものである。DFMOは、律速ポリアミン生合成酵素、オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)を阻害する。AMXT 1501は、がん細胞へのポリアミン取込みの強力な遮断薬として作用する。AMXT 1501およびDFMOの組合せは、小児がん、神経芽細胞腫、およびびまん性橋膠腫(DIPG)も含めた多数のネズミ非臨床モデルで腫瘍負荷の著しい低減をもたらす。AMXT 1501およびDFMOの組合せの薬理学的利益は、固形腫瘍成長の低減、ならびに原発性腫瘍およびその転移への獲得免疫反応性の誘発を含み、組合せが、ヒト患者のがんに対して持続的な影響をもたらすことを示唆している。DFMOは、下記の構造:
を有する。
AMXT 1501に加え、その他のポリアミンまたは多塩基性薬物、特にポリアミン代謝経路を標的とするものは、イオン性塩の対を形成するようにDFMOと組み合わせることができる。例えばDFMOによる処置は、がん細胞による、S-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼの強力な阻害剤であるMGBGの大きく増大した取込みを、もたらすことが示されている。この観察は、がん治療のための組合せにおいてDFMOおよびMGBGの臨床試験をもたらした。したがってDFMOおよびMGBG、オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)およびS-アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ(AdoMetDC)により標的とされるポリアミン前駆体発生酵素の組合せ阻害はそれぞれ、腫瘍治療に臨床上望ましい。
DENSPM、およびその他のジエチルポリアミン類似体は、ポリアミン分解酵素スペルミジン/スペルミンN-アセチルトランスフェラーゼ(SSAT)をがん細胞内で誘発することが示されてきた。このポリアミン分解酵素の誘発は、ポリアミン産生酵素、ODCの阻害と共に、腫瘍治療に有用である可能性もある。
したがって本明細書では、ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)またはそのイオン形態と、ポリアミン輸送阻害剤(例えば、構造式(I)の化合物)またはそのプロトン化形態とを含む組合せ物(例えば、医薬品の組合せ)が提供される。
本明細書では、DFMOまたはそのイオン形態、およびポリアミン輸送阻害剤(例えば、構造式(I)の化合物)またはそのプロトン化形態を含む、固体形態(例えば、共結晶または結晶の塩などの結晶の固体形態;非晶質固体形態)も提供される。一部の実施形態では、固体形態は、結晶の固体形態である。一部の実施形態では、結晶の形態は、図5に示されるものまたは図11に示されるものの1つに実質的に従うx線回折パターンによって特徴付けられる。
一部の実施形態では、結晶の形態は、15.2、19.2、および19.6の2シータ角でピークを含むx線粉末回折パターンによって特徴付けられる。より特定の実施形態では、x線粉末回折はさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、少なくとも2つ、2つ、少なくとも3つ、3つ、少なくとも4つ、4つ、少なくとも5つ、5つ、少なくとも6つ、6つ、少なくとも7つ、7つ、8つ)のピークを、9.8、12.8、14.3、16.4、21.2、22.9、23.5、または25.0から選択される2シータ角で含む。
一部の実施形態では、結晶の形態は、18.9および19.0の2シータ角でピークを含み、さらに少なくとも1つ(例えば、1つ、少なくとも2つ、2つ、少なくとも3つ、3つ、少なくとも4つ、4つ、少なくとも5つ、5つ、6つ)のピークを、9.8、12.8、14.3、21.2、22.9、または23.5から選択される2シータ角で含む、x線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
一部の実施形態では、結晶の形態は、9.8および14.3の2シータ角でピークを含み、さらに少なくとも1つ(例えば、1つ、少なくとも2つ、2つ、3つ)のピークを16.4、23.5、または25.0の2シータ角で含む、x線粉末回折パターンによって特徴付けられる。より特定の実施形態では、x線粉末回折はさらに、少なくとも1つ(例えば、1つ、少なくとも2つ、2つ、少なくとも3つ、3つ、少なくとも4つ、4つ、少なくとも5つ、5つ、6つ)のピークを12.8、16.4、21.2、22.9、23.5、または25.0から選択される2シータ角で含む。
本明細書では、DFMOまたはその塩(例えば、その薬学的に許容される塩)、およびポリアミン輸送阻害剤(例えば、構造式(I)の化合物)またはその塩(例えば、その薬学的に許容される塩)を含む、共結晶も提供される。一部の実施形態では、共結晶はさらに、HClおよび/または水などのコフォーマーを含む。
また本明細書では、DFMOを含む塩(例えば、薬学的に許容される塩)またはそのイオン(例えば、脱プロトン化)形態、およびポリアミン輸送阻害剤(例えば、構造式(I)の化合物)またはそのプロトン化形態が提供される。一部の実施形態では、塩は、DFMOのイオン(例えば、脱プロトン化)形態、およびポリアミン輸送阻害剤のプロトン化(例えば、一プロトン化、二プロトン化、三プロトン化、四プロトン化)形態を含む。
DFMOは、その構造により、陰イオン形態、陽イオン形態、または双性イオン形態で存在し得ることが理解されよう。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、DFMOが本開示に従いポリアミン輸送阻害剤と共に塩を形成する場合、DFMOのカルボン酸は脱プロトン化し、得られるカルボキシレートは、ポリアミン輸送阻害剤(例えば、AMXT 1501のプロトン化アミン)に対応する陽イオンと、イオン的に相互作用すると考えられる。そのような塩では、DFMOのアミノ基の1つまたは両方がプロトン化されていてもよく、得られた置換アンモニウム基(複数可)は、Clなどの対応する陰イオン(複数可)とイオン的に相互作用し得る。
DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対する比は、本開示の組合せ物において、様々な比であり得ることが理解されよう。例えば、本明細書に記述される塩は、ポリアミン輸送阻害剤のプロトン化形態の単一分子と、DFMOのイオン形態の1つまたは1つよりも多く(例えば、2つ、3つ、4つ)の分子を含んでいてもよく、したがって例えば、DFMOの2つの分子はそれぞれ、ポリアミン輸送阻害剤の単一分子と複合体を形成し得るようになる。DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対するモル比は、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)または本明細書に記述される組成物のいずれかにおいて、約1対1(1:1)から約25対1(25:1)、例えば約1対1(1:1)から約10対1(10:1)、約2対1(2:1)、約3対1(3:1)、約4対1(4:1)、約5対1(5:1)、約6対1(6:1)、約7対1(7:1)、約8対1(8:1)、約9対1(9:1)、または約10対1(10:1)とすることができる。一部の実施形態では、DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対するモル比は、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)または本明細書に記述される組成物のいずれかにおいて、約1:1から約10:1である。より特定の実施形態では、DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対するモル比は、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)または本明細書に記述される組成物のいずれかにおいて、約8:1である。他の実施形態では、DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対するモル比は、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)または本明細書に記述される組成物のいずれかにおいて、約4:1である。さらに他の実施形態では、DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対するモル比は、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)または本明細書に記述される組成物のいずれかにおいて、約3:1である。さらに他の実施形態では、DFMOまたはそのイオン形態の、ポリアミン輸送阻害剤またはそのプロトン化形態に対するモル比は、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)または本明細書に記述される組成物のいずれかにおいて、約2:1である。
さらに、本開示の組合せ物(例えば、共結晶、塩)は、1個または複数の追加の分子をさらに含んでいてもよい。例えば、組合せ物は、コフォーマー、例えば塩、または1種もしくは複数の追加のイオン性種をさらに含んでいてもよい。例えば、上述のポリアミン輸送阻害剤のプロトン化形態と複合体を形成したDFMOのイオン形態を含む塩は、さらに、DFMOと複合体を形成した追加のイオン性種(例えば、陰イオン性種)、例えばClを含んでいてもよい。
したがって一部の実施形態では、塩はさらに、薬学的に許容される塩、特に塩中のDFMOおよび/またはポリアミン輸送阻害剤と比較して2よりも大きいまたはそれに等しいpK差を有するものを形成するのに役立つ、本明細書で特定される薬学的に許容される酸および塩基のいずれかの陰イオンまたは陽イオンを含む。塩は、同様にまたは代わりにさらに、溶媒和物および/または水和物であってもよく、その場合、1種または複数の溶媒および/または水分子がそれぞれ同様にまたは代わりに、塩と複合体を形成する。
一部の実施形態では、共結晶はさらに、コフォーマー、例えば薬学的に許容される塩を形成するのに役立つ、本明細書で特定される薬学的に許容される酸および塩基、特に共結晶中でDFMOおよび/またはポリアミン輸送阻害剤と比較して2未満、好ましくは1未満のpK差を有するような、酸および塩基を含む。一部の実施形態では、コフォーマーは、塩酸および/または水を含む。
一般に、組合せ物を調製するとき、ポリアミン輸送阻害剤は、遊離塩基形態でまたは1種もしくは複数の陰イオンを含む塩として、提供されてもよい。同様に、DFMOは、カルボキシレートがプロトン化された形でまたはカルボキシレートとして、陽イオンを含むものとして提供されてもよい。DFMOのおかげで、陽イオンは、DFMOの別の分子の置換アンモニウム基とすることができる。あるいは陽イオンは、異なる陽イオンとすることができる。ポリアミン輸送阻害剤の塩形態は、ポリアミンの酸付加塩と呼ばれてもよく、一方、カルボキシレートの塩形態は、カルボン酸の塩基付加塩と呼ばれてもよい。これらの塩は、当技術分野で公知のおよび本明細書に開示される方法によって調製されてもよい。
本開示の組合せ物を調製するための1つのプロセスにおいて、ポリアミン輸送阻害剤およびDFMOの組合せ物は、いかなる追加の陰イオンまたは陽イオンも含まない。そのような組合せ物は、ポリアミン輸送阻害剤の遊離塩基形態をDFMOの遊離酸形態と組み合わせることによって調製されてもよい。したがって、本開示の組合せ物を調製するための簡便なプロセスは、遊離塩基形態にあるポリアミン輸送阻害剤を、遊離酸形態にあるDFMOと、溶媒中でプロトン輸送条件下、組み合わせることにより、例えば正に帯電したポリアミン輸送阻害剤および負に帯電したDFMOのカルボキシレートの塩を形成することである。次いで塩は、溶媒から分離する(例えば、単離する)ことができる。
したがって本開示は、本開示の組合せ物を作製する方法であって、ポリアミン輸送阻害剤またはその塩とDFMOまたはその塩とを溶媒(例えば、プロトン輸送を可能にする溶媒)中で組み合わせて混合物を提供することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、方法はさらに、固体を混合物から単離することを含み、この固体は、本開示の組合せ物(例えば、本明細書に記述される塩)を含むものである。
必要に応じて、方法はさらに、下記のいずれか1つまたは複数(例えば、いずれか2つ、いずれか3つ、いずれか4つ)を含んでいてもよい。ポリアミン輸送阻害剤およびDFMOは、所望の化学量論量を提供するような相対量で組み合わされてもよい。例えば、ポリアミン輸送阻害剤:DFMOの1:1のモル化学量論量が望まれる場合、ポリアミンおよび疎水性カルボン酸の等しい、またはほぼ等しいモル量が、溶媒中で組み合わされる。したがって一実施形態では、約1モル、例えば0.9~1.1モルのDFMOが、各1モルのポリアミン輸送阻害剤と組み合わされる。ポリアミン輸送阻害剤:DFMOの1:2のモル化学量論量が望まれる場合、厳密にまたは約2モル、例えば1.8~2.2モルのDFMOが、各1モルのポリアミン輸送阻害剤と組み合わされる。1:4のモル化学量論量のポリアミン輸送阻害剤:DFMOが望まれる場合、厳密にまたは約4モル、例えば3.6~4.4モルのDFMOが、各1モルのポリアミン輸送阻害剤と組み合わされる。
本明細書に記述される作製する方法で塩形成を容易にすることが望ましい場合、溶媒は、反応混合物中の化学種の中で、例えばDFMOとポリアミン輸送阻害剤との間で、プロトン輸送を容易にすべきである。例えば溶媒は、純粋な極性プロトン溶媒であってもよく、または極性プロトン溶媒を含む溶媒の混合物であってもよい。適切な極性プロトン溶媒は、水、例えば脱イオン水および蒸留水から選択される水である。別の適切な極性プロトン溶媒は、低級鎖状アルコール、例えばメタノールまたはエタノールである。
好ましくは、混合物は溶液である。そのような実施形態では、成分は、溶液が形成されるように任意の順序で組み合わされてもよい。例えばポリアミン輸送阻害剤およびDFMOは、溶液が提供されるように溶媒に添加されてもよい。一実施形態では、ポリアミン輸送阻害剤は溶媒に溶解され、次いでDFMOが、溶媒およびポリアミン輸送阻害剤の溶液に徐々に添加される。
プロセスは、バッチまたは連続モードで行ってもよい。バッチモードでは、容器が完全充填された溶媒、ポリアミン輸送阻害剤、およびDFMOを受け、その組合せ物が容器内で形成される。ポリアミン輸送阻害剤、DFMO、および溶媒は、溶液が提供されるように組み合わされてもよい。典型的には、ポリアミン輸送阻害剤、DFMO、および溶媒は、10~30℃の範囲内の温度で組み合わされるが、その他の温度が使用されてもよい。連続モードでは、記述される組合せ物の生成および単離のために連続流動技法を使用することができる。利用可能な流動装置の使用では、メタノールなどの適切な溶媒に溶かした遊離塩基形態のポリアミン輸送阻害剤の溶液を、アセトニトリルなどの組合せ物が可溶ではない共溶媒とフローセル装置内で混合し、不溶性または可溶性形態の組合せ物の連続生成が可能になる。
組合せ物が形成された後、溶媒を組合せ物から分離して、組合せ物であるまたは組合せ物を含む残留物(例えば、固体残留物)を提供することができる。溶媒が揮発性であるとき、溶液から残留物が単離されるように、蒸発または蒸留などのプロセスによって溶液から除去されてもよい。別の選択肢として、共溶媒(例はアセトニトリルである)を溶液に添加してもよく、それによって溶液から沈殿物が得られ、この得られた溶液を上澄みと呼ぶ。共溶媒は、組合せ物が非溶媒に可溶ではないので、非溶媒と呼んでもよい。残留物とも呼ばれる沈殿物は、溶媒(複数可)から残留物が単離されるように、上澄みから、例えばデカンテーションによって分離されてもよい。さらに別の選択肢として、溶液は、組合せ物が溶媒(複数可)にもはや可溶ではなくなり、したがって沈殿物の形の残留物を形成する温度まで冷ましてもよい。沈殿物を形成するのに共溶媒が使用される場合のように、上澄みを残留物から分離して、溶媒(複数可)から残留物を単離するようにしてもよい。残留物が形成されたら、残留物またはその一部分を、本明細書に記述される追加の成分と組み合わせて、例えば摂取により対象に投与するのに適した医薬組成物が形成されるようにしてもよい。それらの追加の成分は、希釈剤、例えばラクトースおよび微結晶セルロース、崩壊剤、例えばグリコール酸デンプンナトリウム、およびクロスカルメロースナトリウム、結合剤、例えばPVPおよびHPMC、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、および滑剤、例えばコロイド状SiOを含んでいてもよい。例えば、本明細書に記述される方法はさらに、残留物またはその一部分から、例えば丸薬、錠剤、カプセル、ロゼンジ、カプレット、および芳香錠から選択される固体剤形を形成することによって、組合せ物を組成物(例えば、医薬組成物)に製剤化することを含んでいてもよい。そのように製剤化された組合せ物は、医薬剤の製造で使用されるように滅菌形態をとってもよい。
上述のように、ポリアミン輸送阻害剤の塩などの、ポリアミン輸送阻害剤のプロトン化形態、および/またはDFMOのイオン形態は、本開示の組合せ物を調製するのに代わりに使用されてもよい。
ポリアミン輸送阻害剤の酸付加塩は、ポリアミン輸送阻害剤を適切な無機または有機酸に、当業者に公知の条件下で接触させることによって、形成されてもよい。酸付加塩は例えば、無機酸を使用して形成されてもよい。適切な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸からなる群から選択されてもよい。酸付加塩は、有機酸を使用して形成されてもよい。適切な有機酸は、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、安息香酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびパラトルエンスルホン酸からなる群から選択されてもよい。
カルボン酸の塩基付加塩(例えば、DFMO)は、カルボン酸を適切な無機または有機塩基に、当業者に公知の条件下で接触させることによって、形成されてもよい。適切な塩基付加塩を形成する適切な無機塩基は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、またはバリウムのいずれかの水酸化物形態を含む。適切な塩基付加塩を形成する適切な有機塩基は、脂肪族、脂環式、または芳香族有機アミン、例えばメチルアミン、トリメチルアミン、およびピコリン、アルキルアンモニア、およびアンモニアを含む。
医薬組成物
本開示の組合せ物は、純粋なまたは実質的に純粋な形(例えば、別の固体または液体との混合物中にない)で対象に投与することができる。典型的には、対象に投与するために、本開示の組合せ物は1種または複数の薬学的に許容される添加剤と製剤化される。したがって一実施形態は、本開示の組合せ物および薬学的に許容される添加剤を含む組成物(例えば、医薬組成物)である。本明細書に記述される組成物は、例えば対象への投与のため本開示の組合せ物を供給するのに、本明細書に記述される方法で使用することができる。
本明細書に記述される組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、脳室内、大槽内注射または輸液、皮下注射、または移植)、吸入スプレー、鼻、膣、直腸、舌下、または局所投与経路による投与のために製剤化されてもよい。好ましい実施形態では、本明細書に記述される組成物は、経口投与のための製剤である。
本明細書に記述される組成物は、例えば意図される投与経路に適切な薬学的に許容される添加剤(複数可)を含有する、適切な剤形(例えば、単位剤形)に製剤化されてもよい。したがって一部の実施形態は、本明細書に記述される組成物を含む剤形(例えば、単位剤形)を提供する。
本明細書に記述される組成物は、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。例えば、いくつかの方法は、活性成分(複数可)、例えば本開示の組合せ物を、薬学的に許容される添加剤(複数可)に関連付けるステップを含む。一般に、組成物は、本開示の組合せ物を液体担体または微粉状の固体担体または両方に、均一にかつ密接に関連付け、次いで必要な場合には生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。組成物中、組合せ物は、疾患のプロセスまたは状態に所望の効果をもたらすのに十分な量で含まれる。例えば、一部の実施形態では、組成物中の組合せ物の濃度は約0.001%から約99%、約0.01%から約98%、約0.1%から約95%、約0.1%から約50%、約0.1%から約25%、約0.2%から約20%、または約1%から約10%w/w、w/v、またはv/v(例えば、w/w)である。
一実施形態では、組成物(例えば、医薬組成物)は、例えば経口使用が意図される固体剤形である。多くの理由で、経口組成物、特に固体経口剤形は、患者および治療レジームの開発に責任のある医療施術者の両方に有利であり好都合である。経口組成物は、彼または彼女を院内感染および病気に曝す病院または外来診療の場で医療専門家が行わなければならないIV注射または輸液を介した投与の合併症、コスト、および不都合を回避する。特に、がんの処置を受ける患者は、免疫不全の個体である可能性があり、特に院内感染および病気に感染しやすい可能性がある。丸薬または錠剤などの経口製剤は、病院の現場の外で得られてもよく、対象が使用する容易さおよびコンプライアンスの可能性が増大する。このため対象は、IV投与および来院に伴う感染リスクが回避可能になる。さらに、経口送達は、IVボーラス用量に関連した高濃度ピークおよび急速なクリアランスを回避し得る。
経口固体剤形の例には、丸薬、錠剤、カプセル、顆粒、および微小球が含まれ、それらのいずれかは、組成物を胃環境による酸分解から保護するために、または吸収が強化され得る腸セクションへの送達を最大限にするために、腸溶コーティングを含んでいてもよい。固体剤形は、噛むことが可能であっても嚥下可能であってもよく、または任意の適切な摂取可能な形を有していてもよい。一実施形態では、固体剤形は、水をほとんどまたは全く含有せず、例えば0.1重量%未満の水、0.2重量パーセント未満の水、0.3重量パーセント未満の水、0.4重量パーセント未満の水、0.5重量パーセント未満の水、1重量パーセント未満の水、1.5重量パーセント未満の水、2重量パーセント未満の水、または5重量パーセント未満の水である。
経口投与では、組成物は好ましくは、約1ミリグラムから約5,000ミリグラム、例えば約1ミリグラムから約2,500ミリグラム、約1ミリグラムから約1,000ミリグラム、約50ミリグラムから約500ミリグラム、または約50ミリグラムから約350ミリグラム、特に約:1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、または1,000ミリグラムの活性成分(複数可)(例えば、本開示の組合せ物)を含有する、丸薬、カプセル、錠剤および同様の形態などの固体剤形で提供される。
一実施形態では、固体剤形は、約:10mg、または20mg、または30mg、または40mg、または50mg、または60mg、または70mg、または80mg、または90mg、または100mg、または110mg、または120mg、または130mg、または140mg、または150mg、または200mg、または250mg、または300mg、または350mg、または400mg、または450mg、または500mgのポリアミン輸送阻害剤を含有し、しかしながらそのポリアミン輸送阻害剤は、DFMOと組み合わせた固体剤形で存在することになる。固体剤形で存在するポリアミン輸送阻害剤の量は、可能性ある量の範囲に関して特徴付けることもでき、その範囲の下限および上限は、たった今記述された量から選択され、例えば約10mgから約500mgであり、または例えば約50から約350mgの間の数値である。錠剤または丸薬は、典型的には少なくとも50mgの全重量を有することになる。
一実施形態では、固体剤形は、治療有効全身血漿レベルのポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOを、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、30、36、または48時間の期間にわたって提供する。さらなる実施形態では、固体剤形は、治療有効全身血漿レベルのポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOを、少なくとも8時間にわたり提供する。さらなる実施形態では、固体剤形は、治療有効全身血漿レベルのポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOを、少なくとも14時間にわたり提供する。さらなる実施形態では、固体剤形は、治療有効全身血漿レベルのポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOを、少なくとも18時間にわたり提供する。さらなる実施形態では、固体剤形は、治療有効全身血漿レベルのポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOを、少なくとも24時間にわたり提供する。
一実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも25、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95パーセントのポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも4時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも75%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、または24時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも75%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも4時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも75%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも6時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも75%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも10時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも50%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも6時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも50%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも12時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも50%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも18時間提供する。ある特定の実施形態では、固体剤形は、ピーク血漿濃度の少なくとも25%のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOの血漿レベルを、少なくとも18時間提供する。一部の実施形態では、ピーク血漿濃度は、治療有効濃度である。さらなる実施形態では、ピーク血漿濃度のパーセンテージは、所与の期間にわたり治療有効である。
固体剤形は、そのようなものを製造するための技術分野で公知の任意の方法に従い調製されてもよい。そのような組成物は、1つまたは複数の不活性成分を含有していてもよく、例示的な不活性成分は、甘味剤、着香剤、着色剤、および保存剤の群から選択されてもよい。
固体剤形用の添加剤は、当技術分野で周知であり、例えば対象への投与のし易さ、改善された投薬コンプライアンス、薬物バイオアベイラビリティの一貫性および制御、高いバイオアベイラビリティの支援、分解からの保護を含めた改善されたAPI安定性、ならびに堅牢で再現性ある物的生産物の生産の容易さへの関与を含む、様々な利益を提供するように選択される。添加剤は、一般に、製剤で演じられる意図される役割に応じて、様々な機能的分類に細分される。固体剤形では、一般的な添加剤の役割およびその役割を満たす例示的な材料が、希釈剤であり、例えばラクトースおよび微結晶セルロース、崩壊剤、例えばグリコール酸デンプンナトリウムおよびクロスカルメロースナトリウム、結合剤、例えばPVPおよびHPMC、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、および滑剤、例えばコロイド状SiOである。錠剤およびカプセルはしばしば、希釈剤、充填剤、および/または増量剤、例えばラクトースを含有する。本明細書に記述される組合せ物を製剤化するのに使用される添加剤は、分解物としてのSchiff塩基付加生成物の形成を防止するために、典型的には還元糖成分を含有するものを回避すべきである。
添加剤は例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、およびラクトースなどの不活性希釈剤;コーンスターチおよびアルギン酸ナトリウムなどの造粒および崩壊剤;デンプン、ゼラチン、またはアカシアなどの結合剤;ならびにステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、およびタルクなどの潤滑剤であってもよい。
錠剤は、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それによって長期間にわたる持続作用を提供するために、公知の技法によって、例えば腸溶性コーティングでコーティングされていなくてもよくまたはコーティングされていてもよい。経口使用のための組成物は、硬質ゼラチンカプセルとして形成されてもよく、その場合、本明細書に記述される組合せ物は、不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウムもしくはカオリンと混合され、または軟質ゼラチンカプセルとして形成されてもよく、その場合、組合せ物は、水または油媒体、例えばピーナツ油、液体パラフィン、またはオリーブ油と混合される。
本明細書に記述される組成物は、水性懸濁液の形態であってもよく、例えば本開示の組合せ物は、水性懸濁液の製造に適した1種または複数の添加剤と混合される。油状懸濁液は、活性成分を適切な油に懸濁することによって製剤化されてもよい。水中油エマルジョンが用いられてもよい。水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末および顆粒を使用して、本明細書に記述される組合せ物を分散または湿潤剤、懸濁剤、および1種または複数の保存剤と混合させて提供してもよい。
医薬組成物は、滅菌注射可能な水性もしくは油性懸濁液または直腸投与のための坐薬の形態をとってもよい。局所使用の場合、本明細書に記述される組合せ物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液、または懸濁液などが用いられてもよい。組成物は、当技術分野で公知の方法により、吸入または経皮パッチによる投与のために製剤化されてもよい。
一部の実施形態では、組成物はさらに、1種または複数の追加の治療活性化合物、例えば、本開示の組合せ物を受ける対象が経験しまたは経験する可能性のあるがんなどの疾患、障害、または状態の処置で有益に施用されるものを含んでいてもよい。
上述のように、組成物は、錠剤、カプセル、または同様のものとして製剤化されてもよい。例えば、一実施形態では、組成物は、約0.1%から約50%の本開示の組合せ物;約0.1%から約99.9%の充填剤;約0%から約10%の崩壊剤;約0%から約5%の潤滑剤;および約0%から約5%の滑剤を含む。例えば、一実施形態では、組成物は、約0.1%から約50%の本開示の組合せ物;約0.1%から約99.9%の充填剤;約0%から約10%の崩壊剤;約0%から約5%の潤滑剤;および約0%から約5%の滑剤を含む。必要に応じて、組成物(例えば、単位剤形にある)は、錠剤含量またはカプセル充填含量の約2%から約50%を構成する、約10mgから約300mgのポリアミン輸送阻害剤、例えばAMXT 1501、またはそのプロトン化形態、例えば;約0%から約10%の崩壊剤;約0%から約5%の潤滑剤;約0%から約5%の滑剤;および約30%から約98%の充填剤を含む。別の実施形態では、組成物は、本開示の組合せ物、約0.1%から約10%の結合剤、約0%から約5%の界面活性剤、約0%から約10%の粒間崩壊剤、および約0%から約10%の粒外崩壊剤を含む。
結合剤、充填剤、界面活性剤、崩壊剤、潤滑剤、粒間崩壊剤、粒外崩壊剤、および滑剤の例は、当技術分野で公知であり、例は本明細書に開示され、コポリビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポビドンから選択される結合剤;糖、デンプン、セルロース、およびポロキサマーから選択される充填剤;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポロキサマー、およびラウリル硫酸ナトリウムから選択される界面活性剤;クロスカルメロースナトリウム、グリコン酸デンプンナトリウム、およびクロスポビドンから選択される粒間崩壊剤を含む。その他の例には、ポビドンおよびクロスポビドンから選択される崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムである潤滑剤;および二酸化ケイ素である滑剤が含まれる。
本明細書に記述される組成物(例えば、DFMOまたはそのイオン形態を含む共結晶または塩、および構造式(I)の化合物、例えばAMXT 1501、またはそのプロトン化形態を含む)の薬物比を、例えばDFMOまたはその薬学的に許容される塩、またはAMXT 1501、またはその薬学的に許容される塩を添加することによって調整することが有利であってもよい。例えば、MYCおよびRASがん遺伝子は、ポリアミン代謝経路を誘発させることが公知である。MYCおよびRASがん遺伝子を発現する腫瘍において増大したポリアミンレベルは、基礎をなす腫瘍細胞のより高い増殖能を誘発させ、免疫系回避のメカニズムを細胞に提供することが公知である。したがって一部の実施形態では、本明細書に記述される医薬組成物は、DFMOまたはそのイオン形態、およびAMXT 1501などの構造式(I)の化合物またはそのプロトン化形態を含む共結晶または塩を含み、さらに、DFMOまたはその薬学的に許容される塩および/またはAMXT 1501などの構造式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
キットは、本開示に従い薬物比の調整をもたらすのに使用することもできる。一部の実施形態では、キットは、本開示の組合せ物と、DFMOまたはその薬学的に許容される塩を含む別の組成物を含む。一部の実施形態では、キットは、本開示の組合せ物と、ポリアミン輸送阻害剤(例えば、AMXT 1501ジカプレートなど、キットの組合せで提供された同じポリアミン輸送阻害剤)またはその薬学的に許容される塩を含む別の組成物を含む。一部の実施形態では、キットは、本開示の組合せ物と、ポリアミン輸送阻害剤(例えば、AMXT 1501ジカプレートなど、キットの組合せで提供された同じポリアミン輸送阻害剤)またはその薬学的に許容される塩を含む別の組成物と、DFMOまたはその薬学的に許容される塩を含むさらなる別の組成物とを含む。がんなどの本明細書に記述される疾患、障害、または状態を処置するための、対象への組合せ物の投与に関して書面にされた取扱説明書も、キット内に提供することができる。一部の実施形態では、キットは、本開示の組合せ物と、がんなどの本明細書に記述される疾患、障害、または状態を処置するのに組合せ物を対象に投与するための書面にされた取扱説明書を含む。
好ましくは、本明細書で提供される組成物には、実質的に用量限定的な副作用、例えば吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、口腔粘膜炎、口腔潰瘍、咽頭炎、胃炎、および胃腸潰瘍などの胃腸の副作用がない。
治療用途
本明細書では、対象(例えば、それを必要とする対象)のがんを処置する方法であって、本開示の組合せ物(例えば、本明細書に記述される固体形態および/または塩)または本開示の組合せ物を含む本明細書に記述される組成物の治療有効量を対象に投与することを含む方法が提供される。
様々ながんは、本開示による処置に適している。一部の実施形態では、がんは、固形腫瘍を含む。一部の実施形態では、がんは固形腫瘍がんである。一部の実施形態では、がんは、血液がん、例えば白血病、リンパ腫、または骨髄腫である。がんは例えば、乳がん、前立腺がん、結腸がん、または肺がんであってもよい。ポリアミン輸送阻害剤の適切な選択によって処置され得るその他のがんには、神経芽腫、膵臓、膀胱、黒色腫、皮膚がん、非ホジキンリンパ腫、腎臓がん、神経膠芽腫を含む頭頸部がん、白血病およびその他の血液がん、卵巣および甲状腺がんが含まれる。がんは、がん遺伝子、例えばMYC-および/またはRAS由来の腫瘍に特異的なポリアミン輸送阻害剤によって処置されてもよい。
本開示による処置に適したその他のがんには、急性リンパ性白血病(ALL);急性骨髄性白血病(AML);副腎皮質癌;副腎皮質癌、小児性;AIDS関連がん(例えば、カポジ肉腫、AIDS関連リンパ腫、原発性CNSリンパ腫);肛門がん;虫垂がん;星状細胞腫、小児性;中枢神経系異型奇形腫瘍/ラブドイド腫瘍、小児性;皮膚の基底細胞癌;胆管がん;膀胱がん;膀胱がん、小児性;骨がん(アーウィン肉腫、骨肉腫、および悪性線維性組織球腫を含む);脳腫瘍/がん;乳がん;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍(胃腸);カルチノイド腫瘍、小児性;心(心臓)腫瘍、小児性;胎児性腫瘍、小児性;胚細胞腫瘍、小児性;原発性CNSリンパ腫;子宮頸がん;小児子宮頸がん;胆管癌;脊索腫、小児性;慢性リンパ性白血病(CLL);慢性骨髄性白血病(CML);慢性骨髄増殖性腫瘍;結腸直腸がん;小児性結腸直腸がん;頭蓋咽頭腫、小児性;皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症およびセザリー症候群);非浸潤性乳管癌(DCIS);胎児性腫瘍、中枢神経系、小児性;子宮内膜がん(子宮がん);脳室上衣腫、小児性;食道がん;小児性食道がん;鼻腔神経芽細胞腫;アーウィン肉腫;頭蓋外胚細胞腫瘍、小児性;性腺外胚細胞腫瘍;眼がん;小児性眼内黒色腫;眼内黒色腫;網膜芽腫;卵管がん;悪性骨線維性組織球腫および骨肉腫;胆嚢がん;胃(gastric)(胃(stomach))がん;小児性胃(gastric)(胃(stomach))がん;胃腸カルチノイド腫瘍;胃腸間質腫瘍(GIST);小児性胃腸間質腫瘍;胚細胞腫瘍;小児性中枢神経系胚細胞腫瘍(例えば、小児性頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、精巣がん);妊娠性絨毛疾患;有毛細胞白血病;頭頸部がん;心臓腫瘍、小児性;肝細胞(肝臓)がん;組織球症、ランゲルハンス細胞;ホジキンリンパ腫;下咽頭がん;眼内黒色腫;小児性眼内黒色腫;膵島細胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍;カポジ肉腫;腎臓(腎細胞)がん;ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭がん;白血病;口唇および口腔がん;肝臓がん;肺がん(非小細胞および小細胞);小児性肺がん;リンパ腫;男性乳がん;骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫;黒色腫;小児性黒色腫;黒色腫、眼内(眼);小児性眼内黒色腫;メルケル細胞癌;中皮腫、悪性;小児性中皮腫;転移性がん;原発不明の転移性扁平上皮頸部がん;NUT遺伝子変化のある正中線管癌;口腔がん;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍;骨髄性白血病、慢性(CML);骨髄性白血病、急性(AML);骨髄増殖性腫瘍、慢性;鼻腔および副鼻腔がん;鼻咽頭がん;神経芽腫;非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺がん;口腔癌、口唇および口腔がん、および口腔咽頭がん;骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫;卵巣がん;小児性卵巣がん;膵臓がん;小児性膵臓がん;膵神経内分泌腫瘍;乳頭腫症(小児喉頭);パラガングリオーマ;小児性パラガングリオーマ;副鼻腔および鼻腔がん;副甲状腺がん;陰茎がん;咽頭がん;褐色細胞腫;小児性褐色細胞腫;下垂体腫瘍;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠および乳がん;原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫;原発性腹膜がん;前立腺がん;直腸がん;再発性がん;腎細胞(腎臓)がん;網膜芽腫;横紋筋肉腫、小児性;唾液腺がん;肉腫(例えば、小児性横紋筋肉腫、小児性血管腫瘍、アーウィン肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫(骨がん)、軟質組織肉腫、子宮肉腫);セザリー症候群;皮膚がん;小児性皮膚がん;小細胞肺がん;小腸がん;軟質組織肉腫;皮膚の扁平上皮癌;原発不明の扁平上皮頸部がん、転移性;胃(stomach)(胃(gastric))がん;小児性胃(stomach)(胃(gastric))がん;T細胞リンパ腫、皮膚(例えば、菌状息肉症およびセザリー症候群);精巣がん;小児性精巣がん;咽喉がん(例えば、鼻咽腔がん、口腔咽頭がん、下咽頭がん);胸腺腫および胸腺癌;甲状腺がん;腎盂および尿管の移行細胞がん;尿管および腎盂、移行細胞がん;尿管がん;子宮がん、子宮内膜;子宮肉腫;膣がん;小児性膣がん;血管腫瘍;外陰がん;ならびにウィルムス腫瘍およびその他の小児性腎臓腫瘍が含まれる。
前述のがんの転移も、本明細書に記述される方法に従い処置することができる。一部の実施形態では、がんが転移性がんである。
一部の実施形態では、がんが小児がんである。「小児がん」は、典型的には誕生時から14歳の間に生じるがんを指す。
一般に、抗がん処置としての使用に加え、本開示の組合せ物に関して無数の治療用途がある。例えば、ポリアミン輸送阻害剤は、とりわけ抗生剤、抗ウイルス、抗炎症、抗敗血症、抗疼痛、抗精神病、抗老化、および抗心臓損傷活性を有することが記述されてきた。したがって本明細書では、それを必要とする対象の疾患、障害、または状態を処置する方法であって、本開示の組合せ物(例えば、本明細書に記述される固体形態および/または塩)または本開示の組合せ物を含む本明細書に記述される組成物の治療有効量を対象に投与することを含み、疾患、障害、または状態が、抗生剤、抗ウイルス、抗炎症、抗敗血症、抗疼痛、抗精神病、抗老化、および抗心臓損傷活性を有する薬剤での処置から利益を得ると考えられる方法も提供される。
上述のように、本開示に従い薬物比を調整することが有利になり得る。これは例えば、DFMOもしくはその薬学的に許容される塩および/またはAMXT 1501またはその薬学的に許容される塩を、本明細書に記述される組成物に添加することによって行うことができる。同様にまたは代替として、追加のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOまたは前述の薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、薬物比を調整することも可能である。追加のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOまたは前述の薬学的に許容される塩が対象に投与されるとき、ポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOまたは前述の薬学的に許容される塩は、本開示の組合せ物または本明細書に記述される組成物の前、後、または同時に投与することができる。さらに、追加のポリアミン輸送阻害剤および/またはDFMOまたは前述の薬学的に許容される塩は、任意の頻度で、本明細書に記述される任意の経路によりかつ任意の量で、本明細書に記述される組合せ物および組成物と併せて投与することができる。さらに、追加のポリアミン輸送阻害剤またはその薬学的に許容される塩および追加のDFMOまたはその薬学的に許容される塩が対象に投与されるとき、ポリアミン輸送阻害剤またはその薬学的に許容される塩およびDFMOまたはその薬学的に許容される塩は、互いの前、後、または同時に投与することができる。
したがって、一部の実施形態では、方法はさらに、DFMOまたはその薬学的に許容される塩(例えば、治療有効量のDFMOまたはその薬学的に許容される塩)を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、方法はさらに、ポリアミン輸送阻害剤またはその薬学的に許容される塩(例えば、AMXT 1501ジカプレート;治療有効量のポリアミン輸送阻害剤またはその薬学的に許容される塩、例えばAMXT 1501ジカプレート)を対象に投与することを含む。
一部の実施形態では、方法はさらに、1種または複数の追加の治療物質(例えば、治療上活性な化合物)、例えば、本明細書に記述される組合せ物を受ける対象が経験しまたはおそらくは経験するがんなどの疾患、障害、または状態の処置で有益に施用される物質を、対象に投与することを含む。本開示の組合せ物が1種または複数の追加の治療物質と共に投与されるとき、組合せ物は、その他の治療物質(複数可)の前、後、または同時に投与することができる。同時に共投与されるとき、組合せ物および追加の治療上活性な薬剤(複数可)は、別々の製剤または同じ製剤にすることができる。あるいは、組合せ物および追加の治療上活性な薬剤(複数可)は、個別の組成物として、ほぼ同時または異なる時間のいずれかで、逐次投与することができる。本開示の組合せ物およびその他の治療物質が別々の製剤または組成物として投与されるとき、組合せ物およびその他の治療物質は、同じ投与経路によってまたは異なる投与経路によって投与することができる。熟練した医師は、組合せ物に使用されている各治療物質を投与するための適切なタイミング(例えば、治療物質の薬学的効果の重なりを可能にするのに十分なタイミング)を決定することができる。
本明細書に記述される組成物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、脳室内、大槽内注射または輸液、皮下注射、または移植)、吸入スプレー、鼻、膣、直腸、舌下、または局所投与経路によって投与されてもよい。好ましい実施形態では、本明細書に記述される組成物は、経口投与される。
がんの処置において、本開示の組合せ物および本明細書に記述される組成物は、適切な投薬レベルで、典型的には1日で患者の体重kg当たり約0.01mgから約1,000mg(例えば、約0.01mgから約500mg)で投与されることになり、これは単一または多回用量で投与することができるものである。ヒト用量レベル、特にがんの化学療法で使用されるものは、代替としてmg/m/日の単位で表される。用量は、例えば処置される特定の医学的状態および対象の状態を取り扱うその人の経験および知識に基づいて、担当の医療専門家の判断に基づき、より高くてもより低くてもよい。必要に応じて、投薬レベルは、1日当たり約0.1から約250mg/kg;または1日当たり約0.5から約100mg/kgになる。適切な投薬レベルは、1日当たり約0.01から約250mg/kg、1日当たり約0.05から約100mg/kg、1日当たり約0.1から約100mg/kg、または1日当たり約0.1から約50mg/kgであってもよい。この範囲内で、投薬量は、例えば1日当たり約0.05から約0.5、約0.5から約5、約1から約50、または約5から約50mg/kgであってもよい。ほとんどの大型哺乳動物の場合、全1日投薬量は、典型的には約1ミリグラムから約5,000ミリグラム、または約1ミリグラムから約2,500ミリグラム、または約1ミリグラムから約1,000ミリグラムになる。経口投与では、組成物は好ましくは、固体形態で、または本明細書に記述される単位剤形のいずれかで提供される。
組合せ物は、単一1日用量としてもしくは1日当たり2から6回の分割された用量で、または持続放出形態で投与されてもよい。組合せ物は、1日当たり1から4回のレジメンで、好ましくは1日当たり1回または2回(例えば、QDまたはBID)、例えば担当の医療専門家の判断に基づいて投与されてもよい。
しかしながら、任意の特定の対象に関する特定の用量レベルおよび投薬頻度は様々であってもよく、用いられる特定の組合せ物の活性、代謝安定性および組合せ物の成分の作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与形態および時間、排泄率、薬物の組合せ、患者の状態の重症度、および対象が受ける治療を含む様々な因子に依存することになることが、理解されよう。
以下に提供される実施例および調製物はさらに、本明細書に記述される対象を示しかつ具体化する。以下の実施例は、本明細書に記述される主題の範囲を如何様にも限定するものではないことが理解されよう。以下の実施例において、単一キラル中心を持つ分子は、他に指示しない限り、ラセミ混合物として存在する。2つまたはそれよりも多くのキラル中心を持つそれらの分子は、他に指示しない限り、ジアステレオマーのラセミ混合物として存在することができる。単一のエナンチオマー/ジアステレオマーは、当業者に公知の方法によって得られてもよい。実施例で利用されまたは言及される出発材料および様々な反応物は、商業上の供給元から得られてもよく、または当業者に周知の方法を使用して市販の有機化合物から容易に調製される。
(実施例1)
DFMOと組み合わせた経口AMXT 1501ジカプレート
Aminex Therapeuticsは、がん患者の治療のために経口DFMOと組み合わせて経口AMXT 1501ジカプレートを開発している(clinicaltrials.gov NCT03536728)。この臨床試験の目的は、進行固形腫瘍を持つ患者において、DFMOと組み合わせた経口AMXT 1501ジカプレートの安全性および耐容性を決定することである。ヒト対象における両方の薬剤の薬物動態(PK)挙動に関する暫定的なデータを作成した。AMXT 1501ジカプレートおよびDFMOは、高い水溶解度を有する。AMXT 1501ジカプレートの低いバイオアベイラビリティに起因して、この薬剤は、バイオ医薬品分類システム(BCS)クラス3に属するようである。
臨床試験の概要。AMXT 1501ジカプレートおよびDFMOの組合せ物を評価するAminexの臨床試験は、2つの部分からなる。全ての固形腫瘍のタイプは、試験に適格である。臨床試験のパート1は、がんの患者に2週間にわたり単独で与えられ、次いで固定された低用量のDFMOと組み合わせてさらに2週間与えられた、AMXT 1501ジカプレートの上昇する用量の安全性を、評価した。この後、標準的な3+3 AMXT 1501ジカプレート用量上昇設計を使用して、2週間の回復期間が続いた。臨床試験のパート2では、AMXT 1501ジカプレートの用量が1,800mgに固定され(AMXT 1501ジカプレートの遊離塩基含量として計算された)、3+3用量上昇プロトコール設計に従ってDFMO用量を上昇させて、組合せ物のために最大耐用量(MTD)および推奨2相用量(RP2D)を決定することになる。拡大コホートは、組合せ物の安全性および耐容性を確認するためにRP2Dレベルで含まれることになる。この臨床試験では、AMXT 1501ジカプレートは、1日1回、腸溶性コーティングされたカプセルで、絶食患者に経口送達された。DFMOは、ゲルカプセルで1日2回、経口送達した。追加の患者は、1日2回、両方の薬剤を与えることによって処置されることになる(BID投薬スケジュール)。
暫定的な血漿AMXT 1501およびDFMO濃度対公称時間データが、臨床試験のパート1のコホート1から5まで入手可能である(80、160、400、1,200、および1,800mgのAMXT 1501単独、または250mg BIDのDFMOと組み合わせた、用量レベルに該当する)。21名の患者にパート1で投与した。パート1からの暫定的な薬物動態データに基づき、単一または反復PO投薬後の平均AMXT 1501曝露は、160mgのAMXT 1501およびそれよりも高い用量レベルで、用量依存的手法で増大した。
暫定的AMXT 1501およびDFMO臨床薬物動態(PK)データ。AMXT 1501およびDFMOの血漿レベルを、GLPで検証されたLC/MS生物分析法を使用して決定した。患者からの血液試料を、研究設計に従って、研究の1日目の単一用量のAMXT 1501ジカプテートの後、最初の3日間にわたり、およびAMXT 1501ジカプレートの反復投薬後、研究の14日目に24時間にわたり収集した。図1Aおよび1Bは、研究から得られたAMXT 1501平均血漿レベルを示す。20名の患者を、研究の15~28日目に500mg/日のDFMO(毎日、2回に分けて)で処置した。DFMO血漿レベルを、研究の28日目に投薬後の様々な時に測定し、得られたDFMO血漿濃度は、検証されたLC/MS生物分析アッセイを使用して決定した。投薬後、20名の患者全てに関して得られたDFMO血漿レベル対時間を、図2に示す。これら全ての患者を、同じDFMO用量で処置し、43%のCVパーセントに関して11,417時・ng/mL、SD 4,870のAUC(n=14)平均を示した。
患者に提供された最高AMXT 1501用量(パート1、コホート5:1,800mg AMXT 1501)で、平均Cmax 794.25ng/mL(SD 208.6、26%のCVパーセントに関して)が、反復投与後(14日目;n=4名の患者)の血漿AMXT 1501濃度に関して観察された。AMXT 1501の血漿レベルが、24時間の投薬時間インクリメントにわたり持続した。14,225時・ng/mLの平均AUC値(SD 5,017時・ng/mL、35%のCVパーセントに関して)が、パート1、コホート5の4名の患者に関して観察された。
多数の陽性ネズミ有効性研究は、AMXT 1501ジカプレートを、毎日2.5mg/kg、皮下注射で投薬した。4T1乳がん同系腫瘍保持マウスでのこの同じ用量のPK評価は、AMXT 1501血漿Cmax値が978ng/mLに達し、AUC値が8,270時・ng/mLを示した。重要なのは、このマウス研究で、AMXT 1501の腫瘍保持が血漿よりも14倍高く、AUC値が152,000時・ng/mLであることであった。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、マウスにおける血漿AUC値と腫瘍AUC値との間の差は、臨床試験で観察された血漿AMXT 1501レベルが、腫瘍標的エンゲージメントの過小評価であることを示唆する。コホート5の患者は、多数の効果的なマウス研究で観察された血漿レベルよりも1.72倍高いAUC値を有していた。
PK特徴付けに関し、薬物の最大血漿レベルであるCmaxパラメーターは、毒物学的エンドポイントを追跡するが、持続的血漿薬物濃度を測定するAUCのパラメーターは有効性エンドポイントを追跡することが一般に想定される。試験のパート1の患者で得られたPKデータは、AUC値により反映されるような、堅牢なAMXT 1501血漿比被覆範囲を示唆する。さらに、AMXT 1501の持続型24時間血漿レベルを、投薬時間インクリメントにわたり観察した。若干のグレード1および2の悪影響がこれらの患者で、主に事実上胃腸で観察された(吐き気および下痢)ことを考えると、1,000ng/mLより低いAMXT 1501の血漿Cmax値が十分耐えられると推定される。重要なのは、がん細胞に対するAMXT 1501に関するin vitro EC50値が50nMであることであり、これはAMXT 1501の28ng/mL血漿濃度に等しい。
臨床薬物比。表1は、臨床試験のパート2中に予想されるAMXT 1501のDFMOに対する様々なモル比を示す。各薬剤の最適な比は、例えば腫瘍標的感受性、薬物腫瘍分布、ならびに患者および腫瘍の保持および遺伝的背景に依存することになる。2種の薬剤の耐容性および最大限実現可能な用量を実証するというその目的を考え、Aminexの初期臨床試験は、各薬剤の、固定された単位用量レベルを患者に投与した。将来の臨床試験のための薬物の投与は、より精密なmg/m単位ベースで行われることになると予測される。体表面積(BSA)としても公知のmに基づく投薬は、用量を患者のBSAに、および間接的に患者の体重に合わせて調節することを前提として、より精密になる傾向がある。
(実施例2)
DFMOによるAMXT 1501結晶の塩(複数可)の生成
4モル当量のDFMO一塩酸塩一水和物を50%EtOH/HO(6mL)に加え、加熱して均質な溶液を形成した。この溶液に、1当量のAMXT 1501遊離塩基を無水EtOH(3mL;穏やかに加熱して形成した)に溶かした均質溶液を添加して、僅かに温かい温度で均質溶液を生成した。室温で10分間静置後、薄片を形成し始めた。冷凍庫に入れた後、結晶の塊が形成された。濾過により、白色固体(Lot#4-138)が61%の収率で得られ、テトラ-DFMO塩が形成されたと推定された。CHCl/MeOH/NHOH(60:38:2)におけるTLCは、この白色固体がAMXT 1501およびDFMOの両方を含有することを示した。H NMRは同様に、固体がAMXT 1501およびDFMOの両方を含有することを示した(図3)。
H核磁気共鳴。図3に示されるAMXT 1501-DFMO結晶(Lot#4-138)からのH NMRデータを使用して、AMXT 1501のDFMOに対する比を推定した。6.2ppmでのCHF積分強度は、CHFに関する長いT1時間に起因して、非常に正確であるとは予測されない。それにも関わらず、このシグナルは十分に孤立しているので、推定を行うことができる。3個のプロトンとしてのAMXT 1501の末端脂質鎖メチル基(0.65ppmで)に関するシグナルの積分は、結晶に関連したAMXT 1501のモル当量を、1に設定する。DFMOに関する-CHFに起因した三重シグナルの積分の総和は、これらの結晶におけるDFMOのAMXT 1501に対する推定で7.92モル比を提供する。
高性能液体クロマトグラフィー。勾配法を使用したELSD検出によるHPLC分析を使用して、Lot#4-138の試料中のAMXT 1501およびDFMOの量を決定した。表2は、分析に使用されるHPLCの条件について記述する。標準曲線は、公知の量のAMXT 1501 4HClおよびDFMO HO HClの注入を使用して作成した。AMXT 1501-DFMO複合体の試料の注入から作成された各薬物のピーク面積の、標準曲線に対する比較は、各材料の分子量を基にした。標準曲線を作成するのに使用される標準溶液の場合、計算は、DFMOおよびAMXT 1501遊離塩基形態に基づき行った。標準溶液試料の注入に関するクロマトグラムを、図4Aに示す。図4Aに示されるクロマトグラムから作成した標準曲線は、AMXT 1501およびDFMOに関してそれぞれ図4Bおよび4Cに示す。この分析は、図4Dに示されるクロマトグラフを作成するのに使用されるLot#4-138結晶の材料において、AMXT 1501のDFMOに対する、測定された1から7.01の比をもたらした。測定された比に到達するのに使用されたデータおよび計算を、以下に示す。
元素分析。Lot#4-138からの元素分析結果は、C、44.31および44.43;H、7.83および7.69;N、14.10および13.99を示した。これらのデータは、AMXT 1501の各モルに8モルのDFMOを含有し、4当量のHClを含有する、以下に示す分子式を裏付ける:
X線粉末回折。使用されるx線回折計は、Rigaku Miniflex 6Gであり、1から3mgの各固体試料を試料ホルダー上に置き、以下のパラメーター:出発角、3.00度;停止角、40.00度;ステップ幅、0.05度;実行時間、5分間を使用して分析し、45kVおよび15mAでデータを収集した。
AMXT 1501-DFMO結晶の複合体(Lot#4-138)および結晶の形態として存在する2種の個々の薬剤は、明確なXRPD回折パターンを有していた。DFMOのみの回折パターンは、AMXT 1501-DFMO結晶の複合体の回折パターンでは存在しない10度2θでシグナルを示した。AMXT 1501-DFMO結晶の複合体の回折パターンにおける14~19度2θの回折パターンは、DFMOのみからの回折パターンでは存在しない。
偏光顕微鏡法。Lot#4-138材料をPLMにより分析し、複合体の結晶の性質が明らかにされた。図6Aおよび6Bは、AMXT 1501-DFMOの組合せ物のPLM分析から得られた明視野および偏光画像をそれぞれ示す。
示差走査熱量測定および熱重量分析。DSCデータをTA Instrument DSC25で収集し、厳密な量(1.0~2.0mg)の固体試料を、分析天秤を使用して気密アルミニウム皿で計量した。次いで皿を、ピンホールのある気密アルミニウム蓋を使用して密閉した。各試料を、以下のパラメーター:平衡温度:35℃;上昇ステップ:10.0℃;最大温度:400℃;Nパージ流、50mL/分を使用して分析した。
TGAデータをTA Instrument TGA Q500で収集し、約1~3mgの各固体試料を熱重量測定天秤に置き、以下のパラメーター:平衡温度:25℃;上昇ステップ:10.0℃;最大温度:400℃;Nパージ流、60mL/分を使用して分析した。
AMXT-1501・DFMO複合体(Lot#4-138)は、234.0℃の高い融点を有し、200℃の前の重量損失は最小限である(図7)。AMXT-1501遊離塩基は、溶媒(MeOHを最大17.2%)を含有してもよく、これは除去されたとき、結晶化度を改善し、94.0℃の融点を提供する。DFMO・HCl・HOは、1分子の水の損失に等しい重量損失を伴って、157.6℃で融解した。DFMO HCl HOは、183℃の融点を有することが既に報告された。これらのデータは、AMXT 1501-8DFMO複合体が、その個々の成分のそれぞれと比較して、より高い融点を有することを示す。より高い融解固体は、改善された安定性に起因して、医薬製品において明確な利点を有する。
(実施例3)
AMXT 1501-4DFMO塩形成中のpH制御
塩生成におけるAMXT 1501のDFMOに対する比のより一貫した制御は、2個の薬物分子を含有する出発水性溶液の厳密なpH制御により得られた。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、厳密なpH制御なしで、DFMO HCl HO自体がEtOHおよびHO溶媒混合物から結晶化し、沈殿プロセスにおいて可変量のAMXT 1501を保持すると考えられる。AMXT 1501遊離塩基の添加はDFMO HClを脱プロトン化し、これは沈殿し、それと共に様々な量のAMXT 1501遊離塩基を保持すると仮定される。
水性溶液中の個々の薬物の様々な電荷状態についての知識を得るため、それぞれを、溶液のpH変化をモニターしながら1N NaOHで滴定した。図8Aに示されるように、いくつかの変曲点が、DFMO HCl HO溶液滴定で観察された。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、DFMO HCl HOの最も酸性度の高い官能基が分子のアミノ酸部分のアルファカルボキシレート基であり、そのpKaが6.6であることが理論化される。これは、酢酸(4.75)またはグリシン(2.34)と比較して予測されるpKaよりも高く、おそらくはDFMOのアルファメチル置換基のベータジフルオロ原子の電子求引効果に起因する。図8Aに示される滴定曲線の代替の説明は、pH6.6での変曲がDFMOのアンモニウム基の1つの脱プロトン化に起因することである。いずれの場合も、図8Bの図におけるDFMOの予測される電荷状態によって示されるように、DFMOのカルボン酸がその脱プロトン化カルボキシレート形態にあることを確実にするには、その溶液のpH制御をpH7付近またはそれよりも高くすることが必要である。あるいは、図8Bに示されるように、DFMOとAMXT 1501との間の十分な電荷の会合を行うために、DFMOの2個のアンモニウムイオンの1つを脱プロトン化して、そのアミノ形態にしなければならない。このことは、DFMOのアルファアミノ基がその遠位のデルタアミノ基ほど塩基性ではないという予測によって、さらに裏付けられる。いずれかのアミノ基のプロトン化に関する追加の証拠は、元素分析結果において実質的な塩化物が観察されたことであり、複合体中のいくつかのアミノ基がそれらのアンモニウム形態にあることを示唆している。いずれの場合も、カルボキシレートはpH7で十分に脱プロトン化される。
水性溶液中のAMXT 1501 4HClを1M NaOHでも滴定し、得られたpHをモニターした。図8Cに示されるように、7付近またはそれよりも低いpH値で、AMXT 1501はそのほぼ完全にプロトン化されたテトラアンモニウム電荷状態の形態にある。これらの理由で、DFMOの溶液をそのカルボキシレート荷電形態で形成するために、AMXT 1501をその完全にアンモニウム荷電形態にある状態を保持しながら、7付近のpH値での溶解を必要とする。したがって約6から約8のpH範囲は、溶液中のAMXT 1501とDFMOのイオン性相互作用に関する最適なpHを表す。
実施例3では、その4HCl塩形態中のAMXT 1501を使用した。AMXT 1501 4HCl(MW 714.78g/モル)が3.078g(4.31ミリモル)の均質なフォーム状の溶液を、20mLのHO中で僅かに温めながら調製した。この溶液(pH2)に、4.3mLの1N NaOH(1当量)を添加し、WhatmanのpHストリップによりpH10の溶液を得た。4.07g(MW 236.64、4当量)のDFMO HCl HOの別の溶液を、20mLのHO中に調製した。得られたDFMO溶液のpHは5であった。これら2種の溶液を室温で混合し、得られた均質溶液に、1M NaOHを少量ずつ添加しながらpH7にpH調節した。合計で5mLの1M NaOHを導入し、pHを7にした。
以前のより小さい規模の実験は、上記溶液を抗溶媒アセトニトリルで処理したとき、2つの個別の均質な透明層の独自の形成を示した。これは、アセトニトリルが一般に水性溶液と完全に混和するので、予測されなかった。この観察事項は、本発明の実施例において、50mLの共溶媒イソプロパノールを上記AMXT 1501:DFMO pH7溶液に添加することによって利用された。この場合も、得られた溶液は完全に透明であった。追加の100mLの抗溶媒アセトニトリルの添加により、かなり白色の沈殿の形成が生じた。振盪することにより、室温で全てを元の溶液に戻した。-10℃の冷凍庫内で一晩保存することにより、白色沈殿物が形成された。濾過は、乾燥後に1.524g(24%)の白色固体をもたらした(Lot 5-9)。
透明な母液を、追加の分量のアセトニトリル150mLで処理し、加熱し、僅かな沈殿物からデカンテーションして、温かい透明溶液を得た。これを-10℃の冷凍庫内に2日間入れ、形成された白色沈殿物が得られたら濾過し、乾燥して、2.822g(45%)の白色固体(Lot 5-11)を得た。母液のpHは、7であることが測定された。
これら2つのロットの結晶のTLC分析は、それらが共に2種の薬剤を含有することを示した。母液のTLC分析は、それが主にDFMOを含有することを示した。
これら2種の試料の元素分析を使用して、これら2種の固体の組成を評価した。結果を表3Aおよび3Bに示す。Lot 5-9およびLot 5-11の固体の元素分析と矛盾のない、それぞれ対応する構造式を、以下に示す。元素組成結果の相違は、2つの集合体の結晶に関連したHClおよびHOの量を異ならせることによって、説明される。
Lot 5-9およびLot 5-11のHPLC分析。実施例2に記述されるものと同じHPLC法を使用して、Lot 5-9およびLot 5-11の両方の材料に関するAMXT 1501のDFMOに対する比は、pH7でのDFMOのカルボキシレートとAMXT 1501のアンモニウム官能基との化学量論的な関連付けに関して予測されるように、1から4付近であることが示された。HPLC較正曲線およびAMXT 1501-xDFMO比分析に関する結果を、表4に示す。表4では、試験固体1がLot 5-9の材料であり、試験固体2がLot 5-11の材料である。
*API濃度は、遊離塩基形態として計算した(HClまたはH2Oは除外した)。
Lot 5-9およびLot 5-11のXRPD、DSC、およびTGA。実施例2に記述されるものと同じXRPD、DSC、およびTGA条件を使用して、Lot 5-9および5-11からのAMXT 1501-DFMO固体を分析した。Lot 5-9および5-11のDSCおよびTGAからの結果を、それぞれ図9および10に示す。Lot 5-9の材料(試験固体1)は、155.20℃の融点を有しかつ200℃で6.0%の重量損失があり、7.5%の水で構成された。Lot 5-11の材料(試験固体2)は、155.65℃の融点を有しかつ200℃で4.5%の重量損失があり、1.2%の水で構成された。DFMO・HCl・HOは、157.6℃の融点を有し、7.6%の水から構成される。Lot 5-9および5-11のXRPD分析からの結果を、表5および図11に示す。
pH7.5およびpH7.8での反復結晶化研究は、上述のHPLC法により1:3のAMXT 1501/DFMOの比を含有することを示す固体をもたらした。表6は、これらのHPLCアッセイ結果をまとめる。
*固体を、HPLC-ELSDアッセイで繰り返し分析した。
**API濃度は、遊離塩基形態として計算した(HClまたはH2Oは除外した)。
ポリアミン輸送阻害剤のDFMOに対する比は、利用される正確な結晶化条件に加え、ポリアミン輸送阻害剤:DFMO化学量論量に応じて様々になることが予測される。精密なpH制御など、本明細書に開示されるプロセスは、溶媒および抗溶媒の対の最適化された選択と共に、そのような材料を形成するのに非常に有用である。さらに、本明細書に記述される例のいずれかの組合せ物は、薬物の取扱いおよび安定性を改善しかつさらに好都合な患者投薬フォーマット、したがって患者のコンプライアンスを提供すると予測することができる。本明細書で与えられる例の様々な化学的類似体は、DFMOと塩を形成することも考えることができるであろう。
(実施例4)
DFMOとその他のポリアミン輸送阻害剤との複合体
DFMOは、表7にあるものなどのその他のポリアミン輸送阻害剤と複合体を形成する。
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本明細書で引用される全ての特許、公開出願、および参考文献の教示は、それらの全体が参照により組み込まれる。
例示的な実施形態が特に示され記述されてきたが、形態および詳細の様々な変更を、添付される特許請求の範囲に包含される実施形態の範囲から逸脱することなく行ってもよいことが、当業者に理解されよう。

Claims (32)

  1. ジフルオロメチルオルニチン(DFMO)またはそのイオン形態および下記の構造式:
    の化合物またはそのプロトン化形態を含む組合せ物であって、式中、
    a、b、およびcのそれぞれは、独立して、1から10の整数であり、
    dおよびeのそれぞれは、独立して、0から30の整数であり、
    各Xは独立して、炭素または硫黄であり、
    各nは、独立して、隣接するXが炭素であるときに0または1であり、あるいは隣接するXが硫黄であるときに2であり、
    およびRはそれぞれ独立して、水素、または直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和(C~C50)脂肪族;カルボキシアルキル;カルバルコキシアルキル;アルコキシ;(C~C10)脂環式;単環もしくは多環アリール脂肪族;脂肪族単環もしくは多環芳香族;単環もしくは多環複素環;単環もしくは多環複素環脂肪族;アリールスルホニル;またはシアノから選択される;あるいは
    -X(O)-、R-X(O)-、またはR-X(O)-、およびR-X(O)-は、水素によって置き換えられている、組合せ物。
  2. 薬学的に許容される添加剤をさらに含む、請求項1に記載の組合せ物。
  3. DFMOまたはそのイオン形態および下記の構造式:
    の化合物またはそのプロトン化形態を含む固体形態であって、式中、
    a、b、およびcのそれぞれは、独立して、1から10の整数であり、
    dおよびeのそれぞれは、独立して、0から30の整数であり、
    各Xは独立して、炭素または硫黄であり、
    各nは、独立して、隣接するXが炭素であるときに0または1であり、あるいは隣接するXが硫黄であるときに2であり、
    およびRはそれぞれ独立して、水素、または直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和(C~C50)脂肪族;カルボキシアルキル;カルバルコキシアルキル;アルコキシ;(C~C10)脂環式;単環もしくは多環アリール脂肪族;脂肪族単環もしくは多環芳香族;単環もしくは多環複素環;単環もしくは多環複素環脂肪族;アリールスルホニル;またはシアノから選択される;あるいは
    -X(O)-、R-X(O)-、またはR-X(O)-、およびR-X(O)-は、水素によって置き換えられている、固体形態。
  4. 結晶の固体形態である、請求項3に記載の固体形態。
  5. DFMOまたはその薬学的に許容される塩および構造式(I)の前記化合物またはその薬学的に許容される塩を含む共結晶の形態である、請求項3または4に記載の固体形態。
  6. 前記DFMOまたはそのイオン形態および構造式(I)の前記化合物またはそのプロトン化形態が、互いに塩を形成する、請求項3または4に記載の固体形態。
  7. 図5に示されるものまたは図11に示されるものの1つに実質的に従うx線回折パターンを特徴とする、請求項3または4に記載の固体形態。
  8. コフォーマーまたは有機もしくは無機塩またはこれらのイオン形態をさらに含む、請求項3から7のいずれか一項に記載の固体形態。
  9. -X(O)-が水素によって置き換えられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  10. a、b、およびcのそれぞれが、独立して、1から5の整数である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  11. a、b、およびcのそれぞれが、独立して、3または4である、請求項10に記載の組合せ物または固体形態。
  12. aが3であり、bが4であり、cが3である、請求項11に記載の組合せ物または固体形態。
  13. dが1から5の整数である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  14. dが4である、請求項13に記載の組合せ物または固体形態。
  15. eが0である、請求項1から14のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  16. 各Xが炭素である、請求項1から15のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  17. およびRが、それぞれ独立して、水素、または直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和(C~C50)脂肪族もしくは(C~C10)脂環式から選択される、請求項1から16のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  18. およびRが、それぞれ独立して、直鎖または分岐状の飽和または不飽和(C~C50)脂肪族または(C~C10)脂環式から選択される、請求項17に記載の組合せ物または固体形態。
  19. およびRが、それぞれ独立して、(C~C25)アルキルまたは(C~C10)シクロアルキルから選択される、請求項18に記載の組合せ物または固体形態。
  20. 構造式(I)の前記化合物が、下記の構造式:
    の1つ、または前述のいずれかのプロトン化形態によって表される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  21. 構造式Iの前記化合物が、下記の構造式:
    またはそのプロトン化形態によって表される、請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  22. DFMOまたはそのイオン形態もしくは薬学的に許容される塩の、構造式Iの前記化合物またはそのプロトン化形態もしくは薬学的に許容される塩に対するモル比が、約1対1(1:1)から約25対1(25:1)である、請求項1から21のいずれか一項に記載の組合せ物または固体形態。
  23. DFMOまたはそのイオン形態もしくは薬学的に許容される塩の、構造式Iの前記化合物またはそのプロトン化形態もしくは薬学的に許容される塩に対する前記モル比が、約1対1(1:1)から約10対1(10:1)である、請求項22に記載の組合せ物または固体形態。
  24. DFMOまたはそのイオン形態もしくは薬学的に許容される塩の、構造式Iの前記化合物またはそのプロトン化形態もしくは薬学的に許容される塩に対する前記モル比が、約2対1(2:1)、約3対1(3:1)、約4対1(4:1)、約5対1(5:1)、約7対1(7:1)、または約8対1(8:1)である、請求項23に記載の組合せ物または固体形態。
  25. 請求項3から24のいずれか一項に記載の固体形態と、薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物。
  26. 経口投与用に製剤化された、請求項1もしくは2に記載の組合せ物または請求項25に記載の医薬組成物。
  27. がんの処置をそれを必要とする対象において行う方法であって、請求項1から24および26のいずれか一項に記載の組合せ物もしくは固体形態または請求項25もしくは26に記載の医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与するステップを含む、方法。
  28. DFMOまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. 構造式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を前記対象に投与するステップをさらに含む、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記がんが、固形腫瘍を含む、請求項27から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記がんが、小児がんである、請求項27から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記組合せ物、固体形態、または医薬組成物が、経口投与される、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
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