JP2023545585A - 新規の生体活性ペプチドの組み合わせ及びその使用 - Google Patents

新規の生体活性ペプチドの組み合わせ及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、コラーゲンVI型に由来するポリペプチドの組み合わせを含む組成物を提供する。また、本発明の組成物を含む薬学的組成物及びキットも提供される。関連する態様は、本発明の組成物と会合される医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料、並びにそれらの調製方法を提供する。また、微生物感染症の治療及び/又は予防並びに創傷ケアにおける方法及び組成物の使用、並びにインビトロで微生物を殺傷する方法も提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、コラーゲンVIポリペプチド及びその誘導体を含む生体活性ペプチドの組み合わせと、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、及びそれらを含むキットとの組み合わせ、並びにそれらの使用及び医学的使用に関する。
皮膚は私たちの主要な外部防御システムであり、侵入する微生物、及び外部環境の悪影響から私たちの内臓構造を保護することを担当している。成人の皮膚は、主に角質細胞からなる表皮又は角質層、コラーゲン及びエラスチンが豊富な結合組織である真皮、並びに脂肪組織で構成される下皮又は皮下層の3つの層で構成され、身体に熱的分離及び機械的保護を提供する[1]。創傷は皮膚内の表面的又は深部の傷害であり、物理化学的又は熱的損傷のために形成される可能性がある。急性創傷は、8~12週間にわたる治癒期間を必要とする傷害組織(例えば、火傷、化学的傷害、切断)によって定義される。対照的に、慢性創傷は、静脈又は動脈管不全、圧力壊死、がん、及び糖尿病などの疾患の副産物である[2、3]。それらはより長い治癒時間(数週間~数ヶ月から数年)を必要とし、しばしば正常な健康状態に達することができず、炎症の病理学的状態が持続する[4]。したがって、創傷治癒の遅延又は障害は、治療費及び廃棄物生成の観点から、世界中の患者及び医療システムに重大な社会経済的負担を課す[5]。
傷害後の組織再生は、失活した細胞及び組織構造が置き換えられる複雑なプロセスである[6]。皮膚修復中に活性化される慎重に調整された生化学的及び細胞的事象への洞察は、適切な創傷包帯を設計するために重要である[1、7、8]。それは、細胞応答及び細胞外マトリックス(ECM)組成の広範な変化を含む。一般に、創傷修復は、異なる予測可能な相及び重複する相に分けられる:止血、炎症、増殖、続いて瘢痕組織の成熟及び再調節[9~11]。止血は、一時的な障壁としてのフィブリン布によって、創傷部位での失血を止めるために、傷害に対する身体の即時反応である[12]。炎症(24時間から4~6日)は、創傷床から異質粒子及び組織破片を一掃する、好中球及びマクロファージによって媒介される[13]。サイトカイン及び酵素は、線維芽細胞及び筋線維芽細胞のマクロファージを刺激するために放出され[14]、一方、創傷滲出液は、回復に不可欠な水分を提供する。増殖相に上皮化が起こり、新しく形成された造粒組織が創傷領域を満たし始め、新しいECMを生成する。最後に、リモデリング相では、コラーゲンベースの架橋が緊密な3Dネットワーク形成の原因となり、新しい組織の引張強度が増加する[12]。重要なことに、細胞とそれらの周囲のフレームワークとの間の親密な関係は、一般的に再生プロセスを調節する上で重要な役割を果たすと考えられている。したがって、優れた創傷治癒特性を確保するために、生体分子を広範囲に充填した適切な生体材料を作成することが重要である。
創傷治癒の最初の2つの相に続いて、増殖相と呼ばれる修復相がある。傷害の3日後に始まり、2週間続く。傷害後、線維芽細胞及び筋線維芽細胞は、局所創傷環境で増殖し、TGFβ及びPDGFによって刺激され、3日目に傷害部位に移動し、そこで大量に増殖する。線維芽細胞は、マトリックスタンパク質:ヒアルロナン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、及びI/III/V型コラーゲンからなる拡張原線維ネットワークの細胞外マトリックスを生じる。このマトリックスは、細胞の移動及び修復プロセスをサポートするのに役立つ。創傷縁に接近するための重要な修復プロセスである創傷収縮は、線維芽細胞が排除された後に行われる[15]。
コラーゲンは、最も豊富な哺乳類タンパク質であり、組織に機械的強度を提供し、細胞接着及び増殖を刺激する[16、17]。約30の異なる型のコラーゲンが同定されており、ポリペプチド配列の三重らせん状三次構造を示すが、コラーゲンベースの生体材料の生成に使用されるのはごくわずかである。
コラーゲンVI型は、ほとんどの結合組織において複雑で広範なビーズ状微小原線維ネットワークを形成する。コラーゲンVI型の主な形態は、3つの異なるポリペプチド鎖、α1(VI)、α2(VI)及びα3(VI)で構成され、これらは三重らせん状単量体を形成する(すなわち、単量体は別個の生成物として存在せず、天然産物は、代わりにこれらの三重らせん状単量体から形成される)。細胞内では、単量体が集合して二量体及び四量体になり、細胞外空間に分泌される。そこで、四量体は、端と端とを合わせて凝集して微小原線維を形成し、それが拡張超分子マトリックスアセンブリの一部となる。より最近では、3つの追加の鎖(α4、α5及びα6)が発見され、いくつかの組織でα3鎖の代わりになる可能性がある[30、31]。構造の観点から、各α鎖は、2つの大きなN末端及びC末端球状領域に隣接する短い拡張三重らせん領域を特徴とし、これはフォン・ヴィレブランド因子A型ドメイン(VWA)と相同性を共有する[32~34]。VWAはまた、ECMにおけるタンパク質間相互作用にも関与している[32~35]。コラーゲンVI型のα1(VI)及びα2(VI)鎖は、1つのN末端(N1)及び2つのC末端(C1及びC2)VWAドメインを含み、一方、α3(VI)は、はるかに大きく、約10のN末端(N10-N1)VWAドメイン及び2つのC末端VWAドメインを含む。追加的に、α3(VI)鎖は、唾液腺タンパク質、フィブロネクチンIII型反復、及びセリンプロテアーゼ阻害剤のKunitzファミリーと相同性を共有する、3つのC末端ドメイン(C3~C5)を有する[36]。その独自の設定により、コラーゲンVI型は、幅広い組織に強度、完全性及び構造を提供する。また、アポトーシス、オートファジー、血管新生、線維症及び組織修復などの他の重要な生物学的プロセスにも関与している[37]。
本発明者らは、コラーゲンVIペプチド及びそれらの誘導体が、創傷治癒を能動的に促進し、抗菌特性を有し(その内容が参照により本明細書に組み込まれる、WO2017/125585を参照)、治癒しにくい創傷の治療に関連する用途、また同時に、MRSAなどの従来の抗生物質に対する耐性を発現した細菌の殺傷又は成長阻害に有用であることを以前に示している。それらはまた、例えば、医療デバイスの表面にコーティングされたとき、又は医療デバイス、若しくは他のそのような材料に組み込まれたときに、急速な創傷閉鎖の刺激及び汚染された創傷における微生物感染症の治療に有用である。
内因性コラーゲナーゼによる高い生体適合性及び生分解性により、コラーゲンは生物医学的用途に理想的である[18、19]。創傷治癒の間、線維芽細胞は、凝集して直径が10~500nmの範囲内の原線維を形成するコラーゲン分子を産生する。この線維ネットワークは、創傷部位への細胞移動を促進し、組織修復を積極的にサポートする[20]。タンパク質構造の容易な化学的機能化のおかげで、様々な包帯アーキテクチャが利用されてきた。ハイドロゲル、エレクトロスパンファイバー、又はナノ結晶含有足場のいずれかの形態のコラーゲンベースの創傷包帯が、火傷創を覆い、潰瘍を治療し[21~24]、組織の収縮及び瘢痕を低減し、上皮化率を増加させる[25]ために適用されている。軟部組織への縫合を可能にし、新しい組織成長のためのテンプレートを提供する湿潤強度のために、コラーゲンスポンジ及び線維膜が特に有望であることが見出された。多機能プラットフォームは、細胞増殖のための良好なトポグラフィーを保持しながら、抗菌及び抗炎症特性を示し、したがって治癒及び創傷閉鎖を加速させた。足場設計のための生体材料としてかなり広範囲に使用されているにもかかわらず、コラーゲン足場は、依然として未知の高い工学的可能性を持つ持続可能な材料のままである[26、27]。
皮膚創傷治癒プロセスに関与する複数の細胞機序及びいくつかの外部要因の相互作用を考えると、好適な包帯材料の選択は魅力的である。具体的には、生分解性天然材料の場合、それらの分解は、創傷修復のダイナミクスに従う必要があり、生理学的治癒の進化を保証し、必要に応じて活性原理を解放する必要がある[6]。この問題に対処するために、いくつかの創傷包帯は、天然の細胞外マトリックスの生物学的及び物理化学的特徴を再現することによって、最高レベルの生体模倣を達成するように設計されている。特に、天然コラーゲンネットワークに基づく生物学的包帯は、創傷微小環境を改善し、したがって、新しい組織の再生を促進するために使用される。これらの材料の使用の背後にある理論的根拠は、それらが固有の天然細胞認識ドメインを提示し、したがって創傷床における線維芽細胞及び角質細胞の接着及び増殖を刺激するというアプローチである[28]。加えて、そのような天然原線維コラーゲン足場は、細胞に侵入するための誘導リッジを提供すると考えられ、したがって構造化された皮膚創傷治癒を促進し得る。
生物医学的用途のためのウシコラーゲンは、典型的には、ウシの皮膚及び腱を処理及び精製することに由来する。天然のコラーゲン原線維からなる得られたコラーゲン分散体は、構造化された創傷治癒を促進する真皮に構造的かつ機能的に高度に類似している[43、44]。これらのコラーゲンはまた、異なる種間で高度に保存されており[45、46]、例えば、ヒトとウシコラーゲンIとの間の配列相関は、88%である。これは、安定したコラーゲン三重らせん構造が、構造及び機能の重要な喪失なしに、一次アミノ酸配列に非常にわずかなばらつきしか許容しないという事実と一致している[47]。したがって、種間の分子配列変動は、非常に保存されており、ウシコラーゲンはヒトでの使用に好適である。
コラーゲン含有創傷包帯は、固体コラーゲンゲルとして創傷床に統合され得る。このゲルは、創傷治癒中に分泌される流体中に存在するタンパク質分解酵素によって部分的に消費され得る。したがって、創傷のケアをするときに、新しいコラーゲン包帯を残っているコラーゲン包帯の上に配置することができる。それ故に、コラーゲンは創傷に「供給」され、徐々に入れ替わり、ヒト真皮に置き換えられる。
医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、及びそれらに使用するための材料などの生体材料中の生体活性コラーゲンVIペプチドなどの、改善された創傷治癒及び抗菌活性を達成することができる改善された生体活性ペプチドの開発が依然として必要である。
ここで、本発明者らは、コラーゲンVIのアルファ-3鎖由来の2つの生体活性ペプチドの組み合わせが、個々のペプチド単独と比較して、たとえ同等の用量であっても、創傷治癒及び抗菌活性を大幅に向上させることを初めて示した。「同等の用量」とは、個々に試験したペプチドが、2つの合わせたペプチドと同じ用量であったことを意味し、例えば、ペプチドを3μMの濃度で単独で試験したが、各々1.5μMの濃度で2つのペプチドとして合わせ、合計3μMのペプチドを投与した。この効果は、汎用性、多機能性、かつ適切な細胞外環境を提供する顕著な可能性をもたらし、組織の再生及び瘢痕のリモデリングを促進しながら、感染及び炎症の発症を積極的に対比させ、したがって、生体適合性の所望の向上をもたらすことができる。
更に、Punjataewakupt et al.,2019に記載されているように、多くの既知の消毒剤は、細胞毒性効果及びそれらに発展する細菌耐性に苦しんでいる。対照的に、本発明のペプチドは、限られた/低減した細胞毒性を示し、合成抗生剤よりも多剤耐性の発達の低度が固有に低い。一実施形態において、本明細書に記載のペプチドは、細胞毒性を示さない。興味深いことに、2つの生体活性ペプチドの組み合わせは、非感染及び感染創傷治癒のシナリオにおいて著しく改善される。これは、ペプチドの組み合わせの改善された創傷治癒及び抗菌活性が、基礎となる感染症の低減又は予防に依存しないことを示す。
本発明の第1の態様は、コラーゲンVI型に由来するポリペプチドの組み合わせを含む組成物を提供する。例えば、組成物は、コラーゲンVI型に由来する少なくとも2つのポリペプチドを含み得る。
一実施形態において、組成物は、
(a)創傷治癒を促進することができる一次活性を有する、コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、若しくはそれからなる、コラーゲンVI型ポリペプチド(すなわち、第1のポリペプチド)と、
(b)抗菌効果を発揮することができる一次活性を有する、コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、若しくはそれからなる、コラーゲンVI型ポリペプチド(すなわち、第2のポリペプチド)と、を含む。
したがって、一実施形態において、組成物は、
(a)コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、若しくはそれからなる、コラーゲンVI型ポリペプチド(すなわち、第1のポリペプチド)(第1のポリペプチドは、創傷治癒を促進することができる)と、
(b)コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、若しくはそれからなる、コラーゲンVI型ポリペプチド(すなわち、第2のポリペプチド)(第2のポリペプチドは、抗菌効果を発揮することができる)と、を含む。
したがって、一実施形態において、組成物は、創傷治癒を促進することができ、また抗菌効果を発揮することができるという二重の効果を有する。
当業者は、そのような効果が相乗的であり得ること、すなわち、ポリペプチドの組み合わせの効果が、2つのポリペプチドを組み合わせることの付加的効果よりも大きい場合があることを理解するであろう。
当業者は、コラーゲンVI型が、ヒト又は非ヒト供給源由来のものであり得ることを理解するであろう。例えば、コラーゲンVI型は、類人猿(例えば、チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、テナガザル及びオランウータン)、サル(例えば、マカク、ヒヒ及びコロブス)、げっ歯類(例えば、マウス、ラット)又は有蹄類(例えば、ブタ、ウマ及びウシ)などの非ヒト哺乳動物に(直接的又は間接的に)由来し得る。コラーゲンVIはまた、鳥類、例えば、ニワトリ(Gallus gallus)に由来し得る。
したがって、「コラーゲンVI型」(また「コラーゲンVI」)としては、天然に存在するヒトコラーゲンVI型、コラーゲンVI型単量体、二量体及び四量体、コラーゲンVI型微小原線維、並びにウシコラーゲンVI型などのそれらの相同体が挙げられる。また、ヒトコラーゲンVI及び/又はその一部の組換え発現を含み、発現された分子は、ヒト及び/又は非ヒト遺伝子配列から生成され得る。そのような発現は、細菌及び/又はヒト及び/又は非ヒト細胞発現系(例えば、酵母発現系)を利用することができる。また、合成細胞発現系も含まれる。また、コラーゲンVI及び/又はその一部からのタンパク質配列の合成化学合成も含まれる。
コラーゲンVI型は、典型的には、3つのコラーゲンVIペプチド鎖(α1(VI)、α2(VI)及びα3(VI))の各々で構成される。場合によっては、α3(VI)鎖は、α4(VI)、α5(VI)又はα6(VI)鎖に置換されてもよい。
異なるコラーゲンVIアルファ鎖の配列は、UniProt(https://www.uniprot.org/)などで公的に入手可能である。各α鎖のUniProt ID及びUniProtの個々のページの詳細は、次のとおりである。
アルファ-1:https://www.uniprot.org/uniprot/P12109
アルファ-2:https://www.uniprot.org/uniprot/P12110
アルファ-3:https://www.uniprot.org/uniprot/P12111
アルファ-4:https://www.uniprot.org/uniprot/A2AX52
アルファ-5:https://www.uniprot.org/uniprot/A8TX70
アルファ-6:https://www.uniprot.org/uniprot/A6NMZ7
したがって、ある特定の実施形態において、本発明の組成物のコラーゲンVIは、α1(VI)、α2(VI)、α3(VI)、α4(VI)、α5(VI)及びα6(VI)からなる群から選択される任意の3つのアミノ酸鎖を含むか、又はそれらからなる。一実施形態において、コラーゲンVIは、α1(VI)鎖、α2(VI)鎖及び/又はα3(VI)鎖を含むか、又はそれらからなる。
一実施形態において、第1の態様の組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα1、α2及び/若しくはα3鎖であるか、又はそれらに由来する。
一実施形態において、第1の態様の組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI α3(VI)鎖であるか、又はそれに由来する。
別の実施形態において、コラーゲンVIは、1つのα1(VI)鎖、1つのα2(VI)鎖を含んでもよく、α3、α4、α5又はα6鎖のいずれかである第3の鎖を更に含む。
ある特定の実施形態において、コラーゲンVIは、ヒトコラーゲンVIであるか、又はそれに由来するペプチドである。代替実施形態において、コラーゲンVIは、ウシコラーゲンVIであるか、又はそれに由来するペプチドである。
一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、若しくはそれらからなり、かつコラーゲンVI α3鎖に由来し、任意選択で、ポリペプチドは、異なるアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる。ポリペプチドのアミノ酸配列は、重複又は非重複であり得る。
「ポリペプチドのうちの少なくとも1つ」とは、第1のポリペプチド、又は第2のポリペプチド、又は第1及び第2のポリペプチドの両方を意味する。
一実施形態において、コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、バリアント若しくは誘導体の融合体を含むか、若しくはそれらからなる、ポリペプチドは、α1(VI)、α2(VI)及びα3(VI)からなる群から選択される1つ以上のポリペプチドを含むか、又はそれらからなる。
一実施形態において、組成物は、コラーゲンVI、コラーゲンVI α1鎖、コラーゲンVI α2鎖、コラーゲンVI α3鎖、GVR28、FYL25、FFL25、VTT30、及びSFV33からなる群から選択される1つ以上のポリペプチドを含む。
「ポリペプチド」は、2つ以上のサブユニットアミノ酸、アミノ酸類似体、又は他のペプチド模倣体の化合物を指すために、その最も広い意味で本明細書で使用される。したがって、「ポリペプチド」という用語は、短いペプチド配列、並びにより長いポリペプチド及びタンパク質を含む。本明細書で使用する場合、「アミノ酸」という用語は、D又はL光学異性体、並びにアミノ酸類似体及びペプチド模倣体の両方を含む、天然及び/又は非天然若しくは合成アミノ酸のいずれかを指す。
コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖に「由来する」アミノ酸配列とは、天然に存在するコラーゲンVI型タンパク質及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖のアミノ酸配列内に見出されるアミノ酸配列を含む。特に、天然に存在するコラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖の配列から少なくとも5つの連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列を含む。例えば、一実施形態において、アミノ酸配列は、コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖からの少なくとも5つの連続したアミノ酸、例えば、コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖からの少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50又はそれ以上の連続したアミノ酸を含有し得る。したがって、コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖に由来するアミノ酸配列は、コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖の断片に対応する。したがって、一実施形態において、コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖に由来するアミノ酸配列は、コラーゲンVI型の全長配列及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖の全長配列ではない。代替的に、又は追加的に、アミノ酸配列は、コラーゲンVI型及び/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/又はα3鎖の全長からの連続したアミノ酸の配列を含有しない場合がある。例えば、アミノ酸配列は、コラーゲンVI型並びに/又はコラーゲンVI型のα1、α2及び/若しくはα3鎖からの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50又はそれ以上の連続したアミノ酸を含有しない場合がある。
当業者には、第1のコラーゲンVI型ポリペプチド及び第2のコラーゲンVI型ポリペプチドが、異なるポリペプチドであること、すなわち、創傷治癒を促進する第1のコラーゲンVI型ポリペプチドは、抗菌効果を発揮する第2のVI型ポリペプチドとは異なるポリペプチドであることは明らかであろう。「異なるポリペプチド」とは、異なるアミノ酸配列及び/又は異なる長さの配列を有する、すなわち、ペプチドが同一の配列を有しないという意味を含む。
一実施形態において、組成物のコラーゲンVI型ポリペプチド(又はコラーゲンVIのその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体)のうちの少なくとも1つは、抗菌効果を発揮することができる。したがって、一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、微生物を殺傷するか、又はその成長を減衰させることができる。
コラーゲンVI、並びにGVR28、FYL25、FFL25、VTT30、及びSFV33などのコラーゲンVIに由来するアミノ酸配列を含むポリペプチドの抗菌特性は、WO2017/125585に記載されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
「微生物を殺傷するか、又はその成長を減衰させることができる」とは、抗菌活性を有するコラーゲンVI及びポリペプチドを含む。抗菌活性は、全体又は部分的であってもよく、用量依存的であってもよい。これは、例えば、放射状拡散アッセイによって実証され得る。
本発明のポリペプチドが有効である微生物は、細菌、マイコプラズマ、酵母、真菌及びウイルスからなる群から選択され得る。したがって、一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、抗菌効果を発揮することができる。
一実施形態において、第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、微生物の膜に結合することができる。別の実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、負に荷電した表面、例えば細菌膜に対して親和性を有し得る。この親和性は、例えば、ヘパリンに対する親和性によって試験することができ、ヘパリンに対するより高い親和性は、負に荷電した表面に対するより高い親和性を示す。
有利には、ポリペプチドのうちの少なくとも1つの親和性又は結合能力は、LL-37のそれに匹敵するか、又はそれを超える。したがって、一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37(すなわち、LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES、配列番号24)以上の抗菌効果を示すことができる。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37よりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%。30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくは100%、又はこれらの特定のパーセンテージの間(例えば、5~100%、10~20%、20~60%など)で選択された範囲の優れた抗菌効果を示すことができる。好ましい実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37よりも少なくとも10%優れた抗菌効果を示すことができる。一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37の抗菌効果よりも10~20%優れた範囲内の抗菌効果を示すことができる。
したがって、一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37(すなわち、LLGDFFRKSKEKIGKEFKRIVQRIKDFLRNLVPRTES、配列番号24)以上の創傷治癒効果を示すことができる。いくつかの実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37よりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%。30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%若しくは100%、又はこれらの特定のパーセンテージの間(例えば、5~100%、10~20%、20~60%など)で選択された範囲の優れた創傷治癒効果を示すことができる。好ましい実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37よりも少なくとも15%優れた創傷治癒効果を示すことができる。一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、LL-37の創傷治癒効果よりも15~25%の範囲の優れた抗菌効果を示すことができる。
一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、微生物に対して構造変化を引き起こすことができ、例えば、細胞質成分の膜摂動、小疱形成又は滲出を含む。
したがって、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、微生物の膜の破壊を引き起こすことが可能であり得る。これは、例えば、電子顕微鏡法又は蛍光顕微鏡法などの顕微鏡研究によって定量化され、微生物による蛍光分子の取り込みを研究することができる。
更なる実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、創傷閉鎖及び/又は創傷治癒を促進することが可能であり得る。
「創傷閉鎖を促進する」及び/又は「創傷治癒」とは、例えば治癒を加速させることによって、創傷の治癒プロセスを支援することを含む。例えば、創傷ケア製品は、創傷上皮及び/又は創傷間質の上皮再生及び/又は治癒を増強することができる場合がある。一実施形態において、創傷ケア製品は、非溶解機序を介して上皮及び/又は間質細胞の増殖を増強することができる場合がある。創傷閉鎖能力は、例えば、マウス又はブタモデルにおける細胞スクラッチ実験及びインビボ実験によって定量化され得る。「上皮再生を増強する」とは、表皮再生の増強、又は言い換えれば、表皮の再生の増強を含む。「創傷上皮の治癒を増強する」とは、表皮治癒の増強、又は言い換えれば、表皮(例えば、創傷した表皮)の治癒の増強を含む。「創傷間質の治癒を増強する」とは、皮膚治癒の増強、又は言い換えれば、真皮(例えば、創傷した真皮)の治癒の増強を含む。
したがって、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、創傷閉鎖/治癒を促進することによって、及び/又は創傷の感染症を予防することによって、創傷ケアにおける役割を有し得る。
更なる実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、抗菌活性を有し得、ポリペプチドのうちの少なくとも1つ(同じ又は異なるポリペプチドのいずれか)は、創傷治癒を促進し得る。例えば、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、抗菌活性を有し得るが、単独で創傷治癒を促進するものではない。代替的に、又は追加的に、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、創傷治癒を促進し得るが、単独では抗菌活性を有しない。したがって、ポリペプチドの特性は、組成物中のポリペプチドに対して相互に排他的であり得る。ポリペプチドが両方の活性を有することができる場合、該ポリペプチドの活性のうちの1つは、その一次活性とみなされてもよく、他の特性は、その二次活性とみなされてもよい。例えば、ポリペプチドのうちの少なくとも1つの一次活性は、抗菌活性であり得、第2の活性は、創傷治癒の促進であり得る。代替的に、ポリペプチドは、一次活性のみを有するとみなされ得る。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチドは、創傷治癒及び抗菌特性(例えば、GVR28)を有し、第2のポリペプチドは、創傷治癒特性を有さず、抗菌特性(例えば、SFV33)を有し、任意選択で、第2のポリペプチドは、第1のポリペプチドよりも優れた抗菌特性を有する。
第1の態様の組成物によって治療される創傷は、体外(すなわち、皮膚及び下層組織の表面創傷)及び/又は体内(例えば、臓器移植又は組織/臓器の一部の除去、例えば、以下の結腸手術による内傷など)であり得る。
当業者は、第1の態様の組成物が、グラム陽性及び/又はグラム陰性細菌に対して抗菌効果を発揮し得ることを理解するであろう。例えば、微生物は、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、A群連鎖球菌(例えば、Streptococcus pyogenes)、B群連鎖球菌、例えば、Streptococcus agalactiae)、C群連鎖球菌(例えば、Streptococcus dysgalactiae)、D群連鎖球菌(例えば、Entero-coccus faecalis)、F群連鎖球菌(例えば、Streptococcus anginosus)、G群連鎖球菌(例えば、Streptococcus dysgalactiae equisimilis)、アルファ-溶血性連鎖球菌(例えば、Streptococcus viridans、Streptococcus pneumoniae)、Streptococcus bovis、Streptococcus mitis、Streptococcus anginosus、Streptococcus sanguinis、Streptococcus suis、Streptococcus mutans、Moraxella catarrhalis、無莢膜型Haemophilus influenzae(NTHi)、Haemophilus influenzae b(Hib)、Actinomyces naeslundii、Fusobacterium nucleatum、Prevotella intermedia、Klebsiella pneumoniae、Enterococcus cloacae、Enterococcus faecalis、Staphylococcus epidermidis、多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)、多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、多剤耐性Escherichia coli(MREC)、多剤耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)、多剤耐性Klebsiella pneumoniae(MRKP)、多剤耐性Entercoccus faecium(MREF)、多剤耐性Acinetobacter baumannii(MRAB)及び多剤耐性Enterobacter spp.(MRE)からなる群から選択される細菌であり得る。
一実施形態において、微生物は、1つ以上の従来の抗生剤に耐性のある細菌である。
「従来の抗生剤」とは、微生物を殺傷する、及び/又はその成長を減衰させることができる既知の薬剤、例えば、天然及び合成ペニシリン及びセファロスポリン、スルホンアミド、エリスロマイシン、カノマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、リファンピシン、及びゲンタマイシン、アンピシリン、ベンジペニシリン、ベネタミンペニシリン、ベンザチンペニシリン、フェネチシリン、フェノキシ-メチルペニシリン、プロカインペニシリン、クロキサシリン、フルクロキサシリン、メチシリンナトリウム、アモキシシリン、塩酸バカンピシリン、シクラシリン、メズロシリン、ピバンピシリン、塩酸タランピシリン、カルフェシリンナトリウム、ピペラシリン、チカルシリン、メシリナム、ピルメシリナン、セファクロル、セファドロキシル、セフォタキシム、セフォキシチン、セフスロジンナトリウム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフロキシム、セファレキシン、セファロチン、セファマンドール、セファゾリン、セフラジン、ラタモキセフ二ナトリウム、アズトレオナム、塩酸クロルテトラサイクリン、クロモサイクリンナトリウム、塩酸デメクロシジン、ドキシサイクリン、リメサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、アミカシン、硫酸フラミセチン、硫酸ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、コリスチン、フシジン酸ナトリウム、ポリミキシンB硫酸塩、スペクチノマイシン、バンコマイシン、硫酸カルシウム、スルファメトピラジン、スルファジアジン、スルファジミジン、スルファグアニジン、硫黄尿素、カプレオマイシン、メトロニダゾール、チニダゾール、シノキサシン、シプロフロキサシン、ニトロフラントイン、ヘキサミン、ストレプトマイシン、カルベニシリン、コリスチメタート、ポリミキシンB、フラゾリドン、ナリジキシン酸、トリメトプリム-スルファメトキサゾール、クリンダマイシン、リンコマイシン、シクロセリン、イソニアジド、エタンブトール、エチオナミド、ピラジンアミド等を含む;抗真菌剤、例えばミコナゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、アムホテリシン、フルシトシン、グリセオフルビン、ナタマイシン、ナイスタチン等;並びに抗ウイルス剤、例えばアシクロビル、AZT、ddI、塩酸アマンタジン、イノシンプラノベックス、ビダラビン等を含む。
したがって、一実施形態において、微生物は、多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)(メチシリン耐性Staphylococcus aureus)、多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)、多剤耐性Escherichia coli(MREC)、多剤耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)及び多剤耐性Klebsiella pneumoniae(MRKP)からなる群から選択される。
有利には、本発明の第1の態様による組成物は、微生物剤に対して選択的毒性を示す。「選択的」とは、組成物のポリペプチドが、哺乳類(例えばヒト)宿主細胞と比較して、1つ以上の微生物(細菌、マイコプラズマ、酵母、真菌及び/又はウイルスなど)に対して優先的に毒性であることを意味する。例えば、組成物のポリペプチドの標的微生物に対する毒性は、その組成物の哺乳類細胞に対する毒性の少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍又は少なくとも20倍である。
好都合には、第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、哺乳類、例えばヒトの細胞に対して実質的に無毒性である。いくつかの実施形態において、抗菌効果は、グラム陽性及び/又はグラム陰性細菌に特異的であり、他の生物(例えば、マイコプラズマ、酵母、真菌及び/又はウイルス)に対して非活性である。
例えば、第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、細菌などの微生物を殺傷するために使用され得る濃度で赤血球又は単球に対して細胞毒性を示さない場合がある。一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、最大30μMの濃度で、又は代替的に、最大50μMの濃度で細胞毒性を示さない。
このようにして、化合物を微生物感染症を治療するために使用する場合、例えば、微生物細胞が健康な宿主組織への損傷を最小限に抑えて破壊されるように、投与レジメンを選択することができる。したがって、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、「治療濃度域」を示し得る。
一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、抗内毒性効果を発揮することができる。
「抗内毒性効果」とは、内毒素によって誘導される効果に対抗するポリペプチドを含む。例えば、一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、少なくとも一部、亜硝酸塩のLPS誘導を抑制することができる。
一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、VWAドメイン、例えば球状VWAドメインに由来するか、又はそれに対するアミノ酸配列相同性を示す。したがって、組成物のポリペプチドは、VWAドメインの少なくとも5つ(例えば、少なくとも10、15、20若しくはそれ以上)の連続したアミノ酸に対応するアミノ酸配列、又は配列などと少なくとも70%(例えば、少なくとも80%、90%若しくは95%)の同一性を有するアミノ酸配列を含み得るか、又はそれからなり得る。
更なる実施形態において、組成物のポリペプチドは、無傷のVWAドメインを含み得るか、又はそれからなり得る。
「VWAドメイン」とは、フォン・ヴィレブランド因子のA型ドメイン、及びフォン・ヴィレブランド因子のA型ドメインに対する相同性を示すドメイン、並びにVWAドメイン含有領域を含む。
一実施形態において、組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα3鎖に由来する。したがって、組成物のポリペプチドは、α3N又はα3C領域に由来することができる。例えば、組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα3鎖のN2、N3若しくはC1ドメインであり得るか、又はそれに由来し得る。
代替実施形態において、組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα4鎖に由来する。
別の代替実施形態において、組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα5鎖に由来する。
更なる代替実施形態において、組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα6鎖に由来する。
なお更なる代替実施形態において、組成物のポリペプチドは、コラーゲンVI型のα2鎖、例えば、α2N領域に由来する。
当業者は、第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つが、その表面にカチオン性残基、又はその中にカチオン性配列モチーフを有し得ることを理解するであろう。
したがって、一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、正味正電荷を有する。例えば、ポリペプチドは、+2~+9の範囲の電荷を有し得る。
更なる実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、少なくとも30%の疎水性残基を有する。
なお更なる実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、両親媒性構造を有してもよい。
本発明の第1の態様の組成物の例示的なコラーゲンVIポリペプチドは、配列番号1~23のうちのいずれか1つのアミノ酸配列(以下の表1に示される)、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、バリアント若しくは誘導体の融合体を含むか、又はそれからなり、これは、配列番号1~23のうちのいずれか1つの抗菌活性を保持する。配列番号1~23の各々は、組成物中で、配列番号1~23のうちのいずれか1つ以上と組み合わされてもよい。例えば、組成物は、配列番号1のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるポリペプチドと、配列番号2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22及び/若しくは23のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるポリペプチドから形成され得る。あるいは、組成物は、配列番号5のアミノ酸を含むか、又はそれからなるポリペプチドと、配列番号1、2、3、4、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22及び/若しくは23のアミノ酸配列を含むか、又はそれからなるポリペプチドから形成され得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号6ではない。
以下の表1は、本発明の組成物の様々なポリペプチドを示す。これらの創傷治癒データは、配列番号1~6について入手可能であり、GVR28、FYL25、FFL25及びVTT30(配列番号1~4)は、創傷治癒特性を有する。創傷治癒データは、配列番号7~23については入手可能でない。配列番号1~5及び7~23は、全て抗菌活性を有する。したがって、配列番号1~4(GVR28、FYL25、FFL25及びVTT30)は、二重の活性を有し、すなわち、それらは、創傷治癒効果を発揮し、かつ抗菌効果を発揮することの両方が可能である。
Figure 2023545585000001
いくつかの実施形態において、抗菌特性を有するポリペプチドは、GVR28、SFV33、FYL25、FFL25、VTT30、KPE20、GFA20、AAA76、YDR20、EQN20、VVH20、LRL20、FTK20、RDA20及びTKR20からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、抗菌特性を有するポリペプチドは、AAK20、KGF20、QAP20、RKV20、TSS36、TTK20、VAA20又はDVN32ではない。
いくつかの実施形態において、創傷治癒特性を有するポリペプチドは、GVR28、SFV33、FYL25及びFFL25からなる群から選択される。
例えば、本発明の組成物のポリペプチドは、配列番号1~5からなる群から選択されるアミノ酸配列、
Figure 2023545585000002

又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該その断片、バリアント若しくは誘導体の融合体を含み得るか、又はそれからなり得、これは、配列番号1~5のうちのいずれか1つの抗菌活性を保持するか、又は配列番号1~4のうちのいずれか1つの創傷治癒促進活性を保持する。
したがって、一実施形態において、本発明の組成物は、ポリペプチドであって、配列番号1 によるアミノ酸配列(すなわち、GVR28)、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、並びに該その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれからなる、ポリペプチドを含み、これは、配列番号1の創傷治癒活性を保持する。
一実施形態において、本発明の組成物は、ポリペプチドであって、配列番号5によるアミノ酸配列(すなわち、SFV33)、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、並びに該その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれらからなる、ポリペプチドを含み、これは、配列番号5の抗菌活性を保持する。
特に好ましい実施形態において、本発明の組成物は、配列番号1のアミノ酸配列(GVR28)を含むか、若しくはそれからなるポリペプチド(すなわち、第1のポリペプチド)、及び配列番号5のアミノ酸配列(SFV33)を含むか、若しくはそれからなるポリペプチド(すなわち、第2のポリペプチド)、又はそれらの断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は該それらの断片、バリアント若しくは誘導体の融合体を含み、これらはそれぞれ、配列番号1又は5のうちのいずれか1つの抗菌活性を保持する。
そのような組成物において、GVR28(配列番号1)の主な作用は、創傷治癒を促進することであり、SFV33(配列番号5)の主な作用は、抗菌効果を提供/発揮することである。
したがって、一実施形態において、本発明の組成物は、
(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなる第1のポリペプチド、及び
(b)配列番号5のアミノ酸配列を含むか、若しくはそれからなる第2のポリペプチドを含むか、又はそれらからなる。
そのようなペプチドはまた、二次効果を有し得る。例えば、GVR28は、創傷治癒を促進する一次作用を有するが、GVR28はまた、ペプチドが抗菌効果を発揮することも可能である二次活性を有し得る。
本発明の組成物は、配列番号1~23による2つ以上のポリペプチドを、等用量で、例えば1:1の比で含み得るか、又はそれらからなり得る。あるいは、組成物中の各ポリペプチドは、異なる用量、例えば、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1であり得る。いくつかの実施形態において、組成物は、2つのポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、GVR28(配列番号1)であり、第2のポリペプチドは、SFV33(配列番号5)であり、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1又は1:1の比(GVR28:SFV33又はSFV33:GVR28のいずれか)である。いくつかの実施形態において、組成物は、2つのポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、GVR28であり、第2のポリペプチドは、SFV28であり、それぞれ1:0.9の比である。いくつかの実施形態において、組成物は、2つのポリペプチドを含み、第1のポリペプチドは、GVR28であり、第2のポリペプチドは、SFV28であり、1:1の比である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、配列番号6ではない。
本発明の例示的な組成物は、対照治療と比較して、例えば、本発明のポリペプチドが存在しない担体のみの対照と比較して、改善された創傷治癒を有する。例えば、組成物のポリペプチドの創傷治癒は、担体のみの対照の創傷治癒よりも少なくとも2倍優れていることがあり、より好ましくは少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍又は少なくとも20倍改善され得る。
当業者は、「アミノ酸」という用語が、本明細書で使用する場合、(天然の「L」形態と比較して)「D」形態の標準的な20個の遺伝子コードされたアミノ酸及びそれらの対応する立体異性体、オメガ-アミノ酸他の天然に存在するアミノ酸、非従来型アミノ酸(例えば、α,α-二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸等)、及び化学的に誘導体化されたアミノ酸(以下を参照)を含むことを理解するであろう。
「アラニン」又は「Ala」又は「A」などのアミノ酸が具体的に列挙されている場合、別段明記されていない限り、この用語は、L-アラニン及びD-アラニンの両方を指す。所望の機能的特性がポリペプチドによって保持される限り、他の非従来型アミノ酸もまた、本発明のポリペプチドに好適な成分であり得る。示されるペプチドについて、適切な場合、各コードされたアミノ酸残基は、従来型アミノ酸の慣用名に対応する単一の文字指定によって表される。
一実施形態において、第1の態様の組成物のコラーゲンVI型に由来するポリペプチドのうちの少なくとも1つは、L-アミノ酸を含むか、又はそれからなる。
ポリペプチドのうちの少なくとも1つが参照配列(例えば、配列番号1~23)によるアミノ酸配列を含む場合、ポリペプチドは、参照配列のアミノ酸を超えて、そのN末端及び/又はC末端に追加のアミノ酸を含んでもよく、例えば、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、そのN末端に追加のアミノ酸を含んでもよい。同様に、ポリペプチドのうちの少なくとも1つが、参照配列によるアミノ酸配列の断片、バリアント又は誘導体を含む場合、ポリペプチドは、そのN末端及び/又はC末端に追加のアミノ酸を含んでもよい。
加えて、組成物がコラーゲンVI型を含む場合、コラーゲンVI型α鎖のうちの1つ以上は、そのN末端及び/又はC末端に追加のアミノ酸を含み得、例えば、ポリペプチドは、そのN末端に追加のアミノ酸を含み得る。
一実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、参照配列によるアミノ酸配列の断片(例えば、配列番号1~23のうちのいずれか1つの断片)を含むか、又はそれからなる。したがって、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、参照配列の少なくとも5個の連続したアミノ酸、例えば、配列番号1~23のうちのいずれか1つの少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74又は75個の連続したアミノ酸を含み得るか、又はそれらからなり得る。いくつかの実施形態において、ポリペプチドの断片は、配列番号6の断片ではない。
当業者は、第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つが、参照配列(例えば、配列番号1~23のいずれか1つのバリアント)によるアミノ酸配列のバリアント、又は該バリアントの断片を含み得るか、又はそれからなり得ることを更に理解するであろう。そのようなバリアントは、天然に存在しない場合がある。いくつかの実施形態において、バリアントは、配列番号6のバリアントではない。
ポリペプチドの「バリアント」とは、保存的又は非保存的のいずれかの挿入、欠失及び置換を含む。例えば、保存的置換は、同じ一般クラス内のアミノ酸(例えば、酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、非極性アミノ酸、極性アミノ酸又は芳香族アミノ酸)を、同じクラス内の別のアミノ酸によって置換することを指す。したがって、保存的アミノ酸置換及び非保存的アミノ酸置換の意味は、当該技術分野において周知である。特に、抗菌活性を示す、及び/又は創傷治癒を促進するポリペプチドのバリアントを含む。例えば、創傷治癒(及び/又は抗菌活性)を促進する主要な機能を有するポリペプチドのバリアントは、創傷治癒(及び/又は抗菌活性)を促進する主要な機能を保持するバリアントであり得る。ポリペプチドのバリアントは、そのバリアントが由来するポリペプチドと比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の活性を含み得る。あるいは、バリアントは、そのバリアントが由来するポリペプチドと比較して増加した活性を有し得る。
一実施形態において、バリアントは、参照配列(例えば、配列番号1~23)又はその断片によるアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性、例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する。
組成物中のポリペプチドのうちのいずれか1つ以上は、バリアントであり得る。例えば、第1のポリペプチドは、配列番号1~23による配列に対応してもよく、第2又はそれ以降のポリペプチドは、配列番号1~23による配列のバリアントに対応してもよい。いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2のポリペプチドは、配列番号6又はそのバリアントではない。
2つのポリペプチド間のパーセント配列同一性は、好適なコンピュータープログラム、例えば、ウィスコンシン大学Genetic Computing GroupのGAPプログラムを使用して決定することができ、パーセント同一性は、配列が最適に整列されているポリペプチドに関連して計算されることが理解されるであろう。
あるいは、アラインメントは、Clustal Wプログラムを使用して実行され得る(参照により本明細書に組み込まれる、Thompson et al.,1994,Nuc.Acid Res.22:4673-4680に記載のとおり)。
使用されるパラメータは、次のとおりであってもよい。
高速ペアライズアラインメントパラメータ:K-tuple(単語)サイズ;1、ウィンドウサイズ;5、ギャップペナルティ;3、上の対角線の数;5。スコアリング方法:xパーセント。
複数のアラインメントパラメータ:ギャップオープンペナルティ;10、ギャップエクステンションペナルティ;0.05。
スコアリングマトリックス:BLOSUM。
あるいは、BESTFITプログラムを使用して、局所配列アラインメントを決定することができる。
例えば、一実施形態において、上記参照配列からのアミノ酸は、例えば、I、F~W修飾によって、ポリペプチドのタンパク質分解を低減するために変異され得る(参照により本明細書に組み込まれる、Stromstedt et al,Antimicrobial Agents Chemother 2009,53,593を参照)。
バリアントは、組換えポリヌクレオチドを使用して、当該技術分野において周知のタンパク質工学及び部位特異的変異誘発の方法を使用して作製され得る(実施例を参照、参照により本明細書に組み込まれる、Molecular Cloning:a Laboratory Manual,3rd edition,Sambrook&Russell,2000,Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照)。
更なる実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、上記のアミノ酸配列(例えば、配列番号1~23)のうちのいずれか1つの種相同体であるアミノ酸を含むか、又はそれからなる。「種相同体」とは、ポリペプチドが、非ヒト種由来の等価タンパク質内の同じアミノ酸配列に対応することを含み、すなわち、このポリペプチドは、配列番号1~23のうちのいずれか1つとの最大配列同一性を示すポリペプチドを含む(例えば、GAP又はBLAST配列比較によって測定される)。典型的には、種相同体ポリペプチドは、ヒト参照配列(すなわち、配列番号1~23)と同じ長さである。
なお更なる実施形態において、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、融合タンパク質を含むか、又はそれからなる。
ポリペプチドの「融合体」とは、任意の他のポリペプチドに融合された参照配列(例えば、配列番号1~23のうちのいずれか1つ、又はその断片若しくはバリアント)に対応するアミノ酸配列を含む。例えば、該コラーゲンVI又はポリペプチドは、該ポリペプチドの精製を容易にするために、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)又はタンパク質Aなどのポリペプチドに融合されてもよい。そのような融合体の例は、当業者に周知である。同様に、該コラーゲンVI又はポリペプチドは、His6などのオリゴヒスチジンタグ、又は周知のMycタグエピトープなどの抗体によって認識されるエピトープに融合され得る。加えて、疎水性オリゴペプチドエンドタグを含む融合体が使用され得る。該コラーゲンVI又はポリペプチドの任意のバリアント又は誘導体への融合体もまた、本発明の範囲に含まれる。追加的に、本発明の第1のポリペプチドは、本発明の第2のポリペプチドに融合されてもよく、任意選択で、リンカーは、各ポリペプチド間で融合される。したがって、例えば、配列番号1を含むか、又はそれからなるポリペプチド(又はそのバリアント、断片若しくは誘導体)は、配列番号5を含むか、又はそれからなるポリペプチド(又はそのバリアント、断片若しくは誘導体)に融合されてもよく、あるいはその逆であってもよく、任意選択で、リンカーは、2つのポリペプチドの間に存在する。抗菌活性及び/又は創傷治癒の促進などの所望の特性を保持する融合体(又はそのバリアント若しくは誘導体)が好ましいことが理解されるであろう。
融合体はまた、配列番号1~23のうちのいずれか1つ以上による任意の他の1つ以上のポリペプチドに融合された、配列番号1~23のうちのいずれか1つによるポリペプチドを含んでもよく、任意選択で、ポリペプチドは、リンカーを介して融合される。いくつかの実施形態において、融合体は、複数のポリペプチドであってもよいが、コラーゲンVIの完全なα3鎖をもたらさない。例えば、配列番号1~23のうちのいずれか1つ以上の融合ポリペプチドは、コラーゲンVIの完全α3鎖のアミノ酸長よりも短いアミノ酸長であり得る。例えば、融合ポリペプチドのアミノ酸配列は、コラーゲンVI型のα3鎖からの少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、40、50又はそれ以上の連続したアミノ酸を含有しなくてもよい。
融合体は、本発明の組成物の該ポリペプチドのうちの少なくとも1つに望ましい特徴を付与する更なる部分を含み得、例えば、この部分は、ポリペプチドのうちの少なくとも1つの検出若しくは単離、又はポリペプチドのうちの少なくとも1つの細胞取り込みを促進するのに有用であり得る。この部分は、当業者に周知のように、例えば、ビオチン部分、ストレプトアビジン部分、放射性部分、蛍光部分、例えば、小蛍光団又は緑色蛍光タンパク質(GFP)蛍光団であり得る。この部分は、当業者に既知のように、免疫原性タグ、例えば、Mycタグであり得るか、又は当業者に既知のように、ポリペプチドの細胞取り込みを促進することができる親油性分子又はポリペプチドドメインであり得る。
当業者は、組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つが、例えば、PEG化、アミド化、エステル化、アシル化、アセチル化及び/又はアルキル化によって修飾又は誘導体化される1つ以上のアミノ酸を含み得ることを理解するであろう。この部分は、以下からなる群から選択されるタグであってもよい:FLAGタグ、Hisタグ、GSTタグ、MBPタグ、Trxタグ、NusAタグ、SUMOタグ、SETタグ、DsbCタグ、Skpタグ、T7PKタグ、GB1タグ、ZZタグ、Streptag II、HAタグ、Softag 1、Softag 3、T7タグ、Sタグ、及びmCherryタグ。
当該技術分野で理解されるように、PEG化タンパク質は、腎クリアランス及びタンパク質分解の低下、毒性の低減、免疫原性の低減及び溶解性の増加を示し得る[Veronese,F.M.and J.M.Harris,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.453-6.,Chapman,A.P.,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.531-45](参照により本明細書に組み込まれる)。PEG化は、第1のPEG化分子アスパラギナーゼ及びアデノシンデアミナーゼを含むいくつかのタンパク質ベースの薬物に用いられている[Veronese,F.M.and J.M.Harris,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.453-6.,Veronese,F.M.and G.Pasut,Drug Discov Today,2005.10(21):p.1451-8](参照により本明細書に組み込まれる)。
最大限に増加した半減期及び保持された生物学的活性を有する成功したPEG化タンパク質を得るためには、結果に影響を与える可能性のあるいくつかのパラメータが重要であり、考慮されるべきである。PEG分子は異なる場合があり、タンパク質のPEG化に使用されてきたPEGバリアントには、PEG及びモノメトキシ-PEGが含まれる。加えて、それらは、直鎖状又は分枝状のいずれかであり得る[Wang,Y.S.,et al.,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.547-70](参照により本明細書に組み込まれる)。使用されるPEG分子のサイズは変化し得、1~40kDaのサイズ範囲のPEG部分は、タンパク質に連結されている[Wang,Y.S.,et al.,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.547-70.,Sato,H.,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.487-504、Bowen,S.,et al.,Exp Hematol,1999.27(3):p.425-32、Chapman,A.P.,et al.,Nat Biotechnol,1999.17(8):p.780-3](参照により本明細書に組み込まれる)。加えて、タンパク質に付着したPEG部分の数は変化し得、タンパク質に付着している1~6個のPEG単位の例が報告されている[Wang,Y.S.,et al.,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.547-70.、Bowen,S.,et al.,Exp Hematol,1999.27(3):p.425-32](参照により本明細書に組み込まれる)。更に、コンジュゲーションのためのPEGと様々な反応性基との間のリンカーの存在又は非存在が利用されてきた。したがって、PEGは、N末端アミノ基、又は反応性アミノ若しくはヒドロキシル基(Lys、His、Ser、Thr及びTyr)を有するアミノ酸残基に直接、又はγアミノ酪酸をリンカーとして使用することによって連結され得る。加えて、PEGは、カルボキシル(Asp、Glu、C末端)又はスルフヒドリル(Cys)基にカップリングされ得る。最後に、Gln残基は、酵素トランスグルタミナーゼを使用して特異的にPEG化されてもよく、PEGのアルキルアミン誘導体が記載されている[Sato,H.,Adv Drug Deliv Rev,2002.54(4):p.487-504](参照により本明細書に組み込まれる)。
PEG化の程度を増加させると、インビボ半減期が増加することが示されている。しかしながら、当業者は、PEG化プロセスが個々の基準で特定のタンパク質に対して最適化される必要があることを理解するであろう。
PEGは、参照により本明細書に組み込まれる、WO2005/007197に記載されているように、天然に存在するジスルフィド結合でカップリングされ得る。ジスルフィド結合は、タンパク質の三次構造を損なわない化学架橋を付加することによって安定化することができる。これにより、ジスルフィド結合を含む2つの硫黄のコンジュゲーティングチオール選択性を利用して、PEGの部位特異的付着のための架橋を作成することができる。それによって、標的分子への付着のために残基をペプチドに操作する必要性は回避される。
様々な代替ブロックコポリマーはまた、参照により本明細書に組み込まれる、WO2003/059973に記載されるように共有結合されてもよい。治療用ポリマーコンジュゲートは、改善された熱特性、結晶化、接着、膨潤、コーティング、pH依存性コンフォメーション及び生体内分布を示すことができる。更に、それらは、飲作用によるコンジュゲートの細胞取り込み後の二次リソソームのタンパク質分解性及び酸性環境における生体活性の長期循環、放出、並びに大分子の特徴(例えば、生体液中の薬物溶解性の増加)によるより好ましい物理化学的特性を達成することができる。親水性及び疎水性ブロックを含むブロックコポリマーは、溶液中でポリマーミセルを形成する。ミセルが解離すると、個々のブロックコポリマー分子が安全に排泄される。
1つ以上のアミノ酸の化学誘導体は、官能性側基との反応によっても達成され得る。そのような誘導体化分子としては、例えば、遊離アミノ基が誘導体化されて、塩酸アミン、p-トルエンスルホニル基、カルボキシベンゾキシ基、t-ブチルオキシカルボニル基、クロロアセチル基又はホルミル基を形成している分子が挙げられる。遊離カルボキシル基は、塩、メチルエステル及びエチルエステル、又は他のタイプのエステル及びヒドラジドを形成するように誘導体化され得る。遊離ヒドロキシル基は、O-アシル又はO-アルキル誘導体を形成するために誘導体化され得る。また化学誘導体として、20個の標準アミノ酸の天然に存在するアミノ酸誘導体を含有するペプチドも含まれる。例えば、4-ヒドロキシプロリンは、プロリンに置き換えられてもよく、5-ヒドロキシリジンは、リジンに置き換えられてもよく、3-メチルヒスチジンは、ヒスチジンに置き換えられてもよく、ホモセリンは、セリンに置き換えられてもよく、オルニチンは、リジンに置き換えられてもよい。誘導体はまた、必要な活性が維持される限り、1つ以上の付加又は欠失を含有するペプチドを含む。他の含まれる修飾は、アミド化、アミノ末端アシル化(例えば、アセチル化又はチオグリコール酸アミド化)、末端カルボキシルアミド化(例えば、アンモニア又はメチルアミンによる)などの末端修飾である。
ペプチド模倣化合物も有用であり得ることは、当業者によって更に理解されるであろう。したがって、「コラーゲンVI型ポリペプチド」とは、抗菌活性を有する、及び/又は創傷治癒を促進することができるペプチド模倣化合物を含む。用語「ペプチド模倣体」は、治療薬としての特定のペプチドのコンフォメーション及び望ましい特徴を模倣する化合物を指す。
例えば、本発明のポリペプチドは、アミノ酸残基がペプチド(-CO-NH-)連結によって接合している分子だけでなく、ペプチド結合が逆転している分子も含む。そのようなretro-inversoペプチド模倣体は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Meziere et al.(1997)J.Immunol.159,3230-3237に記載されるものなどの、当該技術分野で既知の方法を使用して作製され得る。このアプローチは、側鎖の配向ではなく、骨格を含む変化を含む擬似ペプチドを作製することを伴う。CO-NHペプチド結合の代わりにNH-CO結合を含む、retro-inverseペプチドは、タンパク質分解に対してはるかに耐性がある。あるいは、本発明のコラーゲンVI又はポリペプチドは、アミノ酸残基のうちの1つ以上が、従来のアミド連結の代わりに-y(CHNH)-結合によって連結されているペプチド模倣化合物であってもよい。
更なる代替において、ペプチド結合は、アミノ酸残基の炭素原子間の間隔を保持する適切なリンカー部分が使用されることを条件として、完全に分配されてもよく、リンカー部分が、ペプチド結合と実質的に同じ電荷分布及び実質的に同じ平坦性を有することが有利であり得る。
ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、外タンパク質分解消化に対する感受性を低減するのを助けるために、そのN末端領域又はC末端領域で好都合にブロックされ得ることが理解されるであろう。
D-アミノ酸及びN-メチルアミノ酸などの種々の非コード又は修飾アミノ酸もまた、哺乳動物ペプチドを修飾するために使用されてきた。加えて、推定される生体活性コンフォメーションは、環化などの共有結合的修飾によって、又はラクタム若しくは他のタイプの架橋の組み込みによって安定化されてもよく、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Veber et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA75:2636及びThursell et al.,1983,Biochem.Biophys.Res.Comm.111:166を参照されたい。
多くの合成戦略の共通のテーマは、ペプチドベースのフレームワークへのいくつかの環状部分の導入である。環状部分は、ペプチド構造の立体配座空間を制限し、これはしばしば、特定の生物学的受容体に対するペプチドの特異性の増加をもたらす。この戦略の追加の利点は、ペプチドへの環状部分の導入がまた、細胞ペプチダーゼに対する感受性が低下したペプチドをもたらし得ることである。
したがって、第1の態様の組成物の例示的なポリペプチドは、末端システインアミノ酸を含む。そのようなポリペプチドは、末端システインアミノ酸中のメルカプチド基のジスルフィド結合形成によるヘテロデティック環状形態で、又は末端アミノ酸間のアミドペプチド結合形成によるホモデティック形態で存在し得る。上述のように、N末端領域システインとC末端領域システインとの間のジスルフィド又はアミド結合を介して小ペプチドを環化することは、タンパク質分解を減少させ、また構造の剛性を増加させることによって、直鎖ペプチドで時折観察される特異性及び半減期の問題を回避することができ、これにより、より高い特異性化合物が得られ得る。ジスルフィド結合によって環化されたポリペプチドは、依然としてタンパク質分解を受けやすい場合がある遊離アミノ及びカルボキシ末端を有し、一方、ペプチドは、N末端アミンとC末端カルボキシルとの間のアミド結合の形成によって環化され、したがって、遊離アミノ又はカルボキシ末端をもはや含有しない。したがって、本発明の組成物のペプチドは、C-N結合又はジスルフィド結合のいずれかによって連結され得る。
本発明は、ペプチドの環化方法によっていかなる方法でも限定されないが、その環状構造が任意の好適な合成方法によって達成され得るペプチドを包含する。したがって、ヘテロデティック連結は、ジスルフィド、アルキレン又はスルフィド架橋を介した形成を含み得るが、これらに限定されない。ジスルフィド、硫化物及びアルキレン架橋を含む環状ホモデティックペプチド及び環状ヘテロデティックペプチドの合成方法は、参照により本明細書に組み込まれる、US5,643,872に開示されている。環化方法の他の例としては、クリック化学、エポキシド、アルデヒド-アミン反応による環化、並びに参照により本明細書に組み込まれる、US6,008,058に開示される方法が挙げられる。
環状安定化ペプチド模倣化合物の合成への更なるアプローチは、環閉鎖メタセシス(RCM)である。この方法は、ペプチド前駆体を合成し、それをRCM触媒と接触させて、立体構造的に制限されたペプチドを得るステップを伴う。好適なペプチド前駆体は、2つ以上の不飽和C-C結合を含有してもよい。この方法は、固相ペプチド合成技法を使用して実行され得る。この実施形態において、固体支持体に係留された前駆体をRCM触媒と接触させ、次いで、生成物を固体支持体から切断して、立体構造的に制限されたペプチドを得る。
参照により本明細書に組み込まれる、Protease Inhibitors,Barrett and Selveson,eds.,Elsevier(1986)においてD.H.Richにより開示された別のアプローチは、酵素阻害剤設計における遷移状態類似体概念の適用を通じてペプチド模倣体を設計することであった。例えば、スタリン(staline)の二級アルコールは、ペプシン基質の解離しやすいアミド結合の四面体遷移状態を模倣することが知られている。
要約すると、末端修飾は、周知のように、プロテイナーゼ消化によって感受性を低減し、したがって、溶液中、特にプロテアーゼが存在し得る生物流体中のペプチドの半減期を延長するのに有用である。ポリペプチドの環化はまた、環化によって形成される安定な構造のために、及び環状ペプチドについて観察される生物学的活性を鑑みて、有用な修飾である。
したがって、一実施形態において、本発明の第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、直鎖状である。しかしながら、代替実施形態において、ポリペプチドは環状である。
当業者は、本発明の組成物のポリペプチドが、様々な長さであり得ることを理解するであろう。しかしながら、典型的には、ポリペプチドは、10~200アミノ酸長、例えば、10~150、15~100、15~50、20~40、25~35、又は28~33アミノ酸長である。例えば、ポリペプチドは、少なくとも20アミノ酸長であってもよい。ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、少なくとも28アミノ酸長であってもよい。ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、最大で76アミノ酸長、例えば最大で36又は33アミノ酸長であってもよい。
したがって、本発明の一実施形態において、本発明の組成物のポリペプチドは、より長いアミノ酸配列の一部として配列番号1~23のうちのいずれか1つの特定の配列を含み得る。例えば、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、最大で25、28、30、33、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100アミノ酸長であるアミノ酸配列の一部として、配列番号1~23(又はそのバリアント若しくは断片)のうちのいずれか1つを含んでもよい。更なる実施例において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、配列番号1~23(又はそのバリアント若しくは断片)のうちのいずれか1つを含んでもよく、ポリペプチドは、10~200アミノ酸長、例えば、20~200、28~200、33~200、28~150、33~150、28~100、33~100、28~50、33~50、28~40、33~40、又は28~33アミノ酸長である。
一実施形態において、コラーゲンVI又は組成物のポリペプチドのうちの少なくとも1つは、組換えポリペプチドであるか、又はそれを含む。そのような組換えポリペプチドの生成のための好適な方法は、原核又は真核宿主細胞における発現など、当該技術分野において周知である(例えば、Sambrook&Russell,2000,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Third Edition,Cold Spring Harbor,New York、文献が参照により本明細書に組み込まれる関連開示を参照)。
本発明の組成物のコラーゲンVI又はポリペプチドはまた、ウサギ網状赤血球溶解物又は小麦胚芽溶解物(Promegaから入手可能)などの市販のインビトロ翻訳系を使用して生成することもできる。好ましくは、翻訳系は、ウサギ網状赤血球溶解物である。好都合には、翻訳系は、TNT転写翻訳系(Promega)などの転写系にカップリングされ得る。この系は、翻訳と同じ反応でコードDNAポリヌクレオチドから好適なmRNA転写物を生成する利点を有する。
当業者は、本発明の組成物のコラーゲンVI又はポリペプチドが、代替的に、例えば、周知の液相又は固相合成技法(t-Boc又はFmoc固相ペプチド合成など)を使用して、人工的に合成され得ることを理解するであろう。例えば、ポリペプチドは、参照により本明細書に組み込まれる、Solid-Phase Peptide Synthesis(1997)Fields,Abelson&Simon(Eds),Academic Press(ISBN:0-12-182190-0)に記載のように合成され得る。
一実施形態において、組成物は、ポリリジンを更に含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ポリリジンを含まない。好適なポリリジン成分は、PCT/EP2020/068047において更に定義されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用する場合、「ポリリジン」は、好ましくはペプチド結合によって接合された、リジン単量体単位のポリマーである任意の化合物を含む。例えば、ポリリジンは、ε又はα炭素位置のいずれかで重合によって一緒に接合された3つ以上のリジン残基を含むか、又はそれらからなる任意の化合物を含んでもよい。
「ポリマー」とは、化学結合によって一緒に接合した複数の単量体単位からなる物質を意味する。ポリマーは、重合される分子の種類及び重合の位置に応じて、分子の直鎖又は三次元ネットワークのいずれかを形成することができる。
「重合」とは、複数の単量体単位が化学結合を形成し、直鎖状ポリマー鎖又は三次元分子ネットワークの形成をもたらす、ポリマーを形成するために使用されるプロセスを指す。本明細書に記載のリジンなどのアミノ酸の重合の場合、重合は、アミノ基とカルボン酸基との反応によるアミノ酸単量体間のペプチド結合の形成を伴う。ペプチド結合の形成は、当該技術分野において周知のプロセスである。
ポリリジンは、使用されるリジンのエナンチオマー(すなわち、L又はDリジン)及び重合の炭素位置(すなわち、α又はε)の両方において異なる場合がある。
リジンは、L形態及びD形態と呼ばれるキラル中心の周りのR基の配置が異なる、2つの異なるエナンチオマーとして見出される。他の形態の命名エナンチオマーが、当該技術分野で使用されるが(例えば、S-リジンがL-リジンに対応し、R-リジンがD-リジンに対応するR及びS表記法)、L/D表記法は、依然としてアミノ酸に関して最も一般的に使用されている。L-アミノ酸とD-アミノ酸との違いは、当該技術分野において周知である。
本発明のポリリジンは、L-リジン及びD-リジン単量体単位の両方を含むか、若しくはそれからなるポリマーを含み得るか、又はL-リジン若しくはD-リジン単量体単位のみを含み得るか、若しくはそれからなり得、この場合、ポリマーは、それぞれ、ポリ-L-リジン(PLL)及びポリ-D-リジン(PDL)と称される。
一実施形態において、ポリリジンは、ポリ-L-リジン(PDL)及び/又はポリ-D-リジン(PLL)を含むか、又はそれらからなる。
PLL/PDLなどの光学異性体は、平面偏光(単一平面内を移動する光)に対して異なる効果を有する。一方の異性体は、この平面偏光の平面を時計回りに回転させ、他方は、反時計回りに回転させる。このようにして異性体を互いに区別することができる。
更なる実施形態において、ポリリジンは、ポリ-L-リジンを含むか、又はそれからなり、任意選択で、ポリリジンを構成する単量体単位の100%は、L-リジンである。
別の実施形態において、ポリリジンは、ポリ-D-リジンを含むか、又はそれからなり、任意選択で、ポリリジンを構成する単量体単位の100%は、D-リジンである。
PLL及びPDLの互換性は、両方とも同じ電荷関連特性を有するため、当該技術分野において周知である。例えば、Banker,G.and Goslin,K.,Culturing Nerve Cells,MIT Press,Cambridge,p.65(1991)を参照されたい。
一実施形態において、ポリリジンは、L-リジン及びD-リジン単量体単位の混合物を含んでもよい。例えば、リジン単量体の50%がL-リジンであり得、50%がD-リジンであり得るか、又はD-リジン:L-リジンの代替比、例えば、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80、10:90が使用され得る。
リジンのR基もアミノ基(CHCHCHCHNH)を含有するため、α炭素又はε炭素のいずれかを伴う、2つの可能な重合位置が存在する。「α炭素」とは、アミン及びカルボン酸基の両方が付着するアミノ酸の骨格内の炭素原子を意味する。次いで、リジンR基中の炭素原子を順次標識する(すなわち、α炭素に付着したR基の第1の炭素は、β炭素と呼ばれ、それぞれ、炭素鎖中のγ炭素、δ炭素及びε炭素原子が続く)。したがって、「ε炭素」とは、アミン基が付着しているリジンR基の末端炭素を意味する。
一実施形態において、本発明の組成物のポリリジンは、ε炭素位置で重合される。代替実施形態において、ポリリジンは、α炭素位置で重合される。
一実施形態において、重合の100%は、ε炭素位置で発生する。代替実施形態において、ポリリジンは、同じ分子内のα位置及びε位置の両方で重合されたリジン単量体単位を含み、例えば、重合の50%は、リジン単量体単位のα位置で発生し得、重合の50%は、ε位置で発生し得る。α又はε位置での重合はまた、異なる比で、例えば、以下のα:ε重合位置の比、100:0、90:10、80:20、70:30、60:40、50:50、40:60、30:70、20:80、10:90、0:100で発生し得る。
組成物のポリリジンは、異なるタイプのポリリジンの混合物であり得る。ある特定の実施形態において、組成物は、以下のεポリ-L-リジン、αポリ-L-リジン、εポリ-D-リジン、αポリ-D-リジンのうちのいずれか1つの組み合わせを含み得る。異なる形態のポリリジンは、組成物中に異なる割合で見出され得、これは、問題の表面へのポリペプチドの最適な結合を達成するために調整され得る。例えば、ある特定の実施形態において、組成物は、50%のεポリL-リジン及び50%のεポリD-リジンを含み得る。組成物は、等量又は不等量のポリリジンの4つ全てのバリアントを含み得る。
一実施形態において、ポリリジンは、ポリ-L-リジン(PLL)であり、リジン単量体のε位で重合される。
ある特定の実施形態において、ポリリジンは修飾されてもよい。例えば、ポリリジンを構成するリジン単量体は、重合前に修飾されてもよく、又はポリリジン自体は、重合後に修飾されてもよい。
ポリリジン分子は、それらの分子量が異なり得るポリマーである。市販の形態のポリリジンは、しばしば、単一の分子量としてではなく、一連の分子量のポリマーを含む組成物として見出される。典型的には、ポリマーの分子量のこの範囲は、30,000Da~300,000Daである。
ある特定の実施形態において、本発明の組成物のポリリジンは、30,000Da~300,000Daの範囲の分子量を有する。他の実施形態において、ポリリジンは、50,000~250,000Da、70,000~200,000Da、又は100,000~150,000Daの範囲の分子量を有する。一実施形態において、ポリリジン分子は、30,000~70,000Daの範囲の分子量を有する。一実施形態において、ポリリジンは、ポリ-L-リジンであり、ポリ-L-リジン分子は、30,000~70,000Daの範囲の分子量を有する。
ポリリジンはまた、一緒に重合されるリジン単量体単位の数に関して分類され得る。リジンの分子量はおよそ146Daであるため、分子量範囲30,000Da~300,000Daのポリリジンのポリマーは、およそ200~2054個のリジン単量体単位で構成される。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の組成物のポリリジンは、200~2054個のリジン単量体単位で構成される。他の実施形態において、ポリリジンは、ポリ-L-リジンであり、分子は、200~2054個のL-リジン単量体単位で構成される。
組成物中のポリリジン分子の分子量の範囲を変化させると、各ポリマー分子を構成するリジン残基の数が変化することが、当業者には明らかであろう。したがって、他の実施形態において、本明細書に記載の組成物のポリリジン分子は、342~1712個のリジン単量体、479~1369個のリジン単量体単位、684~1027個のリジン単量体単位で構成される。一実施形態において、本明細書に記載の組成物のポリリジン分子は、30,000~70,000Daの分子量範囲に対応する200~480個のリジン単量体単位で構成される。他の実施形態において、ポリリジンは、ポリ-L-リジンであり、分子は、200~480個のリジン単量体単位で構成される。
更なる実施形態において、組成物は、生物学的及び/又は生分解性材料などの足場材料を追加として含み得る。足場材料は、コラーゲン、例えば、コラーゲンIを含み得るか、又はそれからなり得る。いくつかの実施形態において、コラーゲンは、他のタンパク質、多糖類及び/又はペプチドを更に含む。いくつかの実施形態において、足場は、ウシコラーゲンIから調製される。いくつかの実施形態において、足場は、ポリリジンを含まない。いくつかの実施形態において、足場材料は、ウシ天然コラーゲンI原線維を含む。
足場を含む組成物は、それ自体が足場として解釈され得る。したがって、更なる実施形態において、組成物を含む足場は、本明細書に記載のような使用のためのものであり得る。そのような足場は、医療デバイスであり得る。足場は、本発明のエフェクター分子(すなわち、ペプチド)の担体であり得る。
本明細書に記載される組成物は、臨床医学及び/又は獣医学での使用のために製剤化され得ることが理解されるであろう。
したがって、本発明の第2の態様は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体、緩衝液又はアジュバントとともに、本発明の第1の態様による組成物を含む薬学的組成物を提供する。更なる実施形態において、本明細書に記載の個々のペプチドは、互いに連続して、その後に、及び/又は同時に、共投与するための別個の薬学的組成物として製剤化され得る。
本明細書で使用する場合、「薬学的組成物」は、微生物及び微生物感染症に関連する障害及び状態の治療又は予防に使用するための治療上有効な製剤を意味する。
他のペプチド、低分子量免疫調節剤、受容体アゴニスト及びアンタゴニスト、並びに抗菌剤などの追加の化合物もまた、薬学的組成物中に含まれ得る。他の例としては、EDTA、クエン酸塩、EGTA又はグルタチオンなどのキレート剤が挙げられる。
薬学的組成物は、十分に貯蔵安定であり、ヒト及び動物への投与に好適である、当該技術分野において既知の方法で調製され得る。薬学的組成物は、例えば、凍結乾燥、スプレー乾燥、スプレー冷却を介して、又は超臨界粒子形成からの粒子形成の使用によって、凍結乾燥されてもよい。
「薬学的に許容される」とは、有効成分、すなわち、組成物の抗菌ポリペプチドの生物学的活性の有効性を低下させない無毒性材料を意味する。そのような薬学的に許容される緩衝液、担体又は賦形剤は、当該技術分野において周知である(参照により本明細書に組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th edition,A.R Gennaro,Ed.,Mack Publishing Company(1990)及びhandbook of Pharmaceutical Excipients,3rd edition,A.Kibbe,Ed.,Pharmaceutical Press(2000)を参照)。
「緩衝液」という用語は、pHを安定化することを目的とした酸塩基混合物を含有する水溶液を意味することを意図する。緩衝液の例は、Trizma、Bicine、Tricine、MOPS、MOPSO、MOBS、Tris、Hepes、HEPBS、MES、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ホウ酸塩、ACES、ADA、酒石酸塩、AMP、AMPD、AMPSO、BES、CABS、カコジル酸塩、CHES、DIPSO、EPPS、エタノールアミン、グリシン、HEPPSO、イミダゾール、イミダゾール乳酸、PIPES、SSC、SSPE、POPSO、TAPS、TABS、TAPSO及びTESである。
「希釈剤」という用語は、薬学的調製物中のペプチドを希釈する目的で、水性又は非水性溶液を意味することが意図される。希釈剤は、生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール又は油(サフラワー油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油若しくはゴマ油など)のうちの1つ以上であってもよい。
「アジュバント」という用語は、組成物のペプチドの生物学的効果を増加させるために製剤に添加される任意の化合物を意味することを意図している。アジュバントは、異なるアニオン、例えば、限定されないが、異なるアシル組成物のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、チオシアネート、亜硫酸塩、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、及び酢酸塩を有するコロイド銀、又は亜鉛、銅、若しくは銀塩のうちの1つ以上であってもよい。アジュバントはまた、PHMBなどのカチオン性ポリマー、カチオン性セルロースエーテル、カチオン性セルロースエステル、脱アセチル化ヒアルロン酸、キトサン、カチオン性デンドリマー、ポリ(ビニルイミダゾール)などのカチオン性合成ポリマー、並びにポリヒスチジン、ポリリジン、ポリアルギニン、及びこれらのアミノ酸を含有するペプチドなどのカチオン性ポリペプチドであってもよい。
賦形剤は、炭水化物、ポリマー、脂質及びミネラルのうちの1つ以上であってもよい。炭水化物の例としては、例えば、凍結乾燥を容易にするために、組成物に添加される、ラクトース、スクロース、マンニトール、及びシクロデキストリンが挙げられる。ポリマーの例は、デンプン、セルロースエーテル、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、アルギン酸塩、カラギーナン、ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸、ポリスルホネート、ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、異なる程度の加水分解のポリビニルアルコール/ポリビニルアセテート、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)又は様々な組成物を有するそのコポリマー、並びにポリビニルピロリドン(全てが異なる分子量)であり、これらは、例えば、粘度制御のため、生体接着を達成するため、又は有効成分(A~Cに同様に適用する)を化学分解及びタンパク質分解から保護するために組成物に添加される。脂質の例は、脂肪酸、リン脂質、モノ-、ジ-、及びトリグリセリド、セラミド、スフィンゴ脂質及び糖脂質(全てが異なるアシル鎖長及び飽和度)、卵レシチン、大豆レシチン、水素化卵及び大豆レシチンであり、これらは、ポリマーに対するものと同様の理由で組成物に添加される。ミネラルの例は、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛及び酸化チタンであり、これらを組成物に添加して、液体蓄積の低減又は有利な顔料特性などの利点を得る。
薬学的組成物はまた、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ラクチチオール、イソモルト、マルチトール若しくはキシロシドなどの1つ以上の単糖類若しくは二糖類、及び/又はモノラウリンなどのモノアシルグリセロールを含有し得る。担体の特徴は、投与経路に依存する。1つの投与方法は、局所投与である。例えば、局所投与の場合、好ましい担体は、活性ペプチドを含む乳化クリームであるが、ある特定の石油/ミネラルベース及び植物ベースの軟膏、並びにポリマーゲル、液晶相及びマイクロエマルジョンなどの他の一般的な担体を使用することができる。
薬学的組成物は、第1の態様の組成物のポリペプチドのうちの1つ以上、例えば、該ペプチドの1つ、2つ、3つ、4つ以上の異なるペプチド及び/又は異なる断片、バリアント若しくは誘導体を含み得ることが理解されるであろう。例えば、第1の態様の組成物は、配列番号1~23のうちのいずれか1つに記載のポリペプチド、及び該配列番号1~23のポリペプチド断片、バリアント及び/又は誘導体を含んでもよい。異なるペプチドの組み合わせを使用することによって、創傷治癒及び/又は抗菌効果の促進を増加させることができる。いくつかの実施形態において、組成物は、配列番号6に対応するポリペプチドを含まない。
上記のように、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、塩、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、チオシアン酸、ホウ酸などの無機酸、又はギ酸、酢酸、ハロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、乳酸、マロン酸、フマル酸、アントラニル酸、安息香酸、シンナミン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルファン酸などの有機酸を有する酸付加物として提供され得る。一価のナトリウム、カリウム、又は二価の亜鉛、マグネシウム、銅カルシウムなどの無機塩(全てが対応するアニオンを有する)を添加して、抗菌組成物の生物学的活性を改善することができる。
本発明の薬学的組成物はまた、ポリペプチドが、他の薬学的に許容される担体に加えて、ミセル、不溶性単層及び液晶として凝集形態で存在する脂質などの両親媒性剤と組み合わされるリポソームの形態であってもよい。リポソーム製剤に好適な脂質としては、限定されないが、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸等が挙げられる。好適な脂質はまた、血流循環時間を延長するために、極性ヘッド基中のポリ(エチレングリコール)によって修飾された上記脂質を含む。そのようなリポソーム製剤の調製は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、US4,235,871に見出すことができる。
本発明の薬学的組成物はまた、生分解性マイクロスフェアの形態であってもよい。ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、PLA及びPGAのコポリマー(PLGA)又はポリ(カプロラクトン)(PCL)、並びにポリ無水物などの脂肪族ポリエステルは、マイクロスフェアの生成において生分解性ポリマーとして広く使用されている。そのようなマイクロスフェアの調製は、参照により本明細書に組み込まれる、US5,851,451及びEP213,303に見出すことができる。
本発明の薬学的組成物はまた、界面活性剤及びブロックコポリマー、好ましくは、血流循環時間を延長するためのポリ(エチレンオキシド)部分を含有するものによって形成されるミセル系で製剤化され得る。
本発明の薬学的組成物はまた、デンプン、セルロースエーテル、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、アルギン酸塩、キトサン、カラギーナン、ヒアルロン酸及びその誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルイミダゾール、ポリスルホネート、ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、異なる程度の加水分解のポリビニルアルコール/ポリビニルアセテート、並びにポリビニルピロリドンなどのポリマーが、ペプチドを含有する溶液の増粘に使用される、ポリマーゲルの形態であってもよい。ポリマーはまた、ゼラチン又はコラーゲンも含み得る。
あるいは、組成物のコラーゲンVI又はポリペプチドは、生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール若しくは油(サフラワー油、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油若しくはゴマ油など)、トラガントガム、及び/又は様々な緩衝液中に溶解され得る。
薬学的組成物はまた、抗菌ポリペプチドの作用の増強のため、及び/又は創傷治癒ポリペプチドの作用の増強のためのイオン及び定義されたpHを含み得る。
本発明の上記組成物は、例えば、本明細書の他の箇所に開示されるように、滅菌などの従来の薬学的操作に供されてもよく、及び/又は防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液、充填剤等の従来のアジュバントを含有してもよい。
当業者は、本発明の薬学的組成物が、局所的又は全身的に投与され得ることを理解するであろう。投与経路には、局所(例えば、眼)、眼、鼻、肺、口腔、非経口(静脈内、皮下、及び筋肉内)、経口、膣並びに直腸が含まれる。また、インプラントからの投与も可能である。好適な調製形態は、例えば、顆粒、粉末、錠剤、コーティング錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、エマルジョン、マイクロエマルジョン(水、油及び界面活性剤からなる光学的等方性熱力学的安定系として定義される)、液晶相(長距離秩序であるが短距離無秩序(例としては、水又は油の連続のいずれかのラメラ相、六角相及び立方相が挙げられる)を特徴とする系として定義される)、又はそれらの分散した対応物、ゲル、軟膏、分散液、懸濁液、クリーム、エアロゾル、液滴若しくは又はアンプル形態の注射可能な溶液、並びに活性化合物の長期放出を伴う調製物であり、その調製賦形剤、希釈剤、アジュバント又は担体は、上記のように習慣的に使用される。薬学的組成物はまた、包帯、絆創膏又は縫合糸などで提供され得る。
特定の実施形態において、薬学的組成物は、経口投与、非経口投与又は局所投与に好適である。例えば、薬学的組成物は、局所投与(例えば、スプレー、ローション、ペースト又はドロップ等の形態の眼科投与)に好適であり得る。
薬学的組成物は、薬学的に有効な用量で患者に投与される。「薬学的に有効な用量」とは、それが投与される状態に関連して所望の効果をもたらすのに十分な用量を意味する。正確な用量は、化合物の活性、投与方法、障害の性質及び重症度、患者の年齢及び体重に依存し、異なる用量が必要とされ得る。用量の投与は、個々の用量単位の形態での単回投与、又は他のいくつかのより小さい用量単位の両方によって、また、特定の間隔での細分化された用量の複数回投与によって実行され得る。
本発明の薬学的組成物は、単独で、又は他の治療剤、例えば、追加の抗生物質、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管活性剤及び/又は消毒剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、及び抗寄生虫剤)と組み合わせて投与されてもよい。好適な追加の抗生剤の例としては、ペニシリン、セファロスポリン、カルバセフェム、セファマイシン、カルバペネム、モノバクタム、アミノグリコシド、グリコペプチド、キノロン、テトラサイクリン、マクロライド、及びフルオロキノロンが挙げられる。消毒剤としては、ヨウ素、銀、銅、クロルヘキシジン、ポリヘキサニド及び他のビグアニド、キトサン、酢酸、及び過酸化水素が挙げられる。同様に、薬学的組成物はまた、ステロイド及びマクロラクタム誘導体などの抗炎症薬を含有し得る。
そのような追加の治療剤は、同じ薬学的組成物の一部として組み込まれ得るか、又は別々に投与され得る。追加の治療剤は、第2の態様の薬学的組成物の投与前、投与後又は投与中のいずれかに、同時に、連続して及び/又は別々に投与することができる。
当業者は、本発明の組成物、若しくはその薬学的組成物が、ヒト若しくは動物の体内への移植若しくは適用が微生物剤による感染症のリスクに関連している医療デバイス及び他の製品に適用され得ること、並びに/又は本発明の組成物、若しくはその薬学的組成物が、ヒト若しくは動物の体内への移植又は適用が創傷治癒を促進する必要性に関連している医療デバイス及び他の製品に適用され得ることを理解するであろう。
したがって、本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による組成物又は本発明の第2の態様による薬学的組成物でコーティング、含浸、混和されるか、又は他の方法で会合される、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を提供する。
そのような医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、人体又はその構成要素(例えば、血液)と接触し得る。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、バイパス手術、体外循環、創傷ケア及び/又は透析に使用するためのものである。
組成物は、縫合糸、プロテーゼ、インプラント、創傷包帯、カテーテル、レンズ、皮膚移植片、皮膚代替物、フィブリン糊又は包帯等でコーティング、塗装、スプレーされ得るか、又は他の方法で適用若しくは混和されてもよい。そうすることで、組成物は、改善された抗菌性及び/又は創傷治癒特性をデバイス又は材料に付与することができる。
「インプラント」とは、以下を含む:
(a)カテーテル(例えば、血管内若しくは尿路使用のための)、
(b)ステント(例えば、冠状動脈ステント)、
(c)シャント(例えば、脳脊髄シャント)、
(d)挿管又は気管切開チューブ、
(e)眼科用デバイス(例えば、コンタクトレンズ、強膜バックル及び眼内レンズ)、
(f)関節プロテーゼ(すなわち、関節形成術及び他の整形外科用デバイスのインプランテーション)、
(g)人工心臓弁、
(h)乳房インプラント、
(i)インプラント可能な薬物送達デバイス(例えば、能動ポンプ及び受動固体インプラント)。
いくつかの好ましい実施形態において、インプラントは、プロテーゼ又は他の整形外科用デバイスである。いくつかの好ましい実施形態において、プロテーゼは、膝関節プロテーゼである。他の好ましい実施形態において、プロテーゼは、股関節プロテーゼである。そのようなインプラントの更なる例は、当該技術分野において周知である。更なる好ましい実施形態において、インプラントは、チタン若しくはチタン合金、及び/又は1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなるプロテーゼ若しくは他の整形外科用デバイスである。一実施形態において、プロテーゼ又は他の整形外科用デバイスは、チタン若しくはチタン合金、及び/又は1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなり、本明細書に定義される組成物又は薬学的組成物でコーティングされる。
他の実施形態において、インプラントは、骨置換デバイス、骨固定デバイス、骨プレート、人工股関節の茎、人工臓器、人工椎間板、脊髄棒、顎顔面プレート、ステントグラフト、経皮デバイス及びペースメーカーから選択される。一実施形態において、これらのインプラントは、チタン若しくはチタン合金、及び/又は1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなる。更なる実施形態において、インプラントは、チタン若しくはチタン合金、及び/又は1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなり、本明細書に定義される組成物又は薬学的組成物でコーティングされる。
一実施形態において、デバイス又は材料は、本発明の組成物又は薬学的組成物(又はそのポリペプチド成分のうちの少なくとも1つ)でコーティングされる。「コーティングされた」とは、組成物又は薬学的組成物を、デバイス又は材料の表面に適用することを意味する。したがって、デバイス又は材料は、本発明の組成物又は薬学的組成物(又はそのポリペプチドのうちの少なくとも1つ)を含む溶液で塗装又はスプレーされ得る。あるいは、デバイス又は材料は、本発明の組成物又は薬学的組成物を含む溶液のリザーバに浸漬され得る。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、本明細書に定義される組成物又は薬学的組成物でコーティングされる。
代替の実施形態において、デバイス又は材料は、本発明の薬学的組成物(又はコラーゲンVI若しくはそのポリペプチドのうちの少なくとも1つ)で含浸される。「含浸される」とは、薬学的組成物が、それが全体にわたって分布するように、デバイス又は材料と組み込まれるか、又は他の方法で混合されることを意味する。
例えば、デバイス又は材料を、本発明の組成物又は薬学的組成物を含む溶液中で4℃で一晩インキュベートすることができる。あるいは、本発明の組成物又は薬学的組成物は、蒸発によって、又は室温でのインキュベーションによって、デバイス又は材料表面に固定化され得る。更なる代替として、本発明の組成物又は薬学的組成物(又は実際にはポリペプチド)は、デバイス又は材料表面上に固定化されてもよく、更なる組成物又は薬学的組成物は固定化されない。組成物、薬学的組成物及び/又はポリペプチドが別々に投与される場合(例えば、1つが固定化され、他方が固定化されない)、それらの投与は、各々(又は2つより多い場合、全て)を宿主生体材料界面に共同で曝露するような方法であってもよい。
更なる代替の実施形態において、本発明の組成物のポリペプチドは、例えば、デバイス又は材料の外面において、デバイス又は材料に共有結合される。したがって、ポリペプチド上の適切な官能基と、デバイス又は材料上の官能基との間に共有結合が形成される。例えば、ポリペプチドのポリマー支持体への共有結合のための方法としては、ジアゾニウム中間体を介した、ペプチド結合の形成による、結合タンパク質上のフェノール、アミン及びスルフィドリル基のアルキル化による、ポリ官能性中間体(例えば、グルタルジアルデヒド)を使用することによる、並びに例えば、ジアルコキシシランとトリアルコキシシランとの反応が多くの異なる官能基とのガラス表面の誘導体化を可能にする、シリル化ガラス又は石英を使用する他の雑多な方法による共有結合が挙げられる。詳細については、参照により本明細書に組み込まれる、Griffin,M.,Hammonds,E.J.and Leach,C.K.(1993)In Technological Applications of Biocatalysts(BIOTOL SERIES),pp.75-118,Butterworth-Heinemannによる酵素固定化を参照されたい。また、参照により本明細書に組み込まれる、‘Biomaterials in Tissue Engineering’と題されたHubbell,J.A.(1995)Science 13:565-576によるレビュー記事も参照されたい。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又は材料は、ポリマーを含むか、又はそれからなる。好適なポリマーは、ポリエステル(例えば、様々な組成物のポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸-グリコール酸コポリマー)、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリ尿素、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド)及び多糖類材料(例えば、架橋アルギン酸塩、ヒアルロン酸、カラギーナン、ゼラチン、デンプン、セルロース誘導体)からなる群から選択され得る。
代替的に、又は加えて、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又は材料は、金属(例えば、チタン、ステンレス鋼、金、チタン)、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化チタン)及び/又はセラミック(アパタイト、ヒドロキシアパタイト)若しくはセラミック複合体を含み得るか、又はそれらからなる。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、チタンを含むか、又はそれからなる。一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれからなる。
「チタンを含むか、又はそれからなる」とは、純粋なチタンのみで作製された材料、及び他の元素と組み合わせてチタンを含む材料を含む。例えば、「チタンを含むか、又はそれからなる」とは、チタン合金(例えば、ニッケル、バナジウム及び/又はアルミニウムを有するチタンの合金)であるか、又はそれを含む材料も含む。また、チタン及び/若しくは1つ以上のチタン合金を含むか、又はそれらからなる少なくとも1つの構成要素を有する、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料も含む。また、チタンを含むか、又はそれからなるコーティング、例えば、チタン又は窒化チタンを含むか、又はそれからなるコーティングを有する、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料も含む。したがって、本明細書におけるチタンについての言及はまた、チタン合金についての言及を含むことも意味することは、当業者には明らかであろう。
したがって、一実施形態において、チタンは、商業的に純粋なチタン(CP Ti)である。あるいは、特定の実施形態において、チタンは、合金、例えば、TiAlV合金又はニッケル-チタン合金(ニチノール)である。
「1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなる」とは、セラミック複合体のみで作製された材料、及び他の要素と組み合わせたセラミック複合体を含む材料を含む。また、1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなる少なくとも1つの構成要素を有する、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料も含む。また、1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなるコーティングを有する、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料も含む。
一実施形態において、セラミック複合体は、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム二水和物、ジルコニア、酸化アルミニウム、コーディエライト、フォルステライト、窒化ケイ素、パイロスタット、ステアタイト及びスーパーパイロスタットからなる群から選択され得る。
そのような材料は、巨視的固体/モノリスの形態であってもよく、化学的又は物理化学的架橋ゲルとして、多孔質材料として、又は粒子としてであってもよい。
本発明の医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、及び材料は、当該技術分野で周知の方法を使用して作製され得る。
ある特定の実施形態において、本発明の第1の態様の組成物は、生物学的足場、例えば、コラーゲン足場、例えば、コラーゲンI足場上にコーティングされる。一実施形態において、コラーゲン足場は、医療デバイス、インプラント若しくは創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料として直接使用することができる。他の実施形態において、コラーゲン足場は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料の構成要素である。例えば、コラーゲン足場は、そのような医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料の表面上にコーティングされ得る。
ある特定の実施形態において、足場は、コラーゲンI足場などのコラーゲン足場である。組成物がポリリジンを更に含むある特定の実施形態において、ポリリジンは、足場とコラーゲンVIポリペプチドとの間に中間層を形成する。
ある特定の実施形態において、コラーゲン足場は、コラーゲンI及び/又はIII及び/又はV及び/又はVIを主成分として含むウシ原線維コラーゲン足場であり得る。例えば、足場の80~85%は、I型コラーゲン線維であり得、及び/又は8~11%は、III型コラーゲン線維であり得、残りは、コラーゲンV及び/又はVIであり得る。好ましくは、足場は、凍結乾燥ウシコラーゲンI/III/V足場である。
本発明の第1の態様の組成物のコラーゲンVIペプチドと混合されたコラーゲンI/III/V足場(実施例ではWOUNDCOMと称される製品など)は、創傷に暫定的なバリア機能を提供し、封じ込められた湿った創傷微小環境を確立する。この微小環境は、再上皮化及び再血管構築を促進し、したがって創傷治癒を促進する[48]。
「足場」という用語及び「担体」又は「WOUNDCOM担体」という用語は、本明細書において互換的に使用される。したがって、足場の全ての定義は、担体又はWOUNDCOM担体にも適用される。したがって、一実施形態において、担体又はWOUNDCOM担体は、コラーゲンIタンパク質などのコラーゲンタンパク質である。ある特定の実施形態において、担体は、コラーゲンI及び/又はIII及び/又はV及び/又はVIを主成分として含む、ウシ原線維コラーゲン担体などの原線維コラーゲン担体であり得る。例えば、足場の80~85%は、I型コラーゲン線維であり得、及び/又は8~11%は、III型コラーゲン線維であり得、残りは、コラーゲンV及び/又はVIであり得る。好ましくは、担体は、凍結乾燥ウシコラーゲンI/III/V担体である。
WOUNDCOM製品は、WOUNDCOM担体及びWOUNDCOMエフェクターの組み合わせ、例えば、生体活性ペプチド(GVR28及びSFV33など)を含浸させたコラーゲンI足場である。したがって、一実施形態において、WOUNDCOMは、GVR28及びSFV33ペプチドの組み合わせを含浸させたコラーゲンI創傷マトリックスである。
追加的に、コラーゲン足場が存在するコラーゲンベースの創傷ケアデバイス(WOUNDCOMなど)における高度に整列したコラーゲン線維は、天然真皮の自然構造を模倣する平行なコラーゲン線維束を有する適切な多孔質構造を示す。したがって、創傷床におけるコラーゲン足場ベースの創傷ケアデバイスの中心的な役割は、天然コラーゲン原線維によって三次元分子誘導リッジを提供することによって、創傷への細胞流入及び移動を指向及び誘導することである。したがって、コラーゲン足場ベースの創傷ケアデバイス(WOUNDCOMなど)は、構造化された創傷治癒を促進し、創傷床における新たに形成されたコラーゲン線維及び他の組織成分の堆積を整理及び整列させることによって、新しい組織成長をもたらす[43]。
更に、本発明の第1の態様の組成物に適用されるコラーゲンVIペプチドは、身体自身の創傷治癒効果を増強する。これは、物理的な膜不安定化によって病原体に作用し、細胞質滲出、細胞溶解を引き起こし、それによって病原体の成長及びバイオフィルム形成の阻害を引き起こす、それらの天然の抗菌特性によって達成される[49]。ペプチドはまた、創傷治癒プロセスに有益な皮膚細胞及び免疫細胞の効率的な動員、生存及び増殖のための追加の構造的及び機能的要素を提供することによって、創傷治癒プロセスを更に加速させる。
他の実施形態において、本発明の第1の態様の組成物は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料の表面上に直接コーティングされ、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、チタン若しくはチタン合金を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、コーティングされたチタン表面は、医療デバイス、インプラント若しくは創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料として直接使用され得る。他の実施形態において、コーティングされたチタン表面は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料の構成要素である。
組成物がポリリジンを更に含むある特定の実施形態において、ポリリジンは、チタン表面とコラーゲンVIポリペプチドとの間に中間層を形成する。
いくつかの実施形態において、コーティングされたチタン表面は、チタン又はチタン合金を含むか、又はそれからなるインプラントとして、例えば、関節プロテーゼ又は他の整形外科用デバイスとして、例えば、膝関節プロテーゼ又は股関節プロテーゼとして直接使用され得る。更なる実施形態において、コーティングされたチタン表面は、チタン若しくはチタン合金を含むか、又はそれからなるインプラントとして、例えば、骨置換デバイス、骨固定デバイス、骨プレート、人工股関節の茎、人工臓器、人工椎間板、脊髄ロッド、顎顔面プレート、ステントグラフト、経皮デバイス及びペースメーカーとして直接使用され得る。
「チタン表面」とは、チタン若しくはチタン合金を含むか、又はそれからなる表面を有する全ての医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を含む。
他の実施形態において、本発明の第1の態様の組成物は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料の表面上に直接コーティングされ、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなる。いくつかの実施形態において、コーティングされたセラミック複合体表面は、医療デバイス、インプラント若しくは創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料として直接使用され得る。他の実施形態において、コーティングされたセラミック複合体表面は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料の構成要素である。
組成物がポリリジンを更に含むある特定の実施形態において、ポリリジンは、セラミック複合体表面とコラーゲンVIポリペプチドとの間に中間層を形成する。
いくつかの実施形態において、コーティングされたセラミック複合体表面は、セラミック複合体を含むか、又はそれからなるインプラントとして、例えば、関節プロテーゼ又は他の整形外科用デバイスとして、例えば、膝関節プロテーゼ又は股関節プロテーゼとして直接使用され得る。更なる実施形態において、コーティングされたセラミック複合体表面は、セラミック複合体を含むか、又はそれからなるインプラントとして、例えば、骨置換デバイス、骨固定デバイス、骨プレート、人工股関節の茎、人工臓器、人工椎間板、脊髄ロッド、顎顔面プレート、ステントグラフト、経皮デバイス及びペースメーカーとして直接使用され得る。
「セラミック複合体表面」とは、1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれらからなる表面を有する全ての医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を含む。
本発明の医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、及び材料のいずれも、本明細書に開示される医療用途のうちのいずれかに使用され得ることが理解されるであろう。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、組成物又は薬学的組成物が該材料の表面に適用され、その結果、組成物のポリペプチドが材料の表面に結合するように、第1の態様で定義される組成物でコーティングされる。
当業者は、ペプチドの放射性標識など、組成物のポリペプチド成分の材料表面への結合レベルを決定するための、当該技術分野で利用可能な技法を認識するであろう。この一例は、リジン又はチロシン残基を標識することによってヨウ素(例えば、ヨウ素131)の放射性同位体で標識すること、及び達成される結合レベルに比例するコーティングされた材料によって生成される放射能レベルを測定することである。異なる生体分子のコーティング効率は、γカウンター内のcpm値として放射能を決定することによって、材料に関連付けられた結合したヨウ素131放射能と遊離ヨウ素131放射能との間の比を決定することによって評価することができ、すなわち、100%結合の測定では、検出できない量の放射性ヨウ素131が材料の表面に結合していない。
表面へのペプチド又はタンパク質のパーセンテージ結合を測定するための他の技法としては、限定されないが、分光アッセイ、放射能ベースの結合アッセイ、エリプソメトリー、単一振動水晶薄膜厚モニタリング、蛍光ベースの結合アッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)及び原子力顕微鏡(AFM)が挙げられる。
一実施形態において、医療デバイス、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、湿ったときに柔らかくなってもよく、又は成形可能になってもよい。水分は、創傷自体に由来してもよく、及び/又は水分は、外部源に由来してもよい(例えば、医療デバイス、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料に適用された生理食塩水など)。一実施形態において、医療デバイス、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、二次包帯及び/又は圧縮衣服を使用して所定の位置に固定され得る。
本発明の第4の態様は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を、第1又は第2の態様に記載の組成物又は薬学的組成物でコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップを含む、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法を提供する。
当業者は、上記のコーティング、含浸、及び混和の一般的な方法が、本発明のこの態様による医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法にも適用され得ることを理解するであろう。
本発明の第5の態様は、以下:
(i)第1の態様で定義される、2種以上のコラーゲンVI型ポリペプチドを含む組成物を調製するステップと、
(ii)医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、ステップ(i)において調製した組成物でコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、を含む、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法を提供する。
したがって、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料は、第1の態様の組成物の両方のポリペプチドを含む単一の組成物を利用することによって、本発明の第1の態様の組成物でコーティング、含浸、混和され得るか、又は他の方法で会合され得る。医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、好ましくは、そのような組成物でコーティングされ得る。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、チタン表面を含むか、又はそれからなる。
一実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料は、セラミック複合体表面を含むか、又はそれからなる。
本発明の第6の態様は、以下:
(i)医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、第1のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
(ii)ステップ(i)において生成された医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、第2のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
任意選択で、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、本明細書に定義されるポリリジンでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、を含む、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法を提供する。
一実施形態において、第1及び第2のポリペプチドは、同時に(例えば、融合体として又は混合物として)コーティングされる。あるいは、ポリペプチドは、任意の順序で連続してコーティングされてもよい。
本発明の第6の態様に対する変化は、以下:
(i)医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、本明細書に定義されるポリリジンでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
(ii)医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、第1のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
(iii)医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、第2のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、を含み、
任意選択で、第1及び第2のポリペプチドが、同時に(例えば、融合体として)又は連続してコーティングされる、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法を提供する。
したがって、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及びそれらに使用するための材料は、最初に第1の態様で定義される第1のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させることによって、続いて第1の態様で定義される第2のコラーゲンVI型ポリペプチドがその後に適用される追加のステップによって調製され得る。あるいは、ポリペプチドを、コーティングの単一ステップにおいて同時に適用することができる。
ある特定の実施形態において、本明細書で使用するための医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品及び材料は、コラーゲンVI型ポリペプチドをその後に適用する前に、最初に材料をポリリジンでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させることによって調製されてもよい。
ある特定の実施形態において、ポリリジンは、材料を第1の態様で定義されるポリペプチドのうちの少なくとも1つでコーティング、含浸、混和するか、若しくは他の方法で会合させる前に、生物学的足場(例えば、コラーゲンIなどのコラーゲン)などの足場上にコーティングされるか、又はその逆である。足場は、チタン表面又はセラミック複合体表面上に存在し得る。
他の実施形態において、ポリリジンは、材料を第1の態様で定義されるコラーゲンVI又はポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させる前に、足場上にコーティングされない。例えば、いくつかの実施形態において、ポリリジンは、材料を第1の態様で定義されるコラーゲンVI又はポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させる前に、表面、例えば、チタン又はチタン合金を含むか、又はそれからなる表面、又は1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれからなる表面上に直接コーティングされる。
他の実施形態において、ポリリジンは、第1の態様で定義されるコラーゲンVI又はポリペプチドと混合されてもよく、その混合物を、コラーゲン足場又は他の表面、例えば、チタン若しくはチタン合金を含むか、若しくはそれからなる表面、又は1つ以上のセラミック複合体を含むか、若しくはそれらからなる表面でコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させる前に、混合されてもよい。
いくつかの実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、チタン表面を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、1つ以上のセラミック複合体表面を含むか、又はそれからなる。
ある特定の実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法は、以下:
(i)足場、例えば、コラーゲン足場を、ポリリジンの溶液でインキュベートするステップ、
(ii)足場を(例えば、蒸留水中で)洗浄するステップ、
(iii)足場を(例えば、空気乾燥によって)乾燥させるステップ、
(iv)足場を、本発明の第1の態様で定義される少なくとも1つのコラーゲンVIポリペプチドでコーティングするステップ(例えば、足場を、コラーゲンVIポリペプチドを含有する溶液中に投入することによって)、
(v)足場を、コラーゲンVI溶液中で(例えば、一晩)インキュベートするステップ、
(vi)足場を(例えば、空気乾燥によって)乾燥させるステップのうちの1つ以上を含む。
上記方法のある特定の実施形態において、コラーゲン足場は、コラーゲンI足場である。一実施形態において、コラーゲン足場は、例えば、凍結乾燥コラーゲンIからなるディスク形状又は膜である。
上記方法のある特定の実施形態において、ステップ(i)のポリリジンは、ポリ-L-リジンである。いくつかの実施形態において、ポリリジン溶液の濃度は、およそ0.2mg/mlである。一実施形態において、ステップ(i)のポリリジン溶液は、およそ0.2mg/mlのポリ-L-リジン溶液である。いくつかの実施形態において、コラーゲン足場は、およそ60℃でポリリジンの溶液中でインキュベートされる。いくつかの実施形態において、コラーゲン足場は、ポリリジンの溶液中でおよそ2時間インキュベートされる。
上記方法のある特定の実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVIペプチド溶液中のコラーゲンVIペプチドの濃度は、およそ150mMである。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVI溶液中のコラーゲンVIペプチドの濃度は、およそ2~3mMである。いくつかの好ましい実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVI溶液中のコラーゲンVIペプチドの濃度は、およそ2~3μMである。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVI溶液中のコラーゲンVIペプチドの濃度は、3μMであり、任意選択で、1.5μMのGVR28(配列番号1)及び1.5μMのSFV33(配列番号5)からなる。
ある特定の実施形態において、コラーゲン足場は、コラーゲンVI溶液中で一晩、すなわち、およそ16時間インキュベートされる。いくつかの実施形態において、コラーゲン足場は、コラーゲンVI溶液とともにおよそ4℃でインキュベートされる。
上記ステップ(i)の他の実施形態において、ステップ(i)のポリリジンは、材料を第1の態様で定義されるコラーゲンVI若しくはポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させる前に、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料の表面上にコーティングされる。いくつかの実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、チタン表面を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料は、セラミック複合体表面を含むか、又はそれからなる。
ある特定の実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法は、以下のステップ:
(i)医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料、例えば、チタン表面、又は代替的にセラミック複合体表面を、ポリリジンの溶液でインキュベートすること、
(ii)表面を(例えば、蒸留水中で)洗浄すること、
(iii)表面を(例えば、空気乾燥によって)乾燥させること、
(iv)表面を、本発明の第1の態様で定義されるコラーゲンVI又はコラーゲンVIポリペプチドでコーティングすること(例えば、表面をコラーゲンVI又はコラーゲンVIポリペプチドを含有する溶液に投入することによって)、
(v)表面を、コラーゲンVI溶液中で(例えば、一晩)インキュベートすること、
(vi)表面を(例えば、空気乾燥によって)乾燥させることのうちの1つ以上を含む。
上記方法のある特定の実施形態において、ステップ(i)のポリリジンは、ポリ-L-リジンである。いくつかの実施形態において、ポリリジン溶液の濃度は、およそ0.2mg/mlである。一実施形態において、ステップ(i)のポリリジン溶液は、およそ0.2mg/mlのポリ-L-リジン溶液である。いくつかの実施形態において、表面(例えば、セラミック複合体表面及び/又はチタン表面)は、およそ60℃でポリリジンの溶液中でインキュベートされる。いくつかの実施形態において、表面(例えば、セラミック複合体表面及び/又はチタン表面)は、ポリリジンの溶液中でおよそ2時間インキュベートされる。
上記方法のある特定の実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVI溶液中のコラーゲンVIの濃度は、およそ150mMである。いくつかの実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVI溶液中のコラーゲンVIペプチドの濃度は、およそ2~3mMである。いくつかの好ましい実施形態において、ステップ(iv)のコラーゲンVI溶液中のコラーゲンVIペプチドの濃度は、およそ2~3μMである。
ある特定の実施形態において、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法は、以下:
(i)足場溶液(例えば、コラーゲン足場)を、本発明の第1の態様で定義される少なくとも1つのコラーゲンVIポリペプチドと混合する(例えば、コラーゲンVIポリペプチドを含有する溶液を足場の溶液に添加する)ステップ、及び
(ii)足場/ポリペプチド混合物を(例えば、空気乾燥又は凍結乾燥によって)乾燥するステップのうちの1つ以上を含む。
本発明の第7の態様は、
(i)本発明の第1の態様による組成物、及び/又は本発明の第2の態様による薬学的組成物、又は本発明の第3の態様による医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料と、
(ii)使用説明書と、を含むキットを提供する。
キットは、任意選択で、本発明の第1の態様に記載される2つ以上のポリペプチドを、混和物中に、又は使用前若しくは使用時に混合物を必要とする別個の構成要素として含む。例えば、各構成要素は、別々に、又は任意の1つ以上の更なるポリペプチドと組み合わせて凍結乾燥することができ、任意選択で、使用前にポリペプチドを再構成及び/又は混合するための1つ若しくは複数の好適な緩衝液をキットに含み得る。
本発明の第8の態様は、
(i)本発明の第1の態様による創傷治癒を促進することができるという主な機能を有するコラーゲンVI型ポリペプチドと、
(ii)本発明の第1の態様による抗菌効果を発揮することができるという主な機能を有するコラーゲンVI型ポリペプチドと、
(iii)使用説明書と、を含むキットを提供し、
任意選択で、このキットは、本明細書に記載されるポリリジンを更に含む。
第7及び第8の態様のキットのある特定の実施形態において、キットは、追加として、生物学的及び/又は生分解性足場などの足場材料を含む。足場は、コラーゲン、例えば、コラーゲンIを含み得るか、又はそれからなり得る。
第7及び第8の態様のキットの他の実施形態において、キットは、追加的に、チタン若しくはチタン合金を含むか、又はそれからなる材料、例えば、チタンを含むか、又はそれからなる医療デバイス、インプラント、製造された創傷ケア、又はそれらに使用するための材料を含む。
第7及び第8の態様のキットの他の実施形態において、キットは、追加的に、1つ以上のセラミック複合体を含むか、又はそれからなる材料、例えば、セラミック複合体を含むか、又はそれからなる医療デバイス、インプラント、製造された創傷ケア、又はそれらに使用するための材料を含む。
本発明の第9の態様は、本発明の第1の態様による組成物、又は医学において使用するための本発明の第2の態様による薬学的組成物を提供する。
本発明の第10の態様は、本発明の第1の態様による組成物、又は微生物感染症染の治癒的及び/又は予防的治療に使用するための本発明の第2の態様による薬学的組成物を提供する。
「予防的」という用語は、患者又は対象における状態又は疾患状態の可能性を予防又は低減する、本明細書に記載の組成物又は製剤の使用を包含するために使用される。
「微生物感染症」とは、上記のように微生物によって引き起こされる感染症を含む。例えば、一実施形態において、治療される微生物感染症は、細菌感染症である。治療される微生物感染症は、急性又は全身感染症であり得る。一実施形態において、微生物感染症は、(上述のように)1つ以上の従来の抗生剤に耐性である。
一実施形態において、治療される微生物感染症は、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Escherichia coli及びStreptococcus pyogenesからなる群から選択される微生物によって引き起こされる。
更なる実施形態において、微生物感染症は、多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)(メチシリン耐性Staphylococcus aureus)及び多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)からなる群から選択される微生物によって引き起こされる。
当業者は、本発明の組成物は、特定の疾患又は状態の治療のために、1つ以上の既知の又は従来の薬剤と組み合わせて共投与され得ることを理解するであろう。「共投与する」とは、本組成物が、化合物が実際に投与される時期(同時に、連続して、及び/又はその後を含む)にかかわらず、組成物の成分並びに共投与される化合物が患者の体内(例えば、血流中)で同時に見出され得るように、患者に投与されることを意味する。
したがって、一実施形態において、組成物又は薬学的組成物は、上記の従来の抗生物質などの1つ以上の追加の抗菌剤と組み合わせて使用するためのものである。代替的に、又は加えて、追加の抗菌剤は、LL-37及びコラーゲンVI型タンパク質などの抗菌ポリペプチド若しくはタンパク質、又は例えば、親タンパク質の抗菌活性を少なくとも一部保持する、ディフェンシン、グラミシジンS、マガイニン、セクロピン、ヒスタチン、ヒファンシン、シンナマイシン、ブルフォリン1、パラシン1及びプロタミン、並びにそれらの断片、バリアント及び融合体からなる群から選択され得る。
本発明の第11の態様は、創傷ケアに使用するための(すなわち、創傷治癒の促進に使用するための)本発明の第1の態様による組成物又は本発明の第2の態様による薬学的組成物を提供する。
「創傷ケア」とは、創傷の治療、創傷閉鎖(すなわち、治癒)の促進、創傷感染症及び/又は潰瘍の予防及び/又は治療を含み、創傷は、体外又は体内であり得る。したがって、創傷ケアでの使用は、創傷治癒プロセスを補助する(例えば、加速させるか、若しくはその効率を改善する)ことができ、異常な瘢痕形成を低減し、かつ/又は創傷の感染症を防止することができるポリペプチドを含む組成物を含む。例えば、組成物のコラーゲンVI又はポリペプチドは、上皮再生並びに/又は創傷上皮及び/若しくは創傷間質の治癒を増強することができる、クリーム、ゲル、軟膏、包帯又は絆創膏などの創傷ケア製品で使用され得る。一実施形態において、ポリペプチドのうちの少なくとも1つは、非溶解機序を介して上皮及び/又は間質細胞の増殖を増強することができる。
創傷治癒特性を有するコラーゲンVI及びポリペプチドは、本発明の創傷ケア製品の機能において主要又は補助的な役割を有し得ることが理解されるであろう。
一実施形態において、コラーゲンVI又はポリペプチド若しくは薬学的組成物のうちの少なくとも1つは、上記のように、追加の抗菌剤と組み合わせて投与される。
本発明の第12の態様は、上記のように、微生物感染症の治療のための医薬品の製造における、本発明の第1の態様による組成物、又は本発明の第2の態様による薬学的組成物の使用を提供する。
本発明の第13の態様は、上記のように、創傷の治療のための医薬品の製造における、本発明の第1の態様による組成物、又は本発明の第2の態様による薬学的組成物の使用を提供する。
本発明の第14の態様は、微生物感染症を有する個体を治療する方法を提供し、この方法は、その治療を必要とする個体に、有効量の本発明の第1の態様による組成物、又は本発明の第2の態様による薬学的組成物を投与するステップを含む。
本発明の第15の態様は、個体における創傷を治療する方法を提供し、この方法は、その治療を必要とする個体に、有効量の本発明の第1の態様による組成物、又は本発明の第2の態様による薬学的組成物を投与するステップを含む。
「有効量」という用語は、本明細書では、治療される疾患又は状態の好ましい変化を生じさせるために使用され得る本発明による組成物又は薬学的組成物の濃度又は量を説明するために使用され、その変化は、治療される疾患又は状態に応じて、寛解、好ましい生理学的結果、治療される疾患状態又は状態の逆転又は減衰、状態又は疾患状態の予防又はそれが生じる可能性の低減であるかどうかにかかわらない。本発明の組成物又は薬学的組成物が組み合わせて使用される場合、組成物又は薬学的組成物の各々を有効量で使用することができ、有効量は相乗的な量を含み得る。
当業者は、本発明の組成物及び薬学的製剤が、医療及び獣医学の両方の分野において有用であることを理解するであろう。したがって、本発明の方法は、ヒト及び非ヒト動物(ウマ、イヌ及びネコなど)の両方の治療に使用することができる。しかしながら、好ましくは、患者はヒトである。
獣医学的使用のために、本発明の組成物は、通常の獣医学的慣行に従って好適に許容される製剤として投与され、獣医は、特定の動物に最も適切であろう投与レジメン及び投与経路を決定する。
本発明の第16の態様は、微生物を、本発明の第1の態様による組成物又は本発明の第2の態様による薬学的組成物と接触させることを含む、インビトロで微生物を殺傷するための方法を提供する。例えば、組成物又は薬学的組成物はまた、臨床環境(例えば、外科手術室)又は家庭環境(例えば、台所作業面、ベッドリネンなどの衣類の洗浄)などの表面又は基板上の微生物の増殖を防止するために、滅菌溶液又は洗浄液の形態で使用され得る。
一実施形態において、抗菌化合物は、1~100μg/mlの濃度で溶液中にあってもよい。
一実施形態において、溶液は、表面活性剤又は界面活性剤を更に含む。好適な界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤(例えば、脂肪族スルホネート)、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤(例えば、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体)、並びに非イオン性界面活性剤(例えば、脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキレンオキシドを有するアルキルフェノール)が挙げられる。
好都合には、表面活性剤は、0.5~5重量%の濃度で存在する。
滅菌溶液は、病院環境での使用に特に適している。例えば、滅菌溶液を使用して、外科用器具及び外科手術室表面、並びに手術室職員の手及び手袋を滅菌することができる。加えて、滅菌溶液は、例えば、露出した骨を滅菌するために、手術中に使用され得る。全ての場合に、溶液を滅菌される表面に適用する。
組成物又は薬学的組成物はまた、血液及び血液製剤を消毒するために、及び細菌汚染又は感染症の診断に使用され得る。
インビトロ使用及びインビボ使用の両方において、薬学的組成物又はポリペプチドのうちの少なくとも1つは、好ましくは、標的微生物(又は治療される表面/領域)に少なくとも5分間曝露される。例えば、曝露時間は、少なくとも10分、20分、30分、40分、50分、1時間、2時間、3時間、5時間、12時間及び24時間であり得る。
本発明の第9、第10若しくは第11の態様による使用のための組成物若しくは薬学的組成物、本発明の第12若しくは第13の態様による使用、又は本発明の第14、第15若しくは第16の態様による方法の一実施形態において、組成物又は薬学的組成物は、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、若しくはそれらに使用するための材料上にコーティング若しくは含浸されるか、又は混和されるか、又は他の方法で会合される。
本明細書における明らかに以前に公開された文書のリスト又は議論は、文書が最新技術の一部であるか、又は共通の一般知識であるという認識として必ずしも理解されるべきではない。
本発明の特定の態様を具体化する好ましい非限定的な実施例を、以下の図面を参照して説明する。
非感染創傷におけるWOUNDCOM中のコラーゲンVI由来ペプチドのインビボ創傷治癒効率の定量的評価。マウス動物モデルの皮膚において、外科的に創傷を負わせた。その後、それらを、異なるコラーゲンVIペプチドを含浸させたコラーゲンI担体で覆った。10日間の創傷治癒を評価し、自然創傷治癒、Puracol(コラーゲンVIペプチドを含まない担体)及びPuracol Ag(銀イオンを含浸させた担体)とそれぞれ比較した。Puracol(Medskin製)は、臨床性能のために最適化された濃度で使用した。創傷低減速度は、WOUNDCOMでかなり加速され、担体は、それぞれ、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)(図1A)、又は1.5μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(合計1.5μMの各ポリペプチド0.75μM)(図1B)で含浸される。 非感染創傷におけるWOUNDCOM中のコラーゲンVI由来ペプチドのインビボ創傷治癒効率の定量的評価。マウス動物モデルの皮膚において、外科的に創傷を負わせた。その後、それらを、異なるコラーゲンVIペプチドを含浸させたコラーゲンI担体で覆った。10日間の創傷治癒を評価し、自然創傷治癒、Puracol(コラーゲンVIペプチドを含まない担体)及びPuracol Ag(銀イオンを含浸させた担体)とそれぞれ比較した。Puracol(Medskin製)は、臨床性能のために最適化された濃度で使用した。創傷低減速度は、WOUNDCOMでかなり加速され、担体は、それぞれ、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)(図1A)、又は1.5μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(合計1.5μMの各ポリペプチド0.75μM)(図1B)で含浸される。 感染した創傷におけるWOUNDCOMにおけるコラーゲンVI由来ペプチドのインビボ創傷治癒効率の定量的評価。マウス動物モデルの皮膚において、外科的に皮膚創傷を負わせ、1×10cfuのPseudomonas aeruginosaに感染させた。その後、それらを、異なるコラーゲンVIペプチドを含浸させたコラーゲンI担体で覆った。10日間の創傷治癒を評価し、自然創傷治癒、Puracol(コラーゲンVIペプチドを含まない担体)及びPuracol Ag(銀イオンを含浸させた担体)とそれぞれ比較した。創傷低減速度は、WOUNDCOMでかなり加速され、担体は、それぞれ、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)(図2A)、又は1.5μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計1.5μMの各ポリペプチド0.75μM)(図2B)で含浸される。 感染した創傷におけるWOUNDCOMにおけるコラーゲンVI由来ペプチドのインビボ創傷治癒効率の定量的評価。マウス動物モデルの皮膚において、外科的に皮膚創傷を負わせ、1×10cfuのPseudomonas aeruginosaに感染させた。その後、それらを、異なるコラーゲンVIペプチドを含浸させたコラーゲンI担体で覆った。10日間の創傷治癒を評価し、自然創傷治癒、Puracol(コラーゲンVIペプチドを含まない担体)及びPuracol Ag(銀イオンを含浸させた担体)とそれぞれ比較した。創傷低減速度は、WOUNDCOMでかなり加速され、担体は、それぞれ、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)(図2A)、又は1.5μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計1.5μMの各ポリペプチド0.75μM)(図2B)で含浸される。 創傷閉鎖の尺度としての創傷滲出の分析。創傷液滲出の量は、https://www.woundsinternational.com/resources/details/wuwhs-consensus-document-wound-exudate-effective-assessment-and-managementに記載されているスコアリングシステムに準拠して経時的に測定した。創傷スコアリングシステムはまた、以下の表に概説されている。
Figure 2023545585000003

要約すると、創傷床滲出は、上記のスコアリングシステムによりスコアリングされ、更に分割され、結果として、1.1滲出なし、1.2最小限の滲出、2.1中程度の滲出、2.2中程度~滲出性、3.1滲出性~非常に滲出性、3.2非常に滲出性が得られた。図に示すように、創傷を異なる物品で治療した。結果を、4匹の動物における6つの異なる創傷の平均±SEMとして表す。「自然創傷治癒」の状態を除いて、他の全ての状態は、感染した創傷にあった。
創傷治癒の尺度としての創傷床深さの分析。創傷床の深さを経時的に測定した。各創傷において、最も深い位置を測定した。結果を、4匹の動物における6つの異なる創傷の平均±SEMとして表す。「自然創傷治癒」の状態を除いて、他の全ての状態は、感染した創傷にあった。 創傷治癒の尺度としての創傷床組織型の分析。創傷床組織型を、https://www.coloplast.sg/Documents/Wound/WUWHS_POSITION%20DOCUMENT.pdfに記載されているスコアリングシステムに従って経時的に測定した。要するに、組織型は、以下のようにスコアリングした:1.1非常に柔らかく水っぽい、1.2非常に柔らかく水っぽい~中程度に柔らかく水っぽい、2.1中程度に柔らかく水っぽい~粒状、2.2粒状、3.1粒状~上皮化、3.2上皮化。図に示すように、創傷を異なる物品で治療した。結果を、4匹の動物における6つの異なる創傷の平均±SEMとして表す。「自然創傷治癒」の状態を除いて、他の全ての状態は、感染した創傷にあった。 創傷における細菌負荷の評価。全厚の創傷を、5×10cfuのPseudomonas aeruginosaに感染させた。CFUを、生存カウントアッセイによって定量的に分析した。図に示すように、創傷を異なる物品で治療した。特に、感染していない対照創傷(黒線)では、4日目と7日目との間に二次感染が観察された。結果を、4匹の動物における6つの異なる創傷の平均±SEMとして表す。 製造業者Aによって製造されたWOUNDCOMの内部コラーゲン原線維構造に対する影響。密集したコラーゲン原線維は、横紋パターン(矢印)で見える。WOUNDCOMパッチを、貯蔵寿命の0ヶ月(a)、2ヶ月(b)、6ヶ月(c)及び12ヶ月(d)後に評価した。構造的な差異は、経時的に観察されない。 製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMの内部コラーゲン原線維構造に対する貯蔵寿命の影響。密集したコラーゲン原線維は、横紋パターン(矢印)で見える。WOUNDCOMパッチを、貯蔵寿命の0ヶ月(a)及び2ヶ月(b)後に評価した。構造的な差異は、経時的に観察されない。 製造業者Aによって製造されたWOUNDCOMのコラーゲンスポンジ構造に対する貯蔵寿命の影響。WOUNDCOMパッチを、貯蔵寿命の0ヶ月(a)、2ヶ月(b)、6ヶ月(c)及び12ヶ月(d)後に評価した。構造的な差異は、経時的に観察されない。 製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMのコラーゲンスポンジ構造に対する貯蔵寿命の影響。WOUNDCOMパッチを、貯蔵寿命の0ヶ月(a)、2ヶ月(b)後に評価した。構造的な差異は、経時的に観察されない。 製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMのコラーゲンスポンジ構造に対する貯蔵寿命の影響。WOUNDCOMパッチを、貯蔵寿命の0ヶ月(a)、2ヶ月(b)後に評価した。構造的な差異は、経時的に観察されない。 製造業者Aによって製造されたWOUNDCOMにおけるコラーゲンVIペプチドGVR28分布に対する貯蔵寿命の影響。WOUNDCOMパッチを、薄切片上のGVR28に対する金標識抗体によって評価した。採取された時点は、貯蔵寿命の0ヶ月(a)、2ヶ月(b)、6ヶ月(c)及び12ヶ月(d)後であった。構造的な差異は、経時的に観察されなかった。 製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMにおけるコラーゲンVIペプチドGVR28分布に対する貯蔵寿命の影響。WOUNDCOMパッチを、薄切片上のGVR28に対する金標識抗体によって評価した。採取された時点は、貯蔵寿命の0ヶ月(a)及び2ヶ月(b)後であった。構造的な差異は、経時的に観察されなかった。 製造業者A(a~d)又は製造業者B(e及びf)によって製造されたWOUNDCOM中のコラーゲンVIペプチドSFV33分布に対する貯蔵寿命の影響。WOUNDCOMパッチを、薄切片上のSFV33に対する金標識抗体によって評価した。製造業者Aによって製造されたWOUNDCOMの場合、採取された時点は、貯蔵寿命の0ヶ月(a)、2ヶ月(b)、6ヶ月(c)及び12ヶ月(d)後であった。製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMの場合、採取された時点は、貯蔵寿命の0ヶ月(e)及び2ヶ月(f)後であった。構造的な差異は、経時的に観察されなかった。 インビトロでの創傷治癒に対する異なる膜のインビトロ効果。創傷治癒に対する3つの異なる膜(WOUNDCOM、ProHeal及びWhatmanセルロース濾紙)の効果を、96時間にわたる線維芽細胞密度を測定することによって評価した。細胞密度(%)を、0時間、24時間、48時間及び96時間で測定した。WOUNDCOM(コラーゲン足場及び生体活性コラーゲンVIペプチドGVR28及びSFV33を含む)は、全ての時点で優れた創傷治癒効果を示した。 細菌の生存に対する異なる膜のインビトロ効果。異なる細菌(Staphylococcus aureus又はPseudomonas aeruginosa)の生存に対する3つの異なる膜(WOUNDCOM、ProHeal及びWhatmanセルロース濾紙)の効果を経時的に評価した。生存期間は、0分、30分、60分及び120分で測定した。WOUNDCOM(コラーゲン足場及び生体活性コラーゲンVIペプチドGVR28及びSFV33を含む)は、30分、60分及び120分で抗菌活性を示した。
実施例1-生体活性コラーゲンVIペプチドの組み合わせの改善された創傷治癒特性。
導入
生体材料は、人体の機能を維持するか、又は置き換えるために内部に配置される。これらは、優れた機械的特性、耐食性、及び生体適合性のために、金属合金、セラミック、ポリマー、又はバイオポリマーの様々な組み合わせで構成されている。創傷マトリックスは、発泡体、フィルム、ハイドロコロイド、ハイドロゲル、スポンジ、膜、皮膚代替物、電気紡績マイクロ線維、及びナノ線維などの様々な形態に製造された天然ポリマー及び合成ポリマーを含む、種々の材料で提供される。生体活性創傷マトリックスは、生体活性化合物の送達によって、又は内因性活性を有する材料から構築されることによって、創傷治癒において活性な物質を送達する。治癒成功率は、創傷治癒中に宿主-生体材料界面で起こる細胞及び生理学的プロセスによって高度に決定される。具体的には、有害な宿主応答プロセスは、しばしば、生体材料の性能を妨げる慢性炎症及びカプセル化をもたらす。したがって、組織及び細胞などの創傷特性を積極的に使用して治癒を増強する能力を備えた適切な創傷治療戦略を設計することが重要である。また患者は、しばしば、インプラント部位で重度の感染症に苦しみ、通常の創傷治癒プロセスを妨げる。通常、Staphylococci、Pseudomonas、又はStreptococciのような無害な細菌は、新鮮な創傷の損傷した組織に浸潤する可能性がある。ここでは、それらは高い病原性の可能性を発達させ、持続的な感染を確立し、生体材料機能を著しく損なう可能性がある。したがって、抗菌効果を有する生体活性創傷治癒促進生体材料表面を含む新しい戦略は、患者にとって有益であり得る。特に、一連の相乗効果を有する所与の生体材料表面の充填を可能にする、異なる生体活性生体分子の組み合わせは、高質な生体材料の機能及び生体適合性にとって重要である。
この目標を達成するために、コラーゲンIマトリックスを修飾する効果を、コラーゲンVI配列に由来する生体活性ペプチドGVR28及びSFV33の組み合わせ(WOUNDCOMエフェクター)を用いて調査した(WOUNDCOM担体、すなわち、Puracol)。それらを、それぞれ、WOUNDCOM担体単独(Puracol)、又はGVR28及びSFV33単独、又は銀イオン(Puracol Ag)で修飾されたWOUNDCOM担体と比較した。異なるWOUNDCOMバリアントを、マウスモデルにおける異なる皮膚創傷にインビボで適用した。GVR28及びSFV33の組み合わせは、予期せぬ、特に高い創傷治癒及び炎症調節効率を示し、その結果、創傷閉鎖を著しく加速させた。WOUNDCOM担体とWOUNDCOMエフェクターとを一緒に組み合わせて、WOUNDCOM製品を製造する。
要約すると、これらのデータは、WOUNDCOM修飾のための生体活性コラーゲンVIペプチドの試験された組み合わせが、特に高い創傷治癒効率を示すことを示す。したがって、これらは、他の生体分子と比較して特定の高い速度で、宿主-生体材料界面上の初期及び中間細胞事象を促進し得る。したがって、所与のコラーゲンI創傷マトリックスに結合したコラーゲンVI由来ペプチドの組み合わせは、生体活性宿主-生体材料界面の高質な生体適合性及び組織統合に生物学的に適切であると考えられ得る。特に、それらは、生体材料の挿入/適用後、及び創傷閉鎖及び創傷治癒の最初のステップ中に、創傷床を局所感染から、及び患者を全身感染から保護することができる。この治療戦略は創傷環境に有益であり、改善された創傷修復を促進し、異常な瘢痕形成を低減する可能性がある。
したがって、本研究において、異なる市販のコラーゲン足場の表面上の優れた創傷治癒特性を促進するために、天然コラーゲンVI由来生体分子の組み合わせの使用を検討した。ここでは、天然コラーゲンVI由来生体分子の組み合わせの使用が、インビボでの生物学的コラーゲン足場の創傷治癒特性を大幅に向上させることが初めて実証されている。この効果は、汎用性、多機能性、及び適切な細胞外環境を提供する顕著な可能性をもたらし、組織の再生及び瘢痕のリモデリングを促進しながら、感染及び炎症の発症を積極的に対比させ、したがって、生体適合性の所望の向上をもたらすことができる。
材料及び方法
材料-MDSコラーゲン及びMDSコラーゲンAg(すなわち、それぞれPuracol及びPuracol Ag)は、MedSkin Solutions Dr.Suwelack AG(MDS)から入手した。ε-ポリ-L-リジン臭化水素酸塩(PLL、30 000~150 000g/mol)は、Sigma-Aldrich(St.Louis,USA)から購入した。コラーゲンVI及びその由来ペプチドを、[29]に記載されるように調製した。
直径及び厚さがそれぞれ5mm(厚い足場)及び1~2mm(薄い足場)のPLL-コラーゲン足場ディスクを用いた生体材料表面コーティングは、より大きなシート(およそ10cm×10cm)からパンチアウトした。コラーゲンコーティングの前に、60℃で2時間インキュベーションすることにより、150μLのポリ-L-リジン臭化水素酸塩溶液(0.2mg/ml)をコラーゲン足場ディスク上に適用した。その後、ディスクを蒸留水中で2回洗浄して、未結合のPLLを除去し、空気乾燥させ、室温で貯蔵した。
生体活性コラーゲンVI分子-コラーゲン足場ディスクを用いた生体材料表面コーティングは、PLLで事前処理した後、24ウェル細胞培養プレート(TPP、Trasadingen,Switzerland)に入れた。それらを、150μLのコラーゲンVI型ペプチドGVR28、又はSFV33、又は両方のペプチドの混合物(それぞれ、濃度3μM又は1.5μM)で4℃で2時間インキュベートすることによってコーティングし、続いて蒸留水ですすぎ、空気乾燥した。
動物及び飼育-Balb/cマウス(雌、8~10週)を、Janvier Europeから取得した。マウスを、Medicon Village(Lund,Sweden)の動物施設に収容し、木材削りくずを含むポリスチレンケージ(III型ケージ、ケージ当たり10匹のマウス)中で12時間の明暗サイクルで維持し、標準的なげっ歯類の食餌及び水を自由に与えた。個々のマウスを、1日目に実施した耳マーキングによって識別した。
倫理的許可-地元の動物倫理委員会(Malmo/Lund,Sweden)は、5490-2017のライセンス下での実験を承認した。
生体材料ディスクインプランテーション-マウスをイソフルランで麻酔し、カミソリを使用して背中を剃った。必要に応じて、毛髪除去溶液を、残っている毛髪の除去のために適用した。インプランテーションの領域をヨウ素又は70%エタノールで洗浄し、切開を行う前にMarcaineを局所投与した。コーティングされた生体材料ディスクを皮下に挿入し、創傷を縫合糸及び/又は外科用糊で閉じた。
絶命及び組織収集-動物は、移植後の異なる時点、すなわち、1時間(表2及び5、それぞれ非感染及び感染)、3日(表3及び6、それぞれ非感染及び感染)並びに10日(表4及び7、それぞれ非感染及び感染)で絶命させた。絶命時に、動物を生理食塩水中の氷冷ホルマリンで灌流固定した。インプラントを周囲の組織とともに収集し、固定剤に移し、4℃で貯蔵した。次いで、それらを標準的な埋め込み及び免疫組織化学的処置に供した[38~41]。
結果
生体活性ペプチドGVR28とSFV33との組み合わせは、非感染及び感染皮膚創傷におけるコラーゲンI足場の優れた創傷治癒効率を媒介する。
マウスモデルにおける創傷治癒に対する生体活性コラーゲンVIペプチドの可能な影響を評価するために、コラーゲンI足場に、生体活性ペプチドGVR28及びSFV33の異なる組み合わせを含浸させた。GVR28若しくはSFV33単独、又は銀イオン、若しくは事前にコーティングされていないコラーゲン足場でコーティングすることが、対照として機能した。異なるコラーゲン足場で治療したマウスの皮膚創傷の組織学的評価の結果は、それらの異なる創傷治癒加速特性を示す(図1及び2)。GVR28及びSFV33の組み合わせによるコラーゲンI足場の前処理は、非感染創傷及び感染創傷の両方において、対照と比較してインビボでの創傷治癒特性を著しく増強した(それぞれ、図1及び2)。加えて、創傷床における炎症反応は、GVR28及びSFV33の組み合わせを有するコラーゲンI足場によって最も有益な方法で調節した(表2~7)。特に、これらのコラーゲンI足場の創傷治癒効率は、銀イオンを用いる広く市販されているゴールドスタンダードと比較して大幅に向上した。
まとめると、図1及び2並びに表2~7に提示されるデータは、コラーゲンVIアルファ-3鎖に由来する生体活性ペプチドの適切な組み合わせが、インビボでの皮膚創傷治癒を強く刺激することを示す。GVR28及びSFV33の組み合わせを含浸させたコラーゲンI創傷マトリックスのこの優れた創傷治癒効果は、他の試験された創傷マトリックスではかなり顕著ではなかった。これらの効果は、コラーゲンVI由来のペプチドの組み合わせでコーティングされた生体材料の優れた創傷治癒特性をもたらすことが期待される。
表2、3及び4:WOUNDCOMで治療された非感染創傷の細胞及び組織学的パラメータの定量的評価。マウス動物モデルの皮膚において、外科的に創傷を負わせた。その後、それらを、異なるコラーゲンVIペプチドを含浸させたコラーゲンI担体で覆った。10日間の創傷治癒を評価し、自然創傷治癒、Puracol(コラーゲンVIペプチドを含まない担体)及びPuracol Ag(銀イオンを含浸させた担体)とそれぞれ比較した。表2:1時間の治療、表3:3日間の治療、表4:10日間の治療。治癒中の創傷における異なる細胞の出現の時間経過、及び他の創傷パラメータを、組織学的評価によって定量的に評価した。マクロファージ、好中球及び白血球の数として表される炎症反応のレベルは、WOUNDCOMで治療された創傷において著しく低減し、担体は、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)で含浸される。並行して、組織壊死及びフィブリン滲出のレベルもまた、WOUNDCOMで治療された創傷において著しく低減し、担体は、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)で含浸される。
表5、6及び7:WOUNDCOMで治療された感染創傷の細胞及び組織学的パラメータの定量的評価。マウス動物モデルの皮膚において、外科的に皮膚創傷を負わせ、1×10cfuのPseudomonas aeruginosaに感染させた。その後、それらを、異なるコラーゲンVIペプチドを含浸させたコラーゲンI担体で覆った。10日間の創傷治癒を評価し、自然創傷治癒、Puracol(コラーゲンVIペプチドを含まない担体)及びPuracol Ag(銀イオンを含浸させた担体)とそれぞれ比較した。表5:1時間の治療、表6:3日間の治療、表7:10日間の治療。治癒中の創傷における異なる細胞の出現の時間経過、及び他の創傷パラメータを、組織学的評価によって定量的に評価した。マクロファージ、好中球及び白血球の数として表される炎症反応のレベルは、WOUNDCOMで治療された創傷において著しく低減し、担体は、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)で含浸される。並行して、組織壊死及びフィブリン滲出のレベルもまた、WOUNDCOMで治療された創傷において著しく低下し、担体は、3μMのGVR28及びSFV33の1:1混合物(すなわち、合計3μMの各ポリペプチド1.5μM)を含浸される。
Figure 2023545585000004

Figure 2023545585000005

Figure 2023545585000006

Figure 2023545585000007

Figure 2023545585000008

Figure 2023545585000009
実施例2-インビボブタ研究における生体活性コラーゲンVIペプチドの組み合わせの改善された創傷治癒特性。
マウスモデルにおける創傷治癒に関する生体活性コラーゲンVIペプチドの陽性所見に続いて、ヒトにおける創傷治癒とより密接に相関するブタモデルにおける創傷治癒について、生体活性コラーゲンVIペプチドを評価した。
評価は、以下のWOUNDCOM組成物を使用して実施した。
●WOUNDCOM1:3μMのエフェクター(1.5μM GVR28+1.5μM SFV33)、PLLなし
●WOUNDCOM2:30μMのエフェクター(15μM GVR28+15μM SFV33)、PLLなし
●WOUNDCOM3:3μMのエフェクター(1.5μM GVR28+1.5μM SFV33)、PLL含有
●WOUNDCOM4:30μMのエフェクター(15μM GVR28+15μM SFV33)、PLL含有
創傷滲出の評価によって測定される創傷閉鎖
創傷滲出液(創傷液又は創傷排液とも称される)は、(Merriam-Webster Dictionary,2018で定義されるように)表面的な病変又は炎症領域に逃げ込み、創傷治癒において重要な役割を果たすが、誤った量、場所又は組成で治癒を遅らせる可能性がある血清、フィブリン及び白血球で構成される材料を指す。創傷滲出液は、湿潤な創傷環境を提供し、免疫メディエーター及び成長因子が創傷床全体に拡散することを可能にし、組織修復細胞の移動のための媒体として作用し、細胞代謝のための必須栄養素を供給し、及び自己分解を促進することによって、治癒プロセスをサポートする。
創傷滲出を評価するためのスコアリングシステムは、World Union of Wound Healing Societies(WUWHS)Consensus Document,Wound exudate:effective assessment and management,Wounds International,2019に記載されている。
したがって、創傷治癒は、図3に示されるように、世界創傷治癒学会連合によって合意文書で確立された基準を使用して、創傷滲出液に関して評価することができる。
創傷スコアリングシステムはまた、以下の表に概説されている。
Figure 2023545585000010
図3は、ポリリジンを含まないWOUNDCOM(これは、実施例1に記載されるように、GVR28及びSFV33の組み合わせで含浸されたコラーゲンI創傷マトリックスである)(WOUNDCOM1+2)が、創傷滲出液についての改善された不応期を有し、試験された他の全ての状態と比較して、スコアをより速い速度でより健康なレベルに低減し、かつより改善された速度に低減することを示す。ポリリジンを含むWOUNDCOM(WOUNDCOM3+4)も大幅に改善されたが、WOUNDCOM1+2と同じレベルではなかった。
創傷深さの評価によって測定される創傷閉鎖
創傷閉鎖の別の評価には、創傷深さの測定が含まれる。ブタに創傷を負わせ、次いで、その深さを測定する(例えば、ミリメートル)。深さの更なる測定は、創傷がどれくらい速く治癒するかを評価するために、一定の時間間隔で行われ、深さの低減は、改善された治癒と相関する。
図4は、WOUNDCOM1+2及び3+4が創傷深さの最速の低減(すなわち、最速の創傷治癒)を提供し、WOUNDCOM1+2では7日までに完全な創傷治癒に到達することを示す。実験は21日目に終了したが、その時点までに自然創傷治癒、感染した創傷治癒及びコラーゲン包帯SoCは、WOUNDCOM1+2及び3+4と比較して、創傷深さによって評価されるのと同じレベルの創傷治癒に達していなかった。
創傷床組織型の評価によって測定される創傷閉鎖
創傷閉鎖の更なる評価には、創傷床組織型の測定、特に、以前に利用可能な多くの創傷評価ツールを改善するために開発された創傷評価のトライアングル(Triangle of Wound Assessment)アプローチが含まれる。14の創傷評価ツールの研究に続いて、各々が創傷状態のある特定のパラメータを記録するための枠組みを提供していたが、最適な創傷評価のための全ての基準を満たしておらず、多くが治癒の目標設定、ケアの計画、及び重要な介入の決定の観点から実践を導くことができなかったことが判明した(Anderson K,Hamm RL.Factors that impair wound healing.J Am Coll Clin Wound Specialists 2012;4(4):84-91.11)。トライアングルアプローチは、そのような以前の創傷評価基準と比較して改善された評価である。
創傷床組織型の評価のためのスコアリングシステムは、World Union of Wound Healing Societies(WUWHS),Florence Congress,Advances in wound care:the Triangle of Wound Assessment,Wounds International,2016に記載されており、上記の表に概説されている。
図5は、創傷床スコアをより急速に改善し、実験終了までに全体的に高いスコアに到達するために、WOUNDCOM1+2及び3+4が他の全ての他の条件を上回ることを再び示している。
創傷床における細菌負荷の評価
抗菌特性はまた、診療所における日和見感染症に関連するグラム陰性好気性桿菌であるPseudomonas aeruginosaで完全な厚さの創傷に感染させることによって、様々なWOUNDCOM条件について試験された。抗菌活性は、創傷当たりの対数コロニー形成単位(log CFU/創傷)によって測定されるように、細菌数の低減によって実証される。
図6は、WOUNDCOM(1、2、3及び4)の全ての変形例が、対照条件と比較して改善された抗菌活性を示し、WOUNDCOM1が最高のパフォーマンスを示し、WOUNDCOM2、3及び4も高い抗菌特性を示すことを実証する。
結論
要約すると、図3~6のデータから、WOUNDCOMは感染した創傷を治療するための安全かつ効果的な手段を提供し、WOUNDCOMは、エフェクター分子を含まない他のコラーゲン膜と比較して、急速な創傷閉鎖及び創傷治癒を促進することが明らかである。
WOUNDCOM1+2(PLLなし)は、WOUNDCOM3+4(PLL含有)よりも創傷サイズの低減をより効率的に加速させ、3μMのエフェクター含有量(WOUNDCOM1及び3)と30μMのエフェクター含有量(WOUNDCOM2及び4)との間で創傷サイズの低減に差異は観察されなかった。WOUNDCOM1は、創傷床における最も高い細菌負荷低減速度を示した。
まとめると、図3~6に提示されるデータは、コラーゲンVI アルファ-3鎖に由来する生体活性ペプチドの適切な組み合わせが、ヒトの創傷治癒に密接に類似するブタモデルにおけるインビボでの皮膚創傷治癒を強く刺激することを示す。マウス研究と同様に、GVR28及びSFV33の組み合わせ(WOUNDCOM)を含浸させたコラーゲンI創傷マトリックスのこの優れた創傷治癒効果は、他の試験された創傷マトリックスではかなり顕著ではなかった。これらの効果は、コラーゲンVI由来のペプチドの組み合わせでコーティングされた生体材料の優れた創傷治癒特性をもたらすことが期待される。このコーティング戦略は創傷環境に有益であり、改善された創傷修復を促進し、異常な瘢痕形成を低減する可能性がある。
実施例3-コラーゲンVIペプチドの安定性(単独)
コラーゲンVIペプチドGVR28及びSFV33の安定性を評価した。安定性とは、ペプチドの純度及び/又は特定の温度、特に-20℃又は25℃でのペプチドの長期安定性を含む。
i.初期安定性試験
コラーゲンVI由来ペプチドGVR28及びSFV33を、非cGMP下でペプチド合成プロバイダーによって合成した。
コラーゲンVI由来ペプチドGVR28及びSFV33を、-20℃、又はベンチトップ条件で25℃のいずれかで3年間貯蔵した。ペプチドを、それらの創傷治癒(インビトロ引っかき試験を介して)及び抗菌特性(生存カウントアッセイを介して)について定期的に試験した。
結果
インビトロ引っかき試験では、HaCaT細胞に対するペプチドの細胞毒性効果はなく、試験期間中にペプチドの創傷治癒活性が低下しなかったことが示されている。生存カウントアッセイは、ペプチドの連続的な広域スペクトル抗菌活性を示し、これは、試験期間を通して低下しなかった。
いずれの貯蔵温度でも、これらのパラメータにおける有意な変化は3年間観察されなかった。
ii.更なる安定性及び純度試験
GVR28及びSFV33の両方を、非cGMP条件下で合成した。ペプチドを調査の対象として、純度(クロマトグラフィー、LC-MS)を評価し、ペプチド合成中に生成された不純物/関連物質を評価するための試験及び分析方法を評価し、検証した。この評価は、リスク管理の一環として材料特性評価に使用される。背景として、ペプチドGVR28及びSFV33の合成中に、関連物質としても言及される少量の不純物が、プロセスの通常の部分として生成される。関連物質は、例えば、切断ペプチド又は修飾アミノ酸を含むペプチドである。この分数は、できる限り最小限に抑えられる。材料仕様によると、最大5%の不純物が許容される。プロセス開発中に、関連物質を分析し、濃度≧0.50%の全ての物質の上限を定義した。全ての不純物≧0.10%は、分析証明書に報告された。
分析中、コラーゲンVI由来ペプチドGVR28及びSFV33を定量クロマトグラフィーによって分析し、不純物を、それらの相対保持時間(RTT)、ピーク面積、及び計算された分子量によって特徴付けた。推奨される分子構造を有する不純物/関連物質は、それらの計算された分子量に基づいて、潜在的な生体適合性/毒性の問題の評価と同様に評価した。
GVR28及びSFV33ペプチド調製物は、どちらも非常に純粋であり、Techバッチの純度は、96%である。
各ペプチド調製物にはいくつかの不純物/関連物質が含まれており、これらは2つの群に分けることができる。
(1)欠損アミノ酸を有する切断ペプチド
切断ペプチドは、一般に不活性であると考えられる。これは、宿主防御ペプチドの活性が、ペプチド鎖に沿った荷電アミノ酸及び疎水性アミノ酸の正しい配置を含む、それらの二次構造に大きく依存するという事実に起因する[50、51]。興味深いことに、長さが増加するAMPは、膜に対してより破壊的であり(細胞毒性)、切断ペプチドは元の全長ペプチドよりも更に細胞毒性が低いことも記載されている([50])。
(2)アミノ酸修飾を有するペプチド
全てのペプチド修飾は、無毒性として分類され、したがって、最終生成物にいかなる害も及ぼさない。これらの所見は、データベース検索(ECHA、PubChem)に基づいている。しかしながら、1つの例外は、有毒な仮想ペプチド修飾、1,1,3,3-テトラメチルグアニジンである。重要なことに、この物質は、アミノ酸修飾としてのポリペプチド鎖の不可欠な部分であり、したがって、遊離化学形態での最終生成物中に存在しない。更に、それは非常に低い濃度で存在し、毒性濃度レベルをはるかに下回り、したがって、最終生成物にいかなる害も及ぼさない。
したがって、チェックしたペプチド及び不純物は、毒性又は生体適合性の問題を示さなかった。
ii.更なる安定性試験
GVR28及びSFV33の両方を、cGMP条件下で、AmbioPharm Inc.によって合成した。個々のペプチドGVR28及びSFV33(すなわち、WOUNDCOMフォーマットではない)は、-20℃及び+25℃の両方で進行中の安定性試験の対象となる。これらは最大24ヶ月間実施される。
安定性研究は、AmbioPharmの内部標準操作手順(SOP)、Slab 11.12-005「安定性試験管理手順」及び個々の安定性プロトコル、GVR28の場合はAPi3091(FP.231-3)-001、SFV33の場合はAPi3092(FP.232-3)-001に従って行われる。
SOPは、APIの安定性研究の計画及び実施のために、次の該当する文書を参照する。
●Guidance for industry Q1A(R2)Stability Testing of New Drug Substances and Products
●Guidance for Industry Q1E Evaluation of Stability Data
●ICH Q7-Good Manufacturing Practice Guidance for Active Pharmaceutical Ingredients,Subpart 11.5“Stability monitoring of APIs”
●Eudralex Volume 4,Part II:Section 11.5“Stability Monitoring of APIs”
●Chinese Pharmacopoeia(2020 Edition)Volume IV,9001-Stability testing of active pharmaceutical ingredients and finished pharmaceutical products
結果
以下は、0日目(0D)及び3ヶ月での安定性試験の実験結果である。表8及び9は、それぞれ、GVR28を-20℃及び25℃で貯蔵した場合の安定性結果を示す。表10及び11は、それぞれ、SFV33を-20℃及び25℃で貯蔵した場合の安定性結果を示す。加速条件を表すために25℃を選択した。
この研究は、長期的なペプチドの安定性と潜在的な危険性についての有用な情報及び指示を提供すると考えられている。
Figure 2023545585000011

Figure 2023545585000012

Figure 2023545585000013

Figure 2023545585000014
GVR28又はSFV33が-20℃で貯蔵された場合、0日目と3ヶ月時点との間に分解は観察されなかった。GVR28及びSFV33については、最初の3ヶ月間に25℃で貯蔵した場合、純度のわずかな低下が観察された。しかしながら、3ヶ月時点で、純度レベルは許容基準内であった。
25℃で貯蔵したSFV33では、3ヶ月でいくらかの新しい不純物が検出されたが、純度が低下した場合にはこれが予想される。水分含有量は3ヶ月間で増加したが、依然として許容基準の範囲内であった。
3ヶ月後に室温で見られるSFV33不純物は評価されるが、懸念は生じず、無害な切断及び不活性配列であることが予想される。
進行中の長期ペプチド安定性試験では、外観、同一性、純度/関連不純物、及び含水量に関して、コラーゲンVIペプチド(GVR28及びSFV33)の安定性に著しい変化は示されていない。安定性研究は、コラーゲンVIペプチドが、商業的及び臨床的に関連する持続時間の間、それらの凍結乾燥状態で安定であることを示す。
実施例4-コラーゲンVIペプチドを含む構築されたWOUNDCOMの安定性
WOUNDCOMは、2つの独立した会社によって製造され、異なる重要な製品安定性パラメータを、以下を含む電子顕微鏡法によって評価した。
(i)長期コラーゲンI原線維及びコラーゲンIスポンジの安定性及び完全性(特に、肉眼的外観及びコラーゲンスポンジ孔径)、並びに
(ii)金標識ポリクローナル抗体を用いた定量的電子顕微鏡法による、WOUNDCOMマトリックスにおける長期的なペプチド安定性及び濃度。
WOUNDCOM製造プロセス
安定性を評価するために、WOUNDCOMユニットを以下のように製造した。
ウシコラーゲンI
ウシコラーゲンIは、機械的手段によって採取した。真皮を、下層組織(脂肪、筋肉、骨)及び表皮(剥離皮膚生成)からナイフで分離した。腱を筋肉及び骨から機械的に分離した。
TSE/BSEのリスクを低減するとともに、原材料に存在する可能性のある他の微生物の移行を低減するために、ISO22442シリーズの規格に規定されている手順を遵守し、適切な調達、トレーサビリティ、取り扱い及び管理を保証した。例えば、群れはBSEフリーであり、一定の制御下にあり、組織採取方法は、中枢神経系組織などの潜在的にTSE汚染され得る身体部分との接触を慎重に回避した。
コラーゲン懸濁液への処理は、微生物のために生き残ることが困難であり、結果として生じるコラーゲン懸濁液は、デフォルトで微生物の負荷を十分に低減した。ISO22442-3に従ったウイルス不活性化研究は、処理ステップがウイルス負荷を十分に低減することを検証した。また、処理されたコラーゲンは、細胞、細胞破片、脂質、RNA及びDNAを欠いていた。
このワークフローは、ヒトコラーゲンVIのアルファ3鎖の配列の正確なレプリカであったウシコラーゲンIヒトコラーゲンVIペプチドGVR28及びSFV33の安定した再現性のある生成を確実にした。ペプチドは、各々約3μMの濃度で生成物中に存在した。このペプチド量は、所望の効果を提供することが示されている。ペプチドは、標準的な化学ペプチド合成によって合成的に製造された。最終的な凍結乾燥させた材料のペプチド含有量は、≧70%である。残りの含有量は、水及び酢酸塩である。ペプチド含有量のうち、GVR28又はSFV33の純度は、それぞれ、>95%の範囲内であった。0.50%を超える任意の単一の不純物は、製造業者によってデフォルトで特徴付けられた。GVR28及びSFV33については、主要な不純物が分析及び評価されている。それらは、機能障害を有するか、又は無傷の機能を有しない切断又は修飾されたペプチドからなる。
このワークフローは、合成された生体活性ヒトコラーゲンVIペプチドの安定した再現性のある生成を保証する。
WOUNDCOMは、次のとおり製造された。
1.コラーゲンVIペプチドを化学合成し、次いで凍結乾燥させ、ガラスバイアルに詰め、冷凍庫で保管した。
2.ウシ組織を、純粋な天然コラーゲンI懸濁液が導出されるまで処理した。
3.ペプチドを、コラーゲンスラリーに機械的に混合した。
4.得られた懸濁液を容器に注ぎ込み、凍結させ、次いで凍結乾燥させた(フリーズドライ)。
5.凍結乾燥に関連して脱水熱架橋(DHT)が行われた(化学架橋なし)
6.シートの切断/スライス及び滅菌バッグへの包装
7.滅菌
最終製品は、一緒にWOUNDCOM生成物を形成する担体(コラーゲンI)及びエフェクター分子(例えば、GRV28及びSFV33)で構成される。
WOUNDCOM安定性実験
WOUNDCOMプロトタイプは、製造業者A及び製造業者Bによって製造された。それらは室温及び乾燥条件下で貯蔵された。試料を、送達時に電子顕微鏡によって検査し、次いで異なる時点で、生成物の構造安定性の側面を評価した。
この目的のために、異なるWOUNDCOM標本におけるコラーゲン原線維構造、天然性(nativity)、及びアーキテクチャなどのパラメータを、走査及び透過電子顕微鏡法による試料の評価によって調査した。5つの異なるWOUNDCOMパッチを、5つの異なる領域に分けた。各領域から、5つの異なる試料(直径2mm)をパンチアウトし、合計125個の試料を得た。試料を、確立されたルーチン電子顕微鏡法試料調製に供した。
したがって、生成安定性研究は、WOUNDCOM上の走査電子顕微鏡及び透過電子顕微鏡の確立されたルーチン方法論を適用するように設計された。この技法は、WOUNDCOM足場の構造的詳細を直接評価するための貴重なツールであることが証明された。したがって、天然コラーゲン線維/μm2の密度を、製造業者A及び製造業者BからのWOUNDCOM物品において、製造直後及び貯蔵寿命の経過中の材料品質の尺度として定量的に評価した(図7~10)。
別のアプローチにおいて、生成安定性研究は、WOUNDCOM足場内の局所GVR28及びSFV33濃度及び分布の直接評価を可能にする、WOUNDCOM上の定量的免疫電子顕微鏡法の確立されたルーチン方法論を適用するように設計された。異なるWOUNDCOM足場全体にわたるGVR28及びSFV33濃度変動を、製造後及び貯蔵寿命経過中に評価した(図11~13)。結果は、研究されたプロトタイプの品質の指標として役立ち、したがって、製造プロセスパラメータに関するフィードバックとして役立ち得る。免疫金粒子(黒い点)/μmの数は、GVR28及びSFV33ペプチドの濃度に直接変換される。
結果は、研究されたプロトタイプの品質の指標として役立ち、したがって、製造プロセスパラメータに関するフィードバックとして役立ち得る。研究は、標準手順及び公表された研究プロトコルに従って実施した。
結果
製造業者A(図7)及び製造業者B(図8)の2つの異なる製造業者によって製造されたWOUNDCOMの内部コラーゲン原線維構造に対する効果を、透過型電子顕微鏡を使用して経時的に評価した。全ての検査されたWOUNDCOM標本は、約10~12コラーゲン原線維/μmのコラーゲン原線維密度を有する均質な超構造を示す。コラーゲン原線維は、63~67nmの横紋周期性で天然に現れる。全てのWOUNDCOM試料は、天然コラーゲンI原線維の高密度を有する均質な超構造を示す。コラーゲンIテンプレートの超構造特性は、製造業者とは独立しており、試験された貯蔵寿命中に変化しなかった。
2つの異なる製造業者、製造業者A(図9)及び製造業者B(図10)によって製造されたWOUNDCOMのコラーゲンスポンジ構造に対する効果を、走査電子顕微鏡を使用して経時的に評価した。全ての検査されたWOUNDCOM標本は、開いた多孔質の超構造を示し、80%の孔は、20~60μmの直径を有する。製造業者Bのコラーゲンテンプレートは、孔径分布に関する超構造外観においてより均質に見える。評価された全てのWOUNDCOMパッチは、試験された貯蔵寿命中にアーキテクチャの変化はなかった。
コラーゲンの2つの異なる製造業者、製造業者A及び製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMにおけるSFV33及びGVR28分布に対する効果を、経時的に評価した(図11~13)。5つの異なるWOUNDCOMパッチからの異なるWOUNDCOM試料中のGVR28及びSFV33の濃度を、定量的免疫電子顕微鏡法によって経時的に評価した(図11~13)。免疫金粒子の数/μmを、ランダムに選択された領域でカウントした。選択された実験条件は、免疫金粒子の数/μmを、標的構造の実際の濃度(すなわち、局所GVR28及びSFV33濃度)に直接変換することを可能にした。
GVR28及びSFV33の両方が、全ての検査されたWOUNDCOMパッチのコラーゲン足場内に均等に分布した。両方のペプチドについての局所濃度の計算された変動は、約+/-10%の範囲内であった。製造業者Aによって製造されたWOUNDCOMと製造業者Bによって製造されたWOUNDCOMとの間に差異は見出されなかった。
GVR28及びSFV33は、検査した全てのWOUNDCOMパッチにおいて、均一かつ再現性のある分布及び濃度を明らかに示す。したがって、WOUNDCOMは、安定した再現性のある製造プロセスによって製造される。
製造業者B及び製造業者AによるWOUNDCOMの生産技術は本質的に同一であるため、製造業者BからのWOUNDCOMユニットの長期安定性は、製造業者Aによって製造されたWOUNDCOMユニットと同じ安定性を12ヶ月後に実証すると仮定することができる。
結論
評価された異なる時点で、走査電子顕微鏡的外観でも透過電子顕微鏡レベルでも、WOUNDCOMの微細構造又はペプチド濃度に変化は観察されなかった。
まとめると、これらの結果は、WOUNDCOM創傷包帯が堅牢で再現性のある生産プロファイルを有し、したがって慢性感染創傷の管理のための信頼できる利益を有することを示している。更に、この評価はまた、製造業者A及び製造業者Bの両方からのWOUNDCOMの同等の製造を示す。
データは、WOUNDCOMの貯蔵寿命が少なくとも1年であることを示しており、これは関連する設定で製品を効果的に利用するのに十分である(例えば、診療所又は病院での製造、流通及び使用に十分な時間を提供する)。
実施例5-生体活性コラーゲンVIペプチドを含むWOUNDCOMの創傷治癒及び抗菌効果を他の膜と比較する
WOUNDCOMの創傷治癒効果及び抗菌活性を、ProHealのそれと比較した。ProHealは100%コラーゲン製品であり、WOUNDCOMと同じ基材を有しているため、生体活性コラーゲンVIペプチドの効果を評価するための比較器として機能する。Whatmanセルロースを更なる対照として使用して、増加した線維芽細胞増殖におけるコラーゲン基材の寄与に関する洞察を提供した。
WOUNDCOMは、生体活性コラーゲンVIポリペプチドGVR28及びSFV33を組み合わせたコラーゲンベースの担体を含む。
i.膜の創傷治癒効果を評価するインビトロ試験
材料及び方法
WOUNDCOMの滅菌されていない試料は、製造業者Bによって製造された。滅菌されたProHeal試料(REF83030-001、バッチ番号2001099)は、MedSkin Solutionsによって製造された。Whatmanセルロース濾紙(REF10 311 611、バッチ番号G1504017)を使用した。
皮膚線維芽細胞(Lonza #CC2511)、FBM培地(Lonza #CC3131)、試薬、器具等は、以下のように説明された。
Figure 2023545585000015
プロトコル
パンチの調製
●6.2で定義された6つの異なる創傷パッドからの円形パンチは、滅菌条件下で組織8mm生検パンチャーによって調製される。
皮膚線維芽細胞の事前培養及び播種
●真皮線維芽細胞に特有のLonzaの推奨に従って細胞を解凍する(回転なし)
●サプリメントを含むFBM培地中で細胞を増殖させる。細胞がより集密的になるにつれて漸増量の培地を使用する(25%集密下で1ml/5cm、25~45% 1.5ml/5cm、>45% 2ml/5cm
●細胞は、播種日に約60~80%集密である必要がある
●培地を取り除き、細胞をPBSで洗浄する
●Lonzaトリプシンを添加する
●細胞を放出した後、2倍量の培地をFBSとともに添加する
●300×gで5分間回転させる
●上清を吸引し、培地中の細胞を再懸濁する
●細胞濃度を決定し、細胞を希釈する。
●パンチは、所定の位置に保持するために、底部に50ulの培地を有する12ウェルプレートに配置される。
●細胞をパンチ上に播種する
a.10,000細胞/50ul培地(EM)を2回又は
b.20,000細胞/50ul培地(増殖)を3回
●細胞を1時間パンチに付着させる
●1400ul培地をウェルにそっと添加する
●細胞を0、24、48及び96時間インキュベートする
●96時間試料の場合、培地を48時間後に交換する。
電子顕微鏡法のための細胞の調製
●パッドパンチ上で0、24、48及び96時間インキュベートした細胞を、PBS中で1回洗浄する
●次いで、試料をEM fix(スポンサーにより提供)に固定し、スポンサーに送達する
同じ量の細胞(10,000)を、3つの試料型(WOUNDCOM、ProHeal及びWhatmanセルロース濾紙)に適用した。3つの異なる試料の創傷治癒効果を、所与の試料上の細胞付着及び増殖を評価することによってインビトロで試験した。これを、上記の方法を使用して評価した)。
結果
インビトロ研究の結果を図14に提示する。カウントされた細胞の最大数(WOUNDCOM 96時間で119細胞)を、y軸上で100%に設定した。
同じ量の細胞を、3つの試料型に適用した。異なる開始数は、既にt=0から、コラーゲンVIペプチド(GVR28及びSFV33)が存在する材料に細胞が付着しやすくなり得ることを示す。その後、WOUNDCOMは、線維芽細胞の増殖を加速させる。WOUNDCOMで観察された線維芽細胞密度の増加は、ProHealで観察されたものの少なくとも2倍、Whatmanセルロース濾紙で観察されたものの少なくとも4倍であった。
要約すると、WOUNDCOMは、他の膜と比較して優れた創傷治癒効果を示す。
ii.膜の抗菌活性を評価するインビトロ試験
材料及び方法
本研究で使用したWOUNDOM、ProHeal及びWhatmanセルロース線維の試料は、上記の創傷治癒実験で概説したものと同じである。
異なる試料の抗菌活性を、以下の方法によって所与の膜表面上の細菌殺傷を決定することによってインビトロで評価した。
細菌株
Pseudomonas aeruginosa
Figure 2023545585000016
Staphylococcus aureus
Figure 2023545585000017
材料及び試薬リスト
Figure 2023545585000018
器具
Figure 2023545585000019
細菌培養の増殖
以下の手順は、S.aureus及びP.aeruginosaについて同一である。
実験前の1週間以内に、小白金耳量の細菌ストックを非選択的寒天プレート(TSA)上で縞模様にし、37℃±1℃で一晩インキュベートした。培養物を使用前に、純度について目視で検査した。全ての細菌コロニーを調べて、それらが同じコロニー形態及び色を示すことを確認した。
実験の前日(-1日目)、TSAプレートからの小白金耳量を使用して、20mLのTSB培地を含有する2つの滅菌50mLのエルレンマイヤーフラスコに植菌した。フラスコを、振盪(300rpm)で37℃±1℃でインキュベートした。
実験日(0日目)に、一晩培養物からのアリコートをTSB培地中で10倍希釈し、OD600を測定した。以前の測定から、一晩培養物は、およそ10CFU/mLの密度まで増殖する。
電子顕微鏡分析用の試料を調製する
試験品試料を、滅菌した24ウェルプレートに配置した。一晩培養物からのアリコートを段階的に希釈し、TSAプレート上にプレートして、細胞密度を決定した。一晩培養物からの50μLのアリコートを試験品試料上にピペットし、湿潤チャンバ内で37±1℃で0時間(10秒)、0.5時間、1時間及び2時間インキュベートした。各インキュベーション時間の終了時に、試験品試料を滅菌した24ウェルプレートの1mL EM fixに入れ、EM分析のためにスポンサーに渡して、活性/生存を決定する。
結果
インビトロ抗菌活性実験の結果を図15に提示する。30分間の曝露後、WOUNDCOM上の細菌生存率の低減が観察された。具体的には、Staphylococcus aureusの生存率の18%低減が観察され、Pseudomonas aeruginosaの生存率の25%低減が観察された。60分後、WOUNDCOM試料の表面上の細菌生存率は、S.aureusで30%、P.auruginosaで20%であり、細菌生存率は、それぞれ70%及び80%低減した。研究の終了時(120分)、WOUNDCOM試料の表面上のS.aureus及びP.aeruginosaの生存率は10%未満であった。研究全体(0~120分)にわたって、比較器膜は、限られた(ProHeal)抗菌効果のみを示すか、又は検出可能な(セルロース濾紙)抗菌効果を示さなかった。
この研究から得られた結果は、WOUNDCOMが、Staphylococcus aureus及びPseudomonas aeruginosaなどの細菌に対する抗菌効果を有し、抗菌効果が試験された他の膜(ProHeal及び濾紙)よりも優れていることを実証している。
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Claims (68)

  1. 組成物であって、
    (a)コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は前記その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、又はそれからなる、第1のコラーゲンVI型ポリペプチドであって、前記第1のポリペプチドが、創傷治癒を促進することができる一次活性を有する、第1のコラーゲンVI型ポリペプチドと、
    (b)コラーゲンVI型に由来するアミノ酸配列、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、又は前記その断片、誘導体のバリアントの融合体を含むか、又はそれからなる、第2のコラーゲンVI型ポリペプチドであって、前記第2のポリペプチドが、抗菌効果を発揮することができる一次活性を有する、第2のコラーゲンVI型ポリペプチドと、を含む、組成物。
  2. 前記第1及び/又は第2のポリペプチド、断片、バリアント、融合体又は誘導体が、微生物を殺傷するか、又はその成長を減衰させることができる、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記微生物が、細菌、マイコプラズマ、酵母、真菌及びウイルスからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、前記微生物の膜に結合することができる、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、前記微生物の膜破壊を引き起こすことができる、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記第1及び/又は第2のポリペプチド、断片、バリアント、融合体又は誘導体が、創傷閉鎖を促進することができる、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、
    (a)上皮(表皮を含む)再生を増強すること、及び/又は
    (b)創傷上皮(表皮を含む)の治癒を増強すること、及び/又は
    (c)創傷間質(真皮を含む)の治癒を増強することができる、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、LL-37以上の抗菌効果を示すことができる、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記抗菌効果が、グラム陽性又はグラム陰性細菌である微生物に対するものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記微生物が、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、A群連鎖球菌(例えば、Streptococcus pyogenes)、B群連鎖球菌(例えば、Streptococcus agalactiae)、C群連鎖球菌(例えば、Streptococcus dysgalactiae)、D群連鎖球菌(例えば、Enterococcus faecalis)、F群連鎖球菌(例えば、Streptococcus anginosus)、G群連鎖球菌(例えば、Streptococcus dysgalactiae equisimilis)、アルファ-溶血性連鎖球菌(例えば、Streptococcus viridans、Streptococcus pneumoniae)、Streptococcus bovis、Streptococcus mitis、Streptococcus anginosus、Streptococcus sanguinis、Streptococcus suis、Streptococcus mutans、Moraxella catarrhalis、無莢膜型Haemophilus influenzae(NTHi)、Haemophilus influenzae b(Hib)、Actinomyces naeslundii、Fusobacterium nucleatum、Prevotella intermedia、Klebsiella pneumoniae、Enterococcus cloacae、Enterococcus faecalis、Staphylococcus epidermidis、多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)、多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、多剤耐性Escherichia coli(MREC)、多剤耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)、多剤耐性Klebsiella pneumoniae(MRKP)、多剤耐性Enterococcus faecium(MREF)、多剤耐性Acinetobacter baumannii(MRAB)及び多剤耐性Enterobacter spp.(MRE)からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記微生物が、1つ以上の従来の抗生剤に耐性である細菌である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記微生物が、多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)、多剤耐性Escherichia coli(MREC)、多剤耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)及び多剤耐性Klebsiella pneumoniae(MRKP)からなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、哺乳類細胞に対して実質的に無毒性である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、抗内毒性効果を発揮することができる、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、フォン・ヴィレブランド因子A型ドメインに由来する、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、コラーゲンVI型のα1、α2及び/若しくはα3鎖であるか、又はそれらに由来する、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、コラーゲンVI型のα3鎖であるか、又はそれに由来する、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、コラーゲンVI型のα3鎖のN2、N3若しくはC1ドメインであるか、又はそれらに由来する、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、正味正電荷を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 前記第1及び/又は第2のポリペプチド上の前記電荷が、+2~+9の範囲であり、任意選択で、前記電荷が異なるか、又は同じである、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、少なくとも30%の疎水性残基を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 前記ポリペプチドのうちの少なくとも1つが、配列番号1~23からなる群から選択されるアミノ酸配列、及びその断片、バリアント、融合体又は誘導体、並びに前記その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれらからなり、配列番号1~23のうちのいずれか1つの抗菌活性を保持する、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 前記ポリペプチドのうちの少なくとも1つが、配列番号1~5からなる群から選択されるアミノ酸配列:
    Figure 2023545585000020

    及びその断片、バリアント、融合体又は誘導体、並びに前記その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれらからなり、配列番号1~5のうちのいずれか1つの抗菌活性を保持する、請求項22に記載の組成物。
  24. 前記ポリペプチドのうちの少なくとも1つが、配列番号1~5からなる群から選択される前記アミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、配列番号1~23からなる群から選択される前記アミノ酸配列のバリアントを含むか、又はそれからなる、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
  26. 前記バリアントが、配列番号1~23のうちのいずれか1つの前記アミノ酸配列アミノ酸配列と少なくとも50%の同一性、例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも99%の同一性を有する、請求項25に記載の組成物。
  27. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、
    (a)10~200アミノ酸長、例えば、10~150、15~100、15~50、20~40、25~35、若しくは28~33アミノ酸長;
    (b)前記第1及び/若しくは第2のポリペプチドが、最大25、28、30、33、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95若しくは100アミノ酸長であるアミノ酸配列の一部である、より長いアミノ酸配列の一部、並びに/又は
    (c)前記第1及び/若しくは第2のポリペプチドが、20~200、28~200、33~200、28~150、33~150、28~100、33~100、28~50、33~50、28~40、33~40、又は28~33アミノ酸長であるアミノ酸配列の一部である、より長いアミノ酸配列の一部である、請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. 前記ポリペプチドが、少なくとも20アミノ酸長、好ましくは少なくとも28アミノ酸長である、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記第1及び/若しくは第2のポリペプチド、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体が、修飾又は誘導体化された1つ以上のアミノ酸を含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 前記1つ以上のアミノ酸が、PEG化、アミド化、エステル化、アシル化、アセチル化及び/又はアルキル化によって修飾又は誘導体化される、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記第1及び/又は第2のポリペプチドが、組換えポリペプチドである、請求項1~30のいずれか一項に記載の組成物。
  32. 前記組成物が、少なくとも2つのポリペプチドを含み、各ポリペプチドが、配列番号1~23のアミノ酸配列、及びその断片、バリアント、融合体又は誘導体、並びに前記その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれらからなり、配列番号1~23のいずれか1つの抗菌活性を保持し、前記少なくとも2つのポリペプチドが、異なる配列である、請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物。
  33. (a)前記第1のポリペプチドが、配列番号1によるアミノ酸配列(すなわち、GVR28)、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、並びに前記その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれらからなり、配列番号1の創傷治癒活性を保持する、かつ/あるいは
    (b)前記第2のポリペプチドが、配列番号5によるアミノ酸配列(すなわち、SFV33)、又はその断片、バリアント、融合体若しくは誘導体、並びに前記その断片、バリアント及び誘導体の融合体を含むか、又はそれらからなり、配列番号5の抗菌活性を保持する、請求項1~32のいずれか一項に記載の組成物。
  34. 第1及び第2のポリペプチドが、少なくとも0.5:1、例えば、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1若しくは1:1の比で前記組成物中に存在するか、又は
    前記第2及び第1のポリペプチドが、少なくとも0.5:1、例えば、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1若しくは1:1の比で前記組成物中に存在する、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物。
  35. 前記組成物が、足場材料を更に含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の組成物。
  36. 前記足場材料が、コラーゲンタンパク質であり、任意選択で、前記足場が、コラーゲンIである、請求項35に記載の組成物。
  37. 請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物を、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体、緩衝液又はアジュバントとともに含む、薬学的組成物。
  38. 請求項1~37のいずれか一項に記載の組成物若しくは薬学的組成物でコーティング、含浸、混和されるか、又は他の方法で会合される、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料。
  39. 請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37に記載の薬学的組成物でコーティングされる、請求項38に記載の医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料。
  40. 前記デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又は材料が、バイパス手術、体外循環、創傷ケア及び/又は透析で使用するためのものである、請求項38又は39に記載の医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料。
  41. 前記組成物が、縫合糸、プロテーゼ、インプラント、創傷包帯、カテーテル、レンズ、皮膚移植片、皮膚代替物、フィブリン糊若しくは包帯でコーティング、塗装、スプレーされるか、又は他の方法で適用される、請求項38~40のいずれか一項に記載の医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料。
  42. ポリマー、金属、金属酸化物及び/若しくはセラミックを含むか、又はそれらからなる、請求項38~41のいずれか一項に記載の、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料。
  43. 医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、請求項1~37のいずれか一項に記載の組成物若しくは薬学的組成物でコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップを含む、前記医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法。
  44. 医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法であって、以下:
    (i)請求項1~36のいずれか一項によって定義される第1及び/又は第2のポリペプチドを含む組成物を調製するステップと、
    (ii)前記医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、ステップ(i)で調製した前記組成物でコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
    任意選択で、前記医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、ポリリジンでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、を含む、方法。
  45. 医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法であって、以下:
    (i)前記医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、請求項1~36のいずれか一項によって定義される第1のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
    (ii)前記医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、請求項1~36のいずれか一項によって定義される第2のコラーゲンVI型ポリペプチドでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、
    任意選択で、前記医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、又はそれらに使用するための材料を、ポリリジンでコーティング、含浸、混和するか、又は他の方法で会合させるステップと、を含む、方法。
  46. 医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品又はそれらに使用するための材料を調製する方法であって、以下:
    (i)足場溶液を、請求項1~36のいずれか一項によって定義される少なくとも1つのコラーゲンVIポリペプチドと混合するステップと、
    (ii)足場と、請求項1~36のいずれか一項によって定義される少なくとも1つのコラーゲンVIポリペプチドとの混合物を乾燥させるステップと、を含み、任意選択で、前記乾燥が、空気乾燥又は凍結乾燥によるものである、方法。
  47. キットであって、
    (i)請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項37に記載の薬学的組成物、又は請求項38~42のいずれか一項に記載の医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、若しくはそれらに使用するための材料と、
    (ii)使用説明書と、を含み、
    任意選択で、ポリリジンを更に含む、キット。
  48. 医学における使用のための、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物。
  49. 微生物感染症の治癒的及び/又は予防的治療に使用するための、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物。
  50. 前記微生物感染症が、全身感染症である、請求項49に記載の使用のための組成物又は薬学的組成物。
  51. 前記微生物感染症が、1つ以上の従来の抗生剤に耐性である、請求項49又は50に記載の使用のための組成物又は薬学的組成物。
  52. 前記微生物感染症が、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、A群連鎖球菌(例えば、Streptococcus pyogenes)、B群連鎖球菌(例えば、Streptococcus agalactiae)、C群連鎖球菌(例えば、Streptococcus dysgalactiae)、D群連鎖球菌(例えば、Entero-coccus faecalis)、F群連鎖球菌(例えば、Streptococcus anginosus)、G群連鎖球菌(例えば、Streptococcus dysgalactiae equisimilis)、アルファ-溶血性連鎖球菌(例えば、Streptococcus viridans、Streptococcus pneumoniae)、Streptococcus bovis、Streptococcus mitis、Streptococcus anginosus、Streptococcus sanguinis、Streptococcus suis、Streptococcus mutans、Moraxella catarrhalis、無莢膜型Haemophilus influenzae(NTHi)、Haemophilus influenzae b(Hib)、Actinomyces naeslundii、Fusobacterium nucleatum、Prevotella intermedia、Klebsiella pneumoniae、Enterococcus cloacae、Enterococcus faecalis、Staphylococcus epidermidis、多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)、及び多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)、多剤耐性Escherichia coli(MREC)、多剤耐性Staphylococcus epidermidis(MRSE)、多剤耐性Klebsiella pneumoniae(MRKP)、多剤耐性Enterococcus faecium(MREF)、多剤耐性Acinetobacter baumannii(MRAB)及び多剤耐性Enterobacter spp.(MRE).多剤耐性からなる群から選択される微生物によって引き起こされる、請求項49~51のいずれか一項に記載の使用のための組成物又は薬学的組成物。
  53. 前記微生物感染症が、多剤耐性Staphylococcus aureus(MRSA)及び多剤耐性Pseudomonas aeruginosa(MRPA)からなる群から選択される微生物によって引き起こされる、請求項49~52のいずれか一項に記載の使用のための組成物又は薬学的組成物。
  54. 1つ以上の追加の抗菌剤と組み合わせた、請求項48~53のいずれか一項に記載の使用のための組成物又は薬学的組成物。
  55. 前記1つ以上の追加の抗菌剤が、抗菌ポリペプチド及び抗生物質からなる群から選択される、請求項54に記載の使用のための組成物又は薬学的組成物。
  56. 創傷ケアにおける使用のための、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37に記載の薬学的組成物。
  57. 微生物感染症の治療のための医薬品の製造における、請求項1~36のいずれか一項に定義される組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物の使用。
  58. 創傷の治療のための医薬品の製造における、請求項1~36のいずれか一項に定義される組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物の使用。
  59. 微生物感染症を有する個体を治療する方法であって、その治療を必要とする個体に、有効量の請求項1~36のいずれか一項に定義される組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物を投与するステップを含む、方法。
  60. 個体における創傷を治療する方法であって、その治療を必要とする個体に、有効量の請求項1~36のいずれか一項に定義される組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物を投与するステップを含む、方法。
  61. インビトロで微生物を殺傷するための方法であって、前記微生物を請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物又は請求項37に定義される薬学的組成物と接触させることを含む、方法。
  62. 前記組成物又は薬学的組成物が、医療デバイス、インプラント、創傷ケア製品、若しくはそれらに使用するための材料でコーティング若しくは含浸されるか、又は混和されるか、若しくは他の方法で会合される、請求項48~56に記載の使用のための組成物若しくは薬学的組成物、請求項57若しくは58に記載の使用、又は請求項59~61に記載の方法。
  63. 創傷ケア製品であって、
    (a)足場材料(前記足場が、コラーゲンIである)、
    (b)GVR28の配列を含むか、又はそれからなる第1のポリペプチド、
    「GVR28」:GVRPDGFAHIRDFVSRIVRRLNIGPSKV[配列番号1]、
    及び
    (c)SFV33の配列を含むか、又はそれからなる第2のポリペプチド、
    「SFV33」:SFVARNTFKRVRNGFLMRKVAVFFSNTPTRASP[配列番号5]を含む、創傷ケア製品。
  64. 説明及び図面を参照して本明細書に実質的に記載される、組成物。
  65. 説明及び図面を参照して本明細書に実質的に記載される、医療インプラント若しくはデバイス、又はそれらに使用するための生体材料。
  66. 説明及び図面を参照して本明細書に実質的に記載される、組成物の使用。
  67. 説明及び図面を参照して本明細書に実質的に記載される、感染症を治療又は予防するための方法。
  68. 説明及び図面を参照して本明細書に実質的に記載される、創傷を治療するための方法。
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