JP2023544732A - 転写活性化タンパク質のイミダゾピペラジン阻害剤 - Google Patents

転写活性化タンパク質のイミダゾピペラジン阻害剤 Download PDF

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Abstract

本開示は、増殖性疾患、炎症性障害、自己免疫性疾患及び線維症などの疾患の処置又は予防のための、CBP及びP300などの転写活性化タンパク質の阻害剤として有用であり得る複素環式化合物及び方法に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月2日に出願された米国仮特許出願第63/086,726号の優先権による利益を主張し、該出願はあらゆる目的のために本明細書に参照により組み込まれる。
新規のイミダゾピペラジン化合物及び組成物、並びに疾患を処置するための医薬品としてのそれらの用途が本明細書に開示される。癌などの疾患を処置するための、ヒト又は動物対象におけるCBP及びP300などの転写活性化タンパク質の活性の阻害方法も提供される。
クロマチンは、真核生物の核に見られるDNAとタンパク質の組み合わせであり、染色体を構成している。クロマチンはヘテロクロマチン(凝縮型)とユークロマチン(伸長型)のどちらにも分類できる。クロマチンの主要なタンパク質成分はヒストンと称され、これは、DNAが核に適合するために、より小さい体積にパッケージングされ、圧縮される足場として働く。ヒストンは有糸分裂と減数分裂の過程に関与しており、DNAの発現と複製に重要な役割を果たしていると考えられている。重要なことに、ヒストンは様々なアミノ酸部位で翻訳後修飾(「PTM」)を受け、これはクロマチン構造を調節して転写に影響を与える。この修飾は「エピジェネティクス」、すなわちDNA配列の直接変化から生じない遺伝子活性と発現の制御の機構を提供する。
リジン残基のアセチル化は、細胞シグナル伝達及び疾患生物学に広く関連しているPTMである。特に核内高分子複合体に豊富に存在するリジンアセチル化は、クロマチン調節及び転写制御において鍵となる役割を果たす。細胞において、アセチル-リジンマークの主要な「リーダー」はブロモドメイン(BRD)であり、これは、アセチル化リジン残基を特異的に認識し、そして結合する進化的に保存されたタンパク質-タンパク質相互作用モジュールの多様なファミリーである。ブロモドメインはヒストン及び非ヒストンタンパク質上のアセチル化リジン残基を「書く」(ヒストンアセチルトランスフェラーゼ、HAT)及び「消去する」(ヒストンデアセチラーゼ、HDAC)酵素と共に、遺伝子発現の調節を厳密に制御し、それにより増殖、細胞分化及び代謝を含む細胞表現型を制御する。クロマチン以外にも、他の多くのタンパク質もp53などのように翻訳後修飾を受けており、これらもブロモドメインタンパク質によって認識される可能性がある。クロマチン媒介プロセスは、癌では脱調節されることが多いため、BET(タンパク質を含むデュアルBRD4)、CREBBP、ATAD2A、SMARCA2/4及び三要素モチーフ含有24(TRIM24)のようなエピジェネティックリーダータンパク質を標的とすることは、創薬の有望な標的となる。ブロモドメインのBETファミリーの選択的阻害剤の開発によって例示されるように、保存されたBRDフォールドは、小さな薬学的に活性な分子の開発のための有望なポケットを表す。
ヒストンアセチルトランスフェラーゼパラログ、環状アデノシン一リン酸応答要素結合タンパク質、結合タンパク質(CBP、CREBBP、又はCREB結合タンパク質)及び300kDaのアデノウイルスE1A結合タンパク質(P300又はEP300)は高度に相同であり、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)とブロモドメインの両方を含む2つの密接に関連したマルチドメイン転写活性化タンパク質であり、ヒストンアセチル化において重要な役割を有する。これらは、多数の細胞過程に不可欠な重要な転写コアクチベーターであり、癌を含むいくつかのヒトの病理学的状態にも関与している。
CBP及びP300は、そのブロモドメインを介してクロマチンに結合し、一旦クロマチンと関連すると、この複合体はさらなる転写装置を動員して遺伝子発現を調節し、様々な転写タンパク質の動員を引き起こして遺伝子発現を調節する。クロマチンに加えて、CBP/P300は非ヒストンタンパク質と結合することが示されており;例えば、CBPは、DNA損傷後にK382でアセチル化p53を認識することが記載されている。いくつかの研究は、CBP/P300を癌及び腫瘍免疫の発生、維持、及び/又は進行に関係付けており、従って、CBP/P300阻害剤は、抗癌剤を開発するための現在の努力の標的である。特に、CBPは多くのヒト癌において広くアップレギュレートされる転写因子及び癌遺伝子であるMYCの発現を調節することが見出されており、これは、多発性骨髄腫及び他のリンパ系悪性腫瘍、並びに固形腫瘍を標的とするための潜在的な治療戦略を示唆する。
加えて、CBP及びP300は、アンドロゲン受容体(AR)の既知の共活性化因子であり、アンドロゲンに対する応答の増強に関与している。これと一致して、CBP/P300は、前立腺癌において発癌性の役割を果たすことが提唱されており、腫瘍では両タンパク質のアップレギュレーションが観察されている。CBP阻害剤は、いくつかの血液学的悪性腫瘍及びアンドロゲン受容体陽性前立腺癌を含む系統特異的腫瘍型における増殖を選択的に阻害する。CBP阻害剤は、アンドロゲン感受性及び去勢抵抗性前立腺癌の両方においてアンドロゲン受容体転写プログラムを阻害し、前立腺癌異種移植モデルにおける腫瘍増殖を阻害する。
CBPは癌免疫療法にも関連性があり、CBPブロモドメイン阻害剤がTregの分化と抑制機能を障害する能力が記載されている。この活性は、癌免疫療法に対する応答を増強するための新規な低分子アプローチを構成する可能性がある。
化合物及び医薬組成物(これらのうちの特定のものは、CBP及びP300に結合し、それらの相互作用を阻害することが見出された)が、その化合物の合成及び使用方法(化合物を投与することにより患者のCBP及びP300媒介疾患を処置するための方法を含む)と共に発見された。
図1は、(i)ビヒクル及び(ii)実施例1の化合物によるDOHH2異種移植片の処置に応じた(a)経時的な(横軸、日)、腫瘍容積(縦軸、mm)における変化及び(b)体重における変化%を示す図である。
以下の構造式Iを有する化合物:

又はその塩が、本明細書において提供される
(式中、
は、CCFHであり、Xは、CH及びNから選択され;
は、任意に1個又は2個のR基により置換されるテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルであり;
は、-NHCH及びメチルから選択され;
は、ピリジン-3-イル及びチアゾール-5-イルから選択され、任意に1個又は2個のR基により置換され;
は、H及びフルオロから選択され;
各Rは、アルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシ、及びオキソから独立して選択され;
の各出現は、-C(O)NR及びアルキルから独立して選択され、並びに
及びRは、水素及びアルキルから独立して選択される)。
本明細書に開示される特定の化合物は有用なCBP又はP300阻害活性を有し得、CBP又はP300が活性な役割を果たす疾患又は状態の処置又は予防において使用され得る。従って、広範な態様において、特定の実施形態は、1つ又は複数の本明細書に開示される化合物を、薬学的に許容可能な担体と共に含む医薬組成物、並びに本化合物及び組成物の製造及び使用方法も提供する。特定の実施形態は、CBP又はP300を阻害するための方法を提供する。他の実施形態は、このような処置を必要としている患者においてCBP又はP300介在性障害を処置するための方法を提供し、本方法は、本明細書に従って治療的有効量の化合物又は組成物を前記患者に投与することを含む。また、CBP及びP300の阻害により改善される疾患又は状態を処置するための薬剤の製造において使用するための、本明細書に開示される特定の化合物の使用も提供される。
以下の構造式IIを有する化合物

又はその塩もまた、本明細書において提供される
(式中、
は、CCFHであり、Xは、CH及びNから選択され;
は、任意に1個又は2個のR基により置換されるテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルであり;
は、-NHCH及びメチルから選択され;
は、ピリジン-3-イル及びチアゾール-5-イルから選択され、任意に1個又は2個のR基により置換され;
は、H及びフルオロから選択され;
各Rは、アルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシ、及びオキソから独立して選択され;
の各出現は、-C(O)NR及びアルキルから独立して選択され、並びに
及びRは、水素及びアルキルから独立して選択される)。
特定の実施形態では、Xは、CHである。特定の実施形態では、Xは、Nである。
特定の実施形態では、Rは、任意に1個のR基により置換されるテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルである。特定の実施形態では、Rは、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルである。
特定の実施形態では、Rは、-NHCHである。特定の実施形態では、Rは、メチルである。
特定の実施形態では、Rは、任意に1個のR基により置換される。特定の実施形態では、Rは、R基により置換されない。
特定の実施形態では、Rは、ピリジン-3-イルである。特定の実施形態では、Rは、チアゾール-5-イルである。特定の実施形態では、Rは、2-メチルチアゾール-5-イル及び6-メチルピリジン-3-イルから選択される。
特定の実施形態では、Rは、Hである。特定の実施形態では、Rは、フルオロである。
特定の実施形態では、各Rは、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、ハロ、シアノ、ハロC1~6アルキル、ハロC1~6アルコキシ、ヒドロキシ、及びオキソから独立して選択される。
特定の実施形態では、各Rは、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロメトキシ、及びヒドロキシから独立して選択される。
特定の実施形態では、各Rは、メチル、メトキシ、フルロ(fluro)、クロロ、シアノ、トリフロロメチル、トリフルオロメトキシ、及びヒドロキシから独立して選択される。
特定の実施形態では、Rは、C(O)NHCHである。特定の実施形態では、Rは、アルキルである。特定の実施形態では、Rは、C1~6アルキルである。特定の実施形態では、Rは、メチルである。
特定の実施形態では、R及びRは、独立して水素及びC1~6アルキルから選択される。特定のさらなる実施形態では、R及びRは、独立して水素及びメチルから選択される。
特定の実施形態では、R及びRの少なくとも1つは、水素である。特定の実施形態では、R及びRの多くとも1つは、水素である。
上記の任意の実施形態がこれらの実施形態のうちの任意の1つ又は複数と結合され得る実施形態も提供されるが、組み合わせは相互に排他的でないものとする。
本明細書で使用される場合、2つの実施形態は、一方が他方とは異なるものであると定義される場合に「相互に排他的である」。例えば、2つの基が結合してシクロアルキルを形成する実施形態は、一方の基がエチルであり、他方の基が水素である実施形態とは相互に排他的である。同様に、一方の基がCHである実施形態は、同じ基がNHである実施形態とは相互に排他的である。
本明細書に開示される実施例から選択される化合物も提供される。
本開示は、CBPを本明細書に記載される化合物又はその塩と接触させるステップを含む、少なくとも1つのCBPの機能を阻害する方法にも関する。細胞表現型、細胞増殖、CBPの活性、活性CBPにより産生される生化学的出力の変化、CBPの発現、又はCBPと天然結合パートナーとの結合がモニターされ得る。このような方法は、疾患の処置のモード、生物学的アッセイ、細胞アッセイ、生化学的アッセイなどであり得る。
本開示はまた、P300を本明細書に記載した化合物又はその塩と接触させるステップを含む、P300の少なくとも1つの機能を阻害する方法に関する。細胞表現型、細胞増殖、P300の活性、活性P300によって生成される生化学的出力の変化、P300の発現、又は天然の結合パートナーとのP300の結合をモニターすることができる。このような方法は、疾患の処置の様式、生物学的アッセイ、細胞アッセイ、生化学的アッセイなどであり得る。
治療的有効量の本明細書に開示した化合物、又はその塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、CBP媒介疾患の処置方法も本明細書に提供される。
治療的有効量の本明細書に開示した化合物、又はその塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、P300媒介疾患の処置方法も本明細書に提供される。
特定の実施形態では、疾患は、増殖性疾患である。
特定の実施形態では、疾患は癌である。
医薬として使用するための、本明細書に開示した化合物又はその塩も本明細書に提供される。
CBP媒介疾患の処置のための医薬として使用するための、本明細書に開示した化合物又はその塩も本明細書に提供される。
本明細書では、P300介在性疾患の処置のための薬剤として使用するための、本明細書に開示される化合物又はその塩も提供される。
薬剤としての、本明細書に開示される化合物又はその塩の使用も提供される。
CBP介在性疾患の処置のための薬剤としての、本明細書に開示される化合物又はその塩の使用も提供される。
P300媒介疾患の処置のための医薬としての、本明細書に開示した化合物又はその塩の使用も提供される。
CBP介在性疾患を処置するための薬剤の製造において使用するための、本明細書に開示される化合物又はその塩も提供される。
P300媒介疾患の処置のための医薬の製造に使用するための、本明細書に開示した化合物又はその塩も提供される。
CBP媒介疾患の処置のための本明細書に開示した化合物又はその塩の使用も提供される。
P300媒介疾患の処置のための本明細書に開示した化合物又はその塩の使用も提供される。
本明細書では、CBPを本明細書に開示される化合物又はその塩と接触させることを含む、CBPの阻害方法も提供される。
P300を本明細書に開示した化合物、又はその塩と接触させることを含む、P300の阻害方法も本明細書に提供される。
本明細書では、治療的有効量の本明細書に開示される化合物又はその塩を患者に投与することを含む、患者において効果を達成するための方法も提供され、効果は、認知の増強から選択される。
特定の実施形態では、CBP媒介疾患は癌である。
特定の実施形態では、P300媒介疾患は癌である。
治療的有効量の本明細書に開示される化合物又はその塩を投与することを含む、対象におけるCBP介在性機能の調節方法も提供される。
治療的有効量の本明細書に開示した化合物又はその塩を投与することを含む、対象におけるP300媒介機能の調節方法も提供される。
本明細書に開示される化合物又はその塩を薬学的に許容可能な担体と共に含む医薬組成物も提供される。
特定の実施形態では、医薬組成物は、経口投与のために処方される。
特定の実施形態では、医薬組成物は、非経口投与用に処方される。
特定の実施形態では、経口医薬組成物は、錠剤及びカプセルから選択される。
略称及び定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は指示される意味を有する。
値の範囲が開示され、「n・・・~n」又は「n・・・とnとの間」(ここで、n及びnは数である)という表記が使用される場合、他に規定されない限り、この表記は、これらの数自体及びこれらの数の間の範囲を含むことが意図される。この範囲は、両端の値の間で、整数であっても連続していてもよく、両端の値を含む。例として、「2~6個の炭素」という範囲は、炭素が整数単位になるので、2つ、3つ、4つ、5つ、及び6つの炭素を含むことが意図される。例として、1μM、3μM、及びその間の任意の有効桁数の全て(例えば、1.255μM、2.1μM、2.9999μMなど)を含むことが意図される「1~3μM(マイクロモル)」という範囲と比較されたい。
本明細書で使用される「約(about)」という用語は、この用語が修飾する数値がこのような値を誤差の範囲内の変数として示すものとすることが意図される。データのチャート又は表で与えられる平均値に対する標準偏差などの特定の誤差の範囲が記載されていない場合、「約」という用語は、記載される値を包含し得る範囲を意味し、そして有効数字を考慮に入れて、その数字への切り上げ又は切り捨てによって含まれ得る範囲も意味すると理解されるべきである。
本明細書で使用される「アシル」という用語は単独又は組み合わせで、アルケニル、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環、又は任意の他の部分に結合したカルボニルを指し、カルボニルに結合される原子は炭素である。「アセチル」基は、-C(O)CH基を指す。「アルキルカルボニル」又は「アルカノイル」基は、カルボニル基を介して親分子部分に結合したアルキル基を指す。このような基の例としては、メチルカルボニル及びエチルカルボニルが挙げられる。アシル基の例としては、ホルミル、アルカノイル及びアロイルが挙げられる。
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は単独又は組み合わせで、1つ又は複数の二重結合を有し、且つ2~20個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。特定の実施形態では、前記アルケニルは2~6個の炭素原子を含み得る。「アルケニレン」という用語は、エテニレン[(-CH=CH-),(-C::C-)]などの、2つ以上の位置で結合される炭素-炭素二重結合系を指す。適切なアルケニルラジカルの例としては、エテニル、プロペニル、2-メチルプロペニル、1,4-ブタジエニルなどが挙げられる。他に規定されない限り、「アルケニル」という用語は、「アルケニレン」基を含み得る。
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は単独又は組み合わせで、アルキルエーテルラジカルを指し、ここで、アルキルという用語は以下に定義される通りである。適切なアルキルエーテルラジカルの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、iso-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキル」という用語は単独又は組み合わせで、1~20個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖アルキルラジカルを指す。特定の実施形態では、前記アルキルは、1~10個の炭素原子を含み得る。さらなる実施形態では、前記アルキルは、1~8個の炭素原子を含み得る。アルキル基は、任意に、以下に定義されるように置換され得る。アルキルラジカルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、iso-アミル、ヘキシル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。本明細書で使用される「アルキレン」という用語は単独又は組み合わせで、メチレン(-CH-)などの、2つ以上の位置で結合される直鎖又は分枝鎖飽和炭化水素から誘導される飽和脂肪族基を指す。他に規定されない限り、「アルキル」という用語は、「アルキレン」基を含み得る。
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は単独又は組み合わせで、アミノ基を介して親分子部分に結合されたアルキル基を指す。適切なアルキルアミノ基は、モノ-又はジアルキル化形成基、例えば、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-エチルメチルアミノなどであり得る。
本明細書で使用される「アルキリデン」という用語は単独又は組み合わせで、炭素-炭素二重結合の1個の炭素原子が、アルケニル基が結合する部分に属するアルケニル基を指す。
本明細書で使用される「アルキルチオ」という用語は単独又は組み合わせで、アルキルチオエーテル(R-S-)ラジカルを指し、ここで、アルキルという用語は上記の通りであり、硫黄は単一又は二重に酸化され得る。適切なアルキルチオエーテルラジカルの例としては、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、iso-ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、メタンスルホニル、エタンスルフィニルなどが挙げられる。
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は単独又は組み合わせで、1つ又は複数の三重結合を有し、且つ2~20個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。特定の実施形態では、前記アルキニルは2~6個の炭素原子を含む。さらなる実施形態では、前記アルキニルは、2~4個の炭素原子を含む。「アルキニレン」という用語は、エチニレン(-C:::C-、-C≡C-)などの、2つの位置で結合される炭素-炭素三重結合を指す。アルキニルラジカルの例としては、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ペンチン-1-イル、3-メチルブチン-1-イル、ヘキシン-2-イルなどが挙げられる。他に規定されない限り、「アルキニル」という用語は、「アルキニレン」基を含み得る。
本明細書で使用される「アミド」及び「カルバモイル」という用語は単独又は組み合わせで、カルボニル基を介して親分子部分に結合された、以下に記載されるようなアミノ基(又はその逆も同様)を指す。本明細書で使用される「C-アミド」という用語は単独又は組み合わせで、-C(O)N(RR’)基を指し、R及びR’は本明細書中で定義される通りであるか、或いは特に列挙された指定の「R」基によって定義される通りである。本明細書で使用される「N-アミド」という用語は単独又は組み合わせで、RC(O)N(R’)-基を指し、R及びR’は本明細書中で定義される通りであるか、或いは特に列挙された指定の「R」基によって定義される通りである。本明細書で使用される「アシルアミノ」という用語は単独又は組み合わせで、アミノ基を介して親部分に結合したアシル基を包含する。「アシルアミノ」基の一例は、アセチルアミノ(CHC(O)NH-)である。
本明細書で使用される「アミノ」という用語は単独又は組み合わせで、-NRR’を指し、ここで、R及びR’は、水素、アルキル、アシル、ヘテロアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、及びヘテロシクロアルキルから独立して選択され、これらはいずれも、任意に、それ自体が置換されていてもよい。さらに、R及びR’は結合して、ヘテロシクロアルキルを形成してもよく、そのいずれかは任意に置換され得る。
本明細書で使用される「アリール」という用語は単独又は組み合わせで、1つ、2つ又は3つの環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、ここで、このような多環式環系は縮合される。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、アントラセニル、及びフェナントリルなどの芳香族基を包含する。
本明細書で使用される「アリールアルケニル」又は「アラルケニル」という用語は単独又は組み合わせで、アルケニル基を介して親分子部分に結合されたアリール基を指す。
本明細書で使用される「アリールアルコキシ」又は「アラルコキシ」という用語は単独又は組み合わせで、アルコキシ基を介して親分子部分に結合されたアリール基を指す。
本明細書で使用される「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は単独又は組み合わせで、アルキル基を介して親分子部分に結合されたアリール基を指す。
本明細書で使用される「アリールアルキニル」又は「アラルキニル」という用語は単独又は組み合わせで、アルキニル基を介して親分子部分に結合されたアリール基を指す。
本明細書で使用される「アリールアルカノイル」又は「アラルカノイル」又は「アロイル」という用語は単独又は組み合わせで、ベンゾイル、ナフトイル、フェニルアセチル、3-フェニルプロピオニル(ヒドロシンナモイル)、4-フェニルブチリル、(2-ナフチル)アセチル、4-クロロヒドロシンナモイルなどのアリール置換アルカンカルボン酸から誘導されるアシルラジカルを指す。
本明細書で使用されるアリールオキシという用語は単独又は組み合わせで、オキシを介して親分子部分に結合されたアリール基を指す。
本明細書で使用される「ベンゾ」及び「ベンズ」という用語は単独又は組み合わせで、ベンゼンから誘導される二価のラジカルC=を指す。例としては、ベンゾチオフェン及びベンゾイミダゾールが挙げられる。
本明細書で使用される「カルバマート」という用語は単独又は組み合わせで、窒素又は酸末端のいずれかから親分子部分に結合され得るカルバミン酸のエステル(-NHCOO-)を指し、本明細書中で定義されるように任意に置換され得る。
本明細書で使用される「O-カルバミル」という用語は単独又は組み合わせで、-OC(O)NRR’基を指し、R及びR’は本明細書中で定義される通りである。
本明細書で使用される「N-カルバミル」という用語は単独又は組み合わせで、ROC(O)NR’-基を指し、R及びR’は本明細書中で定義される通りである。
本明細書で使用される「カルボニル」という用語は、単独の場合はホルミル[-C(O)H]を含み、組み合わせられる場合は-C(O)-基である。
本明細書で使用される「カルボキシル」又は「カルボキシ」という用語は、-C(O)OH又は対応する「カルボキシラート」アニオン(カルボン酸塩における場合など)を指す。「O-カルボキシ」基はRC(O)O-基を指し、ここでRは、本明細書中で定義される通りである。「C-カルボキシ」基は-C(O)OR基を指し、ここでRは、本明細書中で定義される通りである。
本明細書で使用される「シアノ」という用語は単独又は組み合わせで、-CNを指す。
本明細書で使用される「シクロアルキル」、又は代替的に「炭素環」という用語は単独又は組み合わせで、飽和又は部分飽和の単環式、二環式又は三環式アルキル基を指し、ここで、各環状部分は3~12個の炭素原子環員を含有し、任意に、本明細書中で定義されるように任意に置換されたベンゾ縮合環系であってもよい。特定の実施形態では、前記シクロアルキルは5~7個の炭素原子を含み得る。そのようなシクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナプチル(tetrahydronapthyl)、インダニル、オクタヒドロナフチル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル、アダマンチルなどが挙げられる。本明細書で使用される「二環式」及び「三環式」は、両方の縮合環系、例えばデカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレン、及び多環式(多中心性)の飽和又は部分不飽和タイプを含むことが意図される。後者のタイプの異性体は、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、樟脳、アダマンタン及びビシクロ[3,2,1]オクタンによって一般的に例示される。
本明細書で使用される「エステル」という用語は単独又は組み合わせで、炭素原子で結合される2つの部分を架橋するカルボキシ基を指す。
本明細書で使用される「エーテル」という用語は単独又は組み合わせで、炭素原子で結合される2つの部分を架橋するオキシ基を指す。
本明細書で使用される「ハロ」、又は「ハロゲン」という用語は単独又は組み合わせで、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指す。
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」という用語は単独又は組み合わせで、酸素原子を介して親分子部分に結合されたハロアルキル基を指す。
本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は単独又は組み合わせで、1つ又は複数の水素がハロゲンによって置換された上記で定義されるような意味を有するアルキルラジカルを指す。特に、モノハロアルキル、ジハロアルキル及びポリハロアルキルラジカルが包含される。一例として、モノハロアルキルラジカルは、ラジカル内にヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロ原子を有し得る。ジハロ及びポリハロアルキルラジカルは、2つ以上の同じハロ原子又は異なるハロラジカルの組み合わせを有し得る。ハロアルキルラジカルの例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル及びジクロロプロピルが挙げられる。「ハロアルキレン」は、2つ以上の位置で結合されるハロアルキル基を指す。例としては、フルオロメチレン(-CFH-)、ジフルオロメチレン(-CF-)、クロロメチレン(-CHCl-)などが挙げられる。
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は単独又は組み合わせで、完全飽和であるか又は1~3度の不飽和を含有し、規定の数の炭素原子と、N、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子とからなる、安定した直鎖、分枝鎖、又はこれらの組み合わせを指し、ここで、N及びS原子は任意に酸化されていてもよいし、Nヘテロ原子は任意に四級化されていてもよい。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置に配置され得る。例えば-CH-NH-OCHなど、最大2つのヘテロ原子が連続し得る。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、単独で又は組み合わせで、3~15員の不飽和複素単環式環、又は縮合単環式、二環式若しくは三環式環系を指し、ここで全ての縮合環は芳香族であり、N、O及びSから選択される少なくとも1つの原子を含む。従って、「ヘテロアリール」という用語は、例えば、ピリジン、チオフェン、キノリン及びフェナントリジンを包含する。従って、「ヘテロアリール」という用語は、例えば、インドリン及び2,3-ジヒドロベンゾフランを包含しない。特定の実施形態では、前記ヘテロアリールは、1~4個のヘテロ原子を環員として含むであろう。さらなる実施形態では、前記ヘテロアリールは、1~2個のヘテロ原子を環員として含むであろう。特定の実施形態では、前記ヘテロアリールは、5~7個の原子を含むであろう。この用語は、複素環式環がアリール環と縮合し、またヘテロアリール環が他のヘテロアリール環と縮合している縮合多環式基も包含する。ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニルなどが挙げられる。例示的な三環式複素環式基は、カルバゾリル、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニルなどを含む。
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」及び互換的に「複素環」という用語は、単独で又は組み合わせで、それぞれ、少なくとも1つのヘテロ原子を環員として含む、飽和、部分不飽和、又は完全不飽和(しかし完全芳香族ではない)単環式、二環式又は三環式複素環式基を指し、前記ヘテロ原子のそれぞれは、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択され得る。従って、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、ピリジン、ピリミジン、キノリン及びアクリジンなどの完全芳香族環系を除外する。従って、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン及びインドリンなどの部分芳香族二環式及びより大きい環系を含む。特定の実施形態では、前記ヘテロ(heter)シクロアルキルは、1~4個のヘテロ原子を環員として含むであろう。さらなる実施形態では、前記ヘテロ(heter)シクロアルキルは、1~2個のヘテロ原子を環員として含むであろう。特定の実施形態では、前記ヘテロ(heter)シクロアルキルは、各環に3~8環員を含むであろう。さらなる実施形態では、前記ヘテロ(heter)シクロアルキルは、各環に3~7環員を含むであろう。またさらなる実施形態では、前記ヘテロ(heter)シクロアルキルは、各環に5~6環員を含むであろう。「ヘテロシクロアルキル」及び「複素環」は、スルホン、スルホキシド、第3級窒素環員のN-オキシド、並びに炭素環式縮合及びベンゾ縮合環系を含むことが意図され、さらに、両方の用語とも、本明細書中で定義されるようなアリール基、又は付加的な複素環基に複素環が縮合された系も含む。複素環基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロシンノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピリジニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、イソインドリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニルなどが挙げられる。特に禁止されない限り、複素環基は、任意に置換され得る。
本開示における特定の化合物は、非架橋先端(non-bridgehead)CH基の2つがNで置き換えられている、ナフタレンの誘導体として理解されるであろうジアザナフタレン基を含むことができる。「ジアザナフタレン」という用語は、同じ環内に両方の窒素を有するベンゾジアジンの4つの異性体と、異なる環上に窒素を有するナフチリジンの6つの異性体とを包含する。
本明細書で使用される「ヒドラジニル」という用語は単独又は組み合わせで、単結合で結合された2つのアミノ基、すなわち-N-N-を指す。
本明細書で使用される「ヒドロキシ」という用語は単独又は組み合わせで、-OHを指す。
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」という用語は単独又は組み合わせで、アルキル基を介して親分子部分に結合されたヒドロキシ基を指す。
本明細書で使用される「イミノ」という用語は単独又は組み合わせで、=N-を指す。
本明細書で使用される「イミノヒドロキシ」という用語は単独又は組み合わせで、=N(OH)及び=N-O-を指す。
「主鎖中で」という語句は、本明細書に開示される式のいずれか1つの化合物に対する基の結合点から始まる最も長い近接又は隣接する炭素原子の鎖を指す。
「イソシアナト」という用語は、-NCO基を指す。
「イソチオシアナト」という用語は、-NCS基を指す。
「原子の直鎖」という語句は、炭素、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される原子の最も長い直鎖を指す。
本明細書で使用される「低級」という用語は単独又は組み合わせで、他で特に定義されない場合には1~6個の炭素原子(すなわち、C~Cアルキル)を含有することを意味する。
本明細書で使用される「低級アリール」という用語は単独又は組み合わせで、フェニル又はナフチルを意味し、これらはいずれも規定されるように任意に置換され得る。
本明細書で使用される「低級ヘテロアリール」という用語は単独又は組み合わせで、1)5個又は6個の環員を含み、そのうちの1~4個の前記環員がN、O、及びSから選択されるヘテロ原子であり得る単環式ヘテロアリール、或いは2)縮合環のいずれかが5個又は6個の環員を含み、これらの間に、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む二環式ヘテロアリールのいずれかを意味する。
本明細書で使用される「低級シクロアルキル」という用語は単独又は組み合わせで、3~6個の環員を有する単環式シクロアルキル(すなわち、C~Cシクロアルキル)を意味する。低級シクロアルキルは不飽和であってもよい。低級シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
本明細書で使用される「低級ヘテロシクロアルキル」という用語は単独又は組み合わせで、3~6個の環員を有し、そのうちの1~4個がN、O、及びSから選択されるヘテロ原子であり得る単環式ヘテロシクロアルキル(すなわち、C~Cヘテロシクロアルキル)を意味する。低級ヘテロシクロアルキルの例としては、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルが挙げられる。低級ヘテロシクロアルキルは不飽和であってもよい。
本明細書で使用される「低級アミノ」という用語は単独又は組み合わせで、-NRR’を指し、ここで、R及びR’は、水素及び低級アルキルから独立して選択され、これらのいずれかは、任意に置換され得る。
本明細書で使用される「メルカプチル」という用語は単独又は組み合わせで、RS-基を指し、ここで、Rは本明細書において定義される通りである。
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は単独又は組み合わせで、-NOを指す。
本明細書で使用される「オキシ」又は「オキサ」という用語は単独又は組み合わせで、-O-を指す。
本明細書で使用される「オキソ」という用語は単独又は組み合わせで、=Oを指す。
「ペルハロアルコキシ」という用語は、水素原子が全てハロゲン原子によって置換されたアルコキシ基を指す。
本明細書で使用される「ペルハロアルキル」という用語は単独又は組み合わせで、水素原子が全てハロゲン原子によって置換されたアルキル基を指す。
本明細書で使用される「スルホナート」、「スルホン酸」、及び「スルホニック」という用語は単独又は組み合わせで、-SOH基及びそのアニオン(スルホン酸が塩の形態で使用される場合)を指す。
本明細書で使用される「スルファニル」という用語は単独又は組み合わせで、-S-を指す。
本明細書で使用される「スルフィニル」という用語は単独又は組み合わせで、-S(O)-を指す。
本明細書で使用される「スルホニル」という用語は単独又は組み合わせで、-S(O)-を指す。
「N-スルホンアミド」という用語はRS(=O)NR’-基を指し、R及びR’は本明細書において定義される通りである。
「S-スルホンアミド」という用語は-S(=O)NRR’,基を指し、R及びR’は本明細書において定義される通りである。
本明細書で使用される「チア」及び「チオ」という用語は単独又は組み合わせで、-S-基又は酸素が硫黄で置換されたエーテルを指す。チオ基の酸化誘導体、すなわちスルフィニル及びスルホニルは、チア及びチオの定義に含まれる。
本明細書で使用される「チオール」という用語は単独又は組み合わせで、-SH基を指す。
本明細書で使用される「チオカルボニル」という用語は、単独の場合はチオホルミル-C(S)Hを含み、組み合わせられる場合は-C(S)-基である。
「N-チオカルバミル」という用語はROC(S)NR’-基を指し、R及びR’は本明細書中で定義される通りである。
「O-チオカルバミル」という用語は-OC(S)NRR’基を指し、R及びR’は本明細書中で定義される通りである。
「チオシアナト」という用語は-CNS基を指す。
「トリハロメタンスルホンアミド」という用語は、XCS(O)NR-基を指し、Xはハロゲンであり、Rは本明細書中で定義される通りである。
「トリハロメタンスルホニル」という用語は、XCS(O)-基を指し、ここで、Xはハロゲンである。
「トリハロメトキシ」という用語は、XCO-基を指し、ここで、Xはハロゲンである。
本明細書で使用される「三置換シリル」という用語は単独又は組み合わせで、本明細書中で置換アミノの定義において記載された基によってその3つの遊離原子価において置換されたシリコーン基を指す。例としては、トリメチシリル、tert-ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。
本明細書中の任意の定義は、任意の他の定義と組み合わせて使用されて、複合構造基を記述することができる。慣例により、任意のこのような定義の後方要素は、親部分に結合される要素である。例えば、複合基アルキルアミドは、アミド基を介して親分子に結合されたアルキル基を表し、アルコキシアルキルという用語は、アルキル基を介して親分子に結合されたアルコキシ基を表し得る。
基が「null(無)である」と定義される場合、この基が存在しないことが意味される。
「任意に置換された」という用語は、先行する基が置換されていても、非置換であってもよいことを意味する。置換される場合、「任意に置換された」基の置換基は、以下の基又は特定の指定された基のセットから独立して選択される1つ又は複数の置換基を単独又は組み合わせで含み得るが、これらに限定されない:低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級ヘテロアルキル、低級ヘテロシクロアルキル、低級ハロアルキル、低級ハロアルケニル、低級ハロアルキニル、低級ペルハロアルキル、低級ペルハロアルコキシ、低級シクロアルキル、フェニル、アリール、アリールオキシ、低級アルコキシ、低級ハロアルコキシ、オキソ、低級アシルオキシ、カルボニル、カルボキシル、低級アルキルカルボニル、低級カルボキシエステル、低級カルボキサミド、シアノ、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アリールアミノ、アミド、ニトロ、チオール、低級アルキルチオ、低級ハロアルキルチオ、低級ペルハロアルキルチオ、アリールチオ、スルホナート、スルホン酸、三置換シリル、N、SH、SCH、C(O)CH、COCH、COH、ピリジニル、チオフェン、フラニル、低級カルバマート、及び低級尿素。構造的に実現可能である場合、2つの置換基が一緒に連結されて、0~3個のヘテロ原子からなる縮合された5員、6員、又は7員炭素環式環又は複素環式環を形成してもよく、例えば、メチレンジオキシ又はエチレンジオキシが形成される。任意に置換された基は、非置換であっても(例えば、-CHCH)、完全に置換されていても(例えば、-CFCF)、一置換されていても(例えば、-CHCHF)、或いは完全置換と一置換との間のいずれかのレベルで置換されていてもよい(例えば、-CHCF)。置換についての限定なしに置換基が記載される場合、置換形態及び非置換形態の両方が包含される。置換基が「置換された」と限定される場合、置換形態が特に意図される。さらに、必要に応じて、特定の部分に対して異なる任意の置換基セットが定義されてもよく、これらの場合、任意の置換は、多くの場合、「optionally substituted with(~によって任意に置換された)」という語句の直後に定義される通りであろう。
単独で、且つ番号の指定なしに現れるR又はR’という用語は、他に定義されない限り、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルから選択される部分を指し、これらはいずれも、任意に置換され得る。このようなR及びR’基は、本明細書中で定義されるように任意に置換されると理解されるべきである。R基が番号の指定を有するかどうかにかかわらず、R、R’及びR(ここで、n=(1、2、3、…n)である)を含む全てのR基、全ての置換基、並びに全ての用語は、群からの選択に関して他の全てから独立していると理解されるべきである。任意の変数、置換基、又は用語(例えば、アリール、複素環、Rなど)が式又は一般構造中に2回以上出現すれば、各出現におけるその定義は、他の全ての出現における定義から独立している。当業者はさらに、特定の基が親分子に結合され得ること、或いは記載されるようないずれかの端部からの元素鎖中の位置を占有し得ることを認識するであろう。例えば、-C(O)N(R)-などの非対称基は、炭素又は窒素のいずれかにおいて親部分に結合され得る。
本明細書に開示される化合物中には不斉中心が存在する。これらの中心は、キラル炭素原子のまわりの置換基の立体配置に応じて記号「R」又は「S」で表される。本開示が、ジアステレオマー、エナンチオマー、及びエピマー形態、並びにd-異性体及びl-異性体、そしてこれらの混合物を含む全ての立体化学的異性体を包含することは理解されるべきである。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を含有する市販の出発材料から合成的に調製することもできるし、或いはエナンチオマー生成物の混合物を調製した後に、ジアステレオマー混合物への変換などの分離を行い、その後、分離又は再結晶、クロマトグラフィー技術、キラルクロマトグラフィカラムにおけるエナンチオマーの直接分離、又は当該技術分野で知られている任意の他の適切な方法を行うことによって調製することもできる。特定の立体化学の出発化合物は、市販されているか、或いは当該技術分野で知られている技術によって作製及び分割することができる。さらに、本明細書に開示される化合物は、幾何異性体として存在し得る。本開示は、全てのシス、トランス、シン、アンチ、entgegen(反対)(E)、及びzusammen(一緒)(Z)異性体、並びにこれらの適切な混合物を含む。さらに、化合物は、互変異性体として存在することができ、全ての互変異体は、本開示によって提供される。さらに、本明細書に開示される化合物は、非溶媒和形態、及び水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒との溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であると考えられる。
「結合」という用語は、2つの原子の間、又は結合によって結合された原子がより大きい部分構造の一部であると考えられる場合には2つの部分の間の共有結合を指す。結合は、他に規定されない限り、単結合、二重結合、又は三重結合であり得る。分子の図における2つの原子間の破線は、その位置に付加的な結合が存在してもしなくてもよいことを示す。
本明細書で使用される「疾患」という用語は「障害」、「症候群」、及び「状態」(病状などの場合)という用語と通常同義であることが意図され、そして互換的に使用され、ここで、これらは全て、正常な機能を損なうヒト又は動物の身体又はその器官の1つの異常な状態を示し、通常、際立った徴候及び症状によって顕在化され、ヒト又は動物に寿命又は生活の質の低下を引き起こす。
「併用療法」という用語は、本開示において記載される治療状態又は障害を処置するための2つ以上の治療薬の投与を意味する。このような投与は、実質的に同時的な(例えば、固定された比率の活性成分を有する単一のカプセル、又は各活性成分用の複数の別々のカプセルにおける)、これらの治療薬の同時投与を包含する。さらに、このような投与は、各タイプの治療薬の連続的な使用も包含する。いずれの場合も、処置計画は、本明細書に記載される状態又は障害の処置において、薬物併用の有益な効果を提供するであろう。
本明細書で使用される「CBP阻害剤」は、測定可能な親和性及び活性でCBPのブロモドメインに結合し、それを阻害する化合物を指す。特定の実施形態では、CBP阻害剤は、本明細書に一般的に記載されるCBP(アッセイ名)で測定して、約100μM以下、より典型的には約50μM以下の、CBP活性に関連したIC50を示す。「IC50」は、CBPのブロモドメインの活性を、最大レベルの半分に低下させる阻害剤の濃度である。本明細書に開示した特定の化合物は、CBPに対する阻害を示すことが発見されている。特定の実施形態では、化合物は、本明細書に記載されるCBPアッセイで測定して、約20μM以下のCBPに関連したIC50を示し;さらなる実施形態では、化合物は、約5μM以下のCBPに関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約200nM以下のCBPに関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は約50nM以下のCBPに関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約10nM以下のCBPに関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約2nM以下のCBPに関連したIC50を示すであろう。
本明細書で使用される「P300阻害剤」は、測定可能な親和性及び活性でP300のブロモドメインに結合し、それを阻害する化合物を指す。特定の実施形態では、P300阻害剤は、本明細書に一般的に記載されるP300(アッセイ名)で測定して、約100μM以下、より典型的には約50μM以下の、P300活性に関連したIC50を示す。「IC50」は、P300のブロモドメインの活性を、最大レベルの半分に低下させる阻害剤の濃度である。本明細書に開示した特定の化合物は、P300に対する阻害を示すことが発見されている。特定の実施形態では、化合物は、本明細書に記載されるP300アッセイで測定して、約20μM以下のP300に関連したIC50を示し;さらなる実施形態では、化合物は、約5μM以下のP300に関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約200nM以下のP300に関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約50nM以下のP300に関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約10nM以下のP300に関連したIC50を示し;またさらなる実施形態では、化合物は、約2nM以下のP300に関連したIC50を示すであろう。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示した特定の化合物は、CBP及び/又はEP300のヒストン、特にヒストン中のアセチル化リジンとの関連を妨害する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した特定の化合物は、CBP及び/又はEP300のクロマチン(例えば、ヒストン関連DNA)に対する結合を阻害する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した特定の化合物は、CBPブロモドメイン及び/又はEP300ブロモドメインのクロマチン(例えば、ヒストン関連DNA)に対する結合を阻害し及び/又は低下させる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した特定の化合物は、CBP及び/又はEP300の他のドメインのクロマチンに対する関連に影響を与えない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した特定の化合物は、主として(例えば、専ら)、CBPブロモドメイン及び/又はEP300ブロモドメインとの接触及び/又は相互作用を介してCBP及び/又はEP300に結合する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示した特定の化合物は、CBPブロモドメイン及び/又はEP300ブロモドメイン、並びに付加的なCBP及び/又はEP300残基及び/又はドメインとの接触及び/又は相互作用を介して、CBP及び/又はEP300に結合する。クロマチンとの関連をアッセイする方法は、当該技術分野で既知であり、クロマチン分画、BRETアッセイ(Promega)、FRAPアッセイ、クロマチン免疫沈降(ChIP)、生物物理学的結合アッセイ、及び/又はヒストン関連アッセイを含むがこれらに限定されない。例えば、Das et al.,BioTechniques 37:961-969(2004)を参照されたい。
「治療的に有効な」という語句は、疾患又は障害の処置において、又は臨床的エンドポイントの達成において使用される活性成分の量を制限することが意図される。
「治療的に許容可能」という用語は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応なしに患者の組織と接触させて使用するのに適しており、合理的な利益/リスク比とつり合い、且つその意図される使用に対して効果的である化合物(又は塩、プロドラッグ、互変異性体、両性イオン形態など)を指す。
本明細書で使用される場合、患者の「処置」への言及は、予防を含むことが意図される。処置は本質的に先行的であってもよく、すなわち疾患の防止を含み得る。疾患の防止は、例えば病原体による感染の防止の場合など、疾患からの完全な保護を含むこともあるし、疾患の進行の防止を含むこともある。例えば、疾患の防止は、任意のレベルの疾患に関連するあらゆる効果の完全な排除を意味しなくてもよく、その代わりに、臨床的に有意なレベル又は検出可能なレベルへの疾患の症状を防止することを意味し得る。また疾患の防止は、疾患が疾患の後期まで進行するのを防止することも意味し得る。
「患者」という用語は、一般に、「被験者」という用語と同義であり、ヒトを含む全ての哺乳類が含まれる。患者の例としては、ヒト、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、及びウサギなどの家畜、並びにイヌ、ネコ、ウサギ、及びウマなどのコンパニオンアニマルが挙げられる。好ましくは、患者はヒトである。
「プロドラッグ」という用語は、インビボでより活性化される化合物を指す。本明細書に開示される特定の化合物は、「薬物及びプロドラッグ代謝における加水分解:化学、生化学、及び酵素学(Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism:Chemistry,Biochemistry,and Enzymology)」(Testa,Bernard and Mayer,Joachim M.Wiley-VHCA,Zurich,Switzerland 2003)に記載されるように、プロドラッグとして存在することもできる。本明細書に記載される化合物のプロドラッグはその化合物の構造的に修飾された形態であり、生理的条件下で容易に化学変化を受けてその化合物を提供する。さらに、プロドラッグは、エキソビボ環境において、化学的又は生化学的な方法によって化合物に変換され得る。例えば、プロドラッグは、適切な酵素又は化学試薬と共に経皮パッチリザーバー内に配置されたときに、化合物にゆっくり変換され得る。プロドラッグは、いくつかの状況では、化合物、又は親薬物よりも投与するのが容易であり得るので、有用であることが多い。プロドラッグは、例えば、親薬物はそうではないが、経口投与により生体利用可能であり得る。またプロドラッグは、親薬物と比較して、医薬組成物中で改善された溶解性を有し得る。プロドラッグの加水分解切断又は酸化的活性化に依存するものなどの様々な種類のプロドラッグ誘導体が当該技術分野において知られている。プロドラッグの一例(限定はされない)は、エステル(「プロドラッグ」)として投与されるが、その後、活性の実体であるカルボン酸に代謝的に加水分解される化合物であり得る。付加的な例としては、化合物のペプチジル誘導体が挙げられる。
本明細書に開示される化合物は、治療的に許容可能な塩として存在することができる。本開示は、酸付加塩を含む塩の形態での上記の化合物を含む。適切な塩としては、有機酸及び無機酸の両方によって形成される塩が挙げられる。このような酸付加塩は、通常、薬学的に許容可能であろう。しかしながら、問題の化合物の調製及び精製において薬学的に許容可能でない塩の塩が有用であることもある。塩基付加塩も形成され、薬学的に許容可能であり得る。塩の調製及び選択のより完全な議論については、「薬学的な塩:特性、選択、及び使用(Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use)」(Stahl,P.Heinrich.Wiley-VCHA,Zurich,Switzerland,2002)を参照されたい。
本明細書で使用される「治療的に許容可能な塩」という用語は、水溶性又は油溶性又は分散性であり、本明細書で定義されるように治療的に許容可能である、本明細書に開示される化合物の塩又は両性イオン形態を表す。塩は、化合物の最終の単離及び精製の間に、或いは別途、遊離塩基の形態の適切な化合物を適切な酸と反応させることによって調製され得る。代表的な酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L-アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、ジグルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチジン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL-マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピログルタミン酸塩、コハク酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩、L-酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、2,2,2-トリフルオロ酢酸塩=トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩(p-トシル酸塩)、及びウンデカン酸塩が含まれる。また本明細書に開示される化合物中の塩基性基は、塩化、臭化、及びヨウ化メチル、エチル、プロピル、及びブチル;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミル;塩化、臭化、及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステリル(steryl);並びに臭化ベンジル及びフェネチルによって四級化することができる。治療的に許容可能な付加塩を形成するために使用可能な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸などの無機酸と、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸などの有機酸とが挙げられる。また塩は、化合物と、アルカリ金属又はアルカリ土類金属イオンとの配位によって形成することもできる。従って、本開示は、本明細書に開示される化合物のナトリウム、カリウム、マグネシウム、及びカルシウム塩などを企図する。
塩基付加塩は、カルボキシ基を、金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸塩などの適切な塩基と、或いはアンモニア又は有機第1級、第2級、若しくは第3級アミンと反応させることによって、化合物の最終の単離及び精製の間に調製され得る。治療的に許容可能な塩のカチオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、及びアルミニウム、並びにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェンアミン、及びN,N’-ジベンジルエチレンジアミンなどの非毒性第四級アミンカチオンが含まれる。塩基付加塩の形成のために有用な他の代表的な有機アミンには、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、及びピペラジンが含まれる。
医薬組成物
主題の開示の化合物をそのままの化学物質として投与することが可能であり得るが、医薬製剤として提供することも可能である。従って、本明細書に開示される特定の化合物の1つ又は複数、又はその1つ又は複数の薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、アミド、若しくは溶媒和物を、その1つ又は複数の薬学的に許容可能な担体及び任意に1つ又は複数の他の治療成分と一緒に含む医薬製剤が本明細書において提供される。担体は、製剤の他の成分と適合性であり、且つそのレシピエントに対して有害でないという意味において「許容可能」でなければならない。適切な製剤は、選択される投与経路によって決まる。適切であり、且つ当該技術分野において理解されるような周知の技術、担体、及び賦形剤はいずれも使用することができる。本明細書に開示される医薬組成物は、当該技術分野において知られている任意の方法、例えば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、糊状化(levigating)、乳化、カプセル化、封入又は圧縮プロセスによって製造され得る。
製剤には、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、及び髄内を含む)、腹腔内、経粘膜、経皮、直腸及び局所(真皮、頬側、舌下及び眼内を含む)投与に適したものが含まれるが、最も適切な経路は、例えば、レシピエントの状態及び障害に依存し得る。製剤は、都合よく、単位剤形で提供することができ、製薬の技術分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。通常、これらの方法は、主題の開示の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、エステル、アミド、プロドラッグ又は溶媒和物(「活性成分」)と、1つ又は複数の補助的な成分を構成する担体とを関連させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分と、液体担体又は微粉化した固体担体又はその両方とを均一且つ密接に関連させ、次に必要に応じて生成物を所望の製剤に成形することによって調製される。
経口投与
本開示の化合物は、経口的に(嚥下を含む)投与されてもよく、それにより化合物は胃腸管に進入し、又は口腔から直接血流に吸収される(舌下若しくは頬側投与を含む)。
経口投与に適した組成物は、錠剤、丸薬、カシェ剤、ロゼンジ、及びハード又はソフトカプセルなどの固体製剤を含み、これらは、液体、ゲル、粉末又は顆粒、水性液体若しくは非水性液体中の、又は水中油液体エマルション若しくは油中水液体エマルションとしての、溶液又は縣濁液を含み得る。活性成分は、ボーラス、舐剤又はペーストとして提示されてもよい。
錠剤又はカプセルの剤形中、存在する薬物の量は、剤形の約0.05重量%~約95重量%、より典型的には約2重量%~約50重量%であってもよい。
加えて、錠剤又はカプセルは、剤形の約0.5重量%~約35重量%、より典型的には約2%~約25%を含む錠剤崩壊剤を含むことができる。錠剤崩壊剤の例としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプンなどが挙げられる。
錠剤中に使用される適切な結合剤としては、ゼラチン、ポリエチレングリコール、糖、ガム、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。錠剤中に使用される適切な希釈剤としては、マンニトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール及びデンプンが挙げられる。
錠剤又はカプセル中に使用される適切な界面活性剤及び流動促進剤は、約0.1重量%~約3重量%の量で存在してもよく、ポリソルベート80、ドデシル硫酸ナトリウム、タルク及び二酸化ケイ素を含む。
錠剤又はカプセル中に使用される適切な潤滑剤は、約0.1重量%~約5重量%の量で存在してもよく、カルシウム、亜鉛又はステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムなどを含む。
錠剤は、任意に1つ又は複数の付属成分と共に、圧縮又は成形により製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤、不活性希釈剤、又は潤滑剤、界面活性剤若しくは分散剤と任意に混合された、粉末又は顆粒などの自由に流動する形態の活性成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、液体希釈剤で湿らせた粉末化化合物の混合物を適切な機械で成形することによって製造され得る。識別のために、又は活性化合物用量の種々の組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤に添加することができる。
液体製剤は、乳剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤及び縣濁剤を含むことができ、これらはソフト又はハードカプセル中で使用され得る。このような製剤は、薬学的に許容可能な担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、セルロース又は油を含むことができる。製剤は、1つ又は複数の乳化剤及び/又は懸濁化剤も含むことができる。
経口投与のための組成物は、任意に腸溶コーティングを有する、遅延放出又は徐放を含む、即時放出又は調節放出として処方されてもよい。
別の実施形態では、医薬組成物は、治療的有効量の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、及び薬学的に許容可能な担体を含む。
経口的に使用することができる医薬調製物には、錠剤、ゼラチン製の押し込み型カプセル、並びにゼラチン及び可塑剤(グリセロール又はソルビトールなど)で製造された密封ソフトカプセルが含まれる。錠剤は、任意に1つ又は複数の補助成分と共に、圧縮又は成形により製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤、不活性希釈剤、又は潤滑剤、界面活性剤若しくは分散剤と任意に混合された、粉末又は顆粒などの自由に流動する形態の活性成分を適切な機械で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成形することによって製造され得る。錠剤は、任意に、コーティングしたり、又は割線を付けたりすることができ、そしてその中の活性成分の持続又は制御放出を提供するように処方することもできる。経口投与のための全ての製剤は、このような投与に適した投薬量でなければならない。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、並びに任意に、安定剤と混合して、活性成分を含有することができる。ソフトカプセルにおいて、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に溶解又は懸濁され得る。さらに、安定剤が添加され得る。糖衣錠コアには適切なコーティングが提供される。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、これは、任意に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポール(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含有し得る。識別のため、又は活性化合物用量の種々の組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加することができる。
非経口投与
本開示の化合物は、注射によって、例えばボーラス注入又は持続注入によって、血流、筋肉又は内臓に直接投与されてもよい。非経口投与に適した手段としては、静脈内、筋肉内、皮下動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、頭蓋内などが挙げられる。非経口投与に適した装置は、注射器(針を含む、及び針を含まない注射器)及び注入方法を含む。製剤は、単回投与又は複数回投与容器、例えば密封アンプル及びバイアル内に存在し得る。
殆どの非経口製剤は、塩、緩衝剤、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤、酸化防止剤、静菌剤、保存剤、及び、対象とするレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質、及び炭水化物を含む賦形剤を含む水溶液である。
非経口製剤はまた、脱水形態(例えば、凍結乾燥により)で、又は無菌非水溶液として調製されてもよい。これらの製剤は、無菌水などの適切なビヒクルと共に使用され得る。非経口溶液の調製物中に溶解性向上剤も使用することができる。非経口投与のための組成物は、遅延放出又は徐放を含む、即時又は調節放出として処方されてもよい。化合物はまた、デポー製剤として処方されてもよい。そのような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下又は筋肉内に)により、又は筋肉内注射により投与されてもよい。従って、例えば、化合物は、適切な高分子若しくは疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルションとして)若しくはイオン交換樹脂と共に、又は難溶性誘導体として、例えば難溶性の塩として、処方されてもよい。
化合物は、注射による、例えばボーラス注入又は持続注入による非経口投与用に処方されてもよい。注射用製剤は、保存料が添加された単位剤形、例えば、アンプル又は複数回投与容器において提供され得る。組成物は、油性又は水性媒体中の懸濁液、溶液又はエマルションのような形態をとることができ、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含有することができる。製剤は、単回投与又は複数回投与容器、例えば、密封アンプル及びバイアルで提供することができ、使用の直前に無菌液体担体、例えば、生理食塩水又は無菌のパイロジェンフリー水の添加だけを必要とする、粉末形態又はフリーズドライ(凍結乾燥した)状態で貯蔵することができる。即時注射溶液及び懸濁液は、上記の種類の無菌粉末、顆粒及び錠剤から調製され得る。
非経口投与のための製剤には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、及び対象とするレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質を含有し得る活性化合物の水性及び非水性(油性)無菌注射溶液、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性無菌懸濁液が含まれる。適切な親油性溶媒又は媒体には、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの、懸濁液の粘度を増大させる物質を含有し得る。任意に、懸濁液は、適切な安定剤、又は化合物の溶解度を増大させて非常に濃縮された溶液の調製を可能にする薬剤も含有し得る。
前述の製剤に加えて、化合物は、デポー製剤として処方されてもよい。このような長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下又は筋肉内)によって、或いは筋肉内注射によって投与され得る。従って、例えば、化合物は、適切な高分子又は疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルションとして)又はイオン交換樹脂と共に、又は難溶性誘導体として、例えば、難溶性の塩として処方され得る。
局所投与
本開示の化合物は、局所的に(例えば、皮膚、粘膜、耳、鼻又は眼に)又は経皮的に投与されてもよい。局所投与のための製剤としては、ローション、溶液、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、軟膏、フォーム、インプラント、パッチなどが挙げられるが、これらに限定されない。局所投与製剤のための薬学的に許容可能な担体としては、水、アルコール、鉱油、グリセリン、ポリエチレングリコールなどを挙げることができる。局所投与はまた、例えば、電気穿孔、イオン泳動、フォノフォレシスなどによって行われてもよい。
典型的には、局所投与のための活性成分は、製剤の0.001%~10% w/w(重量による)を含み得る。特定の実施形態では、活性成分は、製剤の10% w/w;5% w/w未満;2% w/w~5% w/w;又は0.1%~1% w/wを含み得る。
局所投与のための組成物は、遅延放出又は徐放を含む、即時又は調節放出として処方され得る。
本明細書に開示される特定の化合物は、局所的に、すなわち非全身性投与により投与され得る。これには、化合物が血流中にあまり入らないように、本明細書に開示される化合物の上皮又は頬側口腔への外側からの適用、並びにこのような化合物の耳、眼及び鼻への滴下が含まれる。対照的に、全身性の投与は、経口、静脈内、腹腔内及び筋肉内投与を指す。
局所投与に適した製剤には、ゲル、リニメント、ローション、クリーム、軟膏又はペーストなどの、皮膚を通した炎症部位への浸透に適した液体又は半液体調製物、並びに眼、耳又は鼻への投与に適した点滴剤が含まれる。局所投与のための活性成分は、例えば、製剤の0.001%~10%w/w(重量による)を含み得る。特定の実施形態では、活性成分は、10%w/wを含み得る。他の実施形態では、5%w/w未満を含み得る。特定の実施形態では、活性成分は、2%w/w~5%w/wを含み得る。他の実施形態では、製剤の0.1%~1%w/wを含み得る。
直腸、頬側及び舌下投与
本開示の化合物の直腸投与のための坐薬は、活性薬剤を、常温で固体であるが直腸温度で液体であり、従って直腸内で融解して薬物を放出する、ココアバター、合成モノ-、ジ-若しくはトリグリセリド、脂肪酸、又はポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤と共に混合することにより調製され得る。
頬側又は舌下投与の場合、組成物は、従来の方法で処方される錠剤、ロゼンジ、トローチ又はゲルの形態をとり得る。このような組成物は、スクロース及びアカシア又はトラガカントなどの風味付けされた基剤中に活性成分を含み得る。
化合物は、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、又は他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を含む、坐薬又は停留浣腸などの直腸組成物において処方されてもよい。
吸入による投与
吸入による投与の場合、化合物は、都合よく、注入器、ネブライザー加圧パック、又はエアロゾルスプレーを送達するのに便利な他の手段から送達され得る。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガスなどの適切な噴射剤を含み得る。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することにより決定することができる。或いは、吸入又は注入による投与の場合、本開示に従う化合物は、乾燥粉末組成物、例えば、化合物と、ラクトース又はデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物の形態をとることができる。粉末組成物は、単位剤形、例えば、カプセル、カートリッジ、ゼラチン又はブリスターパックにおいて提供することができ、吸入器又は注入器を用いて、単位剤形から粉末が投与され得る。
製薬分野で既知の他の担体材料及び投与モードも使用することができる。本開示の医薬組成物は、効果的な製剤及び投与手順などの薬学の周知の技術のいずれかにより調製され得る。好ましい単位剤形は、本明細書中で以下に記載されるような有効用量又はその適切な画分の活性成分を含有するものである。
特に上記で挙げた成分に加えて、上記の製剤が、問題の製剤のタイプを考慮して当該技術分野で慣習的な他の薬剤を含み得ることは理解されるべきであり、例えば、経口投与に適したものは風味剤を含み得る。
化合物は、1日当たり0.1~500mg/kgの用量で、経口的に又は注射により投与され得る。成人の用量範囲は、一般に、5mg~2g/日である。個別の単位で提供される錠剤又は他の提示の形態は、このような投与量又はその複数回で有効である量の1つ又は複数の化合物を都合よく含有することができ、例えば、単位は、5mg~500mg、通常約10mg~200mgを含有する。
単一の剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主及び特定の投与モードに応じて異なるであろう。
化合物は、種々のモードで、例えば、経口的に、局所的に、又は注射により投与され得る。患者に投与される化合物の正確な量は、主治医の責任となるであろう。任意の特定の患者用に対する特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与の時間、投与経路、排泄速度、複合薬、処置中の正確な障害、及び処置中の徴候又は状態の重症度を含む様々な因子に依存するであろう。加えて、投与経路は、状態及びその重症度に応じて異なり得る。効果的な製剤及び投与手順に関する上記の考慮事項は、当該技術分野で周知であり、標準的な教科書に記載されている。
好ましい単位剤形は、本明細書中で以下に記載されるような有効用量又はその適切な画分の活性成分を含有するものである。
特に上記で挙げた成分に加えて、上記の製剤が、問題の製剤のタイプを考慮して当該技術分野で慣習的な他の薬剤を含み得ることは理解されるべきであり、例えば、経口投与に適したものは風味剤を含み得る。
化合物は、1日当たり0.1~500mg/kgの用量で、経口的に又は注射により投与され得る。成人の用量範囲は、一般に、5mg~2g/日である。個別の単位で提供される錠剤又は他の提示の形態は、このような投薬量又はその複数回で有効である量の1つ又は複数の化合物を都合よく含有することができ、例えば、単位は、5mg~500mg、通常約10mg~200mgを含有する。
単一の剤形を製造するために担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、処置される宿主及び特定の投与モードに応じて異なるであろう。
化合物は、種々のモードで、例えば、経口的に、局所的に、又は注射により投与され得る。患者に投与される化合物の正確な量は、主治医の責任であり得る。任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与の時間、投与経路、排出速度、複合薬、処置中の正確な障害、及び処置中の徴候又は状態の重症度を含む様々な因子に依存し得る。また、投与経路は、状態及びその重症度に応じて異なり得る。
組み合わせ及び併用療法
特定の例では、本明細書に記載される化合物(又はその薬学的に許容可能な塩、エステル、又はプロドラッグ)の少なくとも1つを、別の治療薬と組み合わせて投与することが適切であり得る。ほんの一例として、本明細書の化合物の1つを受けるときに患者が経験する副作用の1つが高血圧である場合、降圧薬を最初の治療薬と組み合わせて投与することが適切であり得る。或いは、ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つの治療有効性は、補助剤の投与によって増強され得る(すなわち、補助剤は、それ自体では、最小の治療利益しか有さないかもしれないが、別の治療薬と組み合わせて、患者に対する全体の治療利益が増強される)。或いは、ほんの一例として、患者が経験する利益は、本明細書に記載される化合物の1つを、同様に治療利益を有する別の治療薬(治療レジメンも含む)と共に投与することにより増大され得る。ほんの一例として、本明細書に記載される化合物の1つを投与することを含む糖尿病の処置において、患者に糖尿病のための別の治療薬も提供することにより、治療利益の増大が生じ得る。いずれの場合も、処置される疾患、障害又は状態にかかわらず、患者が経験する全体の利益は、単に2つの治療薬の相加利益であることもあり、又は患者は相乗利益を経験することもある。
可能な併用療法の特定の非限定的な例は、本発明の特定の化合物と抗癌剤(化学療法剤)との使用を含む。抗癌剤のクラスは:アルキル化剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、チェックポイント阻害剤、植物アルカロイド及びテルペノイド、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞毒性抗生物質、アロマターゼ阻害剤、血管新生阻害剤、抗ステロイド及び抗アンドロゲン、mTOR阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、並びにその他を含むが、これらに限定されない。
癌及び新生物疾患で使用するために、CBP/EP300阻害剤は、抗癌剤の以下の非限定的な例の1つ又は複数と共に最適に使用することができる:
(1)カルムスチン、クロラムブシル(LEUKERAN)、シスプラチン(PLATIN)、カルボプラチン(PARAPLATIN)、オキサリプラチン(ELOXATIN)、ストレプトゾシン(ZANOSAR)、ブスルファン(MYLERAN)、ダカルバジン、イホスファミド、ロムスチン(CCNU)、メルファラン(ALKERAN)、プロカルバジン(MATULAN)、テモゾロミド(TEMODAR)、チオテパ及びシクロホスファミド(ENDOXAN)を含むがこれらに限定されないアルキル化剤;
(2)クラドリビン(LEUSTATIN)、メルカプトプリン(PURINETHOL)、チオグアニン、ペントスタチン(NIPENT)、シトシンアラビノシド(シタラビン、ARA-C)、ゲムシタビン(GEMZAR)、フルオロウラシル(5-FU、CARAC)、カペシタビン(XELODA)、ロイコボリン(FUSILEV)、メトトレキサート(RHEUMATREX)、ラルチトレキセドを含むがこれらに限定されない代謝拮抗剤;
(3)ドセタキセル(TAXITERE)及びパクリタキセル(ABRAXANE、タキソール)などのタキサン;ビンクリスチン(ONCOVIN)、ビンブラスチン、ビンデシン及びビノレルビン(NAVELBINE)などのビンカアルカロイドを含むがこれらに限定されない、多くの場合、植物アルカロイド及びテルペノイド、又はその誘導体である有糸分裂阻害剤;
(4)抗PD-1又はPD-L1抗体ペムブロリズマブ(KEYTRUDA)、ニボルマブ(OPDIVO)、MEDI4736及びMPDL3280A;抗CTLA-4抗体イピリムマブ(YERVOY);及びLAG3(リンパ球活性化遺伝子3タンパク質)、KIR(キラー細胞免疫グロブリン様受容体)、4-1BB(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9)、TIM3(T細胞免疫グロブリン及びムチン-ドメイン含有-3)及びOX40(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4)を標的とするものなどのチェックポイント阻害剤;
(5)カンプトテシン(CTP)、イリノテカン(CAMPTOSAR)、トポテカン(HYCAMTIN)、テニポシド(VUMON)、及びエトポシド(EPOSIN)を含むがこれらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤;
(6)アクチノマイシンD(ダクチノマイシン、COSMEGEN)、ブレオマイシン(BLENOXANE)ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン(CERUBIDINE)、エピルビシン(ELLENCE)、フルダラビン(FLUDARA)、イダルビシン、マイトマイシン(MITOSOL)、ミトキサントロン(NOVANTRONE)、プリカマイシンを含むがこれらに限定されない細胞毒性抗生物質;
(7)アミノグルテチミド、アナストロゾール(ARIMIDEX)、レトロゾール(FEMARA)、ボロゾール(RIVIZOR)、エキセメスタン(AROMASIN)を含むがこれらに限定されないアロマターゼ阻害剤;
(8)ゲニステイン、スニチニブ(SUTENT)及びベバシズマブ(AVASTIN)を含むがこれらに限定されない血管新生阻害剤;
(9)アミノグルテチミド(CYTADREN)、ビカルタミド(CASODEX)、シプロテロン、フルタミド(EULEXIN)、ニルタミド(NILANDRON)などの抗ステロイド及び抗アンドロゲン;
(10)イマチニブ(GLEEVEC)、エルロチニブ(TARCEVA)、ラパチニンブ(lapatininb)(TYKERB)、ソラフェニブ(NEXAVAR)及びアキシチニブ(INLYTA)を含むがこれらに限定されないチロシンキナーゼ阻害剤;
(11)エベロリムス、テムシロリムス(TORISEL)及びシロリムスなどのmTOR阻害剤;
(12)トラスツズマブ(HERCEPTIN)及びリツキシマブ(RITUXAN)などのモノクローナル抗体;
(13)アムサクリン;カルメット-ゲラン桿菌(B-C-G)ワクチン;ブセレリン(ETILAMIDE);クロロキン(ARALEN);クロドロネート、パミドロネート、及び他のビスホスホネート;コルヒチン;デメトキシビリジン;ジクロロ酢酸;エストラムスチン;フィルグラスチム(NEUPOGEN);フルドロコルチゾン(FLORINEF);ゴセレリン(ZOLADEX);インターフェロン;ロイコボリン;リュープロリド(LUPRON);レバミソール;ロニダミン;メスナ;メトホルミン;ミトタン(o,p’-DDD、LYSODREN);ノコダゾール;オクトレオチド(SANDOSTATIN);ペリホシン;ポルフィマー(特に、光-及び放射線療法との組み合わせ);スラミン;タモキシフェン;二塩化チタノセン;トレチノイン;フルオキシメステロン(HALOTESTIN)などのタンパク質同化ステロイド;エストラジオール、ジエチルスチルベストロール(DES)及びジエンエストロールなどのエストロゲン;酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)及びメゲストロールなどのプロゲスチン;並びにテストステロンなどの他の薬剤。
対象が炎症状態を患う、又は患う危険性を有する場合、本明細書に記載されるCBP/EP300阻害剤化合物は、任意に、炎症状態の処置用の1つ又は複数の薬剤又は方法と共に、任意の組み合わせで使用される。自己免疫及び/又は炎症状態の処置用の治療薬/処置は、以下の例のいずれかを含むがこれらに限定されない:
(1)コルチゾン、デキサメサゾン及びメチルプレドニゾロンを含むがこれらに限定されないコルチコステロイド;
(2)イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、フェノプロフェン(NALFON)、フルルビプロフェン(ANSAID)、ケトプロフェン、オキサプロフェン(DAYPRO)、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN)、ジクロフェナクカリウム(CATAFLAM)、エトドラク(LODINE)、インドメタシン(INDOCIN)、ケトロラク(TORADOL)、スリンダク(CLINORIL)、トルメチン(TOLECTIN)、メクロフェナメート(MECLOMEN)、メフェナム酸(PONSTEL)、ナブメトン(RELAFEN)及びピロキシカム(FELDENE)を含むがこれらに限定されない非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);
(3)メトトレキサート(RHEUMATREX)、レフルノミド(ARAVA)、アザチオプリン(IMURAN)、シクロスポリン(NEORAL、SANDIMMUNE)、タクロリムス及びシクロホスファミド(シトキサン)を含むがこれらに限定されない免疫抑制剤;
(4)リツキシマブ(RITUXAN)を含むがこれに限定されないCD20遮断薬;
(5)エタネルセプト(ENBREL)、インフリキシマブ(REMICADE)及びアダリムマブ(HUMIRA)を含むがこれらに限定されない腫瘍壊死因子(TNF)遮断薬;
(6)アナキンラ(KINERET)を含むがこれに限定されないインターロイキン-1受容体アンタゴニスト;
(7)トシリズマブ(ACTEMRA)を含むがこれに限定されないインターロイキン-6阻害剤;
(8)AIN457を含むがこれに限定されないインターロイキン-17阻害剤;
(9)タソシチニブを含むがこれに限定されないヤヌスキナーゼ阻害剤;並びに
(10)ホスタマチニブを含むがこれらに限定されないsyk阻害剤。
いずれの場合も、複数の治療薬(そのうちの少なくとも1つは、本明細書に開示される化合物である)は、任意の順序で、又はさらには同時に投与され得る。同時の場合、複数の治療薬は、単一の統合形態又は複数の形態で(ほんの一例として、単一の丸薬又は2つの別々の丸薬として)提供され得る。治療薬の1つが複数回投与で与えられることもあり、又は両方が複数回投与で与えられることもある。同時ではない場合、複数回投与の間のタイミングは、数分から4週までの範囲の任意の期間であり得る。
従って、別の態様では、特定の実施形態は、処置を必要とするヒト又は動物対象におけるCBP媒介障害の処置方法を提供し、方法は、対象における前記障害を低減又は予防するのに有効な量の本明細書に開示した化合物を、当該技術分野で既知の前記障害の処置用の少なくとも1つの付加的な薬剤と組み合わせて、前記対象に投与することを含む。関連した態様では、特定の実施形態は、少なくとも1つの本明細書に開示した化合物を、CBP媒介障害の処置用の1つ又は複数の付加的な薬剤と組み合わせて含む治療的組成物を提供する。
従って、別の態様では、特定の実施形態は、処置を必要とするヒト又は動物対象におけるP300媒介障害の処置方法を提供し、方法は、対象における前記障害を低減又は予防するのに有効な量の本明細書に開示した化合物を、当該技術分野で既知の前記障害の処置用の少なくとも1つの付加的な薬剤と組み合わせて、前記対象に投与することを含む。関連した態様では、特定の実施形態は、少なくとも1つの本明細書に開示した化合物を、P300媒介障害の処置用の1つ又は複数の付加的な薬剤と組み合わせて含む治療的組成物を提供する。
本明細書に開示した化合物、組成物及び方法は、疾患の処置に有用である。特定の実施形態では、疾患は、癌を含む調節不全の細胞増殖の1つである。癌は、乳癌の場合のように、ホルモン依存性又はホルモン抵抗性であり得る。特定の実施形態では、癌は、固形腫瘍である。他の実施形態では、癌は、リンパ腫又は白血病である。特定の実施形態では、癌は、本明細書に開示し又は当該技術分野で既知のように、癌の薬物耐性表現型である。腫瘍浸潤、腫瘍増殖、腫瘍転移及び血管新生も、本明細書に開示した組成物及び方法を用いて処置され得る。前癌性腫瘍も、本明細書に開示した組成物及び方法を用いて処置される。
本明細書に開示した方法によって処置される癌は、結腸癌、乳癌、卵巣癌、肺癌及び前立腺癌;口腔及び咽頭(口唇、舌、口腔、喉頭、咽頭)、食道、胃、小腸、大腸、結腸、直腸、肝臓及び胆汁道;膵臓、骨、結合組織、皮膚、子宮頸部、子宮、子宮体内膜(corpus endometrium)、精巣、膀胱、腎臓、及び他の非尿器組織(腎細胞癌(RCC)を含む)の癌;眼、脳、脊髄、並びに中枢及び末梢神経系の他の構成要素、並びに髄膜などの関連構造;並びに甲状腺及び他の内分泌腺の癌を含む。「癌」という用語は、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、並びに白血病(慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML))を含む造血器悪性腫瘍、並びにリンパ性、顆粒球性及び単球性を含むリンパ腫を含む、必ずしも固形腫瘍を形成しない癌も包含する。本発明の化合物及び方法を用いて処置され得る癌のさらなるタイプは、腺癌、血管肉腫、星状細胞腫、内耳神経腫、未分化星状細胞腫、基底細胞癌、芽細胞神経膠腫(blastoglioma)、軟骨肉腫、絨毛癌、脊索腫、頭蓋咽頭腫、皮膚黒色腫、嚢胞腺癌、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、胚性癌腫、上衣腫、ユーイング腫瘍、上皮癌、線維肉腫、胃癌、泌尿生殖器癌、多形神経膠芽腫、頭部及び頸部癌、血管芽腫、肝細胞癌、肝細胞腫、カポジ肉腫、大細胞癌、平滑筋肉腫、白血病、脂肪肉腫、リンパ系癌、リンパ腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、甲状腺髄様癌、髄芽腫、髄膜腫中皮腫、骨髄腫、粘液肉腫神経芽腫、神経線維肉腫、乏突起神経膠腫、骨肉腫、上皮卵巣癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、傍神経節腫、副甲状腺腫瘍、褐色細胞腫、松果体腫、形質細胞腫、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、皮脂腺癌、精上皮腫、皮膚癌、黒色腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、扁平上皮癌、汗腺癌、滑膜腫、甲状腺癌、ブドウ膜黒色腫、並びにウィルムス腫瘍を含むがこれらに限定されない。
特定の実施形態では、本明細書に開示した組成物及び方法は、腫瘍浸潤及び腫瘍転移を予防又は低減するのに有用である。
ヒトの処置に有用であることに加えて、本明細書に開示される特定の化合物及び製剤は、コンパニオンアニマル、エキゾチックアニマル及び家畜(哺乳類、げっ歯類などを含む)の獣医学処置のためにも有用であり得る。より好ましい動物は、ウマ、イヌ、及びネコを含む。
化合物の合成
本開示の化合物は、下記に詳細する一般的な合成スキーム及び実験手順に説明されている方法を用いて調製することができる。一般的な合成スキーム及び実験手順は、説明を目的として提示され、限定を意図するものではない。本開示の化合物を調製するために使用される出発材料は、市販されており、又は当該技術分野で既知の日常的な方法を用いて調製することができる。
略称のリスト
AcO=無水酢酸;AcCl=塩化アセチル;AcOH=酢酸;AIBN=アゾビスイソブチロニトリル;aq.=水性;BPin=ビス(ピナコラト)ジボロン=4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ-1,3,2-ジオキサボロラン;Brettphos=2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル;BuSnH=水素化トリブチルスズ;CBz=カルボキシベンジル=PhCHOC(=O)-;CBzCl=クロロギ酸ベンジル=PhCHOC(=O)Cl;CDOD=重水素化メタノール;CDCl=重水素化クロロホルム;CDI=1,1’-カルボニルジイミダゾール;DAST=三フッ化ジエチルアミノ硫黄;DBU=1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン;DCE=1,2-ジクロロエタン;DCM=ジクロロメタン;DEAD=アゾジカルボン酸ジエチル;DIBAL-H=水素化ジイソブチルアルミニウム;DIEA=DIPEA=N,N-ジイソプロピルエチルアミン;DMAP=4-ジメチルアミノピリジン;DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;DMSO-d=重水素化ジメチルスルホキシド;DMSO=ジメチルスルホキシド;DPPA=ジフェニルホスホリルアジド;dppe=1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン;dppf=1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;EDC.HCl=EDCI.HCl=1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩;EtO=ジエチルエーテル;EtOAc=酢酸エチル;EtOH=エタノール;h=時間;HATU=2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム;HMDS=ヘキサメチルジシラザン;HOBT=1-ヒドロキシベンゾトリアゾール;iPr=i-Pr=イソプロピル=(CHCH-;i-PrOH=イソプロパノール=(CHCH-OH;LAH=LiAlH=水素化リチウムアルミニウム;LiHMDS=LiN(TMS)=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;MeCN=アセトニトリル;MeOH=メタノール;MP-カーボネート樹脂=マクロ多孔質トリエチルアンモニウムメチルポリスチレンカーボネート樹脂;MsCl=塩化メシル;MTBE=メチル第3級ブチルエーテル;MW=マイクロ波照射;n-BuLi=n-ブチルリチウム;NaHMDS=ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;NaOMe=ナトリウムメトキシド;NaOtBu=ナトリウムtert-ブトキシド;NBS=N-ブロモスクシンイミド;NCS=N-クロロスクシンイミド;NIS=N-ヨードスクシンイミド;NMP=N-メチル-2-ピロリドン;PdCl(dppf)=Pd(dppf)Cl=[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド;Pd(Ph=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);Pd(dba)=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);PdCl(PPh=ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド;PG=保護基;prep-HPLC=分取高速液体クロマトグラフィー;PyBop=(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;Pyr=ピリジン;RT=室温;RuPhos=2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシビフェニル;sat.=飽和;ss=飽和溶液;tBu=t-Bu=tert-ブチル=(CHC-;t-BuOH=tert-ブタノール=(CHC-OH;T3P=プロピルホスホン酸無水物;TBS=TBDMS=tert-ブチルジメチルシリル;TBSCl=TBDMSCl=tert-ブチルジメチルクロロシラン;TEA=EtN=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;TFAA=トリフルオロ酢酸無水物;THF=テトラヒドロフラン;Tol=トルエン;TsCl=塩化トシル;XPhos=2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル;Xphos Pd G2=クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)。
化合物を調製するための一般的な合成方法
以下のスキームを用いて本開示を実施することができる。
スキームI

実施例は、スキームIに示す一般的な合成手順を用いて合成することができる。イミダゾールI-02の合成は、(P)の記号で表す適切な保護基、例えばカルバメート保護基を有するエチレンジアミンI-01から開始する。化合物I-01をグリオキサール及びアルデヒドR-CHOと反応させる。モノヨード化合物I-03は、4,5-ジヨードイミダゾール化合物(図示せず)の合成と、その後の選択的ハロゲン/金属交換、及び得られた有機金属のHクエンチからなる2ステップ手順により形成される。保護基が除去され(例えば、Boc基はHClで除去される)、ホルムアルデヒドとの縮合により二環式構造が得られる。アミノ基を塩化アセチル(又は無水酢酸などの等価物)により官能化してアミド/カルバメートI-06aを得る又は塩化メチルカルバモイルI-05により官能化して尿素I-06bを得ることができる(代替的に、アミンを4-ニトロフェニルクロロホルメートと反応させた後、アミンで処理して尿素I-06bを得ることができる)。合成は、I-06a又はI-06bとアリールボロン酸又はエステルとのPd(II)媒介カップリングにより完了して、それぞれI-07a又はI-07bを得る。
スキームII

他の実施例は、スキームIIに示す一般的な合成手順を使用して合成することができる。酸II-01とピラジン-2-イルメタンアミンとのカップリングはアミドII-02を提供し、これは環化されてイミダゾピラジンII-03を提供する。イミダゾピラジンII-03は水素化によりイミダゾピペラジンII-04に還元される。イミダゾピペラジンII-04は、塩化アセチル(又は無水酢酸などの等価物)と反応した後、ヨウ素と反応してアミドII-05aを提供する又は塩化メチルカルバモイルI-05と反応した後、ヨウ素と反応して尿素II-05bを提供する。合成は、II-05a又はII-05bとアリールボロン酸エステル又はアリールボロン酸とのPd(II)媒介カップリングにより完了して、それぞれII-06a又はII-06bを得る。
本開示を以下の実施例によりさらに説明する。
中間体「A」
1-ヨード-N-メチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-カルボキサミド

tert-ブチル2-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-イミダゾール-1-イル)エチルカルバメート
0℃のMeOH(100mL)中のテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド(2.80g、25mmol)及び40% aq.グリオキサール(5.0g、34mmol)の混合物にNHOAc(3.8g、49mmol)を加えた後、tert-ブチル2-アミノエチルカルバメート(3.94g、24.6mmol)を滴加した。この混合物をRTで一晩撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をMeOH/CHCl(1/10、400mL)で希釈し、混合物を飽和aq.NHCl(200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して表題の粗化合物が赤色油(7.0g、96%)としてもたらされた。MS(ES)C1525 理論値:295、実測値:296[M+H]
tert-ブチル2-(4,5-ジヨード-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-イミダゾール-1-イル)エチルカルバメート.
0℃のDMF(80mL)中の前のステップの生成物(7.0g、24mmol)の混合物にNIS(16g、71mmol)を少しずつ加えた。この混合物をRTで一晩撹拌し、HO(800mL)で希釈し、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和aq.NHCl(200mL×4)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~40%EtOAc)により精製して、表題の化合物を黄褐色固体(4.3g、33%)として得た。MS(ES)C1523 理論値:547、実測値:548[M+H]
tert-ブチル2-(4-ヨード-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-イミダゾール-1-イル)エチルカルバメート.
-50℃のTHF(100mL)中の前のステップの生成物(4.3g、7.9mmol)の混合物に、THF中の1.0M EtMgBr(31.6mL、31.6mmol)を滴加した。この混合物を-50℃で3時間撹拌し、飽和aq.NHCl(10mL)で低温で処理し、HO(200mL)で希釈し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和aq.NaCl(100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題の粗化合物を黄色油(3.1g、93%)として得た。MS(ES)C1524IN 理論値:421、実測値:422[M+H]
1-ヨード-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン、HCl塩.
前のステップの生成物(3.1g、7.4mmol)をMeOH(50mL、100mmol)中の2M HClで処理した。この混合物をRTで3時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をEtOH(50mL)に溶解し、この混合物をパラホルムアルデヒド(6.66g、222mmol)で処理した。この混合物を2時間還流撹拌した後、RTまで冷却した。固体を濾過により収集し、EtOH(10mL)で洗浄し、表題の化合物を白色固体(1.8g、66%)として得た。MS(ES)C1116INO 理論値:333、実測値:334[M+H]
1-ヨード-N-メチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-カルボキサミド.
CHCl(100mL)中の前のステップの生成物(1.8g、4.9mmol)の混合物にEtN(2.02g、20.0mmol)を加えた。この混合物を0℃まで冷却し、メチルカルバミン酸クロリド(930mg、10mmol)を少しずつ加えた。この混合物をRTで2時間撹拌し、飽和aq.NaCl(200mL)で処理した後、MeOH/CHCl(1/10、150mL×6)で抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題の化合物を白色固体(1.4g、73%)として得た。MS(ES)C1319IN 理論値:390、実測値:391[M+H]
中間体「B」
1-(1-ヨード-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタン-1-オン

tert-ブチル2-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-イミダゾール-1-イル)エチルカルバメート。
テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルバルデヒド(2.80g、25mmol)及び40% aq.グリオキサール(5.0g、34mmol)の0℃のMeOH(100mL)中の混合物にNHOAc(3.8g、49mmol)と、その後tert-ブチル2-アミノエチルカルバメート(3.94g、24.6mmol)を滴加した。この混合物をRTで一晩撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をMeOH/CHCl(1/10、400mL)で希釈し、混合物を飽和aq.NHCl(200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して表題の粗化合物を赤色油(7.0g、96%)として提供した。MS(ES)C1525 理論値:295、実測値:296[M+H]

tert-ブチル2-(4,5-ジヨード-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-イミダゾール-1-イル)エチルカルバメート。
前のステップの生成物(7.0g、24mmol)の0℃のDMF(80mL)中の混合物にNIS(16g、71mmol)を少しずつ加えた。この混合物をRTで一晩撹拌し、HO(800mL)で希釈し、EtOAc(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和aq.NHCl(200mL×4)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(0%~40%、石油エーテル中EtOAc)により精製して、表題の化合物を黄褐色固体(4.3g、33%)として得た。MS(ES)C1523 理論値:547、実測値:548[M+H]

tert-ブチル2-(4-ヨード-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-イミダゾール-1-イル)エチルカルバメート。
前のステップの生成物(4.3g、7.9mmol)の-50℃のTHF(100mL)中の混合物に、THF中の1.0M EtMgBr(31.6mL、31.6mmol)を滴加した。この混合物を-50℃で3時間撹拌し、飽和aq.NHCl(10mL)で低温で処理し、HO(200mL)で希釈し、EtOAc(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を飽和aq.NaCl(100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、表題の粗化合物を黄色油(3.1g、93%)として得た。MS(ES)C1524IN 理論値:421、実測値:422[M+H]

1-ヨード-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン、HCl塩。
前のステップの生成物(3.1g、7.4mmol)をMeOH中の2M HCl(50mL、100mmol)で処理した。この混合物をRTで3時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をEtOH(50mL)に溶解し、この混合物をパラホルムアルデヒド(6.66g、222mmol)で処理した。この混合物を2時間還流撹拌した後、RTに冷却させた。固体を濾過により収集し、EtOH(10mL)で洗浄し、表題の化合物を白色固体(1.8g、66%)として得た。MS(ES)C1116INO 理論値:333、実測値:334[M+H]

1-(1-ヨード-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタン-1-オン。
0℃のCHCl(200ml)中の前のステップの生成物(25.0g、67.6mmol)の懸濁液にEtN(28.3ml、203mmol)及びAcCl(5.77ml、81.0mmol)を追加し、得られた混合物を、0.5時間0℃で撹拌した。飽和aq.NaCl(100mL)を加え、白色固体を濾過によって除去した。濾液層を分離し、水相をCHCl(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(CHCl中0%~8%MeOH)により精製して、表題の化合物を白色固体(25.4g、100%)として得た。MS(ES)C1318IN 理論値:375、実測値:376[M+H]
中間体「C」

5-(3-(ジフルオロメチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノリン-2-イル)-2-メチルチアゾール

2,5-ジクロロキノリン-3-カルバルデヒド
-20℃のTHF(5mL)中のジイソプロピルアミン(0.157mL、1.10mmol)の溶液に、ヘキサン(0.687mL、1.10mmol)中の1.6M n-ブチルリチウムの溶液を滴加した。得られた溶液を、30分間0℃で撹拌した後、THF(5mL)中の2,5-ジクロロキノリンの溶液(0.198g、1.00mmol)を滴下して処理し、この混合物を30分間撹拌した後、DMF(0.116mL、1.50mmol)を滴下して処理した。得られた混合物を、30分間撹拌した後、飽和aq.NHClで処理し、EtOAc(20mL)と水(10mL)との間で分配させた。有機層を水及び飽和aq.NaClで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%~15%EtOAc)により精製して、表題の化合物を白色固体(108mg、48%)として得た。MS(ES)C10ClNO 理論値:225、実測値:226[M+H]

2,5-ジクロロ-3-(ジフルオロメチル)キノリン
CHCl(100mL)中の前のステップの生成物(10.0g、44.4mmol)の溶液に、DAST(17.6mL、133mmol)を加えた。得られた混合物を、2時間20℃で撹拌した後、飽和aq.NaHCO(200mL)で洗浄した。水層をCHCl(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和aq.NaClで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%~15%EtOAc)により精製して、表題の化合物をオフホワイト固体(10.0g、91%)として得た。MS(ES)C10ClN 理論値:247、実測値:248[M+H]

5-(5-クロロ-3-(ジフルオロメチル)キノリン-2-イル)-2-メチルチアゾール
乾燥DMF(10mL)中の前のステップの生成物(8000mg、32.4mmol)、2-メチル-5-(トリブチルスタンニル)チアゾール(15.1g、38.9mmol)、LiCl(2722mg、64.8mmol)、及びPd(PPh(332.4mg、0.324mmol)の混合物を、Nでパージすることによって脱気した後、75℃で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~20%EtOAc)により精製して、表題の化合物を黄褐色固体(6400mg、64%)として得た。MS(ES):C14ClFS 理論値:310、実測値:311[M+H]

5-(3-(ジフルオロメチル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノリン-2-イル)-2-メチルチアゾール(中間体「C」)
ジオキサン(10mL)中の前のステップの生成物(6400mg、20.6mmol)の脱気溶液にビス(ピナコラト)ジボロン(7849mg、30.9mmol)、KOAc(3996mg、41.2mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(200.0mg、0.21mmol)、及びPd(dba)(200mg、0.21mmol)を加え、得られた混合物を、12時間120℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~20%EtOAc)により精製して、表題の化合物をオフホワイト固体(5.1g、62%)として得た。MS(ES)C2021BFS 理論値:402、実測値:403[M+H]
実施例1
1-(3-(ジフルオロメチル)-2-(2-メチルチアゾール-5-イル)キノリン-5-イル)-N-メチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-カルボキサミド(化合物1)

1-(3-(ジフルオロメチル)-2-(2-メチルチアゾール-5-イル)キノリン-5-イル)-N-メチル-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-カルボキサミド
ジオキサン(15mL)及び水(5mL)中の中間体「C」(1.80g、4.48mmol)の脱気溶液に中間体「A」(17.5g、4.48mmol)、KCO(1236mg、8.96mmol)、及びPd(dppf)Cl(202mg、0.25mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(CHCl中0%~70%(EtOAc中10%MeOH))により精製して、表題の化合物を黄色固体(1800mg、75%)として得た。
MS(ES)C2728S 理論値:538、実測値:539[M+H]
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 9.75(s,1H),8.10(s,1H),7.95-7.90(m,2H),7.68-7.46(m,2H),6.74-6.71(m,1H),4.72(s,2H),4.09(t,J=5.3Hz,2H),3.99-3.97(m,2H),3.80(t,J=5.3Hz,2H),3.52-3.48(m,2H),3.16-3.04(m,1H),2.74(s,3H),2.56(d,J=4.3Hz,3H),1.87-1.83(m,4H).
実施例2
1-(1-(3-(ジフルオロメチル)-2-(2-メチルチアゾール-5-イル)キノリン-5-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタン-1-オン(化合物2)

ジオキサン(7mL)及び水(3mL)中の中間体「C」(5.10g、12.7mmol)の脱気溶液に中間体「B」(4.76g、12.7mmol)、KCO(3505mg、25.4mmol)、及びPd(dppf)Cl(102mg、0.13mmol)を加えた。得られた混合物を100℃で2時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(CHCl中0%~70%(EtOAc中10%MeOH))により精製して、表題の化合物をオフホワイト固体(5200mg、78%)として得た。
MS(ES)C2727S 理論値:523、実測値:524[M+H]
H NMR(500MHz,CDOD)(回転異性体のおよそ2:1の混合物)δ 9.35-8.97(m,1H),8.10-8.08(m,2H),8.02-7.85(m,1H),7.74-7.57(m,1H),7.36-7.13(m,1H),4.85(s,0.7H),4.81(s,1.3H),4.35-4.28(m,1.3H),4.28-4.19(m,0.7H),4.13-3.99(m,4H),3.65(明白なt,J=12.0Hz,2H),3.27-3.15(m,1H),2.81(s,3H),2.24(s,2H),2.12(s,1H),2.09-2.00(m,2H),1.99-1.86(m,2H).
実施例3
1-(1-(3-(ジフルオロメチル)-2-(6-メチルピリジン-3-イル)キノリン-5-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタン-1-オン(化合物3)

5-クロロ-3-(ジフルオロメチル)-2-(6-メチルピリジン-3-イル)キノリン
ジオキサン(30mL)及び水(10mL)中の2,5-ジクロロ-3-(ジフルオロメチル)キノリン(300mg、1.21mmol)の溶液に2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(352mg、1.21mmol)、KCO(334mg、2.42mmol)、及びPd(dppf)Cl(19.7mg、0.242mmol)を加えた。混合物をNでパージすることによって脱気した後、2時間100℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~20%EtOAc)により精製して、表題の化合物を黄色固体(235mg、64%)として得た。MS(ES):C1611ClF 理論値:304、実測値:305[M+H]

3-(ジフルオロメチル)-2-(6-メチルピリジン-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)キノリン
ジオキサン(2.5mL)中の前のステップの生成物(235mg、0.77mmol)の脱気溶液にビス(ピナコラト)ジボロン(279mg、1.01mmol)、KOAc(142mg、1.46mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(20.0mg、0.08mmol)、及びPd(dba)(20mg、0.08mmol)を加えた。得られた混合物を、12時間120℃で撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中0%~20%EtOAc)により精製して、表題の化合物を黄色固体(280mg、93%)として得た。MS(ES)C2223BF 理論値:396、実測値:397[M+H]

1-(1-(3-(ジフルオロメチル)-2-(6-メチルピリジン-3-イル)キノリン-5-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-イル)エタン-1-オン
ジオキサン(0.7mL)及びHO(0.3mL)中の前のステップの生成物(50mg、0.12mmol)の脱気溶液に中間体「B」(46.8mg、0.12mmol)、KCO(33.1mg、0.24mmol)、及びPd(dppf)Cl(9.78mg、0.012mmol)を加えた。得られた混合物を、2時間100℃で撹拌した後、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(CHCl中0%~70%(EtOAc中10%MeOH))により精製して、表題の化合物をオフホワイト固体(25.3mg、38%)として得た。
MS(ES)C2929 理論値:517、実測値:518[M+H]
H NMR(500MHz,CDCl)(回転異性体のおよそ2:1の混合物)δ 9.35(s,1H),8.80(s,1H),8.16-8.11(m,1H),7.95-7.76(m,2H),7.57-7.50(m,1H),7.34-7.28(m,1H),6.86-6.64(m,1H),4.88(s,0.7H),4.77(s,1.3H),4.17-3.95(m,6H),3.58(t,J=11.3Hz,2H),3.00(t,J=10.9Hz,1H),2.67(s,3H),2.19-2.08(m,3H),1.99-1.87(m,4H).
CBP及びBRD4の阻害剤としての実施例1~3の化合物の活性を、以下のアッセイにて説明する。上記にリストした他の化合物(まだ作製及び/又は試験されていない)も、これらのアッセイにて活性を有すると予想される。
生物活性アッセイ
H4ヒストン基質由来のアセチル化ペプチド(テトラアセチル化H4(1-21)Ac-K5/8/12/16)に対するCBP又はBRD4ブロモドメインの特異的結合を、阻害剤の非存在又は存在下で測定した。CBP(1081-1197)及びBRD4(49-170)のGSTタグ化ブロモドメインを、BPS Bioscienceから獲得し、ビオチン化H4(1-21)Ac-K5/8/12/16(AnaSpec.64989)に対する結合をAlphaScreen技術(Perkin Elmer)により評価した。
CBP AlphaScreenアッセイ:5nM GST-CBP(1081-1197)及び20nMビオチン-H4(1-21)Ac-K5/8/12/16(AnaSpec.64989)を、50mM HEPES 7.5、100nM NaCl、1mM TCEP、及び0.003% Tween-20を含む15μLの緩衝液中で、様々な濃度のCBP阻害剤と共にインキュベートした。室温での30分間のインキュベーション後、次いで7μg/mLのグルタチオンAlphaLisaアクセプタービーズ(Perkin Elmer AL109)及び14μg/mLのストレプトアビジンドナービーズ(Perkin Elmer 676002)を含む15μLの検出緩衝液(BPS Bio.33006)を、以前の混合物に加えた。反応物を室温でさらに2時間インキュベートし、Envision Multilabelプレートリーダーを使用してAlphaScreenシグナルを定量化した。陰性対照として、GST-CBP(1081-1197)を非アセチル化ビオチン-H4(1-21)ペプチド(AnaSpec.62555)と共に、0.25%の最終DMSO濃度の存在下でインキュベートした。
BRD4 AlphaScreenアッセイ:10nMビオチン-H4(1-21)Ac-K5/8/12/16(AnaSpec.64989)に対する2.5nMのBRD4(49-170)の結合を、CBPアッセイに関して記載したものと同じ手順に従って評価した。標準用量応答曲線を、Genedata Screenerソフトウエアによって、可変勾配モデルを使用して適合させた:
シグナル=シグナル陰性対照+(シグナルDMSO対照-シグナル陰性対照)/(1+(IC50/用量)^Hill勾配)。
この等式において、シグナル及び用量のみを既知の値として処理した。
結果を下の表1に示す。表は、開示された化合物がCBPを阻害し、BRD4よりも選択的であることを示す。構造類似体化合物4は、その全体が本明細書において援用される米国特許出願公開第2019/0298729号明細書(米国特許出願第16/370,404号明細書)において以前に開示された。
DOHH2増殖アッセイ:1日目に、1000個のDOHH2細胞を、40μL RPMI1640培地において384ウェルTCプレート(PerkinElmer #6007680)に接種した後、3.3μMスタウロスポリンを陰性対照として加えた列13を除いて、CBP阻害剤を加えた。DMSOは、全てのウェルにおいて0.1%とした。細胞を中で溶解し、7日目に40μL CellTiter-Glo(Promega #G9243)によって生存率をカウントした。発光シグナルは、Envision Multilabelプレートリーダーによって定量化し、標準用量応答曲線を、Genedata Screenerソフトウエアによって、可変勾配モデルを使用してフィッティングした:シグナル=シグナル陰性対照+(シグナルDMSO対照-シグナル陰性対照)/(1+(IC50/用量)^Hill勾配)。
この等式において、シグナル及び用量のみを既知の値として処理した。
アッセイの結果を、下記に示す。
本明細書において記載される化合物は、インビトロにおけるミクロソームの安定性データによって予測されず、構造に基づいた自明の理由ではない、薬物動態学的挙動をスクリーニングするために使用されるインビボモデルとしてのマウスにおけるインビボ薬物動態、特に、クリアランス及び半減期において予想外の向上を示す。関連する比較データを、表3及び4に示す。表3は、インビトロにおけるミクロソームの安定性が、以前に開示された構造類似体と比較した場合に、化合物1について類似している又は低いことを示す。しかしながら、表4において示されるように、以前に開示された構造類似体と比較した場合に、化合物1についてマウスインビボクリアランスが劇的に減少しており、半減期が増加している。
化合物1を、ラット、サル、及びイヌにおいて、インビボ薬物動態についてさらに特徴付けた。表5は、表3においてまだ示していない種における化合物1についてのミクロソームの安定性を示す。表6は、静脈内(IV)及び経口(PO)での単回投与後のラット、サル、及びイヌにおける薬物動態学的パラメーターを示す。
ミクロソームの安定性.ミクロソームの安定性アッセイは、Beckmann Biomek FXpラボラトリーオートメーションシステムで行った。肝ミクロソームのインキュベーション混合物は、リン酸カリウム緩衝液(100mM、pH7.4)中の肝ミクロソーム(0.5mgミクロソームタンパク質/mL)、化合物(1μm)、MgCl(3mM)、及びEDTA(1mM)からなった。ミダゾラム及びケタンセリンは、アッセイ対照基質として使用した。反応は、NADPH再生溶液(1.3mM NADPH)を加えることにより開始し、振盪させながら37℃に維持した。0~45分間の範囲にわたる5つの時点で、一定分量(50μL)を取り出し、内部標準(イミプラミン)を含有するアセトニトリル(100μL)でクエンチした。ボルテックス及び遠心分離後、サンプルを、LC-MS/MSによって分析した。インビトロ半減期及びクリアランスの計算は、文献のガイドラインに従った。
インビボ薬物動態。
IV(静脈内)用量は、20%DMSO+60%PEG400+20%水において製剤した。PO(経口)用量は、水中0.5%メチルセルロースにおいて製剤した。
マウス:体重が20~30gの雌のマウス(CD1株、Shanghai JH Laboratory Animal Co.LTDから購入)を、研究に使用した。飼料及び水は、全ての動物が自由に摂取できた。試験製品は、それぞれ尾静脈(IV用量)又は強制経口投与(PO用量)を介して投薬した。血液サンプルは、投与前に並びに投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、及び24時間に全ての動物から抗凝固薬K2EDTAを含有する管に収集した(時点毎に3匹の動物、動物当たり3つの時点で収集)。血漿を、4℃で遠心分離によって血液から分離し、分析まで-70℃で保存した。血漿中の試験製品濃度は、液体クロマトグラフィーとタンデム型質量分析(LC-MS/MS)による方法を使用して定量化した。
ラット:体重が200~300gの雄のラット(SD株、Shanghai JH Laboratory Animal Co.LTDから購入)を、研究に使用した。動物は、一晩絶食させ、投与後4時間給餌した。水は、全ての動物が自由に摂取できた。試験製品は、背側の足静脈(IV用量)又は強制経口投与(PO用量)を介して投薬した。血液サンプルは、投与前に並びに投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、及び24時間に全ての動物から尾静脈を介して抗凝固薬K2EDTAを含有する管に収集した。血漿を、4℃で遠心分離によって血液から分離し、分析まで-70℃で保存した。血漿中の試験製品濃度は、液体クロマトグラフィーとタンデム型質量分析(LC-MS/MS)による方法を使用して定量化した。
イヌ:体重が7~10kgの雄のビーグル犬(Beijing Marshall Biotechnology Co.,Ltdから購入)を、研究に使用した。動物は、一晩絶食させ、投与後4時間給餌した。試験製品は、橈側皮静脈(IV用量)又は強制経口投与(PO用量)を介してイヌに投与した。血液サンプルは、投与前に並びに投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、及び24時間に全ての動物から伏在静脈又は橈側皮静脈を介して抗凝固薬K2EDTAを含有する管に収集した。血漿を、4℃で遠心分離によって血液から分離し、分析まで-70℃で保存した。血漿中の試験製品濃度は、液体クロマトグラフィーとタンデム型質量分析(LC-MS/MS)による方法を使用して定量化した。
サル:体重が3~5kgの雄のカニクイザル(Hainan Jingang Biotech.Co.,Ltdから購入)を、研究に使用した。動物は、一晩絶食させ、投与後4時間給餌した。試験製品は、橈側皮静脈(IV用量)又は強制経鼻投与(PO用量)を介してサルに投与した。血液サンプルは、投与前に並びに投与後0.083、0.25、0.5、1、2、4、8、及び24時間に全ての動物から伏在静脈又は橈側皮静脈を介して抗凝固薬K2EDTAを含有する管に収集した。血漿を、4℃で遠心分離によって血液から分離し、分析まで-70℃で保存した。血漿中の試験製品濃度は、液体クロマトグラフィーとタンデム型質量分析(LC-MS/MS)による方法を使用して定量化した。
DOHH2異種移植研究 4~6週齢のCB17/scid雌マウス(Jackson Labs)に、DOHH2細胞(マトリゲルで1:1に希釈した1×10細胞/マウス)を右側腹部に皮下注射して移植し、キャリパーによる測定によってモニターされるように200~300mmの平均容積まで成長させた。ここで、動物をランダム化し、8匹の動物のグループにした。全ての動物は、LabDiet5053固形飼料を自由に摂食した。動物に、無菌水中0.5%メチルセルロースのビヒクルにおいて製剤した実施例1を経口で投薬した。(50mg/kg、BID 5日間投薬あり/2日間投薬なしのスケジュールで)。腫瘍容積は、週2回キャリパーによって測定し、以下の式を使用して計算した:V=l*L/2(l=長さ;L=幅)。体重は、研究の期間、モニターした。GraphPad Prismは、グラフの生成のために使用し、データは、平均値±平均値の標準誤差として表す。
実施例1の化合物の異種移植研究の結果を、図1に示す。
本出願において引用される全ての参考文献、特許又は特許出願(米国又は海外)は、あたかもその全体が本明細書中に記載されたかのように本明細書に援用される。いずれかの矛盾が生じる場合、本明細書に文字通り開示される資料が優先される。
前述の説明から、当業者は本開示の本質的な特徴を容易に確認することができ、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の使用及び条件に適応させるように本開示の種々の変化及び修飾をもたらすことができる。

Claims (31)

  1. 以下の構造式Iを有する化合物:

    又はその塩
    (式中、
    は、CCFHであり、Xは、CH及びNから選択され;
    は、任意に1個又は2個のR基により置換されるテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルであり;
    は、-NHCH及びメチルから選択され;
    は、ピリジン-3-イル及びチアゾール-5-イルから選択され、任意に1個又は2個のR基により置換され;
    は、H及びフルオロから選択され;
    各Rは、アルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシ、及びオキソから独立して選択され;
    の各出現は、-C(O)NR及びアルキルから独立して選択され、並びに
    及びRは、水素及びアルキルから独立して選択される)。
  2. 以下の構造式IIを有する、請求項1に記載の化合物:

    又はその塩
    (式中、
    は、CCFHであり、Xは、CH及びNから選択され;
    は、任意に1個又は2個のR基により置換されるテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルであり;
    は、-NHCH及びメチルから選択され;
    は、ピリジン-3-イル及びチアゾール-5-イルから選択され、任意に1個又は2個のR基により置換され;
    は、H及びフルオロから選択され;
    各Rは、アルキル、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシ、及びオキソから独立して選択され;
    の各出現は、-C(O)NR及びアルキルから独立して選択され、並びに
    及びRは、水素及びアルキルから独立して選択される)。
  3. は、テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルである、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
  4. は、メチルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  5. は、-NHCHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  6. は、2-メチルチアゾール-5-イル及び6-メチルピリジン-3-イルから選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又はその塩。
  7. は、2-メチルチアゾール-5-イルである、請求項6に記載の化合物又はその塩。
  8. は、6-メチルピリジン-3-イルである、請求項6に記載の化合物又はその塩。
  9. 以下から選択される化合物:

    又はその塩。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を薬学的に許容可能な担体と共に含む医薬組成物。
  11. 請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩とCBPを接触させることを含む、CBPの阻害の方法。
  12. 請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩とP300を接触させることを含む、P300の阻害の方法。
  13. CBP又はP300のいずれか1つによって媒介される疾患の処置の方法であって、治療的有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を、それを必要とする患者に投与することを含む方法。
  14. 前記疾患は、増殖性疾患、炎症性障害、自己免疫性疾患及び線維症から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記疾患は、増殖性疾患である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記疾患は、癌である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記癌は、内耳神経腫、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性T細胞白血病、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、脳癌、乳癌、気管支原性肺癌、頸部癌、軟骨肉腫、脊索腫、絨毛癌、慢性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、嚢胞腺癌、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、増殖異常変化、胚性癌腫、子宮内膜癌、内皮肉腫、上衣腫、上皮癌、赤白血病、食道癌、エストロゲン受容体陽性乳癌、本態性血小板血症、ユーイング腫瘍、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、胚細胞睾丸癌、グリア細胞腫、神経膠芽腫、膠肉腫、重鎖病、頭部及び頸部癌、血管芽腫、肝細胞腫、肝細胞癌、ホルモン非感受性前立腺癌、平滑筋肉腫、白血病、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ性白血病、リンパ腫、T細胞又はB細胞起源のリンパ系腫瘍、髄様癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄性白血病、骨髄腫、粘液肉腫、神経芽腫、NUT正中線癌(NMC)、非小細胞肺癌、乏突起神経膠腫、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、乳頭状腺癌、乳頭癌、松果体腫、真性多血症、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、肉腫、皮脂腺癌、精上皮腫、皮膚癌、小細胞肺癌、固形腫瘍(癌腫及び肉腫)、小細胞肺癌、胃癌、扁平上皮癌、滑膜腫、汗腺癌、甲状腺癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、精巣腫瘍、子宮癌及びウィルムス腫瘍から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記癌は、肺癌、乳癌、膵臓癌、結腸直腸癌及び黒色腫から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 細胞毒性剤の投与をさらに含む、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記細胞毒性剤は、微小管阻害剤、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼI阻害剤、ホルモン及びホルモン類似体、シグナル伝達経路阻害剤、非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤、免疫療法剤、アポトーシス促進剤、LDH-Aの阻害剤、脂肪酸生合成の阻害剤、細胞周期シグナル伝達阻害剤、HDAC阻害剤、プロテアソーム阻害剤、並びに癌代謝の阻害剤から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 癌処置の非化学的方法の投与をさらに含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記癌処置の非化学的方法は、手術、放射線療法、熱焼灼法、焦点式超音波療法、及び寒冷療法から選択される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記疾患は自己免疫性疾患である、請求項14に記載の方法。
  24. 前記自己免疫性疾患は、アジソン病、急性痛風、強直性脊椎炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、ベーチェット病、水疱性皮膚疾患、慢性閉塞性肺疾患、クローン病、皮膚炎、湿疹、巨細胞性動脈炎、線維症、糸球体腎炎、肝血管閉塞、肝炎、下垂体炎、免疫不全症候群、炎症性腸疾患、川崎病、ループス腎炎、多発性硬化症、心筋炎、筋炎、腎炎、臓器移植拒絶反応、変形性関節症、膵炎、心膜炎、結節性多発動脈炎、間質性肺炎、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、関節リウマチ、強膜炎、硬化性胆管炎、敗血症、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、毒素ショック症候群、甲状腺炎、I型糖尿病、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、尋常性白斑、血管炎、及びウェゲナー肉芽腫症から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記疾患は線維症である、請求項14に記載の方法。
  26. 前記線維症は、肺性線維症、珪肺症、嚢胞性繊維症、腎線維症、肝線維症、肝硬変、原発性硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、心内膜心筋線維症、縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、進行性大規模線維症、腎性全身性線維症、クローン病、ケロイド、心筋梗塞、全身性硬化症又は関節線維症から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記線維症は肺性線維症である、請求項25に記載の方法。
  28. 前記肺性線維症は、突発性肺性線維症、線維性間質性肺疾患、間質性肺炎、非特異性間質性肺炎の線維性変異型、嚢胞性繊維症、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、又は肺動脈性肺高血圧症から選択される。特定の実施形態では、線維性肺疾患は突発性肺性線維症である、請求項27に記載の方法。
  29. CBP媒介疾患の処置の方法であって、
    (a)治療的有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩、及び
    (b)第2の治療薬
    の投与を含む方法。
  30. P300媒介疾患の処置の方法であって、
    (a)治療的有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩、及び
    (b)第2の治療薬
    の投与を含む方法。
  31. 治療的有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその塩を患者に投与することを含む、患者における効果を達成するための方法であって、前記効果は炎症の低下である、方法。

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