JP2023542040A - ヘテロアリール複素環化合物及びその使用 - Google Patents

ヘテロアリール複素環化合物及びその使用 Download PDF

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Abstract

式(I)のヘテロアリール複素環化合物、それを含む医薬組成物、その製造方法、及びその使用が提供され、ここで変数は本明細書で定義されるとおりである。化合物はBtk阻害剤である。JPEG2023542040000034.jpg68102【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2020年9月21日に出願された中国出願第202010993583.8号、2021年2月7日に出願された中国出願第202110175357.3号、及び2021年9月15日に出願された中国出願第202111077860.1号の優先権利益を主張する。これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、ヘテロアリール複素環化合物、それを含む医薬組成物、その製造方法、及びその使用に関する。
発明の背景
非受容体型チロシンタンパク質Tecファミリー(BTK、LTK、TEC、BMX、TXKなどを含む)のメンバーであるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)は、造血細胞(T細胞、NK細胞、及び分化形質細胞を除く)で広く発現している。BTKは、B細胞及び骨髄細胞における、それぞれB細胞抗原受容体(BCR)及びFcγ受容体(FcγR)によって媒介されるシグナル伝達において重要な役割を果たしている。これは、B細胞の発生、活性化、シグナル伝達、及び生存における重要な調節因子である。BTKは、細胞周期の正の調節因子と分化因子を活性化することでB細胞の発生と分化を制御することができ、またプロアポトーシスタンパク質と抗アポトーシスタンパク質の発現を調節することでB細胞の生存と増殖を制御することもできる。BTKはまた、Bリンパ腫細胞の遊走と接着にも重要な役割を果たす。さらにBTKは、マクロファージでのToll様受容体(TLR)及びサイトカイン受容体媒介TNF-α産生、肥満細胞でのIgE受容体(FceRI)媒介シグナル伝達、B型リンパ系細胞のでのFas/APO-1誘導性アポトーシスシグナルの阻害、及びコラーゲン誘導性血小板凝集などの他の多くの造血系シグナル伝達経路において役割を果たす。
ヒトでは、BTK遺伝子変異は、遺伝性免疫不全疾患であるX連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)を引き起こす可能性がある。BTK遺伝子の点突然変異は、ヒトXLA患者に関与しており、BTK mRNAレベルとBTKタンパク質発現が低~検出不可能であり、その結果、B細胞と免疫グロブリンの成熟と成長がほぼ完全に欠如し、BCR刺激に応答して持続性カルシウムシグナルの顕著な減衰が見られる。BTK変異の影響はB細胞集団にのみ限定されており、XLA患者に見られる他の免疫細胞では重大な成長障害はない。BTK遺伝子の自然突然変異はX連鎖免疫不全(xid)マウスでも見られ、類似しているがそれほど深刻ではない表現型を示している。xidマウス又は変異誘発BTK遺伝子ノックアウトマウスでは、B細胞の分化がB細胞段階で部分的にブロックされ、血液循環中の成熟B細胞の数が低下し、コラーゲン誘発関節炎及びブドウ球菌誘発関節炎のモデルに対する耐性の低下が生じた。関節リウマチ(RA)、原発性シェーグレン症候群(pSS)、及び全身性エリテマトーデス(SLE)、並びにB細胞白血病やリンパ腫などの自己免疫疾患患者の循環B細胞に、BTKが豊富に発現していることが、多くの証拠によって示されている。これらの自己免疫疾患やB細胞関連疾患では、BCRシグナル伝達の異常な活性化が確認されている。B細胞、BCRシグナル伝達経路、及びBTKの阻害は、さまざまな程度で疾患の進行を遅らせる可能性がある。
B細胞の成長と機能におけるBTKの重要な役割に基づいて、BTKはB細胞悪性腫瘍と自己免疫疾患の治療の潜在的な標的と考えられている。造血系腫瘍及び自己免疫疾患の臨床研究のために、さまざまなBTK阻害剤が開発されている。低分子BTK阻害剤(例えば、イブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ、PRN1008、GDC-0853)は、有望な治療効果を示している。例えば臨床試験で比較的高い効果が持続し毒性が低い不可逆的なBTK阻害剤であるイブルチニブは、2013年に再発性マントル細胞リンパ腫(MCL)の、2014年にリンパ性白血病(CLL)の、2015年にワルデンストレームマクログロブリン血症の、及び2017年に再発性/難治性慢性辺縁帯リンパ腫の治療用に、米国食品医薬品局(FDA)によって承認された。特に2017年には、承認適応が慢性の移植片対宿主病(GVHD)に拡大され、慢性自己免疫疾患の治療におけるBTKのメカニズムが証明された。さらに2017年に、不可逆的なBTK阻害剤であるアカラブルチマブが成人MCLの治療用に、及び2019年にCLLの治療用に承認され、2019年11月にザヌブルチニブがMCLの治療用にFDAによって承認され、及び天疱瘡に対するPRN1008の第3相試験が進行中である。いくつかの不可逆的なBTK阻害剤(チラブルチニブ、スペブルチニブ、及びエボブルチニブ)及び可逆的なBTK阻害剤(GDC-0853、ARQ-531、及びLOXO-305)が、前臨床及び臨床開発の段階にある。
従って、BTK阻害剤は、関連疾患、特に自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌の治療に魅力的な治療法である。
式(I):
の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体が提供され、式中、
、X、及びXは、それぞれ独立してCH又はNであり;
U及びVは、それぞれ独立してN又はCRであり;
及びYは、それぞれ独立してCR10又はNであり;
及びRは、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、-CN、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C2-6アルキニル、C1-6重水素アルキル、及びC1-6ハロアルキルから選択されるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員シクロアルキルを形成し;
は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、又はC1-6ハロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C2-6アルキニル、-(C1-3アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-O-(C1-3アルキル)、-O-(C1-3アルキル)、-CHO、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、又は3-ヒドロキシル-オキセタン-3-イルであり、ここでC1-6アルキル又はC1-3アルキルは、それぞれ1つ又はそれ以上の重水素若しくはハロゲンで任意選択的に置換され;
は、水素、C1-6アルキル、及びC3-6シクロアルキルから選択され、ここでC1-6アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素若しくはハロゲンで任意選択的に置換され;
、Z、Z、及びZは、Z、Z、Z、及びZの少なくとも1つがNであるなら、それぞれ独立してCH又はNであり;
及びRは、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
は、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、-NH、-O-(C1-6アルキル)、-NH(C1-6アルキル)、又は-N(C1-6アルキル)から選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換されており;
は、水素、重水素、又はハロゲンであり;
10は、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルであり;
nは、0、1、又は2であり;ただし、nが1である場合、Rは水素ではない。
本発明の文脈において開示される上記化合物及び活性化合物(一的般構造式の化合物及び特定の化合物を含む)は、その医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体を含み、これらは上記の範囲に含まれ、本明細書では「本発明の化合物」と総称される。
また、本発明の化合物を含み、及び医薬的に許容し得る賦形剤を任意選択的に含む医薬組成物も提供される。
また、BTKに本発明の化合物の有効量を接触させることを含む、BTKの活性をインビボ又はインビトロで阻害する方法も提供される。
また、本発明の化合物の有効量をそれを必要とする被験体に投与することを含む、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防する方法も提供される。
また、本発明の化合物の有効量をそれを必要とする被験体に投与することを含む、自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防する方法も提供される。
また、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するための、本発明の化合物の使用も提供される。
また、自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するための本発明の化合物の使用も提供される。
また、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するための医薬の製造における、本発明の化合物の使用も提供される。
また、自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するための医薬品の製造における、本発明の化合物の使用も提供される。
また、インビボ又はインビトロでBTKの活性を阻害するための本発明の化合物も提供される。
また、医薬として使用するための本発明の化合物も提供される。
また、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するための、特に自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するための、医薬として使用するための、本発明の化合物の使用も提供される。
また、本発明の化合物と少なくとも1つの追加の治療薬とを含む医薬の組み合わせも提供され、前記治療薬は、好ましくは、抗炎症剤、免疫調節剤、又は抗腫瘍活性剤から選択され、抗腫瘍活性薬には、化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤又はアゴニスト、及び標的化治療薬が含まれる。
また、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するためのキットも提供される。キットは、本発明の医薬組成物及び使用説明書を含むことができ、医薬組成物は本発明の化合物を含む。
抗IgD抗体により誘導されたマウス全血中のB細胞活性化に対する本発明の化合物の阻害効果。 CIA(コラーゲン誘発性関節炎)ラットにおける関節症の足体積に対する本発明の化合物の効果(後足の体積は足体積計によって測定された;データは平均±標準偏差によって表された;そして各群は、それぞれ正常群、ビヒクル対照群、0.25mg/kg及び4mg/kg GDC-0853群、及び異なる用量の化合物1QD群を表す(正常群:n=6;他の群:n=8))。 ITP(抗マウスCD41抗体により誘発される特発性血小板減少性紫斑病)マウスの末梢血中の血小板レベルに対する本発明の化合物の効果。血小板のレベルは自動血液分析装置で測定された。データは平均±標準偏差で表された;そして各群は、それぞれ正常群及びモデル化群(すなわち、ビヒクル対照群、40mg/kg PRN1008群、及び異なる用量の化合物1群を表す)を表す(各群:N=8)。
発明の詳細な説明
定義
本出願で使用される以下の単語、語句、及び記号は、それらが使用される文脈がそうでないことを示す範囲を除いて、一般に、以下に示される意味を有することを意図している。
2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示すために使用される。例えば-ORは、分子の残りの部分への酸素原子を介するRの結合を指す。
本明細書で使用される用語「アルキル」は、1~18個の炭素原子(C1-18)、好ましくは1~10個の炭素原子(C1-10)、より好ましくは1~6個の炭素原子(C1-6)、及びさらにより好ましくは1~4個の炭素原子(C1-4)、又は1~3個の炭素原子(C1-3)を含む直鎖又は分枝飽和炭化水素基を指す。用語「アルキル」の前に「C」が付いている場合、それは炭素原子の数を意味する。例えば「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素原子を含むアルキルを指す。「C1-3アルキル」は、1~3個の炭素原子を含むアルキルを指す。C1-6アルキルの例は、特に限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル、i-プロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、及びt-ブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル、i-ペンチル、ネオ-ペンチル)、及びヘキシルなどを含む。
「アルキニル」という用語は、1個又はそれ以上、例えば1、2、又は3個の炭素-炭素三重結合(C≡C)及び2~18個の炭素原子(C2-18)、好ましくは2~10個の炭素原子(C2-10)、より好ましくは2~6個の炭素原子(C2-6)、さらにより好ましくは2~4個の炭素原子(C2-4)を含む直鎖または分岐不飽和炭化水素基を指す。用語「アルキニル」の前に「C」が付いている場合、それは炭素原子の数を意味する。例えば「C2-6アルキニル」は、2~6個の炭素原子を含むアルキニルを指す。「C2-4アルキニル」は、2~4個の炭素原子を含むアルキニルを指す。C2-6アルキニルの例は、特に限定されるものではないが、エチニル、プロピニル(例えば、2-プロピニル)、及びブチニル(例えば、2-ブチニル)などを含む。アルキニルの結合点は、三重結合上にあってもなくてもよい。
本明細書で使用される用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード、好ましくはフルオロ、クロロ、及びブロモ、より好ましくはフルオロ及びクロロを意味する。
本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるアルキル基を指し、そこで1個以上、例えば1、2、3、4、又は5個の水素原子がハロゲン原子で置換されており、そして2個以上の水素原子がハロゲン原子に置換される場合、ハロゲン原子は互いに同一であっても異なっていてもよい。1つの実施態様において、本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるアルキル基であって、2個以上、例えば2、3、4、又は5個の水素原子がハロゲン原子で置換されているものを指し、ここでハロゲン原子は互いに同一である。別の実施態様において、本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるアルキル基を指し、ここで2個以上の水素原子、例えば2、3、4、又は5個の水素原子がハロゲン原子で置換されており、ハロゲン原子は互いに異なっている。用語「ハロアルキル」の前に「C」が付いている場合、それは炭素原子の数を意味する。例えば「C1-6ハロアルキル」は、1~6個の炭素原子を含む本明細書で定義されるハロアルキルを指す。「C1-4ハロアルキル」は、1~4個の炭素原子を含む本明細書で定義されるハロアルキルを指す。C1-6ハロアルキルの例は、特に限定されるものではないが、-CF、-CHF、-CHF、-CHCF、-CH(CFなどを含む。
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、3~12個の環炭素原子(C3-12)、例えば3~8個の環炭素原子(C3-8)、5~7個の環炭素原子(C5-7)、4~7個の環炭素原子(C4-7)、又は3~6個の環炭素原子(C3-6)を有する飽和又は部分不飽和環状炭化水素基を指し、これは、1個又はそれ以上の環、例えば1、2、又は3個の環、好ましくは1又は2個の環を有し得る。用語「シクロアルキル」の前に「C」が付いている場合、それは炭素原子の数を意味する。例えば「C3-6シクロアルキル」又は「3~6員シクロアルキル」は、3~6個の環炭素原子を含むシクロアルキルを指す。シクロアルキルは、縮合環又は架橋環、又はスピロ環を含むことができる。シクロアルキルの環は、飽和であるか、又は1個又はそれ以上、例えば1又は2個の2重結合(すなわち、部分的に不飽和)を有するが、完全には共役しておらず、本明細書で定義されるアリールではない。C3-6シクロアルキルの例は、特に限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、スピロ[2.2]ペンチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニルなどを含む。
本明細書で使用される用語「ヘテロシクリル」又は「複素環式」は、交換可能に使用することができ、それぞれ、3~12個の環原子、例えば3~8個の環原子、4~8個の環原子、4~6個の環原子、又は4~5個の環原子を有し、かつ環内にN、O、及びSから独立して選択される1個又はそれ以上、例えば1、2、又は3個、好ましくは1又は2個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である飽和又は部分不飽和の環状基を指し;これは、1個又はそれ以上の環、例えば1、2、又は3個、好ましくは1又は2個の環を有し得る。ヘテロシクリルはまた、N又はSヘテロ原子が任意選択的に酸化されて様々な酸化状態になっているものも含まれる。ヘテロシクリルの結合点は、Nヘテロ原子又は炭素上にあってもよい。例えば「4~8員ヘテロシクリル」は、N、O、Sから独立して選択される少なくとも1個、例えば1、2、又は3個、好ましくは1又は2個のヘテロ原子を含む4~8個(4、5、6、7、又は8個)の環原子を有するヘテロシクリルを表し;「4~6員ヘテロシクリル」は、N、O、及びS(好ましくはN及びO、より好ましくはO)から独立して選択される少なくとも1個、好ましくは1又は2個のヘテロ原子を含む4~6個(4、5、又は6個)の環原子を有するヘテロシクリルを表し、これは好ましくは単環である;及び「4~5員ヘテロシクリル」は、N、O、及びS(好ましくはN及びO、より好ましくはO)から独立して選択される少なくとも1個、好ましくは1又は2個のヘテロ原子を含む4又は5個の環原子を有するヘテロシクリルを表し、これは単環である。ヘテロシクリルはまた、縮合環又は架橋環、又はスピロ環も含む。ヘテロシクリルの環は、飽和していてもよく、又は1個又はそれ以上、例えば1又は2個の2重結合(すなわち、部分的に不飽和)を有していてもよいが、完全には共役しておらず、本明細書で定義したヘテロアリールではない。ヘテロシクリルの例には、特に限定されるものではないが、4~8員ヘテロシクリル、4~6員ヘテロシクリル、4~5員ヘテロシクリル、及び4員ヘテロシクリル、例えばオキセタニル(オキセタン-3-イルなど)、アゼチジニル、ピロリジル、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、及びオキサスピロ[3.3]ヘプタニル、好ましくはオキセタニル(オキセタン-3-イルなど)、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル(モルホリノなど)、ピペラジニル(ピペラジン-1-イルなど)、テトラヒドロピリジル(1,2,3,6-テトラヒドロピリジルなど)が含まれる。
本明細書で使用される用語「-OH」は、ヒドロキシル基を指す。
本明細書で使用される用語「-CN」は、シアノ基を指す。
本明細書で使用される用語「オキソ」は、=Oを指す。
式(I)の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ体又は鏡像異性体に富む形態、例えば(R)-、(S)-、又は(RS)-配置で存在し得る。いくつかの実施態様において、不斉原子は、(R)-又は(S)配置で、それぞれ少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%、又は100%の鏡像異性体過剰を有し得る。
本明細書で使用される用語「任意選択的」又は「任意選択的に」は、後に記述される事象又は状況が発生する場合と発生しない場合があることを意味し、この説明には、事象又は状況が発生する場合と発生しない場合が含まれる。例えば「1個又はそれ以上で任意選択的に置換される」は、置換されていないもの、及び記載の1、2、3個、又はそれ以上の置換基で置換されたものを含む。当業者は、1個又はそれ以上の置換基を含む任意の基に関して、そのような基は、立体的に非現実的な、化学的に正しくない、合成的に実行不可能な、及び/又は本質的に不安定な任意の置換又は置換パターンを導入することを、意図していないことを理解するであろう。
本明細書で使用される用語「置換された」又は「・・・で置換された」は、指定された原子又は基上の1個又はそれ以上(1、2、3、又は4個など)の水素が、1個又はそれ以上(1、2、3、又は4個の対照群など)の置換基、好ましくは置換基又は基の指定された群から選択される置換基で置換されていることを意味し、但し、指定された原子の通常の原子価を超えないものとする。前記置換基は同じかまたは互いに異なっていてもよい。本明細書で使用される用語「から選択される1個又はそれ以上の基で置換された」又は「1個又はそれ以上で置換された」は、指定された原子又は基上の1個又はそれ以上の水素が、指定された置換基又は基の群から選択された1個又はそれ以上の基で独立して置換されていることを意味し、ここで、前記基は互いに同じであっても互いに異なっていてもよい。好ましくは、「から選択される1個又はそれ以上の基で置換された」又は「1個又はそれ以上で置換された」は、指定された原子又は基が、置換基又は基の示された群から独立して選択される1、2、3、又は4個の基で置換されていることを意味し、ここで、前記基は互いに同じであっても互いに異なっていてもよい。いくつかの実施態様において、置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、単一原子上の2個の水素がオキソによって置換される。任意選択的な置換基は任意の基であることができるが、但し、置換基及び/又は変数の組み合わせが化学的に正確で安定な化合物をもたらすものとする。化学的に正確で安定な化合物とは、反応混合物から十分に分離されても生き残るのに十分堅牢であるため化合物の化学構造を特定できる化合物を意味する。好ましくは、置換基は、本願の実施態様の化合物において例示されるものである。
特に他に明記しない限り、置換基はコア構造に名前が付けられる。例えば(シクロアルキル)アルキルが可能な置換基として列挙される場合、コア構造へのこの置換基の結合点はアルキル部分にあることが理解されるべきである。
当業者(「POSITA」)は、式(I)の化合物のいくつかが1個又はそれ以上のキラル中心を含み、従って2個以上の立体異性形態で存在し得ることを理解するであろう。これらの異性体のラセミ体、個々の異性体、及び1つの鏡像異性体が濃縮された混合物、並びに2つのキラル中心が存在するジアステレオ異性体、及び特定のジアステレオ異性体が部分的に濃縮された混合物は、本発明の範囲内である。本発明が、式(I)の化合物のすべての個々の立体異性体(例えば、鏡像異性体)、ラセミ混合物、又は部分的に分割された混合物、及び、適切な場合、それらの個々の互変異性形態を含むことは、POSITAによってさらに理解されるであろう。
ラセミ体は、そのまま使用することも、個々の異性体に分割することもできる。分割により、立体化学的に純粋な化合物、又は1つ又はそれ以上の異性体が濃縮された混合物を得ることができる。異性体の分離方法はよく知られており(Allinger N. L. and Eliel E. L. in “Topics in Stereochemistry”, Vol. 6, Wiley Interscience, 1971を参照)、キラル吸着剤を使用したクロマトグラフィーなどの物理的方法が含まれる。個々の異性体は、キラル前駆体からキラル形態で調製することができる。あるいは個々の異性体は、次の方法で混合物から化学的に分離することができる:キラル酸(10-樟脳スルホン酸、樟脳酸、α-ブロモ樟脳酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、リンゴ酸、ピロリドン-5-カルボン酸などの個々の鏡像異性体など)とのジアステレオ異性体塩を生成し、塩を分別結晶化し、次に分割された塩基の一方又は両方を遊離させ、任意選択的にこのプロセスを繰り返して、他方を実質的に含まない(すなわち、>95%の光学純度を有する形態)一方又は両方を得る工程。あるいは、ラセミ体をキラル化合物(助剤)に共有結合させてジアステレオ異性体を生成し、これをクロマトグラフィー又は分別結晶化によって分離することができ、その後、POSITAに知られているように、キラル助剤を化学的に除去して純粋な鏡像異性体を得ることができる。
本明細書で使用される用語「互変異性体」は、分子内の2つの位置で原子が急速に移動することによって生成される化合物の構造異性体を指す。互変異性体は互いに容易に相互変換し、例えばエノール型とケトン型は典型的な互変異性体である。
「医薬的に許容し得る塩」は、被験体への投与に非毒性、生物学的に許容可能、又は生物学的に適切である式(I)の化合物の遊離酸又は遊離塩基の塩を意味することを意図する。例えば酸付加塩には、無機酸由来の塩及び有機酸由来の塩等が含まれる。前記無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等が含まれる;前記有機酸には、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸等が含まれる。例えば一般的には、S. M. Berge, et al., “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci., 1977, 66: 1-19, and Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use, Stahl and Wermuth, Eds., Wiley-VCH and VHCA, Zurich, 2002を参照されたい。
さらに、本明細書中の本発明の化合物が酸付加塩として得られる場合、遊離塩基は、酸付加塩の溶液を塩基性化することによって得ることができる。逆に、生成物が遊離塩基である場合、酸付加塩、特に医薬的に許容し得る酸付加塩は、塩基化合物からの酸付加塩の調製のための従来の手順に従って、遊離塩基を適切な溶媒に溶解し、その溶液を酸で処理することにより生成され得る。POSITAは、無毒の医薬的に許容し得る酸付加塩又は塩基付加塩を調製するために過度の実験なしで使用できるさまざまな合成方法論を認識しているであろう。
用語「重水素化化合物」又は「重水素化物」は、1個又はそれ以上の水素原子、例えば1、2、3、4、又は5個の水素原子などが重水素原子(D)で置換されている化合物を指す。
用語「溶媒和物」は、化学量論量又は非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、固定モル比の溶媒分子を固体状態で捕捉する傾向があり、こうして溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1個又はそれ以上の水分子、又は1分子未満の水と、水がHOとして分子状態を保持する物質の1分子との組み合わせによって形成され、このような組み合わせは、1個又はそれ以上の水和物、例えば半水和物、一水和物、及び二水和物を形成することができる。
本明細書で使用される用語「基(group)」及び「基(radical)」は同義であり、分子の他の断片に結合可能な官能基又は分子の断片を示すことを意図している。
用語「有効成分」は、生物活性を有する化学物質を示すために使用される。いくつかの実施態様において、「有効成分」は医薬的有用性を有する化学物質である。
本明細書で使用される用語「医薬の組み合わせ」は、有効成分の固定された及び固定されていない組み合わせを含む2つ又はそれ以上の有効成分を混合又は組み合わせることによって得られる生成物、例えばキット及び医薬組成物を意味する。用語「固定された組み合わせ」は、2つ又はそれ以上の有効成分(本発明の化合物と追加の治療薬など)が、単一の実体又は用量の形態で患者に同時に投与されることを意味する。用語「固定されていない組み合わせ」は、2つ又はそれ以上の有効成分(本発明の化合物と追加の治療薬など)が、別々の実体で、患者に同時に、並行して、又は連続して投与されることを意味し、ここで、その投与は患者に治療有効レベルの化合物を提供する。
疾患又は障害の用語「治療する」又は「治療」又は「予防」は、治療上の利益を達成するという文脈において、疾患又は障害、疾患又は障害の症状、又は疾患又は障害に対する素因を治す、治癒する、軽減する、緩和する、変更する、治療する、改善する、改良する、又は影響を与えることを目的として、疾患又は障害を有するか、又は疾患又は障害の症状を有するか、又は疾患又は障害に対する素因を有する被験体に、1つ又はそれ以上の医薬物質、特に本明細書に記載の式(I)の化合物を投与することを指す。いくつかの実施態様において、疾患又は障害は、固形腫瘍、又はリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む造血系腫瘍などの癌である。別の実施態様において、疾患又は障害は、炎症性疾患又は自己免疫疾患である。
化学反応の文脈において用語「処理する」、「接触する」、及び「反応する」は、適切な条件下で2つ又はそれ以上の試薬を添加又は混合して、示された及び/又は所望の生成物を生成することを意味する。示された及び/又は所望の生成物を生成する反応は、必ずしも最初に添加された2つの試薬の組み合わせから直接生じるものではなく、混合物中に1つ又はそれ以上中間体が生成されて、示された及び/又は所望の生成物の最終的な形成につながることがあることを理解されたい。
本明細書で使用される用語「有効量」は、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患又は障害の治療を必要とする患者に、一般的に治療効果をもたらすのに十分なBTK阻害剤の量又は用量を指す。本開示の有効成分の有効量又は用量は、モデル化、用量増加研究、又は臨床試験などの方法によって、及び要因、例えば投与様式又は投与経路、薬剤の薬物動態、疾患又は障害の重症度及び経過、被験体の以前又は現在進行中の治療、被験体の健康状態及び薬物に対する反応、並びに主治医の判断を考慮することによって確認され得る。
例示的な用量は、1日に被験体の体重1kgあたり約0.0001~約200mgの活性薬剤の範囲、例えば単回又は分割投与単位(例えば、BID、TID、QID)で毎日、約0.001~100mg/kg/日、又は約0.01~35mg/kg/日、又は約0.1~10mg/kgである。70kgのヒトの場合、適切な投与量の例示的な範囲は、約0.05~約7g/日、又は約0.2~約5g/日である。患者の疾患又は障害の改善が見られたら、維持治療のために用量を調整することができる。例えば投与量又は投与頻度あるいはその両方を、症状に応じて、所望の治療効果が維持されるレベルまで減らすことができる。もちろん、症状が適切なレベルに緩和された場合は、治療を中止することができる.しかし症状が再発した場合、患者は長期的に断続的な治療を必要とする場合がある。
用語「阻害」又は「阻害する」は、生物活性又はプロセスのベースライン活性の低下を示す。用語「BTK活性の阻害」は、本開示の目的のための実際の医薬的活性であり、本発明の化合物の非存在下でのBTKの活性に対する、本発明の化合物の存在に対する直接的又は間接的な応答としてのBTKの活性の減少を指す。活性の低下は、本発明の化合物とBTKとの直接的な相互作用によるか、又は本発明の化合物と、BTK活性に影響を及ぼす1つ又はそれ以上の他の因子との相互作用による可能性がある。例えば本発明の化合物の存在は、BTKに直接結合することにより、BTK活性を(直接的又は間接的に)別の因子にBTK活性を減少させることにより、又は細胞又は生物に存在するBTKの量を(直接的又は間接的に)減少させることにより、BTK活性を減少させ得る。
本明細書で使用される用語「被験体」又は「患者」は、哺乳類及び非哺乳類を意味する。哺乳類とは、哺乳類クラスの任意のメンバーを意味し、特に限定されるものではないが、ヒト;非ヒト霊長類、例えばチンパンジーやその他の類人猿、サル種;家畜(farm animal)、例えば牛、馬、羊、山羊、及び豚;家畜(domestic animal)、例えばウサギ、イヌ、及びネコ;実験動物、例えばラット、マウス、及びモルモットなどのげっ歯類を含む。非哺乳類の例には、特に限定されるものではないが、鳥などが含まれる。用語「被験体」又は「患者」は、特定の年齢又は性別を意味するものではない。いくつかの実施態様において、被験体又は患者はヒトである。
一般に、本発明において使用される用語「約」は、記載された値より上又は下の数値を20%の分散で変更するために使用される。
本明細書で使用され、具体的に定義されていない技術用語及び科学用語は、本開示が関係するPOSITAによって一般的に理解される意味を有する。
本明細書のすべての数値範囲は、具体的に開示されているかどうかに関係なく、範囲内の各数値及び数値のサブセットを開示していると解釈されるものとする。例えば任意の値の範囲を参照する場合、値の範囲内のすべての値(例えば、値の範囲内のすべての整数)を参照していると見なす必要がある。例えば本明細書で使用されるC1-6は、1、2、3、4、5、又は6個のCを含むことを表す。本発明は、範囲内に入るすべての値、すべてのより小さい範囲、及び数値範囲の上限又は下限に関する。
実施態様の詳細な説明
実施態様1.
式(I):
の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体[式中、
、X、及びXは、それぞれ独立してCH又はNであり;
U及びVは、それぞれ独立してN又はCRであり;
及びYは、それぞれ独立してCR10又はNであり;
及びRは、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、-CN、ヒドロキシル、C1-6アルキル、3~6員シクロアルキル、C2-6アルキニル、C1-6重水素アルキル、及びC1-6ハロアルキルから選択されるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員シクロアルキルを形成し;
は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、又はC1-6ハロアルキルであり;
は、水素、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C2-6アルキニル、-(C1-3アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-O-(C1-3アルキル)、-O-(C1-3アルキル)、-CHO、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、又は3-ヒドロキシル-オキセタン-3-イルであり、ここでC1-6アルキル又はC1-3アルキルは、それぞれ1つ又はそれ以上の重水素若しくはハロゲンで任意選択的に置換され;
は、水素、C1-6アルキル、及びC3-6シクロアルキルから選択され、ここでC1-6アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素若しくはハロゲンで任意選択的に置換され;
、Z、Z、及びZは、Z、Z、Z、及びZの少なくとも1つがNであるなら、それぞれ独立してCH又はNであり;
及びRは、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
は、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、-NH、-O-(C1-6アルキル)、-NH(C1-6アルキル)、又は-N(C1-6アルキル)から選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換されており;
は、水素、重水素、又はハロゲンであり;
10は、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルであり;
nは、0、1、又は2であり;ただし、nが1である場合、Rは水素ではない]。
実施態様2.
が、C1-6アルキル、-(C1-3アルキル)-OH、-(C1-3重水素アルキル)-OH、-CHO、-C(O)NH、-C(O)NHCH、又は-C(O)N(CHであり;
好ましくは、Rが、C1-6アルキル、-(C1-3アルキル)-OH、-(C1-3重水素アルキル)-OH、又は-CHOである、
実施態様1に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様3.
実施態様1又は2に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体[ここで、
、X、及びXが、それぞれ独立してCH又はNであり;
U及びVが、それぞれ独立してCRであり;
及びYが、それぞれ独立してCR10であり;
及びRが、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、-CN、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6重水素アルキル、及びC1-6ハロアルキルから選択され;
が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、又はC1-6ハロアルキルであり;
が、-(C1-3アルキル)-OH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、又は-C(O)N(CHであり、ここでC1-3アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素で任意選択的に置換されており;
が、水素及びC1-6アルキルから選択され、ここでC1-6アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素で任意選択的に置換され;
、Z、Z、及びZが、それぞれ独立してCH又はNであるが、但しZ、Z、Z、及びZの少なくとも1つがNであり;
及びRが、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
が、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、又は-NHから選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換され;
が、水素又は重水素であり;
10が、水素又は重水素であり;
nが、0、1、又は2であるが、但しnが1である場合、Rは水素ではない]。
実施態様4.
実施態様1~3のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体[ここで、
、X、及びXが、それぞれ独立してCH又はNであり;
U及びVが、それぞれ独立してCRであり;
及びYが、それぞれ独立してCR10であり;
及びRが、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、-CN、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6重水素アルキル、及びC1-6ハロアルキルから選択され;
が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、又はC1-6ハロアルキルであり;
が、-(C1-3アルキル)-OHであり、ここでC1-3アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素で任意選択的に置換されており;
が、C1-6アルキルであり、ここでC1-6アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素で任意選択的に置換され;
、Z、Z、及びZが、それぞれ独立してCH又はNであるが、但しZ、Z、Z、及びZの少なくとも1つがNであり;
及びRが、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
が、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、又は-NHから選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換され;
が、水素又は重水素であり;
10が、水素又は重水素であり;
nが、0、1、又は2であるが、但しnが1である場合、Rは水素ではない]。
実施態様5.
がCH又はNであり、XがCHであり、及びXがNである、実施態様1~4のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様6.
がNである、実施態様1~5のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様7.
及びXの両方がCHである、実施態様1~6のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様8.
及びYの両方がCR10である、実施態様1~7のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様9.
10が水素である、実施態様8に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様10.
及びRが、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
好ましくはR及びRが、それぞれ独立してC1-3アルキルから選択され;
及びより好ましくは、R及びRの両方がメチルである、実施態様1~9のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様11.
好ましくはRが水素又はハロゲンであり、
及び好ましくはRが水素である、実施態様1~10のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様12.
好ましくはRが-(C1-3アルキル)-OH又は-(C1-3重水素アルキル)-OHであり;
好ましくはRがヒドロキシメチル又はヒドロキシ重水素メチルであり;
及び、より好ましくはRがヒドロキシメチルである、実施態様1~11のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様13.
が水素であり、及びRが-(C1-3アルキル)-OHである、実施態様1~12のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様14.
U及びVの両方がCHである、実施態様1~13のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様15.
がC1-6アルキルであり;
好ましくはRがC1-3アルキルであり;
及びより好ましくはRがメチルである、実施態様1~14のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施形態16.
がNであり、並びにZ、Z、及びZがすべてCHである、実施態様1~15のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様17.
及びRの両方がメチルである、実施態様1~16のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様18.
が、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここで前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~5員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、又は-NHから選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換され;
好ましくはRが、水素、C1-6アルキル、又は4~5員ヘテロシクリルであり、ここで前記C1-6アルキル又は4~5員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、又は-NHから選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換され;
好ましくはRが、重水素、ハロゲン、C1-3アルキル、トリフルオロメチル、-OH、又は-NHから選択される1又は2つの基で任意選択的に置換された4~5員ヘテロシクリルであり;
好ましくはRが、4~5員ヘテロシクリルであり;
及びより好ましくはRが、4員ヘテロシクリルである、実施態様1~17のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様19.
がオキセタニル又はテトラヒドロフラニルである、実施態様1~18のいずれか1つに記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様20.
が、
である、実施態様19に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様21.
以下
から選択される、実施態様1の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
実施態様22.
実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩を含み、及び医薬的に許容し得る賦形剤を任意選択的に含む、医薬組成物。
実施態様23.
BTKに、実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩の有効量を接触させることを含む、インビボ又はインビトロでBTKの活性を阻害する方法。
実施態様24.
BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するための、好ましくは自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するための医薬の製造における、実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩の使用であって、
ここで、前記炎症性疾患又は自己免疫疾患は、好ましくは全身性炎症及び局所炎症、関節炎、関節リウマチ、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶反応、アレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症、多発性硬化症、骨粗鬆症(multiple sclerosis osteoporosis)、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、腎臓移植に関連する疾患、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性特発性多発神経炎、全身性エリテマトーデス、及び混合性結合組織病から選択され;
前記癌は、好ましくはリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む固形腫瘍又は造血系腫瘍であり;
及び前記癌は、より好ましくはB細胞悪性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、高度に攻撃的なB細胞非バーキットリンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヒト急性単球性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、有毛細胞性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)(ハイリスクCLLなど)、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、又は移植片対宿主病から選択される、上記使用。
実施態様25.
実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩の有効量を、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体における疾患を治療又は予防する方法であって、
ここで、前記疾患は、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患であり;
前記疾患は、好ましくは自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌であり;
前記炎症性疾患又は自己免疫疾患は、好ましくは全身性炎症及び局所炎症、関節炎、関節リウマチ、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶反応、アレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症、多発性硬化症、骨粗鬆症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、腎臓移植に関連する疾患、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性特発性多発神経炎、全身性エリテマトーデス、及び混合性結合組織病から選択され;
前記癌は、好ましくはリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む固形腫瘍又は造血系腫瘍であり;
及び前記癌は、より好ましくはB細胞悪性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、高度に攻撃的なB細胞非バーキットリンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヒト急性単球性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、有毛細胞性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)(ハイリスクCLLなど)、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、又は移植片対宿主病から選択される、上記方法。
実施態様26.
医薬として使用するための、実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩。
実施態様27.
BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するのに使用するための、及び好ましくは自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するのに使用するための、実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩であって、ここで前記炎症性疾患又は自己免疫疾患は、好ましくは、
全身性炎症及び局所炎症、関節炎、関節リウマチ、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶反応、アレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症、多発性硬化症、骨粗鬆症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、腎臓移植に関連する疾患、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性特発性多発神経炎、全身性エリテマトーデス、及び混合性結合組織病から選択され;
前記癌は、好ましくはリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む固形腫瘍又は造血系腫瘍であり;
及び前記癌は、より好ましくはB細胞悪性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、高度に攻撃的なB細胞非バーキットリンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヒト急性単球性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、有毛細胞性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)(ハイリスクCLLなど)、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、又は移植片対宿主病から選択される、上記化合物又は塩。
実施態様28.
実施態様1~21のいずれか1つに記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩と少なくとも1つの追加の治療薬とを含む医薬の組合わせであって、ここで前記治療薬は、好ましくは抗炎症剤、免疫調節剤、又は抗腫瘍活性剤であり、ここで前記抗腫瘍活性剤は、化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤又はアゴニスト、及び標的化治療薬を含む、上記組合わせ。
本発明の種々の実施態様(以下の実施例を含む)及び種々の実施態様の特徴は、相互に任意に組み合わせることができると解釈されるべきであり、これらの相互の組み合わせによって得られる種々の解決策は、文脈上特に明記されていない限り、これらの相互の組み合わせを本明細書に具体的かつ個別に列挙することによって得られる解決策のように、すべて本発明の範囲に含まれる。
一般的な合成方法
本明細書に記載の式(I)の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩は、市販の出発物質を使用して、当技術分野で知られている方法、又は特許出願に開示されている方法によって合成することができる。スキーム1~スキーム2に示される合成経路は、本発明の化合物を調製するための一般的な合成方法を示し、スキーム3~スキーム6に示される合成経路は、スキーム1~スキーム2で使用される出発物質1-1を調製するための一般的な合成方法を示す。
スキーム1:
ここで、Halはハロゲンを表し、及びR、R、R、R、R、R、R、R、X、X、X、Z、Z、Z、Z、U、V、Y、Y、及びnは、本明細書で定義される通りである。
スキーム1に示されるように、式1-1の化合物を、ヨウ化第一銅の触媒下で式1-2のジハロアリールアルデヒド化合物と反応させて式1-3の化合物を得る。ヨウ化第一銅によって触媒される炭素-窒素カップリング反応は、適切な条件下で実施される。使用される溶媒は、1,4-ジオキサンやDMFなどの極性溶媒から選択でき、使用される塩基は、CsCO、NaCO、KPOなどから選択できる。適切な条件下で、本発明の式1-4の化合物は、式1-3の化合物を還元することにより得られる。使用される還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウムなどから選択でき、使用される溶媒は、メタノール、エタノール、又はメタノールとジクロロメタンの混合溶媒などの極性溶媒から選択できる。式1-5の化合物は、式1-4の化合物をアセチル化することにより得られる。式1-5の化合物を適切な条件下でビス(ピナコラト)ジボロンと反応させて、式1-6のホウ酸又はボロン酸エステル化合物を得る。式1-6の化合物を、適切なパラジウム試薬の触媒下で鈴木カップリング反応により式1-7のハロゲン化物と反応させて、式1-8の化合物を得る。パラジウム触媒による炭素-炭素カップリング反応は、適切な条件下で実施される。使用される溶媒は、1,4-ジオキサン、DMF、THF、又は1,4-ジオキサンと水の混合溶媒などの極性溶媒から選択することができ;使用される塩基は、CsCO、NaCO、KPOなどから選択することができ;使用される触媒は、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)などから選択することができる。本発明の式(I-1)の化合物は、式1-8の化合物を適切なアルカリ条件下で脱アセチル化することにより得ることができる。使用される塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化リチウムなどから選択でき、使用される溶媒は、メタノール、エタノール、又はメタノールと水の混合溶媒などの極性溶媒から選択できる。
スキーム2:
スキーム2に示されるように、式1-3の化合物を、適切なパラジウム試薬の触媒下で鈴木カップリング反応により式2-1のホウ酸又はホウ酸エステルと反応させて、式2-2の化合物を得る。パラジウムによって触媒される炭素-炭素カップリング反応は、適切な条件下で実施される。使用される溶媒は、1,4-ジオキサン、DMF、THF、又は1,4-ジオキサンと水の混合溶媒などの極性溶媒から選択することができ;使用される塩基は、CsCO、NaCO、KPOなどから選択することができ;及び、使用される触媒は、Pd(dppf)Cl・CHCl、Pd(PPh、Pd(OAc)などから選択することができる。適切な条件下で、本発明の式(I-1)の化合物は、式2-2の化合物を還元することによって得られる。使用される還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウムなどから選択でき、使用される溶媒は、メタノール、エタノール、又はメタノールとジクロロメタンの混合溶媒などの極性溶媒から選択できる。
スキーム3:
スキーム3に示されるように、式3-1の化合物を、適切な条件下でブロモアセトアルデヒドジエチルアセタールとの置換反応に供して、式3-2の化合物を得る。使用される塩基は炭酸セシウムなどから選択でき、使用される溶媒はDMFや1,4-ジオキサンなどの極性溶媒から選択できる。式3-2の化合物をアルカリ溶液中で加水分解して、式3-3の化合物を得る。使用される塩基は、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどから選択でき;及び、使用される溶媒は、メタノール、エタノール、又はメタノールと水の混合溶媒などの極性溶媒から選択することができる。式3-3の化合物をHATU及びアンモニア水との縮合反応に供して、式3-4の化合物を得る。式3-4の化合物を酢酸中で閉環して、式3-5の化合物を得る。
スキーム4:
スキーム4に示されるように、式3-1の化合物を、ヒドラジン水和物との置換反応に供して、式4-1の化合物を得る。式4-1の化合物をDMF溶液中でオルトギ酸トリエチルとの閉環反応に供して、式4-2の化合物を得る。
このようにして得られた化合物の置換基をさらに修飾して、他の所望の化合物を得ることができる。合成化学変換は、例えばR. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989); L.Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994); L.Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995) 、及びその後の版に記載されている。
使用前に、本発明の化合物は、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、結晶化、又は他の適切な方法によって精製することができる。
医薬組成物と有用性
本明細書の本発明の化合物(例えば、本明細書に記載の実施態様のいずれかの化合物)は、単独で、又は1つ又はそれ以上の追加の治療薬と組み合わせて使用されて、医薬組成物が調製される。医薬的組成物は以下を含む:(a)本発明の化合物の有効量;(b)医薬的に許容し得る賦形剤(例えば、1つ又はそれ以上の医薬的に許容し得る担体);及び任意選択的に(c)少なくとも1つの追加の治療薬。
医薬的に許容し得る賦形剤とは、組成物の有効成分と適合性があり(及び、いくつかの実施態様において、有効成分を安定化することができる)、及び治療される被験体に有害でない賦形剤を指す。例えばシクロデキストリン(本発明の化合物と特異的でより可溶性の複合体を形成する)などの可溶化剤は、有効成分の送達のための医薬賦形剤として利用することができる。他の賦形剤又は担体の例には、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、ラウリル硫酸ナトリウム、及びD & C Yellow # 10などの顔料が含まれる。適切な医薬的に許容し得る賦形剤は、当技術分野の標準的教科書であるRemington's Pharmaceutical Sciences, A. Osolに開示されている。
本明細書中の本発明の化合物を含む医薬組成物は、経口、局所、直腸、非経口、吸入スプレー、又は埋め込みリザーバーなどの様々な既知の方法で投与することができる。本明細書で使用される用語「非経口」は、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、病巣内、及び頭蓋内注射又は注入技術を含む。
本明細書に記載の医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、小袋、糖衣錠、粉末、顆粒、ロゼンジ、復元用粉末、液体製剤、又は坐剤の形態で調製することができる。いくつかの実施態様において、本明細書中の本発明の化合物を含む医薬組成物は、静脈内注入、局所投与、又は経口投与用に調製される。
経口組成物は、特に限定されるものではないが、錠剤、カプセル剤、エマルジョン、及び水性懸濁液、分散液、及び溶液を含む任意の経口的に許容し得る剤形であり得る。錠剤に一般的に使用される担体には、ラクトースやコーンスターチが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も、典型的には錠剤に添加される。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤にはラクトース及び乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液又はエマルジョンを経口投与する場合、有効成分は、乳化剤又は懸濁剤と組み合わせた油相に懸濁又は溶解することができる。所望であれば、特定の甘味料、香味料、又は着色料を加えることができる。
いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、1錠中に1、5、10、15、20、25、50、75、80、85、90、95、100、125、150、200、250、300、400、500mgの量で存在することができる。いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、カプセル剤中に1、5、10、15、20、25、50、75、80、85、90、95、100、125、150、200、250、300、400、500mgの量で存在することができる。
無菌注射用組成物(例えば、水性又は油性懸濁液)は、当技術分野で既知の技術に従って、適切な分散剤又は湿潤剤(例えば、ツイーン80)及び懸濁剤を使用して調製することができる。無菌の注射用組成物はまた、無毒の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射溶液又は懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液であってもよい。使用できる医薬的に許容し得るビヒクル及び溶媒には、マンニトール、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、溶媒又は懸濁媒体として、無菌の固定油が従来から使用されている(例えば、合成モノグリセリド又はジグリセリド)。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体などの脂肪酸、及びオリーブ油又はヒマシ油などの天然の医薬的に許容し得る油は、特にポリオキシエチル化されたバージョンで、滅菌注射用媒体として使用できる。これらの油溶液又は懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤若しくは分散剤、又はカルボキシメチルセルロース若しくは類似の分散剤も含むことができる。
吸入組成物は、医薬製剤の分野で周知の技術に従って調製することができ、当業者に公知のベンジルアルコール又は他の適切な防腐剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フルオロカーボン、及び/又は他の可溶化剤若しくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
局所用組成物は、油、クリーム剤、ローション、軟膏などの形態で調製することができる。組成物に適した担体には、植物油又は鉱油、白色ワセリン(白色軟質パラフィン)、分枝鎖脂肪又は油、動物性脂肪、及び高分子量アルコール(C12より大きい)が含まれる。いくつかの実施態様において、医薬的に許容し得る担体は、有効成分が溶解する担体である。乳化剤、安定剤、保湿剤、及び酸化防止剤、並びに、所望であれば色又は芳香を付与する薬剤も含めることができる。さらに、経皮浸透促進剤をこれらの局所製剤に使用することができる。このような増強剤の例は、米国特許第3,989,816号及び第4,444,762号に見出すことができる。
クリーム剤は、鉱物油、自己乳化性蜜蝋、及び水の混合物から調製することができ、この混合物には、アーモンド油などの少量の油に溶解した有効成分が混合されている。そのようなクリーム剤の例は、重量で、約40部の水、約20部の蜜蝋、約40部の鉱油、及び約1部のアーモンド油を含むものである。軟膏は、アーモンド油などの植物油中の有効成分の溶液を温かい軟質パラフィンと混合し、混合物を冷ますことによって調製することができる.そのような軟膏の例は、約30重量%のアーモンド油と約70重量%の白色軟パラフィンを含むものである。
適切なインビトロアッセイを使用して、BTKの活性の阻害における本発明の化合物の効果を評価することができる。本発明の化合物は、癌の予防又は治療におけるさらなる効果について、インビボアッセイによってさらに調べることができる。例えば本発明の化合物は、癌を有する動物(例えば、マウスモデル)に投与して、その治療効果にアクセスすることができる。前臨床結果がよければ、ヒトなどの動物に対する用量範囲と投与経路を予測できる。
本発明の化合物は、例えば癌患者において、有益な治療効果又は予防効果を示すことが期待される臨床試験に値する十分な前臨床実用性を有することを証明することができる。
本明細書で使用される用語「癌」は、無制御な又は制御異常の細胞増殖、細胞分化の減少、周囲の組織に侵入する不適切な能力、及び/又は異所性部位に新しい増殖を確立する能力によって特徴付けられる細胞障害を指す。用語「癌」には、特に限定されるものではないが、固形腫瘍及び造血系腫瘍、例えば白血病、リンパ腫、又は骨髄腫などが含まれる。用語「癌」は、皮膚、組織、器官、骨、軟骨、血液、及び血管の疾患を包含する。用語「癌」はさらに、原発性癌、転移性癌、再発性癌、及び難治性癌を包含する。
固形腫瘍の非限定的な例には、膵臓癌;膀胱癌;結腸直腸癌;転移性乳癌を含む乳癌;アンドロゲン依存性及びアンドロゲン非依存性前立腺癌を含む前立腺癌;精巣癌;例えば転移性腎細胞癌を含む腎臓癌;尿路上皮癌;肝臓癌;肝細胞癌;例えば非小細胞肺癌(NSCLC)、細気管支肺胞癌(BAC)、及び肺の腺癌を含む肺癌;例えば進行性上皮癌又は原発性腹膜癌を含む卵巣癌;子宮頸癌;子宮内膜癌;胃癌;食道癌;例えば頭頸部の扁平上皮細胞癌を含む頭頸部癌;例えば黒色腫及び基底癌を含む皮膚癌;転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌;例えば神経膠腫、未分化乏突起膠腫、多形性成人膠芽腫、及び成人未分化星状細胞腫を含む脳腫瘍;骨癌;例えばカポジ肉腫を含む肉腫;副腎癌;中皮癌;絨毛癌;筋癌;結合組織癌;そして甲状腺癌が含まれる。
造血系腫瘍の非限定的な例には、急性骨髄性白血病(AML);加速期CML及びCML芽球期(CML-BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML);急性リンパ性白血病(ALL);ハイリスクCLLを含む慢性リンパ性白血病(CLL);ヒト急性単球性白血病(M(5));有毛細胞白血病;リンパ性白血病;慢性リンパ性白血病;骨髄性白血病;骨髄異形成症候群又は急性リンパ芽球性白血病;小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、及びホジキンリンパ腫;非ホジキンリンパ腫(NHL);濾胞性リンパ腫;マントル細胞リンパ腫(MCL);B細胞リンパ腫;T細胞リンパ腫;びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL);大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL);濾胞性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、非バーキット高度B細胞悪性リンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫。多発性骨髄腫(MM);ワルデンストレームマクログロブリン血症;難治性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う難治性貧血(RARS)、過剰な芽球を伴う難治性貧血(RAEB)、及び形質転換中の過剰な芽球を伴う難治性貧血(RAEB-T)を含む骨髄異形成症候群(MDS);そして骨髄増殖性症候群が含まれる。
いくつかの実施態様において、造血系腫瘍は、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、再発性又は難治性のマントル細胞リンパ腫、再発性又は難治性の濾胞性リンパ腫、再発性又は難治性のCLL、再発性又は難治性のSLL、及び再発性又は難治性の多発性骨髄腫である。
本発明の化合物は、例えば癌を有する被験体において、有益な治療効果又は予防効果を達成するために使用することができる。
本発明の化合物は、例えば自己免疫疾患を有する被験体において、又は炎症性疾患を有する被験体において、有益な治療効果又は予防効果を達成するために使用することができる。
用語「自己免疫疾患」は、個体自身の組織若しくは臓器、又はそれらの共分離若しくは発現、又はそれら由来の状態から生じるか、及び/又はそれに対する疾患又は障害を指す。自己免疫疾患の例には、特に限定されるものではないが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、エリテマトーデス、重症筋無力症、シェーグレン症候群、多発性硬化症(MS)、強皮症(全身性硬化症とも呼ばれる)、多発性硬化症、骨粗鬆症、関節炎(例えば、関節リウマチ(RA)、及びコラーゲン誘発性関節炎)、乾癬、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性大腸炎やクローン病)、喘息、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、骨髄線維症などの腎移植及び骨髄増殖性疾患に関連する疾患、及び真性多血症後/本態性血小板増加症骨髄線維症(ポストPV/ET骨髄線維症)、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性突発性多発性神経炎、全身性エリテマトーデス、混合結合組織疾患などが含まれる。いくつかの実施態様において、自己免疫疾患は、関節炎、例えば関節リウマチ(RA)、コラーゲン誘発性関節炎などから選択される。
用語「炎症性疾患」又は「炎症状態」は、特に好中球走化性による炎症を引き起こす病理学的状態を指す。炎症性疾患の非限定的な例には、全身性炎症及び局所炎症、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶、アレルギー性疾患、炎症性皮膚疾患(乾癬及びアトピー性皮膚炎を含む);全身性強皮症及び硬化症;炎症性腸疾患(IBD、例えばクローン病や潰瘍性大腸炎)に関連する反応;手術による組織の再灌流傷害を含む虚血再灌流傷害、心筋梗塞などの心筋虚血、心停止、心臓手術後の再灌流、及び経皮経管冠動脈形成術後の冠状血管の異常な収縮反応、脳卒中及び腹部大動脈瘤の外科的組織再灌流傷害;脳卒中に続発する脳浮腫;頭蓋損傷、及び出血性ショック;窒息;成人呼吸窮迫症候群;急性肺損傷;ベーチェット病;皮膚筋炎;多発性筋炎;多発性硬化症(MS);皮膚炎;髄膜炎;脳炎;ブドウ膜炎;変形性関節症;ループス腎炎;自己免疫疾患、例えば関節リウマチ(RA)、シェールゲン症候群、及び血管炎;白血球漏出を伴う疾患;外傷に続発する敗血症又は中枢神経系(CNS)炎症性疾患、及び多臓器損傷症候群;アルコール性肝炎;細菌性肺炎;糸球体腎炎を含む抗原抗体複合体媒介性疾患;貧血症;サルコイドーシス;組織/臓器移植に対する免疫病理学的反応;胸膜炎、肺胞炎、脈管炎、肺炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎、過敏性肺炎、特発性肺線維症(IPF)、嚢胞性線維症などを含む肺炎が含まれる。好ましくは、適応症には、特に限定されるものではないが、慢性炎症、自己免疫性糖尿病、関節リウマチ(RA)、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎及びその他の関節疾患、多発性硬化症(MS)、喘息、全身性エリテマトーデス、成人呼吸窮迫症候群、ベーチェット病、乾癬、慢性肺炎症性疾患、移植片対宿主反応、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患(IBD)、アルツハイマー病及び発熱、並びに炎症及び関連する状態に関連するあらゆる疾患が含まれる。
さらに、本発明の化合物(例えば、本明細書に記載の例のいずれかの化合物)は、自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌などの本明細書に記載の疾患又は障害を治療するための追加の治療薬と組み合わせて投与することができる。追加の有効成分は、本発明の化合物と別に投与するか、又は固定用量の組み合わせ医薬品などの本開示による医薬組成物中のそのような成分とともに含めることができる。いくつかの実施態様において、追加の有効成分は、別のBTK阻害剤又は特定の疾患に関連する別の標的に対して活性な化合物などのBTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患の治療において有効であることが知られているか又は発見されているものである。この組み合わせは、有効性を増大させる(例えば、本発明の化合物の効力又は有効性を増強する化合物の組み合わせに含めることによって)か、1つ又はそれ以上の副作用を減少させるか、又は本発明の化合物の必要用量を減少させるのに役立ち得る。
いくつかの実施態様において、本発明の化合物(本明細書の任意の化合物など)は、追加の治療薬、例えば抗炎症剤、免疫調節剤、又は抗腫瘍活性剤などのと組み合わせて投与することができ、ここで、前記抗腫瘍活性剤には、化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤又はアゴニスト、及び標的化治療薬が含まれる。本明細書で使用される用語「抗腫瘍活性剤」は、癌を治療する目的で癌に罹患している被験体に投与される任意の薬剤、例えば化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤又はアゴニスト、及び標的化治療薬などを指す。
抗炎症剤及び免疫調節剤の非限定的な例には、免疫抑制剤(例えば、タクロリムス、シクロスポリン、ラパマイシン、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノール酸、又はFTY720)、グルココルチコイド(例えば、プレドニゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ヒドロキシプレドニゾロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、及びアルドステロン)、非ステロイド性抗炎症薬(例えば、サリチル酸塩、アリールアルカン酸、2-アリールプロピオン酸、N-アリールアントラニル酸、オキシカム、コキシブ、又はチオベンズアニリド)、シクロオキシゲナーゼ-2特異的阻害剤(例えば、バルデコキシブ、セレコキシブ、又はロフェコキシブ)、レフルノミド、チオグルコース金、チオリンゴ酸金、モクロベミド、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキン、ミノサイクリン、TNF-α結合タンパク質(例えば、インフリキシマブ、エタネルセプト、又はアダリムマブ)、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロン、インターフェロン-Y、インターロイキン-2、インターロイキン-6、インターロイキン-12/23、インターロイキン-17抗体薬、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン、β-アゴニスト、テオフィリン、又は抗コリン作動薬;すべての既知のJAK3キナーゼ阻害剤を含むが、トファクチニブに限定されないJAK3キナーゼ阻害剤;IRAK4阻害剤、RIPK1阻害剤などが含まれる。
化学療法剤の非限定的な例には、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトテシン及びその類似体又は代謝産物、及びドキソルビシン);トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、及びダウノルビシン);アルキル化剤(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、デカルバジン、メトトレキサート、マイトマイシンC、及びシクロホスファミド);DNAインターカレーター(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);及び、ブレオマイシンなどの遊離基発生剤;ヌクレオシド模倣薬(例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、アザシチジン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、及びヒドロキシ尿素);パクリタキセル、ドセタキセル、及び関連類似体;ビンクリスチン、ビンブラスチン、及び関連類似体;サリドマイド及び関連する類似体(例えば、CC-5013及びCC-4047)が含まれる。
免疫チェックポイント阻害剤又はアゴニストの非限定的な例には、PD-1阻害剤、例えばペムブロリズマブ及びニボルマブなどの抗PD-1抗体;PD-L1阻害剤、例えばアテゾリズマブ、デュルバルマブ、及びアベルマブなどの抗PD-L1抗体;CTLA-4阻害剤、例えばイピリムマブ;及びBTLA阻害剤、LAG-3阻害剤、TIM3阻害剤、TIGIT阻害剤、VISTA阻害剤、OX-40アゴニストなどが含まれる。
標的化治療薬には、様々な小分子又は高分子標的化治療薬が含まれ、その非限定的な例には以下が含まれる:タンパク質チロシンキナーゼ(例えば、メシル酸イマチニブ及びゲフィチニブ);プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ);IκBキナーゼ阻害剤を含むNF-κB阻害剤;PI3Kδ阻害剤;SYK阻害剤;Bcl2阻害剤;
抗CD20抗体(リツキシマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブなど)、抗Her2モノクローナル抗体(トラスツズマブ)、抗EGFR抗体(セツキシマブ)、及び抗VEGFR抗体(ベバシズマブ);レナリドマイドなどの抗血管新生薬;及び癌で過剰発現されて細胞複製をダウンレギュレートするタンパク質に結合する抗体、例えば抗CD20 抗体(例えば、リツキシマブ、イブリツモマブチウキセタン、及びトシツモマブ)、抗Her2モノクローナル抗体(トラスツズマブ)、抗EGFR抗体(セツキシマブ)、抗VEGFR抗体(ベバシズマブ);抗血管新生薬、例えばレナリドマイド;及び他のタンパク質または酵素阻害剤が含まれ、これらのタンパク質または酵素は、癌においてアップレギュレート、過剰発現、または活性化されることが知られており、それらを阻害すると細胞複製をダウンレギュレートすることができる。
以下の例は、純粋に例示を目的としたものであり、決して限定的であると見なすべきではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するための努力がなされてきたが、当業者は、いくらかの実験誤差及び偏差が考慮すべきであることを理解するべきである。別段の指示がない限り、部は重量部、温度は摂氏度、圧力は大気圧又はほぼ大気圧である。すべてのMSデータは、Agilent 6120又はAgilent 1100によって決定された。すべてのNMRデータは、Varian 400 MR機を使用して生成された。合成中間体を除いて、本発明で使用されるすべての試薬及び出発物質は市販されている。陽性対照GDC-0853(フェネブルチニブ)は、Shanghai Linkchem Medical Technology Co., Ltd.から購入した。試薬を除くすべての化合物名は、Chemdraw 16.0によって生成される。
本明細書に開示された構造のいずれかに空の原子価を有する原子が存在する場合、空の残りは、便宜上省略された水素原子である。
本願において、もし化合物の名称と構造に矛盾があり、そのうちの2つが両方とも化合物に対して与えられている場合は、文脈が、化合物の構造が正しくないことを示していない限り、それは化合物の構造に従し、及びその名前は正しい。
以下の例では、以下の略語が使用されている。
実施例1 化合物の合成
中間体I-1
3-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン
工程1:(3S,5S)-3,5-ジメチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
窒素下で、DMSO(40mL)中の5-フルオロ-2-ニトロピリジン(4.5g、31.7mmol)及び(3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(5.0g、23.3mmol)の溶液に、DIEA(40mL)を加えた。混合物を120℃で24時間反応させた後、室温まで冷却し、減圧下で真空濃縮して、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル)で精製して、標的生成物(6.0g、収率77%)を得た。[M+H]+ 337.1。
工程2:(3S,5S)-4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
室温で、メタノール(100mL)中の(3S,5S)-3,5-ジメチル-4-(6-ニトロピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(4.5g、13.4mmol)と10%パラジウム-炭素(50%含水、3.0g)の混合物に水素を導入し、混合物を40℃で3時間反応させた。反応溶液を濾過し、濾液を採取し、減圧下で真空濃縮して標的生成物(3.9g、収率95%)を得て、これを直接次の工程に使用した。[M+H]+ 307.2。
工程3:(3S,5S)-4-(6-((5-ブロモ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル
窒素下で、1,4-ジオキサン(100mL)中の(3S,5S)-4-(6-アミノピリジン-3-イル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(3.0g、9.8mmol)と3,5-ジブロモ-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(2.0g、7.5mmol)の溶液に、キサントホス(433mg、0.75mmol)、Pd(dba)(343mg、0.375mmol)、及び炭酸セシウム(4.9g、15.0mmol)を加えた。混合物を90℃で12時間反応させた後、室温まで冷却し、濾過した。濾液を採取して濃縮した。そして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)で精製して、標的生成物(3.0g、収率81%)を得た。[M+H]+ 492.1, 494.1。
工程4:5-ブロモ-3-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン
メタノール(15mL)中の(3S,5S)-4-(6-((5-ブロモ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロピリジン-3-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(3.0g、6.1mmol)の溶液に濃塩酸(8mL)を加え、そして混合物を50℃で30分間攪拌した。
反応溶液を減圧下で真空濃縮し、得られたメタノール(30mL)中の残留物の溶液に、メタノール(50mL)中の塩化亜鉛(2.5g、18.3mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.3g、36.6mmol)の懸濁液を加えた。反応物を50℃で4時間撹拌し、減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/水)で精製して、標的生成物(2.0g、収率73%)を得た。[M+H]+ 448.1, 450.1。
工程5:3-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン
窒素下で、1,4-ジオキサン(60mL)中の5-ブロモ-3-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(1.2g、2.68mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(1.7g、6.7mmol)の溶液に、Xphos(128mg、0.27mmol)、Pd(dba)(247mg、0.27mmol)、及び酢酸カリウム(784mg、8.0mmol)を加えた。混合物を65℃で6時間反応させた後、室温まで冷却し、濾過した。濾液を採取し、減圧下で真空濃縮した。そして得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン)で精製して、標的化合物(650mg、純度50%、収率24%)を得た。[M+H]+ 496.3。
以下の表の中間体は、対応する出発物質と試薬から、中間体I-1を調製するための工程に従って調製された。
中間体I-3
4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド
工程1:1-(2,2-ジエトキシエチル)-5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸エチル
DMF(120mL)中の5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸エチル(20.0g、96mmol)の溶液に、炭酸セシウム(80.0g、245mmol)とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(40.0g、203mmol)を加え、混合物を100℃で16時間反応させた。反応溶液に水(200mL)を加え、混合物を酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。有機相を採取して合わせ、減圧下で真空濃縮して、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、標的生成物(31.0g、収率100%)を得た。[M+Na]+ 324.1。
工程2:1-(2,2-ジエトキシエチル)-5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸
エタノール(150mL)と水(150mL)中の1-(2,2-ジエトキシエチル)-5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸エチル(31.0g、96mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(14.2g、338mmol)を加え、混合物を80℃で12時間反応させた。エタノールを減圧下で真空除去し、氷浴で冷却しながら濃塩酸でpHを5~6に調整した。水(200mL)を加え、混合物を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。有機相を採取して合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして濾液を濃縮して標的生成物(26.7g、収率94%)を得た。[M-H]- 294.1。
工程3:1-(2,2-ジエトキシエチル)-5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボキサミド
0℃~5℃、窒素下で、DMF(150mL)中の1-(2,2-ジエトキシエチル)-5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸の溶液へ(26.7g、90.5mmol)の溶液に、トリエチルアミン(25mL、181mmol)及び次にHATU(51.6g、136mmol)を加えた。室温で1時間反応後、反応溶液を濃アンモニア水(800mL)に注ぎ、10分間攪拌し、ジクロロメタン(300mL×2)で抽出した。有機相を採取して合わせ、濃縮して標的生成物(26.6g、収率100%)を得て、これを直接次の工程で使用した。
工程4:7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン
1-(2,2-ジエトキシエチル)-5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボキサミド(26.6g、90.5mmol)を酢酸(100mL)に溶解した。混合物を100℃で4時間反応させた(酢酸を減圧下で真空除去し、アンモニア水でpH値を8~9に調整した)。水(200mL)を加え、混合物をジクロロメタン(200mL×3)で抽出した。有機相を採取して合わせ、減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール)で精製して、標的生成物(18.3g、収率100%)を得た。[M+H]+ 203.1. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.21 (s, 1H), 6.98 (d, J = 5.6 Hz, 1H), 6.58 (s, 1H), 6.48 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 2.62-2.60 (m, 2H), 2.47- 2.46 (m, 2H), 1.19- 1.17 (m, 6H)。
工程5:4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)ニコチンアルデヒド
窒素下で、1,4-ジオキサン(500mL)中の7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン(14.2g、70.2mmol)と2-ブロモ-4-クロロニコチンアルデヒド(30.9g、141mmol)の溶液に、ヨウ化第一銅(13.6g、70.2mmol)、4,7-ジメトキシ-1,10-フェナントロリン(1.18g、49.2mmol)、及び炭酸セシウム(68.6g、211mmol)を加えた。混合物を80℃で16時間反応させた後、室温まで冷却し、濾過した。濾液を採取し、減圧下で真空濃縮した。そして得られた残留物をエタノールで再結晶し、標的生成物(13.8g、収率58%)を得た。[M+H]+ 342.1. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.21 (s, 1H), 8.53-8.43 (m, 1H), 7.40-7.31 (m, 1H), 7.10-7.02 (m, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.89-6.81 (m, 1H), 2.68-2.54 (m, 4H), 1.27 (s, 6H)。
中間体I-4
4-クロロ-2-(10-フルオロ-1-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロピラジノ[1,2-a]インドール-2(1H)-イル)ニコチンアルデヒド
酢酸(210mL)中の3-フルオロ-1H-インドール-2-カルボン酸エチル(10.5g、13.4mmol)と二酸化白金(1.57g、6.9mmol)の混合物に水素を導入し、混合物を室温で8時間反応させた。反応物をろ過し、濾液を採取し、濃アンモニア水でpH8に調整した。次に濾液を酢酸エチルで抽出し、減圧下で真空濃縮して3-フルオロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インドール-2-カルボン酸エチル(10.5g、収率98%)を得て、これを直接次の工程で使用した。[M+H]+ 212.0。
標的生成物である中間体I-4は、3-フルオロ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インドール-2-カルボン酸エチルと対応する出発物質と試薬から、中間体I-3を調製するための工程1~5に従って調製された。[M+H]+ 346.1。
中間体I-5
(3-(アセトキシメチル)-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-2-イル)ピリジン-4-イル)ボロン酸
工程1:5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボヒドラジド
エタノール(15mL)中の5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸エチル(6.50g、31.4mmol)の溶液に、ヒドラジン水和物水溶液(45mL,36.0mmol)を加え、混合物をマイクロ波反応器で150℃で2時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却し、濾過し、そしてフィルターケーキを水で洗浄し、採取し、真空乾燥して、標的生成物(5.60g、収率92%)を得て、これを直接次の工程で使用した。[M+H]+ 194.1。
工程2:7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-1(6H)-オン
窒素下で、DMF(16mL)中の5,5-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボヒドラジド(5.60g、29.0mmol)の溶液に、オルトギ酸トリエチル(3.11g、21.0mmol))を加え、混合物を160℃で16時間反応させた。反応溶液を室温まで冷却し、濾過し、フィルターケーキを少量のメタノールで洗浄し、採取し、真空乾燥して、標的生成物(3.25g、収率55%)を得て、これを直接次の工程で使用した。[M+H]+ 204.1。
工程3:4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-2-イル)ニコチンアルデヒド
窒素下で、1,4-ジオキサン(60mL)中の7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-1(6H)-オン(3.25g、16.0mmol)と2-ブロモ-4-クロロニコチンアルデヒドの溶液に、ヨウ化第一銅(1.52g、8.0mmol)、4,7-ジメトキシ-1,10-フェナントロリン(1.35g、5.6mmol)、及び炭酸セシウム(10.4g、32.0mmol)を加えた。混合物を80℃で4時間反応させた後、室温まで冷却した。反応溶液を減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標的生成物(3.43g、収率63%)を得た。[M+H]+ 343.1。
工程4:2-(4-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-1(6H)-オン
0℃~5℃、窒素下で、メタノール(10mL)及びジクロロメタン(30mL)中の4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-2-イル)ニコチンアルデヒド(3.43g、10.0mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.19g、5.0mmol)を加え、混合物をこの温度で10分間反応させた。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)を加え、混合物をジクロロメタン(80mL×2)で抽出した。有機相を採取して合わせ、減圧下で真空濃縮して、標的生成物(3.33g、収率97%)を得て、これを直接次の工程で使用した。[M+H]+ 345.1。
工程5:(4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-2-イル)ピリジン-3-イル)メチルアセテート
0℃~5℃、窒素下で、ジクロロメタン(60mmol)中の2-(4-クロロ-3-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-1(6H)-オン(3.33g、9.7mmol)とトリエチルアミン(3.91g、38.6mmol)の溶液に、塩化アセチル(11.4g、145mmol)を加え、混合物をこの温度で1時間反応させた。反応溶液に水(30mL)とジクロロメタン(80mL)を加えた。有機相を採取して合わせ、減圧下で真空濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、標的生成物(2.84g、収率76%)を得た。[M+H]+ 387.1。
工程6:(3-(アセトキシメチル)-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-2-イル)ピリジン-4-イル)ボロン酸
窒素下で、1,4-ジオキサン(200mL)中の(4-クロロ-2-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-2-イル)ピリジン-3-イル)メチルアセテート(2.84g、7.3mmol)とビス(ピナコラト)ジボロン(5.59g、22.0mmol)の溶液に、Xphos(0.35g、0.73mmol)、Pd(dppf)ClCHCl(0.60g、0.73mmol)、及び酢酸カリウム(2.16g、22.0mmol)を加えた。混合物を100℃で16時間反応させた後、室温まで冷却した。反応溶液を減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル)で精製して、標的生成物(2.55g、収率88%)を得た。[M+H]+ 397.1。
以下の表の中間体は、中間体I-3及び対応する出発物質と試薬から中間体I-5を調製するための工程4~6に従って調製された。
化合物1
2-(5-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-3'-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-2'-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン
工程1:2'-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-5-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-3'-カルバルデヒド
窒素下で、1,4-ジオキサン(3mL)及び水(0.2mL)中の中間体I-1(99mg、0.20mmol)と中間体I-3(68mg、0.20mmol)の溶液に、Xphos(9mg、0.02mmol)、Pd(dppf)ClCHCl(16mg、0.02mmol)、及び炭酸セシウム(130mg、0.40mmol)を加えた。混合物を90℃で2時間反応させた後、室温まで冷却した。反応溶液を濾過し、濾液を採取し、減圧下で真空濃縮して標的生成物を得て、これを次の工程に直接使用した。[M+H]+ 675.3。
工程2:2-(5-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-3'-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-2'-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン
0℃~5℃、窒素下で、メタノール(0.5mL)及びジクロロメタン(5mL)中の工程1から得た2'-(7,7-ジメチル-1-オキソ-1,6,7,8-テトラヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-2-イル)-5-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-3'-カルバルデヒドの溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(7mg、0.20mmol)を加え、混合物を室温で5分間反応させた。反応溶液に水(0.5mL)を加え、減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/水)及び薄層クロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/20)で精製して、標的生成物(74mg、収率55%)を得た。[M+H]+ 677.4. 1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.74-8.69 (m, 1H), 8.56-8.51 (m, 1H), 7.95-7.91 (m, 1H), 7.60-7.57 (m, 1H), 7.54-7.51 (m, 1H), 7.40-7.36 (m, 1H), 7.23-7.19 (m, 1H), 7.03-7.00 (m, 1H), 6.95-6.90 (m, 1H), 6.80-6.75 (m, 1H), 4.70-4.65 (m, 2H), 4.64-4.57 (m, 2H), 4.56-4.52 (m, 1H), 4.50-4.45 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.54-3.46 (m, 2H), 3.46-3.39 (m, 1H), 2.78-2.68 (m, 2H), 2.65-2.58 (m, 2H), 2.57-2.52 (m, 2H), 2.22-2.13 (m, 2H), 1.30-1.26 (m, 6H), 0.98-0.94 (m, 6H)。
以下の表の化合物は、対応する中間体及び試薬から化合物1を調製するための工程に従って調製された。
化合物4
2-(5-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-3'-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-2'-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-d][1,2,4]トリアジン-1(6H)-オン
窒素下で、1,4-ジオキサン(5.0mL)及び水(0.5mL)中の5-ブロモ-3-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン(148mg、0.33mmol)(すなわち、中間体I-1の調製方法の工程4の生成物)及び中間体I-5(130mg、0.33mmol)の溶液に、Xphos(31mg、0.066mmol)、Pd(dppf)ClCHCl(27mg、0.033mmol)、及びリン酸カリウム三水和物を加えた(264mg、0.99mmol)を加えた。混合物を100℃で4時間反応させた後、室温まで冷却した。反応溶液を減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/水)で精製した。
得られた固体([[M+H]+ 720.3)をメタノール(3mL)に溶解し、炭酸カリウム(137mg、0.99mmol)を加えた。そして混合物を室温で2時間反応させた。反応溶液を減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/水)及び薄層クロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン=1/20)で精製して、標的生成物(30mg、収率13%)を得た。[M+H]+ 678.3. 1H NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.72-8.86 (m, 1H), 8.58-8.52 (m, 1H), 8.43-8.38 (m, 1H), 7.97-7.92 (m, 1H), 7.63-7.58 (m, 1H), 7.53-7.48 (m, 1H), 7.42-7.36 (m, 1H), 7.08-6.99 (m, 2H), 4.70-4.52 (m, 6H), 3.70 (s, 3H), 3.55-3.41 (m, 3H), 2.87-280 (m, 2H), 2.67-2.61 (m, 2H), 2.60-2.51 (m, 2H), 2.24-2.12 (m, 2H), 1.32-1.29 (m, 6H), 1.00-0.94 (m, 6H)。
以下の表の化合物は、対応する中間体及び試薬から化合物4を調製するための工程に従って調製された。
化合物5
2-(5-((5-((2S,6S)-2,6-ジメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-3'-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-2'-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン
化合物5a(500mg、0.69mmol)をトリフルオロ酢酸(5mL)に溶解し、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を減圧下で真空濃縮し、得られた残留物をメタノール(5mL)に溶解し、トリエチルアミン(1mL)を加えた。混合物を再び減圧下で真空濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/水)で精製して、標的生成物(340mg、収率79%)を得た。[M+H]+ 621.4. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.78 (s, 1H), 8.60-8.51 (m, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.61-7.56 (m, 1H), 7.56-7.51 (m, 1H), 7.48-7.38 (m, 1H), 7.27-7.18 (m, 1H), 7.09-7.01 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.81-6.75 (m, 1H), 4.64-4.58 (m, 1H), 4.53-4.46 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.69-3.61 (m, 2H), 3.44-3.37 (m, 2H), 3.11-3.02 (m, 2H), 2.79-2.68 (m, 2H), 2.66-2.56 (m, 2H), 1.30-1.26 (m, 6H), 1.09-0.99 (m, 6H).
化合物6
2-(3'-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-6-オキソ-5-((5-((2S,6S)-2,4,6-トリメチルピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-1,6-ジヒドロ-[3,4'-ビピリジン]-2'-イル)-7,7-ジメチル-7,8-ジヒドロ-2H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1(6H)-オン
メタノール(5mL)中の化合物5(200mg、0.32mmol)の溶液にホルムアルデヒド水溶液(1.2mL)を加え、混合物を室温で5分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(38mg、1.0mmol)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した。反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/水)で精製して、標的生成物(78mg、収率38%)を得た。[M+H]+ 635.3. 1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 8.74-8.69 (m, 1H), 8.58-8.51 (m, 1H), 7.97-7.90 (m, 1H), 7.62-7.56 (m, 1H), 7.55-7.50 (m, 1H), 7.41-7.34 (m, 1H), 7.25-7.19 (m, 1H), 7.05-6.99 (m, 1H), 6.93 (s, 1H), 6.81-6.75 (m, 1H), 4.62-4.58 (m, 1H), 4.51-4.46 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 3.53-3.46 (m, 2H), 2.78-2.69 (m, 2H), 2.69-2.58 (m, 4H), 2.36-2.18 (m, 5H), 1.29-1.27 (m, 6H), 0.98-0.90 (m, 6H)。
実施例2:生化学的BTKの測定
1. 試薬と材料
BTK組換えタンパク質:Invitrogen、カタログ番号PV3363;
Z'-LYTE(登録商標)キナーゼ検査キット-チロシン1ペプチド:Invitrogen、カタログ番号PV3190;
384ウェル低フランジ黒色平底ポリスチレンNBSマイクロプレート、蓋なし、滅菌なし:Corning、カタログ番号3575;
96ウェルポリスチレン円錐底MicroWell(登録商標)プレート、蓋で密封されている:Thermo Scientific(登録商標)Nunc(登録商標)、カタログ番号277143;
Envisionマルチモードプレートリーダー:PerkinElmer;
Mixmate(登録商標)シェーカー:Eppendorf;
TS-2102振盪インキュベーター:TENSUC。
2. 方法
Z'-LYTE(登録商標)生化学アッセイは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ベースの結合酵素フォーマットを採用し、タンパク質分解切断に対するリン酸化ペプチドと非リン酸化ペプチドの感度の違いに基づいている。短いペプチド基質の両端は2つの蛍光基で標識されて、FRET対の組み合わせを形成している。一次反応(キナーゼ反応)では、キナーゼがATPのγ-リン酸を、短いペプチド基質上の単一のセリン又はスレオニン残基に転移する。二次反応(展開反応)では、リン酸化されていない短いペプチドが認識され、部位特異的プロテアーゼ(展開試薬)によって切断された。リン酸化された短いペプチドは、このような切断に耐えることができる。短いペプチドの切断は、短いペプチド上のドナー(クマリンなど)とリセプター蛍光体(フルオレセイン)を破壊する可能性があるが、一方リン酸化された短いペプチドはFRETを維持することができる。比率の計算方法は以下の通りであり、(400nmで励起されたの後)ドナー蛍光体によって生成されたそれぞれの発光シグナルとリセプターに放出された発光シグナルの比率が計算される。発光シグナル比=クマリンによる発光(445nm)/フルオレセインによる発光(520nm)。FRETの短いペプチドがリン酸化されている場合(キナーゼ阻害剤がない場合など)、発光の比率は低いレベルのままである。FRETの短いペプチドがリン酸化されていない場合(キナーゼ阻害剤など)、発光の比率はより高いレベルになるであろう。このようにして、BTKキナーゼ活性に対する異なる化合物阻害剤の阻害効果が区別されるであろう。
実験は、Z'-LYTE(登録商標)キナーゼ検査キット-チロシン1ペプチドの説明書に従って実施された。試薬の調製:1.33×キナーゼ緩衝液:5×キナーゼ緩衝液を水で1.33×キナーゼ緩衝液に希釈した;酵素溶液:キナーゼを1.33×キナーゼ緩衝液に溶解し、最終作業濃度を3.32nMとした;短いペプチド溶液:短いペプチド原液(DMSOに溶解した1mM)を1.33×キナーゼ緩衝液に溶解し、最終作業濃度を2μMとした;Z'-LYTE Tyr01リン酸化された短いペプチド溶液、0.6μlの原液(DMSOに溶解した1mM)を149.4μlの1.33×キナーゼ緩衝液に溶解した;ATP溶液:ATP原液(10mM水溶液)を1.33×キナーゼ緩衝液に溶解し、最終作業濃度を32μMとした;発色溶液:発色溶液Bを発色緩衝液に溶解し、最終使用濃度を1×発色溶液とした;4×化合物調製物:化合物を3倍濃度勾配で希釈して、最終的に異なる濃度の化合物を含む4%DMSO水溶液を得て、最終作業濃度を、3000、1000、333.33、111.11、37.04、12.35、4.12、1.37nMの合計8個の濃度ポイントとした。
実験の具体的な工程:実験では、3つの対照群があり、それぞれ8つの多重ウェルがあり、これらは、それぞれC1 100%阻害群(ATPなし)、C2 0%阻害群(ATPあり)、及びC3 100%リン酸化群であった。2.5μlの連続希釈した化合物を384ウェルプレートの各ウェルに2重測定ウェルで加え、4%DMSO溶液をウェルC1、C2、及びC3に加えた。その後、ウェルC3以外の残りのウェルにBTK酵素溶液を2.5μlずつ加え、これを4℃で30分間静置した。その後、ウェルC3を除いて、各ウェルに短いペプチド溶液2.5μlを加え、各ウェルC3にはリン酸化された短いペプチド溶液5μlを加えた。2.5μlの1.33×キナーゼ緩衝液をウェルC1及びC3のそれぞれに加え、2.5μlのATP溶液を残りの各ウェルに加えた。ウェルを一時的に遠心分離し、プレートを1000rpmで30秒間振盪して一時的に遠心分離を行った。384ウェルプレートを遮光された振盪インキュベーターに入れ、室温で1時間インキュベートした。酵素反応終了後、5μlの発色液を各ウェルに加え、これを一時的に遠心分離し、プレートを1000rpmで30秒間振盪して一時的に遠心分離した。384ウェルプレートを遮光された振盪インキュベーターに入れ、発色反応が完了するまで室温で1時間インキュベートした。
3. 検出
発色反応終了後、384ウェルプレートを取り出し、Envisionマルチモードプレートリーダーでプレートの読み取りを行い、発光波長405nm、励起波長460nm/535nmで光シグナルを検出した。各ウェルの460nm/535nmにおける読み取り値を、各ウェルのシグナル値として用いた。
4. 計算
C3の平均シグナル値を100%リン酸化とみなし、C1の平均シグナル値を0%リン酸化とみなし、そしてC2の平均シグナル値を用いて、BTKキナーゼ存在下での短いペプチドのリン酸化率を計算した。各ウェルのシグナル値から、各濃度の化合物の阻害率(%)を算出し、XL-Fit5.3ソフトウェア(ID Business Solutions Limited)の205モデルを用いてIC50値を求めた。
リン酸化率は以下のように計算される。
リン酸化率(%)=100-100×[(発光シグナル比×F100%)-C100%]/{(C0%-C100%)+[発光シグナル比×(F100%-F0%)]}、
ここで、発光シグナル比=クマリン発光シグナル(460nm)/フルオレセイン発光シグナル(535nm);C100%=C3のクマリン発光シグナルの平均値。C0%=C1のクマリン発光シグナルの平均値;F100%=C3のフルオレセイン発光シグナルの平均値;F0%=C1のフルオレセイン発光シグナルの平均値。
阻害率は以下のように計算される。
阻害率(%)=100×(C2のリン酸化率-試験ウェルのリン酸化率)/C2のリン酸化率
5. 試験結果
実施例3
ラモス細胞におけるリン酸化BTKの測定
1. 試薬と材料
ラモス細胞:ラモス細胞はAmerican Standard Biological Collection Center ATCC Cell Bankから購入し、L-グルタミン、1.5g/L重炭酸ナトリウム、2.383g/Lヘペス溶液、0.11g/Lピルビン酸ナトリウム、及び4.5g/Lのグルコースを含むPRMI1640培地を使用し、10%ウシ胎児血清FBSを加え、5%CO、37℃の細胞インキュベーターに入れて、通常の培養を行った。
PRMI1640培地:GIBCO、カタログ番号A10491-01;
ウシ胎児血清(FBS):GIBCO、カタログ番号100100-147;
ハンクス平衡塩溶液(HBSS):GIBCO、カタログ番号14025-092;
免疫グロブリンM(IgM):Jackson Immuno、カタログ番号109-006-129;
3%過酸化水素(3%H):Sigma、カタログ番号88597-100ML-F;
リン酸化BTK HTRF検出キット(BTK phospho-Y223 HTRFキット):Cisbio、カタログ番号63ADK017PEH;
マイクロウェルプレートリーダー:Envision、PerkinElmer;
384ウェルプレートCulturPlate TM384:Perkin Elmer、カタログ番号6007680;
96ウェルプレート:Corning、カタログ番号3799。
2. 方法
ラモス細胞を、1%FBSを含むPRMI1640培地中で2時間飢餓状態に置いた。飢餓したラモス細胞をハンクス平衡塩溶液で5.0×10細胞/mlに希釈し、96ウェルプレートに20μL/ウェル(1.0×10細胞/ウェル)で接種し、5%CO、37℃の細胞インキュベーターで培養した。1時間培養後、試験化合物をハンクス平衡塩類溶液で4倍勾配で対応する濃度に希釈し、5μL/ウェルの異なる濃度の希釈した試験化合物(試験化合物の最終濃度は、3.0、0.75、0.188、0.047、0.012、0.0029、0.0007、及び0.00018μM、そしてDMSOの最終濃度は0.3%、2重測定ウェル)又は5μL/ウェルの対照溶液(1.5%DMSO、8重測定ウェル)を20μL/ウェルの細胞培養系に加え、これらを一緒にさらに1時間インキュベートした後、ハンクス平衡塩類溶液で希釈した5μL/ウェルのヒト免疫グロブリンM(最終濃度は10μg/mL)と過酸化水素(最終濃度は3.3mM)の混合溶液を、試験化合物の処理ウェルと抗ヒト免疫グロブリンMの対照処理ウェルに加え、陰性対照処理ウェルには5μL/ウェルのハンクス平衡塩類溶液を加えた。プレートを5%CO、37℃の細胞インキュベーターで10分間インキュベートした。
10μL/ウェルの細胞溶解緩衝液を96ウェルプレートの各ウェルに加え、これをよく混合し、室温で30分間溶解した。16μL/ウェルの溶解緩衝液を新しい384ウェルプレートにピペットで移し、次に、リン酸化BTK抗体を4μL/ウェル加え、1分間遠心分離(1000rpm)した後、1分間振盪し、さらに1分間遠心(1000rpm)し、最後に恒温インキュベーターで一晩静置した。検出は翌日に行った。
3. 検出
恒温インキュベーターで一晩インキュベートした384ウェルプレートを取り出し、発光波長320nm、励起波長665nm/615nmで、Envisionマイクロウェルプレートリーダーを用いて発光シグナルを検出した。各ウェルの665nm/615nmでの読み取り値を10倍した値を各ウェルのシグナル値とした。
4. 計算
試験化合物なしのヒトイムノグロブリンM(最終濃度10μg/mL)と過酸化水素(最終濃度3.3mM)の混合溶液を補足したウェルの平均シグナル値を高値とし、免疫グロブリンM刺激なしかつ試験化合物なしのウェルの平均シグナル値を低値とした。各ウェルのシグナル値に従って各濃度の化合物の阻害率(%)を算出し、XL-Fit5.3ソフトウェア(ID Business Solutions Limited)の205モデルを用いてIC50値を求めた。
阻害率は以下のように計算される。
阻害率(%)=100%-{(試験化合物の処理ウェル-陰性対照処理ウェル)/(抗ヒト免疫グロブリンMの対照処理ウェル-陰性対照処理ウェル)}×100%、ここで、
試験化合物の処理ウェル:抗ヒト免疫グロブリンM、過酸化水素、及び試験化合物で処理されたラモス細胞のシグナル値を表す。
抗ヒト免疫グロブリンMの対照処理ウェル:試験化合物なしで、抗ヒト免疫グロブリンM、過酸化水素で処理されたラモス細胞のシグナル値を表す。
陰性対照処理ウェル:試験化合物なしかつ免疫グロブリン刺激のないラモス細胞のシグナル値を表す。
5. 試験結果
実施例4 ラット全血中のB細胞活性の測定
1. 試薬と材料
雌のウィスター(Wistar)ラットの末梢全血;
リン酸緩衝液PBS:GIBCO、カタログ番号C20012500BT;
抗ラットB220PE抗体(PE抗ラットB220):eBioscience、カタログ番号12-0460-82;
抗ラットCD86FITC抗体(FITC抗ラットCD86):eBioscience、カタログ番号11-0860-82;
10倍溶解緩衝液(10×溶解緩衝液):BD Biosciences、カタログ番号555899;
固定緩衝液(IC固定緩衝液):Invitrogen、カタログ番号00-8222-49;
96ウェルU底プレート:Nunc、カタログ番号163320;
96ウェルV底プレート:Nunc、カタログ番号49952;
ジメチルスルホキシド(DMSO):Sigma-Aldrich、カタログ番号34869-4L;
抗ラット免疫グロブリンD(マウス抗ラットIgD):Bio-rad、カタログ番号MCA190;
フローサイトメーター:BD FACS Canto II, BD。
2. 方法
化合物活性の測定では、ラットの採取した末梢全血を96ウェルプレートに80μL/ウェルで加え、5%CO、37℃の細胞インキュベーターで培養した。30分後、試験化合物をPBSで3倍勾配で対応する濃度に希釈し、次に、希釈した異なる濃度の試験化合物を、ラット全血の培養系に10μL/ウェル(化合物の最終濃度は、1.0、0.33、0.11、0.037、0.012、0.0041、0.0014、及び0.0005μMであり、DMSOの最終濃度は0.3%、2重測定ウェル)で加え、又は対照溶液(0.3%DMSO、6重測定ウェル)を対応するウェルに10μL/ウェルで加え、これらを細胞インキュベーターで1時間インキュベートした。次に、PBSで希釈した10μL/ウェルの抗ラット免疫グロブリンD(最終濃度は10μg/mLであった)を、試験化合物の処理ウェルと抗ラット免疫グロブリンDの対照ウェルに加え、又は10μL/ウェルのPBSを陰性対照ウェルに加え、これらを充分混合して、5%CO、37℃の細胞インキュベーターで培養を続け、18時間インキュベートした。
2日目に、96ウェルプレートを取り出し、PBSで希釈したフローサイトメトリー抗体混合物(抗ラットB220PE抗体の最終濃度は1μg/mLであり、抗ラットCD86FITC抗体の最終濃度は1μg/mLであった)をプレートの各ウェルに加え、暗所で30分間インキュベートした後、各ウェルから50μLの血液を、新たに調製した500μLの溶解緩衝液にピペットで移して赤血球を溶解した。プレートを20分間振盪し、遠心分離して上清を除去した後、洗浄、固定し、フローサイトメーターで検出した。
3. 検出
試料中のB細胞の活性化をフロー染色法によって測定した。
4. 計算
抗ラット免疫グロブリンDを含むが試験化合物を含まないウェル中の活性化B細胞の割合の平均値を、抗ラット免疫グロブリンDの対照処理ウェルとして使用し、免疫グロブリンD刺激を含まずかつ試験化合物を含まないウェル中の活性化B細胞の割合の平均値を陰性対照処理ウェルとして使用した。各ウェルのB細胞活性化率から各濃度の阻害率(%)を算出し、XL-Fit 5.3ソフトウェア(ID Business Solutions Limited)の205モデルを用いてIC50値を求めた。
阻害率は以下のように計算される。
阻害率(%)=100%-{(試験化合物の処理ウェル-陰性対照処理ウェル)/(抗ラット免疫グロブリンDの対照処理ウェル-陰性対照処理ウェル)}×100%、ここで、
試験化合物の処理ウェル:抗ラット免疫グロブリンDと試験化合物で処理されたラット全血のB細胞活性化率を表す。
抗ラット免疫グロブリンDの対照処理ウェル:試験化合物なしで抗ラット免疫グロブリンDで処理されラット全血中のB細胞活性化率を表す。
陰性対照処理ウェル:試験化合物なしでかつ免疫グロブリン刺激のないラット全血のB細胞活性化率を表す。
上記の試験を通じて、本発明の化合物は、ラット全血中のB細胞活性化を阻害する優れた効力を示した。化合物1のIC50値は0.001μMである。
実施例5 肝ミクロソームにおける安定性試験
1. 実験材料:
雄のCD-1マウスのプールされた肝ミクロソームと雄のSDラットのプールされた肝ミクロソームの両方を、米国のBioreclamation IVT Corporationから購入した。
フェナセチン、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G-6-PDH)、及びニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)はすべて、米国のSigma-Aldrich Corporation, USAから購入した。グルコース-6-リン酸(G-6-P)は、Shanghai Eybridge Chemical Technology Co., Ltd. and Carbosynth China LimitShanghai Eybridge Chemical Technology Co., Ltd. and Carbosynth China Limitから購入した。
2. 溶液の調製:
10mM試験化合物の原液:一定量の試験化合物を秤量し、適量のDMSOで溶解して、使用のための濃度10mMの原液を調製した。
反応停止液:適量の内部標準化合物フェナセチンをアセトニトリルに溶解して、室温で使用のたmえの濃度1000ng/mLの反応停止液を調製した。
3. 実験方法:
試験化合物原液を有機溶媒(通常、化合物の溶解度に応じてさまざまな比率のアセトニトリル、メタノール、及び水の混合物で、必要であれば、可溶化を促進するために1N塩酸又は1N水酸化ナトリウムが添加されるであろう)を用いて0.1mM(反応系における化合物の最終濃度は1μMであった)に希釈し、及びインキュベーション系における有機溶媒の濃度パーセントは1%以下(DMSOのパーセントは0.1%以下でなければならなかった)に希釈した。適量の100mM NADP、500mM G-6-P、及び100単位/mL G-6-PDHを混合し、超純水で希釈し(最終システムには1mM NADP、5mM G-6-P、及び1mM NADPを含む)、37℃の水浴で10分間プレインキュベートした後、NADPH再生溶液として使用するために氷上に置いた。20mg/mL肝ミクロソーム溶液と200mMリン酸緩衝液を混合し、超純水で希釈して2.5mg/mLの肝ミクロソーム(反応系の最終濃度は0.5mg/mLである)と50mMリン酸緩衝液を含有する肝ミクロソーム溶液を得た。希釈した肝ミクロソーム溶液を0.1mMの化合物溶液と混合し、100mM EDTA、300mM MgCl溶液、200mMリン酸緩衝液(最終システムは3mM MgCl、1mM EDTA及び50mMリン酸緩衝液であった)、及び水の混合物を適量加えた。最後にNADPH再生溶液を加え、次に反応溶液を37℃の水浴に入れて反応を開始し(反応時間は30分であった)、内部標準を含む氷冷アセトニトリル反応停止液を加えて反応を停止させた。0分試料は37℃の水浴でインキュベートせず、さらに30分試料との違いは、内部標準を含む氷冷アセトニトリル反応停止液を最初に加え、その後NADPH再生溶液を加えたことである。反応停止内部標準液を加えた試料をボルテックスでよく混合した後、4400rpmで10分間遠心分離した。上清を採取し、LC-MS/MS分析のために50%メタノールで10倍希釈した。
4. 分析方法:
LC-MS/MSを使用して、試料中の化合物の濃度を決定した。インキュベーション0分後の試料中の残存化合物のパーセントと比較した30分インキュベーション後の残存化合物のパーセントを、内部標準に対する化合物のピーク面積比を指標として算出して、化合物の代謝安定性を評価した。
装置:API4500、API4000、又はLTQ質量分析計;液相はUHPLCシステム(Shimadzu LC-30AD、モデルNexra X2)で、液体供給ユニット、カラムサーモスタット、検出器、及びオートサンプラーを含む;又はAgilent 1200バイナリーポンプシリーズHPLC及びCTCオートサンプラー。
クロマトグラフィーカラム:Waters XSELECT Hss T3 C18(2.5μm、2.1×50mm)又はCAPCELLPAK MG(5μm、2.0×50mm)。
移動相:
A:0.1%FA(ギ酸)を含む水(0.1%ACN(アセトニトリル)を含むか又は含まない)、
B:0.1%FA(ギ酸)。
試験結果を次の表に示される。
実施例6 BTK標的に対する阻害効果のインビボ効力の評価
目的:抗IgD抗体によりマウス全血中のB細胞を誘導・活性化し、インビボでのB細胞活性化に対する本発明の化合物の阻害効果を検討し、インビボでのBTK標的に対する本発明の化合物の阻害効果を確認した。
方法:C57BL/6マウス(雌、18~20g、Shanghai Lingchang Biotechnology Co., Ltd.から購入)を表1に従って群分けした。
各群のマウスに投与し、次に指定された時点でCOに入れて麻酔し、後眼窩出血によりラットから血液試料を採取し、抗凝固のためにヘパリンを使用した;各群のマウスから90μLの全血を採取し、96ウェル培養プレートに加え、抗マウスIgD抗体(BIO-RAD、カタログ番号MCA4693)を各ウェルに、終濃度0.01μg/μL(それぞれ、各薬物処置群及び抗IgD抗体誘導ビヒクル群)で加え;さらに、ビヒクル群のマウスの全血90μLを採取し、96ウェル培養プレートに加え、PBS(リン酸緩衝液、GIBCO、カタログ番号C20012500BT)を各ウェルに最終濃度0.01μg/μLまで加えた(すなわち、ビヒクル対照群);各群を充分混合し、37℃/5%COインキュベーターで4時間インキュベートした。さらに、薬物処置群のマウスの血液を遠心分離して血漿を分離し、血中濃度を分析した。
培養した全血に、蛍光標識した抗体である抗CD19-APC(BD Biosciences、カタログ番号550992)及び抗CD69-PE(BD Biosciences、カタログ番号553237)を加え、充分混合し、室温、暗所で30分間インキュベートした;50μLの試料を、380μLの新鮮な溶解緩衝液(BD Biosciences、カタログ番号555899)を含む96ウェルの深いV字型培養プレートに移し、振盪し、室温、暗所に15分間置き、赤血球を除去した;400μLのフロー緩衝液(2%FBS/PBS、FBS:ウシ胎児血清、GIBCO、カタログ番号100100-147;PBS:GIBCO、カタログ番号C20012500BT)を加え、1200rpm、4℃で8分間遠心分離した;上清を除去し、細胞塊をFACS緩衝液で2回洗浄し、遠心分離した;次に、細胞を400μLのFACS緩衝液で再懸濁し、CD19+陽性細胞(B細胞)中のCD69+の発現を、BD FACS LSRFortessaフローサイトメーターを使用して検出し、データを分析した。
B細胞活性化率の計算:
B細胞活性化率=CD69CD19 2重陽性B細胞のパーセント/CD19 単一陽性B細胞のパーセント
阻害率の計算:
阻害率=(抗IgD抗体誘導ビヒクル群におけるB細胞活性化比率のパーセント-薬物処置群におけるB細胞活性化比率のパーセント)/(抗IgD抗体誘導ビヒクル群におけるB細胞活性化比率のパーセント-ビヒクル対照群におけるB細胞活性化率のパーセント)×100%
すべてのデータは、平均±標準誤差で表される。各薬物処置群と抗IgD抗体誘導ビヒクル群との比較のために、一元配置分散分析とダネット検定を使用してGraphpad Prismによってp値を計算し、各薬物処置群との比較のために、p値は、対応のないt検定を使用して計算された。
結果:実験結果を図1と表2に示す。
この実験では、投与の16時間後、B細胞活性化に対するGDC-0853 20mg/kgの阻害率は9%である;及びB細胞活性化に対する20mg/kg用量の本発明の化合物2の阻害率は43%である。B細胞活性化に対する5mg/kgの用量の本発明の化合物1の阻害率は60%であり、これは、抗IgD抗体誘導ビヒクル群と比較して統計的な有意差を有する。
実施例7 II型コラーゲンにより誘発されたラット関節炎モデルに対する本発明の化合物の治療効果
1. 試験方法
適量のウシII型コラーゲン(CII、Chondrex (Redmond, WA, USA)、カタログ番号20021)を秤量し、0.1モルの酢酸(SPGC Sinopharm Chemical Reagent Co., Ltd (Shanghai, P.R. China)、カタログ番号:10000218)に溶解し、これを6mg/mLの濃度の溶液に調製し、4℃で一晩攪拌し、等量のフロイント不完全アジュバント(Sigma-Aldrich.(St. Louis, MO, USA)、カタログ番号:SLBW0366)を加え、完全に乳化して、CII濃度3mg/mLのエマルジョンを調製した。
雌のルイスラットをBeijing Vital River Laboratory Animal Technology Co., Ltd.(証明書番号20200928Aazz0619000579、初期体重110~130グラム)から購入し、6匹のラットを正常群として無作為に選択し;残りのラットはすべて免疫された。0日目の初回免疫では、正常群以外のラットをイソフルラン(Hebei Yipin Pharmaceutical Co., Ltd.、ロット:C002170601)で麻酔した後、75%アルコールで消毒し、0.2mLのエマルジョンを尾の付け根に皮内注射した。7日目に2回目のチャレンジを行い、同様の方法で0.2mLのエマルジョンを皮内注射した。動物が10日目に症状を発症すると、その発生状況を綿密に監視した。免疫された動物は、13日目に1.5~1.7mlの平均足体積を有し、表3に従って無作為に群分けされ、投与された。
群分け後、正常群には投与せず、その他の群のラットには対照ビヒクル、0.25mg/kg及び4mg/kgの参照GDC-0853、並びに化合物1の各用量を、実験終了まで1日1回経口投与した。群分けと投与計画は表3に示される。
免疫後10日目に足体積を測定し、足体積の増加が検出された後、左右の後肢の体積(V)を毎日測定した。
各動物の左右の後肢の関節症の足体積を測定し、平均足体積(APV)を次の式に従って計算した:
平均足体積APV=(V+V)/2。
平均足体積に対する薬物の効果は、GraphPadによる統計分析にかけ、反復測定分散分析とそれに続くDunnettの多重比較検定を行って、p値を計算し、ここで###p<0.001は、正常群と比較して統計的に極めて有意な差があることを示し、p<0.05は、ビヒクル対照群と比較して統計的に有意な差があることを示し、そして**p<0.01は、ビヒクル対照群と比較して統計的に極めて有意な差があることを示した。投与前の各動物の平均関節症足体積をベースラインとして使用した(又は炎症の100%阻害とみなした)。各動物の平均足腫脹(APS)は以下の式に従って計算され、ここで、APVd1は投与された動物の1日目の平均足容積であり、APVdtは投与された動物のt日目の平均足容積である:
平均化された足の膨張APSdt=(APVdt-APVd1)。
平均足体積膨張の曲線下面積(AUC)は、台形法によって計算された関節症スコア膨張の曲線下面積であり、計算式は次のとおりである。
AUCAPS=1/2×(APSd1+APSd2)×(d-d)+1/2×(APSd2+APSd3)×(d-d)+・・・+1/2×(APSdn+APSd(n-1))×(ddn-dn-1)。
曲線下面積の阻害率(IRAUC)を計算する式は次のとおりである:
阻害率IRAUC%=(モデル群の平均AUCAPS-薬物処置群のAUCAPS)/(モデル群の平均AUCAPS-正常群の平均AUCAPS)×100%。
ED50は、平均足体積腫脹の曲線下面積のAUC阻害比に従って、XLfitソフトウェアによって計算される。選択されたモデルは「対数(阻害剤)対応答-可変勾配」である。
2. 結果
ルイスラットは、ウシII型コラーゲンによる最初の免疫後10日目に疾患の症状を示し始め、後肢の足体積は疾患の進行とともに徐々に増加した。ビヒクル対照群のラットの足体積の増加を正常群の足体積の増加と比較したところ、統計的に有意な差があった(###p<0.001)。GDC-0853-0.25mg/kgはラットの足体積の増加に改善効果がなく、GDC-0853-4mg/kgを投与されたラットの足体積はビヒクル対照群と比較して有意に減少した(p<0.05)。化合物1溶液の0.06、0.25、及び4mg/kg QDを1日1回経口投与すると、足の腫れが用量依存的に抑制され、曲線下面積(IRAUC)の阻害率が、それぞれ76.2%、83.1%、及び200.2%であった;そして最小有効量は0.06mg/kg/日であった。化合物1の0.25mg/kg(曲線下面積の阻害率は83.1%)と同じ用量のGDC-0853(曲線下面積の阻害率は-6.4%)の間に、及び化合物1の4mg/kg(曲線下面積の阻害率は200.2%)と同じ用量のGDC-0853(曲線下面積の阻害率は144.7%)の間に、統計的有意差があった。化合物1の0.25mg/kg及び化合物1の4mg/kgの両方が、足体積膨張の継続的な改善を有意に上昇させることができる(p<0.01、一元配置反復測定分散分析、Graphpadによる検定)。結果は図2に示されるとおりである。
実施例8 抗CD41抗体により誘発された特発性血小板減少性紫斑病に対する本発明の化合物の治療効果
1. 試験方法
雄のC57BL/6マウスをShanghai Lingchang Biotechnology Co., Ltd.から購入し(証明書番号20180003011079、初期体重18~20グラム)、表4に従って無作為に群分けし、各群に8匹のマウスとした。表4に示すようにモデル化する前に、マウスは、それぞれ異なる時間に単回用量を投与された:2000mg/kgの陽性薬物IVIg(Rongsheng、ロット番号:201604B026)の腹腔内注射、40mg/kgのPRN1008(リルラブルチニブ)、及び異なる用量の化合物1の経口投与。モデル化の際、各マウスは、2μgの抗マウスCD41抗体を含む200μLのPBS溶液(BD、カタログ番号:553487、ロット番号:7026765)を腹腔内注射された。
モデル化の8時間後と24時間後に、全血を採取し、10%クエン酸-リン酸-デキストロース-アデニン(CPDA)でコーティングした遠心管に入れ、全血中の血小板(PLT)のレベルをXT-2000i(SYSMEX)自動血液分析装置(Shanghai Laboratory Animal Research Centre Sino-British SIPPR/B & K Lab Animal Ltd)により測定した。
末梢血中の血小板の平均レベルは、Graphpad統計ソフトウェアを使用して、一元配置分散分析とそれに続くFisher LSD多重比較検定によって分析し、p値を計算した。ここで、p<0.05は、ビヒクル対照群と比較して統計的に有意な差を示し、**p<0.01はビヒクル対照群と比較して統計的に極めて有意な差を示し、##p<0.01は正常群と比較して統計的に極めて有意な差を示した。
血小板レベルの回復率(RR)は、次の式に従って計算される:
RR%=(PLT治療-PLTモデル)/(PLTナイーブ-PLTモデル)×100%。
2. 結果
抗マウスCD41抗体の腹腔内注射の8時間後に、C57BL/6マウスの末梢血中の血小板のレベルを測定した。ビヒクル対照群の平均血小板レベルは、正常群と比較して統計的に極めて有意な差があった(##p<0.01)。ビヒクル対照群と比較して、2g/kgのIVIgの腹腔内注射は血小板レベルの有意な回復(**p<0.01)を示し、血小板の回復率は54%であった。40mg/kgのPRN1008の経口投与は、ビヒクル対照群と比較して、血小板レベルの有意な回復(**p<0.01)を示し、血小板の回復率は40%であった。0.004、0.04、0.4、及び4mg/kgの化合物1溶液の単回経口投与は、抗マウスCD41抗体によって誘発された血小板減少を用量依存的に回復させ、血小板の回復率は、それぞれ25%、37%、44%、及び51%であり;最小有効用量は0.04mg/kgであった。
抗マウスCD41抗体の腹腔内注射の24時間後に、C57BL/6マウスの末梢血中の血小板のレベルを測定した。ビヒクル対照群の平均血小板レベルは、正常群と比較して統計的に極めて有意な差があった(##p<0.01)。ビヒクル対照群と比較して、2g/kgのIVIgの腹腔内注射は血小板レベルの有意な回復(**p<0.01)を示し、血小板の回復率は53%であった。40mg/kgのPRN1008の経口投与は、ビヒクル対照群と比較して、血小板レベルの有意な回復を示さず、血小板の回復率はわずか16%であった。0.004、0.04、0.4、及び4mg/kgの化合物1溶液の単回経口投与は、抗マウスCD41抗体によって誘発された血小板の減少を用量依存的に回復させ、血小板の回復率は、それぞれ5%、21%、29%、及び29%であった。結果は図3に示されるとおりである。

Claims (24)

  1. 式(I):
    の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体[式中、
    、X、及びXは、それぞれ独立してCH又はNであり;
    U及びVは、それぞれ独立してN又はCRであり;
    及びYは、それぞれ独立してCR10又はNであり;
    及びRは、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、-CN、ヒドロキシル、C1-6アルキル、3~6員シクロアルキル、C2-6アルキニル、C1-6重水素アルキル、及びC1-6ハロアルキルから選択されるか;又はR及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって3~6員シクロアルキルを形成し;
    は、水素、重水素、ハロゲン、-CN、又はC1-6ハロアルキルであり;
    は、水素、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル、C2-6アルキニル、-(C1-3アルキル)-OH、-(C1-3アルキル)-O-(C1-3アルキル)、-O-(C1-3アルキル)、-CHO、-C(O)NH、-C(O)NHCH、-C(O)N(CH、又は3-ヒドロキシル-オキセタン-3-イルであり、ここでC1-6アルキル又はC1-3アルキルは、それぞれ1つ又はそれ以上の重水素若しくはハロゲンで任意選択的に置換され;
    は、水素、C1-6アルキル、及びC3-6シクロアルキルから選択され、ここでC1-6アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素若しくはハロゲンで任意選択的に置換され;
    、Z、Z、及びZは、Z、Z、Z、及びZの少なくとも1つがNであるなら、それぞれ独立してCH又はNであり;
    及びRは、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
    は、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、-NH、-O-(C1-6アルキル)、-NH(C1-6アルキル)、又は-N(C1-6アルキル)から選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換されており;
    は、水素、重水素、又はハロゲンであり;
    10は、水素、重水素、ハロゲン、CN、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルであり;
    nは、0、1、又は2であり;ただし、nが1である場合、Rは水素ではない]。
  2. 、X、及びXが、それぞれ独立してCH又はNであり;
    U及びVが、それぞれ独立してCRであり;
    及びYが、それぞれ独立してCR10であり;
    及びRが、それぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン、-CN、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6重水素アルキル、及びC1-6ハロアルキルから選択され;
    が、水素、重水素、ハロゲン、-CN、又はC1-6ハロアルキルであり;
    が、-(C1-3アルキル)-OH、-C(O)NH、-C(O)NHCH、又は-C(O)N(CHであり、ここでC1-3アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素で任意選択的に置換されており;
    が、水素及びC1-6アルキルから選択され、ここでC1-6アルキルは、1つ又はそれ以上の重水素で任意選択的に置換され;
    、Z、Z、及びZが、それぞれ独立してCH又はNであるが、但しZ、Z、Z、及びZの少なくとも1つがNであり;
    及びRが、それぞれ独立してC1-6アルキルから選択され;
    が、水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルであり、ここでC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は4~8員ヘテロシクリルは、重水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、-OH、又は-NHから選択される1つ又はそれ以上の基で任意選択的に置換され;
    が、水素又は重水素であり;
    10が、水素又は重水素であり;
    nが、0、1、又は2であるが、但しnが1である場合、Rは水素ではない、
    請求項1に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  3. がNである、請求項1又は2に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  4. 及びXの両方がCHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  5. 及びYの両方がCR10である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  6. 10が水素である、請求項5に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  7. 及びRがそれぞれ独立してC1-6アルキルから選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  8. が水素又はハロゲンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  9. が-(C1-3アルキル)-OH又は-(C1-3重水素アルキル)-OHである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  10. が水素であり、及びRが-(C1-3アルキル)-OHである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  11. U及びVの両方がCHである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  12. がC1-6アルキルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  13. がNであり、並びにZ、Z、及びZがすべてCHである、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  14. 及びRの両方がメチルである、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  15. がオキセタニル又はテトラヒドロフラニルである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  16. が、
    である、請求項15に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  17. 以下
    から選択される、請求項1に記載の化合物若しくはその医薬的に許容し得る塩、又はその溶媒和物、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体。
  18. 請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩を含み、及び医薬的に許容し得る賦形剤を任意選択的に含む、医薬組成物。
  19. BTKに、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩の有効量を接触させることを含む、インビボ又はインビトロでBTKの活性を阻害する方法。
  20. BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するための、好ましくは自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するための医薬の製造における、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩の使用であって、
    ここで、前記炎症性疾患又は自己免疫疾患は、好ましくは全身性炎症及び局所炎症、関節炎、関節リウマチ、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶反応、アレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症、多発性硬化症、骨粗鬆症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、腎臓移植に関連する疾患、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性特発性多発神経炎、全身性エリテマトーデス、及び混合性結合組織病から選択され;
    前記癌は、好ましくはリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む固形腫瘍又は造血系腫瘍であり;
    及び前記癌は、より好ましくはB細胞悪性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、高度に攻撃的なB細胞非バーキットリンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヒト急性単球性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、有毛細胞性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)(ハイリスクCLLなど)、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、又は移植片対宿主病から選択される、上記使用。
  21. 請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩の有効量を、それを必要とする被験体に投与することを含む、被験体における疾患を治療又は予防する方法であって、
    ここで、前記疾患は、BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患であり;
    ここで、前記疾患は、好ましくは自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌であり;
    前記炎症性疾患又は自己免疫疾患は、好ましくは全身性炎症及び局所炎症、関節炎、関節リウマチ、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶反応、アレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症、多発性硬化症、骨粗鬆症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、腎臓移植に関連する疾患、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性特発性多発神経炎、全身性エリテマトーデス、及び混合性結合組織病から選択され;
    前記癌は、好ましくはリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む固形腫瘍又は造血系腫瘍であり;
    及び前記癌は、より好ましくはB細胞悪性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、高度に攻撃的なB細胞非バーキットリンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヒト急性単球性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、有毛細胞性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)(ハイリスクCLLなど)、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、又は移植片対宿主病から選択される、上記方法。
  22. 医薬として使用するための、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩。
  23. BTKによって又は少なくとも部分的にBTKによって媒介される疾患を治療又は予防するのに使用するための、及び好ましくは自己免疫疾患、炎症性疾患、又は癌を治療又は予防するのに使用するための、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩であって、ここで前記炎症性疾患又は自己免疫疾患は、好ましくは、全身性炎症及び局所炎症、関節炎、関節リウマチ、免疫抑制に関連する炎症、臓器移植片拒絶反応、アレルギー性疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、皮膚炎、喘息、エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、強皮症、多発性硬化症、骨粗鬆症、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、抗好中球細胞質抗体血管炎、慢性閉塞性肺疾患、乾癬、乾燥症候群、尋常性天疱瘡、腎臓移植に関連する疾患、自己免疫性甲状腺疾患、慢性リンパ球性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症、慢性萎縮性胃炎を伴う悪性貧血、グッドパスチャー症候群、類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、急性特発性多発神経炎、全身性エリテマトーデス、及び混合性結合組織病から選択され;
    前記癌は、好ましくはリンパ腫、白血病、及び骨髄腫を含む固形腫瘍又は造血系腫瘍であり;
    及び前記癌は、より好ましくはB細胞悪性腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)、B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、辺縁帯リンパ腫、バーキットリンパ腫、高度に攻撃的なB細胞非バーキットリンパ腫、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、小リンパ性リンパ腫(SLL)、リンパ芽球性リンパ腫、リンパ球性白血病、骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、ヒト急性単球性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、有毛細胞性白血病、慢性リンパ性白血病(CLL)(ハイリスクCLLなど)、骨髄異形成症候群、急性リンパ芽球性白血病、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、又は移植片対宿主病から選択される、上記化合物又は塩。
  24. 請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物及び/又はその医薬的に許容し得る塩と少なくとも1つの追加の治療薬とを含む医薬の組み合わせであって、ここで前記治療薬は、好ましくは抗炎症剤、免疫調節剤、又は抗腫瘍活性剤であり、ここで前記抗腫瘍活性剤は、化学療法剤、免疫チェックポイント阻害剤又はアゴニスト、及び標的化治療薬を含む、上記組合わせ。
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