JP2023541926A - 少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つの質量分析装置(110)によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法が提案される。クロマトグラムは、複数の生データ点を含む。本方法は、a)少なくとも1つの処理装置(126)によって少なくとも1つのクロマトグラムを取得するステップと、b)処理装置(126)を使用することによってクロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するステップと、c)処理装置(126)を使用することによって生データ点の残差に関する情報を決定するステップと、d)残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、処理装置(126)を使用することによって少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップであって、残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出される、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップとを含む。【選択図】図1

Description

技術分野
本発明は、少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法、処理システムおよび質量分析システムに関する。
背景技術
液体クロマトグラフィ-質量分析(LC-MS)または質量分析(MS)におけるピークの発見および評価は、一般に、正しいピークを選択または割り当てるなどのためのユーザ相互作用または専門家ユーザによる修正を必要とする。数年前から、ユーザ相互作用を低減し、したがって測定の信頼性を高めるなど、ピーク発見および評価の自動化が必要とされている。
LC-MSアッセイの場合、ピーク面積の比は、計算または検証を得るための一般的な方法である。それらは、CLSI(臨床・検査標準協会)、EMA(欧州医薬品庁)、またはGTFCh(ドイツ毒物学法化学会)などによる質量分析アッセイの検証のためのいくつかの国際ガイドラインの一部である。アッセイの品質保証のために、分析実行前に測定された添加化合物を用いた非抽出システム適合性試験は、目標値からの最小絶対ピーク面積または最大保持時間偏差などの許容要件を満たさなければならない。分析実行内で、品質管理(QC)試料は、その後に特定の頻度で試験され、計算結果が許容範囲に対してチェックされる。さらに、ピーク境界間の保持時間差によって与えられる保持時間、ピーク幅、および内部標準(ISTD)の絶対ピーク面積は、通常、各試料で監視され、最大偏差または特定のカットオフ値の許容要件を満たすべきである。単一イオン監視(SIM)が使用される場合、通常、異なる分析物の遷移のピーク面積比、2つの遷移の場合、いわゆる定量/確認比またはイオン比がさらに監視される。この定量/確認比は、通常、ピークの同一性を検証し、干渉を排除するための主推進力の1つである。理論的根拠は、異なる分析物の遷移のピーク面積比が、分析物濃度とは無関係な固定値付近で逸脱することである。1つの質量遷移クロマトグラムにおける検出アーチファクトまたは干渉は、この比の変化をもたらし、したがって検出され得る。しかしながら、この値は、(i)特定の分析物および/またはアッセイについては低いかもしれない定量/確認比の精度などのいくつかの欠点を被ることがある。さらに、(ii)異なる遷移の比は、2つの質量遷移に依存する。エピマーなどの異性体化合物が存在する場合にしばしば見られるように、双方の質量遷移クロマトグラムにおける同じ相対的な程度の干渉は、対応する質量遷移の比の変化をもたらさないが、最終結果の影響をもたらす。その結果、干渉が検出されず、見落としが誤った患者結果をもたらすことがある。さらに、(iii)いくつかの分析物アッセイは、少なくともより低い測定範囲内に特定の第2の遷移がなく、したがって、定量/確認比が利用できない場合がある。これらの場合、ガイドラインは、しばしば、監督者または検査室長などによるより高いレベルのレビューを必要とする。そのようなピークレビューによる評価は、オペレータの経験に強く依存することがあり、頻繁な手動ピークレビューは、人間の作業負荷を増加させる。これは、完全に自動化された手法にとって満足のいく選択肢ではない場合がある。したがって、干渉検出のための上述したギャップを埋め、検証のための専門家による頻繁な手動クロマトグラムのレビューを回避するための手順が望ましい。
さらに、既知の技術は、同位体パターンなどの干渉の検出のために2つ以上のm/z値からのデータを必要とすることが多い。そのようなデータは、フルスキャンデータによって達成され、単イオンまたは多反応監視(MRM)技術には適切に適用可能ではない。
M.Farooq Wahabらによる「Increasing Chromatographic Resolution for Analytical Signals Using Derivative Enhancement Approach」,2018年9月,Talanta 192,DOI:10.1016/j.talanta.2018.09.048は、ピーク面積およびその位置を維持しながら、誘導体の特性を使用したピーク評価を記載している。この技術は、分布の導関数下面積がゼロに等しいという事実に基づいている。
米国特許出願公開第2019/0096646号明細書は、データ処理部および計算部を含む質量分析データ処理装置を記載している。計算部は、ピークリストから全ピークデータ間の質量の差を計算し、差の計算に使用した2つのピークデータ間の強度の比である強度比を計算し、差強度比データを生成する。さらに、計算部は、セクションに含まれる差を有する差強度比データを取得し、取得した差強度比データの強度比の総和を計算し、差強度比分布データを計算する。
国際公開第2016/125059号パンフレットは、混合物から1つ以上の化合物について生成される強度測定値を記載している。強度トレースは、既知の化合物のプロダクトイオンを含むことが知られている測定寸法の範囲について計算される。強度値が強度トレースに対して選択される。範囲にわたる各測定点について、各強度トレースは、最小強度を有するようにスケーリングされ、共通成分プロファイルは、範囲にわたるスケーリングされた強度トレースの最小強度の輪郭として計算され、スコアは、共通成分プロファイルについて計算される。共通成分プロファイルの最大値と各測定点との間の距離を最適に最小化し、共通成分プロファイルの面積を最大化し、スケーリングされた強度トレースからの共通成分プロファイルの減算の面積を最小化する他のプロファイルのスコアと比較されるスコアを有する最適な共通成分プロファイルが選択される。
さらなる手法は、中国特許出願公開第110320297号明細書、中国特許出願公開第105334279号明細書、欧州特許出願公開第1 827 657号明細書、国際公開第2013/104004号パンフレット、中国特許出願公開第102507814号明細書、米国特許第7,904,253号明細書、欧州特許出願公開第1 879 684号明細書、米国特許第7,202,473号明細書、中国特許第1292251号明細書、Meija,J.,Caruso,J.A.「Deconvolution of isobaric interferences in mass spectra.」 J Am Soc Mass Spectrom 15,654-658(2004).https://doi.org/10.1016/j.jasms.2003.12.016およびhttps://www.genedata.com/products/expressionist/metabolomics/に記載されている。
米国特許出願公開第2019/295830号明細書は、質量分析データを圧縮するためのコンピュータ実装方法であって、分離パラメータの関数として分離装置から放出された質量流の質量分析データを複数の質量トレースに分解することであって、質量分析データが、質量分析計における分析によって生成される、分解することと、複数の質量トレースのそれぞれにイベント検出アルゴリズムを適用することによって複数の質量トレース内の誤った質量トレースを識別することと、質量トレースおよび識別された誤った質量トレースに対応する質量分析データから質量分析データの圧縮バージョンを形成することと、を含む、コンピュータ実装方法を記載している。
米国特許出願公開第2011/246092号明細書は、分析装置によって生成されたスペクトルのスペクトルピークを自動的に識別および特徴付け、スペクトルピークに関する情報をユーザに報告する方法であって、分析装置によって生成されたスペクトルを受信するステップと、ベースライン補正されたスペクトルを生成するために、スペクトルからベースラインを自動的に減算するステップと、ベースライン補正されたスペクトルにおけるスペクトルピークを自動的に検出して特徴付けるステップと、検出され特徴付けられた各スペクトルピークに関する少なくとも1項目の情報をユーザに報告するステップと、を含む方法を記載している。
解決すべき課題
したがって、本発明の目的は、既知の方法および装置の上述した欠点を回避する、少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するための方法および装置を提供することである。特に、定量/確認比などの共通パラメータが信頼性を欠く干渉およびアーチファクトを排除する方法および装置が必要とされている。これらの方法および装置は、アッセイの品質保証プロセスをさらに自動化し、専門家による手動のピークレビューを減らすべきである。
概要
この課題は、独立請求項の特徴を有する、少なくとも1つの質量分析装置によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法、処理システム、および質量分析システムによって対処される。単独で、または任意の組み合わせで実現され得る有利な実施形態は、従属請求項ならびに明細書全体に記載されている。
以下において使用される場合、用語「有する」、「備える」もしくは「含む」またはそれらの任意の文法上の変形は、非排他的な方法で使用される。したがって、これらの用語は、これらの用語によって導入される特徴に加えて、この文脈で説明されているエンティティにさらなる特徴が存在しない状況と、1つ以上の追加の特徴が存在する状況との双方を指す場合がある。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」および「AはBを含む」という表現は、双方とも、B以外に、他の要素がAに存在しない状況(すなわち、Aが単独で、且つ排他的にBからなる状況)、および、B以外に、要素C、要素CおよびD、さらにはさらなる要素など、1つ以上のさらなる要素がエンティティAに存在する状況を指す場合がある。
さらに、特徴または要素が1回または複数回存在することができることを示す「少なくとも1つ」、「1つ以上」という用語または同様の表現は、通常、それぞれの特徴または要素を導入するときに一度だけ使用されることに留意されたい。以下では、ほとんどの場合、それぞれの特徴または要素を指すとき、それぞれの特徴または要素が1回または1回を超えて存在することができるという事実にもかかわらず、「少なくとも1つ」または「1つ以上」という表現は繰り返されない。
さらに、以下において使用される場合、用語「好ましくは」、「より好ましくは」、「特に」、「より特に」、「具体的に」、「より具体的に」または同様の用語は、代替の可能性を制限することなく、任意の特徴と併せて使用される。したがって、これらの用語により導入される特徴は、任意の特徴であり、特許請求の範囲を、いかなる方法によっても制約することを意図されていない。本発明は、当業者が認識するように、代替の特徴を使用することによって実行されてもよい。同様に、「本発明の実施形態では」または同様の表現によって導入される特徴は、本発明の代替の実施形態に関するいかなる制限も伴わず、本発明の範囲に関するいかなる制限も伴わず、そのようなやり方で導入される特徴を本発明の他の任意または非任意の特徴と組み合わせる可能性に関するいかなる制限も伴わない任意の特徴であるように意図される。
本発明の第1の態様では、少なくとも1つの質量分析装置によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法が開示される。
本明細書で使用される「コンピュータ実装方法」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのコンピュータおよび/または少なくとも1つのコンピュータネットワークを含む方法を指すことができる。コンピュータおよび/またはコンピュータネットワークは、本発明にかかる方法の方法ステップのうちの少なくとも1つを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備えることができる。好ましくは、方法ステップのそれぞれは、コンピュータおよび/またはコンピュータネットワークによって実行される。本方法は、完全に自動的に、具体的にはユーザ相互作用なしに実行されてもよい。本明細書で使用される「自動的に」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのコンピュータおよび/またはコンピュータネットワークおよび/または機械によって、特に手動の動作および/またはユーザとの相互作用なしに完全に実行されるプロセスを指すことができる。
本明細書で使用される「クロマトグラム」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試料の成分を分離する分離プロセスの視覚的結果または結果を指すことができる。クロマトグラムは、少なくとも1回のクロマトグラフィ実行中に生成された経時的な強度分布を指すことができる。クロマトグラムは、x軸上に試料成分の保持時間、y軸上に強度を有するダイアグラムとすることができるか、またはそれを含むことができる。
クロマトグラムは、少なくとも1つの質量分析装置、例えば少なくとも1つの液体クロマトグラフィ質量分析装置を使用して決定されてもよい。本明細書で使用される「液体クロマトグラフィ質量分析装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、液体クロマトグラフィと質量分析との組み合わせを指すことができる。液体クロマトグラフィ質量分析装置は、少なくとも1つの高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置または少なくとも1つのマイクロ液体クロマトグラフィ(μLC)装置とすることができるか、またはそれを備えることができる。液体クロマトグラフィ質量分析装置は、液体クロマトグラフィ(LC)装置および質量分析(MS)装置を備えることができ、LC装置およびMSは、少なくとも1つのインターフェースを介して結合される。本明細書で使用される場合、「液体クロマトグラフィ(LC)装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、質量分析装置によって1つ以上の分析物を検出するために、試料の目的の1つ以上の分析物を試料の他の成分から分離するように構成された分析モジュールを指すことができる。LC装置は、少なくとも1つのLCカラムを備えることができる。例えば、LC装置は、シングルカラム型のLC装置であってもよいし、複数のLCカラムを有するマルチカラム型のLC装置であってもよい。LCカラムは、目的の分析物の分離および/または溶出および/または遷移を行うために移動相が圧送される固定相を有することができる。本明細書で使用される場合、「質量分析装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、質量電荷比に基づいて少なくとも1つの分析物を検出するように構成された質量分析器を指すことができる。質量分析装置は、少なくとも1つの四重極質量分析装置とすることができ、またはそれを備えることができる。LC装置とMSとを結合するインターフェースは、分子イオンを生成し、分子イオンを気相に遷移させるように構成された少なくとも1つのイオン化源を備えることができる。
クロマトグラムは、少なくとも1つのピークを含むことができる。本明細書で使用される「ピーク」という用語は、広義の用語であり、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は具体的には、限定されないが、クロマトグラムの少なくとも1つの極大値を指すことができる。具体的には、クロマトグラムは、少なくとも1つの信号ピークを含むことができる。「信号ピーク」という用語は、試料の目的の分析物のピークを示すために使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試験試料とも呼ばれる生物学的試料などの任意の試料を指すことができる。例えば、試料は、血液、血清、血漿、唾液、眼水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水液、粘液、滑液、腹腔液、羊水、組織、細胞などを含む生理学的液からなる群から選択されてもよい。試料は、それぞれの供給源から得られたものとして直接使用されてもよく、または前処理および/または試料調製ワークフローに供されてもよい。試料は、少なくとも1つの分析物を含むことができる。例えば、目的の分析物は、一般に、ビタミンD、依存性薬物、治療薬、ホルモン、および代謝産物とすることができる。
本明細書で使用される「干渉」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、信号ピークをその真値とは異なるものにすることがあるさらなる物質によって、すなわち、目的の分析物に加えてもたらされるクロマトグラムの特徴を指すことができる。
本明細書で使用される「アーチファクト」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、質量分析装置の故障または機能不全に起因するクロマトグラムの少なくとも1つの信号、特にピークを指すことができる。アーチファクトは、「ゴーストピーク」 と呼ばれることもある。
クロマトグラムは、複数の生データ点を含む。本明細書で使用される「生データ点」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、クロマトグラムのエントリおよび/または質量分析装置の単一の測定値を指すことができる。生データ点は、バックグラウンド減算生データなどの前処理データであってもよい。具体的には、生データ点は、以下により詳細に説明するように、ピークフィットモデリングに供されてもよい。
本方法は、例として、所与の順序で実行されてもよい以下のステップを含む。しかしながら、異なる順序も可能であることに留意されたい。さらに、1つ以上の方法ステップを1回または繰り返し実行することも可能である。さらに、2つ以上の方法ステップを同時にまたは適時に重複して実行することが可能である。本方法は、記載されていないさらなる方法ステップを含むことができる。
本方法は、
a)少なくとも1つの処理装置によって少なくとも1つのクロマトグラムを取得するステップと、
b)処理装置を使用することによってクロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するステップと、
c)処理装置を使用することによって生データ点の残差に関する情報を決定するステップと、
d)残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、処理装置を使用することによって少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップであって、残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出される、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップと
を含む。
方法のステップa)からd)は、完全に自動で、具体的には処理装置を使用して実行されてもよい。本明細書で使用される「処理装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、コンピュータまたはシステムの基本的な動作を実行するように構成された任意の論理回路、および/または一般に、計算または論理動作を実行するように構成された装置を指すことができる。特に、処理装置は、コンピュータまたはシステムを駆動する基本的な命令を処理するように構成されてもよい。例として、処理装置は、少なくとも1つの算術論理演算装置(ALU)、数値演算コプロセッサまたは数値コプロセッサなどの少なくとも1つの浮動小数点ユニット(FPU)、複数のレジスタ、具体的にはALUにオペランドを供給し、演算結果を格納するように構成されたレジスタ、L1およびL2キャッシュメモリなどのメモリを含むことができる。特に、処理装置は、マルチコアプロセッサとすることができる。具体的には、処理装置は、中央処理装置(CPU)とすることができるか、またはそれを備えることができる。追加的または代替的に、処理装置は、マイクロプロセッサとすることができるか、またはそれを備えることができ、したがって、具体的には、処理装置の要素は、1つの単一集積回路(IC)チップに含まれることができる。追加的または代替的に、処理装置は、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)および/または1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などとすることができるか、またはそれらを備えることができる。
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つのクロマトグラムを取得する」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのクロマトグラムを受信すること、ダウンロードすること、アクセスすること、決定すること、測定すること、検出すること、および記録することのうちの1つ以上を指すことができる。例えば、クロマトグラムは、検出器またはクラウドなどの少なくとも1つのデータベースからクロマトグラムをダウンロードおよび/またはアクセスすることによって取得されてもよい。例えば、方法は、ステップa)において質量分析装置を使用してクロマトグラムを測定することを含むことができる。具体的には、クロマトグラムは、少なくとも1回のクロマトグラフィ実行を実施することによって取得されてもよい。
本明細書で使用される「ピークフィットモデリング」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのフィット関数を使用したクロマトグラムまたはクロマトグラムの少なくとも1つの領域の少なくとも1つのフィット分析を指すことができる。ピークフィットモデリングは、目的の分析物のピークの識別および/または検出を含むことができる。ピークフィットモデリングは、ピーク検出、ピーク発見、ピーク識別、ピーク開始および/またはピーク終了の決定、バックグラウンドの決定、基底線の決定などのうちの1つ以上を含むことができる。
ピークフィットモデリングは、クロマトグラムに少なくとも1つのカーブフィッティング技術を適用することを含むことができる。生データ点は、ピークフィットモデリングのための入力値として使用されてもよい。ステップb)は、少なくとも1つのフィット関数を使用して生データ点を適合させることを含むことができる。ステップb)におけるピークフィットモデリングは、少なくとも1つの多項式補間、少なくとも1つの指数関数的に修正されたガウス関数、少なくとも1つのガウス-ニュートンアルゴリズム、および少なくとも1つのフーリエ変換のうちの1つ以上を適用することを含むことができる。例えば、フィッティングは、「Mathematical functions for the representation of chromatographic peaks」、Valerio B.Di Marco、G.Giorgio Bombi、Journal of Chromatography A,931(2001)1-30に記載されているような少なくとも1つのフィッティング関数を使用することを含むことができる。本方法は、最良フィット関数を決定することを含む少なくとも1つの最適化ステップを含むことができる。このいわゆる最終ピークフィットは、ステップc)における残差の情報の決定に使用されてもよい。
本方法は、特にクロマトグラムにピークフィットモデリングを適用する前に、少なくとも1つの前処理ステップを含むことができる。前処理は、クロマトグラム内の少なくとも1つの関心領域を選択すること;少なくとも1つの事前に規定された保持時間区間を選択すること;移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、離散ウェーブレットノイズ除去、Savitzky-Golay平滑化、Loess平滑化のうちの1つ以上を適用することを含む少なくとも1つの平滑化ステップ;正則化を伴う非対称加重最小二乗フィッティング、形態学的トップハットフィルタの適用、離散的または連続的ウェーブレットベースのバックグラウンド決定、移動平均最小値の決定のうちの1つ以上を含む少なくとも1つのバックグラウンド減算ステップのうちの1つ以上を含むことができる。
本発明にかかる方法は、最終ピークフィットとクロマトグラムとの間の残差に基づく読み出しによるアーチファクトおよび/または干渉の高度な検出を可能にすることができる。ピークフィットモデリングに基づいて、生データ点ごとに残差が計算されてもよい。本明細書で使用される「残差」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、クロマトグラムの位置における生データ点の値と前記位置における最終ピークフィットの値との間の差を指すことができる。
残差に関する情報は、残差、残差の平均、残差の中央値、残差の合計、残差の積、残差の積分のうちの1つ以上であってもよい。残差に関する情報の決定は、平均、中央値、合計などを決定する前に残差の絶対値を決定することを含むことができる。例えば、本方法は、時間の関数として残差の少なくとも1つの曲線を決定することを含むことができ、残差に関する情報は、残差の曲線下面積とすることができる。干渉および/またはアーチファクトのないクロマトグラムの場合、曲線下面積はゼロになる。干渉および/またはアーチファクトの場合、曲線下面積は非ゼロになる。任意に、得られた面積値は、フィットされた分析物のピーク面積に対して正規化されてもよい。
本方法は、残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することを含むことができる。本明細書で使用される「所定の閾値」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、残差の許容範囲を特徴付ける任意の閾値を指すことができる。例えば、所定の閾値は、残差の曲線の曲線下面積の許容最大値であってもよい。例えば、所定の閾値は、残差に関する情報の15%、好ましくは残差に関する情報の10%であってもよい。例えば、所定の閾値は、フィットされた分析物のピーク面積に正規化された残差の曲線下面積の許容最大値であってもよい。例えば、所定の閾値は、残差に関する情報の<10、好ましくは残差に関する情報の<5であってもよい。
残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出される。少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出された場合、クロマトグラムおよび/または試料は、さらなる分析のために拒否され得る。
米国特許出願公開第2011/246092号明細書に記載されているような既知の手法では、クロマトグラム内の全てのピークにフィットする特定のピーク形状を仮定する必要がある。残差に関する情報を使用する本発明は、クロマトグラムにおける全てのピークのピーク形状に関する知識を必要としなくてもよい。本方法は、既知の分析物のピーク形状フィットを仮定することを含むことができる。本方法は、クロマトグラムの未知の干渉ピークのピーク形状フィットを無視することを含むことができる。したがって、他の未知の干渉ピークのものを仮定する必要はない場合がある。
本方法は、クロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトの位置を決定することを含むことができる。マニュアルレビューを模倣するために、クロマトグラムのより詳細な宣言が提供されてもよい。クロマトグラムは、検出されてフィットされたピークの周りの2つ以上のセクションに分割されてもよい。例えば、本方法は、クロマトグラムを少なくとも2つのセクションに分割することを含むことができる。残差に関する情報、例えば残差の曲線下面積は、セクションごとに個別に決定されてもよい。任意に、残差セクションの得られた面積値は、フィットされた分析物のピーク面積に対して正規化されてもよい。得られた値は、干渉および/またはアーチファクトをチェック/監視するための追加の読み取り値を表すことができる。
クロマトグラムは、4つのセクションに分割されてもよい。具体的には、クロマトグラムは、ピーク開始とピーク開始から半値全幅(FWHM)を差し引いたものとの間に画定されるプレピークセクション、ピーク開始とピーク最大値との間に画定される上昇ピークセクション、保持時間とピーク終了との間に画定される下降ピークセクション、およびピーク終了とピーク終了に半値全幅を加えたものとの間に画定されるポストピークセクションに分割されてもよい。
クロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトの位置は、生データ点の残差に関する情報を決定し、かつ残差に関する情報をセクションのそれぞれについての少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって決定されてもよい。異なるセクションからの読み出しの組み合わせは、専門家による手動クロマトグラムレビューを補完または置換することができるクロマトグラムのより詳細な宣言を可能にすることができる。さらに、定量/確認比とは対照的に、読み取り値は、各質量遷移クロマトグラムに対して個別であってもよく、したがって、既知の技術の上述した欠点(i)、(ii)、および(iii)を被らない可能性がある。
さらなる態様では、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で、具体的にはプロセッサ上で実行される場合、本明細書に記載の実施形態のいずれか1つにかかる方法、具体的には方法のステップa)からd)を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムが開示される。
したがって、一般的に言えば、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本開示にかかる方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムがさらに開示および提案される。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データ媒体に記憶されてもよい。したがって、具体的には、上述したような方法ステップの1つ、2つ以上、または全ては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して、好ましくはコンピュータプログラムを使用して実行されてもよい。コンピュータは、具体的には、質量分析装置に完全にまたは部分的に統合されてもよく、コンピュータプログラムは、具体的には、ソフトウェアとして具体化されてもよい。あるいは、しかしながら、コンピュータの少なくとも一部がまた、質量分析装置の外に配置されてもよい。
例えば、上述した方法ステップのうちの1つ以上など、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、本明細書に含まれる1つ以上の実施形態において、本発明にかかる方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データキャリアに記憶されてもよい。
コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリまたはメインメモリなどのコンピュータまたはコンピュータネットワークにロードした後、本明細書に開示される1つ以上の実施形態にかかる方法、具体的には上述した方法ステップのうちの1つ以上を実行することができる、データ構造が記憶されたデータキャリアがさらに開示および提案される。
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ以上にかかる方法、具体的には上述した方法ステップのうちの1つ以上を実行するために、機械可読キャリアに記憶されたプログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品が本明細書にさらに開示および提案される。本明細書で使用される場合、コンピュータプログラム製品は、取引可能な製品としてのプログラムを指す。製品は、一般に、紙のフォーマットなどの任意のフォーマットで、またはコンピュータ可読データキャリア上に存在することができる。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワーク上で配信されてもよい。
最後に、本明細書に開示および提案されるのは、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ以上、具体的には上述した方法ステップのうちの1つ以上を実行するために、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークによって読み取り可能な命令を含む変調データ信号である。
具体的には、本明細書では、さらに以下が開示される:
- プロセッサが、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータネットワーク、
- データ構造がコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータロード可能データ構造、
- プログラムがコンピュータ上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム、
- コンピュータプログラムがコンピュータ上またはコンピュータネットワーク上で実行されている間に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するためのプログラム手段を備えるコンピュータプログラム、
- プログラム手段がコンピュータに読み取り可能な記憶媒体上に記憶された、先行する実施形態にかかるプログラム手段を備えるコンピュータプログラム、
- データ構造が記憶媒体に記憶され、データ構造がコンピュータまたはコンピュータネットワークの主記憶部および/または作業記憶部にロードされた後、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するように適合された、記憶媒体、
- コンピュータまたはコンピュータネットワーク上でプログラムコード手段が実行された場合に、本明細書に記載された実施形態のうちの1つにかかる方法を実行するために、プログラムコード手段が記憶媒体上に記憶され得、または記憶される、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
本発明のさらなる態様では、少なくとも1つの質量分析装置によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを自動検出するための処理システムが開示される。クロマトグラムは、複数の生データ点を含み、処理システムは、
- クロマトグラムを取得するように構成された少なくとも1つのデータ収集器と、
- クロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するように構成された少なくとも1つのフィッティングユニットと、
- 生データ点の残差に関する情報を決定するように構成された少なくとも1つの数学的ユニットと、
- 残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成された少なくとも1つの識別ユニットであって、識別ユニットが、残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合に少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成されている、少なくとも1つの識別ユニットと
を備える。
本明細書で使用される場合、「システム」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも2つの要素を備える装置を指すことができる。要素は、本発明にかかる方法を実行するためなどに機能的に相互作用され得る。
処理システムは、先行する実施形態のいずれか1つにかかる方法を実行するように構成されてもよい。具体的には、処理システムは、先行する実施形態のいずれか1つにかかる方法を実行するように構成された処理装置に実装されてもよい。処理システムは、方法のステップa)からd)を全自動で実行するように構成されてもよい。したがって、実施形態、本明細書で使用される用語および可能な定義については、上記の方法の説明を参照することができる。
処理システムは、コンピュータ実装可能であってもよく、および/またはハードウェアとして具現化されてもよい。本明細書で使用される場合、「コンピュータ実装可能」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、干渉および/またはアーチファクトの検出を実行するために、処理システムが、一連の、特に連続的な動作および/またはコンピューティング装置、プロセッサなどの装置を備えるという事実を指すことができる。
本明細書で使用される場合、「データ収集器」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、少なくとも1つのクロマトグラムを受信および/または記憶するように構成された少なくとも1つのデータベースを指すことができる。データ収集器は、クロマトグラムを取得するための少なくとも1つの通信インターフェースを備えることができる。
さらに本明細書で使用される場合、「フィッティングユニット」という用語は、一般に、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することによって、より好ましくは少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、上述したピークフィットモデリングの適用を実行するように適合された任意のユニットを指す。したがって、例として、少なくとも1つのフィッティングユニットは、いくつかのコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードが記憶された少なくとも1つのデータ処理装置を備えることができる。フィッティングユニットは、指定された動作の1つ以上を実行するための1つ以上のハードウェア要素を提供することができ、および/またはクロマトグラムにピークフィットモデリングを適用するために実行されるソフトウェアを1つ以上のプロセッサに提供することができる。
処理システムは、少なくとも1つのプリプロセッサをさらに備えることができる。プリプロセッサは、クロマトグラム内の少なくとも1つの関心領域を選択すること;少なくとも1つの事前に規定された保持時間区間を選択すること;移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、離散ウェーブレットノイズ除去、Savitzky-Golay平滑化、Loess平滑化のうちの1つ以上を適用することを含む少なくとも1つの平滑化ステップ;正則化を伴う非対称加重最小二乗フィッティング、形態学的トップハットフィルタの適用、離散的または連続的ウェーブレットベースのバックグラウンド決定、移動平均最小値の決定のうちの1つ以上を含む少なくとも1つのバックグラウンド減算ステップのうちの1つ以上によってクロマトグラムを前処理するように構成されてもよい。
さらに本明細書で使用する場合、「数学的ユニット」 という用語は、一般に、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することによって、より好ましくは少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、上述したように、残差の平均、残差の中央値、残差の合計、残差の積、残差の積分などの数学的演算を実行するように適合された任意のユニットを指す。したがって、例として、少なくとも1つの数学的ユニットは、いくつかのコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードが記憶された少なくとも1つのデータ処理装置を備えることができる。数学的ユニットは、指定された演算の1つ以上を実行するための1つ以上のハードウェア要素を提供することができ、および/または数学的演算のために実行されるソフトウェアを1つ以上のプロセッサに提供することができる。
本明細書で使用される「識別ユニット」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、好ましくは少なくとも1つのデータ処理装置を使用することによって、より好ましくは少なくとも1つのプロセッサおよび/または少なくとも1つの特定用途向け集積回路を使用することによって、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するための少なくとも1つの任意のユニットを指すことができる。したがって、例として、識別ユニットは、いくつかのコンピュータコマンドを含むソフトウェアコードが記憶された少なくとも1つのデータ処理装置を備えることができる。識別ユニットは、指定された動作のうちの1つ以上を実行するための1つ以上のハードウェア要素を提供することができ、および/または比較のためにその上で実行されるソフトウェアを1つ以上のプロセッサに提供することができる。
本発明のさらなる態様では、質量分析システムが開示される。
質量分析システムは、
- 少なくとも1つの質量フィルタと少なくとも1つの検出器とを備える少なくとも1つの質量分析装置と、
- 本発明にかかる少なくとも1つの処理システムと
を備える。
実施形態、本明細書で使用される用語および可能な定義については、上記の方法および処理システムの説明を参照することができる。
質量分析装置は、少なくとも1つの液体クロマトグラフィ質量分析計装置とすることができるか、またはそれを備えることができる。質量分析装置は、少なくとも1つのクロマトグラフを備えてもよい。本明細書で使用される場合、「質量フィルタ」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、試料の成分をそれらの質量に関して分離するように構成された少なくとも1つの装置を指すことができる。本明細書で使用される場合、「検出器」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、入ってくる粒子を検出し、少なくとも1つのクロマトグラムを決定するように構成された少なくとも1つの装置を指すことができる。
質量分析システムは、少なくとも1つの試料調製装置をさらに備えてもよい。本明細書で使用される場合、「試料調製装置」という用語は、広義の用語であり、当業者にとってその通常の慣習的な意味が与えられるべきであり、特別なまたはカスタマイズされた意味に限定されるべきではない。この用語は、具体的には、限定されないが、その後の分析のために試料を調製するように構成された装置を指すことができる。
本発明にかかる方法および装置は、既知の方法および装置に勝る多くの利点を提供することができる。特に、本方法および装置は、定量/確認比などの共通パラメータが信頼性に欠ける干渉およびアーチファクトに対する信頼性の高い自動排除を可能にする。これらの方法および装置は、アッセイの品質保証プロセスをさらに自動化し、専門家による手動のピークレビューを減らす。
要約すると、さらなる可能な実施形態を排除することなく、以下の実施形態を想定することができる:
実施形態1 少なくとも1つの質量分析装置によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法であって、クロマトグラムが複数の生データ点を含み、方法が、
a)少なくとも1つの処理装置によって少なくとも1つのクロマトグラムを取得するステップと、
b)処理装置を使用することによってクロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するステップと、
c)処理装置を使用することによって生データ点の残差に関する情報を決定するステップと、
d)残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、処理装置を使用することによって少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップであって、残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出される、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップと
を含む、方法。
実施形態2 方法のステップa)からd)が全自動で行われる、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態3 ステップa)において質量分析装置を使用してクロマトグラムを測定することを含む、実施形態1に記載の方法。
実施形態4 クロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトの位置を決定することを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
実施形態5 クロマトグラムを少なくとも2つのセクションに分割することを含む、先行する実施形態に記載の方法。
実施形態6 クロマトグラムが4つのセクションに分割され、クロマトグラムが、ピーク開始とピーク開始から半値全幅を差し引いたものとの間に画定されるプレピークセクション、ピーク開始とピーク最大値までの間に画定される上昇ピークセクション、保持時間とピーク終了までの間に画定される下降ピークセクション、およびピーク終了とピーク終了に半値全幅を加えたものとの間に画定されるポストピークセクションに分割される、2つの先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
実施形態7 クロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトの位置が、生データ点の残差に関する情報を決定し、かつ残差に関する情報をセクションのそれぞれについての少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって決定される、3つの先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8 残差に関する情報が、残差、残差の平均、残差の中央値、残差の合計、残差の積、残差の積分のうちの1つ以上である、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
実施形態9 ステップb)におけるピークフィットモデリングが、少なくとも1つの多項式補間、少なくとも1つの指数関数的に修正されたガウス関数、少なくとも1つのガウス-ニュートンアルゴリズム、および少なくとも1つのフーリエ変換のうちの1つ以上を適用することを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
実施形態10 クロマトグラム内の少なくとも1つの関心領域を選択すること;少なくとも1つの事前に規定された保持時間区間を選択すること;移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、離散ウェーブレットノイズ除去、Savitzky-Golay平滑化、Loess平滑化のうちの1つ以上を適用することを含む少なくとも1つの平滑化ステップ;正則化を伴う非対称加重最小二乗フィッティング、形態学的トップハットフィルタの適用、離散的または連続的ウェーブレットベースのバックグラウンド決定、移動平均最小値の決定のうちの1つ以上を含む少なくとも1つのバックグラウンド減算ステップ、のうちの1つ以上を含む少なくとも1つの前処理ステップを含む、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法。
実施形態11 コンピュータプログラムであって、プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で、具体的にはプロセッサ上で実行される場合、先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法、具体的には方法のステップa)からd)を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
実施形態12 プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、方法を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
実施形態13 少なくとも1つの質量分析装置によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを自動検出するための処理システムであって、クロマトグラムが複数の生データ点を含み、処理システムが、
- クロマトグラムを取得するように構成された少なくとも1つのデータ収集器と、
- クロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するように構成された少なくとも1つのフィッティングユニットと、
- 生データ点の残差に関する情報を決定するように構成された少なくとも1つの数学的ユニットと、
- 残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成された少なくとも1つの識別ユニットであって、識別ユニットが、残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合に少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成されている、少なくとも1つの識別ユニットと
を備える、処理システム。
実施形態14 処理システムが、方法を参照する先行する実施形態のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された処理装置に実装される、先行する実施形態に記載の処理システム。
実施形態15 質量分析システムであって、
- 少なくとも1つの質量フィルタと少なくとも1つの検出器とを備える少なくとも1つの質量分析装置と、
- 先行する実施形態のいずれか一項に記載の少なくとも1つの処理システムと
を備える、質量分析システム。
さらなる任意の特徴および実施形態は、好ましくは従属請求項と併せて、実施形態の後続の説明においてより詳細に開示される。ここで、それぞれの任意の特徴は、当業者が理解するように、独立した方式で、ならびに任意の実行可能な組み合わせで実現されてもよい。本発明の範囲は、好ましい実施形態によって限定されない。実施形態は、図に概略的に示されている。ここで、これらの図の同一の参照符号は、同一または機能的に匹敵する要素を指す。
本発明にかかる質量分析システムの実施形態を示している。 干渉の完全な分離(図2A)、共溶出の開始(図2B)、強い共溶出(図2C)、および完全な共溶出(図2D)を有する代表的なクロマトグラムを示している。 干渉の完全な分離(図2A)、共溶出の開始(図2B)、強い共溶出(図2C)、および完全な共溶出(図2D)を有する代表的なクロマトグラムを示している。 干渉の完全な分離(図2A)、共溶出の開始(図2B)、強い共溶出(図2C)、および完全な共溶出(図2D)を有する代表的なクロマトグラムを示している。 干渉の完全な分離(図2A)、共溶出の開始(図2B)、強い共溶出(図2C)、および完全な共溶出(図2D)を有する代表的なクロマトグラムを示している。 テストステロンおよびエピテストステロンの平均ピーク分解能(x軸)に依存した、セクションCおよびDの平均ピークフィット残差値(左のy軸)ならびに相対面積比(右のy軸)を示している。
実施形態の詳細な説明
図1は、本発明にかかる質量分析装置110の実施形態を非常に概略的に示している。質量分析装置110は、少なくとも1つの質量フィルタ112および少なくとも1つの検出器114を備える。質量分析装置110は、質量分析システム111の一部であってもよい。質量分析システム111は、処理システム116をさらに備える。処理システム116は、ソフトウェアとして実装されてもよく、および/または処理装置126に実装されてもよい。
質量分析装置110は、少なくとも1つの液体クロマトグラフィ質量分析計装置とすることができるか、またはそれを備えることができる。液体クロマトグラフィ質量分析装置は、少なくとも1つの高速液体クロマトグラフィ(HPLC)装置または少なくとも1つのマイクロ液体クロマトグラフィ(μLC)装置とすることができるか、またはそれを備えることができる。液体クロマトグラフィ質量分析装置は、液体クロマトグラフィ(LC)装置および質量分析(MS)装置を備えることができ、LC装置およびMSは、少なくとも1つのインターフェースを介して結合される。LC装置は、質量分析装置を用いて1つ以上の分析物を検出するために、試料の目的の1つ以上の分析物を試料の他の成分から分離するように構成されてもよい。LC装置は、少なくとも1つのLCカラムを備えることができる。例えば、LC装置は、シングルカラム型のLC装置であってもよいし、複数のLCカラムを有するマルチカラム型のLC装置であってもよい。LCカラムは、目的の分析物の分離および/または溶出および/または遷移を行うために移動相が圧送される固定相を有することができる。質量分析装置110は、質量電荷比に基づいて少なくとも1つの分析物を検出するように構成された質量分析器とすることができるか、またはそれを備えることができる。質量フィルタ112は、試料の成分をそれらの質量に関して分離するように構成されてもよい。例えば、質量分析装置110は、少なくとも1つの四重極質量分析装置とすることができるか、またはそれを備えることができる。検出器114は、入ってくる粒子を検出し、少なくとも1つのクロマトグラムを決定するように構成されてもよい。クロマトグラムは、試料の成分を分離する分離プロセスの視覚的結果または結果とすることができる。クロマトグラムは、少なくとも1回のクロマトグラフィ実行中に生成された経時的な強度分布を指すことができる。クロマトグラムは、x軸上に試料成分の保持時間、y軸上に強度を有するダイアグラムとすることができるか、またはそれを含むことができる。
クロマトグラムは、少なくとも1つのピークを含むことができる。ピークは、クロマトグラムの少なくとも1つの極大値であってもよい。具体的には、クロマトグラムは、少なくとも1つの信号ピークを含むことができる。信号ピークは、試料の目的の分析物のピークとすることができる。試料は、血液、血清、血漿、唾液、眼水晶体液、脳脊髄液、汗、尿、乳、腹水液、粘液、滑液、腹腔液、羊水、組織、細胞などを含む生理学的液からなる群から選択されてもよい。試料は、それぞれの供給源から得られたものとして直接使用されてもよく、または前処理および/または試料調製ワークフローに供されてもよい。試料は、少なくとも1つの分析物を含むことができる。例えば、目的の分析物は、一般に、ビタミンD、依存性薬物、治療薬、ホルモン、および代謝産物とすることができる。
クロマトグラムは、複数の生データ点を含む。生データ点は、クロマトグラムのエントリおよび/または質量分析装置の単一の測定値であってもよい。生データ点は、バックグラウンド減算生データなどの前処理データであってもよい。具体的には、生データ点は、ピークフィットモデリングに供されてもよい。
処理システム116は、干渉および/またはアーチファクトを検出するように構成されてもよい。処理システム116は、
- クロマトグラムを取得するように構成された少なくとも1つのデータ収集器118と、
- クロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するように構成された少なくとも1つのフィッティングユニット120と、
- 生データ点の残差に関する情報を決定するように構成された少なくとも1つの数学的ユニット122と、
- 残差に関する決定された情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成された少なくとも1つの識別ユニット124であって、識別ユニット124が、残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合に少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成されている、少なくとも1つの識別ユニット124と
を備える。
少なくとも1つのクロマトグラムを取得することは、少なくとも1つのクロマトグラムを受信すること、ダウンロードすること、アクセスすること、決定すること、測定すること、検出すること、および記録することのうちの1つ以上を含むことができる。例えば、クロマトグラムは、検出器114またはクラウドなどの少なくとも1つのデータベースからクロマトグラムをダウンロードおよび/またはアクセスすることによって取得されてもよい。例えば、取得は、質量分析装置110を使用してクロマトグラムを測定することを含むことができる。具体的には、クロマトグラムは、少なくとも1回のクロマトグラフィ実行を実施することによって取得されてもよい。
ピークフィットモデリングは、少なくとも1つのフィット関数を使用したクロマトグラムまたはクロマトグラムの少なくとも1つの領域の少なくとも1つのフィット分析を含むことができる。ピークフィットモデリングは、目的の分析物のピークの識別および/または検出を含むことができる。ピークフィットモデリングは、ピーク検出、ピーク発見、ピーク識別、ピーク開始および/またはピーク終了の決定、バックグラウンドの決定、基底線の決定などのうちの1つ以上を含むことができる。
ピークフィットモデリングは、クロマトグラムに少なくとも1つのカーブフィッティング技術を適用することを含むことができる。生データ点は、ピークフィットモデリングのための入力値として使用されてもよい。ピークフィットモデリングは、少なくとも1つのフィット関数を使用して生データ点をフィットさせることを含むことができる。ピークフィットモデリングは、少なくとも1つの多項式補間、少なくとも1つの指数関数的に修正されたガウス関数、少なくとも1つのガウス-ニュートンアルゴリズム、および少なくとも1つのフーリエ変換のうちの1つ以上を適用することを含むことができる。例えば、フィッティングは、「Mathematical functions for the representation of chromatographic peaks」、Valerio B.Di Marco、G.Giorgio Bombi、Journal of Chromatography A,931(2001)1-30に記載されているような少なくとも1つのフィッティング関数を使用することを含むことができる。本方法は、最良フィット関数を決定することを含む少なくとも1つの最適化ステップを含むことができる。このいわゆる最終ピークフィットは、残差の情報を決定するために使用されてもよい。
処理システム116は、以下のうちのために構成された少なくとも1つプリプロセッサをさらに備えることができる:クロマトグラム内の少なくとも1つの関心領域を選択すること;少なくとも1つの事前に規定された保持時間区間を選択すること;移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、離散ウェーブレットノイズ除去、Savitzky-Golay平滑化、Loess平滑化のうちの1つ以上を適用することを含む少なくとも1つの平滑化ステップ;正則化を伴う非対称加重最小二乗フィッティング、形態学的トップハットフィルタの適用、離散的または連続的ウェーブレットベースのバックグラウンド決定、移動平均最小値の決定のうちの1つ以上を含む少なくとも1つのバックグラウンド減算ステップ。
処理システム116は、最終ピークフィットとクロマトグラムとの間の残差に基づく読み出しによるアーチファクトおよび/または干渉の高度な検出を可能にすることができる。ピークフィットモデリングに基づいて、生データ点ごとに残差が計算されてもよい。残差は、クロマトグラムの位置における生データ点の値と前記位置における最終ピークフィットの値との間の差として計算されてもよい。
残差に関する情報は、残差、残差の平均、残差の中央値、残差の合計、残差の積、残差の積分のうちの1つ以上であってもよい。残差に関する情報の決定は、平均、中央値、合計などを決定する前に残差の絶対値を決定することを含むことができる。例えば、数学的ユニット122は、時間の関数として残差の少なくとも1つの曲線を決定するように構成されてもよく、残差に関する情報は、残差の曲線下面積であってもよい。干渉および/またはアーチファクトのないクロマトグラムの場合、曲線下面積はゼロになる。干渉および/またはアーチファクトの場合、曲線下面積は非ゼロになる。任意に、得られた面積値は、フィットされた分析物のピーク面積に対して正規化されてもよい。
識別ユニット124は、決定された残差に関する情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較するように構成されてもよい。所定の閾値は、残差の許容範囲を特徴付ける任意の閾値とすることができる。例えば、所定の閾値は、残差の曲線の曲線下面積の許容最大値であってもよい。例えば、所定の閾値は、残差に関する情報の15%、好ましくは残差に関する情報の10%であってもよい。例えば、所定の閾値は、フィットされた分析物のピーク面積に正規化された残差の曲線下面積の許容最大値であってもよい。例えば、所定の閾値は、残差に関する情報の<10、好ましくは残差に関する情報の<5であってもよい。
残差に関する決定された情報が所定の閾値を超える場合、少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出される。少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトが検出された場合、クロマトグラムおよび/または試料は、さらなる分析のために拒否され得る。
処理システム116は、クロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトの位置を決定することを含むことができるように構成されてもよい。マニュアルレビューを模倣するために、クロマトグラムのより詳細な宣言が提供されてもよい。クロマトグラムは、例えば、数学的ユニット122によって、検出されてフィットされたピークの周りの複数のセクションに分割されてもよい。例えば、クロマトグラムは、少なくとも2つのセクションに分割されてもよい。残差に関する情報、例えば残差の曲線下面積は、セクションごとに個別に決定されてもよい。任意に、残差セクションの得られた面積値は、フィットされた分析物のピーク面積に対して正規化されてもよい。得られた値は、干渉および/またはアーチファクトをチェック/監視するための追加の読み取り値を表すことができる。
クロマトグラムは、4つのセクションに分割されてもよい。具体的には、クロマトグラムは、ピーク開始とピーク開始から半値全幅(FWHM)を差し引いたものとの間に画定されるプレピークセクション、ピーク開始とピーク最大値との間に画定される上昇ピークセクション、保持時間とピーク終了との間に画定される下降ピークセクション、およびピーク終了とピーク終了に半値全幅を加えたものとの間に画定されるポストピークセクションに分割されてもよい。例えば、外側セクションは、プレピークセクションについてはピーク開始とピーク開始からFWHMを差し引いたものとの間、およびポストピークセクションについてはピーク終了とピーク終了にFWHMを加えたものとの間に画定されてもよい。プレピークセクションおよびポストピークセクションは、等しい範囲であってもよい。追加的または代替的に、クロマトグラムは、他の4つのセクションに分割されてもよい。例えば、プレピークセクションは、ピーク開始とピーク開始から、保持時間、すなわちピーク最大値とピーク開始との間の絶対差を差し引いたものとの間で画定されてもよい。ポストピークセクションは、ピーク終了とピーク終了に、保持時間とピーク終了との間の絶対差を加えたものとの間に画定されてもよい。外側セクションは、完全に対称的なピークについて同一であってもよく、ピークの開始および終了は、ピーク最大値から同一の距離に配置される。外側セクションは、非対称ピークについては同一でなくてもよい。
クロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトの位置は、生データ点の残差に関する情報を決定し、かつ残差に関する情報をセクションのそれぞれについての少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって決定されてもよい。異なるセクションからの読み出しの組み合わせは、専門家による手動クロマトグラムレビューを補完または置換することができるクロマトグラムのより詳細な宣言を可能にすることができる。さらに、定量/確認比とは対照的に、読み取り値は、各質量遷移クロマトグラムに対して個別であってもよく、したがって、既知の技術の上述した欠点(i)、(ii)、および(iii)を被らない可能性がある。
図2Aから図2Dは、代表的な実験結果、特に干渉の完全分離(図2A)、共溶出の開始(図2B)、強い共溶出(図2C)、および完全共溶出(図2D)を伴うクロマトグラムを示している。血清試料に、テストステロンおよびエピテストステロン、ならびに内部標準(ISTD)としてのテストステロン-d3を含有する混合物を添加した。試料を、7つの異なる方法および6つの無作為化分析反復でLC-三重四重極(QqQ)-MSによって測定した。各方法は、2つのテストステロンおよび2つのISTDテストステロン-d3の推移を測定する同じMS設定から構成されたが、LC勾配の変動があった。これらの変動は、テストステロンとエピテストステロンとの間の異なる分離能、すなわちピーク分解能をもたらし、後者は、エピテストステロンが同様の相対的な程度でテストステロンの双方の遷移において信号を生成するため、干渉を表した。
生データ点は、指数関数的に修正されたガウスフィットおよびピークフィットと各データ点について計算された生データ点との間の残差を使用して積分された。ピーク付近のクロマトグラムを4つのセクションA~Dに分割した。例えば、例えば、図3に示す実施形態で行ったように、セクションAは、ピーク開始とピーク開始から半値全幅を差し引いたものとの間に画定されるプレピークセクションであり、セクションBは、ピーク開始とピーク最大値との間、すなわち保持時間に画定される上昇ピークセクションであり、セクションCは、保持時間とピーク終了との間に画定される下降ピークセクションであり、セクションDは、ピーク終了とピーク終了にFWHMを加えたものとの間に画定されるポストピークセクションであった。プレピークセクションおよびポストピークセクションは、等しい範囲であってもよい。追加的または代替的に、図2Aから図2Dの実施形態に示すように、他の4つのセクションが選択されてもよい。図2Aから図2Dでは、プレピークセクションは、ピーク開始とピーク開始から、保持時間、すなわちピーク最大値とピーク開始との間の絶対差を差し引いたものとの間で画定されてもよい。ポストピークセクションは、ピーク終了とピーク終了に、保持時間とピーク終了との間の絶対差を加えたものとの間に画定されてもよい。外側セクションは、完全に対称的なピークについて同一であってもよく、ピークの開始および終了は、ピーク最大値から同一の距離に配置される。外側セクションは、非対称ピークについては同一でなくてもよい。
そして、残差曲線下面積が各セクションについて個別に計算され、ピーク面積に正規化した。結果への影響を推定するために、分析物およびISTDの面積比をさらに計算し、最も高いピーク分解能、すなわち分離能を有する方法で計算された面積比に関連して設定した。説明のために、図2では、特定の分離能についての代表的なクロマトグラムが示されており、図2Aは、干渉の完全分離を示し、図2Bは、共溶出の開始を示し、図2Cは、強い共溶出を示し、図2Dは、完全共溶出を示している。さらに、それぞれのセクションA~Dならびにそれらの変化の大まかな視覚的推定が与えられる(「-」=変化なし;「↑」=僅かな増加;「↑↑」=大きな増加)。
図3は、テストステロンおよびエピテストステロンの平均ピーク分解能(x軸)に依存した、セクションCおよびDの平均ピークフィット残差値(左のy軸)ならびに相対面積比(右のy軸)を示している。結果を表す面積比(右のy軸)は、1.0未満のピーク分解能で影響を受けた。この情報は、未知の濃度の試料を測定する場合、通常は知られていない。ピーク残差セクションDは、1.2未満のピーク分解能で始まり、0.6で最大値を示し、0.4で終了する影響を受けた。並行するピーク残差セクションCは、1.0未満のピーク分解能で始まり、0.4で最大値を示し、0.4から0.0の間で終わる影響を受けた。ピーク残差セクションAおよびBは、全ての方法ならびに定量/確認比について影響を受けないままであった(データは示さず)。セクションDについては<10、セクションC(左のy軸)については<5など、これらのピーク残差セクション値の特定の最大閾値では、病変面積比(右のy軸)を有する試料を、分析物テストステロンと干渉エピテストステロンとの間で0.4未満のピーク分解能まで検出することができた。これらの干渉された試料は、定量/確認比のみを監視することによって見落とされていた可能性があり、通常は専門家による手動クロマトグラムレビューによってのみ検出可能であった。
この記載された手順により、干渉および/またはアーチファクトの位置、例えば、右側または左側の干渉は、セクションAおよびB対セクションCおよびDの情報を組み合わせることによって推定されることができ、および/または分析物と干渉との間のピーク分解能は、セクションA対BまたはセクションC対Dの情報を組み合わせることによって推定されてもよい。
110 質量分析装置
111 質量分析システム
112 質量フィルタ
114 検出器
116 処理システム
118 データ収集器
120 フィッティングユニット
122 数学的ユニット
124 識別ユニット
126 処理装置

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの質量分析装置(110)によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを検出するためのコンピュータ実装方法であって、前記クロマトグラムが複数の生データ点を含み、前記方法が、
    a)少なくとも1つの処理装置(126)によって前記少なくとも1つのクロマトグラムを取得するステップと、
    b)前記処理装置(126)を使用することによって、前記クロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するステップと、
    c)前記処理装置(126)を使用することによって、前記生データ点の残差に関する情報を決定するステップと、
    d)前記残差に関する決定された前記情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、前記処理装置(126)を使用することによって、前記少なくとも1つの干渉および/または前記少なくとも1つのアーチファクトを検出するステップであって、前記残差に関する前記決定された情報が前記所定の閾値を超える場合、前記少なくとも1つの干渉および/または前記少なくとも1つのアーチファクトが検出される、ステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記方法の前記ステップa)からd)が全自動で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ステップa)において、前記質量分析装置を使用して前記クロマトグラムを測定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記クロマトグラムにおける前記少なくとも1つの干渉および/または前記少なくとも1つのアーチファクトの位置を決定するステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記クロマトグラムを少なくとも2つのセクションに分割することを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記クロマトグラムが4つのセクションに分割され、前記クロマトグラムが、ピーク開始とピーク開始から半値全幅を差し引いたものとの間で画定されるプレピークセクション、ピーク開始とピーク最大値までとの間に画定される上昇ピークセクション、保持時間とピーク終了までとの間に画定される下降ピークセクション、およびピーク終了とピーク終了に半値全幅を加えたものとの間で画定されるポストピークセクションに分割される、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記クロマトグラムにおける前記少なくとも1つの干渉および/または前記少なくとも1つのアーチファクトの前記位置が、前記生データ点の前記残差に関する前記情報を決定することによって、かつ前記残差に関する前記情報を前記セクションのそれぞれについての前記少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、決定される、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記残差に関する前記情報が、前記残差、前記残差の平均、前記残差の中央値、前記残差の合計、前記残差の積、前記残差の積分のうちの1つ以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ステップb)における前記ピークフィットモデリングが、少なくとも1つの多項式補間、少なくとも1つの指数関数的に修正されたガウス関数、少なくとも1つのガウス-ニュートンアルゴリズム、および少なくとも1つのフーリエ変換のうちの1つ以上を適用するステップを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 当該方法が、
    前記クロマトグラム内の少なくとも1つの関心領域を選択するステップと、
    少なくとも1つの事前に規定された保持時間区間を選択するステップと、
    移動平均フィルタ、ガウシアンフィルタ、離散ウェーブレットノイズ除去、Savitzky-Golay平滑化、Loess平滑化のうちの1つ以上を適用することを含む少なくとも1つの平滑化ステップと、
    正則化を伴う非対称加重最小二乗フィッティング、形態学的トップハットフィルタの適用、離散的または連続的ウェーブレットベースのバックグラウンド決定、移動平均最小値の決定のうちの1つ以上を含む少なくとも1つのバックグラウンド減算ステップと、
    のうちの1つ以上を含んだ少なくとも1つの前処理ステップを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で、具体的にはプロセッサ上で実行される場合、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法、具体的には該方法の前記ステップa)からd)を実行するためのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータプログラム。
  12. 前記プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行される場合、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するために、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品。
  13. 少なくとも1つの質量分析装置(110)によって決定される少なくとも1つのクロマトグラムにおける少なくとも1つの干渉および/または少なくとも1つのアーチファクトを自動検出するための処理システム(116)であって、前記クロマトグラムが複数の生データ点を含み、前記処理システムが、
    - 前記クロマトグラムを取得するように構成された少なくとも1つのデータ収集器(118)と、
    - 前記クロマトグラムに少なくとも1つのピークフィットモデリングを適用するように構成された少なくとも1つのフィッティングユニット(120)と、
    - 前記生データ点の残差に関する情報を決定するように構成された少なくとも1つの数学的ユニット(122)と、
    - 前記残差に関する決定された前記情報を少なくとも1つの所定の閾値と比較することによって、前記少なくとも1つの干渉および/または前記少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成された少なくとも1つの識別ユニット(124)であって、前記残差に関する前記決定された情報が前記所定の閾値を超える場合に、前記少なくとも1つの干渉および/または前記少なくとも1つのアーチファクトを検出するように構成される、少なくとも1つの識別ユニット(124)と、
    を備える、処理システム(116)。
  14. 前記処理システム(116)が、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された処理装置(126)に実装される、請求項13に記載の処理システム(116)。
  15. 質量分析システム(111)であって、
    - 少なくとも1つの質量フィルタ(112)と少なくとも1つの検出器(114)とを備える少なくとも1つの質量分析装置(110)と、
    - 請求項13または14に記載の少なくとも1つの処理システム(116)と、
    を備える、質量分析システム(111)。
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