JP2023541372A - 神経保護方法及びその使用 - Google Patents

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モニカ エム. ヤブロンスキー
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オクロセラピー リミテッド ライアビリティ カンパニー
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Abstract

本発明は、眼の神経変性の予防を必要とする対象においてそれを行う方法を対象とする。TIFF2023541372000008.tif95128

Description

本出願は、2020年08月21日に出願された米国仮特許出願第63/068,917号の優先権を主張し、その内容全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
本明細書に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載され特許請求される本発明の日付の当業者に既知の最新技術をより完全に記載するために、これらの刊行物の開示は、参照により本出願に組み込まれる。
本特許開示は、著作権保護の対象となる材料を含む。著作権所有者は、米国特許商標局の特許ファイル又は記録に掲載されている特許文書又は特許開示のいずれかによるファクシミリ複製に異議はないが、それ以外のあらゆる著作権を留保する。
政府の権益
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号R43 EY029909及びR24 EY029950に基づく政府の支援を受けて行われた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、眼の神経変性の予防を必要とする対象においてそれを行う方法を対象とする。
発明の背景
緑内障は、世界における不可逆的失明の主たる原因である。この疾患は、現在、米国において300万人を超える人々が罹患しており、寿命の増加が予測されることに伴って、この数は、2050年までに約630万人に増加する可能性がある。成人発症型緑内障には4つの主要なタイプがあり、その全てが、網膜神経節細胞(RGC)の機能不全及び/又は死の最終経路を介して視力喪失につながる。興味深いことに、緑内障の各形態は、複数の、かつ、時には異なる危険因子と関連付けられる可能性があり、RGC死(demise)につながる複数の誘発機構が存在することを示している。4つの成人発症型緑内障サブタイプのうちの3つについて、眼内圧(IOP)の上昇は、RGC死の後の視野欠損についての最も有意な予測リスク因子である。第4のサブタイプである正常眼圧緑内障は、高IOPと関連付けられておらず、RGC死を誘発する因子は、ほとんどが不明である。
成人発症型緑内障のための現在の標準治療には、点眼剤として局所送達されるIOP低下薬による治療が含まれる。現在FDA承認されている全ての緑内障薬物の主な制限は、限られた有効性である。具体的には、IOP低減は、多くの緑内障患者においてRGC死及び結果として生じる視野欠損を完全には予防しない。
本発明の一態様は、対象における緑内障を治療する方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法を対象とする。実施形態において、組成物は、眼の眼内圧(intraocular pressure;IOP)を減少させる。実施形態において、眼用組成物は、約0.001%~約1.2%のプレガバリン(PRG)を含有する。実施形態において、神経保護効果は、網膜神経節細胞(RGC)及び視神経に影響を及ぼす。実施形態において、組成物は、局所投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、対象の片眼又は両眼に投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、点眼剤を介して投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、1日1回投与される。一実施形態において、組成物は、マイクロエマルジョン(ME)製剤を含む。更なる実施形態において、マイクロエマルジョン製剤は、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす。別の実施形態において、マイクロエマルジョンは、水中油中水型(W/O/W)多相マイクロエマルジョンを含む。更なる実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、a.内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む内部相(W)と、b.外部乳化剤内に包含された、内部相を包含する中間油相(O)と、c.外部乳化剤を取り囲む外部水相(W)と、を含む。更なる実施形態において、中間油相(O)は、内部乳化剤を含む。更なる実施形態において、内部乳化剤は、Caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。一実施形態において、外部水相(W)は、外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、MEは、局所製剤として製剤化される。別の実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、油相(O)中に不溶性又は難溶性薬物を更に含む。一実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、水溶液(W)中に水溶性薬物を更に含む。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、単回用量で投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、連続的に投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回投与される。
本発明の一態様は、緑内障誘発性神経変性を予防する(例えば、それから保護する)方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法を対象とする。実施形態において、組成物は、眼の眼内圧(IOP)を減少させる。実施形態において、眼用組成物は、約0.001%~約1.2%のプレガバリン(PRG)を含有する。実施形態において、神経保護効果は、網膜神経節細胞(RGC)及び視神経に影響を及ぼす。実施形態において、組成物は、局所投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、対象の片眼又は両眼に投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、点眼剤を介して投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、1日1回投与される。一実施形態において、組成物は、マイクロエマルジョン(ME)製剤を含む。更なる実施形態において、マイクロエマルジョン製剤は、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす。別の実施形態において、マイクロエマルジョンは、水中油中水型(W/O/W)多相マイクロエマルジョンを含む。更なる実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、a.内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む内部相(W)と、b.外部乳化剤内に包含された、内部相を包含する中間油相(O)と、c.外部乳化剤を取り囲む外部水相(W)と、を含む。更なる実施形態において、中間油相(O)は、内部乳化剤を含む。更なる実施形態において、内部乳化剤は、Caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。一実施形態において、外部水相(W)は、外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、MEは、局所製剤として製剤化される。別の実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、油相(O)中に不溶性又は難溶性薬物を更に含む。一実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、水溶液(W)中に水溶性薬物を更に含む。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、単回用量で投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、連続的に投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回投与される。
本発明の一態様は、対象における視野欠損を減少させる方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法を対象とする。実施形態において、組成物は、眼の眼内圧(IOP)を減少させる。実施形態において、眼用組成物は、約0.001%~約1.2%のプレガバリン(PRG)を含有する。実施形態において、神経保護効果は、網膜神経節細胞(RGC)及び視神経に影響を及ぼす。実施形態において、組成物は、局所投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、対象の片眼又は両眼に投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、点眼剤を介して投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、1日1回投与される。一実施形態において、組成物は、マイクロエマルジョン(ME)製剤を含む。更なる実施形態において、マイクロエマルジョン製剤は、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす。別の実施形態において、マイクロエマルジョンは、水中油中水型(W/O/W)多相マイクロエマルジョンを含む。更なる実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、a.内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む内部相(W)と、b.外部乳化剤内に包含された、内部相を包含する中間油相(O)と、c.外部乳化剤を取り囲む外部水相(W)と、を含む。更なる実施形態において、中間油相(O)は、内部乳化剤を含む。更なる実施形態において、内部乳化剤は、Caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。一実施形態において、外部水相(W)は、外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、MEは、局所製剤として製剤化される。別の実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、油相(O)中に不溶性又は難溶性薬物を更に含む。一実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、水溶液(W)中に水溶性薬物を更に含む。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、単回用量で投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、連続的に投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回投与される。
本発明の一態様は、眼内圧を減少させ、眼の神経変性を予防する方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法を対象とする。実施形態において、組成物は、眼の眼内圧(IOP)を減少させる。実施形態において、眼用組成物は、約0.001%~約1.2%のプレガバリン(PRG)を含有する。実施形態において、神経保護効果は、網膜神経節細胞(RGC)及び視神経に影響を及ぼす。実施形態において、組成物は、局所投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、対象の片眼又は両眼に投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、点眼剤を介して投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、1日1回投与される。一実施形態において、組成物は、マイクロエマルジョン(ME)製剤を含む。更なる実施形態において、マイクロエマルジョン製剤は、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす。別の実施形態において、マイクロエマルジョンは、水中油中水型(W/O/W)多相マイクロエマルジョンを含む。更なる実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、a.内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む内部相(W)と、b.外部乳化剤内に包含された、内部相を包含する中間油相(O)と、c.外部乳化剤を取り囲む外部水相(W)と、を含む。更なる実施形態において、中間油相(O)は、内部乳化剤を含む。更なる実施形態において、内部乳化剤は、Caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。一実施形態において、外部水相(W)は、外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、MEは、局所製剤として製剤化される。別の実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、油相(O)中に不溶性又は難溶性薬物を更に含む。一実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、水溶液(W)中に水溶性薬物を更に含む。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、単回用量で投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、連続的に投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回投与される。
本発明の一態様は、神経保護効果の提供を必要とする対象の眼に対してそれを行う方法であって、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を対象に投与することを含む、方法を対象とする。実施形態において、組成物は、眼の眼内圧(IOP)を減少させる。実施形態において、眼用組成物は、約0.001%~約1.2%のプレガバリン(PRG)を含有する。実施形態において、神経保護効果は、網膜神経節細胞(RGC)及び視神経に影響を及ぼす。実施形態において、組成物は、局所投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、対象の片眼又は両眼に投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、点眼剤を介して投与される。更なる実施形態において、局所投与される組成物は、1日1回投与される。一実施形態において、組成物は、マイクロエマルジョン(ME)製剤を含む。更なる実施形態において、マイクロエマルジョン製剤は、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす。別の実施形態において、マイクロエマルジョンは、水中油中水型(W/O/W)多相マイクロエマルジョンを含む。更なる実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、a.内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む内部相(W)と、b.外部乳化剤内に包含された、内部相を包含する中間油相(O)と、c.外部乳化剤を取り囲む外部水相(W)と、を含む。更なる実施形態において、中間油相(O)は、内部乳化剤を含む。更なる実施形態において、内部乳化剤は、Caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。一実施形態において、外部水相(W)は、外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、MEは、局所製剤として製剤化される。別の実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、油相(O)中に不溶性又は難溶性薬物を更に含む。一実施形態において、多相マイクロエマルジョンは、水溶液(W)中に水溶性薬物を更に含む。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、単回用量で投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、連続的に投与される。実施形態において、眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤は、対象に1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回投与される。
本発明の一態様は、眼内の眼圧(intraocular eye pressure;IOP)を低下させ、かつ直接的な神経保護を提供する方法であって、Cacna2dq遺伝子によってコードされるカルシウムチャネル電位依存性α2δ1サブユニット(CACNA2D1)タンパク質を標的とする治療薬を投与することを含む、方法を対象とする。
本発明の他の目的及び利点は、次の記載から容易に明らかになるであろう。
近位Chr5上のIOP調節QTLを示す。Cacna2d1は、IOP調節遺伝子として同定された(Chintalapudi etal.Nature Communications 8,1755(2017))。 CACNA2D1が毛様体、シュレム管及び小柱網に局在することを示す(Chintalapudi etal.Nature Communications 8,1755(2017))。 CACNA2D1が網膜神経節細胞(RGC)(赤色矢印)及び神経線維層(NFL)中のそれらの軸索(白色矢印)に局在することを示す(パネルA及びB)。CACNA2D1は、視神経(ON)(黒色矢印)及び神経を取り囲むミエリン鞘(白色矢印)におけるRGC軸索束にも存在する(パネルC)。 BXD29マウスにおいて、IOP(丸)はその生涯を通じて比較的一定であるが、ONにおける軸索は早期(2~5ヶ月齢)に死滅することを示す。 B6マウスのベースラインIOP(15.83±0.73mmHg)及びBXD29マウスのベースラインIOP(16.25±0.25mmHg)が5週齢で有意に異ならないことを示す。B6とは異なり、BXD29マウスのIOPは、局所PRG-MEに応答しない(n=5マウス/条件)。 PRG-ME(四角)が、(Ibrahim,M.el al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))から改変された粘性媒体(上向きの三角形)でPRGよりも大幅に薬効を改善することを示す。 21日間にわたって1日1回PRG-ME(黒四角)を投与することにより、ブランクMEと比較してより低い生理学的範囲内にIOPが維持されることを示す。薬物耐性は、検出されない((Ibrahim,M.etal.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 MEの局所投与(21日間、毎日投与)後にPRGが網膜内(右端)に到達することを示す(Ibrahim,M.et al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 毎日PRG MEを局所投薬することにより、ONにおけるRGC軸索が変性から保護されることを示す。5週齢で(パネルA)、BXD29マウスのONは、健康である。本発明者らのPRG MEを6週間毎日局所投与した後(パネルB)、ONの構造は良好に保存され、処置前対照と同様である。著しく対照的に、ブランクMEを6週間投与したマウスからのON軸索(パネルC)は変性している。 理論に束縛されることを望むものではないが、CACNA2D1(赤色)へのPRG(プレガバリン)の結合により、カルシウムチャネルのαl孔がRGC及びそれらの軸索内へのCa2+流入を制限することを示す概略図である。 本発明者らのプレガバリンマイクロエマルジョンで60日間処置したダッチベルテッド種(Dutch belted)ウサギにおける健康な視神経を示す。 透過型電子顕微鏡(TEM)によって示されるように、PRG MEが明確な多層構造を有することを示す(Ibrahim,M.et al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 PRG ME(四角)が、(点眼剤(丸)又は水(アスタリスク)と比較して)24時間より長くPRG放出を延長することを示す。 ME合成を示すフロー図を示す。 水相を青色で示し、油相を黄褐色で示したMEのカートゥーン図を示す。 ダッチベルテッド種ウサギにおいて、PRG MEの最初の投与後、IOPが21日間の投与の間、低減されたレベルのままであったことを示す。ブランクMEを投与された眼は、上昇したベースラインIOPのままであった(Ibrahim,M.et al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 ダッチベルテッド種ウサギの眼が、21日間の投与後に健康に見えることを示す(Ibrahim,M.et al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 本発明者らのプレガバリンマイクロエマルジョンで60日間処置したウサギの視神経乳頭の最小の陥凹を示す。 プレガバリンマイクロエマルジョンで60日間処置したダッチベルテッド種ウサギの眼における陥凹/乳頭径比が0.4未満である眼底画像を示す。 損傷領域を丸で囲んだ、ナイーブダッチベルテッド種ウサギの眼神経断面の画像を示す。 ナイーブダッチベルテッド種ウサギの眼における0.7を超える陥凹/乳頭径比の画像を示す。 本発明者らのプレガバリンマイクロエマルジョンで処置したダッチベルテッド種ウサギからの眼区画におけるプレガバリン濃度を示す。 ダッチベルテッド種ウサギの処置眼とナイーブ眼との間の陥凹/乳頭径比のグラフを示す。 局所適用された水性プレガバリンが、眼内圧(IOP)を20%低下させるが、IOPは、投与後7時間までにベースラインに戻ることを示す。 ダッチベルテッド種ウサギにおいてMEを局所投与(21日間、毎日投与)した後にPRGが網膜内(緑色)に到達することを示す(Ibrahim,M.et al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 最小限のPRGが、MEの局所投与(21日間、毎日投与)後にダッチベルテッド種ウサギの他眼に到達することを示す(Ibrahim,M.et al.ACS Nano 13,13728-13744(2019))。 ダッチベルテッド種ウサギの眼へのPRG MEの最初の投与後に、IOPが60日間にわたって低減されたレベルのままであったことを示す。ブランクMEを投与された他眼は、上昇したベースラインIOPのままであった。 ダッチベルテッド種ウサギの眼が投与60日後に健康に見えることを示す。 60日間ブランクMEのみを投与されたダッチベルテッド種ウサギの他眼における陥凹/乳頭径比が0.4未満である眼底画像を示す。 ダッチベルテッド種ウサギの処置眼とナイーブ眼との間の陥凹/乳頭径比のグラフを示す。 ブランクマイクロエマルジョンで60日間処置したダッチベルテッド種ウサギの他眼における健康な視神経を示す。 ブランクマイクロエマルジョンで60日間処置したダッチベルテッド種ウサギの他眼の視神経乳頭の最小の陥凹を示す。 ナイーブダッチベルテッド種ウサギの視神経乳頭の大きく深い陥凹を示す。 一方の眼においてはブランクマイクロエマルジョンで、他眼においてはブランクマイクロエマルジョンで60日間処置したダッチベルテッド種ウサギ由来の末梢器官におけるプレガバリン濃度を示す。 BXD29マウスのIOPが、毎日の投与の6週間まで局所プレガバリンマイクロエマルジョンに応答しないことを示す。投与された眼及び投与されていない眼のIOPは、全ての時点で統計的に同一である。 図35に記載の条件下での壊死軸索数のグラフを示す(n=6マウス/条件)。 共焦点顕微鏡画像を示す。カルシウムチャネルサブユニットCACNA2D1及びCACNA2D2は、毛様体(CB)、小柱網網膜及び視神経乳頭(ONH)において発現される。1ヶ月齢の全C57B1/6Jマウスの切片を、プレガバリンカルシウム電位依存性チャネル補助サブユニットアルファ2デルタ1(CACNA2D1、赤色)及びカルシウム電位依存性チャネル補助サブユニットアルファ2デルタ2(CACNA2D2、緑色)の2つの標的について免疫標識した。核をDAPI(青色)で標識した。パネルA~C)毛様体の断面。パネルD~F)視神経乳頭を通る網膜切片。スケールバー=20mm。 免疫組織化学を使用して、網膜におけるCACNA2D1の局在を示す画像を示す。CACNA2D1タンパク質は、内網状層(IPL)及び光受容体内に見出される。 プレガバリン濃度のグラフを示す。本発明者らのMEを局所投与した後、プレガバリンは、網膜及びONに到達する。 DBウサギの眼に爆傷を生じさせるためのOBI装置を示す。 IOP測定のグラフを示す。IOPは、外傷後7週間までベースラインから変化しなかった。データは、50psiの爆風圧からである。 パターン網膜電図検査(PERG)のグラフを示す。PERG振幅は一過的に増加し、続いて外傷から2週間後に急速に減少した。データは、50psiの爆風圧からである。 陥凹/乳頭径比のグラフを示す。外傷後2週間までに、陥凹/乳頭径比は着実に増加し、これはRGC軸索の喪失を示す可能性がある。データは、50psiの爆風圧からである。 組織像を示す。IOPが上昇した9ヶ月齢のナイーブDBウサギでは、ON損傷及びONH陥凹が生じている。 組織像を示す。プレガバリンMEで2ヶ月間処置した9ヶ月齢のウサギでは、ONH陥凹のON損傷が生じていない。 顕微鏡画像を示す。RGCに負荷されたCa2+指示薬(パネルA)。RGC軸索(パネルB及びパネルCの四角)及び細胞体(パネルB及びパネルEの丸)の高倍率。軸索束(パネルD)及び個々のRGC(パネルF)におけるK誘発。Ca2+トランジェントを紫色で示す。
発明の詳細な説明
本発明の態様は、眼の神経変性の予防を必要とする対象に対してそれを行う方法に関する。
1つ以上の実施形態の詳細な説明が本明細書に提供される。しかしながら、本発明は、様々な形態で具現化され得る。したがって、本明細書に開示される特定の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、特許請求の範囲の根拠として、及び当業者に本発明を任意の適切な方法で用いるように教示するための代表的な根拠として解釈されるべきである。
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。特許請求の範囲及び/又は明細書において「含む」という用語とともに使用されるときの「1つの(a)」又は「1つの(an)」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも一致する。
「例えば」、「など」、「含む」などの句のいずれかが本明細書で使用される場合は常に、他に明確に記載されない限り、「限定することなく」という句が付随し得る。同様に、「一例」、「例示的」などは、非限定的である。
「実質的に」という用語は、意図した目的に悪影響を与えない記述語からの逸脱を可能にする。記述用語は、「実質的に」という語が明確に列挙されていなくても、「実質的に」という用語によって修飾され得る。
「含む(comprising)」及び「含む(including)」及び「有する(having)」及び「含む(involving)」(並びに同様に「含む(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」、及び「含む(involves)」)などの用語は、交換可能に使用され、同じ意味を有する。具体的には、用語の各々は、「含む(comprising)」の一般的な米国特許法の定義と一致して定義され、したがって、「少なくとも以下(at least the following)」を意味する非限定用語(open term)であると解釈され、追加の特徴、限定、態様などを除外しないとも解釈される。よって、例えば、「ステップa、b、及びcを含むプロセス」は、プロセスが少なくともステップa、b、及びcを含むことを意味する。「a」又は「an」という用語が使用されている場合は常に、そのような解釈が文脈上無意味でない限り、「1つ以上」と理解される。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、本明細書では、おおよそ、大まかに、およそ、又はその領域内を意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用される場合、それは、記載された数値の上及び下の境界を拡張することによってその範囲を変更する。一般に、「約」という用語は、本明細書では、20パーセント上又は下の(より高い又はより低い)分散によって記載された値を上回る、及び下回る数値を修飾するために使用される。
本発明の態様は、眼の神経変性を予防する(例えば、眼の神経変性から保護する)方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリン(PRG)を含む組成物を投与することを含む、方法に関する。本明細書で使用される場合、「神経変性」は、網膜神経節細胞(RGC)及び/又は視神経の死/機能不全を指すことができる。例えば、神経変性は、当業者による視野検査を使用して測定することができる。例えば、神経変性は、当業者がパターン網膜電図(pERG)を使用してRGCの機能を測定することによって定量することができる。
本発明の態様は、ニューロエンハンスメント及び/又は神経保護を提供する方法に関する。例えば、実施形態は、プレガバリン(PRG)を含む組成物を、それを必要とする対象に投与することを含むことができる。本明細書で使用される場合、「ニューロエンハンスメント」は、神経学的成分の健康又は性能の増加を指すことができる。「神経学的成分」の非限定的な例は、網膜神経節細胞、又はそれらのそれぞれの軸索及び光受容体であり得る。本明細書で使用される場合、「神経保護」という用語は、神経細胞死の予防を指すことができる。例えば、本明細書に記載されるプレガバリン含有MEの投与は、それを必要とする対象にニューロエンハンスメント及び/又は神経保護効果を提供することができる。
本発明の態様は、対象において緑内障を治療するか、又は神経保護効果を提供する方法であって、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法に関する。本発明の態様は、対象における視野欠損を減少させる方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリンPRGを含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法に関する。本発明の態様は、眼内の眼圧を減少させ、神経変性を予防する方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリンPRGを含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法に関する。本明細書中で使用される場合、用語「眼用組成物」は、眼投与のために製剤化された任意の組成物若しくは化合物、又は眼の疾患若しくは障害を処置するために使用され得る組成物若しくは化合物を指すことができる。
本明細書で使用される場合、「有効量」は、生物学的応答を生じる薬物の用量又は濃度を指すことができる。
本発明の態様は、神経保護効果の提供を必要とする対象の眼に対してそれを行う方法に関する。例えば、実施形態は、(PRG)を含む組成物を対象に投与することを含むことができる。本明細書で使用される場合、「神経保護効果」という句は、網膜神経節細胞(RGC)及び/又は視神経の死/機能不全を予防及び/又は低減することを指すことができる。例えば、神経保護効果は、当業者による視野検査を用いて測定することができる。例えば、神経保護効果は、当業者がパターン網膜電図(pERG)を使用してRGCの機能を測定することによって定量することができる。実施形態において、組成物は、神経保護効果を提供しながら、眼内の眼圧(IOP)を減少させる。実施形態において、組成物は、神経保護効果を提供するが、IOPの効果を有しない。実施形態において、神経保護効果は、IOPのいかなる変化とも無関係である。
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、物質を対象に導入することを指すことができる。例えば、鼻腔内、局所、経口、非経口、硝子体内、眼内、眼、網膜下、髄腔内、静脈内、皮下、経皮、皮内、頭蓋内などの投与を含む任意の投与経路を利用することができる。実施形態では、「投与すること」はまた、治療有効量の製剤又は医薬組成物を対象に提供することを指すことができる。本発明の製剤又は医薬化合物は、単独で投与することができるが、選択された投与経路及び標準的な医薬慣行に基づいて選択される他の化合物、賦形剤、充填剤、結合剤、担体又は他のビヒクルとともに投与することができる。投与は、滅菌水溶液若しくは非水溶液、又は生理食塩水、クリーム、ローション、カプセル、錠剤、顆粒、ペレット、粉末、懸濁液、エマルジョン若しくはマイクロエマルジョン、パッチ、ミセル、リポソーム、小胞、マイクロインプラントを含むインプラント、点眼剤、他のタンパク質及びペプチド、合成ポリマー、ミクロスフェア、ナノ粒子などを含む注射用溶液などの担体又はビヒクルを介して行うことができる。
製剤の異なる形態は、異なる個体及び単一の個体の異なるニーズの両方に適応するために修正することができる。しかしながら、製剤が、全ての個体の全ての原因に対抗する必要はない。むしろ、必要な原因に対抗することにより、製剤が、体と脳を通常の機能に修復する。その後、体と脳自体が、残りの欠陥を直す。
「治療有効量」という用語は、治療されている疾患又は状態の1つ以上の症状をある程度緩和することができる、及び/又は治療対象が発症する、又は発症するリスクのある状態又は疾患の1つ以上の症状をある程度予防することができる、投与される組成物又は医薬組成物の実施形態のその量を指すことができる。
本明細書で交換可能に使用される場合、「対象」、「個体」、又は「患者」は、脊椎動物、例えば、ヒトなどの哺乳動物を指すことができる。哺乳動物には、ネズミ、サル、ヒト、家畜、スポーツ動物、及びペットが含まれるが、これらに限定されない。「ペット」という用語は、イヌ、ネコ、モルモット、マウス、ラット、ウサギ、フェレットなどを含むことができる。家畜という用語は、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、ブタ、ウシ、ロバ、ラマ、アルパカ、シチメンチョウなどを含むことができる。
「医薬的に許容され得る賦形剤」、「医薬的に許容され得る希釈剤」、「医薬的に許容され得る担体」、又は「医薬的に許容され得るアジュバント」は、安全であり、非毒性であり、生物学的にも望ましくないものでもない医薬組成物を調製するのに有用な賦形剤、希釈剤、担体、及び/又はアジュバントを指すことができ、獣医用及び/又はヒト用医薬品の使用に許容され得る賦形剤、希釈剤、担体、及びアジュバントを含むことができる。本明細書で使用される場合、「医薬的に許容され得る賦形剤、希釈剤、担体及び/又はアジュバント」は、1つ以上のそのような賦形剤、希釈剤、担体、及びアジュバントを含むことができる。
「医薬組成物」又は「製剤」という句は、哺乳動物、特にヒトなどの対象への投与に好適な組成物又は医薬組成物を指すことができ、かつ活性剤、又は、医薬的に許容され得る担体又は賦形剤を含む成分の組み合わせを指すことができ、組成物を、インビトロ、インビボ、又はエクスビボでの診断的、治療的、又は予防的使用に好適なものにする。「医薬組成物」において、組成物が無菌であり、対象内で望ましくない応答を誘発する可能性のある汚染物質がないことを指すことができる(例えば、医薬組成物中の化合物は、医薬グレードである)。医薬組成物は、経口、鼻腔内、局所、静脈内、頬側、直腸、非経口、腹腔内、皮内、気管内、筋肉内、皮下を含む多くの異なる投与経路を介して、ステント溶出装置、カテーテル溶出装置、血管内バルーン、吸入などによって、それを必要とする対象又は患者に投与するように設計することができる。
実施形態において、方法は、組成物を局所投与することを含む。例えば、組成物は、点眼剤を介して投与される。
本発明の一態様は、組成物を1日3回超、1日約3回、1日約2回、1日約1回、2日に約1回、3日に約1回、4日に約1回、5日に約1回、6日に約1回、1週間に約1回、2週間に約1回、3週間に約1回、月に約1回、2ヶ月に約1回、3ヶ月に約1回、4ヶ月に約1回、5ヶ月に約1回、6ヶ月に約1回、7ヶ月に約1回、8ヶ月に約1回、9ヶ月に約1回、10ヶ月に約1回、11ヶ月に約1回、1年に約1回、又は1年約1回未満投与することを対象とする。
一実施形態において、組成物は、マイクロエマルジョンを含む。例えば、米国特許出願公開第2020/0383915号を参照されたい。本明細書で使用される場合、「マイクロエマルジョン」は、界面活性剤の界面膜によって安定化された1つの液相の別の液相への熱力学的に安定な分散液を指すことができる。本明細書で使用される場合、「界面活性剤」は、疎水性部分及び親水性部分を有する合成及び/又は天然に存在する両親媒性分子を指すことができる。例えば、界面活性剤は、乳化剤を指すことができる。本明細書で使用する場合、「乳化剤」は、エマルジョン及び/又はマイクロエマルジョンを安定化させる物質を指す。例えば、乳化剤は、油中水型マイクロエマルジョン(W/O)若しくは水中油型(O/W)マイクロエマルジョンを乳化若しくは安定化するための1つ以上の分子、化合物、又は成分を含む化合物を指すことができる。
一実施形態において、マイクロエマルジョンは、多層マイクロエマルジョンである。本明細書で使用される場合、「多相マイクロエマルジョン」という句は、不連続(又は中間相)として既知である1つの液体の、連続相(又は外部相)として既知である別の液体への熱力学的に安定な分散液であって、不連続相の液滴が、内部相として既知である連続相と同じ性質のより小さい液滴を含有する分散液を指すことができる。例えば、多相マイクロエマルジョンは、水中油中水型(W/O/W)マイクロエマルジョンであって、内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む不連続相(W)と、外部乳化剤内に包含された、内部相を包含する連続相油相(O)と、外部乳化剤を取り囲む連続水相(W)と、を含む。本明細書で使用される場合、「不連続相」は、連続相内に分散され、連続相と不混和性である要素を指すことができ、「中間相又は油相」と互換的に使用することができる。本明細書で使用される場合、「連続相」は、不混和相とともに分散される相を指すことができ、「外部相」と互換的に使用することができる。本明細書で使用される場合、「内部相」は、外部相と同じ性質であり、不連続相内により小さい液滴として分散された相を指すことができる。本明細書で使用される場合、「内部乳化剤」は、内部相と中間相との間の界面に位置する、3~7のHLB値を有する疎水性界面活性剤を指すことができる。本明細書で使用される場合、「外部乳化剤」は、中間相と外部相との間の界面に位置する、10より高いHLB値を有する親水性界面活性剤を指すことができる。親水性親油性バランス(HLB)は、水又は油に対する界面活性剤の親和性の程度を指すことができる。
一実施形態において、不連続油相(O)は、内部乳化剤を含む。例えば、内部乳化剤は、Caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態において、不連続油相(O)は、不溶性又は難溶性薬物を含む。
一実施形態において、水溶液(W)は、水溶性薬物を含む。
一実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。
一実施形態において、連続水相(W)は、外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、生体接着性ポリマーは、粘膜接着性ポリマーを指すことができる。
一実施形態において、マイクロエマルジョン製剤は、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす。本明細書で使用される場合、「作用持続時間」という用語は、物質が有効である時間の長さを指すことができる。例えば、マイクロエマルジョン中にPRGを入れると、PRGのIOP低下及び神経保護効果が延長される。例えば、マイクロエマルジョンを使用しないと、IOPは、約20%低下し、約8~10時間までにベースラインに戻り、マイクロエマルジョンを使用すると、IOPは、約40%低下し、投与後約30時間を超えるまでベースラインには戻らない。
任意の好適な疎水性内部乳化剤を、マイクロエマルジョン中で使用することができる。様々な非限定的な実施形態において、内部乳化剤は、プロピレングリコールモノカプリレート又は3~7の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する任意の他の表面活性剤及び/又は任意の脂肪酸のプロピレングリコールエステル、例えば、プロピレングリコールモノカプロエート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、Transcutol P、Gelucire 50/13(ステアリン酸のPEG(MW 1500)モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物)、Gelucire 44/14(ラウリン酸のPEG(MW 1500)モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物)、Gelucire 43/01(脂肪酸Cs-CisのPEG(MW 1500)モノエステル、ジエステル、トリエステルの混合物)、任意の脂肪酸の任意のPEGモノエステル、ジエステル及び/若しくはトリエステル、レシチン、卵レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、トコフェロール又は任意の他のリン脂質、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
Capryol 90は、HLB=5の界面活性剤である。その化学名は、プロピレングリコールモノカプリレート(カプリル酸のプロピレングリコールモノエステル)である。プロピレングリコールモノカプリレートの代替物は、HLB値3~7を有する任意の他の界面活性剤及び/又は任意の脂肪酸のプロピレングリコールエステル、例えば、プロピレングリコールモノカプロエート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノカプレート、プロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレートなどであり得る。
Labrasolは、HLB値=12の親水性界面活性剤である。これは、少量のモノ-、ジ-及びトリグリセリドと、主にカプリル酸及びカプリン酸のポリエチレングリコール-8(MW 400)モノエステル及びジエステルと、からなる。その化学名は、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、カプリロカプロイルマクロゴール-8グリセリド又はPEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリドである。その代替物は、HLB値(10~14)を有する任意の他の親水性界面活性剤、並びに/又は任意の脂肪酸のポリエチレングリコールモノエステル及び/若しくはジエステルであり得る。
Cremophor ELは、HLB値=14の親水性界面活性剤である。その化学名は、マクロゴールグリセロールリシノレエート、PEG-35ヒマシ油、ポリオキシル35硬化ヒマシ油、又はポリオキシル-35ヒマシ油である。代替物は、HLB値(12~16)を有する任意の他の親水性界面活性剤、並びに/又は任意の脂肪酸若しくは脂肪酸混合物のポリエチレングリコールモノエステル及び/若しくはジエステルであり得る。
レシチンは、HLB値=4~7を有する疎水性界面活性剤である。その化学名は、2-ノナノイルオキシ-3-オクタデカ-9,12-ジエノイルオキシプロポキシ)-[2-(トリメチルアザニウミル)エチル]ホスフィナートである。それは天然リン脂質の混合物であるので、その代替物は以下のうちの1つであり得る:卵レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、トコフェロール又は任意の他のリン脂質。
一実施形態において、内部乳化剤は、プロピレングリコールモノカプリレート、レシチン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
任意の好適な水溶液を、マイクロエマルジョン中で使用することができる。様々な非限定的な実施形態において、水溶液は、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される。
任意の好適な油相を、マイクロエマルジョン中で使用することができる。様々な非限定的な実施形態において、油相は、カプリル酸(C)及びカプリン酸(C10)の中鎖トリグリセリドからなる油、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチルを含むがこれらに限定されない任意の純粋な脂肪酸エステル、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸又はステアリン酸を含むがこれらに限定されない脂肪酸のエステル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、カプロン酸イソプロピル、カプリル酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、並びにヤシ油、パーム核油、大豆油、ヒマシ油、綿実油、コム油及びオリーブ油を含むがこれらに限定されない任意の天然油、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの特定の実施形態において、油相は、Labrafac lipophile WL1349(すなわち、カプリル酸及びカプリン酸のトリグリセリドエステル)を含む。
任意の好適な外部乳化剤を、ME中で使用することができる。様々な他の実施形態において、外部乳化剤は、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、マクロゴールグリセロールリシノレエート、10~16の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する任意の他の親水性界面活性剤、任意の脂肪酸若しくは脂肪酸混合物のポリエチレングリコールモノエステル及び/若しくはジエステル、プロピレングリコール、又はグリセロール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールを含むがこれらに限定されない任意の他のアルコール、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。様々な更なる実施形態において、外部乳化剤は、カプリロカプロイルポリオキシル-8グリセリド、マクロゴールグリセロールリシノレエート、プロピレングリコール、又はそれらの組み合わせを含む。
本開示のMEの様々な成分の任意の好適な組み合わせが使用され得る。一実施形態において、MEは、0.5~35%w/wの水溶液、0.5~95%w/wの油相、及び5~99%w/wの乳化剤(すなわち、内部乳化剤+外部乳化剤)を含有する。別の実施形態において、MEは、10~30%w/wの水溶液、20~40%w/wの油相、及び40~60%w/wの乳化剤を含有する。更なる実施形態において、MEは、約20%w/wの水溶液、約30%w/wの油相、及び約50%w/wの乳化剤を含有する。様々な更なる実施形態において、MEは、少なくとも0.5%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも1%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも2%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも3%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも4%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも5%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも6%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも7%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも8%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも9%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも10%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも11%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも12%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも13%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも14%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも15%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも16%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも17%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも18%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも19%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも20%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも25%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも30%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも35%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも40%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも45%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも50%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも55%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも60%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも65%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも70%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも75%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも80%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも85%w/wの水溶液を含有するか、少なくとも90%w/wの水溶液を含有するか、又は少なくとも95%w/wの水溶液を含有する。
様々な実施形態において、外部乳化剤は、内部乳化剤に対して約10:1~約2:1の比で存在する。様々な更なる実施形態において、外部乳化剤は、内部乳化剤に対して約9:1~約2:1、約8:1~約2:1、約7:1~約2:1、約6:1~約2:1、約5:1~約2:1、約4:1~約2:1、約3:1~約2:1、約10:1~約2.5:1、約9:1~約2.5:1、約8:1~約2.5:1、約7:1~約2.5:1、約6:1~約2.5:1、約5:1~約2.5:1、約4:1~約2.5:1、約3:1~約2.5:1、約10:1~約3:1、内部乳化剤に対して約9:1~約3:1、約8:1~約3:1、約7:1~約3:1、約6:1~約3:1、約5:1~約3:1、約4:1~約3:1、約10:1~約4:1、内部乳化剤に対して約9:1~約4:1、約8:1~約4:1、約7:1~約4:1、約6:1~約4:1、約5:1~約4:1、約10:1~約5:1、内部乳化剤に対して約9:1~約5:1、約8:1~約5:1、約7:1~約5:1、約6:1~約5:1の比で存在する。
一実施形態において、水溶液は、水溶性治療薬/薬物を含む。ベータ遮断薬、例えば、ベタキソロール及びチモロール;プロスタグランジン類似体、例えば、ビマトプロスト、ラタノプロスト及びトラボプロスト;アルファ-アドレナリン作動薬、例えば、ブリモニジン酒石酸塩;炭酸脱水酵素阻害剤、例えば、ブリンゾラミド、ドルゾラミド及びアセタゾラミド;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニモジピン及びプレガバリン;アシアロ、ガラクトシル化三分岐(NA3)(アシアロ三分岐複合型N-グリカンとしても既知である)、OT-551塩酸塩(1-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルシクロプロパンカルボン酸エステル塩酸塩)、ブリモニジン酒石酸塩、クリンダマイシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、オフロキサシン、トリアムシノロン、バラシクロビル、ピリメタミン、バルガンシクロビル、ガンシクロビル、アシクロビル、ホスカルネット、酢酸プレドニゾロン、ジフルプレドナート、トリアムシノロン、デキサメタゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、タクロリムス、シクロホスファミド、リバビリン、ブロムフェナク、ケトロラク、ネパフェナク、リフィテグラスト、フルビプロフェン、ジクロンフェナク、ケトチフェン、ネドクロミル、フェニレフリン、アゼラスチン、エピナスチン、ナファゾリン/フェニラミン、オロプタジン、ベポタスチン、アラカフタジン、ペミロラスト、硫酸亜鉛を含むか、若しくは含まないテトラヒドロゾリン、ヨードキサミド、ナファゾリン、フェニレフリン、クロモリン、エメダスチン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、ロラチジン、デスロラチジン、フェニルグリシン、ガバペンチン、又はそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の好適な水溶性治療薬/薬物を水溶液に組み込み得る。特定の実施形態において、水溶性薬物は、フェニルグリシン、ガバペンチン、プレガバリン及びリバビリン、又はそれらの医薬的に許容され得る塩からなる群から選択される。
医薬的に許容され得る塩としては、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、アンモニア、ジエタノールアミン及び他のヒドロキシアルキルアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、1-パラ-クロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチルベンズイミダゾール、ジエチルアミン及び他のアルキルアミン、ピペラジン、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどであるが、これらに限定されないアミン塩;リチウム、カリウム及びナトリウムなどであるが、これらに限定されないアルカリ金属塩;バリウム、カルシウム及びマグネシウムなどであるが、これらに限定されないアルカリ土類金属塩;亜鉛などであるが、これらに限定されない遷移金属塩;並びにリン酸水素ナトリウム及びリン酸二ナトリウムなどであるが、これらに限定されない他の金属塩を挙げることができるが、これらに限定されず、また、塩酸塩及び硫酸塩などであるが、これらに限定されない鉱酸の塩;並びに酢酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、酪酸塩、吉草酸塩及びフマル酸塩などであるが、これらに限定されない有機酸の塩も挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態において、水相は、ヒドロゲル(すなわち、液体成分が水若しくは水溶液、エマルジョン又は懸濁液であるゲル又は膨潤した網目構造ポリマーマトリックス)を含む。一実施形態において、ヒドロゲルは、生体接着性ポリマーを含む。一実施形態において、生体接着性ポリマーは、粘膜接着性ポリマーを含む。一実施形態において、ヒドロゲルは、粘膜接着性ポリマーを含む。ポリアクリル酸誘導体(CARBOPOL(登録商標)981などのCARBOPOL(登録商標)を含むが、これに限定されない)、アルギン酸及びその塩若しくは誘導体(アルギン酸ナトリウムを含むが、これに限定されない)、キトサン及びその誘導体、デキストラン及びその誘導体、ペクチン及びその誘導体、ゼラチン及びその誘導体、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、N-メチルピロリドン及びその誘導体、ヒアルロン酸塩及びその誘導体、ジェランガム及びその誘導体、キサンタンガム及びその誘導体、寒天及びその誘導体、グリココール酸及びその塩若しくは誘導体、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の好適な粘膜接着性ポリマーが使用され得る。特定の実施形態において、粘膜接着性ポリマーは、ポリアクリル酸誘導体(CARBOPOL(登録商標)981などのCARBOPOL(登録商標)を含むが、これに限定されない)、アルギン酸及びその塩若しくは誘導体(アルギン酸ナトリウムを含むが、これに限定されない)、キトサン及びその誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。
マイクロエマルジョンは、任意の好適な投与経路(すなわち、経口、局所、鼻腔内、非経口など)用に、マイクロエマルジョン中に負荷された水溶性治療薬の投薬単位製剤に製剤化することができる。製剤は、従来の医薬的に許容され得る担体、アジュバント及びビヒクルを含むがこれらに限定されない、投与経路に好適な任意の他の成分を含むことができる。一実施形態において、マイクロエマルジョンは、眼への送達などのための局所製剤として製剤化される。例えば、局所製剤は、点眼剤を含む。一実施形態において、マイクロエマルジョンは、注射投与用に製剤化される。
「製剤」は、製品仕様及び/又は使用条件を含む、特定の最終用途に最適な特性を提供するために選択された化合物、混合物、又は溶液の成分の任意のコレクションを指すことができる。製剤という用語は、液体、半液体、コロイド溶液、分散液、エマルジョン、マイクロエマルジョン、並びに水中油型エマルジョン及び油中水型エマルジョンを含むナノエマルジョン、ペースト、粉末、並びに懸濁液を含むことができる。製剤はまた、化粧品担体、賦形剤、結合剤及び充填剤などの他の非毒性化合物とともに含まれ得るか、又は包装され得る。例えば、許容され得る化粧品担体、賦形剤、結合剤、及び充填剤としては、化合物を経口送達に適合させ、及び/又は本発明の製剤が商業的に許容され得る貯蔵寿命を示すように安定性を提供するものを挙げることができる。
本明細書に開示されるマイクロエマルジョンは、マイクロエマルジョン小球(すなわち、滴剤)として提供され得、マイクロエマルジョン小球は、任意の好適なサイズであり得る。一実施形態において、マイクロエマルジョン小球は、直径が約1nm~約200nmである。様々な更なる実施形態において、ME小球は、直径が約1nm~約150nm、約1nm~約100nm、約1nm~約50nm、約1nm~約20nm、約1nm~約18nm、約1nm~約17nm、約5nm~約200nm、約5nm~約150nm、約5nm~約100nm、約5nm~約50nm、約5nm~約20nm、約5nm~約18nm、約5nm~約17nmである。様々な更なる実施形態において、ME小球は、直径が約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約90nm、約95nm、約100nm、約110nm、約120nm、約130nm、約140nm、約150nm、約160nm、約170nm、約180nm、約190又は約200nmである。他の実施形態において、ME小球は、直径が少なくとも約1nm、少なくとも2nm、少なくとも3nm、少なくとも4nm、少なくとも5nm、少なくとも6nm、少なくとも7nm、少なくとも8nm、少なくとも9nm、少なくとも10nm、少なくとも15nm、少なくとも20nm、少なくとも25nm、少なくとも30nm、少なくとも35nm、少なくとも40nm、少なくとも45nm、少なくとも50nm、少なくとも55nm、少なくとも60nm、少なくとも65nm、少なくとも70nm、少なくとも75nm、少なくとも80nm、少なくとも90nm、少なくとも95nm、少なくとも100nm、少なくとも110nm、少なくとも120nm、少なくとも130nm、少なくとも140nm、少なくとも150nm、少なくとも160nm、少なくとも170nm、少なくとも180nm、少なくとも190又は少なくとも200nmである。
別の態様では、眼疾患を治療するため、又は神経保護効果を提供するための方法が提供される。例えば、実施形態は、眼疾患を治療するか又は神経保護効果を提供するのに有効な量の、本明細書に記載される任意の実施形態又は実施形態の組み合わせのMEを、それを必要とする対象に投与することを含むことができ、水溶液は、眼疾患を治療するか又は神経保護効果を提供することができる水溶性治療薬を含む。様々な実施形態において、本方法は、眼内圧(IOP)を低減させる、緑内障を治療する、緑内障誘発性神経変性を予防する、視野欠損を減少させる、神経変性を予防する、及び神経保護効果を提供するためのものであり、本明細書に記載の任意の実施形態若しくは実施形態の組み合わせのMEの眼内圧上昇、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損、及び/又は神経変性を有する対象に投与することを含み、水溶液は、IOPを低減させる、緑内障を治療する、緑内障誘発性神経変性を予防する、視野欠損を減少させる、神経変性を予防する、及び神経保護効果を提供することができる水溶性治療薬を含む。様々な実施形態において、IOPを低減させる、加齢性黄斑変性症を治療する、緑内障を治療する、緑内障誘発性神経変性を予防する、視野欠損を減少させる、神経変性を予防する、及び神経保護効果を提供することができる水溶性治療薬は、ベタキソロール及びチモロールなどのベータ遮断薬;プロスタグランジン類似体、例えばビマトプロスト、ラタノプロスト及びトラボプロスト;アルファ-アドレナリン作動薬、例えばブリモニジン酒石酸塩;炭酸脱水酵素阻害剤、例えばブリンゾラミド、ドルゾラミド及びアセタゾラミド;カルシウムチャネル遮断薬、例えばニモジピン及びプレガバリン;アシアロ、ガラクトシル化三分岐(NA3)(アシアロ三分岐複合型N-グリカンとしても既知である)、OT-551塩酸塩(1-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニルシクロプロパンカルボン酸エステル塩酸塩)、ブリモニジン酒石酸塩、クリンダマイシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、オフロキサシン、トリアムシノロン、バラシクロビル、ピリメタミン、バルガンシクロビル、ガンシクロビル、アシクロビル、ホスカルネット、酢酸プレドニゾロン、ジフルプレドナート、トリアムシノロン、デキサメタゾン、メトトレキサート、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロスポリン、タクロリムス、シクロホスファミド、リバビリン、ブロムフェナク、ケトロラク、ネパフェナク、リフィテグラスト、フルビプロフェン、ジクロンフェナク、ケトチフェン、ネドクロミル、フェニレフリン、アゼラスチン、エピナスチン、ナファゾリン/フェニラミン、オロプタジン、ベポタスチン、アラカフタジン、ペミロラスト、硫酸亜鉛を含むか、若しくは含まないテトラヒドロゾリン、ヨードキサミド、ナファゾリン、フェニレフリン、クロモリン、エメダスチン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、ロラチジン、デスロラチジン、フェニルグリシン、ガバペンチン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の実施形態において、IOPを低減させる、緑内障を治療する、緑内障誘発性神経変性を予防する、視野欠損を減少させる、神経変性を予防する、及び神経保護効果を提供することができる水溶性薬物は、フェニルグリシン、ガバペンチン、プレガバリン及びリバビリン、又はそれらの医薬的に許容され得る塩からなる群から選択される。特定の一実施形態において、IOPを低減させる、緑内障を治療する、緑内障誘発性神経変性を予防する、視野欠損を減少させる、神経変性を予防する、及び神経保護効果を提供することができる水溶性薬物は、プレガバリンであり、プレガバリンは、マイクロエマルジョン中にME%w/wの約0.2%~約2%で存在する。更なる実施形態において、プレガバリンは、MEの%w/wの約0.2%~約1.5%、約0.2%~約1%、約2%~約0.75%、約0.3%~約2%、約0.3%~約1.5%、約0.3%~約1%、約0.3%~約0.75%、約0.4%~約2%、約0.4%~約1.5%、約0.4%~約1%、約0.4%~約0.75%、約0.5%~約2%、約0.5%~約1.5%、約0.5%~約1%、約0.5%~約0.75%、約0.2%~約0.6%、約0.3%~約0.6%、約0.4%~約0.6%、約0.5%~約0.6%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、又は約0.6%でME中に存在する。本明細書に記載されるMEは、任意の水溶性治療候補のための優れた薬物送達系である。
本明細書で使用される場合、「治療」及び「治療すること」は、状態、疾患又は障害と闘う目的で、疾患又は障害の症状のうちの1つ以上が改善されたか、又は他の方法で有益に変化する任意の方法で、対象者の管理及びケアを指すことができる。この用語は、症状若しくは合併症を軽減若しくは緩和する;状態、疾患、若しくは障害の進行を遅延させる;状態、疾患、若しくは障害を治癒若しくは排除する;及び/又は状態、疾患、若しくは障害を予防する目的のための活性化合物の投与など、患者が罹患している所与の状態のための全範囲の治療を含むことができ、ここで、「予防すること」又は「予防」は、状態、疾患、又は障害の発症を妨げる目的での患者の管理及びケアを指し得、症状又は合併症の発症のリスクを予防又は低減するための活性化合物の投与を含むことができる。当業者は、病理の発達を評価するために様々な方法論及びアッセイを使用できることを理解し、同様に、病態、ドライブウェイ、又は退行を低減するために様々な方法論及びアッセイを使用することができる。例えば、本明細書に記載の方法は、神経変性又は損傷に対する治療を提供することができる。
本明細書で使用される場合、「予防する」という用語は、疾患のリスクがあり得るが、まだ疾患を有すると診断されていない対象において、疾患、障害、又は状態が発生するのを予防することを指すことができる。予防(及び予防するための有効用量)は、人口調査で実証することができる。例えば、所与の疾患又は状態を予防するのに有効な量は、未治療のコントロール集団と比較して、治療された集団における発生率を低減するのに有効な量である。
この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される水溶性薬物は、これらの症候群のうちの1つ以上に罹患している患者において、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%又は少なくとも95%、IOPを低減させる、及び/又は緑内障(POAGを含む)を治療する、緑内障誘発性神経変性から保護する、視野欠損を減少させる、神経変性から保護する、及び神経保護効果を提供するために使用される。この実施形態の更に他の態様では、本明細書に開示される水溶性薬物は、これらの症候群のうちの1つに罹患している患者において、例えば、約5%~約100%、約10%~約100%、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%、約10%~約80%、約20%~約80%、約30%~約80%、約40%~約80%、約50%~約80%、又は約60%~約80%、約10%~約70%、約20%~約70%、約30%~約70%、約40%~約70%、又は約50%~約70%から、IOPを低減させる、及び/又は緑内障を治療する、緑内障誘発性神経変性から保護する、緑内障誘発性神経変性から保護する、視野欠損を減少させる、神経変性から保護する、及び神経保護効果を提供する。
本明細書に開示されるマイクロエマルジョンは、個体への慣習的な投与を可能にするのに十分な量で水溶性薬物を含むことができる。この実施形態の態様では、本明細書に開示されるMEは、例えば、少なくとも0.001%w/w、少なくとも0.002%w/w、少なくとも0.003%w/w、少なくとも0.004%w/w、少なくとも0.005%w/w、少なくとも0.006%w/w、少なくとも0.007%w/w、少なくとも0.008%w/w、少なくとも0.009%w/w、少なくとも0.01%w/w、少なくとも0.02%w/w、少なくとも0.03%w/w、少なくとも0.04%w/w、少なくとも0.05%w/w、少なくとも0.06%w/w、少なくとも0.07%w/w、少なくとも0.08%w/w、少なくとも0.09%w/w、少なくとも0.1%w/w、少なくとも0.2%w/w、少なくとも0.3%w/w、少なくとも0.4%w/w、0.5%w/w、少なくとも0.6%w/w、少なくとも0.7%w/w、少なくとも0.8%w/w、少なくとも0.9%w/w、少なくとも1.0%w/w、少なくとも1.1%w/w、少なくとも1.2%w/wの水溶性薬物を含み得る。この実施形態の更に他の態様において、本明細書に開示されるMEは、例えば、約0.001%w/w~約1.2%w/w、約0.001%w/w~約1.1%w/w、約0.001%w/w~約1.0%w/w、約0.001%w/w~約0.9%w/w、約0.001%w/w~約0.8%w/w、約0.3%w/w~約1.2%w/w、約0.3%w/w~約1.1%w/w、約0.3%w/w~約1.0%w/w、約0.3%w/w~約0.9%w/w、約0.3%w/w~約0.8%w/w、約0.4%w/w~約1%w/w、約0.4%w/w~約0.9%w/w、約0.4%w/w~約0.8%w/w、約0.4%w/w~約0.7%w/w、約0.5%w/w~約1.0%w/w、約0.5%w/w~約0.9%w/w、約0.5%w/w~約0.8%w/w、約0.5%w/w~約0.7%w/w、約0.55%w/w~約0.8%w/w、又は約0.55%w/w~約0.7%w/wの水溶性薬物を含み得る。
本明細書に開示されるME中の本明細書に開示される水溶性薬物の最終濃度は、所望の任意の濃度であり得る。この実施形態の一態様において、マイクロエマルジョン中の水溶性薬物の最終濃度は、治療有効量であり得る。この実施形態の他の態様では、ME中の水溶性薬物の最終濃度は、例えば、少なくとも0.001%w/w、少なくとも0.002%w/w、少なくとも0.003%w/w、少なくとも0.004%w/w、少なくとも0.005%w/w、少なくとも0.006%w/w、少なくとも0.007%w/w、少なくとも0.008%w/w、少なくとも0.009%w/w、少なくとも0.01%w/w、少なくとも0.02%w/w、少なくとも0.03%w/w、少なくとも0.04%w/w、少なくとも0.05%w/w、少なくとも0.06%w/w、少なくとも0.07%w/w、少なくとも0.08%w/w、少なくとも0.09%w/w、少なくとも0.1%w/w、少なくとも0.2%w/w、少なくとも0.3%w/w、少なくとも0.4%w/w、0.5%w/w、少なくとも0.6%w/w、少なくとも0.7%w/w、少なくとも0.8%w/w、少なくとも0.9%w/w、少なくとも1.0%w/w、少なくとも1.1%w/w、少なくとも1.2%w/wであり得る。この実施形態の他の態様において、ME中の本明細書に開示される水溶性薬物の濃度は、例えば、多くとも0.3%w/w、多くとも0.4%w/w、多くとも0.5%w/w、多くとも0.6%w/w、多くとも0.7%w/w、多くとも0.8%w/w、多くとも0.9%w/w、多くとも1.0%w/w、多くとも1.1%w/w、又は多くとも1.2%w/wであり得る。この実施形態の他の態様では、ME中の水溶性薬物の最終濃度は、例えば、約0.001%w/w~約1.2%w/w、約0.001%w/w~約1.1%w/w、約0.001%w/w~約1.0%w/w、約0.001%w/w~約0.9%w/w、約0.001%w/w~約0.8%w/w、約0.3%w/w~約1.2%w/w、約0.3%w/w~約1.1%w/w、約0.3%w/w~約1.0%w/w、約0.3%w/w~約0.9%w/w、約0.3%w/w~約0.8%w/w、約0.4%w/w~約1%w/w、約0.4%w/w~約0.9%w/w、約0.4%w/w~約0.8%w/w、約0.4%w/w~約0.7%w/w、約0.5%w/w~約1.0%w/w、約0.5%w/w~約0.9%w/w、約0.5%w/w~約0.8%w/w、約0.5%w/w~約0.7%w/w、約0.55%w/w~約0.8%w/w、又は約0.55%w/w~約0.7%w/wであり得る。
本明細書で使用される場合、「治療する」又は「治療すること」は、以下のうちの1つ以上を達成することを指すことができる:(a)障害の重症度を低減すること;(b)治療される障害に特徴的な症状の発症を制限又は予防すること;(c)治療される障害に特徴的な症状の悪化を阻害すること;(d)以前に障害を有していた患者における障害の再発を制限又は予防すること;(e)以前に障害に対して症候性であった患者における症状の再発を制限又は予防すること。特定の実施形態は、部分的に、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性に罹患している個体を治療することを開示する。これらの実施形態において、治療することとは、個体において、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/若しくは神経変性の臨床症状を低減若しくは排除すること;又は個体において、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/若しくは神経変性の臨床症状の発症を遅延若しくは予防することを指し得る。例えば、「治療すること」という用語は、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性を特徴とする状態の症状を、例えば、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%低減することを指すことができる。IOP、緑内障、加齢性黄斑変性症(AMD)、ブドウ膜炎、及び/又は結膜炎に関連付けられた実際の症状は周知であり、これらの症候群のそれぞれに関連付けられた様々な因子を考慮することによって当業者によって判定することができる。当業者は、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性に関連する適切な症状又は指標を知っており、個体が本明細書に開示されるような治療の候補であるかどうかを判定する方法を知っているであろう。
様々な実施形態において、治療有効量の本明細書に開示される水溶性薬物は、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性に関連付けられた症状を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%低減させる。他の実施形態において、治療有効量の本明細書に開示される水溶性薬物は、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、減少した視野欠損、及び/又は神経変性に関連付けられた症状を、例えば、多くとも10%、多くとも15%、多くとも20%、多くとも25%、多くとも30%、多くとも35%、多くとも40%、多くとも45%、多くとも50%、多くとも55%、多くとも60%、多くとも65%、多くとも70%、多くとも75%、多くとも80%、多くとも85%、多くとも90%、多くとも95%、又は多くとも100%低減させる。更に他の実施形態において、治療有効量の本明細書に開示される水溶性薬物は、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性に関連付けられた症状を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約20%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、又は約30%~約50%低減させる。
本明細書に開示される方法における使用のための治療薬(例えば、マイクロエマルジョン)は、担当医療従事者によって適切であるとみなされるように、例えば、本明細書に記載されるような投与経路によって投与され得る。一実施形態において、本明細書に開示される方法において使用するための治療薬(マイクロエマルジョンなど)は、対象の片眼又は両眼に投与される。別の実施形態において、投与は、1日1回行われる。投与は、単回投与又は累積(連続投与)であり得、当業者によって容易に決定され得る。例えば、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性の治療、並びに神経保護効果の提供は、本明細書に開示される水溶性薬物を含有するMEの有効用量の1回投与を含み得る。別の実施形態において、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性の治療、並びに神経保護効果の提供は、例えば、1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回など、ある範囲の期間にわたって実施される水溶性薬物を含有するマイクロエマルジョンの有効用量の複数回投与を含むことができる。投与のタイミングは、個体の症状の重症度のような因子に応じて、個体間で変化し得る。例えば、本明細書に開示される水溶性薬物を含有するMEの有効用量は、無期限に、又は個体がもはや治療を必要としなくなるまで、1日1回、個体に投与することができる。当業者は、個体の状態が治療の過程を通して監視され得ること、及び投与される本明細書中に開示される水溶性薬物を含有するMEの有効量がそれに応じて調節され得ることを認識するであろう。
更なる実施形態において、本発明の水溶性薬物及びその誘導体は、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、23時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月又はそれ以上の半減期を有する。
一実施形態において、IOP、緑内障、緑内障誘発性神経変性、視野欠損の減少、及び/又は神経変性の治療並びに神経保護効果の提供のための治療薬の投与期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれ以上である。更なる実施形態において、投与期間の間に投与が停止される期間は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、又はそれ以上である。
様々な実施形態において、本明細書に開示される水溶性薬物を含有する、治療有効量のMEは、個体の眼内の眼内圧(IOP)を、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも100%低減させる。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される水溶性薬物を含有する、治療有効量のMEは、個体の眼内の内圧を、例えば、多くとも10%、多くとも15%、多くとも20%、多くとも25%、多くとも30%、多くとも35%、多くとも40%、多くとも45%、多くとも50%、多くとも55%、多くとも60%、多くとも65%、多くとも70%、多くとも75%、多くとも80%、多くとも85%、多くとも90%、多くとも95%、又は多くとも100%低減させる。この実施形態の更に他の態様では、本明細書に開示される水溶性薬物を含有する、治療有効量のMEは、個体の眼内の内圧を、例えば、約10%~約100%、約10%~約90%、約10%~約80%、約10%~約70%、約10%~約60%、約10%~約50%、約10%~約40%、約20%~約100%、約20%~約90%、約20%~約80%、約20%~約20%、約20%~約60%、約20%~約50%、約20%~約40%、約30%~約100%、約30%~約90%、約30%~約80%、約30%~約70%、約30%~約60%、又は約30%~約50%低減させる。
実施形態において、本明細書に開示される水溶性薬物を含有する、治療有効量のマイクロエマルジョンは、低用量、中用量、又は高用量で投与される。本明細書で使用される場合、「用量」とは、生物学的応答を生じるのに有効な化合物又は組成物の量(例えば、生物学的応答を生じるのに有効なプレガバリン又はプレガバリンを含むマイクロエマルジョンの量)を指すことができる。例えば、用量は、約0.1%の化合物、約0.2%の化合物、約0.3%の化合物、約0.4%の化合物、約0.5%の化合物、約0.6%の化合物、約0.7%の化合物、約0.8%の化合物、約0.9%の化合物、約1%の化合物、約2%の化合物、約3%の化合物、約4%の化合物、約5%の化合物、約10%の化合物、又は10%を超える化合物を含む組成物を指すことができる。実施形態において、用量は、約0.6%のプレガバリンであり得る。例えば、用量は、約0.6%のプレガバリンを含むマイクロエマルジョンであり得る。「中用量」は、例えば、低用量の約3倍を指すことができる。高用量は、例えば、低用量の約10倍、又は低用量の約10倍超を指すことができる。
本明細書で使用する場合、互換的に使用される「対象」、「個体」、又は「患者」という用語は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、トリ、ブタ、ウマ、家畜(例えば、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウシ)、霊長類、又はヒトなどの哺乳動物を含む任意の動物を指すことができる。特定の実施形態において、対象、個体又は患者は、ヒトである。マイクロエマルジョン及び水溶性薬物を含む医薬組成物が、対象に投与される。例えば、治療の候補である任意の対象は、ある形態のIOP、緑内障、加齢性黄斑変性症(AMD)、ブドウ膜炎、眼外傷、遺伝性網膜変性、及び/又は結膜炎を有する候補である。術前評価は、手順の全ての関連するリスク及び利益を開示する完全なインフォームドコンセントに加えて、日常的な病歴及び身体検査を含む。
本明細書に開示される方法における使用のための治療薬含有マイクロエマルジョンは、経口、静脈内、眼内、膣内、肛門内、皮下、頭蓋内、局所、筋肉内、経腸又は非経口投与経路を含むが、これらに限定されない任意の好適な経路用に製剤化され、かつこれらを介して投与され得る。実施形態において、治療薬含有MEは、眼又は目への(ocular or optic)適用(点眼剤として製剤化されることを含むがこれに限定されない)のための局所的投与、鼻腔内投与、様々な全身疾患のための経口、全身疾患のための経皮適用、及び様々な皮膚障害のための局所的投与のために製剤化され、かつこれらを介して投与され得る。本明細書に記載されるMEはまた、単一のME中に、小分子及びペプチドを含むがこれらに限定されない、任意のタイプの1つ以上の水溶性化合物を組み込むための薬物送達系として使用され得る。
マイクロエマルジョンの調製は、意図される用途に適した任意の好適な条件下で実施することができる。非限定的な一実施形態において、水溶性薬物を医薬的に許容され得る溶媒中に完全に溶解させるために、マイクロエマルジョンの調製を室温で行うことができる。しかしながら、本方法の他の実施形態において、マイクロエマルジョンの調製は、室温より高い温度で実施することができる。この実施形態の態様では、MEの調製は、例えば、21℃超、25℃超、30℃超、35℃超若しくは37℃超、40℃超、42℃超、45℃超、50℃超、55℃超、又は60℃超の温度で実施され得る。この実施形態の態様では、MEの調製は、例えば、約20℃~約30℃、約25℃~約35℃、約30℃~約40℃、約35℃~約45℃、約40℃~約50℃、約45℃~約55℃、又は約50℃~約60℃の温度で実施され得る。特定の場合において、MEの調製は、治療薬が溶媒中に完全に溶解することを可能にするために、室温未満の温度で実施され得る。しかしながら、本方法の他の実施形態において、マイクロエマルジョンの調製は、室温未満、例えば、10℃未満、5℃超、0℃超、-10℃超、又は-20℃超の温度で実施することができる。
一実施形態において、マイクロエマルジョンとともに使用するための水溶性薬物は、プレガバリンである。本明細書で使用される場合、「プレガバリン」は、以下の化学構造を指すことができる。
Figure 2023541372000002
別の態様では、緑内障を治療する、IOPを低減させる、神経保護を提供する、眼外傷を治療する、及び遺伝性網膜変性を予防する方法であって、それを必要とする対象に、緑内障を治療する、IOPを低減させる、神経保護を提供する、眼外傷を治療する、及び/又は遺伝性網膜変性から保護するのに有効な量の、カルシウム電位依存性チャネル補助サブユニットアルファ2デルタ1(CACNA2D1)タンパク質の阻害剤を投与することを含む、方法が提供される。一実施形態において、本方法は、緑内障を治療するためのものである。そのような一実施形態において、緑内障は、原発開放隅角緑内障(POAG)である。一実施形態において、本方法は、神経保護を提供する。そのような実施形態において、神経保護は、眼外傷及び/又は網膜変性からである。例えば、眼外傷は、爆傷であり得る。例えば、網膜変性は、遺伝性網膜変性であり得る。一実施形態において、阻害剤は、ガバペンタノイド、フェニルグリシン、又はそれらの医薬的に許容され得る塩を含む。別の実施形態において、ガバペンタノイドは、プレガバリン又はその医薬的に許容され得る塩を含む。実施形態において、阻害剤は、プレガバリン又はその類似体であり得る。例えば、類似体は、ガバペンチン、ガバペンチンエナカルビル、フェニルアラニン、アムロジピン、4-メチルプレガバリン、アシビシン、ゾレドロン酸、5-エチルヘプト-2-エン酸エチルエステル、5-エチル-3-ニトロメチルヘプタン酸エチルエステル、4-(2-エチルブチル)ピロリジン-2-オン、3-アミノメチル-5-エチルヘプタン酸塩酸塩、3-エチルペンタンニトリル、3-シアノ-4-エチルヘキサン酸エチルエステル、3R-アミノメチル-4R,5-ジメチルヘキサン酸、4-(1-エチルプロピル)ピロリジン-2-オン、3-アミノメチル-4-エチルヘキサン酸塩酸塩、5S-メチル-3-(4A-メチル-2-オキソ-5S-フェニルオキサゾリジン-3-カルボニル)ヘキサンニトリル、(S)-2-(2-アミノエチル)-4-メチルペンタン酸、(4S)-イソブチルジヒドロフラン-2-オン、(4S)-イソブチル-(3S)-メチルジヒドロフラン-2-オン、(3S)-アジドメチル-(2S,5)-ジメチルヘキサン酸エチルエステル、(4S)-イソブチル-(3S)-メチルピロリジン-2-オン、(3S)-アミノメチル-(2S,5)-ジメチルヘキサン酸塩酸塩、2,4-ジメチルバレロニトリル、2-エチル-4-メチルペンタンニトリル、3-シアノ-3,5-ジメチルヘキサン酸エチルエステル、3-シアノ-3-エチル-5-メチルヘキサン酸エチルエステル、4-メチル-4-イソブチルピロリジン-2-オン、4-エチル-4-イソブチルピロリジン-2-オン、3-アミノメチル-3,5-ジメチルヘキサン酸、3-アミノメチル-3-エチル-5-メチルヘキサン酸塩酸塩、3-イソブチル-2-メチル-5-オキソピロリジン-1-カルボン酸、tert-ブチルエステル、2-メチル-5-オキソ-3-プロピルピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、3-ブチル-2-メチル-5-オキソピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル、3-(1-アミノ-エチル)-5-メチルヘキサン酸、3-(1-アミノ-エチル)ヘキサン酸、3-(1-アミノ-エチル)ヘプタン酸、5-メチルヘキサ-2-エン酸エチルエステル、5-メチル-3-(1-ニトロエチル)ヘキサン酸エチルエステル、4-イソブチル-5-メチルピロリジン-2-オン、3-イソブチル-2-メチル-5-オキソピロリジン-1-カルボン酸ベンジルエステル、3-(1-ベンジルオキシカルボニルアミノエチル)-5-メチルヘキサン酸、3-(1-アミノエチル)-5-メチルヘキサン酸4-メチルペント-2-エン酸、3-(4-メチルペント-2-エノイル)-4R-フェニルオキサゾリジン-2-オン、3-(3R,4-ジメチルペンタノイル)-4R-フェニルオキサゾリジン-2-オン、(3R)-(2-アセトキシ-1R-フェニルエチルカルバモイル)-4S,5-ジメチルヘキサン酸tert-ブチルエステル、2R(1S,2-ジメチルプロピル)コハク酸4-tert-ブチルエステル、4R-(1S,2-ジメチルプロピル)ジヒドロフラン-2-オン、3R-ブロモメチル-4S,5-ジメチルヘキサン酸エチルエステル、3R-アジドメチル-4S,5-ジメチルヘキサン酸エチルエステル、4R-(1S,2-ジメチルプロピル)ピロリジン-2-オン、3R,4S-3-アミノメチル-4,5-ジメチルヘキサン酸、3R-ベンジル-4R-イソプロピルジヒドロフラン-2-オン、2R-ベンジル-3R-ブロモメチル-4-メチルペンタン酸エチルエステル、2R-ベンジル-3R,4-ジメチルペンタン酸エチルエステル、酢酸2R-ベンジル-3R,4-ジメチルペンチルエステル、3R-ブロモメチル-4R,5-ジメチルヘキサン酸エチルエステル、3R-アミノメチル-4R,5-ジメチルヘキサン酸を含むことができる。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容され得る塩」という句は、医薬的に許容され得る酸付加塩及び塩基付加塩並びに溶媒和物の両方を指すことができる。このような医薬的に許容され得る塩は、意図される用途に好適な任意の塩であり得、酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、スルフィン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸、アルカン酸、例えば、酢酸、HOOC-(CH-COOH(式中、nは、0~4である)など)の塩が挙げられるが、これらに限定されない。非毒性の医薬的塩基付加塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムなどの塩基の塩が挙げられる。当業者は、多種多様な非毒性の医薬的に許容され得る付加塩を認識するであろう。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする」対象は、治療されるべき障害若しくは疾患を有するか、又は疾患若しくは障害に罹りやすいか、又はそうでなければ疾患若しくは障害を発症するリスクがある対象を指すことができる。
1つの非限定的な例において、マイクロエマルジョンは、以下の成分を含むか、又はそれらからなることができる:
(a)製剤の約0.1%~約40%を構成する一次油中水型(w/o)相であって、
(i)製剤の0%~約7%w/wの濃度の水と、
(ii)製剤の約6%~約13%w/wの濃度の油と、
(iii)製剤の約1%~約13%w/wの濃度のCapryol 90と、
(iv)製剤の約1%~約13%w/wの濃度のレシチンと、を含む、w/o相、及び
(b)製剤の50~99.9%を構成する外部水相であって、
(i)製剤の約0.1%~約25%w/wの濃度のLabrasolと、
(ii)製剤の約0.1%~約25%w/wの濃度のCremophor ELと、
(iii)製剤の0%~約45%w/wの濃度のプロピレングリコールと、
(iv)製剤の約10%~約99.7%w/wの濃度の水と、を含む、外部水相。
別の非限定的な例において、マイクロエマルジョンは、以下の成分を含むか、又はそれらからなることができる:
(a)製剤の約0.1%~約40%を構成する一次油中水型(w/o)相であって、
(i)製剤の2%~約7%w/wの濃度の水と、
(ii)製剤の約6%~約9%w/wの濃度の油と、
(iii)製剤の約3%~約9%w/wの濃度のCapryol 90と、
(iv)製剤の約3%~約9%w/wの濃度のレシチンと、を含む、w/o相、及び
(b)製剤の50~99.9%を構成する外部水相であって、
(i)製剤の約5%~約9.5%w/wの濃度のLabrasolと、
(ii)製剤の約5%~約9.5%w/wの濃度のCremophor ELと、
(iii)製剤の5%~約25%w/wの濃度のプロピレングリコールと、
(iv)製剤の約30%~約56%w/wの濃度の水と、を含む、外部水相。
別の態様では、水不溶性及び水難溶性薬物分子のための薬物送達系として設計されたマイクロエマルジョンが提供される。これらの実施形態において、マイクロエマルジョンは、上記と同じであるが、内部水相及び内部乳化剤を欠く。したがって、この実施形態において、MEは、
(a)不連続(分散)油相と、
(b)当該油相を包含する乳化剤と、を含む。
一実施形態において、マイクロエマルジョンは、(c)乳化剤を取り囲む連続水相を更に含む。この実施形態において、油性薬物溶液は、親水性乳化剤(例えば、高いHLB値を有する乳化剤)を含有する生体接着性水相(例えば、本明細書に記載されるヒドロゲル)中で乳化される。
更なる実施形態において、マイクロエマルジョンは、不連続油相中に不溶性又は難溶性薬物を含む。
MEに関して上で開示された全ての実施形態は、文脈が明確に他のことを指示しない限り、この態様においても同様に使用することができる。
実施形態において、マイクロエマルジョンは、抗酸化剤を含有することができる。例えば、抗酸化剤は、グルタチオン、トコフェロールメトキシポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)、メタ重亜硫酸ナトリウム、アルファトコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
実施例は、本発明のより完全な理解を促進するために以下に提供される。以下の実施例は、本発明を作製及び実施する例示的な様式を例示する。しかしながら、本発明の範囲は、これらの実施例に開示されている特定の実施形態に限定されず、代わりの方法を使用して同様の結果を得ることができるため、例示のみを目的としている。
実施例1
緑内障は、世界における不可逆的失明の主たる原因である。この疾患は、現在、米国において300万人を超える人々が罹患しており、寿命の増加が予測されることに伴って、この数は、2050年までに約630万人に増加する可能性がある。成人発症型緑内障には4つの主要なタイプがあり、その全てが、網膜神経節細胞(RGC)の機能不全及び/又は死の最終経路を介して視力喪失につながる。緑内障の各形態は、複数の、かつ、時には異なる危険因子と関連付けられる可能性があり、RGC死につながる複数の誘発機構が存在することを示している。4つの成人発症型緑内障サブタイプのうちの3つについて、眼内圧(IOP)の上昇は、RGC死の後の視野欠損についての予測リスク因子である。第4のサブタイプである正常眼圧緑内障は、高IOPと関連付けられておらず、RGC死を誘発する因子は、不明である。
成人発症型緑内障のための現在の標準治療には、点眼剤として局所送達されるIOP低下薬による治療が含まれる。現在FDA承認されている全ての緑内障薬物の制限は、限られた有効性である。具体的には、IOP低減は、多くの緑内障患者においてRGC死及び結果として生じる視野欠損を予防しない。本発明者らの研究において、本発明者らは、新規なIOP低下薬標的であるカルシウムチャネル電位依存性α2δ1サブユニット(別名CACNA2D1)を同定するために、システム遺伝学アプローチを使用した。更に、本発明者らは、IOP低下活性を示す選択的CACNA2D1遮断薬であるプレガバリン(PRG)を同定した。本発明者らは、眼への薬物侵入を増加させ、結果としてより高い有効性及び作用持続時間をもたらす局所徐放性PRGマイクロエマルジョン(ME)を開発した。本発明者らの研究は、緑内障に対するPRG処置に関連付けられた予期せぬ更なる利益を明らかにした。本発明者らは、IOPを調節する前眼部構造へのその局在に加えて、CACNA2D1がRGC内に位置することを実証するデータを有する。本発明者らはまた、緑内障の2匹の動物モデルにおいて、それが視神経(ON)損傷から直接保護することを実証する証拠を有する。本発明者らの知見は、本発明者らのPRG MEが、IOPを低下させ、かつRGCに対する直接的な神経保護効果を有する緑内障療法であり得ることを示す。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らのPRG MEは、より高い有効性でIOPを低下させるとともに、現在FDA承認薬が存在しない使用分野であるRGCの健康を維持する。これは、CACNA2D1が、NFL(神経線維層)及びONを含むRGC及びそれらの軸索内に位置することを示す本発明者らのデータによって支持され、本発明者らの徐放性生体接着性MEは、局所送達後の眼内へのPRGの移動を増強する。
以下の試験を以下に列挙する。
1.1日1回の投与を用いて、PRGがRGC及びONに対する神経保護剤であるかどうかを試験する。
2:PRGが、細胞内カルシウム(Ca2+)の濃度を調節することによって、RGCの健康において直接的な役割を果たすかどうかを試験する。
結果:データセットに基づき、理論に束縛されることを望むものではないが、本研究は、緑内障患者の視野欠損を最小限に抑えることができる神経保護療法としてのPRG MEを実証するであろう。
実施例2
緑内障は、世界中の不可逆的失明の主たる原因である複雑な多因子性の多遺伝子疾患である。傾向は、2040年までに、世界中で1億1180万人もの人々が緑内障を有し、その多くが視神経(ON)損傷のために法的に失明している3,4ことを示している。成人発症型緑内障の様々なサブタイプ-原発性開放隅角緑内障(POAG)、原発性閉塞隅角症(PACG)、及び正常眼圧は、網膜神経節細胞(RGC)及びON軸索損傷、並びにその後の視野欠損の臨床病理を共有している。この疾患についていくつかの危険因子が既知であり6-8、眼内圧(IOP)の上昇は、緑内障の発症及び進行に関連する修正可能な危険因子である4,6,9-11。全ての形態の成人発症型緑内障の標準治療は、点眼剤として局所送達されるIOP低下薬による治療である。この治療戦略は、多くの緑内障患者においてRGC/ON損傷及び結果として生じる視野欠損を予防しない。そのため、RGCに直接的な神経保護又はニューロエンハンスメントを提供する分子を同定することに関心が持たれている。眼科医いわく、「神経保護は、大きな空白状態である」、「神経保護に対する治療選択肢はない」、かつ「IOPの低下は不十分である」。緑内障治療の有効性を増加させるために神経保護を加える必要がある。
直接的な神経保護作用を有する新規なIOP低下薬の同定:IOP低減は、全ての形態の成人発症型緑内障に対する治療選択肢であるが、残念ながら、現在のIOP低下薬は、根底にある病理又は遺伝的変異に対処していない。マウス前向き遺伝学アプローチを、ヒトGWASデータの細胞生物学、薬理学及び分析と組み合わせることによって、本発明者らは、IOP、例えば、カルシウムチャネル電位依存性α2δ1サブユニット(別名Cacna2d1)12を調節する新規な遺伝子を同定した(図1)。本発明者らのアプローチは、5つの齢コホートにわたる65の組換え近交系BXDマウス系統のIOP測定を、遺伝的多型評価及び全眼マイクロアレイ分析と組み合わせた。本発明者らの研究の双方向性成分として、本発明者らは、ヒトPOAG集団内のCACNA2D1における帰属SNPを裏付けた。ヒト、ウサギ、及びマウスにおける免疫組織化学研究12,13は、CACNA2D1が毛様体(CB)及び流出構造内に位置し、これがIOPに影響を及ぼし得ることを示す(図2)。薬理学研究は、CACNA2D1に対する特異性を有するアンタゴニストであるプレガバリン(PRG)の局所投与が、用量依存的にIOPを低下させることを実証した13。これらの知見は、現在のIOP低下薬とは異なる作用機序を有する新規なクラスの緑内障治療薬の代表としてのPRGの開発を支持する。
本発明者らの研究からの更なる予想外の知見は、CACNA2D1がRGCにおいても発現されることを示す。これらのデータに基づき、理論に束縛されることを望むものではないが、CACNA2D1は、そのIOP低下効果に加えて、緑内障誘発性神経変性から保護するためのRGC及びON上のドラッガブルな標的を表す。
本発明者らは、PRGを眼に送達するための徐放性マイクロエマルジョン(ME)ベースの製剤を調製し、最適化し、特徴付けた。本発明者らのMEは、迅速な排出、短い角膜接触時間及び最小の角膜浸透などといった水性点眼剤に関連する欠点(これらは全て、有効性の低減及び不十分な患者のアドヒアランスにつながる)を克服するように設計された。本発明者らは、生体接着性を改善し、角膜浸透を増強し、30時間までの薬物の連続放出を提供するインサイチュゲル化特性を有する生体適合性成分を使用して多層MEを設計することによって、これを達成した。本発明者らのMEは、小さい粒径(<20nm)を有するので、透明であり、視覚を不鮮明することはない。PRG MEの用量の増加に対してIOPの用量応答が低減し、0.6%のPRGは、投与後34時間までベースラインに戻らないほぼ40%のIOPの低減を伴う最大効果を提供する最小用量である(試験1;13。本発明者らはまた、PRG MEを21日間毎日投与しても、製剤の有効性の減少(タキフィラキシーともいう)はもたらさなかったと判定した(試験2;13。)研究を通して、IOPは、処置された眼において低減されたレベルのままであったが、対照眼は、上昇したベースラインIOPのままであった。本発明者らは、タキフィラキシー研究の終了後に、眼及び身体におけるPRGの分布を判定した(試験2;13。)本発明者らのPRG MEを21日間連続して局所投与した後、本発明者らは、薬物が、CACNA2D1を阻害するのに十分な濃度で網膜を含む後眼の組織に到達したと判定した。ブランクMEを投与された対照眼は、血漿及び全ての末梢器官と同様に、ごくわずかなレベルのPRGを含んでいた。細隙灯及び組織病理学的検査は、薬物負荷MEが安全であり、眼によって忍容されると判定した13。これらは、本発明者らのMEが親水性分子を網膜に送達することができることを実証しているので、重要な知見である。これにより、この薬物送達系の使用は、後極の疾患を含むように拡大され、RGCへの神経保護分子の送達を含む。本発明者らは、有効なIOP低下治療薬であることに加えて、PRGが、本発明者らのMEによって送達された場合に、RGCに対する直接的な神経保護剤でもあるかどうかを直接試験する。
概念及びアプローチ:
● 本発明者らは、IOP調節遺伝子としてのCacna2d1についての本発明者らの発見に基づいて選択された新規なIOP低下薬PRGを同定した12。PRGは、CACNA2D1に対して高い親和性及び特異性を有する。現在の療法は全て、持続作用の欠如、眼刺激、並びに他の副作用及び薬物相互作用を含む制限を有する。これらの副作用を経験する患者のために療法を変更することは、全ての現在の療法が、制限された一連の作用機序に関連しているため、困難である。したがって、利用可能な治療選択肢は限られている。PRGは、これまで知られていなかった新規な標的及び作用機序を介して作用する新規なクラスの緑内障薬であり、したがって多くの患者に選択肢を提供する。PRGは、FDAによって承認されており、かつ現在一般的なものであり、505(b)(2)の調節経路を通じてそれをリパーパシング(repurpose)し、新規なクラスの緑内障療法を提供することを可能にする。
● 本発明者らは、親水性薬物を眼に送達するための、徐放性で多層生体接着性の局所用MEベース製剤を調製し、特徴付けた。本発明者らのMEは、迅速な排出、短い角膜接触時間及び最小限の角膜浸透を含む従来の点眼剤の欠点を克服するように設計されたが、これらは全て、有効性の低減及び不十分な患者のアドヒアランスにつながる。改善された有効性は、粘膜付着特性の増加、角膜透過性の増加、非常に小さい粒子サイズ、浸透増強能力、及び徐放性によって支持される**。本発明者らのMEによって送達されると、眼内へのPRGの移動が増強され、PRGを網膜内で検出することができ、したがって網膜標的療法のための局所送達が可能になる。
● 本発明者らは、CACNA2D1がRGC細胞体及びONを含むそれらの軸索にも局在することを実証するデータを有する(図3)。追加のデータは、IOP低減がない場合であっても、PRGがONにおける軸索の変性を予防することを示す(図4~図6)。
まとめると、これらのデータは、PRGが、RGCに対する直接的な神経保護剤であり、単独でIOPを低下させるだけでなく、視野欠損を制限することを示す。現在、緑内障のためのFDA承認神経保護療法はない。本発明者らのPRG MEは、IOPを低下させ、かつRGC及び視神経を保護する最初の緑内障療法であろう。
理論に束縛されることを望むものではないが、PRGは、1日1回の局所投与を使用するRGC及びONのための神経保護剤である。
目的:この研究における障害は、IOP低下とは無関係であるPRGの任意の直接的な神経保護効果のインビボ評価である。この課題に対処するために、本発明者らは、Cacna2d1のDハプロタイプを有するマウスがPRGのIOP低下特性に非応答性であることを実証する本発明者らのデータを利用した12。加えて、本発明者らは、5つの齢コホートにわたるBXDマウスから収集されたIOP及びON損傷についての本発明者らのデータベースをマイニングし12,13、BXD29を、Cacna2d1のDハプロタイプを保有し、齢数とともに変化しないIOPを有する(図4、オレンジ色の丸)が、若齢で顕著なON損傷を有する(図4、青色の棒)株として同定した。そのIOPは、PRG処置に対して非応答性である(図5、赤色の記号)。これらの特徴により、BXD29は、IOP低減を介して媒介される間接的な影響を排除することによって、RGCに対するPRGの直接的な神経保護特性を評価するのに理想的である。
非限定的な例示的データ:本発明者らは、緑内障における視力喪失の治療においてPRGを有効にすることができることを発見した。前眼部に存在すること(図2)に加えて、CACNA2D1はまた、RGC(図3A及び図3B)並びにON(図3C)に局在する。PRGは、脳における複数のニューロン細胞型に対する外傷を改善することができ16-21、本発明者らのデータは、CACNA2D1が、IOPの低下及びRGC/ONの直接的な神経保護の両方の標的であり得ることを示す。
本発明者らは、IOP低減のためのPRGの1日1回投与を支持する、徐放性特性を有する多層マイクロエマルジョン(ME)を開発し、1滴で、33時間でベースラインに戻るIOPの顕著な低減(42%)を誘導する(AUC=170mmHg・時間;赤色の四角ダッチベルテッド種ウサギ;図6)13。投与後24時間で、IOPは、依然として>20%低減している。本発明者らのMEの非存在下では、PRGは、10時間後にベースラインに戻る30%のIOP低減しかもたらさず(AUC=38mmHg・時間)、本発明者らの製剤がPRGのIOP低下効力及び作用持続時間を増強したことを実証している。更に、それは安全であり、眼において忍容される13。21日間にわたる1日1回の投与により、薬物耐性がなく、IOPがその上昇した投与前ベースラインには決して戻らないことが実証される(赤色;ダッチベルテッド種ウサギ;図7)13。RGC及びONに対する直接的な神経保護剤としてPRGを評価する本発明者らの目的のために、本発明者らのMEを介したPRGの局所送達はまた、眼への薬物浸透を増強し、薬物レベルが網膜、RGCの部位及びそれらの軸索に到達することを可能にする(ダッチベルテッド種ウサギ;図8)13
本発明者らは、理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らのPRG MEによる局所投与が、ONにおけるRGC軸索に対して神経保護的であることを示す証拠を有する。本発明者らは、ON変性が顕著になる前に、5週齢で開始して(図9A)、PRG MEをBXD29マウスに毎日投与した。6週間毎日投薬されたBXD29マウスからのONにおいて、ON軸索は、ほぼ正常レベルで保存された(図9B)。対照的に、非薬用(unmedicated)MEを投与されたマウスからのONは、軸索プロファイルが喪失し、壊死組織片面積が増加した(図9C)。本研究は、RGC神経保護剤としてのPRGの役割を評価し、その細胞作用機序を定義する。
研究設計及び方法:本発明者らの試験対象は、上で概説した理由のためにBXD29(JAX#010981)及びC57B1/6J(B6;JAX#000664;眼病変を有しない対照)であり得る。D2緑内障モデルにおいてニコチンアミドの神経保護効果を評価したJohnらの検出力計算を使用して22、理論に束縛されることを望むものではないが、80匹のマウスをこの研究に登録し、雄と雌との間で等しくバランスをとる。本研究の予防アームでは、BXD29マウスは、ON損傷の発症前に1ヶ月齢になる(図9)。マウスが4ヶ月齢になり、かつPRGの非存在下でON変性が有意になるまで(n=20)、各マウスの両眼に、5μlのPRG MEを3ヶ月間、毎日局所投与する23-25。第2の組のマウスは、両眼にブランクMEを投与される(n=20;同じ投与パターン)。第3の組は、介入を受けず、ナイーブ対照として使用される(各BXD29についてn=20;10匹それぞれがベースラインデータを得るために使用され、10匹それぞれが最終データを得るために使用される)。第4の組は、眼病変を有しない対照としてB6マウス(n=20)を含む。それらは、ナイーブ対照として第3の組と並行して検査される。本発明者らは、本発明者らの製剤が5℃で最低3ヶ月間安定であると判定したので、PRG MEの単一バッチを調製し13、個々の4mlの不透明ドロッパーボトルに等分し、各マウスについてコード化する。この調査の期間中、ボトルを5℃で保存する。実験者は、製剤ボトルの内容物を知らされない。PRGの神経保護効果を特徴付けるために、本発明者らは、以下の臨床検査及び実験室検査を使用する。
● 臨床検査(ベースライン及び毎月):IOP測定;RGC機能の指標である、暗順応閾値応答を含む暗順応網膜電図(ERG)及びパターンERG(PERG);視力(VA)及びコントラスト感度(CS);並びに、本発明者らが公開した方法13,23,25-27を使用した視神経乳頭(ONH)を通したOCTイメージング。
● 臨床検査(ベースライン及び最終):網膜の形態学的及び免疫/組織化学的評価(γ-シヌクレイン(SNCG)、脳特異的ホメオボックス/POUドメインタンパク質3A(BRN3A)、及びTUNEL染色を含む);本発明者らが公開した方法12,28-31を使用したON損傷の組織学的評価。
● 統計分析:GraphPad Prism-8統計ソフトウェアを使用して、一元配置ANOVA、続いてTukey-Kramer多重比較検定(有意なF検定の場合)によって分析する。
本明細書に記載される成果は、予防的に適用された場合のPRGの神経保護的性質の判定である。PRG MEで処置されたBXD29マウスでは、未処置マウスと比較して、以下が測定される:ベースラインに近いERG及びPERG振幅;ベースラインに近いVA及びCSレベル;より少ないTUNEL陽性RGC;より多くのSNCG-及びBRN3A-免疫陽性RGC;ONにおける、より少ない壊死軸索及び瘢痕領域。緑内障患者における視野欠損を阻止又は軽減するためにRGCに直接作用するFDA承認処置はない。理論に束縛されることを望むものではないが、PRGは、神経保護的であり、本発明者らのPRG MEは、複数の作用機序(IOP低下及び神経保護)を有する最初の緑内障治療であろう。
この性能は、網膜及びRGCの構造、機能及びタンパク質発現パターンが、IOPに対する効果の非存在下で、本発明者らのPRG MEを3ヶ月間毎日投与した後にほぼベースラインレベルで維持されることの実証を含む。
理論に束縛されることを望むものではないが、PRGは、細胞内(Ca2+)レベルの濃度を調節することによって、RGCの健康において直接的な役割を果たす。
非限定的な例示的目的:PRGがRGCに対する神経保護剤として機能し得る作用機序は不明である。しかしながら、PRGが選択的CACNA2D1遮断薬であり12、CACNA2D1がRGC及びそれらの軸索に局在することを考慮すると(図3)、PRGが神経保護的である作用機序の第1段階は、細胞膜全体にわたるイオン性Ca2+の流入を減弱させることによるものである(図10)。
非限定的な例示的研究設計:本発明者らは、確立された方法を使用して、Ca2+指示色素を負荷した後に、BXD29及びC57B1/6J(B6)マウス由来のRGC細胞体及び軸索における電位依存性Ca2+チャネル(VGCC)によって媒介されるCa2+シグナルを測定する。早発性ON損傷を有するBXD29(図4)は、本発明者らが試験1(同じ3つの実験条件とともに)で使用するマウスの同じ系統であり、一方、B6マウスは、ON損傷を有しない対照マウスとして役立つ。各実験条件からのマウス眼杯(ON断端:約1mm長)を得る。Ca2+感受性色素(Fluo-5F、ペンタカリウム塩;HO中40mM)及びCa2+非感受性色素(Alexa 568、HO中20mM)の混合物を、ハミルトンシリンジを用いてON断端に注入する。この戦略は、RGC及びそれらの軸索における遊離Ca2+シグナルの振幅を計算するためにレシオメトリックアプローチを使用することを可能にする。Fluo-5F及びAlexa 568の分子量は類似しているので、それらはほぼ同じ速度で細胞内に拡散する32。暗所で1時間95%O/5%COを吹き込んだ哺乳動物リンガー溶液中に眼杯を置き、色素をRGC及びそれらの軸索内に負荷する。網膜を単離し、四分円に分割し、安定化のためにハープスライスグリッドを使用してRGC側を下にしてガラススライド上に載せ、Olympus FV3000-RS共焦点顕微鏡を使用してイメージングする。6チャネル重力灌流システム(Warner Instruments)を使用して、生理学的温度で95%O/5%COを吹き込んだ溶液を送達する。細胞外カリウム濃度([K])を3mMから60mMに33秒間上昇させてVGCCを活性化することによって、RGC及びRGC軸索を脱分極する33,34。上昇した[K]のスーパーフュージョン及びイメージングは、トランジスタ-トランジスタ論理(TTL)デジタル信号を使用して自動化及び同期する35,36。浸透圧は、ナトリウム(Na)を低減させることによって高K溶液中で一定に維持される。Naチャネル遮断薬であるテトロドトキシン(TTX;200nM)を適用して、Naチャネルが、高K刺激中のRGC細胞体における[Ca2+]トランジェントの生成に寄与する程度を判定する。ROIからの蛍光強度値は、実験条件内で平均化され、それぞれは、スチューデントの対応のないt検定を使用する統計的検定のための独立した観察であると考えられる。試験1における臨床成果及び検査成果と、試験2において得られたCa2+トランジェント振幅との間で相関をとる。
非限定的な例示的結果:成果は、正常眼圧緑内障(BXD29)のモデルにおけるPRGの存在/非存在におけるCa2+トランジェントの測定である。これらの成果により、RGC及びそれらの軸索に対する神経保護治療薬としてのPRGの作用機序を判定することが可能になる。PRGで予防的に処置されたBXD29マウスからの正規化されたCa2+トランジェントの振幅は、ベースライン(1ヶ月齢)でのB6マウス又はナイーブBXD29マウスと同様である。更に、未処置BXD29マウスのRGC及び軸索は若齢で損傷を受けるので(図5)、4ヶ月齢のナイーブBXD29又は未処置マウスから得られた誘発Ca2+トランジェントは、PRGで処置されたB6及びBXD29マウスの両方よりも大きい。理論に束縛されることを望むものではないが、RGC健康の陽性指標は、各条件において測定されるCa2+トランジェントの振幅と逆相関する。
代替アプローチ:本プロジェクトのための方法論及びアプローチは、当業者によって確立及び理解される。ホールマウント調製物において未処置BXD29マウスのRGC及び軸索からのCa2+流入の変化が見出されない場合、RGCを単離して、VGCCを介して誘発されたCa2+シグナルを比較する。これを行うために、パッチピペットを介してCa2+指示薬を負荷した後、カルシウムイメージングと組み合わせて、単離されたRGCに対してホールセル電圧クランプを実行する34。更に、PRGで予防的に処置したBXD29マウスにおいてCACNA2D1発現が低減するかどうかを試験する。これを試験するために、本発明者らは、半定量的免疫組織化学を行い、より高い解像度のイメージングを実行して、VGCCサブユニットの発現を比較する。
a)PRGがRGC及び軸索においてCACNA2D1に対する役割を有すること、並びにb)PRGがB6マウスと同様にRGC及び軸索においてCa2+シグナルを低減させたことを実証したことが、画期的であろう。
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実施例3
緑内障は、世界における不可逆的失明の主たる原因であり、米国だけでも300万人を超える人々が罹患しており、年間4.1%の発生率の増加が予測されている。緑内障には4つの主要なタイプがあり、その全てが、網膜神経節細胞(RGC)の機能不全及び/又は死の最終経路を介して視力喪失につながる。緑内障の一形態(原発開放隅角緑内障、POAG)について、最も重大な危険要因は、眼内圧(IOP)の上昇である。全ての成人発症型緑内障の標準治療は、現在、点眼剤として局所送達される4つのクラスのIOP低下薬(例えば、ベータ遮断薬、炭酸脱水酵素阻害剤、交感神経興奮薬、縮瞳薬又はプロスタグランジン誘導体)のうちの1つ以上による治療からなる。これらの薬物は、毛様体による房水の産生の阻害又は流出構造を通じた眼房水の排出の増強のいずれかを通じて房水の体積を低減することによってIOPを低下させる。現在の療法は、産生及び排出の両方に影響を及ぼさない。利用可能な薬物の他の制限は、それらの短い半減期及び角膜上での限定された滞留時間であり、1日当たり最大3回までの投与の必要性を生じる。関連付けられた眼の刺激、眼窩副作用(球結膜充血など)、及び全身副作用とともに、点眼剤を毎日複数回適用する必要があることは、集合的に、多くの眼科医によって記録された低レベルの患者コンプライアンス/アドヒアランスの一因となっている。
本発明者らは、システム遺伝学アプローチを使用して、新規なIOP低下薬物標的、カルシウムチャネル電位依存性α2δ1サブユニット(別名CACNA2D1)を同定した。更に、本発明者らは、IOP産生及び排出の両方に関連する二重IOP低下活性を示す選択的CACNA2D1遮断薬であるプレガバリン(PRG)を同定した。本発明者らは、眼への薬物侵入を増加させ、結果として眼刺激又は眼副作用を最小限に抑えながら、より高い有効性及びより長い作用持続時間をもたらす局所徐放性PRG製剤を開発した。この研究に関する本発明者らの全体的な目的は、現在のIOP低下薬とは異なる作用機序を有する新規なクラスの緑内障治療薬の代表としてPRGを更に開発することである。本発明者らは、IOPを約40%低下させ、単回局所投与後34時間にわたって低減されたレベルでそれを維持する有効なIOP低下処置を最適化する目的で、前眼部におけるドラッガブルな標的としてCACNA2D1に焦点を当てる。PRGは、緑内障治療薬としてリパーパシングされているFDA承認薬であり、理論に束縛されることを望むものではないが、PRGは、徐放性、生体接着性、及び角膜浸透増強の特性を有する局所マイクロエマルジョン中に製剤化された場合、現在市販されている他の緑内障薬と同等以上の振幅及びより長い持続時間のIOP低下応答を誘発する。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、本発明者らの製剤研究を完了し、薬物製品のGLP産生をスケールアップし、新規な作用機序及び持続的なIOP低下特性を有する新規な緑内障薬物についての毒物学研究を完了する。この治療戦略は、緑内障患者への負担を低減し、より良好な視覚的転帰につながる。本発明者らの目的に対処するために、以下を実行する。
1:新規な局所適用マイクロエマルジョン製剤の有効性を維持しながら安定性を増加させる。
2:毒物学研究のために優良試験所基準(GLP)条件下で薬物製品を製造する。
3:食品医薬品局(FDA)からのガイダンスを用いて毒物学研究を実行する。
理論に束縛されることを望むものではないが、PRGは、RGCに対する神経保護も提供する。その研究において、本発明者らのマイクロエマルジョン点眼剤製剤を介して達成される神経保護についての作用機構及びその持続性を確立する。この研究の完了により、作用機序を有するIOP低下薬についての本発明者らの全体的な薬物開発プログラムを拡張して、更なる神経保護利益を含めることが可能になる。
実施例4
緑内障は、利用可能な治療選択肢にも関わらず、世界における不可逆的失明の主たる原因であり続けている。傾向は、2040年までに、世界中で1億1180万人もの人々が緑内障を有し、その多くが視神経(ON)損傷のために法的に失明していることを示している。成人発症型緑内障の様々なサブタイプ-原発性開放隅角緑内障(POAG)、原発性閉塞隅角症(PACG)、及び正常眼圧は、網膜神経節細胞(RGC)及びON軸索損傷、並びにその後の視野欠損の一般的な臨床病理を共有している。この疾患についていくつかの危険因子が既知であり3-5、眼内圧(IOP)の上昇は、緑内障の発症及び進行に関連する唯一の修正可能な危険因子である3,6-9。したがって、全ての形態の成人発症型緑内障に対する標準治療は、点眼剤として局所送達されるIOP低下薬による治療である。本発明者らが行った市場検証研究は、現在の緑内障薬に伴う複数の問題を特定しており、それらのいくつかは、1)持続作用の欠如;2)1日複数回投与の必要性;3)直接的な眼刺激;4)個々の患者に対する全身性及び眼の副作用;並びに5)異なる作用機序(MOA)を有する薬物についての限定された選択肢。本発明者らは、緑内障の治療のための新規なドラッガブル標的、並びにこれらのペインポイントの多くに対処するための薬物及び製剤を同定した。
リパーパシングされた治療薬を使用した新規なMOAによるIOP低下:マウス遺伝学的アプローチを細胞生物学、薬理学、及びヒトゲノムワイド関連データベース(GWAS)データの分析と組み合わせることによって、本発明者らは、IOPを有意に調節する遺伝子座、すなわちカルシウムチャネル電位依存性、α2δ1サブユニット(別名Cacna2d1)を同定した10(図1)。本発明者らの研究の双方向性成分として、本発明者らは、ヒトPOAG集団内のCACNA2D1における帰属一塩基多型(SNP)を裏付けた。ヒト、ウサギ、及びマウスにおける免疫組織化学研究は、CACNA2D1が毛様体(CB)及び流出構造内に位置しており(図2)、その両方がIOPに影響を及ぼし得ることを示す。同定された標的を検証するために、本発明者らは、CACNA2D1に対して高い特異性を有し、L型Ca2+チャネルのCaval孔を通る電位依存性カルシウム(Ca2+)フラックスを遮断するアンタゴニストであるプレガバリン(PRG)の局所投与11が、ダッチベルテッド種ウサギにおいて用量依存的にIOPを低下させることを実証した12。これらの知見は、CB及び流出構造の両方における作用を介するIOPの調節因子としてCa2+フラックスを示唆した以前の知見と一致する13,14。これは、流入及び流出機能の両方に作用する承認されたIOP低下薬がほとんどなく、流入及び流出制御に対するCa2+フラックスの、示唆されてはいるがまだ証明されていない役割を明らかにすることができるので、非常に重要である。治療側では、本発明者らの研究におけるPRG媒介性IOP低減の振幅及び持続時間が制限されていたため(6時間でベースラインに戻る17%のIOP低減)15、本発明者らは、次いで、PRG有効性及び作用持続時間を増加させるために新規な局所徐放性マイクロエマルジョン(ME)製剤を設計した12。本発明者らのデータは、角膜に適用された本発明者らの最新のPRG ME製剤1滴でCACNA2D1を標的とすることが、最初の製剤よりも有意に良好な有効性で、少なくとも24時間までのIOPの持続的低減をもたらすことを実証し、したがって、これは、IOP低減のためのPRGの1日1回投与(図3;最大42%のIOP低減(33時間でベースラインに戻る))が、本発明者らのPRG MEをチモロール及びXalatanと同等又はそれよりも優れたものにすることを支持している。これらの知見は、現在承認されているIOP低下薬とは異なるMOAを有する新規なクラスの緑内障治療薬としてのPRGの開発を示す。
PRGのIOP低下効果及びIOPを調節する構造(毛様体(CB)及び流出構造)へのその特異的局在という本発明者らの発見は、局所的に適用されるPRGの延長された作用持続時間を提供するための新規な送達系とともに、緑内障におけるIOPを減少させるための新規な処置及び新規な送達系の両方の開発のための戦略を表す。PRGは、ガバペンチノイド薬であるが、γ-アミノ酪酸(GABA)受容体に結合せず、GABA放出又は取り込みにも影響を及ぼさない16。むしろ、CACNA2D1に高い親和性で結合し、抗炎症経路を含まない機構を介して鎮痛を提供する。PRGは、てんかん発作又は線維筋痛症などの神経障害性疼痛障害の治療に広く使用されており17、安全なプロファイルを有する18。いくつかの感受性集団における潜在的な相加的挙動及び血管性浮腫などのまれな過敏症が報告されている18,19。本発明者らのMEの液滴(50μL)中のPRGの用量は、錠剤又は懸濁液中よりも>2000倍少なく、その局所用量からの全身曝露は更にはるかに少ない可能性があるので、経口投与の副作用は、本発明者らの局所投与では懸念されない。
緑内障療法としてのカルシウムチャネル遮断薬(CCB):それらが不十分である理由及び将来の研究のための示唆:電位依存性カルシウムチャネルは、カルシウム(Ca2+)流入を調節し、身体全体に分布する。CACNA2D1を含む複数のサブユニットがチャネルを構成し、Caval孔の活性を調節する働きをする(図10)。以前の研究により、Ca2+と緑内障との間の関連が実証されているため20,21、Caval孔を標的とする全身性CCB(例えば、ベラパミル)は、POAGの治療として評価されている。しかしながら、これらの調査の結果は矛盾しており、CCBがIOPを低下させ、視覚機能を改善するのに有効であることを実証する研究もあれば、それらの結果を再現することができない研究もある22-28。全身性CCBはまた、眩暈又は頭痛などの重大な副作用を有する22-28。以前の研究では、本発明者らの系の遺伝的に同定された標的であるCACNA2D1などのCa2+チャネルの緑内障関連補助モジュレータを評価したものはない(図10)。IOPを低下させるために従来のCCBよりもPRGを使用するために、承認されかつ広く使用されている薬物を再目的化する遺伝的原理及び利点に加えて、PRGをCCBよりも有用な局所治療選択肢にする、高い水溶性、低い分配係数、及び高い膜透過性などの複数の生理化学的特徴がある。これらの特徴は、PRGが角膜の上皮層を通過することを可能にするが、角膜実質及びAHの水性環境中では可溶性のままであり、したがって、局所投与を介して眼の標的組織に到達することができる。更に、その光感受性の欠如は、PRG含有局所製剤の安定性を増加させることができる。
以前の知見及び拡張の概要:本発明者らは、PRGを眼に送達するための持続作用マイクロエマルジョン(ME)ベースの製剤を調製し、特徴付けた12。本発明者らのMEは、迅速な排出、短い角膜接触時間及び最小の角膜浸透を含む従来の点眼剤の欠点を克服するように設計された。これらは全て、有効性の低減及び不十分な患者のアドヒアランスにつながる。本発明者らは、生体接着性を改善し、角膜浸透を増強し、30時間を超えて連続的な薬理作用を提供するインサイチュゲル化特性を有する高度に生体適合性の成分を用いて、多層MEを設計することによって、これを達成した。本発明者らのMEは小さい粒径(<20nm)を有するので、透明であり、視覚を不鮮明にしない。PRG MEの用量の増加に対してIOPの用量応答が低減すると判定し、0.6%のPRGは、ほぼ40%のIOPの低減(投与後34時間までベースラインに戻らない)を伴う最大効果を提供する最小用量である(試験112)。本発明者らはまた、PRG MEを21日間毎日繰り返し投与しても、製剤の有効性が減少(タキフィラキシーともいう)しなかったと判定した(試験212)。研究を通して、IOPは、処置された眼において低減されたレベルのままであったが、対照眼は、上昇したベースラインIOPのままであった。本発明者らはまた、タキフィラキシー研究の終了後に、眼及び身体におけるPRGの分布を判定した(試験212)。本発明者らのPRG MEを連続21日間局所投与した後、薬物が眼の標的組織に到達したと判定した。ブランクMEを投与された対照眼は、血漿及び全ての末梢器官と同様に、ごくわずかなレベルのPRGを含んでいた。細隙灯及び組織病理学的検査は、薬物負荷MEが安全であり、眼によって十分に忍容されると判定した12
健康上の利益:緑内障の有病率の上昇及び予測されるヒトの寿命の増加を考慮すると、緑内障発生率はそれに応じて増加するであろう。2013年に、米国における緑内障の経済的負担は、約58億ドルと推定された29。本発明者らの製品の開発は、緑内障治療薬の間で市場占有率を有する緑内障の管理のための治療アプローチを提供する。この状況は、市場リーダーと比較して優れた有効性(IOPが約40%低下し、30時間を超えてもベースラインに戻らない)及び高い生体適合性を有するPRGの新規なMOA、1日1回の投与レジメンによって支持される。PRGは、独特のMOA、高い有効性及び持続期間を有するので、理論に束縛されることを望むものではないが、単剤療法であり得るだけでなく、他の緑内障治療薬と組み合わせて使用することもできる。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らの局所製剤は、300万人のアメリカ人が罹患しているという有病率推定、200ドル/5mlボトルの費用、10%の市場占有率、患者の両眼に1日1回液滴を投与することに基づいて、4億3800万ドルのピーク年間米国市場を維持する。2050年までに予測された630万人のアメリカ人への有病率の増加に伴い30、本発明者らの局所製剤の米国市場占有率は、同じ仮定に従うと9億2000万ドルに増加し得る。本発明者らは、PRGとともに使用される本発明者らの製剤を設計しているが、このMEは、水不溶性薬物の取り込みに好適であるように改変され得る。したがって、本発明者らのマイクロエマルジョンの有用性は、本発明者らの現在の薬物(PRG)及び本発明者らの現在の標的疾患(緑内障)にとどまらない。マイクロエマルジョンと他のナノ薬物送達系(例えば、ナノ粒子)との比較は、マイクロエマルジョンが安定であり、調製が容易であり、調製中にエネルギーを必要とせず、その調製中にAPI損失がないので100%のカプセル化効率を有し、組み込まれた薬物の角膜透過性を改善する透過性増強剤を含有することを示す。これらの特徴により、マイクロエマルジョンを商業的使用のために製造する医薬品製造会社のバッチサイズにスケールアップすることが容易になる。
本発明者らは、いくつかの更なる予想外の知見を発見した。本発明者らのデータは、CACNA2D1が網膜神経節細胞(RGC)体、並びに視神経(ON)におけるRGC軸索においても発現されることを示す。本発明者らのMEを21日間連続して局所投与した後、PRGは、CACNA2D1を阻害するのに十分な濃度で、網膜を含む後眼の組織に到達する。更に、本発明者らのPRG MEの局所投与は、正常眼圧緑内障の前臨床モデルであるBXD29マウスにおけるON損傷を軽減する。この証拠に基づいて、本発明者らは、この重要なリードを追求し、CACNA2D1が、CB及び流出構造を介したそのIOP低下効果に加えて、緑内障誘導性RGC神経変性から保護するためのRGC上のドラッガブルな標的であり得るかどうかを判定している。理論に束縛されることを望むものではないが、PRG製剤は、治療用量を網膜に送達することができ、RGCに対して神経保護的である。理論に束縛されることを望むものではないが、IOPを低下させ、かつRGCに直接的な神経保護を提供することができる唯一の緑内障治療であるため、本発明者ら製剤の市場占有率を増加させることができる。
アプローチ:
本発明者らは、IOP調節遺伝子であるCacna2d1、並びにCACNA2D1タンパク質に高い親和性及び特異性で結合して、IOPを低下させる薬物であるPRGを同定した15,11。現在の療法は全て、持続作用の欠如、眼刺激、並びに他の副作用及び薬物相互作用を含む制限を有する。全ての現在の療法は、制限された一連のMOAに関連しているため、これらの副作用を経験する患者のために療法を変更することは困難である。多くの患者は、標的IOPレベルを達成するために2つ以上の薬物を必要とする。これらの課題は両方とも、異なるMOAを有する治療選択肢の利用可能性が限られていることによって悪化する。PRGは、これまで知られていなかった新規な標的及びMOAを介して作用する新規なクラスの緑内障薬であり、したがって多くの患者が切望していた選択肢を提供する。CACNA2D1は、眼の流入及び流出構造の両方に局在するので(図2)12,15、PRGは、IOPを低下させるための二重の協調作用を提供することができる。PRGは、FDAによって承認されており、かつ現在一般的なものであり、505(b)(2)の調節経路を通じてそれをリパーパシングし、切望されていた新規なクラスの緑内障療法を提供することを可能にするであろう。
本発明者らは、親水性薬物を眼に送達するための、徐放性、多層化、生体接着性、忍容性の良好な局所MEベースの製剤を調製し、特徴付けた。本発明者らのMEは、迅速な排出、短い角膜接触時間及び最小限の角膜浸透を含む従来の点眼剤の欠点を克服するように設計され、これらの欠点は全て、1日に複数回投与する必要があるため、有効性の低減及び不十分な患者のコンプライアンスにつながる。改善された有効性は、粘膜付着特性の増加、角膜透過性の増加、非常に小さい粒子サイズ、浸透増強能力、及び徐放性によって支持される。本発明者らは、この製剤の現在の3ヶ月安定性を改善して、臨床適用を容易にするために貯蔵寿命を長くする。
MEの有利な物理的特性に加えて、ME製造を他の徐放性代替物よりも優れたものにする利点がある。MEは無菌として容易に製造することができる。更に、ME製造中のカプセル化効率はほぼ100%であり、したがって、プロセスをスケールアップして大きいバッチを作製することが可能になる。経済的観点から、ME製造は、単純な混合以外のエネルギー入力を必要としないので、効率的である。
非限定的で例示的なアプローチ
これにより、本発明者らの製品は、緑内障及び/又は高眼圧症患者においてIOPを低下させるための本発明者らの徐放性PRG MEについての規制当局の承認へと向かうであろう。本発明者らは、ウサギにおいて最大のIOP低下応答を提供する1日1回の最小用量を確立し、21日間連続して1日1回の単回投与が、本発明者らのPRG MEの有効性を減少させないが、その安全性及び眼との生体適合性並びに最小の全身曝露を維持することを実証した。本発明者らはまた、本発明者らのPRG MEによる局所投与が、眼に入る薬物の量を増加させることを示した。加えて、本発明者らは、PRGが網膜に到達することができ、したがって、投与されていない他眼又は標的外器官に到達する薬物を制限しながら、後眼標的のためのこの投与様式を可能にすると判定した12。この研究は、製剤の現在の3ヶ月安定性を延長する一方で、完全な有効性を維持して、少なくとも12ヶ月の貯蔵寿命を有する実行可能な医薬品にすることによって、本発明者らの薬物製品の価値提案を増強する研究に焦点を当てている。本発明者らは、毒物学研究のために、本発明者らの製造を大規模バッチ及びGLP製造にスケールアップする。本発明者らは、毒物学研究を実行する。PRGは、現在、他の目的に使用されるFDA承認薬である。PRGは、2005年以来、疼痛管理について承認された製品であり、1600万人を超える人々に処方され、服用されている(LyricaウェブサイトFAQ)。加えて、本発明者らは、PRGの眼適用後に全身曝露の形跡がないことを示した12
研究設計及び方法
1:本発明者らの新規な局所適用マイクロエマルジョン製剤の有効性を維持しながら安定性を増加させる。
目的:持続的なIOP低下特性を有する新規緑内障薬の製剤を検証し、それが最低1年間物理的及び化学的の両方で安定であり、長期保存後に本発明者らの緑内障のウサギモデルにおいて有効であり、それにより、改善された製剤による効力を保証することを実証する。
本発明者らのME製剤の化学的安定性を増加させる。
結果:プレガバリン(PRG;BCSクラスI)は、高い親和性及び特異性でCACNA2D1を標的とする11。本発明者らは、1滴のPRG水溶液が、局所適用されると、用量依存的にIOPを低下させると判定した。しかしながら、応答の大きさ及び持続時間は限られており、臨床用途には実用的ではなかった。IOP低下薬としてのPRGの有効性を増加させるために、本発明者らは、新規なマイクロエマルジョン局所製剤を設計した12。本発明者らの製剤を、最内水相及び最外水相中にそれぞれ40%及び60%のPRGを有する水中油中水型マイクロエマルジョンとして設計した。2つの水相におけるPRGの区画化は、IOP低下作用の迅速な開始及び長い持続時間の両方を支持する。最も外側の水相からの薬物放出は速く、迅速なIOP低減を可能にする。しかしながら、最内水相から放出されるためには、PRGは、2つの界面(内側の水/油界面及び外側の油/水界面)を通過しなければならず、その後、本発明者らの多層MEの最外水相を構成する粘性ポリマー溶液を通って拡散しなければならない(図12)。集合的に、両方の界面を横切る移動は、本発明者らの製剤からのPRGの移動を遅くし、長期のIOP低下効果を支持する。最も外側のポリマーから拡散した後、PRGは、角膜を通して吸収に利用可能である。製剤が薬物の徐放性を可能にするのに十分な時間、角膜表面上にとどまることを確実にするために、最外ヒドロゲル層は、優れた生体接着特性を有するCarbopol 981から調製される。
(表1)PRG ME液滴は<20nmであり、高いゼータ電位を有する12
Figure 2023541372000003
本発明者らのMEは、薬物負荷によって影響されない小さい液滴サイズを有する(表1)。その低いPDIは、サイズ変動が最小であることを示し、これは、透過型電子顕微鏡法(TEM;小球図12)によって確認される。X線回折データは、PRGが本発明者らのMEに可溶性であり、PRG結晶が存在しないことを実証する12。更なる特徴付けにより、本発明者らのPRG MEは、PRG点眼剤と比較して、ドロッパーからの分配を容易にするより低い粘度、及び投与後に眼内に局在したままにするより高い生体接着性を有することが明らかになった12。特徴は、本発明者らのMEへPRGを組み込むことにより、水性点眼剤としての3時間と比較して、24時間を超えてその放出時間が長くなることである(図13)。その高いゼータ電位(表1)を考慮すると、MEは安定であり得る。日米欧医薬品規制調和国際会議(ICH)によって提示されたガイドライン31に従って、本発明者らは、5℃、25℃、30℃、及び40℃における本発明者らの製剤の化学的及び物理的安定性を評価した。化学的安定性は、pH、サイズ、PDI、ゼータ電位、薬物放出及び薬物含有量を測定することによって評価した31。反復凍結-解凍サイクルを用いて、及び超遠心分離によって物理的安定性を測定した32,33。本発明者らの結果は、本発明者らの製剤の化学的安定性の指標である本発明者らのMEの薬物含有量が、5℃及び25℃で3ヶ月間、並びに30℃及び40℃で2ヶ月間、許容され得る薬局方の限界内にとどまったことを実証する(表2)。本発明者らの製剤の物理的特性は変化せず、化学的安定性の他の指標(pH、液滴サイズ及び電荷)は1年間の保存中に変化しなかったが、薬物含有量の保持は、臨床試験及びその後の使用のための合理的/実用的な貯蔵寿命を有する実行可能な市販の薬物製品の開発の成功を確実にするために最適化されなければならない。
(表2)4ヶ月までの保存後のPRGの薬物含有量(%)。本発明者らの現在のPRG MEは、5℃及び25℃で3ヶ月間、並びに30℃及び40℃で2ヶ月間、化学的に安定である。他のパラメータは、少なくとも12ヶ月間安定であった。
Figure 2023541372000004
非限定的な研究設計及び方法:本発明者らのMEにおけるPRGの化学的安定性を改善するために、本発明者らの製剤を最適化する。これは2つのステップで行われる:1)短期安定性及び抗酸化剤スクリーニング研究、続いて、2)ICHガイダンスに従った安定性試験。理論に束縛されることを望むものではないが、約12ヶ月の最小貯蔵寿命を有する製剤が得られるであろう。
マイクロエマルジョンの調製:本発明者らの多層水中油中水型(w/o/w)ME生体接着性点眼剤の調製は、いくつかのステップで達成される。一次w/o MEを調製し、生体接着性ポリマーが予め浸漬されている外部水溶液中に更に乳化させる。一次マイクロエマルジョン成分の適切な比率を判定するために、様々な疎水性界面活性剤を使用して水滴定法によっていくつかの三相図を作成した12。本発明者らが選択した一次w/o MEは、20%の水(40%の薬物が溶解している;図14、ステップ1)+[30%の油(Labrafac lipophile WL1349)+50%の界面活性剤混合物(Capryol 90 & 大豆レシチン、1:1;図14、ステップ2)]からなる。外部水相は、薬物の60%が溶解している50%の水(図14、ステップ3)+(10%Labrasol+10%Cremophor EL+30%プロピレングリコール)の混合物(図14、ステップ4)からなる。生体接着性ポリマー(Carbopol 981、0.15%)を、予め調製した外部水相に浸漬し、一晩膨潤させて、粘性ポリマー/界面活性剤溶液を生成する。40%のポリマー/界面活性剤溶液を含有する調製したw/oマイクロエマルジョンを、透明な多層w/o/wマイクロエマルジョン生体接着性点眼剤が形成されるまで十分に混合した。
**抗酸化剤の添加:保存中、製剤中の医薬品有効成分(API)の分解は、酸性及び/又は塩基性分解、酸化分解、水性加水分解、光分解及び熱分解を含むいくつかの経路を介して起こる。PRGは、水性加水分解、光分解及び熱分解に対して安定であり、酸性加水分解に対して比較的安定である34。対照的に、それは塩基性及び酸化条件下で不安定である34。これらのデータに基づくと、水性媒体中で保存すると、PRGは、アルカリ性pHでの分解又は酸化的分解のいずれかによる分解を受けやすい可能性がある。本発明者らのMEは、弱酸性pH(5.4±0.05)を有し、したがって、本発明者らのME中でのPRGの化学的安定性に悪影響を及ぼす因子は、酸化分解である。
(表3)ME安定度を改善するために水溶性及び脂溶性抗酸化剤を試験するための戦略。注:その乳化特性に起因して、TPGSを含有する製剤において、製剤成分の比は、本発明者らの公開された方法を使用して判定される必要がある12
Figure 2023541372000005
酸化分解に対抗し、それによって本発明者らのPRG MEの化学的安定性を改善するために、本発明者らは、1つ以上の水溶性抗酸化剤を内部及び外部水相(図15、青)に、及び/又は油溶性抗酸化剤を本発明者らのMEの中間油相(図15、黄褐色)に組み込んで、保存中の酸化分解からPRGを保護する。抗酸化剤は、酸化による化学分解を受けやすいAPIの安定性を増強するために医薬製剤中に含まれる。本発明者らのMEで試験される水溶性抗酸化剤としては、グルタチオン(CAS#70-18-8);トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート(TPGS;CAS#9002-96-4);又はメタ重亜硫酸ナトリウム(CAS#7681-57-4)が含まれる。試験される油溶性抗酸化剤としては、アルファトコフェロール(ビタミンE;CAS#10191-41-0);ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT;CAS#128-37-0);又はブチル化ヒドロキシアニソール(BHA;CAS#25013-16-5)が含まれる。最も有効な抗酸化剤又は抗酸化剤の組み合わせを決定するために、予備安定性及び抗酸化剤スクリーニング試験を最初に行い、その後、ICHガイダンスに従って完全安定性試験を行う。これらの成分の多くは、多くのAPIの安定性を延長するために使用されており、12ヶ月の安定性に達することができる。
抗酸化剤スクリーニング中の短期製剤安定性の評価:抗酸化剤のスクリーニングは、表3に示されるように、1つ以上の抗酸化剤を本発明者らのMEに個別に又は組み合わせて添加することによって達成される。抗酸化剤を含有する製剤を、25℃、30℃、40℃の3つの異なる温度で3ヶ月間保存することによる加速安定性試験に供する。保存した製剤を、それらの物理的外観、薬物含有量及びpHに関して15日毎に評価する。全ての製剤が3ヶ月間安定なままである場合、この短期試験は、6ヶ月間延長される。これらの加速された安定性の結果に応じて、最も有効な抗酸化剤が、最終的な最適化された製剤における使用のために選択される。
ICHガイダンスに従った最適化製剤の完全安定性試験:短期安定性及び抗酸化剤スクリーニング試験の結果に応じて、最も有効な抗酸化剤を含有する最終最適化製剤、並びに抗酸化剤を含まない元の製剤を、以下のようにICHガイドラインに従って安定性試験に供する。製剤は、ICHガイドラインに従って、物理的安定性(凍結融解サイクル及び遠心分離試験)及び化学的安定性に関して評価する。本発明者らは、本発明者らの製剤をその貯蔵寿命の間保存することを意図する最良の保存条件を知らないので、室温、冷蔵庫又は冷凍庫条件を含む異なる条件を試験する。長期安定性試験のために、製剤を-20℃、5℃及び25℃で1年間保存する。中間安定性試験を、30℃で6ヶ月間行う。加速安定性試験もまた、本発明者らの標準的な方法を用いて40℃で6ヶ月間行う。保存中、製剤は、それらの薬物含有量、pH、液滴サイズ、PDI及びゼータ電位に関して毎月評価される。また、放出パターンを最初に、次いで6ヶ月毎に試験して、MEがその徐放性挙動を維持する能力を評価する。
以下の方法を使用して、物理的及び化学的安定性を評価する(三連サンプル)。
物理的安定性:物理的安定性は、反復凍結-融解サイクルを用いて、及び超遠心分離によって測定される32,33
PRG含有量:本発明者らのHPLC-UV法を使用して、製剤及び放出サンプル中の薬物含有量を判定する12
pH測定:pHは、pHメータ(Corning pHメータ440)を使用して測定する12
平均液滴サイズ、多分散性指数(PDI)及びゼータ電位測定:本発明者らのME製剤の平均液滴サイズ、PDI及びゼータ電位は、Zetasizer(Nanoseries、nano-ZS)35を使用して好適に希釈した後に判定する。全ての測定は、25℃で実行する。
試験1.2:上昇したIOPのウサギモデルにおける、試験1.1からの最適化製剤の有効性の確認
(表4)図6に示される製剤の薬力学的パラメータ
Figure 2023541372000006
データは、平均±SEMとして表す。n=3 Tmax:最大応答までの時間(単位:時間)。
end(時間):応答終了までの時間(単位:時間)。
AUC(%、時間):時間曲線に対する%IOP低減下の総面積。
データ:本発明者らは、ダッチベルテッド種ウサギにおいて本発明者らのPRG MEの有効性を評価し12、本発明者らのME製剤1滴が、低減されたIOP(42.3%の低減、表4)を維持し、単回適用後34時間でベースラインに戻った(AUC=788.6%-時間)ことを実証した。本発明者らのMEの非存在下では、Carbopol 981ゲル中の同じ薬物は、10時間でベースラインに戻った29.4%のIOP低減しかもたらさず(AUC=172.3%-時間)、本発明者らのMEへの薬物の組み込みがその有効性を増強したことを実証した。更に、本発明者らのW/O/W MEの3つ全ての層の複合効果は、PRGの有効性を増強するために重要である。本発明者らはまた、MEを特徴付け、それが角膜を横切るPRGの浸透を増加させ、安全であり、眼において十分に忍容されると判定した12。この同じモデルを使用して、試験1.1から本発明者らの最適化された製剤を評価する。
本発明者らのPRG MEの長期使用を評価するために、21日間連続して毎日の投与を使用して、タキフィラキシー、生物適合性及び生体分布研究を実行した12。本発明者らのデータは、PRG MEの最初の投与後、19.3mmHgのベースラインと比較して、IOPが13~14mmHgの正常な生理学的範囲(p<0.001)に維持されたことを実証する。重要なことに、21日間の投与の後、ウサギの角膜及び結膜は、前眼房において細胞又は発赤がなく、健康に見え、これは、本発明者らのMEが眼において十分に忍容されるという証拠となる。この知見は、組織病理学でも確認される12
研究設計及び方法:ダッチベルテッド種ウサギ(Envigo Rabbitry;旧Covance)を、この単回投与設計研究において使用する。このウサギ飼育場からのウサギは、他のウサギ飼育業者から購入したものよりも高いベースラインIOP値を有し得る。ウサギ(雄と雌との間で等しくバランスがとられている)を、研究の開始前の少なくとも7日間、取り扱い及びIOP測定に順応させる。細隙灯生体顕微鏡検査及び眼底検査を、研究の前後に実行する。試験1.1からの本発明者らの上位3つの製剤を、本発明者らの方法を使用してこのモデルにおいて試験する12。両眼のIOPを、リバウンド眼圧計(Tono-Pen AVIA Vet、Reichert)を使用して、製剤適用の直前(ベースライン、午前8時)及び適用後1時間間隔で、IOPがベースラインに戻るまで測定する。滅菌マイクロピペットチップを使用して、PRG MEを含有する30マイクロリットルの製剤又はブランク対照を各ウサギの片眼に局所的に滴下し、他眼に製剤ビヒクルを与え、したがって対照として役立てる。ウサギに毎日午前8時に21日間投与し、午前8時(投与直前)及び本発明者らの方法を用いて最大IOP低減が測定される時点(Tmax)でIOPを収集する12。図16と同様の曲線が生成される。抗酸化剤含有製剤の生物適合性は、図17に示すように、細隙灯生体顕微鏡を用いて評価する。研究を実行する人は、各ウサギについて、どの眼が薬用製剤を投与され、どの眼がブランク対照を投与されるかについて盲検化される。80%の検出力、及び30%のIOP結果における限界差を仮定すると、この研究には10匹のウサギが必要であると推定する。本発明者らはまた、C57B1/6J(B6)マウス及びカニクイザルにおいてこれらの製剤を評価し、これにより種の確認及び比較が可能になる。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らのMEの水相及び/又は油相への1つ以上の抗酸化剤の添加は、PRGの化学的安定性を改善し、保存中のその分解を予防する。MEは安定な製剤であり、その水/油比が一定のままである限り、その物理的安定性を保持することができる。抗酸化剤はMEの油及び/又は水含量の一部として添加されるので、相体積比は一定のままであり、本発明者らのMEの物理的安定性及び完全性を維持することができる。添加された抗酸化剤を有する最適化されたMEは、IOP低下能力又は作用の持続時間において最小限の変化~変化なしで、非常に有効であり続ける。経口溶液中のPRGの化学的安定性は、1年を超える安定性を有する(NDA 22-488)。
代替アプローチ:短期安定性及び抗酸化剤スクリーニング研究は、抗酸化剤が本発明者らのMEの化学的安定性を改善するかどうかを判定するが、抗酸化剤単独では、本発明者らの製品の貯蔵寿命を2年に延長するのに十分ではない可能性がある。より低温の保存温度(5℃及び-20℃)の評価を含めることにより、製剤安定性を改善するために低温保存が必要であるかどうかが分かる。本発明者らのMEに抗酸化剤を組み込むか、又は保存温度を変更してもその安定性を増加させることができない場合、ボトル材料(HDPE)への抗酸化剤(例えば、BHT、BHA、又は1:1の比でのそれらの組み合わせ)の組み込み、並びに窒素雰囲気下での包装を調査する。酸化反応の大部分は、製剤のバルク内ではなく、ボトル壁と製剤との間の界面で起こるので、窒素ガス下でのボトル材料及び包装への抗酸化剤の組み込みは、酸化によるPRGの分解を止めるのに役立つ。
理論に束縛されることを望むものではないが、試験1は、有効性を維持するために抗酸化剤を添加してから1年後まで、本発明者らのME製剤の安定性が増加していることを実証することができる。加速安定性からの結果を使用して、各製剤について傾向分析プロットを計算する。これらのプロットを使用して、本発明者らのGMP製造者に本発明者らの製剤の移行を知らせる(試験2)。
2:毒物学研究のための優良試験所基準(GLP)条件下での薬物製品の製造。
目的:試験方法を最適化し、適切なものにして、本発明者らのAPI出発物質及び製造された薬物製品を分析的に評価する。GLP薬物製品を製造し、ICHガイドラインの下で不純物の分析を開始する。これは、以下を提供することができる:1)薬物製品調製方法の製造現場への移行;2)毒物学研究に好適であろうエンジニアリングスケールアップGLPバッチの生成;3)有意な不純物及び分解物(≧0.10%)の同定及び特徴付け。本発明者らの目標は、最低1年間安定である、毒物学研究で使用するためのGLP薬物製品の製造の成功である。
2.1:製造、品質リリース、及び安定性研究中の、薬物試験を支持するための分析試験方法の最適化、定量、及び移行。
HPLC-UV:PRGの効力及び純度を推定するために、逆相HPLC及び紫外線(UV)検出を使用するLC-UV分析アッセイの開発に成功した12。この方法は、プレガバリンAPI及び最終薬物製品の両方を評価するために使用される。
平均液滴サイズ、多分散性指数(PDI)及びゼータ電位測定:本発明者らのME製剤の平均液滴サイズ、PDI及びゼータ電位は、Zetasizer(Nanoseries、nano-ZS)35を使用して好適に希釈した後に判定する35。全ての測定は、25℃で実行する。
透過型電子顕微鏡法:本発明者らのPRG MEの形態及び液滴サイズの確認を、透過型電子顕微鏡法(TEM)(JEOL JEM1200EX II電子顕微鏡)を使用して行う。簡単に述べると、ME製剤を、MilliQ水で1:100に希釈した。2マイクロリットルの希釈したMEを、Formvarフィルム(Electron Microscopy Sciences EMS)で覆った400メッシュ銅グリッド上に置く。グリッドをデシケータ中で2時間乾燥させ、続いてUranyless EM stain(Electron Microscopy Sciences EMS)で陰性染色した後、TEMで検査する。
粘度の判定:コーン(1.5°)及びプレート回転粘度計(Brookfield DV-II+プログラム可能な粘度計;Brookfield Engineering Laboratories)を使用して、本発明者らのプロトコルに従って本発明者らの製剤の粘度を判定する36,37。各製剤(500μl)を粘度計の固定プレート上に5分間置き、その後、各測定を行って実行温度に到達させる。粘度は、35±0.5℃で3回測定する。
生体接着力の測定:本発明者らのME点眼剤の生体接着力は、生体接着ポリマーをムチン分散物と混合する際に生じるレオロジー的相乗作用の評価に依存する単純な方法によって判定する38,39。胃ムチンII型(15%、w/v)を模擬涙液(pH7.4)に分散させ、4℃で一晩溶解させる。測定前に、ムチン分散液を35℃に加温し、次いで予め同じ温度に加温しておいた製剤と混合した。ムチン分散液、製剤、及びそれらの混合物の粘度は、Brookfield粘度計を使用して3回測定する。生体接着並びに生体接着力による粘度変化は、本発明者らの方法を用いて計算される12
研究設計及び方法:
2.2:毒物学研究のためのGLP薬物製品の製造及び安定性。IRISYSによって実行する。
データ:図16に示す方法を使用して、PRG MEの小規模バッチをそれぞれ500gまで社内で作製した。本発明者らのPRG MEは、5℃及び25℃で3ヶ月間、並びに30℃及び40℃で2ヶ月間化学的に安定であり(表2)、試験1.1において化学安定性を1年に増加させるように、これを更に最適化する。最終的に最適化された製剤は、将来の毒物学研究のための調製におけるGLP製造及び評価のためにIRISYSに移行する。
バッチ記録は、試験1.1からの化学的安定性が最も長い上位3つの製剤についてそれぞれ5,000ボトルのGLP実証バッチについて生成される。これらの実証バッチは、分析試験方法のプロセス及び感度を確立するために生成される。これらの実証バッチ及び将来のGMPバッチにおける不純物プロファイルは、後に続くほぼ同一のプロセスに基づいて同様であり得る。実証バッチは、GLP毒物学研究において使用する。加えて、これらのエンジニアリングバッチは、ICHガイドラインの下、-20℃、2~8℃、25℃及び40℃で最低12ヶ月間の安定性試験に入る。このバッチを本発明者らの全ての毒物学研究に使用する予定であるため、本発明者らの完全な毒物学プログラムを通して安定性を追跡できるに、24、30、及び36ヶ月間の結果を生成するのに十分なサンプルを充填する。しかしながら、12ヶ月経過したサンプルのみを分析する。
2.3:PRG ME製剤中に見出される不純物の探索的同定及び特徴付け。
不純物及び分解物(≧0.10%)を同定し、特徴付けることができる。PRG ME製剤内の不純物は、1)プレガバリン原薬中に存在する既知の不純物;及び2)本発明者らのPRG ME製剤内の不明な不純物であり得る。プレガバリン34及び潜在的供給源において見出される6つの既知の不純物及び分解生成物は、以下の通りである:
アルケン不純物、4-エン不純物、又は4,5デヒドロプレガバリン(CAS#216576-74-8;Toronto Research Chemicals)、
二酸不純物、3-カルボキシ-5-メチルヘキサン酸(CAS#5702-99-8;Toronto Research Chemicals又はSimon Pharma Limited)、
3-(2-アミノ-2-オキソエチル)-5-メチルヘキサン酸(CAS#181289-33-8;Toronto Research Chemicals)、
(S)-4-イソブチルピロリジン-2-オン、ラクタム不純物、又はPD 0147804(CAS#61312-87-6;Toronto Research Chemicals)、
ジオン不純物又は4-イソブチルピペリジン-2-6-ジオン(CAS#916982-10-0;Toronto Research Chemicals又はSigma Aldridge)、
R-エナンチオマー不純物又はPD 0144550(CAS#148553-51-9;Toronto Research Chemicals又はSigma Aldridge)。
非限定的な例示的研究設計及び方法:本発明者らの最適化されたPRG ME含有抗酸化剤の最初のGLPロットの探索的不純物プロファイリングを、薬物製品のHPLC分析を使用して実行する。ピーク面積>0.10%を有する不純物の最初の構造的特徴付けを、MS/MS分析によって実行する。これらの構造を確認するために、同定された不純物を購入し、LC/MS、MS/MS、及びNMRスペクトルデータを使用して特徴付ける。不純物の多くは、薬物物質から持ち越されるので、現在市販されているPRG薬物製品(NDA 22-488)に見られるものと同じである。
実施された研究を通して、以下を実行することができる:1)薬物製品の放出及び安定性のために必要な試験方法を移行し、適切なものにする;2)毒物学研究で使用するのに好適な高品質薬物製品の上位3つの製剤のそれぞれについてGLPバッチを製造する;3)プラセボ/MEビヒクルのGLPバッチを製造する;4)この薬物製品が2~8℃及び室温で最低2年間安定であると判定する;5)ICHガイドラインによって規定されるように、分析によって同定されたPRG不純物を同定し、特徴付ける。
試験2の測定基準は、以下を含み得る:1)毒物学研究で使用するためのGLP薬物製品の製造;2)6ヶ月加速安定性データ;及び3)ICHガイドライン下での12ヶ月長期安定性データ。
3:毒物学評価。
3は、ウサギにおける本発明者らのPRG MEの無毒性量(NOAEL)を判定することができ(試験3.1)、これは、ウサギにおける将来のGLP長期反復用量研究の適切な用量の選択を導く。
3.1:非GLP 4週間、反復用量、用量範囲を設定する毒性試験。
4についてのデータ:PRGは、2005年以来、疼痛管理について承認された製品であり、1600万人を超える人々に処方され、服用されており、したがって、既存の臨床データベースは大きい(LyricaウェブサイトFAQ)。検出可能なレベルの全身曝露の形跡は、PRGの眼科的適用後には見出されておらず12、これは、安全性プロファイルに有利に影響し得る。全身曝露のレベルに関する決定的なデータのために、高用量後の毒物動態学分析を本研究において実行する。本発明者らは、ガードカラムの使用を含む改変を伴って、Paulyら40の方法に従って、超高速液体クロマトグラフィ-タンデム質量分析12を用いてPRGの濃度を評価する生物分析法を検証した。このHPLC法を使用した定量レベル(LOQ)は、約2.5pg/mLである。
反復用量安全性試験は社内で行われており、いかなる有害事象も観察されていない。無毒性量(NOAEL)を判定することは、非臨床的リスク評価の重要な部分であり、本発明者らの初期臨床試験における最大推奨開始用量を判定するのに役立つ。NOAELを判定し、臨床試験において監視されるべき潜在的な有害事象を同定するために、(濃度を増加させ、1日当たりの適用数を増加させることによって)用量を増加させることが必要である。この研究は、長期GLP反復用量毒性試験において使用される用量を予測して知らせる。
(表5)毒性試験についての動物分布。
Figure 2023541372000007
非限定的な例示的研究設計及び方法雄及び雌のダッチベルテッド種ウサギにおいて、標準的な眼科毒性研究設計に従う。低用量(有効用量)、中用量(3倍有効用量)及び高用量(10倍有効用量)を試験して、本発明者らのPRG MEの治療域を評価する。データを収集する前に、動物をIOP測定に順応させる。
順応は、2週間にわたる週5日の午前及び午後における両眼のIOP測定を含む。動物を、死亡率チェックのために1日2回、ケージサイド観察のために1日1回検査する。体重を含む詳細な臨床観察を毎週行う。動物を4つの群に分け、表5に従って4週間投与する。以下のエンドポイントを収集する。
肉眼的眼観察:肉眼的眼観察は、修正ドレーズ採点システムを使用して得て、試験前及び最後の毎日の適用の約0.5時間後に週1回実施する。
眼検査(Ocular Examination、OE):OEは、有資格の獣医眼科医によって、細隙灯生体顕微鏡検査及び倒像検眼鏡検査を使用して実行される。修正Hackett-McDonald採点システムを使用して両眼を評価する。試験は、試験前に1回、1日目、8日目、15日目、22日目、及び最後の毎日適用の約0.5時間後の剖検の前に実行する。
眼内圧(IOP):両眼における薬理学的効果を評価するために、リバウンド眼圧計を使用してIOPを得る。IOPは、試験前、1週目に1回、2週目に1回、及び剖検前に測定する。
パキメトリー:両眼において中央角膜からパキメトリーの読み取りを行い、試験前及び剖検前に行う。
角膜スペキュラー顕微鏡検査:角膜スペキュラー顕微鏡検査は、麻酔した動物の両眼において評価され、角膜内皮細胞の標準的な数値評価を含む。評価は、試験前及び剖検前に行う。
網膜電図検査(ERG):麻酔した動物の両眼において、全視野暗順応網膜電図検査を実行する。評価は、試験前及び剖検前に行う。
臨床病理学:臨床病理学評価は、試験前に1回、及び剖検前に採取された血液に対して行う。背骨を剖検時に採取する。評価されるパラメータは、標準血液学、凝固、血清化学、及び尿分析パネルである。
毒物動態学(TK):血漿中の試験物質濃度は、1日目及び29日目(2回目の毎日適用の10、30、及び90分後)に採取した血液から評価する。
肉眼的剖検:標準的な非眼組織リストを含む肉眼的剖検を実行する。臓器重量を収集する。収集される眼組織としては、眼球結膜を含む右眼、眼瞼、涙腺、下顎リンパ節、瞬膜、ハーダー腺、視神経、鼻甲介、鼻咽頭、眼房水採取を含む除核右眼が挙げられる。
組織濃度:以下の眼組織における試験物質濃度を収集する:眼房水、角膜、虹彩/毛様体、硝子体液、網膜、脈絡膜/RPE。
組織病理学:全ての動物からの眼及び付属器組織を顕微鏡で評価し、各眼からの3枚のスライドを評価する(パラフィン包埋及びH&E染色)。非眼組織は、将来の評価のために固定液中で保存する。
本研究は、1)研究を完了するための本発明者らの計画に関する洞察及びFDAとの一致を得ること、並びに2)ウサギにおける本発明者らのPRG MEのNOAELを判定し、ウサギにおけるGLP長期反復用量研究のための本発明者らのその後の実験において使用される適切な用量を確信を持って選択することを目的とする。
性能エンドポイント:試験3の主要エンドポイント/成功測定基準は、1)研究を完了するための計画に対する同意、2)判定されたNOAELを含む4週間研究のための最終研究報告、及び3)本発明者らの将来の長期GLP反復用量毒性試験のための推奨用量レベルを含む。
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実施例5
ダッチベルテッド種ウサギに、局所プレガバリンマイクロエマルジョンを60日間投与した。他のウサギはナイーブであり、処置を受けなかった。プレガバリンマイクロエマルジョン処置を受けたウサギは、その視神経が保護された。
実施例6
医薬プレガバリンの、その同族受容体CACNA2D1及びCACNA2D2に対する作用の分子機構の検証
FDA承認薬プレガバリンは、IOPを低下させることができる[1,2]。プレガバリンがIOPを低下させる作用機序を判定するために、プレガバリンが結合する基質を同定し、その基質がIOP産生及び調節に関与する眼の領域に存在するかどうかを判定する必要があった。プレガバリンの標的は、カルシウムチャネル電位依存性サブユニット、α2δ1(別名CACNA2D1)であり得る。CACNA2D1が眼に存在し、IOPに影響を及ぼす領域に局在し得ることを検証するために、本発明者らは蛍光免疫組織化学(flHC)を行い、CACNA2D1がIOPを調節し得る領域、例えば、小柱網及び毛様体に局在することを実証した(図37パネルA~C)。更に、プレガバリンは、水溶液及び徐放性マイクロエマルジョン中で局所送達される場合[1,2]、用量依存的にIOPを低下させる。投与の21日後の眼におけるプレガバリンの生体内分布の更なる研究[2]を通して、本発明者らは、視神経において高レベルのプレガバリンが測定されたことに驚いた。しかしながら、CACNA2D1は、視神経中に存在するとしても最小限であった。理論に束縛されることを望むものではないが、プレガバリンは、第2のデルタサブユニットであるCACNA2D2と同様の親和性で結合するので、CACNA2D2との相互作用を介して視神経において異なる機能を有し得る。免疫組織化学及び共焦点顕微鏡を使用して、本発明者らは、CACNA2D2が視神経に局在することを示し(図37パネルD~F)、これは、プレガバリンの局所投与後の視神経における上昇したレベルについての説明となる[2]。
本実施例で引用されている参考文献
1.Chintalapudi,S.,Maria,D.,Wang,X,Cooke Bailey,J.,NEIGHBORHOOD Consortium,International Glaucoma Genetics Consortium,Hysi,P.,Wiggs,J.,Williams,R.&Jablonski,M.(2017)Systems genetics identifies a role for Cacna2dl regulation in elevated intraocular pressure and glaucoma susceptibility Nat Commun.8,1755.
2.Ibrahim,M.,Maria,D.,Wang,X.,Mishra,S.,Guragain,D.&Jablonski,M.(2019)Once Daily Pregabalin Eye Drops for Management of Glaucoma,ACS Nano.13,13728-13744.
実施例7
遺伝性網膜変性(IRD)は、網膜内の光受容体に影響を及ぼす可能性があり、光受容体を死に至らしめる可能性があり、このため、対象は視力を失う可能性がある。緑内障(高齢者に影響を及ぼし得る)とは対照的に、IRDは、若年者(例えば、30歳未満)に影響を及ぼし得る。いくつかの形態のIRDは、10代から若年成人に影響を及ぼし得る。これらは、「網膜色素変性症」と呼ばれ得る。他の形態は、幼児に影響を及ぼし得る。これらは、「レーバー先天性黒内障」と呼ばれ得る。これらの疾患を引き起こし得る多くの遺伝子が存在する。これらの疾患の他の形態は、「錐体杆体又は杆体錐体ジストロフィー」と呼ばれ得る。
本発明者らは、免疫組織化学を使用して、プレガバリンの標的のうちの1つであるCACNA2D1が網膜中の光受容体に局在し得ると判定した。図38に示すように、
● RPE=網膜色素上皮;ONL=外顆粒層;OPL=外網状層;INL=内顆粒層;IPL=内網状層;RGC=網膜神経節細胞層。
● 赤色は、CACNA2D1が局在する場所を示す。
○ CACNA2D1は光受容体及び内網膜全体に局在する。
● 緑色は、CACNA2D2が局在する場所を示す。
○ CACNA2D2は、内網膜全体に局在する。
● CACNA2D1及びCACNA2D2の両方が、プレガバリンを結合する。
○ CACNA2D1は光受容体によって発現されることを考えると、そこで神経保護物質として作用することができる。
実施例8
本明細書に記載される研究は、軍事関連の外傷事象に関連する眼外傷又は視覚機能障害;並びに厳しい環境及び長期のフィールドケア設定における眼外傷の安定化及び治療のための治療薬を提供することができる。
理論に束縛されることを望むものではないが、ヒトの眼のサイズに近い眼を有し、それによって臨床への本発明者らの成果の適用可能性を容易にする眼爆傷(OBI)のウサギモデルを検証し、緑内障網膜神経節細胞(RGC)及び視神経(ON)損傷のマウス及びウサギモデル(本発明者らのウサギOBIモデル)において神経保護剤として同定したプレガバリン分子の局所製剤の有効性及び作用機序を判定する。
30歳未満の兵士は、爆傷後に長年の視力障害を経験する可能性がある。視力を維持することができる療法は、関心事項である。理論に束縛されることを望むものではないが、プレガバリンマイクロエマルジョン(ME)は、爆傷OBIの治療薬として検証されている。理論に束縛されることを望むものではないが、眼外傷の新規なモデルが本明細書において検証される。
背景
衝撃外傷後の視力喪失のための治療及び薬物送達系に対する必要性は満たされていない。身体防護具の改善は、戦闘員に対する致命的外傷の発生率を低減させた。しかしながら、眼外傷は、依然として罹患の原因である。合併症は、RGC(網膜神経節細胞)及びON(眼神経)損傷並びに視野の喪失を含み得る。これらの外傷を治療する療法は、不足している。神経保護剤を後眼部に非侵襲的に送達する必要がある。これらの満たされていない必要性の両方に対処するための実施形態が、本明細書で説明される。本発明者らは、プレガバリンが緑内障においてRGC及びONに神経保護を提供すると判定し、眼への薬物の侵入を容易にするために局所製剤を設計した。本発明者らは、プレガバリンを眼内圧(IOP)のモジュレータとして同定した。驚くべきことに、本発明者らはまた、それが緑内障性RGC及びON損傷のマウス及びウサギモデルにおける神経保護剤であることを発見した。本発明者らの製剤は、単回用量から>24時間にわたるプレガバリンの徐放性を提供する生体接着性多層マイクロエマルジョン(ME)ベースの局所点眼剤である。本発明者らのMEの利点としては、調製の容易さ、100%のカプセル化効率、その生体接着性に起因する薬物角膜接触時間の増加、その多層構造に起因する制御された薬物放出、及び持続性の高い角膜透過性が挙げられる。これらの特徴の最終的な結果は、プレガバリンが眼に入り、網膜及びONに拡散し得ることである(図39)。本発明者らのMEはまた、安全であり、眼において十分に忍容される2,3
ヒト研究への移行を容易にするために、大きい眼を有する前臨床OBIモデルに対する必要性は満たされていない。10年近くの間、本発明者らは、OBI及び外傷性脳損傷(TBI)の前臨床モデルとして大きな成功を収めたマウスを使用し、中心及び周辺の視覚系の外傷及び欠損を特徴付けた4-9。マウスは、外傷の機構を判定し、妥当な神経保護分子を初期段階で評価するのに有用であるが、ヒトの眼のサイズに近い眼を用いた前臨床モデルは、治療薬をヒト臨床試験に移行するための要件である。この必要性を満たすために、本発明者らは、OBIのウサギモデルを検証し、それをOBIの神経保護療法として本発明者らのプレガバリンMEを評価するためのプラットフォームとして使用する。
目的及びアプローチ:
理論に束縛されることを望むものではないが、眼爆傷に罹患した負傷兵士における視力を保つための神経保護療法が、本明細書に記載される。本発明者らは、OBIの治療薬としての本発明者らの局所プレガバリンME製剤の有効性を評価することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、プレガバリンは、細胞内遊離カルシウムレベル[Ca2+の増加を減弱させることによって、RGC軸索の機能不全及び喪失を軽減する。
目的1:OBIの前臨床ウサギモデルを検証する。
目的2:製剤化したプレガバリンが、RGC及びそれらの軸索における細胞内遊離カルシウム[Ca2+の濃度レベルを調節することによって、ウサギにおいてOBI後のRGC及びONに神経保護を提供することを検証する。
目的1:OBIの前臨床ウサギモデルを検証する。これにより、本発明者らは、プレガバリン及び他の薬物のヒトにおける臨床試験への進行を容易にするOBIの検証された前臨床モデルとしてウサギを進歩させることができる。
データ:本発明者らは、ダッチベルテッド種(DB)ウサギの眼への40、45、又は50psiの単回爆風後の外傷を評価した(図40)。50psiは、RGC及びONへの一貫した実証可能な機能的外傷を生じ得る圧力である。IOPは、OBI後の期間中一定であった(図41)。RGC機能を反映するパターンERG(PERG)振幅は、外傷後最初の2週間の間に一時的に増加し(図42)、理論に束縛されることを望むものではないが、これは、軽度の外傷の例において実証されているように10,11、保護サイトカインの放出に起因し得るか又は起因し得ないが、その後、7週間までに減少した。RGC機能の一時的な増加にもかかわらず、本発明者らは、視神経乳頭(ONH)において眼から出るときのRGC軸索の喪失を反映する、陥凹対円板比の着実な増加を記録した(図43)。外傷マーカーの組織病理学及び評価は、外傷後10週目の屠殺後に実行することができる。
非限定的な例示的方法:モデル選択及び外傷パラダイム。検出力の計算に基づいて、本発明者らは、36匹のウサギ(約3ヶ月齢;6M、6F/群;2つのOBI群及び1つの対照;3つの時点;Covance)を登録することができる。OBIを作製するために、麻酔したウサギを定位固定フレームに固定し、本発明者らの爆風砲の先端を角膜から5mmに配置する(図40)。本発明者らは、2つのOBIモデルを生成し、特徴付ける:1つの群における50psiの単回爆風による軽度外傷(図41~図43);本発明者らのマウス研究で行ったように4-7、50psiでの一連の5回の反復爆風圧と、別の爆風の間の60秒の遅延による中程度外傷。各ウサギの両眼は、互いに数分以内に同じ外傷を受ける。対照群を爆風装置に入れるが、外傷を与えない。ナイーブウサギでのベースライン測定を、研究の開始前に行う。OBIの損傷効果は、以下の評価を使用して、爆風後に評価する。
外傷前ベースライン並びにOBIから2、6及び10週間後の臨床検査:IOP測定;それぞれ光受容体/生体極細胞及びRGC機能の指標であり得る、暗順応全視野網膜電図(ERG)及びパターンERG(PERG)検査、陥凹/乳頭径比計算による眼底イメージング;並びに本発明者らが公開した方法2,12-15を使用して網膜の厚さの変化を評価するためのOCTイメージング。
外傷前ベースライン並びにOBIから2、6及び10週間後の実験室検査。2匹のウサギ(1M、1F)を各時点で安楽死させ、以下の研究を行う:網膜、ON、及び視索の形態;ミクログリア状態の免疫組織化学的評価;本発明者らの方法を使用した、視索における外傷軸索球の存在の判定、及びON損傷の組織学的評価4,5
統計分析:Prism統計ソフトウェアを使用して、一元配置ANOVA、続いてTukey-Kramer多重比較検定(有意なF検定の場合)によって分析する。雄と雌の応答の差を判定する。差異が同定されない場合、データをプールする。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、ウサギにおけるOBIの2つのモデルの特徴付けを含むことができる。
目的2:製剤化したプレガバリンが、RGC及びそれらの軸索における細胞内カルシウム(Ca2+)の濃度レベルを調節することによって、ウサギにおいてOBI後のRGC及びONに神経保護を提供することを検証する。本発明者らは、OBIに罹患したウサギにおける神経保護剤としての本発明者らの製剤化したプレガバリンの有効性及び作用機序を検証することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、局所投与による神経保護治療薬の送達は、治療の選択肢を改善することができる。投薬の性質により、1日1回の点眼剤である本発明者らの製剤は、野戦病院、厳しい環境、及び長時間のフィールドケア環境などで使用することができる。
データ:DBウサギは、ON損傷及びON頭部陥凹として現れる自然発生的な加齢性緑内障を発症し得る(図44)。しかしながら、緑内障性損傷の初期段階の間の本発明者らのプレガバリンMEによる毎日の投薬は、これらの構造的欠陥を軽減した(図45)。本発明者らのプレガバリンMEを、OBIに対する妥当な神経保護剤として評価することを検証することができる。例えば、若いウサギ(IOP及びON損傷において齢数に関連した増加をまだ発症していない3ヶ月齢)を使用することができる。なぜなら、この齢数は、OBIに罹患した兵士の年齢をシミュレートすることができるからである。
プレガバリンがRGCに対して神経保護的である作用機序は、不明である。理論に束縛されることを望むものではないが、プレガバリンが、選択的CACNA2D1遮断薬であることを考えると16、RGCの細胞膜及びそれらの軸索全体にわたるイオン性Ca2+の流入を減弱させることができる(図10)。
非限定的な例示的方法:神経保護剤としてのプレガバリンの評価。検出力の計算に基づいて、36匹のウサギ(約3ヶ月齢;6M、6F/群;2つのOBI群及び1つの対照;3つの時点;Covance)を登録する。本発明者らの軽度及び中等度のOBIモデル(本明細書を参照されたい)における本発明者らのプレガバリンMEの神経保護効果を検証するために、ウサギに、外傷後2時間から投与を開始する(兵士が損傷と処置の開始との間に経験し得る時間の長さをシミュレートするため)。外傷眼に、30μl用量のプレガバリンME(0.6%)を投与する。投与は、10週間毎日継続する。プレガバリンMEの神経保護能は、本明細書に概説される同じ臨床検査及び実験室検査を使用して評価する。
[Ca2+に対するプレガバリンの効果の評価。36匹のウサギ(約3ヶ月齢;2M、2F/群;2つのOBI群及び1つの対照;3つの時点;Covance)を登録する。プレガバリンが本発明者らの軽度及び中程度のOBIモデルにおいて流入Ca2+を軽減することを検証するために、RGC細胞体及びそれらの軸索における電位依存性Ca2+チャネル(VGCC)によって媒介されるCa2+シグナルを、外傷後の以下の時間:2時間、4時間及び2週間で測定し、これにより、急性及び慢性の変化の両方にアクセスすることができる。そうするために、各条件からの眼杯に、Ca2+感受性及び非感受性色素の混合物を逆行的に負荷し、レシオメトリックアプローチを使用して[Ca2+の振幅及び持続時間を計算することを可能にする17。細胞は、細胞外カリウム濃度を上げて、イメージングコンピュータと同期した自動灌流を介してVGCCを活性化することによって18,19、脱分極される20,21。[Ca2+の変化は、特定のRGC軸索束及び細胞体上に関心領域(ROI)を配置することによって得られる(図46パネルC及びE)。Naチャネル遮断薬であるテトロドトキシンを使用して、NaチャネルがCa2+トランジェントの生成に寄与する程度を判定する。ROIからの蛍光強度値は、実験条件内で平均化され、各々は、統計的検定のための独立した観察であると考えられる。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らの局所プレガバリンMEを投与された外傷眼は、未処置のものよりも機能的及び組織病理学的異常が少ない。理論に束縛されることを望むものではないが、OBIは、プレガバリンによって軽減され得るイオンCa2+の調節されていない上昇した流入につながる。理論に束縛されることを望むものではないが、安定で低い[Ca2+は、臨床的及び組織病理学的神経保護と相関する。
本実施例で引用されている参考文献
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8 Guley,N.et al.Amelioration of visual deficits and visual system pathology after mild TBI with the cannabinoid type-2 receptor inverse agonist SMM-189.Exp Eye Res 182,109-124(2019).
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12 Ibrahim,M.,Abd-Elgawad,A.,Soliman,O.&Jablonski,M.Novel topical ophthalmic formulations for management of glaucoma.Pharm Res 30,2818-2831(2013).
13 Swaminathan,S.et al.Novel Endogenous Glycan Therapy For Retinal Diseases:Safety,In Vitro Stability,Ocular Pharmacokinetic Modeling and Bio-distribution.AAPS Journal 16,311-312(2014).
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16 Chintalapudi,S.R.et al.Systems genetics identifies a role for Cacna2dl regulation in elevated intraocular pressure and glaucoma susceptibility.Nat Commun 8,1755(2017).
17 Van Hook,M.J.&Thoreson,W.B.Weak endogenous Ca2+buffering supports sustained synaptic transmission by distinct mechanisms in rod and cone photoreceptors in salamander retina.Physiol Rep 3,doi:10.14814/phy2.12567(2015).
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20 Vaithianathan,T.,Henry,D.,Akmentin,W.&Matthews,G.Nanoscale dynamics of synaptic vesicle trafficking and fusion at the presynaptic active zone.Elife 5,doi:10.7554/eLife.13245(2016).
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同等物
当業者であれば、ルーチンの実験以上のものを使用せずに、本明細書に具体的に記載された特定の物質及び手順に対する多数の同等物を認識するであろう、又は確認できるであろう。そのような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、添付の請求の範囲によってカバーされる。

Claims (30)

  1. 対象における緑内障を治療する方法であって、それを必要とする前記対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  2. 緑内障誘発性神経変性を予防する方法であって、それを必要とする前記対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  3. 対象における視野欠損を減少させる方法であって、それを必要とする前記対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  4. 眼内圧を減少させ、眼の神経変性を予防する方法であって、それを必要とする前記対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  5. それを必要とする対象の眼に対して神経保護効果を提供するための方法であって、前記対象に、神経保護効果を提供することができる、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  6. 対象における眼外傷を治療するための方法であって、それを必要とする前記対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  7. 遺伝性網膜変性を予防するための方法であって、それを必要とする対象に、プレガバリン(PRG)を含む有効量の眼用組成物を投与することを含む、方法。
  8. 前記組成物が、眼の眼内圧(intraocular pressure;IOP)を減少させる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記眼用組成物が、約0.001%~約1.2%のプレガバリン(PRG)を含有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記神経保護効果が、網膜神経節細胞(RGC)及び視神経に影響を及ぼす、請求項5に記載の方法。
  11. 前記組成物が、局所投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記組成物が、前記対象の片眼又は両眼に投与される、請求項8に記載の方法。
  13. 前記組成物が、点眼剤を介して投与される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記組成物が、1日1回投与される、請求項9に記載の方法。
  15. 前記組成物が、マイクロエマルジョン(ME)製剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記マイクロエマルジョン製剤が、作用持続時間の増加及び有効性の増加をもたらす、請求項15に記載の方法。
  17. 前記マイクロエマルジョンが、水中油中水型(W/O/W)多相マイクロエマルジョンを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記多相マイクロエマルジョン(W/O/W)が、
    内部乳化剤内に包含された、水溶液を含む内部相(W)と、
    外部乳化剤内に包含された、前記内部相を包含する中間油相(O)と、
    前記外部乳化剤を取り囲む外部水相(W)と
    を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記中間油相(O)が、内部乳化剤を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記内部乳化剤が、界面活性剤を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記界面活性剤が、caproyl 90、レシチン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記水溶液が、脱イオン水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、人工涙液、及び平衡塩類溶液からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  23. 前記外部水相(W)が、前記外部乳化剤及び生体接着性ポリマーを含む、請求項18に記載の方法。
  24. 前記MEが、局所製剤として製剤化される、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記油相(O)中に不溶性又は難溶性薬物を更に含む、請求項18に記載の方法。
  26. 前記水溶液(W)が、水溶性薬物を含む、請求項18に記載の方法。
  27. 眼内の眼圧(intraocular eye pressure;IOP)を低下させ、かつ直接的な神経保護を提供する方法であって、Cacna2d1遺伝子によってコードされるカルシウムチャネル電位依存性α2δ1サブユニット(CACNA2D1)タンパク質を標的とする治療薬を投与することを含む、方法。
  28. 前記眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤が、単回用量として投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤が、連続的に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記眼用組成物又はマイクロエマルジョン製剤が、対象に1日1回、1日2回、1日3回、数日に1回、又は週1回投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
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