JP2023539304A - 変圧器コア用コイル - Google Patents

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Abstract

変圧器コア用コイル(10)は、長手方向軸(L)と、少なくとも1つの多撚導体(2)と、長手方向軸(L)の周りに巻かれる少なくとも1つの第1の導体巻回(22)と、長手方向軸(L)の周りに巻かれる少なくとも1つの第2の導体巻回(24)とを備え、少なくとも1つの第1の導体巻回(22)は、少なくとも1つの第2の導体巻回(24)に隣接する。少なくとも1つの第1および第2の導体巻回(22、24)の各々は、少なくとも1つの第1および第2の導体巻回(22、24)が互いに対して絶縁されるように、それぞれの導体巻回(22、24)の断面周囲全体ではなく部分的に延在する電気絶縁部材(4)を設けられる。電気絶縁部材(4)は、それぞれの導体巻回(22、24)の断面周囲全体に延在しないので、導体巻回の表面の一部は、電気絶縁部材(4)によって覆われない。このようにして、例えば鋳造樹脂部材は、導体巻回の表面の一部に直接接触してもよい。これは、それぞれの導体巻回(22、24)と電気絶縁部材(4)との間に空気が存在するリスクを排除するか、または少なくとも著しく低減する。その結果、変圧器の動作中の望ましくない部分放電を低減することができる。

Description

本発明は、変圧器コア用コイルに関する。
変圧器は、電気エネルギーを1つの電気回路から別の電気回路へ、または複数の回路へ伝達する受動電気装置である。典型的な変圧器は、第1のヨークと第2のヨークとの間に延在する、垂直に配向されることが多い、いくつかの、例えば、3つの平行な柱またはリムを有する強磁性コアを備える。コイルまたは巻線がリムの周りに巻かれる。コイルのいずれか1つにおける変動する電流は、コア内に変動する磁束を生成し、これは、コアの周囲に巻かれた任意の他のコイルにわたって変動する起電力を誘起する。
図6にも概略的に示されているように、コイル100は、典型的には、コイル100の長手方向軸Lの周りに複数の巻回120で巻かれた少なくとも1つの導電体110を含む。導体110は、例えば鋳造樹脂(図6には図示せず)に埋め込まれている。
中周波変圧器(MFT)は、電力-電子システムにおける典型的な構成要素である。1kHzを超える、例えば10kHzの範囲の動作周波数に起因して、MFTのコイル100の導体110は、典型的にはリッツ線から作製される。リッツ線は、導体110を通る交流電流の伝送中に生じ得る表皮効果及び近接効果による損失を低減するように構成された導体の一種である。リッツ線は、典型的には、多くの細い撚線から成り、それらは、ともに撚られるか、または織られる。したがって、リッツ線は多撚導体である。
リッツ線の撚線は個々に絶縁されているが、絶縁不良を回避するために、導体110の隣接する巻回120間、特に最初の巻回間、すなわち、図6の上側の長手方向端部について矢印および感嘆符によって例示的に示されているように、コイル100の長手方向端部の近くの巻回の間には、さらなる絶縁が規則的に必要とされる。
乾式MFTのプロトタイプは、信頼性のある巻回対巻回絶縁を提供するために、ノーメックステープを完全に巻き付けられたリッツ線を含む。ノーメックスは合成芳香族ポリアミドポリマーであり、非常に良好な化学的、機械的および電気的抵抗を示す。しかしながら、この構成は、ノーメックステープが、コイルの製造中に樹脂がリッツ線を完全に埋め込むことを妨げる可能性があるため、乾式変圧器の場合には最適でないことが分かっている。この結果、リッツ線とノーメックステープとの間に空気が残ることがある。リッツ線とノーメックステープとの間のそのような空気は、絶縁に悪影響を及ぼし得、変圧器の動作中の部分放電のレベルの増加に寄与し得る。
代替的に、巻き付けられていないリッツ線を、図6bに視覚化されるように、隣接する巻回120間に位置決めされた機械的セパレータ130と共に使用することができる。このようにして形成された隣接する巻回間の間隙は、その後、適切な電気絶縁を確保するために樹脂で充填される。しかしながら、この設計は、より複雑な製作を必要とする。
したがって、変圧器コアのための改良されたコイルおよび改良された変圧器コアが必要とされている。
この目的は、独立請求項によって達成される。従属請求項は、好ましい実施形態を指す。本開示の追加のまたは代替の局面は、本明細書全体を通して対処される。
本開示によれば、長手方向軸を含む変圧器コア用コイルが提供される。前記長手方向軸は、変圧器のリムの長手方向軸と一致してもよい。少なくとも1つの多撚導体が提供される。少なくとも1つの第1の導体巻回は長手方向軸の周りに巻かれ、少なくとも1つの第2の導体巻回は長手方向軸の周りに巻かれ、少なくとも1つの第1の導体巻回は少なくとも1つの第2の導体巻回に隣接する。第1および第2の導体巻回は、部分的に同じまたは異なる多撚導体であってもよい。第1および第2の導体巻回は、軸方向に、すなわち長手方向軸の方向に、または径方向に、すなわち長手方向軸に垂直な方向に、互いに隣接していてもよい。
少なくとも1つの第1および第2の導体巻回の各々は、それぞれの導体巻回の断面周囲全体ではなく一部の周囲の周りに延在する電気絶縁部材を設けられ、隣接する少なくとも1つの第1および第2の導体巻回は互いに絶縁される。
電気絶縁部材は、それぞれの導体巻回の断面周囲全体の周りに延在しないので、導体巻回の表面の一部は、電気絶縁部材によって覆われない。このようにして、例えば鋳造樹脂、例えばエポキシ樹脂は、導体巻回の表面の一部に直接接触してもよい。また、電気絶縁部材と導体巻回との間の接触領域は、導体巻回の断面周囲部の周りで閉じられるが、電気絶縁部材が存在しない領域内に開いている。これは、導体巻回と電気絶縁部材との間に空気が残るリスクを排除するか、または少なくとも著しく低減することが見出された。その結果、変圧器の動作中の望ましくない部分放電を低減することができる。
コイルは、乾式変圧器用および油浸変圧器用に設計された変圧器コアに特に適している。
特定されるように、電気絶縁部材は、それぞれの導体巻回の断面周囲全体ではなく、部分的に延在する。この条件は、少なくとも1つの第1及び/若しくは第2の導体巻回の長さの少なくとも一部に対して、又は少なくとも1つの全巻回に対して、又は複数の巻回に対して、当てはまってもよい。少なくとも1つの多撚導体は、複数の巻回を含み得る。
電気絶縁部材は、それぞれの導体の、ある巻回または複数の巻回の全長に沿って、連続的に延在してもよい。
多撚導体は、個々の絶縁要素が設けられた撚線を含んでもよく、又は当該撚線によって形成されてもよい。多撚導体は、リッツ線を含んでもよく、又はリッツ線であってもよい。多撚導体は、連続転位導体(CTC)を含んでもよく、または連続転位導体(CTC)であってもよい。
電気絶縁部材は、変圧器の動作中に誘電破壊を回避するように構成されてもよい。電気絶縁部材は、個々の撚線の絶縁に加えて、設けられてもよい。
少なくとも1つの第1の導体巻回は、少なくとも1つの多撚導体によって形成されてもよい。少なくとも1つの第2の導体巻回は、少なくとも1つの多撚導体によって形成されてもよい。少なくとも1つの第1の導体巻回および少なくとも1つの第2の導体巻回は、少なくとも1つの多撚導体のうちの1つの多撚導体によって形成されてもよい。代替的に、少なくとも1つの多撚導体は、第1の多撚導体および第2の多撚導体を含んでもよく、少なくとも1つの第1の導体巻回は、第1の多撚導体によって形成され、少なくとも1つの第2の導体巻回は、第2の多撚導体によって形成される。
多撚導体は、2つ以上の構成要素を備えてもよく、各構成要素は、多撚導体要素またはワイヤ要素によって形成されてもよい。
少なくとも1つの第1の導体巻回が少なくとも1つの第2の導体巻回に隣接することは、少なくとも1つの第1の導体巻回と隣接する少なくとも1つの第2の導体巻回との間にさらなる導体巻回がないことを意味する。
少なくとも1つの第1の導体巻回と少なくとも1つの第2の導体巻回との間の電気絶縁は、少なくとも1つの第1および第2の導体巻回の電気絶縁部材のうちの少なくとも1つによって実現されてもよい。
それぞれの導体巻回の断面周囲は、長手方向軸が延在する平面、すなわち、長手方向軸と長手方向軸に垂直に配向された軸とにまたがる平面で取られた断面における周囲であってもよい。以下、この断面を「長手方向断面」とも称する。本明細書において、「軸方向に」は、長手方向軸に平行な方向に沿うこと意味し、「径方向に」は、長手方向軸に垂直な方向に沿うこと意味する。加えて、または代替として、断面は、法線ベクトルが断面の位置において導体の長手方向軸によって与えられる平面内にあるものとして定義されてもよい。
少なくとも1つの第1の導体巻回が少なくとも1つの第2の導体巻回に隣接することは、長手方向断面において、少なくとも1つの第1の導体巻回の断面の片側と、隣接する少なくとも1つの第2の導体巻回の対応する、すなわち同じ平面で取られた、断面の片側とが互いに面することを意味してもよい。これらの側は、径方向または軸方向に延在する側であってもよい。
少なくとも1つの第1および第2の導体巻回の各々は、実質的に長方形または長方形の断面を呈してもよい。
矩形断面は、コイルの省スペース構成を可能にする。長手方向断面で見られるように、矩形断面の側面は、例えば5mm~40mmの延在部を有してもよい。
少なくとも1つの第1および第2の導体巻回の各々は、周囲側面とも呼ばれ得る4つの周方向側面、2つの軸方向に延在する表面、および2つの径方向に延在する表面を呈してもよい。縁部領域は、それぞれ、第1の側面と隣接する第2の側面との間の移行部に形成されてもよい。
少なくとも1つの第1の導体巻回の電気絶縁部材は、導体巻回の表面の一部分に設けられるか又は接触するように配置されてもよい。電気絶縁部材は、導体巻回の4つの周方向側面のうちの少なくとも1つ、例えば、1つの側面または2つの側面上で、導体巻回に設けられるか又は接触してもよい。さらに、電気絶縁部材は、導体巻回の少なくとも1つの縁部領域にわたって延在するか、またはそれを覆ってもよい。断面視において、絶縁部材は、縁部領域を形成する2つの側面の一方に沿って完全に延在し、縁部領域を形成する2つの側面の他方の一部のみに沿って延在してもよい。
例えば、その断面において、電気絶縁部材は、導体巻回の側面の1つに沿って完全に延在してもよいが、側面の別の1つ又は2つの20%~80%に沿って、好ましくは70%未満に沿って、例えば30%~70%に沿ってのみ延在してもよい。4つの側面のうちの第4の側面および最終的には第3の側面も、電気絶縁部材によって覆われなくてもよい。
特に、少なくとも2つの側面の大部分は、それぞれの電気絶縁部材によって絶縁または被覆されなくてもよい。このようにして、樹脂、例えばエポキシ樹脂は、コイルの製造中に、電気絶縁部材と導体との間に空気が残留することを回避しながら、導体巻回の表面に特に適切に接触してもよい。
電気絶縁部材は、好ましくは、それぞれの導体巻回の断面周囲の70%未満、例えば50%未満または40%未満の周りにのみ延在する。上述の効果に加えて、これはコストの低減にも寄与し得る。
導体巻回の断面周囲の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、少なくとも20%、又は少なくとも30%が電気絶縁部材によって覆われないことが好ましい。
2つの軸方向及び/又は径方向に隣接する導体巻回について、各巻回は、1つの側面が、それぞれの隣接する巻回の側面に面する。軸方向および/または径方向に隣接する2つの導体巻回の配置は、例えば、上で論じたように、互いに面する2つの側面の一方(第1の側面)のみが、当該側面に沿って完全に延在する電気絶縁部材を設けられ、互いに面する2つの側面の他方(第2の側面)は、電気絶縁部材を設けられないか、または当該側面において部分的にのみ延在する電気絶縁部材を設けられるようにしてもよい。
電気絶縁部材はテープであってもよい。
電気絶縁部材の量を低減すると、コストを節約できるので、一般に有利である。それでも、適切な絶縁を確保するために、充分な量、特に適切な位置における充分な量が適用されなければならない。
それぞれの導体巻回の周囲の一部は、特に電気絶縁部材で覆われていない。このような態様で、樹脂は、導体巻回に特に適するように接触してもよい。
電気絶縁部材は、アラミド繊維を含んでもよく、またはアラミド繊維からなってもよい。例えば、電気絶縁部材は、ノーメックスを含んでもよく、またはノーメックスからなってもよい。
コイルは、電気絶縁部材をそれぞれの導体巻回に保持するための保持要素をさらに備えてもよい。これは、単純な製造に関して有利である。保持要素は、それぞれの導体巻回及びそれの電気絶縁部材の周りに巻き付けられてもよい。
保持要素は、樹脂に対して透過性であってもよく、例えばエポキシ樹脂に対して透過性であってもよい。例えば、保持要素は、ガラス繊維を含んでもよく、またはガラス繊維で作製されてもよい。
それぞれの導体巻回の一部は、保持要素によって覆われなくてもよい。これにより、コイルの製造時に樹脂を導体巻回の表面に容易に接触させることができる。代替的に、保持要素は、それぞれの導体巻回の周りに完全に巻き付けられてもよく、すなわち、それぞれの導体巻回の表面全体が保持要素によって覆われる。例えば、導体巻回は、保持要素によって完全に包まれていてもよい。樹脂に対する保持要素の透過性は、次いで、樹脂が導体巻回と接触することを可能にしてもよい。
保持要素は、導体の周りに複数巻回で螺旋状に巻かれていてもよい。
コイルは、それぞれの導体巻回を埋め込むとともにそれぞれの導体巻回の少なくとも一部に直接接触する樹脂部材をさらに備えてもよい。樹脂部材は、鋳造樹脂であってもよい。樹脂部材は、エポキシ樹脂部材であってもよい。このようにして、それぞれの導体巻回に樹脂を適切に含浸させてもよい。
少なくとも1つの第1の導体巻回および少なくとも1つの第2の導体巻回は、軸方向におよび/または径方向に隣接してもよい。例えば、コイルは、導体巻回の第1の層と、導体巻回の第2の層とを備えてもよく、第1の層は、第2の層と比較して、径方向において長手方向軸により近く位置付けられる。例えば、第1の層は、少なくとも1つの第1の導体巻回によって形成されてもよく、第2の層は、少なくとも1つの第2の導体巻回によって形成されてもよい。代替として、または加えて、第1および第2の導体は、軸方向に交互する巻回を提供してもよい。当業者によって容易に理解されるように、本開示は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の多撚導体から形成されるコイルに適用可能である。
本開示の主題は、添付の図面に示される好ましい例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。
変圧器コアの概略側面図である。 変圧器用の部分断面コイルの概略斜視図である。 本開示によるコイルの概略斜視図である。 コイルのさらなる例の概略図である。 長手方向軸Lの周りに巻かれる前のコイルのリッツ線部材の一部を示す。 コイルの隣接する巻回間に配置された機械的セパレータを示す、先行技術によるコイルの概略図である。
図1aは、変圧器コア90の概略側面図である。変圧器コア90は、第1のヨーク32と第2のヨーク34との間に延在する柱30を備える。変圧器コア90は、第1のヨーク32と第2のヨーク34との間に延在する少なくとも1つのさらなる柱36を備えてもよい。
柱30は、長手方向軸Lに沿って延在する。コイル10は、柱30の周りに巻回される。コイル10は、特に柱30の長手方向軸Lと一致する長手方向軸Lを含む。
図2は、コア90から部分的に切断され分離されたコイル10の概略斜視図である。コイル10は、少なくとも1つの多撚導体2を含む。多撚導体は、リッツ線材2であってもよいし、CTCであってもよい。
多撚導体2は、多撚導体2が少なくとも1つの第1の導体巻回22を形成するように、特に螺旋状に長手方向軸Lの周りに巻かれる。本明細書で使用される「巻回」は、導体の1回の循環、すなわち、長手方向軸Lの周りの360°であると理解される。例えば、多撚導体2は、第1の巻回を2つ又は3つ又は4つ、および第2の巻回を2つ又は3つ又は4つ、それぞれ、形成してもよい。より一般的には、多撚導体2は、複数の第1の導体巻回22を形成してもよい。第2の導体巻回24は、多撚導体2によって形成されてもよく、または代替的に、図2に示すように、さらなる多撚導体2’によって形成されてもよい。より一般的には、さらなる多撚導体2’は、複数の第2の導体巻回24を形成してもよい。
上述のように、1つの導体巻回は、必ずしも互いに絶縁されていない1つ又は2つ以上の多撚導体要素の巻回を含むことを理解されたい。これは、コイルが、例えば、複数の多撚導体要素、例えば、2つの平行リッツ線を含む多撚導体で形成される場合に、特に有利である。この場合、絶縁は、多撚導体要素の巻回間、すなわち1つの多撚導体内の並列要素間ではなく、多撚導体の巻回間で、特に確保されなければならない。
少なくとも1つの導体巻回22は、少なくとも1つの第2の導体巻回24に隣接していてもよい。図2に示す例では、少なくとも1つの第1および第2の導体巻回22、24は、長手方向軸Lに沿って互いに隣接する、すなわち軸方向に隣接する。
導体巻回22、24は、樹脂部材8によって囲まれるか、または樹脂部材8内に埋め込まれる。コイル10の樹脂部材8は、コイル10の製造工程において、導体巻回22,24の周囲に樹脂を鋳造することにより製造してもよい。
図3A、図3Bは、少なくとも1つの第1の導体巻回22が第1の多撚導体2によって形成され、少なくとも1つの第2の導体巻回24が第2の多撚導体2’によって形成される場合を示す、コイル10のさらなる概略斜視図である。
図3Bでは、コイル10の長手方向断面、すなわち、長手方向軸Lを含むコイル10の断面(ここでは、図3Aの紙面における断面である)に見られるように、第1および第2の導体巻回22、24の対応する断面が例示的に描かれている。さらに、対応する第3の導体巻回26が、第2の導体巻回24に隣接して軸方向に例示的に描かれている。
第1の導体巻回22および第2の導体巻回24の各々は、第1の導体巻回22および第2の導体巻回24が互いに対して絶縁されるように、それぞれの導体巻回22、24の断面周囲全体ではなく部分的に延在する電気絶縁部材4を設けられる。それぞれの導体巻回22、24の周囲とは、コイル10の長手方向断面における周囲である。図示の例では、第1の導体巻回22と第2の導体巻回24との間の電気絶縁は、第1の導体巻回22の電気絶縁部材4によって実現されるが、第2の導体巻回24の電気絶縁部材4によっては実現されない。
導体巻回22、24、26は、実質的に矩形の断面を示してもよい。このように、導体巻回は、第3の導体巻回26に関して図3に例示的に示されているように、4つの周方向側面または周囲側面、すなわち、径方向外側に面する表面21(軸方向に延在する)、径方向内側に面する表面23(軸方向に延在する)、第1の軸方向に面する表面25(径方向に延在する)、および第2の軸方向に面する表面27(径方向に延在する)をそれぞれ呈する。
第1および第2の導体巻回の説明は、特定の参照番号、例えば、図3Bの22および24によって示されるものだけでなく、参照番号24および26によって示されるもの等の、他の隣接する巻回も指すと理解され得ることに留意されたい。同様に、1つの導体巻回の説明は、別の導体巻回に等しく適用され得る。
図示の例では、少なくとも2つの側面の大部分、ここでは径方向外側に面する表面21、径方向内側に面する表面23および第1の長手方向に面する表面25の大部分は、対応する電気絶縁部材4によって絶縁されていないかまたは覆われていない、少なくとも完全には覆われていない。
電気絶縁部材4は、それぞれの導体巻回26(24、22)の少なくとも1つの側面、ここでは第2の軸方向に面する表面27を完全に覆うかまたはそれに沿って完全に延在するように配置することができ、電気絶縁部材4は、2つのそれぞれの隣接する側面、すなわち、ここでは、径方向外側に面する表面21および径方向内側に面する表面23、を部分的にのみ覆うかまたはそれらに沿って部分的にのみ延在する。電気絶縁部材4は、第4の側面、ここでは軸方向に面する表面25を覆わないか又はそれに沿って延在しない。
2つの軸方向に隣接する導体巻回22、24または24、26の配置は、互いに面するこれらの隣接する巻回の表面、例えば、第1の導体巻回26の軸方向に向いた側25および第2の導体巻回24の軸方向に向いた側27、の一方のみが、前記側面に沿って完全に延在するそれぞれの電気絶縁部材4によって絶縁されるように、行われる。前記絶縁された側面に面するそれぞれの隣接する導体巻回の側面25は、絶縁されていないか又は完全に絶縁されておらず、すなわち、電気絶縁部材4は、前記側面25に沿って延在していないか又は部分的にのみ延在している。
図5は、導体巻回を形成するよう巻かれる前の状態の多撚導体を示す。電気絶縁部材4は、多撚導体の主延在部に沿って配置され、多撚導体のそれぞれの側面または複数の側面を覆う細長い平坦な要素である。したがって、コイル10の導体巻回22、24、26の電気絶縁要素4は、好ましくは、それぞれの導体巻回22、24、26の一部、大部分または全長に沿って延在する細長い部材であってもよい。
図3及び図5から更に分かるように、電気絶縁部材4は、多撚導体の1つの側面に沿って延在するか又は完全に覆うだけではなく、前記(完全に覆われた)側面を画定する2つの縁部のうちの1つ又は2つの周りに、及び多撚導体の第2及び/又は第3の側面に部分的に沿って延在するように、多撚導体の周囲の周りで曲げられてもよい。
例えば、導体巻回22、24、26は、0.5cm~4cmの延在部を有する周囲側面を有する断面を有してもよい。電気絶縁要素4は、これらの周囲側面27の1つに沿って完全に延在し、第2及び/又は第3の周囲側面21、23に沿って、例えば20mmの長さを有する側面に対して1mm~5mmの長さwに沿って、部分的にのみ延在してもよい。電気絶縁部材4は、導体巻回の少なくとも第4の断面周囲側面25に沿って延在しない。電気絶縁部材4が側面に沿って部分的にのみ延在する長さは、完全に覆われた側面の適切な絶縁を確保しながら、可能な限り短くしてもよい。好ましい比率および長さに関しては、上記の説明も参照されたい。
電気絶縁部材4は、アラミド繊維から作製されたテープ、例えば、ノーメックステープであってもよい。
コイル10は、電気絶縁部材4をそれぞれの導電性巻回22、24、26に保持するための保持要素6をさらに備える。保持部材6は、樹脂透過性を有することが好ましい。例えば、保持部材6は、繊維ガラスから作製されてもよい。
保持部材6は、図5に例示するように、複数巻回で螺旋状に巻かれていてもよい。好ましくは、保持部材6の幅Wが対応する巻回のピッチPよりも小さくなるように、保持部材6を多撚導体に巻き付ける。これにより、多撚導体の表面の一部が保持部材6に覆われないままであってもよい。これは、多撚導体と鋳造樹脂との間の直接接触に関して有利である。
しかしながら、保持要素6が樹脂に対して透過性である場合、多撚導体は、代替的に、多撚導体の全面が保持要素6によって覆われるように、保持要素6によって包まれてもよい。
図4に概略的に示されるように、コイル10は、導体巻回の第1の層202と、導体巻回の第2の層204とを備えてもよく、第1の層202は、第1の層202と比較して、長手方向軸Lから径方向外向きにまたは遠くに位置付けられる第2の層204と比較して、径方向内向きにまたは長手方向軸Lにより近く位置付けられる。例えば、第1の層202は、少なくとも1つの第1の導体巻回22によって形成されてもよく、第2の層204は、少なくとも1つの第2の導体巻回24によって形成されてもよい。
この場合、異なる導体巻回は、径方向および軸方向に互いに隣接していてもよい。したがって、電気絶縁要素4は、好ましくは、図4の断面図に見られるように、それぞれの導体巻回22、24の少なくとも2つの側面に沿って完全に延在するか、またはそれらを覆うように配置される。電気絶縁要素4は、上述のように、導体巻回の2つの残りの側面に沿って、部分的にのみ延在する。この場合、電気絶縁要素4が延在しない側面は存在しない。しかしながら、2つの側面は、電気絶縁要素4がそれらの側面に沿って完全に延在しないか又はそれらの側面を覆わないため、絶縁されていないままである。上述のように、電気絶縁要素4は、隣接する巻回の2つの隣接する対向する側面の一方のみが完全に絶縁され、他方は完全には絶縁されないように、設けられてもよい。
本開示は、図面および前述の説明において詳細に説明されているが、そのような説明は、例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。開示された実施形態に対する変形例は、図面、本開示、および特許請求の範囲の研究から、当業者および特許請求された主題を実施する者によって理解され、実行され得る。請求項において、「備える(comprising)」という用語は他の要素を除外せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外しない。特定の要素またはステップが別個の請求項に記載されているという単なる事実は、これらの要素またはステップの組み合わせが有利に使用できないことを示すものではなく、具体的には、実際の請求項の従属関係に加えて、任意のさらなる意味のある請求項の組み合わせが開示されるとみなされるべきである。

Claims (15)

  1. 変圧器コア(100)用のコイル(10)であって、
    長手方向軸(L)と、
    少なくとも1つの多撚導体(2)と、
    前記長手方向軸(L)の周りに巻かれる少なくとも1つの第1の導体巻回(22)と、
    前記長手方向軸(L)の周りに巻かれる少なくとも1つの第2の導体巻回(24)とを備え、
    前記少なくとも1つの第1の導体巻回(22)は、前記少なくとも1つの第2の導体巻回(24)に隣接し、
    前記少なくとも1つの第1および第2の導体巻回(22,24)の各々は、前記少なくとも1つの第1および第2の導体巻回(22,24)が互いに対して絶縁されるように、それぞれの導体巻回(22,24)の断面周囲全体ではなく部分的に延在する電気絶縁部材(4)を設けられる、変圧器コア(100)用のコイル(10)。
  2. 軸方向および/または径方向に隣接する2つの導体巻回の各巻回は、1つの側面が、それぞれの隣接する巻回の側面に面し、これらの互いに面する側面の一方のみに、当該側面に沿って完全に延在する前記電気絶縁部材が設けられ、互いに面する2つの側面の他方には、電気絶縁部材が設けられていないか、または当該側面の一部のみに沿って延在する電気絶縁部材が設けられている、請求項1に記載のコイル。
  3. 前記少なくとも1つの第1および第2の導体巻回(22、24)の各々は、4つの周方向側面を有する実質的に長方形の断面を有する、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  4. 少なくとも2つの側面の大部分には電気絶縁部材(4)が設けられていない、請求項3に記載のコイル。
  5. 前記電気絶縁部材(4)は、前記それぞれの導体巻回(22、24)の周囲の80%未満、好ましくは60%未満、より好ましくは50%未満のまわりにのみ延在する、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  6. 前記それぞれの導体巻回の1つの側面には前記電気絶縁部材(4)が設けられていない、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  7. 前記多撚導体はリッツ線または連続転位導体である、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  8. 前記電気絶縁部材(4)は、アラミド繊維を含むか、またはアラミド繊維からなる、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  9. 前記電気絶縁部材(4)を前記それぞれの導体巻回(22、24)に保持するための保持要素(6)をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  10. 前記保持要素(6)は樹脂に対して透過性である、請求項9に記載のコイル。
  11. 前記それぞれの導体巻回(22、24)の一部は、前記保持要素(6)によって覆われていない、請求項9または10に記載のコイル。
  12. 前記それぞれの導体巻回(22、24)を埋め込む樹脂部材(8)をさらに備える、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  13. 前記少なくとも1つの第1の導体巻回(22)および前記少なくとも1つの第2の導体巻回(24)は、軸方向におよび/または径方向に互いに隣接する、先行する請求項のいずれか1項に記載のコイル。
  14. 先行する請求項のいずれか1項に記載のコイルを備える変圧器であって、前記変圧器は強磁性コアを備え、前記コイルは前記コアの周りに巻かれる、変圧器。
  15. 前記変圧器は油浸変圧器または乾式変圧器である、請求項14に記載の変圧器。
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