JP2023536405A - 水槽水を処理するための組成物及び方法 - Google Patents

水槽水を処理するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、長期にわたり水槽水を効果的に処理するための組成物及びその使用方法を提供する。組成物は、水質を改善し、無機窒素及びリンを低減又は除去し、緩衝能を安定化させ、水槽水に対して他の利点を提供するために機能する様々な構成成分を含む。水槽水を処理する効率を改善するために組成物を使用する方法も提供される。本開示の組成物及び方法は、藻類などの好ましくない水生植物に対する予防法を改善し、水槽水中の動物の寿命を伸ばすことができる。【選択図】図1A

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、PCT国際特許出願であり、2020年7月21日に出願された米国仮特許出願第63/054465号の優先権を主張し、その開示の全内容を参照により本開示に援用する。
水槽は、その中に入っている有益な動物、例えば魚などを生き生きと健康に保つために良好な質(quality)に依存する繊細に均衡の保たれた生態系である。水槽水の質に影響を及ぼす要因が数多く存在する。
アンモニアは、魚の代謝作用の自然老廃物であり、水槽水中にそれが蓄積されると非常に有害である。水槽水中に過剰な量で蓄積されたアンモニアは、魚に著しい苦痛又は突然死をひき起こすことになる。亜硝酸塩などの無機窒素は、アンモニアに次いで観賞魚の命を脅かす主要な原因である。過剰な亜硝酸塩の存在は、水槽水を毒性にし、鑑賞魚の食欲不振、不活発、水フィルターアウトフローによる魚の群がり、及び鰓の褐色化をひき起こす可能性がある。とりわけ、アンモニアレベルが高くなると、すぐに亜硝酸塩が増加し、急速に死に至ることがある。水槽水中の無機亜硝酸塩は、有効な処理が無ければ、自然にかつ恒常的に増加する。したがって、水槽水中のアンモニア及び無機窒素を低減するか又は最小限に抑えることが望ましい。
例えばリン酸塩などの無機リンは、水槽内に常に存在する。リン酸塩は水道水中に存在し、魚に与えられる餌の中にも存在し、水槽水に蓄積し得る。水槽が適切に維持されていない場合、リン酸塩レベルは上昇し、望ましくない藻類の成長の一因となり得る。その結果、水槽タンク内は見苦しいものになる。水槽水中の無機リンを最小限に抑えるか除去することが望ましい。
水槽水における藻類の成長は避けることのできない事実である。一部の藻類の成長は正常かつ健全であるものの、過剰な藻類の発生は見苦しく、魚や他の有益な生命体に害を及ぼすおそれがある。過剰な照明、過度の魚の餌、及び充分なろ過/浄化の欠如は、水槽中の藻類の成長を大幅に増加させ、それによって魚の健康に悪影響を及ぼし得る。藻類の成長は、両方とも水槽水の栄養源である窒素とリンに大きく依存する。不必要に高い無機窒素及びリンの含有量は、望ましくない藻類の成長を促し、それによって魚の健康を脅かすことになる。藻類の成長を抑制又は阻害し、水槽水中の好ましくない植物に対する予防効果を高めることが非常に望ましい。
ミネラル及び金属イオンは、水槽水の酸塩基平衡(pH=水素イオン指数)及びアルカリ度(KH=炭酸塩硬度)に有意な影響を及ぼす可能性があり、これらは全て水質にとって重要な要因である。水槽中のミネラル含有量を制御しpH及びKHを一定に維持して、魚の健康、生命力及び環境への適応にとっての利益をもたらすことが望ましい。
例えば、1か月に6回超といった、過剰な頻度での水交換は、水槽中の魚の生命力に影響を及ぼし得る。水中環境を突然にかつ大幅に変更するものは何であれ、水質維持に負に寄与し得る。一度の水交換量ならびに温度からpHそして化学組成から細菌コロニーに至る全ての要因が、魚の寿命及び生命力に不利な影響を及ぼす可能性がある。その上、頻繁な水交換は一般的に時間がかかり不便であることから、水槽所有者には疎んじられる。したがって、水交換サイクルを減らすか又は最小限に抑えることが極めて望ましい。
以上の要因に加えて、水質に不の影響を及ぼさずに、水中の魚の健康を有利に増進して寿命を伸ばすために、水槽水中に栄養又は他の有益な構成成分を導入することも望ましい。
水槽水を処理し水質を改善するための組成物及び方法が開示されてきた。Ritterに対するカナダ特許第2,382,949号は、リン酸塩及び硝酸塩の濃度を低下させ、炭酸塩硬度を増大させ、CO濃度を増大させるための組成物で水槽水を処理することによって、生物学的維持システムの水質を改善する方法について開示している。
Ritterに対する米国特許第6,979,411号は、有機カルボン酸の可溶性金属塩、水溶性窒素フリーの生分解性有機化合物、及び有機カルボン酸の可溶性アルカリ金属塩、並びに任意選択的に微量元素及びビタミンを含む水処理組成物を開示している。
Ritterに対する米国特許第7,244,358号は、生分解性ポリマー、好ましくはポリカプロラクトン(PCL)を含有する、生物学的水槽水からの無機窒素化合物、特に硝酸塩の除去又は低減のための作用物質を開示している。
Kloosterに対する米国特許出願公開第2016/0152498号は、水溶液からの無機化合物、好ましくは窒素及びリン酸塩化合物の除去又は低減のための生分解性ポリマー-金属錯体のハイブリッドを含む作用物質を開示している。
Ritterに対する米国特許第6,477,982号は、酒石酸、ギ酸塩、マグネシウムイオン及び補正添加剤(correction additives)を含む、水生動物の生態に対する負の又は有害な効果を低減するための作用物質を開示している。
Gergelyに対する米国特許第7,836,851号は、アンモニア除去剤、塩素除去剤、細菌及び真菌胞子除去剤、抗カラムナリス病剤及び抗サプロレグニア剤、殺菌剤、スライムコーティング保護剤、キレート化剤及び表面気泡除去剤を含むタンク内に、捕獲された魚を保持するために使用される水処理用配合物を開示している。
以上の開示にもかかわらず、水処理組成物の効能を改善し、不要な材料の除去の有効性を改善し、より少ない作用物質の使用又は用量で水質維持の全体的効率を増強し、水槽水の水質を常に高く維持することが、なおも極めて望ましい。さらに、多くの問題が相互に関連しており、1つの問題の解決が、別の問題を不利に悪化させる可能性がある。したがって、本開示で記述されている全てのニーズを有する水処理組成物を単一の組成物で作ることは有意義なことである。本開示は、以上の背景に対抗して、利点及び進歩性を実証するために提供されるものである。
本開示は、概して、多くの利点を提供する、水槽水を処理するための組成物及び方法に関する。本開示の組成物は、水槽水の水質を改善し、水質を常に高く維持するように相乗的に機能する様々な機能的構成成分を含む。本開示の組成物及び方法は、不要な無機窒素及び/又はリン酸塩を除去する効率を著しく改善し、緩衝能を安定化し、一定のpH及びKHを長期間にわたり驚くほど恒常に維持し、水槽水に対して他の栄養上の及び有益な価値を提供する。本開示の組成物及び方法は、例えば藻類などの不都合な水生植物に対する予防を著しく増大させ、水槽水中の魚及び他のタンク内生息動物などの有益な動物の寿命を伸ばすことができる。
いくつかの実施形態において、本開示は、水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、緩衝剤とを含む、水槽水を処理するための組成物に関する。特定の実施形態において、本組成物は、さらに、1種以上の金属キレート化剤を含む。金属キレート化剤は、1つ以上のキレート化単位を含む錯化剤であることができる。金属キレート化剤のキレート化単位は、N(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンであることができ、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基である。金属キレート化剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、メチルグリシン二酢酸、その対応する共役アニオン、又はそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。金属キレート化剤は、さらに、金属イオン、例えばFe3+、もしくはAl3+、又はそれらの組合せなどを含んでもよい。錯化剤の非限定的な例は、Fe(III)-EDTAであることができる。いくつかの実施形態において、本組成物は、さらに、ティーツリー油又はその抽出物を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、ティーツリー油、溶媒及び増粘剤から本質的になる第2の配合物を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、任意選択的に、増粘剤、もしくはミネラル濃縮物、もしくはビタミン濃縮物、又は防腐剤、あるいは、それらの組合せを含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本開示は、水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、緩衝剤と、水とを含む、水槽水を処理するための水性組成物に関する。いくつかの実施形態において、水性組成物は、さらに、1種以上の金属キレート化剤を含む。他の実施形態において、水性組成物は、さらに、ティーツリー油又はその抽出物を含む。さらに他の実施形態において、水性組成物は、ティーツリー油、溶媒及び補助乳化剤(co-emulsifier)から本質的になる第2の配合物を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤及び水を含む、水槽水を処理するための水性組成物に関する。少なくともこれらの例示的実施形態において、第1の配合物は、第1の作用物質(first agent)及び第2の作用物質(second agent)を含み、ここで、第1の作用物質は生分解性ポリエステルを含み、第1の作用物質は、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約1質量%~約4質量%であり、第2の作用物質はカルボン酸金属塩を含み、第2の作用物質は、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、もしくは約0.3質量%~約1質量%、又は約0.4質量%~約1質量%である。関連する例示的実施形態において、緩衝剤は1種以上の中和フルーツ酸を含み、緩衝剤は、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%である。さらに、金属キレート化剤は1つ以上のN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含んでいてもよく、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、金属キレート化剤は、組成物の総質量に基づいて、約0.001質量%~約1質量%、もしくは約0.005質量%~約0.5質量%、もしくは約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.01質量%~約0.1質量%、又は約0.02質量%~約0.05質量%である。
特定の実施形態において、水性組成物は、任意選択的に、ティーツリー油又はその抽出物を含んでもよく、ティーツリー油は、組成物の総質量に基づいて、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%である。
いくつかの実施形態において、水性組成物は、任意選択的に、ティーツリー油、溶媒及び補助乳化剤から本質的になる第2の配合物を含んでもよく、溶媒は、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、又はそれらの組合せからなる群から選択され、補助乳化剤は、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン(acacin)、トラガカントガム、ペクチン、又はそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2の配合物のティーツリー油は、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づく。いくつかの実施形態において、第2の配合物の溶媒は、約0.5質量%~約10質量%、もしくは約1質量%~約5質量%、もしくは約1質量%~約3質量%、又は約1質量%~約2質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、本開示は、水槽水に組成物を添加/施用することを含む水槽水の処理方法において、組成物が、水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、緩衝剤とを含む、方法に関する。いくつかの実施形態において、本方法の組成物は、1種以上の金属キレート化剤を含む。いくつかの実施形態において、本組成物は、さらに、ティーツリー油又は抽出物を含む。
特定の実施形態において、本開示は、水槽水に組成物を添加/施用することを含む水槽水の処理方法であって、本組成物が、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、水とを含む、方法に関する。関連する実施形態において、第1の配合物は第1の作用物質及び第2の作用物質を含み、第1の作用物質は生分解性ポリエステルを含み、第1の作用物質は、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約1質量%~約4質量%であり、第2の作用物質はカルボン酸金属塩を含み、第2の作用物質は、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、もしくは約0.3質量%~約1質量%、又は約0.4質量%~約1質量%である。さらに、これらの実施形態は、緩衝剤が1種以上の中和フルーツ酸(neutralized fruit acid(s))を含み得るように配合されており、ここで、緩衝剤は、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%である。さらに、金属キレート化剤は、1つ以上のN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含み、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、金属キレート化剤は、約0.001質量%~約1質量%、もしくは約0.005質量%~約0.5質量%、もしくは約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.01質量%~約0.1質量%、又は約0.02質量%~約0.05質量%であり、ここで、上記質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、水槽水を処理する本方法は、本開示にしたがって水槽水中に水性組成物を添加/施用することを含み、ここで、水性組成物の総量は、水槽水100L当たり約50mL~約200mL、もしくは水槽水100L当たり約50mL~約100mL、もしくは水槽水100L当たり約100mL~約150mL、又は水槽水100L当たり約150mL~約200mLである。特定の実施形態において、本方法は、1か月に少なくとも1回水槽水中に水性組成物を添加することを含み、ここで水性組成物の総量は、水槽水100L当たり約75mL~約125mLであり、水性組成物は、約1質量%~約4質量%の生分解性ポリエステルと、約0.4質量%~約1質量%のカルボン酸金属塩と、約2.5質量%~約6質量%の緩衝剤と、約0.02質量%~約0.05質量%の1種以上の金属キレート化剤と、任意選択的に、約0.05質量%~約0.15質量%のティーツリー油又はその抽出物を含む。
本方法を実施するにあたり、当業者であれば、使用する必要のある組成物の総量に基づいて用量及び頻度を計算することができる。いくつかの実施形態において、本方法は、1か月に1回の頻度で水槽水中に組成物を添加/施用することを含む。他の実施形態において、本方法は、1か月に2回(1か月内の2回の施用の間の隔週間隔に相当する)、もしくは1か月に3回、又は1か月に4回(1か月内の2回の連続する施用の間の週1回の間隔に相当する)の頻度で水槽水中に組成物を添加することを含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、1種以上の金属キレート化剤を含む有効量の本組成物を水槽水に添加/施用することを含み、本方法は、水槽水が、少なくとも14週間にわたって、1か月当たり約0.01mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.01mg/L~約0.3mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.15mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.15mg/L、又は1か月当たり約0.1mg/L~約0.2mg/Lという、キレート化剤の安定した濃度を有することを操作的に可能にする。他の実施形態において、本方法は、水槽水が、少なくとも14週間にわたって、1か月当たり約0.01mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.01mg/L~約0.3mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.15mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.15mg/L、又は1か月当たり約0.1mg/L~約0.2mg/Lという、可溶性金属イオンの安定した濃度を有することを操作的に可能にする。特定の実施形態において、金属イオンは、Al3+、もしくはFe3+、又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態において、本方法は、水槽水が、少なくとも約14週間にわたって、約2mg/L未満のリン酸塩濃度を有することを操作的に可能にする。いくつかの実施形態において、本方法は、水槽水が、少なくとも約14週間にわたって、約25mg/L未満の硝酸塩濃度を有することを操作的に可能にする。
用語の定義と解釈
本開示において使用される場合、「質量パーセント(weight percent)」、「質量%(wt%)」、「質量パーセント(percent by weight)」、「質量%(% by weight)」及びそれらの変形形態は、物質の質量を組成物の総質量で除し、100を乗じたものとしての物質の濃度を意味する。本開示において使用される場合、「パーセント」、「%」などは、「質量パーセント(weight percent)」、「質量%(wt%)」などと同義であることが意図されていることが理解されよう。
本開示において使用される「g」は、グラムを表わし、「L」はリットルを表わし、「mg」は「ミリグラム(10-3グラム)」を表わし、「mL」はミリリットル(10-3リットル)を表わし、「nm」は、ナノメートル(10-9メートル)を表わし、マイクロメートルは10-6メートルである。単位「mg/100g」、「mg/100mL」又は「mg/L」は、組成物中の一構成成分の濃度又は含有量の単位である。1「mg/L」は1ppm(百万分率)に等しい。「Da」は、分子量の単位であるダルトンを意味する。1Daは、1g/molに等しい。本開示において使用される温度の単位は、摂氏度(℃)である。
「約(about)」なる用語は、当業者が予期するとおりの通常の測定値の変動を含めるために数値と併用され、「およそ(approximately)」と同じ意味を有し、記載された値の例えば+10%といった典型的な誤差をカバーすることが理解されよう。「約」なる用語は、特定の初期組成の結果として生じる1つの組成物についての異なる平衡条件に起因して異なる量も包含する。「約」なる用語によって修飾されるか否かに関わらず、特許請求の範囲には、当該数量と等価な数量が含まれる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されているように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「一化合物(a compound)」を含有する組成物に対する言及には、互いに同じか又は異なるものである2つ以上の化合物を有することが含まれる。「もしくは」及び「又は」なる用語は、一般的に、文脈上明らかに他の意味に解釈すべき場合を除いて、「及び/又は」を含めたその意味合いにおいて用いられることも留意すべきである。
簡略さ及び簡潔さのために、本明細書に記載の何らかの数値範囲は、その範囲内の全ての数値を企図しており、対象としている指定範囲内の実数値である端点を有する任意の部分的範囲を列挙する特許請求の範囲のための裏付けとして解釈されるべきものである。仮説上の例示的な例として、本明細書における1~5の範囲の開示は、1~5、1~4、1~3、1~2、2~5、2~4、2~3、3~5、3~4及び4~5の範囲のいずれかに対する特許請求の範囲の記載を裏付けるとみなされるものとする。
「実質的に含まない(substantially free)」なる用語は、本開示の組成物に欠如しているか又はほぼ欠如している任意の構成成分を意味し得る。「実質的に含まない」に言及する場合、その構成成分が本開示の構成成分に対して意図的に添加されないことが意図される。一構成成分について「実質的に含まない」なる用語の使用は、微量のその構成成分が別の構成成分中に存在するために、微量のその構成成分が本開示の組成物中に含まれることを可能にする。しかしながら、組成物が一構成成分を「実質的に含まない」と記載されている場合、微量又はデ・ミニマス(de minimus)量でのみその構成成分が許容されるものと認識される。さらに、組成物が一構成成分を「実質的に含まない」と記載されている場合、その構成成分が微量又はデ・ミニマス量で存在する場合、その構成成分は組成物の有効性に影響を及ぼさないと理解されよう。本開示で1つの成分が明示的に含まれないか又はその内含の可能性が本開示で記述されていない場合、本開示の組成物はその成分を実質的に含まないことがある。同様に、1つの成分の明示的含有は、その明示的排除を許容し、これにより、組成物がその明示的に記された成分を実質的に含まないことを可能にする。
本開示における水槽は、広義には、水槽(温水、冷水、淡水又は塩水)、泉水、鯉用池、水生園、大規模水槽(動物園、水族館)、及び魚の輸送用の一時的コンテナなど(これらに限定されない)の任意の生物学的タンクシステムを包含する。
図面中、同様の参照番号は、一般的に、異なる図全体を通して同じ部品を意味する。また、図面は必ずしも原寸に比例しておらず、むしろ、一般的に、本開示の原理を例示することに重点が置かれている。以下の記述では、本開示の様々な実施形態が、以下の図面を参照しながら説明される。
図1A及び図1Bは、実施例の節において説明される実験的研究における対照としての未処理水槽水の分析結果を示す。図1Aは、対照のKH値及び硝酸塩濃度の週1回の測定値を示す。図1Bは、リン酸塩濃度及び可溶性イオン濃度の週1回の測定値を示す。 図2A及び図2Bは、実施例の節において説明される実験的研究における実施例1の組成物及び使用方法の分析結果を示す。図2Aは、実施例1のKH値及び硝酸塩濃度の週1回の測定値を示す。図2Bは、実施例1のリン酸塩濃度及び可溶性イオン濃度の週1回の測定値を示す。 図3A及び図3Bは、実施例の節において説明される実験的研究における実施例2の組成物及び使用方法の分析結果を示す。図3Aは、実施例2のKH値及び硝酸塩濃度の週1回の測定値を示す。図3Bは、実施例2のリン酸塩濃度及び可溶性イオン濃度の週1回の測定値を示す。 図4A及び図4Bは、実施例の節において説明される実験的研究における実施例3の組成物及び使用方法の分析結果を示す。図4Aは、実施例3のKH値及び硝酸塩濃度の週1回の測定値を示す。図4Bは、実施例3のリン酸塩濃度及び可溶性イオン濃度の週1回の測定値を示す。 図5A及び図5Bは、実施例の節において説明される実験的研究における実施例4の組成物及び使用方法の分析結果を示す。図5Aは、実施例4のKH値及び硝酸塩濃度の週1回の測定値を示す。図5Bは、実施例4のリン酸塩濃度及び可溶性イオン濃度の週1回の測定値を示す
無機窒素及びリンを低減及び/又は除去するための作用物質
いくつかの実施形態において、本開示は、水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、緩衝剤とを含む、水槽水を処理するための組成物に関する。
無機窒素は、非限定的に、水槽水中の気体状NO、NO、NO、NO、硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニア及びアンモニウムを包含する。無機リンは、非限定的に、リン酸及びその任意の可能な共役アニオンを包含する。リン酸塩又はオルトリン酸塩イオンPO 3-は、3つのプロトンHの除去によってリン酸から誘導される。1つ又は2つのプロトンを除去することで、それぞれリン酸二水素イオンHPO 及びリン酸水素イオンHPO 2-イオンが得られる。無機リンは、ピロリン酸塩の形態にある縮合リン酸塩であってもよい。
水槽水中の無機窒素は、例えば糖、酢酸などの水素・炭素源を添加することで細菌成長を誘発することにより除去可能である。特に、不適切なレベルの酸素が存在する低酸素条件において、細菌は急速にNO を消費し、これをNとCOに分解し、これらが水槽水から外に放出される。
硝化による硝酸塩の形成は水槽水中でほぼ連続的に起こるため、脱窒素も連続的に起こることができるようにすることが適切である。毎日低濃度でしか添加されない硝酸塩の量によって、脱窒素中の大量の物質変換を省くこともできる。したがって、比較的低い溶解度を有する生分解性有機ポリマーが、ゆっくり反応する炭化水素源として好適である。
いくつかの実施形態において、本組成物の第1の配合物は生分解性ポリエステルを含む。生分解性ポリエステルは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート(PHBV)、ポリ乳酸、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLG)、ポリヒドロキシアルカノエートタイプのポリマー(PHAK)、及びポリ(3-ヒドロキシプロピオン酸)(P(3-HP))など(これらに限定されない)の天然又は合成ポリマーであることができる。水性媒質へのその低速の溶解に加えて、生分解性ポリエステルは、環境に優しいものでもあり、その生分解性のため、経時的に水槽中で非毒性低分子量種へと徐々に分解可能でもあり、負の影響がほとんど又は全くない。
好ましい実施形態において、第1の配合物はポリカプロラクトン(PCL)を含む。PCLは、無機窒素を除去する上で並外れて機能的であることが見出された。PCLは、、商業的に大量入手可能であり、製造効果及び費用効果が両方とも高い。
いくつかの実施形態において、第1の配合物のPCLは細顆粒状である。意外にも、顆粒化されたPCL材料を使用した場合、好気性動作条件下で硝酸塩の低減がはるかに効果的であり得るということが見出された。特定の実施形態において、顆粒状PCL材料は、1mm以下の平均粒子サイズを有する。
特定の実施形態において、第1の配合物はカルボン酸金属塩を含む。詳細には、カルボン酸金属塩は、有機カルボン酸の難溶性塩であってもよく、カルボン酸金属塩の金属としては、Na、K、Al3+、Fe3+、La3+、TiO2+、ZrO2+、Cu2+、Zn2+、Ca2+、Mg2+、又はLiが挙げられるが、これらに限定されない。カルボン酸金属塩に由来する可溶性金属カチオンは、共凝集リン酸塩と共に並外れて不溶性の金属リン酸塩アニオン沈殿物又は金属水酸化物を形成することによって、水槽水中のリン酸塩アニオンを低下させるか又は除去することができる。好ましい実施形態において、カルボン酸金属塩は、Na、K、Al3+、La3+、Fe3+、TiO2+、ZrO2+、Ca2+、Cu2+、Zn2+、Mg2+、Li、及びそれらの組合せからなる群から選択された少なくとも1種の金属を含む。
本開示の組成物から誘導されるリン酸塩沈殿物は、水槽水中にいかなる濁度及び/又はフロック形成も生じず、生物学的に活性なフィルタシステムにおいて実質的にかつ適合した形で効果を発揮することから、驚くほど有利である。カルボン酸金属塩は、毒物学的に中性であり、生態学的に中性であり、炭酸塩硬度に影響を及ぼさない。
第1の配合物のカルボン酸金属塩を形成するカルボン酸は、一般的に、酢酸、乳酸、クエン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸など(これらに限定されない)の脂肪族カルボン酸である。
好ましい実施形態において、カルボン酸金属塩は、クエン酸Fe(III)、クエン酸Al(III)、及びそれらの組合せからなる群から選択された少なくとも1つの塩を含む。クエン酸Fe(III)及びクエン酸Al(III)は、水槽水中で好気性分解を受けて遊離Fe3+/Al3+イオン及び/又はFe(OH)/Al(OH)凝集剤を有効に放出することができ低コスト作用物質であり、これらは全て、リン酸塩に結合してリン酸塩を沈殿させることができる。
他の実施形態において、組成物の第1の配合物は、無機塩、例えば金属硫酸塩、又は金属塩化物、例えば硫酸Fe(II)などを含む。無機塩は、組成物中のカルボン酸金属塩のための供給源として金属イオンを提供することができる。
いくつかの実施形態において、組成物の第1の配合物はさらに、カルボン酸金属塩と追加のカルボン酸(1種以上)を含む。追加のカルボン酸(1種以上)は、水槽水中のカルボン酸金属塩の溶解性を増大させることを助けて、リン酸塩の除去効率を改善することができる。追加のカルボン酸(1種以上)としては、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
緩衝剤
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は緩衝剤を含む。緩衝剤の1つの重要な機能は、緩衝能を安定化させ、水槽水の酸塩基平衡、炭酸塩硬度及びアルカリ度についての平衡を維持することにある。
酸塩基平衡は一般的にpH値によって反映される。炭酸塩硬度は、炭酸(CO 2-)アニオン及び炭酸水素(HCO )アニオンの存在によってひき起こされる水硬度の尺度である。炭酸塩硬度は通常、KH度(°KH)(ドイツ語の「Karbonatharte」より)か、又は炭酸カルシウムppm(CaCOppm又は1リットル当たりのCaCOグラム数、mg/L)のいずれかで表現される。1°KHは、17.848mg/L(ppm)のCaCOに等しく、例えば1°KHは、水1リットル当たりおよそ17.848ミリグラム(17.848ppm)の炭酸カルシウム(CaCO)の溶液中に存在する炭酸イオン及び炭酸水素イオンに相当する。両方の測定値(mg/L又は°KH)は、通常、mg/L CaCOとして表現され、これは、あたかも炭酸カルシウムが炭酸イオンの唯一の供給源であるかの如くに表現された炭酸塩濃度を意味する。
アルカリ度とは、おおよそ、強酸により電荷を帯びていない種に変換され得る溶液中の塩基(1種以上)の総量を意味する。アルカリ度は、水をより酸性にしようとするpH変化に耐える水の能力を反映する。一般的にHCO 及びCO 2-を除く全てのアニオンは、濃度が低いことから、HCO 及びCO 2-の総アニオン濃度に等しい炭酸塩アルカリ度も、総アルカリ度におおよそ等しい。アルカリ度は、通常、pHが突然に変化するか、又は公知の終点に達する場合には、公知の終点に達するまで、例えばHClなどのモノプロトン酸を用いて溶液を滴定することによって測定される。アルカリ度は、meq/L(1リットル当たりのミリグラム当量)単位で表現され、これは1リットル当たりのミリモル数で滴定剤として添加されたモノプロトン酸の量に相当する。
水槽水中で、飼料供給又は他のタンパク質源に由来する有機アンモニアの連続的酸化は、亜硝酸塩及び遊離プロトンHを連続的に生成する。遊離したHは、存在する塩基と反応し、HCO 及びCO 2-を中和し、これによって、もし効果的に処理されていない場合には水槽水の炭酸塩硬度及びアルカリ度の両方の低下をひき起こす。重要なのは、HCO 及びCO 2-の中和は、有益な生命体の急速なCO損傷を導き得る過剰なCOを生成し得ることである。HCO の著しい減少は、水への溶解性がより高いCa(HCOの損失、ひいては炭酸塩硬度の減少もひき起こし得る。
本開示の組成物の緩衝剤は、都合のよいことに、水槽水中の酸化プロセスからのHの生成の際にpH変化に耐えることができる。緩衝剤は、少量の他の添加された酸又は塩基を中和して溶液のpHを比較的安定した状態に維持することもできる。本開示に係る緩衝剤は一般的に、a.弱酸及びその共役塩基、又は、b.弱塩基及びその共役酸のいずれかを意味する弱共役酸塩基対からなる。その一方又は他方の使用は、単に、緩衝剤を調製するときの所望のpHによって左右される。水槽水中の有効量の緩衝剤の存在は、他の重要な機能を損なうことなく長期にわたり所望のpH値を安定化することを助ける。
いくつかの実施形態において、緩衝剤は、水溶性アルカリ金属炭酸塩又は炭酸水素塩を含む。例えば、NaCO、NaHCO、KCO又はKHCOである。これらの緩衝剤は、水槽水中のHCO 及びCO 2-の損失を回復するように機能し得る。
好ましい実施形態において、本組成物の緩衝剤は、1種以上の中和フルーツ酸(neutralized fruit acid(s))を含む。中和酸は一般的に共役酸塩基対を意味する。いくつかの実施形態において、共役酸塩基対は、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又はそれらの組合せなどの1種以上の塩基を含む。アルカリ金属は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)及びフランシウム(Fr)を包含する。アルカリ土類金属は一般的にベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びラジウム(Ra)を包含する。中和フルーツ酸からのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の添加は、水槽水の硬度をさらに補完し、水槽水の炭酸塩硬度及びアルカリ度を維持するように機能することができる。
本開示に係る中和フルーツ酸を形成するフルーツ酸としては、アルファ-ヒドロキシルカルボン酸(AHA)、クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸及び酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。特定の非限定的な実施形態において、フルーツ酸は、植物から抽出された乳酸、クエン酸、酒石酸、グリコール酸及びリンゴ酸の混合物であるMulti-fruit BSC(Arch Chemicals)である。本開示の他の非限定的な実施形態において、フルーツ酸はクエン酸である。本開示の組成物で使用するためのフルーツ酸は、その天然源から得ることができ、あるいは、化学的に合成することもできる。重要なことには、フルーツ酸(1種以上)は、水槽水の炭酸塩硬度を維持するHCO 及びCO 2-の前駆体であることができる炭化水素の安定した供給源を提供する。本開示に記載されているように、フルーツ酸は、水槽水中の好気性条件下で穏やかな酸化を受け得るため、それらは、炭酸塩濃度及びアルカリ度の突然の変化又は増加なしに、HCO 及びCO 2-を漸次的かつ連続的に放出することができる。
金属キレート化剤
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、さらに、1種以上の金属キレート化剤を含む。キレート化剤は、金属イオンと反応して、安定した水溶性錯体を形成する化合物である。これらは、キレート剤(chelants)、キレーター(chelators)、又は金属イオン封鎖剤(sequestering agent)としても知られているる。例えば、単座配位子は、錯体中の中心原子に対し直接配位するたった1つの原子を有する配位子である。例えば、アンモニア及び塩化物イオンは、錯体[Cu(NH2+及び[CuCl2+中の銅の単座配位子である。単座配位子は通常、低から中程度の結合親和性を有し、特定の金属イオンに対して選択的に機能的である。
しかしながら、大部分のキレート化剤は、中心金属イオンと少なくとも2つの配位結合を形成する、環状中心を有する多座配位子である。重要なことには、キレート効果は、同じ金属についての類似の非キレート化配位子集合体の親和性に比べて増強された、金属イオンに対する多座キレート化剤の親和性である。
例えば、アミノ基及び中和カルボキシレートアニオン基を含む1つのキレート化単位を有する中和アミノ酸は、電子対を与えるアミノ基とカルボキシレートアニオンが両方とも2つの配位結合を介して金属カチオンをキレート化して環状錯体構造を形成できることから、二座のキレート化剤であることができる。いくつかの実施形態において、本開示のキレート化剤は、1つのキレート化単位を含む二座配位子である。例示的な二座配位子としては、アミノ酸、例えばグリシンなど、ジアミン、例えばエチレンジアミン又はフェナントロリンなど、二官能性カルボン酸、例えばシュウ酸塩など、アセチルアセトネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。
他のキレート化剤は、3つ以上の配位基を含む多座配位子である。例えば、ターピリジンなどの三座配位子は3つの原子と結合する。四座配位子は、4つのドナー原子と結合し、一例はトリエチレンテトラミンである。多くの天然の存在する大環状配位子は四座配位子であり、一例はヘム内ポルフィリンである。五座配位子は、5つの原子と結合し、一例はエチレンジアミン三酢酸である。六座配位子は6つの原子と結合し、一例はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。6超の配位座数の配位子も使用可能である。配位子1,4,7,、10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸(DOTA)及びジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)は八座配位子である。これらは、典型的に6超の配位数を有する重金属イオンの結合に極めて有用である。他の多座キレート化剤としては、EDDHA(エチレンジアミンジヒドロキシフェニル酢酸)、HBED(N,N’-ジ(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N’-二酢酸、又は多官能性N-アミノ-アルキルカルボン酸の他の類似体が挙げられる。一般的に、金属錯体の安定性は、キレート効果に起因し得る配位子の配位座数と相関する。例えば六座又は八座配位子などの多座配位子は、主としてエントロピー因子に起因して、低い配位座数の配位子よりも強く金属イオンに結合する傾向にある。安定度定数が、配位錯体の熱力学的安定性を評価するための定量的尺度である。
本発明者らは、組成物中のキレート化剤とカルボン酸金属塩の適切な濃度での組合せが、水槽水中のリン酸塩除去効率を著しく改善できることを発見した。理論に束縛されることを望まないものの、キレート化剤は、例えばNa、K、Al3+、Fe3+、TiO2+、ZrO2+、Cu2+、Zn2+、Ca2+、Mg2+又はLiなどの金属イオンの溶解度を実質的に改善し、水槽水から不都合なリン酸塩を沈殿させる遊離金属イオンの濃度を増大させると考えられる。
いくつかの実施形態において、本組成物のキレート化剤は、2つ以上のキレート化単位を含み、キレート化単位は、N(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンであり、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基である。このようなキレート化剤の一例はEDTAであり、これは4つのN(CHCOOH)基を含む。
いくつかの実施形態において、本組成物の金属キレート化剤は、様々な金属イオンと安定な錯体を生成する高効率で経済的なキレート化剤である、EDTA又はその共役アニオンを含む。金属-EDTAは以下の一般構造を有する。
Figure 2023536405000002
いくつかの実施形態において、本組成物は、第1の配合物中にクエン酸鉄、及び金属キレート化単位としてのEDTAを含む。意外にも、EDTAは、リン酸塩除去効率を予想外に改善し、リン酸塩の濃度を恒常的に約2mg/L未満に維持し、これにより藻類の成長を効果的に遅延させることが見出された。理論に束縛されることは望まないものの、EDTAはクエン酸鉄の可溶化を容易にし、水槽水中に遊離鉄を放出し、リン酸塩と鉄の反応を促進し、不十分な溶解度を有するリン酸鉄類似体又は共凝集剤Fe(OH) -リン酸塩沈殿物を形成すると考えられ、これらは後でろ過により除去することができる。
いくつかの実施形態において、本組成物の金属キレート化剤は、さらに、1種以上のイオン、例えばNa、K、Fe3+、もしくはAl3+、又はそれらの組合せなどを含む。例えば、金属キレート化剤は、Fe(III)-EDTAであることができ、これは水槽水に追加の鉄供給源を提供し、さらにリン酸塩の除去を改善する。特定の理論に束縛されることは望まないものの、1分子内に多数のカルボン酸基を有するクエン酸塩もキレート効果を有し得るものの、クエン酸塩は、水槽水中で1~2日以内に細菌によって自然に分解される傾向にあり、したがって、N-アミノアルキルカルボキシレート基又はN(CH(R)RCOOH)を有するキレート化剤ほど効率が高くないということに留意することが重要である。ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基である。いくつかの実施形態において、本組成物の金属キレート化剤はペンテト酸又はその共役アニオンを含む。ペンテト酸又はジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)は、5つのカルボキシメチル基を有するジエチレントリアミン主鎖で構成されたアミノポリカルボン酸である。DTPAは、EDTAの拡張バージョンととらえることができ、同様の形態で使用される。DTPAの共役塩基は、金属カチオンに対する超高親和性を有する。ペンタアニオンDTPA5-は、各窒素中心及び各CO 2-基が配位中心とみなされると仮定して、八座配位子であることができ、各CO 2-基は、配位中心とみなされる。その錯体についての生成定数は、EDTAについてのものよりも約100大きい。キレート化剤として、DTPAは、最高8個の結合を形成することによって金属イオンを包み込む。その錯体は、金属イオンに配位する追加の分子も有し得る。DTPA中に多くの配位基があるため、金属と錯体を形成した後もDTPAは、その誘導体ペンデチドにより他の試薬に結合する能力を依然として有する。例えば、Ca2+とのその錯体において、DTPAは、3つのアミン中心と5つのカルボキシレートのうちの3つを用いて六座様式で結合する。金属DTPA錯体の一般的構造は、以下のとおりである。
Figure 2023536405000003
他の実施形態において、本組成物の金属キレート化剤は、メチルグリシン二酢酸(MGDA)又はその共役アニオンを含む。メチルグリシン二酢酸又はN-(1-カルボキシラトエチル)イミノ二酢酸又はα-DL-アラニン二酢酸は、3つのN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含む四座キレート化及び錯化剤であり、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基である。MGDA又はその塩、例えばメチルグリシン二酢酸ナトリウムなどは、例えばTrilon M粉末(CAS#:164462-16-2)のように、顆粒状であってもよい。MGDAはEDTAと類似の機能を有する。意外にも、水槽水に施用される金属キレート化剤としてMGDAを含む組成物が、そのリン酸塩濃度を恒常的に約1mg/L未満に維持できることも見出された。MGDAの構造は、以下のとおりである。
Figure 2023536405000004
いくつかの実施形態において、本開示の組成物の金属キレート化剤は、グルタミン酸二酢酸又はその共役アニオンを含む。グルタミン酸二酢酸(GLDA、CAS#:51981-21-6)又はそのナトリウム塩は、4つのN(CH(R)RCOOH)単位を有し、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、MGDAのような要領で金属イオンに対する高い親和性も提供する。GLDAの構造は、以下のとおりである。
Figure 2023536405000005
いくつかの実施形態において、本開示の組成物の金属キレート化剤は、イミノジコハク酸類似体又はその共役アニオンを含む。イミノジコハク酸(IDS)又はN-(1,2-ジカルボキシエチル)アスパラギン酸は、2つのN(CHRCOOH)基と2つのN(CHRCHCOOH)基を含み、金属イオンに対して5つの配位部位を提供する。IDSの四ナトリウム塩は、粉末状(例えばBaypure(登録商標)CX100など)か又は75%超の純度を有する顆粒状材料のいずれかであることができる。五座配位子として機能するIDSの四ナトリウム塩は、適度な安定性の金属錯体を形成し、これは、8面体構造で1つの水分子を有するアルカリ土類及び多価の重金属イオンを含む。IDSの構造は、以下のとおりである。
Figure 2023536405000006
他の実施形態において、本開示の金属キレート化剤は、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)又はその共役アニオンである。EDDSはIDSと類似しているが、2つのアミノ基及び4つのカルボキシレート基を有する。EDDSは、様々な金属イオンとの高い結合親和性及びキレート化効率を有するEDTAの機能的類似体でもある。EDDSの構造は、以下のとおりである。
Figure 2023536405000007
いくつかの実施形態において、本開示の組成物のキレート化剤は、水槽水中で分解可能又は生分解性である。例えば、MGDA、GDLA、IDS及びEDDSなどの一部のキレート化剤は、容易に生分解可能なキレート化剤であり、しかも環境に優しく、水槽水処理にさらなる利点を提供する。
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は少なくとも2種のキレート化剤を含む。例示的な一例として、本組成物は、Fe(III)-EDTA及びMGDAを含む。
ボタニカルオイル
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、さらにボタニカルオイルを含む。
ボタニカルオイル又はエッセンシャルオイルは、植物由来の揮発性化学化合物を含有する濃縮された疎水性液体である。エッセンシャルオイルは、揮発性油、エーテル油(ethereal oils)、aetherolea、又は単にそれらが抽出された植物の油としても知られている。エッセンシャルオイルは、ボディケア製品中に広く使用されている。例えばエッセンシャルオイルは、皮膚の弾性(elasticity)を増大させることができ、このことは、エッセンシャルオイルを、アンチエージングトリートメントの又は年齢肌用の有益な成分にせしめている。エッセンシャルオイルは、また、組織中の水和レベルを維持するのを助け、他の有益な成分が体内により効果的に浸透するのを助ける。エッセンシャルオイルは、また、水生動物の傷害又は疾病を治癒させ、これらの動物の活動及び生命力を改善することもできる。
ボタニカルオイルの例としては、アルガニア・スピノセ(Argania spinose)由来のアルガン油;メマツヨイグサ(Oenothera biennis)由来のメマツヨイグサ油;メラレウカ(Melaleuca)由来のティーツリー油;ユーカリ・グロブルス(Eucalyptus globulus)由来のユーカリ油;プルヌス・アミグダラス(Prunus amygdalus dulcis)又はプルヌス・アルメニカ(Prunus armeniaca)由来のアーモンド油;ヴィティス・ヴィニフェラ(Vitis vinifera)由来のグレープシード油;ロサ・カニナ(Rosa canina)由来のローズヒップ油;ラベンデュラ・アングスティフォリア(Lavandula angustifolia)由来のラベンダーオイル;シンボポゴン・フレクソサス(Cymbopogon flexuosus)由来のレモングラス油;又はマトリカリア・レクティータ(Matricaria recutita)由来のジャーマンカモミール油が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、ティーツリー油又はその抽出物を含む。天然ティーツリー植物から誘導されたティーツリー油は、並外れた抗細菌、抗炎症、抗真菌、抗ウイルスそして抗バクテリア特性を有する。ティーツリー油は、スキンケア製品中に広く使用されており、にきび、水虫、接触性皮膚炎、フケ及び新生児頭部皮膚炎、アタマジラミ他の治療において優れた効果を提供する。
非限定的例として、本開示の組成物のティーツリー油は、カユプテである。本開示において使用されるカユプテ(cajeputもしくはcajuput又はcajeputi)もしくはカジェプトール又はトラムオイルは、東南アジア原産のメラレウカ・カユプテ・パウエル(Melaleuca cajuputi Powell(Myrtaceae))又はメラレウカ・レウカデンドロン(Melaleuca leucadendron L.(Myrtaceae))などの、メラレウカ(Melaleuca)属の丈の低い低木様の木から得ることのできる物質である。カユプテ油は、典型的に、メラレウカ属の新葉及び小枝の水蒸気蒸留(hydrodistillation又はsteam distillation)技術によって生産される。本開示のティーツリー油又はカユプテが、例えばオイカリプトール又は1,8-シネオールなどの、カユプテから分留され分離された単一成分というよりもむしろ、カユプテ油中に通常見られる成分の複雑な混合物であることに留意することが重要である。カユプテ油は、東南アジアにおいて商業的数量で生産されており、天然由来の食品及び美容オイル及び抽出物の商業的供給業者から容易に入手可能である。
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、第2の配合物を含み、この第2の配合物は、ティーツリー油又は抽出物、溶媒、及び補助乳化剤から本質的になる。第2の配合物からの溶媒及び補助乳化剤は、組成物中のティーツリー油の溶解及び安定化を促す。溶媒は、水、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、又はそれらの組合せなど(これらに限定されない)の一般的な溶媒であることができる。補助乳化剤は、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントゴム、及びペクチンなど(これらに限定されない)の一般的に使用される安定剤であることができる。好ましい実施形態において、第2の配合物は、ティーツリー油、1,2-プロピレングリコール、及びカラギーナンから本質的になる。
実施の際、第2の配合物は、ティーツリー油を溶媒及び補助乳化剤及び水と混合して安定した均質な溶液を形成することによって調製可能である。第2の配合物は、次に他の構成成分と組合わされて、最終的にティーツリー油を含む本開示の組成物を形成することができる。
ティーツリー油又はカユプテ油の疎水性に起因して、これは、水槽水に添加された時点で水中油型エマルジョンを形成し得る。特定の理論に束縛されることは望まないものの、ティーツリー油の水中油型エマルジョンは、ティーツリー油中の有効成分の炭化水素構造を、過度に速く酸化されないように保護することができ、水槽水を処理する上での有効成分の有益な使用の効能を延長することを助けることができる。
いくつかの実施形態において、本開示の組成物は、金属キレート化剤とティーツリー油の両方を含む。意外にも、ティーツリー油及び金属キレート化剤が、総合効率を損なうことなく、相溶的かつ相乗的に水処理の有効性を改善できることが見出された。
他の有用な作用物質
本開示の組成物は、任意選択的に、増粘剤、ミネラル濃縮物、ビタミン濃縮物(特定の「B」ビタミンを含有する)、例えばソルビン酸カリウムなどの防腐剤など(これらに限定されない)の他の有用な作用物質を含んでもよい。
水生生物学の観点から見て、ミネラルは、生命に必要な機能を果たすために生命体が必須栄養素として必要とする元素である。本開示において使用されるミネラル濃縮物は、例えばカリウム、ナトリウム、マグネシウム及び微量元素などの栄養素を含み得る。特定の生化学的機能を有する微量元素は、硫黄、鉄、塩素、コバルト、銅、亜鉛、マンガン、モリブデン、ヨウ素及びセレンである。
増粘用作用物質又は増粘剤は、液体の他の特性を実質的に変えることなくその粘度を増大させることのできる物質である。詳細には、本開示の組成物において使用される増粘剤は、その粘度を増大させ、生分解性ポリエステル微粒子の沈降を防止することができる。本組成物において使用される増粘剤としては、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、キサンタンガム及びペクチンが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の組成物において使用されるビタミン濃縮物は、ビタミンK、C、B2、B1、B6及びB12、ナイアシンアミド;デックスパンテノール;ビオチン及び葉酸などの多数のビタミン類を包含し、これらに限定されない。好ましい実施形態において、ビタミン濃縮物は水溶性ビタミンから本質的になる。
例示的な一例として、本開示の組成物において使用されるビタミン濃縮物の配合物は、表1に示されている。
Figure 2023536405000008
本開示の組成物において使用されるミネラル濃縮物は、Fe又はその塩、Mn又はその塩、Zn又はその塩、K又はその塩、Cu又はその塩、ホウ素又はその誘導体、塩化物、硫酸塩、ヨウ化物、臭化物などの多数のミネラルを包含し、これらに限定されない。ミネラル濃縮物の例示的な一例は表2に示されている。
Figure 2023536405000009
防腐剤は、微生物成長又は望ましくない化学的変化による分解を防止するために添加される物質又は化学製品である。本開示の防腐剤添加物は、感染リスクを低減し、微生物腐敗を減少させ、水槽の魚その他の生息動物に対して新鮮な属性及び栄養上の品質を保つ。非限定的な例として、本組成物の防腐剤は、ソルビン酸カリウム又はブトロール(Butrol)1060である。
水性組成物
いくつかの実施形態において、本開示は、水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、緩衝剤と、水とを含む、水槽水を処理するための水性組成物に関する。いくつかの実施形態において、水性組成物は、さらに、1種以上の金属キレート化剤を含む。他の実施形態において、水性組成物は、さらに、ティーツリー油又はその抽出物を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、水とを含む、水槽水を処理するための水性組成物に関する。関連する実施形態において、第1の配合物は、第1の作用物質及び第2の作用物質を含んでいてもよく、ここで、第1の作用物質は生分解性ポリエステルを含み、第1の作用物質は、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約1質量%~約4質量%であり、第2の作用物質はカルボン酸金属塩を含み、第2の作用物質は、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、もしくは約0.3質量%~約1質量%、又は約0.4質量%~約1質量%である。他の関連する実施形態において、緩衝剤は1種以上の中和フルーツ酸を含み、緩衝剤は、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%である。いくつかの例示的実施形態において、金属キレート化剤は、1つ以上のN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含み、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、金属キレート化剤は、約0.001質量%~約1質量%、もしくは約0.005質量%~約0.5質量%、もしくは約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.01質量%~約0.1質量%、又は約0.02質量%~約0.05質量%であり、ここで、上記質量%は、組成物の総質量に基づく。
いくつかの実施形態において、本組成物の金属キレート化剤はさらに、Na、K、Fe3+、Al3+、又はそれらの組合せから選択されたイオンを含む。いくつかの実施形態において、金属キレート化剤は、EDTA及びMGDA、及び/又はその共役アニオン、及び/又は金属イオン、例えばFe3+、もしくはAl3+、又はそれらの組合せなどを含む。
特定の実施形態において、本開示の水性組成物は、ティーツリー油又はその抽出物を含み、ティーツリー油は、約0.01質量%~約1質量%、約0.05質量%~約0.5質量%、約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%であり、上記質量%は、組成物の総質量に基づく。
特定の実施形態において、本開示の水性組成物は、ティーツリー油、溶媒及び補助乳化剤から本質的になる第2の配合物を含み、溶媒は、水、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、又はそれらの組合せからなる群から選択され、補助乳化剤が、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、ペクチン又はそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、第2の配合物のティーツリー油は、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づく。いくつかの実施形態において、第2の配合物の溶媒は、約0.5質量%~約10質量%、もしくは約1質量%~約5質量%、もしくは約1質量%~約3質量%、又は約1質量%~約2質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。特定の実施形態において、第2の配合物は、ティーツリー油、1,2-プロピレングリコール、及びカラギーナンから本質的になる。
第2の配合物は、ティーツリー油を溶媒及び補助乳化剤及び水と混合して、安定した均質な溶液を形成することによって調製可能である。第2の配合物は次に、他の構成成分と組合わされて、最終的にティーツリー油を含む水性組成物を形成することができる。溶媒は、可溶化/分散剤として機能し、水性組成物及び/又は水槽水中へのティーツリー油の分散及び安定化を補助することができる。
いくつかの実施形態において、本開示の水性組成物は、任意選択的に、増粘剤を含んでもよく、増粘剤は、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、ペクチン、キサンタンガム又はそれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、増粘剤は、約0.05質量%~約1質量%、もしくは約0.1質量%~約0.5質量%、もしくは約0.2質量%~約0.5質量%、もしくは約0.2質量%~約0.4質量%、又は約0.2質量%~約0.3質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、水性組成物は、任意選択的に、ミネラル濃縮物、ビタミン濃縮物、防腐剤、又はこれらの任意の組合せを含んでもよく、ミネラル濃縮物は、約0.1質量%~約5質量%、もしくは約0.2質量%~約4質量%、もしくは約0.3質量%~約3質量%、もしくは約0.4質量%~約2質量%、又は約0.5質量%~約1質量%であり、ビタミン濃縮物は、約0.1質量%~約5質量%、もしくは約0.2質量%~約4質量%、もしくは約0.3質量%~約3質量%、もしくは約0.4質量%~約2質量%又は約0.5質量%~約1質量%であり、防腐剤は、ソルビン酸カリウム、ブトロール1060、又はそれらの組合せから選択され、防腐剤は、約0.05質量%~約1質量%、もしくは約0.1質量%~約0.5質量%、もしくは約0.1質量%~約0.3質量%、又は約0.2質量%~約0.3質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。
一つの例示的な例として、水性組成物は、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、第2の配合物と、水とを含み、第1の配合物は、細顆粒状のPCLを約1質量%~約4質量%含む第1の作用物質と、第2の作用物質とを含み、第2の作用物質は約0.4質量%~約1質量%のクエン酸Fe(III)、もしくはクエン酸Al(III)、又はそれらの組合せを含む。いくつかの関連する実施形態において、緩衝剤は約2.5質量%~約6質量%の1種以上の中和フルーツ酸を含む。少なくともこれらの実施形態において、金属キレート化剤は、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択され、金属キレート化剤は、約0.01質量%~約0.15質量%であり、第2の配合物は、約0.05質量%~約0.25質量%のティーツリー油、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコール、及び約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンを含み、ここで、上記質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される。
別の例示的な例として、水性組成物は、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、第2の配合物と、増粘剤と、ビタミン濃縮物と、ミネラル濃縮物と、防腐剤と、水とを含み、第1の配合物は、細顆粒状のPCLを約1質量%~約4質量%含む第1の作用物質と、第2の作用物質とを含み、第2の作用物質は、約0.4質量%~約1質量%のクエン酸Fe(III)、もしくはクエン酸Al(III)、又はそれらの組合せを含む。さらに、緩衝剤は、約2.5質量%~約6質量%の1種以上の中和フルーツ酸を含み、金属キレート化剤は、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択され、金属キレート化剤は、約0.01質量%~約0.15質量%であり、第2の配合物は、約0.05質量%~約0.25質量%のティーツリー油、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコール、及び約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンを含む。関連する実施形態において、組成物は、約0.2質量%~約0.4質量%の増粘剤を含んでいてもよく、ミネラル濃縮物は約0.2質量%~約2質量%であり、ビタミン濃縮物は約0.2質量%~約2質量%であり、防腐剤は、ソルビン酸カリウム、ブトロール1060又はそれらの組合せからなる群から選択され、約0.1質量%~約0.5質量%の含有量を有する。少なくともこれらの実施形態において、質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される。
使用方法
いくつかの実施形態において、本開示は、水槽水に組成物を添加/施用することを含む、水槽水の処理方法において、組成物が、水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、緩衝剤とを含む、方法に関する。他の実施形態において、本方法で使用される組成物は、1種以上の金属キレート化剤を含む。他の実施形態において、本方法で使用される本組成物は、さらに、ティーツリー油又はその抽出物を含む。
特定の実施形態において、本開示は、水槽水に組成物を添加/施用することを含む、水槽水の処理方法において、組成物が、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤とを含み、第1の配合物が、第1の作用物質及び第2の作用物質を含み、第1の作用物質が生分解性ポリエステルを含み、第1の作用物質が、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約1質量%~約4質量%であり、第2の作用物質がカルボン酸金属塩を含み、第2の作用物質が、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、もしくは約0.3質量%~約1質量%、又は約0.4質量%~約1質量%である、方法に関する。少なくともこれらの実施形態において、緩衝剤は1種以上の中和フルーツ酸を含み、緩衝剤は、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%であり、金属キレート化剤は、1つ以上のN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含み、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、金属キレート化剤は、約0.001質量%~約1質量%、もしくは約0.005質量%~約0.5質量%、もしくは約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.01質量%~約0.1質量%、又は約0.02質量%~約0.05質量%であり、ここで、上記質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、本方法において使用される組成物の金属キレート化剤は、さらに、金属イオン、例えばNa、K、Fe3+、もしくはAl3+、又はそれらの組合せなどを含む。いくつかの実施形態において、金属キレート化剤は、EDTA及びMGDA、及び/又はその共役アニオン、及び/又は金属イオン、例えばFe3+、もしくはAl3+、又はそれらの組合せなどを含む。
いくつかの実施形態において、本方法において使用される組成物は、さらに、ティーツリー油又は抽出物を含み、ティーツリー油は、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、本方法において使用される組成物は、ティーツリー油又は抽出物、溶媒及び補助乳化剤から本質的になる第2の配合物を含み、溶媒は、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、又はそれらの組合せからなる群から選択され、補助乳化剤は、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、ペクチン、又はそれらの組合せからなる群から選択される。第2の配合物のティーツリー油は、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づく。いくつかの実施形態において、第2の配合物の溶媒は、約0.5質量%~約10質量%、もしくは約1質量%~約5質量%、もしくは約1質量%~約3質量%、又は約1質量%~約2質量%であり、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。特定の実施形態において、第2の配合物は、ティーツリー油、1,2-プロピレングリコール、及びカラギーナンから本質的になる。
一つの例示的な例として、水槽水を処理する本方法は、水槽水に対し組成物を添加/施用することを含み、ここで、本組成物は、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、第2の配合物とを含む。これらの例示的実施形態において、第1の配合物は、細顆粒状のPCLを約1質量%~約4質量%含む第1の作用物質と、第2の作用物質とを含み、第2の作用物質は、約0.4質量%~約1質量%のクエン酸Fe(III)、もしくはクエン酸Al(III)、又はそれらの組合せを含む。これらの例示的実施形態において、緩衝剤は約2.5質量%~約6質量%の1種以上の中和フルーツ酸を含んでいてもよい。さらに、本組成物は、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択された金属キレート化剤を含んでいてもよく、金属キレート化剤は、約0.01質量%~約0.15質量%であり、第2の配合物は、約0.05質量%~約0.25質量%のティーツリー油、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコール、及び約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンを含み、ここで、上記質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される。
別の例示的な例として、水槽水を処理する本方法は、水槽水に対し組成物を添加/施用することを含み、ここで、本組成物は、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、第2の配合物と、増粘剤と、ビタミン濃縮物と、ミネラル濃縮物と、防腐剤と、水とを含む。第1の配合物は、細顆粒状のPCLを約1質量%~約4質量%含む第1の作用物質と、第2の作用物質とを含み、第2の作用物質は、約0.4質量%~約1質量%のクエン酸Fe(III)、もしくはクエン酸Al(III)、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。さらに、緩衝剤は、約2.5質量%~約6質量%の1種以上の中和フルーツ酸を含んでいてもよい。他の関連する実施形態において金属キレート化剤は、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択され、金属キレート化剤は、約0.01質量%~約0.15質量%である。さらに、第2の配合物は、約0.05質量%~約0.25質量%のティーツリー油、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコール、及び約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンを含み、増粘剤は、約0.2質量%~約0.4質量%であり、ミネラル濃縮物は約0.2質量%~約2質量%であり、ビタミン濃縮物は約0.2質量%~約2質量%であり、防腐剤は、ソルビン酸カリウム、ブトロール1060、又はそれらの組合せからなる群から選択され、約0.1質量%~約0.5質量%の含有量を有する。少なくともこれらの実施形態において、上記質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態において、水槽水を処理する本方法は、水槽水中に水性組成物を添加/施用することを含み、1か月当たりの水性組成物の総量は、水槽水100L当たり約50mL~約200mL、もしくは水槽水100L当たり約50mL~約100mL、もしくは水槽水100L当たり約100mL~約150mL、又は水槽水100L当たり約100mL~約200mLである。特定の実施形態において、本方法は、1か月に少なくとも1回水槽水中に水性組成物を添加することを含み、ここで、水性組成物の総量は、水槽水100L当たり約100mL~約200mLであり、水性組成物は、約1質量%~約4質量%の生分解性ポリエステル、約0.4質量%~約1質量%のカルボン酸金属塩、約2.5質量%~約6質量%の緩衝剤、約0.02質量%~約0.05質量%の金属キレート化剤と、任意選択的に、約0.05質量%~約0.15質量%のティーツリー油又はその抽出物を含み、ここで、上記質量%は、水性組成物の総質量に基づいて計算される。本方法を実施するにあたり、当業者であれば、使用する必要のある組成物の総量に基づいて用量及び頻度を計算することができる。
いくつかの実施形態において、本方法は、1か月に1回の頻度で水槽水中に組成物を添加/施用することを含む。他の実施形態において、本方法は、1か月に2回(1か月のうちの2回の施用の間の隔週間隔に相当する)、又は1か月に3回、又は1か月に4回(1か月のうちの2回の連続する施用の間の週1回の間隔に相当する)の頻度で水槽水中に組成物を添加することを含む。
本方法の1つの注目すべき利点は、1か月当たりの水処理組成物の施用頻度つまり回数の低減にある。従来の水処理組成物は、典型的に、週に1回以上施用される。従来の組成物の施用サイクルが例えば週1回から2週間又は1か月に1回に延長された場合、水のパラメータの変動、緩衝能の低下、及び、硝酸塩及びリン酸塩の不都合な増加を含めた性能の低下が結果としてもたらされることになる。本開示に係る方法は、最長数ヵ月という長期間にわたり水槽水を交換することなく、週1回から月1回の頻度で水処理組成物を施用することを可能にし、このことは、水槽所有者に都合良く有益であり、水処理の効率を著しく改善する可能性がある。
いくつかの実施形態において、本方法は、金属キレート化剤を含む有効量の本組成物を添加/施用することを含み、本方法は、処理対象の水槽水が、約0.01mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.01mg/L~約0.3mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.15mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.15mg/L、又は1か月当たり約0.1mg/L~約0.2mg/Lという、キレート化剤の安定した濃度を有することを操作的に可能にする。他の実施形態において、本方法は、水槽水が、1か月当たり約0.01mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.01mg/L~約0.3mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.5mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.02mg/L~約0.15mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.25mg/L、もしくは1か月当たり約0.05mg/L~約0.15mg/L、又は1か月当たり約0.1mg/L~約0.2mg/Lという、可溶性金属イオンの安定した濃度を有することを操作的に可能にする。特定の実施形態において、金属イオンは、Fe3+を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、水槽水が、少なくとも約14週間にわたって、約2mg/L未満のリン酸塩濃度を有することを操作的に可能にする。いくつかの実施形態において、本方法は、水槽水が、少なくとも約14週間にわたって、約25mg/L未満の亜硝酸塩濃度を有することを操作的に可能にする。水槽中に可溶性金属イオン及び/又はキレート化剤が安定して恒常的に存在することにより、予想外に、リン酸塩が抑制され、施用後少なくとも14週間にわたり、リン酸塩濃度は、常に約1mg/L未満といった超低レベルに維持される。
本開示の特定の実施形態について、以下の実施例を参照してさらに説明する。これらの実施例は、単に、本開示の例示を意図しているにすぎず、決して本開示の範囲を限定又は制限することを意図しておらず、本開示の技術を実施するために排他的に使用しなければならない条件、パラメータ、試薬又は出発材料を提供するものとしてみなされるべきではない。
表1にしたがって、水槽水を処理するための本組成物の4つの例を調製した。4つの例は全て水性組成物である。変形形態の水処理の施用及び分析を、以下のとおりの実験的研究によって実施した。すなわち、100Lの水槽水を含む予め安定化した水槽タンクに対して、4つの例示的組成物の各々を施用し、このタンクに魚を放流し入れておいた。1か月で組成物の施用を終えた。組成物が効果を発揮できるように、処理した水槽タンクをさらに6週間静置した。水処理組成物を全く添加しない対照が含まれていた。対照には、KH値が過度に低くならないように、炭酸水素塩(3倍)を添加した。硬度KH(°dH)、硝酸塩濃度(mg/L)、リン酸塩濃度(mg/L)及び鉄濃度(mg/L)を含む4つのパラメータを毎週分析し、11週目から25週目まで監視した。
Figure 2023536405000010
図1に示されているように、11週目において、対照としての未処理の水槽水は、約75mg/mLを超える硝酸塩濃度そして約1.8mg/Lを超える高いリン酸塩濃度を示した。硝酸塩及びリン酸塩は、後続する数週間絶えず増加を続ける、25週目にはそれぞれ約150mg/L及び3.5mg/L超に達した。炭酸塩硬度KHが約1.5°dHから約4°dHの範囲内にとどまっていることも認められ、このことは、KH値を炭酸水素ナトリウムによって補償できることを示す。そうでなければ、KH値はゼロになっていたであろう。
対照と比べて、約4%のPCL、約1%のクエン酸鉄(III)、及び約5.65%の中和フルーツ酸を含有する実施例1は、水質の有意な改善を示した。調製したタンクに対する実施例1の組成物の施用を、100Lの水槽水当たり25mLという各施用量で、最初の1か月(4週間)において、週1回の頻度で実施した。したがって、実施例1の合計施用は、100Lの水槽水当たり100mLである。実施例1での処理済み水槽水が、11週目から25週目に至るまでずっと常に20mg/mL未満の硝酸塩濃度、つまり対照よりも著しく低い硝酸塩濃度を示すことが分かった。リン酸塩濃度は、11週目でわずか約0.5mg/Lと、対照に比べて著しく低いことが分かった。リン酸塩濃度は、後続する数週間でわずかに増大したが、25週目で約1.1mg/Lに達しただけであった。炭酸塩硬度HKは、11週目における約6°dHから、25週目における約11°dHまで増大し、これは対照よりも著しく高いものであった。鉄濃度は、検出可能な効果を有さないレベル、すなわち0.2mg/L未満であることが分かった。これらの結果は、実施例1により表わされているようにPCL、クエン酸鉄及び中和フルーツ酸を含む組成物で水槽水を処理することによる水質の有意な改善を示す。
実施例2は、2%のPCL、約0.425%のクエン酸鉄、約2.56%の中和フルーツ酸、約0.019%~約0.12%の鉄(III)-EDTA、及び約1.75%のティーツリー油を含む。調製したタンクに対する実施例2の組成物の施用を、100Lの水槽水当たり50mLという各施用量で、最初の1か月(4週間)において週1回の頻度で実施した。したがって、実施例2の総施用量は、100Lの水槽水当たり200mLである。実施例2のPCL、クエン酸鉄及び中和フルーツ酸の濃度は、それぞれ実施例1のものの約半分であるが、最初の1か月(4回)において施用された組成物の総用量は実施例1と比べて2倍であったということが留意される。したがって、実施例1及び実施例2で施用されたPCL、硝酸鉄及び中和フルーツ酸の総量は、100Lの水槽水に対してほぼ同じである。実施例1に比べて、実施例2はさらに、金属キレート化剤、鉄(III)-EDTA及びティーツリー油を含む。図3に示されているように、意外にも、硝酸塩濃度が、11週目から始まって、つねに15mg/mL未満であり、後続する数週間においてわずかに減少し、25週目には10mg/L未満に達するということが見出された。リン酸塩濃度は、常に約0.5mg/L未満であり、11週目から25週目まで減少傾向にあり、このことは実施例1に比べ有意な改善を表わしている。炭酸塩硬度HKは、予想外に安定しており、11週目から25週目まで約6°dHから約7dHであることが分かっており、これは、実施例1(6~11°dH)に比べて著しく安定した炭酸塩硬度を表わしている。実施例2のFe(III)-EDTA濃度は、当初1.2g/Lであり、水槽水中の過度の可溶性Feを回避するために、11週目において約0.2~0.4g/Lの範囲に低減された。その結果として、処理済み水槽水の鉄濃度は、11週目の後の次の3週間以内に約0.75mg/mLまで減少したが、その後は0.6~0.75mg/Lの間をほぼ一定に維持した。理論に束縛されることは望まないものの、実施例2の金属キレート化剤、鉄(III)-EDTA及び/又はティーツリー油は、予想外に水槽水中の可溶性遊離鉄を増大させ、リン酸塩の除去ならびに炭酸塩硬度の安定化にさらに寄与したと考えられる。
実施例3は、約4%のPCL、約0.5%のクエン酸鉄及び約2.56%の中和フルーツ酸を含有する。調製したタンクに対する実施例3の組成物の施用を、最初の1か月において一回、100Lの水槽水当たり100mLの単一の合計用量で実施した。実施例3のクエン酸鉄及び中和フルーツ酸の濃度がそれぞれ、実施例2のものの約半分であったことが留意される。したがって、実施例3で施用されたクエン酸鉄及び中和フルーツ酸の総量は、最初の1か月において、実施例1のものの約半分であった。図4に示されているように、硝酸塩濃度は減少し、約25mg/L未満でとどまり、KH値は、約2°dH~約4°dHの間を維持した。しかしながら、リン酸塩濃度は、施用後有意に増加し、25週目に約2mg/Lに達した。鉄濃度は、処理後明らかな変動状態にあったが、ほとんどの週について0.1mg/L未満であった。変動は、鉄塩の緩慢な沈降プロセスによってひき起こされたと考えられる。
実施例4は、約4%のPCL、約0.5%のクエン酸鉄及び約2.56%の中和フルーツ酸、そして約0.049%のメチルグリシン二酢酸(MGDA)を含有する。実施例4の組成物の施用を、実施例3と同じ方法で実施した。図5A及び5Bに示されているように、硝酸塩濃度及びKH値は、実施例3と著しく異なっていなかった。しかしながら、意外にも、リン酸塩濃度は、常に約1mg/Lに維持されていたことが見出され、これは、実施例3と比べて有意な改善を表わしている。さらに、可溶性鉄濃度は、実施例3のものよりも著しく高く約0.1~約0.3mg/Lであった。これらの結果は、金属キレート化剤MGDAが遊離鉄の増加及びリン酸塩除去の改善に寄与したことを表わしている。結果は、水槽水を処理する本方法が、例えば1か月に一回といったはるかに低い頻度で組成物を施用することによって効率を改善できる、ということも実証している。
上記の説明、実施例及びデータは、本開示の組成物の製造及び使用の完全な説明を提供する。本開示の多くの実施形態が本開示の精神及び範囲から逸脱することなく実施可能であることから、本開示は以下に添付の特許請求の範囲に属するものである。

Claims (50)

  1. 水槽水を処理するための組成物であって、
    水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、
    緩衝剤と、
    を含む、組成物。
  2. さらに、1種以上の金属キレート化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記金属キレート化剤が、1つ以上のキレート化単位を含む錯化剤である、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記キレート化剤の前記キレート化単位がN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンであり、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基である、請求項2又は3に記載の組成物。
  5. 前記金属キレート化剤が、さらに、Na、K、Al3+、Fe3+、La3+、TiO2+、ZrO2+、Cu2+、Zn2+、Ca2+、Mg2+、Li、又はそれらの組合せからなる群から選択された金属イオンを含む、請求項2~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記金属キレート化剤が、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記金属キレート化剤が、Fe(III)-EDTA又はその共役アニオンとMGDA又はその共役アニオンとを含む、請求項2~6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記金属キレート化剤が、前記組成物の総質量に基づいて、約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.02質量%~約0.12質量%、もしくは約0.02質量%~約0.06質量%、又は約0.025質量%~約0.04質量%である、請求項2~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. さらに、ティーツリー油又はその抽出物を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記ティーツリー油がメラレウカ油又はカユプテ油である、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記ティーツリー油が、前記組成物の総質量に基づいて、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%である、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. さらに、ティーツリー油、溶媒及び補助乳化剤から本質的になる第2の配合物を含み、前記溶媒が、グリセロール、1,2-プロピレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、へキシレングリコール、又はそれらの組合せからなる群から選択され、前記補助乳化剤が、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、ペクチン、又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 前記第1の配合物が、生分解性ポリエステルを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の組成物。
  14. 前記生分解性ポリエステルが、ポリカプロラクトンである、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記ポリカプロラクトンが細顆粒状である、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記生分解性ポリエステルが、前記組成物の総質量に基づいて、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約2質量%~約4質量%である、請求項13~15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記第1の配合物が、カルボン酸金属塩を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 前記カルボン酸金属塩が、クエン酸Fe(III)、クエン酸Al(III)、又はそれらの組合せである、請求項17に記載の組成物。
  19. 前記カルボン酸金属塩が、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、又は約0.3質量%~約1質量%であり、前記質量%は、前記水性組成物の総質量に基づいて計算される、請求項17又は18に記載の組成物。
  20. 前記緩衝剤が、1種以上の中和フルーツ酸を含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 前記緩衝剤が、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%であり、前記質量%は、前記水性組成物の総質量に基づいて計算される、請求項20に記載の組成物。
  22. さらに、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、ペクチン、キサンタンガム、又はそれらの組合せからなる群から選択された増粘剤を含み、前記増粘剤が、約0.05質量%~約1質量%、もしくは約0.1質量%~約0.5質量%、もしくは約0.2質量%~約0.5質量%、もしくは約0.2質量%~約0.4質量%、又は約0.2質量%~約0.3質量%であり、前記質量%は、前記水性組成物の総質量に基づいて計算される、請求項1~21のいずれか1項に記載の組成物。
  23. さらに、前記水性組成物の総質量に基づいて、約0.1質量%~約5質量%、もしくは約0.2質量%~約4質量%、もしくは約0.3質量%~約3質量%、もしくは約0.4質量%~約2質量%、又は約0.5質量%~約1質量%のミネラル濃縮物を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の組成物。
  24. さらに、前記水性組成物の総質量に基づいて、約0.1質量%~約5質量%、もしくは約0.2質量%~約4質量%、もしくは約0.3質量%~約3質量%、もしくは約0.4質量%~約2質量%、又は約0.5質量%~約1質量%のビタミン濃縮物を含む、請求項1~23のいずれか1項に記載の組成物。
  25. さらに、約0.05質量%~約1質量%の防腐剤を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の組成物。
  26. 前記防腐剤が、ソルビン酸カリウム、ブトロール1060、又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
  27. 水槽水を処理するための水性組成物であって
    第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、水とを含み、
    前記第1の配合物が、第1の作用物質及び第2の作用物質を含み、ここで、前記第1の作用物質は生分解性ポリエステルを含み、前記第1の作用物質が、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約1質量%~約4質量%であり、前記第2の作用物質が、カルボン酸金属塩を含み、前記第2の作用物質が、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、もしくは約0.3質量%~約1質量%、又は約0.4質量%~約1質量%であり;
    前記緩衝剤が1種以上の中和フルーツ酸を含み、前記緩衝剤が、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%であり;
    前記金属キレート化剤が、1つ以上のN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含み、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、前記金属キレート化剤が、約0.001質量%~約1質量%、もしくは約0.005質量%~約0.5質量%、もしくは約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.01質量%~約0.1質量%、又は約0.02質量%~約0.05質量%であり、
    前記質量%は、前記組成物の総質量に基づく、水性組成物。
  28. さらに、前記組成物の総質量に基づいて、約0.01質量%~約1質量%、もしくは約0.05質量%~約0.5質量%、もしくは約0.05質量%~約0.15質量%、又は約0.1質量%~約0.15質量%のティーツリー油を含む、請求項27に記載の組成物。
  29. さらに、約0.01質量%~約0.1質量%のティーツリー油、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコール、及び約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンから本質的になる第2の配合物を含み、前記質量%は、前記組成物の総質量に基づいて計算される、請求項27に記載の組成物。
  30. 前記金属キレート化剤が、さらに、Fe3+、Al3+、又はそれらの組合せの中から選択された金属イオンを含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の組成物。
  31. 水槽水に組成物を添加することを含む水槽水の処理方法であって、前記組成物が、
    水槽水中の無機窒素及び/又は無機リンを低減又は除去するための第1の配合物と、
    緩衝剤と、
    を含む、方法。
  32. 前記組成物が、さらに、金属キレート化剤を含む、請求項31に記載の方法。
  33. 前記組成物が、ティーツリー油又はその抽出物をさらに含む、請求項31又は32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 水槽水に組成物を添加することを含む水槽水の処理方法において、前記水性組成物が、
    第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、水とを含み、
    前記第1の配合物が、第1の作用物質及び第2の作用物質を含み、ここで、前記第1の作用物質は生分解性ポリエステルを含み、前記第1の作用物質が、約0.1質量%~約10質量%、もしくは約0.5質量%~約8質量%、もしくは約1質量%~約6質量%、又は約1質量%~約4質量%であり、前記第2の作用物質が、カルボン酸金属塩を含み、前記第2の作用物質が、約0.01質量%~約5質量%、もしくは約0.05質量%~約4質量%、もしくは約0.1質量%~約3質量%、もしくは約0.2質量%~約2質量%、もしくは約0.3質量%~約1質量%、又は約0.4質量%~約1質量%であり;
    前記緩衝剤が1種以上の中和フルーツ酸を含み、前記緩衝剤が、約0.1質量%~約20質量%、もしくは約0.5質量%~約15質量%、もしくは約1質量%~約10質量%、もしくは約2質量%~約8質量%、又は約2.5質量%~約6質量%であり;
    前記金属キレート化剤が、1つ以上のN(CH(R)RCOOH)又はその共役アニオンを含み、ここで、RはH又はアルキル基であり、Rは存在しないか又はアルキル基であり、前記金属キレート化剤が、約0.001質量%~約1質量%、もしくは約0.005質量%~約0.5質量%、もしくは約0.01質量%~約0.15質量%、もしくは約0.01質量%~約0.1質量%、又は約0.02質量%~約0.05質量%であり、
    前記質量%は、前記組成物の総質量に基づく、方法。
  35. 前記水性組成物が、さらに、約0.01質量%~約1質量%のティーツリー油、約1質量%~約3質量%の溶媒、及び約0.01質量%~約0.05質量%の補助乳化剤から本質的になる第2の配合物を含み、前記質量%は、前記組成物の総質量に基づいて計算される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記溶媒が1,2-プロピレングリコールであり、前記補助乳化剤がカラギーナンである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記金属キレート化剤が、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項34~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記組成物が、さらに、コーンスターチ、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アルファ化デンプン、アロールート、寒天、カラギーナン、アラビアガムもしくはアカシン、トラガカントガム、ペクチン、又はそれらの組合せからなる群から選択された増粘剤をさらに含み、前記増粘剤が、約0.05質量%~約1質量%、もしくは約0.1質量%~約0.5質量%、もしくは約0.2質量%~約0.5質量%、もしくは約0.2質量%~約0.4質量%、又は約0.2質量%~約0.3質量%であり、前記質量%は、前記水性組成物の総質量に基づいて計算される、請求項34~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記組成物が、さらに、前記水性組成物の総質量に基づいて、約0.1質量%~約5質量%、もしくは約0.2質量%~約4質量%、もしくは約0.3質量%~約3質量%、もしくは約0.4質量%~約2質量%、又は約0.5質量%~約1質量%のミネラル濃縮物を含む、請求項34~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記組成物が、さらに、前記水性組成物の総質量に基づいて、約0.1質量%~約5質量%、もしくは約0.2質量%~約4質量%、もしくは約0.3質量%~約3質量%、もしくは約0.4質量%~約2質量%、又は約0.5質量%~約1質量%のビタミン濃縮物を含む、請求項34~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記組成物が、さらに、約0.01質量%~約1質量%の防腐剤を含む、請求項34~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 水槽水に水性組成物を添加することを含む水槽水の処理方法であって、前記水性組成物が、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、第2の配合物と、水とを含み、
    前記第1の配合物が、細顆粒状のPCLを約1質量%~約4質量%含む第1の作用物質と、第2の作用物質とを含み、前記第2の作用物質が約0.4質量%~約1質量%のクエン酸Fe(III)、もしくはクエン酸Al(III)、又はそれらの組合せを含み;
    前記緩衝剤が約2.5質量%~約6質量%の1種以上の中和フルーツ酸を含み;
    前記金属キレート化剤が、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択され;
    前記第2の配合物が、約0.05質量%~約0.25質量%のティーツリー油と、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコールと、約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンとを含み;
    前記質量%は、組成物の総質量に基づいて計算される、方法。
  43. 水槽水に水性組成物を添加することを含む水槽水の処理方法において、前記水性組成物が、第1の配合物と、緩衝剤と、1種以上の金属キレート化剤と、第2の配合物と、増粘剤と、ビタミン濃縮物と、ミネラル濃縮物と、防腐剤と、水とを含み、
    前記第1の配合物が、細顆粒状のPCLを約1質量%~約4質量%含む第1の作用物質と、第2の作用物質とを含み、前記第2の作用物質が約0.4質量%~約1質量%のクエン酸Fe(III)、もしくはクエン酸Al(III)、又はそれらの組合せを含み;
    前記緩衝剤が約2.5質量%~約6質量%の1種以上の中和フルーツ酸を含み;
    前記金属キレート化剤が、EDTA又はその共役アニオン、Fe(III)-EDTA、Al(III)-EDTA、MGDA又はその共役アニオン、Fe(III)-MGDA、Al(III)-MGDA、及びそれらの組合せからなる群から選択され;
    前記第2の配合物が、約0.05質量%~約0.25質量%のティーツリー油と、約1質量%~約3質量%の1,2-プロピレングリコールと、約0.01質量%~約0.05質量%のカラギーナンとを含み;
    前記増粘剤が約0.2質量%~約0.4質量%であり;
    前記ミネラル濃縮物が約0.2質量%~約2質量%であり;
    前記ビタミン濃縮物が約0.2質量%~約2質量%であり;
    前記防腐剤が、ソルビン酸カリウム、ブトロール1060、又はそれらの組合せからなる群から選択され、約0.1質量%~約0.5質量%の含有量を有し、
    前記質量%は、前記組成物の総質量に基づいて計算される、方法。
  44. 1か月当たり少なくとも1回、水槽水中に前記組成物を添加することを含み、前記組成物の用量が、水槽水100L当たり約10mL~約200mL、もしくは水槽水100L当たり約20mL~約150mL、又は水槽水100L当たり約25mL~約100mLである、請求項34~43のいずれか1項に記載の方法。
  45. 1か月当たり少なくとも1回、水槽水中に前記組成物を添加することを含み、前記組成物の前記用量が、水槽水100L当たり約10mL~約200mLである、請求項34~43のいずれか1項に記載の方法。
  46. 水槽水中に前記組成物を添加する頻度が、1か月当たり1回である、請求項34~45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 水槽水中に前記組成物を添加する頻度が、1か月当たり2回である、請求項34~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 水槽水中に前記組成物を添加する前記頻度が、1か月当たり4回である、請求項34~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記組成物の前記総量が、1か月当たり水槽水100L当たり約100mL~約200mLである、請求項34~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記方法により、水槽水が、少なくとも約14週間にわたって、0.01mg/L~約0.3mg/Lの安定した可溶性鉄濃度を有することが可能になる、請求項34~49のいずれか1項に記載の方法。
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