JP2023534723A - コロナウイルス感染症の治療におけるベンフルメトール及びその誘導体の応用 - Google Patents

コロナウイルス感染症の治療におけるベンフルメトール及びその誘導体の応用 Download PDF

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Abstract

本発明は、ベンフルメトール及びその誘導体のコロナウイルス感染症治療への応用に関し、特に、薬物の製造における、式Aで表される化合物、及びその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物又は水和物の使用を提供する。この薬物は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症を治療するために使用される。TIFF2023534723000034.tif86128

Description

本発明は、生物医学の分野に関し、特に、コロナウイルス感染症の治療におけるベンフルメトール及びその誘導体の応用に関する。
ルメファントリン/ベンフルメトールは、市販の複合薬(drug compound)であるアルテメテル-ベンフルメトール錠(商品名:Coartem/Riamet)の主要有効成分であり、良好な抗マラリア活性を有する。複合剤(Compound)のベンフルメトールは、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)によって引き起こされる急性単純感染症を有する体重5kg超(5kgを含む)の患者の治療について承認されている。同時に、複合剤のベンフルメトールは、クロロキン耐性地域において、熱帯熱マラリア原虫に感染した患者に対して理想的な治療効果を有する。複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠(アルテメテル-ルメファントリン)は、20mgのアルテメテルと120mgのベンフルメトールとを含有する。上記2つは、主要有効成分として一緒に使用され、互いの抗マラリア効果を補完するのに役立ち、熱帯熱マラリア原虫及びその疾患に対して大きな治療効果を示す。マラリア治療における使用に加えて、ベンフルメトールは強力な抗腫瘍活性を有し、インビトロ及びインビボモデルにおいてプロトタイプ及び薬物抵抗性神経膠芽腫の増殖を効果的に阻害することができる。更に、臨床試験の結果は、複合剤のベンフルメトールがヒトサイトメガロウイルスに対して特定の阻害効果を有し得ることを示している。現在、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠は、中国、米国、スイスなどの世界中の国々で販売が承認されている。
2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)は、ヒトにおいて発見されたことのないコロナウイルスの新しい株である。2020年2月11日に、International Committee on Taxonomy of Viruses(ICTV)は、2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)の正式分類が重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)であると発表した。同日、世界保健機関(WHO)は、このウイルスによって引き起こされる疾患の正式名称がCOVID-19であると発表した。SARS-CoV-2感染症の症状は主に肺炎であり、疾患の重症度に従って単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、及び敗血症性ショックに分けることができる。単純感染症の患者は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感などの非特異的症状を有する場合があり、高齢者及び免疫抑制された個体は、非定型症状になる場合がある。軽度肺炎を有する患者は、主に咳、呼吸困難、及び頻呼吸の症状を有する。重度肺炎は、青年、成人、又は小児に認められ得る。重度肺炎の主な症状は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れなどである。また、急性呼吸窮迫症候群の肺像は両側性のすりガラス状混濁であり、これは滲出(effusion)、大葉性滲出(lobar exudation)、無気肺、又は肺腫瘤では完全に説明することができない。また、急性呼吸窮迫症候群の主症状は肺水腫である。敗血症患者は、致命的な臓器機能不全を有することが多く、敗血症性ショックを有する患者は死亡の確率が高い最も重体の患者である。現在、新型コロナウイルス感染症に対して、支持治療が主に臨床で使用されており、利用可能な特定の抗ウイルス薬はない。
本発明の目的は、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性を有し、その感染によって引き起こされる関連疾患、例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショックなどに使用できる薬物を見出すことである。本発明は、創造的な研究によって、式Aで表される化合物(ベンフルメトール及びその誘導体)がSARS-CoV-2の複製を阻害する機能を有し、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患の治療において良好な潜在的治療効果を有することを見出している。
上記の目的のために、本発明の第1の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症の治療のための薬剤の製造における、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を提供し;
Figure 2023534723000002
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
本発明者らは、式Aで表される化合物が、細胞上のウイルス複製を阻害すること、及び細胞培養においてウイルス核酸負荷を低減することができることを見出した。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患である。
いくつかの実施形態において、単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000003
本発明の第2の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症の治療のための薬剤の製造における医薬組成物の使用を提供し、当該医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患である。
いくつかの実施形態において、単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤(compound preparation)である。
本発明の第3の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症の治療に使用するための、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を提供し;
Figure 2023534723000004
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患である。
いくつかの実施形態において、単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000005
本発明の第4の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症の治療に使用するための医薬組成物を提供し、当該医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患である。
いくつかの実施形態において、単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明の第5の態様において、本発明は、疾患を治療する方法を提供し、当該方法は、治療有効量の式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を、それを必要とする対象に投与することを含み、上記疾患は、コロナウイルス、好ましくはSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症であり、
Figure 2023534723000006
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患である。
いくつかの実施形態において、単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000007
本発明の第6の態様において、本発明は、治療有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、疾患を治療するための方法を提供し、上記疾患は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症であり、上記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
いくつかの実施形態において、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患である。
いくつかの実施形態において、単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、及び息切れを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されない。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明の第7の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくは、SARS-CoV-2)の阻害剤としての薬剤の製造における、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を提供し、
Figure 2023534723000008
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000009
本発明の第8の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の阻害剤としての薬剤の製造における医薬組成物の使用を提供し、上記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明の第9の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の阻害剤である、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を提供し、
Figure 2023534723000010
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000011
本発明の第10の態様において、本発明は、コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の阻害剤である医薬組成物を提供し、上記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明の第11の態様において、本発明は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖を阻害するための薬剤の製造における、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用を提供し;
Figure 2023534723000012
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000013
本発明の第12の態様において、本発明は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖を阻害するための薬剤の製造における医薬組成物の使用を提供し、上記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明の第13の態様において、本発明は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくは、SARS-CoV-2)の複製又は増殖の阻害に使用するための、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を提供し;
Figure 2023534723000014
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000015
本発明の第14の態様において、本発明は、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖の阻害に使用するための医薬組成物を提供し、上記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物は上記のとおりである。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明の第15の態様において、本発明は、有効量の式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を細胞(例えば、哺乳動物細胞)に投与することを含む、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖を阻害する方法を提供し;
Figure 2023534723000016
式中、
及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、R、Rは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、式Aの化合物の構造は、式Iで表される。
Figure 2023534723000017
本発明の第16の態様において、本発明は、有効量の医薬組成物を細胞(例えば、哺乳動物細胞)に投与することを含む、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖を阻害する方法であって、上記医薬組成物が、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される化合物が上記のとおりである、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含む。いくつかの好ましい実施形態において、医薬組成物は、アルテメテルを更に含み、例えば、それは、複合剤アルテメテル-ベンフルメトール錠剤であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
いくつかの実施形態において、哺乳動物としては、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ科動物、ネコ科動物、げっ歯類、霊長類が挙げられ、例えば、ヒト、ネコ、イヌ又はブタである。
本発明において、「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)」という用語の正式分類名は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)である。
本発明において、「2019新型コロナウイルス(2019-nCoV)によって引き起こされる疾患」という用語の正式名称はCOVID-19である。
本発明において、「対象」は、脊椎動物を指す。特定の実施形態において、脊椎動物は哺乳動物を指す。哺乳動物としては、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ科動物、ネコ科動物、げっ歯類、霊長類が挙げられ、例えば、ヒト、ネコ、イヌ又はブタである。哺乳動物としては、家畜(例えば、ウシ)、ペット(例えば、ネコ、イヌ及びウマ)、霊長類、マウス、及びラットが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において、哺乳動物はヒトを指す。
本発明において、「治療有効量」又は「予防有効量」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、(妥当なベネフィット/リスク比で)患者の疾患を予防又は治療するのに十分であるが、重篤な副作用を回避するのに十分に低い量を指す。化合物の治療有効量は、(例えば、化合物の効力、有効性、及び半減期を考慮して)選択された特定の化合物、選択された投与経路、治療される疾患、治療される疾患の重症度、治療される患者の年齢、サイズ、体重及び身体的不調、治療される患者の病歴、治療の期間、並行療法の性質、所望の治療効果などに応じて異なるが、なおも当業者によって日常的に決定され得る。
更に、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物の種々の患者に対する具体的な用量及び用法は、患者の年齢、体重、性別、自然健康状態、栄養状態、薬物の活性強度、投与期間、代謝速度、状態の重症度、及び主治医の主観的判断を含む多くの要因によって決まることが指摘されるべきである。本明細書では、0.001~1000mg/kg体重/日の用量を使用することが好ましい。
本発明の式Aで表される化合物の医薬的に許容される塩は、その無機又は有機酸塩及びその無機又は有機塩基塩を含み、本発明は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、メグルミン塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、トリメチル酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピクリン酸塩、アスパラギン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩などが挙げられるがこれらに限定されない、上記塩の全ての形態に関する。
本発明に関与する医薬組成物は、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリセロール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミンなどの塩又は電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、蜜蝋、ラノリンが挙げられるがこれらに限定されない、医薬的に許容される担体を含んでもよい。
本発明の医薬組成物は、異なる投与経路に応じて様々な形態に調製することができる。
本発明によれば、医薬組成物は、以下の方法のいずれかで投与することができる:経口投与、噴霧吸入、直腸投与、経鼻投与、口腔投与、膣投与、局所投与、非経口投与(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内、胸骨内及び頭蓋内注射又は注入)、又は外植リザーバーを介した投与。上記のうち、経口投与、腹腔内投与、又は静脈内投与が好ましい。
経口投与用に、式Aで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、錠剤、カプセル、水溶液又は水性懸濁液を含むがこれらに限定されない、任意の経口的に許容される製剤にすることができる。上記のうち、錠剤に一般的に使用される担体としては、ラクトース及びコーンスターチが挙げられ、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も添加されてもよい。カプセル製剤に一般的に使用される希釈剤としては、ラクトース及び乾燥コーンスターチが挙げられる。水性懸濁液は、通常、有効成分を好適な乳化剤及び懸濁化剤と混合することによって調製される。所望であれば、いくらかの甘味剤、香味剤又は着色剤も、上記の経口製剤に添加されてよい。
直腸投与用に、式Aで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、概して坐剤の形態にすることができ、当該坐剤は、薬物を好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製される。賦形剤は室温で固体であるが、直腸温度で融解して薬物を放出する。このような賦形剤としては、カカオバター、蜜蝋及びポリエチレングリコールが挙げられる。
局所投与用に、特に、眼、皮膚又は下部腸神経疾患など、局所投与によって容易にアクセス可能な罹患表面又は器官を治療する場合、式Aで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、罹患表面又は器官の違いに応じて異なる局所製剤にすることができ、その具体的な説明は以下のとおりである。
眼への局所投与用に、式Aの化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、霧状化懸濁液又は溶液の形態に製剤化することができ、使用される担体は、特定のpHを有する等張滅菌生理食塩水であり、これはベンジルアルコキシドクロリドなどの防腐剤が添加されていてもいなくてもよい。更に、眼科使用のために、上記化合物を、プロペト軟膏などの軟膏の形態に製剤化することができる。
皮膚への局所投与用に、式Aで表される化合物、その立体異性体、若しくはその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、有効成分が1つ以上の担体中に懸濁又は溶解されている、好適な軟膏、ローション又はクリームの形態にすることができる。ここで軟膏に使用できる担体としては、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、乳化ワックス、及び水が挙げられるが、これらに限定されない。ローション又はクリームに使用できる担体としては、鉱油、ソルビタンモノステアレート、Tween60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール(cetenylaryl alcohol)、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
下部腸管への局所投与用に、式Aで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、上述の直腸坐剤製剤又は好適な形態の浣腸製剤にすることができる。更に、局所経皮パッチもまた使用できる。
式Aで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物はまた、滅菌注射用水若しくは油懸濁液などの滅菌注射用製剤、又は滅菌注射用溶液の形態で投与することもできる。上記のうち、使用できる担体及び溶媒は、水、リンガー溶液及び等張食塩水である。更に、モノグリセリド又はジグリセリドなどの滅菌不揮発性油も、溶媒又は懸濁媒体として使用することができる。
上記の様々な剤形の薬剤は、医薬分野における従来方法に従って調製することができる。
本明細書の様々な部分において、本発明で開示される化合物の置換基は、基の種類又は範囲に関して開示される。具体的には、本発明は、これらの基の種類及び範囲の各要素のありとあらゆる独立した副次的組み合わせを含む。例えば、「C~Cアルキル」という用語は、具体的には、独立して開示されたメチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル及びC6アルキル基を指す。
また、特に明記しない限り、本明細書で使用される「各々独立して...」という表現は、広義で理解されるべきであり、異なる記号で表される特定の選択肢が互いに影響を及ぼさず、同じであっても異なっていてもよいことを指すことに留意されたい。
「C~Cアルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、tert-アミル、n-ヘキシルなどの、1~6個の炭素原子を含有する任意の直鎖又は分岐鎖基を指す。
ベンフルメトールが、SARS-CoV-2に感染したveroE6細胞に対するウイルス核酸負荷を効果的に低減させたことを示す。ベンフルメトールは、細胞をSARS-CoV-2に感染させた48時間後に細胞上のウイルスRNA負荷を阻害することができ、阻害活性は用量依存的であった。左の縦軸は、サンプル中のウイルスRNAのコピー数に従って計算された阻害率(図中の点及びその適合線に対応する)であり、右の縦軸は、細胞生存率に従って計算された毒性のパーセンテージ(図中の四角及びその適合線に対応する)であり、横軸は、薬物(ベンフルメトール、すなわちルメファントリン)の濃度である。
本発明の実施例について以下に詳述する。添付の図面を参照して以下に記載される実施例は、例示的なものであり、本発明を説明することを意図しており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
本発明は、式Iの構造を有する化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を提供する。
Figure 2023534723000018
特定の実施形態において、本発明の式Iの化合物の医薬的に許容される塩は、その無機又は有機酸塩及びその無機又は有機塩基塩を含み、本発明は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、リチウム塩、メグルミン塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、シュウ酸塩、トリメチル酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、ピクリン酸塩、アスパラギン酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、メシル酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩などが挙げられるがこれらに限定されない、上記塩の全ての形態に関する。
式Iの化合物は、細胞上のウイルス複製を阻害すること、及び細胞培養においてウイルス核酸負荷を低減することができる。
本発明は、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症(呼吸器疾患(例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群など)を含むが、これらに限定されない)の治療のための薬剤の製造における、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物の使用に関する。
Figure 2023534723000019
本発明はまた、コロナウイルス阻害剤としての薬剤の製造における、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物の使用にも関する。
本発明はまた、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製又は増殖を阻害するための薬剤の製造における、式Iで表される化合物、又はその立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくは水和物の使用にも関する。
本発明はまた、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む医薬組成物にも関し、好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明はまた、呼吸器疾患を含むが、呼吸器疾患(例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群など)に限定されない疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む医薬組成物、又は式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物の使用にも関する。
本発明はまた、それを必要とする哺乳動物における疾患を治療及び/又は予防する方法、又はそれを必要とする哺乳動物におけるコロナウイルスの複製又は増殖を阻害する方法に関し、当該方法は、治療及び/又は予防有効量の、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む医薬組成物、又は式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を、それを必要とする哺乳動物に投与することを含み、上記疾患はコロナウイルスによって引き起こされる疾患を含む。
特定の実施形態において、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患は、呼吸器疾患(例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群など)を含むがこれらに限定されない。
本発明はまた、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症(例えば、呼吸器疾患(例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群など)の治療のための薬剤の製造における医薬組成物の使用にも関し、上記医薬組成物は、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む。
Figure 2023534723000020
好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明はまた、コロナウイルス阻害剤としての薬剤の製造における医薬組成物の使用であって、医薬組成物が、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む、使用に関する。
Figure 2023534723000021
好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明はまた、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製又は増殖を阻害するための薬剤の製造における医薬組成物の使用であって、医薬組成物が、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む、使用に関する。
Figure 2023534723000022
好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明はまた、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症(呼吸器疾患(例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群など)の治療に使用するための、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物に関する。
本発明はまた、コロナウイルス阻害剤として使用される、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物に関する。
本発明はまた、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製又は増殖の阻害に使用するための、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物に関する。
本発明はまた、コロナウイルス、特にSARS-CoV-2によって引き起こされる疾患又は感染症(例えば、呼吸器疾患(例えば、発熱、咳及び咽喉痛などの単純感染症、肺炎、急性又は重症急性呼吸器感染症、低酸素性呼吸不全、及び急性呼吸窮迫症候群、敗血症及び敗血症性ショック、重症急性呼吸器症候群など)の治療に使用するための医薬組成物に関し、上記医薬組成物は、式Iで表される化合物、その立体異性体、又はその医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む。
Figure 2023534723000023
好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明はまた、コロナウイルス阻害剤として使用される医薬組成物に関し、当該医薬組成物は、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む。
Figure 2023534723000024
好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
本発明はまた、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製又は増殖の阻害に使用するための医薬組成物に関し、当該医薬組成物は、式Iで表される化合物、その立体異性体、その医薬的に許容される塩、並びに/又はその溶媒和物及び/若しくはその水和物を含む。
Figure 2023534723000025
好ましくは、医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である。
特定の実施形態において、本発明のコロナウイルスはSARS-CoV-2である。
特定の実施形態において、本発明のコロナウイルスによって引き起こされる疾患は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患、すなわちCOVID-19である。
特定の実施形態において、本発明の哺乳動物としては、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ科動物、ネコ科動物、げっ歯類、霊長類を含み、例えば、ヒト、ネコ、イヌ又はブタが挙げられる。
以下に具体的な実施例と合わせて本発明を更に説明する。
実施例1:ベンフルメトール(すなわち、式Iで表される化合物)によるSARS-CoV-2感染細胞のウイルス核酸負荷の低減の実験
(1)ウイルス感染細胞の薬物処理
Vero E6細胞(ATCCから購入、Cat.No.1586)を24ウェルプレートに接種し、24時間培養し、次いで、SARS-CoV-2(2019-nCoV)ウイルス(nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019株、Wuhan Institute of Virology,Chinese Academy of Sciencesにより提供された)を、2%細胞維持液(製剤は:FBS(Gibcoから購入、Cat.No.16000044)をMEM(Gibcoから購入、Cat.No.10370021)に2%の体積比で添加して2%細胞維持液を生成した)で対応する濃度まで希釈した後、各ウェルが100TCI50のウイルス量を有するように24ウェルプレートに添加した。次に、ベンフルメトール(Selleckから購入、Cat.No.S3746)を、2%細胞維持液で対応する濃度まで希釈して、対応するウェルに添加し、最終薬物濃度をそれぞれ100μM、50μM、25μM、12.5μM、6.25μM及び3.13μMとした後、37℃、5%COインキュベーターで48時間インキュベートし;一方、細胞対照群には、試験薬物を全く含まない2%細胞維持液を添加した。
(2)RNA抽出
RNA抽出キットは、Qiagen(Cat.No.74106)から購入した。以下のRNA抽出ステップに関する消耗品(スピンカラム、RNaseフリー2mLコレクションチューブなど)及び試薬(RLT、RW1、RPE、RNaseフリー水など)は全てキットの一部であった。以下の抽出ステップは全て、キットの説明書によって推奨されたものであった。
1)試験培養プレートの上清を100μL採取し、ヌクレアーゼフリーのEPチューブに添加した後、350μLのBuffer RLTを添加し、完全に溶解させるためにピペットガンでブロー及び混合し、次いで遠心分離して上清を得た。
2)1)で得られた上清に等体積の70%エタノールを添加し、よく混合した。
3)上記2)で得られた混合物をRNaseフリーのスピンカラムに移し、12,000rpmで15秒間遠心分離し、廃液を廃棄した。
4)700μLのBuffer RW1を上記スピンカラムに添加し、12000rpmで15秒間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を廃棄した。
5)500μLのBuffer RPEを上記スピンカラムに添加し、12000rpmで15秒間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を廃棄した。
6)500μLのBuffer RPEを上記スピンカラムに添加し、12000rpmで2分間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を廃棄した。
7)新しい2mLのRNaseフリーコレクションチューブをピンカラムの取り付けに使用し、12,000rpmで1分間遠心分離を行い、スピンカラムを乾燥させ、次いでスピンカラム全体をステップ8)の1.5mLコレクションチューブに移した。
8)ステップ7)で乾燥させたスピンカラムを新しい1.5mLコレクションチューブに取り付け、30μLのRNaseフリー水をスピンカラムに添加し、12,000rpmで2分間遠心分離した。溶出液は対応するRNAを含み、RNase阻害剤(NEB companyから購入、Cat.No.M0314L)を添加し、各RNA濃度をNano Drop(Thermo scientificから購入、型式Nano Drop One)で検出した。
(3)RNA逆転写
TaKaRa Company製の逆転写キット(gDNA Eraserを含むPrimeScript(商標)RT試薬キット、Cat.No.RR047Q)をRNA逆転写に用いた。ステップは以下のとおりであった。
1)gDNA除去:RNAサンプルを各実験群から収集し、その1μgを逆転写用に採取した。まず、2μLの5×gDNA Eraser Bufferを各実験群のRNAに添加し、RNaseフリー水を使用して反応系を10μLとし、次いで、反応系をよく混合し、42℃の水浴に2分間入れて、サンプル中に存在し得るgDNAを除去した。
2)逆転写:1)で得られたサンプルに適切な量の酵素、プライマーミックス及び反応バッファーを添加し、RNaseフリー水を用いて体積を20μLとし、37℃の水浴中で15分間反応させた後、85℃の水浴中で5秒間反応させて、転写によりcDNAを得た。
(4)リアルタイムPCR
蛍光定量PCRを使用して、元のウイルス溶液1ミリリットル当たりのコピー数を検出した。
TB Green Premix(Takara、Cat.No.RR820A)を用いて反応系を混合し、StepOne Plus Real-time PCR装置(商品名:ABI)により増幅反応及び読み取りを行った。元のウイルス溶液1ミリリットル当たりのコピー数を計算した。ステップは以下のとおりであった。
1)標準品の確立:プラスミドpMT-RBD(プラスミドはWuhan Institute of Virology,Chinese Academy of Sciencesにより提供された)を、それぞれ5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μL、5×10コピー/μLに希釈した。2μLの標準又はcDNAテンプレートをqPCR反応のために採取した。
2)実験に使用したプライマー配列は以下のとおりであった(全て5’-3’方向に表示)。
RBD-qF:CAATGGTTTAACAGGCACAGG(配列番号1)
RBD-qR:CTCAAGTGTCTGTGGATCACG(配列番号2)
3)反応手順は以下のとおりであった。
プレ変性:95℃で5分間;
サイクルパラメータ:95℃で15秒間、54℃で15秒間、及び72℃で30秒間、合計40サイクル。
阻害率(%)=(薬物処理群におけるRNAコピー数)/(細胞感染群におけるRNAコピー数)×100%
(5)薬物の細胞傷害性の検出
薬物細胞傷害性の検出はCCK-8キット(Beoytime)によって実施した。具体的なステップは以下のとおりであった。
1)1×10のVero E6(ATCC)細胞を96ウェルプレートに接種し、37℃で8時間培養した。
2)薬物をDMSOで希釈して適切な濃度の原液を得た後、2%FBS(Gibcoから購入、Cat.No.16000044)含有MEM培地(Gibcoから購入、Cat.No.10370021)を用いて、薬物処理の濃度と同じ濃度に希釈した。96ウェルプレート中の元の培地を捨て、100μLの薬物含有MEM培地を細胞に添加し、各濃度について3つの複製ウェルを設定した。陰性対照(DMSO及び培地を細胞ウェルに添加し、薬物を添加しない)及びブランク対照(細胞なし、DMSO及び培地を添加)を設定した。薬物を添加した後、細胞を37℃で48時間培養した。
3)20μLのCCK-8溶液(Beoytime)を、試験対象のウェルに添加し、気泡を発生させずに穏やかに混合し、インキュベーションを37℃で2時間継続した。OD450をマイクロプレートリーダー(Molecular Devicesから購入、型式:SpectraMax M5)で読み取り、細胞生存率を計算した。
細胞生存率(%)=(A(薬物処理群)-A(ブランク対照)/(A(陰性対照)-A(ブランク対照))×100%
式中、Aはマイクロプレートリーダーの読取値を表す。
(6)実験結果
ウイルス増殖阻害実験の結果は、試験化合物が、100μM、50μM及び25μMの濃度において、感染上清中のSARS-CoV-2ウイルスゲノムの複製を効果的に阻害し得ることを示した。(表1及び図1)
Figure 2023534723000026
細胞傷害性の結果は、試験化合物(ベンフルメトール)の処理が、全ての試験濃度で細胞生存率を変化させないこと、すなわち、試験化合物が全ての濃度で細胞に対して毒性効果を有していないことを示した(表2及び図1)。
Figure 2023534723000027
上記の特定の実施形態は、本発明の目的、技術的解決策及び有益な効果を詳細に更に説明している。上記の特定の実施形態は、本発明の特定の実施形態にすぎず、本発明の範囲を限定する意図のものではないことを理解されたい。本発明の趣旨精神及び原理内で行われた任意の修正、等価置換、改良などは、本発明の保護範囲に含まれるものとする。

Claims (10)

  1. コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症の治療のための薬剤の製造における、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用であって、
    好ましくは、SARS-CoV-2によって引き起こされる前記疾患は、COVID-19であり;
    好ましくは、SARS-CoV-2によって引き起こされる前記疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患であり;
    好ましくは、前記単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されず;好ましくは、前記軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されず;好ましくは、前記重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、息切れを含むが、これらに限定されず;好ましくは、前記急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されず;好ましくは、前記敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されず;
    Figure 2023534723000028
    式中、
    及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択され;
    好ましくは、R及びRは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、及びsec-ブチルからなる群から選択され;
    より好ましくは、R及びRは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、及びsec-ブチルからなる群から選択される、
    使用。
  2. 式Aで表される前記化合物の構造が、式Iで表される、請求項1に記載の使用。
    Figure 2023534723000029
  3. コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)によって引き起こされる疾患又は感染症を治療するための薬剤の製造における医薬組成物の使用であって、前記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される前記化合物は、請求項1又は2に定義されたとおりであり;
    好ましくは、SARS-CoV-2によって引き起こされる前記疾患は、COVID-19であり;
    好ましくは、SARS-CoV-2によって引き起こされる前記疾患又は感染症は、単純感染症、軽度肺炎、重度肺炎、急性呼吸器感染症、重症急性呼吸器感染症(SARI)、低酸素性呼吸不全、急性呼吸窮迫症候群、敗血症、敗血症性ショックなどの呼吸器疾患であり;
    好ましくは、前記単純感染症は、発熱、咳、咽喉痛、鼻閉、倦怠感、頭痛、筋肉痛又は不快感を含むが、これらに限定されず;好ましくは、前記軽度肺炎は、咳、呼吸困難、及び/又は頻呼吸を含むが、これらに限定されず;好ましくは、前記重度肺炎は、呼吸数増加、重度の呼吸不全又は呼吸困難、中心性チアノーゼ、嗜眠、意識喪失又は痙攣、息切れを含むが、これらに限定されず;好ましくは、前記急性呼吸窮迫症候群は、肺水腫を含むが、これに限定されず;好ましくは、前記敗血症は、臓器機能不全を含むが、これに限定されず;
    好ましくは、前記医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含み;好ましくは、前記医薬組成物はアルテメテルを更に含み;
    好ましくは、前記医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、前記医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である、
    使用。
  4. コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)阻害剤としての薬剤の製造における、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用であって、
    Figure 2023534723000030
    式中、
    及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択され;
    好ましくは、R及びRは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、及びsec-ブチルからなる群から選択され;
    より好ましくは、R及びRは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、及びsec-ブチルからなる群から選択される、
    使用。
  5. 式Aで表される前記化合物の構造が、式Iで表される、請求項4に記載の使用。
    Figure 2023534723000031
  6. コロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)阻害剤としての薬剤の製造における医薬組成物の使用であって、前記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される前記化合物は、請求項4又は5に定義されたとおりであり;
    好ましくは、前記医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含み;好ましくは、前記医薬組成物はアルテメテルを更に含み;
    好ましくは、前記医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、前記医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である、
    使用。
  7. 細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖を阻害するための薬剤の製造における、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物の使用であって、
    Figure 2023534723000032
    式中、
    及びRは、各々独立して、H、C~Cアルキルからなる群から選択され;
    好ましくは、R及びRは、各々独立して、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、及びsec-ブチルからなる群から選択され;
    より好ましくは、R及びRは、各々独立して、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、及びsec-ブチルからなる群から選択される、
    使用。
  8. 式Aで表される前記化合物の構造が、式Iで表される、請求項7に記載の使用。
    Figure 2023534723000033
  9. 細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルス(好ましくはSARS-CoV-2)の複製又は増殖を阻害するための薬剤の製造における医薬組成物の使用であって、前記医薬組成物は、式Aで表される化合物、又はその立体異性体、医薬的に許容される塩、溶媒和物若しくは水和物を含み、式Aで表される前記化合物は請求項7又は8に記載のとおりであり;
    好ましくは、前記医薬組成物は、アルテエテル、アルテメテル、アルテミソン、ジヒドロアルテミシニン、アルテスネイト、アルテアンヌインB、アルテミシン酸及びアルテミシニンからなる群から選択される1つ以上を更に含み;好ましくは、前記医薬組成物はアルテメテルを更に含み;
    好ましくは、前記医薬組成物は、医薬的に許容される担体又は賦形剤を更に含み、具体的には、前記医薬組成物は、固形製剤、注射剤、外用製剤、スプレー剤、液体製剤、又は複合製剤である、
    使用。
  10. 前記哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、イヌ科動物、ネコ科動物、げっ歯類、霊長類、例えばヒト、ネコ、イヌ又はブタを含む、請求項7又は9に記載の使用。
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