JP2023516706A - SARS-CoV-2阻害におけるジメチルベルバミン化合物の適用 - Google Patents
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Abstract
SARS-CoV-2に関連する肺疾患若しくは症状、又は無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を予防及び/又は治療するための、一般式Iで表される化合物、その幾何異性体、又はその薬学的に許容される塩、及び/若しくはその溶媒和物、及び/若しくはその水和物、ならびにSARS-CoV-2に関連する肺疾患若しくは症状、又は無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を予防及び/又は治療するための製造物の調製における、一般式Iで表される化合物、その幾何異性体、又はその薬学的に許容される塩、及び/若しくはその溶媒和物、及び/若しくはその水和物の応用。【化1】JPEG2023516706000027.jpg4751
Description
本発明は、2020年3月3日に出願された中国出願第202010140356.0号に基づいており、その優先権の利益を主張する。その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、化学薬品の分野に属し、特に、式Iで表されるジメチルベルバミン化合物、その幾何異性体、又はその製薬上許容される塩及び/又は溶媒和物及び/又は水和物、及びSARS-CoV-2感染症の治療における上記化合物を含む医薬組成物の使用に関する。
式Iで表されるジメチルベルバミン化合物は、6,6’,7,12-テトラメトキシ-2,2’-ジメチルベルバミンの化学名を有し、Stephania tetrandraから抽出されたビスベンジルイソキノリンアルカロイドである。式Iの化合物はテトランドリンとも呼ばれ、降圧薬として使用され、主に軽度及び中等度の高血圧の治療に使用され、高血圧性クリーゼにも使用され得る。さらに、リウマチ、関節痛、神経痛にも使用できる。肺がんには低線量の放射線と併用して使用され、I期、II期、又はIII期の単純珪肺症、及び様々な病期の石炭珪肺症にも使用される。
コロナウイルスは、広範囲の動物宿主を有するエンベロープを有し、非セグメント化、一本鎖、ポジティブセンスRNAウイルスである。人畜共通疾患に由来するSARS-CoV及びMERS-CoVは、ヒトにおいて死亡を引き起こす可能性があり、それぞれ2002年及び2012年に発生した(Zaki et al., 2012; Zhong et al., 2003; Cui et al., 2019)。2019年の新規コロナウイルス(2019-nCoV)は、以前にヒトでは見られなかった新しいコロナウイルス株である。2020年2月11日、国際分類ウイルス委員会(ICTV)は、2019年新型コロナウイルス(2019-nCoV)の正式名称を重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)と呼ぶことを発表した。同日、世界保健機関(WHO)は、本ウイルスによる疾患の正式名称をCOVID-19と発表した。COVID-19の臨床症状は、患者の90%以上が発熱、患者の80%が乾性咳嗽、患者の20%が息切れ、患者の15%が呼吸困難であり、最も重要な症状は白血球及びリンパ球の減少であり、患者の肺は異なる程度の臓器障害を有し、肺線維症を発症する潜在的リスクがある。このウイルスは伝染性が高く、SARS-CoV-2感染症は日本、韓国、イタリア、米国など世界各国で発生しており、その動向は拡大を続けている。以前の研究では、レムデシビル及びリン酸クロロキンなどの薬物がSARS-CoV-2ウイルスの複製を効果的に阻害できることが明らかにされており(Wangら、2020)、関連する臨床試験も実施されている。関連ワクチンも開発中である。しかしながら、現在、広く使用されるように承認されている薬剤やワクチンはない。
したがって、SARS-CoV-2を効果的に阻害できる製品を開発することは依然として非常に緊急であり、必要である。
本発明の内容
本発明者らは、テトランドリンがSARS-CoV-2ウイルスを効果的に阻害し、肺線維症を予防又は治療し、それによってSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる肺疾患又は症状の効果的な予防及び/又は治療のための新しい方法及び選択肢を提供することを見出した。以上の研究を踏まえ、本出願を完成する。
本発明者らは、テトランドリンがSARS-CoV-2ウイルスを効果的に阻害し、肺線維症を予防又は治療し、それによってSARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされる肺疾患又は症状の効果的な予防及び/又は治療のための新しい方法及び選択肢を提供することを見出した。以上の研究を踏まえ、本出願を完成する。
本出願は、SARS-CoV-2に関連する肺疾患若しくは症状、又は無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症の予防及び/又は治療に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、SARS-CoV-2に関連し、高血圧を伴う肺疾患若しくは症状、又は高血圧を伴う無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症の予防及び/又は治療に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、COVID-19、又は高血圧を伴うCOVID-19の予防及び/又は治療に使用するための、あるいはSARS-CoV-2阻害剤として使用するための、あるいは細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるSARS-CoV-2の複製又は再生の阻害に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスによって引き起こされる疾患又は感染の予防及び/又は治療に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾患又は感染の予防及び/又は治療に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症、又はコロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾患若しくは感染症の予防及び/又は治療に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスに関連し、高血圧を伴う肺疾患又は症状の予防及び/又は治療に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製又は再生の阻害に使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルス阻害剤として使用するための、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスによって引き起こされる疾患又は感染を予防及び/又は治療するための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾病又は感染を予防及び/又は治療するための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスに関連し、高血圧を伴う肺疾患又は症状の予防及び/又は治療をするための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるコロナウイルスの複製又は再生を阻害するための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルス阻害剤としての製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、SARS-CoV-2に関連する肺疾患若しくは症状、又は無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を予防及び/又は治療するための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、SARS-CoV-2に関連し、高血圧を伴う肺疾患若しくは症状、又は高血圧を伴う無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を予防及び/又は治療するための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、COVID-19若しくは高血圧を伴うCOVID-19を予防及び/又は治療するための製造物の製造、あるいはSARS-CoV-2阻害剤としての製造物の製造、あるいは細胞(例えば、哺乳動物細胞)におけるSARS-CoV-2の複製又は再生を阻害するための製造物の製造における、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の使用に関する。
本出願は、さらに、コロナウイルスによって引き起こされる疾患若しくは感染症、又はコロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾患若しくは感染症を予防及び/又は治療する方法に関し、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的有効量を投与することを含む。
本出願は、さらに、コロナウイルスに関連する肺疾患若しくは症状、又はコロナウイルスに関連し、高血圧を伴う肺疾患若しくは症状を予防及び/又は治療する方法に関し、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的有効量を投与することを含む。
本出願は、さらに、それを必要とする宿主におけるコロナウイルスの複製又は再生を阻害する方法に関し、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的有効量を投与することを含む。
本出願はまた、SARS-CoV-2に関連する肺疾患若しくは症状、又は無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を予防及び/又は治療する方法に関し、SARS-CoV-2に関連する肺疾患若しくは症状を有する宿主、又は無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を有する宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的有効量を投与することを含む。
本出願はまた、SARS-CoV-2に関連し、高血圧を伴う肺疾患若しくは症状、又は高血圧を伴う無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を予防及び/又は治療する方法に関し、SARS-CoV-2に関連し、高血圧を伴う肺疾患若しくは症状を有する宿主、又は高血圧を伴う無症候性若しくは症候性SARS-CoV-2感染症を有する宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的有効量を投与することを含む。
本出願はまた、それを必要とする宿主におけるCOVID-19、若しくは高血圧を伴うCOVID-19を治療及び/又は予防する方法、あるいはそれを必要とする宿主におけるSARS-CoV-2の複製又は再生を阻害する方法に関し、該方法は、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的有効量を投与することを含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコロナウイルスは、SARS-CoV-2である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコロナウイルスによって引き起こされる疾患は、COVID-19である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾患は、高血圧を伴うCOVID-19である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコロナウイルスに関連する肺疾患又は症状は、SARS-CoV-2に関連する肺疾患又は症状である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される高血圧を伴うコロナウイルスに関連する肺疾患又は症状は、SARS-CoV-2に関連し、高血圧を伴う肺疾患又は症状である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるコロナウイルスによって引き起こされる感染は、無症候性又は症候性SARS-CoV-2感染症である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される高血圧を伴うコロナウイルスによって引き起こされる感染症は、高血圧を伴う無症候性又は症候性SARS-CoV-2感染症である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される製造物は、ヒト薬物又は動物用の獣医薬物である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される製造物は、固体調製物、注射剤、スプレー剤、液体調製物、吸入調製物又は化合物調製物である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される宿主は、哺乳動物である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヤギ、イノシシ、イヌ、ネコ、げっ歯類、霊長類を含み、好ましい哺乳動物は、ヒト、イヌ又はブタである。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるCOVID-19は、SARS-CoV-2によって引き起こされる疾患である。
一部の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含む。具体的には、医薬組成物は、固体調製物、注射剤、吸入調製物、スプレー剤、液体調製物、又は化合物調製物であり得る。
本出願に記載された医薬組成物は、経口錠剤、カプセル、粉末、経口液体剤、注射剤及び経皮調製物などの、異なる投与経路に従って種々の形態に調製することができる。従来の医薬実務によれば、薬学的に許容される担体は、希釈剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、着色剤、香味剤又は他の従来の添加剤を含む。典型的な薬学的に許容される担体には、例えば、微結晶性セルロース、デンプン、クロスポビドン、ポビドン、ポリビニルピロリドン、マルチトール、クエン酸、ラウリルスルホン酸ナトリウム又はステアリン酸マグネシウムなどが含まれる。
用途に応じて、医薬組成物は、以下の方法:経口投与、噴霧吸入、直腸投与、経鼻投与、口腔投与、経膣投与、局所投与、非経口投与、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、髄腔内、脳室内、胸骨内及び頭蓋内注射若しくは注入、又は外植されたリザーバーを介した投与のいずれかで投与され得る。これらのうち、経口、腹腔内又は静脈内投与が好ましい。
経口投与のためには、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物は、限定されないが、錠剤、カプセル、水溶液又は懸濁液を含むいずれかの経口的に許容される調製形態にすることができる。それらの中で、錠剤のために一般的に使用される担体は、ラクトース及びコーンスターチを含み、また、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を加えることができる。カプセル製剤に一般的に使用される希釈剤には、ラクトース及び乾燥コーンスターチが含まれる。水性懸濁液は、通常、活性成分を適切な乳化剤及び懸濁剤と混合することによって調製される。必要に応じて、ある種の甘味剤、香味剤又は着色剤を上記の経口調製形態に加えてもよい。
直腸投与のためには、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物は、一般的に、適切な非刺激性賦形剤と薬物を混合することによって得られる坐剤形態にすることができる。賦形剤は、室温で固体であるが、直腸温度で融解して薬物を放出する。このような賦形剤には、カカオ脂、蜜ろう及びポリエチレングリコールが含まれる。
局所投与のために、特に、眼、皮膚又は下部腸管神経疾患のような局所適用により容易にアクセス可能な罹患表面又は臓器を処置する場合には、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物は、異なる罹患表面又は臓器に従って異なる局所調製形態にすることができ、具体的な説明は以下の通りである。
眼への局所投与のためには、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物は、適切な微粉化懸濁液又は溶液中に製造することができ、使用される担体は、あるpHを有する等張無菌生理食塩水であり、それに塩化ベンジルアルコキシドのような保存剤を添加することも添加しないこともできる。また、眼科用には、ワセリン軟膏などの軟膏剤にすることができる。
皮膚への局所投与のために、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物は、適切な軟膏、ローション又はクリーム調製形態に製造することができ、その場合、活性成分は、1以上の担体に懸濁又は溶解される。ここで軟膏に使用することができる担体には、限定されないが、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、乳化ワックス、及び水が含まれる。ローション又はクリームに使用することができる担体には、限定されないが、鉱物油、モノステアリン酸ソルビタン、Tween 60、セチルエステルワックス、ヘキサデセンアリールアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が含まれる。
下部腸管への局所投与のために、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物は、上記直腸座薬調製物又は適切な浣腸調製物形態に作製することができる。さらに、局所経皮パッチを使用することもできる。
式Iで表される化合物、その幾何異性体、又は製薬上許容されるその塩及び/又は溶媒和物及び/又は水和物はまた、無菌注射用水若しくは油懸濁液、又は無菌注射用溶液を含む無菌注射用製剤の形態で投与することができる。それらの中で、使用可能な担体又は溶媒は、水、リンゲル溶液、及び生理食塩水である。さらに、モノ又はジグリセリドのような滅菌不揮発性油も溶媒又は懸濁媒体として使用することができる。
上記種々の剤形の薬剤は、医薬分野における従来の方法に従って調製することができる。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」又は「予防有効量」とは、患者の疾患を治療又は予防するのに十分であるが、合理的な医学的判断の範囲内で(合理的な利益/リスク比で)重篤な副作用を回避するのに十分に低い量を指す。化合物の治療有効量は、選択された特定の化合物(例えば、化合物の効能、有効性及び半減期を考慮して)、選択された投与経路、治療される疾患、治療される疾患の重症度、治療される患者の年齢、サイズ、体重及び身体的疾患、治療される患者の病歴、治療期間、同時治療の性質、所望の治療効果などに依存するが、依然として日常的に当業者によって決定される。
さらに、異なる患者用の式Iで表される化合物、その幾何異性体、又は製薬上許容されるその塩及び/又は溶媒和物及び/又は水和物の具体的な投与量及び使用法は、多くの要因によって決定されることを指摘しておくべきであり、例えば、要因には、患者の年齢、体重、性別、自然な健康状態、栄養状態、薬物の活性強度、投与時間、代謝率、状態の重症度、及び診断と治療を行う医師の主観的判断が挙げられる。ここでは、0.001~1000mg/kg体重/日の用量を使用することが好ましい。
本発明を実施するための具体的なモデル
本出願の実質的な内容は、本出願の特定の実施例を参照して、以下にさらに説明される。以下の実施例は、本出願を例示するためにのみ使用されるが、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。以下の実施例で特定の条件が示されていない場合は、従来の条件又はメーカーの提案に従って実施する。製造業者の指示のない医薬品又は試薬は、市場から入手可能な従来品である。
本出願の実質的な内容は、本出願の特定の実施例を参照して、以下にさらに説明される。以下の実施例は、本出願を例示するためにのみ使用されるが、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。以下の実施例で特定の条件が示されていない場合は、従来の条件又はメーカーの提案に従って実施する。製造業者の指示のない医薬品又は試薬は、市場から入手可能な従来品である。
以下の実施例で使用される材料及び操作方法の多くは、当該技術分野において公知であるが、本出願では、可能な限り詳細に説明されている。以下の実施例で使用される材料及び操作方法は、特に明記しない限り、当業者には周知であることが明らかである。
実施例1:SARS-CoV-2に対するテトラドリンの薬力学試験1
1.材料及び方法
1.1 薬剤:テトランドリンは、Zhejiang Jinhua CONBA Pharmaceutical Co.,Ltd.から入手した。そのバッチ番号はYG1910005であり、その含量は99.3%である。参照薬剤のリン酸クロロキンは、Sigma社(Cat番号C6628)から購入した;レムデシビルは、MedChemExpress社(Cat番号Hy-104077)から購入した。テトランドリンをDMSOとともに10mMストック溶液中に調製し、レムデシビルをDMSOとともに100mMストック溶液中に調製し、リン酸クロロキンをPBSとともに100mMストック溶液に調製した。実験中、2%ウシ胎児血清を含むMEM培地で、実験に必要な濃度まで希釈した。
1.材料及び方法
1.1 薬剤:テトランドリンは、Zhejiang Jinhua CONBA Pharmaceutical Co.,Ltd.から入手した。そのバッチ番号はYG1910005であり、その含量は99.3%である。参照薬剤のリン酸クロロキンは、Sigma社(Cat番号C6628)から購入した;レムデシビルは、MedChemExpress社(Cat番号Hy-104077)から購入した。テトランドリンをDMSOとともに10mMストック溶液中に調製し、レムデシビルをDMSOとともに100mMストック溶液中に調製し、リン酸クロロキンをPBSとともに100mMストック溶液に調製した。実験中、2%ウシ胎児血清を含むMEM培地で、実験に必要な濃度まで希釈した。
1.2 細胞:ATCC、Cat番号1586から購入したVero-E6細胞。
1.3 ウイルス:SARS-CoV-2ウイルス(nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019分離株、GISAID受託番号はEPI ISL 402124であった)を分離し、中国科学院武漢ウイルス学研究所によって継代培養した。実験中、ウイルスを2%ウシ胎児血清を含むMEM培地で、実験に必要な濃度に希釈した。
1.4.試薬、実験用消耗品及び器具:
1.4.1 試薬:MEM乾燥粉末、GIBCO、USA、Cat番号10370021から購入;ウシ胎児血清(FBS)、GIBCO、USA、Cat番号16000044から購入;重炭酸ナトリウム、Sinopharmから購入;ペニシリン、ストレプトマイシン及びカナマイシン:すべて北中国製薬会社から購入;PBS、GIBCO、Cat番号C10010500BTから購入。
1.4.2 実験用消耗品及び器具:培養フラスコ、Corning Company、USAから購入;96ウェル培養プレート、Corning Company、USAから購入;二酸化炭素インキュベーター、米国Thermo Company、USAから購入。
1.4.3 細胞培養液及び試薬の調製
細胞培養培地はMEM培地であり、その100ml当たり10%ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシン及びカナマイシン(各100U/ml)、及び5%NaHCO3を含有した。
細胞消化液:0.25%トリプシン、Hanks溶液、0.02%EDTAで調製。
1.4.1 試薬:MEM乾燥粉末、GIBCO、USA、Cat番号10370021から購入;ウシ胎児血清(FBS)、GIBCO、USA、Cat番号16000044から購入;重炭酸ナトリウム、Sinopharmから購入;ペニシリン、ストレプトマイシン及びカナマイシン:すべて北中国製薬会社から購入;PBS、GIBCO、Cat番号C10010500BTから購入。
1.4.2 実験用消耗品及び器具:培養フラスコ、Corning Company、USAから購入;96ウェル培養プレート、Corning Company、USAから購入;二酸化炭素インキュベーター、米国Thermo Company、USAから購入。
1.4.3 細胞培養液及び試薬の調製
細胞培養培地はMEM培地であり、その100ml当たり10%ウシ胎児血清、ペニシリン、ストレプトマイシン及びカナマイシン(各100U/ml)、及び5%NaHCO3を含有した。
細胞消化液:0.25%トリプシン、Hanks溶液、0.02%EDTAで調製。
1.5.実験方法:
1.5.1 Vero E6細胞培養物:0.25%トリプシン(0.1ml)、0.02%EDTA(5ml)を細胞で満たした培養フラスコに添加し、37℃で5分間消化し、次に、消化溶液を捨て、細胞培養溶液を添加し、次に、ピペッティングの上下により混合した。細胞を1:3で継代培養し、3日以内にコンフルエンスに達し、100,000細胞/mlに処方し、96ウェル細胞培養プレートに接種し、1ウェル当たり0.1mlで、37℃、5%CO2で24時間培養し、細胞を実験に使用した。
1.5.2 細胞に対する薬物細胞毒性試験:
薬物細胞毒性の検出は、CellTiter-Gloキット(Promega)を用いて決定した。具体的には、以下の通りであった:
(1)1×104個のVero-E6細胞を96ウェルプレートに接種し、37℃で8時間培養した。
(2)薬物原液を2%FBSを含むMEM培地で希釈し、96ウェルプレートの元の培地を捨て、薬物含有MEM培地100μLを採取し、対応するウェルに加え、ウェル中の薬物の最終濃度をそれぞれ表1~3に示すようにし、各濃度について3つの複製ウェルを作製した。同時に、ビヒクル対照(DMSO又はPBS、及び薬物を含まない2%FBS含有MEM培地を細胞ウェルに加える)及びブランク対照(細胞を含まないウェルにDMSO及び2%FBS含有MEM培地を加える)を設定した。薬物の添加後、細胞を37℃で24時間インキュベートした。
(3)100μLのCellTiter-Glo溶液(Promega)を試験するウェルに添加し、2分間振盪して細胞を完全に溶解させ、室温で10分間インキュベートし、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices、モデル:SpectraMax M5から購入)上で化学発光シグナルOD450の読み取り値を得た。細胞生存率は、以下の式に読み取り値を取り込んで計算した:
細胞生存率(%)=(A(薬物処置群)-A(ブランク対照))/(A(ベヒクル対照)-A(ブランク対照))×100%
ここで、Aはマイクロプレートリーダー上の読み取を表した。
1.5.1 Vero E6細胞培養物:0.25%トリプシン(0.1ml)、0.02%EDTA(5ml)を細胞で満たした培養フラスコに添加し、37℃で5分間消化し、次に、消化溶液を捨て、細胞培養溶液を添加し、次に、ピペッティングの上下により混合した。細胞を1:3で継代培養し、3日以内にコンフルエンスに達し、100,000細胞/mlに処方し、96ウェル細胞培養プレートに接種し、1ウェル当たり0.1mlで、37℃、5%CO2で24時間培養し、細胞を実験に使用した。
1.5.2 細胞に対する薬物細胞毒性試験:
薬物細胞毒性の検出は、CellTiter-Gloキット(Promega)を用いて決定した。具体的には、以下の通りであった:
(1)1×104個のVero-E6細胞を96ウェルプレートに接種し、37℃で8時間培養した。
(2)薬物原液を2%FBSを含むMEM培地で希釈し、96ウェルプレートの元の培地を捨て、薬物含有MEM培地100μLを採取し、対応するウェルに加え、ウェル中の薬物の最終濃度をそれぞれ表1~3に示すようにし、各濃度について3つの複製ウェルを作製した。同時に、ビヒクル対照(DMSO又はPBS、及び薬物を含まない2%FBS含有MEM培地を細胞ウェルに加える)及びブランク対照(細胞を含まないウェルにDMSO及び2%FBS含有MEM培地を加える)を設定した。薬物の添加後、細胞を37℃で24時間インキュベートした。
(3)100μLのCellTiter-Glo溶液(Promega)を試験するウェルに添加し、2分間振盪して細胞を完全に溶解させ、室温で10分間インキュベートし、マイクロプレートリーダー(Molecular Devices、モデル:SpectraMax M5から購入)上で化学発光シグナルOD450の読み取り値を得た。細胞生存率は、以下の式に読み取り値を取り込んで計算した:
細胞生存率(%)=(A(薬物処置群)-A(ブランク対照))/(A(ベヒクル対照)-A(ブランク対照))×100%
ここで、Aはマイクロプレートリーダー上の読み取を表した。
1.5.3 アンチウイルス実験:
(1)薬物処置
Vero E6細胞を48ウェルプレートに1ウェルあたり約1×105細胞を接種し,翌日に実験を行った。まず、対応する濃度の薬物を含む100μLのMEM培地(2%FBSを含む)をプレートに添加し、細胞を1時間、前処理し、次に、20μLの希釈ウイルス(ウイルス量は1000 TCID50、すなわちMOI=0.01であり、ウイルス量は5000TCID50、すなわちMOI=0.05)を添加し、次に、細胞をインキュベーターに入れ、1時間インキュベートした。次に、ウイルス培養培地を廃棄し、未感染残存ウイルスをPBSで洗浄し、次に、対応する濃度のテトラドリン、レムデシビル及びクロロキンリン酸を含有するMEM培養培地(2%FBSを含有する)をそれぞれ添加し、ウェル中の薬物の最終濃度をそれぞれ表4~表6に示すものとし、次に、細胞を37℃、5%CO2インキュベーター中に置き、次に、48時間培養した。細胞対照群に、2%FBSを含有するMEM培地中の0.3%DMSO(最終濃度)、又は2%FBSを含有するMEM培地中の0.5%PBSを添加した。
(1)薬物処置
Vero E6細胞を48ウェルプレートに1ウェルあたり約1×105細胞を接種し,翌日に実験を行った。まず、対応する濃度の薬物を含む100μLのMEM培地(2%FBSを含む)をプレートに添加し、細胞を1時間、前処理し、次に、20μLの希釈ウイルス(ウイルス量は1000 TCID50、すなわちMOI=0.01であり、ウイルス量は5000TCID50、すなわちMOI=0.05)を添加し、次に、細胞をインキュベーターに入れ、1時間インキュベートした。次に、ウイルス培養培地を廃棄し、未感染残存ウイルスをPBSで洗浄し、次に、対応する濃度のテトラドリン、レムデシビル及びクロロキンリン酸を含有するMEM培養培地(2%FBSを含有する)をそれぞれ添加し、ウェル中の薬物の最終濃度をそれぞれ表4~表6に示すものとし、次に、細胞を37℃、5%CO2インキュベーター中に置き、次に、48時間培養した。細胞対照群に、2%FBSを含有するMEM培地中の0.3%DMSO(最終濃度)、又は2%FBSを含有するMEM培地中の0.5%PBSを添加した。
(2)RNA抽出
RNA抽出は、TaKaRa社(TaKaRa MiniBESTウイルスRNA/DNA抽出キット、Cat番号9766)が製造したキットを用いて行われた。特に指定のない限り、以下のRNA抽出工程に関与する消耗品及び試薬はキットの一部であった。キットの説明書では、以下の抽出手順をすべて推奨した。
1)試験プレートから上清100μLを採取し、ヌクレアーゼを含まないEPチューブ(Axygenから購入、Cat番号mct-150-c)に加えた。次に、321μLの溶解溶液(100μLのPBS、200μLの緩衝液VGB、2μLのプロテイナーゼK、1μLのキャリアRNA)をウェルに加え、十分に混合し、次に、56℃で15分間消化した。
2)工程1)で得た混合物に無水エタノール200μLを加え、よく混合した。
3)工程2)で得られた混合物をRNaseフリースピンカラムに移し、12,000rpmで15秒間遠心分離し、廃液を捨てた。
4)500μLの緩衝液RW1を添加し、12,000rpmで15秒間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
5)650μLの緩衝液RW2を添加し、12000rpmで15秒間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
6)650μLの緩衝液RW2を添加し、12,000rpmで2分間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨て、次に、全スピンカラムを、工程7において、新しいRNaseを含まない2ml回収チューブに移した。
7)新しいRNaseを含まない2ml回収チューブを交換に使用し、12,000rpmで1分間遠心分離を行い、スピンカラムを乾燥させ、次に、工程8において、全スピンカラムを1.5ml収集管に移した。
8)交換のために新しい1.5mlの回収チューブを使用し、工程7)の乾燥スピンカラムをその中に置き、30μLのRNase不含水を各スピンカラムに添加し、12,000rpmで2分間遠心分離を行い、得られた溶出液は対応するRNAを含有した。
RNA抽出は、TaKaRa社(TaKaRa MiniBESTウイルスRNA/DNA抽出キット、Cat番号9766)が製造したキットを用いて行われた。特に指定のない限り、以下のRNA抽出工程に関与する消耗品及び試薬はキットの一部であった。キットの説明書では、以下の抽出手順をすべて推奨した。
1)試験プレートから上清100μLを採取し、ヌクレアーゼを含まないEPチューブ(Axygenから購入、Cat番号mct-150-c)に加えた。次に、321μLの溶解溶液(100μLのPBS、200μLの緩衝液VGB、2μLのプロテイナーゼK、1μLのキャリアRNA)をウェルに加え、十分に混合し、次に、56℃で15分間消化した。
2)工程1)で得た混合物に無水エタノール200μLを加え、よく混合した。
3)工程2)で得られた混合物をRNaseフリースピンカラムに移し、12,000rpmで15秒間遠心分離し、廃液を捨てた。
4)500μLの緩衝液RW1を添加し、12,000rpmで15秒間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
5)650μLの緩衝液RW2を添加し、12000rpmで15秒間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨てた。
6)650μLの緩衝液RW2を添加し、12,000rpmで2分間遠心分離してスピンカラムを洗浄し、廃液を捨て、次に、全スピンカラムを、工程7において、新しいRNaseを含まない2ml回収チューブに移した。
7)新しいRNaseを含まない2ml回収チューブを交換に使用し、12,000rpmで1分間遠心分離を行い、スピンカラムを乾燥させ、次に、工程8において、全スピンカラムを1.5ml収集管に移した。
8)交換のために新しい1.5mlの回収チューブを使用し、工程7)の乾燥スピンカラムをその中に置き、30μLのRNase不含水を各スピンカラムに添加し、12,000rpmで2分間遠心分離を行い、得られた溶出液は対応するRNAを含有した。
(3)RNA逆転写
TaKaRa社製の逆転写キット(gDNA Eraserを含むPrimeScript(商標)RT試薬キット、Cat番号RR047Q)をRNA逆転写のために用いた。工程は、以下のとおりである。
1)gDNAの除去:各実験群からRNA試料を採取し、3μLのRNAを逆転写のために採取した。まず、各実験群のRNA試料に5×gDNA消去緩衝液2μLを加え、反応系にRNaseを含まない水10μLを加え、よく混合し、42℃で2分間水浴にかけ、試料中に存在する可能性のあるgDNAを除去した。
2)逆転写:工程1で得られた試料に適量の酵素、プライマー混合物及び反応緩衝液を添加し、RNaseフリー水を20μLの容量に補足するために添加し、反応を37℃の水浴中で15分間、次に85℃の水浴中で5秒間行って、転写によりcDNAを得た。
TaKaRa社製の逆転写キット(gDNA Eraserを含むPrimeScript(商標)RT試薬キット、Cat番号RR047Q)をRNA逆転写のために用いた。工程は、以下のとおりである。
1)gDNAの除去:各実験群からRNA試料を採取し、3μLのRNAを逆転写のために採取した。まず、各実験群のRNA試料に5×gDNA消去緩衝液2μLを加え、反応系にRNaseを含まない水10μLを加え、よく混合し、42℃で2分間水浴にかけ、試料中に存在する可能性のあるgDNAを除去した。
2)逆転写:工程1で得られた試料に適量の酵素、プライマー混合物及び反応緩衝液を添加し、RNaseフリー水を20μLの容量に補足するために添加し、反応を37℃の水浴中で15分間、次に85℃の水浴中で5秒間行って、転写によりcDNAを得た。
(4)リアルタイムPCR
蛍光定量PCR法を用いて、元のウイルス溶液1ミリリットル当たりのコピー数を検出した。反応系をTB Green Premix(Takara、Cat#RR820A)と混合し、増幅反応及び読み取りをStepOne PlusリアルタイプPCR装置(ブランド:ABI)を用いて行った。元のウイルス溶液1ミリリットルあたりのコピー数を計算した。手順は以下のとおりであった。
1)最初に,標準製品を確立した。プラスミドpMT-RBDをそれぞれ5×108コピー/μL、5×107コピー/μL、5×106コピー/μL、5×105コピー/μL、5×104コピー/μL、5×103コピー/μL、5×102コピー/μLに希釈した。2μLの標準産物又はcDNAテンプレートをqPCR反応のために採取した。
2)実験に用いたプライマー配列は以下の通りであった(すべて5’-3’方向に示した):
RBD-qF:CAATGGTTTAACAGGCACAGG(配列番号1)
RBD-qR:CTCAAGTGTCTGTGGATCACG(配列番号2)
3)反応手順は以下の通りであった。
変性前:95℃、5分間;
サイクリングパラメータ:95℃15秒、54℃15秒、72℃30秒。計40サイクル。
蛍光定量PCR法を用いて、元のウイルス溶液1ミリリットル当たりのコピー数を検出した。反応系をTB Green Premix(Takara、Cat#RR820A)と混合し、増幅反応及び読み取りをStepOne PlusリアルタイプPCR装置(ブランド:ABI)を用いて行った。元のウイルス溶液1ミリリットルあたりのコピー数を計算した。手順は以下のとおりであった。
1)最初に,標準製品を確立した。プラスミドpMT-RBDをそれぞれ5×108コピー/μL、5×107コピー/μL、5×106コピー/μL、5×105コピー/μL、5×104コピー/μL、5×103コピー/μL、5×102コピー/μLに希釈した。2μLの標準産物又はcDNAテンプレートをqPCR反応のために採取した。
2)実験に用いたプライマー配列は以下の通りであった(すべて5’-3’方向に示した):
RBD-qF:CAATGGTTTAACAGGCACAGG(配列番号1)
RBD-qR:CTCAAGTGTCTGTGGATCACG(配列番号2)
3)反応手順は以下の通りであった。
変性前:95℃、5分間;
サイクリングパラメータ:95℃15秒、54℃15秒、72℃30秒。計40サイクル。
2.結果
2.1.Vero E6細胞におけるテトラドリン、クロロキンリン酸及びレムデシビルの毒性
細胞毒性の結果は、試験化合物の処理は、全ての試験濃度で細胞生存率を変化させなかったこと、すなわち、試験化合物は全ての濃度で細胞に毒性影響を及ぼさなかったことを示した(表1~3)。
2.1.Vero E6細胞におけるテトラドリン、クロロキンリン酸及びレムデシビルの毒性
細胞毒性の結果は、試験化合物の処理は、全ての試験濃度で細胞生存率を変化させなかったこと、すなわち、試験化合物は全ての濃度で細胞に毒性影響を及ぼさなかったことを示した(表1~3)。
2.2.テトラドリン、リン酸クロロキン及びレムデシビルの抗ウイルス活性
ウイルス増殖阻害実験の結果は、異なる濃度の試験化合物が、SARS-CoV-2による感染細胞上清中のウイルスゲノムの複製を効果的に阻害することを示した(表4~6及び図1)。
ウイルス増殖阻害実験の結果は、異なる濃度の試験化合物が、SARS-CoV-2による感染細胞上清中のウイルスゲノムの複製を効果的に阻害することを示した(表4~6及び図1)。
算出後、0.01のウイルス感染多重度(MOI)の条件で、
テトランドリン:EC50=1.71μM、CC50=24.51μM、SI=14.33
レムデシビル:EC50=0.30μM、CC50=160.30μM、SI=534.33
リン酸クロロキン:EC50=1.54μM、CC50=92.93μM、SI=60.34
0.05のウイルス感染多重度(MOI)の条件下で、
テトランドリン:EC50=2.88μM、CC50=24.51μM、SI=8.51
レムデシビル:EC50=0.59μM、CC50=160.30μM、SI=271.69
リン酸クロロキン:EC50=3.77μM、CC50=92.93μM、SI=24.49。
テトランドリン:EC50=1.71μM、CC50=24.51μM、SI=14.33
レムデシビル:EC50=0.30μM、CC50=160.30μM、SI=534.33
リン酸クロロキン:EC50=1.54μM、CC50=92.93μM、SI=60.34
0.05のウイルス感染多重度(MOI)の条件下で、
テトランドリン:EC50=2.88μM、CC50=24.51μM、SI=8.51
レムデシビル:EC50=0.59μM、CC50=160.30μM、SI=271.69
リン酸クロロキン:EC50=3.77μM、CC50=92.93μM、SI=24.49。
3.結論
テトランドリン(標準物質はリン酸クロロキン及びレムデシビル)は、異なる試験濃度でin vitro試験細胞に対して良好な安全性を示した。テトランドリン、レムデシビル、及びリン酸クロロキンは、SARS-CoV-2ウイルス分離株nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019に対して明らかな阻害効果があり、ウイルス感染のMOIが0.01の場合、そのEC50値はそれぞれ1.71μM、0.30μM及び1.54μMであり、対応する選択性指数はそれぞれ14.33、534.33及び60.34であり、ウイルス感染のMOIが0.05の場合、そのEC50値はそれぞれ2.88μM、0.59μM及び3.77μMであり、対応する選択性指数はそれぞれ8.51、271.69及び24.49であった。
テトランドリン(標準物質はリン酸クロロキン及びレムデシビル)は、異なる試験濃度でin vitro試験細胞に対して良好な安全性を示した。テトランドリン、レムデシビル、及びリン酸クロロキンは、SARS-CoV-2ウイルス分離株nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019に対して明らかな阻害効果があり、ウイルス感染のMOIが0.01の場合、そのEC50値はそれぞれ1.71μM、0.30μM及び1.54μMであり、対応する選択性指数はそれぞれ14.33、534.33及び60.34であり、ウイルス感染のMOIが0.05の場合、そのEC50値はそれぞれ2.88μM、0.59μM及び3.77μMであり、対応する選択性指数はそれぞれ8.51、271.69及び24.49であった。
テトランドリン、リン酸クロロキン及びレムデシビルは、in vitroでSARS-CoV-2ウイルスに対して阻害活性を示した。
実施例2:SARS-CoV-2に対するテトラドリンの薬力学試験2
実験材料及び方法は、実施例1と同じであった。具体的な相違点は、抗ウイルス実験では、実施例1の薬物処理工程が、まず、対応する濃度の薬物を含有する100μLのMEM培地(2%FBSを含有する)をプレートに添加する工程を含み、細胞を1時間前処理したが、この実施例では、薬物処理工程は、細胞を薬物で前処理する工程を含まず、具体的な工程は以下の通りであった。
実験材料及び方法は、実施例1と同じであった。具体的な相違点は、抗ウイルス実験では、実施例1の薬物処理工程が、まず、対応する濃度の薬物を含有する100μLのMEM培地(2%FBSを含有する)をプレートに添加する工程を含み、細胞を1時間前処理したが、この実施例では、薬物処理工程は、細胞を薬物で前処理する工程を含まず、具体的な工程は以下の通りであった。
Vero E6細胞を48ウェルプレートに、ウェル当たり約1×105細胞で接種し、次に、20μLの希釈ウイルスを添加し(ウイルス量は1000TCID50、すなわちMOI=0.01、ウイルス量は5000TCID50、すなわちMOI=0.05であった)、次に、細胞をインキュベーターに入れ、1時間インキュベートした。1時間後、ウイルス培養培地を廃棄し、未感染残存ウイルスをPBSで洗浄し、対応する濃度のテトラドリン、レムデシビル及びリン酸クロロキンを含有するMEM培養培地(2%FBSを含有)をそれぞれ添加し、細胞中の薬物の最終濃度が実施例1の表4、5及び6に示される薬物濃度と同じであるようにし、次に、細胞を37℃、5%CO2インキュベーター中に置き、その後、48時間培養した。細胞対照群に、2%FBSを含有する細胞培地中の最終濃度が0.3%のDMSO、又は2%FBSを含有する細胞培地中の0.5%PBSを添加した。
その後のRNA抽出、RNA逆転写及びリアルタイムPCRの方法は、実施例1と同じであった。
算出後、0.01のウイルス感染多重度(MOI)の条件で、
テトランドリン:EC50=1.61μM、CC50=24.51μM、SI=15.22
レムデシビル:EC50=0.23μM、CC50=160.30μM、SI=696.96
リン酸クロロキン:EC50=4.52μM、CC50=92.93μM、SI=20.56
0.05のウイルス感染多重度(MOI)の条件で、
テトランドリン:EC50=1.95μM、CC50=24.51μM、SI=12.51
レムデシビル:EC50=0.62μM、CC50=160.30μM、SI=258.55
リン酸クロロキン:EC50=3.63μM、CC50=92.93μM、SI=25.60。
算出後、0.01のウイルス感染多重度(MOI)の条件で、
テトランドリン:EC50=1.61μM、CC50=24.51μM、SI=15.22
レムデシビル:EC50=0.23μM、CC50=160.30μM、SI=696.96
リン酸クロロキン:EC50=4.52μM、CC50=92.93μM、SI=20.56
0.05のウイルス感染多重度(MOI)の条件で、
テトランドリン:EC50=1.95μM、CC50=24.51μM、SI=12.51
レムデシビル:EC50=0.62μM、CC50=160.30μM、SI=258.55
リン酸クロロキン:EC50=3.63μM、CC50=92.93μM、SI=25.60。
結論:
抗ウイルス実験の結果は、テトランドリン、レムデシビル、及びリン酸クロロキンは、SARS-CoV-2ウイルス分離株nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019に対して明らかな阻害効果があり、ウイルス感染のMOIが0.01の場合、そのEC50値はそれぞれ1.61μM、0.23μM及び4.52μMであり、対応する選択性指数はそれぞれ15.22、696.96及び20.56であり、ウイルス感染のMOIが0.05の場合、そのEC50値はそれぞれ1.95μM、0.62μM及び3.63μMであり、対応する選択指数はそれぞれ12.51、258.55及び25.60であった(図2を参照されたい)。
抗ウイルス実験の結果は、テトランドリン、レムデシビル、及びリン酸クロロキンは、SARS-CoV-2ウイルス分離株nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019に対して明らかな阻害効果があり、ウイルス感染のMOIが0.01の場合、そのEC50値はそれぞれ1.61μM、0.23μM及び4.52μMであり、対応する選択性指数はそれぞれ15.22、696.96及び20.56であり、ウイルス感染のMOIが0.05の場合、そのEC50値はそれぞれ1.95μM、0.62μM及び3.63μMであり、対応する選択指数はそれぞれ12.51、258.55及び25.60であった(図2を参照されたい)。
テトランドリン、リン酸クロロキン及びレムデシビルは、細胞のウイルス感染後、SARS-CoV-2ウイルスに対して阻害活性を示した。
実施例3:SARS-CoV-2に対するテトランドリンの半最大有効濃度(EC50)
薬物のEC50は、核酸定量によって決定された。具体的な工程は以下の通りであった。Vero細胞を48ウェルプレートに約10,000細胞/ウェルの濃度で1日前に接種した。薬物テトラドリンは、最終濃度が20、10、5、2.5、1.25、0.625及び0.3125μMになるように、2%FBSを含有するDMEM培地(Gibcoから購入、Cat番号16000000044)で調製し、細胞に添加した。細胞を37℃、5%CO2インキュベーター中に置き、1時間前処理した。次に、SARS-CoV-2ウイルス(nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019分離株、GISAID登録番号はEPI ISL 402124であり、中国科学院武漢ウイルス学研究所によって分離及び継代培養された)を、2%FBSを含むDMEM培地で希釈し、ウイルス量が100TCID50となるように対応するウェルに加え、37℃で2時間、吸着させ培養した後、ウイルス溶液を捨て、各ウェル(200μL/ウェル)に、テトランドリンの最終濃度がウェルで20、10、5、2.5、1.25、0.625及び0.3125μMになるように添加した。薬剤濃度ごとに3連のウェルを設定し、ウイルス対照群と正常細胞対照群を設定し、培養は37℃、5%CO2インキュベーターで行い、細胞変性効果(CPE)を毎日観察した。感染の2日後、各ウェルから50μLの細胞上清を採取して核酸を抽出し、ウイルス量を定量的RT-PCRで検出した。
薬物のEC50は、核酸定量によって決定された。具体的な工程は以下の通りであった。Vero細胞を48ウェルプレートに約10,000細胞/ウェルの濃度で1日前に接種した。薬物テトラドリンは、最終濃度が20、10、5、2.5、1.25、0.625及び0.3125μMになるように、2%FBSを含有するDMEM培地(Gibcoから購入、Cat番号16000000044)で調製し、細胞に添加した。細胞を37℃、5%CO2インキュベーター中に置き、1時間前処理した。次に、SARS-CoV-2ウイルス(nCoV-2019BetaCoV/Wuhan/WIV04/2019分離株、GISAID登録番号はEPI ISL 402124であり、中国科学院武漢ウイルス学研究所によって分離及び継代培養された)を、2%FBSを含むDMEM培地で希釈し、ウイルス量が100TCID50となるように対応するウェルに加え、37℃で2時間、吸着させ培養した後、ウイルス溶液を捨て、各ウェル(200μL/ウェル)に、テトランドリンの最終濃度がウェルで20、10、5、2.5、1.25、0.625及び0.3125μMになるように添加した。薬剤濃度ごとに3連のウェルを設定し、ウイルス対照群と正常細胞対照群を設定し、培養は37℃、5%CO2インキュベーターで行い、細胞変性効果(CPE)を毎日観察した。感染の2日後、各ウェルから50μLの細胞上清を採取して核酸を抽出し、ウイルス量を定量的RT-PCRで検出した。
RNA抽出、RNA逆転写及びRT-PCRの方法は実施例1と同じであった。
ウイルスRNAコピー数とCT値の換算式:RNAコピー数/mL=CT*(-0.3)+13.17に従い、ウイルス量を算出した。式:(感染率(%)=薬剤群のRNAコピー数/ウイルス対照群のRNAコピー数×100%)を用いて、薬剤処置の異なる濃度でウイルス感染率(%)を算出し、Graphpad Prism 7ソフトを用いてS-フィッティング分析を行い、そのフィッティング結果を図3に示し、EC50を算出した。
その結果は、テトラドリンが細胞レベルでSARS-CoV-2ウイルスに対して阻害作用を示し、EC50が8.99μMであることが示された(図3)。
ウイルスRNAコピー数とCT値の換算式:RNAコピー数/mL=CT*(-0.3)+13.17に従い、ウイルス量を算出した。式:(感染率(%)=薬剤群のRNAコピー数/ウイルス対照群のRNAコピー数×100%)を用いて、薬剤処置の異なる濃度でウイルス感染率(%)を算出し、Graphpad Prism 7ソフトを用いてS-フィッティング分析を行い、そのフィッティング結果を図3に示し、EC50を算出した。
その結果は、テトラドリンが細胞レベルでSARS-CoV-2ウイルスに対して阻害作用を示し、EC50が8.99μMであることが示された(図3)。
本出願の具体的な実施形態を詳細に説明したが、当業者は、開示された全ての教示に基づいて、これらの詳細の様々な修飾及び置換を行うことができ、これらの変更はすべて本出願の保護範囲内であることを理解するであろう。本出願の全範囲は、添付の特許請求の範囲及びその同等物によって与えられる。
参考文献
Zaki AM, van Boheemen S, Bestebroer T M, et al. Isolation of a novel coronavirus from a man with pneumonia in Saudi Arabia[J]. N Engl J Med, 2012, 367(19): 1814-1820.
Zhong NS, Zheng BJ, Li YM, et al. Epidemiology and cause of severe acute respiratory syndrome (SARS) in Guangdong, People's Republic of China, in February, 2003[J]. The Lancet, 2003, 362(9393): 1353 -1358.
Cui J, Li F, Shi ZL. Origin and evolution of pathogenic coronaviruses[J]. Nat Rev Microbiol, 2019, 17(3): 181-192.
Wang M, Cao R, Zhang L, et al. Remdesivir and chloroquine effectively inhibit the recently emerged novel coronavirus (2019-nCoV) in vitro[J]. Cell Res, 2020, 0: 1-3.
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Claims (33)
- 製造物が、ヒト薬物又は動物用獣医薬である、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用。
- 製造物が、固体調製物、注射剤、スプレー剤、液体調製物、吸入調製物又は化合物調製物である、請求項7に記載の使用。
- 哺乳動物が、ウシ、ウマ、ヤギ、イノシシ、イヌ、ネコ、げっ歯類、霊長類を含み、例えば、ヒト、イヌ、又はブタである、請求項3又は6に記載の使用。
- 医薬組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含み、具体的には、医薬組成物が、固体調製物、注射剤、吸入調製物、スプレー剤、液体調製物、又は化合物調製物である、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用。
- コロナウイルスに引き起こされる疾患若しくは感染症、又はコロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾患若しくは感染症を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的に有効な量を投与することを含む、上記方法。
- コロナウイルスに関連する肺疾患若しくは症状、又は高血圧を伴う肺疾患又は症状に関連する肺疾患若しくは症状を予防及び/又は治療する方法であって、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的に有効な量を投与することを含む、上記方法。
- 必要とする宿主におけるコロナウイルスの複製又は再生を阻害する方法であって、それを必要とする宿主に、式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和物、あるいは式Iで表される化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくはその溶媒和物及び/若しくは水和物を含む医薬組成物の予防的及び/又は治療的に有効な量を投与することを含む、上記方法。
- コロナウイルスがSARS-CoV-2である、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
- コロナウイルスによって引き起こされる疾患がCOVID-19である、請求項20に記載の方法。
- コロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う疾患が、高血圧を伴うCOVID-19である、請求項20に記載の方法。
- コロナウイルスに関連する肺疾患又は症状が、SARS-CoV-2に関連する肺疾患又は症状である、請求項21に記載の方法。
- コロナウイルスに関連し、高血圧を伴う肺疾患又は症状が、SARS-CoV-2に関連し、高血圧を伴う肺疾患又は症状である、請求項21に記載の方法。
- コロナウイルスによって引き起こされる感染が、無症候性又は症候性のSARS-CoV-2感染症である、請求項20に記載の方法。
- コロナウイルスによって引き起こされ、高血圧を伴う感染が、高血圧を伴う無症候性又は症候性のSARS-CoV-2感染症である、請求項20に記載の方法。
- 宿主が哺乳動物である、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
- 哺乳動物が、ウシ、ウマ、ヤギ、イノシシ、イヌ、ネコ、げっ歯類、霊長類を含み、好ましくは、哺乳動物が、ヒト、イヌ又はブタである、請求項20~22のいずれか1項に記載の方法。
- 哺乳動物が、ウシ、ウマ、ヤギ、イノシシ、イヌ、ネコ、げっ歯類、霊長類を含み、例えば、ヒト、イヌ又はブタである、請求項13又は19に記載の化合物、その幾何学的異性体、又はその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物及び/若しくは水和。
- 医薬組成物が、薬学的に許容される担体又は賦形剤をさらに含み、具体的には、医薬組成物が、固体調製物、注射剤、吸入調製物、スプレー剤、液体調製物、又は化合物調製物である、請求項11~19のいずれか1項に記載の医薬組成物、又は請求項20~22のいずれか1項に記載の使用。
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