JP2023532710A - コイル状血管アクセス器具および関連システム - Google Patents

Abstract

カテーテルアセンブリなどの血管アクセスデバイスを介して挿入されるように構成された血管アクセス器具である。血管アクセス器具は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されたワイヤ（４２）を含む。ワイヤ（４２）は、中心コイル軸（４８）の周りに巻かれた複数のループ（４６）を含むコイル部分（４４）を含む。ワイヤ（４２）は、コイル部分（４４）を通って延在し、中心軸（４８）と整列するコア部分（５０）を含む。ワイヤ（４２）は、コイル部分（４４）の遠位端をコア部分（５０）の遠位端に接続する屈曲部分（５２）を含む。屈曲部分（５２）は、鈍くて無傷であり得る。

Description

本発明は、血管アクセス器具および血管アクセスシステムに関する。

カテーテルは、患者の血管系に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、または全非経口栄養を注入するために使用され得る。カテーテルはまた、患者から血液を引き出すために使用されてもよい。

カテーテルは、オーバーザニードル末梢静脈内（「ＩＶ」）カテーテルを含み得る。この場合、カテーテルは、鋭い遠位端を有する導入針の上に取り付けられ得る。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位端が、カテーテルの遠位端を越えて延び、針の斜角（bevel）を患者の皮膚から離れる方向に向くように組み立てられ得る。カテーテルと導入針は、通常、皮膚から浅い角度で患者の血管系に挿入される。

血管内の導入針および／またはカテーテルの適切な配置を検証すべく、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで、針を除去し、後の採血または輸液のためにカテーテルを定位置に残し得る。

カテーテルを使用した採血は、特に、血管系内のカテーテルの滞留時間が１日を超える場合に、いくつかの理由により困難であり得る。カテーテルを患者に長い期間の間挿入したままにした場合に、カテーテルや静脈は、狭窄する、壊れる、ねじれる、デブリによる閉塞（例えば、フィブリンまたは血小板血餅）、および血管系へのカテーテルの先端の癒着などの影響をより受け易くなる場合がある。このため、カテーテルは、カテーテルを留置した時に血液サンプルを取得するために使用されることが多いが、カテーテル留置期間中に血液サンプルを取得するために使用される頻度は低い。したがって、血液サンプルが必要な場合に、採血のための静脈へのアクセスをもたらす追加の針刺しが多く、これは、患者にとって苦痛となる場合があり、材料費が結果的により高くなる。

いくつかの例では、追加の針刺しを回避するために、血管アクセス器具を使用して、カテーテルを介して患者の血管系にアクセスすることがある。血管アクセス器具は、カテーテルを通って血管系に挿入されて、カテーテルの寿命を延ばし、追加の針刺しなしでカテーテルを通って採血することを可能にし得る。

本明細書で請求される主題は、任意の欠点を解決する実施形態や、上記のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるいくつかの実施例を実行し得る技術領域の一例を示すために提供されるにすぎない。

本開示は、一般に、血管アクセスデバイスに関する。より具体的には、本開示は、カテーテルアセンブリを介して器具前進デバイスを介して患者の血管系に送達され得る血管アクセス器具に関する。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、患者の血管系内でのカテーテルアセンブリのカテーテルの滞留期間の増加を促進し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルが血栓、弁、および／または血液採取を防ぐことができるカテーテル内またはカテーテルの周りのフィブリンシースなどの障害物を克服するために妥協されるとき、器具前進デバイスを使用して、血管アクセス器具をカテーテル内に、および／またはカテーテルの遠位端を超えて前進させ得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、血管系内に存在する既存のカテーテルを利用することによって、血液収集、流体送達、患者またはデバイスのモニタリング、または他の臨床的ニーズのために、患者の血管系への血管アクセス器具の無針送達を提供し得る。

いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、例えば、カテーテルアセンブリなどの血管アクセスデバイスを介して挿入するように構成され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得るワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、中心軸の周りに巻かれた複数のループを含み得るコイル部分を含み得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、コイル部分を通って延び、中心軸と整列しているコア部分を含み得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、コイル部分の遠位端をコア部分の遠位端に接続する曲げられた屈曲部分を含み得る。

いくつかの実施形態では、屈曲部分は、ワイヤの遠位端を形成し得る。いくつかの実施形態では、屈曲部分は、コイル部分の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤの遠位端は鈍い場合がある。いくつかの実施形態では、屈曲部分は、Ｕ字形を含み得る。いくつかの実施形態では、屈曲部分は、ループを含み得る。

いくつかの実施形態では、コイル部分は、中心軸の周りでループ内に巻かれたワイヤの平坦な部分によって形成され得る。本開示で言及されるように、「フラットワイヤの平坦部分」という用語は、第１の側および第１の側の反対側の第２の側を含むワイヤの部分に対応し得、第１の側および／または第２の側は、ワイヤが製造中に中心軸の周りにループに巻かれる前に平面である。いくつかの実施形態では、第１の側は、コイルの外面を形成し得る。いくつかの実施形態では、第２の側は、コイル部分の内面を形成し得る。いくつかの実施形態では、コア部分は、コイル部分の内面に接触し得る。

いくつかの実施形態では、コイル部分のループの各々は、ループの次の隣接するループから離間されてもよい。いくつかの実施形態では、コイル部分の各ループは、次の隣接ループの円周の周りにループの次の隣接ループに接触し得る。いくつかの実施形態では、コイル部分および／またはコア部分は、円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、コア部分は平坦であり得る。いくつかの実施形態では、コア部分は、中心軸からオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、コイル部分の近位端は、コア部分に接合され得る。いくつかの実施形態では、コイル部分は先細りにされてもよい。いくつかの実施形態では、コア部分の近位端は、近位方向に外側に向かって先細りになり得る。

いくつかの実施形態では、ワイヤは、コイル部分の近位端に接続された直線部分を含み得る。いくつかの実施形態では、直線部分は、コア部分の近位端に平行であり得る。いくつかの実施形態では、直線部分の内側部分およびコア部分の近位端の内側部分は、一緒に連結され得る。いくつかの実施形態では、直線部分の内側部分とコア部分の近位端の内側部分とは、一緒に接合されない場合がある。

いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、コア部分の直線部分および近位端に結合された他のワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、他のワイヤは、ニチノールまたはステンレス鋼を含み得る。いくつかの実施形態では、他のワイヤの遠位端は、コイル部分の近位に配置され得る。

いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、コア部分の直線部分および／または近位端を取り囲むチューブを含み得る。いくつかの実施形態では、チューブは、ニチノールまたはステンレス鋼を含み得る。いくつかの実施形態では、チューブの遠位端は、コイル部分の近位に配置され得る。いくつかの実施形態では、チューブは、コア部分の直線部分および／または近位端に連結され得る。

いくつかの実施形態では、血管アクセスシステムは、カテーテルアダプタおよびカテーテルアダプタから遠位に延びるカテーテルを含み得るカテーテルアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、カテーテルアセンブリに結合され得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、血管アクセス器具を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイスは、血管アクセス器具を格納位置（retracted position）からカテーテルの遠位端を越えた前進位置（advanced position）に前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端は、遠位開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、コイル部分は、血管アクセス器具が前進位置にあることに応答して、カテーテルの遠位開口部を通って延在し得る。

上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。様々な実施形態は、図面に示された配置および血管アクセス器具に限定されないことが理解されるべきである。また、図面は必ずしもスケールに合わせている訳ではない。また、実施形態を組み合わせることができることを理解されたい。例えば、特定の血管アクセス器具の１つまたは複数の特徴は、別の特定の血管アクセス器具の１つまたは複数の特徴と組み合わされ得る。また、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。

例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
図１Ａは、いくつかの実施形態による、例示的な格納位置にある例示的な血管アクセス器具を示す、例示的な血管アクセスシステムの上面斜視図である。 図１Ｂは、いくつかの実施形態による、例示的な進行位置にある血管アクセス器具を示す、血管アクセスシステムの上面斜視図である。 図１Ｃは、いくつかの実施形態による、前進位置にある血管アクセス器具を示す、血管アクセスシステムの一部の拡大上面斜視図である。 図１Ｄは、いくつかの実施形態による、血管器具の例示的な遠位部分の上面斜視図である。 図２Ａは、いくつかの実施形態による、例示的な進行位置にある血管アクセス器具を示す、別の血管アクセスシステムの上面斜視図である。 図２Ｂは、いくつかの実施形態による、例示的なＵ字形を示す、血管アクセス器具の遠位部分の上面斜視図である。 図２Ｃは、いくつかの実施形態による、Ｕ字形および例示的なループを含む屈曲部分を示す、血管アクセス器具の遠位部分の上面斜視図である。 図３Ａは、いくつかの実施形態による、例示的な遠位端を示す、血管アクセス器具の遠位部分の上面斜視図である。 図３Ｂは、いくつかの実施形態による、図３Ａの遠位端を示す、血管アクセス器具の遠位部分の側面図である。 図３Ｃは、いくつかの実施形態による、例示的な閉鎖コイル部分を示す、血管アクセス器具の遠位部分の別の上面斜視図である。 図３Ｄは、いくつかの実施形態による、例示的な直線部分を示す、血管アクセス器具の例示的な近位部分の上面斜視図である。 図３Ｅは、いくつかの実施形態による、一緒に連結された直線部分および例示的なコア部分を示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。 図３Ｆは、いくつかの実施形態による、コア部分で終端するコイル部分を示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。 図３Ｇは、いくつかの実施形態による、例示的なねじれを示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。 図３Ｈは、いくつかの実施形態による、直線部分および例示的な屈曲部を示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。 図３Ｉは、いくつかの実施形態による、例示的な先細り（taper）を示す、コイル部分の上面斜視図である。 図３Ｊは、いくつかの実施形態による、先細りを示すコイル部分の側面図である。 図４Ａは、いくつかの実施形態による、コア部分の不在（absence）を示す、血管アクセス器具の遠位部分の上面斜視図である。 図４Ｂは、いくつかの実施形態による、コア部分の不在を示す、血管器具の近位部分の上面斜視図である。 図５は、いくつかの実施形態による、例示的な先細りコア部分の上面斜視図である。 図６は、いくつかの実施形態による、例示的なキャップを示す、血管アクセス器具の遠位部分の上面斜視図である。 図７Ａは、いくつかの実施形態による、例示的な他のワイヤを示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。 図７Ｂは、いくつかの実施形態による、例示的なチューブを示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。 図７Ｃは、いくつかの実施形態による、直線部分およびコア部分に連結されたチューブを示す、血管アクセス器具の近位部分の上面斜視図である。

ここで、図１Ａ～図１Ｂを参照すると、いくつかの実施形態による、血管アクセスシステム１０が示されている。いくつかの実施形態では、血管アクセスシステム１０は、カテーテルアセンブリ１２を含んでもよく、このカテーテルアセンブリ１２は、カテーテルアダプタ１４およびカテーテル１６を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル１６は、末梢静脈カテーテル、末梢挿入型中心カテーテル、または、正中線（midline）カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ１４は、遠位端１８、近位端２０、および遠位端１８と近位端２０を通って延びる管腔（lumen）を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル１６は、カテーテルアダプタ１４の遠位端１８から遠位に延びてもよい。

いくつかの実施形態では、カテーテルアダプタ１４は、カテーテルアダプタ１４のサイドポート２４から延在し得る延長チューブ２２と統合され得る。いくつかの実施形態では、例えば、ＹアダプタまたはＴアダプタなどのアダプタ２６は、延長チューブ２２の近位端に結合され得る。

いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、様々な方法でカテーテルアセンブリ１２に結合され得る。一例として、機器前進デバイス２８は、アダプタ２６のポートに結合され得る。別の例として、器具前進デバイス２８は、アダプタ２６のポートと器具前進デバイス２８との間に配置された無針コネクタ２９に結合され得る。別の例として、器具前進デバイス２８は、カテーテルアダプタ１４の近位端２０に結合され得る。いくつかの実施形態では、別の延長チューブおよび／または採血デバイスアダプタは、アダプタ２６の別のポートに結合され得る。いくつかの実施形態では、採血デバイスアダプタは、例えば、注射器または採血チューブなどの採血デバイスを受け入れてもよい。

いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、カテーテルアセンブリ１２に結合するように構成されたハウジング３０を含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、血管アクセス器具３２を含み得る。いくつかの実施形態では、機器前進デバイス２８は、任意の適切な送達デバイスを含み得る。血管アクセス器具３２と共に使用され得る器具前進デバイスのいくつかの例は、「プローブまたは静脈内カテーテルを収容する延長」と題する、２０１８年７月１７日に出願された米国特許出願第１６／０３７，２４６号、「回転要素を有する器具送達デバイス」と題する、２０１９年４月１８日に出願された米国特許出願第１６／３８６５０号、「ＭＵＬＴＩ－ダイアメーターカテーテルおよび関連するデバイスおよび方法」と題する、２０１８年７月１７日に出願された米国特許出願第１６／０３７，３１９号、「血管アクセス器具のための送達デバイス」と題された２０１９年７月３日出願の米国特許出願第１６／５０２，５４１号、「血管アクセス器具のためのＳＹＲＩＮＧＥ－ＢＡＳＥＤ送達デバイス」と題される、２０１９年１１月２１日に出願された米国特許出願第１６／６９１，２１７号、「カテーテル送達デバイスおよび関連するシステム並びに方法」と題する、２０１９年１月１４日に出願された米国特許出願第１６／７４２，０１３号、および、「流体透過性構造を有する血管アクセス器具、並びに関連するデバイスおよび方法」と題される２０２０年４月２日に出願された米国特許出願第１６／８３８，８３１号にさらに記載されていてもよく、これらはそれぞれその全体が参照により組み込まれる。

いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、血管アクセス器具３２をカテーテルアセンブリ１２に導入するように構成され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２がカテーテルアセンブリ１２に導入されることに応答して、血管アクセス器具３２は、カテーテルアセンブリ１２の流体経路にアクセスしてもよく、および／または血管アクセス器具３２は、カテーテルアセンブリ１２を通って延在して患者の血管系にアクセスしてもよい。

いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、例えば、図１Ａに示される格納位置と、例えば、図１Ｂに示される前進位置との間で血管アクセス器具３２を前進させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２の遠位端３４は、血管アクセス器具３２が前進位置にあることに応答して、カテーテル１６の遠位端３６の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２が格納位置にあることに応答して、血管アクセス器具３２の遠位端３４は、ハウジング３０内に配置され得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２の近位端は、前進タブ３８に結合されてもよく、前進タブ３８は、格納位置と前進位置との間で血管アクセス器具３２を移動させるために、ユーザによってスロット４０に沿って把持および移動されてもよい。いくつかの実施形態では、前進タブ３８は、スロット４０を通って延在し得、血管アクセス器具３２の近位端に結合された前進タブ３８の一部は、ハウジング３０内にあり得る。

いくつかの実施形態では、カテーテル１６は、フッ素化エチレンプロピレン、ＴＥＦＬＯＮ（商標）、シリコン、熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、フッ素化ポリマー、親水性材料、疎水性材料、汚染防止材料、または別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル１６は、抗血栓性コーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２の全てまたは一部は、金属または別の適切な材料で構成され得る。

ここで図１Ｃ～１Ｄを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得るワイヤ４２を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２は、連続的であり得る１つ以下のワイヤ４２を含み得る。従来技術の血管アクセス器具は、一緒に結合され得る４つ以上の構成要素で構成され得る。いくつかの実施形態では、単一のユニットとしてモノリシックに形成されたワイヤ４２は、血管アクセス器具３２を通ってカテーテル１６への流体流量の増加、および血管アクセス器具３２を通って移動する流体に対するせん断応力の低減を促進し得る。

いくつかの実施形態では、ワイヤ４２は、中心軸４８の周りに巻かれた複数のループ４６を含み得るコイル部分４４を含み得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ４２は、コイル部分４４を通って延在し得るコア部分５０を含み得る。いくつかの実施形態では、コア部分５０は、直線であってもよく、中心軸４８と整列してもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤ４２は、コイル部分４４の遠位端をコア部分５０の遠位端に接続する屈曲部分（bent portion）５２を含み得る。

いくつかの実施形態では、屈曲部分５２は、ワイヤ４２の遠位端３４を形成し得る。いくつかの実施形態では、屈曲部分５２は、コイル部分４４の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ４２の最も遠位の表面を含み得る遠位端３４は、鈍い（blunt）ものであり得る。いくつかの実施形態では、遠位端３４は、血管系への血管系アクセス器具３２の挿入に応答して、血管系の壁との柔らかく穏やかな接触を促進（facilitate）し得る。いくつかの実施形態では、遠位端３４および／またはコイル部分４４は、血管アクセス器具３２を通って移動する流体に対するせん断応力を低減し得る。

いくつかの実施形態では、コイル部分４４は、中心軸４８の周りでループ４６内に巻かれたワイヤ４２の平坦な部分によって形成され得る。本開示で言及されるように、「フラットワイヤの平坦部分」という用語は、第１の側５４および第１の側５４の反対側の第２の側５６を含むワイヤ４２の部分に対応し得、第１の側５４および／または第２の側５６は、ワイヤ４２が製造中に中心軸４８の周りにループ４６に巻かれる前に平面的である。いくつかの実施形態では、第１の側５４は、コイル部分４４の外面を形成し得る。いくつかの実施形態では、第２の側５６は、コイル部分４４の内面を形成し得る。

いくつかの実施形態では、平坦部分は、コイル部分４４の内径を増加させて、血管アクセス器具３２を通る流体流量の増加を促進し得る。いくつかの実施形態では、平坦部分は、コイル部分４４の内径を増加させてもよく、コイル部分４４の外径が、標準的な血管アクセス器具の外径とほぼ等しいことを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、コイル部分４４の寸法は、カテーテル１６のゲージサイズ、血管アクセス器具３２の剛性、コイル部分４４のループ４６のそれぞれとの間の間隔、血管アクセス器具３２の長さに沿った流体経路の数またはサイズ、または別の要因に基づいて変化し得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４のピッチは、コイル部分４４の長さに沿って変化し得る。

いくつかの実施形態では、コア部分５０は、コイル部分の内面に接触し得るか、またはコイル部分から離間され得る。いくつかの実施形態では、コア部分５０は、コイル部分４４の内面に結合され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、ワイヤ４２が単一のユニットとしてモノリシックに形成されるため、コア部分５０は、コイル部分４４の内面に結合されなくてもよいが、依然として固定されて血管アクセス器具３２に構造的支持を提供してもよい。

いくつかの実施形態では、コイル部分４４のループ４６の各々は、ループ４６の次の隣接ループから離間されてもよく、これは、血管アクセス器具３２の流体透過性を促進してもよい。これらの実施形態では、コイル部分４４は、開放型と称され得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４は、血管アクセス器具３２の長さに沿って複数のおよび／または連続した流体経路を提供し得、これは、カテーテル１６からより遠い血管系の一部からカテーテルアセンブリ１２への血液の侵入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４および血管アクセス器具３２の長さに沿った流体経路は、血管アクセス器具３２およびカテーテル１６を通る流体の流量（flow rates）の増加を促進し得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４および血管アクセス器具３２の長さに沿った流体経路は、採血時間の短縮を促進し得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４は、カテーテル１６内および／またはカテーテル１６を通る血液の溶血のせん断応力および関連するリスクを低減し得る。

いくつかの実施形態では、コイル部分４４および／またはコア部分５０は、円筒形であり得る。いくつかの実施形態では、コア部分５０は平坦であり得、これは、コイル部分４４および／またはカテーテル１６を通る流れを増加させ得る。いくつかの実施形態では、コア部分５０は、中心軸４８からオフセットされてもよく、これは、カテーテルアセンブリ１２への血流および／または中心軸４８およびコイル部分４４の中心部分に沿った、および／またはカテーテル１６の中心部分に沿った血管系への流体注入を促進し得る。

ここで図２Ａを参照すると、器具前進デバイス２８は、ハウジング３０を含み得、ハウジング３０は、延長チューブを含み得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、ルアー（luer）アダプタおよび／または１つまたは複数のレバー（lever）アームを含み得る遠位コネクタ６０を介してカテーテルアセンブリ１２に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、器具前進デバイス２８は、血管アクセス器具３２を含み得る。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２の近位端は、ハウジングまたは前進タブ３８に結合されてもよく、これは、格納位置と前進位置との間で血管アクセス器具３２を移動させるために、ハウジング３０に沿って把持および移動されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング３０は、血管アクセス器具３２の近位端の挟み込み、ハウジング３０に沿った１つ以上のボールベアリングの並進、または別の適切な機構を介してなど、ユーザによる直接接触なしに、血管アクセス器具３２の移動を促進し得る。

ここで図２Ｂを参照すると、いくつかの実施形態では、屈曲部分５２は、鈍く無傷であり得るＵ字形６２を含み得る。いくつかの実施形態では、Ｕ字形状６２は、概して中心軸４８と整列され得る。ここで図２Ｃを参照すると、追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、屈曲部分５２は、鈍いおよび無傷であり得る１つまたは複数のループ６４を含み得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ４２は、コイル部分４４の近位端に接続された直線部分６６を含み得る。いくつかの実施形態では、直線部分６６は、コア部分５０に平行であり得る。いくつかの実施形態では、直線部分６６およびコア部分５０は、特定の器具前進デバイスの特定の前進タブに結合され得る。

ここで図３Ａ～３Ｂを参照すると、いくつかの実施形態では、Ｕ字形状６２は、中央軸４８に対して概して垂直であり得、これは、血管系への損傷のリスクの低減を促進し得る。ここで図３Ｃを参照すると、いくつかの実施形態では、コイル部分４４のループ４６のそれぞれは、次の隣接ループの円周の周りでループ４６の次の隣接ループに接触し得る。したがって、いくつかの実施形態では、コイル部分４４は、隣接するコイル間を流体がほとんどまたは全く通過しないため、閉鎖型と呼ばれ得る。

ここで図３Ｄを参照すると、いくつかの実施形態では、直線部分６６は、コア部分５０の近位端６８に平行であり得る。いくつかの実施形態では、直線部分６６の内側部分とコア部分５０の近位端６８の内側部分とは、一緒に接合されない場合がある。いくつかの実施形態では、コア部分５０の近位端６８は、コイル部分４４の近位に配置され得る。

ここで図３Ｅを参照すると、いくつかの実施形態では、直線部分６６の内側部分と、コア部分５０の近位端６８の内側部分とは、軸方向剛性のために一緒に連結され得る。例えば、直線部分６６の内側部分およびコア部分５０の近位端６８の内側部分は、接着剤、溶接、コーティング、または任意の他の適切な接合方法を介して一緒に接合され得る。

ここで図３Ｆを参照すると、いくつかの実施形態では、コイル部分４４の近位端は、コア部分５０に接合され得る。
ここで図３Ｇを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２は、コイル部分４４および／またはコア部分５０に近接するねじれ（twist）７０を含み得る。いくつかの実施形態では、ねじれ７０の一方の端部は、コイル部分４４から延在し得、ねじれ７０の別の端部は、コア部分５０から延在し得る。

ここで図３Ｈを参照すると、いくつかの実施形態では、直線部分６６の近位端に屈曲部（bend）７２があってもよく、および／または血管アクセス器具３２は、１つまたは複数の追加の屈曲部を含んでもよく、これは、追加の強度および剛性のためにコア部分５０の近位端６８の周りにループを形成してもよい。いくつかの実施形態では、屈曲部７２および／または追加の屈曲部は、約１８０度であり得る。いくつかの実施形態では、屈曲部７２は、剛性を高めるために３つの平行なワイヤ部分を提供し得る。いくつかの実施形態では、追加の屈曲部の各々は、追加の剛性のための追加の平行ワイヤセクションを提供し得る。

ここで図３Ｉ～３Ｊを参照すると、いくつかの実施形態では、コイル部分４４は先細り（tapered）にされてもよい。例えば、図３Ｉ～３Ｊに示されるように、コイル部分４４は、近位方向に外側に先細りにされてもよい。

ここで図４Ａ～４Ｂを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２は、コア部分５０を含まず、コイル部分４４および／またはカテーテル１６を通る流れを増加させ得る。これらの実施形態では、遠位端３４は、コイル部分４４のループ４６とは異なる方向に配向され得、無傷の先端を確保し得る１つまたは複数の他のループ７４を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位端１８に配置されたボールまたはキャップがあり得る。

ここで図５を参照すると、いくつかの実施形態では、コア部分５０の近位端６８は、近位方向に外側に先細りになり得、これは、血管アクセス器具３２に増加した剛性を提供し得る。

ここで図６を参照すると、いくつかの実施形態では、Ｕ字型ワイヤ７６は、コイル部分４４の周りに延在し得、コイル部分４４の遠位に配置され得る。いくつかの実施形態では、キャップ７７は、Ｕ字形ワイヤ７６の遠位端およびコイル部分４４の遠位端の周りに配置され得、これは、血管系への損傷のリスクの低減を促進し得る。いくつかの実施形態では、キャップ７７は、接着剤、溶接、コーティング、または任意の他の適切な接合方法を介してＵ字型ワイヤ７６に接合され得る。いくつかの実施形態では、Ｕ字形ワイヤ７６および／またはコイル部分４４の端部は、特定の器具前進デバイスの特定の前進タブに結合され得る。

ここで図７Ａを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２は、コア部分５０の直線部分６６および近位端６８に結合された他のワイヤ７８を含み得る。いくつかの実施形態では、他のワイヤ７８は、コア部分５０の近位端４４、直線部分６６、および近位端６８のうちの１つまたは複数に追加された支持体を提供し得る。いくつかの実施形態では、他のワイヤ７８は、ニチノール、ステンレス鋼、または別の適切な材料を含み得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４、直線部分６６、屈曲部分５２（例えば、図１Ｄおよび２Ｂ～３Ｃを参照）、およびコア部分５０のうちの１つまたは複数は、ニチノール、ステンレス鋼、炭素鋼、鋼、クロム、または別の適切な材料で構成され得る。いくつかの実施形態では、コイル部分４４、直線部分６６、屈曲部分５２、およびコア部分５０のうちの１つまたは複数は、例えば、テフロン（商標）またはパリレンなどのコーティングを含み得る。いくつかの実施形態では、他のワイヤ７８の遠位端８０は、コイル部分４４の近位に配置され得る。

ここで図７Ｂ～７Ｃを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス器具３２は、コア部分５０の直線部分６６および／または近位端６８を取り囲むチューブ８２を含み得る。いくつかの実施形態では、チューブ８２は、ワイヤ４２に追加の支持体を提供し得る。いくつかの実施形態では、チューブ８２は、ニチノール、ステンレス鋼、高分子チューブ、ポリイミド、コーティング、収縮チューブ、または別の適切な材料を含み得る。いくつかの実施形態では、チューブ８２の遠位端８４は、コイル部分４４の近位に配置され得る。図７Ｃに示すように、いくつかの実施形態では、チューブ８２は、接着剤、溶接、コーティング、または任意の他の適切な接合方法によってなど、コア部分５０の直線部分６６および／または近位端６８に接合され得る。

本明細書で記載される全ての例および条件付き文言は、本発明、および技術を促進するために発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。

Claims (20)

1. 血管アクセスデバイスを介して挿入するように構成された血管アクセス器具であって、前記血管アクセス器具は、
   単一のユニットとしてモノリシックに形成されたワイヤであって、
   中心軸の周りに巻かれた複数のループを備えるコイル部分と、
   前記コイル部分を通って延び、前記中心軸と整列しているコア部分と、
   前記コイル部分の遠位端を前記コア部分の遠位端と接続する屈曲部分であって、前記ワイヤの遠位端を形成する前記屈曲部分と、
   を備える前記ワイヤを含む、血管アクセス器具。
2. 前記屈曲部分は、前記コイル部分の遠位に配置される、請求項１に記載の血管アクセス器具。
3. 前記屈曲部分がＵ字形状を含む、請求項２に記載の血管アクセス器具。
4. 前記屈曲部分がループを含む、請求項３に記載の血管アクセス器具。
5. 前記コイル部分は、前記中心軸の周りに前記複数のループに巻かれた前記ワイヤの平坦な部分によって形成される、請求項１に記載の血管アクセス器具。
6. 前記コイル部分の前記複数のループのそれぞれが、前記複数のループの次の隣接するループから離間されている、請求項１に記載の血管アクセス器具。
7. 前記コイル部分の前記複数のループのそれぞれが、次の隣接するループの円周の周りで前記複数のループの前記次の隣接するループに接触する、請求項１に記載の血管アクセス器具。
8. 前記コイル部分および前記コア部分が円筒形である、請求項１に記載の血管アクセス器具。
9. 前記コア部分が、前記中心軸からオフセットされる、請求項２に記載の血管アクセス器具。
10. 前記ワイヤの前記平坦部分は、前記第１の側および前記第１の側の反対側の第２の側を含み、前記第１の側は、前記コイル部分の外面を形成し、前記第２の側は、前記コイル部分の内面を形成し、前記コア部分は、前記コイル部分の前記内面に接触する、請求項１に記載の血管アクセス器具。
11. 前記ワイヤの前記遠位端が鈍い、請求項１に記載の血管アクセス器具。
12. 前記ワイヤは、前記コイル部分の近位端に接続された直線部分をさらに備え、前記直線部分は、前記コア部分の近位端に平行である、請求項１に記載の血管アクセス器具。
13. 前記直線部分の内側部分と、前記コア部分の前記近位端の内側部分とが一緒に連結される、請求項１２に記載の血管アクセス器具。
14. 前記コア部分の前記直線部分の内側部分と前記近位端の内側部分とが一緒に連結されていない、請求項１２に記載の血管アクセス器具。
15. 前記コア部分の前記直線部分および前記近位端に結合された他のワイヤをさらに備え、前記他のワイヤがニチノールまたはステンレス鋼を含み、前記他のワイヤの遠位端が前記コイル部分の近位に配置される、請求項１２に記載の血管アクセス器具。
16. 前記コア部分の前記直線部分および前記近位端を取り囲むチューブをさらに備え、前記チューブがニチノールまたはステンレス鋼を含み、前記チューブの遠位端が前記コイル部分の近位に配置される、請求項１２に記載の血管アクセス器具。
17. 前記チューブが、前記コア部分の前記直線部分および前記近位端に連結される、請求項１６に記載の血管アクセス器具。
18. 前記コイル部分の近位端が前記コア部分に連結される、請求項１に記載の血管アクセス器具。
19. 前記コア部分の近位端が近位方向に外側に先細りになる、請求項１に記載の血管アクセス器具。
20. カテーテルアダプタ、および、前記カテーテルアダプタから遠位方向に延びるカテーテルを備えるカテーテルアセンブリと、
    前記カテーテルアセンブリに結合された器具前進デバイスであって、前記器具前進デバイスが血管アクセス器具を含み、前記器具前進デバイスが、前記血管アクセス器具を、格納位置から前記カテーテルの遠位端を越えた前進位置に前進させるように構成される前記器具前進デバイスと、
    を含み、前記血管アクセス器具が、
    単一のユニットとしてモノリシックに形成されたワイヤであって、
    中心軸の周りに巻かれた複数のループを備えるコイル部分と、
    前記コイル部分を通って延び、前記中心軸と整列しているコア部分と、
    前記コイル部分の遠位端を前記コア部分の遠位端と接続する屈曲部分であって、前記ワイヤの遠位端を形成する前記屈曲部分と、
    を備える前記ワイヤを含む、血管アクセスシステム。

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