JP2023532486A - 海藻養殖システム - Google Patents

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    • A01GHORTICULTURE; CULTIVATION OF VEGETABLES, FLOWERS, RICE, FRUIT, VINES, HOPS OR SEAWEED; FORESTRY; WATERING
    • A01G33/00Cultivation of seaweed or algae
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
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Abstract

海藻の固着具形成及び海藻の付着を促進するように構成された養殖基材を含む養殖システムが開示される。養殖システムは、栄養相、接着剤、生物活性剤、液体含有相のうちの1つ以上を含むことができる。養殖基材はパターン化されうる。養殖システムは、ダルス、コンブ及びノリなどの特定の海藻種を特異的に保持し、生存可能に維持することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月25日に出願された仮出願第63/044,285号の利益を主張し、すべての目的でその全体を参照により本明細書に組み込む。
分野
本開示は、一般に養殖システムに関し、より具体的には、固着具形成を支援するように構成された海藻養殖システムに関する。
背景
胞子から海藻を培養する現在の方法は、実験室での播種中に胞子が弱く付着するテクスチャ加工されたナイロン「養殖ストリング」又は「種子ストリング」を使用することを含む。幼若性海藻(配偶体及び胞子体)が弱く付着した養殖ストリングは、海藻養殖場でロープに巻かれ、そこでロープは水中に置かれる。この方法は、主に生物付着(すなわち、不要な種の海藻及びその他の生物による種子ストリングの汚染)が原因で、収量及び生産量の点で本質的に変動する。生物付着は、海藻の成長及び収量を大幅に減少させる可能性がある。伝統的に、効果的な耐生物付着性材料 (滑らかで低摩擦係数のフィルム)も、これらの基材への付着が不十分なため、海藻の成長及び収量を減らす。収量及び生産量に影響を与えるその他の要因としては、流れ、気温の変化及び栄養素の利用可能性などによる海藻の損傷のしやすさが挙げられる。さらに、パッケージング及び取り扱いが悪いと、幼若性海藻が損傷及び損失する可能性がある。養殖ストリングで幼若性海藻の安定性を改善するための現在のアプローチは、既存の繊維の表面テクスチャに焦点を当てている。実際、養殖ストリングの繊維テクスチャは、海藻養殖の成功にとって非常に重要である。効果的な生物付着防止特性を提供しながら、海藻の効果的な付着及び成長を提供できる基材が必要とされている。
要旨
様々な実施形態は、胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された養殖システムを対象としている。
1つの例(「例1」)によれば、養殖システムは、約10%以下の多孔度を有する低多孔性基材、及び、固着具によって海藻を保持するように構成されたフィブリル化サブミクロン表面構造を含む、養殖基材を含む。
別の例(「例2」)によれば、例1に加えて、前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、1000nm以下の平均フィブリル間距離を特徴とする。
別の例(「例3」)によれば、例1又は例2に加えて、前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、約1000nm以下の平均深さを有する。
別の例(「例4」)によれば、例1~3のいずれか1つに加えて、前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、約5nm以下の平均深さを有する。
別の例(「例5」)によれば、例1~4のいずれかに加えて、前記低多孔性基材は、約25.4μm(1ミル)~約762μm(30ミル)の厚さである。
別の例(「例6」)によれば、例1~5のいずれかに加えて、前記低多孔性基材は、約25.4μm(1ミル)~約127μm(5ミル)の厚さである。
別の例(「例7」)によれば、例1~6のいずれか1つに加えて、前記養殖基材は、テープ、基材、織布物品、不織布物品、編組物品、ニット物品、布帛、粒子分散体、又は、上述のものの2つ以上の組み合わせとして構成されている。
別の例(「例8」)によれば、例1~7のいずれか1つに加えて、前記養殖基材は、バッカー層、キャリア層、複数の層のラミネート、複合材料のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む。
別の例(「例9」)によれば、例1~8のいずれか1つに加えて、前記低多孔性基材は膨張フルオロポリマーを含む。
別の例(「例10」)によれば、例9に加えて、前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである。
別の例(「例11」)によれば、例1~10のいずれか1つに加えて、前記低多孔性基材は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材である。
別の例(「例12」)によれば、例1~8のいずれか1つに加えて、前記低多孔性基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む。
別の例(「例13」)によれば、例12に加えて、前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである。
別の例(「例14」)によれば、例1~8のいずれか1つに加えて、前記低多孔性基材は膨張ポリマーを含む。
別の例(「例15」)によれば、例14に加えて、前記膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である。
別の例(「例16」)によれば、例1~8のいずれか1つに加えて、前記低多孔性基材は膨張ポリパラキシリレン(ePPX)である。
別の例(「例17」)によれば、例11に加えて、PTFE基材は、約0.015g-mm/m/日以下の水蒸気透過係数を有し、そして(a)二軸延伸PTFEフィルムを調製すること、(b)延伸PTFEフィルムを高密度化すること、及び、(c)高密度化延伸PTFEフィルムを延伸することを含む方法によって形成される。
別の例(「例18」)によれば、例18に加えて、前記高密度化延伸PTFEフィルムは、工程(c)においてPTFEの結晶溶融温度を超える温度で延伸される。
別の例(「例19」)によれば、例17又は例18に加えて、前記延伸PTFEフィルムは工程(b)の前に焼結される。
別の例(「例20」)によれば、請求項17~19のいずれか1項に加えて、前記二軸延伸PTFEフィルムは、延伸PTFEの2つ以上の層を含む。
別の例(「例21」)によれば、例17~20のいずれか1つに加えて、工程(a)~(c)は連続様式で行われる。
別の例(「例22」)によれば、例1~21のいずれか1つに加えて、前記養殖基材は少なくとも30%の多孔度、約1μm~500μmの平均フィブリル間距離又は約1μm~約500μmの平均細孔径を特徴とするノード及びフィブリル微細構造を有する高多孔性基材をさらに含む。
別の例(「例23」)によれば、例22に加えて、前記高多孔性基材は膨張フルオロポリマーを含む。
別の例(「例24」)によれば、例23に加えて、前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE) のうちの1つである。
別の例(「例25」)によれば、例22~24のいずれか1つに加えて、前記高多孔性基材は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材である。
別の例(「例26」)によれば、例22に加えて、前記高多孔性基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む。
別の例(「例27」)によれば、例26に加えて、前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである。
別の例(「例28」)によれば、例22に加えて、前記高多孔性基材は膨張ポリマーを含む。
別の例(「例29」)によれば、例28に加えて、前記膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である。
別の例(「例30」)によれば、例22に加えて、前記高多孔性基材は膨張ポリパラキシリレン(ePPX)である。
別の例(「例31」)によれば、例22~30のいずれか1つに加えて、前記高多孔性基材は疎水性である。
別の例(「例32」)によれば、例22~31のいずれか1つに加えて、前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材は同じ材料を含む。
別の例(「例33」)によれば、例22~32のいずれか1つに加えて、前記養殖基材は、低多孔性基材及び高多孔性基材のパターンを有するパターン化基材である。
別の例(「例34」)によれば、例33に加えて、前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材のパターンは、組織化又は選択的パターンである。
別の例(「例35」)によれば、例33に加えて、前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材のパターンはランダムパターンである。
別の例(「例36」)によれば、例1~35のいずれか1つに加えて、前記養殖システムは、前記養殖基材の少なくとも一部に連携された栄養相を含む。
別の例(「例37」)によれば、例36に加えて、前記栄養相は、海藻の成長及び/又は海藻の養殖基材への付着を促進する。
別の例(「例38」)によれば、例36又は例37に加えて、前記栄養相の少なくとも一部は、前記養殖基材内に同伴されるか、前記養殖基材上に同伴されるか、又は、前記養殖基材内及び前記養殖基材上に同伴される。
別の例(「例39」)によれば、例36~38のいずれか1つに加えて、前記栄養相は前記養殖基材の表面上のコーティングとして存在する。
別の例(「例40」)によれば、例1~39のいずれか1つに加えて、前記養殖基材は、バッカー層又はキャリア基材上への堆積のために配合された分散体中の複数の粒子によって提供される。
別の例(「例41」)によれば、例1~40のいずれか1つに加えて、前記養殖基材は非対称であり、片側のみに海藻を保持するように構成されたフィブリル化サブミクロン表面構造を含む。
別の例(「例42」)によれば、海藻を養殖する方法は、海藻配偶体及び/又は胞子体の集団を、例1~41のいずれか1つの養殖システムの養殖基材と、少なくとも海藻の配偶体及び/又は胞子体の集団の一部が前記養殖基材のナノ構造への固定具を形成するまで接触させることを含む。
別の例(「例43」)によれば、例42に加えて、方法は、前記海藻配偶体及び/又は胞子体の集団の一部が前記養殖基材のナノ構造への固着具を形成した後に、前記養殖システムを開放水域環境に配置することを含む。
図面の簡単な説明
添付の図面は、本開示のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、実施形態を示し、記載と共に本開示の原理を説明するのに役立つ。
図1Aは、自然に発生する海藻-岩盤相互作用を示す写真である。出典: Morrison L, Feely M, Stengel DB, Blamey N, Dockery P, Sherlock A、Timmins E (2009)岩盤への海藻の付着: 新しい地球物理学パラダイムの生物物理学的証拠。地球生物学 7:477-487。
図1Bは、図1Aの破線ボックスによって識別される領域の詳細図である。出典: Morrison L, Feely M, Stengel DB, Blamey N, Dockery P, Sherlock A, Timmins E (2009) 岩盤への海藻の付着: 新しい地球物理学パラダイムの生物物理学的証拠。 地球生物学 7:477-487。
図2A~2Dは、幾つかの実施形態による低多孔性基材のナノ構造を示す、様々な倍率で撮影された走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真である。図2A、図2B、図2C及び図2Dに提供されるスケールバーは、それぞれ100μm、10μm、5μm及び5μmである。
図3A~3Dは、幾つかの実施形態による基材の表面構造を示す、様々な倍率で撮影された走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真である。図3A、図3B、図3C及び図3Dに提供されるスケールバーは、それぞれ100μm、10μm、5μm及び5μmである。
図4は、幾つかの実施形態による、低多孔性基材の表面上のコンブ固着具ネットワークを示す写真である。
図5は、幾つかの実施形態による、図2A~Dに示される膜上(左側の2つのサンプル)及び図3A~3Dに示される膜上(右側の2つのサンプル)でのコンブの成長を示す写真集である。
図6は、幾つかの実施形態による、図2A~Dに示される膜上(左側の2つのサンプル)及び図3A~3Dに示される膜上(右側の2つのサンプル)でのノリの成長を示す写真集である。
図7は、幾つかの実施形態による、図2A~Dに示される膜上(左側の2つのサンプル)及び図3A~3Dに示される膜上(右側の2つのサンプル)でのダルス成長を示す写真集である。
図8は、幾つかの実施形態による、高多孔性基材の微細構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真である。
図9は、図1に描かれた微細構造を示すが、より高い倍率でのSEM顕微鏡写真である。
図10は、幾つかの実施形態による、高多孔性基材の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
図11は、図3に描かれた微細構造を示すが、より高い倍率でのSEM顕微鏡写真である。
図12は、幾つかの実施形態による、高多孔性基材の微細構造を示す概略図である。
図13は、幾つかの実施形態による、フィブリル間空間に重ねられた、直径が10μm又は30μmのいずれかの胞子の漫画表現での図9の顕微鏡写真である。
図14Aは、幾つかの実施形態による、ダルス海藻の高多孔性基材の微細構造への内部成長を示す断面SEM顕微鏡写真である。
図14Bは、図14Aに描かれた内部成長を示すが、より高い倍率での断面SEM顕微鏡写真である。
図14Cは、幾つかの実施形態による、高多孔性基材の微細構造へのダルス海藻の内部成長を示す断面光学蛍光顕微鏡の顕微鏡写真である。
図15は、幾つかの実施形態による、砂糖コンブ胞子を播種する前の高多孔性基材の微細構造を示す表面SEM顕微鏡写真(上部パネル)、及び、砂糖コンブ胞子の播種及びその発芽の後の高多孔性基材を示す光学蛍光顕微鏡の顕微鏡写真(下部パネル)を示す。
図16は、幾つかの実施形態による、微細構造への幼若性ダルス内部成長を示す、異なる倍率で撮影された2つの表面SEM顕微鏡写真を示す。
図17は、幾つかの実施形態による、高多孔性基材の微細構造へのダルス海藻の内部成長を示す表面光学蛍光顕微鏡の顕微鏡写真である。
当業者は、本明細書で参照される添付の図面が必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、本開示の様々な態様を例示するために誇張され又は概略的に示されており、その点で、図面は制限するものとして解釈されるべきではないことを容易に理解するであろう。
詳細な説明
定義及び用語
本開示は、限定的に読まれることを意図していない。例えば、本出願で使用される用語は、その分野でそのような用語に帰属する意味の関係で広く読まれるべきである。
不正確さの用語に関して、用語「約」及び「およそ」は、記載された測定値を含み、また、記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む測定値を指すために、交換可能に使用されうる。記載された測定値に合理的に近い測定値は、関連技術の当業者によって理解され、容易に確認されるように、記載された測定値から合理的に小さい量だけ逸脱する。このような逸脱は、測定誤差、測定及び/又は製造装置のキャリブレーションの違い、測定値の読み取り及び/又は設定における人的エラー、他の構成要素に関連する測定値の違いを考慮して性能及び/又は構造パラメータを最適化するために行われた微調整、特定の実施シナリオ、人又は機械による対象の不正確な調整及び/又は操作などに起因する可能性がある。関連技術の当業者がそのような合理的に小さい差異の値を容易に確認できないと判断された場合には、「約」及び「およそ」という用語は、記載された値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解することができる。
本明細書では、便宜上、特定の用語を使用する。例えば、「上(top)」、「下(bottom)」、「上(upper)」、「下(lower)」、「左(left)」、「右(right)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、「上(upward)」、「下(downward)」などの単語は、単に、図に示されている構成又は取り付け位置での部品の向きを記載する。実際、参照された構成要素は、任意の方向に向けることができる。同様に、本開示を通じて、プロセス又は方法が示され、又は記載されている場合に、方法が最初に実行される特定の動作に依存することが文脈から明らかでない限り、方法は任意の順序で又は同時に実行されうる。
座標系は図に示され、記載の中で参照され、ここで、「Y」軸は垂直方向に対応し、「X」軸は水平方向又は横方向に対応し、「Z」軸は内外方向に対応する。
様々な実施形態の説明
本開示は、養殖基材を含む養殖システムに関する。養殖基材は、海藻の保持、培養及び/又は成長、ならびに関連する方法及び装置に使用される。幾つかの実施形態において、養殖システムは、開放水域環境で海藻を養殖するように動作可能である。
本開示による養殖システムは、胞子の培養及び成長、ならびに胞子及び/又は配偶体/胞子体の輸送及び付着に使用することができる。特定の実施形態において、本明細書に記載の養殖基材は、海藻形態(例えば、胞子、配偶体、胞子体)の成長及び培養のための改善された成長基材として使用することができ、現在の養殖慣行と比較して改善された収量及び生産量をもたらす。
幾つかの実施形態において、養殖システムは、養殖基材を含み、前記養殖基材はそれ自体が基材の表面の少なくとも1つにフィブリル化サブミクロン表面構造を有する低多孔性基材を含む養殖基材を含む。低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造は、海藻固着具を介して養殖基材に海藻を付着させる。
固着具は、海藻の基部にある根のような構造であり、例えば石などの基材に海藻を固定する。固着具は、種によって形状及び構造が異なる。基材の種類も、固着具の形状及び構造に影響を与えることができる。栄養吸収機能を持たず、アンカーとして機能するだけである点で、海藻固着具は陸上植物の根とは異なる。
図1Aは、コンブ(Fucus vesiculosus)と花崗岩の岩盤との間の相互作用の領域を描写する。断面は、固着具(矢印)を表し、海藻の側枝(1)、主軸(2)、固着領域(3)、及び固着具-岩盤界面(4)を示している。図1Bは、図1Aの破線ボックス内の領域の詳細図を示し、固着具界面を含む物理化学的活性の3つのゾーンを詳述している。図1Bの矢印は、海藻の固着具組織に取り込まれて分散した岩片を示す。
本明細書に記載されるとおり、驚くべきことに、特定の低多孔性基材上に見られるナノ構造が、基材表面上での固着具形成を促進及び支援することが見出された。図2A~2Dは、幾つかの実施形態による低多孔性延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材の表面上のナノ構造を示すSEM顕微鏡写真である。図2A~2Cは、低多孔性基材の第一の面上のナノ構造を増加している倍率で示す。提示されたスケールは、100μm(図2A)、10μm(図2B)及び5μm(図2C)である。図2Dは、低多孔性基材の第二の面上のナノ構造を示す(5μmのスケールで提供)。最低倍率(図2A)では、低多孔性基材の表面はほぼ滑らかに見える。しかしながら、フィブリル化サブミクロン表面構造は、より高い倍率で明らかである(図2B~2D)。図示のように、フィブリル化サブミクロン表面構造は、複数のフィブリルによって画定される。フィブリルは、フィブリル間空間を規定する。幾つかの実施形態において、図2A~2Dにおいて示されるように、フィブリル化サブミクロン表面構造のフィブリルはノードで相互接続している。特定の実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、ノードを含まないか、又はノードを実質的に含まない。
フィブリルは、規定された平均フィブリル間距離を有し、幾つかの実施形態において、約1nm~約1000nm、約1nm~約500nm、約1nm~約200nm、約1nm~約50nm、約1nm~約20nm、約1nm~約10nm、約1nm~約5nm、約5nm~約500nm、約5nm~約200nm、約5nm~約100nm、約5nm~約50nm、約5nm~約20nm、約5nm~約10nm、約10nm~約100nm、約10nm~約500nm、約10nm~約200nm、約10nm~100nm、約10nm~約75nm、約10nm~約50nm、約10nm~約25nm、約25nm~約200nm、約25nm~約150nm、約25nm~約100nm、約25nm~約50nm、約50nm~約200nm、約50nm~約150nm、約50nm~約100nm、約100nm~約500nm、約100nm~約200nm、約100nm~約150nm、約150nm~約500nm、又は約150nm~約200nmであることができる。幾つかの実施形態において、フィブリルは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約90nm、約100nm、約110nm、約120nm、約130nm、約140nm、約150nm、約160nm、約170nm、約180nm、約190nm、約200nm、約250nm、約300nm、約400nm、約500nm、約600nm、約700nm、約800nm、約900nm、又は約1000nmの平均フィブリル間距離を有することができる。
特定の実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、約1000nm以下の平均深さを有する。すなわち、フィブリル化サブミクロン表面構造は、低多孔性基材の表面上に、z次元で低多孔性基材内に約1000nm以下の深さまで存在する。幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造の平均深さは、約1nm~約1000nm、約1nm~約500nm、約1nm~約300nm、約1nm~約100nm、約1nm~約50nm、約1nm~約20nm、約1nm~約10nm、約1nm~約5nm、約5nm~約1000nm、約5nm~約500nm、約5nm~約300nm、約5nm~約100nm、約5nm~約50nm、約5nm~約20nm、約5nm~約10nm、約10nm~約1000nm、約10nm~約500nm、約10nm~約300nm、約10nm~約100nm、約10nm~約75nm、約10nm~約50nm、約10nm~約25nm、約25nm~約1000nm、約25nm~約500nm、約25nm~約300nm、約25nm~約100nm、約25nm~約75nm、約25nm~約50nm、約50nm~約1000nm、約50nm~約500nm、約50nm~約300nm、又は約50nm~約100nmであることができる。幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約90nm、又は約100nmの平均深さを有することができる。
幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、ノード及びフィブリルの2つ以上の層を含む。このような構成は、例えば、図2Cに示されており、フィブリルは他のものとオーバーラップしているように見える。特定の実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造の深さは、層状のノード及びフィブリル構成を示す。
幾つかの実施形態において、低多孔性基材は約10%以下の多孔度を有する。低多孔性基材の多孔度は、約1%~約10%、約1%~約5%又は約5%~約10%であることができる。幾つかの実施形態において、低多孔性基材の多孔度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%又は約10%であることができる。
低多孔性基材は、約1ミル(0.001インチ;25.4μm)~約30ミル(0.03インチ;254μm)の厚さを有することができる。幾つかの実施形態において、低多孔性基材の厚さは、約1ミル(0.001インチ;25.4μm)~約10ミル(0.01インチ;254μm)、又は約1ミル(0.001インチ;25.4μm)~約5ミル(0.005インチ;254μm)であることができる。幾つかの実施形態において、低多孔性基材の厚さは、約1ミル(0.001インチ;25.4μm)、約2ミル(0.002インチ;50.8μm)、約3ミル(0.003インチ;76.2μm)、約4ミル(0.004インチ;101.6μm)、約5ミル(0.005インチ; 127μm)、約6ミル(0.006インチ;152.4μm)、約7ミル(0.007インチ;177.8μm)、約8ミル(0.008インチ;203.2μm)、約9ミル(0.009インチ;228.6μm)、約10ミル(0.01インチ;254μm)、約12ミル(0.012インチ;304.8μm)、約15ミル(0.015インチ;381μm)、約20ミル(0.02インチ);508μm)、約25ミル(0.025インチ;635μm)、又は約30ミル(0.03インチ;762μm)である。
養殖基材の低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造は、固着具によって海藻を保持するように構成されている。フィブリル化サブミクロン表面構造の深さ及び低多孔性基材の多孔度は、ノード及びフィブリルナノ構造の深さを超えての低多孔性基材への海藻の内部成長に抵抗しながら、海藻を固着具によって保持するのに十分である。幾つかの実施形態において、複数の海藻胞子を養殖基材上に播種し、幼若実生に発育させ、その間に海藻が養殖基材の表面上に固着具構造を発育する。他の実施形態において、複数の幼若実生(例えば、胞子体及び/又は配偶体)を養殖基材上に直接播種し、その上に固着具を形成させる。複数の海藻胞子及び/又は幼生海藻は、すべて同じ種であってもよいし、2つ以上の異なる種であってもよい。幾つかの実施形態において、2つの異なる海藻種は、一緒に培養又は成長したときに共生関係を示す。
海藻固着具を介して海藻を保持することに加えて、本開示の養殖システム及び基材は、播種された海藻胞子の発芽及び成長、ならびに幼若及び成熟海藻の成長を促進することができる。養殖基材は、例えば、播種された海藻胞子の発芽及びそれからの成長、ならびに幼若及び成熟海藻の成長を助長する微小環境を作り出すことができる。
特定の実施形態において、養殖基材は、非標的種又は他の生物の付着又は成長を阻害又は防止しながら、固着具の形成及びその後の1つ以上の標的海藻種の成長を助長する選択的ナノ構造を提供する。すなわち、養殖基材のナノ構造は、生物付着を阻害しながら、海藻種の付着及び成長を支援する。幾つかの実施形態において、生物付着種(例えば、非標的種又は他の生物)が養殖基材に付着する場合に、付着は標的海藻種の付着よりも弱く、生物付着種は、例えばすすぎによって除去可能である。そのような実施形態において、生物付着種の物理的除去は、標的種の有意な除去をもたらさない。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、標的種の迅速かつ健全な成長を促進し、生物付着種が養殖基材上に定着できるようになる前に、標的種が天然の防汚化合物を生成及び分泌できるようにする。したがって、標的種は、低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造に加えて、生物付着防止性に寄与する。
選択的ナノ構造は、例えば、生物付着種の付着及び成長を阻害又は防止しながら、標的海藻種の付着及び成長を支援するフィブリル化サブミクロン表面構造のフィブリル間距離、基材多孔度及び深さの組み合わせを提供することによって達成することができる。
海藻作物の栽培を成功させるためには、良好な定着及び付着が重要である。幼若性植物は、外洋の極端な暴露において養殖基材から分離しないように、十分にしっかりと付着されなければならない。すべての幼若性海藻は生物付着を阻害する傾向があり、これはしばしば、珪藻、糸状褐藻、緑藻などの他の藻類種の過剰増殖によって引き起こされる。 生物付着の問題は、最初に設定されたときの養殖場で最も一般的であり、生物付着が種子生産中に養殖場で発生することがあるが、窒息の危険にさらされるほど小さい。理想的な養殖基材は、生物付着生物の成長を抑制しながら、標的種の確実な付着を提供する。
本明細書に記載の低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造は、生物付着を阻害しながら、海藻のそのような強力な付着及び成長を支援する。図4は、フィブリル化サブミクロン表面構造を有する低多孔性基材450に付着された幼若コンブ植物400を示す。幼若コンブ植物400は、固着具410を介して低多孔性基材450に付着されており、固着具410は、幼若コンブ植物400の基部から発出される突起のネットワークとして現れる。図5、6及び7の各々の左側の2つのサンプルに示されるように、幾つかの実施形態によるフィブリル化サブミクロン表面構造を有する低多孔性基材上でコンブ、ノリ及びダルスをそれぞれ播種及び成長させたときに、そのような付着が観察された。逆に、フィブリル化サブミクロン表面構造を欠く低多孔性基材は、図5、6、及び7の各々の右側の2つのサンプルに示されるように、海藻を保持し損なった。フィブリル化サブミクロン表面構造を欠く低多孔性基材の表面構造は、図3A~3Dにより示されている。図3A~3Dは、表面ノード及びフィブリルナノ構造を欠く低多孔性ePTFE基材の表面構造を示すSEM顕微鏡写真である。図3A~3Cは、低多孔性基材の第一の面上の表面構造を増加している倍率で示す。提示されたスケールは、100μm(図3A)、10μm(図3B)及び5μm(図3C)である。図3Dは、低多孔性基材の第二の面の表面構造を示している(5μmのスケールで提供)。最低倍率(図3A)では、低多孔性基材の表面はほぼ滑らかに見え、図2Aに示される低多孔性基材の表面と同様である。より高い倍率では、基材がフィブリル化サブミクロン表面構造を欠いていることが明らかである(図3B~3D)。
特定の実施形態において、養殖基材は、低多孔性基材に加えて、高多孔性基材を含む。 特定の実施形態において、高多孔性基材は、少なくとも30%の多孔度、及び、約1μm~約500μmの平均フィブリル間距離、又は約1μm~約500μmの平均細孔サイズを特徴とするノード及びフィブリル微細構造を有する。高多孔性基材は、例えば、低多孔性基材を散在させるように機能し、低多孔性基材上の海藻の局在化を制御するのを助け、成長中の海藻に栄養素をデリバリーするように機能することができる。幾つかの実施形態において、高多孔性基材は、胞子の成長を保持及び支援し(例えば、藻類の胞子及びそれからの成熟した海藻の成長を保持及び支援する)、及び/又は胞子及び/又は生物付着生物の保持を阻害又は防止することができる。高多孔性が胞子の成長を保持及び支援するか、又はそのような保持を阻害するかは、多孔度及びフィブリル間距離などの高多孔性基材の特性に依存する。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材は、平均フィブリル間距離を規定する複数のフィブリルを含む微細構造を有する。図8は、幾つかの実施形態によるフィブリル化材料を含む高多孔性基材の微細構造100を示すSEM顕微鏡写真である。図1に示される微細構造800を有するフィブリル化材料は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)である。図示のように、微細構造800は、ノード804を相互接続する複数のフィブリル802によって画定される。フィブリル802はフィブリル間空間803を画定する。
フィブリル803は、規定された平均フィブリル間距離を有し、幾つかの実施形態において、約1μm~約500μm、1μm~約200μm、約1μm~約50μm、約1μm~約20μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、約5μm~約50μm、約5μm~約20μm、約5μm~約10μm、約10μm~約100μm、約10μm~約75μm、約10μm~約50μm、約10μm~約25μm、約25μm~約200μm、約25μm~約150μm、約25μm~約100μm、約25μm~約50μm、約50μm~約200μm、約50μm~約150μm、約50μm~約100μm、約100μm~約200μm、約100μm~約150μm、約150μm~約200μm、又は約200μm~約500μmであることができる。幾つかの実施形態において、フィブリル802は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約110μm、約120μm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、約200μm、約300μm、約400μm又は約500μmの平均フィブリル間距離を有することができる。
図9は、図8に示した微細構造の高倍率SEM顕微鏡写真である。図9は、選択されたフィブリル間空間803の寸法をμmで示している。
図10は、幾つかの実施形態によるフィブリル化ePTFE材料を含む高多孔性基材の別の微細構造を示すSEM顕微鏡写真である。
図11は、図10に示される微細構造の高倍率SEM顕微鏡写真である。
幾つかの実施形態において、フィブリル802の少なくとも一部は、胞子をフィブリル間空間802に保持するために、互いに十分に離間している。他の実施形態において、フィブリル802は、フィブリル間空間802における胞子の保持を阻害又は防止するために、互いに十分に離間している。
図12は、幾つかの実施形態による養殖基材の微細構造の概略図の斜視図である。図示のように、微細構造1200は、複数の細孔1202によって画定される。
細孔1202は、円形、ほぼ円形又は楕円形であることができる。細孔1202は、約1μm~約500μm、1μm~約200μm、約1μm~約50μm、約1μm~約20μm、約1μm~約10μm、約1μm~約5μm、約5μm~約50μm、約5μm~約20μm、約5μm~約10μm、約10μm~約100μm、約10μm~約75μm、約10μm~約50μm、約10μm~約25μm、約25μm~約200μm、約25μm~約150μm、約25μm~約100μm、約25μm~約50μm、約50μm~約200μm、約50μm~約150μm、約50μm~約100μm、約100μm~約200μm、約100μm~約150μm、約150μm~約200μm、又は約200μm~約500μmの直径又は近似直径を有することができる。幾つかの実施形態において、細孔1202は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約110μm、約120μm、約130μm、約140μm、約150μm、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、約200μm、約300μm、約400μm又は約500μmの直径又は近似直径を有することができる。
幾つかの実施形態において、図8のフィブリル間空間803は、図12の細孔1202を形成する。すなわち、複数のフィブリル802を有する微細構造800は、多孔性微細構造1200を形成することができる。しかしながら、細孔1202を有する全ての微細構造1200がフィブリル化されるわけではない。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材の微細構造は、胞子及び胞子体、配偶体、又は保持された胞子から成長した他の生物を保持するように構成されている。幾つかの実施形態において、微細構造は、藻類胞子、藻類胞子体及び/又は配偶体、植物胞子、実生、細菌内生胞子、真菌胞子又はそれらの組み合わせを保持するように構成されている。幾つかの実施形態において、養殖基材は、複数の胞子及び/又はそれから成長した生物(例えば、胞子体及び/又は配偶体)を保持する。複数の胞子及び/又は生物は、すべて同じタイプであってもよいし、又は、2つ以上の異なるタイプであってもよい。幾つかの実施形態において、高多孔性基材は、低多孔性基材上に播種及び付着されたものと同じタイプの海藻胞子及び/又は海藻を保持する。他の実施形態において、高多孔性基材は、低多孔性基材上に播種及び付着されたものとは異なるタイプの海藻胞子及び/又は海藻を保持する。幾つかの実施形態において、養殖基材は、一緒に培養又は成長させたときに共生関係を示す2つの異なる胞子タイプを保持する。簡単にするために、この開示を通して、低多孔性基材に関して「胞子」に言及するが、配偶体、胞子体、実生又は胞子から成長された他の生物もこの用語によって考えられ、本開示の範囲内にあると考えられる。
幾つかの実施形態において、胞子を保持することに加えて、高多孔性基材は、保持された胞子の発芽及びそれからの成長を促進する。すなわち、高多孔性基材は、保持された胞子を生存可能に維持する。特定の実施形態において、微細構造は、胞子の少なくとも一部を取り外し不能に固定するように構成されている。
例えば、高多孔性基材は、保持された胞子の発芽及びそれからの成長を助長する微小環境を作り出す。幾つかの実施形態において、微細構造は、当初、微細構造が標的胞子を保持及び維持するように機能する第一の保持段階にある。微細構造は、続いて、胞子の発芽が誘導される第二の成長段階にあり、微細構造上及び/又は微細構造内への胞子からの胞子体類(例えば、胞子体、配偶体、実生など)の内部成長が起こり、それによって胞子体の微細構造への機械的結合又は固定が生じる。したがって、幾つかの実施形態において、微細構造は、発芽した胞子を取り外し不可能に固定し、例えば輸送中又は養殖場(例えば、開放水域環境)での配置中の発芽した胞子の損失、又は環境要因(例えば、流れ)への損失を防止するように構成されている。
特定の実施形態において、高多孔性基材は、非標的胞子又は他の細胞の発芽、成長及び/又は増殖を阻害又は防止しながら、標的胞子の発芽及びそれからの成長を助長する選択的微小環境を作り出す。選択的微小環境は、例えば、フィブリル間距離及び/又は細孔サイズ、材料密度、材料の平均密度に対するフィブリル間距離の比率、深さ又は厚さ、疎水性、及び、栄養源、湿分、生物活性剤及び接着剤の有無の組み合わせを提供することによって達成することができ、非標的胞子又は他の細胞の発芽、成長及び/又は増殖を阻害又は防止しながら、標的胞子の発芽及びそれからの成長を支援する。
幾つかの要因は、胞子及びそれから成長した生物の保持及び/又は生存維持に影響を与える可能性がある。そのような要因としては、例えば、フィブリル間距離及び/又は細孔サイズ、材料密度、材料の平均密度に対するフィブリル間距離の比率、深さ又は厚さ、疎水性、ならびに、栄養源、湿分、生物活性剤及び接着剤の有無が挙げられる。これらの要因について、それぞれ詳しく説明する。
2つのフィブリルの間の距離(すなわち、フィブリル間距離)は、フィブリル間空間803を画定する。幾つかの実施形態において、フィブリル間空間803、したがってフィブリル間距離は、胞子をその中に保持するのに十分であり、胞子は、フィブリル間空間を画定する2つのフィブリルの間に保持される。フィブリル間距離は、胞子の少なくとも一部が、フィブリル間空間803を画定する2つのフィブリルの間に入るのを可能にするのに十分である。幾つかの実施形態において、胞子は、それにより、養殖基材の微細構造内に保持される。図13は、図9の写真の修正バージョンであり、フィブリル化された材料を含み、約10μm(例えば、ノリ及びコンブの胞子)又は約30μm(例えば、ダルスの胞子)のいずれかの直径を有する代表的な胞子で覆われた高多孔性基材の微細構造を示す。図13は、フィブリル間空間を画定する2つのフィブリルの間に標的胞子がどのように、そしてどこに入ることができるかを示す。
幾つかの実施形態において、胞子の少なくとも一部の微細構造への進入を促進するために、高多孔性基材の平均フィブリル間距離は制御される。例えば、微細構造が約30μmの直径を有するダルス(Palmaria palmata)の胞子を保持することが望ましい場合には、高多孔性基材微細構造の平均フィブリル間距離は約30μmであるか、又はわずかに大きい(例えば、約32μm~約35μm)。高多孔性の微細構造が、それぞれの胞子の直径が約 10μmであるノリ又はコンブの胞子を保持することが望まれる場合には、微細構造の平均フィブリル間距離は約10μmであるか、又はわずかに大きい(例えば、約12μm~約15μm)。幾つかの実施形態において、複数の種(例えば、ダルス、ノリ及びコンブ)の胞子を保持することが望ましいことがある。そのような実施形態では、平均フィブリル間距離は、複数の種の胞子の少なくとも一部がフィブリル間空間に入り、そこに保持されることを可能にするのに十分である。幾つかの実施形態において、標的胞子は、約0.5μm~約200μmの直径を有する。
幾つかの実施形態において、標的胞子の約半分は、高多孔性基材におけるフィブリル間空間803に入ることができる。そのような実施形態において、フィブリル間距離は、標的胞子の寸法(例えば、直径又は幅)に少なくとも等しい。幾つかの実施形態において、フィブリル間距離は、標的胞子の寸法よりわずかに大きい。これにより、胞子全体がフィブリル間空間803に入り、そこに保持されうる。
幾つかの実施形態において、標的胞子の半分より多くは、胞子全体に至るまで、高多孔性基材のフィブリル間空間803に入ることができる。そのような実施形態において、フィブリル間空間803に入る胞子の部分は、細孔の深さによって支配されることができ、細孔の開口部は、フィブリル間空間によって画定される。細孔の深さは、例えば、材料密度によって制御することができる。
幾つかの実施形態において、胞子の一部のみが高多孔性基材のフィブリル間空間803に入る。したがって、フィブリル間距離が標的胞子の直径より小さい場合に、標的胞子はフィブリル間空間803に部分的にのみ進入することができる。標的胞子がフィブリル間空間803に部分的にのみ入る場合に、標的胞子の十分な部分がフィブリル間空間803に入るならば、胞子は、それでも、そこに保持されうる。幾つかの実施形態において、微細構造に適用される接着剤などの物質は、フィブリル間空間803に入るのに必要な胞子の部分を低減し、そして保持を支援する。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材の微細構造は、フィブリル化されていない材料によって形成される。特定の実施形態において、細孔開口部1202は、養殖基材の材料に固有のものである。異なる材料は異なる開孔特性を有する可能性があり、所望の開孔特性を提供するように材料を製造又はさもなければ操作することができることが認識されるであろう。他の実施形態において、細孔開口部1202は、例えば超音波ドリリング、パウダーブラスティング又はアブレーシブワォータジェット加工(AWJM)などの機械マイクロドリリング、レーザ加工などの熱マイクロドリリング、ウェットエッチング、ディープリアクティブイオンエッチング(DRIE)又はプラズマエッチングを含む化学マイクロドリリングなどのマイクロドリル技術、スパークアシスト化学彫刻(SACE)、振動アシストマイクロマシニング、レーザ誘起プラズママイクロマシニング(LIPMM)、ワォータアシストマイクロマシニングなどのハイブリッドマイクロドリリング技術によって形成される。
高多孔性基材の微細構造がフィブリル化されていない材料によって形成される実施形態において、細孔開口部1202は、記載したフィブリル間空間103とほぼ同様に作用し、標的胞子の少なくとも一部が細孔開口部1202に入るのを可能にするのに十分なサイズである。幾つかの実施形態において、胞子はそれによって養殖基材の微細構造内に保持される。幾つかの実施形態において、細孔開口部1202のサイズは、標的胞子の少なくとも一部の微細構造への進入を促進するように制御される。例えば、高多孔性基材の微細構造が、約30μmの直径を有するダルス(Palmaria palmata)の胞子を保持することが望ましい場合には、微細構造の細孔開口部1202は、約30μmの直径を有するか、又はわずかに大きい (例えば、約32μm~約35μm)。幾つかの実施形態において、標的胞子は、約0.5μm~約200μmの直径を有する。
幾つかの実施形態において、標的胞子の約半分は高多孔性基材の細孔開口部1202に入ることができる。そのような実施形態では、細孔開口部は標的胞子の寸法(例えば、直径又は幅)に少なくとも等しい。幾つかの実施形態において、細孔開口部は、標的胞子の寸法よりわずかに大きい。これにより、胞子全体が細孔開口部1202に入り、そこに保持されることができる。
幾つかの実施形態において、標的胞子の半分より多くが、胞子全体に至るまで、高多孔性基材の細孔開口部1202に入ることができる。そのような実施形態において、細孔開口部1202に入る胞子の部分は、細孔の深さによって支配されうる。細孔の深さは、例えば、材料密度によって制御することができる。
幾つかの実施形態において、胞子の一部のみが細孔開口部1202に入る。したがって、細孔開口部が標的胞子の直径よりも小さい場合には、標的胞子は部分的にのみ細孔開口部1202に入ることができる。胞子が細孔開口部1202に部分的にのみ入る場合において、標的胞子の十分な部分が細孔開口部に入るときに、標的胞子は、それでも、そこに保持されうる。幾つかの実施形態において、微細構造に適用される接着剤などの物質は、細孔開口部1202に入るのに必要な胞子の部分を低減し、保持を支援することができる。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材は低密度材料である。低密度材料は、フィブリル化されていても、又は、フィブリル化されていなくてもよく、幾つかの実施形態において、養殖基材の微細構造を規定する。低密度材料の密度は、約0.1g/cm、約0.2g/cm、約0.3g/cm、約0.4g/cm、約0.5g/cm、約0.6g/cm、約0.7g/cm、約0.8g/cm、約0.9g/cm又は約1.0g/cmであることができる。幾つかの実施形態において、低密度材料の密度は、約0.1g/cm~約1g/cmである。
幾つかの実施形態において、低密度材料は、フィブリル間空間803又は細孔開口部1202に胞子を保持するのに十分な細孔深さを提供する。
幾つかの実施形態において、細孔開口部の寸法(長さ(μm)及び幅(μm))は、標的胞子が細孔に入る深さ(μm)とともに、フィブリル化又は非フィブリル化材料によって形成されるかどうかにかかわらず、捕獲率を規定する。各胞子タイプは、高多孔性基材の微細構造による胞子の適切な保持に必要な異なる捕捉率を有することができる。必要な捕捉率は、高多孔性基材の微細構造を構成する材料の特性と、栄養素、接着剤及び/又は生物活性剤の有無によって影響を受ける可能性がある。
幾つかの実施形態において、低密度材料は、胞子が発芽し、低密度材料中に成長することを可能にする。例えば、本明細書に記載の微細構造を有する低密度材料に保持されたダルス胞子が配偶体、次いで胞子体に発育するときに、ダルスは三次元すべてで低密度材料中に成長する(すなわち、x及びy次元で水平方向、z次元で深さ方向)。この三次元成長により、ダルス配偶体及び胞子体の保持が改善できる。
図14A及び14Bは、幾つかの実施形態による低密度高多孔性微細構造化材料の2つの異なる倍率で撮影された断面SEM顕微鏡写真であり、ダルス海藻の低密度材料への三次元内部成長を示している。図14Cは、ダルス海藻の低密度材料への内部成長を示す、光学蛍光顕微鏡法を使用して生成された断面顕微鏡写真である。
図15(上部パネル)は、幾つかの実施形態による低密度で高多孔性の微細構造化材料の表面のSEM顕微鏡写真である。図15(下部パネル)は、上部パネルと同じ養殖基材材料で、その後、砂糖コンブ胞子を播種し、その発芽を行ったものを示している。
図16は、2つの異なる倍率で撮影された微細構造の表面のSEM顕微鏡写真を示しており、ダルス海藻が微細構造に付着して、その中に成長していることがはっきりと分かる。図17は、ダルス海藻が付着し、微細構造内に成長している微細構造の表面の蛍光顕微鏡写真を示す。海藻の成長は、三次元すべての「成長ネットワーク」で微細構造内に成長していることが観察される。
図14A~図17の顕微鏡写真から、ダルス海藻がフィブリル化された高多孔性ePTFE基材の微細構造内に三次元すべてで成長することができ、海藻を微細構造内に確実に固定することができることが明らかである。
幾つかの実施形態において、発芽した胞子は、高多孔性基材の微細構造の奥深くまで成長する。この深い内部成長及び微細構造への取り込みは、発芽した胞子を外部環境(例えば、海藻配偶体の場合、海及びその流れ)から保護するという追加の利点をもたらす。幾つかの実施形態において、胞子の初期サイズに対する発芽胞子の侵入深さは、約1:1~約200:1である。例えば、約30μmの初期直径を有するダルス胞子の場合に、ダルス胞子体は微細構造内で約30μm~約6mmの深さまで成長することができる。
幾つかの実施形態において、低密度高多孔性材料は、所望のレベルの内部成長を可能にするのに十分な厚さを有する。幾つかの実施形態において、養殖基材は、低密度材料の単層を含む。幾つかの実施形態において、養殖基材は、低密度材料の2つ以上の層を含む。特定の実施形態において、2つ以上の層がラミネート存在し、すなわち低密度材料の複数の層のラミネートである。
幾つかの実施形態において、微細構造を有する高多孔性材料のフィブリル間距離及び密度は、フィブリル化材料の平均密度(g/cm)に対する平均フィブリル間距離(μm)の比を規定する。幾つかの実施形態において、フィブリル化材料の平均密度(g/cm)に対する平均フィブリル間距離(μm)の比は、約1:1、約10:1、約20:1、約30:1、約40:1、約50:1、約60:1、約70:1、約80:1、約90:1、約100:1、約125:1、約150:1、約175:1 、約200:1、約225:1、約250:1、約275:1、約300:1、約325:1、約350:1、約375:1、約400:1、約425:1 、約450:1、約475:1、約500:1、約550:1、約600:1、約650:1、約700:1、約750:1、約800:1、約900:1、約 1000:1、約 1250:1、約 1500:1、約1750:1又は約2000:1であることができる。幾つかの実施形態において、フィブリル化材料の平均密度(g/cm)に対する平均フィブリル間距離(μm)の比は、約1:1~約2000:1である。
幾つかの実施形態において、養殖基材(すなわち、低多孔性基材、高多孔性基材、又はその両方)は、1つ以上の接着剤を含む。接着剤は、低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造又は高多孔性基材の微細構造の表面に適用され、低多孔性基材又は高多孔性基材内に吸収され、又は、低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造又は高多孔性基材の微細構造の表面の両方の表面に適用され、低多孔性基材又は高多孔性基材内に吸収される。幾つかの実施形態において、接着剤は、養殖基材によって保持される胞子に特異的な1つ以上の細胞接着性リガンドを含む。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の養殖基材(すなわち、低多孔性基材、高多孔性基材又はその両方)は、養殖基材の少なくとも一部と連携した栄養相を含む。栄養相は、養殖基材によって保持される胞子、発芽胞子及び成長している生物(例えば、幼若性海藻)を生存可能に維持するのに役立つ。幾つかの実施形態において、栄養相は、高多孔性基材の微細構造内に保持された胞子の発芽及びそれからの成長を促進する。幾つかの実施形態において、栄養相は、低多孔性基材及び/又は高多孔性基材への付着を維持し及び/又は促進し、又は、高多孔性基材の微細構造への内部成長又は内部での統合を維持し及び/又は促進するように作用する。
幾つかの実施形態において、栄養相は、栄養相が適用又は含まれる養殖基材の所定の位置に、胞子又は幼若生物(例えば、海藻胞子体及び/又は配偶体)を引き付けることができる化学誘引物質として作用する。
栄養相は、低多孔性基材中、低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造上、高多孔性基材の微細構造内、高多孔性基材の微細構造上(例えば、その表面上)又はそれらの任意の組み合わせにフィラーとして含めることができる。幾つかの実施形態において、栄養相は、コーティングとして養殖基材の表面に適用される。幾つかの実施形態において、栄養相は、養殖基材を形成する1つ以上の材料内に含まれる。低多孔性基材を形成する材料内に栄養相が含まれる場合に、栄養相は付着及び強固な発育を促進することができる。高多孔性基材を形成する材料内に栄養相が含まれる場合に、栄養相は、微細構造内への内部成長又は内部への統合を促進することができる。健康で急速に成長する海藻は、独自の天然の防汚化合物を生成及び放出することが知られているため、海藻の成長を促進することにより、栄養相は生物付着の防止を支援することができる。
幾つかの実施形態において、栄養相は、標的海藻種及び/又は標的胞子に有益であり、結果として生じる発芽胞子が養殖基材に付着し又はそれによって保持されることになる少なくとも1つの栄養素を含む。例えば、ダルス海藻が低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造に付着するか、又は高多孔性基材の微細構造によって保持される場合に、栄養相は多量栄養素(例えば、窒素、リン、炭素など)、微量栄養素(鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデンなど)及びビタミン(ビタミンB12、チアミン、ビオチンなど)を含むことができ、発芽したダルス胞子の成長及び健康を支援する。栄養相の栄養素は、様々な形で提供できる。例えば、窒素は、硝酸アンモニウム(NHNO)、硫酸アンモニウム ((NHSO)、硝酸カルシウム(Ca(NO)、硝酸カリウム(KNO)、尿素(CO(NH)などとして提供できる。胞子を生存可能に維持し、結果として生じる発芽胞子が養殖基材によって保持されるように、どの栄養素を栄養相に含めることが有益であるかは、当業者によって認識されるであろう。
種々の胞子タイプ、発芽胞子及び成長生物(例えば、海藻)は、異なる栄養素の必要性を有するので、栄養相に含まれる栄養素は、どの胞子が養殖基材によって保持されるかに依存する。栄養素の選択は、養殖システムの意図する用途にもよる。例えば、胞子、発芽胞子及び/又は成長生物を保持する養殖基材が、必須栄養素が欠乏している環境に導入される場合に、すべての必要な栄養素を栄養相に含めることができる。 胞子/発芽胞子/成長生物を保持する養殖基材が、少なくとも1つの必須栄養素を有する環境に導入される場合に、それらの環境的に利用可能な必須栄養素は、栄養相から除外されるか、又はより低い濃度で含まれることができる。養殖基材はまた、例えば、高多孔性基材の微細構造内に環境栄養素を捕捉することによって、環境からの栄養素を濃縮するように作用することができる。これは、環境栄養素が低濃度でしか存在しない環境で有利なことがある。
幾つかの実施形態において、本明細書の別の場所でさらに記載されるように、養殖システムを使用して、保持された胞子/発芽胞子をある場所から別の場所に輸送することができる。養殖システムが輸送システムとして機能する場合に、栄養相は、輸送中に保持された胞子/発芽胞子/成長生物を生存可能に支援するのに十分な栄養素レベルを含むことができる。幾つかの実施形態において、栄養相は、保持された胞子/発芽胞子/成長生物を新しい環境(例えば、開放水域)に導入した後に、輸送後の保持胞子/発芽胞子/成長生物を生存可能に維持するのに十分な栄養素レベルを含むことができる。
幾つかの実施形態において、栄養相は、1つ以上のキャリアを含む。キャリアとしては、例えば、液体キャリア、ゲルキャリア及びヒドロゲルキャリアを挙げることができる。幾つかの実施形態において、栄養相のキャリアは接着剤である。栄養相のキャリアとして接着剤を含めることは、栄養相が養殖基材上及び/又はその中に確実に残るように機能することができる。栄養相が養殖基材の表面に適用され、キャリアとして接着剤を含む場合に、栄養素面はまた、養殖基材への付着を促進するように機能することができる。
幾つかの実施形態において、栄養相は、栄養素の放出速度を制御するように配合される。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、養殖基材に連携される塩をさらに含む。幾つかの実施形態において、塩は塩化ナトリウム(NaCl)である。養殖基材に連携される塩は、保持された胞子/発芽胞子のための塩水微小環境を生成及び維持できる。これは、海藻及び海洋植物が養殖基材によって保持されるときに特に有利であることがある。幾つかの実施形態において、養殖基材が真水に沈められたときに、養殖基材内の塩水微小環境を維持することができ、それによって海洋種を生存可能に維持し、困難で費用がかかる可能性のある塩水培養環境を維持する必要性を回避する。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、養殖基材の少なくとも一部に連携される液体含有相を含む。液体含有相は、高多孔性基材の微細構造の微小環境内に湿分を提供及び維持するのに役立ち、これは養殖基材によって保持される胞子/発芽胞子/成長生物を生存可能に維持するのに役立つことができる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、液体ウィッキング材料を含む。液体ウィッキング材料は、低多孔性基材及び/又は高多孔性基材を形成する同じ材料であることができる。液体ウィッキング材料は、養殖基材の微小環境内で湿分を維持するように機能する。
胞子及び内生胞子は乾燥環境で生存可能に維持されうるが、発芽胞子及び成長生物(例えば、幼若性海藻)は、一般に、成長及び/又は増殖するために湿分を必要とする。湿った微小環境を維持することによって(例えば、液体含有基材及び/又は液体ウィッキング材料を含めることによって)、水性環境に養殖システムを維持する必要なく、胞子/発芽胞子/成長生物をその中に及び/又はその上に保持した養殖システムを輸送することができる可能性がある。
幾つかの実施形態において、液体含有相は、低多孔性基材中、低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造上、高多孔性基材の微細構造内、高多孔性基材の微細構造上(例えば、その表面上)又はそれらの任意の組み合わせに同伴される。幾つかの実施形態において、液体含有相は、コーティングとして養殖基材の表面に適用される。幾つかの実施形態において、液体含有相は、養殖基材を形成する1つ以上の材料内に含まれる。
幾つかの実施形態において、液体含有相は、例えば、ヒドロゲル、スラリー、ペースト、又はヒドロゲル、スラリー及び/又はペーストの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、液体含有相は栄養相のためのキャリアである。
幾つかの実施形態において、養殖基材の少なくとも一部は親水性である。養殖基材のそのような親水性部分は、養殖基材による保持及び/又は養殖基材への付着に寄与しうる。
幾つかの実施形態において、養殖基材の少なくとも一部は疎水性である。養殖基材のそのような疎水性部分は、胞子/発芽胞子/成長生物の保持及び/又は付着を低減又は防止又は抵抗することができる。これは、生物付着及び望ましくない胞子又は他の細胞又は生物の養殖基材への付着を低減又は防止するのに役立つ可能性がある。
幾つかの実施形態において、養殖基材の1つ以上の部分は疎水性であり、養殖基材の1つ以上の部分は親水性であり、それにより、胞子/発芽胞子/成長生物は養殖基材の1つ以上の親水性部分によって選択的に保持され又は付着するように促進される。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、養殖基材に連携される1つ以上の生物活性剤を含むことができる。生物活性剤としては、前記薬剤と接触する細胞又は生物に対して正又は負の効果を有する任意の薬剤が挙げられる。適切な生物活性剤としては、例えば、殺生物剤及び血清を挙げることができる。殺生物剤は、養殖基材の部分と連携して、望ましくない細胞又は生物の、養殖基材のそれらの部分への付着及び成長を防止することができる。望ましくない細胞としては、例えば、細菌、酵母及び藻類などの非標的細胞(すなわち、生物付着種)を挙げることができる。殺生物剤は、昆虫などのペストを阻止することもできる。幾つかの実施形態において、殺生物剤は、付着及び成長が望まれない養殖基材の部分への標的胞子の付着及び成長を防止する。幾つかの実施形態において、養殖基材の部分に血清を適用することができる。血清は、胞子の付着及び保持を支援し、及び/又は、胞子の発芽又はそれからの成長を促進することができる。血清は、例えば細胞接着性リガンドを含み、また、成長因子、ホルモン及び付着因子の供給源を提供することができる。
幾つかの実施形態において、養殖基材はパターン化されている。養殖基材をパターン化することにより、標的の胞子/発芽胞子/成長生物(例えば、幼若性海藻)が付着する養殖基材の領域を指定することができる。幾つかの実施形態において、養殖基材は、低多孔性基材のセクション及び高多孔性基材のセクションのパターンを含む。幾つかの実施形態において、養殖基材は、低多孔性基材と高多孔性基材の交互セクションを有する「市松模様」様式でパターン化される。低多孔性基材と高多孔性基材のパターンは、組織化された又は選択的なパターンであるか、又は、ランダムなパターンであることができる。基材のセクションは、すべて同じサイズ又は異なるサイズにすることができる。低多孔性基材又は高多孔性基材の一方のセクションは、同じサイズであることができるが、他方とは異なることができる(すなわち、低多孔性基材のすべてのセクションは同じであるが、高多孔性基材のセクションとは異なるサイズである)。
幾つかの実施形態において、低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造及び/又は高多孔性基材の微細構造はパターン化される。フィブリル化サブミクロン表面構造、微細構造、又はその両方を特異的にパターン化することにより、微細構造の表された部分に標的胞子を特異的に保持する一方で、他の部分から細胞を排除することが可能である。
幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、異なる表面構造のパターンを含む。例えば、平均フィブリル間距離は、養殖基材全体にわたって変化しうる。幾つかの実施形態において、低多孔性基材は、フィブリル間距離が大きい部分とフィブリル間距離が小さい部分のパターンを含む。そのような実施形態では、フィブリル間距離の違いは、異なる海藻種の付着及び固着具の発育を促進することができる。他の実施形態において、幾つかの領域のフィブリル化サブミクロン表面構造を除去して、海藻が付着しない滑らかな表面を残すことができる。そのような実施形態において、これにより、海藻が養殖基材上、特に低多孔性基材上のどこに付着するかを制御することが可能になる。
幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造の深さは、養殖基材全体にわたって変化しうる。幾つかの実施形態において、低多孔性基材は、より大きなフィブリル化サブミクロン表面構造の深さ部分とより低いフィブリル化サブミクロン表面構造の深さ部分のパターンを含む。そのような実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造の深さの違いは、異なる海藻種の付着及び固着具の発育を促進することができる。
特定の実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造のフィブリル間距離及び深さの両方を変えることができる。そのような実施形態において、フィブリル化サブミクロンの表面構造は、所与の用途のために微調整することができる。
幾つかの実施形態において、養殖基材に含まれる高多孔性基材の微細構造は、高密度部分及び低密度部分のパターンを含む。このような構成において、低密度部分は、標的胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された微細構造の部分に対応し、一方、高密度部分は、細胞の保持を阻害又は防止する。密度パターンは、任意の次元に広がることができる。例えば、高密度/低密度パターンは、養殖基材のx次元又はy次元、又はz次元に広がることができる。z次元に広がるときに、最も外側の部分は、一般に、標的胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された低密度部分になる。下にある部分は、最も外側の部分よりも密度が高くてよく、又は、密度がさらに低くてもよい。下にある部分の密度が高い場合に、発芽胞子の内部成長は阻害又は防止される。下にある部分が最も外側の部分よりも密度が低い場合に、発芽胞子の内部成長は促進され及び/又は容易になる。幾つかの実施形態において、z次元における密度パターン又は勾配は、異なる密度を有する微細構造材料の同心ラップ、又は各薄層が異なる密度を有するラミネート構成から生じる。幾つかの実施形態において、密度パターンは、二次元又は三次元すべてに広がることができる。幾つかの実施形態において、微細構造の部分は密度勾配を有する。
密度は、例えば、材料の寸法及び重量を測定することを含む、様々な方法で測定することができる。さらに、湿潤実験を実施して、密度値を導き出すことができる。密度は、例えば、フィブリル間距離、単位体積あたりのフィブリル数、単位体積あたりの細孔数、及び細孔サイズを変更することによって変更することができる。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材の密度は、高多孔性基材を形成する、すなわち、栄養相、液体含有相などの含有物を有しない材料自体の密度である。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材の密度は、高多孔性基材の材料及び栄養相、液体含有相又は密度変更フィラーなどの含有物の密度である。幾つかの実施形態において、微細構造の部分はフィラーで充填されて密度が変化し、それによって、微細構造のその部分が胞子を保持する能力及び/又は高多孔性基材の微細構造への内部成長を防止する能力が変化する。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材は、高多孔性部分及び低多孔性部分のパターンを有する 幾つかの実施形態において、低多孔性部分は、標的胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された高多孔性基材の部分に対応する。幾つかの実施形態において、高多孔性部分は、標的胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された微細構造の部分に対応する。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材は、フィブリル間距離がより大きい部分とフィブリル間距離がより小さい部分のパターンを含む。幾つかの実施形態において、フィブリル間距離がより小さい部分は、胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された微細構造の部分に対応する。そのような実施形態において、フィブリル間距離がより大きい部分は、標的胞子を保持するには大きすぎるフィブリル間距離を有する。他の実施形態において、フィブリル間距離がより大きい部分は、胞子を保持し、生存可能に維持するように構成された微細構造の部分に対応する。そのような実施形態において、フィブリル間距離がより小さい部分は、標的胞子を保持するには小さすぎるフィブリル間距離を有する。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材のパターンは、密度、多孔度及び平均フィブリル間距離のうちの少なくとも2つを制御することによって生成される。幾つかの実施形態において、高多孔性基材のパターンは、密度、多孔度、平均フィブリル間距離又はそれらの組み合わせを含むかどうかにかかわらず、組織化された又は選択的なパターンであっても、又はランダムなパターンであってもよい。
幾つかの実施形態において、高多孔性基材のパターンは、長手方向の張力を選択的に加えることによって設定又は調整することができる。長手方向の張力を加えてパターンを設定又は調整すると、パターンが機械的に変更できる。幾つかの実施形態において、パターンは、長手方向の張力を選択的に加えることによってフィブリル化された高多孔性材料に設定又は調整される。
幾つかの実施形態において、パターン化された高多孔性基材は、胞子保持に有利な2つ以上の特性を有する部分を含む。例えば、パターン化された高多孔性基材は、低密度(すなわち、約1.0g/cm以下)及び標的胞子を保持するように選択された平均フィブリル間距離(例えば、ダルス胞子については約30μm)の部分を有することができる。これらの同じ部分はさらに親水性であってもよく、及び/又は栄養相、接着剤及び生物活性剤のうちの1つ以上を含むことができる。例えば、密度、フィブリル間距離、疎水性、栄養相、接着剤及び生物活性剤は、それぞれ、標的胞子を優先的に保持するように選択されうる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、繊維、膜、織布物品、不織布物品、編組物品、布帛、ニット物品、粒子分散体又はそれらの組み合わせとして構成される。
幾つかの実施形態において、養殖システムは、バッカー層、キャリア層、複数の層のラミネート、複合材料又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。養殖基材(すなわち、低多孔性基材及び/又は高多孔性基材)は、バッカー層又はキャリア層上に堆積させるか、又はラミネートに含まれることができる。バッカー層は、例えば、ロープ又は金属ケーブルであることができる。例えば、養殖基質が海藻の胞子を保持し、生存可能に維持する場合に、養殖基材はロープ又は金属ケーブル上に堆積されてシードロープを生成することができ、海藻の開放水域ロープ養殖用の養殖場でシードストリングをロープの周りに巻き付ける必要がなくなる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、発芽胞子の収穫を含む、保持された胞子の様々な成長段階を通してコンベヤベルトとして移動されるのに十分な強度を有する。幾つかの実施形態において、養殖基材は、バッカー層、キャリア層上に堆積されるか、又はラミネートへと加工されて、発芽胞子の収穫を含む、保持された胞子の様々な成長段階を通してコンベヤベルトとして移動されるのに十分な強度を有する養殖システムを生成する。
幾つかの実施形態において、養殖基材は粒子分散体として構成される。低多孔性基材のフィブリル化サブミクロン表面構造及び高多孔性基材の微細構造は、事前に設定されるときに、養殖システムを形成するためのバッカー層又はキャリア基材上へ堆積するように配合された分散体中の複数の粒子によって提供される。粒子は、例えば、本明細書に記載のとおりのフィブリル化サブミクロン表面構造又は微細構造を有する繊維、膜、織布物品、不織布物品、編組物品、布帛、又はニット物品の細断又は他の方法で断片化された断片であることができる。幾つかの実施形態において、胞子は、バッカー層又はキャリア基材上に堆積する前に粒子と接触される。他の実施形態において、胞子は、バッカー層又はキャリア基材上への堆積の後に粒子と接触される。粒子分散体は、例えば、噴霧、浸漬コーティング、ブラッシング又は他のコーティング手段によって、バッカー層又はキャリア基材上に堆積されうる。バッカー層又はキャリア基材上に堆積される前に胞子が粒子と接触される実施形態において、堆積方法が保持された胞子に悪影響を及ぼさないことを確保するように注意しなければならない。胞子及び内生胞子は、より弾力性があり、そのような方法での堆積に耐えることができる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、膨張(膨張、エキスパンデッド、延伸又は発泡)フルオロポリマーを含む。幾つかの実施形態において、膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)及び変性ePTFEの群より選ばれる。適切な膨張フルオロポリマーの例としては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、多孔性パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリエステルスルホン(PES)、米国特許出願公開第2016/0032069号明細書で教示されているとおりのポリ(p-キシリレン)(ePPX)、Sbrigliaの米国特許第9,926,416号明細書で教示されているとおりの超高分子量ポリエチレン (eUHMWPE)、Sbrigliaの米国特許第9,932,429号明細書で教示されているとおりのエチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、Sbrigliaらの米国特許第7,932,184号明細書で教示されているとおりのポリ乳酸(ePLLA)、Sbrigliaの米国特許第9,441,088号明細書で教示されているとおりのフッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレン[VDF-コ-(TFE又はTrFE)]ポリマーが挙げられる。
幾つかの実施形態において、膨張フルオロポリマーは栄養相を含む。これは、フルオロポリマーの押出し及び膨張の前に栄養相をフルオロポリマー樹脂と共ブレンドすることによって達成することができる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、膨張熱可塑性ポリマーは、養殖基材の微細構造を形成する。幾つかの実施形態において、膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)の群から選ばれる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は膨張ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、膨張ポリマーは養殖基材の微細構造を形成する。幾つかの実施形態において、膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である。
幾つかの実施形態において、膨張ポリマーは栄養相を含む。これは、ポリマーの膨張前に栄養相をフルオロポリマー樹脂と共ブレンドすることによって達成することができる。
幾つかの実施形態において、養殖基材は、膨張化学蒸着(CVD)によって形成されたポリマーを含む。幾つかの実施形態において、膨張CVDによって形成されるポリマーは、養殖基材の微細構造を形成する。幾つかの実施形態において、膨張CVDによって形成されるポリマーは、ポリパラキシリレン(ePPX)である。
これらの材料の特定のものは、低多孔性基材又は高多孔性基材の1つとして使用するのにより適していることが認識される。他の実施形態において、低多孔性基材及び高多孔性基材は、同じタイプの材料から形成されるが、材料は、本明細書に記載の様々なフィブリル化サブミクロン表面構造及び微細構造を提供するために異なる方法で処理されうる。
幾つかの実施形態において、材料はフィブリル化サブミクロン表面構造を形成するか、又は材料を加工して形成することができる。幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、膨張フルオロポリマー、膨張熱可塑性ポリマー、膨張ポリマー又はePPXを高密度化及び延伸することによって生成される。低多孔性基材として使用するのに適した高密度化フルオロポリマー材料の例は、Kennedyに付与された米国特許第7,521,010号明細書に教示されており、参照によりその内容のその全体を本明細書に組み込む。Kennedyは、約0.015g-mm/m/日以下の水蒸気透過度、及び直交する2方向で少なくとも10,000psiのマトリックス引張強度を有する高密度化フルオロポリマー物品を教示している。物品は、細孔のほぼ完全な除去をもたらす圧力、温度及び時間で延伸多孔性PTFEを圧縮し、続いて結晶溶融温度を超えた温度で延伸することによって製造される。延伸工程により、圧縮された前駆体(高密度化ePTFEシートを形成するもの)よりも延伸方向に大きな引張強度を有する高密度化ePTFEシートが得られる。
Kennedyによって教示されたように、ePTFEのシート又はフィルムは、米国特許第3,953,566号明細書の教示に従って製造された。次いで、ePTFEフィルムは、米国特許第5,374,473号明細書の教示に従って圧縮される。次いで、高密度化されたフィルムは、PTFEの結晶溶融温度を超える温度で延伸される。延伸比は、例えば毎秒5%の延伸速度で12:1である。延伸プロセスは、パンタグラフ機を使用して又は連続的に、テンター又は同様の機械で順次に又は同時に、いずれかの方向、両方向で行うことができる。圧縮された前駆体の厚さは、圧縮された前駆体がePTFEの結晶溶融温度を超える温度で延伸されるときに、かさ密度が増加するので、高い延伸量を達成する能力に直接影響を及ぼす。延伸は、単位重量及び厚さの減少をもたらす。1つ以上のシートのマトリックス引張強度の有意な増加も観察される。高密度化及び延伸手順の結果、非常に薄く、高PTFEかさ密度及び低多孔性を有し、異常な水蒸気透過係数及びx方向及びy方向の両方で高い引張強度を備えたフィルムが得られる。幾つかの実施形態において、ePTFEフィルムは高密度化工程の前に焼結される。さらに、二軸ePTFEフィルムは、ePTFEの2つ以上の層を含むことができる。このプロセスは連続的に実施することができる。
幾つかの実施形態において、同様のプロセスを他の膨張フルオロポリマー、膨張熱可塑性ポリマー、膨張ポリマー又はePPXに適用することができ、記載された養殖基材において低多孔性基材として使用可能なフィブリル化サブミクロン表面構造を有する高密度化膜を生成する。
特定の実施形態において、高密度化された膜は、膨張フルオロポリマーフィルムの結晶融解温度よりも低い温度で延伸される。幾つかの実施形態において、高密度化された膜は、結晶溶融温度のすぐ下の温度で延伸される。フィブリル化サブミクロン表面構造のフィブリル間距離及び一般的な形態は、延伸速度及び延伸温度によって制御できる。幾つかの実施形態において、伸張速度及び温度は、フィブリルがノードを介して相互接続されているノード及びフィブリルナノ構造を生成するように選ばれる。他の実施形態において、延伸速度及び温度は、ノードの生成を最小限に抑えるか又は排除するように選ばれる。
特定の実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造は、低多孔性基材の片側のみに生じ、サブミクロン表面構造を有する片側のみに海藻付着を提供する。幾つかの実施形態において、サブミクロン表面構造を欠く側は、例えば、バッキング層に結合される。
フィブリル化サブミクロン表面構造の深さは、高密度化及び延伸工程によって制御することができる。
幾つかの実施形態において、膨張フルオロポリマーは、養殖基材の微細構造を形成する。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の養殖システムを海藻の養殖に使用することができる。海藻胞子は、胞子の少なくとも一部が発芽し、養殖基材によって保持される(すなわち、付着する)まで、胞子を保持しそして生存可能に維持するための所望の特性を有する養殖基材と、所定の条件下で十分な時間接触する。幾つかの実施形態において、養殖基材は、胞子の発芽及び発芽胞子の成長を助長する培地中でインキュベートすることができる。他の実施形態において、養殖システム自体が、胞子の発芽及び発芽胞子の成長を少なくとも一定期間(例えば、一時的な輸送中)助長する微小環境を提供する。
幾つかの実施形態において、本明細書に記載の養殖基材は、胞子からの多細胞生物の成長基材として使用することができる。例えば、養殖基材は、胞子から成熟海藻までの海藻の成長を支援するために使用することができる。幾つかの実施形態において、多細胞生物に成熟する胞子は、胞子の少なくとも一部が発芽して養殖基材によって保持されるまで、所定の条件下で十分な時間、養殖基材と接触する。
幾つかの実施形態において、海藻胞子は養殖基材上に導入され、配偶体及び胞子体は、伝統的な培養ストリングと同様の方法で、胞子が保持されているか又は保持されていない養殖基材を養殖場におけるロープ、ケーブル又は他の支持体上に堆積させることによって成熟することが可能になり、ロープラインの周りに養殖ストリングを巻き付ける従来の手順を省略できる。これは、養殖基材が分散体中の複数の粒子によって提供される場合に達成することができる。
他の実施形態において、海藻の胞子体及び/又は配偶体を養殖基材に直接導入する。 このような直接播種は、胞子播種と比較して、養殖ストリングを生成するために必要な実験室時間を短縮できる。
培養ストリングスは、伝統的に、滅菌された海水を使用する実験室環境で維持及び培養される。本発明の養殖システムは、高多孔性基材の微細構造内に十分な塩を含めることを通して、微細構造内に塩水微小環境を提供することにより、滅菌海水の循環に必要な高価で面倒なシステムの必要性を回避する。幾つかの実施形態において、播種された養殖基材は、栄養素が滅菌海水を介してデリバリーされる標準的な海藻養殖タンク内に維持される。海藻の成長を支援するのに十分な栄養相を含めることにより、成長中の海藻に外部栄養素を提供する必要をなくすことができる。
一般に、養殖ストリングは、ストリングからの配偶体及び胞子体の脱離を防ぐために衝突を避けながら、注意深く海水中で輸送されなければならない。今回記載されている養殖システムは、配偶体及び胞子体を海水なしで安全に輸送することを可能にする。これは、微細構造内に塩及び液体含有相を含めることによって達成できる。これにより、輸送中に幼若性海藻を支持するのに十分な湿分を有する塩水微小環境が提供される。
幾つかの実施形態において、フィブリル化サブミクロン表面構造への海藻の付着強度を制御することによって、低多孔性基材などの養殖基材又はその一部を再使用することが可能である。フィブリル化サブミクロン表面構造を制御することにより、養殖を可能にするのに十分強い接着を提供することが可能であるが、強力洗浄などによって固着具を機械的に除去できないほど強力ではない。付着した海藻を取り除いた後に、低多孔性基材を再使用することができる。
以上、本出願の発明を一般的にも特定の実施形態に関しても記載してきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
以上、本出願の発明を一般的にも特定の実施形態に関しても記載してきた。本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態に様々な変更及び変形を加えることができることが当業者に明らかであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等形態の範囲内にある限り、本発明の変更及び変形を網羅することが意図されている。
(態様)
(態様1)
約10%以下の多孔度を有する低多孔性基材、及び、固着具によって海藻を保持するように構成されたフィブリル化サブミクロン表面構造を含む、養殖基材を含む、養殖システム。
(態様2)
前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、1000nm以下の平均フィブリル間距離を特徴とする、態様1記載の養殖システム。
(態様3)
前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、約1000nm以下の平均深さを有する、態様1又は態様2記載の養殖システム。
(態様4)
前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、約5nm以下の平均深さを有する、態様1~3のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様5)
前記低多孔性基材は、約25.4μm(1ミル)~約762μm(30ミル)の厚さである、態様1~4のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様6)
前記低多孔性基材は、約25.4μm(1ミル)~約127μm(5ミル)の厚さである、態様1~5のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様7)
前記養殖基材は、テープ、基材、織布物品、不織布物品、編組物品、ニット物品、布帛、粒子分散体、又は、上述のものの2つ以上の組み合わせとして構成されている、態様1~6のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様8)
前記養殖基材は、バッカー層、キャリア層、複数の層のラミネート、複合材料のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、態様1~7のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様9)
前記低多孔性基材は膨張フルオロポリマーを含む、態様1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様10)
前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである、態様9記載の養殖システム。
(態様11)
前記低多孔性基材は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材である、態様1~10のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様12)
前記低多孔性基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む、態様1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様13)
前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである、態様12記載の養殖システム。
(態様14)
前記低多孔性基材は膨張ポリマーを含む、態様1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様15)
前記膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である、態様14記載の養殖システム。
(態様16)
前記低多孔性基材は膨張ポリパラキシリレン(ePPX)である、態様1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様17)
PTFE基材は、約0.015g-mm/m /日以下の水蒸気透過係数を有し、そして(a)二軸延伸PTFEフィルムを調製すること、(b)延伸PTFEフィルムを高密度化すること、及び、(c)高密度化延伸PTFEフィルムを延伸することを含む方法によって形成される、態様11記載の養殖システム。
(態様18)
工程(c)において、前記高密度化延伸PTFEフィルムは、PTFEの結晶溶融温度を超える温度で延伸される、態様17記載の養殖システム。
(態様19)
前記延伸PTFEフィルムは工程(b)の前に焼結される、態様17又は態様18記載の養殖システム。
(態様20)
前記二軸延伸PTFEフィルムは、延伸PTFEの2つ以上の層を含む、態様17~19のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様21)
工程(a)~(c)は連続様式で行われる、態様17~20のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様22)
前記養殖基材は少なくとも30%の多孔度、約1μm~500μmの平均フィブリル間距離又は約1μm~約500μmの平均細孔径を特徴とするノード及びフィブリル微細構造を有する高多孔性基材をさらに含む、態様1~21のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様23)
前記高多孔性基材は膨張フルオロポリマーを含む、態様22記載の養殖システム。
(態様24)
前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである、態様22又は23記載の養殖システム。
(態様25)
前記高多孔性基材は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材である、態様22~24のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様26)
前記高多孔性基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む、態様22記載の養殖システム。
(態様27)
前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである、態様26記載の養殖システム。
(態様28)
前記高多孔性基材は膨張ポリマーを含む、態様22記載の養殖システム。
(態様29)
前記膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である、態様28記載の養殖システム。
(態様30)
前記高多孔性基材は膨張ポリパラキシリレン(ePPX)である、態様22記載の養殖システム。
(態様31)
前記高多孔性基材は疎水性である、態様22~30のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様32)
前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材は同じ材料を含む、態様22~31のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様33)
前記養殖基材は、低多孔性基材及び高多孔性基材のパターンを有するパターン化基材である、態様22~32のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様34)
前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材のパターンは、組織化又は選択的パターンである、態様33記載の養殖システム。
(態様35)
前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材のパターンはランダムパターンである、態様33記載の養殖システム。
(態様36)
前記養殖基材の少なくとも一部に連携された栄養相をさらに含む、態様1~35のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様37)
前記栄養相は、海藻の成長及び/又は海藻の養殖基材への付着を促進する、態様36記載の養殖システム。
(態様38)
前記栄養相の少なくとも一部は、前記養殖基材内に同伴されるか、前記養殖基材上に同伴されるか、又は、前記養殖基材内及び前記養殖基材上に同伴される、態様36又は37記載の養殖システム。
(態様39)
前記栄養相は前記養殖基材の表面上のコーティングとして存在する、態様36~38のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様40)
前記養殖基材は、バッカー層又はキャリア基材上への堆積のために配合された分散体中の複数の粒子によって提供される、態様1~39のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様41)
前記養殖基材は非対称であり、片側のみに海藻を保持するように構成されたフィブリル化サブミクロン表面構造を含む、態様1~40のいずれか1項記載の養殖システム。
(態様42)
海藻配偶体及び/又は胞子体の集団を、態様1~41のいずれか1項記載の養殖システムの養殖基材と、少なくとも海藻の配偶体及び/又は胞子体の集団の一部が前記養殖基材のナノ構造への固定具を形成するまで接触させることを含む、海藻を養殖する方法。
(態様43)
前記海藻配偶体及び/又は胞子体の集団の一部が前記養殖基材のナノ構造への固着具を形成した後に、前記養殖システムを開放水域環境に配置することをさらに含む、態様25記載の方法。

Claims (43)

  1. 約10%以下の多孔度を有する低多孔性基材、及び、固着具によって海藻を保持するように構成されたフィブリル化サブミクロン表面構造を含む、養殖基材を含む、養殖システム。
  2. 前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、1000nm以下の平均フィブリル間距離を特徴とする、請求項1記載の養殖システム。
  3. 前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、約1000nm以下の平均深さを有する、請求項1又は請求項2記載の養殖システム。
  4. 前記フィブリル化サブミクロン表面構造は、約5nm以下の平均深さを有する、請求項1~3のいずれか1項記載の養殖システム。
  5. 前記低多孔性基材は、約25.4μm(1ミル)~約762μm(30ミル)の厚さである、請求項1~4のいずれか1項記載の養殖システム。
  6. 前記低多孔性基材は、約25.4μm(1ミル)~約127μm(5ミル)の厚さである、請求項1~5のいずれか1項記載の養殖システム。
  7. 前記養殖基材は、テープ、基材、織布物品、不織布物品、編組物品、ニット物品、布帛、粒子分散体、又は、上述のものの2つ以上の組み合わせとして構成されている、請求項1~6のいずれか1項記載の養殖システム。
  8. 前記養殖基材は、バッカー層、キャリア層、複数の層のラミネート、複合材料のうちの少なくとも1つ又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか1項記載の養殖システム。
  9. 前記低多孔性基材は膨張フルオロポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
  10. 前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである、請求項9記載の養殖システム。
  11. 前記低多孔性基材は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材である、請求項1~10のいずれか1項記載の養殖システム。
  12. 前記低多孔性基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
  13. 前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである、請求項12記載の養殖システム。
  14. 前記低多孔性基材は膨張ポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
  15. 前記膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である、請求項14記載の養殖システム。
  16. 前記低多孔性基材は膨張ポリパラキシリレン(ePPX)である、請求項1~8のいずれか1項記載の養殖システム。
  17. PTFE基材は、約0.015g-mm/m/日以下の水蒸気透過係数を有し、そして(a)二軸延伸PTFEフィルムを調製すること、(b)延伸PTFEフィルムを高密度化すること、及び、(c)高密度化延伸PTFEフィルムを延伸することを含む方法によって形成される、請求項11記載の養殖システム。
  18. 工程(c)において、前記高密度化延伸PTFEフィルムは、PTFEの結晶溶融温度を超える温度で延伸される、請求項17記載の養殖システム。
  19. 前記延伸PTFEフィルムは工程(b)の前に焼結される、請求項17又は請求項18記載の養殖システム。
  20. 前記二軸延伸PTFEフィルムは、延伸PTFEの2つ以上の層を含む、請求項17~19のいずれか1項記載の養殖システム。
  21. 工程(a)~(c)は連続様式で行われる、請求項17~20のいずれか1項記載の養殖システム。
  22. 前記養殖基材は少なくとも30%の多孔度、約1μm~500μmの平均フィブリル間距離又は約1μm~約500μmの平均細孔径を特徴とするノード及びフィブリル微細構造を有する高多孔性基材をさらに含む、請求項1~21のいずれか1項記載の養殖システム。
  23. 前記高多孔性基材は膨張フルオロポリマーを含む、請求項22記載の養殖システム。
  24. 前記膨張フルオロポリマーは、延伸フッ素化エチレンプロピレン(eFEP)、多孔性ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、延伸エチレンテトラフルオロエチレン(eETFE)、延伸フッ化ビニリデン-コ-テトラフルオロエチレン又はトリフルオロエチレンポリマー(eVDF-コ-(TFE又はTrFE))及び延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のうちの1つである、請求項22又は23記載の養殖システム。
  25. 前記高多孔性基材は延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)基材である、請求項22~24のいずれか1項記載の養殖システム。
  26. 前記高多孔性基材は膨張熱可塑性ポリマーを含む、請求項22記載の養殖システム。
  27. 前記膨張熱可塑性ポリマーは、膨張ポリエステルスルホン(ePES)、膨張超高分子量ポリエチレン(eUHMWPE)、膨張ポリ乳酸(ePLA)及び膨張ポリエチレン(ePE)のうちの1つである、請求項26記載の養殖システム。
  28. 前記高多孔性基材は膨張ポリマーを含む、請求項22記載の養殖システム。
  29. 前記膨張ポリマーは膨張ポリウレタン(ePU)である、請求項28記載の養殖システム。
  30. 前記高多孔性基材は膨張ポリパラキシリレン(ePPX)である、請求項22記載の養殖システム。
  31. 前記高多孔性基材は疎水性である、請求項22~30のいずれか1項記載の養殖システム。
  32. 前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材は同じ材料を含む、請求項22~31のいずれか1項記載の養殖システム。
  33. 前記養殖基材は、低多孔性基材及び高多孔性基材のパターンを有するパターン化基材である、請求項22~32のいずれか1項記載の養殖システム。
  34. 前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材のパターンは、組織化又は選択的パターンである、請求項33記載の養殖システム。
  35. 前記低多孔性基材及び前記高多孔性基材のパターンはランダムパターンである、請求項33記載の養殖システム。
  36. 前記養殖基材の少なくとも一部に連携された栄養相をさらに含む、請求項1~35のいずれか1項記載の養殖システム。
  37. 前記栄養相は、海藻の成長及び/又は海藻の養殖基材への付着を促進する、請求項36記載の養殖システム。
  38. 前記栄養相の少なくとも一部は、前記養殖基材内に同伴されるか、前記養殖基材上に同伴されるか、又は、前記養殖基材内及び前記養殖基材上に同伴される、請求項36又は37記載の養殖システム。
  39. 前記栄養相は前記養殖基材の表面上のコーティングとして存在する、請求項36~38のいずれか1項記載の養殖システム。
  40. 前記養殖基材は、バッカー層又はキャリア基材上への堆積のために配合された分散体中の複数の粒子によって提供される、請求項1~39のいずれか1項記載の養殖システム。
  41. 前記養殖基材は非対称であり、片側のみに海藻を保持するように構成されたフィブリル化サブミクロン表面構造を含む、請求項1~40のいずれか1項記載の養殖システム。
  42. 海藻配偶体及び/又は胞子体の集団を、請求項1~41のいずれか1項記載の養殖システムの養殖基材と、少なくとも海藻の配偶体及び/又は胞子体の集団の一部が前記養殖基材のナノ構造への固定具を形成するまで接触させることを含む、海藻を養殖する方法。
  43. 前記海藻配偶体及び/又は胞子体の集団の一部が前記養殖基材のナノ構造への固着具を形成した後に、前記養殖システムを開放水域環境に配置することをさらに含む、請求項25記載の方法。
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