JP2018167535A - 積層シートおよびその積層シートを用いた種子の発芽方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】種子の成長促進効果に優れて、発芽率をより向上させることもできる積層シート、及び、前記積層シートを用いた、土や砂、ほこり等の異物原因が存在する場所でも、それらの異物混入を防止できる植物の種子の発芽方法の提供。【解決手段】酸素透過膜層2と、両親媒性ポリマーで被覆された不織布層1とを有する積層シート10。酸素透過膜層2を形成する酸素透過膜が、シリコーンゴム膜、エチレン−ビニルアルコール共重合体膜、有孔低密度ポリエチレンシート膜、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピレン)膜から選択される1以上の酸素透過膜でありその厚さが50〜2000μmである積層シート。また、積層シート10の不織布層1側を上側にして、不織布層1側に植物の種子を配置する工程を有する植物の種子の発芽方法。【選択図】図1

Description

本発明は、不織布層と酸素透過膜層とを有する積層シートに関する。また、前記積層シートは発芽用に用いられるものとすることができ、前記積層シートを用いた種子の発芽方法に関する。
農業は、土壌や天候等の自然環境の影響を受けやすい産業である。農業の効率化等を目的に、ビニールハウス用のフィルムや、ポリポット、トレーのように、農業の様々な工程で使用される樹脂製品等が開発され実用化されている。また、樹脂製品等に特有の性質を利用して、種子の安定的な発芽や、農作物の生育等を図る技術も種々検討され実用化されている。
特許文献1は、根に対する酸素供給と、水および肥料成分供給との双方とも好適に行うことを可能とする植物栽培用器具、および植物栽培方法を提供することを目的とするもので、植物体の栽培に使用するための器具であって;該器具が、三次元的な形状を有するフィルムを少なくとも含み、且つ、該フィルムが、前記植物体の根と実質的に一体化し得るフィルムを少なくとも含む植物栽培用器具を開示するものである。
また、特許文献2は、フィルム上で植物を長期間栽培しても、該植物の根が該フィルムを貫通しない植物栽培用システムおよび植物栽培方法を提供するものであり、植物をその上で栽培するためのポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、該PVA系フィルムの下面に接触するように配置された養液保持手段、および該養液を、該PVA系フィルムの下に供給するための手段を含む植物栽培用システムであって;該PVA系フィルムの水中(30℃)における平衡膨潤度が125%以上250%以下の範囲かつ該PVA系フィルムの水中平衡膨潤状態(30℃)での損失正接(tan δ)が0.005以上0.2以下であることを特徴とする、植物栽培用システムを開示するものである。
特開2006−180837号公報 特開2015−37386号公報
本発明は、農業用資材等に適した積層シートを開示することを目的とするものである。ここで、本発明者らは、農業において、優れた土壌等を用いても発芽率が十分に高いとは言えない場合があることに着目した。このために、発芽させた後の苗の状態として農作物は販売されることも多い。しかし、この苗もそもそもの発芽時の発芽率を十分に向上させることができなければ、総合的には農作物の生産効率の課題は残ったものとなる。
特許文献1および特許文献2等は、植物栽培用システム等を開示するものだが、発芽時の課題等を十分に検討してそれを解決するに足るものではない場合があり、さらなる改良技術も求められていた。
係る状況下、本発明は、種子の成長促進効果に優れて、発芽率をより向上させることもできる積層シートを提供することを目的とする。ここで、この積層シートには、農業がおこなわれるような環境でも、土や砂、ほこり等の異物原因が存在する場所でも、それらの異物混入も防止して、利便性に富んだ積層シートを提供することも目的とする。また、ロール状での巻き取り等が可能な簡便に使用できる構造とすることができる積層シートを提供することもできる。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 酸素透過膜層と、両親媒性ポリマーで被覆された不織布層とを有する積層シート。
<2> 前記酸素透過膜層を形成する酸素透過膜が、シリコーンゴム膜および、エチレンビニルアルコール共重合体膜、有孔低密度ポリエチレンシート膜、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)膜からなる群から選択される少なくとも1以上の酸素透過膜である前記<1>記載の積層シート。
<3> 前記酸素透過膜層の厚みが50μm〜2000μmである前記<1>または<2>記載の積層シート。
<4> 前記不織布層の不織布が、ポリエチレンテレフタレートおよび、ポリエステル、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1以上の素材を用いた不織布である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の積層シート。
<5> 前記不織布層の厚みが5mm以上である前記<1>〜<4>のいずれかに記載の積層シート。
<6> 前記両親媒性ポリマーが、疎水性分子部と、親水性分子部とを有し、
前記疎水性分子部が、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、シリコーンからなる群から選択されるいずれかの高分子を構成する分子構造を有し、
また、前記親水性分子部が、ポリアミノ酸、水溶性コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デンプン、ポリスルホン、ポリエチレングリコールからなる群から選択されるいずれかの高分子を構成する分子構造を有するポリマーである前記<1>〜<5>のいずれかに記載の積層シート。
<7> 前記積層シートが、発芽用に用いられるためのシートである前記<1>〜<6>のいずれかに記載の積層シート。
<8> 前記<1>〜<7>のいずれかに記載の積層シートの、不織布層側を上側とし、前記不織布層側に、植物の種子を配置する工程を有する植物の種子の発芽方法。
本発明の積層シートによれば、使用環境下での異物混入を防止し、種子等が効率よく成長する。これにより発芽率の向上や、その発芽した苗に相当するものを所定の期間、一定の品質で維持することも可能とすることができる。
本発明の積層シートの概要を示す略断面図である。 本発明の積層シートを農業用に用いて種子の発芽を行うときの概要図である。 本発明の積層シートにより小松菜を発芽させた実施例に係る写真である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
本発明は、酸素透過膜層と、両親媒性ポリマーで被覆された不織布層とを有する積層シートに関するものである。以下、本願において、この積層シートを「本発明の積層シート」と略記する場合がある。本発明の積層シートの代表的な構造を図示すると、図1に示すように、不織布層1と、酸素透過膜層2とを有する積層シート10である。本発明の積層シートは、酸素透過膜層を介して不織布層へ、気体(特に酸素)が透過する。また、酸素透過膜層を有することから、酸素透過膜層を設けた面から不織布層へ土や砂、誇り等の異物等の混入が防止される。さらに、不織布層が両親媒性ポリマーで被覆されており、両親媒性ポリマーの被覆層を有するものとなっているため、一般的に疎水性材料で形成されている不織布に親水性や保水性が付与される。このような特徴によって、不織布単独や、酸素透過膜単独では活用できなかった種々の用途に利用することができる。
本発明の積層シートは、この構成により、たとえば農業用シートとして利用することができる。農業の現場においては、不織布の厚みや多孔性を利用することが求められる場合がある。このとき、本発明の積層シートの構成とすると、酸素透過膜を地面等に接する配置とすることで不織布層への土等の侵入による目詰まり等を防止して安定した利用が可能となる。さらに、不織布層に親水性・保水性が付与されていることから、植物の成長等に必須の水を長時間少しずつ供給しやすいものとなる。これは、種の発芽のときに非常に有用な特性である。種が発芽して、その根は不織布層内に伸長することで安定して定着する。更に、両親媒性ポリマーが吸水・保水している水を少しずつ根が吸収することで、安定した生育が可能となる。また、このとき本発明の積層シートは酸素透過膜層を有しているため、地面側からも酸素供給等のガス交換が適切に行われ、必要に応じて容易にその設置場所を選択・変更することができる。さらに、土や土壌を全く使用しない農業用作物育成システムに利用でき、コンピュータシステム等で管理・サポートする大規模農場での活用にも適している。
本発明の積層シートは、酸素透過膜層を有する。この酸素透過膜は、シート状や、フィルム状等の膜状体であり、一般的なポリエチレンやポリエチレンテレフタレート等のシートやフィルムよりも酸素透過性が高いものである。このような酸素透過膜の層を有する積層シートとすることで、ガス透過性も有するものとすることができる。このような酸素透過膜を用いることで、異物の侵入を防止でき、さらに、放射線や汚水地域や、作物に不適合な土地でも設置しやすい。
本発明の積層シートに用いられる酸素透過膜は、シリコーンゴム膜および、エチレンビニルアルコール共重合体膜、有孔低密度ポリエチレンシート膜、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)膜からなる群から選択される少なくとも1以上の酸素透過膜であることが好ましい。このような酸素透過膜は、本発明の積層シートに適したガス透過性を十分に発揮することができ、かつ、土壌等の粒子がほとんど透過しない程度に、孔がないフィルムやシート等である。さらに、水を透過しないものであってもよい。また、これらは組み合わせて利用してもよく、水を透過しない酸素透過膜と、土壌粒子を透過しない酸素透過膜とを併用することができる。この併用とすれば、水を透過しない酸素透過膜(PDMS系シリコーンゴム膜等)を薄膜としても、十分な強度と機能性を示す酸素透過膜とすることができる。
本発明の積層シートに用いられる酸素透過膜層の厚みは、その素材に操作性や酸素(ガス)透過性等を鑑みて適宜設定される。この酸素透過膜層の具体的な厚みを例示すると、その厚みが50μm〜1000μmであることが好ましい。厚みが薄すぎる場合、積層シートとしての靭性が不足し展開・収納時等に扱いにくかったり、引裂きや衝撃等により破断等が発生しやすかったりと、機械的特性が不足する場合がある。十分な機械的特性を発揮するために厚みの下限は、80μm以上とすることが好ましく、100μm以上とすることが好ましい。一方、必要以上に厚みを厚くする必要はなく、その上限は2000μm程度とすることができる。上限は、1000μm以下とすることができ、800μm以下とすることもできる。
本発明の積層シートは、不織布層を有する。不織布層を有することで、不織布層が多孔性を示すことから、土壌に類する特性とすることができる。また、その環境を安定して再現することができ、工業的な管理も可能となる。この不織布層は、目的に応じた適切な孔径を選択して、その孔内に植物の根などが伸長することができる。また、過剰に水が供給されている不織布層の孔を通って、それらの水は容易に排出されることから、根腐れ等も発生しにくい。
本発明の積層シートに用いられる不織布は適宜その素材等が決定される。具体的なものを例示すると、本発明に用いられる不織布層の不織布は、ポリエチレンテレフタレートおよび、ポリエステル、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、フッ素系樹脂、ガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1以上の素材を用いた不織布であることが好ましい。これらの不織布は、汎用されているものも多く、不織布の孔径(繊維径、目付量等による調整)を適宜選択や設計することもできる。より好ましくは、この素材には、少なくとも、ポリエステルまたは、ポリエチレンのいずれかの素材を用いることが特に好ましい。なお、複数の素材を組み合わせて不織布を形成したり、異なる素材で形成した複数の不織布の層を重ねて使用することもできる。
本発明に用いられる不織布層の厚みは、具体的な用途や、植物発芽用とする場合、その芽の種類や時期、使用環境等により適宜設計することができる。その厚みを例示すると、不織布層の厚みは5mm以上であることが好ましい。不織布層の厚みを5mm以上とすることで、根の定着等が安定する。より好ましくは10mm以上、更に好ましくは20mm以上とすることができる。一方、その厚みの上限は特にないが、過剰に厚くすると、非使用時の保管性が低下したり、積層シート全体としての製造効率が低下する場合がある。このような観点から、その上限は、100mm以下や、より好ましくは80mm以下とすることができる。
本発明の積層シートは、不織布層を、両親媒性ポリマーにより被覆したものである。この両親媒性ポリマー(Amphiphilic Polymer)とは、ポリマーが、疎水性分子部と、親水性分子部とを有することで、疎水性と、親水性との両方の特徴を有するポリマーである。一般に、前述に例示した素材等で製造されているように、汎用されている不織布はその表層が疎水性を示すものが多い。植物等の生育のためには、水は必須であることから、不織布のみでは十分な植物の生育を達成することができない。本発明は、この不織布の繊維を両親媒性ポリマーで被覆した部分を有する。両親媒性ポリマーを不織布に接触させると、微視的な現象としてみたとき、その疎水性分子(ブロック)が不織布(の繊維)側に配列され、親水性分子(ブロック)が表層側に配列される。このことから、実質的に、不織布の繊維の表層に親水性・保水性等の親水性分子の機能を付与することができる。この親水性により、植物の成長等に必要な水を不織布の表層全体から供給することができる。
本発明の積層シートに用いられる両親媒性ポリマーは、植物生育等の、積層シートが用いられる具体的な用途に合わせて、適宜、選択して使用することができる。特に、生体適合性を有することが好ましく、生体、特に細胞、バクテリア、種子、魚、貝などの卵等に適合性、つまり、接着性と、増殖性をもつ性質を有することが好ましい。
この両親媒性ポリマーを具体的に例示すると、次のようなものが使用できる。両親媒性ポリマーが、疎水性分子部と、親水性分子部とを有し、前記疎水性分子部が、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、シリコーンからなる群から選択されるいずれかの高分子を構成する分子構造を有し、また、前記親水性分子部が、ポリアミノ酸、水溶性コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デンプン、ポリスルホン、ポリエチレングリコールからなる群から選択されるいずれかの高分子を構成する分子構造を有するポリマーが例示される。このポリマーは、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。
この両親媒性ポリマーは、疎水性分子(高分子、ブロック)と、親水性性分子(高分子、ブロック)が、重合して、一つの分子内に疎水領域と親水領域を持つ分子(ポリマー)であってもよい。すなわち、本発明の両親媒性ポリマーは、疎水性高分子ブロックと、親水性高分子ブロックとを有し、この疎水性高分子ブロックが、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、シリコーンからなる群から選択されるいずれかの高分子の構造のブロックを有することが好ましい。
また、前記親水性高分子ブロックが、ポリアミノ酸、水溶性コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デンプン、ポリスルホン、グリセリンからなる群から選択されるいずれかの高分子の構造のブロックを有するポリマーであることが好ましい。
本発明の積層シートは、例えば、次のように製造することができる。まず、不織布に、両親媒性ポリマーの溶液を接触させて、溶液の溶媒を乾燥させることで不織布を両親媒性ポリマーで被覆する工程を行う。この時、適宜、過剰な溶液を減圧環境等で除去して、不織布の孔に目詰まり等がより生じないような工程としてもよい。また、両親媒性ポリマーの溶液の溶媒は、両親媒性ポリマーが溶解や分散し、乾燥除去等行った後に、微量残存しても用途に影響を与えないものが適宜選択される。例えば、水や、エタノール、アセトン等が使用できる。
次に、この両親媒性ポリマーで被覆された不織布を、酸素透過膜と貼り合わせる。この貼り合わせは、各シート状やロール状の不織布と、酸素透過膜とを、重ね合わせて、その間に適当な接着剤を供給しながら貼り合わせたり、ロール間で適宜加熱しながら圧着することで貼り合わせたりすることができる。
このように製造された積層シートは、酸素透過性膜(シート)と、種子適合性の不織布とが一体構造になったシートであり、大量生産等に適しており、ロール状等とすることもできる。また、このようなロール状等の取り扱いやすさから、任意の場所に簡単に設置できる構造である。
この積層シートの具体的な使用時には、例えば、植物の種子の発芽用シートとして利用できる。この具体的な使用時の状況の一例を、図2を参照して説明する。この本発明の積層シートを用いた発芽方法においては、積層シートの不織布層側を上側とし、前記不織布層側に、植物の種子を配置する工程を行い、植物の種子を発芽させることができる。なお、このシートは、不織布層の上側に給水配管となる点滴チューブを設けるのみで十分な水分を供給することができる。また、土壌(地面)からの異物の混入を防止することができる。この積層シート状に種子をまくと、不織布層の間隙に種子が適宜補足される。更に、不織布層の孔に種子の根は伸長して生育する。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[試料]
(A)酸素透過膜
・シリコーンゴム膜(1):SIR(株)「C6−530」(PDMS系シリコーンゴム膜)を、80℃にて真空乾燥を7日間行ったものをシリコーンゴム膜(A)として用いた。このシリコーンゴム膜(A)は、厚み0.3mmm(300μm)である。
(B)不織布層
・不織布(1):日本バイリーン株式会社製「FC−1006」(繊維組成:ポリオレフィン、目付100(g/m2)、厚み6mm)
(C)両親媒性ポリマー
・APP:疎水性ブロック:ポリウレタン、親水性ブロック:ポリスルホン酸のブロック共重合体 疎水性ブロックMw約2万、親水性ブロックMw約2万 総分子量Mw:約4万
[積層シートの製法]
・積層シート(A1)の製造について
(工程S1)不織布への両親媒性ポリマーの被覆
濃度1.5質量%の両親媒性ポリマーAPPの溶液(溶媒:ジメチルスルホキサイド(DMSO))に、前記不織布(1)を浸漬させて、溶液から取り出して、純水に浸漬させることで不織布に両親媒性ポリマーをコーティングした。その後、さらに、70度で熱風乾燥することで得られた、不織布の表層を両親媒性ポリマーAPPで被覆した不織布を、以下、AP不織布(1)と略記する。
(工程S2)接着法(シリコーンゴム膜と、不織布)
前記AP不織布(1)とシリコーンゴム膜とを重ね合わせて、ロール間で圧下することで、圧着させて、積層シート(A1)を得た。
・積層シート(B1)の製造について
前記積層シート(A1)の製造において、工程S1の両親媒性ポリマーの被覆を省略して、両親媒性ポリマーによる不織布の被覆を行わずに、直接不織布とシリコーンゴム膜とを接着させて、積層シート(B1)を得た。
[積層シートの物性]
得られた積層シート(A1)は、シリコーンゴム膜と、不織布との厚みがほぼ維持されたもので、その合計厚みは、約6.3mmであった。また、この不織布層に散水したとき、保水性を示した。
[積層シートの評価(発芽試験)]
種子:小松菜(株式会社トーホク ニュージーランド産)
生育:積層シート(A1)、(B1)を用いて、それぞれの不織布層側を上にして、前記の小松菜の種子を散布した後、日当たりのよい場所で、1日おきに水をまき、種子の成長を観察した。
図3に、積層シート(A1)を用いて、発芽試験を行った結果を示す。積層シート(A1)を用いると、3日、7日と、日数の経過とともに、順調に種子が発芽した。なお、両親媒性ポリマーによる被覆を行っていない積層シート(B1)は、発芽が見られず、7日経過後も、ほぼ種子のままの状態であった。
また、積層シート(A1)による発芽試験を行ったとき、根が不織布に張り込み、手で引き抜きにくく、強く安定した根の伸長・定着が見られた。また、図3に示すように、不織布シートを設置した場所の地面側からの汚染は見られなかった。
本発明の積層シートは、例えば農業用に使用するとき、種の出芽、定着に寄与して、発芽用シートとして使用することができ、これにより、安定した発芽、生育を可能とすることができ産業上有用である。
1 不織布層
2 酸素透過膜層
10 積層シート

Claims (8)

  1. 酸素透過膜層と、両親媒性ポリマーで被覆された不織布層とを有する積層シート。
  2. 前記酸素透過膜層を形成する酸素透過膜が、シリコーンゴム膜および、エチレンビニルアルコール共重合体膜、有孔低密度ポリエチレンシート膜、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン)膜からなる群から選択される少なくとも1以上の酸素透過膜であることを特徴とする請求項1記載の積層シート。
  3. 前記酸素透過膜層の厚みが50μm〜2000μmであることを特徴とする請求項1または2記載の積層シート。
  4. 前記不織布層の不織布が、ポリエチレンテレフタレートおよび、ポリエステル、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、ガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1以上の素材を用いた不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
  5. 前記不織布層の厚みが5mm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
  6. 前記両親媒性ポリマーが、疎水性分子部と、親水性分子部とを有し、
    前記疎水性分子部が、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ナイロン、シリコーンからなる群から選択されるいずれかの高分子を構成する分子構造を有し、
    また、前記親水性分子部が、ポリアミノ酸、水溶性コラーゲン、ゼラチン、セルロース、デンプン、ポリスルホン、ポリエチレングリコールからなる群から選択されるいずれかの高分子を構成する分子構造を有するポリマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
  7. 前記積層シートが、発芽用に用いられるためのシートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の積層シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層シートの、不織布層側を上側とし、前記不織布層側に、植物の種子を配置する工程を有する植物の種子の発芽方法。
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