JP2023532306A - ポリエステル廃棄物のリサイクルを可能にする方法及びその方法を適用するシステム - Google Patents

ポリエステル廃棄物のリサイクルを可能にする方法及びその方法を適用するシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、アルコール分解によりポリエステルを解重合することによってポリエステル廃棄物の流れのリサイクルを可能にするプロセスであって、解重合の少なくとも第1の段階、及び解重合の別の第2の連続する段階を含み、当該第1の段階及び第2の段階にポリマー廃棄物の流れが連続的に供され、前記2つの連続した段階の第1の段階において、少なくとも部分的に解重合されたポリエステルの溶融物を含む流体混合物を生成するために、前記ポリエステル廃棄物の流れが、該ポリエステルの溶融温度よりも高い温度で運転される押出機に、第1の量のアルコールを該押出機に共供給しながら連続的に供給され、前記第2の段階において、前記流体混合物が、前記ポリエステルの溶融温度よりも高い温度で運転される連続攪拌槽反応器(CSTR)に、第2の量のアルコールをCSTRに同時供給しながら、連続的に供給され、CSTR中の滞留時間を使用して、CSTRの出口でオリゴマーエステルに解重合されたポリエステルの連続した流れを提供する、プロセスに関する。本発明はまた、この方法を適用するためのシステムに関する。

Description

本発明は、ポリエステル廃棄物、特にポリエチレンテレフタレート(PET)のような半結晶性ポリエステルを含む材料をリサイクルする分野、及びリサイクルプロセスを適用するシステムに関する。
ソーダボトル及び織物を製造するための糸材料に一般に使用されるようなPETなどのポリエステルは、一般にリサイクルされる。使用済のポリエステルリサイクル産業は、廃棄物管理を改善するという外圧の結果として始まった。ポリエステルリサイクル産業の原動力として作用するもう1つの側面は、ポリエステル製品の自然分解の速度が遅いことである。多くのポリエステルは、その比較的大きな分子を消費することができる既知の生物が存在しないので、通常の条件では非分解性プラスチックである。ポリエステルが生物学的に分解するためには、複雑で高価な操作が必要である。
ポリエステル廃棄物(すなわち、使用済のポリエステルの対象物又は材料)の世界での最初のリサイクル努力は1970年代に行われたが、適切なリサイクルプロセスの開発は急速に進化した。例として、2000年のオーストラリアにおけるPETの全消費量は88,258トンで、28,113トンが回収され、回収率は約32%であった。PETのリサイクルを成功させるためには、PETフレークはある特定の最低限の要件を満たすべきであると多くの研究者が報告した。使用済のPETフレークのリサイクルへの適合性に影響を及ぼす主な要因は、フレーク中に存在する汚染物質のレベル及び性質である。これらの汚染物質の量を最小限にすることは、より良いrPET(すなわち、再生PET)品質につながる。PETは、これらの物質を保管するためのPETボトルの使用により、酸生成汚染物質、水、着色汚染物質、アセトアルデヒド、及び洗浄剤、燃料、農薬などの他の汚染物質など多くの物質で汚染されている。
ポリエステル廃棄物をリサイクルするために、様々な異なるタイプのプロセスが適用されてきており、それぞれがその良い点及び悪い点を有する。
ポリエステル廃棄物をリサイクルする第1級のプロセスは、熱分解及び炭化などのいわゆるエネルギーリサイクルである。ポリエステル廃棄物の熱分解は1980年代初期に初めて記述された。それは埋立地でのPET処分に代わるものである。一般に、ポリエステル廃棄物は、プラスチック廃棄物をさらに精製することなく熱分解される。熱分解の大部分は、化石燃料の代替物として、又は化学物質の供給源として、脂肪族及び芳香族炭化水素を製造するために行われる。炭化はポリエステル廃棄物を熱分解する第2の方法である。
ポリエステル廃棄物をリサイクルするための第2級のプロセスは、ポリエステル廃棄物の単なる分別、次に分別された物質の,ストーンマスチックアスファルト、セメント質材料、モルタル又はコンクリート複合体中の添加剤としての使用である。ポリエステル廃棄物は、他のポリマーとの混合物で供給され得るので、ポリエステル材料は、再加工の前にこれらのポリマーから分離されなければならない。そのため、フロス浮選法、湿式振盪台、膨潤法又は熱力学的手法をはじめとするいくつかの方法が開発された。
これに次いで、ポリエステル廃棄物をリサイクルする(熱)力学的方法に基づく一群のプロセスがある。熱力学的リサイクルの最も簡単な方法は、仕分けられたポリエステル廃棄物を再溶融することである。この方法は、例えば、分別したPETボトルを粉砕した形で再溶融し、飲料包装としてのボトルに再処理するボトルツーボトル(bottle-to-bottle)技術に応用されている。熱再処理PETについていくつかの研究が行われた。このプロセスの間、ポリマーは、高温、せん断力及び圧力に曝される。このため、PETの熱分解が起こる。結果として、通常、再処理材料の熱的及び機械的特性の低下が生じる。したがって、ポリエステル廃棄物の熱再処理が繰り返されると、材料のダウンサイクリングが起こる。リサイクルされたポリエステル材料の望ましくない着色の問題は、典型的には、添加剤を使用することによって克服される。ポリエステル廃棄物の収集は、一般に、異なる色のポリエステル材料の混合物を伴うので、このような熱的に再処理された材料は、リサイクルされたポリエステルの望ましくない着色をもたらす。したがって、ポリエステル廃棄物への補色の添加は、着色を隠蔽するために適用されてきた。この方法は承認された方法であるが、特に食品包装材料としての、リサイクルされたポリエステルの使用を厳しく制限している。
ポリエステル廃棄物をリサイクルするための第4級のプロセスは、いわゆる化学リサイクル(化学分解)プロセスであり、ポリエステル廃棄物のリサイクルは、モノマー及び/又はオリゴマーへの解重合によって可能にされる。このクラスは、化学分解に用いられる反応物質の種類によって多数のサブクラスに分けることができる。
一例として、2000年頃に初めて記述された解重合のためのイオン性液体の適用がある。この方法は、ポリマーのための環境に優しい分解剤を提供し、穏やかな反応条件下での分解を可能にするために、アルコール分解(高圧及び高温並びに不均一反応生成物)又は酸性及びアルカリ性加水分解(汚染問題)のような他の方法の欠点を回避するために開発された。しかし、これまでに、得られた反応生成物の用途については記載されていない。
代替として、解重合のためにヒマシ油が適用される。この方法は、PET解重合のための石油化学剤(例えば、グリコール)の再生可能な代替物を提供するために開発された。解重合後、反応生成物はポリウレタン系の調製を目的とした。しかし、適用されたヒマシ油の量が過剰であるため、特徴的な分子量を決定することは非常に困難であるようである。また、反応温度を正確に制御しても、反応生成物の不均一な混合物が得られる。
酵素を用いたポリエステルポリマーの分解は、1970年代に初めて記述された。イオン性液体及びヒマシ油の使用として、この生化学的方法が開発され、従来の化学リサイクル法とは対照的に、ポリマーリサイクルの環境に優しい手順を提供した。しかし、ポリエステルの完全な解重合に関しては効率がかなり低いため、再利用のための均一反応生成物の定量的な回収は不可能である。
PETの解重合のためのアルコール分解は、1990年代初期に初めて記述された。この方法は、ポリマーのための再生可能でより環境に優しい分解剤を提供するために、酸性及びアルカリ性加水分解の欠点(汚染問題)を回避するために開発された。一般に、ポリエステルは、対応する酸及びエチレングリコールの対応するエステルを得るために過剰量のアルコールで解重合される。アルコール分解法の中で、メタノールとの反応は、価格が安く、メタノールが利用可能であるため、特に重要であった。また、エチレングリコール(ジオール、その使用はときに「グリコール分解」として別に分類されるが、アルコール分解のクラスに入る)は、低分子量オリゴマーを生成するために主に反応性押出に使用される。しかし、粗反応生成物は、モノマー、オリゴマー及びポリマーの不均一混合物からなるので、これらのオリゴマーはさらなる処理のために分離及び精製されなければならない。ペンタエリトリトール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-ヘキサノール並びに2-エチル-1-ヘキサノールのような種々の他のアルコールが有用であると記載されている。また、BHET、ネオペンチルグリコール(NPG)、テトラエチレングリコール(TEEG)、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド及びターポリ[ポリ(オキシエチレン)-ポリ-(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)のような、エチレングリコール以外のジオールは、アルコール分解によりポリエステルを解重合する分野に記述されている。しかし、全ての場合において、不明確な低分子量オリゴマーの混合物が典型的に得られる。アルコール分解のもう1つの深刻な不都合な点は触媒の必要性である。最も重要な触媒は酢酸亜鉛及びマンガンであった。さらなる触媒はコバルト及び酢酸鉛である。このような触媒の必要性は、ポリエステル廃棄物の再利用のためのアルコール分解の広範な応用を妨げる。
アミノリシス及びアンモノリシス(ammonolyis)は、ポリエステルのアルコール分解に用いられる水酸基又はアルコールよりもアミン基の反応性が高いため、ポリエステルリサイクルのために開発された。しかし、アルコール分解と同様、金属触媒の必要性が残っている。
最後に、ポリエステルの代替的な化学リサイクルは、規定量の解重合剤によるブロッキング鎖切断を用いたポリエステルの制御された解重合によって行われる(eXPRESS Polymer Letters 10巻、7号(2016)559-586のGeyerらを参照)。この方法は、アルコール分解のような既存の化学的方法よりも広い範囲で、明確な分子量のポリエステルオリゴマーを生産する。しかし、この方法は、ポリエステル材料を分別する必要があり、汚染物を含まない必要がある。
エネルギー的及び熱力学的リサイクルは物質のダウンサイクリングを伴う一方で、化学的リサイクリングではかなりの量の化学物質が必要であり、化学的リサイクリングではそのコストが高く、最終生成物のバラツキ(廃棄物の種類に大きく左右される)、(金属)触媒の使用の必要性、着色剤の除去の難しさが主な欠点である。したがって、ポリエステル廃棄物のリサイクルを可能にする方法、システム及びプロセスの改善が必要である。
Geyerら、eXPRESS Polymer Letters 10巻、7号(2016)559-586
本発明の目的は、廃棄物中のポリエステルの分子量(ひいては、織物及びトレー材料では典型的には0.65dl/g、ボトル等級製品では0.80dl/g、ストラッピング(strapping)では0.95dl/g、及び強力糸では1.0dl/g以上で典型的に変化する固有粘度)とは無関係に、及び着色剤、顔料及び他の粒状物質のような汚染物質の量とは無関係に、触媒を加える必要なくポリエステルを所定のオリゴマー長に解重合させることによって、ポリエステル廃棄物の再利用を可能にし、同時に、任意の要求される分子量の高級のポリエステルへの再重合に適するように精製することができるプロセス及びシステムを考案することである。
本発明の目的を満たすために、アルコール分解によってポリエステルを解重合することによってポリエステル廃棄物の流れのリサイクルを可能にするプロセスが開発され、このプロセスは、解重合の少なくとも第1の段階、及び解重合の別の第2の連続する段階を含み、第1の段階及び第2の段階にポリマー廃棄物の流れが連続的に供され、2つの連続する段階の第1の段階において、ポリエステル廃棄物の流れは、ポリエステルの溶融温度よりも高い温度で運転される押出機に、少なくとも部分的に解重合されたポリエステルの溶融物を含む流体混合物を生成するために、第1の量のアルコールを、該押出機に共供給されながら連続的に供給され、第2の段階において、前記流体混合物がポリエステルの溶融温度よりも高い温度で運転される連続攪拌槽反応器(CSTR)に第2の量のアルコールを、CSTRに共供給しながら(このアルコールは必ずしも押出機で供給されるアルコールと同じではない)、連続的に供給され、CSTR中の滞留時間を使用して、CSTRの出口で、オリゴマーエステルに解重合されたポリエステルの連続した流れを提供する。
このように、例えば、PETのようなポリエステルの解重合を、出発(廃棄)物のIVとは無関係に、連続的で、したがってエネルギーを節約するプロセスにおいて正確に制御することができ、その結果、ポリエステルは、非常に低い多分散性(典型的には2付近)を有していても、触媒を加える必要がなく、所定のオリゴマー長のオリゴマーエステルに分解され、同時に、該段階の間又はCSTR後の中間粘度は、顔料及び充填剤のようなあらゆる粒子状物質を濾過のような簡単な方法によって除去するのに十分なほど低いことがわかった。これは、任意の要求される分子量の高級のポリエステルを得るために解重合材料を使用する選択肢を提供する。したがって、触媒を加える必要がなくても、低エネルギーを必要とするプロセスにおいて、ポリエステル廃棄物を最終的に高級ポリエステルにアップサイクルすることができる。
本発明は、記載されたような有利な効果を一緒に提供する特徴の組合せに基づく。重要なことは、アルコールがポリエステルを解重合できる温度で働く二段階の特徴が、第1の段階で解重合量を出発材料の分子量(したがってIV)まで調節できるという選択肢を提供することである。このように、第2の段階のインプットはあまり変化しないので、アウトプットされたオリゴマーエステルの制御が容易になる。次いで、第1の段階は、出発材料がその開始構成から大幅に独立して、十分に混合されて、解重合の適切な制御を可能にする高密度均質溶融物となるように、押出機を含むことが必須である。出願人は、CSTR内の滞留時間を用いて、固有のエステル交換によって低多分散性レベルに到達させることができることを認識した。押出機でのアルコールの適正投与によりCSTRのインプットを制御することにより、CSTRのアウトプットも温度及び滞留時間に基づいて適切に制御できる。もうひとつの重要な特徴は、両段階におけるアルコール分解の使用である。当技術分野では加水分解が最も一般的に用いられているが、これが再重合しにくいオリゴマー生成物につながることがわかった。加水分解は本質的に遊離カルボキシル基を導入し、これが、少なくともアルコールを用いることによる解重合の結果であるオリゴマー生成物と比較して、オリゴマー材料の再重合を否定的に妨害するようである。驚くべきことに、このプロセスは触媒を加えることなく操作できる。理論に拘束されないが、この理由の一部は、ポリエステル廃棄物には微量の金属(触媒)が含まれているという事実及びそのプロセスが連続的に行われるために、廃棄物は十分に分解されるまで連続的に高温に保たれるという事実のためと考えられる。もう一つの重要な側面は、解重合が必ずしもモノマーに至る必要はないことを出願人が認識したことである。モノマーは、混じりけがなく明確な出発材料であるという利点を提供し、したがって一般には再重合に理想的であると認識されているが、重合がどのように行われなければならないかという事実を考慮すると、明確なオリゴマーについても同じことがあてはまるというのが出願人の認識であった。これまで遭遇した問題は、常に、(種々の)ポリマー廃棄物の解重合から生じるあらゆるオリゴマー生成物の不均一な性質であり、したがって、モノマーに解重合することを望むことであった。しかし、その問題は、本発明のプロセスを用いて克服することができる。このように、出願人は、その組成を制御できる限り、ポリエステルをオリゴマーエステルに解重合させるだけで十分であることを確認し、同時に、2つの段階間又はCSTRの後の粘度が十分に低く、濾過のような簡単な技術を適用して、顔料及び充填剤のようなあらゆる粒子状汚染物質、又はこのプロセスで分解されなかったあらゆる非ポリエステルポリマーをも除去できることを保証した。様々な段階での解重合のレベル、ひいては得られた粘度を制御することにより、本発明の連続プロセスにおいて、ラインフィルタに適用して、あらゆる非ポリエステル材料をほとんど付加的なエネルギーコストなしで除去することが可能である。
本発明は異なる種類のポリエステルに有効であることがわかった。また、アルコールの量及び種類は、一般的に知られているようにそれ自体で、解重合プロセスに最も重要なことではない。ポリエステルの種類、アルコールの種類及び量に応じて、異なるレベルの重合(滞留時間のような他の状況が同じ場合)に到達するか、又は所定のレベルの解重合に到達するための状況を変化させることができる。これは、(部分的に解重合された)ポリエステル混合物の粘度を測定することによって制御することができる。特定のアルコールによる解重合の種々の段階におけるあらゆる種類のポリエステルについて、粘度と解重合との間の関係を規定する基準曲線を予め作成することができる。
当技術分野では、本発明の特徴を部分的に使用するプロセスが知られていることが注目される。例えば、CZ299244(Sirek Milanに譲渡された)は、テレフタル酸塩とエチレングリコールへの二段階の化学分解の原理に基づいて、廃棄物PETの塩基性加水分解のプロセスを開示しており、そのプロセスの第1の段階では、PET廃棄物は、同時に行われる押出加水分解及び解糖によって分解され、第2の段階では、第1の段階を出たPET反応性押出の得られたオリゴマー生成物の溶融物が、連続的な順序及びアルカリ金属水酸化物及び/又は水酸化アンモニウムの水溶液の連続的な投与下で、触媒の存在下での塩基性加水分解に供される。
US4620032(Celanese Corporationに譲渡された)も2段階のプロセスを開示しているが、そのプロセスは加水分解に基づいている。特に、既知のプロセスでは、ポリエステルは、縮合ポリマーの完全な加水分解解重合から生じる生成物又は水のいずれか1つである解重合剤と徹底的に混合される。解重合剤は、第1の段階におけるポリエステルの分子量が少なくとも50%減少するのに十分な時間、ポリエステルと混合される。分子量が低下した処理された縮合ポリマーは、その後、第2の段階で中性加水分解に供されて、完全な加水分解解重合を行って、モノマー材料にし、この材料は再重合に使用することができる。
WO9720886(Eastman Chemical Companyに譲渡された)は、ポリエステルの解重合によってモノマー又は低分子量オリゴマーを生成するために、使用済又はスクラップポリエステルをグリコールと反応させる一段階バッチプロセスを開示する。次に、場合によって、モノマー又はオリゴマーを、濾過、結晶化、及び任意に吸着剤処理又は蒸発をはじめとする多くの工程の1つ以上を用いて精製することができる。
本発明はまた、ポリエステルをアルコール分解により解重合させることによりポリエステル廃棄物の流れをリサイクするシステムにも関し、このシステムは、ポリエステルのアルコール分解を誘導する連続プロセスを実施するための連続的した3つの反応器のライン配置を含み、第1の反応器が、二軸押出機長の末端20%にアルコールを供給するための供給入口を有する二軸押出機であり、第2の反応器が、一軸押出機長の中央30~70%にアルコールを供給するための供給入口を有する一軸押出機であり、第3の反応器が、アルコールを供給するための供給入口を有する連続撹拌槽反応器である。
<定義>
ポリエステルは、モノマー単位がエステル基によって連結されたポリマーである。それらは、典型的には、多価アルコールを多塩基酸で重合することによって形成され、主に樹脂、プラスチック、及び織物繊維の製造に使用される。「酸成分」を提供するモノマー(そのエステル形成誘導体を含む)を「ヒドロキシル成分」を提供するモノマーと反応させる縮重合プロセスによってポリエステルを調製することができることは周知である。所望ならば、ポリエステルは、ある割合の、例えば、-C(=O)-NH(すなわち、アミド結合基)又はC(=O)-N-R-(第三アミド結合基)のカルボニルアミノ結合基のような他の連結基も含み得る。日常生活で使用されるポリエステルは、脂肪族、半芳香族又は芳香族であり得る。典型的な例は、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリエチレンアジペート(PEA)、ポリブチレンスクシネート(PBS)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)及び4-ヒドロキシ安息香酸及び6-ヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸の重縮合生成物であるVectraである。これらのPETのうち、PETE、又は旧式のPETP又はPET-Pとも略称されるものは、ポリエステル群の最も一般的な熱可塑性ポリマー樹脂であり、そのバージン材料は過去数十年の最も重要な工学的ポリマーの1つと考えられている。それは多くの用途に優れた素材と考えられ、衣類の繊維、液体及び食品の容器、製造用の熱成形、工学用樹脂のガラス繊維との併用などに使用されている。また、それはTerylene、Arnite、Eastapac、Mylar、Lavsan、Dacronなどのブランド名でも呼ばれている。ポリエステルは、未だポリエステル材料と称される一方で、非ポリエステルポリマー鎖を50%(w/w)まで(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50%)含有することができる。
ポリエステルの溶融温度は、それより高いとポリエステルが液体の特性を有する温度である。多くのポリマーは典型的には非常に鋭い融点をもたないので、溶融温度は、ポリマーがゆっくりと「皮革様」になり、次いで「粘着性」になり、最後に液体になるかなり広い温度範囲の最高温度であり得る。
ポリエステル廃棄物とは、その消費の耐用期間、すなわち、消費者が実用的又は審美的目的で使用する時期の終了の時点又は終了後の使用済材料であり、本質的にポリエステル及び10%まで(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)の充填剤(例えば、繊維様材料又は粒子状材料)、安定剤、着色料などの添加剤で構成される。
解重合は、元のポリエステル分子をより短い長さの分子、例えば、オリゴマーに分解することによって、分子量を低下させることを意味する。
連続プロセスとは、中断することなく材料を処理するために用いられるフロー生産プロセスである。このようなプロセスにおいて、材料、例えば、乾燥バルク又は流体は、連続的に運動し、化学反応し、及び/又は機械的又は熱処理を受ける。連続プロセスは、バッチプロセスと対比される。
アルコールは、炭化水素中の水素原子を水酸基で置換したときに生成する炭化水素物質又はそのような物質の混合物である。アルコールは一価、二価(すなわち、ジオール)などであり得る。
混合は、1つの塊に組み合わせるか、ブレンドすることを意味する。2種の化合物を混合することは、その化合物が混合されながら反応して、混合物中に他の化合物を形成することを排除するものではない。
固有粘度は、溶液の粘度ηの溶質の寄与に関する尺度であり、「Progress in Biophysics and Molecular Biology」(Harding 1997)を参照されたい。IVはDIN/ISO1628に従って測定できる。典型的には、1%のポリマーの濃度が使用され、溶媒としてm-クレゾールが使用され、IVはdl/gで表すことができる(しばしば後者の次元なしで提示される)。固有粘度を決定する実用的な方法は、Ubbelohde粘度計を用いることによる。
2つの連続した段階は、それぞれの第1及び第2の段階が連続的な様式で続き、従って中断することがないことを意味する。しかし、このことは、この2つの段階の間に1つ以上の中間的な処理工程が追加的に行われることを排除するものではない。
本発明によるプロセスの概観を模式的に示す。 一軸反応性押出プロセスで使用するスクリューを模式的に示す。
本発明によるプロセスのさらなる実施形態では、第1及び第2の量のアルコールのアルコールの総量(したがって、両方の量の合計)は、ポリエステル材料の流れに対して3~12%w/wである。3%未満では解重合は、オリゴマー材料の容易な精製(例えば、濾過による)を可能にする粘度が得られないほどの(低い)程度であり得ることがわかった。12%を超えると、かなりの量のアルコールが反応しないおそれがあり、これは再重合プロセスに不利である。また、このように高い量では、解重合は、単に必要でないかなりの量のモノマー又は低レベルのオリゴマーを導き、分解並びに再重合において余分な労力を費やす。好ましくは、第1のアルコールの量は、ポリエステル材料の流れに対して1~5%w/wであり、第2のアルコールの量は、ポリエステル材料の流れに対して2~8%w/wである。押出機では、このようにして、押出機内での蒸発によるアルコールの損失を回避しながら、第1段階の目標が所定の粘度レベルまで解重合を制御したので、より少ない量のアルコールが有利に適用されることがわかった。第2の段階のアルコール量が多いほど解重合を微調整することができる。CSTRでは、アルコールの上限は、押出機内での場合ほど重要ではない。ポリエステルを解重合するために使用されるアルコールの好ましい総量は、ポリエステル廃棄物の流れに対して5~8%w/wであると考えられる。
別の実施形態では、第1の段階は、第1及び第2の別の連続したサブ段階を含み、第1及び第2のサブ段階の各々が対応する押出機を含み、その各々が、各押出機にある量のアルコールを共供給しながらポリエステルの溶融温度より高い温度で運転されて、CSTRに供給される流体混合物を生成する。2つの別々の押出機(一直線に配置)を使用することが有利であることが分かった。押出機内での滞留時間は比較的短く、したがってかなりの量のそのような薬剤はもちろんのこと、揮発性薬剤を混合するための長さが制限されるので、2つの別々の連続した押出機を使用することは有利であるようである。さらなる利点は、押出機のそれぞれの機能性、ひいては操作を、解重合の(サブ)段階に向けて、よりよく調整できることである。第1の押出機が、ポリマー廃棄物を密な溶融物に最適に変換することが可能であるように運転されるのに対し、第2の押出機は、出発材料のIVとは無関係に、解重合を一定のIVレベルに向けて最適に制御することが可能であるように運転される。好ましくは、第1のサブ段階の押出機に供給されるアルコールは、押出機長の末端20%(すなわち、処理方向に観察された押出機長の最後の20%)、好ましくは押出機長の末端5~15%、好ましくは押出機長の約10%(すなわち、9~11%)で供給される。これにより、蒸発によるアルコールの損失のおそれが最小限に抑えられ、第2の押出機がより制御されやすいように、少なくとも部分的な初期解重合が保証される。これに対して、第2のサブ段階の押出機に供給されるアルコールは、押出機長の中央30~70%、好ましくは押出機長の中央40~60%、好ましくは押出機長の約50%(すなわち、49~51%)で好都合に供給される。このようにして、所定のIVへのポリマー廃棄物の溶融物の供給を容易に得ることができる。
有利には、第1のサブ段階の押出機で供給されるアルコールの量は、ポリエステル材料の流れに関して0~2%w/w(すなわち、0を超え2%までの量)であり、第2のサブ段階の押出機で供給されるアルコールの量は、ポリエステル材料の流れに関して1~5%w/wである。この比率は、本発明のプロセスに非常に適しているようである。
さらなる実施形態では、第1のサブ段階の押出機は、二軸押出機である。一部のポリエステル、特にPETはせん断に感受性が高いため、二軸押出機を用いることでせん断量を少なくする試みが有利である。さらに有利には、第1のサブ段階の押出機は、コニカル二軸押出機である。コニカルは、多くの場合、綿毛状であるか、又は少なくとも低密度であるポリエステル廃棄物の大きなばらつきにより良く応じることができる。
別の実施形態では、第2のサブ段階の押出機は、一軸押出機である。一軸押出機は、より多量の揮発性試薬を混合するのに有利な高圧をより良く得ることができる。高密度の溶融物が第一の押出機によってすでに生成されているという事実は、密度の異なる材料に応じることができるための必要条件を最小限に抑える。
さらに別の実施形態では、2つの連続する段階に、ポリエステル廃棄物の流れを乾燥プロセスに供して、流れ中の水の量を5000ppm未満、すなわち、ポリエステル廃棄物の流れに対して0.5%w/w未満の水に減らす工程を行う。前記プロセスに水が存在すると、必然的に加水分解により遊離カルボキシル基が生じる。高レベル、すなわち、最初の再重合プロセス(すなわち、オリゴマーエステルが再重合されて典型的には0.4~0.6のIVを有する非晶質ポリエステルになるプロセス)の終了時に45mmol/kgを超える遊離カルボキシル基は、さらなる固体再重合プロセスにおいて再重合しやすいオリゴマーポリエステルを目的とする本プロセスにおいて不利である。予備乾燥プロセスの種類は重要ではない。予備乾燥はさまざまな方法で行うことができる。例えば、ポリエステルのフレーク又は強凝集体のベッドに120℃の熱い空気を単に吹きつけるだけである。これは、水分含有率を5000ppm未満に減らすことができる。しかし、これが、所望ならば、追加の湿気を除去するために押出機内のかなりの低い真空を必要とすることがあるので、150℃の熱い空気を用いるデシカント空気乾燥機、又は(低)真空を適用する乾燥機のような、より激しい方法を用いることが好ましい。有利には、流れ中の水の量は、10~1000ppm、好ましくは20~100ppm、最も好ましくは約50ppmである。驚くべきことに、簡便な固体再重合プロセスには、遊離カルボキシル基の非常に低いレベル、すなわち10mmol/kg未満のレベルが重合速度の低下ももたらすことが分かった。したがって、第1の押出機に入る廃棄物流に対しては、湿度レベルの好ましい範囲、すなわち10~1000ppmの範囲があることが立証された。50ppmが最適レベルであると考えられる。
本発明によるプロセスのさらに別の実施形態では、プロセスの第1の段階で供給されるアルコールの量は、CSTRに供給される流体混合物の粘度を測定し、前記粘度の所定の値に到達するようにアルコールの量を調節することによって制御され、この所定の値は、0.1~0.2dl/gの固有粘度(IV)であることが好ましい。この実施形態では、CSTRに供給される材料が、少なくとも合理的に制御可能な範囲内で、所定の粘度(解重合)レベルを有することを保証するために、前期プロセスにいわゆるループ制御が導入される。これは、CSTRにおける狭い粘度/オリゴマー範囲内での所定のオリゴマーエステルの製造を支持する。流体混合物の粘度レベルが高すぎる(したがって、解重合速度が低すぎる)場合、解重合速度を上げるために第1の段階により多くのアルコールを供給する。逆に、粘度レベルが低すぎる場合、第1の段階に供給されるアルコールの量を減らすことができる。
同様に、ループ制御は、CSTRにアルコールの量を供給するために有利に導入される。CSTR出るオリゴマーエステルの流れの粘度を測定し、CSTRに供給されるアルコールの量を調整して粘度の所定の値に到達させる。この所定の値は、好ましくは0.08~0.11、より好ましくは0.09~0.1の固有粘度(IV)である。
さらに別の実施形態では、CSTRに供給される流体混合物は、第1の段階と第2の段階との間に配置された第1のフィルタを通ってポンプ輸送され、このフィルタは、好ましくは10~80μm、好ましくは30~50μm、最も好ましくは約40μmのメッシュサイズを有する。このようなフィルタは、あらゆる粒子状物質又は非ポリエステルポリマー(アルコール分解方法によって分解されない)を除去するのに有利に使用することができるが、同時に流体混合物を均質化する手段として機能する。本方法では局所粘度をモニターし、制御することができるため、このようなフィルタの選択肢が可能である。第1の段階が2つの別個の連続した押出機を含む場合、第1の段階の第1のサブ段階と第1の段階の第2のサブ段階の間に第2のフィルタを配置し、第2のフィルタ(上述の第1のフィルタの上流にある)は、典型的な汚染粒子状物質を除去するために、好ましくは40~120μm、好ましくは60~100μm、最も好ましくは約80μmのメッシュサイズを有する。第2のフィルタはホモジナイザーとしても機能する。必要と考えられる場合、例えば、第2の押出機に入る前に1%を超えるアルコールを導入したい場合は、第2のフィルタの直前又は直後にスタティックミキサーを設置することができる。
同様に、オリゴマーエステルの流れは、CSTRの後に配置された第3のフィルタを通ってポンプ輸送され、第3のフィルタは、好ましくは20μm未満、より好ましくは5~10μmのメッシュサイズを有する。これは、顔料などの残存する微細な全ての粒子状物質、又は残存する非オリゴマー性ポリマー材料を除去するためである。また、このようにして、あらゆる着色剤を結合するためにCSTRに添加され得る活性炭は、濾過によって除去され得る。CSTRでの滞留時間が比較的長いことを考慮すると(押出機と比較した場合)、活性炭は着色剤の除去に理想的に適している。
アルコールは、好ましくは、オリゴマーエステルがヒドロキシル化オリゴマーエステルであるように、ジオール、好ましくは少なくとも、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、(1,4-)ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール及びネオペンチルグリコールの群から選択されるジオールを含む。ジオールを用いると、再重合しやすいオリゴマーが生じる。
特に、ポリエステルがポリエチレンテレフタレート(PET)である場合、CSTRにおける滞留時間は、50%w/wを超える、好ましくは60、70、80を超える又は90%w/wすら超えるオリゴマーエステルが、4~16個のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)単位、好ましくは6~14個の(BHET)単位、最も好ましくは8~10個のBHET単位のオリゴマーを含むように選択(制御)される。この材料は非常に明確であり、非常に微細なフィルタを通って濾過が可能なほど粘度が低く、高温で簡単な真空を適用することにより再重合が容易である。
最初の再重合工程については、オリゴマーエステルの連続流は、(連続方法におけるさらなる工程として、又はバッチ式として)ポリエステルの溶融温度より高い高温(典型的には240より上、又は250℃より上ですらある)まで加熱される一方、10mbar未満、好ましくは5mbar未満、好ましくは0.5~2mbar、最も好ましくは約1mbarの真空にさらされ、アルコールを除去する(ポリマーに向けて平衡をシフトさせる)ことによって再重合を誘発し、好ましくは0.4~0.6のIVを有する再重合した非晶質ポリエステルに至る。高真空のさらなる利点は、存在する可能性のある全ての揮発性汚染物質(ベンゼン及びビスフェノールAなど)を同時に除去することである。それは、約1mbarの低圧に到達できるようにするためには、2つの縮合反応器の組み合わせが必要かもしれない(主にオリゴマー材料に存在する揮発性物質の量に依存する)。いずれの場合も、得られた材料は安定で、高純度で、明確であり、したがっていずれのIVの高級ポリエステルにも容易にアップグレードすることができる。このために、再重合されたポリエステルを、真空(すなわち、0.5bar未満、好ましくは0.1bar未満、又は50mbar、40mbar、30mbar、20mbar若しくは10mbar未満ですらある)又は不活性ガスに曝されながら、ポリエステルの溶融温度未満(すなわち、250℃未満、又は240、230若しくは220℃未満ですらある、典型的には約210℃)の高温まで加熱されて、さらなる再重合を誘導し、好ましくは0.6を超えるIVに至ることができる。好ましくは、再重合された非晶質ポリエステルを130~180℃の温度まで冷却して固体非晶質ポリエステルに到達させ、ポリエステルが少なくとも部分的に結晶化するまで固体非晶質ポリエステルをその温度に保つことによる固体結晶化工程が、追加の再重合工程に先行する。
上記は、いずれの変形例も前記方法又は追加の処理工程から除外しない。例えば、追加の精製/濾過工程を追加することができる。また、本発明は特定の種類のフィルタに限定されないが、ポリエステル廃棄物中に存在する粒子状物質の量に依存して、フィルタを数時間毎に交換する必要があるかもしれないので、スクリーン変更型のフィルタは請求されている連続プロセスに理想的に適していると考えられる。また、フィルタを適用する場合、これは、フィルタにわたる圧力差に耐えるために、下降するメッシュサイズの2つ、3つ以上の別々の連続するフィルタのカスケードであることが非常によくある。これに続いて、全ての着色剤及びダイスを完全に除去できるようにするために、溶融した材料を、(活性)炭顆粒、SiO顆粒、又は他の任意の小分子吸収材料で満たされた床を通って有利にポンプ輸送することができる。
また、1つ以上の再重合工程、典型的には最初の再重合工程において共重合を導入することが予想される。例えば、純粋な二酸及び純粋なジオールのスラリーを調製することができ、及び/又は本発明のプロセスで得られるような精製エステルオリゴマーが添加される初期重縮合反応器に添加することができる他のモノマーを形成することができる。二酸及び/又はジオールがポリエステル廃棄物中に存在するモノマーと異なる場合、コポリマーが製造されている。このようなモノマーは、例えば、COフットプリントをさらに減少させるためにバイオベースであってもよく、又は、意図する用途に適合した、生成されるべき最終的なポリエステルの他の製品特性を得るために、例えば、イソフタル酸、コハク酸、ネオペンチルグリコールであってもよい。
上記のさらなる実施形態のいずれも、本発明のシステムにおいて具体化することができる。
以下の非限定的な図及び実施例を用いて、本発明をさらに説明する。
図1は、本発明によるプロセスの概観を模式的に示す。図2は、一軸反応性押出プロセスで使用するスクリューを模式的に示す。
例1は、一軸押出機単独での種々の実験を提供する。実施例2は、本発明による二段階解重合プロセスを含む種々の実験を提供する。
<図1>
図1は、本発明によるプロセスの概観を模式的に示す。示した方法では、PETを工程1~8まで連続プロセスで解重合し、再重合する。工程9は、固体重合を含む追加の再重合工程であり、0.6を超える必要なIVに到達する。
このプロセスはモノエチレングリコール(MEG)に基づくアルコール分解におけるPETの一般に知られている平衡反応に基づく。
Figure 2023532306000001
ポリエステル溶融物にMEGを加えることにより、平衡が左にシフトし、ポリマー鎖が短くなり、最終的にオリゴマー(100個未満の反復BHET単位、特に50、40、30、20個単位、又は10個未満ですらある単位)が生じ、粘度が低下する。例えば、真空又は窒素を用いることによってMEGを除去することによって、短鎖は互いに反応し、再びポリエステルを形成する。解重合速度、ひいてはオリゴマー長を制御することによって、材料の粘度を制御する。
工程1では、(純粋である)PETカーペットの断片及びPETボトルのフレークを含むポリエステル廃棄物を、50ppmの水分レベルまで乾燥させる。次いで、工程では、廃棄物の乾燥させた流れを、コニカル共回転二軸押出機に供給する。押出機のコニカルのため、材料を供給するための開口部は、従来の二軸押出機よりも大きく、供給がより容易であり、ポリマーに熱損傷を与えにくい、より穏やかな天然圧縮によりせん断が発生しにくい。熱分解により望ましくない副反応が生じ、最終生成物の劣った品質を与える末端基が形成される。押出機を280℃で運転してポリエステルを完全に溶融させる。コニカル二軸押出機の端部に隣接して(長さの10%で)、解重合の第1の段階を得るために、MEG(矢印50として示す)を投与するための注入点を設け、これにより粘度を低下させる。このため、約1%(w/w)のMEGを投与する。IVを低下させることは、80マイクロメートルのメッシュサイズで濾過できるようにするために第1の濾過工程3にわたる圧力差を最小限に抑えるのにも役立つ。また、フィルタはスタティックミキサーとして作用し、混合物を均質化し、添加したグリコールを溶融ポリマーと共に分配して、より短いポリマー鎖と完全に反応させ、結果として平衡時の分子量分布(分散グレード約2)を得る。MEGが(ほぼ)完全に反応し、遊離MEGがもはや存在しない(ほとんど存在しない)ようにプロセスのパラメータを選択する。
部分的に解重合され、濾過された材料を、工程4において一軸押出機に供給する。図2にスクリューの設計を模式的に示す。この設計は、投与可能(溶融物が不均質になるのを防ぐこと)なグリコールの割合を最大にすることを目的としている。この最大値は、スクリュー速度、圧力上昇などの一般的なプロセスのパラメータを調整することによって増加する。典型的には、約3~4%のMEGをこの押出機に投与する(矢印50’で示す)。押出機の端部では、溶融物の粘度を測定する。一軸押出機で注入されるMEGのレベルを制御する自動制御ループ(図1に図示せず)によって、粘度のレベルを制御する。この自動制御ループは、出発材料のIVとは無関係に、一貫した粘度、典型的には0.1~0.2のIVをもたらす。押出機で起こる固有のエステル交換反応のために、多分散性は、主に押出機での滞留時間(これは、前記プロセスにおいて初期供給及び押出機の速度を制御することによって調整することができる)に依存して、低いまま、好ましくは約2~3に留まることができる。
工程5でこの解重合材料を2度目に濾過した。約0.15のIVのため、濾過サイズは、フィルタ上の圧力差があまり高くならずに、第1のフィルタに比べて小さくすることができ、好ましくは40マイクロメートルである。
約0.15(0.1~0.2)のIVを有する材料を工程6においてCSTRに連続的に加える。このCSTRではまた、MEGを添加して(矢印50”で示す)、要求された粘度/オリゴマー長まで材料をさらに解重合する。材料は進入時には既に低い(制御された)粘度を有するため、添加したMEGとの粘度の差は均一混合難しいほど大きくない。4~6%のMEGは容易に均一に混合できる。CSTRでの滞留時間は、材料を要求されたオリゴマー長まで解重合するのに十分な長さ(典型的には25~45分)であるだけでなく、2という多分散性を得るためのエステル交換反応に十分な時間を有する。反応器の端部では粘度を測定し、自動制御ループは反応器内のMEGの添加を制御する。これは、出発材料のタイプ(IV)にほとんど依存しない極めて安定な連続プロセスをもたらす。
CSTRでは、矢印60で示した活性炭を加えることによって、脱色を行う。活性炭は、ポリエステル廃棄物中に存在する着色剤を吸収する最良の性能のために予め選択することができる。CSTRの後、低粘性オリゴマー/活性炭混合物を3段階の精密濾過(20/10/5マイクロメートル)工程7を通ってポンプ輸送して、着色剤を含む炭素粒子をオリゴマーから除去する。フィルタ上の圧力差が高すぎる場合には、溶融物をパラレルセットを通ってポンプ輸送し、一方、第1のフィルタセットは洗浄できるように、3つのフィルタのパラレルセットを設置する。
溶融物がまだ約250℃の高温である間に濾過した後、溶融物を真空下、1mbar、約260℃の温度で運転される重縮合反応器(工程8)にポンプ輸送して、MEGを除去し、BHET/PET平衡の平衡がPETポリマーを形成する右側にシフトする。この反応器では、沸点が250~260℃までの全ての揮発性物質(例えば、ベンゼン及びビスフェノールA)が前記材料から除去されるので、重要な精製工程も行う。処理条件により、0.4~0.6のIVを有するポリエステルを得ることができる。このポリマーを反応器から取り除き、穴を備えたダイプレートを通ってポンプ輸送し、これによりポリマーストランドを生成する。これらのストランドを冷却し、非晶質顆粒に切断する。
非晶質顆粒は、顆粒を結晶化プロセスをもたらす130~180℃の温度に供することによってオフライン結晶化プロセスを受ける。部分的に結晶化された顆粒を、固体重合プロセスに供し、ここで、ポリエステルを、真空又は不活性ガスに供しながら、このポリエステルの溶融温度未満の高温まで加熱する。このようにして固体の追加の再重合を誘導し、0.6を超えるIVに到達させる。得られたIVは、典型的には0.65~1.0の任意の値を有し、IVが意図した用途のために必要なIVと一致するようにパラメータを処理することによって調整することができる。
<図2>
図2は、一軸反応性押出プロセスで使用するためのスクリュー10を模式的に示す。スクリューの基本設計は標準的であるが、ポリエステル/オリゴマー及び揮発性反応物を最適化するために設計された4つの非標準ゾーンを有する。アルコール反応物を投与するスクリューの中央部で、スクリューに、11のように示されるダブルスクリュー設計を提供する。下流方向では、このゾーンの後に、このスクリューにも二重スクリュー設計が施されるゾーン12が続くが、このゾーンではスクリューが部分的にフライス加工される(混合を改善するための公知の構成など)。さらに下流方向には、エネルギー移動混合ゾーン13がある。最後に末端ゾーン14は、いわゆるSaxtonタイプである。
[例1]
例1は、一軸押出機単独での種々の実験を提供する。反応押出によるモノエチレングリコール(MEG)によるPETのオリゴマーへの解重合を10~20kg/時の範囲で行った。標準スクリュー設計(MEGの投与に最適化されていない)を有する一軸押出機において、3%までのMEGを適切に投与できることがわかった。PETフレークの水分含有量の制御は、予備乾燥し、押出機に真空による脱気を適用することによって到達した。これは、溶融プロセス中のPETの加水分解を制限し、カルボキシル末端基は7mmol/kg増加した。
結果を表1に挙げる。解重合のための押出機に使用されるMEGの量は、押出機の容量及びそのスクリュー設計に依存する。これは、押出機における滞留時間及びMEGとPETとの混合の有効性と関係がある。この効果は、PETが湿りすぎる場合にも認められる。加水分解解重合の増加は、添加できるMEGの量が減少することを意味する。この現象は、押出機内の圧力が低すぎるためにMEGの蒸気圧が生じ、オリゴマーの粘度が低いためにそれを押出機から押し出し、不安定な解重合プロセスを引き起こすことによる。押出機内の圧力を上昇させることは、解重合プロセスの安定性及び均質混合物にまだ到達している間に添加できるMEGの量にプラスに寄与する。
Figure 2023532306000002
押出機スクリューの速度はMEGとPETの混合に寄与する。表2は10及び15kg/時でこのことを示す。より高い容量(20kg/時)及び同じ割合のMEGでは、逆の影響が見られる。より速いスクリュー速度はより多くの輸送を導き、完全な解重合のためには短すぎる押出機における滞留時間が生じると考えられる。スクリューの混合効果は特に70rpm未満の速度で見られる(結果は示していない)。その後、解重合は不安定になり、MEGは蒸気として押出機から放出される。
Figure 2023532306000003
MEGとPETとの良好な混合が行われ、十分な反応時間が与えられる限り、ほとんど全てのMEGがポリエステルと反応する。表3に、水中で集められたオリゴマーについて実施した測定値を示す。事実上水相にMEGは存在しない。
Figure 2023532306000004
表4は、乾燥PETフレークの典型的な特性を示している。示されるように、ジエチレングリコールの量は約1.5~1.6%である。押出機の端部では、典型的に測定された量は約1.5~1.6%であったので、押出機ではDEGは生成されなかったと結論するのが妥当である。
Figure 2023532306000005
要約すると、反応性押出によるモノエチレングリコールを用いたオリゴマーへのPETの解重合を、10~20kg/hの範囲で行った。これらの異なる容量に対して、効率的な解重合プロセスが起こる限界が確立された。既存の条件下では、3%までのMEGを標準押出機に適切に投与することができた。予備乾燥し、押出機に真空による脱気を施すことによって、PETフレークの水分含有量の制御を達成させた。これは溶融プロセスの間のPETの加水分解を制限し、カルボキシル末端基は+7mmol/kg増加した。
追加のジエチレングリコール形成はこの試験シリーズでは証明できなかった。添加したMEGは解重合中にほぼ完全に取り込まれた。押出機スクリューの速度はプロセスに影響を及ぼす。20kg/hの容量では、速度が速いほど粘度が高くなるが、これは輸送の増加がMEGとの効果的な反応に対抗するためと考えられる。より小さい容量では、スクリュー速度が速いほどMEGとの混合が良くなる。スクリューの速度が遅すぎると、解重合プロセスが不安定になり、MEGが放出される可能性がある。
[実施例2]
実施例2は、本発明による二段階解重合プロセスを含む種々の実験を提供する。特に、この実施例は、一軸押出機(図2参照)において、また連続プロセスとして構成されたCSTRと組み合わせて、PETを解重合させるための反応物としてMEGを用いた解糖で達成された結果を提供する。
実験にはPETボトルで作った透明なPETフレークを用いた。PET廃棄物の基本特性を表5に挙げる。乾燥させない場合、その水分含有率は約1%w/wである。この水分は、主に洗浄のためのフレークの予備処理が原因で存在する。
Figure 2023532306000006
表6に乾燥させた材料及び未乾燥材料を用いたPET溶融の結果を示す。PETがより乾燥されるほど、加水分解、したがってカルボキシル末端基(Ec)の形成は、解糖プロセス及び最終的な再重合プロセスにあまり影響を与えない。
全ての(少量の)水分が既に加水分解を引き起こしている可能性があるため、PETは、押出機でのPETの投与中は乾燥したままに保たれる。これは、PETを乾燥窒素下に保つことによって行われる。これを強調するために、表5(No.3参照)では、試料No.2を通常の空気に24時間曝露した後に、空気からの水分吸収の影響を見ることができる。
Figure 2023532306000007
3%w/wまでのMEGを用いて、乾燥PETフレークで反応性押出試験を行った。解糖プロセスは非常に急速に起こった。PETは30秒以内にオリゴマーに解重合した。投与したMEGはこの時間枠でほぼ完全に反応した。投与したMEGの98%超が解糖プロセスに使用されていた。表7は解糖プロセスの解析結果を示す。性能を高めるため、反応器(「+CSTR」と表示)と組み合わせて、より大量のMEGを連続的に投与した。
約2%w/wのMEGを押出機に加え、該当する場合はCSTRに追加量を加える。CSTRで10kgの充填物を選択することにより、10kg/時のPETの容量において270℃で平均1時間の滞留時間を実現した。定常状態には±12%w/wのMEGの総投与量で到達した。解糖プロセス全体を追加触媒なしで行った。0.07という低い粘度(IV)に達した。しかし、約0.09~0.1の粘度であっても、(精密)濾過ができるほど十分に低い。12%の投与では、オリゴマーエステル中に2~3個の割合の遊離MEGが依然として検出された。加水分解によって生じたカルボキシル末端基の割合が比較的高かったのは、おそらくMEGに存在する水分によるものであった。これはMEGを乾燥させることによって回避できる。
Figure 2023532306000008
表8のHPLC分析結果は、12%以上のMEGを適用した場合、四量体に対しかなりの量のBHETを示している。しかし、溶融物の濾過を可能にするためには、ここまで解重合する必要はない。濾過プロセスには(IV=±)0.1の粘度で十分である。これは8~10(オクタ-デカ)オリゴマーに相当する。これには5%~8%w/wのMEGが必要である。
Figure 2023532306000009

Claims (24)

  1. アルコール分解によりポリエステルを解重合することによってポリエステル廃棄物の流れのリサイクルを可能にするプロセスであって、解重合の少なくとも第1の段階、及び解重合の別の第2の連続する段階を含み、当該第1の段階及び第2の段階に前記ポリマー廃棄物の流れが連続的に供され、
    - 前記2つの連続した段階の第1の段階において、少なくとも部分的に解重合されたポリエステルの溶融物を含む流体混合物を生成するために、前記ポリエステル廃棄物の流れが、該ポリエステルの溶融温度よりも高い温度で運転される押出機に、第1の量のアルコールを該押出機に共供給しながら連続的に供給され、
    - 前記第2の段階において、前記流体混合物が、前記ポリエステルの溶融温度よりも高い温度で運転される連続攪拌槽反応器(CSTR)に、第2の量のアルコールをCSTRに共供給しながら連続的に供給され、CSTR中の滞留時間を使用して、CSTRの出口でオリゴマーエステルに解重合されたポリエステルの連続した流れを提供する、
    プロセス。
  2. 前記第1及び第2のアルコール量のアルコールの総量が、ポリエステル材料の流れに対して3~12%w/wであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
  3. 第1のアルコール量が、ポリエステル材料の流れに対して1~5%w/wであり、第2のアルコール量が、ポリエステル材料の流れに対して2~8%w/wであることを特徴とする、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記第1の段階が、第1及び第2の別の連続したサブ段階を含み、当該第1及び第2のサブ段階の各々が対応する押出機を含み、その各々が、各押出機にある量のアルコールを共供給しながら前記ポリエステルの溶融温度より高い温度で運転されて、CSTRに供給される前記流体混合物を生成することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記第1のサブ段階の前記押出機に供給される前記アルコールが、押出機長の末端20%、好ましくは押出機長の末端5~15%、好ましくは押出機長の10%で供給されることを特徴とする、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記第2のサブ段階の前記押出機に供給される前記アルコールが、押出機長の中央30~70%、好ましくは押出機長の中央40~60%、好ましくは押出機長の50%に供給されることを特徴とする、請求項4及び5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記第1のサブ段階の前記押出機に供給される前記アルコールの量が、ポリエステル材料の流れに対して0~2%w/wであり、前記第2のサブ段階の前記押出機に供給される前記アルコールの量が、ポリエステル材料の流に対して1~5%w/wであることを特徴とする請求項4~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記第1のサブ段階の前記押出機が二軸押出機であることを特徴とする、請求項4~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記第1のサブ段階の前記押出機がコニカル二軸押出機であることを特徴とする、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記第2のサブ段階の前記押出機が一軸押出機であることを特徴とする、請求項4~9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 前記2つの連続する段階に、ポリエステル廃棄物の流れを乾燥プロセスに供して該流れ中の水の量を5000ppm未満まで減少させる工程が先行することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記流れの中の水の量が10~1000ppm、好ましくは20~100ppm、最も好ましくは約50ppmであることを特徴とする、請求項11に記載のプロセス。
  13. プロセスの第1の段階で供給されるアルコールの量が、CSTRに供給される前記流体混合物の粘度を測定し、該粘度の所定の値に到達するようにアルコールの量を調節することによって制御され、該所定の値が、好ましくは0.1~0.2dl/gの固有粘度(IV)であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. プロセスの第2の段階で供給されるアルコールの量が、前記オリゴマーエステルの流れの粘度を測定し、該粘度の所定の値に到達するようにアルコールの量を調節することによって制御され、該所定の値が、好ましくは0.09~0.1の固有粘度(IV)であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. CSTRに供給される前記流体混合物が、前記第1の段階と前記第2の段階との間に配置された第1のフィルタを通ってポンプ輸送され、該フィルタが、好ましくは10~80μm、好ましくは30~50μm、最も好ましくは約40μmのメッシュサイズを有することを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 第2のフィルタが、前記第1の段階の前記第1のサブ段階と前記第2のサブ段階との間に配置され、該第2のフィルタが、好ましくは40~120μm、好ましくは60~100μm、最も好ましくは約80μmのメッシュサイズを有することを特徴とする、請求項4~10のいずれか一項に記載の方法、又は請求項4を引用する請求項11~14のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 前記オリゴマーエステルの流れがCSTRの後に配置された第3のフィルタを通ってポンプ輸送され、該第3のフィルタが、好ましくは20μm未満、より好ましくは5~10μmのメッシュサイズを有することを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. CSTRに活性炭が加えられ、当該炭素が、前記オリゴマーエステルから、このエステルがCSTRを出た後に除去されることを特徴とする、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記アルコールが、ジオール、好ましくはエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール及びネオペンチルグリコールの群から選択されるジオールを含むことを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 前記ポリエステルがポリエチレンテレフタレート(PET)であり、CSTR中の滞留時間が、50%w/wを超える、好ましくは60、70、80w/wを超える又は90%w/wすら超える前記オリゴマーエステルが、4~16個のビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)単位、好ましくは6~14個の(BHET)単位、最も好ましくは8~10個のBHET単位のオリゴマーを含むようなものであることを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載のプロセス。
  21. 10mbar未満、好ましくは5mbar未満、好ましくは0.5~2mbar、最も好ましくは約1mbarの真空に曝されながら、前記オリゴマーエステルの連続した流れが前記ポリエステルの溶融温度より高い高温に加熱されて再重合を誘導し、好ましくは0.4~0.6のIVを有する再重合した非晶質ポリエステルに至ることを特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
  22. 真空又は不活性ガスに曝されながら、前記再重合したポリエステルが前記ポリエステルの溶融温度よりも低い高温に加熱されてさらなる再重合を誘導し、好ましくは0.6を超えるIVに至ることを特徴とする、請求項21に記載のプロセス。
  23. 前記さらなる再重合の工程の前に、前記再重合した非晶質ポリエステルを130~180℃の温度まで冷却して固体非晶質ポリエステルに到達させ、該ポリエステルが少なくとも部分的に結晶化するまで、前記固体非晶質ポリエステルをその温度に保つことによる固体結晶化工程が行われることを特徴とする、請求項22に記載のプロセス。
  24. アルコール分解によりポリエステルを解重合することによってポリエステル廃棄物の流れをリサイクルするシステムであって、前記ポリエステルのアルコール分解を誘導する連続的なプロセスを実施するための3つの連続的な反応器のインライン配置を含み、第1の反応器が、二軸押出機の長さの末端20%にアルコールを供給するための供給入口を有する二軸押出機であり、第2の反応器が、一軸押出機の長さの中央30~70%にアルコールを供給するための供給入口を有する一軸押出機であり、第3の反応器が、アルコールを供給するための供給入口を有する連続攪拌槽反応器である、システム。
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