JP2023531046A - 反応の動力学的パラメーターを決定する方法 - Google Patents

反応の動力学的パラメーターを決定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明によれば、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するための方法であって、以下のステップ:(a)前記アナライトを含有するサンプル流体の第1の体積(V1)を、第1の時点(t1)と第2の時点(t2)との間、試験表面上に流すステップ;(b)アナライトを含まないバッファー流体の第1の体積(Vb1)を、第3の時点(t3)と第4の時点(t4)との間、試験表面上に流すステップ;(c)少なくとも、前記アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)を、第5の時点(t2)と第6の時点(t6)との間、試験表面上に流すステップ;(d)少なくとも、アナライトを含まないバッファー流体の第2の体積(Vb2)を、第7の時点(t7)と第8の時点(t8)との間、試験表面上に流すステップ;(e)センサーを使用し、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定して、結合曲線を得るステップ;(f)前記結合曲線の所定のインターバル時間における部分のみを、結合曲線の他の部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ、を含む方法が提供される。

Description

本発明は、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定する方法に関し;特に、動力学的パラメーターを決定するために、実質的に、結合曲線の、リガンドへのアナライトの会合を描写する部分の使用がより少なく、むしろ主として、結合曲線の、リガンドからのアナライトの解離を描写する部分を使用することを含む方法に関する。
発明の背景
アナライトと、フローセルの試験表面に付着しているリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するための既存の方法では、前記アナライトを含有するサンプル流体の体積が、試験表面上を連続的に流れる。前記アナライトを含有するサンプル流体の体積が試験表面上を連続的に流れる際に、センサーを使用して、試験表面上のリガンドに結合しているアナライトの量を測定し;結合曲線として知られる、試験表面上のリガンドに結合しているアナライトの量を表す曲線を、センサーによって出力する。結合曲線は、結合相(association phases)および解離相を含む。サンプル流体の体積が試験表面上を通過し、サンプル流体中のアナライトがリガンドに結合している時に、結合相が生じ;結合曲線は、結合相の間に試験表面上のリガンドに結合しているアナライトの量の増加を示す。サンプル流体の体積が試験表面上を通過した後、かつサンプル流体の次の体積が試験表面上を流れる前に、解離相が生じ;結合曲線は、解離相の間に試験表面上のリガンドに結合しているアナライトの量の減少を示し、以前に結合していたアナライトがリガンドから解離(または脱離)する。
次いで、結合曲線全体(すなわち、結合相および解離相の全て)を使用して、アナライトと試験表面上のリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定する;これは典型的には、結合曲線に最も良好にフィットする、既知の動力学的パラメーターを有する所定のモデルを同定することによって行われ;次いで、結合曲線に最も良好にフィットするモデルの動力学的パラメーターを、当該反応の動力学的パラメーターであるとみなす。
しかしながら、アナライトと試験表面上のリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するために結合曲線全体を使用することに伴う問題は、反応の動力学的パラメーターの不正確な決定をもたらし得ることである:試験表面上のリガンドに結合しているアナライトの量を測定し、結合曲線を出力するために使用される既存のセンサーは、サンプル流体の体積の屈折率の変化に敏感であり;アナライトを含有するサンプル流体の体積が試験表面上を流れると、サンプル流体の体積の屈折率の変化が結合曲線にアーティファクトを導入し得;これらのアーティファクトは、結合曲線の結合相において存在し;結合曲線全体(すなわち、結合相および解離相の全て)が次いで、アナライトと試験表面上のリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するために使用されるので、その結果これらのアーティファクトは、反応の動力学的パラメーターの不正確な決定をもたらす。
本発明の目的は、当該分野における既存の方法に伴う不利な点の少なくとも一部を、取り除くかまたは軽減することである。特に、本発明の目的は、サンプル流体の体積がフローセルの試験表面上を流れるときに生じる屈折率変化によって生成される結合曲線におけるアーティファクトに対する脆弱性がより低い、反応の動力学的パラメーターを決定するための改善された方法を提供することである。
本発明によれば、この目的は、少なくとも請求項1に記載のステップを有する方法によって達成される。従属請求項は、本発明の様々な実施態様において実施され得る好ましい、任意のステップを記載する。
有利には、本発明の方法では、主に、結合曲線の解離相(すなわち、サンプル流体の体積が試験表面上を流れた後で、かつサンプル流体の次の体積が試験表面上を流れる前の時間に対応する結合曲線の部分)が、結合曲線の結合相(すなわち、サンプル流体の体積が試験表面上を流れており、サンプル流体中のアナライトがリガンドに結合しているときに対応する結合曲線の部分)ではなく、反応の動力学的パラメーターを決定するために使用される。
特に、第1の実施態様では、結合曲線の解離相のみを使用し、結合曲線の結合相を使用せずに、動力学的パラメーターを決定し;第2の実施態様では、結合曲線の解離相および結合曲線の結合相の非常に小さな部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定する。第2の実施態様において、結合曲線の結合相の前記の小さな部分は、結合曲線のそれらの部分におけるアーティファクトが、動力学的パラメーターの決定に対して無視できる影響を有するように小さいことができる。いずれの実施態様においても、動力学的パラメーターを決定するために使用される結合曲線の結合相の量を、従来技術と比較して減少させる。
従って、本発明では、サンプル流体の体積がフローセルの試験表面上を流れるときに生じる屈折率変化によって生成される結合曲線中のアーティファクトが、動力学的パラメーターの決定に及ぼす影響がより少なくなる。
本発明の例示的実施態様を明細書により開示し、図により例示する:
図1は、フローセルの試験表面上に、アナライトを含有するサンプル流体のそれぞれの6つの体積を連続的に流したことから生じた、6つの結合相および6つの解離相を含む完全な結合曲線である; 図2は、図1の結合曲線の、複数の所定のインターバル時間における部分を示す; 図3は、前記の複数の所定のインターバル時間を決定するために使用される正規化濃度曲線を示す。
本発明の実施態様の詳細な説明
本発明によれば、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するための方法が提供される。前記方法は以下のステップを含む:
(a)前記アナライトを含むサンプル流体の第1の体積(V1)を、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ。
(b)バッファー流体の第1の体積(Vb1)(これはアナライトを含まない)を、第3の時点(t)と第4の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第3の時点(t)は、第2の時点(t)と等しくてもよい);最も好ましくは、試験表面上のリガンドに結合していた、サンプル流体の第1の体積(V1)由来の少なくとも一部のアナライトの解離が第3の時点(t)と第4の時点(t)との間に起こる。一実施態様では、バッファー流体は、リガンドからの結合したアナライトの解離を促進するように構成される。
(c)少なくとも、前記アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)を、第5の時点(t)と第6の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第5の時点(t)は、第4の時点(t)と等しくてもよい);
(d)バッファー流体の第2の体積(Vb2)(これはアナライトを含まない)を、第7の時点(t)と第8の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第7の時点(t)は、第6の時点(t)と等しくてもよい);最も好ましくは、試験表面上のリガンドに結合していた、サンプル流体の第2の体積(V2)由来の少なくとも一部のアナライトの解離が第7の時点(t)と第8の時点(t)との間に起こる。一実施態様では、バッファー流体は、リガンドからの結合したアナライトの解離を促進するように構成される。
(e)センサーを使用して、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定し、結合曲線を得るステップ。
(f)結合曲線の、所定のインターバル時間における部分のみを、結合曲線の他の部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ。
結合曲線の、所定のインターバル時間内における部分のみを使用して動力学的パラメーターを決定するために、以下のステップが実施される:試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する正規化濃度曲線(c(t))を作成するステップ;動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップであって、Rmaxはリガンドの飽和に対応する所定の理論最大結合曲線値(例えばリガンドの全ての結合部位がリガンドに結合したアナライトによって占められた場合)であり、kは結合速度定数(association rate constant)であり、そしてkは解離速度定数であるステップ;シミュレートされた結合曲線sbc=R(t)を得るために、前記正規化濃度曲線(c(t))、および動力学的パラメーターRmax、k、kに関する前記推定値を使用して、微分反応方程式:
Figure 2023531046000002
を解くステップ。
微分反応方程式が得られたら、次いで、シミュレートされた結合曲線の前記の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分を抽出して、それぞれの部分的なシミュレートされた結合曲線(sbcj)を提供する。
引き続き、シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)を、以下の式に従って定める:
Figure 2023531046000003
ここで、dmbjは、j番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における結合曲線の部分であり、sbcjは、j番目の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、Ndmbjは、j番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における結合曲線の部分におけるデータ点の数である。
シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)が決定された後、次いで、前記の決定された部分カイ2乗(χ)を最小化し、ここで、前記の決定された部分カイ二乗(χ)を最小化する前記動力学パラメーターRmax、k、kの値が、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の前記反応の動力学的パラメーターを定義する。
好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Levenberg-Marquardアルゴリズムを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
さらなる好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Estimatorsを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
好ましい実施態様において、前記方法は、センサーを使用して、第1の時点(t)から第9の時点(t)まで連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定し、次いで、結合曲線の前記の所定のインターバル時間における部分を抽出するステップ;および結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含む。
別の実施態様において、前記方法は、センサーを使用して、第1の時点(t)から第9の時点(t)までの間連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定するステップ;結合曲線の前記の所定のインターバル時間の範囲外における部分をゼロ化するステップ;および結合曲線のゼロ化されていない前記部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含む。
例示的な実施態様1:
第1の実施態様において、所定のインターバル時間は、第1および第2のインターバル時間(t1Δ、t2Δ)であり;ここで、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間に生じ;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間に生じ、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)。有利には、この実施態様では、結合曲線の、解離相に対応する部分のみが、動力学的パラメーターを決定するために使用される。
一実施態様において、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間の期間の一部であり;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間の期間の一部であり、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)。例えば、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)の後の所定の時間の間、第5の時点(t)まで、または第5の時点(t)の前の所定の時間までであってもよく;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)の後の所定の時間の間、第8の時点(t)まで、または第8の時点(t)の前の所定の時間までであってもよい。別の実施態様では、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間の時間インターバル全体により定義され;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間の時間インターバル全体により定義され、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)。
この第1の実施態様は、以下のステップを含む:
(a)前記アナライトを含むサンプル流体の第1の体積(V1)を、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ。
(b)バッファー流体の第1の体積(Vb1)(これはアナライトを含まない)を、第3の時点(t)と第4の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第3の時点(t)は、第2の時点(t)と等しくてもよい);最も好ましくは、試験表面上のリガンドに結合していた、サンプル流体の第1の体積(V1)由来の少なくとも一部のアナライトの解離が第3の時点(t)と第4の時点(t)との間に起こる。一実施態様では、バッファー流体は、リガンドからの結合したアナライトの解離を促進するように構成される。
(c)少なくとも、前記アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)を、第5の時点(t)と第6の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第5の時点(t)は、第4の時点(t)と等しくてもよい);
(d)バッファー流体の第2の体積(Vb2)(これはアナライトを含まない)を、第7の時点(t)と第8の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第7の時点(t)は、第6の時点(t)と等しくてもよい);最も好ましくは、試験表面上のリガンドに結合していた、サンプル流体の第2の体積(V2)由来の少なくとも一部のアナライトの解離が第7の時点(t)と第8の時点(t)との間に起こる。一実施態様では、バッファー流体は、リガンドからの結合したアナライトの解離を促進するように構成される。
(e)結合曲線を得るために、センサーを使用して、少なくとも第1および第2のインターバル期間(t1Δ、t2Δ)の間、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定するステップであって、ここで、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間に生じ、および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間に生じ、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)ステップ。一実施態様において、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間の期間の一部であり;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間の期間の一部であり、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)。例えば、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)の後の所定の時間の間、第5の時点(t)まで、または第5の時点(t)の前の所定の時間までであってもよく;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)の後の所定の時間の間、第8の時点(t)まで、または第8の時点(t)の前の所定の時間までであってもよい。別の実施態様では、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間の時間インターバル全体により定義され;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間の時間インターバル全体により定義され、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)。
(f)結合曲線の、前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における部分を、結合曲線の、第1の時点(t)と第2の時点(t2a)との間にある部分および第5の時点(t)と第6の時点(t)との間にある部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ。
この第1の実施態様では、実質的に、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間におよび第5の時点(t)と第6の時点(t)との間にある結合曲線のいずれも、動態パラメーターを決定するために使用されない。従って、サンプル流体の体積がフローセルの試験表面上を流れるときに生じる屈折率変化によって生成される結合曲線中のアーティファクトが、動力学的パラメーターの決定に及ぼす影響がより少ない。
一実施態様において、前記方法は、センサーを使用して、第1の時点(t)から第9の時点(t)まで連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定し、次いで、結合曲線の、前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における部分を抽出するステップ;および結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含む。
別の実施態様において、前記方法は、センサーを使用して、第1の時点(t)から第9の時点(t)までの間連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定するステップ;結合曲線の、前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)の範囲外における部分をゼロ化するステップ;およびゼロ化されていない結合曲線の前記部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含む。
前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における結合曲線の部分を、結合曲線の、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間にある部分および第5の時点(t)と第6の時点(t)との間にある部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップは、結合曲線を使用して動力学的パラメーターを決定するための任意の公知の技術を使用して実施することができ;それらのまさに同じ技術を本発明において使用して動力学的パラメーターを決定することができ、相違点は、当該技術を前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における結合曲線の部分に適用し、結合曲線の第1の時点(t)と第2の時点(t)との間にある部分および第5の時点(t)と第6の時点(t)との間にある部分に適用しないことである。
最も好ましい実施態様において、前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における結合曲線の部分を、結合曲線の第1の時点(t)と第2の時点(t)との間にある部分および第5の時点(t)と第6の時点(t)との間にある部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップは、好ましくは以下のステップを含む:
試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する正規化濃度曲線(c(t))を作成するステップ(好ましくは、濃度曲線を最初に作成し、次いでそれを正規化して、前記の正規化濃度曲線(c(t))をもたらす);動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップであって、Rmaxはリガンドの飽和に対応する所定の理論最大結合曲線値(例えばリガンドの全ての結合部位がリガンドに結合したアナライトによって占められた場合)であり、kは結合速度定数であり、そしてkは解離速度定数であるステップ;シミュレートされた結合曲線sbc=R(t)を得るために、前記正規化濃度曲線(c(t))、および動力学的パラメーターRmax、k、kに関する前記推定値を使用して、微分反応方程式:
Figure 2023531046000004
を解くステップ。
微分反応方程式が得られたら、次いで、シミュレートされた結合曲線の前記の第1のインターバル時間(t1Δ)における部分を抽出して、第1の部分的なシミュレートされた結合曲線(sbc1)を提供し;およびシミュレートされた結合曲線の前記の第2のインターバル時間(t2Δ)における部分を抽出して、第2の部分的なシミュレートされた結合曲線(sbc2)を提供し;および以下の式に従って、シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)を決定する:
Figure 2023531046000005
ここで、dmb1は前記第1のインターバル時間(t1Δ)における結合曲線の部分であり、dmb2は前記第2のインターバル時間(t1Δ)における結合曲線の部分であり、そして、sbc1は第1の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、sbc2は第2の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、そして、Ndmb1は前記の第1のインターバル時間(t1Δ)における結合曲線のデータ点の数であり、Ndmb2は前記の第2のインターバル時間(t2Δ)における結合曲線のデータ点の数である。
シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)が決定された後、次いで、前記の決定された部分カイ2乗(χ)を最小化し、ここで、前記の決定された部分カイ二乗(χ)を最小化する前記動力学パラメーターRmax、k、kの値が、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の前記反応の動力学的パラメーターを定義する。
好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Levenberg-Marquardアルゴリズムを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
さらなる好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、ka、kdに関する値を推定するステップは、Estimatorsを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
例示的な実施態様2:
上記の第1の実施態様において、所定のインターバル時間は、第1および第2のインターバル時間(t1Δ、t2Δ)を含み;ここで、第1のインターバル時間(t1Δ)は、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間に生じ;および第2のインターバル時間(t2Δ)は、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間に生じ、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の時点(t)は第8の時点(t)に等しい)。しかしながら、この第2の実施態様では、所定のインターバル時間は、濃度曲線から(または正規化濃度曲線から)決定される。第2の実施態様は、以下のステップを含む:
(a)前記アナライトを含むサンプル流体の第1の体積(V1)を、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ。
(b)バッファー流体の第1の体積(Vb1)(これはアナライトを含まない)を、第3の時点(t)と第4の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第3の時点(t)は、第2の時点(t)と等しくてもよい);最も好ましくは、試験表面上のリガンドに結合していた、サンプル流体の第1の体積(V1)由来の少なくとも一部のアナライトの解離が第3の時点(t)と第4の時点(t)との間に起こる。一実施態様では、バッファー流体は、リガンドからの結合したアナライトの解離を促進するように構成される。
(c)少なくとも、前記アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)を、第5の時点(t)と第6の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第5の時点(t)は、第4の時点(t)と等しくてもよい);
(d)バッファー流体の第2の体積(Vb2)(これはアナライトを含まない)を、第7の時点(t)と第8の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ(第7の時点(t)は、第6の時点(t)と等しくてもよい);最も好ましくは、試験表面上のリガンドに結合していた、サンプル流体の第2の体積(V2)由来の少なくとも一部のアナライトの解離が第7の時点(t)と第8の時点(t)との間に起こる。一実施態様では、バッファー流体は、リガンドからの結合したアナライトの解離を促進するように構成される。
(e)センサーを使用して、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定し、結合曲線を得るステップ。
(f)所定の第1のインターバル時間(t1Δ)および第2のインターバル時間(t2Δ)における結合曲線の部分を使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ。
この第2の実施態様では、実質的に、動力学的パラメーターを決定するための、結合曲線の、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間におよび第5の時点(t)と第6の時点(t)との間にある部分の使用はより少ない。従って、サンプル流体の体積がフローセルの試験表面上を流れるときに生じる屈折率変化によって生成される結合曲線中のアーティファクトが、動力学的パラメーターの決定に及ぼす影響はより少ない。
一実施態様において、前記方法は、センサーを使用して、第1の時点(t)から第9の時点(t)まで連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定し、次いで、結合曲線の前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における部分を抽出するステップ;および結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含む。
別の実施態様において、前記方法は、センサーを使用して、第1の時点(t)から第9の時点(t)までの間連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定するステップ;結合曲線の前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)の範囲外における部分をゼロ化するステップ;および結合曲線の前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における前記の部分(すなわち、ゼロ化されていない結合曲線の部分)のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含む。
第2の実施態様は、第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定するために、ステップ(a)~(f)の前に実施されてもよくまたはステップ(a)~(e)の後(ステップ(f)が実施される前)に実施されてもよい較正ステップをさらに含む。
一実施態様において、較正ステップは、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する濃度曲線を作成し、次いでその濃度曲線を正規化して正規化濃度曲線(c(t))を提供すること;および次いで、その正規化濃度曲線(c(t))を使用して第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定することを含む。別の実施態様において、較正ステップは、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する濃度曲線を作成すること;次いでその濃度曲線を使用して第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定することを含む。また、正規化濃度曲線(c(t))から第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定するために、濃度曲線(c(t))から第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定するために実施される場合と、同じステップが実施されることに留意すべきである。両バリエーションにおいて、正規化濃度曲線(c(t))を使用して動力学的パラメーターが決定される。
本願の例示的な第2の実施態様において、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する濃度曲線を作成し、次いでその濃度曲線を正規化して正規化濃度曲線(c(t))を提供すること;および次いで、その正規化濃度曲線(c(t))を使用して第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定することを説明する:
結合曲線を作成するためにサンプル流体の第1および第2の体積(V1、V2)をフローセルの試験表面上に流す本願の例示的な第2の実施態様では、参照分子の既知の濃度を含有する屈折率標準流体の第1の体積(V1’)を、第1の参照時点(t’)から第2の参照時点(t’)までの間、試験表面上に流す。
重要なことに、屈折率標準流体の第1の体積(V1’)が試験表面上を流れる速度(すなわち、流量)は、サンプル流体の第1の体積(V1)が試験表面上を流れる速度に等しく;また、第1の参照時点(t’)から第2の参照時点(t’)までの間の期間は、第1の時点(t)から第2の時点(t)までの間の期間に等しい。
参照分子の既知の濃度を含有する屈折率標準流体の第1の体積(V1’)が試験表面上を流れた後に、バッファー流体の第1の体積(Vb1’)(これは参照分子を含まない)を、第3の参照時点(t’)から第4の時点(t’)までの間、試験表面上に流す(第3の参照時点(t’)は第2の参照時点(t’))に等しくてもよい)。
次いで、参照分子の既知濃度を含む屈折率標準流体の第2の体積(V2’)を、第5の参照時点(t’)から第6の参照時点(t’6)までの間、試験表面上に流す。
重要なことに、屈折率標準流体の第2の体積(V2’)が試験表面上を流れる速度(すなわち、流量)は、サンプル流体の第2の体積(V2)が試験表面上を流れる速度に等しく;また、第5の参照時点(t’)から第6の参照時点(t’)までの間の期間は、第5の時点(t)から第6の時点(t)までの間の期間に等しく;また、屈折率標準流体の第1の体積(V1’)の濃度に対する屈折率標準流体の第2の体積(V2’)の濃度の比は、サンプル流体の第1の体積(V1)に対するサンプル流体の第2の体積(V2)の濃度の比に等しく;また、第2の参照時点(t’)と第5の参照時点(t’)との間の期間は、第2の時点(t)と第5の参照時点(t’)との間の期間に等しい。
参照分子の既知の濃度を含有する屈折率標準流体の第2の体積(V2’)が試験表面流上を流れた後に、バッファー流体の第2の体積(Vb2’)(これは参照分子を含まない)を、第7の参照時点(t)から第8の参照時点(t)までの間、試験表面上に流す(第7の時点(t)は第6の参照時点(t’))に等しくてもよい)。
濃度曲線(cmc)が得られるように、試験表面における参照分子の濃度が、第1の参照時点(t’)から第9の参照時点(t’)までの時間にわたって連続的に測定され、ここで、第9の参照時点(t’)は、第8の時点(t’)の後のいつかに生じる(または別の実施態様では、第9の参照時点(t’)は第8の参照時点(t’)に等しい)。
次いで、以下の式において示されるように、濃度曲線(cmc)を濃度曲線の最大値(max(cmc))で除し、結果にサンプル流体の第1および第2の体積(V1,V2)におけるアナライトの既知の最大濃度(cmax)を掛けることにより、濃度曲線(cmc)を正規化して、正規化濃度曲線(c(t))を得る:
c(t)=((cmc)/max(cmc))*cmax
この例では、サンプル流体の第1の体積(V1)中のアナライトの濃度(c(V1))は、サンプル流体の第2の体積(V2)中のアナライトの濃度(c(V2))に等しい(すなわち、サンプル流体の第1および第2の体積(V1,V2)の両方が、アナライトの同一濃度を有する);しかしながら、サンプル流体の前記体積(V1,V2)の体積のうちの一方が他方よりもアナライトの高い濃度を含む場合には、このより高い濃度の値が、cmaxを定義する(すなわち(cmax=max(c(V1),c(V2))。サンプル流体のある体積中のアナライトの濃度は、本技術分野で周知の任意の適切な技術を使用して決定できることを理解されたい。
正規化濃度曲線(c(t))を使用して第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を決定するために、閾値濃度が選択される。最も好ましくは、閾値濃度は、正規化濃度曲線(c(t))の最大値の所定のパーセンテージとして決定され;例えば、正規化濃度曲線(c(t))曲線の最大値が「200」である場合、閾値濃度は最大値の5%であるように選択され得、この例では5%*200=10であり;従って、この例における閾値濃度は「10」であり;別の例では閾値濃度は最大値の2%であり得、この例では2%*200=4であり、従ってこの例における閾値濃度は「4」である。
正規化濃度曲線(c(t))が閾値濃度未満に下がる時間から、正規化濃度曲線(c(t))が閾値濃度に等しい時間までの、正規化濃度曲線(c(t))上の最も早い時間インターバルが、第1のインターバル時間(t1Δ)を定義する。正規化濃度曲線(c(t))が閾値濃度未満に下がる時間から、第9の参照時点(t’)までの、正規化濃度曲線(c(t))上の次の時間インターバル(これは第1のインターバル時間(t1Δ)の後のいつかに生じる)が、第2のインターバル時間(t2Δ)を定義する。
この実施態様のバリエーションでは、濃度曲線(正規化されていない)を代替的に使用して、第1および第2のインターバル期間(t1Δ,t2Δ)を決定してもよく;やはり、実施態様のこのバリエーションでも、閾値濃度が選択されることを理解されたい。最も好ましくは、閾値濃度は、濃度曲線の最大値の所定のパーセンテージとして決定され;例えば、濃度曲線曲線の最大値が「2000」である場合、閾値濃度は最大値の5%であるように選択され得、この例では5%*2000=100であり;従って、この例における閾値濃度は「100」であり;別の例では閾値濃度は最大値の2%であり得、この例では2%*2000=40であり、従ってこの例における閾値濃度は「40」である。濃度曲線が閾値濃度未満に下がる時間から、濃度曲線が閾値濃度に等しい時間までの、濃度曲線上の最も早い時間インターバルが、第1のインターバル時間(t1Δ)を定義する。濃度曲線が閾値濃度未満に下がる時間から、第9の参照時点(t’)までの、濃度曲線上の次の時間インターバル(これは第1のインターバル時間(t1Δ)の後のいつかに生じる)が、第2のインターバル時間(t2Δ)を定義する。
上記の例において、最も好ましくは、屈折率標準流体は好ましくは参照分子の既知の濃度を含有するバッファー流体を含み;および参照分子(これは屈折率標準流体中に既知の濃度で存在する)は、例えば、DMSOまたはグルコースを含み得る。最も好ましくは、屈折率標準流体中の参照分子の濃度(および従って、屈折率標準流体の第1の体積(V1’)における参照分子の濃度、およびまた屈折率標準流体の第2の体積(V2’)における参照分子の濃度)は好ましくは0.1% v/v、または0.5% v/v、または1% v/vであり、従って、屈折率標準流体の屈折率は、参照分子を含まないバッファー流体の第1および第2の体積(Vb1’、Vb2’)の屈折率とは異なる。
結合曲線の前記の第1および第2のインターバル期間(t1Δ,t2Δ)における部分を使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ(f)は、結合曲線を使用して動力学的パラメーターを決定するための任意の公知の技術を使用して実施することができ;それらのまさに同じ技術を本発明において使用して動力学的パラメーターを決定することができ、相違点は、当該技術を前記の第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)における結合曲線の部分に適用することである。
最も好ましい実施態様において、結合曲線の前記の第1および第2のインターバル期間(t1Δ,t2Δ)における部分を使用して動力学的パラメーターを決定するステップは、好ましくは、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する正規化濃度曲線(c(t))を作成するステップ(正規化濃度曲線(c(t))がまだ作成されていない場合;例えば較正ステップにおいて作成された正規化濃度曲線(c(t))を使用してもよい)(正規化濃度曲線(c(t))を得るために本願に記載されたステップのいずれかを使用する);動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップであって、Rmaxはリガンドの飽和に対応する所定の理論最大結合曲線値(例えばリガンドの全ての結合部位がリガンドに結合したアナライトによって占められた場合)であり、kは結合速度定数であり、そしてkは解離速度定数であるステップ;シミュレートされた結合曲線sbc=R(t)を得るために、前記較正ステップで決定された前記正規化濃度曲線(c(t))、および動力学的パラメーターRmax、k、kに関する前記推定値を使用して、微分反応方程式:
Figure 2023531046000006
を解くステップを含む。
微分反応方程式が得られたら、次いで、シミュレートされた結合曲線の前記の第1のインターバル時間(t1Δ)における部分を抽出して、第1の部分的なシミュレートされた結合曲線(sbc1)を提供し;およびシミュレートされた結合曲線の前記の第2のインターバル時間(t2Δ)における部分を抽出して、第2の部分的なシミュレートされた結合曲線(sbc2)を提供し;および以下の式に従ってシミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)を決定する:
Figure 2023531046000007
ここで、dmb1は結合曲線の前記第1のインターバル時間(t1Δ)における部分であり、dmb2は結合曲線の前記第2のインターバル時間(t1Δ)における部分であり、そして、sbc1は第1の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、sbc2は第2の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、そして、Ndmb1は前記の第1のインターバル時間(t1Δ)における結合曲線のデータ点の数であり、Ndmb2は前記の第2のインターバル時間(t2Δ)における結合曲線のデータ点の数である。
シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)が決定された後、次いで、前記の決定された部分カイ2乗(χ)を最小化し、ここで、前記の決定された部分カイ二乗(χ)を最小化する前記動力学パラメーターRmax、k、kの値が、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の前記反応の動力学的パラメーターを定義する。
好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Levenberg-Marquardアルゴリズムを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
さらなる好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Estimatorsを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
正規化濃度曲線の作成:
本発明の実施態様の各々は、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する濃度曲線を作成するステップを含む。濃度曲線は、本技術分野における任意の適切な公知の方法を使用して作成できることに留意されるべきである。
本発明において、濃度曲線を作成するステップは、上記の第2の実施態様において記載されるように、参照分子の既知の濃度を含有する屈折率標準流体の体積を使用して行われてもよい。
別の実施態様において、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する濃度曲線は、移流拡散流体ダイナミクス移動現象論(convection and diffusion fluid dynamics transport phenomena)の数学モデルを用いて作成することができる。
さらに別の実施態様において、試験表面でのアナライトの濃度を経時的に描写する濃度曲線は、移動現象論を考慮しない単純化モデルを用いて作成することができる:この実施態様では、濃度曲線は、第1の時点(t)の前、第1のインターバル時間(t1Δ)の間、および第2のインターバル時間(t2Δ)の間の時間に関して、濃度曲線を「ゼロ」値に設定することによって形成され;濃度曲線は、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間、cという一定値に設定され、ここで、cは、サンプル流体の第1の体積(V1)が試験表面上を流れる時の第1の時点(t)と第2の時点(t)との間の試験表面におけるアナライトの濃度であり(すなわち、Cは、サンプル流体の第1の体積におけるアナライトの濃度である);濃度曲線は、第5の時点(t)と第6の時点(t)との間、cという一定値に設定され、ここで、cは、サンプル流体の第2の体積(V2)が試験表面上を流れる時の第5の時点(t)と第6の時点(t)との間の試験表面におけるアナライトの平均濃度である(すなわち、Cは、サンプル流体の第1の体積におけるアナライトの濃度である)。
濃度曲線を作成するためにどのようなステップが取られるかにかかわらず、本発明の各実施態様において、濃度曲線を作成した後、濃度曲線を引き続き正規化して正規化濃度曲線(c(t))を提供し;次いで、正規化濃度曲線(c(t))を使用して、上記の実施態様において記載されるのと同様に動力学的パラメーターを決定する。
いくつかの実施態様(例えば、第2の実施態様)では、濃度曲線または正規化濃度曲線を、動力学的パラメーターを決定するために使用される結合曲線上の所定のインターバル時間を決定するためにさらに使用できることを理解されたい。
サンプル流体の多数の体積を用いる例示的な実施態様:
重要なことに、上記の例(特に、第1および第2の実施態様)は、フローセルの試験表面上に、アナライトを含有するサンプル流体の第1および第2の体積(V1、V2)を流すことを記載している。しかしながら、サンプル流体の任意の数の体積をフローセルの試験表面上に流すことができ(バッファー流体のそれぞれの体積が、サンプル流体の体積の間に、試験表面上に流される);本発明の同一の原理が、サンプル流体の多数の体積(例えば2超)をフローセルの表面上に流す場合に適用されることを理解されたい。第2の実施態様に関して、較正ステップの間、フローセルの試験表面上を流れる屈折率標準流体の体積の数は、フローセルの試験表面上を流れていた、または流れるべき、アナライト含有サンプル流体の体積の数に一致する。
従って、本発明の方法は、各々が上記アナライトを含むサンプル流体の複数の体積を試験表面上に連続的に流すステップであって、サンプル流体の各々それぞれの体積が試験表面上を流れる合間にインターバル時間が存在するステップ;および各々それぞれのインターバル時間の間、バッファー流体のそれぞれの体積(これはアナライトを含まない)を試験表面上に流すステップ;センサーを使用し、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定して、結合曲線を得るステップ;結合曲線の複数の所定のインターバル時間における部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含むことができる。
複数の所定のインターバル時間は、第1及び第2の実施態様において記載したように決定することができる。
第1および第2の実施態様に関しても触れたように、前記方法は、センサーを使用して、サンプル流体の第1の体積が試験表面上を流れる時間の間、連続的に、バッファー流体の最後の体積が試験表面上を流れる時間まで、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定するステップ;結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間における部分を抽出するステップ;および結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含むことができる。さらなる実施態様において、前記方法は、前記の複数の所定のインターバル時間における結合曲線の部分、およびサンプル流体の最後の体積が試験表面上を流れた後、結合のレベルが所定の閾値レベルに下がるまでの結合曲線の部分を抽出すること;ならびに、結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定することを含む。
あるいは、前記方法は、センサーを使用して、サンプル流体の第1の体積が試験表面上を流れる時間の間、連続的に、バッファー流体の最後の体積が試験表面上を流れる時間まで、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定するステップ;結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間にない部分をゼロ化するステップ;および結合曲線のゼロ化されていない前記の部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップを含むことができる。任意選択的に、サンプル流体の最後の体積が試験表面上を流れた後であって、結合のレベルが所定の閾値レベルに下がるまでの結合曲線の部分は、ゼロ化されなくてもよい。
第1および第2の実施態様に関しても触れたように、好ましくは、バッファー流体は、バッファーが、試験表面上のリガンドに結合していたアナライトの前記リガンドからの解離を促進することが可能となる組成を有する。最も好ましくは、サンプル流体のそれぞれの体積は好ましくは各々、アナライトを含むバッファー流体から構成され;およびバッファー流体のそれぞれの体積は各々、サンプル流体の体積におけるのと同一のバッファー流体から構成されるが、アナライトを含まない。
結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間における部分(および任意選択的にまたサンプル流体の最後の体積が試験表面上を流れた後、結合のレベルが所定の閾値レベルに下がるまでの結合曲線の部分)のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップは、第1または第2の実施態様において上述したのと同じように行うことができ、相違点は、第1および第2の実施態様では、サンプル流体の2つの体積(サンプル流体の第1および第2の体積(V1,V2))のみ、および2つのインターバル時間(第1のインターバル時間(t1Δ)および第2のインターバル時間(t2Δ))のみが使用されるのに対して、この第2の実施態様では、このコンセプトが、サンプル流体の多数の体積および複数の所定のインターバル時間に拡張されることのみである。
結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間における部分(および任意選択的にまたサンプル流体の最後の体積が試験表面上を流れた後、結合のレベルが所定の閾値レベルに下がるまでの結合曲線の部分)のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップは、結合曲線を使用して動力学的パラメーターを決定するための任意の公知の技術を使用して実施することができ;それらのまさに同じ技術を本発明において使用して動力学的パラメーターを決定することができ、相違点は、当該技術を専ら、結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間における部分(および任意選択的にまたサンプル流体の最後の体積が試験表面上を流れた後、結合のレベルが所定の閾値レベルに下がるまでの結合曲線の部分)にのみ適用することである。
最も好ましくは、結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間における部分(および任意選択的にまたサンプル流体の最後の体積が試験表面上を流れた後、結合のレベルが所定の閾値レベルに下がるまでの結合曲線の部分)のみを使用して動力学的パラメーターを決定するために、以下のステップが実施される:試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する正規化濃度曲線(c(t))を作成するステップ(本願に記載の技術のいずれかを使用して);動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップであって、Rmaxはリガンドの飽和に対応する所定の理論最大結合曲線値(例えばリガンドの全ての結合部位がリガンドに結合したアナライトによって占められた場合)であり、kは結合速度定数(association rate constant)であり、そしてkは解離速度定数であるステップ;シミュレートされた結合曲線を得るために、前記の較正ステップにおいて決定された前記正規化濃度曲線(c(t))、および動力学的パラメーターRmax、k、kに関する前記推定値を使用して、微分反応方程式:
Figure 2023531046000008
を解くステップ。
微分反応方程式が得られたら、次いで、シミュレートされた結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分を抽出して、それぞれの部分的なシミュレートされた結合曲線(sbcj)を提供する。
引き続き、シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)を、以下の式に従って定める:
Figure 2023531046000009
ここで、dmbjは、j番目のインターバル時間(tjΔ)における結合曲線の部分であり、sbcjは、j番目の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、Ndmbjは、結合曲線のj番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分におけるデータ点の数である。
シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)が決定された後、次いで、前記の決定された部分カイ2乗(χ)を最小化し、ここで、前記の決定された部分カイ二乗(χ)を最小化する前記動力学パラメーターRmax、k、kの値が、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の前記反応の動力学的パラメーターを定義する。
好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Levenberg-Marquardアルゴリズムを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
さらなる好ましい実施態様において、動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップは、Estimatorsを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む。
図1-3の説明:
図1~図3は、上記の第2の実施態様において概説される原理を示すために使用することができ、サンプル流体の多数の体積がフローセルの試験表面上を流れる場合に適用される。
図1は、サンプル流体の6つの体積(V1~V6)をフローセルの試験表面上に連続的に流したときに得られる完全な結合曲線の例を示す。完全な結合曲線は、アナライトを含有するサンプル流体の第1の体積(V1)が試験表面上を流れる時(T1-T2)の;アナライトを含有するサンプル流体の第1の体積が試験表面上を流れた後、かつサンプル流体の第2の体積が試験表面上を流れる前(T2-T3)の(時間T2-T3の間は、バッファー流体の第1の体積(V’1)(これはアナライトを含まない)が試験表面上を流れる);アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)が試験表面上を流れる時(T3-T4)の;アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積が試験表面上を流れた後、かつサンプル流体の第3の体積が試験表面上を流れる前(T4-T5)の(時間T4-T5の間は、バッファー流体の第2の体積(V’2)(これはアナライトを含まない)が試験表面上を流れる);アナライトを含有するサンプル流体の第3の体積(V3)が試験表面上を流れる時(T5-T6)の;アナライトを含有するサンプル流体の第3の体積が試験表面上を流れた後、かつサンプル流体の第4の体積が試験表面上を流れる前(T6-T7)の(時間T6-T7の間は、バッファー流体の第3の体積(V’3)(これはアナライトを含まない)が試験表面上を流れる);アナライトを含有するサンプル流体の第4の体積(V4)が試験表面上を流れる時(T7-T8)の;アナライトを含有するサンプル流体の第4の体積が試験表面上を流れた後、かつサンプル流体の第5の体積が試験表面上を流れる前(T8-T9)の(時間T8-T9の間は、バッファー流体の第4の体積(V’4)(これはアナライトを含まない)が試験表面上を流れる);アナライトを含有するサンプル流体の第5の体積(V5)が試験表面上を流れる時(T9-T10)の;アナライトを含有するサンプル流体の第5の体積が試験表面上を流れた後、かつサンプル流体の第6の体積が試験表面上を流れる前(T10-T11)の(時間T10-T11の間は、バッファー流体の第5の体積(V’5)(これはアナライトを含まない)が試験表面上を流れる);アナライトを含有するサンプル流体の第6の体積(V6)が試験表面上を流れる時(T11-T12)の;アナライトを含有するサンプル流体の第6の体積が試験表面上を流れた後、リガンドに結合しているアナライトの量が所定の閾値レベルに減少するまで、または所定の時間が経過するまで(T12-T13)の(好ましくは時間T12-T13の間は、バッファー流体の第6の体積(V’6)(これはアナライトを含まない)が試験表面上を流れる)、試験表面上のリガンドに結合しているアナライトの量を示す。
好ましくは、バッファー流体の体積(V’1~V’6)は好ましくは、バッファー流体が、試験表面上のリガンドに結合していたアナライトの前記アナライトからの解離を促進することを可能とする組成を有する。最も好ましくは、サンプル流体の体積(V1~V6)の各々は、アナライトと混合されたバッファー流体から構成され;バッファー流体の体積(V’1~V’6)の各々はバッファー流体のみから構成され(すなわちアナライトなし)、および最も好ましくは、バッファー流体の体積(V’1~V’6)の各々におけるバッファー流体は、サンプル流体の体積(V1~V6)におけるバッファー流体と同一である。
サンプル流体の6つの体積(V1~V6)の各々は、アナライトの既知の濃度を有する。各々の体積におけるアナライトの濃度は、本技術分野における任意の公知の手段を使用して決定することができる。従って、サンプル流体の6つの体積(V1~V6)の各々におけるアナライトの濃度は既知である。アナライトの最も大きな濃度を有するサンプル流体の体積(V1~V6)が、最大濃度(cmax)である。この例では、サンプル流体の6つの体積(V1~V6)の各々がたまたまアナライトの同一濃度を有する(従って、サンプル流体の各体積は、最大濃度(cmax)に等しいアナライトの濃度を有する);しかしながら、別の実施態様では、サンプル流体の6つの体積(V1~V6)はアナライトの異なる濃度を有し、この場合、最大濃度(cmax)は、最も大きい濃度を有するサンプル流体の体積(V1~V6)におけるアナライトの濃度である。
図2は、抽出された図1の結合曲線の複数の所定のインターバル時間を示す。図2は代替的に、図1の結合曲線の複数の所定のインターバル時間を示し、結合曲線の他の部分は「ゼロ化」されているとみなされることを理解されたい。いずれにしても、本発明において、図2は動力学的パラメーターを決定するために本発明において(例えば第1の実施態様のステップ(e)において)専ら使用される結合曲線の部分を示す。
前記の所定のインターバル時間は、好ましくは濃度曲線からまたは正規化濃度曲線から、決定されることを理解されたい。図3は、所定のインターバル時間を決定するために使用された正規化濃度曲線を示し;これらの所定のインターバル時間は、図2に示される曲線を形成するために図1の結合曲線のどの部分を抽出するかを知るために決定される必要がある。
この場合、結合曲線(図1)を作成するために、サンプル流体の6つの体積(V1-V6)が連続的にフローセルの試験表面上に流され、そして、参照分子の既知濃度を含む対応する屈折率標準流体の6つの体積が、図3における正規化濃度曲線を得るために試験表面上に流される。
屈折率標準流体の第1の体積(V’’1)が試験表面上を流れた後;屈折率標準流体の第1の体積が試験表面上を流れた後、かつ屈折率標準流体の第2の体積が試験表面上を流れる前(この時間の間は、バッファー流体の第1の体積(V’1)(これは参照分子を含まない)が試験表面上を流れる);屈折率標準流体の第2の体積(V’’2)が試験表面上を流れる時;屈折率標準流体の第2の体積が試験表面上を流れた後、かつ屈折率標準流体の第3の体積が試験表面上を流れる前(この時間の間は、バッファー流体の第2の体積(V’2)(これは参照分子を含まない)が試験表面上を流れる);屈折率標準流体の第3の体積(V’’3)が試験表面上を流れる時;屈折率標準流体の第3の体積が試験表面上を流れた後、かつ屈折率標準流体の第4の体積が試験表面上を流れる前(この時間の間は、バッファー流体の第3の体積(V’3)(これは参照分子を含まない)が試験表面上を流れる);屈折率標準流体の第4の体積(V’’4)が試験表面上を流れる時;屈折率標準流体の第4の体積が試験表面上を流れた後、かつ屈折率標準流体の第5の体積が試験表面上を流れる前(この時間の間は、バッファー流体の第4の体積(V’4)(これは参照分子を含まない)が試験表面上を流れる);屈折率標準流体の第5の体積(V’’5)が試験表面上を流れる時;屈折率標準流体の第5の体積が試験表面上を流れた後、かつ屈折率標準流体の第6の体積が試験表面上を流れる前(この時間の間は、バッファー流体の第5の体積(V’5)(これは参照分子を含まない)が試験表面上を流れる);屈折率標準流体の第6の体積(V’’6)が試験表面上を流れる時;屈折率標準流体の第6の体積が試験表面上を流れた後、試験表面での参照分子の濃度が所定の閾値レベルに減少するまで、または所定の時間が経過するまで(好ましくはこの時間の間は、バッファー流体の第6の体積(V’6)(これは参照分子を含まない)が試験表面上を流れる)、図3における正規化濃度曲線が得られる。上述のステップの各々が実施される間に(好ましくは、サンプル流体の第1の体積(V1)が試験表面上を流れる前から、試験表面での参照分子の濃度が所定の閾値レベルに減少するまで、または所定の時間が経過するまでバッファー流体の第6の体積(V’6)が試験表面上を流れる、最後のステップの終わりまで)試験表面での参照分子の濃度を測定することによって、濃度曲線(cmc)がもたらされる。
重要なことに、屈折率標準流体のそれぞれの体積が試験表面上を流れる速度(すなわち、流量)は、サンプル流体のそれぞれの6つの体積(V1-V6)が試験表面上を流れる速度に等しい。また、屈折率標準流体の体積(V1’’~V’’6)の濃度の比は、サンプル流体の体積(V1~V6)の濃度の比に等しい。
次いで、以下の式において示されるように、濃度曲線(cmc)を濃度曲線の最大値(max(cmc))で除し、結果にサンプル流体のそれぞれ6つの体積(V1~V6)におけるアナライトの既知の最大濃度(cmax)を掛けることにより、濃度曲線(cmc)を正規化して、図3に示す正規化濃度曲線(c(t))を得る:
c(t)=((cmc)/max(cmc))*cmax
図3に示される正規化濃度曲線(c(t))から複数の所定のインターバル時間の各々を決定するために、閾値濃度が選択され;この例では、閾値濃度は、正規化濃度曲線(c(t))の最大値の5%であり;正規化濃度曲線(c(t))の最大値は「200」なので、この例では閾値濃度は「10」(すなわち、5%*200=10)である。正規化濃度曲線(c(t))が、「10」のレベル未満に下がり、再び「10」以上に上昇するまでの時間インターバルが、前記の複数の所定のインターバル時間を定義する。図3に示される正規化濃度曲線(c(t))を参照すると、時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」のレベル未満に下がり、時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」に上昇し、従って、T’-T’が前記の所定のインターバル時間のうちの1つを定義し;時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」のレベル未満に下がり、時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」に上昇し、従って、T’-T’が前記の所定のインターバル時間のうちの別の1つを定義し;時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」のレベル未満に下がり、時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」に上昇し、従って、T’-T’が前記の所定のインターバル時間のうちの別の1つを定義し;時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」のレベル未満に下がり、時間T’で正規化濃度曲線(c(t))は「10」に上昇し、従って、T’-T’が前記の所定のインターバル時間のうちの別の1つを定義し;時間T’10で正規化濃度曲線(c(t))は「10」のレベル未満に下がり、時間T’11で正規化濃度曲線(c(t))は「10」に上昇し、従って、T’10-T’11が前記の所定のインターバル時間のうちの別の1つを定義し;時間T’12で正規化濃度曲線(c(t))は「10」のレベル未満に下がり、時間T’13で所定の時間が経過したので、T’12-T’13が前記の所定のインターバル時間の最後を定義する。
所定のインターバル時間T’-T’、T’-T’、T’-T’、T’-T’、T’10-T’11、T’12-T’13に対応する時間に生じる、図1に示される結合曲線の部分が次いで抽出されて図2に示される結合曲線がもたらされ、これを使用して、本発明の実施態様の各々において上述されるように、動力学的パラメーターRmax、k、kを決定する。
添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することない、本発明の記載された実施態様に対する様々な修正および変形は当業者にとって明らかであろう。本発明は特定の好ましい実施態様との関連で説明されているが、特許請求される発明がそのような特定の実施態様に不当に限定されるべきでないことは理解されるべきである。
添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することない、本発明の記載された実施態様に対する様々な修正および変形は当業者にとって明らかであろう。本発明は特定の好ましい実施態様との関連で説明されているが、特許請求される発明がそのような特定の実施態様に不当に限定されるべきでないことは理解されるべきである。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するための方法であって、以下のステップ:
(a)前記アナライトを含有するサンプル流体の第1の体積(V1)を、第1の時点(t )と第2の時点(t )との間、試験表面上に流すステップ;
(b)アナライトを含まないバッファー流体の第1の体積(Vb1)を、第3の時点(t )と第4の時点(t )との間、試験表面上に流すステップ;
(c)少なくとも、前記アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)を、第5の時点(t )と第6の時点(t )との間、試験表面上に流すステップ;
(d)少なくとも、アナライトを含まないバッファー流体の第2の体積(Vb2)を、第7の時点(t )と第8の時点(t )との間、試験表面上に流すステップ;
(e)センサーを使用し、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定して、結合曲線を得るステップ;
(f)前記結合曲線の所定のインターバル時間における部分のみを、結合曲線の他の部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ、
を含む方法。
2.前記の所定のインターバル時間が、第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を含み;
第1のインターバル時間(t1Δ)が、第2の時点(t )と第5の時点(t )との間に生じ;および第2のインターバル時間(t2Δ)が、第6の時点(t )と第9の時点(t )との間に生じ、第9の時点(t )は第8の時点(t )の後のいつかに生じるか、または第9の時点(t )は第8の時点(t )と等しい、
上記1に記載の方法。
3.第1のインターバル時間(t1Δ)が、第2の時点(t )と第5の時点(t )との間の期間の一部であり;および第2のインターバル時間(t2Δ)が、第6の時点(t )と第9の時点(t )との間の期間の一部であるか;あるいは
第1のインターバル時間(t1Δ)が、第2の時点(t )と第5の時点(t )との間の時間インターバル全体によって定義され;および第2のインターバル時間(t2Δ)が、第6の時点(t )と第9の時点(t )との間の時間インターバル全体によって定義される、
上記2に記載の方法。
4.前記の所定のインターバル時間を決定するための較正ステップをさらに含み、前記較正ステップが、濃度曲線を作成するステップ;および前記濃度曲線を使用して前記の所定のインターバル時間を決定することを含む、上記1に記載の方法。
5.前記濃度曲線を使用して前記の所定のインターバル時間を決定するステップが、
閾値濃度を選択すること;
前記濃度曲線が前記閾値濃度と等しい瞬間を同定すること、
を含み、
各々それぞれの所定のインターバル時間が、濃度曲線が閾値濃度にある瞬間(ここで、前記濃度曲線は前記瞬間の前に濃度の減少を示す)と、濃度曲線が閾値濃度にある次の瞬間(ここで、前記濃度曲線は前記の次の瞬間の前に濃度の増加を示す)との間の時間によって定義される、
上記4に記載の方法。
6.閾値濃度を選択するステップが、
前記濃度曲線の最大値を同定すること;
パーセンテージ値を選択すること、
を含み、前記閾値濃度が、前記パーセンテージ値を掛けた前記濃度曲線の最大値によって定義される、
上記5に記載の方法。
7.前記の所定のインターバル時間を決定するための較正ステップをさらに含み、
前記較正ステップが、濃度曲線を作成すること;前記濃度曲線を正規化して、正規化濃度曲線(c(t))を供すること;および次いで、前記正規化濃度曲線(c(t))を使用して前記の所定のインターバル時間を決定することを含む、
上記1に記載の方法。
8.前記正規化濃度曲線を使用して前記の所定のインターバル時間を決定するステップが、
閾値濃度を選択すること;
前記正規化濃度曲線が前記閾値濃度と等しい瞬間を同定すること、
を含み、
各々それぞれの所定のインターバル時間が、正規化濃度曲線が閾値濃度にある瞬間(ここで、前記正規化濃度曲線は前記瞬間の前に濃度の減少を示す)と、正規化濃度曲線が閾値濃度にある次の瞬間(ここで、前記正規化濃度曲線は前記の次の瞬間の前に濃度の増加を示す)との間の時間によって定義される、
上記7に記載の方法。
9.閾値濃度を選択するステップが、
前記正規化濃度曲線の最大値を同定すること;
パーセンテージ値を選択すること、
を含み、前記閾値濃度が、前記パーセンテージ値を掛けた前記正規化濃度曲線の最大値によって定義される、
上記8に記載の方法。
10.センサーを使用して、連続的に、第1の時点(t )から、または第1の時点(t )の前から、第8の時点(t )まで、または第8の時点(t )の後まで、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定すること;結合曲線の前記の所定のインターバル時間における部分を抽出すること;
結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定すること、
を含む、上記1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.センサーを使用して、連続的に、第1の時点(t )から、または第1の時点(t )の前から、第8の時点(t )まで、または第8の時点(t )の後まで、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定すること;結合曲線の前記の所定のインターバル時間の外側にある部分をゼロ化すること;
結合曲線のゼロ化されていない前記部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定すること、
を含む、上記1~10のいずれか1つに記載の方法。
12.各々が上記アナライトを含むサンプル流体の複数の体積を試験表面上に連続的に流すステップであって、サンプル流体の各々それぞれの体積が試験表面上を流れる合間にインターバル時間が存在するステップ;
各々それぞれのインターバル時間の間、アナライトを含まないバッファー流体のそれぞれの体積を試験表面上に流すステップ;
センサーを使用し、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定して、結合曲線を得るステップ;
結合曲線の複数の所定のインターバル時間における部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ、
を含む、上記1~11のいずれか1つに記載の方法。
13.前記結合曲線の所定のインターバル時間における部分のみを、結合曲線の他の部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップが、
試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する正規化濃度関数c(t)を作成するステップ;
動力学的パラメーターRmax、k 、k に関する値を推定するステップであって、Rmaxは試験表面上でのリガンドの飽和に対応する所定の最大応答値であり、k は結合速度定数であり、そしてk は解離速度定数であるステップ;
シミュレートされた結合曲線を得るために、前記正規化濃度曲線(c(t))、および動力学的パラメーターRmax、k 、k に関する前記推定値を使用して、微分反応方程式:
Figure 2023531046000015
を解くステップ;
シミュレートされた結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分を抽出して、それぞれの部分的なシミュレートされた結合曲線(sbcj)を供するステップ;
以下の式に従って、シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ )を決定するステップ:
Figure 2023531046000016
(式中、dmbjは、j番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における結合曲線の部分であり、sbcjは、j番目の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、N dmbj は、結合曲線のj番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分におけるデータ点の数である);
前記の決定された部分カイ2乗(χ )を最小化するステップ、
を含み、
前記の決定された部分カイ2乗(χ )を最小化する前記動力学パラメーターRmax、k 、k の値が、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の前記反応の動力学的パラメーターを定義する、
上記1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する濃度関数c(t)を作成するステップが、Levenberg-Marquardアルゴリズムを使用して、部分カイ2乗(χ )を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む、上記12に記載の方法。
15.動力学的パラメーターRmax、k 、k に関する値を推定するステップが、Estimatorsを使用して、部分カイ2乗(χ )を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む、上記12または13に記載の方法。

Claims (15)

  1. アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の反応の動力学的パラメーターを決定するための方法であって、以下のステップ:
    (a)前記アナライトを含有するサンプル流体の第1の体積(V1)を、第1の時点(t)と第2の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ;
    (b)アナライトを含まないバッファー流体の第1の体積(Vb1)を、第3の時点(t)と第4の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ;
    (c)少なくとも、前記アナライトを含有するサンプル流体の第2の体積(V2)を、第5の時点(t)と第6の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ;
    (d)少なくとも、アナライトを含まないバッファー流体の第2の体積(Vb2)を、第7の時点(t)と第8の時点(t)との間、試験表面上に流すステップ;
    (e)センサーを使用し、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定して、結合曲線を得るステップ;
    (f)前記結合曲線の所定のインターバル時間における部分のみを、結合曲線の他の部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ、
    を含む方法。
  2. 前記の所定のインターバル時間が、第1および第2のインターバル時間(t1Δ,t2Δ)を含み;
    第1のインターバル時間(t1Δ)が、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間に生じ;および第2のインターバル時間(t2Δ)が、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間に生じ、第9の時点(t)は第8の時点(t)の後のいつかに生じるか、または第9の時点(t)は第8の時点(t)と等しい、
    請求項1に記載の方法。
  3. 第1のインターバル時間(t1Δ)が、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間の期間の一部であり;および第2のインターバル時間(t2Δ)が、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間の期間の一部であるか;あるいは
    第1のインターバル時間(t1Δ)が、第2の時点(t)と第5の時点(t)との間の時間インターバル全体によって定義され;および第2のインターバル時間(t2Δ)が、第6の時点(t)と第9の時点(t)との間の時間インターバル全体によって定義される、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記の所定のインターバル時間を決定するための較正ステップをさらに含み、前記較正ステップが、濃度曲線を作成するステップ;および前記濃度曲線を使用して前記の所定のインターバル時間を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記濃度曲線を使用して前記の所定のインターバル時間を決定するステップが、
    閾値濃度を選択すること;
    前記濃度曲線が前記閾値濃度と等しい瞬間を同定すること、
    を含み、
    各々それぞれの所定のインターバル時間が、濃度曲線が閾値濃度にある瞬間(ここで、前記濃度曲線は前記瞬間の前に濃度の減少を示す)と、濃度曲線が閾値濃度にある次の瞬間(ここで、前記濃度曲線は前記の次の瞬間の前に濃度の増加を示す)との間の時間によって定義される、
    請求項4に記載の方法。
  6. 閾値濃度を選択するステップが、
    前記濃度曲線の最大値を同定すること;
    パーセンテージ値を選択すること、
    を含み、前記閾値濃度が、前記パーセンテージ値を掛けた前記濃度曲線の最大値によって定義される、
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記の所定のインターバル時間を決定するための較正ステップをさらに含み、
    前記較正ステップが、濃度曲線を作成すること;前記濃度曲線を正規化して、正規化濃度曲線(c(t))を供すること;および次いで、前記正規化濃度曲線(c(t))を使用して前記の所定のインターバル時間を決定することを含む、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記正規化濃度曲線を使用して前記の所定のインターバル時間を決定するステップが、
    閾値濃度を選択すること;
    前記正規化濃度曲線が前記閾値濃度と等しい瞬間を同定すること、
    を含み、
    各々それぞれの所定のインターバル時間が、正規化濃度曲線が閾値濃度にある瞬間であって、但しこの場合、前記正規化濃度曲線は前記瞬間の前に濃度の減少を示す瞬間と、正規化濃度曲線が閾値濃度にある次の瞬間であって、但しこの場合は、前記正規化濃度曲線は前記の次の瞬間の前に濃度の増加を示す瞬間との間の時間によって定義される、
    請求項7に記載の方法。
  9. 閾値濃度を選択するステップが、
    前記正規化濃度曲線の最大値を同定すること;
    パーセンテージ値を選択すること、
    を含み、前記閾値濃度が、前記パーセンテージ値を掛けた前記正規化濃度曲線の最大値によって定義される、
    請求項8に記載の方法。
  10. センサーを使用して、第1の時点(t)から、または第1の時点(t)の前から、第8の時点(t)まで、または第8の時点(t)の後まで連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定すること;結合曲線の前記の所定のインターバル時間における部分を抽出すること;
    結合曲線の前記の抽出された部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定すること、
    を含む、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
  11. センサーを使用して、第1の時点(t)から、または第1の時点(t)の前から、第8の時点(t)まで、または第8の時点(t)の後まで連続的に、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定すること;結合曲線の前記の所定のインターバル時間の外側にある部分をゼロ化すること;
    結合曲線のゼロ化されていない前記部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定すること、
    を含む、請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 各々が上記アナライトを含むサンプル流体の複数の体積を試験表面上に連続的に流すステップであって、サンプル流体の各々それぞれの体積が試験表面上を流れる合間にインターバル時間が存在するステップ;
    各々それぞれのインターバル時間の間、アナライトを含まないバッファー流体のそれぞれの体積を試験表面上に流すステップ;
    センサーを使用し、試験表面上のリガンドへのアナライトの結合を測定して、結合曲線を得るステップ;
    結合曲線の複数の所定のインターバル時間における部分のみを使用して、動力学的パラメーターを決定するステップ、
    を含む、請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 前記結合曲線の所定のインターバル時間における部分のみを、結合曲線の他の部分を使用することなく使用して、動力学的パラメーターを決定するステップが、
    試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する正規化濃度関数c(t)を作成するステップ;
    動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップであって、Rmaxは試験表面上でのリガンドの飽和に対応する所定の最大応答値であり、kは結合速度定数であり、そしてkは解離速度定数であるステップ;
    シミュレートされた結合曲線を得るために、前記正規化濃度曲線(c(t))、および動力学的パラメーターRmax、k、kに関する前記推定値を使用して、微分反応方程式:
    Figure 2023531046000010
    を解くステップ;
    シミュレートされた結合曲線の前記の複数の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分を抽出して、それぞれの部分的なシミュレートされた結合曲線(sbcj)を供するステップ;
    以下の式に従って、シミュレートされた結合曲線の部分カイ2乗(χ)を決定するステップ:
    Figure 2023531046000011
    (式中、dmbjは、j番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における結合曲線の部分であり、sbcjは、j番目の部分的なシミュレートされた結合曲線であり、Ndmbjは、結合曲線のj番目の所定のインターバル時間(tjΔ)における部分におけるデータ点の数である);
    前記の決定された部分カイ2乗(χ)を最小化するステップ、
    を含み、
    前記の決定された部分カイ2乗(χ)を最小化する前記動力学パラメーターRmax、k、kの値が、アナライトとフローセルの試験表面に付着したリガンドとの間の前記反応の動力学的パラメーターを定義する、
    請求項1~12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 試験表面におけるアナライトの濃度を経時的に描写する濃度関数c(t)を作成するステップが、Levenberg-Marquardアルゴリズムを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 動力学的パラメーターRmax、k、kに関する値を推定するステップが、Estimatorsを使用して、部分カイ2乗(χ)を最小化する動力学的パラメーターを見出すことを含む、請求項12または13に記載の方法。
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