JP2023530134A - ウイルスの別々のノイラミニダーゼ抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含むブタインフルエンザaウイルスワクチン - Google Patents
ウイルスの別々のノイラミニダーゼ抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含むブタインフルエンザaウイルスワクチン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023530134A JP2023530134A JP2022577344A JP2022577344A JP2023530134A JP 2023530134 A JP2023530134 A JP 2023530134A JP 2022577344 A JP2022577344 A JP 2022577344A JP 2022577344 A JP2022577344 A JP 2022577344A JP 2023530134 A JP2023530134 A JP 2023530134A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nucleic acid
- antigen
- strain
- swine
- iav
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/12—Viral antigens
- A61K39/145—Orthomyxoviridae, e.g. influenza virus
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/005—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from viruses
- C07K14/08—RNA viruses
- C07K14/11—Orthomyxoviridae, e.g. influenza virus
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K39/39—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the immunostimulating additives, e.g. chemical adjuvants
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P31/00—Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
- A61P31/12—Antivirals
- A61P31/14—Antivirals for RNA viruses
- A61P31/16—Antivirals for RNA viruses for influenza or rhinoviruses
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/52—Genes encoding for enzymes or proenzymes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N9/00—Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
- C12N9/14—Hydrolases (3)
- C12N9/24—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
- C12N9/2402—Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Y—ENZYMES
- C12Y302/00—Hydrolases acting on glycosyl compounds, i.e. glycosylases (3.2)
- C12Y302/01—Glycosidases, i.e. enzymes hydrolysing O- and S-glycosyl compounds (3.2.1)
- C12Y302/01018—Exo-alpha-sialidase (3.2.1.18), i.e. trans-sialidase
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/51—Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising whole cells, viruses or DNA/RNA
- A61K2039/525—Virus
- A61K2039/5258—Virus-like particles
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/51—Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising whole cells, viruses or DNA/RNA
- A61K2039/53—DNA (RNA) vaccination
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/55—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the host/recipient, e.g. newborn with maternal antibodies
- A61K2039/552—Veterinary vaccine
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K39/00—Medicinal preparations containing antigens or antibodies
- A61K2039/555—Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
- A61K2039/55511—Organic adjuvants
- A61K2039/55566—Emulsions, e.g. Freund's adjuvant, MF59
Abstract
本発明は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物に関する。第1のNA抗原はA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、第2のNA抗原はA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、第3のNA抗原はA(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される。他の実施形態では、本発明は、核酸構築物を含むRNAレプリコン粒子、インフルエンザAウイルス感染に対して使用され得る、レプリコン粒子を含む免疫原性組成物、例えばワクチンに関する。
Description
本発明は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物に関する。第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される。他の実施形態では、本発明は、核酸構築物を含むRNAレプリコン粒子、インフルエンザAウイルス感染に対して使用され得る、レプリコン粒子を含む免疫原性組成物、例えばワクチンに関する。
第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子を含む、ワクチンのような免疫原性組成物がさらに提供される。第1のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含む。第1のHA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、第2のHA抗原は、pdm09系統のものである。第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、第3のHA抗原はScot/94系統のものであり、第4のHA抗原はEA系統のものである。第3のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1、第2および第3のNA抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。ワクチンの製造方法およびワクチンの使用がさらに提供される。
インフルエンザAウイルス(IAV)は、世界中でヒトおよび動物の健康に大きな負担をもたらす。IAVは、そのウイルス表面糖タンパク質、ヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)に基づいて異なるサブタイプに分類される。IAVは、家禽、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、海洋哺乳動物(例えば、クジラ)、コウモリおよびヒトに感染する。野生水鳥および野鳥(アヒル、ガチョウ、ハクチョウ、およびカモメ)は天然保有者であり、それらは、16の異なるHAおよび9の異なるNAサブタイプに感染している可能性がある[Webster et al.,Microbiol Rev 56:152-179(1992)]。
ブタのインフルエンザAウイルス(IAV-S)は、世界中で、特に畜産業にとって経済的に費用がかかることが証明されている家畜ブタの深刻な呼吸器病原体である[Holtkamp et al.,The American Association of Swine Veterinarians Annual Meeting(2007)]。それは、呼吸器疾患の突然の発症を特徴とし、通常、食欲不振、嗜眠および発熱を伴う。生産動物のIAV-Sに関連する臨床的合併症に加えて、インフルエンザウイルスのヒトへの伝染にブタが関与しているという報告が発表されており[Myers KP,Olsen CW,Gray GC.Clin Infect Dis 2007;44(8):1084-8,Krueger and Gray,Curr Top Microbiol Immunol 370:201-225(2013)]、これは公衆衛生上の重大な脅威であり、ブタの集団におけるIAV制御へのさらに強い誘因を与える。
この問題に応答して、多くの養豚業者は、現在IAV-Sを防ぐために市販のワクチンを使用してブタにワクチン接種する。しかしながら、多くの多様なIAV-S株が現場で同時に流行し、進化し続けるため、従来のワクチンでIAV-Sを制御することは困難である[Gao et al.,J Gen Virol 98(8):2001-2010(2017)]。IAV-Sの多様性および変異性は、ウイルスの遺伝子構造によって引き起こされる。他のインフルエンザAウイルスと同様に、IAV-Sは、RNAの8つのセグメントにエンコードされる遺伝子と、頻繁な変異を導入するゲノム複製機構とを有する。これらの遺伝的特徴により、IAV-Sは、迅速な適応、例えば以前の株への曝露によって誘導された既存の中和抗体からの逃避が可能になる。その結果、米国市場で市販されている不活化ウイルスIAV-Sワクチンは、連続的な抗原連続変異および/または抗原不連続変異の結果として新たな株の出現が起こるので、最大5つの異なるIAV-S株を含むにもかかわらず不十分であることが証明されている。
インフルエンザAウイルスの分類は、ウイルス表面上の2つの主要な糖タンパク質であるHAおよびNAのサブタイプ分類から始まる。HAタンパク質は、宿主細胞へのウイルスの付着および融合を媒介する。ノイラミニダーゼは、宿主細胞から新しく形成されたウイルス粒子を切断することによってインフルエンザウイルス複製サイクルの最終段階で機能し、それによって新しい後代ウイルスが他の細胞に拡散し感染することを可能にする酵素である。最近の研究は、NA免疫が、より重要なHA免疫に対して補足的および/または相補的な役割を果たすことしかできないことを示している[Nayak et al.,J Virol 84(5):2408-2420(2010);Pavlova et al.,Vaccine 27(5):773-785(2009);Sylte et al.,Vaccine 25(19):3763-72(2007)]。実際、ヘマグルチニン抗原の非存在下では、ノイラミニダーゼインフルエンザAウイルスワクチンの効力は、インフルエンザA感染に対する防御またはインフルエンザAウイルス誘導疾患に対する防御には不十分であると思われる。
ヒトインフルエンザAが、通常所定のインフルエンザシーズン中に世界中で流行する1または2つの優勢な株を有するのに対し、IAV-Sのさらに多くの株が同時に同時流行し、これらの株は地理的地域間で異なる。同様に、IAV-S株は抗原可変性でもあるが、主にHAのH1またはH3サブタイプ、および、NAのN1またはN2サブタイプを含む。IAV-Sの各HAおよびNAサブタイプ内には、さらなる系統学的多様性がある。
米国のブタ集団では、H1の4つの優勢な系統学的クラスター(ガンマ、デルタ1、デルタ2、パンデミック)、H3の2つの優勢なクラスター(クラスターIVおよびヒト様)、N1の2つの優勢なクラスター(クラシック、パンデミック)、およびN2の2つの優勢なクラスター(N2-1998およびN2-2002)が存在する[Anderson et al.,Influenza and other Respiratory Viruses 7(Suppl.4);42-51(2013);およびAnderson et al.,mSphere 1(6)e00275-16:1-14(2016)]。
ヨーロッパには、H1の3つの主要な系統(Eurasian-avian様H1、Scotland/410440/1994様H1およびpandemic 2009様H1)、H3の1つの主要な系統(Gent/1/1984様H3)、N1の2つの主要な系統(Eurasian Avian様N1、pandemic 2009様N1)、N2の2つの主要な系統(Gent/1/1984様N2、Scotland/410440/1994様N2)およびN2のマイナーな2つの系統(Italy/4675/2003様N2、ヒト季節性様N2)がある[Watson et al.,J.Virol.,89:9920-9931(2015);doi:10.1128/JVI.00840-15]。
IAV-Sを防ぐためのワクチン接種は、ブタにおける臨床的合併症を減らし、並びに、さらなる遺伝子再集合およびブタからヒトへの人獣共通感染症の蔓延の機会を減らすための最良の選択肢である。最近まで、広範な使用に利用可能な唯一のワクチンは胚形成卵で増殖したインフルエンザウイルスから調製された不活化ワクチンであるが、それらの供給は、主に特定病原体不在卵の不足を原因として制限されており、インフルエンザワクチンへの新しいアプローチの必要性が十分に認識されている。
従来の不活化ウイルスIAV-Sワクチンでは、ウイルス株の選択はHA抗原特性に基づく。HA阻害(HI)抗体力価を誘導するIAV-Sワクチンは、ブタを抗原的に類似した株による実験的感染から保護する[Kyriakis et al.,Vet Microbiol 144(1-2):67-74(2010)]。しかしながら、HA遺伝子の比較的急速な遺伝的浮動は、ワクチン誘導HA抗体によって機能的に阻害されない新しい株を出現させる。
結果として、市販のワクチンは、現場で流行している同時期の全ての株と抗原が一致しないため、多くの場合、新規かつ新興のウイルスサブタイプ/クラスターに対して防御せず、ヘテロサブタイプ攻撃に対する限定的な防御しか提供しない、[Lee et al.,Can J Vet Res 71(3):207-12(2007);Vincent et al.,Vaccine 28(15):2782-2787(2010)]。したがって、そのようなワクチンは、現在流行している株と一致するように定期的に更新されなければならない。
したがって、安全で有効であり、そして、新興株と抗原的に一致するように迅速に変更することができる新規IAV-Sワクチンを開発することが当技術分野で必要とされている。
インフルエンザウイルスのようなほとんどのウイルスは比較的単純な構造であるため、防御免疫応答を生成するには、それらの抗原プロファイルからの単一抗原の使用で十分な場合があり得る。そのようなサブユニットワクチンは、ウイルスまたはその培養物からの抽出によって、または、特定の抗原の組換え発現によって製造することができる。あるいは、ウイルス抗原は、ベクターとして作用する生の組換え担体微生物によって標的動物に送達され、その内部で発現され得る。ベクターは、弱毒生であってもよく、または生でなくてもよい。特定の病原体から防御するために、ベクターに基づく多くの戦略が長年にわたってワクチンに使用されてきた。
ウイルスベクターワクチンの使用のバリエーションは、レプリコン粒子に基づくワクチンの使用である[RP;Lundstrom,2014,Vaccines,vol.6,p.2392-2415を参照されたい]。これらはウイルス様粒子であるが、欠陥ウイルスゲノム、典型的には異種遺伝子を含む。これらのレプリコン粒子は、典型的には新しい粒子を形成する能力を有さずに標的動物宿主細胞に入り、1回のウイルスゲノム増幅を行うことができるように粒子にパッケージングされたRNAを含む(すなわち、それらはカプシド化されている)。レプリコン粒子は、必要な構造タンパク質コーディング配列(類)を欠いているので、感染細胞から増殖しない。したがって、それらは、裸のRNAワクチンのような他のレプリコンワクチンまたはDNAプラスミドから放たれたRNAを含むワクチンよりも、野生型ウイルスに類似している(例えば、向性の観点から)。
RPのゲノムは、典型的には、免疫保護抗原をエンコードする異種遺伝子を発現する。
最も広範に使用され、最も大規模に研究されているのは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子[Vander Veen et al.,2012,Anim.Health.Res.Rev.,vol.13,p.1-9;および:Kamrud et al.,2010,J.Gen.Virol.,vol.91,p.1723-1727]であり、それは、したがって実用的な理由から好ましく、構造タンパク質遺伝子を異種遺伝子で置き換えることによってウイルスゲノムから開発された。レプリコンと呼ばれる得られたRNAは、宿主細胞の細胞質に導入されると、それ自身の複製を指示することができ、高レベルの異種遺伝子を発現する。これらのレプリコンはアルファウイルス構造タンパク質遺伝子を欠いているため、ビリオンを形成し、そして、隣接細胞に拡散することができない。しかしながら、レプリコンは、構造タンパク質がトランスで提供される細胞にそれらを導入することによって、ウイルスレプリコン粒子(RP)に効率的にパッケージングすることができる[Pushko et al.,1997,Virology,vol.239,p.389-401]。
最も広範に使用され、最も大規模に研究されているのは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子[Vander Veen et al.,2012,Anim.Health.Res.Rev.,vol.13,p.1-9;および:Kamrud et al.,2010,J.Gen.Virol.,vol.91,p.1723-1727]であり、それは、したがって実用的な理由から好ましく、構造タンパク質遺伝子を異種遺伝子で置き換えることによってウイルスゲノムから開発された。レプリコンと呼ばれる得られたRNAは、宿主細胞の細胞質に導入されると、それ自身の複製を指示することができ、高レベルの異種遺伝子を発現する。これらのレプリコンはアルファウイルス構造タンパク質遺伝子を欠いているため、ビリオンを形成し、そして、隣接細胞に拡散することができない。しかしながら、レプリコンは、構造タンパク質がトランスで提供される細胞にそれらを導入することによって、ウイルスレプリコン粒子(RP)に効率的にパッケージングすることができる[Pushko et al.,1997,Virology,vol.239,p.389-401]。
また、アルファウイルスRPは、当技術分野で公知の、ブニヤウイルスなどの他のウイルスに基づく他のRPよりも幾分強い免疫賦活化剤であると考えられる。いくつかのアルファウイルス種、例えばベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)[Pushko et al.,1997,Virology,vol.239,p.389-401]、シンドビスウイルス[Bredenbeek et al.,1993,J.of Virol.,vol.67,p.6439-6446]、およびセムリキ森林ウイルス[Liljestrom&Garoff,1991,Biotechnology(NY),vol.9,p.1356-1361]が、RPワクチンを開発するために使用されている。
RPワクチンは、標的動物の免疫後に粘膜および全身免疫応答を誘発することができる[Davis et al.,2002,IUBMB Life,vol.53,p.209-211]。VEEベースのRPワクチンは、いくつかのUSDA認可ワクチンの基礎でもあり、それらには、ブタ流行性下痢ワクチン、RNA(製品コード19U5.P1)、ブタインフルエンザワクチン、RNA(製品コード19A5.D0)、鳥インフルエンザワクチン、RNA(製品コード19O5.D0)、および、処方製品、RNA粒子(製品コード9PP0.00)が含まれる。
RPベクター系は分子レベルで容易に操作することができるので、新興ウイルスサブタイプに応答するためにワクチンを迅速に製造することができる。
したがって、流行しているIAV-S株に対する広範な防御を提供する、特に欧州で流行している4つの主要なIAV-S株、すなわち、EurAsianAvian H1N1、Gent84 H3N2、Scot/94 H1N2およびpandemic2009 H1N1に対する広範な防御を提供する新規ワクチンであって、新興ウイルスサブタイプおよび抗原連続変異に迅速に応答するように適合させることができる新規ワクチンに対する継続的な需要がある。
しかしながら、アルファウイルスレプリコンプラットフォームのようなRPベクター系は、最も広範な保護を達成するための任意の所望の数の抗原の挿入、例えば4つの主要な流行IAV-S株の全てのNAおよびHA遺伝子のレプリコンベクターへの挿入をさせない。アルファウイルスベクタープラットフォームは、典型的には、関連するパッケージングシグナルおよび構造タンパク質が除去され、異種遺伝子配列で置き換えられた非構造遺伝子を含有するRNAで構成される3成分系である。2つのヘルパーRNAは、パッケージングシグナルを有さないウイルス構造タンパク質を含有する。これらの3成分レプリコンに基づく系は、ウイルスキャプシドの体積によってパッケージできるRNAの量が制限されている[Nanda K.et al.,Vol.390(2),2009,368-373]。RPベクター系のこの固有の制約により、ほとんどまたは全ての流行IAV-S株に対する広範な防御を有するワクチンを提供するという、継続的な需要を満たすことは困難である。
Webster et al.,Microbiol Rev 56:152-179(1992)
Holtkamp et al.,The American Association of Swine Veterinarians Annual Meeting(2007)
Myers KP,Olsen CW,Gray GC.Clin Infect Dis 2007;44(8):1084-8
Krueger and Gray,Curr Top Microbiol Immunol 370:201-225(2013)
Gao et al.,J Gen Virol 98(8):2001-2010(2017)
Nayak et al.,J Virol 84(5):2408-2420(2010)
Pavlova et al.,Vaccine 27(5):773-785(2009)
Sylte et al.,Vaccine 25(19):3763-72(2007)
Anderson et al.,Influenza and other Respiratory Viruses 7(Suppl.4);42-51(2013)
Anderson et al.,mSphere 1(6)e00275-16:1-14(2016)
Watson et al.,J.Virol.,89:9920-9931(2015);doi:10.1128/JVI.00840-15
Kyriakis et al.,Vet Microbiol 144(1-2):67-74(2010)
Lee et al.,Can J Vet Res 71(3):207-12(2007)
Vincent et al.,Vaccine 28(15):2782-2787(2010)
Lundstrom,2014,Vaccines,vol.6,p.2392-2415
Vander Veen et al.,2012,Anim.Health.Res.Rev.,vol.13,p.1-9
Kamrud et al.,2010,J.Gen.Virol.,vol.91,p.1723-1727
Pushko et al.,1997,Virology,vol.239,p.389-401
Bredenbeek et al.,1993,J.of Virol.,vol.67,p.6439-6446
Liljestrom&Garoff,1991,Biotechnology(NY),vol.9,p.1356-1361
Davis et al.,2002,IUBMB Life,vol.53,p.209-211
Nanda K.et al.,Vol.390(2),2009,368-373
本発明の第1の態様では、驚くべきことに、2つ以上のブタインフルエンザAウイルスヘマグルチニン(IAV-S HA)抗原を挿入するケースでは、RNAレプリコン粒子のウイルスゲノム内のHA抗原をエンコードする遺伝子の位置が誘導免疫のレベルに大きく影響することが見出された。
したがって、本発明は、異なる系統からの2つのIAV-S HA抗原の組み合わせを特定の順序でエンコードする核酸構築物を提供する。これらの核酸構築物は、RNAレプリコン粒子に使用することができる。本発明のこれらのRNAレプリコン粒子は、ワクチン接種対象(例えば、ヒト、コンパニオンアニマルまたは家畜、特にブタ)におけるブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)によって引き起こされる疾患の予防に使用するためのワクチンを提供するための免疫原性組成物に使用することができる。
本発明の第1の実施形態では、核酸構築物は、Scot/94系統およびEurasian avian様(EA)系統のIAV-S HA抗原の組み合わせを含み、Scot/94系統のIAV-S HAが最初に配置され(核酸配列の5’から3’の順序で)、EA系統のIAV-S HAが2番目に配置される。「5’から3’方向に」という用語は、「下流方向に」としても知られ、当分野で公知である。「この順序で」という用語と共に、それは、宿主細胞の遺伝子発現機構と共に機能するために(すなわち、それにより核酸構築物を含む本発明によるRPが複製および発現され得る)、その後に合わされる要素が互いに有する必要がある相対的な配向を示すのに役立つ。当業者が理解するように、この場合、この方向は「コーディング鎖」であるゲノムの核酸鎖に関する。遺伝子は、5’から3’方向に連続した順序で存在し得、すなわち、構築物中に存在するタンパク質への発現についての中間遺伝子は存在しない。その場合、核酸構築物は、典型的には、5’から3’の順序で、主鎖ウイルス非構造タンパク質オープンリーディングフレーム、サブゲノムプロモーターとその後の第1のHA抗原遺伝子配列、中間部の配列、第2のサブゲノムプロモーター配列とその後の第2のHA抗原遺伝子、および最後に主鎖ウイルス3’非翻訳領域を含む。
したがって、本発明は、核酸配列の5’から3’の順序で:
A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物を提供する。
A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物を提供する。
本発明の第2の実施形態では、核酸構築物は、Gent/84系統およびpdm09様系統のIAV-S HA抗原の組み合わせを含み、Gent/84系統のIAV-S HAが最初に配置され(核酸配列の5’から3’の順序で)、pdm09系統のIAV-S HAが2番目に配置される。したがって、本発明は、核酸配列の5’から3’の順序で:
A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物を提供する。
A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物を提供する。
本発明の第2の態様では、驚くべきことに、4つの主要な流行IAV-S系統の特定の株のブタインフルエンザAウイルスヘマグルチニン(IAV-S HA)が、他の株と比較してIAV-Sに対する改善された免疫を提供し得ることが見出された。特に、IAV-S HAの特定の組み合わせが改善された免疫を提供し得ることが見出された。したがって、IAV-S HAのそのような組み合わせは、RNAレプリコン粒子に含めることができる核酸構築物に有益に使用することができる。これらのRNAレプリコン粒子は、ワクチン接種対象(例えば、ヒト、コンパニオンアニマルまたは家畜、特にブタ)のIAV-Sに対する防御を援助し、例えばIAV-Sウイルス感染の防御を援助するワクチンを提供するための免疫原性組成物として使用することができる。
したがって、本発明は、本明細書で定義される特定の株の2つのIAV-S HA抗原の組み合わせをエンコードする核酸構築物をさらに提供する。
第1の実施形態では、本発明は、第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を提供し、
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
第2の実施形態では、本発明は、対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防または治療に使用するための核酸構築物を提供し、核酸構築物は、第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
別の重要な実施形態では、本発明の核酸構築物を含むRNAレプリコン粒子が提供される。したがって、RNAレプリコン粒子は、第1または第2の実施形態による核酸構築物を含み得る。
本明細書に記載の第1および第2の態様の実施形態の任意の組み合わせが本発明に含まれる。したがって、本発明は、IAV-S HA抗原が第1の態様で定義される特定の順序で配置され、そして、IAV-S抗原が第2の態様で定義される特定の株に由来する核酸構築物をさらに提供する。
別の重要な態様では、本発明は、本明細書に記載される核酸構築物を含むRNAレプリコン粒子を提供する。
別の重要な態様では、本発明は、本明細書に記載のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物を提供する。
別の重要な態様では、本発明は、RNAレプリコン粒子の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供し、この組み合わせは、第1の実施形態による核酸構築物を含む第1のRNAレプリコン粒子と、第2の実施形態による核酸構築物を含む第2のRNAレプリコン粒子とを含む。
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に記載の免疫原性組成物を含むワクチンに関する。
別の重要な実施形態では、本発明のワクチンは、対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防または治療に使用され得る。
別の重要な実施形態では、本発明は、ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法を提供し、該方法は、本発明のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む。
第3の態様では、驚くべきことに、異なる系統のIAV-Sの第1および第2のHA抗原をエンコードする核酸構築物をそれぞれ含む2つのRNAレプリコン粒子の組み合わせがIAV-Sに対する免疫の改善を提供し得ることが見出された。
したがって、本発明は、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物をさらに提供し、第1のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1および第2のHA抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものである。
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものである。
本発明は、本明細書に記載の第3の態様の実施形態と、第1および第2の態様の実施形態との任意の組み合わせを含有する。したがって、本発明は、第3の態様に記載のレプリコン粒子をさらに提供し、ここで核酸構築物はIAV-S HA抗原をエンコードし、これは第1の態様で定義される特定の順序で配置され、および/または、IAV-S抗原は、第2の態様で定義される特定の株に由来する。
第4の態様では、驚くべきことに、本明細書に記載の3つの異なる系統のIAV-Sノイラミニダーゼ(NA)抗原の特定の組み合わせを含む核酸構築物が、4つの主要な流行IAV-S系統全てに対する免疫を提供するために使用され得ることが見出された。
したがって、本発明は、IAV-Sの第1、第2および第3のNA抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物をさらに提供し、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される。
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される。
別の重要な実施形態では、本発明は、第4の態様に記載される核酸構築物を含むRNAレプリコン粒子を提供する。
別の重要な実施形態では、本発明は、第4の態様に記載のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物を提供する。
本発明のさらなる実施形態は、第4の態様に記載の免疫原性組成物を含むワクチンに関する。
別の重要な実施形態では、第4の態様に記載のワクチンは、対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防または治療に使用され得る。
別の重要な実施形態では、本発明は、ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法を提供し、該方法は、第4の態様に記載のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む。
別の重要な態様では、本発明は、RNAレプリコン粒子の組み合わせを含む免疫原性組成物を提供し、この組み合わせは、第3の態様による第1および第2のRNAレプリコン粒子と、第4の実施形態による核酸構築物を含む第3のRNAレプリコン粒子とを含む。
本発明は、本明細書に記載の第4の態様の実施形態と、第1、第2および/または第3の態様の実施形態との任意の組み合わせを含有する。したがって、本発明は、第3の態様に記載のレプリコン粒子をさらに提供し、ここで、核酸構築物はIAV-S HA抗原をエンコードし、これは第1の態様で定義される特定の順序で配置され、および/または、IAV-S抗原は、第4の態様に記載のレプリコン粒子と組み合わせて第2の態様で定義される特定の株に由来する。
用語の定義:
本発明を十分に理解するために、以下の定義を提供する。
本発明を十分に理解するために、以下の定義を提供する。
核酸構築物は、典型的には標的細胞への移植のために、人工的に構築された核酸のセグメント(例えば、DNA、RNA、mRNA)である。
説明の便宜のための単数形の用語の使用は、決して限定を意図するものではない。したがって、例えば、「ポリペプチド」を含む組成物への言及は、そのようなポリペプチドの1以上への言及を含む。さらに、「アルファウイルスRNAレプリコン粒子」への言及は、特に明記しない限り、複数のそのようなアルファウイルスRNAレプリコン粒子への言及を含む。
本明細書で使用される場合、「およそ」という用語は、「約」という用語と互換的に使用され、値が示された値の50%以内であること、すなわち、1ミリリットル当たり「およそ」1×108個のアルファウイルスRNAレプリコン粒子を含有する組成物は、1ミリリットル当たり5×107個~1.5×108個のアルファウイルスRNAレプリコン粒子を含有することを意味する。
本明細書で使用される場合、「ブタ(pig)」または「ブタ(swine)」または「ブタ(porcine)」という用語は互換的に使用され、特に明記しない限り、全ての家畜化されたブタ種を含む。
本明細書で使用される場合、「系統学的クラスター」は、類似の(同族の)祖先に根ざした系統樹または進化樹において(同じ分岐上で)一緒にグループ化された、ヘマグルチニン(HA)またはノイラミニダーゼ(NA)のようなインフルエンザウイルス抗原のセットである。米国で発見されたIAV-Sノイラミニダーゼおよびヘマグルチニンについて、優勢な系統学的クラスターが[Anderson et al.,Influenza and other Respiratory Viruses 7(Suppl.4):42-51(2013)]に記載されている。
本明細書で使用される場合、「系統」は、類似の(同族の)祖先に根ざした系統樹または進化樹において(同じ分岐上で)一緒にグループ化されたインフルエンザウイルスヘマグルチニンのセットである。これらのグループ分けは、欧州のヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼについて行われており、米国ウイルスの系統学的クラスターに類似しているが、同じではない。系列決定は、容易に入手可能なソフトウェア、すなわちClustal Omega[Sievers F.,et al.,(2011)Mol.Syst.Biol.7:539]またはウェブでアクセス可能なH1 HA配列用のアノテーションツール[Anderson TK,et al.,mSphere,2016;1(6):e00275-16]を使用して、予め確立された参照配列を用いて問題のHAまたはNA配列の系統学的分析によって得ることができる。
欧州で発見されたIAV-Sヘマグルチニン(HA)については、[Watson et al.,J.Virol.89:9920-9931(2015)]に記載されるように4つの優勢な系統があり、Anderson et al.,mSphere 1(6):e00275-16(2016)に記載される3つのH1 HA分岐、および1つのH3 HA分岐[Anderson et al.、未発表]に対応する。「Eurasian avian様swine H1N1」(EA)と呼ばれ、CS系統とは遺伝的に異なるトリH1N1ウイルスがベルギーおよびドイツのブタから単離された1979年まで、欧州のブタはCS系統のウイルスのみに感染していた。EA系統は欧州のブタの間で流行し続け、その出現以来ヒトの季節性起源ウイルスと再集合し、その結果欧州における3つの異なるウイルスサブタイプ:(i)Eurasian avian様H1avN1(EAまたは分岐1C.2.)、(ii)A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84または分岐3.1970.1)、および(iii)A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94または分岐1B.1)が生じた。2009年4月以降、ブタ起源の(iv)A(H1N1)pdm09または分岐1A.3.3.2と命名された新規H1N1 IAVウイルスが、ヒト集団全体に蔓延している。本発明の文脈において、これらの4つの系統は、したがって、「EA」、「Gent/84」、「Scot/94」および「pdm09」と呼ばれる。
本明細書で使用される場合、「レプリコン」という用語は、もし存在していれば細胞培養物または動物宿主において親ウイルスの増殖を成功させることができる1以上の要素(例えば、構造タンパク質のコーディング配列)を欠く、修飾RNAウイルスゲノムを指す。適切な細胞環境において、レプリコンはそれ自体を増幅し、1以上のサブゲノムRNA種を産生し得る。
本明細書で使用される場合、「RNAレプリコン粒子」、略して「RP」という用語は、構造タンパク質、例えばキャプシドおよび糖タンパク質にパッケージングされたRNAレプリコンであり、アルファウイルスに由来してもよく、例えばPushko et al.,[Virology 239(2):389-401(1997)]によって記載されるアルファウイルスRNAレプリコン粒子であるが、シンドビスウイルス[Bredenbeek et al.,1993,J.of Virol.,vol.67,p.6439-6446]、およびセムリキ森林ウイルス[Liljestrom&Garoff,1991,Biotechnology(NY),vol.9,p.1356-1361]であってもよい。RPは、レプリコンがアルファウイルス構造成分(例えば、キャプシドおよび糖タンパク質)をエンコードしないので、(ヘルパープラスミドまたは類似の成分が無ければ)細胞培養物または動物宿主中で増殖することができない。好ましくは、本発明のRNA RPはアルファウイルスRNA RPである。
「非IAV-S」という用語は、病原体および/または抗原(または免疫原)などの用語を修飾して、それぞれの病原体および/または抗原(または免疫原)がIAV-S病原体でもIAV-S抗原(または免疫原)でもないこと、および非IAV-Sタンパク質抗原(または免疫原)がIAV-Sに由来しないことを示すために使用される。
「~に由来する」という用語は、その所与のタンパク質抗原の未修飾および/または切断されたアミノ酸配列が、その病原体またはその病原体の株によってエンコードされることを示すために本明細書で使用される。コーディング配列は、病原体に由来するタンパク質抗原のための本発明の核酸構築物内で遺伝子操作されて、それにより、由来する病原体または病原体の株(天然に弱毒化された株を含む)における、そのタンパク質抗原の対応する配列に対して発現したタンパク質抗原のアミノ酸配列の修飾および/または切断が生じてもよい。
本明細書で使用される場合、「治療」または「治療する」、「予防」または「予防する」、「防御する」または「防御を提供する」または「保護免疫を誘発する」、「疾患の予防を助ける」および「防御の補助」という用語は、感染の徴候からの完全な防御である必要はない。例えば、「予防に使用するために」は、提供される防御が、抗原チャレンジ後に根本的な感染の症状を少なくとも軽減し、および/または、症状を引き起こす根本的な細胞性、生理学的、もしくは生化学的原因もしくは機構の1以上を軽減および/または排除するのに十分であることを意味し得る。この文脈で使用される「軽減した」とは、感染の生理学的状態だけでなく、感染の分子状態を含む感染の状態に関することを意味することが理解される。したがって、「疾患の予防」または「治療」という用語は、ウイルスの感染または感染から生じる障害に対する予防的治療を包含する。
本明細書で使用される場合、「ワクチン」は、動物、例えばブタ(特定の実施形態ではヒトを含むが、他の実施形態では特にヒト用ではない)への適用に適した組成物であり、典型的には、水を含有する液体のような薬学的に許容される担体と組み合わせされた1以上の抗原を含み、動物へ投与すると、野生型微生物による感染から生じる疾患からの防御を最小限に援助するのに十分強い、すなわち疾患の予防を援助するのに十分強い免疫応答を誘導し、および/または、疾患を予防、改善または治療する。
本明細書で使用される場合、多価ワクチンは、2つ以上の異なる抗原を含むワクチンである。この種の特定の実施形態では、多価ワクチンは、2つ以上の異なる病原体に対してレシピエントの免疫系を刺激する。
用語「アジュバント」および「免疫刺激剤」は、本明細書では互換的に使用され、免疫系の刺激を引き起こす1以上の物質として定義される。これに関連して、アジュバントは、1以上のワクチン抗原/単離物に対する免疫応答を増強するために使用される。したがって、「アジュバント」は、特定の抗原に対する免疫応答を非特異的に増加させ、したがって、目的の抗原に対する適切な免疫応答を生成するために、任意の所与のワクチンに必要な抗原の量、および/または、必要な注射の頻度を減少させる薬剤である。これに関連して、アジュバントは、1以上のワクチン抗原/単離物に対する免疫応答を増強するために使用される。
本明細書で使用される場合、「アジュバント非含有ワクチン」は、アジュバントを含有しないワクチンまたは多価ワクチンである。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、修飾された名詞が医薬での使用に適切であることを意味するために形容詞的に使用される。例えば、それは、医薬ワクチン中の賦形剤を説明するために使用される場合、賦形剤が組成物の他の成分と適合性であり、意図されたレシピエント動物、例えばブタに不利に有害でないことを特徴づける。
「非経口投与」には、皮下注射、粘膜下注射、静脈内注射、筋肉内注射、皮内注射および注入が含まれる。
IAV-Sのヘマグルチニン抗原およびノイラミニダーゼ抗原は、本明細書で定義される配列で指定される完全な、すなわち全長のタンパク質に関連し得るか、またはその抗原性断片に関連し得、この断片は、インフルエンザワクチンの分野で一般に知られているような適切な免疫学的応答を誘導するのに同等に好適であり得る(例えば、PLOS ONE Research Article「An Influenza A/H1N1/2009 Hemagglutinin Vaccine Produced in Escherichia coli」、Jose M.Aguilar-Yanez et al.July 22,2010;https://doi.org/10.1371/journal.pone.0011694;Vaccines(Basel)「Optimal Use of Vaccines for Control of Influenza A Virus in Swine」、Matthew R.Sandbulte et al.2015 Marc 3(1)22-73を参照されたい)。
一般に、特定のタンパク質の抗原性断片(例えば、タンパク質抗原)は、抗原性であり、すなわち免疫系の抗原認識分子、例えば免疫グロブリン(抗体)またはT細胞抗原受容体と特異的に相互作用することができるそのタンパク質の断片である。例えば、IAV-Sヘマグルチニン(HA)の抗原性断片は、抗原性であるHAタンパク質の断片であり、すなわち免疫原性エピトープの機能を果たす。好ましくは、本発明の抗原性断片は、抗体および/またはT細胞受容体認識に免疫優性である。特定の実施形態では、所与のタンパク質の抗原に関する抗原性断片は、全長タンパク質の抗原性の少なくとも25%を保持する(すなわち、下記に記載されるHIまたはNI阻害アッセイによって確立されるものに相当する抗体を誘導する能力)そのタンパク質の断片である。好ましい実施形態では、抗原性断片は、全長タンパク質の抗原性の少なくとも50%を保持する。より好ましい実施形態では、抗原性断片は、全長タンパク質の抗原性の少なくとも75%を保持する。抗原性断片は、20アミノ酸ほどの小さいものであり得るか、またはそれと正反対に、全長タンパク質から単一アミノ酸ほど小さい欠損がある大きな断片であり得る。特定の実施形態では、抗原性断片は、25~150のアミノ酸残基を含む。他の実施形態では、抗原性断片は、50~250のアミノ酸残基を含む。
本明細書で使用される場合、両方の配列のアミノ酸残基が同一である場合、1つのアミノ酸配列は、第2のアミノ酸配列に対して100%「同一」であるか、または100%の「配列同一性」を有する。したがって、2つのアミノ酸配列のアミノ酸残基の50%が同一である場合、アミノ酸配列は第2のアミノ酸配列に対して50%「同一」である。配列比較は、所与のタンパク質、例えばタンパク質、または比較されるポリペプチドの一部に含まれるアミノ酸残基の連続ブロックにわたって行われる。特定の実施形態では、別途2つのアミノ酸配列間の対応関係を変化させ得る、選択された欠失または挿入が考慮される。
本明細書で使用される場合、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の同一性パーセントは、デフォルトパラメータを有する多重配列アラインメントプログラムである、ウェブベースのClustal Omegaを使用して決定することができる[Sievers and Higgins,Protein Sci.2018 Jan;27(1):135-1452018]。同一性パーセント値は、アラインメントされる配列の各対について決定された単一の数値スコアである。それは、アラインメントの長さに関して同一の残基の数(「一致」)を測定する。Clustal Omegaの次に、ヌクレオチドおよびアミノ酸配列の同一性パーセントを決定するために使用され得る他のプログラムは、C、MacVector(MacVector,Inc.Cary,NC 27519)、Vector NTI(Informax,Inc.MD)、Oxford Molecular Group PLC(1996)ならびにアラインメントデフォルトパラメータ、および同一性のデフォルトパラメータを有するClustal Wアルゴリズムである。あるいは、Advanced Blast検索を、例えば、デフォルトパラメータを使用するGCG(Genetics Computer Group、GCGパッケージ用のプログラムマニュアル、バージョン7、Madison、Wisconsin)パイルアッププログラムを使用して、デフォルトフィルタ条件下で使用することができる。
本発明の第1の態様の第1の実施形態は、ヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする少なくとも第1および第2の核酸配列を特定の順序で組み合わせる、第1の核酸構築物に関する。核酸構築物の5’から3’の方向に第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原は、Scot/94系統のものである。核酸構築物の5’から3’の方向に第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原は、EA系統のものである。
Scot/94系統の第1のHA抗原は、任意の株のもの、例えば株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)またはA/swine/France/35-140041(H1N2)由来であり得る。好ましい実施形態では、Scot/94系統の第1のHA抗原は、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来である。
さらに好ましくは、第1のHA抗原は、配列番号3によるアミノ酸配列、または、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも89%、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらにより好ましくはそれからなる。さらに好ましくは、第1のHA抗原は、配列番号3のアミノ酸配列、または、少なくとも90%、好ましくは少なくとも93%、より好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
EA系統の第2のHA抗原は、任意の株のもの、例えば株A/swine/Denmark/101048-2/2011(H1N1)、A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)またはA/swine/France/44-120070/2012(H1N1)由来であり得る。好ましい実施形態では、EA系統の第2のHA抗原は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来である。
さらに好ましくは、第2のHA抗原は、配列番号6によるアミノ酸配列、または、少なくとも少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらにより好ましくはそれからなる。さらに好ましくは、第2のHA抗原は、配列番号6のアミノ酸配列、または、少なくとも93%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
本発明の第2の実施形態は、ヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする少なくとも第1および第2の核酸配列を特定の順序で組み合わせる、第2の核酸構築物に関する。核酸構築物の5’から3’の方向で第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原は、Gent/84系統のものである。核酸構築物の5’から3’の方向で第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原は、pdm09系統のものである。
Gent/84系統の第1のHA抗原は、任意の株のもの、例えば株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来であり得る。好ましい実施形態では、Gent/84系統の第1のHA抗原は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来である。
さらに好ましくは、第1のHA抗原は、配列番号9によるアミノ酸配列、または、少なくとも少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらにより好ましくはそれからなる。さらに好ましくは、第1のHA抗原は、配列番号9のアミノ酸配列、または、少なくとも93%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
pdm09系統の第2のHA抗原は、任意の株のもの、例えば株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来であり得る。好ましい実施形態では、EA系統の第2のHAは、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来である。
さらに好ましくは、第2のHA抗原は、配列番号12によるアミノ酸配列、または、少なくとも少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらにより好ましくはそれからなる。さらに好ましくは、第1のHA抗原は、配列番号12のアミノ酸配列、または、少なくとも95%、好ましくは少なくとも96%、さらに好ましくは少なくとも97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなる。
第2の態様の第1の実施形態では、第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物が提供され、
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
好ましくは、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のScot/94系統のIAV-Sの第1のHA抗原のアミノ酸配列は、配列番号3の配列、または、少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、さらに好ましくは、少なくとも91%、92%、より好ましくは少なくとも93%、94%、95%、96%、97%、98%またはさらには99%以上である。
好ましくは、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEA系統のIAV-Sの第2のHA抗原のアミノ酸配列は、配列番号6の配列、または、少なくとも90%、好ましくは少なくとも93%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、さらに好ましくは、少なくとも94%、95%、より好ましくは少なくとも96%、97%、98%またはさらには99%以上である。
第2の態様の第2の実施形態では、対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防または治療に使用するための核酸構築物が提供され、核酸構築物は、第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
第1の核酸配列は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする。
好ましくは、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のGent/84系統のIAV-Sの第1のHA抗原のアミノ酸配列は、配列番号9の配列、または、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、好ましくは、少なくとも96%、97%、より好ましくは少なくとも98%またはさらには99%以上である。
好ましくは、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のpdm09系統のIAV-Sの第2のHA抗原のアミノ酸配列は、配列番号12の配列、または、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、好ましくは、少なくとも96%、97%、より好ましくは少なくとも98%またはさらには99%以上である。
第1および/または第2の態様の第1および/または第2の実施形態による核酸構築物は、異種遺伝子として上記のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする核酸配列を、転写および/または発現制御核酸配列、例えばアルファウイルスサブゲノムプロモーター配列などと共に組み込んだ発現カセットに含まれてもよく、それはHA抗原の発現に適している。そのような発現カセットは、DNAベクターまたはRNAベクターのようなベクターにHA抗原をエンコードする異種核酸配列を組み込むことによる、周知の技術を使用して作製することができる。ベクターは、RNAレプリコン粒子(RP)のようなウイルスレプリコン主鎖であり得、好ましくはアルファウイルスRNAレプリコン粒子である。
したがって、本発明の第1および第2の態様では、第1の実施形態によるヌクレオチド構築物を含むRNA RP、好ましくはアルファウイルスRNA RPがさらに提供される。さらに、本発明は、第2の実施形態によるヌクレオチド構築物を含むRNA、好ましくはアルファウイルスRNA RPをさらに提供する。
「アルファウイルスRNAレプリコン粒子(RP)」は、「非伝染性」、「単一サイクル」、または「増殖不全」ウイルス様粒子ベクターとしてよく知られている。ゲノムは、その26Sサブゲノムプロモーターからの1以上の異種遺伝子をエンコードすることができる。RPは、子孫を生むことなく標的細胞内で複製することができ、このようにして、異種抗原(類)を標的動物の免疫系に送達し、発現させる。アルファウイルスRNA RPは、ヒトベネズエラウマ脳炎ワクチン(VEEV)TC-83株に基づくものであり得る。
抗原の異種発現のためのRP発現系は当技術分野で利用可能であり、例えば、ワクチン製造用の市販のRPベクターベースのプラットフォーム、例えば、VEEウイルスに基づくAlphavaccine Platform System、およびMSD/Merck Animal Health、USAから入手できるSEQUIVITY(商標)Technologyを含む。したがって、さらに好ましい実施形態では、RNAレプリコン粒子は、ベネズエラウマ脳炎(VEE)アルファウイルスベースのRNAレプリコン粒子である。
例えば、ウイルスHA抗原遺伝子(類)を、次いで(26S-アルファウイルス)サブゲノムプロモーターから発現させることができ、そして、転写されたレプリコンRNAを、パッケージング細胞株による構造タンパク質の発現によって、またはレプリコンRNA、および構造タンパク質をエンコードする1以上の「ヘルパー」RNAの適切な宿主細胞への同時トランスフェクションによって、RPにパッケージングすることができる。VEE TC-83 RNAレプリコン粒子の生成は、例えば、米国特許第9,441,247号および米国特許第8,460,913号に記載されている。手短に言えば、HAまたはNA遺伝子は、SIV株からの配列を使用してデノボ合成された(DNA2.0)。2つのHAまたは3つのNA遺伝子を、タンデムの単方向性発現カセットを使用してレプリコンベクタープラスミドにクローニングし、配列を確認してクローニングプロセスにおいて変異が導入されないことを確保した。RNAを、以前に記載されたように、T7 RNAポリメラーゼを使用して線状化レプリコンプラスミドDNAのインビトロ転写によって生成した[Kamrud et al.、Virology.2007;360(2):376-387]。HAまたはNAレプリコンRNAおよび構造遺伝子ヘルパーRNAをVero細胞に同時エレクトロポレーションし、その後粒子を回収することによって、RPを生成した[Hooper et al.,Vaccine.2009;28(2):494-511]。
クローニング、トランスフェクション、組換え、選択および増幅を含む一般的な分子生物学的技術は、Sambrook&Russell:「Molecular cloning:a laboratory manual」[2001,Cold Spring Harbour Laboratory Press;ISBN:0879695773;Ausubel et al.,in:Current Protocols in Molecular Biology,J.Wiley and Sons Inc.,NY,2003,ISBN:047150338X;C.Dieffenbach&G.Dveksler:「PCR primers:a laboratory manual」,CSHL Press,ISBN 0879696540;および「PCR protocols」,by:J.Bartlett and D.Stirling,Humana press,ISBN:0896036421]のような標準的な教科書で非常に詳細に説明されている。
本発明の核酸構築物は、核酸構築物を含む免疫原性組成物に使用することができる。好ましくは、免疫原性組成物は、本発明の核酸構築物を含む1以上のレプリコン粒子を含む。したがって、本発明のレプリコン粒子は、レプリコン粒子を含む、ワクチンのような免疫原性組成物に使用することができる。免疫原性組成物またはワクチンは、レプリコン粒子からなってもよく、または担体またはアジュバントのような追加の成分と組み合わせたレプリコン粒子を含んでもよい。本発明の免疫原性組成物は、対象におけるブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)によって引き起こされる疾患の予防に使用するためのワクチンに使用され得る。
したがって、第1および/または第2の態様では、本発明は、第1の実施形態による核酸構築物を含むRNA RPを含むか、またはそれからなる免疫原性組成物をさらに提供する。あるいは、本発明は、第2の実施形態による核酸構築物を含むRNA RPを含むか、またはそれからなる免疫原性組成物をさらに提供する。
第1および/または第2の態様の好ましい実施形態では、本発明は、第1の実施形態によるヌクレオチド構築物を含む第1のRNA RPと、第2の実施形態によるヌクレオチド構築物を含む第2のRNA RPとを含む免疫原性組成物を提供する。本発明では、第1および第2の実施形態によるレプリコン粒子の組み合わせを含む免疫原性組成物が、既存のIAV-S系統に対する広範な防御を提供することを示すことができ、したがって、そのような免疫原性組成物は、ワクチン接種対象、例えばブタ(例えば、雌ブタまたは仔ブタ)のIAV-S感染に対する防御を援助する、すなわち予防または治療を援助するワクチンとして有益に使用され得る。
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含む、ワクチンのような免疫原性組成物を提供し、
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、pdm09系統のものであり、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、Scot/94のものであり、そして、
第4のHA抗原は、EA系統のものである。
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、pdm09系統のものであり、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、Scot/94のものであり、そして、
第4のHA抗原は、EA系統のものである。
特に好ましい実施形態では、本発明は、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含むワクチンのような免疫原性組成物を提供し、
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、
核酸配列の5’から3’の順序で、
Scot/94系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列と EA系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列と、
を含む第1の核酸構築物を含み、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、
Gent/84系統のIAV-Sの第3のHA抗原をエンコードする第3の核酸配列と、
pdm09系統のIAV-Sの第4のHA抗原をエンコードする第4の核酸配列と、
を含む第2の核酸構築物を含む。
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、
核酸配列の5’から3’の順序で、
Scot/94系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列と EA系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列と、
を含む第1の核酸構築物を含み、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、
Gent/84系統のIAV-Sの第3のHA抗原をエンコードする第3の核酸配列と、
pdm09系統のIAV-Sの第4のHA抗原をエンコードする第4の核酸配列と、
を含む第2の核酸構築物を含む。
特に好ましい実施形態では、本発明は、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含むワクチンのような免疫原性組成物を提供し、
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、
核酸配列の5’から3’の順序で、
Scot/94系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列と EA系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列と、を含む第1の核酸構築物を含み、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、
Gent/84系統のIAV-Sの第3のHA抗原をエンコードする第3の核酸配列と、
pdm09系統のIAV-Sの第4のHA抗原をエンコードする第4の核酸配列と、
を含む第2の核酸構築物を含む。
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、
核酸配列の5’から3’の順序で、
Scot/94系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列と EA系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列と、を含む第1の核酸構築物を含み、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、
Gent/84系統のIAV-Sの第3のHA抗原をエンコードする第3の核酸配列と、
pdm09系統のIAV-Sの第4のHA抗原をエンコードする第4の核酸配列と、
を含む第2の核酸構築物を含む。
したがって、第3の態様では、本発明は、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含むワクチンのような免疫原性組成物を提供し、
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、ブタインフルエンザウイルスAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のGent/84系統のものであり、好ましくは、配列番号9のもの、またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列であり、そして、
第1の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のpdm09系統のものであり、好ましくは、配列番号12のもの、またはその少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列であり、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3の核酸配列によってエンコードされる第3のHA抗原は、株A/swine/Italy/3033-1/2015株(H1N2)由来のScot/94系統のもの、好ましくは、配列番号3のもの、またはその少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列であり、そして、
第4の核酸配列によってエンコードされる第4のHA抗原は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEA系統のもの、好ましくは、配列番号6のもの、またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。
(i)第1のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、ブタインフルエンザウイルスAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原は、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のGent/84系統のものであり、好ましくは、配列番号9のもの、またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列であり、そして、
第1の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のpdm09系統のものであり、好ましくは、配列番号12のもの、またはその少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列であり、
(ii)第2のRNAレプリコン粒子、好ましくは、アルファウイルスRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3の核酸配列によってエンコードされる第3のHA抗原は、株A/swine/Italy/3033-1/2015株(H1N2)由来のScot/94系統のもの、好ましくは、配列番号3のもの、またはその少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列であり、そして、
第4の核酸配列によってエンコードされる第4のHA抗原は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEA系統のもの、好ましくは、配列番号6のもの、またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列である。
第3の態様の核酸構築物、免疫原性組成物およびレプリコン粒子は、本発明の第1および第2の態様について上述した通りである。したがって、本発明は、本明細書に記載の第3の態様の実施形態と、第1および第2の態様の実施形態との任意の組み合わせをさらに含有する。したがって、本発明は、第3の態様に記載のレプリコン粒子をさらに提供し、ここで、核酸構築物は、IAV-S HA抗原をエンコードし、これは第1の態様で定義される特定の順序で配置され、および/または、IAV-S抗原は、第2の態様で定義される特定の株に由来する。
免疫原性組成物は、上記のような第1および第2のRNAレプリコン粒子の同時または連続投与、すなわち第1および第2の実施形態による核酸構築物を含むRNA RPの同時または連続投与に適合させることができる。好ましくは、免疫原性組成物は、第1および第2のRNAレプリコン粒子の同時投与に適合している。したがって、好ましい実施形態では、免疫原性組成物は、単位剤形の第1および第2のRNAレプリコン粒子を含む。
さらに好ましい実施形態では、免疫原性組成物は、1以上の追加のRNAレプリコン粒子を含み得る。そのような追加のRNA RPは、1以上の追加の抗原をエンコードする核酸構築物を含み得る。例えば、追加のRNA RPは、IAV-Sの1以上のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする核酸構築物を含み得る。特定の実施形態では、核酸構築物は、IAV-Sの2つまたは3つ、好ましくは3つのNA抗原、またはその免疫原性断片をエンコードする。
特に好ましい実施形態では、追加のRNA RPは、IAV-Sの第1、第2および第3のNA抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物をさらに含み、ここで、
第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
したがって、本発明の第4の態様では、IAV-Sの第1、第2および第3のNA抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物がさらに提供され、ここで、
第1の核酸配列によってエンコードされる第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2の核酸配列によってエンコードされる第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3の核酸配列によってエンコードされる第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
第1の核酸配列によってエンコードされる第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2の核酸配列によってエンコードされる第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3の核酸配列によってエンコードされる第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
好ましくは、Scot/94系統のIAV-Sの第1のNA抗原のアミノ酸配列は、株A/swine/England/61470/2013(H1N2)に由来する。第1のNA抗原のアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号15の配列または少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、好ましくは少なくとも96%、97%、より好ましくは、少なくとも98%またはさらには99%以上である。
好ましくは、Gent/84系統のIAV-Sの第2のNA抗原のアミノ酸配列は、株A/swine/Italy/248147-8/2015(H3N2)に由来する。第2のNA抗原のアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号18の配列または少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、好ましくは少なくとも96%、97%、より好ましくは、少なくとも98%またはさらには99%以上である。
好ましくは、pdm09系統のIAV-Sの第3のNA抗原のアミノ酸配列は、株A/swine/England/373/2010(H1N1)またはA/swine/Italy/179057/2015(H1N1)に由来し、好ましくは株A/swine/Italy/179057/2015(H1N1)に由来する。第3のNA抗原のアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号21の配列または少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、好ましくは少なくとも96%、97%、より好ましくは、少なくとも98%またはさらには99%以上である。
あるいは、EA系統のIAV-Sの第3のNA抗原のアミノ酸配列は、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)に由来する。第3のNA抗原のアミノ酸配列は、好ましくは、配列番号24の配列または少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、さらに好ましくはそれからなる。アミノ酸同一性は、好ましくは少なくとも96%、97%、より好ましくは、少なくとも98%またはさらには99%以上である。
ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物含むRNAレプリコン粒子、好ましくはアルファウイルスRNAレプリコン粒子がさらに提供され、ここで、
第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
第4の態様による核酸構築物を含むレプリコン粒子は、単独で、または本明細書に記載の本発明の第1、第2および/または第3の態様によるレプリコン粒子と組み合わせて使用することができ、そして、本発明の第1、第2および/または第3の態様に記載のヘマグルチニン抗原を含むレプリコン粒子と組み合わせて有益に使用される。
この第4の態様によるレプリコン粒子は特に限定されず、好ましくはアルファウイルスレプリコン粒子のようなレプリコン粒子、最も好ましくは、第1、第2および/または第3の態様に記載されるベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)アルファウイルスRNAレプリコン粒子である。
さらに好ましい実施形態では、本発明は、第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子を含むワクチンのような免疫原性組成物を提供し、
第1のRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、IAV-Sの第1および第2のHA抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、Scot/94系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、EA系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第4のHA抗原は、pdm09系統のものであり、そして、
第3のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1、第2および第3のNA抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
第1のRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、IAV-Sの第1および第2のHA抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、Scot/94系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、EA系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、核酸配列の5’から3’の順序で、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第4のHA抗原は、pdm09系統のものであり、そして、
第3のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1、第2および第3のNA抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のNA抗原は、Scot/94系統のものであり、
第2のNA抗原は、Gent/84系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、pdm09系統またはEA系統から選択される。
ワクチンのような上記の免疫原性組成物は、ブタ(例えば、雌ブタまたは仔ブタ)のようなワクチン接種対象のIAV-S感染に対する防御を補助するワクチンとして有益に使用することができる。
免疫原性組成物は、上記のような第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子の同時または連続投与、すなわち第1、第2および/または第3の態様による核酸構築物を、第4の態様による核酸構築物と組み合わせて含むRNA RPの同時または連続投与に適合させることができる。好ましくは、免疫原性組成物は、第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子の同時投与に適合している。したがって、好ましい実施形態では、免疫原性組成物は、単位剤形の第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子を含む。
本発明はまた、複数のブタ病原体に対するワクチンを提供する。例えば、タンパク質抗原もしくはその抗原性断片のコーディング配列、またはブタワクチンに有用なそのようなタンパク質抗原のコーディング配列の組み合わせを、本明細書に記載されるように、RNAレプリコン粒子(RP)に加えることができ、および/または、ワクチン中のIAV-Sに由来するHAまたはNAをエンコードするものと同じRPで組み合わせることができる。1以上のタンパク質抗原またはその抗原性断片の起源となり得る病原体の例として、豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)、ブタサーコウイルス(PCV)、伝染性胃腸炎ウイルス(TGE)、ブタ仮性狂犬病(PPRV)、ブタパルボウイルス(PPV)、ブタロタウイルス(PRV)、ブタ流行性下痢ウイルス(PED)、複数の血清型のパスツレラ・ムルトシダ、サルモネラ属菌、大腸菌、例えば(血清型K99、K88、987PまたはF41)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、マイコプラズマ属菌(例えば、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ)、気管支敗血症菌、丹毒(Erysipelas ssp.)、カンピロバクター属菌、アクチノバシラス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ウエルシュ菌(Clostridium perfringens)およびクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)を含む。
さらに、本発明は、これらのブタ抗原の1以上をエンコードする1以上の他のベクター(例えば、ブタサーコウイルス-2(PCV-2)および/またはブタサーコウイルス-3(PCV-3)、および/またはこれらのブタ病原体の1以上に由来する不活化トキソイド由来のORF-2タンパク質をエンコードするバキュロウイルスベクター)と組み合わせて、本発明の1以上のRPを含むワクチンを提供する。さらに、そのようなワクチンは、本発明のワクチン中のIAV-Sに由来するHAおよび/またはNAをエンコードする任意のRNAレプリコン粒子を、1以上の死滅および/または修飾(弱毒化)した生のブタウイルス単離物および/またはブタ細菌と共に含むことができる。
したがって、IAV-Sに由来する1以上のHAおよび/またはNAをエンコードする1以上のRNA RPを、1以上のブタ抗原および/または1以上の死滅および/または修飾(弱毒化)生ウイルス単離物、例えば1以上の死滅または修飾生IAS-V株、1以上の死滅および/または修飾生PRRSウイルス、1以上の死滅および/または修飾生PCV、1以上の死滅および/または修飾生TGE、1以上の死滅および/または修飾生PPRV、1以上の死滅および/または修飾生PPV、1以上の死滅および/または修飾生PRV、ならびに1以上の死滅および/または修飾生PEDをエンコードする1以上の他のベクターと一緒に加えることができる。さらに、IAV-Sに由来する1以上のHAまたはNAをエンコードする1以上のアルファウイルスRNAレプリコン粒子(RP)を、1以上のブタ抗原をエンコードする1以上の他のベクターと一緒に加えることができ、および/または、ブタにも感染することができる1以上の死滅および/または修飾(弱毒化された)生細菌、例えば、1以上の死滅および/または修飾(1以上の血清型の)生パスツレラ・ムルトシダ、サルモネラ属菌、(1以上の血清型の)大腸菌、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、ローソニア・イントラセルラリス(Lawsonia intracellularis)、マイコプラズマ属菌(例えば、マイコプラズマ・ハイオニューモニエ)、気管支敗血症菌、丹毒(Erysipelas ssp.)、カンピロバクター属菌、アクチノバシラス・プルロニューモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ウエルシュ菌(Clostridium perfringens)およびクロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)と一緒に加えることができる。
したがって、本発明はまた、本発明の全てのRNAレプリコン粒子、本発明の核酸構築物を含む裸のDNAベクター、本発明の核酸構築物を含む裸のRNAベクター、合成メッセンジャーRNAを含む本発明の核酸構築物、およびRNAレプリコン、ならびに、本発明の核酸構築物(例えば、合成メッセンジャーRNA、RNAレプリコン)、アルファウイルスRNAレプリコン粒子、裸のRNAベクター、および/または裸のDNAベクターを含む免疫原性組成物および/またはワクチンの全てを含む。
本発明の免疫原性組成物は、ワクチンとして使用することができ、それはアジュバント非含有ワクチンであっても、またはアジュバント含有ワクチンであってもよい。したがって、本発明は、本発明の免疫原性組成物を含むワクチン(多価)ワクチンをさらに含む。
特定の実施形態では、ワクチンはアジュバント非含有ワクチンである。他の実施形態では、ワクチンはアジュバントを含む。本発明のワクチンでの使用に適したアジュバントは、特に限定されず、生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択される1以上のアジュバントを含み得る。
特定の実施形態では、ワクチンはアジュバント非含有ワクチンである。他の実施形態では、ワクチンはアジュバントを含む。本発明のワクチンでの使用に適したアジュバントは、特に限定されず、生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択される1以上のアジュバントを含み得る。
特定の実施形態では、アジュバントは生分解性油である。この種の特定の実施形態では、生分解性油は、dl-α-トコフェリルアセテート(ビタミンEアセテート)である。
他の実施形態では、アジュバントは、2.5%~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。特定の実施形態では、アジュバントは、2.5%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。関連する実施形態では、アジュバントは、5%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。他の実施形態では、アジュバントは、12.5%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。さらに他の実施形態では、アジュバントは、25%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。さらに他の実施形態では、アジュバントは、50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。より具体的な実施形態では、アジュバントは、生分解性油と鉱油アジュバントとの混合物を含む。特定の実施形態では、生分解性油はdl-α-トコフェリルアセテートであり、鉱油は流動パラフィンである。より具体的な実施形態では、生分解性油はdl-α-トコフェリルアセテートであり、鉱油は軽質流動パラフィンである。
他の実施形態では、アジュバントは、2.5%~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。特定の実施形態では、アジュバントは、2.5%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。関連する実施形態では、アジュバントは、5%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。他の実施形態では、アジュバントは、12.5%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。さらに他の実施形態では、アジュバントは、25%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。さらに他の実施形態では、アジュバントは、50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンを含む。より具体的な実施形態では、アジュバントは、生分解性油と鉱油アジュバントとの混合物を含む。特定の実施形態では、生分解性油はdl-α-トコフェリルアセテートであり、鉱油は流動パラフィンである。より具体的な実施形態では、生分解性油はdl-α-トコフェリルアセテートであり、鉱油は軽質流動パラフィンである。
関連する製剤において、アジュバントは2つの成分の混合物である。第1の成分は、およそ1μmの平均(秤量体積)サイズの鉱油液滴からなり、それは水中のポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)で安定化される。第1の成分は、25重量%の鉱油および1重量%のポリソルベート80を含み、残りは水であり得る。第2の成分は、400nmのおよその平均(秤量体積)サイズを有する生分解性dl-α-トコフェリルアセテートの液滴からなり得、これもポリソルベート80で安定化される。特定の製剤は、15重量パーセントのdl-α-トコフェリルアセテートおよび6重量パーセントのポリソルベート80を含み、残りは水である。特定の実施形態では、アジュバントはX-SOLVE(商標)であり、これは2つの構成成分アジュバント:dl-α-トコフェリルアセテートに基づくDILUVAC FORTE(商標)および軽質流動パラフィンに基づくMICROSOL(商標)の組み合わせである[例えば、米国特許第8,597,662号を参照されたい]。関連する製剤において、アジュバントは、マイクロメートル未満サイズの油滴および生分解性油の液滴を含有し、生分解性油の液滴は、鉱油の液滴の平均サイズとは異なる平均サイズを有する[例えば、米国特許第9,084,768号を参照されたい]。
特定の実施形態では、ワクチンは、IAV-Sに起因する疾患の予防に役立つ。関連する実施形態では、抗体は、ブタがワクチンで免疫された場合にブタ対象において誘導される。特定の実施形態では、ブタ対象は雌ブタである。関連する実施形態では、ワクチンは、ワクチン接種された雌ブタの子へ母体由来の防御抗体を提供する。他の実施形態では、ブタ対象は仔ブタである。この種の特定の実施形態では、ワクチンは、3日齢という早い時期に仔ブタに投与される。特定の実施形態では、ワクチンは、ブースターワクチンとして投与される。特定の実施形態では、ワクチンは、単回投与ワクチンとして投与される。
この種の特定の実施形態では、ワクチンは、ブースターワクチンとして投与される。さらに他の実施形態では、ワクチンは、複数回投与ワクチンとして投与される。この種の特定の実施形態では、ワクチンは、2回投与ワクチンとして投与される。
この種の特定の実施形態では、ワクチンは、ブースターワクチンとして投与される。さらに他の実施形態では、ワクチンは、複数回投与ワクチンとして投与される。この種の特定の実施形態では、ワクチンは、2回投与ワクチンとして投与される。
本発明はまた、ブタ病原体、例えばIAV-Sに対してブタ(例えば、雌ブタまたは仔ブタ)を免疫する方法であって、本発明のワクチンまたは多価の免疫学的有効量をブタに投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、ワクチンは筋肉内注射によって投与される。代替の実施形態では、ワクチンは皮下注射によって投与される。他の実施形態では、ワクチンは静脈内注射によって投与される。さらに他の実施形態では、ワクチンは皮内注射によって投与される。さらに他の実施形態では、ワクチンは経口投与によって投与される。さらに他の実施形態では、ワクチンは鼻腔内投与によって投与される。好ましい方法は皮内投与である。別の好ましい方法は筋肉内投与である。
したがって、本発明のワクチンおよび多価ワクチンは、プライマーワクチンとして、および/またはブースターワクチンとして投与することができる。特定の実施形態では、本発明のワクチンは、ワンショットワクチンとして投与され(1回投与)、その後の投与は必要ない。特定の実施形態では、プライマーワクチンとブースターワクチンの両方を投与する場合、プライマーワクチンおよびブースターワクチンは同一の経路で投与することができる。
この種の特定の実施形態では、プライマーワクチンおよびブースターワクチンは、両方とも皮内注射によって投与される。この種の別の実施形態では、プライマーワクチンおよびブースターワクチンは、両方とも筋肉内注射によって投与される。代替え的な実施形態では、プライマーワクチンとブースターワクチンの両方を投与する場合、プライマーワクチンの投与をある経路で、ブースターワクチンの投与を別の経路で行うことができる。この種の特定の実施形態では、プライマーワクチンは皮内注射によって投与され得、ブースターワクチンは経口投与され得る。この種の関連する実施形態では、プライマーワクチンは筋肉内注射によって投与され得、ブースターワクチンは経口投与され得る。この種の他の実施形態では、プライマーワクチンは筋肉内注射によって投与され得、ブースターワクチンは皮内注射によって投与され得る。この種のさらに他の実施形態では、プライマーワクチンは皮内注射によって投与され得、ブースターワクチンは筋肉内注射によって投与され得る。当業者は、ワクチン組成物が、好ましくはレシピエント動物の種類および投与経路ごとに適切に製剤化されることを理解するであろう。
本発明は、IAV-Sに対してブタを免疫する方法をさらに提供し、該方法は、本発明のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む。該方法は、好ましくは、ワクチンの皮内投与を含む。本発明はさらに、IAV-Sに対してブタ(例えば、雌ブタまたは仔ブタ)を免疫する方法を提供し、該方法は、ブタが適切なIAV-S抗体を産生するように、免疫学的有効量の上記の本発明のワクチンをブタに注射することを含む。特定の実施形態では、ワクチンは、例えば、約1×104~約1×1010個以上のRPを含むことができる。より具体的な実施形態では、ワクチンは、約1×105~約1×109個のRPを含むことができる。さらにより具体的な実施形態では、ワクチンは、約1×106~約1×108個のRPを含むことができる。
特定の実施形態では、本発明のワクチンは、0.05mL~3mLの用量で投与される。より具体的な実施形態では、投与される用量は、0.1mL~2mLである。さらにより具体的な実施形態では、投与される用量は、0.2mL~1.5mLである。さらにより具体的な実施形態では、投与される用量は、0.3~1.0mLである。さらにより具体的な実施形態では、投与される用量は、0.4mL~0.8mLである。
したがって、第1の態様では、本発明は以下の実施形態を提供する;
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)によって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、核酸配列の5’から3’の順序で、
A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)によって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、核酸配列の5’から3’の順序で、
A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
[2]第1のHA抗原が、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来である、[1]に記載の使用のための核酸構築物。
[3]第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原が、配列番号3のアミノ酸配列またはその少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]または[2]に記載の使用のための核酸構築物。
[4]第2のHA抗原が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[5]第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原が、配列番号6のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[6]対象におけるブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)によって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、核酸配列の5’から3’の順序で、
A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
[7]第1のHA抗原が、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来である、[6]に記載の使用のための核酸構築物。
[8]第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原が、配列番号9のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[6]または[7]に記載の使用のための核酸構築物。
[9]第2のHA抗原が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来である、[6]~[8]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[10]第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原が、配列番号12のアミノ酸配列またはその少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[6]~[9]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[11][1]~[5]のいずれか一つに記載の核酸構築物を含む、RNAレプリコン粒子。
[12][6]~[10]のいずれか一つに記載の核酸構築物を含む、RNAレプリコン粒子。
[13]アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[15]または[16]に記載のRNAレプリコン粒子。
[14]ベネズエラウマ脳炎(VEE)アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[13]に記載のRNAレプリコン粒子。
[15][11]~[14]のいずれか一つに記載のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物。
[16][11]および[12]に記載のRNAレプリコン粒子を含む、[15]に記載の免疫原性組成物。
[17][11]および[12]に記載のアルファウイルスRNAレプリコン粒子の同時投与に適合している、[16]に記載の免疫原性組成物。
[18][15]~[17]のいずれか一つに記載の免疫原性組成物を含むワクチン。
[19]アジュバント非含有ワクチンである、[18]に記載のワクチン。
[20]生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択されるアジュバントを含む、[18]に記載のワクチン。
[21]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための、[18]~[20]のいずれか一つに記載のワクチン。
[22]ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法であって、[18]~[20]のいずれか一つに記載のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む、方法。
[23]核酸配列の5’から3’の順序で、
A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
[24]核酸配列の5’から3’の順序で、
A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードする第1の核酸配列、および
A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする第2の核酸配列、を含む核酸構築物。
第2の態様では、本発明は以下の実施形態を提供する;
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
[2]第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原が、配列番号3のアミノ酸配列またはその少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]に記載の使用のための核酸構築物。
[3]第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原が、配列番号6のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]または[2]に記載の使用のための核酸構築物。
[4]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
[5]第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原が、配列番号9のアミノ酸配列またはその少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[4]に記載の使用のための核酸構築物。
[6]第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原が、配列番号12のアミノ酸配列またはその少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[4]または[5]に記載の使用のための核酸構築物。
[7][1]~[3]のいずれか一つに記載のヌクレオチド構築物を含む、RNAレプリコン粒子。
[8][4]~[6]のいずれか一つに記載のヌクレオチド構築物を含む、RNAレプリコン粒子。
[9]アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[7]または[8]に記載のRNAレプリコン粒子。
[10]ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[9]に記載のRNAレプリコン粒子。
[11][7]~[10]のいずれか一つに記載のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物。
[12][7]および[8]に記載のRNAレプリコン粒子を含む、[11]に記載の免疫原性組成物。
[13][12]に記載の免疫原性組成物を含むワクチン。
[14]アジュバント非含有ワクチンである、[13]に記載のワクチン。
[15]生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択されるアジュバントを含む、[13]に記載のワクチン。
[16]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための、[13]~[15]のいずれか一つに記載のワクチン。
[17]ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法であって、[14]~[16]のいずれか一つに記載のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む、方法。
[18]第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来のA/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来のA(H1N1)pdm09(pdm09)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
[19]第1および第2の核酸配列を含み、
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
第1の核酸配列が、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来のA/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のIAV-Sの第1のHA抗原をエンコードし、そして、
第2の核酸配列が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来のEurasian avian様H1avN1(EA)系統のIAV-Sの第2のHA抗原をエンコードする、核酸構築物。
第3の態様では、本発明は以下の実施形態を提供する;
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための免疫原性組成物であって、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含み、
第1のRNAレプリコン粒子が、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原が、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原が、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子が、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原が、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原が、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものである、免疫原性組成物。
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための免疫原性組成物であって、第1および第2のRNAレプリコン粒子を含み、
第1のRNAレプリコン粒子が、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原が、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原が、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子が、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原が、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原が、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものである、免疫原性組成物。
[2]第1のHA抗原が、株A/swine/Italy/240849/2015(H3N2)由来である、[1]に記載の使用のための免疫原性組成物。
[3]第1の核酸配列によってエンコードされる第1のHA抗原が、配列番号9のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]または[2]に記載の使用のための免疫原性組成物。
[4]第2のHA抗原が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)由来である、先行する[1]~[3]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[5]第2の核酸配列によってエンコードされる第2のHA抗原が、配列番号12のアミノ酸配列またはその少なくとも95%の配列同一性を有するアミノ酸を含む、先行する[1]~[4]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[6]第3のHA抗原が、株A/swine/Italy/3033-1/2015(H1N2)由来である、先行する[1]~[5]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[7]第3の核酸配列によってエンコードされる第3のHA抗原が、配列番号3のアミノ酸配列またはその少なくとも85%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、先行する[1]~[6]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[8]第4のHA抗原が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来である、先行する[1]~[7]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[9]第4の核酸配列によってエンコードされる第4のHA抗原が、配列番号6のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、先行する[1]~[8]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[10]第1および第2のRNAレプリコン粒子の同時投与に適合している、先行する[1]~[9]のいずれか1つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[11]第3のRNAレプリコン粒子をさらに含み、
第3のRNAレプリコン粒子が、IAV-Sの第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、先行する[1]~[10]のいずれか1つに記載の使用のための免疫原性組成物。
第3のRNAレプリコン粒子が、IAV-Sの第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、先行する[1]~[10]のいずれか1つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[12]RNAレプリコン粒子がアルファウイルスRNAレプリコン粒子である、先行する[1]~[11]のいずれか一つに記載の使用のための免疫原性組成物。
[13]ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[12]に記載の使用のための免疫原性組成物。
[14]先行する[1]~[13]のいずれか一つに記載の免疫原性組成物を含むワクチン。
[15]アジュバント非含有ワクチンである、[14]に記載のワクチン。
[16]生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択されるアジュバントを含む、[14]に記載のワクチン。
[17]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための、[14]~[16]のいずれか一つに記載のワクチン。
[18]ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法であって、[14]~[16]のいずれか一つに記載のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む、方法。
[19]第1および第2のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物であって、
第1のRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものである、免疫原性組成物。
第1のRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものである、免疫原性組成物。
[20]第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物であって、
第1のRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものであり、
第3のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)S系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、免疫原性組成物。
第1のRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものであり、
第3のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)S系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、免疫原性組成物。
第4の態様では、本発明は以下の実施形態を提供する;
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、核酸構築物は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含み、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、核酸構築物。
[1]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、核酸構築物は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含み、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、核酸構築物。
[2]第1のNA抗原が、株A/swine/England/61470/2013(H1N2)由来である、[1]に記載の使用のための核酸構築物。
[3]第1の核酸配列によってエンコードされる第1のNA抗原が、配列番号15のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]または[2]に記載の使用のための核酸構築物。
[4]第2のNA抗原が、株A/swine/Italy/248147-8/2015(H3N2)由来である、[1]~[3]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[5]第2の核酸配列によってエンコードされる第2のNA抗原が、配列番号18のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]~[4]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[6]第3のNA抗原が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)またはA/swine/Italy/179057/2015(H1N1)由来である、[1]~[5]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[7]第3のNA抗原が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来である、[1]~[6]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[8]第3の核酸配列によってエンコードされる第3のNA抗原が、配列番号24のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、[1]~[7]のいずれか一つに記載の使用のための核酸構築物。
[9][1]~[8]のいずれか一つに記載の核酸構築物を含む、RNAレプリコン粒子。
[10]アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[9]記載のRNAレプリコン粒子。
[11]ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、[9]または[10]に記載のRNAレプリコン粒子。
[12][9]~[11]のいずれか一つに記載のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物。
[13]第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物であって、
第1のRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものであり、そして、
第3のRNAレプリコン粒子は、[9]~[11]のいずれか一つに記載のRNAレプリコン粒子である、免疫原性組成物。
第1のRNAレプリコン粒子は、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第1のHA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第2のHA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、
第2のRNAレプリコン粒子は、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
第3のHA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)のものであり、そして、
第4のHA抗原は、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものであり、そして、
第3のRNAレプリコン粒子は、[9]~[11]のいずれか一つに記載のRNAレプリコン粒子である、免疫原性組成物。
[14][12]または[13]に記載の免疫原性組成物を含むワクチン。
[15]アジュバント非含有ワクチンである、[14]に記載のワクチン。
[16]生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択されるアジュバントを含む、[14]に記載のワクチン。
[17]対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための、[14]~[16]のいずれか一つに記載のワクチン。
[18]ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法であって、[14]~[16]のいずれか一つに記載のワクチンの免疫学的有効量をブタに投与することを含む、方法。
[19]ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物であって、ここで、
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、核酸構築物。
第1のNA抗原は、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
第2のNA抗原は、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
第3のNA抗原は、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、核酸構築物。
以下の実施例は、本発明のさらなる理解を提供するのに役立つが、決して本発明の有効な範囲を制限することを意味するものではない。
[実施例]
材料および方法
アルファウイルスRNA RPワクチンの調製
単一HAまたはNA遺伝子レプリコン粒子(RP)の作製。
ヘマグルチニン(HA)またはノイラミニダーゼ(NA)遺伝子を発現するように設計されたVEEレプリコンベクターを、以下の修飾を加えて、以前に記載されたように構築した[その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,441,247 B2号を参照されたい]。TC-83由来のレプリコンベクター「pVEK」[米国特許第9,441,247 B2号において開示され、説明されている]を、制限酵素AsclおよびPadで消化した。5’-フランキング配列(5’-GGCGCGCCGCACC-3’)および3’-フランキング配列(5’-TTAATTAA-3’)を有するHAまたはNA遺伝子(表1aおよび表1b)のコドン最適化オープンリーディングフレーム配列を含むDNAプラスミドを、制限酵素AsclおよびPadで同様に消化した。次いで、合成遺伝子カセットを、消化したpVEKベクターにライゲーションし、得られたクローンを、RPコードそれぞれの「pVHV」と命名し直した。「pVHV」ベクター名称は、pVEKのマルチクローニングサイトのAsclおよびPad部位を介してクローニングされた導入遺伝子カセットを含むpVEK由来レプリコンベクターを称するように選択された。
材料および方法
アルファウイルスRNA RPワクチンの調製
単一HAまたはNA遺伝子レプリコン粒子(RP)の作製。
ヘマグルチニン(HA)またはノイラミニダーゼ(NA)遺伝子を発現するように設計されたVEEレプリコンベクターを、以下の修飾を加えて、以前に記載されたように構築した[その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,441,247 B2号を参照されたい]。TC-83由来のレプリコンベクター「pVEK」[米国特許第9,441,247 B2号において開示され、説明されている]を、制限酵素AsclおよびPadで消化した。5’-フランキング配列(5’-GGCGCGCCGCACC-3’)および3’-フランキング配列(5’-TTAATTAA-3’)を有するHAまたはNA遺伝子(表1aおよび表1b)のコドン最適化オープンリーディングフレーム配列を含むDNAプラスミドを、制限酵素AsclおよびPadで同様に消化した。次いで、合成遺伝子カセットを、消化したpVEKベクターにライゲーションし、得られたクローンを、RPコードそれぞれの「pVHV」と命名し直した。「pVHV」ベクター名称は、pVEKのマルチクローニングサイトのAsclおよびPad部位を介してクローニングされた導入遺伝子カセットを含むpVEK由来レプリコンベクターを称するように選択された。
TC-83 RNAレプリコン粒子(RP)の製造は、以前に記載された方法に従って行った[米国特許第9,441,247 B2号および米国特許第8,460,913 B2号、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる]。手短に言えば、MegaScript T7 RNAポリメラーゼおよびキャップ類似体(Promega、Madison、Wl)を使用したインビトロ転写の前に、pVHVレプリコンベクターDNAおよびヘルパーDNAプラスミドをNot1制限酵素で線状化した。重要なことに、製造に使用されるヘルパーRNAは、以前に記載されたように[Kamrud et al.,J Gen Virol.91(Pt 7):1723-1727(2010)]、VEEサブゲノムプロモーター配列を欠く。レプリコンおよびヘルパーの成分用の精製RNAを合わせ、Vero細胞の懸濁液と混合し、4mmキュベットにエレクトロポレーションし、そして、OptiPro SFM細胞培養培地(Thermo Fisher,Waltham,MA)に戻した。一晩のインキュベーション後、アルファウイルスRNAレプリコン粒子を精製し、5%スクロース(w/v)および1%ブタ血清を含むリン酸緩衝生理食塩水で製剤化し、0.22ミクロン膜フィルタに通し、そして、保存のためにアリコートに分注した。機能的RPの力価を、感染Vero細胞単層上での免疫蛍光アッセイによって決定した。パッケージングされたレプリコンにエンコードされた遺伝子に従って、RPのバッチを識別した(表1aおよび表1b)。
複数HAまたはNA遺伝子レプリコン粒子(RP)の作製。
HAまたはNA遺伝子を発現するために使用されるVEEレプリコンベクターを、以下の修飾を加えて以前に記載されたように構築した[その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,441,247 B2号を参照されたい]。TC-83由来のレプリコンベクター「pVEK」[米国特許第9,441,247 B2号において開示され、説明されている]を、制限酵素AscIおよびPacIで消化した。二重遺伝子HAおよびNA構築物のために、選択されたオープンリーディングフレーム配列をコドン最適化し、フランキングAscIおよびPacI部位を用いて合成した。さらに、2つの合成HAまたはNAオープンリーディングフレーム間の中間配列は、非コーディング異種配列の47ヌクレオチド、ならびに天然TC-83サブゲノム(sg)RNAプロモーターおよび5’非翻訳sgRNA領域配列の第2のコピーからなった。これらの二重遺伝子構築物を「pVDG」と称し、単一のsgRNAプロモーター配列を有する親ベクターと区別した。三重遺伝子NA構築物のために、2つのNA遺伝子を含有するpVDGベースの構築物を、以下のようにさらに修飾した。第3の選択されたNAオープンリーディングフレームをコドン最適化し、2つの既存のNA遺伝子の下流のpVDGベクターへの方向性クローニングのために、フランキングPacIおよびSphI部位を用いて合成した。新たな合成構築物はまた、異種非コーディング配列の50ヌクレオチドと、天然TC-83 sgRNAプロモーターおよび第3のNA遺伝子配列の5’までの5’非翻訳sgRNA領域配列の第3のコピーとを含んでいた。第3のNA遺伝子配列からの3’領域は、親pVDGベクターの対応するSphI部位まで、TC-83の3’非翻訳領域からなっていた。三重遺伝子ベクターを「pVTG」と称し、関連するベクターpVEK、pVHV、およびpVDGと区別した。
HAまたはNA遺伝子を発現するために使用されるVEEレプリコンベクターを、以下の修飾を加えて以前に記載されたように構築した[その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,441,247 B2号を参照されたい]。TC-83由来のレプリコンベクター「pVEK」[米国特許第9,441,247 B2号において開示され、説明されている]を、制限酵素AscIおよびPacIで消化した。二重遺伝子HAおよびNA構築物のために、選択されたオープンリーディングフレーム配列をコドン最適化し、フランキングAscIおよびPacI部位を用いて合成した。さらに、2つの合成HAまたはNAオープンリーディングフレーム間の中間配列は、非コーディング異種配列の47ヌクレオチド、ならびに天然TC-83サブゲノム(sg)RNAプロモーターおよび5’非翻訳sgRNA領域配列の第2のコピーからなった。これらの二重遺伝子構築物を「pVDG」と称し、単一のsgRNAプロモーター配列を有する親ベクターと区別した。三重遺伝子NA構築物のために、2つのNA遺伝子を含有するpVDGベースの構築物を、以下のようにさらに修飾した。第3の選択されたNAオープンリーディングフレームをコドン最適化し、2つの既存のNA遺伝子の下流のpVDGベクターへの方向性クローニングのために、フランキングPacIおよびSphI部位を用いて合成した。新たな合成構築物はまた、異種非コーディング配列の50ヌクレオチドと、天然TC-83 sgRNAプロモーターおよび第3のNA遺伝子配列の5’までの5’非翻訳sgRNA領域配列の第3のコピーとを含んでいた。第3のNA遺伝子配列からの3’領域は、親pVDGベクターの対応するSphI部位まで、TC-83の3’非翻訳領域からなっていた。三重遺伝子ベクターを「pVTG」と称し、関連するベクターpVEK、pVHV、およびpVDGと区別した。
実施例1および3から選択されたHA(表1a:EUHA1-3、EUHA1-2、EUHA1-5、EUHA1-15、EUHA1-17、EUHA1-8、EUHA1-11およびHA3-4)またはNA(表1b:EUNA1-2、EUN1-4、EUN2-6およびEUN2-7)遺伝子の配列を使用して、上記のようにプラスミドベクターpVDGまたはpVTG中の複数HAまたはNA遺伝子を合成した。
TC-83 RNAレプリコン粒子(RP)の製造は、以前に記載された方法に従って行った[米国特許第9,441,247 B2号および米国特許第8,460,913 B2号、それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる]。手短に言えば、MegaScript T7 RNAポリメラーゼおよびキャップ類似体を使用したインビトロ転写の前に、pVDGまたはpVTGレプリコンベクターDNAおよびヘルパーDNAプラスミドを、NotI制限酵素で線状化した。重要なことに、製造に使用されるヘルパーRNAは、以前に記載されたように[Kamrud et al.,J Gen Virol.91(Pt 7):1723-1727(2010)]、VEEサブゲノムプロモーター配列を欠く。レプリコンおよびヘルパーの成分用の精製RNAを合わせ、Vero細胞の懸濁液と混合し、4mmキュベットにエレクトロポレーションし、そして、無血清培養培地に戻した。一晩のインキュベーション後、アルファウイルスRNAレプリコン粒子を、懸濁液をデプスフィルタに通し、5%スクロース(w/v)を含有するリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、最後に保持されたRPを200mM Na2SO4+5%スクロース(w/v)緩衝液で溶出することによって細胞および培地から精製した。あるいは、調製したCellufine Sulfate(登録商標)樹脂の存在下で細胞および培地を遠心分離し、5%スクロース(w/v)を含有するリン酸緩衝生理食塩水で洗浄し、そして、200mM Na2SO4+5%スクロース(w/v)緩衝液で溶出した。溶出したRPを0.22ミクロン膜フィルタに通し、そして、保存のためにアリコートに分注した。機能的RPの力価を、感染Vero細胞単層上での免疫蛍光アッセイによって決定した。
以下のレプリコン粒子を構築し、実験に使用した。
実施例または図において別途示されない場合、下記の株および系統がHIアッセイのために使用されている。
一般的な試験設計
血清陰性であるか、またはSIVに対する抗体が低い約5週齢の健康なブタ(ワクチン毎に3匹のブタ)に、単一または複数のHAまたはNA遺伝子をエンコードするRNA粒子ワクチンをブタ1匹1当たり5~10×106で、Xsolve50アジュバントと共に筋肉内ワクチン接種した。それぞれのワクチン接種をおよそ8週齢で繰り返し、血液試料をおよそ9週齢で採取し、赤血球凝集阻害(HI)アッセイまたはノイラミニダーゼ阻害(NI)アッセイのいずれかに使用して抗原特異的抗体レベルのレベルを定量した。
血清陰性であるか、またはSIVに対する抗体が低い約5週齢の健康なブタ(ワクチン毎に3匹のブタ)に、単一または複数のHAまたはNA遺伝子をエンコードするRNA粒子ワクチンをブタ1匹1当たり5~10×106で、Xsolve50アジュバントと共に筋肉内ワクチン接種した。それぞれのワクチン接種をおよそ8週齢で繰り返し、血液試料をおよそ9週齢で採取し、赤血球凝集阻害(HI)アッセイまたはノイラミニダーゼ阻害(NI)アッセイのいずれかに使用して抗原特異的抗体レベルのレベルを定量した。
赤血球凝集阻害(HI)アッセイ:
全ての血清試料を56°Cで30分間熱不活性化し、続いて0.25%過ヨウ素酸塩、続いて0.75%グリセロールで処理し、2.6%ニワトリ赤血球で吸着させて非特異的アグルチニンを除去した。HI抗体滴定のために、前処理した血清の一連の希釈物を、HA抗原として表1cまたは表1dに列挙したSIV株の8赤血球凝集単位と共に1時間インキュベートした。その後、混合物を0.2%ニワトリ赤血球と室温で1時間インキュベートし、そして、プレートを凝集の阻害について読み取った。赤血球凝集を完全に阻害した最高血清希釈度の逆数をHI力価として割り当て、logベース2値で表した。
全ての血清試料を56°Cで30分間熱不活性化し、続いて0.25%過ヨウ素酸塩、続いて0.75%グリセロールで処理し、2.6%ニワトリ赤血球で吸着させて非特異的アグルチニンを除去した。HI抗体滴定のために、前処理した血清の一連の希釈物を、HA抗原として表1cまたは表1dに列挙したSIV株の8赤血球凝集単位と共に1時間インキュベートした。その後、混合物を0.2%ニワトリ赤血球と室温で1時間インキュベートし、そして、プレートを凝集の阻害について読み取った。赤血球凝集を完全に阻害した最高血清希釈度の逆数をHI力価として割り当て、logベース2値で表した。
血清ノイラミニダーゼ(NA)阻害(NI)アッセイ:
それぞれのNA(表1eおよび1f)の遺伝子をエンコードするレプリコンRNAをエレクトロポレーションした、NA抗原を発現するVero細胞の溶解物のSIV株を、NA抗原の起源として使用した。これらのNAの酵素活性を、37°Cでの一晩のインキュベーション中に96ウェルプレート上のフェチュインからのシアル酸切断によって定量した。次いで、ピーナッツアグルチニン-西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート(PNA-HRP)を室温で2時間加え、シアル酸を除去したフェチュイン分子に結合させた。3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質を用いてシグナルを得て、450nmで読み取った。試験抗原を滴定して、最大シグナルの70%を得ることができる希釈度を決定した。37°Cでの一晩のインキュベーション中に、フェチュインコーティングウェル中の血清の一連の希釈液に等量のNA抗原を添加した。光学密度(OD)値を、血清を含まない陽性対照ウェルからの値に対して正規化した。ノイラミニダーゼ阻害力価は、対照と比較して50%阻害に等しい吸光値を有する内挿された血清希釈度の逆数として定義され、logベース2値で表された。
それぞれのNA(表1eおよび1f)の遺伝子をエンコードするレプリコンRNAをエレクトロポレーションした、NA抗原を発現するVero細胞の溶解物のSIV株を、NA抗原の起源として使用した。これらのNAの酵素活性を、37°Cでの一晩のインキュベーション中に96ウェルプレート上のフェチュインからのシアル酸切断によって定量した。次いで、ピーナッツアグルチニン-西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート(PNA-HRP)を室温で2時間加え、シアル酸を除去したフェチュイン分子に結合させた。3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(TMB)基質を用いてシグナルを得て、450nmで読み取った。試験抗原を滴定して、最大シグナルの70%を得ることができる希釈度を決定した。37°Cでの一晩のインキュベーション中に、フェチュインコーティングウェル中の血清の一連の希釈液に等量のNA抗原を添加した。光学密度(OD)値を、血清を含まない陽性対照ウェルからの値に対して正規化した。ノイラミニダーゼ阻害力価は、対照と比較して50%阻害に等しい吸光値を有する内挿された血清希釈度の逆数として定義され、logベース2値で表された。
ノイラミニダーゼ抗体力価およびヘマグルチニン抗体力価と、SIV-Aに対するワクチン誘導性防御との相関は、以下に記載されている:[Hobson D.et al.,J Hyg(Lond)70,767-777(1972);Ohmit SE,et al.,J.Infect.Dis 204,1879-1885(2011);Walz L,et al.,J Virol.2018;92(17):e01006-18.(2018)。したがって、以下の実施例に記載されるHiおよびNi阻害アッセイの血清学的結果は、SIV-Aによって引き起こされる疾患の予防を示す。
[実施例1]
単一HA抗原をエンコードするRPによって誘導される赤血球凝集阻害(HI)抗体力価 株EurAsianAvian(EA)、Gent/84、Scot/94およびpdm09のそれぞれの単一HA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの防御および交差防御を決定するために、以下の試験を行った。
単一HA抗原をエンコードするRPによって誘導される赤血球凝集阻害(HI)抗体力価 株EurAsianAvian(EA)、Gent/84、Scot/94およびpdm09のそれぞれの単一HA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの防御および交差防御を決定するために、以下の試験を行った。
5週齢のブタ(1当たりり3匹)に、およそ3週間間隔でのプライム-ブーストレジメンで、それぞれのRNA粒子をXSolve50アジュバントと共にワクチン接種した。
ブースターワクチン接種の1~2週間後に血清を採取して、インフルエンザに対する防御の相関物であるインフルエンザ抗原特異的赤血球凝集阻害抗体力価を決定した。HIアッセイは、インフルエンザウイルスによって誘発される赤血球の赤血球凝集を防ぐ血清の最大希釈度を測定する。この希釈度の逆数をLog 2ベースでのHI力価として定義した。報告された値は3匹の動物の平均である。このアッセイの検出限界は4であり(図中の点線)、したがって4未満の力価は図中に3として報告されている。
ブースターワクチン接種の1~2週間後に血清を採取して、インフルエンザに対する防御の相関物であるインフルエンザ抗原特異的赤血球凝集阻害抗体力価を決定した。HIアッセイは、インフルエンザウイルスによって誘発される赤血球の赤血球凝集を防ぐ血清の最大希釈度を測定する。この希釈度の逆数をLog 2ベースでのHI力価として定義した。報告された値は3匹の動物の平均である。このアッセイの検出限界は4であり(図中の点線)、したがって4未満の力価は図中に3として報告されている。
HI実験の結果を図1~図4に示す。以下の結論を引き出すことができる。
・図1:EA系統の株EUHA1-3のRPは、試験されたほぼ全てのIASのEA抗原に対して最も高い抗原特異的HI抗体力価を示し、EUH1-5およびEUH1-2が続いた。さらに、いくつかのScot/94およびpdm09 HA抗原に対する交差反応性力価を観察することができた。試験した株のいずれも、Gent/84 IAS抗原に対する交差反応性力価を示さなかった全てのHI力価が4未満)。
・図2:株EUHA1-15のRPは、試験されたほぼ全てのScot/94抗原に対して最も高い抗原特異的HI抗体力価を示し、EUH1-17がそれに続き、したがって分岐2および3のScot/94抗原について最も良好に機能した。株EUHA1-8のRPは、試験された分岐1のScot/94抗原に対して最高の抗原特異的HI抗体力価を示した。さらに、いくつかのEAおよびpdm09 HA IAS抗原に対する交差反応性力価を観察することができた。試験した株のいずれも、Gent/84 IAS抗原に対する交差反応性力価を示さなかった全てのHI力価が4未満)。
・図3:Pdm09系統の株EUHA1-11のRPは、ほぼ全てのpdm09抗原に対して最も高い抗原特異的HI抗体力価を示した。さらに、ほとんどのEAおよびScot/94HA抗原に対する交差反応性力価を観察することができた。試験した株のいずれも、Gent/84 IAS抗原に対する交差反応性力価を示さなかった全てのHI力価が4未満)。
・図4:Gent/84系統の株EUHA3-4のRPは、試験された全てのGent/84抗原に対して最も高い抗原特異的HI抗体力価を示した。EA、Scot/94およびpdm09抗原のHA抗原に対する有意な交差反応性力価は、観察されなかった。
[実施例2]
二重HA抗原をエンコードするRPによって誘導される赤血球凝集阻害(HI)抗体力価 1)pdm09およびGent/84系統のHA抗原、または
2)EAおよびScot/94抗原のHA抗原
を組み合わせた二重e HA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの血清学的有効性を決定するために、実施例1に記載の設計を用いて検討を行った。
二重HA抗原をエンコードするRPによって誘導される赤血球凝集阻害(HI)抗体力価 1)pdm09およびGent/84系統のHA抗原、または
2)EAおよびScot/94抗原のHA抗原
を組み合わせた二重e HA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの血清学的有効性を決定するために、実施例1に記載の設計を用いて検討を行った。
HIアッセイの結果を図5に示す。以下の結論を引き出すことができる。
試験した全ての組み合わせが強い血清学的応答を誘導するわけではないことが観察され得た。さらに、驚くべきことに、レプリコン粒子のウイルスゲノム中の遺伝子の順序が血清学的応答を誘導するのに重要であることが、観察され得た。
・系統Pdm09およびGent/84のHA抗原組み合わせ:レプリコン粒子のウイルスゲノムの最初に配置されたGent/84および2番目に配置されたpdm09と組み合わせのみが、強い血清学的応答を誘導した。代わりに、レプリコン粒子のウイルスゲノムにおいて最初に配置されたPdm09および2番目に配置されたGent/84の順序では、Gent/84 HA抗原に対するはるかに低い血清学的応答、およびPdm09 HA抗原に対する非常に弱い血清学的応答しか観察できなかった。
・系統EAおよびScot/94のHA抗原組み合わせ:試験した全ての組み合わせが強い血清学的応答を誘導したわけではない。Scot/94のEUHA1-17とEAのEUHA1-3の株の組み合わせは、最良の血清学的応答(両系統のIAS抗原に対する最も高いHI力価)を示した。
さらに、レプリコン粒子のレプリコンRNAに最初に配置されたScot/94および2番目に配置されたEAとの組み合わせのみが、強い血清学的応答を誘導した。代わりに、レプリコン粒子のレプリコンRNAにおいてEAが最初に配置され、Scot/94が2番目に配置された順序では、EA HA抗原に対する有意な血清学的応答は観察できなかった。
・試験された様々な組み合わせの中で、EUHA3-4+EUHA1-11およびEUHA1-17+EUHA1-3の株の組み合わせは、HI力価として測定される最良の免疫を誘導する。したがって、これらの組み合わせは、2つのレプリコン粒子を組み合わせる製剤において、すなわちEUHA3-4+EUHA1-11株をこの順序でエンコードする第1のRNAレプリコン粒子と、EUHA1-17+EUHA1-3株をこの順序でエンコードする第2のRNAレプリコン粒子とを組み合わせるために有益に使用される。
結果として、驚くべきことに、RNAレプリコン粒子内のHA遺伝子の位置および/またはHA抗原の特定の組み合わせが、HI力価として測定される誘導免疫のレベルを決定することが実証され得た。
[実施例3]
単一NA抗原をエンコードするRPによって誘導されるノイラミニダーゼ阻害(NI)抗体力価
株EurAsianAvian(EA)、Gent/84、Scot/94およびpdm09のそれぞれの単一NA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの血清学的有効性を決定するために、以下の試験を行った。
単一NA抗原をエンコードするRPによって誘導されるノイラミニダーゼ阻害(NI)抗体力価
株EurAsianAvian(EA)、Gent/84、Scot/94およびpdm09のそれぞれの単一NA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの血清学的有効性を決定するために、以下の試験を行った。
5週齢のブタ(1当たりり3匹)に、およそ3週間間隔でのプライム-ブーストレジメンでそれぞれのRNAレプリコン粒子をXSolve50アジュバントと共にワクチン接種した。ブースターワクチン接種の1~2週間後に血清を採取して、インフルエンザ抗原特異的ノイラミニダーゼ阻害(NI)抗体力価を決定した。NI力価を、レクチン(ピーナッツアグルチニン)ベースのアッセイを使用して上記のように測定し、対照ウェルと比較してNA活性を少なくとも50%阻害する血清の最大希釈度の逆数をNI力価と定義した。このアッセイの検出限界は2であった(図中の点線)。
NI実験の結果を図7~図10に示す。以下の結論を引き出すことができる。
・図7:EA系統の株EUNA1-2のRPは、試験されたほぼ全てのIASのEA抗原に対して最も高い抗原特異的NI抗体力価を示した。さらに、いくつかのScot/94、pdm09、およびGent/84 NA抗原に対する交差反応を観察することができた。
・図8:株EUNA1-4のRPは、試験されたほとんどのpdm09抗原に対して最高の抗原特異的NI抗体力価を示したが、観察されたNI力価のレベルは、EA系統のRPで達成されたNI力価と比較して低かった。さらに、EA、Scot/94およびGent/84 NA IAS抗原に対する交差反応性力価を観察することができた。試験された株間で測定された力価の差は低かった。
・図9:Scot/94系統の株EUNA2-6のRPは、試験された全てのScot/94抗原に対して最も高い抗原特異的NI抗体力価を示した。さらに、EA、pdm09およびGent/84 NA抗原に対する高レベルの交差反応性を株EUNA2-6について観察することができた。
・図10:Gent/84系統の株EUNA2-7のRPは、試験した全てのGent/84抗原に対して高い抗原特異的NI抗体力価を示し、EA、Scot/94およびpdm09抗原のNA抗原に対する有意な交差防御も示した。
[実施例4]
二重または三重NA抗原をエンコードするRPによって誘導されるNI抗体力価
二重または三重NA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの血清学的有効性を決定するために、以下に列挙する系統由来のNA抗原をエンコードするRPを設計および作製し、実施例3に記載の設計を用いて検討を行った。
1)EAおよびGent/84系統のNA抗原、または
2)EA、Gent/84およびScot/94抗原のNA抗原
二重または三重NA抗原をエンコードするRPによって誘導されるNI抗体力価
二重または三重NA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの血清学的有効性を決定するために、以下に列挙する系統由来のNA抗原をエンコードするRPを設計および作製し、実施例3に記載の設計を用いて検討を行った。
1)EAおよびGent/84系統のNA抗原、または
2)EA、Gent/84およびScot/94抗原のNA抗原
NI実験の結果を図11に示す。以下の結論を引き出すことができる。
試験した全ての組み合わせが、遺伝子の順序に関係なく血清学的応答を誘導することを示すことができた。したがって、驚くべきことに、HA抗原を用いた観察結果(上記の実施例2を参照)とは対照的に、レプリコン粒子のウイルスゲノム中のNA遺伝子の順序は、血清学的応答の誘導にとって重要ではないことを観察することができた。
[実施例5]
二重および三重NA抗原をエンコードするRPによって誘導されるNI抗体力価
図7~図10に示される結果は、EA系統、Gent/84系統の株とScot/94系統の株との組み合わせが、4つ全ての系統に対する最良の防御および交差防御を有する、IASに対して最良の防御を提供すべきであることを明らかにする。したがって、このような交差防御を試験するための最良の候補は、Scot/94系統の株EUNA2-6とGent/84系統の株EUNA2-7との組み合わせであり、次いでそれを、EA系統、例えば株EUNA1-2、またはpdm09系統、例えば株EUNA1-4のいずれかの株とさらに組み合わせてもよい。結果として、株のこれらの組み合わせを、それらの血清学的応答について試験した。
二重および三重NA抗原をエンコードするRPによって誘導されるNI抗体力価
図7~図10に示される結果は、EA系統、Gent/84系統の株とScot/94系統の株との組み合わせが、4つ全ての系統に対する最良の防御および交差防御を有する、IASに対して最良の防御を提供すべきであることを明らかにする。したがって、このような交差防御を試験するための最良の候補は、Scot/94系統の株EUNA2-6とGent/84系統の株EUNA2-7との組み合わせであり、次いでそれを、EA系統、例えば株EUNA1-2、またはpdm09系統、例えば株EUNA1-4のいずれかの株とさらに組み合わせてもよい。結果として、株のこれらの組み合わせを、それらの血清学的応答について試験した。
したがって、
1)EAおよびGent/84系統のNA抗原
2)Scot/94、Gent/84およびEA抗原のNA抗原、または
3)Scot/94、Gent/84およびpdm09抗原のNA抗原
を組み合わせた二重および三重NA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの防御を決定するために、実施例3に記載の設計を用いて検討を行った。
1)EAおよびGent/84系統のNA抗原
2)Scot/94、Gent/84およびEA抗原のNA抗原、または
3)Scot/94、Gent/84およびpdm09抗原のNA抗原
を組み合わせた二重および三重NA抗原をエンコードするアルファウイルスRNA RPの防御を決定するために、実施例3に記載の設計を用いて検討を行った。
結果を図12に示す。
・HA抗原について観察された結果とは対照的に、3つの系統のみに由来するNA抗原の組み合わせは、4つ全てのIAS系統に対する血清学的応答を誘導するのに十分である。
・RNAレプリコン粒子の遺伝子の順序に関係なく、2つの系統のみに由来するNA抗原の組み合わせで、4つ全てのIAS系統に対する弱い血清学的応答を既に達成することができた。
・最高の血清学的応答は、pdm09またはEA系統のいずれかのNA抗原と、さらにScot/94およびGent/84 NA抗原の組み合わせとを組み合わせて達成することができた。
[実施例6]
多価IAV-Sワクチンのワクチン有効性の評価
2つの二重HA RP(EUHA1-17およびEUHA1-3抗原をエンコードするEUSIV-T8 RP、ならびにEUH3-4およびEUH1-11抗原をエンコードするEUSIV-K RP、表1aおよび表2)および1つの三重NA構築物(EUN2-6、EUN1-2およびEUN2-5抗原をエンコードするEUSIV-R、表1bおよび表2)を含む多価IAV-Sワクチンの免疫原性および有効性を決定するための研究を行った。アジュバント含有ワクチンを、5週齢および8週齢での2回の筋肉内(IM)ワクチン接種で5匹のブタに投与した(投与毎2mL;投与毎3×5×106 RP、ワクチン接種)。非ワクチン接種の等数にアジュバント含有リン酸緩衝生理食塩水を投与した。ワクチンの免疫原性を、10週齢での実験的感染の前に収集した血清試料中のHI力価およびNI力価を定量することによって測定した。ワクチンの有効性を、10週齢(試験32日目)で、気管内経路によるGent/84[A/swine/Belgium/113/2013(H3N2)]チャレンジ感染に対して試験した。感染3日後のIAV-S感染誘発発熱、すなわち直腸温度の上昇および肺病変に対するワクチン有効性を測定した。
多価IAV-Sワクチンのワクチン有効性の評価
2つの二重HA RP(EUHA1-17およびEUHA1-3抗原をエンコードするEUSIV-T8 RP、ならびにEUH3-4およびEUH1-11抗原をエンコードするEUSIV-K RP、表1aおよび表2)および1つの三重NA構築物(EUN2-6、EUN1-2およびEUN2-5抗原をエンコードするEUSIV-R、表1bおよび表2)を含む多価IAV-Sワクチンの免疫原性および有効性を決定するための研究を行った。アジュバント含有ワクチンを、5週齢および8週齢での2回の筋肉内(IM)ワクチン接種で5匹のブタに投与した(投与毎2mL;投与毎3×5×106 RP、ワクチン接種)。非ワクチン接種の等数にアジュバント含有リン酸緩衝生理食塩水を投与した。ワクチンの免疫原性を、10週齢での実験的感染の前に収集した血清試料中のHI力価およびNI力価を定量することによって測定した。ワクチンの有効性を、10週齢(試験32日目)で、気管内経路によるGent/84[A/swine/Belgium/113/2013(H3N2)]チャレンジ感染に対して試験した。感染3日後のIAV-S感染誘発発熱、すなわち直腸温度の上昇および肺病変に対するワクチン有効性を測定した。
この実験の結果を、図13A、図13B、図13Cおよび図13Dに示す。多価IAV-Sワクチンは、4つ全ての系統に属する異種IAV-S株に対して機能的HI力価を誘導し(図13A)、3つ全ての系統の同種NA抗原に対してNI力価を誘導した(図13B)。さらに、多価IAV-Sワクチンは、実験的感染によって誘発されるブタにおける直腸温度の上昇、発熱(図13C)および病変(図13D)からブタを保護した。これらの結果は、試験した多価IAV-Sが免疫原性および有効性の両方を有したことを実証している。
[実施例7]
ID投与後のワクチン有効性の評価
2つの二重HA RP(EUHA1-17およびEUHA1-3抗原をエンコードするEUSIV-T8 RP、ならびにEUH3-4およびEUH1-11抗原をエンコードするEUSIV-K RP、表1aおよび表2)および1つの三重NA構築物(EUN2-6、EUN1-2およびEUN2-5抗原をエンコードするEUSIV-R、表1bおよび表2)を含む多価IAV-Sワクチンの血清学的有効性を決定するための研究を行った。アジュバント含有ワクチンを、IDAL(登録商標)無針注射器を使用した2回の皮内(ID)ワクチン接種で、3匹のブタに5週齢および8週齢で投与した(投与毎200uL;投与毎3×3×106 RP、ワクチン接種)。非ワクチン接種の等数にアジュバント含有リン酸緩衝生理食塩水を投与した。ワクチンの免疫原性を、10週齢で収集した血清試料中のHI力価およびNI力価を定量することによって測定した。
ID投与後のワクチン有効性の評価
2つの二重HA RP(EUHA1-17およびEUHA1-3抗原をエンコードするEUSIV-T8 RP、ならびにEUH3-4およびEUH1-11抗原をエンコードするEUSIV-K RP、表1aおよび表2)および1つの三重NA構築物(EUN2-6、EUN1-2およびEUN2-5抗原をエンコードするEUSIV-R、表1bおよび表2)を含む多価IAV-Sワクチンの血清学的有効性を決定するための研究を行った。アジュバント含有ワクチンを、IDAL(登録商標)無針注射器を使用した2回の皮内(ID)ワクチン接種で、3匹のブタに5週齢および8週齢で投与した(投与毎200uL;投与毎3×3×106 RP、ワクチン接種)。非ワクチン接種の等数にアジュバント含有リン酸緩衝生理食塩水を投与した。ワクチンの免疫原性を、10週齢で収集した血清試料中のHI力価およびNI力価を定量することによって測定した。
この実験の結果を、図14Aおよび図14Bに示す。価IAV-Sワクチンは、試験した4つの系統のうち3つに属する異種IAV-S株に対して機能的HI力価を誘導し(図14A)、試験した3つの同種NA抗原のうち2つに対してNI力価を誘導した(図14B)。これらの結果は、多価IAV-Sワクチンの皮内適用も有効であることを実証している。
Claims (19)
- 対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための核酸構築物であって、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含み、ここで、
前記第1のNA抗原が、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
前記第2のNA抗原が、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして
前記第3のNA抗原が、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、核酸構築物。 - 前記第1のNA抗原が、株A/swine/England/61470/2013(H1N2)由来である、請求項1記載の使用のための核酸構築物。
- 前記第1の核酸配列によってエンコードされる前記第1のNA抗原が、配列番号15のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1または2記載の使用のための核酸構築物。
- 前記第2のNA抗原が、株A/swine/Italy/248147-8/2015(H3N2)由来である、請求項1~3のいずれか一項記載の使用のための核酸構築物。
- 前記第2の核酸配列によってエンコードされる前記第2のNA抗原が、配列番号18のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~4のいずれか一項記載の使用のための核酸構築物。
- 前記第3のNA抗原が、株A/swine/England/373/2010(H1N1)またはA/swine/Italy/179057/2015(H1N1)由来である、請求項1~5のいずれか一項記載の核酸構築物。
- 前記第3のNA抗原が、株A/swine/Italy/28762-3/2013(H1N1)由来である、請求項1~5のいずれか一項記載の使用のための核酸構築物。
- 前記第3の核酸配列によってエンコードされる前記第3のNA抗原が、配列番号24のアミノ酸配列またはその少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項7記載の使用のための核酸構築物。
- ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含むRNAレプリコン粒子であって、ここで、
前記第1のNA抗原が、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
前記第2のNA抗原が、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
前記第3のNA抗原が、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、RNAレプリコン粒子。 - アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、請求項9記載のRNAレプリコン粒子。
- ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)アルファウイルスRNAレプリコン粒子である、請求項9または10記載のRNAレプリコン粒子。
- 請求項9~11のいずれか一項記載のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物。
- 第1、第2および第3のRNAレプリコン粒子を含む免疫原性組成物であって、
前記第1のRNAレプリコン粒子が、ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1および第2のヘマグルチニン(HA)抗原をエンコードする第1および第2の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
前記第1のHA抗原が、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
前記第2のHA抗原が、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統のものであり、 前記第2のRNAレプリコン粒子が、IAV-Sの第3および第4のHA抗原をエンコードする第3および第4の核酸配列を含む核酸構築物を含み、ここで、
前記第3のHA抗原が、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、そして、
前記第4のHA抗原が、Eurasian avian様H1avN1(EA)系統のものであり、そして、
前記第3のRNAレプリコン粒子が、請求項9~11のいずれか一項に記載のRNAレプリコン粒子である、免疫原性組成物。 - 請求項12または13に記載の免疫原性組成物を含むワクチン。
- アジュバント非含有ワクチンである、請求項14記載のワクチン。
- 生分解性油、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョン、および、2.5~50%(v/v)の鉱油を含む水中油型エマルジョンと混合された生分解性油、からなる群から選択されるアジュバントを含む、請求項14記載のワクチン。
- 対象におけるブタインフルエンザAウイルスによって引き起こされる疾患の予防に使用するための、請求項14~16のいずれか一項記載のワクチン。
- ブタインフルエンザAウイルスに対してブタを免疫する方法であって、該方法は、
請求項14~16のいずれか一項に記載のワクチンの免疫学的有効量を前記ブタに投与することを含む、方法。 - ブタインフルエンザAウイルス(IAV-S)の第1、第2および第3のノイラミニダーゼ(NA)抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物であって、ここで、
前記第1のNA抗原が、A/swine/Scotland/410440/1994様H1huN2(Scot/94)系統のものであり、
前記第2のNA抗原が、A/swine/Gent/1/1984様H3N2(Gent/84)系統のものであり、そして、
前記第3のNA抗原が、A(H1N1)pdm09(pdm09)系統またはEurasian avian様H1avN1(EA)系統から選択される、核酸構築物。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP20181114.8 | 2020-06-19 | ||
EP20181114 | 2020-06-19 | ||
PCT/EP2021/066555 WO2021255225A1 (en) | 2020-06-19 | 2021-06-18 | Swine influenza a virus vaccine comprising a nucleic acid construct comprising first, second and third nucleic acid sequences encoding distinct neuraminidase antigens of the virus |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023530134A true JP2023530134A (ja) | 2023-07-13 |
Family
ID=71111356
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022577344A Pending JP2023530134A (ja) | 2020-06-19 | 2021-06-18 | ウイルスの別々のノイラミニダーゼ抗原をエンコードする第1、第2および第3の核酸配列を含む核酸構築物を含むブタインフルエンザaウイルスワクチン |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20230248817A1 (ja) |
EP (1) | EP4168429A1 (ja) |
JP (1) | JP2023530134A (ja) |
CN (1) | CN115768785A (ja) |
BR (1) | BR112022025735A2 (ja) |
WO (1) | WO2021255225A1 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5792462A (en) * | 1995-05-23 | 1998-08-11 | University Of North Carolina At Chapel Hill | Alphavirus RNA replicon systems |
US20050266550A1 (en) | 2004-05-18 | 2005-12-01 | Alphavax, Inc. | TC-83-derived alphavirus vectors, particles and methods |
CA2658559A1 (en) * | 2006-07-21 | 2008-04-03 | Pharmexa Inc. | Inducing cellular immune responses to influenza virus using peptide and nucleic acid compositions |
WO2008156829A2 (en) | 2007-06-21 | 2008-12-24 | Alphavax, Inc. | Promoterless cassettes for expression of alphavirus structural proteins |
TWI551295B (zh) | 2008-04-18 | 2016-10-01 | 英特威特國際股份有限公司 | 防備胞內勞森菌(Lawsonia intracellularis)用疫苗 |
TWI449533B (zh) | 2008-04-18 | 2014-08-21 | Intervet Int Bv | 防備胞內勞森菌(Lawsonia intracellularis)、豬肺炎黴漿菌(Mycoplasma hyopneumoniae)及豬環狀病毒(Porcine circo virus)用疫苗 |
EP3727444A1 (en) * | 2017-12-18 | 2020-10-28 | Intervet International B.V. | Swine influenza a virus vaccine |
-
2021
- 2021-06-18 JP JP2022577344A patent/JP2023530134A/ja active Pending
- 2021-06-18 BR BR112022025735A patent/BR112022025735A2/pt unknown
- 2021-06-18 US US18/010,416 patent/US20230248817A1/en active Pending
- 2021-06-18 CN CN202180043528.5A patent/CN115768785A/zh active Pending
- 2021-06-18 WO PCT/EP2021/066555 patent/WO2021255225A1/en unknown
- 2021-06-18 EP EP21733128.9A patent/EP4168429A1/en active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20230248817A1 (en) | 2023-08-10 |
CN115768785A (zh) | 2023-03-07 |
WO2021255225A1 (en) | 2021-12-23 |
BR112022025735A2 (pt) | 2023-01-03 |
EP4168429A1 (en) | 2023-04-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Lee et al. | A review of vaccine development and research for industry animals in Korea | |
JP7374893B2 (ja) | ネコカリシウイルスワクチン | |
JP7346417B2 (ja) | ブタインフルエンザaウイルスワクチン | |
AU2018358077A1 (en) | Feline leukemia virus vaccine | |
US20230277649A1 (en) | Swine influenza a virus vaccine comprising two distinct rna replicon particles | |
WO2020099293A1 (en) | Novel porcine rotavirus | |
US20230248817A1 (en) | Swine influenza a virus vaccine comprising a nucleic acid construct comprising first, second and third nucleic acid sequences encoding distinct neuraminidase antigens of the virus | |
US20230265130A1 (en) | Swine influenza a virus vaccine comprising a nucleic acid construct having a specific order of genes | |
JP2023530135A (ja) | 特定のウイルス系統の抗原をエンコードする核酸構築物を含むブタインフルエンザaウイルスワクチン | |
US20220211839A1 (en) | Feline leukemia virus vaccine | |
US11229699B2 (en) | Feline calicivirus vaccine | |
RU2787596C9 (ru) | Вакцина к вирусу свиного гриппа a | |
RU2787596C2 (ru) | Вакцина к вирусу свиного гриппа a | |
RU2792898C2 (ru) | Вакцина против кошачьего калицивируса | |
RU2784533C2 (ru) | Вакцина против вируса лейкоза кошачьих | |
WO2023072805A1 (en) | A vaccine for the protection of piglets against swine influenza a virus infection |