JP2023529827A - ドープされたNi(O)OH発泡電極を用いた開環酸化によるアルカンジカルボン酸の電気化学的製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アルカリ水溶液中でドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて、アルカンジカルボン酸を開環酸化により電気化学的に調製する方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ水溶液中でドープされたNi(O)OH発泡電極を用いた開環酸化によるアルカンジカルボン酸の電気化学的調製方法に関する。
Johannes KaulenとHans-Jurgen SchaFer(Tetrahedron 1982, 38(22), 3299-3308)は、Ni(O)OH電極で、非置換シクロヘキサノールから非置換アジピン酸への変換を開示している。この電極は、プレート電極として設計されている。生成物が実際に単離されたケースはない。同じ結果は、Hans-Jurgen SchaFerによっても得られている(Topics in Current Chemistry, 1987, 142, 101-129)。
Johannes Kaulen(「水酸化ニッケル電極におけるジオール及び第二級アルコールの酸化。ヒドロキシステロイドの選択的酸化への応用」, 学位論文, マンスター大学, 1981)は、シクロヘキサノールの電気化学的酸化に関する研究を開示している。著者は、水酸化ニッケル電極を用い、比較的高温で、部分的にアジピン酸の開環形成を伴う顕著な変換を達成した。
B. V. Lyalin and V. A. Petrosyan (Russian Journal of Electrochemistry, 2010, 46(11), 1199-1214)は、非置換アジピン酸の調製と炭水化物の酸化を開示している。
未分割セル電気分解によるアジピン酸の電気合成(ロシア、Chemical Bulletin, International Edition, Vol.53 No.3 pp.688-692, March, 2004)では、同じ著者らが、シクロヘキサノールを電気化学的に開環酸化してアジピン酸を合成することを開示している。この論文では、アジピン酸の収率が最大46.7%であること、同様の現行の収率が11.5%であることが報じられている。副生成物として、コハク酸とグルタル酸が生成され、収率はそれぞれ6.3%と11.5%である。これらの成分は、シクロヘキサノールのC6コア構造からCH基が酸化で除去されることによって形成される。
一実施形態の変形例において、EP2907898A1(US2015/0225861A1)は、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノールの開環酸化のために80℃の反応温度でニッケル発泡体を使用することを開示している。この反応は、かなり希釈した溶液中で行われ、収率は低かった。
Schmittら(Beilstein J. Org. Chem., 2015, 11, 473-480)は、多様なオキソ置換芳香族中のリグニンを、さまざまな電極を用いて開裂することを開示している。その際、対応する酸への酸化は起こらなかった。
本発明は、アルカリ水溶液中で、主族5及び/又は6の元素でドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて、アルカンジカルボン酸を開環酸化により電気化学的に調製する方法に関する。
以下、本発明に係る方法を例示的に説明するが、本発明をこれらの例示的な実施形態に限定する意図はない。以下に、範囲、一般式、又は化合物のクラスが記載されている場合、これらは、明示的に記載された対応する範囲又は化合物群のみならず、個々の値(範囲)又は化合物を抽出することによって得られるすべての化合物の下位範囲及び下位グループを含むことを意図している。本明細書の文脈で文献が引用される場合、その内容全体が本発明の開示内容の一部であることを意図している。以下、百分率データを記載する場合、特に断らない限り、これらは重量%データである。組成物の場合、百分率の値は、特に断らない限り、全組成物に基づくものである。以下、平均値を記載する場合、特に断らない限り、質量平均(重量平均)である。以下、実測値を記載する場合、特に断らない限り、圧力101325Pa、温度25℃で測定した値である。
化学的酸化方法と比較したこの方法の利点は、硝酸のような化学的酸化剤の使用を避けられることである。
さらなる利点は、本発明に係る方法の収率が高いことである。
フロースルーセルで実行することは、先行技術のいかなる設計よりも技術的に単純であり、よりロバストである。攪拌工程のような機械的に手間のかかる工程はすべて省略することができる。
本発明は、このように、攻撃的な化学物質を使用することなく高収率でアルカンジカルボン酸を得るための工業的に適切な連続プロセスの開発の可能性を初めてもたらすものである。
本発明に係る方法において、好適には、式(I)に従ってアルカンジカルボン酸(DC)を調製する。
Figure 2023529827000002
式(I)中、
Figure 2023529827000003
は、単結合又は二重結合を表し、したがって、Rはそれに応じて存在するか、存在せず、Rは、水素又はアシルラジカルであり、アシルラジカルは、2~8個の炭素原子、好ましくは2~5個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸のラジカルであり、特に好ましくはアセチルであり、Aは、4~30個の炭素原子を有する炭化水素であり、式(I)の環状反応物中のAのすべての環炭素原子は、少なくとも1つの水素置換基を有し、Aは、少なくとも2個の環炭素原子、より好ましくは3~9個の環炭素原子を含む。
Figure 2023529827000004
が単結合であり、Rが水素(シクロアルカノール)である場合、本発明に係る方法は、好ましくは式(II)に従って行われる。
Figure 2023529827000005
式(II)中、R、R、Rは、同一又は異なる、水素又は1~8個の炭素原子、好ましくは1~5個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐したアルキルラジカルであり、ラジカルR、R、Rの少なくとも1つがアルキルラジカルである。
より好ましくは、ラジカルR、R、Rのいずれか1つのみが、1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカルである。特に好ましくは、ラジカルR及びRが水素であり、Rが1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカルである。
Figure 2023529827000006
が単結合であり、Rがアシルラジカル(アシルシクロアルカノール)である場合、本発明に係る方法は、好ましくは式(III)に従って行われる。
Figure 2023529827000007
式(III)中、アシルラジカルはアセチルであり、Aは4~9個の炭素原子を有する炭化水素であり、式(III)中のAのすべての環炭素原子は、少なくとも1つの水素置換基を有し、Aは少なくとも3個の環状炭素原子(アシルヘキサノール)、より好ましくは3~9個の環状炭素原子からなる。
Figure 2023529827000008
が二重結合であり、Rが存在しない場合(シクロアルカノン)、本発明に係る方法は、好ましくは式(IV)に従って行われる。
Figure 2023529827000009
式(IV)中、Aは4~9個の炭素原子を有する炭化水素であり、式(IV)中の環状化合物中のAのすべての環炭素原子は、少なくとも1つの水素置換基を有し、Aは少なくとも2個の環状炭素原子、より好ましくは3~9個の環状炭素原子からなる。
本発明に係る方法は、好ましくは、式(III)、式(III)及び式(IV)の少なくとも1つに従って行われる。
分子/分子片が1又は複数の立体中心を有するか、対称性を理由に異性体に分化することができるか、又は他の効果、例えば回転制限を理由に異性体に分化しうるすべての場合において、すべての可能な異性体が本発明によってカバーされる。
異性体は当業者に知られている。特に、ザールランド大学のカズマイヤー教授の定義、例えば、http://www.unisaarland.de/Fak8/kazmaier/PDF_Files/vorlesungen/Stereochemie%20Strassb%20vorlage.pdfを参照されたい。
Ni(O)OH発泡電極は、好ましくは、リン、ヒ素、セレン及び硫黄から選択される、より好ましくはリンから選択されるドーピングを有する。
ドーピングの含有量の値は、電極の金属の質量を基準としたドーピングの元素の状態を示す。
Ni(O)OH発泡電極は、好ましくは2~10重量%、より好ましくは3~9重量%、より好ましくは4~9重量%のドーピングを含む。
Ni(O)OH発泡電極は、好ましくは2~10重量%、より好ましくは3~9重量%、より好ましくは4~9重量%のリンのドーピングを含み、ここにおいてリンは元素として、電極の金属質量を基準として考えられる。
リンのドーピング含有量は、好ましくは、DIN EN ISO 5427、付録D.1に従って決定される。
Ni(O)OH発泡電極は、好ましくは2ミリメートル以上、より好ましくは3mmより厚い、さらに好ましくは5mmより厚い、特に好ましくは6mm以上の厚さである。
Ni(O)OH発泡電極は、金属として、ニッケルを含み、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95、98、99重量%、さらにより好ましくは好ましくは99.9重量%以上、特に好ましくは99.99重量%以上のニッケルを含む。
Ni(O)OH発泡電極は、ニッケル以外のさらなる金属を含んでいてもよい。さらなる金属は、好ましくはCo、Fe及びCuである。
Ni(O)OH発泡電極における他の金属の含有量は、全金属の含有量を基準として、好ましくは、10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
Ni(O)OH発泡電極は、好ましくは最大で5重量%、好ましくは2重量%、より好ましくは1重量%、特に好ましくは最大で0.1重量%の鉄又は鉄化合物を含み、含有量の値は、全ての金属含有量を基準とした元素の値である。
Ni(O)OH発泡電極は、好ましくはそれぞれ多くとも1重量%、好ましくはそれぞれ0.1重量%、より好ましくはそれぞれ多くとも0.01重量%のV、Wo及びMoを含み、これらの金属はアルカリ水媒体中で腐食し、これは本発明に係る方法に対して好ましくない影響を与えうる。
有用なカソード材料は、原理上、反応媒体に不活性な任意の金属である。好ましくは、本発明に従って使用されるのは、ステンレス鋼、白金もしくはニッケル又はその混合物である。
本発明に係る方法は、アルカリ性水溶液中で行われる。好ましい共溶媒は、アルコール類又はDMSOであることができる。溶媒の合計を基準にして30体積%までの、より好ましくは1~20体積%の共溶媒が好適であり、溶媒はより好ましくは水から構成される。
適切なアルカリ添加剤には、原理上、すべての既知の無機塩基が含まれる。本発明に係る方法では、アルカリ金属水酸化物、例えばLiOH、NaOH、KOH、及び可溶性アルカリ土類金属水酸化物が好適である。本発明に従って、水酸化ナトリウムを使用することが特に好ましい。好ましくは、他の塩基のアニオンは存在しない。
アルカリ添加剤の濃度は、アルカリ水溶液を基準として、好ましくは0.5~2mol/l、より好ましくは0.8~1.5mol/l、特に好ましくは1mol/lで、モル数において最大10%の偏差、好ましくは最大5%の偏差を許容する。
本発明による方法では、式(I)による反応物の濃度は、好ましくは0.06~0.5mol/l、より好ましくは0.08~0.3、特に好ましくは0.09~0.11mol/lである。
式(II)及び(III)に従って本発明による変換をもたらす総電流は、理論上、8Fである。好ましくは8~10F、より好ましくは8.5~9Fである。
単位量Fはファラデーであり、アボガドロ定数と電荷素量の積F=N eで定義される。
式(IV)に従って変換するには、理論上、6Fが必要である。好ましくは6~8F、より好ましくは6.5~7Fである。
本発明に係る方法は、好ましくは2~10mA/cm、より好ましくは2.5~7.5mA/cm、特に好ましくは3.3~6mA/cmの電流密度で行われる。なお、面積は、発泡体の内面積を考慮しない幾何学的面積である。電流密度に関するこれらの数値は、一方の側面の最大面積を指し、したがって、フロースルー電解セルの場合、流れの方向とは無関係である。
本発明に係る方法は、例えば、非連続的に実施することができる。本発明に係る方法は、例えばバッチ電解セルで不連続的に、又はフロースルー電解セルで連続的に行われることができ、好ましくは連続フロー電解セルで行われる。
本発明に係る方法は、好ましくは20~70℃、好ましくは30~60℃、より好ましくは35~50℃の温度で行われる。
本発明に係る方法はまた、好ましくは、ドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて行われ、ドーピングは、リン、ヒ素、セレン及び硫黄から選択され、アルカリの濃度は、0.8~1.5mol/lであり、式(I)による反応物の濃度は、0.08~0.3mol/lである。
本発明に係る方法はまた、好ましくは、リンでドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて行われ、アルカリの濃度は、0.8~1.5mol/lであり、電流密度が2~10mA/cmである。
本発明に係る方法は、
Figure 2023529827000010
に従って、リンでドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて行われることがよりいっそう好ましく、
式(II)中、R、R、Rは、同一又は異なる、水素又は1~8個の炭素原子、好ましくは1~5個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐したアルキルラジカルであり、ラジカルR、R、Rの少なくとも1つはアルキルラジカル、より好ましくはラジカルR、R、Rのいずれか1つのみがアルキルラジカルであり、特に好ましくは、ラジカルR及びRは水素であり、Rは1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカルである。
本発明に係る方法は、
Figure 2023529827000011
に従って、リンでドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて行われることがさらに好ましく、
式(IV)中、Aは4~9個の炭素原子を有する炭化水素であり、式(IV)の環状反応物におけるAのすべての環状炭素原子は少なくとも1つの水素置換基を有し、Aは好ましくは少なくとも2個の環状炭素原子、より好ましくは3~9個の環状炭素原子からなる。
本発明に係る方法は、より好ましくは、フロースルーセルにおいてリンでドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて行われ、アルカリ濃度が0.8~1.5mol/lであり、式(I)に従う反応物の濃度は0.08~0.3mol/lである。
本発明に係る方法は、特に好ましくは、フロースルーセルにおいてリンでドープされたNi(O)OH発泡電極を用いて行われ、アルカリの濃度が0.8~1.5mol/lであり、式(I)による反応物の濃度が0.08~0.3mol/lであり、アノード区画における反応媒体の流量が少なくとも5cm/分、好ましくは少なくとも8cm/分、より好ましくは少なくとも3cm/分である。
図1は、連続フロー反応セルを概略的に示す図である。 図2は、バッチ実験におけるドープされたアノードについて、表1の項目1に従う反応の収率の温度依存性を示す図である。
電極
使用したアノードは、いずれも長さ60mm、幅20mm、厚さ6mmの寸法である。しかしながら、バッチ法では、本発明に係る方法を行うために、半分の面積(長さ30mm)のみ浸漬した。カソードはアノードと同一の表面寸法を有するが、金属薄板として構成された。厚さは本質的な役割を果たすものではなく、特にフロースルー法では一面のみが反応媒体に晒される。
ニッケル発泡電極の密度は、0.35~0.44g/cmであった。これは、95~96%の気孔率に相当する。
リンでドープされた電極は、ドルトムントのアクアチタン社から入手した。
アノードのNi(O)OH層は、蒸留水中の0.1mol/l NiSO 6HO、0.1mol/l NaOAc3HO、0.005mol/lの溶液280ml中で形成された。電極が完全に浸漬され、室温で極変化させながら(10秒)、150クーロン、10mA/cmでコーティングした。反応終了後、電極を濯ぎ、乾燥させた。
開環電気酸化
a)バッチ法
電気酸化では、反応セルを水で満たし、水に水酸化ナトリウム(1mol/l)を溶解し、酸化した(式(I)に従う反応物)(25ml)。反応物の濃度は、0.1mol/lであった。次に、攪拌された溶液を温度制御した。電気酸化は、定電流条件下で行われた。本発明に係る実験で使用したアノードは、上記のとおり調製した、ドープされたNi(O)OH発泡電極であり、本発明外の実験では、リンでドープされていない同一構造の電極を原則として使用し、ステンレス鋼板電極はカソードとして機能した。
反応完了後、(脱塩水とジクロロメタンで後洗浄(各20ml)した)溶液を定量的に抽出し、(水と有機溶剤の体積比は約2:1)ジクロロメタンで抽出した。残りの水相を50%硫酸でpH1に調整し、ジエチルエーテルで4回抽出した(水と有機溶媒の体積比は約2:1)。有機相(ジクロロメタン/ジエチルエーテル)を硫酸ナトリウムで別々に乾燥させ、次いで、溶媒をロータリーエバポレーター上で除去した。
b)フロースルー法
ドープされたNi(O)OH発泡電極を、多層テフロンブロックにフロースルー法が完全になるように組み込み、入口面積は6mm×20mm、流れの方向は電極の長手方向である。カソードは、1ミリメートル未満の隙間でスロット板を通して別に取り付けられた。チャンバーは下部から上部へ垂直に灌流された。使用したポンプは、Fink Chem+Tec GmbH & Co.KG製のRitmo(登録商標)であった。
反応液は、バッチ法と同様に使用された。
処理は、バッチ法と同様に行われた。
NMR分光法
H-及び13C-NMRスペクトルは、カールスルーエのBruker Analytische Messtechnik社のAC 300及びAC II 400タイプの多核共鳴スペクトロメータで記録された。溶媒としてCDClが使用された。化学シフトは、ここではppmで特定され、重水素化溶媒のプロトンシグナルに関連するものである。このシグナルは、H-COSY、H、C-HSQC及びH、C-HMBCの実験によって割り当てられ、スペクトルの最終評価は、MestReNovaプログラム(バージョン:7.01-8414)を使用して行われた。
表中に示される収率は,トリメトキシベンゼン標準に対する13C-NMR(逆ゲート)のシグナルを積分して求めたものである。収率はモル数換算値である。
表1:種々のアルキルシクロアルカノール(CH)のアルカンジカルボン酸(DC)への変換例
Figure 2023529827000012
表2:種々のアルキルシクロアルカノン(CO)のアルカンジカルボン酸(DC)への変換例
Figure 2023529827000013
表3:表1に従う種々のアルキルシクロアルカノール(CH)の収率に及ぼすリンのドーピングの影響
ドープされていないアノードは本発明外(バッチ)であり、
ドープされたアノード(バッチ)及びフロースルー(ドープされたアノード)が本発明である。
Figure 2023529827000014
表4:流量の関数としての収率
フロースルーセル(ドープされたアノード)における変換(CH1からDC1):60mA、8F、20℃
Figure 2023529827000015
表5:アルカリ(1M=1mol/l)及び溶媒(体積に基づく比)に対する収率の依存性、ドープされたアノードを用いたバッチモードでの変換、CH1からDC1
Figure 2023529827000016
tBuOH=tert-ブタノール
PE=石油エーテル
DMSO=ジメチルスルホキシド
tAmylOH=tert-アミルアルコール(2-メチル-2-ブタノール);30mA、8F、20℃
表6:アルキルシクロアルカノン(CO)のアルカンジカルボン酸(CD)への変換;ドープされたアノードを用いたバッチモードでの反応
Figure 2023529827000017
酢酸シクロオクチルは、20℃、5mA/cm、8Fでドープされたアノードでバッチモードでオクタンジアシッド(DC6)へと変換し、30%の収率であった。

Claims (15)

  1. アルカリ水溶液中での開環酸化によるアルカンジカルボン酸の電気化学的調製方法であって、
    前記酸化は、式(I)
    Figure 2023529827000018
    式(I)
    に従って、主族5及び/又は6の元素でドープされたNi(O)OH発泡電極で行われ、
    (式(I)中、
    Figure 2023529827000019

    は、単結合又は二重結合を表し、したがって、Rは、存在するか、存在せず、
    Rは、水素又はアシルラジカルであり、前記アシルラジカルは、2~8個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸のラジカルであり、
    Aは、4~30個の炭素原子を有する炭化水素であり、式(I)の環状反応物中のAのすべての環炭素原子は、少なくとも1つの水素置換基を有する、
    ことを特徴とする、アルカリ水溶液中での開環酸化によるアルカンジカルボン酸の電気化学的調製方法。
  2. 前記Ni(O)OH発泡電極は、リン、ヒ素、セレン及び硫黄から選択される、より好ましくはリンから選択されるドーピングを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記Ni(O)OH発泡電極は、2~10重量%、好ましくは3~9重量%、より好ましくは4~9重量%のリンを含み、前記リンは、元素として、前記電極の金属質量を基準として考えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記Ni(O)OH発泡電極は、2ミリメートル以上、好ましくは3mmより厚い、より好ましくは5mmより厚い、特に好ましくは6mm以上の厚さであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記Ni(O)OH発泡電極は、金属として、ニッケルを含み、好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも90、95、98、99重量%。さらに好ましくは少なくとも99.9重量%、特に好ましくは少なくとも99.99重量%のニッケルを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記水溶液は、30体積%までの共溶媒が溶液中に存在しうるものであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記水溶液へのアルカリ添加剤が、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムであり、好ましくはさらなる塩基のアニオンが存在しないことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記アルカリ添加剤の濃度が、アルカリ水溶液を基準にして、0.5~2mol/l、好ましくは0.8~1.5mol/l、特に好ましくは1mol/lであり、モル数において最大10%の偏差、好ましくは最大5%の偏差を許容することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 式(I)においてRは水素であり、
    Figure 2023529827000020
    は単結合であるシクロアルカノールの濃度が、0.06~0.5mol/l、好ましくは0.08~0.3mol/l、特に好ましくは0.09~0.11mol/lであることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. Figure 2023529827000021
    に従って行われ、
    式(II)中、R、R、Rは、同一又は異なる、水素又は1~8個の炭素原子、好ましくは1~5個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐したアルキルラジカルであり、ラジカルR、R、Rの少なくとも1つはアルキルラジカルであり、
    より好ましくはラジカルR、R、Rのいずれか1つのみが、1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカルであり、特に好ましくはラジカルRとRが水素であり、Rが1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカルであることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 印加される電子の総量が、8~10F、より好ましくは8.5~9Fである、請求項10に記載の方法。
  12. 2~10mA/cm、より好ましくは2.5~7.5mA/cm、特に好ましくは3.3~6mA/cmの電流密度で行われ、前記面積は、前記発泡体の内面積を考慮しない幾何学的面積であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 電気分解が、バッチ電解セル又は連続フロー電解セルで、好ましくは連続フロー電解セルで行われることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 使用されるカソード材料が、ステンレス鋼、白金、ニッケル又はその混合物であることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 電気分解が、20~70℃、好ましくは30~60℃、より好ましくは35~50℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
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