JP2023529521A - 直鎖又は分岐脂肪酸及び誘導体で官能化された糖のモノマー、オリゴマー及びポリマー、それらの組成物及び使用 - Google Patents

直鎖又は分岐脂肪酸及び誘導体で官能化された糖のモノマー、オリゴマー及びポリマー、それらの組成物及び使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、直鎖又は分岐脂肪酸及び誘導体で官能化された糖のモノマー、オリゴマー及びポリマー、それらの組成物並びにそれらの使用に関する。

Description

本発明は、直鎖又は分岐脂肪酸及び誘導体で官能化された糖のモノマー、オリゴマー及びポリマー、それらを含む組成物並びにそれらの使用に関する。
ツベルクロステアリン酸(10-メチルステアリン酸)及び対応する10-メチレン生物学的前駆体は公知であり、例えば、非特許文献1を参照されたい。
著者らは、ツベルクロステアリン酸はマイコバクテリウム種由来のリン脂質の主成分であると述べているが、総脂質含有量に関連するその低い生産収率は、更なる工業的使用を妨げている。近年、Novogy,Inc.は、Yarrowia lipolyticaに脂肪酸のメチル化を担う遺伝子配列を挿入し、発現させることができた(特許文献1)。
糖類、オリゴ糖及び多糖上にエステルとして官能化された脂肪酸は、乳化剤/界面活性剤、免疫調節剤、抗感染剤、食品中の増粘剤、掘削流体組成物の成分、医薬品又は獣医学製品用の製剤の成分などの様々な用途で知られている。
糖類、オリゴ糖及び多糖上にエステルとして官能化されたこれらの公知の脂肪酸は、一般に、直鎖の不飽和であってもよい脂肪酸鎖などの共通の構造的特徴を共有する。その物理的特性は、通常、糖及び/又は糖パターン並びに脂肪酸鎖長並びに不飽和数及び位置を変化させること、例えば、不飽和数がそれぞれ(cis-Δ)から(cis-Δ、cis-Δ12、cis-Δ15)に変更されるオレイン酸からα-リノレン酸への変化、又は不飽和がそれぞれ位置trans-Δからtrans-Δ11に移動するエライジン酸からバクセン酸への変化によって改質される。
同様に、酸性ゼオライト上でのステアリン酸の異性化によって通常得られるランダムに分岐したC18飽和脂肪酸の混合物であるイソステアリン酸は、最近、特許文献2のように、デキストリンなどの単純又は複雑な糖上に官能化された。
WO2018/057607 EP2537865
Yuzuru Akamatsu and John Law,"Enzymatic synthesis of 10 methylene stearic acid and tuberculostearic acid",Biochemical and Biophysiscal Research Communications,Vol.33,Issue 1,10thOctober 1968,pages 172-176
糖類の様々な脂肪エステルが既に調製されているにもかかわらず、改質された薬理学的、物理学的及び化学的特性を有する差別化された生成物を提供する必要性が依然として存在する。
しかしながら、透明性等の物理学的特性を向上させる必要がある場合には、これらの改質では不十分な場合がある。
予想外にも、(i)10-メチルもしくは10-メチレン分岐置換基を有する直鎖C14、C16、C18もしくはC20脂質カルボキシル基である分岐脂肪部分、又は7~10の範囲の位置に、唯一の不飽和を有する直鎖C14、C16、C18もしくはC20脂質カルボキシル基である直鎖脂肪部分から選択される脂肪部分と、(ii)ダイマー、オリゴマーもしくはポリマーの形態であってもよい、C5-C7炭水化物である、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するポリオール部分であって、ダイマー、オリゴマーもしくはポリマー中の各ポリオール部分が同一であるか又は異なる、ポリオール部分と、を含むポリオール脂肪エステルであって、(ii)に記載のポリオール部分の少なくとも1つのヒドロキシル基にエステル結合によって連結された、(i)に記載の少なくとも1つの分岐脂肪部分を含む、ポリオール脂肪エステルは、異なる種類の油と混合した場合に透明な組成物を提供するのに適していた。
これらのポリオール脂肪エステルは、広範囲の用途、特に、(a)濡れ性改質用組成物、(b)水中油型又は油中水型エマルション、(c)医薬形態又は獣医学的形態、(d)抗菌剤、殺虫剤、又は抗真菌剤、(e)ポリマー加工用添加剤、(f)食品添加剤、(g)哺乳動物種における重量制御のための脂肪の代謝不可能な代替物、(h)紙加工用添加剤、(i)タンパク質及び免疫活性分子、例えば抗原及び抗体の生物工学加工及び可溶化用添加剤、(j)接着剤組成物、(k)生分解性ポリマー、(l)油のゲル化、並びに(m)化粧品組成物、の調製に適している。好ましい用途は、油のゲル化である。
第1の態様によれば、本発明は、ポリオール脂肪エステルであって、
(i)脂肪部分であって、
10-メチルもしくは10-メチレン分岐置換基を有する直鎖C14、C16、C18もしくはC20脂質カルボキシル基である分岐脂肪部分、又は、
7~10の範囲の位置に、唯一の不飽和を有する直鎖C14、C16、C18もしくはC20脂質カルボキシル基である直鎖脂肪部分であって、唯一の不飽和は好ましくはZ配置である、直鎖脂肪部分、
から選択される脂肪部分と、
(ii)ダイマー、オリゴマーもしくはポリマーの形態であってもよい、C5-C7炭水化物である、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するポリオール部分であって、ダイマー、オリゴマーもしくはポリマー中の各ポリオール部分が同一であるか又は異なる、ポリオール部分と、
を含み、
ポリオール脂肪エステルが、(ii)に記載のポリオール部分の少なくとも1つのヒドロキシル基へのエステル結合によって連結された、(i)に記載の少なくとも1つの脂肪部分を含む、
ポリオール脂肪エステルを提供する。
好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するポリオール部分は、50重量%を超える12~35個のC6炭水化物モノマーを含む分岐していてもよいポリマー鎖を有するデキストリンの形態のC6炭水化物のポリマー組成物であり、ポリマー中の各ポリオール部分は同一であるか又は異なる。
前述のポリオール脂肪エステルは、異なる種類の油と混合した場合に透明な組成物を提供するのに適していることが分かった。
更に、これらのポリオール脂肪エステルは、異なる炭化水素、天然又は合成の油及び脂肪と混合された場合のゲル形成能に関して、最新技術のポリオール脂肪エステルと同様に挙動する。更に、本発明によるポリオール脂肪エステルは、C5-C7炭水化物モノマー又はダイマー上にエステル化された分岐脂肪部分の形態である場合、そのモノマー又はダイマーは完全にエステル化されており、本発明によるポリオール脂肪エステルは、低い流動点及び低い粘度を有し、これらは両方とも高性能潤滑剤組成物において特に望ましい。
本発明による直鎖不飽和脂肪部分は、7~10の範囲の位置に1つの不飽和を含む。本発明の意味の範囲内で、位置#における不飽和は、脂質カルボキシル基の#番目の炭素原子が不飽和炭素であることを意味する。
好ましくは、唯一の不飽和はZ配置である。得られたポリオール脂肪エステルの透明性は、直鎖脂肪部分がZ配置の唯一の不飽和を有する場合に改善されることが見出された。
好ましくは、直鎖脂肪部分がC14カルボキシル基である場合、不飽和は位置7にあり、直鎖脂肪部分がC16カルボキシル基である場合、不飽和は位置8にあり、直鎖脂肪部分がC18カルボキシル基である場合、不飽和は位置9にあり、直鎖脂肪部分がC20カルボキシル基である場合、不飽和は位置10にある。
C18カルボキシル基タイプの直鎖脂肪部分の例は、オレイルである。
本発明の分岐脂肪部分は、好ましくは、10-メチルステアリル、10-メチレンステアリル、10-メチルパルミチル、10-メチレンパルミチル、10-メチルアラキジル、10-メチレンアラキジル、10-メチルミリスチル又は10-メチレンミリスチル、及びそれらの組み合わせ、好ましくは10-メチルステアリル、10-メチルパルミチル、10-メチルアラキジル又は10-メチルミリスチル、及びそれらの組み合わせ、より好ましくは10-メチルステアリル又は10-メチルパルミチル、及びそれらの組み合わせから選択される。
好適には、分岐脂肪部分は、10-メチルステアリル、10-メチルパルミチル、10-メチルアラキジル及び10-メチルミリスチルから選択される場合、(R)エナンチオマー及び(S)エナンチオマー、好ましくは(R)エナンチオマーから選択される。
分岐脂肪部分は、C5-C7炭水化物との反応及びエステル結合の形成の前に、(a)脂肪酸、(b)脂肪酸塩化物、(c)脂肪エステルの形態で存在し、この脂肪エステルは、好ましくはメタノール又はエタノール、より好ましくはメタノールでエステル化されている。脂肪酸塩化物(b)が特に好ましく、脂肪酸塩化物の調製により着色された原料が得られた場合、C5-C7炭水化物との反応前に高真空(0.01~0.1Pa)下での蒸留によってこれを精製することが好ましい。この場合、酸塩化物が発色団を含まない限り、蒸留物は無色である。
ポリオール部分は、有利には、モノマー、ダイマー、3~10個の炭水化物モノマー単位を含むオリゴマー、又は11~10000個の炭水化物モノマー単位を含むポリマーの形態のC5又はC6炭水化物であり、オリゴマー又はポリマーは、分岐又は環化されていてもよい。
C5又はC6炭水化物は、好ましくは、(i)グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、ラムノース、及び、ダイマーであるそれらの組み合わせ(例えば、好ましくは、サッカロース、マルトース、トレハロース及びラクトースなど)、(ii)それらのオリゴマー(例えばα-、β-及びγ-シクロデキストリンなど)、(iii)多糖類の形態のそれらのポリマー(例えば、好ましくはセルロース、デキストラン、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、マンナン、プルラン、アラビノキシラン、カロース、ラミナリン、クリソラミナリン、ガラクトマンナン、グアーガムなど)、並びに(iv)キチン、キトサン、キサンタンガム、ジェランガム及びフコイダンから選択される多糖類の形態のそれらの修飾ポリマー、の中から選択される。
これに関して、前述のC5又はC6炭水化物は、有利には、(iii)50重量%を超える12~35個のC6炭水化物モノマー、好ましくは15~30個のC6炭水化物モノマー、より好ましくは17~23個のC6炭水化物モノマーを含む分岐していてもよいポリマー鎖を有するデキストリンの形態のそれらのポリマー組成物である。
C5又はC6炭水化物がデキストリンである場合、グルコース単位当たりの分岐脂肪部分によるデキストリンの置換度は、2.70より高く、好ましくは3.00より高く、より好ましくは3.03より高く、更により好ましくは3.05より高く、最も好ましくは3.05~3.10である。
10-メチルステアリルが分岐脂肪部分として選択される場合、ポリオール部分は、好ましくは平均20個のグルコース単位を有するデキストリンポリマーであり、分岐脂肪部分によるデキストリンの置換度は3.10である。
オレイルが直鎖脂肪部分として選択される場合、ポリオール部分は、好ましくは平均20個のグルコース単位を有するデキストリンポリマーであり、分岐脂肪部分によるデキストリンの置換度は3.10である。
10-メチルステアリル部分によって完全にエステル化され、その結果、遊離ヒドロキシル基がデキストリン上にエステル化されずに残っていない平均17~23個の炭水化物モノマー(ここで、グルコースはモノマーである)を有するデキストリンは、炭化水素、油及び脂肪のゲルの調製に特に好ましい。結果として、デキストリンの置換度は3.0を超え、好ましくは3.05を超える。
本発明の第2の態様によれば、その第1の態様の任意の実施形態によるポリオール脂肪エステルは、
(i)直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和のC2-C24脂質カルボキシル、又は、
(ii)少なくとも1つの炭素原子が、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルコイルオキシ(alkoyloxy)、C1-C6アルキルアミノもしくはC1-C6ジアルキルアミノで置換されている、直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和のC2-C24脂質カルボキシル、
のうちの少なくとも1つを更に含むことができ、
(ii)に記載のC5-C7炭水化物の少なくとも1つの更なるヒドロキシル基にエステル結合されている。
本発明の第2の態様によるポリオール脂肪エステルは、以下の特定の特徴を有することができ、ここで、C2-C24脂質カルボキシルは、アセチル、プロピオニル、アクリロイル及びメタクリロイルの中から選択され、C3-C24脂質カルボキシルは、2-アセチルオキシプロピオニル、2-メトキシプロピオニル、2-エトキシプロピオニル、2-アセチルオキシアセチル、2-メトキシアセチル及び2-エトキシアセチルの中から選択される。
本発明によるポリオール脂肪エステルが何であれ、特に油を用いてポリオール脂肪エステルゲルを調製する場合のように強い親油性が予想される場合、ポリオール部分に存在する全てのヒドロキシル基がエステル化されることが望ましい。
ポリオールあたり1.0エステル以上のポリオールの置換度を有し、1、2又は3個のC5-C7炭水化物単位で構成される本発明によるポリオール脂肪エステルは、(i)HLB(hydrophilic Lipophilic Balance:親水性親油性バランス)が1.5~3である場合は消泡剤、(ii)HLBが3~6である場合は油中水型乳化剤、(iii)HLBが7~9である場合は発泡剤、(iv)HLBが9~13である場合は水中油型乳化剤、(v)HLBが13~15である場合は非イオン性界面活性剤、及び(vi)HLBが15~20である場合は溶媒、としての使用に適している。HLBは、従来の方法に従って測定又は計算することができる。
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1又は第2の態様のいずれかの実施形態による、0.1重量%以上99.9重量%以下のポリオール脂肪エステルを含み、(a)直鎖もしくは分岐C8-C20パラフィンもしくはオレフィン、及び/又は(b)不飽和であってもよく分岐であってもよいC4-C24脂肪エステルを有するモノ-、ジ-もしくはトリ-グリセリド、及び/又は(c)グリセロール1-リン酸に結合した1つもしくは2つの不飽和であってもよいC8-C24脂肪エステルを含むリン脂質、及び/又は(d)水、を更に含む、第1の組成物を提供する。
第1の組成物は、好ましくは、96重量%~40重量%のポリオール脂肪エステルと、4重量%~60重量%、好ましくは4重量%~40重量%、より好ましくは4重量%~20重量%の、373°K~673°Kの範囲の初期沸点及び最終沸点を有する流体であって、流体の総重量に基づいて、95重量%を超えるイソパラフィン及び100重量ppm未満の芳香族を含む流体と、を含む。組成物が(d)水を含有しない場合、ポリオール脂肪エステルは、好ましくは完全にエステル化されており、すなわち遊離ヒドロキシル基を含有しない。
流体の最終沸点と初期沸点との差は、好ましくは80℃以下、好ましくは70℃以下、より好ましくは60℃以下である。
一実施形態によれば、流体は、473℃~614°Kの範囲の初期沸点及び最終沸点を有する。
流体の沸点範囲は、ASTM D86に従って決定することができる。
好ましい流体は、
流体の総重量に基づいて80~98重量%の合計量のC15イソパラフィン及びC16イソパラフィン、
流体の総重量に基づいて80~98重量%の合計量のC16イソパラフィン、C17イソパラフィン及びC18イソパラフィン、又は、
流体の総重量に基づいて80~98重量%の合計量のC17イソパラフィン及びC18イソパラフィン、
を含む。
適切な流体の例は、
流体の総重量に基づく重量によって表される、30~70%のC15イソパラフィン及び30~70%のC16イソパラフィン、好ましくは40~60%のC15イソパラフィン及び35~55%のC16イソパラフィン、又は、
流体の総重量に基づく重量によって表される、5~25%のC15イソパラフィン、30~70%のC16イソパラフィン及び10~40%のC17イソパラフィン、好ましくは8~15%のC15イソパラフィン、40~60%のC16イソパラフィン及び15~25%のC17イソパラフィン、又は、
流体の総重量に基づく重量によって表される、5~30%のC17イソパラフィン及び70~95%のC18イソパラフィン、好ましくは10~25%のC17イソパラフィン及び70~90%のC18イソパラフィン、
を含む。
373°K~673°Kの範囲の沸点を有し、95重量%を超えるイソパラフィン及び100重量ppm未満の芳香族を含む適切な流体は、WO2016/185046に従って調製することができる。上述の適切な流体の異なる例は、WO2017/046177の18ページにおいて見ることができる。
10重量%~90重量%の(a)ポリオール脂肪エステル又は(b)第1の組成物と、90重量%~10重量%の親油性材料(好ましくは、マカダミア油、アルガン油、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソノニル、炭酸ジカプリル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、C12-C15安息香酸アルキル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジブチル、フィトスクワラン、カルタム油、C15-C19パラフィン油の中から選択される親油性材料)と、を含む第2の組成物を得ることが望ましい場合がある。得られた第2の組成物は、例えば美容(化粧)用途に適した適切な透明ゲルである。
第4の態様によれば、本発明は、(a)濡れ性改質用組成物、(b)水中油型又は油中水型エマルション、(c)医薬形態又は獣医学的形態、(d)抗菌剤、殺虫剤、殺線虫剤又は抗真菌剤、(e)ポリマー加工用添加剤、(f)食品添加剤、(g)哺乳動物種における重量制御のための脂肪の代謝不可能な代替物、(h)紙加工用添加剤、(i)タンパク質及び免疫活性分子、例えば抗原及び抗体の生物工学加工及び可溶化用添加剤、(j)接着剤組成物、(k)生分解性ポリマー、(l)潤滑剤、(m)コーティング、(n)塗料、(o)絶縁媒体、(p)防食組成物、(q)ガス透過及び拡散の緩和、(r)油のゲル化、並びに(s)化粧品組成物、の調製のための、好ましくは油のゲル化のためのポリオール脂肪エステル又はその組成物の使用に関する。本発明の目的のために、以下の定義が与えられる。
本明細書で使用される場合、「ポリオール脂肪エステル」という用語は、エステル基を得るために「脂質カルボキシル基」の形態の「脂肪エステル」で置換された少なくとも1つのヒドロキシル基を有する炭化水素の形態の「ポリオール」を意味する。「脂質カルボキシル基」の例としては、限定されないが、アセチル、プロピオニル、ブチリル、シクロヘキシルカルボニル、アクリロイル、メタクリロイル、ベンゾイル、10-メチルヘキサデカノイル、オレオイル及び2-エチル-ヘキサノイルが含まれる。
「脂質カルボキシル基」は、「ポリオール」との反応前に、脂質カルボン酸、脂質カルボン酸エステル、脂質カルボン酸無水物又は脂質カルボン酸塩化物の形態で存在し得る。反応条件は、実施例から観察され得るように、脂質カルボン酸の形態に応じて適合される。脂質カルボキシル基がアセチルであると考える場合、脂質カルボン酸の例は酢酸であり、脂質カルボン酸無水物の例は無水酢酸であり、脂質カルボン酸塩化物の例は塩化アセチルであり、脂質カルボン酸エステルの例は、限定されないが、酢酸メチル又は酢酸エチルである。
「分岐脂肪部分」は、分岐がカルボニルとは反対側の末端炭素上にない限り、分岐置換基を有する直鎖脂質カルボキシル基であると理解されるべきである。
「ポリオール」は、少なくとも1つのヒドロキシル基の形態の酸素を含む炭化水素である。ポリオールの例としては、プロパン-1,2-ジオール、グルコース、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン-1,2-ジオール、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、グルコース、フルクトース、サッカロース、デンプン、セルロース、デキストリン、ソルビトールが挙げられる。
上記の定義に基づく「ポリオール脂肪エステル」の非限定的な例は、グルコース分子上に存在する5個のヒドロキシル置換基がそれぞれアセチル部分で置換されてペンタエステルを形成する過アセチル化グルコース(peracetylated glucose)である。
本明細書で使用される場合、「C#」という表現において、「#」は、炭素原子の数に対応する正の整数である。例として、C16炭化水素は、分岐していてもよい鎖又は分岐していてもよい環を形成するように互いに結合した16個の炭素原子を有する炭化水素鎖又は炭化水素環である。
直鎖脂肪族がX個の炭素原子を有すると言及される場合、炭素原子のこの数Xからは、直鎖脂肪族上で分岐した、いかなる炭素も除外される。例えば、分岐したメチル基を有する14個の炭素原子の直鎖脂肪族は、合計15個の炭素原子を有する。
本明細書における「エステル」という用語は、カルボン酸エステルを指す。
本明細書で使用される「comprising(備える,含む)」、「comprises(備える,含む)」及び「comprised of(から構成される)」という用語は、「including(含む)」、「includes(含む)」又は「containing(含有する)」、「contains(含有する)」と同義であり、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない部材、要素又は方法ステップを排除しない。「comprising(備える,含む)」、「comprises(備える,含む)」及び「comprised of(から構成される)」という用語は、「consisting of(からなる)」という用語も含む。
端点による数値範囲の列挙は、それぞれの範囲内に包含される全ての数及び分数、並びに列挙された端点を含む。
本明細書で引用される全ての文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。特に、本明細書で具体的に言及される全ての文献の教示は、参照により組み込まれる。
実施例1:10-メチルステアリン酸、10-メチレンステアリン酸、10-メチルパルミチン酸、10-メチレンパルミチン酸、10-メチルミリスチン酸及び10-メチレンミリスチン酸
10-メチルステアリン酸、10-メチレンステアリン酸、10-メチルパルミチン酸、10-メチレンパルミチン酸、10-メチルミリスチン酸及び10-メチレンミリスチン酸を、WO2018/057607に開示されている遺伝子操作されたYarrowia種から抽出された脂質の、好ましくは酸性条件下で、過剰の水の存在下での加水分解から得て、遊離脂肪酸、グリセロール、並びにリン酸塩及びアミノ酸などの微量成分を生成する。Yarrowiaから抽出される脂質は、典型的には、グリセロールの大量のC14-C24モノ-,ジ-又はトリ-脂肪エステル及び少量のリン脂質並びに遊離脂肪酸を含有する。少量のC12-C13及びC25-C30脂肪酸及び/又はエステルも存在し得る。加水分解条件は、当業者に公知の従来の方法を含む。得られた遊離脂肪酸を、その後、溶媒抽出によって分離する。適切な溶媒は、望ましくない極性種の溶媒和を回避しながら、及び/又は溶媒和される脂肪酸との反応を回避しながら、許容可能な脂質抽出を可能にする。この点において、C1-C3アルコール、DMF(ジメチルホルムアミド)、酢酸、DMSO(ジメチルスルホキシド)又はTHF(テトラヒドロフラン)などのほとんどの極性溶媒は適切な溶媒ではないが、塩化メチレン又は酢酸エチルは適切な溶媒である。溶媒を減圧下での蒸留によって溶媒和脂肪酸から除去する。次いで、得られた無溶媒脂肪酸を、好ましくは水でも水素でもない不活性ガス流の下、減圧下での蒸留によって分離する。許容される不活性ガスは、窒素又はアルゴンなどの希ガスである。次いで、加水分解を受けた脂質流の起源に応じて、種々の量の10-メチルステアリン酸、10-メチレンステアリン酸、10-メチルパルミチン酸、10-メチレンパルミチン酸、10-メチルミリスチン酸及び10-メチレンミリスチン酸を別々に回収する。
実施例2:10-メチレンステアリン酸のメタノールによるエステル化
10-メチレンステアリン酸をメタノールでエステル化して、10-メチレンステアリン酸メチルエステルを得ることができる。典型的な反応条件は、例えば10-メチレンステアリン酸1モルに対して10~50モルのメタノールなどの大過剰のメタノール中で、10-メチレンステアリン酸を、出発物質の大部分がエステル化されるまで、好ましくは微量の酸、例えば硫酸又はp-トルエンスルホン酸の存在下で還流することを含む。エステル化は、薄層クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの従来の技術を使用して監視することができる。反応が完了したら、混合物を冷却し、残りのメタノール溶媒を減圧下で蒸発させる。得られた油性残渣を酢酸エチルに溶解させて酢酸エチル画分を得て、洗浄水が少なくともpH4、好ましくはpH5、より好ましくはpH6、最も好ましくはpH7に達するまで水で洗浄する。洗浄した酢酸エチル画分を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、乾燥した10-メチレンステアリン酸メチルエステルを得る。10-メチレンステアリン酸メチルエステルは、減圧下、任意選択で不活性ガス流下で又は薄膜蒸発器を使用して、蒸留することによって更に精製することができる。
エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ブタン-2-オール及び2-メチル-プロパン-1-オールなどの異なるC2-C4アルコールを使用した10-メチレンステアリン酸のエステルは、調製方法を大幅に変更することなく同じ反応を受けることができる。
上記と同じC2-C4アルコールを使用した10-メチレンパルミチン酸のエステル及び10-メチレンミリスチン酸のエステルを、同じ方法を使用して調製することができる。
あるいは、Yarrovia由来の粗製油の加水分解から生じる遊離脂肪酸(FFA)の混合物を精製し、エステル化とそれに続く蒸留によって分離することができる。この方法は、FFAの直接蒸留及びそれに続くエステル化と比較して、純粋な脂肪エステルの回収率を向上させると共に、劣化を低減することができることが分かった。
実施例3:10-メチレンパルミチルクロリド
窒素フラッシング及び撹拌手段を備えたフラスコ中で、268gの10-メチレンヘキサデカン酸(10-メチレンパルミチン酸)を、1000mLの塩化メチレン及び200mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させることができる。得られた混合物を273°Kまで冷却してもよく、1000mLの塩化メチレン溶液中76mLの塩化スルホニル溶液を、273°Kで撹拌しながら滴下することができる。次いで、実質的に全ての10-メチレンヘキサデカン酸が反応するまで、混合物を室温で少なくとも17h(時間)撹拌する。反応の進行は、固定相としてシリカゲルプレート及び移動相として20/80メタノール/塩化メチレン混合物を用いる薄層クロマトグラフィーを用いて監視することができる。反応が終了したら、溶媒及び残留塩化スルホニルを減圧下で蒸発させて、10-メチレンヘキサデカノイルクロリドを褐色油として得る。
実施例4:サッカロース(スクロース、糖)を用いた10-メチレンパルミチルクロリドのマイクロ波支援エステル化
10-メチレンパルミチルクロリドは、サッカロースと反応して、サッカロースのモノ-、ジ-、トリ、テトラ-又はそれ以上のエステルを与え得る。反応は、熱による加熱又はマイクロ波加熱下で起こり得る。マイクロ波加熱が好ましい、なぜなら、反応条件を最適化することにより、過熱時の糖分解や生成物の着色の発生リスクを低減できるからである。
マイクロ波照射下での反応は、好ましくは温度制御センサ及び磁気撹拌を備えたオープンフラスコ中で、モノモーダル(単峰性)マイクロ波反応器を使用して行うことができる。マイクロ波反応器は、好ましくは、暴走及び爆発の危険を回避するために温度調節及び圧力制御を備えている。
サッカロース5gを100mLのDMFに溶解させ、10-メチレンパルミチルクロリド64gが加えられる。10-メチレンパルミチルクロリドは、使用前に、好ましくは薄膜蒸発技術を使用して、真空下(0.1~1Pa)で蒸留することが好ましい。反応混合物をマイクロ波キャビティに入れ、マイクロ波照射に供する。照射出力及び反応温度は、異性化を含む生成物の劣化(分解)を制限するように設定される。出力は、50W~900W、好ましくは100~400W、より好ましくは200~300Wに調整される。温度は、約350~400°Kで、1~20分間、好ましくは1~10分間、より好ましくは4~6分間、一定に保たれる。生成物を冷却し、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、溶離剤としてシクロヘキサン/酢酸エチル勾配混合物、次いでシクロヘキサン/メタノール勾配混合物を使用する、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、溶媒除去後に様々な10-メチレンパルミチル置換サッカロース生成物を得る。
実施例5:ステアリン酸誘導体、パルミチン酸誘導体及びミリスチン酸誘導体のエステル
本明細書に記載のステアリン酸誘導体、パルミチン酸誘導体及びミリスチン酸誘導体のエステルは、ステアリン酸誘導体、パルミチン酸誘導体もしくはミリスチン酸誘導体又はそれらの混合物を、任意選択で硫酸又はp-トルエンスルホン酸などの強酸の存在下で、エステル化される過剰のアルコールと接触させることによって、従来の方法を使用して調製することができる。好ましくは、生成された水は、加水分解の逆反応を制限するために、反応媒体から除去される。好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロパノールが挙げられる。好ましいエステルには、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル及びイソプロピルエステルが含まれる。
例えば、10-メチル-ヘキサデカン酸エチルエステルは、500mLのエタノール中の100gの10-メチル-ヘキサデカン酸を、任意選択で0.5mLの95重量%硫酸の存在下で、水-エタノール共沸蒸気を連続的に除去しながら、還流することによって調製され得る。反応の経過及び完了は、従来の薄層クロマトグラフィー法又は気相クロマトグラフィー法を用いて監視することができる。反応は、典型的には1~10時間の間に起こる。反応混合物を室温(約273~300°K)に更に冷却し、エタノールを減圧下で蒸発させる。油性残渣を、例えば500mLの酢酸エチルなどの溶媒に溶解させ、500mLの水で3回洗浄して、存在する場合に微量の酸を除去する。残留10-メチル-ヘキサデカン酸エチルエステル溶液を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させて、更なる工程に使用することができる10-メチル-ヘキサデカン酸エチルエステルを得る。
10-メチル-ヘキサデカン酸メチルエステルは、200mLのメタノール中の10gの10-メチル-ヘキサデカン酸を、0.5mLの95重量%硫酸の存在下で還流することによって調製され得る。完了したら、反応混合物を室温に冷却し、メタノールの約2/3が蒸発するように、残留メタノールを減圧下で部分的に除去し、次いで残渣をシクロヘキサン200mLで5回抽出する。シクロヘキサン相を回収し、50mLの冷水(約273~300°K)で2回洗浄し、無水炭酸ナトリウム上で乾燥させ、次いで、溶媒を減圧下で蒸発させて、10-メチル-ヘキサデカン酸メチルエステルを得る。
10-メチレン-ヘキサデカン酸の場合のように、出発脂肪酸材料がアルケン官能基又はアルキン官能基などの不飽和を含有する場合、反応は好ましくは酸素の非存在下で、好ましくは窒素又はアルゴンなどの不活性ガス流の存在下で行われる。
本明細書に記載のステアリン酸誘導体、パルミチン酸誘導体及びミリスチン酸誘導体のエステルは、強酸の存在下でそれらを過剰の水と接触させることによって、対応するステアリン酸誘導体、パルミチン酸誘導体及びミリスチン酸誘導体に加水分解され得る。適切な強酸は、硫酸又はp-トルエンスルホン酸であり得る。反応は、好ましくは撹拌及び還流加熱下で行われ、任意選択で、空気からの酸素ガスの存在下での加熱によって生成物の安定性が損なわれ得る場合には、窒素又はアルゴンなどの不活性ガス流下で行われる。好ましくは、生成されたアルコールは、エステル化の逆反応を制限するために反応媒体から除去される。
実施例6:ツベルクロステアリン酸カリウム塩
ツベルクロステアリン酸(10-メチル-ヘキサデカン酸)10gをジメチルホルムアミド(DMF)100mLに溶解させた後、温度を300°K未満に保って撹拌しながら、50mLのDMF溶液中に2gのKOHを含む溶液を、反応媒体の酸性度が中和されるまで滴下する。酸性度は、例えば試料からのpH紙で制御することができる。その結果、DMF中のKOH溶液の一部は10-メチル-ヘキサデカン酸の溶液に添加されない。
次いで、溶媒を減圧下で除去して、純粋な10-メチル-ヘキサデカン酸カリウム塩を得る。
実施例7:塩化ツベルクロステアリル
一般に、例えばツベルクロステアリン酸(すなわち、10-メチルパルミチン酸又は10-メチルオクタデカン酸)などの分岐脂肪カルボン酸の塩化アシルは、この分岐カルボン酸を、任意選択で溶媒の存在下で、塩化オキサリル又は塩化スルホニルと反応させることによって調製することができる。
窒素フラッシング及び撹拌手段を備えたフラスコ中で、298gの10-メチルオクタデカン酸を1000mLの無水塩化メチレン及び200mLの無水ジメチルホルムアミドに溶解させる。次いで、得られた混合物を273°Kまで冷却し、1000mLの無水塩化メチレン中に90mLの塩化オキサリルを含む溶液を、273°Kで撹拌しながら滴下する。次いで、実質的に全ての10-メチルオクタデカン酸が反応するまで、混合物を室温で少なくとも17時間撹拌する。反応の進行は、固定相としてシリカゲルプレート及び移動相として20/80メタノール/塩化メチレン混合物を用いる薄層クロマトグラフィーを用いて監視することができる。反応が終了したら、溶媒及び残留塩化オキサリルを減圧下で蒸発させて、10-メチルオクタデカノイルクロリドを褐色油として得る。
無色の塩化ツベルクロステアリルが望ましい場合、真空蒸留(約0.1~1Paの圧力及び約350~400°Kの温度で薄膜蒸発又は分子蒸留を使用)により、無色の液体生成物を得ることができる。
実施例8:グルコースとのツベルクロステアリン酸メチルエステルのエステル交換
撹拌機、凝縮器、真空手段及び加熱を備えた反応容器中で、60gのグルコース、12gの10-メチルステアリン酸カリウム塩(10-メチルステアリン酸カリウム)及び300gの10-メチルステアリン酸メチルエステル(ツベルクロステアリン酸メチルエステル)の混合物を、10kPaで408°Kで3時間加熱することができ、次いで、エステル交換収率を改善するために、少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、約260L/hの速度で、n-ヘキサンガス流を反応混合物内に導入することができる。反応混合物を冷却してそのまま使用してもよいが、NaHSO又はKHPOなどの弱酸を添加して残留塩基度を緩和し、食塩水及び/又は水で洗浄して塩を除去してもよい。
グルコースに対する10-メチルステアリル部分の平均エステル化比は約3対1と予想され、これは、各グルコース単位が、平均して3つの10-メチルステアリル部分で置換されていることを意味する。
実施例9:トレハロースとのツベルクロステアリン酸メチルエステルのエステル交換によるトレハロース脂肪エステルの提供
104gの10-メチルステアリン酸メチルエステル、5gの10-メチルステアリン酸カリウム、0.4gのKCO及び16gのトレハロース二水和物(α-D-グルコピラノシル-α-D-グルコピラノシド、脱水)の混合物を、アセトン/ドライアイスで冷却された凝縮器及びトラップを備えたフラスコ内で、窒素流下で、温度が170℃に達するまで加熱し、次いで、反応混合物内に導入される窒素流(例えば気泡)下で10~50kPaの圧力で加熱を継続する。加熱は、5~48時間後に起こり得るトラップ内の蒸気凝縮がなくなるまで継続される。次いで、反応物を冷却し、次いで、フラスコ内の窒素ガスフラッシングを使用して大気圧に戻す。得られた混合物をキシレン1Lで希釈し、濾過する。濾過後の水溶液が実質的に中性、すなわちpH7に近くなるまで、残渣を温水(約290~320°K)でゆっくり繰り返し洗浄する。キシレン相を水相から分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させる。乾燥されたキシレン相を10gの木炭と混合し、その混合物を窒素流下、還流下で30分間加熱する。次いで、混合物を冷却し、濾過して濾液を得る。溶媒を減圧下での蒸発によって濾液から分離して、所望のトレハロース脂肪エステルを生成物の混合物として得、この組成は従来のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)法によって決定することができる。得られたトレハロース脂肪エステル混合物を構成する生成物の相対量は、HPLCピーク面積積分によって測定することができ、20~60%のトレハロースオクタエステル、10~50%のトレハロースヘプタエステル、5~30%のトレハロースヘキサエステル、及びモノエステルからペンタエステルまでによって構成されるトレハロースの低級エステルの群の0~20%を含み得るものとする。得られたトレハロースエステルのそれぞれにおける全ての脂肪部分は、10-メチルステアリル部分によって構成される。
トレハロース脂肪エステル混合物は、溶離剤として適切な溶媒混合物を使用し、固定相としてシリカゲル又はアルミナを使用する液体クロマトグラフィー、又は分取HPLCを使用する液体クロマトグラフィーによって精製することができる。例えば、シクロヘキサン、酢酸エチル及びメタノールの適切な三元混合物をこの目的のために調製することができる。各溶媒の正確な割合は、TLC(薄層クロマトグラフィー)での分離試験などの所定の方法を使用して決定することができる。典型的には、溶媒極性勾配をもたらすように変化させることができる三元混合物の組成は、混合物からの広範囲の生成物の分離及び単離を可能にすることができる。
実施例10:デキストリン脂肪エステル
デキストリンを塩化ツベルクロステアリル(10-メチルステアリルクロリド)でエステル化し、デキストリンエステルを得た。デキストリンは、ここではDE(デキストロース当量)指数が4~7であることを意味する。デキストリン鎖長は、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリマーの分子量評価の従来の技術を使用して測定することができる。
173gの10-メチルステアリルクロリド(50mLの無水DMFに溶解されてもよい)を、50mLの無水DMF及び50mLの無水ピリジン中の、ポリマー鎖あたり平均20グルコース単位を有する16gのデキストリンに343°Kで滴下した。得られた褐色混合物を、アルゴン下で、363°Kで15時間加熱した。室温に冷却したら、300mLのメタノールを添加し、混合物を245~255°Kで24時間保存して淡褐色沈殿を形成及び成長させ、これを回収し、メタノール及びアセトンで連続的に洗浄し、真空下で乾燥させて、グルコースモノマーあたり平均3.1個の10-メチルステアリルエステル鎖を有する粉末として168.6gのデキストリンツベルクロステアリルエステルを得た。この場合、デキストリンポリマー上の全ての遊離ヒドロキシル基が反応中にエステル化された。
上記と同じ方法を使用して、4~7のDEを有するデキストリンをパルミチルクロリドでエステル化し、グルコースモノマーあたり平均3.1個のパルミチルエステル鎖を有するデキストリンパルミチルエステルを得ることもできる。あるいは、Rheopearl KL2及びRheopearl TL2の商品名で販売されている別のデキストリンパルミチルエステルを、Chiba Flour Millingから購入してもよい。
上記と同じ方法を用いて、DEが12であるデキストリン(平均10個のC6炭水化物モノマーに対応する)もパルミチルクロリドでエステル化し、グルコースモノマーあたり平均3.1個のパルミチルエステル鎖を有するデキストリンパルミチルエステルを得た。
上記と同じ方法を用いて、DEが3であるデキストリン(平均40個のC6炭水化物モノマーに対応する)もパルミチルクロリドでエステル化し、グルコースモノマーあたり平均3.1個のパルミチルエステル鎖を有するデキストリンパルミチルエステルを得た。
以下のプロセスに従って、4~7のDEを有するデキストリンを塩化オレオイルでエステル化して、デキストリンオレイン酸エステルを得た:
173gの塩化オレオイル(50mLの無水DMFに溶解されてもよい)を、50mLの無水DMF及び50mLの無水ピリジン中の、ポリマー鎖あたり平均20グルコース単位を有する16gのデキストリンに343°Kで滴下した。得られた褐色混合物を、アルゴン下、363°Kで15時間加熱した。室温に冷却したら、300mLのメタノールを添加し、混合物を245~255°Kで24時間保存して淡褐色沈殿を形成及び成長させ、これを回収し、メタノール及びアセトンで連続的に洗浄し、真空下で乾燥させて、グルコースモノマーあたり平均3.1個のオレオイルエステル鎖を有する粉末として168.6gのデキストリンオレオイルエステルを得た。この場合、デキストリンポリマー上の全ての遊離ヒドロキシル基が反応中にエステル化された。
実施例11:デキストリン脂肪エステルゲル組成物
デキストリンツベルクロステアリルエステル及びデキストリンパルミチルエステル(Rheopearl TL2)粉末をそれぞれ異なる油に別々に分散させ、それらの特性を評価した。結果を以下の表1に示す。本実施例で使用されるイソパラフィン系流体は、WO2016/185046の15ページの例3の流体と同一である。
表1において、4~7のDEを有するデキストリンツベルクロステアリルエステル及びデキストリンパルミチルエステル(Rheopearl TL2)の油分散を358°Kで撹拌しながら行い、分散したらその混合物を室温まで冷却した。
4~7のDEを有するデキストリンとイソステアリン酸のエステル化によって調製されたデキストリン脂肪エステルはまた、表1の油と混合した場合に不透明なゲルをもたらした。
Figure 2023529521000001
透明性を視覚的に評価した。Rheopearl TL2は、例11で使用した任意の種類の油に分散させた場合、室温で濁った不透明なゲルをもたらした。透明性はまた、約400~約800nmの全可視光スペクトルに対して従来の分光光度計を使用する光透過率測定によって、又は代替的に反射率の測定によって評価され得る。「量(重量%)の列は、最終組成物の重量に対するデキストリン誘導体の重量に対応する。4重量%のデキストリンツベルクロステアリルエステルがマカダミア油に添加される場合、それは、4gのデキストリンツベルクロステアリルエステルが、96gのマカダミア油に添加されることを意味する。
10~40重量%のイソパラフィン系流体を用いたデキストリンツベルクロステアリルエステル又はRheopearl TL2の予備分散により、より低温である約328°Kで、表1に列挙した油に更に分散させることができた。最大40重量%のイソパラフィン系流体を、増粘を伴って293°Kで透明性を著しく損なうことなく、デキストリンツベルクロステアリルエステルと共に使用した。イソパラフィン系流体を用いてRheopearl TL2予備分散液を調製し、続いて表1に列挙した油を用いて分散液を調製した場合、透明性の欠如の変化は認められなかった。したがって、この方法は、熱に弱い油及び他の成分の分散が望まれる場合、ゲル形成の観点から特に有利である。したがって、室温(293°K)での透明性は、デキストリンパルミチルエステルの油分散液と比較した場合、デキストリンツベルクロステアリルエステルの油分散液の魅力的な特徴である。
デキストリンオレオイルエステルは、イソパラフィン系流体中に粉末形態で、イソパラフィン系流体及びデキストリンオレオイルエステルの総重量に基づいて30%重量の量で添加されると、293°Kで透明ゲルを形成した。
実施例10で調製したデキストリンパルミチルエステル(DEが12及びDEが3)は、これらのエステルを表1に列挙した油に4%重量の量で添加した場合、透明なゲルを得ることができなかった。不透明なゲルが得られた。更に、この不透明なゲルは、48時間(貯蔵)後に滲出(デキストリンパルミチルエステルと油の分離)が観察されたため、安定ではなかった。
結論として、50重量%を超える12~35個のC6炭水化物モノマーを含む分岐したポリマー鎖を有するデキストリンの形態のC6炭水化物のポリマー組成物であって、ポリマー中の各ポリオール部分が同一であるか又は異なるポリマー組成物は、安定な透明ゲルを形成することができるポリオール脂肪エステルを提供することを可能にする。

Claims (15)

  1. ポリオール脂肪エステルであって、
    (i)脂肪部分であって、
    10-メチルもしくは10-メチレン分岐置換基を有する直鎖C14、C16、C18もしくはC20脂質カルボキシル基である分岐脂肪部分、又は、
    7~10の範囲の位置に、唯一の不飽和を有する直鎖C14、C16、C18もしくはC20脂質カルボキシル基である直鎖脂肪部分、
    から選択される脂肪部分と、
    (ii)少なくとも1つのヒドロキシル基を有するポリオール部分であって、50重量%を超える12~35個のC6炭水化物モノマーを含む分岐していてもよいポリマー鎖を有するデキストリンの形態のC6炭水化物のポリマー組成物であり、前記ポリマー中の各ポリオール部分が同一であるか又は異なる、ポリオール部分と、
    を含み、
    前記ポリオール脂肪エステルは、(ii)に記載のポリオール部分の前記少なくとも1つのヒドロキシル基にエステル結合によって連結された、(i)に記載の少なくとも1つの脂肪部分を含む、
    ポリオール脂肪エステル。
  2. 前記脂肪部分(i)は、10-メチルステアリル、10-メチレンステアリル、10-メチルパルミチル、10-メチレンパルミチル、10-メチルアラキジル、10-メチレンアラキジル、10-メチルミリスチル又は10-メチレンミリスチル、及びそれらの組み合わせ、好ましくは、10-メチルステアリル、10-メチルパルミチル、10-メチルアラキジル又は10-メチルミリスチル、及びそれらの組み合わせ、より好ましくは、10-メチルステアリル又は10-メチルパルミチル、及びそれらの組み合わせ、から選択される分岐脂肪部分である、請求項1に記載のポリオール脂肪エステル。
  3. 前記分岐脂肪部分は、10-メチルステアリル、10-メチルパルミチル、10-メチルアラキジル及び10-メチルミリスチルから選択される場合、(R)エナンチオマー及び(S)エナンチオマーから選択され、好ましくは(R)エナンチオマーである、請求項2に記載のポリオール脂肪エステル。
  4. 前記デキストリンは、50重量%を超える15~30個のC6炭水化物モノマー、好ましくは17~23個のC6炭水化物モノマーを含む分岐していてもよいポリマー鎖を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のポリオール脂肪エステル。
  5. グルコース単位当たりの前記分岐脂肪部分による前記デキストリンの置換度が、2.70より高く、好ましくは3.00より高く、より好ましくは3.03より高く、更により好ましくは3.05より高く、最も好ましくは3.05~3.10である、請求項1から4のいずれか1項に記載のポリオール脂肪エステル。
  6. 前記分岐脂肪部分は10-メチルステアリルであり、前記ポリオール部分は、平均20個のグルコース単位を有するデキストリンポリマーであり、前記分岐脂肪部分による前記デキストリンの置換度は3.10である、請求項5に記載のポリオール脂肪エステル。
  7. (i)直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和のC2-C24脂質カルボキシル、又は、
    (ii)少なくとも1つの炭素原子が、C1-C6アルコキシ、C1-C6アルコイルオキシ(alkoyloxy)、C1-C6アルキルアミノ又はC1-C6ジアルキルアミノで置換されている、直鎖もしくは分岐、飽和もしくは不飽和のC2-C24脂質カルボキシル、
    のうちの少なくとも1つを更に含み、
    (ii)によるデキストリンポリマーの少なくとも1つの更なるヒドロキシル基にエステル結合されている、
    請求項1から6のいずれか1項に記載のポリオール脂肪エステル。
  8. 前記C2-C24脂質カルボキシルは、アセチル、プロピオニル、アクリロイル及びメタクリロイルの中から選択され、前記C3-C24脂質カルボキシルは、2-アセチルオキシプロピオニル、2-メトキシプロピオニル、2-エトキシプロピオニル、2-アセチルオキシアセチル、2-メトキシアセチル及び2-エトキシアセチルの中から選択される、請求項7に記載のポリオール脂肪エステル。
  9. 前記ポリオール部分に存在する全てのヒドロキシル基がエステル化されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のポリオール脂肪エステル。
  10. 0.1重量%以上99.9重量%以下の請求項1から9のいずれか1項に記載のポリオール脂肪エステルを含み、
    (a)直鎖もしくは分岐C8-C20パラフィンもしくはオレフィン、及び/又は、
    (b)不飽和であってもよく分岐していてもよいC4-C24脂肪エステルを有するモノ-、ジ-もしくはトリ-グリセリド、及び/又は、
    (c)グリセロール1-リン酸に結合した、不飽和であってもよい1つもしくは2つのC8-C24脂肪エステルを含むリン脂質、及び/又は、
    (d)水、
    を更に含む、第1の組成物。
  11. 96重量%~40重量%のポリオール脂肪エステルと、373°K~673°Kの範囲の初期沸点及び最終沸点を有する4重量%~60重量%の流体と、を含み、前記流体は、前記流体の総重量に基づいて、95重量%を超えるイソパラフィン及び100重量ppm未満の芳香族を含む、請求項10に記載の第1の組成物。
  12. 前記流体は、OECD 306に従って測定された28日での生分解性が少なくとも60%である、請求項11に記載の第1の組成物。
  13. 前記流体は、
    前記流体の総重量に基づいて80~98重量%の合計量のC15イソパラフィン及びC16イソパラフィン、又は、
    前記流体の総重量に基づいて80~98重量%の合計量のC16イソパラフィン、C17イソパラフィン及びC18イソパラフィン、又は、
    前記流体の総重量に基づいて80~98重量%の合計量のC17イソパラフィン及びC18イソパラフィン、
    を含む、請求項11又は12に記載の第1の組成物。
  14. 10重量%~90重量%の請求項10から13のいずれか1項に記載の第1の組成物と、好ましくはマカダミア油、アルガン油、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソノニル、炭酸ジカプリル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、C12-C15安息香酸アルキル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジブチル、フィトスクワラン、カルタム油、C15-C19パラフィン油の中から選択される親油性材料と、を含む、第2の組成物。
  15. (a)濡れ性改質用組成物、(b)水中油型又は油中水型エマルション、(c)医薬形態又は獣医学的形態、(d)抗菌剤、殺虫剤、殺線虫剤又は抗真菌剤、(e)ポリマー加工用添加剤、(f)食品添加剤、(g)哺乳動物種における重量制御のための脂肪の代謝不可能な代替物、(h)紙加工用添加剤、(i)タンパク質及び免疫活性分子、例えば抗原及び抗体の生物工学加工及び可溶化用添加剤、(j)接着剤組成物、(k)生分解性ポリマー、(l)潤滑剤、(m)コーティング、(n)塗料、(o)絶縁媒体、(p)防食組成物、(q)ガス透過及び拡散の緩和、(r)油のゲル化、並びに(s)化粧品組成物、の調製のための、好ましくは油のゲル化のための、請求項1から14のいずれか1項に記載のポリオール脂肪エステル又はその組成物の使用。
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