JP2023529064A - ヒト対象における医学的状態を同定する方法 - Google Patents

ヒト対象における医学的状態を同定する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、対象における医学的状態を検出するためのインビトロ及び非侵襲的方法を開示する。この方法は、試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、工程の混合物から核酸を得ることと、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含む。本開示はまた、がんの発症を予測し、がんの存在を予測するための方法を提供する。がんを治療する方法も、本明細書に開示される。更に、試薬キット及び検出キットもまた開示される。

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本開示は、広く医療技術の分野に関するものであり、特に、ヒト対象における医学的状態の存在又は非存在を検出するための簡略化された方法を提供する。本明細書に開示される方法はまた、血液試料からのヒト対象における炎症性状態の存在又は非存在について検出する。更に、本開示に記載される方法はまた、対象におけるがんの存在、非存在、又は差し迫った存在を検出する。本明細書に記載される方法は、ヒト対象から得られた試料を分析することを含むインビトロ方法である。
[背景技術]
ヒトゲノムの完成及び次世代配列決定技術の発展の両方の結果として、疾患の遺伝的原因に関する研究が加速されており、これは、疾患診断及び治療的、臨床的な意思決定戦略を支援するために、臨床的に関連する情報における個体のゲノムの変化を翻訳することの可能性を開いている。これらの取り組みは、生物医学研究を促進した膨大な量のデータの形態で、大量の潜在的に有用な情報を生成した。しかしながら、この情報の適用及び解釈は、変異プロファイルの臨床的に関連する分子指紋が生検手順から抽出された組織から得られるため、研究者にとって依然として煩雑であり、時間がかかる。
生検は、疾患診断及び更なる治療アプローチのために検査中の組織の除去を伴う周知の技術である。通常、生検は侵襲的であり、天然環境から組織を除去するための複雑な外科的処置を伴う。組織生検は、がんの「ゴールドスタンダード」であるが、興味深いことに、多くの非がん組織(すなわち、疾患組織)も、元の疾患データを希釈し、誤診を含む偽陽性につながる疾患の起源、伝達、進行などを検出するために摘出される。ほぼ全ての組織は、筋肉、甲状腺、膀胱、心臓、前立腺、皮膚、肺、リンパ節、肝臓、腎臓、神経などを含む生検を通じて研究することができる。生検が科学文献に含まれるいくつかの疾患は、多発性硬化症の早期検出のための脳白質病変における皮質脱髄(Lucchinetti et.al.2011)、腎疾患のための経皮腎生検、肝硬変性肝疾患、C型肝炎関連糸球体腎炎及び凍結グロブリン血管炎、モノクローナルγ症など(Hogan,Mocanu,and Berns 2016)、変形性関節症患者の組織における単核浸潤、線維症、血管新生、マクロファージ浸潤及び裏地層の厚化の検出のための滑膜生検(Ene et al.2015)、炎症性皮膚障害のための剃毛、パンチ又は切開生検(Harvey,Chan,and Wood2017)、COPDの評価のためのコンピュータ断層撮影ガイド付き肺生検(Asai et al.2013)、心筋生検(Francis and Lewis 2018)、肝硬変患者のための肝生検(Sherman et al.2007)などである。しかしながら、ほとんどの組織生検は、外科的合併症、出血、及び有害な副作用などをもたらすため、血液、尿、唾液などの生体流体検査とは対照的に推奨されない。組織生検は実施することが困難であり、腫瘍の正確な解剖学的位置を特定しないか、又は血管新生豊富な領域の外科的切除に起因する転移促進合併症を更に引き起こし得る痛みを伴う、多くの場合、不快な処置をもたらす。組織生検処置及び得られた混合された結果の複雑さ、並びに対象の状態に関して研究される組織に関してそのような研究に関連する明確さの欠如により、この作業領域に存在する知識ギャップがある。
幹細胞、特に胚起源の幹細胞は、多能性マーカー、すなわちOct4、Nanog、Sox2、及びそれらのアイソフォームは、発生、恒常性、及び老化における臓器を形成する複数の組織への多様な分化電位を示す。幹細胞は組織の発達に寄与するため、医学的状態の特徴である、組織損傷及び外傷を暗示する分子バイオセンサーとして機能する。したがって、幹細胞マーカーは、医学的状態の重症度を決定するための顕著なバイオマーカーであり、体液中の胚様幹細胞マーカーの同定は、医学的状態を非侵襲的に検出することができる。
したがって、医学的状態の重症度を決定し、非侵襲的に医学的状態を検出するために体液中の胚様幹細胞マーカーを同定するための方法を展開することが当該技術分野において非常に必要である。
[発明の概要]
本開示の一態様において、対象における医学的状態を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの1.1~3倍の範囲の増加が、対象における医学的状態の存在を検出する。
本開示の別の態様において、対象におけるがんの発症を予測するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの3~5倍の範囲の増加が、対象におけるがんの発症を予測する。
本開示の別の態様において、対象におけるがんの存在を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの少なくとも5倍の増加が、対象におけるがんの存在を検出する。
本開示の別の態様において、抗がん療法に対する応答をモニタリングするためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)抗がん療法中のある時点で試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、抗がん療法に対する応答をモニタリングする参照における、非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含む。
本開示の別の態様において、抗がん療法に対して肯定的な応答を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)抗がん療法の投与前に試料-Iを得ることと、(b)抗がん療法の投与後に試料-IIを得ることと、(c)試料-Iから非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物-Iを得ることと、(d)試料-IIから非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物-IIを得ることと、(e)混合物-Iから核酸-Iを得ることと、(f)混合物-IIから核酸-IIを得ることと、(g)Oct4Aの発現レベルを分析するために核酸-I及び核酸-IIに独立してアッセイを実施することと、(h)核酸-IIからのOct4Aの発現レベルを、核酸-IからのOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、核酸-IからのOct4Aの発現レベルと比較して、核酸-IIからのOct4Aの発現レベルの低下が、がん治療に対する肯定的な応答を検出する。
本開示の別の態様において、がんを検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較することであって、対照試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの>5倍の増加が、がんの存在を示す、比較することと、(f)核酸に配列ベースのアッセイを実施し、少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異について分析することと、を含み、少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異の存在が、分析したがん関連マーカーに基づいて、特定の種類のがんの存在を示す。
本開示の別の態様において、がんを治療するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することであって、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの>5倍の増加が、がんを検出する、比較することと、(f)がんを治療するために、対象に抗がん療法を投与することと、を含む。
本開示の別の態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの5~10倍の範囲の増加が、対象におけるステージIがんを示す。
本開示の別の態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの10~15倍の範囲の増加が、対象におけるステージIIがんを示す。
本開示の別の態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの15~20倍の範囲の増加が、対象におけるステージIIIがんを示す。
本開示の別の態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの20倍より高い範囲の増加が、対象におけるステージIVがんを示す。
本開示の一態様において、対象における医学的状態を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)血液試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)細胞におけるOct4Aのメチル化レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの細胞におけるOct4Aのメチル化レベルを、対照試料におけるOct4Aのメチル化レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aのメチル化レベルと比較して、試料からの細胞におけるOct4Aのメチル化レベルの調節が、対象における医学的状態を示す。
本開示の一態様において、対象におけるがんを検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)血液試料を得ることと、(b)試料から細胞を濃縮して、該細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)細胞におけるOct4Aのメチル化レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの細胞におけるOct4Aのメチル化レベルを、対照試料におけるOct4Aのメチル化レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aのメチル化レベルと比較して、試料からの細胞におけるOct4Aのメチル化レベルの調節が、対象におけるがんを示す。
本開示の別の態様において、がんを検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)血液試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該細胞を含む混合物を得ることと、(c)細胞からミトコンドリアを単離することと、(d)工程(c)の混合物から核酸を得ることと、(e)核酸に配列ベースのアッセイを実施し、少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異について分析することと、を含み、核Oct4Aレベルを調節し得るか又はし得ない少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異の存在が、分析したがん関連マーカーに基づいて、特定の種類のがんの存在を示す。
本開示の別の態様において、対象におけるがんの存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から血液試料を得ることと、(b)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの存在を検出する。
本開示の別の態様において、対象におけるがんの発症を予測するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から血液試料を得ることと、(b)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの発症を予測する。
本開示の別の態様において、対象における医学的状態の存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から血液試料を得ることと、(b)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象における医学的状態の存在を検出する。
本開示の別の態様において、対象におけるがんの存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象の血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)対象における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、対象における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの存在を検出する。
本開示の別の態様において、対象におけるがんの発症を予測するための方法が提供され、該方法は、(a)対象の血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)対象における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、対象における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの発症を予測する。
本開示の別の態様において、対象における医学的状態の存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象の血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)対象における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、対象における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象における医学的状態の存在を検出する。
本開示の別の態様において、(a)非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物におけるOct4A、Stella、及びFragilisからなる群から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを分析するためのプライマーセットと、(b)定量的PCRアッセイを実施するための試薬と、(c)全ゲノム又はエクソーム又はトランスクリプトーム配列決定を実施するための試薬と、(d)配列プロファイルを分析するための少なくとも1つの組織特異的アレイと、を含む、検出キットが提供される。
本発明の主題のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解される。この要約は、簡略化された形式で概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲の主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の主題の範囲を限定するために使用されるものでもない。
[図面の簡単な説明]
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の態様を更に例示するために含まれる。本開示は、本明細書に提示される特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせて図面を参照することによってよりよく理解され得る。
[図1]本開示の実装態様による、がんの異なるステージと相関することが見出された異なる範囲を示すHrCスケール(VSELからのOct4Aの発現を医学的状態に相関させるスケール)を示す。
[図2]本開示の実装態様による、試験に登録されたがん患者の種類の分布を示す。
[図3]本開示の実装態様による、HrCスコアに基づいて、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された対象の分布を示す円グラフを示す。
[図4]臨床試験参加者のデータに従った、1,000の患者試料ポイントに対応するドットプロット値を示す。全ての図は、ggplotライブラリを介してRパッケージを使用してプロットされ、それによって、本開示の実装態様による、統計解析に基づくHrC検査の性能評価を示す。
[図5]臨床試験のスクリーニング、動員、分布、解析、及び解釈のプロセスを要約する代表的なインフォグラフィック画像を示す。試験対象を研究し、HrC値に基づいて分類することにより、試験で得られた代表的なデータ。グラフは、HrC値に基づいて整列された対象の分布を昇順に表す。それらは、本開示の実装態様による、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(マロン赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された。
[図6]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん、炎症、高リスク及びステージIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図7]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図8]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図9]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIVがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図10]本開示の実装態様による、健康対象及びがん患者の血液から得られた非常に胚様幹細胞(VSEL)の数の比較解析を示す。
[図11]本開示の実装態様による、対象の医学的状態とそれを相関させるための、対象におけるVSELをインビボで定量するための様式を示す。
[図12]本開示の実装態様による、本開示の実装態様による、DriverDBv3データベースを使用するTCGAデータに基づく33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子の発現プロファイル(血液ベースの遺伝子検査によって得られる)を示す。
[図13]3つのがんゲノムデータベースに基づく、33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子(血液ベースの遺伝子検査によって得られたもの)の発現プロファイルを示す。データを、本開示の実装態様に従って、jvennを使用してプロットした。
[図14]本開示の実装態様による、骨肉腫患者の生検にわたる上位ムチン遺伝子及び変異(血液ベースの遺伝子検査に従って得られたもの)の発現プロファイルを示す。
[発明を実施するための形態]
当業者は、本開示が具体的に記載されるもの以外の変形及び修正を受けることを認識するであろう。本開示は、全てのそのような変形及び修正を含むことが理解されるべきである。本開示はまた、本明細書において個別的又は集合的に参照又は示される全てのそのような工程、特徴、組成物、及び化合物、並びにそのような工程又は特徴のうちのいずれか又は複数の任意の及び全ての組み合わせを含む。
定義
便宜上、本開示の更なる説明の前に、本明細書で使用される特定の用語及び実施例をここに説明する。これらの定義は、本開示の残りの部分に照らして読まれ、当業者によって理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、当業者に認識及び知られている意味を有するが、便宜上及び完全性のために、特定の用語及びそれらの意味を以下に記載する。
冠詞「a」、「an」及び「the」は、冠詞の文法的目的の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。
「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」という用語は、包括的で開放的な意味で使用され、追加の要素が含まれ得ることを意味する。「からのみなる」と解釈されることを意図するものではない。
本明細書全体を通して、文脈が別段の必要がない限り、単語「含む(comprise)」、及び「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形例は、記載された要素若しくは工程、又は要素若しくは工程の群の包含を意味するが、任意の他の要素若しくは工程、又は要素若しくは工程の群の除外を意味するものではないことが理解されるであろう。
「含む」という用語は、「含むがこれらに限定されない」を意味するために使用される。「含む」及び「含むがこれらに限定されない」は、互換的に使用される。
「対照試料」という用語は、健康対象からの試料を指す。試料は、血液試料、又は尿試料、又は組織試料、又は痰試料である。
対照試料は、試料から得られたVSELのOct4A発現レベルと、対照試料から得られたVSELとの比較を可能にするために、それぞれの試料から得られたVSELを指すためのものである。あるいは、「対照試料」は、目的の当該対象のVSELにおけるハウスキーピング遺伝子(例えば、18S rRNA)の発現を指す。しかしながら、当業者は、対照として、18S rRNA、ACTB、ATP5B、CyC1、EIF4A2、GAPDH、RPL13A、SDHA、TOP1、UBC、YWHAZ、PGK1、PPIA、RPLP0、ARBP、B2M、TFRC、GUSB、HMBS、HPRT1、TBPから選択される任意のハウスキーピング遺伝子を含むことができると企図され得る。
「医学的状態」という用語は、全ての障害、病変、疾患、外傷、遺伝的若しくは先天的、又は正常な、年齢に適したヒト変動の範囲外にある生物学的若しくは心理的状態を含む。
「がん」という用語は、調節されていない細胞成長を特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指す。「がん」という用語は、本開示で使用される場合、良性、悪性のがん、休眠腫瘍、又は微小転移を含むことが意図される。がんの種類としては、細胞がん、リンパ腫、芽細胞腫(髄芽細胞腫及び網膜芽細胞腫を含む)、肉腫(脂肪肉腫及び滑膜細胞肉腫を含む)、神経内分泌腫瘍(カルチノイド腫瘍、ガストリノーマ、及び島細胞がんを含む)、中皮腫、シュワン腫(聴神経腫を含む)、髄膜腫、腺がん、黒色腫、及び白血病又はリンパ性悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。がんのより具体的な例としては、乳がん、肝臓がん、卵巣がん、肺がん、白血病、前立腺がん、リンパ腫、膵臓がん、子宮頸がん、結腸がん、骨肉腫、精巣がん、甲状腺がん、胃がん、ユーイング肉腫、膀胱がん、消化管間質腫瘍(GIST)、腎臓がん(例えば、腎細胞がん)、扁平上皮がん(例えば、上皮系扁平上皮がん)、肺がん(小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺腺がん、及び肺扁平上皮がんを含む)、腹膜がん、肝細胞がん、胃腸がんを含む胃がん(gastric or stomach cancer)、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、肝細胞腫、乳がん(転移性乳がんを含む)、膀胱がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜又は子宮がん、唾液腺がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝細胞がん、肛門がん、陰茎がん、メルケル細胞がん、真菌性肉腫、精巣がん、食道がん、胆管腫瘍、頭頸部がん、並びにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)(NHL)、中間悪性度/濾胞性NHL、中間悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽球性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小非切断細胞NHL、巨大腫瘤病変NHL、マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、有毛細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病、及び移植後リンパ増殖障害(PTLD)、並びに母斑症、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)及びメグズ症候群に関連する異常な血管増殖が挙げられる。
「検出する」又は「検出」という用語は、患者からの試料を使用して生きている患者の外で実施された検出を指す。
「予測する」又は「予測」という用語は、将来又は適切な時間経過で起こることを知る行動を指す。
「血液試料」という用語は、対象から得られる全血試料を指す。本明細書に開示される方法の範囲は、血液試料を取得した段階から始まり、方法は、いかなる侵襲的技術も伴わず、対象に対する操作も伴わない。「血液試料」という用語は、任意の形態の処理された血液試料も含むことを包含する。処理によって、本開示は、特定の細胞集団を濃縮するための任意の方法、又は血液試料を「インビトロ」法による検査に使用できるようにするための単なる処理を網羅することを意図している。
「インビトロ」という用語は、試験管、培養皿、又は生体外の他の場所で実施されているか、又は行われている課題若しくは方法若しくは実験を指す。
「非常に小さな胚様幹細胞」又は「VSEL」という用語は、当該技術分野で周知である多能性幹細胞の一種である細胞を指す。本開示によるVSELは、7ミクロン未満のサイズである。
「無細胞正常DNA又は腫瘍DNA」又は「cfDNA」という用語は、当該技術分野で周知である非多能性又は多能性細胞から得られた血液中を循環する核酸の種類を指す。
「循環腫瘍DNA」又は「ctDNA」という用語は、当該技術分野で周知である非多能性/多能性細胞から得られた血液中を循環する腫瘍細胞の核酸の種類を指す。
「無細胞正常又は腫瘍RNA」又は「cfRNA」という用語は、当該技術分野で周知である非多能性/多能性細胞から得られた血液中を循環する核酸の種類を指す。
「循環腫瘍細胞」又は「CTC」という用語は、当該技術分野で周知である血液中の非多能性/多能性の腫瘍細胞の種類を指す。
「がん幹細胞」又は「CSC」という用語は、当該技術分野で周知である血液中の原始的な非多能性/多能性がん細胞の種類を指す。
「バイオマーカー」という用語は、核酸であり、特定の細胞集団を特徴付けるために使用される生体分子を指す。この用語は、核酸のDNA及びRNA形態の両方を網羅することが意図されている。「非常に小さな胚様幹細胞のバイオマーカー」という用語は、VSELの集団を特徴付けるために使用され得る任意のバイオマーカーを指す。
「対象」という用語は、血液又は組織試料が本開示のインビトロ法を使用して解析のために採取された任意の哺乳動物を指す。例示は、対象として使用されるヒトに基づく。
「画像解析」という用語は、がんの存在又は非存在及びがんのステージを検出するために、対象の血液又は組織試料中のVSEL集団の数を数え上げるために利用される、侵襲的及び非侵襲的の両方の任意の画像化技術を指す。画像解析はまた、対象における医学的状態の存在又は非存在を同定するのを助けることができる。
「侵襲的」という用語は、切開によって又は器具の挿入によって生体内への侵入を伴う任意の技術を指す。
「体液」という用語は、人体からの任意の流体分泌を指す。これは、人体からの血液、又は痰、又は尿、又は他の種類の液体を指す。
「ミトコンドリア」という用語は、対象における医学的状態を決定するための配列決定、トランスクリプトーム解析のためのDNA/RNAを含む細胞器官を指す。
がん関連マーカーは、科学文献に従った、がん研究分野における全ての周知のがん関連マーカーを含む。がん関連マーカーの非限定的なリストは、ABL1、EVI1、MYC、APC、IL2、TNFAIP3、ABL2、EWSR1、MYCL1、ARHGEF12、JAK2、TP53、AKT1、FEV、MYCN、ATM、MAP2K4、TSC1、AKT2、FGFR1、NCOA4、BCF11B、MDM4、TSC2、ATF1、FGFR1OP、NFKB2、BEM、MEN1、VHL、BCL11A、FGFR2、NRAS、BMPR1A、MLH1、WRN、BCL2、FUS、NTRK1、BRCA1、MSH2、WT1、BCL3、GOLGA5、NUP214、BRCA2、NF1、BCL6、GOPC、PAX8、CARS、NF2、BCR、HMGA1、PDGFB、CBFA2T3、NOTCH1、BRAF、HMGA2、PIK3CA、CDH1、NPM1、CARD11、HRAS、PIM1、CDH11、NR4A3、CBFB、IRF4、miR145、PFAG1、CDK6、NUP98、CBFC、JUN、PPARG、CDKN2C、PAFB2、CCND1、KIT、PTPN11、CEBPA、PML、CCND2、KRAS、RAF1、CHEK2、PTEN、CCND3、LCK、REL、CREB1、RB1、CDX2、LMO2、RET、CREBBP、RUNX1、CTNNB1、MAF、ROS1、CYLD、SDHB、DDB2、MAFB、SMO、DDX5、SDHD、DDIT3、MAML2、SS18、EXT1、SMARCA4、DDX6、MDM2、TCL1A、EXT2、SMARCB1、DEK、MET、TET2、FBXW7、SOCS1、EGFR、MITF、TFG、FH、STK11、ELK4、MLL、TLX1、FLT3、SUFU、ERBB2、MPL、TPR、FOXP1、SUZ12、ETV4、MYB、USP6、GPC3、SYK、ETV6、IDH1、TCF3、及びそれらの組み合わせとともに、本明細書に言及されている。同様に、遺伝子の非限定的なリストは、科学的文献に従った、疾患研究分野における全ての医学的状態関連マーカーを含む。
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに類似又は同等の任意の方法及び材料を本開示の実施又は検査に使用することができるが、好ましい方法及び材料が本明細書に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、例示のみを目的とする、本明細書に記載の特定の実装態様によって範囲が限定されるものではない。機能的に等価な製品、組成物、及び方法は、本明細書に記載されるように、明らかに本開示の範囲内にある。がんは、一例として広く研究されているが、本発明は全ての医学的状態に関するため、本開示による医学的状態の一態様に過ぎない。
がんは、変異遺伝子と関連しており、腫瘍連結遺伝子改変の解析は、診断、予後、及び治療目的でますます使用される。過去10年間で、患者の腫瘍の分子的特徴に基づく「個別化」又は「階層化」管理が日常的な臨床診療に入ってきた。固形腫瘍の遺伝子プロファイルは、現在、外科的又は生検標本から得られているが、侵襲的性質のため、必ずしも手術を定期的に実施することはできない。第一に、同じ患者から得られた複数の腫瘍標本の包括的な特徴付けは、腫瘍内不均一性が、同じ腫瘍内の異なる領域間(空間的不均一性)、並びに原発腫瘍と同じ患者内の局所又は遠隔再発との間(時間的不均一性)に存在することを示している(Gerlinger et al.2012)。更に、最近の研究は、原発腫瘍においてわずかな頻度で存在していた治療抵抗性サブクローンの出現により、経時的な腫瘍特徴の動的変化を特徴付ける(Bedard et al.2013)。したがって、腫瘍間及び腫瘍内の不均一性は、生検が患者の腫瘍の完全なゲノム状況を補足することが不正確であり得るため、腫瘍学における臨床的意思決定を導くための重要な課題を提示する(Bedard et al.2013)。第二に、腫瘍の完全な「画像」は、初期診断時及び疾患治療の過程を通じて組織を得るために必要な侵襲的処置に関連する臨床合併症の速度の増加のために、腫瘍アクセス性によって多くの場合、制限される(Mlika et al.2016)。多くの進行がん患者の活動指標の悪さは、不快な介入性生検処置の役割を制限する可能性もある(Mlika et al.2016)。更に、バイオマーカー検査の重要な障壁は、診断需要の高まり及び患者ごとに送達される組織の量の減少により、十分な量の組織(例えば、腫瘍の細胞数及び検体のサイズ)を入手できることである。進行性疾患を有するがん患者の最大80%は、小さな生検又は細胞診からの組織のみを有し、追加の検査を実施する能力を制限し、最大31%の患者がアクセス可能な組織を有していない(Wong et al.2014)。組織を収集することができる場合でも、ホルマリン固定などの保存方法は、1~25%の対立遺伝子頻度範囲で高レベルのC>T/G>A遷移を示すことができ、分子アッセイの偽陽性結果をもたらす可能性がある(Wong et al.2014)。最後に、組織生検はまた、患者のケアのコストを増加させ、結果を得るための周回時間は、患者の治療のために医師が予想するよりも長くなることがある。組織生検の使用に関するこれらの制限に照らして、腫瘍遺伝学及び腫瘍動態を観察するための新しい方法は、時間の必要性である。
最近では、循環遊離DNA中のCpG残基のDNAメチル化ベースの検出は、一般的ながん、並びに神経変性及び精神疾患などの他の疾患の普遍的なバイオマーカーとして同定されている。しかしながら、DNAメチル化ベースの検出技術のいくつかの欠点は、(1)時間がかかり、手順が長く、(2)比較的高価な技術であり、(3)アッセイ条件及び特定のDNA制限部位におけるCpG残基の存在に非常に依存する検出であり、(4)疾患の初期ステージで事実上存在しない大量のDNAを必要とし、(5)早期スクリーニング感受性は、特にがん進行の予防のための重要なステージである検出のステージIで非常に低いことである。
非常に小さな胚様幹細胞(VSEL)は、多数の組織に見られる原始的幹細胞であり、多能性特性、すなわち、複数の細胞型/組織に分化する能力を有する。VSELは、本質的に静止しているが、発がん性ストレス下では活性化され、がん幹細胞又は腫瘍始原細胞に分化する能力を有する。これらの細胞は、その後、がんの初発、進行、及び転移につながる。多能性を示す胚幹細胞マーカーのうち、Oct4及びそのアイソフォーム(Oct4A、Oct4b、Oct4b1)(Wang and Dai,2010)は、がんの進行、病期及び病気の生存に関与している。Oct4Aは、多能性の主要制御因子であり、早期ステージ胚発生においてメチル化を行い、遺伝子発現をオフにする。したがって、成人の体細胞はOct4Aを発現しないが、臍部の臍帯血間葉系幹細胞及び骨髄由来間質細胞によるOct4A発現の報告がある。より重要なことに、Oct4Aは、がん細胞株及びがん組織において低レベルで発現され(Li et al,2015)、したがって、おそらくがん幹細胞起源に起因するいくつかのがん細胞の多能性状態を意味する。実際、様々ながん幹細胞がOct4Aを発現することも示されており、したがって、腫瘍始原細胞がこの遺伝子を発現することを意味する。がんの初期ステージでは、腫瘍始原細胞は血液循環に流出し、転移及び侵襲の前の疾患初発を示す。これらの細胞並びに血流中を循環する無細胞DNAは、がんの分類とともに合理的な精度(すなわち、高感度及び特異性)で様々な種類のがんの早期検出を可能にする多能性マーカーであるOct4A発現をもたらし得る。また、様々ながん組織及び腫瘍細胞(循環又は血液循環に流出する前)、常在がん幹細胞及び成人の歯からの歯髄幹細胞、良性前立腺などのいくつかの正常な組織は、Oct4Aを発現する。更に、低酸素症(2%酸素及びFGF2)などの微小環境変化への曝露における線維芽細胞は、Oct4Aを誘導することが知られている。これは、組織損傷、外傷、又は疾患状態に応答して、Oct4Aが、血液試料においても対応する発現とともに、目的の組織において高度に発現されることを意味し得る。がん細胞及びVSELの両方は、共通のマーカーとしてOct4Aを有し、このマーカーの過剰発現は、転移及び侵襲性に関連するため、したがって、本開示は、対象における医学的状態を検出するためのインビトロ方法を開示する。本開示の方法は、非多能性起源の正常/腫瘍無細胞DNA、正常/腫瘍無細胞RNA、がん幹細胞、循環腫瘍細胞など、特に非常に小さな胚様幹細胞を含むがこれらに限定されない、末梢循環血中の任意の細胞型におけるOct4Aバイオマーカーの検出に基づく。本開示によれば、本方法は、がんのような医学的状態を検出するだけでなく、そのステージ、患者の生存状況、腫瘍療法の効果などを、いかなる侵襲的技術を伴わずに検出する。
したがって、本開示は、がんの早期検出(又はがんの非存在)のためのマーカーとして、並びにがんのステージ(I、II、III、IV)ごとの分類として、VSELからのOct4Aを開示する。本開示は、本明細書に示される値の範囲に従って、がんの異なるステージに数値的に比例する、HrCスケールと称される数学的スケールを開示する。
本開示による方法は、血液、組織からVSELを単離し、単離されたVSEL/濃縮されたVSELを、がんを検出するか、又は任意の医学的状態を検出するための診断ツールとして利用することを含む。血液/組織から単離したVSELにおけるOct4Aレベルに基づいて、本方法は、Oct4Aの発現を、がんの存在又は非存在だけでなく、HrCとして称される数学的スケールの発達をもたらした固形腫瘍、血液悪性腫瘍及び肉腫を含む多種多様ながんにおけるがんのステージと相関させることができる。HrCスケールは、0~2:がん/炎症の非存在を示す、2~6(Oct4Aの発現レベルの1.1~3倍の変化を指す):糖尿病、結核、アルツハイマー病、認知症、心血管疾患、関節炎などの医学的状態を示す炎症状態、6~10(Oct4Aの発現レベルの3~5倍の変化を指す):カテゴリーは、がんを発症する脅威に瀕している対象を含む、10~20(Oct4Aの発現レベルの5~10倍の変化を指す):ステージIがん、20~30(Oct4Aの発現レベルの10~15倍の変化を指す):ステージIIがん、30~40(Oct4Aの発現レベルの15~20倍の変化を指す):ステージIIIがん、及び>40(Oct4Aの発現レベルの20倍以上の変化を指す):ステージIVがん、のスコアに基づいて、VSEL Oct4A発現をがんと結びつける。したがって、本開示による方法は、血液/組織からVSELを単離し、そのOct4A発現を、強力な診断及び予後ツールの開発をもたらすがんのステージ分類と相関させることを含む。また、VSELからのOct4A測定は、100%の特異性及び感受性を有する腫瘍療法、無疾患生存率及び再発率の効果を効果的に診断することが示されている。
本開示は、以下のような腫瘍細胞媒介性がん検出システムに対する有意な利点を提供する。(1)現在の「液体生検」診断ツールは、その感受性及び特異性によって制限されており、おそらく循環腫瘍細胞、無細胞DNA、成体幹細胞などに由来するものであり、多能性幹細胞及びそのマーカーではなく、多様なバイオマーカー又はDNAメチル化プロファイルのセットが調査されており、(2)再生医療のためのVSELの既知の治療的利用ではなく、検証されたHrCスケーリングシステムを使用して血液に基づいてVSELの診断的使用を行うことができ、(3)VSELは、1mlの血液から単離することができ、したがって、それは、循環腫瘍細胞、検出のためにより大きな体積を必要とする無細胞DNAなどと比較して優れた利点を有し、(4)Oct4A測定は、1mlの血液からの濃縮されたVSELに排他的であり、(5)VSELに基づくOct4A測定は、循環腫瘍細胞(全ての腫瘍型では一般的ではない場合がある)及び無細胞DNA(腫瘍由来ではなく、自然界では不均一である場合がある)と比較して、(その多能性及び発がん性による)がんを示す正常細胞からのものであり、(6)VSEL Oct4A測定は、有意な様々ながん(固形腫瘍、血液悪性腫瘍及び肉腫)の存在を検出するだけでなく、腫瘍形成前の差し迫ったがん、がんのステージ、良性対悪性表現型、炎症状態、腫瘍療法の効果、再発率などを検出するために臨床的に有用である。具体的には、がんの特定のステージ(I、II、III又はIV)の存在は、がん及びその進行のステージ特異的治療的処置様式及び非侵襲的検出のための意思決定において医師を助けることができる。同様に、差し迫ったがん検出は、予防的戦略につながり得るが、がん療法後のHrCスケール検査は、疾患生存率、治療の効果、及び再発の可能性を決定するのに役立ち得る。したがって、がん遺伝子であるOct4Aは、500人の非がん患者及び500人のがん患者の治験に従って、がん及びそのステージを100%の感度及び特異性で検出することができる最初の多能性マーカーとして記載されている。機械的には、これは主に、VSELにおけるその構成的活性化、その多能性を定義すること、したがって、a)内因的にがんを開始するVSEL、b)まだ未知のメカニズムによるがん幹細胞へのVSELの形質転換、c)悪性腫瘍の主要な駆動因子としてのがん幹細胞、並びに侵襲性、遊走性、及び運動性、d)血液中の濃縮されたVSELの検出、並びにe)原始的及び悪性細胞表現型の排他的マーカーとしてのOct4A過剰発現の臨床症状に起因する。
全体として、既知の技術に関連する問題を克服するために、本開示は、ヒト対象における医学的状態及び炎症状態、特にがんの存在又は非存在及びそのステージを同定するための単純かつ非侵襲的技術を開示する。方法によれば、血液又は尿試料は、侵襲的な従来の生検技術を実施した後に得られたものと同等の詳細を得るのに十分であることが好ましい。更に、本開示の方法は、ヒト対象においていかなる症状も示されていない医学的状態を明確に特定することができ、したがって、医師がヒト対象を治療するのに十分な時間を許容する。本開示の方法は、試料(血液又は尿)から非常に小さな胚様幹細胞(VSEL)を濃縮することと、濃縮された非常に小さな胚様幹細胞から核酸を更に単離することとを含む。そのような核酸は、ヒト対象の全ゲノム及び/又はトランスクリプトーム及び/又はエクソームを表すことができる。こうして得られた核酸を、次世代配列決定又は同様の技術を使用することによって配列解析し、配列プロファイルを得る。プロファイルを参照配列と比較して、少なくとも1つのマーカーにおける任意の変異の存在を確認し、ここで変異の存在は、対象における医学的状態の存在を同定する。本開示によるVSELは、本明細書に記載されるVSELの特定のバイオマーカーに対して肯定的である。マーカーは、医学的状態が特定されなければならない任意の組織に特異的な周知のマーカーであり得る。生検は、生検が組織内で行われる場所に応じて、発現及び変異に大きな差異を与えることができる。しかしながら、本明細書に開示される方法は、変異形成、組織特異的遺伝子発現の時点で適用されるため、不均一性を除去する。VSELは組織におけるがん幹細胞への形質転換を介してがんを開始し得るため、組織特異的VSELは、腫瘍遺伝子型及び表現型を表すことを明確に示す。本方法によれば、50,000~100,000個の発現プロファイルを含むヒト対象の試料から受け取ったゲノム及びトランスクリプトームデータをアルゴリズムに供給し、これにより、血液、又は尿若しくは組織試料からの体内の臓器の組織レベルでのRNA情報が得られる。変異及び発現データを、科学文献及びヒトトトランスクリプトーム/遺伝子発現データベースと相互参照して、医学的状態と関連する遺伝子のセットを同定する。アルゴリズムは、トランスクリプトームデータ及び全ゲノムデータを接続して、組織レベルのトランスクリプトームデータの読み取り値を生成することができる。更に、データに基づいて、その機能活性、炎症の指標、酸化ストレス、生物学的経路、分子メカニズムなどの臓器パラメータも同定されるべきである。アルゴリズムを使用した、トランスクリプトーム及び変異データに関連する一次及び二次臓器の同定に基づいて、様々なヒト疾患への感受性を描写することも可能であろう。更に、本開示に記載される方法はまた、遺伝子変異の最終的な結果である脊髄筋ジストロフィー、Ehlers-Danlos症候群、Proteus症候群、鎌状赤血球貧血、ハッチンソン-ギルフォードなどの希少疾患の検査を可能にする。本開示に記載される方法は、Oct4A、Fragilis、及びStellaバイオマーカーの存在を特徴とすることができる末梢血/尿試料中のVSELを濃縮することができる。VSELの同一性が確立されると、Oct4A、Fragilis、及びStellaなどのバイオマーカーの発現レベルを、対照試料中の発現と比較し、対照と比較したVSELバイオマーカーの発現レベルの増加は、ヒト対象における医学的状態の存在又は非存在及び炎症性状態の存在を示す。更に、VSELから得られた核酸の配列決定を実施することは、検出を裏付ける分子メカニズム及び生物学的経路に関する深い洞察を提供することができる。また、特定のマーカーにおける変異の存在又は非存在は、対象における基礎となる医学的状態を同定する。本開示の代替的な実装態様として、濃縮されたVSELにおけるタンパク質レベルを測定して、ヒト対象の試料から得られたVSELにおけるOct4Aのタンパク質レベルを分析することもできる。Oct4Aタンパク質の倍率の増加は、がんの存在又は非存在に相関し得る。タンパク質レベルは、がんのステージ分類と相関することもできる。更に、タンパク質レベルは、対象における医学的状態の存在又は非存在にも相関することができる。本開示の実施態様の1つによれば、対象からの血液は、ピンプリック(1ml、又は2ml、又は5ml、又は10ml又は20mlの血液)によって得ることができる。採血後、Oct4Aのタンパク質レベルは、自動ELISAキット、自動免疫蛍光アッセイキットを高スループットで数分から数時間以内に使用することによって推定される。試料中のOct4Aのレベルは、対照試料(健康な対象)中のOct4Aのレベルと相関するものであり、Oct4Aのタンパク質レベルの増加は、医学的状態の存在、又は差し迫ったがんの予測、又はがんの存在を示す。Oct4Aのタンパク質レベルの比較は、がんのステージ/グレードを更に示すことができる。
要約すると、本開示の方法は、ヒト対象の血液/組織試料から単離されたVSELから得られた核酸を分析することによって、ヒト対象の遺伝的設計図を提供することができる。対照試料と比較した、ヒト対象の血液/組織試料中のOct4A、又はStella、又はFragilisの発現の増加は、基礎となる医学的状態を示し、また、ヒト対象における炎症性状態を示す。基礎となる医学的状態は、特定のマーカーにおける変異の存在又は非存在についてVSELから得られた核酸を分析することによって正確に特定される。したがって、有効には、単に血液/組織試料からの生検のデータと同等のデータを提供する。
本開示によれば、任意の既知のマーカーは、本開示の方法に従って得られた配列プロファイルから分析することができる。本開示は、そのようなマーカーの非限定的なリストのみを提供する。同様に、本開示に開示される方法に従って、Oct4A、Stella、及びFragilisなどのVSELのバイオマーカーの増加した発現は、基礎となる医学的状態、又はヒト対象に存在する炎症を示す。したがって、任意のそのような増加の非存在は、健常な個体を示すと企図され得る。本開示は、検出可能な疾患の非限定的なリストのみを提供するが、使用されるマーカーの種類に応じて、任意の疾患を検出することができる。更に、配列及び転写因子プロファイル全体が単純な血液試料から得られると、遺伝子プロファイルの情報を使用して、ヒト対象の遺伝子又は転写因子レベルに関する完全な情報を提供することができることが理解される。
アルゴリズムは、非常に小さな胚様幹細胞の変異及び発現データを、科学文献及びヒトトトランスクリプトーム/遺伝子発現データベースと相互参照して、医学的状態に関連する遺伝子のセットを同定するものとして定義される。アルゴリズムは、トランスクリプトームデータ及び全ゲノムデータを接続して、組織レベルのトランスクリプトームデータの読み取り値を生成することができる。更に、データに基づいて、その機能活性、炎症の指標、酸化ストレス、生物学的経路、分子メカニズムなどの臓器パラメータも同定されるべきである。アルゴリズムを使用した、トランスクリプトーム及び変異データに関連する一次及び二次臓器の同定に基づいて、様々な医学的状態への感受性を描写することも可能であろう。更に、記載された本発明はまた、特定の遺伝子変異の最終的な結果である脊髄筋ジストロフィー、Ehlers-Danlos症候群、Proteus症候群、鎌状赤血球貧血、ハッチンソン-ギルフォードなどの希少疾患の検査を可能にする。
本開示による方法は、非常に小さな胚様幹細胞をプロテオーム、メタボロミクス、メチル化、解析に供するプロセスを含み、取得されたデータは、様々な経路データベースを使用して経路解析を通じて遺伝子発現レベルに接続される。経路解析とともにVSELの遺伝子解析は、臨床医及び医師を支援するための疾患治療様式(腫瘍療法又は疾患特異的介入)の同定につながる。更に、VSELから得られたcDNAは、疾患状態の存在を更に検出するために、かつ/又は疾患状態を治療するための治療様式を提供するために使用される。更に、VSELのトランスクリプトーム解析を使用して、疾患状態を検出し、治療様式を提供することができる。代替として、エクソーム解析をVSELに実施し、疾患状態を検出し、疾患状態を治療するための治療様式を提供することもできる。
本開示の一実装態様において、対象における医学的状態を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの1.1~3倍の範囲の増加が、対象における医学的状態の存在を検出する。本開示の別の実装態様において、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの1~2.9、又は1~2.5、又は1~2倍の範囲の増加は、対象における医学的状態の存在を検出する。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんの発症を予測するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4aの発現レベルの3~5倍の範囲の増加が、対象におけるがんの発症を予測する。本開示の別の実装態様において、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4aの発現レベルの3.2~4.8、又は3.5~4.5、又は3.6~4.2、又は3.8~4倍の範囲の増加は、対象におけるがんの発症を予測する。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんの存在を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの少なくとも5倍の増加が、対象におけるがんの存在を検出する。本開示の別の実装態様において、対照におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの増加は、5~10、又は10~15、又は15~20、又は20~25倍の範囲内である。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、方法は、配列ベースのアッセイを実施することによって核酸を分析することを更に含む。本開示の一例において、配列ベースのアッセイを実施することによって核酸を分析することは、がんの種類を検出する。
本開示の一実装態様において、抗がん療法に対する応答をモニタリングするためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)抗がん療法中のある時点で試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、抗がん療法に対する応答をモニタリングする参照における、非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含む。参照における発現レベルと比較した、試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの低下は、抗がん療法に対して肯定的な応答を示し、参照は、(i)抗がん療法の投与前に得られた試料、(ii)本明細書に記載の方法の工程(a)で言及された時点と比較した以前の時点で得られた試料、及び(iii)本明細書に記載の方法の工程(a)で言及された時点と比較した後の時点で得られた試料、(d)がんがない状態の対象から得られた試料からなる群から選択される少なくとも1つである。
本開示の一実装態様において、抗がん療法に対して肯定的な応答を検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)抗がん療法の投与前に試料-Iを得ることと、(b)抗がん療法の投与後に試料-IIを得ることと、(c)試料-Iから非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物-Iを得ることと、(d)試料-IIから非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物-IIを得ることと、(e)混合物-Iから核酸-Iを得ることと、(f)混合物-IIから核酸-IIを得ることと、(g)Oct4Aの発現レベルを分析するために核酸-I及び核酸-IIに独立してアッセイを実施することと、(h)核酸-IIからのOct4Aの発現レベルを、核酸-IからのOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、核酸-IからのOct4Aの発現レベルと比較して、核酸-IIからのOct4Aの発現レベルの低下が、がん治療に対する肯定的な応答を検出する。
本開示の一実装態様において、がんを検出するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較することであって、対照試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの増加が、がんの存在を示す、比較することと、(f)核酸に配列ベースのアッセイを実施し、少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異について分析することと、を含み、少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異の存在が、分析したがん関連マーカーに基づいて、特定の種類のがんの存在を示す。本開示の別の実装態様において、試料における非常に小さな胚様幹細胞のバイオマーカーの発現レベルを、対照試料における少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルと比較し、配列プロファイルを参照配列プロファイルと共関連付けて、少なくとも1つのマーカーにおける変異の存在又は非存在を同定することは、アルゴリズムによって行われる。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のがんを検出するためのインビトロ方法が提供され、本方法は、工程(c)で得られた核酸におけるがん関連マーカーの発現レベルを分析することを更に含み、マーカーの発現レベルは、定量的PCR技術を使用することによって分析される。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、核酸は、(a)グアニジニウムチオシアネート-フェノール-クロロホルム核酸抽出、(b)塩化セシウム勾配遠心分離法、(c)セチルトリメチルアンモニウム臭化物核酸抽出、(d)アルカリ抽出、(e)樹脂系抽出、及び(f)固相核酸抽出からなる群から選択される任意の1つの方法によって混合物から得られる。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、非常に小さな胚様幹細胞においてOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することは、定量的PCR、フローサイトメトリー、及び次世代配列決定(NGS)からなる群から選択される技術によって行われる。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、対照は、がんがない状態の対象から得られた非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルである。本開示の別の実装態様において、対照は、ハウスキーピング遺伝子の発現レベルであり、ハウスキーピング遺伝子は、18S rRNA、ACTB、ATP5B、CyC1、EIF4A2、GAPDH、RPL13A、SDHA、TOP1、UBC、YWHAZ、PGK1、PPIA、RPLP0、ARBP、B2M、TFRC、GUSB、HMBS、HPRT1、TBPを含むがこれらに限定されない。本開示の一例において、ハウスキーピング遺伝子は、18S rRNAである。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、血液試料からの非常に小さな胚様幹細胞の濃縮は、(a)血液試料を1:1~1:20の比率範囲内で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得ることと、(b)少なくとも1つの塩溶液を1:2~1:10の比率範囲で第1の混合物に接触させて、第2の混合物を得ることと、(c)第2の混合物を処理して、濃縮された非常に小さな胚様幹細胞を得ることと、を含む。第2の混合物の処理は、(a)抽出プロセス、(b)洗浄プロセス、(c)遠心分離プロセス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの方法を含む。本開示の別の実装態様において、血液試料を1:2~1:18、又は1:3~1:15、又は1:5~1:12の比率範囲内で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得て、少なくとも1つの塩溶液を1:3~1:9、又は1:4~1:8、又は1:4~1:7の比率範囲内で第1の混合物に接触させて、第2の混合物を得る。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、がん関連マーカーは、がんに関連することが確立された周知のマーカーからなる群から選択される。更に、本開示の方法は、侵襲的技術に依存しない。本開示の別の実装態様においてがん関連マーカーは、mir145、OFR1、CD68、MSR1、CXCF16、NCAN、TKTF1、ANO4、CHIT1、GPNMB、CCF18、TGFベータ1、FSP1、S100A6、SLC13A3、BGN、NCF2、6Ckine、MMP-9、MMP-3、MMP-7、インテグリン-β4、プレイオトロフィン、ウロキナーゼR、HFA-C、SLC9A3R1、NAT9、RAPTOR及びSLC12A8、SPINK5、FcイプシロンRI-ベータ、PHF11、IGFBP1、FACL4、IF1R、TGFベータ、CHRNA3/5、IREB2、HHIP、FAM13A、AGER、トロポニンT及びI、HSP60、BNP、GDF-15、MMP2、MMP3、MMP9、IL6、TNFアルファ、CRP、SOX9、ACAN、COL2A1、DKK1、FRZB、RUNX2、COL10A1、IGH、IGHM、IGHG1、サーチュイン、ACE2、IFI27、IFIT1、IFITM1、DPP4、KRAS、BRCA1及び2、TP53、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRB1(I型)、PPARG、KCNJ11、CDKAL1、CDKN2A-CDKN2B、IDE-KIF11-HHEX、IGF2BP2及びSLC30A8(II型)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本開示の一実装態様において、対象における医学的状態を検出するためのインビトロ方法が提供され、同定される医学的状態は、多発性硬化症、腎障害、皮膚疾患、肝疾患、肺疾患、心血管疾患、変形性関節症、ウイルス性疾患、がん、及び糖尿病からなる群から選択される。本開示の一例において、医学的状態は、がんである。
本開示の一実装態様において、がんを治療するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することであって、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの増加が、がんを検出する、比較することと、(f)がんを治療するために、対象に抗がん療法を投与することと、を含む。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの5~10倍の範囲の増加が、対象におけるステージIがんを示す。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの10~15倍の範囲の増加が、対象におけるステージIIがんを示す。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの15~20倍の範囲の増加が、対象におけるステージIIIがんを示す。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、核酸は、DNA又はRNAのいずれかである。本開示の別の実装態様において、核酸は、試料からの正常RNA、正常DNA、腫瘍RNA、又は腫瘍DNAからなる群から選択される。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、試料からの非常に小さな胚様幹細胞の濃縮は、フローサイトメトリー、磁気ビーズベースの分離、濾過、マイクロ流体ベースの細胞選別、アプタマーベースの細胞単離、及び浮力活性化細胞選別からなる群から選択される任意の方法による。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、核酸は、ゲノム、又はトランスクリプトーム、又はエクソーム、cDNAを表す。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、試料は、血液、組織、尿、及び痰からなる群から選択される。本開示の別の実装態様において、試料は、血液中の少なくとも1つの細胞型であり、少なくとも1つの細胞型は、がん幹細胞及び循環腫瘍細胞からなる群から選択される。
本開示の一実装態様において、血液試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮するための試薬を含む試薬キットが提供される。
本開示の一実装態様において、(a)非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物におけるOct4A、Stella、及びFragilisからなる群から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを分析するためのプライマーセットと、(b)定量的PCRアッセイを実施するための試薬と、(c)全ゲノム又はエクソーム又はトランスクリプトーム配列決定を実施するための試薬と、(d)配列プロファイルを分析するための少なくとも1つの組織特異的アレイと、を含む、検出キットが提供される。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんを分類するためのインビトロ方法が提供され、該方法は、(a)試料を得ることと、(b)試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、該非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、(c)工程(b)の混合物から核酸を得ることと、(d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために核酸にアッセイを実施することと、(e)試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの20倍より高い範囲の増加が、対象におけるステージIVがんを示す。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんの存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から試料を得ることと、(b)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの存在を検出する。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんの発症を予測するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から試料を得ることと、(b)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの発症を予測する。
本開示の一実装態様において、対象における医学的状態の存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象から試料を得ることと、(b)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象における医学的状態の存在を検出する。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんの存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象の血液/組織における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)対象における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、対象における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの存在を検出する。
本開示の一実装態様において、対象におけるがんの発症を予測するための方法が提供され、該方法は、(a)対象の血液/組織における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)対象における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、対象における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象におけるがんの発症を予測する。
本開示の一実装態様において、対象における医学的状態の存在を検出するための方法が提供され、該方法は、(a)対象の血液/組織における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)対象における非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、対象における非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、対象における医学的状態の存在を検出する。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のヒト対象における医学的状態を同定するための方法が提供され、非常に小さな胚様幹細胞は、直径7ミクロン未満のサイズを有する。本開示の別の実装態様において、非常に小さな胚様幹細胞は、直径1~7ミクロンの範囲のサイズを有する。本開示の代替的な実装態様において、非常に小さな胚様幹細胞は、直径2~6ミクロンの範囲のサイズを有する。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載の方法が提供され、対照試料は、対象からのハウスキーピング遺伝子の発現レベルである。別の実装態様において、ハウスキーピング遺伝子は、18s rRNAである。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のヒト対象の医学的状態を同定するための方法が提供され、非常に小さな胚様幹細胞のバイオマーカーは、Oct4の偽遺伝子からなる群から選択され、Oct4の偽遺伝子は、Oct4pg1、Oct4pg2、Oct4pg3、Oct4pg4、Oct4pg5、Oct4pg6、及びOct4pg7からなる群から選択される。
本開示の一実装態様において、健常な個体の血液から単離されたVSELは、治療用途に使用される。VSELは、細胞増殖を促進することによってインビトロで濃縮され、治療用途のためにCRISPR-Cas9技術を使用して編集される。あるいは、VSELは、好適な条件下で組織特異的な細胞型に分化され、適切な治療用途に使用される。別の実装態様によれば、VSELは、誘導多能性幹細胞(iPSC)に脱分化される。iPSCを組織特異的な細胞に更に分化させることができ、組織特異的な細胞を治療用途のために損傷部位に注射することができる。代替の実装態様において、血液試料からVSELを濃縮するための試薬を含むキットが提供される。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載の方法が提供され、Oct4A発現は、対象において調節される他の遺伝子とともに分析されるべきである。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載の方法が提供され、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの増加は、悪性と良性状態を区別する。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載の方法が提供され、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較して、試料からの非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルの増加は、ミトコンドリア変化を示す。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロが提供され、本方法は、HrCスケーリング検査に基づいており、HrCスケールは、上記のがんの非存在、存在、又はそのステージを検出するために観察されるOct4A倍率変化の2倍の値を示す数値スケーリング因子を指す。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載の方法が提供され、対象からの血液試料を得て、該試料から、更に自動化されたDNA/RNA単離によるバイオセーフティーレベルIIキャビネット内の遠心分離と、Oct4Aの自動化RT-PCRベース遺伝子発現とを使用して、目的の細胞を自動的に単離し、したがって、自動HrCスコア決定を可能にする。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載の方法が提供され、本方法は、血液/組織から抽出されたVSELにおいてNCBI遺伝子リストデータベース(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/)に列挙される任意の遺伝子を解析し、エクソーム及びゲノムのトランスクリプトーム及び/又は変異解析の発現解析及び変異解析によって測定される対照対象と比較して調節される場合に、組織特異的局在を有する医学的状態を示す。
主題は、特定の実装態様を参照して説明されてきたが、この説明は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。開示される実装態様の様々な修正、並びに主題の代替的な実装態様は、主題の説明を参照すると当業者により明白になるであろう。したがって、そのような修正は、定義された本発明の主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく行われ得ることが企図される。
次に、本開示は、実施例を用いて例示され、実施例は、本開示の実施を例示することを意図しており、本開示の範囲に対する任意の制限を暗示するために制限的に取ることを意図していない。別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものに類似又は同等の方法及び材料を、開示されている方法及び組成物の実施に使用することができるが、例示的な方法、デバイス及び材料は、本明細書に記載されている。本開示は、特定の方法、及び記載される実験条件が変化し得るため、そのような方法及び条件に限定されないことが理解されるべきである。
材料及び方法
臨床試験の設計
本開示による試験は、Ethics Committee of Maharashtra Technical Education Society at Sanjeevan Hospital,Pune,Indiaからの倫理学承認を受けた後に実施され、Clinical Trial Registry India(CTRI/2019/01/017166)に登録された。
最初に、患者の病歴及び関連する全ての情報とともに180試料を収集した。末梢血から濃縮されたVSELにおいてOct-4AmRNA発現を研究し、がんステージをOCT-4A発現の倍率変化の関連性を示したスケール(HrCスケール)に到達するのを助けた。スケールが取得されると、その検証は、研究のためにインド全体の7つの異なる部位から募集された合計1000人の対象において行われ、そのうち500人が非がんであり、500人ががん患者であった(表1)。試料を、バイオ医薬品のためにNational Facilityによって盲検化した。組織学的又は細胞学的に悪性腫瘍と証明された固形腫瘍又は血液学的悪性腫瘍のいずれかを有する患者を、がん群に含めた。全ての対象からインフォームドコンセントフォームを取得した。循環腫瘍細胞(CTC)は、目的の少数の症例で無作為に研究された。
血液試料処理
血液試料(約10mL)を対象から収集し、以下に記載されるようにVSELを濃縮するように処理した。簡潔に述べると、試料をFicoll-Hypaqueに層状にし、1200rpmで15分間密度勾配遠心分離に供した。遠心分離後、RBC画分中の細胞をRBC溶解に供し、次いで、3000rpm(1000g)で遠心分離してVSELをペレット化した。
RNA単離及びcDNA合成
総RNAを、RNAplus(MP Biomedicals、Irvine,USA)を製造業者の指示に従って使用してVSELペレットから抽出した。RNA抽出後、一本鎖cDNAを、製造業者の指示に従ってRevert Aid First strand cDNA合成キット(Thermo scientific、UK)を使用して合成した。簡単に述べると、1μgの総RNAを、5倍反応緩衝液及び逆転写酵素混合物とともにインキュベートした。反応は、製造業者の指示に従って、Applied Biosystems GeneAmp(登録商標)サーマルサイクラー9700(Applied Biosystems、USA)で実施した。
qRT-PCR研究
Oct4A遺伝子転写物の発現レベルを、Thermo Scientific Maxima SYBR Green/ROX qPCR Master Mixキット(Thermo scientific、UK)及び遺伝子特異的プライマー配列、すなわちOct4A:順方向AGCCCTCATTTCACCAGGCC(配列番号1)、及び逆方向TGGGACTCCTCCGGGTTTTG(配列番号2)を使用してリアルタイムPCRシステム-ABI7500(Applied Bio-systems,USA)によって推定した。18s rRNA遺伝子をハウスキーピング遺伝子として使用した。増幅条件は、94℃で3分間の初期変性、続いて94℃で30秒間の変性、62℃で30秒間のプライマーアニーリング、及び72℃で30秒間の伸長、続いて55℃~95℃の溶融曲線分析工程を含む45サイクルであった。発光した蛍光を各サイクルの伸長工程中に収集した。PCR増幅の均質性を、溶融曲線を研究することによって検証した。7500マネージャーソフトウェア(Applied Bio-systems、UK)を使用して、各実験で生成されたC値を使用して、mRNA発現レベルを計算した。
循環腫瘍細胞(CTC)
CTCを、前述のように研究した(Diehl et al 2018)。CTCは、固形腫瘍を有する患者に見られ、転移の種として機能する(Palmirotta et al.2018)。これらは、臨床バイオマーカー及び治療標的として考慮され、液体生検の構成要素として考慮される。末梢血をEDTAチューブに引き込んだ。1時間以内に、チューブを820gで10分間遠心分離に供した。約1mLの血漿アリコートを1.5mLのチューブに移し、16,000gで10分間遠心分離して、残りの細胞破片をペレット化した。上清を新鮮なチューブに移し、-80℃で保存した。総ゲノムDNAを、製造業者の指示に従ってQIAamp MinEluteキット(Qiagen)を使用して、血漿アリコート2mlから精製した。血漿から単離した総DNAの量を、前述のように、ヒトLINE-1定量的リアルタイムPCRアッセイの改変バージョンで定量した(Diehl et al.2008)。血漿試料から単離した総DNAの量を定量化した。3つのプライマーセットを使用して、ヒトLINE-1ファミリーの最も豊富なコンセンサス領域内の異なるサイズの領域を増幅した(5’-agggacatggatgaaattgg-3’(配列番号3)について79bp)。79bp逆方向:5’-tgagaatatgcggtgtttgg-3’(配列番号4)、97bpについて:5’-tggcacatatacaccatggaa-3’(配列番号5)、97bp逆方向:5’-tgagaatgatggtttccaatttc-3’(配列番号6)、127bpについて:5’-acttggaaccaacccaaatg-3’(配列番号7)、127bpについて:5’-tcatccatgtccctacaaagg-3’(配列番号8))。血漿2μl、TaqDNAポリメラーゼ0.5U、PCR緩衝液1倍、DMSO6%(v/v)、各dNTP1mM、SYBR緑5μl及び各プライマー0.2μMに等しい鋳型DNAからなる25μl反応体積でPCRを実施した。増幅を、以下のサイクリング条件を使用してサイクラーで実行した:94℃で1分間;94℃で10秒間、67℃で15秒間、70℃で15秒間の2サイクル;94℃で10秒間、64℃で15秒間、70℃で15秒間の2サイクル;94℃で10秒間、61℃で15秒間、70℃で15秒間の2サイクル;94℃で10秒間、59℃で15秒間、70℃で15秒間の35サイクル。
本開示に従って従う手順
ヒト対象から得られた血液試料を、非常に小さな胚様幹細胞を濃縮するために処理した。本開示の一態様によれば、血液試料(検査試料)は、研究の一部として得られた。血液試料を1:1(血液試料:中性緩衝液)~1:20の比率範囲内で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得た。少なくとも1つの塩溶液を1:2(塩溶液:第1の混合物)~1:10の比率範囲内で第1の混合物と接触させて、第2の混合物を得た。第2の混合物を処理して、非常に小さな胚様幹細胞を含む処理された第2の混合物を得た。核酸を、当該技術分野で周知の方法によって、非常に小さな胚様幹細胞から得た。
結果
最初に、HrCスケールは、120試料中のOct-4A発現に基づいて開発された末梢血におけるOct4A発現は、病歴(PETスキャン及び生検報告)と相関した。非がん対象と比較して、がん患者の末梢血中でOct4Aがマニホールド上方調節されたことが観察された。がん患者の中で、OCT4Aの発現は、ステージ4のがんでは最も高く、ステージ1のがんでは最も低かった。倍率の増加に基づいて、非がん及びがん対象を分離することができるHrCスケールを開発した。本開示によるHrCスケール/値は、HrC値が、健康対象の血液試料から分析されたハウスキーピング遺伝子又はOct4Aと比較して、検査対象の血液試料から分析されたOct4Aの発現において2倍の変化であるように設計された。明確にするために、Oct4Aの発現における倍率変化がXである場合、HrC値は2倍である。また、がんのステージも解読された。非がん患者、及び将来的にがんの初発につながる可能性のある炎症の増加(患者の病歴との相関)を有する患者も、特定の範囲の値を明らかにした。対象を、非がん、炎症、高リスク、ステージIがん、ステージIIがん、ステージIIIがん及びステージIVがんとして、HrCスコアに基づいて同定し、分布させた(図1)。
2019年1月から5月にかけて、合計1051人の患者をスクリーニングし、本研究のために募集した。スクリーニングの失敗のため、1051人中51人の対象が除外された。男性534人及び女性466人であった。患者の年齢の中央値は、完全なデータセットで63.0歳であった。平均体重は69.3kg、平均身長は161.38であった。表1は、完全なデータセットの患者の人口統計を要約したものである。
Figure 2023529064000001
500人のがん患者のうち、431人の患者が治療中であり(R)、48人ががんの診断後にいずれの治療も受けておらず(R Naive)、21人の患者ががん治療のための外科的介入を受けた(R)。図2に示すように、25種類の異なるがんを有する患者を研究に含めた。
HrCについて分析した1000試料のうち、498試料は非がん性であり、7試料は高リスクステージであると評価され、11試料はステージIがんであり、94試料はステージIIがんであり、133試料はステージIIIがんであり、257試料はステージIVがんであった(図3)。
HrCレベルは、いくつかの種類の固形及び液体がんの存在を検出することができた。図4~8は、1000人の研究対象全員の結果の詳細を提供する。明らかなように、HrC値の不明瞭さはなかった。表2は、患者のがん状態をモニタリングするためのツールとしてHrCを使用して、新規の結果を得ることができる10症例の詳細を提供する。
Figure 2023529064000002
Figure 2023529064000003
Figure 2023529064000004
対象の血液中のVSELの数及びその対象の医学的状態又はがんとの相関関係を分析すること
血液の単位当たりのVSEL数は、がん、差し迫ったがん、及び非がんを有する人を区別するだけでなく、がんのステージを区別するためにも測定することができる。VSELの侵襲的なインビトロ画像は、細胞が血液の単位から単離されるまで、ヘマトキシリン、Hoechst33342色素などの核染色アプローチを使用して、日常的な比色染色によって行われる。他方では、非侵襲的光学顕微鏡法は、染色せずにサブミクロン分解能(したがって、VSELを示す2~6pmの範囲のサイズの目的の細胞を同定する)で血管の大断面積を撮像するために共焦点顕微鏡法の原理を利用する最近開発されたインビボ技術である。そのような例の1つは、電波又は超音波に関する方法を利用することができることである。この技術の背後にある原理は、組織表面の下の測定された深さで検出された特定の血管に入射したときの細胞及び細胞下部構造の異なる光散乱係数である。別の実装態様において、血流中の染色細胞の蛍光に基づく技術及び画像キャプチャも使用することができるが、このプロセスは細胞を修飾し得、かつ/又は毒性をもたらし得る。
図10は、がん患者の血液中に存在するVSELの数と健常な個体との比較を示す。慢性骨髄性白血病(血液がん)を有するステージ4の65歳女性患者の末梢血からVSELを単離し、スミアを調製し、4%パラホルムアルデヒドを固定し、ヘマトキシリン/エオシンで染色し、顕微鏡を使用して画像化することによって解析を実施した。図9を参照すると、左パネルは健康対象からの血液試料を表し、右パネルは健常な対象からの血液試料を表す。画像の解析によると、左パネルの上部、中部、下部画像のVSELのおおよその数は、25、22、及び22である。他方では、右側パネルの上部、中部、下部画像のおおよそのVSEL数は53、55、及び52である。したがって、図9は、VSELの数の増加が、がんの存在と相関し得ることを明確に示す。
本開示の一実装態様によれば、血液中のVSELの量は、インビボで分析することもできる。図11は、インビボ方法論によって血液中のVSELの数を分析するために使用することができる多数の様式のうちの1つを示す。蛍光量子ドットナノ粒子を使用したがん検出のためのバイオGPSシステムを開発することが想定されており(工程1)、中間アダプタタンパク質(工程2)及びVSEL特異的抗体(工程3)と融合すると、量子ドットアダプタタンパク質-VSEL特異的抗体融合分子(工程4)が得られる。この溶液を血流中に注入すると(工程5)、量子ドットによるVSELの特異的なタグ付け及び蛍光撮像コンピュータ断層撮影を介して捕捉することができる選択的蛍光放出をもたらす(工程6)。したがって、インビボVSEL画像解析は、正常患者対がん患者におけるVSEL数の造影剤注入媒介の同定につながり得る。
研究結果は、血液検査からがんを予測、スクリーニング、診断することが可能であることを示唆している。結果は、がんの信頼できる血液ベースの診断のためのHrC検査(本開示による方法)の可能性を確認する。HrC検査の特異性は、>99%であり、偽陽性又は偽陰性はなかった。HrC検査は、がんを特異的に同定することを可能にするために、マルチアナライトデータのための機械学習ベースのアルゴリズムを採用する。HrC解析が臨床医を助けた10の興味深い症例のデータが提供される(表2)。
理想的ながん検出診断ツールの3つの基準は、(i)感受性、疾患を正確に検出する能力、(ii)特異性、健常な非がん性個体を区別する能力、及び(iii)局在化又は分類、がんの種類及びその起源組織を特定する検査の能力である。現在、がん検出のために最も研究されている血液ベースの非侵襲性検査は、変異の同定及びがん特異的バイオマーカーの発現に基づいて循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍DNA(ctDNA)及びエクソソームを利用する(Zhou et al.,2020)。CTC及びctDNAは、がんの早期検出及び診断のための魅力的なツールとみなすことができるが、いくつかの研究は、がん予後のためのこれらの検査の感度、特異性を疑問視している(Kowalik et ah,2017)。
患者の瀕死のがん細胞(壊死による)から血液循環に滑り込む循環腫瘍細胞及び腫瘍DNAを検出することができ、血流中の遺伝子変異/DNAメチル化パターンを含む腫瘍DNAの単一分子さえ同定するための高度な技術が開発されている(Killock2018)。しかしながら、全ての早期腫瘍がDNA及びCTCを流出させるわけではなく、したがって、新規なアプローチを追求しない限り、がんの分子サインを正確に描写することは不可能である。更に、合併性の炎症性疾患は、正確な疾患診断のためにがん検出と対立するDNAを流出させる可能性があり(Chaudhary and Mittra,2019)、感度と特異性との両方を損なう。他方では、がん幹細胞(CSC)は希少であり、単離が困難であり、がんのステージを正確に描写しない場合がある。全体的に、様々なステージ及びサブタイプのがんを検出するために、非常に正確で非侵襲的な血液ベースのモニタリングシステムの必要性が存在する。
Oct4、Nanog、及びSox2は、血液及びがん組織に発現される重要な幹細胞多能性マーカーであり(Wang and Herlyn,2015、Monferrer et ah,2019)、疾患予後、生存率、化学療法の効果、及び他のそのような疾患関連パラメータを示す。したがって、高度に特異的で敏感な予後「液体生検」ツールを開発することで、臨床医は、がんが存在するかどうか、がんが差し迫っているかどうか、及びがんのステージを特定することができる。しかしながら、十分な引用はあるものの、循環腫瘍細胞及びがん幹細胞は、血液及び組織生検において稀にしか存在せず、単離も煩雑である。したがって、造血幹細胞、間葉系幹細胞などの血液の正常細胞においてOct4、Nanog及びSox2レベルを測定する必要がある。実際、これらのマーカーは、最近の研究(Sodja et al 2016)で全ての患者の血液試料で検査されているが、がんのステージとの相関は調査されていない。
本開示は、対象の血液からがんの分子プロファイル(0~60の範囲)を評価するために単純な方法(HrC検査)を開示する。異なる範囲のスコアは、Oct4A、Nanog、及びSox2遺伝子発現レベルを含む第3の多項式を使用して、がんの異なるステージに相関し、(i)がんが存在するかどうか、(ii)がんが迫っているかどうか、(iii)がんの異なるステージ、及び(iv)腫瘍療法の効果を含む、全ての種類のがんに関する情報を提供した。更に、本開示によって開示される方法は、試料(血液)を分析する対象が、がん以外の任意の他の医学的状態を有するかどうかも知らせる。HrCスケールは、VSEL Oct4A発現を、がん/炎症の非存在を示す0~2、及び糖尿病、結核、アルツハイマー病、認知症、心血管疾患、関節炎などの医学的状態を示す炎症状態の存在に関連する2~6のスコアに基づく医学的状態と結びつける。将来的にがんの初発につながる可能性がある非がん患者及び炎症が増加した患者(患者の病歴と相関する)は、HrCデータに基づいて分類することもできる。研究結果は、血液検査からがんを予測、スクリーニング、診断することが可能であることを示唆している。HrC検査の特異性は、>99%であり、偽陽性又は偽陰性はなかった。HrCは、機械学習ベースのアルゴリズムを採用する。がんは致命的で衰弱する病気であり、2018年には世界で>900万人の死者を出した(Bray et al 2018)。この疾患の病因は、制御不能な異常な細胞成長、増殖、及び転移進行を超越する遺伝子変化(Chakravarthi et al 2016)及び代謝変化(Hammoudi et al 2011)によって特徴付けられる(Riggi et al 2018)。後期ステージがんは、多くの場合、有効な治療法がない(Chakraborty and Rahman 2012)。現在、早期ステージの検出は、疾患の発症又は更なる進行を防止し、治療コストを低減し、患者の転帰(無疾患及び無進行生存期間、寛解時間、遅延再発)をその場その場で改善するために好適な介入を同定するのに役立つ可能性があるため、できるだけ早期に疾患を検出することが必要である(Schiffman et al 2015)。リスクが早期ステージで検出されれば、全てのがんのほぼ70%を予防することができるため、より良いポイントオブケア診断の必要性を強調している(Gandhi et al 2017)。初期ステージの平均5年生存率は、75%であるが、後期ステージの平均5年生存率は、16%に過ぎない(Eskiizmir et al 2017)。
現在の診断方法としては、PET CTスキャン、MRI、及び全ての方法のゴールドスタンダード、組織生検が挙げられる(Cowling and Loshak 2019)。生検は高価であり、侵襲的であるか又は有痛性であり、不快感を引き起こし、外科的処置は、過度の、結果として生じる副作用を伴うことなる(Do et al 2019)。更に、目立たない解剖学的位置のため、いくつかの腫瘍標本は分離が困難であり、アクセスできない(Do et al 2019)。また、組織生検は、遺伝子発現及び変異における腫瘍の不均一性のために正確な情報を提供しない可能性がある。組織生検は、転移性病変のリスクを増大させる可能性があり、例えば、血管新生腫瘍微小環境のサンプリングに関連する安全性も懸念される(Do et al 2019)。同様に、画像方法は、時々、がん源、すなわち、未知の原発性(CUP)起源のがんを検出しない(Varadhachary 2007)が、介入療法に影響を及ぼす不正確な診断をもたらす比較的頻繁なものである。大腸内視鏡検査、前立腺特異的抗原、マンモグラフィー、及び子宮頸部細胞診は、いくつかのがんの種類の既存のスクリーニング検査の数に制限がある(Ilic et al 2018)が、その有効性は疑問視されており(Ilic et al 2018)、いくつかの患者はスクリーニングのための医学的ガイドラインに従っていない(Ilic et al 2018)。大部分のがんの種類は、効果的な非侵襲的早期スクリーニングの選択肢がない(Curry et al.2003)。
HrCスケールは、CTRI番号CTRI2018/07/015116で登録された対象を対象に実施されたパイロット臨床試験に基づいて、複数のがんの種類で開発され、試験された。この臨床試験を実施して、がん及び非がん対象のOct4A倍率変化発現値を評価した。対象のOct4A発現は、それらの病歴(PETスキャン及び生検報告)と相関し、非がん対象と比較して、Oct4Aががん性血液試料においてマニホールド上方制御されたことが観察された。がん患者において、Oct4Aの発現は、ステージ4のがんでは最も高く、ステージ1のがんでは最も低かった。更に、がん対象において、がんのステージをHrCスケールに基づいて正確に同定した。
本開示は、血液からVSELを単離することと、腫瘍細胞媒介性がん検出システムよりも有意な利点を有する診断及び予後予測ツールとして、経路破壊的な意味を有するその関連する多能性マーカーOct4Aを利用することとを含む方法(HrC検査)を開示する。
がん検出が差し迫っている場合、この方法は予防的戦略につながり得るが、がん療法後のHrCスケール検査は、疾患生存率、治療の効果、及び再発の可能性を決定するのに役立ち得る。したがって、がん遺伝子であるVSELからのOct4Aは、500人の非がん患者及び500人のがん患者の治験に従って、がん及びそのステージを100%の感度及び特異性で検出することができる最初の多能性マーカーとして記載されている。機械的には、これは主に、VSELにおけるその構成的活性化、その多能性を定義すること、したがって、a)内因的にがんを開始するVSEL、b)まだ未知のメカニズムによるがん幹細胞へのVSELの形質転換、c)悪性腫瘍の主要な駆動因子としてのがん幹細胞、並びに侵襲性、遊走性、及び運動性、d)血液中の濃縮されたVSELの検出、並びに原始的及び悪性細胞表現型の排他的マーカーとしてのOct4A過剰発現の臨床症状に起因する。
VSELのCDNA解析の例
全トランスクリプトーム解析において、RNA断片は、遺伝子発現及び変異解析のためにcDNAライブラリに変換される。したがって、ステージ4の肝臓がん患者からのVSELのトランスクリプトーム解析を行い、がんの様々な臓器転移に対応する以下の遺伝子に変異が見出された(表3)。本明細書に示すように、骨病変については、最も高い数の遺伝子変異が得られたが、それらの遺伝子のうち非イントロン内であったのは2つのみであった。他方では、肝臓はまた、3つのうちの2つの非イントロン遺伝子の変異を示し、肺は、COSMIC、ICGCデータベースに従って1つの5UTR遺伝子の変異を示した。したがって、対象の末梢血から濃縮されたVSELのcDNA情報は、医学的状態を具体的に同定するための情報を提供することができると企図され得る。例えば、がんの起源が従来の方法論を使用して特定されていない場合であっても、末梢血から濃縮されたVSELから得られたcDNAは、この効果に関する情報を提供することができる。
Figure 2023529064000005
本開示によれば、肺及び骨転移を有するステージ4の肝臓がん患者からのVSELのトランスクリプトーム解析を実施し、該患者の血液試料を遺伝子解析のために試験して、疾患の種類、分類及び局在化を決定した。がん及びそのグレードを診断するための方法(HrC検査)において、多能性マーカーOct4A並びに遺伝的及び数学的技術の組み合わせを利用することによって、得られたHrCスコアは、40.1であった。したがって、40.1のHrCスコアは、ステージ4分類と同様に、がんの存在に対応している。
更に、患者の血液試料のトランスクリプトーム解析は、102の有意な変異及び57,000の独自のmRNAプロファイルを明らかにした。102個の変異のうち、3個は、肝臓特異的病変、すなわちPRICKLE4、GRIN2C及びUNC50に対応していたが、5個の変異は、COSMIC及びICGC変異データベースを使用して、骨病変(PRKDC、CSMD3、CYFIP2、EIF1B、ZCHHC6)、及び1個は、肺(NR1I2)に対応した。>100の読み取り数に対応するものの遺伝子発現データを、33種類のがんのTCGAデータセットを含む既存のがんデータベースのものと比較した。胆管がんは、最高の発現プロファイルを示し、上位56の遺伝子の約68%及び約40%が、この胆管がん表現型に対応する遺伝子を発現し、また、科学文献、driverdb-v3及び発現Atlasデータベースに従って、他のがんサブタイプと比較して最高の発現レベルを示した。更に、1つのデータベース遺伝子オーガナイザー(遺伝子疾患関連www.disgenet.orgに基づく)によると、上位60個の遺伝子のうち約30%が、体部として肺器官に対応し、32%が、肺がん探索者データベースに基づく上位56個の遺伝子のうち約20%が、肺がんに対応する。更に、我々のデータセットからの上位56遺伝子の23%は、科学的文献によると、骨肉腫患者において変異しているか、又は差異的に発現していた。更に、MUCファミリーの遺伝子は、骨肉腫の予後マーカーであり得る。したがって、文献に関連する欠点を克服するために、本開示は、がんの存在を検出するための非侵襲的な血液ベースの診断試験だけでなく、そのステージ及び原発性(肝臓)並びに二次及び三次(肺及び骨)の局在化を転写因子分析及び変異解析に基づいて検出するための非侵襲的な血液ベースの診断試験を開示する。
本開示では、粘液性遺伝子がトランスクリプトームにおいて有意に上方制御されていることが見出された。また、変異データ解析によると、有意に変異したSLC19A1及びSLC46A1の両方が、葉酸及びメトトレキサート(骨肉腫治療薬)のトランスポーターである。同様に、MTR遺伝子は、メチオニン代謝及び葉酸経路に属する変異であり、患者の葉酸代謝経路の欠陥を意味した。Wntシグナル伝達経路に関与する遺伝子であるLGR6も変異しており、WikipathwayによればPRKDCは骨芽細胞のターンオーバーと関連していた。HOOK3は変異しており、骨細胞と関連していたが、肝臓特異的遺伝子であるNR1I2も変異していた。リンクドミクスを使用して、遺伝子は、TCGA胆管がんデータセット全体にわたる変異と関連していた。興味深いことに、本開示で行われた研究から、MUC16遺伝子発現は、胆管がん患者におけるp<0.05との直接連結における>25%の変異と関連付けられたことが見出された。
本開示によるデータセット中の遺伝子の発現が肝細胞がん、胆管がん及び肺がんと関連付けられているかどうかを確認するために、本開示の実験の結果を文献と比較して、患者のトランスクリプトーム解析に基づいて原発性がん部位、二次がん部位及び転移性がん部位を特定した。本開示の結果は、以下の科学文献の結果と相互参照された:
(a)ムチン
本開示による検査データにおいて高レベルで発現されたムチンは、MUC16、MUC12、MUC4、MUC6、MUC17及びMUC19である。本開示の結果を、30/63試料(48%)においてMUC16を検出し、肝内胆管がん-腫瘤形成型を有する対象において19/63患者(30%)においてMUC4を検出した科学的文献と比較した。両方の遺伝子は、低発現患者と比較して、より高い発現患者で予後不良と関連していた。また、患者の正常組織試料においてMUC4又はMUC16は検出されなかった。同様に、別の研究によれば、MUC4は正常な肝内胆管では弱い染色を有することが報告されているが、胆管がんでは発現が報告されている。また、胆管がんにおけるMUC6の局所発現が報告されている。更に別の研究では、MUC4発現が27人の肝内胆管がん患者のうち10人(37%)で検出され、胆管がん患者の転帰を予測するための有用なマーカーとして同定された。別の研究において、MUC4は、69人の胆道がん患者の27%の胆汁において過剰発現(1.9倍)であることを見出した。249人の患者の研究を含む研究論文では、高レベル又は陽性レベルのMUC4が、切除された胆管がんを有する患者の生存率の低下と関連していることが見出された。更に、更なる別の研究では、MUC12及びMUC17は、最大64%の胆管がん患者で頻繁に欠失された(59/92試料が研究された)。胆管がんのリンパ節転移は、これらのMUC12及びMUC17欠失と関連している。しかしながら、本開示において、MUC12及びMUC17の欠失は観察されなかったが、MUC12及びMUC17の増強された遺伝子発現が観察され、それによって、MUC12及びMUC17の増強された遺伝子発現と胆管がんとの間に相関がある可能性があることを示す。
更に、4126人の胆管がん患者の免疫組織化学分析に関する73件の研究の概論において、本開示に従ったデータセットにおいて高度に発現されたMUC4は、切除された患者における全生存と関連するものとして同定された。MUC4遺伝子増幅は、肺がん患者におけるRNA又はタンパク質レベルの発現の増強をもたらし得る。TTN及びMUC16は、ある研究によると、ヒト肝細胞株であるHepG2に最大量存在するタンパク質である。MUC16は、より清潔な空気条件で暮らす非がん対象と比較して、中国の都市で大気汚染にさらされた肺がん患者で過剰発現している。したがって、卵巣がんに加えて、MUC16は、肺がんの候補マーカーであり得る。更に、ムチンの発現は、いくつかの研究によると、肺の腺がんの進行と関連し得る。ある研究では、検査したわずか1/26人の患者において、免疫組織化学研究によるMUC4及びMUC6発現が胆管がん患者に存在した。しかしながら、MUC4は、発現される上位10個の遺伝子のうちの1つであるが、MUC6は、本開示のデータセットにおいてより低いレベルで発現された。肝内胆管がんは、MUC4、MUC12、MUC17の発現に基づく予後不良であるが、MUC6に基づく予後良好である。
それにもかかわらず、上記の観察から全体的に、本開示のデータセットにおけるムチン発現、すなわち、MUC16、MUC4、MUC12、MUC6、MUC17及びMUC19は、ムチンの存在が肝細胞がんよりも胆管がんを好むため、肝細胞がんよりも胆管がんを示すと結論づけることができる。
(b)肝臓胆管がん及び肺がん患者の全エクソーム配列決定
文献における以前の知見によれば、コピー数多型(CNV)ゲインは、腫瘍組織試料の全エクソーム配列決定に基づいて、肝がん及び肝内胆管がんの様々な遺伝子において観察された。CNVゲインは、増強された遺伝子発現に直線的に関連することが示されている。本開示のデータセットによれば、56遺伝子のうち68%は、胆管がんに対応する増強された遺伝子発現を暗示するCNVゲイン≧3を示した。更に、データは、患者の肝臓の右葉からの組織切除を表した。対照的に、上位56遺伝子の32%は、56遺伝子の合計最大100%に上る肺がん患者のCNV解析に関する1つの科学論文によると、FDR<0.05を有する遺伝子発現におけるパーセンテージ頻度ゲインを介して有意に変化させた。
(c)本開示のデータセットに発現する他の目的の遺伝子
KCNQ1OT1遺伝子は、本開示においても高度に発現されたGSEデータセットによって確認される研究に従って、肝細胞がん組織において上方制御される。更に、KCNQ1OT1遺伝子は、非小細胞肺がん患者においても過剰発現された。
別の遺伝子であるPDE4DIPは、3つの肺腺がんデータセットに基づいて、肺がん患者においてより高い発現でより高い生存率と関連している。また、変異データセットに基づいて、胆管がん患者及び肝細胞-胆管がん患者を合わせて3~4%で変異している。
本開示によれば、ミトコンドリアMT-ND5、MT-ND4及びMT-CO1遺伝子を発現させた。文献の研究の1つの知見によると、前述の遺伝子における非同義的変異が、102人の胆管がん患者のうち9人で観察されたことが観察されている。更に、3つのミトコンドリア遺伝子は全て、がんの発がん性活性化につながる欠陥の酸化的リン酸化と関連している。
SYNE1は、肝細胞がん組織で過剰発現される腫瘍抑制遺伝子である。散発的な肺がん患者においては、遺伝子不活性化をもたらすメチル化されることが多いが、本開示によれば、SYNE1遺伝子の発現がより高いことが観察された。更に、肺及び膵(潜在的部位)がんにおいて、KRAS変異は、p53、PKHD1及びSYNE1遺伝子と最も頻繁に関連している。GRIN2Bは、本開示において実施された研究に従って上方制御された腫瘍抑制遺伝子でもあるが、肺がん患者においては沈黙させた。UBR4は、マウス肝臓腫瘍及びマウス肝臓がん細胞株(Hepa1~6)において過剰発現される。本開示のデータセットによれば、UBR4も過剰発現していることが観察された。UBR4遺伝子の下方調節は、がん細胞の生存率及び遊走の低下と関連することに留意されたい。更に、本開示に従った肝細胞組織及び肺がん組織試料において、SNHG14が増加したことが観察された。
FRAS1は、過剰発現される肝臓転移遺伝子であり、胃がん患者の研究におけるバイオマーカーである。また、FRAS1は、A549肺がん細胞株における細胞遊走及び侵襲と関連している。本開示によれば、FRAS1もまた上方制御された。
KSR2遺伝子発現は、Ras媒介性シグナル伝達、すなわち、MEK/ERK及びMyc及びMAPKと関連している。KSR2はまた、AMPKと関連している。本開示において実施された研究によると、KSR2遺伝子の発現増加が見出された。
CACNA1Eは、肝臓がん患者において有意に上方制御されており、肺がん患者のためのドライバーがん遺伝子である。本開示において行われた実験によると、CACNA1E遺伝子は過剰発現していることが観察された。
更に、本開示のデータセットに発現していたNFASC遺伝子が、正常組織と比較して肝細胞がん患者組織において上方制御されることが示されており、胆管がんと関連していることが観察された。更に、NFASC遺伝子はまた、肺がん患者におけるがん細胞遊走に関連している。
PFXNA4は、肺がん患者組織試料及び本開示のデータセットにおいて上方制御される。
NF1は、肝細胞がん患者における主要な腫瘍抑制遺伝子である。NF1は、RAS/RAK/MAPK経路を遮断する。NF1喪失は、文献によれば、KRAS駆動性肺がんの進行を促進する。肺がん患者では、NF1の喪失は、グルタミン代謝依存症につながる。COF7A1は、胆管がん患者において上方制御されることが示されている。SORF1は、肝臓がん患者において上方調節され、肝臓転移遺伝子であるが、GPR98は、骨、肝臓、肺転移遺伝子である。CSMD2遺伝子発現は、肝内胆管がんにおいて増加する。ACACAは、正常な組織試料と比較して、肝臓がんにおいて、及び肺組織試料において有意に高い。BRF1は、肝細胞がん患者において増加し、より短い生存時間と関連している。ANK3は、小細胞肺がん患者では有意に増加するが、非小細胞肺がん患者では減少する。
MUC16、MUC6、MUC17、MUC4、MUC12、TTNは全て、骨肉腫患者と関連している。更に、MUCファミリーの遺伝子は、骨肉腫の潜在的な予後マーカーと関連している。全体的に、本開示のデータセットにおいて高度に発現された以下の遺伝子は、骨肉腫患者の>50%において変異することが見出された。MACF1、OBSCN、NEB、SYNE1、SYNE2、FRAS1、DNAH9。
したがって、上記の観察から、がん患者のVSELにおける高遺伝子発現と、がん患者の組織における変異プロファイルとの間に関係があると推察することができる。また、以下の遺伝子が、研究の概論に基づいて、腫瘍試料対正常試料について正の標準化された平均差を示したことも観察された。肺腺がんについてMUC16、KCNQ1OT1、MUC4、UBR4、CACNA1E、NF1、COL7A1、SORL1、CSMD2、BRF1、LAMA1、MUC6、MUC17及び肺がん探索者データベースを使用した肺扁平上皮細胞がんについてNEB、NF1、COL7A1、SORL1、CSMD2、ACACA、RYR1、UNC80、LAMA1、HIF1AN、MCC。
表4は、様々なデータベース及び肝臓、肺及び骨に関する科学的文献に従った遺伝子の発現プロファイルを、転写因子データ上位56個の遺伝子と一致させて提供する。図12~14は、転写因子データの上位56個の遺伝子の発現プロファイルを示す。
Figure 2023529064000006
図12は、DriverDBv3データベースを使用したTCGAデータに基づいて、33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子(血液ベースの遺伝子検査によって得られたもの)の発現プロファイルを示す。発現レベルの2乗の合計の最も高い組み合わせは、PET-SCAN画像によって確認されるがんの原発性局在に対応する胆管がんについて得られる。発現プロファイルは、正常な試料における培地遺伝子発現に対する腫瘍組織の中央値遺伝子発現の比に対応する。発現された各遺伝子の正規化比に関するデータを、がんの種類ごとに組み合わせて、グラフ化した。
図13は、3つのがんゲノムデータベースに基づく、33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子(血液ベースの遺伝子検査によって得られたもの)の発現プロファイルを示す。データを、jvennを使用してプロットした。遺伝子のうちの24個は、DriverDBv3データベースによる上位56個の遺伝子データから有意に発現され、21個は、発現Atlasデータベース、23個は発現Atlas1患者データから発現され、-41%対応を意味した。また、3つのデータベースで共通して有意に発現しているのは、9個の遺伝子のパネル、すなわち、FRAS1、OBSCN、NEB、COL7A1、PHLDB1、HIF1AN、SSPO、NFI及びTRAPPC9であった。興味深いことに、7つの遺伝子、すなわち、MUC16、MUC12、MUC4、MUC19、RYR3、OBSCN、TTNは、1つの研究によれば、7人の胆管がん患者において有意に変異した。
図14は、骨肉腫患者の生検にわたる上位ムチン遺伝子及び変異(血液ベースの遺伝子検査に従って得られたもの)の発現プロファイルを示す。
全体として、上位56個の遺伝子の42%は、TCGA胆管がんデータベースに従って発現され、42%は、発現Atlasに対応するが、68%は、1人の患者(肝臓局在化の右葉(セグメントIVa))の科学文献からのCNVゲインと関連し、胆管がんの平均50%に至った。同様に、27%は、肺がんに対応するが、23%は、表4にも示されるように、合計すると100%になる骨肉腫に対応する。
全エクソーム、トランスクリプトーム、及びCNV増幅についての科学的文献に基づくと、胆管がんでは上位56個の遺伝子発現の確率が68%であり、肺がんでは32%であることが観察され得る。
更に、本開示において、骨組織のサブロケーションは、以下の解析に基づいて特定された。
genemaniaソフトウェアを用いて2種類の解析を行った。DISGENET及び科学文献に従った、仙骨、寛骨臼、C6椎骨及び肩甲骨の様々な変異及び発現解析に、血液遺伝子試験から発現する上位3個又は上位56個の遺伝子をマッピングした。
上記解析に基づき、表5に示すように、遺伝子データセットと骨サブロケーションとの間に良好な遺伝的相互作用があることが見出された。表5は、転写因子データの上位56個の遺伝子と一致する骨組織についての様々なデータベース及び科学文献に従った遺伝子の遺伝的相互作用を示す。
Figure 2023529064000007
骨組織の位置部位を同定するための同様の遺伝的相互作用に基づいて、当業者はまた、がんの潜在的な部位を膵臓及び腎臓として同定することができると企図され得る。
したがって、本開示は、患者のトランスクリプトーム解析に基づいて、原発性、二次性及び転移性がん部位を特定するためのインビトロ及び非侵襲的方法を提供すると結論づけることができる。
本開示の利点
本開示に開示される方法は、単純な血液又は尿に基づく検査であり、いかなる侵襲的技術も伴わない。この方法は、従来の生検で得られた情報と同等のデータを提供するが、侵襲的な部分は提供しない。また、生検は、損傷する可能性があるか、又は基礎となる状態の原因となる組織についての手掛かりがある場合にのみ実施することができる。多くの場合、人体は、基礎となる医学的状態に関連する初期信号を与えない可能性がある。そのため、病態が生じる頃には、患者の目前に残された時間は非常に少ない可能性がある。本質的に、本明細書における本開示は、現在知られている技術よりも早くがんを予後し、検出するだけでなく、単一のマーカーで有意な多様ながん(固形腫瘍、血液悪性腫瘍、及び肉腫)を検出するための最も広い範囲を有する、この非侵襲的プロセスの有効な診断範囲を確立することができた。この方法の能力はまた、現在侵襲的な生検を通じてのみ可能であり、かつ複数の臓器の生検を通じても可能であるレベルまでの変異及びトランスクリプトームデータ、分析的深度及び経路情報データを提供することも同定した。炎症の初期の兆候又は医学的状態の存在の場合、VSELから得られたトランスクリプトーム、ゲノム、又はエクソームの配列決定は、明らかに、対象の医学的状態を特定することができる。加えて、配列決定データを使用して、対象に存在するがんの種類を正確に特定することもできる。
更に、本開示は、トランスクリプトーム遺伝子バンクの範囲も含む。トランスクリプトーム遺伝子バンクは、健康状態を評価するための後期ステージでの解析のために、インビトロ設定で生物の外に遺伝材料を保存するためのリポジトリである。結果として、健常個体及び疾患個体の変異及び発現プロファイルを示すRNA試料(-80℃、又は液体窒素下でさえも)の保存は、任意の時点で、遺伝子改変の動的解析を提供することができる。したがって、個体のRNA保存は、疾患状態を時間的に検出するために非常に重要である。VSELは、無痛、高速、低コスト、及び非侵襲的な方法で血液試料から容易に得ることができ、また、全臓器生検を示す動的組織特異的遺伝子発現プロファイルを示す。したがって、対象の血液試料からのVSELの遺伝材料を格納するRNAバンクは、潜在的に、患者の生涯の任意のステージにおける全身/臓器の観点からの個体の健康状態に関する豊富なデータを提供することができる。このデータは、疾患診断における臨床医及び医師の助けとなり、場合によっては治療様式を示唆するために、他の市販の病理学的検査と相互参照することができる。
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本開示の実装態様による、がんの異なるステージと相関することが見出された異なる範囲を示すHrCスケール(VSELからのOct4Aの発現を医学的状態に相関させるスケール)を示す。 本開示の実装態様による、試験に登録されたがん患者の種類の分布を示す。 本開示の実装態様による、HrCスコアに基づいて、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された対象の分布を示す円グラフを示す。 臨床試験参加者のデータに従った、1,000の患者試料ポイントに対応するドットプロット値を示す。全ての図は、ggplotライブラリを介してRパッケージを使用してプロットされ、それによって、本開示の実装態様による、統計解析に基づくHrC検査の性能評価を示す。 図4-1の続き。 図4-2の続き。 臨床試験のスクリーニング、動員、分布、解析、及び解釈のプロセスを要約する代表的なインフォグラフィック画像を示す。試験対象を研究し、HrC値に基づいて分類することにより、試験で得られた代表的なデータ。グラフは、HrC値に基づいて整列された対象の分布を昇順に表す。それらは、本開示の実装態様による、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(マロン赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん、炎症、高リスク及びステージIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIVがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、健康対象及びがん患者の血液から得られた非常に胚様幹細胞(VSEL)の数の比較解析を示す。 本開示の実装態様による、対象の医学的状態とそれを相関させるための、対象におけるVSELをインビボで定量するための様式を示す。 本開示の実装態様による、本開示の実装態様による、DriverDBv3データベースを使用するTCGAデータに基づく33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子の発現プロファイル(血液ベースの遺伝子検査によって得られる)を示す。 3つのがんゲノムデータベースに基づく、33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子(血液ベースの遺伝子検査によって得られたもの)の発現プロファイルを示す。データを、本開示の実装態様に従って、jvennを使用してプロットした。 本開示の実装態様による、骨肉腫患者の生検にわたる上位ムチン遺伝子及び変異(血液ベースの遺伝子検査に従って得られたもの)の発現プロファイルを示す。
[図1]本開示の実装態様による、がんの異なるステージと相関することが見出された異なる範囲を示すHrCスケール(VSELからのOct4Aの発現を医学的状態に相関させるスケール)を示す。
[図2]本開示の実装態様による、試験に登録されたがん患者の種類の分布を示す。
[図3]本開示の実装態様による、HrCスコアに基づいて、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された対象の分布を示す円グラフを示す。
[図4]臨床試験参加者のデータに従った、1,000の患者試料ポイントに対応するドットプロット値を示す。全ての図は、ggplotライブラリを介してRパッケージを使用してプロットされ、それによって、本開示の実装態様による、統計解析に基づくHrC検査の性能評価を示す。
[図5]臨床試験のスクリーニング、動員、分布、解析、及び解釈のプロセスを要約する代表的なインフォグラフィック画像を示す。試験対象を研究し、HrC値に基づいて分類することにより、試験で得られた代表的なデータ。グラフは、HrC値に基づいて整列された対象の分布を昇順に表す。それらは、本開示の実装態様による、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(マロン赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された。
[図6]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん、炎症、高リスク及びステージIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図7]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図8]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図9]本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIVがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。
[図10]本開示の実装態様による、健康対象及びがん患者の血液から得られた非常に胚様幹細胞(VSEL)の数の比較解析を示す。
[図11]本開示の実装態様による、対象の医学的状態とそれを相関させるための、対象におけるVSELをインビボで定量するための様式を示す。
[図12]本開示の実装態様による、本開示の実装態様による、DriverDBv3データベースを使用するTCGAデータに基づく33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子の発現プロファイル(血液ベースの遺伝子検査によって得られる)を示す。
[図13]3つのがんゲノムデータベースに基づく、33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子(血液ベースの遺伝子検査によって得られたもの)の発現プロファイルを示す。データを、本開示の実装態様に従って、jvennを使用してプロットした。
[図14]本開示の実装態様による、骨肉腫患者の生検にわたる上位ムチン遺伝子及び変異(血液ベースの遺伝子検査に従って得られたもの)の発現プロファイルを示す。
[図15]本開示の方法のステップの図式表現を示し、示されるステップは、(1)末梢血として定義される血液試料を塩溶液で希釈すること、(2)血液試料を中性緩衝液と接触させること(図15のステップ18(a)に対応する)、(3)遠心分離を1000~10000rpmで5~20分間実施する(図15のステップ18(b)に対応する)、(4)通常は廃棄されるRBC層を別個に収集すること、(5)NH ClによるRBC溶解を行って、RBCを除去すること、(6)NH Clなどの塩溶液を洗浄に使用して、ペレットを抽出すること(図15のステップ19(a、b)に対応する)、(7)遠心分離を1000~10000rpmで実施すること(図15のステップ19(c)に対応する)、(8)そのようにして得られたペレットは、本開示の実装態様によると、サイズが小さく密度が高いことから、濃縮されたVSELを有する一方、上清は、より大きな細胞を含むこと、である。
本開示の一実装態様において、本明細書に記載のインビトロ方法が提供され、血液試料からの非常に小さな胚様幹細胞の濃縮は、(a)血液試料を1:1~1:20の比率範囲内で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得ることと、(b)第1の混合物を遠心分離して、赤血球(RBC)分画を含む第2の混合物を得ることと、(c)第2の混合物を処理して、濃縮された非常に小さな胚様幹細胞を得ることと、を含む。第2の混合物の処理は、(a)抽出プロセス、(b)洗浄プロセス、(c)遠心分離プロセス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの方法を含み、抽出プロセスは、RBCの溶解を含む。本開示の別の実装態様において、RBCの溶解は、塩化アンモニウム溶液を用いることなど、周知の方法によって行われる。本開示の更に別の実装態様において、血液試料を1:2~1:18、又は1:3~1:15、又は1:5~1:12の比率範囲で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得ること。本開示に記載される中性緩衝液は、Ficoll Hypaque溶液である。
本開示に従って従う手順
ヒト対象から得られた血液試料を、非常に小さな胚様幹細胞を濃縮するために処理した。本開示の一態様によれば、血液試料(検査試料)は、研究の一部として得られた。血液試料を1:1(血液試料:中性緩衝液)~1:20の比率範囲内で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得た。中性緩衝液は、Ficoll Hypaqueである。第1の混合物を遠心分離して、赤血球(RBC)分画を含む第2の混合物を得た。第1の混合物を遠心分離すると、RBC分画を含む第2の混合物がペレットとして得られる。本発明に開示される血液試料を処理する方法は、Ficoll Hypaque溶液を使用する血液の密度勾配遠心分離の周知の方法である。第2の混合物を処理して、非常に小さな胚様幹細胞を含む処理された第2の混合物を得た。核酸を、当該技術分野で周知の方法によって、非常に小さな胚様幹細胞から得た。
本開示の実装態様による、がんの異なるステージと相関することが見出された異なる範囲を示すHrCスケール(VSELからのOct4Aの発現を医学的状態に相関させるスケール)を示す。 本開示の実装態様による、試験に登録されたがん患者の種類の分布を示す。 本開示の実装態様による、HrCスコアに基づいて、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された対象の分布を示す円グラフを示す。 臨床試験参加者のデータに従った、1,000の患者試料ポイントに対応するドットプロット値を示す。全ての図は、ggplotライブラリを介してRパッケージを使用してプロットされ、それによって、本開示の実装態様による、統計解析に基づくHrC検査の性能評価を示す。 図4-1の続き。 図4-2の続き。 臨床試験のスクリーニング、動員、分布、解析、及び解釈のプロセスを要約する代表的なインフォグラフィック画像を示す。試験対象を研究し、HrC値に基づいて分類することにより、試験で得られた代表的なデータ。グラフは、HrC値に基づいて整列された対象の分布を昇順に表す。それらは、本開示の実装態様による、非がん(緑色)、炎症及び高リスク(暗黄色)、ステージIがん(ピンク色)、ステージIIがん(赤色)、ステージIIIがん(マロン赤色)、及びステージIVがん(紫色)として特定された。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん、炎症、高リスク及びステージIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIIIがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、昇順に配置され、非がん及びステージIVがんとして同定されるそれらのHrC値に基づいて整列された対象の分布を示す。 本開示の実装態様による、健康対象及びがん患者の血液から得られた非常に胚様幹細胞(VSEL)の数の比較解析を示す。 本開示の実装態様による、対象の医学的状態とそれを相関させるための、対象におけるVSELをインビボで定量するための様式を示す。 本開示の実装態様による、本開示の実装態様による、DriverDBv3データベースを使用するTCGAデータに基づく33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子の発現プロファイル(血液ベースの遺伝子検査によって得られる)を示す。 3つのがんゲノムデータベースに基づく、33種類のがんにわたる上位56個の遺伝子(血液ベースの遺伝子検査によって得られたもの)の発現プロファイルを示す。データを、本開示の実装態様に従って、jvennを使用してプロットした。 本開示の実装態様による、骨肉腫患者の生検にわたる上位ムチン遺伝子及び変異(血液ベースの遺伝子検査に従って得られたもの)の発現プロファイルを示す。 本開示の方法のステップの図式表現を示し、示されるステップは、(1)末 梢血として定義される血液試料を塩溶液で希釈すること、(2)血液試料を中性緩衝液と接触させること(図15のステップ18(a)に対応する)、(3)遠心分離を1000~10000rpmで5~20分間実施する(図15のステップ18(b)に対応する)、(4)通常は廃棄されるRBC層を別個に収集すること、(5)NH ClによるRBC溶解を行って、RBCを除去すること、(6)NH Clなどの塩溶液を洗浄に使用して、ペレットを抽出すること(図15のステップ19(a、b)に対応する)、(7)遠心分離を1000~10000rpmで実施すること(図15のステップ19(c)に対応する)、(8)そのようにして得られたペレットは、本開示の実装態様によると、サイズが小さく密度が高いことから、濃縮されたVSELを有する一方、上清は、より大きな細胞を含むこと、である。

Claims (53)

  1. 対象における医学的状態を検出するためのインビトロ方法であって、前記方法が、
    a)試料を得ることと、
    b)前記試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、
    c)前記工程(b)の混合物から核酸を得ることと、
    d)前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸にアッセイを実施することと、
    e)前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、
    前記対照試料における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの1.1~3倍の範囲の増加が、前記対象における医学的状態の存在を検出する、インビトロ方法。
  2. 対象におけるがんの発症を予測するためのインビトロ方法であって、前記方法が、
    a)試料を得ることと、
    b)前記試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、
    c)前記工程(b)の混合物から核酸を得ることと、
    d)前記非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸にアッセイを実施することと、
    e)前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、
    前記対照試料における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの3~5倍の範囲の増加が、前記対象における前記がんの発症を予測する、インビトロ方法。
  3. 対象におけるがんの存在を検出するためのインビトロ方法であって、前記方法が、
    a)試料を得ることと、
    b)前記試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、
    c)前記工程(b)の混合物から核酸を得ることと、
    d)前記非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸にアッセイを実施することと、
    e)前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、
    前記対照試料における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの少なくとも5倍の増加が、前記対象における前記がんの存在を検出する、インビトロ方法。
  4. 前記方法が、配列ベースのアッセイを実施することによって前記核酸を分析することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 配列ベースのアッセイによって前記核酸を分析することが、前記がんの種類を検出する、請求項2又は3に記載の方法。
  6. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、5~10倍の範囲内である、請求項3に記載の方法。
  7. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、10~15倍の範囲内である、請求項3に記載の方法。
  8. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、15~20倍の範囲内である、請求項3に記載の方法。
  9. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、20~25倍の範囲内である、請求項3に記載の方法。
  10. 抗がん療法に対する応答をモニタリングするためのインビトロ方法であって、前記方法が、
    a)抗がん療法中のある時点で試料を得ることと、
    b)前記試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、
    c)前記工程(b)の混合物から核酸を得ることと、
    d)前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸にアッセイを実施することと、
    e)前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルを、抗がん療法に対する前記応答をモニタリングする参照における、非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較することと、を含む、インビトロ方法。
  11. 前記参照が、(a)抗がん療法の投与前に得られた試料、(b)請求項10の工程(a)で言及された時点と比較した以前の時点で得られた試料、(c)請求項10の工程(a)で言及された時点と比較した後の時点で得られた試料、及び(d)がんがない状態の対象から得られた試料からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記参照における前記発現レベルと比較した、前記試料における非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの低下が、前記抗がん療法に対して肯定的な応答を示し、前記参照が、(a)抗がん療法の投与前に得られた試料、(b)請求項10の工程(a)で言及された時点と比較した以前の時点で得られた試料、及び(c)がんがない状態の対象から得られた試料からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項10に記載の方法。
  13. 抗がん療法に対して肯定的な応答を検出するためのインビトロ方法であって、前記方法が、
    a)抗がん療法の投与前に試料-Iを得ることと、
    b)前記抗がん療法の投与後に試料-IIを得ることと、
    c)前記試料-Iから非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物-Iを得ることと、
    d)前記試料-IIから非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物-IIを得ることと、
    e)前記混合物-Iから核酸-Iを得ること、
    f)前記混合物-IIから核酸-IIを得ること、
    g)Oct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸-I及び前記核酸-IIに独立してアッセイを実施することと、
    h)前記核酸-IIからの前記Oct4Aの発現レベルを、前記核酸-Iからの前記Oct4Aの発現レベルと比較することと、を含み、
    前記核酸-Iからの前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記核酸-IIからの前記Oct4Aの発現レベルの低下が、前記がん治療に対して肯定的な応答を検出する、インビトロ方法。
  14. がんを検出するためのインビトロ方法であって、前記方法が、
    a)試料を得ることと、
    b)前記試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、
    c)前記工程(b)の混合物から核酸を得ることと、
    d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸にアッセイを実施することと、
    e)前記試料における非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルを、対照試料における非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルと比較することであって、前記対照試料における非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料における非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの増加が、がんの存在を示す、比較することと、
    f)前記核酸に配列ベースのアッセイを実施し、少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異について分析することと、を含み、
    前記少なくとも1つのがん関連マーカーにおける変異の存在が、分析した前記がん関連マーカーに基づいて、特定の種類のがんの存在を示す、インビトロ方法。
  15. 前記混合物から前記核酸を得ることが、(a)グアニジニウムチオシアネート-フェノール-クロロホルム核酸抽出、(b)塩化セシウム勾配遠心分離法、(c)セチルトリメチルアンモニウム臭化物核酸抽出、(d)アルカリ抽出、(e)樹脂系抽出、及び(f)固相核酸抽出からなる群から選択される任意の1つの方法による、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記Oct4Aの発現を分析するために前記核酸にアッセイを実施することが、定量的PCR、フローサイトメトリー、及び次世代配列決定(NGS)からなる群から選択される技術によって行われる、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記対照が、がんがない状態の対象から得られた非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルである、請求項1~3、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 血液試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞の前記濃縮が、
    a)前記血液試料を1:1~1:20の比率範囲内で中性緩衝液と接触させて、第1の混合物を得ることと、
    b)少なくとも1つの塩溶液を1:2~1:10の比率範囲内で前記第1の混合物と接触させて、第2の混合物を得ることと、
    c)前記第2の混合物を処理して、濃縮された非常に小さな胚様幹細胞を得ることと、を含む、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記第2の混合物の前記処理が、(a)抽出プロセス、(b)洗浄プロセス、(c)遠心分離プロセス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの方法を含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記がん関連マーカーが、がんに関連することが確立された周知のマーカーからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  21. 前記方法が、侵襲的技術に依存しない、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  22. がんを治療するための方法であって、前記方法が、
    a)対象から試料を得ることと、
    b)前記試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮して、前記非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物を得ることと、
    c)前記工程(b)の混合物から核酸を得ることと、
    d)非常に小さな胚様幹細胞におけるOct4Aの発現レベルを分析するために前記核酸にアッセイを実施することと、
    e)前記試料における非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルを、対照試料におけるOct4Aの発現レベルと比較することであって、前記対照試料における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、前記試料における非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの増加が、がんを検出する、比較することと、
    f)がんを治療するために、抗がん療法を前記対象に投与することと、を含む、方法。
  23. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、5~10倍の範囲にある、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、がんのステージIを示す、請求項3に記載の方法。
  24. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、10~15倍の範囲にある、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、がんのステージIIを示す、請求項3に記載の方法。
  25. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、15~20倍の範囲にある、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、がんのステージIIIを示す、請求項3に記載の方法。
  26. 前記対照における前記Oct4Aの発現レベルと比較して、20倍以上の範囲にある、前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞における前記Oct4Aの発現レベルの前記増加が、がんのステージIVを示す、請求項3に記載の方法。
  27. 前記がん関連マーカーが、mir145、OLR1、CD68、MSR1、CXCL16、NCAN、TKTL1、ANO4、CHIT1、GPNMB、CCL18、TGFベータ1、FSP1、S100A6、SLC13A3、BGN、NCF2、6Ckine、MMP-9、MMP-3、MMP-7、インテグリン-β4、プレイオトロフィン、ウロキナーゼR、HLA-C、SLC9A3R1、NAT9、RAPTOR及びSLC12A8、SPINK5、FcイプシロンRI-ベータ、PHF11、IGFBP1、FACL4、IL1R、TGFベータ、CHRNA3/5、IREB2、HHIP、FAM13A、AGER、トロポニンT及びI、HSP60、BNP、GDF-15、MMP2、MMP3、MMP9、IL6、TNFアルファ、CRP、SOX9、ACAN、COL2A1、DKK1、FRZB、RUNX2、COL10A1、IGH、IGHM、IGHG1、サーチュイン、ACE2、IFI27、IFIT1、IFITM1、DPP4、KRAS、BRCA1及び2、TP53、HLA-DQA1、HLA-DQB1、HLA-DRB1(I型)、PPARG、KCNJ11、CDKAL1、CDKN2A-CDKN2B、IDE-KIF11-HHEX、IGF2BP2及びSLC30A8(II型)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  28. 同定される前記医学的状態が、多発性硬化症、腎障害、皮膚疾患、肝疾患、肺疾患、心血管疾患、変形性関節症、ウイルス性疾患、がん、及び糖尿病からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  29. 前記核酸が、DNA又はRNAのいずれかである、請求項1~3、又は10、又は13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記核酸が、前記試料からの正常RNA、正常DNA、腫瘍RNA、又は腫瘍DNAからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記試料からの前記非常に小さな胚様幹細胞の前記濃縮が、フローサイトメトリー、磁気ビーズベースの分離、濾過、マイクロ流体ベースの細胞選別、アプタマーベースの細胞単離、及び浮力活性化細胞選別からなる群から選択される任意の方法による、請求項1~3、又は10、又は13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記方法が、工程(c)で得られた前記核酸における前記がん関連マーカーの前記発現レベルを分析することを更に含む、請求項14に記載の方法。
  33. 前記マーカーの前記発現レベルが、定量的PCR技術を使用することによって分析される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記方法が、腫瘍内不均一性なしでがんを検出することができる、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  35. 配列プロファイルを参照配列プロファイルと共関連付けて、前記マーカー内の変異の存在又は非存在を同定することが、アルゴリズムによって行われる、請求項14に記載の方法。
  36. 前記試料における非常に小さな胚様幹細胞のバイオマーカーの発現レベルを、対照試料における少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルと比較し、前記配列プロファイルを参照配列プロファイルと共関連付けて、少なくとも1つのマーカーにおける変異の存在又は非存在を同定することが、アルゴリズムによって行われる、請求項14に記載の方法。
  37. 前記核酸が、ゲノムを表す、請求項1~3、10、13又は14のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記核酸が、トランスクリプトームを表す、請求項1~3、10、13又は14のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記核酸が、エクソームを表す、請求項1~3、10、13又は14のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記核酸が、cDNAを表す、請求項1~3、10、13又は14のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記方法が、医学的状態の同定にヒト対象の全ての臓器を包含する、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記方法が、全ての臓器生検に相当する情報を提供する、請求項1~3、10、13又は14のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記方法が、インビトロ方法である、請求項1~3、10、13又は14のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記試料が、血液、組織、尿、及び痰からなる群から選択される、請求項1~3、10、13、又は14のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記試料が、血液であり、前記試料が、前記血液中の少なくとも1つの細胞型であり、前記少なくとも1つの細胞型が、がん幹細胞及び循環腫瘍細胞からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
  46. 血液試料から非常に小さな胚様幹細胞を濃縮するための試薬を含む、試薬キット。
  47. (a)非常に小さな胚様幹細胞を含む混合物におけるOct4A、Stella、及びFragilisからなる群から選択される少なくとも1つのバイオマーカーの発現レベルを分析するためのプライマーセットと、(b)定量的PCRアッセイを実施するための試薬と、(c)全ゲノム又はエクソーム又はトランスクリプトーム配列決定を実施するための試薬と、(d)配列プロファイルを分析するための少なくとも1つの組織特異的アレイと、を含む、検出キット。
  48. 対象におけるがんの存在を検出するための方法であって、前記方法が、(a)対象から血液/組織試料を得ることと、(b)前記血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)前記血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、前記血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、前記対象におけるがんの存在を検出する、方法。
  49. 対象におけるがんの発症を予測するための方法であって、前記方法が、(a)対象から血液/組織試料を得ることと、(b)前記血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)前記血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、前記血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、前記対象における前記がんの発症を予測する、方法。
  50. 対象における医学的状態の存在を検出するための方法であって、前記方法が、(a)対象から血液/組織試料を得ることと、(b)前記血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数を数え上げることと、(c)前記血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照血液試料における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、前記血液試料における前記非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、前記対象における医学的状態の存在を検出する、方法。
  51. 対象におけるがんの存在を検出するための方法であって、前記方法が、(a)対象の血液/組織における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)前記対象における前記非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における前記非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、前記対象における前記非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、前記対象におけるがんの存在を検出する、方法。
  52. 対象におけるがんの発症を予測するための方法であって、前記方法が、(a)対象の血液/組織における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)前記対象における前記非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における前記非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、前記対象における前記非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、前記対象における前記がんの発症を予測する、方法。
  53. 対象における医学的状態の存在を検出するための方法であって、前記方法が、(a)対象の血液/組織における非常に小さな胚様幹細胞の数をインビボで数え上げることと、(b)前記対象における前記非常に小さな胚様幹細胞の数を、対照における非常に小さな胚様幹細胞の数と比較することと、を含み、対照における前記非常に小さな胚様幹細胞の数と比較して、前記対象における前記非常に小さな胚様幹細胞の数の増加が、前記対象における医学的状態の存在を検出する、方法。

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