JP2023528275A - メカニカルシールのための一点操作薄型ロックリング - Google Patents

Abstract

【要約】ロック機構が関連付けられているロックリング組立品を使用するメカニカルシールである。ロック機構は、メカニカルシールの部品のクランプ時に、関連付けられたボルト要素による締め付け荷重及び位置の調整を許容するバレルナットなどのナット要素を含むことができる。この調節の柔軟性は、ボルト要素における不要な曲げ応力を除去又は減少するので、より大きなトルクがロックリングに直接的に移動可能となる。このバレルナットによれば、より多くの材料がロックリングに残存可能となるので、従来のロック要素に比べて全体的な強度が付加される。さらに、ロックリングは、本体がシャフト周りに締め付けられる際に、ロックリングの曲げを許容するノッチ形状の複数の曲げ領域を含む。

Description

関連出願
本願は、引用してその内容を本明細書に援用する「メカニカルシールのための一点操作薄型ロックリング」と題した2020年6月5日付けの米国特許仮出願第63/035,512号の優先権を主張する。

背景技術
本発明は、メカニカルシールにおいて締め付けボルトからロックリングにトルクを伝達するための改良型のより効率的な装置及び方法に関する。

分割メカニカルシールやカートリッジ型シールなどの従来のメカニカルシールは、気密及び流体密シールを提供するために、例えば機械装置における多種多様な環境及び設定で使用されている。通常、こうしたメカニカルシールは、固定機械ハウジング又は固定装置内に取り付けられ且つそのハウジングから突出する回転シャフト又はロッドの周囲に設けられる。このメカニカルシールは、通常はシャフトの出口箇所でハウジングの外部にボルト止めされており、よって加圧プロセス流体がハウジングから失われるのを防いでいる。典型的なメカニカルシールは面型(原語：face-type)メカニカルシールを含むが、この面型メカニカルシールには、シャフトの周囲に同心状に配置されると共に、軸方向に互いから離間された一対の密封リングが含まれる。各密封リングは、互いに密封接触するように従来の付勢機構によって付勢された複数の密封面を備えている。通常は、1つのシールリングが静止状態を維持する一方(すなわち、静止シールリング)、他方のリングが軸に固定され且つ一体的に回転する(すなわち、回転シールリング)。このメカニカルシールは、シールリングの密封面を互いに密封接触するように付勢することによって、加圧プロセス流体が外部環境に漏れ出すのを防ぐ。通常、回転シールリングは、装置シャフトの周りに同心円状に配置されたホルダ又はスリーブ組立品内に取り付けられる。同様に、グランド組立品は、中実であってもよいし、同様にねじで互いに固定された一対のグランド半割れを有してもよい。固定シールリングは、典型的にはグランド組立品内に取り付けられる。

従来の分割メカニカルシールは、互いに固定される一対のグランド半割れと一対のホルダ半割れとを使用できる。グランド半割れは、周知のように、典型的にはグランド半割れの各端部又は側部に配置された一対のロックねじによって互いに固定される。他のシール部品が組み立てられ締め付けられると、これらロックねじは締め付けられて、シール半割れを互いに固定する。従来の締め付け機構の1つの欠点は、ユーザが意図せずにロックねじを締め付けしすぎてしまい、関連したロックリングに望まない圧力をかけ得ることである。よって、望まない圧力はロックリングを破損することがある。

さらに、従来のカートリッジ型シールは、固定及び回転シール部品を一緒に取り付けるスリーブ部品を用いる。スリーブ組立品はグランド部品内に取り付けられ、スリーブ組立品はロックリングによってシャフトに回転可能に取り付けられる。従来のロックリング組立品の1つの欠点は、意図せずに締め付けられすぎてシャフトを損傷する可能性がある組込型(integrated)止めねじを使用することである。また、他の締め付け機構の止めねじが機能しなくなると、ロックリング組立品全体を交換する必要が生まれる。

本発明は、ロック機構が関連付けられているロックリング組立品を使用するメカニカルシールに関する。ロック機構は、メカニカルシールの部品のクランプ時に、関連付けられたボルト要素による締め付け荷重及び位置の調整を許容するバレルナットなどのナット要素を含むことができる。この調節の柔軟性は、ボルト要素における不要な曲げ応力を除去又は減少するので、より大きなトルクがロックリングに直接的に移動可能となる。このバレルナットでは、より多くの材料がロックリングに残存可能となるので、従来のロック要素に比べて全体的な強度が付加される。さらに、ロックリングは、本体がシャフト周りに締め付けられる際に、ロックリングの曲げを許容するノッチ形状の複数の曲げ領域を含む。

本発明はメカニカルシールに関し、当該メカニカルシールは、グランド要素と、延長スリーブ部分を備えると共に前記グランド内に配置されたスリーブ部品と、ロックリング組立品とを含む。前記ロックリング組立品は、概ね環形状を有すると共に、上面と、反対側の底面と、円周方向表面とを備えた本体を備えたロックリングであって、前記上面には、心出し要素を収容するようサイズ決め且つ構成された複数の開口部が形成され、前記円周方向表面には、止めねじを収容するようサイズ決め且つ構成された複数の側面開口部が形成された、ロックリングを含む。前記本体は、第1フランジ部の一部を形成する湾曲プロファイル領域を備えた第1切り欠き部と、第2フランジ部の一部を形成する第2切り欠き部と、をさらに含む。前記第1及び第2フランジ部にはボルト開口部が形成されている。前記本体は、円周方向に離間されて曲げ領域を形成する複数のノッチをさらに含む。前記シールは、前記ボルト開口部に収容されるようにサイズ決め且つ構成されているボルト要素と、前記第1フランジ部の前記湾曲プロファイル領域と形状が相補的である円筒形状を有するバレルナットのようなナット要素とをさらに含む。

さらに、前記スリーブ部は、前記止めねじが前記ロックリングに形成された前記上部開口部に取り付けられると、それを収容するための1つ又は複数の穴を含むことができる。

さらに、本発明は、メカニカルシールのためのロックリング組立品に関し、当該ロックリング組立品は、概ね環形状を有すると共に、上面と、反対側の底面と、円周方向表面とを備えた本体を含む。前記上面には、心出し要素を収容するようサイズ決め且つ構成された複数の開口部が形成され、前記円周方向表面には、止めねじを収容するようサイズ決め且つ構成された複数の側面開口部が形成されている。前記本体は、前記本体に形成されると共に第1フランジ部の一部を形成する湾曲プロファイル領域を備えた第1切り欠き部と、前記本体に形成されると共に第2フランジ部の一部を形成する第2切り欠き部であって、前記第1及び第2フランジ部にはボルト開口部が形成されている、第2切り欠き部と、前記本体に形成された複数のノッチであって、前記本体の周りに円周方向に離間されて曲げ領域を形成する複数のノッチと、をさらに含む。

前記ロックリングは、前記ボルト開口部に収容されるようにサイズ決め且つ構成されているボルト要素と、前記第1フランジ部の前記湾曲プロファイル領域と形状が相補的である円筒形状を有するバレルナットのようなナット要素とをさらに含むことができる。前記ロックリングは、前記複数の開口部の1つ又は複数に取り付けるための1つ又は複数の心出し要素をさらに含むことができる。さらに、前記スリーブ部は、1つ又は複数の穴を含むことができ、前記複数の側面開口部の1つ又は複数に取り付けるための1つ又は複数の止めねじは、前記スリーブ部の前記穴に係合するように構成することができる。

本発明の上記及びその他の特徴及び利点は、次の詳細な説明と添付の図面を参照すればより完全に理解されるはずであり、図面の中の類似した参照記号は、これら複数の異なる図面を通して類似の部材を示す。これら図面は本発明の原理を表すもので、縮尺は一定ではないが、相対的寸法を示す。
図1は、本発明の教示によるロック組立品を使用するメカニカルシールの透視図である。 図2は、心出しクリップが取り外された状態の本発明の教示によるロック組立品を使用するメカニカルシールの透視図である。 図3は、本発明のロック組立品のロックリングの後部透視図である。 図4は、ナット及びボルトが取り外された状態の本発明のロック組立品のロックリングの前部透視図である。 図5は、本発明のロックリング組立品のボルト要素の透視図である。 図6は、本発明のロックリング組立品のナット要素の透視図である。 図7は、本発明の教示による止めねじの位置決めを示すロックリング組立品及びメカニカルシールの部分断面図である。 図8は、本発明の教示による心出しピンの位置決めを示すロックリング組立品及びメカニカルシールの部分断面図である。

本発明は、ロック機構が関連付けられているロックリング組立品を使用するメカニカルシールに関する。ロック機構は、メカニカルシールの部品のクランプ時に、関連付けられたボルトによる締め付け位置の調整を許容するバレルナットを含むことができる。ロックリングはバレルナットを収容するよう構成されており、従来の装置に比べてロックリングの本体から除去される材料が少なくすることができるので、ロックリングの構造的完全性が向上する。さらに、ロック機構及びロックリングが、ボルトにおける不要な曲げ応力を除去又は減少することによって選択した度合いの調節の柔軟性を実現するので、より大きなトルクがロックリングに直接的に移動(translate)可能となる。

ここでいう「シャフト」という用語は、機械システムにおいてシールを取り付け可能な任意適切な装置を指すことを意図しており、シャフト、ロッド、及び他の既知の装置を含む。

ここでいう「軸方向の」及び「軸方向に」という用語は、任意のシャフトの軸に概ね平行な方向を指す。ここでいう「半径方向の」及び「半径方向に」という用語は、任意のシャフトの軸に概ね直角な方向を指す。「流体」及び「複数の流体」という用語は、液体、気体、及びそれらの組み合わせを指す。

ここでいう「軸方向内側」という用語は、固定装置及びシール組立品の、このシール組立品を使用する機械システムに隣接して配置された部分を示す。反対に、ここでいう「軸方向外側」という用語は、機械システムに遠位の固定装置及びシール組立品の部分を示す。

ここでいう「半径方向内側」という用語は、シール組立品の、任意のシャフトに近位の部分を示す。反対に、本明細書で「半径方向外側」という用語は、シール組立品の、そのシャフトから遠位の部分を示す。

ここでいう「固定装置」、「固定機械ハウジング」、及び/又は「静止表面」という用語は、グランドを備えたシールが固定されるシャフト又はロッドを収容する任意適切な固定構造体を含むことを意図する。通常の技能を備えた当業者であれば、グランド組立品が、メカニカルシールの一部又は固定装置の一部を形成できることも容易に理解するはずである。

ここでいう「メカニカルシール」及び「密封組立品」という用語は、流体密シールを提供するため、シャフトの周囲と固定装置とに取り付け可能な任意適切な構造体を含むことを意図する。適切なメカニカルシールの例は、一体シール、カートリッジ型シール、分割シール、並びに他の既知の種類のシール及び密封組立品並びに構成品を含むことを意図している。

図1及び2は、本発明のメカニカルシールの透視図である。図示されたメカニカルシール10は、ポンプ軸に沿って延伸するシャフト12の周りに好適には同心円状に環着されると共に、ポンプ又は他の機械的装置(図示しない)のような固定装置の外側壁に固定されている。シャフト12は、少なくとも部分的には固定装置内部に又は固定装置に隣接して設けることができる。メカニカルシール組立品10は流体密シールを形成するよう構成でき、従ってプロセス媒体(例えば流体)が固定装置から流出するのを防止する。この流体密シールは、本発明の分野で公知のように回転シールリング及び固定シールリングを含む密封部材によって達成される。シールリングは、一対のシールリング区分を備えた分割シールリングでよい。シールリングは、互いに効果的に密封接触して配置され、それらの間にシールを形成することができる。シールリングを付勢リングや付勢ばねなどの既知の付勢機構によって付勢して、互いに密封接触させることができる。シールリングは、広範囲にわたる動作条件下で動作可能な流体密シールを提供する。

メカニカルシール10は、グランド部品14と、グランド部品14内に収容されるホルダ又はスリーブ部品16も含むことができる。スリーブ部品16は、任意の選択した形状又は構成を備えることができ、図示した実施形態では、シャフトの周りに配置されると共にシャフトに回転可能に結合されたスリーブとして形成されている。スリーブ部品16は、グランド部品14によって形成された内部空間内に配置される。ロックリング組立品20を用いてスリーブ部品16をシャフト12に固定できる。一連の取り外し可能な心出しクリップ18が、ロックリング組立品20を、シャフト12に対して軸方向及び半径方向の両方で位置合わせするための補助として使用できる。心出しクリップ18は、メカニカルシール10の動作に先だって取り外される。

グランド部品14は、一連の周方向に離間されたチャンネル又は溝34を備えた本体32を有することができ、チャンネル又は溝34は、グランド部品14を固定装置に取り付けるためのボルトなどの締結要素を収容するよう構成されている。本体32には1つ又は複数の流体通路36が形成されており、これによりグランドの内部領域と、したがってシール部品とに、バリア又はフラッシング流体(barrier or flushing fluid)などの外部供給流体を導入又は伝達できる。流体通路36は、所望なら適切なプラグ38でシールできる。スリーブ部品16は、外部端における延長スリーブ部分40と、回転シールリングを収容し且つ保持するスペースを画定する内部端におけるフランジ部(図示しない)とを備えることができる。スリーブ部品16には任意の選択した数の溝(図示しない)を形成することができ、本発明の分野では周知であるが、これら溝は、シャフトとグランド部品14との間に流体シールを形成するための1つ又は複数の密封要素を収容するためのものである。

図3-6は、本発明のロックリング組立品20の詳細を示す。図示したロックリング組立品20は、シャフトの周りに取りけられるようサイズ決め且つ構成されたロックリング22であって、スリーブ部品16をシャフト12にロック結合(例えばロッキング)するためにスリーブ部品16に半径方向圧力をかけるロックリング22を含む。図3及び4に示すように、図示したロックリング22は、概ね円形又は環形状を有する本体50を備えている。本体50は、上面52及び反対側の底面54を備えている。上面52には、心出し要素58を収容するために底面54で終端する複数の開口部56が形成されている。例えば図8に示したように、心出し要素58は、開口部56に取り付けられ、ロックリング22の底面54から突出する。心出し要素58は、グランド要素16の隆起部46に接触して、隆起部46とシャフト12との間でロックリング22を心出しする助けとなる。

ロックリング22の本体50は、円周方向又は周辺表面60も含む。円周方向表面60には、表面60に沿って周方向に離間された一連の側面開口部62が形成されている。図1及び7に示したように、側面開口部62は、止めねじ64を収容するためのねじ切りされている。止めねじ64は、スリーブ部品16のスリーブ部分40に形成された穴又は開口部42に収容される。ロックリング22に加えて、止めねじ64が、スリーブ部品16をシャフト12に固定する助けとなる。

円周方向表面60には、さらに、一対の対向する切り欠き66及び68が形成されている。切り欠き66、68は、一対の対向するフランジ70A、70Bを形成し、その各々には、ボルト要素24を受け入れるための開口部72が形成されている。フランジ70A、70Bは、ロックリング組立品20のボルト要素24及びナット要素26を使用して一緒に結合又は固定することができる。切り欠き領域66は、ナット要素26の半径に対応する選択された半径を有する曲線状又は円筒状のプロファイル領域74（例えば、断面視で）を有するように構成される。切り欠き68は、ボルト要素24を収容するために構成された比較的平坦な切り欠き部76を有する。切り欠き領域68は、本体50の上面52に壁部78を形成するように構成されている。壁部78が形成されていることで、ロックリング22の本体に付加的な材料が残されることになり、したがって、その構造的完全性を向上させる。円周方向表面60にはまた、フランジ70A、70Bが一緒に固定されたときに曲げ領域として機能する、周方向で空間的に離間した一対のノッチ80が形成されている。2つのノッチ80が図示されているが、当業者であれば、任意の適切な数のノッチを採用できることを容易に認識することができるはずである。ノッチは、部分的にロックリング22の幅の内部へ、又は幅を横切って延びている。フランジ70A、70Bは、空間又は隙間82によって分離されている。このように、ロックリング22は、シャフト12及びスリーブ部品16を収容するための中央開口部84を有する環状体として構成されている。

図4及び図5は、それぞれボルト要素24及びナット要素26を図示している。図示されたボルト要素24は、ヘッド部分90と、ねじ切りされたステム部分92とを有する。ボルト要素24は、フランジ70A、70Bに形成された開口部72を通過するようにサイズ決め且つ構成されている。ボルト要素24のヘッド部分90は、壁部分78に隣接する切り欠き68に収容されるように構成されている。図示されたナット要素26は、その内部に貫通して形成されたねじ切り中央開口部104を有する円筒形の本体102を有する。本体102は、切り欠き66内、特に円筒形プロファイル領域74内に収容されるようにサイズ決め且つ構成されている。このように、ナットの円筒形状は、湾曲プロファイル領域74と形状が相補的である。このように、ナット要素26は、バレルナットとして構成される。そこに装着されると、ボルト要素24のねじ切りされたステム部分92は、ねじ切りされた開口部104と係合する。ボルトは、設置者によって選択された量だけ締め付けることができる。ボルト要素が締め付けられると、フランジ70A、70Bは、弓状の経路に沿って互いに近づくように駆動される。曲げ領域を形成するノッチ80は、フランジが円弧状の締め付け経路に追従することを可能にする。当業者であれば、ボルト要素24及びナット要素26が、任意の選択された形状及びサイズを有することができることを容易に認識するであろう。

したがって、本発明は、例えばカートリッジ型シール10のようなメカニカルシールと共に使用するためのロックリング組立品20に関する。ロックリング組立品20は、ロックリング22と、ボルト要素24と、バレルナットの形状のナット要素26とを含む。ボルト要素24及びナット要素26は、ロックリング22を固定かつ締め付けるために使用される。ボルト要素24は、ボルトのステム部分92がバレルナット26内に収容されるので、回転又はトルク作用を介して締め付けることができる。バレルナットは、ねじ切りされた中央開口部104を含むことができる。ロックリング22の形状及び構成は、複数の止めネジを採用する従来のロックリングと比較して、現場での締め付けが一点であるため、ボルト要素24の曲げ応力などの応力を低減させるのに役立つ。さらに、図示したロックリング22は、シャフト12の周りにより均一なクランプ力を加える。その結果、ボルト要素24へのトルクを介して印加されたエネルギーは、ボルト要素を曲げるのではなく、引き伸ばすのに役立つ。さらに、従来のロックリングのように、ロックリング組立品20全体を交換する代わりに、ボルト要素24及びバレルナット26を交換することができる。

ロックリング22はまた、バレルナット26を収容する浅く、比較的小さな切り欠き領域66を有し、そのため、多すぎる量の材料をロックリング22の本体から除去する必要がない。そこから少量の材料しか除去されないことが、ロックリング22の構造的完全性を維持するのに役立つ。ロックリング22の本体50はまた、1つ以上の、好ましくは複数の離間されたノッチ80を含む。ノッチ80は、締め付け手順の間にロックリング22にクランプ力を加えるのに必要なエネルギーを減少させるのに役立つ曲げ領域を形成する。したがって、締め付けエネルギーは、クランプ力となり且つ最適化されうる。さらに、これらボルト及びナットの使用は、複数の止めネジを使用する従来技術のロックリングと比較して、単一の締め付け点を提供する。

ロックリング22及び関連付けられたロック機構は、メカニカルシール内でシャフト12の心だしの助けになるよう使用できる複数の心出しクリップ18を採用できる。心出しクリップ18は、ロックリングを半径方向及び軸方向の両方への心出しに役立つ。さらに、心出し要素58を用いて、シャフト12に対してロックリング22を半径方向に心出しすることができる。心出しクリップ18はまた、余分な通常の出荷梱包なしで、輸送時に安全性に優れた出荷及び取り扱いを可能にする。心出しクリップ18は、機器操作の前に取り外し可能である。

従って、本発明は、これまでの記載から明らかとなった目的に含まれる、上述した目的を有効に達成することが分かるはずである。本発明の範囲を逸脱することなく上記の構成に対して一定の変更を施すことが可能であるから、この説明に含まれ又は添付の図面に示された全ての事項は、例示的なものとして解釈すべきであり、限定的な意味で解釈すべきではないことが意図されている。

さらに、次の特許請求の範囲は、ここに説明された本発明のすべての一般的特徴及び具体的特徴を網羅するものであり、また本発明の範囲に関するすべての言明をも網羅するものと理解すべきである。

本発明を説明してきたが、新規なものと主張し特許証による確保を望むものは以下の通りである。

Claims (8)

1. メカニカルシールであって、
   グランド要素と、
   延長スリーブ部分を備えると共に前記グランド内に配置されたスリーブ部品と、
   ロックリング組立品であって、
   概ね環形状を有すると共に、上面と、反対側の底面と、円周方向表面とを備えた本体を備えたロックリングであって、前記上面には、心出し要素を収容するようサイズ決め且つ構成された複数の開口部が形成され、前記円周方向表面には、止めねじを収容するようサイズ決め且つ構成された複数の側面開口部が形成され、前記本体は、第1フランジ部の一部を形成する湾曲プロファイル領域を備えた第1切り欠き部と、第2フランジ部の一部を形成する第2切り欠き部とを含み、前記第1及び第2フランジ部にはボルト開口部が形成されている、ロックリングと、
   前記ロックリングの前記本体に形成された複数のノッチであって、前記本体の周りに円周方向に離間されて曲げ領域を形成する複数のノッチと、
   前記ボルト開口部に収容されるようにサイズ決め且つ構成されているボルト要素と、
   前記第1フランジ部の前記湾曲プロファイル領域と形状が相補的である円筒形状を有するナット要素とを備えた、ロックリング組立品とを含む、メカニカルシール。
2. 前記ナット要素がバレルナットである、請求項1に記載のメカニカルシール。
3. 前記複数の開口部の1つ又は複数に取り付けるための1つ又は複数の心出し要素をさらに含む、請求項1に記載のメカニカルシール。
4. 前記スリーブ部は1つ又は複数の穴を含み、前記複数の側面開口部の1つ又は複数に取り付けるための1つ又は複数の止めねじをさらに含み、前記止めねじは、前記スリーブ部の前記穴に係合するよう構成されている、請求項1に記載のロックリング。
5. メカニカルシールのためのロックリング組立品であって、
   概ね環形状を有すると共に、上面と、反対側の底面と、円周方向表面とを備えた本体であって、前記上面には、心出し要素を収容するようサイズ決め且つ構成された複数の開口部が形成され、前記円周方向表面には、止めねじを収容するようサイズ決め且つ構成された複数の側面開口部が形成された本体と、
   前記本体に形成されると共に第1フランジ部の一部を形成する湾曲プロファイル領域を備えた第1切り欠き部と、
   前記本体に形成されると共に第2フランジ部の一部を形成する第2切り欠き部であって、前記第1及び第2フランジ部にはボルト開口部が形成されている、第2切り欠き部と、
   前記本体に形成された複数のノッチであって、前記本体の周りに円周方向に離間されて曲げ領域を形成する複数のノッチと、
   前記ボルト開口部に収容されるようにサイズ決め且つ構成されているボルト要素と、
   前記第1フランジ部の前記湾曲プロファイル領域と形状が相補的である円筒形状を有するナット要素とを含む、ロックリング組立品。
6. 前記ナット要素がバレルナットである、請求項5に記載のロックリング。
7. 前記複数の開口部の1つ又は複数に取り付けるための1つ又は複数の心出し要素をさらに含む、請求項5に記載のロックリング。
8. 前記スリーブ部は1つ又は複数の穴を含み、前記複数の側面開口部の1つ又は複数に取り付けるための1つ又は複数の止めねじをさらに含み、前記止めねじは、前記スリーブ部の前記穴に係合するよう構成されている、請求項5に記載のロックリング。

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