JP2023527171A - IL-1βのIL1-R1由来のインヒビターおよびその使用 - Google Patents

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Abstract

ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患の治療または予防に適用できる治療用組成物を記載した。ある局面においては、記載された組成物は、ヒトIL-1βと結合し、その機能を低下させることができるヘテロ二量体タンパク質構造の設計に基づく。ヘテロ二量体タンパク質構造は、ヒトIL1-R1およびヒトIL-1RAcPの細胞外部分またはそれらの機能断片を含む。それぞれのIL1-R1の部分とIL-1RAcPの部分が、ヒトIgガンマ1のFc部分の異なる変異体に融合する。ヘテロ二量体タンパク質構造における二つの異なるFc変異体は、ふたつのFc変異体の間で、任意のホモマー構造よりも、ヘテロ二量体形成が有利となるように設計される。治療用組成物は、ヒトおよび動物への投与のために製剤化されている。

Description

技術の分野
当発明は、全体としては生物学的医薬の分野、ならびに炎症による異常(例えば、リウマチ性関節炎、クローン病など)、糖尿病、心臓血管疾患および痛風に関連する状態におけるそれらの使用の分野に属する。より具体的には、当発明は、IL-1βサイトカインを阻害することができるヘテロ二量体IL-1R1/IL-1RAcP由来の組成物に関する。
背景技術
サイトカインのインターロイキン(IL-1)ファミリーは、ヒトおよびラットにおいて11の独立した遺伝子によりコードされる11のタンパク質(IL-1F1からIL-1F11まで)を含む。IL-1型サイトカインは、自然免疫反応の主なメディエーターであり、インターロイキン1受容体アンタゴニスト(IL-1RA)による創始メンバーIL-1またはIL-1βのブロックは、種々のヒトの自己炎症性疾患におけるIL-1の主要な役割を示している。IL-1またはIL-1βは、複数の異なったタイプの細胞において、数百もの遺伝子のメッセンジャーRNA発現を急速に増加させる。IL-1およびIL-1βの強力な炎症誘発活性は、(i)合成および放出、(ii)膜受容体、(iii)細胞内シグナル伝達という、3つの主要なレベルで限定される。この経路は、IL-1応答を増幅または停止させるポジティブまたはネガティブなフィードバックメカニズムを含む、IL-1またはIL-1βの細胞外および細胞内シグナル伝達を集約する。受容体の結合リガンドに応答して、リン酸化とユビキチン化事象の一連の複雑な組み合わせは、核因子カッパBのシグナル伝達経路とJNKおよびp38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ経路を活性化させ、協同して転写と転写後機構により、IL-1の標準的標的遺伝子(IL-6、IL-8、MCP-1、COX-2、IB、IL-1、IL-1β、MKP-1など)の発現を誘導する。注目すべきは、IL-1に対する細胞応答に参加する細胞内成分の大部分はまた、その他のサイトカイン(IL-18およびIL-33)、Toll様受容体(TLR)および多くの形態の細胞毒性ストレスへの応答を媒介している(参照 Weber A, et al., Sci Signal., 2010 Jan 19;3(105)、これらの全体の教示は、参照によりここに包含される)。
IL-1およびIL-1βは独立して、ユビキタスに発現されるIL-1受容体I型(IL-1R1)と結合する。第三の特定のリガンドである、IL-1受容体アンタゴニスト(IL-1RA)は、類似の特異性と親和性を持つIL-1RIと結合するが、受容体を活性化させず、下流のシグナル伝達を引き起こさない。IL-1受容体のアクセサリータンパク質(IL-1RAcP)は、IL-1/IL-1RI複合体のシグナル伝達のために必要な共受容体として機能し、この共受容体はまた、他のIL-1ファミリーメンバー、特にIL-18およびIL-33によるIL-1R1の活性化のために必要である。IL-1受容体II型(IL-1R2)は、IL-1およびIL-1βと結合するが、シグナル伝達細胞質部分を各ので、結果、デコイ受容体として機能する。IL-1RA、細胞膜固定IL-1R2および細胞外IL-1受容体鎖のそれぞれの天然に存在する「剥離した」ドメイン(sIL-1RI、sIL-1RIIおよびsIL-1RAcPと称される、ここで「s」は可溶性を意味する)は、自然には、細胞外空間においてIL-1シグナル伝達の誘導性の負の制御因子を提供し、その量は、転写の増加および放出のコントロールの組み合わせによって制御され、IL-1の効果を制限または終了することができる。
IL-1のシグナル伝達における最初の段階は、IL-1RAcPのリクルートを促進するIL-1RIの第1の細胞外ドメインにおけるリガンド誘導構造変化である。Toll-およびIL-1R様(TIR)ドメインと称される保存された細胞質領域を介して、三量体複合体が迅速に、骨髄分化一次応答遺伝子(MYD88)とインターロイキン1受容体活性化プロテインキナーゼ(IRAK)4というふたつの細胞内シグナル伝達タンパク質に集約する。MYD88またはIRAK4を欠くマウスは、IL-1シグナル伝達において著しい欠陥を示す。同様に、IRAK4遺伝子変異を有するヒトは、IL-1RIおよびToll様受容体(TLR)シグナル伝達に欠陥を有する。IL-1、IL-1RI、IL-RAcP、MYD88およびIRAK4は、安定なIL-1誘導の第一のシグナル伝達モジュールを形成する。これは、IRAK4の(自己)リン酸化と並行して行われ、次にIRAK1とIRAK2をリン酸化し、その後これは腫瘍ネクローシス因子(TRAF)6のリクルートおよびオリゴマー化に続く。IRAK1および2は、アダプターおよびプロテインキナーゼの両方として機能し、下流のシグナルを伝達する。IRAK1、IRAK2およびTRAF6の複合体は、初期の受容体複合体から解離し、これらタンパク質を欠く細胞は核因子カッパB(NF-kappa-B)および活性化タンパク質1(AP-1)の転写因子の活性化が損なわれる。
IL-1の過剰生産は、多くの炎症性疾患の原因である。たとえば、IL-1は、糖尿病、心臓血管疾患、痛風、ある種類の関節炎(例えば、リウマチ性関節炎(RA))、ならびに、家族性地中海熱(FMF)、ベーチェット病などのあまり広まっていない自己免疫疾患などの病態に関連している(Ozen S, Bilginer Y. “A clinical guide to autoinflammatory diseases: familial Mediterranean fever and next-of-kin”, Nat. Rev. Rheumatol. 2014 Mar;10(3):135-47))。
リロナセプトは、ヒトIL1-RAcPの細胞外ドメインのIL-1結合部分、ヒトIL-1RIの細胞外ドメインのIL-1結合部分、および多量体成分を含む、IL-1特異的融合タンパク質を含む、IL-1アンタゴニストである。このIL-1特異的融合タンパク質は、アメリカ合衆国特許No. 6,472,179、2003年7月31日公開アメリカ合衆国特許公開No.2003/0143697、アメリカ合衆国特許No.7,361,350、2005年9月8日公開アメリカ合衆国特許公開No.2005/0197293に記載されている(これらすべてを、明示によって全体においてここに包含させる)。リロナセプトは、商標名ARCALYSTのもと、成人と12歳以上の子供を対象とした、家族性寒冷自己炎症性症候群(FCAS)およびマックル・ウェルズ症候群(MWS)を含むクリオピン関連性周期性症候群(CAPS)の処置のために、アメリカ合衆国食品薬品管理局(FDA)により承認された。現在、リロナセプトのさらなる臨床研究が、痛風薬としてなどで進行中である。
発明の概要
この要約は、以降の詳細な説明にさらに記される簡略した形態においてコンセプトの一部を紹介するために提供される。この要約は、特許請求の範囲の発明特定事項の主な性質や必須の性質を特定することを意図しておらず、特許請求の範囲の発明特定事項の範囲を決定するための補助として使用されることは想定していない。
ある局面においては、本発明は、ヒトIL-1β(GenBank: AAH08678.1)と結合することができるヘテロ二量体タンパク質組成物を提供する。タンパク質組成物は、ヒトIL1-R1(GenBank: AAM88423.1)のアミノ酸18から333までを含む第一のアミノ酸配列およびヒト免疫グロブリンガンマ1FC(GenBank: J00228.1)のFc部分の第一の変異体を含む第二のアミノ酸配列を含む、第一のポリペプチドを含む。タンパク質組成物はまた、ヒトIL1-RacP(GenBank: BAA25421.1)のアミノ酸21から358までを含む別の第一のアミノ酸配列およびヒト免疫グロブリンガンマ1FcのFc部分の第二の変異体を含む別の第二のアミノ酸配列を含む、第二のポリペプチドを含む。タンパク質組成物において、第一および第二の変異体は、任意のホモマー構造よりも、第一変異体と第二変異体の間でヘテロ二量体構造が有利となるように選択される。タンパク質組成物は、およそ10-11M以下のKd値でヒトIL-1β/IL-1F2結合活性を示すことが可能であってよい。タンパク質組成物の第一のポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含んでよく、第二のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列を含んでよい。
ある局面においては、本発明は、配列番号8のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドおよび配列番号9のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含む、ヘテロ二量体タンパク質組成物を提供する。
ある局面においては、本発明は、配列番号8のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドおよび配列番号9のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含む、ヘテロ二量体タンパク質組成物を含む治療用組成物を提供する。治療用組成物はまた、スクロースおよそ6%(重量/容量)、平均分子重量3350Daを有するポリエチレングリコールおよそ3%(重量/容量)、塩化ナトリウムおよそ50mM、pHおよそ4.5からおよそ7.0までのL-ヒスチジンおよそ20mMを含んでよい。pH値は、およそ6.5であってよい。
ある局面においては、本発明は治療用組成物を提供する。治療用組成物は、ヒトIL-1βに結合することができるヘテロ二量体タンパク質組成物を含む。タンパク質組成物は、ヒトIL1-R1のアミノ酸18から333までを含む第一のアミノ酸配列およびヒト免疫グロブリンガンマ1FCのFc部分の第一の変異体を含む第二のアミノ酸配列を含む、第一のポリペプチドを含む。タンパク質組成物はまた、ヒトIL1-RacPのアミノ酸21から358までを含む別の第一のアミノ酸配列およびヒト免疫グロブリンガンマ1FcのFc部分の第二の変異体を含む別の第二のアミノ酸配列を含む、第二のポリペプチドを含む。タンパク質組成物において、第一および第二の変異体は、任意のホモマー構造よりも、第一変異体と第二変異体の間でヘテロ二量体構造が有利となるように選択される。
タンパク質組成物は、およそ10-11M以下のKd値でヒトIL-1β/IL-1F2結合活性を示すことが可能であってよい。治療用組成物は、ヒトFc ELISAによってアッセイされるとき、用量5mg/kgで皮下投与後、少なくともおよそ97時間のマウスの全身循環でのヘテロ二量体タンパク質組成物の半減期を示すことがある。
治療用組成物は、ヒトFc ELISAによってアッセイされるとき、用量10mg/kgで皮下投与後、少なくともおよそ3日のカニクイザルの全身循環でのヘテロ二量体タンパク質組成物の半減期を示すことがある。治療用組成物は、配列番号1のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドおよび配列番号2のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドから構成されるヘテロ二量体タンパク質を含むことがある。治療用組成物はまた、スクロースおよそ6%(重量/容量)、平均分子重量3350Daを有するポリエチレングリコールおよそ3%(重量/容量)、塩化ナトリウムおよそ50mM、pH6.5のL-ヒスチジンおよそ20mMを含んでよい。
ある局面においては、本発明は、配列番号8のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドおよび配列番号9のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含む、ヘテロ二量体タンパク質組成物を含む治療用組成物を提供する。治療用組成物はまた、スクロースおよそ6%(重量/容量)、平均分子重量3350Daを有するポリエチレングリコールおよそ3%(重量/容量)、塩化ナトリウムおよそ50mM、pHおよそ4.5からおよそ7.0までのL-ヒスチジンおよそ20mMを含んでよい。pH値は、およそ6.5であってよい。
ある局面においては、本教示は、関節炎、痛風、リウマチ性関節炎、クリオピン関連性周期性症候群(CAPS)、強皮症、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、ドライアイ症候群、目のアレルギー、ブドウ膜炎、再発性心膜炎、家族性地中海熱(FMF)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、急性呼吸窮迫症候群/サイトカイン放出ストーム(ARSD/CRS)、シュニッツラー症候群、手術後の切開部の痛み、慢性腎臓痛(CKD)、PFAPA(周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、腺炎)症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、壊疽性膿皮症、川崎病、尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎、ベーチェット病、乳がん、非小細胞肺がん、または脳卒中を含むがこれらに限らない、IL-1βの変調に関連するある障害または疾患の治療において使用するための、配列番号8のポリペプチドおよび配列番号9の別のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質構造を含む物質または組成物を提供する。
ある局面においては、本教示は、ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患または状態の治療または予防法を提供する。方法は、ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患の治療または予防を要する患者に対し、配列番号8のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドと配列番号9のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質を含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。IL-1βの変調に関連する疾患は、関節炎、痛風、リウマチ性関節炎、クリオピン関連性周期性症候群(CAPS)、強皮症、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、ドライアイ症候群、目のアレルギー、ブドウ膜炎、再発性心膜炎、家族性地中海熱(FMF)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、急性呼吸窮迫症候群/サイトカイン放出ストーム(ARSD/CRS)、シュニッツラー症候群、手術後の切開部の痛み、慢性腎臓痛(CKD)、PFAPA(周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、腺炎)症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、壊疽性膿皮症、川崎病、尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎、ベーチェット病、乳がん、非小細胞肺がん、または脳卒中を含むがこれらに限らない。
発明の理解を助けるため、次の図と説明を提供する。
図1は、フレキシブルなリンカーを介してIgG-Fcドメイン(Fc-II)と融合したIL1-R1の細胞外部分および別のフレキシブルなリンカーを介して別のIgG-Fcドメイン(Fc-V)と融合したIL1-RAcPの細胞外部分を含む本教示のヘテロ二量体タンパク質構造を図解的に示す。 図2は、様々な濃度のIL-1β/IL-1F2での代表的な一連のバッファ正規化したセンサーグラム(sensogram)を示し、最も低い曲線は0.919 nM のIL-1β/IL-1F2濃度を示し、続く各曲線はそれぞれ1.838、3.676、7.35、14.7および29.4 nMを示す。 図3は、代表的なIL1の結合データを示し、相対的な反応は「バッファのみ」のバックグラウンドを差し引くことによって算出され、エラーバーは、Bioacore T200 Evaluation Softwareパッケージによって計算された標準偏差値を反映する。 図4は、代表的な「反応 vs 濃度」曲線を示し、X軸にIL-1β/IL-1F2の濃度をMolで示し、Y軸に反応をRUで示す。 図 5は、10mg/kgの用量で単回皮下投与した後の3匹のカニクイザル(Cynomolgus Monkey)の初期セットの血清中のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロダイマーの濃度(ng/mlにおいて)を示す(縦棒は各時点での標準偏差値を表す)。 図6は、10mg/kgの用量で単回皮下投与した後の3匹のカニクイザルのフォローアップセットの血清中のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロダイマーの濃度(ng/mlにおいて)を示し、示された3つの曲線は、F1290、F1269、およびF1254と指定した3匹の個々の動物から得られた測定値を表す。 図7は、MEFにおいてマウスIL-1B /IL-1F2によって誘導されるマウスIL6分泌のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロダイマー滴定曲線を示し、挿入表は、IC50値の決定のための4-パラメータアルゴリズムおよび曲線補間を用いた曲線フィットの結果を示す。 図8は、MRC5細胞においてヒトIL-1B /IL-1F2によって誘導されるヒトIL6分泌のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロダイマー滴定曲線を示し、挿入表はIC50値の決定のための4-パラメータアルゴリズムおよび曲線補間を用いた曲線フィットの結果を示す。 図9は、MRC5細胞においてアカゲザル(M.Rhesus) IL-1B /IL-1F2によって誘導されるヒトIL6分泌のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロダイマー滴定曲線を示し、挿入表は、IC50値の決定のための4-パラメータアルゴリズムおよび曲線補間を用いた曲線フィットの結果を示す。
発明の詳細な説明
ここに開示された教示は、部分的には、ヒトIL-1βに結合して、その機能を弱めることができる、ヘテロ二量体タンパク質アセンブリの工学的手法に基づく。本教示のヘテロ二量体タンパク質構造は、IL1-R1(GenBank:AAM88423.1)およびIL-1RAcP(GenBank:BAA25421.1)の細胞外部分、またはそれらの機能断片を含む。IL1-R1部分およびIL-1RAcP部分のそれぞれは、ヒトIgガンマ-1(GenBank: J00228.1)のFc部分の異なる変異体に融合される。ヘテロ二量体タンパク質構造における二つの異なるFc変異体は、ふたつのFc変異体の間で、任意のホモマー構造よりも、ヘテロ二量体形成が有利となるように設計される。本教示のヘテロ二量体タンパク質構造の組換え生産を可能にするために、ヘテロ二量体タンパク質構造を異種タンパク質発現系で過剰生産するためのDNA発現ベクターを構築し、ヘテロ二量体タンパク質構造を高い発現レベルまで安定的に発現する哺乳動物細胞を作製した。タンパク質精製手順が考案され、本教示のヘテロ二量体タンパク質構造の生理学的に関連する実質的に純粋な調製物を得ることができた。したがって、精製されたタンパク質分子は、ヒトIL- 1β (GenBank: AAH08678.1) を用いたin vitro 酵素結合免疫吸着法(ELISA) において高度の比活性度を実証している。予想外に、このタンパク質分子は、動物皮下投与において、体重減少または臨床的な有害事象を引き起こすことなく、許容可能な薬物動態プロファイルを示す。本教示の事の組成物の設計、調製、および予備的な特性評価は、2014年3月6日に公開された国際特許出願公開番号WO/2014/035361、および2013年2月15日に出願された国際特許出願シリアル番号PCT/US/2013/026349に部分的に開示されており、これらの両方は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
本明細書で使用される用語は、一般に、本発明の文脈内および各用語が使用される特定の文脈において、当該技術分野におけるその通常の意味を有する。特定の用語は、本発明の組成物および方法、ならびにそれらの製造方法および使用方法を説明する際に当業者に追加のガイダンスを提供するために、本明細書の下記または他の場所で説明される。用語のいかなる使用の範囲または意味は、その用語が使用される特定の文脈から明らかになるであろう。「約」及び「およそ」は、一般に、測定の性質又は精度が与えられた測定量について、当業者にとって許容される誤差の程度を意味する。典型的には、例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは10%以内、およびより好ましくは5%以内である。代替的に、特に生物系において、用語「約」及び「およそ」は、所与の値の1桁以内、好ましくは5倍以内、およびより好ましくは2倍以内の値を意味し得る。本明細書で与えられる数値量は、特に明記しない限り近似値であり、用語「約」又は「およそ」が明示的に記載されていないときに推論され得ることを意味する。
本発明の方法は、野生型配列と1つ以上の変異(配列バリアント)を含む、配列を互いに比較するステップを含んでよい。そのような比較は、典型的には、例えば、当技術分野でよく知られている配列アライメントプログラムおよび/またはアルゴリズム(例えば、いくつか挙げると、BLAST、FASTAおよびMEGALIGN)を使用する、ポリマー配列のアライメントを含む。当業者は、そのようなアラインメントにおいて、変異が残基の挿入または欠失を含む場合、配列アラインメントは、挿入または欠失残基を含まないポリマー配列に「ギャップ」(典型的にはダッシュ、または「A」によって表される)を導入することを容易に理解し得る。
本発明の方法は、統計的計算、例えばIC50値またはEC50値の決定などを含んでもよい。当業者は、そのようなことが、様々な市販のソフトウェア、例えばPRISM(GraphPad Software Inc, La Jolla, CA, USA)などを用いて実行することができることを容易に理解することができる。
「相同」は、すべての文法的な形および綴りのバリエーションにおいて、同種の生物に存在するスーパーファミリー、ならびに、異なる種の生物からの相同タンパク質を含む、「進化的に共通の起源」を有する2つのタンパク質の関係を指す。このようなタンパク質(およびそれをコードする核酸)は、同一性パーセントの観点において配列類似性によって、または特定の残基またはモチーフの存在および保存された位置の存在によって、反映されるとき、配列の相同性を有する。しかしながら、一般的な使用法および本願において、「相同」という用語は、「高度に」などの副詞で修飾されているとき、配列の類似性に言及しており、共通の進化的起源に関連するかもしれない、または関連しないかもしれない。
「配列類似性」なる用語は、すべてのその文法的な形式において、共通の進化的起源を共通するかもしれない、または共通しないかもしれない、核酸またはアミノ酸配列間の同一性または対応性の程度を指す。
タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は、互換的に使用される。ここに記載されるポリペプチドは、1つより多い連続するアミノ酸鎖で構成されてよく、したがって、二量体または他のオリゴマー構造を形成する。一般的に、哺乳動物に使用するための本教示のポリペプチドは、適切な翻訳後修飾を可能にする哺乳動物細胞、例えばCHOまたはHEK293細胞株で発現されるが、他の哺乳動物発現細胞株も同様に有用であると予期される。したがって、本教示のポリペプチドは、その生物学的機能に実質的に影響を与えることなく翻訳後修飾され得ることが予想される。
特定の局面において、本教示のヘテロ二量体タンパク質構造の機能的バリアントは、ヒトIL1-R1またはIL-1RAcPの少なくとも生物学的に活性な部分またはそれらの機能断片、および1つまたは複数の融合ドメインを有する融合タンパク質を含む。そのような融合ドメインのよく知られた例は、ポリヒスチジン、Glu-Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、免疫グロブリン重鎖定常領域(例えば、Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)、またはヒト血清アルブミンを含むが、それらに限定されない。融合ドメインは、所望の特性を付与するように選択されてよい。例えば、IL1-R1またはIL-1RAcPポリペプチド部分は、インビボでIL1-R1またはIL-1RAcPポリペプチドを安定化するドメイン(「安定化剤」ドメイン)と、所望により適切なペプチドリンカーを介して、融合されてよい。「安定化」という用語は、破壊の減少、クリアランスの減少、または他の薬物動態学的効果のためであるかどうかにかかわらず、全身循環におけるポリペプチドの半減期を増加させるものを意味する。免疫グロブリンのFc部分との融合は、特定のタンパク質に対して望ましい薬物動態学的特性を付与することが知られている。同様に、ヒト血清アルブミンとの融合は、望ましい特性を付与することができる。選択される可能性のある他のタイプの融合ドメインは、多量体化(例えば、二量体化、四量体化)ドメイン、および、追加の生物学的機能(例えば、in vivoで標的作用部位での蓄積を促進する)を付与する機能ドメインを含む。
特定の局面において、本教示のヘテロ二量体タンパク質構造は、IgG-Fcドメインと融合したIL1-R1の細胞外部分またはその機能断片、および別のIgG-Fcドメインと融合した細胞外部分IL-1RAcPまたはその機能断片を含む。IgG-Fcドメインおよび別のIgG-Fcドメインは、任意のホモ二量体タンパク質構造よりもヘテロ二量体タンパク質構造を有利となるように選択される。IL1-R1の細胞外部分は、フレキシブルリンカーを介してIgG-Fcドメインと融合されてもよく、一方、IL-1RAcPまたはその機能断片は、同じアミノ酸配列のフレキシブルリンカーを介して、または別のフレキシブルリンカーを介して別のIgG-Fcドメインと融合させてもよい。
図1に例示的に示される実施態様において、フレキシブルリンカーを介してIgG-Fcドメイン(Fc-II)と融合したIL1-R1の細胞外部分は、配列番号1のアミノ酸配列を含んでよく、一方、フレキシブルリンカーを介して別のIgG-Fcドメイン(Fc-V)と融合したIL-1RAcPは、配列番号2のアミノ酸配列を含んでよい。
hIL1-R1-hIgG1-Fc ポリペプチド(配列番号1)
Figure 2023527171000002

hIL-1RAcP-hIgG1-Fc ポリペプチド(配列番号2)
Figure 2023527171000003
特定の局面において、本教示は、フレキシブルなリンカーを介してIgG-Fcドメイン(Fc-II)と融合したヒトIL1-R1の最初の333アミノ酸を含むポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する組換えDNA分子、およびフレキシブルなリンカーを介して別のIgG-Fcドメイン(Fc-V)と融合したヒトIL-1RAcPの最初の358アミノ酸を含む別のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する別の組換えDNA分子について提供する。
例示的な態様において、フレキシブルなリンカーを介してIgG-Fcドメイン(Fc-II)と融合したヒトIL1-R1の最初の333アミノ酸を含むポリペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。それに対応するDNA分子は、配列番号4のヌクレオチド配列を含んでよい。フレキシブルなリンカーを介して別のIgG-Fcドメイン(Fc-V)と融合したヒトIL-1RAcPの最初の358アミノ酸を含む別のポリペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含んでよい。それに対応するDNA分子は、配列番号6のヌクレオチド配列を含んでよい。
hIL1-R1-hIgG1-Fc ポリペプチド(配列番号3)
Figure 2023527171000004

hIL1-R1-hIgG1-Fc DNA (配列番号4)
Figure 2023527171000005

hIL-1RAcP-hIgG1-Fc ポリペプチド(配列番号5)
Figure 2023527171000006

hIL-1RAcP-hIgG1-Fc DNA (配列番号6)
Figure 2023527171000007
特定の局面において、本発明は、フレキシブルなリンカーを介してIgG-Fcドメイン(Fc-II)と融合したヒトIL1-R1の最初の333アミノ酸を含むポリペプチドの高発現のための組換え哺乳動物発現プラスミド、およびフレキシブルなリンカーを介して別のIgG-Fcドメイン(Fc-V)と融合したヒトIL-1RAcPの最初の358アミノ酸を含む別のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを有する別の組換えDNA分子について提供する。このプラスミドは、前記ポリペプチドおよび前記別のポリペプチドをコードする2つの遺伝子の転写を駆動するための2つのサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターを含み、それぞれ転写終結配列およびポリアデニル化配列が続いている。このプラスミドはまた、細菌におけるプラスミドの増殖および選択を支援するために、複製起点およびアンピシリン耐性を付与する遺伝子を含む。さらに、このプラスミドは、安定なCHOK1およびNSO細胞株を確立するために広く用いられる選択マーカーであるグルタミン合成酵素の遺伝子を含む。
例示的な態様において、本教示の哺乳動物発現プラスミドは、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。
hIL1-R1-hIgG1-Fc-II/ IL-1RAcP- hIgG1-Fc-V 発現プラスミド (配列番号7)
Figure 2023527171000008
Figure 2023527171000009
Figure 2023527171000010
Figure 2023527171000011
Figure 2023527171000012
Figure 2023527171000013
Figure 2023527171000014
Figure 2023527171000015
特定の局面において、本教示は、フレキシブルなリンカーを介してIgG-Fcドメイン(Fc-II)と融合したヒトIL1-R1のアミノ酸残基18から333を含むポリペプチド、およびフレキシブルなリンカーを介して別のIgG-Fcドメイン(Fc-V)と融合したヒトIL-1RAcPのアミノ酸残基21から358を含む別のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質構造の生産用の哺乳動物発現系を提供する。
例示的な態様において、本教示の哺乳動物発現系は、配列番号7のヌクレオチド配列を含むプラスミドを有するチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1)を含む。
特定の局面において、本教示の哺乳動物発現系は、配列番号8のポリペプチドおよび配列番号9の別のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質構造をもたらす。
hIL1-R1-hIgG1-Fc ポリペプチド(配列番号8)
Figure 2023527171000016

hIL-1RAcP-hIgG1-Fc ポリペプチド(配列番号9)
Figure 2023527171000017
特定の局面において、本教示は、関節炎、痛風、リウマチ性関節炎、クリオピン関連性周期性症候群(CAPS)、強皮症、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、ドライアイ症候群、目のアレルギー、ブドウ膜炎、再発性心膜炎、家族性地中海熱(FMF)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、急性呼吸窮迫症候群/サイトカイン放出ストーム(ARSD/CRS)、シュニッツラー症候群、手術後の切開部の痛み、慢性腎臓痛(CKD)、PFAPA(周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、腺炎)症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、壊疽性膿皮症、川崎病、尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎、ベーチェット病、乳がん、非小細胞肺がん、または脳卒中を含むがこれらに限らない、IL-1βの変調に関連するある障害または疾患の治療において使用するための、配列番号8のポリペプチドおよび配列番号9の別のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質構造を含む物質または組成物を提供する。
特定の局面において、本教示は、ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患または状態の治療または予防法を提供する。方法は、ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患の治療または予防を要する患者に対し、配列番号8のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドと配列番号9のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質を含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む。IL-1βの変調に関連する疾患は、関節炎、痛風、リウマチ性関節炎、クリオピン関連性周期性症候群(CAPS)、強皮症、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、ドライアイ症候群、目のアレルギー、ブドウ膜炎、再発性心膜炎、家族性地中海熱(FMF)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、急性呼吸窮迫症候群/サイトカイン放出ストーム(ARSD/CRS)、シュニッツラー症候群、手術後の切開部の痛み、慢性腎臓痛(CKD)、PFAPA(周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、腺炎)症候群、血球貪食性リンパ組織球症(HLH)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、壊疽性膿皮症、川崎病、尋常性ざ瘡、アトピー性皮膚炎、ベーチェット病、乳がん、非小細胞肺がん、または脳卒中を含むがこれらに限らない。
実施例
以下の実施例は、前述の局面及び本教示の他の局面を説明する。これらの非限定的な実施例は、ここに請求される化合物、組成物、物品、装置、及び/又は方法がどのように製造され評価されるかに関して例示的な態様を当業者に提供するように示されている。実施例は、本明細書に開示された発明を純粋に例示することを意図されており、本発明者らが発明と見なす範囲を限定することを意図していない。数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するための努力がなされているが、多少の誤差および逸脱は考慮されるべきである。
実施例 1: 本発明のポリペプチドの作成
配列番号1のhIL1-R1-hIgG1-Fcポリペプチドおよび配列番号2のhIL-1RAcP-hIgG1-Fcポリペプチドを、当該技術分野で知られた分子生物学、細胞培養およびタンパク質生化学技術、PCT公開WO/2014/035361およびPCT出願シリアル番号PCT/US/2013/026349に記載されたものを用いてCHO-K1において共発現した。基本的に、ポリペプチドを発現するCHO-K1細胞を、よく確立されたプロトコルを利用して回収し、溶解した。細胞溶解物を洗浄後、発現されたポリペプチドを含む上清を、まずプロテインAアフィニティーカラムに適用した。pHを調整したプロテインAカラム溶出液を、Q-Sepharose樹脂を用いた陰イオン交換クロマトグラフィー(AIEX)によりさらに精製した。AIEXのフロースルーを、サイズ排除HPLC(SEC-HPLC)、SDS-PAGEおよび他の分析技術によって適宜分析した。
後の試験のために、hIL1-R1-hIgG1-FcおよびhIL-1RAcP-hIgG1-Fcポリペプチドを含む治療用組成物を、ポリペプチド40mg/ml、6%(m/v)スクロース、3%(m/v)ポリエチレン(PEG)3350、50mM塩化ナトリウム、および20mM L-ヒスチジン pH 約4.5から約7.0、好ましくは約6.5を含むように製剤化した。
最終生成物に含まれるポリペプチドの配列を、以下の実施例で概説されるように分析した。予想外に、最終生成物中のポリペプチドは、配列番号8のhIL1-R1-hIgG1-Fcポリペプチドおよび配列番号9のhIL-1RAcP-hIgG1-Fcポリペプチドを優位に含んでいた。
実施例2:本発明のポリペプチドのペプチドマッピングおよび特性評価
上記実施例に本質的に記載されたように調製された生成物の3つのサンプルを、以下に記載されるように分析した。まず、各サンプルに含まれる2つのインタクトなポリペプチドの分子量を、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)により決定した。次に、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)により、ペプチドマッピングを実施した。最後に、末端ペプチドのシークエンシングを行った。
LC/MSによるインタクトなペプチド質量測定のために、タンパク質サンプルを当業界でよく確立されたプロトコルにより還元し、脱グリコシル化した。
ペプチドマッピングを、基本的に以下のように行った。
サンプルを、LysC、トリプシン、およびキモトリプシンで消化した。各サンプルをLC-MS/MSにより分析した。
1) 40μgのサンプルを、確立されたプロトコルにしたがって、トリプシンで変性、還元、消化した (Cat# VS280, Promega Corporation, Madison, WI)。
2) 40μgのサンプルを、確立されたプロトコルにしたがって、LysCで変性、還元、消化した (Cat# VA1170, Promega Corporation, Madison, WI)。
3) 40μgの各サンプルを、確立されたプロトコルにしたがって、キモトリプシンで変性、還元、消化した (Cat# VA106A, Promega Corporation, Madison, WI)。
4) Agilent 1900 UPLC システム (Agilent Technologies, Santa Clara, CA) を利用した高圧液体クロマトグラフィーを、以下のように実施した。
カラム: 分析用カラム- Waters ACQUITY UPLC BEH C18, 1,7 uM, 2.1×150 mm
カラム温度: 45℃
サンプル容量: 10μl
溶媒A: 0.1%蟻酸を含む H2O
溶媒B: 0.1%蟻酸を含む アセトニトリル (ACN)
フロー: 300 μL/分 (分)
動作条件: 98% A, 2% B; 0 (最初の状態)
70% A, 30% B; 0 - 35 分 (線形グラデーション)
5% A, 95% B; 35 - 46 分 (線形グラデーション)
95% A, 2% B; 46 - 50 分 (線形グラデーション)
98% A, 2% B; 50 - 60 分 (平衡化)
データシステム: PCで制御されるデータ収集システム
5) タンデム質量分析 - QTOF 6550 質量分析計 (Agilent Technologies, Santa Clara, CA) を用いてスペクトルを取得した。質量分析計を、ポジティブイオンモードで動作させた。マススペクトルを、20,000 の分解能(m/z 1521)でm/z 350-2000にわたって取得し、データ依存取得では、4.0 Da の分離幅を使用した CID フラグメンテーションにより、タンデム質量分析用に最も豊富な上位 10 個のプリカーサー(precursor)イオンを選択し、衝突エネルギーには (slope)*(m/z)/100 + オフセット(offset) の数式を使用した。MS/MS収集の冗長性を最小限にし、ペプチド同定を最大化するために、ダイナミックエクスクルージョン(Dynamic exclusion)を使用した。
6) データ分析 - Spectrum Mill v5.01 および Hunter (Agilent Technologies) を用いることによって、生データを抽出し、検索した。収集されたMSおよびMS/MSスペクトルを、タンパク質データベースおよびデコイ配列データベースに対して分析した。酵素パラメータを、トリプシンについて2、LysCについて2、およびキモトリプシンについて5の最大ミスクレアベージ(miscleavage)で限定した。N末端ペプチドについて、さらなる非酵素検索を行った。全ての他の検索パラメータを、Spectrum Millのデフォルト設定(システインのカルバミドメチル化、プリカーサーイオンについて+/-20 ppm、フラグメントイオンについて+/-50 ppm、および50%の最小のマッチングパーセントスコア化ピーク強度(a minimum matched percent scored peak intensity)(SPI%))に設定した。連結した正逆データベースを構築し、in situ 誤検出率 (FDR) を計算した。カットオフスコアを、ペプチドレベルで偽検出率を0.1%未満に維持するように、各データセットに動的に割り当てた。また、手動による検査を、分析した各サンプルの一意に同定されたペプチドについて適用した。
インタクトな質量分析において、2つのよく分解された主要ピーク(それぞれ純度98%以上)が検出され、最初のピークはMW = 61,505.9 ± 0.1 Daに、2つめのピークはMW = 64,753.3 ± 0.1 Daに対応した。最初のピークは配列番号8(理論的なMWは61,495Da)に対応し、2つめのピークは配列番号9(理論的なMWは64,743 Da)に対応する。MWの差(~11 Da)は、脱グリコシル化後のAsn残基の脱アミノ化に起因すると考えられる。
ペプチドマッピングおよびC末端の配列分析により、これらの配列は高い信頼性を有することをさらに確認した。
実施例3:表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを用いたRANKLに対する本教示のポリペプチドの親和性結合の評価
IL-1β/IL-1F2 (NCBI Accesion # NP_000567)に対するIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロダイマーの調製ポリペプチドの結合親和性を、特別に設計した表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイを用いて測定した。このアッセイは、抗ヒトIgGを、そのIgG(Fc)断片を介してIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体を捕捉するためにセンサーチップの表面に架橋する、捕捉法を用いて実施した。解離定数(Kd)の計算のために、一連の異なる濃度のIL-1β/IL-1F2を使用した。
試薬と機器:
機器:
BiaCore T200, 機器 No. 12108, GE Healthcare, Biacore T200コントロールおよび評価ソフトウェアパッケージ付き
試薬:
IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体ストック溶液、ポリペプチド20 mg/ml、スクロース6%(m/v)、PEG3350 3%(m/v)、塩化ナトリウム50mM、およびL-ヒスチジン20 mM pH 6.5。
IL-1β/IL-1F2、ヒトの組換え、E. Coli由来の、Ala117-Ser269、登録番号No. NP_000567、R&D systems、カタログ#201-LB、ロット#AD1412111。
センサーチップCM5、Series S、GE Healthcare BR-1005-30、ロット# 10189577
ヒト抗体捕捉キット、GE Healthcare、カタログ# BR-1008-39、ロット# 10202616;
HBS-EP+ 10 xランニングバッファー、GE Healthcare、カタログ# BR-1006-69;
手順:
抗ヒトIgGのコンジュゲーション:
抗ヒトIgG(Fc)のコンジュゲーション手順は、下記の条件を使用して、製造者のプロトコールに従って行った。
1. CM5 センサーチップを機器に設置し、Biacoreランニングバッファー、1x HBS-EPで6分間、10 μl/minでプライミングし、2回繰り返した。すべてのステップを25℃で行った。チャネル1と2を実験のために使用し、チャネル3と4をバックアップとして保存した。
2. キットからの抗ヒトIgG、0.15 M NaCl中0.5 mg/mlを、固定化バッファー(10 mM Na-アセテート pH 5.0)で最終濃度25 μg/mlに20倍希釈した。
3. 固定化手順のための試薬を以下のように製造した:EDC (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド)-0.4 M Milli-Q水中; NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)-0.1 M Milli-Q水中; 1M エタノールアミン-HCL pH 8.5 Milli-Q水中;
4. 表面活性化と固定化のための標準プロトコルを使用した。
5. 活性化: EDC および NHS を、1:1比で混合し、10 μl/minで7分間チップに注入した。
6. 固定化: 抗ヒトIgGを10 μl/minで5分間チップに注入した。
7. 不活性化: 未反応の活性基を、1M エタノールアミン-HCLを10 μl/minで7分間の注入によりブロックした。
8. 抗体結合後、チップを1x HBS-EP で2回、10 μl/min で6分間洗浄し、その後、タンパク質成分の添加なしで「ドライ」作業サイクルを2回実行した。作業サイクルは、リガンド (IL1R-FcV-RAcP-FcII ヘテロ二量体) ロードステップ 1 分、洗浄ステップ 3 分、サンプル (IL-1) ロードステップ 1 分、洗浄ステップ 16.7 分、チップ再生ステップ 1 分、3 M MgCl2 からなった。サンプルロードステップを30μl/minで行った以外は、全てのステップを10μl/minで行った。
実験データ:
IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体/IL-1β/IL-1F2相互作用のアフィニティ評価
この実験の目的は、IL1R-FcV-RAcP-FCIIヘテロ二量体およびIL-1β/IL-1F2についての結合定数を測定することであった。抗ヒトIgGをCM5センサーチップ上に共有結合で固定化し、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体をロードし、その後様々な濃度のヒトIL-1β/IL-1F2をロードした。一連のセンサーグラムを作成し、Kd値の算出に使用した。
実験セットアップ:
1. 一連の予備的な実験において、いくつかの異なる濃度(1、10および100μg/ml)のILlR-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体を調製し、固定化抗ヒトIgGとの結合について試験した。1μg/mlで、ILlR-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体を~100RUの範囲内で十分なシグナルを生じたことを見出し、この濃度をアッセイ全体に使用した。
2. 結合/解離サイクルのパラメータを、一連のパイロットランで最適化し、表1に要約する。
3. ヒト IL-1β/IL-1F2を、表2に示す濃度で使用し、3.676nMの濃度を機器の再現性のための内部コントロールとして独立して2回実行した。
4. 異なる濃度のIL-1β/IL-1F2に対応する一連のセンサーグラムを生成した。データを、「バッファーのみ」のセンサーグラムを差し引くことによって正規化した。バッファー正規化センサーグラムを図2に示し、対応するデータを表2に示す。
表 1 BiaCoreサイクルのパラメーター
Figure 2023527171000018


実験データの分析
実験条件を、カーブフィットアルゴリズムの正確な使用を可能にするために最適化した。センサーグラム(図2)から明らかなように、試験したすべての濃度のIL-1β/IL-1F2が用量依存的な結合曲線を示した。しかし、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体/IL-1β/IL-1F2の相互作用の非常に高いアフィニティーのため、1000秒の範囲内で検出可能な解離は存在しなかった。したがって、キネティックモデル(Kinetic model)を用いるKd値の算出は、正確に行うことができなかった。
Kd算出の代替法として、1:1ラングミュア(Langmuir)結合モデルを用いる平衡状態データ分析を使用した。この方法によると、Kdを、濃度に対する定常状態の分析物結合レベル(Req)の一連のプロットから計算する。得られたデータは表2に要約されている。
実験データは表3に要約され、図3に示される。4パラメータカーブフィットアルゴリズムを使用し、得られた曲線 応答 対 濃度は図4に示される。この曲線を描く数式をKd計算のために使用し、Biacore T200 Evaluation Softwareにより実行した。
表 2 平衡状態モデルから算出されたIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体およびヒトIL-1β/IL-1F2についてのKd値
Figure 2023527171000019



表 3 IL-1β/IL-1F2濃度および結合(相対レスポンス)。標準偏差値%を、Biacore T200評価ソフトウェアにより計算し、次にRmax*StDev %を乗じることによって標準偏差に変換した。StDev値を、図3上にエラーバーとしてプロットされている。
Figure 2023527171000020


実施例 4: マウスに皮下注射した後の、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の薬物動態(PK)
IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体(配列番号1 および 配列番号2)のポリペプチドを、上記実施例に記載されているように、実質的に共発現し、精製した。動物に投与するため、ポリペプチドを、以下のバッファ中で製剤化した:1%w/vスクロース、100mM塩化ナトリウム、20mM L-アルギニン塩酸塩、25mM重炭酸ナトリウム、pH6.3。使用した投与ストック濃度は、ポリペプチドの0.5mg/mLであった。
試験0日目、14匹のオスのDBA/1マウスを、体重によって2匹ずつ7グループにランダムに分けた。試験0日目、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の単回用量(10ml/kg中5mg/kg)を、グループの6匹のマウスに皮下(背側)に投与した。残りのグループのマウスは未処置のまま維持し、試験の0日目に血漿調製のために心臓穿刺を介して出血させた。血漿を、試験期間中、所定の時間に眼窩洞または末端心臓穿刺を介して処置グループのマウスから採取した血液サンプルから調製した。体重を、処置日(0日)に全動物について記録し、その後、各グループの終了日を含む週毎に3回記録した。投与の0時間および36時間以内にサンプル採取のために淘汰されたグループにおいて、体重の変化は測定されなかった。投与後96時間から21日の間に淘汰されたグループの0日目から終了までの平均体重減少は最小限であった。倫理的制限を超える体重減少をしたマウスはいなかった。試験の生存段階後、血漿サンプルを酵素結合免疫吸着法(ELISA)によりHu-Fcタンパク質について分析した。ELISAによるマウス血漿サンプル中のHu-Fcの定量化を、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の循環レベルの読み出しとして使用した。このアッセイを、試験中のすべてのマウスからのサンプルについて実施した。
ポリペプチド(ヒトFcタンパク質として検出される)を、動物の血漿において、投与後のすべての時点で検出した。その後、Prism5.0c(GraphPad Software Inc, La Jolla, CA, USA)を使用するOne Phase Decay Modelの数式を使用して、Hu-Fc ELISAによって検出されるとおり、ポリペプチドの薬物動態を決定した。Hu-Fcのピーク時の循環レベル(Cmax)は、1.284μg/mLであると決定され、ピーク時循環レベルまでの時間(Tmax)は投与後24時間であると決定された。半減期(T1/2)は97時間31分であると決定され、速度定数(K)は0,0071 hr-1であると決定された。Hu-Fcは未処置動物の血漿中に検出のレベル未満であった。本試験の結果を表4に要約している。
表 4 投与後各時点での、平均ヒトFcタンパク質濃度± SEM (μg/mL)
Figure 2023527171000021

* 0,040は、本アッセイについての検出限界である。
ヒトFcタンパク質濃度を、Prismソフトウェアにより、トリプリケートのサンプルの平均吸光度に基づいて決定した。
^ 眼窩静脈洞を介する血液
# 末端心臓穿刺を介する血液
実施例 5: 霊長類における皮下投与後のIL1R-FcV-RAcP-FcII ヘテロ二量体の薬物動態(PK)
この試験のために、最初に3匹のナイーブなオスのカニクイザルを使用した。動物は約2-4歳であり、体重は約2kgであった。動物は、試験の1日目に10mg/kgの用量レベルで皮下投与により、前述の実施例1に本質的に記載されるように製剤化された、過剰発現され精製されたIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体(配列番号1および配列番号2)の単回用量を受けた。最初のセットの3匹の動物からの生体分析の結果を図5に示す。試験目的をさらに満たすために、追加の3匹のオスのカニクイザルは、1日目に10mg/kgの用量レベルで皮下投与によりIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の単回用量を受け、血液サンプルを21日目までの所定の時点で収集した。3匹の動物のフォローアップの追加セットからのバイオ分析の結果を図5に示す。すべての動物を、試験中、処置に対する何らかの反応について1日1回観察した。投与前に体重を測定し、記録した。薬物動態分析のための血液サンプルを、指定された時点で採取した。採取した血清サンプルを生体分析のために-80℃で保存した。ポリペプチドの血漿濃度の測定を、ELISA法を用いて行った。
試験期間中、注目される臨床的な兆候はなかった。体重プロファイルは満足のいくものであった。最初のPKデータ分析の結果は、10mg/kgの単回皮下投与後のCmaxおよびTmaxが約24-48時間であったことを示した。追加の3匹からのPK結果は、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体が、3匹中2匹について少なくとも10日まで、1匹について14日まで血漿中で定量可能であったことを示した。3匹のサルのフォローアップセットの薬物動態パラメータを、WinNonLin 6.3 ソフトウェアパッケージの非コンパートメントモデルを用いて決定し、表5に要約されている。
表 5 カニクイザルにおける単回皮下投与試験でのPKパラメータの要約(カッコ内の値は平均CV%である)
Figure 2023527171000022


1 調和平均
2 中央値 [最小-最大]
* AUC extra>20%からの推定値
すべての動物を、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体に広く曝露した。観察された個体間変動は、約60%のCV%で比較的高かった。後者は、動物F1290で見出された最も低い薬物曝露によって説明され(図6)、これは、残りの2匹の動物よりもIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体への曝露が少なくとも5倍少なかった。最大濃度(Cmax)は、1日目から2日目に到達した。推定T1/2を約4日であると評価した。
実施例 6: IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の種間比活性度
IL1R-FcV-RAcP-FcIIは、それぞれユニークなIgG1 Fc部分に連結されたヒトIL-1RおよびIL-1RAcPの可溶性部分から構成されるヘテロ二量体である。ヒトIL-1Rの333アミノ酸部分といくつかの種からの関連する部分との配列のアラインメントは、齧歯動物(マウス、ラット)からのIL-1R部分とほんのわずかな配列同一性(~64%)を示している。しかし、ヒトIL-1Rと他の霊長類のIL-1Rの間では、配列同一性が非常に高い(例えば、マーモセットサル(marmoset monkey)と91%)。IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体分子の一部を形成するヒトIL-1RAcPの358アミノ酸部分と、いくつかの種からの関連部分のタンパク質バイナリ配列アラインメントをさらに以下に示す。IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体のこの部分の種を越えた配列同一性は、やや高い。ヒトIL-1RAcPの358アミノ酸部分とマカカ・ムラッタ(Macaca mulatta)からのオルソログと比較すると(92%)、対して、ムスクルス(Mus musculus)のオルソログと比較すると(85%)、より高い配列同一性が観察される。
新規薬物候補IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体(配列番号1および配列番号2)の機能(阻害)特性を比較評価するために、以下の試験を行った。アッセイは、ヒト、マカカ(Macaca Rhesus)、およびマウスのIL-1β IL-1F2オルソログを使用して実施した。ヒト対マウスIL-1β/IL-1F2を、マウス胚線維芽細胞において比較した。ヒト対アカゲザルのIL-1β/IL-1F2をMRC5ヒト肺線維芽細胞で比較した。機能的な比較対象として、ヒトIL-1β IL-1F2に対する以前に特徴づけられたマウスモノクローナル抗体およびマウスIL-1β IL-1F2に対するヤギポリクローナル抗体を使用した。MRC5細胞またはMEFによるIL-1β IL-1F2 誘導 IL-6 生産の定量を、全3つのオルソログの阻害特性(IC50値)の決定のために使用した。
材料および試薬
細胞
MRC5細胞、ヒトの肺の線維芽細胞、ATCC Cat # CCL-171、Lot # 59474707。
実験に使用されたマウス胚線維芽細胞(MEF)。
培地
Lグルタミンと1xペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%Benchmarkウシ胎仔血清を補った、DMEM、ダルベッコ改変イーグル培地、高グルコース(4.5g/L)、Invitrogen、Cat # 11995-065, Lot # 1237317、Gemini Bioproducts, Cat # 100-106, Lot # A78D00E
試薬
IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体、1.5 mg/mlの調製。
IL-1β IL-1F2、ヒトリコンビナント、大腸菌由来、Ala117-Ser269、Accession # NP_000567、R&D systems、Cat # 201-LB、Lot # AD1412111
IL-1β IL-1F2、アカゲザルリコンビナント、大腸菌由来、Ala117-Ser269、Accession # P48090、R&D systems、Cat # 1318-RL、Lot # GUG0110111
IL-1β/IL-1F2、マウスリコンビナント、大腸菌由来、Vla118-Ser269、Accession # NP_032387、R&D systems、Cat # 401-ML-005、Lot # BN0713032
ヒトIL-1β /IL-1F2に対するマウスモノクローナル抗体、clone #8516、R&D systems、Cat # MAB201、Lot # AWE1011081
マウスIL-1β/IL-1F2に対するヤギポリクロナール抗体、clone #8516、R&D systems、Cat # AF-401-NA、Lot # NP2812121
IL-6 Quantakine 免疫アッセイ、R&D systems、Cat # D6050、Lot # 308916
マウスIL-6 Quantakine 免疫アッセイ、R&D systems、Cat # M6000B、Lot # 309487
手順
細胞の維持
上清を300 x g で10分間遠心分離し、清浄した上清を分取して、パイロット実験の必要性に応じ、そのまま(MEF)または、1/5希釈して(MRC5)、ELISAのために使用する。
ELISA
このアッセイは、定量的サンドイッチ酵素免疫アッセイ技術を使用する。IL-6に特異的なモノクローナル抗体がマイクロプレートにプレコートされている。標準およびサンプルをウェルに分注し、存在するIL-6を固定化された抗体によって結合させる。結合していない物質を洗浄後、IL-6に特異的な酵素結合ポリクローナル抗体をウェルに加える。結合していない抗体-酵素試薬を除去するための洗浄後、基質溶液をウェルに添加し、最初のステップで結合したIL-6の量に比例して発色させる。発色を停止し、発色強度を測定する。
実験データ
3つの一連の実験の目的は、IL-1β/IL-1F2のヒトとマウスのオルソログで処理した際のIL6分泌を測定するために適した細胞株を同定することであった。IL6のロバスト分泌によるマウス-IL-1β/IL-1F2処理に反応するマウス細胞を同定するために、いくつかの予備的なパイロット実験を実施した。これらの予備的実験に基づいて、MEFをIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体滴定実験のためのモデル細胞株として選択した。MEFにおいてマウスIL-1B/IL-1F2によって誘導されたマウスIL6分泌のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体滴定曲線を、図7に示す。IL6産生データは、図9に示される較正曲線から計算した。挿入表は、IC50値の決定のための4パラメータアルゴリズムおよび曲線補間を用いた曲線フィッティングの結果を示す。マウスIL-1B/IL-1F2に対する計算されたIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体のIC50値は、>210ng/mlである。
実験データは、IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体が、ヒトIL-1β/IL-1F2シグナル伝達経路の効率的なインヒビターであるが、マウスIL-1B/IL-1F2シグナル伝達経路の効率的なインヒビターではないことを示す。IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体IC50値は、ヒトIL-1B/IL-1F2について0.19ng/ml、マウスIL-1B/IL-1F2-について>200ng/ml(IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の分子量を200kDaと仮定するとそれぞれ0.95pMおよび>1000pM)であった。MRC5細胞においてヒトIL-1B/IL-1F2によって誘導されるヒトIL6分泌のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体滴定曲線を図8に示す。ヒトIL-1B/IL-1F2に対するIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の計算されたIC50値(曲線補間表中のX-列)は0.22ng/mLである。MRC5細胞におけるアカゲザルIL-1B/IL-1F2によって誘導されるヒトIL6分泌のIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体滴定曲線を図9に示す。ヒトIL-1B/IL-1F2に対する計算されたIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体のIC50値は、0.38ng/mlである。最終濃度200ng/mlでのIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体調製物からのIL-6回収率は、95%であった。IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体は、ヒトおよびアカゲザルIL-1B/IL-1F2シグナル伝達経路の両方の効率的なインヒビターである。IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体のIC50値は、ヒトIL-1B/IL-1F2に対して0.19ng/ml、アカゲザルIL-1B/IL-1F2に対して0.38ng/ml(それぞれ1.1pMおよび1.9pM)である。最終濃度200ng/mlでのIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体調製物からのIL-6回収率は、92%であった。
したがって、マウスまたはヒト細胞のIL-1B/IL-1F2で処理した際のIL-6生成の刺激を、IL-1B/IL-1F2のヒト、マウス、およびアカゲザルオルソログに対する新規薬物候補IL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体の阻害特性の機能試験に使用した。適切な細胞株を同定し、細胞密度、処理時間、およびIL6検出の線形範囲を含む実験条件を、3つのオルソログすべてについて最適化した。得られたデータは表6に要約される。
表6 IL-1B/IL-1F2のヒト、マウス、およびアカゲザルオルソログに対するIL1R-FcV-RAcP-FcIIヘテロ二量体のIC50値
Figure 2023527171000023



ここに記載されたすべての刊行物および特許は、個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されているかのように、それらの全体において参照により組み込まれる。
主題の特定の態様が議論されているが、上記明細書は例示であり制限的なものではない。多くの変形が、本明細書および以下の特許請求の範囲を検討することにより、当業者には明らかとなるであろう。本発明の完全な範囲は、均等の全ての範囲とともに特許請求の範囲、およびかかる変形とともに明細書を参照することによって決定されるべきである。

Claims (59)

  1. ヘテロ二量体タンパク質組成物であって、前記タンパク質組成物は、
    配列番号8のアミノ酸配列を含有する第一のポリペプチド、および
    配列番号9のアミノ酸配列を含有する第二のポリペプチド
    を含む、タンパク質組成物。
  2. 治療用組成物であって、組成物がヘテロ二量体タンパク質組成物を含み、前記タンパク質組成物は、
    配列番号8のアミノ酸配列を含有する第一のポリペプチド、および
    配列番号9のアミノ酸配列を含有する第二のポリペプチド
    を含む、治療用組成物。
  3. スクロースおよそ6%(重量/容量)、平均分子重量3350Daを有するポリエチレングリコールおよそ3%(重量/容量)、塩化ナトリウムおよそ50mM、pHおよそ4.5からおよそ7.0までのL-ヒスチジンおよそ20mMを追加で含む、請求項2の治療用組成物。
  4. 該pHがおよそ6.5である、請求項2の治療用組成物。
  5. IL-1β変調に関連する疾患の治療に用いられるための、配列番号8のポリペプチドと配列番号9のもう一つのポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質構造を含む組成物。
  6. 該疾患が関節炎である、請求項5の組成物。
  7. 該疾患が痛風である、請求項5の組成物。
  8. 該疾患がリウマチ性関節炎である、請求項5の組成物。
  9. 該疾患がクリオピン関連性周期性症候群(CAPS)である、請求項5の組成物。
  10. 該疾患が強皮症である、請求項5の組成物。
  11. 該疾患が糖尿病である、請求項5の組成物。
  12. 該疾患がアテローム性動脈硬化症である、請求項5の組成物。
  13. 該疾患がドライアイ症候群である、請求項5の組成物。
  14. 該疾患が目のアレルギーである、請求項5の組成物。
  15. 該疾患がブドウ膜炎である、請求項5の組成物。
  16. 該疾患が再発性心膜炎である、請求項5の組成物。
  17. 該疾患が家族性地中海熱(FMF)である、請求項5の組成物。
  18. 該疾患がST上昇型心筋梗塞(STEMI)である、請求項5の組成物。
  19. 該疾患が急性呼吸窮迫症候群/サイトカイン放出ストーム(ARSD/CRS)である、請求項5の組成物。
  20. 該疾患がシュニッツラー症候群である、請求項5の組成物。
  21. 該疾患が手術後の切開部の痛みである、請求項5の組成物。
  22. 該疾患が慢性腎臓痛(CKD)である、請求項5の組成物。
  23. 該疾患がPFAPA(周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、腺炎)症候群である、請求項5の組成物。
  24. 該疾患が血球貪食性リンパ組織球症(HLH)である、請求項5の組成物。
  25. 該疾患がマクロファージ活性化症候群(MAS)である、請求項5の組成物。
  26. 該疾患が壊疽性膿皮症である、請求項5の組成物。
  27. 該疾患が川崎病である、請求項5の組成物。
  28. 該疾患が尋常性ざ瘡である、請求項5の組成物。
  29. 該疾患がアトピー性皮膚炎である、請求項5の組成物。
  30. 該疾患がベーチェット病である、請求項5の組成物。
  31. ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患または状態の治療または予防法であって、該方法は、ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患の治療または予防を要する患者に対し、配列番号8のアミノ酸配列を含む第一のポリペプチドと配列番号9のアミノ酸配列を含む第二のポリペプチドを含むヘテロ二量体タンパク質を含む医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、ヒトIL-1βの活性の変調に関連する疾患または状態の治療および予防法。
  32. 該疾患が関節炎である、請求項31の治療および予防法。
  33. 該疾患が痛風である、請求項31の治療および予防法。
  34. 該疾患がリウマチ性関節炎である、請求項31の治療および予防法。
  35. 該疾患がクリオピン関連性周期性症候群(CAPS)である、請求項31の治療および予防法。
  36. 該疾患が強皮症である、請求項31の治療および予防法。
  37. 該疾患が糖尿病である、請求項31の治療および予防法。
  38. 該疾患がアテローム性動脈硬化症である、請求項31の治療および予防法。
  39. 該疾患がドライアイ症候群である、請求項31の治療および予防法。
  40. 該疾患が目のアレルギーである、請求項31の治療および予防法。
  41. 該疾患がブドウ膜炎である、請求項31の治療および予防法。
  42. 該疾患が再発性心膜炎である、請求項31の治療および予防法。
  43. 該疾患が家族性地中海熱(FMF)である、請求項31の治療および予防法。
  44. 該疾患がST上昇型心筋梗塞(STEMI)である、請求項31の治療および予防法。
  45. 該疾患が急性呼吸窮迫症候群/サイトカイン放出ストーム(ARSD/CRS)である、請求項31の治療および予防法。
  46. 該疾患がシュニッツラー症候群である、請求項31の治療および予防法。
  47. 該疾患が手術後の切開部の痛みである、請求項31の治療および予防法。
  48. 該疾患が慢性腎臓痛(CKD)である、請求項31の治療および予防法。
  49. 該疾患がPFAPA(周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、腺炎)症候群である、請求項31の治療および予防法。
  50. 該疾患が血球貪食性リンパ組織球症(HLH)である、請求項31の治療および予防法。
  51. 該疾患がマクロファージ活性化症候群(MAS)である、請求項31の治療および予防法。
  52. 該疾患が壊疽性膿皮症である、請求項31の治療および予防法。
  53. 該疾患が川崎病である、請求項31の治療および予防法。
  54. 該疾患が尋常性ざ瘡である、請求項31の治療および予防法。
  55. 該疾患がアトピー性皮膚炎である、請求項31の治療および予防法。
  56. 該疾患がベーチェット病である、請求項31の治療および予防法。
  57. 該疾患が乳がんである、請求項31の治療および予防法。
  58. 該疾患が非小細胞肺癌である、請求項31の治療および予防法。
  59. 該疾患が脳卒中である、請求項31の治療および予防法。
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