JP2023526436A - 一連の順次サンプルにおける第1のサンプルの識別 - Google Patents

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Abstract

ADEデバイスが、1つ以上のADEパラメータに関する異なる値または値のパターンを使用して、少なくとも1つのサンプルから識別可能な1つ以上の射出のシーケンスを識別する。識別可能な1つ以上の射出は、1つ以上のピーク特徴に関して、生成された他の質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成するために実施される。射出時間が、記憶される。異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う1つ以上の検出されたピークが、識別可能な1つ以上の射出によって生成されるものとして識別される。遅延時間が、識別可能な射出の時間から計算され、識別された検出されたピークおよび複数のピークの時間は、サンプルの遅延時間、記憶された時間、および順序を使用して、サンプルと整列させられる。

Description

(関連出願)
本願は、その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる2020年5月22日に出願された米国仮出願第63/029,237号の優先権の利益を主張する。
(技術分野)
本明細書の教示は、音響射出質量分析法(AEMS)システムと称される開放ポートインターフェース(OPI)によって質量分析計に結合された音響液滴射出(ADE)デバイスを動作させることと、射出したサンプルを検出された質量ピークと整列させる方法とに関する。より具体的に、システムおよび方法が、1つ以上のサンプルのシーケンスにおいて、第1のサンプルを識別するために、提供される。
(サンプルタイミング問題)
下記に説明されるように、ADEデバイスが、開放ポートインターフェース(OPI)に迅速にサンプルを送達するために使用され得、OPIは、次に、移送管を通して質量分析計に分析物を移送し、質量分析計で、分析物が、分析される。サンプル分析のこの方法は、AEMSと称される。AEMSでは、音響射出が生じるときから、分析物からの信号が検出されるときまでに、遅延(数秒)が、ある。また、分析物が音響射出から質量分析計の入口まで進行するために要する時間にも、変動性がある。
高速射出率(1秒毎に1サンプル)においてAEMSにおけるOPIを使用するとき、同時、移送管内を進行する複数の希釈されたサンプルプラグが存在し得る。どの検出された信号がどのサンプルに属するかを識別するとき、サンプル注入のシーケンスにおける最初のサンプルを識別することが、極めて重要である。第1のサンプルのための信号が、見つからない、または誤認される場合、後続のサンプルからの信号が、第1のサンプルからの信号として識別され、その後のサンプルの全ての分析が正しくないリスクがある。
第1のサンプルが検出されないこともある理由は、限定ではないが、ユーザが分析物をウェルに添加していないこと、ADEデバイスが始動に失敗したこと、または、始動したが、液滴がOPIに進入していないこと(例えば、静電荷、非対称サンプル表面メニスカス、または不整列に起因して)、または、サンプルウェルが液滴の適切な射出を防止する気泡を含むことを含み得る。サンプルからの信号が見つからないことの発生は、稀であり得るが、それが起こることの結果は、深刻である(正しくないデータ)。
現在、AEMSシステムでは、ADEデバイスは、各ウェルの各サンプルが射出される時間を規定するタイミングファイルを生成する。質量分析法(MS)分析後、経時的に検出されたピークは、サンプルを識別するために、タイミングファイルの時間と整列させられる。しかしながら、いくつかのピーク、特に、最初の1つ以上のピークが見つからない場合、この整列は、混同され得る。
結果として、追加のAEMSシステムおよび方法が、見つからないピークが収集されるデータにおいて誤差を生成しないことを確実にするために、ADEデバイスの射出時間を質量分析計によって経時的に検出されたピークと整列させるために必要とされる。
(ADEおよびOPI背景)
サンプル中の分析物の存在、識別、濃度、および/または量の正確な決定は、多くの分野において極めて重要である。そのような分析において使用される多くの技法は、採用される分析機器の中への導入に先立って、流体サンプル中の種のイオン化を伴う。イオン化方法の選定は、サンプルの性質および使用される分析技法に依存し、多くのイオン化方法が、利用可能である。質量分析法は、サンプル分子がイオン化され、結果として生じるイオンが、次いで、質量/電荷比によって分類される確立された分析技法である。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、キャピラリ電気泳動、またはキャピラリ電気クロマトグラフィを含む液体クロマトグラフィ(LC)等の分離技法に質量分光分析、特に、エレクトロスプレー質量分光分析を結合する能力は、複雑な混合物が単一のプロセスにおいて分離および特性評価され得ることを意味している。死容積の低減および圧送圧力の増加等のHPLCシステム設計の改良は、より小さい粒子を含むより小さいカラム、改良された分離、およびより速い実行時間の利益が実現されることを可能にしている。これらの改良にもかかわらず、サンプル分離のために要求される時間は、依然として、約1分である。実際の分離が要求されない場合であっても、質量分析計の中にサンプルを装填する手順は、依然として、注入間のあるレベルの清浄化を伴う従来のオートサンプラを使用して、サンプル装填時間をサンプルあたり約10秒に限定する。
処理能力性能を改良することにおいて、ある程度成功している。塩を除去するために、伝統的なクロマトグラフィではなく、固相抽出を使用することによってサンプル処理を簡略化することは、HPLCのために要求されるサンプルあたり数分からサンプルあたり10秒未満に前注入時間を短縮することができる。しかしながら、サンプリング速度の増加は、感度を犠牲にする。さらに、サンプリング速度の増加によって節約された時間は、サンプル間の浄化の必要性によって相殺される。
現在の質量分析計の装填プロセスの別の限界は、サンプルの間の持ち越し汚染の問題であり、これは、以前のサンプル中の分析物の残留量による後続サンプルの汚染を回避するために、各サンプルが装填された後に洗浄ことを必要とする。これは、時間を要求し、ステップをプロセスに追加し、従来のオートサンプラシステムを用いて、分析を合理化するのではなく、複雑にする。
生物学的流体等の複雑なサンプルを処理するために使用されるときの現在の質量分析計の追加の限界は、マトリクス成分(例えば、細胞マトリクス成分等の天然マトリクス成分またはプラスチック等のいくつかの物質に固有の汚染物質)の存在からもたらされ、着目分析物に関する検出能力、精度、および/または正確度に悪影響を及ぼす不要な「マトリクス効果」現象である。
ADEを開放ポートインターフェース(OPI)と組み合わせるシステムが、開発された。このシステムは、米国特許出願第16/198,667号(以降、「第’667号特許」)(その全体として本明細書に組み込まれる)において説明される。
図1Aは、第’667号特許において説明されるように、OPIをADEと組み合わせる例示的システムである。図1Aでは、ADEデバイスは、概して11で示され、それは、概して51で示される連続的流動OPIに向かって、そのサンプリング先端53の中に液滴49を射出する。
ADEデバイス11は、少なくとも1つのリザーバを含み、第1のリザーバが、13で示され、随意の第2のリザーバが、31で示される。いくつかの実施形態では、さらなる複数のリザーバが、提供され得る。各リザーバは、流体表面を有する流体サンプル、例えば、第1の流体サンプル14および第2の流体サンプル16(それぞれ、17および19で示される流体表面を有する)を格納するように構成される。流体サンプル14および16は、同じであることも、異なることもあるが、概して、それらが、通常、分析器具(図示せず)に輸送され、それにおいて検出されることが意図される2つの異なる分析物を含むであろう限りにおいて、異なる。本節の前述で解説されるように、分析物は、生体分子または生体分子以外の高分子であり得るか、または、それは、小さい有機分子、無機化合物、イオン化原子、または任意のサイズ、形状、または分子構造の任意の部分であり得る。加えて、分析物は、流体サンプルの液体成分中に溶解、懸濁、または、分散され得る。
図1Aに図示されるように、2つ以上のリザーバが使用されるとき、リザーバは、好ましくは、実質的に同じであり、かつ実質的に音響的に区別がつかないが、同じ構造は、要件ではない。本節で前に解説されるように、リザーバは、トレイ、ラック、または別のそのような構造内の別個の除去可能な構成要素であり得るが、それらは、プレート、例えば、ウェルプレートまたは他の構造内に固定され得る。各リザーバは、好ましくは、示されるように、実質的に軸対称であり、垂直壁21および23(それぞれ、円形リザーバ基部25および27から上向きに延び、開口部29および31において終端する)を有するが、他のリザーバ形状およびリザーバ基部形状が、使用され得る。各リザーバ基部の材料および厚さは、音響放射が基部を通して、各リザーバ内に含まれる流体サンプルの中に伝達され得るようなものであるべきである。
ADEデバイス11は、音響エジェクタ33を備え、音響エジェクタ33は、音響放射発生器35と、集束手段37とを含み、集束手段37は、流体表面の近傍の流体サンプル内の焦点47に発生させられた音響放射を集束させる。図1Aに示されるように、集束手段37は、音響放射を集束させるための凹状面39を有する単一の固体部品を備え得るが、集束手段は、下記に議論されるような他の方法で構築され得る。
音響エジェクタ33は、リザーバ13および15に結合されると(したがって、流体14および16に音響的に結合されると)、それぞれ、流体表面17および19の各々から流体の液滴を射出するように、したがって、音響放射を発生および集束させるように適合される。デバイスの所望の性能に応じて、音響放射発生器35および集束手段37は、単一のコントローラによって制御される単一のユニットとして機能し得るか、または、それらは、独立して制御され得る。
最適に、音響結合は、図1Aに図示されるように、間接接触を通してエジェクタとリザーバの各々との間に達成される。図では、音響結合媒体41が、エジェクタ33とリザーバ13の基部25との間に設置され、エジェクタとリザーバとは、互いから所定の距離に位置する。音響結合媒体は、音響結合流体、好ましくは、音響集束手段37とリザーバの下側との両方と形状適合接触する音響的に均質な材料であり得る。加えて、流体媒体自体と異なる音響性質を有する材料が、流体媒体に実質的にないことを確実にすることが、重要である。示されるように、第1のリザーバ13は、音響放射発生器によって発生させられた音響波が、集束手段37によって音響結合媒体41の中に方向づけられ、音響結合媒体41が、次いで、音響放射をリザーバ13の中に伝達するように、音響集束手段37に音響的に結合される。このシステムは、図1Aに図示されるように、単一の音響エジェクタを含み得るか、または、既に述べたように、それは、複数のエジェクタを含み得る。
動作時、複数のリザーバが提供される実施形態におけるリザーバ13および随意のリザーバ15は、図1Aに示されるように、それぞれ、第1および第2の流体サンプル14および16で充填される。音響エジェクタ33は、リザーバ13の真下に位置付けられ、エジェクタとリザーバとの間の音響結合が、音響結合媒体41を用いて提供される。最初に、音響エジェクタは、サンプリング先端がリザーバ13内の流体サンプル14の表面17に面するように、OPI51のサンプリング先端53の真下に位置付けられる。エジェクタ33およびリザーバ13が、サンプリング先端53の下方で適切に整列すると、音響放射発生器35は、集束手段37によって第1のリザーバの流体表面17の近傍の焦点47に方向づけられる音響放射を生成するためにアクティブにされる。その結果、液滴49は、流体表面17から、OPI51のサンプリング先端53における液体境界50に向かって、その中に射出され、そこで、これは、流動プローブ53内の溶媒と結合する。
サンプリング先端53における液体境界50のプロファイルは、サンプリング先端53を越えて延在することから、OPI51の中に内向きに突出することまで変動し得る。複数リザーバシステムでは、リザーバユニット(図示せず)、例えば、マルチウェルプレートまたは管ラックが、次いで、別のリザーバがエジェクタと整列させられ、次の流体サンプルの液滴が射出され得るように、音響エジェクタに対して位置変更されることができる。流動プローブ内の溶媒は、プローブを通して持続的に循環し、液滴射出事象間の「持ち越し汚染」を最小化するか、または、それを排除さえする。マルチウェルプレートが、限定ではないが、24ウェル、384ウェル、または1536ウェルプレートを含むことができる。
流体サンプル14および16は、分析器具への移送が所望される任意の流体のサンプルである。故に、流体サンプルは、水性液体または非水性液体であり得る液体中に最小限に、部分的または完全に、溶媒和され、分散され、または懸濁される固体を含み得る。OPI51の実施形態の構造も、図1Aに示される。連続的な流動OPIの他の構成が、そのまま、または修正された形態において使用されることができ、その全てが、当技術分野で周知であるように、実質的に同じ原理に従って動作する。図1Aに見られ得るように、OPI51のサンプリング先端53は、リザーバ13内の流体表面17から間隔を置かれ、その間に間隙55を伴う。間隙55は、空隙または不活性ガスの間隙であり得るか、または、それは、ある他のガス状物質を含み得、サンプリング先端53をリザーバ13内の流体14に接続するいかなる液体ブリッジも存在しない。
OPI51は、溶媒源から溶媒を受け取るための溶媒入口57と、溶媒入口57からサンプリング先端53に溶媒流を輸送するための溶媒輸送毛細管59とを含み、そこで、分析物含有流体サンプル14の射出された液滴49は、溶媒と組み合わせられ、分析物-溶媒希釈物を形成する。溶媒ポンプ(図示せず)が、溶媒供給から溶媒輸送毛細管59を通したサンプリング先端53への溶媒流の速度、したがって、溶媒輸送毛細管内の溶媒流の速度も同様に制御するために、溶媒入口57に動作可能に接続され、それと流体連通する。
OPI51内の流体流動は、分析器具への後続移送のために、サンプル出口63に向かって内側毛細管73によって提供される分析物-溶媒希釈物をサンプル輸送毛細管61を通して搬送する。サンプル輸送毛細管61に動作可能に接続され、それと流体連通するサンプリングポンプ(図示せず)が、出口63からの出力速度およびサンプリング先端53における溶媒の吸引を制御するために提供されることができる。
一実施形態では、容積式ポンプ(例えば、蠕動ポンプ)が、溶媒ポンプとして使用され、サンプリングポンプの代わりに、吸引ネブライジングシステムが、使用され、それによって、分析物-溶媒希釈物が、ベンチュリ効果によってサンプル出口63から引き出され、ベンチュリ効果は、ガス入口67(吸引ネブライザの特徴が当技術分野で周知である限りにおいて、図1Aに簡略化形態において示される)を介してネブライジングガス源65から導入されるネブライジングガスの流動によって、それがサンプル出口63の外側の上を覆って流動するとき、引き起こされる。分析物-溶媒希釈物流は、次いで、ネブライジングガスがサンプル出口63の上を覆って通過するときに発生させられる圧力降下によってサンプル輸送毛細管61を通して上向きに引き込まれ、サンプル輸送毛細管61から退出する流体と結合する。ガス圧力調整器が、ガス入口67を介したこのシステムの中へのガス流の速度を制御するために使用される。
好ましい様式では、ネブライジングガスは、シース流動タイプ様式でサンプル出口63またはその近傍でサンプル輸送毛細管61の外側の上を覆って流動し、それは、それがサンプル出口63にわたって流動するとき、サンプル輸送毛細管61を通して分析物-溶媒希釈物を引き込み、それは、ネブライザガスとの混合時、サンプル出口における吸引を引き起こす。種々の実施形態では、サンプル出口63は、ガスノズルから外に突出する直管である。
溶媒輸送毛細管59およびサンプル輸送毛細管61は、外側毛細管71とその中に実質的に同軸に配置される内側毛細管73とによって提供され、内側毛細管73は、サンプル輸送毛細管を画定し、内側毛細管73と外側毛細管71との間の環状空間は、溶媒輸送毛細管59を画定する。内側毛細管73の寸法は、1ミクロン~1mm、例えば、200ミクロンであり得る。内側毛細管73の外径の典型的な寸法は、100ミクロン~3または4センチメートル、例えば、360ミクロンであり得る。外側毛細管71の内径の典型的な寸法は、100ミクロン~3または4センチメートル、例えば、450ミクロンであり得る。外側毛細管71の外径の典型的な寸法は、150ミクロン~3または4センチメートル、例えば、950ミクロンであり得る。
他の実施形態では、溶媒輸送毛細管およびサンプル輸送毛細管の異なる幾何学形状および構成が、提供され得る。例えば、それらがさらされたサンプリング領域に溶媒を供給し、供給された溶媒とサンプル分析器によって分析のためのサンプリング領域からの捕捉されたサンプルとを吸引することに好適であることを前提として、毛細管は、共軸方向である必要はなく、図示されるものと異なる断面を有し得る。内側毛細管73および/または外側毛細管71の断面積は、円形、楕円形、スーパー楕円形(すなわち、スーパー楕円のような形状)、またはさらには多角形であり得る。図1Aに図示されるシステムは、溶媒入口57から下向きに、溶媒輸送毛細管59内でサンプリング先端53に向かうような溶媒流の方向、およびサンプリング先端53から上向きに、サンプル輸送毛細管61を通して上向きに、出口63に向かうような分析物-溶媒希釈物流の方向を示すが、方向は、逆転されることができ、OPI51は、必ずしも厳密に垂直であるように位置付けられるわけではない。図1Aに示される構造に対する種々の修正が、当業者に明白であるか、または、このシステムの使用中に当業者によって推測され得る。
このシステムは、外側毛細管71および内側毛細管73に結合された調節器75も含むことができる。調節器75は、外側毛細管先端77と内側毛細管先端79とを互いに対して縦方向に移動させるために適合されることができる。調節器75は、内側毛細管73に対して外側毛細管71を移動させることが可能な任意のデバイスであり得る。例示的調節器75は、限定ではないが、電気モータ(例えば、ACモータ、DCモータ、静電モータ、サーボモータ等)、油圧モータ、空気圧モータ、平行移動ステージ、およびそれらの組み合わせを含むモータであり得る。本明細書に使用されるように、「縦方向に」は、OPI51の長さに延びる軸を指し、内側および外側毛細管73、71は、図1に示されるように、OPI51の縦方向軸の周囲に同軸に配置されることができる。
随意に、使用に先立って、調節器75は、内側毛細管73を縦方向に内向きに引き込むために使用され、それによって、外側毛細管71が、内側毛細管73の端部を越えて突出し、溶媒輸送毛細管59内の溶媒流とサンプル輸送毛細管61内で分析物-溶媒希釈物流61として輸送されるサンプルとの間の最適な流体連通を促進する。加えて、図1Aに図示されるように、OPI51は、概して、安定性および容易な取り扱いのために、ほぼ円筒形の保持器81内に取り付けられる。
図1Bは、第’667号特許において説明されるようなサンプリングOPIの開放端内に受け取られる分析物をイオン化し、質量分析するためのシステム110の例示的実施形態である。システム110は、サンプリングOPI51の開放端の中にリザーバから液滴49を注入するように構成された音響液滴注射デバイス11を含む。図1Bに示されるように、例示的システム110は、概して、1つ以上のサンプル分析物を含む液体を(例えば、エレクトロスプレー電極164を介して)イオン化チャンバ112の中に排出するためのネブライザ支援イオン源160と流体連通するサンプリングOPI51と、イオン源160によって発生させられるイオンの下流処理および/または検出のためのイオン化チャンバ112と流体連通する質量分析器170とを含む。流体取り扱いシステム140(例えば、1つ以上のポンプ143および1つ以上の導管を含む)が、溶媒リザーバ150からサンプリングOPI51への液体の流動、およびサンプリングOPI51からイオン源160への液体の流動を提供する。例えば、図1Bに示されるように、溶媒リザーバ150(例えば、液体、脱離溶媒を含む)が、供給導管を介してサンプリングOPI51に流動的に結合されることができ、それを通して、液体は、全て非限定的例として、ポンプ143(例えば、往復ポンプ、回転、ギヤ、プランジャ、ピストン、蠕動、ダイヤフラムポンプ等の容積式ポンプ、または重力、衝撃、空気圧、電気運動、および遠心ポンプ等の他のポンプ)によって選択された体積速度において送達されることができる。下で詳細に議論されるように、サンプリングOPI51の内外への液体の流動は、開放端においてアクセス可能なサンプル空間内で起こり、それによって、1つ以上の液滴49が、サンプル先端において液体境界50の中に導入され、続いて、イオン源160に送達され得る。
示されるように、システム110は、音響エネルギーを発生させるように構成された音響液滴注射デバイス11を含み、音響エネルギーは、リザーバ(図1Aに描写されるように)内に含まれる液体に印加され、1つ以上の液滴49がリザーバからサンプリングOPI51の開放端の中に射出されることを引き起こす。コントローラ180が、音響液滴注射デバイス11に動作可能に結合されることができ、非限定的例として、実質的に持続的に、または実験プロトコルの選択された部分に関して、サンプリングOPI51の中に液滴を注入すること、または本明細書で議論されるその他を行うように、音響液滴注射デバイス11(例えば、集束手段、音響放射発生器、音響放射発生器と整列する1つ以上のリザーバを位置付けるための自動化手段等)の任意の側面を動作させるように構成されることができる。コントローラ180は、限定ではないが、図1のマイクロコントローラ、コンピュータ、マイクロプロセッサ、コンピュータシステム、または制御信号およびデータを送信および受信することが可能な任意のデバイスであることができる。
図1Bに示されるように、例示的イオン源160は、加圧ガス(例えば、窒素、空気、または希ガス)の源65を含むことができ、源65は、高速ネブライジングガス流を供給し、高速ネブライジングガス流は、エレクトロスプレー電極164の出口端を包囲し、出口端から排出される液体と相互作用し、例えば、高速ネブライジング流と液体サンプル(例えば、分析物-溶媒希釈物)のジェットとの相互作用を介して、114bおよび116bによるサンプリングのために、サンプルプルームの形成とプルーム内のイオン放出とを強化する。ネブライザガスは、種々の流量において、例えば、約0.1L/分~約20L/分の範囲内で供給されることができ、それも、コントローラ180の影響下で(例えば、弁163の開放および/または閉鎖を介して)制御されることができる。ネブライザガスは、種々の流量において、例えば、約0.1L/分~約20L/分の範囲内で供給されることができ、それも、コントローラ180の影響下で(例えば、弁163の開放および/または閉鎖を介して)制御されることができる。
ネブライザガスの流量が、(例えば、コントローラ180の影響下で)調節されることができ、それによって、サンプリングOPI51から引き出される液体の流量が、例えば、ネブライザガスと、エレクトロスプレー電極164から排出されるときの分析物-溶媒希釈物との相互作用によって発生させられる吸い込み/吸引力(例えば、ベンチュリ効果に起因する)に基づいて、調節されることができることを理解されたい。
図1Bに示されるように、イオン化チャンバ112は、大気圧において維持されることができるが、いくつかの実施形態では、イオン化チャンバ112は、大気圧より低い圧力まで排気されることができる。イオン化チャンバ112(その中で、分析物-溶媒希釈物がエレクトロスプレー電極164から排出されるとき、分析物がイオン化され得る)は、カーテンプレート開口114bを有するプレート114aによってガスカーテンチャンバ114から分離される。示されるように、質量分析器170を格納する真空チャンバ116は、真空チャンバサンプリングオリフィス116bを有するプレート116aによってカーテンチャンバ114から分離される。カーテンチャンバ114および真空チャンバ116は、1つ以上の真空ポンプポート118を通した排気によって選択された圧力(例えば、同じ、または異なる低大気圧、イオン化チャンバより低い圧力)で維持されることができる。
本明細書の教示に照らして、質量分析器170が種々の構成を有し得ることも、当業者によって理解されるであろう。概して、質量分析器170は、イオン源160によって発生させられるサンプルイオンを処理(例えば、濾過、分類、分離、検出等)するように構成される。非限定的例として、質量分析器170は、三連四重極質量分析計または当技術分野で公知であり、本明細書の教示に従って修正される任意の他の質量分析器であり得る。本明細書に開示されるシステム、デバイス、および方法の種々の側面に従って修正され得る他の非限定的例示的質量分析計システムは、例えば、James W. Hager、およびJ.C.Yves LeBlancによって執筆され、「Rapid Communications in Mass Spectrometry」(2003;17:1056-1 064)において公開された、「Product ion scanning using a Q-q-Q linear ion trap (Q TRAP(登録商標))mass spectrometer」と題された論文、および「Collision Cell for Mass Spectrometer」と題された米国特許第7,923,681号(特許文献2)(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)において見出され得る。
限定ではないが、本明細書に説明されるそれらおよび当業者に公知であるその他を含む、他の構成も、本明細書に開示されるシステム、デバイス、および方法と併せて使用されることができる。例えば、他の好適な質量分析計は、単一四重極、三連四重極、ToF、トラップ、およびハイブリッド分析器を含み得る。例えば、イオン化チャンバ112と質量分析器170との間に配置され、それらの質量/電荷比ではなく高および低場内のドリフトガスを通したその移動度に基づいてイオンを分離するように構成されたイオン移動度分析計(例えば、微分移動度分析計)を含む任意の数の追加の要素が、システム110に含まれ得ることをさらに理解されたい。加えて、質量分析器170は、分析器170を通過するイオンを検出し得、例えば、検出される1秒あたりのイオンの数を示す信号を供給し得る検出器を備え得ることを理解されたい。
(質量分析法背景)
質量分析計は、多くの場合、サンプルからの着目化合物を識別および特性評価するために、または複数のサンプルを分析するために、クロマトグラフィ、またはADEデバイスおよびOPI等の他のサンプル導入システムと結合される。そのような結合システムでは、溶出または注入された溶媒は、イオン化され、一連の質量スペクトルが、保持時間(retention time)と呼ばれる規定された時間間隔において、溶出溶媒から取得される。これらの保持時間は、例えば、1秒~100分以上に及ぶ。一連の質量スペクトルは、クロマトグラムまたは抽出イオンクロマトグラム(XIC)を形成する。
XICにおいて見出されるピークが、例えば、サンプル内の既知のペプチドまたは化合物を識別または特性評価するために使用される。より具体的に、ピークの保持時間および/またはピークの面積は、サンプル内の既知のペプチドまたは化合物を識別または特性評価(定量化)するために使用される。サンプル導入デバイスによって経時的に提供される複数のサンプルの場合、ピークの保持時間は、ピークを正しいサンプルと整列させるために使用される。
従来の分離結合される質量分析法システムでは、既知の化合物の断片またはプロダクトイオンが、分析のために選択される。タンデム質量分析法または質量分析法/質量分析法(MS/MS)走査が、次いで、プロダクトイオンを含む質量範囲にわたって、分離の各間隔において実施される。各MS/MS走査において見出されるプロダクトイオンの強度は、例えば、経時的に収集され、スペクトルまたはXICの集合として分析される。
一般に、タンデム質量分析法またはMS/MSは、化合物を分析するための周知の技法である。タンデム質量分析法は、サンプルからの1つ以上の化合物のイオン化と、1つ以上の化合物の1つ以上の前駆体イオンの選択と、断片またはプロダクトイオンへの1つ以上の前駆体イオンの断片化と、プロダクトイオンの質量分析とを伴う。
タンデム質量分析法は、定質的および定量的情報の両方を提供することができる。プロダクトイオンスペクトルは、着目分子を識別するために使用されることができる。1つ以上のプロダクトイオンの強度は、サンプル内に存在する化合物の量を定量化するために使用されることができる。
多数の異なるタイプの実験方法またはワークフローが、タンデム質量分析計を使用して、実施されることができる。これらのワークフローの3つの広義のカテゴリは、標的化入手、情報依存型入手(IDA)またはデータ依存型入手(DDA)、およびデータ独立入手(DIA)である。
標的化入手方法では、プロダクトイオンへの前駆体イオンの1つ以上の遷移は、着目化合物に関して事前に定義される。サンプルが、タンデム質量分析計に導入されるにつれて、1つ以上の遷移が、各期間または複数の期間のサイクルまたは複数のサイクル中、調べられ、または監視される。換言すると、質量分析計は、各遷移の前駆体イオンを選択および断片し、遷移のプロダクトイオンのみに関して、標的化質量分析を実施する。結果として、強度(プロダクトイオン強度)が、各遷移に関して生成される。標的化入手方法は、限定ではないが、多重反応監視(MRM)および選択された反応監視(SRM)を含む。
標的化入手方法では、遷移のリストが、典型的に、各サイクル時間中、調べられる。任意のある時点における調べられる遷移の数を減少させるために、各遷移に関する保持時間または保持時間範囲を含むいくつかの標的化入手方法が、修正されている。その保持時間において、またはその保持時間範囲内でのみ、特定の遷移が調べられるであろう。保持時間が遷移に伴って規定されることを可能にする1つの標的化入手方法は、スケジュールされたMRMと称される。
IDA方法では、サンプルがタンデム質量分析計に導入されている間、ユーザが、プロダクトイオンの非標的化質量分析を実施するための基準を規定することができる。例えば、IDA方法では、前駆体イオンまたは質量分析法(MS)調査走査が、前駆体イオンピークリストを発生させるために実施される。ユーザは、ピークリスト上の前駆体イオンの一部に関してピークリストをフィルタリングするために、基準を選択することができる。MS/MSが、次いで、前駆体イオンの一部の各前駆体イオンに実施される。プロダクトイオンスペクトルが、各前駆体イオンに関して生成される。MS/MSは、サンプルがタンデム質量分析計に導入されるにつれて、前駆体イオンの一部の前駆体イオンに繰り返して実施される。
しかしながら、プロテオミクスおよび多くの他のサンプルタイプでは、化合物の複雑性および動的範囲は、非常に広い。これは、広範囲の分析物の識別および定量化の両方を行うために、サンプルを深く調べるための非常に高速のMS/MS入手を要求する従来の標的化およびIDA方法に関する課題を提起する。
結果として、タンデム質量分析法の第3の広義のカテゴリである、DIA方法が、開発された。これらのDIA方法が、複雑なサンプルからのデータ収集の再現性および包括性を増加させるために使用されている。DIA方法は、非特異的断片化方法とも呼ばれることができる。従来のDIA方法では、タンデム質量分析計の動作は、前の前駆体またはプロダクトイオン走査において入手されたデータに基づいて、MS/MS走査間で変動させられない。代わりに、前駆体イオン質量範囲が、選択される。前駆体イオン質量選択ウィンドウが、次いで、前駆体イオン質量範囲にわたって段階化される。前駆体イオン質量選択ウィンドウにおける全ての前駆体イオンが、断片化され、前駆体イオン質量選択ウィンドウにおける前駆体イオンの全てのプロダクトイオンの全てが、質量分析される。
質量範囲を走査するために使用される前駆体イオン質量選択ウィンドウは、ウィンドウ内の複数の前駆体の可能性が低いように、非常に狭くあることができる。このタイプのDIA方法は、例えば、MS/MSALLと呼ばれる。MS/MSALL方法では、約1amuの前駆体イオン質量選択ウィンドウが、走査されるか、または、質量範囲全体にわたって段階化される。プロダクトイオンスペクトルが、各1amu前駆体質量ウィンドウに関して生成される。質量範囲全体を一度分析または走査するために要する時間は、1走査サイクルと称される。しかしながら、各サイクル中、広い前駆体イオン質量範囲にわたって、狭い前駆体イオン質量選択ウィンドウを走査することは、いくつかの器具および実験に関して実践的ではない。
結果として、より大きい前駆体イオン質量選択ウィンドウまたはより広い幅を伴う選択ウィンドウが、全体前駆体質量範囲にわたって段階化される。このタイプのDIA方法は、例えば、SWATH入手と呼ばれる。SWATH入手では、各サイクルにおいて前駆体質量範囲にわたって段階化される前駆体イオン質量選択ウィンドウは、5~25amuまたはさらにより広い幅を有し得る。MS/MSALL方法のように、各前駆体イオン質量選択ウィンドウにおける前駆体イオンの全ては、断片化され、各質量選択ウィンドウにおける前駆体イオンの全てのプロダクトイオンの全てが、質量分析される。
米国特許第7,405,395号明細書 米国特許第7,923,681号明細書
AEMSにおいてサンプルを検出されたピークと整列させるためのシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品が、開示される。いくつかの実施形態では、ADEデバイスと、OPIと、イオン源デバイスと、質量分析計と、構成要素の動作を調整するためのコントローラとを含むシステムが、提供され得る。ADEデバイスは、1つ以上のADEパラメータに関して、分析されている一連のサンプルに関して、サンプル射出の分析シーケンスと異なる値の組み合わせまたは値のパターンを使用して、一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルからの1回以上の射出の識別可能なシーケンスを実施する。ADEデバイスは、1つ以上のピーク特徴に関して、分析されているサンプルの分析シーケンスに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成するために、識別可能な1つ以上の射出のシーケンスを実施する。さらに、ADEデバイスは、射出の識別可能なシーケンスに対応するサンプル射出時間を記憶または通信する。サンプル射出時間および/または識別可能な1つ以上の射出のシーケンスの特性は、質量ピークの後続分析シーケンスを対応する射出したサンプルと整列させるために使用され得る対応する1つ以上の識別可能質量ピークを生成し得る。
OPIは、管の入口において、識別可能な1つ以上の射出のシーケンスおよび他の射出を受け取る。OPIは、一連の分析物-溶媒希釈物を形成するように、受け取られた識別可能な射出を管内の溶媒と混合する。OPIは、管の出口に一連の希釈物を移送する。
イオン源デバイスは、一連の希釈物を受け取り、一連の希釈物をイオン化し、イオンビームを生成する。質量分析計は、経時的にイオンビームを受け取り、イオンビームを質量分析し、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成する。
プロセッサは、一連のピークのうちのピークおよびサンプル射出の記憶された時間を受信する。プロセッサは、識別可能な射出に対応するまたはそれによって生成された異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う受信した一連のピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別する。プロセッサは、識別可能な射出の時間と識別された1つ以上の検出されたピークの時間とから遅延時間を計算する。最後に、プロセッサは、遅延時間、記憶された時間、および一連のサンプルの順序を使用して、一連の検出されたピークを一連のサンプルと整列させる。
本出願人の教示のこれらおよび他の特徴が、本明細書に記載される。
当業者は、下記に説明される図面が、例証目的のみのためであることを理解するであろう。図面は、本教示の範囲をいかようにも限定するように意図されない。
図1Aは、第’667号特許に説明されるような開放ポートインターフェース(OPI)サンプリング界面と音響液滴射出(ADE)とを組み合わせた例示的システムである。
図1Bは、第’667号特許に説明されるようなサンプリングOPIの開放端内で受け取られた分析物をイオン化し、質量分析するための例示的システムである。
図2は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステムを図示するブロック図である。
図3は、ADEデバイスタイミングファイルからの射出時間との検出されたピークの適切な整列を示す例示的プロットである。
図4は、4つの異なるサンプルからの分析物のための質量分析計によって、経時的に検出され、順次、ADEデバイスおよびOPIによって質量分析計に提供される3つのピークを示す例示的プロットである。
図5は、図4における検出されたピークの数および射出時間の数における不整列が、図4の3つのピークを伴う4つの異なるサンプル射出の異なる整列をもたらす方法を示す例示的プロットである。
図6は、見つからないピークおよび低強度ピークに起因して、射出時間と不整列の検出されたピークを示す例示的プロットである。
図7は、種々の実施形態による質量分析計によって検出されたピークが、ADEデバイスの射出期間を変化させることによって変動させられ得る方法を示す例示的プロットである。
図8は、種々の実施形態による第1の識別可能パターンのピークおよび空白時間の後に続く残りのサンプルピークを含む、理想的な検出されたピークの例示的プロットである。
図9は、種々の実施形態による検出されるピークの識別可能パターンまたはバーコードを識別するためのマスクを示す例示的プロットである。
図10は、種々の実施形態による図9のマスクを使用して、残りのサンプルに関して検出されたピークに対する、2つのサンプルに関する2つの検出されたピークバーコードパターンの場所を示す例示的プロットである。
図11は、種々の実施形態による図10と同じデータを示すが、図10の2つのバーコードパターンが見えるために、より低い強度範囲に対してプロットされる、例示的プロットである。
図12は、種々の実施形態によるAEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させるためのシステムの概略図である。
図13は、種々の実施形態によるAEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させる方法を示すフローチャートである。
図14は、種々の実施形態によるAEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させる方法を実施する、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムの概略図である。
本教示の1つ以上の実施形態が詳細に説明される前に、当業者は、本教示が、以下の詳細な説明に記載され、または図面に図示される構造の詳細、構成要素の配置、およびステップの配置に対するその用途に限定されないことを理解するであろう。本明細書で使用される語法および専門用語が説明の目的のためであり、限定と見なされるべきではないことも理解されたい。
(コンピュータ実装システム)
図2は、本教示の実施形態が実装され得るコンピュータシステム200を図示するブロック図である。コンピュータシステム200は、情報を通信するためのバス202または他の通信機構と、処理情報のためにバス202と結合されるプロセッサ204とを含む。コンピュータシステム200は、メモリ206も含み、それは、プロセッサ204によって実行されるべき命令を記憶するためのバス202に結合されるランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスであり得る。メモリ206は、プロセッサ204によって実行されるべき命令の実行中、一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。コンピュータシステム200は、読み取り専用メモリ(ROM)208またはプロセッサ204に関する静的情報および命令を記憶するためのバス202に結合される他の静的記憶デバイスをさらに含む。磁気ディスクまたは光ディスク等の記憶デバイス210が、提供され、情報および命令を記憶するためのバス202に結合される。
コンピュータシステム200は、情報をコンピュータユーザに表示するためのブラウン管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ212にバス202を介して結合され得る。英数字および他のキーを含む入力デバイス214が、プロセッサ204に情報およびコマンド選択を通信するために、バス202に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、マウス、トラックボール、またはカーソル方向キー等のカーソル制御216であり、それらは、プロセッサ204に方向情報およびコマンド選択を通信し、ディスプレイ212上のカーソル移動を制御する。この入力デバイスは、典型的に、デバイスを平面内の位置に規定することを可能にする2つの軸、すなわち、第1の軸(すなわち、x)および第2の軸(すなわち、y)において、2自由度を有する。
コンピュータシステム200が、本教示を実施することができる。本教示のある実装と一貫して、結果が、メモリ206内に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するプロセッサ204に応答して、コンピュータシステム200によって提供される。そのような命令は、記憶デバイス210等の別のコンピュータ読み取り可能な媒体から、メモリ206に読み込まれ得る。メモリ206内に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ204に本明細書に説明されるプロセスを実施させる。代替として、配線回路が、本教示を実装するためのソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、使用され得る。したがって、本教示の実装は、ハードウェア回路およびソフトウェアの任意の具体的組み合わせに限定されない。
種々の実施形態では、コンピュータシステム200は、ネットワーク化システムを形成するために、ネットワークにわたって、コンピュータシステム200のような、1つ以上の他のコンピュータシステムに接続されることができる。ネットワークは、プライベートネットワークまたはインターネット等のパブリックネットワークを含むことができる。ネットワーク化システムでは、1つ以上のコンピュータシステムが、データを記憶し、他のコンピュータシステムに供給することができる。データを記憶および供給する1つ以上のコンピュータシステムは、クラウドコンピューティングシナリオにおいて、サーバまたはクラウドと称され得る。1つ以上のコンピュータシステムは、例えば、1つ以上のウェブサーバを含むことができる。サーバまたはクラウドにおよびそれからデータを送信および受信する、他のコンピュータシステムは、例えば、クライアントまたはクラウドデバイスと称され得る。
本明細書で使用されるような用語「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、実行のためにプロセッサ204に命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体が、限定ではないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む、多くの形態をとってもよい。不揮発性媒体は、例えば、記憶デバイス210等の光学または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ206等の動的メモリを含む。伝送媒体は、バス202を備えているワイヤを含む、同軸ケーブル、銅ワイヤ、およびファイバ光学系を含む。
一般的形態のコンピュータ読み取り可能な媒体またはコンピュータプログラム製品は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、可撓性ディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、CD-ROM、デジタルビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク、任意の他の光学媒体、サムドライブ、メモリカード、RAM、PROM、およびEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、任意の他のメモリチップ、またはカートリッジ、またはそこからコンピュータが読み取り得る任意の他の有形媒体を含む。
種々の形態のコンピュータ読み取り可能な媒体が、実行のためにプロセッサ204に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初に、遠隔コンピュータの磁気ディスク上に搬送され得る。遠隔コンピュータは、命令をその動的メモリの中にロードし、モデムを使用して、電話回線を経由して命令を送信することができる。コンピュータシステム200にローカルなモデムが、電話回線上でデータを受信し、赤外線信号にデータを変換するように赤外線送信機を使用することができる。バス202に結合される赤外線検出器が、赤外線信号において搬送されるデータを受信し、バス202上にデータを入れることができる。バス202は、メモリ206にデータを搬送し、そこからプロセッサ204が命令を読み出し、実行する。メモリ206によって受信される命令は、随意に、プロセッサ204による実行前または後のいずれかに、記憶デバイス210に記憶され得る。
種々の実施形態によると、方法を実施するようにプロセッサによって実行されるように構成される命令が、コンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、デジタル情報を記憶するデバイスであることができる。例えば、コンピュータ読み取り可能な媒体が、ソフトウェアを記憶するための当技術分野において公知であるような、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)を含む。コンピュータ読み取り可能な媒体は、実行されるように構成される命令を実行するために好適なプロセッサによって、アクセスされる。
本教示の種々の実装の以下の説明は、例証および説明の目的のために提示されている。包括的ではなく、開示される精密な形態に本教示を限定しない。修正および変形例が、上記の教示に照らして可能である、または本教示の実践から入手され得る。加えて、説明される実装は、ソフトウェアを含むが、本教示は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして、またはハードウェア単独で実装され得る。本教示は、オブジェクト指向および非オブジェクト指向プログラミングシステムの両方を用いて、実装され得る。
(タイミング整列のための識別可能音響射出)
上で説明されるように、現在、AEMSシステムにおいて、ADEデバイスは、各ウェルの各サンプルが射出される時間を規定するタイミングファイルを含む。MS分析後、経時的に検出されたピークは、タイミングファイルの時間と整列させられる。
図3は、ADEデバイスタイミングファイルからの射出時間との検出されたピークの適切な整列を示す例示的プロット300である。プロット300では、例えば、強度対時間ピーク311、312、313、314、および315は、それぞれ、矢印321、322、323、324、および325によって描写される射出時間と適切に整列させられている。
しかしながら、いくつかのピーク、特に、最初の1つ以上のピークが、見つからない場合、この整列は、混同され得る。
図4は、ADEデバイスおよびOPIによって質量分析計に順次提供される4つの異なるサンプルからの分析物に関して、質量分析計によって経時的に検出された3つのピークを示す例示的400プロットである。プロット400では、強度対時間ピーク412、413、および414が、ADEデバイスによってOPIの中に射出される3つの異なるサンプルに関して、質量分析計によって検出される。時間411において、ピークが、第4のサンプルに関して見つからず、それは、ADEデバイスがOPIの中に射出することを試みた最初のサンプルであった。
矢印421、422、423、および424は、時間ピーク412、413、および414に対して、4つの異なるサンプルの射出時間を示す。換言すると、時間ピーク412、413、および414に対する矢印421、422、423、および424の位置は、ADEデバイスによるサンプル射出と質量分析計によるサンプル分析との間の時間遅延を示す。プロット400は、サンプル射出と分析との間の時間遅延により、各ピークに対応するサンプルを決定するために、矢印421、422、423、および424がピーク412、413、および414と整列させられなければならないことを示す。矢印421、422、423、および424によって描写される射出時間は、例えば、ADEデバイスによってタイミングファイル内に記憶されている。
図5は、図4における検出されたピークの数と射出時間の数とにおける不整列が、図4の4つの異なるサンプル射出の3つのピークとの異なる整列をもたらすことを示す例示的プロット500である。整列510では、矢印422、423、および424によって描写される射出時間は、それぞれ、ピーク412、413、および414と整列させられている。しかしながら、整列520では、矢印421、422、および423によって描写される射出時間が、それぞれ、ピーク412、413、および414と整列させられている。両方の整列が、可能である。
結果として、プロット500は、ピーク412、413、および414に対応するサンプルの決定が、時間411における見つからないピークによって混同されることを示す。換言すると、時間411における見つからないピークが、ピーク412、413、および414の識別を決定することを困難にし、潜在的に、4つのサンプルおよびそれらの4つのサンプルに続く全てのサンプルに関して正しくない結果をもたらす。
図6は、見つからないピークおよび低強度ピークに起因して、射出時間と不整列の検出されたピークを示す例示的プロット600である。プロット600では、時間610における見つからないピークが存在し、検出された他のピークに対する時間620において、低強度ピークが存在する。結果として、矢印630によって表される射出時間の整列は、2つのサンプルまたはウェルによって、オフにされ、またはシフトされる。その結果、全ての24ウェルに関して報告されるデータは、不整列に起因して、正しくない。
図4、5、および6は、追加のAEMSシステムおよび方法が、見つからないピークが収集されるデータにおいて誤差を生成しないことを確実にするために、ADEデバイスの射出時間を質量分析計によって経時的に検出されたピークと整列させるために必要とされることを示す。
種々の実施形態では、多くのサンプル注入を用いる実験中、ADEデバイスは、1つ以上のサンプルに対して1つ以上の識別可能な射出のシーケンスを実施するように動作させられ、1つ以上の識別可能な射出は、全ての他のサンプルに関して実施される射出と比較して、識別可能である。識別可能な射出は、質量分析計によって検出される1つ以上のピークを生成するために実施され、該1つ以上のピークは、検出される全ての他のピークと比較して識別可能である。1つ以上の識別可能な射出におけるシーケンスは、ADEによって実施される射出のいくつかの異なる特性に基づいて、後続射出の分析シーケンスと区別され得る。
ADEデバイスの識別可能な射出の時間を質量分析計の識別可能な1つ以上のピークの時間と整列させることによって、全ての他の射出時間と検出されたピークとが、適切に整列させられる。当業者は、デバイスまたは構造に関連して、用語「動作させられる」または「動作する」を使用することが、用語「適合される」またはデバイスまたは構造の機能的使用を説明することを意図する任意の他の用語を使用することに相当することを理解し得る。
種々の実施形態では、識別可能なシーケンスは、タイミング情報を備え、タイミング情報は、分析シーケンスのタイミングを互いに関係づけるために使用され得る。これらの実施形態では、識別可能な射出は、サンプル射出プロセス中、随時、実施されることができる。換言すると、識別可能な射出は、サンプル射出プロセスの開始、中間、または終了時、1つ以上のサンプルに対して実施されることができる。整列が、データ入手後に実施される場合、実施される識別可能な射出は、問題ではない。例えば、識別可能な射出が、最後のサンプルに対して実施される場合、全ての他のサンプルは、最後のサンプルが、整列させられた場合、適切に整列させられるであろう。
しかしながら、種々の他の実施形態では、識別可能な射出は、最初の1つ以上のサンプルに対して実施される。最初の1つ以上のサンプルに対して識別可能な射出を実施することの利益の1つは、リアルタイムで遅延情報を使用する能力である。例えば、識別可能な射出が、最初の1つ以上のサンプルに対して実施される場合、OPIによって生成される遅延時間は、すぐに把握され、残りのサンプルに関して質量分析計によって使用されることができる。
種々の実施形態では、識別可能な射出は、最初の1つ以上のサンプルに対して実施され、1つ以上の検出されたピークを識別可能な射出と整列させることによって見出される遅延時間は、リアルタイムで、全ての後続サンプルに関する標的化入手方法を修正するために、質量分析計によって使用される。上で説明されるように、スケジュールされたMRM等のいくつかの標的化入手方法では、保持時間または保持時間範囲が、遷移ごとに提供される。その保持時間において、またはその保持時間範囲内でのみ、特定の遷移が調べられるであろう。OPIの遅延時間における変動性に起因して、例えば、AEMSにおいて使用されるスケジュールされたMRM遷移の保持時間または保持時間範囲は、リアルタイムで変更される必要があり得る。最初の1つ以上のサンプルに関して識別可能な射出を使用することによって、正確な遅延時間が、見出されることができる。この遅延時間は、次いで、後続スケジュールされたMRM遷移の保持時間または保持範囲を補正するために使用されるように、質量分析計にフィードバックされる。故に、質量分析計の1つ以上の動作パラメータが、検出された識別可能なシーケンスから発生させられる情報に基づいて、調節され得る。
上で説明されるように、識別可能な射出は、他の射出と比較すると1つ以上のADEパラメータに関する値のうちの異なる値またはパターンを使用して、作成されることができる。1つ以上のADEパラメータは、限定ではないが、射出期間、射出率、および液滴体積のうちの1つ以上を含むことができる。
例えば、種々の実施形態では、最も単純な識別可能な射出は、単一サンプルに関して、任意の他のサンプルに関して使用される射出の期間より広いまたはより狭い射出の期間を使用することによって生成される。種々の代替実施形態では、識別可能な射出は、射出期間の識別可能パターンを使用して、単一サンプルを射出することによって生成されることができる。加えて、射出期間の識別可能パターンは、2つ以上のサンプルにわたって適用されることもできる。射出期間の識別可能パターンは、ブランク空間を含み得、それは、射出が行なわれない期間である。
図7は、種々の実施形態による質量分析計によって検出されたピークが、ADEデバイスの射出期間を変化させることによって変動させられ得る方法を示す例示的プロット700である。プロット700では、ピーク710は、単一液滴の射出を表す。ピーク720は、5秒の期間にわたって1秒あたり10液滴の射出を表す。ピーク730は、30秒の期間にわたって1秒あたり10液滴の射出を表す。ピーク740は、1分の期間にわたって1秒あたり10液滴の射出を表す。
プロット700では、識別可能な検出されたピーク幅が、十分に高い液滴率が実施される期間を変動させることによって、作成される。十分に高い液滴率は、単一のより広い検出されたピークを作成するために、単一液滴のベースライン幅より高速であるものである。換言すると、プロット700は、検出されたピークの幅が、射出の期間を変動させることによって、変動させられ得ることを示す。
ピーク710と720との比較は、ピーク強度およびピーク幅の両方が、射出の期間を変動させることによって、影響を及ぼされ得ることも示す。例えば、ピーク710と720との比較は、射出の期間の増加が、検出されるピーク強度を増加させ得ることを示す。ピーク710、720、730、および740の比較は、射出の期間の増加が、検出されるピーク幅を増加させ得ることも示す。
代替実施形態では、ピーク強度およびピーク幅は、液滴体積を変化させることによっても、変動させられることができる。しかしながら、残念ながら、現在のシステムにおいて、液滴が変化させられることができる体積の範囲は、液滴が射出されることができる期間よりはるかに限定される。
プロット700は、単一ウェルからのサンプルに関する識別可能な射出を適用することが、識別可能な検出されるピークを伴う検出されるピークを生成し得ることを示す。例えば、ピーク730に関する射出の期間は、1つのサンプルのために使用され得、ピーク720に関する射出の期間が、全ての他のピークのために使用され得る。換言すると、単一識別可能ピークまたはピーク幅が、射出タイミングを検出されたピークと整列させるために、使用されることができる。
種々の代替実施形態では、射出の2つ以上の期間の識別可能パターンが、検出されるピークの識別可能パターンまたはコードを生成するために使用される。種々の実施形態では、識別可能パターンは、単一サンプルから生成されることができる。種々の代替実施形態では、識別可能パターンは、2つ以上のサンプルから生成されることができる。
種々の実施形態では、識別可能パターンは、1つ以上のサンプルプレートのバーコードであることができる。特定のサンプルプレートからのデータに特定のバーコード信号を与えることによって、データのプレートトレーサビリティは、強化されることができる。そのような方法が、データの強化したセキュリティを提供することができ、臨床結果における強化した信頼度を提供することもできる。そのようなスキームが、例えば、高度に規制された市場に関して重要である。
いくつかの実施形態では、識別可能パターンは、その射出シーケンスに関する識別情報の独特のパターンを備え得る。いくつかの実施形態では、識別可能パターンは、分析射出のシーケンスと区別可能である繰り返し可能なパターンを備え得る。いくつかの側面では、識別可能パターンは、例えば、サンプルウェルプレートの各行の開始時、または分析シーケンスの開始および終了を組み立てるために、繰り返され得る。いくつかの側面では、識別可能パターンは、タイミングが維持されていることと、予期される数の分析サンプルが質量分析に関して捕捉されていることとを確実にするために、分析シーケンス全体を通して、1回以上繰り返され得る。
種々の実施形態では、識別可能パターンは、情報を含むことができる。例えば、識別可能パターンは、プレートから分析されるべきサンプルの数のエンコーディングであることができる。
再び、識別可能パターンは、分析されるサンプルの総数内で、任意のサンプルまたは任意の群のサンプルに関して、生成されることができる。一実施形態では、識別可能パターンは、上で説明される理由および少なくとも以下の理由のために、第1のサンプルまたは最初の2つ以上のサンプルに関して生成される。
例えば、第1のサンプルに関して射出期間の識別可能パターンを導入することは、この第1のサンプルの検出がロバストであることを確実にする。音響サンプル射出および第1のサンプルの射出間の空間の識別可能パターンは、暗および白色帯域のバーコードパターンに類似する。第1のサンプルが、識別可能パターンからロバストに識別されると、以下のサンプルから検出されたピークの処理は、音響デバイスがこれらのサンプルを射出したときを把握することによって、容易に遂行される。(バーコードパターンを使用する)第1のサンプルの検出が、失敗する場合、プレートが問題を有することがすぐに把握され、残りのサンプルを処理することは、停止させられ、リソースを節約し、かつ不正確な情報の生成を防止することができる。このバーコードパターンは、単一の失敗事象を識別可能かつロバストにもすることができる。
図8は、種々の実施形態による理想的な検出されたピークの例示的プロット800であり、それは、ピークの第1の識別可能パターンと、空白時間の後に続く残りのサンプルピークとを含む。プロット800では、第1のサンプルに関する識別可能パターンまたはバーコードは、第1のサンプルの前の空白時間811と、第1のサンプルに関する識別可能な検出されたピークバーコード812と、第1のサンプルとサンプルのうちの残りとの間の空白時間813とを含む。残りのサンプル820は、第1のサンプルの識別可能パターンまたはバーコードを含まない。
暗部またはピークが、サンプルを音響的に射出することによって、作成されることに留意されたい。再び、ピークの幅および高さは、射出率、射出期間、および液滴体積等の音響パラメータを使用して、変動させられることができることに留意されたい。識別可能空白時間は、例えば、音響射出事象間の通常間隙より長く残すことによって、作成される。
種々の実施形態では、バーコードパターンは、通常データ処理に干渉する必要はない。バーコードデータは、未加工データファイル内に記憶され、ユーザに決して示されないこともあり得る。したがって、ユーザは、分割されたデータまたは処理されたデータ(数の表)のみを見る。
再び、種々の実施形態では、バーコードパターンは、データ整列を確実にするために、読み込まれるプレート内の他の場所に設置されることができる。種々の実施形態では、識別可能バーコードが、2つ以上の場所で使用されることもできる。例えば、識別可能バーコードが、第1のウェル上で使用され、別の識別可能バーコードが、プレートシーケンスにおける最後のウェル上で使用されることができる(プレート全体内での整列を確実にするための「ブックエンド」として)。種々の実施形態では、これらの2つの識別可能バーコードは、同じバーコードであることができる。
種々の実施形態では、バーコードは、分析される第1のウェルに適用される必要はない。ユーザが、標準的曲線を実行する場合、高信号を伴うウェルは、通常、より低い信号を伴うウェルの後、実行される。結果として、バーコードは、良好な信号を伴うウェルに適用されることができる。どのウェルがバーコードマーカウェルとして使用されるかが既知である限り、プレートのサンプルは、整列させられることができるか、または、整列が成功しなかったことが決定されることができる。
図9は、種々の実施形態による検出されるピークの識別可能パターンまたはバーコードを識別するためのマスクを示す例示的プロット900である。バーコードパターンが、第1のサンプルに適用される場合、その中でバーコードパターンが現れ得る時間範囲は、既知である。流量と移送時間における予期される変動性とに基づいて、この時間範囲またはウィンドウは、例えば、射出時間後の2~12秒である。
この時間範囲の間、マスクが、識別可能バーコードパターンの位置を特定するために適用される。マスクは、陰影付き領域A、B、C、およびDを含む。マスクは、MSデータと同じサイクル時間を使用して、発生させられる。飛行時間(TOF)質量分析器またはスケジュールされたMRMに関して、サイクル時間は、変動し、マスクを使用するこの技法は、変動するサイクル時間を構成するために、修正される必要があろうことに留意されたい。
方法は、質量分析計によって検出されたあらゆるデータ点にわたってマスクを移動させることと、Aの最小強度と領域CおよびDの各々における最大強度とを計算することとによって、始まる。領域Aの強度が領域Bの強度を上回り、領域Aの強度が領域Cの強度を上回り、領域Bの強度が領域Dの強度を上回り、領域Cの強度が領域Dの強度を上回る場合、可能なバーコードパターンが、検出される。
可能なバーコードパターンが、検出されている場合、ピークA、B、およびCの幅が、測定される。Aの幅は、Bの幅を上回り、かつCの幅を上回らなければならない。この条件が満たされる場合、バーコードパターンは、確認される。
マスクの使用は、識別可能パターンを識別する、1つの方法にすぎないことに留意されたい。他の方法は、限定ではないが、幅および高さ測定を伴う真のピーク検出を含む。
種々の実施形態では、2つ以上のバーコードパターンが存在することができる。2つのバーコードパターンが、見出される場合、それらの間の距離が、測定される。本距離は、ADEデバイスのタイミングファイルにおいて記録されるバーコード射出間の時間に合致しなければならない。加えて、第1のバーコードパターンの前、または最後のバーコードパターンの後、検出されるピークは、2つのバーコードパターンの最低強度より高い強度で、見出されるべきではない。これらの追加の条件が、2つのバーコードパターンに関して満たされる場合、再び、バーコードパターンが、確認される。
図10は、種々の実施形態による図9のマスクを使用して、残りのサンプルに関して検出されたピークに対する2つのサンプルに関する2つの検出されたピークバーコードパターンの場所を示す例示的プロット1000である。プロット1000では、ボックス1010は、第1のバーコードパターンの場所をマークし、ボックス1020が、第2のバーコードパターンの場所をマークする。しかしながら、バーコードパターンの検出されたピークの強度が、他のサンプルの検出されたピークの強度よりはるかに低いので、2つの検出されたバーコードパターンは、プロット1000では、見ることができない。
図11は、種々の実施形態による図10と同じデータを示すが、図10の2つのバーコードパターンを見るために、より低い強度範囲に対してプロットされた例示的プロット1100である。プロット1100では、再び、ボックス1010は、第1のバーコードパターンの場所をマークし、ボックス1020は、第2のバーコードパターンの場所をマークする。しかしながら、これらのバーコードパターンの検出されたピークは、ここで可視である。例えば、ピーク1111、1112、および1113は、第1のバーコードパターンの暗部を提供し、ピーク1121、1122、および1123が、最後のバーコードパターンの暗部を提供する。これらのバーコードパターンは、図8および9に示されるそれらと同じであることに留意されたい。
(サンプルを検出されたピークと整列させるためのシステム)
図12は、種々の実施形態によるAEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させるためのシステムの概略図1200である。図12のシステムは、ADEデバイス1210と、OPI1220と、イオン源デバイス1230と、質量分析計1240と、プロセッサ1250とを含む。
ADEデバイス1210は、1つ以上のADEパラメータに関して、一連のサンプル1211のうちの他のサンプルに関して実施される他の射出と異なる値または値のパターンを使用して、一連のサンプル1211のうちの1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施する。ADEデバイス1210は、1つ以上のピーク特徴に関して、他のサンプルに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成するための識別可能な射出を実施する。ADEデバイス1210は、サンプル射出時間1212を記憶する。ADEデバイス1210は、例えば、図1AのADEデバイス11であることができる。
図12に再び目を向けると、OPI1220は、管1222の入口1221において、識別可能な射出および他の射出を受け取る。OPI1220は、一連の分析物-溶媒希釈物を形成するように、受け取られた射出物を管1222内の溶媒と混合する。OPI1220は、管1222の出口1223に、一連の希釈物を移送する。OPI1220は、例えば、図1AのOPI51であることができる。
図12に再び目を向けると、イオン源デバイス1230は、一連の希釈物を受け取り、一連の希釈物をイオン化し、イオンビームを生成する。イオン源デバイス1230は、例えば、エレクトロスプレーイオン源(ESI)デバイスであることができる。イオン源デバイス1230は、図12における質量分析計1240の一部として示されるが、別個のデバイスであることもできる。
質量分析計1240は、イオンビームを受け取り、イオンビームを経時的に質量分析し、一連の検出された強度対時間質量ピーク1241を生成する。質量分析計1240は、MSまたはMS/MSを実施することができる。質量分析計1240は、任意のタイプの質量分析計であることができる。質量分析計1240は、飛行時間(TOF)質量分析器を含むものとして示されるが、質量分析計1240は、任意のタイプの質量分析器を含むことができる
プロセッサ1250は、一連のピーク1241のうちのピークと、サンプル射出の記憶された時間1212とを受信する。プロセッサ1250は、識別可能な射出に対応するまたはそれによって生成された異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う受信した一連のピーク1241のうちの1つ以上の検出されたピークを識別する。プロセッサ1250は、識別可能な射出の時間と識別された1つ以上の検出されたピーク1251の時間とから遅延時間1252を計算する。最後に、プロセッサ1250は、遅延時間1252、記憶された時間1212、および一連のサンプル1211の順序を使用して、一連の検出されたピーク1241を一連のサンプル1211と整列させる。
種々の実施形態では、プロセッサ1250は、識別可能な射出の時間と識別された1つ以上の検出されたピーク1251の時間との間の差異から、遅延時間1252を計算する。種々の他の実施形態では、プロセッサ1250は、識別された1つ以上の検出されたピーク1251の時間に合致するまで、識別可能な射出の時間をシフトさせることによって、遅延時間1252を計算する。
種々の実施形態では、1つ以上のADEパラメータは、射出期間、射出率、および液滴体積のうちの1つ以上を含むことができる。換言すると、ADEデバイス1210は、射出期間、射出率、および液滴体積のうちの1つ以上に関して、異なる値または値のパターンを使用して、一連のサンプル1211の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施する。
種々の実施形態では、1つ以上のピーク特徴は、ピーク幅、ピーク強度、および隣接したピークまでの時間距離のうちの1つ以上を含むことができる。換言すると、ADEデバイス1210は、ピーク幅、ピーク強度、および隣接したピークまでの時間距離のうちの1つ以上に関する異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成するために、一連のサンプル1211の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施する。
種々の実施形態では、特徴値の異なるパターンは、バーコードを含むことができる。換言すると、図12における識別された1つ以上の検出されたピーク1251の特徴値の異なるパターンは、第1のサンプルの前の空白時間811と、第1のサンプルに関する識別可能検出されたピークバーコード812と、第1のサンプルとサンプルのうちの残りとの間の空白時間813とを含む図8におけるバーコードのようなバーコードであることができる。
図12に再び目を向けると、種々の実施形態では、バーコードは、一連のサンプル1211を保持するプレートのバーコードを含むことができる。
種々の実施形態では、バーコードは、エンコードされた情報を含むことができる。例えば、エンコードされた情報は、一連のサンプル1211におけるサンプルの数または総数を含むことができる。
種々の実施形態では、1つ以上のサンプルは、一連のサンプル1211のうちの最初の1つ以上のサンプルを含むことができる。換言すると、ADEデバイス1210は、一連のサンプル1211のうちの最初の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施する。
種々の実施形態では、1つ以上のサンプルは、一連のサンプル1211のうちの最初の1つ以上のサンプル以外の一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルを含むことができる。換言すると、ADEデバイス1210は、最初の1つ以上のサンプルではない一連のサンプル1211のうちの1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施する。
種々の実施形態では、プロセッサ1250は、質量分析計1240によって全てのピークを入手した後、一連のピーク1241のピークと、サンプル射出の記憶された時間1212とを受信する。結果として、プロセッサ1250は、後処理ステップにおいて、一連のピーク1241を分析する。
種々の実施形態では、プロセッサ1250は、各ピークが受信されるにつれて、一連のピーク1241をリアルタイムで分析する。ADEデバイス1210が、一連のサンプル1211のうちの最初の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施する場合、プロセッサは、遅延時間1252をリアルタイムで計算し、質量分析計1240にフィードバックとしてそれを提供することができる。質量分析計1240は、次いで、実験パラメータを補正または改良するために、遅延時間1252を使用することができる。
例えば、プロセッサ1250は、受信されたピークが、質量分析計1240によって検出されるにつれて、一連のピーク1241のうちのピークをリアルタイムでさらに受信する。プロセッサ1250は、サンプル射出が実施され、射出時間が記憶されるにつれて、サンプル射出の記憶された時間1212をリアルタイムで受信する。プロセッサ1250は、識別可能な射出に対応するまたはそれによってリアルタイムで生成された異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別する。プロセッサ1250は、識別可能な射出の時間とリアルタイムで識別された1つ以上の検出されたピーク1251の時間とから遅延時間1252を計算する。プロセッサ1250は、遅延時間1252を使用して、質量分析の1つ以上の実験パラメータの値を再計算するように、質量分析計1240に命令する。
種々の実施形態では、1つ以上の実験パラメータは、スケジュールされた質量分析(スケジュールされたMRM)の保持時間または衝突エネルギーを含むことができる。例えば、遅延時間1252は、スケジュールされたMRM実験の1つ以上の遷移の保持時間を再計算するために、使用されることができる。
種々の実施形態では、ADEデバイス1210が、一連のサンプル1211の最初の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施するとき、一連のサンプル1211の最後の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出の追加の組を実施することができる。これは、一連のサンプル1211の開始および終了を区切るマーカを提供する。
例えば、ADEデバイス1210は、一連のサンプル1211のうちの最後の1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出の追加の組をさらに実施する。プロセッサ1250は、次いで、さらに、識別可能な射出の追加の組に対応するもの、またはそれによって生成されるものとして、異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う1つ以上の検出されたピークの追加の群を識別する。プロセッサ1250は、1つ以上の検出されたピークの追加の群の時間を使用して、一連のサンプル1211の終了をさらに識別する。
種々の実施形態では、プロセッサ1250は、特徴値の異なるパターンのマスクを使用して、特徴値の異なるパターンを伴う受信されたピーク1241のうちの1つ以上の検出されたピークを識別する。検出されたピークの定可能パターンまたはバーコードを識別するためのマスクが、例えば、図9に示される。
種々の実施形態では、プロセッサ1250は、ADEデバイス1210、OPI1220、イオン源デバイス1230、および質量分析計1240に、およびそれから命令、制御信号、およびデータを送信および受信するために使用される。プロセッサ1250は、例えば、1つ以上の電圧、電流、または圧力源(図示せず)を制御することによって、命令を制御または提供する。プロセッサ1250は、図12に示されるように、別個のデバイスであることができるか、または、ADEデバイス1210、OPI1220、イオン源デバイス1230、または質量分析計1240のプロセッサまたはコントローラであることができる。プロセッサ1250は、限定ではないが、図2のコントローラ、コンピュータ、マイクロプロセッサ、コンピュータシステム、または制御信号およびデータを送信および受信し、かつデータを分析することが可能な任意のデバイスであることができる。
(サンプルを検出されたピークと整列させる方法)
図13は、種々の実施形態によるAEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させる方法1300を示すフローチャートである。
方法1300のステップ1310では、識別可能な射出が、1つ以上のADEパラメータに関して、ADEデバイスを使用して、一連のサンプルのうちの他のサンプルに関して実施される他の射出と異なる値または値のパターンを使用して、一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルに関して、実施される。識別可能な射出は、1つ以上のピーク特徴に関して、他のサンプルに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成するために、実施される。サンプル射出時間が、ADEデバイスを使用して、記憶される。
ステップ1320では、識別可能な射出および他の射出が、OPIを使用して、管の入口において受け取られる。受け取られた射出物は、OPIを使用して、一連の分析物-溶媒希釈物を形成するように、管内の溶媒と混合される。最後に、一連の希釈物は、OPIを使用して、管の出口に移送される。
ステップ1330では、一連の希釈物が、受け取られ、一連の希釈物は、イオン源デバイスを使用してイオン化され、イオンビームを生成する。
ステップ1340では、イオンビームが、受け取られ、イオンビームは、質量分析計を使用して、経時的に質量分析され、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成する。
ステップ1350では、一連のピークのうちのピークとサンプル射出の記憶された時間とが、プロセッサを使用して、受信される。
ステップ1360では、異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークが、プロセッサを使用して、識別可能な射出によって生成されるものとして、識別される。
ステップ1370では、遅延時間が、プロセッサを使用して、識別可能な射出の時間および識別された1つ以上の検出されたピークの時間から計算される。
ステップ1380では、一連の検出されたピークが、プロセッサを使用して、遅延時間と、記憶された時間と、一連のサンプルの順序とを使用して、一連のサンプルと整列させられる。
(サンプルを検出されたピークと整列させるためのコンピュータプログラム製品)
種々の実施形態では、コンピュータプログラム製品が、有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含み、記憶媒体のコンテンツは、AEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させる方法を実施するように、プロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含む有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。方法は、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステムによって実施される。
図14は、種々の実施形態によるAEMSにおけるサンプルを検出されたピークと整列させる方法を実施する1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを含むシステム1400の概略図である。システム1400は、制御モジュール1410と、分析モジュール1420とを含む。
制御モジュール1410は、1つ以上のADEパラメータに関して、一連のサンプルのうちの他のサンプルに関して実施される他の射出と異なる値または値のパターンを使用して、一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施するように、ADEデバイスに命令する。識別可能な射出は、1つ以上のピーク特徴に関して、他のサンプルに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成するために、実施される。制御モジュール1410は、サンプル射出時間を記憶するようにも、ADEデバイスに命令する。
制御モジュール1410は、管の入口において、識別可能な射出および他の射出を受け取るように、OPIに命令する。制御モジュール1410は、一連の分析物-溶媒希釈物を形成するように、管内の溶媒と受け取られた射出物を混合するように、OPIに命令する。最後に、制御モジュール1410は、管の出口に一連の希釈物を移送するように、OPIに命令する。
制御モジュール1410は、一連の希釈物を受け取り、一連の希釈物をイオン化し、イオンビームを生成するようにイオン源デバイスに命令する。制御モジュール1410は、経時的にイオンビームを受け取り、イオンビームを質量分析するように、質量分析計に命令し、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成する。
分析モジュール1420は、一連のピークのうちのピークおよびサンプル射出の記憶された時間を受信する。分析モジュール1420は、識別可能な射出に対応するまたはそれによって生成された異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別する。分析モジュール1420は、識別可能な射出の時間および識別された1つ以上の検出されたピークの時間からの遅延時間を計算する。最後に、分析モジュール1420は、遅延時間と、記憶された時間と、一連のサンプルの順序とを使用して、一連のサンプルと一連の検出されたピークを整列させる。
さらに、種々の実施形態を説明することにおいて、本明細書は、ステップの特定のシーケンスとして、方法および/またはプロセスを提示し得る。しかしながら、方法またはプロセスが、本明細書に記載されるステップの特定の順序に依拠しない限りにおいて、方法またはプロセスは、説明されるステップの特定のシーケンスに限定されるべきではない。当業者が理解し得るように、ステップの他のシーケンスが、可能であり得る。したがって、本明細書に記載されるステップの特定の順序は、請求項に関する限界として解釈されるべきではない。加えて、方法および/またはプロセスを対象とする請求項は、そのステップの性能を書かれた順序に限定されるべきではなく、当業者は、シーケンスが変動し、依然として、種々の実施形態の精神および範囲内のままであり得ることを容易に理解することができる。

Claims (32)

  1. 分析されるべき1つ以上の分析サンプルの分析シーケンスにおける第1のサンプルを識別するためのシステムであって、前記システムは、
    1つ以上のサンプルウェルからサンプルを射出するように動作する音響液滴射出デバイス(ADE)と、
    射出されたサンプルを受け取り、前記受け取られたサンプルを質量分析器に輸送するように動作する開放ポートインターフェースと、
    前記サンプルに対して質量分析を実施し、代表的質量ピークを生成するように動作する質量分析器と、
    少なくともプロセッサを備えているコントローラと
    を備え、
    前記コントローラは、前記1つ以上の分析サンプルに関する射出の分析シーケンスを始めることに先立って、前記サンプルウェルから識別可能な1つ以上の射出のシーケンスを射出するように前記ADEに指示するように動作する、システム。
  2. 前記開放ポートインターフェースは、前記受け取られたサンプルを溶媒と混合し、希釈されたサンプルを前記質量分析器に輸送するようにさらに動作する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記識別可能な1つ以上の射出のシーケンスは、前記ADEの1つ以上のADEパラメータを変動させることによって発生させられる、請求項1または請求項2に記載のシステム。
  4. 前記識別可能なシーケンスは、前記分析シーケンスの後続射出と区別可能である、請求項1-3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記識別可能なシーケンスは、前記分析シーケンスの開始時間を示すためのタイミング情報をさらに備えている、請求項1-4のいずれか1項に記載のシステム。
  6. 前記質量分析器は、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成するように動作し、前記コントローラは、
    前記識別可能なシーケンスと前記分析シーケンスとに対応する一連のピークを受信することと、
    前記識別可能なシーケンスに対応するものとして、受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別することと、
    前記1つ以上の検出されたピークから前記分析シーケンスの開始時間を示すためのタイミング情報を発生させることと、
    前記開始時間を使用して、分析の一連のピークをサンプルの前記分析シーケンスと整列させることと
    を行うようにさらに動作する、請求項1-5のいずれか1項に記載のシステム。
  7. 前記1つ以上のADEパラメータは、射出期間、射出率、および液滴体積のうちの1つ以上を備えている、請求項1-6のいずれか1項に記載のシステム。
  8. 前記識別可能なシーケンスは、1つ以上のピーク特徴に基づいて識別可能である、請求項1-7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 前記ピーク特徴は、ピーク幅、ピーク強度、および隣接したピークまでの時間距離のうちの1つ以上を備えている、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記識別可能なシーケンスは、特徴値の異なるパターンに基づいて識別可能である、請求項1-9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 前記異なるパターンは、バーコードを備えている、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記バーコードは、前記一連のサンプルを保持するプレートのバーコードを備えている、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記バーコードは、エンコードされた情報を備えている、請求項11または請求項12に記載のシステム。
  14. 前記エンコードされた情報は、前記分析シーケンスにおけるサンプルの総数を備えている、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記コントローラは、
    前記受信されるピークが前記質量分析計によって検出されるにつれて、前記一連のピークのうちのピークをリアルタイムで受信することと、サンプル射出が実施されるにつれて、前記ADEからサンプル射出の時間を受信することと、
    前記識別可能なシーケンスをリアルタイムで識別することと、
    前記識別可能なシーケンスの時間と前記分析シーケンスの時間とから遅延時間を計算することと、
    前記計算された遅延時間に基づいて前記分析シーケンスに対して質量分析を行うように、前記質量分析器に命令することと
    をさらに行う、請求項1に記載のシステム。
  16. 前記命令は、前記遅延時間に基づいて、前記質量分析の1つ以上の実験パラメータの値を再計算することを含む、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記1つ以上の実験パラメータは、保持時間または衝突エネルギーを備えている、請求項16に記載のシステム。
  18. 音響射出質量分析法(AEMS)においてサンプルを検出されたピークと整列させるためのシステムであって、前記システムは、
    音響液滴射出(ADE)デバイスであって、前記ADEデバイスは、1つ以上のADEパラメータに関して、一連のサンプルのうちの他のサンプルに関して実施される他の射出と異なる値または値のパターンを使用して、前記一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルに関して識別可能な射出を実施することによって、1つ以上のピーク特徴に関して、他のサンプルに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成し、かつサンプル射出時間を記憶する、音響液滴射出(ADE)デバイスと、
    管の入口において、前記識別可能な射出と前記他の射出とを受け取り、受け取られた射出物を前記管内の溶媒と混合し、一連の分析物-溶媒希釈物を形成し、前記一連の希釈物を前記管の出口に移送する開放ポートインターフェースと、
    前記一連の希釈物を受け取り、前記一連の希釈物をイオン化し、イオンビームを生成するイオン源デバイスと、
    経時的に前記イオンビームを受け取り、前記イオンビームを質量分析し、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成する質量分析計と、
    プロセッサと
    を備え、
    前記プロセッサは、
    前記一連のピークのうちのピークとサンプル射出の前記記憶された時間とを受信することと、
    前記識別可能な射出によって生成された前記異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う前記受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別することと、
    前記識別可能な射出の時間と前記識別された1つ以上の検出されたピークの時間とから遅延時間を計算することと、
    前記遅延時間、前記記憶された時間、および前記一連のサンプルの順序を使用して、前記一連の検出されたピークを前記一連のサンプルと整列させることと
    を行う、システム。
  19. 前記1つ以上のADEパラメータは、射出期間、射出率、および液滴体積のうちの1つ以上を備えている、請求項18に記載のシステム。
  20. 前記1つ以上のピーク特徴は、ピーク幅、ピーク強度、および隣接したピークまでの時間距離のうちの1つ以上を備えている、請求項18または19に記載のシステム。
  21. 前記特徴値の異なるパターンは、バーコードを備えている、請求項18-20のいずれか1項に記載のシステム。
  22. 前記バーコードは、前記一連のサンプルを保持するプレートのバーコードを備えている、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記バーコードは、エンコードされた情報を備えている、請求項21に記載のシステム。
  24. 前記エンコードされた情報は、前記一連のサンプルにおけるサンプルの総数を備えている、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記1つ以上のサンプルは、前記一連のサンプルのうちの最初の1つ以上のサンプルを備えている、請求項18-24のいずれか1項に記載のシステム。
  26. 前記1つ以上のサンプルは、前記一連のサンプルのうちの最初の1つ以上のサンプル以外の前記一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルを備えている、請求項18-24のいずれか1項に記載のシステム。
  27. 前記プロセッサは、
    前記受信されるピークが前記質量分析計によって検出されるにつれて、前記一連のピークのうちのピークをリアルタイムで受信し、サンプル射出が実施されるにつれて、サンプル射出の前記記憶された時間をリアルタイムで受信することであって、射出時間が、記憶される、ことと、
    リアルタイムで、前記識別可能な射出によって生成された前記異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う前記受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別することと、
    前記識別可能な射出の時間と前記1つ以上の検出されたピークの時間とから遅延時間をリアルタイムで計算することと、
    前記遅延時間を使用して、前記質量分析の1つ以上の実験パラメータの値を再計算するように前記質量分析計に命令することと
    をさらに行う、請求項18-26のいずれか1項に記載のシステム。
  28. 前記1つ以上の実験パラメータは、保持時間または衝突エネルギーを備えている、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記ADEデバイスは、前記一連のサンプルのうちの最後の1つ以上のサンプルに関して、前記識別可能な射出の追加の組をさらに実施し、
    前記プロセッサは、前記識別可能な射出の追加の組によって生成された前記異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う1つ以上の検出されたピークの追加の群をさらに識別し、
    前記プロセッサは、1つ以上の検出されたピークの前記追加の群の時間を使用して、前記一連のサンプルの終了をさらに別する、請求項18-28のいずれか1項に記載のシステム。
  30. 前記プロセッサは、前記特徴値の異なるパターンのマスクを使用して、前記特徴値の異なるパターンを伴う前記受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別する、請求項18-29のいずれか1項に記載のシステム。
  31. 音響射出質量分析法(AEMS)においてサンプルを検出されたピークと整列させる方法であって、前記方法は、
    ADEデバイスを使用して、1つ以上の音響液滴射出(ADE)パラメータに関して、一連のサンプルのうちの他のサンプルに関して実施される他の射出と異なる値または値のパターンを使用して、前記一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施することによって、他の1つ以上のピーク特徴に関して、他のサンプルに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成し、かつサンプル射出時間を記憶することと、
    開放ポートインターフェースを使用して、管の入口において、前記識別可能な射出および前記他の射出を受け取り、受け取られた射出物を前記管内の溶媒と混合し、一連の分析物-溶媒希釈物を形成し、前記一連の希釈物を前記管の出口に移送することと、
    イオン源デバイスを使用して、前記一連の希釈物を受け取り、前記一連の希釈物をイオン化し、イオンビームを生成することと、
    質量分析計を使用して、経時的に前記イオンビームを受け取り、前記イオンビームを質量分析し、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成することと、
    プロセッサを使用して、前記一連のピークのうちのピークとサンプル射出の前記記憶された時間とを受信することと、
    前記プロセッサを使用して、前記識別可能な射出によって生成された前記異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う前記受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別することと、
    前記プロセッサを使用して、前記識別可能な射出の時間と前記識別された1つ以上の検出されたピークの時間とから遅延時間を計算することと、
    前記プロセッサを使用して、前記遅延時間、前記記憶された時間、および前記一連のサンプルの順序を使用して、前記一連の検出されたピークを前記一連のサンプルと整列させることと
    を含む、方法。
  32. 非一過性有形コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を備えているコンピュータプログラム製品であって、前記記憶媒体のコンテンツは、音響射出質量分析法(AEMS)においてサンプルを検出されたピークと整列させる方法を実施するためのプロセッサ上で実行される命令を伴うプログラムを含み、前記方法は、
    システムを提供することであって、前記システムは、1つ以上の異なるソフトウェアモジュールを備え、前記異なるソフトウェアモジュールは、制御モジュールと、分析モジュールとを備えている、ことと、
    前記制御モジュールを使用して、1つ以上のADEパラメータに関して、一連のサンプルのうちの他のサンプルに関して実施される他の射出と異なる値または値のパターンを使用して、前記一連のサンプルのうちの1つ以上のサンプルに関して、識別可能な射出を実施することによって、1つ以上のピーク特徴に関して、他のサンプルに関して生成される質量ピークと異なる特徴値または特徴値のパターンを有する1つ以上の質量ピークを生成し、かつサンプル射出時間を記憶するように音響液滴射出(ADE)デバイスに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、管の入口において、前記識別可能な射出および前記他の射出を受け取り、受け取られた射出物を前記管内の溶媒と混合し、一連の分析物-溶媒希釈物を形成し、前記一連の希釈物を前記管の出口に移送するように、開放ポートインターフェースに命令することと、
    前記制御モジュールを使用して、前記一連の希釈物を受け取り、前記一連の希釈物をイオン化するようにイオン源デバイスに命令し、イオンビームを生成することと、
    前記制御モジュールを使用して、経時的に前記イオンビームを受け取り、前記イオンビームを質量分析するように質量分析計に命令し、一連の検出された強度対時間質量ピークを生成することと、
    前記分析モジュールを使用して、前記一連のピークのうちのピークとサンプル射出の前記記憶された時間とを受信することと、
    前記分析モジュールを使用して、前記識別可能な射出によって生成された前記異なる特徴値または特徴値のパターンを伴う前記受信されたピークのうちの1つ以上の検出されたピークを識別することと、
    前記分析モジュールを使用して、前記識別可能な射出の時間と前記識別された1つ以上の検出されたピークの時間とから遅延時間を計算することと、
    前記分析モジュールを使用して、前記遅延時間、前記記憶された時間、および前記一連のサンプルの順序を使用して、前記一連の検出されたピークを前記一連のサンプルと整列させることと
    を含む、コンピュータプログラム製品。
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