JP2023525714A - 感染の伝播のリスクを最小限にするための方法 - Google Patents

感染の伝播のリスクを最小限にするための方法 Download PDF

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Abstract

本明細書には、SARS-CoV-2および/または他の感染症の、互いに近接する個人の間の伝播のリスクを最小限にするためのシステムおよび方法が開示される。本明細書に記載のシステムは、実質的に透明なシールドコンポーネントと、チャンバコンポーネントと、吸引コンポーネントと、を含みうる。本開示のシステムおよび関連する方法は、エアロゾル内で移動しうる任意のSARS-CoV-2ウイルスおよび/または他の感染性病原体を除去することを意図する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は2020年5月17日に出願された米国仮特許出願第63026110号の優先権を主張し、2020年7月9日に出願された米国特許出願第16/924,649号の継続である。上述の出願の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示は、個人が互いに物理的に近接しているために伝染のリスクが高い環境において、COVID-19ウイルスおよび/または他の感染源の伝染のリスクを最小限にするように設計されたシステムおよび関連する方法に関する。より詳細には、本開示は、シールドコンポーネントが配置された例えば椅子などの物体に設置可能なエアロゾルシールド機能および吸引機能を含むシステム、および、関連する方法に関する。
COVID-19は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる感染症である。COVID-19の最初の症例は、2019年12月に中国の武漢で報告された。それ以来、ウイルスは世界中に広がり、グローバルパンデミックをもたらしている。1540万人を超える患者が、213を超える国および地域にわたりCOVID-19と診断されている。本開示の日付で、COVID-19による死亡は631,000人以上と報告されている。
COVID-19は、飛沫接触(例えば、咳およびくしゃみ)、直接的な物理的接触、間接的な物理的接触(例えば、汚染された表面への接触)、および、空気感染を介して伝播されうる。しかしながら、COVID-19が伝播される主要な方法は、個人が互いに物理的に近接している、咳、くしゃみ、および、会話によって生成される小さな飛沫を介するものである。COVID-19は、いかなる症状も示さなかったウイルスに感染した人によって伝播されうる。COVID-19の今後の影響は、進行中の伝染に寄与するこれらの望ましくない状態を緩和または解消するための既知の解決策が存在しないため、依然として問題である。
COVID-19は、少なくとも、飛沫接触(例えば、咳およびくしゃみ)、直接的な物理的接触、間接的な物理的接触(例えば、汚染された表面への接触)、および、空気感染を介して伝播されうるため、人々の間の物理的な近接は、COVID-19を伝播するリスクを増加させる。物理的距離とも呼ばれるソーシャルディスタンスは、COVID-19ウイルスの拡散を抑制するために世界中で利用されてきた主要な戦術の1つである。ソーシャルディスタンスは、個人の間の特定の最小物理的距離を維持することと、個人が互いに密接に物理的に接触する回数を減らすことと、を含む。しかしながら、すべての行為が、十分な最小物理的距離を維持することを可能にするわけではない。例えば、多くの医療従事者は、彼らの職務を遂行するために、彼らの患者のすぐ近くにいなければならない。人々の間の物理的近接が避けられない場合、COVID-19を伝播するリスクを抑制するのに有効なシステムが必要とされている。
粒子は、サイズに基づいて分類される。粗い粒子は、2.5~10ミクロンである。微粒子は、2.5ミクロンよりも小さい。超微粒子は、サイズが0.1ミクロンよりも小さい。ヒトの鼻は、一般に10ミクロンより大きい粒子を濾過する。粒子が10ミクロンよりも小さい場合、それは呼吸器系に入ることができる。粒子が2.5ミクロンよりも小さい場合、それは肺胞に入ることができる。超微粒子は、血流および標的器官に入ることができる。COVID-19は、超微粒子として存在する。
現在の研究は、COVID-19のほとんどの呼吸器伝染は、大きな呼吸器飛沫を介して起こることを示唆している。そのような大きな飛沫は、典型的には最大で約6フィート移動した後に地面に落下する。しかしながら、例えば咳やくしゃみなどの行為は、飛沫をエアロゾル化し、さらに飛沫を飛ばし、伝播のリスクを増大させる(すなわち、飛沫がCOVID-19を運ぶ場合)。エアロゾル化された場合、COVID-19は、約20フィートまで移動することができ、エアロゾル化されていない場合よりも長く空気中に浮いたままになる。咳およびくしゃみに追加して、呼吸器飛沫は、歯科の診療において日常的にエアロゾル化される。
エアロゾル化をその診療に利用する歯科医師、ひいてはそのスタッフも、COVID-19に感染するリスクが高い。そのような歯科医の患者は、同様に、歯科医から感染する危険性が高く、また、治療されているときに周辺のエリアにいる歯科助手からも感染する危険性が高い。そのようなリスクの大部分は、歯科医および助手の顔の中央部、および、患者の鼻腔エリアへの飛散および飛沫伝播に起因する。
本開示によって可能になるシステムおよび方法は、現在の技術水準において知られている欠点を有利に解決する。本開示によって可能になる1つの実施形態において、個人間の直接的、間接的、および/または、他の接触を緩和することによって、COVID-19を伝播するリスクを抑制する有効性を有利に高める方法が可能になる。本開示によって可能にされる1つの実施形態において、伝播のリスクを最小限にするための方法は、シールドコンポーネントと、チャンバコンポーネントと、シールドコンポーネントの内装表面に付着したエアロゾルを、シールドコンポーネントとシールドコンポーネントが上に配置されている例えば椅子などの物体を使用する個人との間の空間から吸引するための吸引コンポーネントと、を備えうる。
本開示によって企図される実施形態によれば、実質的に透明なシールドコンポーネントは、台車に動作可能に取り付けられ、限定されるものではないが、例えば、歯科用椅子を使用する患者、病院のベッドを使用する患者、自動車の座席を使用する個人、または、航空機の座席を使用する個人など、個人の上に台車から延在可能である。本開示によって企図される別の実施形態によれば、実質的に透明なシールドコンポーネントは、天井に動作可能に取り付けられうり、限定されるものではないが、例えば歯科用椅子を使用する患者などの個人の上に天井から下方に延在しうる。本開示の1つの態様によれば、チャンバコンポーネントは、紫外線を放射するダイオードをさらに含みうる。本開示の別の態様によれば、限定されるものではないが、例えば、実質的に透明なシールドコンポーネントが歯科用椅子に動作可能に取り付けられる場合など、実質的に透明なシールドコンポーネントは、限定されるものではないが、例えば歯科用椅子を使用する患者の口内などの視認性を高めるために、拡大マテリアルおよび/または補助照明をさらに含みうる。本開示の1つの態様によれば、吸引コンポーネントは、真空(vacuum)を生成することができるデバイスを含みうり、エアフィルタを含みうる。
本開示の1つの実施形態によれば、システムは、実質的に透明なシールドコンポーネントと、チャンバコンポーネントと、本明細書に開示される吸引コンポーネントと、を含む単一の一体化されたユニットを含みうる。
本開示の別の実施形態によれば、システムは、システムのコンポーネントのための電源として機能しうるドッキングステーションをさらに含みうる。
図1Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、面ファスナによって椅子に取り付けられている。
図1Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、面ファスナによって椅子に取り付けられている。
図1Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、面ファスナによって椅子に取り付けられている。
図2Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子のヘッドレストに取り付けられた回転可能なアームによって歯科用椅子に取り付けられている。
図2Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子のヘッドレストに取り付けられた回転可能なアームによって歯科用椅子に取り付けられている。
図2Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子のヘッドレストに取り付けられた回転可能なアームによって歯科用椅子に取り付けられている。
図3Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子のアームレストに取り付けられた回転可能なアームによって歯科用椅子に取り付けられている。
図3Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子のアームレストに取り付けられた回転可能なアームによって歯科用椅子に取り付けられている。
図3Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子のアームレストに取り付けられた回転可能なアームによって歯科用椅子に取り付けられている。
図4Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用トレイに一体化されている。
図4Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用トレイに一体化されている。
図4Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用トレイに一体化されている。
図5Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、歯科用椅子の基部に取り付け可能な単一のユニットに一体化されている。
図5Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、歯科用椅子の基部に取り付け可能な単一のユニットに一体化されている。
図5Cは、本開示によって企図される実質的に透明なシールドコンポーネントの斜視図であり、シールドコンポーネントは、取り外し可能な実質的に透明なシートを含む。
図6Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、患者の上の天井から患者の上に延在し、既存の歯科用ランプと並んで延在している。
図6Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、患者の上の天井から患者の上に延在し、既存の歯科用ランプと並んで延在している。
図6Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、患者の上の天井から患者の上に延在し、既存の歯科用ランプと並んで延在している。
図7Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用椅子を使用する患者の上の天井に取り付けられ、天井から下方に延在し、実質的に透明なシールドコンポーネントは、LED照明、拡大機能、および、任意に、エンターテイメントまたは他のメディアコンテンツを患者に提供することが可能なスクリーンを含む。
図7Bは、図7Aに示される実質的に透明なシールドコンポーネントの斜視図である。
図8Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、回転可能な自立型基部に接続され延在している。
図8Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、回転可能な自立型基部に接続され延在している。
図8Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、回転可能な自立型基部に接続され延在している。
図9Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、回転可能な自立型基部に接続され延在し、基部の高さは、ハンドルを使用して調整可能である。
図9Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、回転可能な自立型基部に接続され延在し、基部の高さは、ハンドルを使用して調整可能である。
図9Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、実質的に透明なシールドコンポーネントは、回転可能な自立型基部に接続され延在し、基部の高さは、ハンドルを使用して調整可能である。
図10Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムの吸引コンポーネントは、患者によって使用される歯科用椅子に隣接する壁に取り付けられている。
図10Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムの吸引コンポーネントは、患者によって使用される歯科用椅子に隣接する壁に取り付けられている。
図10Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムの吸引コンポーネントは、患者によって使用される歯科用椅子に隣接する壁に取り付けられている。
図11Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、単一のユニットに一体化されている。
図11Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、単一のユニットに一体化されている。
図11Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、単一のユニットに一体化されている。
図12Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、単一のユニットに一体化され、システムは、一体化されたユニットに電力を供給するためのドッキングステーションをさらに含む。
図12Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、単一のユニットに一体化され、システムは、一体化されたユニットに電力を供給するためのドッキングステーションをさらに含む。
図12Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、単一のユニットに一体化され、システムは、一体化されたユニットに電力を供給するためのドッキングステーションをさらに含む。
図13Aは、本開示のシステムの斜視図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、壁に取り付け可能なユニットに一体化され、実質的に透明なシールドコンポーネントは、折り畳み可能なアームを介してユニットから延在している。
図13Bは、本開示のシステムの上面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、壁に取り付け可能なユニットに一体化され、実質的に透明なシールドコンポーネントは、折り畳み可能なアームを介してユニットから延在している。
図13Cは、本開示のシステムの側面図であり、患者は、本開示によって企図されるように歯科用椅子を使用しており、システムのコンポーネントは、壁に取り付け可能なユニットに一体化され、実質的に透明なシールドコンポーネントは、折り畳み可能なアームを介してユニットから延在している。
図14Aは、本開示によるシステムの斜視図であり、システムによって企図される物体は、航空機の座席を含む。
図14Bは、本開示によるシステムの側面図であり、システムによって企図される物体は、航空機の座席を含む。
以下の開示は、物理的に近接した個人の間で伝播されうる、および/または、共通の表面もしくは物体と相互作用しうる個人の間で伝播されうる、COVID-19および他のウイルスおよび感染性病原体の伝播のリスクを最小限にすることを意図したシステムおよび関連する方法の種々の実施形態を説明するために提供される。当業者は、本開示の例を超えて広がるシステムの追加の実施形態および使用を理解するのであろう。任意の請求項に含まれる用語は、本開示内で定義されるように解釈されるべきである。単数形は複数の代替を企図し、開示するために読まれるべきである。同様に、複数形は単数の代替を企図し、開示するために読まれるべきである。特に明記しない限り、接続詞は包括的に読み替えられるべきである。
例えば「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」などの表現は、A、BまたはCのうちのいずれかを単独で、または、残りの要素と組み合わせ可能であるように読まれるべきである。追加して、このようなグループは、そのグループの1つ以上の要素の複数のインスタンスを含み、それらはグループの他の要素に含まれうる。特に明記しない限り、すべての数、測定値および値は、近似値として与えられる。
本開示全体を通して使用される用語および表現は、広く解釈されるべきである。用語は、本明細書によって提供される定義にそれぞれ対応するものと理解されることが意図される。技術的辞書および適用可能な技術分野内で理解される一般的な意味は、これらの定義を補足することを意図する。本明細書または技術辞書から適切な定義を決定することができない場合、そのような用語は、その平易かつ共通の意味に従って理解されるべきである。しかしながら、本明細書によって提供される任意の定義は、他のすべての情報源に優先して適用される。
本開示によって説明される様々な目的、特徴、態様および利点は、添付の図面とともに以下の詳細な説明からより明らかになるのであろう。
本開示全体にわたって論じられるコンポーネントおよび特徴を明確に説明するために、いくつかの頻繁に使用される用語が、限定されることなく、ここで定義される。用語「COVID-19」は、本開示を通して使用される場合、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって引き起こされる感染症である。用語「エアロゾル」は、本開示を通して使用される場合、空気または別のガス中の微細な固体粒子または液体飛沫の懸濁物として定義される。用語「ユニバーサルマウント」は、本開示を通して使用される場合、1つ以上の互換性のあるマウントと共にユニバーサルクランプとして定義される。用語「個体」は、本開示全体を通して使用される場合、いかなる限定的な方法でも解釈されるべきではなく、広く解釈されるべきであり、限定されることなく、「対象者」と同義であると解釈されるべきである。
ここで本開示の種々の態様を、限定することなく、詳細に説明する。以下の開示では、例えば、個人が互いに物理的に近接していることに起因して、COVID-19の伝播のリスクを最小限にするためのシステム、関連する方法について説明する。当業者は、本開示の範囲および趣旨と一致するシステムおよび方法の代替的な標識化が提供されうることを理解するのであろう。熟練した読者は、代替の標識を含めることが何らかの制限になると見なすべきではない。
ここで図1~図13を参照して、本開示によって可能になるシステムをより詳細に説明する。本開示によって企図される実質的に透明なシールドコンポーネント100、200、300、400、500、600、700800、900、1000、1100、1200、1300、1400は、限定されるものではないが、椅子(限定されるものではないが、例えば、歯科医院の椅子101、201、301、401、501、701、801、901、1001、1101、1201、1301など)、病院用ベッド、自動車の座席、航空機1401の座席、高さを調節可能であり水平軸の周りに360度回転可能でありうる自立型基部902、移動可能な台車804、または、天井702を含む、任意の数の物体に動作可能に取り付けられうる。実質的に透明なシールドコンポーネントは、任意の適切な接続手段によって物体に取り付けることができ、この手段は当業者によって容易に理解されるであろう。単なる例として、図1に示されるように、実質的に透明なシールドコンポーネントは、面ファスナ104によって椅子の背もたれに接続されうる。図1~図13は、実質的に透明なシールドコンポーネントが、例えば、歯科医院の椅子101、201、301、401、501、701、801、901、1001、1101、1201、1301を使用する患者の上に延在する、本開示によって企図される実施形態を示す。
限定されるものではないが、本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントは、アーム102、202、302、402、502、601、703、802、1002、1103、1203、1302によって、本開示によって企図される性質の物体に動作可能に取り付けられうる。アームは回転可能でありうり、限定されるものではないが、歯科の椅子を使用する患者の頭部の周りを回転可能であることを含み、実質的に透明なシールドコンポーネントが、アームを通して取り付けられうる。アームは、折り畳み可能かつ延在可能でありうる。実質的に透明なシールドコンポーネントは、当業者によって容易に理解されるように、他の適切な手段を介して椅子または他の物体に取り付けられてもよい。
アームは、任意の適切な手段によって歯科の椅子または他の物体に取り付けられうり、この手段は当業者によって容易に理解されるのであろう。限定されるものではないが、取り付けは、ユニバーサルマウント405によってであってもよい。
本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントは、カーブしていてもよい。本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントは、個人の顔の湾曲に対応する突出部を含んでいてもよい。
本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントは、取り外し可能であってもよい。本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントは、使い捨て可能であってもよい。
本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントが、例えば、限定されるものではないが、歯科医院の患者のための椅子などの椅子に取り付けられる場合、実質的に透明なシールドコンポーネントは、限定されるものではないが、椅子103の背もたれ、椅子303のアームレスト、または、椅子203のヘッドレストを含む椅子の上の任意の数の場所にそのように取り付けられうる。
ここで図8A~図8Cを参照すると、物体が台車である場合、台車は高さを調整することができ、水平軸の周りを回転することができる、上方に延在する態様803をさらに含みうる。台車の基部は、限定されるものではないが、三脚804を含む任意の数の形態で存在しうる。このような実施形態によれば、三脚の基部は、さらに折り畳み可能であってもよい。
本開示のシステムの吸引コンポーネントは、自立型ユニット304、403、805、903、1102、1202を含んでいてもよく、または、壁1003に取り付け可能であってもよい。吸引コンポーネントは、吸引することができ、それによって真空(vacuum)を作り出すデバイスを含みうる。吸引コンポーネントは、限定されるものではないが、High Energy Particular Airフィルタ(すなわち、「HEPA」フィルタ)、カーボンフィルタ、および/または、本開示の利益を得た後に当業者によって理解されるのであろう別のタイプのフィルタを含みうる。
図3A~図3Cに反映されるように、吸引コンポーネントは、本開示のシステムのシールドコンポーネント300に接続されたホース305を含みうる。
ここで図4A~図4Cを参照すると、本開示のシステムの実質的に透明なシールドコンポーネントは、歯科用トレイを形成してもよい。このような実施形態によれば、歯科用トレイは、歯科用椅子を使用する患者に対して歯科の作業を行う歯科医の視認性を向上させるために、トレイのフレームの周りに位置する発光ダイオードをさらに含んでいてもよい。このような実施形態によれば、実質的に透明なシールドコンポーネント/歯科用トレイは、交換可能であってもよい。このような実施形態によれば、実質的に透明なシールドコンポーネント/歯科用トレイは、洗浄可能であってもよい。このような実施形態によれば、実質的に透明なシールドコンポーネント/歯科用トレイは、限定されるものではないが、実質的に透明なシールドコンポーネント/歯科用トレイに動作可能に取り付けられたボールジョイント404を含む延在可能/折り畳み可能な接続態様によって、歯科用椅子のアームに接続されうる。
ここで図6A~図6Cおよび図7A~図7Bを参照すると、本開示の実質的に透明なシールドコンポーネントは、天井702に動作可能に取り付けられうり、天井から下方に延在しうる。このような実施形態によれば、歯科医院の場合、実質的に透明なシールドコンポーネントに関連付けられたアーム601、703は、歯科用ランプ602に接続されうり、歯科用ランプ602に沿って延在しうる。このような実施形態によれば、実質的に透明なシールドコンポーネントに関連付けられたアームは、ユニバーサルマウント603を介して歯科用ランプに接続されうる。
本開示のシステムは、実質的に透明なシールドコンポーネント、チャンバコンポーネントおよび吸引コンポーネントを含む、完全に一体化されたユニット503、1102、1202、1303を備えうる。完全に一体化されたユニットは、壁1003に取り付け可能であってもよい。一体化されたユニットは、実質的に透明なシールド1104を交換するための保管場所をさらに含みうる。
本開示の実施形態によれば、本開示のシステムは、電力のためにドッキング装置1204を利用してもよい。
実質的に透明なシールドコンポーネントは、限定されるものではないが、例えば、特定のタイプのプラスチックまたは透明ガラスなどの任意の実質的に透明な固体マテリアルを含みうる。1つの実施形態において、シールドコンポーネントは、人間に有毒でないマテリアルを使用して構成されうる。シールドコンポーネントを準備する際の使用に適切でありうるプラスチックは、限定されるものではないが、ポリメチルメタクリレート、セルロースアセテートブチレート、ポリカーボネート、または、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートを含みうる。好ましくは、物体の前面および物体を使用する患者または他の個人に向かう、または、離れるようにシールドコンポーネントの収縮(contracting)および拡張(expanding)を容易にするために、シールドコンポーネントは、軽量なマテリアルを含みうる。
使用時に、シールドコンポーネントは、椅子に座っているか、または、他の方法で物体を使用している個人に接近するが接触しないように配置されることが意図される。好ましい実施形態において、シールドコンポーネントの内装部分と物体を使用する個人との間の距離は、限定されるものではないが、約1インチであってもよい。別の好ましい実施形態において、シールドコンポーネントの内装部分と物体を使用する個人との間の距離は、限定されるものではないが、約10インチであってもよい。当業者によって理解されるように、シールドコンポーネントの内装表面と個人との間の、個人が十分に快適であり続けることを可能にする他の距離は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
本開示のシールドコンポーネントは、実質的に任意の数の寸法で存在しうる。例示的な1つの実施形態において、シールドコンポーネントは、約3フィートから約6フィートの長さ、好ましくは、限定されるものではないが、約4フィートから約4フィート6インチの長さであってもよい。シールドコンポーネントは、好ましくは、物体および物体を使用する個人に向かう、および、離れるシールドの動きを容易にするために、軽量なマテリアルで構成されうる。シールドコンポーネントは、約1フィート6インチから約3フィートの幅、好ましくは、限定されるものではないが、約2フィートから約2フィート6インチの幅であってもよい。
実質的に透明なシールドコンポーネントは、シールドコンポーネントの表面から物体に向かって延在し、物体の使用者を部分的または完全に囲むように、各側面にマテリアルを含みうる。本開示のシールドコンポーネントのこのような実施形態は、例えば、歯科医または歯科助手が、シールドコンポーネントが倒れる位置にある間、患者用椅子を使用する患者に対して歯科の作業を行うことを可能にするために、各側面に開口をさらに含みうる。代わりに、シールドコンポーネントの側面へのこのような拡張は省略されてもよく、それによって、椅子または他の物体の使用者へのアクセス性をさらに増大させる。
本開示のシステムは、チャンバコンポーネントをさらに含む。チャンバコンポーネントは、吸引コンポーネントに動作可能に取り付けられてもよい。チャンバコンポーネントは、限定されるものではないが、実質的に透明なシールドコンポーネントの遠位端からコンポーネントの近位端までの距離の約3分の2に位置していてもよい。チャンバコンポーネントの位置は、シールドコンポーネントがその上に位置する物体を使用する個人の口および鼻の領域の位置に隣接しうる。
チャンバコンポーネントは、シールドコンポーネントの遠位端に位置しうる開口まで延在しうる。本開示のシステムのチャンバコンポーネントは、シールドコンポーネントの内装表面と物体との間の空間からチャンバコンポーネントに入るエアロゾルを消毒することができる紫外線を放射するダイオードをさらに含みうる。
本開示のシステムは、例えば真空(vacuum)などの吸引コンポーネントをさらに含み、吸引コンポーネントは、シールドコンポーネントの内装表面と、本開示によって企図される物体を使用する個人のフロントと、の間の空間から空気を吸引することができる。物体を使用する個人から吸引コンポーネントに向かう空気の移動は、任意に、空気を吸引コンポーネントに向かって前方に推進するように空気に圧力を加えることができるコンポーネントによって、さらに促進されてもよい。
本開示のシステムのチャンバコンポーネントは、シールドコンポーネントの内装表面と物体を使用する個人のフロントとの間の空間からチャンバコンポーネントに入るエアロゾルを消毒することができる紫外線を放射するダイオードをさらに含みうる。
本開示のシステムは、例えば、本開示によって企図されるように、歯科用椅子を使用する患者の口内で歯科の作業を行う歯科医または歯科助手のための視認性を向上させるための補助照明をさらに含みうる。補助照明は、限定されるものではないが、実質的に透明なシールドコンポーネントの内装に位置してもよい。
本明細書で論じられるように、本開示のシステムは、限定されるものではないが、例えば拡大鏡、補助照明を提供する発光ダイオード、および/または、限定されるものではないが、液晶ディスプレイに通信可能に接続されたカメラなどの拡大マテリアルをさらに含みうり、拡大マテリアルは、患者の口がありうる場所に隣接するように意図された位置で、シールドコンポーネントの一部分内に位置しうる。本開示の1つの実施形態において、上記の位置は、シールドコンポーネントの遠位端からシールドコンポーネントの近位端までの距離の約3分の2でありうる。
本開示によって可能にされるシステムの1つの実施形態において、シールドコンポーネント1400は、航空機1401の座席に動作可能に取り付けられうる。このような実施形態によれば、シールドコンポーネントは、取り外し可能であってもよい。この実施形態によれば、本開示のシールドコンポーネントの構造および動作は、上述と実質的に同一でありうるが、吸引コンポーネントは、航空機の座席を使用する個人の頭部領域のシールドコンポーネントの近位端付近から、乗客用の座席のすぐ上に位置する航空機1403の内装の屋根の部分でアクセス可能な航空機の換気システムまで延在するホース1402を含みうる。代わりに、ホースは、シールドコンポーネントの遠位端付近から航空機の内装の床まで延在してもよい。この実施形態によれば、シールドコンポーネントは、航空機の座席から取り外し可能であってもよい。この実施形態によれば、シールドコンポーネントは、限定されるものではないが、例えば、航空機の座席から約16インチの半径内に位置しうるボタンを押すことによって解放機構を作動させることによって、そのように取り外されうる。
本開示によって可能にされるシステムの別の実施形態において、実質的に透明なシールドコンポーネントは、自動車の乗客用の座席に動作可能に取り付けられうる。この実施形態によれば、本開示のシールドコンポーネントの構造および動作は上述と実質的に同一でありうるが、吸引コンポーネントは、容易に携帯可能でありうり、自動車のコンソールコンパートメント内に適合しうる。
本開示によって可能にされるシステムの別の実施形態において、実質的に透明なシールドコンポーネントは、限定されるものではないが、例えば病院用ベッドなどのベッドに動作可能に取り付けられうる。シールドコンポーネントは、約5フィートから約8フィートの長さ、好ましくは、限定されるものではないが、約6フィートから約7フィートの長さで延在していてもよい。シールドコンポーネントは、ベッドに横たわる個人のフロントに向かって倒れるように配置されてもよい。このような実施形態によれば、シールドコンポーネントは、ベッドの使用者を完全に包囲するように設計されうる。このような実施形態によれば、空気が吸引されうる開口は、シールドコンポーネントのいずれかの端部に位置しうる。
本開示のシステムおよび方法の様々な態様が上述されたが、本開示の説明は、本システムの範囲を例示することを意図し、限定することを意図しない。本発明は、特許請求の範囲によって定義され、上述の開示において提供される例示および実施例によっては定義されない。当業者は、上述の開示の恩恵を受けた後、代わりの実施形態において実現されうる、本開示によって可能にされるシステムの追加の態様を理解するのであろう。他の態様、利点、実施形態、および修正は、特許請求の範囲内である。

Claims (20)

  1. 感染症の伝播のリスクを軽減するための方法であって、
    実質的に透明なシールドコンポーネントを提供することと、
    チャンバコンポーネントを提供することと、
    前記シールドコンポーネントの前記内装表面に付着したエアロゾルを、前記シールドコンポーネントと前記シールドコンポーネントが上に配置されている物体を使用する個人との間の前記空間から吸引するための吸引コンポーネントを提供することと、
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、台車に動作可能に取り付けられ、前記物体の上に前記台車から延在可能である、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、椅子に動作可能に取り付けられ、前記椅子を使用する個人の上に延在可能である、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、部屋の天井に動作可能に取り付けられ、前記部屋に位置する個人の上に前記天井から下方に延在可能である、方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、航空機の座席に動作可能に取り付けられ、前記座席を使用する個人の上に延在可能である、方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、自動車の座席に動作可能に取り付けられ、前記座席を使用する個人の上に延在可能である、方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、ベッドに動作可能に取り付けられ、前記ベッドを使用する個人の上に延在可能である、方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、前記チャンバコンポーネントは、紫外線を放射する1つ以上のダイオードを含む、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、拡大する態様を含む、方法。
  10. 請求項9に記載の方法であって、前記拡大する態様は、拡大鏡、発光ダイオードおよびディスプレイスクリーンに通信可能に接続されたカメラのうち1つ以上からなる、方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記ディスプレイスクリーンは、液晶ディスプレイを含む、方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネント、前記チャンバコンポーネントおよび前記吸引コンポーネントは、単一の一体化されたユニットを含む、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記一体化されたユニットは、実質的に透明なシールドを交換するための保管場所をさらに含む、方法。
  14. 請求項1に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネント、前記チャンバコンポーネントおよび前記吸引コンポーネントに電力を提供するためのドッキングステーションをさらに含む、方法。
  15. 感染症の伝播のリスクを軽減するための方法であって、
    実質的に透明なシールドコンポーネントと、
    チャンバコンポーネントと、
    前記実質的に透明なシールドコンポーネントの前記内装表面に付着したエアロゾルを、前記シールドコンポーネントと前記シールドコンポーネントが上に配置されている物体を使用する個人との間の前記空間から吸引するための吸引コンポーネントと、
    を含む単一の一体化されたユニットを提供することを含む、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記一体化されたユニットは、壁に取り付け可能である、方法。
  17. 請求項15に記載の方法であって、前記チャンバコンポーネントは、紫外線を放射するダイオードを含む、方法。
  18. 請求項15に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、拡大する態様を含む、方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、前記拡大する態様は、拡大鏡、発光ダイオードおよびディスプレイスクリーンに通信可能に取り付けられたカメラのうち1つ以上からなる、方法。
  20. 請求項15に記載の方法であって、前記実質的に透明なシールドコンポーネントは、前記個人の顔から約10インチに配置される、方法。
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