JP2023525512A - Covid-19の治療で使用されるメチルチオニニウム化合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、メチルチオニニウム化合物を使用して、対象においてCOVID-19を治療する方法を提供する。

Description

技術分野
本発明は一般に、COVID-19の治療で使用される方法及び物質に関する。
背景技術
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)によって起こる新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)は、主要な健康管理的及び経済的脅威を世界的に招く。大部分の感染症は自己制限性であるが、出願時点での現在の推定値によれば、感染患者の約14%が重篤な疾患を有し、入院を有するが、感染患者の5%は非常に重篤な状態を有し、集中治療入院(主に換気のため)を要し、感染患者の4%が死亡している(WHO,2020).
社会経済を正常な状態に戻す見込みは、新たな治療アプローチの開発に極めて依存している。ワクチンの開発によって予防的方策が提供されることが望まれるが、ワクチンは未だ、潜在的に耐性のウイルス変異、毒性、及び持続性の機能障害を伴う問題の理由から、最善ではない。
したがって、ワクチンが開発されたとしても、重症度及び期間の両方について、感染の最悪の影響を軽減し得る補助的な治療アプローチが必要とされている。
30ヵ国における400を超える病院の11,000名を超える対象での最近のWHO支援研究から、評価された4種の治療(レムデシビル、ヒドロキシクロロキン、ロピナビル/リトナビル及びインターフェロン)のいずれも、全死亡率、換気の開始又は入院患者の入院期間に代謝において効果がないことが判明した(WHO Solidarity Trial Consortium,15 October 2020)。
既知の薬のリポジショニング(Repositioning)は、COVID-19の治療法の開発及び展開を著しく促進し、したがって、ウイルス複製を阻害し得る既知の薬剤のプロファイリングに関心が集まっている。例えば、Riva et al.( “A Large-scale Drug Repositioning Survey for SARS-CoV-2 Antivirals.”bioRxiv(2020))は、およそ12,000種の臨床段階又はFDA承認小分子をプロファイルし、試験条件下でウイルス複製を阻害する30種の既知の薬剤の同定を報告し、そのうち6種を胞の用量-活性関係について特徴付け、患者における治療量と釣り合う可能性があると考えられる有効濃度を示した。これらは、PIKfyveキナーゼ阻害剤Apilimod、システインプロテアーゼ阻害剤MDL-28170、Z LVG CHN2、VBY-825、及びONO 5334、及びCCR1アンタゴニストMLN-3897を含む。
しかしながら、このタイプのスクリーニングは、SARS-CoV-2の単一属性(ここでは:Vero E6細胞におけるウイルス複製)のみに焦点を合わせており、スクリーンで使用される化合物濃度(ここでは:5μM)は、すべての有望な候補の検出に、又は適切な生体内(in vivo)治療量の予想に、最適でない場合がある。
さらに、COVID-19は、高齢者など脆弱な患者に特に有害であると報告されている。多くの潜在的な治療法は、その患者群での使用には適していない場合がある。
したがって、高齢者母集団に安全に使用することができる化合物又は化合物の組合せを提供することによって、COVID-19病因論の多属性(multiple attribute)を標的化することができ、及びそれに適用可能な投薬量情報を提供することによって、当技術に有用な寄与が提供されることが分かる。
発明の開示
本発明は、COVID-19治療のための、単剤療法又は併用療法としての特定のヒドロメチルチオニン塩(以下で「LMTX」と呼ばれる)の使用を提供する。本開示を考慮に入れて、かかる治療は、多くの有益な治療効果を提供し得ると期待される。
自社開発(proprietary)の薬物動態研究に基づいて、本発明者らは、ARS-CoV-2毒性を有意に低減する、組織における生体内レベルを達成すると予想され得るLMTXの投薬量、並びに本明細書に記載の他の利点を定義する。
国際公開第2007/110627号に、アルツハイマー病、及び前頭側頭型認知症(FTD)などの他の疾患、並びにウイルス性疾患などの疾患を一般に治療するための薬剤又はプロドラッグとして有効な、特定の3,7-ジアミノ-10H-フェノチアジニウム塩が開示された。これらの化合物は、MTCに関して考慮すると、「還元」又は「ロイコ」型の化合物でもある。これらのロイコ型メチルチオニニウム化合物は、ここで「LMTX」塩とも呼ばれる。
国際公開第2012/107706号には、上記のLMTX塩と比べて優れた特性を有する他のLMTX塩、例えばロイコ-メチルチオニニウムビス(ヒドロメタンスルホネート)(LMTM)(WHO INN指定:ヒドロメチルチオニン)が記載されている:
Figure 2023525512000002
これらの特許公開には、特にCOVID-19又は他のコロナウイルスの治療ではなく、ウイルス性疾患の治療のために、一般的用語でLMTXが記載されている。
MTC(メチルチオニニウム塩化物,メチレンブルー)は、臨床的使用の長い歴史を持つ、FDA及びEMA承認薬剤であり、SARS-CoV-2に対する抗ウイルス薬としてのその潜在的有用性を評価するために現在、研究されている(参照実施例1を参照のこと)。
LMTXは、同じMT(メチルチオニン)部位を全身的に送達するが、向上した吸収、赤血球浸透及び深いコンパートメント分布を有するため、MTCよりも経口及び静脈内使用に適している(Baddeley et al., 2015)。LMTXは、MTCよりも実質的に低い用量で使用され得て、したがって耐容性がよい。
MTCとは無関係に、抗マラリア化合物クロロキン及び関連するヒドロキシクロロキンが現在、SARS-CoV-2に対する抗ウイルス薬としてのその有効性を評価するために、世界的に研究されている。
しかしながら、クロロキンは、有意な電気生理学的効果が、生理活性に必要とされるマイクロモル範囲に近づく血漿中濃度にて起こるような、狭い治癒比を有する。2通りの用量でのCOVID-19症例に対するクロロキン二リン酸塩のブラジルのトライアル(https://doi.org/10.1101/2020.04.07.20056424)は、報告によれば心臓死が原因で中止された。
LMTXは、より穏やかな安全プロファイルを有する。本発明者らは、LMTXが心毒性を示さないことを確立した。
本明細書は、LMTXがウイルス毒性の低減を可能にする点で、対象に利益を提供し得るだけでなく、さらに:
・LMTXは、ミトコンドリアの機能を向上し得て;COVID-19とミトコンドリア機能障害との関連を示唆する証拠が増加している。
・LMTXは、本発明者らによって実施される臨床試験で証明されるように、血中酸素容量を高めることができる。COVID-19は、患者におけるメトヘモグロビン血症及び低酸素血症の両方の発生と関連している。
・LMTXは、COVID-19のCNS後遺症も改善し得る。いくつかの報告から、COVID-19は中枢神経系に対する有害作用を有し得ることが示されている。
したがって、一態様において、対象におけるCOVID-19の療法的治療方法であって、
メチルチオニニウム(MT)含有化合物を前記対象に投与することを含み、
前記投与が、任意に2回以上の用量に分割された、MT30mgを超え、250mgまでの総経口1日用量を、対象に1日当たり提供する、又は
前記投与が、MT10~200mgの総静脈内(IV)1日用量を、対象に1日当たり提供し、
そのMT含有化合物は、以下の式:
Figure 2023525512000003
(上記式中、HA及びHB(存在する場合)のそれぞれが、同一又は異なってもよいプロトン酸であり、及び
p=1又は2であり;q=0又は1であり;n=1又は2であり;(p+q)×n=2である)
のLMTX化合物、又はその水和物若しくは溶媒和化合物である、方法が開示される。
一実施形態において、対象は、COVID-19に罹患していると診断されているヒトである。この方法は、前記診断を行うことを含み得る。
一態様において、対象におけるCOVID-19の予防的治療方法であって、
メチルチオニニウム(MT)含有化合物を前記対象に投与することを含み、
MT含有化合物が、上記で定義されるLMTX化合物である、方法が開示される。
一実施形態において、その対象は、COVID-19を有すると疑われる、又は見込みがあると評価されたヒト、例えば1つ又は複数のCOVID-19症例と密に接触したことのある対象;少なくとも65歳である対象;老人ホーム、介護ホーム、又は長期間医療施設に居住している対象;関連する根本的健康状態を有する対象である。
好ましくは、前記投与は、任意に2回以上の用量に分割された、35、40、50、又は60mg未満、及び250mg以下のMTの総経口1日用量を提供する。
総経口1日用量は、30.5、30.6、31、35、37.5、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、又は130mg以上であってもよい。
総経口1日用量は、好ましくは30.5、30.6、30.7、30.8、30.9、又は31mg以上である。
総経口1日用量は、60、75、又は120mgであってもよい。
化合物の総1日用量が、1日2回又は1日3回、分割用量として投与され得る。以下に説明されるように、多くの投与回数/日で分割されたMT用量を投与した場合、1日1回投与と比較して、記載の範囲内のより少ない総量又は1日に当たりのより少ない回数の投与が使用されることが望まれ得る。
本発明において静脈内投与が用いられる場合、前記静脈内投与は、1日当たり対象に、10~200mgのMTの総静脈内(IV)1日用量を投与する。
持続注入によって投与されようと、又は連続投与と同じ作用を達成するのに、一般にわずかに高い総投薬量がその場合に必要とされる、妥当な回数の間隔をあけたボーラス投薬(例えば、4回以上)に基づこうと、その10~200mgの範囲は、以下に説明される毒性の低減を適切に達成すると予想される投薬量を包含する。ボーラス自体は、当該の薬剤の体積、流量及び濃度に適した短い期間、例えば3~10分間、例えば5分間にわたって投与されてもよい。
本明細書における実施例によって、連続投与、及び1日4回6時間毎に投与される静脈内(IV)ボーラス注入(「静脈内4回6時間(“iv q 6 hr”)」)に対応する投薬量を示す。本明細書における開示に基づいて、ボーラス及び連続投与に対応する投薬量が推測され得る。
例えば、17~122mg/日(連続投与)の範囲は、静脈内4回6時間で21~200mg/日に相当する。一部の実施形態において、IV投与は、これらの範囲に等しい。
他の実施形態において、前記静脈内投与は、対象に1日当たり、MT30~150mgの総1日用量を提供する。
他の実施形態において、前記静脈内投与は、対象に1日当たり、MT26~150mgの総1日用量を提供する。
他の実施形態において、前記静脈内投与は、対象に1日当たり、MT26~148mgの総1日用量を提供する。
他の実施形態において、前記静脈内投与は、連続投与によって、対象に1日当たり、MT30~122mgの総1日用量を提供する。
他の実施形態において、前記静脈内投与は、例えば静脈内4回6時間によるボーラス投与によって、対象に1日当たり、MT36~148mgの総1日用量を提供する。
一部の実施形態において、IV投薬量は:
連続投与による、約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130mg/日である。
ボーラス投与、例えば静脈内4回6時間又は8時間若しくは12時間毎による、約20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200mg/日である。
連続投与による、約30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、125、130mg/日である。
ボーラス投与、例えば静脈内4回6時間による、約35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200mg/日である。
LMTX化合物
好ましくは、LMT化合物は、国際公開第2007/110627号又は国際公開第2012/107706号に記載のタイプの「LMTX」化合物である。
したがって、その化合物は、以下の式の化合物、又はその水和物若しくは溶媒和化合物から選択され得る:
Figure 2023525512000004
上記式中、HA及びHB(存在する場合)のそれぞれが、同一又は異なってもよいプロトン酸である。
「プロトン酸」とは、水溶液中のプロトン(H)供与体を意味する。したがって、プロトン酸内のA又はBは共役塩基である。したがって、プロトン酸は、水中の7未満のpHを有する(つまり、ヒドロニウムイオンの濃度は、10-7モル/Lを超える)。
一実施形態において、その塩は、以下の式(HA及びHBが異なるモノプロトン酸である)を有する混合塩である:
Figure 2023525512000005
しかしながら、好ましくはその塩は混合塩ではなく、以下の式:
Figure 2023525512000006
を有し、
Xはそれぞれ、ジプロトン酸又はモノプロトン酸などのプロトン酸である。
一実施形態において、その塩は以下の式:
Figure 2023525512000007
を有し、式中、HAはジプロトン酸である。
好ましくは、その塩は、ビスモノプロトン酸である以下の式:
Figure 2023525512000008
を有する。
本明細書で使用されるLMTX化合物に存在し得るプロトン酸の例としては:
無機酸:ハロゲン化水素酸(hydrohalide acid)(例えば、HCl、HBr)、硝酸(HNO)、硫酸(HSO
有機酸:炭酸(HCO)、酢酸(CHCOOH)、メタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、p-トルエンスルホン酸が挙げられる。
好ましい酸はモノプロトン酸であり、塩はビス(モノプロトン酸)塩である。
好ましいMT化合物はLMTM:
Figure 2023525512000009
である。
重量係数
無水塩は、分子量約477.6を有する。LMTコアの分子量285.1に基づいて、本発明においてこのMT化合物を使用するための重量係数は1.67である。「重量係数」とは、MT含有化合物が含有するMTの重量に対する、純粋なMT含有化合物の相対重量を意味する。
他の重量係数は、本明細書における実施例MT化合物について計算され得て、相当する投薬量範囲がそれから計算され得る。
したがって、本発明は、少なくとも50mgのLMTMの総1日用量を包含する。
他の実施例LMTX化合物は以下の通りである。その分子量(無水)及び重量係数も示す:
Figure 2023525512000010
Figure 2023525512000011
したがって、MTに関して本明細書に記載の投薬量(用量)は、その分子量に対して調節されるように、これらのMT含有化合物に必要な変更を加えて適用する。
蓄積係数(Accumulation factor)
当業者によって理解されるように、所定の1日用量に関して、投与頻度が多くなるほど、薬剤の蓄積が多くなり得る。
したがって、請求される本発明の特定の実施形態において、MT化合物の総1日投与量は、より高頻度で投与する場合(例えば、1日2回[bid]又は1日3回[tid])には比較的低く、又は1日4回[qd]投与する場合には高い。
治療及び予防法
症状を治療する文脈において、本明細書で使用される「治療(処置)」という用語は一般に、一部の所望の治療効果が達成される、例えば症状の進行の抑制が達成され、及び進行速度の低減、進行速度の停止、症状の後退、症状の回復、及び症状の治癒を含む、ヒト又は動物の処置及び治療法(例えば、獣医学分野における)に関する。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、目的の治療投与計画に従って投与された場合に、いくつかの目的の治療効果を発揮するのに有効であり、妥当な利益/リスク比と釣り合う、本発明の化合物、又は前記化合物を含む物質、組成物、若しくは製剤(dosage)の量に関する。本発者らは、本発明の疾患に関するMT化合物の治療有効量が、当技術分野で従来理解される量よりもかなり少ないことを実証した。
本発明は、予防的措置としての治療も包含する。
本明細書で使用される「予防的に有効な量」という用語は、目的の治療投与計画に従って投与された場合に、いくつかの目的の治療効果を発揮するのに有効であり、妥当な利益/リスク比と釣り合う、本発明の化合物、又は前記化合物を含む物質、組成物、若しくは製剤の量に関する。
本明細書の文脈における「予防法」は、完全な成功、つまり完全な保護又は完全な予防に制限すべきではないと理解される。本明細書の文脈における予防法はむしろ、その特定の症状を遅らせる、軽減する、又は回避するのを助けることによって、健康を維持する目的で、予め症状の前に、又はかかる症状が悪化する前に、投与される処置を意味する。
併用治療及び単剤療法
「治療」という用語は、「併用」治療及び療法を含み、COVID-19に対する2つ以上の治療又は療法が、例えば逐次又は同時に組み合わせられる。これらは、症候性治療又は疾患修飾治療であり得る。
特定の併用は、医師の自由裁量にて行われるだろう。
併用治療において、作用剤(agent)(つまり、本明細書に記載のMT化合物+1つ若しくは複数の作用剤)は、同時に又は逐次投与され得て、個々に異なる投与スケジュールで、及び異なる経路を経て投与され得る。例えば、逐次投与される場合には、作用剤は、短い間隔(例えば、5~10分の期間にわたって)で、又は長い間隔(例えば、1、2、3、4時間若しくはそれ以上の時間をあけて、又は必要であれば、さらにそれより長い間隔をあけて)で投与することができ、正確な投与計画は、治療薬の特性と釣り合う。
本発明の併用治療の一例は、LMTX治療が、デキサメタゾンなどの抗炎症剤と併用される治療が挙げられる。
別の併用治療はクロロキン又はヒドロキシクロロキンを用いた治療である。SARS-CoV-2感染症に推奨される提唱プロトコルは、経口投与されるヒドロキシクロロキン硫酸塩の1日2回400mgの負荷投与量に続いて、1日2回4日間投与される200mgの維持投与量を含む。代替法は、前もって1日2回5日間500mg投与される場合のクロロキンリン酸塩である(例えば、Yao et al “In Vitro Antiviral Activity and Projection of Optimized Dosing Design of Hydroxychloroquine for the Treatment of Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2(SARS-CoV-2)” Clinical Infectious Diseases,2020,Mar 9参照)。
MT含有化合物及び第2作用剤は、12時間以内に互いに逐次投与され得て、又は対象が、一方で処置される前に、もう一方で持続する期間予め処置され得るか、又は任意に単一投薬単位(single dosage unit)内で同時に投与され得る。
併用療法に関して本明細書に記載のように、本発明は、COVID-19の治療に対して本明細書に記載の用量でのMT化合物である第1化合物の治療有効性を高める方法であって、本明細書に記載の第2作用剤を対象に投与することを含む、方法を提供する。
本発明はさらに、第2作用剤での治療をさらに含む、治療投与計画での対象におけるCOVID-19の治療方法における、本明細書に記載の用量でのMT化合物である第1化合物を提供する。
本発明はさらに、対象におけるCOVID-19の治療方法における、本明細書に記載の用量でのMT化合物の治療有効性を高めるための、第2作用剤の使用を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の用量でのMT化合物、及び本発明の併用方法で使用される第2作用剤を提供する。
本発明はさらに、対象におけるCOVID-19の治療における、本明細書に記載の用量でのMT化合物の治療有効性を高める方法で使用される第2作用剤を提供する。
本発明はさらに、COVID-19治療のための薬剤の製造において、第2作用剤と併用される、本明細書に記載の用量でのMT化合物である第1化合物の使用を提供する。
本発明はさらに、COVID-19治療で使用される薬剤の製造における、本明細書に記載の用量でのMT化合物の使用であって、その治療がさらに、第2作用剤の使用を含む、使用を提供する。
本発明はさらに、対象におけるCOVID-19の治療で使用される薬剤の製造における、第2作用剤の使用であって、その治療が、本明細書に記載の用量でのMT化合物及びCOVID-19の使用をさらに含む、使用を提供する。
併用治療で使用される第2作用剤は:
クロロキン又はヒドロキシクロロキン;ロピナビル-リトナビル;アルビドール;アジスロマイシン、レムデシビル、ファビピラビル、抗炎症治療剤、例えばアクテムラ(トシリズマブ)、コルチコステロイド、例えばデキサメタゾン;回復期血漿;(例えば、Thorlund,Kristian,et al.“A real-time dashboard of clinical trials for COVID-19.”The Lancet Digital Health (2020)参照);SARS-CoV-2中和抗体( Kreer, Christoph,et al.“Longitudinal isolation of potent near-germline SARS-CoV-2-neutralizing antibodies from COVID-19 patients.”Cell 182.4(2020):843-854参照);
のうちの1つ又は複数を含む。
他の実施形態において、その治療は「単剤療法」であり、つまり対象におけるCOVID-19の治療のために、MT含有化合物が、別の作用剤と併せて(上述の意味の中で)使用されないということである。
治療期間
COVID-19の治療に関して、本明細書に記載のMT化合物をベースとする治療投与計画は好ましくは、疾患及び症状に適切な、持続した期間にわたって適用される。詳細な期間は、医師の自由裁量であるだろう。
例えば、治療の期間は:
1~14、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14日間;
1~4、例えば1、2、3又は4週間であり得る。
予防に関しては、治療は進行中であり得る。
すべての症例において、治療期間は一般に、医師の助言及び評価次第である。
製剤剤形
本発明のMT化合物、又はそれを含む医薬組成物は、対象/患者の胃に経口(若しくは経鼻胃管を介して)又は静脈内投与され得る。
通常、本発明の実施形態において、化合物は、その化合物と、薬剤として許容される担体又は希釈剤と、を含む組成物として投与される。
一部の実施形態において、その組成物は、本明細書に記載の化合物と、薬剤として許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と、を含む医薬組成物(例えば、配合物、製剤、薬剤)である。
本明細書で使用される、「薬剤として許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なく、当該の対象(例えば、ヒト)の組織との接触での使用に適している、妥当な利益/リスク比と釣り合う、化合物、成分、物質、組成物、剤形等に関する。各担体、希釈剤、賦形剤等はまた、配合物の他の成分と適合性であるという意味で「許容可能」でなければならない。
一部の実施形態において、組成物は、当業者に既知の1種又は複数種の他の薬剤として許容される成分、限定されないが、薬剤として許容される担体、希釈剤、賦形剤、補助剤、充填剤、緩衝剤、保存剤、酸化防止剤、滑沢剤、安定剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば、湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤などと共に、本明細書に記載の少なくとも1種類の化合物を含む医薬組成物である。
一部の実施形態において、組成物はさらに、他の作用薬、例えば他の治療薬又は予防薬を含む。
適切な担体、希釈剤、賦形剤等は、標準薬剤テキストに記載されている。例えば、Handbook of Pharmaceutical Additives,2nd Edition(eds.M.Ash and I.Ash),2001(Synapse Information Resources,Inc.,Endicott,New York,USA),Remington’s Pharmaceutical Sciences,20th edition,pub.Lippincott,Williams&Wilkins,2000;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients,2nd edition,1994を参照されたい。
本発明の一態様では、本明細書に記載のMT化合物(例えば、本明細書に記載の方法によって得た、又は得られる本明細書に記載の純度を有する等)と、薬剤として許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と、を含む投薬単位(例えば、医薬錠剤又はカプセル剤)が用いられる。
比較的少ない量で存在し得るが、「MT化合物」は、投薬単位の作用薬であり、それは言わば、COVID-19に関して治療的又は予防的効果を有することが意図される。逆に、投薬単位の他の成分は、治療上不活性であり、例えば担体、希釈剤、又は賦形剤であるだろう。
したがって、好ましくは、本明細書に記載の併用治療に対する以外に、投薬単位が使用されるように意図される疾患に関して、投薬単位の他の活性成分、治療的又は予防的効果を有するように意図される他の作用剤は存在しない。
一部の実施形態において、投薬単位は錠剤である。
一部の実施形態において、投薬単位はカプセルである。
一部の実施形態において、投薬単位は、シロップとして提供される。
一部の実施形態において、前記カプセルは、ゼラチンカプセルである。
一部の実施形態において、前記カプセルは、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルである。
組成物中のMTの適切な量は、1日当たりどのくらいの頻度で対象によって摂取されるか、又は一度にいくつの単位が摂取されるかに応じて異なる。したがって、投薬単位は個々に、総1日用量よりも少量を含有し得る。
一例の投薬単位は、MTを10~250mg含有し得る。
一部の実施形態において、その量は、MT約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150mgである。
本明細書に記載の、又は説明される重量係数を用いて、当業者であれば、経口製剤での使用に、MT含有化合物の適切な量を選択することができる。
上記で説明されるように、LMTMのMT重量係数は1.67である。活性成分の単位量又は単純な分割用量を使用することが簡便であるため、非制限的な例のLMTM投薬単位は17mg等を含み得る。
一実施形態において、LMTM約17、27、34、51mg等を含む投薬単位医薬組成物が提供される。
対象、患者及び患者グループ
一部の実施形態において、対象は、COVID-19を有すると診断されている(「確認された」)ヒトであり得て、又は前記方法は前記診断を行うことを含む。
COVID-19の診断は、当技術分野で公知のいずれかの方法によって行われ得る。例としては、例えばウイルス自体の存在に直接的に基づく(例えば、RT-PCR及び等温核酸増幅又は抗原タンパク質の存在を用いた)、又は感染に応答して産生された抗体を介して間接的に基づく、SARS-CoV-2ウイルスの存在についての検査室試験が挙げられる。診断の他の方法は、任意に、以下に記載の特徴的な症状と併せて、胸部X線が挙げられる(例えば、Li,Xiaowei,et al.“Molecular immune pathogenesis and diagnosis of COVID-19.”Journal of Pharmaceutical Analysis(2020);Fang, Yicheng,et al.“Sensitivity of chest CT for COVID-19:comparison to RT-PCR.”Radiology(2020):200432;Chan,Jasper Fuk-Woo,et al.“Improved Molecular Diagnosis of COVID-19 by the Novel,Highly Sensitive and Specific COVID-19-RdRp/Hel Real-Time Reverse Transcription-PCR Assay Validated In Vitro and with Clinical Specimens. ”Journal of Clinical Microbiology 58.5 (2020);Tang,Yi-Wei,et al.“The laboratory diagnosis of COVID-19 infection:current issues and challenges.”Journal of Clinical Microbiology(2020)参照)。
一部の実施形態において、対象は:
(1)SARS-CoV-2感染の確定的な証拠、例えば核酸ベースの診断と共に、COVID-19の診療を必要とし、
(2)スクリーニングにて室内空気下でSpO2 95%未満を有し、及び
(3)肺浸潤のX線撮影による証拠を有する。
一部の実施形態において、対象は、例えば状況又は他のデータに基づいて、COVID-19の「リスクがある」、又はCOVID-19を有する見込みがあると評価されたヒトである。
COVID-19の特定のリスクは:
・1つ若しくは複数のCOVID-19症例との密な接触をしたことがある人;
・65歳以上の人;
・老人ホーム、介護ホーム、又は長期間医療施設に居住している人;
・特に十分にコントロールされていない場合に、関連する根本的健康状態を有するすべての年齢の人;例えば、
○慢性肺疾患又は中程度ないし重篤な喘息を有する人
○重篤な心臓状態を有する人
○免疫無防備状態の人
を含み、
・当技術分野で公知のように、癌治療、喫煙、骨髄又は臓器移植、免疫不全、コントロールが不十分なHIV若しくはAIDS、及びコルチコステロイドの長期間使用、並びに他の免疫を弱める投薬などの多くの状況が、人を免疫無防備状態にさせ得る。
○重篤な肥満症(ボディマス指数[BMI]40以上)を有する人
○糖尿病を有する人
○透析を受けている慢性腎臓疾患を有する人
○肝臓疾患を有する人
潜在的な(「見込みのある」)COVID-19を示す症状又は状況としては:
1)急性気道感染症(以下の:咳、発熱、息切れのうちの1つの突然発症)を有し、及び臨床所見を完全に説明する他の病因がなく、及び症状発症前14日間に地域若しくは地域社会での伝播が報告されている国/地域での旅行又は滞在の履歴を有する患者、或いは
2)いずれかの急性呼吸器疾患を有し、及び症状発症前の過去14日以内で、確認された又は見込みのあるCOVID-19症例と密に接触している患者;或いは
3)重篤な急性呼吸器感染症(SARI)(発熱及び呼吸器疾患の少なくとも1つの徴候/症状(例えば、咳、発熱、息切れ))を有し、及び臨床所見を完全に説明する病因がない患者;
が挙げられる。
本明細書で使用される、「密な接触」は以下の通りに定義される:
・COVID-19症例と同じ家庭で生活している人;
・COVID-19症例と直接的な身体的接触を有したことがある人(例えば、握手);
・COVID-19症例の感染性分泌物と無防備な直接的接触を有する人(例えば、咳をかけられる、素手で使用済みティッシュペーパーをさわる);
・2メートル以内で、及び15分を超える時間、COVID-19症例と差し向いでの接触を有したことがある人;
・15分以上の間及び2メートル未満の距離でCOVID-19症例と共に、密閉環境(例えば、教室、会議室、病院の待合室等)にいた人;
・医療従事者(HCW)又はCOVID-19症例に直接的なケアを行う他の人、或いは推奨される個人用防護具(PPE)を装着せず、又はPPEの欠陥(breach)を有する可能性のある、COVID-19症例からの試料を取り扱う検査技師;
・COVID-19症例の2席(いずれの方向でも)以内に着席している航空機内での接触、インデックス・ケースが着席していた航空機のセクションにおける旅の仲間又はケアを提供する人、及び給仕しているクルーメンバー(症状の重症度又は症例の移動がより広範な曝露を示す場合、そのセクション全体に座っていた乗客又は航空機内のすべての乗客が密な接触であるとみなされ得る)。
・推定又は確認された症例への疫学的リンクは、考察中に疑われる症例において疾患発症前の14日以内に起こり得る。AD及びCOVID-19のリスクのある人々(例えば、介護ホーム母集団)の間の母集団におけるオーバーラップ及びこのリスクのある母集団におけるLMTXの安全性を想定すると、本発明の治療は原則として、ADのための治療と組み合わせて実施され得る。
患者は成人のヒトであり得て、本明細書に記載の母集団に基づく投薬量は、その基準を前提とする(一般的体重50~70kg)。所望の場合には、相当する投薬量は、対象の重量係数を用いることによって、この範囲外の対象に対して用いられ得て、対象の体重を60kgで割り、その個々の対象に倍数因子が提供される。
ラベル、説明書及びパーツのキット
本明細書に記載の単位投薬量組成物(MT含有化合物+任意に他の成分)は、その使用説明書と共にラベル付けされたパケット内に提供され得る。
一実施形態において、パックは、製薬分野でよく知られているようにボトルである。一般的なボトルは、子供が開けることのできないHDPEプッシュロック式密閉部と共に、薬局方グレードHDPE(高密度ポリエチレン)から製造され得て、サッシェ又はキャニスター内に存在するシリカゲル乾燥剤を含有し得る。ボトル自体はラベルを含み得て、私達のための説明書、及び任意にラベルの更なるコピーと共に、厚紙容器内にパッケージされ得る。
一実施形態において、パック又はパケットはブリスター包装(好ましくは、アルミニウムキャビティ及びアルミニウム箔を有する包装)であり、したがって実質的に水分不透過性である。この場合には、パックは、私達のための説明書、及び容器に貼られたラベルを有する厚紙容器に包装され得る。
前記ラベル又は説明書は、COVID-19又はSARS-CoV-2に関する情報を提供し得る。
治療方法
上記で説明される、本発明の別の態様は、本明細書に記載の予防的又は治療有効量の化合物を、好ましくは医薬組成物の形態で、治療を必要とする患者に投与することを含む、COVID-19の治療方法に関する。
治療法での使用
本発明の別の態様は、人又は動物の身体のCOVID-19を治療法によって治療する方法において使用される、本明細書に記載の化合物又は組成物に関する。
薬剤の製造における使用
本発明の別の態様は、COVID-19の治療で使用される薬剤の製造における、本明細書に記載のMT化合物又は組成物の使用に関する。
一部の実施形態において、薬剤は、本明細書に記載の組成物、例えば用量組成物(dose composition)である。
酸化及び還元MT化合物の混合物
本発明で用いられるLMT含有化合物は、合成中に「不純物」としての酸化(MT)化合物を含み得て、合成後に酸化(例えば、自動酸化)して、相当する酸化形態も形成され得る。したがって、不可避でないなら、本発明の化合物を含む組成物は、不純物として、相当する酸化化合物の少なくとも一部を含有する可能性がある。例えば、「LMT」塩は、MT塩を15%まで、例えば10~15%含み得る。
混合MT化合物を使用する場合、MT用量は、存在する化合物の分子量因子を用いて容易に算出することができる。
塩及び溶媒和化合物
本明細書に記載のMT含有化合物はそれ自体が塩であるが、混合塩の形態(つまり、他の塩と組み合わせた本発明の化合物)で提供もされ得る。かかる混合塩は、「その薬剤として許容される塩」という用語によって包含されることが意図される。別段の指定がない限り、特定の化合物への言及は、その塩も含む。
本発明の化合物は、溶媒和化合物又は水和物の形態でも提供され得る。「溶媒和化合物」という用語は、溶質(例えば、化合物、化合物の塩)と溶媒の複合体を指すために、従来の意味で本明細書において使用される。溶媒が水である場合には、溶媒和化合物は従来通りに、水和物、例えば一水和物、二水和物、三水和物、五水和物等と呼ばれ得る。別段の指定がない限り、化合物への言及は、溶媒和化合物及びその水和物の形態も含む。
当然のことながら、化合物の塩の溶媒和化合物又は水和物もまた、本発明によって包含される。
多くの特許及び公開物が、本発明、及び本発明がそれに関する現況技術をより完全に説明及び開示するために本明細書に記載される。あたかも個々の参考文献がそれぞれ、具体的及び個々に参照により組み込まれるのと同程度に、これらの参考文献それぞれが、参照によりその全体が本開示内容に本明細書において組み込まれる。
以下の特許請求の範囲を含む、この明細書全体を通して、文脈に別段の必要がない限り、「含む(comprise)」という言葉、並びに「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」などのバリエーションは、他のいずれかの整数若しくは工程、又は整数若しくは工程のグループの除外ではなく、指定の整数若しくは工程、又は整数若しくは工程のグループの包含を意味すると理解されよう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される、単数形の「1つ」、「1種類の」及び「その」は、文脈で明確に、別段の指定がない限り、複数形を含むということを留意すべきである。したがって、例えば「薬剤担体」の言及は、2種類以上のかかる担体の混合物を含む。
範囲は、「約」の特定の1つの値から、及び/又は「約」のもう1つの特定の値として本明細書で表されることが多い。かかる範囲が表される場合、別の実施形態は、その1つの特定の値から、及び/又はその他の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって、値が近似値として表される場合、特定の値は別の実施形態を形成すると理解される。
本明細書におけるサブタイトルは、単に便宜上含まれ、開示内容を制限するものとして決して解釈すべきではない。
本発明は、以下の非制限的な図面及び実施例を参照してさらに説明される。本発明の他の実施形態は、これらを考慮に入れて当業者には理解されよう。
本発明を実施するために当業者によって使用され得るのと同程度に、本明細書に記載のすべての参考文献の開示内容は、相互参照により本明細書に具体的に組み込まれる。
図面
Vero-E6腎臓細胞を用いた暗所における生体外でのSARS-CoV2に対するMTCの殺ウイルス活性(Cagnoetal et al 2020からのデータ)。 抗ウイルス活性に関してIC50に関して表された図1Aからのデータ。 高抗和性LMT/MT-ヘム相互作用の計算的化学モデリング。 高抗和性LMT/MT-ヘム相互作用の計算的化学モデリング。 ミニブタにおける研究から決定される、組織:血漿比20:1に基づくSARS-CoV-2毒性の阻害に必要とされる組織濃度の達成に必要とされる、LMTXとして提供されるMTのヒト経口用量の計算。 ミニブタ及びラットのオートラジオグラフィーデータから推測された組織:血漿比40:1に基づく図3Aに従った計算。 想定される低い肺透過に基づく組織:血漿比10:1に基づく図3Aに従った計算。 参考のために、組織:血漿比80:1に基づく図3Aに従った計算。 組織:血漿比20:1に基づくIV投与のための計算。持続注入(mg/時)として必要な用量を図4Aに示し、6時間毎に投与されるボーラス投与量を図4Bに示す。 組織:血漿比40:1に基づくIV投与のための計算。図5A及び5Bは、6時間毎に5分間にわたる持続注入又は点滴に対する、相当する推定値を提供する。 組織:血漿比10:1に基づくIV投与のための計算。図6A及び6Bは、6時間毎に5分間にわたる持続注入又は点滴に対する、相当する推定値を提供する。 参考のために、組織:血漿比80:1に基づくIV投与のための計算。図7A及び7Bは、6時間毎に5分間にわたる持続注入又は点滴に対する、相当する推定値を提供する。 投与前、並びに4mg及び約100mg(75mg、100mg、125mgの平均)にてLMTの単一投薬後の診療室での4時間後と比較した、LMTXを投与された患者における酸素飽和レベル。レベルは投与前及び投与から4時間後(投与後)に測定された。 4時間にわたるSpO2レベルに対するLMTMの作用は、metHbに対する相当する作用に依存しなかった。 一定の時間にわたる高投薬量でのLMTMは系統的にmetHbレベルを増加する。
参照実施例1-抗ウイルス剤としてのメチルチオニニウム塩化物(MTC)
MTC(メチルチオニニウム塩化物、メチレンブルー)は、1876以来、薬剤として入手可能である。それは、健康システムにおいて最も安全及び最も有効な薬のリストである必須の薬の世界保健機関のリストにある。
MTCは、メトヘモグロビン血症、マラリア、腎結石症、双極性障害、イホスファミド脳症、最近ではアルツハイマー病(AD;Wischik et al.、 2015;Nedu et al 2020)の治療を含む臨床医学の多くの領域に以前から適用されている。
いくつかの研究によって、MTCの抗ウイルス活性が調べられた。かかる1つの研究では、用量130mg/MTC/日(つまり98mg/MT等価物/日)にて50日間の肝炎C患者におけるウイルス量の有意な低減が報告された(Wood et al.,2006;Mehta et al.,2006)。光活性化MTCは、光酸化メカニズムを経て生体外の血液製剤のウイルス消毒に通常使用され、それによって、光活性化に続いて、介在メチルチオニニウム(MT)が一重項酸素を生成し、それが核酸にダメージを与え、破壊し、ウイルスを不活性化する。MTC治療に対して感受性の高いウイルスとしては、HIV-1及び2、ヘルペス及び肝炎C(Muller-Breitkreutz 1998,Mohr,1999)が挙げられる。
最近では、潜在的なCOVID-19治療として、MTCへの関心が高まっている。MTCは、ウイルスが細胞内への侵入を、それを通じて獲得する、その主要受容体、アンギオテンシン-変換酵素2(ACE2)へのコロナウイルススパイクタンパク質の結合を阻害する(IC503.0μM又は0.09μg/ml;Bojadzic et al 2020)。
Cagno及びその同僚によって公開された最近の研究では、MTCは、Vero-E6腎臓細胞を用いた暗所における生体外でのSARS-CoV2に対する殺ウイルス活性を有することが報告された(Cagno et al 2020;図1A)。データは、抗ウイルス活性に対するIC50が推定されるように、SARS-CoV-2毒性の阻害パーセンテージとして再プロットされている(図1B)。この殺ウイルス作用を担うメカニズムは未知であるが、以下にさらに説明されるように、細胞内への入口を獲得するためにLMT形態へとMTが変換される必要があることから、MT部位の還元型(ロイコ-MT,LMT)を介して仲介される可能性が高い(Merker et al.,1997;May et al.,2004)。
Cagnoらのデータを用いた場合、Vero細胞アッセイにおけるウイルス毒性の中和のためのMT部位のIC50計算値は、20時間で0.032μMである。終点としてウイルス複製を用いた類似のVero細胞アッセイにおける他の2種類の化合物(ヒドロキシクロロキン及びレムデシビル)のSARS-CoV-2抗ウイルス活性に対するIC50値が報告されている(Yao et al.,2020;Wang et al.,2020)。ヒドロキシクロロキンに関して、IC50値は、24時間で6.25μMであり、48時間で0.72μMである。レムデシビルに関しては、IC50値は、48時間で0.77μMである。したがって、アッセイの適合性を想定すると、LMTは、SARS-CoV-2抗ウイルス性として約23倍強力であると思われる。安全な投与の上限が400mg/日であるのに対して、最適な抗ウイルス活性を達成するのに必要な臨床的用量がおよそ800mg/日(Yao et al.,2020)であることから、ヒドロキシクロロキンの効力が比較的低いことによって、その臨床的有用性が制限される。したがって、ヒドロキシクロロキンの一般的な投与計画は、1日目に800mg/日、続いて2~7日目に400mg/日に制限される。
実施例2-COVID19に対する単剤療法としてのヒドロメチルチオニン塩
MT部位は、酸化MT形態及び還元LMT形態で存在し得る(Harrington et al.,2015)。
Figure 2023525512000012
MTCは、酸化MT形態の塩化物塩である。それは、腸内でチアジン染料レダクターゼ活性によって、赤血球及び脳などの深部コンパートメントへの吸収及び分布を可能にするために、還元ロイコ-MT(LMT;国際的非商標名:ヒドロメチルチオニン)形態に変換される必要がある(Baddeley et al.,2015)。同様に、単離された赤血球標本において、MTは、赤血球内及び肺内皮細胞内の両方に取り込むために、LMTに変換される必要がある(Merker et al.,1997)。
MTCは実際には、LMTのプロドラッグ、体内での支配的形態であるため、TauRxは、LMT形態の直接的投与を可能にするために、LMTM(ロイコ-メチルチオニニウムビス(ヒドロキシメタンスルホネート);ヒドロメチルチオニンメシレート)としてMTの安定化還元形態を発生した。
LMTX及びLMTM化合物の合成は、当技術分野に記載の方法に従って実施することができる(例えば、国際公開第2007/110627号、及び国際公開第2012/107706号参照)。
COVID-19におけるミトコンドリア機能障害
COVID-19とミトコンドリア機能障害との関係を示唆する証拠が増加している(Saleh et al 2020;Singh et al 2020)。かなりの数のCOVID-19患者に、「サイトカインストーム」と説明される炎症性イベントの急増に寄与する重篤な結果が生じている。ミトコンドリアは、細胞の酸化的ホメオスタシスの維持において中心的役割を果たし、炎症反応の増加は、これらの患者においてトコンドリア機能障害を引き起こすと考えられる。ミトコンドリアは、細胞内の反応性酸素種(ROS)の主要源である。ROS産生の増加によって、細胞内と細胞外両方のミトコンドリア損傷が起こり、その結果、微生物叢の腸内毒素症、並びに血液凝固及び凝固障害イベントにおいて主要な役割を果たす血小板機能不全が生じ、COVID-19増悪に寄与するイベントの悪循環で炎症反応がさらに悪化する(Melchinger et al 2019)。ヒトのインタラクトーム(interactome)どの部分がSARS-CoV-2-感染症によって最も影響を受けるかの決定を目的とする最近の研究から、多くのミトコンドリア複合体Iが感染によってダウンレギュレートされ、アポトーシスが引き起こされ、最終的には細胞死が起こることが実証された(Guzzi et al 2020)。さらに、Singh及びその同僚(2020)によって、SARS-CoV-2が、肺細胞系において、インターフェロン、サイトカイン、核因子カッパB(NF-κB)及びROSプロセスで遺伝子をアップレギュレートするのに対して、ミトコンドリアオーガニゼーション及び呼吸プロセスをダウンレギュレートすることが報告された。上記の研究から、ミトコンドリア機能障害が、COVID-19発症における重要なメディエーターに相当し得て、COVID-19患者の調節不全免疫応答に寄与し、その結果、疾患の進行及び過炎症状態が促進されることが示されている。
LMTMは、生体外(Atamna&Kumar 2010)及び生体内(Riedel et al.,2020)の両方でのミトコンドリア機能を高めることが示された。これは、MT/LMTが、ミトコンドリアの電子伝達鎖における複合体Iと複合体IIの電位間の中間にあるゼロに近い酸化還元電位を有し、したがって、電子シャトルとして働き得るという事実によるものである。この活性は、抗虚血活性へと変換され、脳虚血の、最終的にライゲートされたラット脳モデルにおいて梗塞の程度を制限する。したがって、LMTは、酸素送達が制限される低酸素の状況において、組織を保護する能力を有する。
ミトコンドリア機能を高めることに加えて、MTCとして経口投与されたMTは、ミトコンドリアバイオジェネシスを増加することが示された(Stack et al., 2014)。ミトコンドリアバイオジェネシスの増強は、マクロオートファジー、ROSの清掃に関連する経路、並びにNrf2レベルを増加する能力など、細胞クリアランスメカニズムに関係している(Gureev et al.,2016)。De la Vega及び同僚(2016)は、急性肺障害/急性呼吸窮迫症候群(ADI/ARDS)における酸化的及び炎症性肺損傷に関して、Nrf2が重要な保護的役割を果たすことを広範なレビューで主張している。Nrf2の薬理学的活性化が、一次感染からだけでなく、人工呼吸器関連肺傷害(VILI)から起こる機械的損傷及び高酸素症損傷からの肺胞損傷を回復すると期待されることを示す証拠が発表されている。30mg/kgでのMTCの経口投与が、脳におけるNrf2レベルを増加することが示されている(Stack et al.,2014)。上記のように、肺内皮細胞内への取り込みを可能にするために、酸化MTは、LMTに還元する必要がある(Merker et al.,1997)。したがって、LMTMは、ADI/ARDSにおいてNrf2を誘発する同様な能力を有することが確かである。
血液酸素運搬能力
COVID-19は、患者におけるメトヘモグロビン血症と低酸素血症の両方の発生と関連している(Naymagon et al.,2020)。メトヘモグロビン血症は、第一鉄(Fe2+)から第二鉄(Fe3+)形態でヘモグロビンに含有される鉄の酸化から生じる。酸化は、酸素効率を保持するヘモグロビンの能力の減少を伴う(Curry et al.,1982)。MTCは、メトヘモグロビン血症の初期治療であり、実際に、その臨床的使用に対する唯一承認された指標である。MTCとして示されるメチルチオニンの酸化MT形態は最初に、赤血球侵入の必要条件として細胞表面にてLMTへと還元される(May et al.,2004)。次いで、ヘム部位での活性種であるLMTは、ポルフィリンに結合し、電子の移動を可能にし、Fe3+がFe2+へと変換され、それによって通常の酸素運搬能力が回復する(Yubisui et al.,1980; Blank et al.,2012)。
図2A及び2Bに示す計算的化学モデリングは、抗親和性LMT-ヘム相互作用の動態を説明する構造基盤を提供する。LMT窒素は、2.1Å内の鉄原子に対してそれ自体を配向することによって、ヘム鉄と配位する(図2Aの破線)。メトヘモグロビン血症において、鉄原子は酸化Fe3+状態にある。
鉄原子がFe2+状態にある場合の低酸素血症を伴う状態において、LMT/ヘム配位の密な形成は、電子の移動を必要としないプロセスを介して酸素運搬能力を促進する。ヘモグロビンが脱酸素化状態にある場合、ヘムは、テトラピロール環に完全に収容されていないFeを有するドーム形T状態にあり、2つのヒスチジンによって保持される(αサブユニットにおいてHis87/βサブユニットにおいてHis92及びαサブユニットにおいてHis58/βサブユニットにおいてHis63)。この状態で、高スピンFe(II)状態である鉄のイオン半径は、それが配位する窒素の環に適合するには大きすぎ(半径2.06Å);その環の面から0.6Å外れる。Oがヘム基に結合した場合、R状態は平面となり、小さな半径(1.98Å)を有する低スピンFe(II)状態にあるため、鉄イオンは環の面にあると想定される。鉄の6つの配位位置が占有され:結合酸素分子が第6番目に相当する。OがFe2+に結合する場合、それは遠位のヒスチジンに取って代わり、フラットなR状態でヘム部位を安定化する。ヘモグロビンによる酸素の結合は協同的結合である。ヘモグロビン四量体単位が連続的な酸素に結合するため、サブユニットの酸素親和性が増加する。結合する第4の酸素に対する親和性は、第1の酸素に対する親和性のおよそ300倍である。LMTは、推定される電場定数(field factor)1.2~1.5にて、ヘムのFeに結合することができる。LMTの電場定数は、Fe2+に結合するのに十分である(潜在的には、f定数(f-factor)1.2~1.5; CK Jorgensen,Oxidation numbers and oxidation states,Springer 1969 pp84-30 85)。したがって、MTは、強配位子場配位子であり、タンパク質内のR状態立体配置を誘発するのに十分に、ヘムに結合することができる。LMT部位は、N原子から第一鉄のd軌道までの孤立電子対の供与によって、Fe2+と錯体を形成することができる(Molecules 2013,18(3),3168-3182;https://doi.org/10.3390/molecules18033168)。したがって、LMTの結合は、酸素結合に対する初期のエネルギー障壁を乗り越え、その後、ヘモグロビンの4つのヘム基すべてに結合し、酸素添加することができる。Oがより高い親和性で結合するため、同じ結合部位からLMTを移動することができる。これによって、正常な酸素解離が起こり、低pH/高pCOにて末梢組織に結合酸素が放出される。
LMTが活性型であると仮定すると、LMTM治療が血液の酸素運搬能力を高めることを示す、以下の臨床上の証拠から、LMT-ヘム相互作用がヘモグロビンによる酸素取り込みを促進することが確認される。
COVID-19のCNS後遺症を改善する、LMTMの可能性
COVID-19が中枢神経系に対して有害な作用を有し得ることを示す臨床的報告が現れつつある(De Felice et al 2020;Baig et al 2020)。SARS-CoV-2が、神経幹細胞、ZIKAウイルスの標的細胞タイプではなく、皮質神経細胞の細胞体を優先的に標的化することが報告されている(Ramani et al 2020)。画像解析によっても、タウとのSARS-CoV-2の共存は、ミスソーティング(missorting)タウ、それに続く神経細胞死と関連することが明らかとなった。
LMTMは本来、AD及び他の認知症における病理学的なタウタンパク質凝集の治療として開発された。したがって、LMTMは、COVID-19感染症の一部の症例で報告されている、長期間の機能障害及び認知障害の制限において役割を果たし得る(Zhou et al.,2020)。
実施例3:SAR-CoV-2抗ウイルス活性に必要とされるLMTMの臨床用量の推定
神経原線維変化を形成し、及びアルツハイマー病における臨床的認知症の原因である、微小管結合タンパク質タウの病理学的凝集をブロックするその能力のために、TauRxは本来、ADの潜在的な治療としてMTCに的を絞った(Wischik et al.,1996;Harrington et al.,2015)。
比較すると、LMTMは、MTCよりも優れた薬力学的及び薬剤動態学的特性を示す(Harrington et al.,2015;Baddeley et al.,2015)。経口投与後に、血漿遊離MT/LMTが、効率的な初回通過代謝にかけられ、不活性な抱合体へと変換され、それは、血漿中に見出される支配的な種である。赤血球への20倍優れた取り込みは、代謝的不活性化からのMTの保護に重要であり、脳及び他の組織コンパートメントへのその効率的な分布を可能にする(Baddeley et al.,2015)。
初期の第2相用量設定試験によって、MTCの最小有効用量として138mg/日が同定された(Wischik et al.,2015)。しかしながら、LMTMからのLMT吸収の効率はかなり高いため、抗認知症作用に必要な最小有効用量は、8mg/日であることが判明し、16mg/日が最適な有効用量であることが判明した(Schelter et al.,2019)。
これについての理由は、COVID-19治療へのLMTXの使用に非常に関連性のある洞察を提供する、2つの未発表の前臨床研究において説明されている。
8、24、40、71及び155mg/日のヒト用量に相当する用量でLMTMを経口投与されたミニブタ(薬物動態学的特性に関して人に最も近い)における薬物動態研究によって、親LMT部位に関する2時間及び4時間での脳:血漿平均比は約20:1(MTCの0.3:1と比較して)であることが分かった。
更なる全身オートラジオグラフィー研究ラットで、10mg/kgで経口投与した後の、脳、肺及び心臓におけるLMT結合放射能の分布と比較した。これによって、心臓及び肺と脳との比が2:1であることが判明した。しかしながら、これは、不活性抱合体を含む総MTに関するものである。したがって、肺におけるLMTに特異的な比は分かっていない。広い投薬範囲8~250mg/日にわたる定常状態でのLMTの組織期待レベルに、大きな臨床母集団で決定された血漿レベル(Schelter et al.,2019)を関連付けることは可能である。しかしながら、これは、肺などの特異的に冒された組織に関して、組織:血漿比に決定的に依存する。
ヒトと動物のPKデータを合わせると、Cagno et al.(2020)によって報告されるSARS-CoV-2毒性の阻害に必要な組織濃度の達成に必要とされるヒト用量を計算することが可能である。これは、ミニブタにおける研究から決定される組織:血漿比20:1を用いて、以下の図3Aに示される。母集団95%において毒性の99%低減を達成するのに必要な用量は、およそ60又は75mg/日であるだろう。
しかしながら、他のシナリオもまた考えるべきである。組織:血漿比が40:1(ミニブタ及びラットのオートラジオグラフィーデータと一致する)である場合、およそ40mg/日の用量は十分であるだろう(図3B)。
さらに、血漿:肺の比が10:1に近い場合、次いで、毒性の99%低減に必要な用量は150mg/日に近くなるだろう(図面3C)。
参照のために、図面3Dは、組織:血漿比80:1に相当する推定値を例示する。母集団の少なくとも95%において毒性の少なくとも99%の阻害を達成するのに必要な用量はおよそ20mg/日である。
したがって、更なる組織特異的なデータが、特に肺におけるLMT(総MTと異なる)の組織分布に利用可能であり、適切な投薬範囲は少なくとも30mg/日であるだろう。
8~250mg/日の範囲の用量にわたるLMTMの安全性は、認知症に罹患している2,000名を超える患者において3つの第3相試験から十分に確立されている。したがって、250mg/日までの用量は、COVID-19患者の治療のために安全に投与され得る。
静脈内(IV)投与
静脈内投与での予想される組織レベルは、バイオアベイラビリティ及び組織:血漿比(上述の研究)に依存する。
本発明者らは、10mg/kgの経口投与及び5mg/kgの静脈内投与に従って14C-LMTM投与に続いて、総放射能に基づく、ミニブタにおけるLMTMのバイオアベイラビリティ(経口に対して静脈内投与)を調べた。この研究での投与のために調節された絶対的バイオアベイラビリティは約100%であることが判明したが、本発明者らは、投薬量の計算の目的で、バイオアベイラビリティ75%を想定した。
上記に挙げる理由で、参照のために、組織:血漿比10:1、20:1、40:1、及び80:1に基づいて、投与計画の範囲が提供されている。
静脈内(IV)用量は、持続注入(mg/時)又は6時間毎に投与されるIVボーラス注入に対して計算された。それぞれの場合において、母集団-PKモデルから計算された注入速度は、Cagno et al.(2020)によってMT部位のVero-E6腎臓細胞について報告された研究から決定された予測SARS-CoV-2組織毒性の所定の低減の達成に必要な所定の閾値を超える組織レベルを有することが、母集団の95%に必要な用量に基づいて決定された。
組織:血漿比20:1に関して、持続注入(mg/時)として必要な用量を図4Aに示し、6時間毎に投与されるボーラス用量を図4Bに示す。母集団の少なくとも95%において毒性の少なくとも99%の阻害を達成するのに必要な用量は、持続注入では2.8mg/時であり、又は6時間毎に5分間にわたる注入で20mg若しくは8時間毎に5分間にわたる注入で27mg、若しくは12時間毎に5分間にわたる注入で40mgである。
図5A及び5Bは、組織:血漿比40:1に対する相当する推定値を提供する。母集団の少なくとも95%において毒性の少なくとも99%の阻害を達成するのに必要な用量は、持続注入では1.2mg/時であり、又は6時間毎に5分間にわたる注入で12mg若しくは8時間毎に5分間にわたる注入で16mg、若しくは12時間毎に5分間にわたる注入で24mgである。
図6A及び6Bは、組織:血漿比10:1に対する相当する推定値を提供する。母集団の少なくとも95%において毒性の少なくとも99%の阻害を達成するのに必要な用量は、持続注入では6.8mg/時であり、又は6時間毎に5分間にわたる注入で50mg若しくは8時間毎に5分間にわたる注入で67mg、若しくは12時間毎に5分間にわたる注入で100mgである。
参照のために、図7A及び7Bは、組織:血漿比80:1に対する相当する推定値を提供する。母集団の少なくとも95%において毒性の少なくとも99%の阻害を達成するのに必要な用量は、持続注入では0.7mg/時であり、又は6時間毎に5分間にわたる注入で5.3mg若しくは8時間毎に5分間にわたる注入で7mg、若しくは12時間毎に5分間にわたる注入で21mgである。
実施例4-予備臨床データ
本発明者らは、LMTが血中の酸素飽和度を高めるかどうかを決定するために、臨床試験に参加した患者について入手可能なデータを使用した。ベースラインで酸素飽和度<94%(正常範囲の下限は95%である)を有する対象18名のデータが入手可能であった。酸素飽和度レベルを、投与前に、並びに4mg及び約100mg(75mg、100mg、125mgの平均;図8)にてLMTの単一投薬後の診療室での4時間後に比較した。
どちらの投与範囲でのLMTMでも、4時間の時点で酸素飽和度を有意に増加し、COVID-19患者の治療に対するLTMXの複数の有益な作用様式が再び裏付けられた。
この作用を理解するために、本発明者らはさらに、これらの患者における低酸素飽和度がmetHbレベルの上昇によるものかどうかを調べた。低SpO2を有する対象と、正常範囲のSpO2レベルを有する対象の間に、ベースラインでmetHbレベルの差はなかった。さらに、4時間にわたるSpO2に対するLMTMの作用は、metHbに対する相当するいずれかの作用に依存しなかった(図9)。
したがって、LMTMは、metHbに対するその既知の作用に無関係の新規なメカニズムによって血中の酸素飽和度に作用することができる。実際に、より高い用量のLMTMは系統的に、metHbレベルを増加する(図10)。
実施例5-Covid-19の治療のためのLMTMの臨床試験
鼻腔用綿棒からSARS-CoV-2の確定的な証拠を有する、現在入院している、及びCOVID-19の診察を必要とする成人患者であって、スクリーニングにて室内空気下でSpO2 95%未満、又はPaO2/FiO2<300若しくは呼吸数≧20/分を有し、及び肺浸潤のX線撮影による証拠を有する患者に、60及び120mg/日、又はその代わりに75mg/日若しくは150mg/日(上記の実施例3参照)の用量にて、LMTMが1か月間にわたって投与され得る。
クレアチニンクリアランス計算値<30ml/分の患者と同様に、COVID-19の実験薬治療の他の臨床試験に既に参加している患者、又はSARS-CoV-2に対する実際の、若しくは可能性のある直接作用性抗ウイルス活性を有する他の作用剤との併用治療を受けている、又は併用治療が予定されている患者、或いはスクリーニングにて機械的人工換気を必要とする患者は除外され得る。
主要エンドポイントは、臨床疾患重症度の変化(7ポイントの順序尺度;表1)、Coオキシメータにより測定されるSpO2変化、鼻腔用綿棒のPCRによって測定されるウイルス負荷(viral burden)の変化、血中のC反応性タンパク質レベルの変化、肺CTスキャンでの肺病変のパーセンテージ及び死亡率の変化である。
Figure 2023525512000013
重要な結果の尺度での標準偏差に関する、公に入手可能なデータに基づいて、対象の数は、およそ100/アームの範囲にあるだろう。
実施例6-結論:COVID-19の治療としてのヒドロメチルチオニン塩
前述の論理的根拠について、化合物のLMTXクラスは、生体内でのLMTXの自社開発PK研究に基づく、本明細書に定義される用量でウイルス毒性を低減することによって、単独で、及び他の作用剤との併用の両方で、COVID-19患者の治療(予防的治療を含む)において利益を提供し得る。血中酸素飽和度の増加に対する有益な作用も本明細書に記載されている。
LMTXは、ミトコンドリア機能の増強及びCOVID-19のCNS後遺症の改善にも、対象に利益を提供し得る。
さらに、LMTMには、他の特定の治療の用量及び期間を制限する心毒性がない。
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Claims (30)

  1. 対象におけるCOVID-19の療法的治療の方法であって、
    メチルチオニニウム(MT)含有化合物を前記対象に投与することを含み、
    前記投与が、1日当たり30mgを超える量~250mgのMTの総経口1日用量を、任意に2回以上の用量に分割して、前記対象に提供し、又は
    前記投与が、1日当たりMT10mg~200mgの総静脈内(IV)1日用量を前記対象に提供し、
    前記MT含有化合物が、以下の式:
    Figure 2023525512000014
    (上記式中、HA及びHB(存在する場合)のそれぞれが、同一又は異なってもよいプロトン酸であり、
    p=1又は2であり;q=0又は1であり;n=1又は2であり;(p+q)×n=2である)
    のLMTX化合物、又はその水和物若しくは溶媒和化合物である、方法。
  2. 前記対象が、COVID-19と診断されているヒトであるか、又は前記方法が前記診断を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、SARS-CoV-2感染の確定的な証拠に加えて、
    (1)COVID-19の診療を必要とすること;
    (2)室内空気下でSpO2 95%未満を有すること;
    (3)肺浸潤のX線撮影による証拠を有すること;
    のうちの1つ、2つ若しくはすべてを有することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 対象におけるCOVID-19の予防的治療の方法であって、
    メチルチオニニウム(MT)含有化合物を前記対象に投与することを含み、
    前記投与が、1日当たり30mgを超える量~250mgのMTの総経口1日用量を、任意に2回以上の用量に分割して、前記対象に提供し、又は
    前記投与が、1日当たりMT10~200mgの総静脈内(IV)1日用量を前記対象に提供し、
    前記MT含有化合物が、以下の式:
    Figure 2023525512000015
    (上記式中、HA及びHB(存在する場合)のそれぞれが、同一又は異なってもよいプロトン酸であり、
    p=1又は2であり;q=0又は1であり;n=1又は2であり;(p+q)×n=2である)
    のLMTX化合物、又はその水和物若しくは溶媒和化合物である、方法。
  5. 前記対象が、COVID-19を有すると疑われる、又はCOVID-19を有する見込みがあると評価されたヒトであり、及び1つ又は複数のCOVID-19症例と密に接触したことのある対象;少なくとも65歳である対象;老人ホーム、介護ホーム、又は長期間医療施設に居住している対象;COVID-19からの有害作用の可能性を増加する根本的健康状態を有する対象;から任意に選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記総経口1日用量が、
    (i)1日当たり前記対象に、MT35、40、50、又は60mgを超える量及び250mg以下;及び/又は
    (ii)MT約30.5、30.6、31、35、37.5、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、140、150、160、170、180、190又は200mg以上;
    である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記総経口1日用量が、MT約60、75、120、又は150mgであり、任意に、1日2回又は1日3回に分割される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記総静脈内1日用量が、1日当たり前記対象にMT26~200mgである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記総静脈内1日用量が、
    (i)連続投与による約10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200mg/日;
    (ii)ボーラス投与による約20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150mg/日;
    である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記治療が第2作用剤と組み合わせられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第2作用剤が、クロロキン又はヒドロキシクロロキン;ロピナビル-リトナビル;アルビドール;アジスロマイシン、レムデシビル、ファビピラビル、アクテムラ;デキサメタゾン;回復期血漿;SARS-CoV-2-中和抗体から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記MT含有化合物及び前記第2作用剤が、互いに12時間以内に逐次投与される、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 前記対象が、前記MT含有化合物での治療開始前に、前記第2作用剤で予め治療される、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記MT含有化合物及び前記第2作用剤が、任意に単一投薬単位内で同時に投与される、請求項10又は11に記載の方法。
  15. 前記MT含有化合物が、以下の式:
    Figure 2023525512000016
    (式中、HA及びHBが異なるモノプロトン酸である)
    を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記MT含有化合物が、以下の式:
    Figure 2023525512000017
    (式中、HXのそれぞれが、プロトン酸である)
    を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記MT含有化合物が、以下の式:
    Figure 2023525512000018
    を有し、及びHAがジプロトン酸である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記MT含有化合物が、以下の式:
    Figure 2023525512000019
    を有し、及びビス-モノプロトン酸である、請求項16に記載の方法。
  19. 前記又はそれぞれのプロトン酸が無機酸である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. それぞれのプロトン酸がハロゲン化水素酸である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記又はそれぞれのプロトン酸が、HCl;HBr;HNO;HSOから選択される、請求項19に記載の方法。
  22. 前記又はそれぞれのプロトン酸が有機酸である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記又はそれぞれのプロトン酸が、HCO;CHCOOH;メタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、p-トルエンスルホン酸から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記MT含有化合物が、LMTM:
    Figure 2023525512000020
    である、請求項1~18のいずれか一項又は請求項23に記載の方法。
  25. LMTMの総1日用量が少なくとも52mg/日である、請求項24に記載の方法。
  26. LMTMの前記用量が約125mg/1日1回である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記MT含有化合物が:
    Figure 2023525512000021
    Figure 2023525512000022
    からなるリストから選択される、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記MT化合物での治療が、前記対象において以下の:
    (i)ミトコンドリア機能の増強;
    (ii)血中酸素容量の向上;
    (iii)COVID-19から生じるCNS後遺症の改善;
    のうちの1つ又は複数を達成するような治療である、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 請求項1~28のいずれか一項に記載の治療方法で使用される、請求項1~28のいずれか一項に記載のMT含有化合物。
  30. 請求項1~28のいずれか一項に記載の治療方法で使用するための薬剤の製造における、請求項1~28のいずれか一項に記載のMT含有化合物の使用。
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