JP2023524117A - コロナウイルスの疑いのある試料中の核酸配列を検出するための方法及びポータブルデバイス - Google Patents

コロナウイルスの疑いのある試料中の核酸配列を検出するための方法及びポータブルデバイス Download PDF

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Abstract

本発明は、検出すべき標的領域に対する特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、最適化された逆転写酵素技術及び/又は等温増幅の使用により、様々な試料中の特定の核酸配列を検出及び同定するための、方法及びポータブルデバイス(1)に関する。前記増幅は、その比色信号又は蛍光信号がデバイス(1)によって記録される識別増幅試薬を用いて、間接的及び非特異的に、又は直接的及び特異的に、前記デバイスにおいて反応が行われる。モバイルアプリケーション(9)はデバイスを制御し、デバイス(1)によって取得されたデータを記録し、分析し、クラウド(10)内のリモートサーバーに格納し、ここでクラウドは例えば、伝染病の進化のグローバル分析を可能にするために、全データのグローバルセットを分析する。本発明は、様々なタイプの臨床、医薬、獣医学、食品、環境、バイオテクノロジー、又はバイオセーフティー領域における様々なタイプの診断、特に迅速且つ低コストの診断のための関連核酸配列の検出及び同定において、またSARS-Cov-2ウイルスの治療拠点において、有用に適用される。

Description

本発明は標的領域に対する特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、最適化された逆転写酵素技術及び/又は等温増幅の手段により、様々なタイプの試料中の検出対象である特定の核酸配列を検出及び同定するための方法及びポータブルデバイスに関する。前記増幅は、その比色信号又は蛍光信号がポータブルデバイスによって記録される識別増幅試薬を用いて、間接的及び非特異的に、又は直接的及び特異的に、前記デバイスにおいて反応が行われる。本発明は、様々なタイプの臨床、薬学、獣医学、食品、環境、バイオテクノロジー、又はバイオセーフティー領域において様々なタイプの診断に有用に適用される。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は臨床分子生物学研究室にとって一般的かつ不可欠な技術であり、DNAセグメントの1つ以上のコピーを指数関数的に増幅させ、定められたDNA配列の何百万ものコピーを生成させる。この技術は加熱及び冷却サイクルの繰り返しへの試薬の曝露を含む熱サイクルに依存し、これはまた、制御された再現可能な様式で前記サイクルに到達するために高価で洗練された装置の使用を必要とする。その発明以来、この技術はかなり進化してきており、次第に広範な応用が可能になってきている。これらの進歩の1つは、PCR産物の指数関数的産生のモニタリングに基づいて、リアルタイムでPCR増殖曲線の分析を可能にするリアルタイムPCRの開発であった。参照される定量的モニタリングには、(i)DNAの二本鎖の複製に伴って蛍光が増大するが非特異的な二本鎖DNAインターカレート色素(intercalating dye)の使用に依る間接的なアプローチ、及び(ii)ポリメラーゼの5’ヌクレアーゼの活性に基づき、今日において多くのホモジェニックな定性的・定量的試験の基礎であるTaqManプローブ、又は、増幅された標的とのプローブの特異的ハイブリダイゼーションにより生じるフルオロフォアとクエンチャーとの間の分離を利用するヘアピンプローブの取り込みを使用する、直接的なアプローチ、という2つの主要なアプローチがある。
しかしながら、通常PCR又はリアルタイムPCRの手段による診断は、これをポイントオブケア診断(PoC)に適用することを妨げる制約を受ける。すなわち、それらは、専門的で費用のかかるスタッフ及び機器を必要とし、結果を提供するのに数時間かかり、分析対象の試料中に頻繁に存在する汚染物質(例えば、とりわけ、ヘモグロビン、塩、キレート剤、アルコールなど)によって阻害されやすい。この汚染物質は増幅するのに十分なコピーの標的核酸の存在下でさえ増幅を失敗させ、偽陰性をもたらす主な理由である。特に、リアルタイムPCR技術には多重反応が装置の検出能力に限定されるという制約が加わり、さらに、市販のキットでは利用できない新しい試験を開発するために高い技術的及び知識的能力が必要であるという制約も加わる。
これらの制約を考慮して、いくつかのグループが、PCR及びリアルタイムPCRの工程への制約を克服する手法として、核酸の増幅のための代替的技術を開発している。
この意味で、逆転写過程及び等温増幅の発展は特に興味深い点を明らかにする。なぜなら、それは、関心のある地点、例えば、資金的手段の少ない医院又は地点(PoC装置)における診断のためのシンプルなシステムへの組み込みを容易にすることができるからである。原則として、等温増幅技術は通常はPCRを阻害し、反応をより高耐性(robust)にする、阻害剤に対するより高い耐性を有するポリメラーゼに基づく。一方、等温温度を使用する場合、反応を実施する装置は、より複雑さが低く、より安価になる。例えば、本発明のポータブルデバイスのコストは、リアルタイムPCRデバイスのコストに較べればごくわずか(l/200)である。
等温増幅技術
現在、一連の等温増幅技術がある。
・ループ媒介等温増幅(Loop-mediated isothermal amplification:LAMP)
LAMPはDNA増幅技術である。RT-LAMPは、LAMPを逆転写ステップと組み合わせて、RNA検出を可能にする。これは一定の温度で実行され、サーマルサイクラーを必要としない、等温の技術である。
LAMPにおいて、標的配列は、いくつかのセットのオリゴヌクレオチドプライマー及び高い鎖置換能力及び複製能力を有するポリメラーゼを用いて、60~65℃の一定温度で増幅される。増幅産物は、増幅の二次産物として生成される溶液中の沈殿物によって引き起こされる濁度を測定する測光法、又は増幅中のポリメラーゼ活性の結果として変化するpH感受性色素の色変化によって、検出することができる。これにより、単純な装置で肉眼での増幅の検出が可能となる。反応は、濁度を測定するか、又はSYTO(商標)9などのようなインターカレートフルオロフォアを使用しての蛍光によって、リアルタイムで検出することができる。SYBR(商標)グリーンなどの他のフルオロフォアを使用して、高価な検出機器を必要とすることなく、可視色変化を作り出すこともできる。フルオロフォア分子がDNAとインターカレートするにつれて、その増幅と相関があり、したがってLAMPは定量的であり得る。
LAMPは、その単純さ及びコストの低さによっていくつかの利点をもたらすことができる比較的新しいDNA増幅技術である。LAMPは、フィールド研究及びPoC試験に使用することができる。LAMP技術は血液試料中の通常PCR反応の阻害剤に関してより耐性のある結果を示しており、これは、DNA及びRNAの最適な抽出が可能でない場合における技術の適用を可能にする。
制約に関しては、LAMPは主に検出ツールとして有用であるが、PCRのその他のすべての分子生物学技術を可能にするわけではないので、PCRよりも汎用性が低い。LAMPは、オリゴヌクレオチドプライマーのために4~6個の標的領域を使用するので、この技術のためにオリゴヌクレオチドプライマーを設計することも極めて困難である。オリゴヌクレオチドプライマーのそのようなカクテルを用いることの結果の1つとして非特異的増幅の増加があり、その結果として生じる偽陽性であり、これはエキソヌクレアーゼ活性を有さないDNA鎖置換ポリメラーゼを使用することによって、例えば、Taqmanプローブの使用を可能にせず、間接的な方法は前記偽陽性を識別することも可能にしない。しかしながら、本発明では、LAMP反応の増幅産物のループゾーンとのハイブリダイゼーションにより相殺されて自己消光する、フルオロフォアで標識された特定のオリゴヌクレオチドプローブを使用するので、試料増幅を特定の様式でモニターし、この技術において一般的である偽陽性を回避することができる。
・ヘリカーゼ依存性増幅(Helicase-Dependent Amplification:HDA)
HDAは、ヘリカーゼ酵素を使用して、オリゴヌクレオチドプライマーのハイブリダイゼーション及びその後のポリメラーゼによるオリゴヌクレオチドプライマーの伸長のための一本鎖鋳型を生成する。サーマルサイクラーを必要としないこととは別に、HDAは単純な反応スキームを有し、プロセス全体の間単一の一定の温度で実施することができる等温反応であるという、他の等温DNA増幅方法を超えるいくつかの利点を提供する。これらの特性は、地方(loco)及びPoCにおいて使用されるDNA診断のための単純なポータブルデバイスの開発に大きな可能性を提供する。
オリゴヌクレオチドプライマー及び緩衝液の事前の最適化が、プロトコールの実行に必要である。通常、この最適化はPCRによって行われ、実際の増幅を実行するために別個のシステムを使用する必要性をもたらす。
サーマルサイクラーを必要とせず、したがって研究を研究室外で実施することを可能にするというHDAの大きな利点にもかかわらず、潜在的に危険な微生物を検出するために必要とされる作業の大部分は、研究室/病院の環境において実施される。現在、多数の試料の大量の診断は、HDAによって達成することができず、いくつかのウェルからの試料のプレートを含むことができるサーマルサイクラー中で実施され、一度に最大96個の試料から、意図される標的DNAの増幅及び検出を可能にする、PCR反応が行われている。HDA用の試薬を購入するコストも、PCR試薬用の試薬と比較して比較的高価である(Vincent M et al (2004) EMBO, 5(8):795-800. Veltkamp HW et al (2020) Micromachines (Basel) 11(3):238; Patent US7282328B2)。
・ローリングサークル増幅(Rolling Circle Amplification:RCA)
RCAは、プラスミド、バクテリオファージのゲノム及びウイルスの環状RNAゲノムなどのDNA又はRNAの環状分子の複数のコピーを迅速に合成することができる一方向性核酸複製プロセスである。
RCAは、等温DNA増幅技術であるローリングサークルレプリケーションの簡易版として開発された。RCA機構は、分子生物学及び生物医学ナノテクノロジーにおいて、特にバイオセンシングの分野(信号増幅のための方法として)において広く使用されている。RCAは、臨床試料からウイルス及び細菌DNAの存在を検出するために成功裏に使用され、これは感染症の迅速診断に極めて有益である。また、これは、核酸マイクロアレイ(DNAについてもRNAについても)のためのオンチップ信号増幅のための方法としても使用されている。RCA技術は、DNAナノ構造及びDNAヒドロゲルの構築にも適用することができる。RCA生成物はまた、ナノ種又はタンパク質の周期的集合、金属ナノワイヤの合成、及びナノアイランドの形成のための鋳型として使用することができる。
RCAは非常に汎用性の高いDNA増幅ツールであり、感度及び/又は特異性の制約、手間のかかる試料の調製、及び/又は信号増幅手順が他のツールの使用を以前に妨げていた多くの分野で広く使用されている。
これまで、RCAにおける研究の大部分は、バイオテクノロジー及び生物学の応用に焦点を当てている。しかし、多くのDNA及びRNAナノ構造は、比較的大きな又は長い反復構造を必要とするので、ナノテクノロジーにおけるこの方法の使用が増加していることは合理的であると思われる。
・鎖置換増幅法(Strand Displacement Amplification:SDA)/多重置換増幅法(Multiple Displacement Amplification:MDA)
MDA及びSDAは、PCRに依らないDNA増幅技術である。これらの方法は、ゲノム分析に十分な最小限のDNA試料を迅速に増幅することができる。反応はランダムヘキサマーオリゴヌクレオチドプライマーを鋳型にアニーリングすることによって開始し、DNA合成は、一定温度で高忠実度酵素によって実施される。
従来のPCR増幅技術と比較して、MDAは、エラー頻度のより低い、より大きなサイズの産物を生成する。この方法は「全ゲノム増幅」(WGA)において積極的に使用されており、単一細胞ゲノム配列決定遺伝子研究のための有望な方法である。SDAは核酸の増幅のための等温インビトロ技術であり、その認識された位置からヘミホスホロチオエートの形態の非修飾鎖を切断するHind-I能力、及び3’末端を伸長し、DNA鎖を下流に転位するエキソヌクレアーゼ欠損クレノウ(exo-klenow)能力に基づく。その指数関数的増幅は、センス反応で置換された鎖がアンチセンス反応の標的として機能し、逆もまた同様である、センス反応とアンチセンス反応とのカップリングから生じる。
これらの技術は、対立遺伝子ドロップアウト(ADO)、選択的増幅及びオリゴヌクレオチドプライマーオリゴヌクレオチド-プライマー相互作用などのいくつかの制約を有する。これらの制約は、遺伝子型決定の精度を低下させる。
・リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(Recombinase Polymerase Amplification:RPA)
RPAは、PCR反応の代替法である等温反応である。逆転写酵素をRPA反応に添加することにより、cDNAを産生するための別個の工程を必要とせずに、RNAとDNAの両方を検出することができる。等温であるので、RPAで使用される装置はPCRよりもはるかに単純である。最適温度が37~42℃であり、より遅くはあるものの室温で増幅する能力を有することにより、理論的には、管を保持するだけで迅速にRPA反応を行うことができる手段となる。これにより、RPAは、低コスト、迅速かつPoCモードである分子試験の開発のための優れた候補となる。
公開された科学文献は一般に、RPA、HDA、及びLAMPなどの等温増幅技術の性能の詳細な比較を欠いており、通常、1つの単独の等温技術を標準的なPCR試験と比較している。これは、製造者、発明者、又は提案者の主張から独立して、技術の利点を評価することを困難にする。さらに、任意の増幅技術の性能特性をオリゴヌクレオチドプライマーの設計から分離させることは困難である:標的RPAのための「良好な」オリゴヌクレオチドプライマーセットが、同じ標的について、オリゴヌクレオチドLAMP「不良」プライマーよりも迅速に又はより高感度の検出を提供しうる。PCR及び任意の他の増幅技術で起こるように、明らかに出版バイアスが存在し、性能が低いオリゴヌクレオチドプライマーのセットは、報告される価値があるとはめったに考えられない。
・転写媒介増幅(Transcription Mediated Amplification:TMA)/核酸配列ベース増幅(Nucleic Acid Sequenced Based Amplification:NASBA)
TMA及びNASBAは共に、レトロウイルスRNAの複製を模倣する等温増幅反応である。どちらも標的RNA配列に特異的であり、臨床試料、環境試料、及び食品試料中の病原体を検出する広範な用途を実証して人気を博している。双方について市販のキットが存在する。RNA増幅のためのRT-PCRの代替として、NASBA及びTMAは、サーマルサイクラープロトコルを必要としないという利点を有する。両技術はRNA鋳型からDNAを生成するために、RNAポリメラーゼを使用して、オリゴヌクレオチドプライマーの領域において生成されたプロモーター及び逆転写酵素からRNAを生成する。TMAについては、逆転写酵素自体がその相補的DNAを合成する際に、最初のRNA鋳型を分解する。NASBAについては、このRNA増幅技術は、熱変性のステップなしにCDNAからRNAを破壊するために、第3の酵素活性であるRNase Hの導入により改善された。反応中、オリゴヌクレオチドフォワードプライマーは、試料中に存在する任意の標的RNAと結合する。逆転写酵素及びRNase Hはリバースオリゴヌクレオチドプライマーと共に、標的配列及びT7プロモーターを有するdsDNAを産生する。DNA T7に依存するRNAのポリメラーゼは、このdsDNAを使用して、元の標的RNAに対して多くのRNA相補鎖を生成する。NASBAのこの初期段階の後、新しく合成された各RNAは環状段階でコピーすることができ、標的に相補的なRNAの指数関数的増幅をもたらす。こうして、熱サイクル工程が排除された、自己持続配列複製(self-sustained sequence replication)と呼ばれる等温増幅法が作られた。NASBA及びTMAの最終生成物は、ゲル電気泳動及び比色試験を用いて検出することができる。
・SARS-CoV-2診断
2019年12月に中国で初めて「SARS-CoV-2」と名付けられた新しいコロナウイルスが検出され、2020年3月11日以降、WHOによってパンデミックとして分類され、「COVID-19」と称される呼吸器疾患となった。コロナウイルスは、ヒト及びラクダ、ウシ、ウシ、及びコウモリを含む多くの異なる動物種における一般的なウイルスの大きなファミリーである。動物コロナウイルスはまれにヒトに感染することができ、その後、MERS-CoV、SARS-CoV、及び現在ではこの新しいウイルスSARS-CoV-2などのように、人々の間で自分自身を伝染させる。
この新しいCOVID-19疾患は、それがどのように広がっていくか、そしてそれが引き起こす病気の重症度を学んでいる間に、世界中の100以上の場所に急速に広がっている。2020年4月30日には世界で317万例が確認され、958000例は回復し、225000例は死亡した。実際、中国以外への伝播は中国大陸の事例を上回り、EUとアメリカはこの疾患の新たな中心地である。
現在、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19疾患の診断は主に分子経路によって行われており、この種の診断に選択されている診断手段はリアルタイムPCRであり、利用可能な一連の市販のキット(例えば、cobas SARS-CoV-2(ロシュ)、TaqPath COVID-19 Combo Kit(サーモフィッシャー)、lcopy COVID-19 QPCR Kit(1DROP Inc)、Abbott Real-time SARS-COV-2(アボット))がある。
この方法は検査室環境で、専門スタッフによってのみ実施することが可能であり、さらに、このウイルスの高レベルの感染を考慮して、医療専門家の側で試料の選択に一連の注意を払うことが必要であり、これは全診断プロセスを極めて高コストで時間がかかるものとする。平均して、分析の結果が出るのに72時間かかり、コストの大部分は試薬の欠如及び高価なリアルタイムPCRによる。
SARS-Cov-2の検出及び同定のための既存の診断方法及びシステムを改善する明確な必要性に応えて、本出願人は、任意の生物学的試料中のコロナウイルス科のウイルス、特に重症急性呼吸器症候群2(SARS-Cov-2)のコロナウイルス種の存在に対する特異的かつ高感度の検出を可能するよう、臨床診断を改善するための統合されたポータブルデバイスのための新しい技術システム及び方法を開発することを目的とする。
本発明において、開発されたポータブルデバイスはいくつかのタイプの試料中のウイルス(SARS-Cov-2)の存在の迅速な検出(~30分)を可能にし、これは、任意の人(この分野の一般人)によって使用することができ、またこれは持ち運び可能(portable)であるので、この試験を事実上どこでも行うことができる。これはすべて、感染の可能性がある人と、以前に試料の採取及び分析のプロセスに関与した医療専門家との間の伝染のリスクを排除する。なおかつ、診断はポータブルデバイスと通信し、全ての情報をクラウド内のリモートサーバーに送信するモバイル端末(mobile device)の手段によって行われるので、ヘルスエンティティ(health entities)による肯定的な結果の追跡をリアルタイムで実行することもできる。
これはまた、予防措置が、前例の無い、より迅速な方法で実施されることを可能にし、疾患の伝播のリスクを大幅に低減し、その結果、我々が現在到達しているパンデミックのレベルに達することを助ける。また、試薬及び装置の観点におけるコストの低減は、現在、リアルタイムでPCRによる実験室試験を実施することができない領域において、試験のより大きな普及及び利用可能性を可能にする。
近年、いわゆる迅速試験カセットもあり、これは、5~15分以内に、視覚的に(機器に頼ることなく)、疾患の免疫学的診断を可能にする。しかしながら、これらの試験は免疫応答が評価されることを可能にするだけであり、ウイルスの存在を直接検出するものではなく、疾患の後期症例(症状の4~7日後)についてのみ実行可能である。本発明におけるような分子試験の場合、最初の症状の2~5日前から診断を実行することが可能であり、それによって、他の人々に感染する可能性の決定に最も関連する因子である疾患のウイルス量を、直接検出することも可能になる。したがって、免疫学的検査は、この疾患の分子検査に取って代わることはない。さらに、前記迅速試験の示す信頼性のレベルは極めて低く、最大80%の症例で失敗しうる。
PoCレベルでは、COVID-19の診断のための2つのシステム、すなわちSpartan Cube COVID-19システム(Spartan Bioscience)及びXpert Xpress SARS-CoV-2(Cepheid)がある。しかしながら、これらのデバイスは、遠隔的に試験を実行する自律性を有していないので、完全にPoCではない。
本発明ではポータブルデバイスが電池を備え、その真に小さい寸法(言い換えれば、上着のポケットに収まる)のためPoC用に真に持ち運び可能である。
本発明は、ポータブルデバイス(1)によって取得されたデータを記録し、分析し、クラウド(10)内のリモートサーバーに格納するモバイルアプリケーション(9)によって制御される前記ポータブルデバイス(1)の存在下で、様々なタイプの試料中の核酸の特定の配列を検出及び同定するための統合されたシステム及び方法に関し、また、様々なタイプの試料中の特定の核酸配列を検出及び同定するための方法に関する。前記モバイルアプリケーション(9)はまた、前記ポータブルデバイス(1)によって取得されたデータを記録し、分析し、クラウド(10)内のリモートサーバーに格納し、ここでクラウドは例えば、伝染病の進化のグローバル分析を可能にするために、全データのグローバルセットを分析する。
モバイルアプリケーション(9)によって制御され、クラウド(10)内のリモートサーバーに直接的又は間接的に接続される、ポータブルデバイス(1)の構成要素のスキーム。 蛍光体FAMで標識された特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて、遺伝子Nについて、ポータブルデバイス(1)上で実施されモニタリングされた、陰性試料を用いた試験の例。蛍光の強度は試験全体を通して不変に維持され、標的ウイルスRNAが存在しないため、逆転写及び等温増幅が起こらなかったことを実証する。 蛍光体FAMで標識された特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて、遺伝子Nについて、ポータブルデバイス(1)上で実施されモニタリングされた、陽性試料を用いた試験の例。蛍光の強度の指数関数的な増加は~1100秒から検証され、これは逆転写及び等温増幅の結果であり、標的ウイルスRNAの存在によって議論される。
本発明はポータブルデバイス(1)によって取得されたデータを記録し、分析し、クラウド(10)内のリモートサーバーに格納するモバイルアプリケーション(9)によって制御される前記ポータブルデバイス(1)の存在下で、コロナウイルスの疑いのある試料中の核酸の特定の配列を検出及び同定するための統合システムに関する。コロナウイルスの疑いのある試料中の核酸の特異的配列の検出及び同定は、検出のための標的部位特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、最適化された逆転写酵素及び/又は等温増幅技術の手段によって行われ、ここで前記増幅は間接的及び非特異的様式で、又は直接的及び特異的に行われ、その比色信号又は蛍光信号がポータブルデバイス(1)によって記録される識別増幅試薬(discriminatory amplification reagent)を用いてポータブルデバイス(1)で反応が実行され、ポータブルデバイス(1)はモバイルアプリケーション(9)によって制御され、クラウド(10)内のリモートサーバーに直接的又は間接的に接続され、様々な臨床、医薬、獣医学、食品、環境、バイオテクノロジー、及びバイオセーフティー分野における様々な種類の診断において有用な用途を有する。
本発明はさらに、コロナウイルスの疑いのある試料中における言及された特定の核酸配列の検出及び同定のための方法に関する。
前記の核酸配列の検出及び同定のための方法は、ポータブルデバイス(1)を用いて、1つ又は複数のゲノム領域の逆転写及び/又は等温増幅に基づいて、核酸の精製試料から又は前記核酸で汚染されたと推定される試料から直接に、増幅された断片をリアルタイムで識別する、以下のステップを特徴とする方法である。
a)分析対象試料を採取及び処理するステップ;
b)採取された試料を、逆転写及び/又は等温増幅のため並びに増幅のリアルタイム識別のための試薬を含有する容器(2)に添加するステップ;
c)前記容器(2)を、逆転写及び/又は等温増幅するために前記容器を等温加熱し増幅を識別する信号を記録するポータブルデバイス(1)に加えるステップ;
d)ポータブルデバイス(1)によって記録された信号を、モバイルアプリケーション(9)に、及び/又はクラウド(10)内のリモートサーバーに直接、送信するステップ;
e)最終結果、すなわち前記試料中の標的核酸配列の検出又は非検出を決定するために、前記デバイス(1)によって記録された前記信号を分析するステップ;
f)クラウド(10)内の前記リモートサーバーに前記最終結果を記録して、遠隔アクセス並びに伝染病及び/又は伝染病の地理の制御の一般的分析を可能にするステップ。
本発明は種々の医薬、獣医学、食品、環境、バイオテクノロジー、又はバイオセーフティー領域における様々なタイプの診断のための関連する核酸配列の検出及び同定に有用であり、SARS-CoV-2ウイルスのための低コスト及び関心点を有する迅速な診断に特に有用である。
前記方法で検出される核酸配列は、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)の配列である。
核酸の配列は、ヒト、動物及び/又は、細菌、真菌、ウイルス若しくは他の微生物を含む病原体起源のものである。
核酸の配列はボルチモア分類によれば、グループI:二本鎖DNAウイルス(例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス)、グループII:一本鎖DNAウイルス(例えば、パルボウイルス)、グループIII:二本鎖RNAウイルス(例えば、レオウイルス)、グループIV:+センス一本鎖RNAウイルス(例えば、コロナウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス)、グループV:-センス又はアンチセンス一本鎖RNAウイルス(例えば、オルトミクソウイルス、ラブドウイルス)、グループVI:タンパク質形成においてDNA中間体を有する一本鎖+RNAウイルス(レトロウイルス)、又はグループVII:複製においてRNA中間体を有する二本鎖DNAウイルス(ヘパドナウイルス)に属する。
一実施形態では、核酸の配列はコロナウイルス科のウイルスに属し、特に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-Cov-2)に属する。
逆転写は、とりわけ、HIV-1、M-MLV、AMVなどの、逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼ酵素を用いて行うことができる。
逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼ酵素は、40℃未満の温度でその活性を阻害するアプタマーに可逆的に結合しうるか、又は結合し得ない。
等温増幅は、とりわけ、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、鎖置換増幅(SDA)、多重置換増幅(MDA)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)などの等温増幅法を用いて実行することができる。
逆転写及び/又は等温増幅のため並びに増幅のリアルタイム識別のための試薬を含有する容器(2)への採取された試料の添加。
容器(2)を等温加熱するポータブルデバイス(1)に、容器(2)を加える。
LAMP法による等温増幅は、とりわけ、Bst酵素などの鎖置換活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼ酵素を用いて行われる。
鎖置換活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼ酵素は、40℃未満の温度でその活性を阻害するアプタマーに可逆的に結合しうるか、又は結合し得ない。
鎖置換活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼ酵素はまた、逆転写酵素活性を有し、とりわけ、Bst酵素などの、ただ1つの酵素を用いて逆転写及び等温増幅を実施することを可能にするものであってもよい。
逆転写増幅及び/又は等温増幅の反応混合物は、オリゴヌクレオチドプライマー、dNTP、鎖置換活性を有する熱安定性ポリメラーゼDNA及び/又は逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼ酵素、DNAポリメラーゼ酵素の活性について最適化された緩衝液、並びに増幅された断片のリアルタイムでの識別のための試薬の組み合わせから構成され得る。
逆転写及び/又は等温増幅は、37℃~70℃の温度で、好ましくは65℃で、10分超、好ましくは30~60分の間隔で実施される。
増幅された断片のリアルタイム識別は、1つ以上の試薬を使用して、間接的又は直接的な形態で行うことができる。
増幅された断片の間接的なリアルタイム識別は、とりわけフェノールレッドなどのpH比色指示薬、又はとりわけSYBRグリーンなどのDNAインターカレート蛍光試薬を使用して行われる。
増幅された断片の直接的なリアルタイム識別は、相対的に保存された増幅された断片の1つ以上の領域(複数可)に対して相補的な特異的配列を有する1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブを用いて行われる。
オリゴヌクレオチドプローブはフルオロフォア、例えば、FAM、HEX、ROX若しくはCy5、又は類似物、及び/又はクエンチャー、例えば、DABCYL、BHQ-1、BHQ-2、BHQ-3、又は類似物、又は両方の組み合わせとコンジュゲートされる。
オリゴヌクレオチドプローブは、RNAプローブ、DNAプローブ、LNAプローブ又はPNAプローブである。
逆転写反応及び/又は等温増幅はとりわけ、口腔スワブ、鼻咽頭試料又は鼻試料、血液、尿、唾液、痰、糞便、環境試料又は食物試料などの、標的核酸を含むと考えられる試料の抽出又は精製されたRNA又はDNAの試料の添加、又はとりわけ表面接触から、又はこれらの試料のRNA又はDNAの抽出及び精製を伴わない直接的な添加を、反応増幅混合物に対して行うことから生じる、結果である。
分析対象の試料の採取は、スワブ、シリンジ、採取試験管、又は試料の採取のために設計された任意の他のデバイスを使用して行うことができる。
この方法は、ポータブルデバイス(1)の分光光度センサ(7)によって検出される、比色強度又は蛍光強度の変化をもたらす標的配列の存在及びその結果としての逆転写及び/又は等温増幅によって特徴付けられる。
一般的な試料採取
本発明において、SARS-CoV-2のウイルス粒子又は露出したウイルスRNA自体を含む可能性のある様々なタイプの試料の採取は、試料のタイプに応じて、以下を含むいくつかの方法で行うことができる。
a)以下を含む、ヒト又は動物の上気道由来の試料:
- 鼻咽頭からの滲出液は、スワブで採取し、ウイルス輸送用培地、生理食塩水、又はウイルス粒子を溶解しやすく且つ/若しくはウイルスRNAを無傷で保存しやすいその他の溶液を3mL以下入れた試験管内に入れる。特に、スワブは、わずかな抵抗が感じられるまで、鼻孔の一方に、口蓋に平行に挿入されなければならない。分泌物を吸収するために、綿棒を数秒間放置する。回転運動で慎重に取り外し、もう一方の鼻孔で採取を繰り返す。
- 口腔咽頭滲出液は、スワブで採取し、ウイルス輸送用培地、生理食塩水、又はウイルス粒子を溶解しやすく且つ/若しくはウイルスRNAを無傷で保存しやすいその他の溶液を3mL以下入れた試験管内に入れる。特に、スワブは、口腔内に挿入され、咽頭壁及び口腔咽頭弓(oropharyngeal pillars)に対して擦り付けられなければならない。
鼻咽頭滲出液の採取を口腔咽頭滲出液の採取と組み合わせることも可能であり、この場合、採取は、先の指示に従って、口腔咽頭から開始し、通過して次に鼻咽頭に到達しなければならない。
- 鼻咽頭吸引液又は鼻洗浄液は、吸引液/鼻洗浄液試料用滅菌容器によって採取される。
b)以下を含む、ヒト又は動物の下気道からの試料:
- 液体試料用滅菌容器で採取された気管内吸引物。
- 液体試料用滅菌容器で採取された気管支肺胞洗浄液。
- 液体試料用滅菌容器で採取された痰。
c)糞便試料用滅菌容器用のスパチュラで採取されたヒト又は動物の糞便試料。
d)尿試料用滅菌容器で採取されたヒト又は動物の尿の試料。
e)滅菌乾燥試験管用のキャピラリー又はシリンジで採取されたヒト又は動物の血液試料。
f)適切な方法で滅菌容器に採取された雨水、河川水、廃水、土壌などの環境試料。
g)適切な方法で滅菌容器に採取された食品及びその容器を含む食品試料。
h)表面試料は、例えば、接触面又は物体から、スワブで採取し、ウイルス輸送用培地、生理食塩水、又はウイルス粒子を溶解しやすく且つ/若しくはウイルスRNAを無傷で保存しやすいその他の溶液を3mL以下入れた試験管内に入れる。特に、スワブは、分析対象である表面の良好な部分から試料を採取するように、表面上を拭かなければならない。
スワブによって試料を採取する場合には、プラスチック棒を備えた合成繊維スワブを使用するか、又は他の任意の、逆転写反応及び/若しくは等温増幅を阻害しないもの又はウイルスRNA試料を潜在的に分解し得ないものを使用しなければならない。
全ての場合において、試料は、核酸のための従来の抽出及び精製方法又は当該目的のための市販のキットを使用して、ウイルスRNAの抽出及び精製に使用することができる。あるいは、等温増幅工程中に浸透圧、機械的及び/又は温溶解によってウイルス粒子の溶解が起こりその後の解析のためにウイルスRNAが放出されるように、試料の画分を、緩衝液及び1つ又は複数のRNase阻害剤を含む水溶液中に入れてもよい。
逆転写及び等温増幅
本発明において、逆転写から生じるcDNAの逆転写及び増幅反応は、1ステップのみで実施される。さらに、増幅は、逆転写反応と適合するように等温的に行われる。そのようなものとして、様々な等温増幅技術を用いることができる。
・ループ媒介等温増幅(LAMP)
・ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)
・ローリングサークル増幅(RCA)
・鎖置換増幅(SDA)
・多重置換増幅(MDA)
・リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)
・転写媒介増幅(TMA)
・核酸配列ベース増幅(NASBA)
リアルタイム増幅の識別は、2種類の方法で実施することができる。
- 間接的検出
間接的検出は、増幅の方式が特に限定されず、標的鋳型増幅に関連する変数(例えば、反応のpHの変動、濁度など)をモニターすることによって、又は反応全体にわたって(陽性鋳型の存在下で)産生される二本鎖DNAに対しての比色試薬若しくはインターカレート蛍光試薬をモニターすることによって、実施される。しかしながら、この間接的な方法は、鋳型の非特異的増幅又はオリゴヌクレオチドプライマー二量体の非特異的増幅が存在する場合に起こり得る偽陽性の結果を報告し得るものであることから、望ましくない。
- 直接検出
直接検出は、増幅の方式が限定され、増幅されたゾーンの領域に特異的にハイブリダイズして増幅されたDNAに比例した信号の変化を生じる特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて、実施される。これらのプローブには、逆転写及び/又は等温増幅をモニターしうるであろう3種類のアプローチがある。すなわち、
・自己消光フルオロフォアを有する特異的コンジュゲートオリゴヌクレオチドプローブ;
・ヘアピン型又は直鎖型である(ポリメラーゼDNAがエキソヌクレアーゼ活性を有する場合)、一方の末端にフルオロフォアを有し反対の末端にクエンチャーを有する特異的コンジュゲートオリゴヌクレオチドプローブ;
・フルオロフォアを備えた特異的コンジュゲートオリゴヌクレオチドプローブと、クエンチャーを備えた特異的コンジュゲートヌクレオチドプローブと、の組合せ、ここで配列は、双方が増幅DNAと特異的にハイブリダイズしたときに、フルオロフォアがクエンチャーに近接する(approximate)ように類似する(contiguous)ものである。
逆転写及び/又は等温増幅はこの目的のための多重アプローチを用いて、1つの領域のみ、又はいくつかの領域を同時に、増幅及び検出することを意図して行うことができる。さらに、多重アプローチでは、試験されるべき標的生物(例えば、とりわけ、ヒト、動物、細菌、ウイルスなど)の、例えばアクチン遺伝子、GAPDH又はユビキチンのような維持遺伝子領域の1つを使用して試料の内部対照として機能させることができる。あるいは、又は試験される試料が生物に由来するものでない(例えば、表面試料又は環境試料などである)場合、例えば、アクチン遺伝子、GAPDH若しくはユビキチン、又は別の合成標的などの制御標的配列を、採取された試料に混入させるか又は反応混合物中に直接添加することができる。
発明の詳細な説明
本発明はポータブルデバイス(1)によって取得されたデータを記録し、分析し、クラウド(10)内のリモートサーバーに保存するモバイルアプリケーション(9)によって制御されるポータブルデバイス(1)の存在下で、コロナウイルスの疑いのある試料中の核酸の特定の配列を検出及び同定するための統合システムに関する。
さらに、本発明は、システムとして協働する、ポータブルデバイス(1)、モバイルアプリケーション(9)、及びクラウド(10)内のリモートサーバーをカバーする、コロナウイルスを含むことが疑われる試料中の核酸の前記言及された特定の配列の検出及び同定のための方法にも関する。
ポータブルデバイス
本発明は、試験を制御し、最終結果を決定するための分析を可能にするデータを記録することを目的とする、前記方法に対応するポータブルデバイス(1)を含む。
この目的のために、デバイス(1)は、以下の構成要素のうちの1つ以上を含む。
a)例えばESP32のような、統合されたWi-Fi及び/又はBluetoothを有するマイクロコントローラ(MCU)(5)。その目的は異なる構成要素を制御し、試験に有用なデータを生成する構成要素のいくつか、すなわち、温度センサ(6)及び分光光度センサ(7)、によって生成されるすべての情報を管理することであり、これらはすべてファームウェアによって管理される。ファームウェアは特に、デバイス(1)の様々な構成要素を制御し、特に:
・試験の過程で等温温度を維持し;
・光源を制御し、試験中のスペクトル変化を記録し;
・Bluetooth又はWi-Fiの手段によって移動体アプリケーションと双方向に、又はWi-Fiによってクラウド内のリモートサーバーと双方向に、通信する。
b)1つ又は複数の分光光度センサ(7)。好ましくは40nm以下の分解能で、UV、可視及び/又は赤外スペクトルの様々な波長において光子の放出を別々に定量化することを可能にする。それらは、増幅された断片のリアルタイム識別のために試薬(複数可)によって生成された信号を反映する、UV、可視及び/又は赤外スペクトルの様々な波長の光子を捕捉及び分析する。比色変化による間接検出の場合、検出は、分光光度センサから180°の位置の照明システムによって生成され反応容器内に存在する試料によって吸収される光子を、通常は白色光から、減算すること(subtraction)によって行われる。
蛍光による間接的検出又は直接的検出の場合、検出は、分光光度センサ(7)から90°の位置の照明源を用いてフルオロフォアを励起した後に実施され、その結果、励起されたフルオロフォア(複数可)によって生成された光子の放出が分光光度センサ(7)によって検出される。この場合、同時に、UV、可視及び/又は赤外スペクトルの異なる領域の個々の読み取りに依って、1つ又は複数の励起源(3)(90°位置にある光源#1及び#2)を使用して、反応容器(2)内の1つ又は複数のフルオロフォアの蛍光において検出される差異がありうる。
これらのセンサ(7)は光起電力型、フォトダイオード型、フォトレジスタ型、又はフォトトランジスタ型のものとすることができ、スペクトル検出ゾーンをより良好に画定するために、光フィルタ、例えばバンドパスフィルタと連結することができる。
分光光度センサ(7)(複数可)によって検出された光子は全て、電子的手段によってMCU(5)に伝達される。
c)1つ以上の光源(3)。これは、増幅された断片のリアルタイム識別に使用される試薬(複数可)によって放出される光の吸収によって、分光光度センサ(7)(複数可)が比色変化又は蛍光変化を読み取るのを助けるためのものである。
これらの照明源(3)は白熱タイプ、発光ダイオード(LED)、レーザ(放射の誘導放出による光増幅)、又は光子を放出するための任意の他の源であってよく、発光のスペクトルゾーンをより良く画定するために、光フィルタ、例えばバンドパスフィルタと連結されてもよく、プローブのフルオロフォアの選択的励起に適合する波長を有する光子を放出するか、又は広範な可視スペクトルで光子を放出する。
d)熱源(8)。その目的は、反応容器(2)を、DNAポリメラーゼ酵素が作用するのに最適な温度に加熱することである。この熱源(8)は、1つ又は複数の抵抗器、ペルチェモジュール、又は、100℃に至り、最低では室温+4℃の温度に達することができる、その他の任意の熱源によって構成されうる。
e)熱源(8)によって生成される温度を測定することを目的とする温度センサ(6)。これはMCU(5)の助けを借りて、DNAポリメラーゼ酵素が働くのに最適な温度で反応容器(2)の加熱を「等温化する(thermostatise)」ことが可能であり、さらにその不活性化温度に不注意に達しないことを保証する。温度センサ(6)は、サーミスタ型(NTC又はPTC)、熱抵抗型(RTD)、熱電対型(例えばPT100又はPT1000)、又はとりわけ半導体に基づくものであり、0~100℃の測定容量を有し、0.01~5℃の分解能を有するものである。
f)電池(4)。その目的は、少なくとも1つの試験の実行を可能にする、ある期間の間、自律的な方法でポータブルデバイス(1)を充電及び動作させることである。
電池(4)はDC充電によって充電され、DC充電は電池(4)の代わりにデバイス(1)を充電することもできる。
充電式電池(4)は、とりわけ、アルミニウムイオン、リチウムイオンカリウムイオン又はマグネシウムイオン、炭素によって、フロー電池(バナジウム又は亜鉛)、鉛蓄電池又はポリマー系電池として構成しうる。
ポータブルデバイス(1)、モバイルアプリケーション(9)、及びクラウド(10)内のリモートサーバーの間でデータ及びコマンドが送信されるように、ポータブルデバイス(1)は、クラウド(10)内のリモートサーバーに接続されたモバイルアプリケーション(9)によって制御される。任意選択的に、ポータブルデバイス(1)は、データ送信のためにクラウド(10)内のリモートサーバーに直接接続することもできる。
ユーザーが試験を開始すると、モバイルアプリケーション(9)により、反応混合物がポータブルデバイス(1)中で37℃~70℃の一定温度で30分間インキュベートされ、この時間は、使用される等温増幅技術に応じて、90分まで、又は120分まで延長されうる。
試料の増幅のモニタリングは、蛍光インターカレート試薬(例えば、SYBR(商標)グリーン)を用いて間接的に、及び/又はフルオロフォア(例えば、FAM、HEX、ROX又はCy5など)で標識された特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて直接的に、フルオロフォアの各々に応じた照明源(3)を励起源として、可視/赤外UVスペクトル(315~1400nm、最大でも40nm間隔)の様々な波長の発光を分光測光センサ(7)で記録することによって実施される。あるいは、同センサ(7)は、増幅が起こったか否かを間接的に決定する形態として、反応混合物の色の変化をモニターすることもできる。
プロセス全体がモバイルアプリケーション(9)を用いて開始され、制御され、その時間を通じて、モバイルアプリケーションは分光光度センサ(7)のデータを分析し、最終結果を決定する。
モバイルアプリケーション
本発明はさらに、Bluetoothの手段によって、又は任意選択的にWi-Fiの手段によって、ポータブルデバイス(1)と接続する、モバイルアプリケーション(9)を備える。
ポータブルデバイス(1)の制御のためのモバイルアプリケーション(9)は、Android若しくはiOS、又はモバイル端末のための任意の他のオペレーティングシステムに適合する。
モバイルアプリケーション(9)は、ポータブルデバイス(1)によって生成されたデータの処理及びクラウド(10)内のリモートサーバーとの通信を実行する。
アプリケーション(9)はモバイル端末のカメラを使用して、反応混合物を含む試薬試験管に関連付けられたバーコードを記録することによって、試験の記録を行うことを可能にし、処理する試験のリファレンスを記録することを可能にする。かかるリファレンスと共に、モバイルアプリケーション(9)は、試験を開始できるように、クラウド(10)内のリモートサーバーと通信して、試験のパラメータ(時間、温度、分析すべきデータ、分析のためのカットオフなど)を収集し、これらのパラメータをポータブルデバイス(1)に転送する。
モバイルアプリケーション(9)はまた、ユーザーID、試料IDを記録し、(クラウド(10)内のリモートサーバーによって割り当てられる)唯一のIDを試験に付与することを可能にする。任意選択で、アプリケーション(9)はまた、ユーザーの個人データの匿名性を保護しつつ、伝染病/パンデミックの地理的追跡を可能にするために、試験の場所を記録する。
試験がポータブルデバイス(1)において処理されると、ポータブルデバイス(1)は試験の経過中に分光光度センサ(7)によって収集されたデータをアプリケーション(9)に転送する。このデータはモバイルアプリケーション(9)によって分析され、使用されるフルオロフォアの発光のそれぞれの波長における蛍光強度の変動が蛍光の最初の信号の10%よりも大きく、この変動が1600秒未満の時間で起こる場合(このカットオフは、問題とされている試験に応じて、700秒~3000秒の間で変動し得る)に、陽性と判定される。モニタリングは、区別される波長(例えば、とりわけ、520nm、556nm、602nm、670nmなど)で監視可能な異なるフルオロフォア(例えば、FAM、HEX、ROX又はCy5など)で標識された複数の特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いて、多重で行うこともできる。
クラウド内のリモートサーバー(10)
本発明はさらに、クラウド(10)内のリモートサーバーを含む。これはポータブルデバイス(1)上で実行され得る試験の各々について、使用されるパラメータ(とりわけ、反応時間、反応温度、要記録データ、要記録データの間隔、結果の分析のためのパラメータなど)のみならず、全ての試験からのデータを、集中的に記憶し、処理する。サーバー(10)はさらに、モバイルアプリケーション(9)によって、試験のそれぞれについて1つの唯一のIDを割り当て、このIDを他の情報(とりわけ、試料ID、試験の場所、ユーザー)と関連付ける。サーバー(10)はまた、その中に統合されたすべてのデータの動的分析のための人工知能アルゴリズムを含むことができ、またそれぞれのヘルスエンティティに適時に警告することができる。保存及びサーバとモバイルアプリケーション(9)及び/又はポータブルデバイス(1)との間で送信される全てのデータのサイバーセキュリティを保護するため、サーバー(10)内の全てのデータは暗号化される。
- 試料の採取・処理
本発明において、分析対象の試料は通常、スワブで採取され、ウイルス輸送用培地、生理食塩水、又はウイルス粒子を溶解しやすく且つ/若しくはウイルスRNAを無傷で保存しやすいその他の溶液を3mL以下入れた試験管内に入れられる。次に、この水性媒体の画分(1~40マイクロリットル)を、予め調製されて最終ユーザーに提供される反応混合物に添加する。あるいは、従来の核酸抽出・精製方法又は本目的のための市販のキットを用いて、採取された試料をウイルスRNAの抽出及び精製のために処理し、精製された核酸を、リボヌクレアーゼを含まない蒸留水(I型)中に再懸濁し、続いて、これらの精製され再懸濁された核酸の分析のための画分(1~40マイクロリットル)を用いる。
- LAMPオリゴヌクレオチドプライマー
本発明では、SARS-CoV-2の比較的保存された異なるゲノム領域からの、LAMP法による逆転写及び等温増幅のためのオリゴヌクレオチドプライマーの確定されたセットが存在する。当該領域は下記の通りである。
Figure 2023524117000002
Figure 2023524117000003
Figure 2023524117000004
Figure 2023524117000005
Figure 2023524117000006
Figure 2023524117000007
- 特異的オリゴヌクレオチドプローブ
本発明では内部的にフルオロフォアとコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドプローブのセットが確定している。プローブは単離形態で自己消光し、LAMPによって増幅される断片に位置するSARS-CoV-2の様々なゲノム領域中の特定の保存されたゾーンにおいてハイブリダイズする配列を有し、領域に応じて直接又は逆ループのオリゴヌクレオチドプライマーとして含むことによって機能する。相補的領域とハイブリダイズすることによって、フルオロフォアは自己消光を停止し、蛍光の発光を増加させる。すなわち、これらは各領域に対するプローブである。
Figure 2023524117000008
- LAMP反応
LAMP反応の混合物は、本発明の手段によるSARS-Cov-2の検出及び同定のための方法のために最適化されており、以下を含む:ヌクレオチドプライマーFIP及びBIPをそれぞれ1.6mMずつ;ヌクレオチドプライマーF3及びB3をそれぞれ0.2mMずつ;ヌクレオチドプライマーLF又はLB及び特異的オリゴヌクレオチドプローブLB又はLFをそれぞれ0.4mMずつ;各dNTPをそれぞれ1.4mMずつ;320U/mlのBst DNAポリメラーゼ;500U/mLの逆転写酵素;20mMのTris-HCl(25℃でpH8.8);8mMの(NHSO;l0mMのMgSO;50mMのKC1;及び0.1%のTween(登録商標)20。
Figure 2023524117000009
Figure 2023524117000010
試料量が8μLであることを考慮し、使用される反応混合物の最終体積は20μLである。しかしながら、反応混合物の最終体積は、5~100μLの間で比例的に調整することができる。場合により、試験中の反応混合物の蒸発を避けるために、20μLのミネラルオイル又は液体ワックスを添加する。反応試験を実施するために、反応容器として0.2mLのPCR試験管を用いるが、0.1mL~0.5mLの試験管を用いてもよい。
反応混合物をポータブルデバイス(1)中で65℃の一定温度で30分間インキュベートした。その時間の終わりに、分光光度センサ(7)からのデータをモバイルアプリケーション(9)に送り、分析した。使用されたフルオロフォア(FAM)の発光のそれぞれの波長(複数可)における蛍光強度の変動が最初の蛍光信号に比べて10%大きく、1600秒未満の時間で生じた試料は、陽性とみなされた。続いて、これらの結果を、アガロースゲル中での電気泳動(2%TAE 1×中で6V/cm)及びサンガー配列決定によって確認した。
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・WHO (2020) Laboratory testing for coronavirus disease 2019 (COVID-19) in suspected human cases: interim guidance, 2 March 2020

Claims (35)

  1. 反応容器(2)、電池(4)、温度センサ(6)を含む、コロナウイルスの疑いのある試料中の特定の核酸配列の検出及び同定のためのポータブルデバイス(1)であって、さらに
    a)1つ又は複数の分光光度センサ(7);
    b)1つ又は複数の照明源(3);
    c)1つの熱源(8);
    d)ファームウェアを含みWi-Fi及び/又はBluetoothが統合された1つのマイクロコントローラ(5)
    を含み、
    e)ここで、前記反応容器(2)は、コロナウイルスの疑いのある試料並びに増幅のリアルタイム識別のための逆転写試薬及び/又は等温増幅試薬を含む、ことを特徴とする
    ポータブルデバイス(1)。
  2. 前記試料が、上気道、下気道、鼻咽頭吸引液、鼻洗浄液、糞便、唾液、ヒト又は動物の尿の試料、環境試料、食品試料に由来することを特徴とする、請求項1に記載のポータブルデバイス(1)。
  3. 前記コロナウイルスの疑いのある試料がとりわけ、口腔スワブ、鼻咽頭若しくは鼻腔、血液、尿、唾液、痰、糞便、環境試料若しくは食品などの標的核酸を含む可能性がある試料から、又は接触表面から抽出及び精製されたRNA又はDNAである、又はこれらの試料からRNA若しくはDNAの抽出及び精製を伴わずに直接添加されたものであることを特徴とする、請求項1~請求項2に記載のポータブルデバイス(1)。
  4. 前記増幅のリアルタイム識別のための逆転写試薬及び/又は等温増幅試薬が、配列番号12~配列番号109のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする、請求項1~請求項3に記載のポータブルデバイス(1)。
  5. 前記1つ又は複数の分光光度センサ(7)が、315nm~1400nmの間の異なる波長における光子の放出を、好ましくは40nm以下の分解能で、別々に定量化するように構成されることを特徴とする、請求項1~請求項4に記載のポータブルデバイス(1)。
  6. 前記1つ又は複数の分光光度センサ(7)が光起電力型、フォトダイオード型、フォトレジスト型、又はフォトトランジスタ型であり、光フィルタ、たとえばバンドパスフィルタと連結されていてもよいことを特徴とする、請求項1~請求項5に記載のポータブルデバイス(1)。
  7. 前記熱源(8)が、1つ又は複数の抵抗器、ペルチェモジュール、又は少なくとも100℃に達しまた最低では室温+4℃に達するその他の任意の熱源によって構成されることを特徴とする、請求項1~請求項6に記載のポータブルデバイス(1)。
  8. 前記1つ又は複数の照明源(3)が、白熱、発光ダイオード又はレーザであることを特徴とする、請求項1~請求項7に記載のポータブルデバイス。
  9. 前記1つ又は複数の照明源(3)が、光フィルタと連結されていることを特徴とする、請求項1~請求項8に記載のポータブルデバイス(1)。
  10. 前記温度センサ(6)が、サーミスタ型、熱抵抗型、熱電対型、又は半導体をベースとするものであることを特徴とする、請求項1~請求項9に記載のポータブルデバイス(1)。
  11. Bluetooth又はWi-Fiによって請求項1~請求項10に記載のポータブルデバイス(1)に接続されることを特徴とする、モバイルアプリケーション(9)。
  12. 請求項11に記載のモバイルアプリケーション(9)及び/又は請求項1~請求項10に記載のポータブルデバイス(1)にWi-Fiで接続されることを特徴とする、クラウド(10)内のリモートサーバー。
  13. コロナウイルスの疑いのある試料中の核酸の特定の配列の検出及び同定のためのシステムであって、請求項1~請求項10に記載のポータブルデバイス、請求項11に記載のモバイルアプリケーション(9)、及び請求項12に記載のクラウド(10)内のリモートサーバーを含む、ことを特徴とするシステム。
  14. 請求項1~請求項10に記載のポータブルデバイス(1)、請求項11に記載のモバイルアプリケーション(9)、及び請求項12に記載のクラウド(10)内のリモートサーバーを用いて、コロナウイルスの疑いのある試料中の増幅された断片をリアルタイムで識別することにより、1つ又は複数のゲノム領域の逆転写及び/又は等温増幅からの反応に基づいて核酸の特定の配列を検出及び同定する方法であって、
    a)分析対象試料を採取し処理するステップ;
    b)採取された試料を、逆転写反応及び/又は等温増幅反応のための試薬を含む反応混合物を含む反応容器(2)に添加するステップ;
    c)分析対象の前記試料を含む反応容器(2)を前記ポータブルデバイス(1)に加え、続いて前記容器(2)を等温加熱し、続いて、前記ポータブルデバイス(1)において等温増幅の識別信号を記録しながら逆転写反応及び/又は等温増幅反応を行うステップ;
    d)前記ポータブルデバイス(1)の1つ又は複数の分光光度センサ(7)によって記録された前述の信号を、Bluetooth又はWi-Fiにより、クラウド(10)内のリモートサーバーへ送信するステップ;
    e)最終結果、すなわち陽性又は陰性を決定するために、前記ポータブルデバイス(1)によって記録された信号をモバイルアプリケーション(9)において分析するステップ、ここで陽性は前記試料中における標的である前記核酸配列の存在を示す;
    f)クラウド(10)内の前記リモートサーバーに維持される前記最終結果を記録するステップ
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  15. 前記試料が、上気道、下気道、鼻咽頭吸引液、鼻洗浄液、糞便、唾液、ヒト又は動物の尿の試料、環境試料、食品試料に由来することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 前記逆転写反応及び/又は等温増幅反応が、反応増幅混合物に、とりわけ、口腔スワブ、鼻咽頭若しくは鼻腔、血液、尿、唾液、痰、糞便、環境試料若しくは食品試料などの標的核酸を含む可能性がある試料から又は接触表面から抽出及び精製されたRNA又はDNAの試料を添加して、又はこれらの試料からの前記RNA若しくはDNAの抽出及び精製を伴わない直接添加により、実施されることを特徴とする、請求項14~請求項15に記載の方法。
  17. 検出対象の前記特定の核酸配列が、ウイルスに由来するデオキシリボ核酸又はリボ核酸の配列であることを特徴とする、請求項14~請求項16に記載の方法。
  18. 前記ウイルスがとりわけアデノウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、パルボウイルス、レオウイルス、コロナウイルス、ピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、ラブドウイルス、レトロウイルス、ヘパドナウイルスから選択されることを特徴とする、請求項14~請求項17に記載の方法。
  19. 前記核酸配列が、コロナウイルス科のウイルス、特に重症急性呼吸器症候群の種であるSARS-Cov-2に属することを特徴とする、請求項14~請求項18に記載の方法。
  20. 前記逆転写反応が、とりわけHIV-1、M-MLV、AMVなどの逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼ酵素を用いて実施されることを特徴とする、請求項14~請求項19に記載の方法。
  21. 前記反応混合物が、オリゴヌクレオチドプライマー、dNTP、鎖置換活性を有する熱安定性DNAポリメラーゼ酵素及び/又は逆転写酵素活性を有するDNAポリメラーゼ酵素、DNAポリメラーゼ酵素の活性のための緩衝液、及び増幅された断片のリアルタイム識別のための試薬の組み合わせであることを特徴とする、請求項14~請求項20に記載の方法。
  22. 逆転写酵素活性を有する前記DNAポリメラーゼ酵素が、40℃未満の温度でその活性を阻害するアプタマーに可逆的に連結されていることを特徴とする、請求項14~請求項21に記載の方法。
  23. 前記オリゴヌクレオチドプライマー配列が、配列番号12~配列番号95のうちの1つ又は複数を含む、請求項14~請求項22に記載の方法。
  24. 前記逆転写反応及び/又は等温増幅が、37~70℃の温度で、10分間以上120分間以下実施されることを特徴とする、請求項14~請求項23に記載の方法。
  25. 前記逆転写反応及び/又は等温増幅が、好ましい温度である65℃で30分間実施されることを特徴とする、請求項14~請求項24に記載の方法。
  26. 前記増幅された断片のリアルタイム識別が、間接的又は直接的な方式で実施されることを特徴とする、請求項14~請求項25に記載の方法。
  27. 前記DNAの増幅断片のリアルタイム間接識別が、例えばフェノールレッドなどの比色pH指示薬、又は例えばSYBR(商標)グリーンなどのインターカレートDNA試薬を使用して実施されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  28. 前記増幅されたDNA断片のリアルタイム直接識別が、フルオロフォア、及び/又はクエンチャー、又は両方の組み合わせとコンジュゲートされた特異的オリゴヌクレオチドプローブを1種又は複数種用いて実施されることを特徴とする、請求項26に記載の方法。
  29. 前記フルオロフォアがFAM、HEX、ROX、又はCy5、又は類似物であり、前記クエンチャーが、DABCYL、BHQ-1、BHQ-2、BHQ-3、又は類似物であることを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  30. 前記オリゴヌクレオチドプローブが配列番号96~配列番号109に属することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
  31. 前記ポータブルデバイス(1)の、前記1つ又は複数の分光光度センサ(7)の前記記録された信号の、モバイルアプリケーション(9)への送信が、Bluetooth及び/又はWi-Fiを介して実行されることを特徴とする、請求項14~請求項30に記載の方法。
  32. 前記ポータブルデバイス(1)の制御のための前記モバイルアプリケーション(9)は、Android若しくはiOS、又はモバイル端末(mobile device)の任意の他のオペレーティングシステムと互換性があることを特徴とする、請求項14~請求項31に記載の方法。
  33. 前記ポータブルデバイス(1)に記録された前記信号が、クラウド(10)内のリモートサーバーに保存され処理されることを特徴とする、請求項14~請求項32に記載の方法。
  34. 前記ポータブルデバイス(1)によって記録及び生成された前記信号が、前記モバイルアプリケーション(9)によって処理され、クラウド(10)内のリモートサーバーに送信されることを特徴とする、請求項14~請求項33に記載の方法。
  35. フルオロフォアの発光の波長における蛍光強度の変動が、最初の蛍光信号の10%より大きく、1600秒未満で生じる場合、前記最終結果が陽性であることを特徴とする、請求項14~請求項34に記載の方法。
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