JP2023523842A - 気象情報を向上させるための移動データの使用 - Google Patents

気象情報を向上させるための移動データの使用 Download PDF

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Abstract

気象情報を向上させるために移動データを使用するシステム(100)が提供される。システム(100)は、気象予測所(120)を含み、気象予測所(120)は、複数の入力気象モデル(115)からのデータとともに、複数の定置測候所(110)によって提供される定点観測データを受信し、定点観測データ、入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するように構成されており、システム(100)はさらに、プロセッサ(130)を含む。プロセッサ(130)は、複数の非定置センサ(140)によって提供される移動観測データを集約し、集約された移動観測データを使用して気象モデル推定値を調整するように構成されている。

Description

技術分野
以下に記載されている実施形態は、気象情報に関し、より特定的には、気象情報を向上させるための移動データの使用に関する。
背景
気象モデルによって生成される現状推定値および(将来)予測を向上させるために移動観測結果を使用することに対する関心が高まっている。移動観測結果は、携帯電話または車両によって提供される場合など、多くの場所で入手可能であるので、魅力的である。しかし、これらの観測結果は、定置センサ(たとえば、測候所)からの観測結果と比較して、いくつかの重大な不利点を有しており、それらを気象モデル情報を向上させるのに役立つようにするためには新規の方法が必要である。
たとえば、主に他の目的を意図した消費者品質デバイスまたはセンサから往々にして得られる個別の観測結果は、品質が低くなりがちである。実際、その品質は、気象モデル自体から得られる品質よりも大幅に悪いことが多い。そのため、個々の移動観測結果のみを使用して気象モデルを向上させることは難しい。また、定義によれば、移動観測結果は、定期的に変わる場所で作成される。これに対して、重要な気象モデル化プロセスは、統計的プロセスを可能にするためにある場所からのデータの時系列を必要とする。さらに、場合によっては、観測結果は、気象モデルに必要な情報、または気象モデルによって生成される情報に関連していると思われるが、完全に一致しない場合がある。たとえば、車両静止摩擦制御システムデータは、明らかに、氷などの状況が道路に存在するか否かには関連しておらず、低静止摩擦値は、氷に相当するかもしれないが、低静止摩擦の他の要因も反映している可能性がある。
この移動観測結果の必要性の関連具体例として、正確な道路に沿った気象関連情報を提供するなどのために交通関連部門内では移動観測結果の使用が特に関心を集めている。この使用は、温度および風などの大気気象状況も、道路表面温度および気象関連状況(たとえば、乾燥している、湿っている、濡れている、雪、氷であって、量を含む)などの「道路気象」も含む。
歴史的に、これらのパラメータの観測結果は、道路に沿って位置して一般に政府交通機関によって運営される道路気象情報システム(RWIS)箇所で作成されてきた。それらは取得および維持するのに費用がかかるので、既存のRWISの数は比較的少なく、それらは道路網をまばらにしかサンプリングしない。
したがって、気象情報を向上させるために移動データ、特に豊富かつ容易に利用できる移動型センサによって提供される移動データを使用する必要がある。また、気象情報を向上させるのに用いるために、移動型センサによって提供される移動データの品質および適性を向上させる必要がある。
概要
気象情報を向上させるために移動データを使用するシステムが提供される。一実施形態に従って、上記システムは、気象予測所を備え、上記気象予測所は、複数の入力気象モデルからのデータとともに、複数の定置測候所によって提供される定点観測データを受信し、上記定点観測データおよび上記入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するように構成されている。上記システムは、プロセッサも備え、上記プロセッサは、複数の非定置センサによって提供される移動観測データを集約し、上記集約された移動観測データを使用して上記統合気象モデル推定値を調整するように構成されている。
気象情報を向上させるために移動データを使用する方法が提供される。一実施形態に従って、上記方法は、複数の定置測候所によって提供される定点観測データを受信するステップと、複数の入力気象モデルからデータを受信するステップと、上記定点観測データおよび上記入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するステップと、複数の非定置センサによって提供される移動観測データを集約するステップと、上記集約された移動観測データを使用して上記統合気象モデル推定値を調整するステップとを備える。
局面
一局面に従って、気象情報を向上させるために移動データを使用するシステム(100)は、気象予測所(120)を備え、上記気象予測所(120)は、複数の定置測候所(110)によって提供される定点観測データを受信し、複数の入力気象モデル(115)からデータを受信し、上記定点観測データ、上記入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するように構成されており、上記システム(100)はさらに、プロセッサ(130)を備える。上記プロセッサ(130)は、複数の非定置センサ(140)によって提供される移動観測データを集約し、上記集約された移動観測データを使用して上記統合気象モデル推定値を調整するように構成されている。
好ましくは、上記プロセッサ(130)はさらに、上記統合気象モデル推定値の上記調整に基づいて仮想観測データを決定するように構成されており、上記仮想観測データは、複数の存在しない定置測候所によって提供されたであろう観測データの推定値である。
好ましくは、上記プロセッサ(130)が上記統合気象モデル推定値の上記調整に基づいて仮想観測データを決定するように構成されていることは、上記プロセッサ(130)が上記集約された移動観測データに基づいて気候値を求め、上記気候値を使用して上記仮想観測データを決定するように構成されていることを備える。
好ましくは、上記プロセッサ(130)はさらに、上記仮想観測データを使用して気象予測モデルに対して事後処理を実行するように構成されている。
好ましくは、上記プロセッサ(130)が上記集約された移動観測データを使用して上記統合気象モデル推定値を調整するように構成されていることは、上記プロセッサ(130)が上記移動観測データと仮想観測場所(230)とを空間的に相関させて、上記仮想観測場所(230)における上記気象モデル推定値を調整するように構成されていることを備える。
好ましくは、上記プロセッサ(130)が上記集約された移動観測データと仮想観測場所(130)とを空間的に相関させるように構成されていることは、上記プロセッサ(130)が空間相関距離(dbin CORR)を求めるように構成されていることを備え、上記空間相関距離(dbin CORR)は、上記気象モデル推定値を調整するために観測結果が有用に外挿され得る距離を定義する。
好ましくは、上記複数の非定置センサ(130)によって提供される上記移動観測データは、場所および時間パラメータによって定義された時空間ビン(210)によって整理される。
好ましくは、上記システム(100)は、複数の定置測候所(110)をさらに備え、上記複数の定置測候所(110)は、上記定置測候所(110)の上記場所における気象状況の上記定点観測データを提供するように構成されている。
一局面に従って、気象情報を向上させるために移動データを使用する方法は、複数の定置測候所によって提供される定点観測データを受信するステップと、複数の入力気象モデルからデータを受信するステップと、上記定点観測データおよび上記入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するステップと、複数の非定置センサによって提供される移動観測データを集約するステップと、上記集約された移動観測データを使用して上記統合気象モデル推定値を調整するステップとを備える。
好ましくは、上記方法は、上記統合気象モデル推定値の上記調整に基づいて仮想観測データを決定するステップをさらに備え、上記仮想観測データは、複数の存在しない定置測候所によって提供されたであろう観測データの推定値である。
好ましくは、上記統合気象モデル推定値の上記調整に基づいて仮想観測データを決定するステップは、上記集約された移動観測データに基づいて気候値を求め、上記気候値を使用して上記仮想観測データを決定するステップを備える。
好ましくは、上記方法は、上記仮想観測データを使用して気象予測モデルに対して事後処理を実行するステップをさらに備える。
好ましくは、上記集約された移動観測データを使用して上記統合気象モデル推定値を調整するステップは、上記移動観測データと仮想観測場所とを空間的に相関させて、上記仮想観測場所における上記統合気象モデル推定値を調整するステップを備える。
好ましくは、上記移動観測データと仮想観測場所とを空間的に相関させるステップは、空間相関距離を求めるステップを備え、上記空間相関距離は、上記統合気象モデル推定値を調整するために観測結果が有用に外挿され得る距離を定義する。
好ましくは、上記複数の非定置センサによって提供される上記移動観測データは、場所および時間パラメータによって定義された時空間ビンによって整理される。
全ての図において、同一の参照番号は同一の要素を表す。図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていないということが理解されるべきである。
気象情報を向上させるために移動データを使用するシステム100を示す図である。 図1に示されるシステム100の別の図である。 気象情報を向上させるために移動データを使用する方法300を示す図である。
詳細な説明
図1~図3および以下の説明は、気象情報を向上させるために移動データを使用する実施形態の最良の形態をどのように構成して使用するかを当業者に教示するための具体例を示している。発明の原理を教示する目的で、いくつかの従来の局面は簡略化または省略されている。当業者は、本説明の範囲内に含まれるこれらの例からの変形例を理解するであろう。当業者は、以下に記載されている特徴をさまざまな形で組み合わせて、気象情報を向上させるために移動データを使用することの複数の変形例を形成することができる、ということを理解するであろう。その結果、以下に記載されている実施形態は、以下に記載されている具体例に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびそれらの等価物によってのみ限定される。
図1は、気象情報を向上させるために移動データを使用するシステム100を示す図である。図1に示されるように、このシステムは、定置測候所110と、入力気象モデル115と、気象予測所120とを含む。図1に示されるように、定置測候所110および気象予測所120は、互いに通信可能に結合されている。気象予測所120は、定置測候所110によって提供される定点観測データを受信するように構成され得る。さらにまたは代替的に、気象予測所120は、1つまたは複数の他の定置測候所によって提供される定点観測データおよび1つまたは複数の他の入力気象モデルからのモデルデータを受信するように構成されていてもよい。
図1に示されるように、システム100は、気象予測所120に通信可能に結合されたプロセッサ130も含む。図1に示されるように、プロセッサ130は気象予測所120から分かれているが、プロセッサ130は気象予測所120の一部であってもよい。システム100は定置測候所110を含むように示されているが、システム100は気象予測所120およびプロセッサ130で構成されていてもよい。プロセッサ130は、気象予測モデルに対して事後処理を実行するように構成され得る。より具体的には、プロセッサ130は、定置測候所を持たない場所の仮想観測データを使用するように構成され得る。この仮想観測データは、存在しない定置測候所によって提供されたであろう観測データの推定値であり得る。以下でさらに詳細に説明するように、仮想観測データは、移動観測データに基づき得る。
システム100は、プロセッサ130に通信可能に結合された非定置センサ140も含み得る。図示されていないが、非定置センサ140は、代替的にまたはさらに、データを受信または送信するために気象予測所120に通信可能に結合されていてもよい。たとえば、プロセッサ130が気象予測所120の一部である場合、非定置センサ140は、気象予測所120に通信可能に結合され得る。非定置センサ140によって提供されるデータは、移動観測データであり得る。
定置測候所110は、定置測候所110における気象状況、または定置測候所110の近くの気象状況を判断するように構成され得る。したがって、定置測候所110は、定点観測データを提供するように構成され得る。この定点観測データは、気象予測所が使用できる複数の定点観測値を含み得る。
入力気象モデル115は、気象予測所120に通信可能に結合されるように示されている。入力気象モデル115は、システムの一部などの、システム100を含むエリアの気象モデルを含み得る。複数の入力気象モデル115が気象予測所120にデータを提供してもよい。
気象予測所120は、1つまたは複数の気象予測モデル方法を使用してデータを生成することによって、定点観測データを使用して統合気象モデル推定値を求め得る。すなわち、統合気象モデル推定値は、定点観測データに基づき得る。統合気象モデル推定値は、(たとえば、定置測候所以外の場所の)現状推定値および/または(将来)予測を含み得る。気象予測所120は、以下で説明するように、任意の好適な方法を使用して、1つまたは複数の気象予測モデルに基づいて統合気象モデル推定値を生成し得る。
気象予測所120は、定点観測データを数値気象予測(NWP)モデルに同化させ得る。このアプローチの特徴としては、NWPモデルは、一般に、観測結果が受信されると、予測が利用可能になる前に算出に1時間以上必要とするというものである。この「待ち時間」は、所望の情報が、現状推定値または近い将来の(最初の1時間ほどの)予測を向上させるために観測結果を使用することに関係する場合には、望ましくないであろう。とりわけ待ち時間を補償して精度を向上させるために、NWPモデルは、より現在に近い定点観測データを使用して、さらなる「事後処理」ステップを用いて調整され得る。プロセッサ130は、このような事後処理を実行し得る。各入力を向上させる形で組み合わせられた複数の入力モデルおよび観測データを含むこれらのステップの集積を「統合」気象モデルと称する。
たとえば、気象予測モデルによって求められる、1時間以上前の観測結果を使用して算出される気温のNWP推定値は、いくつかの理由のうちのいずれかの理由で、現在観測されている温度とは4℃だけ異なっている場合がある。プロセッサ130によって実行される事後処理は、数分かかる算出プロセスを使用して、このモデル推定値を観測値に一致するように調整することができる。さらに、定置測候所のその観測結果向上現状推定値(および、関連する近い将来の予測)は、観測場所を取り囲む領域内の場所における同様の推定値/予測を向上させるのに使用することができる。さらに、定置センサを持たない場所での観測結果の利用可能性は、気象モデル情報全体を向上させることができる。
プロセッサ130によって実行される事後処理への入力は、観測結果とともに、複数のNWPモデルで構成され得る。事後処理は、3つ以上のステップのうちのいずれかにおいて観測場所における入力NWPモデルの精度を向上させることができ、これらの3つ以上のステップは、a)バイアス調整による個々のNWPモデルの統計的補正、b)向上した推定値/予測を生成するためのそれらのモデルのコンセンサスの組み合わせへの指針、およびc)最終的な推定値/予測が観測場所における現在時刻の観測結果と一致することの保証を含むが、それらに限定されるものではない。事後処理を非観測場所に拡張するために追加される第4のステップは、定点観測場所による近傍の観測結果からの指針を使用してモデル情報を調整することを含む。定点観測データは、上記4つのステップの各々において使用され得る。
定点観測データは、単一の場所における観測結果時系列を生成する。したがって、この観測結果時系列は、当該場所での事後処理の一部として統計的に分析することができる。これに対して、個々の移動型センサ140の移動観測データは、固定された場所についてこのような時系列を生成せず、移動観測データに対するこのような統計的分析を含まない。移動観測データを使用した固定された場所での事後処理を可能にするために、プロセッサ130は、移動観測データを集約し得る。このような集約は、複数の移動型センサ140からの観測結果をグループ化することを含み得て、これらの観測結果は、限定的な空間距離および期間に関連付けられた時空間ビンに整理される。さらに、集約された移動観測データは、仮想観測データに内挿され得る。仮想観測データは、図2を参照して以下でさらに詳細に説明するように、移動観測データの場所または定置測候所以外の場所についてのものであり得る。仮想観測データは、全てのNWP生成および事後処理ステップへの入力として使用することができる。
図2は、図1に示されるシステム100の別の図である。図2に示されるように、システム100は、上記の定置測候所110および入力気象モデル115を複数含む。定置測候所110は小さな円として示されており、入力気象モデル115は小さな四角として示されている。システム100は、上記の気象予測所120およびプロセッサ130も含む。気象予測所120およびプロセッサ130は、互いに通信可能に結合されている。複数の定置測候所110のうちの2つだけおよび入力気象モデル115のうちの1つだけが気象予測所120に通信可能に結合されているように示されているが、全ての定置測候所110および入力気象モデル115が気象予測所120に通信可能に結合されていてもよい。複数の非定置センサ140も示されている。複数の非定置センサ140は、車両または車両の一部として示されているが、任意の好適な非定置センサが利用されてもよい。複数の非定置センサ140は、2車線道路上にあるように示されており、矢印は、非定置センサ140の移動方向を示している。
図2に示されるように、システム100は、時空間ビン210も含み、時空間ビン210は、図4に示される2車線道路の一部を含むように示されている。理解できるように、複数の非定置センサ140が所定の期間中に時空間ビン210のうちの1つを横断する場合、それらの非定置センサ140の各々によって提供される移動観測データは、同一の時空間ビン210内にあるため、所与の時空間ビン210の場所および時間における気象状況などの状況を表すことになる。異なる非定置センサ140からの空間的および時間的に一致する移動観測データが、対応する時空間ビン210に集約され得る。
時空間ビン210のうちの1つに対応する空間相関領域220も示されている。空間相関領域220は、所与の場所における気象予測モデルを調整するために、対応する時空間ビン210における集約された移動観測データの観測結果が有用に外挿され得るエリアである。このような外挿は、上記の仮想観測結果であり得て、「X」を有する四角形として示されている図2に示される対応する仮想観測場所230に位置し得る。空間相関領域220は、以下でさらに詳細に説明するように、対応する時空間ビン210についての空間相関距離dbin CORRによって定義される。
なお、連続変数および離散変数では、この方法の若干異なった派生物が必要になるであろう。連続変数は、値が連続的な範囲にわたって空間および時間の点で滑らかに変化する傾向がある変数である。例としては、温度、露点、風速、道路上の液体/凍結深さ、および同様の変数が挙げられる。離散変数は、離散レベルを有する。離散変数は、空間および/または時間の点で非連続的に変化する。例としては、道路状態(たとえば、乾燥している、湿っている、濡れている、雪、氷)、降水発生、降水種類、ワイパ状態、および同様の変数が挙げられる。
移動観測結果から仮想観測結果を生成するための手法は、4つのステップ、すなわち品質制御および集約と、気候学の算出と、空間相関の算出と、仮想観測結果の算出とを含み得る。品質制御および集約は、移動観測結果が一般に業界標準定点観測結果(空港における測候所からの観測結果など)よりも品質が低いので使用され得る。したがって、新たな品質制御プロセスを移動観測データに適用する必要があるだろう。個々のモバイルデバイスからの誤差を減らすための1つの手段は、複数の観測結果を時空間ビン210に集約するというものである。たとえば、1時間の間に1km道路区分内に位置する全ての車両を、1kmの空間サイズおよび1時間の時間サイズを有する時空間ビンに集約することができる。この「集約された観測結果」は、平均値および分散などの複数の統計的パラメータを含み得る。時空間ビン内のサンプルの数は、この集約された観測結果の精度に関係するため、より多くの移動観測結果を入手できる場所では品質が高くなるものと思われる。空間-時間の点で一致する場合など、センサ(すなわち、非定置センサ)を有するモバイルデバイスの相互比較のための技術も重要であろう。
気候学に関して、時空間ビンの「集約された観測結果」が経時的に格納されて蓄積される場合には、集約された観測結果の気候値を算出することが可能である。たとえば、1ヶ月間にわたる1時間ごとの変数の集約された観測結果を当該月にわたって平均して、おそらく時刻または他のパラメータとの関係で各ビン場所における当該月の変数の平均値を求めて、予想される気候変動を適切に反映することができる。気候学は、月1回などの静的な期間にわたって算出されてもよく、または直近30日などの動的な期間にわたって算出されてもよい。
空間相関の算出に関して、気候学の算出に使用されたデータから、ビン化された集約された観測結果を使用して、各変数および各時空間ビン210についての空間相関距離dbin CORRを算出することも可能である。上記のように、空間相関距離dbin CORRは、近傍の場所における予測モデルを調整するために観測結果が有用に外挿され得る距離を教えてくれる。場合によっては、雪が予測または観測された道路状況である場合の道路状況の相関距離など、これを条件付きベースで算出することが有用であろう。また、空間相関距離dbin CORRは、道路に沿った2つの進行方向の各々について異なる値など、空間方向との関係で算出することもできる。したがって、空間相関距離dbin CORRは、所与の時空間ビン210に対応する場所に由来するベクトルであると見なすことができる。したがって、空間相関領域220は円として示されているが、他の形状が利用されてもよい。気候学と同様に、空間相関は、月1回などの静的な期間にわたって算出されてもよく、または直近30日などの動的な期間にわたって算出されてもよく、時刻などのさまざまなパラメータの関数であってもよい。
仮想観測結果の算出に関して、空間相関距離dbin CORRは、場合によってはまばらであるリアルタイムの集約された移動観測結果から、「仮想観測結果」と呼ばれる観測結果等価物の一般的にはまばらでないセットを算出することを可能にする。次いで、仮想観測結果は、NWP生成、および、従来の事後処理の全段階(きめ細かなスケールのモデルバイアス調整、場所に特有のコンセンサスの組み合わせ、リアルタイム誤差補正、およびリアルタイムでの観測結果の外挿)に入力することができる。仮想観測結果を生成するためのプロセスを理解するために、所与の日/時間について、我々は場所Aにおける変数Yの集約された観測結果Y (AggObs)は持っているが、図2に示される仮想観測場所230などの場所Bにおける観測結果は持っていないとする。集約された観測結果Y (AggObs)は、場所Aにおける気象情報を向上させるのに使用することができるが、我々はそれを場所B(Bは、各々が有効な集約された観測結果を有する1つまたは複数の近傍の場所Aを有している場合もあれば、このような場所Aを有していない場合もある、ということが予想される)における気象情報を向上させるのにも使用したいと思う。解決策を考え出すために、統合モデル推定値(以下の説明を参照)はY (UniModel)およびY (UniModel)であり、箇所Aと箇所Bとの間の分離はdA,Bであり、場所Aにおける算出された空間相関距離はd CORRであるとする。
連続変数の場合、場所AおよびBにおける仮想観測結果Y(Virtual)は、以下の式を使用して、場所AおよびBの統合モデル推定値ならびに場所Aにおける集約された移動観測結果から算出することができる。
(Virtual)=Y (UniModel)-Y (ObsAdj)(n=A,B)
式中、Y (ObsAdj)は観測結果ベースの調整である。
観測結果ベースの調整Y (ObsAdj)は、たとえば以下のように定義することができる。
(ObsAdj)=QK・DA,B・(Y (UniModel)-Y (AggObs)
式中、Kは、移動観測結果調整プロセスに対するシステムの所望の全体感度を管理するために設定された、0から1までの間のローカルまたはグローバルなユーザ定義感度係数であり、
は、0から1までの間のユーザ定義の場所ベースの品質係数であり、
A,Bは、場所分離が大きくなるにつれて、適用される調整を小さくするための、相関距離に基づく係数である。
場所ベースの品質係数Qは、たとえば以下のように定義することができる。
=H・(s/s)(s>s
=H (s<=s
式中、nは、場所インデックス(たとえば、「A」または「B」)であり、
は、場所nにおける変数Yの観測結果/気候学における不確実性を反映する標準偏差であり、
は、仮想観測結果を算出するのに使用される、変数Yの観測結果および気候学における最大許容可能な未補正誤差を反映するユーザ定義の閾値不確実性であり、
は、多くの変数で名目上1に等しい観測結果曖昧さ係数である(本文献で後述する)。
補正係数DA,Bは、たとえば以下のように定義することができる。
A,B=1-(dA,B/(m・d CORR))(dA,B<=m・d CORR
=0 (dA,B>m・d CORR
式中、mは、どれぐらいの相関距離を調整すべきかを定義するユーザ設定の感度係数である。
相関係数DA,Bの重要なケースは3つある。第一に、場所Aでは、B=Aであるため、距離はdA,B->dA,A=0として算出され得るため、結果として得られる相関係数DA,B=1である。第二に、距離dA,Bがm・d CORRに等しいかまたはそれよりも小さい場合、相関係数DA,Bは0<DA,B<1になる。この場合、距離によって重み付けされたAの観測結果ベースの調整が場所Bでなされることになる。第三に、距離dA,Bがより大きい場合、空間相関係数DA,B=0になる。この場合、Aの観測結果ベースの調整が場所Bでなされない。言い換えれば、AおよびBにおける仮想観測結果は、予想通りである。
すなわち、移動観測結果の品質が十分に高い(すなわち、QおよびKが1に等しい)場合、場所Aにおける仮想観測結果Y (virtual)は、単純に、Aにおける集約された観測結果の値をとる。品質が下がるにつれて、場所Aにおける仮想観測結果Y (virtual)は、統合モデル値の方に向かっていく。同様に、場所Bにおける仮想観測結果Y (virtual)は、Aにおける集約された観測結果の一部によって調整された統合モデル値に等しく、当該部分は、Aにおける集約された観測結果の品質、および、算出された相関距離と比較したAからのBの距離によって決定される。調整がなされない場合、仮想観測結果は、Bにおける統合モデルの値をとる。
基礎をなす集約された観測結果値から導き出される各仮想観測結果について、標準偏差などの更新済み品質推定値を算出することができる。複数の観測結果によって影響を受ける場所では、各々が相関距離の倍数m未満だけBから隔てられているn個の隣接する観測場所Aからの観測結果調整Y (ObsAdj)値を蓄積して、距離重み付けなどによって正規化された態様で加算することができる。
離散値の場合、場所AおよびBにおける仮想観測結果Y(Virtual)は、以下の式を使用して、場所AおよびBの統合モデル推定値ならびに場所Aにおける集約された移動観測結果から算出することができる。
(Virtual)=Y (AggObs)(Q>=Qthresh
=Y (UniModel)(Q<Qthresh
(Virtual)=>Y (AggObs)(Q>=QthreshおよびdA,B<=QK(m・d CORR))
=>Y (UniModel)(Q<Qthresh),
(Q>=QthreshおよびdA,B>QK(m・d CORR))
式中、K,Qおよびmは、連続変数について上で定義した通りであり、
threshは、Yを修正するためのユーザ定義の品質閾値である。
言い換えれば、離散統合モデルY (UniModel)およびY (UniModel)値は、a)観測結果/気候学品質係数Qがユーザ定義の閾値Qthreshを超える場合、およびb)AとBとの間の距離dA,Bが、品質によって重み付けされた相関距離未満である場合に、離散的な集約された観測結果Y (AggObs)値と置換される。複数の観測結果によって影響を受ける場所では、離散統合モデル値Y (UniModel)をn個の適格な近傍の観測結果のうちのいずれかと置換するという決定は、n個の寄与の離散加重平均をとることによって行うことができる。修正後の不確実性推定値は、集約された観測結果Y (AggObs)の元の推定値、または、場所Bにおける仮想観測結果を得るためのさらなる処理を反映する修正版のいずれかである。
観測結果がモデル変数の代用となるが実質的に異なる特徴を有している場合には、さらなる検討が必要になるであろう。たとえば、車両静止摩擦システムは、静止摩擦または摩擦の観測結果であると考えることができるデータを提供するセンサを利用する。場合によっては、静止摩擦または摩擦と道路気象状況とを関連付けることが望ましい。たとえば、非常に低い静止摩擦値は、道路が凍結していることを推論するのに使用され得る。同様に、ワイパが「オン」状態であることは、たとえ「オン」状態が、降水が発生していない道路のはねかけまたは洗浄流体の状況中にワイパが使用されていることも意味し得るとしても、降水の代用となり得る。このような代用観測結果とモデル変数とを関連付けることには相当な曖昧さが存在するが、このプロセスを含めることが重要である。
これらの代用観測結果の事例は、記載されている手法を使用して容易に対応される。このような事例では、品質係数Qは、関連するモデル変数への観測結果の曖昧なマッピングによって生じるいかなるさらなる不確実性も反映するように調整可能である。たとえば、我々は、範囲0~1を有する静止摩擦測定値T(AggObs)が、T(AggObs)=0である場合には確率1を有する凍結した道路に対応し、T(AggObs)=0.3である場合には確率0を有する凍結した道路に対応すると相当に確信していると想像されたい。その場合、Qについての式中の係数Hは、たとえば以下によって示され得る。
=1-T (AggObs)/0.3(T (AggObs)<=0.3)
=0 (T (AggObs)>0.3)
センサの性質およびそのデータがどのように変換されてモデル等価物を決定するかに基づいて、Hについての特定の式は、経験的であって状況によるものであると考えられる。この例では、静止摩擦の実際の観測結果を使用して道路状況の仮想観測結果を生成する。同様に、ワイパモータ速度の実際の観測結果を使用して降水率の仮想観測結果を生成することができる。逆のプロセスを使用して、モデル変数と移動型センサによって測定されたそれらの等価物とを関連付けることができる。モデル変数と代用移動観測結果との任意の対で最もよく機能する特定の式、および当該式に含まれている任意のパラメータで最もよく機能する特定の式は、変数の予測値と観測結果とを統計的に比較する分析(リアルタイムおよびオフラインの両方)によって改良および改善されることができる。
仮想観測結果は、定点観測結果と同様の態様で、NWPモデルおよび事後処理への入力として使用することができる。たとえば、NWPモデルバイアス調整では、定点観測結果からのデータと同じように、(仮想観測結果が利用可能になると)仮想観測結果履歴がインクリメンタルにシステムに入力される。システムが各仮想観測結果に関連する不確実性の値に対応できる場合、当該情報が利用可能である。このステップは、従来から、モデル出力統計(MOS)または動的モデル出力統計(DMOS)プロセスを利用して、各構成要素NWPモデルをバイアス補正し得る。そうするために、モデル誤差(Y (OrigModel)-Y (virtual)として定義される)を反映する時系列(一般に、DMOSでは30~90日)が蓄積され、統計的に評価されて、モデル値と対応する観測結果とを関連付ける回帰適合を決定する。当該回帰適合を使用して、最も一般的には単純なバイアスであるが温度依存バイアスなどのより精巧なモデル補正であり得るモデル調整Y (ModelAdj)を決定する。標準的な手法に従うが、仮想観測結果に基づく回帰を使用して、各NWPモデルについて、以下のように表すことができる。
(UnbiasedModel)=Y (OrigModel)-Y (ModelAdj)
回帰適合の品質は、回帰データから決定することができ、定点観測結果と同様に品質制御を適用することができる。
コンセンサスのNWP組み合わせでは、定点観測結果からのデータと同じように、(仮想観測結果が利用可能になると)仮想観測結果履歴がインクリメンタルにシステムに入力される。次いで、この観測結果履歴を使用して、各場所についてモデル重みを算出する。システムが各々の集約されたまたは仮想の観測結果に関連する不確実性の値に対応できる場合、当該情報が利用可能である。
現状および近い将来の予測(一般に、最初の数時間)のための誤差補正は、定点観測結果と同様の態様で各仮想観測結果を使用して実行される。仮想観測結果生成のための外挿技術を使用して、現在の観測結果が無い場所で補正を行う。システムが各仮想観測結果に関連する不確実性の値に対応できる場合、当該情報が利用可能である。これは、仮想観測結果を使用して、予測の一部として算出された信頼度の推定値を修正し、仮想観測結果を使用して、「できそこないの」予測が仮想観測結果と実質的に異なっている「外れ値」事象にフラグを立てることを含む。
センサの無い場所への外挿では、移動観測結果の密度が十分であれば、上記の手法は、センサ観測結果をセンサの無い場所に外挿するための他の方法に取って代わる。
信頼できる仮想観測結果を生成して事後処理で使用できるようになる前に必要な気候学および時間履歴を蓄積するために「スピンアップ」期間が必要であることは明らかであるべきである。従来の事後処理での経験によれば、所望の忠実度に応じてこの期間は30~90日である。
仮想観測結果は観測結果の概念を一般化するので、この手法は定点観測結果でも移動観測結果でも機能する。たとえば、以前は、固定または定点観測結果(空港測候所またはRWISからのものなど)を、それ自体が観測結果を持たない周囲の場所に、任意のきめ細かなスケールの忠実度で効果的に外挿することは不可能であった。気象情報を向上させるために観測場所からどれぐらいの距離まで観測結果の知識を適用できるかを特定するために、定量的な指針は利用できなかった。たとえば、平坦な地形における空港での観測結果は、山間地における空港よりも大幅に大きな空港の周囲のエリア内の気象を反映するということが概念的に予想される。移動観測結果を使用して作成された、定点観測結果の周囲の地理的範囲と組み合わせられた気候学および関連する相関距離情報を使用して、定点観測結果の相関距離、すなわち道路に沿っているだけでなく任意の場所の範囲内の定点観測結果を正確に外挿することができる。
仮想観測結果は、観測データの欠如に対してロバストである。特定の場所において観測結果が欠如している場合、2つの状況が生じ得る。信頼できる気候学を算出したり相関距離を求めるのに利用できる移動(または、定点)観測結果が不十分である場所では、仮想観測結果は、相関距離の範囲内の観測結果によって調整された当該場所の当初の統合モデル値の形態を有するであろう。気候学期間全体にわたってまたはリアルタイムデータにおいて観測結果の相関長さの範囲内でないというさらなる特徴を有する場所では、仮想観測結果は、統合モデル値に等しいであろう。十分に密な移動観測結果源では、このような状況はまれであると予想される。
使用される外挿方法の性質によって、情報は、観測結果が豊富な場所および観測結果がまばらな場所の両方で一貫しているであろう。言い換えれば、観測結果を全く持たない場所に隣接する場所は、それら自体がわずかな調整を有するのみであり、空間連続性が保証される。
図3は、気象情報を向上させるために移動データを使用する方法300を示す図である。図3に示されるように、方法300は、ステップ310において、定置測候所によって提供される定点観測データを受信し、複数の入力気象モデルからデータを受信する(320)。ステップ330において、方法300は、定点観測データおよび入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成する。ステップ340において、方法300は、複数の非定置センサによって提供される移動観測データを集約する。ステップ350において、方法300は、集約された移動観測データを使用して統合気象モデル推定値を調整する。方法300は、上記のシステム100、特に気象予測所120および/またはプロセッサ130によって実行され得るが、任意の好適なシステムまたはシステムコンポーネントが利用されてもよい。
方法300はさらに、気象モデル推定値の調整に基づいて仮想観測データを決定し得て、仮想観測データは、存在しない定置測候所によって提供されたであろう観測データの推定値である。たとえば、仮想観測結果Y (Virtual)は、場所nにおける統合モデル推定値Y (UniModel)の観測結果調整Y (ObsAdj)を使用して計算され得る。
また、方法300は、集約された移動観測データに基づいて気候値を求め、この気候値を使用して仮想観測データを決定することによって、気象モデル推定値の調整に基づいて仮想観測データを決定し得る。たとえば、上記のように、1ヶ月間にわたる1時間ごとの集約された移動観測データにおける変数の集約された移動観測結果を当該月にわたって平均して、各場所における当該月の変数の平均値を求めることができる。
また、上記方法は、仮想観測結果をNWPモデルへの入力として使用して、気象予測モデルに対して事後処理を実行し得る。たとえば、上記のように、場所nにおける仮想観測結果Y (Virtual)は、場所nのNWPモデル推定値のために事後処理で使用され得る。1つの特定の例では、モデル誤差(Y (OrigModel)-Y (Virtual)として定義される)を反映する時系列を蓄積して、統計的に評価して、モデル値と対応する観測結果とを関連付ける回帰適合を決定し得る。当該回帰適合を使用して、バイアス補正に使用することができるモデル調整Y (ModelAdj)を決定する。
集約された移動観測データを使用して気象モデル推定値を調整するステップ350は、移動観測データと仮想観測場所とを空間的に相関させて、この仮想観測場所における気象モデル推定値を調整するステップを備え得る。たとえば、上記のように、集約された観測データを使用して、場所Aにおける移動観測データから場所nの観測結果調整Y (ObsAdj)を生成し得る。観測結果調整Y (ObsAdj)を使用して、場所nの統合モデル推定値Y (UniModel)を調整し得る。この調整は、場所nにおける仮想観測結果Y (Virtual)を決定し得る。
移動観測データと仮想観測場所とを空間的に相関させるステップは、図2を参照して上記した空間相関距離dbin CORRなどの空間相関距離を求めるステップを含み得て、この空間相関距離は、統合気象モデル推定値を調整するために観測結果が有用に外挿され得る距離を定義する。空間相関距離は、方向および大きさ成分を有し得る。したがって、複数の空間相関距離は、図2に示される空間相関領域220などの、さまざまな形状およびサイズの空間相関領域を定義することができる。
複数の非定置センサによって提供される移動観測データは、複数の非定置センサによって占められる、場所および時間パラメータによって以前に定義された時空間ビンのデータであり得る。たとえば、図2を参照して、複数の非定置センサ140によって提供される移動観測データは、時空間ビン210の時間パラメータ(たとえば、1時間)の間に各非定置センサ140が通過する時空間ビン210のデータであり得る。
方法300は、NWPモデル化および標準的な事後処理で使用されるものと同様のソフトウェアによって実行され得る。したがって、気象予測所120および/またはプロセッサ130などのシステム100は、方法300または同様の方法のステップを実行するように構成され得る。その結果、システム100および方法300は、未知の空間的および時間的密度を有するさまざまな品質の観測結果に対応するように設計される。したがって、システム100および方法300は、幅広い移動観測シナリオに適用可能であり、利用可能な観測結果の特徴に応じて任意の空間-時間分解能で実現可能である。
システム100および方法300は、移動観測結果にアクセスしないモデルデータの使用に対して少なくとも3つの改良点を提供する。第一に、移動観測気候学によって全ての場所で可能になるモデルバイアス調整は、モデル条件/予測に対するきめ細かな空間スケールの改良を可能にする。第二に、コンセンサスの組み合わせのためのモデル重みは、広大な領域にわたって一定であると想定されるのではなく、場所ごとに算出可能である。第三に、観測結果がリアルタイムで入手可能である場合には、これらの観測結果を使用して現状および近い将来の予測についてのモデル誤差をリアルタイムで減少させることができる。システム100および方法300は、相関距離を使用することによって、それらの改良点を、観測結果を入手できない場所に拡張することを可能にする。
上記の実施形態の詳細な説明は、本説明の範囲内であると発明者が考える全ての実施形態の網羅的な説明ではない。実際、上記の実施形態の特定の要素をさまざまに組み合わせたり除去したりしてさらなる実施形態を作成してもよく、このようなさらなる実施形態は本説明の範囲および教示の範囲内に含まれる、ということを当業者は認識するであろう。また、上記の実施形態の全部または一部を組み合わせて、本説明の範囲および教示の範囲内でさらなる実施形態を作成してもよい、ということは当業者に明らかであろう。
したがって、具体的な実施形態が例示の目的で本明細書に記載されているが、当業者が認識するように、本説明の範囲内でさまざまな等価の変形例が可能である。本明細書において提供される教示は、上で説明し、添付の図面に示されている実施形態だけでなく、気象情報を向上させるために気象データを使用する他のシステムおよび方法にも適用することができる。したがって、上記の実施形態の範囲は、以下の特許請求の範囲から決定されるべきである。

Claims (15)

  1. 気象情報を向上させるために移動データを使用するシステム(100)であって、
    気象予測所(120)を備え、前記気象予測所(120)は、
    複数の定置測候所(110)によって提供される定点観測データを受信し、
    複数の入力気象モデル(115)からデータを受信し、
    前記定点観測データおよび前記入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するように構成されており、前記システム(100)はさらに、
    プロセッサ(130)を備え、前記プロセッサ(130)は、
    複数の非定置センサ(140)によって提供される移動観測データを集約し、
    前記集約された移動観測データを使用して前記統合気象モデル推定値を調整するように構成されている、システム(100)。
  2. 前記プロセッサ(130)はさらに、前記統合気象モデル推定値の前記調整に基づいて仮想観測データを決定するように構成されており、前記仮想観測データは、複数の存在しない定置測候所によって提供されたであろう観測データの推定値である、請求項1に記載のシステム(100)。
  3. 前記プロセッサ(130)が前記統合気象モデル推定値の前記調整に基づいて仮想観測データを決定するように構成されていることは、前記プロセッサ(130)が前記集約された移動観測データに基づいて気候値を求め、前記気候値を使用して前記仮想観測データを決定するように構成されていることを備える、請求項2に記載のシステム(100)。
  4. 前記プロセッサ(130)はさらに、前記仮想観測データを使用して気象予測モデルに対して事後処理を実行するように構成されている、請求項2に記載のシステム(100)。
  5. 前記プロセッサ(130)が前記集約された移動観測データを使用して前記統合気象モデル推定値を調整するように構成されていることは、前記プロセッサ(130)が前記移動観測データと仮想観測場所(230)とを空間的に相関させて、前記仮想観測場所(230)における前記統合気象モデル推定値を調整するように構成されていることを備える、請求項1に記載のシステム(100)。
  6. 前記プロセッサ(130)が前記集約された移動観測データと仮想観測場所(130)とを空間的に相関させるように構成されていることは、前記プロセッサ(130)が空間相関距離(dbin CORR)を求めるように構成されていることを備え、前記空間相関距離(dbin CORR)は、前記統合気象モデル推定値を調整するために観測結果が有用に外挿され得る距離を定義する、請求項5に記載のシステム(100)。
  7. 前記複数の非定置センサ(130)によって提供される前記移動観測データは、場所および時間パラメータによって以前に定義された時空間ビン(210)によって整理される、請求項1に記載のシステム(100)。
  8. 複数の定置測候所(110)をさらに備え、前記複数の定置測候所(110)は、前記定置測候所(110)の前記場所における気象状況の前記定点観測データを提供するように構成されている、請求項1に記載のシステム(100)。
  9. 気象情報を向上させるために移動データを使用する方法であって、
    複数の定置測候所によって提供される定点観測データを受信するステップと、
    複数の入力気象モデルからデータを受信するステップと、
    前記定点観測データおよび前記入力気象モデルデータに基づいて統合気象モデル推定値を生成するステップと、
    複数の非定置センサによって提供される移動観測データを集約するステップと、
    前記集約された移動観測データを使用して前記統合気象モデル推定値を調整するステップとを備える、方法。
  10. 前記統合気象モデル推定値の前記調整に基づいて仮想観測データを決定するステップをさらに備え、前記仮想観測データは、複数の存在しない定置測候所によって提供されたであろう観測データの推定値である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記統合気象モデル推定値の前記調整に基づいて仮想観測データを決定するステップは、前記集約された移動観測データに基づいて気候値を求め、前記気候値を使用して前記仮想観測データを決定するステップを備える、請求項10に記載の方法。
  12. 前記仮想観測データを使用して気象予測モデルに対して事後処理を実行するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
  13. 前記集約された移動観測データを使用して前記統合気象モデル推定値を調整するステップは、前記移動観測データと仮想観測場所とを空間的に相関させて、前記仮想観測場所における前記統合気象モデル推定値を調整するステップを備える、請求項9に記載の方法。
  14. 前記移動観測データと仮想観測場所とを空間的に相関させるステップは、空間相関距離を求めるステップを備え、前記空間相関距離は、前記統合気象モデル推定値を調整するために観測結果が有用に外挿され得る距離を定義する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記複数の非定置センサによって提供される前記移動観測データは、場所および時間パラメータによって定義された時空間ビンによって整理される、請求項9に記載の方法。
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