JP2023523373A - アルツハイマー病に関連する激越を治療する方法 - Google Patents

アルツハイマー病に関連する激越を治療する方法 Download PDF

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Abstract

いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用する方法が提供され、該対象がアルツハイマー病を有すると診断された患者であり、該方法が該投与前の該患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアを決定することを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、アルツハイマー病に関連する激越の治療に関する。いくつかの実施形態では、本開示は、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩及びキニジンまたはその塩を使用して、アルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及びキニジンを使用して、アルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
認知症の最も一般的な形態であるアルツハイマー病は、最終的に死に至る進行性の神経変性疾患である。米国には推定580万人がアルツハイマー型認知症を患っており、この数は2050年までに1,400万人に達すると予想されている。全国的に高齢者を代表するサンプルであるAging,Demographics,and Memory Study(ADAMS)を含む人口ベースの研究からのすべての認知症の有病率の全国的な推定値は、米国の71歳以上の人々の14%が認知症であることを示している。
激越は、臨床医によって、アルツハイマー病及び他の形態の認知症の一般的かつ重要な臨床的特徴として広く認識されている。アルツハイマー病患者の約90%が激越、攻撃性、抑うつ、幻覚、及び妄想に影響されていると推定されており、病気が進行するにつれて有病率が増加する。55件の研究からのデータのメタ分析では、激越の全体的な有病率は、すべての研究で5%から88%の範囲であり、23件の研究で、40%から100%の範囲で少なくとも1つの精神神経症候群の有病率が報告されている。認知症患者の激越は、機能障害の増加、生活の質の低下、早期の施設入所、介護者の負担の増加、医療費の増加、重度の認知症になるまでの時間の短縮、及び死亡率の加速と関連している。現在、米国では、アルツハイマー病患者の激越を管理するための承認された治療法はない。アルツハイマー病の激越患者に対する薬理学的治療は、非定型抗精神病薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、ベンゾジアゼピン、及び抗けいれん薬の適応外使用を含む。アルツハイマー病の激越患者に対する安全で効果的な治療法が、満たされていない重要なニーズを示していることは広く認識されている。このような治療法は、患者のケアに大きな影響を与え、介護者の負担を軽減し、全体的な疾患の予後を改善する可能性がある。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与する、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物が提供され、ここで、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物が提供され、ここで、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。さらに、本開示はまた、医薬品の製造における、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物の使用を提供し、ここで、前記組成物は、対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療において投与されるべきであり、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが32以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAIの身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与する、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物が提供され、ここで、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物が提供され、ここで、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。さらに、本開示はまた、医薬品の製造における、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物の使用を提供し、ここで、前記組成物は、対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療において投与されるべきであり、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが32以上、例えば33~150、例えば45~120、例えば55~90であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAIの身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが16以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが17以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが18以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが19以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが20以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが21以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが22以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが23以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが24以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが25以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが26以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが27以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが28以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが29以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが30以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが31以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが32以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが33以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが34以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが35以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが36以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが37以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが38以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが39以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが40以上であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に前記患者が
a. 週に少なくとも3回発生する少なくとも1つの攻撃的な行動;
b. 週に少なくとも1回発生する少なくとも2つの攻撃的な行動;
c. 週に1回未満の割合で発生する少なくとも3回の攻撃的な行動;及び/または
d. 週に1回未満発生する少なくとも2つの攻撃的な行動と、週に少なくとも1回発生する少なくとも1つの攻撃的な行動とを有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;ならびに
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも1つの攻撃的な行動を週に少なくとも3回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも2つの攻撃的な行動を週に少なくとも1回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が週に1回未満の割合で少なくとも3つの攻撃的な行動を有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;
及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が週に1回未満発生する少なくとも2つの攻撃的行動と、週に少なくとも1回発生する少なくとも1つの攻撃的行動とを有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;
及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAIの身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAIの身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが11以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが12以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが13以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが14以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが15以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが16以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが17以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが18以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが19以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが20以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが21以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが22以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが23以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが24以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが25以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが26以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが27以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが28以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが29以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが30以上であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に前記患者が
a. 1日に1回または2回発生する少なくとも1つの身体的に非攻撃的な行動;
b. 週に少なくとも3回発生する少なくとも2つの身体的に非攻撃的な行動;
c. 週に少なくとも1回発生する少なくとも3つの身体的に非攻撃的な行動;及び/または
d. 週に1回未満発生する少なくとも4つの身体的に非攻撃的な行動を有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;ならびに
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも1つの身体的に非攻撃的な行動を1日に1回または2回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも2つの身体的に非攻撃的な行動を週に少なくとも3回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも3つの身体的に非攻撃的な行動を週に少なくとも1回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも4つの身体的に非攻撃的な行動を週に1回未満有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが9以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが10以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが11以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが12以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが13以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが14以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが15以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが16以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが17以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが18以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが19以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが20以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが21以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが22以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが23以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが24以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが25以上であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に前記患者が
a. 1日に1回または2回発生する少なくとも1つの言語的激越行動;
b. 週に少なくとも3回発生する少なくとも2つの言語的激越行動;
c. 週に少なくとも1回発生する少なくとも3つの言語的激越行動;
及び/または、
d. 週に1回未満発生する少なくとも4つの言語的激越行動を有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;
ならびに
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも1つの言語的激越行動を1日に1回または2回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも2つの言語的激越行動を週に少なくとも3回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも3つの言語的激越行動を週に少なくとも1回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも4つの言語的激越行動を週に1回未満有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが3以上、例えば、3~12、例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI-AAスコアは4以上である。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI異常運動行動スコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI異常運動行動スコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI異常運動行動ドメインスコアが2以上、例えば、2~12、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI異常運動行動ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI異常運動行動ドメインスコアは、2以上、例えば2~12、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI過敏性/不安定性ドメインスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI過敏性/不安定性ドメインスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI過敏性/不安定性ドメインスコアが2以上、例えば、2~12、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアは、2以上、例えば2~12、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI合計スコアは1以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI-AAスコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI-AAスコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のNPI異常運動行動ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI異常運動行動ドメインスコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI異常運動行動ドメインスコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のNPI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI合計スコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば、1~25、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のMMSEスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは4~30である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは8~24である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは6~26である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは17以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のCGIS-激越スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは2以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは3以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは4以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のmADCS-CGIC-激越スコアを決定することを含む。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは2以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは3以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは4以下である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のPGICスコアを決定することを含む。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは2以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは3以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは4以下である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCGIC-激越スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ後の患者におけるCGIS-激越スコアは、投与ステップ前の患者におけるCGIS-激越スコアよりも少なくとも15%低い、例えば少なくとも30%低い。
本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、14.4mg~22.5mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは3.9mg~6.1mgの用量で1日2回投与される。本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、34.4mg~53.8mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは3.9mg~6.1mgの用量で1日2回投与される。
本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、14.4mg~22.5mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、34.4mg~53.8mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、d6-DMは18mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。いくつかの実施形態では、d6-DMは42.63mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、1つの成分(例えば、d6-DM)の投与は、他の成分(例えば、硫酸キニジン)の投与と同時に行われる。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にメマンチンで治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にクロザピン以外の非定型抗精神病薬で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はメマンチンで治療されたか、または治療されており、抗精神病薬で治療されたことなく、かつ抗精神病薬で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されており、抗精神病薬で治療されたことなく、かつ抗精神病薬で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はメマンチンで治療されたか、または治療されており、ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたことなく、かつドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されており、メマンチンで治療されたことなく、かつメマンチンで治療されていない。
いくつかの実施形態において、d6-DMは、14.4mg、18mg、または22.5mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、14.4mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、18mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、22.5mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。
いくつかの実施形態において、d6-DMは、34.4mg、42.63mg、または53.8mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、34.4mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、42.63mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、53.8mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。
いくつかの実施形態において、硫酸キニジンは、4.9mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。
重水素化[d6]-デキストロメトルファンの化学構造は以下のとおりであり、
Figure 2023523373000002
式中、
R1はCD3であり、及び
R2はCD3である。
実施例3の順次並列比較設計概略図である。 実施例4の研究の研究概略図である。
以下の詳細な説明及び実施例は、本開示の特定の実施形態を例証するものである。当業者は、本開示の範囲に含まれる本開示の多数の変形及び修正があることを認識するであろう。したがって、特定の実施形態の説明は、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではない。
本開示をより容易に理解できるようにするために、特定の用語が詳細な説明全体にわたって定義されている。本明細書において別に定義されない限り、本開示と関連して使用されるすべての科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
公開及び未公開の出願、特許、ならびに参考文献を含むがこれらに限定されない、本明細書で引用されるすべての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本明細書の一部となる。引用文献が本明細書の開示と矛盾する場合は、明細書が優先するものとする。
本明細書で使用されるように、単語の単数形はまた、文脈が明確に指示しない限り、複数形を含む。例として、用語「a」、「an」、及び「the」は、単数または複数であると理解される。例として、「要素(単数形)」は、1つまたは複数の要素を意味する。「または」という用語は、特定の文脈で別段の指示がない限り、「及び/または」を意味する。
本明細書で使用する「治療する」という用語は、アルツハイマー病に関連する激越に関連する1つまたは複数の行動の発症、進行、重症度、または頻度を改善、寛解、または遅らせることを意味する。
「治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン「(d6-DM)臭化水素酸塩及び硫酸キニジン」という用語は、併用投与した場合にアルツハイマー病に関連する激越を治療するのに十分なd6-DMの量及び硫酸キニジンの量を指す。一例として、d6-DMの量及び硫酸キニジンの量は、患者のCMAI攻撃的行動スコアを低下させるのに十分であり得る。一例として、d6-DMの量及び硫酸キニジンの量は、患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを低下させるのに十分であり得る。一例として、d6-DMの量及び硫酸キニジンの量は、患者のCMAI言語的行動スコアを低下させるのに十分であり得る。本明細書で使用される場合、d6-DM及び硫酸キニジンに適用される「組み合わせ」という用語は、d6-DM及び硫酸キニジンの両方を含む単一の医薬組成物(製剤)、またはそれぞれがd6-DMまたは硫酸キニジンを含む、組み合わせて投与される2つの別個の医薬組成物(製剤)を意味する。
本明細書で使用される場合、「組み合わせて」投与または「共投与」とは、d6-DM及び硫酸キニジンを、1つの組成物で同時に、または異なる組成物で同時に、またはいずれかの順序で連続して投与することを指す。逐次投与が「組み合わせて」投与または「共投与」とみなされる場合、d6-DM及び硫酸キニジンは、患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療するための結果として得られる有益な効果を可能にする時間間隔を空けて投与される。
「患者」または「対象」という用語は、ヒトを意味する。いくつかの実施形態において、患者は、アルツハイマー病を有すると診断されたヒトである。
別段の指定がない限り、本明細書に記載の用量は、それぞれ、重水素化[d6]-デキストロメトルファン及びキニジンの臭化水素酸塩及び硫酸塩の形態を指す。このような情報に基づいて、当業者は、各活性成分の遊離塩基形態について対応する投与量を計算することができる。当業者は、重水素化[d6]-デキストロメトルファンの塩の分子量及び[d6]-デキストロメトルファンの遊離塩基の分子量を計算することができ、また、それらの比率を使用して、遊離塩基及び塩の適切な投与量を計算することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与する、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物が提供され、ここで、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、前記投与前の患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。さらに、本開示はまた、医薬品の製造における、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物の使用を提供し、ここで、前記組成物は、対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療において投与されるべきであり、前記対象は、アルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法は、前記投与前の患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが32以上、例えば33~150、例えば45~120、例えば55~90であると評価されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法が提供される。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法が提供される。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが16以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが17以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが18以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが19以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが20以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが21以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが22以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが23以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが24以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが25以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが26以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが27以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが28以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが29以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが30以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが31以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが32以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが33以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが34以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが35以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが36以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが37以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが38以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが39以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが40以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、以下のCMAI攻撃的行動項目(すなわち、「攻撃的行動」)のうちの少なくとも1つについて、投与ステップの前に患者のスコアを決定するステップを含む(CMAIマニュアルに従ってCMAI合計スコアを評価するために、本明細書の他の場所で説明されている方法に従って評価する。ただし、発生頻度に基づくスコアは、これらの実施形態の方法に従って、CMAI攻撃的行動項目の少なくとも1つについて決定される必要があるだけである):
1)打つこと(自分を含む);
2)蹴ること;
3)人をつかむこと;
4)押すこと;
5)物を投げること;
6)噛むこと;
7)スクラッチ;
8)唾を吐くこと;
9)自己または他者を傷つけること;
10)物を引き裂いたり、財産を破壊したりすること;
11)叫ぶこと;または
12)ののしりや言葉による攻撃。
次の攻撃的な行動項目:
1)打つこと(自分を含む);
2)蹴ること;
3)人をつかむこと;
4)押すこと;
5)物を投げること;
6)噛むこと;
7)スクラッチ;
8)唾を吐くこと;
9)自己または他者を傷つけること;
10)物を引き裂いたり、財産を破壊したりすること;
11)叫ぶこと;及び
12)ののしりや言葉による攻撃
は「F1」行動とも呼ばれる。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアが2~7、例えば、2~5であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、1~150、例えば2~130、3~110、4~100、5~90、6~80、7~70、8~60、9~50、10~40である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にCMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドaagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にCMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI攻撃的スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAIの身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAIの身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが11以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが12以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが13以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが14以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが15以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが16以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが17以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが18以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが19以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが20以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが21以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが22以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが23以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが24以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが25以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが26以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが27以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが28以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが29以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが30以上であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に前記患者が
a. 1日に1回または2回発生する少なくとも1つの身体的に非攻撃的な行動;
b. 週に少なくとも3回発生する少なくとも2つの身体的に非攻撃的な行動;
c. 週に少なくとも1回発生する少なくとも3つの身体的に非攻撃的な行動;及び/または
d. 週に1回未満発生する少なくとも4つの身体的に非攻撃的な行動を有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;ならびに
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定すること;
2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
3)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定すること;
2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
3)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に前記患者が
a. 1日に1回または2回発生する少なくとも1つの身体的に非攻撃的な行動;
b. 週に少なくとも3回発生する少なくとも2つの身体的に非攻撃的な行動;
c. 週に少なくとも1回発生する少なくとも3つの身体的に非攻撃的な行動;及び/または
d. 週に1回未満発生する少なくとも4つの身体的に非攻撃的な行動を有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;ならびに
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも1つの身体的に非攻撃的な行動を1日に1回または2回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも2つの身体的に非攻撃的な行動を週に少なくとも3回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも3つの身体的に非攻撃的な行動を週に少なくとも1回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも4つの身体的に非攻撃的な行動を週に1回未満有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAIの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが9以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが10以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが11以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが12以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが13以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが14以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが15以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが16以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが17以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが18以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが19以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが20以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが21以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが22以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが23以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが24以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが25以上であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に前記患者が
a. 1日に1回または2回発生する少なくとも1つの言語的激越行動;
b. 週に少なくとも3回発生する少なくとも2つの言語的激越行動;
c. 週に少なくとも1回発生する少なくとも3つの言語的激越行動;
及び/または、
d. 週に1回未満発生する少なくとも4つの言語的激越行動を有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;ならびに
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも1つの言語的激越行動を1日に1回または2回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも2つの言語的激越行動を週に少なくとも3回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも3つの言語的激越行動を週に少なくとも1回有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、前記方法は、
1)投与ステップの前に、前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
2)前記投与ステップの前に、前記患者が、少なくとも4つの言語的激越行動を週に1回未満有することを決定すること;
3)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
4)前記投与ステップ後、前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与ステップの前に前記患者におけるCMAI合計スコア及び下記のCMAI攻撃的行動の少なくとも1つについてのスコアを決定することを含み、
1)打つこと(自分を含む);
2)蹴ること;
3)人をつかむこと;
4)押すこと;
5)物を投げること;
6)噛むこと;
7)スクラッチ;
8)唾を吐くこと;
9)自己または他者を傷つけること;
10)物を引き裂いたり、財産を破壊したりすること;
11)叫ぶこと;または
12)ののしりや言葉による攻撃
ここで、前記方法は、前記投与ステップ後、前記患者におけるCMAI攻撃的行動項目1)から12)のうちの少なくとも1つについてのスコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、投与ステップの前にCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアとの差は、少なくとも1である。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者における上記のCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアとの差は、少なくとも1、例えば、1~6、例えば、1、2、3、4、5、または6である。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、以下のCMAI身体的に非攻撃的行動項目(「身体的に非攻撃的行動」)のうちの少なくとも1つについて、投与ステップの前に患者のスコアを決定するステップを含む(CMAIマニュアルに従ってCMAI合計スコアを評価するために、本明細書の他の場所で説明されている方法に従って評価する。ただし、発生頻度に基づくスコアは、これらの実施形態の方法に従って、CMAI身体的に非攻撃的行動項目の少なくとも1つについて決定される必要があるだけである):
1)ペーシング及び/または目的のない徘徊
2)別の場所に行こうとすること;
3)一般的な落ち着きのなさ;
4)不適切な着装または脱衣;
5)物事を不適切に扱うこと;または
6)繰り返しマンネリズムを実行すること。
上記の身体的に非攻撃的な行動項目は、「F2」行動とも呼ばれる。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアが2~7、例えば、2~5であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~150、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与ステップの前に前記患者におけるCMAI合計スコア及び下記のCMAI身体的に非攻撃的行動の少なくとも1つについてのスコアを決定することを含み、
1)ペーシング及び/または目的のない徘徊
2)別の場所に行こうとすること;
3)一般的な落ち着きのなさ;
4)不適切な着装または脱衣;
5)物事を不適切に扱うこと;
または
6)繰り返しマンネリズムを実行すること
ここで、前記方法は、前記投与ステップ後、前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)のうちの少なくとも1つについてのスコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、投与ステップの前にCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアとの差は、少なくとも1である。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、前記投与ステップ後、前記患者における以下のCMAI身体的に非攻撃的行動項目のうちの少なくとも1つについてのスコアを決定することを含む:
1)ペーシング及び/または目的のない徘徊
2)別の場所に行こうとすること;
3)一般的な落ち着きのなさ;
4)不適切な着装または脱衣;
5)物事を不適切に扱うこと;
または
6)繰り返しマンネリズムを実行すること。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者における上記のCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアとの差は、少なくとも1、例えば、1~6、例えば、1、2、3、4、5、または6ある。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、以下のCMAI言語的激越行動項目(「言語的激越行動」)のうちの少なくとも1つについて、投与ステップの前に患者のスコアを決定するステップを含む(CMAIマニュアルに従ってCMAI合計スコアを評価するために、本明細書の他の場所で説明されている方法に従って評価する。ただし、発生頻度に基づくスコアは、これらの実施形態の方法に従って、CMAI言語的激越行動項目の少なくとも1つについて決定される必要があるだけである):
1)文句を言うこと;
2)注意及び/または助けを絶え間なく不当に要求;
3)繰り返しの文または質問;あるいは
4)否定主義。
上記の言語的な激越行動項目は、「F3」行動とも呼ばれる。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI言語的激越行動項目1)から4)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI言語的激越行動項目1)から4)の少なくとも1つについてのスコアが2~7、例えば2~5であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にCMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にCMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む。いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与ステップの前に前記患者におけるCMAI合計スコア及び下記のCMAI言語的激越行動の少なくとも1つについてのスコアを決定することを含み、
1)文句を言うこと;
2)注意及び/または助けを絶え間なく不当に要求;
3)繰り返しの文または質問;
あるいは、
4)否定主義
ここで、前記方法は、前記投与ステップ後、前記患者におけるCMAI言語的激越行動項目1)から4)のうちの少なくとも1つについてのスコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、投与ステップの前にCMAI言語的激越行動項目1)から4)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動項目1)から4)の少なくとも1つについてのスコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動項目1)から4)の少なくとも1つについてのスコアとの差は、少なくとも1である。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、前記投与ステップ後、前記患者における以下のCMAI言語的激越行動項目のうちの少なくとも1つについてのスコアを決定することを含む:
1)文句を言うこと;
2)注意及び/または助けを絶え間なく不当に要求;
3)繰り返しの文または質問;あるいは
4)否定主義。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の前記患者における上記のCMAI言語的激越行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアと投与ステップ後の前記患者におけるCMAI言語的激越行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアとの差は、少なくとも1、例えば、1~6、例えば、1、2、3、4、5、または6である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI-AAスコアは4以上である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI-AAスコアは3であり、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI異常運動行動ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI異常運動行動ドメインスコアは、2以上、例えば2~12、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアは、2以上、例えば2~12、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAの合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが3以上、例えば、3~12、例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されている。いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI異常運動行動スコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI異常運動行動スコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI異常運動行動ドメインスコアが2以上、例えば、2~12、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI過敏性/不安定性ドメインスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI過敏性/不安定性ドメインスコアが4以上であると評価されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI過敏性/不安定性ドメインスコアが2以上、例えば、2~12、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のNPI-AAスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI-AAスコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI-AAスコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のNPI異常運動行動ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI異常運動行動ドメインスコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI異常運動行動ドメインスコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI過敏性/不安定性ドメインスコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のNPI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の前記患者におけるNPI合計スコアと投与ステップ後の前記患者におけるNPI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~9、例えば1、2、3、4、5、6、または7である。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差が約11から約16であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者におけるCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前の前記患者におけるCMAI合計スコアよりも、約12から約15低い、例えば、約13から約15低い、例えば、14.3低い。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;
または
iv)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
または
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
または
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
または
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;または
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
または
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;
または
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約49から約96、例えば約72であることを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの1週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの2週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約5から約8小さい、例えば約6から約7小さい、例えば6.5小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約7から約11小さい、例えば約8から約10小さい、例えば約9小さい、例えば9.1小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約10から約14小さい、例えば約11から約13小さい、例えば約12小さい、例えば11.9小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約11から約15小さい、例えば約13から約15小さい、例えば約14小さい、例えば14.3小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約12から約16小さい、例えば約13から約16小さい、例えば約14から約15小さい、例えば14.8小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約13から約17小さい、例えば約14から約17小さい、例えば約15から約16小さい、例えば15.6小さい。
アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法であって、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差が約13から約20であることを決定することを含む、前記方法。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者におけるCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前の前記患者におけるCMAI合計スコアよりも、約14から約20低い、例えば、約16から約20低い、例えば、18.9低い。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;
または
iv)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;または
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;または
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;または
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;
または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;または
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;または
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;または
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、投与ステップ前の対象はまた、
i)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI合計スコア;
ii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいNPI-激越/攻撃ドメインスコア;または
iii)表64に示されているAVP786-42.63の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCGIS-激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約50から約92、例えば約71であることを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの1週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの2週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約7から約9小さい、例えば約8小さい、例えば8.1小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約9から約13小さい、例えば約10から約12小さい、例えば約11小さい、例えば11.0小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約10から約15小さい、例えば約11から約14小さい、例えば約12から約13小さい、例えば12.6小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約12から約16小さい、例えば約13から約15小さい、例えば約14小さい、例えば14.1小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約12から約20小さい、例えば約14から約19小さい、例えば約15から約18小さい、例えば約17小さい、例えば17.3小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI合計スコアは、投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも約13から約22小さい、例えば約15から約21小さい、例えば約16から約20小さい、例えば約17から約19小さい、例えば18.9小さい。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に、前記患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアとの差が約3から約6、例えば約4から約5であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも、約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば4.4から4.8小さい。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;または
iv)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI攻撃的行動スコアが約12から約31、例えば少なくとも15であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約49から約96、例えば約72であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI攻撃的行動スコアが約12から約31、例えば少なくとも15であり、投与ステップの後に、患者のCMAI合計スコアが約11から約16低下していることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアと約3から約6異なり、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下異なることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さく、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも少なくとも約1小さく、約2小さく、約3小さく、約4小さく、約5小さく、約6小さく、または約7小さいことを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの1週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの2週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの1週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの2週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの1週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの2週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約1から約3小さい、例えば約2小さい、例えば1.59小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば2.8小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約5小さい、例えば約4小さい、例えば3.8小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約4小さい、例えば4.4小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約5小さい、例えば4.7小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約5小さい、例えば4.8小さい。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に、前記患者のCMAI攻撃的行動スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアとの差が約4から約6であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも、約4から約5小さい、または約5から約6小さい、例えば5.1小さい。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI攻撃的行動スコアが約11から約29、例えば少なくとも15であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約50から約92、例えば約71であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI攻撃的行動スコアが約11から約29、例えば少なくとも15であり、投与ステップの後に、患者のCMAI合計スコアが約13から約22低下していることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアと約4から約6異なり、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下異なることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約4から約6小さく、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも少なくとも約1小さく、約2小さく、約3小さく、約4小さく、約5小さく、約6小さく、または約7小さいことを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約1から約3小さい、例えば約2小さい、例えば2.3小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.1小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約5小さい、例えば約4小さい、例えば3.9小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約4小さい、例えば4.0小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約5小さい、例えば4.5小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約5小さい、例えば5.1小さい。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に、前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差が約3から約7であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも、約3から約6小さい、例えば約4から約6小さい、例えば4.8から5.5小さい。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;または
iv)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが約12から約31、例えば少なくとも17であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約49から約96、例えば約72であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが約12から約31、例えば少なくとも17であり、投与ステップの後に、患者のCMAI合計スコアが約11から約16低下していることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと約3から約7異なり、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアと約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下異なることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さく、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも少なくとも約1小さく、約2小さく、約3小さく、約4小さく、約5小さく、約6小さく、または約7小さいことを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約1から約3小さい、例えば約2小さい、例えば2.3小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.0小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約5小さい、例えば約4小さい、例えば3.8小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約5小さい、例えば4.8小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約7小さい、例えば約4から約6小さい、例えば約5小さい、例えば4.9小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約7小さい、例えば約4から約6小さい、例えば約6小さい、例えば5.5小さい。
アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法であって、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に、前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアとの差が約5から約7であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI攻撃的行動スコアよりも、約5から約6小さい、例えば5.8小さい。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが約12から約29、例えば少なくとも17であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約50から約92、例えば約71であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが約12から約29、例えば少なくとも17であり、投与ステップの後に、患者のCMAI合計スコアが約13から約22低下していることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアと約5から約6異なり、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアと約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下異なることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約5から約6小さく、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも少なくとも約1小さく、約2小さく、約3小さく、約4小さく、約5小さく、約6小さく、または約7小さいことを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約1から約3小さい、例えば約2小さい、例えば2.3小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.1小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約5小さい、例えば約4小さい、例えば3.7小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば約4小さい、例えば4.4小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約7小さい、例えば約4から約6小さい、例えば5.6小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、投与ステップ前のCMAI身体的に非攻撃的行動スコアよりも約3から約7小さい、例えば約4から約6小さい、例えば約6小さい、例えば5.8小さい。
アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法であって、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に、前記患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアとの差が約3から約5であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアよりも、約4から約5小さい、または約3から約4小さい、例えば3.0から3.4小さい。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前の対象は、
i)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI合計スコア;
ii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI攻撃的行動スコア;
iii)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI身体的に非攻撃的行動スコア;または
iv)表16に示されているAVP 786-18の[平均値±標準偏差(SD)]に等しいCMAI言語的激越スコアのうちの1つまたは複数を有する。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI言語的激越行動スコアが約10から約23、例えば少なくとも19であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約49から約96、例えば約72であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI言語的に激越行動スコアが約10から約23、例えば少なくとも19であり、投与ステップの後に、患者のCMAI合計スコアが約11から約16低下していることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI言語的激越行動スコアが、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアと約3から約4異なり、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアと約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下異なることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI言語的激越行動スコアが、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約3から約4小さく、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも少なくとも約1小さく、約2小さく、約3小さく、約4小さく、約5小さく、約6小さく、または約7小さいことを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約1から約2小さい、例えば約1小さい、例えば1.2小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約1から約3小さい、例えば約2小さい、例えば2.0小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約1から約4小さい、例えば約2から約3小さい、例えば2.5小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.0小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.2小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.4小さい。
アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法であって、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に、前記患者のCMAI言語的激越行動スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアとの差が約4から約6であることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI言語的激越行動スコアよりも、約4から約5小さい、または約5から約6小さい、例えば約5から約5.5小さい、例えば5.2小さい。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI言語的激越行動スコアが約11から約23、例えば少なくとも19であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI合計スコアが約50から約92、例えば約71であることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップの前に、患者のCMAI言語的に激越行動スコアが約11から約23、例えば少なくとも19であり、投与ステップの後に、患者のCMAI合計スコアが約13から約22低下していることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI言語的激越行動スコアが、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアと約4から約6異なり、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアと約7以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、約2以下、または約1以下異なることを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、この方法は、投与ステップ後の患者のCMAI言語的激越行動スコアが、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約4から約6小さく、場合によって投与ステップ後の患者のCMAI攻撃的行動スコアが、投与ステップ前のCMAI攻撃的行動スコアよりも少なくとも約1小さく、約2小さく、約3小さく、約4小さく、約5小さく、約6小さく、または約7小さいことを決定することを含む。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI合計スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの3週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの6週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの9週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップ後のCMAI攻撃的行動スコアは、投与ステップの12週間後に決定される。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの1週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約1から約3小さい、例えば約2小さい、例えば1.8小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの2週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば2.7小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの3週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば2.7小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの6週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約2から約4小さい、例えば約3小さい、例えば3.4小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの9週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約3から約6小さい、例えば約4から約5小さい、例えば4.5小さい。
前述の実施形態のいくつかの態様では、投与ステップの12週間後に決定されたCMAI言語的激越行動スコアは、投与ステップ前のCMAI言語的激越行動スコアよりも約3から約7小さい、例えば約4から約6小さい、例えば約5小さい、例えば5.2小さい。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI-AAスコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI-AAスコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にNPI-AAスコアが4以上であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI 合計スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI合計スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にNPI合計スコアが2以上であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI異常運動行動スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI異常運動行動ドメインスコアは、2以上である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI異常運動行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI異常運動行動スコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にNPI異常運動行動スコアが2以上であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のNPI過敏性/不安定性ドメインスコアは2以上である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の患者のCMAI合計スコア及びNPI過敏性/不安定性ドメインスコアを決定することを含み、前記患者は、投与ステップの前にNPI過敏性/不安定性ドメインスコアが2以上であると評価されており、前記方法は、投与ステップ後に前記患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~150、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者が、本明細書で定義されるように、CMAI因子1激越状態にあることを決定すること;
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
投与ステップの後、前記患者が、本明細書で定義されるように、CMAI因子1非激越状態にあることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者が、本明細書で定義されるように、CMAI因子2激越状態にあることを決定すること;
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
投与ステップの後、前記患者が、本明細書で定義されるように、CMAI因子2非激越状態にあることを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者が、本明細書で定義されるように、CMAI因子3激越状態にあることを決定すること;
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
投与ステップの後、前記患者が、本明細書で定義されるように、CMAI因子3非激越状態にあることを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のMMSEスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは4~30である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは8~24である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは6~26である。
いくつかの実施形態では、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、
ここで、前記患者は、投与ステップの前に、MMSEスコアが4から28であると診断されている。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
(1)ステップ(2)の前に前記患者のCMAI合計スコアを決定すること;
(2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与すること;及び
(3)前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差が約11から約16であることを決定することを含み、
ここで、前記患者は、投与ステップの前に、MMSEスコアが4から28であると診断されている。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のCMAI合計スコアは、前記投与ステップ前のCMAI合計スコアよりも、約12から約15低い、例えば、約13から約15低い、例えば、14.3低い。
いくつかの実施形態では、患者は、投与ステップ前のMMSEスコアが6~26であると診断されている。
いくつかの実施形態では、患者は、投与ステップ前のMMSEスコアが8~24であると診断されている。
いくつかの実施形態では、患者は、投与ステップ前のMMSEスコアが10~22であると診断されている。
いくつかの実施形態では、患者は、投与ステップ前のMMSEスコアが10~22であると診断されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のCGIS-激越スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは2以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは3以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは4以上である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ後の患者におけるCGIS-激越スコアは、投与ステップ前の患者におけるCGIS-激越スコアよりも少なくとも15%低い、例えば少なくとも50%低い。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のmADCS-CGIC-激越スコアを決定することを含む。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは2以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは3以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは4以下である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のPGICスコアを決定することを含む。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは2以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは3以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは4以下である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にクロザピン以外の非定型抗精神病薬で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にメマンチンで治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はメマンチンで治療されたか、または治療されており、ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたことなく、かつドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されており、メマンチンで治療されたことなく、かつメマンチンで治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はメマンチンで治療されたか、または治療されており、ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたことなく、かつドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されており、メマンチンで治療されたことなく、かつメマンチンで治療されていない。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップ前のコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記患者は、1つまたは複数のモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOIs)で治療されていない。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップ前のコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記患者は、クロザピンで治療されていない。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップ前のコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記患者は、
(a)硫酸キニジンのレベルを上げる薬剤;
(b)CYP2D6によって代謝される薬剤;
(c)硫酸キニジンに関連している薬剤;
(d)d6-DMと併用するとセロトニン症候群を引き起こす薬剤;
(e)d6-DM及び硫酸キニジンの血漿レベルを低下させる薬剤;
(f)クロザピンである薬剤;
(g)定型的抗精神病薬である薬剤;
(h)ネファゾドンである薬剤;
(i)三環系抗うつ薬である薬剤;
(j)モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)である薬剤;
(k)ベンゾジアゼピンである薬剤;
(l)非定型的抗精神病薬である薬剤;または
(m)アトモキセチン、カルバマゼピン、フォスフェニトイン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェニトイン、及びプリミドンからなる群から選択される薬剤で治療されていない。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者には自殺のリスクはない。いくつかの実施形態では、自殺リスクは、以下のうちの1つまたは複数によって決定される:
(a)処方医の判断;
(b)患者がコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS自殺念慮項目4(具体的な計画なしに、何らかの行動を意図した積極的な自殺念慮)で「はい」と回答し、このC-SSRS項目4を満たす患者の最新のエピソードが6か月以内に発生した;
(c)患者がC-SSRS自殺行動項目5(具体的な計画及び意図を伴う積極的な自殺念慮)で「はい」と答え、このC-SSRS項目5を満たす患者の最新のエピソードが6か月以内に発生した;または
(d)患者がC-SSRS自殺行動項目の5つの項目(積極的な試み、中断された試み、中止された試み、準備行為、または行動)のいずれかに「はい」と答え、これらのC-SSRS項目のいずれかに該当する患者の最新のエピソードが治療前の2年以内に発生した。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者には、以下の1つまたは複数の心血管病歴リスクはない:
(a)完全な心ブロック、心室頻拍、セントラルリーダーによって評価された臨床的に重要な早期心室収縮(PVC)の存在、QTc延長、または多形性心室頻拍の病歴または証拠;
(b)心室ペーシングによる場合を除き、中央判定に基づくフリデリシア式(QTcF)を使用したQTcが男性で450ミリ秒を超え、女性で470ミリ秒を超える;
(c)先天性QT間隔延長症候群の家族歴;または
(d)臨床的に重大な失神、起立性低血圧、もしくは体位性頻脈の病歴または存在。
いくつかの実施形態では、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、ここで、前記患者は、QTcF間隔が450ミリ秒を超える男性患者でもなく、QTcF間隔が470ミリ秒を超える女性患者でもない。
いくつかの実施形態では、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、ここで、前記患者は、心室ペーシングが原因ではないQTcF間隔が450ミリ秒を超える男性患者でもなく、心室ペーシングが原因ではないQTcF間隔が470ミリ秒を超える女性患者でもない。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者が、QTcF間隔が450ミリ秒を超える男性患者でもなく、QTcF間隔が470ミリ秒を超える女性患者でもないことを決定すること;及び
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者が、心室ペーシングが原因ではないQTcF間隔が450ミリ秒を超える男性患者でもなく、心室ペーシングが原因ではないQTcF間隔が470ミリ秒を超える女性患者でもないことを決定すること;及び
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者はパーキンソン病ではない。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップ前のコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)の合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップ前のコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法が提供され、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法が提供され、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法が提供され、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法が提供され、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する身体的に非攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法が提供され、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本開示は、いくつかの実施形態において、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファンまたはその塩、及びキニジンまたはその塩を含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療有効量の、重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを含有する組成物を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法が提供され、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI合計スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップの前に CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップの前に CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、前記投与ステップの前に、前記患者における以下のCMAI攻撃的行動項目のうちの少なくとも1つについてのスコアを決定することを含む:
1)打つこと(自分を含む);
2)蹴ること;
3)人をつかむこと;
4)押すこと;
5)物を投げること;
6)噛むこと;
7)スクラッチ;
8)唾を吐くこと;
9)自己または他者を傷つけること;
10)物を引き裂いたり、財産を破壊したりすること;
11)叫ぶこと;または
12)ののしりや言葉による攻撃。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI攻撃的行動項目1)から12)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップの前にCMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、以下のCMAI身体的に非攻撃的行動項目のうちの少なくとも1つについて、投与ステップの前に患者のスコアを決定するステップを含む(CMAIマニュアルに従ってCMAI合計スコアを評価するために、本明細書の他の場所で説明されている方法に従って評価する。ただし、発生頻度に基づくスコアは、これらの実施形態の方法に従って、CMAI身体的に非攻撃的行動項目の少なくとも1つについて決定される必要があるだけである):
1)ペーシング及び/または目的のない徘徊
2)別の場所に行こうとすること;
3)一般的な落ち着きのなさ;
4)不適切な着装または脱衣;
5)物事を不適切に扱うこと;
または
6)繰り返しマンネリズムを実行すること。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI身体的に非攻撃的行動項目1)から6)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップの前にCMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかのより具体的な実施形態では、前記方法は、以下のCMAI言語的激越行動項目のうちの少なくとも1つについて、投与ステップの前に患者のスコアを決定するステップを含む(CMAIマニュアルに従ってCMAI合計スコアを評価するために、本明細書の他の場所で説明されている方法に従って評価する。ただし、発生頻度に基づくスコアは、これらの実施形態の方法に従って、CMAI言語的激越行動項目の少なくとも1つについて決定される必要があるだけである):
1)文句を言うこと;
2)注意及び/または助けを絶え間なく不当に要求;
3)繰り返しの文または質問;あるいは
4)否定主義。
いくつかのより具体的な実施形態では、患者は、上記のCMAI言語的激越行動項目1)から4)の少なくとも1つについてのスコアが2以上であると評価されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のCMAI合計スコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ前の前記患者のCMAI合計スコアと前記投与ステップ後の前記患者のCMAI合計スコアとの差は、少なくとも1、例えば、1~203、例えば2~130、例えば3~110、例えば4~100、例えば5~90、例えば6~80、例えば7~70、例えば8~60、例えば9~50、例えば10~40である。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する攻撃的激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが3以上、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが3以上、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコア及び前記患者におけるCMAI身体的に非攻撃的行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップの前にNPI-AAスコアが3以上、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10であり、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが3以上、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10であり、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアが10以上、例えば10~42、例えば10~35、例えば10~30、例えば10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるNPI-AAスコア及び前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップの前にNPI-AAスコアが3以上、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10であり、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、NPI-AAスコアが3以上、例えば3~12、例えば3、4、5、6、7、8、9、または10であり、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のMMSEスコアを決定することを含む。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは4~30である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは8~24である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは6~26である。
いくつかの実施形態では、投与ステップ前のMMSEスコアは17以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のCGIS-激越スコアを決定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは2以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは3以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップ前の患者のCGIS-激越スコアは4以上である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ後に患者のmADCS-CGIC-激越スコアを決定することを含む。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは2以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは3以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のmADCS-CGIC-激越スコアは4以下である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、この方法は、投与ステップ前に患者のPGICスコアを決定することを含む。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは2以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは3以下である。
いくつかのより特定の実施形態では、投与ステップ後のPGICスコアは4以下である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にクロザピン以外の非定型抗精神病薬で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にメマンチンで治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はメマンチンで治療されたか、または治療されており、抗精神病薬で治療されたことなく、かつ抗精神病薬で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されており、抗精神病薬で治療されたことなく、かつ抗精神病薬で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はメマンチンで治療されたか、または治療されており、ドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたことなく、かつドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されていない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、投与ステップの前に、患者はドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されており、メマンチンで治療されたことなく、かつメマンチンで治療されていない。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCGIS-激越スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態では、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者おけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記方法は、前記投与前の前記患者におけるCGIS-激越スコアを決定することを含み、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CGIS-激越スコアが3以上であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有する患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CGIS-激越スコアが3以上であると評価されており、前記投与ステップの前に、前記患者は、
a)クロザピン以外の非定型抗精神病薬;
b)ネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI);
c)メマンチン;
d)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジルなど);または
e)前述の1つまたは複数の組み合わせで治療されたか、または治療されている。
別段の指定がない限り、本明細書に記載の用量は、それぞれ、重水素化[d6]-デキストロメトルファン及びキニジンの臭化水素酸塩及び硫酸塩の形態を指す。このような情報に基づいて、当業者は、各活性成分の遊離塩基形態について対応する投与量を計算することができる。当業者は、重水素化[d6]-デキストロメトルファンの塩の分子量及び[d6]-デキストロメトルファンの遊離塩基の分子量を計算することができ、また、それらの比率を使用して、遊離塩基及び塩の適切な投与量を計算することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有する患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供する。
本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、14.4mg~22.5mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは3.9mg~6.1mgの用量で1日2回投与される。本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、34.4mg~53.8mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは3.9mg~6.1mgの用量で1日2回投与される。
本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、14.4mg~22.5mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。本開示の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、d6-DMは、34.4mg~53.8mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、d6-DMは18mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。いくつかの実施形態では、d6-DMは42.63mgの用量で1日2回投与され、硫酸キニジンは4.9mgの用量で1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、18mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含有する医薬組成物が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、42.63mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含有する医薬組成物が本明細書に提供される。
いくつかの実施形態では、各カプセルは、42.63mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含有し、1日2回投与される。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、1つの成分(例えば、d6-DM)の投与は、他の成分(例えば、硫酸キニジン)の投与と同時に行われる。
いくつかの実施形態において、d6-DMは、14.4mg、18mg、または22.5mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、14.4mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、18mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、22.5mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。
いくつかの実施形態において、d6-DMは、34.4mg、42.63mg、または53.8mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、34.4mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、42.63mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。いくつかの実施形態において、d6-DMは、53.8mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。
いくつかの実施形態において、硫酸キニジンは、4.9mgの用量で、例えば、1日1回または2回、例えば、1日2回投与される。
いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンは、単位剤形で投与または使用される。いくつかの実施形態では、単位剤形は、14.4mg、18mg、または22.5mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、14.4mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、18mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、22.5mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、34.4mg、42.63mg、または53.8mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、34.4mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、42.63mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、53.8mgのd6-DM及び4.9mgの硫酸キニジンを含む。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンの単位剤形は、錠剤またはカプセルの形態である。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンの単位剤形は、カプセルの形態である。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンの単位剤形は、錠剤の形態である。
いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンは、組み合わせた用量で、または別々の用量で投与または使用される。いくつかの実施形態では、別々の用量が実質的に同時に投与される。
本開示は、いくつかの実施形態において、アルツハイマー病を有する患者におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)を含む薬剤を提供し、前記薬剤は、治療有効量の硫酸キニジン(Q)と同時に、別々に、または連続して組み合わせて使用される。
本開示は、いくつかの実施形態において、アルツハイマー病を有する患者におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)を提供し、前記重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)は、治療有効量の硫酸キニジン(Q)と組み合わせて投与され、ここで、両方の薬剤が同時に、別々に、または連続して投与される。
本開示は、いくつかの実施形態において、アルツハイマー病を有する患者におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)と治療有効量の硫酸キニジン(Q)との組み合わせを提供し、ここで、両方の薬剤が同時に、別々に、または連続して投与される。
本開示は、いくつかの実施形態において、アルツハイマー病を有する患者におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用するための治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)を含有する医薬組成物を提供し、前記医薬組成物は、治療有効量の硫酸キニジン(Q)と同時に、別々に、または連続して組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、1日あたり36mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量で提供し、各用量は18mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンを含有する。いくつかの実施形態では、前記2用量は、約6、約8、約10、約12、約14、または約16時間間隔で投与される。いくつかの実施形態において、前記2用量は、約12時間間隔(例えば、午前と午後)で投与される。
いくつかの実施形態では、1日あたり85.26mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量で提供し、各用量は42.63mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンを含有する。いくつかの実施形態では、前記2用量は、約6、約8、約10、約12、約14、または約16時間間隔で投与される。いくつかの実施形態において、前記2用量は、約12時間間隔(例えば、午前と午後)で投与される。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、
a)1日あたり36mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量、各用量に18mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンで、約2週間投与すること;及び
b)1日あたり56mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量、各用量に28mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンで、a)の2週間の期間に続いて、少なくとも1週間投与すること;及び
c)任意選択で、1日あたり36mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量、各用量に18mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンで、b)の1週間の期間に続いて、少なくとも1週間投与することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも2週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも4週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも6週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも8週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、最長約9週間である。
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、本方法は、
a)1日あたり56mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量、各用量に28mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンで、約2週間投与すること;及び
b)1日あたり85.26mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量、各用量に42.73mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンで、a)の2週間の期間に続いて、少なくとも1週間投与すること;及び
c)任意選択で、1日あたり56mgのd6-DMと9.8mgの硫酸キニジンを2用量、各用量に28mgのd6-DMと4.9mgの硫酸キニジンで、b)の1週間の期間に続いて、少なくとも1週間投与することを含む。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも2週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも4週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも6週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、少なくとも8週間である。
いくつかのより具体的な実施形態では、b)における少なくとも1週間は、最長約9週間である。
当業者には明らかであるように、これらの開示された投薬量及び範囲外の投薬量が、場合によっては投与され得る。さらに、通常の熟練した臨床医または治療医は、個々の反応を考慮して、治療をいつ、どのように中断、調整、または終了するかを知っていることに留意されたい。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は約20μg/L~約25μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、22.03μg/L~23.68μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は約40μg/L~約50μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、43.80μg/L~49.21μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd3-3-メトキシモルフィナンの血漿濃度は約30μg/L~約40μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、約35μg/L~約40μg/L、例えば35.80μg/L~36.45μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者のCMAI合計スコアを決定すること、
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は約20μg/L~約25μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、22.03~23.68μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者のCMAI合計スコアを決定すること、及び
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は約40μg/L~約50μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、43.80μg/L~49.21μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
前記患者のCMAI合計スコアを決定すること、
治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd3-3-メトキシモルフィナンの血漿濃度は約30μg/L~約40μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、約35μg/L~約40μg/L、例えば35.80μg/L~36.45μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
1)前記患者のCMAI合計スコアを決定すること、
2)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は約50μg/L~約70μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、54.82~64.41μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
1)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は約125μg/L~約150μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、約130μg/L~約150μg/L、例えば131.07μg/L~145.49μg/Lである。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法が提供され、前記方法は、
1)治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを前記患者に投与することを含み、
ここで、前記投与ステップ後のd3-3-メトキシモルフィナンの血漿濃度は約60μg/L~約95μg/Lである。
いくつかの実施形態では、前記投与ステップ後のd6-デキストロメトルファンの血漿濃度は、約65μg/L~約90μg/L、例えば69.81μg/L~85.73μg/Lである。
経口投与は、アルツハイマー病を有すると診断された患者のアルツハイマー病に関連する激越のために硫酸キニジンと組み合わせてd6-DMの有効用量を患者に提供するために使用することができる。いくつかの実施形態では、製剤は、d6-DM及び硫酸キニジンと、当業者に知られている薬学的に許容される担体または希釈剤との組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンは経口投与される。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンは、単位剤形で経口投与される。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンの単位剤形は、カプセルの形態である。
いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンを含む医薬組成物は、錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンを含む医薬組成物は、カプセルの形態である。
本明細書に開示される方法はまた、必要に応じて、例えば、アルツハイマー病の治療に有用な1つまたは複数の治療薬などの他の治療薬と組み合わせたd6-DM及び硫酸キニジンの投与を含んでもよい。
また、d6-DM及び硫酸キニジンの治療的使用も本明細書で提供される。例示的な実施形態は、アルツハイマー病を有すると診断された患者におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療におけるd6-DM及び硫酸キニジンの使用である。別の例示的な実施形態は、アルツハイマー病を有すると診断された患者におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療のための医薬品の製造方法におけるd6-DM及び硫酸キニジンの使用である。アルツハイマー病に関連する激越を治療するのに有用な組成物も提供される。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、d6-DM及び硫酸キニジンと同時に特定の追加の治療薬で治療されていない。いくつかの実施形態では、患者は、d6-DM及び硫酸キニジンによる治療の開始前の2週間または5半減期のいずれか長い方の間、特定の追加の治療薬を服用していない。
本開示の別の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、1つまたは複数のモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)で治療されていない。例示的なMAOIは、カルバマゼピン、シプロテロン、ハイパーフォリン、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン、及びセントジョンズワートを含むが、これらに限定されない。
本開示の別の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、クロザピンで治療されていない。
本開示の別の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、定型抗精神病薬で治療されていない。代表的な典型的な抗精神病薬は、ハロペリドール、ロキサピン、チオリダジン、モリンドン、チオチキセン、フルフェナジン、メソリダジン、トリフルオペラジン、ペルフェナジン、及びクロルプロマジンを含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、
(a)硫酸キニジンのレベルを上げる薬剤;
(b)CYP2D6によって代謝される薬剤;
(c)硫酸キニジンに関連している薬剤;
(d)d6-DMと併用するとセロトニン症候群を引き起こす薬剤;
(e)d6-DM及び硫酸キニジンの血漿レベルを低下させる薬剤;
(f)クロザピンである薬剤;
(g)定型的抗精神病薬である薬剤;
(h)ネファゾドンである薬剤;
(i)三環系抗うつ薬である薬剤;
(j)モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)である薬剤;
(k)ベンゾジアゼピンである薬剤;
(l)非定型的抗精神病薬である薬剤;または
(m) アトモキセチン、カルバマゼピン、フォスフェニトイン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェニトイン、及びプリミドンからなる群から選択される薬剤で治療されていない。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、前記投与ステップ前のコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが33以上、例えば33~203、例えば45~120、例えば55~90であると評価されており、前記患者は、
(a)硫酸キニジンのレベルを上げる薬剤;
(b)CYP2D6によって代謝される薬剤;
(c)硫酸キニジンに関連している薬剤;
(d)d6-DMと併用するとセロトニン症候群を引き起こす薬剤;
(e)d6-DM及び硫酸キニジンの血漿レベルを低下させる薬剤;
(f)クロザピンである薬剤;
(g)定型的抗精神病薬である薬剤;
(h)ネファゾドンである薬剤;
(i)三環系抗うつ薬である薬剤;
(j)モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)である薬剤;
(k)ベンゾジアゼピンである薬剤;
(l)非定型的抗精神病薬である薬剤;または
(m)アトモキセチン、カルバマゼピン、フォスフェニトイン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェニトイン、及びプリミドンからなる群から選択される薬剤で治療されていない。
いくつかの実施形態において、本開示は、アルツハイマー病を有すると診断された患者に治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を提供し、ここで、前記患者は、CMAI攻撃的行動スコアが15以上、例えば15~84、例えば15~70、例えば15~55、例えば15~40、例えば、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40であると評価されており、前記患者は、
(a)硫酸キニジンのレベルを上げる薬剤;
(b)CYP2D6によって代謝される薬剤;
(c)硫酸キニジンに関連している薬剤;
(d)d6-DMと併用するとセロトニン症候群を引き起こす薬剤;
(e)d6-DM及び硫酸キニジンの血漿レベルを低下させる薬剤;
(f)クロザピンである薬剤;
(g)定型的抗精神病薬である薬剤;
(h)ネファゾドンである薬剤;
(i)三環系抗うつ薬である薬剤;
(j)モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)である薬剤;
(k)ベンゾジアゼピンである薬剤;
(l)非定型的抗精神病薬である薬剤;または
(m)アトモキセチン、カルバマゼピン、フォスフェニトイン、ペントバルビタール、フェノバルビタール、フェニトイン、及びプリミドンからなる群から選択される薬剤で治療されていない。
いくつかの実施形態では、患者は、薬剤なしで硫酸キニジンが投与される場合と比較して硫酸キニジンのレベルを増加させる前記薬剤で治療されていない。硫酸キニジンのレベルを上昇させ得る例示的な薬剤は、アミオダロン、炭酸脱水酵素阻害剤、シメチジン、ジルチアゼム、イトラコナゾール、ケトコナゾール、マクロライド系抗生物質、プロテアーゼ阻害剤、及びボリコナゾールを含むが、これらに限定されない。マクロライド系抗生物質の非限定的な例は、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、及びロキシスロマイシンを含む。プロテアーゼ阻害剤の非限定的な例は、サキナビル、リトナビル、アタザナビル、及びインジナビルを含む。
いくつかの実施形態では、患者は、CYP2D6によって代謝される薬剤で治療されていない。CYP2D6によって代謝され、硫酸キニジンと同時投与された場合に血漿レベルを上昇させる可能性がある例示的な薬剤は、デキストロメトルファン(店頭または処方箋)、三環系抗うつ薬(TCA)、及びアトモキセチンを含むが、これらに限定されない。TCAの非限定的な例は、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、及びノルトリプチリンを含む。
いくつかの実施形態では、患者は、硫酸キニジンに関連する薬剤で治療されていない。硫酸キニジンに関連する例示的な薬剤は、キニーネ及びメフロキンを含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、患者は、d6-DMと同時投与された場合にセロトニン症候群を引き起こし得る薬剤で治療されていない。d6-DMと同時投与された場合にセロトニン症候群を引き起こし得る例示的な薬剤は、MAOIを含むが、これに限定されない。MAOIの非限定的な例は、カルバマゼピン、シプロテロン、ハイパーフォリン、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン、及びセントジョンズワートを含む。
本開示の別の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、前記患者には自殺のリスクはない。いくつかの実施形態では、自殺リスクは、以下のうちの1つまたは複数によって決定される:
(a)処方医の判断;
(b)患者がコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS自殺念慮項目4(具体的な計画なしに、何らかの行動を意図した積極的な自殺念慮)で「はい」と回答し、このC-SSRS項目4を満たす患者の最新のエピソードが6か月以内に発生した;
(c)患者がC-SSRS自殺行動項目5(具体的な計画及び意図を伴う積極的な自殺念慮)で「はい」と答え、このC-SSRS項目5を満たす患者の最新のエピソードが6か月以内に発生した;または
(d)患者がC-SSRS自殺行動項目の5つの項目(積極的な試み、中断された試み、中止された試み、準備行為、または行動)のいずれかに「はい」と答え、これらのC-SSRS項目のいずれかに該当する患者の最新のエピソードが治療前の2年以内に発生した。
本開示の別の例示的な実施形態は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンを、アルツハイマー病を有すると診断された患者に投与することを含む、前記患者におけるアルツハイマー病に関連する激越を治療する方法を含み、ここで、前記患者には、以下の1つまたは複数の心血管病歴リスクはない:
(a)完全な心ブロック、心室頻拍、セントラルリーダーによって評価された臨床的に重要な早期心室収縮(PVC)の存在、QTc延長、または多形性心室頻拍の病歴または証拠;
(b)心室ペーシングによる場合を除き、中央判定に基づくフリデリシア式(QTcF)を使用したQTcが男性で450ミリ秒を超え、女性で470ミリ秒を超える;
(c)先天性QT間隔延長症候群の家族歴;または
(d)臨床的に重大な失神、起立性低血圧、もしくは体位性頻脈の病歴または存在。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、アルツハイマー病の精神障害の診断及び統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、DSM)基準に基づいて、アルツハイマー病を有すると診断されている。いくつかの実施形態では、DSM基準は、American Psychiatric Association’s (2000) Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版、テキスト改訂版(DSM-IV-TR)に記載されている基準であり、これは、本明細書において参照により組み込まれる。いくつかの実施形態では、DSM基準は、American Psychiatric Association’s(2013)Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第5版(DSM-V)に記載されている基準であり、これは、本明細書において参照により組み込まれる。
いくつかの実施形態では、DSM基準に基づく患者のアルツハイマー病の診断は、ミニ国際神経精神病学的インタビュー(Mini International Neuropsychiatric Interview、M.I.N.I.)によって確認されている。M.I.N.I.は、DSM-IV及びDSM-5の障害を含む、精神障害の構造化された簡単な診断面接である。いくつかの実施形態では、アルツハイマー病の診断を確認するために使用されるM.I.N.I.は、DSM-IV-TR基準に基づくM.I.N.I.バージョン6.0である。いくつかの実施形態では、アルツハイマー病に関連する激越の診断を確認するために使用されるM.I.N.I.は、DSM-V基準に基づくM.I.N.I.バージョン7.0.2である。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、本明細書の実施例1~4のいずれか1つに記載される例示的な選択基準の1つ、複数、またはすべてを有する。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、本明細書の実施例1~4に記載される例示的な除外基準の1つまたは複数を有していない。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、d6-DM及び硫酸キニジンを、例えば、アルツハイマー病の治療のために知られているまたは同定された1つまたは複数の治療薬などの他の治療薬と組み合わせて患者に投与する。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にネファゾドン以外の抗うつ薬、三環系抗うつ薬、またはモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にメマンチンで治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にドネペジルなどのアセチルコリンエステラーゼ阻害剤で治療されたか、または治療されている。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前にクロザピン以外の非定型抗精神病薬で治療されたか、または治療されている。いくつかの実施形態では、非定型抗精神病薬を、アルツハイマー病の治療のための米国添付文書からの用量ガイダンス内で患者に投与する。いくつかの実施形態では、非定型抗精神病薬は、経口の長時間作用型筋肉内注射剤である。いくつかの実施形態では、非定型抗精神病薬は、第二世代の非定型抗精神病薬(SGA)である。例示的なSGAは、オランザピン、リスペリドン、パリペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、及びルラシドンを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前に、CYP2D6基質でもある向精神薬で治療されたか、または治療されている。このような薬剤の例は、アリピプラゾール、リスペリドン、デュロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、ミルタザピン、パロキセチン、及びベンラファキシンを含む。いくつかの実施形態では、患者は、投与ステップの前に、CYP2D6基質でもあるベータ遮断薬で治療されたか、または治療されている。そのような薬剤の例には、カルベジロール、メトプロロール、プロプラノロール、及びチモロールが含まれる。
いくつかの実施形態では、患者は、複数のSGAで治療されていない。いくつかの実施形態において、患者は、不眠症のための低用量のクエチアピン(例えば、夜間に多くとも50mg)を除いて、2つ以上のSGAで治療されていない。
d6-DM及び硫酸キニジンは、1つまたは複数の医薬組成物中の活性成分として処方され得る。このような医薬組成物はまた、薬学的に許容される担体、及び必要に応じて他の治療成分を含み得る。
医薬組成物は、粉末、カプセル、錠剤、懸濁液、小袋、カシェ剤、溶液、及びエリキシルなどの形態で調製することができる。デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などの担体を経口固形製剤に使用することができる。いくつかの実施形態では、組成物は、経口固形製剤(粉末、カプセル、及び錠剤など)として調製される。いくつかの実施形態では、組成物は経口液体製剤として調製される。いくつかの実施形態では、経口固形製剤はカプセルまたは錠剤である。必要に応じて、カプセルまたは錠剤は、標準的な湿式技法または乾式技法によりコーティングされ得る。
経口投与に好適な医薬組成物は、例えば、カプセル、カシェ剤、小袋、パッチ、錠剤、及びエアロゾルスプレーなどの個別の剤形として提示され得、各々が粉末もしくは顆粒として、または水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、水中油型乳剤、または油中水型乳剤として既定の量の活性成分を含有する。かかる組成物は、従来の調剤法のいずれかにより調製され得るが、方法の大部分は典型的には、活性成分を、1つ以上の成分を構成する担体と会合させるステップを含む。概して、組成物は、活性成分を液体担体もしくは微粉化固体担体、またはそれらの両方と均一かつ密接に混和し、次いで、必要に応じて生成物を所望の外観に成形することにより調製される。
例えば、錠剤は、圧縮または型成形により任意に1つ以上の追加成分と共に調製され得る。圧縮された錠剤は、好適な機械内で、任意選択で、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤、または分散剤などと混合された、粉末または顆粒としての自由流動形態の活性成分を圧縮することより調製され得る。鋳造された錠剤は、好適な機械において、湿った粉末化された化合物と不活性液体希釈剤の混合物を鋳造することによって作られ得る。
いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンは、カプセルの形態で一緒に投与される。いくつかの実施形態では、d6-DM及び硫酸キニジンを含むカプセルは即時放出カプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルは硬ゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルはサイズ3である。
いくつかの実施形態では、各カプセル(または有効成分としてd6-DM及び硫酸キニジンを含む他の組成物)は、不活性成分も含有する。いくつかの実施形態では、不活性成分は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、及び/またはステアリン酸マグネシウムを含み得る。いくつかの実施形態では、不活性成分は、クロスカルメロースナトリウム、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸マグネシウムからなるか、またはそれらを含む。
いくつかの実施形態では、Dを有すると指定されたd6-DMの任意の位置は、d6-DMの指定された位置(複数可)で少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)の最小重水素取り込みを有する。したがって、いくつかの実施形態では、同位体の少なくとも80%が指定された位置(複数可)にDを含むという条件で、d6-DMを含む組成物は、化合物の同位体の分布を含むことができる。
いくつかの実施形態では、Dを有すると指定されたd6-DMの任意の位置は、d6-DMの指定された位置(複数可)で少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)の最小重水素取り込みを有する。
いくつかの実施形態では、d6-DMは、化合物の他の同位体種を実質的に含まず、例えば、10%未満、5%未満、2%未満、1%未満、または0.5%未満の他の同位体種が存在する。
d6-DMの合成は、当業者の合成化学者が容易に達成し得る。関連する手順及び中間体は、例えば、Kim et al.(Bioorg Med Chem Lett 2001,11:1651)及びNewman et al.(J Med Chem 1992,35:4135)に開示されている。
いくつかの実施形態によるd6-DMを合成する便利な方法は、デキストロメトルファンの調製に利用される合成方法において、適切な重水素化中間体及び試薬を置換する。これらの方法は、例えば、米国特許第7,973,049号に記載されている。
キニジン
本開示は、硫酸キニジンの使用を想定している。キニジンは強力なCYP2D6阻害剤であり、特にこの用途で研究されてきた(例えば、米国特許第5,206,248号を参照)。硫酸キニジンの化学構造((C20H24N2O2)2・H2SO4・2H2O)は次のとおりである。
Figure 2023523373000003
キニジン投与により、高代謝表現型の対象を低代謝表現型に変換することができる(Inaba et al.Br.J.Clin.Pharmacol.1986;22:199-200)。
例示的な尺度
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される1つ以上の尺度、または当技術分野で知られている他のものを使用することができる。例示的な尺度として、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)尺度、NPI尺度、MMSE尺度、臨床全体印象(Clinical Global Impression、CGI)尺度(例えば、重症度の臨床全体印象(Clinical Global Impression of Severity、CGI-S)、mADCS-CGIS尺度とmADCS-CGIC尺度を含む変化の臨床全体印象(Clinical Global Impression of Change、CGI-C))、EQ-5D-5L尺度、RUD-Lite尺度、及びS-STS尺度が挙げられる。
コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)尺度
CMAI合計スコア
CMAI合計スコアは、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)における全ての激越行動(本明細書では「行動」を「項目」ともいう)のスコアを加算したスコアである。CMAIは、29の激越行動を特定する介護者の評価アンケートであり、それぞれが7段階の頻度で評価され、ここで、評価はCMAIの投与前の2週間に関するものである。その全体が参照により本明細書に組み込まれ、本明細書では「CMAIマニュアル」とも呼ばれる、J.Cohen-Mansfield(1991),INSTRUCTION MANUAL FOR THE COHEN-MANSFIELD AGITATION INVENTORY(CMAI)を参照されたい。
以下は、29の激越行動である。
1. ペーシング及び目的のない徘徊-車椅子で行ったり来たりする場合を含め、絶えず行ったり来たり歩くこと。通常の意図的なウォーキングを含まない。
2. 不適切な着装または脱衣-衣服を着すぎる、変な形で服を着る(例えば、ズボンを頭にかぶる)、公共の場で、または不適切なときに衣服を脱ぐ(性器だけが露出している場合、性的な誘いの下で評価する)こと。ADLのように服を着たり脱いだりする個人の能力を含まない。
3. 唾を吐く(摂食中を含む)-床や他の人などに唾を吐くこと。制御不能な唾液分泌、またはティッシュ、トイレ、もしくは屋外の地面へ唾を吐くことを含まない。
4. ののしりや言葉による攻撃-言葉を使用する場合のみ;ののしり、わいせつな言葉の使用、冒涜、不親切な言動または批判、口頭での怒り、口頭での闘争心。理解不能な声を含まない(絶叫や奇声で評価する)。
5. 絶え間なく不当に注意や助けを要求-口頭または非口頭での不当な小言、喜ばせ、デモ(指向のある人にも示される)。
6. 繰り返しの文または質問-特定の人に向けて、または誰にも向けずに、同じ文または質問を次々と繰り返すこと(文句を言うことは、たとえ指向性があり、おそらく正当化されている場合でも、文句のセクションで評価する)。
7. 打つこと(自分を含む)-身体的虐待、他人を殴る、他人をつまむ、自分/家具を叩くこと。
8. 蹴ること-人や物を足で強く叩くこと。
9. 人や物を不適切につかむこと-ひったくる、乱暴につかむ、しっかりとつかむ、または引っ張ること。
10. 押すこと-強く突き刺す、押し込む、移動して他の人に圧力をかけること。
11. 物を投げること-物を投げつける、物を激しく空中に投げる、表面をひっくり返す、投げつける、食べ物を投げ捨てること。
12. 奇声-泣き声、啜り泣き声、うめき声、変な笑い声、歯ぎしりの音。理解できる言葉を含まない。
13. 絶叫-ショアリング、突き刺すような遠吠え、大きな金切り声を立てること。
14. 噛むこと-刻む、きしらせる、かじる(他人または自分に対して)。
15. スクラッチ-ひっかく、爪で削ること(他人または自分に対して)。
16. 別の場所に行こうとすること-場所への不適切な出入り、例えば、建物から出ようとすること、施設から出ようとすること、部屋からこっそり出ようとすること、施錠された場所に入ろうとすること、ユニット、オフィス、または他の居住者の部屋もしくはクローゼット内への不法侵入。
17. 意図的な転倒-故意に床に落ちること。車椅子、椅子、またはベッドからの転倒を含む。
18. 文句を言う-泣き言を言う、自分自身について不平を言う、身体的不平、個人的な不満、または物理的環境や他の人について文句を言うこと。
19. 否定主義-態度が悪い、何も好まない、何も正しくないこと。言語的攻撃と評価できるものなど、あからさまな口頭での怒りを含まない。
20. 不適切な物質の飲食-不適切な物を口に入れて、飲み込もうとすること。
21. 自己または他者を傷つけること-自分や他人を燃やす、自分や他人を切る、有害な物体自分や他人に触れること等。
22. 物を不適切に扱うこと-自分のものではないものを拾い上げる、引き出しの中をかき回す、家具を移動する、良い糞便汚れで遊ぶこと。
23. 物を隠すこと-物を見えなくする、何かの下または後ろに置くこと。
24. 物を溜め込むこと-財布、ポケット、または引き出しに多くの、または不適切な物を入れて、あまりにも多くの物を保管すること。(人形を集めるなどの一般的なコレクションを含まない)。
25. 物を引き裂く、または財産を破壊すること-何かを細断する、引き裂く、壊す、踏みつけること。
26. 繰り返しマンネリズムを実行すること-常同的な動き、例えば、なでる、たたく、体を揺らす、何かを弄ぶ、何かをいじる、自分や物をこする、指をしゃぶる、靴を履いたり脱いだりする、自分、服、または物を選ぶ、空中や床から想像上のものを拾う、繰り返した方法で近くの物体を操作すること。繰り返しの言葉や発声を含まない。
27. 言葉による性的な誘い-性的提案、性的ほのめかし、または「汚い」話。
28. 身体的な性行為の誘いまたは性器の露出-不適切な性的な方法で人に触れる、性器の部分をこする、不適切なマスターベーション(自分の部屋またはバスルームで一人ではない場合)、望まない愛撫またはキス。
29. 一般的な落ち着きのなさ-そわそわする、常に椅子の上で動き回る、起き上がったり座ったりしてじっと座っていられないこと。
評価尺度は、過去2週間の発生頻度に基づいて次のようになる。
1-なし
2-週に1回未満であるが、まだ発生している
3-週に1~2回
4-週に数回
5-1日1回か2回
6-日に数回
7-1時間に数回
各CMAI行動のスコアは、前の2週間に評価された個人がその行動をどのくらいの頻度で明らかにしたかを評価することによって得られる。CMAIの合計スコアは、上記の29の行動のそれぞれに対する評価を加算することによって得られる。29の行動は、以下の表1Aに示すように、因子または下位尺度に特徴付けることができる。これは、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP,Katz I,Brodaty H,Cohen-Mansfield J.Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998(本明細書ではRabinowitz et al.2005とも呼ばれる)で定義された因子分析に基づいており、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれている。表1Aに示すように、行動のうちの22行動は、攻撃的な行動、身体的に非攻撃的行動、及び言語的激越行動として特徴付けられ得、それぞれについて以下でさらに説明する。残りの7行動は、個別にグループ化できる(下表の「その他」を参照)。
Figure 2023523373000004
CMAI攻撃的行動スコア
本明細書で使用される場合、CMAI攻撃的行動スコアは、本明細書の他の場所で説明される行動頻度に基づいて、CMAIマニュアルに従って評価された、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)における攻撃的行動(または「項目」)の評価を加算することによって得られるスコアである。攻撃的行動は、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP,Katz I,Brodaty H,Cohen-Mansfield J.Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998の因子分析に基づく。攻撃的な行動は次の12項目である。
1)打つこと(自分を含む);
2)蹴ること;
3)人をつかむこと;
4)押すこと;
5)物を投げること;
6)噛むこと;
7)スクラッチ;
8)唾を吐くこと;
9)自己または他者を傷つけること;
10)物を引き裂いたり、財産を破壊したりすること;
11)叫ぶこと;または
12)ののしりや言葉による攻撃。
次の攻撃的行動項目:
1)打つこと(自分を含む);
2)蹴ること;
3)人をつかむこと;
4)押すこと;
5)物を投げること;
6)噛むこと;
7)スクラッチ;
8)唾を吐くこと;
9)自己または他者を傷つけること;
10)物を引き裂いたり、財産を破壊したりすること;
11)叫ぶこと;及び
12)ののしりや言葉による攻撃
は、「CMAI因子1」、「因子1」、「CMAI F1」、「F1」、または「F1-攻撃」行動とも呼ばれる。
CMAI攻撃的行動スコアは、上記の12のCMAI因子1行動のそれぞれに対する評価を加算することによって得られる。CMAI攻撃行動スコアは、CMAI因子1下位尺度スコア、CMAI F1-攻撃行動スコア、またはCMAI F1-攻撃行動下位尺度スコアとも呼ばれる。
CMAIマニュアルに基づいて、因子1激越状態は、次のいずれかの条件を満たしていると定義されている。
a. 1つ以上のF1行動が週に数回発生する(スコア4以上)、または
b. 2つ以上のF1行動が週に1回または2回発生する(スコア3以上)、または
c. 3つ以上のF1行動が週に1回未満発生する(スコア2以上)、または
d. 2つのF1行動が週に1回未満発生する(スコア2以上)、及び1つのF1行動が週に1回または2回発生する(スコア3以上)。
因子1激越状態の前述の条件がすべて欠落している場合は、因子1非激越状態を示す。
CMAI身体的に非攻撃的行動スコア
本明細書で使用される場合、CMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、本明細書の他の場所で説明される行動頻度に基づいて、CMAIマニュアルに従って評価された、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)における身体的に非攻撃的行動(または「項目」)の評価を加算することによって得られるスコアである。身体的に非攻撃的行動は、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP,Katz I,Brodaty H,Cohen-Mansfield J.Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998の因子分析に基づく。身体的に非攻撃的な行動は、次の6項目である。
1)ペーシング及び/または目的のない徘徊
2)別の場所に行こうとすること;
3)一般的な落ち着きのなさ;
4)不適切な着装または脱衣;
5)物事を不適切に扱うこと;または
6)繰り返しマンネリズムを実行すること。
CMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、上記の6の行動のそれぞれに対する評価を加算することによって得られる。CMAI身体的に非攻撃的行動スコアは、CMAI因子2下位尺度スコア、CMAI F2-身体的に非攻撃的行動スコア、またはCMAI F2-身体的に非攻撃的行動下位尺度スコアとも呼ばれる。上記の6つの身体的に非攻撃的な行動は、「CMAI因子2」、「因子2」、「CMAI F2」、「F2」、または「F2-身体的に非攻撃的な」行動とも呼ばれる。
CMAIマニュアルに基づいて、因子2激越状態は、次のいずれかの条件を満たしていると定義されている。
a. 1つ以上のF2行動が1日に1回または2回発生する(スコア5以上)、または
b. 2つ以上のF2行動が週に数回発生する(スコア4以上)、または
c. 3つ以上のF2行動が週に1回または2回発生する(スコア3以上)、または
d. 4つ以上のF2行動が週に1回未満発生する(スコア2以上)。
因子2激越状態の前述の条件がすべて欠落している場合は、因子2非激越状態を示す。
CMAI言語的激越行動スコア
本明細書で使用される場合、CMAI言語的激越行動スコアは、本明細書の他の場所で説明される行動頻度に基づいて、CMAIマニュアルに従って評価された、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)における言語的激越行動(または「項目」)の評価を加算することによって得られるスコアである。言語的激越行動は、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP, Katz I, Brodaty H,Cohen-Mansfield J.Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998の因子分析に基づく。言動的激越行動は以下の4項目である。
1)文句を言うこと;
2)注意及び/または助けを絶え間なく不当に要求;
3)繰り返しの文または質問;あるいは
4)否定主義。
CMAI言語的激越行動スコアは、上記の4の行動のそれぞれに対する評価を加算することによって得られる。CMAI言語的激越行動スコアは、CMAI因子3下位尺度スコア、CMAI F3-言語的激越行動スコア、またはCMAI F3-言語的激越行動下位尺度スコアとも呼ばれる。上記の4つの言語的激越行動は、「CMAI因子3」、「因子3」、「CMAI F3」、「F3」、または「F3言語的激越」行動とも呼ばれる。
CMAIマニュアルに基づいて、因子3激越状態は、次のいずれかの条件を満たしていると定義されている。
a. 1つ以上のF3行動が1日に1回または2回発生する(スコア5以上)、または
b. 2つ以上のF3行動が週に数回発生する(スコア4以上)、または
c. 3つ以上のF3行動が週に1回または2回発生する(スコア3以上)、または
d. 4つ以上のF3行動が週に1回未満発生する(スコア2以上)。
因子3激越状態の前述の条件がすべて欠落している場合は、因子3非激越状態を示す。
CMAI尺度激越状態
CMAI激越状態は、激越状態としてスコア化されたCMAI下位尺度因子(F1-攻撃的行動、F2-身体的に非攻撃的行動、またはF3-言語的激越行動)のいずれかの存在として定義される。
NPI尺度
NPI-AAスコア
本明細書で使用されるNPI-AA攻撃的行動スコアは、神経精神医学目録(Neuropsychiatric Inventory、NPI)における以下の質問から得られるスコアである。NEUROPSYCHIATRIC INVENTORY (NPI):Instructions for Use and Administrationも参照されたい。これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、付録Bとして添付される。
患者は、協力を拒否する、または人からの助けを拒否する時期があるか?患者は扱いにくいか?
答えがNOの場合は、次のスクリーニング用の質問に進む。
答えがYESの場合は、サブ質問に進む。
i)患者は自分の世話をしようとする人に腹を立てたり、入浴や着替えなどの活動に抵抗したりするか?
ii)患者は頑固で、物事を自分の思い通りにしなければならないか?
iii)患者は非協力的で、他人からの援助に抵抗があるか?
iv)患者には、対処を困難にするその他の行動があるか?
v)患者は怒って叫んだり、ののしったりするか?
vi)患者はドアをバタンと閉めたり、家具を蹴ったり、物を投げたりするか?
vii)患者は他人を傷つけたり殴ったりしようとするか?
viii)患者は他に攻撃的または激越した行動をとっているか?
スクリーニング用の質問が確認された場合は、激越の頻度と重症度を判断する。
頻度:
1. 偶に-週に1回未満。
2. しばしば-週に約1回。
3. 頻繁-週に数回であるが、毎日ではない。
4. 非常に頻繁-1日に1回以上。
重症度:
1. 軽度-行動は破壊的であるが、リダイレクトまたは安心させることで管理できる。
2. 中等度-行動は破壊的であり、リダイレクトまたは制御が困難である
3. 重度-激越は非常に破壊的であり、困難の主な原因であり、人身事故の恐れがある。薬が必要な場合が多い。
合計:
合計=頻度×重症度
苦痛:あなた(介護者)は、この行動にどの程度精神的に苦痛を感じるか?
0. 全くない
1. ごく軽度
2. 軽度
3. 中等度
4. 重度
5. 非常に重度または極度に
NPI-AAスコアは、合計スコアと苦痛スコアを加算することで計算できる。
NPI異常運動行動ドメインスコア
本明細書で使用されるNPI異常行動ドメインスコアは、神経精神医学目録(Neuropsychiatric Inventory、NPI)における以下の質問から得られるスコアである。NEUROPSYCHIATRIC INVENTORY (NPI):Instructions for Use and Administrationも参照されたい。これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
患者は歩き回ったり、クローゼットや引き出しを開けるなどのことを何度も繰り返したり、物を繰り返し啄んだり、ひもや糸を巻いたりするか?
答えがNOの場合は、次のスクリーニング用の質問に進む。
答えがYESの場合は、サブ質問に進む。
i)患者は明確な目的もなく家の中を歩き回っているか?
ii)患者は引出しやクローゼットを開けたり物を出したりするのを探し回っているか?
iii)患者は衣服の着脱を繰り返すか?
iv)患者には、繰り返し行う活動または「習慣」があるか?
v)患者は、ボタンを扱う、ついばむ、紐を巻くなどの反復的な活動を常にするか?
vi)患者は過度にそわそわしたり、じっと座っていられないように見えたり、足をバウンドさせたり、指をたくさん叩いたりするか?
vii)患者は他の活動を何度も繰り返すか?
スクリーニング用の質問が確認された場合は、激越の頻度と重症度を判断する。
頻度:
1. 偶に-週に1回未満。
2. しばしば-週に約1回。
3. 頻繁-週に数回であるが、毎日ではない。
4. 非常に頻繁-基本的に継続的に存在する。
重症度:
1. 軽度-異常な運動活動は顕著であるが、日常生活にほとんど支障はない。
2. 中等度-異常な運動活動が非常に明白であり、介護者によって克服することができる。
3. 重度-異常な運動活動が非常に明白であり、通常、介護者によるいかなる介入に反応せず、苦痛の主な原因となる
合計:
合計=頻度×重症度
苦痛:あなた(介護者)は、この行動にどの程度精神的に苦痛を感じるか?
0. 全くない
1. ごく軽度
2. 軽度
3. 中等度
4. 重度
5. 非常に重度または極度に
NPI-AA異常運動行動ドメインスコアは、合計スコアと苦痛スコアを加算することで計算できる。
NPI過敏性/不安定性ドメインスコア
本明細書で使用される NPI過敏性/不安定性メインスコアは、Neuropsychiatric Inventory (NPI)の次の質問から得られるスコアである。NEUROPSYCHIATRIC INVENTORY (NPI):Instructions for Use and Administrationも参照されたい。これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
患者はイライラしたり、すぐに動揺したりするか? 患者の気分はとても変わりやすいか?記憶喪失や通常のタスクを実行できないことに対する不満を意味するものではない。患者が異常な過敏性、焦り、または通常の自分とは異なる急速な感情の変化を持っているかどうかを知ることに関心がある。
答えがNOの場合は、次のスクリーニング用の質問に進む。
答えがYESの場合は、サブ質問に進む。
i)患者は気性が荒く、些細なことで簡単に怒ることがあるか?
ii)患者は、ある瞬間は元気で、次の瞬間は怒っているなど、気分が急速に変化するか?
iii)患者は突然怒りを爆発させるか?
iv)患者はせっかちで、遅れに対処したり、計画された活動を待ったりするのに苦労しているか?
v)患者は不機嫌でイライラするか?
vi)患者は議論好きで、仲良くするのが難しいか?
vii)患者は過敏性の他の兆候を示しているか?
スクリーニング用の質問が確認された場合は、激越の頻度と重症度を判断する。
頻度:
1. 偶に-週に1回未満。
2. しばしば-週に約1回。
3. 頻繁-週に数回であるが、毎日ではない。
4. 非常に頻繁-基本的に継続的に存在する。
重症度:
4. 軽度-過敏性または不安定性が顕著であるが、通常はリダイレクトと安心させることに反応する。
5. 中等度-過敏性と不安定性が非常に明白であり、介護者が克服するのは困難である。
6. 重度-過敏性と不安定性が非常に明白であり、通常、介護者による介入に反応せず、苦痛の主な原因となる
合計:
合計=頻度×重症度
苦痛:あなた(介護者)は、この行動にどの程度精神的に苦痛を感じるか?
0. 全くない
1. ごく軽度
2. 軽度
3. 中等度
4. 重度
5. 非常に重度または極度に
NPI-AA過敏性/不安定性ドメインスコアは、合計スコアと苦痛スコアを加算することで計算できる。
MMSE尺度
MMSEは、認知障害のスクリーニングに使用される30点のアンケートテストである。認知症をスクリーニングするために医療で一般的に使用されている。MMSE尺度は、患者の認知状態を評価するために、見当識、記憶、注意、及び言語に関する11の質問または簡単なタスクを含む。MMSEの合計スコアは0~30の範囲で、スコアが高いほど認知機能が優れていることを示す。
臨床全体印象(CGI)尺度
CGIは、治療を開始する前後の患者の全体的な機能に対する臨床医の見解を簡潔に単独で評価するために開発された(Busner and Targum, Psychiatry (Edgmont).2007;4(7):28-37)。CGIは、臨床医が決定した全体的な要約尺度を提供し、この尺度には、患者の病歴、心理社会的状況、症状、行動、及び患者の機能能力に対する症状の影響に関する知識を含む、利用可能なすべての情報を考慮に入れた。CGIは、CGI-S(重症度)とCGI-C(変化)という2つの関連する1項目の尺度で構成される。
臨床全体印象-重症度(CGI-S)
CGI-Sは、臨床医が同じ診断を受けた患者との過去の経験と比較して、評価時に患者の病気の重症度を評価することを臨床医に要求する7段階の尺度である(Guy, ECDEU Assessment Manual for Psychopharmacology.1976:76-338)。総合的な臨床経験を考慮して、患者は、評価時に精神疾患の重症度について、1、正常、まったくない;2、境界線;3、軽度;4、中等度;5、有意;6、重度;または7、最も重度と評価される。
臨床全体印象-変化(CGI-C)
CGI-Cは、入院時の患者の状態に関する臨床医の過去の経験と比較して、評価時の患者の状態の変化を評価することを臨床医に要求する7段階の尺度である。全体的な臨床経験を考慮して、患者は精神疾患の変化について、1、非常に改善された;2、大幅に改善された;3、ほとんど改善されていない;4、変化なし;5、わずかに悪くなった;6、かなり悪くなった;または7、非常に悪くなったと評価される。
いくつかの実施形態では、アルツハイマー病に関連する激越は、CGI(例えば、CGI-S及び/またはCGI-C)を使用して評価する。一部の実施形態では、CGI(例えば、CGI-S及び/またはCGI-C)を単独で使用する。一部の実施形態では、CGI(例えば、CGI-S及び/またはCGI-C)は、1つまたは複数の追加の尺度(例えば、本明細書で説明する例示的な尺度のいずれか1つまたは複数)と組み合せて使用する。
CGIS-激越尺度
CGIS-激越は7点(1~7)スケールであり(1=正常、まったく病気ではない;7=最も重篤な患者)、この試験で激越の重症度を評価する。CGIS-激越は、スクリーニング(-28日目から-1日目)、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、来診5(43日目)、来診6(57日目)、来診7(71日目)、来診8(85日目/早期中止)、経過観察来診(投与後30日)に評価される。CGIS-激越は、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。
臨床研究デザイン
以下の実施例1の臨床試験では、d6-DM及び硫酸キニジンを投与することによるアルツハイマー病に関連する激越の治療の利点が評価された。
以下の実施例は、本開示の例示的な実施形態を提供する。当業者は、本開示の精神または範囲を変更することなく実行され得る多数の修正及び変形を認識するであろう。そのような修正及び変形は、本発明の範囲内である。提供される実施例は、決して本開示を限定するものではない。
実施例1
アルツハイマー型認知症患者の激越の治療に対するAVP-786(デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-DM]/硫酸キニジン[Q])の有効性、安全性、及び忍容性を評価するための第III相多施設試験
概要
治験薬:
AVP-786(デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-DM]/硫酸キニジン[Q])
有効成分(複数可)名:
デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-DM]及び硫酸キニジン[Q]
試験名:
アルツハイマー型認知症患者の激越の治療に対するAVP-786(デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-DM]/硫酸キニジン[Q])の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3多施設試験
目的:
主目的:
・アルツハイマー型認知症患者の激越の治療におけるAVP-786の有効性、安全性、及び忍容性を評価する
副次的な目的:
・激越の重症度及び改善の全体的な評価に対するAVP-786の効果を評価する
・神経精神症状に対するAVP-786の効果を評価する
・生活の質及び資源利用の尺度に対するAVP-786の効果を評価する
研究デザイン:フェーズ3、多施設試験
方法論:
スクリーニング期間(-28日目から-1日目):各患者についてプロトコル適格性フォームに記入し、試験に参加する前に承認のためにメディカルモニターによってレビューされる。
12週間の治療期間(1日目~85日目)
30日経過観察期間:採用したすべての患者は、試験を完了したか、何らかの理由で早期に試験を中止したかにかかわらず、選択した有効性及び安全性評価のために、治験薬の最終投与から30日後に経過観察の来診をする。
評価及び来診:患者は、スクリーニング時、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、来診5(43日目)、来診6(57日目)、来診7(71日目)、来診8/早期中止(Early Termination、ET)(85日目)、経過観察来診(最終投与から30日後)に診療所を訪ねる。
各来診時に実施する試験手順は、評価スケジュールに概説している(表1)。
診断及び選択の主な基準:アルツハイマー型認知症に続発する激越のある患者。アルツハイマー病の可能性があるとの診断は、National Institute on Aging(NIA)-Alzheimer’s Association(AA)(国立老化研究所アルツハイマー病協会)作業グループが発行した2011 Diagnostic Guidelines for Alzheimer’s Diseaseに基づいている。激越の診断は、International Psychogeriatric Association(国際精神老年医学協会、IPA)の激越定義作業グループが開発した認知障害患者の激越の暫定合意定義に基づいている。
主要な選択基準:治験責任医師の判断により、スクリーニングの少なくとも2週間前に中等度から重度の激越が臨床的に有意であり、日常生活に支障をきたしており、可逆的因子の評価及び一連の非薬理学的介入の後、治験責任医師の判断により激越の治療に薬物療法が必要である、50歳から90歳(包括的)の患者。試験に参加するには、スクリーニング時及びベースラインのNeuropsychiatric Inventory Agitation/Aggression(神経精神医学目録激越/攻撃)-(NPI-AA)スコアが4以上、Mini Mental State Examination(MMSE)スコアが8~24(包括的)であることが必要である。
主要な除外基準:主に非アルツハイマー型認知症の患者(例えば、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、物質誘発性認知症)及びアルツハイマー型認知症に続発しない(例えば、痛み、他の精神障害、またはせん妄に続発する)激越の症状を示す患者は対象外である。
治験薬、投与量及び投与方法:
AVP-786カプセルは、AVP-786-18(d6-DM 18mg/Q 4.9mg)またはAVP-786-42.63(d6-DM 42.63mg/Q 4.9mg)の用量で1日2回経口投与される。
治療期間:患者は、下記の期間を含む、約20週間この試験に参加する。
・最長28日間のスクリーニング期間
・12週間の二重盲検治療期間
・30日間経過観察期間
評価基準:
有効性:
一次有効性測定:Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)
主要な二次的有効性測定:Clinical Global Impression of Severity of Illness for Agitation(CGIS-激越)
その他の有効性測定:その他の有効性測定は、Clinical Global Impression of Change(CGIC-激越)、NPI-AA、NPI合計、EuroQol 5-Dimension 5-Level(EQ-5D-5L)、及びResource Utilization in Dementia-Lite(RUD-Lite)を含む。
薬物動態:d6-DM、その代謝物であるd3-デキストロルファン(d3-DX)とd3-3-メトキシモルフィナン(d3-3-MM)、及びQの血漿中濃度を測定する。d6-DM及びその代謝物であるd3-DXの尿中濃度を測定する。
安全性:AVP-786の安全性及び忍容性は、報告された有害事象(AE)、身体的及び神経学的検査、バイタルサイン、臨床検査評価、安静時12誘導心電図(ECG)、MMSE、Epworth Sleepiness Scale(ESS)(エプワース眠気尺度)、ならびにSheehan Suicidality Tracking Scale (S-STS)(シーハン自殺傾向追跡尺度)によって評価される。
有効性分析:主要有効性評価項目は、ベースラインから有効期間の終わりまでのCMAI合計スコアの変化である。
すべての有効性分析は、治療意図分析セットに基づいており、これは、治験薬(AVP-786)を少なくとも1回服用し、ベースラインがあり、CMAI合計スコアのベースライン後の評価が少なくとも1回ある無作為化集団のすべての患者として定義される。一般に、すべての有効性変数について記述統計が提供される。連続変数は、平均、中央値、範囲、及び標準偏差(SD)の集計によって要約される。カテゴリ変数に対して頻度分布の表が提供される。主要評価項目は、混合効果モデル反復測定(mixed-effect model repeat measures、MMRM)を使用して分析する。
薬物動態分析:d6-DM、その代謝物であるd3-DX及びd3-3-MM、ならびにQの血漿中濃度をわかりやすくまとめる。d6-DM及びその代謝物であるd3-DXの尿中濃度をわかりやすくまとめている。
安全性分析:安全性分析は、無作為化され、治験薬を少なくとも1回服用するすべての患者として定義された安全性集団に基づいている。安全性分析は、生物学的パラメーター及び有害事象のデータ要約で構成されている。一般に、すべての安全性変数について記述統計が提供される。連続変数は、平均、中央値、範囲、及び標準偏差の集計によって要約される。カテゴリ変数に対して頻度分布の表が提供される。安全性分析は治療ごとに表にまとめている。有害事象は、MedDRA for Regulatory Activities(MedDRA)を使用してコード化される。血圧(収縮期及び拡張期)、心拍数、呼吸数、及び心電図パラメーターの絶対値及びベースラインからの変化率の要約統計が提供される。臨床検査パラメーターは、記述統計、及びベースラインと治療終了の間の正常範囲に関する結果の変化を介して、増加、減少、または変化なしとして要約される。S-STS、MMSE、及びESSは、記述統計によって要約される。
Figure 2023523373000005
Figure 2023523373000006
Figure 2023523373000007
Figure 2023523373000008
用語の略称及び定義の一覧表
本実施例1では、次の略語及び専門用語が使用されている。
Figure 2023523373000009
Figure 2023523373000010
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1. 治験計画
1.1. 全体的な研究デザイン
これは、12週間の治療期間を伴うフェーズ3の多施設試験である。この試験は、4週間のスクリーニング期間、12週間の二重盲検治療期間、及び30日間の経過観察期間で構成されている。
スクリーニング期間(-28日目~-1日目)
患者の適格性は、ベースライン来診から4週間以内に行われるスクリーニング来診中に決定される。各患者についてプロトコル適格性フォームに記入し、試験に参加する前に承認のためにメディカルモニターによってレビューされる。
治療期間(12週間)
治験薬は、ベースライン来診(1日目)から来診8(85日目)まで、1日2回(BID、午前と午後)投与する。
経過観察期間
採用したすべての患者は、試験を完了したか、何らかの理由で早期に試験を中止したかにかかわらず、選択した有効性及び安全性評価のために、治験薬の最終投与から30日後に経過観察の来診をする。
評価及び来診:
患者は、スクリーニング時(-28日目~-1日目)、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、来診5(43日目)、来診6(57日目)、来診7(71日目)、来診8(85日目、または早期中止(ET)来診)、及び治験薬の最終投与から30日後(経過観察来診)に診療所を訪ねる。
試験評価及び手順は、評価及び来診スケジュールに概説されているように、各来診時に実施する(表1)。一次有効性測定はCohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)である。二次的な有効性測定には、激越疾患の重症度の臨床全体印象(CGIS-激越)、激越の変化の臨床全体印象(CGIC-激越)、神経精神医学インベントリー激越/攻撃(NPI-AA)、NPI合計、EuroQol 5-Dimension 5-Level (EQ-5D-5L)、及びResource Utilization in Dementia-Lite(RUD-Lite)を含む。
d6-DM、その代謝物であるd3-DX及びd3-3-MM、ならびにQの血漿濃度の薬物動態(PK)測定値は、来診2(8日目)、来診5(43日目)、及び来診7(71日目)に採取した血液試料から測定する。d6-DM及びその代謝物d3-DXの尿中濃度のPK測定値は、来診2(8日目)に収集した尿試料から測定する。
AVP-786の安全性及び忍容性は、報告された有害事象、身体的及び神経学的検査、バイタルサイン、臨床検査値、安静時12誘導心電図 (ECG)、ならびに次の安全性尺度、すなわち、Mini-Mental State Examination (MMSE)、Epworth Sleepiness Scale (ESS)(エプワース眠気尺度)、及びSheehan Suicidality Tracking Scale(S-STS)(シーハン自殺傾向追跡尺度)によって評価される。
1.2. 試験の評価及び手順
来診による試験の評価及び手順のスケジュールの表形式の要約は、評価及び来診のスケジュールに記載されている(概要表1)。各来診時の評価のより詳細な説明は、本実施例の「評価及び手順のスケジュール」の下に記載されている。
2. 患者の選択及び離脱
この試験に採用した患者は、アルツハイマー病の可能性があると診断され、アルツハイマー病に続発する臨床的に顕著な中等度から重度の激越を呈している必要がある。アルツハイマー病の可能性があるとの診断は、National Institute on Aging(NIA)-Alzheimer’s Association(AA)(国立老化研究所アルツハイマー病協会)作業グループが発行した2011 Diagnostic Guidelines for Alzheimer’s Diseaseに基づいている。アルツハイマー病も激越もせん妄や物質使用及び/または主な精神障害で説明できるはずではない。
国際精神老年医学協会(IPA)の激越定義作業グループ(ADWG)によって開発された、認知障害患者の激越の暫定合意定義を使用して、試験患者を選択する。この提案された定義は、認知障害のある患者に限定されており、以下を必要とする:(a)精神的苦痛の証拠;(b)観察可能な3種類の行動のうちの1つ:過度の運動活動、言葉による攻撃、または身体的攻撃;(c)その行動が過度の障害を引き起こすこと;及び(d)その行動が、最適ではない介護環境、あるいは、精神疾患、医学的疾患、または物質の影響などの他の障害のみに起因するものではないこと。
適格な患者は、治験責任医師の判断により、スクリーニングの少なくとも2週間前に中等度から重度の激越が臨床的に有意でなければならず、日常生活に支障をきたしており、可逆的因子の評価及び一連の非薬理学的介入の後、治験責任医師の判断により激越の治療に薬物療法が必要である。
試験に参加するには、スクリーニング時及びベースラインのNPI-AAスコアが4以上、MMSEスコアが8~24(包括的)であることが必要である。
適格な患者は、試験プロトコルで要求されるように、病歴、身体的及び神経学的検査、ECG、ならびに臨床検査によって文書化されている、そうでなければ許容可能で安定した一般的な健康状態を持っている必要がある。
適格な患者には、必要なすべての試験手順を順守することができ、順守することを望む介護者が必要であり、患者がすべての試験来診に出席し、指示どおりに治験薬を服用することを保証し、これは、試験の過程で禁止されている薬剤を投与しないことを遵守することを含む。介護者はまた、毎日服用したカプセルの数及び投与時間を患者のダイアリーカードに記録するように指示されている。さらに、介護者は、有害事象や介護設定の標準(例えば、生活保護施設の入居者になるなど)を含む患者の状態の変化を報告する責任があり、また、治験責任医師の施設で試験チームに治験治療に関する印象及び評価を提供する責任がある。CMAI介護者日記は、介護者がCMAI面接プロセス中の行動の報告をサポートするために使用する。この試験中の患者の状態の変化を評価可能な信頼できる情報提供者(すなわち、介護者)としての資格を得るために、個人は週に4日間、1日あたり最低2時間患者と過ごす必要がある。さらに、この個人は、試験を通して患者の介護者としての役割を継続する必要がある。
この試験の選択及び除外基準の完全なリストは、次のセクションに記載する。
2.1. 患者選択基準
1. 同意取得時の年齢が50~90歳(包括的)の男女。
2. 2011年NIA-AA作業グループ基準によるアルツハイマー病の可能性があるとの診断。外来患者、または介護施設、高度養護施設、認知症病棟、若しくは長期ケアを提供するその他の種類の施設の居住者。
3. スクリーニング及びベースラインでのMMSEスコアが8~24(包括的)。
4. 患者は、治験責任医師の判断により、スクリーニングの少なくとも2週間前に、臨床的に顕著な中等度から重度の激越があり、日常生活に支障をきたしている。
5. 可逆的因子(例えば、疼痛、感染、または多剤併用)の評価、及び非薬理学的介入のコース(例えば、行動のリダイレクト、グループ活動、音楽療法)の後に、治験責任医師の判断により、激越の治療のために薬物療法が必要な患者。
6. 激越の診断は、激越の国際精神老年医学協会(IPA)の暫定的な定義を満たす必要がある。
7. NPI-AAの合計スコア(頻度×重症度)は、スクリーニング及びベースラインで4以上でなければならない。
8. 治験責任医師の判断により、患者の心機能、肺機能、肝機能、腎機能が安定している。
9. 中央判定に基づくスクリーニング心電図、ならびに機械読み取り及び治験責任医師の評価に基づくベースライン投与前心電図に臨床的に重要な所見はない。
10. 出産の可能性があり、性的に活発な女性は、ベースラインの少なくとも1か月前、試験への参加中、及び治験薬の最終投与後少なくとも30日間、効果的な避妊法を使用する必要がある。次の要件を満たす必要がある。
・出産の可能性のある女性は、1つの避妊方法の失敗のリスクを最小限に抑えるために、次の予防措置のうち2つを使用する必要がある:精管切除、卵管結紮、膣横隔膜、子宮内避妊器具、経口避妊薬、避妊用デポ注射、避妊用インプラント、または殺精子剤を含むコンドーム若しくは殺精子剤を含むスポンジ。周期的禁欲(例えば、カレンダー法、排卵日法、症候体温法、排卵後の方法)、治験薬への暴露期間中の禁欲の宣言、または離脱は、避妊の許容される方法ではない。
・不妊症(すなわち、卵巣摘出術及び/または子宮摘出術を受けた)、閉経後(別の医学的原因のない12か月連続して月経がないことと定義)、または真の禁欲を実践している(この方法が患者の好みの通常のライフスタイルに沿っている場合)女性は、この要件から免除される。
・授乳中、妊娠中、または妊娠を計画している女性は、試験への参加資格はない。
11. 制限及び禁止されている併用薬については、試験開始前及び試験中の安定期間またはウォッシュアウトの期間に関するすべてのプロトコル要件を満たすことを望み、満たすことができる患者(表3制限及び禁止されている併用薬、ならびに、付録1禁止されている併用薬を参照)。
2.2. 患者除外基準
1. 治験責任医師の意見では、介護者は、試験の指示に従うことを望まない、または従うことができない。
2. 患者は、主に非アルツハイマー型の認知症を患っている(例えば、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、物質誘発性認知症)。
3. アルツハイマー型認知症に続発しない激越の症状を有する患者(例えば、疼痛、他の精神障害、またはせん妄に続発する)。
4. 第1軸障害と診断された患者(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 5th Edition, Text Revision [DSM-5] criteria)、以下を含むが、これらに限定されない:
・統合失調症、統合失調感情障害、または認知症に関連しないその他の精神病性障害
・双極I型またはII型障害、特に特定されない双極性障害
・現在の大うつ病エピソード:大うつ病性障害の既往歴があり、現在症状のない患者は適格である。スクリーニング来診の少なくとも3か月間、許可されている抗うつ薬(複数可)の安定した用量(複数可)を現在服用している患者は適格である。
5. 重症筋無力症の患者(キニジンの禁忌)。
6. 完全な心ブロック、QTc延長、または多形性心室頻拍の個人歴がある患者。
スクリーニング及びベースライン投与前のQT間隔は、心室ペーシングによる場合を除き、男性で450ミリ秒を超え、女性で470ミリ秒を超えるフリデリシア式(QTcF)を使用して心拍数に対して補正されている(セクション8.1.5を参照)。
スクリーニング心電図は中央判定に基づいている。ベースラインの投与前心電図は、機械の読み取り及び治験責任医師の評価に基づいている。機械読み取りによるQTcF結果が除外される場合は、治験薬を投与せず、メディカルモニターに連絡されたい。
中央リーダーによって評価され、治験責任医師によって臨床的に重要であると見なされた期外心室収縮(PVC)あり。
7. 先天性QT間隔延長症候群の家族歴がある患者。
8. DM、Q、アヘン剤(コデインなど)、または治験薬の他の成分に対する過敏症が知られている患者。
9. Qと併用したDMまたはQと併用したd6-DMを受けたことがある患者。
10. 試験中に禁止された併用薬を必要とする可能性が高い患者(表3、制限及び禁止された併用薬、ならびに、付録1禁止された併用薬を参照)。
11. 試験の安全性結果の解釈を混乱させる可能性のある共存する臨床的に重要なまたは不安定な全身性疾患を有する患者(例えば、悪性腫瘍(皮膚基底細胞癌を除く)、管理不良の糖尿病、管理不良の高血圧、不安定な肺、腎臓若しくは肝臓の疾患、不安定な虚血性心疾患、拡張型心筋症、または不安定な心臓弁膜症)。他の特定の非転移性がんが許可される場合がある。各ケースは、メディカルモニターで個別に評価される。
12. 他の介入(薬剤またはデバイス)臨床試験に現在参加している、若しくは参加したことがある患者、またはベースラインから30日以内に別の介入薬若しくはデバイス試験に参加した患者と、臨床試験対象データベース(CTSデータベース)で「事実上確実」に一致することが判明した患者。
13. ベースラインから12か月以内に、体位性失神の病歴または原因不明の失神(ケースバイケースで評価)の病歴がある患者。
14. ベースラインから12か月以内に薬物及び/またはアルコール乱用の履歴がある患者。
15. 治験責任医師による臨床評価に基づいて、試験中に転倒の差し迫ったリスクが高いと判断された患者。
16. -Sheehan Suicidality Tracking Scale(シーハン自殺傾向追跡尺度、S-STS)に基づくスクリーニング及びベースラインでの自殺の深刻なリスクの証拠がある患者、すなわち、質問2~6若しくは11のいずれかでスコア3若しくは4、または質問1a、7~10、若しくは12のいずれかでスコア2以上、または治験責任医師の意見で自殺の深刻なリスクがあると思われる患者。
17. 治験責任医師、メディカルモニター、またはスポンサーの意見で、試験に参加すべきではない患者。
2.3. 患者の離脱基準
患者及び介護者は、口頭及び書面によるICFで、他の方法で得られる利益を害したり損失したりすることなく、いつでも試験を中止する権利があることを通知される。治験責任医師または治験依頼者は、併発疾患、有害事象、患者の健康若しくは幸福に関するその他の理由、または協力の欠如、不遵守、プロトコル違反、またはその他の管理上の理由が発生した場合、患者の治験を中止することができる。患者が予定された来診に戻らない場合は、患者に連絡するためにあらゆる努力を払う必要がある。状況に関係なく、可能であれば、患者の転帰を記録するためにあらゆる努力を払う必要がある。治験責任医師は、中止の理由を尋ね、未使用の治験薬をすべて返却するよう介護者に要求し、未解決の有害事象について患者をフォローアップする必要がある。
さらに、ベースライン来診後(1日目)の任意の時点で、持続的なQTc間隔(QTcF)が500ミリ秒を超える(心室ペーシングによる場合を除く)、または投与前のベースライン心電図からの持続的なQTcF間隔の変化が60ミリ秒を超える患者が中央心電図リーダーによって確認された場合、メディカルモニターとの相談後に試験から取り下げられる。QTcF値は、臨床的意義について評価され、記録される。
試験を早期に終了した患者は、選択した有効性及び安全性評価のために、早期中止来診して、来診8(85日目/早期中止)評価、及び治験薬の最終投与から30日後に経過観察来診をする。患者が試験を早期に終了した場合、治験責任医師及び現場の担当者は、患者及び介護者が早期中止来診及び経過観察来診のために診療所に戻るようにあらゆる努力を払う必要がある。
3. 患者の治療
3.1. 治験薬の説明
治験薬は、紫色のキャップと白色の本体を備えた不透明なハードゼラチンカプセルとして提供される。各カプセルは、次のいずれかを含む。
・AVP-786-18カプセル:18mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP;EP)
・AVP-786-42.63カプセル:42.63mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP;EP)
薬剤供給は、二重盲検、個別、事前にラベル付けされたブリスターカードで施設に提供される。
3.2. 併用薬及び非薬物治療
来診のたびに、介護者は、患者が併用薬を服用しているかどうかを尋ねることが要求され、服用している場合、治験責任医師は服用した薬及びその使用理由を記録する。
AVP-786は、P-糖タンパク質阻害剤であるキニジンを含む。P-糖タンパク質基質であるジゴキシンとキニジンを同時に投与すると、血清ジゴキシンレベルが2倍になる可能性がある。ジゴキシンを併用している患者では、血漿ジゴキシン濃度を注意深く監視し、必要に応じて用量を減らす必要がある。
CYP2D6が産生する代謝産物によって作用が媒介されるプロドラッグ(例えば、鎮痛効果及び鎮咳効果がそれぞれモルヒネ及びヒドロモルフォンによって媒介されるように見えるコデイン及びヒドロコドン)の場合、CYP2D6のキニジン媒介阻害により、AVP-786の存在下で望ましい臨床的利益を達成することは不可能かもしれない。代替治療を検討する必要がある。
早期に終了した患者の場合、許可された併用薬及び非薬物療法または禁止された薬の使用条件は、早期中止来診と経過観察来診の間に適用しない。この期間中の薬剤の使用は、治験責任医師の裁量に任されている。患者は、治験薬を中止してからモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)を開始するまでに、少なくとも14日間空ける必要がある。
3.2.1. 制限及び併用禁止薬
特定の制限付きで許可または禁止されている向精神薬の併用薬を表3に示す。重大な薬物相互作用を引き起こす可能性のある併用禁止薬の詳細なリストを付録1に示す。
Figure 2023523373000012
Figure 2023523373000013
4. 治験薬の材料及び管理
4.1. 治験薬組成
治験薬の各カプセルは、次のいずれかを含む。
・AVP-786-18/4.9:18mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP;EP)
・AVP-786-42.63/4.9:42.63mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP;EP)
5. 有効性の評価
可能な限り、各患者及び介護者は、評価の一貫性のために、試験全体を通して同じ評価者によって実施された評価尺度を持つべきである。CMAI、CGIS-激越、CGIC-激越、及びNPIの各尺度は、各来診時に同じ評価者によって実施されなければならない。
5.1. コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)
CMAIは、この試験の主要な有効性指標として使用される。CMAI(ロングフォーム版)は、高齢者の激越行動の発現頻度を評価するために使用される。CMAIは、激越のCMAI因子としても知られている、異なる激越症候群にさらに分類される29の激越行動で構成されている。これらの異なる激越症候群は、攻撃的な行動、身体的に非攻撃的な行動、及び言語的激越行動を含む。因子1、因子2、及び因子3の3つの面のスコアは、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP, Katz I, Brodaty H, Cohen-Mansfield J. Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998に記載され、本明細書の他の場所でより詳細に記述されている因子構造に基づいて導き出される。29項目のそれぞれは、7段階の頻度で評価する(1=まったくない、2=週に1回未満であるが、まだ発生している、3=週に1回または2回、4=週に数回、5=1日に1回または2回、6=1日に数回、7=1時間に数回)。評価は、CMAIの2週間前の評価に基づいている。
CMAIは、スクリーニング(-28日目から-1日目)、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、来診5(43日目)、来診6(57日目)、来診7(71日目)、来診8(85日目/早期中止)、経過観察来診(投与後30日)に評価される。CMAIは、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。
5.2. 激越の疾患の重症度の臨床全体印象(CGIS-激越)
CGISは、疾患の重症度を測定する観察者評価尺度であり、精神医学研究で最も広く使用されている簡単な評価ツールの1つである。
CGISのEarly Clinical Drug Evaluation Unit版は、この検証済みツールの最も広く使用されている形式であり、臨床医が、付随情報の有無にかかわらず、同じ診断を受けた他の患者との過去の経験と比較して患者を評価するように求められる。CGISは、多くの臨床薬物試験で有効性の堅牢な尺度であることが証明されており、臨床医が患者をよく知っていれば、簡単かつ迅速に実施できる。
CGIの信頼性及び有効性は、認知症、統合失調症、及び情動障害の患者を含む複数の試験で検証されている。全体的にCGIは他の評価手段と高い相関関係(r:約90%)を示し、他の臨床医の評価と正の有意な関係及び同時妥当性も示している。さらに、この尺度は時間の経過と共に変化する感度が良好である。
CGIS-激越は7点(1~7)スケールであり(1=正常、まったく病気ではない;7=最も重篤な患者)、この試験で激越の重症度を評価する。CGIS-激越は、スクリーニング(-28日目から-1日目)、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、来診5(43日目)、来診6(57日目)、来診7(71日目)、来診8(85日目/早期中止)、経過観察来診(投与後30日)に評価される。CGIS-激越は、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。
5.3. 激越の変化の臨床全体印象(CGIC-激越)
CGIC-激越は7ポイント(1~7)スケール(1=非常に改善した;7=非常に悪くなった)、この試験で激越の重症度の変化を評価する。CGIC-激越評価は、来診2(8日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、来診5(43日目)、来診6(57日目)、来診7(71日目)、及び訪来診8(85日目/早期中止)に行われる。CGIC-激越は、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。
5.4. 神経精神医学インベントリー(NPI)
NPIは、認知症を含むさまざまな疾患設定において精神病理を評価するための検証済みの臨床道具である。NPIは、12の神経精神症状ドメインをカバーする、情報提供者である介護者のレトロスペクティブなインタビューであり、この12の神経精神症状ドメインは、妄想、幻覚、激越/攻撃性、抑うつ/不快感、不安、高揚感/多幸感、無感動/無関心、脱抑制、過敏性/不安定性、異常な運動行動、睡眠及び夜間行動障害、ならびに食欲/摂食障害である。ドメイン内の神経精神症状は、頻度(1~4)と重症度(1~3)の両方の観点から介護者によってまとめて評価され、複合症状ドメインスコア(頻度x重症度)が得られる。介護者の苦痛は、0(まったく苦痛ではない)から5(非常に苦痛である)のスコアで固定されたスケールで、正の神経精神症状ドメインごとに評価される。
NPIは、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診5(43日目)、来診7(71日目)、及び来診8(85日目/早期中止)で患者の介護者が実施する。NPIの激越/攻撃ドメイン(NPI-AA)のみは、スクリーニング(-28日目~-1日目)、来診3(15日目)、来診4(29日目)、及び来診6(57日目)で患者の介護者が実施する。回想期間は、すべての来診について2週間である。NPIは、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。NPI nursing-home version(NPI-NH)は、入院患者または介護施設の患者に使用される。
5.5. EuroQol 5-Dimension 5-Level(EQ-5D-5L)
EQ-5D-5Lは、健康関連の生活の質を測定する包括的なアンケートであり、記述システムと EuroQol Visual Analogue Scale(EQ VAS)で構成されている。記述システムは、5つの面(可動性、セルフケア、日常の活動、痛み/不快感、及び不安/抑うつ)を含み、各面には、問題なし、軽微な問題、中等度の問題、重篤な問題、及び極度の問題の5つのレベルがある。EQ VASは、回答者の自己評価された健康状態を垂直の視覚的アナログスケールで記録し、評価項目には「想像できる最高の健康状態」と「想像できる最悪の健康状態」というラベルが付けられている。この情報は、個々の回答者が判断した健康転帰の定量的尺度として使用できる。EQ-5D-5Lには、患者が評価するバージョンと介護者が評価するバージョン(EQ-5D-5L-proxy)の2つのバージョンがある。患者バージョンは、ベースライン来診時にMMSEスコアが10以上の患者によってのみ評価される。
EQ-5D-5L-proxy(及びMMSEが10以上の患者の場合はEQ-5D-5L)は、ベースライン(1日目)及び来診8(85日目/早期中止)で評価される。
5.6. Resource Utilization in Dementia (RUD) Lite
RUDは、認知症に関連する医療費の計算に使用される。入院や医師の診察、生活支援、専門外の介護者が費やす時間など、認知症患者の公式及び非公式の医療資源の利用を評価する。臨床試験のコンテキスト内で、RUDは新しい医薬品治療の費用対効果を判断するためによく使用される。
RUDは、患者の主介護者との半構造化面接として実施され、2つのセクションを含む。1つは介護者の影響(介護者が被る仕事と余暇の損失)に焦点を当てたものであり、もう1つは患者の医療資源の使用に焦点を当てたものである。患者の認知症に関連する総医療費は、使用されるユニットの数(例えば、介護者の時間数、医師の診察回数、宿泊施設で泊まった日数)に、対応するユニット価格ベクトルを掛けることによって見積もることができる。
RUD-Lite(RUD 5.0)は、介護者の面接負担を軽減するために開発されたRUDの短縮バージョンである。介護者のリソースの使用(介護者にとって一般的に低い)に関する質問(例えば、仕事の状況、休息または病院でのケア、社会サービス、デイケア、または薬物使用)は、RUD-Liteから削除された。
RUD-Liteは、ベースライン(1日目)及び来診8(85日目/早期中止)で評価される。
6. 安全性評価
6.1. 安全性パラメーター
6.1.1. 有害事象及び重篤な有害事象
6.1.1.1. 有害事象の定義
有害事象(AE)とは、治験薬に関連すると考えられるかどうかにかかわらず、併発する病気を含む、望ましくない医学的発生または意図しない変化(例えば、身体的、心理的、または行動的)である。したがって、有害事象は、治験薬に関連すると考えられるかどうかにかかわらず、治験薬の使用に一時的に関連する好ましくない意図しない徴候(例えば、臨床的に重要な検査所見の異常を含む)、症状、または疾患であり得る。正常な成長及び発達に関連する変化で、頻度や大きさが通常臨床的に予想されるものと変わらないものは、有害事象ではない(例えば、生理学的に適切な時期に起こる月経の開始)。
臨床的有害事象は、可能であれば症状ではなく診断によって説明する必要がある(例えば、鼻水の代わりに風邪や季節性アレルギー)。
過剰摂取とは、プロトコルで指定された用量よりも高く、既知の治療用量よりも高い用量での、意図的または不注意による治療の投与である。毒性影響が観察されなかったとしても、結果に関係なく報告する必要がある。
有害事象は3段階の重篤度スケールで等級付けされ、eCRFに示されているように詳細に報告される。
軽度:容認しやすく、不快感を最小限に抑え、通常の日常生活に支障をきたさない
中等度:通常の日常生活に支障をきたすほどの不快感
重度:通常の日常活動を無力化する及び/または妨げる
各有害事象と治験薬との関係は、治験責任医師が以下の説明を使用して決定する必要がある。
関係ない:事象が、患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因に明らかに関連している
関連性が低い:事象は、患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因によって発生する可能性が最も高く、治験薬に対する既知の応答パターンに従わない
おそらく関連している:事象は、治験薬投与時から妥当な時系列に従っており、及び/または治験薬に対する既知の応答パターンに従う。しかし、患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因によって発生した可能性がある
関連している:事象は、治験薬投与時から妥当な時系列に従っており、治験薬に対する既知の応答パターンに従う。患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因によって合理的に説明できない
6.1.1.2. 重篤な有害事象
重篤な有害事象(SAE)は、次の結果のいずれかをもたらす任意の用量で発生する任意の有害事象である。
1. 死亡
2. 生命を脅かす経験(最初の報告者の見解では、有害事象が発生した時点で、患者がその有害事象による即時の死亡リスクにさらされている経験;すなわち、より深刻な形で発生した場合、死を引き起こした可能性のある有害事象は含まれていない)
3. 永続的または重大な障害/無能力(障害とは、通常の生活機能を遂行する個人の能力の実質的な混乱である)
4. 入院または入院の延長
5. 先天性異常・出生異常
死をもたらしたり、生命を脅かしたり、入院を必要とする可能性はないが、適切な医学的判断を基にして、患者を危険にさらし得るか、または、定義の結果の1つを防ぐために医学的または外科的介入が必要な場合がある、SAEと見なされ得る重大な医学的事象。
「がん」及び「過剰摂取」という用語は、必ずしもSAEと見なされるわけではないが、患者ががんまたは過剰摂取を経験した場合でも、AEとして報告する必要がある。
妊娠はAEまたはSAEとは見なさないが、試験中に発生した報告したすべての妊娠は、妊娠及び授乳暴露フォーム(Pregnancy and Breastfeeding Exposure Form、PBEF)で報告する。現場は、最終的な結果がわかるまで、患者/パートナーを各学期でフォローアップする必要がある(すなわち、正常分娩、異常分娩、自然/自発的/治療中絶)。AEまたはSAEの要件を満たす合併症が発生した場合は、知ってから24時間以内に報告する必要がある。妊娠中または妊娠の可能性がある患者は、この試験から除外される。試験中に患者が妊娠した場合、治験薬を中止し、妊娠中の薬物曝露の可能性を把握するために妊娠報告書に記入し、妊娠を知ってから24時間以内に報告する必要がある。
試験の男性患者の出産の可能性のあるパートナーが、治験薬の最後の投与または試験の完了のいずれか遅い方から30日以内に妊娠した場合にも、妊娠報告書に記入する必要がある。
「重度」という用語は強度の尺度である。したがって、重度のAEは必ずしも深刻ではない。例えば、数時間続く吐き気は重度と評価されても、臨床的に深刻ではない場合がある。
6.1.2. 身体診察及び神経学的検査
スクリーニング(-28日目~-1日目)及び来診8(85日目/ET)に、身体診察及び神経学的検査を実施する。身体診察は、頭、目、耳、鼻、喉、リンパ節、皮膚、四肢、呼吸器、胃腸、筋骨格、心臓血管、及び神経系の評価を含む。神経学的検査は、精神状態、脳神経、運動系、反射、協調、歩行と姿勢、及び感覚系の評価を含む。身体診察及び神経学的検査は、可能な限り毎回同じ人が実施する必要がある。
治験責任医師がスクリーニング時に臨床的に重要であると判断した身体的及び神経学的検査の異常は、病歴として記録する必要がある。
スクリーニング検査からの身体的及び神経学的検査結果の臨床的に重要な変化は、AEとして記録する必要がある。
6.1.3. バイタルサイン
起立性血圧(BP)及び心拍数(HR)の測定は、経過観察来診を除くすべてのクリニック来診で行われる。仰臥位の血圧及び心拍数は、患者が仰臥位で少なくとも5分間休んだ後に測定する。各測定は同じ位置で2回行い、記録する。仰臥位での血圧及び心拍数の測定後、患者は長くとも3分間静止し、立ってから1~3分以内に立っている血圧及び心拍数を1回測定する。
呼吸数(呼吸/分)及び体温(°F/℃)は、すべてのクリニック来診時に評価する。
6.1.4. 体重と身長
身長と体重はベースライン(1日目)で測定する。来診8(85日目/ET)で体重のみを測定する。
6.1.5. 心電図(ECG)
安静時12誘導心電図は、スクリーニング、ベースライン、来診2(8日目)、来診5(43日目)、及び来診8(85日目/ET)で実行する。スクリーニング時、3つの心電図を行う(例えば、次々に)。ベースライン(1日目)及び来診2(8日目)で、2つの心電図を行う。1つは治験薬投与前、もう1つは治験薬投与の1~1.5時間後に行う。心電図は来診5(43日目)及び来診8(85日目/ET)の任意の時点で行う。
ECG機器は、中央リーダーによって提供される。ECGデータは試験センターで記録され、一般的な所見、心拍数(心拍/分)、QRS群、PR及びQTc間隔(ミリ秒)を含む。結果は、中央リーダーから24時間以内に治験責任医師に提供する。スクリーニング時に存在する心電図異常は、病歴として記録する。治験責任医師が臨床的に重要であるとみなすスクリーニング来院時のECG状態からの変化は、AEとして記録する必要がある。臨床的に重大な異常な心電図は、メディカルモニターと話し合う必要があり、必要に応じて、1週間以内に繰り返す必要がある。
試験への採用資格については、スクリーニング時に実施された3つのECGのQTcF評価が中央判定に基づいている。3つのスクリーニングECGのうち2つが、男性ではQTcFが450ミリ秒超え、女性では370ミリ秒を超える場合(心室ペーシングによる場合を除く)、患者は除外される。1つのスクリーニングECGだけが、男性ではQTcFが450ミリ秒超え、女性では370ミリ秒を超え、他の2つのスクリーニングECGのいずれにも再現されていない場合、患者は試験に適格である可能性がある。ベースラインで実施される心電図の評価は、機械読み取り及び読み取りについての治験責任医師の評価に基づいている。機械読み取りによるベースライン投与前のECG QTcFの結果が除外される場合は、患者に投与せず、メディカルモニターに相談する必要がある。
6.1.6. 臨床検査値の評価
特に指定のない限り、次の臨床検査評価は、スクリーニング(-28日目~-1日目)、来診5(43日目)、及び来診8(85日目/ET)で実施する必要がある。
・血液化学(カルシウム、マグネシウム、リン、グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、二酸化炭素、血中尿素窒素、血清クレアチニン、尿酸、アルブミン、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、乳酸脱水素酵素、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ、クレアチンキナーゼ、γ-グルタミルトランスフェラーゼ、トリグリセリド、総タンパク質、及び総コレステロール)
・血液学(赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球[WBC]カウント、好中球、バンド、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板数、及び形態)
・尿検査(pH、比重、タンパク質、グルコース、ケトン、血液、白血球エステラーゼ、硝酸塩、及び顕微鏡的外観)
・スクリーニング受診時のみの甲状腺機能検査(TSH、及びTSHが異常な場合は反射T3及びT4)
・スクリーニング来診時及び来診8(85日目)のみでのグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)テスト
・来診2(8日目)のみでのCYP2D6ジェノタイピング
・来診2(8日目)のみでのアミロイドβバイオマーカー
臨床的に有意な異常な臨床検査結果を持つ患者は、医学的に指示されている場合、1週間後またはそれより前に再検査を受けるようにメディカルモニターによって要求される場合がある。臨床的に有意な検査異常は、試験採用からの除外の根拠となる場合がある。
6.1.7. ミニメンタルステート検査(MMSE)
MMSEは、認知障害のスクリーニングに使用される30点の簡単なアンケートテストである。認知症をスクリーニングするために医療で一般的に使用されている。また、特定の時点での認知障害の重症度を推定し、時間の経過に伴う個人の認知変化の経過をたどるためにも使用されるため、治療に対する個人の反応を記録する効果的な方法になる。MMSE尺度は、患者の認知状態を評価するために、見当識、記憶、注意、及び言語に関する11の質問または簡単なタスクを含む。MMSEの合計スコアは0~30の範囲で、スコアが高いほど認知機能が優れていることを示す。訓練を受けた評価者が管理するのに必要な時間はわずか5~10分である。
MMSEは、スクリーニング(-28日目~-1日目)、ベースライン(1日目)、及び来診8(85日目)で評価される。
6.1.8. エプワース眠気尺度(ESS)
ESSは8項目のアンケートであり、ほとんどの人が1日に従事する8つの異なる状況で眠りにつく可能性を評価することによって眠気を測定するために使用される。質問は4段階(0~3)尺度で評価され、0=まったく居眠りしない、1=居眠りする可能性がわずかにある、2=居眠りする可能性が中程度、3=居眠りする可能性が高い。合計スコア0~9が正常と見なされる。
ESSは、ベースライン来診時にMMSEスコアが10以上の患者について、ベースライン(1日目)及び来診8(85日目/ET)で評価する。
6.1.9. シーハン自殺傾向追跡尺度(S-STS)
S-STSは、治療に伴う自殺念慮及び行動を評価する見込みのある尺度である。S-STSの各項目は、5段階のリッカート尺度で採点する(0=全くない;1=軽度;2=中等度;3=重度;4=非常に重度)。S-STSは、個々の項目のスコア、自殺念慮下位尺度スコア、自殺行動下位尺度スコア、または合計スコアとして分析できる。尺度上の項目の期間は、スクリーニング来診の場合は「過去6か月間」であり、他のすべての来診の場合は「最後の来診以降」である。
S-STSは、スクリーニング(-28日目~-1日目)、ベースライン(1日目)、及び来診8(85日目/ET)で評価される。自殺傾向の存在を示すS-STSスコアの変化は、治験責任医師が評価し、メディカルモニターに報告する必要がある。
6.1.10. 適格性のための転倒リスクの評価
6.1.10.1. Timed Up and Go(TUG)テスト
TUGテストでは、個人が標準的な肘掛け椅子から立ち上がり、3メートル歩き、向きを変え、椅子に戻って座るまでの時間(秒単位)を測定する。TUGは、機能的可動性及び転倒のリスクを測定するために一般的に使用される尺度である。TUGテストは、スクリーニング(-28日目~-1日目)でのみ実行され、試験の適格性を目的として転倒のリスクを評価する。
6.1.11. Hachinski Ischemic Scale(Rosen Modification)
Rosen-modified Hachinski Ischemic Scaleは、突然の発症、段階的な悪化、身体的愁訴、情緒失禁、高血圧の病歴、脳卒中の病歴、局所的な神経学的徴候、及び局所的な神経学的徴候の8つの質問への回答により、患者の認知症が血管の原因による可能性が高いかどうかを評価する。合計スコアは0~12の範囲であり、スコアが高いほど血管性認知症のリスクが高いことを示す。Rosen-modified Hachinski Ischemic Scaleは、神経学的検査を行う同じ医師によって血管性認知症のリスク及び試験への適格性を評価するためのスクリーニング来院時に完成される。
7. 評価及び手順のスケジュール
来診による評価及び手順のスケジュールを表1に示す。
7.1. 試験手順の説明
7.1.1. スクリーニング来診(-28日~-1日)
以下の手順は、スクリーニング時(1日目の28日前以内)に実行される。スクリーニング期間は、メディカルモニターとの協議及び承認後に延長される場合がある。患者が採用のために再スクリーニングされた場合、新しいインフォームドコンセント及び/または同意文書に署名し、新しい患者番号を割り当て、すべてのスクリーニング手順を繰り返す必要がある。
1. 治験責任医師は、患者、権限のある代表者、及び/または介護者に、インフォームドコンセント及び/または同意文書を作成し、試験の理論的根拠を説明し、参加者、権限のある代表者、及び/または介護者が質問するための十分な時間を提供する。
2. 選択/除外基準(試験施設で記入されたプロトコル適格性フォーム)をレビューする。
3. 病歴、精神病歴、及び神経学的病歴をレビューし、記録する。これは、患者の人口統計、以前服用した薬及び併用薬(市販薬[OTC]、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入を含む。
4. 転倒のリスク評価を行う(ワークシート及びTUGテスト)。
5. バイタルサインを測定し、記録する。
6. 身体診察及び神経学的検査を行う。
7. 3つの安静時12誘導心電図を行う。
8. 検査室での安全性評価(甲状腺機能検査及びHb A1cを含む)のために、血液及び尿の検体を採取する。
9. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある女性に対してのみ実施する。
10. 介護者はAEに関して質問される。
11. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPI-AAは、CGIS-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI-AAドメイン。試験への参加にはスコアが4以上である必要がある
・CGIS-激越
・MMSE;試験への参加には、スコアが8~24(包括的)である必要がある
・S-STS
12. スクリーニング来診をIWRSに登録する。
選択及び除外基準の評価のためのスクリーニング手順に続いて、試験施設はプロトコル適格性フォームに記入し、試験に参加する前に承認を得るためにメディカルモニターによってレビューされる。治験責任医師及びメディカルモニターによって適格であると見なされた患者は、試験のベースライン来診に進む。
患者の参照正常範囲外のECGまたは臨床検査結果を治験責任医師が臨床的に重要であると考え、その患者を試験参加により高いリスクにさらす可能性がある場合、その患者を採用しない。
7.1.2. ベースライン来診(1日目)
ベースライン来診(1日目)は午前中に行う必要がある。以下の手順を実施する。
投薬前:
1. 選択・除外基準をレビューする。
2. バイタルサインを測定し、記録する。
3. 体重及び身長を測定し、記録する。
4. 安静時の12誘導心電図を行う(投与前)。
5. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある患者に対してのみ実施する。
6. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
7. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPIは、CGIS-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・EQ-5D-5L
・RUD-Lite
・MMSE
・ESS(ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者のみ)
・S-STS
患者は、(上記のスクリーニング及びベースライン評価に基づいて)すべての選択基準を満たし、除外基準を満たさないと判断されてIWRSを介してブリスターカードキット番号が割り当てられたら、ベースライン来診に進む。
投薬後:
1. 安静時の12誘導心電図を行う(投与後1~1.5時間)。
2. 介護者はAEに関して質問される。
3. 患者ダイアリーカード及びブリスターカード(1週間ブリスターカード)が発行される。
7.1.3. 来診2(8日目±3日ウィンドウ)
来診2(8日目)は、治験薬の午前中の投与前の午前中に行う必要がある。以下の手順を実施する。
投薬前:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. 安静時の12誘導心電図を行う(投与前)。
4. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPIは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・CGIC-激越
5. IWRSに試験来診を登録すると、ブリスターカードキット番号が患者に割り当てられる(1週間のブリスターカード)。
投薬後:
1. 安静時の12誘導心電図を行う(投与後1~1.5時間)。
2. PK評価のために血液試料及び尿試料を採取する(投与後1~4時間)。
3. CYP2D6ジェノタイピングのために血液試料を採取する。
4. アミロイドβバイオマーカーのために血液試料を採取する。
5. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために説明され、新しいブリスターカードが配布される(1週間のブリスターカード)。
6. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
7.1.4. 来診3(15日目±3日ウィンドウ)
来診3(15日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、来診前のいつでも自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
来診3において以下の手順を実施する:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPI-AAは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI-AA
・CGIS-激越
・CGIC-激越
4. IWRSに試験来診を登録すると、ブリスターカードキット番号が患者に割り当てられる(2週間のブリスターカード)。
5. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために説明され、新しいブリスターカードが配布される(2週間のブリスターカード)。
6. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
7.1.5. 来診4(29日目±3日ウィンドウ)
来診4(29日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、来診前のいつでも自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
来診4において以下の手順を実施する:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPI-AAは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI-AA
・CGIS-激越
・CGIC-激越
4. IWRSに試験来診を登録すると、ブリスターカードキット番号が患者に割り当てられる(2週間のブリスターカード)。
5. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために説明され、新しいブリスターカードが配布される(2週間のブリスターカード)。
6. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
7.1.6. 来診5(43日目±3日ウィンドウ)
来診5(43日目)は、治験薬の午前中の投与前の午前中に行う必要がある。来診5において以下の手順を実施する:
投薬前:
1. 安全性検査評価及びPK評価のために血液試料を収集する。
以下の手順はいつでも実施できる:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. 安静時の12誘導心電図を(この来診中の任意の時点で)行う。
4. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPIは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・CGIC-激越
5. IWRSに試験来診を登録すると、ブリスターカードキット番号が患者に割り当てられる(2週間のブリスターカード)。
6. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために説明され、新しいブリスターカードが配布される(2週間のブリスターカード)。
7. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
7.1.7. 来診6(57日目±3日ウィンドウ)
来診6(57日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、来診前のいつでも自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
来診6において以下の手順を実施する:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPI-AAは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI-AA
・CGIS-激越
・CGIC-激越
4. IWRSに試験来診を登録すると、ブリスターカードキット番号が患者に割り当てられる(2週間のブリスターカード)。
5. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために説明され、新しいブリスターカードが配布される(2週間のブリスターカード)。
6. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
7.1.8. 来診7(71日目±3日ウィンドウ)
来診7(71日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、来診前のいつでも自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
来診7において以下の手順を実施する:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. PK評価のために血液試料を(この来診中の任意の時点で)採取する。
4. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPIは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・CGIC-激越
5. IWRSに試験来診を登録すると、ブリスターカードキット番号が患者に割り当てられる(2週間のブリスターカード)。
6. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために説明され、新しいブリスターカードが配布される(2週間のブリスターカード)。
7. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
7.1.9. 来診8(85日目±3日ウィンドウ)/早期中止
来診8(85日目/早期中止)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、来診前のいつでも自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
試験完了前に中止した患者は、試験薬の最終投与から48時間以内に、来診8/ETについて記載されている試験手順を完了する必要がある。
来診8(またはET)において以下の手順を実施する:
1. バイタルサインを測定し、記録する。
2. 体重を測定し、記録する。
3. 身体診察及び神経学的検査を行う。
4. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
5. 安静時の12誘導心電図を(この来診中の任意の時点で)行う。
6. 安全性検査評価のために血液試料及び尿試料を収集する。
7. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある女性に対してのみ実施する。
8. 以下の評価を完成する(CMAI及びNPIは、CGIS-激越及びCGIC-激越の前に実施する必要がある):
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・CGIC-激越
・EQ-5D-5L
・RUD-Lite
・MMSE
・ESS(ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者のみ)
・S-STS
9. IWRSに試験来診を登録する。
10. 未使用の治験薬は返却され、コンプライアンスのために考慮される。
11. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされる。
12. 前に報告され、まだ解決されていないAE及び今回の来診時に新たに報告されたAEは、治験薬の最終投与後最長30日間追跡調査される。
介護者及び患者は、治験薬の最終投与から30日後に、経過観察のために診療所に戻るように指示される。
7.1.10. 経過観察来診(最終投与から30日後;+7日ウィンドウ)
経過観察来診は、治験薬の最終投与から30日後(+7日ウィンドウ)に行う必要がある。
以下の手順を実施する。
1. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
次の評価を完成する。
・CMAI(最初に完了)
・CGIS-激越
8. 統計情報
8.1. 分析集団
この試験では、次の解析集団が定義されている。
・採用済み:この試験に採用されたすべての患者
・無作為化:この試験に無作為に割り付けられたすべての患者
・安全性:この試験で無作為化され、治験薬を少なくとも1回服用するすべての患者
・有効性:治験薬を少なくとも1回服用し、ベースラインCMAI合計スコアがあり、CMAI合計スコアのベースライン後の評価が少なくとも1回ある無作為化集団のすべての患者。
一般に、有効性評価項目のベースラインは、患者が無作為化される前の評価項目の最後の観察として定義される。
すべての有効性分析のコアデータセットは、上記の有効性分析セットで定義されたITT集団に基づいている。以下に説明するように、欠落データ及びさまざまな種類の分析(例えば、ベースライン分析からの変化)によって課される制限を処理するために、ITT集団から派生したデータセットを有効性分析に使用する。
8.2. 有効性分析
8.2.1. 主要有効性評価項目解析
主要な有効性評価項目は、ベースラインから有効期間の終わりまでのCMAI合計スコアの変化である。CMAI合計スコアのベースラインから有効期間の終わりまでの変化は、構造化されていない分散共分散構造(UN)を使用したMMRM分析で分析する。このモデルは、治療、試験施設、ベースライン併用抗精神病薬の使用(有/無)、来診週、及び来診週ごとの治療の相互作用項に関する固定クラス効果項を含み、共変量として来診週ごとのCMAI合計スコアとNPI-AAスコアのベースライン値の交互作用項を含む。二重盲検治療期間中のベースライン後の予定されたすべての来診がこのモデルに含まれている。
8.2.2. 主要な二次分析
主要な二次有効性変数は、激越に関連するCGI-Sスコアのベースラインから有効期間の終わりまでの変化である。この変数は、一次有効性変数の分析に指定されたものと同じ統計的方法論によって分析される。
8.2.3. その他の有効性評価項目解析
その他の有効性変数は次のものを含む:
・ベースラインから有効期間における各試験来診までのCMAI合計スコアの変化
・ベースラインから有効期間における各試験来診までのCGIS-激越スコアの変化
・有効期間中の各試験来診時のCGIC-激越スコア
・ベースラインから有効期間における各試験来診までのNPI-AAスコアの変化
・ベースラインから有効期間における各試験来診までのNPI合計スコアの変化
・有効期間中の各治験来診時のCMAI応答率(応答はベースラインからのCMAI合計スコアの30%以上の減少として定義される)
・有効期間中の各治験来診時のCMAI応答率(応答はベースラインからのCMAI合計スコアの50%以上の減少として定義される)
・ベースラインから有効期間における各試験来診までのEQ-5D-5L合計スコアの変化
・ベースラインから有効期間における各試験来診までのRUD-Liteの変化
ベースラインからの変化は、一次分析で説明したものと同じMMRMモデルを使用して評価する。
1つのベースライン後評価による評価項目のベースラインからの変化は、ベースライン値、試験施設、及びベースライン併用抗精神病薬使用(有/無)を共変量とし、治療を主因子とする共分散分析(ANCOVA)を使用して評価する。
応答変数は、Cochran-Mantel-Haenszel(CMH)General Association Testによって評価され、最終観察繰越(LOCF)分析において、試験施設及びベースライン併用抗精神病薬の使用(有/無)について制御される。OC分析は、成層因子を制御しない。
CGIC-激越スコアは、Cochran-Mantel-Haenszelの行平均スコアが異なるテスト(van Eltern)によって評価され、LOCF分析において試験施設及びベースラインの併用抗精神病薬の使用(有/無)を制御する。OC分析は、成層因子を制御しない。
8.3. 安全性分析
8.3.1. 心電図データ
ベースラインからの平均変化は、治療群及び来診ごとにまとめられる。臨床的に関連する変化の発生率は、心電図パラメーターについて計算され、治療群及び来診ごとにまとめられる。
平均値を決定するために、3つの連続した複数(3つの連続した心拍を表す)からのQT及び補正されたQT間隔(QTc)データの分析が測定される。次のQT補正が使用される。
・QTcFは、フリデリシアの式:QTcF=QT/(RR)0.33によって心拍数のために補正したQT間隔の長さである。
結果は来診ごとに要約される。
付録1.併用禁止薬
ベースライン来院前の2週間以内または5半減期以内のいずれか長い方で、現在以下の種類の薬を服用中または服用した患者は、試験への参加資格がない。向精神薬の併用薬(イタリック体)については、スクリーニング来診前のウォッシュアウト期間に関する情報について表3を参照されたい。
併用禁止薬のリストは、以下を含むが、これらに限定されない。
A. Qレベルを上昇させる可能性のある特定の医薬品(閉塞性ドレッシングまたは全身吸収を高めることを目的とした他の技術の下で適用されない限り、除外は局所医薬品を含まない):
・アミオダロン
・抗真菌薬(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール)
・炭酸脱水酵素阻害剤(強力な阻害剤は禁止、トピラメートは許可)
・シメチジン
・デラビルジン
・ジルチアゼム
・マクロライド系抗生物質(例えば、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、テリスロマイシン)
・メキシレチン
・ネファゾドン
・プロテアーゼ阻害剤(例えば、アンプレナビル、アタザナビル、フォセンプレナビル、インジナビル、リトナビル、サキナビル)
・ラノラジン
・ベラパミル
B. Qと併用すると血漿レベルが上昇する可能性のある特定の医薬品:
・アトモキセチン
・三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン)
C. Qに関連する医薬品:
・メフロキン
・キニジン
・キニーネ
D.モノアミンオキシダーゼ阻害薬(セロトニン症候群のリスクを高める可能性がある)
E. DMまたはQの血漿レベルを低下させ得る強力なCYP3A4インデューサー:
・アパルタミド
・カルバマゼピン
・デキサメタゾン
・エンザルタミド
・フォスフェニトイン
・ルマカフター
・ミトタン
・ペントバルビタール
・フェノバルビタール
・フェニトイン
・プリミドン
・アプテシン
・リファマイシン
・リファキシミン
・セントジョーンズワート
F. 激越またはその他の適応症の治療のために処方される可能性のある特定の医薬品:
・フェノチアジン(例えば、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、メトトリメプラジン、メソリダジン、ペンシアジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン)
・定型的抗精神病薬(例えば、ドロペリドール、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ピモジド、ズクロペンチキソール)
G.デキストロメトルファンを含む医薬品(市販薬[OTC]及び処方薬)
実施例2
アルツハイマー型認知症患者の激越の治療に対するAVP-786(デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-DM]/硫酸キニジン[Q])の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行設計試験
Figure 2023523373000014
Figure 2023523373000015
Figure 2023523373000016
題名:アルツハイマー型認知症患者の激越の治療に対するAVP-786(デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-DM]/硫酸キニジン[Q])の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行設計試験。
試験目的
主目的:
・アルツハイマー型認知症患者の激越の治療におけるAVP-786の有効性、安全性、及び忍容性をプラセボと比較して評価する。
副次的な目的:
・神経精神症状に対するAVP-786の効果をプラセボと比較して評価する
・激越の重症度及び改善の全体的な評価に対するAVP-786の効果をプラセボと比較して評価する
・生活の質に対するAVP-786の効果をプラセボと比較して評価する。
試験対象集団
状態/疾患:アルツハイマー型認知症に続発する激越のある患者。可能なアルツハイマー病の診断は、国立老化研究所(NIA)-アルツハイマー病協会(AA)作業グループが発行した2011 Diagnostic Guidelines for Alzheimer’s Diseaseに基づいて行われる。激越の診断は、国際精神老年医学協会(IPA)の激越定義作業グループが開発した認知障害患者の激越の暫定合意定義に基づいて行われる。
主な選択基準:スクリーニング時及び無作為化の少なくとも2週間前に、臨床的に有意な中等度/重度の激越があり、日常生活を妨げ、治験責任医師の意見で処方薬が必要な患者。試験参加には、スクリーニング時及びベースライン時の激越の疾患重症度臨床全体印象尺度(CGIS-激越)スコアが4以上(中等度の疾患)である必要がある。
主要な除外基準:主に非アルツハイマー型認知症の患者(例えば、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、物質誘発性認知症)及びアルツハイマー病に続発しない(例えば、痛み、他の精神障害、またはせん妄に続発する)激越の症状を示す患者は対象外である。
選択/除外基準の完全なリストは、この実施例の他所に示されている。
研究デザイン
構造:これはフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行設計試験である。
期間:患者は約16週間試験に参加し、最長4週間のスクリーニング期間と12週間の治療期間がある。
試験の終了:試験の終了は、「最後の患者の最後の来診」として定義される。これは、最後の患者が最後の来診または評価を行った日付である(治療またはフォローアップの電話を含むフォローアップの目的で)。
試験治療:治験薬はAVP-786(デューデキストロメトルファン臭化水素酸塩)[d6-DM]/硫酸キニジン[Q])である。この試験には、AVP-786の3つの用量、すなわち、d6-DM 18mg/Q 4.9mg、d6-DM 28mg/Q 4.9mg、及びd6-DM 42.63mg/Q 4.9mgが使用され、以下において、それぞれAVP-786-18/4.9、AVP-786-28/4.9、及びAVP-786-42.63/4.9と呼ばれる。
対照:試験薬と同一の外観のプラセボカプセルを対照として使用する。
無作為化/層別化:適格な患者は、この試験にAVP-786-28/4.9、AVP-786-42.63/4.9、またはプラセボ群に無作為に群分けされる。無作為化は、抗精神病薬の同時使用(有対無)及び試験施設によって層別化される。
用量レジメン:適格な患者は、ベースライン訪問時に無作為に割り当てられ、AVP-786または一致するプラセボカプセルを受け取る。治験薬は、試験中、1日2回経口投与される(BID、午前中に1カプセル、午後に1カプセル、約12時間間隔)。
・AVP-786-28/4.9群に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-18/4.9を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始める。8日目から、患者はAVP-786-18/4.9を14日間、1日2回服用する。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-28/4.9を1日2回服用する。治験責任医師が必要と判断した場合、来診3の後から来診4まで(来診4を含む)(すなわち、23日目~43日目)、AVP-786-18/4.9についての1回限りの用量下方調整は許可され、残りの試験期間中、患者はより低い用量の治験薬を服用し続ける。試験来診の間に用量調整を必要とする患者は、安全性評価を行うために予定外の来診を行う必要がある。
・AVP-786-42.63/4.9群に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-28/4.9を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始める。8日目から、患者はAVP-786-28/4.9を14日間、1日2回服用する。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-42.63/4.9を1日2回服用する。治験責任医師が必要と判断した場合、来診3の後から来診4まで(来診4を含む)(すなわち、23日目~43日目)、AVP-786-28/4.9についての1回限りの用量下方調整は許可され、残りの試験期間中、患者はより低い用量の治験薬を服用し続ける。試験来診の間に用量調整を必要とする患者は、安全性評価を行うために予定外の来診を行う必要がある。
・プラセボを投与するように無作為に割り付けられた患者には、12週間の治療期間中、プラセボを1日2回投与する。
評価及び来診
患者は、スクリーニング、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診2.1(15日目)、来診3(22日目)、来診4(43日目)、来診5(64日目)、及び来診6(85日目) で診療所に来診する。早期中止した患者は、早期中止(ET)来診後5日間連続して毎日電話を受け、全体的な健康状態について質問され、選択された安全性及び有効性評価のため、治験薬の最終投与から30日後に経過観察来診のため診療所に戻るよう求められる。29日目と71日目には、安全に関するフォローアップの電話がかけられる。試験手順は、評価及び来診スケジュールに概説されているように、各来診時に実施する(表4)。
応答測定
有効性
一次有効性測定:一次有効性は、Cohen-Mansfield Agitation Inventory(CMAI)を使用して評価する。
二次的有効性測定:Clinical Global Impression of Severity of Illness for Agitation(CGIS-激越)
その他の有効性測定:NPIの激越/攻撃ドメイン、NPI-激越/攻撃ドメイン介護者の苦痛スコア、NPI-異常運動行動ドメイン、NPI-過敏性/不安定性メイン、変化に対する患者の全体印象(介護者によるPGIC評価)、合計NPI、及びEuroQol 5-Dimension 5-Level(EQ-5D-5L)。
評価の一貫性のために、評価は試験全体を通して同じ評価者によって行われるべきである。CMAI、NPI、及びCGIS-激越の各尺度は、各来診時に同じ評価者によって実施されなければならない。
薬物動態
d6-DM、その代謝産物、及びQの血漿濃度が測定される。
安全性及び忍容性
AVP-786の安全性及び忍容性は、報告された有害事象(AE)、身体的及び神経学的検査、バイタルサイン、臨床検査評価、安静時12誘導心電図 (ECG)、Sheehan Suicidality Tracking Scale (S-STS)(シーハン自殺傾向追跡尺度)、Mini Mental State Examination(MMSE)、ならびにEpworth Sleepiness Scale (ESS)(エプワース眠気尺度)によって評価される。
妊娠の可能性のある女性については、妊娠検査が実施される。
一般的な統計手法及び分析の種類
分析集団
修正された治療意図(mITT)、治療意図(ITT)、及び安全性の3つの分析集団を使用する。mITT集団は、ベースライン後の有効性評価を少なくとも1回行った試験で無作為化されたすべての患者を含み、有効性のすべての分析に使用される。mITT集団の患者は、受けた治療に関係なく、無作為化された治療群に含まれる。ITT集団は、試験で無作為化されたすべての患者を含み、探索的有効性分析に使用される。安全性集団は、試験治療を受けたすべての患者を含み、安全性のすべての分析に使用される。患者は、実際に受けた治療に基づいて治療群に含まれる。
有効性分析
主要有効性評価項目は、ベースラインから12週目(85日目)までのCMAI合計スコアの変化である。一次治療の比較(AVP-786-42.63/4.9対プラセボ、及びAVP-786-28/4.9対プラセボ)は、治療、来診、来診ごとの治療の相互作用、来診ごとのベースラインの相互作用、及びベースライン値と必要に応じて他の因子を含むベースライン共変量の固定効果を持つ線形混合効果モデル反復測定(MMRM)を使用して実行される。非構造化共分散モデルが使用される。さらに、主要評価項目は、多重代入法などの他の統計的方法によって代入された欠測データでも分析される。詳細は、統計解析計画書(SAP)で事前に指定される。
二次的及びその他の有効性評価項目は、次の有効性測定値のベースラインから12週目(85日目)までの変化を含む:CGIS-激越、NPI-激越/攻撃ドメインスコア及び介護者の苦痛スコア、NPI-異常運動行動ドメインスコア、NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア、PGIC、合計NPI、ならびにEQ-5D-5L。
Figure 2023523373000017
Figure 2023523373000018
Figure 2023523373000019
Figure 2023523373000020
Figure 2023523373000021
1. 研究デザイン
これは、12週間の治療期間のフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行設計試験である。
この試験では、スクリーニング来診を含む8回の予定された診療所来診と、2回の安全性フォローアップ電話がある。患者は、スクリーニング、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診2.1(15日目)、来診3(22日目)、来診4(43日目)、来診5(64日目)、及び来診6(85日目) で診療所に来診する。29日(4週目)目と71日目(10週目)には、安全に関するフォローアップの電話がかけられる。試験手順は、評価及び来診スケジュールに概説されているように、各来診時に実施する(表4)。
適格な患者は、ベースライン訪問時に無作為に割り当てられ、AVP-786または一致するプラセボを受け取る。治験薬は、ベースライン(1日目)から来診6(85日目)まで1日2回経口投与される。患者(または介護者)は、時間帯に関係なく、試験施設担当者の立会いの下、診療所で午前中の用量の治験薬を患者に投与する該当する診療所来診日を除き、すべての治験日に治験薬を自己投与する。スクリーニングは、無作為化の4週間前に行われる。
選択及び除外基準を評価するためのスクリーニング手順に続いて、適格な患者をAVP-786-28/4.9、AVP-786-42.63/4.9、またはプラセボ群に無作為に群分けする。無作為化は、抗精神病薬の同時使用(有対無)及び試験施設によって層別化される。治験薬(実薬またはプラセボ)は、治療期間中、1日2回経口投与される(午前中に1カプセル、午後に1カプセル、約12時間間隔)。
AVP-786-28/4.9群に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-18/4.9を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始める。来診2(8日目)から、患者はAVP-786-18/4.9を14日間、1日2回服用する。来診3(22日目)から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-28/4.9を1日2回服用する。治験責任医師が必要と判断した場合、来診3の後から来診4まで(来診4を含む)(すなわち、23日目~43日目)、AVP-786-18/4.9についての1回限りの用量下方調整は許可され、残りの試験期間中、患者はより低い用量の治験薬を服用し続ける。試験来診の間に用量調整を必要とする患者は、安全性評価を行うために予定外の来診を行う必要がある。
AVP-786-42.63/4.9群に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-28/4.9を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始める。来診2(8日目)から、患者はAVP-786-28/4.9を14日間、1日2回服用する。来診3(22日目)から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-42.63/4.9を1日2回服用する。治験責任医師が必要と判断した場合、来診3の後から来診4まで(来診4を含む)(すなわち、23日目~43日目)、AVP-786-28/4.9についての1回限りの用量下方調整は許可され、残りの試験期間中、患者はより低い用量の治験薬を服用し続ける。試験来診の間に用量調整を必要とする患者は、安全性評価を行うために予定外の来診を行う必要がある。
プラセボを投与するように無作為に割り付けられた患者には、12週間の治療期間中、プラセボを1日2回投与する。
2. 試験対象集団
この試験に採用した患者は、アルツハイマー病の可能性があると診断され、アルツハイマー病に続発する臨床的に有意な中等度/重度の激越を呈している必要がある。
アルツハイマー病の可能性があるとの診断は、National Institute on Aging(NIA)-Alzheimer’s Association(AA)(国立老化研究所アルツハイマー病協会)作業グループが発行した2011 Diagnostic Guidelines for Alzheimer’s Diseaseに基づいている。これらの新しい基準は、NINCDS-ADRDA基準の見直しに基づいて開発された。アルツハイマー病も激越もせん妄や物質使用及び/または主な精神障害で説明できるはずではない。
国際精神老年医学協会(IPA)の激越定義作業グループ(ADWG)によって開発された、認知障害患者の激越の暫定合意定義を使用して、試験患者を選択する。この提案された定義は、認知障害のある患者に限定されており、以下を必要とする:(a)精神的苦痛の証拠;(b)観察可能な3種類の行動のうちの1つ:過度の運動活動、言葉による攻撃、または身体的攻撃;(c)その行動が過度の障害を引き起こすこと;及び(d)その行動が、最適ではない介護環境、あるいは、精神疾患、医学的疾患、または物質の影響などの他の障害のみに起因するものではないこと。
適格な患者は、試験のスクリーニング時及び無作為化の少なくとも2週間前に激越(持続性または頻繁に反復する)を持っている必要があり、激越の症状は日常生活に支障をきたし、患者や介護者に苦痛を与えるほど深刻でなければならず、激越の症状には、治療する医師の意見では、処方薬が必要であると見なされる。
激越は、CGIS-激越尺度(0~7)を使用してさらに評価する。試験に参加するには、スクリーニング時及びベースラインのスコアが4以上(中等症)であることが必要である。
適格な患者は、試験プロトコルで要求されるように、病歴、身体診察、心電図(ECG)、ならびに臨床検査によって文書化されている、そうでなければ許容可能で安定した一般的な健康状態を持っている必要がある。
適格な患者には、必要なすべての試験手順を順守することができ、順守することを望む介護者が必要であり、患者がすべての試験来診に出席し、指示どおりに治験薬を服用することを保証する。介護者はまた、試験日誌をつけ、有害事象や介護設定の標準 (例えば、生活保護施設の入居者になるなど)を含む患者の状態の変化を報告し、治験治療に関する印象及び評価を提供するように指示される。この試験中の患者の状態の変化を評価可能な信頼できる情報提供者(すなわち、介護者)としての資格を得るために、個人は週に4日間、1日あたり最低2時間試験患者と過ごす必要がある。
2.1. 選択基準
1. 同意取得時の年齢が50~90歳(包括的)の男女。
2. 2011年NIA-AA作業グループ基準によるアルツハイマー病の可能性があるとの診断。外来患者、または介護施設若しくは専門養護施設の居住者。
3. スクリーニング時及びベースラインの少なくとも2週間前に、臨床的に有意な中等度/重度の激越があり、日常生活を妨げ、治験責任医師の意見で処方薬が必要な患者。
4. 激越の診断は、激越のIPAの暫定的な定義を満たす必要がある。
5. CGIS-激越スコアは、スクリーニング及びベースラインで4以上(中等症)。
6. スクリーニング及びベースラインでのMMSEスコアが6~26(包括的)。
7. 治験責任医師の判断により、患者の心機能、肺機能、肝機能、腎機能が安定している。
8. 治験責任医師の判断により、患者の心機能、肺機能、肝機能、腎機能が安定している。
9. 患者の心電図(ベースライン前の過去1か月以内に取得され、中央の心電図リーダーによって評価されたもの)があり、臨床的に重要な所見はない。
10. 出産の可能性があり、性的に活発な患者は、ベースラインの少なくとも1か月前、試験への参加中、及び治験薬の最終投与後少なくとも30日間、効果的な避妊法を使用する必要がある。次の点を考慮する必要がある。
出産の可能性のある患者は、1つの避妊方法の失敗のリスクを最小限に抑えるために、次の予防措置のうち2つを使用する必要がある:精管切除、卵管結紮、膣横隔膜、子宮内避妊器具、経口避妊薬、避妊用デポ注射、避妊用インプラント、または殺精子剤を含むコンドーム若しくは殺精子剤を含むスポンジ。周期的禁欲(例えば、カレンダー法、排卵日法、症候体温法、排卵後法)、治験薬への暴露期間中の禁欲の宣言、または離脱は、避妊の許容される方法ではない。
不妊症(すなわち、卵巣摘出術及び/または子宮摘出術を受けた)、閉経後(別の医学的原因のない12か月連続して月経がないことと定義)、または真の禁欲を実践している(この方法が患者の好みの通常のライフスタイルに沿っている場合)患者は、この要件から免除される。
授乳中、妊娠中または妊娠を計画している患者は除外される。
11. アルツハイマー病の治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなど)の使用は、投与量がベースライン前の少なくとも3か月間安定している場合に許可される。
12. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI;例えば、フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラム)、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI;例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン)などの抗うつ薬の併用は、用量がスクリーニング来診前の少なくとも3か月間安定しており、その薬の添付文書のガイダンスの範囲内である場合に許可される。CYP2D6基質であるパロキセチンは、用量が1日10mgを超えない限り許可される。
13. 不眠症の夜間治療のための就寝時の催眠薬(例えば、エスゾピクロン,ゾルピデム,ザレプロン,トラゾドン[1日50mg以下])の併用は、投与量がベースライン前の少なくとも1か月間安定しており、試験全体で安定している場合に許可される。
14. 現在、アルツハイマー病に続発する激越の治療のために許可された薬(非定型抗精神病薬、ブスピロンなど)を服用している患者は、スクリーニング前の少なくとも2週間及びベースライン前の少なくとも1か月間安定した用量を使用している場合に適格である。スクリーニング来診の少なくとも3か月間、許可されている抗うつ薬(複数可)の安定した用量(複数可)を現在服用している患者は適格である。
15. 患者は抑うつ障害の現在及び重大な症状を示してはならず、スクリーニング時にコーネル認知症抑うつ尺度(CSDD)でスコアが10未満でなければならない。
16. 患者は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition, Text Revision (DSM-IV-TR)で定義されているように、統合失調症、統合失調感情障害、または双極性障害の病歴若しくは現在の臨床症状があってはならない。
2.2. 除外基準
1. 治験責任医師の意見では、介護者は、試験の指示に従うことを望まない、または従うことができない。
2. 患者は、主に非アルツハイマー型の認知症を患っている(例えば、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、物質誘発性認知症)。
3. アルツハイマー型認知症に続発しない激越の症状を有する患者(例えば、疼痛、他の精神障害、またはせん妄に続発する)。
4. 重症筋無力症の患者(キニジンの禁忌)。
5. 完全な心ブロック、QTc延長、または多形性心室頻拍の個人歴がある患者。
スクリーニング及びベースラインのQT間隔は、心室ペーシングによる場合を除き、男性で450ミリ秒を超え、女性で470ミリ秒を超えるフリデリシア式(QTcF)を使用して心拍数に対して補正されている(スクリーニングECGは中央判定に基づく。ベースラインの投与前心電図は、機械の読み取り及び治験責任医師の評価に基づく。機械読み取りによるベースライン投与前のECG QTcFの結果が除外される場合は、患者に投与せず、メディカルモニターに相談されたい)
中央リーダーによって評価され、治験責任医師によって臨床的に重要であると見なされた期外心室収縮(PVC)あり。
6. 先天性QT間隔延長症候群の家族歴がある患者。
7. DM、Q、アヘン剤(コデインなど)、または治験薬の他の成分に対する過敏症が知られている患者。
8. 除外基準はProtocol Amendment4で削除された。
9. Qと併用したDMを受けたことがある患者。
10. ベースライン前の2週間または5半減期のいずれか長い方で、許可されていない併用薬を服用している患者。
11. 試験の安全性結果の解釈を混乱させる可能性のある共存する臨床的に重要なまたは不安定な全身性疾患を有する患者(例えば、悪性腫瘍(皮膚基底細胞癌を除く)、管理不良の糖尿病、管理不良の高血圧、不安定な肺、腎臓若しくは肝臓の疾患、不安定な虚血性心疾患、拡張型心筋症、または不安定な心臓弁膜症)。他の特定の非転移性がんが許可される場合がある。各ケースは、メディカルモニター(MM)で個別に評価される。
12. 他の介入(薬剤またはデバイス)臨床試験に現在参加している、若しくは参加したことがある患者、またはベースラインから30日以内に別の介入薬若しくはデバイス試験に参加した患者と、臨床試験対象データベース(CTSデータベース)で「事実上確実」に一致することが判明した米国における患者。
13. ベースラインから12か月以内に、体位性失神の病歴または原因不明の失神(ケースバイケースで評価)の病歴がある患者。
14. 過去1年以内に薬物及び/またはアルコール乱用の履歴がある患者。
15. 治験責任医師による臨床評価に基づいて、試験中に転倒の差し迫ったリスクが高いと判断された患者。
16. -Sheehan Suicidality Tracking Scale(シーハン自殺傾向追跡尺度、S-STS)に基づくスクリーニングまたはベースラインでの自殺の深刻なリスクの証拠がある患者、すなわち、質問2~6若しくは11のいずれかでスコア3若しくは4、または質問1a、7~10、若しくは12のいずれかでスコア2以上、または治験責任医師の意見で自殺の深刻なリスクがあると思われる患者。
17. 治験責任医師、メディカルモニター、またはスポンサーの意見で、試験に参加すべきではない患者。
2.3. 試験からの患者の離脱
患者及び介護者は、口頭及び書面によるICFで、他の方法で得られる利益を害したり損失したりすることなく、いつでも試験を中止する権利があることを通知される。治験責任医師または治験依頼者は、併発疾患、有害事象、患者の健康若しくは幸福に関するその他の理由、または協力の欠如、不遵守、プロトコル違反、またはその他の管理上の理由が発生した場合、患者の治験を中止することができる。患者が予定された来診に戻らない場合は、患者に連絡するためにあらゆる努力を払う必要がある。状況に関係なく、可能であれば、患者の転帰を記録するためにあらゆる努力を払う必要がある。治験責任医師は、中止の理由を尋ね、未使用の治験薬(IP)をすべて返却するよう介護者に要求し、未解決の有害事象について患者をフォローアップする必要がある。
さらに、無作為化後の任意の時点で、持続的なQTc間隔(QTcF)が500ミリ秒を超える(心室ペーシングによる場合を除く)、または投与前のベースライン心電図からの持続的なQTcF間隔の変化が60ミリ秒を超える患者が中央心電図リーダーによって確認された場合、メディカルモニターとの相談後に試験から取り下げられる。QTcF値は、臨床的意義について評価され、記録される。
早期中止した患者は、選択した有効性及び安全性評価のために、来診6(85日目)評価、及び治験薬の最終投与から30日後に経過観察来診をするために診療所に戻るよう要求される。さらに、これらの患者の全体的な健康状態を評価するために、ET来診後5日間連続して毎日電話をかける。
患者が試験を辞退し、介護者及び/または患者の代表者が将来の情報開示について同意を撤回した場合、それ以上の評価を行うべきではなく、追加のデータを収集すべきではない。スポンサーは、かかる同意の撤回前に収集されたデータを保持し、引き続き使用することができる。試験を辞退した患者は、補充されない。
3. 試験治療
3.1. 投与された治療
3.1.1. 治験薬の説明
臨床治験薬は、硬くて印刷された不透明な青色のゼラチンカプセル(サイズ3)として提供される。治験薬の各カプセルは、次のいずれかを含む。
42.63mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP):AVP-786-42.63/4.9
28mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP):AVP-786-28/4.9
18mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP):AVP-786-18/4.9
AVP-786プラセボ
薬剤供給は、二重盲検、個別、事前にラベル付けされたブリスターカードで施設に提供される。
3.1.2. AVP-786の組成
IPとプラセボの3用量の質的組成を表5に示す。
Figure 2023523373000022
3.2. 患者を治療群に割り当てる方法
3.2.1. 無作為化
適格な患者は、ベースライン(1日目)でAVP-786-28/4.9、AVP-786-42.63/4.9、またはプラセボにそれぞれ無作為に割り付けられる。無作為化は、抗精神病薬の同時使用(有対無)及び試験施設によって層別化される。
3.3. 併用薬及び非薬物治療
患者は、試験中、または1日目の投与開始前の2週間若しくは5半減期のいずれか長い方の間、付録2に記載されている許可されていない薬を服用してはならない。来診のたびに、介護者は、患者が併用薬を服用しているかどうかについて質問され、もし服用している場合、治験責任医師は服用した薬及びその使用理由を記録する。
AVP-786は、P-糖タンパク質阻害剤であるキニジンを含む。P-糖タンパク質基質であるジゴキシンとキニジンを同時に投与すると、血清ジゴキシンレベルが2倍になる可能性がある。ジゴキシンを併用している患者では、血漿ジゴキシン濃度を注意深く監視し、必要に応じて用量を減らす必要がある。
CYP2D6が産生する代謝産物によって作用が媒介されるプロドラッグ(例えば、鎮痛効果及び鎮咳効果がそれぞれモルヒネ及びヒドロモルフォンによって媒介されるように見えるコデイン及びヒドロコドン)の場合、CYP2D6のキニジン媒介阻害により、AVP-786の存在下で望ましい臨床的利益を達成することは不可能かもしれない。代替治療を検討する必要がある。
3.3.1. 許可された併用薬
アルツハイマー病の治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなど)は、ベースラインの少なくとも3か月前から安定した用量で投与された場合に許可される。これらの薬の投与量は、試験を通して変更してはならない。投与量の調整が必要な場合は、新しい投与量及び変更の理由を記録する必要がある。
アルツハイマー病に続発する激越の治療のための薬剤(非定型抗精神病薬、ブスピロンなど)の使用は、患者がスクリーニング前の少なくとも2週間及びベースライン前の少なくとも1か月間安定した用量を使用している場合に許可される。スクリーニング来診の少なくとも3か月間、許可されている抗うつ薬(複数可)の安定した用量(複数可)を服用している患者は適格である。
SSRI(例えば、フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラム)、SNRI(例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン)などの抗うつ薬の併用は、用量がスクリーニング来診前の少なくとも3か月間安定しており、その薬の添付文書のガイダンスの範囲内である場合に許可される。CYP2D6基質であるパロキセチンは、用量が1日10mgを超えない限り許可される。SSRI、SNRI、及びパロキセチンの用量は、有害事象の管理のために減量が必要であるとみなされない限り、試験全体を通して安定していなければならない。
SSRIまたはSNRIを併用している患者について、精神状態の変化、高血圧、落ち着きのなさ、ミオクローヌス、高体温、反射亢進、発汗、震え、振戦などのセロトニン症候群を監視する必要がある。
不眠症の夜間治療のための就寝時の催眠薬(例えば、エスゾピクロン,ゾルピデム,ザレプロン,トラゾドン[1日50mg以下])の併用は、投与量がベースライン前の少なくとも1か月間安定しており、試験全体で安定している場合に許可される。
3.3.2. 激越症状のレスキュー薬
レスキュー薬は許可されていない。
3.3.3. 併用禁止薬
禁止薬の例のリストは、付録2に記載されている。
モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)は、試験全体で禁止されている。患者は、治験薬を中止してからMAOIを開始するまでに、少なくとも14日間空ける必要がある。
3.3.4. 非薬物療法
以前及び併用した非薬物療法に関する情報が記録される。
3.3.5. 激越の治療のための非薬理学的介入
採用前に使用された、または試験中に同時に使用された激越の治療のための非薬理学的介入に関する情報が記録される。
4. 試験の評価及び手順
可能な限り、各患者及び介護者は、評価の一貫性のために、試験全体を通して同じ評価者によって実施された評価尺度を持つべきである。CMAI、NPI、及びCGIS-激越の各尺度は、各来診時に同じ評価者によって実施されなければならない。
4.1. スクリーニング
4.1.1.コーネル認知症抑うつ尺度(CSDD)
CSDDは、認知症患者の大うつ病の徴候と症状を評価するために特別に開発された。これらの患者の一部は信頼できない報告を出す可能性があるため、CSDDは患者と介護者から情報を引き出す包括的な面接アプローチを使用する。情報は、2つの半構造化インタビュー(介護者とのインタビュー及び患者とのインタビュー)を通じて引き出される。インタビューは、評価の前の週に発生した抑うつ症状と徴候に焦点を当てる。CSDDの実施には約20分かかる。
各項目については、0~2のスケールで重大度を評価する(0=ない、1=軽度または断続的、2=重度)。項目スコアを加算する。10点以上のスコアは大うつ病の可能性を示し、18点以上のスコアは明確な大うつ病を示し、原則として6未満のスコアは重大な抑うつ症状の欠如と関連している。
CSDDは、スクリーニング(-28日目~-1日目)でのみ評価される。スコアが10未満の患者は試験に含まれる。
4.1.2. Timed Up and Go(TUG)テスト
TUGテストでは、個人が標準的な肘掛け椅子から立ち上がり、3メートル歩き、向きを変え、椅子に戻って座るまでの時間(秒単位)を測定する。TUGは、機能的可動性及び転倒のリスクを測定するために一般的に使用される尺度である。
TUGテストは、スクリーニング(-28日目~-1日目)でのみ行われる。
4.2. 有効性
4.2.1. コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)
CMAIは、この試験の主要な有効性指標として使用される。CMAIは、高齢者の激越行動の発現頻度を評価するために使用される。CMAIは、激越のCMAI因子としても知られている、異なる激越症候群にさらに分類される29の激越行動で構成されている。これらの異なる激越症候群は、攻撃的な行動、身体的に非攻撃的な行動、及び言語的激越行動を含む。因子1、因子2、及び因子3の3つの面のスコアは、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP,Katz I,Brodaty H, Cohen-Mansfield J.Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998に記載され、本明細書の他の場所で記述されている因子構造に基づいて導き出される。29項目のそれぞれは、7段階の頻度で評価する(1=まったくない、2=週に1回未満であるが、まだ発生している、3=週に1回または2回、4=週に数回、5=1日に1回または2回、6=1日に数回、7=1時間に数回)。評価は、CMAIの2週間前の評価に基づいている。
CMAI(ロングフォームバージョン)は、スクリーニング(-28日目から-1日目)、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診2.1(15日目)、来診3(22日目)、来診4(43日目)、来診5(64日目)、来診6(85日目)、及び経過観察来診(ET患者)に評価される。CMAIは、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。
4.2.2. 神経精神医学インベントリー(NPI)
NPIは、認知症を含むさまざまな疾患設定において精神病理を評価するための検証済みの臨床道具である。NPIは、12の神経精神症状ドメインをカバーする、情報提供者である介護者のレトロスペクティブなインタビューであり、この12の神経精神症状ドメインは、妄想、幻覚、激越/攻撃性、抑うつ/不快感、不安、高揚感/多幸感、無感動/無関心、脱抑制、過敏性/不安定性、異常な運動行動、睡眠及び夜間行動障害、ならびに食欲/摂食障害である。ドメイン内の神経精神症状は、頻度(1~4)と重症度(1~3)の両方の観点から介護者によってまとめて評価され、複合症状ドメインスコア(頻度x重症度)が得られる。介護者の苦痛は、0(まったく苦痛ではない)から5(非常に苦痛である)のスコアで固定されたスケールで、正の神経精神症状ドメインごとに評価される。
NPIは、ベースライン(1日目)、来診3(22日目)、来診4(43日目)、来診5(64日目)、及び来診6(85日目)で患者の介護者が実施する。NPIの激越/攻撃ドメインは、スクリーニング(-28日目~-1日目)、来診2(8日目)、及び来診2.1(15日目)で患者の介護者が実施する。NPIの激越/攻撃ドメインは、上記のように合計NPIの一部として評価され、このカテゴリで取得された複合スコアは、ベースライン(1日目)、来診3(22日目)、来診4(43日目)、来診5(64日目)、及び来診6(85日目)に個別に記録される。回想期間は、すべての来診について2週間である。NPIは、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。NPI nursing-home version(NPI-NH)は、入院患者または介護施設の患者に使用される。
4.2.3. 激越の疾患の重症度の臨床全体印象(CGIS-激越)
CGISは、疾患の重症度を測定する観察者評価尺度であり、精神医学研究で最も広く使用されている簡単な評価ツールの1つである。
CGISのEarly Clinical Drug Evaluation Unit(ECDEU)版は、この検証済みツールの最も広く使用されている形式であり、臨床医が、付随情報の有無にかかわらず、同じ診断を受けた他の患者との過去の経験と比較して患者を評価するように求められる。CGISは、多くの臨床薬物試験で有効性の堅牢な尺度であることが証明されており、臨床医が患者をよく知っていれば、簡単かつ迅速に実施できる。
CGIの信頼性及び有効性は、認知症、統合失調症、及び情動障害の患者を含む複数の試験で検証されている。全体的にCGIは他の評価手段と高い相関関係(r:約90%)を示し、他の臨床医の評価と正の有意な関係及び同時妥当性も示している。さらに、この尺度は時間の経過と共に変化する感度が良好である。
CGISは7点(1~7)スケールであり(1=正常、まったく病気ではない;7=最も重篤な患者)、この試験で激越の重症度を評価する。CGIS-激越は、スクリーニング(-28日目~-1日目)、ベースライン(1日目)、来診4(43日目)、及び来診6(85日目)で評価される。CGIS-激越は、各来診で同じ評価者が評価しなければならない。
4.2.4. 変化に対する患者の全体印象(PGIC)
PGICは、治療効果を評価するために使用される7段階(1~7)の尺度であり、次のように評価される。
PGICは、来診4(43日目)及び来診6(85日目)で患者の介護者が評価して採点し、患者の激越に焦点を当てる。
4.2.5. EuroQol 5-Dimension 5-Level(EQ-5D-5L)
EQ-5D-5Lは、健康関連の生活の質を測定する包括的なアンケートであり、記述システムとEuroQol Visual Analogue Scale(EQ VAS)で構成されている。記述システムは、5つの面(可動性、セルフケア、日常の活動、痛み/不快感、及び不安/抑うつ)を含み、各面には、問題なし、軽微な問題、中等度の問題、重篤な問題、及び極度の問題の5つのレベルがある。EQ VASは、回答者の自己評価された健康状態を垂直の視覚的アナログスケールで記録し、評価項目には「想像できる最高の健康状態」と「想像できる最悪の健康状態」というラベルが付けられている。この情報は、個々の回答者が判断した健康転帰の定量的尺度として使用できる。EQ-5D-5Lには、患者が評価するバージョンと介護者が評価するバージョン(EQ-5D-5L-proxy)の2つのバージョンがある。患者バージョンは、ベースライン来診時にMMSEスコアが10以上の患者によってのみ評価される。
EQ-5D-5L-proxy(及びMMSEが10以上の患者の場合はEQ-5D-5L)は、ベースライン(1日目)、来診4(43日目)、及び来診6(85日目/ET)で評価される。
4.3. 薬物動態
患者は、ベースライン(1日目)での投与後1~4時間の間、ならびに来診4(43日目)、来診5(64日目)、及び来診6(85日目)の任意の時点で、d6-DM、d6-DM代謝産物、及びQの血漿レベルの分析のために血液試料を採取する。採血は通常、ECG及び有効性評価の後に行う必要がある。
患者/介護者は、来診前の最後の2回の投与時間を記録することを保証する。次に、患者が診療所に行く前に治験薬の最後の2用量を投与された時刻及び採血の時刻がeCRFに記録される。血漿試料は遠心分離され、分析ユニットでアッセイされるまで-20℃で凍結される。
4.4. 安全性
4.4.1. 有害事象
4.4.1.1. 定義
AEとは、治療に関連すると考えられるかどうかにかかわらず、併発する病気を含む、ICFに署名した時点から望ましくない医学的発生または意図しない変化(例えば、身体的、心理的、または行動的)である。したがって、有害事象は、医薬品に関連すると考えられるかどうかにかかわらず、医薬品の使用に一時的に関連する好ましくない意図しない徴候(例えば、臨床的に重要な検査所見の異常を含む)、症状、または疾患であり得る。正常な成長及び発達に関連する変化で、頻度や大きさが通常臨床的に予想されるものと変わらないものは、有害事象ではない(例えば、生理学的に適切な時期に起こる月経の開始)。
臨床的有害事象は、可能であれば症状ではなく診断によって説明する必要がある(例えば、鼻水の代わりに風邪や季節性アレルギー)。
過剰摂取とは、プロトコルで指定された用量よりも高く、既知の治療用量よりも高い用量での、意図的または不注意による治療の投与である。毒性影響が観察されなかったとしても、結果に関係なく報告する必要がある。
有害事象は3段階のスケールで等級付けされ、eCRFに示されているように詳細に報告される。
軽度:容認しやすく、不快感を最小限に抑え、通常の日常生活に支障をきたさない
中等度:通常の日常生活に支障をきたすほどの不快感
重度:通常の日常活動を無力化する及び/または妨げる
各有害事象と治験薬との関係は、治験責任医師が以下の説明を使用して決定する必要がある。
関係ない:事象が、患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因に明らかに関連している
関連性が低い:事象は、患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因によって発生する可能性が最も高く、治験薬に対する既知の応答パターンに従わない
おそらく関連している:事象は、治験薬投与時から妥当な時系列に従っており、及び/または治験薬に対する既知の応答パターンに従う。しかし、患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因によって発生した可能性がある
関連している:事象は、治験薬投与時から妥当な時系列に従っており、治験薬に対する既知の応答パターンに従う。患者の臨床状態、治療的介入、または患者に投与された併用薬などの他の要因によって合理的に説明できない
4.4.1.2. 重篤な有害事象
重篤な有害事象(SAE)は、次の結果のいずれかをもたらす任意の用量で発生する任意の有害事象である。
1. 死亡
2. 生命を脅かす経験(最初の報告者の見解では、有害事象が発生した時点で、患者がその有害事象による即時の死亡リスクにさらされている経験;すなわち、より深刻な形で発生した場合、死を引き起こした可能性のある有害事象は含まれていない)
3. 永続的または重大な障害/無能力(障害とは、通常の生活機能を遂行する個人の能力の実質的な混乱である)
4. 入院または入院の延長
5. 先天性異常・出生異常
死をもたらしたり、生命を脅かしたり、入院を必要とする可能性はないが、適切な医学的判断を基にして、患者を危険にさらし得るか、または、定義の結果の1つを防ぐために医学的または外科的介入が必要な場合がある、SAEと見なされ得る重大な医学的事象。
「がん」及び「過剰摂取」という用語は、必ずしもSAEと見なされるわけではないが、患者ががんまたは過剰摂取を経験した場合でも、AEとして報告する必要がある。
妊娠はAEまたはSAEとは見なさないが、試験中に発生したすべての妊娠は、妊娠及び授乳暴露フォーム(Pregnancy and Breastfeeding Exposure Form、PBEF)で報告する。現場は、最終的な結果がわかるまで、患者/パートナーを各学期でフォローアップする必要がある(すなわち、正常分娩、異常分娩、自然/自発的/治療中絶)。AEまたはSAEの要件を満たす合併症が発生した場合は、知ってから24時間以内に報告する必要がある。妊娠中または妊娠の可能性がある患者は、この試験から除外される。試験中に患者が妊娠した場合、治験薬を中止し、妊娠中の薬物曝露の可能性を把握するために妊娠報告書に記入し、妊娠を知ってから24時間以内に報告する必要がある。
試験の男性患者の出産の可能性のあるパートナーが、治験薬の最後の投与または試験の完了のいずれか遅い方から30日以内に妊娠した場合にも、妊娠報告書に記入する必要がある。
「重度」という用語は強度の尺度である。したがって、重度のAEは必ずしも深刻ではない。例えば、数時間続く吐き気は重度と評価されても、臨床的に深刻ではない場合がある。
4.4.2. 身体診察及び神経学的検査
スクリーニング(-28日目~-1日目)及び来診6(85日目)に、身体診察及び神経学的検査を実施する。身体診察は、頭、目、耳、鼻、喉、リンパ節、皮膚、四肢、呼吸器、胃腸、筋骨格、心臓血管、及び神経系の評価を含む。神経学的検査は、精神状態、脳神経、運動系、反射、協調、歩行と姿勢、及び感覚系の評価を含む。身体診察及び神経学的検査は、可能な限り毎回同じ人が実施する必要がある。
治験責任医師がスクリーニング時に臨床的に重要であると判断した身体的及び神経学的検査の異常は、病歴として記録する必要がある。
スクリーニング検査からの身体的及び神経学的検査結果の臨床的に重要な変化は、AEとして記録する必要がある。
4.4.3. 心電図
安静時の12誘導心電図は、8日目(来診2)を除くすべての診療所来診で実行される。スクリーニング時(-28日目~-1日目)、ECGを3回実施する。ベースライン(1日目)で、2つの心電図が実行される。1つは治験薬の投与前、もう1つは投与から少なくとも1時間後である。ECG機器は、中央リーダーによって提供される。ECGデータは試験センターで記録され、一般的な所見、心拍数(心拍/分)、QRS群、PR及びQTc間隔(ミリ秒)を含む。結果は、中央リーダーから24時間以内に治験責任医師に提供する。スクリーニング時に存在する心電図異常は、病歴として記録する。治験責任医師が臨床的に重要であるとみなすスクリーニング来院時のECG状態からの変化は、AEとして記録する必要がある。臨床的に重大な異常な心電図は、試験MMと話し合う必要があり、必要に応じて、1週間以内に繰り返す必要がある。
試験への採用資格については、スクリーニング時に実施されたECGのQTcF評価が中央判定に基づいている。ベースラインで実施される心電図の評価は、機械読み取り及び読み取りについての治験責任医師の評価に基づいている。機械読み取りによるベースライン投与前のECG QTcFの結果が除外される場合は、患者に投与せず、MMに相談する必要がある。
4.4.4. シーハン自殺傾向追跡尺度(S-STS)
S-STSは、治療に伴う自殺念慮及び行動を評価する見込みのある尺度である。S-STSの各項目は、5段階のリッカート尺度で採点する(0=全くない;1=軽度;2=中等度;3=重度;4=非常に重度)。シーハン-STSは、個々の項目のスコア、自殺念慮下位尺度スコア、自殺行動下位尺度スコア、または合計スコアとして分析できる。尺度上の項目の期間は、スクリーニング来診の場合は「過去6か月間」であり、他のすべての来診の場合は「最後の来診以降」である。
S-STSは、スクリーニング(-28日目から-1日目)、ベースライン(1日目)、来診2(8日目)、来診2.1(15日目)、来診3(22日目)、来診4(43日目)、来診5(64日目)、来診6(85日目)、及び経過観察来診(ET患者)に評価される。自殺傾向の存在を示すS-STSスコアの変化は、治験責任医師が評価し、MMに報告する必要がある。
4.4.5. ミニメンタルステート検査(MMSE)
MMSEは、認知障害のスクリーニングに使用される30点の簡単なアンケートテストである。認知症をスクリーニングするために医療で一般的に使用されている。また、特定の時点での認知障害の重症度を推定し、時間の経過に伴う個人の認知変化の経過をたどるためにも使用されるため、治療に対する個人の反応を記録する効果的な方法になる。MMSE尺度は、患者の認知状態を評価するために、見当識、記憶、注意、及び言語に関する11の質問または簡単なタスクを含む。訓練を受けた評価者が実施するのに必要な時間はわずか5~10分である。
MMSEは、スクリーニング(-28日目~-1日目)、ベースライン(1日目)、及び来診6(85日目)で評価される。
4.4.6. エプワース眠気尺度(ESS)
ESSは8項目のアンケートであり、ほとんどの人が1日に従事する8つの異なる状況で眠りにつく可能性を評価することによって眠気を測定するために使用される。質問は4段階(0~3)尺度で評価され、0=まったく居眠りしない、1=居眠りする可能性がわずかにある、2=居眠りする可能性が中程度、3=居眠りする可能性が高い。合計スコア0~9が正常と見なされる。
ESSは、ベースライン来診時にMMSEスコアが10以上の患者について、ベースライン(1日目)、来診4(43日目)、及び来診6(85日目)で評価する。
4.4.6.1. スクリーニング来診(-28日~-1日、+3日間のウィンドウ)
以下の手順は、スクリーニング時(1日目の28日前以内)に実行される。スクリーニング期間は、MMとの協議及び承認後に延長される場合がある。患者が採用のために再スクリーニングされた場合、新しいインフォームドコンセント及び/または同意文書に署名し、新しい患者番号を割り当て、すべてのスクリーニング手順を繰り返す必要がある。
1. 治験責任医師は、患者、権限のある代表者、及び/または介護者に、インフォームドコンセント及び/または同意文書を作成し、試験の理論的根拠を説明し、参加者、権限のある代表者、及び/または介護者が質問するための十分な時間を提供する。
2. 病歴をレビューし、記録する。これは、患者の人口統計、以前服用した薬及び併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入を含む。
3. 選択/除外基準(プロトコル適格性フォーム)をレビューする。
4. バイタルサインを測定し、記録する。
5. 身体診察及び神経学的検査を行う。
6. 転倒のリスク評価を行う(ワークシート及びTUGテスト)。
7. 安静時の12誘導心電図が3回実行される。
8. 安全性検査評価のために血液試料及び尿試料を収集する。
9. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある女性に対してのみ実施する。
10. 次の評価を完成する。
・MMSE;試験への参加には、スコアが6~26(包括的)である必要がある
・CMAI
・NPI-激越/攻撃ドメイン
・CGIS-激越;試験に参加するにはスコアが4以上である必要がある
・S-STS
・CSDD;試験に参加するにはスコアが10以上である必要がある
11. スクリーニング来診をIWRSに登録する
選択及び除外基準の評価のためのスクリーニング手順に続いて、試験施設はプロトコル適格性フォーム(PEF)に記入し、承認を得るためにMMに提出してレビューされる。PI及びMMによって適格であると見なされた患者は、ベースライン(1日目)の来診時に引き続き適格である場合、試験に無作為に割り付けられる。患者の参照正常範囲外のECGまたは臨床検査結果を治験責任医師が臨床的に重要であると考え、その患者を試験参加により高いリスクにさらす可能性がある場合、その患者を採用しない。
4.4.6.2. ベースライン来診(1日目)
ベースライン来診(1日目)は午前中に行う必要がある。以下の手順を実施する。
投薬前:
1. 選択・除外基準をレビューする。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. バイタルサイン、身長、体重を測定し、記録する(身長と体重は、投薬後の同日に来診時に測定できる)。
4. 投与前の安静時の12誘導心電図が実行される。
5. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある女性に対してのみ実施する。
6. 次の評価を完成する。
・MMSE
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・EQ-5D-5L-proxy (ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者の場合はEQ-5D-5L)
・S-STS
・ESS(ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者のみ)
患者は、(上記のスクリーニング及びベースライン評価に基づいて)すべての選択基準を満たし、除外基準を満たさないと判断されると無作為化され、IWRSを介して治験薬キット番号が割り当てられる。
治験薬投与:
治験薬の最初の投与量は、時間に関係なく、診療所でブリスターカードのAMストリップから投与される。
投与後:
1. 投与後12誘導心電図のレスチンは、治験薬の午前中の服用から少なくとも1時間後に実施される。
2. PK分析及びCYP2D6ジェノタイピングのために、治験薬の初回投与後1~4時間以内に血液検体を採取する。
3. 介護者はAEに関して質問される。
4. 患者ダイアリーカード及び3週間の治療期間に十分な治験薬が配布される。
4.4.6.3. 来診2(8日目+3日ウィンドウ)
治験薬の来診2(8日目)の用量は、自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
以下の手順を実施する。
1. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
2. バイタルサインを測定し、記録する。
3. 次の評価を完成する。
・CMAI
・NPI-激越/攻撃ドメイン
・S-STS
4. IWRSに試験来診を登録する。
5. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために考慮され、ブリスターカードは患者に返される。
6. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
4.4.6.4. 来診2.1(15日目±3日ウィンドウ)
治験薬の来診2.1(15日目)の用量は、自宅で投与できる。投与の時間は、患者/介護者が記録する必要がある。
以下の手順を実施する。
1. 安静時の12誘導心電図が実行される。
2. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
3. バイタルサインを測定し、記録する。
4. 次の評価を完成する。
・CMAI
・NPI-激越/攻撃ドメイン
・S-STS
5. IWRSに試験来診を登録する。
6. 未使用の治験薬はコンプライアンスのために考慮され、ブリスターカードは患者に返される。
7. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのためにレビューされ、患者に返される。
4.4.6.5. 来診3(22日目±3日ウィンドウ)
治験薬の来診3(22日目)の用量は、自宅で投与できる。患者/介護者は、試験来診前の2回分の投薬時間を記録する必要がある。
以下の手順を実施する。
1. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
2. バイタルサインを測定し、記録する
3. 返却された未使用の治験薬はコンプライアンスのために考慮される。
4. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのために収集されてレビューされる。
5. 次の評価を完成する。
・CMAI
・NPI
・S-STS
6. IWRSに試験来診を登録する。
7. 安静時の12誘導心電図が実行される。
8. 安全性検査評価のために血液試料及び尿試料を収集する。
9. ダイアリーカード及び3週間の治療期間に十分な治験薬が配布される。
4.4.6.6. 来診4(43日目±3日ウィンドウ)
来診4(43日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、自宅で投与できる。患者/介護者は、試験来診前の2回分の投薬時間を記録する必要がある。
以下の手順を実施する。
1. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
2. バイタルサインを測定し、記録する。
3. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのために収集されてレビューされる。
4. 尿検査のために尿サンプルが採取される。
5. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある女性に対してのみ実施する。
6. 返却された未使用の治験薬はコンプライアンスのために考慮される。
7. 次の評価を完成する。
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
8. IWRSに試験来診を登録する。
9. 安静時の12誘導心電図が実行される。
10. PK分析及び安全性検査評価のために血液検体を収集する。試料収集の時間は注意すべきである。
11. 次の評価を完成する。
・EQ-5D-5L-proxy(ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者の場合はEQ-5D-5L)
・S-STS
・PGIC
・ESS(ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者のみ)
12. 患者ダイアリーカード及び3週間の治療期間に十分な治験薬が配布される。
4.4.6.7. 来診5(64日目±3日ウィンドウ)
来診5(64日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、自宅で投与できる。患者/介護者は、試験来診前の2回分の投薬時間を記録する必要がある。
以下の手順を実施する。
1. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
2. バイタルサインを測定し、記録する。
3. 返却された未使用の治験薬はコンプライアンスのために考慮される。
4. 患者のダイアリーカードは、コンプライアンスのために収集されてレビューされる。
5. 安静時の12誘導心電図が実行される。
6. PK分析及び安全性検査評価のために血液検体を収集する。
7. 尿検査のために尿サンプルが採取される。
8. 次の評価を完成する。
・CMAI
・NPI
・S-STS
9. IWRSに試験来診を登録する。
10. 患者ダイアリーカード及び3週間の治療期間に十分な治験薬が配布される。
4.4.6.8. 来診6(85日目±3日ウィンドウ)/早期中止
来診6(85日目)は午前中に行う必要がある。治験薬の午前中の用量は、自宅で投与できる。患者/介護者は、試験来診前の2回分の投薬時間を記録する必要がある。
試験完了前に中止した患者は、試験薬の最終投与から48時間以内に、来診6に記載されている試験手順を完了する必要がある。早期中止する患者についてPK試料を収集する必要はない。
1. 尿検査のために尿サンプルが採取される。
2. 尿妊娠検査は、出産の可能性のある患者に対して実施する。
3. 介護者は、AE、併用薬(OTC、ビタミン、及びサプリメントを含む)、非薬物療法、及び激越の治療のための非薬理学的介入について質問される。
4. 返却された未使用の治験薬はコンプライアンスのために考慮される。
5. 患者のダイアリーカードは収集されてレビューされる。
6. バイタルサイン及び体重を測定し、記録する。
7. 身体診察及び神経学的検査を行う。
8. 次の評価を完成する。
・MMSE
・CMAI
・NPI
・CGIS-激越
・EQ-5D-5L-proxy(及びベースラインでMMSEスコアが10以上の患者の場合はEQ-5D-5L)
・S-STS
・PGIC
・ESS(ベースラインでMMSEスコアが10以上の患者のみ)
9. 安静時の12誘導心電図が実行される。
10. PK分析及び安全性検査評価のために血液検体を収集する。試料収集の時間は注意すべきである。
11. IWRSに試験来診を登録する。
12. 前に報告され、まだ解決されていないAE及び今回の来診時に新たに報告されたAEは、治験薬の最終投与後最長30日間追跡調査される。
5. 統計的方法
5.1. 分析集団
修正された治療意図(mITT)、治療意図(ITT)、及び安全性の3つの分析集団を使用する。
1. mITT:mITT集団は、ベースライン後の有効性評価を少なくとも1回行った試験で無作為化されたすべての患者を含む。mITT集団は、有効性のすべての分析に使用される。患者は、受けた治療に関係なく、無作為化された治療群に含まれる。
ITT:ITT集団は、試験で無作為化されたすべての患者を含む。ITT集団は、探索的有効性分析に使用される。
安全性:安全性集団は、試験治療を受けたすべての患者を含む。安全性集団は、安全性のすべての分析に使用される。患者は、実際に受けた治療に基づいて治療群に含まれる。
5.2. 有効性分析
5.2.1. 試験評価項目
主要有効性評価項目:
主要有効性評価項目は、ベースラインから12週目(85日目)までのCMAI合計スコアの変化である。
二次有効性評価項目:
二次有効性評価項目は、ベースラインから12週目(85日目)までのCGIS-激越の変化である。
その他の有効性評価項目は、ベースラインから12週目(85日目)までの次の測定値の変化である。
・NPI-激越/攻撃ドメインスコアと介護者の苦痛スコア
・NPI-異常運動行動ドメイン
・NPI過敏性/不安定性ドメイン
・合計NPI
・PGIC
・EQ-5D-5L
5.2.2. 主要有効性分析
主要有効性評価項目は、ベースラインから85日目(12週目)までのCMAI合計スコアの変化である。
主要有効性分析の場合、帰無仮説は、試験中にAVP-786-42.63/4.9とプラセボの間に治療効果がないというものであり、治療効果があるという代替案に対してテストされる。同様の仮説が、AVP-786-28/4.9とプラセボの比較にも当てはまる。治療効果は、治療、来診、来診ごとの治療の相互作用、来診ごとのベースラインの相互作用、及びベースライン値と必要に応じて他の因子を含むベースライン共変量の固定効果を持つ線形混合効果モデル反復測定(MMRM)を使用して分析される。非構造化共分散モデルが使用される。
さらに、主要評価項目は、多重代入法などの他の統計的方法によって代入された欠測データでも分析される。
5.2.3. 二次及びその他の有効性分析
二次的及びその他の有効性評価項目は、次の有効性測定値のベースラインから12週目(85日目)までの変化を含む:CGIS-激越、NPI-激越/攻撃ドメインスコア及び介護者の苦痛スコア、NPI-異常運動行動ドメインスコア、NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア、PGIC、EQ-5D-5L、ならびに合計NPI。
必要に応じて、主要な有効性分析と同様のMMRM法を使用した治療比較試験が実施される。
5.3. 薬物動態分析
d6-DM、Q、及び代謝産物の血漿濃度を測定し、結果を全体的に記述的に要約し、シトクロムP450アイソザイム2D6(CYP2D6)代謝群別にまとめる。
5.4. CYP2D6遺伝子型
遺伝子型情報は、d6-DMの低代謝者、中等代謝者、高代謝者、または超高速代謝者として患者を分類するために使用される。
5.5. 安全性分析
安全性は、次の測定によって評価される:有害事象、身体診察及び神経学的検査、バイタルサイン、尿妊娠検査、臨床検査評価、安静時12誘導心電図、S-STS、MMSE、及びESS。
安全性分析は、生物学的パラメーター及び有害事象のデータ要約で構成されている。安全性分析は治療ごとに表にまとめている。
付録2.併用禁止薬
治験薬投与開始前の2週間以内または5半減期以内のいずれか長い方で、現在以下の種類の薬を服用中または服用した患者は除外する。
A. Qレベルを上昇させる可能性のある特定の医薬品(閉塞性ドレッシングまたは全身吸収を高めることを目的とした他の技術の下で適用されない限り、除外は局所医薬品を含まない):
・アミオダロン
・抗真菌薬(例えば、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール)
・炭酸脱水酵素阻害剤(強力な阻害剤は禁止、トピラメートは許可)
・シメチジン
・デラビルジン
・ジルチアゼム
・イトラコナゾール
・ケトコナゾール
・マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン、ジリスロマイシン、ロキシスロマイシン)
・メキシレチン
・ネファゾドン
・プロテアーゼ阻害剤(例えば、アンプレナビル、アタザナビル、フォセンプレナビル、インジナビル、リトナビル、サキナビル)
・ラノラジン
・ベラパミル
B. Qと併用すると血漿レベルが上昇する可能性のある特定の医薬品:
・アトモキセチン
・デキストロメトルファン(市販薬[OTC]及び処方薬)
・三環系抗うつ薬(TCA;例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン)
C. Qに関連する医薬品:
・メフロキン
・キニジン
・キニーネ
D. モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)(セロトニン症候群のリスクを高める可能性がある)
患者は、治験薬を中止してからMAOIを開始するまでに、少なくとも14日間空ける必要がある。
E. DMまたはQの血漿レベルを低下させ得るCYP3A4インデューサー:
・アパルタミド
・カルバマゼピン
・デキサメタゾン
・エンザルタミド
・フォスフェニトイン
・ルマカフター
・ミトタンテ
・ペントバルビタール
・フェノバルビタール
・フェニトイン
・プリミドン
・アプテシン
・リファマイシン
・リファキシミン
・セントジョーンズワート
F. 激越またはその他の適応症の治療のために処方される可能性のある特定の医薬品:
・ベンゾジアゼピン(例、ロラゼパム)
・フェノチアジン(例えば、クロルプロマジン、フルフェナジン、レボメプロマジン、メトトリメプラジン、メソリダジン、ペンシアジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン、トリフルプロマジン)
・定型的抗精神病薬(例えば、ドロペリドール、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ピモジド、ズクロペンチキソール)
・クロザピン
デキストロメトルファンを含む医薬品(市販薬[OTC]及び処方薬)
実施例3
アルツハイマー型認知症患者の激越の治療に対するAVP-786(重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-dm]/硫酸キニジン[Q])の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験
1. 用語の略称及び定義の一覧表
本実施例3では、次の略語及び専門用語が使用されている。
Figure 2023523373000023
Figure 2023523373000024
Figure 2023523373000025
Figure 2023523373000026
2. 概要
2.1. AVP-786
AVP-786は、中枢神経系(CNS)活性剤であるデューデキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)と、シトクロムP450(CYP)肝臓アイソザイム2D6(CYP2D6)を介したd6-DM代謝阻害剤として使用される硫酸キニジンとの組み合わせ製品である。実証されたd6-DMの受容体薬理学は、アルツハイマー型認知症患者の激越に対する潜在的な臨床的利益の根底にある可能性がある。d6-DMは、グルタミン酸及びモノアミンの調節に関与する受容体に結合し、シグマ-1受容体にも結合する。これらの相互作用は、CNS治療の鍵となる可能性がある。
3. 治験計画
3.1. 全体的な研究デザイン及び計画:説明
これは、12週間の治療期間のフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、逐次並行比較設計(SPCD)試験であった。治療期間は2つの6週間段階(段階1と段階2)に等分され、スクリーニングは-28日目から-1日目までであり、段階1は1日目から42日目までであり、段階2は43日目から85日目までであった。
SPCDを図1に示す。段階1では、患者は、d6-DM 18mg/Q 4.9mgを含有するAVP-786(AVP-786-18)、d6-DM 28mg/Q 4.9mgを含有するAVP-786(AVP-786-28)、またはプラセボに1:1:2で6週間無作為化され、無作為化は、神経精神医学インベントリー(NPI)激越/攻撃ドメインスコア(6以上対6未満)、転倒リスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、及び抗精神病薬の併用(有対無)によって層別化された。段階2では、段階1で実薬治療に無作為化された患者(AVP-786-18またはAVP-786-28) は、同じ治療を受け続けた。段階1でプラセボに無作為化された患者は、AVP-786-18、AVP-786-28、またはプラセボに1:1:1で再無作為化された。段階2の無作為化は、段階1のプラセボ応答(有対無)によって層別化され、すべての患者はさらに6週間治療を受けた。両方の段階では、治験薬(実薬またはプラセボ)は、治療期間中、1日2回経口投与された(午前中に1カプセル、午後に1カプセル、約12時間間隔)。両方の段階で実薬治療を開始している患者は、無作為化された用量で滴定された。
スクリーニング来診を含む8回の予定された来診が計画された。患者は、スクリーニング、ベースライン(1日目)、そして8日目(来診2/1週目)、15日目(来診2.1/2週目)、22日目(来診3/3週目)、43日目(来診4/6週目)、64日目(来診5/9週目)、及び85日目(来診6/12週目)に診療所に来診した。29日目(4週目)と71日目(10週目)に2回の安全性電話が予定された。延長試験にロールオーバーしなかった患者については、試験薬の最終投与から30日後に安全のための電話が予定された。
SPCDは、調査センターの患者及び試験担当者から見えないように保たれ、段階2の再無作為化及び基準も盲検化された。センターには、この試験を12週間の治療期間を伴う並行群間研究として説明するマスクされたプロトコルが提供した(再無作為化を除いて、すべての手順は盲検化されたプロトコルに記載されているとおりに実行した)。
SPCDは、精神薬理研究でしばしば指摘されるプラセボ応答の大きな規模に対処するために開発されたものであり、各段階の有効性分析だけでなく、加重SPCD分析として組み合わせた段階の有効性分析も可能にする。段階1では、一次分析は、ベースライン後の有効性評価が少なくとも1回行われた無作為化されたすべての患者として定義される、修正された治療意図(mITT)集団のすべての患者を含み、各実薬治療群(図1の群B及びC)は、α=0.05のを維持するために階層的なテストアプローチを使用してプラセボ(群A)と比較した。段階2では、一次分析は、段階1でプラセボに無作為に割り付けられ、プラセボ応答を示さなかったmITT患者(プラセボ非応答者)のみを含み、各実薬治療群(図1の群E及びF)は、α=0.05を維持するために、階層的なテストアプローチを使用して、この下位群(群D)のプラセボと比較した。階層的なテストでは、高用量(段階1の群B及び段階2の群E)を最初にテストした。帰無仮説は、各用量の段階1及び段階2では、AVP786とプラセボとの間の主要有効性評価項目(Cohen-Mansfield Agitation Inventory[CMAI]合計スコア) の変化に差がないというものであり、2段階のうち少なくとも1段階で治療効果があったという対立仮説に対してテストした。
3つ目の比較を行い、試験の両方の段階で実薬治療を受けた患者(12週間;図1の群B/JとC/K)と、両方の段階でプラセボを受けた患者の結果を比較した(すなわち、段階1及び2でAVP-786-18またはAVP-786-28に無作為化された患者対段階1及び2でプラセボに無作為化された患者;群A、D、及びG)。
3.2. 対照群の選択を含む研究デザインの考察
無作為化、プラセボ対照、二重盲検、SPCDは、バイアスの原因を減らすために開発された。プラセボ治療を受けた患者に高い応答が見られる可能性があることは、行動障害及び精神障害の研究における医薬品開発にとって大きな課題となる可能性がある。SPCDは基本的に、次々に実行される2つの無作為化試験(段階)で構成される。段階1は無作為化されたすべての患者を含み、段階2では、段階1でプラセボに応答しなかった患者を実薬またはプラセボに再無作為化する。段階1及び段階2からのプールされたデータで構成される一次分析にプラセボ非応答者からのデータを含めることにより、シグナル検出が強化されることが期待される。SPCDは、特に精神薬理学的研究において、大きなプラセボ効果があるかもしれない状況で、臨床的に重要な効果を特定する研究の力を高めるために作成された。設計、その有用性、及び統計上の考慮事項は、前に説明されている。
3.3. 試験対象集団の選択
3.3.1. 選択基準
試験に参加するために、患者は以下の基準をすべて満たす必要があった。
1. 同意取得時の年齢が50~90歳(包括的)の男女。
2. 2011年国立老化研究所-アルツハイマー病協会(NIA-AA)作業部会の基準によるアルツハイマー病の可能性があるとの診断。外来患者、または介護施設若しくは専門養護施設の居住者。
3. スクリーニング時及び無作為化の少なくとも2週間前に、臨床的に有意な中等度/重度の激越があり、日常生活を妨げ、治験責任医師の意見で処方薬が必要な患者。
4. 激越の診断は、激越の国際精神老年医学協会(IPA)の暫定的な定義を満たす必要があった。
5. Clinical Global Impression Severity(CGIS)-激越スコアは、スクリーニング及びベースラインで4以上(中等症)。
6. スクリーニング及びベースラインでのMini Mental State Examination(MMSE)スコアが6~26(包括的)。
7. 治験責任医師の判断により、患者の心機能、肺機能、肝機能、腎機能が安定していた。
8. 患者の心電図(ベースライン前の過去1か月以内に取得され、中央の心電図リーダーによって評価されたもの)があり、臨床的に重要な所見はなかった。
9. -出産の可能性のある女性の場合、無作為化の前に少なくとも1か月間、医学的に許容される避妊方法を実践している必要があり、試験期間全体を通して同じ方法を継続する必要があり(経口避妊薬錠剤、ホルモンインプラントデバイス、ホルモンパッチ、子宮内避妊器具、横隔膜及び避妊クリームまたは避妊フォーム、殺精子剤を含むコンドーム、または禁欲)、または外科的に無菌または閉経後であったこと。
10. アルツハイマー病の治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなど)の使用は、投与量が無作為化前の少なくとも3か月間安定していた場合に許可された。
11. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI;例えば、フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラム)、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI;例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン)などの抗うつ薬の併用は、用量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、その薬の添付文書のガイダンスの範囲内であった場合に許可された。CYP2D6基質であるパロキセチンは、用量が1日10mgを超えない限り許可された。
12. 不眠症の夜間治療のための就寝時の催眠薬(例えば、エスゾピクロン,ゾルピデム,ザレプロン,トラゾドン[1日50mg以下])の併用は、投与量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、試験全体で安定していた場合に許可された。さらに、行動障害のための短時間作用型ベンゾジアゼピン(例えば、ミダゾラム、オキサゼパム、低用量アルプラゾラム[1日最大0.5mg])の併用は許可された。
13. アルツハイマー病に続発する激越の治療のために許可された薬(非定型抗精神病薬、抗うつ薬、ブスピロンなど)を同時に服用している患者は、スクリーニング前の少なくとも2週間及び無作為化前の少なくとも1か月間安定した用量を使用していた場合に適格であった。
14. 患者は抑うつ障害の現在及び重大な症状を示してはならず、スクリーニング時にコーネル認知症抑うつ尺度(CSDD)でスコアが10未満でなければならなかった。
15. 患者は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th Edition,Text Revisionで定義されているように、統合失調症、統合失調感情障害、または双極性障害の病歴若しくは現在の臨床症状があってはならなかった。
16. 介護者は、試験の過程で禁止薬を投与しないことを含め、試験手順を順守することができ、順守することを望む必要があった。
17. 患者/介護者は、試験参加の性質及びリスクが十分に説明された後、患者/介護者のICFに署名し、そのコピーを受け取ることに同意する必要があった。ICFに署名することはできなかったが同意を与えることができた患者、または患者の正式な代理人が参加に同意した患者(同意を与えることができない患者の場合)は許可された。
3.3.2. 除外基準
以下のいずれかは、試験からの除外基準と見なされた。
1. 治験責任医師の意見では、介護者は、試験の指示に従うことを望まなかった、または従うことができなかった。
2. 患者は、主に非アルツハイマー型の認知症を患っていた(例えば、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、物質誘発性認知症)。
3. アルツハイマー病に続発しない激越の症状を有する患者(例えば、疼痛、他の精神障害、またはせん妄に続発する)。
4. 重症筋無力症の患者(Qの禁忌)。
5. 完全な心ブロック、QTc延長、または多形性心室頻拍の個人歴がある患者。
フリデリシア式(QTcF)によるスクリーニング及びベースラインのQTは、心室ペーシングによる場合を除き、中央判定に基づいて、男性で450ミリ秒を超え、女性で470ミリ秒を超えた
中央リーダーによって評価され、治験責任医師によって臨床的に重要であると見なされた期外心室収縮(PVC)あり。
6. 先天性QT間隔延長症候群の家族歴がある患者。
7. DM、Q、アヘン剤(コデインなど)、または治験薬の他の成分に対する過敏症が知られている患者。
8. ベンゾジアゼピン(例えば、ロラゼパム)に対するアレルギー歴のある患者。
9. Qと併用したDMを受けたことがあった患者。
10. ベースライン前の2週間または5半減期のいずれか長い方で、許可されていない併用薬を服用していた患者。
11. 試験の安全性結果の解釈を混乱させる可能性のある共存する臨床的に重要なまたは不安定な全身性疾患を有する患者(例えば、悪性腫瘍(皮膚基底細胞癌または未治療の前立腺癌を除く)、管理不良の糖尿病、管理不良の高血圧、不安定な肺、腎臓若しくは肝臓の疾患、不安定な虚血性心疾患、拡張型心筋症、または不安定な心臓弁膜症)。他の特定の非転移性がんが許可された場合があった。各ケースは、メディカルモニターで個別に評価された。
12. 現在参加している患者、またはベースラインから30日以内に他の介入(薬物またはデバイス)臨床研究に参加した患者。
13. ベースラインから12か月以内に、体位性失神の病歴または原因不明の失神(ケースバイケースで評価)の病歴がある患者。
14. 過去1年以内に薬物及び/またはアルコール乱用の履歴がある患者。
15. 治験責任医師による臨床評価に基づいて、試験中に転倒の差し迫ったリスクが高いと判断された患者。
16. -Sheehan Suicidality Tracking Scale(シーハン自殺傾向追跡尺度、S-STS)に基づくスクリーニング及びベースラインでの自殺の深刻なリスクの証拠がある患者、すなわち、質問2~6若しくは11のいずれかでスコア3若しくは4、または質問1a、7~10、若しくは12のいずれかでスコア2以上、または治験責任医師の意見で自殺の深刻なリスクがあると思われる患者。
3.3.3. 治療または評価からの患者の除外
患者及び介護者は、口頭及び書面によるICFで、他の方法で得られる利益を害したり損失したりすることなく、いつでも試験を中止する権利があることを通知された。治験責任医師または治験依頼者は、併発疾患、有害事象(AE)、患者の健康若しくは幸福に関するその他の理由、または協力の欠如、不遵守、プロトコル違反、またはその他の管理上の理由が発生した場合、患者の治験を中止することができた。患者が予定された来診に戻らない場合は、患者に連絡するためにあらゆる努力を払う必要があった。状況に関係なく、可能であれば、患者の転帰を記録するためにあらゆる努力を払う必要があった。治験責任医師は、中止の理由を尋ね、未使用の治験薬(IP)をすべて返却するよう介護者に要求し、未解決の有害事象について患者をフォローアップする必要があった。
さらに、無作為化後の任意の時点で、QTcFが500ミリ秒を超える(心室ペーシングによる場合を除く)、または投与前のベースライン心電図からのQTcF間隔の変化が60ミリ秒を超える患者は、試験から取り下げられた。QTcF値は、臨床的意義について評価され、記録された。
試験完了前に中止した患者は、来診6(試験終了)の評価を完了するために診療所に戻るように求められた。
患者が試験を辞退し、介護者及び/または患者の代表者が将来の情報開示について同意を撤回した場合、それ以上の評価を行うべきではなく、追加のデータを収集すべきではなかった。スポンサーは、かかる同意の撤回前に収集されたデータを保持し、引き続き使用することができた。試験を辞退した患者は、補充される予定はなかった。
3.4. 治療
3.4.1. 投与された治療
臨床治験薬は、経口投与用に硬くて印刷された不透明な青色のゼラチンカプセル(サイズ3)として提供された。治験薬の各カプセルは、次のいずれかを含んだ。
AVP-786-28、28mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP)
AVP-786-18、18mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP)
AVP-786対応プラセボ、治験薬と同じ賦形剤含有
3.4.2. 治験薬(複数可)の識別
AVP-786及びプラセボの2つの用量の質的及び量的組成を表7に示す。
Figure 2023523373000027
3.4.3. 患者を治療群に割り当てる方法
適格な患者に、1日目(ベースライン)に無作為に割り付けられ、段階1でAVP-786-18カプセル、AVP-786-28カプセル、または対応するプラセボカプセルを二重盲検法で投与した。無作為化は、NPI-激越/攻撃ドメインスコア(6以下対6を超える)、転倒のリスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、及び抗精神病薬の併用(有対無)によって階層化された。ブロックされた無作為化を使用して、各階層での治療のバランスを確保した。
段階1の終わりに、前にプラセボに無作為化された患者は、上記のように二重盲検法で段階2中にAVP-786-18カプセル、AVP-786-28カプセル、または対応するプラセボカプセルを受け取るために再無作為化された。
3.4.4. 試験における用量の選択
この試験のために計画されたAVP-786の用量は、d6-DM 18mg/Q 4.9mg及びd6-DM 28mg/Q 4.9mgであり、それぞれAVP-786-18及びAVP-786-28と呼ばれる。
このSPCDにおける12週間の二重盲検治療期間(6週間)+6週間)は、この設計を採用した最近完了したいくつかの研究に似ている。3週間の滴定期間を考えると、6週間の期間は、以前の研究からのデータに基づいて治療応答を観察するのに十分であると考えられる各研究群で、目標AVP-786用量への少なくとも3週間の暴露を確実にするために使用される。段階1と段階2の12週間を通して同じ治療に割り当てられた患者の場合、治療期間により、応答期間の評価も可能になる。
3.4.5. 患者ごとの用量の選択及びタイミング
段階1と段階2の両方では、治験薬(実薬またはプラセボ)は、治療期間中、1日2回経口投与された(午前中に1カプセル、午後に1カプセル、約12時間間隔)(食事に関係ない)。両方の段階で実薬治療を開始している患者は、下記のように無作為化された用量で滴定された。
・AVP-786-28/4.9投与に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-18を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始めた。8日目から、患者はAVP-786-18を14日間、1日2回服用した。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-28を1日2回服用した。
・AVP-786-18投与に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-18を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始めた。8日目から、患者は試験の残りの11週間で、AVP-786-18を1日2回服用した。
3.4.6. 前療法及び併用療法
患者は、試験中、または1日目の投与開始前の2週間若しくは5半減期のいずれか長い方の間、プロトコルの付録1に記載されている禁止薬のいずれも服用できなかった。来診のたびに、介護者は、患者が併用薬を服用しているかどうかについて質問され、もし服用している場合、治験責任医師は服用した薬及びその使用理由を記録した。介護者は、日誌にレスキュー薬(ロラゼパム)の併用を記録するように指示された。P-糖タンパク質基質、またはCYP2D6産生代謝産物によって作用が媒介されるプロドラッグの併用は避けるか、必要に応じて注意深く監視する必要があった。
3.4.6.1. 許可された併用薬
アルツハイマー病の治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなど)は、無作為化の少なくとも3か月前から安定した用量で投与された場合に許可された。これらの薬の投与量は、試験を通して変更してはならなかった。投与量の調整が必要な場合は、新しい投与量及び変更の理由を記録する必要があった。
アルツハイマー病に続発する激越の治療のための薬剤(非定型抗精神病薬、抗うつ薬、ブスピロンなど)の使用は、患者がスクリーニング前の少なくとも2週間及び無作為化前の少なくとも1か月間安定した用量を使用していた場合に許可された。
SSRI(例えば、フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラム)、及びSNRI(例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン)などの抗うつ薬の併用は、用量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、その薬の添付文書のガイダンスの範囲内であった場合に許可された。CYP2D6基質であるパロキセチンは、用量が1日10mgを超えない限り許可された。SSRI、SNRI、及びパロキセチンの用量は、有害事象の管理のために減量が必要であるとみなされなかった限り、試験全体を通して安定していなければならなかった。
SSRIまたはSNRIを併用している患者について、精神状態の変化、高血圧、落ち着きのなさ、ミオクローヌス、高体温、反射亢進、発汗、震え、振戦などのセロトニン症候群を監視する必要があった。
不眠症の夜間治療のための就寝時の催眠薬(例えば、エスゾピクロン,ゾルピデム,ザレプロン,トラゾドン[1日50mg以下])の併用は、投与量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、試験全体で安定していた場合に許可された。
さらに、行動障害のための短時間作用型ベンゾジアゼピン(例えば、ミダゾラム、オキサゼパム、低用量アルプラゾラム[1日最大0.5mg])の併用は許可された。
激越の短期治療のためのロラゼパムの使用を除いて、他のすべてのベンゾジアゼピンは禁止された。試験に参加する前にロラゼパムを服用していた患者は、試験で許可されたのと同じ治療計画(最大1日1.5mg、7日間で3日を超えない)を使用する必要があった。
3.4.6.2. 激越症状のレスキュー薬
患者は、治験責任医師が必要と判断した場合、激越の症状の短期治療のためのレスキュー薬として経口ロラゼパムを受け取ることができる。ロラゼパムは、7日間で3日を超えずに最大1日1.5mg投与された。介護者は、日誌にロラゼパムの併用を記録する必要があり、ベンゾジアゼピンによる転倒リスクの潜在的な増加について注意された。
3.4.6.3. 併用禁止薬
禁止薬の例のリストは、プロトコルの付録1に記載された。禁止薬の例として、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、炭酸脱水酵素阻害剤、アミオダロン、シメチジン、ジルチアゼム、ベラパミル、プロテアーゼ阻害剤(例えば、サキナビル、リトナビル、アタザナビル、インジナビル)、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、ロキシスロマイシン)、三環系抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン)、キニジン、デキストロメトルファン(市販及び処方箋)、キニーネ、メフロキン、セントジョンズワート、ハイパーフォリン、リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、シプロテロン、チオリダジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、プロマジン、ペルフェナジン、メトトリメプラジン、及びフルフェナジンが挙げられた。
モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)は、試験全体で禁止されていた。患者は、治験薬を中止してからMAOIを開始するまでに、少なくとも14日間空ける必要があった。
3.5. 有効性及び安全性の変数
3.5.1. 評価された有効性及び安全性の測定値ならびにフローチャート
試験事象のスケジュールを表9に示す。詳細については、プロトコルを参照されたい。
Figure 2023523373000028
Figure 2023523373000029
Figure 2023523373000030
Figure 2023523373000031
3.5.1.1. 有効性の評価項目
有効性評価項目は、激越、抑うつ、認知機能障害、生活の質(QOL)、及び介護者のストレスに関連する行動の変化を評価するための検証済みの尺度と質問票を含んだ。統計的ゲートキーピング手順を、主要(CMAI合計スコア)及び主要な二次有効性評価項目(Modified Alzheimer’s Disease Cooperative Study-Clinical Global Impression of Change[mADCS-CGIC]-激越スコア)に適用し、両面α=0.05の有意レベルで全体的なタイプ1エラーを制御した。
3.5.1.1.1. 主要有効性評価
主要な有効性評価項目は、複合CMAIスコア(CMAI合計スコア)における、ベースラインから6週目(段階1)、6週目から12週目(段階2)、及びベースラインから12週目(12週間並行群)の変化であった。CMAIは、高齢者の激越行動の発現頻度を評価するために使用された。CMAIは、激越のCMAI因子としても知られている、異なる激越症候群にさらに分類される29の激越行動で構成されている。これらの異なる激越症候群は、F1-攻撃的行動、F2-身体的に非攻撃的行動、及びF3-言語的激越行動を含み、二次的有効性評価項目である。因子1、因子2、及び因子3の3つの面のスコアは、Rabinowitz J, Davidson M,De DPP, Katz I, Brodaty H,Cohen-Mansfield J.Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance. American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998に記載され、本明細書の他の場所で記述されている因子構造に基づいて導き出された。
29項目のそれぞれは、7段階の頻度で評価する(1=まったくない、2=週に1回未満であるが、まだ発生している、3=週に1回または2回、4=週に数回、5=1日に1回または2回、6=1日に数回、7=1時間に数回)。評価は、CMAIの2週間前の評価に基づいている。CMAIスコアの減少は、激越行動の頻度の改善を示す。CMAI合計スコアは、29項目すべての評価の合計として計算され、範囲は29から203である。
CMAIは、スクリーニング、1日目(ベースライン)、そして段階1では1週目、2週目、3週目、及び6週目、ならびに段階2では9週目及び12週目に評価された(表9)。段階2ベースラインは、段階2の再無作為化の前の最後のCMAI評価であった。
3.5.1.1.2. 二次的有効性評価
主要な二次的有効性評価項目は、1日目(ベースライン)、6週目、及び12週目に評価されたModified Alzheimer’s Disease Cooperative Study-Clinical Global Impression of Change-Agitation(mADCS-CGIC-激越)であった。
・mADCS-CGIC-激越:mADCS-CGIC-激越は、アルツハイマー病における激越の研究に関連する側面をより適切に評価するために、標準的なアルツハイマー病共同研究-変化の臨床全体印象(ADCS-CGIC)手段を修正したものである。激越に関する質問と、特に激越に焦点を当てた変化に対する臨床医の印象の評価とを含む。これはもともと、アルツハイマー病における激越に関するシタロプラム研究(CitAD)のために設計されたものであり、患者と介護者の両方の半構造化インタビューを利用して、激越の重症度のベースラインレベルを決定する。その後の評価では、ベースラインからの変化を評価し、患者と介護者の両方の半構造化激越インタビューを利用する。
表9に示す時点で評価された追加の二次的有効性評価項目は、以下のものを含む。
・ NPI-激越/攻撃ドメインスコア及び介護者の苦痛スコア:これは、認知症を含むさまざまな疾患設定における精神病理を評価するための有効な臨床手段である。NPIは、12の神経精神症状ドメインをカバーする、情報提供者である介護者のレトロスペクティブなインタビューであり、この12の神経精神症状ドメインは、妄想、幻覚、激越/攻撃性、抑うつ/不快感、不安、高揚感/多幸感、無感動/無関心、脱抑制、過敏性/不安定性、異常な運動行動、睡眠及び夜間行動障害、ならびに食欲/摂食障害である。スクリプト化されたNPIインタビューは、各症状ドメインの複合スクリーニング質問を含み、その後に、スクリーニング質問に対する肯定的な回答が得られた場合に実施されるドメイン固有の行動に関する質問のリストがある。ドメイン内の神経精神症状は、頻度(1~4)と重症度(1~3)の両方の観点から介護者によってまとめて評価され、複合症状ドメインスコア(頻度x重症度)が得られる。頻度と重症度の評価尺度は、介護者の応答の信頼性を高めるためのアンカーポイントを定義している。介護者の苦痛は、0(まったく苦痛ではない)から5(非常に苦痛である)のスコアで固定されたスケールで、正の神経精神症状ドメインごとに評価される。NPIドメインは通常、過去4週間以内の行動について評価するが、試験の必要に応じて変更することができる。この試験では、回想期間はすべての来診で2週間であった。NPI nursing-home version(NPI-NH)は、入院患者または介護施設の患者に使用された。NPI-NHの質問は、疾患の発症前に患者を知らないかもしれない専門の介護者のために言い換えられた。ただし、NPI-NHバージョンでは職業上の混乱のため補充された介護者の苦痛セクションを除いて、全体的な手段ドメイン及びスコアリングはNPIと同じであった。NPIの激越/攻撃ドメインスコアは、NPI合計スコアの一部として評価された。
・NPI-異常運動行動ドメイン(上記を参照)。
・CGIS-激越スコア(CGIS-激越):これは、疾患の重症度を測定する観察者評価尺度であり、精神医学研究で最も広く使用されている簡単な評価ツールの1つである。CGISのEarly Clinical Drug Evaluation Unit(ECDEU)版は、この検証済みツールの最も広く使用されている形式であり、臨床医が、付随情報の有無にかかわらず、同じ診断を受けた他の患者との過去の経験と比較して患者を評価するように求められる。CGISは、多くの臨床薬物試験で有効性の堅牢な尺度であることが証明されており、臨床医が患者をよく知っていれば、簡単かつ迅速に実施できる。CGIの信頼性及び有効性は、認知症、統合失調症、及び情動障害の患者を含む複数の試験で検証されている。全体的にCGIは他の評価手段と高い相関関係(r:約90%)を示し、他の臨床医の評価と正の有意な関係及び同時妥当性も示している。さらに、この尺度は時間の経過と共に変化する感度が良好である。CGISスコアは7点(1~7)スケールであり(1=正常、まったく病気ではない;7=最も重篤な患者)、この試験で激越の重症度を評価する。
・Alzheimer’s Disease Cooperative Study-Clinical Global Impression of Change for Overall Clinical Status (ADCS-CGIC-Overall):この尺度は、臨床試験の時間枠内で全体的な機能のベースラインレベルからの変化を確実に評価する手段を提供するためのものである。対象を絞った症状尺度とは異なり、ADCS-CGIC-Overallは、認知、行動、及び機能活動領域における患者の全体的な機能を考慮に入れる。ADCS-CGIC-Overallは、患者と介護者の半構造化インタビューを通じて収集された情報に基づいて、試験開始以降の患者の認知、機能、及び行動能力の変化に関する臨床医の観察に焦点を当てている。重症度のベースラインレベルが確立されると、経過観察来診時の変化スコアは、患者と介護者のインタビューから収集された情報に基づく。ADCS-CGIC-Overallは、著しい改善、中等度の改善、軽度の改善、変化なし、軽度の悪化、中等度の悪化、または著しい悪化として評価される。
・Zarit Burden Interview(ZBI):これは、介護者の生活に対する患者の障害の影響を評価するために使用される22項目の尺度である。認知症患者の介護者が経験する負担を反映するように設計されており、介護者が記入するか、インタビューとして実施することができる。これは、認知症やその他の疾患の患者の介護者の負担を測定するために最も一般的に使用される尺度である。ZBIは高い内部信頼性を有し、推定されたCronbach’s alphaが0.88及び0.91であり、テスト再テストの信頼性が0.71であることが示されている。有効性は、合計スコアを負担の単一の全体的評価と相関させることによって推定されている(r=0.71)。この尺度の各項目について、介護者はどのくらいの頻度でそのように感じたかを示す必要がある(まったくない、滅多に、時々、かなり頻繁に、またはほぼ常に)。スコアの範囲は0~88であり、個々の項目の番号付きの回答を加算することによって決定される。スコアが高いほど、介護者の苦痛が大きいことを示す。
・NPI-過敏性/不安定性ドメイン(上記を参照)。
・NPI合計スコア(上記を参照)。
・変化に対する患者の全体印象(PGIC):これは、治療効果を評価するために使用される7段階(1~7)の尺度であり、次のように評価される。
・認知症の生活の質(DEMQOL):これは、認知症患者及びその介護者の健康関連QOLを評価するために使用される尺度である。DEMQOLは、28項目バージョン(患者による評価)と31項目バージョン(DEMQOL-proxy、介護者による評価)の2つのバージョンがある。軽度から中等度の認知症(MMSEが10以上)の患者(及びその介護者)の評価は、28項目バージョンと31項目バージョンの両方を使用することが薦められる。重度の認知症患者には、DEMQOL-proxy(介護者に実施)のみが使用される。
・Alzheimer’s Disease Assessment Scale-cognitive subscale(ADAS-cog):ADAS は、アルツハイマー病患者の認知及び非認知行動機能障害の特徴を評価するために設計された。認知下位尺度(ADAS-cog)は、記憶、実践、及び言語に関連する11のサブセットで構成されている。ADAS-cogが完了するまでに約30~45分かかる。ADAS-cogは、ベースライン来診時にMMSEスコアが10以上の患者について評価された。
・CSDD:これは、認知症患者の大うつ病の徴候と症状を評価するために特別に開発された。これらの患者の一部は信頼できない報告を出す可能性があるため、CSDDは患者と介護者から情報を引き出す包括的な面接アプローチを使用する。情報は、2つの半構造化インタビュー(介護者とのインタビュー及び患者とのインタビュー)を通じて引き出される。インタビューは、評価の前の週に発生した抑うつ症状と徴候に焦点を当てる。各項目については、0~2のスケールで重大度を評価する(0=ない、1=軽度または断続的、2=重度)。項目スコアを加算する。10点以上のスコアは大うつ病の可能性を示し、18点以上のスコアは明確な大うつ病を示し、原則として6未満のスコアは重大な抑うつ症状の欠如と関連している。
・認知症における資源利用(RUD):RUDは、認知症に関連する医療費の計算に使用される。入院や医師の診察、生活支援、専門外の介護者が費やす時間など、認知症患者の公式及び非公式の医療資源の利用を評価する。臨床試験のコンテキスト内で、RUDは新しい医薬品治療の費用対効果を判断するためによく使用される。RUDは、患者の主介護者との半構造化面接として実施され、2つのセクションを含む。1つは介護者の影響(介護者が被る仕事と余暇の損失)に焦点を当てたものであり、もう1つは患者の医療資源の使用に焦点を当てたものである。患者の認知症に関連する総医療費は、使用されるユニットの数(例えば、介護者の時間数、医師の診察回数、宿泊施設で泊まった日数)に、対応するユニット価格ベクトルを掛けることによって見積もることができる。
・General Medical Health Rating(GMHR):これは、認知症患者の一般的な併存疾患の重症度を単一の数字(1~4)で定量化するように設計された、医療健康に関する全体臨床評価である。評価として、1=悪い、2=普通、3=良い、4=とても良いから非常に良いとなっている。
3.5.1.2. 安全性評価項目
評価された安全性評価項目は、治療に起因する有害事象(TEAE)、臨床検査結果、バイタルサイン(血圧を含む)、ECG、S-STS、MMSE、Timed Up and Go(TUG)テスト、及びEpworth Sleepiness Scale(ESS)であった。
3.5.1.2.1. 安全性評価
3.5.1.2.1.1. 有害事象
介護者は、スクリーニング来診後の各診療所来診時(表9)、及び29日目と71日目の安全性電話訪問で、TEAEについて質問された。報告されたすべてのTEAEが評価され、記録された。治験薬の最後の投与を受けた後に新たに報告されたAEは、30日間追跡調査された。
各AEの重症度は3段階(軽度、中等度、または重度)で等級付けされ、電子症例報告フォーム(eCRF)に示されているように詳細に報告された。各AEと治験薬との関係は、治験責任医師によって、関係がない、関係の可能性が低い、関係がある可能性がある、または関係があると判断された。
3.5.1.2.1.2. 身体診察及び神経学的検査
スクリーニング(-28日目~-1日目)、43日目(来診4)、及び85日目(来診6)に、身体診察及び神経学的検査を実施した。身体診察は、頭、目、耳、鼻、喉、リンパ節、皮膚、四肢、呼吸器、胃腸、筋骨格、心臓血管、及び神経系の評価を含んだ。神経学的検査は、精神状態、脳神経、運動系、反射、協調、歩行と姿勢、及び感覚系の評価を含んだ。身体診察及び神経学的検査は、可能な限り毎回同じ人が実施する必要があった。
治験責任医師がスクリーニング時に臨床的に重要であると判断した身体的及び神経学的検査の異常は、病歴として記録した。スクリーニング検査からの身体的及び神経学的検査結果の臨床的に重要な変化は、AEとして記録した。
3.5.1.2.1.3. 臨床検査テスト
次の臨床検査評価は、表9に示されている時点で実施された。
血液化学(カルシウム、マグネシウム、リン、グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、二酸化炭素、血中尿素窒素[BUN]、血清クレアチニン、尿酸、アルブミン、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、乳酸脱水素酵素[LDH]、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]、アラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT]、クレアチンキナーゼ[CK]、γ-グルタミルトランスフェラーゼ[GGT]、トリグリセリド、総タンパク質、及び総コレステロール)
血液学(赤血球[RBC]数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球[WBC]カウント、好中球、バンド、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板数、及び形態)
尿検査(pH、比重、タンパク質、グルコース、ケトン、血液、白血球エステラーゼ、硝酸塩、及び顕微鏡的外観)
スクリーニング受診時のみの甲状腺機能検査(甲状腺刺激ホルモン[TSH]、TSHが異常な場合は反射トリヨードチロニン[T3]及びチロキシン[T4])
スクリーニング来診時及び来診6のみでのグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)テスト
表9に示す時点で、出産の可能性のある女性に対して尿妊娠検査を実施した。
出産の可能性のあるすべての女性患者は、治験薬の最終投与後最長4週間で、適切な避妊法を使用するように指示された。
臨床的に重要な臨床検査結果は、メディカルモニターから要求された場合、再検査が必要になる可能性があった。
3.5.1.2.1.4. 心電図
安静時の12誘導心電図を、表9に示す時点で実施した。スクリーニング時に、心電図を3回実施した。ベースライン(1日目)及び43日目(来診4)で、2つの心電図が実行された。1つは治験薬の投与前、もう1つは投与から2~3時間後であった。ECG機器は、中央リーダーによって提供された。ECGデータは試験センターで記録され、一般的な所見、心拍数(心拍/分)、QRS群、PR及びQTc間隔(ミリ秒)を含んだ。結果は、中央リーダーから24時間以内に治験責任医師に提供した。
3.5.1.2.1.5. シーハン自殺傾向追跡尺度
S-STSは、治療に伴う自殺念慮及び行動を評価する見込みのある尺度であり、表9に示す時点で評価された。自殺傾向の存在を示すS-STSスコアの変化は、治験責任医師が評価し、メディカルモニターに報告した。
3.5.1.2.1.6. ミニメンタルステート検査
MMSEは、認知障害のスクリーニングに使用される30点の簡単なアンケートテストであり、表9に示す時点で評価された。
3.5.1.2.1.7. Timed Up and Go(TUG)テスト
TUGテストでは、個人が標準的な肘掛け椅子から立ち上がり、3メートル歩き、向きを変え、椅子に戻って座るまでの時間(秒単位)を測定する。このテストは、表9に示す時点で評価された。
3.5.1.2.1.8. エプワース眠気尺度
ESSは8項目のアンケートであり、ほとんどの人が1日に従事する8つの異なる状況で眠りにつく可能性を評価することによって眠気を測定するために使用される。このテストは、表9に示す時点で評価された。
3.5.1.3. 薬物動態評価
43日目(来診4)及び85日目(来診6)に、d6-DM、d6-DM代謝物、及びQの血漿レベルを分析するために、治験薬の午前中投与後0~3時間の間に患者から血液試料を採取した。患者に治験薬を投与した時間及び採血の時間を記録した。血漿試料は遠心分離され、分析ユニットでアッセイされるまで-20℃で凍結された。
3.5.2. 主要有効性変数(複数可)
主要な有効性評価項目及び評価は、本明細書の別所に記載されている。
3.5.3. 薬物濃度測定
この試験で行われた薬物動態評価は、本明細書の別所に記載されている。
3.6. データ品質保証
3.6.1. 検査データ
個々のサイト検査室は、安全性分析のために、スクリーニング時(-28日目~-1日目)、及び来診3~6日目(22日目、43日目、64日目、及び85日目)に、血液学、血液化学、及び尿検査の試料を収集する必要があった。検体の評価及び中央検査室への輸送に関する指示は、試験開始時に提供されることになっていた。ベースライン(1日目)でのCYP2D6ジェノタイピング(1日目)及び来診4と来診6(43日目と85日目)でのPK分析のために、血液試料も採取する必要があった。
3.7. プロトコルで計画されている統計手法及びサンプルサイズの決定
3.7.1.1. 分析集団
mITT、治療意図(ITT)、安全性、及び12週間の並行群の4つの分析集団があった。これらは以下に定義されている。
3.7.1.1.1. mITT集団
mITT集団は、すべての有効性及び健康結果の分析に使用された。段階2の群は段階1の群のサブセットであったが、研究デザインにより、mITT集団に含まれる患者は、段階1と段階2で別々に決定された。患者は、受けた治療に関係なく、無作為化された治療群に含まれた。mITT集団は、各段階で以下に定義されている。
段階1:段階1で無作為化され、少なくとも1回のベースライン後の有効性評価を受けたすべての患者。
段階2:段階2で再無作為化され、段階2(6週目後)で少なくとも1つの有効性評価を受けたすべての患者。
3.7.1.1.2. ITT集団
ITT集団は、感度分析に使用された。患者は、受けた治療に関係なく、無作為化された治療群に含まれた。ITT集団は以下のように定義された。
段階1:段階1で無作為化されたすべての患者
段階2:段階2で再無作為化されたすべての患者
3.7.1.1.3. 安全性集団
安全性集団は、治験薬を1回以上投与されたすべての患者を含む。安全性集団は、安全性のすべての分析に使用された。患者は、実際に受けた治療に基づいて治療群に含まれた。
3.7.1.1.4. 12週間並行群集団
12週間並行群集団は、両方の段階(段階1及び段階2)で同じ治療に無作為に割り付けられた患者のコホートである。段階1で脱落した患者を含むすべての段階1プラセボ患者は、段階2で再無作為化され、治療群に割り当てられたため、この集団は、12週間の無作為化並列群設計の群に類似しており、計画された合計サンプルサイズは254(元のサンプルサイズである380の2/3)であり、治療比率は3:3:2(実薬:実薬:プラセボ)であった。
この集団は、12週間にわたる治療の有効性及び安全性を評価するために使用することを目的としており、並行群設計設定でAVP-786-28、AVP-786-18、及びプラセボを比較する。この集団は、プラセボの治療セグメントA、D、及びG(図1)からの患者、AVP-786-28のB及びJ(図1)からの患者、ならびにAVP-786-18のC及びK(図1)からの患者を含む。
12週間並行群集団:12週間並行群集団における、ベースライン後の有効性評価が少なくとも1回行われた患者。
安全性12週間並行群集団:12週間並行群集団における、治験薬を少なくとも1回投与された患者。
3.7.1.2. 有効性
3.7.1.2.1. 主要有効性評価項目解析方法
3.7.1.2.1.1. 主要分析
主要有効性分析では、各段階で個別に観察されたデータに対して尤度ベースの混合モデル反復測定(MMRM)を使用して、治療効果を推定した。治療効果の推定値は、段階1の重みが0.6、段階2の重みが0.4の加重検定統計量で結合された。段階1モデルは、治療、来診、来診ごとの治療の相互作用、ベースラインCMAI合計スコア、来診ごとの来ベースラインの相互作用、ベースラインNPI-激越/攻撃(6以下対6を超える)、転倒のリスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、及び抗精神病薬の併用(有対無)の用語を含んだ。段階2モデルは、治療、来診、来診ごとの治療の相互作用、及び段階2ベースラインの用語を含んだ。両方のモデルに対して、構造化されていない共分散行列が計画された。収束の問題があった場合、非構造化以外の次の共分散構造、すなわち、1)次数1の自己回帰、2)複合対称(CS)がこの順で使用され、最適適合に収束する共分散構造は、主要な分析として使用された。ランダムな欠測という仮定の下で、MMRMは、治療期間の治療効果の偏りのない推定値を提供する。
モデル推定値(治療差とその95%信頼区間)[CI])は、段階ごとに報告されている。
段階2での再無作為化(層化変数として)及び分析のために、段階1でのプラセボ応答者と非応答者は次のように定義された。
・プラセボ応答者は、段階1でプラセボに無作為に割り付けられた患者であり、その患者は、4回目の来診時(43日目)に激越の重症度の臨床全体印象尺度(CGIS-激越)スコアが3以下であり、NPI-激越/攻撃ドメインスコアがベースラインから25%以上減少した。
・プラセボ非応答者は、段階1でプラセボに無作為に割り付けられた患者であり、その患者は、上記で定義した応答者の基準を満たしていない。
3.7.1.3. 安全性
TEAE、臨床検査評価、ECG、バイタルサイン、身体診察及び神経学的検査、S-STS、MMSE、TUGテスト、及びESSなどの安全性評価について、記述統計及び患者ごとのリストが提示される。すべての安全性分析は、安全性集団で完了する。
一般に、カテゴリ別安全性分析(TEAEなど)は、次の治療群を使用して表示する。
1. プラセボ:試験の全期間にわたってプラセボを投与された患者(段階1の治療セグメントAからのデータを含む、SPCD概略図(図1)の治療セグメントD及びG)。ただし、プラセボ/AVP-786に無作為に割り付けられたが段階1で脱落した患者は、この集団に含まれない。代わりに、それらのデータは、対応するプラセボ/AVP-786治療群の下にまとめられている。
2. AVP-786-28:試験の全期間にわたってAVP-786-28を投与された患者(図1のB及びJ)。
3. AVP-786-18:試験の全期間にわたってAVP-786-18を投与された患者(図1のC及びK)。
4. プラセボ/AVP-786-28:段階1でプラセボを投与され、段階2でAVP-786-28を投与された患者(図1のE及びH)。プラセボを投与されて段階1で脱落した患者を含む。この群は、プラセボ(段階1)で発生したデータとAVP-786-28(段階2)で発生したデータにさらに分けられる。
5. プラセボ/AVP-786-18:段階1でプラセボを投与され、段階2でAVP-786-18を投与された患者(図1のF及びI)。プラセボを投与されて段階1で脱落した患者を含む。この群は、プラセボ(段階1)で発生したデータとAVP-786-18(段階2)で発生したデータにさらに分けられる。
6. 全プラセボ:段階1中のセグメントAのすべての患者と、段階2中のセグメントD及びGのすべての患者とを含む、試験中の任意の時点でプラセボを受けた患者(図1)。プラセボと実薬治療の両方を受けた患者については、プラセボ治療期間のデータのみが全プラセボ群に含まれる。
7. 全AVP-786-28:段階1中のセグメントBのすべての患者と、段階2中のセグメントJ、E及びHのすべての患者とを含む、試験中の任意の時点でAVP-786-28を受けた患者(図1)。プラセボとAVP-786-28治療の両方を受けた患者については、AVP-786-28治療期間のデータのみが全AVP-786-28群に含まれる。
8. 全AVP-786-18:段階1中のセグメントCのすべての患者と、段階2中のセグメントK、F及びIのすべての患者とを含む、試験中の任意の時点でAVP-786-18を受けた患者(図1)。プラセボとAVP-786-18治療の両方を受けた患者については、AVP-786-18治療期間のデータのみがすべてのAVP-786-18群に含まれる。
プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群は、12週間の治療暴露を受けた12週間並行群安全集団の安全性情報をまとめる。これは、試験が12週間の並行群設計であった場合に要約されるものである。
全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群は、段階1、または段階2、または段階1及び段階2で6週間または12週間の治療曝露の下での対応治療群の安全性情報をまとめる。
定量的要約(例えば、ECG、臨床検査)については、プラセボ群およびAVP-786群は含めなかった。
4. 試験対象患者
4.1. 患者の配置
患者の全体的な配置(すべての患者)
治療に無作為に割り付けられた387人の患者のうち、ほとんどの患者が試験を完了した(89.9%)。合計39人の患者(10.1%)は早期に試験を中止した。全体的に早期中止の最も一般的な理由はTEAE(3.9%)、対象による中止、(2.1%)、及び親または保護者による試験対象の中止(1.6%)であった。
段階1(mITT)の患者の配置
段階1の治療に無作為に割り付けられた387人の患者のうち、382人の患者が少なくとも1つのベースライン後の有効性評価を受け、mITT集団に含まれた(表11)。これには、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28群のそれぞれ191人、94人、及び97人の患者が含まれていた。ほとんどの患者が段階1を完了した(364[95.3%])。合計18(4.7%)人の患者は段階1を完了する前に治療を中止し、これは、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28群でそれぞれ9(4.7%)、7(7.4%)、及び2(2.1%)人の患者を含んでいた。段階1からの中止の最も一般的な理由は、TEAEであった(全体で2.6%)。AVP-786-18で治療された患者は、プラセボ(2.1%)及びAVP-786-28(1.0%)よりも、TEAEによる中止率が高かった(5.3%)。
段階2(mITT)の患者の配置
プラセボ群の場合、合計182人の患者(95.3%)は段階1を完了し、段階2に再無作為化された。これらのうち、177人のプラセボ患者が段階2mITT集団に含まれ、58、59、及び60人の患者が、プラセボ/プラセボ、プラセボ/AVP-786-18、及びプラセボ/AVP-786-28g群にそれぞれ再無作為化された(表11)。合計7人の患者は段階2を完了する前に中止し、これは、プラセボ/プラセボ、プラセボ/AVP-786-18、及びプラセボ/AVP-786-28群でそれぞれ2(3.4%)、0、及び5(8.3%)人の患者を含んでいた。
段階2 mITT集団に含まれていた177のプラセボ患者のうち、125人がプラセボ非応答者であった。40、41、及び44人の患者が、プラセボ/プラセボ、プラセボ/AVP-786-18、及びプラセボ/AVP-786-28群にそれぞれ再無作為化された(表11)。合計6人の患者は段階2を完了する前に中止し、これは、プラセボ/プラセボ、プラセボ/AVP-786-18、及びプラセボ/AVP-786-28群でそれぞれ2(5.0%)、0、及び4(9.1%)人の患者を含んでいた。
段階2 mITT集団に含まれていた177のプラセボ患者のうち、52人がプラセボ応答者であった。18、18、及び16人の患者が、プラセボ/プラセボ、プラセボ/AVP-786-18、及びプラセボ/AVP-786-28群にそれぞれ再無作為化された(表11)。1人の患者は、段階2を完了する前に中止した(プラセボ/AVP-786-28群に6.3%)。
12週間並行群(mITT)の患者の配置
合計253人の患者が試験の全期間にわたって同じ治療を受けた(12週間並行群)。これは、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28群でそれぞれ62、94、及び97人の患者を含んでいた。合計19(7.5%)人の患者は試験を完了する前に中止し、これは、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28群でそれぞれ6(9.7%)、8(8.5%)、及び5(5.2%)人の患者を含んでいた。TEAEによる中止は、全体的に中止の最も一般的な理由であった(3.6%)。AVP-786-18で治療された患者は、プラセボ(3.2%)及びAVP-786-28(1.0%)よりも、TEAEによる中止率が高かった(6.4%)。
Figure 2023523373000032
Figure 2023523373000033
Figure 2023523373000034
5. 有効性評価
5.1. 分析されたデータセット
分析セットを表14にまとめる。段階1では、無作為化された387人の患者全員がITT集団に含まれ、無作為化された382人の患者がmITT集団に含まれた。合計5人の患者がmITT集団から除外され、これはすべて、ベースライン後の有効性評価が不足していたためである(3人及び2人の患者がそれぞれプラセボ及びAVP-786-18に無作為化された)。AVP-786-28に無作為化された患者は、mITT集団から除外されなかった。
12週間並行群(試験の全期間にわたって同じ治療を受けた患者)では、無作為化された253人の患者がmITT集団に含まれた。無作為化された合計255人の患者が安全性集団に含まれた。
Figure 2023523373000035
有効性の結果を議論するために、群を次のように命名する。
・段階1
プラセボ:段階1のプラセボに無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のA;N=191)
AVP-786-18:段階1のAVP-786-18に無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のC;N=94)
AVP-786-28:段階1のAVP-786-28に無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のB;N=97)
・段階2プラセボ非応答者
プラセボ/プラセボ:段階2のプラセボに無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるプラセボ非応答者(図1のD;N=40)
プラセボ/AVP-786-18:段階2のAVP-786-18に無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のF;N=41)
プラセボ/AVP-786-28:段階2のAVP-786-28に無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のE;N=44)
・12週間並行群
プラセボ:試験の全期間にわたってプラセボに無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のA/D/G;N=62)
AVP-786-18:試験の全期間にわたってAVP-786-18に無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のC/K;N=94)
AVP-786-28:試験の全期間にわたってAVP-786-28に無作為に割り付けられ、mITT集団に含まれるすべての患者(図1のB/J;N=97)
15.2. 人口統計学的及び他のベースライン特徴
表15に、段階1のmITT集団の人口統計学的及びベースライン特徴をまとめる。一般に、群は、性別(全体で55.8%が女性)、人種(91.9%が白人、6.3%が黒人)、民族性(34.8%がヒスパニック系またはラテン系)、及び年齢(全体の中央値が76歳)に関してバランスが取れていた。プラセボ(7.3%)またはAVP-786-28群(9.3%)と比較して、AVP-786-18群の65歳を超える患者の割合(16.0%)はより高かった。
段階1のmITT患者及び段階2のプラセボ非応答者のベースライン有効性評価の平均スコアを、それぞれ表16及び表17に示す。
ベースライン(段階1)での平均(標準偏差[SD])CMAI合計スコアは、治療群間で類似していた(表16)。すべての患者の平均(SD)CMAI合計スコアは73.0(22.75)であった。各サブスコア(F1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動)のベースライン平均も、3つの群で類似していた。NPI合計スコア、NPI-激越/攻撃ドメインスコア、及びCGIS-激越スコアのベースライン平均も群間でも同様であった。
プラセボ非応答者の段階2ベースラインでの平均(SD)CMAI合計スコアも、治療群間で同様であった(66.7[21.54];表17。サブスコア(F1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動)のベースライン平均も、ベースライン平均NPI合計スコア、NPI-激越/攻撃ドメインスコア、及びCGIS-激越スコアと同様に、3つの群で同様であった。
12週間並行群では、ベースラインの有効性測定値も群間で同様であった。
ベースラインでは、患者の82.1%がアルツハイマー病を治療するために少なくとも1つの薬を服用しており、43.7%の患者が激越を治療するために少なくとも1つの薬を服用していた。ベースラインでアルツハイマー病または激越を治療するために使用された薬剤の種類について、治療群間で重要な違いはないように思われた。
Figure 2023523373000036
Figure 2023523373000037
Figure 2023523373000038
Figure 2023523373000039
Figure 2023523373000040
5.3. 有効性結果及び個々の患者データ表
15.3.1. 有効性分析
以下のセクションでは、主要(CMAI合計スコア)及び二次有効性評価項目の分析結果を示す。主要及び主要な二次有効性評価項目の分析と解釈に対するゲートキーピング手順の影響について、以下で簡単に説明する。
統計ゲートキーピング手順
本明細書の他の箇所で説明されているように、統計的ゲートキーピング手順を使用して、主要な有効性評価項目(CMAI合計スコア)と主要な二次的有効性評価項目(mADCS-CGIC-激越スコア)の両方について、ファミリーワイズエラータイプ1エラー率(FWE)を制御した。この必要なゲートキーピング手順の一環として、有効性評価項目及びAVP-786の投与量(AVP-786-18またはAVP-786-28対プラセボ) に基づいて、次の段階的な方法で実行される4つの固定された順次治療比較があった:
1. CMAI合計スコア-AVP-786-28対プラセボ
2. mADCS-CGIC-激越スコア-AVP-786-28対プラセボ
3. CMAI合計スコア-AVP-786-18対プラセボ
4. mADCS-CGIC-激越スコア-AVP-786-18対プラセボ
例えば、順の最初の治療比較(CMAI合計スコア-AVP-786-28対プラセボ)が統計的有意性を達成しなかった場合(p<0.05)、階層内の後続のすべての比較は、名目上のp値に関係なく、有意ではないと見なされた。
ゲートキーピング手順の結果
ゲートキーピング手順の結果に基づいて、順の最初の比較(CMAI合計スコア-AVP-786-28対プラセボ)は統計的有意性を達成しなかった(p=0.208;表21)。mADCS-CGIC-激越スコアの2番目の比較であるAVP-786-28対プラセボも、統計的有意性を達成しなかった(p=0.097)。AVP-786のいずれの用量も、FWE α=0.05レベルに基づくCMAI合計スコアまたはmADCS-CGIC-激越スコアでプラセボとの有意差を示さなかったが、これらの比較は、公称α=0.05レベルでのAVP-786-18用量で有意であった(それぞれp=0.008及びp=0.012)。
他の二次有効性評価項目及びサブグループ分析は、ゲートキーピング手順の影響を受けない。比較は、事前に指定された公称両側α=0.05有意水準で実行され、報告される。
15.3.1.1. 主要有効性評価項目
主要有効性評価項目は、SPCD分析を使用したCMAI合計スコアのベースラインから6週目(段階1)及び6週目から12週目(段階2)の変化である。この主要有効性評価項目に関する分析は以下のものを含み、以降のセクションで説明している。
SPCD(mITT):段階1と段階2の組み合わせ(一次分析)、段階1、及び段階2(プラセボ非応答者のみ)
12週間並行群(mITT):ベースラインから12週目への変化(裏付けとなる分析、試験の全期間にわたって同じ治療を受けたすべての患者を含む)
感度分析:SUR、MNAR、OLS/ANCOVA、及びSPCD(ITT)
5.3.1.1.1. SPCD:段階1及び段階2(プラセボ非応答者)
主要有効性評価項目は、AVP-786-18及びAVP-786-28対プラセボのCMAI合計スコアのベースラインからの変化の SPCD分析であった(表22a、表21)。
SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意、p=0.008)(表21)。プラセボと比較してAVP-786-28で治療された患者のp値は有意ではなかった(p=0.208)。
並行群設計を模倣した段階1では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアでより大きな改善を示し(治療差[CI]:-4.0[-7.4~-0.6])、これは公称レベルで有意であった(p=0.021)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-0.6(-3.9~2.7)であり、p=0.731であった。
プラセボ導入(段階1)の並行群設計を模倣した段階2では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアでより大きな改善を示し(治療差[CI]:(それぞれ-3.5[-8.4~1.4]及び-3.6[-8.4~1.3])、公称レベルでは有意に達しなかった(それぞれp=0.157及びp=0.150)。
Figure 2023523373000041
5.3.1.1.2. 12週間並行群
平均CMAI合計スコアのベースラインからの変化を、表22及び表22bに12週間並行群について示す。AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアでより大きな改善を示し(治療差[CI]:-4.9[-9.6~-0.2])、これは公称レベルで有意であった(p=0.042)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-1.4(-6.0~3.2)であり、p=0.555であった。
Figure 2023523373000042
さまざまな時点での平均CMAI合計スコアのベースラインからの変化を、以下の表22a及び22bに示す。
Figure 2023523373000043
Figure 2023523373000044
Figure 2023523373000045
Figure 2023523373000046
5.3.1.1.3. 感度分析
異なる統計分析方法(SUR法及びSPCD OLS ANCOVA[LOCF及びWOCF+LOCF]及びMNAR推論によるSPCD MMRM)を使用した主要有効性評価項目の感度分析は、主要な分析の結果が裏付けた。SUR法、SPCD OLS ANCOVA-LOCF(p=0.007)、SPCD OLS ANCOVA-WOCF+LOCF(p=0.007)、及びITT集団を使用したMMRM SPCD(p=0.008)では、AVP-786-18を裏付けるAVP-786-18治療群とプラセボ群の間に有意差(p=0.006)が観察された。結果の要約を表23に提供する。
Figure 2023523373000047
Figure 2023523373000048
Figure 2023523373000049
5.3.1.2. CMAI下位尺度
CMAI下位尺度であるF1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動は、SPCD分析については表24に、12週間並行群については表25にまとめており、これらの下位尺度は以下で個別に説明する。
Figure 2023523373000050
Figure 2023523373000051
さまざまな時点での平均CMAI攻撃的行動スコア、CMAI非攻撃的行動スコア、及びCMAI言動的激越スコアのベースラインからの変化を以下の表24a~24fに示す。
Figure 2023523373000052
Figure 2023523373000053
Figure 2023523373000054
Figure 2023523373000055
Figure 2023523373000056
Figure 2023523373000057
Figure 2023523373000058
Figure 2023523373000059
Figure 2023523373000060
Figure 2023523373000061
Figure 2023523373000062
Figure 2023523373000063
Figure 2023523373000064
CMAI F1-攻撃的な行動
SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F1-攻撃的行動スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意であり、p=0.018;上記表24、上記表24a)。プラセボと比較してAVP-786-28で治療された患者のp値は公称レベルで有意ではなかった(p=0.292)。
段階1では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F1-攻撃的行動スコアでより大きな変化を示し(治療差[CI]:-1.2[-2.4~-0.0])、これは公称レベルで有意であった(p=0.047)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-0.2(-1.4~1.0)であり、p=0.731であった(上記表24)。
段階2では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F1-攻撃的行動スコアでより大きな変化を示し(それぞれの治療差[CI]:-1.5[-3.7~-0.6]及び-1.2[-3.3~1.0];上記表24)、これらは公称レベルで有意に達しなかった(それぞれ、p=0.158及びp=0.280)。
平均CMAI F1-攻撃的行動スコアのベースラインからの変化を、上記表24b及び表25に12週間並行群について示す。AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者とプラセボで治療された患者の治療差(CI)は、それぞれ-1.5(-3.3~0.4)及び-0.4(-2.2~1.4)であり、p=0.117及びp=0.646であった。
CMAI F2-身体的に非攻撃的な行動
SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F2-身体的に非攻撃的行動スコアに大幅な変化を示した(公称レベルで有意であり、p=0.017;上記表24、上記表24c)。プラセボと比較してAVP-786-28で治療された患者のp値は公称レベルで有意ではなかった(p=0.062)。
段階1では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F2-身体的に非攻撃的行動スコアでより大きな変化を示し(治療差[CI]:-1.6[-2.9~-0.4])、これは公称レベルで有意であった(p=0.011)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-0.4(-1.6~0.8)であり、p=0.511であった。
段階2では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F2-身体的に非攻撃的行動スコアでより大きな変化を示した(それぞれの治療差[CI]:-0.6[-2.3~1.1]及び-1.7[-3.4~-0.1])。これらの差は、AVP-786-18の公称レベルでは有意に達しなかったが(p=0.475)、AVP-786-28の公称レベルでは有意であった(p=0.043)。
平均CMAI F2-身体的に非攻撃的行動スコアのベースラインからの変化を、上記表24d及び表25に12週間並行群について示す。AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F2-身体的に非攻撃的行動スコアでより大きな改善を示し(治療差[CI]:-2.5[-4.2~-0.8])、これは公称レベルで有意であった(p=0.003)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-1.2(-2.9~0.4)であり、p=0.147であった(表25)。
CMAI F3-言語的激越行動
SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F3-言語的激越行動スコアに大幅な変化を示した(公称レベルで有意であり、p=0.044;上記表24e及び表24)。プラセボと比較してAVP-786-28で治療された患者のp値は公称レベルで有意ではなかった(p=0.476)。
段階1では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F3-言語的激越行動スコアでより大きな変化を示し(治療差[CI]:-0.8[-1.8~0.3])、これは公称レベルで有意に達しなかった(p=0.145)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-0.3(-1.3~0.7)であり、p=0.571であった(表24)。
段階2では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI F3-言語的激越行動スコアでより大きな変化を示し(治療差[CI]:-1.2[-2.9~0.5])、これは公称レベルで有意に達しなかった(p=0.165;表24)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-0.4(-2.0~1.3)であり、p=0.657であった。
平均CMAI F3-言語的激越行動スコアのベースラインからの変化を、上記表24f及び表25に12週間並行群について示す。AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者とプラセボで治療された患者の治療差(CI)は、それぞれ-0.5(-2.0~1.0)及び0.1(-1.4~1.6)であり、p=0.549及びp=0.915であった。
5.3.1.3. 追加のCMAI分析
CMAI合計スコアも、応答基準を満たす患者の割合(%)について分析され、応答基準は、ベースラインと比較してCMAI合計スコアの30%または50%の改善として定義された。全体的なSPCD分析、個別のステージ、または12週間の並行群分析では、いずれの応答基準を使用しても、群間で応答率に有意差はなかった。
激越状態は、「激越」としてスコア化されたCMAI因子(F1-攻撃的行動、F2-身体的に非攻撃的行動、またはF3-言語的激越行動)のいずれかの存在として定義された。段階1の終わりに、激越状態の基準を満たしたAVP-786-18で治療された患者の割合(%)はプラセボと比較して有意に低かった(それぞれ、80.4%及び92.6%;p=0.0029)。激越状態の基準を満たしたAVP-786-28で治療された患者の割合(%)は、プラセボで治療された患者の割合(%)に似ていた(それぞれ、90.7%及び92.6%;p=0.2416)。段階2の終わりに、激越状態の基準を満たしたAVP-786-28で治療された患者の割合(%)はプラセボと比較して低く(それぞれ、86.4%及び95.0%)、有意に達しなかった(p=6158)。激越状態の基準を満たしたAVP-786-18で治療された患者の割合(%)は、プラセボで治療された患者の割合(%)に似ていた(それぞれ、95.1%及び95.0%;p=1.000)。全体的なSPCD 1自由度のp値は、細胞数がまばらであるため計算できなかった。
12週間並行群の激越状態が計算された。12週目に、激越状態の基準を満たしたAVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者の割合(%)はプラセボと比較して低かった(それぞれ、87.2%、91.3%、及び94.7%)。一般推定方程式モデルが収束しなかったため、p値を計算できなかった。
5.3.1.4. 二次有効性評価項目
5.3.1.4.1. mADCS-CGIC-激越スコア
5.3.1.4.1.1. 段階1及び段階2(プラセボ非応答者)
主要な二次有効性評価項目は、AVP-786-18及びAVP-786-28対プラセボのmADCS-CGIC-激越スコアのSPCD分析であった(表26)。
SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均mADCS-CGIC-激越スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意、p=0.012)。プラセボと比較してAVP-786-28で治療された患者のp値は公称レベルで有意ではなかった(p=0.097)。
段階1では、プラセボと比較して、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者の平均mADCS-CGIC-激越スコアの治療差(CI)に有意差はなかった(それぞれp=0.331及びp=0.400)。
段階2では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均mADCS-CGIC-激越スコアでより大きな改善を示し(治療差[CI]:-0.6[-1.1~-0.1])、これは公称レベルで有意であった(p=0.014)。プラセボと比較したAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は-0.4(-0.9~0.1)であり、p=0.145であった。
Figure 2023523373000065
Figure 2023523373000066
mADCS-CGIC-激越スコアに対する応答は、顕著な改善または中等度の改善として定義され、計算された。SPCD分析では、AVP-786のいずれの用量についても、p値は公称レベルで有意ではなかった(プラセボと比較したAVP-786-18、及びプラセボと比較したAVP-786-28はそれぞれ、p=0.3679及びp=0.0797であった)。段階1では、mADCS-CGIC-激越スコアで顕著な改善または中等度の改善を示した、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28で治療された患者の割合が同様であり、(それぞれ、19.6%、23.3%、及び24.0%)、プラセボと比較したAVP-786-18、及びプラセボと比較したAVP-786-28のp値はそれぞれ0.4705及びp=0.3922であった。段階2では、顕著な改善または中等度の改善を示した、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者の割合は、プラセボで治療された患者の割合より高く(それぞれ17.5%、21.4%、及び7.5%)、有意に達しなかった(それぞれp=0.3109及びp=0.1172)。
5.3.1.4.1.2. 12週間並行群
12週目の平均mADCS-CGIC-激越スコアのベースラインからの変化を、表27に12週間並行群について示す。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者の治療差(CI)は、それぞれ-0.3(-0.7~0.1)及び-0.3(-0.7~0.1)であった(それぞれp=0.172及びp=0.191)。
mADCS-CGIC-激越スコアに対する応答を計算した。顕著な改善または中等度の改善を示した、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者の割合は、プラセボで治療された患者の割合より高かったが(それぞれ41.4%、38.0%、及び32.8%)、その差は有意に達しなかった(それぞれp=0.3660及びp=0.5090)。
Figure 2023523373000067
5.3.1.4.2. NPIドメイン及び合計スコア
評価項目の激越/攻撃(ドメインスコアと介護者の苦痛スコア)、異常運動行動(ドメインスコア)、過敏性/不安定性(ドメインスコア)及びNPI合計スコアとして事前に同定されたNPIドメインは、SPCD分析については表28に、12週間並行群については表29にまとめられている。これらの結果は、表29a及び29bに示されているさらなるデータと共に、以下で個別に説明する。その他のNPI評価項目については、以下で説明する。
Figure 2023523373000068
Figure 2023523373000069
Figure 2023523373000070
Figure 2023523373000071
Figure 2023523373000072
NPI-激越/攻撃ドメインスコアと介護者の苦痛スコア
AVP-786-18対プラセボのNPI-激越/攻撃ドメインスコアの全体的なSPCD p値は0.695であり、AVP-786-28対プラセボでは0.904であった(以下の表29aを参照)。
AVP-786-18対プラセボのNPI-激越/攻撃介護者の苦痛スコアの全体的なSPCD p値は0.386であり、AVP-786-28対プラセボでは0.250であった(表28)。
12週間の並行群では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者とプラセボで治療された患者とのNPI-激越/攻撃ドメインスコアの治療差(CI)は、それぞれ-0.5(-1.5~0.5)及び-0.6(-1.6~0.4)であり、p=0.298及びp=0.214であった(以下の表29bを参照)。NPI-激越/攻撃の介護者苦痛スコアについては、12週目で群間に有意差はなかった(表29)。
NPI-激越/攻撃応答者の割合は、ベースラインから30%改善した患者と定義された応答者と、ベースラインから50%改善した患者と定義された応答者とで要約された。全体的なSPCD分析、個別のステージ、または12週間の並行群分析では、いずれの応答基準を使用しても、群間で応答率に有意差はなかった。
さまざまな時点でのベースラインからのNPI激越/攻撃ドメインスコアの変化を以下の表29a及び29bに示す。
Figure 2023523373000073
Figure 2023523373000074
Figure 2023523373000075
Figure 2023523373000076
NPI-異常運動行動ドメインスコア
AVP-786-18対プラセボのNPI-異常運動行動ドメインスコアの全体的なSPCD p値は0.829であり、AVP-786-28対プラセボでは0.052であった(表28)。
12週間の並行群では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者とプラセボで治療された患者との治療差(CI)は、それぞれ-0.5(-1.6~0.5)及び0.0(-1.0~1.0)であり、p=0.307及びp=0.951であった(表29)。
NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア
AVP-786-18で治療された患者は、全体的なSPCD分析に基づいて、プラセボ群と比較して、NPI-過敏性/不安定性ドメインスコアが有意な改善(p=0.015)を示した(表28)。AVP-786-28対プラセボの全体的なSPCD p値は有意ではなかった(p=0.163)。
12週間の並行群では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者とプラセボで治療された患者との治療差(CI)は、それぞれ-0.7(-1.8~0.3)及び-0.4(-1.4~0.6)であり、p=0.151及びp=0.405であった(表29)。
NPI合計スコア
AVP-786-18対プラセボのNPI合計スコアの全体的なSPCD p値は0.133であり、AVP-786-28対プラセボでは0.829であった(表28)。
12週間の並行群では、プラセボ群と比較して、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者のNPI合計スコアが有意(それぞれp=0.013及びp=0.046)に改善した(治療差[CI]はそれぞれ、AVP-786-18対プラセボで-6.6[-11.7~-1.4]であり、AVP-786-28対プラセボで-5.2[-10.3~-0.1]であった;表29)。
5.3.1.4.3. NPI:その他のドメイン
すべてのNPIドメインスコアは、本明細書の別の箇所にある表にまとめられている。AVP-786対プラセボを支持する有意な治療差は次のとおりである。
1. NPI-妄想ドメインスコア、AVP-786-18、12週間並行群:p=0.038
2. NPI-不安ドメインスコア、AVP-786-18、12週間並行群:p=0.019
3. NPI-不安介護者の苦痛スコア、AVP-786-18、SPCD、及び12週間並行群:それぞれp=0.006及びp=0.042
4. NPI-無感動/無関心ドメインスコア、AVP-786-28、12週間並行群:p=0.031
5. NPI-過敏性/不安定性介護者の苦痛スコア、AVP-786-18、SPCD:p=0.018
6. NPI-異常運動行動介護者の苦痛スコア、AVP-786-28、SPCD:p=0.015
7. NPI 4A ドメインスコア、AVP-786-18、12週間並行群:p=0.042
5.3.1.4.4. CGIS-激越スコア
AVP-786-18対プラセボの全体的なSPCD分析において、CGIS-激越スコアのベースラインからの平均変化(表30)は有意であったが(p=0.049)、AVP-786-28対プラセボの全体的なSPCD分析においては有意ではなかった(p=0.075)。
Figure 2023523373000077
12週間の並行群では、12週目の平均差は、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意に大きくなかった。
5.3.1.4.5. ADCS-CGIC-全体スコア
ADCS-CGIC-全体スコアの全体的なSPCD p値は、AVP-786-18対プラセボで0.063であり、AVP-786-28対プラセボで0.115であった(表31)。
Figure 2023523373000078
Figure 2023523373000079
12週間の並行群では、12週目の群間差は、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意ではなかった。
5.3.1.4.6. PGICスコア
Figure 2023523373000080
12週間の並行群では、12週目の群間差は、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意ではなかった。12週間の並行群のPGIC応答の概要(応答者として数えられる大幅な改善または非常に改善を報告した患者を含む)が提示される。
5.3.1.4.7. ザリット・バーデンインタビュー(Zarit Burden Interview)
ZBIの全体的なSPCD p値は、AVP-786-18対プラセボで0.502であり、AVP-786-28対プラセボで0.564であった(表33)。
Figure 2023523373000081
12週間の並行群では、ベースラインから12週目の平均差は、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意ではかった。
5.3.1.4.8. DEMQOL合計スコア
DEMQOL合計スコアの全体的なSPCD p値は、AVP-786-18対プラセボで0.456であり、AVP-786-28対プラセボで0.678であった(表34)。
Figure 2023523373000082
DEMQOL-Proxy合計スコア(介護者が記入)では、AVP-786-18対プラセボ(p=0.002)とAVP-786-28対プラセボ(p=0.019)との両方で全体的なSPCD p値が有意であった(表35を参照)。
Figure 2023523373000083
12週間の並行群では、DEMQOL合計スコアとDEMQOL-Proxy合計スコアの両方とも、ベースラインから12週目の平均差が、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意ではかった。
5.3.1.4.9. CSDDスコア
CSDDスコアの全体的なSPCD p値は、AVP-786-18対プラセボで0.213であり、AVP-786-28対プラセボで0.985であった。
Figure 2023523373000084
12週間の並行群では、ベースラインから12週目の平均差は、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意ではかった。
5.3.1.4.10. GMHR
GMHRは、ベースライン及び12週目にのみ実施された。12週間の並行群では、「非常に良いからとても良い」及び「良い」の評価を合わせた患者の割合はそれぞれ、プラセボでは82.3%、AVP-786-18では78.7%、AVP-786-28では83.5%であった。
5.3.1.4.11. ADAS-cog
ADAS-cogの全体的なSPCD p値は、AVP-786-18対プラセボで0.417であり、AVP-786-28対プラセボで0.618であった(表37)。
Figure 2023523373000085
12週間の並行群では、ベースラインから12週目の平均差は、AVP-786治療群のどちらでもプラセボより有意ではかった。プラセボと比較して、AVP-786治療群の認知の悪化は見られなかった。
5.3.1.4.12. RUD
一般に、6週目または12週目のRUDでは、治療群間で差はほとんどなかった。介護者が患者の介助に費やした1日あたりの時間及び日数は、すべての治療群で同様であった。有給で働いていた介護者の中で、介護者としての責任が12週目に仕事に影響を与えたと報告した人の割合は、AVP-786-18群で最も低く(24.2%)、プラセボ群で最も高く(44.0%)、AVP-786-28群が中間であったが(35.3%)、各群で報告している介護者の数は少なかった。医療専門家を訪問した介護者の割合も、AVP-786-18群で最も低く(26.7%)、プラセボ群で最も高く(43.1%)、AVP-786-28群が中間であった(37.0%)。
5.3.2. 統計/分析問題
統計的及び分析的な問題については、以下で簡単に説明する。
5.3.2.1. 患者の「有効性サブセット」の使用
一次分析は、ベースライン後の有効性評価が少なくとも1つある無作為化されたすべての患者として定義されるmITT集団で実施された。
全体として、下位群ごとのCMAI合計スコアに臨床的に意味のある差はほとんど観察されなかった。全体的なSPCD分析では、結果のパターンはCYP2D6の主要な基質であるベースラインの向精神薬の併用薬を使用している患者と使用していない患者の主要な結果(すなわち、AVP-786-18群ではベースラインから12週目までの大幅な改善が有意であり、AVP-786-28群はプラセボ群に匹敵する)に似ていたが、群の差は、CYP2D6の主要な基質であるベースラインの向精神薬の併用薬を使用していない患者では小さかった。差はどちらの群でも有意ではなかった。同じパターンが12週間の並行群でも観察された。
これと同じパターンは、全体的なSPCD分析のベースラインベータ遮断薬併用薬の有無にかかわらず、患者にも明らかであった。12週間の並行群では、ベースラインのベータ遮断薬の併用薬を服用している患者でも同じパターンが見られたが、ベースラインのベータ遮断薬の併用薬を服用していない患者は少なすぎて、意味のある比較ができなかった(プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28のNはそれぞれ4、9、及び6であった)。
ベースラインでCMAI因子1の激越状態を有する患者の中で(プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28のNはそれぞれ143、64、及び66)、ベースラインからの改善は、プラセボと比較してAVP-786-18で有意に大きかったが(全体的なSPCD分析でp=0.006)、AVP-786-28では有意に大きくなかった(p=0.168)。同様に、12週間の並行群では(n=46、64、及び66)、12週目の改善はプラセボと比較してAVP-786-18の方が大きかった(p=0.042)が、AVP-786-28では大きくなかった(p=0.555)。
また、AVP 786-18は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンの投与前にCMAI攻撃的行動スコアが15を超えた患者において、CMAI合計スコアの減少によって決定されるように、有意な治療差をもたらしたことも決定された。
ベースラインで抗精神病薬を使用していない患者のうち(プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28群のnはそれぞれ122、60、及び65)、CMAI合計スコアのベースラインからの改善は、集団全体の改善と同様であった。ベースラインは、AVP-786-18(全体的なSPCD分析ではp=0.464)及びAVP-786-28群(p=0.576)のいずれにおいてもプラセボと有意差はなかった。同様に、12週間の並行群では(n=37、55、及び62)、12週での改善は、AVP-786-18(全体的なSPCD分析ではp=0.431)及びAVP-786-28群(p=0.421)のいずれにおいてもプラセボと有意差はなかった。
5.3.3. 有効性の結論
主要有効性評価項目(CMAI合計スコア):
・SPCD分析:全体的SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意、p=0.008)。プラセボと比較して、AVP-786-28で治療された患者では、平均CMAI合計スコアの有意な改善は観察されなかった(p=0.208)。
段階1では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意、p=0.021)。プラセボと比較して、AVP-786-28で治療された患者では、平均CMAI合計スコアの有意な改善は観察されなかった(p=0.731)。
段階2では、AVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアでより大きな改善を示したが、治療差は、公称レベルでは有意に達しなかった(それぞれp=0.157及びp=0.150)。
・12週並行群:AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均CMAI合計スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意、p=0.042)。プラセボと比較して、AVP-786-28で治療された患者では、平均CMAI合計スコアの有意な改善は観察されなかった(p=0.555)。
・感度分析:感度分析の結果は一次分析を支持し、AVP-786-18はSUR法、SPCD ANCOVA-LOCF、SPCD ANCOVA-WOCF+LOCF、及びITT集団を使用したMMRM SPCDによってプラセボよりも有意に優れていた。
主要な二次有効性評価項目(mADCS-CGIC-激越スコア):
・SPCD分析では、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して平均mADCS-CGIC-激越スコアに大幅な改善を示した(公称レベルで有意、p=0.012)。プラセボと比較して、AVP-786-28で治療された患者では、平均mADCS-CGIC-激越スコアの有意な改善は観察されなかった(p=0.097)。
全ての二次有効性評価項目:
各AVP-786治療群とプラセボとの全体的なSPCD比較の結果を、すべての二次有効性評価項目について表38に要約する。完全を期すために、主要な有効性評価項目も含まれている。
・二次有効性評価項目の中で、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して、CMAIのすべての下位尺度(F1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動)、NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア、CGIS-激越スコア、PGICスコア、及びDEMQOL-proxyにおいて有意な改善を示した(p<0.05)。AVP-786-28で治療された患者は、DEMQOL-proxyでプラセボと比較して有意な改善を示した(p=0.019)。
・12週間の並行群でも同様の結果が観察されたが、プラセボと比較したAVP-786-18及びAVP-786-28で治療された患者の比較は、一般的に統計的有意性に達しなかった。AVP-786-18で治療された患者は、プラセボと比較して、CMAI下位尺度であるF2-身体的に非攻撃的行動(p=0.003)及びNPI合計(p=0.013)において有意な改善を示した。AVP-786-28で治療された患者は、NPI合計でプラセボと比較して有意な改善を示した(p=0.046)。
Figure 2023523373000086
5.4. 薬物動態学及び薬力学結果
5.4.1. d6-DM、Q、及び代謝物の血漿濃度
43日目(来診4;6週目)及び85日目(来診6;12週目)に、d6-DM、d6-DM代謝物、及びQの血漿レベルを分析するために、治験薬の午前中投与後0~3時間の間に患者から血液試料を採取した。患者に治験薬を投与した時間及び採血の時間を記録した。血漿試料は遠心分離され、分析ユニットでアッセイされるまで-20℃で凍結された。
d6-DM、d3-デキストロルファン(d3-DX)、d3-3-メトキシモルフィナン(d3-3-MM)、及びQの血漿濃度データを、代謝物、CYP2D6代謝群、治療群、及び来診別に表39にまとめる。6週目と12週目の間に、すべての患者を組み合わせた場合、または代謝群のいずれの場合でも、いずれの用量レベルの分析物についても有意な差はなかった。平均値と中央値で示される血漿濃度は、d6-DM、d3-3-MM、及びd3-DXの方が、d6-DM用量が高いほど一般的に高く、Q値は両方のd6-DM用量で類似していた。
Figure 2023523373000087
Figure 2023523373000088
Figure 2023523373000089
Figure 2023523373000090
Figure 2023523373000091
5.5. 薬物動態のまとめ及び考察
6週目から12週目まで、d6-DM、d3-DX、d3-3-MM、及びQの血漿濃度に有意な変化は見られなかった。d6-DM及び代謝物への曝露は、AVP-786のd6-DM用量の増加と共に増加した。
6. 安全性評価
AVP-786の安全性は、TEAE、臨床検査、バイタルサイン、ECG、ならびに、認知(MMSE)、傾眠/鎮静(ESS)、歩行能力(TUG)、及び自殺リスク(S-STS) を評価する検証済みの手段によって評価された。さらに、AVP-786プログラムにとって特に重要なTEAEがまとめられている(転倒、洞性徐脈、発疹、血小板減少症、及びセロトニン症候群)。
安全性データは、安全性集団パート1及び安全性集団パート2を使用して要約されている。安全性集団パート1では、安全性データは、試験の各段階で患者が受けた治療に基づいて要約されており、以下の安全性群1から5を含む。プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-18治療群は、12週間の治療暴露を受けた12週間並行群の安全性情報をまとめる。安全性集団パート2では、安全性データは、試験中の任意の時点で患者が受けた治療に基づいて要約されており、以下の安全性群6から8及びすべての患者を含む。全プラセボ治療群、全AVP-786-18治療群、及び全AVP-786-28治療群は、段階1、または段階2、または段階1及び段階2で6週間または12週間の治療曝露の下での対応治療群の安全性情報をまとめる。安全性データの要約は、主に安全性集団パート2に基づいている。
1. プラセボ:試験の全期間にわたってプラセボを投与された患者(段階1の治療セグメントAからのデータを含む、SPCD概略図(図1;N=3)の治療セグメントD及びG)。ただし、プラセボ/AVP-786に無作為に割り付けられたが段階1で脱落した患者は、この集団に含まれない。代わりに、それらのデータは、対応するプラセボ/AVP-786治療群の下にまとめられている。
2.AVP-786-28:試験の全期間にわたってAVP-786-28を投与された患者(図1のB及びJ;N=97)。
3.AVP-786-18:試験の全期間にわたってAVP-786-18を投与された患者(図1のC及びK;N=95)。
4. プラセボ/AVP-786-28:段階1でプラセボを投与され、段階2でAVP-786-28を投与された患者(図1のE及びH)。プラセボを投与されて段階1で脱落した患者を含む。この群は、プラセボ(段階1;N=66)で発生したデータとAVP-786-28(段階2;N=62)で発生したデータにさらに分けられる。
5. プラセボ/AVP-786-18:段階1でプラセボを投与され、段階2でAVP-786-18を投与された患者(図1のF及びI)。プラセボを投与されて段階1で脱落した患者を含む。この群は、プラセボ(段階1;N=65)で発生したデータとAVP-786-18(段階2;N=61)で発生したデータにさらに分けられる。
6. 全プラセボ:段階1中のセグメントAのすべての患者と、段階2中のセグメントD及びGのすべての患者とを含む、試験中の任意の時点でプラセボを受けた患者(図1;N=194)。プラセボと実薬治療の両方を受けた患者については、プラセボ治療期間のデータのみが全プラセボ群に含まれる。
7. 全AVP-786-28:段階1中のセグメントBのすべての患者と、段階2中のセグメントJ、E及びHのすべての患者とを含む、試験中の任意の時点でAVP-786-28を受けた患者(図1;N=159)。プラセボとAVP-786-28治療の両方を受けた患者については、AVP-786-28治療期間のデータのみが全AVP-786-28群に含まれる。
8. 全AVP-786-18:段階1中のセグメントCのすべての患者と、段階2中のセグメントK、F及びIのすべての患者とを含む、試験中の任意の時点でAVP-786-18を受けた患者(図1;N=156)。プラセボとAVP-786-18治療の両方を受けた患者については、AVP-786-18治療期間のデータのみがすべてのAVP-786-18群に含まれる。
すべての患者を合わせた安全性データも要約されている(N=386)。
6.1. 暴露の程度
治験薬への暴露は、安全性群1~5について表40に要約されている(安全性群6~8は暴露について分析されなかった)。
12週間の並行群では、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28を投与された患者の平均(SD)曝露期間はそれぞれ、80.7(16.79)、79.4(20.27)、及び83.4(7.89)日であった。
段階1でプラセボを投与され、段階2でAVP-786に再無作為化された患者の場合、段階1でのプラセボへの平均曝露(SD)は、プラセボ/AVP-786-18及びプラセボ/AVP-786-28群でそれぞれ40.6(7.75)及び40.4(9.23)であった。段階2におけるAVP-786への平均曝露(SD)は、プラセボ/AVP-786-18及びプラセボ/AVP-786-28群でそれぞれ43.1(6.86)及び40.7(10.02)日であった。
Figure 2023523373000092
6.2. 有害事象
TEAEは、スクリーニング来診後及び治験薬の最終投与から30日後まで、各来診時に収集された。TEAEは、初回投与日以降、最終投与日+30日より前に開始または悪化したAEとして定義された。
6.2.1. 有害事象の要約
安全性集団パート2の386人の患者のうち、211人の患者(54.7%)は合計571のTEAEを経験した(表42)。全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してTEAEの発生率が高かった(それぞれ51.3%及び43.8%)。ただし、発生率は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった(それぞれ45.3%及び43.8%)。全体として、TEAEの17.6%が治験責任医師によって治験薬に関連していると見なされ、全プラセボ群(10.8%)と比較して、全AVP-786-18及び全AVP-786-28群(それぞれ17.3%及び14.5%)の発生率が高かった。
全体として、SAEの発生率(7.8%)、TEAEによる中止(5.2%)、及び死亡(1.3%)は低かった。上記のパターンと一致して、全プラセボ群(それぞれ3.1%及び3.1%)と比較して、全AVP-786-18群の患者は、SAEの発生率が高く、TEAEによる中止が多かった(それぞれ10.9%及び5.8%)。ただし、全AVP -786-28群のこれらの事象の発生率(それぞれ4.4%及び3.1%)は、全プラセボ群のものと同様であった。合計5(1.3%)患者が死亡した。全AVP-786-18群で3人、全AVP-786-28群で1人、全プラセボ群で1人であった。治験責任医師が治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
12週間の並行群では、同様のパターンが観察され、AVP-786-18群の患者の最も高い割合で、TEAE、薬物関連のTEAE、SAE、及びTEAEによる中止が経験された(表41)。
Figure 2023523373000093
Figure 2023523373000094
6.2.2. 有害事象の分析
6.2.2.1. 発生率が最も高い有害事象
TEAEの発生率は、全AVP-786-18群で最も高かった(全プラセボ、全AVP-786-18、及び全AVP-786-28群ではそれぞれ43.8%、51.3%、及び45.3%)。全プラセボ、全AVP-786-18、及び全AVP-786-28群でTEAEの発生率が最も高いSOC(いずれの治療群でも10%以上の患者)は、神経系障害(それぞれ7.7%、16.7%、及び7.5%)、胃腸障害(それぞれ8.2%、14.1%、及び8.8%)、感染及び侵襲(それぞれ12.9%、12.2%、及び11.3%)、調査(それぞれ1.5%、10.9%、及び5.0%)、ならびに傷害、中毒及び手技上の合併症(それぞれ8.2%、10.3%、及び10.1%)を含んだ。
PTごとに、最も頻繁に経験されたTEAE(いずれの治療群でも5%以上の患者)は転倒(全プラセボ、全AVP-786-18、及び全AVP-786-28群でそれぞれ6.2%、9.6%、及び7.5%)、尿路感染症(それぞれ5.7%、7.1%、及び3.1%)、頭痛(それぞれ1.5%、6.4%、及び1.3%)、下痢(それぞれ2.6%、6.4%、及び4.4%)、及び激越(それぞれ5.2%、2.6%、及び5.0%)であり、激越を除いて、全AVP-786-18群で最高の発生率で発生した。全AVP-786-18群と比較して、全プラセボ及び全AVP-786-28群において激越を経験した患者の割合がより高かった(表43)。12週間の並行群では、同様のパターンが観察され、激越と尿路感染症を除いて、PTで最も頻繁に経験されたTEAEは、AVP-786-18群で最も高い発生率で発生した。
Figure 2023523373000095
6.2.2.2. 発症までの時間、期間、及び再発による一般的な有害事象
一般的なTEAEは、発症までの時間、期間、及び再発によって要約された。これらの分析では、一般的なTEAEは、全AVP-786群で発生率が3%以上、かつ全プラセボ群での発生率の2倍以上であるTEAEとして定義された。この定義を満たす唯一のTEAEは下痢(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ2.6%、6.4%、及び4.4%)及び頭痛(それぞれ1.5%、6.4%、及び1.3%)であった。
下痢発症までの時間の中央値は、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ18.0、25.5、及び20.0日であり、頭痛の発症までの時間の中央値はそれぞれ3.0、14.0、及び25.0日であった。
下痢の持続期間の中央値は、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ2.0日(試験日数の2.5%)、3.0日(7.6%)、及び11.0日(13.3%)であり、頭痛の持続期間の中央値はそれぞれ2.0日(試験日数の2.4%)、1.5日(1.8%)、及び5.5日(6.48%)であった。
一般的なTEAEの再発を経験した患者は1人だけであった。全AVP-786-18群の1人の患者は、再発性の頭痛を経験した。
6.2.2.3. 治験薬と有害事象の関係
全プラセボ群(10.8%)と比較して、全AVP-786-18及び全AVP-786-28群(それぞれ17.3%及び14.5%)の患者は、薬剤関連TEAEの発生率が高かった(表44)。SOCによって、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群で最も頻繁に経験された薬剤関連のTEAE(いずれの治療群で患者の3%以上)は、調査(それぞれ0.5%、5.1%、及び1.3%)、神経系障害(それぞれ2.6%、3.8%、及び5.0%)、胃腸障害(それぞれ3.6%、3.8%、及び2.5%)、及び心疾患(それぞれ0.5%、2.6%、及び3.8%)であった。
Figure 2023523373000096
6.2.2.4. 重症度別有害事象
全体として、試験中の重篤なTEAEの発生率は低かった(5.2%)。全プラセボ群と比較して、全AVP-786群の患者は、重篤なTEAEの発生率が高かった(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1.5%、7.7%、及び3.1%)。いずれかの治療群で2人以上の患者が経験した重篤なTEAEは、転倒(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0%、1.3%、及び0%)及び失神(それぞれ0%、1.3%、及び0%)であった。
6.2.2.5. 主要なCYP2D6基質ベータ遮断薬の併用薬のベースライン使用による治療に起因する有害事象の分析
ベースライン来診時に主要なCYP2D6基質として分類されるベータ遮断薬を使用していた患者は、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ38人、33人、24人いた。一般に、これらの患者の全体的なTEAEプロファイルは、完全な安全性解析集団で観察されたプロファイルと一致していた。全体的には、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ42.1%、51.5%、及び33.3%の患者が少なくとも1つのTEAEを経験した。PTによって、転倒、下痢、及び頭痛は、ベースライン来診時に主要なCYP2D6基質として分類されるベータ遮断薬を使用していた患者で最も頻繁に経験されたTEAEであった(それぞれ10.4%、6.0%、及び6.0%)(表45)。
Figure 2023523373000097
主要なCYP2D6基質として分類されていないベースライン来診時にベータ遮断剤を使用していた患者の数は少なかった(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ12、12、及び9)。
6.3. 死亡、その他の重篤な有害事象、及びその他の重大な有害事象
6.3.1. その他の重篤な有害事象、及びその他の重大な有害事象の分析及び考察
6.3.1.1. その他の重篤な有害事象
全体として、患者の7.8%が試験中に少なくとも1つのSAEを経験した。全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してSAEの発生率が高かった(それぞれ10.9%及び3.1%)。ただし、SAEの発生率は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった(それぞれ4.4%及び3.1%)。2人以上の患者が経験したSAEはほとんどなかった(表47)。
全体として、SAEの発生率が最も高いSOCは、感染及び侵襲(2.6%)、ならびに傷害、中毒及び手技上の合併症(1.8%)であった。SOC感染及び侵襲で経験されたSAEは、治療群全体で同様の発生率で経験された(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1.5%、2.6%、及び1.9%)。SOC傷害、中毒及び手技上の合併症で経験したSAEは、全AVP-786-18群で最も高い発生率で発生したが、全プラセボ群及び全AVP-786-28群で同様の発生率で発生した(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0%、3.8%、及び0.6%)。
PTによって、いずれの治療群でも2人以上の患者が経験したSAEは、尿路感染症(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1.0%、1.3%、及び0.6%)、アルコール中毒(それぞれ0%、1.3%、及び0%)、脳血管障害(それぞれ0%、1.3%、及び0%)、及び心房細動であった(それぞれ1.0%、0%、及び0%;表47)。
2人の患者は、治験責任医師によって薬剤関連と見なされたSAEを経験した。どちらもAVP-786-28による治療中に発生した:徐脈
Figure 2023523373000098
6.3.1.2. その他の重大な有害事象
6.3.1.2.1. 治療中止に至った有害事象
全体として、患者の5.2%がTEAEのために治療を中止した。全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ3.1%、5.8%、及び3.1%の患者がTEAEにより治療中止に至った(表48)。いずれの治療群でも2人以上の患者が治療中止に至ったTEAEは、転倒(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0%、1.3%、及び1.3%)、心房細動(それぞれ1.0%、0.6%、及び0%)、心電図QT延長(それぞれ0%、0.6%、及び1.3%)、及び激越であった(それぞれ1.0%、0%、及び0.6%)。
全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1.0%、3.2%、及び2.5%の患者が薬剤関連のTEAEにより治療中止に至った。いずれの治療群でも2人以上の患者が治療中止に至った薬剤関連のTEAEは、転倒(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0%、0.6%、及び1.3%)及び心電図QT延長(それぞれ0%、0.6%、及び1.3%)であった。
Figure 2023523373000099
6.3.1.2.2. 治療に伴う対象の有害事象
転倒
転倒は、すべての治療群で最も頻繁に経験されたTEAEであり、全体で10.1%の患者が少なくとも1回の転倒のTEAEを報告した(表49)。全プラセボ群(6.2%)及び全AVP-786-28群(7.5%)と比較して、全AVP-786-18群の患者は、転倒の発生率が最も高かった(9.6%)。
全体として、SAEとして経験された(0.5%)、治験責任医師が治験薬に関連すると考えた(1.3%)、治療中止に至った(1.0%)、または重度として経験された(0.5%)転倒はほとんどなかった。これらのタイプの転倒事象は、AVP-786-18またはAVP-786-28で治療された患者でのみ経験された。
AVP-786-18で治療された(AVP-786-18群)2人の患者は重度の転倒によるTEAEを経験し、そのうちの1人は治療を中止した。AVP-786-28で治療された1人の患者は、治験薬に関連する可能性があると考えられる中等度の転倒によるSAEを経験した。転倒のため、治験薬は中止された。1人は、治験薬に関連しないと考えられた中等度の転倒によるSAEを経験した。転倒のため、治験薬の投与は中断された。
Figure 2023523373000100
洞性徐脈
洞性徐脈事象には、洞性徐脈及び徐脈のTEAEが含まれる。8人の患者(2.1%)が洞性徐脈事象を経験した(表50)。全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1人(0.5%)、4人(2.6%)、及び3人(1.9%)の患者であった。全体として、SAEとして経験された事象(0.3%)または薬剤関連と見なされた事象(1.0%)はほとんどなかった。これらの事象のいずれも治験薬の中止に至らなかった。
洞性徐脈事象は重症度ですべて軽度で(1.3%)または中等度(0.8%)であった。
1人の患者は、徐脈のSAEを経験した。12週目の来診時の試験84日目に、心電図は、心拍数が毎分36bpmの極度の徐脈を示した。試験84日目に、中等度の強さで、治験薬に関連する可能性があると考えられた徐脈のAEが発生した。試験92日目(治験薬最終投与8日後)に徐脈事象が重篤となった。同日、患者は入院し、完全な心臓ブロックの13秒間の一時停止により永久ペースメーカーが挿入された。事象の結果は、試験93日目に回復/解決された。
その他の薬物関連の洞性徐脈事象には、試験85日目に始まり同日解決した軽度の事象、試験終了時に進行中の中等度の事象、及び試験43日目に中等度であったが同日回復/解決された事象が含まれていた。
Figure 2023523373000101
発疹
発疹事象には、発疹及び湿疹のTEAEが含まれる。AVP-786で治療された患者では、合計4回の発疹事象が発生した。AVP-786-18及びAVP-786-28群でそれぞれ2人の患者がいた(それぞれ1.3%及び1.3%)。発疹のすべての事象は重症度が軽度であると見なされ、SAEは報告されておらず、治療の中止につながったものもなかった。
AVP-786-28群の患者に発生した2つの発疹事象は、真菌感染によるものと思われた。
残りの2つの発疹事象は、AVP-786-18群の患者で発生した。あるケースでは、患者は軽度の薬物関連の発疹を経験したが、4日で解消した。治験薬の用量は、TEAEのために変更されなかった。残りの発疹では、患者は軽度の発疹を経験したが、16日で解消した。この発疹は、薬物関連の可能性が低く、治験薬の用量は、TEAEのために変更されなかった。
血小板減少症
AVP-786-18で治療された1人の患者(プラセボ/AVP-786-18群)は血小板減少症のTEAEを経験した。この事象は軽度で重篤ではなく、治験薬とは関係がないと考えられていた。治験薬の用量はTEAEのために変更されておらず、事象は治験終了時に進行中であった。患者の血小板数は、6週目(TEAEの開始日)にベースライン値の163×109/L(正常範囲150~450×109/L)から143×109/Lに減少した。TEAE中の患者の最小血小板数は、12週目(試験15-AVP-786-301の終わり)に136×109/Lであった。しかし、患者の血小板数は、低血小板数の潜在的に臨床的に重要な(PCS)基準(100×109/L以下)を満たさなかった。
血液検査の結果、合計3人の患者が低血小板のPCS基準を満たした。プラセボ(プラセボ群)、AVP-786-18(プラセボ/AVP-786-18)、及びAVP-786-28(AVP-786-28群)の治療で各1人の患者であった。低血小板のPCS基準を満たした患者の中で、血小板減少症のTEAEを経験した患者はいなかった。12週間の並行群では、血小板が正常または高値から低値に変化した患者の割合は、プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でそれぞれ0%、4.3%、及び1.1%であった。
セロトニン症候群
セロトニン症候群のTEAEを経験した患者はいなかった
6.4. 臨床検査評価
6.4.1. 各検査パラメーターの評価
概して、化学若しくは血液学パラメーターの平均値、または尿検査の定量的測定において、ベースラインからの臨床的に意味のある変化の証拠はなかった。
6.4.1.1. 経時的な検査値
ベースラインでの低、正常、または高から治療終了時の低、正常、または高への化学的及び血液学的値の変化を有する患者の割合は、安全性群1~3(12週間の並行群)の来診によって提示される。複数のベースラインの複雑さのため、検査値の変化はすべての治療群について要約されなかった。
6.4.1.1.1. 化学的性質
全体として、わずかな割合の患者が、ベースラインから治療終了までの化学パラメーターの変化(正常範囲に対して低、正常、または高)を示した。
12週間の並行群では、いずれの治療群の10%を超える患者のうち、ベースラインで正常であり、治療終了時に高かった化学的パラメーターは、アルカリホスファターゼ(プラセボ群、AVP-786-18群、AVP-786-28群ではそれぞれ8.2%、9.7%、12.5%低い)、BUN(それぞれ11.5%、6.5%、7.3%)、及びHbA1c(それぞれ0%、6.3%、12.1%;ほとんどの患者は、分析のために1つ以上のHbA1c結果を持っていなかったことに注意されたい[それぞれ、n=22、32、33])。
6.4.1.1.2. 血液学
全体として、わずかな割合の患者が、ベースラインから治療終了までの血液学パラメーターの変化(正常範囲に対して低、正常、または高)を示した。12週間の並行群では、ベースラインから治療終了までに臨床的に関連する変化があった治療群の患者の10%を超える基準を満たした血液学的パラメーターはなかった。概して、変化のある患者の割合は、治療群全体で類似していた。
6.4.1.1.3. 尿検査
尿検査測定値に臨床的に意味のある変化はなかった。
6.4.1.2. 個々の潜在的に臨床的に重要な異常
全体として、化学または血液学パラメーターのPCS基準を満たした患者の割合は低かった。表51は、いずれかの治療群の5%を超える患者ではPCS基準が満たされたパラメーターをまとめたものである。
化学または血液学パラメーターにPCS異常を有する患者の割合は、治療群間で一般的に類似していた。全プラセボ群と比較して、全AVP-786-28群の患者は、上昇したクレアチニン(6.3%対1.9%)及び低リンパ球/白血球(8.2%対1.3%)でPCS基準を満たした割合が高かった。ベースラインでは、ベースラインでは全AVP-786-28群の8.3%、全プラセボ群の9.8%の患者が正常の上限を超えるクレアチニンを有し、ベースラインではそれぞれ13.5%及び11.5%の患者が低リンパ球/白血球を有した。
Figure 2023523373000102
6.5. 安全性に関するバイタルサイン、身体診察初見、及び他の観察
6.5.1. 心電図
概して、来診間または来診中のいずれの治療群についても、ECGパラメーターの臨床的に意味のある平均変化の証拠はなかった。QTcFの平均及び中央値の変化は、各群の各来診で±2%以内、来診内で±6%であった。12週目のベースラインからの平均(SD)変化は、プラセボ、AVP-786-18、及びAVP-786-28群でそれぞれ-2.1(14.5)、6.6(15.3)、及び4.4(15.9)ミリ秒であった。1日目の投与前から投与後までの平均変化は、それぞれ2.7(14.1)、4.5(13.7)、及び1.1(12.6)ミリ秒であった。
全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でベースラインと比較して、少数の患者がQTcF>500ミリ秒(男女合わせて)のPCS基準を満たし、またはQTcF>60ミリ秒に増加した(それぞれ0、2[1.3%]、及び3[1.9%];それぞれ1[0.5%]、2[1.3%]、及び2[1.3%];男女合わせて)(表52)。
SOC心臓障害またはSOC心機能関連調査に含まれるTEAEの発生率が最も高かったのは、洞性徐脈(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0.5%、2.6%、1.3%;表53)及び心電図QT延長であった(それぞれ0%、1.9%、及び1.9%;表53)。
Figure 2023523373000103
Figure 2023523373000104
6.5.2. バイタルサイン
12週間の並行群(プラセボ、AVP-786-18、またはAVP-786-28)では、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、呼吸数、または体温について、ベースラインから立位または仰臥位でのベースライン後の来診まで、顕著な平均または中央値の変化はなかった。
Protocol Amendment 3では起立性血圧測定が必要であった。12週間の並行群では、ベースライン後の来診時に、仰臥位から立位への顕著な平均または中央値の変化はなかった。立っているときの心拍数の増加は最大6%であったが、すべての治療群で同様であった。
概して、PCSバイタルサイン異常を経験した患者の割合は、全AVP-786群及び全プラセボ治療群で同様であった(表54)。
PCS起立性低血圧患者の割合はすべての群で高かった(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ16.8%、19.1%、及び19.4%;表55)。
全体で、15人の患者(3.9%)はめまいのTEAEがあった。治療群ごとに、めまいのTEAEを有する患者の割合は類似していた(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ2.6%、3.2%、及び3.1%)。4人の患者(1.0%)は失神のTEAEがあり、2人の患者は(0.5%)低血圧のTEAEがあり、2人の患者は(0.5%)起立性低血圧のTEAEがあり、1人の患者は(0.3%)失神前のTEAEがあった。これらのTEAEを有する患者の割合は、治療群間で同様であった。
Figure 2023523373000105
Figure 2023523373000106
6.5.3. シーハン自殺傾向追跡尺度
S-STSのベースライン後の評価に基づくと、どの治療群でも自殺行動や自殺念慮が増加したという証拠はなかった。
6.5.4. ミニメンタルステート検査
MMSE合計スコアによって測定されたように、どの治療群においても認知の臨床的に有意な平均または中央値の変化の証拠はなかった。12週間の並行群におけるベースラインから12週目までの平均(SD)変化は、プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でそれぞれ0.1(2.8)、0.5(3.2)、及び0.1(3.0) であった。認知の悪化に関連するTEAEはなかった。
6.5.5. Timed Up and Go(TUG)テスト
いずれの群においても、TUGテストで臨床的に有意な平均または中央値の変化を示す証拠はなかった。すべての12週間の並行群において、12週目のベースラインからの平均変化は1秒未満であった。
6.5.6. エプワース眠気尺度
ESS合計スコアによって測定されたように、どの治療群においても眠気の臨床的に有意な平均または中央値の変化の証拠はなかった。12週間の並行群におけるベースラインから12週目までの中央値(最小、最大)変化率は、プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でそれぞれ-0.1(-8、12)、-1.0(-11、10)、及び0.0(-13、10)であった。
眠気に関する全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群のTEAEは傾眠(それぞれ3.6%、3.8%、及び2.5%)、疲労(それぞれ1.5%、0.6%、及び1.3%)、及び無気力(0%、0.6%、及び0.6%)であった。
6.6. 安全性に関する結論
全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してTEAEの発生率が高かった(それぞれ51.3%対43.8%)。ただし、TEAE発生率は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった(それぞれ45.3%及び43.8%)。全AVP-786-18群の患者でより高い割合で発生した、最も頻繁に経験されたTEAE(いずれの治療群でも5%以上の患者)は次のとおりであった:
・転倒(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ6.2%、9.6%、及び7.5%)
・尿路感染(それぞれ5.7%、7.1%、及び3.1%)
・下痢(それぞれ2.6%、6.4%、及び4.4%)
・頭痛(それぞれ1.5%、6.4%、及び1.3%)。
全AVP-786-18群と比較して、全プラセボ及び全AVP-786-28群において激越を経験した患者の割合がより高かった(それぞれ5.2%、5.0%、及び2.6%)。
全プラセボ群(10.8%)と比較して、全AVP-786-18及び全AVP-786-28群の患者は、薬剤関連TEAEの発生率が高かった(それぞれ17.3%、14.5%、及び10.8%)。最も頻繁に経験される薬剤関連のTEAE(いずれの治療群で2%以上の患者)は下痢(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1.5%、2.6%、及び1.9%)及び傾眠(それぞれ1.5%、3.2%、及び2.5%)であった。
全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してTEAEにより試験を中止した割合が高かった(それぞれ5.8%及び3.1%)。ただし、患者の割合は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった(それぞれ3.1%及び3.1%)。全AVP-786群でより多くの患者で発生した、試験治療の中止に繋がる最も頻繁に経験されたTEAE(いずれの治療群でも2人以上の患者)は次のとおりであった:
・転倒(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0、2[1.3%]、及び2[1.3%])
・心電図QT延長(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0、1[0.6%]、及び2[1.3%])。
全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してSAEの発生率が高かった(それぞれ10.9%及び3.1%)。ただし、SAEの発生率は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった(それぞれ4.4%及び3.1%)。全AVP-786-28群の2人の患者で、合計2つの重篤な薬物関連のSAE、徐脈及び転倒が経験された。
5人の患者(1.3%)は試験で死亡し、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1人(0.5%)、3人(1.9%)、及び1人(0.6%)であった。治験責任医師は、治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
AVP-786の対象となるTEAEは、転倒、洞性徐脈、発疹、血小板減少症、及びセロトニン症候群の事象であった。
・転倒は、全治療群で最も頻繁に経験されたTEAEであった。10.1%の患者が転倒によるTEAEを経験した(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ6.2%、9.6%、及び7.5%)。転倒のTEAEは、一般に軽度から中等度の重症度であった。SAEとして経験した(0.5%)、治験薬の中止に至った(1.0%)、または治験薬に関連すると考えられた(1.3%)転倒はほとんどなかった。
・対象となる残りのTEAEについては、少数の患者がこれらのタイプの事象を経験した。8人の患者が洞性徐脈事象を経験した(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ0.5%、2.6%、及び1.9%)。4人の患者が発疹事象を経験した(それぞれ0%、1.3%、及び1.3%)。AVP-786-18で治療された1人の患者は、血小板減少症のTEAEを経験した。セロトニン症候群のTEAEを経験した患者はいなかった
臨床検査、心電図、またはバイタルサインによって追加の安全性リスクは確認されなかった。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786で治療された患者では、認知機能低下、傾眠/鎮静、または自殺のリスクの増加は観察されなかった。
7. 考察及び全体的な結論
この試験は、アルツハイマー型認知症に関連する臨床的に有意な中等度/重度の激越を有する患者の治療の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験であった。
AVP-786の2つの用量レベル(AVP-786-18及びAVP-786-28)の有効性、安全性、及び忍容性は、統計結果に対するプラセボ応答の影響を最小限に抑える2段階SPCD設計を使用して、プラセボと比較した。SPCDの再無作為化は、二重盲検法で完了した(つまり、治験責任医師も患者もSPCDの再無作為化を知らなかった)。無作為化、プラセボ対照、二重盲検のSPCDは、期待されるプラセボ応答が高い神経行動学的臨床研究におけるバイアスの原因を減らすように設計されている。プラセボ治療を受けた患者に高い応答が見られる可能性があることは、行動障害及び精神障害の研究における医薬品開発にとって大きな課題となる可能性がある。SPCDは基本的に、次々に実行される2つの無作為化試験(段階)で構成される。段階1は無作為化されたすべての患者を含み、段階2では、段階1でプラセボに応答しなかった患者を実薬またはプラセボに再無作為化する。段階1と段階2からプールされたデータで構成される一次分析にプラセボ非応答者からのデータのみを含めることにより、シグナル検出が強化されることが期待される。
段階1では、387人の患者が2:1:1(プラセボ:AVP-786-18:AVP-786-28)の割合で無作為に割り付けられて治療を受け、そのうち382人が段階1ではmITT集団に含まれており、プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でそれぞれ191、94、及び97人であった。段階2では、125人のプラセボ非応答者が治療のために再無作為化され(1:1:1)、mITT集団の資格があった。ほとんどの患者が試験を完了した。
mITT集団の群は、性別、人種、民族性、及び年齢に関してバランスが取れていた。プラセボ(7.3%)またはAVP-786-28群(9.3%)と比較して、AVP-786-18群の65歳を超える患者の割合(16.0%)はより高かった。
AVP-786のいずれの用量も、FWE α=0.05レベルに基づくCMAI合計スコアまたはmADCS-CGIC-激越スコアでプラセボとの統計学的な有意差を示さなかったが、これらの比較は、公称α=0.05レベルでのAVP-786-18用量で有意であった(それぞれp=0.008及びp=0.012)。全体的なSPCD分析に基づいて、AVP-786-18で治療された患者は、プラセボ群の患者と比較して、激越の測定値がベースラインから有意に改善したことを示した(p<0.05で公称上の有意性):
・CMAI合計スコア(主要有効性評価項目)
・3つのCMAI下位尺度スコア-F1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動
・mADCS-CGIC-激越スコア(主要な二次有効性評価項目)
・NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア
・CGIS-激越スコア
・PGICスコア
・DEMQOL-Proxy合計スコア
CMAI評価項目の感度分析は、主要な調査結果を裏付けた。12週間の並行群分析では、SPCD分析で観察されたものと同様の平均治療差が一貫して示されたが、一貫して有意ではなかった。
薬物動態
6週目から12週目まで、d6-DM、d3-DX、d3-3-MM、及びQの血漿濃度に有意な変化は見られなかった。d6-DM及び代謝物への曝露は、AVP-786のd6-DM用量の増加と共に増加した。
安全性
AVP-786-18及びAVP-786-28による治療は、試験中、一般的に忍容性が良好であった。全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してTEAEの発生率が高かった。ただし、TEAE発生率は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった。全AVP-786-18群の患者でより高い割合で発生した最も頻繁に経験されたTEAEは、転倒、尿路感染症、下痢、及び頭痛であった。ただし、治験薬に関連すると考えられたものや、治療の中止につながったものはほとんどなかった。
全体として、TEAEによる中止の発生率(5.2%)及び発生率のSAE(7.8%)は、高齢患者集団を対象とした12週間の試験では低かった。全AVP-786-18群の患者は、全プラセボ群と比較してTEAEにより試験を中止した割合またはSAEを経験した割合が高かった。ただし、患者の割合は、全AVP-786-28群と全プラセボ群の間で同様であった。転倒及び心電図QT延長(それぞれ2人[1.3%]の患者が経験した)は、AVP-786治療群で1人以上の患者の中止につながった唯一のTEAEであった。
全AVP-786-18群でより多くの患者に発生した最も頻繁に経験されたSAEは、尿路感染症、アルコール中毒、及び脳血管障害であった。ただし、1つの群で2人を超える患者がSAEを経験したことはなかった。
5人の患者(1.3%)は試験で死亡し、全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ1人、3人、及び1人であった。治験責任医師は、治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
AVP-786の対象となるTEAEは、転倒、洞性徐脈、発疹、血小板減少症、及びセロトニン症候群の事象であった。転倒は、全治療群で最も頻繁に経験されたTEAEであった。39(10.1%)の患者は転倒のTEAEを経験した(全プラセボ群、全AVP-786-18群、及び全AVP-786-28群でそれぞれ6.2%、9.6%、及び7.5%)。これらのTEAEの重症度は一般に軽度から中等度であり、SAEとして経験されたもの、治験薬の中止に至ったもの、または治験薬に関連していると考えられたものはほとんどなかった。対象となるその他のTEAEはまれであり、重度または重篤になることはめったになく、中止の原因になることはめったになかった。
臨床検査、心電図、またはバイタルサインによって追加の安全性リスクは確認されなかった。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786で治療された患者では、認知機能低下、傾眠/鎮静、または自殺のリスクの増加は観察されなかった。
全体的な結論:
・AVP-786-18による治療は、アルツハイマー型認知症患者においてプラセボと比較して、主要な有効性評価項目であるCMAI合計スコアを含む、激越のいくつかの測定値において有意な改善(公称レベルで)を示した。これには、主要有効性評価項目CMAI合計スコア(p=0.008)及び主要な二次有効性評価項目mADCS-CGIC-激越スコア(p=0.012)が含まれた。AVP-786-28による治療は、激越のいくつかの測定値において数値的な改善を示した。この試験からのデータ全体は、AVP-786がアルツハイマー型認知症患者の激越を軽減するのに有益であるという証拠を提供する。
・AVP-786は両方の用量レベルで安全であり、一般的に忍容性は良好であった。TEAE、薬物関連のTEAE、SAE、及びTEAEによる中止の発生率は、全プラセボ群と全AVP-786-28群で同様であったが、全AVP-786-18群でより高かった。臨床検査、心電図、またはバイタルサインによって追加の安全性リスクは確認されなかった。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786で治療された患者では、認知機能低下、傾眠/鎮静、または自殺のリスクの増加は観察されなかった。
実施例4
アルツハイマー型認知症患者の激越の治療に対するAVP-786(重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩[d6-dm]/硫酸キニジン[Q])の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験
用語の略称及び定義の一覧表
本実施例4では、次の略語及び専門用語が使用されている。
Figure 2023523373000107
Figure 2023523373000108
Figure 2023523373000109
1. 概要
1.1. AVP-786
AVP-786は、中枢神経系(CNS)活性剤であるデューデキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)と、シトクロムP450(CYP)肝臓アイソザイム2D6(CYP2D6)を介したd6-DM代謝阻害剤として使用される硫酸キニジンとの組み合わせ製品である。
2. 治験計画
2.1. 全体的な研究デザイン及び計画:説明
これは、12週間の治療期間のフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験であった。約470人の患者(190人がプラセボに無作為に割り付けられ、280人がAVP-786-28またはAVP-786-42.63に無作為に割り付けられた) が、北米の約75のセンターに登録される予定であった。この試験では、スクリーニング来診を含む8回の予定された診療所来診と、2回の安全性フォローアップ電話があった。患者は、スクリーニング、ベースライン(1日目)、そして8日目(来診2/1週目)、15日目(来診2.1/2週目)、22日目(来診3/3週目)、43日目(来診4/6週目)、64日目(来診5/9週目)、及び85日目(来診6/12週目)に診療所に来診した。早期中止した患者は、早期中止(ET)来診後5日間連続して毎日電話を受け、全体的な健康状態について質問され、選択された安全性及び有効性評価のため、治験薬の最終投与から30日後に経過観察来診のため診療所に戻るよう求められた。延長試験(試験15-AVP-786-303)にロールオーバーしなかった患者は、試験薬の最終投与から30日後に安全性フォローアップに関する電話を受けた。29日(4週目)目と71日目(10週目)には、安全に関するフォローアップの電話がかけられた。各来診時に実施した試験手順は、試験スケジュールに概説している(表59)。
適格な患者は、ベースライン訪問時に無作為に割り当てられ、AVP-786または一致するプラセボを受け取った。治験薬は、ベースライン(1日目)から12週目(85日目)まで1日2回経口投与された。患者(または介護者)は、時間帯に関係なく、試験施設担当者の立会いの下、診療所で午前中の用量の治験薬を患者に投与する該当する診療所来診日を除き、すべての治験日に治験薬を自己投与した。スクリーニングは、無作為化の4週間前に行われた。
選択及び除外基準を評価するためのスクリーニング手順に続いて、適格な患者をAVP-786-28(d6-DM 28mg/Q 4.9mg)、AVP-786-42.63(d6-DM 42.63mg/Q 4.9mg)、またはプラセボ群に無作為に群分けする。(Protocol Amendment 4の前に、患者は1:1の比率でプラセボまたはAVP-786-28に無作為に割り付けられた。Amendment 4では、無作為化は、3:2:2でプラセボ、AVP-786-28、またはAVP-786-42.63に変更された。)無作為化はNeuropsychiatric Inventory(NPI)-激越/攻撃ドメインスコア(6以下対6を超える)、転倒のリスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、及び抗精神病薬の併用(有対無) によって階層化された。治験薬(実薬またはプラセボ)は、治療期間中、1日2回経口投与された(午前中に1カプセル、午後に1カプセル、約12時間間隔)。
AVP-786-28群に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-18を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始めた。8日目から、患者はAVP-786-18を14日間、1日2回服用した。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-28を1日2回服用した。治験責任医師が必要と判断した場合、来診3の後から来診4まで(来診4を含む)(すなわち、23日目~43日目)、AVP-786-18についての1回限りの用量下方調整は許可され、残りの試験期間中、患者はより低い用量の治験薬を服用し続けた。試験来診の間に用量調整を必要とする患者は、安全性評価を行うために予定外の来診を行う必要があった。
AVP-786-42.63群に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-28を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始めた。8日目から、患者はAVP-786-28を14日間、1日2回服用した。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-42.63を1日2回服用した。治験責任医師が必要と判断した場合、来診3の後から来診4まで(来診4を含む)(すなわち、23日目~43日目)、AVP-786-28についての1回限りの用量下方調整は許可され、残りの試験期間中、患者はより低い用量の治験薬を服用し続けた。試験来診の間に用量調整を必要とする患者は、安全性評価を行うために予定外の来診を行う必要があった。
2.2. 対照群の選択を含む研究デザインの考察
無作為化、プラセボ対照、二重盲検の設計は、十分に制御されていない設計に固有のバイアスの原因を減らすために選択された。使用された安全性評価は臨床研究の標準であり、一般に信頼性、正確性、及び関連性が認められている。有効性を評価するために使用される評価尺度は、アルツハイマー病の臨床研究で広く使用されている確立された手段である。
2.3. 試験対象集団の選択
2.3.1. 選択基準
試験に参加するために、患者は以下の基準をすべて満たす必要があった。
1. 同意取得時の年齢が50~90歳(包括的)の男女。
2. 2011年国立老化研究所-アルツハイマー病協会(NIA-AA) 作業部会の基準によるアルツハイマー病の可能性があるとの診断。外来患者、または介護施設若しくは専門養護施設の居住者。
3. スクリーニング時及び無作為化の少なくとも2週間前に、臨床的に有意な中等度/重度の激越があり、日常生活を妨げ、治験責任医師の意見で処方薬が必要な患者。
4. 激越の診断は、激越の国際精神老年医学協会(IPA)の暫定的な定義を満たす必要があった。
5. スクリーニング時及びベースライン時の激越の疾患重症度臨床全体印象尺度(CGIS-激越)スコアが4以上(中等度の疾患)。
6. スクリーニング及びベースラインでのMini Mental State Examination(MMSE)スコアが6~26(包括的)。
7. 治験責任医師の判断により、患者の心機能、肺機能、肝機能、腎機能が安定していた。
8. 患者の心電図(ECG;ベースライン前の過去1か月以内に取得され、中央の心電図リーダーによって評価されたもの)があり、臨床的に重要な所見はなかった。
9. -出産の可能性のある女性の場合、無作為化の前に少なくとも1か月間、医学的に許容される避妊方法を実践している必要があり、試験期間全体を通して同じ方法を継続する必要があり(経口避妊薬錠剤、ホルモンインプラントデバイス、ホルモンパッチ、子宮内避妊器具、横隔膜及び避妊クリームまたは避妊フォーム、殺精子剤を含むコンドーム、または禁欲)、または外科的に無菌または閉経後であったこと。
10. アルツハイマー病の治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなど)の使用は、投与量が無作為化前の少なくとも3か月間安定していた場合に許可された。
11. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI;例えば、フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラム)、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI;例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン)などの抗うつ薬の併用は、用量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、その薬の添付文書のガイダンスの範囲内であった場合に許可された。CYP2D6基質であるパロキセチンは、用量が1日10mgを超えない限り許可された。
12. 不眠症の夜間治療のための就寝時の催眠薬(例えば、エスゾピクロン,ゾルピデム,ザレプロン,トラゾドン[1日50mg以下])の併用は、投与量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、試験全体で安定していた場合に許可された。さらに、行動障害のための短時間作用型ベンゾジアゼピン(例えば、ミダゾラム、オキサゼパム、低用量アルプラゾラム[1日最大0.5mg])の併用は許可された。
13. アルツハイマー病に続発する激越の治療のために許可された薬(非定型抗精神病薬、抗うつ薬、ブスピロンなど)を同時に服用している患者は、スクリーニング前の少なくとも2週間及び無作為化前の少なくとも1か月間安定した用量を使用していた場合に適格であった。
14. 患者は抑うつ障害の現在及び重大な症状を示してはならず、スクリーニング時にコーネル認知症抑うつ尺度(CSDD)でスコアが10未満でなければならなかった。
15. 患者は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition, Text Revision(DSM-IV-TR)で定義されているように、統合失調症、統合失調感情障害、または双極性障害の病歴若しくは現在の臨床症状があってはならなかった。
16. 介護者は、試験の過程で禁止薬を投与しないことを含め、試験手順を順守することができ、順守することを望む必要があった。
17. 患者/介護者は、試験参加の性質及びリスクが十分に説明された後、患者/介護者のICFに署名し、そのコピーを受け取ることに同意する必要があった。ICFに署名することはできなかったが同意を与えることができた患者、または患者の正式な代理人が参加に同意した患者(同意を与えることができない患者の場合)は許可された。
2.3.2. 除外基準
以下のいずれかは、試験からの除外基準と見なされた。
1. 治験責任医師の意見では、介護者は、試験の指示に従うことを望まなかった、または従うことができなかった。
2. 患者は、主に非アルツハイマー型の認知症を患っていた(例えば、血管性認知症、前頭側頭型認知症、パーキンソン病、物質誘発性認知症)。
3. アルツハイマー病に続発しない激越の症状を有する患者(例えば、疼痛、他の精神障害、またはせん妄に続発する)。
4. 重症筋無力症の患者(キニジンの禁忌)。
5. 完全な心ブロック、QTc延長、または多形性心室頻拍の個人歴がある患者。
フリデリシア法(QTcF)によって補正されたスクリーニング及びベースラインのQTは、心室ペーシングによる場合を除き、中央判定に基づいて、男性で450ミリ秒を超え、女性で470ミリ秒を超えた
中央リーダーによって評価され、治験責任医師によって臨床的に重要であると見なされた期外心室収縮(PVC)あり。
6. 先天性QT間隔延長症候群の家族歴がある患者。
7. DM、Q、アヘン剤(コデインなど)、または治験薬の他の成分に対する過敏症が知られている患者。
8. ベンゾジアゼピン(例えば、ロラゼパム)に対するアレルギー歴のある患者。
9. Qと併用したDMを受けたことがあった患者。
10. ベースライン前の2週間または5半減期のいずれか長い方で、許可されていない併用薬を服用していた患者。
11. 試験の安全性結果の解釈を混乱させる可能性のある共存する臨床的に重要なまたは不安定な全身性疾患を有する患者(例えば、悪性腫瘍(皮膚基底細胞癌または未治療の前立腺癌を除く)、管理不良の糖尿病、管理不良の高血圧、不安定な肺、腎臓若しくは肝臓の疾患、不安定な虚血性心疾患、拡張型心筋症、または不安定な心臓弁膜症)。他の特定の非転移性がんが許可された場合があった。各ケースは、メディカルモニターで個別に評価された。
12. 現在参加している患者、またはベースラインから30日以内に他の介入(薬物またはデバイス)臨床研究に参加した患者。
13. ベースラインから12か月以内に、体位性失神の病歴または原因不明の失神(ケースバイケースで評価)の病歴がある患者。
14. 過去1年以内に薬物及び/またはアルコール乱用の履歴がある患者。
15. 治験責任医師による臨床評価に基づいて、試験中に転倒の差し迫ったリスクが高いと判断された患者。
16. Sheehan Suicidality Tracking Scale(シーハン自殺傾向追跡尺度、S-STS)に基づくスクリーニング及びベースラインでの自殺の深刻なリスクの証拠がある患者、すなわち、質問2~6若しくは11のいずれかでスコア3若しくは4、または質問1a、7~10、若しくは12のいずれかでスコア2以上、または治験責任医師の意見で自殺の深刻なリスクがあると思われる患者。
2.3.3. 治療または評価からの患者の除外
患者及び介護者は、口頭及び書面によるICFで、他の方法で得られる利益を害したり損失したりすることなく、いつでも試験を中止する権利があることを通知された。治験責任医師または治験依頼者は、併発疾患、有害事象、患者の健康若しくは幸福に関するその他の理由、または協力の欠如、不遵守、プロトコル違反、またはその他の管理上の理由が発生した場合、患者の治験を中止することができた。患者が予定された来診に戻らない場合は、患者に連絡するためにあらゆる努力を払う必要があった。状況に関係なく、可能であれば、患者の転帰を記録するためにあらゆる努力を払う必要があった。治験責任医師は、中止の理由を尋ね、未使用の治験薬をすべて返却するよう介護者に要求し、未解決の有害事象について患者をフォローアップする必要があった。
さらに、無作為化後の任意の時点で、QTcFが500ミリ秒を超える(心室ペーシングによる場合を除く)、または投与前のベースライン心電図からのQTcF間隔の変化が60ミリ秒を超える患者は、試験から取り下げられた。QTcF値は、臨床的意義について評価され、記録された。
早期中止した患者は、選択した有効性及び安全性評価のために、来診6評価、及び治験薬の最終投与から30日後に経過観察来診をするために診療所に戻るよう要求された。さらに、これらの患者の全体的な健康状態を評価するために、ET来診後5日間連続して毎日電話をかけた。
患者が試験を辞退し、介護者及び/または患者の代表者が将来の情報開示について同意を撤回した場合、それ以上の評価を行うべきではなく、追加のデータを収集すべきではなかった。スポンサーは、かかる同意の撤回前に収集されたデータを保持し、引き続き使用することができた。試験を辞退した患者は、補充されなかった。
2.4. 治療
2.4.1. 投与された治療
臨床治験薬は、硬くて印刷された不透明な青色のゼラチンカプセル(サイズ3)として提供された。治験薬の各カプセルは、次のいずれかを含んだ。
AVP-786-42.63、42.63mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP)(AVP-786-42.63と呼ばれる)
AVP-786-28、28mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP)(AVP-786-28と呼ばれる)
AVP-786-18、18mgのd6-DM及び4.9mgのQ(USP、EP)(AVP-786-18と呼ばれる)
AVP-786対応プラセボ、治験薬と同じ賦形剤含有(プラセボと呼ばれる)
薬剤供給は、二重盲検、個別、事前にラベル付けされたブリスターカードで施設に提供された。
2.4.2. 治験薬(複数可)の識別
AVP-786は、42.63mgのd6-DMと4.9mgのQ(AVP-786-42.63)、28mgのd6-DMと4.9mgのQ(AVP-786-28)、または18mgのd6-DMと4.9mgのQ(AVP-786-18)を経口投与用の硬質、印刷された不透明、青色ゼラチンカプセルに入れて供給された。AVP-786及びプラセボの2つの用量の質的及び量的組成を表57に示す。
Figure 2023523373000110
2.4.3. 患者を治療群に割り当てる方法
適格な患者に、1日目(ベースライン)に無作為に割り付けられ、無作為化スキームに従ってAVP-786-28カプセル、AVP-786-42.63カプセル、または対応するプラセボカプセルを二重盲検法で投与した。無作為化は、NPI-激越/攻撃ドメインスコア(6以下対6を超える)、転倒のリスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、及び抗精神病薬の併用(有対無)によって階層化された。ブロックされた無作為化を使用して、各階層での治療のバランスを確保した。患者は、AVP-786を服用した可能性が少なくとも60%あった。
2.4.4. 試験における用量の選択
この試験のために計画されたAVP-786の用量は最初、d6-DM 28mg/Q 4.9mg及びd6-DM 18mg/Q 4.9mgであり、いかにおいてそれぞれAVP-786-28及びAVP-786-18と呼ばれる。AVP-786-28の用量は、AVP-786-18から開始する段階的な滴定スケジュールによって達成された。研究プロトコルは、同じ滴定レジメンを使用してAVP-786-28で段階的に滴定することによって達成されるd6-DM 42.63mg/Q 4.9mg(AVP-786-42.63)の用量の追加の治療群を含むように修正された。
2.4.5. 患者ごとの用量の選択及びタイミング
全患者は、IWRS無作為化スキームによって割り当てられたブリスターカード番号に従って治験薬を受け取った。各試験施設の指定されたスタッフが治験薬を調剤した。時間帯に関係なく、試験施設担当者の立会いの下、診療所で治験薬の用量の治験薬を患者に投与する該当する診療所来診日を除き、治験薬は、介護者、家族、介護施設のスタッフによって患者に投与されるか、監督下で自己投与した。患者及び介護者は、患者が約12時間±4時間ごと(午前と午後)に治験薬を水と一緒に経口摂取するように指示された。患者が各用量の薬を服用した時間をダイアリーカードに記録することになっていた。来診2(8日目)及び来診2.1(15日目)の場合、介護者は、患者が診療所の予約から2時間以内に午前の治験薬を服用するようにアドバイスされた。eCRFには、投与漏れが記録されていた。すべての治験薬は、治験期間全体を通じて二重盲検法で供給及び投与された。
実薬治療を開始している患者は、下記のように無作為化された用量で滴定された。
・AVP-786-28/4.9投与に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-18を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始めた。8日目から、患者はAVP-786-18を14日間、1日2回服用した。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-28を1日2回服用した。
・AVP-786-42.63投与に無作為に割り付けられた患者は、試験の最初の7日間、AVP-786-28を午前中に、プラセボを午後に、1日1回服用し始めた。8日目から、患者はAVP-786-28を14日間、1日2回服用した。22日目から、患者は試験の残りの9週間で、AVP-786-42.63を1日2回服用した。
2.4.6. 盲検
外観が同一のAVP-786及びプラセボの2用量のカプセルを提供することにより、盲検を維持した。治験依頼者、患者、介護者、治験責任医師、またはその他の治験担当者は、患者の治療割り当てを認識してはならなかった。
2.4.7. 前療法及び併用療法
患者は、試験中、または1日目の投与開始前の2週間若しくは5半減期のいずれか長い方の間、プロトコルの付録1に記載されている禁止薬のいずれも服用できなかった。来診のたびに、介護者は、患者が併用薬を服用しているかどうかについて質問され、もし服用している場合、治験責任医師は服用した薬及びその使用理由を記録した。介護者は、日誌にレスキュー薬(ロラゼパム)の併用を記録するように指示された。P-糖タンパク質基質、またはCYP2D6産生代謝産物によって作用が媒介されるプロドラッグの併用は避けるか、必要に応じて注意深く監視する必要があった。
2.4.7.1. 許可された併用薬
アルツハイマー病の治療薬(ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンなど)は、無作為化の少なくとも3か月前から安定した用量で投与された場合に許可された。これらの薬の投与量は、試験を通して変更してはならなかった。投与量の調整が必要な場合は、新しい投与量及び変更の理由を記録する必要があった。
アルツハイマー病に続発する激越の治療のための薬剤(非定型抗精神病薬、抗うつ薬、ブスピロンなど)の使用は、患者がスクリーニング前の少なくとも2週間及び無作為化前の少なくとも1か月間安定した用量を使用していた場合に許可された。
SSRI(例えば、フルオキセチン、セルトラリン、シタロプラム)、またはSNRI(例えば、ベンラファキシン、デスベンラファキシン、デュロキセチン)などの抗うつ薬の併用は、用量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、その薬の添付文書のガイダンスの範囲内であった場合に許可された。CYP2D6基質であるパロキセチンは、用量が1日10mgを超えない限り許可された。SSRI、SNRI、及びパロキセチンの用量は、有害事象の管理のために減量が必要であるとみなされなかった限り、試験全体を通して安定していなければならなかった。
SSRIまたはSNRIを併用している患者について、精神状態の変化、高血圧、落ち着きのなさ、ミオクローヌス、高体温、反射亢進、発汗、震え、振戦などのセロトニン症候群を監視する必要があった。
不眠症の夜間治療のための就寝時の催眠薬(例えば、エスゾピクロン,ゾルピデム,ザレプロン,トラゾドン[1日50mg以下])の併用は、投与量が無作為化前の少なくとも1か月間安定しており、試験全体で安定していた場合に許可された。
さらに、行動障害のための短時間作用型ベンゾジアゼピン(例えば、ミダゾラム、オキサゼパム、低用量アルプラゾラム[1日最大0.5mg])の併用は許可された。
激越の短期治療のためのロラゼパムの使用を除いて、他のすべてのベンゾジアゼピンは禁止された。試験に参加する前にロラゼパムを服用していた患者は、試験で許可されたのと同じ治療計画(最大1日1.5mg、7日間で3日を超えない)を使用する必要があった。
2.4.7.2. 激越症状のレスキュー薬
患者は、治験責任医師が必要と判断した場合、激越の症状の短期治療のためのレスキュー薬として経口ロラゼパムを受け取ることができた。ロラゼパムは、7日間で3日を超えずに最大1日1.5mg投与された。介護者は、日誌にロラゼパムの併用を記録する必要があり、ベンゾジアゼピンによる転倒リスクの潜在的な増加について注意された。
2.4.7.3. 併用禁止薬
禁止薬の例のリストは、プロトコルの付録1に記載された。禁止薬の例として、ケトコナゾール、イトラコナゾール、ボリコナゾール、炭酸脱水酵素阻害剤、アミオダロン、シメチジン、ジルチアゼム、ベラパミル、プロテアーゼ阻害剤(例えば、サキナビル、リトナビル、アタザナビル、インジナビル)、マクロライド系抗生物質(例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、ロキシスロマイシン)、三環系抗うつ薬(例えば、イミプラミン、デシプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン)、キニジン、デキストロメトルファン(市販及び処方箋)、キニーネ、メフロキン、セントジョンズワート、ハイパーフォリン、リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、オキシカルバゼピン、フェノバルビタール、シプロテロン、チオリダジン、トリフルオペラジン、クロルプロマジン、プロマジン、ペルフェナジン、メトトリメプラジン、及びフルフェナジンが挙げられた。
モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)は、試験全体で禁止されていた。患者は、治験薬を中止してからMAOIを開始するまでに、少なくとも14日間空ける必要があった。
2.5. 有効性及び安全性の変数
2.5.1. 評価された有効性及び安全性の測定値ならびにフローチャート
試験事象のスケジュールを表59に示す。
Figure 2023523373000111
Figure 2023523373000112
Figure 2023523373000113
Figure 2023523373000114
Figure 2023523373000115
2.5.1.1. 有効性の評価項目
有効性評価項目は、激越、抑うつ、認知機能障害、生活の質(QOL)、及び介護者のストレスに関連する行動の変化を評価するための検証済みの尺度と質問票を含んだ。可能な限り、各患者及び介護者は、評価の一貫性のために、試験全体を通して同じ評価者によって実施された評価尺度を持つべきであった。次の尺度は、各来診時に同じ評価者によって管理される必要があった:コーヘンマンスフィールド激越インベントリー(CMAI)、NPI、修正されたアルツハイマー病共同研究-激越の変化尺度の臨床全体印象(mADCS-CGIC-激越)、及びCGIS-激越スコア。
2.5.1.1.1. 主要有効性評価
主要有効性評価項目は、ベースラインから12週目(85日目)までの複合CMAIスコア(CMAI合計スコア)の変化であった。CMAI(ロングフォーム版)は、高齢者の激越行動の発現頻度を評価するために使用された。CMAIは、激越のCMAI因子としても知られている、異なる激越症候群にさらに分類される29の激越行動で構成されている。これらの異なる激越症候群は、攻撃的な行動、身体的に非攻撃的な行動、及び言語的激越行動を含む。因子1、因子2、及び因子3の3つの面のスコアは、Rabinowitz J,Davidson M,De DPP, Katz I, Brodaty H, Cohen-Mansfield J. Factor analysis of the Cohen-Mansfield Agitation Inventory in three large samples of nursing home patients with dementia and behavioral disturbance.American Journal of Geriatric Psychiatry.2005;13(11):991-998に記載され、本明細書の他の場所で記述されている因子構造に基づいて導き出され、二次有効性評価項目としても評価された。
29項目のそれぞれは、7段階の頻度で評価する(1=まったくない、2=週に1回未満であるが、まだ発生している、3=週に1回または2回、4=週に数回、5=1日に1回または2回、6=1日に数回、7=1時間に数回)。評価は、CMAIの2週間前の評価に基づいている。CMAIスコアの減少は、激越行動の頻度の改善を示す。CMAI合計スコアは、29項目すべての評価の合計として計算され、範囲は29から203である。
CMAIは、スクリーニング(-28日目から-1日目)、ベースライン(1日目)、8日目(来診2)、15日目(来診2.1)、22日目(来診3)、43日目(来診4)、64日目(来診5)、12週目(来診6)、及び経過観察来診(ET患者)に評価された(表59)。CMAIは、各来診で同じ評価者が評価しなければならなかった。
2.5.1.1.2. 主要な二次的有効性評価
主要な二次有効性評価項目は、12週目のmADCS-CGIC-激越スコアと、12週目のCGIS-激越スコアのベースラインからの変化であった。
・mADCS-CGIC-激越:mADCS-CGIC-激越は、アルツハイマー病における激越の研究に関連する側面をより適切に評価するために、標準的なアルツハイマー病共同研究-変化の臨床全体印象 (ADCS-CGIC)手段を修正したものである。激越に関する質問と、特に激越に焦点を当てた変化に対する臨床医の印象の評価とを含む。これはもともと、アルツハイマー病における激越に関するシタロプラム研究(CitAD)のために設計されたものであり、患者と介護者の両方の半構造化インタビューを利用して、激越の重症度のベースラインレベルを決定する。その後の評価では、ベースラインからの変化を評価し、患者と介護者の両方の半構造化激越インタビューを利用する。mADCS-CGIC-激越は、各来診で同じ評価者が評価しなければならなかった。
・CGIS-激越:これは、疾患の重症度を測定する観察者評価尺度であり、精神医学研究で最も広く使用されている簡単な評価ツールの1つである。CGISのEarly Clinical Drug Evaluation Unit(ECDEU)版は、この検証済みツールの最も広く使用されている形式であり、臨床医が、付随情報の有無にかかわらず、同じ診断を受けた他の患者との過去の経験と比較して患者を評価するように求められる。CGISは7点(1~7)スケールであり(1=正常、まったく病気ではない;7=最も重篤な患者)、この試験で激越の重症度を評価する。CGIS-激越は、各来診で同じ評価者が評価しなければならなかった。
2.5.1.1.3. その他の二次的有効性評価
他の二次有効性評価項目は、NPI-激越/行動ドメインスコア及び介護者の苦痛スコア、NPI-異常運動行動ドメインスコア、Zarit Burden Interview (ZBI)、NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア、変化についての患者全体印象(PGIC)、認知症の生活の質(DEMQOL)、CSDD、認知症の資源利用(RUD)、NPI合計スコア、ADCS-CGIC-全体、アルツハイマー病評価尺度-認知下位尺度(ADAS-cog)、及び一般的な医療健康評価(GMHR)であった。
・NPI-激越/攻撃ドメインスコア及び介護者の苦痛スコア:これは、認知症を含むさまざまな疾患設定における精神病理を評価するための有効な臨床手段である。NPIは、12の神経精神症状ドメインをカバーする、情報提供者である介護者のレトロスペクティブなインタビューであり、この12の神経精神症状ドメインは、妄想、幻覚、激越/攻撃性、抑うつ/不快感、不安、高揚感/多幸感、無感動/無関心、脱抑制、過敏性/不安定性、異常な運動行動、睡眠及び夜間行動障害、ならびに食欲/摂食障害である。スクリプト化されたNPIインタビューは、各症状ドメインの複合スクリーニング質問を含み、その後に、スクリーニング質問に対する肯定的な回答が得られた場合に実施されるドメイン固有の行動に関する質問のリストがある。ドメイン内の神経精神症状は、頻度(1~4)と重症度(1~3)の両方の観点から介護者によってまとめて評価され、複合症状ドメインスコア(頻度x重症度)が得られる。頻度と重症度の評価尺度は、介護者の応答の信頼性を高めるためのアンカーポイントを定義している。介護者の苦痛は、0(まったく苦痛ではない)から5(非常に苦痛である)のスコアで固定されたスケールで、正の神経精神症状ドメインごとに評価される。NPIドメインは通常、過去4週間以内の行動について評価するが、試験の必要に応じて変更することができる。この試験では、回想期間はすべての来診で2週間であった。NPI nursing-home version(NPI-NH)は、入院患者または介護施設の患者に使用された。NPI-NHの質問は、疾患の発症前に患者を知らないかもしれない専門の介護者のために言い換えられた。ただし、NPI-NHバージョンでは職業上の混乱のため補充された介護者の苦痛セクションを除いて、全体的な手段ドメイン及びスコアリングはNPIと同じであった。NPIは、各来診で同じ評価者が評価しなければならなかった。NPIの激越/攻撃ドメインアは、NPI合計スコアの一部として評価された。
・NPI-異常運動行動ドメインスコア(上記を参照)。
・ZBI:これは、介護者の生活に対する患者の障害の影響を評価するために使用される22項目の尺度である。認知症患者の介護者が経験する負担を反映するように設計されており、介護者が記入するか、インタビューとして実施することができる。これは、認知症やその他の疾患の患者の介護者の負担を測定するために最も一般的に使用される尺度である。ZBIは高い内部信頼性を有し、推定されたCronbach’s alphaが0.88及び0.91であり、テスト再テストの信頼性が0.71であることが示されている。有効性は、合計スコアを負担の単一のグローバル評価と相関させることによって推定されている(r=0.71)。この尺度の各項目について、介護者はどのくらいの頻度でそのように感じたかを示す必要がある(まったくない、めったに、時々、かなり頻繁に、またはほぼ常に)。スコアの範囲は0~88であり、個々の項目の番号付きの回答を加算することによって決定される。スコアが高いほど、介護者の苦痛が大きいことを示す。
・NPI-過敏性/不安定性ドメイン(上記を参照)。
・PGIC:これは、治療効果を評価するために使用される7段階(1~7)の尺度であり、次のように評価される。
・DEMQOL:これは、認知症患者及びその介護者の健康関連QOLを評価するために使用される尺度である。DEMQOLは、28項目バージョン(患者による評価)と31項目バージョン(DEMQOL-proxy、介護者による評価)の2つのバージョンがある。軽度から中等度の認知症(MMSEが10以上)の患者(及びその介護者)の評価は、28項目バージョンと31項目バージョンの両方を使用することが薦められる。重度の認知症患者には、DEMQOL-proxy(介護者に実施)のみが使用される。
・CSDD:この尺度は、認知症患者の大うつ病の徴候と症状を評価するために特別に開発された。これらの患者の一部は信頼できない報告を出す可能性があるため、CSDDは患者と介護者から情報を引き出す包括的な面接アプローチを使用する。情報は、2つの半構造化インタビュー(介護者とのインタビュー及び患者とのインタビュー)を通じて引き出される。インタビューは、評価の前の週に発生した抑うつ症状と徴候に焦点を当てる。各項目については、0~2のスケールで重大度を評価する(0=ない、1=軽度または断続的、2=重度)。項目スコアを加算する。10点以上のスコアは大うつ病の可能性を示し、18点以上のスコアは明確な大うつ病を示し、原則として6未満のスコアは重大な抑うつ症状の欠如と関連している。
・RUD:これは、認知症に関連する医療費の計算に使用される。入院や医師の診察、生活支援、専門外の介護者が費やす時間など、認知症患者の公式及び非公式の医療資源の利用を評価する。臨床試験のコンテキスト内で、RUDは新しい医薬品治療の費用対効果を判断するためによく使用される。RUDは、患者の主介護者との半構造化面接として実施され、2つのセクションを含む。1つは介護者の影響(介護者が被る仕事と余暇の損失)に焦点を当てたものであり、もう1つは患者の医療資源の使用に焦点を当てたものである。患者の認知症に関連する総医療費は、使用されるユニットの数(例えば、介護者の時間数、医師の診察回数、宿泊施設で泊まった日数)に、対応するユニット価格ベクトルを掛けることによって見積もることができる。
・NPI合計スコア(上記を参照)。
・ADCS-CGIC-Overall:この尺度は、臨床試験の時間枠内で全体的な機能のベースラインレベルからの変化を確実に評価する手段を提供するためのものである。対象を絞った症状尺度とは異なり、ADCS-CGIC-Overallは、認知、行動、及び機能活動領域における患者の全体的な機能を考慮に入れる。ADCS-CGIC-Overallは、患者と介護者の半構造化インタビューを通じて収集された情報に基づいて、試験開始以降の患者の認知、機能、及び行動能力の変化に関する臨床医の観察に焦点を当てている。重症度のベースラインレベルが確立されると、経過観察来診時の変化スコアは、患者と介護者のインタビューから収集された情報に基づく。ADCS-CGIC-Overallは、著しい改善、中等度の改善、軽度の改善、変化なし、軽度の悪化、中等度の悪化、または著しい悪化として評価される。
・ADAS-cog:ADASは、アルツハイマー病患者の認知及び非認知行動機能障害の特徴を評価するために設計された。認知下位尺度(ADAS-cog)は、記憶、実践、及び言語に関連する11のサブセットで構成されている。ADAS-cogは、ベースライン来診時にMMSEスコアが10以上の患者について評価された。
・GMHR:これは、認知症患者の一般的な併存疾患の重症度を単一の数字(1~4)で定量化するように設計された、医療健康に関する全体臨床評価である。評価として、1=悪い、2=普通、3=良い、4=とても良いから非常に良いとなっている。
2.5.1.2. 安全性評価項目
評価された安全性評価項目は、治療に起因する有害事象(TEAE)、身体診察及び神経学的検査、バイタルサイン、臨床検査結果、ECG、S-STS、MMSE、Timed Up and Go(TUG)テスト、及びEpworth Sleepiness Scale(ESS)であった。
2.5.1.2.1. 安全性評価
2.5.1.2.1.1. 有害事象
介護者は、スクリーニング来診後の各診療所来診時(表59)、及び29日目と71日目の安全性電話訪問で、有害事象について質問された。報告されたすべての有害事象が評価され、記録された。治験薬の最終投与後から治験薬の最終投与後30日までに新たに報告された有害事象は、30日まで追跡調査された。
各有害事象の重症度は3段階(軽度、中等度、または重度)で等級付けされ、eCRFに示されているように詳細に報告された。各有害事象と治験薬との関係は、治験責任医師によって、関係がない、関係の可能性が低い、関係がある可能性がある、または関係があると判断された。
2.5.1.2.1.2. 身体診察及び神経学的検査
身体診察及び神経学的検査は、表59に示す時点で実施することになった。身体診察は、頭、目、耳、鼻、喉、リンパ節、皮膚、四肢、呼吸器、胃腸、筋骨格、心臓血管、及び神経系の評価を含んだ。神経学的検査は、精神状態、脳神経、運動系、反射、協調、歩行と姿勢、及び感覚系の評価を含んだ。身体診察及び神経学的検査は、可能な限り毎回同じ人が実施する必要があった。スクリーニング検査に関連する身体的及び神経学的検査結果の臨床的に重要な変化は、有害事象として記録した。
2.5.1.2.1.3. バイタルサイン
起立性血圧(BP)及び心拍数(HR)の測定は、すべてのクリニック来診で行われた。仰臥位の血圧及び心拍数は、患者が仰臥位で少なくとも5分間休んだ後に測定した。各測定は同じ位置で2回行い、記録した。仰臥位での血圧及び心拍数の測定後、患者は長くとも3分間静止し、立ってからこの3分以内に立っている血圧及び心拍数を1回測定した。
呼吸数(呼吸/分)及び体温(°F)は、すべてのクリニック来診時に評価した。体重は、ベースライン(1日目)及び12週目(来診6)に記録された。
2.5.1.2.1.4. 臨床検査テスト
次の臨床検査評価は、表59に示されている時点で実施された。
・血液化学(カルシウム、マグネシウム、リン、グルコース、ナトリウム、カリウム、塩化物、二酸化炭素、血中尿素窒素[BUN]、血清クレアチニン、尿酸、アルブミン、総ビリルビン、アルカリホスファターゼ、乳酸脱水素酵素[LDH]、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST;以前に血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼと呼ばれた]、アラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT;以前は血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼと呼ばれた]、クレアチンキナーゼ[CK]、γ-グルタミルトランスフェラーゼ[GGT]、トリグリセリド、総タンパク質、及び総コレステロール)
・血液学(赤血球[RBC]数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球[WBC]カウント、好中球、バンド、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、血小板数、及び形態)
・尿検査(pH、比重、タンパク質、グルコース、ケトン、血液、白血球エステラーゼ、硝酸塩、及び顕微鏡的外観)
・スクリーニング受診時のみの甲状腺機能検査(甲状腺刺激ホルモン[TSH]、TSHが異常な場合は反射トリヨードチロニン[T3]及びチロキシン[T4])
・スクリーニング来診時及び来診6のみでのグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)テスト
臨床的に有意な異常な臨床検査結果を持つ患者は、医学的に指示されている場合、1週間後またはそれより前に再検査を受けるようにメディカルモニターによって要求される場合があった。臨床的に有意な検査異常は、試験採用からの除外の根拠となる場合があった。
2.5.1.2.1.5. 心電図
安静時の12誘導心電図を、表59に示す時点で実施することになっていた。スクリーニングでは、ECGを3回実施することになっていた。ベースライン(1日目)で、2つの心電図が実行された。1つは治験薬投与前、もう1つは投与から2~3時間後であった。ECG機器は、中央リーダーによって提供された。ECGデータは試験センターで記録され、一般的な所見、HR(心拍/分)、QRS群、PR及びQTc間隔(ミリ秒)を含んだ。結果は、中央リーダーから24時間以内に治験責任医師に提供した。
2.5.1.2.2. シーハン自殺傾向追跡尺度
S-STSは、治療に伴う自殺念慮及び行動を評価する見込みのある尺度であり、表59に示す時点で評価された。自殺傾向の存在を示すS-STSスコアの変化は、治験責任医師が評価し、メディカルモニターに報告した。
2.5.1.2.3. ミニメンタルステート検査
MMSEは、認知障害のスクリーニングに使用される30点の簡単なアンケートテストであり、表59に示す時点で評価された。
2.5.1.2.4. Timed Up and Go(TUG)テスト
TUGテストでは、個人が標準的な肘掛け椅子から立ち上がり、3メートル歩き、向きを変え、椅子に戻って座るまでの時間(秒単位)を測定する。このテストは、表59に示す時点で評価された。
2.5.1.2.5. エプワース眠気尺度
ESSは8項目のアンケートであり、ほとんどの人が1日に従事する8つの異なる状況で眠りにつく可能性を評価することによって眠気を測定するために使用される。質問は4段階(0~3)尺度で評価され、0=まったく居眠りしない、1=居眠りする可能性がわずかにある、2=居眠りする可能性が中程度、3=居眠りする可能性が高い。合計スコア0~9が正常と見なされる。試験は、表59に示される時点で評価されるべきであった。
2.5.1.3. 薬物動態評価
43日目(来診4)及び12週目(来診6)に、d6-DM、d6-DM代謝物、及びQの血漿レベルを分析するために、治験薬の午前中投与後0~3時間の間に患者から血液試料を採取した。患者に治験薬を投与した時間及び採血の時間を記録した。血漿試料は遠心分離され、分析ユニットでアッセイされるまで-20℃で凍結された。
2.6. プロトコルで計画されている統計手法及びサンプルサイズの決定
2.6.1. 統計及び分析計画
主な詳細を以下に要約する。
2.6.1.1.解析集団
AVP-786-42.63コホートを追加したProtocol Amendment 4は研究デザインを実質的に変更したため、患者は2つの別個のコホートに属していると見なされた。コホート1にはAmendment 4の前に無作為化されたすべての患者が含まれ、コホート2にはAmendment 4の後に無作為化されたすべての患者が含まれた。ほとんどの分析は、全患者(コホート1と2を組み合わせたもの)で実行され、コホート2のみで個別に実行された。以下のデータセット定義を含む定義と統計分析は、同じ方法で2セットの分析に適用された。
安全性、治療意図(ITT)、及び修正治療意図(mITT)の3つの解析集団があった。これらは以下に定義されている。
・安全性集団は、治験薬を1回以上投与されたすべての患者を含む。安全性集団は、安全性のすべての分析に使用された。患者は、実際に受けた治療に基づいて治療群に含まれた。
・ITT集団は、二重盲検治療期間中に無作為化されたすべての患者を含む。ITT集団は、感度分析に使用された。患者は、受けた治療に関係なく、無作為化された治療群に含まれた。
・mITT集団は、二重盲検治験薬を1回以上投与され、ベースライン及びベースライン後のCMAI合計スコア評価が少なくとも1回行われた、二重盲検治療期間中に無作為化されたすべての患者を含む。mITT集団は、すべての有効性分析に使用された。
2.6.1.2. 有効性
2.6.1.2.1. 主要有効性評価項目解析方法
2.6.1.2.1.1. 主要分析
主要な有効性評価項目(CMAI合計スコアのベースラインから12週目までの変化)は、尤度ベースの混合モデル反復測定(MMRM)分析を使用して分析された。このモデルは、観測データを使用してmITT集団で実行された。
MMRMモデルは、治療、コホート、来診、来診ごとの治療の相互作用、ベースラインCMAI合計スコア、来診ごとの来ベースラインの相互作用、ベースラインNPI-激越/攻撃(6以下対6を超える)、転倒のリスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、及び抗精神病薬の併用(有対無)の用語を含んだ。
構造化されていない共分散行列が使用された。収束の問題があった場合、一次自己回帰(AR1)の使用及び/または複合対称性(CS)共分散行列が考慮され、最適に収束する最初の共分散構造が一次分析として使用された。
モデル推定値(治療差とその95%信頼区間)[CI])は、p値に加えて報告されている。多重比較ファミリワイズエラーレート(FWE)コントロールは、本明細書の別の箇所で指定されている。
2.6.1.2.1.2. 多重度
FWEは、最初にAVP-786-28とAVP-786-42.63の平均治療効果とプラセボとの差を有意レベル両面α=0.05でテストすることによって制御された。この全体的なテストが有意であり、予測された治療差が実際の治療に有利な予測された方向にある場合、各治療群(AVP-786-28及びAVP-786-42.63)とプラセボの比較は両面α=0.05のレベルで実行された。主要な有効性評価項目の比較(ファミリー1)では、全体的なテストの両方及び比較の群のテストが両面α=0.05で有意である場合に、治療群の比較は、両面α=0.05FWEレベルで有意である。全体的なテスト及び各AVP-786群とプラセボの比較が両面α=0.05ですべて有意であった場合、最初の重要な二次有効性評価項目(mADCS-CGIC-激越)の比較(ファミリー2)について、両面α=0.05で同じ手順を繰り返した。全体的なテスト及び各AVP-786群とプラセボの比較が両面α=0.05ですべて有意であった場合、二番目の重要な二次有効性評価項目(CGIC-激越)の比較(ファミリー3)について、両面α=0.05で同じ手順を繰り返した。
2.6.1.2.1.3. 感度分析
MMRMは、データがランダムに欠測している(MAR)と仮定する。これは、縦断的臨床試験における妥当な仮定である。ただし、「ランダムに欠測している」(MNAR)データの可能性は決して排除できない。MAR仮定の感度分析として、MNARの分析は、混合欠測データメカニズムを使用した多重代入(MI)に基づくパターン混合モデル(PMM)を使用して実行され、最終脱落理由による脱落患者の応答プロファイルを次の2つのシナリオについて調査した。
1. MNARとしての有害事象による脱落理由
2. MNARとしてのすべての脱落
2.6.1.2.2. 二次有効性評価項目分析
上記のMMRMは、mITT集団の二次有効性評価項目(RUD及びGMHRを除く)の分析に使用された。mADCS-CGIC-激越、ADCS-CGIC-Overall、及びPGIC測定値のベースライン後来診時の生スコアは、対応するベースラインから変化することに注意されたい。これらの評価項目の分析では、ベースラインCMAI合計スコアが共変量として使用された。
上記の主要評価項目の感度分析は、二次評価項目についても実施した。mITT集団の共分散分析(ANCOVA)を使用して、12週目のCMAI合計スコアのベースラインからの変化について、追加の感度分析を実施した。モデルは、治療の因子、ベースラインNPI-激越/攻撃(6以下対6を超える)、転倒のリスク評価(正常/軽度対中等度/重度)、抗精神病薬の併用(有対無)、及び共変量としてのベースラインCMAI合計スコアを含んだ。欠測データは、最後に観測された値で補完(LOCF)アプローチ及び最悪に観測された値で補完(WOCF)+LOCFアプローチを使用して、試験段階で補完された。WOCF+LOCFアプローチでは、有効性がないために欠測していた値はWOCFによって補完され、その他の理由で欠測している値はLOCFによって補完された。ベースラインからの変化及び変化率、モデル推定値(最小二乗法[LS]平均差、95%CI、及びp値)、及び標準効果量(SES)を含む要約統計がp値に加えて報告される。
最後に、主要評価項目は、mITT集団について前述したMMRMモデルとANCOVAモデルの両方でITT集団を使用して分析された。
2.6.1.2.2.1. 応答分析
CMAI合計スコアとNPI-激越/攻撃によって良好な治療反応を示した患者の数と割合は、mITT集団を使用して要約された。応答患者を分類するために、次のカテゴリを使用した。
・応答:CMAI合計スコアが30%減少した患者。
・応答:CMAI合計スコアが50%減少した患者。
・応答:NPI-激越/攻撃ドメインスコアが30%減少した患者。
・応答:NPI-激越/攻撃ドメインスコアが50%減少した患者。
・応答:mADCS-CGIC-激越スコアが1または2(有意な改善または中等度の改善)の患者。
・応答:PGICスコアが1または2(非常に改善または大幅に改善)の患者。
応答の数と割合は、治療群ごとに提供される。治療効果は、MMRMモデルで使用されたものと同じ効果を持つ一般推定方程式(GEE)モデルを使用してテストされた。
2.6.1.2.2.2. 認知症及び一般的な医療健康評価分析における資源利用
RUD変数の記述的分析は、ベースライン、6週目、12週目に提供される。GMHR変数の記述的分析は、ベースライン(スクリーニング来診)及び12週目に提供される。
2.6.1.2.3. サブグループ分析
サンプルサイズが小さい可能性があるため、主要な有効性評価項目を以下のサブグループについて分析し、ANCOVAモデルを使用してLOCFによって推定された欠測データを使用して、潜在的な異なる治療効果を評価した。以下のサブグループが分析された。
1. CYP2D6基質状態に基づく向精神薬のベースライン使用。この分析でカウントできる主要なCYP2D6基質である薬剤は、アリピプラゾール、リスペリドン、デュロキセチン、フルオキセチン、フルボキサミン、ミルタザピン、パロキセチン、及びベンラファキシンであった。
2. CYP2D6基質状態に基づくベータ遮断薬のベースライン使用。この分析でカウントできた主要なCYP2D6基質である薬剤は、カルベジロール、メトプロロール、プロプラノロール、及びチモロールであった。
3. CMAI因子1激越患者は、スクリーニング及びベースラインでのCGIS-激越スコアが4以上のプロトコルの包含要件と、CMAI因子1攻撃的行動の激越状態(CMAIマニュアル)の基準を満たした患者として定義される。CMAIマニュアルに基づいて、因子1激越状態は、次のいずれかの条件を満たしていると定義された。
1つ以上の攻撃行動が週に数回発生する(スコア4以上)、または
2つ以上の攻撃行動が週に1回または2回発生する(スコア3以上)、または
3つ以上の攻撃行動が週に1回未満発生する(スコア2以上)。
4. ベースライン時に抗精神病薬を使用していなかった患者。
5. 追加のサブグループ:重要であると見なされ、サンプルサイズが許可されている場合は、主要な有効性評価項目について、年齢層、性別、及びベースライン層別化要因などのサブグループの追加分析を実行できる。
2.6.1.3. 安全性
TEAE、臨床検査評価、ECG、バイタルサイン、身体診察及び神経学的検査、S-STS、MMSE、TUGテスト、及びESSなどの安全性評価について、記述統計及び患者ごとのリストが提示される。すべての安全性分析は、安全性集団で完了する。
2.6.2. サンプルサイズの決定
検出力の計算は、主要な有効性評価項目の正規分布を想定して実行された。この12週間の試験では、治療効果の大きさ(AVP-786対プラセボ)は-0.42と仮定された。140/群のサンプルサイズは、両面α=0.05で90%の検出力を提供するように計画され、試験中の15%の脱落率と評価不能率を考慮した。
Protocol Amendment 4では、約100人の患者がすでに試験に採用されている(AVP-786-28/4.9では50人の患者、プラセボでは50人の患者)ときに、140人の追加の患者を含む2番目の実薬治療群(AVP-786-42.63)が追加された。来診患者に実薬を投与する確率を約60%に維持するために、プラセボ治療群のサンプルサイズを190に変更した。全体として、470人の患者の合計サンプルサイズには、AVP-786-28及びAVP-786-42.63群のそれぞれ140人の患者と、プラセボ群の190人の患者が含まれることになっていた。このサンプルサイズは、AVP-786-42.63と同時プラセボ治療群の間で-0.42の治療効果サイズを検出する約90%の検出力を提供する。
3. 試験対象患者
3.1. 患者の配置
試験のためにスクリーニングされた925人の患者のうち、522人(56.4%)の患者は治療のために無作為化された(表60)。スクリーニング失敗の最も一般的な理由は、適格基準を満たしていなかったこと(314人のスクリーニング患者、33.9%)、その他(患者47名、5.1%)、同意を撤回したこと(32人の患者、3.5%)であった。
無作為に割り付けられた522人の患者のうち、521人の患者が少なくとも1回の治験薬投与を受けた。AVP-42.63群の1人の患者は、治療を受ける前にプロトコルの逸脱(ベースラインでCSDD評価を受けていなかった)のために試験を中止した。
大多数の患者が試験を完了した(87.9%)。合計63人の患者(12.1%)は早期に試験を中止した。全体的に早期中止の最も一般的な理由は親または保護者による患者の中止(3.3%)、TEAE(2.7%)、及び患者による中止(2.1%)であった。AVP-786-28群の患者は、プラセボ群と比較して、TEAEのために治療を中止した割合が高かった(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ8.6%、19.9%、9.3%)。
Figure 2023523373000116
3.2. プロトコル逸脱
重要なプロトコルからの逸脱は、表61(安全性集団)にまとめられている。全体として、43.0%の患者に少なくとも1つの重要なプロトコル逸脱があった。両方の段階で最も頻繁に報告された重要なプロトコルの逸脱は、評価者の変更であった(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ17.6%、31.8%、及び20.6%)。層化偏差が、それぞれ9.5%、4.6%、それぞれ10.0%の患者について報告された。全体として、重要なプロトコルの逸脱は、データの解釈における問題や患者への追加のリスクを示さなかった。
Figure 2023523373000117
Figure 2023523373000118
4. 有効性評価
4.1. 分析されたデータセット
分析セットは、表62にまとめられた両方のコホートについてまとめられている。無作為化された522人の患者全員がITT集団に含まれ、無作為化された519人の患者がmITT集団に含まれた。AVP-786-28群の1人の患者とAVP-786-42.63群の2人の患者は、少なくとも1つのベースライン後の有効性評価がなかったため、mITT集団から除外された。
安全集団には、無作為化された522人の患者のうち合計521人が含まれていた。
Figure 2023523373000119
4.2. 人口統計学的及び他のベースライン特徴
概して、治療群は、性別(全体で56.9%が女性)、人種(白人92.0%、黒人6.3%)、民族性(38.9%が非ヒスパニック系またはラテン系)、及び年齢(全体の中央値が76歳)に関してバランスがよく取れていた(表63)。
患者の配偶者(41.7%)と子(25.5%)は患者の介護者であると最も頻繁に報告され、患者の大部分は外来患者であった(91.7%)。患者の介護者や生活の取り決めに関して、群間に重要な差はないように見えた。
Figure 2023523373000120
ベースラインでの平均(標準偏差[SD])CMAI合計スコアは、治療群間で類似していた(表64)。すべての患者の平均(SD)CMAI合計スコアは71.5(20.62)であった。しかし、プラセボ群の患者のより高い割合は、CMAI攻撃行動スコアに基づいて「激越」していた(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ79.05%、65.56%、及び64.60%)。NPI合計スコア、NPI-激越/攻撃ドメインスコア、及びCGIS-激越スコアの治療群間のベースライン平均も群間でも同様であった。
ベースラインでは、患者の87.1%がアルツハイマー病を治療するために少なくとも1つの薬を服用しており、28.2%の患者が激越を治療するために少なくとも1つの薬を服用していた。プラセボ群の患者は、実薬治療群よりも高い割合で、ベースラインで激越の薬を服用していた(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ31.0%、26.5%、及び26.3%)が、その差はどのクラスの薬剤によるものでもないようであった。
Figure 2023523373000121
Figure 2023523373000122
4.3. 治療コンプライアンスの測定
全体的なコンプライアンスは、すべての治療群で良好であった。安全性集団における平均コンプライアンスは99.4%であり、95.6%の患者が80%から120%の遵守率であった(表65)。
Figure 2023523373000123
有効性結果及び個々の患者データ表
有効性分析
以下のセクションでは、主要(CMAI合計スコア)及び二次有効性評価項目の分析結果を示す。主要及び主要な二次有効性評価項目の分析と解釈に対するFWE制御手順の影響について、以下で簡単に説明する。
ファミリーワイズエラー制御
FWEを制御するために、最初にAVP-786-28とAVP-786-42.63の平均治療効果(合わせた効果)とプラセボとの差を有意レベル両面α=0.05でテストすることによってテストされた。このテストは有意ではなかった(p=0.552)。このテストに合格しなかったため、主要評価項目と主要な二次評価項目の各群とプラセボの個々の比較は、FWE両面α=0.05レベルで評価できなかった。したがって、CMAI合計スコア、mADCS-CGIC-激越スコア、及びCGIS-激越スコアの結果は、統計的有意性の公称p値を使用して記述的に報告される。
主要有効性評価項目
主要分析
主要有効性評価項目は、AVP-786-28及びAVP-786-42.63対プラセボのCMAI合計スコアのベースラインから12週目の変化であった。
AVP-786-28及びAVP-786-42.63で治療された患者は、12週目にCMAI合計スコアのベースラインからの低下(改善)を示した。しかし、ベースラインからの変化はプラセボ群と同様であり、プラセボとの有意差はなかった(表66)。12週目のプラセボに対する治療差(CI)は、AVP-786-28で0.4(-2.7~3.5;p=0.789)、AVP-786-42.63で-2.0(-5.0~1.0;p=0.200)であった。
両方の実薬治療群を組み合わせた場合(MMRM分析)、プラセボと比較したベースラインからの変化の差も統計的に有意ではなかった(AVP-786-28及びAVP-786-42.63 p=0.552)。ベースラインから12週目までの減少は、AVP-786-42.63群で最大であったが、プラセボとは有意差はなかった。
Figure 2023523373000124
さまざまな時点での平均CMAI合計スコアのベースラインからの変化を、以下の表66aに示す。
Figure 2023523373000125
Figure 2023523373000126
さまざまな時点での平均CMAI攻撃的行動スコア、CMAI非攻撃的行動スコア、及びCMAI言動的激越スコアのベースラインからの変化を以下の表に示す。
Figure 2023523373000127
Figure 2023523373000128
Figure 2023523373000129
Figure 2023523373000130
Figure 2023523373000131
Figure 2023523373000132
4.3.1.1.1. 感度分析
さまざまな統計分析方法を使用した主要有効性評価項目の感度分析は、主要分析の結果を裏付けており、表67に要約されている。結果は一次分析と同様であった。ITT集団で観察されたデータを使用したMMRMでは、どちらの実薬治療群もプラセボと有意差はなかった。
Figure 2023523373000133
Figure 2023523373000134
4.3.1.2. CMAI下位尺度
CMAI下位尺度-F1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動を表68にまとめる。両方の実薬治療群について、ベースラインから12週目までのCMAI F1-攻撃的行動、CMAI F2-身体的に非攻撃的行動、またはCMAI F3-言語的激越行動の変化の治療差は、プラセボに対して統計的に有意ではなかった。これらの下位尺度スコアのベースラインからの平均変化は、本明細書のデータ表に記載されている。
CMAI下位尺度の感度分析の結果は、一次分析の結果と同様であり、全体的な分析(ITT MMRMの場合)または12週目で群間に有意差はなかった。
Figure 2023523373000135
Figure 2023523373000136
4.3.1.3. 追加のCMAI分析
CMAI合計スコアも、応答基準を満たす患者の割合(%)について分析され、応答基準は、GEEモデルを使用ベースラインと比較してCMAI合計スコアの30%または50%の改善として定義された。GEEモデルが収束しなかった場合は、Fisherの正確確率検定が使用された。12週目には、30%(AVP-786-28及びAVP-786-42.63ではそれぞれp=0.943及びp=0.845)または50%(それぞれp=0.789及びp=0.251)のいずれの閾値を使用しても有意な群差はなかった。
また、AVP 786-42.63は、治療有効量のd6-DM及び硫酸キニジンの投与前にCMAI攻撃的行動スコアが15を超えた患者において、CMAI合計スコアの減少によって決定されるように、有意な治療差をもたらしたことも決定された。
4.3.1.4. 二次有効性評価項目
4.3.1.4.1. mADCS-CGIC-激越スコア
FWE制御の一次分析が失敗したため、主要な二次評価項目分析mADCS-CGIC-激越スコアの結果は、公称p値で説明的に表示される。AVP-786-28及びAVP-786-42.63対プラセボの平均治療効果の差は、2つの実薬治療群の平均を使用した全体的な組み合わせMMRMでは有意ではなく(p=0.841;表69)、12週目でプラセボとの比較は、AVP-786-28(p=0.484)またはAVP-786-42.63(p=0.704)群のいずれの群でも有意ではなかった。12週目でのプラセボに対する治療差(CI)は、AVP-786-28では0.1(-0.2~0.4)、AVP-786-42.63では-0.1(-0.3~0.2)であった(表69)。
Figure 2023523373000137
4.3.1.4.2. CGIS-激越スコア
ベースラインから12週目までのCGIS-激越スコアの平均変化は、すべての群で同様であった(表70)。12週目での治療差は、複合比較において、またはAVP-786-28(p=0.468)若しくはAVP-786-42.63(p=0.158)対プラセボの比較において、有意ではなかった。12週目でのプラセボに対する治療差(CI)は、AVP-786-28とAVP-786-42.63の両方とも0.1(0.3~0.1)であった。
Figure 2023523373000138
Figure 2023523373000139
4.3.1.4.3. NPI合計スコア及びNPIドメインスコア
評価項目の激越/攻撃(ドメインスコアと介護者の苦痛スコア)、異常運動行動(ドメインスコア)、過敏性/不安定性(ドメインスコア)及びNPI合計スコアとして事前に同定されたNPIパラメーターは、表71にまとめられている。これらの結果は、以下で個別に説明する。その他のNPI評価項目については、以下で説明する。
Figure 2023523373000140
Figure 2023523373000141
さまざまな時点でのベースラインからのNPI激越/攻撃ドメインスコアの変化を以下の表71aに示す。
Figure 2023523373000142
Figure 2023523373000143
NPI-激越/攻撃ドメインスコアと介護者の苦痛スコア
プラセボとAVP-786-28またはAVP-786-42.63の間には、12週目のNPI-激越/攻撃ドメイン(プラセボ対AVP-786-28ではp=0.416、プラセボ対AVP-786-42.63ではp=0.066)またはNPI-激越/攻撃介護者の苦痛スコア(それぞれp=0.249及び0.199)で有意差はなかった。
NPI-激越/攻撃応答者の割合は、ベースラインから30%改善した患者と定義された応答者と、ベースラインから50%改善した患者と定義された応答者とで要約された。どちらの応答基準を使用しても、群間で応答率に有意差はなかった。
NPI-異常運動行動ドメインスコア
プラセボとAVP-786-28またはAVP-786-42.63の間には、12週目にNPI-異常運動行動ドメインスコアで有意差はなかった(プラセボ対AVP-786-28ではp=0.975、プラセボ対AVP-786-42.63ではp=0.334)。
NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア
AVP-786-42.63で治療された患者は、プラセボ群と比較して、NPI-過敏性/不安定性ドメインスコアに有意に大きい改善があり(公称レベルで有意、p=0.019)、治療差(CI)は-0.7(-1.3から-0.1)であった。プラセボとAVP-786-28の間で12週目のNPI合計スコアに有意差はなかった(p=0.756)。
NPI合計スコア
AVP-786-42.63で治療された患者は、プラセボ群と比較して、NPI合計スコアに有意に大きい改善があり(公称レベルで有意、p=0.038)、治療差(CI)は3.6(-7.0から-0.2)であった。プラセボとAVP-786-28の間で12週目のNPI合計スコアに有意差はなかった(p=0.756)。
4.3.1.4.4. NPI:その他のドメイン
12週目のAVP-786対プラセボを支持する有意な(公称レベルでは)治療差は次のとおりである。
・NPI-NPI4Aスコア、AVP-786-42.63対プラセボ:p=0.006
・NPI-過敏性/不安定性ドメインスコア、AVP-786-42.63対プラセボ:p=0.019
4.3.1.4.5. ADCS-CGIC-全体スコア
ADCS-CGIC-全体スコアの12週目の治療差は、表72に示すように、AVP-786-28(p=0.400)またはAVP-786-42.63(p=0.566)とプラセボとの比較では有意ではなかった。
Figure 2023523373000144
4.3.1.4.6. PGICスコア
PGICスコアの12週目の治療差は、表73に示すように、AVP-786-28(p=0.751)またはAVP-786-42.63(p=0.320)とプラセボとの比較では有意ではなかった。PGIC応答の概要(応答者として数えられる大幅な改善または非常に改善を報告した患者を含む)が提示される。GEEモデルは、AVP-786-28(p=0.492)またはAVP-786-42.63(p=0.123)のいずれについてもプラセボとの有意差を示さなかった。
Figure 2023523373000145
4.3.1.4.7. ザリット・バーデンインタビュー(Zarit Burden Interview)
12週目での治療差は、AVP-786-28(p=0.934)若しくはAVP-786-42.63(p=0.342)対プラセボの比較において、有意ではなかった。ZBI合計スコアに関する治療差を表74に示す。
Figure 2023523373000146
4.3.1.4.8. DEMQOL合計スコア
12週目での治療差は、AVP-786-28(p=0.782)若しくはAVP-786-42.63(p=0.991)対プラセボの比較において、有意ではなかった。DEMQOL合計スコアに関する治療差を表75に示す。
Figure 2023523373000147
DEMQOL-Proxyスコアを使用すると、QOLのベースラインから12週目までの改善はプラセボで最大であり、AVP-786-42.63とプラセボの比較は有意であった(p=0.006)これは、表76に示すように、AVP-786-42.63群のQOLの低下を示している。
Figure 2023523373000148
4.3.1.4.9. CSDDスコア
12週目のCSDDスコアにおける治療差は、表77に示すように、AVP-786-42.63(p=0.911)とプラセボとの比較では有意ではなかった。12週目でのAVP-786-28とプラセボの比較では、治療差はプラセボに有利であった(p=0.038;表77)。
Figure 2023523373000149
4.3.1.4.10. GMHR
GMHRは、ベースライン及び12週目にのみ実施された。ベースラインで、「良い」と評価された患者の割合(ベースラインでどの群でも「非常に良い」から「とても良い」と回答した患者はいなかった)は、プラセボ、AVP-786-28及びAVP-786-42.63でそれぞれ35.7%、29.3%、及び38.0%であった。12週目に、「非常に良い」と「とても良い」を報告した患者を合わせた割合は、それぞれ62.9%、62.0%、及び58.2%であった。
4.3.1.4.11. ADAS-cog
12週目での差は、AVP-786-28(p=0.236)若しくはAVP-786-42.63(p=0.684)対プラセボの比較において、有意ではなかった(表78)。プラセボと比較して、AVP-786治療群の認知の悪化はなかった。
Figure 2023523373000150
介護者の人口統計、介護者の仕事の状況、及び患者の居住施設は、ベースラインではグループ間で類似しており、どの群にも、ベースラインで医療リソースを使用していると報告した介護者はほとんどいなかった。介護者がさまざまな介護作業に費やした時間は、ベースラインではすべての群で同様であり、ベースラインから12週目まで特に変化はなかった。いずれの群でも、ベースライン、6週目、または12週目の前の30日間に、病院または緊急治療室への訪問はほとんど報告されなかった。すべての群のほとんどの患者(各時点で各治療群の約90%から95%)が、ベースライン、6週目、及び12週目の前の30日間に医療専門家を訪れた。これらの訪問のほとんどは、「他の」医療専門家への訪問であった。ヘルスケアの利用において、群間に有意な違いはなかった。
4.3.1.5. 患者の「有効性サブセット」の使用
一次分析は、ベースライン後の有効性評価が少なくとも1つある無作為化されたすべての患者として定義されるmITT集団で実施された。
4.3.1.6. 下位群の検討
CMAIデータは、併用薬及びベースライン状態の下位群別にまとめられた。臨床的に意味のある下位群の差はほとんど観察されなかった。
主要なCYP2D6基質であるベースラインの向精神薬の併用薬を受けていなかった患者は、そのような薬を受けていた患者よりもベースラインのCMAIスコアがわずかに高いように見えたが、どちらの群でもプラセボと実薬治療の間に応答に有意な差があるという証拠はなかった。
主要なCYP2D6基質であるベースラインベータ遮断薬の併用薬を受けていなかった患者の場合、12週目のCMAI合計スコア(AVP-786-42.63からプラセボを引いたもの)のLS平均差は-18.4であった(p=0.001)。AVP-786-28群は中間であり、プラセボとは有意差はなかった。ただし、これらの群の患者数は少なく(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63の患者はそれぞれ10、9、及び15人)、プラセボ群はベースラインスコアが有意に高かった(90.6、57.9、及び72.4)ことに注意されたい。主要なCYP2D6基質群であるベースラインのベータ遮断薬の併用薬を投与されている下位群には、より多くの患者が含まれており、その平均値はベースライン時と12週目で同様であった。
CMAI下位尺度のF1-攻撃的な行動、F2-身体的に非攻撃的な行動、及びF3-言語的激越行動は、ベースラインで(CMAIマニュアル及び本明細書の他の箇所で定義されているように)激越した患者の下位群で再分析された。ベースラインから12週目までの変化におけるプラセボとの差は、AVP-786-28とAVP-786-42.63を組み合わせた群、またはいずれかの実薬群で個別に有意ではなかった。
CMAI下位尺度ごとに個別に定義されているように、激越した患者と激越しなかった患者の割合を比較する追加の下位尺度分析を実施した。激越状態対非激越状態のベースラインから治療終了までのシフト表(CMAIマニュアル及び本明細書の他の箇所で定義)は、CMAI因子1-攻撃的行動、CMAI因子2-身体的に非攻撃的な行動、及びCMAI因子3-言語的激越行動について提示されている。因子1では、ベースラインで激越していた状態から治療終了時に非激越状態に移行した患者の割合は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63ではそれぞれ65/166(ベースラインで激越していた状態から治療終了時に非激越状態に移行した患者の数/ベースラインで激越していた患者の数)(39.2%)、40/99(40.4%)、及び48/104(46.2%)であった。因子2では、割合は33/187(17.6%)、37/131(28.2%)、及び33/140(23.6%)であった。因子3では、割合は33/192(17.2%)、36/135(26.7%)、及び29/149(19.5%)であった。
4.3.2. 薬物投与量、薬物濃度、及び応答との関係
セクション4.5及びセクション4.6を参照されたい。
4.3.3. 患者別表示
有効性データの追加の患者別表示は用意しなかった。
4.3.4. 有効性の結論
主要有効性評価項目(CMAI合計スコア):
・事前定義されたFWE制御(クローズドテスト)手順の一次テストに合格しなかったため、個々の治療群の結果を説明的に表示する。AVP-786-28及びAVP-786-42.63で治療された患者は、12週目にCMAI合計スコアのベースラインからの低下(改善)を示した。しかし、ベースラインからの変化はプラセボ群と同様であり、プラセボとの有意差はなかった。12週目のプラセボに対する治療差(CI)は、AVP-786-28で0.4(-2.7~3.5;p=0.789)、AVP-786-42.63で-2.0(-5.0~1.0;p=0.200)であった。
・感度分析:CMAI合計スコアの感度分析の結果は、主要な分析をサポートした。
主要な二次有効性評価項目(mADCS-CGIC-激越スコア及びCGIS-激越スコア):
・mADCS-CGIC-激越スコアについて、AVP-786-28及びAVP-786-42.63対プラセボの平均治療効果の差は、全体的な組み合わせMMRMでは有意ではなく(p=0.841)、12週目でプラセボとの比較は、AVP-786-28(p=0.484)またはAVP-786-42.63(p=0.704)群のいずれの群でも有意ではなかった。12週目でのプラセボに対する治療差(CI)は、AVP-786-28では0.1(-0.2~0.4)、AVP-786-42.63では-0.1(-0.3~0.2)であった。
・CGIS-激越スコアについて、12週目での治療差は、複合比較において、またはAVP-786-28(p=0.468)若しくはAVP-786-42.63(p=0.158)対プラセボの比較において、有意ではなかった。12週目でのプラセボに対する治療差(CI)は、AVP-786-28とAVP-786-42.63の両方とも0.1(0.3~0.1)であった。
その他の二次有効性評価項目
NPI-過敏性/不安定性ドメインスコアについて、ベースラインから12週目までの減少(改善)がAVP-786-42.63(治療差[CI]は-0.7[-1.3~-0.1])では有意に大きかった(公称レベルで、p=0.019)。AVP-786-28では、その差は有意ではなかった。
NPI合計スコアについて、ベースラインから12週目までの減少(改善)がAVP-786-42.63(治療差[CI]は3.6[7.0~0.2])では有意に大きかった(公称レベルで、p=0.038)。AVP-786-28では、その差は有意ではなかった。
4.4. 薬物動態学及び薬力学結果
4.4.1. d6-DM、Q、及び代謝物の血漿濃度
43日目(来診4;6週目)及び85日目(来診6;12週目)に、d6-DM、d6-DM代謝物、及びQの血漿レベルを分析するために、治験薬の午前中投与後0~3時間の間に患者から血液試料を採取した。患者に治験薬を投与した時間及び採血の時間を記録した。血漿試料は遠心分離され、分析ユニットでアッセイされるまで-20℃で凍結された。
d6-DM、ならびにその代謝物のd3-デキストロルファン(d3-DX)、d3-3-メトキシモルフィナン(d3-3-MM)、及びQの血漿濃度データを、代謝物、CYP2D6代謝群、治療群、及び来診別に表79にまとめる。6週目と12週目の間に、すべての患者を組み合わせた場合、または代謝群のいずれの場合でも、いずれの用量レベルの分析物についても有意な差はなかった。概して、d6-DM及びd3-3-MMの濃度は、低代謝群及び中代謝群で最も高く、超高速代謝群で最も低かった。d3-DXへの曝露は、低代謝群で最も低く、高代謝群及び超高速代謝群で最も高かった。平均値と中央値で示される血漿濃度は、d6-DM、及びd3-DXの方が、d6-DM用量が高いほど一般的に高く、Q値は両方のd6-DM用量で類似していた。
Figure 2023523373000151
Figure 2023523373000152
Figure 2023523373000153
4.5. 薬物動態のまとめ及び考察
6週目から12週目まで、組み合わせた全患者には、d6-DM、d3-DX、d3-3-MM、及びQの血漿濃度に有意な変化は見られなかった。d6-DM及びd3ーDXへの曝露は、AVP-786のd6-DM用量の増加と共に増加した。
5. 安全性評価
5.1. 暴露の程度
暴露の平均(SD)期間は、治療群全体で類似していた。プラセボを投与された患者、AVP-786-28を投与された患者、及びAVP-786-42.63を投与された患者では、それぞれ82.4(15.5)、76.1(21.6)、及び82.2(15.7)日であった(表80)。
Figure 2023523373000154
5.2. 有害事象
TEAEは、スクリーニング来診後及び治験薬の最終投与から30日後まで、各来診時に収集された。TEAEは、初回投与日以降、最終投与日+30日より前に開始または悪化した有害事象として定義された。
5.2.1. 有害事象の要約
安全性集団の521人の患者のうち、241人の患者(46.3%)は、合計639のTEAEを報告した(表81)。AVP-786-28及びAVP-786-42.63群の患者のTEAEの発生率は、プラセボ群の44.8%と比較して、それぞれ48.3%及び46.3%であった。AVP-786で治療された患者は、プラセボと比較して治験責任医師が治験薬に関連すると考えたTEAEの発生率が高かった(6.2%プラセボ、12.6%AVP-786-28、及び15.0%AVP-786-42.63)。非重篤なTEAEの発生率は、治療群間で同様であった。
全体として、SAEの発生率(6.3%)、TEAEによる中止(3.5%)、及び死亡(0.6%)はこの高齢者集団では低かった。AVP-786-28で治療された患者は、プラセボ群と比較してSAEの発生率が高かった(それぞれ9.9%対4.8%)が、発生率は、AVP-786-42.63群とプラセボ群の間で同様であった(それぞれ5.0%及び4.8%)。AVP-786-28で治療された患者は、プラセボと比較してTEAEによる中止の発生率も高かった(それぞれ6.6%対1.0%)。薬物関連のSAEまたはTEAEによる中止を経験した患者はほとんどおらず、治験責任医師は、治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
Figure 2023523373000155
5.2.2. 有害事象の分析
5.2.2.1. 発生率が最も高い有害事象
TEAEの発生率が最も高いSOC(いずれの治療群でも10%以上の患者)は、感染及び侵襲(全プラセボ、全AVP-786-18、及び全AVP-786-28群ではそれぞれ18.1%、17.2%、及び10.0%)、神経系障害(それぞれ8.1%、13.9%、及び11.3%)、胃腸障害(それぞれ11.0%、9.9%、及び10.0%)、傷害、中毒及び手技上の合併症(それぞれ5.7%、12.6%、及び7.5%)、ならびに精神障害(それぞれ11.0%、4.0%、及び7.5%)を含んだ(表82)。
PTによって、最も頻繁に報告されたTEAE(いずれの治療群の患者の2%以上;表82)のうち、プラセボと比較していずれの実薬治療群の患者のより高い割合で発生したものは、転倒(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ4.3%、10.6%、及び6.3%の患者)、尿路感染症(それぞれ5.2%、7.3%、及び2.5%の患者)、傾眠(それぞれ1.0%、2.6%、及び6.9%の患者)、めまい(それぞれ1.9%、2.0%、及び4.4%の患者)、ほてり(それぞれ0、2.0%、及び0人の患者)、及び失神(それぞれ0、2.0%、及び0人の患者)であった。
プラセボを投与された患者は、激越の発生率が最も高かった(5.7%プラセボ、1.3%AVP-786-28、及び3.1%AVP-42.63)。
Figure 2023523373000156
Figure 2023523373000157
5.2.2.2. 発症までの時間、期間、及び再発による一般的な有害事象
実薬治療中に高い発生率で報告された一般的なTEAEは、発症までの時間、期間、及び再発によって要約された。これらの分析では、一般的なTEAEは、AVP-786のいずれかの群で発生率が3%以上、かつプラセボ群での発生率の2倍以上であるTEAEとして定義された。この定義を満たす唯一のTEAEは傾眠(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群ではそれぞれ1.0%、2.6%、及び6.9%)であった。傾眠開始までの時間の中央値は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群ではそれぞれ14.5、9.5、及び2.0日であった。
傾眠期間の中央値は、すべての治療群で同様であった。傾眠期間の中央値は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ54日(試験日数の82.5%)、59日(69.4%)、及び56日(71.4%)であった。
2人の患者は一般的なTEAEの再発を経験した。AVP-786-42.63群の2人の患者は、再発性の傾眠を経験した。
5.2.2.3. 治験薬と有害事象の関係
プラセボ群(6.2%)と比較して、AVP-786-28及びAVP-786-42.63群の患者は、薬剤関連TEAEの発生率が高かった(それぞれ12.6%及び15.0%)(表83)。SOCによって、プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群で最も頻繁に報告された薬剤関連のTEAE(いずれの治療群で患者の3%以上)は、神経系障害(それぞれ1.9%、5.3%、及び8.1%)及び胃腸障害(それぞれ0.5%、4.0%、及び4.4%)であった。
最も頻繁に報告された薬物関連のTEAE(いずれの治療群の患者の2%以上)は、傾眠(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ1.0%、1.3%、及び5.6%の患者)、めまい(それぞれ0、0.7%、及び2.5%の患者)、頭痛(それぞれ0.5%、2.0%、及び0.6%の患者)、及び転倒(それぞれ0、2.0%、及び0人の患者)であった(表83)。
Figure 2023523373000158
5.2.2.4. 重症度別有害事象
全体として、試験中の重篤なTEAEの発生率は低かった(4.8%)。AVP-786-28群の患者は、プラセボ群と比較して重度のTEAEの発生率が高かったが、AVP-786-42.63群の発生率はプラセボ群より低かった(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ4.8%、9.9%、及び5.0%)。2人以上の患者から報告された重度のTEAEは肺炎(それぞれ0、1.3%、及び0人の患者)、転倒(それぞれ0.5%、0.7%、及び0人の患者)、増加した好酸球数(それぞれ1.0%、0、及び0人の患者)、脳症(それぞれ0、0.7%、及び0.6%の患者)、失神(それぞれ0、1.3%、及び0人の患者)、呼吸不全(それぞれ0.5%、0.7%、及び0人の患者)、及び低血圧(それぞれ0、1.3%、及び0人の患者)。
5.2.2.5. 主要なCYP2D6基質ベータ遮断薬の併用薬のベースライン使用による有害事象の分析
ベースライン来診時に主要なCYP2D6基質として分類されるベータ遮断薬を使用していた患者は、プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ41人、32人、及び37人いた。概して、これらの患者の全体的なTEAEプロファイルは、主要なCYP2D6基質であるベータ遮断薬を使用していなかった患者(表84)及び全安全性集団で観察されたプロファイルと一致していた。
Figure 2023523373000159
5.2.2.6. 死亡数
この試験中に3人の患者(全体で0.6%)が死亡した(表85)。3例の死亡はすべてAVP-786-28に無作為に割り付けられた患者で発生し、死因は肺炎、脳症、及び呼吸不全であった。治験責任医師が治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
Figure 2023523373000160
5.2.2.7. その他の重篤な有害事象
全体として、患者の6.3%が試験中にSAEを経験した。AVP-786-28群の患者は、プラセボ群と比較してSAEの発生率が高かった(それぞれ9.9%及び4.8%)が、SAE発生率は、AVP-786-42.63群とプラセボ群の間で同様であった(それぞれ5.0%及び4.8%)。2人以上の患者で報告されたSAEはほとんどなかった(表86)。
全体として、SAEの発生率が最も高いSOCは感染及び侵襲であり、13人の患者(2.5%)はSAEを経験した(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ1.9%、3.3%、及び2.5%)。
PTによって、どの治療群でも2人以上の患者が経験したSAEは、肺炎(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ0.5%、2.0%、及び0.6%)、転倒(それぞれ0.5%、2.0%、及び0%)、精神状態の変化(それぞれ0%、0.7%、及び1.3%)、及び失神(それぞれ0%、2.0%、及び0%;表86)。
1人の患者は、治験責任医師が薬物関連の可能性があると考えたSAEを報告した。AVP-786-28群の患者(患者224-004)は、失神及び転倒のおそらく薬物関連のSAEを経験した。失神の強度は重度であり、転倒は中等度であり、両方の事象は同じ日に解消された。患者は同じ日に正常圧水頭症の重篤な有害事象も経験した。この事象は治験薬とは無関係であり、強度は中等度であると考えられ、2日後に解消された。患者は、正常圧水頭症のSAEのため治療を中止した。
Figure 2023523373000161
5.2.2.8. その他の重大な有害事象
5.2.2.8.1. 治療中止に至った有害事象
全体として、患者の3.5%が少なくとも1つのTEAEのために治療を中止した。プラセボ群(1.0%)と比較して、AVP-786-28(6.6%)及びAVP-786-42.63(3.8%)群の患者は、TEAEのために治療を中止した割合が高かった(表87)。いずれの治療群においても、1つのTEAEによって2人以上の患者が中止したことはなかった。
プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ1人(0.5%)、1人(0.7%)、及び4人(2.5%)の患者が薬剤関連のTEAEにより治療中止に至った。
Figure 2023523373000162
5.2.2.8.2. 治療に伴う対象の有害事象
転倒
転倒は、すべての治療群で最も頻繁に報告されたTEAEであり、全体で6.7%の患者が少なくとも1回の転倒のTEAEを報告した(表88)。プラセボ群(4.3%)及びAVP-786-42.63群(6.3%)と比較して、AVP-786-28群の患者は、転倒の発生率が最も高かった(10.6%)。全体として、4人の患者がSAEである転倒を経験し(プラセボで1[0.5%]、AVP-786-28で3[2.0%])、1人の患者(AVP-786-28)のみが、治験薬に関連すると考えられた重篤な転倒を経験した。転倒の大部分は、重症度が軽度から中等度であった。2人の患者(プラセボで1[0.5%]、AVP-786-28で1[0.7%])は重篤な転倒を経験した。1人の患者が転倒し、治療を中止した。
Figure 2023523373000163
洞性徐脈
洞性徐脈事象には、洞性徐脈及び徐脈のTEAEが含まれる。4人の患者(0.8%)が洞性徐脈事象を報告し(表89)、プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群ではそれぞれ3人(1.4%)、1人(0.7%)、及び0人の患者であった。
Figure 2023523373000164
発疹
発疹事象には、発疹及び接触皮膚炎のTEAEが含まれる。合計4件の発疹が報告された。プラセボ群とAVP-786-42.63群でそれぞれ2人の患者であった(それぞれ1.0%と1.3%;表90)。発疹のすべての事象は重症度が軽度であると見なされ、SAEとして報告されておらず、治療の中止につながったものもなかった。
Figure 2023523373000165
血小板減少症
AVP-786で治療された患者は血小板減少症のTEAEを報告しておらず、プラセボで治療された1人の患者は血小板減少症のTEAEを報告した。この血小板減少症事象は軽度で重篤ではなく、治療とは関係がないと考えられていた。治験薬の用量はTEAEのために変更されておらず、事象は治験終了時に進行中であった。患者(患者255-008)の血小板数は、3週目にベースライン値の129×109/L(正常範囲150~450×109/L)から89×109/Lに減少した(2日後の再テスト時に136×109/Lであった)。患者の血小板数は6週目に112×109/Lであり、6日後の再テスト時に80×109/Lであり、その時TEAEが開始した。患者は試験を完了し、血小板は試験の残りの日に95×109/L以上のままであった。
血液検査結果について、プラセボ群の4人(2.0%)の患者AVP-786-28群の1人(0.7%)の患者は、低血小板の潜在的に臨床的に重要な(PCS)基準を満たした。プラセボ群で低血小板のPCS基準を満たした1人の患者は、血小板減少症のTEAEを報告した患者であった。血小板が正常値から低値に変化した患者の割合は、プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ2.4%、2.1%、及び1.3%であった。
セロトニン症候群
セロトニン症候群のTEAEを報告した患者はいなかった。
5.3. 臨床検査評価
5.3.1. 各検査パラメーターの評価
概して、化学若しくは血液学パラメーターの平均値、または尿検査の定量的測定において、ベースラインからの臨床的に意味のある変化の証拠はいずれの治療群にもなかった。
5.3.1.1. 経時的な検査値
ベースラインでの低、正常、または高値から治療終了時の低、正常、または高値への化学的及び血液学的値のシフトを有する患者の割合は、来診によって示される。
5.3.1.1.1. 化学的性質
全体として、わずかな割合の患者が、ベースラインから治療終了までの化学パラメーターの変化(正常範囲に対して低、正常、または高)を示した。いずれの治療群において10%を超える患者がベースラインで正常で治療終了時に高値であった唯一の化学パラメーターは、コレステロール(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ8.2%、11.0%、及び11.4%)及びトリグリセリド(それぞれ11.6%、14.4%、及び11.4%)であった。
5.3.1.1.2. 血液学
全体として、わずかな割合の患者が、ベースラインから治療終了までの血液学パラメーターの変化(正常範囲に対して低、正常、または高)を示した。いずれの治療群においても、ベースラインで正常で治療終了時に低い血液学的パラメーターは患者の10%を超えていなかった。
5.3.1.1.3. 尿検査
尿検査測定値に臨床的に意味のある変化はなかった。比重の正常範囲外に多くのシフトがあったが、それらは治療群に関連しているようには見えなかった。
5.3.2. 個々の潜在的に臨床的に重要な異常
全体として、化学または血液学パラメーターのPCS基準を満たした患者の割合は全ての治療群で低かった。表91は、いずれかの治療群の5%以上の患者ではPCS基準が満たされたパラメーターをまとめたものである。
化学または血液学パラメーターにPCS異常を有する患者の割合は、治療群間で一般的に類似していた。プラセボ群と比較して、AVP-786-42.63群の患者は、上昇したカリウム(7.6%対3.9%)及び上昇した好酸球/白血球(8.9%対5.8%)でPCS基準を満たした割合が高かった。プラセボ群と比較して、AVP-786-28群の患者は、上昇したグルコース(15.8%対11.6%)、上昇したトリグリセリド(13.7%対11.1%)、及び上昇したカリウム(5.5%対3.9%)でPCS基準を満たした割合が高かった。
Figure 2023523373000166
5.4. 安全性に関するバイタルサイン、身体的初見、及び他の観察
5.4.1. 心電図
概して、来診間または来診中のいずれの治療群についても、ECGパラメーターの臨床的に意味のある平均変化の証拠はなかった。QTcFの平均及び中央値の変化は、各群の各来診で±2%以内であった。12週目のベースラインからの平均(SD)変化は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ2.6(12.7)、3.4(14.3)、及び2.7(11.8)ミリ秒であった。1日目の投与前から投与後までの平均変化は、それぞれ1.7(13.5)、1.2(12.9)、及び3.4(11.6)ミリ秒であった。
プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でベースラインと比較して、少数の患者は、QTcF>500ミリ秒(男女合わせて)のPCS基準を満たし、またはQTcFが60ミリ秒以上増加した(QTcF>500ミリ秒:それぞれ1[0.5%]、1[0.7%]、及び0;QTcFが60ミリ秒以上増加:それぞれ0、1[0.7%]、及び0)。
心電図または心拍リズムの異常であったTEAEのうち、心房細動(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ患者1人[0.5%]、2人[1.3%]、及び0%)及び洞性徐脈(それぞれ2[1.0%]、0%、及び0%)は、1つの群で2人以上の患者が経験した。
Figure 2023523373000167
Figure 2023523373000168
5.4.2. バイタルサイン
収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、呼吸数、または体温について、ベースラインから立位または仰臥位でのベースライン後の来診まで、顕著な平均または中央値の変化はなかった。
ベースライン後の来診では、仰臥位から立位への有意な平均または中央値の変化はなかった。立っているときの心拍数の増加は最大10%であったが、すべての治療群で同様であった。
PCSバイタルサイン異常を経験した患者の割合は低く、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群で同様であった。
PCS起立性低血圧患者の割合はすべての群で高かった(プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でそれぞれ17.8%、22.5%、及び21.5%)。全体で、14人の患者(2.7%)はめまいのTEAEがあった。治療群ごとに、めまいのTEAEを有する患者の割合はそれぞれ1.9%、2.0%、及び4.4%であった。3人の患者(0.6%)は失神のTEAEがあった(全てはAVP-786-28群)。5人の患者(1.0%)は低血圧のTEAEがあり(それぞれ0.5%、2.0%、及び0.6%)、及び1人の患者(0.5%)は起立性低血圧のTEAEがあった(プラセボ群)。転倒は、本明細書の別の箇所で提示される。
Figure 2023523373000169
Figure 2023523373000170
5.4.3. シーハン自殺傾向追跡尺度
S-STSのベースライン後の評価に基づくと、どの治療群でも自殺行動や自殺念慮が増加したという証拠はなかった。
5.4.4. ミニメンタルステート検査
MMSE合計スコアによって測定されたように、どの治療群においても認知の臨床的に有意な平均または中央値の変化の証拠はなかった。12週目のベースラインからの平均(SD)変化は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ0.4(3.1)、0.8(2.9)、及び1.1(2.5)ミリ秒であった。
5.4.5. Timed Up and Go(TUG)テスト
いずれの群においても、TUGテストで臨床的に有意な平均または中央値の変化を示す証拠はなかった。
5.4.6. エプワース眠気尺度
12週目のベースラインからの平均(SD)変化は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ-0.4(3.1)、0.0(4.3)、及び-0.8(4.1)ミリ秒であった。眠気に関連するTEAEは、傾眠(それぞれ1.0%、2.6%、及び6.9%)、疲労(それぞれ1.0%、0.7%、及び0.6%)、無気力(それぞれ0%、1.3%、及び0%)、及び鎮静(それぞれ0.5%、0%、及び0%)であった。
5.5. 安全性に関する結論
TEAEの発生率は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群で類似していた(それぞれ44.8%、48.3%、及び46.3%)。
AVP-786群の患者でより高い割合で発生した、最も頻繁に報告されたTEAE(いずれの治療群でも5%以上の患者)は次のとおりであった:
・転倒(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ4.3%、10.6%、及び6.3%)
・尿路感染(それぞれ5.2%、7.3%、2.5%)
・眠気(それぞれ1.0%、2.6%、6.9%)
・めまい(それぞれ1.9%、2.0%、4.4%)
・ほてり(それぞれ0%、2.0%、0%)
・失神(それぞれ0%、2.0%、0%)
AVP-786-28群及びAVP-786-42.63群と比較して、プラセボ群において激越が報告された患者の割合がより高かった(それぞれ5.7%、1.3%、及び3.1%)。
プラセボ群と比較して、AVP-786-28及びAVP-786-42.63群の患者は、薬剤関連TEAEの発生率が高かった(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ6.2%、12.6%及び15.0%)。最も頻繁に報告された薬物関連のTEAE(いずれの治療群の患者の2%以上)は、傾眠(それぞれ1.0%、1.3%、及び5.6%)、めまい(それぞれ0、0.7%、及び2.5%)、頭痛(それぞれ0.5%、2.0%、及び0.6%)、及び転倒(それぞれ0%、2.0%、及び0%)であった。
AVP-786-28群及びAVP-786-42.63群の患者は、プラセボ群と比較して、TEAEのために治療を中止した割合が高かった(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ1.0%、6.6%、及び3.8%)。いずれの治療群においても、1つのTEAEによって2人以上の患者が中止したことはなかった。
プラセボ群及びAVP-786-42.63群と比較して、AVP-786-28群の患者は、SAEの発生率が高かった(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ4.8%、9.9%及び5.0%)。AVP-786群の患者でより高い人数で発生した、最も頻繁に報告されたSAE(いずれの治療群でも2人以上の患者)は次のとおりであった:
・肺炎(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ0.5%、2.0%、及び 0.6%)
・転倒(それぞれ0.5%、2.0%、及び0%)
・精神状態の変化(それぞれ0%、0.7%、及び1.3%)
・失神(それぞれ0%、2.0%、0%)
3人の患者(0.6%)は試験中に死亡した。3人ともAVP-786-28群にいた。治験責任医師が治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
AVP-786の対象となるTEAEは、転倒、洞性徐脈、発疹、血小板減少症、及びセロトニン症候群の事象であった。
・転倒は、全治療群で最も頻繁に報告されたTEAEであった。6.7%の患者が転倒によるTEAEを報告した(プラセボ群、AVP-786-18群、及びAVP-786-28群でそれぞれ4.3%、10.6%、及び6.3%)。転倒のTEAEは、一般に軽度から中等度の重症度であった。SAEとして報告した(0.8%)、治験薬の中止に至った(0.2%)、または治験薬に関連すると考えられた(0.6%)転倒はほとんどなかった。
・対象となる残りのTEAEについては、少数の患者がこれらのタイプの事象を報告した。4人の患者が洞性徐脈事象を報告した(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群ではそれぞれ1.4%、0.7%、及び0%)。4人の患者が発疹事象を報告した(それぞれ1.0%、0%、及び1.3%)。プラセボで治療された1人の患者は、血小板減少症のTEAEを報告した。セロトニン症候群のTEAEを報告した患者はいなかった。
臨床検査、心電図、またはバイタルサインによって追加の安全性リスクは確認されなかった。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786で治療された患者では、認知機能低下または自殺のリスクの増加は観察されなかった。
6. 考察及び全体的な結論
激越及び/または攻撃は認知症患者の約80%に影響すると推定されており、アルツハイマー病は認知症の最も一般的な形態である。認知症における激越は、機能的能力、QOL、介護者の負担、施設収容、医療費、及び死亡率に重大な悪影響を及ぼす。AVP-786は、アルツハイマー型認知症の激越を軽減することが期待されている。
これは、アルツハイマー型認知症に関連する臨床的に有意な中等度/重度の激越を有する患者の治療のためのAVP―786の有効性、安全性、及び忍容性を評価するためのフェーズ3、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験であった。
合計522人の患者が治療のために無作為に割り付けられ、そのうち519人がmITT集団に含まれ、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群にそれぞれ210、150、及び159人のmITT患者が含まれた。mITT集団の群は、性別、人種、民族性、及び年齢に関してバランスが取れていた。ほとんどの患者が試験を完了した(セクション10.1)。
AVP-786群とプラセボ群の間には主要評価項目であるCMAI合計スコアに有意差はなかったが、プラセボ群と比較してAVP-786-42.63群に有利な数値改善があった(治療差-2.0[-5.0~1.0];p=0.200)。
プラセボと比較したAVP-786-42.63の有意であった追加の有効性評価項目(公称有意水準、p<0.05) には以下が含まれた。
・NPI-過敏性ドメインスコア
・NPI合計スコア
薬物動態
6週目から12週目まで、d6-DM、d3-DX、d3-3-MM、及びQの血漿濃度に有意な変化は見られなかった。d6-DM及びd3-DXへの曝露は、AVP-786のd6-DM用量の増加と共に増加し、CYP2D6の患者の遺伝子型と一致している。
安全性
AVP-786-28及びAVP-786-42.63による治療は、試験中、一般的に忍容性が良好であった。TEAEの発生率は、プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群で類似していた(それぞれ44.8%、48.3%、及び46.3%)。AVP-786治療群の患者でより高い割合で発生した最も頻繁に報告されたTEAE(2%以上)は、転倒、尿路感染症、傾眠、めまい、ほてり、及び失神であった。ただし、治験薬に関連すると考えられたものや、治療の中止につながったものはほとんどなかった。
全体として、TEAEによる中止の発生率(3.5%)及び発生率のSAE(6.3%)は、高齢患者集団を対象とした12週間の試験では低かった。AVP-786-28群及びAVP-786-42.63群の患者は、プラセボ群と比較して、TEAEのために治療を中止した割合が高かった(プラセボ群、AVP-786-28群、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ1.0%、6.6%、及び3.8%)。また、AVP-786-28群でのSAEの発生率は、他の治療群のいずれよりも高かった(それぞれ4.8%、9.9%、及び5.0%)。いずれの治療群においても、1つのTEAEによって2人以上の患者が中止したことはなかった。
最も頻繁に報告されたSAEは、肺炎、転倒、精神状態の変化、及び失神であった。いずれの治療群でも3人を超える患者からSAEは報告されなかった。
3人の患者(0.6%)は試験中に死亡した。3人ともAVP-786-28群にいた。治験責任医師が治験薬に関連すると考えられた死亡例はなかった。
AVP-786の対象となるTEAEは、転倒、洞性徐脈、発疹、血小板減少症、及びセロトニン症候群の事象であった。転倒は、全治療群で最も頻繁に報告されたTEAEであった。35人(6.7%)の患者は転倒のTEAEを報告した(プラセボ、AVP-786-28、及びAVP-786-42.63群でそれぞれ4.3%、10.6%、及び6.3%)。これらのTEAEの重症度は一般に軽度から中等度であり、SAEとして報告されたもの、治験薬の中止に至ったもの、または治験薬に関連していると考えられたものはほとんどなかった。対象となるその他のTEAEはまれであり(全体で1.0%未満)、重度または重篤になることはめったになく、中止の原因になることはめったになかった。
臨床検査、心電図、またはバイタルサインによって追加の臨床的に有意な安全性リスクは確認されなかった。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786で治療された患者では、認知機能低下または自殺のリスクの増加は観察されなかった。
全体的な結論:
CMAI合計スコアの12週目のベースラインからの変化において、AVP-786群とプラセボ群の間に統計的に有意な差はなかった。ただし、プラセボと比較して、AVP-786-42.63群に有利な数値の改善があった。
AVP-786治療は両方の用量レベルで安全であり、一般的に忍容性は良好であった。TEAE、薬物関連のTEAE、SAE、及びTEAEによる中止の発生率は、プラセボ群とAVP-786-42.63群で同様であったが、AVP-786-28群でより高かった。臨床検査、心電図、またはバイタルサインによって追加の安全性リスクは確認されなかった。プラセボで治療された患者と比較して、AVP-786で治療された患者では、認知機能低下または自殺のリスクの増加は観察されなかった。

Claims (12)

  1. 治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)及び硫酸キニジンを対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する激越の治療に使用する方法であって、前記対象がアルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法が前記投与前の前記患者におけるコーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアを決定することを含む、前記方法。
  2. 前記患者は、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが32以上、例えば33~150、例えば45~120、例えば55~90であると評価されている、請求項1に記載の方法。
  3. 治療有効量の重水素化[d6]-デキストロメトルファン臭化水素酸塩(d6-DM)またはその塩、及びキニジンまたはその塩を対象に投与することを含む、前記対象におけるアルツハイマー病に関連する言語的激越を治療する方法であって、前記対象がアルツハイマー病を有すると診断された患者であり、前記方法が前記投与前の前記患者におけるCMAI言語的激越行動スコアを決定することを含む、前記方法。
  4. 前記方法が、前記投与前に前記患者の前記CMAI合計スコアを決定することを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記患者は、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(Cohen-Mansfield agitation inventory、CMAI)合計スコアが32以上、例えば33~150、例えば45~120、例えば55~90であると評価されている、請求項4に記載の方法。
  6. 前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上、例えば8~28、例えば12~25、例えば12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25であると評価されている、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが8以上であると評価されている、請求項6に記載の方法。
  8. 前記患者は、CMAI言語的激越行動スコアが25を超えると評価されている、請求項6に記載の方法。
  9. 前記投与ステップ後に前記患者の前記CMAI合計スコアを決定する工程をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記投与ステップ後に前記患者の前記CMAI言語的激越行動スコアを決定する工程をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記投与ステップ前の前記患者における前記CMAI言語的激越行動スコアと前記投与ステップ後の前記患者における前記CMAI言語的激越行動スコアとの差は、少なくとも1、例えば1~20、例えば2~20、例えば3~15、例えば4~15、例えば5~15、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記投与ステップ後の前記患者の前記CMAI言語的激越行動スコアは、前記投与ステップ前の前記患者の前記CMAI言語的激越行動スコアよりも少なくとも1%低い、例えば1%~70%低い、例えば2%~65%低い、例えば3%~60%低い、例えば4%~55%低い、例えば5%~50%低い、例えば6%~45%低い、例えば7%~40%低い、例えば8%~35%低い、例えば9%~30%低い、例えば10%~25%低い、例えば10%~20%低い、例えば15%低い、請求項10または11に記載の方法。
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