JP2002544156A - 早期射精改善のための投薬計画およびキット - Google Patents

早期射精改善のための投薬計画およびキット

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マクマーン,クリス
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Abstract

(57)【要約】 早期射精障害に苦しむ男性患者を、性交前の実質的に数時間以内のパロキセチン投与による経口治療投薬計画によって治療する。パロキセチン治療の有効効果は、経口治療投薬計画を組合わせることによって最適化および維持することが可能であり、ここで、患者は、比較的短期間にわたってパロキセチンを毎日摂取する初期装填期間の後に、継続維持パロキセチン投与に切換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、性機能不全の治療に関するものであり、より詳細には、ヒト男性患
者における早発射精を軽減するための治療方式及びキットに関するものである。
【0002】 (発明の背景) 早発射精(PE)は、男性の性生活におけるある時期において、男性のうちの
恐らくは75%もの高い割合に影響を及ぼす最も一般的な男性の性機能障害であ
る。Diagnostic and Statistical Manual
of Psychiarry(DSM−IV)は、早発射精を、「...著しい
窮迫または対人関係の困難性...」と関係する「性器挿入前、または性器挿入
直後、及び、その男性が欲する前の...極めて小さな性的刺激による持続性ま
たは再発性の射精」と定義している。この障害は、通常、一次性であり、二次性
の場合には、有意な程度の夫婦間の騒動と関わることが多い。
【0003】 一次性の早発射精は、遂行の不安、恐れ、あるいは心理的外傷による一定不変
な心因性のものであり、現在の研究は、ある早発射精が生体的な素地を有してい
る可能性があることを示唆している。早発射精は、これまで主に、その男性の性
交パートナーの協力も必要とする精神性欲カウンセリングにより治療されてきた
。しかし、多くの男性は、社会的汚名に対する恐れ、あるいは、カウンセリング
の会合へ出席することに対する不本意等、様々な個人的理由から、精神性欲カウ
ンセリングの試行を全うすることを辞退するか、あるいは途中で止めてしまう。
また、他の男性は、精神性欲カウンセリングにより応答が報告されるよりももっ
と迅速な応答を要求するかもしれず、あるいは、そのカウンセリングの会合へ参
加する意志を有する性交パートナーを持っていないかもしれない。
【0004】 最近、クロミプラミン、フルオキセチン、セルトラリン、及びパロキセチン等
の選択的なセロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)抗鬱薬が、早発射精患者に
対する代替的な新しい治療法として登場した。その一方で、クロルジアゼポキシ
ド(LIBRIUM(登録商標))及びジアゼパム(VALIUM(登録商標)
)等の抗不安薬は、早発射精の治療には適していない。
【0005】 射精及びそれに続くオルガスムの精神神経学的コントロールを遅らせるために
中枢的に及び/又は局所的に作用する多くの精神作用性薬剤及び抗鬱性薬剤の一
般的な有害効果は遅発射精である。一般的に、抗鬱薬は、一つより多くの神経伝
達物質系に影響を及ぼし、そして、多数のレセプターに対して親和性を有してい
る。動物試験は、中枢神経伝達物質セロトニンが性機能に関する阻害効果を有し
ており、一方、ドーパミンは総じて刺激性であることを示している。性機能への
影響は、セロトニンとドーパミンのうちのいずれかの神経伝達物質、あるいはそ
れらの両方の神経伝達物質が増加または減少することによる、このセロトニン−
ドーパミン平衡における何らかのシフトを通じて起こり得る。
【0006】 SSRI抗鬱薬による作用の不均一性は、性機能応答サイクルに関するものを
含む混合された影響をもたらす。遅発射精や完全に無能化された射精(射精不能
)等、抗鬱薬に関連する性機能不全は、多くの症例報告書や研究論文、及び再調
査論文のテーマとなってきた。乱用の潜在的可能性がなく、比較的良性の副作用
プロフィールを有し、そして、かなり一貫した遅発射精の報告が為されているこ
とから、日常ベースで摂取されるSSRI抗鬱薬は、特に心理学的な治療に失敗
したケースでは、早発射精患者に対する一つの安全な治療選択肢を提供するよう
に思われる。
【0007】 この件に関して、例えば、日常ベースでのSSRI抗鬱薬塩酸フルオキセチン
(PROZAC(登録商標))の使用が、Crenshawらに付与された米国
特許第5,151,448号に開示されている。SSRI抗鬱薬塩酸パロキセチ
ンの場合には、比較的低量の活性成分1日量を用いる同様な治療法が、Cren
shawらに付与された米国特許第5,276,042号に開示されている。他
の研究者も、パロキセチンを毎日(長期的に)使用することによる、射精コント
ロールにおける有意な改善を報告している。Waldinger、M.D.らは
、「早発射精のパロキセチン治療:二重盲検法による無作為プラシーボ−管理試
験(Paroxetine treatment of premature
ejaculation:a double−blind randomize
d,placebo−controlled study)」(America
n Journal of Psychiatry、151、1377(199
4));及び、「一次性早発射精男性患者におけるパロキセチンの射精−遅延特
性:二重盲検法による無作為用量−応答試験(Ejaculation−ret
arding properties ofparoxetine in me
n with primary premature ejacuation)
」(British Journal of Urology、79(4);5
92−5(1997年4月))において、17人の男性患者について行った試験
を報告している。Ludovico、G.M.らによる「早発射精の治療におけ
るパロキセチン(Paroxetine in the treatment
of premature ejacuation)」(British Jo
urnal of Urology、77(6);881−2(1996年6月
))、及び、McMahon C.G.による「塩酸パロキセチンによる早発射
精の治療(Treatment of premature ejacuati
on with paroxetine hydrochloride)」(I
nternational Journal of Impotence Re
search、9(Supp.1)S38:Abst.36(1999))も参
照のこと。
【0008】 早発射精に対する治療法として、男性である限り、長期的に日常ベースで約2
0ミリグラムから約60ミリグラムまでの維持用量で経口的に投与されるパロキ
セチンを使用することにより、性的機能が活性に保持されることが、Crens
hawらによる米国特許第5,276,042号に開示されている。しかし、パ
ロキセチンを長期的に毎日投与することに関わる有害効果及び不便性を回避ない
しは最小化する経口的な治療方式に対するニーズがあり、そのような治療方式が
望まれている。
【0009】 しかし、今や、経口的な治療方式における比較的低用量レベルのパロキセチン
で、射精コントロールを達成でき、最適化することができ、そして、持続的に維
持できることが判明した。
【0010】 (発明の開示) 性交前、適宜、数時間以内に投与される、パロキセチン、または、薬剤学的に
許容可能なそれの酸付加塩を用いる経口的治療方式は、早発射精による性機能不
全に罹患しているヒト男性患者における射精の発現を遅延させることができる。
特定の患者における射精発現の遅延は、比較的短い持続期間の初期負荷期間にわ
たり摂取されるパロキセチンの最初の開始期間1日量後、好適には、その後、約
2週間から約4週間を越えない持続期間のパロキセチン最適化期間を設け、その
男性患者の治療をパロキセチンの継続的維持投与に変える組み合わせによる経口
的治療方式により、更に最適化することができ、且つ、維持することができる。
【0011】 また、家庭においてこの経口的治療方式を実践する際に使用するための、パロ
キセチンまたは薬剤学的に許容可能なそれの塩からなる個別的な剤形を含むキッ
トパッケージも提供される。好適には、そのパッケージは、指定された用量の治
療方式に合わせて配列され、且つ、その指定された治療方式を含む明瞭に示され
たストリップ状のカレンダーカードを含んでいる。一つの好適なパッケージは、
パロキセチン開始期間用量ストリップ、パロキセチン最適化用量ストリップ、及
びパロキセチン継続的維持用量ストリップを含み、それらのストリップが、この
説明した順番で配列されている。
【0012】 上述のパロキセチン開始期間用量ストリップは、最初の負荷期間である1〜7
日間に、毎日経口的に摂取すべく、そのストリップ上で相互に間隔をあけた状態
で配列された、7個のパロキセチン−含有剤形を含むことができる。また、この
パロキセチン開始期間用量ストリップは、1個ずつの開始期間剤形関係に特定の
日に対して特定の用量を相関させるのに有用な投与日マークを担持することがで
きる。
【0013】 上述のパロキセチン最適化用量ストリップは、経口的に摂取すべく、そのスト
リップ上で相互に間隔をあけた状態で配列された、少なくとも14個、及び、2
8個までのそれ以上の個数のパロキセチン−含有剤形を含むことができる。この
最適化期間は、2週間から4週間までであることができる。従って、これらの最
適化剤形は、その最適化期間の持続期間に応じて、8日目から始まって、28日
目まで経口的に摂取され得る。また、このパロキセチン最適化用量ストリップは
、1個ずつの最適化剤形関係に特定の日に対して特定の用量を相関させるのに有
用な投与日マークを担持することができる。好適には、最適化剤形1個当たりの
最適化用量は、上述の開始期間用量の2倍である。
【0014】 パロキセチン継続的維持用量ストリップは、そのストリップ上で相互に間隔を
あけた状態で配列された、複数のパロキセチン−含有剤形を含むことができ、そ
のパロキセチン用量は、開始期間用量と同一の少なくとも他のあらゆる剤形であ
ってよい。上述の最適化期間後、単一の継続的維持剤形を、性交を結ぶ前に、適
宜、約2時間から20時間までの期間内に経口的に摂取することができる。随意
的に、この維持用量ストリップに、その後の性交を行える間、その患者による射
精発現を遅延させるために各剤形を摂取するための特定の時間に特定の用量を相
関させるのに有用な指示マークを設けることができる。好適な剤形は、錠剤及び
カプセル剤である。
【0015】 一つの好適な方法の態様では、以下の経口的治療方式により、パロキセチンを
患者に投与することができる: (A)先ず、パロキセチンを含有する単一の剤形の開始期間用量が、約7日間
からなる最初の負荷時間期間にわたって毎日患者により摂取される; (B)次に、上述の開始期間用量の2倍のパロキセチン量を含有する単一の剤
形の最適化用量が、約2週間から約4週間まで、好適には約3週間の最適化時間
期間にわたって毎日患者により摂取される;その後 (C)開始期間用量と同量のパロキセチンを含有する単一の剤形の継続的維持
用量が、性交を結ぶ前に、約2時間から20時間までの期間内に、好適には約3
時間から約6時間までの期間内に患者により摂取される。
【0016】 開始期間用量と継続的維持用量は、約5ミリグラムから約40ミリグラムまで
のパロキセチン、好適には約10ミリグラムから約30ミリグラムまでのパロキ
セチンであってよい。好適な最適化用量は、約10ミリグラムから約30ミリグ
ラムまでのパロキセチンであってよい。
【0017】 随意的に、もし、そこから更に治療を行う前に、上述のパロキセチン開始期間
用量による期間が早発射精の発現を遅延させるのに十分である場合には、その患
者は、上述のパロキセチン最適化用量期間を省き、好適には少なくとも1日おき
に摂取される上述の継続的維持パロキセチン用量に変えることができる。代替的
に、患者は、性交を結ぶ前に、約2時間から約20時間までの期間内、好適には
約3時間から約6時間までの期間内に、約5ミリグラムから約40ミリグラムの
一回量のパロキセチンを摂取することによる継続的維持投与の経口的治療法を実
践することもできる。
【0018】 早発射精による性機能不全を患っている正常に性交能力を有する男性患者にお
ける射精潜伏時間(ELT)は、継続的維持用量単独での治療方式における治療
後、もしくは、継続的維持への変換後、治療前の射精時間に比べ、有益に延長さ
れた。
【0019】 有利なことに、本発明の治療方式は、パロキセチンを毎日長期間投与する必要
性を回避し、パロキセチンの長期使用に関わる副作用を最小化することができる
【0020】 (図面の簡単な説明) 図面において、 図1は、開始初期装填投薬期間、最適化投薬期間、継続維持投薬期間より成る
、好ましい投薬計画治療方式の図による説明である; 図2は、図1に示す投薬計画を実施するためのキット実施形態の平面であり、
ブリスター包装された剤形の連結ストリップを示す; 図3は、図2のキット実施形態における、各剤形が活性投与量を含む、継続維
持投薬ストリップの部分平面図であり、; 図4は、図2のキット実施形態における、各剤形が活性投与量を含む、継続維
持投薬ストリップの別の部分平面図である。
【0021】 (好ましい実施形態の詳細な説明) パロキセチンは以下に示す構造式(A)によって表すことが可能であり:
【0022】
【化1】 トランス−(−)−3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルオキシ)メ
チル−4−(4−フルオロフェニル)ピペリジンとしても知られる。「パロキセ
チン」という語は、本明細書で使用されるように、この化合物の遊離塩基形はも
ちろん、製薬的に許容可能なその酸添加塩も含む。塩酸パロキセチンは好ましく
、SmithKline BeechamよりPAXIL(登録商標)、Smi
thKline Beecham International Pharma
ceuticalsよりAROPAX(登録商標)という各種の商標名で市販さ
れている。PAXIL(登録商標)錠は、10、20、30および40ミリグラ
ムの塩酸パロキセチンの用量で市販されている。
【0023】 有用な剤形は、錠剤およびカプセルなどの、実質的に固体品となる。したがっ
て、6、9、12、20および25ミリグラムなどの塩酸パロキセチンの他の剤
形は、たとえばカプセル形で使用できる。
【0024】 パロキセチンは報告によれば、半減期が24時間と比較的長いため、1日1回
の投与が可能である。ピークの血漿レベルには通常、2〜8時間以内に到達し、
定常状態全身レベルは約7〜14時間後に生じる。パロキセチンは、広範な初回
通過代謝を受け、セロトニン吸収を阻害する場合、親化合物のわずか1/50の
効力しか持たない、主にグルクロン酸および硫酸グルクロン酸との結合体となる
。既知の過敏症を別として、唯一報告されているパロキセチン使用に対する禁忌
は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤と同時に使用することである。パロキセチン
は、脳ニューロンにおいてセロトニン(5−HT)吸収を選択的に阻害するが、
セルトラリンと異なり、ドーパミン受容体および中枢β−アドレナリン受容体へ
の親和性はほとんどない。報告された最も一般的な副作用は、性的および胃腸副
作用であるが、ごくまれな患者は、フルオキセチンで見られる激越および振戦を
経験する。ワルファリン、トリプトファン、ジランチンとの薬剤相互作用が報告
されている。
【0025】 「早期射精」という語は、本明細書で使用されるように、膣挿入の60秒以内
に発生する射精を指す。本発明の射精開始を遅延させる方法におけるパロキセチ
ンの有効性は、早期射精(「PE」)に苦しむ、正常な性的能力のある男性患者
による予想研究にて評価した。患者は、基準の前処理射精潜在時間(「ELT」
)が約2分未満であることに基づいて選択した。1分未満のELTは、深刻な早
期射精障害と見なした。これに対して正常な性的能力のある男性の平均ELTは
約3〜約4分である。患者の基準ELTは、患者が操作するストップウォッチを
用いて、処理開始前の2回以上の性交における測定値の平均として決定した。
【0026】 性欲が減退したり、男性オルガズムが阻害されていたり、慢性の精神的なまた
は肉体的な病気を有していたり、アルコールまたは薬物を濫用していたり、医薬
品を使用していたりする勃起障害の患者は、試験から除外した。患者はコンドー
ム、局所的な陰茎麻酔クリームまたはスプレーを使用しないように言われた。い
ずれの男性も、正式な性心理カウンセリングを一切受けていなかった。
【0027】 発明の治療方法に関して、「継続維持」という語は、男性患者がパロキセチン
の1回の用量を、性交前の約2〜約20時間の間に、さらに好ましくは約3〜約
6時間の間に、随意に経口摂取したことを意味する。投薬に関して、「急性」と
いう語は、患者が1週間以上、朝食または昼食後に毎日パロキセチンの経口用量
を摂取したことを意味する。患者は射精日誌を与えられ、性交の頻度、勃起およ
びオーガズムの質を記録し、ストップウォッチを用いて自分のELTを記録する
よう依頼された。患者は、自宅で毎週2回以上の性交を試みることを要求された
。一部の試験では、患者のパートナーもストップウォッチを使用するよう指示さ
れ、男性患者の射精のタイミングの記憶を記録するよう依頼された。
【0028】 継続維持治療では、患者は、約5〜約40ミリグラム(「mg」)の範囲の量
で、好ましくは約10〜約30mgの量で、さらに好ましくは約15〜20mg
の量で摂取されるパロキセチン用量を使用できる。パロキセチンは、水溶液また
は実質的には固体剤形の形で投与できる。パロキセチンは、錠剤全体、錠剤の半
分の用量の市販のPAXIL(登録商標)の形で、またはカプセルの形で投与で
きる。
【0029】 パロキセチン投与の有効性は、患者が随意の継続維持使用に切換える前に、毎
日パロキセチンを使用する短期の初期装填期間の経口治療投薬計画の後に、好ま
しくは4週間以下の間、毎日パロキセチンを使用する最適化期間の後に行うこと
によって、最適化および維持できる。この組合せ経口治療投薬計画を、図1に示
す。
【0030】 図1を参照すると、患者は最初に(A)7日間(1週間)の初期装填期間にわ
たって、初期装填期間の直後のパロキセチン最適化期間(B)に摂取する用量に
対し、パロキセチン全用量の半分であるパロキセチン開始用量を毎日摂取する。
パロキセチン全用量の最適化用量は、約2〜約4週間、好ましくは3週間の最適
化期間にわたって毎日摂取され、その後にパロキセチン継続維持期間(C)が続
く。この期間、患者は、パロキセチン全用量の半分、すなわちパロキセチン開始
用量と同量の継続維持用量に変更し、性交前の約2〜約20時間の間に、さらに
好ましくは約3〜約4時間の間に、随意に経口摂取する。
【0031】 経口治療投薬計画を自宅で実施する場合、患者は、多様なパロキセチン剤形と
経口治療投薬計画を説明した説明書より成るキットを利用できることが好ましい
。図1に示した経口治療投薬計画を実施するための、制限するためではなく、検
討しやすい錠剤形を採用した、あるキットの実施形態を図2に示す。図2を参照
すると、キットパッケージ10は、ブリスター包装された錠剤Tを保持し、パロ
キセチン開始投薬ストリップ12、パロキセチン最適化投薬ストリップ14およ
びパロキセチン継続維持投薬ストリップ16に示された順序で指定された投薬計
画に従って配列されたカレンダーカードの連結ストリップより成る。特定の投薬
を特定の日に1対1の錠剤Tの関係で関連付けるために、投薬日印をパロキセチ
ン開始投薬ストリップ12とパロキセチン最適化投薬ストリップ14に設けるこ
とが好ましい。図2に示すように、投薬日印は、月、火、水などの連続した週日
を識別できるが、あるいはパロキセチン開始投薬ストリップ12の第1日、第2
日、第3日などから第7日目まで、およびパロキセチン最適化投薬ストリップ1
4の第8日、第9日、第10日などから第28日までというように、連続した治
療日付を識別することもできる。好ましい指示印21は、図2に「6Hrs」と
示すように、特定の投薬を特定時間に関連付けるために、パロキセチン維持投薬
ストリップ16に設けられているが、「朝食または昼食後に摂取」または「性交
の2〜4時間前に摂取」などの指示を明示してもよい。指示印は、その後の性交
時に患者による射精開始を遅延させるための各錠剤を摂取する時間間隔を記録す
るための忘備物ともなる。
【0032】 カレンダーカードのストリップは、携帯および保管のためにキットを折りたた
みやすいように、錠剤7個ごとの間隔に配置されている連結ヒンジ22を用いた
、線状のストリップとして示されている。連結ヒンジ22も、各投薬期間の終わ
りに含まれている薬剤を使用した後に、ストリップを切離すための切離しヒンジ
として役立つ。パロキセチン開始投薬ストリップ12は、それぞれ1/2の用量
である錠剤を1週間分含むのもとして示されており、これに対してパロキセチン
最適化投薬ストリップ14では、各錠剤によって全用量が供給される。パロキセ
チン最適化投薬ストリップ14は、2〜4、好ましくは3の連結ストリップであ
り、それぞれ全用量である1週間分の錠剤をそれぞれ含んでいる。パロキセチン
維持投薬ストリップ16は、1ヶ月以上、好ましくは3〜9ヶ月間の、さらに好
ましくは6ヶ月間の、継続維持パロキセチン用量の錠剤またはカプセルのいずれ
か好ましい剤形の全供給分を含むように調節された複数の連結ストリップである
。図3に示すように、継続維持錠剤T(またはカプセル)はそれぞれ、開始投薬
ストリップ内の開始剤形の半分の量であるパロキセチンAの活性用量を含むこと
ができる。あるいは図4に示すように、男性患者が継続維持投薬計画によりよく
適合していることを確認する目的で、少なくとも1個おきの継続維持錠剤T(ま
たはカプセル)が、開始投薬ストリップ内の開始剤形の半分の量であるパロキセ
チンAの活性用量を含み、残りの錠剤(またはカプセル)がプラセボPを含むこ
ともできる。
【0033】 投薬ストリップは、図2に示す個別ブリスターシールや、押し下げなどの当業
界で既知の任意の包装方法によって、相互に密閉および線状配置された関係の、
それぞれ分離されたパロキセチン剤形を含むように構成および調整することがで
きる。キットは、経口治療投薬計画を説明した説明書を、パンフレット、ビラな
どの形で含むことが好ましい。
【0034】 キットの実施様態が図2に、線状の投薬ストリップの形で示されているが、そ
れに限定されるものでなく、投薬計画治療が実施可能である限り、長方形または
円形の形も可能であることが認識される。
【0035】 好ましい方法の態様において、パロキセチンは、以下の経口治療投薬計画に従
って患者に投与できる: (A) 最初の、1回の剤形が約5〜約40ミリグラム、好ましくは約10〜
約30ミリグラム、さらに好ましくは約15〜約20ミリグラムを含む開始投薬
であって、パロキセチンは約7日間の初期装填期間にわたって、患者によって毎
日摂取される; (B) 次の、1回の剤形が開始投薬の2倍量のパロキセチン、すなわち約1
0〜80ミリグラム、好ましくは約10〜約40ミリグラム、さらに好ましくは
約15〜約30ミリグラムを含む最適化投薬であって、パロキセチンは約2〜約
4週間、好ましくは約3週間のの最適化期間にわたって、患者によって毎日摂取
される; (C) 1回の剤形が開始投薬と同量のパロキセチン、すなわち約5〜約40
ミリグラム、好ましくは約10〜約30ミリグラム、さらに好ましくは約15〜
約20ミリグラムを含む連続維持投薬であって、パロキセチンは、性交を行う約
2〜約20時間の間に、好ましくは約3〜約6時間の間に摂取される。
【0036】 約5〜約40ミリグラム、好ましくは約10ミリグラムの開始初期装填投薬計
画で、パロキセチンが早期射精の開始を遅らせ、「射精増強」、すなわち前処理
射精に対する射精制御の改善を生じる場合、患者は最適化投薬期間を省略し、約
5〜約40ミリグラム、好ましくは約10〜約30ミリグラムのパロキセチンを
使用する、継続維持投薬に変更することができる。または患者は、性交を行う前
の数時間以内に1回の用量が約約5〜約40ミリグラム、好ましくは約10〜約
30ミリグラム、さらに好ましくは約15〜約30ミリグラムのパロキセチンを
摂取する、継続維持投与の経口治療のみを実施することもできる。
【0037】 継続維持ベースで投与する場合、パロキセチンは射精を遅延させ、射精潜伏時
間を延長することがわかった。同様に性交頻度の増加も見られた。実験した男性
またはそのパートナーの性的満足についての目録は作成しない研究においてさえ
、観測された射精制御の改善と性交頻度の増加は、性的反応および満足が向上し
たことを示唆している。射精遅延、その結果としての射精制御の改善は、処置開
始の1〜2週間以内で見られた。この急性効果は、いずれの男性も臨床的に鬱病
ではなかったため、中枢セロトニン作動性再摂取に対するパロキセチンの直接阻
害効果によるものと考えられ、精神病理学における低下が原因ではない。さらに
、使用したパロキセチンの量は鬱病の治療用以下であった。そのうえ、パロキセ
チンと関連する抗鬱剤の副作用は通常、1〜2週間以内に発生するとは報告され
ていない。加えて、観測された一部の射精制御の改善と、一部のパロキセチン中
止後の持続的な長期にわたる改善も、患者/パートナーによる性交の成功がさら
に知覚されたことによる、遂行不安の低下に関係する。
【0038】 毎日投与されたパロキセチンによって、継続維持投与よりも、著しく多くの患
者で、射精制御が大幅に行われた。しかし、継続維持治療におけるパロキセチン
の有効性は、継続維持投与の前に、射精増強を達成するために、好ましくは約4
週間未満、さらに好ましくは約1週間の十分な期間にわたって毎日急性投与をす
る初期装填期間を行うことによって最適化された。
【0039】 あらゆる形態の投与でのパロキセチン治療への対応の失敗は、終生早発射精を
わずらう患者により多く発生することが見込まれる。
【0040】 約4週間の期間にわたる継続的維持量のパロキセチン投与による養生法のみで
治療された患者は、1分より短い平均ELTから、少なくとも1.5分の平均E
LTに射精制御を改善し、最初に課せられた養生法の後、継続的維持養生法に切
換えた患者では、平均ELTの変化より統計学的には小さいが、治療前のELT
より統計学的に大きい判定される(スチューデントのt検査比較による)増大が
達成された。患者は、4週間の最初に課せられた養生法の後に継続的維持養生法
に切換え、そして4週間の継続的維持によって、1分より短い平均ELTから、
2.5分より長い平均ELTに射精制御が改善され、この増大は、治療前のEL
Tより統計学的に大きいと判定された(スチューデントのt検査比較による)。
【0041】 継続的維持養生法の有効性は、前に記載した同じ選択基準を用いる早期射精を
わずらう正常な性交能力がある男性患者での無作為の単一盲検交差試験において
も観察された。すべての患者は、異性愛者であり、その他の性的障害を有さず、
既婚であるかまたは異性と安定した関係にあった。合計11週間の期間にわたる
交差試験において、一つのグループの患者には、4週間の期間にわたって、性交
の約3時間〜約4時間前に投与されるパロセチン(20mg)で最初の治療を施
し、その後、3週間を薬を使用しない「ウオッシュアウト」期間を設け、そして
その後、同じ方法でさらに4週間、プラシーボを投与した。第二グループの患者
も類似に治療したが、但し、最初の4週間の期間中にプラシーボ投与し、ウオッ
シュアウト後、第二の4週間の治療中にパロセチン(20mg)を投与した。
【0042】 切換え養生法を実施することによるパロセチンの有効性の最適化および継続的
維持は、無作為の単一盲検交差試験において、17週間の合計期間にわたって観
察された。一つのグループの患者は、次の要請された養生法に従った:(1)3
週間毎日パロセチン(10mg)を摂取すること;(2)切換えて、さらに4週
間の継続的維持期間、性交の約3〜4時間前に、適宜、パロセチン(20mg)
を摂取すること;(3)3週間の薬を使用しないウオッシュアウト期間を遵守す
ること;(4)段階(1)の場合と同じように毎日投与されるプラシーボを摂取
すること;および(5)段階(2)の場合と同じように性交前に投与されるプラ
シーボを摂取すること。
【0043】 パロセチンの有効性の最適化および継続的維持は、第二グループの患者で行っ
た、上記養生法順序の段階(1)および(2)においてプラシーボ投与を用い、
段階(4)においてパロセチン(10mg)を、段階(5)においてパロセチン
(20mg)を用いた類似の切換え養生法試験によっても観察された。
【0044】 有効性の調査に関して、用いたパロセチンのタブレットおよびプラシーボタブ
レットは、実質的に、サイズおよび外観が同一であり、お互いを区別することは
できなかった。
【0045】 塩酸パロセチンで治療される早発射精機能障害をわずらう正常な性交能力があ
る男性患者が関与する以下の調査によって、本発明を説明する。
【0046】 実施例1 投与量切換え養生法および継続的維持養生法 この実施例は、投与量切換え養生法および継続的維持養生法におけるパロセチ
ン投与の有効性を説明するものである。
【0047】 材料および方法 早期射精をわずらう正常な性交能力がある患者(合計94人)が、早期射精の
管理における塩酸パロセチン(AROPAX(登録商標))の有効性およびトレ
ランスを評価する前向き調査に登録した。この調査グループのすべての患者は、
異性愛者であり、その他の性的障害を有さず、既婚であるかまたは異性と安定し
た関係にあった。最低二回の性交行為からの測定の平均値として決定されるグル
ープの基準治療前ELTは、調査開始前に、患者によって操作されるストップウ
ォッチを用いて、患者によって報告されたものとして、2.2(2〜3の範囲)
であった。この調査に登録したすべての患者は、1分より短いELTを有し、深
刻な早期射精を有すると考えられた。
【0048】 94人の患者の平均年齢は、39歳(18〜61歳の範囲)であった。この調
査の開始時に、登録正看護婦によって、臨床条件のもとで、ストップウォッチを
用いて測定された平均治療前射精潜伏時間は、0.4分(0〜1分の間)であっ
た。心拍数、血圧などのバイタルサインも登録生看護婦によってモニターされた
【0049】 このグループの平均治療前性交頻度は、0.4回/週で、4週間の期間にわた
って205回であった。このグループの55人(59%)は、終生早期射精を有
し、残りの39人(41%)は、以前は許容可能な射精制御を有した後天性早期
射精であると説明された。終生早期射精を有する55人のうち10人(18%)
は、深刻な終生早期射精を有し、膣内射精を決して達成することができなかった
【0050】 この調査における患者は、グループAとグループBの二つのグループに登録さ
れた。グループAは、平均年齢40歳(26〜61歳の範囲)の61人の患者を
含み、このうち37人が終生早期射精を有し、残りの24人が後天性早期射精を
有した。グループBは、平均年齢37歳(18〜56歳の範囲)の33人の患者
を含み、このうち18人が終生早期射精を有し、残りの15人が後天性早期射精
を有した。両方のグループは、同じ0.4分(0〜1分の範囲)の平均治療前E
LTおよび性交頻度(0.4回/週)を有した。
【0051】 グループAに登録された患者は、最初に、4週間、毎日摂取されるパロセチン
(20g)の急性投与を受けた(段階1)。段階1において射精制御が改善され
たと答えたグループAの患者は、その後、各性交行為の約3〜4時間前に投与さ
れるパロセチン(20mg)の単独継続的維持投与(段階2)でさらに4週間治
療された。
【0052】 グループBに登録された患者は、4週間の間、各性交行為の約3〜4時間前に
投与されるパロセチン(20mg)の単独継続的維持投与のみを受けた。
【0053】 各患者に射精日誌を供給し、彼の性交頻度、勃起およびオルガズムの質を記録
し、ストップウォッチを用いて射精潜伏時間を測定して記録するように指示した
。患者は、各週少なくとも二回性交を試みるように要請された。
【0054】 統計的分析: グループAおよびBの各々について、スチューデントのt検査
を用いて、パロセチンでの治療前および治療後の平均ELT比較した。
【0055】 結果 グループA−段階1 表1に示すように、グループAにおいて、段階1の間、合計761の成功行為
が記録された。
【0056】
【表1】
【0057】 段階1中のグループAに関する平均ELTは、治療の1週間後には1.1分で
あり、2週間後には1.6分に、3週間には3.5分に、そして4週間には4.
5分に増加した。平均ELTの増加は、2、3および4週間において、調査前の
レベルより統計学的に勝っていると判定された(すべて、p<0.001)。性
交行為の平均頻度は、2.4回/週であった。このグループAの61人の患者の
うち、射精制御が有意に改善されたと考えられる53人(87%)は、4週間の
治療の後、5.1分(2〜17分の範囲)のELTを有し、2.5回/週の性交
行為頻度を報告した。
【0058】 61人の患者のうち残りの8人は、改善された制御を達成しなかったと考えら
れ、4週間で0.6分(0〜2分の範囲)の平均ELTおよび1.7回/週の性
交行為の頻度を有した。しかし、終生早期射精は、毎日のパロセチンに対応する
ことに失敗した8人のコホートのうちの6人に存在下。61人のうちの彼らの射
精制御が改善されたと考えられる53人の平均ELTは、改善された制御を達成
しなかったと考える残りの8人のものより統計学的に高いと判定された(p<0
.001)。改善された射精制御を達成したグループA−段階1の53人の患者
、その後、パロセチンの継続的維持使用に切換えた(段階2)。
【0059】 グループA−段階2 グループA−段階2において、表1に示したように、3.9分(0〜10分の
範囲)の平均ELTおよび2.6回/週の性交行為の頻度を有する切換えた53
人の患者のグループが、治療の平均4.4週間の継続管理に、性交の608の追
加行為を記録した。一人の患者は、継続管理することを忘れた。53人の患者の
うち、36人(69%)は、4週間のパロセチンでの追加継続維持投与治療後に
、改善された射精制御を維持したと考えられ、5.5分(2〜10分の範囲)の
平均ELTおよび性交行為2.4回/週の頻度で391回の性交行為を記録した
。53人のうち、改善された射精制御を維持することに失敗したと考えられる残
りの16人(31%)は、4週間で0.6分(0〜2分の範囲)の平均ELTお
よび性交行為2.8回/週の頻度で229回の性交を記録した。しかし、終生早
期射精は、パロセチン継続的維持治療に対応することに失敗した16人のコンホ
ートのうち11人に存在した。
【0060】 グループAの患者全体の平均ELTは、彼らの平均調査前ELTより統計学的
に大きいと判定された(p<0.001)。グループA−段階1およびグループ
A−段階2における患者に関する平均ELTは、統計学上、異なるとは判定され
なかった。53人のうち、改善された射精制御を維持したと報告した36人に関
する平均ELTは、53人のうちの改善された射精制御を維持しなかった失敗し
た残りの16人のものより統計学的に高いと判定された(p<0.001)。
【0061】 B群 B群では、表1に示したように4.1週間の処置の平均追跡後に、298回の
性交を、1.5分間の平均ELT(範囲0〜5分間)および2.2回の性交/週
の頻度と共に記録した。この結果は、プレ処置ELT(p<0.05)より統計
学的に高いと判断され、A群−2相(p><0.001)の患者の平均ELTよ
り統計学的に低いと判断された。B群の中で、その射精制御を有意に改善したと
捉えた33人中14人の患者が2.7分間の平均ELT(範囲2〜5分間)およ
び2.4回の性交/週の頻度を有した。このELTは、この平均プレ処置間隔よ
りも統計学的に優れていると判断された(p<0.05)。
【0062】 残りの33人中19人の患者が、0.4分間(範囲0〜2分間)の平均ELT
で射精制御に変化なしおよび2回性交/週の頻度と報告した。しかし、一生の早
発射精が、継続維持パロキセチンに応答しなかった19人の集団中15人の男性
に存在した。これらの患者の平均ELTは、そのプレ試験平均ELTよりも統計
学的に優れていると判断されなかった(p>0.05)。
【0063】 重要には、膣内射精が、以前には膣内射精の達成されなかった重度の一生の早
発射精機能不全を有する10人中10人の男性(B群の4人の患者を含む)に初
めて達成された。これらの中で、10人中8人の患者が、以前に、性心理カウン
セリングによる1回またはそれ以上の処置の試みを受け、これに対して応答しな
かった。これらの患者は、重度で難治性の早発射精に罹患および以前の処置に失
敗していると考えられる。パロキセチン薬物処置は、彼らを一生の射精機能不全
およびその関連結果から救出した。
【0064】 全体的に、パロキセチンに、以下の表2に示したようなこの試験に関与した患
者は、十分に妥当に耐容性を示したが、1相中のA群患者における20mgパロ
キセチン/日での急性処置は、61人中5人(8%)の患者の非射精および61
人中3人(5%)の患者の射精の達成にも関わらずオルガズムの阻害に関連した
【0065】
【表2】
【0066】 非射精を経験した1人の患者は、パロキセチンでさらに処置し、残りの5人中
4人の患者は、5mg(n=3)および10mg(n=1)の減少用量で射精を
達成した。これらの5人の患者は、0.9分間の平均プレ試験ELTを有し、こ
れは、全試験群のそれより(0.4分間)高く、従って、特に低用量を使用する
場合には、より重度の早発射精患者の非射精発症率を下げることを期待する。
【0067】 SSRIクラスの抗うつ薬の別のメンバーであるセルトラリンによる非射精の
発症は、用量関連性があると報告されている。例えば、McMahon,C.G
.「セルトラリン塩酸塩での早発射精の処置:一重盲検プラセボ対照交差試験」
、Journal of Urology、159、1935(1998)は、
25mgセルトラリン/日で処置した、46人試験群中の全患者が、なんとか性
交中に射精でき、50mgセルトラリン/日で処置した46人中4人(9%)の
男性および100mgセルトラリン/日で処置した46人中10人(22%)の
患者が、長期の性交後に射精できなかった。パロキセチン用量と、その抗うつ作
用および副作用の発症の間に、用量関連相関は報告されていない。Crensh
aw等、米国特許第5,276,042号は、その限られた臨床経験では、うつ
病のためにパロキセチンで処置した患者の遅延射精の発症は、用量関連性であり
、主に、20mg以上の用量で生じると報告した。
【0068】 A群−2相措置中またはB群措置で、継続維持パロキセチンを服用している患
者は誰も、表2に見られる非射精を含む副作用を報告しなかった。勃起機能不全
は、どの患者からも報告されなかった。
【0069】 B群では、継続維持パロキセチンのみで処置した33人中14人(42%)の
患者が、射精制御を達成し、これに対し、毎日パロキセチンで処置したA群−1
相では61人中53人(87%)であった。さらに、1相の後者のA群の平均E
LT(5.1分間)は、B群患者の平均ELT(2.7分間)(p<0.05)
より統計学的に優れていた。明らかに、毎日投与したパロキセチンは、継続維持
パロキセチン使用よりも、有意に多くの数の患者において、有意に高い射精制御
を生じた。しかし、継続維持パロキセチンの使用効力は、初期急性投与期間によ
り最適化された。
【0070】 4週間の初期の毎日の投与期間後に継続維持パロキセチンでの処置に変換した
A群−2相の53人の患者の中、36人(68%)の患者が、平均ELT5.5
分間の持続射精制御を報告したが、これは、初期の毎日の投与期(5.1分間)
中に達成されたのとは有意に異ならなかった。それ故、全体的に、A群の59%
の患者(61人中36人)が、毎日のパロキセチンの初期急性投与期間、次いで
継続維持パロキセチン使用の組合せ措置での早発射精の処置で、改善された射精
制御を達成および維持した。
【0071】 パロキセチンの初期添加は「射精補充」を産生するに十分であるという観察は
、パロキセチンの非線形薬物動態に関連し得る。ほとんど専らP450 2D6
酵素により媒介される、一次通過代謝の結果として、全身循環に利用可能なパロ
キセチンの量は、胃腸管から吸収される量以下であることが知られている。しか
し、パロキセチンは、この酵素の強力な阻害剤であり、これにより、それ自体の
代謝を効果的に阻害し、非線形薬物動態を示す。それ故、複数回の投与によりパ
ロキセチン濃度が増加すると、P450 2D6活性は減少し、よって薬物クリ
アランスは延長し、投与毎にその濃度は非比例的に増加する。
【0072】 これらの結果に基づいて、4週間の毎日のパロキセチンでの初期添加投与処置
、次いで継続維持パロキセチン投与が、患者の59%に、最小の副作用で射精制
御改善をもたらすので好ましかった。しかし、毎日の急性投与から慢性パロキセ
チン使用への変換後に、毎日のパロキセチンに初期に応答していたかなり多くの
男性(この試験では32%)が、早発射精の再発を示し、毎日の急性パロキセチ
ン使用の継続を促した。しかし、継続維持パロキセチン投与の単独使用は、患者
群の42%に効果的であり、毎日のパロキセチンの副作用、特に非射精または遅
延射精の問題のあった男性に最も適切であった。自由な継続維持パロキセチン措
置は、あまり重度でない射精を有する、頻繁でない性交を有する、および/また
は毎日医薬を服用するのを避けることを好む患者には特に関心がある。
【0073】 結論すると、パロキセチンは、早発射精の処置の有用で妥当で十分に耐容性を
示す経口療法措置のようであり、射精制御改善は1〜2週間以内に生じ、その後
性交の頻度は増加する。継続維持パロキセチンの投与は射精制御を改善し、初期
急性投与期間以前である場合には、より効果的であった。
【0074】 実施例2:交差措置 本実施例は、継続維持投与措置、および、同じように無作為化した交差プラセ
ボ措置に対する、継続維持措置への無作為化交差変換における、投与したパロキ
セチンの効力を示し比較する。プラセボ錠剤は、活性薬物錠剤と、サイズおよび
外見が実質的に同じであった。
【0075】 材料および方法 早発射精(「PE」)(膣内挿入の1分以内の射精)に罹患した正常で効力の
ある男性患者(計64人)が、2つのパロキセチン塩酸塩(AROPAX(登録
商標)、スミスクラインビーチャム製薬)の無作為化単純盲検交差比較試験およ
びプラセボの1つに割当てた。試験群の全患者が異性であり、他の性的疾患を有
さず、結婚しているかまたは安定な関係にあった。勃起機能不全、性的願望の減
少、男性オルガズムの阻害、慢性抑うつ、精神医学的または身体的病気、アルコ
ールまたは薬物乱用および向精神薬および抗うつ薬を使用している患者は、試験
から除外した。
【0076】 患者を、1群および2群の2つの試験群に分けた。各試験群に特徴的な患者を
表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】 試験群1 試験群1は、A群およびB群の2つの処置群に無作為化した26人の患者から
構成された。A群は、4週間の期間におよび、性交前に約3〜4時間、自由に投
与された継続維持パロキセチン(20mg)用量を受けた。B群は、性交前に約
3〜4時間同じように投与したプラセボを受けた。患者を2週間毎に検査した。
次いで、交差を、さらなる4週間の処置のための、3週間の薬物なしの「洗浄」
期間の介入後に、4週間の処置後に両方の群で実施した。
【0079】 試験群2 試験2は、C群およびD群の2つの処置群に無作為化した42人の患者から構
成された。C群は、(1)パロキセチン(10mg)を毎日3週間;(2)さら
に4週間、性交の約3〜4時間前に自由に投与した継続維持パロキセチン(20
mg)用量への変換;(3)3週間の薬物なしの洗浄期間;(4)毎日3週間プ
ラセボ;および(5)性交の約3〜4時間前にプラセボの投与への変換、の措置
を受けた。D群は、(1)3週間毎日投与したプラセボ;(2)さらに4週間、
性交の約3〜4時間前に投与したプラセボへの変換;(3)3週間の薬物のない
洗浄期間;(4)パロキセチン(10mg)を毎日3週間;および(5)性交の
約3〜4時間前に自由に投与した継続維持パロキセチン(20mg)用量への変
換、の措置を受けた。患者を2週間毎にモニタリングした。
【0080】 10mgのパロキセチンは、うつ病の処置の治療以下の用量であり、射精遅延
の発症は、パロキセチンの中枢セロトニン作動性作用に直接起因するようであり
、単に精神病の改善に起因するものではないようである。
【0081】 どの患者も、正式な性心理カウンセリングを全く受けなかった。患者に、日記
を与え、その性交頻度、勃起の質およびオルガズムを記録するように頼んだ。患
者にストップウォッチを使用してそのELTを測定するように頼んだ。プレ処置
平均ELTを、患者に少なくとも3回性交をするように頼んだ3週間の基線期間
におよび測定した。性交のプレ処置頻度は、前の3ヶ月に試みた数の平均であっ
た。患者に、コンドームまたは局所麻酔陰茎クリームまたはスプレーを使用する
ように頼んだ。
【0082】 パロキセチンおよびプラセボ処置相中の性交頻度データおよび射精潜伏時間(
ELT)を統計学的に比較した(スチューデンツt検査)。
【0083】 結果 試験群1 試験群1の26人の男性患者の平均年齢は39.5歳(範囲19〜55歳)で
あり、プレ処置平均ELTは0.3分間であり、一連の射精は、表4に示したよ
うに、フォアプレーまたは挿入時から、挿入60秒後に生じた。
【0084】 A群およびB群の両方において、平均プレ処置性交頻度は0.5/週であり、
平均プレ処置ELTは0.3分間であった。A群では、ELTおよび性交頻度の
両方がそれぞれ、初期継続維持パロキセチン処置中に、3.2分間、4週間目で
3.2/週まで増加し、その後のプラセボ処置中にそれぞれ0.45分間および
11週目で0.9/週まで下降した。B群では、ELTおよび性交頻度は、初期
プラセボ処置中に、0.6分間および4週目で1.3/週まで僅かに増加したが
、その後のパロキセチン処置中にそれぞれ3.5分および11週目までに継続維
持で3.1/週までに劇的に増加した。継続維持パロキセチンで処置中のA群お
よびB群のELTは、以下の表4に示したように、2、3および4週目でのプロ
セボよりも統計学的に優れていると判断した(p<0.001)。
【0085】
【表4】
【0086】 1日1回のパロキセチン治療中のグループC及びDの双方の患者のELT値は
、治療の2週目(p<0.05)または3週目(p<0.001)に1日1回の
プラシーボ治療中よりも統計的に優れた値を示した。パロキセチン連続維持治療
中のELTは1日1回のプラシーボよりも統計的に高い値を示した(p<0.0
01)。パロキセチン連続維持治療中のELTは、グループCでは7週目(p<
0.05)、グループDでは17週目(p<0.001)に1日1回のパロキセ
チン投与よりも統計的に高い値を示した。
【0087】 試験2のパロキセチン連続維持段階中の平均ELTは、試験グループ1のパロ
キセチン連続維持段階中の平均ELTよりも高い値であり(p<0.05)、こ
れは、パロキセチン連続維持によって達成される射精コントロールが、最初に1
日1回のパロキセチン投与で患者を治療することによって有意に改善されること
を示唆する。
【0088】 これまでに膣内射精に成功したことのない3人の患者の1人がパロキセチンに
よって膣内射精に初めて成功した。この患者の年齢は26.5歳であり、2週間
のパロキセチン治療後に3回目の性行為で膣内射精に成功した。この患者はプラ
シーボでは膣内射精できなかった。パロキセチン連続維持の使用またはプラシー
ボの使用による副作用を訴えた患者はいなかった。
【0089】 試験グループ2 表5に示すように、試験グループ2の42人の患者の平均年齢は40.5歳(
20−51歳の範囲)であり、処理前の平均ELTは0.5分であり、射精は挿
入前または挿入中から挿入後60秒までの種々の期間に生じた。治療を始める前
の性行為の平均回数はグループCでは週0.6回、グループDでは週0.5回で
あった。
【0090】 グループCでは、平均ELT及び性行為の平均回数の双方がパロキセチン連続
維持治療中に3週目でそれぞれ4.3分及び2.7回/週に増加し、その後のパ
ロキセチン連続維持治療中に7週目でそれぞれ5.8分及び2.4回/週に維持
された。双方のパラメーターはその後のプラシーボ投与中には13週目でそれぞ
れ0.9分及び1.4回/週に減少し、プラシーボ連続維持に切り替えた最終段
階中に更に減少して、17週目にそれぞれ0.6分及び0.4回/週となった。
【0091】 グループDでは、以下の表5に示すように、平均ELT及び性行為回数が最初
のプラシーボ治療中に3週目でそれぞれ0.8分及び1.3回/週とやや増加し
、プラシーボ連続維持段階では7週目で1.1分及び0.3回/週であったが、
その後のパロキセチン連続維持治療中に13週目で3.3分及び3.1回/週と
劇的に増加し、最終的なパロキセチン連続維持治療中に17週目で6.1分及び
2.7回/週と更に増加した。
【0092】
【表5】
【0093】 これまでに膣内射精に成功したことのない5人の患者全員がパロキセチンによ
って膣内射精に初めて成功した。これらの患者の平均年齢は34.5歳であり、
2週間のパロキセチン治療後に平均4回目の性行為で膣内射精に成功した。5人
の患者の3人は試験グループ1−Cであり、3人のうちの2人はその後のプラシ
ーボ治療段階中に膣内射精に成功した。残りの2人の患者は試験グループ2−D
であり、最初のプラシーボ治療段階中は膣内射精ができなかった。これらの5人
の患者のうちの1人はパロキセチンによる食欲不振を訴えた。
【0094】 試験グループ2に登録された患者はパロキセチンに対して十分な耐薬性を示し
た。表6に示すように、副作用は極めて少なく、パロキセチンまたはプラシーボ
が1日1回投与という急性投与で与えられたときに副作用が生じた。
【0095】 表6.パロキセチン治療、プラシーボ治療及びウォッシュアウト段階中の試験
グループ2の1−17週間の副作用の発生率 1日1回 C.M.* 1日1回 C.M.* 副作用 パロキセチン パロキセチン プラシーボ プラシーボ
食欲不振 1 − − − 無射精 3 − − − 胃腸障害 3 − − − 性欲減退 2 − − − 勃起不全 − − 2 − 頭痛 − − − 1 患者総数 7/42 − 2 1 (17%) (5%) (2.4%)
*C.M.=連続維持治療段階
【0096】 1日1回のパロキセチンを投与した3人の患者は無射精になったので試験を中
止した。しかしながらこれらの3人の患者のうち、1人は最初から勃起不全であ
り、残りの2人の患者は過去の許容範囲の射精コントロールを申告している。こ
のグループの2人は、試験グループ2の平均(0.5分)よりも高い治療前EL
T(0.9分及び1分)を有していた。投薬の中止後、2−10日以内に射精が
回復し、1人の患者は、以後に用量を減らして(5mg)投与したパロキセチン
に対して応答して十分な射精コントロールを生じた。食欲不振、嗜眠状態または
胃腸障害のような副作用を訴えた3人の患者はいずれも不能とは考えられなかっ
たので試験を中止しなかった。三環系及びSSRIクラスの抗鬱剤を勃起不全の
ような抑鬱の治療に使用したときに典型的に報告される別の性的副作用、オルガ
スムの低下またはオルガスムの阻害は、この試験に参加した患者では報告されな
かった。しかしながら2人の患者が射精コントロールが良好であるにも拘わらず
性欲減退を申告した。別の性的副作用がないことは恐らく、この試験に使用した
パロキセチンの用量が抑鬱の治療に使用されたパロキセチンの治療用量よりも少
ないことに関係がある。1日1回のプラシーボを投与した2人の患者の勃起不全
の兆候は恐らく、プラシーボからの応答がないことから生じる能力低下の不安に
関係がある。患者の1人でその後の有効薬剤試験段階中に自発的な勃起が回復し
たことはこの見解に一致する。
【0097】 試験グループ1は、早期射精患者に対するパロキセチンの連続維持投与が、治
療1−2週間以内に射精間隔(ELT)を延長することによって射精の開始を遅
らせることを証明した。この有益な効果は、2週間の治療後のプラシーボ連続維
持によって得られた効果よりも有意に優れている。試験グループ2は、最初の1
日1回のパロキセチンの急性投与によって達成された射精コントロールの改善が
パロキセチンの連続維持という使用方法に切り替えられた後も維持されたことを
証明した。
【0098】 更に、試験グループ1及び2の双方は、パロキセチンの連続維持という使用方
法によって達成された射精コントロールが、患者に最初に1日1回のパロキセチ
ンを急性投与し、次いでパロキセチンの連続維持投与に切り替えるという投薬計
画で治療することによって最適になることを証明した。グループ1−A及び1−
Bの双方で、パロキセチンの連続維持投与を受けた患者の平均ELT(3.2分
)はプラシーボが投与された患者の平均ELT(0.45分)よりも高い値であ
ったが、最初にパロキセチンを1日1回投与し次いでパロキセチンの連続維持投
与で治療した患者の平均ELT(5.8分)よりも有意に低い値であった。P4
50 2D6酵素によってほぼ独占的に媒介される初回(first−pass
)代謝の結果として、全身性循環に有効利用されるパロキセチンの量は胃腸管か
ら吸収される量よりも少ないことが知られている。しかしながら、パロキセチン
はまた、この酵素の強力なインヒビターであり、それ自体の代謝を有効に阻害し
て、非線形薬物動態を示す。従って、多数回投与によるパロキセチン濃度の増加
に伴って、P450 2D6活性が減少し、薬剤クリアランスが延長され、各投
与毎にその濃度が不釣り合いに増加する。最初のパロキセチンの急性投与後のパ
ロキセチンの連続維持によって治療した患者に生じる“射精漸増”はこれによっ
て説明される。
【0099】 治療1−2週以内のELTの延長は、この急性効果がパロキセチンによる中枢
のセロトニン作動性再吸収の直接阻止に起因することを示唆する。観察された射
精コントロールの改善が精神病理の減少によって得られたと考えることはできな
い。何故なら、臨床的に抑鬱状態にある患者は1人もいなかったし、パロキセチ
ンの抗鬱効果が1−2週間で生じると報告されたこともないからである。更に、
抑鬱がパロキセチンの連続維持投与または何らかの別の抗鬱剤で治療できること
を示唆する公表データまたは逸話的データは全く存在しない。
【0100】 3週間の治療後にパロキセチンの1日1回投与または連続維持投与で治療した
患者の性行為の回数がプラシーボで治療した患者よりも多いという結果が統計的
に得られた。この試験では、被検患者またはそのパートナーの性的満足度という
項目は設定しなかったが、観察された射精コントロールの改善及び性行為回数の
増加は、性的な応答及び満足度の改善を示唆した。
【0101】 最初は重篤な早期射精があったがパロキセチン治療によって性生活で膣内射精
に初めて成功した8人の患者のうちの6人は、これまで性的精神カウンセリング
による治療経験が1回以上あったが、治療には失敗していた。このグループの3
人は結婚しているかまたは長期間の安定な恋愛関係を維持している。
【0102】 結論として、連続維持投与から成る投薬計画によってまたは最初の1日1回の
投与という予備期間から連続維持という使用方法に切り替える組合せ投薬計画に
よってパロキセチンを経口投与したとき、いずれの場合にもパロキセチンが十分
な耐量で早期射精の有効な経口治療薬であることが知見された。この試験では、
早期射精を治療するためのパロキセチンの連続維持使用が有効であり副作用が無
いことが判明した。パロキセチンの連続維持使用による副作用がないことは患者
のアクセプタンス及びコンプライアンスを改善した。パロキセチンの連続維持と
いう投薬計画の有効性は、最初に1日1回のパロキセチン投与期間を設けること
によって最適になると考えられる。
【0103】 実施例3:三方向クロスオーバー計画 4つの臨床サイトA−Dで二重盲検の無作為、プラシーボ対照、三方向クロス
オーバーの安全性及び有効性の試験を実施した。48人の適格な男性患者を獲得
するために、約70人の男性患者に対して無作為に、パロキセチン塩酸塩による
2回の治療、即ち、20mgのパロキセチンカプセルの投与と30mgのパロキ
セチンカプセルの投与、及び、プラシーボカプセルによる1回の治療を行った。
試験は、スクリーニング期間とベースライン期間と2つのウォッシュアウト期間
を隔てた3回の治療期間とから構成されていた。試験を完了した患者の参加期間
は約25週間であった。
【0104】 選ばれた患者は早期射精(PE)と診断された18−65歳の健康な男性であ
った。選択基準に適合した患者は、スクリーニングの際に既往病歴を提出し精神
性欲的検査及び身体検査を受けた。受診毎に質問表でパロキセチンカプセルの有
効性を評価した。安全性は身体検査によって評価し、有害な経験(AE)の報告
は試験期間全体を通じて収集した。最後の受診で治療後の健康診断を行った。
【0105】 試験の有資格者であると判定された患者に登録順に識別番号を割り当てた。患
者の各人が全部の治療を無作為順序で受けるように、各患者を無作為に分けて、
各クロスオーバー治療中のプラシーボ治療、2種類の活性パロキセチン治療の1
つを行った。治療系列の各々に約23人の患者が存在した。
【0106】 選択基準 以下の算入基準に基づいて患者を選択した。 1.患者及び女性パートナーが試験に参加する前に書面にしたインフォームドコ
ンセントを理解し署名できること、 2.同性愛者でない18−65歳の男性であること、 3.PEの既往歴が長いか及び/または過去6カ月以内の射精が1分以下であり
、コントロールの欠如を自覚していること、 4.結婚しているか特定のパートナーがいること、 5.毎週少なくとも1回の膣内性行為に同意すること(配偶者または特定のパー
トナー)、 6.患者及びパートナーが出産可能年齢である場合には試験期間全体を通じて認
可された避妊方法の使用に同意すること、 7.患者及びパートナーが試験手順に従うことに同意すること。
【0107】 以下の排除基準に基づいて患者を排除した。 1.別のDSM−IV性的障害の徴候がある、 2.優勢的情動障害、精神分裂症、抑鬱、などがある、 3.心血管疾患、肝臓、腎臓または肺の疾患、糖尿病、神経障害、などがある、
4.以下の医薬のいずれかを記載のウォッシュアウト期間内に服用している患者
のようなPEを妨害する何らかの医学的障害の徴候がある:医薬/治療 ウォッシュアウト期間
(日) 処方箋なしの鎮咳薬/風邪薬 7 解熱剤(例えば、フェニトイン) 30 抗痙攣薬(例えば、プロシクリジン) 30 バルビタール酸塩(例えば、フェノバルビタール) 30 シメタジン 30 その他の試験薬 30 処方されたまたは処方箋なしの節食用医薬または療法 30 鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬 30 ワーファリン様化合物(例えば、COUMADIN) 30 リチウム 60 選択的セラトニン再吸収インヒビター(SSRI) 60 (例えば、ZOLOFT,PAXO,PROZAC) 三環系抗鬱剤(例えば、コキセフェン, 60 ノルトリプチレン、アミトリプチレン) モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI) 90 (NARDIL,PARNATE,など) : (1)抗ヒスタミン薬とパロキセチンHClとの相互作用は心血管性副作用につ
ながるので、この試験ではこれらの薬剤の使用は禁止される。 (2)MAOIとパロキセチンHClとの相互作用は、重篤な、ときには致命的
な反応(高熱、硬直、ミオクローヌス、生存徴候の急激な変動を伴う自律系不安
定など、並びに、譫言及び昏睡に進行する極度の興奮を含む精神状態の変化)を
生じると報告されている。MAOIを服用していた患者で90日間のウォッシュ
アウト期間がない者は試験から排除した。 (3)パロキセチンはセラトニン再吸収インヒビター及びワーファリンと相互作
用することが判明した。パロキセチンの代謝はシメタジンまたはフェノバルビタ
ールまたはフェニトインとの併用投与によって影響を受ける。 5.過去6カ月以内に薬物濫用またはアルコール濫用の既往歴がある(試験期間
中はアルコール飲用は禁止される)、 6.パートナーがオルガスム不能である、 7.患者またはパートナーが試験手順に従うことに同意できない、 8.パートナーが30日のウォッシュアウト期間内に妊娠促進剤(例えばCLO
MED)を使用した。
【0108】 20mg及び30mgの薬用量の経口パロキセチンカプセルを供給した。全く
同様のプラシーボカプセルを供給した。サイズ、外観、形状、重量、味、香り及
び溶解特性値などに基づいて各濃度のパロキセチンカプセルとプラシーボカプセ
ルとを見分けることができないように隠蔽し、包装し、ラベル貼付した。
【0109】 カプセルを、高密度ポリエチレンの不透明な白色ボトルに入れ、医薬として許
容される蓋とホイルシール(ボトル内部)とによって閉鎖した。各ボトルに21
カプセルを充填した。プロトコル番号、治療及び受診番号、患者の識別番号、使
用指示及び必要な場合には保管条件、並びに常用の警告“警告:新薬−−連邦法
による治験に限定”などの識別手段を各ボトルに適宜貼付した。各治療(治療1
、2及び3)を識別できるようにラベルを色分けした。
【0110】 各クロスオーバー治療期間中の無作為化に従って、各患者を3つの治療のいず
れか1つ、即ち、20mgのパロキセチン、30mgのパロキセチンまたはプラ
シーボによって治療した。各6週間の治療期間中に毎日1カプセル(プラシーボ
または有効薬剤)を経口投与するように患者に指示した。カプセルは朝食後30
−60分以内に服用することになっていた。
【0111】 治療期間1の終了と治療期間2の開始との間、及び治療期間2の終了と治療期
間3の開始との間に3週間のウォッシュアウト期間(無治療期間)をおいた。以
下の試験方法を使用した。
【0112】 方法 1.スクリーニング期間:初回来院(−2週、−20日) a)患者および性交渉相手から署名入りのインフォームド・コンセントを得る
【0113】 b)全ての選択基準および除外基準を検討し、症例報告用紙に記入する。
【0114】 c)試験前薬剤および併用薬剤を検討し、データを記録する。患者が除外薬剤
から適切にウォッシュアウトされていることを確認する。
【0115】 d)病歴、性的履歴を入手し、患者の理学検査を行う。
【0116】 e)患者に静脈穿刺を行って、全血球計算(CBC)および血液化学検査用に
14ccの採血を行う。結果を記録する。
【0117】 f)患者の性的および心理社会的評価を行う。
【0118】 g)患者および性交渉相手から次回来院の約束を取る。
【0119】 2.基底線期間:投与前、第2回来院(第1週、第1日) a)選択基準を検討して、患者が参加資格を有することを確認する。
【0120】 b)無作為化に従って、患者番号を有資格患者に割り当てる。
【0121】 c)基底線の性的経験を得る。
【0122】 3.投与期間1:第2回来院(第1〜3週、第1〜21日) a)無作為化に従って、被験薬3週間分の入った瓶1個を患者に提供する。
【0123】 b)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0124】 c)投与期間1の最初の3週間中における全ての併用薬および有害事象を記録
するよう患者に指示する。
【0125】 d)患者に対して、次の来院時に全ての未使用被験薬、容器を返却し、日記を
持って来るよう念を押す。
【0126】 e)患者および性交渉相手と第3回来院の約束を取る。
【0127】 4.投与期間1:第3回来院(第4〜6週、第22〜42日) a)全ての未使用被験薬、容器および全ての日記を回収する。
【0128】 b)投与期間1の最初の3週間中での有害経験および併用薬を検討する。アン
ケートを含む全ての文書が記入されていることを確認する。
【0129】 c)無作為化に従って、被験薬3週間分の入った瓶1個を患者に提供する。
【0130】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0131】 e)本投与期間中における全ての併用薬および有害事象を記録するよう患者に
指示する。
【0132】 f)患者に対して、次の来院時に全ての未使用被験薬および容器を返却し、日
記を持って来るよう念を押す。
【0133】 g)患者および性交渉相手と第4回来院の約束を取る。
【0134】 5.ウォッシュアウト期間1:第4回来院(第7〜9週、第43〜63日) a)全ての未使用被験薬、容器および全ての日記を回収する。
【0135】 b)患者の簡単な理学検査を行う。
【0136】 c)最終来院以降に記録された有害経験および併用薬を検討する。アンケート
を含む全ての文書が記入されていることを確認する。
【0137】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0138】 e)2週間のウォッシュアウト期間中に、あらゆる有害事象を記録し、あらゆ
る併用薬を記録し、除外薬の使用を回避するよう、患者および性交渉相手に念を
押す。
【0139】 f)患者に対して、次の来院時に日記を持って来るよう念を押す。
【0140】 g)患者および性交渉相手と第5回来院の約束を取る。
【0141】 6.投与期間2:第5回来院(第10〜12週、第64〜84日) a)選択基準を検討して、患者および性交渉相手がなおも参加資格を有するこ
とを確認する。
【0142】 b)最後の来院以降に記録された有害事象および併用薬を検討する。アンケー
トを含む全ての文書が記入されていることを確認する。
【0143】 c)無作為化に従って、被験薬3週間分の入った瓶1個を患者に提供する。
【0144】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0145】 e)本期間中における全ての併用薬および有害事象を記録するよう患者に指示
する。
【0146】 f)患者に対して、次の来院時に全ての未使用被験薬および容器を返却し、日
記を持って来るよう念を押す。
【0147】 g)患者および性交渉相手と第6回来院の約束を取る。
【0148】 7.投与期間2:第6回来院(第13〜15週、第85〜105日) a)全ての未使用被験薬、容器および全ての日記を回収する。
【0149】 b)最後の来院以降に記録された有害経験および併用薬を検討する。アンケー
トを含む全ての文書が記入されていることを確認する。
【0150】 c)無作為化に従って、被験薬3週間分を患者に提供する。
【0151】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0152】 e)本期間中における全ての併用薬および有害事象を記録するよう患者に指示
する。
【0153】 f)患者に対して、次の来院時に全ての未使用被験薬および容器を返却し、日
記を持って来るよう念を押す。
【0154】 g)患者および性交渉相手と第7回来院の約束を取る。
【0155】 8.ウォッシュアウト期間2:第7回来院(第16〜18週、第106〜12
6日) a)全ての未使用被験薬、容器および全ての日記を回収する。
【0156】 b)患者の簡単な理学検査を行う。
【0157】 c)最終来院以降の有害経験および併用薬を検討する。アンケートを含む全て
の文書が記入されていることを確認する。
【0158】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0159】 e)3週間のウォッシュアウト期間中に、あらゆる有害経験を記録し、あらゆ
る併用薬を記録し、除外薬の使用を回避するよう、患者に念を押す。
【0160】 f)患者に対して、次の来院時に日記を持って来るよう念を押す。
【0161】 g)患者および性交渉相手と第8回来院の約束を取る。
【0162】 9.投与期間3:第8回来院(第19〜21週、第127〜147日) a)選択基準を検討して、患者および性交渉相手がなおも参加資格を有するこ
とを確認する。
【0163】 b)最後の来院以降に記録された有害事象および併用薬を検討する。アンケー
トを含む全ての文書が記入されていることを確認する。
【0164】 c)無作為化に従って、被験薬3週間分の入った瓶1個を患者に提供する。
【0165】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0166】 e)本期間中における全ての併用薬および有害事象を記録するよう患者に指示
する。
【0167】 f)患者に対して、次の来院時に全ての未使用被験薬および容器を返却し、日
記を持って来るよう念を押す。
【0168】 g)患者および性交渉相手と第9回来院の約束を取る。
【0169】 10.投与期間3:第9回来院(第22〜24週、第148〜168日) a)全ての未使用被験薬、容器および全ての日記を回収する。
【0170】 b)最後の来院以降の有害経験および併用薬を検討する。アンケートを含む全
ての文書が記入されていることを確認する。
【0171】 c)無作為化に従って、被験薬3週間分を患者に提供する。
【0172】 d)患者と性交渉相手に対して、毎週少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0173】 11.最終/終了来院:第10回来院(第25週、第169〜175日) a)患者の理学検査を実施する。
【0174】 b)CBCおよび血液化学検査用に患者から14mLの採血を行う。結果を記
録する。
【0175】 c)全ての未使用被験薬、容器および全ての日記を回収する。併用薬使用およ
び有害経験に関して日記を検討する。アンケートを含む全ての文書が記入されて
いることを確認する。
【0176】 d)患者および性交渉相手を試験終了とする。
【0177】 試験の概要および予備データをそれぞれ表7および表8に示してある。
【0178】
【表6】
【0179】
【表7】
【0180】 実施例4:二重盲検投与法 6ヶ所の診療施設A〜Fで、二重盲検、無作為化、群間の安全性および効力試
験を行った。評価可能な男性患者108名を得るという目標を達成するため、各
施設約18名の患者を無作為化して、6mg、9mgおよび12mgパロキセチ
ン含有カプセルを用いて3種類のパロキセチン塩酸塩投与の効力を調べた。試験
は、スクリーニング期間、基底線期間および2つの投与期間から構成した。試験
を完了した患者は、約9週間にわたって参加したことになる。
【0181】 選択した患者は、早漏(PE)と診断された年齢21〜65歳の健常男性とし
た。スクリーニング時に、選択基準を満足した患者から病歴を得て、心理性的検
査および理学検査を行った。各来院時にパロキセチンカプセルの効力を評価した
。理学検査によって安全性を評価し、試験期間を通じて、有害経験(AE)報告
がある場合にはそれを回収した。投与後理学評価を、最終来院時に実施した。
【0182】 本試験に参加した有資格患者には、登録順に識別番号を割り当てた。患者を無
作為化して、2つの投与期間中に3種類の活性パロキセチン投与のいずれかを受
けるようにした。用量当たり/施設当たりで計約18名の患者を参加させた。
【0183】 選択基準 患者の年齢を21〜65歳とし、挿入して2分以下での射精および制御できな
い自覚があることに基づいて生涯を通じてのPE歴および/または試験前6ヶ月
以内でのPE歴を患者が有していた以外、実施例3に記載のものと同じ選択基準
で患者を選択した。
【0184】 実施例3に記載のものと同じ患者除外基準を用いた。
【0185】 経口パロキセチンカプセルは、用量3mg、6mgおよび9mgで供給した。
盲検状態でのパッケージおよびラベル表示についての実施例3のプロトコールに
従って、パロキセチンカプセルの各強度は、大きさ、概観、形状、重量、味覚、
最終的な臭気(odor finish)および溶解特性に基づいて互いに識別することが
できないようにした。
【0186】 各患者には、無作為化に従って、6mg、9mgまたは12mgという3種類
のパロキセチン投与のいずれかを受けさせた。患者には、投与期間中の6週間に
わたって毎日、活性薬剤カプセル1個を毎日服用するよう指示した。カプセルは
、朝食から1時間後あるいは目覚めてから2時間以内に服用するようにした。患
者が服用し忘れた場合、それを記録し、次の予定の投与を継続し、決して翌日に
カプセル2個を服用しないよう患者に指示した。
【0187】 以下の試験方法を用いた。
【0188】 方法 1.スクリーニング期間:初回来院(−2週、−20日) 実施例3のスクリーニング期間に記載のものと同じ方法手順に従った。
【0189】 2.基底線期間:投与期間1の前、第2回来院(第1週、第1日) a)選択基準を検討して、患者が参加資格を有することを確認する。
【0190】 b)患者が除外薬から適切にウォッシュアウトされていることを確認する。
【0191】 c)無作為化に従って、患者番号を有資格患者に割り当てる。
【0192】 d)患者の簡単な理学検査を行う。生命徴候を調べる。結果を記録する。
【0193】 e)基底線の性的経験を得る。
【0194】 3.投与期間1:第2回来院(第1〜3週、第1〜21日) a)無作為化に従って、被験薬3週間分の入った瓶1個を患者に提供する。患
者にストップウォッチを提供する。
【0195】 b)患者と性交渉相手に対して、週に少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0196】 c)この3週間期間中における全ての併用薬および有害事象(AE)を記録す
るよう患者に指示する。
【0197】 d)患者に対して、次の来院時に容器および/またはパッケージ、全ての未使
用被験薬を返却し、日記を持って来るよう念を押す。
【0198】 e)患者と第3回来院の約束を取る。
【0199】 f)患者に対してストップウォッチの使い方を説明する。さらに患者に対して
、日誌記入時に時間を記録するよう指示する。
【0200】 4.投与期間2:第3回来院(第4〜6週、第22〜42日) a)全ての容器および/またはパッケージ、全ての未使用被験薬ならびに全て
の日記を回収する。
【0201】 b)投与期間1中の有害経験および併用薬を検討する。アンケートを含む全て
の文書が記入されており、適正であることを確認する。
【0202】 c)患者の簡単な理学検査を行う。生命徴候を調べる。結果を記録する。
【0203】 d)無作為化に従って、被験薬3週間分の入った瓶1個を患者に提供する。
【0204】 e)患者と性交渉相手に対して、週に少なくとも1回の性交渉を行うよう指示
する。アンケートおよび他の記録の入った日記を患者に提供する。患者および性
交渉相手に対して、3週間期間終了後に1組のアンケートに記入するよう指示す
る。
【0205】 f)患者に対して、次の来院時に容器および/またはパッケージ、未使用被験
薬を返却し、日記を持って来るよう念を押す。
【0206】 g)患者と第4回来院の約束を取る。
【0207】 5.最終/終了来院:第4回来院(第7週、第43〜49日) a)患者の理学検査を実施する。
【0208】 b)CBCおよび血液化学検査用に患者から14mLの採血を行う。結果を記
録する。
【0209】 c)全ての容器および/またはパッケージ、全ての未使用被験薬および全ての
日記を回収する。併用薬使用および有害経験に関して日記を検討する。アンケー
トを含む全ての文書が記入され、適正であることを確認する。
【0210】 d)患者および性交渉相手を試験終了とする。
【0211】 試験の概要データおよび射精までの時間のデータをそれぞれ表9および表10
に示してある。
【0212】
【表8】
【0213】
【表9】
【0214】 以上の記載は本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものでは
ない。本発明の真の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、本発明につい
て多くの変更および修正を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 開始初期装填投薬期間、最適化投薬期間、継続維持投薬期間より成る、好まし
い投薬計画治療方式の図による説明である。
【図2】 図1に示す投薬計画を実施するためのキット実施形態の平面であり、ブリスタ
ー包装された剤形の連結ストリップを示す。
【図3】 図2のキット実施形態における、各剤形が活性投与量を含む、継続維持投薬ス
トリップの部分平面図である。
【図4】 図2のキット実施形態における、各剤形が活性投与量を含む、継続維持投薬ス
トリップの別の部分平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 405/12 A61J 7/00 P (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マクマーン,クリス オーストラリア国、ニユー・サウス・ウエ ールズ・2011、シドニー、ポツツ・ポイン ト、ロズリン・ストリート・20 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB08 CC81 DD10 EE01 4C076 AA36 BB01 CC01 FF68 4C086 AA01 AA02 BC21 GA02 MA35 MA52 NA10 NA14 ZA81

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト男性患者における早漏機能不全を治療する上で好適なキ
    ットにおいて、パロキセチンもしくはそれの医薬的に許容される塩の独立した製
    剤のパッケージを有し、該パッケージが、 パロキセチン開始用量片であって、初期服用期間の第1〜7日に1日1回経口
    摂取する前記片上で互いに分離されて配置された7個のパロキセチン含有製剤な
    らびに一対一の開始製剤関係に基づいて、特定のパロキセチン開始用量と特定の
    日を関連づけるための用量−日指示物を有するパロキセチン開始用量片; パロキセチン至適化用量片であって、第8日から約14〜約28日の至適化期
    間の最終日まで1日1回経口摂取する前記片上で互いに分離されて配置された少
    なくとも14個および28個以下のパロキセチン含有製剤ならびに一対一の至適
    化製剤関係に基づいて、特定のパロキセチン至適化用量と特定の日を関連づける
    ための用量−日指示物を有し;至適化製剤当たりのパロキセチン至適化用量の量
    が開始製剤当たりのパロキセチン開始用量の2倍であるパロキセチン至適化用量
    片;ならびに パロキセチン継続維持用量片であって、該片上で互いに分離されて配置された
    複数のパロキセチン含有製剤を有し;少なくとも1個おきの継続維持製剤におけ
    るパロキセチン用量の量が前記パロキセチン開始用量と同じであり;性的交渉を
    行う前の約2〜約20時間の期間内に、各継続維持製剤を任意に経口摂取するパ
    ロキセチン継続維持用量片 をこの順序で有する指定された経口療法投与法用に配置された連結式カレンダ
    ーカード片を有することを特徴とするキット。
  2. 【請求項2】 前記開始製剤および少なくとも1個おきの前記連続維持製剤
    の量がパロキセチン約5〜約40mgである請求項1に記載のパッケージ。
  3. 【請求項3】 前記開始製剤および少なくとも1個おきの前記連続維持製剤
    の量がパロキセチン約10〜約30mgである請求項1に記載のパッケージ。
  4. 【請求項4】 各至適化製剤がパロキセチン約10〜約40mgを含む請求
    項1に記載のパッケージ。
  5. 【請求項5】 第8〜第21日に十分な至適化製剤を有する請求項1に記載
    のパッケージ。
  6. 【請求項6】 少なくとも1ヶ月間にわたって十分な継続維持製剤を有する
    請求項1に記載のパッケージ。
  7. 【請求項7】 少なくとも3ヶ月分の継続維持製剤を有する請求項1に記載
    のキット。
  8. 【請求項8】 前記製剤が錠剤である請求項1に記載のキット。
  9. 【請求項9】 前記製剤がカプセルである請求項1に記載のキット。
  10. 【請求項10】 前記経口治療法を説明する説明文書を有する請求項1に記
    載のキット。
  11. 【請求項11】 ヒト男性患者における早漏機能不全の治療方法であって、
    請求項1のキットを準備する段階ならびに前記の指定された経口療法製剤を前記
    患者に投与する段階を有する方法。
  12. 【請求項12】 ヒト男性患者における早漏機能不全の治療方法において、 (A)最初に、約7日間の初期蓄積期間にわたって、パロキセチンを含む開始
    用量の単一製剤を1日1回投与し;次に、 (B)約2〜約4週間の至適化期間にわたって、前記開始用量の2倍の量のパ
    ロキセチンを含む至適化用量の単一製剤を1日1回投与し;次に、 (C)性交渉を行う前の約2時間〜約20時間の期間内に、前記開始用量と同
    じ量のパロキセチンを含む継続維持用量の単一製剤を投与するという経口療法投
    与法に従って、前記患者に対してパロキセチンまたはそれの医薬的に許容される
    塩を投与する段階を有することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 段階(C)でのパロキセチンを少なくとも1日おきに投与
    する請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 パロキセチンをパロキセチン塩酸塩として投与する請求項
    12に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記至適化期間が約3週間である請求項12に記載の方法
  16. 【請求項16】 段階(C)において、前記パロキセチン投与を約3〜約6
    時間の期間内に行う請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記開始および継続維持用量をそれぞれ約5〜約40mg
    とする請求項12に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記開始および継続維持用量をそれぞれ約10〜約30m
    gとする請求項12に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記至適化用量を約10〜約40mgとし、前記開始およ
    び継続維持用量を前記至適化用量の半量とする請求項12に記載の方法。
  20. 【請求項20】 ヒト男性患者における早漏機能不全の治療に好適な方法に
    おいて、性交渉の前約2〜約20時間以内に、少なくとも1日おきに、前記患者
    に対して、その後の性交渉時に患者が投与前射精時間からの射精開始における遅
    延を維持するだけの継続維持用量でパロキセチンまたはそれの医薬的に許容され
    る酸付加塩を経口投与する段階を有することを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 前記用量が約5〜約40mgの範囲内である請求項20に
    記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記用量が約10〜約30mgの範囲内である請求項20
    に記載の方法。
  23. 【請求項23】 患者が継続維持用量投与に切り替わる前に、射精開始を遅
    延させるだけの初期蓄積期間にわたり、パロキセチン約5〜約40mgの1日開
    始用量を患者に経口投与する段階をさらに有する請求項20に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記開始用量および継続維持用量を同量とする請求項23
    に記載の方法。
  25. 【請求項25】 パロキセチンをパロキセチン塩酸塩として投与する請求項
    20に記載の方法。
  26. 【請求項26】 投与を約3〜約6時間の期間内に行う請求項20に記載の
    方法。
  27. 【請求項27】 各製剤がパロキセチン塩酸塩を含む請求項1に記載のキッ
    ト。
  28. 【請求項28】 少なくとも1個おきの継続維持製剤がパロキセチン塩酸塩
    を含む請求項1に記載のキット。
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