JP2023522012A - 結晶ret阻害剤 - Google Patents

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Abstract

RET関連疾患及び障害を含む、RETキナーゼ阻害剤で治療され得る疾患の治療及び予防に有用なセルペルカチニブの結晶形態、及びこの結晶形態を作製する方法が、本明細書で提供される。【選択図】 図1

Description

セルペルカチニブ(LOXO-292又はRETEVMO(商標))は、転移性RET融合陽性NSCLC、RET変異甲状腺髄様がん、及びRET融合陽性甲状腺がんの患者の治療に使用するために米国で承認されているRET阻害剤である。セルペルカチニブ、又は6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリルは、次の化学構造を有する。
Figure 2023522012000002
米国特許第10,584,124号は、「形態A」と呼ばれる結晶形態を含む、セルペルカチニブのいくつかの結晶形態を記載しているが、新しい、熱力学的により安定な結晶形態、及びこの結晶形態を作製する方法が、本明細書に開示されている。この新しい結晶形態は、錠剤、カプセル、及び懸濁液などの製剤に組み込まれ得、患者に利益をもたらす。
本開示は、全体を通して「形態B」と呼ばれる、セルペルカチニブの新しい結晶形態、及びこの熱力学的に安定な多形を作製する方法に関する。一般的な意味で、本開示は、その調製、単離、及び特徴付けのための方法を提供する。
以下でより詳細に説明するように、式Iの化合物(セルペルカチニブ)は、多形形態(形態A及び形態B)として提供され得、驚くべきことに、セルペルカチニブをその最も熱力学的に安定な多形形態Bで提供するためには、特定のプロセス及び方法が有効である。以下に記載され、例示的な実施例によって実証されるように、セルペルカチニブを特定の多形形態で生成及び調製するためのプロセス及び方法は、形態Bを生成する又は他の多形(すなわち、形態A)を形態Bに変換するのに有効である結晶条件下で、1つ以上の多形形態として提供される式Iの化合物を変換する(すなわち、反応させる、接触させる、及び/又は処理する)ことを含み得る。他の態様では、セルペルカチニブの形態Bを生成するためのプロセス及び方法は、セルペルカチニブの形態Bを生成するのに有効な条件下で、1つ以上の中間体又は前駆体化合物を反応させることを含む合成経路(すなわち、直接合成経路)を含み得る。
形態Bは、(a)1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、17.1°、17.7°、及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークと、を含む、x線粉末回折(XRPD)パターン、又は(b)28.0、48.0、80.4、106.8、130.2、及び134.9ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁性共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む13C固体NMRスペクトル、のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる。
形態B及びその医薬組成物を使用して、異常なRET発現を伴うがん(例えば、甲状腺髄様がん又はRET融合肺がんなどのRET関連がん)などのがんを治療する方法も提供される。この方法は、治療有効量の形態Bを必要とする患者に投与することを含む。
療法に使用するための形態Bも、本明細書に提供される。更に、がんの治療に使用するための、特に、異常なRET発現を伴うがん(例えば、甲状腺髄様がん又はRET融合肺がんのようなRET関連がん)の治療に使用するための形態Bが、本明細書に提供される。
がんを治療するための、特に、異常なRET発現を伴うがん(例えば、甲状腺髄様がん又はRET融合肺がんのようなRET関連がん)の治療に使用するための医薬の製造における形態Bの使用も、本明細書に提供される。
セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法も開示される。
セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法であって、セルペルカチニブ形態AをC~Cアルコールと組み合わせてスラリーを生成することと、セルペルカチニブ形態Bをスラリーから単離することと、を含む、方法も、本明細書に詳述される。
セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法であって、この方法が、
a.DMSOを含む溶媒中にセルペルカチニブ形態Aを溶解して、溶液を形成することと、
b.溶液に水を添加し、それによってスラリーを形成することと、
c.セルペルカチニブ形態Bを単離することと、を含む、方法も記載される。
更に、セルペルカチニブ形態Aを形態bに変換する方法であって、方法が、セルペルカチニブ形態Aとメタノールとを組み合わせて、スラリーを形成することと、形態Aの>99重量%が形態Bに変換されるまで、前スラリーを攪拌することと、を含む、方法も記載される。
本明細書に記載の別の方法は、セルペルカチニブ形態Aを形態Bに変換する方法であって、セルペルカチニブ形態Aを約60~80℃でDMSO中に溶解して、形態A1グラム当たり約10~15mL/gのDMSOの濃度を有する溶液を形成し、溶液を約40~60℃に冷却し、水を添加し、任意選択で、得られた混合物に形態Bの種結晶を播種し、混合物を攪拌し、更に水を添加し、混合物を約60~80℃に加熱し、混合物を冷却し、かつ形態Bを単離する。
式Iの多形形態Bとしてのセルペルカチニブ、
Figure 2023522012000003

又はその薬学的に許容される塩を調整するためのプロセスであって、
このプロセスが、以下の構造の化合物、
Figure 2023522012000004

又はその塩を、セルペルカチニブ形態B又はその薬学的に許容される塩を調製する酸及び還元剤の存在下で6-メトキシニコチンアルデヒドを含む溶媒中で反応させることを含む、プロセスも記載される。
4-[6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)-3-ピリジル]-6-(2-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリルである化合物であって、構造[3]、
Figure 2023522012000005

又はその薬学的に許容される塩を有する、化合物が、本明細書に記載される。
最大約26°2シータ(2θ)の形態A及び形態BのXRPDデータのオーバーレイである。 形態A、形態Bについての13C固体NMRデータ、及び形態Aを形態Bと比較する約25~60ppmのオーバーレイが含まれている。
セルペルカチニブ形態Bが、本明細書に記載されている。セルペルカチニブのこの結晶形態は、異常なRET活性に関連する障害、例えば、IBS又はがん、特に、過剰なRETシグナルに起因するがん(すなわち、RET関連がん)を治療するために使用され得る。より具体的には、セルペルカチニブのこの結晶形態は、肺がん(例えば、小細胞肺がん若しくは非小細胞肺がん)、甲状腺がん(例えば、甲状腺乳頭がん、甲状腺髄様がん、分化型甲状腺がん、再発甲状腺がん、又は難治性分化型甲状腺がん)、甲状腺腺腫、内分泌腺腫瘍、肺腺がん、細気管支肺細胞がん、多発性内分泌腫瘍2A又は2B型(それぞれ、MEN2A又はMEN2B)、褐色細胞腫、副甲状腺過形成、乳がん(breast cancer)、乳がん(mammary cancer)、乳がん(mammary carcinoma)、乳腺腫瘍、結腸直腸がん(例えば、転移性結腸直腸がん)、乳頭状腎細胞がん、胃腸粘膜の神経節腫症、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、又は子宮頸がんなどのRET関連がんを治療するために使用され得る。
形態Bは、1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、17.1°、17.7°、及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークと、を含む、x線粉末回折(XRPD)パターンを有することによって特徴付けられる。形態Bはまた、28.0、48.0、80.4、106.8、130.2、及び134.9ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む13C固体NMRスペクトルを示す。
形態Bは、1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、7.5°、12.0°、13.2°、17.1°、17.7°、及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークと、を含む、x線粉末回折(XRPD)パターンを有することによって更に特徴付けられ得る。
追加的に、形態Bは、1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、7.5°、10.9°、12.0°、13.2°、17.1°、17.7°、18.2°、19.8°、21.1°、及び24.5°±0.2°2θで生じる1つ以上のピークと、を含む、x線粉末回折(XRPD)パターンを有することによって特徴付けられ得る。
形態Bは、26.4、28.0、42.0、43.9、48.0、56.3、69.5、80.4、102.3、106.8、115.2、120.8、130.2、134.9、140.6、149.5、152.5、及び163.5ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む13C固体NMRスペクトルによって更に特徴付けられ得る。
更に、形態Bは、26.4、27.4、28.0、42.0、43.4、43.9、48.0、53.9、56.3、58.3、69.5、77.9、80.4、102.3、106.8、113.6、115.2、118.2、120.8、125.2、130.2、134.9、136.9、140.6、148.4、149.5、151.2、152.5、158.2、及び163.5ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準とした1つ以上のピークを含む13C固体NMRスペクトルによって更に特徴付けられ得る。
形態Bと、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤と、を含む、医薬組成物も、本明細書に記載される。
形態Bを含有する医薬組成物は、セルペルカチニブの他の結晶形態と比較して、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99重量%又は100重量%の形態Bを含む。好ましくは、本明細書に記載の医薬組成物は、少なくとも80%の形態Bと、20%未満の他の結晶形態のセルペルカチニブとを含む。より好ましくは、医薬組成物は、少なくとも90%の形態Bと、10%未満の他の結晶形態のセルペルカチニブとを含む。更により好ましくは、医薬組成物は、少なくとも95%の形態Bと、5%未満の他の結晶形態のセルペルカチニブとを含む。更により好ましくは、医薬組成物は、少なくとも97%の形態Bと、3%未満の他の結晶形態のセルペルカチニブとを含む。より好ましくは、医薬組成物は、少なくとも98%又は99%の形態Bと、それぞれ2%又は1%未満の他の結晶形態のセルペルカチニブとを含む。
形態Bは、それを必要とする患者に有効量の形態Bを投与することを含む、がんを治療するための方法において使用され得る。本明細書に記載の方法を使用して治療され得るがんの種類には、血液がん又は固形腫瘍がんが含まれる。形態Bを使用して治療され得るがんの種類の例としては、肺がん、甲状腺乳頭がん、甲状腺髄様がん、分化型甲状腺がん、再発性甲状腺がん、難治性分化型甲状腺がん、多発性内分泌腫瘍2A型又は2B型(それぞれ、MEN2A又はMEN2B)、褐色細胞腫、副甲状腺過形成、乳がん、結腸直腸がん、乳頭状腎細胞がん、胃腸粘膜の神経節神経腫症、及び子宮頸がんが挙げられる。具体的には、がんの種類は、肺がん又は甲状腺がんであり得る。より具体的には、がんは、非小細胞肺がん又は甲状腺髄様がんであり得る。
療法に使用するための形態Bも、本明細書に記載される。
形態Bは、IBS又はがんなどのRET関連疾患又は障害の治療のための医薬品の製造に使用され得る。そのような薬剤を使用して治療され得るがんが、本明細書において上に記載されている。医薬品の製造における形態Bの使用はまた、患者からの生物学的サンプルを使用してインビトロアッセイを実行し、RET遺伝子、RETキナーゼ、又はそれらのいずれかの発現若しくは活性若しくはレベルの調節不全の存在を決定し、RET遺伝子、RETキナーゼ、又はそれらのいずれかの発現若しくは活性若しくはレベルの調節不全が存在する場合に、治療有効量の形態Bを患者に投与するステップを含み得る。これらの使用において、生物学的試料は腫瘍試料であり得、腫瘍サンプルは、ゲノム/DNA配列決定などの当業者に知られている方法を使用して分析され得る。更に、これらの使用において、形態Bの最初の投与の前に患者から試料を得ることができる。形態Bのこれらの使用において、本明細書に記載されるように、療法は、患者がRET遺伝子、RETキナーゼ、又はそれらの発現若しくは活性若しくはレベルの調節不全のうちの少なくとも1つを有することによって治療のために選択されることに基づき得る。また、これらの使用において、形態Bは、約1mg/kg~200mg/kgの用量で患者に投与され得る(有効な用量のサブ範囲は、本明細書において上に記載されている)。
本明細書において、患者は、RET融合又はRET突然変異が判定された患者である。したがって、「RET融合又はRET突然変異を決定する」という用語は、RET融合又はRET突然変異が存在するかどうかを判定することを意味する。RET融合又はRET突然変異が存在するかどうかを判定する方法は、当業者に知られており、例えば、Wang,Yucong et al.,Medicine2019;98(3):e14120を参照されたい。
上記及び本発明の説明全体を通して使用される場合、以下の用語は、別段示されない限り、以下の意味を有するものとする。
「薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤」は、哺乳動物、例えばヒトへの生物学的に活性な薬剤の送達のために当該技術分野において概して許容されている媒体である。
「治療」、「治療する」、「治療すること」などの用語は、障害の進行を遅延させること、停止させること、又は反転させることを含むことを意味する。これらの用語はまた、障害又は状態が実際に排除されない場合でも、かつ障害又は状態の進行自体が遅延又は反転されない場合でも、障害又は状態のうちの1つ以上の症状を緩和、寛解、減衰、排除、又は軽減することを含む。
「有効量」は、治療する臨床医によって患者の生物学的若しくは医学的応答又は患者に対する所望の療法効果を誘発するセルペルカチニブの結晶形態の量を意味する。一例において、セルペルカチニブの結晶形態は、インビトロ又はエクスビボのRET酵素アッセイにおいて天然RETシグナル伝達を阻害する。別の例において、セルペルカチニブの結晶形態は、異なる用量の化合物で治療された動物からのマウス全血中の天然RETシグナル伝達を阻害する。
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、ヒトを示す。
有効量は、当業者のような担当診断医により、既知の技法の使用により、及び同様の状況下で得られた結果を観察することにより、容易に決定され得る。患者のための有効量を決定する際には、担当診断医によって多数の要因が考慮され、これらの要因には、患者の人種;患者のサイズ、年齢、及び全体的な健康状態;関与する特定の疾患又は障害;疾患又は障害の程度又は関与若しくは重症度;個々の患者の応答;投与される特定の化合物;投与の様式;投与される調製物の生物学的利用能の特性;選択された投与レジメン;付随する薬物の使用;並びに他の関連する状況が含まれるが、これらに限定されない。
形態Bは、好ましくは、経口経路、静脈内経路、及び経皮経路を含む、化合物を生物学的に利用可能にする任意の経路によって投与される医薬組成物として製剤化される。より好ましくは、そのような組成物は、経口投与用である。そのような医薬組成物及びそれらを調製するためのプロセスは、当該技術分野において周知である。(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy,Editor,21st Edition,Lippincott,Williams&Wilkins,2006を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「顆粒状組成物」は、顆粒状形態の組成物を指し、これは、医薬品製造プロセスにおいて、医薬組成物の前身となる組成物である。
本明細書で使用される場合、「製造容器」は、医薬品の製造に用いられるが、医薬品化学実験室においては使用されない容器を指す。製造容器の例としては、ホッパーコレクタ、ベッド、乾燥機のベッド、造粒機のベッド、乾燥機のトレイ、造粒機のバケツ、及び混合用ボウルが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、形態Bの材料は、形態Aの材料から調製される。一実施形態では、形態Aを形態Bに変換する方法は、セルペルカチニブ形態AをC~Cアルコールと組み合わせてスラリーを生成することと、スラリーからセルペルカチニブ形態Bを単離することとを含む。いくつかの実施形態では、方法は、約10~80℃、約10~30℃、約15~25℃、又は約20℃の温度で実行される。
いくつかの実施形態では、C~Cアルコールは、メタノールを含む。好ましいC~Cアルコールはメタノールを含み、いくつかの実施形態では、メタノールは、少なくとも約90重量%、又は92重量%、又は94重量%、又は96重量%、又は98重量%、又は99重量%のメタノールである。
他の実施形態では、方法は、セルペルカチニブ形態Aを水と組み合わせてスラリーを生成することと、スラリーからセルペルカチニブ形態Bを単離することとを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、約10~80℃、約10~30℃、約15~25℃、又は約20℃の温度で実行される。
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも約5分間から一定期間にわたって(例えば、少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、又は少なくとも60分)、スラリーを攪拌、混合、又は揺動(agitate)することを含む。いくつかの実施形態では、一定期間は、約8~12時間であり得る。いくつかの更なる実施形態では、一定期間は、少なくとも10分である。
いくつかの実施形態では、方法は、方法によって生成されるセルペルカチニブ形態Bを単離することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、単離は、真空濾過を含み得る。いくつかの実施形態では、単離は、遠心分離を含み得る。
いくつかの更なる実施形態では、方法は、生成されたセルペルカチニブ形態Bを乾燥させることを更に含み得る。乾燥は、真空及び/又は熱手段を使用して達成され得る。
他の実施形態では、方法は、DMSOを含む溶媒中にセルペルカチニブ形態Aを溶解して溶液を形成することと、スラリーを形成する量の水を溶液に添加することと、スラリー中で生成されたセルペルカチニブ形態Bを単離することとを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、約1グラムのセルペルカチニブ形態Aを約10~15mL/gのDMSOに添加することを含む。いくつかの更なる実施形態では、方法は、約12~13mL/gのDMSO中に約1当量のセルペルカチニブ形態を添加することを含み、したがって、DMSO中に溶解された形態Aの濃度は、DMSO約12~13mL中の形態A約12~13mL/g又は1gである。
本方法のいくつかの実施形態では、DMSO及びセルペルカチニブ形態Aを含む溶液を形成することは、セルペルカチニブ形態A及びDMSOを含む溶媒を約50℃~約70℃に加熱することを含む。いくつかの更なる実施形態では、方法は、約70℃未満かつ約20℃超の温度に溶液を冷却することを含む。更なる実施形態では、方法は、溶液を約50℃の温度に冷却することを含む。
この方法のいくつかの実施形態では、水を添加することは、形態Aのグラム当たり約0.1~約1mL/gの水を溶液に添加することを含む。いくつかの更なる実施形態では、水を添加することは、形態Aのグラム当たり約0.3mL/gの水を溶液に添加することを含む。
この方法のいくつかの実施形態では、水を添加することは、約1~約15重量%の形態Bの種結晶をスラリーに添加することを更に含んでもよい。いくつかの更なる実施形態では、約1~約10wt%の形態Bの種結晶をスラリーに添加してもよい。なお更なる実施形態では、約5wt%の形態Bの種結晶をスラリーに添加してもよい。
方法のいくつかの実施形態では、水を添加した後、スラリーを約6時間~約72時間攪拌する。いくつかの実施形態では、スラリーを少なくとも12時間攪拌する。
いくつかの実施形態では、方法は、第1の水の添加によって形成されたスラリーへの第2の水の添加を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の水の添加は、スラリーに添加される約0.5~約3mL/gの水の量でスラリーに添加されてもよい。
方法のいくつかの実施形態では、水の添加によって形成されたスラリーを約20~30℃に冷却する。
いくつかの実施形態では、セルペルカチニブ形態Bの単離は、濾過を含む。いくつかの実施形態では、単離されたセルペルカチニブ形態Bを、メタノール、ACN、MTBE、又は水を含む溶媒で洗浄してもよい。いくつかの更なる実施形態では、単離されたセルペルカチニブ形態Bを、メタノールを含む溶媒で洗浄する。なお更なる実施形態では、単離されたセルペルカチニブ形態Bを、0.5重量%未満のDMSOを含有するまで、単離されたセルペルカチニブ形態Bをメタノールで洗浄する。
上記の態様及び実施形態のいくつかでは、本開示は、セルペルカチニブ形態Aを形態Bに変換するための方法であって、セルペルカチニブA型とメタノールとを組み合わせてスラリーを形成することと、>99重量%の形態Aが形態Bに変換されるまでスラリーを攪拌することと、を含む、方法を提供する。方法のいくつかの実施形態では、スラリーを約18~24時間攪拌する。なお更なる実施形態では、メタノール中のセルペルカチニブ形態Aの濃度は、約8mL/gである。
上記の態様及び実施形態のいくつかでは、本開示は、セルペルカチニブ形態Aを形態Bに変換するための方法であって、セルペルカチニブ形態Aを約60~80℃でDMSO中に溶解して、形態A1グラム当たり約10~15mL/gのDMSOの濃度の形態Aを有する溶液を生成し、溶液を約40~60℃に冷却し、かつ第1の量の水を添加し、任意選択で、得られた混合物に形態Bの種結晶を播種し、混合物を攪拌し、第2の量の水を添加し、混合物を約60~80℃に加熱し、混合物を冷却し、かつ形態Bを単離する、方法を提供する。方法のいくつかの実施形態では、5重量%の形態Bの種結晶が、混合物に添加される。なお更なる実施形態では、第1の水の添加は、形態Aの約0.1mL/g~形態Aの約0.5mL/gである。なお更なる実施形態では、第2の水の添加は、形態Aの約1.0~1.5mL/gである。
別の態様では、本開示は、式Iの多形形態Bとしてのセルペルカチニブ、
Figure 2023522012000006

又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、プロセスが、以下の構造の化合物、
Figure 2023522012000007

又はその塩を、溶媒中、酸及び還元剤の存在下で6-メトキシニコチンアルデヒドと反応させて、セルペルカチニブ形態B又はその薬学的に許容される塩を調製する、プロセスを提供する。化学量論量の酸を使用してもよいが、非化学量論量も許容される。構造[3]では、酸素は、TMS基を有する。明確に示されていないが、他のアルコール保護基が使用される可能性があることが理解される。本明細書に記載されるように、TMSに加えて、他のシリル基を使用することができる。
この態様のいくつかの実施形態では、プロセスは、構造[3]の化合物、又はその塩を調製することを更に含み、以下の構造の化合物、
Figure 2023522012000008

又はその塩(式中、Rはアミン保護基である)を脱保護剤と反応させて、構造[3]の化合物又はその塩を形成する。
いくつかの実施形態では、脱保護剤は、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩化アセチル、三塩化アルミニウム、及び三フッ化ホウ素からなる群から選択される。いくつかの更なる実施形態では、脱保護剤は、硫酸、p-トルエンスルホン酸、及び塩化アセチルからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素アルカリ金属、ヒドラジン化合物、クエン酸、クエン酸塩、コハク酸、コハク酸塩、アスコルビン酸、及びアスコルビン酸塩からなる群から選択される。いくつかの更なる実施形態では、還元剤は、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB)、水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、Rは、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンゾイル、カルバメート、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル、トリチル及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、ニトロベラトリルオキシカルボニル、p-メトキシベンジル、並びにトシルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Rは、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
いくつかの実施形態では、酸は、ピバリン酸及び酢酸からなる群から選択される。いくつかの更なる実施形態では、酸は、ピバリン酸である。なお更なる実施形態では、触媒量のピバリン酸が使用される。
いくつかの実施形態では、化合物[3]の反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。プロトン性溶媒の例には、アニソールなどのエーテルが含まれる。
別の態様では、本開示は、構造[3]の化合物4-[6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)-3-ピリジル]-6-(2-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル、
Figure 2023522012000009

又はその薬学的に許容される塩を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の態様及び実施形態に従って、構造[3]の化合物を調製する方法を提供する。
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、方法は、遊離アミンとしてセルペルカチニブ形態Bを調製することを含む。
セルペルカチニブ形態A(形態A)は、熱力学的により安定な多形セルペルカチニブ形態B(形態B)の一部を含有し得る。どちらの多形形態も、結晶、高融点、無水、安定であり、通常の保管又は調製条件下では相互変換しない一方、これらの多形形態は、異なる特性及び特徴を有し、これにより、形態Aを形態Bと区別することができる。形態Bは熱力学的により安定であるため、形態Aを形態Bに変換する方法を理解する必要がある。
定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解している意味を有する。本明細書で使用される場合、以下の用語は、別段の定めがない限り、以下の用語に帰する意味を有する。
本明細書で使用されるとき、「多形体」という用語は、結晶格子内の分子の秩序の結果として異なる物理的特性を有する同じ化合物の結晶を指す。単一の化合物(すなわち、式Iの化合物)の異なる多形体は、互いに1つ以上の異なる化学的、物理的、機械的、電気的、熱力学的、及び/又は生物学的特性を有する。多形体によって示される物理的特性の違いは、貯蔵安定性、圧縮性、密度(組成物及び生成品の製造において重要)、溶解速度(バイオアベイラビリティを判定する重要な因子)、溶解性、融点、化学的安定性、物理的安定性、粉末流動性、水分吸着、圧縮、及び粒子形態などの医薬品のパラメータに影響し得る。安定性の違いは、化学反応性(例えば、ある多形体で構成される場合よりも別の多形体で構成されるとき、剤形がより急速に変色するような異なった酸化)又は機械的変化(例えば、速度論的に好ましい多形体が熱力学的により安定な多形体に変換するときの保管時の結晶の変化)、あるいはその両方(例えば、1つの多形体は他よりも吸湿性が高い)の変化に起因する可能性がある。溶解度/分解度の違いの結果として、いくつかの転移が効力や毒性に影響する。更に、結晶の物理的特性は、処理において重要であり得、例えば、1つの多形体が溶媒和物を形成する可能性が高いか、又は不純物を濾過及び洗浄して含まないようにするのが難しい場合がある(すなわち、粒子の形状とサイズ分布は、他方の多形体と比較して、一方の多形体の間で異なるかもしれない)。本明細書で使用されるとき、「多形体」は、化合物の非晶質形態を含まない。いくつかの特定の実施形態では、式Iの化合物の多形体(すなわち、セルペルカチニブ形態A及びセルペルカチニブ形態B)は、本明細書に記載の特徴を含む。
本明細書で使用されるとき、「非晶質」とは、化合物の固体状態形態又は化合物の可溶化形態であり得る化合物の非結晶形態を指す。例えば、「非晶質」とは、分子又は外部平面の規則的な繰り返し配列がない化合物(例えば、化合物の固体形態)を指す。
「無水」という用語は、本明細書で使用される場合、結晶格子に関連する化学量論量の水を含有しない式(I)の化合物の結晶形態を指す。通常は、無水形態A及び無水形態Bは、1重量%以下の水を有する。例えば、0.5重量%以下、0.25重量%以下、又は0.1重量%以下の水である。
「溶媒和物」という用語は、本明細書で使用される場合、結晶格子が1つ以上の溶媒を含む式(I)の化合物の結晶形態を指す。
「水和物」又は「水和多形形態」という用語は、結晶格子が水を含む化合物の多形形態などの式(I)の化合物の結晶形態を指す。別段の定めがない限り、「水和物」という用語は、本明細書で使用される場合、「化学量論的水和物」を指す。化学量論的水和物は、結晶格子の不可欠な部分として水分子を含有する。対照的に、非化学量論的水和物は水を含むが、水分含有量の変化は結晶構造に大きな変化を引き起こさない。非化学量論的水和物の乾燥中、結晶ネットワークを著しく乱すことなくかなりの割合の水を除去でき、その後、結晶は再水和して最初の非化学量論的水和結晶形をもたらすことができる。化学量論的水和物とは異なり、非化学量論的水和物の脱水と再水和は相転移を伴わないため、非化学量論的水和物の全ての水和状態は同じ結晶形を表す。
「純度」は、式(I)の化合物の多形体を含む組成物に関して使用されるとき、言及される組成物中の、式(I)の化合物の別の多形形態又は非晶質形態に対する1つの特定の多形形態のパーセンテージを指す。例えば、90%の純度を有する多形形態1を含む組成物は、形態1の90重量部と、式(I)の化合物の他の多形体及び/又は非晶形の10重量部と、を含む。
本明細書で使用されるとき、化合物又は組成物が顕著な量の他の成分を含まない場合、化合物又は組成物は1つ又は複数のそのような他の成分を「実質的に含まない」。例えば、組成物は、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、又は1重量%未満の他の成分を含むことができる。そのような成分には、出発物質、残留溶媒、又は本明細書で提供される化合物及び組成物の調製及び/又は単離から生じる可能性がある他の不純物が含まれ得る。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される多形形態は、他の多形形態を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の特定の多形体は、特定の多形体が存在する式(I)の化合物の少なくとも約95重量%を構成する場合、他の多形体を「実質的に含まない」。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物の特定の多形体は、特定の多形体が存在する式(I)の化合物の少なくとも約97重量%、約98重量%、約99重量%、又は約99.5重量%を構成する場合、他の多形体を「実質的に含まない」。特定の実施形態では、式(I)の化合物の特定の多形体は、水の量が多形体の約2重量%、約1重量%、又は約0.5重量%以下を構成する場合、水を「実質的に含まない」。
本明細書で使用されるとき、「実質的に純粋」とは、式(I)の化合物の多形形態に関して使用されるとき、化合物の重量に基づいて、化合物の91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、及び99%並びに約100%に等しいものをも含む、90%超を含む、90%を超える純度を有する化合物の多形形態の試料を意味する。残りの材料は、化合物の他の形態、及び/又は反応不純物及び/又はその調製から生じる処理不純物を含む。例えば、式(I)の化合物の多形形態は、当該技術分野で現時点で既知であり、かつ一般に受け入れられている手段によって測定されるとき、式(I)の化合物の多形形態の純度が90%を超え、残りの10%未満の材料が式(I)の化合物の他の形態及び/又は反応不純物及び/又は処理不純物を含む、という点で、実質的に純粋であるとみなされ得る。反応不純物及び/又は処理不純物の存在は、例えば、クロマトグラフィー、核磁気共鳴分光法、質量分析、又は赤外分光法などの当該技術分野で既知の分析技術によって判定され得る。
より簡潔な記載を提供するために、本明細書の定量的表現のいくつかは、約量X~約量Yの範囲として列挙されている。範囲が列挙されるとき、範囲は、その列挙された上限及び加減に限定されず、むしろ、約量X~約量Yまでの全範囲、又はその中の任意の範囲を含む。
「室温」又は「RT」とは、一般的な実験室の周囲温度を指し、通常は約25℃である。
本明細書で使用される「賦形剤」という用語は、組成物を所望の形態に製剤化するのに必要な任意の材料を指す。例えば、好適な賦形剤には、希釈剤又は充填剤、結合剤又は造粒剤又は接着剤、崩壊剤、潤滑剤、粘着防止剤、流動促進剤、分散剤又は湿潤剤、溶解遅延剤又は促進剤、吸着剤、緩衝剤、キレート剤、保存剤、着色剤、香味料、及び甘味料が含まれるが、これらに限定されない。
「薬学的に許容される担体」又は「薬学的に許容される賦形剤」という用語には、生物学的でもその他の望ましくないものでもないありとあらゆる溶媒、共溶媒、錯化剤、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれる。薬学的に活性な材料のためのそのような媒体及び剤の使用は、当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体又は剤が活性成分と不適合である場合を除き、治療用の製剤におけるその使用が意図されている。補助的な活性剤もまた、製剤中に組み入れることができる。加えて、当該技術分野で通例使用されているような、様々な賦形剤が含まれ得る。これらの及び他のそのような化合物は、文献、例えば、Merck Index,Merck&Company,Rahway,N.J.に記載されている。医薬組成物中に様々な成分を含めるための考察は、例えば、Gilman et al.(Eds.)(2010);Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,12th Ed.,The McGraw-Hill Companiesに記載されている。
本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その文脈ものを明確に指示しない限り、複数の指示対象を包む。
本明細書で使用されるとき、範囲及び量は、「約」特定の値又は範囲として表現され得る。約には正確な量も含まれる。したがって、「約5グラム」は「約5グラム」と「5グラム」をも意味する。また、本明細書で表現される範囲は、その範囲内の整数及びその分数を含むことが理解される。例えば、5~20グラムの範囲には、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20グラムなどの整数値、並びに5.25、6.5、8.75、及び11.95グラムを含むがこれらに限定されない範囲内の分数が含まれる。DSC、TGA、TG、又はDTAについての値に先行する「約」という用語は、摂氏温度として報告され、+/-5℃の許容変動を有する。
本明細書で使用されるとき、「必要に応じた」又は「必要に応じて」は、引き続いて記載された事象又は状況が起きるか又は起きないこと、並びに記載が、当該事象又は状況が起こる場合の例及びそれが起こらない場合の例を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて触媒を含む」反応混合物は、反応混合物が触媒を含むか、又は触媒を含まないことを意味する。
本明細書で使用されるとき、「強塩基」とは、酸-塩基反応において弱酸を脱プロトン化することができる塩基性化合物を指す。強塩基の例には、水酸化物、アルコキシド、及びアンモニアが含まれるが、これらに限定されない。強塩基の一般的な例は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、例えば、NaOHである。特定の強塩基は、水の不在下で非常に弱い酸性のC-H基を脱プロトン化することさえできる。強塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化リチウム、及び水酸化ルビジウムが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、NaOHが強塩基として使用される。いくつかの実施形態では、水酸化カリウムが強塩基として使用される。
本明細書で使用されるとき、「弱塩基」という用語は、水溶液中で部分的にのみイオン化される無機及び有機塩基を指す。弱塩基は、典型的には、約6~約11のpKaを有する。多数のそのような弱塩基が知られており、Handbook of Biochemistry and Molecular Biology,Vol.1,3rd ed.,G.D.Fassman,CRC Press,1976,pp.305-347に列挙されるものによって例示される。弱塩基は、水溶性又は水不溶性であり得る。好適な弱塩基には、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、及び重炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩及び重炭酸塩;アンモニア;メチルアミンなどの第一級アミン;第二級アミン;並びにトリアルキルアミンなどの第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、及びトリブチルアミン、ベンジルジエチルアミン、ピリジン、キノリン、N-メチルモルホリン、アニリンなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「非求核性塩基」は、求核剤として作用しない塩基、すなわち、電子対を求電子剤に供与して反応に関連した化学結合を形成しない塩基を指す。典型的には、非求核性塩基は、プロトンが、塩基性中心に結合することができるが、アルキル化及び錯化は防止されるように、かさばり、立体障害がある。非求核性塩基の例には、アミン及び窒素複素環、例えば、トリエチルアミン及びピリジン、アミジン、リチウム化合物、並びにホスファゼンが含まれるが、これらに限定されない。非求核性塩基の他の例には、水素化ナトリウム及び水素化カリウムが含まれる。
本明細書で使用されるとき、「アミン保護基」という用語は、アミン基の保護のための有機合成の技術分野で知られている任意の基を意味する。そのようなアミン保護基には、Greene,“Protective Groups in Organic Synthesis,”John Wiley&Sons,New York(1981)and “The Peptides:Analysis,Synthesis Biology,Vol.3,”Academic Press,New York(1981)に列挙されるものが含まれる。当該技術分野で知られている任意のアミン保護基を使用することができる。アミン保護基の例には、以下:(1)ホルミル、トリフルオロアセチル、フタリル、及びp-トルエンスルホニルなどのアシルタイプ、(2)ベンジルオキシカルボニル(Cbz)及び置換ベンジルオキシカルボニル、1-(p-ビフェニル)-1-メチルエトキシカルボニル、並びに9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)などの芳香族カルバメートタイプ、(3)tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、エトキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、及びアリルオキシカルボニルなどの脂肪族カルバメートタイプ、(4)シクロペンチルオキシカルボニル及びアダマンチルオキシカルボニルなどの環状アルキルカルバメートタイプ、(5)トリフェニルメチル及びベンジルなどのアルキルタイプ、(6)トリメチルシランなどのトリアルキルシラン、(7)フェニルチオカルボニル及びジチアスクシノイルなどのチオール含有タイプ、並びに(8)トリフェニルメチル、メチル、及びベンジルなどのアルキルタイプ、並びに2,2,2-トリクロロエチル、2-フェニルエチル、及びt-ブチルなどの置換アルキルタイプ、並びにトリメチルシランなどのトリアルキルシランタイプが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「脱保護剤」という用語は、保護基を除去するために有用な試薬又は試薬系(試薬(複数可)、及び溶媒)を指す。脱保護剤は、酸、塩基、又は還元剤であり得る。例えば、ベンジル(Bn)基の除去は、還元(水素化分解)によって達成され得、カルバメート(例えば、Boc基)の除去は、任意に穏やかに加熱しながら、酸(例えば、HCl、TFA、HSOなど)の使用によって達成され得、シリル基の除去は、弱酸又はハロゲン化物(例えば、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF)によって提供されるなどのフッ化物)の使用により、任意選択で、穏やかな加熱により、達成され得る。
本明細書で使用されるとき、「還元剤」という語句は、一般に、それ自体が酸化されている間に別の種を還元することができる任意の種を指す。本明細書で使用されるとき、「酸化剤(oxidizing agent)」又は「酸化剤(oxidant)」という語句は、一般に、それ自体が還元されている間に別の種を酸化することができる任意の種を指す。
本明細書で使用されるとき、「トリフレート化試薬」という用語は、トリフレート基がヒドロキシ基に結合してトリフレートエステルを形成する反応において有用な化合物を指す。トリフレート化剤は、トリフルオロアセチル基の源である。トリフレート化試薬には、トリアルキルシリルトリフレート、トリアルキルスタニルトリフレート、トリフリック無水物(トリフルオロメタンスルホン酸無水物)、N-フェニル-ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(PhNTf)、N-(5-クロロ-2-ピリジル)トリフルイミド、及びN-(2-ピリジル)トリフルイミドが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アクリロニトリル誘導体」は、水素原子の1つ以上が別の原子又は基によって置換されている、式CHCHCNを有するアクリロニトリルから誘導される化合物である。アクリロニトリル誘導体の例は、2-クロロアクリロニトリルであり、アクリロニトリルの水素原子の1つは、塩素原子によって置換されている。
本明細書で使用されるとき、「希釈」という用語は、酸性溶液に関して使用される場合、約0.1N未満の酸濃度を有する溶液を指す。
「水素」及び「H」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)を指す。
本明細書で使用されるとき、「アルキル」という用語は、示された数の炭素原子を含有する、直鎖又は分岐鎖であり得る炭化水素鎖を指す。例えば、C1~6は、基がその中に1~6つ(両端を含む)炭素原子を有することができることを示す。例には、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、及びn-ヘキシルが含まれる。
本明細書で使用されるとき、「アルキルアミン」という用語は、1つ以上のアルキル基を含有するアミンを指す。アルキルアミンは、第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミンであり得る。例えば、第二級アルキルアミンは、2つのアルキル基を含有するアミンである。例には、ジイソプロピルエチルアミンが含まれる。
塩は、当業者によく知られている任意の様式で化合物から形成することができる。したがって、「化合物又はその塩を形成する」という記述には、化合物が形成され、その塩が当業者によく知られている様式で化合物からその後に形成される実施形態が含まれる。
明確さのために別個の実施形態と関連して記載される本発明のある特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得る。逆に、簡潔さのために単一の実施形態と関連して記載される本発明の様々な特徴はまた、別個に、又は任意の好適な部分的な組み合わせとして提供され得る。
本明細書に記載の態様に関する実施形態の全ての組み合わせは、あたかもあらゆる組み合わせが可能な態様を包含する限り、あたかもそれぞれの組み合わせが個別に明示的に列挙されたかのように、本発明によって具体的に包含される。更に、本明細書に記載の態様に含まれる実施形態の全ての部分的組み合わせ、及び本明細書に記載の他の全ての態様に含まれる実施形態の全ての部分的組み合わせも、あたかも全ての実施形態のありとあらゆる部分的組み合わせが、本明細書に明示的に列挙されているかのように、本発明によって具体的に包含される。
結晶化法。
セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法が、本明細書に開示されている。セルペルカチニブ形態Aは様々な異なる方法を使用して形態Bに変換され得るが、セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する結晶化に基づく方法が、本明細書に開示されている。
形態Aを形態Bに変換するための適切な方法には、冷却晶析、蒸発晶析、蒸気拡散、1つ以上の貧溶媒を使用する晶析(逆貧溶媒添加を含む)、及びスラリー晶析が含まれる。これらの方法は、本明細書で論じられる。
一態様では、セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法が、本明細書に開示される。
別の態様では、セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法であって、セルペルカチニブ形態AをC~Cアルコールと組み合わせて、スラリーを生成することと、スラリーからセルペルカチニブ形態Bを単離することとを含む、方法が、本明細書に開示される。
更に別の態様では、セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法であって、方法が、
a.DMSOを含む溶媒中にセルペルカチニブ形態Aを溶解して、溶液を形成することと、
b.溶液に水を添加し、それによってスラリーを形成することと、
c.セルペルカチニブ形態Bを単離することと、を含む、方法が、本明細書に開示される。
別の態様では、セルペルカチニブ形態Aを形態Bに変換する方法であって、方法が、セルペルカチニブ形態Aとメタノールとを組み合わせてスラリーを形成することと、>99重量%の形態Aが形態Bに変換されるまでスラリーを攪拌することとを含む、方法が、本明細書に開示される。
形態Aは、4.9、9.7、及び15.5°2θに固有のXRPDピークを有し、形態Bは、7.5、10.9及び12.0°2θに固有のXRPDピークを有する。他のピークの2θ値及び/又はピーク強度はまた、以下の表1に見られ得るように、2つの形態間で異なる。明確にするために、本明細書に開示される全てのXRPDピークは、別段明示的に特定されない限り、±0.2°2θである。
Figure 2023522012000010
表1では、1.00未満の相対強度を有する全てのピークが、リストに含まれていない。
形態A及び形態BのXRPDパターンは、CuKα源(λ=1.54180A)及びVantec検出器を備え、35kV及び50mAで動作するBruker D4 Endeavor x線粉末回折計で得られた。試料は、0.008の2θ°のステップサイズ及び0.5秒/ステップの走査速度で、1.0mmの発散スリット、6.6mmの固定散乱防止スリット、及び11.3mm検出スリットを用いて、4~40の2θ°で走査される。乾燥粉末を石英試料ホルダーに充填し、ガラススライドを使用して滑らかな表面を得る。結晶形態回折パターンは、周囲温度及び相対湿度で収集される。8.853及び26.774 2θ°でピークを有する内部NIST675標準に基づいて、パターン全体をシフトした後、MDI-Jadeにおいて結晶ピーク位置を決定する。結晶学の分野において、任意の所与の結晶形態に関して、結晶形態及び晶癖などの要因から生じる好ましい配向に起因して、回折ピークの相対強度が変化し得ることは周知である。好ましい配向の効果が存在する場合、ピーク強度は変化するが、多形体の特徴的なピーク位置は変化しない。例えば、The United States Pharmacopeia#23,National Formulary#18,pages1843-1844,1995を参照されたい。更に、任意の所与の結晶形態について、角度ピーク位置がわずかに変動し得ることも結晶学技術分野において周知である。例えば、ピーク位置は、試料が分析される温度の変動、試料変位、又は内部標準の存在若しくは不在によってシフトすることができる。この場合、±0.2 2θ°のピーク位置変動性は、示された結晶形態の明確な同定を妨げることなく、これらの潜在的な変動を考慮に入れると推定される。結晶形態の確認は、顕著なピークの任意の固有の組み合わせに基づいて行うことができる。
無水の結晶形態AのDSC-TGA分析は、207.6℃の融解開始を示し、2つの吸熱を示し、最初の吸熱は、形態Aの融解、その後の形態Bの発熱再結晶化、次いでの形態Bの融解に対応している。無水結晶形態BのDSC-TGA分析は、213.3℃の融解開始を伴う単一の吸熱を示した。
形態A及びBは無水の多形体であるが、形態Aは形態Bよりもわずかに吸湿性が高い。
形態A及びBは、類似する溶解度を有する。両方とも、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、及び多くのアルコールベースの溶媒を含む多くの有機溶媒中25℃での溶解度が低く、ジクロロメタン(DCM)、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びTHF中で適度な溶解度(3~30mg/ml)を有する。形態Bは、アニソールにほとんど溶解しない。
形態A及び形態Bの13C固体NMRスペクトルを図2に示す。図2はまた、スペクトルの一部のオーバーレイを含み、形態Aは形態Bでは観察できない30.9ppmのピークを有し、形態Bは形態Aでは観察できない48.0ppmのピークを有することを示す。両方のスペクトルは、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準とした。
100.62MHzの炭素周波数及び400.13MHzのプロトン周波数で動作し、Bruker 4mm二重共鳴プローブを備えたBruker Avance III HD400MHzワイドボアNMR分光計を使用して、13C交差分極/マジック角回転NMR(固体NMR又はssNMR)スペクトルを得る。TOSSサイドバンド抑制を、SPINAL64デカップリング及びRAMP100型H-核CPパルスを用いる交差分極とともに使用する。取得パラメータは次のとおりである:4.0μsの陽子パルス、1.5msの接触時間、5kHzのMAS周波数、30.2kHzのスペクトル幅、及び34msの取得時間。3秒のリサイクル遅延が使用され、スキャン数は2655である。化学シフトは、別個の実験におけるアダマンタン(δ=29.5ppm)を基準とする。形態Bについての代表的な13CssNMR共鳴は、26.44、27.37、28.00、41.98、43.43、43.91、48.04、53.92、56.31、58.32、69.48、77.90、80.38、102.32、106.77、113.58、115.24、118.23、120.76、125.23、130.23、134.86、136.93、140.59、148.42、149.50、151.20、152.45、158.22、及び163.52ppmを含む。
上記のデータは、形態A及び形態Bを確立し、1)いくつかの異なる特性を有し、2)容易に識別され得、3)形態Aは形態Bに変換できる。
様々な異なる溶媒が、形態Aを形態Bに変換するために使用され得る。形態Aを形態Bに変換するために使用され得る溶媒には、C~Cアルコール(メタノール又はエタノールなど)、水、アセトニトリル(ACN、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、ヘプタン、酢酸n-ブチル(n-BuOAC)、81%のACN-MeOH(19mLのMeOHと組み合わされた81mLのACN)、ウェット酢酸エチル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、1,2-ジメトキシエタン、酢酸エチル、ギ酸エチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ニトロメタン、酢酸n-プロピル(NPA)、1-ペンタノール、トルエン、1:1のMeOH:水、1:1のEtOH:水、ACN:水、DMSO/ヘプタン混合物、又はDMSO/水混合物が含まれるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、溶媒には、C~Cアルコール、水、DMSO、MTBE、ACN、及びそれらの2つ以上の混合物が含まれる。更に他の実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、水、DMSO、MTBE、ACN、又はそれらの2つ以上の混合物を含む。
上記のように、セルペルカチニブは溶媒和物を形成し得、かつ、準安定固体形態を形成し得、それらの両方とも、一般に、乾燥時に安定していない。観測された溶媒和物には、アセトン溶媒和物、クロロホルム溶媒和物、1,4-ジオキサン溶媒和物、メチルエチルケトン(MEK)溶媒和物、ジクロロメタン(DCM)溶媒和物、2-ブタノール溶媒和物、1-ブタノール溶媒和物、エタノール溶媒和物、ジメチルスルホキシド(DMSO)-水溶媒和物、DMSO溶媒和物、及びテトラヒドロフラン(THF)溶媒和物が含まれる。溶媒和物及び準安定形態は通常、単離及び/又は乾燥中に形態Aに戻るが、フィルム又は非晶質材料が形成されることがある。クロロホルム及び1,4-ジオキサン溶媒和物は、分離/乾燥時に安定していた。
本明細書に記載の方法で使用される形態Aは、いくらかの形態Bを含有していてもよい。形態Bの量は、存在する場合、少なくとも約0.1重量%~約25重量%以下、又は約0.5重量%~約17重量%、又は約1重量%~約16重量%の範囲である。
形態Aを形態Bに変換するいくつかの非限定的な方法を以下に記載する。
変換方法1
好ましい実施形態では、方法は、セルペルカチニブ形態Aを、C~Cアルコールなどの溶媒と組み合わせてスラリーを生成することと、スラリーからセルペルカチニブ形態Bを単離することとを含む。スラリーが攪拌されるか、そうでなければ揺動されるとき、セルペルカチニブ形態Bが形成される。いくつかの実施形態では、アルコールは周囲温度に維持される。他の実施形態では、スラリーは加熱され、これにより、フォームB形成速度が増加する。温度の違いを除いて、これらの2つの実施形態は類似しており、以下に記載される。
溶媒
~Cアルコールの例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、3-ブタノール、及び1-ペンタノールが挙げられる。いくつかの実施形態では、メタノールが、好ましいC~Cアルコールである。
~Cアルコールの例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、2-ブタノール、及び3-ブタノールが挙げられる。特定の実施形態では、アルコールは、メタノール及び/又はエタノールを含む。一実施形態では、アルコールは、メタノールを含む。
水性アルコールも使用され得、存在する水の量は、約0.1重量%~約70重量%、又は約1重量%~約50重量%まで、又は約2重量%~約30重量%である。別の実施形態では、存在する水の量は、約0.5重量%~約20重量%、又は約1重量%~約15重量%、又は約2重量%~約12重量%、又は約10重量%、又は約10重量%未満である。一実施形態では、アルコールは、少なくとも90重量%のメタノールを含む。別の実施形態では、アルコールは、約90重量%のメタノール及び約10重量%の水を含む。別の実施形態では、アルコールは、少なくとも95重量%のメタノール及び約5重量%の水を含む。他の溶媒が、アルコール混合物に存在してもよい。いくつかの実施形態では、最大約3重量%の1つ以上の他の溶媒が存在してもよい。
温度
温度は、形態Aが形態Bに変換される速度に影響し、より低い温度ではより高い温度よりも長い時間を要する。形態A及び溶媒スラリーを周囲温度より低い温度で攪拌することは可能であるが、これは形態Aから形態Bへの変換を長引かせるため、通常は避けられる。
~Cアルコールなどのアルコールの温度は、約10~80℃、又は約20~60℃、又は約55℃である。C~Cアルコールは、形態A物質が添加される前に所望の温度であってもよく、又は、形態A物質が添加された後に温度が調節されてもよい。
他の実施形態では、C~Cアルコールなどのアルコールの温度は、10~30℃、又は約15~25℃、又は約20℃である。他の実施形態では、温度は外気温度である周囲温度である。形態Aは、メタノールなどの室温溶媒中での攪拌時に形態Bに変換されるが、形態A及び溶媒の混合物を加熱する場合、変換がより速くなる。
全ての形態Aが溶解する程度までスラリーが加熱される場合、得られた溶液を濾過して、いずれの不溶性物質も除去することができる。攪拌後、溶液を、以下に詳述するように攪拌及び冷却する。
時間
スラリーは、少なくとも約5分間又は少なくとも約10分間、攪拌又は他の方法で攪拌される。いくつかの実施形態では、スラリーは、通常、72時間より長く攪拌されないか、又はそうでなければ攪拌されないが、必要に応じて、スラリーは、72時間より長く攪拌されるか、又はそうでなければ攪拌され得る。いくつかの実施形態では、スラリーは、約1~12時間攪拌される。
冷却
形態A及びアルコールの混合物を上記の時間加熱する場合、加熱を停止し、スラリーを、約4~24時間、又は約6~18時間、又は約12時間冷却する。
形態Bの分離
形態B材料は、当該技術分野で知られている任意の方法を使用して単離されてもよい。一実施形態では、分離は、重力濾過を含む。別の実施形態では、分離は、真空濾過を含む。更に別の実施形態では、分離は、遠心分離機の使用を含む。
エタノール、メタノール、ACN、MTBE、水、又はそれらの2つ以上の組み合わせなどの新しい溶媒を使用して、形態B材料を洗浄し得る。より好ましくは、メタノール、ACN、MTBE、水、又はそれらの2つ以上の組み合わせを使用して、形態B材料を洗浄する。更により好ましくは、メタノールを含む溶媒が使用される。新しい溶媒は、それを形態B材料を洗浄するために使用する前に、約0℃~約20℃未満の温度に冷却されてもよい。
単離されたセルペルカチニブ形態Bは、当該技術分野で知られている方法を使用して乾燥されてもよい。典型的な方法には、加熱、固体上への不活性ガスの通過、及び/又は大気圧未満の圧力の使用が含まれる。
この実施例の更なる実施形態では、C~Cアルコールとセルペルカチニブ形態Aとを組み合わせ、得られたスラリーを、形態Aを形態Bに変換するのに十分な長さの時間攪拌するか、そうでなければ揺動する。典型的な攪拌時間は、少なくとも約10分~最大約36時間、又は約24時間、しかし典型的には少なくとも約30分、又は少なくとも約1時間、又は少なくとも約4時間、又は少なくとも約6時間、又は少なくとも約8時間、又は少なくとも約12時間である。必要に応じて、混合物の攪拌及び/又は揺動を、24時間以上行ってもよい。混合物を加熱することにより、形態Aから形態Bへの変換速度が増加する。
この方法の別の実施形態では、方法は、セルペルカチニブ形態Aとメタノールとを組み合わせて、スラリーを形成することと、>95重量%、>96重量%、>97重量%、>98重量%、又は>99重量%の形態Aが形態Bに変換されるまで、スラリーを攪拌することとを含む。スラリーを約12~48時間又は約18~24時間攪拌する。メタノール中のセルペルカチニブ形態Aの濃度は、約6~14mL/g又は約8~12mL/gである。一部の方法では、それは約8mL/gである。
変換方法2
別の実施形態では、方法は、セルペルカチニブ形態Aを溶媒と混合することを含み、形態Aが溶媒中に溶解するまで、得られた混合物を加熱及び攪拌する。溶液が形成されたら、いずれかの不溶性不純物を除去する場合は、混合物を濾過してもよい。次いで、混合物を冷却し、水を添加する。種結晶が使用されている場合は、種結晶をこの時点で追加してもよい。攪拌後、追加の水をゆっくりと添加する。次いで、混合物を室温まで冷却する。室温まで冷却した後、混合物を攪拌し、次いで、形態B材料を単離する。
溶媒
様々な異なる溶媒を使用してもよい。重要なことに、溶媒は、セルペルカチニブ溶媒和物を形成してはならず、むしろ、所望の形態Bを与えなければならない。適切な溶媒の例としては、DMSO、C~Cアルコール、ACN、MTBE、水、又はそれらの2つ以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいC~Cアルコールには、エタノール及び/又はメタノールが含まれる。いくつかの実施形態では、DMSOが好ましい溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、少なくとも2重量%の水を含有する。
使用する溶剤の量は、使用する溶剤に依存する。典型的には、1gの形態Aを、約8~20mL、又は約10~15mL、又は約11~14mL、又は約12~13mLの使用される溶媒中に溶解する。いくつかの実施形態では、1グラムの形態Aが10~15mL/gのDMSOに溶解されるか、又は1グラムの形態Aが約12~13mL/gのDMSOに溶解される。
温度
温度は、形態Aが形態Bに変換される速度に影響し、より低い温度ではより高い温度よりも長い時間を要する。
形態A及び溶媒を含む混合物を、約30℃~溶媒の沸点の程度の温度に加熱する。通常、混合物は、約50~110℃又は約50℃~約70℃の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、混合物は、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、又は約110℃に加熱されてもよい。混合物を所望の温度に加熱し、かつ形態A材料を溶解させた後、溶液の温度を約15~35℃低減させる。温度は、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃低減されてもよい。一実施形態では、溶液は、約70℃未満かつ約20℃超の温度に冷却される。
いくつかの実施形態では、溶媒は、DMSOを含み、約50℃~約70℃に加熱される。更なる実施形態では、DMSOは、次いで、約50℃に冷却される。
別の実施形態では、溶媒は、加熱されない、すなわち、周囲温度で攪拌される。これらの実施形態では、形態Aから形態への変換は、より長い時間を要する。
第1の分割量の水(First Tranche of Water)
第1の分割量の水(第1段階の水)が溶液に添加されるとき、約0.1~1.0mL/g、又は約0.2~0.6mL/g、又は約0.3mL/gの形態Aが添加される(形態Aのgに対して水のmL)。いくつかの実施形態では、第1の分割量の水は、約0.1mL/g又は約0.2mL/g、約0.3mL/g、約0.4mL/g、約0.5mL/g、又は約0.6mL/gである。
第1の分割量の水は、約30秒~約15分、又は約1~10分、又は約4~6分、又は約5分にわたって添加される。必要に応じて、より長い時間を利用してもよい。
種結晶
形態Bの種結晶が混合物に添加される場合、約0.1~15重量%、又は約1~約10重量%、又は約5重量%の形態Bの種結晶が使用される。
いくつかの実施形態では、約1重量%、2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、又は約15重量%の種結晶が添加される。
種結晶は、本明細書に記載の方法を使用して調製され得る。
時間
混合物を加熱し、形態A物質を溶解させ、混合物の温度を50~110℃低減し、かつ種結晶を添加した後、種結晶を使用する場合、混合物を約1~96時間、又は約6~72時間、又は約8~24時間攪拌する。いくつかの実施形態では、混合物を、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、又は少なくとも24時間攪拌する。
第2の分割量の水(Second Tranche of Water)
1~96時間攪拌した後、第2の分割量の水(第2段階の水)をゆっくりと添加する。第2の分割量中の水の量は、約0.3~6mL/g、0.50~3.0mL/g(形態Aのグラム当たりの水のmL)、約0.75~1.5mL/g、又は約0.9~1.20mL/gである。いくつかの実施形態では、第2の分割量の水は、形態Aの約0.90mL/g、約0.91mL/g、約0.92mL/g、約0.93mL/g、約0.94mL/g、約0.95mL/g、約0.96mL/g、約0.97mL/g、約0.98mL/g、約0.99mL/g、約1.00mL/g、約1.01mL/g、約1.02mL/g、約1.03mL/g、約1.04mL/g、約1.05mL/g、約1.06mL/g、約1.07mL/g、約1.08mL/g、約1.09mL/g、約1.10mL/g、約1.11mL/g、約1.12mL/g、約1.13mL/g、約1.14mL/g、約1.15mL/g、約1.16mL/g、約1.17mL/g、約1.18mL/g、約1.19mL/g、約1.20mL/gである。
第2の分割量の水はゆっくりと添加され、すなわち、第2の分割量の水全体を添加するのに約0.5~24時間又は約1~12時間かかる。いくつかの実施形態では、第2の分割量の水全体を添加するのに、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、又は約12時間かかる。
冷却
第2の分割量の水を添加した後、混合物を、約15~30℃冷却して、約20~30℃の温度にする。いくつかの実施形態では、混合物は、約15℃、約16℃、約17℃、約18℃、約19℃、約20℃、約21℃、約22℃、約23℃、約24℃、約25℃、約26℃、約27℃、約28℃、約29℃、又は約30℃に冷却される。一実施形態では、冷却後の最終温度は室温である。他の実施形態では、混合物は、約30~55℃の温度に冷却される。これらの実施形態では、収率は、より低い温度が使用される場合よりもわずかに低い傾向にある。
第2の分割量の水を添加した後、所望の温度に達するまで、混合物を、約1~20℃/時間、又は約3~17℃/時間、又は約5~15℃/時間の速度で冷却する。一実施形態では、冷却速度は、約1℃/時間、約2℃/時間、約3℃/時間、約4℃/時間、約5℃/時間、約6℃/時間、約7℃/時間、約8℃/時間、約9℃/時間、約10℃/時間、約11℃/時間、約12℃/時間、約13℃/時間、約14℃/時間、約15℃/時間、約16℃/時間、約17℃/時間、約18℃/時間、約19℃/時間、約20℃/時間である。
所望の温度に達した後、混合物を、約1~約72時間又は約2~48時間攪拌する。いくつかの実施形態では、混合物を、少なくとも2時間攪拌する。他の実施形態では、混合物を、72時間未満攪拌する。
形態Bの単離
形態Bを、上記のように単離する。
エタノール、メタノール、ACN、MTBE、水、又はそれらの2つ以上の組み合わせなどの新しい溶媒を使用して、形態B材料を洗浄し得る。より好ましくは、メタノール、ACN、MTBE、水、又はそれらの2つ以上の組み合わせを使用して、形態B材料を洗浄する。更により好ましくは、メタノールを含む溶媒が使用される。新しい溶媒は、それを形態B材料を洗浄するために使用する前に、約0℃~約20℃未満の温度に冷却されてもよい。
溶媒がDMSOを含む実施形態では、単離されたセルペルカチニブ形態Bは、単離されたセルペルカチニブ形態Bが0.5重量%未満のDMSOを含有するまで、メタノールで洗浄される。
この方法の更なる例では、セルペルカチニブ形態Aは、DMSOを含む室温の溶媒中に溶解されて、形態Aのグラム当たり約10~15mL/gのDMSOの濃度を有する溶液を形成する。次いで、水を添加する。次いで、混合物を静置すると、その間に、形態Bが形成される。次いで、形態Bを単離することができるか、又は追加の水を添加することができ、(上記のように)更に攪拌した後に、形態Bを単離することができる。
この方法の別の例では、セルペルカチニブ形態Aを約60~80℃又は約70℃でDMSO中に溶解して、形態Aのグラム当たり約10~15mL/gのDMSOの濃度を有する溶液を形成し、混合物を約40~60℃又は約50℃に冷却し、水を添加し、得られた混合物に形態Bの種結晶を播種し、混合物を攪拌し、更に水を添加し、混合物を加熱し、混合物を冷却し、かつ形態Bを単離する。添加する水の初期の量は、形態Aの約0.1mL/g~形態Aの約0.5mL/g、又は形態Aの約0.3mL/gである。使用され得る種結晶の量は、形態Aの量に基づいて、約1~10重量%、又は約5重量%の範囲である。種結晶含有混合物を、約8~24時間又は約12時間攪拌する。第2の添加量/分割量の水は、形態Aの約1.0~1.5mL/g、又は約1.10~1.15mL/g、又は約1.14mL/gである。第2の添加量/分割量の水を、約3~8時間又は約5時間にわたって添加する。第2の添加量/分割量の水を添加した後、スラリーを約20~30℃又は約25℃に冷却する。スラリーを約70℃から約25℃に冷却する速度は、約25℃に達するまで、約10℃/時間である。約25℃のスラリーを少なくとも約2時間攪拌し、次いで、約60~80℃又は70~75℃又は約73℃に加熱し、かつ約1時間攪拌する。次いで、スラリーを再び、約20~30℃又は約25℃に冷却する。スラリーを、約10℃/時間の速度で約73℃から約25℃まで冷却する。少なくとも約30分~約8時間、又は約1~8時間、又は約2時間攪拌した後、セルペルカチニブ形態Bを、例えば、濾過によって単離する。
形態Aから形態Bへの変換に有効な結晶化方法は、実施例に記載の例示的実施形態において更に例示される。
式Iの化合物の形態Bの直接合成。
別の態様では、本開示は、形態Bとしての式Iの化合物(すなわち、セルペルカチニブ)、
Figure 2023522012000011

又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスに関する。
実施形態では、セルペルカチニブ形態Bを調製するためのプロセスは、他の場所で開示及び記載されている方法(例えば、米国特許第10,112,942号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)などの合成方法による1つ以上の前駆体化合物の合成を含む。以下の例示的なスキーム1及び2は、前駆体化合物[2]からセルペルカチニブ形態B及び重要な中間体化合物[3]を調製するための一般的な方法を示している。
Figure 2023522012000012
前駆体化合物[2](tert-ブチル3-(5-(3-シアノ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ))ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピリジン-2-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボキシレート)を提供し得る合成方法の詳細な記載が、例えば、米国特許第10,745,419号及び同第10,112,942号、並びに国際特許公開第2018/071447号に開示されており、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非限定的な一実施形態の簡単な概要では、化合物[2]は、DMSO中で、4-(6-フルオロピリジン-3-イル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3カルボニトリル、3,6-ジアザ-ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボン酸tert-ブチルエステル及びKCO3(s)(1:1:6.67モル当量で)の反応によって、加熱下(例えば、90℃で12時間)で攪拌しながら調整され得る。得られた粘稠なスラリーを追加のDMSOで希釈し、かつ加熱(例えば、90℃で更に12時間)下で攪拌する。反応後、混合物を周囲温度に冷却し、かつ水で希釈し、得られた水性混合物をジクロロメタンで洗浄する。組み合わせた有機抽出物を無水MgSO4(s)上で乾燥させ、濾過し、真空濃縮する。得られた残渣をシリカクロマトグラフィー(グラジエント溶離液系としてのEtOAc/ヘキサン)で精製して、化合物[2]を高収率で提供する。当業者は、他の合成経路を使用して化合物[2]を合成できることを理解するであろう。当業者は更に、化合物[2]は、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンゾイル、カルバメート、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、トリメチルシリル、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル、トリチル及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、ニトロベラトリルオキシカルボニル、p-メトキシベンジル及びトシルの非限定的な例を含む、Boc以外のアミン保護基を含んでもよい。いくつかの実施形態では、保護基、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
一般に、本開示に従って形態Bセルペルカチニブの直接合成のための方法は、(1)保護基(例えば、[2]に示すBoc)を除去するのに、及び(2)2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ置換基上のヒドロキシル基のシリル化(例えば、[3]に示すTMS)のために、有効な条件下で、化合物[2](tert-ブチル3-(5-(3-シアノ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ))ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル)ピリジン-2-イル)-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]へプタン-6-カルボキシレート)を含む。次いで、シリル化及び脱保護された化合物[3]を、などの有機溶媒(例えば、アニソール)中、還元剤及び酸の存在下で、6-メトキシ-3-ピリジンカルボキサルデヒドと反応させる。
シリル部分(例えば、いくつかの例示的な実施形態におけるTMS)は、例えば、フッ化物源(例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF))の添加などの脱保護に有効な条件下で除去される。シリル保護基の反応及び除去後、反応混合物のpHを塩基で調整し、かつ冷却して、結晶形態Bセルペルカチニブの形成及び単離を可能にする。
いくつかの実施形態では、保護基を除去するのに及びシリル化のために有効な条件は、アルコール(例えば、MeOH、EtOH)、有機酸(例えば、p-トルエンスルホン酸などのアリールスルホン酸)、非プロトン性溶媒(例えば、アセトニトリルなど)、アルコール中のハロゲン化アシル(例えば、HCl溶液を生成するメタノール中の塩化アセチルなど)、エステル(例えば、酢酸エチル)、エーテル(例えば、アニソール)、及びこれらの組み合わせなどの極性有機溶媒から選択される溶媒を含み得る。いくつかの実施形態では、反応は、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩化アセチル、三塩化アルミニウム、及び三フッ化ホウ素を含み得る脱保護剤を含む。いくつかの実施形態では、脱保護剤は、硫酸、塩化アセチル、又はp-トルエンスルホン酸である。いくつかの実施形態では、条件は、約1時間~約8時間以上の範囲の時間の期間(例えば、一晩、又は約12時間)、任意選択で、還流させるために、反応混合物を加熱することを含み得る。
いくつかの実施形態では、反応に使用されるシリル基は、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、イソプロピルジメチルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、tert-ブチルジメチルシリル(TBS/TBDMS)、テトライソプロピルジシロキサンイリデン(TIPDS)、ジ-t-ブチルシリレン(DTBS)、又はトリイソプロピルシリル(TIPS)を含み得る。シリル基(例えば、化合物[3]上のTMS基)の存在は、保護基として作用することに加えて、セルペルカチニブ形態B、化合物[2]、及び化合物[3]の非シリル化誘導体のための貧溶媒とみなされ得る、溶媒アニソール中の化合物の追加の溶解度を提供する。
シリル基は、当該技術分野で知られている方法を使用して付加され得る。
いくつかの実施形態では、化合物[3]と6-メトキシ-3-ピリジンカルボキシアルデヒドとの反応は、化合物[3]が[3]の2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ形態よりもアニソール中で高い溶解性を示すことを前提として、溶媒としてアニソールを用いて実行される。いくつかの実施形態では、還元剤は、アルカリ金属ホウ素水素化物、ヒドラジン化合物、クエン酸、クエン酸塩、コハク酸、コハク酸塩、アスコルビン酸、及びアスコルビン酸塩を含み得る。いくつかの実施形態では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ニッケル、及び水素化ホウ素カリウムから選択される。いくつかの実施形態では、水素化ホウ素リチウムは、水素化ホウ素リチウム及びトリエチル水素化ホウ素リチウムから選択される。いくつかの実施形態では、水素化ホウ素ナトリウムは、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB)、水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムから選択される。いくつかの実施形態では、還元剤は、STABである。いくつかの実施形態では、反応中の酸は、反応の触媒として作用し、無機酸(例えば、HCl、HSOなど)、又は水溶性を有する有機酸(例えば、酢酸、ピバリン酸など)を含み得る。いくつかの実施形態では、酸は、ピバリン酸を含む。
得られた化合物は、シリル基(例えば、TMS)を除去するのに十分な、かつ反応生成物(すなわち、セルペルカチニブ)と反応して分解するほど過酷ではない条件下で脱保護される。いくつかの実施形態では、シリル基の脱保護は、シリル基と反応するのに有効な量で反応に対して、フッ化物源(例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、ピリジン(HF)、トリメチルアミン三フッ化水素酸塩(EtN・3HF)、フッ化水素酸、ジフルオロトリメチルケイ酸トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム(TASF)、フッ化アンモニウム(HNF))又は弱酸を添加することを含む。脱保護ステップの条件は、緩衝フッ化物源を含み得、分解反応を避けるために条件を十分に穏やかに維持しながら、経験的に決定され得る。
反応後、反応混合物のpHを塩基(例えば、KCOスラリー)で調整し、かつ冷却して、結晶形態Bセルペルカチニブの形成及び単離を可能にする。いくつかの実施形態では、結晶化は更に、セルペルカチニブ形態Bの少量の種結晶の添加を含むことができる。いくつかの更なる実施形態では、結晶化は、セルペルカチニブ形態Bの残りの量を形態Aに変換するのに有効であり得る、本明細書に記載の結晶化技術のいずれかを含むことができる。
特定の出発材料及び試薬が、以下のスキーム及び関連する記載に示されているが、他の出発材料、反応条件、及び試薬を代用して、本開示に従って標的化合物(すなわち、セルペルカチニブ形態Bを得ることができる。
この態様のいくつかの実施形態では、合成方法は、スキーム1に示される一般的な反応スキームを含む。
Figure 2023522012000013
この態様のいくつかの実施形態では、プロセスは、スキーム2に示される一般的な反応スキームを含む。
Figure 2023522012000014
セルペルカチニブ形態Bが、本開示による態様及び実施形態による直接合成法又はセルペルカチニブ(すなわち、非晶質のセルペルカチニブ又は別の多形形態のセルペルカチニブ)からの変換によって得られるかどうかにかかわらず、それは更に、その薬学的に許容される塩、又はその医薬組成物として提供され得、それの他の多形及び/又は非晶質のセルペルカチニブと比較して、より高い熱力学的安定性を示すことができる。セルペルカチニブ形態Bは、RET阻害剤としてのその活性を保持しており、例えば、PCT公開第2018/071447号及び米国特許出願公開第2018/0134702号に記載されているアッセイを含む、当該技術分野で知られている任意のアッセイによって活性を評価及び査定することができ、それらの各々は、その全体が参照により組み込まれる。
以下の実施例は、本明細書に記載の方法の範囲内にあり、特許請求の範囲に包含される特定の実施形態を例示及び記載する目的でのみ提供される。
本明細書に記載の結晶化手順で使用されるセルペルカチニブ(6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-4-(6-(6-((6-メトキシピリジン-3-イル)メチル)-5 3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3)-イル)ピリジン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル)は、米国特許第10,112,942号に記載の技術及び方法を使用して作製された。
実施例1:冷却結晶化
264mgの形態Aを、20mLのDCM中に溶解し、(15)8mLのバイアル中等しい部分に分配した。次いで、これらのバイアルを70℃の真空オーブンに入れて、溶媒を除去した。全てのバイアルで複屈折性の白色固体が観察された。それぞれの溶媒(表2参照)を、振盪させながら、50℃で添加した。熱源をオフに切り替えて、試料を自然に室温(RT)まで冷却した。試料を一晩攪拌し、得られた固形物を真空濾過によって単離し、続いて風乾させた。固形物を含まないバイアルを、冷蔵庫内に3日間置き、かつ沈殿が生じなければ、取り出されて、ドラフト内で1日間蒸発させた。XRPDデータは、湿った固体で回収された(可能であれば)。実験の約2/3(約66%)で、単離及び乾燥時に準安定な溶媒和物が産出された。これらの準安定溶媒和物(クロロホルム溶媒和物を除く)は、母液から取り出すとすぐに形態Aに変換された。81%のACN-MeOHでは形態Bが得られ、アニソールでは形態Aが得られた。
Figure 2023522012000015
実施例2:蒸発及び蒸気拡散結晶化
蒸発プレートは、5mgの形態Aを0.9~12mLの溶媒中に溶解することにより(33)バイアルに調製した。蒸発溶液を手動でシリンジ濾過して、清浄なバイアルに濾過して入れ、ピンホールを開けたパラフィルムで覆い、ドラフト内室温(RT)及び周囲湿度で蒸発乾固させた。蒸気拡散用の溶液を、5mLの貧溶媒を含む20mLのチャンバーに入れ、しっかりと蓋をした。
結晶化実験の約半分により、溶媒和物又は溶媒和物と形態Aとの混合物が産生された。非常に多くの溶媒和物が、脱溶媒時に形態Aに変換された。構造的類似性による鋳型効果が準安定形態の核生成を方向づける可能性があることが考えられる。形態Bは、ACN及び5:1のMeOH-THFを使用した2つの結晶化実験のみから得られた。x線回折アモルファス形態/フィルムは、5つの溶媒系(THF、11:1のIPA:酢酸、ベンジルアルコール、酢酸及び10:1のEtOH:DMF)から得られた。クロロホルム及び1,4-ジオキサン溶媒和物は単離時に安定しており、固体特性データが収集された。IPAはイソプロピルアルコールであり、THFはテトラヒドロフランであり、DMFはジメチルホルムアミドである。
蒸気拡散実験により、様々な溶媒和物又は非晶質材料が得られた。5つの溶媒和物、すなわち、DCM、1-BuOH、EtOH、THF、及びDMSOは準安定であり、単離時に形態Aが得られた。DMSO/ヘプタン混合物により、形態Aと形態Bとの混合物が得られた。
実施例3:貧溶媒結晶化
(29)4mLのバイアル中の1~15mLの溶媒中に様々な量(9~36mg)の形態Aを溶解することにより、貧溶媒添加実験を調製した。最初の17個のバイアルについては、沈殿が生じるか、又は反溶媒の体積が溶媒の体積と同じかそれ以上になるまで、反溶媒をシリンジで濾過した溶液中に滴下させた。第2の12個のバイアルについては、溶液を、シリンジで濾過して、5mLの反溶媒を含む清浄なバイアルに入れた。固形物を、真空濾過及び風乾により単離した。沈殿物が観察されなかったバイアルは、最大2週間の期間蒸発させた。貧溶媒添加の71%は、形態A又は形態Aに導く不安定な溶媒和物を産生した。形態Bは、実験の24%で現れた(1つの結果は非晶質であった)。逆貧溶媒添加では、実験の83%で形態A又は溶媒和物が得られ、実験の17%で形態Bが得られた。
実施例4:スラリー結晶化
形態Aバイアルのスラリーを、4mLのバイアル中の10mgの形態Aで調製した。これらの溶媒中の形態Aの溶解度に従って溶媒を添加して、あるスラリー密度を生み出した。スラリーを、500rpmのシェーカーブロックで22℃で約3日間振盪させた。固形物は、XRPDによってウェットケーキとして分析された。スラリースクリーンの大部分は、形態Aと一致する固形物、又は単離/乾燥中に形態Aに変換された溶媒和物をもたらした。
4mLのバイアル中に10mgの形態Aを含む別のスラリープレートを、前の段落で述べたのと同様の方法で調製した。スラリーを、500rpmのシェーカーブロックで22℃で24時間振振盪させた。24時間後、各バイアル中の母液を新しいそれぞれの溶媒と交換した。次いで、スラリーを15日間攪拌した。固形物を、XRPDによってウェット及びドライについて分析した。実験の約2/3(約66%)で、形態Bが観察された。実験の残りの1/3(約33%)では、形態A及びB又は形態A及び溶媒和物(1ケース)の混合物が得られた。これらの結果は、平衡に達しなかったことを示唆しており、これは、1)試験した溶媒中の形態Aの溶解限界、又は2)転移点付近での相変態についての熱力学的駆動力が最小であることが原因である可能性がある。スラリー結晶化実験では、アニソールでは再び、形態Aが得られた。
Figure 2023522012000016
上記の表3では、別の時間が記載されていない限り、スラリーは15日間攪拌された。
実施例5:溶媒支援粉砕
溶媒支援機械的粉砕を使用した2つの実験を実施した。一実験では、DMSOを溶媒として使用した場合に、形態Bが観察された。水を溶媒として使用した場合には、形態変化はなかった、すなわち、形態Aは観察されなかった。
実施例6:形態Aから形態Bへの変換
セルペルカチニブ(2.0g)をメタノール(200mL)中に懸濁し、55℃、750rpmで攪拌する。懸濁液を、55℃で60分間攪拌する。加熱を停止し、懸濁液を室温まで自然に冷却させる。固体を濾過により回収し、真空下で4時間乾燥させて、表題化合物の結晶(1.72g、86%)を得る。
実施例7:形態Aから形態Bへの変換
セルペルカチニブ形態A(152.0g)をメタノール(1.5L)中に懸濁し、室温、750rpmで攪拌する。懸濁液を、室温(約20℃)で一晩攪拌する。固体を、真空下で濾過により回収する。固体を45℃で窒素パージを用いたフルハウス真空下で乾燥させて、表題化合物の結晶(148.28g、97.6%)を得る。
実施例8:形態Aから形態Bへの変換
室温で、セルペルカチニブ形態Aをメタノール(8mL/g)中で18~24時間攪拌する。固形物を濾過して、単離する。わずかなNパージを用いて、45℃での真空下で固形物を乾燥させる。
実施例9:形態Aから形態Bへの変換
攪拌しながら、形態AをDMSO(13mL/g)中に70℃で溶解し、透明な溶液を得る。溶液を、50℃まで冷却する。水を加え(0.3mL/g)、次いで、溶液に形態Bの種結晶(5重量%,使用した形態Aの量に基づく)を播種する。12時間攪拌し、次いで、5時間にわたって水(1.14mL/g)を加える。スラリーを、10℃/hで25℃まで冷却する。少なくとも2時間攪拌する。スラリーを、73℃に加熱し、1時間攪拌する。スラリーを、10℃/hで25℃まで冷却する。少なくとも2時間攪拌する。固形物を、濾過により単離する。ウェットケーキを、MeOH(8mL/g)で3回洗浄する。わずかなNパージを用いて、45℃での真空下で固形物を乾燥させる。
実施例10:形態Bの合成
Figure 2023522012000017

式Iの化合物(すなわち、セルペルカチニブ)の形態Bへのこの合成経路は、化合物tert-ブチル-3-[5-[3-シアノ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル]-2-ピリジル]-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボキシレート[2]を生成する任意の合成経路を含むことができる。
オーバーヘッド攪拌機、凝縮器、及び熱電対を備えた丸底フラスコ(三口)に、メタノール(200mL、100%)及び塩化アセチル(3.1mL、44mmol、100%)を添加する。混合物を、tert-ブチル3-[5-[3-シアノ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル]-2-ピリジル]-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボキシレート[2]、(9.9965g、19.81mmol、100%)を添加する前に、反応させる。添加時に、反応は、約60℃(63℃)に加熱される。温度を、観測可能なオフガスの量を低減し、取り付けられた凝縮器のオーバードライブの可能性を回避するために調整した。完全な変換を決定する反応をアッセイした(約2時間)後、溶媒を除去した。その混合物に、アセトニトリル(ACN)(約100mL)を添加し、反応容器の側面をすすいだ。溶媒混合物を、再び除去し、窒素雰囲気下に維持した。
反応容器に追加のACN(300mL、100%)及びヘキサメチルジシラザン(「HMDS」25mL、119mmol、100%)を添加する。反応を、反応混合物の最初のサンプリングの前に、周囲温度で約1時間攪拌し、[2]の量に基づいて約1.6%の表題化合物を生成する。反応を、周囲温度で一晩進行させた。一晩の反応のサンプリングに続いて、混合物を、40℃に加熱し、その温度で1時間後にサンプリングする。反応の加熱は、56℃に上昇する。温度が上昇している間、混合物は還流し、泡立ち、これはアンモニアの発生を示していると推定される。その温度で約1~1.25時間後に、反応のサンプリングを行い、継続して観測可能な還流を行う。反応をその温度で更に3時間維持し、再びサンプリングを行う。反応溶媒を除去し、炭酸カリウム水溶液(100mL、50.45mmol、5質量%)を反応容器中にスラリー化する。得られた混合物を水(25mL)で洗浄し、乾燥させて、7.89gの表題化合物[3](収率78%)を得る。(質量分析法、m/z=477.20、477.30(M+H)。H NMR(400MHz、(DMSO-d)d:8.55(s,1H)、8.06(d,1H)、7.82(dd,1H)、7.66(dd,1H)。
代替プロセス。オーバーヘッド攪拌機、凝縮器、及び熱電対を備えた反応容器に、tert-ブチル3-[5-[3-シアノ-6-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-イル]-2-ピリジル]-3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-6-カルボキシレート[2]、(9.9965g、19.81mmol、100%)、及びp-トルエンスルホン酸(2.1当量)を10体積の有機溶媒で添加する。混合物を1時間反応させ、その後、ピリジン(2.1当量)及びヘキサメチルジシラザン(「HMDS」6当量)を添加する。この反応混合物を更に約1時間攪拌し、表題の化合物[3]を得る。
Figure 2023522012000018
マグネチックスターラーを備えた反応容器に、4-[6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)-3-ピリジル]-6-(2-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル[3](0.9981g、2.094mmol、100質量%)、6-メトキシ-3-ピリジンカルボキシアルデヒド(すなわち、6-メトキシニコチンアルデヒド、0.4909mg、0.003401mmol、95質量%)、ピバリン酸(0.5328mg、0.005217mmol、100質量%)、アニソール(10mL、91.8mmol、100質量%)を添加し、攪拌してスラリーを形成する。均一な溶液混合物が得られるまで、攪拌しながら加熱する。溶液を周囲温度まで冷却しても、均一な溶液のままになっている。冷却されたら、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.0840g、5.1147mmol、100質量%)を添加し、反応させる。2時間後の反応の分析は、表題化合物のTMS保護誘導体の形成を示した。
反応の完了後、この方法を続けて、TMS保護を除去し、形態Bを結晶化することができる。混合物に、水(1mL、55.5099mmol、100質量%)及びフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.6070g、2.322mmol、100質量%)を、及び、任意選択で、ある量(約10mg)の形態Bとしての表題の化合物種結晶を、混合物に添加する。しばらくして結晶が観察されない場合には、混合物を50℃に温めることができる。昇温を一晩維持した後、反応物をサンプリングし、完了として確認するが、なんら結晶化は観察されない。混合物のpH(わずかに酸性)を、スラリーとしての炭酸カリウム(水中での5質量%)の添加により調整し、観察された泡立ちが止み、pH試験が塩基性になるまで、1mLのアリコート中に添加した。混合物を一晩攪拌し、サンプリングして、検出可能な不純物を含まない表題化合物を得、54%の総単離収率で得られた。(質量分析法、m/z=526.30(M+H)。H NMR(400MHz、DMSO-dd:8.55(s,1H)、8.06(d,1H)、7.82(dd,1H)、7.66(dd,1H)
代替プロセス。マグネチックスターラーを備えた反応容器に、4-[6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)-3-ピリジル]-6-(2-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリル[3](1.00g、2.10mmol)、6-メトキシ-3-ピリジンカルボキシアルデヒド(1.6当量)、ピバリン酸(約5体積当量))、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2.5当量)、アニソール(10mL、91.8mmol、100質量%)を添加し、約1時間反応させる。反応混合物に水(10mL)を添加する。混合物をセライト(けいそう土、濾過助剤)を通して濾過する。有機層に飽和塩化ナトリウム溶液(10mL)を添加して、層を分離する。層を分離する。有機層に5NのHCl(1mL)を添加する。混合物を、95℃で3時間加熱する。反応後、混合物のpH(酸性)を、炭酸カリウムの添加によりpH9に調整する。混合物を、冷却して、結晶化させる。得られたセルペルカチニブ形態Bの結晶を濾過し、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)で洗浄し、乾燥させて、純粋な表題化合物を得る。
実施例11
形態Bの物理的及び化学的安定性は、溶解性と溶解度性を確保することに対してだけでなく、API及び剤形医薬品開発及び製造作業(乾燥、保管、配送転送など)にとっても重要な属性である。全ての結晶形態が、薬物開発を可能にするのに必要な安定性を有するものではない。温度及び湿度の両方に対して安定な結晶形態が望まれる。セルペルカチニブの結晶形態の安定性を評価するために、加速安定性試験を実施する。形態Bの試料を20mLのシンチレーションバイアルに量り入れ、表4で指定された温度で及び指定された時間、オーブン内で飽和塩溶液を有するベルジャーに入れる(オープンディッシュ)。形態Bを、加速安定性試験の前後に分析し、CuKα線源(波長=1.54056A)及びLinxeye検出器を備え、40kV及び40mAで動作し、0.2mm発散スリットを備えた、Bruker D8 Advance XRPDで回収する。各サンプルは、ステップ当たり0.2秒の速度、0.02°ステップで4°~30°2θをスキャンされる。出発物質に対するアッセイ及び不純物を、ダイオードアレイ検出器を備えたAgilent1260 HPLCシステムを使用して評価する。試料は、水中50/50 0.1%のTFA/ACN中0.1%のTFAにおいて適切な濃度で調製され、以下のHPLC条件:Column Zorbax Bonus-RP、75x4.6mm i.d.、3.5ミクロン、移動相Aは水中の0.1%のTFA、移動相BはACN中の0.1%のTFA、グラジエントは時間0での95%のA、時間9.5~12.1分での23%のA、時間13~16分での5%のA、1.5mL/minの流量、時間16.1~20分での95%のA、30℃のカラム温度、210nmのUV検出波長、3μLの注入量を使用して評価される。形態Bの安定性が特徴付けられており、試験条件下で化学的及び物理的に安定していることがわかりる(表4)。
Figure 2023522012000019
実施例12:溶解度
本明細書に記載のセルペルカチニブの結晶形態に関して、溶解度試験を完了した。これらの試験では、生理的pH範囲をカバーする水性媒体及び3つのシミュレートされた流体を使用した。溶媒の体積を飽和させるのに十分な量の固体化合物を、指定された約1mLの溶媒の入った容器に秤量する。試料は、100rpmに設定されたインキュベーターシェーカー中37℃で混合される。平衡化後、試料を、遠心フィルター(Durapore PVDF、孔径0.22μm)に移し、37℃を維持しながら、10,000rpmで3分間遠心分離する。次いで、各試料から100μLのアリコートを採取し、900μLの50:50のアセトニトリル:水で希釈する。濾液のpHは、較正済みの科学的pH装置を使用して記録される。化合物の溶液濃度は、Agilent Zorbax Bonus-RP4.6x75mm、3.5μmカラムを使用して、以下の条件:温度は30℃であり、注入量は4μLであり、238nmでの紫外検出であり、流量は1.5mL/分であり、オートサンプラーの温度は25℃であり、移動相Aは水中の0.1%のトリフルオロ酢酸であり、移動相Bはアセトニトリル中の0.1%のトリフルオロ酢酸である、の下で、HPLCによって決定される。HPLCグラジエントは次のとおりである:0分-Aの95%、5%のB;9.5分-23%のA、77%のB;12.1分-23%のA、77%のB;13分-5%のA、95%のB;16分-5%のA、95%のB;16.1分-95%のA、5%のB;20分-95%のA、5%のB。下の表(表3)は、2回のサンプル調製の平均として報告された平衡溶解度データ及び平衡pHの詳細である。表5に示すように、遠心分離試料からの残留固体の固体形態は、XRPDによって検証される。
Figure 2023522012000020

実施例12:溶解度
本明細書に記載のセルペルカチニブの結晶形態に関して、溶解度試験を完了した。これらの試験では、生理的pH範囲をカバーする水性媒体及び3つのシミュレートされた流体を使用した。溶媒の体積を飽和させるのに十分な量の固体化合物を、指定された約1mLの溶媒の入った容器に秤量する。試料は、100rpmに設定されたインキュベーターシェーカー中37℃で混合される。平衡化後、試料を、遠心フィルター(Durapore PVDF、孔径0.22μm)に移し、37℃を維持しながら、10,000rpmで3分間遠心分離する。次いで、各試料から100μLのアリコートを採取し、900μLの50:50のアセトニトリル:水で希釈する。濾液のpHは、較正済みの科学的pH装置を使用して記録される。化合物の溶液濃度は、Agilent Zorbax Bonus-RP4.6x75mm、3.5μmカラムを使用して、以下の条件:温度は30℃であり、注入量は4μLであり、238nmでの紫外検出であり、流量は1.5mL/分であり、オートサンプラーの温度は25℃であり、移動相Aは水中の0.1%のトリフルオロ酢酸であり、移動相Bはアセトニトリル中の0.1%のトリフルオロ酢酸である、の下で、HPLCによって決定される。HPLCグラジエントは次のとおりである:0分-Aの95%、5%のB;9.5分-23%のA、77%のB;12.1分-23%のA、77%のB;13分-5%のA、95%のB;16分-5%のA、95%のB;16.1分-95%のA、5%のB;20分-95%のA、5%のB。下の表(表3)は、2回のサンプル調製の平均として報告された平衡溶解度データ及び平衡pHの詳細である。表5に示すように、遠心分離試料からの残留固体の固体形態は、XRPDによって検証される。
Figure 2023522012000031


以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] セルペルカチニブの結晶形態であって、
(a)1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、17.1°、17.7°、及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークと、を含む、x線粉末回折(XRPD)パターン、又は
(b)28.0、48.0、80.4、106.8、130.2、及び134.9ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む 13 C固体NMRスペクトル、
のうちの少なくとも1つを特徴とする、セルペルカチニブの結晶形態。
[2] 前記結晶形態が、1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、7.5°、12.0°、13.2°、17.1°、17.7°及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークとを含むx線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする、[1]に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
[3] 前記結晶形態が、7.5°、10.9°、12.0°、13.2°、17.1°、17.7°、18.2°、19.8°、21.1°及び24.5°±0.2°2θで生じる特徴的なピークを有するx線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする、[1]に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
[4] 前記結晶形態が、26.4、28.0、42.0、43.9、48.0、56.3、69.5、80.4、102.3、106.8、115.2、120.8、130.2、134.9、140.6、149.5、152.5及び163.5ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む 13 C固体NMRスペクトルを特徴とする、[1]に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
[5] 前記結晶形態が、26.4、27.4、28.0、42.0、43.4、43.9、48.0、53.9、56.3、58.3、69.5、77.9、80.4、102.3、106.8、113.6、115.2、118.2、120.8、125.2、130.2、134.9、136.9、140.6、148.4、149.5、151.2、152.5、158.2及び163.5ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁性共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む 13 C固体NMRスペクトルを特徴とする、[1]に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載のセルペルカチニブの結晶形態と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
[7] 前記組成物が、約20重量%未満のセルペルカチニブの他の結晶形態を含有する、[6]に記載の医薬組成物。
[8] 前記組成物が、約10重量%未満のセルペルカチニブの他の結晶形態を含有する、[6]に記載の医薬組成物。
[9] 前記組成物が、約5重量%未満のセルペルカチニブの他の結晶形態を含有する、[6]に記載の医薬組成物。
[10] 患者におけるがんを治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に有効量の[1]~[9]のいずれかに記載のセルペルカチニブを投与することを含む、方法。
[11] 療法に使用するための、[6]~[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[12] がんの治療に使用するための、[6]~[9]のいずれかに記載の医薬組成物。
[13] 前記がんが、肺がん、甲状腺乳頭がん、甲状腺髄様がん、分化型甲状腺がん、再発性甲状腺がん、難治性分化型甲状腺がん、多発性内分泌腫瘍2A型又は2B型(それぞれ、MEN2A又はMEN2B)、褐色細胞腫、副甲状腺過形成、乳がん、結腸直腸がん、乳頭状腎細胞がん、胃腸粘膜の神経節神経腫症、及び子宮頸がんからなる群より選択される、[12]に記載の使用のための医薬組成物。
[14] 前記がんが、甲状腺髄様がんである、[13]に記載の使用のための医薬組成物。
[15] 前記がんが、肺がんであり、前記肺がんが、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、細気管支肺細胞がん、RET融合肺がん、又は肺腺がんである、[13]に記載の使用のための医薬組成物。
[16] 前記がんが、RET融合肺がんである、[15]に記載の使用のための医薬組成物。
[17] [1]に記載のセルペルカチニブの結晶形態を作製するためのプロセスであって、
(a)セルペルカチニブを溶媒中に懸濁させることと、
(b)30~90分間攪拌しながら、前記懸濁液を50℃~60℃に加熱することと、
(c)熱を除去し、前記懸濁液を室温まで冷却し、固体結晶を形成することと、
(d)前記固体結晶を回収することと
を含むプロセス。
[18] 前記溶媒が、メタノールを含む、[17]に記載のプロセス。
[19] 前記懸濁液が、55℃に加熱される、[17]又は[18]に記載のプロセス。
[20] 前記懸濁液が、60分間攪拌される、[17]~[19]のいずれかに記載のプロセス。
[21] 前記固体結晶が、真空濾過によって回収される、[17]~[20]のいずれかに記載のプロセス。
[22] セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法。
[23] 前記方法が、セルペルカチニブ形態AをC ~C アルコールと組み合わせて、スラリーを生成することと、前記スラリーからセルペルカチニブ形態Bを単離することと、を含む、[22]に記載の方法。
[24] 前記C ~C アルコールが、約10℃~約30℃である、[22]又は[23]に記載の方法。
[25] 前記C ~C アルコールが、約15~25℃である、[22]~[24]のいずれかに記載の方法。
[26] 前記C ~C アルコールが、約20℃である、[22]~[25]のいずれかに記載の方法。
[27] 前記C ~C アルコールが、約10℃~約80℃である、[22]又は[23]に記載の方法。
[28] 前記C ~C アルコールが、メタノールを含む、[22]~[27]のいずれかに記載の方法。
[29] C ~C アルコールが、少なくとも90重量%のメタノールを含む、[22]~[28]のいずれかに記載の方法。
[30] 前記スラリーが、少なくとも約10分間攪拌されるか、そうでなければ揺動される、[22]~[29]のいずれかに記載の方法。
[31] 形態Bを単離することが、真空濾過を含む、[22]~[30]のいずれかに記載の方法。
[32] 形態Bを単離することが、遠心分離を含む、[22]~[31]のいずれかに記載の方法。
[33] 前記セルペルカチニブ形態Bの乾燥を更に含む、[22]~[32]のいずれかに記載の方法。
[34] 前記方法が、
a.DMSOを含む溶媒中に前記セルペルカチニブ形態Aを溶解して、溶液を形成することと、
b.前記溶液に水を添加し、それによってスラリーを形成することと、
c.前記セルペルカチニブ形態Bを単離することと、を含む、[22]に記載の方法。
[35] DMSO中に溶解された形態Aの濃度が、約10~15mL/gである、[34]に記載の方法。
[36] DMSO中に溶解された形態Aの濃度が、約12~13mL/gである、[34]又は[35]に記載の方法。
[37] ステップaの前記溶液を形成することが、前記セルペルカチニブ形態A及び前記DMSOを含む溶媒を約50℃~約70℃に加熱することを含む、[34]~[36]のいずれかに記載の方法。
[38] 前記溶液が、約70℃未満かつ約20℃超の温度に冷却される、[34]~[37]のいずれかに記載の方法。
[39] 前記溶液が、約50℃の温度に冷却される、[37]に記載の方法。
[40] ステップbが、形態Aのグラム当たり約0.1~約1mLの水を前記溶液に添加することを含む、[34]~[39]のいずれかに記載の方法。
[41] ステップbが、形態Aのグラム当たり約0.3mLの水を前記溶液に添加することを含む、[34]~[40]のいずれかに記載の方法。
[42] ステップbが、約1~約15重量%の形態Bの種結晶を添加することを更に含む、[34]~[41]のいずれかに記載の方法。
[43] ステップbが、約1~約10重量%の形態Bの種結晶を添加することを更に含む、[34]~[42]のいずれかに記載の方法。
[44] 約5重量%の形態Bの種結晶が添加される、[42]又は[43]に記載の方法。
[45] 前記水がステップbで添加された後に、前記スラリーが、約6時間~約72時間攪拌される、[34]~[44]のいずれかに記載の方法。
[46] 前記スラリーが、少なくとも12時間攪拌される、[34]~[45]のいずれかに記載の方法。
[47] ステップbが、第2の分割量の水を前記スラリーに添加することを更に含む、[34]~[46]のいずれかに記載の方法。
[48] 形態Aのグラム当たり約0.5~約3mLの水が、前記スラリーに添加される、[47]に記載の方法。
[49] ステップbの前記スラリーが、約20~30℃に冷却される、[34]~[48]のいずれかに記載の方法。
[50] ステップcが、濾過を含む、[34]~[49]のいずれかに記載の方法。
[51] ステップcからの前記単離されたセルペルカチニブ形態Bが、メタノール、ACN、MTBE、又は水を含む溶媒で洗浄される、[34]~[50]のいずれかに記載の方法。
[52] 前記単離されたセルペルカチニブ形態Bが、メタノールを含む溶媒で洗浄される、[51]に記載の方法。
[53] 前記単離されたセルペルカチニブ形態Bが0.5重量%未満のDMSOを含有するまで、前記単離セルペルカチニブ形態Bがメタノールで洗浄される、[52]に記載の方法。
[54] 前記方法が、セルペルカチニブ形態Aとメタノールとを組み合わせて、スラリーを形成することと、前記形態Aの>99重量%が形態Bに変換されるまで、前記スラリーを攪拌することと、を含む、[22]に記載の方法。
[55] 前記スラリーが、約18~24時間攪拌される、[54]に記載の方法。
[56] 前記メタノール中の前記セルペルカチニブ形態Aの濃度が、約8mL/gである、[54]又は[55]に記載の方法。
[57] 前記方法が、セルペルカチニブ形態Aを約60~80℃でDMSO中に溶解して、形態Aのグラム当たり約10~15mL/gのDMSOの濃度を有する溶液を形成することと、前記溶液を約40~60℃に冷却し、水を添加することと、任意に、得られた混合物に形態Bの種結晶を播種することと、前記混合物を攪拌することと、更に水を添加することと、前記混合物を約60~80℃に加熱することと、前記混合物を冷却することと、前記形態Bを単離することと、を含む、[22]に記載の方法。
[58] 5重量%の形態Bの種結晶が、前記混合物に添加される、[57]に記載の方法。
[59] 第1の水の添加が、形態Aの約0.1mL/g~形態Aの約0.5mL/gである、[57]又は[58]に記載の方法。
[60] 第2の水の添加が、形態Aの約1.0~1.5mL/gである、[57]~[59]のいずれかに記載の方法。
[61] 式Iの多形形態Bとしてのセルペルカチニブ、
Figure 2023522012000032

又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスが、以下の構造の化合物、
Figure 2023522012000033

又はその塩を、溶媒中で酸及び還元剤の存在下で6-メトキシニコチンアルデヒドと反応させて、セルペルカチニブ形態B又はその薬学的に許容される塩を調製することを含む、プロセス。
[62] 構造[3]の化合物、又はその塩を調製することを更に含み、前記プロセスが、以下の構造の化合物、
Figure 2023522012000034

又はその塩(式中、R はアミン保護基である)を脱保護剤と反応させて、構造[3]の化合物又はその塩を形成することを含む、[61]に記載のプロセス。
[63] 前記脱保護剤が、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩化アセチル、三塩化アルミニウム、及び三フッ化ホウ素からなる群から選択される、[61]又は[62]に記載のプロセス。
[64] 前記脱保護剤が、硫酸、p-トルエンスルホン酸、及び塩化アセチルからなる群から選択される、[62]又は[63]に記載のプロセス。
[65] 前記還元剤が、アルカリ金属ホウ素水素化物、ヒドラジン化合物、クエン酸、クエン酸塩、コハク酸、コハク酸塩、アスコルビン酸、及びアスコルビン酸塩からなる群から選択される、[61]~[64]のいずれかに記載のプロセス。
[66] 前記還元剤が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB)、水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される、[61]~[65]のいずれかに記載のプロセス。
[67] R が、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンゾイル、カルバメート、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル、トリチル及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、ニトロベラトリルオキシカルボニル、p-メトキシベンジル、及びトシルからなる群から選択される、[61]~[66]のいずれかに記載のプロセス。
[68] R が、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である、[61]~[67]のいずれかに記載のプロセス。
[69] 前記酸が、ピバル酸及び酢酸からなる群から選択される、[61]~[68]のいずれかに記載のプロセス。
[70] 前記反応が溶媒中で行われ、前記溶媒がアニソールを含む、[61]~[69]のいずれかに記載のプロセス。
[71] 構造[3]を有する、4-[6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)-3-ピリジル]-6-(2-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリルである化合物、
Figure 2023522012000035

又はその薬学的に許容される塩。

Claims (71)

  1. セルペルカチニブの結晶形態であって、
    (a)1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、17.1°、17.7°、及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークと、を含む、x線粉末回折(XRPD)パターン、又は
    (b)28.0、48.0、80.4、106.8、130.2、及び134.9ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む13C固体NMRスペクトル、
    のうちの少なくとも1つを特徴とする、セルペルカチニブの結晶形態。
  2. 前記結晶形態が、1.5418Aのx線波長を使用して測定される場合、21.1°でのピークと、7.5°、12.0°、13.2°、17.1°、17.7°及び19.8°±0.2°2θでの1つ以上のピークとを含むx線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
  3. 前記結晶形態が、7.5°、10.9°、12.0°、13.2°、17.1°、17.7°、18.2°、19.8°、21.1°及び24.5°±0.2°2θで生じる特徴的なピークを有するx線粉末回折(XRPD)パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
  4. 前記結晶形態が、26.4、28.0、42.0、43.9、48.0、56.3、69.5、80.4、102.3、106.8、115.2、120.8、130.2、134.9、140.6、149.5、152.5及び163.5ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁気共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む13C固体NMRスペクトルを特徴とする、請求項1に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
  5. 前記結晶形態が、26.4、27.4、28.0、42.0、43.4、43.9、48.0、53.9、56.3、58.3、69.5、77.9、80.4、102.3、106.8、113.6、115.2、118.2、120.8、125.2、130.2、134.9、136.9、140.6、148.4、149.5、151.2、152.5、158.2及び163.5ppm(それぞれ、±0.2ppm)において、アダマンタンの高磁性共鳴(δ=29.5ppm)を基準としたピークを含む13C固体NMRスペクトルを特徴とする、請求項1に記載のセルペルカチニブの結晶形態。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のセルペルカチニブの結晶形態と、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤とを含む、医薬組成物。
  7. 前記組成物が、約20重量%未満のセルペルカチニブの他の結晶形態を含有する、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記組成物が、約10重量%未満のセルペルカチニブの他の結晶形態を含有する、請求項6に記載の医薬組成物。
  9. 前記組成物が、約5重量%未満のセルペルカチニブの他の結晶形態を含有する、請求項6に記載の医薬組成物。
  10. 患者におけるがんを治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に有効量の請求項1~9のいずれか一項に記載のセルペルカチニブを投与することを含む、方法。
  11. 療法に使用するための、請求項6~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  12. がんの治療に使用するための、請求項6~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  13. 前記がんが、肺がん、甲状腺乳頭がん、甲状腺髄様がん、分化型甲状腺がん、再発性甲状腺がん、難治性分化型甲状腺がん、多発性内分泌腫瘍2A型又は2B型(それぞれ、MEN2A又はMEN2B)、褐色細胞腫、副甲状腺過形成、乳がん、結腸直腸がん、乳頭状腎細胞がん、胃腸粘膜の神経節神経腫症、及び子宮頸がんからなる群より選択される、請求項12に記載の使用のための医薬組成物。
  14. 前記がんが、甲状腺髄様がんである、請求項13に記載の使用のための医薬組成物。
  15. 前記がんが、肺がんであり、前記肺がんが、小細胞肺がん、非小細胞肺がん、細気管支肺細胞がん、RET融合肺がん、又は肺腺がんである、請求項13に記載の使用のための医薬組成物。
  16. 前記がんが、RET融合肺がんである、請求項15に記載の使用のための医薬組成物。
  17. 請求項1に記載のセルペルカチニブの結晶形態を作製するためのプロセスであって、
    (a)セルペルカチニブを溶媒中に懸濁させることと、
    (b)30~90分間攪拌しながら、前記懸濁液を50℃~60℃に加熱することと、
    (c)熱を除去し、前記懸濁液を室温まで冷却し、固体結晶を形成することと、
    (d)前記固体結晶を回収することと
    を含むプロセス。
  18. 前記溶媒が、メタノールを含む、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記懸濁液が、55℃に加熱される、請求項17又は18に記載のプロセス。
  20. 前記懸濁液が、60分間攪拌される、請求項17~19のいずれか一項に記載のプロセス。
  21. 前記固体結晶が、真空濾過によって回収される、請求項17~20のいずれか一項に記載のプロセス。
  22. セルペルカチニブ形態Aをセルペルカチニブ形態Bに変換する方法。
  23. 前記方法が、セルペルカチニブ形態AをC~Cアルコールと組み合わせて、スラリーを生成することと、前記スラリーからセルペルカチニブ形態Bを単離することと、を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記C~Cアルコールが、約10℃~約30℃である、請求項22又は23に記載の方法。
  25. 前記C~Cアルコールが、約15~25℃である、請求項22~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記C~Cアルコールが、約20℃である、請求項22~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記C~Cアルコールが、約10℃~約80℃である、請求項22又は23に記載の方法。
  28. 前記C~Cアルコールが、メタノールを含む、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. ~Cアルコールが、少なくとも90重量%のメタノールを含む、請求項22~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記スラリーが、少なくとも約10分間攪拌されるか、そうでなければ揺動される、請求項22~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 形態Bを単離することが、真空濾過を含む、請求項22~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 形態Bを単離することが、遠心分離を含む、請求項22~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記セルペルカチニブ形態Bの乾燥を更に含む、請求項22~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記方法が、
    a.DMSOを含む溶媒中に前記セルペルカチニブ形態Aを溶解して、溶液を形成することと、
    b.前記溶液に水を添加し、それによってスラリーを形成することと、
    c.前記セルペルカチニブ形態Bを単離することと、を含む、請求項22に記載の方法。
  35. DMSO中に溶解された形態Aの濃度が、約10~15mL/gである、請求項34に記載の方法。
  36. DMSO中に溶解された形態Aの濃度が、約12~13mL/gである、請求項34又は35に記載の方法。
  37. ステップaの前記溶液を形成することが、前記セルペルカチニブ形態A及び前記DMSOを含む溶媒を約50℃~約70℃に加熱することを含む、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記溶液が、約70℃未満かつ約20℃超の温度に冷却される、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記溶液が、約50℃の温度に冷却される、請求項37に記載の方法。
  40. ステップbが、形態Aのグラム当たり約0.1~約1mLの水を前記溶液に添加することを含む、請求項34~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. ステップbが、形態Aのグラム当たり約0.3mLの水を前記溶液に添加することを含む、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. ステップbが、約1~約15重量%の形態Bの種結晶を添加することを更に含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. ステップbが、約1~約10重量%の形態Bの種結晶を添加することを更に含む、請求項34~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 約5重量%の形態Bの種結晶が添加される、請求項42又は43に記載の方法。
  45. 前記水がステップbで添加された後に、前記スラリーが、約6時間~約72時間攪拌される、請求項34~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記スラリーが、少なくとも12時間攪拌される、請求項34~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. ステップbが、第2の分割量の水を前記スラリーに添加することを更に含む、請求項34~46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 形態Aのグラム当たり約0.5~約3mLの水が、前記スラリーに添加される、請求項47に記載の方法。
  49. ステップbの前記スラリーが、約20~30℃に冷却される、請求項34~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. ステップcが、濾過を含む、請求項34~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. ステップcからの前記単離されたセルペルカチニブ形態Bが、メタノール、ACN、MTBE、又は水を含む溶媒で洗浄される、請求項34~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記単離されたセルペルカチニブ形態Bが、メタノールを含む溶媒で洗浄される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記単離されたセルペルカチニブ形態Bが0.5重量%未満のDMSOを含有するまで、前記単離セルペルカチニブ形態Bがメタノールで洗浄される、請求項52に記載の方法。
  54. 前記方法が、セルペルカチニブ形態Aとメタノールとを組み合わせて、スラリーを形成することと、前記形態Aの>99重量%が形態Bに変換されるまで、前記スラリーを攪拌することと、を含む、請求項22に記載の方法。
  55. 前記スラリーが、約18~24時間攪拌される、請求項54に記載の方法。
  56. 前記メタノール中の前記セルペルカチニブ形態Aの濃度が、約8mL/gである、請求項54又は55に記載の方法。
  57. 前記方法が、セルペルカチニブ形態Aを約60~80℃でDMSO中に溶解して、形態Aのグラム当たり約10~15mL/gのDMSOの濃度を有する溶液を形成することと、前記溶液を約40~60℃に冷却し、水を添加することと、任意に、得られた混合物に形態Bの種結晶を播種することと、前記混合物を攪拌することと、更に水を添加することと、前記混合物を約60~80℃に加熱することと、前記混合物を冷却することと、前記形態Bを単離することと、を含む、請求項22に記載の方法。
  58. 5重量%の形態Bの種結晶が、前記混合物に添加される、請求項57に記載の方法。
  59. 第1の水の添加が、形態Aの約0.1mL/g~形態Aの約0.5mL/gである、請求項57又は58に記載の方法。
  60. 第2の水の添加が、形態Aの約1.0~1.5mL/gである、請求項57~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 式Iの多形形態Bとしてのセルペルカチニブ、
    Figure 2023522012000021

    又はその薬学的に許容される塩を調製するためのプロセスであって、
    前記プロセスが、以下の構造の化合物、
    Figure 2023522012000022

    又はその塩を、溶媒中で酸及び還元剤の存在下で6-メトキシニコチンアルデヒドと反応させて、セルペルカチニブ形態B又はその薬学的に許容される塩を調製することを含む、プロセス。
  62. 構造[3]の化合物、又はその塩を調製することを更に含み、前記プロセスが、以下の構造の化合物、
    Figure 2023522012000023

    又はその塩(式中、Rはアミン保護基である)を脱保護剤と反応させて、構造[3]の化合物又はその塩を形成することを含む、請求項61に記載のプロセス。
  63. 前記脱保護剤が、トリフルオロ酢酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、塩化アセチル、三塩化アルミニウム、及び三フッ化ホウ素からなる群から選択される、請求項61又は62に記載のプロセス。
  64. 前記脱保護剤が、硫酸、p-トルエンスルホン酸、及び塩化アセチルからなる群から選択される、請求項62又は63に記載のプロセス。
  65. 前記還元剤が、アルカリ金属ホウ素水素化物、ヒドラジン化合物、クエン酸、クエン酸塩、コハク酸、コハク酸塩、アスコルビン酸、及びアスコルビン酸塩からなる群から選択される、請求項61~64のいずれか一項に記載のプロセス。
  66. 前記還元剤が、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB)、水素化ホウ素ナトリウム、及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選択される、請求項61~65のいずれか一項に記載のプロセス。
  67. が、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンジル、ベンゾイル、カルバメート、ベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、トリメチルシリル、2-トリメチルシリル-エタンスルホニル、トリチル及び置換トリチル基、アリルオキシカルボニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、ニトロベラトリルオキシカルボニル、p-メトキシベンジル、及びトシルからなる群から選択される、請求項61~66のいずれか一項に記載のプロセス。
  68. が、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項61~67のいずれか一項に記載のプロセス。
  69. 前記酸が、ピバル酸及び酢酸からなる群から選択される、請求項61~68のいずれか一項に記載のプロセス。
  70. 前記反応が溶媒中で行われ、前記溶媒がアニソールを含む、請求項61~69のいずれか一項に記載のプロセス。
  71. 構造[3]を有する、4-[6-(3,6-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3-イル)-3-ピリジル]-6-(2-メチル-2-トリメチルシリルオキシ-プロポキシ)ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-カルボニトリルである化合物、
    Figure 2023522012000024

    又はその薬学的に許容される塩。
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