JP2023517637A - 回転軸を支持するためのベアリング部材 - Google Patents

Abstract

本発明は、回転軸を支持するためのベアリング部材（６５）を提供し、ベアリング部材（６５）は、ベアリングハウジング（２０）と、ベアリングハウジング（２０）に挿入された少なくとも１つのベアリング（３２）であって、ベアリング（３２）が、ベアリングを通って延びる回転可能軸（７２）を受容するように構成された、少なくとも１つのベアリング（３２）と、ベアリングハウジング（２０）の周囲に配置された傾斜部材（４１）とを含む。傾斜部材（４１）は、ベアリングハウジング（２０）を受容するための貫通孔（６２）を形成する環状ディスク（４４）のパックを含み、環状ディスク（４４）のそれぞれは、ディスクのそれぞれを通って延在する複数のアパーチャを含み、傾斜部材（４１）は、環状ディスク（４４）をスタックとして一緒に保持するために、アパーチャのそれぞれに設けられたスリーブ要素（４７）であって、傾斜部材（４１）をベアリングハウジング（２０）または固定機械要素（７１）に取り付けるための締結手段を受容するために設けられたスリーブ要素（４７）をさらに備えている。

Description

本発明は、ベアリングハウジングがその中心軸に対して傾斜することを可能にするベアリング部材等のベアリング（軸受）部材に関する。

遠心分離機は、一般に、遠心分離機ロータ（回転子）の下に配置された駆動ユニットによって駆動される典型的な垂直スピンドルに取り付けられた遠心分離機回転子を備えている。遠心分離機回転子は、典型的には、駆動ユニットと比較して比較的大きな重量を有する。さらに、遠心分離機回転子は、分離された大量の生成物を受容するように構成されている。したがって、遠心分離機の作動中にスピンドルによって運ばれる質量は重要である。遠心分離機回転子の比較的小さな不均衡（アンバランス）は、作動中に問題を引き起こす可能性があり、特に、遠心分離機回転子が、始動時に、必要な分離効率に最適な超臨界回転速度を達成するために、臨界回転速度を通過しなければならない場合に問題が発生する可能性がある。

米国特許出願公開第２０１５／２８３５６１号（特許文献１）には、遠心機ドラムと、ネックベアリングおよびフットベアリングによって駆動ハウジング内に回転可能に取り付けられた駆動スピンドルとを備えた遠心分離機が記載されている。駆動ハウジングは、駆動チャンバと、ステータ（固定子）およびモーター回転子を有する電気モーターとを取り囲む。モーター回転子は駆動スピンドル上に配置され、ステータは駆動ハウジングに固定接続されている。ステータ（固定子）とモーター回転子との間にエアギャップ（空間）が存在する。ステータおよびモーター回転子は、ネックベアリングとフットベアリングとの間に配置されている。フットベアリングはピボットベアリングとして設計されており、遠心機ドラムを軸方向に支えている。ネックベアリングは、駆動ハウジングに固定されたベアリングハウジング内に、少なくとも１つの弾性要素を介して半径方向に支持されている。弾性要素は、エラストマー材料からなるリングによって相互接続された２つの金属スリーブで構成されている。

ネックベアリングを支持する米国特許出願公開第２０１５／２８３５６１号（特許文献１）の弾性要素は、動作中にスピンドルが半径方向の小さな動きを可能にする。しかしながら、設計上、スピンドルが幾何学的中心軸から半径方向に移動すると、スピンドルがわずかに傾く場合がある。ネックベアリングを支持する弾性要素は、そのような傾きを補償するように構成されていないようである。したがって、スピンドルの傾斜は、ネックベアリングの内側および外側のベアリングリングを互いに対して横軸の周りで回転させようとする力をモーターらし、ネックベアリングの早期摩耗を引き起こし得る。

米国特許第９，４２７，７４７号（特許文献２）には、ヘビーデューティ（高負荷）の用途に適している、フレームと、スピンドルと、スピンドル上の遠心機回転子とを備えた、遠心分離機が記載されている。遠心機回転子は、内部分離空間を形成する回転子ケーシングと、流体を供給するための入口と、分離された成分を排出するための出口とを備えている。ステータ（固定子）およびロータ（回転子）を有する駆動モーターが、スピンドルと遠心機回転子とを駆動する。モーター回転子は、第１のベアリングおよび第２のベアリングによって支持されている。結合部材は、モーター回転子からスピンドルに回転運動を伝達するために、モーター回転子とスピンドルとを接続している。第３のベアリングは、スピンドルとフレームとの間で半径方向の力の第１の部分を伝達するために、フレームに対して半径方向に弾性であるようにスピンドルを支持する。結合部材は、ラメラ結合（lamella coupling）またはユニバーサル結合（universal coupling）を含み、スピンドルとフレームとの間に存在するラジアルフォース（半径方向の力）の第２の部分を、モーター回転子および第１および第２のベアリングを介してフレームに伝達する。

自動調心ベアリング（スフェリカルベアリング）は、回転および小さな角度の両方で移動する必要がある回転シャフトを支持するために使用され得る。しかしながら、自動調心ベアリングは複雑で高価であり得る。したがって、当技術分野では、さまざまな種類の装置で回転シャフトを支持するための、あまり複雑でない解決策が必要とされている。

米国特許出願公開第２０１５／２８３５６１号明細書 米国特許第９，４２７，７４７号明細書

本発明の目的は、上記の問題を克服することである。特に、本発明は、作動中のスピンドルの傾斜、またはわずかな傾斜を許容するベアリング部材を目的としている。

本発明の一態様として、最初に定義された遠心分離機が提供され、それは、上部ベアリングハウジングが、弾性部材と上部傾斜部材を介して固定フレームに取り付けられ、遠心分離機の動作中にスピンドルを中心軸に対して傾斜させることができ、弾性部材と上部傾斜部材とは、半径方向に交互に配置されていることを特徴とする。

本発明の一実施形態によれば、弾性部材は、傾斜部材の半径方向外側に配置されている。或いは、弾性部材は、傾斜部材の半径方向内側に配置され得る。

上部傾斜部材によって、上部ベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングに作用し、少なくとも１つのベアリングのベアリングリングを互いに回転させ、横軸を中心に回転させようとする力を、軸から変位させることができ、これにより、ベアリングハウジングが中心軸に対して傾斜され得る。したがって、スピンドルが傾いたときに上部ベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングに作用する、スピンドルに対して横方向のねじり力は、直接または弾性部材のみを介して静止状態のフレームで取り付けられている上部ベアリングハウジングと比較して、かなり減少され得る。その結果、たとえスピンドルが傾いていても、上部ベアリングハウジングの１つまたは複数のベアリングの内側ベアリングリングと外側ベアリングリングとの間に相対的な回転運動が生じない可能性がある。したがって、上部ベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングは、たとえスピンドルが傾いていても、低フォース（力）条件下で作動し得る。さらに、弾性部材の摩耗は、減少したねじり力により、弾性部材のみを介して固定フレームに取り付けられた上部ベアリングハウジングと比較して減少する。その結果、たとえスピンドルが傾いていても、上部ベアリングハウジングの１つまたは複数のベアリングの内側ベアリングリングと外側ベアリングリングとの間に相対的な回転運動が生じない可能性がある。

本発明の一実施形態によれば、上部ベアリングハウジングは、駆動ユニットの回転部材と遠心機回転子との間に配置される。

本発明の一実施形態によれば、上部傾斜部材は、上部ベアリングハウジングの周りに延在し、上部ベアリングハウジングおよび弾性部材に取り付けられた環状ディスクのパックを備えている。

環状ディスクのパックは柔軟であり得る。環状ディスクのそれぞれが、柔軟であり得る。環状ディスクは、環状ディスクのパック内で互いに隣接し得る。

曲げ応力を受けると、一組の環状ディスクを備えた傾斜部材は、均質な材料の単一片から作られた傾斜部材と比較して容易に曲がる。さらに、一組の環状ディスクを備えた傾斜部材が一軸応力を受けるとき、それは均質材料の１片から作られた傾斜部材と同じくらい強い。したがって、環状ディスクのパックを備えた傾斜部材は、上部ベアリングハウジングを介してスピンドルを支持するのに十分な強度を有しながら、少なくとも１つのベアリングに対するねじり荷重を低減する屈曲性を提供する。

本発明の一実施形態によれば、上部傾斜部材の環状ディスクのパックは、環状ディスクの周りで互いに等距離に分離された少なくとも３つの一次取り付け部材によって上部ベアリングハウジングに取り付けられ、そして、隣接する一次取付け部材のそれぞれの対の間に配置された少なくとも３つの二次取付け部材によって、弾性部材に取り付けられている。

上部ベアリングハウジングおよび弾性部材への環状ディスクのパックのこのような交互の取り付けにより、上部ベアリングハウジングと弾性部材とへの堅固な取り付け、および上部ベアリングハウジングおよびスピンドルを傾けることができる柔軟性が確保される。

本発明の一実施形態によれば、上部傾斜部材の環状ディスクのパックは、環状ディスクの周りで互いに等距離に分離された少なくとも３つの一次取り付け部材によって固定フレームに取り付けられ、そして、隣接する一次取付け部材のそれぞれのペアの間に配置された少なくとも３つの二次取付け部材によって、弾性部材に取り付けられている。

また、固定フレームおよび弾性部材への環状ディスクのパックのこのような交互の取り付けにより、固定フレームおよび弾性部材への堅固な取り付け、および上部ベアリングハウジングとスピンドルとを傾けることができる柔軟性が確保される。

本発明の一実施形態によれば、一次および二次取り付け部材のそれぞれは、上部傾斜部材の環状ディスクのパックを通るそれぞれのアパーチャを通って延在するねじボルトを備えている。このようなねじボルトは、環状ディスクのパックを上部ベアリングハウジングおよび弾性部材に容易かつ効率的に取り付けることを可能にする。

本発明の一実施形態によれば、少なくとも１つのベアリングは、上部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングおよびスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングを備えた第１のベアリングと、上部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングおよびスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングを備えた第２のベアリングと、場合によっては、上部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングおよびスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングを備えた第３のベアリングとを含んでなる。多数のベアリング、すなわち、少なくとも第１のベアリングおよび第２のベアリングを、上部ベアリングハウジングに配置することによって、スピンドルの堅固な支持（サポート）が達成される。

本発明の一実施形態によれば、遠心分離機は、固定フレームに取り付けられた下部ベアリングハウジングであって、下部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングとスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングとを含む少なくとも１つのベアリングを支持する下部ベアリングハウジングを備えている。下部ベアリングハウジングは、駆動ユニットの回転部材の外側に設けられ得る。下部ベアリングハウジングおよび少なくとも１つのベアリングは、スピンドルおよび遠心分離機回転子のより堅固な支持に寄与し得る。

本発明の一実施形態によれば、下部ベアリングハウジングは、遠心分離機の動作中にスピンドルが中心軸に対して傾斜することを可能にする下部傾斜部材を介して固定フレームに取り付けられる。

下部傾斜部材によって、下部ベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングに作用し、少なくとも１つのベアリングのベアリングリングを互いに対して、かつ横軸の周りで回転させようとする力が、ベアリングから半径方向外向きに下部傾斜部材に移動され得る。したがって、下部ベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングは、たとえスピンドルが傾いていても、低力条件下で作動し得る。その結果、たとえスピンドルが傾いていても、下部ベアリングハウジングの１つまたは複数のベアリングの内側ベアリングリングと外側ベアリングリングとの間に相対的な回転運動が生じない可能性がある。

本発明の一実施形態によれば、下部傾斜部材は、下部ベアリングハウジングの周りに延在し、下部ベアリングハウジングおよび固定フレームに取り付けられた環状ディスクのパックを備えている。したがって、上部傾斜部材とは対照的に、下部傾斜部材は、中間の弾性部材なしで固定フレームに直接取り付けられ得る。

環状ディスクのパックまたは下部傾斜部材は、柔軟であり得る。環状ディスクのそれぞれが、柔軟であり得る。環状ディスクは、下部傾斜部材の環状ディスクのパック内で互いに隣接し得る。

曲げ応力を受けると、一組の環状ディスクを備えた傾斜部材は、均質な材料の単一片から作られた傾斜部材と比較して容易に曲がる。さらに、一組の環状ディスクを備えた傾斜部材が一軸応力を受けるとき、それは均質材料の１片から作られた傾斜部材と同じくらい強い。したがって、環状ディスクのパックを備えた傾斜部材は、下部ベアリングハウジングを介してスピンドルを支持するのに十分な強度を有しながら、少なくとも１つのベアリングに対するねじり荷重を低減する屈曲性を提供する。

本発明の一実施形態によれば、下部傾斜部材の環状ディスクのパックは、環状ディスクの周りで互いに等距離に分離された少なくとも３つの一次取り付け部材によって下部ベアリングハウジングに取り付けられ、そして、それぞれが隣接する一次取付け部材のそれぞれの対の間に配置された少なくとも３つの二次取付け部材によって固定フレームに取り付けられる。このような、環状ディスクのパックの下部ベアリングハウジングおよび固定フレームへの交互の取り付けは、下部ベアリングハウジングおよび固定フレームへの堅固な取り付け、並びに、下部ベアリングハウジングおよびスピンドルの傾けを可能にする柔軟性を保証する。

本発明の一実施形態によれば、下部傾斜部材を取り付ける一次および二次取り付け部材のそれぞれは、下部傾斜部材の環状ディスクのパックを通りそれぞれのアパーチャを通って延在するねじボルトを備え、一次取付け部材のねじボルトは、環状ディスクのパックを通って第１の軸方向に延在し、二次取付け部材のねじボルトは、環状ディスクのパックを通って反対の第２の軸方向に延在する。ねじボルトにより、環状ディスクのパックを下部ベアリングハウジングおよび固定フレームに簡単かつ効率的に取り付けることができる。

本発明の一実施形態によれば、下部ベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングは、下部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングおよびスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングを備えた第１のベアリングと、下部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングおよびスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングを備えた第２のベアリングと、場合によっては、下部ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングおよびスピンドルに取り付けられた内側ベアリングリングを備えた第３ベアリングとを含んでなる。多数のベアリング、すなわち、少なくとも第１のベアリングおよび第２のベアリングを、下部ベアリングハウジングに配置することによって、スピンドルの堅固な支持が達成される。

本発明の一実施形態によれば、下部ベアリングハウジングは、固定フレームに設けられた凹球面によって支持される下部凸球面を備えている。球面は、スピンドルの下側のサポート（支持）をモーターらし、スピンドルがその周りで傾斜し得る傾斜点をモーターらし得る。

本発明の一実施形態によれば、駆動ユニットの回転部材は、上部ベアリングハウジングと下部ベアリングハウジングとの間でスピンドルに取り付けられる。したがって、回転部材は、回転部材の上端および下端の両方で支持され得るスピンドルに固定され得る。

本発明の一実施形態によれば、駆動ユニットは、固定フレームに取り付けられたステータとモーター回転子とを有する電気モーターを備えている。

本発明の一実施形態によれば、回転部材はモーター回転子を含む。したがって、モーター回転子は、スピンドル上およびスピンドルの周りに設けられ得る。

本発明の一実施形態によれば、スピンドルは中空であり、製品の入口および／または比較的軽い成分の第１の出口を取り囲んでいる。しかしながら、実施形態では、スピンドルは中実である。

上述した傾斜部材は、遠心分離機以外の用途にも使用され得る。したがって、本発明のさらなる態様として、回転軸を支持するベアリング部材が提供され、
－ ベアリングハウジングと、
－ ベアリングハウジングに挿入された少なくとも１つのベアリングであって、ベアリングが、ベアリングを貫通して延びる回転可能軸を受容するように構成されている、少なくとも１つのベアリングと、
－ ベアリングハウジングの周りに配置された傾斜部材であって、傾斜部材は、ベアリングハウジングを受容するための貫通孔を形成する環状ディスクのパックを含み、環状ディスクのそれぞれは、それぞれのディスクを通って延在する複数のアパーチャを含み、傾斜部材は、環状ディスクをスタックとして一緒に保持するためにアパーチャのそれぞれに設けられたスリーブ要素であって、傾斜部材をベアリングハウジングまたは固定機械要素に取り付けるための締結手段を受容するように配置されているスリーブ要素をさらに備えている、傾斜部材と、
を含んでなり、ベアリング部材は、
－ 傾斜部材のスリーブを通って延在する、少なくとも１つの締結要素であって、傾斜部材をベアリングハウジング取り付ける、少なくとも１つの締結要素をさらに備えている。

このように、傾斜部材は、ベアリングハウジングを固定機械要素に取り付けて、ベアリングハウジングがその中心軸（Ｘ）に対して傾斜できるように構成されている。したがって、少なくとも１つのベアリングの回転軸は、傾斜部材がベアリングハウジングの周りに取り付けられたときに、環状ディスクによって形成される平面の法線に平行であり得る。

したがって、この態様は、ディスクパックを備えた傾斜部材を使用してベアリングを所定の位置に保持できるという発明者の洞察に基づいている。ディスクパックは、半径方向および極方向には剛性があるが、軸方向には柔軟であり得る。このため、傾動トルクが小さい。ディスクパックには、スリーブ要素で接続された複数のディスクが含まれている。複数のディスクは、同じ高さの１つのディスクよりも曲げ抵抗が低いため、これは利点である。本開示の傾斜部材は、円筒ローラベアリング、アンギュラ接触ベアリングまたは玉ベアリングなどのより単純なボールベアリングまたはローラベアリングが、精巧で高価な自動調心ベアリングを使用して、静的および動的ミスアライメントの両方に対応している用途に使用されることを可能にする。

上述したように、ベアリングのベアリングリングを互いに回転させ、横軸の周りに回転させようとするベアリングハウジングの少なくとも１つのベアリングに作用する力は、ベアリングから半径方向外向きに上部傾斜部材に移動し、反対に、ベアリングハウジングが中心軸に対して傾くことを可能にし得る。したがって、回転シャフトが傾いたときにベアリングハウジングに作用する回転シャフトを横切るねじり力は、固定フレームに直接取り付けられたベアリングハウジングと比較してかなり減少する。したがって、本開示の傾斜部材は、ベアリングが支持する回転シャフトが傾いている場合でも、内側ベアリングリングと外側ベアリングリングとの間の相対的な回転運動を減少させ得る。したがって、たとえ回転シャフトが傾いていても、ベアリングは低力条件下で動作し得る。

さらに、一組の環状ディスクを備えた傾斜部材は、均質な材料の単一片から作られた傾斜部材と比較して容易に曲がる。さらに、一組の環状ディスクを備えた傾斜部材が一軸応力を受けるとき、それは均質材料の１片から作られた傾斜部材と同じくらい強い。したがって、環状ディスクのパックを備えた傾斜部材は、ベアリングハウジングを介して回転可能軸を支持するのに十分な強度を有しながら、ベアリングへのねじり荷重を低減する屈曲性を提供する。

このようにして、環状ディスクのパックが積み重ねられる。パックのディスクは、ディスク間に小さな遊びがないことを保証するために、少なくとも６０ｋＮの圧力などで互いに押し付けられ得る。さらに、スリーブ部材と環状ディスクのパックとの間の締まり嵌めを確実にするために、スリーブ要素もパックと一緒に押し付けられ得る。ベアリングハウジングに取り付けられると、環状ディスクのパックは、特定のばね力で事前張力がかけられ得る。

環状ディスクのスタックを一緒に保持するために使用されるスリーブ要素は、ねじ部材などの締結手段を受容するための貫通孔を有し得る。傾斜部材のアパーチャは、環状ディスクの周りに等間隔に配置され得る。したがって、スリーブ要素は、環状ディスクの周りに等間隔で配置され得る。

さらに、傾斜部材の本体は、環状ディスクのパックであり、これは、環状ディスクのパックが傾斜部材の主要部分を形成し得ることを意味する。したがって、ベアリングハウジング用の貫通孔を形成する傾斜部材の部分は、ディスクパックだけでよい。

環状ディスクのパックは柔軟であり得る。環状ディスクのそれぞれが柔軟であり得る。環状ディスクは、環状ディスクのパック内で互いに隣接し得る。

実施形態では、環状ディスクのパックは、少なくとも８つの環状ディスク等の少なくとも４つの環状ディスクのような、少なくとも２つの環状ディスクを含む。

実施形態では、環状ディスクは、鋼薄板などの金属薄板である。

実施形態では、環状ディスクは、冷間圧延鋼などの冷間圧延シートメタルから作られる。

実施形態では、少なくとも１つの締結要素は、傾斜部材の１つおきのアパーチャにおいて、傾斜部材をベアリングハウジングに取り付けている。

実施形態では、ベアリングは、自動調心ローラベアリング（スフェリカルローラベアリング）以外のローラベアリングである。

実施形態では、環状ディスクのパック内の個々の環状ディスクの厚さは、５ｍｍ未満、例えば、１ｍｍ未満、例えば、０．５ｍｍ未満である。パックのすべての環状ディスクは、同じ厚さであり得る。

パックの環状ディスクは、複数のコーナーを有する閉じた多角形の形状を有し、そして、アパーチャはコーナーに配置され得る。一例として、環状ディスクは、４つ以上、例えば６つ以上、例えば８つ以上のコーナーを含み得る。

一例として、環状ディスクは八角形の形状を有し得る。したがって、八角形は、ベアリングハウジングを受容するための貫通孔を取り囲み得る。

したがって、傾斜部材の環状ディスクのパックは、ベアリングハウジングまたはベアリング保持部の周りに延在し、そして、ベアリングハウジングにも取り付けられる。締結要素は、例えば、ねじ要素であり得る。一例として、傾斜部材の環状ディスクのパックは、環状ディスクの周りで互いに等距離に分離された少なくとも３つの一次取付け部材によってベアリングハウジングに取り付けられ得る。

したがって、傾斜部材の環状ディスクは、少なくとも１つのベアリングの直径よりも大きい貫通孔を形成し得る。

実施形態では、ベアリングは、円筒ローラベアリングなどのローラベアリングである。ローラベアリングは、自動調心ローラベアリング以外のローラベアリングであり得る。したがって、ベアリングは、中心点の周りで角度を成す２つの方向への角回転を許容しない転がりベアリングであり得る。

実施形態では、少なくとも１つのベアリングは、ベアリングハウジングに取り付けられた外側ベアリングリングと、スピンドルなどの回転可能軸に取り付けられるように配置された内側ベアリングリングとを備えている。少なくとも１つのベアリングは、例えば、１つ、２つ、または３つのベアリングであり得る。

本開示はまた、本明細書で上述した傾斜部材自体を提供する。すなわち、ベアリングハウジングを固定機械要素に取り付けて、ベアリングハウジングがその中心軸に対して傾斜できるように構成された傾斜部材が提供され、傾斜部材は、ベアリングハウジングを受容するための貫通孔を形成する環状ディスクのパックを備えており、環状ディスクのそれぞれは、ディスクのそれぞれを通って延在する複数のアパーチャを含み、傾斜部材はさらに、環状ディスクをスタックとして一緒に保持し、傾斜部材をベアリングハウジングまたは静止機械要素に取り付けるための締結手段を受容するためのアパーチャのそれぞれに設けられたスリーブ要素を備えている。

さらなる態様として、装置が提供され、装置は、
－ 固定機械要素と、
－ 上述した態様による少なくとも１つのベアリング部材によって支持される回転可能軸と、
を備え、ベアリング部材のベアリングハウジングが、傾斜部材を介して固定機械要素に取り付けられている。

装置は、例えば、風力タービンのような回転可能軸を備えた任意の種類の装置であり得る。

実施形態では、装置は、傾斜部材の１つおきのアパーチャにおいて、傾斜部材をベアリングハウジングに取り付け、そして、傾斜部材の１つおきのアパーチャにおいて、傾斜部材を固定機械要素に取り付ける少なくとも１つの締結要素をさらに備えている。

一例として、傾斜部材の環状ディスクのパックは、環状ディスクの周りで互いに等距離に分離された少なくとも３つの一次取り付け部材によってベアリングハウジングに取り付けられ、そして、隣接する一次取付け部材のそれぞれの対の間に配置された少なくとも３つの二次取付け部材によって固定機械要素に取り付けられ得る。

このような環状ディスクのパックのベアリングハウジングおよび固定機械要素への交互の取り付けは、ベアリングハウジングおよび固定機械要素への堅固な取り付け、並びに、ベアリングハウジングおよび回転可能軸を傾けることができる柔軟性を確保し得る。

実施形態では、一次および二次取り付け部材のそれぞれは、傾斜部材の環状ディスクのパックを通りそれぞれのアパーチャを通って延在するねじボルトを備えている。このようなねじボルトは、環状ディスクのパックを上部ベアリングハウジングおよび弾性部材に容易かつ効率的に取り付けることを可能にする。

ここで、様々な実施形態の説明によって、および添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。

本発明の第１の実施形態による遠心分離機の断面図を示している。 図１の遠心分離機の駆動ユニットの断面図を示している。 図２の線ＩＩＩ－ＩＩＩに沿った遠心分離機の固定フレームの断面図を示している。 図３の線ＩＶ－ＩＶに沿った断面図を示している。 図４の断面図の拡大部分を示している。 図３の線ＶＩ－ＶＩに沿った断面図を示している。 図６の断面図の拡大部分を示している。 固定フレームの一部の上からの斜視図を示している。 図２の線ＩＸ－ＩＸに沿った遠心分離機の固定フレームの断面図を示している。 図９の線Ｘ－Ｘに沿った断面図を示している。 図１０の断面図の拡大部分を示している。 図９の線ＸＩ－ＸＩに沿った断面図を示している。 図１２の断面図の拡大部分を示している。 固定フレームの下部の斜視図を示している。 図３は、本発明の第２の実施形態による遠心分離機の固定フレームを通る、図３のものと同様の断面図を示している。 図１５の線ＸＶＩ－ＸＶＩに沿った断面図を示している。 図１６の断面図の拡大部分を示している。 図１５の線ＸＶＩＩＩ－ＸＶＩＩＩに沿った断面図を示している。 図１８の断面図の拡大部分を示している。 図１５の固定フレームの一部の上からの斜視図を示している。 傾斜部材を示している。 傾斜部材の拡大図を示している。 本発明の一実施形態によるベアリング部材を示している。 本発明の一実施形態による装置を示している。

図１は、製品から比較的重い成分と比較的軽い成分とを分離することによって製品を処理するための遠心分離機１の第１の実施形態を示している。遠心分離機１は、固定フレーム２と、中心軸ｘに平行に延びるスピンドル３とを備えている。

スピンドル３は、固定フレーム２によって支持され、固定フレーム２に対して回転し得る。中心軸ｘは、図１に示されるように、遠心分離機１の下端と上端とを通って延びている。遠心分離機１は、図１に示されるように中心軸ｘが垂直に延びる以外の別の位置において使用され得ることに留意されたい。

固定フレーム２はまた、固定フレーム２および遠心分離機１が地面、床などに配置され得るようにする適切なベース要素（開示されていない）を備え得る。

遠心分離機１は、スピンドル３に取り付けられた回転部材５を含む、駆動ユニット４（図２も参照）を備えている。駆動ユニット４は、固定フレーム２に対して、本質的に中心軸ｘの周りでスピンドル３を回転させるように構成される。駆動ユニット４は、固定フレーム２に取り付けられたステータ６とモーター回転子７とを有する電気モーターを含み得る。示された実施形態では、回転部材５は、電気モーターのモーター回転子７を備えるかまたはそれを形成する。

さらに、遠心分離機１は、スピンドル３の上端に取り付けられ、スピンドル３とともに回転する遠心分離機回転子８を備えている。遠心分離機回転子８は、分離空間９を取り囲む。遠心分離機回転子８は、分離空間９内に設けられた分離ディスク１０のスタックを含み得る。分離ディスク１０は、円錐台形であり得る。

製品のための入口１１が分離空間９まで延びている。比較的軽い成分のための第１の出口１２と、比較的重い成分のための第２の出口１３とが、分離空間９から延びている。第２の出口１３は、遠心分離機回転子８を通って延在する複数の周辺ポートを含み得る。

周辺ポートは、スラッジなどの比較的重い成分を分離空間９から断続的に排出するために開放可能であり得る。

開示された実施形態では、入口１１は、遠心分離機１の下端の近くに配置される。第１の出口１２は、遠心分離機１の上端の近くに配置される。

スピンドル３は中空であり、分離空間９への内部チャネルを形成し得る。開示された実施形態では、生成物用の入口１１は、中空スピンドル３の内部チャネルを通って遠心分離機回転子８の内部空間９まで延びる。あるいは、比較的軽い成分のための第１の出口１２は、中空スピンドル３を通って延び得る。さらなる代替案によれば、入口１１および出口１２の両方が、中空スピンドル３を通って延びるように配置され得る。

さらに別の代替案によれば、スピンドル３は入口または出口を欠いていてもよく、入口１１および第１の出口１２の両方が、遠心分離機１の上端の近くに配置されていてもよい。

遠心分離機１はまた、固定フレーム２に取り付けられ、遠心分離機回転子８を取り囲む外側ケーシング１４を備えている。

開示された実施形態では、遠心分離機１は、上部ベアリングハウジング２０および下部ベアリングハウジング３０を備えている。上部ベアリングハウジング２０は、駆動ユニット４の回転部材５と遠心分離機回転子８との間に配置され得る。下部ベアリングハウジング３０は、駆動ユニット４の回転部材５の外側、すなわち、駆動ユニット４の回転部材５と遠心分離機１の下端との間に設けられ得る。

上部ベアリングハウジング２０は固定フレーム２に取り付けられている（図４も参照）。開示された実施形態では、上部ベアリングハウジング２０は、上部ベアリングハウジング２０に取り付けられた外側ベアリングリング２４およびスピンドル３に取り付けられた内側ベアリングリング２５を備えた第１のベアリング２２と、上部ベアリングハウジング２０に取り付けられた外側ベアリングリング２４およびスピンドル３に取り付けられた内側ベアリングリング２５を備えた第２のベアリング２３とを支持する。ローラ要素２６は、外側ベアリングリング２４と内側ベアリングリング２５との間に設けられ得る。

上部ベアリングハウジング２０の第１のベアリング２２および／または第２のベアリング２３は、スピンドル３に半径方向の支持をモーターもたらすように構成され、場合によっては、遠心分離機回転子８の荷重を支えるために軸方向の支持も提供するように構成され得る。

下部ベアリングハウジング３０は固定フレーム２に取り付けられている（図１０も参照）。開示された実施形態では、下部ベアリングハウジング３０は、下部ベアリングハウジング３０に取り付けられた外側ベアリングリング３４およびスピンドル３に取り付けられた内側ベアリングリング３５を備えた第１のベアリング３２と、下部ベアリングハウジング３０に取り付けられた外側ベアリングリング３４およびスピンドル３に取り付けられた内側ベアリングリング３５を備えた第２のベアリング３３とを支持する。ローラ要素３６は、外側ベアリングリング３４と内側ベアリングリング３５との間に設けられ得る。

下部ベアリングハウジング３０の第１のベアリング３２および／または第２のベアリング３３は、スピンドル３に半径方向の支持をもたらすように構成され、場合によっては、遠心分離機回転子８の荷重を支えるために軸方向の支持も提供するように構成され得る。

上部ベアリングハウジング２０は、弾性部材４０を介して固定フレーム２に取り付けられ、上部ベアリングハウジング２０と、したがってスピンドル３とがスピンドル３の回転中に半径方向に移動できるようにする。

第１の実施形態では、上部ベアリングハウジング２０は、主軸３が中心軸ｘに対して傾斜することを可能にする上部傾斜部材４１を介して弾性部材４０に取り付けられる。

開示された実施形態では、弾性部材４０は、環状弾性要素４２およびリング要素４３を備えている。弾性要素４２はフレーム２に取り付けられ、リング要素４３は傾斜部材４１に取り付けられる。

弾性要素４２は、例えば、ニトリルゴムのようなゴム材料から作られ得る。

第１の実施形態では、弾性部材４０は、傾斜部材４１の半径方向外側に配置され、弾性要素４２は、リング要素４３の外側に配置され得る。

弾性部材４０および傾斜部材４１に加えて、上部ベアリングハウジング２０は、スピンドル３の周りに円周方向に分配された複数のばね要素２７によって支持され得る。図２、図４および図６に見られるように、ばね要素２７は、固定フレーム２の上部中間壁２８に寄りかかり、上部ベアリングハウジング２０を下から支持し得る。ばね要素２７は、上部ベアリングハウジング２０が軸方向に弾性的に動くことを可能にする。

上部傾斜部材４１は、上部ベアリングハウジング２０の周りに延在し、上部ベアリングハウジング２０および弾性部材４０のリング要素４３に取り付けられた、環状ディスク４４のパックを備え得る（図６および図４を参照）。

環状ディスク４４のパックは、互いに同一であり得る複数の環状ディスク４４を含み得る。環状ディスク４４の各々は、冷間圧延されたシートメタルから作られ得る。したがって、熱間圧延されたシートメタルと比較して、本明細書で論じる傾斜部材の文脈において優れた材料特性を有する、強く柔軟な上部傾斜部材４１が提供され得る。環状ディスク４４は、ステンレス鋼、ばね鋼、または同様のもの、すなわち、冷間圧延鋼板、冷間圧延ステンレス鋼シート、冷間圧延ばね鋼シートなどの鋼から作られ得る。上部傾斜部材４１の本体は、環状ディスク４４のみで構成され得る。

開示された実施形態では、環状ディスク４４のパックは、環状ディスク４４のそれぞれを通って延在する８つの等間隔のアパーチャを備えている。対応するそれぞれのスリーブ要素４７がアパーチャのそれぞれに設けられる。スリーブ要素４７は、環状ディスク４４を一緒に保持し、したがってパック上部傾斜要素４１の完全性を確保するように構成される。スリーブ要素４７のそれぞれは、図および図７に見られるように貫通孔を有する。

第１の実施形態では、上部傾斜部材４１の環状ディスク４４のパックは、環状ディスク４４の周りで互いに等距離に分離された４つの主要取り付け部材４５によって上部ベアリングハウジング２０に取り付けられる（図６を参照）。特に、上部傾斜部材４１は、上部ベアリングハウジング２０の４つの半径方向に延在する突起２０´に取り付けられ得る（図７および図８を参照）。

さらに、上部傾斜部材４１の環状ディスク４４のパックは、隣接する一次取り付け部材４５の対応するそれぞれの対の間にそれぞれ配置された４つの二次取り付け部材４６によって、弾性部材４０のリング要素４３に取り付けられ得る（図４を参照）。特に、上部傾斜部材４１は、リング要素４３の４つの半径方向に延在する突起４３´に取り付けられ得る（図５および図８を参照）。

一次および二次取り付け部材４５、４６のそれぞれは、上部傾斜部材４１の環状ディスク４４のパックを通るアパーチャのそれぞれの１つのスリーブ要素４７の孔を通って延在するねじボルトを備え、一次取り付け部材４５のねじボルトは、上部ベアリングハウジング２０の突起２０´のそれぞれの１つにそれぞれに対応するねじ孔を係合することができ、そして、二次取り付け部材４６のねじボルトが、弾性部材４０のリング要素４３の突起４３´のそれぞれの１つにそれぞれに対応するねじ孔を係合し得る。

下部ベアリングハウジング３０は、スピンドル３が中心軸ｘに対して傾斜することを可能にする下部傾斜部材５１を介して固定フレーム２に取り付けられ得る。開示された実施形態では、下部傾斜部材５１は、下部ベアリングハウジング３０の周りに延在する環状ディスク５４のパックを備えている。環状ディスク５４のパックは、図１２および図１０に見られるように、下部ベアリングハウジング３０および固定フレーム２に取り付けられる。

また、下部傾斜部材５１の環状ディスク５４のパックは、互いに同一の複数の環状ディスク５４を含み得る。したがって、熱間圧延されたシートメタルと比較して、本明細書で論じる傾斜部材の文脈において優れた材料特性を有する、強力で柔軟な下部傾斜部材５１が提供され得る。環状ディスク５４は、ステンレス鋼、ばね鋼、または同様のもの、すなわち、冷間圧延鋼板、冷間圧延ステンレス鋼シート、冷間圧延ばね鋼シートなどの鋼から作られ得る。下部傾斜部材５１の本体は、環状ディスク５４のみで構成され得る。

開示された実施形態では、環状ディスク５４のパックは、環状ディスク５４のそれぞれを通って延在する８つの等間隔のアパーチャを備えている。それぞれのスリーブ要素５７が、アパーチャのそれぞれに設けられている。スリーブ要素５７は、環状ディスク５４を一緒に保持し、したがってパック下部傾斜要素５１の完全性を確保するように構成される。スリーブ要素５７のそれぞれは、図１３に見られるように貫通孔を有する。

開示された実施形態では、下部傾斜部材５１の環状ディスク５４のパックは、環状ディスク５４の周りで互いに等距離に分離された４つの主要取り付け部材５５によって下部ベアリングハウジング３０に取り付けられる（図１２を参照）。特に、下部傾斜部材５１は、下部ベアリングハウジング３０の半径方向に延在する突起３０´に取り付けられ得る（図１３を参照）。

さらに、環状ディスク５４のパックは、各々が隣接する一次取付け部材５５の対応する対の間に配置される４つの二次取付け部材５６によって固定フレーム２に取り付けられ得る（図９～図１１を参照）。

下部傾斜部材５１を取り付ける一次取り付け部材５５および二次取り付け部材５６のそれぞれは、下部傾斜部材５１の環状ディスク５４のパックを通るアパーチャのそれぞれ対応する１つのスリーブ要素５７の孔を通って延在するねじボルトを備える。

一次取り付け部材５５のねじボルトは、図１２に見られるように、環状ディスク５５のパックを通って第１の軸方向に上向きに延在し得る。二次取り付け部材５６のねじボルトは、図１０に見られるように、反対の第２の軸方向下向きに環状ディスク５４のパックを通って延在し得る。

下部ベアリングハウジング３０は、固定フレーム２に設けられた凹球面２９によって支持され、それに寄りかかる下部凸球面３９を備え得る（図２および図１２を参照）。球面２９、３９は、下側のサポート（支持）を提供し、スピンドル３のための傾斜点をモーターらし、その周りでスピンドル３が傾斜し得る。

図１５～図２０は、特に、弾性部材４０および傾斜部材４１の互いに対する位置決めを介する、上部ベアリングハウジング２０の取り付けに関してのみ第１の実施形態と異なる第２の実施形態を示す。第２の実施形態では、弾性部材４０が傾斜部材４１の半径方向内側に配置されている。第２の実施形態では、下部ベアリングハウジング３０の構成および配置は、第１の実施形態と同じである。

また、第２の実施形態では、弾性部材４０は、図１７および図１９に見られるように、環状弾性要素４２およびリング要素４３を備えるが、弾性要素４２は、リング要素４３の半径方向内側に配置されている。弾性要素４２は、上部ベアリングハウジング２０に取り付けられ、リング要素４３が傾斜部材４１に取り付けられる。

第２の実施形態では、上部傾斜部材４１の環状ディスク４４のパックは、環状ディスク４４の周りで互いに等距離に分離された４つの主要取付け部材４５によって固定フレーム２に取り付けられている（図１８～図２０参照）。特に、上部傾斜部材４１は、固定フレーム２の４つの半径方向に延在する突起２´に取り付けられ得る（図１９および図２０を参照）。

さらに、上部傾斜部材４１の環状ディスク４４のパックは、隣接する一次取り付け部材４５のそれぞれに対応する対の間にそれぞれ配置された４つの二次取り付け部材４６によって、弾性部材４０のリング要素４３に取り付けられ得る（図１５～図１７を参照）。特に、上部傾斜部材４１は、リング要素４３の４つの半径方向に延在する突起４３´に取り付けられ得る（図１６および図１７を参照）。

図２１および図２２はさらに、本発明によるベアリング部材に使用され得る傾斜部材４１を示す。本明細書で論じられている傾斜部材４１は、遠心分離機のベアリングハウジングを支持するのに有用であるだけでなく、他の装置にも使用され得ることを理解されたい。図２１および図２２は、環状ディスク４４のパックの形態の傾斜部材４１を示す。傾斜部材４１は、ベアリングハウジング２０を固定機械要素７１に取り付けるために配置されている。これにより、ベアリングハウジング２０がその中心軸（Ｘ）、すなわちベアリングハウジング内に配置された実際のベアリングの回転軸に対して傾斜することが可能になる。傾斜部材４１は、貫通孔６２を形成する環状ディスク４４のパックを備えている。したがって、この貫通孔６２は、ベアリングハウジング２０またはベアリングハウジング２０の一部を受容するためのものである。

図２２は、傾斜部材４１の一部および環状ディスク４４のパックの拡大図を示す。環状ディスク４４ａは、コーナー６０によって連結されて閉じた多角形を形成する複数の直線部分６１を備えている。図２１および図２２に示された実施形態では、環状ディスク４４のパックは八角形を形成する。さらに、環状ディスク４４のそれぞれは、ディスク４４ａのそれぞれを通って延在する複数のアパーチャを備えている。アパーチャは、環状ディスク４４のコーナー６０に配置され得る。傾斜要素４１は、環状ディスク４４をスタックとして一緒に保持するためにそれぞれのアパーチャに設けられたスリーブ要素４７をさらに備えている。さらに、スリーブ要素４７は、ねじ部材などの固定手段６４を受容するための貫通開口部４７ａを有する。締結手段６４は、傾斜部材４１をベアリングハウジング２０または固定機械要素７１に取り付けるために使用される。スリーブ要素のいくつかは、傾斜部材をベアリングハウジング２０に取り付けるために使用され、一方、他のスリーブ要素は、傾斜部材を固定機械要素７１に取り付けるために使用され得る。スリーブ要素４７は、環状ディスク４４のパックの上面に、外側に延在するフランジと、環状ディスク４７のパックの反対側にワッシャ６３とを有し得る。

一例として、直線部分は、環状ディスクによって形成される貫通孔６２よりも小さい幅を有し得る。一例として、貫通孔６２の直径は、ディスク４４の直線部分６１の幅よりも少なくとも５倍、例えば少なくとも１０倍、大きくてもよい。

環状ディスク４４のパックは、この実施形態では、８つを超える環状ディスクを含む。環状ディスクは、厚さ約０．５ｍｍのスチール薄板の形態をしている。

図２３は、ベアリングハウジング２０を備えたベアリング部材６５を概略的に示す。したがって、ベアリングハウジング２０は、ベアリング３２のための保持部である。この実施形態では、ベアリングハウジングは、単一のベアリング３２を備えているが、ベアリングハウジングは、２つ以上のベアリング３２も保持し得る。したがって、ベアリング３２は、ベアリングハウジング２０に挿入され、ベアリング３２を通って延在する回転可能軸を受容して支持し得るように、その中央貫通孔を有し得る。上述した図２１および図２２に関して論じた傾斜部材等の傾斜部材４１は、ベアリングハウジング２０の上部の周りに配置される。さらに、スリーブ要素４７のすべてではないが一部を通って延在するねじなどの締結要素６４がある。これらの締結要素６４は、傾斜部材４１をベアリングハウジング２０に取り付けるために使用される。傾斜部材をベアリングハウジング２０に取り付ける締結要素６４がないスリーブ要素４７は、ベアリング部材６５全体を固定機械要素７１に取り付けるために使用され得る。本明細書で上述したように、傾斜部材４１の設計により、回転可能軸７２を支持するために自動調心ローラベアリング以外のベアリングを使用することが可能になる。したがって、本開示の傾斜部材４１は、例えば、回転軸の回転運動中のような使用中に、回転軸の位置合わせのいくらかの変化が許容される。これは、自動調心ベアリングの代わりに、円筒ローラベアリングまたは平面ローラベアリングなどの滑りローラベアリングを使用できるため、有利である。

図２４は、ベアリング部材６５および傾斜部材４１を備える本発明の装置７０を概略的に示している。装置７０は、固定機械要素７１と、回転軸（Ｘ）の周りを回転可能な回転シャフト７２とを備えている。回転可能軸７２は、少なくとも１つのベアリング部材６５によって固定機械要素７１によって支持される。図２４では、回転可能軸７２は、上述した図２３に関して論じた２つのベアリング部材６５などの２つのベアリング部材６５によって支持される。ベアリング部材６５はまた、ベアリングハウジング２０の一方または両方の下にばね要素（図示せず）で取り付けられ得る。このようにして、装置のベアリング部材２０は、軸方向の力によりよく耐えることができる。ベアリング部材４７の傾斜部材４１は、ベアリングハウジング２０および固定機械要素７１の両方に取り付けられている。例として、傾斜部材４１は、１つおきのスリーブ要素に配置された締結部材６４を介してベアリングハウジング２０に取り付けられ、残りのスリーブ要素４７に配置された締結部材６４を介して固定機械要素７１に取り付けられ得る。図２２では、回転軸は垂直である。しかしながら、回転軸は水平軸でもよい。装置７０は、回転可能軸を有する任意の種類の装置であり得る。一例として、装置７０は、回転可能軸の回転軸の配列を変更するために回転運動を可能にしなければならない任意の種類の装置であり得る。

本発明は、開示された実施形態に限定されず、特許請求の範囲内において変更および修正され得る。

１ 遠心分離機
２ 固定フレーム
２´ 、３０´ 、４３´ 突起
３ スピンドル、主軸
４ 駆動ユニット
５ 回転部材
６ ステータ
７ モーター回転子
８ 遠心分離機回転子
９ 分離空間
１０ 分離ディスク
１１ 入口
１２ 第１の出口
１３ 第２の出口
２０ 上部ベアリングハウジング
２２、３２ 第１のベアリング
２３、３３ 第２のベアリング
２４、３４ 外側ベアリングリング
２５、３５ 内側ベアリングリング
２６、３６ ローラ要素
２７ ばね要素
２９ 凹球面
３０ 下部ベアリングハウジング
３９ 凸球面
４０ 弾性部材
４１ 上部傾斜部材
４２ 環状弾性要素
４３ リング要素
４４、５４ 環状ディスク
４５ 一次取り付け部材
４６、５６ 二次取り付け部材
４７、５７ スリーブ要素
５１ 下部傾斜部材
５５ 一次取り付け部材、主要取り付け部材
６０ コーナー
６１ 直線部分
６２ 貫通孔
６３ ワッシャ
６４ 締結手段
６５ ベアリング部材
７０ 装置
７１ 固定機械要素
７２ 回転可能軸

Claims (13)

1. 回転軸を支持するベアリング部材（６５）であって、
   ベアリングハウジング（２０）と、
   前記ベアリングハウジング（２０）に挿入された少なくとも１つのベアリング（３２）であって、ベアリング（３２）が、ベアリングを貫通して延びる回転可能軸（７２）を受容するように構成されている、少なくとも１つのベアリング（３２）と、
   前記ベアリングハウジング（２０）の周りに配置された傾斜部材（４１）であって、傾斜部材（４１）は、前記ベアリングハウジング（２０）を受容するための貫通孔（６２）を形成する環状ディスク（４４）のパックを含み、前記環状ディスク（４４）のそれぞれは、それぞれのディスクを通って延在する複数のアパーチャを含み、傾斜部材（４１）は、前記環状ディスク（４４）をスタックとして一緒に保持するためにアパーチャのそれぞれに設けられたスリーブ要素（４７）であって、傾斜部材（４１）を前記ベアリングハウジング（２０）または固定機械要素（７１）に取り付けるための締結手段を受容するように配置されているスリーブ要素（４７）をさらに備えている、傾斜部材（４１）と、
   を含んでなり、
   当該ベアリング部材（６５）は、
   前記傾斜部材（４１）のスリーブ（４７）を通って延在する、少なくとも１つの締結要素（６４）であって、前記傾斜部材（４１）を前記ベアリングハウジング（２０）に取り付ける、少なくとも１つの締結要素（６４）をさらに備えていることを特徴とする、ベアリング部材（６５）。
2. 前記環状ディスク（４４）のパックが、少なくとも８つの環状ディスクなど、少なくとも４つの環状ディスクを備えている、請求項１に記載のベアリング部材（６５）。
3. 前記環状ディスク（４４）が、鋼薄板などの金属薄板である、請求項１または２に記載のベアリング部材（６５）。
4. 前記パックの前記環状ディスク（４４）が、複数のコーナー（６０）を有する閉じた多角形の形態を有し、前記アパーチャは前記コーナーに配置されている（６０）、請求項１～３のいずれか一項に記載のベアリング部材（６５）。
5. 前記環状ディスク（４４）が八角形の形状を有している、請求項４に記載のベアリング部材（６５）。
6. 前記環状ディスク（４４）が、冷間圧延鋼などの冷間圧延された金属薄板から作られている、請求項１～５のいずれか一項に記載のベアリング部材（６５）。
7. 前記環状ディスクのパック内における個々の環状ディスクの厚さが１ｍｍ未満である、請求項１～６のいずれか一項に記載のベアリング部材（６５）。
8. 前記少なくとも１つの締結要素（６４）が、前記傾斜部材（４１）の１つおきのアパーチャにおいて、前記傾斜部材（４１）を前記ベアリングハウジング（２０）に取り付けている、請求項１～７のいずれか一項に記載のベアリング部材（６５）。
9. 前記ベアリング（３２）が、自動調心ローラベアリング（スフェリカルローラベアリング）以外のローラベアリングである、請求項１から８のいずれかに記載のベアリング部材（６５）。
10. 固定機械要素（７１）と、
    請求項１～９のいずれか一項に記載の少なくとも１つのベアリング部材（６５）によって支持される回転可能軸（７２）と、
    を含んでなる装置（７０）であって、前記ベアリング部材（６５）のベアリングハウジング（２０）が、前記傾斜部材（４１）を介して前記固定機械要素（７１）にさらに取り付けられていることを特徴とする、装置（７０）。
11. 前記傾斜部材（４１）の１つおきのアパーチャにおいて、前記傾斜部材（４１）を前記ベアリングハウジング（２０）に取り付ける少なくとも１つの締結要素（６４）であって、前記傾斜部材（４１）の１つおきのアパーチャにおいて、前記傾斜部材（４１）を前記固定機械要素（７１）に取り付ける少なくとも１つの締結要素（６４）をさらに備えている、請求項１０に記載の装置。
12. 前記回転可能軸（７２）が垂直な軸である、請求項１０または１１に記載の装置（７０）。
13. 前記回転可能軸（７２）が水平な軸である、請求項１０または１１に記載の装置（７０）。

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